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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】異種多層構造体
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20240829BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H05K7/20 B
H05K7/20 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509305
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-04-09
(86)【国際出願番号】 US2022040508
(87)【国際公開番号】W WO2023023089
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/260,393
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スン,シシュアン
(72)【発明者】
【氏名】ベンカタラマナン,ガネッシュ
(72)【発明者】
【氏名】スン,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,ジン
(72)【発明者】
【氏名】デン,シャオウェイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】パン,メンジー
(72)【発明者】
【氏名】バトラー,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】マギー,ウィリアム アーサー
(72)【発明者】
【氏名】ナボヴァティ,アイディン
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA03
5E322AA05
5E322AA10
5E322AA11
5E322DA00
5E322FA01
5E322FA04
5E322FA06
5F136CB06
5F136DA41
(57)【要約】
本明細書で開示されるシステム、方法、及びデバイスは、垂直方向に配置された多層構造体に関する。いくつかの実施形態では、コンピューティングアセンブリは、第1の冷却システム、第1の電子機器層、第2の冷却システム、及び第2の電子機器層を備えることができる。第1の冷却システムは、第1の電子機器層の上に配列することができ、第1の電子機器層と熱連通することができる。第1の電子機器層アレイは、電力供給に直交する平面内で互いに電子通信する集積回路ダイのアレイを含む。第1の電子機器層は、第2の冷却システムの上に配列することができ、第2の冷却システムと熱連通することができ、第2の冷却システムは、第2の電子機器層の上に配列することができ、第2の電子機器層と熱連通することができる。第2の電子機器層は、電力供給モジュールのアレイを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの層は、システムオンウエハパッケージングを使用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の冷却システムと、
第1の表面及び第2の表面を有する第1の電子機器層であって、前記第1の電子機器層が集積回路ダイのアレイを備え、前記第1の表面が前記第1の冷却システムと熱連通する、第1の電子機器層と、
前記第1の電子機器層の前記第2の表面と熱連通する第2の冷却システムと、
第3の表面及び第4の表面を有する第2の電子機器層であって、前記第2の電子機器層が電力供給モジュールのアレイを備え、前記第3の表面が前記第2の冷却システムと熱連通する、第2の電子機器層と、を備え、
前記第1の電子層が、前記集積回路ダイのアレイを相互接続するための導電性材料を含む、コンピューティングアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の電子層上の前記導電性材料が銅導電性材料に対応する、請求項1に記載のコンピューティングアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の電子層上の前記導電性材料が光学導電性材料に対応する、請求項1に記載のコンピューティングアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の電子機器層がウエハ上のシステムに対応する、請求項1に記載のコンピューティングアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の電子機器層が有機基板パネルに対応する、請求項1に記載のコンピューティングアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の電子機器層がウエハファンアウトパネルに対応する、請求項1に記載のコンピューティングアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の電子機器層が有機基板パネルとシリコンインターポーザとの組み合わせに対応する、請求項1に記載のコンピューティングアセンブリ。
【請求項8】
信号伝達及び制御機能を提供するための制御基板を更に備える、請求項1に記載のコンピューティングアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の電子機器層内の集積回路ダイの数が、前記第2の電子機器層内の電力供給モジュールの数に等しい、請求項1に記載のコンピューティングアセンブリ。
【請求項10】
電力が、前記第2の電子機器層から前記第1の電子機器層に垂直に供給される、請求項1に記載のコンピューティングアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の冷却システムのタイプ及び前記第2の冷却システムのタイプが、コールドプレート、ヒートシンク、及び液体冷却ブロックのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のコンピューティングアセンブリ。
【請求項12】
前記集積回路ダイのアレイが、3×3の集積ダイのアレイ、4×4の集積ダイのアレイ、5×5の集積ダイのアレイ、又は6×6の集積ダイのアレイのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のコンピューティングアセンブリ。
【請求項13】
電子アセンブリを冷却するための方法であって、
第1の冷却層を第1の電子機器層の上に取り付け、それに熱連通する工程であって、前記第1の電子機器層が集積回路ダイのアレイを備え、前記第1の電子層が、前記集積回路ダイのアレイを相互接続するための導電性材料を含む、工程と、
第1の電子機器層を第2の冷却システムの上に取り付け、それに熱連通する工程であって、前記第2の電子機器層が電力供給モジュールのアレイを備え、前記集積回路ダイのアレイの前記集積回路ダイが、前記電力供給モジュールのアレイからの電力供給に直交する平面内で互いに電子通信する、工程と、
第2の冷却システムを第2の電子機器層の上に取り付け、それに熱連通する工程とを含む、方法。
【請求項14】
前記第1の電子機器層から前記第1の冷却システムに垂直に熱を出力する工程と、
前記第1の電子機器層から前記第2の冷却システムに垂直に熱を出力する工程と、
前記第2の電子機器層から前記第2の冷却システムに垂直に熱を出力する工程とを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の電子機器層から前記第1の電子機器層に垂直に電力を提供する工程とを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
第1の冷却システムと、
前記第1の冷却システムと熱連通する第1の電子機器層と、
前記第1の電子機器層と熱連通する第2の冷却システムと、
前記第2の冷却システムと熱連通する第2の電子機器層と、
前記第2の電子機器層と熱連通する第3の冷却システムと、
前記第3の冷却システムと熱連通する第3の電子機器層とを備え、
前記第1の電子機器層が、複数の取り付けられた集積回路ダイを備える処理電子機器層を含み、前記第1の電子機器層が、前記集積回路ダイのアレイを相互接続するための導電性材料を含み、前記第2の電子機器層が、電力供給層を含み、前記集積回路ダイのアレイの前記集積回路ダイが、前記電力供給モジュールのアレイからの電力供給に直交する平面内で互いに電子通信し、前記第3の電子機器層が、制御電子機器層を含む、コンピューティングアセンブリ。
【請求項17】
前記第1の電子機器層が有機基板パネルに対するものである、請求項16に記載のコンピューティングアセンブリ。
【請求項18】
前記第1の電子機器層がウエハファンアウトパネルに対応する、請求項16に記載のコンピューティングアセンブリ。
【請求項19】
前記第1の電子機器層が有機基板パネルとシリコンインターポーザとの組み合わせに対応する、請求項16に記載のコンピューティングアセンブリ。
【請求項20】
前記複数の取り付けられた集積回路が、集積回路ダイのアレイを備える、請求項16に記載のコンピューティングアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年8月18日に出願された「HIGH DENSITY MULTI-STAGE ARRAY BASED VERTICAL INTEGRATED POWER SOLUTION FOR DISTRIBUTED COMPUTING APPLICATION」と題する米国仮出願第63/260393号の利益を主張するものであり、その開示は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、電子アセンブリに関し、より具体的には、集積回路ダイ密度を高めるための電子アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
高性能コンピューティングシステムは、多くの用途にとって重要である。しかしながら、従来のコンピューティングシステム設計は、著しい冷却の課題に直面する可能性があり、空間を非効率的に使用する可能性があり、これは性能の低下、物理的な空間要件の増加等につながる可能性がある。
【0004】
人工知能、機械学習、及びデータマイニング等の高性能コンピューティング用途は、高いコンピューティング密度から利益を得ることができる。例えば、コンピューティングダイを互いに近くに設けることにより、特定のコンピューティング容量のために占有される物理空間を低減することができ、ダイ間の通信帯域幅及びレイテンシを改善することができる等である。システムオンウエハ(SoW)等のパッケージング技術は、ダイ間の面積を緩和しようと試みる高密度コンピューティングシステムを構築することを実現可能にした。従来、中央処理装置(CPU)の実装に対応するダイは、ネットワーク構成要素/相互接続、冷却システム等の様々な構成要素を含む何らかの形態のプリント回路基板(PCB)に統合される。そのような実装では、PCB上にダイと水平かつ同一平面上に配置される。そのような水平方向に平坦な実装は、SOW実装等において、ダイを組み合わせることができる密度を制限することが多い。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示は、或る特定の実施形態の図面を参照して本明細書で説明され、これは本開示を限定せずに例示することを意図している。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本明細書に開示された概念を例示するためのものであり、縮尺通りではない場合があることを理解されたい。
【0006】
図1】集積回路ダイアセンブリのアレイの一例と、計算負荷及び信号伝達に対して垂直に動作する電力、冷却及び制御信号とを示す概略図である。
【0007】
図2】個々のプリント回路基板上に実装され、相互接続ケーブルを使用する複数の集積回路ダイの従来技術の実装の一例を示すブロック図である。
【0008】
図3A】一実施形態によるシステムオンウエハ層を備えるコンピューティングアセンブリの斜視分解図である。
【0009】
図3B】一実施形態による集積回路ダイのアレイを備える多層コンピューティングアセンブリを示す集積コンピューティングアセンブリの分解ブロック図である。
【0010】
図3C】いくつかの実施形態によるシステムオンウエハ層を備える、図3Aに示すシステムの組立ブロック図を示す。
【0011】
図4】一実施形態による3つの冷却システム及び3つの電子機器層を有する垂直アーキテクチャの別の例示的な実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
或る特定の実施形態の以下の説明は、特定の実施形態の様々な説明を提示する。しかしながら、本明細書に説明された技術革新は、例えば、特許請求の範囲によって定義及び包含されるように、多数の異なる方法で具現化され得る。この説明では、図面を参照するが、同様の参照番号は同一又は機能的に同様の要素を示すことができる。図面に示されている要素は、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解されよう。更に、或る特定の実施形態は、図面に示されているよりも多くの要素及び/又は図面に示されている要素のサブセットを含むことができることが理解されよう。更に、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適切な組み合わせを組み込むことができる。
【0013】
コンピューティングダイが非常に近接している場合、いくつかの構成要素が垂直に配置されるようにシステムを構成することが有利であり得る。例えば、電力供給、制御回路等をダイの下に設けることができ、信号及び計算負荷がアレイ内のダイからダイへと水平に移動する間に、電力及び冷却を垂直に供給することができる。場合によっては、ダイのアレイ並びに関連する電力、制御、及び冷却ハードウェアは、コンピューティングアセンブリに組み立てることができ、コンピューティングアセンブリは、間にほとんど空間を空けずに互いに近接して(例えば、隣接して)置くことができる。いくつかの実施形態では、コンピューティングアセンブリは、コンピューティングアセンブリが互いに通信することを可能にするために高速通信インターフェースを用いて構成されてもよい。したがって、密度が重要な問題ではない、又は1つ若しくは少数のCPUダイしか存在し得ない従来のコンピューティングシステムでは、広い水平面積を有する水平電力供給又は冷却ソリューションが実行可能であり得る。更に、SoW又は他の高密度パッケージング技術を使用する場合等の高密度設定では、水平に配置されたダイに利用される従来の通信相互接続は、従来のネットワーク相互接続によって提供される制限等のより制限された帯域幅特性を有する。
【0014】
本開示は、様々な構成要素が垂直方向に配置されるシステムアーキテクチャ/アセンブリを説明する。本明細書に説明されるシステムアーキテクチャは、複数の個々のダイを組み合わせることができる少なくとも1つの電子機器層を備える高密度コンピューティングアセンブリを作成するために使用することができる。そのようなアレイ構造体は、個々のダイ間のファンアウトウエハ又は有機基板等の電子機器層の取り付け面上の面積を緩和することによって計算密度を高めるのに役立つことができる。加えて、取り付け面は、物理的相互接続に対してより高い通信帯域幅を有する取り付け面上に設けられた追加の接続部品で更に構成することができる。
1つ以上の態様によれば、本明細書で開示されるシステム、方法、及びデバイスは、多層構造体に関する。いくつかの実施形態では、個々のコンピューティングアセンブリは、第1の冷却システム、第1の電子機器層、第2の冷却システム、及び第2の電子機器層を備えることができる。第1の冷却システムは、第1の電子機器層の上に配列することができ、第1の電子機器層と熱連通することができる。第1の電子機器層アレイは、電力供給に直交する平面内で互いに電子通信する集積回路ダイのアレイを含む。第1の電子機器層は、第2の冷却システムの上に配列することができ、第2の冷却システムと熱連通することができ、第2の冷却システムは、第2の電子機器層の上に配列することができ、第2の電子機器層と熱連通することができる。第2の電子機器層は、電力供給モジュールのアレイを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの層は、システムオンウエハパッケージングを使用することができる。
【0015】
図1は、アレイ100の一例を示す。アレイ100は、複数の集積回路(IC)ダイ102を備えることができ、これについては、図3A図3C及び図4に関して個別により詳細に説明する。ダイ102は、電力及び/又は制御信号を垂直に受け取ることができる。ダイ102の個々の構成要素は、本明細書に説明されるように垂直に冷却することができる。ダイ102は、本明細書で説明するように電力の伝達及び冷却に直交する水平通信リンク314(図3A)を介して互いに通信することができる。例えば、SoW層は、1つ以上のルーティング層、例えば4、5、6、8、又は10のルーティング層を含むことができる。ルーティング層は、SoW層内のICダイ102間又は外部構成要素への信号接続性を提供することができる。例示的には、相互接続部314は、金属(例えば、銅)、光学材料等の様々な導電性材料又は導電性を有する材料であってもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、各個々のダイ102は、一般に第1の電子機器層と呼ばれるSoW層を備える垂直多層アーキテクチャに配置される。個々のSoW層は、ウエハ上に位置付けられたICダイのアレイを備えることができる。いくつかの実施形態では、ICダイは、センサダイ、メモリダイ、特定用途向け集積回路(ASIC)ダイ、中央処理装置(CPU)ダイ、グラフィック処理装置(GPU)ダイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)ダイ、及び/又は微小電気機械システム(MEMS)ダイを含むことができる。いくつかの実施形態では、ICダイは、その中に形成された再配線層(RDL)を介してSoW内で互いに通信することができる。RDL層及び/又はSoWとの他の電気接続は、例えば、ICダイ間の比較的低い通信レイテンシ、比較的高い帯域幅密度、及び/又は比較的低い配電ネットワーク(PDN)インピーダンスを有益に提供することができる。
【0017】
各アレイ100は、より大きなシステム内の複数のSoWアレイ間で通信するための接続を含むことができることも理解されたい。例えば、アレイ100は、4、8、12、16又はそれ以上のSoWアレイを含むシステムの一部であってもよく、各SoWアレイは、SoWアレイと同じ又は同様の平面に設けられたコネクタを介して互いに通信する。更に、図1は、3×3の向きに配置された9個のダイ102のアレイを示しているが、組み合わせることができる個々のダイ102の数は、4個のダイ(2×2アレイ)、16個のダイ(4×4アレイ)、25個のダイ(5×5アレイ)、36個のダイ(6×6アレイ)、49個のダイ(7×7アレイ)、及び任意の数の追加のアレイサイズを含む例示的な数に限定されない。非正方形の幾何学的形状(例えば、矩形配置)又は非幾何学的形状。
【0018】
図2は、集積回路ダイ202、204の組み合わせに対する従来技術の手法200の一例を示す。図2に示すように、各個々の回路ダイ202、204は、PCB基板上に取り付けられ、メモリ、相互接続、パワーモジュール等を含む追加の構成要素が基板によって画定されるか、又は基板に平行な共通の水平面に沿って編成されるように編成される。個々のダイ202、204は、インターコネクタ206を介してデータ接続可能であってもよい。例示的には、中央処理装置がPCBを介してコネクタと通信し、その後コネクタが相互接続部206を介して通信するような、一体型ダイ202、204間のデータの流れ。このタイプの通信は、帯域幅制約となり得る。
【0019】
図3A図3B、及び図3Cは、いくつかの実施形態によるSoW層を備える例示的なコンピューティングアセンブリ300を示す。例として、図1に例示する各ダイ102は、図3A図3Cに例示する対応するアーキテクチャを個別に有してもよい。アセンブリは、SoW層302に熱的に結合された上部コールドプレート301を備えることができる。SoW層302は、その中に配列された複数のICダイ303を有することができる。SoW層又は第1の電子機器層は、ウエハファンアウトパッケージング、有機基板パネル、シリコンインターポーザ及び有機基板等の様々な基板に対応することができる。いくつかの実施形態では、SoW層302は、ICダイ303の密度を高めるために、形状が実質的に対称(例えば、正方形又は正方形の形状)であってもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、ダイ102の配置は、メモリ構成要素又は電源構成要素等の追加の構成要素をSoW層が周辺部に備えることもできることを含む異なる配置に従って実装されてもよい。
【0020】
上述したように、ICダイ303は、本明細書で説明するように電力の伝達及び冷却に直交する水平通信リンク314を介して互いに通信することができる。例示的には、相互接続部314は、金属(例えば、銅)、光学材料等の様々な導電性材料又は導電性を有する材料であってもよい。
【0021】
ICダイ303の下方に、アセンブリは複数の電力供給モジュール304を有することができる。各ICダイは、それに関連する電力供給モジュールを有することができ、関連する電力供給モジュールに電気的に接続することができる。底部コールドプレート305は、電力供給モジュールに熱的に結合することができる。底部コールドプレート305はまた、ICダイに信号伝達及び制御機能を提供するために使用され得る制御基板306に熱的に結合され得る。制御基板は、ヒートシンク307と熱接触することができる。追加の電子機器308をヒートシンク307の下方に配置することができる。
【0022】
上部コールドプレート301は、冷却液を上部コールドプレート301に流すための入口309と、加熱された冷却液を上部コールドプレート701から除去するための出口310とを有することができる。底部コールドプレートは、液体内容物を受け入れるための冷却剤入口311と、冷却剤を底部コールドプレート305から除去するための冷却剤出口312とを有することができる。SoW層302は、SoW層302の端部に配置された通信インターフェース313を有することができる。通信インターフェース313は、SoW層302を他のアセンブリ内の隣接するSoW層に接続するために使用することができる。
【0023】
図3Cは、図3Bに示す分解組立体の組立図である。組み立てられたとき、コンピューティングアセンブリは、約1インチ~約5インチ、例えば約1インチ、約2インチ、約3インチ、約4インチ、約5インチ、又はこれらの値の間の任意の値の垂直高さHを有することができる。垂直スタック内の層の数は、必ずしも限定されない。したがって、垂直スタックの高さも必ずしも限定されない。
【0024】
図4は、複数の層を有する一体型アセンブリ400の別の例示的な実施形態を示す。図4に示すように、冷却システム401は、片面で電子機器層402に熱的に結合することができる。電子機器層402は両面とすることができ、冷却システム403と熱接触することができる。冷却システム403の底面は、両面電子機器層404の上面に熱的に結合することができる。電子機器層404の底面は、冷却システム405と熱的に結合することができる。冷却システム405の底面は、片面電子機器層406と熱連通することができる。
【0025】
上記で簡単に説明したように、高密度コンピューティングは、冷却、電力供給、信号伝達等の課題を提示する。構成要素を垂直に積み重ねることによって密度を高めることができる。構成要素の垂直スタックを効果的に冷却することは、いくつかの課題を提示する可能性がある。例えば、いくつかの構成要素は、他の構成要素よりも多い又は少ない熱を出力する可能性があり、いくつかの構成要素は、他の構成要素よりも高い又は低い温度で動作する可能性がある等である。本明細書に説明されるように、冷却ソリューションのいくつかの実施形態は、垂直に積み重ねられた構成要素を効率的に冷却するために、異なる構成要素に対する冷却要件の違いを説明することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、高密度コンピューティングシステムは、発熱電子機器の効率的な両面冷却のために、電子機器層の下、上、絡み合って、又は電子機器層の間に配置された複数の冷却システムを含むSoWアセンブリを含むことができる。そのようなアーキテクチャは、SoW層及び/又は他の電子機器層に効率的な冷却を提供するだけでなく、脆弱であり得るSoW層の機械的完全性を高めるための高レベルの機械的支持を提供することもできる。
【0027】
SoWアセンブリは、SoWアセンブリに統合又は挟持されたSoW層及び冷却システムを含むことができる。SoWアセンブリは、ICダイのアレイを備えることができる。SoWアセンブリのICダイは、動作中にかなりの熱を生成する可能性がある。冷却システムは、ICダイ及び/又はSoWアセンブリ内の他の電子部品によってSoWアセンブリ内で生成された熱を放散することができる
【0028】
本明細書に説明されるシステム及び方法は、高い計算密度及び高い通信帯域幅を有する処理システムで使用することができる。いくつかの実施形態では、処理システムは、或る特定の用途において毎秒数兆回の動作を実行することができる。いくつかの実施形態では、処理システムは、ニューラルネットワーク処理、機械学習、人工知能等のような高性能コンピューティング及び計算集約型用途で使用されるか、又はそのように特に構成されることができる。いくつかの実施形態では、処理システムは冗長性を実装することができる。例えば、処理システムは、冗長ダイ、冗長電源、冗長ストレージ、又は動作の中断を最小限に抑えるために使用することができる他のフェイルオーバーメカニズムを含むことができる。いくつかの実施形態では、処理システムは、車両のオートパイロットシステム(例えば、自動車)で使用され、他の自律型車両機能を実装し、先進運転支援システム(ADAS)機能等を実装することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、冷却器及び電子部品の交互の層を積層して垂直構造体を形成することができる。いくつかの実施形態では、構成要素は、片側(例えば、上部又は底部から)又は両側(例えば、上部及び底部)から冷却することができる。いくつかの実施形態では、冷却器は、冷却器の片側(例えば、上部若しくは底部)又は両側に構成要素を有することができる。いくつかの実施形態では、電子機器層は、介在する冷却システムなしで別の電子機器層に隣接することができる。いくつかの実施形態では、冷却システムは、介在する電子機器層なしで別の冷却システムに隣接することができる。更に、集積回路ダイのアレイへの電力は、第2の電子機器層内の個々の電源と第1の電子機器層内の個々の集積回路ダイとの間の相互接続に基づいて垂直軸に沿って提供することができる。
【0030】
積層構造は、冷却のための特定の課題を提示する可能性がある。例えば、液体冷却のための入口及び出口は、アクセスが困難である可能性があり、特に積層構造が互いに隣接して置かれている場合には、冷却ソリューションの側面に管、ホース等を送るための空間がないため、構成の可能性が限られる可能性がある。したがって、好ましくは、入口及び出口は、垂直方向の冷却剤の供給及び戻りを提供するように構成される。いくつかの実施形態では、垂直スタック内の層のサイズ(すなわち、水平寸法)は、層ごとに異なり得る。いくつかの実施形態では、層の水平方向のサイズは、他の層用の冷却ラインによって占有される空間、1つのコンピューティングアセンブリを隣接するコンピューティングアセンブリに接続するための電気コネクタによって占有される空間等のために制限され得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、冷却ソリューションは、1つ以上のファンを備えることができる。例えば、冷却ソリューションは、垂直スタックの上部及び/又は底部に配置された1つ以上のファンを備えることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のファンを垂直スタック内に配置することができる。いくつかの実施形態では、垂直スタックは、1つ以上のファンを備えることができるハウジング又はシャーシ(例えば、コンピュータエンクロージャ、ラックマウント型エンクロージャ等)に設置することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される冷却システムは、比較的高い熱膨張係数(CTE)を有する材料を含むことができる。例えば、冷却システムは、銅(Cu)及び/又はアルミニウム(Al)を含むことができる。いくつかの実施形態では、冷却システムは、約10ppm/℃~約20ppm/℃の範囲のCTEを有する材料を含むことができる。例えば、冷却システムは、約17ppm/℃のCTEを有する銅を含むことができる。いくつかの実施形態では、SoW層はシリコン(Si)ウエハを備えることができる。いくつかの実施形態では、SoW層は、約1ppm/℃~約10ppm/℃の範囲のCTEを有する材料を含むことができる。例えば、シリコンは、約2.6ppm/℃のCTEを有することができる。いくつかの実施形態では、冷却システムのCTEは、SoW層のCTEよりも約2~約7倍大きくすることができる。
【0033】
少なくとも部分的には、スタック内の構成要素の異なる熱膨張に起因して生じ得る熱応力のために、構成要素は早期故障を起こしやすい可能性がある。したがって、不均一な熱膨張による過度の応力を回避する温度範囲内に構成要素が維持されることを確実にすることが重要であり得る。いくつかの実施形態では、スタック内の構成要素の慎重な位置合わせは、熱応力のいくつかの影響を緩和するのに役立ち得る。例えば、ダイ上の任意の応力が均一に(例えば、実質的に均一に)加えられるように、ICダイに対して冷却器をセンタリングすることができる。
【0034】
望ましい電力、熱及び接続性能を得るためには、SoW層及び冷却システムを比較的高い精度で位置合わせすることが有益であり得る。例えば、SoW層の基準点(例えば、中心点)が冷却システムの基準点(例えば、中心点)と位置合わせするように、SoW層と冷却システムとを位置合わせすることが有益であり得る。いくつかの実施形態では、SoW層及び冷却システムを位置合わせするために使用することができる複数の位置合わせマーカがあってもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、垂直スタック内の異なる電子部品は、温度センサを備えることができる。例えば、ICダイは1つ以上の温度センサを有することができ、VRM等の電力供給ハードウェアは1つ以上の温度センサを有することができ、制御回路は1つ以上の温度センサ等を有することができる。いくつかの実施形態では、複数のセンサからの温度データは、様々なレベルで一緒に集約されてもよい。いくつかの実施形態では、ファン速度の変更、冷却剤流量の増減等の集約データは、冷却を調整するために使用することができる。いくつかの実施形態では、特定のICダイ上の全ての温度センサを集約することができる。いくつかの実施形態では、全てのICダイ内の全ての温度センサを集約することができる。いくつかの実施形態では、電力供給構成要素上の全ての温度センサを集約することができる。いくつかの実施形態では、コンピューティングアセンブリ内の全ての温度センサを集約することができる。いくつかの実施形態では、複数のコンピューティングアセンブリを備えるより大きなキャビネット又は構造内の全ての温度センサを集約することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、剛性及び機械的強度をシステムに組み込むことができる。いくつかの実施形態では、機械的補強は、代替的又は追加的に、図4Aに示す支持層414等の支持層によってもたらすことができる。支持層414は、金属、プラスチック、セラミック等の剛性材料で作られた構造とすることができる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
【国際調査報告】