(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】皮膚処置デバイス
(51)【国際特許分類】
A45D 26/00 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
A45D26/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508935
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 EP2022072297
(87)【国際公開番号】W WO2023020882
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ケーネン マウリッツ
(57)【要約】
本開示は、除毛などの動作を行うための皮膚処置デバイス100を開示する。デバイス100は、エアロゾル生成デバイス104と、流動ストリーム生成要素105と、皮膚動作パラメータ及び皮膚処置デバイス動作パラメータを測定するように構成されている動作パラメータセンサ107とを含む。さらに、皮膚処置デバイス100は、エアロゾル生成デバイス104と流動ストリーム生成要素105と動作パラメータセンサ107とに通信可能に結合されている制御ユニット108を含む。制御ユニット108は、動作パラメータセンサ107によって測定される動作パラメータに基づいて、エアロゾル生成デバイス104及び/又は皮膚処置工具103の動作を選択的に制御するように構成されている。動作パラメータに基づいて動作を制御するこの構成は、エアロゾル生成デバイス104及び皮膚処置工具103を選択的に制御することで皮膚処置デバイスのバッテリ電力が節約されるため、皮膚処置デバイスの効率を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚処置デバイスであって、
ヘッドと、
前記ヘッド上に配設され、前記皮膚処置デバイスの長手方向軸と平行である、エアロゾル生成デバイスと、
動作パラメータセンサとを備え、
前記エアロゾル生成デバイスが、前記動作パラメータセンサによって測定された動作パラメータに基づいて、エアロゾルを生成し、前記エアロゾルを前記皮膚処置デバイスの流路を通して導流する、皮膚処置デバイス。
【請求項2】
前記流路を通して前記エアロゾルをさらに導流するための流動を生成する流動ストリーム生成要素をさらに備える、請求項1に記載の皮膚処置デバイス。
【請求項3】
前記流動ストリーム生成要素が送風装置及び吸引ファンのうちの少なくとも一方である、請求項2に記載の皮膚処置デバイス。
【請求項4】
前記流路が前記皮膚処置デバイスの皮膚処置工具内のスペースによって画定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の皮膚処置デバイス。
【請求項5】
前記流路が、前記皮膚処置デバイス内で画定された又は前記皮膚処置デバイスに結合された通路である、請求項1から4のいずれか一項に記載の皮膚処置デバイス。
【請求項6】
前記エアロゾル生成デバイスが前記皮膚処置デバイスの前記ヘッドと結合されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の皮膚処置デバイス。
【請求項7】
前記動作パラメータセンサが光学センサである、請求項1から6のいずれか一項に記載の皮膚処置デバイス。
【請求項8】
前記動作パラメータセンサが皮膚パラメータ及び皮膚処置デバイスパラメータのうちの少なくとも一方を測定する、請求項1から7のいずれか一項に記載の皮膚処置デバイス。
【請求項9】
前記皮膚パラメータが、皮膚の温度、皮膚の湿度、及び皮膚の色合いのうちの少なくとも1つである、請求項8に記載の皮膚処置デバイス。
【請求項10】
前記皮膚処置デバイスパラメータが、前記皮膚処置工具の温度、機械的力、及び変位のうちの少なくとも1つである、請求項8に記載の皮膚処置デバイス。
【請求項11】
複数の動作パラメータセンサをさらに備え、前記複数の動作パラメータセンサのそれぞれが前記皮膚処置工具の長手方向軸に対して反対側に配設されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の皮膚処置デバイス。
【請求項12】
前記エアロゾル生成デバイスが圧電デバイスである、請求項1から11のいずれか一項に記載の皮膚処置デバイス。
【請求項13】
前記動作パラメータセンサと前記エアロゾル生成デバイスとに通信可能に結合されている制御ユニットをさらに備え、前記制御ユニットが、前記動作パラメータセンサによって測定された前記動作パラメータに基づいて、前記皮膚処置デバイスの前記エアロゾル生成デバイス及び/又は前記皮膚処置工具の動作を選択的に制御する、請求項1から12のいずれか一項に記載の皮膚処置デバイス。
【請求項14】
前記制御ユニットが、前記流動ストリーム生成要素に通信可能に結合されており、前記動作パラメータセンサによって測定された皮膚の湿度に基づいて、前記エアロゾル生成デバイスから独立して前記流動ストリーム生成要素を作動させる、請求項1から13のいずれか一項に記載の皮膚処置デバイス。
【請求項15】
前記制御ユニットと通信可能に結合されているサインユニットをさらに備え、前記制御ユニットが、前記動作パラメータセンサからの信号に基づいて、前記サインユニットを通して警告信号を生成し、且つ/又は前記警告信号が、聴覚信号、視覚信号、視聴覚信号、及び触覚信号のうちの少なくとも1つである、請求項1から14のいずれか一項に記載の皮膚処置デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に対象者の皮膚に処置動作を行うためのデバイスに関し、特に皮膚処置デバイスの動作が動作パラメータに基づいて制御される皮膚処置動作に関する。
【背景技術】
【0002】
美的な又は個人的な理由から、多くの人が、人体の様々な領域から不必要な毛を除去することによって皮膚を処置することが望ましいと考えている。不必要な毛を除去するための様々な技法には、剃毛、電気分解、引き抜き、レーザー治療、及び治療的な抗アンドロゲンの注入が含まれる。通常、不必要な毛は引き抜くことによって除去され、様々なデバイスがそのような除毛技法に適合されている。しかし、そのようなデバイスは、毛の引き抜きは痛みを伴うという根本的難点を抱える。このことは、特に敏感肌表面に対する、そのようなデバイスの使用の普及を限定する。
【0003】
上述のことを考慮し、冷却機能を備えた除毛デバイスが進歩してきた。そのような除毛デバイスは、除毛の前に皮膚を冷却するように構造化されている。しかし、そのようなデバイスは皮膚を過度に冷却する傾向があり、それにより皮膚は湿り、その結果所望されない非効率的な除毛をもたらす。また、統合型冷却機構を有する典型的な皮膚処置デバイスでは、冷却行為は、連続的に又はユーザが開始することにより、そのいずれか一方によって誘発され得る。これらの選択肢は効率及び/又は効果が比較的低い。例えば、ユーザ/対象者は機械的脱毛によって生じる痛みに対して鈍麻な場合がある。この場合、連続的な又は増大された皮膚の冷却は、バッテリ電力の非効率的使用につながる。他方で、ユーザ/対象者に機能を手動制御させると、必要時に冷却が開始されず結果として痛覚軽減が低下する事例につながる。
【0004】
さらに、現在入手できる除毛デバイスは、除毛デバイスの全ての構成要素(冷却送達構成要素など)が除毛動作を通して完全に動作可能である状態で、ユーザが皮膚の領域にデバイスを配置し、ユーザ又は対象者が皮膚の一部が十分に処置されたと考えるまで皮膚の他の領域にデバイスを動かすことを必要とする。ユーザ/対象者は、デバイスを常時正しい速度で操作するわけではない。所望の速度より速く使用される場合、処置は不完全となる場合がある。遅く(例えば同じ領域を繰り返して)使用される場合、皮膚は過熱し炎症を起こす場合がある。この結果、除毛デバイスのユーザは、皮膚の広い領域にわたって効率的且つ効果的にこのようなデバイスを使用する上で困難に直面する。これらの困難は、処置されるべき皮膚の比較的広い領域と、除毛デバイスの正しい使用に関する情報の欠落と、処置の対象とされる皮膚のパラメータ及び体の特定部位に対する推奨処置時間の情報の欠落との組み合わせから生じる。これらのユーザ依存の問題は、遵守性、処置時間、及び究極的には処置の有効性に大きなばらつきを生じさせる。
【0005】
本開示は、上述された1つ若しくは複数の限定、又は当該技術分野において知られているデバイスに関連する他の任意の限定を克服することを対象とする。
【0006】
WO2016/196915A1は、細胞を含む表面へ流体を送達するためのデバイスを開示する。一実施形態において、流体送達デバイスは、筐体と、筐体内に配設され、流体を受け取って流体から液体粒子のエアロゾルミストを生産するように構成された流体気化器と、流体気化器を誘発するトリガと、流体気化器によって生産されたエアロゾルミストを加速するように構成されたポンプとを含んで提供される。
【0007】
EP2103232A1は、塗布材料50を気化する気化ユニット10を含む脱毛器を開示する。それは、塗布材料を冷却又は温め、皮膚上でのその効果を強める、冷却ユニット13又は加熱ユニット12をさらに含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
目的は、検知された動作パラメータに基づいて、処置される皮膚への冷却効果を(自動的に)制御することによって、且つ/又は皮膚処置工具の動作速度を制御することによって、皮膚への処置動作を行うための皮膚処置デバイスを提供し、ユーザが効率的且つ効果的な様式で処置動作を完了することを可能にすることである。皮膚処置デバイスの効率的動作のため、皮膚処置デバイスが、皮膚パラメータ(非限定的な例として、皮膚の温度及び湿度並びに皮膚の色合い)及び皮膚処置デバイスのパラメータ(例えば皮膚処置工具の温度)などの動作パラメータに基づいて、冷却効果及び/又は皮膚処置工具の動作速度を制御することを可能にすることが望ましい。皮膚を冷却する効果的手法はエアロゾル生成によるものである。皮膚処置デバイスに関連してペルチェ冷却などの他の方法も存在するが、これらはより高価である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つ又は複数のこれら懸念により上手く対処するために、本開示の第1の態様において、皮膚処置デバイスが提供される。皮膚処置デバイスは、エアロゾル生成デバイスと動作パラメータセンサとを含む。エアロゾル生成デバイスは、動作パラメータセンサによって測定された動作パラメータに基づいて、エアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルを皮膚処置デバイスの流路を通して導流(channelize)するように構成されている。
【0010】
実施形態において、皮膚処置デバイスは、流路を通してエアロゾルをさらに導流するために流動を生成するように構成されている流動ストリーム生成要素をさらに含む。
【0011】
実施形態において、流動ストリーム生成要素は送風装置及び吸引ファンのうちの少なくとも一方である。
【0012】
実施形態において、流路は皮膚処置デバイスの皮膚処置工具内のスペースによって画定される。
【0013】
実施形態において、エアロゾル生成デバイスは皮膚処置デバイスのヘッドと結合されている。
【0014】
実施形態において、動作パラメータセンサは光学センサである。
【0015】
実施形態において、動作パラメータセンサは皮膚パラメータ及び皮膚処置デバイスパラメータのうちの少なくとも一方を測定するように構成されている。
【0016】
実施形態において、皮膚パラメータは皮膚の温度、皮膚の湿度、及び皮膚の色合いのうちの少なくとも1つである。
【0017】
実施形態において、皮膚処置デバイスパラメータは皮膚処置工具の温度、機械的力、及び/又は変位である。
【0018】
実施形態において、エアロゾル生成デバイスは圧電デバイスである。
【0019】
実施形態において、皮膚処置デバイスは複数の動作パラメータセンサをさらに含む。複数の動作パラメータセンサのそれぞれは、皮膚処置工具の長手方向軸に対して反対側に配設される。
【0020】
実施形態において、皮膚処置デバイスは、動作パラメータセンサとエアロゾル生成デバイスとに通信可能に結合される制御ユニットを含む。制御ユニットは、動作パラメータセンサによって測定された動作パラメータに基づいて、皮膚処置デバイスのエアロゾル生成デバイス及び/又は皮膚処置工具の動作を選択的に制御するように構成されている。
【0021】
実施形態において、制御ユニットは、流動ストリーム生成要素にさらに通信可能に結合され、動作パラメータセンサによって測定された皮膚の湿度に基づいて、エアロゾル生成デバイスから独立して流動ストリーム生成要素を作動させるように構成されている。
【0022】
実施形態において、皮膚処置デバイスは制御ユニットと通信可能に結合されたサインユニットを含み、制御ユニットは動作パラメータセンサからの信号に基づいてサインユニットを通して警告信号を生成するように構成されており、且つ/又は警告信号は、聴覚信号、視覚信号、視聴覚信号、及び触覚信号のうちの少なくとも1つである。
【0023】
上述の概要は単に例示的なものであり、いかなる手法においても限定が意図されるものではない。上述の例示的な態様、実施形態、及び特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、及び特徴が、図面及び以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【0024】
本発明は添付の特許請求の範囲に記載される通りであるが、当業者にとって慣例的な様々な修正形態及びクレーム均等物を包含する。本開示自体、並びにその使用方式、さらなる目的、及び利点は、添付の図面と共に読むときに実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されよう。1つ又は複数の実施形態が、添付の例示的な図面を参照することによって単に例として次に説明され、同様の参照符号は同様の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示の実施形態による、皮膚処置デバイスの斜視図である。
【
図3a】本開示の実施形態による、皮膚処置デバイスの一部の斜視図である。
【
図3b】本開示の実施形態による、皮膚処置デバイスの一部の側面図である。
【
図4】本開示の実施形態による、皮膚処置デバイスの構成要素を図示するブロック図である。
【
図5】本開示の実施形態による、皮膚処置デバイスの動作を制御する制御ユニットのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図は、例示のみを目的として本開示の実施形態を示す。以下の説明から、本明細書に例示される構造及び方法の代替的実施形態が本明細書に記載される本開示の原理から逸脱することなく採用されてもよいことを、当業者は容易に認識するであろう。
【0027】
本開示における実施形態が様々な修正形態及び代替形態の対象となる一方、その具体的な実施形態は例として図に示され以下に説明される。しかし、本開示を開示される特定の形態に限定することは意図されず、逆に本開示は本開示の範囲内にある全ての修正形態、均等物、及び代替形態を含むべきであることが理解されるべきである。
【0028】
当業者が本開示により動機づけられ皮膚処置デバイスの様々な特徴を修正することに留意されたい。したがって、そのような修正形態は本開示の一部である。そのため、本明細書の記述の利益を得る当業者にとって容易に明らかになる詳細を伴う本開示が不明瞭とならないように、図面は本開示の実施形態の理解に関連する具体的詳細のみを示す。
【0029】
本開示で用いられる用語「備える」、「備えている」、又はそれらの他の任意の変形語は、構成要素のリストを備えるアセンブリ又はユニットがそれら構成要素のみを含むのではなく明示的に列挙されていない又はそれら装置に固有の他の構成要素も含み得るように、非排他的包含を含むことが意図される。言い換えれば、「~を備える」と続けられるデバイスの1つ又は複数の要素は、さらなる制約なしには、システム又はデバイスの他の要素又は追加の要素の存在を排除しない。
【0030】
以下の詳細な説明において、本明細書の一部を形成し、図示及び本開示が実施される具体的な実施形態によって示される添付の図を参照して、本開示の実施形態が説明される。これら実施形態は当業者が本開示を実施することを可能にするために十分に詳細に説明され、他の実施形態が利用される場合があり、且つ本開示の範囲から逸脱することなく変更がなされる場合があることが理解されるべきである。したがって、以下の説明は限定的な意味合いに捉えられるべきではない。
【0031】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、皮膚処置デバイス(100)の斜視図を図示する。皮膚処置デバイス(100)は、処置される皮膚に選択的な冷却効果をもたらすことによって対象者の皮膚に処置動作を行うために適合された携帯式デバイスである。用語「処置される皮膚」は、皮膚処置デバイス(100)による処置動作の対象とされる皮膚の一部を意味する。実施形態において、処置動作は、除毛、減毛などである。本明細書に記載されるように、皮膚処置デバイス(100)は「ユーザ」によって操作又は使用され、処置動作が「対象者」に対して行われる。いくつかの場合において、ユーザ及び対象者は同一の人物であり、すなわち皮膚処置デバイス(100)は(例えば足又は手などの皮膚を処置するために)手で保持されユーザによって自身に対して使用される。他の場合において、ユーザ及び対象者は異なり、例えば皮膚処置デバイス(100)は手で保持されユーザによって他人に対して使用され得る。
【0032】
皮膚処置デバイス(100)は、互いに着脱可能に連結されるヘッド(101)とハンドル(102)とを広範には含み得る。実施形態において、ヘッド(101)及びハンドル(102)は、ねじ連結部、スナップフィット連結部などを含むがそれらに限定されない連結手段によって、互いに着脱可能に連結される。ハンドル(102)は、バッテリなどの電源、電動モータなどであるがそれに限定されない駆動ユニット(図示せず)、駆動回路、ユーザコントロール(112)などを含む様々な構成要素を収容するように構成されている。さらに、皮膚処置デバイス(100)は、駆動ユニットに結合される皮膚処置工具(103)を含む。皮膚処置工具(103)は、皮膚処置工具(103)が対象者の皮膚に隣接して又はその上に(すなわち接触して)配置されるように、ヘッド(101)の中又はその上に回転可能に配設されている。実施形態において、皮膚処置工具(103)は、皮膚処置デバイス(100)が処置されるべき皮膚を横断されるときに皮膚に接触して処置動作を行う、複数の回転要素を含む。回転要素は、その回転運動によって毛をつまみ引き抜くピンセットとして機能する。複数の回転要素は、ポリマー及び金属などであるがそれらに限定されない好適な材料から作製されている。
【0033】
図1に見られるように、皮膚処置デバイス(100)は、ヘッド(101)部の中又はその上に配設され、皮膚処置デバイス(100)の電源と電気的に結合するエアロゾル生成デバイス(104)をさらに含み得る。エアロゾル生成デバイス(104)は、水などであるがそれに限定されない皮膚処置流体からエアロゾル又はミストを生成するように構成されている。エアロゾル生成デバイス(104)は、エアロゾル生成デバイス(104)の好適な位置、例えば実質的な両側に画定される、入口と出口とを含む。図示される実施形態において、エアロゾル生成デバイス(104)は、皮膚処置デバイス(100)の長手方向軸(A-A)と平行に、ヘッド(101)上に配設されている。エアロゾル生成デバイス(104)は皮膚処置デバイス(100)の長手方向軸(A-A)に対してヘッド(101)の中又はその上の任意の位置に配置されるため、上記のことは限定として解釈されることはできない。実施形態において、皮膚処置デバイス(100)は、エアロゾル生成デバイス(104)の入口に隣接して且つ流体的に結合されて配置されるリザーバ(図示せず)を含む。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成デバイス(104)はリザーバを含み、すなわちリザーバはエアロゾル生成デバイス(104)の一体化部分である。リザーバは流体を貯蔵し、エアロゾル生成デバイス(104)中に流体を供給する。流体は入口を通ってエアロゾル生成デバイス(104)に入り、エアロゾルが生成される。生成されたエアロゾルはエアロゾル生成デバイス(104)の出口から出る。その後、生成されたエアロゾルは皮膚処置デバイス(100)から処置される皮膚上に導流され、処置の対象とされる皮膚に冷却効果をもたらす。
【0034】
皮膚処置デバイス(100)は、ヘッド(101)に結合される流路(106)をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、流路(106)は、エアロゾル生成デバイス(104)の出口が流路(106)と流体連通するように、ヘッド(101)とエアロゾル生成デバイス(104)との間に(
図1に示されるように)挟まれ得る。実施形態において、流路(106)は、ヘッド(101)内で一体的に画定された通路又はヘッド(101)と外部で結合された通路でもよい。実施形態において、通路(したがって流路(106))は、実質的な矩形輪郭を有する中空構造体であり得る。しかし、中空構造体は円形、楕円形、正方形、及び他の任意の多角形形状などであるがそれらに限定されない他の任意の所望の幾何学的輪郭を有してもよいため、上記のことは限定として解釈されることはできない。いくつかの実施形態において、流路(106)は、皮膚上へのエアロゾルの効果的な導流を促進するための先細り構成を含み得る。実施形態において、流路(106)は専用の流路であり、エアロゾルを皮膚処置デバイス(100)から皮膚上へ排出するように配置されたさらなる出口を含み得る。他の実施形態において、流路は、他の好適な出口を通したエアロゾルの排出のために、流動がエアロゾル生成デバイス(104)から皮膚処置デバイス(100)のヘッド(101)へ導流されるのを可能にするように単に機能してもよい。
【0035】
実施形態において、流路(106)は皮膚処置工具(103)内のスペースによって画定され得る。すなわち、流路(106)は皮膚処置工具(103)の回転要素間のスペースによって画定される。このスペースは、皮膚処置デバイス(100)(したがって皮膚処置デバイス(100)のヘッド(101))から皮膚上へのエアロゾルの流動を可能にし、これにより上記さらなる出口としても働く。この実施形態において、エアロゾル生成デバイス(104)の出口はヘッド(101)と流体連通して配置され得る。エアロゾル生成デバイス(104)の出口から出るエアロゾルは、ヘッド(101)内に入り、その後皮膚処置工具(103)の回転要素間に画定されたスペースを通り皮膚上へ導流される。
【0036】
実施形態において、エアロゾル生成デバイス(104)は圧電デバイスであるがそれに限定されない。圧電デバイスは、リザーバから入ってくる流体から超微細で大量のミスト又は蒸気粒子を生成する。圧電デバイスによって生成された超微細ミスト又は蒸気は、皮膚処置デバイス(100)から容易に導流され、したがって処置される皮膚への効果的な冷却を促進する。圧電デバイスによって生成されたエアロゾルの超微粒子サイズは、皮膚を湿らせずに冷却することをさらに支援する。
【0037】
図2を参照すると、皮膚処置デバイス(100)は、ヘッド(101)内部に又は隣接して配設され、駆動ユニットと結合されている流動ストリーム生成要素(105)を含んでもよい。実施形態において、流動ストリーム生成要素(105)は、皮膚処置工具(103)が結合されているものと同一の駆動ユニットと結合されているか、又は別個の駆動ユニットと結合され得る。流動ストリーム生成要素(105)は、流体流動、特に生成されたエアロゾルを、流路(106)を通して処置される皮膚上にさらに導流するための空気流動を生成するように構成されている。すなわち、流動ストリーム生成要素(105)は流体ストリームを生成し、生成されたエアロゾルを流路(106)を通して皮膚処置デバイス(100)から押し出す。生成されたストリームは、回転要素(103)のスペース、又は上述のさらなる出口を介する専用の流路(106)のいずれか一方を介して、皮膚処置デバイス(100)から排出されてもよい。実施形態において、流動ストリーム生成要素(105)は送風装置及び吸引ファン(図示せず)のうちの少なくとも1つである。送風装置は、出口から出るエアロゾルが流路(106)を通り皮膚処置デバイス(100)から皮膚上へ押し出される又は押し進められるように、エアロゾル生成デバイス(104)の出口より低い位置に配設される。吸引ファンは、エアロゾル生成デバイス(104)の出口から出るエアロゾルが吸引ファンによって生成された吸引力又は負圧により流路(106)を通して吸引されるように、エアロゾル生成デバイス(104)の出口より高い位置に配設される。
【0038】
ここで
図3を参照すると、皮膚処置デバイス(100)は、ヘッド(101)内又はその上に配設された動作パラメータセンサ(107)を含む。
図3は2つの動作パラメータセンサ(107)を示すが、単一のセンサを伴って本発明を実施することも可能である。動作パラメータセンサ(107)は、皮膚パラメータ及び皮膚処置デバイスパラメータのうちの少なくとも1つを測定するように構成されている。実施形態において、皮膚パラメータは、皮膚の温度(特に皮膚の表面温度)、皮膚の湿度(特に皮膚の表面湿度)、及び皮膚の色合い/色素沈着のうちの少なくとも1つである。さらに、皮膚処置デバイスパラメータは少なくとも、皮膚処置工具(103)の温度、機械的力、及び/又は皮膚処置工具(103)の変位である。
図3は、温度感知に関連する実施形態を参照して次に説明される。
【0039】
実施形態において、動作パラメータセンサ(107)は、皮膚の処置の前後に皮膚の温度及び/又は皮膚処置工具(103)の温度を測定するための1つ又は複数の温度センサを含む。図示される実施形態において、
図3a及び
図3bに見られるように、赤外線(IR)熱センサなどであるがそれに限定されない非接触式温度センサ(すなわち皮膚の温度を測定するために皮膚に接触する必要がないセンサ)などであるがそれに限定されない複数の温度測定センサが、皮膚処置前後の温度測定値を得るために、皮膚処置工具(103)に隣接して皮膚処置工具(103)の長手方向軸(B-B)に対して反対側に配置されている。複数の動作パラメータセンサ(したがってIRセンサ)はヘッド(101)から離れる方向に延在し、皮膚の処置の前後に皮膚の一部及び/又は皮膚処置工具(103)の温度を測定するように構成されている。
図3a及び
図3bにおいて、センサ107-1は処置される前の位置の皮膚の温度を測定する。センサ107-2は処置された後の同じ位置の温度を測定する。代替的に、複数の温度センサのそれぞれは、熱電対、サーミスタ、又は抵抗温度検出器(RTD)などの接触式温度センサ(すなわち皮膚の温度を測定するために皮膚に接触する必要があるセンサ)であってもよい。
【0040】
他の実施形態において、皮膚パラメータは、皮膚の光学的性質、例えば入射するエネルギーパルスに応答して変化する皮膚の光学的性質でもよい。光学的性質は例えば散乱、反射率などであってもよく、各動作パラメータセンサ(107)はヘッド(101)の上又はその中に配置される光学センサであってもよい。光学センサは皮膚から反射される又は散乱される光を測定するように構成されている。いくつかの実施形態において、光学センサは、鏡又はプリズムなどの光ガイドと共にヘッド(101)の上又はその中に配設され得る。光学センサは、皮膚上に放射される光を導く光ガイドを伴って、皮膚内部又はその上に光を放射する。さらに、光学センサはその光の反射又は散乱を測定する。例えばハイパースペクトル撮像、偏光撮像、及びスペックル撮像を含む、皮膚の光学的性質を測定するために使用され得る様々な技法を、当業者は認識するであろう。
【0041】
他の実施形態において、皮膚パラメータは、皮膚の音響的性質、例えば入射するエネルギーパルスに応答して変化する皮膚の音響的性質、である。音響的性質は例えば音響インピーダンス、音の速さなどであってもよく、動作パラメータセンサ(107)は音響センサ、例えば超音波センサ、であってもよい。いくつかの実施形態において、動作パラメータセンサ(107)は皮膚に音を発するための音源を含み、音響センサが音を測定し音響的皮膚性質を決定する。
【0042】
他の実施形態において、皮膚パラメータは、皮膚の電気的性質、例えば入射するエネルギーパルスに応答して変化する皮膚の電気的性質であり得る。電気的性質は例えば高周波(RF)インピーダンス、静電容量などであってもよく、各動作パラメータセンサ(107)はRFセンサ、インピーダンスセンサ、又は静電容量センサであってもよい。
【0043】
他の実施形態において、動作パラメータセンサ(107)は、ヘッド(101)の中又はその上に配設される1つ又は複数の湿度センサを含む。1つ又は複数の湿度センサは、上記皮膚パラメータとして、皮膚の湿度、特に皮膚の表面湿度を測定するように構成されている。例として、湿度センサは、静電容量湿度センサ、抵抗性湿度センサ、及び熱伝導式湿度センサであってもよいが、それらに限定されない。
【0044】
他の実施形態において、皮膚処置デバイスパラメータは、ヘッド(101)によって皮膚に加えられる力若しくは張力、若しくはヘッド(101)によって動かされる距離、並びに対応して処置行為を完了するためにかかる時間に関する。
【0045】
実施形態において、皮膚処置デバイス(100)は、
図1から
図3までに図示される構成要素に対する追加の構成要素をさらに含み得る。皮膚処置デバイス(100)は、皮膚処置デバイス(100)が主電源に接続されることを可能にするための電源部品(ワイヤ及びプラグ)を含む。さらに、皮膚処置デバイス(100)は、制御ユニット(108)と通信可能に結合されるサインユニット(図示せず)を含む。動作パラメータセンサ(107)からの信号に基づいて、警告信号が制御ユニット(108)によってサインユニットを通して生成される。警告信号は、視覚表示(例えば光源を使用した光、又は皮膚処置デバイス(100)のヘッド(101)若しくはハンドル(102)のいずれか一方に配置され使用時にユーザが視認可能なディスプレイスクリーンの視覚信号)、聴覚信号(例えばラウドスピーカなどの音源を使用したビープ音などの音)、視聴覚信号、及び触覚信号(例えば本体内部に配置される振動要素を使用して生成される振動)のうちの少なくとも1つである。
【0046】
ここで
図4を参照すると、皮膚処置デバイス(100)は、動作パラメータセンサ(107)と、エアロゾル生成デバイス(104)と、流動ストリーム生成要素(105)と、皮膚処置工具(103)とのそれぞれに通信可能に結合されている制御ユニット(108)を含む。制御ユニット(108)は皮膚処置デバイス(100)の動作を制御するように構成されている。実施形態において、皮膚処置デバイス(100)の動作制御には、エアロゾル生成デバイス(104)及び流動ストリーム生成要素(105)の動作制御、並びに動作パラメータセンサ(107)によって測定される動作パラメータ(すなわち皮膚パラメータ及び皮膚処置工具(103)パラメータ)に基づく皮膚処置工具(103)の動作制御が含まれる。
【0047】
実施形態において、「動作制御」は、決定される動作パラメータに応じて、エアロゾル生成デバイス(104)、流動ストリーム生成要素(105)、及び皮膚処置工具(103)のうちの少なくとも1つの動作能力を調節することに対応する。
【0048】
例えば、制御ユニット(108)又は対応する方法は、センサ107-1とセンサ107-2とのセンサ出力信号の差異を取得し、処置による皮膚パラメータ/皮膚処置デバイスパラメータの増加を算出する。増加値と所定値との比較に基づいて、制御ユニット(108)はトリガ信号を伝送し、エアロゾル生成デバイス(104)、流動ストリーム生成要素(105)、及び皮膚処置工具(103)のうちの少なくとも1つの働きを制御する。単一の動作パラメータセンサを実装する場合、処置後に得られる動作パラメータ測定値が、記憶された処置前基準値と比較されてもよい。
【0049】
実施形態において、制御ユニット(108)又は対応する方法は、流動ストリーム生成要素(105)を作動させるか否かに関わらず、エアロゾル生成デバイス(104)を作動させるためのトリガ信号を伝送することによって、エアロゾル生成デバイス(104)の働きを制御する。他の実施形態において、制御ユニット(108)は、エアロゾル生成デバイス(104)を作動させるか否かに関わらず、流動ストリーム生成要素(105)を作動させるためのトリガ信号を伝送することによって、流動ストリーム生成要素(105)の働きを制御する。例えば、閾値を超えるより小さい差異に対しては、流動ストリーム生成要素(105)によって促進される乾燥冷却行為を誘発すれば十分である。エアロゾル生成デバイス(104)から独立した流動ストリーム生成要素(105)の作動は、バッテリ電力の節約をさらに支援する。
【0050】
これに対応して、増加値が所定の閾値より少ないと判断された場合、制御ユニット(108)は、トリガ信号を伝送することによってエアロゾル生成デバイス(104)の働きを制御し、エアロゾル生成デバイス(104)及び/又は流動ストリーム生成要素(105)を停止又は抑制する。
【0051】
実施形態において、制御ユニット(108)又は対応する方法は、トリガ信号を伝送することによって皮膚処置工具(103)の働きを制御し、例えば機械的脱毛器の場合は内部に配設された締め付け要素によって、回転速度及び/又は皮膚処置工具により与えられる力を調節(増加又は減少)し得る。実施形態において、制御ユニット(108)又は対応する方法は、力又は動作速度などの処置適用パラメータを手動で調節するためのユーザへの表示を提供してもよい。
【0052】
制御ユニット(108)は、本明細書に記載される様々な機能を実行するために、ソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて、いくつかの手法で実装される。制御ユニット(108)は、必要な機能を実行するためにソフトウェア若しくはコンピュータプログラムコードを用いてプログラムされる、且つ/又は必要な機能を実行するために制御ユニット(108)の構成要素を制御するようにプログラムされる、1つ若しくは複数のマイクロプロセッサ又はデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を含む。制御ユニット(108)は、いくつかの機能を実行するための専用ハードウェア(例えば増幅器、前置増幅器、アナログ-デジタル変換器(ADC)、及び/又はデジタル-アナログ変換器(DAC))と、他の機能を実行するためのプロセッサ(例えば1つ若しくは複数のプログラムされたマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、DSP、並びに関連する回路)との組み合わせとして実装される。本開示の様々な実施形態に採用される構成要素の例には、従来型のマイクロプロセッサ、DSP、特定用途集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)が含まれるが、それらに限定されない。
【0053】
図5を参照すると、制御ユニット(108)は、入力信号処理ユニット(109)と、マイクロコントローラユニット(MCU)(110)と、出力信号処理ユニット(111)と、メモリユニット(114)とを含む。マイクロコントローラユニット(110)は、入力信号処理ユニット(109)、出力信号処理ユニット(111)、及びメモリユニット(114)のそれぞれと接続又は結合される。入力信号処理ユニット(109)は、電圧信号の形態で入力信号を受け取り、電圧信号のアナログ-デジタル変換を行い、デジタル化した信号をMCU(110)に送る。特に、入力信号処理ユニット(109)は、動作パラメータセンサ(107)からそれぞれの動作パラメータ信号を受け取る。MCU(110)は、論理演算を行い、メモリユニット(114)へデータを送り且つメモリユニット(114)からデータを受け取り、出力信号を出力信号処理ユニット(111)に送る。出力信号処理ユニット(111)に送られた出力信号は、皮膚処置デバイス(100)の動作を制御するための信号を含む。
【0054】
実施形態において、メモリユニット(114)は、皮膚処置デバイス(100)(したがってエアロゾル生成デバイス(104)の制御)、流動ストリーム生成要素(105)、及び皮膚処置工具(103)の動作の制御時に、且つ/又は本明細書に記載される動作の実行若しくは遂行時に制御ユニット(108)が使用するための、データ、情報、及び/又は信号を記憶する。いくつかの実装形態において、メモリユニット(114)は、制御ユニット(108)が本明細書に記載される動作を含む1つ又は複数の機能を実行するように、制御ユニット(108)によって実行され得るコンピュータ可読コードを記憶する。メモリユニット(114)は、メモリチップ、光ディスク(コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、若しくはブルーレイディスクなど)、ハードディスク、テープストレージソリューション、又はメモリスティック、ソリッドステートドライブ(SSD)、メモリカードなどを含む固体デバイスの形態で実装される、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、リードオンリメモリ(ROM)、プログラム可能ROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、及び電気的消去可能PROM(EEPROM)などの揮発性及び不揮発性コンピュータメモリを含むキャッシュ又はシステムメモリなどの、任意の種類の非一時的機械可読媒体を含む。
【0055】
実施形態において、MCU(110)及び出力信号処理ユニット(111)は、動作パラメータセンサ(107)によって決定される動作パラメータに基づいて処置動作の状態をユーザ(又は対象者)に表示する、例えば皮膚処置動作が効率的かを表示する、ユーザ表示器信号を出力し得る。ユーザ表示器信号は、ライト、ディスプレイスクリーン、ラウドスピーカ、又は触覚/触知(例えば振動)要素などのユーザインターフェース構成要素を制御又は駆動するために使用される。制御ユニット(108)によって生成される表示信号は、皮膚に強く押し付けられる皮膚処置デバイス(100)又は皮膚上を規定の速度で変位/移動されていないことで、熱の生成をもたらし、それによって皮膚の温度上昇又は他の性質の変化が生じ、対象者への不便及び皮膚処置デバイス(100)の動作効率の低下が起きる、皮膚処置デバイス(100)に対応してもよい。
【0056】
動作的実施形態において、すなわち除毛又は減毛などの皮膚処理を行うために皮膚処置デバイス(100)を使用する間において、皮膚処置デバイス(100)は、皮膚処置工具(103)が皮膚に接触した状態で皮膚上を横断される。皮膚温度を動作パラメータとみなして、動作的実施形態が以下に説明される。しかし、皮膚処置動作は、処置前後の皮膚の光学的性質、音響的性質、及び電気的性質などの皮膚の他の動作パラメータを考慮して行われるため、上記のことは限定として解釈されることはできない。皮膚処置デバイス(100)が対象者の皮膚に対して横断をする間、動作パラメータセンサ(107)(すなわち皮膚温度決定センサ)は、皮膚処置前の皮膚温度と皮膚処置を受けた後の皮膚温度とを決定し、第1の信号を生成する。第1の信号は、信号を上述の好適な形態に変換する入力信号処理ユニット(109)によって受け取られる。変換された信号は、信号を分析し皮膚処置前後の皮膚の温度差を決定するMCU(110)に送られる。さらに、皮膚の温度差を分析する際に、制御ユニット(108)は決定された値とメモリユニット(114)に記憶された所定の値とを比較する。比較の際、温度差が所定の閾値を超えている場合、MCU(110)は出力信号処理ユニット(111)に送られる信号を生成する。この信号は、上述の1つ又は複数の様式での、エアロゾル生成デバイス(104)及び流動ストリーム生成要素(105)の動作の制御、並びに皮膚処置工具(103)の回転速度(すなわちRPM)の制御に対応する。特に、出力信号処理ユニット(111)に送られる信号は、エアロゾル生成デバイス(104)、流動ストリーム生成要素(105)、及び皮膚処置工具(103)の動作を制御するための、エアロゾル生成デバイス(104)、流動ストリーム生成要素(105)、及び皮膚処置工具(103)への電圧供給の中断又は変動に対応する。皮膚処置デバイス(100)の動作が動作パラメータセンサ(107)によって決定される動作パラメータに基づいて制御される、皮膚処置デバイス(100)のそのような構成は、皮膚処置デバイス(100)の動作効率の向上(すなわちより長い動作時間)を補助する。
【0057】
実施形態において、皮膚処置前後の皮膚の温度差が閾値限界内にある場合、皮膚処置は通常動作条件下でさらに動作し得る。通常動作条件とは、エアロゾル生成デバイス(104)、流動ストリーム生成要素(105)、及び皮膚処置工具(103)がそれらの能力に準拠して動作されていることを意味する。
【0058】
いくつかの実施形態において、入力信号処理ユニット(109)は、湿度センサからの第2の信号も受け取ってもよい。MCU(110)は第2の信号を分析し、第2の信号の値が閾値を超えている場合、出力信号処理ユニット(111)が、エアロゾル生成デバイス(104)から独立した流動ストリーム生成要素(105)の作動に対応する信号を生成する。ここで、出力信号処理ユニット(111)は、エアロゾル生成デバイス(104)の働きを抑制又は停止するための信号を生成する。流動ストリーム生成要素(105)の作動は、乾燥した空気を皮膚上に押し出すことによって湿度を下げる補助をし、過剰な湿度は皮膚を湿らせ非効率的な皮膚処置につながるため、効率的な皮膚処置をさらに補助する。
【0059】
いくつかの実施形態において、制御ユニット(108)は、皮膚処置デバイス(100)の速度及び/又は変位について決定される情報に基づいて、皮膚処置デバイス(100)の使用についてのユーザ用フィードバックを決定してもよい。フィードバックは、例えば、全体的な処置動作の効率を向上するために、ユーザは皮膚処置デバイス(100)をより素早く動かすか又は皮膚への押力を弱めるべきであるということであってもよい。
【0060】
本明細書における実質的に任意の複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈及び/又は用途に適切なように、複数形から単数形に、且つ/又は単数形から複数形に変換してもよい。明瞭化のために、様々な単数形/複数形の置換が本明細書において明示的に記載される。
【0061】
一般に、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば添付の特許請求の範囲の本体部)で使用される用語は、「オープン」な用語として全般には意図されていることが、当業者により理解されよう(例えば用語「含んでいる」は「含んでいるが限定されるわけではない」として解釈されるべきであり、用語「有する」は「少なくとも有する」として解釈されるべきであり、用語「含む」は「含むが限定されるわけではない」として解釈されるべきである、など)。特定の数の導入される請求項の記載が意図される場合、そのような意図は請求項において明確に記載され、そのような記載がない場合そのような意図は存在しないことが、当業者によりさらに理解されよう。例えば、理解の補助として、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の記載を導入するために「少なくとも1つの」及び「1つ又は複数の」という導入句の使用を含む。しかし、同一の請求項が導入句「1つ又は複数の」若しくは「少なくとも1つの」並びに「1つの」などの不定冠詞を含む場合でさえ、そのような句の使用は、不定冠詞「1つの」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、そのような記載を1つだけ含む発明に限定することを暗示すると解釈されるべきではなく(例えば、「1つの」は「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」を意味すると典型的には解釈されるべきである)、請求項の記載を導入するために使用される定冠詞の使用についても同じことが当てはまる。加えて、特定の数の導入される請求項の記載が明確に記載されていても、そのような記載は、少なくとも記載された数であることを意味すると典型的には解釈されること(例えば「2つの記載」とそのまま記載する場合、他の修飾語句がないと、少なくとも2つの記載、又は2つ若しくはそれ以上の記載、を典型的には意味する)を、当業者は認識するであろう。さらに、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」と類似する慣習が使用される例において、一般に、そのような構造は、当業者が慣習を理解するだろうという意味が意図される(例えば「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを合わせて、A及びCを合わせて、B及びCを合わせて、且つ/又はA、B及びCを合わせて有するシステムを含むがそれらに限定されない、など)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」と類似する慣習が使用される例において、一般に、そのような構造は、当業者が慣習を理解するだろうという意味が意図される(例えば「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを合わせて、A及びCを合わせて、B及びCを合わせて、且つ/又はA、B及びCを合わせて有するシステムを含むがそれらに限定されない、など)。2つ以上の代替的用語を呈する事実上あらゆる離接語及び/又は句は、本明細書、特許請求の範囲又は図面のいずれにあっても、用語のうちの1つ、用語のいずれか、又は用語の両方を含む可能性を企図すると理解されるべきであることは、当業者によりさらに理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、「A」、「B」、又は「A及びB」の可能性を含むと理解されよう。様々な態様及び実施形態が本明細書に開示されているが、他の態様及び実施形態が当業者には明らかであろう。本明細書に開示される様々な態様及び実施形態は、例示を目的とするものであり、限定は意図されず、真の範囲は以下の特許請求の範囲によって示される。例えば、除毛の例が本明細書に記載されているが、本発明は、染毛、入れ墨、肌の若返り、肌細胞再生などの、皮膚冷却から恩恵を受ける他の種類の皮膚処置に応用されてもよい。
【符号の説明】
【0062】
100 皮膚処置デバイス
101 ヘッド
102 ハンドル
103 皮膚処置工具
104 エアロゾル生成デバイス
105 流動ストリーム生成要素
106 流路
107 動作パラメータセンサ
108 制御ユニット
109 入力信号処理ユニット
110 マイクロコントローラユニット
111 出力信号処理ユニット
112 ユーザコントロール
114 メモリユニット
【国際調査報告】