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特表2024-532123処理システムを接続するためのコネクタシステム及び関連方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】処理システムを接続するためのコネクタシステム及び関連方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/18 20060101AFI20240829BHJP
   H01R 43/26 20060101ALI20240829BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G06F1/18 E
H01R43/26
G06F1/16 312J
G06F1/16 312B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509007
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-04-03
(86)【国際出願番号】 US2022040420
(87)【国際公開番号】W WO2023023025
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/260,389
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,ヨン グオ
(72)【発明者】
【氏名】グルーン,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】バンダリ,リシャブ
(72)【発明者】
【氏名】ナボヴァティ,アイディン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,シュヤン
【テーマコード(参考)】
5E063
【Fターム(参考)】
5E063KA01
5E063XA01
(57)【要約】
コネクタシステムが開示される。コネクタシステムは、支持構造体、支持構造体に結合されたホルダ、支持構造体とホルダとの間に配置されたアライメント調整構造体、及びアクチュエータを含むことができる。ホルダは、接続ラインの第1のコネクタを受け入れることができる。アライメント調整構造体は、第1の軸に沿って圧縮可能であり、第1の軸とは異なる第2の軸に沿って移動可能である。アクチュエータは、第1のコネクタをシステムオンウェハ(SoW)アセンブリなどの処理システムの第2のコネクタに接続するようにホルダの移動を提供するように構成される。
【選択図】図6C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタシステムであって、
支持構造体と、
接続ラインの第1のコネクタを受け入れるように構成されたホルダであって、前記ホルダが前記支持構造体に結合された、ホルダと、
第1の軸に沿って圧縮可能であり、前記第1の軸とは異なる第2の軸に沿って移動可能なアライメント調整構造体であって、前記アライメント調整構造体が前記支持構造体と前記ホルダとの間に配置された、アライメント調整構造体と、
前記第1のコネクタを処理システムの第2のコネクタに接続するように前記ホルダの移動を提供するように構成されたアクチュエータと、
を備える、コネクタシステム。
【請求項2】
前記第2の軸が、前記第1の軸に対して実質的に垂直である、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項3】
前記アライメント調整構造体が、前記第2の軸と平行な平面に沿って移動可能である、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項4】
前記コネクタシステムが、
前記ホルダを含むホルダの配列と、
前記アライメント調整構造体の配列とを備え、前記アライメント調整構造体の配列の各アライメント調整構造体が、前記ホルダの配列のそれぞれのホルダに関連付けられる、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項5】
第2の接続ラインの第3のコネクタを受け入れるように構成された第2のホルダを更に備え、前記第2のホルダが前記支持構造体に結合され、前記アクチュエータが、前記第2のコネクタを前記処理システムの第4のコネクタに接続するように前記第2のホルダの移動を提供するように構成される、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項6】
前記アライメント調整構造体が、ばねを含む、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項7】
前記支持構造体によって支持されるフレームの開口部に配置される締結具を含むデータ構造体を更に備え、前記締結具が、前記フレームを前記ホルダと結合し、前記ばねが、前記第1の軸に沿って圧縮されることに応答して、前記データ構造体のデータを解放するように構成される、請求項6に記載のコネクタシステム。
【請求項8】
前記締結具が、傾斜ヘッド部とシャンク部とを含み、前記フレームの前記開口部の少なくとも一部が、前記締結具の前記傾斜ヘッド部を収容するように形作られる、請求項7に記載のコネクタシステム。
【請求項9】
前記締結具が段付きヘッド部とシャンク部とを含み、前記フレームの開口部の少なくとも一部が、前記締結具の前記段付きヘッド部を収容するよう形作られる、請求項7に記載のコネクタシステム。
【請求項10】
ミリメートル程度のアライメント公差で前記処理システムの前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間のアライメントを提供するように構成されたアライメントピンを更に備え、前記アライメント調整構造体が、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間のアライメント公差を補正するように構成される、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項11】
前記アライメント調整構造体が金属格子縞を備える、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項12】
前記アライメント調整構造体がゴムを備える、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項13】
マルチキャビネットコンピューティングシステムであって、
第1の処理システムを含む第1の複数の処理システムを含む第1のキャビネットと、
第2の処理システムを含む第2の複数の処理システムを含む第2のキャビネットと、
前記第1の処理システムと前記第2の処理システムとを複数の接続ラインを介して接続するするように構成されたコネクタシステムであって、前記コネクタシステムが、
前記複数の接続ラインのうちの接続ラインのコネクタを保持し、フレームに結合されるように構成されたコネクタホルダと、
前記コネクタホルダと前記フレームとの間のアライメント調整構造体であって、前記アライメント調整構造体が、第1の軸に沿って圧縮可能であり、前記第1の軸に対してある角度で配向された平面に沿って移動可能であり、それにより、前記接続されたコネクタと前記第1の処理システムのコネクタとの位置合わせを容易にする、アライメント調整構造体と、を備えるコネクタシステムと、
を備える、マルチキャビネットコンピューティングシステム。
【請求項14】
前記第1の処理システムが、システムオンウェハ(SoW)アセンブリを含む、請求項13に記載のマルチキャビネットコンピューティングシステム。
【請求項15】
前記アライメント調整構造体が、ばねを含む、請求項13に記載のマルチキャビネットコンピューティングシステム。
【請求項16】
前記支持構造体によって支持されるフレームの開口部に挿入される締結具を含むデータ構造体を更に備え、前記締結具が、前記フレームを前記ホルダと結合し、前記ばねが、前記第1の軸に沿って圧縮されることに応答して、前記データ構造体のデータを解放するように構成される、請求項15に記載のマルチキャビネットコンピューティングシステム。
【請求項17】
前記締結具が、傾斜ヘッド部とシャンク部とを備え、前記フレームの前記開口部の少なくとも一部が、前記締結具の前記傾斜ヘッド部を収容するように形作られる、請求項16に記載のマルチキャビネットコンピューティングシステム。
【請求項18】
前記締結具が、段付きヘッド部及びシャンク部を含み、前記フレームの前記開口部の少なくとも一部が、前記締結具の前記段付きヘッド部を収容するように形作られる、請求項16に記載のマルチキャビネットコンピューティングシステム。
【請求項19】
前記接続ラインの前記コネクタと前記第1の処理システムの前記コネクタとの間のアライメントを、ミリメートル程度のアライメント公差で提供するように構成されたアライメントピンを更に備え、前記アライメント調整構造体が、前記接続ラインの前記コネクタと前記第1の処理システムの前記コネクタとの間の前記アライメント公差を補正するように構成される、請求項13に記載のマルチキャビネットコンピューティングシステム。
【請求項20】
前記第1及び第2の処理システムが、ニューラルネットワークトレーニングを実行するように構成される分散処理システムに含まれる、請求項13に記載のマルチキャビネットコンピューティングシステム。
【請求項21】
第1のキャビネットの第1のコンピューティングシステムと第2のキャビネットの第2のコンピューティングシステムとを接続ラインを介して接続する方法であって、
前記接続ラインの第1のコネクタを保持する第1のコネクタシステムを提供するステップと、
前記接続ラインの前記第1のコネクタを前記第1のキャビネットの前記第1のコンピューティングシステムの第2のコネクタに接続するために、前記第1のコネクタシステムを作動させるステップとを含み、
前記第1のコネクタシステムが、前記接続ラインの前記第1のコネクタを保持し、フレームに結合されるコネクタホルダと、前記コネクタホルダと前記フレームとの間のアライメント調整構造体とを備え、前記作動が、前記アライメント調整構造体を第1の軸に沿って圧縮させ、前記ホルダを前記第1の軸とは異なる第2の軸に沿って移動させる、方法。
【請求項22】
前記接続ラインの第3のコネクタを保持する第2のコネクタシステムを提供するステップと、
前記接続ラインの前記第3のコネクタを前記第2のキャビネットの前記第2のコンピューティングシステムの第4のコネクタに接続するために、第2のコネクタシステムを作動させるステップとを更に含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年8月18日に出願された「ELECTRONIC ASSEMBLIES AND METHODS OF MANUFACTURING THE SAME」と題する米国仮特許出願第63/260,389号の利益を主張し、その開示はその全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、電子アセンブリ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
システムオンウェハ(SoW)アセンブリは、SoW、及びSoWに結合された放熱構造を含むことができる。放熱構造とSoWとの間に電圧調整モジュール(VRM)及びサーマルインターフェースマテリアルを含めることができる。典型的なSoWは、複数の接続を含み得る。狭いスペースでSoWを互いに接続することに関連付けられる技術的課題が存在し得る。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、コネクタシステムが開示される。コネクタシステムは、支持構造体、支持構造体に結合されたホルダ、支持構造体とホルダとの間に配置されたアライメント調整構造体、及び第1のコネクタを処理システムの第2のコネクタに接続するようにホルダの移動を提供するように構成されたアクチュエータを含むことができる。ホルダは、接続ラインの第1のコネクタを受け入れるように構成される。アライメント調整構造体は、第1の軸に沿って圧縮可能であり、第1の軸とは異なる第2の軸に沿って移動可能である。
【0005】
一実施形態では、第2の軸は、第1の軸に対して実質的に垂直である。
【0006】
一実施形態では、アライメント調整構造体は、第2の軸と平行な平面に沿って移動可能である。
【0007】
一実施形態では、コネクタシステムは、ホルダを含むホルダの配列、及びアライメント調整構造体を含むアライメント調整構造体の配列を含む。アライメント調整構造体の配列の各アライメント調整構造体が、ホルダの配列のそれぞれのホルダに関連付けられる。
【0008】
一実施形態では、コネクタシステムは、第2の接続ラインの第3のコネクタを受け入れるように構成される第2のホルダを更に含む。第2のホルダは、支持構造体に結合され得る。アクチュエータは、第2のコネクタを処理システムの第4のコネクタに接続するように第2のホルダの移動を提供するように構成され得る。
【0009】
一実施形態では、アライメント調整構造体は、ばねを含む。コネクタは、支持構造体によって支持されるフレームの開口部に配置される締結具を含むデータ構造体を更に含むことができる。締結具は、フレームをホルダと結合することができる。ばねは、第1の軸に沿って圧縮されることに応答して、データ構造体のデータを解放するように構成され得る。締結具は、傾斜ヘッド部及びシャンク部を含む。フレームの開口部の少なくとも一部は、締結具の傾斜ヘッド部を収容するように形作られ得る。締結具は、段付きヘッド部及びシャンク部を含むことができる。フレームの開口部の少なくとも一部は、締結具の段付きヘッド部を収容するよう形作られ得る。
【0010】
一実施形態では、コネクタシステムは、1ミリメートル程度のアライメント公差で処理システムの第1のコネクタと第2のコネクタとの間のアライメントを提供するように構成されたアライメントピンを更に含む。アライメント調整構造体は、第1のコネクタと第2のコネクタとの間のアライメント公差を補正するように構成される
【0011】
一実施形態では、アライメント調整構造体は、金属格子縞を含む。
【0012】
一実施形態では、アライメント調整構造体はゴムを備える
【0013】
一態様では、マルチキャビネットコンピューティングシステムが開示される。マルチキャビネットコンピューティングシステムは、第1の処理システムを含む第1の複数の処理システムを有する第1のキャビネットと、第2の処理システムを含む第2の複数の処理システムを有する第2のキャビネットと、複数の接続ラインによって第1の処理システムと第2の処理システムとを接続するように構成されたコネクタシステムとを含むことができる。コネクタシステムは、複数の接続ラインのうちの接続ラインのコネクタを保持するように構成され、フレームに結合されたコネクタホルダと、コネクタホルダとフレームとの間のアライメント調整構造体を含む。アライメント調整構造体は、第1の軸に沿って圧縮可能であり、第1の軸に対してある角度で配向された平面に沿って移動可能であり、それによって接続されたコネクタと第1の処理システムのコネクタとのアライメントを容易にする。
【0014】
第1の処理システムは、システムオンウェハ(SoW)アセンブリを含む。
【0015】
一実施形態では、アライメント調整構造体は、ばねを含む。マルチキャビネットコンピューティングシステムは、支持構造体によって支持されるフレームの開口部に挿入される締結具を含むデータ構造体を更に含む。締結具は、フレームをホルダと結合する。ばねは、第1の軸に沿って圧縮されることに応答して、データ構造体のデータを解放するように構成され得る。締結具は、傾斜ヘッド部及びシャンク部を含む。フレームの開口部の少なくとも一部は、締結具の傾斜ヘッド部を収容するように形作られ得る。締結具は、段付きヘッド部及びシャンク部を含むことができる。フレームの開口部の少なくとも一部は、締結具の段付きヘッド部を収容するよう形作られ得る。
【0016】
一実施形態では、マルチキャビネットコンピューティングシステムは、1ミリメートル程度のアライメント公差で接続ラインのコネクタと第1の処理システムのコネクタとの間のアライメントを提供するように構成されたアライメントピンを更に含む。アライメント調整構造体は、接続ラインのコネクタと第1の処理システムのコネクタとの間のアライメント公差を補正するように構成される。
【0017】
一実施形態では、第1及び第2の処理システムは、ニューラルネットワークトレーニングを実行するように構成される分散処理システムに含まれる。
【0018】
一態様では、第1のキャビネットの第1のコンピューティングシステムと第2のキャビネットの第2のコンピューティングシステムとを接続ラインを介して接続する方法が開示される。本方法は、接続ラインの第1のコネクタを保持する第1のコネクタシステムを提供することと、第1のコネクタシステムを作動させて、接続ラインの第1のコネクタを第1のキャビネットの第1のコンピューティングシステムの第2のコネクタに接続することとを含むことができる。第1のコネクタシステムは、接続ラインの第1のコネクタを保持し、フレームに結合されるコネクタホルダと、コネクタホルダとフレームとの間のアライメント調整構造体とを含む。作動は、アライメント調整構造体を第1の軸に沿って圧縮させ、ホルダを第1の軸とは異なる第2の軸に沿って移動させる。
【0019】
一実施形態では、本方法は、接続ラインの第3のコネクタを保持する第2のコネクタシステムを提供することと、
接続ラインの第3のコネクタを第2のキャビネットの第2のコンピューティングシステムの第4のコネクタに接続するために、第2のコネクタシステムを作動させることとを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
ここで、限定ではなく例として提供される以下の図面を参照して、特定の実装を説明する。
【0021】
図1】処理システムの概略断面側面図を示す。
【0022】
図2】一実施形態による処理システムの一部の概略斜視図である。
【0023】
図3】インターポーザアセンブリの概略斜視図である。
【0024】
図4】システムオンウェハ(SoW)上に配置された複数のインターポーザアセンブリを示す上面図である。
【0025】
図5】ホルダに結合された接続ラインのコネクタ(例えば、オスコネクタ)の概略斜視図である。
【0026】
図6A】第1の状態でキャビネットブラケットに固定されたコネクタシステムの概略側面図である。
【0027】
図6B】第1の状態とは異なる第2の状態でキャビネットブラケットに固定されたコネクタシステムの概略側面図である。
【0028】
図6C】接続ラインを有する第2の状態にあるコネクタシステムの概略斜視図である。
【0029】
図7A】コネクタホルダフレームに結合されたアライメントピンの概略側面図である。
【0030】
図7B】ホルダに結合されたコネクタの概略側面図である。
【0031】
図8A】接続ラインのコネクタを対応するコネクタに接続する方法における様々なステップを示す。
図8B】接続ラインのコネクタを対応するコネクタに接続する方法における様々なステップを示す。
図8C】接続ラインのコネクタを対応するコネクタに接続する方法における様々なステップを示す。
【0032】
図8D】データ構造体の例を示す。
図8E】データ構造体の例を示す。
【0033】
図8F】データ構造体の別の例を示す。
図8G】データ構造体の別の例を示す。
【0034】
図9】コネクタホルダフレームの概略斜視図である。
【0035】
図10A】処理システムのコネクタに接続ラインのコネクタを接続する前のコネクタシステム及び処理システムを示す。
【0036】
図10B】接続ラインのコネクタを処理システムのコネクタに接続した後のコネクタシステム及び処理システムを示す。
【0037】
図11A】アライメント調整構造体の一例としてのフレキシャの図を示す。
【0038】
図11B】フレキシャの別の図を示す。
【0039】
図12A】アライメント調整構造体の一例としての弾性ピラミッドの概略斜視図である。
【0040】
図12B】アライメント調整構造体の一例としての弾性シリンダの概略側面図である。
【0041】
図13A】複数のコネクタシステムを有する第1のキャビネット及び第2のキャビネットの概略斜視図を示す。
【0042】
図13B図13Aの一部の拡大図を示す。
【0043】
図13C】第1及び第2のキャビネットの概略側面図である。
【0044】
図13D】支持ラックが示されている図13Cの一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
特定の実施形態の以下の詳細な説明は、特定の実施形態の様々な説明を提示する。しかしながら、本明細書に記載された技術革新は、例えば、特許請求の範囲によって定義及び包含されるように、多数の異なる方法で具体化することができる。この説明では、図面を参照し、同様の参照番号及び/又は用語は同一の要素又は機能的に同様の要素を示すことができる。図に示されている要素は、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解されよう。更に、特定の実施形態は、図面に示されているよりも多くの要素及び/又は図面に示されている要素のサブセットを含むことができることが理解されよう。更に、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適切な組み合わせを組み込むことができる。
【0046】
高性能分散処理システムは、互いに接続された異なるキャビネット内の複数の処理システムを含むことができる。各キャビネットは、処理システムの配列を含むことができる。異なるキャビネット内の処理システムを接続するためのいくつかの手法は、全てのコネクタがキャビネットの片側からアクセスできるように、キャビネットの片側にコネクタを有することを含む。そのような手法は、ユーザが手動で接続を変更し、特定のシステムメンテナンスを容易にすることを可能にすることができるが、全ての接続がキャビネットの片側にあると、分散処理システムの性能が低下する可能性がある。例えば、キャビネットの片側に全てのコネクタがある場合、キャビネット間のコネクタラインは、異なるキャビネットの処理システム間の最短物理経路に対して遅延を加える可能性がある。
【0047】
本開示の態様は、狭いスペース内の処理システム間の短い接続を可能にするコネクタシステムに関する。そのようなコネクタシステムは、ユーザが手動で接続を調整するのに十分なスペースがない領域におけるメンテナンスのための接続及び切断を容易にすることができる。本明細書で開示されるコネクタシステムは、キャビネットの複数の側面の処理システム間の接続を容易にして、異なるキャビネット内の処理システム間の短い接続を可能にすることができる。これにより、コネクタラインの長さを短縮し、高性能分散コンピューティングアプリケーションの性能を向上させることができる。本明細書に開示されるコネクタシステムは、小さなアライメント公差内で比較的多数のコネクタを接続することができる。本明細書で開示される技術では、コネクタは、キャビネット間の変動公差よりも約2桁小さい不整合公差内で接続することができる。
【0048】
マルチキャビネットコンピューティングシステムでは、キャビネット間に数10ミリメートル程度の公差変動が生じる可能性がある。異なるキャビネット内のコンピューティングシステムを接続するためのコネクタ間の接続を容易にするために、0.1ミリメートル程度の許容可能なコネクタの不整合があり得る。本明細書に開示されるコネクタシステムは、数10ミリメートル程度の初期アライメント不整合から、0.1ミリメートル程度の不整合公差内でコネクタを位置合わせするアライメント構造体を含むことができる。
【0049】
本明細書で開示される実施形態は、システムオンウェハ(SoW)アセンブリのような2つ以上のシステムを別のシステム又は1つ又は複数の他のSoWアセンブリに接続するためのコネクタシステムに関する。いくつかの実施形態では、コネクタシステムは、異なるキャビネット内のシステムを接続することができる。コネクタシステムは、キャビネット壁を横切って配置されるシステム間の接続を可能にすることができる。システムのコネクタは、人間が容易にアクセスできない可能性がある。本明細書で開示されるコネクタシステムは、人間が物理的に接続部位に存在することなく、システムを接続及び切断することを可能にすることができる。
【0050】
コネクタシステムは、2つのコネクタ(例えば、メスコネクタを有するオスコネクタ)のアライメントを容易にするアライメント構造体を含むことができる。モータは、コネクタシステムを駆動することができる。いくつかの実施形態では、オスコネクタとメスコネクタの位置を概ね位置合わせする第1のアライメント構造体(例えば、アライメントピン又は穴)及び、オスコネクタとメスコネクタとの間の正確なアライメントを提供できる第2のアライメント構造体を含むことができる。第2のアライメント構造体は、オスコネクタとメスコネクタとの間のアライメントを三次元的に調整可能である。例えば、第2のアライメント構造体は、水平方向(例えば、x-y平面に沿って)に浮動することができ、垂直方向(例えば、z軸に沿って)に圧縮可能であり得る。第2のアライメント構造体は、別のコネクタに接続するように構成されるコネクタを保持するホルダに結合され得る。
【0051】
SoWアセンブリは、SoW及び、SoWに結合された冷却システムを含むことができる。SoWは、集積回路ダイの配列を含むことができる。SoWアセンブリは、SoWと冷却システムとの間に配置された電圧調整モジュール(VRM)などの電子モジュールの配列を含むことができる。典型的なSoWアセンブリは、ウェハなどの個々の構成要素を取り付け又は取り外すために保守の必要があり得るいくつかのコネクタ及び断路器を含むことができる。
【0052】
図1は、処理システム10の概略断面側面図を示す。処理システム10は、本明細書に開示されるコネクタシステムによって接続され得る例示的な処理システムである。処理システム10は、システムオンウェハ(SoW)アセンブリを含むことができる。処理システム10は、高い計算密度を有することができ、処理システム10によって生成された熱を放散することができる。処理システム10は、特定のアプリケーションにおいて毎秒数兆回の動作を実行することができる。処理システム10は、ニューラルネットワークトレーニング及び/又は処理、機械学習、人工知能などの高性能コンピューティング及び/又は計算集約型アプリケーションで使用され、及び/又はそれらのために特に構成され得る。処理システム10は、冗長性を実装することができる。いくつかの用途では、処理システム10は、車両(例えば、自動車)などの自動操縦システム用のデータを生成するために使用することができる。
【0053】
図2は、一実施形態による処理システム10の一部の概略斜視図である。図2に示す処理システム10は、図1に示す処理システム10の様々な構成要素を共有することができる。
【0054】
図1に示されるように、処理システム10は、冷却コンポーネント12、SoW14、電圧調整モジュール(VRM)16、及び冷却システム18を含む。図2に示されるように、処理システム10は、冷却コンポーネント12、フレーム構造体15、電圧調整モジュール(VRM)16、及びインターポーザアセンブリ20を含む。
【0055】
冷却コンポーネント12は、SoW14を冷却することができる。冷却コンポーネント12は、動作中に熱を放散し、熱を除去し、或いは処理システムの構成要素の温度を低下させるための任意の適切な構成要素とすることができる。冷却コンポーネント12は、ヒートスプレッダを含むことができる。そのようなヒートスプレッダは、金属板を含むことができる。代替的又は追加的に、冷却コンポーネント12は、ヒートシンクを含むことができる。冷却コンポーネント12は、望ましい放熱特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。場合によっては、冷却コンポーネント12は、能動的な冷却のために冷却剤が流れるように配置されたコールドプレートを含むことができる。熱伝達抵抗を低減及び/又は最小化するために、冷却コンポーネント12とSoW14との間にサーマルインターフェースマテリアルを含めることができる。
【0056】
SoW14は、集積回路(IC)ダイの配列を含むことができる。ICダイは、成形材料に埋め込むことができる。SoW14は、高い計算密度を有することができる。ICダイは、シリコンダイなどの半導体ダイであってもよい。ICダイの配列は、任意の適切な数のICダイを含むことができる。例えば、ICダイの配列は、16個のICダイ、25個のICダイ、36個のICダイ、又は49個のICダイを含むことができる。SoW14は、例えば、統合ファンアウト(InFO)ウェハとすることができる。InFOウェハは、ICダイの配列上に複数のルーティング層を含むことができる。例えば、InFOウェハは、特定の用途において4、5、6、8、又は10のルーティング層を含むことができる。InFOウェハのルーティング層は、ICダイ間及び/又は外部構成要素への信号接続を提供することができる。SoW14は、10インチ~15インチの範囲の直径など、比較的大きな直径を有することができる。一例として、SoW14は、12インチの直径を有することができる。
【0057】
フレーム構造体15は、処理システム10の構造的完全性に寄与することができる。フレーム構造体15は、VRM16を支持し、VRM16を所定の位置に保持することができる。
【0058】
VRM16は、各VRMがSoW14のICダイと積層されるように配置され得る。処理システム10では、VRM16が高密度にパッキングされている。従って、VRM16はかなりの電力を消費する可能性がある。VRM16は、直流(DC)供給電圧を受け取り、より低い出力電圧をSoW14の対応するICダイに供給するように構成される。
【0059】
冷却システム18は、VRM16に能動的な冷却を提供することができる。冷却システム18は、熱伝達流体が流れるための流路を有する金属を含むことができる。組み立てられた処理システム10では、冷却システム18を冷却コンポーネント12にボルトで固定することができる。これにより、SoW14の構造的支持を提供することができ、及び/又はSoW14の破損の可能性を低減することができる。
【0060】
冷却コンポーネント12は、1つ又は複数のねじ21などの少なくとも1つの締結具によってフレーム構造体15と結合され得る。ねじ21は、冷却コンポーネント12をフレーム構造体15に結合するために、冷却コンポーネント12のそれぞれの穴30(図4参照)及びフレーム構造体15のそれぞれの穴19を通して設けることができる。
【0061】
冷却コンポーネント12及び/又はフレーム構造体15は、冷却コンポーネント12の位置をフレーム構造体15に対して水平に位置合わせするためのアライメント構造体を含むことができる。
【0062】
インターポーザアセンブリ20は、処理システム10の縁部領域に配置され得る。いくつかの実施形態では、インターポーザアセンブリ20の1つ又は複数の配列は、VRM16の周りに横方向に配置され得る。例えば、処理システム10の各側において、各々が2つのコネクタを有するインターポーザアセンブリ20を、VRM16の周りに横方向に配置することができる。インターポーザアセンブリ20は、フレーム構造体15の開口部を介してアクセス可能な入力/出力コネクタを有することができる。図示されるように、インターポーザアセンブリ20を用いて、比較的高密度のコネクタを実現することができる。インターポーザアセンブリ20は、処理システム10と別の処理システム又は外部装置との間のインターフェースルーティングを提供することができる。
【0063】
図3は、インターポーザアセンブリ20の概略斜視図である。インターポーザアセンブリ20は、キャリア22と、キャリア22に結合された1つ又は複数のコネクタ24と、キャリア22に取り付けられた1つ又は複数の表面実装コンポーネント26とを含むことができる。インターポーザアセンブリ20は、コネクタハウジング25を含むことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ24はメスコネクタを含むことができ、コネクタハウジング25は、オスコネクタ(図示せず)をガイドしてコネクタ24に接続するように構成することができる。インターポーザアセンブリ20は、処理システム10と別の処理システム又は外部装置との間のインターフェースルーティングを提供することができる。例えば、処理システム10の配列は、インターポーザアセンブリ20を介して互いに接続され得る。いくつかの実施形態では、コネクタ24は、処理システム10用の入力/出力コネクタとして構成された高速コネクタを含むことができる。そのようなコネクタは、高いスループットを有することができる。場合によっては、コネクタ24は、信号の差動ペアを伝送することができる。1つ又は複数の表面実装コンポーネント26は、例えば、表面実装コンデンサ、表面実装インダクタ、又は表面実装コンデンサ及び表面実装インダクタを含むことができる。キャリア22は、インターポーザプリント基板(PCB)を含むことができる。キャリア22は、キャリア22に加えられる力を受けるように構成された領域28を有することができる。キャリア22の領域28は、電子部品を含まなくてもよい。
【0064】
図4は、SoW14の上に配置された複数のインターポーザアセンブリ20を示す上面図である。SoW14は、冷却コンポーネント12上に配置される。インターポーザアセンブリ20は、SoW14の縁部領域14a又はその近くに位置され得る。従って、インターポーザアセンブリ20は、SoW14の周縁又は周囲に沿って配置され得る。SoW14は、インターポーザアセンブリ20の下に集積回路ダイ(図4には図示せず)を含むことができる。例えば、後述するように、十分な熱性能を実現するために、特定の範囲の圧力を集積回路ダイに加えることができる。
【0065】
冷却コンポーネント12は、アライメント穴30を含むことができる。いくつかの実施形態では、冷却コンポーネント12は、冷却コンポーネント12の各角にアライメント穴30を含むことができる。
【0066】
図5は、ホルダ42に結合された接続ライン(図6C及び図7Bを参照)のコネクタ40(例えば、オスコネクタ)の概略斜視図である。コネクタ40は、インターポーザアセンブリ20のコネクタ24と位置合わせして接続するように構成され得る(図3及び図4を参照)。例えば、コネクタ40は、インターポーザアセンブリ20のコネクタハウジング25に挿入され得る。コネクタ40の他端は、接続ラインに接続され得る(図6C及び図7Bを参照)。いくつかの実施形態では、コネクタ40がコネクタ24に接続されているとき、コネクタ40はホルダ42に接続されたままであり得る。いくつかの他の実施形態では、ホルダ42は、コネクタ40がコネクタ24に接続されると、コネクタ40がホルダ42から切り離されるように構成することができる。
【0067】
図6Aは、第1の状態でキャビネットブラケット52に固定されたコネクタシステム50の概略側面図である。図6Bは、第1の状態とは異なる第2の状態でキャビネットブラケット52に固定されたコネクタシステム50の概略側面図である。図6Cは、接続ライン48を有する第2の状態にあるコネクタシステム50の概略斜視図である。コネクタシステム50について、図6A図6B、及び図6Cを参照して説明する。コネクタシステム50は、複数のホルダ42を結合することができるコネクタホルダフレーム54を含むことができる。コネクタシステム50は、コネクタ40をインターポーザアセンブリ20の対応するコネクタ24と概ね位置合わせすることができる少なくとも1つのアライメントピン56を含むことができる(図3及び図4を参照)。コネクタシステム50は、コネクタ40、ホルダ42、コネクタホルダフレーム54、及びアライメントピン56を支持する支持構造体58を含むことができる。ホルダ42とコネクタホルダフレーム54との間にアライメント調整構造体62を設けることができる。いくつかの実施形態では、アライメント調整構造体62は、少なくとも1つのばねを含むことができる。
【0068】
コネクタシステム50のホルダの配列の各ホルダ42は、それぞれのアライメント調整構造体62に独立して結合され得る。個々のアライメント調整構造体62は、コネクタ24と40との間の異なる不整合を独立して補正することができる。これは、配列内のコネクタペア間にいくつかの接続を行うときに、それぞれのコネクタペア間の異なる位置ずれに有利に対処することができる。
【0069】
ホルダの配列のホルダ42のうちの1つ又は複数は、1つ又は複数のホルダ42によって保持された各コネクタ40がインターポーザアセンブリ20の対応するコネクタ24と位置ずれし、位置ずれがアライメント調整構造体62によって補正されるように配置されてもよい。この補正は、アライメント調整構造体62の配列にわたって異なるように適用され得る。アライメント調整構造体62は、ホルダ42の配列によって保持された全てのコネクタ40が対応するコネクタ24に適切に接続されることを可能にする。
【0070】
コネクタシステム50は、アクチュエータ59を含むことができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ59は、図示されるようにエレベータを含むことができる。アクチュエータ59は、支持構造体58の直線運動を提供することができる。アクチュエータ59は、モータ61、シャフト64、及びガイド構造体66を含むことができる。いくつかの実施形態では、シャフト64はリードスクリューを含むことができ、ガイド構造体66はリードナットを含むことができる。例えば、リードナットはスプリットナットを含むことができる。モータ61は、シャフト64に回転運動を提供することができ、回転運動は、リードスクリュー及びリードナットによって垂直直線運動に変換することができる。いくつかの実施形態では、リードスクリュー及びリードナットは、アクメねじ又は角ねじを実装することができる。図6Aに示すコネクタシステム50の第1の状態では、支持構造体58はキャビネットブラケット52の位置に対して第1の高さにある。図6Bに示すコネクタシステム50の第2の状態では、支持構造体58は、キャビネットブラケット52の位置に対して第1の高さよりも高い第2の高さにある。
【0071】
コネクタ40は、接続ライン48の端部に設けられ、コネクタ40´は、接続ライン48の他端部に設けられる。コネクタ40´は、例えば、処理システム10と同じ又はほぼ同様の別のシステムに接続され得る。いくつかの実施形態では、接続ライン48は複数のワイヤを含むことができる。
【0072】
図7Aは、コネクタホルダフレーム54に結合されたアライメントピン56の概略側面図である。アライメントピン56は、コネクタ40が接続されるように構成されているシステム(例えば、処理システム10)のアライメント穴に挿入するように構成され得る。当業者であれば、アライメントピン56は、システムを別のシステムと位置合わせするための例示的なアライメント構造体であり、そのようなアライメント構造体は、アライメント穴、又はシステムを他のシステムに対して特定の位置に位置決めすることができる1つ又は複数の他の構造を含むことができることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、アライメントピン56は、コネクタ40を処理システム10の対応するコネクタ24と、水平面(例えば、x-y平面)内のアライメント公差で位置合わせするように構成することができる。水平面内のアライメント公差は、1ミリメートル程度であり得る。例えば、アライメントピン56は、キャビネットの変動を約1桁低減することができる。
【0073】
図7Bは、ホルダ42に結合されたコネクタ40の概略側面図である。コネクタ40は、接続ライン48の端部に設けられている。ホルダ42は、少なくとも1つの締結具60を介してコネクタホルダフレーム54に接続されている。コネクタホルダフレーム54と締結具60との組み合わせは、データ構造体を画定することができる。いくつかの実施形態では、締結具60は、面取りボルトを含むことができる。ホルダ42とコネクタホルダフレーム54との間にアライメント調整構造体62を設けることができる。いくつかの実施形態では、アライメント調整構造体62は、少なくとも1つのばねを含むことができる。図7Bは、アライメント調整構造体62の一例として、一対のばね62a、62bを示す。
【0074】
アライメント調整構造体62は、互いに接続するためのコネクタ24、40間のアライメントを調整することができる。アライメント調整構造体62は、アライメントピン56のみが使用される場合と比較して、コネクタ24、40間のより正確な、精密な、及び/又は信頼性の高いアライメントを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、アライメント調整構造体62は、コネクタ24、40がアライメント公差内で位置合わせされるように、コネクタ24、40間の位置ずれを補正するように構成される。いくつかの実施形態では、アライメント調整構造体62は、コネクタ40を処理システム10の対応するコネクタ24と、0.1mm程度の水平面(例えば、x-y平面)内のアライメント公差で位置合わせするように構成され得る。例えば、アライメント調整構造体62及びアライメントピン56は共に、キャビネットの変動を約2桁低減することができる。
【0075】
図8A図8Cは、接続ライン48(図7B参照)に取り付けられたコネクタ40を対応するコネクタ24に接続する方法における様々なステップを示す。図8Aは、締結具60によってコネクタホルダフレーム54に結合されたコネクタ40の概略断面側面図である。コネクタホルダフレーム54と締結具60との組み合わせは、データ構造体を画定することができる。コネクタ40とコネクタホルダフレーム54との間には、アライメント調整構造体62(例えば、ばね62a)が設けられている。
【0076】
図8Bに示すように、コネクタ40及びコネクタ24の位置がずれていると、コネクタ40の一部がコネクタ24のコネクタハウジング25と衝突することがある。ばね62aは、締結具60が垂直方向に移動することを可能にし、コネクタホルダフレーム54と締結具60との間のデータ解放を引き起こして、締結具60及びコネクタ40が水平方向に移動することを可能にする。締結具60は、傾斜ヘッド部60a及びシャンク部60bを含むことができる。いくつかの実施形態では、シャンク部60bは、水平移動を可能にするために、シャンク部60bが配置されるコネクタホルダフレーム54の開口部54aよりも狭くすることができる。
【0077】
コネクタハウジング25は、コネクタ40をコネクタ24に接続するようにガイドすることができる。図示されるように、コネクタハウジング25は、対応するコネクタ24、40間の位置の位置調整を容易にするためのガイド構造25aを含むことができる。接続ライン48のコネクタ40の位置は、処理システム10のコネクタ24と位置合わせするように調整され得る。従って、アライメント調整構造体62は、図8Cに示すように、コネクタ40を水平方向に浮動させ、垂直方向に圧縮して、対応するコネクタ24、40間の適切なアライメントを可能にすることができる。
【0078】
図8D及び図8Eは、データ構造体(例えば、コネクタホルダフレーム54及び締結具60)の例を示す。図8Dに示す締結具60は、45°の傾斜角度を有する傾斜ヘッド部60aを有する。図8Eに示す締結具60は、45°よりも大きいx°の傾斜角度を有する傾斜ヘッド部60aを有する。いくつかの実施形態では、コネクタホルダフレーム54の開口部54aは、締結具60の形状と嵌合するように形作られ得る。傾斜ヘッド部60aの傾斜角度がより大きい場合、データ構造体は、より浅い角度と比較して、より迅速な水平ギャップ解放を提供する。
【0079】
図8F及び図8Gは、データ構造体(例えば、コネクタホルダフレーム54及び締結具60)の別の例を示す。図8F及び図8Gに示す締結具60´は、シャンク部60b及び段付きヘッド部60cを有する。段付きヘッド部60cは、図8Fに示すように、第1の状態でコネクタ40の水平移動をロックすることができる。コネクタ40に垂直方向の下向きの力が加えられると、段付きヘッド部60cはそれに応じて垂直方向に移動することができ、コネクタホルダフレーム54と締結具60との間のデータ解放を引き起こし、それによってコネクタ40の水平移動が可能になる。バネ62aは、コネクタ40に下向きの力が加わると圧縮される。ばね62aは、コネクタ40がコネクタ24と結合されるのに十分な上向きの力を維持するように付勢される(図8B参照)
【0080】
コネクタホルダフレーム54及び締結具60は、コネクタ40の垂直移動があるときにコネクタホルダフレーム54と締結具60との間のデータ解放を可能にするための任意の他の適切な形状を有することができる。
【0081】
図9は、コネクタホルダフレーム54の概略斜視図である。コネクタホルダフレーム54は、締結具60を受け入れるように構成された1つ又は複数の開口部54aを有することができる。いくつかの実施形態では、各ホルダ42に対して2つの開口部54aがあり得る。1つ又は複数の開口部54a及びコネクタフレーム54は、図8A図8Eを参照して説明した任意の適切な原理及び利点に従って実装され得る。
【0082】
図10Aは、処理システム10のコネクタ24に接続ライン48のコネクタ40を接続する前のコネクタシステム50及び処理システム10を示す。図10Bは、接続ライン48のコネクタ40を処理システム10のコネクタ24に接続した後のコネクタシステム50及び処理システム10を示す。コネクタシステム50は、アライメントピン56及びアライメント調整構造体62を利用する。
【0083】
インターポーザアセンブリ20上のスペースが狭い可能性がある。本明細書に開示されるように、特別な工具は、コネクタ又はソケットに挿入するためにコネクタを掴んだり、コネクタを抜くためにロック機構のラッチを解除したりするのに役立ち得る。そのような工具は、1回の動作で複数のコネクタを取り外して保守することを可能にする。
【0084】
本明細書に開示される様々な実施形態では、キャビネットの個々の構成要素は、グループ機能を容易にするように同期させることができる。各個々のアクチュエータの作動の個々の性能を考慮するために、制御アルゴリズムを組み込むこともできる。各キャビネットは、個々のコントローラを含むことができる。或いは、複数のキャビネットは、単一の構成要素機能又はモジュールによって制御され得る。
【0085】
粗調整に続いて、アライメント調整構造体62(例えば、ばねを有する円錐形締結具)を使用して微調整を実現することができる。ばね力(例えば、ばね62a、62bの)又は弾性は、調整における位置ずれ誤差に比例する、より大きな力を提供することができる。一例では、位置ずれしていないピンは、微調整から大きな反力を生成させない。別の例では、より大幅に位置ずれしているピンは、円錐形のガイド及びばねへの圧力により、より大きな力を生成させる。一実施形態では、円錐形締結具を個々のコネクタに関連付けることができる。そのような実施形態は、不平衡な接続又は不均一な力のための個々のコネクタの自己調整を容易にすることができる。或いは、円錐形コネクタの数は、所望の自己調整量に基づいて選択することができる。バネ仕掛けの円錐形コネクタはまた、上向きの力を提供して構成要素の接続を維持する。
【0086】
接続ライン48のコネクタ40の配列は、処理システム10のコネクタ24の対応する配列に接続され得る。本明細書で開示される原理及び利点は、コネクタ40とコネクタ24との間の精密なアライメント及び/又は信頼性の高い接続を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、第1のアライメント構造体(例えば、アライメントピン56)は、一般に、コネクタ40を対応するコネクタ24と位置合わせすることができ、第2のアライメント構造体(例えば、アライメント調整構造体62)は、より精密なアライメントを提供することができる。アライメント調整構造体62がなければ、1つ又は複数のコネクタ40が対応するコネクタ24に対して位置ずれし得る場合、位置ずれしたコネクタ40、24は接続されなくてもよい。アライメント調整構造体62は、位置ずれしたコネクタ40が個別に位置を調整することを可能にし、それによって、他のコネクタ40をシフトさせることなく、位置ずれしたコネクタ40、24間の接続を提供することができる。
【0087】
アクチュエータ59は、バックドライブ不可能なアクチュエータを含むことができる。バックドライブ可能なアクチュエータは、作動方向とは反対の方向の力を受けたときにアクチュエータの動きを反転させるアクチュエータとすることができる。バックドライブ可能なアクチュエータに電源が投入されていない場合、又は無効モードにある場合、アクチュエータは外力によっていずれの方向にも自由に移動することができる。例えば、電力が供給されていない電気モータのシャフトは、外力(外部トルク)に基づいて時計回り又は反時計回りに回転することができる。本明細書に開示されるアライメント調整構造体62の様々な実施形態は、バックドライブ不可能なアクチュエータと組み合わせて使用することができ、コネクタ40に十分な力を加えることを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、シャフト64に低リードアクメねじロッドを使用し、ガイド構造体66に低リードナット(例えば、スプリットナット)を使用することにより、アクチュエータ59をバックドライブ不可能なアクチュエータに構成することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ又はアクチュエータ59は、ばね仕掛けのバックドライブ可能なアクチュエータを含むことができる。
【0088】
アライメント調整構造体62は、ばねを参照して説明することができるが、アライメント調整構造体62は、様々な異なる方法で実装され得る。更なる実施形態では、図11A図11B図12A及び図12Bに示すように、アライメント調整構造体62は、弾性ゴムピラミッド、又は金属ケーブルホルダに切り込まれた可撓性アームを含むことができ、ばね62a、62bと同じ又はほぼ同様の機能を実現することができる。図11Aは、アライメント調整構造体62の一例としてのフレキシャ62c(例えば、格子縞構造)の図を示す。図11Bは、フレキシャ62cの概略平面図を示す。図12Aは、アライメント調整構造体62の一例としての弾性ピラミッド62dの概略斜視図である。図12Bは、アライメント調整構造体62の一例としての弾性シリンダの概略側面図である。いくつかの他の実施形態では、アライメント調整構造体62は、第1の軸に沿って圧縮可能であり、第1の軸に平行でない(例えば、垂直な)平面、又は第1の軸とは異なる(例えば、に垂直な)第2の軸に沿って移動可能な、任意の適切な構造及び/又は材料を含むことができる。
【0089】
本明細書に開示されるコネクタシステムの様々な実施形態を使用して、異なるキャビネットの2つ以上のシステムを結合することができる。例えば、本明細書で開示される様々な実施形態によるコネクタシステムを使用して、接続ラインを介して、第1のキャビネットの第1のシステムオンウェハ(SoW)アセンブリと第2のキャビネットの第2のSoWアセンブリとの間の接続を提供することができる。これらのキャビネットの各々は、共通のハウジング内にSoWアセンブリの配列を含むことができる。
【0090】
図13Aは、複数のコネクタシステム50を有する第1のキャビネット70及び第2のキャビネット72の概略斜視図を示す。図13Bは、 図13Aの一部の拡大図を示す。図13Cは、第1及び第2のキャビネット70、72の概略側面図である。図13Dは、支持ラック74が示されている図13Cの一部の拡大図である。簡略化のために図13A図13Dには示されていないが、第1及び第2のキャビネット70、72の各々は、その上に取り付けられた複数のSoWアセンブリ(例えば、図1に示す処理システム10)を含むことができる。支持ラック74は、SoWアセンブリを支持することができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2のキャビネット70、72の各々は、SoWアセンブリの行及び列を含むことができる。SoWアセンブリが設置されていると、SoWアセンブリのコネクタに手でアクセスできなくなる可能性がある。本明細書で開示されるコネクタシステムは、人間が物理的に接続部位に存在することなく、2つ以上のSoWアセンブリを接続及び/又は切断することができる。コネクタシステム50がなければ、第1及び第2のキャビネット70、72は、2つ以上のSoWアセンブリ間の接続を保守するために分解及び/又は移動する必要があり得る。
【0091】
図13A図13Dに示すように、コネクタシステム50は、キャビネット壁を横切って第1のキャビネット70の第1のSoWアセンブリと第2のキャビネット72の第2のSoWアセンブリとの間の接続を提供することができる。本明細書で開示されるコネクタシステム50は、第1及び第2のキャビネット70、72を分解することなく、2つ以上のSoWアセンブリ間の接続を保守することを可能にすることができる。
【0092】
文脈上明らかに他の意味に解釈すべき場合を除き、説明及び特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含む(include)」、「含む(including)」などの単語は、排他的又は網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で解釈されるべきである。すなわち、「含むがこれに限定されない」という意味である。本明細書で一般的に使用される「結合された」という単語は、直接接続されるか、又は1つ又は複数の中間要素によって接続され得る2つ以上の要素を指す。本明細書で一般的に使用される「結合された」という単語は、直接接続されるか、又は1つ又は複数の中間要素によって接続され得る2つ以上の要素を指す。更に、「本明細書」、「上記」、「以下」という単語、及び同様の意味の単語は、本出願で使用される場合、本出願全体を指すものとし、本出願の特定の部分を指すものではない。文脈が許す場合、単数又は複数の数字を使用する上記の詳細な説明の単語はまた、それぞれ複数又は単数を含むことができる。2つ以上の項目のリストに関連する「又は」という単語は、その単語の以下の解釈の全て、すなわち、リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目の全て、及びリスト内の項目の任意の組み合わせを網羅する。
【0093】
更に、本明細書で使用される条件付き言語、とりわけ、「できる(can)」、「できる(could)」、「場合がある(might)」、「場合がある(may)」、「例えば(e.g.)」、「例えば(for example)」、「など(such as)」などは、特に明記しない限り、又は使用される文脈内で他の意味で理解されない限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素、及び/又は状態を含むが、他の実施形態は含まないことを伝えることを意図している。従って、そのような条件付き言語は、一般に、特徴、要素、及び/又は状態が1つ又は複数の実施形態に何らかの形で必要とされることを示唆することを意図するものではない。
【0094】
上記の説明は、特定の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、上記の例示的な説明は、網羅的であること、又は本発明を記載された正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示を考慮して、多くの修正及び変動が可能である。それにより、当業者は、様々な用途に適した様々な修正を伴う技術及び様々な実施形態を最良に利用することが可能になる。
【0095】
本開示及び実施例を添付の図面を参照して説明したが、様々な変更及び修正が当業者には明らかになるであろう。そのような変更及び修正は、本開示の範囲内に含まれると理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F-8G】
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A-13B】
図13C-13D】
【国際調査報告】