(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】スペーサ足部を有する相補型FET(CFET)埋込み側壁コンタクト
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20240829BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20240829BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240829BHJP
H01L 29/417 20060101ALI20240829BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20240829BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240829BHJP
H01L 21/8238 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H01L29/78 301X
H01L29/78 301Y
H01L21/88 J
H01L21/90 A
H01L29/50 M
H01L29/58 G
H01L29/78 301S
H01L29/78 618C
H01L29/78 616L
H01L29/78 616S
H01L27/092 C
H01L27/092 D
H01L27/092 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509056
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-15
(86)【国際出願番号】 CN2022104390
(87)【国際公開番号】W WO2023029746
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】シエ、ルイロン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ジンギュン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェガ、レイナルド
(72)【発明者】
【氏名】チョン、カングオ
【テーマコード(参考)】
4M104
5F033
5F048
5F110
5F140
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
CFETは、底部チャネル部分と、頂部チャネル部分と、底部チャネル部分と頂部チャネル部分との間のチャネル・アイソレータとを有するフィンを含む。CFETは、底部チャネル部分に接続された底部ソースまたはドレイン(S/D)領域と、頂部チャネル部分に接続された頂部S/D領域と、底部S/D領域と頂部S/D領域との間のソース-ドレイン・アイソレータとを有するソースおよびドレイン・スタックをさらに含む。CFETは、底部S/D領域のベース側壁部分に物理的に接続されたスペーサ足部と、底部S/D領域の上部側壁部分に物理的に接続された埋込みS/Dコンタクトとをさらに含む。CFETは、底部チャネル部分の周囲、頂部チャネル部分の周囲、およびチャネル・アイソレータの周囲に共通ゲートをさらに含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部チャネル部分、頂部チャネル部分、および前記底部チャネル部分と前記頂部チャネル部分との間のチャネル・アイソレータを備えるフィンと、
前記底部チャネル部分に接続された底部ソースまたはドレイン(S/D)領域、前記頂部チャネル部分に接続された頂部S/D領域、および前記底部S/D領域と前記頂部S/D領域との間のソース-ドレイン・アイソレータを含むソースおよびドレイン・スタックと、
前記底部S/D領域のベース側壁部分に物理的に接続されたスペーサ足部と、
前記底部S/D領域の上部側壁部分に物理的に接続された埋込みS/Dコンタクトと
を備える、半導体デバイス。
【請求項2】
前記埋込みS/Dコンタクトが、埋込み電源レールにさらに物理的に接続されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記頂部S/D領域の上面に物理的に接続された頂部S/Dコンタクト
をさらに備える、請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記埋込みS/Dコンタクトの頂面が、前記ソース-ドレイン・アイソレータの頂面と前記ソース-ドレイン・アイソレータの底面との間にある、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記底部チャネル部分の周囲、前記頂部チャネル部分の周囲、および前記チャネル・アイソレータの周囲に共通ゲートを備える、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記埋込みS/Dコンタクトが、さらに、前記スペーサ足部の頂面に物理的に接続され、前記スペーサ足部の側壁に物理的に接続されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記底部S/D領域の頂面が、前記ソース-ドレイン・アイソレータによって完全に覆われている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
第1の底部チャネル部分、第1の頂部チャネル部分、および前記第1の底部チャネル部分と前記第1の頂部チャネル部分との間の第1のチャネル・アイソレータを備える第1のフィン、ならびに第2の底部チャネル部分、第2の頂部チャネル部分、および前記第2の底部チャネル部分と前記第2の頂部チャネル部分との間の第2のチャネル・アイソレータを備える第2のフィンを備えるフィン対と、
前記第1の底部チャネル部分および前記第2の底部チャネル部分に接続された底部ソースまたはドレイン(S/D)領域、前記第1の頂部チャネル部分および前記第2の頂部チャネル部分に接続された頂部S/D領域、前記底部S/D領域と前記頂部S/D領域との間のソース-ドレイン・アイソレータを含むソースおよびドレイン・スタックと、
前記第1の底部S/D領域のベース側壁部分に物理的に接続されたスペーサ足部と、
前記第1の底部S/D領域の上部側壁部分に物理的に接続された埋込みS/Dコンタクトと
を備える、半導体デバイス。
【請求項9】
前記埋込みS/Dコンタクトが、埋込み電源レールにさらに物理的に接続されている、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記第1の頂部S/D領域の上面に物理的に接続された頂部S/Dコンタクト
をさらに備える、請求項9に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記埋込みS/Dコンタクトの頂面が、前記ソース-ドレイン・アイソレータの頂面と前記ソース-ドレイン・アイソレータの底面との間にある、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記フィン対の周囲に共通ゲートをさらに備える、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
前記埋込みS/Dコンタクトが、さらに、前記スペーサ足部の頂面に物理的に接続され、前記スペーサ足部の側壁に物理的に接続されている、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
前記ソース-ドレイン・アイソレータの側壁が、前記底部S/D領域のそれぞれの側壁と同一平面上にあり、前記頂部S/D領域のそれぞれの側壁と同一平面上にある、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
基板上にスペーサ対を形成することと、
前記スペーサ対の間にフィン・トレンチを形成することであり、前記フィン・トレンチが、底部フィン・チャネル領域の側壁を露出させ、頂部フィン・チャネル領域の側壁を露出させ、前記底部フィン・チャネル領域と前記頂部フィン・チャネル領域との間のフィン・チャネル・アイソレータの側壁を露出させる、前記形成することと、
前記スペーサ対の間の前記フィン・トレンチ内に、および前記底部フィン・チャネル領域の前記露出した側壁上に底部ソースまたはドレイン(S/D)領域を形成することと、
前記スペーサ対の間の前記フィン・トレンチ内に、および前記底部S/D領域上にソース-ドレイン・アイソレータを形成することと、
前記スペーサ対の間の前記フィン・トレンチ内に、および前記ソース-ドレイン・アイソレータ上に頂部S/D領域を形成することと、
前記スペーサ対の少なくとも1つのスペーサを部分的にリセスすることによってスペーサ足部を形成することと
を含む、半導体デバイスの製造方法。
【請求項16】
前記底部フィン・チャネル領域の周囲、前記フィン・チャネル・アイソレータの周囲、および前記頂部フィン・チャネル領域の周囲に犠牲ゲート構造体を形成すること
をさらに含む、請求項15に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項17】
前記基板上、ならびに前記スペーサ足部の周囲、前記底部S/D領域の周囲、前記ソース-ドレイン・アイソレータの周囲、および前記頂部S/D領域の周囲に犠牲層間誘電体(ILD)を形成すること
をさらに含む、請求項16に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項18】
前記犠牲ILDを形成した後に、前記犠牲ゲート構造体を除去し、その代わりに置換ゲート構造体を形成すること
をさらに含む、請求項17に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項19】
前記基板上、ならびに前記スペーサ足部の周囲、前記底部S/D領域の周囲、前記ソース-ドレイン・アイソレータの周囲、および前記頂部S/D領域の周囲の前記犠牲ILDを除去することと、
前記底部S/D領域および前記頂部S/D領域にそれぞれのイオンを注入することと
をさらに含む、請求項18に記載の半導体デバイスの製造方法。
【請求項20】
前記底部S/D領域および前記頂部S/D領域にそれぞれのイオンを注入した後に、前記基板上、ならびに前記スペーサ足部の周囲、前記底部S/D領域の周囲、前記ソース-ドレイン・アイソレータの周囲、および前記頂部S/D領域の周囲に置換ILDを形成することと、
前記置換ILD内に埋込みコンタクト・トレンチを形成して、埋込み電源レール、前記スペーサ足部の一部、および前記底部S/D領域の側壁の一部を露出させることと、
前記埋込みコンタクト・トレンチ内に埋込みS/Dコンタクトを形成することであって、前記埋込みS/Dコンタクトが、前記埋込み電源レールを前記底部S/D領域の前記側壁の前記一部に物理的に接続する、前記形成することと
をさらに含む、請求項19に記載の半導体デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の様々な実施形態は、一般に、半導体デバイス製造方法およびその結果得られる構造体に関する。より詳細には、様々な実施形態は、CFETの底部トランジスタのソースまたはドレイン(S/D)領域の底部または足部にスペーサ足部を有する埋込み側壁コンタクトを含む相補型電界効果トランジスタ(CFET)に関する。
【発明の概要】
【0002】
本発明の一実施形態では、半導体デバイスが提示される。本デバイスは、底部チャネル部分と、頂部チャネル部分と、底部チャネル部分と頂部チャネル部分との間のチャネル・アイソレータとを有するフィンを含む。本デバイスは、底部チャネル部分に接続された底部ソースまたはドレイン(S/D)領域と、頂部チャネル部分に接続された頂部S/D領域と、底部S/D領域と頂部S/D領域との間のソース-ドレイン・アイソレータとを有するソースおよびドレイン・スタックをさらに含む。本デバイスは、底部S/D領域のベース側壁部分に物理的に接続されたスペーサ足部と、底部S/D領域の上部側壁部分に物理的に接続された埋込みS/Dコンタクトとをさらに含む。
【0003】
別の実施形態では、別の半導体デバイスが提示される。本デバイスは、第1のフィンおよび第2のフィンを含むフィン対を含む。第1のフィンは、第1の底部チャネル部分と、第1の頂部チャネル部分と、第1の底部チャネル部分と第1の頂部チャネル部分との間の第1のチャネル・アイソレータとを有する。第2のフィンは、第2の底部チャネル部分と、第2の頂部チャネル部分と、第2の底部チャネル部分と第2の頂部チャネル部分との間の第2のチャネル・アイソレータとを有する。本デバイスは、第1の底部チャネル部分および第2の底部チャネル部分に接続された底部ソースまたはドレイン(S/D)領域と、第1の頂部チャネル部分および第2の頂部チャネル部分に接続された頂部S/D領域と、底部S/D領域と頂部S/D領域との間のソース-ドレイン・アイソレータとを有するソースおよびドレイン・スタックを含む。本デバイスは、第1の底部S/D領域のベース側壁部分に物理的に接続されたスペーサ足部と、第1の底部S/D領域の上部側壁部分に物理的に接続された埋込みS/Dコンタクトとをさらに含む。
【0004】
本発明のさらに別の実施形態では、半導体デバイス製造方法が提示される。本方法は、基板上にスペーサ対を形成することを含む。本方法は、スペーサ対の間にフィン・トレンチを形成することをさらに含む。フィン・トレンチは、底部フィン・チャネル領域の側壁を露出させ、頂部フィン・チャネル領域の側壁を露出させ、底部フィン・チャネル領域と頂部フィン・チャネル領域との間のフィン・チャネル・アイソレータの側壁を露出させる。本方法は、スペーサ対の間のフィン・トレンチ内に、および底部チャネル領域の露出した側壁上に底部ソースまたはドレイン(S/D)領域を形成することをさらに含む。本方法は、スペーサ対の間のフィン・トレンチ内に、および底部S/D領域上にソース-ドレイン・アイソレータを形成することをさらに含む。本方法は、スペーサ対の間のフィン・トレンチ内に、およびソース-ドレイン・アイソレータ上に頂部S/D領域を形成することと、スペーサ対の少なくとも1つのスペーサを部分的にリセスすることによってスペーサ足部を形成することとをさらに含む。
【0005】
これらおよび他の実施形態、特徴、態様、および利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および添付の図面を参照してよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】知られているCFETを含む従来技術の半導体デバイスの斜視図である。
【
図2】1つまたは複数の実施形態による、各製造作業後に示される半導体デバイスの断面図である。
【
図3】1つまたは複数の実施形態による、各製造作業後に示される半導体デバイスの断面図である。
【
図4】1つまたは複数の実施形態による、各製造作業後に示される半導体デバイスの断面図である。
【
図5】1つまたは複数の実施形態による、各製造作業後に示される半導体デバイスの断面図である。
【
図6】1つまたは複数の実施形態による、各製造作業後に示される半導体デバイスの断面図である。
【
図7】1つまたは複数の実施形態による、各製造作業後に示される半導体デバイスの断面図である。
【
図8】1つまたは複数の実施形態による、各製造作業後に示される半導体デバイスの断面図である。
【
図9】1つまたは複数の実施形態による、各製造作業後に示される半導体デバイスの断面図である。
【
図10】1つまたは複数の実施形態による、各製造作業後に示される半導体デバイスの断面図である。
【
図11】1つまたは複数の実施形態による、各製造作業後に示される半導体デバイスの断面図である。
【
図12】1つまたは複数の実施形態による、各製造作業後に示される半導体デバイスの断面図である。
【
図13】1つまたは複数の実施形態による、各製造作業後に示される半導体デバイスの断面図である。
【
図14】1つまたは複数の実施形態による、各製造作業後に示される半導体デバイスの断面図である。
【
図15】1つまたは複数の実施形態による、各製造作業後に示される半導体デバイスの断面図である。
【
図16】1つまたは複数の実施形態による、半導体デバイス製造方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
底部S/D領域の上の頂部ソースまたはドレイン(S/D)領域(例えば、PFETのS/D領域の上のNFETのS/D領域、またはその逆)と、底部S/D領域の側壁上のスペーサ足部と、底部S/D領域の側壁と埋込み電源レールを物理的に接続する埋込み側壁コンタクトとを有するように形成された例示的なCFETアーキテクチャの詳細な説明が本明細書で提供されるが、本明細書で説明される教示の実施態様は、本明細書に記載される特定のFETアーキテクチャに限定されないことを予め理解されたい。むしろ、本発明の実施形態は、現在知られているか、または後に開発される任意の他の適切なタイプのFETデバイスに関連して実施することが可能である。
【0008】
本発明の様々な実施形態が、関連する図面を参照して本明細書に記載されている。本発明の範囲から逸脱することなく、代替の実施形態を考案することができる。様々な接続および位置関係(例えば、上、下、隣接など)が、以下の説明および図面における要素間に記載されていることに留意されたい。これらの接続または位置関係あるいはその両方は、特に明記されない限り、直接的または間接的であってもよく、本発明は、この点に関して限定的であることは意図されていない。したがって、エンティティの結合は、直接的または間接的な結合のいずれかを指すことができ、エンティティ間の位置関係は、直接的または間接的な位置関係であり得る。間接的な位置関係の例として、本明細書における層「B」上に層「A」を形成することへの言及は、層「A」および層「B」の関連する特性および機能性が中間層によって実質的に変化しない限り、1つまたは複数の中間層(例えば、層「C」)が層「A」と層「B」との間にある状況を含む。
【0009】
以下の説明の目的のために、用語「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、およびそれらの派生語は、図面において配向されるように、記載された構造体および方法に関する。「上にある(overlying)」、「の上に(atop)」、「上に(on top)」、「上に位置する(positioned on)」または「の上に位置する(positioned atop)」という用語は、第1の構造体などの第1の要素が、第2の構造体などの第2の要素上に存在し、界面構造体などの介在要素が第1の要素と第2の要素との間に存在し得ることを意味する。「直接接触」などの用語は、第1の構造体などの第1の要素と、第2の構造体などの第2の要素とが、2つの要素の界面において中間の導電層、絶縁層または半導体層なしに接続されることを意味する。例えば、「第2の要素に対して選択的な第1の要素」のような「に対して選択的な」という用語は、第1の要素をエッチングすることができ、第2の要素がエッチ・ストップとして作用することができることを意味することに留意されたい。
【0010】
用語「約」、「実質的に」、「およそ」およびそれらの変形は、本出願の出願時に利用可能な装置に基づく特定の量の測定値に関連付けられた誤差の程度を含むことが意図されている。例えば、様々な材料間の実質的な共平面性は、±8%、±5%、±2%などの適切な製造公差、共平面材料間の差を含むことができる。
【0011】
簡潔にするために、半導体デバイスおよび集積回路(IC)の製造に関連する従来の技術については、本明細書で詳細に説明する場合もあれば、説明しない場合もある。さらに、本明細書に記載される様々なタスクおよびプロセス・ステップは、本明細書で詳細に説明されない追加のステップまたは機能を有するより包括的な手順またはプロセスに組み込むことができる。特に、半導体デバイスおよび半導体ベースのICの製造における様々なステップはよく知られており、したがって、簡潔にするために、多くの従来のステップは、本明細書では簡潔に言及されるだけであり、またはよく知られているプロセスの詳細を提供することなく完全に省略される。
【0012】
一般に、ICにパッケージングされるマイクロチップを形成するために使用される様々なプロセスは、4つの一般的なカテゴリ、すなわち、膜堆積、除去/エッチング、半導体ドーピング、およびパターニング/リソグラフィに分類される。堆積は、ウエハ上に材料を成長させ、コーティングし、またはその他の方法で転写する任意のプロセスである。利用可能な技術としては、とりわけ、物理的気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)、電気化学堆積(ECD)、分子線エピタキシ(MBE)、およびより最近では原子層堆積(ALD)が挙げられる。除去/エッチングは、ウエハから材料を除去する任意のプロセスである。例としては、エッチング・プロセス(湿式または乾式)、および化学機械平坦化(CMP)などが挙げられる。半導体ドーピングは、一般に拡散またはイオン注入あるいはその両方によって、例えばトランジスタのソースおよびドレインをドーピングすることによって電気的特性を変更することである。これらのドーピング・プロセスに続いて、炉アニールまたは急速熱アニール(RTA)が行われる。アニーリングは、注入されたドーパントを活性化させる働きをする。導体(例えば、ポリシリコン、アルミニウム、銅など)および絶縁体(例えば、様々な形態の二酸化ケイ素、窒化ケイ素など)の両方の膜を使用して、トランジスタとそれらの構成要素を接続および分離する。半導体基板の様々な領域を選択的にドーピングすることにより、電圧の印加によって基板の導電度を変えることができる。これらの様々な構成要素の構造体を作成することによって、何百万ものトランジスタを構築し、一緒に配線して、現代のマイクロ電子デバイスの複雑な回路を形成することができる。半導体リソグラフィは、半導体基板上に3次元レリーフ像またはパターンを形成し、その後そのパターンを基板に転写することである。半導体リソグラフィでは、パターンは、フォトレジストと呼ばれる感光性ポリマによって形成される。トランジスタを構成する複雑な構造体と、回路の何百万ものトランジスタを接続する多数のワイヤとを構築するために、リソグラフィおよびエッチング・パターン転写ステップが複数回繰り返される。ウエハ上に印刷される各パターンは、以前に形成されたパターンに位置合わせされ、導体、絶縁体および選択的にドープされた領域が徐々に構築されて、最終的なデバイスが形成される。
【0013】
ここで、本発明の態様により具体的に関連する技術のより詳細な説明に目を向けると、トランジスタは、多種多様なICにおいて一般的に見られる半導体デバイスである。トランジスタは本質的にスイッチである。しきい値電圧よりも大きな電圧がトランジスタのゲートに印加されると、スイッチがオンになり、電流がトランジスタを通って流れる。ゲートの電圧がしきい値電圧よりも小さい場合、スイッチがオフとなり、電流はトランジスタを通って流れない。
【0014】
半導体デバイスは、ウエハの活性領域に形成することができる。活性領域は、隣接する半導体デバイスを分離し、電気的に絶縁するために使用される絶縁領域によって画定される。例えば、複数の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を有する集積回路では、各MOSFETは、半導体材料の層にn型またはp型の不純物を注入することによって半導体層の活性領域に形成されたソースおよびドレインを有する。ソースとドレインとの間には、チャネル(またはボディ)領域が配置されている。ボディ領域の上方にはゲートが配置されている。ゲートおよびボディは、ゲート誘電体層によって離間されている。チャネルは、ソースとドレインを接続し、電流は、チャネルを通ってソースからドレインに流れる。電流の流れは、ゲートに印加される電圧によってチャネル領域に誘発される。
【0015】
本発明の1つまたは複数の実施形態は、底部S/D領域の上の頂部S/D領域、底部S/D領域の側壁上のスペーサ足部、および底部S/D領域と埋込み電源レールを物理的に接続する埋込みコンタクトに関して形成することができる製造方法およびその結果得られるCFET構造体も提供する。スペーサ足部は、埋込みコンタクトと半導体基板との短絡を防止することができる。添付の図面を参照することによって、本発明の実施形態による、このような製造方法およびその結果得られる半導体デバイス構造体について以下で詳細に説明する。
【0016】
図1は、知られているCFETを含む従来技術の半導体デバイスの斜視図を示す。CFETは、ゲート・オール・アラウンド半導体デバイスの一種である。CFETでは、1つのトランジスタ(nFETまたはpFET)が別のトランジスタ(pFETまたはnFET)の上に積み重ねられる。例えば、CFETは、pFETトランジスタの上に1つのnFETを積み重ねたり、nFETトランジスタの上に1つのpFETを積み重ねたりすることができる。このようにnFETとpFETを折り重ねることで、n-p分離ボトルネックを解消し、セル活性領域のフットプリントを低減し、デバイスの全体的な効率を向上させることができる。
【0017】
図2は、1つまたは複数の実施形態による、製造作業後に示される半導体デバイス100の断面図を示す。半導体デバイス100は、底部S/D領域140の上の頂部S/D領域144(両方とも例えば
図6に示される)、底部S/D領域140の側壁上のスペーサ足部132’(例えば
図8に示される)、および底部S/D領域140の側壁を埋込み電源レール124に物理的に接続する埋込み側壁コンタクト176(例えば
図14に示される)を形成することができる様々な製造段階で、
図2~
図15に描かれている。
【0018】
図2~
図15に描かれた半導体デバイス構造体の断面図は、
図2に描かれた断面によって規定され、残りの構造図全体にわたって使用される。
【0019】
関連付けられた製造作業の後、半導体デバイス100は、基板102と、以下ではフィン120と呼ばれる1つまたは複数のチャネル・フィン120と、1つまたは複数のシャロー・トレンチ・アイソレーション(STI)領域122と、1つまたは複数の埋込み電源レール124と、ゲート・マスク112を上に有する1つまたは複数の犠牲ゲート110と、を含むことができる。
【0020】
基板102に適した材料の非限定的な例としては、Si(シリコン)、歪みSi、SiC(炭化シリコン)、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコン・ゲルマニウム)、SiGe:C(シリコン-ゲルマニウム-カーボン)、Si合金、Ge合金、III-V族材料(例えば、GaAs(ガリウム砒素)、InAs(インジウム砒素)、InP(インジウム・リン)、またはアルミニウム砒素(AlAs))、II-VI族材料(例えば、CdSe(カドミウム・セレン)、CdS(硫化カドミウム)、CdTe(カドミウム・テルル)、ZnO(酸化亜鉛)、ZnSe(セレン化亜鉛)、ZnS(硫化亜鉛)、またはZnTe(テルル化亜鉛))、またはこれらの任意の組合せが挙げられる。半導体材料の他の非限定的な例としては、III-V族材料、例えば、インジウム・リン(InP)、ガリウム砒素(GaAs)、アルミニウム砒素(AlAs)、またはこれらの任意の組合せが挙げられる。III-V族材料は、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などの少なくとも1つの「III族元素」と、窒素(N)、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)などの少なくとも1つの「V族元素」とを含むことができる。基板102は、バルク半導体材料とすることができる。あるいは、図示されているように、基板102は、Si基板104などの基板104と、基板104上のSiO絶縁体などの絶縁体106と、絶縁体106上のSi半導体層108などの半導体層108とを含むことができる絶縁体上の基板(例えば、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)など)であってもよい。
【0021】
知られているパターニング、リソグラフィ、エッチングなどの技術を利用して、基板102の所望されない部分を除去することができ、一方、基板の所望される部分を保持し、フィン120を形成することができる。フィンは、自己整合二重パターニング(SADP)、自己整合四重パターニング(SAQP)などの従来のパターニング技術によってパターニングすることができる。
【0022】
STI領域122またはその一部は、当技術分野で知られている誘電体などのSTI材料を基板102上およびフィン120上およびフィン120間に堆積させることによって形成することができる。STI領域122は、例えば、PVD、CVD、ALDなどによってSTI材料を堆積させ、その後、化学機械研磨(CMP)を行うことによって形成されてもよい。当技術分野で知られているように、STI領域122は、隣接するCFET構成要素または特徴を少なくとも部分的に電気的に分離することができる。例示的なSTI領域122の材料は、共形のSiNおよびSiO2オーバ・フィルの薄層であってもよい。
【0023】
知られているパターニング、リソグラフィ、エッチングなどの技術を利用して、埋込み電源レール・トレンチを、STI領域122またはその一部内に画定することができる。
【0024】
埋込み電源レール124が埋込み電源レール・トレンチ内に形成されてもよい。埋込み電源レール124は、窒化チタン(TiN)接着層などの金属接着層を堆積させ、続いて、PVD、CVD、ALD、めっきなどによって、コバルト(Co)、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、銅(Cu)などの導電性埋込み電源レール金属を堆積させることによって形成されてもよい。その後、埋め込まれた電源レール金属は、CMPまたはリセスあるいはその両方によって平坦化されてもよい。その後、追加のSTI122材料を埋込み電源レール124上に堆積させることができ、STI誘電体は、所望に応じてリセスされてもよい。一部の実施形態では、STI領域122の頂面は、リセス後、フィン120内の絶縁体106の底面よりも下にあってもよい。一部の実施形態では、絶縁体106の上方の露出したフィン120の表面(例えば、露出したフィン120の半導体層108部分)は、頂部FETの頂部チャネルを画定し、絶縁体106の下方の露出したフィン120の表面(例えば、露出したフィン120の基板104部分)は、底部FETの底部チャネルを画定する。
【0025】
犠牲ゲート110が、STI領域122上およびフィン120上およびフィン120間に形成されてもよい。犠牲ゲート110は、PVD、CVD、ALDなどによって、犠牲ゲート材料、材料、または材料の層を堆積させることによって形成することができる。例示的な犠牲ゲート110材料は、アモルファスSiまたはポリSiが後に続く薄い酸化シリコン層であってもよい。
【0026】
一部の実施形態では、犠牲ゲート110材料層は、STI領域122上およびフィン120上およびフィン120間に形成することができる。その後、ゲート・マスク112層を、犠牲ゲート110材料層上に形成することができる。ゲート・マスク112層は、ハード・マスク層であってもよい。例示的なマスク112層材料は、窒化ケイ素(SiN)、SiNと二酸化ケイ素(SiO2)の組合せなどであってもよい。
【0027】
知られているパターニング、リソグラフィ、エッチングなどの技術を利用して、ゲート・マスク112の所望されない部分を除去し、その後、ゲート・ハード・マスクによって覆われていない犠牲ゲート110材料層をさらに除去することができ、一方、犠牲ゲート110材料層の所望される部分およびゲート・マスク112層の関連付けられた所望される部分を保持することができる。これらの保持された特徴は、ゲート・マスク112を上に有する犠牲ゲート110をそれぞれ形成することができる。犠牲ゲート110と関連付けられたゲート・マスク112とを組み合わせた構造体は、本明細書では犠牲ゲート構造体と呼ばれることがある。
【0028】
図3は、1つまたは複数の実施形態による、製造作業後に示される半導体構造体100の断面図を示す。本製造作業において、犠牲プラグ130が、犠牲ゲート110によって覆われていないフィン120間の領域をピンチオフするか、またはその他の方法で充填するように形成されてもよい。
【0029】
犠牲プラグ130は、ALDなどによって共形材料を堆積させることによって形成することができる。例示的な犠牲プラグ130の材料は、酸化チタン(TiOx)、酸化アルミニウム(AlOx)、SiCなどであってもよいが、これらに限定されない。
【0030】
犠牲プラグ130は、STI領域122の頂面上のフィン120間に形成することができる。犠牲プラグ130の上面は、関連付けられたまたは物理的に接続されたフィン120の頂面と実質的に同一平面上にあってもよい。このような共平面性は、最初に犠牲プラグ130材料を堆積させて(例えば、ALD)、狭いフィン120間の空間を完全に充填し、その後、犠牲プラグ材料130を等方的にエッチ・バックして、隣接するフィン120のそれぞれの対向する側壁間の、STI領域122上方のキャビティ内の犠牲プラグ130材料以外の余分な犠牲プラグ130材料を除去することによって達成することができる。
【0031】
図4は、1つまたは複数の実施形態による、製造作業後に示される半導体構造体100の断面図を示す。本製造作業において、スペーサ132が、フィン120の側壁上および犠牲ゲート構造体の側壁上に形成されてもよい。
【0032】
スペーサ132は、CVD、ALDなどによって共形誘電材料を堆積させることによって形成することができる。例示的なスペーサ132の材料は、SiN、SiBCN、SiOCN、SiOCなどであってもよいが、これらに限定されない。
【0033】
スペーサ132は、STI領域122上、フィン120上およびその周囲、犠牲プラグ130上、ならびに犠牲ゲート構造体上およびその周囲にスペーサ132材料の層を堆積させることによって形成されてもよい。
【0034】
スペーサ132層は、約5nm~約15nmの厚さを有することができるが、他の厚さも企図される範囲内にある。スペーサ132層は、約7未満、約5未満などの誘電率を有する低k材料とすることができる。スペーサ132の堆積後、スペーサ132層の水平部分は、例えば、異方性エッチング・プロセスによって除去されてもよく、一方、スペーサ132層の所望される部分は、スペーサ132を形成するために保持されてもよい。したがって、形成されたスペーサ132は、犠牲ゲート構造体の垂直側壁上およびフィン120の垂直側壁上に効果的に形成され得る。
【0035】
図5は、1つまたは複数の実施形態による、製造作業後に示される半導体構造体100の断面図を示す。本製造作業では、フィン120を部分的にリセスし、スペーサ132間の犠牲プラグ130を除去することによって、フィン・トレンチ134を形成することができる。フィン・トレンチ134は、フィン120内に形成された空洞または凹部であってもよい。
【0036】
フィン120および犠牲プラグ130の所望されない部分は、知られているパターニング、リソグラフィ、およびエッチング技術によって除去することができる。一部の実施形態では、フィン120および犠牲プラグ130の所望されない部分は、図示されているように、X断面では隣接する犠牲ゲート構造体の対向するスペーサ132間で除去されてもよく、Y断面ではスペーサ132間で除去されてもよい。フィン・トレンチ134の底面は、STI領域122の頂面と同一平面上にあってもよい。フィン120はフィン・トレンチ134によってリセスされ得るため、フィン120の頂面も、STI領域122の頂面と同一平面上にあってもよい。
【0037】
フィン・トレンチ134は、スペーサ132のそれぞれの対向する垂直側壁を露出させることができ、基板104の底部ウェル表面およびそれぞれの対向する垂直側壁を形成することができ、絶縁体106のそれぞれの対向する垂直側壁を形成することができ、半導体層108のそれぞれの対向する垂直側壁を形成することができる。このようなそれぞれの垂直側壁は、その上方の犠牲ゲート構造体に関連付けられたスペーサ132の外側側壁と同一平面上にあってもよい。
【0038】
図6は、1つまたは複数の実施形態による、製造作業後に示される半導体構造体100の断面図を示す。本製造作業では、底部S/D領域140および頂部S/D領域144がフィン・トレンチ134内に形成されてもよい。
【0039】
底部S/D領域140は、露出した半導体表面(例えば、基板104および半導体層108)上にエピタキシャルに形成され、その後、S/Dエピタキシ材料をリセスして、フィン120の半導体層108の上に成長したS/Dエピタキシ材料を除去する。続いて、底部S/D領域140の上にS/Dアイソレータ142を堆積させ、その後、S/Dアイソレータ142材料をリセスして、半導体層108の側壁を露出させる。続いて、露出したフィン表面108上に頂部S/D領域144を形成することができる。
【0040】
一部の実施形態では、底部S/D領域140の頂面は、基板104の頂面よりも上にあるか、基板104の頂面と実質的に同一平面上にあるか、または基板104の頂面と同一平面上にある。同様に、頂部S/D領域144の底面は、半導体層108の底面よりも下にあるか、半導体層108の底面と実質的に同一平面上にあるか、または半導体層108の底面と同一平面上にある。したがって、S/Dアイソレータ142の頂面および底面は、絶縁体106の頂面と底面との間にある可能性がある。
【0041】
他の実施形態では、底部S/D領域140の頂面は、基板104の頂面よりも下にある。同様に、頂部S/D領域144の底面は、半導体層108の底面よりも上にある。したがって、絶縁体106の頂面および底面は、アイソレータ142の頂面と底面との間にある可能性がある。
【0042】
一部の実施形態では、底部S/D領域140および頂部S/D領域144は、1つまたは複数の露出した半導体表面(例えば、基板104および半導体層108)からS/D材料をエピタキシャル成長させることによって、フィン・トレンチ134内に形成されてもよい。例示的なS/D領域140/144の材料は、Si、Ge、SiGe、SiCなどであってもよいが、これらに限定されない。
【0043】
エピタキシャル材料は、気体または液体前駆体から成長させることができる。エピタキシャル材料は、気相エピタキシ(VPE)、分子線エピタキシ(MBE)、液相エピタキシ(LPE)、または他の適切なプロセスを使用して成長させることができる。エピタキシャルSi、SiGe、またはSiC、あるいはその組合せは、pFETまたはnFET内に含まれるドーパントに応じて、ドーパントすなわち、n型ドーパント(例えば、リンもしくは砒素)またはp型ドーパント(例えば、ホウ素もしくはガリウム)を添加することによって、堆積中にドープする(インシトゥでドープする)ことができる。
【0044】
「エピタキシャル成長または堆積あるいはその両方」および「エピタキシャルに形成されたまたは成長させたあるいはその両方」という用語は、ある半導体材料(結晶材料)の別の半導体材料(結晶材料)の堆積表面上での成長を意味し、成長させる半導体材料(結晶オーバレイヤ)は、堆積表面の半導体材料(シード材料)と実質的に同じ結晶特性を有する。エピタキシャル堆積プロセスでは、堆積原子が堆積表面の原子の結晶配列に配向するように表面上を動き回るのに十分なエネルギーで堆積原子が半導体基板の堆積表面に到達するように、ソースガスによって提供される化学反応物が制御され、システム・パラメータが設定される。したがって、エピタキシャル成長させた半導体材料は、エピタキシャル成長させた材料が形成された堆積表面と実質的に同じ結晶特性を有する。例えば、{100}配向された結晶表面上に堆積させたエピタキシャル成長半導体材料は、{100}配向をとる。本発明の一部の実施形態では、エピタキシャル成長または堆積プロセスあるいはその両方は、半導体表面上での形成に対して選択的であり、一般に、二酸化ケイ素または窒化ケイ素表面などの露出した表面には材料を堆積させない。
【0045】
本発明の一部の実施形態では、エピタキシャル半導体材料の堆積のためのガス源は、シリコン含有ガス源、ゲルマニウム含有ガス源、またはそれらの組合せを含むことができる。例えば、エピタキシャル・シリコン層は、シラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、エチルシラン、メチルジシラン、ジメチルジシラン、ヘキサメチルジシラン、およびこれらの組合せからなる群から選択されるシリコン・ガス源から堆積させることができる。エピタキシャル・ゲルマニウム層は、ゲルマン、ジゲルマン、ハロゲルマン、ジクロロゲルマン、トリクロロゲルマン、テトラクロロゲルマン、およびこれらの組合せからなる群から選択されるゲルマニウム・ガス源から堆積させることができる。エピタキシャル・シリコン・ゲルマニウム合金層は、このようなガス源の組合せを利用して形成することができる。水素、窒素、ヘリウム、およびアルゴンのようなキャリア・ガスを使用することができる。
【0046】
S/Dアイソレータ142が、スペーサ132間の底部S/D領域140上のフィン・トレンチ134内および絶縁体106間に形成されてもよい。S/Dアイソレータ142は、PVD、CVD、ALDなどによって、誘電体材料、材料、または材料の層を堆積させることによって形成されてもよい。例示的なS/Dアイソレータ142の材料は、SiO2、薄いSiNライナとSiO2との組合せなどであってもよい。一部の実施形態では、S/Dアイソレータ142の材料は、その材料が底部S/D領域140を、頂部S/D領域144から電気的に絶縁する、十分に電気的に絶縁するなどができるように選択される。
【0047】
一部の実施形態では、図示されているように、S/Dアイソレータ142の材料層は、スペーサ132間の底部S/D領域140上のフィン・トレンチ134内および絶縁体106間に形成されてもよく、STI領域122上およびスペーサ132の側壁上に形成されてもよい。S/Dアイソレータ142の材料層の厚さは、S/Dアイソレータ142の材料層が、半導体層108の底面と同一平面上、実質的に同一平面上、またはそれよりも下にある頂面を有するように選択することができる。
【0048】
図7は、1つまたは複数の実施形態による、製造作業後に示される半導体構造体100の断面図を示す。本製造作業では、フィン・トレンチ134の外側のS/Dアイソレータ142の材料層を除去し、一方、フィン・トレンチ134内のS/Dアイソレータ142の材料層を保持することによって、S/Dアイソレータ142を形成することができる。
【0049】
知られているパターニング、リソグラフィ、エッチングなどの技術を利用して、S/Dアイソレータ142の材料層の所望されない部分を除去することができ、一方、S/Dアイソレータ142の材料層の所望される部分を保持することができる。これらの保持された特徴は、底部S/D領域140と頂部S/D領域144との間にあり、それらを少なくとも部分的に電気的に絶縁するS/Dアイソレータ142をそれぞれ形成することができる。底部S/D領域140、S/Dアイソレータ142、および頂部S/D領域144の製造されたスタックは、本明細書ではS/D領域スタックと呼ばれることがある。
【0050】
図8は、1つまたは複数の実施形態による、製造作業後に示される半導体構造体100の断面図を示す。本製造作業では、犠牲ゲート構造体の周囲のスペーサ132は保護されてもよく、一方、S/D領域スタックに関連付けられたスペーサ132は部分的にリセスされてもよい。
【0051】
犠牲ゲート構造体の周囲のスペーサ132は、犠牲ゲート構造体の周囲のスペーサ132を部分的にリセスし、その上に犠牲ゲート構造体の周囲にスペーサ・キャップ150を形成することによって保護することができる。このようなプロセスでは、OPLなどの犠牲材料がOPLリセスに続いて形成され得るため、S/D領域140およびS/D領域144のそれぞれの側壁上にあるスペーサ132は、OPLによって保護され、一方、犠牲ゲート構造体の側壁上にあるスペーサ132の頂部は露出されて、除去され得る。
【0052】
その後、TiOx、AlOx、SiO2、SiCO、またはSiCなどの共形ライナを犠牲ゲート構造体の周囲のスペーサ132上に堆積させることによってスペーサ・キャップ150を形成することができ、続いて異方性エッチングを行ってスペーサ・キャップ150を水平面から除去することができる。次に、犠牲OPLを、例えばN2/H2アッシングなどによって除去することができる。スペーサ・キャップ150は、犠牲ゲート構造体の周囲のスペーサ132がさらにリセスされるまたは除去されるのを阻止することができる。犠牲ゲート構造体の周囲のスペーサ132の除去をこのように局所的に停止することにより、このスペーサ132を所望の場所に保持することができ、一方、S/D領域スタックの側壁上のスペーサ132をさらにリセスすることが可能になる。S/D領域スタックの側壁上のスペーサ132は、異方性エッチング・プロセスによってさらにリセスされてもよい。STI領域122上およびS/D領域スタックの側壁上(例えば、底部S/D領域140の側壁上)にあるスペーサ132の一部は、保持され得て、スペーサ足部132’を形成する。
【0053】
図9は、1つまたは複数の実施形態による、製造作業後に示される半導体構造体100の断面図を示す。本製造作業では、犠牲層間誘電体(ILD)158が形成されてもよく、犠牲ゲート構造体が除去されてもよく、その代わりに置換ゲート構造体が形成されてもよい。
【0054】
犠牲ILD158は、PVD、CVD、ALDなどによって誘電体材料を堆積させることによって形成されてもよい。例示的なILD158の材料は、SiO2、SiNの後にSiO2が続く薄いライナ、アモルファスSiなどであってもよいが、これらに限定されない。
【0055】
ILD158は、半導体構造体100内の割れ目、トレンチ内などに形成されることがある。例えば、ILD158は、隣接する犠牲ゲート構造体のスペーサ132間上のトレンチ内、S/D領域スタックの周囲のフィン・トレンチ134内、およびスペーサ足部132’上に形成されてもよい。その後、半導体構造体100の頂面は、例えばCMPなどによって平坦化されてもよい。例えば、ILD158、スペーサ132、犠牲ゲート構造体などのそれぞれの頂面は、同一平面上にあってもよい。
【0056】
犠牲ゲート構造体(例えば、マスク112および犠牲ゲート110)は、知られているパターニング、リソグラフィ、エッチングなどの技術によって除去され得て、置換ゲート・トレンチを形成することができる。置換ゲート・トレンチは、フィン120の側壁または側面の少なくとも一部を露出させることができる。例えば、置換ゲート・トレンチは、フィン120の半導体層108、アイソレータ106、および基板104の側壁または側面の少なくとも一部を露出させることができる。
【0057】
置換ゲート構造体は、ゲート誘電体ライナを堆積させ、仕事関数金属160を堆積させ、(必要な場合は)仕事関数金属160をリセスし、続いて置換ゲート・トレンチ内にPVD、CVD、ALDなどによってゲート・キャップ162材料を形成することによって形成されてもよい。例示的なゲート誘電体材料は、SiO2、HfO2、ZrO2、HfZrO2、HfAlOx、HfSiOxなどであってもよいが、これらに限定されない。例示的な仕事関数金属160材料は、TiN、TiC、TiAlC、TaNなどであってもよいが、これらに限定されない。仕事関数金属160の堆積後、WまたはAlなどの低抵抗導電性ゲート金属をさらに堆積させることができる。例示的なゲート・キャップ162材料は、窒化物、SiBCN、SiOCN、SiOCなどであってもよいが、これらに限定されない。
【0058】
置換ゲート構造体は、置換ゲート構造体が(例えば、半導体層108、アイソレータ106、および基板104上に形成された)フィン120の側壁または側面の露出部分の周囲またはその上に形成されるように、フィン120の周囲に形成されてもよい。そのため、置換ゲート構造体は、2つの垂直に積み重ねられたFETに対する共通ゲートとして機能することができる。例えば、置換ゲート構造体は、頂部S/D領域144およびそれらの間のフィン120チャネル領域109を含む頂部FETと、底部S/D領域140およびそれらの間のフィン120チャネル領域105を含む底部FETとの共通ゲートであってもよい。
【0059】
図10は、1つまたは複数の実施形態による、製造作業後に示される半導体構造体100の断面図を示す。本製造作業では、犠牲ILD158を除去することができる。知られているパターニング、リソグラフィ、エッチングなどの技術を利用して、犠牲ILD158を除去し、それによってその下にある半導体構造体100を露出させることができる。例えば、隣接する置換ゲート構造体間および頂部S/D領域144上の犠牲ILD158を除去して、隣接する置換ゲート構造体のスペーサ132を露出させ、頂部S/D領域144を露出させ、底部S/D領域140を露出させることなどができる。同様に、STI領域122上、スペーサ足部132’上、およびS/D領域スタックの周囲の犠牲ILD158を除去して、STI領域122を露出させ、スペーサ足部132’を露出させることなどができる。
【0060】
図11は、1つまたは複数の実施形態による、製造作業後に示される半導体構造体100の断面図を示す。本製造作業では、S/D領域スタックを洗浄することができ、適切なS/D領域140、144処理を注入することができる。例えば、底部S/D領域140および頂部S/D領域144(それらの側壁を含む)を露出させた後、そのような領域へのプレアモルファス化注入が施されてもよい。例えば、適切な場合は、Si、Ge、Xe注入を底部S/D領域140、頂部S/D領域144に施して、その表面をアモルファス化することができる。表面のアモルファス化により、このようなそれぞれの領域と、それに関連付けられた
図15に描かれているようなS/Dコンタクト176またはコンタクト182などのS/Dコンタクトとの間の電気抵抗を低減することができる。
【0061】
図12は、1つまたは複数の実施形態による、製造作業後に示される半導体構造体100の断面図を示す。本製造作業では、ILD172を形成することができる。ILD172は、PVD、CVD、ALDなどによって誘電体材料を堆積させることによって形成されてもよい。例示的なILD172の材料は、SiO
2、SiNの後にSiO
2が続く薄いライナなどであってもよいが、これらに限定されない。
【0062】
ILD172は、半導体構造体100内の割れ目、トレンチ内などに形成されることがある。例えば、ILD172は、隣接する置換ゲート構造体のスペーサ132間のトレンチ内に形成され、S/D領域スタックの周囲に形成され、スペーサ足部132’上に形成されることがある。その後、半導体構造体100の頂面は、例えばCMPなどによって平坦化されてもよい。例えば、ILD172、スペーサ132、置換ゲート構造体(例えば、ゲート・キャップ162の頂面)などのそれぞれの頂面は、同一平面上にあってもよい。
【0063】
図13は、1つまたは複数の実施形態による、製造作業後に示される半導体構造体100の断面図を示す。本製造作業では、メタライゼーション・コンタクト・トレンチ174をILD172内に形成することができる。
【0064】
知られているパターニング、リソグラフィ、およびエッチング技術によって、ILD172の所望されない部分を除去し、それによってメタライゼーション・コンタクト・トレンチ174を形成して、底部S/D領域140の側壁または側面の少なくとも一部を露出させ、埋込み電源レール124の少なくとも一部を露出させることができる。メタライゼーション・コンタクト・トレンチ174は、露出した埋込み電源レール124の上方のSTI領域122の部分をさらに露出させることができ、スペーサ足部132’の一部をさらに露出させることができ、S/Dアイソレータ142の側壁または側面の少なくとも一部をさらに露出させることができ、頂部S/D領域144の側壁または側面の少なくとも一部をさらに露出させることができ、頂部S/D領域144の頂面の少なくとも一部をさらに露出させることができ、隣接する置換ゲート構造体の対向するスペーサ132のそれぞれの側壁または側面の少なくとも一部をさらに露出させることができる。一部の実施形態では、図示されているように、埋込み電源レール124の一部は、メタライゼーション・コンタクト・トレンチ174によって部分的にリセスされることがある。
【0065】
図14は、1つまたは複数の実施形態による、製造作業後に示される半導体構造体100の断面図を示す。本製造作業では、メタライゼーション・コンタクト・トレンチ174内に底部コンタクト・メタライゼーション(BCM)176を形成することができる。
【0066】
BCM176は、メタライゼーション・コンタクト・トレンチ174内で、埋込み電源レール124の少なくとも一部上、および底部S/D領域140の側面または側壁の少なくとも一部上に形成されてもよい。BCM176は、スペーサ足部132’の周囲のメタライゼーション・コンタクト・トレンチ174内に形成されてもよい。
【0067】
BCM176は、シリサイド・ライナを堆積させ、続いて接着層を堆積させ、導電性金属を堆積させることによって形成されてもよい。例示的なシリサイド・ライナ材料には、Ti、Ni、NiPtなどが含まれる。例示的な接着層材料は、TiN、TaNなどであってもよいが、これらに限定されない。例示的な導電性金属は、Co、W、Cu、Ruなどであってもよいが、これらに限定されない。導電性金属の堆積後、形成されたBCM176の頂面を除去または平坦化するために、金属リセスが適用されてもよい。
【0068】
一部の実施形態では、図示されているように、BCM176の頂面は、S/Dアイソレータ142の頂面と底面との間にあってもよい。他の実施形態では、BCM176の頂面は、S/Dアイソレータ142の頂面よりも下にあってもよく、BCM176の頂面は、S/Dアイソレータ142の底面よりも下にあってもよい、などである。一部の実施形態では、BCM176の頂面とS/Dアイソレータ142の頂面との間の距離は、
図15に示すように、メタライゼーション・コンタクト・トレンチ174を充填するために使用される選択された誘電体材料によって、BCM176を頂部S/D領域144から適切に電気的に絶縁するように選択されてもよい。
【0069】
特定の実施形態では、BCM176は、スペーサ足部132’に自己整合して形成される。例えば、メタライゼーション・コンタクト・トレンチ174が形成される際に、メタライゼーション・コンタクト・トレンチ174の底部が底部S/D領域140の下に位置するフィン120から離れるように、ILD172およびSTI122が、スペーサ足部132’に対して選択的に除去され得る。この保持されたスペーサ足部132’、およびメタライゼーション・コンタクト・トレンチ174とこれらのフィン120との間のSTI領域122は、形成されたBCM176とフィン120との間の電気的短絡を防止することができる。
【0070】
図15は、1つまたは複数の実施形態による、製造作業後に示される半導体構造体100の断面図を示す。本製造作業では、BCM176上にILD172’を形成してメタライゼーション・コンタクト・トレンチ174を充填することができ、頂部コンタクト・メタライゼーション(TCM)182が、頂部コンタクト・メタライゼーション・トレンチ180内の頂部S/D領域144上に形成される。
【0071】
ILD172’は、PVD、CVD、ALDなどによる誘電体材料を堆積させることによって、メタライゼーション・コンタクト・トレンチ174を充填するようにBCM176上に形成されてもよい。例示的なILD172’の材料は、SiO2、SiNの後にSiO2が続く薄いライナなどであってもよいが、これらに限定されない。一部の実施形態では、ILD172’は、ILD172と同じまたは異なる材料であってもよい。ILD172’は、半導体構造体100内の割れ目、トレンチ内などに形成されることがある。例えば、ILD172’は、メタライゼーション・コンタクト・トレンチ174内のBCM176上に形成されてもよく、残りの露出したS/D領域スタックの周囲などに形成されてもよい。
【0072】
メタライゼーション・コンタクト・トレンチ174内のBCM176上にILD172’を形成した後、頂部S/D領域144の少なくとも一部を露出させるために、ILD172内またはILD172’内あるいはその両方にメタライゼーション・コンタクト・トレンチ180を形成することができる。例えば、知られているパターニング、リソグラフィ、およびエッチング技術によって、ILD172またはILD172’あるいはその両方の所望されない部分を除去して、メタライゼーション・コンタクト・トレンチ180を形成することができる。メタライゼーション・コンタクト・トレンチ180は、頂部S/D領域144の頂面の少なくとも一部を露出させることができる。メタライゼーション・コンタクト・トレンチ180は、隣接する置換ゲート構造体の対向するスペーサ132のそれぞれの側壁または側面の少なくとも一部をさらに露出させることができる。
【0073】
TCM182は、メタライゼーション・コンタクト・トレンチ180内で、頂部S/D領域144の少なくとも一部上、および隣接する置換ゲート構造体の対向するスペーサ132のそれぞれの側壁または側面上に形成することができる。TCM182は、シリサイド・ライナを堆積させ、続いて接着層を堆積させ、導電性金属を堆積させることによって形成することができる。
【0074】
その後、半導体構造体100の頂面は、例えばCMPなどによって平坦化されてもよい。例えば、ILD172、172’、スペーサ132、置換ゲート構造体(例えば、ゲート・キャップ162の頂面)、TCM182などのそれぞれの頂面は、同一平面上にあってもよい。
【0075】
図示されているように、半導体構造体100は、S/Dアイソレータ142によって頂部S/D領域144から分離された底部S/D領域140を含むことができるCFETを含むように形成され得る。CFETは、1つまたは複数のフィン120のチャネル領域109に物理的に接続され、1つまたは複数のフィン120のチャネル領域105に物理的に接続され得る共通置換ゲート構造体をさらに含むことができる。チャネル領域109およびチャネル領域105は、底部S/D領域140および頂部S/D領域144にも物理的に接続されてもよい。チャネル領域109とチャネル領域105との間のアイソレータ106の一部は、チャネル・アイソレータと呼ばれることがある。共通置換ゲート構造体は、当技術分野で知られているように、BEOLゲート・コンタクトに電気的に接続されてもよい。各頂部S/D領域144は、TCM182にさらに接続されてもよく、各底部S/D領域140は、BCM176にさらに接続されてもよい。TCM182は、当技術分野で知られているように、BEOLゲート・コンタクトに電気的に接続されてもよい。CFETは、底部S/D領域140の底部にスペーサ足部132’をさらに含むことができる。スペーサ足部132’は、底部S/D領域140の下に全体的に位置する残りのフィン120または基板104あるいはその両方からBCM176を物理的にかつ少なくとも部分的に電気的に分離することができる。
【0076】
図16は、1つまたは複数の実施形態による、半導体デバイス100の製造方法200を示すフロー図である。方法200は、ブロック202で始まり、続いて、基板上に1つまたは複数のマルチ・チャネル・フィン120を形成することができる(ブロック204)。例えば、第1のフィン120および第2のフィン120(すなわち、フィン対)が、基板102上または基板102内に形成されてもよい。マルチ・チャネル・フィンは、アイソレータ106によって上部チャネル部分109からそれぞれ分離された下部チャネル部分105を含むことができる。
【0077】
方法200は、続いて、STI領域内に埋込み電源レール124を形成することができる(ブロック206)。例えば、STI領域122材料を形成することができ、STI領域122材料を平坦化して、フィン120マスク112の頂面上で停止させることができ、埋込み電源レール・トレンチをSTI領域122材料内に形成することができ、埋込み電源レール124を埋込み電源レール・トレンチ内に形成することができ、埋込み電源レール124を平坦化またはリセスあるいはその両方を行うことができ、さらなるSTI領域122材料を形成することができ、追加のSTI領域122材料を平坦化して、フィン120マスク112の頂面上で停止させることができ、STI領域122材料をリセスすることができ、フィン上にあり得るマスクを除去することができる、などである。
【0078】
方法200は、続いて、デュアル・チャネル・フィンの周囲のSTI領域上に犠牲ゲート構造体を形成することができる(ブロック208)。犠牲ゲート構造体は、犠牲ゲート110材料層をSTI領域122上に、ならびにフィン120上およびフィン120間に堆積させることによって形成されてもよい。その後、ゲート・マスク112層を犠牲ゲート110材料層上に形成することができる。犠牲ゲート110材料層の所望されない部分および関連付けられたゲート・マスク112層の所望されない部分は除去されてもよく、一方、犠牲ゲート110材料層の所望される部分および関連付けられたゲート・マスク112層の所望される部分は保持されてもよい。これらの保持された特徴は、ゲート・マスク112を上に有する犠牲ゲート110を含むことができる犠牲ゲート構造体をそれぞれ形成することができる。
【0079】
方法200は、続いて、STI領域122上のフィン120間に、またはフィン120に隣接して、あるいはその両方で、犠牲プラグ130を形成することができる(ブロック210)。犠牲プラグ130は、フィン120間の領域をピンチオフまたはその他の方法で充填することができる。方法200は、続いて、フィン120の露出した側壁上および犠牲ゲート構造体の側壁上にスペーサ132を形成することができる(ブロック212)。例えば、2つのフィン120が形成される場合、スペーサ132は、第1のフィン120の外側に面する側壁上、および第2のフィン120の外側に面する側壁上に形成されてもよい。同様に、スペーサ132は、犠牲ゲート110およびゲート・マスク112のそれぞれの同一平面上の側壁上に形成されてもよい。例えば、1つのフィン120が形成される場合、スペーサ132は、フィン120側壁上の第1の犠牲プラグ130の外側に面する側壁上、およびフィン上の第2の犠牲プラグ130の外側に面する側壁上に形成されてもよい。
【0080】
方法200は、続いて、フィン120をリセスし、スペーサ132間の犠牲プラグ130をリセスすることによって、フィン・トレンチ134を形成することができる(ブロック214)。フィン・トレンチ134は、第1のフィン120および第2のフィン120内に形成された空洞または凹部であてもよい。フィン120および犠牲プラグ130の所望されない部分は、X断面では隣接する犠牲ゲート構造体の対向するスペーサ132間で除去されてもよく、Y断面ではスペーサ132間で除去されてもよい。フィン・トレンチ134は、スペーサ132のそれぞれの対向する垂直側壁を露出させることができ、基板104の底部ウェル表面およびそれぞれの対向する垂直側壁を形成することができ、絶縁体106のそれぞれの対向する垂直側壁を形成することができ、半導体層108のそれぞれの対向する垂直側壁を形成することができる。このようなそれぞれの垂直側壁は、その上方の犠牲ゲート構造体に関連付けられたスペーサ132の外側側壁と同一平面上にあってもよい。
【0081】
方法200は、続いて、STI領域122上のスペーサ132間にS/D領域140を形成することができる(ブロック216)。例えば、X断面では、底部S/D領域140は、それぞれの第1のフィン120および第2のフィン120の基板104の露出したフィン・トレンチ134表面上に形成されてもよく、それぞれの第1のフィン120および第2のフィン120の絶縁体106の露出したフィン・トレンチ134表面上に部分的に形成されてもよい。Y断面では、底部S/D領域140は、スペーサ132の内側対向面の露出したフィン・トレンチ134表面上に形成されてもよく、部分的にリセスされた第1のフィン120および第2のフィン120上、ならびに第1のフィン120と第2のフィン120との間のSTI領域122上に形成されてもよい。
【0082】
方法200は、続いて、底部S/D領域140上にS/Dアイソレータ142を形成することができる(ブロック218)。S/Dアイソレータ142は、底部S/D領域140上に形成されてもよい。S/Dアイソレータ142は、絶縁体106の露出したフィン・トレンチ134表面上に形成されてもよい。一部の実施形態では、S/Dアイソレータ142材料層は、スペーサ132間の底部S/D領域140上のフィン・トレンチ134内および絶縁体106間に形成されてもよく、STI領域122上およびスペーサ132の側壁上に形成されてもよい。
【0083】
方法200は、続いて、スペーサ132間のS/Dアイソレータ上に頂部S/D領域144を形成することができる(ブロック220)。例えば、X断面では、頂部S/D領域144は、第1のフィン120および第2のフィン120のそれぞれの半導体層108の露出したフィン・トレンチ134表面上に形成されてもよく、第1のフィン120および第2のフィン120のそれぞれの絶縁体106の露出したフィン・トレンチ134表面上に部分的に形成されてもよい。Y断面では、頂部S/D領域144は、スペーサ132の内側対向面の露出したフィン・トレンチ134表面上に形成されてもよい。
【0084】
方法200は、続いて、スペーサ132を部分的に除去して、STI領域122上および底部S/D領域140の下部または底部側壁上にスペーサ足部132’を形成することができる(ブロック222)。スペーサ足部132’は、S/D領域スタックの側壁上に配置された、または側壁に関連付けられたスペーサ132を部分的にリセスしながら、犠牲ゲート構造体の周囲に配置されたスペーサ132を保護することによって形成されてもよい。STI領域122上およびS/D領域スタックの側壁上(例えば、底部S/D領域140の側壁上)にあるスペーサ132の部分が保持され得て、スペーサ足部132’を形成する。
【0085】
方法200は、続いて、犠牲ゲート構造体を除去し、その代わりに置換ゲート構造体を形成することができる(ブロック224)。犠牲ゲート構造体は、知られているパターニング、リソグラフィ、エッチングなどの技術によって除去されてもよく、置換ゲート・トレンチを形成することができる。置換ゲート・トレンチは、フィン120の側壁または側面の少なくとも一部を露出させることができる。例えば、置換ゲート・トレンチは、フィン120の半導体層108、アイソレータ106、および基板104の側壁または側面の少なくとも一部を露出させることができる。
【0086】
置換ゲート構造体は、置換ゲート・トレンチ内に、ゲート誘電体ライナを堆積させることによって、仕事関数金属160を堆積させることによって、およびゲート・キャップ162材料を堆積させることによって形成されてもよい。置換ゲート構造体は、置換ゲート構造体が(例えば、半導体層108、アイソレータ106、および基板104上に形成された)フィン120の側壁または側面の露出部分の周囲またはその上に形成されるように、第1のフィン120および第2のフィン120の周囲に形成されてもよい。そのため、置換ゲート構造体は、2つの垂直に積み重ねられたFETに対する共通ゲートとして機能することができる。例えば、置換ゲート構造体は、頂部S/D領域144と、それらの間の第1のフィン120および第2のフィン120チャネル領域109とを含む頂部FETと、底部S/D領域140と、それらの間の第1のフィン120および第2のフィン120チャネル領域105とを含む底部FETとの共通ゲートであってもよい。
【0087】
方法200は、続いて、S/D領域140またはS/D領域144あるいはその両方の処理を実行することができる(ブロック226)。例えば、適切な場合は、Si、Ge、Xe注入を底部S/D領域140、頂部S/D領域144に施して、その表面をアモルファス化することができる。表面のアモルファス化により、このようなそれぞれの領域と、それに関連付けられたS/Dコンタクトとの間の電気抵抗を低減することができる。
【0088】
方法200は、続いて、STI領域上、スペーサ足部132’上、下部S/D領域140上、S/Dアイソレータ142上、およびS/D領域144上にILD172を形成することができる(ブロック228)。
【0089】
方法200は、続いて、ILD172内にメタライゼーション・コンタクト・トレンチ174を形成することができる(ブロック230)。メタライゼーション・コンタクト・トレンチ174は、足部の側壁または側面または底部S/D領域140の底部領域の少なくとも一部を露出させ、埋込み電源レール124の少なくとも一部を露出させることができる。メタライゼーション・コンタクト・トレンチ174は、露出した埋込み電源レール124の上方のSTI領域122の一部をさらに露出させることができ、スペーサ足部132’の一部をさらに露出させることができ、S/Dアイソレータ142の側壁または側面の少なくとも一部をさらに露出させることができ、頂部S/D領域144の側壁または側面の少なくとも一部をさらに露出させることができ、頂部S/D領域144の頂面の少なくとも一部をさらに露出させることができ、隣接する置換ゲート構造体の対向するスペーサ132のそれぞれの側壁または側面の少なくとも一部をさらに露出させることができる。
【0090】
方法200は、続いて、メタライゼーション・コンタクト・トレンチ174内にBCM176を形成することができる(ブロック232)。BCM176は、メタライゼーション・コンタクト・トレンチ174内で、埋込み電源レール124の少なくとも一部上、および底部S/D領域140の側面または側壁の少なくとも一部上に形成することができる。BCM176は、スペーサ足部132’の周囲のメタライゼーション・コンタクト・トレンチ174内にさらに形成されてもよい。一部の実施態様では、BCM176は、スペーサ足部132’に自己整合して形成される。
【0091】
方法200は、続いて、ILD172またはILD172’あるいはその両方の内部にメタライゼーション・コンタクト・トレンチ180を形成して、頂部S/D領域144の少なくとも一部を露出させることができる(ブロック234)。例えば、知られているパターニング、リソグラフィ、およびエッチング技術によって、ILD172またはILD172’あるいはその両方の所望されない部分を除去して、メタライゼーション・コンタクト・トレンチ180を形成することができる。メタライゼーション・コンタクト・トレンチ180は、頂部S/D領域144の頂面の少なくとも一部を露出させることができる。メタライゼーション・コンタクト・トレンチ180は、隣接する置換ゲート構造体の対向するスペーサ132のそれぞれの側壁または側面の少なくとも一部をさらに露出させることができる。
【0092】
方法200は、続いて、頂部S/D領域144上にTCM182を形成することができる(ブロック236)。TCM182は、メタライゼーション・コンタクト・トレンチ180内で、頂部S/D領域144の少なくとも一部上、および隣接する置換ゲート構造体の対向するスペーサ132のそれぞれの側壁または側面上に形成することができる。その後、半導体構造体100の頂面は、例えばCMPなどによって平坦化されてもよい。例えば、ILD172、172’、スペーサ132、置換ゲート構造体(例えば、ゲート・キャップ162の頂面)、TCM182などのそれぞれの頂面は、同一平面上にあってもよい。方法200は、ブロック238で終了することができる。
【0093】
本明細書に示される方法フロー図は例示的なものである。実施形態の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された図面または動作に対する多くの変形形態があり得る。例えば、動作は、異なる順序で実行することができ、または動作を追加、削除、もしくは修正することができる。これらの変形はすべて、適用可能な特許請求される実施形態の一部と考えられる。
【0094】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されているが、網羅的であること、または説明される実施形態に限定されることは意図されていない。多くの変更形態および変形形態が本発明の範囲から逸脱せずに当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、実際の用途、または市場で見出される技術に対する技術的改善を最もよく説明するために、または他の当業者が本明細書に記載される実施形態を理解することを可能にするために選択された。
【国際調査報告】