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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】改善されたゲーム制御
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/55 20140101AFI20240829BHJP
   A63F 13/2145 20140101ALI20240829BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20240829BHJP
   A63F 13/56 20140101ALI20240829BHJP
   A63F 13/426 20140101ALI20240829BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/2145
A63F13/53
A63F13/56
A63F13/426
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024508670
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 FI2022050494
(87)【国際公開番号】W WO2023031504
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】17/464,878
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513136528
【氏名又は名称】スーパーセル オーワイ
【氏名又は名称原語表記】Supercell Oy
【住所又は居所原語表記】Jatkasaarenlaituri 1 FI-00180 HELSINKI Finland
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】フランザス ヨン
(72)【発明者】
【氏名】タハコカッリオ トウコ
(72)【発明者】
【氏名】コラロス ヨーナス
(72)【発明者】
【氏名】コランダー パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ラーティカイネン ラウリ
(72)【発明者】
【氏名】カスターノ セルジョ
(57)【要約】
ゲーム制御のための装置(100)及び方法が開示される。グラフィカルユーザインタフェース(202、302)が生成され、表示画面(102)に表示される。グラフィカルユーザインタフェースは、ユーザ制御可能オブジェクト(204、304a、304b)及びターゲットオブジェクト(206、306a、306b)を提示する。ユーザは、ユーザ制御可能オブジェクトの動きを制御するためのユーザ入力を提供できるようにされる。1つのユーザ制御可能オブジェクトの周囲に所定の領域(208、308)が特定され、ターゲットオブジェクトがグラフィカルユーザインタフェース内の所定領域内にあるか否かが検出され、所定の領域内にあることが検出された場合、ユーザ制御可能オブジェクトからターゲットオブジェクトに対してアクション(212、314a、314b)が実行される。
【選択図】図2C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラフィカルユーザインタフェースを通じてゲームを制御するための装置であって、表示画面及びプロセッサを備え、前記プロセッサが、
・ 少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクト及び少なくとも1つのターゲットオブジェクトを提示する前記グラフィカルユーザインタフェースを前記表示画面に生成することと;
・ 前記グラフィカルユーザインタフェース内の前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの動きを制御するためのユーザ入力を、ユーザが提供できるようにすることと;
・ 前記グラフィカルユーザインタフェース内で、前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの周囲の所定の領域を特定することと;
・ 前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトが、前記グラフィカルユーザインタフェースの前記所定の領域内にあるか否かを検出することと;
・ 前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトが前記所定の領域内にあることが検出された場合、前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトから前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトに対してアクションを実行することと;
を遂行するように構成される、装置。
【請求項2】
前記ユーザ制御可能オブジェクトの数は複数であり、前記プロセッサは、ユーザが、ユーザ入力に基づいて、前記グラフィカルユーザインタフェース内の複数の前記ユーザ制御可能オブジェクトの動きを同期して制御できるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ユーザ制御可能オブジェクトの数は複数であり、前記プロセッサは、前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトが前記所定の領域内にあることを検出すると、複数の前記ユーザ制御可能オブジェクトのうちの第1のユーザ制御可能オブジェクト及び第2のユーザ制御可能オブジェクトから、前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトに対して、それぞれ第1のアクション及び第2のアクションを実行するように構成される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記グラフィカルユーザインタフェース上に、前記所定の領域の境界を表す境界インジケータを提示するように構成される、請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記グラフィカルユーザインタフェースは制御オブジェクトを提示し、前記プロセッサは、
・ ユーザが前記制御オブジェクトを通じてユーザ入力を提供できるようにすることと;
・ 前記グラフィカルユーザインタフェースに前記境界インジケータが表示されている間に、前記制御オブジェクトが前記所定の領域内に位置しているかどうかを検出することと;
・ 前記グラフィカルユーザインタフェースに前記境界インジケータが表示されている間に前記制御オブジェクトが前記所定の領域内に位置していることが検出された場合、前記制御オブジェクトを前記所定の領域の外に再配置することと;
を遂行するように構成される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、ユーザがユーザ入力を提供している間だけ前記境界インジケータを提示するように構成される、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
前記グラフィカルユーザインタフェースが制御オブジェクトを提示し、前記プロセッサは、
・ ユーザが前記制御オブジェクトを通じてユーザ入力を提供できるようにすることと;
・ ユーザが前記グラフィカルユーザインタフェース内で前記制御オブジェクトの位置を変更できるようにすることと;
を遂行するように構成される、請求項1から6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記所定の領域は二次元形状であり、前記二次元形状の中心は前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの現在位置であり、前記中心と前記二次元形状の境界との間の距離は、前記グラフィカルユーザインタフェースの対向する辺の間の距離の10%から90%の間にある、請求項1から7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記所定の領域は二次元形状であり、前記二次元形状の中心は前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの現在位置であり、前記中心と前記二次元形状の境界との間の距離は、前記グラフィカルユーザインタフェースの対向する辺の間の距離の20%から80%の間にある、請求項1から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記プロセッサは少なくとも1つの方向インジケータを提示するように構成され、
前記方向インジケータは、前記グラフィカルユーザインタフェースに現在表示されていない少なくとも1つの追加のターゲットオブジェクトを見つけるために、前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトを移動させることができる方向を表す、
請求項1から9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
グラフィカルユーザインタフェースを通じてゲームを制御する方法であって、コンピュータにより実装される方法において、前記方法は、
・ 少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクト及び少なくとも1つのターゲットオブジェクトを提示するグラフィカルユーザインタフェースを表示画面に生成し表示することと;
・ 前記グラフィカルユーザインタフェース内の前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの動きを制御するためのユーザ入力を、ユーザが提供できるようにすることと;
・ 前記グラフィカルユーザインタフェース内で、前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの周囲の所定の領域を特定することと;
・ 前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトが、前記グラフィカルユーザインタフェースの前記所定の領域内にあるか否かを検出することと;
・ 前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトが前記所定の領域内にあることが検出された場合、前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトから前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトに対してアクションを実行することと;
を含む、方法。
【請求項12】
前記ユーザ制御可能オブジェクトの数は複数であり、前記方法は、ユーザが、ユーザ入力に基づいて、前記グラフィカルユーザインタフェース内の複数の前記ユーザ制御可能オブジェクトの動きを同期した形で制御することを可能にすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザ制御可能オブジェクトの数は複数であり、前記方法は、前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトが前記所定の領域内にあることを検出すると、複数の前記ユーザ制御可能オブジェクトのうちの第1のユーザ制御可能オブジェクト及び第2のユーザ制御可能オブジェクトから、前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトに対して、それぞれ第1のアクション及び第2のアクションを実行することを含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記グラフィカルユーザインタフェースに、前記所定の領域の境界を表す境界インジケータを提示することを含む、請求項11から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記グラフィカルユーザインタフェースは制御オブジェクトを提示し、前記方法は更に、
・ ユーザが前記制御オブジェクトを通じてユーザ入力を提供できるようにすることと;
・ 前記グラフィカルユーザインタフェースに前記境界インジケータが表示されている間に、前記制御オブジェクトが前記所定の領域内に位置しているか否かを検出することと;
・ 前記グラフィカルユーザインタフェースに前記境界インジケータが表示されている間に、前記制御オブジェクトが前記所定の領域内に位置していることが検出された場合、前記制御オブジェクトを前記所定の領域の外に再配置することと;
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ユーザがユーザ入力を提供している間だけ前記境界インジケータを提示することを含む、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記グラフィカルユーザインタフェースは制御オブジェクトを提示し、前記方法は更に、
・ ユーザが前記制御オブジェクトを通じてユーザ入力を提供できるようにすることと;
・ ユーザが前記グラフィカルユーザインタフェース内で前記制御オブジェクトの位置を変更できるようにすることと;
を含む、請求項11から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記所定の領域は二次元形状であり、前記二次元形状の中心は前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの現在位置であり、前記中心と前記二次元形状の境界との間の距離は、前記グラフィカルユーザインタフェースの対向する辺の間の距離の10%から90%の間にある、請求項11から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの方向インジケータを提示することを含み、
前記方向インジケータは、前記グラフィカルユーザインタフェースに現在表示されていない少なくとも1つの追加のターゲットオブジェクトを見つけるために、前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトを移動させることができる方向を表す、
請求項11から19のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
請求項11から19のいずれかに記載の方法を実行するための処理ハードウェアを備えるコンピュータ装置によって実行可能なコンピュータ可読命令が記憶された不揮発性コンピュータ可読記憶媒体を有する、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願に開示される事項(以下、本開示という)は、グラフィカルユーザインタフェースを介してゲームを制御するための装置に関する。また本開示は、グラフィカルユーザインタフェースを介したゲーム制御のための方法に関する。更に本開示は、上記方法を実行する処理ハードウェアを備えるコンピューティングデバイスによって実行可能なコンピュータ可読命令を記憶する不揮発性コンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータプログラム製品にも関する。
【背景】
【0002】
ビデオゲームは、21世紀において人気のあるエンターテインメントの一形態となった。過去数十年間、ビデオゲームは驚異的な進化を遂げてきた。この期間、ビデオゲーム分野における技術開発の限界は常に押し広げられ、高度にインタラクティブなビデオゲームを生み出し、ユーザに洗練されたゲームプレイを提供しようと試みられてきた。
【0003】
最新のビデオゲームを開発する際、ゲーム開発者はしばしば大きな課題に直面する。最新のビデオゲームの重要な要件は、ユーザが最小限の労力でビデオゲームの様々な要素とやりとり(インタラクション)できるようにすることである。このようなインタラクティブなゲームは、ゲームが表示されるディスプレイの画面サイズを念頭に置いて開発されなければならない。現在、人気のあるビデオゲームのほとんどは、ゲーム機、パソコン、スマートフォン、タブレットなどでプレイできる。これらのデバイスの画面の大きさは互いに大幅に異なっている。特に、スマートフォンやタブレットのディスプレイ画面は、サイズが著しく小さい。そのため、スマートフォン(又はタブレット)のディスプレイ画面上にグラフィカルユーザインタフェースを表示しつつ、ユーザがユーザ入力を行うための適切かつ容易なメカニズムを確保することが課題となっている。
【0004】
更に、現代のビデオゲームの多くは、ユーザによって実行される多くの複雑なアクションを必要とすることが多く、その結果、ゲーム制御ロジックの複雑さが増大している。そのため、このようなゲームのユーザインタフェースは、ユーザにとって非常に複雑で使いにくくなり、不快で疲れるユーザ体験につながっている。
【0005】
ビデオゲームの開発におけるもう1つの課題は、装置の表示画面の操作性を向上させ、マンマシンインタフェースを効率的かつ使いやすくすることに関するものである。上記の観点から、所定のユーザ入力を実行するために必要なインタラクションの数を減らし、ユーザが必要とする精神的及び肉体的な労力を低減することが望ましい。
【0006】
これらの事情を鑑みると、現代のビデオゲームに関連する前述の課題を克服する必要性が存在する。
【摘要】
【0007】
本開示は、グラフィカルユーザインタフェースを通じたゲーム制御のための装置に関する。本開示はまた、グラフィカルユーザインタフェースを通じたゲーム制御のための方法にも関する。本開示は更に、上記方法を実行するための処理ハードウェアを備えるコンピュータ装置によって実行可能なコンピュータ可読命令が記憶された不揮発性のコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータプログラム製品にも関する。そして本開示は、ゲーム制御の既存の問題に対する解決策を提供しようとするものである。
【0008】
第1の捉え方によれば、本開示の一実施形態は、グラフィカルユーザインタフェースを通じたゲーム制御のための装置を提供する。この装置は表示画面とプロセッサとを備え、前記プロセッサは、
・ 少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクト及び少なくとも1つのターゲットオブジェクトを提示する前記グラフィカルユーザインタフェースを前記表示画面に生成することと;
・ 前記グラフィカルユーザインタフェース内の前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの動きを制御するためのユーザ入力を、ユーザが提供できるようにすることと;
・ 前記グラフィカルユーザインタフェース内で、前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの周囲の所定の領域を特定することと;
・ 前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトが、前記グラフィカルユーザインタフェースの前記所定の領域内にあるか否かを検出することと;
・ 前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトが前記所定の領域内にあることが検出された場合、前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトから前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトに対してアクションを実行することと;
を遂行するように構成される。
【0009】
第2の捉え方によれば、本開示の一実施形態は、グラフィカルユーザインタフェースを通じたゲーム制御のための方法であって、コンピュータにより実装される方法を提供する。この方法は、
・ 少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクト及び少なくとも1つのターゲットオブジェクトを提示するグラフィカルユーザインタフェースを表示画面に生成し表示することと;
・ 前記グラフィカルユーザインタフェース内の前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの動きを制御するためのユーザ入力を、ユーザが提供できるようにすることと;
・ 前記グラフィカルユーザインタフェース内で、前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの周囲の所定の領域を特定することと;
・ 前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトが、前記グラフィカルユーザインタフェースの前記所定の領域内にあるか否かを検出することと;
・ 前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトが前記所定の領域内にあることが検出された場合、前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトから前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトに対してアクションを実行することと;
を含む。
【0010】
第3の捉え方によれば、本開示の一実施形態は、上記方法を実行するための処理ハードウェアを備えるコンピュータ装置によって実行可能なコンピュータ可読命令が記憶された不揮発性のコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータプログラム製品を提供する。
【0011】
本開示の実施形態は、従来技術における前述の問題を実質的に排除するか、又は少なくとも部分的に対処し、グラフィカルユーザインタフェースとのユーザのやりとり(インタラクション)を簡素化し、グラフィカルユーザインタフェースとやりとりするときにユーザが実行する必要のあるアクションの数を低減するという利点を提供する。一方で、グラフィカルユーザインタフェースの高度な制御を可能にし、ユーザとグラフィカルユーザインタフェースとの間の改善されたマンマシンインタラクション(man-machine interaction)をもたらす。
【0012】
本願に開示されるものの更なる側面や利点、特徴及び目的は、添付の特許請求の範囲と共に解釈される、添付図面及び例示的実施形態の詳細説明によって明らかにされよう。
【0013】
本開示の特徴は、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、様々な組み合わせで組み合わせることが可能であることも理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
上記の摘要、及び例示的な実施形態に関する以下の詳細説明は、添付の図面と併せて読むとより良く理解される。本開示を説明する目的で、本開示の例示的構成を図面に示す。ただし本開示は、本明細書に開示される特定の方法及び装置に限定されるものではない。また、図面の縮尺は正しいものではない。同様の要素は可能な限り同一の番号で示されている。
以下、本開示の実施形態を、例として次の図面を参照しながら説明する。
図1】本開示の一実施形態による、グラフィカルユーザインタフェースを通じてゲームを制御するための装置のアーキテクチャを示すブロック図である。
図2図2A-2Dは、本開示の一実施形態による、グラフィカルユーザインタフェースの例示的なビューのセットを示している。
図3図3A-3Cは、本開示の一実施形態による、グラフィカルユーザインタフェースの例示的なビューの別のセットを示している。
図4】本開示の一実施形態による、グラフィカルユーザインタフェースを通じてゲームを制御する方法のステップを描いている。 添付の図面において、下線付きの番号は、その番号が位置している場所のアイテム又はその番号に隣接するアイテムを表わすために使用される。下線無しの番号は、当該番号から延びる線によって特定されるアイテムに関連付けられる。番号に下線が無く矢印を伴って書かれている場合、その番号は矢印が示す汎用アイテムを特定するために使用される。
【実装形態の詳細説明】
【0015】
以下の詳細説明は、本開示の実施形態及びそれらが実施され得る方法を例示する。本開示を実施するための形態をいくつか開示したが、当業者であれば、本開示を実施するための他の形態も実現可能であることを認識するであろう。
【0016】
第1の捉え方によれば、本開示の一実施形態は、グラフィカルユーザインタフェースを通じたゲーム制御のための装置を提供する。この装置は、
表示画面と;
プロセッサと;
を備え、前記プロセッサは、
・ 少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクト及び少なくとも1つのターゲットオブジェクトを提示する前記グラフィカルユーザインタフェースを前記表示画面に生成することと;
・ 前記グラフィカルユーザインタフェース内の前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの動きを制御するためのユーザ入力を、ユーザが提供できるようにすることと;
・ 前記グラフィカルユーザインタフェース内で、前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの周囲の所定の領域を特定することと;
・ 前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトが、前記グラフィカルユーザインタフェースの前記所定の領域内にあるか否かを検出することと;
・ 前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトが前記所定の領域内にあることが検出された場合、前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトから前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトに対してアクションを実行することと;
を遂行するように構成される。
【0017】
第2の捉え方によれば、本開示の一実施形態は、グラフィカルユーザインタフェースを通じたゲーム制御のための方法であって、コンピュータにより実装される方法を提供する。この方法は、
・ 少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクト及び少なくとも1つのターゲットオブジェクトを提示するグラフィカルユーザインタフェースを表示画面に生成し表示することと;
・ 前記グラフィカルユーザインタフェース内の前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの動きを制御するためのユーザ入力を、ユーザが提供できるようにすることと;
・ 前記グラフィカルユーザインタフェース内で、前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの周囲の所定の領域を特定することと;
・ 前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトが、前記グラフィカルユーザインタフェースの前記所定の領域内にあるか否かを検出することと;
・ 前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトが前記所定の領域内にあることが検出された場合、前記少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトから前記少なくとも1つのターゲットオブジェクトに対してアクションを実行することと;
を含む。
【0018】
第3の捉え方によれば、本開示の一実施形態は、上記方法を実行するための処理ハードウェアを備えるコンピュータ装置によって実行可能なコンピュータ可読命令が記憶された不揮発性のコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータプログラム製品を提供する。
【0019】
本開示の実施形態は、前述の装置及び方法を提供する。本開示の実施形態に従うと、少なくとも1つのターゲットオブジェクトが所定の領域内にあることが検出されると、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトは、少なくとも1つのターゲットオブジェクトに対してアクションを実行する。アクションは、ユーザからの追加の入力を必要とすることなく(即ち、グラフィカルユーザインタフェース内で少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの動きを制御するためにユーザによって提供されるユーザ入力とは別に)実行される。従って、本装置は、ユーザがグラフィカルユーザインタフェースと簡単かつ便利な方法でやりとりできるようにすることにより、ユーザにとって改良されたゲーム制御を可能にする。グラフィカルユーザインタフェースとやりとりする際にユーザが提供する必要のある入力の数を減らすことにより、ユーザのやりとりが簡素化される。これにより、グラフィカルユーザインタフェースへの非常に効率的で疲労の少ないユーザ入力が可能になる。またこの結果、ユーザとグラフィカルユーザインタフェース間のマンマシンインタラクションが改善される。
【0020】
前述のグラフィカルユーザインタフェースは、ゲームに関係する。実装形態によっては、ゲームは、少なくとも1つのターゲットオブジェクトがコンピュータ制御される、シングルプレイヤーゲームとすることができる。実装形態によっては、ゲームは、少なくとも1つのターゲットオブジェクトが他のプレーヤ(即ちユーザ以外のプレーヤ)によって制御される、マルチプレーヤゲームとすることができる。実装形態によっては、2人以上のプレーヤが、他のプレーヤによって制御されるターゲットオブジェクトを倒すことを目的として、一緒にチームを形成することができる。
【0021】
本開示を通じて、「ユーザ制御可能オブジェクト」という用語は、表示画面上のグラフィカルユーザインタフェースを通じて提示されるグラフィカルオブジェクトであって、ユーザが制御可能なグラフィカルオブジェクトを指す。少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトは、ゲーム内のゲームキャラクタ又は複数のゲームキャラクタを含む。
【0022】
本開示全体を通じて、「ターゲットオブジェクト」という用語は、表示画面上のグラフィカルユーザインタフェースを通じて提示されるグラフィカルオブジェクトであって、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトが相互作用し得るグラフィカルオブジェクトを指す。少なくとも1つのターゲットオブジェクトは、ゲーム内のゲームキャラクタ又は複数のゲームキャラクタを含んでもよい。また、少なくとも1つのターゲットオブジェクトは、例えば建物、タンカー、農作物などのような、ゲーム内の無生物オブジェクト又は複数の無生物オブジェクトを含んでもよい。
【0023】
実施形態によっては、プロセッサは、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトのタイプと少なくとも1つのターゲットオブジェクトのタイプのうちの少なくとも1つに基づいて、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトから少なくとも1つのターゲットオブジェクトに対して実行されるアクションを選択するように構成される。少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトのタイプは、ゲームにおける少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの役割及び能力に関連付けられる。同様に、少なくとも1つのターゲットオブジェクトのタイプは、ゲームにおける少なくとも1つのターゲットオブジェクトの役割及び能力に関連付けられる。一例として、ゲームが格闘ゲームである場合、アクションは、例えば、打撃、レスリング、射撃などである。
【0024】
実施形態によっては、グラフィカルユーザインタフェースは、ブーストオプションを提示する。この点に関して、実施形態によっては、プロセッサは、ユーザがブーストオプションを使用して、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトによって実行されるアクションを強めることできるように構成される。
【0025】
ある実装形態では、表示画面はタッチ操作を検出することができ、タッチジェスチャを通じて、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの動きを制御するためのユーザ入力をユーザが提供することを可能にする。別の実装形態では、ユーザ入力は、マウス、タッチパッド、ポインティングスティック、ジョイスティックのうちの少なくとも1つを使用して提供される。
【0026】
少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの動きは、以下の方法で制御することができる。
・ グラフィカルユーザインタフェースに表示される背景シーンを静止させたまま、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトを移動させる第1の方法。
・ 少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトを静止させる一方、グラフィカルユーザインタフェースによって提示されている現在のビューを超えたところにある別の関心領域を明らかにするように背景シーンを変更する第2の方法。
・ これらの組み合わせ。
【0027】
少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの移動は、グラフィカルユーザインタフェース内における当該オブジェクトの位置の変化を引き起こす。上記所定の領域は、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの現在の位置によって変化することが理解されよう。
【0028】
実施形態によっては、所定の領域は二次元形状であり、二次元形状の中心は、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの現在位置である。二次元形状の例としては、円、楕円、三角形、四角形、五角形、その他の多角形が挙げられるが、これらに限定されない。実施形態によっては、二次元形状の中心と境界の間の距離は、グラフィカルユーザインタフェースの対向する辺の間の距離の10%から90%の間にある。距離は、距離の単位(cm、インチなど)又はピクセル単位で測られてもよい。一例として、グラフィカルユーザインタフェースの対向する辺の間の距離が20cmであった場合、二次元形状の中心と境界との間の距離は2cmから18cmの間にある。別の例として、グラフィカルユーザインタフェースの対向する辺の間の距離が1920ピクセルだった場合、二次元形状の中心と境界との間の距離は192ピクセルと1728ピクセルの間にある。実施形態によっては、二次元形状の中心と境界との間の距離は、グラフィカルユーザインタフェースの対向する辺の間の距離の20%と80%の間にある。
【0029】
実施形態によっては、プロセッサは、グラフィカルユーザインタフェース上に、所定の領域の境界を表す境界インジケータを提示するように構成される。この境界インジケータは、ユーザに視覚的な参考情報を提供する。境界インジケータは、所定の領域を、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトが所定のターゲットオブジェクトに対してアクションを実行できる領域として、ユーザに示す。境界インジケータが提示される実装形態では、境界インジケータは半透明にされてもよい。これにより、グラフィカルユーザインタフェースに提示されるシーンの視認性が向上する。境界インジケータが提示されない実装形態によっては、前記所定の領域は半透明にされてもよい。実装形態によっては、境界インジケータと前記所定の領域の両方が提示される。
【0030】
実装形態によっては、プロセッサは、ユーザがユーザ入力を提供している間だけ境界インジケータを提示するように構成される。すなわち、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトがグラフィカルユーザインタフェース内で移動している間だけ、境界インジケータが提示される。これにより、ユーザは、グラフィカルユーザインタフェース内で、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトを移動させたい場所を選択することができる。
【0031】
実施形態によっては、グラフィカルユーザインタフェースは、制御オブジェクトを提示する。この点に関して、実施形態によっては、プロセッサは、ユーザが制御オブジェクトを通じてユーザ入力を提供することを可能にするように構成される。
【0032】
実施形態によっては、プロセッサは以下のように構成される。
・ グラフィカルユーザインタフェースに境界インジケータが表示されている間に、制御オブジェクトが所定の領域内に位置しているかどうかを検出する。
・ グラフィカルユーザインタフェースに境界インジケータが表示されている間に、制御オブジェクトが前記所定の領域内に位置していることが検出された場合、制御オブジェクトを所定の領域外に再配置する。
【0033】
これにより、グラフィカルユーザインタフェースに表示されるシーンの視認性が向上する。このような再配置は、ユーザからの追加入力を必要とせずに実行される。
【0034】
実施形態によっては、追加的又は代替的に、プロセッサは、グラフィカルユーザインタフェース内でユーザが制御オブジェクトの位置を変更できるように構成される。グラフィカルユーザインタフェース内の制御オブジェクトの位置をユーザが手動で変更できるようにすることで、ユーザにより多くの制御が提供され、それによりユーザエクスペリエンスが向上する。
【0035】
実施形態によっては、プロセッサは、少なくとも1つの方向インジケータを提示するように構成される。この方向インジケータは、グラフィカルユーザインタフェースに現在表示されていない少なくとも1つの追加のターゲットオブジェクトを見つけるために、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトを移動させることができる方向を表す。少なくとも1つの方向インジケータを提示することにより、ゲームをプレイするプロセスの効率が向上し、また、ゲームにある程度の予測可能性、洗練された面白さが加わる。少なくとも1つの方向インジケータの提示に内在する技術的貢献は、グラフィカルユーザインタフェースによって提示される現在のビューの向こうにある第2の関心領域の方向をユーザに示し、それによってユーザの注意を第2の関心領域に引きつけることに関する。少なくとも1つの方向インジケータを提示することにより、ユーザは、現在のビューに対する焦点を失うことなく、現在のビューを超えたところにある第2の領域に関連する情報を受け取ることができる。
【0036】
グラフィカルユーザインタフェース上の少なくとも1つの方向インジケータの表示方法は、継続的及び/又は誘導された人間と機械の相互作用プロセスによって、ユーザがタスクを実行するのを確実に支援する。このように、グラフィカルユーザインタフェース上の小さな領域を占めるだけの単純な方向インジケータの助けを借りて、表示機能が拡張される。
【0037】
実装形態によっては、少なくとも1つの方向インジケータは、少なくとも1つのターゲットオブジェクトに対するアクションの実行中又は実行後に強調表示又は拡大表示される。少なくとも1つの所定の方向インジケータは、それに特別な効果を加えることによって強調されてもよい。一例として、所定の方向インジケータは明るい色で示されてもよい。別の例として、所定の方向インジケータに点滅効果や光り輝く効果を加えてもよい。
【0038】
少なくとも1つの方向インジケータが強調表示又は拡大表示されるのは、技術的な目的、すなわち、少なくとも1つの方向インジケータの視認性を高めるためであり、単に見るためだけに表示されるのではなく、ユーザとグラフィカルユーザインタフェースとの間の継続的なマンマシンインタラクションを更に可能にするためであることが理解されよう。少なくとも1つの方向インジケータを強調表示又は拡大表示することで、隣接するグラフィカルオブジェクト(例えば他のプレーヤのゲームキャラクタなど)によって隠されないようにすることができる。従って、少なくとも1つの方向インジケータの視認性を高めることは、単に人間の精神的プロセス(すなわち、グラフィカルユーザインタフェースを通じて提示される情報の認知的意味を伝えること)に対処するだけでなく、グラフィカルユーザインタフェースに客観的な技術的機能を与えること(すなわち、継続的なマンマシンインタラクションを更に容易にすること)にも寄与することが理解されよう。少なくとも1つの方向インジケータは、視認性を向上させ、ユーザがより効率的にタスクを実行できるような方法で提示される。
【0039】
ある実装形態では、少なくとも1つの方向インジケータは、境界インジケータの周辺に沿って表示される。別の実装形態では、少なくとも1つの方向インジケータは、グラフィカルユーザインタフェースの周辺に沿って表示される。このような実装形態では、少なくとも1つの方向インジケータは、隣接するグラフィカルオブジェクト(例えば他のプレーヤのゲームキャラクタなど)によって隠されない。これにより、グラフィカルユーザインタフェースの使い勝手が向上するという技術的効果が得られる。
【0040】
実施形態によっては、ユーザ制御可能オブジェクトの数は複数である。実施形態によっては、プロセッサは、ユーザが、ユーザ入力に基づいて、グラフィカルユーザインタフェース内の複数のユーザ制御可能オブジェクトの動きを同期して制御できるように構成される。これにより、ユーザは、単一のユーザ入力に基づいて、複数のユーザ制御可能オブジェクトを同時に制御することができる。これにより、ユーザの入力が大幅に簡素化される。
【0041】
説明の便宜上、複数のユーザ制御可能オブジェクトが、第1のユーザ制御可能オブジェクトと第2のユーザ制御可能オブジェクトとを含み、これらの動きを同期して制御可能である例を検討する。そのような実施例の1つが、図3A及び図3Bを用いて示されている。「同期した」とは、複数のユーザ制御可能オブジェクトが、ユーザ入力に従って、同じ方向に同じ速度で一緒に移動することを意味する。
【0042】
更に、実施形態によっては、プロセッサは、少なくとも1つのターゲットオブジェクトが所定の領域内にあることを検出すると、複数のユーザ制御可能オブジェクトのうちの第1のユーザ制御可能オブジェクト及び第2のユーザ制御可能オブジェクトから、少なくとも1つのターゲットオブジェクトに対して、それぞれ第1のアクション及び第2のアクションを実行するように構成される。これにより、ユーザは、単一のユーザ入力に基づいて、複数のユーザ制御可能オブジェクトを通じて複数のアクションを同時に実行することを可能にされる。第1のアクションは、第2のアクションと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0043】
本開示はまた、コンピュータにより実装される方法であって、上述のような方法に関する。前述の第1の捉え方に関して上記に開示された様々な実施形態及び変形例は、この方法に準用される。
【0044】
実施形態によっては、ユーザ制御可能オブジェクトの数は複数である。そして本方法は、ユーザが、ユーザ入力に基づいて、グラフィカルユーザインタフェース内の複数のユーザ制御可能オブジェクトの動きを同期した形で制御することを可能にすることを含む。
【0045】
実施形態によっては、ユーザ制御可能オブジェクトの数は複数である。そして本方法は、少なくとも1つのターゲットオブジェクトが所定の領域内にあることを検出すると、複数のユーザ制御可能オブジェクトのうちの第1のユーザ制御可能オブジェクト及び第2のユーザ制御可能オブジェクトから、少なくとも1つのターゲットオブジェクトに対して、それぞれ第1のアクション及び第2のアクションを実行することを含む。
【0046】
実施形態によっては、本方法は、グラフィカルユーザインタフェースに、前記所定の領域の境界を表す境界インジケータを提示することを含む。
【0047】
実施形態によっては、本方法は、ユーザがユーザ入力を行っている間のみ境界インジケータを提示することを含む。
【0048】
実施形態によっては、本方法において、グラフィカルユーザインタフェースは、制御オブジェクトを提示し、本方法は、ユーザが制御オブジェクトを通じてユーザ入力を提供することを可能にすることを更に含む。
【0049】
実施形態によっては、本方法は更に以下のことを含む。
・ グラフィカルユーザインタフェース上に境界インジケータが表示されている間に、制御オブジェクトが所定の領域内に位置しているか否かを検出すること。
・ グラフィカルユーザインタフェース上に境界インジケータが表示されている間に、制御オブジェクトが所定の領域内に位置していることが検出された場合、制御オブジェクトを所定の領域外に再配置すること。
【0050】
追加的又は代替的に、本方法は、グラフィカルユーザインタフェース内でユーザが制御オブジェクトを再配置できるようにすることを更に含んでもよい。
【0051】
実施形態によっては、本方法において、上記所定の領域は二次元形状であり、二次元形状の中心は、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの現在位置であり、中心と二次元形状の境界との間の距離は、グラフィカルユーザインタフェースの対向する辺の間の距離の10%から90%の間にある。実施形態によっては、二次元形状の中心と境界との間の距離は、グラフィカルユーザインタフェースの対向する辺の間の距離の20%と80%の間にある。
【0052】
実施形態によっては、本方法は、少なくとも1つの方向インジケータを提示することを含む。この方向インジケータは、グラフィカルユーザインタフェースに現在表示されていない少なくとも1つの追加のターゲットオブジェクトを見つけるために、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトを移動させることができる方向を表す。
【0053】
[図面の詳細説明]
【0054】
図1を参照すると、本開示の一実施形態による、ゲーム制御のための装置100のアーキテクチャのブロック図が示されている。装置100は、表示画面102とプロセッサ104とを備える。プロセッサ104は、前述の第1の捉え方に関して説明したような様々なタスクを実行するように構成されている。
【0055】
図1は、明確化のために、装置100の簡略化されたアーキテクチャを示しているに過ぎず、当業者であれば、図1は、本明細書における特許請求の範囲を不当に制限するものではないことは明らかであろう。当業者は、本開示の実施形態の多くの変形例、代替例、及び修正例を認識できるであろう。
【0056】
図2A-2Dを参照すると、本開示の一実施形態による、グラフィカルユーザインタフェース202の例示的なビューのセットが示されている。これらの例示的なビューでは、ユーザ制御可能オブジェクト204として描かれる少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトと、ターゲットオブジェクト206として描かれる少なくとも1つのターゲットオブジェクトとが提示されている。
【0057】
また、ユーザ制御可能オブジェクト204の周囲に特定された所定の領域208が、グラフィカルユーザインタフェース202に提示されている。実施形態によっては、所定の領域208は円形である。(図2Aでは、例示のビューが透視図のようであるため、点線の楕円として示されている。)図2B-2Dにおいては、グラフィカルユーザインタフェース202は、所定の領域208の境界を表す境界インジケータ210を提示している。このような提示がなされるかどうかは実施形態による。図2Bでは、グラフィカルユーザインタフェース202における対向する側面211a及び211bも示されている。
【0058】
図2C-2Dに示すように、ターゲットオブジェクト206が所定の領域208内にあることが検出されると、ユーザ制御可能オブジェクト204はターゲットオブジェクト206に対してアクション212を実行する。
【0059】
実施形態によっては、図2C-2Dに描かれるように、グラフィカルユーザインタフェース202は、ユーザがユーザ入力を提供することができる制御オブジェクト214を提示する。実施形態によっては、(例えば図2Cに示すように)境界インジケータ210が提示されている間、制御オブジェクト214が所定の領域208の内側に位置していることが検出されると、制御オブジェクト214は(例えば図2Dに示すように)所定の領域208の外側に再配置される。
【0060】
また実施形態によっては、図2Dに描かれるように、グラフィカルユーザインタフェース202は、少なくとも1つの方向インジケータを提示する。これは方向インジケータ216として示されている。方向インジケータ216は、グラフィカルユーザインタフェース202に現在見えていない少なくとも1つの追加ターゲットオブジェクトを見つけるためにユーザ制御可能オブジェクト204を動かすことができる方向を表す。
【0061】
図3A-3Cを参照すると、本開示の一実施形態による、グラフィカルユーザインタフェース302の例示的なビューのセットが示されている。これらの例示的なビューでは、ユーザ制御可能オブジェクト304a及び304bとして描かれている少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトと、ターゲットオブジェクト306a及び306bとして描かれている少なくとも1つのターゲットオブジェクトとが提示されている。
【0062】
グラフィカルユーザインタフェース302には、ユーザ制御可能オブジェクト304a及び304bの周囲に特定された所定の領域308が提示されている。実施形態によっては、グラフィカルユーザインタフェース302は、所定の領域308の境界を表す境界インジケータ310を提示する。図3Aでは、グラフィカルユーザインタフェース302における対向する側面311a及び311bも示されている。
【0063】
実施形態によっては、グラフィカルユーザインタフェース302は、制御オブジェクト312を提示する。ユーザは、制御オブジェクト312を通じて、ユーザ制御可能オブジェクト304a及び304bの動きを制御するためのユーザ入力を提供することができてもよい。実施形態によっては、グラフィカルユーザインタフェース302は、ユーザが、ユーザ入力に基づいて、ユーザ制御可能オブジェクト304a及び304bが同期するような形でこれらのオブジェクトの動きを制御することを可能にする。
【0064】
図3Bを参照すると、ターゲットオブジェクト306aが所定の領域308内にあることが検出されると、ユーザ制御可能オブジェクト304a及び304bは、ターゲットオブジェクト306aに対してそれぞれ第1のアクション314a及び第2のアクション314bを実行する。
【0065】
図3Cを参照すると、ターゲットオブジェクト306a及び306bの両方が所定の領域308内にあることが検出されると、ユーザ制御可能オブジェクト304a及び304bは、ターゲットオブジェクト306a及び306bに対してそれぞれ第1のアクション314a及び第2のアクション314bを実行する。あるいは、ユーザ制御可能オブジェクト304a及び304bは、第1のアクション314a及び第2のアクション314bを一緒に実行してもよく、最初にターゲットオブジェクト306a及び306bのうちの一方に対して第1のアクション314a及び第2のアクション314bを実行し、次にターゲットオブジェクト306a及び306bのうちのもう一方に対して第1のアクション314a及び第2のアクション314bを実行してもよい。
【0066】
また実施形態によっては、図3B及び図3Cに描かれるように、グラフィカルユーザインタフェース302は、少なくとも1つの方向インジケータを提示する。これは方向インジケータ316として示されている。方向インジケータ316は、グラフィカルユーザインタフェース302に現在見えていない少なくとも1つの追加ターゲットオブジェクトを見つけるためにユーザ制御可能オブジェクト304a及び304bを動かすことができる方向を表す。
【0067】
図2A-2D及び図3A-3Cは単なる例示であり、特許請求の範囲を不当に制限すべきではない。当業者は、本開示の実施形態の多くの変形、代替、及び修正を認識するであろう。
【0068】
図4を参照すると、本開示の実施形態による、ゲーム制御のための方法のステップが示されている。ステップ402において、グラフィカルユーザインタフェースが生成され、表示画面上に表示される。このグラフィカルユーザインタフェースは、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトと少なくとも1つのターゲットオブジェクトとを提示する。ステップ404において、ユーザは、グラフィカルユーザインタフェース内の少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの動きを制御するためのユーザ入力を提供することを可能にされる。ステップ406において、グラフィカルユーザインタフェース内の少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトの周囲に所定の領域が特定される。ステップ408において、少なくとも1つのターゲットオブジェクトがグラフィカルユーザインタフェース内の所定の領域内にあるか否かが検出される。ステップ408において、少なくとも1つのターゲットオブジェクトが所定の領域内にあることが検出された場合、ステップ410が実行される。ステップ410では、少なくとも1つのユーザ制御可能オブジェクトから少なくとも1つのターゲットオブジェクトに対してアクションが実行される。その後、ステップ402で前述のステップの処理ループが再開される。ステップ408において、少なくとも1つのターゲットオブジェクトが所定の領域内にないことが検出された場合、前述のステップの処理ループがステップ402で再開される。
【0069】
上述のステップは単なる例示であって、代替的なステップも含むことができる。すなわち、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、1つ又は複数のステップを加えたり、1つ又は複数のステップを除いたり、1つ又は複数のステップを別の順序で実行したりすることができる。
【0070】
添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、前述の本開示の実施形態を変更することが可能である。本開示を説明及び請求するために使用される「含む」、「備える」、「組み込む」、「有する」、「である」などの表現は、非排他的に解釈されることを意図しており、すなわち、明示的に記載されていない項目や部品、構成要素が存在することを許容する。要素が複数であることを明示しなかったとしても、当該要素が複数存在することを妨げない。本明細書で使用される「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、順序や量、重要性を示すものではなく、ある要素を他の要素と区別するために使用されているに過ぎない。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4
【国際調査報告】