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特表2024-532132有機化合物におけるまたはこれに関する改善
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】有機化合物におけるまたはこれに関する改善
(51)【国際特許分類】
   B01J 13/10 20060101AFI20240829BHJP
   C11D 17/06 20060101ALI20240829BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20240829BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20240829BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20240829BHJP
   A61K 8/11 20060101ALI20240829BHJP
   A61K 8/87 20060101ALI20240829BHJP
   A61K 8/897 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B01J13/10
C11D17/06
C11D17/08
A61Q5/02
A61Q5/12
A61K8/11
A61K8/87
A61K8/897
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509045
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 EP2022072304
(87)【国際公開番号】W WO2023020883
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】2111712.2
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャルボニエ,アントワーヌ
【テーマコード(参考)】
4C083
4G005
4H003
【Fターム(参考)】
4C083AD091
4C083AD161
4C083AD211
4C083AD321
4C083AD411
4C083AD421
4C083DD14
4G005AA01
4G005BA07
4G005DB06Y
4G005DB06Z
4G005DB12Y
4G005DB12Z
4G005DB13Y
4G005DB16Y
4G005DC12Y
4G005DC12Z
4G005DC46Y
4G005DC46Z
4G005DC58Y
4G005DC58Z
4G005EA03
4G005EA07
4H003BA09
4H003BA12
4H003CA18
4H003DA01
4H003DA02
4H003ED02
4H003FA21
4H003FA26
(57)【要約】
少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルを含むカプセル化された組成物が開示される。少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルは、少なくとも1の利益剤を含むコア、およびコアを囲むシェルを含む。シェルは、水和ポリマー相、および、シェルとコアとの間の界面におけるポリマー安定剤を含む。かかるカプセル化された組成物を調製するための方法、および消費者向製品における利益剤の性能を増強するためのかかる組成物の使用も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルを含むカプセル化された組成物であって、ここで、少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルは、少なくとも1の利益剤を含むコア、およびコアを囲むシェルを含み、ここでシェルは、水和ポリマー相、および、シェルとコアとの間の界面におけるポリマー安定剤を含む、前記カプセル化された組成物。
【請求項2】
ポリマー安定剤が、熱硬化性樹脂である、請求項1に記載のカプセル化された組成物。
【請求項3】
ポリマー安定剤が、アミノシランと多官能性イソシアナートとの反応によって形成される、請求項2に記載のカプセル化された組成物。
【請求項4】
アミノシランが、二峰性アミノシランである、請求項3に記載のカプセル化された組成物。
【請求項5】
二峰性アミノシランが、二級アミノシランである、請求項4に記載のカプセル化された組成物。
【請求項6】
二級二峰性アミノシランが、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)アミンである、請求項5に記載のカプセル化された組成物。
【請求項7】
多官能性イソシアナートが、2-エチルプロパン-1,2,3-トリルトリス((3-(イソシアナートメチル)フェニル)カルバマート)である、請求項3~6のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物。
【請求項8】
水和ポリマー相が、コアセルベート、とりわけ複合コアセルベートである、請求項1~7のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物。
【請求項9】
複合コアセルベートが、ポリカチオンおよびポリアニオンから形成される、請求項8に記載のカプセル化された組成物。
【請求項10】
ポリカチオンが、タンパク質、キトサンおよびカチオン性の多糖類からなる群から選択される、請求項9に記載のカプセル化された組成物。
【請求項11】
ポリカチオンが、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、ポリリシン、大豆タンパク質、ピータンパク質、ライスタンパク質およびヘンプタンパク質からなる群から選択されるタンパク質である、請求項10に記載のカプセル化された組成物。
【請求項12】
タンパク質が、ゼラチン、好ましくはタイプBゼラチンである、請求項11に記載のカプセル化された組成物。
【請求項13】
タイプBゼラチンが、90~250Bloomのブルーム強度を有する、請求項12に記載のカプセル化された組成物
【請求項14】
ポリカチオンが、変性タンパク質である、請求項10~13のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物。
【請求項15】
ポリカチオンが、カチオン性のヒドロキシプロピルトリモニウムデンプンおよびヒドロキシプロピルトリモニウムグァーガムからなる群から選択されるカチオン性の多糖類である、請求項10に記載のカプセル化された組成物。
【請求項16】
ポリアニオンが、カルボキシラート基および/またはスルファート基を含む多糖類である、請求項9~15のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物。
【請求項17】
カルボキシラート基を含む多糖類が、ウロン酸ユニット、とりわけヘキスロン酸ユニットを含む、請求項16に記載のカプセル化された組成物。
【請求項18】
ヘキスロン酸ユニットが、ガラクツロン酸ユニット、グルクロン酸ユニット、とりわけ4-O-メチル-グルクロン酸ユニット、グルクロン酸ユニットおよびマンヌロン酸ユニットからなる群から選択される、請求項17に記載のカプセル化された組成物。
【請求項19】
カルボキシラート基を含む多糖類が、分枝状である、請求項16~18のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物。
【請求項20】
カルボキシラート基は、対応するカルボン酸塩、とりわけ対応するナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウムカルボン酸塩の形態で少なくとも部分的に存在する、請求項16~19のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物。
【請求項21】
ポリアニオンが、アラビアガムおよびアルギナートからなる群から選択される、請求項16~20のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物。
【請求項22】
水和ポリマー相が、ハイドロゲルである、請求項1~21のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物。
【請求項23】
ハイドロゲルが、ポリマー安定剤と相互連結する、請求項22に記載のカプセル化された組成物。
【請求項24】
ハイドロゲルが、架橋コアセルベート、とりわけ多官能性アルデヒドと架橋した複合コアセルベート、より具体的にはスクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリオキサール、ベンゼン-1,2-ジアルデヒド、ベンゼン-1,3-ジアルデヒド、ベンゼン-1,4-ジアルデヒド、ピペラジン-N,N-ジアルデヒドおよび2,2’-ビピリジル-5,5’-ジアルデヒドからなる群から選択される二官能性アルデヒドである、請求項22または23に記載のカプセル化された組成物。
【請求項25】
カプセル化された組成物、とりわけ請求項1~24のいずれか一項に記載のカプセル化された組成物を調製する方法であって、以下のステップ:
a) 水相を提供すること;
b) 少なくとも1の利益剤を含む油相を提供すること;
c) 油相を水相中で乳化し、水相中に油滴のエマルションを形成すること;
d) 油滴を取り囲むポリマー安定剤を形成すること;
e) ポリマー安定剤の外側に水和ポリマー相を提供し、マイクロカプセルシェルを得ること
を含む、前記方法。
【請求項26】
ステップc)において、ポリマー界面活性剤水相中の油相の乳化を、ポリマー界面活性剤の存在下で実施する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ステップd)において、ポリマー安定剤を、アミノシランと多官能性イソシアネートとの反応によって形成し、これらは、好ましくは両方ともステップb)において提供される油相に含まれる、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
ステップd)において、ポリマー安定剤が、アミノシランとポリマー界面活性剤との組み合わせによって形成する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ステップe)において、水和ポリマー相を、ポリカチオンおよびポリアニオンから複合コアセルベートとして形成する、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
複合コアセルベートの形成のためにステップe)において用いられるポリアニオンが、水相における油相の乳化のためにステップc)において用いられるポリマー界面活性剤と同一である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ポリカチオンが、タンパク質、キトサンおよびカチオン性の多糖類からなる群から選択される、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
ポリマー界面活性剤および/またはポリアニオンが、カルボキシラートおよび/またはスルホナート基を含む多糖類である、請求項26~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
以下のステップ:
f) 複合コアセルベートを架橋してハイドロゲルを形成し、任意にハイドロゲルをポリマー安定剤と連結すること
をさらに含む、請求項29~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
請求項25~33のいずれか一項に記載の方法によって得ることができる、カプセル化された組成物。
【請求項35】
消費者向製品における利益剤の性能を増強するための、請求項1~24のいずれか一項または請求項34に記載のカプセル化された組成物の使用。
【請求項36】
請求項1~24のいずれか一項または請求項34に記載のカプセル化された組成物を含む消費者向製品であって、ここで消費者向製品は、好ましくは、ファブリックケア洗浄剤およびコンディショナー、ヘアケアコンディショナー、シャンプー、ヘビーデューティー液体洗浄剤、硬い表面クリーナー、洗浄剤粉末、ソープ、シャワーゲルおよびスキンケア製品からなる群から選択される、前記消費者向製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルを含むカプセル化された組成物、かかるカプセル化された組成物を調製するための方法、ならびに消費者向製品における利益剤の性能を増強するためのかかるカプセル化された組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭ケア、パーソナルケアおよびファブリックケア製品などの消費者向製品に、カプセル化された利益剤を組み込むことは知られている。利益剤は、例えばフレグランス、化粧剤、食品成分、ニュートラシューティカルズ、薬物および基質エンハンサーを包含する。
【0003】
かかる利益剤の送達のために特に好適なマイクロカプセルは、コア-シェルマイクロカプセルであり、ここでコアは、大抵は、利益剤を含み、およびシェルは、利益剤に対して不浸透性または少なくとも部分的に不浸透性である。一般に、これらのマイクロカプセルは、水性媒体において用いられ、およびカプセル化された利益剤は、疎水性である。シェルがカプセル化された利益剤に対して不浸透性または少なくとも部分的に不浸透性であれば、幅広いシェル材料を使用することができる。
【0004】
利益剤は、様々な理由のためにカプセル化される。マイクロカプセルは、かかる材料がその中で不適合であるかまたは不安定である、消費者向製品ベースなどの外部の懸濁媒体からそれらを分離および保護することができる。それらは、皮膚または毛髪、または香料成分の場合はファブリックまたは硬い家庭用表面などの基質への利益剤の沈着を補助するためにも使用される。それらはまた、利益剤の時空間的放出を制御する手段としても機能する。
【0005】
カプセル化された組成物の調製のために好適な幅広い種類のカプセル化媒体ならびに利益剤が、先行技術において提案されている。かかるカプセル化媒体ならびに利益剤は、ポリアミド、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアクリラート、メラミン由来の樹脂、またはそれらの混合物から作られた合成樹脂を包含する。
【0006】
しかしながら、今日、消費者は、合成石油化学物質などの精製不可能な資源から得られる材料を使用することへの懸念を強めている。換言すれば、消費者は、環境および資源保護の観点から、より持続可能な起源を持つ材料を好む傾向にある。それにもかかわらず、天然材料または自然界に由来する材料を使用して、利益剤カプセル化のすべての側面に対処することは一般に難しい。
【0007】
WO2020/233887A1は、ペクチンベースのポリマー安定剤およびヒドロキシエチルセルロースを含むコア-シェルマイクロカプセルを開示する。これらのマイクロカプセルは、バイオ起源でありながら、安定性および香料放出の観点において、最適な性能を示す。しかしながら、当該マイクロカプセルは、ファブリックへの沈着および付着能力にまだ限界がある。さらにまた、これらのカプセルは、良好な生分解性を示すが、生分解のそれらの能力を向上させることが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
したがって、本発明の根底にある問題は、先行技術における上述の欠点を克服することである。とりわけ、本発明の根底にある問題は、基質への、より具体的にはファブリックへのカプセルの沈着および接着を増強することである。さらにまた、カプセル化された組成物は、製造中、保管中および適用時に、所望される利益剤放出特性を維持しながら、とりわけ、高レベルの天然材料または自然界に由来する材料を含むことによって、または改善された生分解を示すことによって、持続可能性に関する最も高い規格を依然として満たすべきである。その上、組成物は、操作上の安全性、堅固性、およびコスト効率の高いプロセスで生産可能でなければならない。
【0009】
これらの問題は、本発明に従うカプセル化された組成物によって解決する。このような組成物は、少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルを含む。少なくとも1のコア-シェルマイクロカプセルは、少なくとも1の利益剤を含むコア、およびコアを囲むシェルを含む。シェルは、水和ポリマー相、および、シェルとコアとの間の界面におけるポリマー安定剤を含む。
【0010】
このような配置において、ポリマー安定剤は、不浸透性封入材料を提供し、一方で、水和ポリマー相は、基質への所望される沈着および接着を提供する。さらにまた、理論に束縛されることなく、これは、微生物分解のために最適なポイントも提供すると推測される。
【0011】
ポリマー安定剤は、広い範囲のフィルム形成材料および樹脂から選択してよい。好ましくは、ポリマー安定剤は、シェルを通してカプセル化された利益剤の拡散を有意に減少するために、高度に架橋されている。好ましくは、シェルの不浸透性は、界面活性剤を含む消費者向製品などの、抽出ベース中の利益剤の漏出を有意に防止するために充分に高い。
【0012】
本発明の文脈において、40℃で3ヶ月の期間内に消費者向製品ベース中に溶出した利益剤の量が、カプセル化された利益剤の公称量の75wt%未満、好ましくは50wt%未満、より好ましくは25wt%未満、さらに好ましくは10wt%未満である場合、漏出は有意に低減されたとみなされる。
【0013】
本発明の好ましい態様において、ポリマー安定剤は、熱硬化性樹脂である。
熱硬化性樹脂は、典型的には、アミン、イソシアネート、アルコールまたはフェノール、クロロカルボン酸、(メタ)アクリレート、エポキシド、シランおよびアルデヒドなどの多官能性モノマーを反応させることによって得られる。
【0014】
本発明の具体的に好ましい態様において、ポリマー安定剤は、アミノシランと多官能性イソシアナートとの反応によって形成される。そのようなポリマー安定剤は、高度に架橋され、シェル形成を完了させるために追加材料を固定化するために使用することができる表面アンカー基を提供しやすいという利点を有する。これらの追加材料は、追加の封入材料、コーティング、および下文により詳細に記載するように、単純および複合コアセルベート、およびハイドロゲルを含んでもよい。
【0015】
ポリマー安定剤の形成において用いられるアミノシランは、式(I)で表される化合物から選択することができる。
【0016】
【化1】
【0017】
上記式(I)において、R、RおよびRは、各々独立してC-C線状または分枝状のアルキルまたはアルケニル残基、とりわけメチルまたはエチルであり、およびRは、アミノ官能基を含む、C-C12、好ましくはC-C、線状または分枝状のアルキルまたはアルケニル残基、とりわけ一級、二級または三級のアミンである。
【0018】
官能基が、一級アミンである場合、末端の一級アミンでることができる。Rは、次いで好ましくはC-C、さらにより好ましくはC-C、線状末端一級アミノアルキル残基である。このカテゴリーの特定のアミノシランは、以下からなる群から選択される:アミノメチルトリエトキシシラン、2-アミノエチルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、4-アミノブチルトリ-エトキシシラン、5-アミノペンチルトリエトキシシラン、6-アミノヘキシルトリエトキシシラン、7-アミノヘプチルトリエトキシシランおよび8-アミノオクチルトリエトキシシラン。
【0019】
理論に束縛されることなく、シラン基が互いに重縮合して液-液界面にシリカネットワークを形成し、この界面をさらに安定化させると推測される。
【0020】
本発明の具体的な態様において、アミノシランは、二峰性アミノシランである。「二峰性アミノシラン」は、少なくとも1のアミノ基および2つの残基を含み、それらの残基の各々が少なくとも1のアルコキシシラン部分を有する分子を意味する。少なくとも1の二峰性アミノシランは、式(II)を有することができる。
【0021】
【化2】
【0022】
上記式(II)において、Xは、-NR-、-NR-CH-NR-、-NR-CH-CH-NR-、-NR-CO-NR-、または
【化3】
を表す。
【0023】
上記式(II)において、Rは、各々独立してH、CHまたはCを表す。Rは、各々独立して、1~6炭素原子を有する線状または分枝状のアルキレン基を表す。Rは、各々独立して、1~4炭素原子を有する線状または分枝状のアルキルを表す。Rは、各々独立してHまたは1~4炭素原子を有する線状または分枝状のアルキル基を表す。Fは、0、1または2を表す。
【0024】
二峰性アミノシランは、安定した油-水界面を形成するために特に有利である。
【0025】
二峰性アミノシランの例は、これらに限定されないが、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)アミン、N,N’-ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)尿素、ビス(3-(メチルジエトキシシリル)プロピル)アミン、N,N’-ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)エタン-1,2-ジアミン、ビス(3-(メチルジメトキシシリル)プロピル)-N-メチルアミンおよびN,N’-ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)ピペラジンを包含する。
【0026】
二峰性アミノシランは、二級アミノシランであることができる。一級アミノシランの代わりの二級二峰性アミノシランの使用は、求電子性種、とりわけアルデヒドに対するポリマー安定剤の反応性を低下させる。ゆえに、高レベルのアルデヒドを含有する利益剤を、コア-形成材料およびシェル-形成材料に間の有害な相互作用の低い傾向で、カプセル化し得る。
【0027】
二級二峰性アミノシランは、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)アミンとすることができる。この具体的な二級アミノシランは、エトキシシラン基の重縮合の間に、例えば、より有毒であり、あまり望ましくないメタノールの代わりにエタノールを放出するという利点を有する。
他のアミノシランを、先述の二峰性アミノシラン、とりわけ本明細書で上述したアミノシランと組み合わせても使用することができる。
【0028】
多官能性イソシアナートは、イソシアナート基が、有機残基(R-N=C=OまたはR-NCO)に結合した有機イソシアナートから選択してもよい。本発明の文脈において、多官能性イソシアナートは、2以上の(例として3、4、5、等々)イソシアナート基を分子中に有する、アルキル、脂環式、芳香族およびアルキル芳香族、ならびにアニオン性に修飾された多官能性イソシアナートから選択してもよい。
【0029】
好ましくは、多官能性イソシアナートは、芳香族またはアルキル芳香族イソシアナートであり、アルキル芳香族多官能性イソシアナートは、好ましくは芳香環に付いたメチルイソシアナート基を有する。芳香族およびメチルイソシアナート-置換芳香族多官能性イソシアナートは両方とも、アルキルおよび脂環式多官能性イソシアナートと比較して秀でた反応性を有する。これらの中でも、2-エチルプロパン-1,2,3-トリルトリス((3-(イソシアナートメチル)フェニル)カルバマート)は、分子間架橋の形成に有利なその三官能性の性質のおかげで、およびネットワーク均一性に有利なその中間体反応性のおかげで特に好ましい。このアルキル芳香族多官能性イソシアナートは、市販されており、MitsuiによりTakenate D-100 Nの商標で販売されている、またはCovestroによりDesmodur(登録商標)Quix175の商標で販売されている。
【0030】
芳香族またはアルキル芳香族多官能性イソシアナートの代替として、油/水界面で、さらには油/水界面に近い水相において反応するかかる多官能性イソシアナートの能力のおかげで、アニオン性に修飾された多官能性イソシアナートを添加することも有利でありえる。特に好適なアニオン性に修飾された多官能性イソシアナートは、式(III)を有する。
【0031】
【化4】
【0032】
式(III)は、市販のアニオン性に修飾されたポリイソシアナートを示し、これは、CovestroによりBayhydur(登録商標) XP2547の商標で販売されているヘキサメチレンジイソシアネートの修飾イソシアヌレートである。
【0033】
本発明の好ましい態様において、多官能性イソシアナートは、2-エチルプロパン-1,2,3-トリルトリス((3-(イソシアナートメチル)フェニル)カルバマート)である。具体的に好ましくは、ポリマー安定剤は、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)アミンと、2-エチルプロパン-1,2,3-トリルトリス((3-(イソシアナートメチル)フェニル)カルバマート)との反応により形成される。この具体的な二峰性二級アミノシランおよび多官能性イソシアナートの組み合わせは、有利な界面安定性および放出特性を提供する。安定化された界面は、コアに含まれた少なくとも1の利益剤をカプセル化を有効にカプセル化するために充分に不浸透性であり、所望される表面官能基を有する。
【0034】
本発明の好ましい態様において、水和ポリマー相はコアセルベート、とりわけ複合コアセルベートであることができる。
【0035】
「コアセルベート」は、高分子電解質が豊かな液滴が、水性の、高分子電解質に乏しい連続相と共存していることを意味する。液滴は、界面で凝集し、界面層を形成することができる。本文脈において、コアセルベート液滴は、高分子安定剤と水相との界面で凝集する。結果として、複数のコア組成物液滴を含み、ポリマー安定剤で安定化され、各液滴が、コアセルベート液滴で囲まれた、水中のカプセル化された組成物が形成される。
【0036】
「複合コアセルベーション」は、高分子電解質の混合物を含む界面層の形成を意味する。
コアセルベーションの現象は、光学顕微鏡で観察することができ、ここで、コア組成物の液滴の周りにリングが出現することによって示される。このリングは、先述の高分子電解質が豊かな相からなり、周りの水相とは異なる屈折率を有する。
【0037】
高分子電解質のコアセルベーションは、一般に、高分子電解質をその等電点、つまり高分子電解質の正味電荷がゼロまたはゼロに近い点に近づけることで誘導される。これは、塩濃度または媒体のpHを変えることで達成できる。複合コアセルベーションにおいて、高分子電解質の一方が全体的に正の電荷(ポリカチオン)を有し、他方の高分子電解質が全体的に負の電荷(ポリアニオン)を有するpHで複合化が起こり、複合体の全体的な電荷は中性になる。
【0038】
本発明の好ましい態様において、コアセルベートはポリカチオンおよびポリアニオンから形成されてよい。
【0039】
好ましくは、pHは、コアセルベーションを駆動するパラメータとして使用される。よって、ポリカチオンは好ましくはpHに依存した電荷を有する。これは、ポリアミン、例えばキトサン、およびほとんどのタンパク質、例えばゼラチンなどの、一級、二級および三級アミノ基を持つポリマーの場合である。タンパク質は、温度に依存した構造変化を起こしやすいという追加の利点を有し、これを使用してコアセルベートの形態を制御することもできる。とりわけ、いくつかのタンパク質の温度を変化させると、タンパク質の二次構造、三次構造、四次構造の形成が誘導され、これを使用して、コアセルベートの特性を制御することができる。
【0040】
キトサンは、天然ポリマーであるキチンに由来すという利点を有する。
本発明の好ましい態様において、ポリカチオンは、タンパク質およびキトサンからなる群から選択される。
【0041】
より具体的には、ポリカチオンは、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、ポリリシン、大豆タンパク質、ピータンパク質、ライスタンパク質およびヘンプタンパク質からなる群から選択されるタンパク質であることができる。
本発明の好ましい態様において、少なくとも1のタンパク質は、ゼラチンであり、さらにより好ましくはタイプBゼラチンである。
タイプBゼラチンは、コラーゲンのアルカリ処理から得られ、弱酸性条件下で負に帯電した多糖類などのアニオン性高分子電解質と複合体を形成する能力でよく知られている。
【0042】
ゼラチンは、大抵、所謂「ブルーム強度」によって特徴付けられる。
米国ゼラチン製造者協会(Gelatin Manufacturers Institute of America, Inc.)の公式手順書、2019年改訂、Chapter 2.1に従って、いわゆる「ブルーム・ゲロメーター(Bloom Gelometer)」によって測定される、ゼラチンフィルムの剛性を指す。この手順に従って、Bloomで表されるブルーム強度は、直径12.5mmの標準化されたプランジャーを、4mmの深さまで、制御された条件下で、すなわち、標準化された瓶の中で、60℃の脱イオン水に6.67重量%のゼラチンを溶解し、10℃で17時間ゲルを形成させることによって調製されたゼラチンゲル中に垂直に移動させるのに必要な、gで表される重量に等しい。重量が大きいほど、テストされたゲルの製造に使用したゼラチンのブルーム強度が高い。
【0043】
本発明の好ましい態様において、タイプBゼラチンは、90~250Bloomのブルーム強度を有する。
【0044】
ブルーム強度が低すぎる場合、ゲルは機械的に弱く、そこから得られるコアセルベートはコア組成物の周囲にゼラチンが豊かな相の自立層を形成しない可能性がある。ブルーム強度が高すぎると、コアセルベートおよびそこから得られるゼラチンが豊かな相が脆くなりすぎる。
【0045】
本発明の好ましい態様において、タイプBゼラチンは、魚類から得られる。なぜなら、魚類ゼラチンは、主に健康上の懸念、社会的背景または宗教的規則により、牛肉または豚肉ゼラチンよりも消費者により良く受け入れられるからである。
【0046】
代替的に、タンパク質は、植物性タンパク質、特にビーガンであるという利点を持つピータンパク質および/または大豆タンパク質であってもよい。
【0047】
ポリカチオンは、変性タンパク質であってもよい。ネイティブタンパク質とは逆に、変性タンパク質は、二次構造、三次構造または四次構造を形成する能力を奪われ、本質的にアモルファスである。かかるアモルファスタンパク質は、ネイティブタンパク質と比較して、より不浸透性の膜を形成し得、したがって、シェルの封入力にも寄与する。変性は、タンパク質を化学的または物理的手段、たとえば、酸またはアルカリ処理、熱、または水素結合破壊剤への暴露などで処理することにより達成できる。
【0048】
ポリカチオンがキトサンである場合において、キトサンは、3’000~1’000’000g/molの間、より具体的には10’000~500’000g/molの間、さらにより具体的には30’000~300’000g/molの間の分子量を有することができる。
【0049】
一態様において、ポリカチオンは、カチオン性のヒドロキシプロピルトリモニウムデンプンまたはヒドロキシプロピルトリモニウムグァーガムなどの永続的に帯電したカチオン性の多糖類である。かかるカチオン性の多糖類は、植物由来である。
【0050】
ポリアニオンは、あらゆる負に帯電したポリマーであってよい。しかしながら、pHは好ましくはコアセルベーションを制御するために使用されるので、ポリマーの電荷がpH依存性であることがより有利であり得る。かかるポリマーは、ペンダントカルボキシル基を有するポリマー、たとえばメタクリル酸およびアクリル酸ポリマーおよびコポリマー、加水分解された無水マレイン酸コポリマーおよびカルボキシル基を有する多糖類から選択することができる。
【0051】
本発明の好ましい態様において、ポリアニオンは、カルボキシラート基および/またはスルファート基を含む多糖類である。
【0052】
カルボキシラート基を含む多糖類は、タンパク質との複合コアセルベーションに特に好適である。これは、これらの多糖類の正味の電荷がpHを調整することによって調整され、両性タンパク質との複合化が促進されることに起因する。複合化は、タンパク質が全体として正の電荷を持つpHで起こるのに対し、多糖類は全体として負の電荷を持つため、複合体の全体的な電荷は中性となる。これらの多糖類は、ネイティブな多糖類、すなわち自然界から改変されていない多糖類、および改変された多糖類を包含する。
【0053】
カルボン酸基を含む多糖類は、ウロン酸ユニット、とりわけヘキスロン酸ユニットを含み得る。かかる多糖類は、自然界で広く入手可能である。
ヘキスロン酸ユニットは、ガラクツロン酸ユニット、グルクロン酸ユニット、とりわけ4-O-メチル-グルクロン酸ユニット、グルクロン酸ユニットおよびマンヌロン酸ユニットからなる群から選択される。
【0054】
カルボン酸基を含む多糖類は、分岐であってもよい。カルボン酸基を含む分岐状の多糖類は、直鎖状の多糖類よりもコンパクトなネットワークを形成する利点を有し、カプセル化シェルの不浸透性が有利になり、結果として漏れが減少しおよびカプセル化効率がより高くなる。
【0055】
カルボキシラート基は、対応するカルボン酸塩、とりわけ対応するナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウムカルボン酸塩の形態で少なくとも部分的に存在することができる。
【0056】
本発明の具体的な態様において、ポリアニオンは、ペクチン、アラビアガムおよびアルギナートからなる群から選択される。
【0057】
ペクチンのなかで、カルボン酸基は、対応するメチルエステルの形態で部分的に存在することができる。対応するメチルエステルの形態で存在するカルボン酸基のパーセンテージは、3%~95%、好ましくは4%~75%、より好ましくは5~50%であることができる。50%以上が対応するメチルエステルの形態で存在するカルボン酸基を含むペクチンは、「高メトキシル化」と称される。50%未満が対応するメチルエステルの形態で存在するカルボン酸基を含むペクチンは、「低メトキシル化」と称される。
【0058】
アラビアガムの2つのバリアント、すなわちガムアカシアSenegalおよびガムアカシアSeyalのうち、ガムアカシアSenegalは、ガムアカシアSenegalにおける高いレベルのグルクロン酸のおかげで好ましい。
【0059】
本発明の文脈において、「ハイドロゲル」は、個々のポリマー鎖の化学的または物理的架橋に起因して構造を維持しながら、水中で膨潤することができる親水性ポリマーの3次元(3D)ネットワークである。
【0060】
このようなハイドロゲルは、界面で、数個の方法によって、とくに既存の界面の周囲での高分子電解質の自己集合、溶液中でのあらかじめ形成されたハイドロゲル粒子の共有結合グラフト化、界面で開始される水溶性モノマーの重合、および界面上での水可溶性高分子の相分離によって、形成することができる。
【0061】
曖昧さを避けるため、本発明の文脈において、共有結合によって架橋された、コアセルベート、とくに複合コアセルベートは、ハイドロゲルとみなされる。
ハイドロゲルの使用が、基質上、とりわけファブリック上のマイクロカプセルの沈着および接着の両方を特に増強することを見出した。
【0062】
ハイドロゲルは、ポリマー安定剤と、とりわけこの安定剤の表面に存在する官能基を介して、相互連結することができる。
これは、液滴界面に存在するポリマー安定剤上に、ハイドロゲル層をロックし、ブレンドだけの代わりに、ポリマー複合物から構成されるシェルを作成することを可能とする。
ハイドロゲル架橋およびポリマー安定剤とのハイドロゲル相互連結の両方は、連続してまたは同時に行うことができる。
【0063】
本発明の好ましい態様において、ハイドロゲルは、架橋コアセルベート、とりわけ多官能性アルデヒドと架橋した複合コアセルベート、より具体的にはスクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリオキサール、ベンゼン-1,2-ジアルデヒド、ベンゼン-1,3-ジアルデヒド、ベンゼン-1,4-ジアルデヒド、ピペラジン-N,N-ジアルデヒドおよび2,2’-ビピリジル-5,5’-ジアルデヒドからなる群から選択される二官能性アルデヒドである。二官能性アルデヒドは、タンパク質の有効な架橋剤として知られている。
【0064】
ハイドロゲルは、感温性であり、とりわけ20℃~50℃の間、好ましくは25℃~40℃の間のゲル化温度を有することができる。このようなハイドロゲルを使用する場合、ファブリックをハイドロゲルゲル化温度より高い温度で選択するときに、ファブリックにおけるカプセルの沈着性能を高めることができる。
【0065】
シェルは、安定化剤でさらに安定化することができる。好ましくは、安定化剤は、少なくとも2のカルボン酸基を含む。さらにより好ましくは、安定化剤は、クエン酸、ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸、ベンゼン-1,2,4-トリカルボン酸、2,5-フランジカルボン酸、イタコン酸、ポリ(イタコン酸)およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0066】
本発明のさらなる側面は、カプセル化された組成物、とりわけ本明細書に上記のとおりカプセル化された組成物を調製するための方法に関する。この方法は、以下のステップを含む:
a) 水相を提供すること;
b) 少なくとも1の利益剤を含む油相を提供すること;
c) 油相を水相中で乳化し、水相中に油滴のエマルションを形成すること;
d) 油滴を取り囲むポリマー安定剤を形成すること;
e) ポリマー安定剤の外側に水和ポリマー相を提供し、マイクロカプセルシェルを得ること。
【0067】
水相中の油滴のエマルションは、シェル形成のテンプレートとして使用できる複数の液滴を提供できるという利点を有し、ここでシェルはこれらの液滴のそれぞれの周囲に構築される。加えて、攪拌スピードや攪拌機の形状などの乳化条件を制御することにより、エマルションにおいて液滴サイズ分布を制御することができる。結果として、平均サイズおよびサイズ分布が制御された複数のマイクロカプセルが得られ、ここで油相はカプセル化され、それによってマイクロカプセルのコアを形成する。所望される平均液滴サイズおよび液滴サイズ分布を得るために、適切な攪拌スピードおよびミキサーの形状を選択することができる。
【0068】
本発明に従うプロセスにおいて、タービン、またはMig撹拌機などのピッチドビームを有するクロスビーム撹拌機を備え、反応器直径に対する撹拌機直径が0.6~0.8である1リットル容器を使用することができる。約100~約1200rpm、より具体的には約600~1000rpmの撹拌スピードで、30μm以下、より具体的には20μm以下の体積平均サイズ(d50)を有するかかる反応器中で形成することができる。好ましくは、850±50rpmのスピードで作動させてMig撹拌機を使用する。当業者は、しかしながら、撹拌条件は、反応器のサイズおよびバッチサイズ、撹拌機の正確な形状、撹拌機の直径と反応器の直径との比率に応じて変化し得ることを容易に理解するであろう。
【0069】
例えば、撹拌機対反応器の直径比が0.5~0.9、スラリー体積が0.5~8トンのMig撹拌機の場合、本発明の文脈において好ましい撹拌スピードは150rpm~50rpmである。
【0070】
ステップc)に関し、水相中の油相の乳化は、ポリマー界面活性剤の存在下で実施してもよい。ポリマー界面活性剤は、所望の液滴サイズを有する分散油滴の形成を促進するのに役立つ。
【0071】
本発明のために使用することができるポリマー界面活性剤は、当業者に周知であり、アクリルアミド、ベンゼンスルホン化、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの幅広い範囲のハイドロコロイド、およびタンパク質、リグニンおよび多糖類などの修飾バイオポリマーのネイティブなものを包含する。
【0072】
ステップd)に関し、ポリマー安定剤は、アミノシランと多官能性イソシアネートとの反応によって形成することができ、これらは、好ましくは両方ともステップb)において提供される油相に含まれる。
【0073】
ポリマー安定剤は加えて、アミノシランとポリマー界面活性剤との組み合わせによって形成されもよい。
【0074】
ステップe)に関し、水和ポリマー相は、ポリカチオンおよびポリアニオンから複合コアセルベートとして形成されてもよい。
【0075】
本発明の好ましい態様において、複合コアセルベートの形成のためにステップe)において用いられるポリアニオンは、水相中の油相の乳化のためにステップc)において用いられるポリマー界面活性剤と同一である。
【0076】
系の1つの構成要素を、2つの目的で使用することによって、カプセル化された組成物の全体の複雑さおよび費用を低減することができる。さらにまた、その製造に必要な材料が少なくて済むため、製品の環境への影響も改善できる。
【0077】
上記の利点は別として、ポリマー界面活性剤が固定されているか、またはポリマー安定剤に含まれている場合において、とりわけポリマー界面活性剤のアミノシランとの組み合わせによって、ポリマー安定剤と複合コアセルベートとの間の複合物構造の形成が可能である。これにより、連続相中の「遊離」ポリマー水可溶性残渣を低減することもできる。
【0078】
上述したように、ポリカチオンはタンパク質およびキトサンからなる群から選択することができる。
本発明の好ましい態様において、ポリマー界面活性剤および/またはポリアニオンは、カルボキシラートおよび/またはスルホナート基を含む多糖類である。
【0079】
カルボキシラートおよび/またはスルホナート基は、強い静電相互作用を提供するが、同時に甚大な脱水を回避する。これらの基の間の相互作用によって形成された水和ポリマー相は、十分に水和した状態を保ち(沈殿物とは逆)、より優れた粘弾性特性を有し、改善された沈着につながる。
【0080】
本発明に従う方法は、加えて、以下のステップを含んでもよい:
f) 複合コアセルベートを架橋してハイドロゲルを形成し、任意にハイドロゲルをポリマー安定剤と連結する。
【0081】
マイクロカプセルの形成後、カプセル化された組成物を、大抵室温まで冷却する。冷却の前、間または後、カプセル化された組成物を、さらに加工してもよい。さらなる加工は、組成物を抗微生物保存料で処理することを包含し、保存料は、当該技術分野において周知である。さらなる加工は、マイクロカプセルの安定した物理的分散を補助し、あらゆるクリーミングまたは合体を防止するための、ハイドロコロイド懸濁助剤などの懸濁助剤の添加を包含してもよい。当該技術分野において慣用的なあらゆる追加のアジュバントもまた、さらなる加工の間に添加してもよい。
【0082】
コアに含まれる利益剤は、フレグランス成分、化粧品成分および生物学的に活性な成分からなる群から選択することができる。
【0083】
本発明の具体的な態様において、コアは、少なくとも1のフレグランス成分を含む。
【0084】
本発明に従ってカプセル化され得るフレグランス成分の包括的なリストは、香料の文献、例えば“Perfume & Flavor Chemicals”, S. Arctander (Allured Publishing, 1994)において見出すことができる。本発明に従うカプセル化された香料は、好ましくは、以下:ACETYL ISOEUGENOL((E)-2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェニルアセタート);ADOXAL(2,6,10-トリメチルウンデカ-9-エナール);AGRUMEX(2-(tert-ブチル)シクロ酢酸ヘキシル);ALDEHYDE C 10 DECYLIC(デカナール);ALDEHYDE C 11 MOA(2-メチルデカナール);ALDEHYDE C 11 UNDECYLENIC(ウンデカ-10-エナール);ALDEHYDE C 110 UNDECYLIC(ウンデカナール);ALDEHYDE C 12 LAURIC(ドデカナール);ALDEHYDE C 12 MNA PURE(2-メチルウンデカナール);ALDEHYDE C 8 OCTYLIC(オクタナール);ALDEHYDE C 9 ISONONYLIC(3,5,5-トリメチルヘキサナール);ALDEHYDE C 9 NONYLIC FOOD GRADE(ノナナール);ALDEHYDE C 90 NONENYLIC((E)-ノナ-2-エナール);ALDEHYDE ISO C 11((E)-ウンデカ-9-エナール);ALDEHYDE MANDARINE((E)-ドデカ-2-エナール);ALLYL AMYL GLYCOLATE(プロパ-2-エニル2-(3-メチルブトキシ)アセタート);ALLYL CAPROATE(プロパ-2-エニルヘキサノアート);ALLYL CYCLOHEXYL PROPIONATE(プロパ-2-エニル3-シクロヘキシルプロパノアート);ALLYL OENANTHATE(プロパ-2-エニルヘプタノアート);AMBER CORE(1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)ブタン-2-オール);AMBERKETAL(3,8,8,11a-テトラメチルドデカヒドロ-1H-3,5a-エポキシナフト[2,1-c]オキセピン);AMBERMAX(1,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロ-ベータ,1,1,5,5-ペンタメチル-2H-2,4a-メタノナフタル-エン-8-エタノール);AMBRETTOLIDE((Z)-オキサシクロヘプタデカ-10-エン-2-オン);AMBROFIX((3aR,5aS,9aS,9bR)-3a,6,6,9a-テトラメチル-2,4,5,5a,7,8,9,9b-オクタヒドロ-1H-ベンゾ[e][1]ベンゾフラン);AMYL BUTYRATE(ペンチルブタノアート);AMYL CINNAMIC ALDEHYDE((Z)-2-ベンジリデンヘプタナール);AMYL SALICYLATE(ペンチル2-ヒドロキシベンゾアート);ANETHOLE SYNTHETIC((E)-1-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)ベンゼン);ANISYL ACETATE(4-メトキシベンジルアセタート);APHERMATE(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エチルホルマート);AUBEPINE PARA CRESOL(4-メトキシベンズアルデヒド);AURANTIOL((E)-メチル2-((7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクチリデン)アミノ)ベンゾアート);BELAMBRE((1R,2S,4R)-2’-イソプロピル-1,7,7-トリメチルスピロ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,4’-[1,3]ジオキサン]);BENZALDEHYDE(ベンズアルデヒド);BENZYL ACETATE(ベンジルアセタート);BENZYL ACETONE(4-フェニルブタン-2-オン);BENZYL BENZOATE(ベンジルベンゾアート);BENZYL SALICYLATE(ベンジル2-ヒドロキシベンゾアート);BERRYFLOR(エチル6-アセトキシヘキサノアート);BICYCLO NONALACTONE(オクタヒドロ-2H-クロメン-2-オン);BOISAMBRENE FORTE((エトキシメトキシ)-シクロドデカン);BOISIRIS((1S,2R,5R)-2-エトキシ-2,6,6-トリメチル-9-メチレンビシクロ[3.3.1]ノナン);BORNEOL CRYSTALS((1S,2S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール);BORNYL ACETATE((2S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート);BOURGEONAL(3-(4-(tert-ブチル)フェニル)プロパナール);BUTYL BUTYRO LACTATE(1-ブトキシ-1-オキソプロパン-2-イルブタノアート);BUTYL CYCLOHEXYL ACETATE PARA(4-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセタート);BUTYL QUINOLINE SECONDARY(2-(2-メチルプロピル)キノリン);CAMPHOR SYNTHETIC((1S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン);CARVACROL(5-イソプロピル-2-メチルフェノール);CARVONE LAEVO((5R)-2-メチル-5-プロパ-1-エン-2-イルシクロヘキサ-2-エン-1-オン);CASHMERAN(1,1,2,3,3-ペンタメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-インデン-4(5H)-オン);CASSYRANE(5-tert-ブチル-2-メチル-5-プロピル-2H-フラン);CEDRENE((1S,8aR)-1,4,4,6-テトラメチル-2,3,3a,4,5,8-ヘキサヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン);CEDRYL ACETATE((1S,6R,8aR)-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-6-イルアセタート);CEDRYL METHYL ETHER((1R,6S,8aS)-6-メトキシ-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン);CETONE V((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ヘプタ-1,6-ジエン-3-オン);CINNAMIC ALCOHOL SYNTHETIC((E)-3-フェニルプロパ-2-エン-1-オール);CINNAMIC ALDEHYDE((2E)-3-フェニルプロパ-2-エナール);CINNAMYL ACETATE((E)-3-フェニルプロパ-2-エン-1-イルアセタート);CIS JASMONE((Z)-3-メチル-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エノン);CIS-3-HEXENOL((Z)-ヘキサ-3-エン-1-オール);CITRAL TECH((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール);CITRATHAL R((Z)-1,1-ジエトキシ-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン);CITRONELLAL(3,7-ジメチルオクタ-6-エナール);CITRONELLOL EXTRA(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);CITRONELLYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルアセタート);CITRONELLYL FORMATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルホルマート);CITRONELLYL NITRILE(3,7-ジメチルオクタ-6-エンニトリル);CLONAL(ドデカンニトリル);CORANOL(4-シクロヘキシル-2-メチルブタン-2-オール);COSMONE((Z)-3-メチルシクロテトラデカ-5-エノン);COUMARIN PURE CRYSTALS(2H-クロメン-2-オン);CRESYL ACETATE PARA((4-メチルフェニル)アセタート);CRESYL METHYL ETHER PARA(1-メトキシ-4-メチルベンゼン);CUMIN NITRILE(4-イソプロピルベンゾニトリル);CYCLAL C(2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド);CYCLAMEN ALDEHYDE EXTRA(3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール);CYCLOGALBANATE(アリル2-(シクロヘキシルオキシ)アセタート);CYCLOHEXYL ETHYL ACETATE(2-シクロヘキシルエチルアセタート);CYCLOHEXYL SALICYLATE(シクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート);CYCLOMYRAL(8,8-ジメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-カルバルデヒド);CYMENE PARA(1-メチル-4-プロパン-2-イルベンゼン);DAMASCENONE((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DAMASCONE ALPHA((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DAMASCONE DELTA(1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキサ-3-エニル)ブタ-2-エン-1-オン);DECALACTONE GAMMA(5-ヘキシルオキソラン-2-オン);DECENAL-4-TRANS((E)-デカ-4-エナール);DELPHONE(2-ペンチルシクロペンタノン);DELTA-3 CARENE((1S,6S)-3,7,7-トリメチルビシクロ[4.1.0]ヘプタ-3-エン);DIHEXYL FUMARATE(ジヘキシル-ブタ-2-エンジオアート);DIHYDRO ANETHOLE(1-メトキシ-4-プロピルベンゼン);DIHYDRO JASMONE(3-メチル-2-ペンチルシクロペンタ-2-エノン);DIHYDRO MYRCENOL(2,6-ジメチルオクタ-7-エン-2-オール);DIMETHYL ANTHRANILATE(メチル2-(メチルアミノ)ベンゾアート);DIMETHYL BENZYL CARBINOL DIMETHYL BENZYL CARBINOL(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-オール);DIMETHYL BENZYL CARBINYL ACETATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルアセタート);DIMETHYL BENZYL CARBINYL BUTYRATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルブタノアート);DIMETHYL OCTENONE(4,7-ジメチルオクタ-6-エン-3-オン);DIMETOL(2,6-ジメチルヘプタン-2-オール);DIPENTENE(1-メチル-4-(プロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサ-1-エン);DIPHENYL OXIDE(オキシジベンゼン);DODECALACTONE DELTA(6-ヘプチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);DODECALACTONE GAMMA(5-オクチルオキソラン-2-オン);DODECENAL((E)-ドデカ-2-エナール);DUPICAL((E)-4-((3aS,7aS)-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-5(6H)-イリデン)ブタナール);EBANOL((E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール);ESTERLY(エチルシクロヘキシルカルボキシラート);ETHYL ACETATE(エチルアセタート);ETHYL ACETOACETATE(エチル3-オキソブタノアート);ETHYL CINNAMATE(エチル3-フェニルプロパ-2-エノアート);ETHYL HEXANOATE(エチルヘキサノアート);ETHYL LINALOO((E)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-オール);ETHYL LINALYL ACETATE((Z)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-イルアセタート);ETHYL MALTOL(2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン);ETHYL METHYL-2-BUTYRATE(エチル2-メチルブタノアート);ETHYL OCTANOATE(エチルオクタノアート);ETHYL OENANTHATE(エチルヘプタノアート);ETHYL PHENYL GLYCIDATE(エチル3-フェニルオキシラン-2-カルボキシラート);ETHYL SAFRANATE(エチル2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-カルボキシラート);ETHYL VANILLIN(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド);ETHYLENE BRASSYLATE(1,4-ジオキサシクロヘプタデカン-5,17-ジオン);EUCALYPTOL((1s,4s)-1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン);EUGENOL(4-アリル-2-メトキシフェノール);EVERNYL(メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾアート);FENCHYL ACETATE((2S)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート);FENCHYL ALCOHOL((1S,2R,4R)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール);FENNALDEHYDE(3-(4-メトキシフェニル)-2-メチルプロパナール);FIXAMBRENE(3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン);FIXOLIDE(1-(3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);FLORALOZONE(3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール);FLORHYDRAL(3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール);FLORIDILE((E)-ウンデカ-9-エンニトリル);FLOROCYCLENE((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルプロパノアート);FLOROPAL(2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン);FLOROSA HC(テトラヒドロ-4-メチル-2-(2-メチルプロピル)-2H-ピラン-4-オール);FRESKOMENTHE(2-(se
c-ブチル)シクロヘキサノン);FRUCTONE(エチル2-(2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)アセタート);FRUITATE((3aS,4S,7R,7aS)-エチルオクタヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-3a-カルボキシラート);FRUTONILE(2-メチルデカンニトリル);GALBANONE PURE(1-(5,5-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン);GARDENOL(1-フェニルエチルアセタート);GARDOCYCLENE((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イル2-メチルプロパノアート);GERANIOL((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);GERANYL ACETATE((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);GERANYL CROTONATE((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルブタ-2-エノアート);GERANYL ISOBUTYRATE((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル2-メチルプロパノアート);GIVESCONE(エチル2-エチル-6,6-ジメチルシクロヘキサ-2-エンカルボキシラート);HABANOLIDE((E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン);HEDIONE(メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート);HELIOTROPINE CRYSTALS(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルバルデヒド);HERBANATE((2S)-エチル3-イソプロピルビシクロ[2.2.1]へプタ-5-エン-2-カルボキシラート);HEXENAL-2-TRANS((E)-ヘキサ-2-エナール);HEXENOL-3-CIS((Z)-ヘキサ-3-エン-1-オール);HEXENYL-3-CIS ACETATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルアセタート);HEXENYL-3-CIS BUTYRATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルブタノアート);HEXENYL-3-CIS ISOBUTYRATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イル2-メチルプロパノアート);HEXENYL-3-CIS SALICYLATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イル2-ヒドロキシベンゾアート);HEXYL ACETATE(ヘキシルアセタート);HEXYL BENZOATE(ヘキシルベンゾアート);HEXYL BUTYRATE(ヘキシルブタノアート);HEXYL CINNAMIC ALDEHYDE((E)-2-ベンジリデンオクタナール);HEXYL ISOBUTYRATE(ヘキシル2-メチルプロパノアート);HEXYL SALICYLATE(ヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート);HYDROXYCITRONELLAL(7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール);INDOFLOR(4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d][1,3]ジオキシン);INDOLE PURE(1H-インドール);INDOLENE(8,8-ジ(1H-インドール-3-イル)-2,6-ジメチルオクタン-2-オール);IONONE BETA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRISANTHEME((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRISONE ALPHA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRONE ALPHA((E)-4-(2,5,6,6-テトラメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);ISO E SUPER(1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);ISOAMYL ACETATE(3-メチルブチルアセタート);ISOAMYL BUTYRATE(3-メチルブチルブタノアート);ISOBUTYL METHOXY PYRAZINE(2-メチルプロピル3-メトキシピラジン);ISOCYCLOCITRAL(2,4,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);ISOEUGENOL((E)-2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノール);ISOJASMONE B 11(2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オン);ISOMENTHONE DL(2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノン);ISONONYL ACETATE(3,5,5-トリメチルヘキシルアセタート);ISOPROPYL METHYL-2-BUTYRATE(イソプロピル2-メチルブタノアート);ISOPROPYL QUINOLINE(6-イソプロピルキノリン);ISORALDEINE((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);JASMACYCLENE((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルアセタート);JASMONE CIS((Z)-3-メチル-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エノン);JASMONYL(3-ブチル-5-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセタート);JASMOPYRANE FORTE(3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセタート);JAVANOL((1-メチル-2-((1,2,2-トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)メチル)シクロプロピル)メタノール);KOAVONE((Z)-3,4,5,6,6-ペンタメチルへプタ-3-エン-2-オン);LAITONE(8-イソプロピル-1-オキサスピロ[4.5]デカン-2-オン);LEAF ACETAL((Z)-1-(1-エトキシエトキシ)ヘキサ-3-エン);LIFFAROME((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルメチルカルボナート);LILIAL(3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロパナール);#N/ALINALOOL(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール);LINALOOL OXIDE(2-(5-メチル-5-ビニルテトラヒドロフラン-2-イル)プロパン-2-オール);LINALYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-イルアセタート);MAHONIAL((4E)-9-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-4-デセナール);MALTOL(3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン);MALTYL ISOBUTYRATE(2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イル2-メチルプロパノアート);MANZANATE(エチル2-メチルペンタノアート);MAYOL((4-イソプロピルシクロヘキシル)メタノール);MEFROSOL(3-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール);MELONAL(2,6-ジメチルへプタ-5-エナール);#N/A#N/AMERCAPTO-8-METHANE-3-ONE(メルカプト-パラ-メンタン-3-オン);METHYL ANTHRANILATE(メチル2-アミノベンゾアート);METHYL BENZOATE(メチルベンゾアート);METHYL CEDRYL KETONE(1-((1S,8aS)-1,4,4,6-テトラメチル-2,3,3a,4,5,8-ヘキサヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-7-イル)エタノン);METHYL CINNAMATE(メチル3-フェニルプロパ-2-エノアート);METHYL DIANTILIS(2-エトキシ-4-(メトキシメチル)フェノール);METHYL DIHYDRO ISOJASMONATE(メチル2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタン-1-カルボキシラート);METHYL HEPTENONE PURE(6-メチルヘプタ-5-エン-2-オン);METHYL LAITONE(8-メチル-1-オキサスピロ[4.5]デカン-2-オン);METHYL NONYL KETONE(ウンデカン-2-オン);METHYL OCTYNE CARBONATE(メチルノナ-2-イノアート);METHYL PAMPLEMOUSSE(6,6-ジメトキシ-2,5,5-トリメチルヘキサ-2-エン);METHYL SALICYLATE(メチル2-ヒドロキシベンゾアート);MUSCENONE((Z)-3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン);MYRALDENE(4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);MYRCENE(7-メチル-3-メチレンオクタ-1,6-ジエン);MYSTIKAL(2-メチルウンデカン酸);NECTARYL(2-(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンタノン);NEOBERGAMATE FORTE(2-メチル-6-メチレンオクタ-7-エン-2-イルアセタート);NEOCASPIRENE EXTRA(10-イソプロピル-2,7-ジメチル-1-オキサスピロ[4.5]デカ-3,6-ジエン);NEOFOLIONE((E)-メチルノナ-2-エノアート);NEROLEX((2Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);NEROLIDOL((Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-オール);NEROLIDYLE((Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-イルアセタート);NEROLINE CRYSTALS(2-エトキシナフタレン);NEROLIONE(1-(3-メチルベンゾフラン-2-イル)エタノン);NERYL ACETATE((Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);NIRVANOLIDE((E)-13-メチルオキサシクロペンタデカ-10-エン-2-オン);NONADIENAL((2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエナール);NONADIENOL-2,6((2Z,6E)-2,6-ノナジエン-1-オール);NONADYL(6,8-ジメチルノナン-2-オール);NONALACTONE GAMMA(5-ペンチルオキソラン-2-オン);NONENAL-6-CIS((Z)-ノナ-6-エナール);NONENOL-6-CIS((Z)-ノナ-6-エン-1-オール);NOPYL ACETATE(2-(6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン-2-イル)エチルアセタート);NYMPHEAL(3-(4-(2-メチルプロピル)-2-メチルフェニル)プロパナール);OCTALACTONE DELTA(6-プロピルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);METHYL HEXYL KETONE(オクタン-2-オン);ORANGER CRYSTALS(1-(2-ナフタレニル)-エタノン);ORIVONE(4-(tert-ペンチル)シクロヘキサノン);PANDANOL((2-メトキシエチル)ベンゼン);PARA TERT BUTYL CYCLOHEXYL ACETATE(4-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセタート);PARADISAMIDE(2-エチル-N-メチル-N-(m-トリル)ブタンアミド);PEACH PURE(5-ヘプチルジヒドロフラン-2(3H)-オン);PELARGENE(2-メチル-4-メチレン-6-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン);PELARGOL(3,7-ジメチルオクタン-1-オール);PEONILE(2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル);PETALIA(2-シクロヘキシリデン-2-(o-トリル)アセトニトリル);PHARAONE(2-シクロヘキシルヘプタ-1,6-ジエン-3-オン);PHENOXY ETHYL ISOBUTYRATE(2-(フェノキシ)エチル2-メチルプロパノアート);PHENYL ACETALDEHYDE(2-フェニル-エタナール);PHENYL ETHYL ACETATE(2-フェニルエチルアセタート);PHENYL ETHYL ALCOHOL(2-フェニルエタノール);PHENYL ETHYL ISOBUTYRATE(2-フェニルエチル2-メチルプロパノアート);PHENYL ETHYL PHENYL ACETATE(2-フェニルエチル2-フェニルアセタート);PHENYL PROPYL ALCOHOL(3-フェニルプロパン-1-オール);PINENE ALPHA(2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン);PINENE BETA(6,6-ジメチル-2-メチレンビシクロ[3.1.1]ヘプタン);PINOACETALDEHYDE(3-(6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン-2-イル)プロパナール);PIVAROSE(2,2-ジメチル-2-フェニルエチルプロパノアート);POMAROSE((2E,5E)-5,6,7-トリメチルオクタ-2,5-ジエン-4-オン);POMELOL(2,4,7-トリメチル-6-オクテン-1-オール);PRECYCLEMONE B(1-メチル-4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);PRENYL ACETATE(3-メチルブタ-2-エン-1-イルアセタート);PRUNOLIDE(5-ペンチルジヒドロフラン-2(3H)-オン);RADJANOL SUPER((E)-2-エチル-4-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オール);RASPBERRY KETONE(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン);RHUBAFURAN(2,4-ジメチル-4-フェニルテトラヒドロフラン);ROSACETOL(2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエチルアセタート);ROSALVA(デカ-9-エン-1-オール);ROSE OXIDE(4-メチル-2-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン)
;ROSE OXIDE CO(4-メチル-2-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン);ROSYFOLIA(1-メチル-2-(5-メチルヘキサ-4-エン-2-イル)シクロプロピルメタノール);ROSYRANE SUPER(4-メチレン-2-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン);SAFRALEINE(2,3,3-トリメチル-1-インダノン);SAFRANAL(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエンカルバルデヒド);SANDALORE EXTRA(3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタン-2-オール);SCENTAURUS CLEAN(エチル(Z)-2-アセチル-4-メチルトリデカ-2-エノアート);SCENTAURUS JUICY(4-(ドデシルチオ)-4-メチルペンタン-2-オン);SERENOLIDE(2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート);SILVANONE SUPRA(シクロペンタデカノン、ヘキサデカノリド);SILVIAL(2-メチル-3-[4-(2-メチルプロピル)フェニル]プロパナール);SPIROGALBANONE(1-(スピロ[4.5]デカ-6-エン-7-イル)ペンタ-4-エン-1-オン);STEMONE((E)-5-メチルヘプタン-3-オンオキシム);STYRALLYL ACETATE(1-フェニルエチルアセタート);SUPER MUGUET((E)-6-エチル-3-メチルオクタ-6-エン-1-オール);SYLKOLIDE((E)-2-((3,5-ジメチルヘキサ-3-エン-2-イル)オキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート);TERPINENE ALPHA(1-メチル-4-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,3-ジエン);TERPINENE GAMMA(1-メチル-4-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,4-ジエン);TERPINEOL(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-オール);TERPINEOL ALPHA(2-(4-メチル-1-シクロヘキサ-3-エニル)プロパン-2-オール);TERPINEOL PURE(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-オール);TERPINOLENE(1-メチル-4-(プロパン-2-イリデン)シクロヘキサ-1-エン);TERPINYL ACETATE(2-(4-メチル-1-シクロヘキサ-3-エニル)プロパン-2-イルアセタート);TETRAHYDRO LINALOOL(3,7-ジメチルオクタン-3-オール);TETRAHYDRO MYRCENOL(2,6-ジメチルオクタン-2-オール);THIBETOLIDE(オキサシクロヘキサデカン-2-オン);THYMOL(2-イソプロピル-5-メチルフェノール);TOSCANOL(1-(シクロプロピルメチル)-4-メトキシベンゼン);TRICYCLAL(2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);TRIDECENE-2-NITRILE((E)-トリデカ-2-エンニトリル);TRIFERNAL(3-フェニルブタナール);TROPIONAL(3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール);TROPIONAL(3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール);UNDECATRIENE((3E,5Z)-ウンデカ-1,3,5-トリエン);UNDECAVERTOL((E)-4-メチルデカ-3-エン-5-オール);VANILLIN(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド);VELOUTONE(2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン);VELVIONE((Z)-シクロヘキサデカ-5-エノン);VIOLET NITRILE((2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエンニトリル);YARA YARA(2-メトキシナフタレン);ZINARINE(2-(2,4-ジメチルシクロヘキシル)ピリジン);BOIS CEDRE ESS CHINE(シダーウッド油);EUCALYPTUS GLOBULUS ESS CHINA(ユーカリ油);GALBANUM ESS(ガルバナム油);GIROFLE FEUILLES ESS RECT MADAGASCAR(丁子油);LAVANDIN GROSSO OIL FRANCE ORPUR(ラバンディン油);MANDARIN OIL WASHED COSMOS(マンダリン油);ORANGE TERPENES(オレンジテルペン);PATCHOULI ESS INDONESIE(パッチュリ油);およびYLANG ECO ESSENCE(イラン油)、からなる群から選択されるフレグランス成分を含む。これらのフレグランス成分は、それらの有利な親油性および嗅覚性能のおかげで、安定でありかつ性能を発揮できるマイクロカプセルを得ることにとりわけ好適である。
【0085】
本発明のとりわけ好ましい態様において、フレグランス成分の75wt.-%超、好ましくは80wt.-%超、なおより好ましくは85wt.-%超、なおさらにより好ましくは90wt.-%超、なおよりさらにより好ましくは95wt.-%超が生分解性であり、かつ、以下からなる群から選択される:ACETYL ISOEUGENOL((E)-2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェニルアセタート);ADOXAL(2,6,10-トリメチルウンデカ-9-エナール);AGRUMEX(2-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセタート);ALDEHYDE C 10 DECYLIC(デカナール);ALDEHYDE C 11 UNDECYLENIC(ウンデカ-10-エナール);ALDEHYDE C 110 UNDECYLIC(ウンデカナール);ALDEHYDE C 12 LAURIC(ドデカナール);ALDEHYDE C 12 MNA(2-メチルウンデカナール);ALDEHYDE C 8 OCTYLIC(オクタナール);CYCLAMEN ALDEHYDE EXTRA(3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール);ALDEHYDE ISO C 11((E)-ウンデカ-9-エナール);ALLYL AMYL GLYCOLATE(プロパ-2-エニル2-(3-メチルブトキシ)アセタート);ALLYL CYCLOHEXYL PROPIONATE(プロパ-2-エニル3-シクロヘキシルプロパノアート);ALLYL OENANTHATE(プロパ-2-エニルヘプタノアート);AMBRETTOLIDE((Z)-オキサシクロヘプタデカ-10-エン-2-オン);AMBROFIX((3aR,5aS,9aS,9bR)-3a,6,6,9a-テトラメチル-2,4,5,5a,7,8,9,9b-オクタヒドロ-1H-ベンゾ[e][1]ベンゾフラン);AMYL SALICYLATE(ペンチル2-ヒドロキシベンゾアート);AUBEPINE PARA CRESOL(4-メトキシベンズアルデヒド);BENZYL ACETATE(ベンジルアセタート);BENZYL SALICYLATE(ベンジル2-ヒドロキシベンゾアート);BORNYL ACETATE((2S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート);CARVACROL(5-イソプロピル-2-メチルフェノール);CEDRENE((1S,8aR)-1,4,4,6-テトラメチル-2,3,3a,4,5,8-ヘキサヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン);CEDRYL ACETATE((1S,6R,8aR)-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-6-イルアセタート);CEDRYL METHYL ETHER((1R,6S,8aS)-6-メトキシ-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン);CITRAL((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール);CITRONELLOL(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);CITRONELLYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルアセタート);COSMONE((Z)-3-メチルシクロテトラデカ-5-エノン);CRESYL METHYL ETHER PARA(1-メトキシ-4-メチルベンゼン);CYCLOHEXYL ETHYL ACETATE(2-シクロヘキシルエチルアセタート);CYCLOHEXYL SALICYLATE(シクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート);DAMASCENONE((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DAMASCONE ALPHA((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DECALACTONE GAMMA(5-ヘキシルオキソラン-2-オン);DECENAL-4-TRANS((E)-デカ-4-エナール);DIHYDRO MYRCENOL(2,6-ジメチルオクタ-7-エン-2-オール);DIPHENYL OXIDE(オキシジベンゼン);DIHYDRO ANETHOLE(1-メトキシ-4-プロピルベンゼン);DIHYDRO JASMONE(3-メチル-2-ペンチルシクロペンタ-2-エノン);DIMETHYL ANTHRANILATE(メチル2-(メチルアミノ)ベンゾアート);DIMETHYL BENZYL CARBINYL ACETATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルアセタート);DIMETHYL BENZYL CARBINYL BUTYRATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルブタノアート);DIMETOL(2,6-ジメチルヘプタン-2-オール);DODECALACTONE DELTA(6-へプチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);DODECALACTONE GAMMA(5-オクチルオキソラン-2-オン);DODECENAL((E)-ドデカ-2-エナール);EBANOL((E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール);ETHYL HEXANOATE(エチルヘキサノアート);ETHYL METHYL-2-BUTYRATE(エチル2-メチルブチラート);ETHYL MALTOL(2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン);ETHYL OENANTHATE(エチルヘプタノアート);ETHYL VANILLIN(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド);ETHYLENE BRASSYLATE(1,4-ジオキサシクロへプタデカン-5,17-ジオン);EUCALYPTOL((1s,4s)-1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン);EUGENOL(4-アリル-2-メトキシフェノール);EVERNYL(メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾアート);FIXAMBRENE(3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン);FLORHYDRAL(3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール);FLORIDILE((E)-ウンデカ-9-エンニトリル);GALBANONE PURE(1-(5,5-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン);GARDENOL(1-フェニルエチルアセタート);GERANIOL((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);GERANYL ACETATE((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);HABANOLIDE((E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン);HEDIONE(メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート);HEXENAL-2-TRANS((E)-ヘキサ-2-エナール);HEXENOL-3-CIS((Z)-ヘキサ-3-エン-1-オール);HEXENYL-3-CIS ACETATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルアセタート);HEXENYL-3-CIS SALICYLATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イル2-ヒドロキシベンゾアート);HEXYL ACETATE(ヘキシルアセタート);INDOLENE(8,8-ジ(1H-インドール-3-イル)-2,6-ジメチルオクタン-2-オール);IONONE BETA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRISANTHEME((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRISONE ALPHA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);ISOAMYL ACETATE(3-メチルブチルアセタート);ISOAMYL BUTYRATE(3-メチルブチルブタノアート);ISOEUGENOL((E)-2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノール);ISOJASMONE B 11(2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オン);ISORALDEINE((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);JASMONYL(3-ブチル-5-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセタート);LAITONE(8-イソプロピル-1-オキサスピロ[4.5]デカン-2-オン);LEMONILE((2E,6Z)-3,7-ジメチルノナ-2,6-ジエンニトリル);LINALOOL(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール);LINALOOL OXIDE(2-(5-メチル-5-ビニルテトラヒドロフラン-2-イル)プロパン-2-オール);LINALYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-イルアセタート);MANZANATE(エチル2-メチルペンタノアート);MAYOL((4-イソプロピルシクロヘキシル)メタノール);MEFROSOL(3-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール);MELONAL(2,6-ジメチルへプタ-5-エナール);MERCAPTO-8-METHANE-3-ONE(メルカプト-パラ-メンタン-3-オン);METHYL ANTHRANILATE(メチル2-アミノベンゾアート);METHYL BENZOATE(メチルベンゾアート);METHYL DIANTILIS(2-エトキシ-4-(メトキシメチル)フェノール);METHYL HEPTENONE PURE(6-メチルへプタ-5-エン-2-オン);METHYL LAITONE(8-メチル-1-オキサスピロ[4.5]デカン-2-オン);METHYL OCTYNE CARBONATE(メチルノナ-2-イノアート);METHYL SALICYLATE(メチル2-ヒドロキシベンゾアート);NECTARYL(2-(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンタノン);NEOFOLIONE((E)-メチルノナ-2-エノアート);NEROLEX((2Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);NEROLIDOL((Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-オール);NEROLINE CRYSTALS(2-エトキシナフタレン);NEROLIONE(1-(3-メチルベンゾフラン-2-イル)エタノン);NERYL ACETATE((Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);NONADIENAL((2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエナール);NONENAL-6-CIS((Z)-ノナ-6-エナール);NONENOL-6-CIS((Z)-ノナ-6-エン-1-オール);NYMPHEAL(3-(4-(2-メチルプロピル)-2-メチルフェニル)プロパナール);OCTALACTONE DELTA(6-プロピルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);ORANGER CRYSTALS(1-(2-ナフタレニル)-エタノン);PARA TERT BUTYL CYCLOHEXYL ACETATE(4-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセタート);PEACH PURE(5-へプチルジヒドロフラン-2(3H)-オン);PELARGOL(3,7-ジメチルオクタン-1-オール);PHENYL ETHYL ACETATE(2-フェニルエチルアセタート);PINENE ALPHA(2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]へプタ-2-エン);PINENE BETA(6,6-ジメチル-2-メチレンビシクロ[3.1.1]ヘプタン);POMAROSE((2E,5E)-5,6,7-トリメチルオクタ-2,5-ジエン-4-オン);POMELOL FF(2,4,7-トリメチル-6-オクテン-1-オール);PRENYL ACETATE(3-メチルブタ-2-エン-1-イルアセタート);PRUNOLIDE(5-ペンチルジヒドロフラン-2(3H)-オン);RASPBERRY KETONE(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン);ROSALVA(デカ-9-エン-1-オール);ROSE OXIDE CO(4-メチル-2-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン);ROSYRANE SUPER(4-メチル-2-フェニル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン);SAFRANAL(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエンカルバルデヒド);SCENTAURUS JUICY(4-(ドデシルチオ)-4-メチルペンタン-2-オン);SILVIAL(2-メチル-3-[4-(2-メチルプロピル)フェニル]プロパナール);STYRALLYL ACETATE(1-フェニルエチルアセタート);SYLKOLIDE((E)-2-((3,5-ジメチルヘキサ-3-エン-2-イル)オキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート);TERPINENE GAMMA(1-メチル-4-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,4-ジエン);TERPINEOL(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-オール);TERPINOLENE(1-メチル-4-(プロパン-2-イリデン)シクロヘキサ-1-エン);TETRAHYDRO LINALOOL(3,7-ジメチルオクタン-3-オール);TOSCANOL(1-(シクロプロピルメチル)-4-メトキシベンゼン);TRIDECENE-2-NITRILE((E)-トリデカ-2-エンニトリル);TRIFERNAL(3-フェニルブタナール);TROPIONAL(3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール);UNDECAVERTOL((E)-4-メチルデカ-3-エン-5-オール);YARA YARA(2-メトキシナフタレン);BOIS CEDRE ESS CHINE(シダーウッド油);EUCALYPTUS GLOBULUS ESS CHINA(ユーカリ油);GALBANUM ESS(ガルバナム油);GIROFLE FEUILLES ESS RECT MADAGASCAR(丁子油);LAVANDIN
GROSSO OIL FRANCE ORPUR(ラバンディン油);MANDARIN OIL WASHED COSMOS(マンダリン油);ORANGE TERPENES(オレンジテルペン);PATCHOULI ESS INDONESIE(パッチュリ油);およびYLANG ECO ESSENCE(イラン油)。これらの成分は、特に持続可能であるマイクロカプセルを提供する利点を有する。
【0086】
本発明の文脈において、「生分解性成分」、または、一般的には生分解性材料、実例としてシェル材料は、少なくとも1のOECD生分解性試験において、「本質的生分解性(inherently biodegradable)」および/または「易生分解性(readily biodegradable)」の合格基準を満たす材料である。曖昧さを避けるため、これは、ある成分がある試験に合格するが他の1以上の試験に不合格である場合、合格結果が他の試験結果に優先することを意味する。
【0087】
「易生分解性」の合格基準の査定のために、生分解研究は、OECD Method 301B、OECD Method 301C、OECD Method 301D、OECD Method 301FおよびOECD Method 310からなる群から選択することができる。これらの方法は、揮発性の材料のために好適である。
【0088】
OECD Method 301B、OECD Method 301C、OECD Method 301DおよびOECD Method 301Fは、OECD Guidelines for the Testing of Chemicals, Section 3, Test No. 301: Ready Biodegradability(採択:1992年7月17日;https://doi.org/10.1787/9789264070349-en)に記載されている。
【0089】
本発明の具体的な側面において、「易生分解性」のための合格基準は、マノメトリックレスピロメトリに言及するOECD Method 301Fにしたがって評価される。この方法において、「易生分解性」のための合格レベルは、理論酸素要求量および/または化学的酸素要求量の60%に達することである。この合格値は、試験期間28日間のうち、10日間で達成されなければならない。10日間の枠は、生分解の程度が理論酸素要求量および/または化学的酸素要求量の10%に達したときに始まり,試験28日目までに終了しなければならない。
【0090】
易生分解性の試験において肯定的な結果が得られた場合、当該化学物質が、当該環境において迅速なおよび究極の生分解を受けると仮定される(Introduction to the OECD Guidelines for the Testing of Chemicals, Section 3, Part 1: Principles and Strategies Related to the Testing of Degradation of Organic Chemicals;採択:2003年7月)。
【0091】
「本質的生分解性」のための合格基準の査定のために、生分解研究をOECD Method 302Cとすることができるが、異なる合格基準であるもののOECD Method 301Fを使用することもできる。これらの方法は、揮発性の材料のためにも好適である。
【0092】
OECD Method 302Cは、OECD Guidelines for the Testing of Chemicals, Section 3, Test No. 302C: Inherent Biodegradability: Modified MITI Test (II) (採択:1981年5月12日;修正2009年9月8日;https://doi.org/10.1787/9789264070400-en)に記載されている。
【0093】
具体的な本発明の具体的な側面において、「本質的生分解性」のための合格基準は、OECD Method 302Cによって評価される。この方法において、「本質的生分解性」のための合格レベルは、次いで、理論酸素要求量の70%に到達することである。このレベルに到達するための時間的な制限はない。
【0094】
70%よりも上の生分解率は、本質的で、究極の生分解性の証拠としてみなしてよい(OECD Guidelines for the Testing of Chemicals, Section 3, Part 1: Principles and Strategies Related to the Testing of Degradation of Organic Chemicals;採択:2003年7月)。
【0095】
OECD Method 301Fが、「本質的生分解性」のための合格基準の査定に使用される場合、合格レベルは、理論酸素要求量および/または化学的酸素要求量の60%である。この合格値は、28日間の試験期間(大抵60日間まで延長される)の後に到達することができ、10日間の枠は適用されない。
【0096】
本文脈において、成分が精油である場合、レベル≧1wt.-%のレベルで存在するその構成物質のすべてが、本明細書に定義されるとおり「本質的生分解性」および/または「容易に生分解性」の定義に当たる場合、それは「生分解性成分」であるとみなされる。しかしながら、精油を上述の生分解試験の対象とすることもできる。
【0097】
コア組成物は、少なくとも1のフレグランス前駆体(温度の変化、酸化剤の存在、酵素の作用または光の作用などの刺激の手段によってフレグランス成分を放出することを可能とする材料を意味する)もまた含んでもよい。かかるフレグランス前駆体は、当該技術分野に周知である。
【0098】
コア組成物は、少なくとも1の機能的化粧品成分もまた含んでもよい。カプセル化された組成物における使用のための機能的化粧品成分は、好ましくは疎水性である。好ましくは、化粧品成分は、1.5以上、より好ましくは3以上の、オクタノール/水分配係数(ClogP)計算値を有する。代替的に好ましくは、化粧品成分のClogPは、2~7である。
【0099】
具体的に有用な機能的化粧品成分は、エモリエント、スムージング成分、ハイドレーティング成分、スージングおよびリラックス成分、デコレーション成分、デオドラント、アンチエイジング成分、細胞再生(cell rejuvenating)成分、ドレイニング成分、リモデリング成分、スキンレベリング成分、防腐剤、抗酸化剤、抗菌または静菌成分、洗浄成分、潤滑成分、構造化成分、ヘアコンディショニング成分、美白成分、テクスチャー成分、柔軟成分、フケ防止成分、および角質除去成分からなる群から選択されてもよい。
【0100】
具体的に有用な機能的化粧品成分は、これらに限定されないが、以下を包含する:アルキルジメチルシロキサン、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、スチレン-エチレン-スチレンおよびスチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー等、などの疎水性ポリマー;水素化されたイソパラフィン、シリコーン油等、などの鉱油;アルガン油、ホホバ油、アロエベラ油等、などの植物油;脂肪酸および脂肪アルコールおよびそれらのエステル;糖脂質;リン脂質;セラミドなどのスフィンゴ脂質;ステロールおよびステロイド;テルペン、セスキテルペン、トリテルペンおよびそれらの誘導体;アルニカ油、アルテミシア油、バークツリー油、バーチリーフ油、カレンデュラ油、シナモン油、エキナセア油、ユーカリ油、ジンセン油、ナツメ油、ヘリアンサス油、ジャスミン油、ラベンダー油、ロータスシード油、シソ油、ローズマリー油、サンダルウッド油、ティーツリー油、タイム油、バレリアン油、アブサン油、イランイラン油、およびユッカ油などの精油。
【0101】
とりわけ、少なくとも1の機能的化粧品成分は、Fusanus Spicatusカーネルオイルなどのサンダルウッドオイル;トリ酢酸パンテニル;酢酸トコフェロール;トコフェロール;ナリンギニン;リノール酸エチル;酢酸ファルネシル;ファルネソール;シトロネリルメチルクロトン酸;およびセラミド-2(1-ステアロイル-C18-スフィンゴシン、CAS番号:100403-19-8)からなる群から選択されてもよい。
【0102】
安定性、基質への沈着および性能の間の最適なバランスを提供するために、マイクロカプセルの体積平均サイズ(d50)は、1~50μm、好ましくは5~30μm、さらにより好ましくは7~20μmとすることができる。5μmよりも小さい直径を有するマイクロカプセルは、体積に対する表面の割合が大きく、したがってより溶出しやすく、一方で、直径が大きくなるにつれてマイクロカプセルの数が減少するため、大きすぎるマイクロカプセルは、顕著な利益を提供するのに十分な数が得られない可能性がある。さらにまた、大きなマイクロカプセルは、製品中で目に見えるか、または基質上に目に見える汚れをもたらし得る。
【0103】
本発明に従う方法は、マイクロカプセルパワーを得るために、マイクロカプセルを乾燥する追加のステップを含んでもよい。
【0104】
任意に、追加材料、たとえば、塩、ケイ酸塩、粘土および炭水化物などの担体材料、耐火材料、フレグランス成分、化粧品成分、生物学的に活性な成分、および基質エンハンサーなどの追加の機能的材料、多糖類、タンパク質、アルコキシシラン、合成ポリマーおよびコポリマーなどの追加の封入材料、界面活性剤およびワックスをこの粉末に添加してもよい。
【0105】
噴霧乾燥、スプレーコーティング、ベルトおよびドラム乾燥などの乾燥方法を用いてもよい。これらの方法は、当業者に周知である。
【0106】
とりわけ、乾燥プロセスは、追加のカプセル化プロセスを伴ってもよく、ここで追加の機能的材料は、追加の封入材料に封入される。例えば、乾燥されるスラリーは、本発明に従うプロセスにおいて得られたコア-シェルマイクロカプセルに加えて、少なくとも1のカプセル化されていない機能的材料および少なくとも1の水可溶性封入材料を含んでもよく、コア-シェルマイクロカプセル中のカプセル化されていない機能的材料、乾燥の間に水可溶性封入材料に封入される。典型的には、少なくとも1の水可溶性封入材料は、デンプンオクテニルスクシナートおよびガムアカシアなどの少なくとも1のハイドロコロイドを含む。ハイドロコロイドは、スラリーの水相中のカプセル化されていない材料の分散を保護および安定化し、乾燥時に、コア-シェルマイクロカプセルの周囲に、またはこれと共存するが形成される。
【0107】
コア-シェルマイクロカプセルにおけるカプセル化された機能的材料は、第1のフレグランスを含んでもよく、一方で、水可溶性封入材料に封入された機能的材料は、第2のフレグランスを含んでもよく、ここで第1および第2のフレグランスは同一であっても異なっていてもよい。
【0108】
少なくとも2のカプセル化プロセスを組み合わせることは、機能的材料を放出するための異なる機構、例えば水分誘発性および機械的なストレス誘導性の放出の組み合わせ、を提供する利点を有する。
【0109】
乾燥ステップはまた、球状化、顆粒化、押出などの機械的または熱的処理を伴うか、それに続いてもよい。
【0110】
別の側面において、本発明は、本明細書に上述の方法によって得ることができるカプセル化された組成物に関する。
カプセル化された組成物は、液体スラリー、粉末、顆粒、フレークまたは押出物の形態であり得る。組成物は、そのまま、例えばフレグランスブースターとして、または希釈した形態で製品において使用してもよい。
【0111】
液体スラリーの形態のカプセル化された組成物は、10~50wt.-%、より具体的には15~25wt.-%のコア-シェルマイクロカプセルを含んでもよい。
【0112】
固体形態のカプセル化された組成物は、1~100wt.-%のコア-シェルマイクロカプセルを含んでもよい。しかしながら、用途または機能的材料の性質に依存して、固体形態において、コア-シェルマイクロカプセルのレベルを制限するか、または逆に最大にすることが好ましいことがある。例えば、固体におけるコア-シェルマイクロカプセルのレベルの制限は、カプセル化された材料が、引火性、反応性、刺激性または高価である場合に、具体的に所望される。
【0113】
ゆえに、固体組成物におけるカプセル化されたフレグランス成分の最適なレベルは、かかるフレグランス成分の可燃性および関連する爆発リスクに依存して、50wt.-%未満、より具体的には35wt.-%未満およびさらにより具体的には20wt.-%未満、またはさらには15wt.-%未満である。
【0114】
カプセル化されたフレグランスは、本明細書において上述の担体材料中に希釈してもよい。
【0115】
もう1つの側面において、本発明は、消費者向製品における利益剤の性能を増強するための、本明細書に上述のカプセル化された組成物の使用に関する。
【0116】
本発明はまた、本明細書に上述のカプセル化された組成物を含む消費者向製品に関する。消費者向製品は、好ましくはファブリックケア洗浄剤およびコンディショナー、ヘアケアコンディショナー、シャンプー、ヘビーデューティー液体洗浄剤、硬い表面クリーナー、洗浄剤粉末、ソープ、シャワーゲルおよびスキンケア製品からなる群から選択される。
【0117】
本発明に従ってカプセル化された組成物は、マイクロカプセルが適用される基質に十分付着することを要求する消費者製品において、最適な香料利益を送達するために、香料送達ビヒクルとして用いられる場合に具体的に有用である。かかる消費者製品は、毛髪シャンプーおよびコンディショナー、ならびに繊維処置製品、たとえば洗濯洗浄剤およびコンディショナーを包含する。
【0118】
本発明の具体的な特色およびさらなる利点は、以下の例から明らかになる。
【0119】
例1-ペクチンおよびゼラチンの組み合わせによって形成されたハイドロゲルを含むマイクロカプセルの形成(本発明に従う)
マイクロカプセルを以下のように得た:
a) 0.7gの二峰性アミノシラン(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミン)、0.48gTakenate D-110N(ex Mitsui)および38.5gのフレグランス組成物を混合することによってコア組成物を調製した;
b) ステップa)で得られたコア組成物を、1.0g高メトキシル化グレードペクチン(タイプAPA 104, ex Roeper)の73.3gの水中混合物に、300ml反応器、および600rpmの撹拌スピードおよび25+/-2℃の温度で10分間作動するピッチドビーム付きクロスビーム攪拌機を用いて乳化した。
c) ステップb)と同様に撹拌を維持しながら、系の温度を、85+/-2℃に4時間かけて上昇させ、0.3gのトリメシン酸(1,3,5-ベンゼントリカルボン酸)を添加し、および系をこの温度に1.3h維持した;
d) ステップb)と同様に撹拌を維持しながら、系を40℃まで2.25時間かけてゆっくり冷却した;
e) ステップb)と同様に撹拌を維持しながら、40+/-2℃の温度で、10gの水中10%ゼラチン溶液を添加した;
f) ステップb)と同様に撹拌を維持しながら、系を10℃まで2.25時間かけてゆっくり冷却した;
g) ステップb)と同様に撹拌を維持しながら、系が10℃の温度に到達したら、0.02gの50wt.-%グルタルアルデヒド水溶液を添加し、および系をこの温度に1時間維持し、コア-シェルマイクロカプセルのスラリーを形成する;
h) ステップf)において得られたコア-シェルカプセルのスラリーを最終的に室温にて安定化させる。
得られたスラリーの固体含量は33.1wt.-%であり、カプセルの体積中央値サイズ(d50)は32μmであり、および99%のカプセル化効率であった。
【0120】
例2-セルロースシェルを含むマイクロカプセルの形成(比較例)
マイクロカプセルを以下のように得た:

a) 0.66g二峰性アミノシラン(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミン)、0.48gTakenate D-110N(ex Mitsui)および38.5gのフレグランス組成物を混合することによってコア組成物を調製した;
b) ステップa)で得られたコア組成物を、1.4g高メトキシル化グレードペクチン(タイプAPA 104, ex Roeper)の66.2gの水中混合物に、300ml反応器、および600rpmの撹拌スピードおよび25+/-2℃の温度で10分間作動するピッチドビーム付きクロスビーム攪拌機を用いて乳化した;
c) 系の温度を、85+/-2℃の温度まで4時間時間かけて上昇させ、0.3gのトリメシン酸(1,3,5-ベンゼントリカルボン酸)および1.8gのヒドロキシエチルセルロース(Natrosol 250L, ex Ashland)を添加し、およびステップb)と同様に撹拌を維持しながら、この温度を1.30h維持し、コア-シェルカプセルの形成を完成させた;
d) ステップc)において得られたコア-シェルカプセルのスラリーを、室温まで冷却した。
得られたスラリーの固体含量は39.0wt.-%であり、カプセルの体積中央値サイズ(d50)は20μmであり、および99%のカプセル化効率であった。
【0121】
例3-アラビアガムおよびゼラチンの組み合わせによって形成されたハイドロゲルを含むマイクロカプセルの形成(本発明に従う)
マイクロカプセルを以下のように得た:
a) メラミン-ホルムアルデヒドマイクロカプセルのスラリーを、WO 2016/207187 A1、例2bに記載の手順に従って調製した。このスラリーを遠心分離によって2回洗浄し、10%HCl溶液でpHを4.5に調整した;
b) 脱イオン水中の10wt.-%ゼラチン溶液を調製し、NaOHでpHを7に調整した;
c) 脱イオン水に2wt.-%のアラビアガム溶液を調製し、NaOHでpHを7に調整した;
d) 別々の槽に、50gの10wt.-%ゼラチン水溶液および50gの水中2wt.-%アラビアガムを混合し、その結果得られた混合物を40℃の温度に加熱した;
e) 次いで、ステップd)で得られた混合物のpHを、強力な攪拌下(500RPM)、10%HCl溶液で4.5に低下させた。温度を40℃に15分間維持し、次いで35℃に下げ、撹拌を維持しながらコアセルベーションを誘導した。
f) 次いで、ステップa)において得られたスラリーを、ステップe)において得られた混合物に添加して、13wt.-%のマイクロカプセル濃度を得た;
i) ステップe)と同様に撹拌を維持しながら系を10℃まで冷却し、0.3gの50wt.-%水中グルタルアルデヒドを添加し、および撹拌を維持しながら系をこの温度に1時間維持し、コア-シェルマイクロカプセルのスラリーを形成した;
g) ステップh)において得られたコア-シェルカプセルのスラリーを、最終的に室温にて安定させた。
得られたスラリーの固体含量は15.7wt.-%であり、カプセルの体積平均サイズ(d50)は23μmであり、99%のカプセル化効率であった。
【0122】
例4-アミノプラスト樹脂を含むマイクロカプセルの形成(比較例)
メラミン-ホルムアルデヒドマイクロカプセルを、WO 2016/207187 A1、例2bに記載の手順に従って調製した。
得られたスラリーの固体含量は40.4wt.-%、であり、カプセルの体積平均サイズ(d50)は19μmであり、99%のカプセル化効率であった。
【0123】
例5-ファブリックへのマイクロカプセル沈着の比較
ファブリックへのマイクロカプセル沈着を、モデル洗浄セットアップ(Tergotomer)において測定した。デバイスは、3枚羽根の撹拌デバイスを備えた円筒形のステンレス鋼槽で構成された。
蛍光染料(Uvinul A(ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾアート))を含有するマイクロカプセルを0.1wt.-%含む1.0gのファブリックコンディショナーを、500mlのタブ水に添加し、洗浄温度(例えば25℃、30℃または40℃;以下に結果参照)でTergotomerに分散させた。20gのコットンファブリックを添加し、撹拌器を80rpmのスピードで10分間にセットし、次いでスイッチを切った。リンスステップを模倣するために、300mlの液体を取り除き、夫々25℃、30℃または40℃の800mlの新たな水に置き換えた。撹拌のスイッチを再び10分間入れ、次いでスイッチを切った。水を取り除き、ファブリックを室温にて乾燥させた。沈着したマイクロカプセルの量を、蛍光定量法によって測定した。
【0124】
結果:
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】
【表3】
【0127】
水和ポリマー相を有するカプセルは、調査されたすべての温度において、および水またはランドリーケアコンディショナーなどの異なる環境において、より高い沈着を示した。ランドリーケアコンディショナーにおいて、対照カプセルに比較して、増加は34~43%の間であった。水において、50%~最大330%までの値が達成された。
【0128】
さらにまた、水和ポリマー相を有さないカプセル沈着は、温度に応じて有意に変化しないことが観察された。他方、水和ポリマー相を有するカプセルに関しては、25℃から40℃までとすることによって、240から~330%までの沈着の増加が見出された。
【0129】
【表4】
【0130】
ハイドロゲルを有するシェルの存在(例1)は60%超の生分解性を示し、一方、ハイドロゲルを有さないカプセル(例2)は、40%未満の生分解性を有する。
【国際調査報告】