IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アナリティクス フォー ライフ インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-532151アドオンモジュールを使用する医学的評価システム及び方法
<>
  • 特表-アドオンモジュールを使用する医学的評価システム及び方法 図1A
  • 特表-アドオンモジュールを使用する医学的評価システム及び方法 図1B
  • 特表-アドオンモジュールを使用する医学的評価システム及び方法 図2
  • 特表-アドオンモジュールを使用する医学的評価システム及び方法 図3
  • 特表-アドオンモジュールを使用する医学的評価システム及び方法 図4
  • 特表-アドオンモジュールを使用する医学的評価システム及び方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】アドオンモジュールを使用する医学的評価システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20240829BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509368
(86)(22)【出願日】2022-08-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 IB2022057802
(87)【国際公開番号】W WO2023021478
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/234,772
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099409
【氏名又は名称】アナリティクス フォー ライフ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】シャドフォース, イアン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥームラ, アビナブ
(72)【発明者】
【氏名】フセイン, アリ
(72)【発明者】
【氏名】ファム, チャーリー
(72)【発明者】
【氏名】ユワラジ, ムルガタス
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ, ジャン ファン
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
信号キャプチャデバイス又はレコーダデバイスによって患者から取得された複数の生物物理学的信号を含む信号ファイルを受信するシステムが、提供される。生物物理学的信号は、信号キャプチャデバイスの1つ以上のセンサ又はプローブから測定される。システムは、患者の健康に関連する情報を生成するように各々が構成されている1つ以上のアドオンモジュールを実行する。そのような情報は、いくつかの実施形態では、患者が特定の医学的状態を有する、及び/又は発症する確率を表すスコアを含み得る。各アドオンモジュールに対する信号ファイルから患者に対して生成された情報は、ヘルスケア提供者に提供され、医学的状態のうちの1つ以上に関して患者を診断する際に、ヘルスケ提供者を支援するために使用され得る。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医学的評価システムであって、
ベースシステムと、
1つ以上のアドオンモジュールであって、各アドオンモジュールが、複数の状態のうちの異なる状態に関連付けられている、アドオンモジュールと、を備え、
前記ベースシステムが、
患者から取得された複数の信号を含む信号ファイルを受信することと、
前記1つ以上のアドオンモジュールのうちの少なくとも1つのアドオンモジュールに、前記信号ファイルを提供することと、
前記少なくとも1つのアドオンモジュールからスコアを受信することであって、前記スコアが、前記患者の健康に関連する、受信することと、
前記受信されたスコアを含むレポートを生成することと、
前記生成されたレポートを提供することと、を含む、1つ以上の動作を実施するように適合されている、医学的評価システム。
【請求項2】
前記ベースシステムが、分析エンジンを備える、請求項1に記載の医学的評価システム。
【請求項3】
前記分析エンジンが、品質及び他のメトリックについて、前記信号ファイルを分析する、請求項2に記載の医学的評価システム。
【請求項4】
前記スコアは、前記患者が、前記少なくとも1つのアドオンモジュールに関連付けられた状態を有する確率又は尤度を表す、請求項1~3のいずれか一項に記載の医学的評価システム。
【請求項5】
各アドオンモジュールが、
前記ベースシステムから前記信号ファイルを受信することと、
前記信号ファイルから特徴のうちの1つ以上を抽出することと、
前記抽出された1つ以上の特徴の前記特徴のうちの少なくとも1つと、前記スコアを生成するように訓練されたモデルと、を使用して、前記スコアを生成することと、
前記ベースシステムに、前記生成されたスコアを提供することと、を行うように適合されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の医学的評価システム。
【請求項6】
前記モデルが、線形モデル、決定木モデル、ランダムフォレストモデル、サポートベクトルマシンモデル、ニューラルネットワークモデル、ディープニューラルネットワークモデル、畳み込みニューラルネットワークモデル、敵対ニューラルネットワークモデル、及び遺伝的アルゴリズムモデルのうちの1つ以上を含む、請求項5に記載の医学的評価システム。
【請求項7】
前記複数の信号が、生物物理学的信号を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の医学的評価システム。
【請求項8】
前記複数の信号が、弾道信号及び音響信号のうちの1つ以上を含む、請求項7に記載の医学的評価システム。
【請求項9】
前記生物物理学的信号が、1つ以上の生体電位信号及び1つ以上のフォトプレチスモグラフィ信号を含む、請求項7に記載の医学的評価システム。
【請求項10】
前記生物物理学的信号が、弾道信号及び音響信号のうちの1つ以上を含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の医学的評価システム。
【請求項11】
前記ベースシステムが、
前記複数の信号の品質査定を実行することと、
前記複数の信号が前記品質査定で不合格になる場合、新しい信号ファイルを要求することと、を行うように更に適合されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の医学的評価システム。
【請求項12】
前記信号ファイルが、医療デバイスから受信される、請求項1~11のいずれか一項に記載の医学的評価システム。
【請求項13】
前記ベースシステムが、クラウドコンピューティングデバイスの一部である、請求項1~12のいずれか一項に記載の医学的評価システム。
【請求項14】
前記ベースシステムが、規制当局による販売承認を得ており、前記アドオンモジュールのうちの少なくとも1つは、前記システムが、規制機関又は団体による販売許可を与えられた後に、受け取られる、請求項1~13のいずれか一項に記載の医学的評価システム。
【請求項15】
前記ベースシステムが、
アドオンモジュールのサブセットの各アドオンモジュールに、前記信号ファイルを提供することと、
各アドオンモジュールからスコアを受信することと、
各受信されたスコアを含む前記レポートを生成することと、を行うように更に適合されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の医学的評価システム。
【請求項16】
前記ベースシステムが、
前記1つ以上のアドオンモジュールのサブセットの選択を受信することと、
前記サブセットの各アドオンモジュールに、前記信号ファイルを提供することと、
前記サブセットの各アドオンモジュールからスコアを受信することと、
各受信されたスコアを含む前記レポートを生成することと、を行うように更に適合されている、請求項1~15のいずれか一項に記載の医学的評価システム。
【請求項17】
前記ベースシステムが、前記サブセット内の各アドオンモジュールの前記スコアを取得するために、そのユーザに料金を請求するように更に適合されている、請求項1~16のいずれか一項に記載の医学的評価システム。
【請求項18】
前記ベースシステムが、いかなるソフトウェア、ファームウェア、又はそれらのドキュメンテーションへのいかなる変更も伴わずに、前記動作を実施する、請求項1~17のいずれか一項に記載の医学的評価システム。
【請求項19】
方法であって、
デバイスから、コンピューティングシステムによって、信号ファイルを受信することであって、前記信号ファイルが、前記デバイスに関連付けられている複数のセンサを使用して患者から取得された複数の信号を含む、受信することと、
前記コンピューティングシステムによって、前記信号ファイルから1つ以上の特徴を抽出することと、
前記複数の特徴の前記特徴のうちの少なくともいくつかを使用して、状態に関してスコアを出力するように訓練されたモデルを選択することと、
前記コンピューティングシステムによって前記抽出された1つ以上の特徴の前記特徴のうちの少なくともいくつかを使用して、スコアを生成することであって、前記スコアが、前記患者の健康に関連する、生成することと、
前記コンピューティングシステムによって、前記デバイスに、前記生成されたスコアを提供することと、を含む、方法。
【請求項20】
前記スコアは、前記患者が前記状態又は疾患を有する確率又は尤度を表す、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記複数の信号が、生物物理学的信号を含む、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の信号が、弾道信号及び/又は音響信号のうちの1つ以上を含む、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項23】
前記生物物理学的信号が、1つ以上の生体電位信号及び/又は1つ以上のフォトプレチスモグラフィ信号を含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記生物物理学的信号が、弾道信号及び/又は音響信号のうちの1つ以上を含む、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記複数の信号の品質査定を実行することと、
前記複数の信号が前記品質査定で不合格になる場合、前記デバイスに新しい信号ファイルを要求することと、を更に含む、請求項19~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記デバイスが、医療デバイスを備える、請求項19~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記モデルが、線形モデル、決定木モデル、ランダムフォレストモデル、サポートベクトルマシンモデル、及びニューラルネットワークモデル、ディープニューラルネットワークモデル、畳み込みニューラルネットワークモデル、敵対ニューラルネットワークモデル、及び遺伝的アルゴリズムモデルのうちの1つ以上を含む、請求項19~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
請求項1~18のいずれか一項に記載の1つ以上の工程又は特徴を更に含む、請求項19~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
医学的評価システムであって、
信号キャプチャデバイスであって、
患者から複数の信号をキャプチャすること、及び
前記複数の信号を含む信号ファイルを生成すること、を行うように適合されている、信号キャプチャデバイスと、
ベースシステムと、
1つ以上のアドオンモジュールであって、各アドオンモジュールが、複数の状態のうちの異なる状態に関連付けられている、アドオンモジュールと、を備え、前記ベースシステムが、
前記信号ファイルの前記複数の信号の品質査定を実行することと、
前記1つ以上のアドオンモジュールのうちの少なくとも1つのアドオンモジュールに、前記信号ファイルを提供することと、
前記少なくとも1つのアドオンモジュールからスコアを受信することであって、前記スコアが、前記患者の健康に関連する、受信することと、
前記受信されたスコア、及び前記信号ファイルに関する情報を含む、レポートを生成することと、
前記生成されたレポートを提供することと、を含む、1つ以上の動作を実施するように適合されている、医学的評価システム。
【請求項30】
前記ベースシステムが、分析エンジンを備える、請求項29に記載の医学的評価システム。
【請求項31】
前記分析エンジンが、品質及び他のメトリックについて、前記信号ファイルを分析する、請求項29又は30に記載の医学的評価システム。
【請求項32】
前記スコアは、前記患者が、前記少なくとも1つのアドオンモジュールに関連付けられた状態を有する確率又は尤度を表す、請求項29~31のいずれか一項に記載の医学的評価システム。
【請求項33】
方法であって、
信号キャプチャデバイスによって、患者に関連する複数の信号を受信することと、
前記信号キャプチャデバイスによって、前記複数の信号を含む信号ファイルを生成することと、
分析エンジンによって、前記信号ファイルの前記複数の信号の品質査定を実行することと、
前記分析エンジンによって、前記1つ以上のアドオンモジュールのうちの少なくとも1つのアドオンモジュールに、前記信号ファイルを提供することと、
前記少なくとも1つのアドオンモジュールからスコアを受信することであって、前記スコアは、前記患者が、前記少なくとも1つのアドオンモジュールに関連付けられた状態を有する確率を表す、受信することと、
前記受信されたスコア、及び前記信号ファイルに関する情報を含む、レポートを生成することと、
前記生成されたレポートを提供することと、を含む、方法。
【請求項34】
方法であって、
患者に関連する複数の信号を受信することと、
前記複数の信号を含む信号ファイルを生成することと、
前記信号ファイルの前記複数の信号の品質査定を実行することと、
前記患者が状態を有する確率を表すスコアを生成することと、
前記受信されたスコア、及び前記信号ファイルに関する情報を含む、レポートを生成することと、
前記生成されたレポートを提供することと、を含む、方法。
【請求項35】
請求項1~18のいずれか一項に記載の1つ以上の工程又は特徴を更に含む、請求項33又は34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本PCT出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年8月19日に出願された、「MEDICAL EVALUATION SYSTEMS AND METHODS USING ADD-ON MODULES」と題する米国仮特許出願第63/234,772号の優先権及び利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
医療デバイス、診断製品及びサービスなどの規制対象製品の設計、開発、製造、マーケティング、及び販売は、他の分野では見られない課題を伴う。これらの業界のあらゆる面で重要な精査が、規制当局によって行われ、製造業者、販売代理店、販売業者、及びヘルスケア専門家のユーザが、他の業界では見られない法律、規制、及び他の基準の気の遠くなるような迷路に従うことを要求する。厳格な設計管理及び品質システム、臨床及びベンチテスト、苦情処理、市販後監視、及び他の要件を、そのような製品及びサービスを販売するための規制当局の認可を得ることに加えて、遵守しなければならない。これら及び他の理由から、新しい医療デバイス又は診断製品/サービスを開発して市場に投入するための時間及びコストは、膨大になる可能性がある。輸送、食品、医薬品、一部の消費者製品などの他の業界も、ある程度これらの負担を負っている。
【0003】
これらの課題を考慮に入れた設計及び開発パラダイムは、それらの悪影響の多くを軽減することができる。特に、設計を簡素化及び改善し、開発及び試験サイクルを合理化及び短縮し、品質システムへの影響を低減し、管理及びドキュメンテーションの作業負荷を軽減するアプローチは、より高い信頼性、セキュリティ、透明性、保守性、より低いコストなどを有する製品をもたらすことができる。そして、医療デバイス並びに診断製品及びサービスの場合、そのようなアプローチは、最終的には、規制クリアランスサイクルの短縮、市場投入までの時間の短縮、及びより良好でより効率的な医療成果をもたらすことができる。医学的評価システムの文脈でそのようなアプローチを例示するシステム及び方法が、本明細書において説明される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(任意選択的に信号キャプチャデバイス又はレコーダデバイスを含み得る)ベースシステム、及び他の実施形態では1つ以上のアドオンモジュール、を含む、モジュール式医学的評価システムが、提供される。医学的評価システムは、患者から取得された生物物理学的信号を含む信号ファイルを受信する。生物物理学的信号は、いくつかの実施形態では、信号キャプチャデバイス又はレコーダデバイスに通信可能に(及びいくつかの実施形態では物理的に)接続されている複数のセンサ又はプローブから非侵襲的に取得される。他の実施形態では、低侵襲性又は侵襲性のセンサ又はプローブが、利用され得る。評価システムはまた、ベースシステムのソフトウェア、ファームウェア、及びハードウェア(並びにそれらのドキュメンテーション)へのいかなる変更又はいかなる実質的な変更も伴わずに、ベースシステムに関連して動作し、例えば、患者の生物物理学的信号に関連する情報及び/又は病状などの患者の特定の状態に関連する情報を含む、患者の健康に関連する情報を生成するように各々が構成されている、1つ以上のアドオンモジュールを含むことができる。いくつかの実施形態では、この情報は、とりわけ、患者が1つ以上の特定の医学的状態を有するか、又は発症する確率を表すスコア及び/又は他の指標(複数可)を含むことができる。この情報は、医師又は他のヘルスケア提供者に提供され、健康を査定し、及び/又は医学的状態のうちの1つ以上に関して患者を診断し、治療法を決定するなどに使用され得る。いくつかの実施形態では、信号キャプチャデバイス又はレコーダデバイスは、医学的評価システムの一部、例えば、医学的評価システムのベースシステム構成要素の一部と見なされ、他の実施形態では、信号キャプチャデバイス又はレコーダデバイスは、医学的評価システムから分離される。同様に、本開示のいくつかの実施形態では、医学的評価システムは、1つ以上のアドオンモジュールを含まないが、1つ以上のアドオンモジュールとインターフェースすることができる(信号キャプチャデバイス又はレコーダデバイスを有するか、又は有しない)ベースシステムを単純に備える。1つ以上のアドオンモジュールと比較して、ベースシステムの独立性及び互換性は、本明細書に開示されるような様々な利点を可能にする。したがって、本開示の様々な実施形態は、アドオンモジュールを有しないベースシステム単独から、1つ又は任意の数のアドオンモジュールと組み合わせたベースシステムまでの範囲に及び得る。
【0005】
医学的評価システムのモジュール化された性質のため、その機能をカスタマイズすることができる。例えば、システムの機能は、例えば、他の状態又は病状に関連付けられた他のアドオンモジュールを含むことによって、増加させることができる。心臓血管系の文脈では、冠動脈疾患、様々な形態の心不全、不整脈、高血圧などに関連するアドオンモジュールをシステムに含めることができる。システムの他の構成は、心臓血管系及び呼吸器系の両方に関係する様々な形態の肺高血圧などの疾患の場合など、関連する生理学系に特有のアドオンモジュールを含むことができる。神経系、内分泌系、消化器系、免疫系、筋骨格系などの他の生理学系は、単独で又は組み合わせて、意図された目的のために最適化されている任意の数(例えば、1~10個以上)のアドオンモジュールを有するシステム構成を要求することができる。アドオンモジュールは、特定の病状に関連する情報(例えば、患者が冠動脈疾患を有するか又は有しない尤度又は確率を示すスコア)だけでなく、患者の体の状態又は機能に関連する情報(例えば、患者が、上昇した又は上昇していない左心室拡張末期圧レベル、駆出率の指標、リズムメトリック、弁機能、閉塞された冠動脈のパーセンテージなどを有する尤度又は確率を示すスコア)も提供することができる。様々なアドオンモジュールは、それらの目的を達成するために、必要に応じて、収集された生物物理学的信号の一部又は全てを使用し得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、各アドオンモジュールは、本明細書において説明されるシステムの他の構成要素(例えば、ベースシステム及び/又は信号キャプチャデバイス)によって最初に分析され、処理され、及び記憶された同じ信号ファイルを使用する。いくつかの実施形態では、ベースシステム及び/又は信号キャプチャデバイスは、どのアドオンモジュールが利用されるかに関係なく、一般に同じままであるハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェア(並びに関連するドキュメンテーション)を含む。これらの要因は、別様に可能であるよりも効率的かつ迅速な開発、ドキュメンテーション、規制審査サイクル、及び市場投入までの時間に貢献する。システムの実施形態のモジュール式アーキテクチャは、設計を簡素化し、一般的に改善し、開発サイクルを簡素化及び短縮し、品質システムの影響、管理及びドキュメンテーションの作業負荷を低減し、改善された信頼性、セキュリティ及びプライバシー、透明性、保守性などを製品にもたらすことができる。例えば、1つ以上の追加のアドオンモジュール、又は全く新しいアドオンモジュールさえも含むように、本明細書で考察されるような医学的評価システムを拡張することは、一般に、ベースシステムのソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェア、並びにそれらのドキュメンテーションに対する修正を必要としない。ベースシステム及びアドオンモジュールの各々に組み込まれている通信構成要素及びプロトコルは、アドオンモジュールが変更されると、ベースシステム及び/又はキャプチャデバイスのソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアへのいかなる変更も、この場合もやはり伴わずに、データ、コマンド、及びシステムの他の動作態様のシームレスかつセキュアな移転を提供する。いくつかの実施形態では、異なるアドオンモジュールの様々な組み合わせでの追加は、それらが、ベースシステム及び/又は任意のキャプチャデバイス(含まれている場合)で動作することを確実にするために、修正又は新しい構成ファイルを必要とし得る。他の実施形態では、異なるアドオンモジュールの様々な組み合わせでの追加は、そのような構成ファイルに対する修正を必要としない場合がある。更に他の実施形態では、構成ファイルは必要でない。
【0007】
規制の文脈では、特に、審査及び認可のサイクルを、システムのモジュール式構成のこれらの態様によって、改善、簡素化、及び短縮することができる。例えば、医学的評価システムの構成は、キャプチャデバイス、ベースシステム、及び1つのアドオンモジュールを備え得る。各構成要素は、規制の目的で、独立して査定及び審査され得、次いで、システム全体が(すなわち、全ての構成要素をまとめて)同様に審査され得る。しかしながら、そのような構成が規制当局によって認可されると、同じベースシステム及び/又はキャプチャデバイスを有するが、例えば、1つ以上の新しいアドオンモジュールを(評価システムの以前に認可された構成内に存在するアドオンモジュールを伴って、又は伴わずに)有する後続の構成は、システムの残りが、以前に承認された医学的評価システムと同一又は類似している(例えば、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェア、並びにそれらに付属するドキュメンテーションへのいかなる変更も伴わずに、又はいかなる実質的な変更も伴わずに)という事実により、規制者が、新しいアドオンモジュール(複数可)、それらがベースシステム及び/又はキャプチャデバイスとどのように連携するか、及び新しいシステムの安全性及び有効性に対するそれらの影響に焦点を当てることができるため、より便宜的に審査することができる。これにより、本明細書において説明される他の利点は言うまでもなく、規制クリアランスに関連付けられる時間及びコストの両方が節約され、新しいアドオンモジュール(複数可)を備えたシステムによって提供される機能の範囲の改善及び/又は増加から、患者が、より迅速に利益を得ることが可能になる。
【0008】
一実施形態では、医学的評価システムが、提供される。システムは、ベースシステムと、1つ以上のアドオンモジュールと、を含む。各アドオンモジュールは、複数の状態のうちの異なる状態に関連付けられる。ベースシステムは、患者から取得された複数の信号を含む信号ファイルを受信することと、1つ以上のアドオンモジュールのうちの少なくとも1つのアドオンモジュールに、信号ファイルを提供することと、少なくとも1つのアドオンモジュールからスコアを受信することであって、スコアが患者の健康に関連する、受信することと、受信されたスコアを含むレポートを生成することと、生成されたレポートを提供することと、を含む、1つ以上の動作を実施するように適合される。
【0009】
実施形態は、以下の特徴の一部又は全てを含み得る。ベースシステムは、分析エンジンを含み得る。分析エンジンは、品質及び他のメトリックについて、信号ファイルを分析し得る。スコアは、患者が、少なくとも1つのアドオンモジュールに関連付けられた状態を有する確率又は尤度を表し得る。各アドオンモジュールは、ベースシステムから信号ファイルを受信することと、信号ファイルから1つ以上の特徴を抽出することと、抽出された1つ以上の特徴の特徴のうちの少なくとも1つ、及びスコアを生成するように訓練されたモデルを使用して、スコアを生成することと、ベースシステムに、生成されたスコアを提供することと、を行うように適合され得る。モデルは、線形モデル、決定木モデル、ランダムフォレストモデル、サポートベクトルマシンモデル、ニューラルネットワークモデル、ディープニューラルネットワークモデル、畳み込みニューラルネットワークモデル、敵対ニューラルネットワークモデル、及び遺伝的アルゴリズムモデルのうちの1つ以上を含み得る。複数の信号は、生物物理学的信号を含み得る。複数の信号は、1つ以上の弾道信号及び音響信号を含み得る。生物物理学的信号は、1つ以上の生体電位信号及び1つ以上のフォトプレチスモグラフィ信号を含み得る。生物物理学的信号は、弾道信号及び音響信号のうちの1つ以上を含み得る。ベースシステムは、複数の信号の品質査定を実行することと、複数の信号が品質査定で不合格になる場合、新しい信号ファイルを要求することと、を行うように更に適合され得る。信号ファイルは、医療デバイスから受信され得る。ベースシステムは、クラウドコンピューティングデバイスの一部であり得る。ベースシステムは、規制当局による販売承認を得ることができ、アドオンモジュールのうちの少なくとも1つは、システムが規制機関又は団体による販売許可を与えられた後に、受け取ることができる。ベースシステムは、アドオンモジュールのサブセットの各アドオンモジュールに、信号ファイルを提供することと、各アドオンモジュールからスコアを受信することと、各受信されたスコアを含むレポートを生成することと、を行うように更に適合され得る。ベースシステムは、1つ以上のアドオンモジュールのサブセットの選択を受信することと、サブセットの各アドオンモジュールに、信号ファイルを提供することと、サブセットの各アドオンモジュールからスコアを受信することと、各受信されたスコアを含むレポートを生成することと、を行うように更に適合され得る。ベースシステムは、サブセット内の各アドオンモジュールのスコアを取得するために、そのユーザに料金を請求するように更に適合され得る。ベースシステムは、いかなるソフトウェア、ファームウェア、又はそれらのドキュメンテーションへのいかなる変更も伴わずに、動作を実施し得る。
【0010】
一実施形態では、方法が、提供される。方法は、デバイスから、コンピューティングシステムによって、信号ファイルを受信することであって、信号ファイルが、デバイスに関連付けられている複数のセンサを使用して、患者から得られた複数の信号を含む、受信することと、コンピューティングシステムによって、信号ファイルから1つ以上の特徴を抽出することと、複数の特徴の特徴のうちの少なくともいくつかを使用して、状態に関してスコアを出力するように訓練されたモデルを選択することと、コンピューティングシステムによって、抽出された1つ以上の特徴の特徴のうちの少なくともいくつかを使用して、スコアを生成することであって、スコアが、患者の健康に関連する、生成することと、コンピューティングシステムによって、デバイスに、生成されたスコアを提供することと、を含む。
【0011】
実施形態は、以下の特徴の一部又は全てを含み得る。スコアは、患者が状態又は疾患を有する、確率又は尤度を表し得る。複数の信号は、生物物理学的信号を含み得る。複数の信号は、弾道信号及び/又は音響信号のうちの1つ以上を含み得る。生物物理学的信号は、1つ以上の生体電位信号及び/又は1つ以上のフォトプレチスモグラフィ信号を含み得る。生物物理学的信号は、弾道信号及び/又は音響信号のうちの1つ以上を含み得る。方法は、複数の信号の品質査定を実行することと、複数の信号が品質査定で不合格になる場合、デバイスに新しい信号ファイルを要求することと、を更に含み得る。デバイスは、医療デバイスを含み得る。モデルは、線形モデル、決定木モデル、ランダムフォレストモデル、サポートベクトルマシンモデル、及びニューラルネットワークモデル、ディープニューラルネットワークモデル、畳み込みニューラルネットワークモデル、敵対ニューラルネットワークモデル、及び遺伝的アルゴリズムモデルのうちの1つ以上を含み得る。
【0012】
一実施形態では、医学的評価システム。医学的評価システムは、信号キャプチャデバイス、ベースシステム、及び1つ以上のアドオンモジュールを含む。信号キャプチャデバイスは、患者から複数の信号をキャプチャすることと、複数の信号を含む信号ファイルを生成することと、を行うように適合される。各アドオンモジュールは、複数の状態のうちの異なる状態に関連付けられる。ベースシステムは、信号ファイルの複数の信号の品質査定を実行することと、1つ以上のアドオンモジュールのうちの少なくとも1つのアドオンモジュールに、信号ファイルを提供することと、少なくとも1つのアドオンモジュールからスコアを受信することであって、スコアが患者の健康に関連する、受信することと、受信されたスコア、及び信号ファイルに関する情報を含む、レポートを生成することと、生成されたレポートを提供することと、を含む、1つ以上の動作を実施するように適合される。
【0013】
実施形態は、以下の特徴の一部又は全てを含み得る。ベースシステムは、分析エンジンを備える。分析エンジンは、品質及び他のメトリックについて、信号ファイルを分析し得る。スコアは、患者が、少なくとも1つのアドオンモジュールに関連付けられた状態を有する、確率又は尤度を表し得る。
【0014】
一実施形態では、方法が、提供される。方法は、信号キャプチャデバイスによって、患者に関連する複数の信号を受信することと、信号キャプチャデバイスによって、複数の信号を含む信号ファイルを生成することと、分析エンジンによって、信号ファイルの複数の信号の品質査定を実行することと、分析エンジンによって、1つ以上のアドオンモジュールのうちの少なくとも1つのアドオンモジュールに、信号ファイルを提供することと、少なくとも1つのアドオンモジュールからスコアを受信することであって、スコアは、患者が、少なくとも1つのアドオンモジュールに関連付けられた状態を有する確率を表す、受信することと、受信されたスコア、及び信号ファイルに関する情報を含む、レポートを生成することと、生成されたレポートを提供することと、を含む。
【0015】
一実施形態では、方法が、提供される。方法は、患者に関連する複数の信号を受信することと、複数の信号を含む信号ファイルを生成することと、信号ファイルの複数の信号の品質査定を実行することと、患者が状態を有する確率を表すスコアを生成することと、受信されたスコア、及び信号ファイルに関する情報を含む、レポートを生成することと、生成されたレポートを提供することと、を含む。
【0016】
本発明の追加の利点は、一部が以下の説明に記載され、一部は、説明から明白であるか、又は本発明の実施により学ぶことができる。本発明の利点は、添付の特許請求の範囲に特に指摘される要素及び組み合わせにより実現され、達せられるであろう。前述の概要及び以下の発明を実施するための形態の両方は、単に例示的及び説明的であり、特許請求される本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0017】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図は、モジュール式医学的評価システム及び方法を例解する。説明とともに、図面は、本明細書において説明されるシステム及び方法の原理を説明する役割を更に果たし、それにより、当業者が、モジュール式医学的評価システム及び方法を作成及び使用することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】患者から取得された信号及び他の患者データに基づいて、モジュール式医学的評価システムを介してレポートを生成するための例示的な環境である。
図1B】患者から取得された信号及び他の患者データに基づいてレポートを生成する医学的評価システムの実施形態を含む、ベースシステム及び任意の数のアドオンモジュールの例示的な構成要素の例解である。
図2】例示的な医学的評価システムの1つ以上の構成要素の例解である。
図3】受信された信号ファイルに基づいて、1つ以上の状態のスコアを含むレポートを生成するための方法の例解である。
図4】アドオンモジュールによってスコアを生成するための方法の例解である。
図5】本明細書に開示される例示的な実施形態及び態様が実装され得る例示的なコンピューティング環境を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、添付の図を参照して、医学的評価システム及び方法の実施形態に詳細に言及する。異なる図面における同じ参照番号は、同じ又は類似の要素を識別し得る。
【0020】
図1A及び図1Bは、患者から取得された信号及び他の患者データに基づいて、本明細書において説明される1つ以上のレポート145を生成するための例示的な環境1000(及びそれぞれ、その一部分)を示す。示されるように、環境1000は、提供者101、患者又は対象102、及びネットワーク190を介して通信する医学的評価システム100を含む。いくつかの実施形態では、医学的評価システム100は、ベースシステム110だけを備える。他の実施形態では、医学的評価システム100は、ベースシステム110を、1つ以上のアドオンモジュール130(例えば、アドオンモジュール130a、130b、及び130n)とともに備える。評価システム100は、ハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェア構成要素の組み合わせであり得る。本開示の目的のために、「患者」としての要素102への言及は、患者及び/又は臨床研究若しくは試験の対象を意味する。
【0021】
環境1000は、例えば、1つの地理的位置に、又は冗長性、信頼性、セキュリティ、最適なサービス及び遂行時間、コストなどのために複数の地理的位置に存在するクラウドベースのサーバ環境などの特定の動作環境を含むことができる。環境1000はまた、例えば、特定の管轄制度、例えば、米国、カナダ、欧州連合(又はその中の任意の国)、中国、日本などを含むことができ、それらの各々内には、特定の又は独自の規制、運用、セキュリティ、及び/又はマーケティングパラダイムが、存在し得る。
【0022】
ネットワーク190は、インターネット、携帯電話ネットワーク、無線ネットワークなどのプライベートネットワーク及びパブリックネットワークの組み合わせを含み得る。
【0023】
図1Aにはただ1人の提供者101、ただ1人の患者102、及びただ1つの医学的評価システム100が示されているが、それは単に例解を目的とするものであり、評価システム100の所与の例では、環境1000内に複数の提供者101(そしてその結果、その各々が1人以上の患者102を担当し得る)及び評価システム100が、様々な組み合わせで存在し得ることが企図される。他の実施形態は、複数の環境を含む。
【0024】
評価システム100の各実施形態は、その運用能力において、1人又は任意の数の患者を扱うように構成され得る。更に、評価システム100は、運用、規制、マーケティング、コスト、及び他の考慮事項が要求するように複製及び/又はカスタマイズされ得る。
【0025】
評価システム100は、患者102の生物物理学的信号を受信及び処理することができる。いくつかの実施形態では、評価システム100は、再利用可能であり得る信号キャプチャデバイス又はレコーダデバイス(図示せず)を含む。他の実施形態では、評価システム100は、信号キャプチャデバイス又はレコーダデバイスを含まない。評価システム100は、信号キャプチャデバイスから、1つ以上のセンサから直接、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、衣類)から、又は例えば、ポータブル記憶デバイス上に常駐するファイルから、ネットワーク化された記憶デバイスを介して(例えば、患者102の電子医療記録に存在するデータ)などの他の手段を介して、生物物理学的信号を受信し得る。
【0026】
使用方法では、評価システム100の構成要素は、提供者101を介して、例えば、信号キャプチャデバイス又はレコーダデバイス(図示せず)から患者102の信号ファイル105を受信し得る。提供者101は、医師、看護師、又は医療技術者などのヘルスケア提供者であり得る。いくつかの実施形態では、家族、友人、又は患者自身でさえ、提供者101の代わりになることができる。いくつかの実施形態では、信号ファイル105は、いくつかの実施形態の患者固有のデータ又はメタデータとともに、単一の、又は様々な組み合わせの複数のプローブ若しくはセンサを介して、患者102から信号データ(例えば、生物物理学的信号)を取得する、上で説明される信号キャプチャデバイス又はレコーダデバイスによって生成され得る。実施形態に応じて、プローブ又はセンサは、患者の体に非侵襲的に接続され得る(例えば、患者の心臓生体電位信号を取得するための電極の配置、及び/又は患者の指、耳たぶなどに取り付けられた血行動態センサ、患者の皮膚に取り付けられた加速度計などを介して)。そのようなプローブ又はセンサはまた、侵襲的に又は最小限に侵襲的に、患者に取り付けられ得る。他の例では、信号ファイルのために患者の生物物理学的信号を収集することができるプローブ又はセンサは、パッシブ温度計、スキャナ、カメラなどが使用される場合など、非侵襲的かつ非接触であり得る)。
【0027】
信号キャプチャデバイスは、プローブ又はセンサによって生成された生物物理学的信号を収集し得、そのような信号及び/又は関連データを信号ファイル105に含み得る。収集され得る例示的な生物物理学的信号としては、フォトプレチスモグラフィ信号、生体電位信号、バリストカルジオグラフィック信号、及び化学信号が挙げられる。他のタイプの信号が、収集され得る。実施形態に応じて、信号ファイル105は、瞬間的に及び/又は所定の時間量(例えば、約10秒、約1分、約3分、約5分、約20分など)にわたって収集された信号を含み得る。信号レコーダ又はキャプチャデバイスは、キャプチャされた生物物理学的信号を、他の情報を伴って、又は伴わずに、評価システム100の他の構成要素(ベースシステム110など)に通信するためのハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアを含むことができる。一実施形態では、信号キャプチャデバイス102は、7チャネルリードセット及びそれに(恒久的に又は取り外し可能に)取り付け可能なフォトプレチスモグラム(PPG)センサを、ヘルスケア提供者又は他のユーザ101が、その中に患者固有のデータ又はメタデータ107を入力することを可能にするユーザインターフェース(例えば、(タッチ)スクリーン、キーボード、スピーカ、マイクロフォン、カメラ/スキャナ、生体認証センサなど、及びそれらの組み合わせ)とともに、含む。
【0028】
患者データ107は、身長、体重、年齢、性別、ボディマスインデックス(「BMI」)、患者の病歴(例えば、症状情報、例えば糖尿病などの特定の疾患の有無を含む)、患者が現在服用している又は服用してきた任意の薬剤に関する情報、血液検査などの任意の最近の医学的検査の結果、追加の人口統計学的情報など、患者の医学的評価に有用であり得る、患者に関する追加の情報を含み得る。他の情報が、患者データ107に含まれ得る。いくつかの実施形態では、信号レコーダ又はキャプチャデバイスは、そのようなセンサを介して患者信号を同期的に取得し、場合によっては患者固有のデータ107とともに、1つ以上の信号ファイル105内のそのような信号を、そのような実施形態では、医学的評価システム100を備えるベースシステム110の一部であるデータリポジトリにセキュアに送信することができる。
【0029】
医学的評価システム100は、信号ファイル105及び/又は患者データ107を受信し得、以下で更に説明されるように、信号ファイル105及び/又は患者データ107内のデータの一部又は全てを使用して、その患者に関する有用な情報を生成し得る。例えば、そのような情報は、1つ以上の状態の各々に関連する1つ以上のスコア135を含み得る。状態としては、病気又は疾患などの医学的状態が挙げられ得る。一実施形態では、医学的状態について生成されたスコア135が高いほど、評価システム100によって評価された患者が、状態を有するか、又は状態を発症するリスクがある尤度又は確率が高い。スコア135は、提供者101によって(例えば、患者の身体検査などを介して)取得された他の情報とともに、1つ以上の状態を診断すること、患者102が1つ以上の状態を有しないことを判定すること、更なる検査を実施すること及び/又は治療コース(例えば、手術、投薬、栄養/運動/生活習慣の変更)に着手するかどうかを決定すること、フォローアップ訪問などを含む、患者102の医療状態を査定又は評価する際に、提供者101を支援することができる。他の実施形態では、より高いスコア135は、所与の状態に対するより低い相関を示し得る。数値スコア135に加えて、又は数値スコア135の代替として、そのような情報を提供するための他のフォーマット、例えば、そのような尤度の視覚的表現、状態の、又は状態に関連する解剖学的局在性、書面による査定などが、企図される。
【0030】
他の実施形態では、スコア135は提供されないが、その患者のケア決定を行う際に、ヘルスケア提供者に有用な他の情報が提供される。更に他の実施形態では、スコア135は、他のそのような情報とともに提供される。情報の任意の組み合わせが、スコア135を伴って、又は伴わずに、提供され得る。実施形態に応じて、評価システム100は、特定の状態を有するか又は有しないのいずれかであることが知られていた患者から取得された信号及び/又は医療データに基づいてスコア135を生成するように訓練されたモデルを使用して、各スコア135を生成し得る。
【0031】
医学的評価システム100は、1つ以上の生成されたスコア135を収集することができ、スコア(複数可)135を使用して、患者102に特有のレポート145を生成することができる。評価システム100は、レポート145を患者の提供者101又は1人以上の他の個人に提供し得、場合によっては、レポート145は、電子医療記録システムに直接送信され得る。レポート145は、生成されたスコア135の一部又は全て、及び各スコアに関連付けられた状態の指標を含み得る。実施形態に応じて、その視覚化を含め、スコア135を生成するために使用された信号ファイル105及び/又は患者データ107の信号のいくつかは、患者の健康を査定又は評価する際に提供者101にとって有用であり得る任意の量の他の情報とともに、レポート145に含まれ得る。
【0032】
図1Aは、環境1000内の評価システム100の、その有利なモジュール式態様を強調する、高レベル構造図を描示する。医学的評価システム100は、そのコアに、1つ以上のアドオンモジュール130a、130b、...130nとともに動作することができるベースシステム110を備える。図1Aに描示されるアーキテクチャは、ベースシステム110間のソフトウェア、ファームウェアハードウェア、及び関連するドキュメンテーションの、任意のアドオンモジュールのものからの独立性を提供し、本明細書で考察される利点を直接もたらす。
【0033】
図1A及び図1Bは、ベースシステム110が、所望され得る任意の数のn個のアドオンモジュール130と互換性があり、それらとすぐにインターフェースをとって、それらとともに使用することができることを示す。例えば、コンピューティング資源は、ベースシステムの実質的なソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアインフラストラクチャを変更することなく、所与のベースシステムのアドオンモジュールの数が増加するにつれて、増加した処理に対するニーズ及びデータ記憶ニーズに対応するために、ベースシステム110内で容易にスケーリングされ得る。評価システム100の各構成要素は、図5に関して例解されるコンピューティングデバイス500などの1つ以上の汎用コンピューティングデバイスを使用して、一緒に、又は別個に実装され得る。
【0034】
図1Bに示されるように、ベースシステム110は、分析エンジン120(それ自体が、図2に関連して考察されるような様々な構成要素を含み得る)と、レポートエンジン140と、を含み得る。1つ以上のアドオンモジュール130の各々は、図2に関連して考察されるであろうように、様々な構成要素を含み得る。より多い又はより少ない構成要素が、サポートされ得る。
【0035】
医学的評価システム100は、例えば、ネットワーク化された信号レコーダ又はキャプチャデバイスを介して、又は本明細書において説明される他の手段によって、信号ファイル105及び/又は患者データ107を受信し得る。信号キャプチャデバイス又は他のデバイス(例えば、グラフィカルユーザインターフェース、キーボード、可聴システム(マイクロフォン及び/又はスピーカ)など、個別に又は様々な組み合わせで)上の、又はそれらに関連付けられている1つ以上のユーザインターフェースは、提供者101又は他者によって、患者102に関する情報(例えば、患者データ107)の入力、信号キャプチャデバイス又は他のデバイスの制御及び/又はそれらとの通信などの様々なタスクを実行するために使用され得る。例えば、1つの使用シナリオでは、提供者101は、患者データ107を信号レコーダ又はキャプチャデバイスに、そのユーザインターフェースを介して、入力することができ、次に、信号キャプチャデバイスは、自動的に、又は提供者101によって命令されたように、ネットワーク190を介して、そのようなデータ107を評価システム100に送信する。
【0036】
様々なセンサ及び/又はプローブに患者を準備及び接続した(又は非接触センサ及び/又はプローブの場合、特定のセンサ及び/又はプローブタイプによって必要とされるデータ収集の準備をした)後、提供者101は、ボタンを押すか、又は信号レコーダデバイス内の別のユーザインターフェース要素(例えば、音声コマンド)をアクティブにすることによって、それらが、センサデータの収集を開始する準備が整っていることを示し得る。信号キャプチャデバイス102は、患者の生物物理学的信号の収集を(いくつかの実施形態では、同期的に)開始するであろう。データ取得が完了すると、信号レコーダデバイスの構成要素は、取得されたデータを、患者データ107及び/又は1つ以上のデータパケット内の他のメタデータ(例えば、タイムスタンプ、ソフトウェアバージョン番号)とともに、例えば、Wi-Fi又は携帯電話/モバイル(例えば、LTE、5G、6Gなど)接続を通じて、ネットワーク190を介して、評価システム100の一部であるリポジトリに転送するために、信号ファイル105の形態で準備する。いくつかの実施形態では、そのようなリポジトリは、クラウドベースのストレージデバイスであるか、又はそうでなければ、信号レコーダデバイスから離れた物理的な位置にある。このリポジトリは、信号ファイル105、患者データ107、及び他のメタデータを記憶し得る。評価システム100がこれらのデータを分析及び処理した後、以下でより詳細に説明されるように、提供者101は、クライアントコンピュータ、タブレット、モバイルデバイスなどで実行されるウェブベースのアプリケーション又はソフトウェアなどのポータルを使用して、信号がそのように分析及び処理された患者102に対して生成された1つ以上のレポート145を見ることができる。
【0037】
実施形態に応じて、ポータルではなく、又はポータルに加えて、医学的評価システム100は、提供者101が医学的評価システム100と対話し得る、アプリケーションプログラミングインターフェース(「API」)を公開し得る。次いで、提供者101は、APIを使用して、評価システム100からデータ(例えば、信号ファイル105、患者データ107、及び/又はレポート145)を、自分たちが選択するアプリケーション(例えば、ワードプロセッシングアプリケーション、スプレッドシートアプリケーション、医療記録データベースなどのデータベース、文書管理システムなど)にダウンロード又はインポートし得る。
【0038】
図2に続くと、ベースシステム110の分析エンジン120の詳細、及び単一の例示的なアドオンモジュール130の詳細が、示されている。複数のアドオンモジュール130が、含まれ得る。
【0039】
ベースシステム110では、分析エンジン120は、信号分析エンジン225及び信号キュー235を含む、1つ以上の構成要素を含み得る。より多い又はより少ない構成要素が、サポートされ得る。実施形態に応じて、分析エンジン120の1つ以上のインスタンスは、例えば、クラウドコンピューティング環境で実行され得る。
【0040】
信号分析エンジン225は、信号レコーダデバイス又は本明細書において説明される他の手段を介して、信号ファイル105を受信し得、いくつかの実施形態では、信号品質査定演算(「SQA」)を実行し得る。実施形態に応じて、SQAは、信号ファイル105内の信号が、アドオンモジュール130のうちの1つ以上によって使用されるのに十分な品質及び/又は持続時間であるかどうかを判定するために、信号ファイル105の信号の一部又は全てに対して実行される1つ又は一連のテストであり得る。実施形態に応じて、信号の特定の要件(例えば、データポイントの適切な長さ又は数、特定の品質メトリック)は、エンジン225によって受信された信号の各タイプに対して普遍的又は特定的であり得、それらはまた、後の段階で信号を分析するアドオンモジュール130に対して特定的であり得る。例えば、電気信号の品質メトリックは、血行動態信号の品質メトリックとは異なる場合がある。そして、バリストカルジオグラフィックセンサなどの他のセンサ又はプローブからの信号は、更に異なる品質メトリックを必要とする場合がある。いくつかの品質メトリックは、2つ以上の信号タイプに共通であり得(すなわち、そのような信号を収集するセンサ又はプローブに基づく)、他の実施形態では、メトリックは、相互に排他的であり得る。そして、アドオンモジュール130の場合、いくつかは、所与の信号ファイル105を構成する、他のアドオンモジュール130よりも高い品質、異なるタイプ、構成、及び/又は長い持続時間の信号を必要とし得る。SQAの特定の要件は、いくつかの実施形態では、ユーザ又は管理者によって設定され得、他の実施形態では、そのようなSQA要件は、評価システム100の固定された態様である。
【0041】
新しい信号ファイル105が分析エンジン120によって受信されると、信号分析エンジン225は、SQAを実行し得る。SQAに合格しない場合(例えば、ファイル105内の信号が十分な長さ又は品質でない)、信号分析エンジン225は、提供者101に新しい信号ファイル105を要求し得る。要求は、ポータル内で、又はアプリケーションソフトウェアを実行するハードウェア内のユーザインターフェースを介して(例えば、信号キャプチャデバイス内のユーザインターフェースを介して)、及び/又は信号ファイル105を提出するために使用された他のアプリケーションを実行するハードウェア内のユーザインターフェースを介して、提供者101に表示され得、元の信号ファイル105がSQAを合格しなかった特定の1つ又は複数の理由を示し得る。
【0042】
信号ファイル105がSQAに合格する場合、信号分析エンジン225は、SQAの結果を信号ファイル105の一部として記憶し得、信号ファイル105を信号キュー235内に配置し得る。信号キュー235は、信号ファイル105を、それらが1つ以上のアドオンモジュール130によって処理され得るまで記憶し得る。実施形態に応じて、信号ファイル105を配置した後、信号分析エンジン225は、1つ以上のアドオンモジュール130にメッセージを送って、信号ファイルが処理のために利用可能であることを示し得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、信号分析エンジン225は、SQAが完了した後、信号ファイル105内に存在する信号の1つ以上の視覚化を更に生成し得る。いくつかの実施形態では、視覚化は、信号分析エンジン225によって、信号ファイル105とともに記憶され得る。信号分析エンジン225及び信号キュー235を含む分析エンジン120は、ソフトウェア、ファームウェア、及びハードウェア、並びに関連ドキュメンテーションが、任意のアドオンモジュール130のものとは独立しているベースシステム部分と見なすことができる。
【0044】
上で説明されるように、評価システム100の実施形態は、アドオンモジュールを含まないか、1つのアドオンモジュール130、又は2つ以上のアドオンモジュール130を含み得る。各アドオンモジュール130は、典型的には、必ずしもそうではないが、データ転送API又は同様の機構を介して、ベースシステム110、その分析エンジン120、及び関連付けられた構成要素とインターフェースすることができる。したがって、図2は、評価システム100の一実施形態の1つの構成の例として、単一のアドオンモジュール130を示す。医学的評価システム100はまた、図2に示されるモジュール130とは異なる任意の数(n)のアドオンモジュール130を備え得る。1つ以上のアドオンモジュール130の各々に関連付けられたソフトウェア、ファームウェア、及び任意のハードウェア(並びにそれらのドキュメンテーション)は、分析エンジン120を含むベースシステム110のソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアから完全に又は大部分独立している場合がある。評価システム100は、1つ以上のアドオンモジュール130が、評価システム100の一部として含まれる場合、いかなる数のモジュール130であれ、その各々が利用され、全てが、ベースシステム110と統合され、その結果、評価システム100がその潜在能力を実現することができるように、モジュール方式で設計される。このようにして、医学的評価システム100は、1つ以上のアドオンモジュール130を使用するとき、1つ以上の病状、状態など(例えば、各アドオンモジュール130に対して1つ)の存在を査定するために、同じ信号及び/又は患者データを利用することができる。いくつかの実施形態では、ベースシステム110内に常駐するデータ転送APIなどの1つ以上のAPIは、ベースシステム110と各アドオンモジュールとの間、並びにベースシステム110内の構成要素と、存在する場合、信号キャプチャレコーダ又はデバイスとの間のデータのセキュアなアクセス及び転送を容易にすることができる。DTAPI又は他のAPI構造の使用は、例えば、セキュリティ及びデータプライバシーの文脈で、評価システム100の動作に対する増加された制御をもたらすことができ、システム100のモジュール性が提供する利点を促進することができる。
【0045】
各アドオンモジュール130は、例えば、スコア135及び/又は本明細書において説明されるような他の情報を含む、患者の健康を査定するために提供者101にとって有用な情報を生成及び出力するように構成され得る。例えば、スコア135を含む情報は、信号ファイル105の信号の一部又は全て、及び患者データ107の一部又は全てを使用して、アドオンモジュール130によって判定され得る。例示的な状態は、医学的状態又は疾患であり得、医学的状態、例えば、上昇したLVEDP、心不全の指標、及び疾患、例えば、冠動脈疾患、肺高血圧などを含み得る。他の医学的状態及び疾患又はそれらの指標が、含まれ得る。
【0046】
一実施形態では、評価システム100は、単一のベースシステム110のみを含む。
【0047】
図2に示されるものなどの別の実施形態では、評価システム100は、単一のベースシステム110を、患者が左心室拡張末期圧(LVEDP)を上昇させた尤度を示すためのアドオンモジュール130などの単一のアドオンモジュール130とともに含む。
【0048】
別の実施形態では、評価システム100は、単一のベースシステム110を、患者が冠動脈疾患(CAD)を有する尤度を示すためのアドオンモジュール130などの単一のアドオンモジュール130とともに含む。
【0049】
別の実施形態では、評価システム100は、単一のベースシステム110を、患者が、上昇した平均肺動脈圧(mPAP)を有する尤度を示すためのアドオンモジュールなどの単一のアドオンモジュール130とともに含む。
【0050】
別の実施形態では、評価システム100は、単一のベースシステム110を、患者が上昇した左心室拡張末期圧(LVEDP)を有する尤度を示すためのアドオンモジュール130、及び患者が冠動脈疾患(CAD)を有する尤度を示すための別のアドオンモジュール130などの2つのアドオンモジュール130とともに含む。
【0051】
別の実施形態では、評価システム100は、単一のベースシステム110を、患者が、上昇した平均肺動脈圧(mPAP)を有する尤度を示すためのアドオンモジュール130、及び患者が冠動脈疾患(CAD)を有する尤度を示すための別のアドオンモジュール130などの2つのアドオンモジュールとともに含む。
【0052】
別の実施形態では、評価システム100は、単一のベースシステム110を、患者が、上昇した左心室拡張末期圧(LVEDP)を有する尤度を示すためのアドオンモジュール130、及び患者が、上昇した平均肺動脈圧(mPAP)を有する尤度を示すための別のアドオンモジュール130などの2つのアドオンモジュール130とともに含む。
【0053】
更に別の実施形態では、評価システム100は、単一のベースシステム110を、患者が、上昇した左心室拡張末期圧(LVEDP)を有する尤度を示すためのアドオンモジュール130、患者が、冠動脈疾患(CAD)を有する尤度を示すための別のアドオンモジュール130、及び特許が、上昇した平均肺動脈圧(mPAP)を有する尤度を示すための第3のアドオンモジュール130などの3つのアドオンモジュールとともに含む。
【0054】
なお更に更なる実施形態では、評価システム100は、単一のベースシステム110を、任意の数のアドオンモジュール130とともに含み、各アドオンモジュール130は、上で説明されるものやそうでないものなど、特定の病状、状態などに向けられる。そのような病状又は状態は、心血管系、呼吸器系、神経系、内分泌系、消化器系、免疫系、筋骨格系などの任意の生理学系、及びそれらの組み合わせに関連し得る。
【0055】
上で、及び本明細書の他のどこかで開示される前述の例示的な実施形態の全てにおいて、評価システム100はまた、信号レコーダ又はキャプチャデバイスを含み得る。
【0056】
次に、環境1000で動作することができる医学的評価システム100の様々な実施形態は、ベースシステム110を、任意の数のアドオンモジュール130(例えば、0個、1個、2個、3個、10個、20個、100個、500個など)とともに含むことができることを理解されたい。
【0057】
更に、ベースシステム110のソフトウェア、ファームウェア、及びハードウェアは、それらに対してほとんど又は全く修正を必要とせずに、正確に又は基本的に同じままであり、医学的評価システム100の目的を達成するために、各アドオンモジュール130と協働して、依然として正常に動作することができる。したがって、ベースシステム110は、単独で(例えば、いかなるアドオンモジュール130も伴わずに)、評価システム100の基礎部分として、本明細書で考察されるように、設計/開発、信頼性、規制、セキュリティ、マーケティング、及び他の領域において重要な利点を提供する貴重な技術的進歩である。
【0058】
図2に示されるように、各アドオンモジュール130は、特徴抽出エンジン240、査定エンジン250、及びモデル260を含む、1つ以上の構成要素を含み得る。より多い又はより少ない構成要素が、サポートされ得る。実施形態に応じて、各アドオンモジュール130は、例えば、クラウドコンピューティング環境で実行され得る。各アドオンモジュール130は、ドッカーなどのコンテナを使用して、互いに、及び分析エンジン120から隔離され得る。様々なアドオンモジュール130は、依然として環境1000内の評価システム100の一部でありながら、異なる構成を採り得る。
【0059】
特徴抽出エンジン240は、キュー235から信号ファイル105を取得し得、信号ファイル105から1つ以上の特徴243を抽出し得る。信号ファイル105から抽出された特定の特徴243は、アドオンモジュール130のモデル260によって考慮されるそれらの特徴243を含み得、アドオンモジュール130の焦点である特定の状態又は系に依存し得る。心血管及び呼吸器の文脈での例示的な特徴としては、脱分極又は再分極波伝搬関連特徴、脱分極波伝搬偏差関連特徴、サイクル変動関連特徴、動的システム関連特徴、心拍波形トポロジ特徴、PPG波形トポロジ特徴、ウェーブレットPPG特徴、左心室肥大を標的とする特徴、そのような特徴の特別な線形性(particularly linear of such features)、再分極特徴、心臓信号又はPPG信号のパワースペクトル密度関連特徴、心臓信号又はPPG信号又はLVEDP信号のビジュアル関連特徴、及びいくつかの実施形態では、予測可能性特徴が挙げられるが、これらに限定されない。上昇したLVEDPに関連するアドオンモジュール130の実施形態では、特徴抽出エンジン240は、18個の特徴ファミリから446個の特徴を抽出し得る。特定のアドオンモジュールに応じて、より多い又はより少ない特徴が、抽出され得る。
【0060】
特徴抽出エンジン240が、信号ファイル105から特定の特徴243を正常に抽出することができないいくつかの実施形態では、特徴抽出エンジン240は、特定の特徴の値を補完し得る。例えば、特徴抽出エンジン240は、以前の信号ファイル105から抽出された特徴の値(すなわち、履歴特徴値)に基づいて、特徴に対して中央値を使用し得る。
【0061】
特徴抽出エンジン240は、任意の組み合わせで、患者データ107から1つ以上の特徴243を更に抽出し得る。例示的な特徴としては、BMI、年齢、身長、体重、及び性別が挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
査定エンジン250は、抽出された特徴243及びモデル260の一部又は全てを使用して、例えば、スコア135を含む情報を生成し得る。いくつかの実施形態では、モデル260は、状態を有することが知られている個体に関連付けられた抽出された特徴243、及び状態を有しないことが知られている個体に関連付けられた抽出された特徴243を使用して、いくつかの実施形態ではスコア135を含む、情報を生成するように訓練されている場合がある。例示的なモデル260としては、線形モデル(例えば、エラスティックネット)、決定木モデル(XGB分類器)、ランダムフォレストモデル、サポートベクトルマシンモデル、ニューラルネットワークモデル、ディープニューラルネットワークモデル、畳み込みニューラルネットワークモデル、敵対ニューラルネットワークモデル、遺伝的アルゴリズムモデルなどの様々な分類器モデルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
ベースシステム110と任意の数のアドオンモジュール130との間、並びに各々の様々な構成要素間のセキュアなアクセス、通信、及びデータ転送は、任意の数の方法で達成され得る。例えば、ネイティブクラウドベースの機能/特徴は、これらの機能を達成し得る。他の実施形態では、例えば、データ転送API(DTAPI)などの1つ以上のAPIは、例えば、セキュリティ機能に対するより大きな制御を提供するために、これらの機能を達成し得る。
【0064】
図1Bに戻ると、レポートエンジン140は、アドオンモジュール130の一部又は全てから、例えば、1つ以上のスコア135(例えば、スコア135a、135b、及び135n)を含む情報を受信し得る。次いで、レポートエンジン140は、例えば1つ以上のスコア135を含む、受信された情報を使用して、レポート145を構築し得る。いくつかの実施形態では、レポート145は、各スコア135を、スコア135が関連する状態を記述するテキストとともに含み得る。レポート145は、スコア135が関連する状態の相対的なリスク又は確率を説明する各スコアを含む文脈情報を(例えば、任意の組み合わせの任意のグラフィック、表、テキスト、ビジュアルなどの形式で)更に含み得る。
【0065】
更に、レポートエンジン140はまた、信頼区間などの特定の統計情報を、スコア135が正しいという信頼度を表す各スコア135とともに、レポート145に含むことができる。他の統計情報としては、例えば、信頼区間に付随する情報、AUC-ROC曲線データなどのスコア固有の情報(例えば、スコア及び/又は感度値及び特異性値などの閾値統計)、度数分布プロット、及び情報など)を挙げることができる。
【0066】
信号分析エンジン225によって生成された任意の視覚化データ(例えば、電気データのVCGプロット、血行動態データの振幅-時間プロット、バリストカルジオグラフィックデータの電圧-加速度、振幅-時間プロットなど)、取得された患者の生物物理学的情報に関連する追加情報が、レポート145に含まれ得る。スコア135(例えば、スコア135、文脈情報、及び統計情報)に関連するレポート145の内容(例えば、データ及び視覚化)は、アドオンモジュール130によって生成されて、レポートエンジン140に提供され得る。取得された患者の生物物理学的情報に関連するレポート145の内容は、分析エンジン120及び/又はレポートエンジン140によって生成され得る。
【0067】
レポートエンジン140は、生成されたレポート145を記憶し得、レポート145を提供者101に提供し得る。レポートエンジン140は、提供者101の患者に関連するデータを見るために、提供者101によって使用されるポータルを介して、提供者101にレポート145を提供し得る。レポートエンジン140は、ポータルを生成し得、提供者101は、ポータルにログインし得、自分がアクセスしたいレポート145の患者を選択し得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、レポート145は、レポートエンジン140に関連付けられたアドオンモジュール130の全てによって生成されたスコア135を含み得る。例えば、提供者101は、評価システム100によってサポートされたアドオンモジュール130に関連付けられている全ての状態のスコア135を含むレポート145を受信し得る。他の実施形態では、レポート145は、提供者101によって選択された状態又は状態のグループについて、アドオンモジュール130によって生成されたスコア135のみを含み得る。例えば、提供者101は、ポータル又はAPIを使用して、自分がレポート145に含めたい各状態を選択し得る。
【0069】
レポート145が、選択された状態についての情報のみ、例えばスコア135を含む実施形態では、選択された状態に関連付けられたアドオンモジュール130のみが、提供された信号ファイル105及び/又は患者データ107に基づいて、スコア135を生成し得る。医学的評価システム100は、提供者101が、後で1つ以上の状態を(又は対応するアドオンモジュール130が利用可能になったときに新しい状態を)レポート145に追加したい場合、保存された信号ファイル105及び/又は患者データ107を使用することができるように、信号ファイル105及び/又は患者データ107を保存し得る。
【0070】
代替的又は追加的に、どの状態が提供者101によって選択されるかにかかわらず、各アドオンモジュール130は、スコア135を生成し得るが、選択された状態に関連付けられたスコア135のみが、レポート145に含まれ得る。選択されていない状態に関連付けられたスコア135は、万一提供者101が、後でそれらをレポート145に含めることを決定するといけないので、評価システム100によって記憶され得る。
【0071】
上で説明されるように、独自の特徴抽出エンジン240、査定エンジン250、及びモデル260を各々が含む、1つ以上のアドオンモジュール130の各々は、選択的に追加する、又は評価システム100から削除することができるソフトウェアモジュールとして実装され得る。これにより、以前に扱われなかった状態のために新しいアドオンモジュール130を追加することによって、及び/又は既存のアドオンモジュール130を、それらの関連付けられたモデル260に改善されるときに、交換又は修正することによって、評価システム100を継続的に改善する、又は定期的に更新することが、全て、ベースシステム110を修正することを必要とせずに、可能になり得る。
【0072】
本明細書において説明される評価システム100のモジュール式ベースシステム-アドオンモジュールアーキテクチャの別の利点は、米国食品医薬品局(FDA)、カナダ保健省、欧州医薬品庁、及び各国の管轄当局などの規制当局による販売認可又は承認を得ることに関連する。最初に評価システム100が(別個に、又は信号ファイル105を生成する信号レコーダデバイスとともに)、FDAなどの該当する政府機関、又は通知機関などの権限のある機関から販売許可を受けることができる。時間とともに、新しいアドオンモジュール130が評価システム100での使用のために開発されるにつれて、新しいアドオンモジュールの審査及び認可の時間枠は、それらが、以前に承認されたアドオンモジュール130とは独立している評価システム100の一部分(例えば、ベースシステム)を含む、認可された評価システム100で使用するために意図され、設計されるので、合理化され得る。言い換えれば、評価システム100に対してなされる唯一の変更は、1つ又は複数の新しいアドオンモジュール130に対するものであるため、審査機関又は通知機関は、マーケティングに関して、改善されたシステム100をより迅速に審査及び認可することができるはずである。
【0073】
本明細書において説明される評価システム100のモジュール式ベースシステム-アドオンモジュールアーキテクチャの別の利点は、改善された設計、開発、及び試験タイムラインを含む。評価システム100の全体的な設計は変更されず、ベースシステムは、例えば、多くの視覚化及びデータ管理機能のために利用可能であるため、研究者は、様々な信号が、各患者102に対してどのように収集及び管理されるかを考慮することなく、新しいアドオンモジュール130の作成にのみ焦点を当てることができる。これにより、従来の医療デバイス開発パラダイムと比較して、新しい及び改善されたアドオンモジュール130のより速い(及びより費用効果的な)開発がもたらされ得る。
【0074】
更に、本明細書において説明される評価システム100のモジュール式ベースシステム-アドオンモジュールアーキテクチャの更なる利点は、新しい特徴が追加されるときに必要とされるドキュメンテーションの全体的な低減である。評価システム100に対する変更は、アドオンモジュール130に限定されるため、評価システム100に変更がなされるとき、以前のバージョンからのドキュメンテーションのほとんどは、いかなる著しい変更も伴わずに再利用され得る。
【0075】
本明細書において説明される評価システム100のモジュール式ベースシステム-アドオンモジュールアーキテクチャの別の利点は、改善された信頼性などのより高い動作効率を含む。各アドオンモジュール130は、それ自体のコンテナ内で別々に実行されるため、特定のアドオンモジュール130の動作に問題がある場合、他のアドオンモジュール130、又は全体的な評価システム100自体の動作に影響を及ぼさないように、問題が隔離され得るように、その特定のアドオンモジュール130は、より容易に、かつ、場合によっては迅速に検出され得、必要に応じて、無効にされ得る。これにより、より少ないシステムダウンタイム、商業交渉における増加されたレバレッジ、より低いコスト、並びに顧客及び競合他社など第三者の評判獲得を可能にする。
【0076】
本明細書において説明される評価システム100のモジュール式ベースシステム-アドオンモジュールアーキテクチャのなお更に別の利点は、セキュリティ領域内にある。本明細書において説明されるものなどのネットワーク環境190で動作する任意のシステムでは、特に、機密性の高い患者データが関係し得る場合、十分なデータ及び運用上のセキュリティが組み込まれることを確実にするように注意しなければならない。評価システム100のモジュール化された性質は、セキュリティ対策が、アドオンモジュール130の各々に、及びベースシステム110に、かつ、当然ながら、各々の様々な構成要素の間、並びにそれらの間の通信プロトコルに関しても、組み込まれることを可能にする。複数のサイトでのデータ及びソフトウェアインフラストラクチャのホスティングとともに、セキュリティプロトコルの多重冗長性が、モジュール式設計でより容易に実装される。例えば、評価システム100の1つの構成要素におけるセキュリティ違反は、相対的な独立性、及び評価システムの各構成要素に組み込むことができるカスタマイズされたセキュリティ機能により、違反が他の構成要素に影響を与えることなく、より迅速に識別、隔離、及び修復される、より高い尤度を有する。
【0077】
本明細書において説明される評価システム100のモジュール式ベースシステム-アドオンモジュールアーキテクチャの別の利点は、満たされていない臨床的及びビジネス的ニーズに対処するために新しいアドオンモジュールをより迅速に導入する能力にある。設計/開発、試験、及び規制のタイムラインの合理化は、運用及びセキュリティのパフォーマンスの向上とともに、提供者101、支払人、政府、及び他の顧客にとって有意な利点になる。
【0078】
これらの上記の利点のいずれか又は全てが、医療デバイス及び診断分野以外の業界でも、本明細書において説明されるものなどのシステムに対して実現され得、結果として、市場投入が速く、より収益性の高いビジネスモデルを、それほど厳しく規制されていないものでさえも、もたらす。
【0079】
図3は、受信された信号ファイルに基づいて、1つ以上の状態のスコアを含むレポートを生成するための方法300の例解である。方法300は、医学的評価システム100のベースシステム110によって実装され得る。
【0080】
305において、信号ファイルが、受信される。信号ファイル105は、評価システム100によって、提供者101から受信され得る。信号ファイル105は、1つ以上のプローブ及び/又はセンサを介して、信号キャプチャデバイス102によって患者からキャプチャされた複数の生物物理学的信号を含み得る。生物物理学的信号は、とりわけ、フォトプレチスモグラフィ信号、生体電位信号、及び/又はバリストカルジオグラフィック信号を含み得る。評価システム100は、評価システム100によって提供されるポータル又はAPIを介して、信号ファイル105を信号キャプチャデバイス又はレコーダデバイス102から受信し得る。いくつかの実施形態では、評価システム100はまた、患者102の性別、身長、体重、年齢、及び/又はBMIなどの情報を含み得る、患者に関連付けられた患者データ107を受信し得る。他の情報が含まれ得る。受信された信号ファイル105及び患者データ107は、提供者101及び/又は患者102に関連付けられたアカウントに記憶され得る。
【0081】
310において、信号分析が、実行される。信号分析は、システム100の分析エンジン120によって実行され得る。信号分析は、SQAを含み得、信号ファイル105内の信号が、1つ以上のアドオンモジュール130によって使用されるのに十分な品質及び/又は持続時間であるかどうかを判定し得る。実施形態に応じて、SQAは、信号ファイル105内の信号の各々の品質及び/又は持続時間に関連する1つ以上のメトリックを出力し得る。SQAの結果は、提供者101及び/又は患者に関連付けられたアカウントに記憶され得る。
【0082】
315において、信号ファイルが信号分析に合格したかどうかが、判定される。判定は、評価システム100の分析エンジン120によって行われ得る。実施形態に応じて、信号ファイル105は、SQAの文脈において、信号の一部又は全ての判定された品質及び/又は長さが、1つ以上の品質及び/又は長さの閾値を超える場合、信号分析に合格し得る。信号ファイル105が信号解析に合格しない場合、分析エンジン120は、320において、信号ファイル105を拒否し、及び/又は提供者101に新しい信号ファイル105を要求し得る。それ以外の場合、方法300は、325で続行され得る。
【0083】
325において、信号ファイルが、1つ以上のアドオンモジュールに提供される。信号ファイル105は、分析エンジン120によって、1つ以上のアドオンモジュール130に提供され得る。各アドオンモジュール130は、医学的状態又は疾患などの異なる状態に関連付けられ得る。実施形態に応じて、信号ファイル105は、評価システム100の全てのアドオンモジュール130に、信号ファイル105を提出した提供者101によって選択された及び/又は支払われた状態に対応するアドオンモジュール130のみに、又は所望され得るアドオンモジュールの他の組み合わせに、提供され得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、信号分析エンジン225は、SQAが完了した後に、信号ファイル105内の信号の1つ以上の視覚化を更に生成し得る。視覚化は、信号分析エンジン225によって、信号ファイル105とともに記憶され得る。
【0085】
330において、スコアが、1つ以上のアドオンモジュールの各々から受信される。スコア135は、評価システム100のレポートエンジン140によって、1つ以上のアドオンモジュール130の各々から受信され得る。いくつかの実施形態では、スコア135は、提供者101及び/又は患者に関連付けられたアカウントに記憶され得る。
【0086】
335において、レポートが、生成される。レポート145は、医学的評価システム100のレポートエンジン140及びアドオンモジュール130のうちの1つ以上によって、部分的に生成され得る。レポート145は、各受信されたスコア135を、受信されたスコアに関する文脈及び静的情報とともに、含むことができる。レポート145は、取得された患者の生物物理学的情報に関連する情報を更に含み得る。受信されたスコア135に関連するレポート145の内容は、その対応するアドオンモジュール130によって生成され得る。取得された生物物理学的情報に関連するレポート145の内容は、例えば、レポートエンジン140によって生成され得る。
【0087】
340において、レポートが、提供される。レポート145は、コンピュータ、タブレット、モバイルデバイスなどで見ることが可能な、上で説明されるようなウェブベースのポータル又はソフトウェアアプリケーションを介して、提供者101に提供され得る。他の実施形態では、レポート145は、信号キャプチャデバイス102上のユーザインターフェースを介して、利用可能にされ得る。レポート145はまた、患者及び/又は提供者101に関連付けられた電子医療記録システムに直接送信され得る。いくつかの実施形態では、評価システム100は、レポート145が利用可能であることを示すメッセージ(例えば、電子メール、テキストメッセージ、視覚及び/又は可聴アラートなど)を提供者101又は任意の数の他のエンティティ若しくは個人に送信し得る。次に、提供者101は、例えば、評価システム100にログインして、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイルデバイス(携帯電話、ウォッチなど)、又は他のデバイス上のポータルを使用して、レポート145を見ることができる。
【0088】
図4は、評価システム100のアドオンモジュール130によってスコアを生成するための方法400の例解である。
【0089】
410において、信号ファイルが、受信される。信号ファイル105は、アドオンモジュール130によって、分析エンジン120から受信され得る。信号ファイル105は、患者に関連付けられ得、信号レコーダ又はキャプチャデバイス102によって患者から取得された生物物理学的信号を含み得る。信号ファイル105は、信号分析エンジン225によって実行されたSQAに合格している場合がある。実施形態に応じて、信号ファイル105は、アドオンモジュール130(又はアドオンモジュール130の全て)に対応する信号キュー235内に配置されている場合があり、アドオンモジュール130は、信号キュー235から信号ファイル105を取得し得る。アドオンモジュール130はまた、信号ファイル105に関連付けられた患者に対応する患者データ107を受信(又は取得)し得る。
【0090】
415において、特徴が、信号ファイルから抽出される。特徴243は、アドオンモジュール130の特徴抽出エンジン240によって、信号ファイル105から抽出され得る。実施形態に応じて、1つ以上の特徴243が、患者データ107から抽出され得る。抽出された特徴243は、アドオンモジュール130に関連付けられたモデル260によって使用されるそれらの特徴243を含み得る。抽出された特徴243は、患者の、アドオンモジュール130に関連付けられた医学的状態の文脈で、患者の健康の状態を査定すること、及び、いくつかの実施形態では、患者がそのような医学的状態を発症するかどうかを予測することか、又は患者がそのような医学的状態を発症する確率を査定すること、に関連すると判定された特徴243であり得る。
【0091】
420において、スコアが、生成される。スコア135は、モデル260及び抽出された特徴243を使用して、査定エンジン250によって生成され得る。スコア135は、信号ファイル105に関連付けられた患者が、アドオンモジュール130に関連付けられた医学的状態を有する、及び/又はいくつかの実施形態では、そのような医学的状態を発症する、のいずれかの確率又は尤度を表すことができる。
【0092】
425において、生成されたスコアが、提供される。生成されたスコア135は、査定エンジン250によって、レポートエンジン140に提供され得、そこで、そのスコアが、提供者101に提供されるレポート145に追加され得る。
【0093】
図5は、例示的な実施形態及び態様が実装され得る、例示的なコンピューティング環境を示す。コンピューティングデバイス環境は、好適なコンピューティング環境の単なる一例であり、使用又は機能の範囲に関していかなる限定も示唆するように意図されていない。
【0094】
多数の他の汎用若しくは専用コンピューティングデバイス環境又は構成が、使用され得る。使用に好適であり得る周知のコンピューティングデバイス、環境、及び/又は構成の例としては、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルド又はラップトップデバイス、ウェアラブルデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、ネットワークパーソナルコンピュータ(PC)、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、組み込みシステム、上記のシステム又はデバイスのいずれかを含む分散コンピューティング環境などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
コンピュータによって実行される、プログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令が、使用され得る。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、及びデータ構造などが含まれる。通信ネットワーク又は他のデータ伝送媒体を介してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境が使用され得る。分散コンピューティング環境において、プログラムモジュール及び他のデータは、メモリ記憶デバイスを含む、ローカルコンピュータ記憶媒体及びリモートコンピュータ記憶媒体の両方に位置し得る。
【0096】
図5を参照すると、本明細書において説明される態様を実装するための例示的なシステムは、コンピューティングデバイス500などのコンピューティングデバイスを含む。その最も基本的な構成では、コンピューティングデバイス500は、典型的には、少なくとも1つの処理ユニット502及びメモリ504を含む。コンピューティングデバイスの正確な構成及びタイプに応じて、メモリ404は、揮発性(ランダムアクセスメモリ(RAM)など)、不揮発性(読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリなど)、又はそれら2つの何らかの組み合わせであり得る。この最も基本的な構成が、図5に破線506で例解されている。
【0097】
コンピューティングデバイス500は、追加の特徴/機能を有し得る。例えば、コンピューティングデバイス500は、磁気若しくは光ディスク又はテープが挙げられるが、これらに限定されない、(取り外し可能な及び/若しくは取り外し不可能な)追加の記憶装置を含み得る。そのような追加の記憶装置が、図5に、取り外し可能な記憶装置508及び取り外し不可能な記憶装置510によって例解されている。
【0098】
コンピューティングデバイス500は、典型的には、様々なコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、デバイス500によってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体であり得、揮発性及び不揮発性媒体、取り外し可能及び取り外し不可能媒体の両方を含む。
【0099】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法又は技術で実装された、揮発性及び不揮発性、並びに取り外し可能及び取り外し不可能な媒体を含む。メモリ504、取り外し可能な記憶装置508、及び取り外し不可能な記憶装置510は全て、コンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体としては、RAM、ROM、電気的消去可能プログラム読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、又は所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピューティングデバイス500によってアクセスすることができる任意の他の媒体が挙げられるが、これらに限定されない。任意のそのようなコンピュータ記憶媒体は、コンピューティングデバイス500の一部であり得る。
【0100】
コンピューティングデバイス500は、デバイスが他のデバイスと通信することを可能にする通信接続(複数可)512を含み得る。コンピューティングデバイス500はまた、キーボード、マウス、ペン、マイクロフォンなどの音声入力デバイス、生体認証センサ、タッチ入力デバイス、カメラなどの入力デバイス(複数可)514を有し得る。ディスプレイ、スピーカ、プリンタなどの出力デバイス(複数可)516もまた、含まれ得る。これらのデバイスは全て、当該技術分野において周知であり、ここで詳細に考察する必要はない。
【0101】
本明細書において説明される様々な技術は、ハードウェア構成要素及び/又はソフトウェア構成要素に関連して、又は必要に応じて、両方の組み合わせに関連して実装され得ることを理解されたい。使用され得る例解的なタイプのハードウェア構成要素としては、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)などが挙げられる。本開示の主題の方法及び装置、又はそれらの特定の態様若しくは部分は、フロッピー(登録商標)ディスケット、CD-ROM、ハードドライブ、ソリッドステートサムドライブ、又は任意の他の機械可読記憶媒体などの有形媒体内に具体化されたプログラムコード(すなわち、命令)の形態を採り得、プログラムコードがコンピュータなどのマシンにロードされ、実行されると、マシンは、本開示の主題を実施するための装置となる。
【0102】
例示的な実装は、1つ以上のスタンドアロンコンピュータシステムの文脈において、本開示の主題の態様を利用することを指し得るが、主題は、そのように限定されず、むしろ、ネットワーク又は分散コンピューティング環境などの任意のコンピューティング環境に関連して実装され得る。なお更に、本開示の主題の態様は、複数の処理チップ又はデバイス内に、又はそれらにわたって実装され得、記憶は、同様に、複数のデバイスにわたって行われ得る。そのようなデバイスとしては、例えば、パーソナルコンピュータ、ネットワークサーバ、及びハンドヘルドデバイスが挙げられ得る。
【0103】
様々な特徴の追加の説明は、「Method and System to Non-Invasively Assess Elevated Left Ventricular End-Diastolic Pressure」と題された、2021年8月23日に出願された米国仮特許出願第63/235,960号、「Methods and Systems for Engineering Visual Features From Biophysical Signals for Use in Characterizing Physiological Systems」と題された、2021年8月23日に出願された米国仮特許出願第63/236,072号、「Methods and Systems for Engineering Power Spectral Features From Biophysical Signals for Use in Characterizing Physiological Systems」と題された、2021年8月23日に出願された米国仮特許出願第63/235,963号、「Methods and Systems for Engineering Respiration Rate-Related Features From Biophysical Signals for Use in Characterizing Physiological Systems」と題された、2021年8月23日に出願された米国仮特許出願第63/235,966号、「Methods and Systems for Engineering Wavelet-Based Features From Biophysical Signals for Use in Characterizing Physiological Systems」と題された、2021年8月23日に出願された米国仮特許出願第63/235,968号、「Method and System to Assess Disease Using Cycle Variability Analysis of Cardiac and Photoplethysmographic Signals」と題された米国特許出願第17/558,702号、「Methods and Systems for Engineering photoplethysmographic Waveform Features for Use in Characterizing Physiological Systems」と題された、2021年8月23日に出願された米国仮特許出願第63/235,971号、「Method and System to Assess Disease Using Morphological Analysis of Cardiac Signals」と題された、2021年8月23日に出願された米国仮特許出願第63/236,193号、「Methods and Systems for Engineering Conduction Deviation Features From Biophysical Signals for Use in Characterizing Physiological Systems」と題された、2021年8月23日に出願された米国仮特許出願第63/235,974号において説明されており、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0104】
本明細書に開示された、例示の方法及びシステムとともに使用され得る処理の更なる例が(例えば、特徴として)、米国特許第9,289,150号、同第9,655,536号、同第9,968,275号、同第8,923,958号、同第9,408,543号、同第9,955,883号、同第9,737,229号、同第10,039,468号、同第9,597,021号、同第9,968,265号、同第9,910,964号、同第10,672,518号、同第10,566,091号、同第10,566,092号、同第10,542,897号、同第10,362,950号、同第10,292,596号、同第10,806,349号、米国特許公開第2020/0335217号、同第2020/0229724号、同第2019/0214137号、同第2018/0249960号、同第2019/0200893号、同第2019/0384757号、同第2020/0211713号、同第2019/0365265号、同第2020/0205739号、同第2020/0205745号、同第2019/0026430号、同第2019/0026431号、PCT公開第WO2017/033164号、同第WO2017/221221号、同第WO2019/130272号、同第WO2018/158749号、同第WO2019/077414号、同第WO2019/130273号、同第WO2019/244043号、同第WO2020/136569号、同第WO2019/234587号、同第WO2020/136570号、同第WO2020/136571号、米国特許出願第16/831,264号、同第16/831,380号、同第17/132869号、PCT出願第PCT/IB2020/052889号、同第PCT/IB2020/052890において説明されており、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0105】
主題は、構造的特徴及び/又は方法論的行為に特有の文言で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲に定義された主題は、必ずしも上で説明される具体的な特徴又は行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、上で説明される具体的な特徴及び行為は、特許請求の範囲を実装する例示的な形態として開示される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】