(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】注文処理ステーション作業タイマーおよび表示器
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
B65G1/137 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509138
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-04-11
(86)【国際出願番号】 IB2022057719
(87)【国際公開番号】W WO2023021444
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516331203
【氏名又は名称】デマティック コープ
【氏名又は名称原語表記】DEMATIC CORP.
【住所又は居所原語表記】507 Plymouth Ave., N.E. Grand Rapids, Michigan 49505 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー シー. ポスト
(72)【発明者】
【氏名】ランダール ジェイ. カールソン
(72)【発明者】
【氏名】テイラー フォーブッシュ
(72)【発明者】
【氏名】コリン アール. ハラムカ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ジェイ. ケイン
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
3F522CC01
3F522GG18
3F522GG39
3F522GG44
3F522HH02
3F522HH04
3F522HH17
3F522LL54
(57)【要約】
注文の梱包や出荷作業等の注文処理作業の初期化から完了までの時間を追跡し、表示するための時間追跡・表示システムおよび方法が提供される。システムは、複数の注文保管場所と、各保管場所にある表示器とを有するプットウォールを含む。表示器は、コンピュータによって独立してアドレス可能であり、色変更可能なライトおよび/または英数字ディスプレイを含んでもよい。本方法およびシステムは、プットウォールのオペレータに、特定の保管場所における注文の複数のステータスを示す視覚的な促しを提供する。促しには、(i)注文が対応可能であること、(ii)作業の制限時間が経過していること、および(iii)その場所に対する作業の処理期限が遥かに過ぎていることの表示が含まれる。時間制限と促しは、ユーザによって予め設定されてもよいし、過去の作業完了時間に基づいてコンピュータによって自動的に設定および調整されてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文処理作業の初期化から完了までの時間追跡および表示するための方法であって、
注文処理ワークステーションの一部に注文を配置する工程と、
注文が初期化され、前記注文処理ワークステーションから取り出す準備ができていることを前記注文処理ワークステーションのオペレータに示すために第1光源表示器を点灯する工程と、
前記第1光源表示器が点灯した時点から始まる注文の初期化から完了までの時間を計測する工程と、
前記注文が最初の時間枠内に前記注文処理ワークステーションから取り出されない場合、前記注文処理ワークステーションのオペレータに前記最初の時間枠が過ぎたことを示すため第2光源表示器を点灯する工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記最初の時間枠が過ぎた後に開始すると定義される第2時間枠内に、前記注文が前記注文処理ワークステーションから取り出されない場合、第3光源表示器を点灯させて、前記注文処理ワークステーションのオペレータに前記第2時間枠が過ぎたことを示す工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1光源表示器が有色光源を含み、前記第2光源表示器が異なる色の有色光源を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1光源表示器は第1のライトの色を含み、前記第2光源表示器は第2のライトの色を含み、前記第3光源表示器は第3のライトの色を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1光源表示器は有色光源と英数字メッセージを含み、前記第2光源表示器は異なる色の有色光源と異なる英数字メッセージを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1光源表示器は第1有色光源と第1英数字メッセージを含み、前記第2光源表示器は第2有色光源と第2英数字メッセージを含み、前記第3光源表示器は第3有色光源と第3英数字メッセージを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記注文が前記注文処理ワークステーションから取り出された場合、前記オペレータが前記注文が取り出されたことを報知する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
注文処理ワークステーションにおいてオペレータに注文処理作業のガイドを行う方法であって、時間追跡・表示システムを含み、前記時間追跡・表示システムは前記時間追跡・表示システムを制御可能なコンピュータと通信していて、前記方法は、
注文が初期化され保管場所から取り出す準備ができていることを、前記注文処理ワークステーションのオペレータに示すために、前記注文処理ワークステーションの特定の保管場所にある前記時間追跡・表示システムの第1光源表示器を点灯する工程と、
前記第1光源表示器が点灯した時点から始まる最初の時間枠を前記コンピュータにより計測する工程と、
前記注文が前記最初の時間枠内に前記注文処理ワークステーションから取り出されない場合、前記注文処理ワークステーションのオペレータに前記最初の時間枠が過ぎたことを示すため前記時間追跡・表示システムの第2光源表示器を点灯する工程と、
前記最初の時間枠が過ぎた時点から始まる第2時間枠を前記コンピュータにより計測する工程と、
前記注文が前記第2時間枠内に前記注文処理ワークステーションから取り出されない場合、前記注文処理ワークステーションのオペレータに前記第2時間枠が過ぎたことを示すため前記時間追跡・表示システムの第3光源表示器を点灯する工程と、を含む方法。
【請求項9】
前記第1光源表示器は第1のライトの色を含み、前記第2光源表示器は第2のライトの色を含み、前記第3光源表示器は第3のライトの色を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1光源表示器は第1有色光源と第1英数字メッセージを含み、前記第2光源表示器は第2有色光源と第2英数字メッセージを含み、前記第3光源表示器は第3有色光源と第3英数字メッセージを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記注文が前記保管場所から取り出された場合、前記オペレータが前記コンピュータに前記注文が取り出されたことを報知する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
注文処理作業の初期化から完了までの時間を追跡し表示するための時間追跡・表示システムであって、
複数の注文保管場所を含むプットウォールと、
各前記複数の保管場所の近傍に配置された光源表示器であって、光源を備えた前記光源表示器と、
前記プットウォールおよび前記光源表示器に接続され、(i)対応する保管場所における注文が取り出される準備ができたときと、(ii)(a)オペレータが前記保管場所から前記注文を取り出し、前記注文の取り出しを報知したとき、または(b)前記注文の取り出し作業を完了するために前記オペレータに割り当てられた所定の時間量によって定義される作業制限時間から選択されるいずれかの間の期間を追跡するよう構成されたコンピュータと、を備え、
前記オペレータが前記保管場所から前記注文を取り出し、取り出しを報知する前に、前記作業制限時間を経過した場合、特定の保管場所の前記光源を点灯するように構成された前記コンピュータを備える、システム。
【請求項13】
前記所定の時間量は、前記プットウォールを操作するオペレータによって実行される注文処理作業の初期化から完了までの時間の平均の関数として、前記コンピュータによって自動的に選択される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記光源は、前記コンピュータによって選択的に操作可能な複数の色を備えた多色ライトを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記オペレータが前記注文を取り出し、取り出したことを報知する前に前記作業制限時間が過ぎた場合、(i)前記作業制限時間と、(ii)(a)前記オペレータが前記保管場所から前記注文を取り出して取り出しを報知したとき、または(b)前記作業制限時間が過ぎた後に前記注文の取り出し作業を完了するために前記オペレータに割り当てられた所定の時間量によって定義される第2制限時間から選択されるいずれかのときとの間の第2制限時間を追跡するよう構成された前記コンピュータを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記オペレータが前記保管場所から前記注文を取り出し、取り出したことを報知する前に前記第2制限時間が経過した場合、前記特定の保管場所の前記光源を異なる色に点灯するように構成された前記コンピュータを備える、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文を処理するための方法およびシステムに関し、特に、物品を個々の注文毎に梱包および出荷するために、またはピッキングするため仕分けする方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット経由の注文は、商業的な競争のために、比較的短時間で処理されなければならない。同じことは、カタログやテレビをベースとした商品販売に基づく、電話、ファクシミリ、または郵便で受けた注文にも言える。このような注文の処理はEコマースとして知られ、このような義務を果たすために注文処理システムが必要になる。注文の処理は、オペレータが決められた時間内に処理または完了する注文の量によって定義される注文スループットの関数として、人間のオペレータの効率の観点からしばしば制限される。プットウォールまたはパックウォールは、限定的な物理的再配置でオペレータが注文の商品を効率的にピッキングまたは回収することを可能にするべく、集中化された場所に注文を集約するために一般的に利用される。プットウォールは、ピッキング作業をより小さなエリアに誘導するが、オペレータは、注文の取り扱いの難しさやオペレータの単純な見落とし等、様々な理由で特定の注文を見落としたり、抜かしてしまったりすることがある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、効率を改善し、オペレータがタイムリーに必要な作業の全てを実行することを確実にするために、プットウォールまたは他の注文処理サブシステムのオペレータに視覚的な促しを提供する方法およびシステムを提供する。この方法とシステムは、注文が梱包のために取り出される準備ができた時点から、注文梱包作業の初期化から完了までの時間を追跡する。本方法およびシステムは、注文が処理される準備ができていること、注文が処理を待っていること、および/または注文が処理される期限が過ぎていることを示すフィードバックをオペレータに提供する。システムは、追跡されたタイマーに基づいてオペレータに視覚的な促しを提供するために、選択的にアドレス可能な多色ライトおよび/または英数字ディスプレイを含む。オペレータは、表示器の消灯等により注文作業を完了したことを示すために、システムに報知することができる。システムは、予め設定されたタイマーおよび表示器を含んでもよく、また、オペレータのパフォーマンスを改善するためにタイマーおよび表示器を注文処理施設および作業に合わせて調整するように、オペレータによって手動で調整されてもよく、または自動的に調整されてもよい。
【0004】
本発明の一態様によれば、梱包および出荷作業(すなわち、パックアウト作業)のような注文処理作業の初期化から完了までの時間および指示タイミングステータスを追跡するための方法が提供される。本方法は、プットウォールまたはパックウォールのような注文処理ワークステーションの一部に注文を配置する工程、および注文が初期化され、前記ワークステーションから取り出す準備ができていることをオペレータに示すために第1光源表示器を点灯する工程を含む。コンピュータは、前記第1表示器が点灯した時点から始まる注文の初期化から完了までの時間を計測または監視する。注文が前記ワークステーションから取り出された場合、前記オペレータは前記注文が取り出されたことを報知し、前記第1表示器を消灯する。しかし、前記注文が最初の所定の時間枠内に前記ワークステーションから取り出されない場合、コンピュータは第2光源表示器を点灯し、オペレータに最初の時間枠または作業制限時間が過ぎたことを示す。
【0005】
一態様において、前記第1表示器および前記第2表示器は、それぞれ多色ライトを含むか、または前記第1表示器が1つのライトの色によって定義され、前記第2表示器が異なるライトの色によって定義されるような多色ライトシステムの一部であってもよい。英数字ディスプレイが、前記多色ライトシステムに加えて、または前記多色ライトシステムの代替として提供されてもよい。前記システムおよび方法は、オペレータを指示および誘導するための複数のタイマーおよび表示器を含んでもよい。前記表示器は、オペレータの注意の必要性をさらに示したり、告知したりするために、点灯または点滅してもよい。
【0006】
他の態様において、(最初の時間枠が過ぎた後の)第2時間枠内に前記注文が前記ワークステーションから取り出されない場合、前記コンピュータは、第3光源表示器を点灯させて、前記ワークステーションのオペレータに前記第2時間枠または作業制限時間が過ぎたことを示す。
【0007】
本発明の他の態様において、パックアウト作業の初期化から完了までの時間の状態を追跡し、表示するための時間追跡・表示システムが提供される。このシステムは、複数の注文保管場所を有するプットウォールを含む。各保管場所には表示器が設けられている。各表示器は光源を含み、特定の保管場所における注文が初期化され、オペレータによって取り出される準備が整うと、前記光源が点灯する(例えば、ライトは緑色、すなわち、進めに点灯する)。システムは、プットウォールを制御するコンピュータと、(i)対応する保管場所における注文が取り出される準備ができたときと、(ii)(a)オペレータが前記保管場所から前記注文を取り出し、前記注文の取り出しを報知したとき、または(b)作業制限時間(注文の取り出し作業を完了するためにオペレータに割り当てられた時間によって定義される)が過ぎたときまたは経過したときとの間の期間を追跡する表示器とを含む。前記作業制限時間を経過した場合、前記コンピュータは、前記オペレータが前記保管場所から前記注文を取り出し、取り出しを報知する前に、前記作業制限時間を経過した場合、特定の保管場所の前記光源を異なる色(例えば、緑色から黄色、すなわち注意)に点灯または変更する。
【0008】
1つの態様において、前記所定の時間間隔は、前記プットウォールを操作するオペレータによって実行される注文処理作業の初期化から完了までの時間の平均の関数として、前記コンピュータによって自動的に選択される。
【0009】
他の態様において、前記光源は、前記コンピュータによって個別にアドレスおよび選択可能な複数の色オプションを有する多色ライトを含む。前記光源は、多色ライトに加えて、または多色光の代替として、英数字ディスプレイを含んでもよい。
【0010】
更に別の態様において、前記オペレータが前記注文を取り出して報知する前に前記作業制限時間が過ぎた場合、前記コンピュータは、(i)前記作業制限時間と、(ii)(a)前記オペレータが前記保管場所から前記注文を取り出し報知したとき、または(b)第2制限時間(前記作業制限時間が過ぎた後に前記注文の取り出しを完了するために前記オペレータに割り当てられた時間によって定義される)が過ぎたまたは経過したときとの間の時間の追跡を継続する。前記第2制限時間が経過した場合、前記コンピュータは前記保管場所の前記光源を他の異なる色(例えば黄色から赤色)に点灯するか変更する。
【0011】
従って、本発明は、注文が初期化され注意の準備ができたとき、注文が注意を待っていたとき、および注文が注意の期限を過ぎたときを含む、注意を要する注文のパックウォールのオペレータを促すための方法およびシステムを提供する。このような促しは、オペレータの行動を指示することによってオペレータの効率を改善し、全ての注文が適時に迅速に注意されることを保証する。
【0012】
本発明のこれらおよび他の目的、利点、目標および特徴は、図面と併せて以下の明細書を検討すれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明に係る注文梱包機能の初期化から完了までの時間を追跡し、動作指示を行う方法を示す図である。
【
図2】
図2は、注文処理用プットウォールの正面図である。
【
図3】
図3は、注文処理施設内の特定の場所に対応する注文梱包作業の初期化から完了までの例示的な時間閾値を示す表である。
【
図4A】
図4Aは、本発明に係る、注文梱包作業のための、それぞれの経過した初期化から完了までの時間に基づく連続的な色表示の変化を描いた、ピック・トゥ・ライト(PTL)の正面図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明に係る、注文梱包作業のための、それぞれの経過した初期化から完了までの時間に基づく連続的な色表示の変化を描いた、ピック・トゥ・ライト(PTL)の正面図である。
【
図4C】
図4Cは、本発明に係る、注文梱包作業のための、それぞれの経過した初期化から完了までの時間に基づく連続的な色表示の変化を描いた、ピック・トゥ・ライト(PTL)の正面図である。
【
図5A】
図5Aは、大文字の一連の英数字メッセージが描かれている、
図4A~4CのPTLの正面図である。
【
図5B】
図5Bは、大文字の一連の英数字メッセージが描かれている、
図4A~4CのPTLの正面図である。
【
図6A】
図6Aは、小文字の一連の英数字メッセージが描かれている、
図4A~4CのPTLの正面図である。
【
図6B】
図6Bは、小文字の一連の英数字メッセージが描かれている、
図4A~4CのPTLの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面およびそこに描かれている例示的な実施形態を参照すると、プットウォール12における注文処理作業(例えば、注文の梱包またはパックアウト)を完了するためにオペレータが必要とする時間を追跡し、オペレータに作業の時間状況を示すためのシステム10および方法100が提供される(
図1および
図2)。システム10および方法100は、注文処理作業のためにオペレータを指示し、ガイドする。システム10は、作業が必要とされる場所(例えば、プットウォール12の保管場所または小部屋16を示すためのピック・トゥ・ライト(PTL)14を含み、また、光源18を照らすことおよび/または英数字ディスプレイ20を照らすことによって作業タイマーの状態を示している(
図4A~6B)。システム10および方法100は、オペレータを誘導するために時間に依拠した位置的な促しを提供することによって、パックアウト作業および/または他の注文処理作業に悪影響を及ぼす可能性のある人的要因を大幅に低減または排除することができる。システム10および方法100は、品物が特定の場所からいつ取り出されたかを追跡するための、および作業が初期化されたときからオペレータがその作業を完了したときまでの期間を追跡するための、パックアウト機能および/または注文統合機能に特に適している。視覚的な促しは、有色ライト18、英数字ディスプレイ20、点滅パターン、または他の視覚的表示システムまたは配置を含んでもよい。タイマーのパラメータ(例えば、作業の初期化から完了までの時間配分)は、所望の作業時間に基づいてユーザによって設定されてもよく、またはパラメータは、例えば、倉庫管理システム(WMS)等の制御システムまたはコンピュータ22によって自動的に設定されてもよい。
【0015】
図1の例示的な実施形態を参照すると、パックアウト作業の初期化から完了までの時間のような作業時間を追跡し、例えばプットウォールまたはパックウォールワークステーション12のような注文処理サブシステムのオペレータに現在の時間継続を示すための視覚的な(または他の方法で示す)方法100が提供される。方法100を初期化するために、注文102がシステム10に配置される。システム内の注文の配置は、注文に係る物品がプットウォール12の保管場所に配置されたことをプットウォールのセンサが決定することによって初期化されてもよい。注文の配置は、WMS等のコンピュータシステム22が、保留中の注文のリストまたはデータベースに基づいて処理作業の順序を更新する上流工程を含んでもよい。例えば、顧客がインターネットまたは他の方法を介して注文を行うと、コンピュータ22は、その顧客の注文を受け取るためにプットウォール12上の保管場所16を選択し、その注文を選択された保管場所に輸送システムを介して導いてもよい。
【0016】
一旦注文がシステム10内に配置され(102)初期化されると、コンピュータ22はタイマーを開始し、注文の初期化からの時間の計測、監視、または追跡を開始する(104)。時間は、(i)オペレータがプットウォール12から注文を取り出すとき、または(ii)注文取り出し作業を完了するためにオペレータに割り当てられた所定の時間(すなわち、間隔または制限時間)の経過の何れかまで追跡される。方法100は、オペレータが注文の取り出しを完了すべき最初の時間枠または間隔を含む複数の間隔を追跡することができる。間隔は、所望の初期化から完了までの時間に基づいてユーザによって設定されてもよいし、間隔は、例えば、以前の時間の平均等、プットウォール12における以前の作業の初期化から完了までの時間に基づいて間隔時間を更新すること等によって、コンピュータ22によって設定されてもよい。
【0017】
コンピュータ22は、特定の注文を有する保管場所16のピック・トゥ・ライト(PTL)14の第1光源または表示器106を点灯する。第1表示器は、注文が初期化され、対応する保管場所16(
図1および
図2)から取り出される準備ができていることを、プットウォール12のオペレータに警告または通知する。PTL14は、コンピュータ22によって選択的に変更可能な、複数の光源および/またはライトの色の選択可能な配列18(
図4A~4B参照)を含んでもよい。
図1の方法の実施形態を参照すると、第1表示器は、第1の色、例えば本開示においては緑色(
図4Aに示すように第1のハッチパターンとして描かれた第1の色)で点灯する(106)が、任意の所望の色が選択されてもよい。オペレータが初期間隔内に注文を取り出さない(すなわち、作業を完了しない)場合、コンピュータ22は、初期作業制限時間が過ぎたと判定する(108)。次に、コンピュータ22は、PTL14上の第2光源または表示器を第2の色、例えば本開示では黄色(
図4Bに示すように第2のハッチパターンとして描かれた第2の色)で点灯すること(110)によって、初期作業制限時間を経過したことを示すが、第1表示器の色以外の任意の色が選択されてもよいことが理解されよう。
【0018】
コンピュータ22は、注文の取り出し作業が完了していない限り、作業時間の監視を継続する(112)。オペレータが第2作業制限時間内に注文を取り出さない場合、コンピュータ22は、第2作業制限時間も経過したと判断する(114)。その後、コンピュータ22は、PTL14上の第3光源または表示器を第3の色、例えば本開示では赤色(
図4Cに示すように、第3のハッチパターンとして描かれた第3の色)で点灯すること(116)によって、第2作業制限時間を経過したことを示すが、第1表示器および第2表示器の色以外の任意の色が選択されてもよいことが理解されよう。PTL14は、時間間隔の終わりが近づいているとき、または保管場所16の1つにおける作業が重要であるとき等、オペレータに追加の指示フィードバックを提供するために点滅するように動作可能であってもよい。
【0019】
作業タイマー期間中のいつでも、作業者は、例えばピック報知ボタンを押すなどして、特定の保管場所16から注文を取り出し、これにより必要な取り出し作業を完了したことを報知することができる。PTL14(作業の段階/間隔に関係なく)は、作業者が作業の完了を報知すると消灯する。プットウォールは、タイマーが同時に開始するように、プットウォール12上の保管場所16のすべてのPTL14のタイマーを開始するように、コンピュータ22によって制御されてもよい。あるいは、コンピュータ22は、特定の保管場所に全ての注文が置かれ初期化されると、他の保管場所16とは独立して、保管場所16のPTL14のタイマーを開始してもよい。このようにして、コンピュータ22は、注文が取り出され、次にその場所に補充されるときに、特定の保管場所16のためのタイマーを常にリフレッシュまたは再起動してもよい。
【0020】
複数のワークステーションまたは装置に対する作業制限時間の例示的な組が
図3に描かれている。示されるように、各装置は、多品目注文ピッキング作業(すなわち「MaxiPICK」)または単品注文ピッキング(すなわち「SinglePICK」)のために構成される。注文処理警告時間は初期作業制限時間を表し、パックアウト経過時間は方法100について上記で定義したような第2作業制限時間を表す。
【0021】
図2および
図4A~6Bの例示的な実施形態を参照すると、注文処理施設内の注文処理作業の初期化から完了までの時間を追跡および指示するための時間追跡および指示システム10が提供される。システム10は、複数の注文保管場所16を有するプットウォール12と、保管場所16の各々に設けられたピック・トゥ・ライト(PTL)14の形態による表示器とを含む。コンピュータ22は、システム10を制御して、対応する保管場所16の注文が取り出される準備ができたときに開始される期間を追跡する。コンピュータ22は、注文が初期化され、特定の保管場所16で取り出す準備ができると、PTL14の光源18を第1指示色(例えば緑、
図4A)で点灯する。期間は、予め設定された時間間隔に基づいて、またはオペレータによって実行された動作によって終了してもよい(例示的な時間間隔については
図3を参照)。例えば、タイマーは、(i)オペレータが保管場所16から注文を取り出し、注文の取り出しを報知したとき、または(ii)注文の取り出し作業を完了するためにオペレータに割り当てられた所定の時間量によって定義される作業制限時間の経過時に終了するように予め設定されてもよい。例えば、所定の時間間隔は、プットウォール12を作業するオペレータによって実行される注文処理作業の初期化から完了までの時間の平均の関数として、コンピュータによって自動的に選択されてもよい。
【0022】
コンピュータは、オペレータが保管場所16から注文を取り出し、取り出しを報知する前に作業制限時間が経過した場合、特定の保管場所16の光源18を第2表示色(例えば黄色、
図4B、初期化表示色に選択された色とは異なる色)で点灯する。オペレータが注文を取り出し、注文の取り出しを報知する前に作業制限時間が過ぎた場合、コンピュータ22は、(i)定義された作業制限時間と、(ii)(a)オペレータが保管場所16から注文を取り出し、注文の取り出しを報知した時点、または(b)第2制限時間の経過時点のいずれかの間の時間を追跡する。例えば、第2制限時間は、作業制限時間が経過した後、注文の取り出し作業を完了するためにオペレータに割り当てられる所定の時間によって定義することができる。コンピュータ22は、オペレータが保管場所16から注文を取り出し、それを報知する前に第2制限時間を経過した場合、特定の保管場所16の光源18を第3指示色(例えば赤、
図4C、初期化/第1指示色および第2指示色として選択された色とは異なる色)で点灯する。ユーザが望むように、追加の制限時間または動作間隔および/または光源表示が、第1および第2制限時間および光源表示に先行、後続、および/または一致してもよいことが理解されよう。このように、プットウォール12の作業者に指示しガイドするために、様々な構成のタイマーおよび表示器を提供してもよい。
【0023】
図4A~6Bの図示された実施形態を参照すると、各PTL14は、色変更可能な光源18(例えば、多色光源または色選択可能なライトの配列、
図4A~4C参照)および点灯された英数字ディスプレイ20(
図5A~6B)を含む。前述したように、PTL14は、オペレータに追加の指示フィードバックを提供するため、または指示を知らせるために点滅するように動作可能であってもよい。例えば、時間間隔の終わりが近づいているとき、または保管場所16の1つにおける作業が重要であるとき、光源18は、作業者の注意をより強く引くために点滅してもよい。英数字ディスプレイ20は、例えば、注文のために取り出されるべき特定の保管場所16の品目の数の表示等、必要とされる特定の作業を示すために、ユーザ定義のメッセージまたはパターンを点灯ことができる。英数字ディスプレイ20は、
図5A~
図5Bに示されるように大文字を表示するように機能してもよく、および/または、英数字ディスプレイ20は、
図6A~
図6Bに示されるように小文字を表示するように機能してもよい。
図5A~5Bおよび
図6A~6Bのそれぞれには、文字A~Hおよびa~hのみが描かれているが、英数字ディスプレイ20は、現代英語のアルファベットの全ての文字や、所望に応じて他のアルファベットの文字を表示するように機能してもよいことが理解されよう。また、英数字ディスプレイ20は、例えば、ドット、ダッシュ、正方形、長方形、三角形などの形状またはパターンを表示するように機能してもよい。
図4A~6BのPTL14は、色変更可能な光源18と点灯する英数字ディスプレイ20の両方を含むが、システム10の表示器は、PTL14の機能性に実質的に影響を与えることなく、所望により、色変更可能な光源18または英数字ディスプレイの一方のみを含んでもよいことが理解されよう。
【0024】
例えば、新たに利用可能になった注文は、緑色に点灯しているPTLディスプレイで表示される(
図4A)。PTL表示システムは、2つの設定可能なタイマー、第1タイマーと第2タイマーを含む。オペレータに追加のフィードバックを提供するために、追加のタイマーを構成してもよいことが理解されよう。タイマーは、各PTLディスプレイの製造または組立中に、デフォルトの時間継続設定で設定することができる。第1タイマー「注文処理警告」が過ぎると、表示灯が黄色に点灯する(緑色から変更、
図4B)。第2タイマー「パックアウト時間経過」が過ぎると、表示灯は赤に点灯する(黄色から変更、
図4C)。
【0025】
PTLタイマーシステムの指示の態様は、オペレータに作業順序を決定させる場合に発生する可能性のある場当たり的な態様ではなく、指示された態様で注文を梱包ようにオペレータを促す。要するに、オペレータは、オペレータが行うことを好むことがある、より時間がかからないまたはより難易度の低い注文を最初に梱包する代わりに、時間のかかるまたは難易度の高い注文の梱包を避ける可能性を低くすることができる。コンピュータ22は、様々なパラメータに基づいて、過去の注文処理完了時間の形でデータを追跡してもよい。例えば、完了時間データは、要求される梱包タイプ(例えば、袋、箱、カスタムパッケージング等)毎に追跡されてもよい。データは、より効率的な方法で注文処理施設を作業するために収集または分析されてもよく、例えば、特定の注文タイプ(例えば、単一品目、複数品目、かさばるもの等)が一緒にグループ化され、その後、専用のプットウォールに向けられてもよい。例えば、複雑な注文、一様ではない形状の注文、またはその他の包装が困難な注文は、グループ化され、オペレータがそのような注文を扱い梱包する準備が整っているプットウォールに誘導されてもよい。
【0026】
このように、作業の初期化から完了までの時間を追跡し、特定の注文の時間状態を示すシステムおよび方法についての実施形態が提供される。このシステムおよび方法は、オペレータに視覚的な促しを提供し、オペレータが全ての必要な作業を適時に実行することを確実なものにする。システムは、ユーザ定義の時間間隔に設定可能であり、および/またはシステムは、過去の作業完了時間に基づいて時間間隔を自動的に設定してもよい。システムは、特定の場所で特定の作業が必要であることをオペレータに促したり、特定の作業について注意が必要であることを示したりするために、色変更可能なライトおよび/または英数字ディスプレイを利用する。
【0027】
具体的に説明した実施形態における変更および修正は、均等論を含む特許法の原則に従って解釈される添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図する本発明の原理から逸脱することなく実施することができる。
【国際調査報告】