(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】糸色の自動的な変更のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
D05B 55/10 20060101AFI20240829BHJP
D05B 55/16 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
D05B55/10
D05B55/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508950
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-03-19
(86)【国際出願番号】 US2022040603
(87)【国際公開番号】W WO2023023158
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515226722
【氏名又は名称】インティヴァ プロダクツ, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Inteva Products, LLC
【住所又は居所原語表記】1401 Crooks Road Troy Michigan 48084 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ハルシュテット, ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ハブハブ, ラメズ
(72)【発明者】
【氏名】ウェンゼル, エドワード ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3B150
【Fターム(参考)】
3B150AA21
3B150CE21
3B150CE23
3B150DB02
3B150DB06
3B150DB08
3B150FB00
3B150JA03
3B150JA11
(57)【要約】
複数の別個の針棒を保持するように構成されたリボルバと、リボルバを回転させるためにリボルバと動作可能に結合されたモータと、複数の別個の針棒のうちの1つが縫製工程のために選択される際にリボルバの配列と安定性を確実化するための手段と、を含む縫製機ヘッド用針棒ホルダ。
【選択図】
図27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の別個の針棒を保持するように構成されたリボルバと、
前記リボルバを回転させるために前記リボルバと動作可能に結合されたモータと、
前記複数の別個の針棒のうちの1つが縫製工程のために選択される際に前記リボルバの配列と安定性を確実化するための手段とを備える、縫製機ヘッド用針棒ホルダ。
【請求項2】
前記複数の別個の針棒が6本である、請求項1に記載の縫製機ヘッド用針棒ホルダ。
【請求項3】
前記リボルバの配列と安定性を確実化するための前記手段が、空気圧シリンダ又は電気ソレノイドである、請求項1に記載の縫製機ヘッド用針棒ホルダ。
【請求項4】
前記空気圧シリンダ又は電気ソレノイドが、前記リボルバに位置する複数の凹部のうちの1つと係合するピストンを延出している、請求項3に記載の縫製機ヘッド用針棒ホルダ。
【請求項5】
前記複数の別個の針棒と係合するように構成された空気圧作動式昇降板であって、前記複数の別個の針棒のそれぞれが、連結された針棒クランプを有し、前記空気圧作動式昇降板が連結棒を介して空気圧昇降シリンダに連結されており、1つの針棒クランプが前記リボルバの回転を通して上部シャフト連結棒クレビスの開口部と整列されることが可能であり、前記リボルバが回転されている間、前記空気圧作動式昇降板が静止したままでいる、空気圧作動式昇降板、をさらに備える、請求項3に記載の縫製機ヘッド用針棒ホルダ。
【請求項6】
前記空気圧作動式昇降板に、前記空気圧作動式昇降板に対する前記複数の別個の針棒のうちの1つの摺動を可能にするための間隙スロットが設けられている、請求項5に記載の縫製機ヘッド用針棒ホルダ。
【請求項7】
前記複数の別個の針棒が単一又は二重針棒である、請求項1に記載の縫製機ヘッド用針棒ホルダ。
【請求項8】
複数の別個の針棒を保持するように構成されたリボルバと、前記リボルバを回転させるために前記リボルバと動作可能に結合されたモータと、前記複数の別個の針棒のうちの1つが縫製工程のために選択される際に前記リボルバの配列と安定性を確実化するための手段とを備える、針棒ホルダと、
前記複数の別個の針棒のうちの1つのための上糸をそれぞれが提供する複数の個別の糸巻きであって、前記上糸が前記針棒ホルダの上端に入る前に前記複数の個別の糸巻きのうちの1つから一連のガイド及びテンショナを通して送られる、複数の個別の糸巻きとを具備する、ロボット用縫製ヘッド。
【請求項9】
前記複数の別個の針棒のそれぞれが中空である、請求項8に記載のロボット用縫製ヘッド。
【請求項10】
前記複数の針棒のそれぞれが上糸持上げアームとして機能し、ステッチ作成中にルーパ又はフックにより捕捉させるための糸弛みを作成する、請求項8に記載のロボット用縫製ヘッド。
【請求項11】
前記複数の個別の糸巻きから送られる前記上糸が、糸巻き搭載ガイドブラケットから前記針棒ホルダの上板まで通る管類を通して送り届けられ、その後前記上糸が前記針棒ホルダの前記上板の下方に位置する複数の個別の糸テンショナのうちの1つに送り届けられ、前記上糸が前記複数の個別の糸テンショナのうちの前記1つを通り抜けた後にガイドマニホルドを通して送り届けられ、前記上板、前記複数の個別の糸テンショナ、及び前記ガイドマニホルドが糸のもつれをなくすために前記リボルバと共に回転するように構成されている、請求項8に記載のロボット用縫製ヘッド。
【請求項12】
前記複数の別個の針棒が6本である、請求項8に記載のロボット用縫製ヘッド。
【請求項13】
前記リボルバの配列と安定性を確実化するための前記手段が、空気圧シリンダ又は電気ソレノイドである、請求項8に記載のロボット用縫製ヘッド。
【請求項14】
前記空気圧シリンダ又は電気ソレノイドが、前記リボルバに位置する複数の凹部のうちの1つと係合するピストンを延出している、請求項13に記載のロボット用縫製ヘッド。
【請求項15】
前記複数の別個の針棒と係合するように構成された空気圧作動式昇降板であって、前記複数の別個の針棒のそれぞれが、連結された針棒クランプを有し、前記空気圧作動式昇降板が連結棒を介して空気圧昇降シリンダに連結されており、1つの針棒クランプが前記リボルバの回転を通して上部シャフト連結棒クレビスの開口部と整列されることが可能であり、前記リボルバが回転されている間、前記空気圧作動式昇降板が静止したままでいる、空気圧作動式昇降板、をさらに備える、請求項13に記載のロボット用縫製ヘッド。
【請求項16】
前記空気圧作動式昇降板に、前記空気圧作動式昇降板に対する前記複数の別個の針棒のうちの1つの摺動を可能にするための間隙スロットが設けられている、請求項15に記載のロボット用縫製ヘッド。
【請求項17】
前記複数の別個の針棒が単一又は二重針棒及び縫製である、請求項13に記載のロボット用縫製ヘッド。
【請求項18】
下部柱組立体であって、前記下部柱組立体のルーパアーム組立体の2つのルーパのうちの1つを自動的に無効化/有効化することによって1つ又は2つのいずれかの糸を扱うように構成されており、前記ルーパアーム組立体が前記2つのルーパのうちの1つをそれぞれ支持している固定アームと移動可能アームとを含み、前記複数の別個の針棒のうちの選択された1つが単一針棒であるとき前記移動可能アームは前記固定アームに対して低くされ、前記移動可能アームを低くすることが前記下部柱組立体の基部付近に位置する空気圧シリンダによって実現され、前記移動可能アームが前記固定アームに対する前記移動可能アームの鉛直移動を可能にする一対のガイドによって支持されている、下部柱組立体、をさらに備える、請求項17に記載のロボット用縫製ヘッド。
【請求項19】
前記複数の別個の針棒のうちの1つと連結された糸と係合するように構成されたスワイパアームであって、前記スワイパアームの回転動作に起因して、前記リボルバに別個に固定されたばねクリップアームに固定されたばねクリップにより前記糸が係合される、スワイパアーム、をさらに備える、請求項8に記載のロボット用縫製ヘッド。
【請求項20】
糸巻きを手動で変更することなく縫製ヘッドの糸の色を変更する方法であって、
複数の針棒を有する単一の縫製ヘッドを用意するステップであり、前記複数の針棒の各針棒がリボルバに搭載されており、前記複数の針棒の各針棒が1つ又は複数の別個に独立した糸巻きによって提供される異なる色の1つ又は複数の糸を含む、ステップと、
前記縫製ヘッドによる縫製作業のために前記複数の針棒のうちの所望の1つが配向されるまで前記リボルバを動かすステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
[0001]本出願は、以下の2021年8月17日に出願された米国仮特許出願第63/234,154号、及び2022年6月10日に出願された米国仮特許出願第63/351,229号の優先権を主張するものであり、それら仮特許出願のそれぞれの内容全体がそれら仮特許出願への参照によって本明細書に援用される。
【0002】
[0002]本開示の例示的実施形態は3次元ロボット縫製工程の技術に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]3Dロボット縫製工程は、典型的には、エンドエフェクタとして縫製機が取り付けられた6軸線ロボットからなる。ロボットは必要に応じ縫製機を操作し、静止部分に装飾的なライブステッチ(live decorative stitch)を配置させる。上記工程は、ステッチを容易にするためにロボットが静止した縫製機の前に上記部分を移動させるようにさらに構成されていてもよい。
【0004】
[0004]昨今の顧客の要望には、車両の造形の順序付けの必要条件に従うために部分ごとに頻繁に糸色を変更するという要求が含まれている。現在の先行技術では、1つの部分から次の部分へ糸色を変更する必要がある場合、糸巻きが手動で取り外され正しい色に置き換えられ得るように、ロボットは縫製ヘッドをセルのサービス点検口まで移動させなければならない。この変更では、新しい色の糸が糸巻きから針の孔まで跨って配置されるように、新しい糸は誘導及びテンショナシステム全体を通して引っ張られる必要があった。手動で色を変更するために必要な時間は典型的には約5分である。
【0005】
[0005]代替的な先行技術では、それぞれの所望される糸色について縫製セル内に別個の縫製ヘッドを設置する必要があり、色変更が必要とされる度にロボットは工具カートステーションに移動し1つのヘッドの結合を外し他のヘッドを再結合しなくてはならないため、余分の投資及び部分ごとの生産サイクルに対してのかなりの時間の追加が必要となる。追加のサイクル時間は最小限であるものの追加の投資が相当量となる他の代替品は、異なる色の糸を含む縫製ヘッドをそれぞれが有する複数のロボットを単一のセル内に含むことができる。
【発明の概要】
【0006】
[簡単な説明]
[0006]本開示は、自動3Dロボット縫製工程内において糸色を自動的に変更するという要求に対処する。
【0007】
[0007]本明細書に記載される本開示は、糸色の変更が必要なときにロボット搭載式縫製ヘッドの糸巻きを操作者が手動で変更する必要性をなくす。本開示は1つのセル内に複数の縫製ヘッドがある必要性もなくす。一実施形態において、単一の縫製ヘッドには直線形又は円形の構成に配置され得る複数の針棒が備えられており、各棒は異なる色の糸を含む。針棒は、所望の用途に応じて、単一又は二重針ホルダのいずれか一方と共に構成されていてもよい。
【0008】
[0008]一部分のロボット縫製が完了した後、縫製ヘッドはホームに戻り、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)コンピュータ(PC)から次の部分に必要な色を示す信号を受け取る。その後、縫製ヘッドは、針棒ラック又はリボルバを、適切な色の針棒が下部アームフック又はルーパと列をなす位置に動かす。適切な針棒が定位置についた後、縫製ヘッドは縫製を始める部分の位置に移動する。
【0009】
[0009]加えて、同じ部分に複数の色が必要とされる場合、単一のマシンサイクル中で色変更(複数可)が生じ、コンピュータにあるロボットプログラムからの命令に基づいて実行される。
【0010】
[0010]複数の別個の針棒を保持するように構成されたリボルバと、リボルバを回転させるためにリボルバと動作可能に結合されたモータと、複数の別個の針棒のうちの1つが縫製工程のために選択される際にリボルバの配列と安定性を確実化するための手段と、を含む縫製機ヘッド用針棒ホルダが開示される。
【0011】
[0011]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、複数の別個の針棒は6本である。
【0012】
[0012]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、リボルバの配列と安定性を確実化するための手段は空気圧シリンダ又は電気ソレノイドである。
【0013】
[0013]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、空気圧シリンダ又は電気ソレノイドは、リボルバに位置する複数の凹部のうちの1つと係合するピストンを延出する。
【0014】
[0014]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、複数の別個の針棒と係合するように構成されている空気圧作動式昇降板が提供され、複数の別個の針棒のそれぞれはそれらに連結された針棒クランプを有し、空気圧作動式昇降板は連結棒を介して空気圧昇降シリンダに連結されており、1つの針棒クランプはリボルバの回転を通して上部シャフト連結棒クレビスの開口部と整列されることが可能であり、リボルバが回転されている間、空気圧作動式昇降板は静止したままでいる。
【0015】
[0015]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、空気圧作動式昇降板に、空気圧作動式昇降板に対する複数の別個の針棒のうちの1つの摺動を可能にするための間隙(clearance)スロットが設けられている。
【0016】
[0016]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、複数の別個の針棒は単一又は二重針棒である。
【0017】
[0017]複数の別個の針棒を保持するように構成されたリボルバと、リボルバを回転させるためにリボルバと動作可能に結合されたモータと、複数の別個の針棒のうちの1つが縫製工程のために選択される際にリボルバの配列と安定性を確実化するための手段と、を備える針棒ホルダと、複数の別個の針棒のうちの1つのための上糸をそれぞれが提供する複数の個別の糸巻きであって、上糸が針棒ホルダの上端に入る前に複数の個別の糸巻きのうちの1つから一連のガイド及びテンショナを通して送られる、複数の個別の糸巻きと、を含むロボット用縫製機ヘッドも開示される。
【0018】
[0018]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、複数の別個の針棒のそれぞれは中空である。
【0019】
[0019]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、複数の針棒のそれぞれは上糸持上げアーム(upper thread take up arm)として機能し、ステッチ作成中にルーパ又はフックにより捕捉させるための糸弛みを作成する。
【0020】
[0020]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、複数の個別の糸巻きから送られる上糸は、糸巻き搭載ガイドブラケット(spool mount guide bracket)から針棒ホルダの上板まで通る管類を通して送り届けられ、その後上糸は針棒ホルダの上板の下方に位置する複数の個別の糸テンショナのうちの1つに送り届けられ、上糸は複数の個別の糸テンショナのうちの1つを通り抜けた後にガイドマニホルドを通して送り届けられ、上板、複数の個別の糸テンショナ、及びガイドマニホルドは糸のもつれをなくすためにリボルバ組立体と共に回転するように構成されている。
【0021】
[0021]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、複数の別個の針棒は6本である。
【0022】
[0022]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、リボルバの配列と安定性を確実化するための手段は空気圧シリンダ又は電気ソレノイドである。
【0023】
[0023]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、空気圧シリンダ又は電気ソレノイドは、リボルバに位置する複数の凹部のうちの1つと係合するピストンを延出する。
【0024】
[0024]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、複数の別個の針棒と係合するように構成されている空気圧作動式昇降板が提供され、複数の別個の針棒のそれぞれはそれらに連結された針棒クランプを有し、空気圧作動式昇降板は連結棒を介して空気圧昇降シリンダに連結されており、1つの針棒クランプはリボルバの回転を通して上部シャフト連結棒クレビスの開口部と整列されることが可能であり、リボルバが回転されている間、空気圧作動式昇降板は静止したままでいる。
【0025】
[0025]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、空気圧作動式昇降板に、空気圧作動式昇降板に対する複数の別個の針棒のうちの1つの摺動を可能にするための間隙スロットが設けられている。
【0026】
[0026]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、複数の別個の針棒は単一又は二重針棒である。
【0027】
[0027]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、下部柱組立体のルーパアーム組立体の2つのルーパのうちの1つを自動的に無効化/有効化することによって1つ又は2つのいずれかの糸を扱うように構成された下部柱組立体が提供され、ルーパアーム組立体が2つのルーパのうちの1つをそれぞれ支持している固定アームと移動可能アームとを含み、複数の別個の針棒のうちの選択された1つが単一針棒であるとき移動可能アームは固定アームに対して低くされ、移動可能アームを低くすることは下部柱組立体の基部付近に位置する空気圧シリンダによって実現され、移動可能アームは固定アームに対する移動可能アームの鉛直移動を可能にする一対のガイドによって支持されている。
【0028】
[0028]上述の特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は前述の実施形態のいずれかの代替として、複数の別個の針棒のうちの1つと連結された糸と係合するように構成されたスワイパアーム(swiper arm)が提供され、スワイパアームの回転動作に起因して、リボルバに別個に固定されたばねクリップアームに固定されたばねクリップにより糸が係合される。
【0029】
[0029]糸巻きを手動で変更することなく縫製ヘッドの糸の色を変更する方法であって、複数の針棒を有する単一の縫製ヘッドを用意するステップであり、複数の針棒の各針棒がリボルバに搭載されており、複数の針棒の各針棒が1つ又は複数の別個に独立した糸巻きによって提供される異なる色の1つ又は複数の糸を含む、ステップと、縫製ヘッドによる縫製作業のために複数の針棒のうちの所望の1つが配向されるまでリボルバを動かすステップと、を含む、方法も開示される。
【0030】
[0030]以下の説明はいかなる様式であっても限定的と捉えられるべきではない。添付の図面を参照して、同様の要素は同様に番号付けされる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本開示による最大6本の別個の針棒を保持できるリボルバ式針棒ホルダの斜視図である。
【
図2】本開示による最大6本の別個の針棒を保持できるリボルバ式針棒ホルダの斜視図である。
【
図3】本開示による中空針棒の上端に入る前に個別の糸巻きから一連のガイド及びテンショナを通して送られる上糸を示す図である。
【
図4】本開示による針棒リボルバの下端を図示する図である。
【
図5A】本開示による針棒が回転している間の板の位置を図示する図である。
【
図5B】本開示による縫製中の板の位置を図示する図である。
【
図6A】本開示による糸ブレーキの使用による結ばれていない糸端を固定し再配置する代替的手段を図示する図である。
【
図6B】本開示による糸ブレーキの使用による結ばれていない糸端を固定し再配置する代替的手段を図示する図である。
【
図6C】本開示による糸ブレーキの使用による結ばれていない糸端を固定し再配置する代替的手段を図示する図である。
【
図7】本開示による上糸送り出しを図示する図である。
【
図8】本開示によるスワイパアームを図示する図である。
【
図10】針棒リボルバでどのように追加の間隙が実現され得るかを図示する図である。
【
図11】2つのルーパのうちの1つを自動的に無効化/有効化することによって1つ又は2つのいずれかの糸を扱うように修正された下部柱組立体を図示する図である。
【
図12】2つのルーパのうちの1つを自動的に無効化/有効化することによって1つ又は2つのいずれかの糸を扱うように修正された下部柱組立体を図示する図である。
【
図13】本開示の実施形態による縫製ヘッドの糸端の保定を図示する図である。
【
図14】本開示の実施形態による縫製ヘッドの糸端の保定を図示する図である。
【
図15】本開示の実施形態による縫製ヘッドの糸端の保定を図示する図である。
【
図16】本開示の実施形態による縫製ヘッドの糸端の保定を図示する図である。
【
図17】本開示の実施形態による縫製ヘッドの糸端の保定を図示する図である。
【
図18】本開示の実施形態による針棒昇降板の動作を図示する図である。
【
図19】本開示の実施形態による針棒昇降板の動作を図示する図である。
【
図20】本開示の実施形態による縫製ヘッドの斜視図である。
【
図21】本開示の実施形態による縫製ヘッドの斜視図である。
【
図22】本開示の実施形態による縫製ヘッドの一部の斜視図である。
【
図23】本開示の実施形態による縫製ヘッドの一部の斜視図である。
【
図24】本開示の実施形態による縫製ヘッドの一部の分解図である。
【
図25】本開示の実施形態による縫製ヘッドの一部の斜視図である。
【
図26】本開示の実施形態による縫製ヘッドの一部の斜視図である。
【
図27】本開示の実施形態による縫製ヘッドの一部の斜視図である。
【
図28】本開示の実施形態による縫製ヘッドの一部の斜視図である。
【
図29】本開示の実施形態による縫製ヘッドの一部の斜視図である。
【
図30】本開示の実施形態による縫製ヘッドの一部の頂面図である。
【
図31】本開示の実施形態による縫製ヘッドを有するロボットの概略図である。
【
図32】本開示による縫製動作の工程フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[詳細な説明]
[0059]開示される装置及び方法の1つ又は複数の実施形態の詳細な説明が、限定としてではなく例示として、図面を参照して本明細書に提示される。
【0033】
[0060]一概念において、最大6本の別個の針棒7を保持できる、リボルバ式針棒ホルダ、リボルバ針棒ホルダ、又はリボルバ1が利用される(少なくとも
図1参照)。リボルバ1は、ヘッド、縫製ヘッド、又はロボット縫製ヘッド100の側部に搭載されたモータ2によって、ベルト102を介して回転される。リボルバは、上部支持ブラケット104に位置する一連の4つの軸受糸巻き3によって支持されている。所望の針棒7を回転させ位置につけた後、空気圧シリンダ又は電気ソレノイド4が係合されリボルバ1を定位置に係止する。この係止により、縫製中にリボルバの配列及び安定性が保たれる。この係合は
図23及び
図24にも図示されており、空気圧シリンダ又は電気ソレノイド4はリボルバ1に位置する複数の凹部108のうちの1つと係合するピストン106を延出している。
【0034】
[0061]
図2に示されるように、針棒クランプ5は、全ての縫製速度においてステッチサイクルの上死点(TDC:top-dead-center)から下死点(BDC:bottom-dead-center)まで適切な針棒ストローク及び配置が確実に保たれるようにするために、機械的インターロックを介して昇降ブラケット6と係合する。使用中でない針棒7は、非稼働の針棒と部分表面との間に追加の間隙を提供するために、参照符号8により識別される稼働中の針棒のTDCの上方に位置されることに留意されたい。これは、針棒の変更中に全ての針棒が通る斜板9によって実現される。縫製ヘッドの端部に最も近い針棒7が部分表面上方により高く位置され、縫製される部分又は縫製中固定される部分と干渉する可能性をさらに最小化するように、斜板9はさらに輪郭形成されていてもよい。その輪郭は
図10の破線110によって図示されており、縫製ヘッド100の端部に最も近い針棒7が部分表面上方により高く位置され上記部分又は縫製中固定される部分と干渉する可能性をさらに最小化するように、縫製される部分のための追加の空間を作製するべく領域112が除去される。少なくとも
図10に図示されるように、(
図10の視点に対して)右から左へ高さが上がることで、縫製ヘッド100の端部に最も近い針が上昇する。斜板9は、リボルバ組立体1のための下部ガイドとしても機能する。
【0035】
[0062]代替的に、且つここで少なくとも
図18及び
図19を参照して、針棒の再配置は斜板の代わりに空気圧作動式昇降板36を使用することによって実現され得る。昇降板36は、各針棒7と連結された一連の針棒クランプ37と係合するように構成されている。針棒を変更するために、空気圧昇降シリンダ38が矢印114の方向に延び、連結棒40を介して昇降板36を下方に押す。連結棒40は、一端で昇降板36に固定されており、他端で空気圧昇降シリンダ38に固定されている。フルストロークにおいて、全ての針棒クランプ37は、針棒7のうちの1つの針棒クランプ37のうちの1つと整列するように構成された開口部116を有する上部シャフト連結棒クレビス41と整列される。その後、モータ2が、針棒リボルバ1を回転させ、所望の針棒を連結棒クレビス41と整列させる。リボルバ1が回転されている間も昇降板36は静止したままでいる。整列の際、リボルバ係止シリンダ4が延び、針棒リボルバ1を定位置に係止する。その後、空気圧昇降シリンダ38は矢印118の方向に引っ込み、連結棒クレビス41の開口部116と整列した所望の針棒7を除いて、昇降板と係合される全ての針棒7を持ち上げる。連結棒クレビス41と係合された選択された針棒7を定位置に留まらせる、又は言い換えれば選択された針棒は間隙スロット43に摺動できるため矢印118の方向に動かない、間隙スロット43が、昇降板36に設けられている。連結棒クレビス41と係合された針棒7は次の縫製のために利用される。
【0036】
[0063]
図20に示されるように、針棒リボルバ組立体44はリボルバ1を含み、必要に応じて針棒の輸送を可能とするために回転することもできる。針棒リボルバ組立体44は上部シャフト43の周りを枢動する。回転は、下部シャフト46と共に回転する輸送アーム45によって駆動される。下部シャフトの回転は、ヘッド100の主上部駆動シャフト48に搭載された偏心組立体47によって生み出される。主上部駆動シャフト48が回転するとき、偏心組立体47は下部シャフト46に送られる振動運動を生じ、続く輸送アーム45の前後回転運動をステッチサイクルで順次もたらす。偏心組立体47は、所望の通りに針棒リボルバ組立体44の回転の度合を変動させるように調節されてもよい。
【0037】
[0064]
図3に示されるように、上糸又は頂糸120が、中空針棒の上端に入る前に個別の糸巻き10から一連のガイド122及びテンショナ14を通して送られる。言い換えれば、針棒のそれぞれは中空である。
図22~
図26、
図28、及び
図30も参照されたい。各針棒自体は持上げアームとして機能し、ステッチ作成中にルーパ又はフックにより捕捉させるための糸弛みを作成する。糸巻きから送られた糸は、糸巻き搭載ガイドブラケット12からリボルバ組立体44の上板13まで通る管類11を通して送り届けられる。その後、糸はリボルバ組立体の上板の下方に位置する個別の糸テンショナ14へ送り届けられる。糸がテンショナ14を通過した後、糸は針棒7の上死点(TDC)の下方に位置する糸出口点を有する追加のガイドマニホルド15を通して送り届けられる。ガイドマニホルド15は、ステッチを作成するために針で利用可能な頂糸120の量を制御する能力を提供するように調節可能である。上板、糸テンショナ、及びガイド組立体は、糸のもつれをなくし色ごとに一貫した張力を確実化するために、リボルバ組立体44のリボルバ1に搭載され、共に回転する。これら構成要素は
図3の括弧124によって図示されている。また、矢印126により表される持上げ調節も示されている。
【0038】
[0065]
図4は、針ホルダ17の直上で針棒出口16から出た糸を図示する。糸は、針19の孔を通過する前に1つ又は複数のガイド18を通って送り届けられる。ガイド18は、糸の動きを最小限にし、その結果針19とルーパ又はフック20との間で生じるステッチの形成を改善するために、調節可能な張力を必要に応じて糸にもたらすように設計されていてもよい。
図4は単一針構成を図示する。二重針構成の場合、2本の糸が針棒の中心を通って頂部から底部へ送られ、針棒の底部に挿入された二重針ホルダに位置する針の孔を通る前に、同じガイドを通過する。
【0039】
[0066]
図5A及び
図5Bは、縫製中に起きる部分特徴スキャンとの干渉を防止するために、結ばれていない糸端21を固定し再配置する1つの方法を図示する。空気圧式又は電気式作動装置23によって駆動される板22は、針を囲み、針先端下方の特定の距離から針先端上方の特定の距離まで針の長さに沿って軸線方向に移動する。板22が最も低い位置にあるとき、針棒リボルバ1は自由に回転でき色変更が可能である。所望の針棒7が定位置についた後、板22は上部位置に引き上げられ、全ての使用されていない針棒の結ばれていない糸端を、上方向に運ぶことによって且つ縫製中に定位置で保持することによって捕らえる。
【0040】
[0067]
図6A~
図6Cは、予備針棒に存在する糸を引き込んで係止すること、並びに糸端が縫製若しくは部分スキャン工程と干渉するのを防止することの両方のために採用されてもよい糸ブレーキ24の使用による、結ばれていない糸端を固定し再配置する代替的手段を図示する。糸ブレーキは、使用中の針棒が糸ブレーキと係合しないように切欠がついている。
図6Aは係脱した糸ブレーキ24を示す一方、
図6Bは係合した糸ブレーキを示し、
図6Cは係合した糸ブレーキ及び引き込まれた糸を示す。
【0041】
[0068]
図13~
図17は、アイドル状態の針棒7から突出する結ばれていない糸端を固定する、さらに他の代替的手段を図示する。最後のステッチの後、ヘッド100は縫製を停止し、リボルバの作動又は回転の前に、スワイパアーム34が原位置から(
図13~
図17に対して又は矢印127の方向へ)時計回りに回転し、針と縫製された部分128の最後のステッチとの間に連結された頂糸と係合するか又は捕捉する。係合後、スワイパアーム34は、糸が糸を捕らえるばねクリップ35と係合する地点まで矢印127の方向へ時計回りに回り続ける。糸が捕らえられた後、スワイパアームは、鋏130による糸裁断が起きることが可能になる位置まで(
図13~
図17に対して又は矢印129の方向へ)反時計回りに回転する。裁断後、スワイパアーム34が原位置に戻る間、針からの上糸はばね保定クリップ35によって拘束されたままである。ここで、針棒リボルバ1は、続く糸色又は針量の変更のために回転され得る。
【0042】
[0069]スワイパアーム34の回転は、スワイパアーム34に固定されたシャフト133を回転させるスワイパアームシリンダ131を通して実現される。
【0043】
[0070]
図13Aは、ばね保定クリップ35をいずれかの側に有するばねクリップアーム132を図示する、
図13の線13A-13Aに沿った図である。針棒組立体の各針棒7は、リボルバの回転が各ばねクリップアーム132を回転させるようにシャフト134を介して針棒リボルバ組立体44のリボルバ1に別個に固定された、関連付けられたばねクリップアーム132を有する。関連付けられたばねクリップアーム132は少なくとも
図29にも図示される。
【0044】
[0071]本明細書で説明される概念は、リアルタイムで実現される自動的な糸の再配置、裁断、及び追跡特徴位置のスキャンのために必要な構成要素の既存の実装必要条件を考慮に入れている。上記概念は、自動3D部分縫製中に接近される部分表面の上方及び下方の典型的な空間必要条件も考慮している。
【0045】
[0072]上記概念は、二重縫い式又は鎖縫い式のいずれか一方の縫製で使用されてもよい。
【0046】
[0073]本開示の様々な非限定的実施形態によれば、リボルバ式針棒ホルダ1はロボット縫製ヘッド100と共に使用されてもよい。またさらに、本開示の様々な非限定的実施形態によれば、リボルバ式針棒ホルダは部品にステッチを適用するために使用されてもよく、一非限定的実施形態において上記部品は車両又は自動車の内装部品であってもよい。
【0047】
[0074]リボルバ針棒ホルダ1は、各棒の端部における単一針クランプ25、各棒の端部における二重針クランプ、又は残りの針棒が二重針クランプのために構成された状態で単一針クランプのために構成された1つ若しくは複数の針棒の組み合わせ、を扱うようにさらに構成されていてもよい。
【0048】
[0075]リボルバ針棒ホルダが単一及び二重針棒クランプの両方の組み合わせを扱うように構成されている場合、縫製ヘッドを交換せずに又は複数の縫製セル若しくはステーションの間の部分を動かさずに同一処理サイクル内で同一部分に単一及び二重の両方の針の装飾ステッチ模様を縫製する能力がこのとき可能となる。
【0049】
[0076]
図11及び
図12は、2つのルーパのうちの1つを自動的に無効化/有効化することによって1つ又は2つのいずれかの糸を扱うように修正された下部柱組立体26を図示する。ルーパアーム組立体は、それぞれが1つのルーパを支持する固定アーム27及び移動可能アーム28を含み、針が1つのみ使用中である場合は移動可能アームが低くなる。移動可能アームを低くすることは、柱組立体26の基部付近に位置する空気圧シリンダ29によって実現される。移動可能アーム28は、固定アーム27の長さに沿った矢印132の方向への固定アーム27に対する移動可能アームの鉛直移動を可能にする一対のガイド30によって支持されている。移動可能アーム28の高さを減じることは、その時点で非稼働のルーパ32から突出する結ばれていない糸端31が稼働中のルーパ33によって作成されるステッチに縫製されることを防止する。ルーパ入れ子ポケット32aは結ばれていない糸端の収容を補助するように機能する。
【0050】
[0077]二重針から単一針に切り替えるとき、リボルバ針棒ホルダ1は、単一針を有する針棒7が適切な位置につくまで回転される。同時に、第2のルーパを非稼働にするために片方のルーパアームが下げられる。同様に、単一針から二重針に切り替えるとき、リボルバは2つの針を有する針棒を定位置まで回転させ、同時に非稼働のルーパは縫製位置まで押し戻される。針棒リボルバ及び片方のルーパアームの両方の動作は機械制御装置を通じて自動的に作動される。
【0051】
[0078]加えて、針棒ホルダ内の針棒は、単一のリボルバ内の多数の糸サイズを扱うように構成されていてもよい。装飾的自動車ステッチに対しては135テックス及び210テックスの糸サイズが一般的である。
【0052】
[0079]単一の処理サイクル中に単一の縫製ヘッド内で自動的にサイズ、糸色、及び糸量を変更する能力がここで実際的に実現可能である。
【0053】
[0080]
図30は、本開示の実施形態による縫製ヘッド100の一部の頂面図である。上述のように、上糸又は頂糸120は、糸巻き10からリボルバ組立体44のガイド122まで通る管類11を通じて、個別の糸巻き10から送られる。
【0054】
[0081]
図31は、本開示の実施形態による、ロボット135のアーム又は他の等価構造体138を有する縫製ヘッド100と動作可能に結合されたロボット136の概略図である。ロボット136及び縫製ヘッド100はケージ140内に位置する。縫製ヘッド100により縫製されている部分128もさらに示されている。加えて、縫製ヘッド100により縫製されるべく待機している第2の非被縫製部分128’が示されている。被縫製部分128及び非被縫製部分128’は、矢印144によって図示される方向の少なくとも一方向に回転され得る取付具142上に位置される。
【0055】
[0082]ユーザ148が所望の糸色に関する入力を提供できるコンピュータのヒューマンマシンインターフェース146もさらに示されている。非被縫製部分128’のバーコードラベルをスキャンするための部品バーコードスキャナ150もさらに設けられている。部分128が縫製されている間、非被縫製部分128’はセルケージ140の外部に位置する取付具142に載せられている。部分の縫製が完了し次第、非被縫製部分に必要な糸色を示す信号がコンピュータ(PC)146のヒューマンマシンインターフェース(HMI)から縫製ヘッド100へ送られる。
【0056】
[0083]ロボットケージ140内に回転する前に非被縫製部分128’が載せられた後、部分128の外装色が所望のレシピ(例えば、コンピュータ(PC)146のヒューマンマシンインターフェース(HMI)で選択された糸色並びに針タイプ(二重若しくは単一))と合致していることを検証するために、非被縫製部分128’のバーコードラベルが部品バーコードスキャナ150によってスキャンされる。
【0057】
[0084]
図32は、本開示による縫製動作の工程フローチャート170である。ステップ又はボックス172において、操作者は被縫製部分128を取付具142から取り除き、新しい部分128’を載せる。その後、現在の針の糸色が新しい部分に対して正しいものかどうか判断される。この判断はボックス又はステップ174及び176により図示されている。現在の針の糸色が正しい場合、ロボット136は原位置を離れ、第1の処理サイクル又はステッチ軌道を開始する。この開始はボックス又はステップ178により表されている。現在の針の糸色が正しくない場合、リボルバの回転によって縫製ヘッド100が正しい針の糸に切り替わる。この切り替わりはボックス又はステップ180により表されている。
【0058】
[0085]ボックス又はステップ182において、ロボット136は縫製ヘッド100を伴って第1のステッチ軌道の部分128に入る。ボックス又はステップ184において、縫製ヘッド100は現在の軌道の第1の部分的ステッチを完了する。必要な場合、且つ縫製される部分の輪郭に応じて、ボックス又はステップ186において、ロボット136は昇降機構によって下部アームを上げ下げする。その後、ボックス又はステップ188において、ロボット136は現在の軌道の残りを縫製する。
【0059】
[0086]必要な場合、且つ縫製される部分の輪郭に応じて、ボックス又はステップ190において、ロボット136は昇降機構によって下部アームを再度上げ下げする。現在のステッチ軌道が最後の軌道である場合(ボックス又はステップ192)、縫製ヘッド100は部分128を出て、ロボットはホームに戻る。この戻りはボックス又はステップ192及び194により表されている。
【0060】
[0087]しかし、現在のステッチ軌道が最後の軌道でない場合(ボックス又はステップ196)、ロボット136は縫製ヘッド100を次の軌道に移動させる(ボックス又はステップ198)。
【0061】
[0088]現在の針の糸色が正しい場合、ロボット136は現在のステッチ軌道で第1の処理サイクルを開始する。この開始はボックス又はステップ200及び184により表されている。現在の針の糸色が正しくない場合(ボックス又はステップ202)、リボルバの回転によって縫製ヘッド100が正しい針の糸に切り替わる。この切り替わりはボックス又はステップ204により表されている。その後、ロボット136は現在のステッチ軌道で第1の処理サイクルを開始する。この開始はボックス又はステップ184により表されている。
【0062】
[0089]用語「約(about)」は、本出願を出願した時点で利用可能な装置に基づいた特定の量の測定値に関連する誤差の程度を含むことが意図される。例えば、「約(about)」は所与の値の±8%、5%、又は2%の範囲を含んでもよい。
【0063】
[0090]本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明することを目的とし、本開示を限定することは意図されない。本明細書で使用される単数形「a(1つの)」、「an(1つの)」、及び「the(上記)」は、文脈上別段に明記されていない限り、複数形も含むことが意図される。用語「備える(comprises)」及び/又は「備えている(comprising)」は、本明細書で使用される場合、記された特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を明示するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことをさらに理解されたい。
【0064】
[0091]本開示は1つ又は複数の例示的実施形態を参照して記載されているが、本開示の範囲から逸脱することなく様々な変更がなされてもよく、均等物が本開示の要素の代替とされてもよいことが当業者によって理解されるであろう。加えて、本開示の本質的範囲から逸脱することなく特定の状況又は材料を本開示の教示に適合させるために、多くの変更がなされてもよい。したがって、本開示は本開示を実施するために企図される最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されないが、本開示は特許請求の範囲内に収まる全ての実施形態を含むことが意図される。
【国際調査報告】