(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】自律車両の機械的健全性およびそれによって遭遇される道路条件の判定
(51)【国際特許分類】
B60W 30/20 20060101AFI20240829BHJP
B60W 40/06 20120101ALI20240829BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20240829BHJP
B60W 50/04 20060101ALI20240829BHJP
B60W 50/02 20120101ALI20240829BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B60W30/20
B60W40/06
B60W60/00
B60W50/04
B60W50/02
G08G1/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509041
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 US2022075040
(87)【国際公開番号】W WO2023023530
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521265955
【氏名又は名称】トゥーシンプル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ホリー, アリ モハマド
(72)【発明者】
【氏名】アッバスプール, アリ レザ
(72)【発明者】
【氏名】スキナー, トッド ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ベラーレ, ニランジャン シェノイ
(72)【発明者】
【氏名】ハヌマンタッパ, ラヴィンドラナト カラリ
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA54
3D241BA56
3D241BA60
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3D241DA03Z
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3D241DC31Z
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3D241DC51Z
5H181AA07
5H181BB18
5H181CC03
5H181CC04
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5H181CC14
5H181CC27
5H181EE13
5H181FF04
5H181FF10
5H181LL09
(57)【要約】
開示されるものは、自律車両の信頼性および安全性を改良するための方法、装置、およびコンピュータ実装方法である。一側面では、自律車両の環境暴露を判定するための方法が、開示される。本方法は、自律車両に搭載される、1つ以上の衝撃または振動センサからのセンサデータを取得することと、取得されたセンサデータに基づいて、自律車両における振動のレベルまたは衝撃のレベルを判定することとを含む。本方法はさらに、自律車両の振動のレベルを自律車両の蓄積された振動のレベルに加算することと、自律車両の蓄積された振動のレベルが自律車両の蓄積された振動のレベルに関する所定の閾値を超えるかどうかを判定することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律車両の環境暴露を判定する方法であって、
前記自律車両に搭載される、1つ以上の衝撃または振動センサからのセンサデータを取得することと、
前記取得されたセンサデータに基づいて、前記自律車両における振動のレベルまたは衝撃のレベルを判定することと、
前記自律車両の前記振動のレベルを前記自律車両の蓄積された振動のレベルに加算することと、
前記自律車両の前記蓄積された振動のレベルが前記自律車両の前記蓄積された振動のレベルに関する所定の閾値を超えるかどうかを判定することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記振動のレベルを、得られた前記1つ以上の衝撃または振動センサからのベースラインデータと比較すること、または前記振動のレベルを、適切に動作している機械的要素に対応する振動の既知のプロファイルおよび故障した機械的要素に対応する振動のプロファイルと比較することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記自律車両に搭載される、1つ以上の温度センサからの温度データを取得することと、
前記温度データをベースライン温度データの1つ以上の閾値と比較することと、
前記比較することに基づいて、前記取得された温度データが機械的故障または機械的摩耗を示すかどうかを判定することと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記振動のレベルをベースラインデータと比較することまたは前記振動のレベルを振動の既知のプロファイルと比較することと、前記温度データを比較することとに基づいて、1つ以上の異常が存在するかどうかを判定することと、前記判定された1つ以上の異常に基づいて、前記異常の深刻度を複数の階層に格付けすることとをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の階層は、既知の容認可能パラメータ内で稼働していることを意味する、第1の階層と、最初の警告ベースラインの近くで稼働していることを意味する、第2の階層と、黄色を繰り返し超えることを意味する、第3の階層と、前記車両に即座の注意が必要とされることを意味する、第4の階層とを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記自律車両の振動のレベルが所定の振動閾値を超えることを判定することをさらに含む、請求項1-5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記自律車両の前記蓄積された振動のレベルが前記自律車両の前記蓄積された振動のレベルに関する前記所定の閾値を超えることの判定に応答して、保守を前記自律車両上で実施することをさらに含む、請求項1-6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記自律車両の前記振動のレベルを前記自律車両の前記蓄積された振動のレベルに加算することは、前記自律車両の前記振動のレベルが前記所定の振動閾値を超えることの判定に応答して、実施される、請求項1-7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記振動のレベルは、前記振動の振幅を含む、請求項1-8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記振動のレベルは、前記振動の持続時間を含む、請求項1-9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上の衝撃または振動センサは、複数の衝撃センサと、複数の振動センサとを含む、請求項1-10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記複数の振動センサのそれぞれは、微小電気機械的システム(MEMS)タイプのセンサである、請求項1-11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記複数の衝撃センサのそれぞれは、微小電気機械的システム(MEMS)タイプのセンサまたは圧電タイプのセンサである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
自律運転システムであって、
自律車両に搭載される、1つ以上の衝撃または振動センサからのセンサデータを受信するように構成される、機械的要素監視モジュールと、
前記自律車両に搭載される、1つ以上の温度センサからの温度データを受信するように構成される、温度監視モジュールと、
前記自律車両に搭載される、より多くの加速度計および/またはジャイロスコープを介して、前記自律車両を通して、道路粗悪度データを受信するように構成される、粗悪度測定モジュールと
を備える、自律運転システム。
【請求項15】
前記自律車両によって被られる道路条件の粗悪度は、前記自律車両によって被られる振動、減速、および機械的衝撃の振幅および持続時間に基づいて、前記粗悪度データから判定される、請求項14に記載の自律運転システム。
【請求項16】
前記温度監視モジュールはさらに、前記温度データをベースライン温度データの1つ以上の閾値と比較し、前記比較することに基づいて、前記受信された温度データが機械的故障または機械的摩耗を示すかどうかを判定するように構成される、請求項14-15のいずれかに記載の自律運転システム。
【請求項17】
前記機械的要素監視モジュールはさらに、前記取得されたセンサデータに基づいて、前記自律車両における振動のレベルまたは衝撃のレベルを判定し、前記自律車両の前記振動のレベルを前記自律車両の蓄積された振動のレベルに加算し、前記自律車両の前記蓄積された振動のレベルが前記自律車両の前記蓄積された振動のレベルに関する所定の閾値を超えるかどうかを判定するように構成される、請求項14-16のいずれかに記載の自律運転システム。
【請求項18】
自律車両内のセンサと処理ユニットとの間の接続不良を検出する方法であって、前記方法は、
前記センサの誤動作のインスタンスを検知することと、
ある時間の長さにわたって生じる前記センサ誤動作の発生回数と前記時間の長さにわたった前記自律車両の過剰な衝撃または振動への暴露の回数を相関させることと、
前記センサ誤動作の前記発生回数と前記自律車両の過剰な衝撃または振動への暴露の前記回数との間のレベルまたは相関がある閾値を上回ることの判定に応答して、前記センサへの前記接続が不良であることを判定することと
を含む、方法。
【請求項19】
前記自律車両の過剰な衝撃または振動への暴露の前記回数は、前記自律車両内の1つ以上の加速度計を使用して判定される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
センサ誤動作は、
前記センサが警告コードを生産すること、
前記センサがエラーコードを生産すること、
前記センサからのデータを受信する、前記自律車両内のデバイスが、前記センサによって生産されたデータが、低品質であるか、またはいくつかの予期しないまたは異常値を有すると結論付けること、または
前記デバイスが、ある時間周期にわたって、前記センサとのその接続を喪失すること
のうちの1つの発生である、請求項18-19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記センサの誤動作の各検知されたインスタンスは、前記誤動作のある発生回数を含む、請求項18-20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記自律車両の制御システムに、前記センサ接続が不良であることを示す、メッセージを送信することをさらに含む、請求項18-21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記センサ誤動作の前記発生回数と前記自律車両の過剰な振動への暴露の前記回数との間の前記レベルまたは相関が閾値を下回り、かつ前記時間の長さにわたって検知された潜在的センサ誤動作の回数が対応する閾値を上回ることの判定に応答して、前記センサが点検を必要とすることを判定することをさらに含む、請求項18-22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記自律車両の制御システムに、前記センサが点検を必要とすることを示す、メッセージを送信することをさらに含む、請求項18-23のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許文書は、「SYSTEMS AND METHODS FOR MEASURING VIBRATIONS AND HARSH CONDITIONS ENCOUNTERED BY AUTONOMOUS VEHICLES」と題され、2021年8月17日に出願された、米国仮特許出願第63/234,192号の優先権および利益を主張する。前述の特許出願の内容全体は、参照することによって本特許文書の開示の一部として組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本書は、自律運転システムに関する。特に、本明細書に説明されるものは、道路条件を測定し、自律車両の健全性を判定するためのシステムおよび方法である。
【背景技術】
【0003】
(背景)
自動運転または自律車両は、自律的に制御され、経路に沿って、目的地にナビゲートすることができる。自律運転は、概して、自律車両を囲繞する、環境を知覚し、その知覚に基づいて、自律車両の安全かつ信頼性がある動作を確実にする、決定を行う、センサおよび処理システムを要求する。安全自律運転はさらに、自律車両の機械的コンポーネントが許容限度内で動作していることの判定を要求する。例えば、自律車両のセンサは、カメラと、光パルスを使用して、自律車両を囲繞する種々の物体までの距離を測定する、光検出および測距(LiDAR)センサと、機械的センサとを含むことができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要約)
本特許文書に開示されるものは、自律車両の信頼性および安全性を改良するための方法、装置、およびコンピュータ実装方法である。一側面では、自律車両の環境暴露を判定するための方法が、開示される。本方法は、自律車両に搭載される、1つ以上の衝撃または振動センサからのセンサデータを取得することと、取得されたセンサデータに基づいて、自律車両における振動のレベルまたは衝撃のレベルを判定することとを含む。本方法はさらに、自律車両の振動のレベルを自律車両の蓄積された振動のレベルに加算することと、自律車両の蓄積された振動のレベルが自律車両の蓄積された振動のレベルに関する所定の閾値を超えるかどうかを判定することとを含む。
【0005】
以下の特徴が、種々の組み合わせで含まれることができる。本方法はさらに、振動のレベルを、得られた1つ以上の衝撃または振動センサからのベースラインデータと比較すること、または振動のレベルを、適切に動作している機械的要素に対応する振動の既知のプロファイルおよび故障した機械的要素に対応する振動のプロファイルと比較することを含むことができる。本方法はさらに、自律車両に搭載される、1つ以上の温度センサからの温度データを取得することと、温度データをベースライン温度データの1つ以上の閾値と比較することとを含むことができる。本方法はさらに、比較することに基づいて、取得された温度データが機械的故障または機械的摩耗を示すかどうかを判定することを含むことができる。本方法はさらに、振動のレベルをベースラインデータと比較することまたは振動のレベルを振動の既知のプロファイルと比較することと、温度データを比較することとに基づいて、1つ以上の異常が存在するかどうかを判定することと、判定された1つ以上の異常に基づいて、異常の深刻度を複数の階層に格付けすることとを含むことができる。複数の階層は、既知の容認可能パラメータ内で稼働していることを意味する、第1の階層と、最初の警告ベースラインの近くで稼働していることを意味する、第2の階層と、黄色を繰り返し超えることを意味する、第3の階層と、車両に即座の注意が必要とされることを意味する、第4の階層とを含むことができる。本方法はさらに、自律車両の振動のレベルが所定の振動閾値を超えることを判定することを含むことができる。本方法はさらに、自律車両の蓄積された振動のレベルが自律車両の蓄積された振動のレベルに関する所定の閾値を超えることの判定に応答して、保守を自律車両上で実施することを含むことができる。自律車両の振動のレベルを自律車両の蓄積された振動のレベルに加算することは、自律車両の振動のレベルが所定の振動閾値を超えることの判定に応答して、実施されることができる。振動のレベルは、振動の振幅を含むことができる。振動のレベルは、振動の持続時間を含むことができる。1つ以上の衝撃または振動センサは、複数の衝撃センサと、複数の振動センサとを含むことができる。複数の振動センサのそれぞれは、微小電気機械的システム(MEMS)タイプのセンサであることができる。複数の衝撃センサのそれぞれは、微小電気機械的システム(MEMS)タイプのセンサまたは圧電タイプのセンサであることができる。センサ誤動作は、センサが警告コードを生産する、センサがエラーコードを生産する、センサからのデータを受信する、自律車両内のデバイスが、センサによって生産されたデータが、低品質であるか、またはいくつかの予期しないまたは異常値を有すると結論付ける、またはデバイスが、ある時間周期にわたって、センサとのその接続を喪失することのうちの1つの発生である。
【0006】
別の側面では、自律運転システムが、開示される。本システムは、自律車両に搭載される、1つ以上の衝撃または振動センサからのセンサデータを受信するように構成される、機械的要素監視モジュールと、自律車両に搭載される、1つ以上の温度センサからの温度データを受信するように構成される、温度監視モジュールとを含む。本システムはさらに、自律車両に搭載される、より多くの加速度計および/またはジャイロスコープを介して、自律車両を通して、道路粗悪度データを受信するように構成される、粗悪度測定モジュールを含む。
【0007】
本システムは、種々の組み合わせで以下の特徴を含むことができる。自律車両によって被られる道路条件の粗悪度は、自律車両によって被られる振動、減速、および機械的衝撃の振幅および持続時間に基づいて、粗悪度データから判定されることができる。温度監視モジュールはさらに、温度データをベースライン温度データの1つ以上の閾値と比較し、比較することに基づいて、受信された温度データが機械的故障または機械的摩耗を示すかどうかを判定するように構成されることができる。機械的要素監視モジュールはさらに、取得されたセンサデータに基づいて、自律車両における振動のレベルまたは衝撃のレベルを判定し、自律車両の振動のレベルを自律車両の蓄積された振動のレベルに加算し、自律車両の蓄積された振動のレベルが自律車両の蓄積された振動のレベルに関する所定の閾値を超えるかどうかを判定するように構成されることができる。
【0008】
別の側面では、自律車両内のセンサと処理ユニットとの間の接続不良を検出する方法が、開示される。本方法は、センサの誤動作のインスタンスを検知することと、ある時間の長さにわたって生じるセンサ誤動作の発生回数と時間の長さにわたった自律車両の過剰な衝撃または振動への暴露の回数を相関させることとを含む。本方法はさらに、センサ誤動作の発生回数と自律車両の過剰な衝撃または振動への暴露の回数との間のレベルまたは相関がある閾値を上回ることの判定に応答して、センサへの接続が不良であることを判定することを含む。自律車両の過剰な衝撃または振動への暴露の回数は、自律車両内の1つ以上の加速度計を使用して判定されることができる。
【0009】
以下の特徴が、種々の組み合わせで含まれることができる。センサの誤動作の各検知されたインスタンスは、誤動作のある発生回数を含む。本方法はさらに、自律車両の制御システムに、センサ接続が不良であることを示す、メッセージを送信することを含む。本方法はさらに、センサ誤動作の発生回数と自律車両の過剰な振動への暴露の回数との間のレベルまたは相関が閾値を下回り、かつ時間の長さにわたって検知された潜在的センサ誤動作の回数が対応する閾値を上回ることの判定に応答して、センサが点検を必要とすることを判定することを含む。本方法はさらに、自律車両の制御システムに、センサが点検を必要とすることを示す、メッセージを送信することを含む。
【0010】
開示される技術の上記および他の側面および特徴は、図面、説明、および請求項により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、開示される技術による、自律車両を含む、システムの概略図を図示する。
【0012】
【
図2A】
図2Aは、機械的要素の機械的健全性を判定するための平均された加速データおよび閾値の実施例を示す。
【0013】
【
図2B】
図2Bは、機械的要素の機械的健全性を判定するためのインパルス加速データおよび閾値の実施例を示す。
【0014】
【
図3A】
図3A-3Iは、トラック上の衝撃、振動、および/または温度センサのための例示的搭載場所を示す。
【
図3B】
図3A-3Iは、トラック上の衝撃、振動、および/または温度センサのための例示的搭載場所を示す。
【
図3C】
図3A-3Iは、トラック上の衝撃、振動、および/または温度センサのための例示的搭載場所を示す。
【
図3D】
図3A-3Iは、トラック上の衝撃、振動、および/または温度センサのための例示的搭載場所を示す。
【
図3E】
図3A-3Iは、トラック上の衝撃、振動、および/または温度センサのための例示的搭載場所を示す。
【
図3F】
図3A-3Iは、トラック上の衝撃、振動、および/または温度センサのための例示的搭載場所を示す。
【
図3G】
図3A-3Iは、トラック上の衝撃、振動、および/または温度センサのための例示的搭載場所を示す。
【
図3H】
図3A-3Iは、トラック上の衝撃、振動、および/または温度センサのための例示的搭載場所を示す。
【
図3I】
図3A-3Iは、トラック上の衝撃、振動、および/または温度センサのための例示的搭載場所を示す。
【0015】
【
図4】
図4は、開示される技術による、自律車両の環境暴露を判定するための例示的方法のフローチャートを示す。
【0016】
【
図5】
図5は、開示される技術による、自律車両内におけるセンサとの接続不良またはセンサの点検の必要性を検出する、例示的方法のフローチャートを示す。
【0017】
【
図6】
図6は、開示される技術による、例示的方法のフローチャートを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(詳細な説明)
本特許文書に開示される技術は、自律車両の信頼性および安全性を改良することができる。
【0019】
自律運転システム(自律運転車両または自律車両とも称される)は、あらゆるタイプの道路構成および条件に安全かつ確実に適応するべきである。道路条件は、例えば、舗装または舗装されていない道路の道路表面の条件、例えば、亀裂のサイズおよび数、道路上のくぼみまたはへこみ、小岩、砂利、砂、残骸等の道路上の物体の存在の範囲およびサイズ等を含むことができる。道路条件はまた、雨、雪、風、砂塵嵐等の天候条件を含むことができる。道路条件およびエンジン振動に起因する、衝撃および振動への車両暴露は、軸受、ブッシング、シール、および他の機械的要素を含む、車両要素への摩耗を引き起こし得る。これらの機械的要素が、摩耗され、任意の必要とされる保守を実施するときを判定することは、安全性、信頼性、および動作コストを増加させる。開示されるものは、道路条件および機械的要素摩耗を判定するためのシステムおよび方法である。
【0020】
自律車両は、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、振動センサ、衝撃センサ、温度センサ、慣性測定ユニット(IMU;IMUは、典型的には、いくつかの加速度計およびジャイロスコープを含むことができる)、LiDARセンサ、ビデオカメラ、RADAR(無線検出および測距)センサ、および風速センサ等のそのセンサを使用して、車両条件および道路条件を判定することができる。車両センサによって提供されるデータを使用して自律車両によって判定された道路条件に基づいて、自律車両は、計画された経路に沿って進み得る方法を決定することができる。例えば、自律車両は、(例えば、その道路のために設定された速度制限以内で)道路の現在の範囲上で維持し得る、最大速さ、安全に実施され得る、操縦の種類、およびそれらの操縦を実施し得る、速度を決定することができる。道路条件のその分析に基づいて、自律車両はまた、必要な場合、計画された経路に補正を行うことができる。例えば、車両のセンサによって収集されたデータに基づいて判定される、道路条件情報が、その中で車両が進行している道路の交通車線内の道路条件が道路の別の交通車線内のものより不良である(例えば、現在の車線は、その中に別の車線より多くのくぼみまたはより小さい小岩または残骸を有する)ことを示す場合、車両は、その情報に基づいて、車線を変更することを決定することができる。また、車両のセンサによって収集された道路条件データが、道路条件が過酷すぎる(例えば、振動測定値が閾値を超える)ことを示す場合、そのような情報は、減速する、車線を変更する、または別の措置または操縦を実施するために、自律車両によって使用されてもよい。
【0021】
開示される主題が適用され得る、1つのタイプの自律車両は、製品および材料の輸送のために世界中で使用されている、トラクタトレーラまたはセミトラックである。トラクタ衝撃および振動は、トラクタおよびトレーラ機械的要素の摩耗ならびに潜在的安全性および制御問題を引き起こすことによって、自律車両システム(AVS)(本明細書では、自律運転システム(ADS)とも称される)に影響を及ぼす。統合されたAVSを伴う、いくつかのトラクタは、駆動列、サスペンション、および他のサブ構造を含む、トラクタおよびトレーラ構造を構成する、システムの機械的要素を摩耗および減衰させ得る、運行設計ドメイン(ODD)内で動作するであろう。ODDは、幹線道路、高速道路、進入車線、出口車線、表面路上、道路表面(例えば、アスファルト、コンクリート、砂利、泥)を含む、道路のタイプ、温度範囲(例えば、-40℃~+55℃)、天候条件(例えば、風速、雨、雪、氷等)を含むことができる。例えば、ODDは、前述の条件の全てまたはサブセットを含んでもよい。機械的要素の経時的摩耗および減衰は、AVSの動作条件に悪影響を及ぼし得、潜在的に、AVSが確実に動作され得る場所を限定し得る。
【0022】
トラクタコンポーネントおよびシステムの摩耗および減衰は、トラクタおよびトレーラ全体を通した振動および衝撃の伝達の増加を引き起こし得る。動作AVS限界に加え、前述の悪影響は、AVSコンポーネントにおける耐用年数を低減させ得る。例えば、故障したサスペンションスプリングは、対応する衝撃吸収体の早期故障を引き起こし得る。車両内の各機械的要素は、所定の条件限度(例えば、衝撃および振動レベル、温度等)内で動作するようにエンジニアリングされ、道路条件または関連機械的要素の故障に起因した本所定の限度外の動作は、影響される要素の耐用年数を有意に低減させる可能性が高いであろう。さらに、車両動作安全性は、これらの限界外で動作するとき、危殆化され得る。
【0023】
付加的衝撃および振動の悪影響を軽減させることに役立てるために、トラクタおよび/またはトレーラの機械的要素の物理的属性が、監視されることができる。トラクタを横断した種々の場所における衝撃、振動、および温度を監視することによって、AVSは、種々のセンサからの出力が正常限界内であるかどうかを判定することができ、該当しない場合、AVSの動作は、能動的に調節されることができる。例えば、AVSによる、サスペンション関連センサ出力が正常範囲外であることの判定に応答して、トラクタの速さは、低減され、サスペンションにかかる応力を低減させることができる、または既知の平坦路上にルート変更することを優先して、既知の悪路を回避する異なるルート選択が、AVSによって実施されることができる。別の実施例では、エンジン振動センサが、AVSによって、正常範囲外であると判定される場合、AVSは、エンジンRPMを低減(または増加)させる、または別のエンジン調節を行い、エンジンにかかる応力を低減させることができる。
【0024】
トラクタの健全性の評価は、トラクタ上のセンサの全てからのデータの評価を含むことができる。トラクタ健全性および/または個々のセンサ出力は、最小リスク条件(MRC)決定プロセスに入力されることができる。予防的保守が、経時的に記憶および評価される、個々のセンサ出力に基づいて、トラクタおよび/またはトレーラ上で実施されることができる。センサデータは、記憶され、ベースラインまたは既知のセンサプロファイルデータおよび既知のプロファイルデータの種々の意味と比較されることができる。例えば、機械的要素が新しいときのベースラインデータは、記憶され、要素が摩耗または経年化するにつれて、現在のデータと比較されることができる。センサデータが、ベースラインデータと十分に異なるとき、AVSは、対応する機械的要素が点検または交換されるべきであることを判定し得る。別の実施例では、良好な機械的要素に関する典型的センサ出力に対応するセンサデータのプロファイルと、故障しかけている、または故障したときの機械的要素に関するプロファイルとが、記憶されることができる。現在のセンサデータは、これらのプロファイルと比較され、任意の動作変更が行われる必要があるか、または修理が必要とされるかどうかの決定が、行われることができる。振動データは、回転要素と関連付けられるセンサからの時間ドメインデータの高速フーリエ変換を含み、これらのコンポーネントおよびシステムの健全性をより深く理解することができる。
【0025】
本特許文書に開示される技術のいくつかの例示的実施形態によると、自律車両内のデバイスまたはシステムは、航行の間、自律車両によって被られる道路条件の粗悪度を判定することができる。いくつかの例示的実施形態では、自律車両によって被られる道路条件の粗悪度は、例えば、航行の間に自律車両によって被られる、振動の振幅および持続時間、著しい減速、機械的衝撃等に基づいて判定されることができる。本粗悪度測定(HM)システムは、ADS/AVSの一部、車両内の別のシステムまたはデバイスの一部、または自律車両内の独立デバイスまたはシステムであることができる。粗悪度測定システムは、加速度計および/またはジャイロスコープ等の1つ以上のセンサと、1つ以上のプロセッサとを含むことができる。いくつかの例示的実施形態では、1つ以上のプロセッサは、AVS内に含まれてもよい。例えば、HMシステムの加速度計は、MEMS(微小電気機械的システム)タイプであることができる、または圧電加速センサであることができる。HMシステムはまた、任意のタイプの任意の数の他のセンサ(例えば、車両によって遭遇されない、したがって、HMデバイスの加速度計によって集められない可能性がある、道路上にある、道路へこみおよびくぼみを検出するためのビデオカメラまたはLiDAR)を含むことができる。HMシステムのセンサは、自律車両内の同一場所に位置することができる、または自律車両内の異なる場所の中の拡散されることができる。例えば、自律車両が、トラクタトレーラのトラックである場合、HMシステムのセンサのうちのいくつかは、トラックにまたはそれに近接して位置することができる一方、他のセンサは、トレーラにまたはそれに近接して位置することができる。
【0026】
自律車両がその航行の間に被った、過酷な道路条件(例えば、HMシステムによって検出されるような、それを通して運転した、へこみおよびくぼみ)についての情報を含む、HMシステムからの報告は、その次の航行の前に、必要とされる自律車両の点検のレベル(該当する場合)を判定するために使用されることができる。例えば、自律車両が、多くのくぼみ等に暴露された場合、そのような暴露が車両のオンボードのセンサならびに車両の他の部分およびシステムの不整合性または劣化を引き起こし得るため、広範な物理的点検を必要とし得る。
【0027】
異なるアプローチが、自律車両の異なるセンサ、電気または機械的アクチュエータ、およびコネクタによって被られる、振動に関する安全性閾値を取得するために、かつ異なる振動レベル下でのそれらの寿命を判定するために使用されることができる。本方法のうちの1つは、コネクタの寿命および耐久性を見出すための振動試験である。有限要素シミュレーション(例えば、振動試験との組み合わせにおいて)も、同様に、使用されることができる。コネクタおよびセンサのうちのいくつかは、それらの製造業者によって、すでに試験されており、試験データは、利用可能であることができる。
【0028】
自律車両のHMシステムによって提供される、情報は、例えば、自律車両によって進行される距離、エンジン温度履歴、制動システム使用量データ、車両の知覚センサに関する整合性/健全性測定等の他の情報とともに使用され、自律車両の摩耗および損傷条件を判定および監視することができる。
【0029】
HMシステムに加え、機械的要素監視システムは、微小電気機械的システム(MEMS)振動センサ、MEMS衝撃センサ、および/またはMEMS温度センサを含むことができる。圧電デバイス、光学回転または線形変位センサ、および他のタイプの温度センサ等の他の技術を使用して行われるセンサもまた、使用されることができる。機械的要素監視システムは、専用の1つ以上のプロセッサを含むことができる、または処理は、部分的または完全に、AVS内のプロセッサにおいて実施されることができる。機械的要素監視システムは、AVSに接続されることができる。機械的要素監視システムは、周期的に、AVSとのハンドシェイクを報告または提供し、機械的要素監視システムの接続を確認し、健全性ステータス(例えば、ハートビート信号)を報告してもよく、1つ以上の機械的要素センサのステータスを含んでもよい。例えば、ハートビート信号は、毎秒、機械的要素監視システムからAVSに提供され、機械的要素監視システムが、アクティブであって、接続されており、動作状態にあることを示してもよい。機械的要素監視システムは、別個の衝撃/振動監視システム(VMS)を含んでもよい、またはVMSは、機械的要素監視システム内に含まれてもよい。ハンドシェイクはさらに、AVSに、振動監視システム(VMS)が動作状態にあることを示してもよい。AVSが、ハンドシェイクを機械的要素監視システムから受信することに失敗する場合、AVSは、ハードウェア故障等の異常またはエラーが生じたことを判定する。
【0030】
機械的要素監視システムおよびVMSは、応答をAVSから要求する、1つ以上の条件が存在することを判定し得る。判定は、機械的要素監視システムに接続されるトラクタ/トレーラ上の複数のセンサから受信される、センサデータと、異なるセンサ毎のベースラインデータおよび/またはセンサプロファイルとの間で行われる、比較によって行われてもよい。異常データを示すセンサまたはセンサの組み合わせと、データの異常度とに応じて、異なる応答が、AVSによって要求される。例えば、あらゆる可能性として考えられる異常および異常の組み合わせが、カテゴリ化され、深刻度がレベル毎に格付けされることができる。例えば、組み合わせは、良好な状態(例えば、緑色:既知の容認可能パラメータ内で稼働している)、妥当な状態(例えば、黄色:第1の警告ベースラインの近くで稼働している)、不良な状態(例えば、橙色:黄色を繰り返し超えている)、危機的な状態(赤色:車両に対して即座の注意が必要とされる)等の階層に編成され得る。例示的実施形態では、AVSによる階層に対する応答は、緑色(正常として進められ、いかなる措置も講じられない)と、黄色(正常として進められ、予防的保守をスケジュールする)と、橙色(次の停止時に即座の措置を講じる)と、赤色(車両を停止し、MRCを実施し、次に実施されるべき内容を判定する)とを含むことができる。いくつかの例示的実施形態では、黄色に関する閾値は、緑色に関する閾値の2倍であって、橙色に関する閾値は、黄色に関する閾値の2倍であって、赤色に関する閾値は、橙色に関する閾値の2倍である。
【0031】
図2Aは、加速度計から経時的に得られた平均された加速データ点の例示的プロットを示す。例えば、機械的要素に対応する、インパルス加速値は、使用秒、分、時間、または日にわたって平均されてもよい、または航行またはエンジン停止/開始サイクルの回数にわたって平均されてもよい。プロットは、値の3階層に関する例示的閾値を示す。最低階層は、正常限界210である。正常限界または閾値210を下回り、かつそこまでの加速(「g」)値は、正常動作および摩耗限界を伴う、機械的コンポーネントに対応する。これらの機械的要素は、整備を必要とせず、正常に動作すると考えられる。第2の限界または閾値220は、正常限界210を上回り、かつより高い第3の限界または閾値230を下回る、平均された加速値に対応する。正常限界210またはそれを上回るが、第2の閾値220を下回る、値は、対応する機械的要素のある付加的調査が正当とされることを示す。例えば、次回、トラックが、整備設備に入れられる際、整備士が、対応する機械的要素を点検するように指示され得る。整備士の点検は、対応する機械的要素が、ある整備、修理、または交換を必要とすることを判定し得る。第2の閾値220を上回るが、第3の閾値230を下回る、値は、対応する機械的要素が保守を要求することを示す。例えば、機械的要素は、調節、注油、交換、または他の保守を必要とし得る。第3の閾値230を上回る、値は、対応する機械的要素が、破損しており、即座の措置が、対応する機械的要素を修理するために要求されることを示す。例えば、トラックは、安全に道路の脇に止め、移動整備士が、トラックに到着し、それを修理することを待機する必要があり得る、またはトラックは、最も近い修理設備まで進行し続けることが可能であり得る。
【0032】
図2Bは、
図2Aに類似するが、平均された加速値の代わりに、インパルス加速値を伴う、プロットを示す。インパルス加速値は、加速度計からの単一測定値であってもよい。データ点は、
図2Aにおけるように、閾値と比較され、対応する機械的要素に関する任意の措置が講じられるべきであるかどうかを判定する。
図2Bに示される、閾値は、それを上回るとさらなる調査が生じるべきである、正常限界閾値250と、それを上回ると保守が要求される、第2の閾値260と、それを上回ると、対応する機械的要素を整備または交換するための即座の措置が要求される、第3の閾値270とを含む。
【0033】
図1は、自律トラックのトラクタ105を含む、システム100を示す。トラクタ105は、複数の車両サブシステム140と、車載制御コンピュータ150とを含む。複数の車両サブシステム140は、車両運転サブシステム142と、車両センササブシステム144と、車両制御サブシステム146とを含む。エンジンまたはモータ、車輪およびタイヤ、変速機、電気サブシステム、および電力サブシステムが、車両運転サブシステム142内に含まれてもよい。自律トラックのエンジンは、内燃エンジン、燃料電池給電式電気エンジン、バッテリ給電式電気エンジン、ハイブリッドエンジン、またはその上でトラクタ105(また、車両105またはトラック105とも称される)が移動する、車輪を移動させることが可能である、任意の他のタイプのエンジンであってもよい。トラクタ105は、複数のモータまたはアクチュエータを有し、車両の車輪を駆動することができる。例えば、車両運転サブシステム142は、2つ以上の電気的に駆動されるモータを含むことができる。車両105の変速機は、無段変速機、または自律車両105のエンジンによって生成された電力を車両105の車輪を駆動する力に変換する、設定された数の歯車を含んでもよい。車両運転サブシステム142は、ポンプ、ファン、およびアクチュエータを含む、システム内のコンポーネントへの電気電流の分配を監視および制御する、電気システムを含んでもよい。車両運転サブシステム142の電力サブシステムは、車両105の電源を調整する、コンポーネントを含んでもよい。
【0034】
車両センササブシステム144は、自律トラック105の一般的動作のためのセンサを含むことができる。自律車両の一般的動作のためのセンサは、カメラ、温度センサ、慣性センサ(IMU)、全地球測位システム、光センサ、LIDARシステム、レーダシステム、無線通信、衝撃センサ、および振動センサを含んでもよい。
【0035】
車両制御サブシステム146は、自律車両またはトラック105およびそのコンポーネントの動作を制御するように構成されてもよい。故に、車両制御サブシステム146は、エンジン電力出力サブシステム、ブレーキユニット、ナビゲーションユニット、操向システム、および自律制御ユニット等の種々の要素を含んでもよい。エンジン電力出力は、生産されるトルクまたは提供される馬力を含む、エンジンの動作を制御し、かつ変速機の歯車選択の制御を提供してもよい。ブレーキユニットは、自律車両105を減速させるように構成される、機構の任意の組み合わせを含むことができる。ブレーキユニットは、標準的様式において、摩擦を使用し、車輪を減速させることができる。ブレーキユニットは、ブレーキが適用されるとき、ブレーキがロックしないように防止し得る、アンチロックブレーキシステム(ABS)を含んでもよい。ナビゲーションユニットは、自律車両105のための運転経路またはルートを判定するように構成される、任意のシステムであってもよい。ナビゲーションユニットは、加えて、自律車両105が動作中、運転経路を動的に更新するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ナビゲーションユニットは、自律車両105のための運転経路を判定するように、GPSデバイスおよび1つ以上の所定のマップからのデータを組み込むように構成されてもよい。操向システムは、自律モードまたは運転者制御モードにおいて、自律車両105の進行方向を調節するように動作可能であり得る、機構の任意の組み合わせを表し得る。
【0036】
自律制御ユニットは、自律車両105の環境内の潜在的障害物を識別する、評価する、および回避する、または別様に、乗り越えるように構成される、制御システムを表し得る。一般に、自律制御ユニットは、運転者を伴わない動作のために、自律車両105を制御する、または自律車両105を制御する際に運転者補助を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、自律制御ユニットは、GPSデバイス、RADAR、LiDAR、カメラ、および/または他の車両サブシステムからのデータを組み込み、自律車両105のための運転経路または軌道を判定するように構成されてもよい。
【0037】
車両制御ユニットまたはVCUと称され得る、自律運転システムコンピュータ(本明細書では、車載制御コンピュータとも称される)150は、例えば、車両サブシステムインターフェース160、運転動作モジュール168、1つ以上のプロセッサ170、メタ知覚モジュール165、メモリ175、摩耗査定モジュール167、ネットワーク通信サブシステム178、機械的要素監視システム180、衝撃/振動監視システム182、または粗悪度測定(HM)システム184のいずれかを含む、自律運転アクティビティを実施するための付加的ハードウェアおよび実行可能命令を含むことができる。VCU150は、種々の車両サブシステム140からの情報に応答して、全部ではないにしても、自律トラック105の動作の多くを制御する。1つ以上のプロセッサ170は、例えば、システムが、危険を示す、知覚データにおける信頼度を判定し、領域マップの信頼度レベルを判定し、自律車両105を囲繞する着目動作主(標的とも称される)の挙動を分析することを可能にする、メタ知覚モジュール165と関連付けられる、動作を実行するように構成されることができる。開示される技術のいくつかの例示的実装によると、着目動作主または標的は、別の車両、自律車両105に追従する車両、自律車両105の近くの車両、歩行者、工事ゾーン、または自律車両105に近接する車両のうちの1つであることができる。車両センササブシステム144からのデータは、一連の措置が適切に判定され得るように、メタ知覚モジュール165に提供されてもよい。代替として、または加えて、メタ知覚モジュール165は、運転動作モジュール168または摩耗査定モジュール167等の別の動作または制御モジュールと併せて、一連の措置を判定してもよい。車両センササブシステム144からのデータもまた、摩耗査定モジュール167に提供されてもよい。いくつかの例示的実施形態によると、摩耗査定モジュール167は、車両センササブシステム144によってそれに提供されるデータを使用して、自律車両105によって遭遇される、条件の粗悪度を推定するように構成されることができる。ある例示的実施形態では、摩耗査定モジュール167は、車両センササブシステム144の1つ以上のセンサによって摩耗査定モジュール167に提供される、自律車両105の種々の部分および場所における振動の測定値を使用して、自律車両105によって遭遇される、条件の粗悪度を推定するように構成されることができる。いくつかの例示的実施形態では、摩耗査定モジュール167は、例えば、車両センササブシステム144の1つ以上のセンサによって提供される、情報を使用して、自律車両105の種々の車両システムおよびコンポーネントをチェックまたは修理することが要求されるかどうかを判定するように構成されることができる。ある例示的実施形態では、摩耗査定モジュール167は、例えば、車両センササブシステム144によって提供される、データを使用して、自律車両105の摩耗および損傷を推定するように構成されることができる。いくつかの例示的実施形態では、種々の措置(例えば、補正措置)は、例えば、車両センササブシステム144から1つ以上のサブシステムによってそれに提供されるデータに基づいて、摩耗査定モジュール167によって、示される、または開始されることができる。
【0038】
メモリ175は、同様に、車両運転サブシステム142、車両センササブシステム144、または車両制御サブシステム146のうちの1つ以上にデータを伝送する、そこからデータを受信する、それと相互作用する、またはそれを制御するための命令を含む、付加的命令を含有してもよい。車載制御コンピュータ(VCU)150は、種々の車両サブシステム(例えば、車両運転サブシステム142、車両センササブシステム144、および車両制御サブシステム146)から受信された入力に基づいて、自律車両105の機能を制御してもよい。加えて、VCU150は、情報を車両制御サブシステム146に送信し、自律車両105の軌道、速度、シグナリング挙動、および同等物を指示してもよい。自律制御車両制御サブシステム146は、行われるべき一連の措置をVCU150の1つ以上のモジュールから受信し、その結果、命令を他のサブシステムに中継し、一連の措置を実行してもよい。
【0039】
開示される技術の例示的側面は、自律車両の振動暴露を判定することに関連する。いくつかの例示的実施形態では、自律車両のセンサ、例えば、車両の粗悪度測定(HM)システム内のものが、例えば、車両の航行の間、またはある時間インターバルにわたって、車両(および/または車両の種々の部分)によって被られる加速を検出するために使用される。これらの加速は、車両のHMシステムの加速度計によって検出されるように、例えば、その時間インターバルまたは航行にわたって自律車両によって被られる、振動のレベルを示す。車両のHMシステムによって収集された振動データは、分析され、検出された振動のいずれかがそれらの振幅および/または持続時間において所定の振動閾値を超えるかどうかを判定することができる。さらに、閾値を超える、振動の範囲(例えば、振動エピソードの数および/または持続時間)は、時間インターバルまたは航行の間、積分またはカウントされ、長期時間周期(例えば、数週間または数ヶ月もしくは数年)にわたって蓄積され、車両に関する蓄積された振動暴露値を監視することができる。閾値(例えば、過酷な振動条件下の機器の平均寿命に関する閾値)を超える、蓄積された振動暴露値は、例えば、車両の一般的保守に関する要請をプロンプトすることができる。
【0040】
表1は、時間および使用に伴って摩耗する、例示的機械的要素を示す。表1におけるリストは、包括的であることを意味するものではなく、使用に伴って減衰し得、振動センサ、衝撃センサ、および/または温度センサによって監視され得る、自律車両内の機械的システムのタイプのうちのいくつかの実施例を含む。摩耗し得る、要素のうちのいくつかは、車輪、タイヤ、サスペンションスプリング、緩衝装置、操向幾何学形状要素、例えば、タイロッド、リンク、ピットマンアーム、駆動列、例えば、エンジン、変速機、駆動シャフト、差動装置、駆動軸、ボンネット、運転室、および運転室+寝台車に関連する。
【表1】
【0041】
MEMS温度センサ(または別の技術を使用して作製される温度センサ)が、軸受によって発生された熱が温度センサによって検出されるように、軸受の近くにある、構造要素上に設置されることができる。MEMS振動センサは、軸受、ブッシング、または他の回転要素等の着目エリアの近くの構造材料上に位置することができる。FFTが、収集された時間ドメインデータを周波数(スペクトル)データに変換するために実施されることができる。FFTは、異常を判定することを補助し得る。例えば、1つの要素が故障している(例えば、球状軸受表面上に平坦スポットを有する)、16個の要素を伴う軸受は、軸受および単一の故障した軸受要素の回転率に関連するスペクトル成分を有し得る。複数の軸受要素が、単一要素の代わりに、故障した場合、付加的スペクトル成分が、発生され得る。このように、関連付けられる機械的要素の健全性が、監視されることができる。
【0042】
温度データが、経時的に、周期的または断続的に、記録または監視されることができる。例えば、温度データは、1秒に1回等の周期的に、または異なるスケジュールにおいて、監視されることができる。温度は、車両温度および現在の天候条件等の他の動作条件を前提として、温度のベースラインまたは典型的プロファイルと比較されることができる。車両上の種々の温度センサから得られた温度は、評価され、上記の緑色/黄色/橙色/赤色階層説明等の階層に分類されることができる。
【0043】
MEMS振動センサ等の振動センサからの振動データが、経時的に、周期的または断続的に、記録または監視されることができる。種々のタイプの加速度計等の他のタイプのセンサも、振動を測定するために使用されることができる。同一または類似センサはまた、衝撃センサに取り付けられる物体上に付与される、衝撃またはインパルス力を測定するために使用されることができる。衝撃および/または振動データは、平均されることができる、または単一点が、記録され、インパルスレベルを示すことができる。FFTが、振動データ上で実施されてもよい。時間ドメインまたは周波数ドメインデータのいずれか(FFT後)が、ベースラインデータまたはデータプロファイルと比較され、振動センサによって測定された動振が該当する、上記に説明される階層を判定することができる。衝撃は、G単位で測定されることができる。衝撃データは、平均される、または個々の点が、記録されることができる。これらのデータセットのそれぞれは、所定の閾値と比較され、後続措置が、講じられることができる。
【0044】
いくつかの例示的実施形態では、1つ以上の閾値限界(緑色~黄色、黄色~橙色、橙色~赤色)は、トラクタ整備後、設定または調節されることができる。トラクタを整備後の閾値限界に調節を行うためのいくつかの例示的オプションは、最後の整備以降の時間および距離カウンタをリセットすることを含む。VMSにおけるアルゴリズムは、車両上で実施される整備、車両経年化、および予期されるODDに基づいて、1つ以上の閾値を調節してもよい。
【0045】
振動、衝撃、および/または温度センサのための場所の実施例は、車輪ハブ、サブフレーム(エンジンマウント、変速機マウント)、メインフレーム(トラクタに対して縦方向に延設される「C」チャネルレール)、構造搭載場所(操向歯車ボックスマウント;スプリングマウント;緩衝装置マウント)、軸受筐体(車軸筐体、車輪ハブ)、車軸筐体、ボンネットマウント、運転室/寝台車搭載場所(ハードピボットマウント-ヒンジ点、緩衝装置およびエアバッグマウント)を含む。
【0046】
いくつかのシナリオでは、トラクタ全体を通して伝達される振動の増加は、機械的コンポーネントの劣化に起因し得る。本動作ドメイン内にあるとき、道路残骸物(家具、梯子、ゴミ箱等)、不良道路条件(くぼみ、道路亀裂、橋の継目等)は、これらの機械的コンポーネントが新しいときより大きい衝撃を安全車両動作に有し得る。これらの道路条件は、機械的コンポーネントの減衰を加速させ得る。このように、道路条件は、種々の機械的コンポーネントの機械的条件と組み合わせられ、車両の安全動作および車両がその中で動作している上記に説明される階層を判定する。
【0047】
図3A-3Iは、トラック上の衝撃、振動、および/または温度センサのための例示的搭載場所を示す。下記に詳述されるセンサは、下記に詳述されるトラックの機械的要素との機械的および/または熱的接点内に搭載される。以下のセンサ310-326のそれぞれは、衝撃センサ、振動センサ、温度センサ、またはセンサの組み合わせであることができる。
図3Aは、上側緩衝装置マウントに搭載される、センサ310を示す。
図3Bは、緩衝装置マウントに搭載される、別のセンサ312を示す。
図3Cは、正面車軸マウントおよび車輪ハブに搭載される、センサ314を示す。
図3Dは、駆動シャフト軸受に搭載される、センサ316を示す。
図3Eは、寝台車(例えば、多くの場合、就寝のために使用される、運転するとき、運転者が着座するエリアの背後のトラクタユニットの車室のコンパートメント)背面側緩衝装置およびエアバッグの上側および下側位置に搭載される、センサ318を示す。
図3Fは、エンジンマウントに搭載される、センサ320の上下図を示す。
図3Gは、ボンネットヒンジマウントに搭載される、センサ322を示す。
図3Hは、背面緩衝装置およびエアバッグマウントに搭載される、センサ324を示す。
図3Iは、サスペンションスプリングマウントに搭載される、センサ326を示す。
【0048】
図4は、開示される技術による、自律車両の環境暴露を判定する例示的方法200のフローチャートを示す。方法400の410は、自律車両に搭載される、1つ以上の衝撃または振動センサからのセンサデータを取得することを含む。方法400の420は、取得されたセンサデータに基づいて、自律車両における振動のレベルまたは衝撃のレベルを判定することを含む。いくつかの例示的実施形態では、振動のレベルは、振動の振幅および/または振動の持続時間を含むことができる(または振動の振幅および/または振動の持続時間に基づいて判定されることができる)。方法400の430は、自律車両の振動暴露のレベルが所定の振動暴露閾値を超えるかどうかを判定することを含む。方法400のステップ440は、自律車両の振動のレベルを自律車両の蓄積された振動のレベルに加算することを含む。方法400のステップ450は、自律車両の蓄積された振動のレベルが自律車両の蓄積された振動のレベルに関する所定の閾値を超えるかどうかを判定することを含む。
【0049】
開示される技術の別の例示的側面は、センサ(またはデバイス)との接続不良および/または自律車両内のセンサ(またはデバイス)の点検および/または修理の必要性を検出する方法に関連する。
図5は、開示される技術による、センサとの接続不良および/または自律車両内のセンサの点検および/または修理の必要性を検出する例示的方法500のフローチャートを示す。方法500のステップ510は、(潜在的)センサ誤動作のインスタンスを検知する(例えば、データベース内に記録する)ことを含む。例えば、センサが、警告またはエラーコード自体を生産するとき、またはセンサからのデータを受信および/または処理する、自律車両内の別のデバイスが、センサによって生産されたデータが、低品質であるか、またはいくつかの予期しないまたは異常値を有すると結論付けるとき、またはそのデバイスが、(短い)時間周期にわたって、センサとのその接続が不良であるとき、そのようなイベントの発生回数を含む、その情報が、潜在的センサ誤動作として、検知されることができる。520では、方法500は、ある時間の長さ(例えば、車両の航行の持続時間)にわたって生じた潜在的センサ誤動作の発生回数を、その時間の長さにわたって、1つ以上の加速度計を含む、車両のHMシステムによって検出されるような、自律車両の過剰な振動への暴露の回数(例えば、ある振幅閾値を超える振動、例えば、車両によって遭遇される、くぼみまたは道路へこみに起因して生じ得る、それらの振動)と比較する(または相関させる)ことを含む。530では、方法500は、センサ誤動作の発生回数と自律車両の過剰な衝撃または振動への暴露の回数との間のレベルまたは相関がある閾値を上回ることの判定に応答して、センサへの接続が不良であることを判定することを含む。方法500はまた、自律車両の制御システムに、センサ接続が不良である可能性があることを示す、警告メッセージを送信することを含むことができる。方法500はまた、潜在的センサ誤動作の発生回数と自律車両の過剰な振動への暴露の回数との間のレベルまたは相関が閾値を下回り、かつ時間の長さにわたって検知された潜在的センサ誤動作の回数が対応する閾値を上回ることの判定に応答してセンサが、誤動作しており、および/または点検を必要とすることを判定することを含むことができる。方法500はまた、自律車両の制御システムに、センサが、誤動作しており、および/または点検を必要とすることを示す、警告メッセージを送信することを含むことができる。
【0050】
自律車両(例えば、自律車両の自律制御システム)は、センサデータを分析し、重要なセンサ内で任意の主要な障害または故障が生じたかどうかを判定することができる。自律車両はまた、生じた障害または故障が、その動作の間、自律車両の安全性を危険に曝すであろうかどうかを分析することができる。自律車両は、生じた障害または故障が、その動作の間、自律車両の安全性を危険に曝すであろうことの判定に応答して、その進行する車線から外に(安全に)移動し、停止することか、または進行する車線内で(安全に)停止することかのいずれかを決定することができる。
【0051】
図6は、開示される技術による、加速インパルスデータおよび平均された加速データに基づいて、トラックの機械的要素の健全性を判定するための例示的方法のフローチャートを図示する。トラック610は、上記に議論されるように、衝撃センサおよび振動センサ等の種々のセンサを含む。これらのセンサからのデータは、ADSに提供され、これは、データを処理し、MRCコマンド等のコマンドをトラック内の他のサブシステムに発行/送信する。
【0052】
615では、閾値が、
図2Aに関して上記に説明されるように、センサ平均加速データに適用される。620では、閾値との比較が、該当する場合、平均値が超える、閾値を判定するために使用される。平均データおよび時間が、625において記録される。630では、データは、閾値またはプロファイルと比較され、センサデータに対応する、機械的要素の性能の経年化または劣化を判定する。データ値が、
図2Aにおける正常限界閾値210または
図2Bにおける250等の所定の閾値を上回ると、保守または点検が、635において要求/要請されるであろう。
【0053】
650では、閾値が、センサインパルス(スパイクとも称される)データに適用される。655では、閾値との比較が、該当する場合、インパルス値が超える、閾値を判定するために使用される。インパルスデータおよび時間が、660において記録される。665では、インパルスおよび平均加速データが、分析され、値が、点検、修理、または交換を要求する値を超えるかどうかを判定する。データ値が
図2Aにおける正常限界閾値210または
図2Bにおける250等の所定の閾値を上回ると、保守または点検が、670において要求/要請されるであろう。
【0054】
平均加速データおよびインパルスデータが、640において分析され、センサまたは他のコンポーネントが故障しているかどうか、または接続が不良であるかどうかを判定する。例えば、トラックがへこみ上を進んでいるとき、停止する、または異常または誤った値を報告する、特定のセンサに関するセンサデータは、センサが故障している、またはセンサとの接続不良が存在することを示し得る。誤ったまたは異常値は、少なくとも部分的に、特定のセンサの値をトラック上の他のセンサと比較することによって、判定され得る。
【0055】
675では、640および665から分析されたデータおよび判定はさらに、分析され、重要な誤動作または故障が生じたかどうかを判定する。重要な誤動作または故障は、トラックの安全動作を危険に曝す、またはトラック機械的または電気システムへの深刻な損傷のリスクを引き起こすものである。680では、データが、分析され、誤動作または故障が自律車両(すなわち、自車両、自律車両(AV)等。自車両は、少なくとも、車両の周囲の環境を知覚する、センサを含有する、車両を指すことに留意されたい。)の安全性を危険に曝すであろうかどうかを判定する。685では、最小リスク条件が、トラックを進行する車線から外に移動させる、またはトラックを進行する車線内で安全に停止させるために適用されることができる。
【0056】
図6に図示される方法はさらに、自律車両の振動暴露のレベル(
図6における道路凸凹度測定と称される)、自律車両の振動暴露の判定されたレベルを使用する、センサの不適切な接続検出、自律車両の振動暴露の判定されたレベルを使用する、センサ誤動作検出、およびセンサの不適切な接続検出およびセンサ誤動作検出の結果を使用する、自律車両に関する機能的安全性分析を判定することを含む。「スパイク」は、センサまたはシステムの動作における不規則性、センサまたはシステムの動作におけるエラー、センサまたはシステムによって発生されたスプリアスデータ、ある閾値を超える、センサまたはシステムによって生産されたデータ、またはセンサまたはシステムに関連する誤動作(例えば、センサまたはシステムとの通信の喪失)を示す、データまたは情報のいずれかを指し得る。いくつかの実施形態では、基礎数学モデルが、センサから収集されたセンサデータに関して仮定され得る。例えば、実世界における物体の物理的(例えば、電磁的または機械的等)性質(例えば、物体の場所または物体の反射率等)は、典型的には、ある閾値を上回って変化しない。例えば、道路上を進行するトラックは、200~300マイル/時を上回る速さで移動している、物体に遭遇することは予期されない。同様に、物体の明度は、典型的には、1つの捕捉されたフレーム時間内で10倍も変化し得ない。そのような閾値を超えるセンサ読取値に対する任意の変化は、実際の読取値が変化したためではなく、その中で読取値が行われる、フレームワークが、変化したとされる(例えば、センサに影響を及ぼすほど過剰な車両振動を引き起こした車両によって遭遇される道路へこみに起因して、またはセンサ誤動作に起因して)のために生じたとされる、「スパイク」またはスプリアス読取値と仮定され得る。
【0057】
本特許文書において説明される主題ならびに機能動作の実装は、本明細書およびそれらの構造的均等物において、またはそれらのうちの1つ以上の組み合わせにおいて開示される構造を含む、種々のシステム、半導体デバイス、超音波デバイス、デジタル電子回路内、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェア内に実装されることができる。本明細書内に説明される主題の側面の実装は、1つ以上のコンピュータプログラム製品、例えば、データ処理装置の動作による実行のため、またはそれを制御するための有形かつ非一過性のコンピュータ可読媒体上にエンコードされるコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実装されることができる。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝搬信号に影響を及ぼす物質の組成、またはそれらのうちの1つ以上の組み合わせであり得る。用語「データ処理ユニット」または「データ処理装置」は、実施例として、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、もしくは複数のプロセッサまたはコンピュータを含む、データを処理するための装置、デバイス、および機械の全てを包含する。装置は、ハードウェアに加えて、当該コンピュータプログラムのための実行環境を生成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはそれらのうちの1つ以上の組み合わせを成す、コードを含むことができる。
【0058】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとしても公知である)は、コンパイル型またはインタープリタ型言語を含む、任意の形態のプログラム言語で記述され得、これは、独立型プログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくはコンピューティング環境内での使用に好適な他のユニットとしてを含む、任意の形態で展開されることができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応するわけではない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部(例えば、マークアップ言語文書内に記憶される1つ以上のスクリプト)の中、当該プログラム専用の単一ファイルの中、または複数の連携ファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を記憶するファイル)の中に記憶されることができる。コンピュータプログラムは、1台のコンピュータ上、または1カ所に位置する、もしくは複数の敷地に横断して分散され、通信ネットワークによって相互接続される、複数台のコンピュータ上で実行されるように展開されることができる。
【0059】
本明細書に説明されるプロセスおよび論理フローは、入力データを動作させ、出力を発生させることによって1つ以上のコンピュータプログラムを実行し、機能を実施する、1つ以上のプログラム可能なプロセッサによって実施されることができる。プロセスおよび論理フローはまた、特殊目的論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって実施されることができ、装置もまた、それらとして実装されることができる。
【0060】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサは、実施例として、汎用マイクロプロセッサおよび特殊目的マイクロプロセッサの両方と、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサとを含む。概して、プロセッサは、読取専用メモリまたはランダムアクセスメモリもしくは両方から命令およびデータを受信するであろう。コンピュータの不可欠な要素は、命令を実施するためのプロセッサ、および命令ならびにデータを記憶するための、1つ以上のメモリデバイスである。概して、コンピュータはまた、そこからデータを受信する、またはそこにデータを伝達する、もしくは両方のために、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイス、例えば、磁気、光磁気ディスク、または光ディスクを含む、またはそれに動作可能に結合されるであろう。しかしながら、コンピュータは、そのようなデバイスを有する必要はない。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するために好適なコンピュータ可読媒体は、実施例として、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、ならびにフラッシュメモリデバイスを含む、あらゆる形態の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリデバイスを含む。プロセッサおよびメモリは、特殊目的論理回路によって補完される、またはその中に組み込まれることができる。
【0061】
本開示では、LiDARおよびLIDARは、光検出および測距デバイスおよび方法、および代替として、または加えて、レーザ検出および測距デバイスおよび方法を指すために使用される。これらの頭字語の使用は、説明されるデバイス、システム、または方法のその他に優るあるものの使用への限定を含意するものではない。
【0062】
本特許文書は、多くの詳細を含有するが、これらは、請求され得るもののいかなる発明の範囲上の限定としてではなく、むしろ、特定の発明の特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。本特許文書において、別個の実施形態の文脈で説明されるある特徴もまた、単一の実施形態に組み合わせて実装されることができる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される種々の特徴もまた、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な部分的組み合わせで実装されることができる。また、特徴が、ある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴が、ある場合では、その組み合わせから削除されることができ、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。
【0063】
同様に、動作は、図面内に特定の順序に描写されるが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序または順次順序で実施されること、もしくは図示される動作の全てが実施されることを要求するものとして理解されるべきではない。また、本特許文書に説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態においてそのような分離を要求するものとして理解されるべきではない。
【0064】
いくつかの実装および実施例のみが、説明され、他の実装、拡張、ならびに変形例が、本特許文書に説明ならびに図示されるものに基づいて成され得る。
【国際調査報告】