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特表2024-532153置換心臓弁インプラントおよび置換心臓弁インプラントのための拡張可能なフレームワーク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】置換心臓弁インプラントおよび置換心臓弁インプラントのための拡張可能なフレームワーク
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509390
(86)(22)【出願日】2022-08-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2022041318
(87)【国際公開番号】W WO2023028107
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/236,977
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】オコナー、ティム
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー、ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ローナン、デクラン
(72)【発明者】
【氏名】ホウ、ドンミン
(72)【発明者】
【氏名】コンウェイ、シェーン
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097CC01
4C097DD01
4C097DD06
4C097DD09
4C097SB03
(57)【要約】
置換心臓弁インプラントは、格子構造を形成する複数のフレーム支柱を有する拡張可能なフレームワークであって、各フレーム支柱が中心長手方向軸から半径方向に厚さを有する、拡張可能なフレームワークと、拡張可能なフレームワークに結合された複数の弁リーフレットとを含み得る。複数のフレーム支柱は、格子構造の流入端に近接する下側クラウンと、格子構造の流出端に近接する上側クラウンと、格子構造の流出端から下流に延在する複数の安定化アーチとを形成する。格子構造は、上側クラウンよりも上流にある第1の周方向列のxコネクタと、下側クラウンよりも下流にある第2の周方向列のxコネクタとを含む。第1および第2の周方向列のxコネクタを接続する少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、複数のフレーム支柱のうちの他のフレーム支柱の厚さよりも小さい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
置換心臓弁インプラントにおいて使用するための拡張可能なフレームワークであって、
中心長手方向軸の周囲に格子構造を形成する複数のフレーム支柱を備えており、各フレーム支柱が前記中心長手方向軸から半径方向に厚さを有しており、
前記複数のフレーム支柱は、前記格子構造の流入端に近接する下側クラウンと、前記格子構造の流出端に近接する上側クラウンと、前記格子構造の前記流出端から下流に延在する複数の安定化アーチとを形成しており、
前記格子構造は、前記上側クラウンよりも上流にある第1の周方向列のxコネクタと、前記下側クラウンよりも下流にある第2の周方向列のxコネクタとを含んでおり、
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、前記複数のフレーム支柱のうちの他のフレーム支柱の厚さよりも小さい、フレームワーク。
【請求項2】
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、前記第1の周方向列のxコネクタよりも下流にあるフレーム支柱の厚さよりも小さい、請求項1に記載の拡張可能なフレームワーク。
【請求項3】
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、前記第1の周方向列のxコネクタよりも下流にある全てのフレーム支柱の厚さよりも小さい、請求項2に記載の拡張可能なフレームワーク。
【請求項4】
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、前記第2の周方向列のxコネクタよりも上流にあるフレーム支柱の厚さよりも小さい、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の拡張可能なフレームワーク。
【請求項5】
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、前記第2の周方向列のxコネクタよりも上流にある全てのフレーム支柱の厚さよりも小さい、請求項4に記載の拡張可能なフレームワーク。
【請求項6】
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱の中間部分に向かって半径方向内向きに漸減している、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の拡張可能なフレームワーク。
【請求項7】
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、前記第1の周方向列のxコネクタに隣接する第1の位置における第1の厚さおよび前記第2の周方向列のxコネクタに隣接する第2の位置における第2の厚さから、前記第1の位置と前記第2の位置との間に長手方向に配置された第3の位置における最小の厚さまで漸減しており、
前記最小の厚さは、前記第1の厚さおよび前記第2の厚さよりも小さい、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の拡張可能なフレームワーク。
【請求項8】
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱は、前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを直接接続する前記複数のフレーム支柱のうちの全てのフレーム支柱を含んでいる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の拡張可能なフレームワーク。
【請求項9】
前記上側クラウンは、前記格子構造の第1の最大外側範囲を規定し、前記下側クラウンは、前記格子構造の第2の最大外側範囲を規定しており、
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱は、前記第1の最大外側範囲および前記第2の最大外側範囲よりも小さい前記格子構造の第3の最大外側範囲を規定している、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の拡張可能なフレームワーク。
【請求項10】
置換心臓弁インプラントであって、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の拡張可能なフレームワークと、
前記拡張可能なフレームワークに結合された複数の弁リーフレットと、を備える置換心臓弁インプラント。
【請求項11】
前記複数の弁リーフレットは、閉鎖位置において前記置換心臓弁インプラントを通って流体が流れるのを実質的に制限するように構成されている、請求項10に記載の置換心臓弁インプラント。
【請求項12】
前記複数の弁リーフレットは、前記複数の安定化アーチに隣接して配置された複数の交連において前記拡張可能なフレームワークに固定的に取り付けられている、請求項10または11に記載の置換心臓弁インプラント。
【請求項13】
前記複数の交連は、前記複数の安定化アーチと前記上側クラウンとの間に長手方向に配置されている、請求項12に記載の置換心臓弁インプラント。
【請求項14】
前記拡張可能なフレームワークの反ルーメン側表面上に配置された外側スカートをさらに備える、請求項10乃至13のいずれか一項に記載の置換心臓弁インプラント。
【請求項15】
置換心臓弁インプラントにおいて使用するための拡張可能なフレームワークであって、
中心長手方向軸の周囲に格子構造を形成する複数のフレーム支柱を備えており、各フレーム支柱が前記中心長手方向軸から半径方向に厚さを有しており、
前記複数のフレーム支柱は、前記格子構造の流入端に近接する下側クラウンと、前記格子構造の流出端に近接する上側クラウンと、前記格子構造の前記流出端から下流に延在する複数の安定化アーチとを形成しており、
前記格子構造は、第1の周方向列のxコネクタと、前記第1の周方向列のxコネクタから長手方向に離間した第2の周方向列のxコネクタとを含んでおり、
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを直接接続する少なくとも一部のフレーム支柱は厚さが変化している、フレームワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療デバイス、システム、ならびに医療デバイスおよび/またはシステムを製造および/または使用するための方法に関する。より詳細には、本開示は、置換心臓弁インプラントおよび/または置換心臓弁インプラントにおいて使用するための拡張可能なフレームワーク(framework)に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用途、例えば血管内使用のために多種多様な体内医療デバイスが開発されてきた。これらの装置のいくつかは、ガイドワイヤ、カテーテル、医療デバイスシステム(例えば、ステント、グラフト、置換弁など)などを含む。これらのデバイスは、様々な異なる製造方法のいずれか1つによって製造され、様々な方法のいずれか1つに従って使用することができる。既知の医療デバイスおよび方法の各々は、特定の利点および欠点を有する。代替的な医療デバイス、並びに医療デバイスを製造および使用する代替的な方法を提供する継続的な必要性がある。
【発明の概要】
【0003】
一例では、置換心臓弁インプラントで使用するための拡張可能なフレームワークは、中心長手方向軸の周囲に格子構造を形成する複数のフレーム支柱を備え得、各フレーム支柱は、中心長手方向軸から半径方向に厚さを有している。複数のフレーム支柱は、格子構造の流入端に近接する下側クラウンと、格子構造の流出端に近接する上側クラウンと、格子構造の流出端から下流に延在する複数の安定化アーチとを形成する。格子構造は、上側クラウンよりも上流にある第1の周方向列のxコネクタと、下側クラウンよりも下流にある第2の周方向列のxコネクタとを含む。第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを接続する少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、複数のフレーム支柱のうちの他のフレーム支柱の厚さよりも小さい。
【0004】
本明細書に記載の任意の例に対して付加的に、または代替的に、第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを接続する少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、第1の周方向列のxコネクタよりも下流にあるフレーム支柱の厚さよりも小さい。
【0005】
本明細書に記載の任意の例に対して付加的に、または代替的に、第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを接続する少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、第1の周方向列のxコネクタよりも下流にある全てのフレーム支柱の厚さよりも小さい。
【0006】
本明細書に記載の任意の例に対して付加的に、または代替的に、第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを接続する少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、第2の周方向列のxコネクタよりも上流にあるフレーム支柱の厚さよりも小さい。
【0007】
本明細書に記載の任意の例に対して付加的に、または代替的に、第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを接続する少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、第2の周方向列のxコネクタよりも上流にある全てのフレーム支柱の厚さよりも小さい。
【0008】
本明細書に記載の任意の例に対して付加的に、または代替的に、第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを接続する少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを接続する少なくとも一部のフレーム支柱の中間部分に向かって半径方向内向きに漸減している。
【0009】
本明細書に記載される任意の例に対して付加的に、または代替的に、第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを接続する少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、第1の周方向列のxコネクタに隣接する第1の位置における第1の厚さおよび第2の周方向列のxコネクタに隣接する第2の位置における第2の厚さから、第1の位置と第2の位置との間に長手方向に配置された第3の位置における最小の厚さまで漸減している。最小の厚さは、第1の厚さおよび第2の厚さよりも小さい。
【0010】
本明細書に記載の任意の例に対して付加的に、または代替的に、第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを接続する少なくとも一部のフレーム支柱は、第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを直接接続する複数のフレーム支柱の全てのフレーム支柱を含む。
【0011】
本明細書に記載の任意の例に対して付加的に、または代替的に、上側クラウンは、格子構造の第1の最大外側範囲を規定し、下側クラウンは、格子構造の第2の最大外側範囲を規定する。第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを接続する少なくとも一部のフレーム支柱は、第1の最大外側範囲および第2の最大外側範囲よりも小さい格子構造の第3の最大外側範囲を規定する。
【0012】
本明細書に記載の任意の例に対して付加的に、または代替的に、置換心臓弁インプラントは、中心長手方向軸の周囲に格子構造を形成する複数のフレーム支柱を有する拡張可能なフレームワークであって、各フレーム支柱が中心長手方向軸から半径方向に厚さを有する、拡張可能なフレームワークと、拡張可能なフレームワークに結合された複数の弁リーフレットとを備え得る。複数のフレーム支柱は、格子構造の流入端に近接する下側クラウンと、格子構造の流出端に近接する上側クラウンと、格子構造の流出端から下流に延在する複数の安定化アーチとを形成する。格子構造は、上側クラウンよりも上流にある第1の周方向列のxコネクタと、下側クラウンよりも下流にある第2の周方向列のxコネクタとを含む。第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを接続する少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、複数のフレーム支柱のうちの他のフレーム支柱の厚さよりも小さい。
【0013】
本明細書に記載される任意の例に対して付加的に、または代替的に、複数の弁リーフレットは、閉鎖位置において置換心臓弁インプラントを通って流体が流れるのを実質的に制限するように構成されている。
【0014】
本明細書に説明される任意の実施例に加えて、またはその代替として、複数の弁リーフレットは、複数の安定化アーチに隣接して配置された複数の交連において拡張可能なフレームワークに固定的に取り付けられている。
【0015】
本明細書に記載される任意の例に対して付加的に、または代替的に、複数の交連は、複数の安定化アーチと上側クラウンとの間に長手方向に配置されている。
本明細書に説明される任意の実施例に加えて、または代替として、置換心臓弁インプラントは、拡張可能なフレームワークの反ルーメン側表面上に配置された外側スカートをさらに備え得る。
【0016】
本明細書に記載される任意の例に対して付加的に、または代替的に、置換心臓弁インプラントにおいて使用するための拡張可能なフレームワークは、中心長手方向軸の周囲に格子構造を形成する複数のフレーム支柱を備え得、各フレーム支柱は、中心長手方向軸から半径方向に厚さを有している。複数のフレーム支柱は、格子構造の流入端に近接する下側クラウンと、格子構造の流出端に近接する上側クラウンと、格子構造の流出端から下流に延在する複数の安定化アーチとを形成する。格子構造は、第1の周方向列のxコネクタと、第1の周方向列のxコネクタから長手方向に離間した第2の周方向列のxコネクタとを含む。第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを直接接続する少なくとも一部のフレーム支柱は厚さが変化している。
【0017】
本明細書に記載の任意の例に対して付加的に、または代替的に、第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを直接接続する少なくとも一部のフレーム支柱は厚さが長手方向に変化している。
【0018】
本明細書に記載される任意の例に対して付加的に、または代替的に、第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを直接接続する各フレーム支柱は厚さが変化している。
【0019】
本明細書に記載の任意の例に対して付加的に、または代替的に、第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを直接接続する各フレーム支柱は厚さが長手方向に変化している。
【0020】
本明細書に記載の任意の例に対して付加的に、または代替的に、第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを直接接続する少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを直接接続する少なくとも一部のフレーム支柱の中間部分に向かって半径方向内向きに漸減している。
【0021】
本明細書に記載のいずれかの例に対して付加的に、または代替的に、第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを直接接続する少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、第1の周方向列のxコネクタから第2の周方向列のxコネクタに向かって半径方向内向きに漸減しており、第1の周方向列のxコネクタと第2の周方向列のxコネクタとを直接接続する少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、第2の周方向列のxコネクタから第1の周方向列のxコネクタに向かって半径方向内向きに漸減している。
【0022】
いくつかの実施形態、態様、および/または例の上記の概要は、本開示の開示される各実施形態または全ての実装形態を説明することを意図していない。以下の図面および「発明を実施するための形態」は、これらの実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示は、添付の図面に関連して以下の「発明を実施するための形態」を考慮することにより、より完全に理解することができる。
図1】自己心臓弁の選択された態様を示す図である。
図2】置換心臓弁インプラントの選択された態様を示す図である。
図3】は、置換心臓弁インプラントにおいて使用するための拡張可能なフレームワークの選択された態様を示す図である。
図4】は、置換心臓弁インプラントにおいて使用するための拡張可能なフレームワークの選択された態様を示す図である。
図5】自己心臓弁内に配置された拡張可能なフレームワークの選択された態様を示す部分断面図である。
図6】拡張可能なフレームワークを製造する方法の選択された態様を示す図である。
図7】拡張可能なフレームワークを製造する方法の選択された態様を示す図である。
図8】拡張可能なフレームワークを製造する方法の選択された態様を示す図である。
図9】拡張可能なフレームワークの代替構成の選択された態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の態様は、様々な修正形態および代替形態に適用可能であるが、その詳細が図面において例として示されており、詳細に説明される。しかしながら、その意図は、本開示の態様を記載された特定の実施形態に限定することではないことを理解されたい。逆に、本発明は、本開示の趣旨および範囲内に入る全ての修正形態、均等物、および代替形態を包含するものである。
【0025】
以下の説明は、図面を参照して読まれるべきであり、図面は、必ずしも縮尺通りではないが、同様の参照番号は、いくつかの図を通して同様の要素を示す。詳細な説明および図面は、開示を限定するものではなく、本開示の例示的な実施形態を示すことを意図している。当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、記載および/または図示された様々な要素を様々な組合せおよび構成で配置することができることを認識するであろう。しかしながら、明確性および理解の容易さの観点から、全ての特徴および/または要素が各図面に示されていない場合がある。
【0026】
以下に定義される用語については、特許請求の範囲または本明細書の他の箇所において異なる定義が与えられない限り、これらの定義が適用されるものとする。
本明細書において、全ての数値は、明示的に示されているか否かにかかわらず、用語「約」によって修飾されると仮定する。数値の文脈における「約」という用語は、一般に、当業者が列挙された値と同等である(例えば、同じ機能または結果を有する)と考えるであろう数の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められた数を含むことができる。「約」という用語の他の(例えば、数値以外の文脈における)使用は、別段の指定がない限り、本明細書の文脈から理解され、本明細書の文脈と一致するような、それらの通常の慣習的な定義を有すると仮定され得る。
【0027】
端点による数値範囲の記載は、端点を含むその範囲内の全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)。
様々な構成要素、特徴および/または仕様に関するいくつかの適切な寸法、範囲および/または値が開示されているが、本開示によって触発された当業者であれば、所望の寸法、範囲および/または値が明示的に開示されたものから逸脱し得ることを理解するであろう。
【0028】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、内容が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示対象を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるとき、「または」という用語は、内容が明らかに他のことを示さない限り、「および/または」を含む意味で一般に使用される。理解を容易にするために、本開示のいくつかの特徴は、それらの特徴が開示される実施形態内で複数であり得るまたは反復され得る場合であっても、単数形で説明されることがあることに留意されたい。特徴の各例は、反対のことが明確に述べられていない限り、単数の開示を含み、かつ/またはそれによって包含され得る。簡略化および明確化のために、開示の全ての要素が必ずしも各図に示されている、または以下で詳細に説明されるわけではない。しかしながら、以下の説明は、反対のことが明確に述べられていない限り、2つ以上存在する構成要素のいずれか、および/または全てに等しく適用され得ることが理解されるであろう。更に、明確化のために、いくつかの要素または特徴の例全てが各図に示されているわけではない。
【0029】
「近位」、「遠位」、「前進」、「後退」、それらの変化形などの相対的な用語は、概して、装置のユーザ/オペレータ/マニピュレータに対する様々な要素の位置、方向、および/または動作に関して考慮されてもよく、「近位」および「後退」は、ユーザにより近いことまたはユーザに向かうことを示しまたは指し、「遠位」および「前進」は、ユーザからより遠いことまたはユーザから離れることを示すまたは指す。場合によっては、「近位」および「遠位」という用語は、本開示の理解を容易にするために任意に割り当てられることがあり、そのような場合は、当業者には容易に明らかになるであろう。「上流」、「下流」、「流入」、および「流出」などの他の相対的な用語は、身体管腔、血管などの管腔内、または装置内の流体流の方向を指す。「軸方向」、「周方向」、「長手方向」、「横方向」、「半径方向」などの更に他の相対的な用語および/またはそれらの変化形は、一般に、開示される構造または装置の中心長手方向軸に対する方向および/または向きを指す。
【0030】
「範囲」という用語は、当該範囲または寸法が、記載または特定された寸法の最小測定値を意味すると理解され得る「最小」を付けられない限りまたは「最小」として特定されない限り、記載または特定された寸法の最大測定値を意味すると理解され得る。例えば、「外側範囲」は外側寸法を意味すると理解されてもよく、「半径方向範囲」は半径方向寸法を意味すると理解されてもよく、「長手方向範囲」は長手方向寸法を意味すると理解され得る。「範囲」の各事例は異なる場合があり(例えば、軸方向、長手方向、横方向、半径方向、周方向など)、個々の使用の文脈から当業者には明らかであろう。一般に、「範囲」は、意図された用途に従って測定された可能な最大寸法と考えることができ、一方、「最小範囲」は、意図された用途に従って測定された可能な最小寸法と考えることができる。場合によっては、「範囲」は、一般に、平面および/または断面内で直交して測定され得るが、特定の文脈から明らかになるように、限定はされないが、角度的に、半径方向に、周方向に(例えば、弧に沿って)など、異なるように測定され得る。
【0031】
「モノリシック」および「単体」という用語は、一般に、単一の構造若しくはベースユニット/要素から作製されるまたはそれからなる、1つまたは複数の要素を指すものとする。モノリシックおよび/または単体要素は、複数の別個の構造または要素を一緒に組み立てることまたは別様に接合することによって作製される構造および/または特徴を除外するものとする。
【0032】
本明細書における「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、全ての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、または特性を含まなくてもよいことを示すことに留意されたい。更に、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態に言及しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、または特性が実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されているか否かにかかわらず、反対のことが明確に述べられていない限り、他の実施形態に関連して特定の特徴、構造、または特性に影響を及ぼすことは、当業者の知識の範囲内であろう。すなわち、以下で説明される様々な個々の要素は、特定の組合せで明示的に示されていなくても、当業者によって理解されるように、他の追加の実施形態を形成するために、または説明される実施形態を補完および/または強化するために、互いに組合せ可能または配置可能であると考えられる。
【0033】
明確化の目的で、明細書および/または特許請求の範囲の全体にわたって、明細書および/または特許請求の範囲の様々な特徴を命名および/または区別するために、特定の識別数値命名法(例えば、第1、第2、第3、第4など)を使用する場合がある。数値命名法は、限定を意図するものではなく、単なる例示であることを理解されたい。いくつかの実施形態では、簡潔性および明確性のために、以前に使用された数値命名法の変更およびそれからの逸脱が行われる場合がある。すなわち、「第1の」要素として識別される特徴は、後に、「第2の」要素、「第3の」要素などと称されることがある、または完全に省略されることがある、および/または異なる特徴が「第1の」要素と称されることがある。各例における意味および/または名称は、当業者には明らかであろう。
【0034】
心臓血管系に影響を及ぼす疾患および/または病態は、世界中で蔓延している。従来、心臓血管系の治療は、系の影響を受けた部分に直接アクセスすることによって行われることが多かった。例えば、1つ以上の冠動脈の閉塞の治療は、従来、冠動脈バイパス手術を使用して治療されていた。容易に理解され得るように、このような治療法は、患者にとってとても侵襲的であり、かなりの回復時間および/または処置を必要とする。より最近では、例えば、閉塞した冠動脈に経皮的カテーテルを介してアクセスし、治療できる侵襲性の低い治療法(例えば、血管形成術)が開発されている。このような治療法は、患者および臨床医の間で広く受け入れられている。
【0035】
一部の哺乳動物(例えば、ヒトなど)の心臓は、4つの心臓弁、すなわち、三尖弁、肺動脈弁、大動脈弁、および僧帽弁を含む。いくつかの比較的一般的な病態は、心臓内の弁のうちの1つ以上の非効率性、非有効性、若しくは完全な不全を含み得る、またはこれらの結果であり得る。例えば、大動脈弁または僧帽弁の不全は人体に深刻な影響を及ぼし、適切に対処しなければ重篤な健康状態や死につながる可能性がある。欠陥のある心臓弁の治療は、この治療に、欠陥のある心臓弁の修復または完全な置換が必要となることが多いという点で、別の課題を招く。このような治療法は、患者にとって非常に侵襲的となり得る。心臓血管系を診断、治療、および/または修復するために、心臓血管系の一部に使用され得る装置、システム、および/または方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される装置、システム、および/または方法は、欠陥のある心臓弁(例えば、大動脈弁、僧帽弁等)を診断、治療、および/または修復するための処置の前および/または間に使用され得る。加えて、置換心臓弁インプラントは、経皮的に送達され得るため、患者に対してはるかに低侵襲性であり得る。本明細書で開示される装置、システム、および/または方法はまた、以下で説明されるような他の望ましい特徴および/または利点を提供し得る。
【0036】
理解を容易にするために、本開示の特定の特徴は、それらの特徴が開示された1つまたは複数の実施形態内で複数であるか、または繰り返され得るとしても、単数形で説明される場合もあることに留意されたい。特徴の各事例は、明示的に反対の記載がない限り、単数または複数の開示を含み、かつ/または単数または複数の開示に包含され得る。例えば、「リーフレット(leaflet)」、「フレーム支柱(frame strut)」、または他の特徴への言及は、明示的に反対の記載がない限り、前記特徴のうちの1つを超える全ての事例および量に等しく言及され得る。従って、以下の説明は、明示的に反対の記載がない限り、置換心臓弁インプラントおよび/または装置内に2つ以上存在する構成要素のいずれか、および/または全てに等しく適用され得ることが理解されるであろう。
【0037】
加えて、任意の所与の図において、いくつかの特徴は、明瞭化および/または簡略化のために、図示されない場合があるか、または概略的に図示されている場合があることに留意されたい。いくつかの構成要素および/または方法ステップに関する追加の詳細は、他の図においてより詳細に図示されている場合がある。本明細書で開示されるシステム、デバイス、および/または方法は、以下でより詳細に説明されるように、いくつかの望ましい特徴および利益を提供し得る。本開示の目的のために、以下の説明は、自己大動脈弁の治療を対象としており、かつ簡潔にするためにそのように記載される。しかしながら、これは、限定することを意図するものではなく、当業者であれば、以下の説明が、本開示の構造および/または範囲に対する変更なしに、または最小限の変更で、僧帽弁または別の心臓弁にも適用され得ることを認識するであろう。同様に、本明細書に開示される医療デバイスは、動脈、静脈、および/または他の体管腔等、患者の解剖学的構造の他の部分における用途および使用を有し得るが、それらに限定されない。
【0038】
図1は、自己心臓弁10(例えば、自己大動脈弁等)を示す。自己心臓弁10は、自己心臓の1つまたは複数の壁によって少なくとも部分的に形成された弁輪20と、弁輪20から半径方向内向きに延在する複数の弁尖30とを含み得る。収縮期の間、複数の弁尖30は、血液が自己心臓弁10を通って(例えば、左心室40から、自己心臓弁10を通って、大動脈弓50内へと下流に)流れることを可能にするために、開放位置に移動し得る。拡張期の間、複数の弁尖30は、血液が自己心臓弁10を通って流れるのを防止するために、閉鎖位置に移動し得る。場合によっては、疾患および/または/または欠陥のある自己心臓弁10は、弁輪20内、弁輪20上、および/または弁輪20の周囲に石灰化を有し、かつ/または含み得る。
【0039】
図2は、置換心臓弁インプラント130の選択された態様を示す。置換心臓弁インプラント130は、任意の種類の心臓弁(例えば、僧帽弁、大動脈弁等)とすることができることを理解されたい。使用時、置換心臓弁インプラント130は、哺乳動物の心臓に(例えば、外科的に、または経カテーテル送達を通して)埋め込み得る。置換心臓弁インプラント130は、流入端から流出端への置換心臓弁インプラント130を通る一方向の流れを可能にするように構成することができる。
【0040】
置換心臓弁インプラント130は、いくつかの実施形態では、実質的に円筒形であり得る中央ルーメンを形成する拡張可能なフレームワーク132を含み得る。中央ルーメンに面する拡張可能なフレームワーク132および他の構成要素の側は、ルーメン表面またはルーメン側と称され得る。拡張可能なフレームワーク132および他の構成要素の反対側または外側(例えば、中央ルーメンから見て外側を向く側)は、反ルーメン側表面または反ルーメン側と称されることができる。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク132は、実質的に円形の断面を有し得る。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク132は、非円形(例えば、D字形、楕円形など)の断面を有することができる。いくつかの実施形態では、非円形の拡張可能なフレームワークは、患者の心臓内または体内の僧帽弁または別の非円形弁を修復するために使用することができる。金属および金属合金、複合材料、セラミック、ポリマーなどを含むがこれらに限定されない、拡張可能なフレームワーク132を形成するために使用され得る材料のいくつかの適切であるが非限定的な例を以下に説明する。
【0041】
拡張可能なフレームワーク132は、折り畳まれた形態から拡張された形態に移行するように構成され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク132は、自己拡張式であり得る。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク132は、拡張された形態に向かって自己付勢され得る。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク132は、機械的に拡張可能であり得る。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク132は、バルーン拡張可能であり得る。他の構成も企図される。図3に示すように、拡張可能なフレームワーク132は、複数のフレーム支柱131を含み得る。いくつかの実施形態では、複数のフレーム支柱131は、中心長手方向軸102の周囲に配置され、かつ/または延在する格子構造を形成し得る。いくつかの実施形態では、複数のフレーム支柱131は、隣接するフレーム支柱間にあり、かつ/または拡張可能なフレームワーク132をルーメン側から反ルーメン側に貫通する複数の間隙133(例えば、開口部)を形成し得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク132および/または複数のフレーム支柱131は、格子構造の流入端に近接する下側クラウン136と、格子構造の流出端に近接する上側クラウン138と、格子構造の流出端から下流に延在する複数の安定化アーチ140とを形成し得る。いくつかの実施形態では、下側クラウン136は、格子構造の流入端に配置され得る。いくつかの実施形態では、上側クラウン138は、格子構造の流出端に配置され得る。いくつかの実施形態では、複数の安定化アーチ140は、下側クラウン136とは反対の方向において、上側クラウン138よりも下流に、かつ/または上側クラウン138から離れるように延在し得る。いくつかの実施形態では、上側クラウン138は、下側クラウン136と複数の安定化アーチ140との間に長手方向および/または軸方向に配置され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク132および/または格子構造は、上側クラウン138よりも上流にある第1の周方向列のxコネクタ150と、下側クラウン136よりも下流にある第2の周方向列のxコネクタ152とを含み得る。第1の周方向列のxコネクタ150および/または第2の周方向列のxコネクタ152は、複数のフレーム支柱131の隣接するフレーム支柱を接続し得る。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150および/または第2の周方向列のxコネクタ152は、複数のフレーム支柱131の隣接するフレーム支柱間の接合部またはジョイントとして機能し得る。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150および/または第2の周方向列のxコネクタ152は、拡張可能なフレームワーク132および/または格子構造が折り畳まれた形態から拡張された形態に移行するときに、複数のフレーム支柱131の隣接する支柱間のある程度の移動を可能にし得る。例えば、複数のフレーム支柱131の隣接するフレーム支柱間の角度は、折り畳まれた形態における第1の角度から拡張された形態における第2の角度に変化し得る。他の構成も企図される。
【0044】
いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150および/または第2の周方向列のxコネクタ152は、拡張可能なフレームワーク132および/または格子構造の周囲に連続的に、かつ/または完全に延在し得る。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150および/または第2の周方向列のxコネクタ152は、不連続であり得、かつ/または拡張可能なフレームワーク132および/または格子構造の周囲に部分的に延在し得る。他の構成も企図される。
【0045】
いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150および第2の周方向列のxコネクタ152は、上側クラウン138と下側クラウン136との間に長手方向に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150は、第2の周方向列のxコネクタ152よりも下流に配置され得る。いくつかの実施形態では、第2の周方向列のxコネクタ152は、第1の周方向列のxコネクタ150よりも上流に配置され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の追加の周方向列のxコネクタが、上側クラウン138と下側クラウン136との間に長手方向に設けられ得、かつ/または配置され得る。少なくともいくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150は、第2の周方向列のxコネクタ152に隣接して配置されて、他の周方向列のxコネクタが、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152との間に長手方向に配置されないようにし得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、第2の周方向列のxコネクタ152は、複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aによって、第1の周方向列のxコネクタ150から長手方向に離間され得る。いくつかの実施形態では、複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aは、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する。いくつかの実施形態では、複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aは、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを直接接続する。従って、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aは、第1の周方向列のxコネクタ150および第2の周方向列のxコネクタ152に直接接続され得る。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aは、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを直接接続する全てのフレーム支柱を含み得る。
【0048】
複数のフレーム支柱131の各フレーム支柱、および第1の周方向列のxコネクタ150および第2の周方向列のxコネクタ152の各xコネクタは、中心長手方向軸102から半径方向に厚さを有し得る。同様に、複数のフレーム支柱131の各フレーム支柱は、中心長手方向軸102を中心として周方向に規定された幅を有し得る。少なくともいくつかの実施形態では、複数のフレーム支柱131の厚さは、複数のフレーム支柱131の幅より大きくてもよい。
【0049】
図4の部分断面図に示されるように、いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さは、複数のフレーム支柱131のうちの他のフレーム支柱の厚さよりも小さくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さは、第1の周方向列のxコネクタ150よりも下流にあるフレーム支柱の厚さよりも小さくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さは、第1の周方向列のxコネクタ150よりも下流にある全てのフレーム支柱の厚さよりも小さくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さは、第2の周方向列のxコネクタ152よりも上流にあるフレーム支柱の厚さよりも小さくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さは、第2の周方向列のxコネクタ152よりも上流にある全てのフレーム支柱の厚さよりも小さくてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aは厚さが変化している。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aは厚さが長手方向に変化している。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131の各フレーム支柱は厚さが変化している。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131の各フレーム支柱は厚さが長手方向に変化している。
【0051】
いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを直接接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aは厚さが変化している。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを直接接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aは厚さが長手方向に変化している。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを直接接続する複数のフレーム支柱131の各フレーム支柱は厚さが変化している。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを直接接続する複数のフレーム支柱131の各フレーム支柱は厚さが長手方向に変化している。
【0052】
いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さは、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの中間部分に向かって半径方向内向きに漸減している。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131の各フレーム支柱の厚さは、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131の各フレーム支柱の中間部分に向かって半径方向内向きに漸減している。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さは、第1の周方向列のxコネクタ150から第2の周方向列のxコネクタ152に向かって半径方向内向きに漸減しており、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さは、第2の周方向列のxコネクタ152から第1の周方向列のxコネクタ150に向かって半径方向内向きに漸減している。
【0053】
いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを直接接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さは、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを直接接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの中間部分に向かって半径方向内向きに漸減している。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを直接接続する複数のフレーム支柱131の各フレーム支柱の厚さは、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを直接接続する複数のフレーム支柱131の各フレーム支柱の中間部分に向かって半径方向内向きに漸減している。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを直接接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さは、第1の周方向列のxコネクタ150から第2の周方向列のxコネクタ152に向かって半径方向内向きに漸減しており、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを直接接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さは、第2の周方向列のxコネクタ152から第1の周方向列のxコネクタ150に向かって半径方向内向きに漸減している。
【0054】
いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さは、第1の周方向列のxコネクタ150に隣接する第1の位置における第1の厚さおよび第2の周方向列のxコネクタ152に隣接する第2の位置における第2の厚さから、第1の位置と第2の位置との間に長手方向に配置された第3の位置における最小の厚さまで漸減している。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131の各フレーム支柱の厚さは、第1の周方向列のxコネクタ150に隣接する第1の位置における第1の厚さおよび第2の周方向列のxコネクタ152に隣接する第2の位置における第2の厚さから、第1の位置と第2の位置との間に長手方向に配置された第3の位置における最小の厚さまで漸減している。第3の位置における最小の厚さは、第1の厚さおよび第2の厚さよりも小さくてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを直接接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さは、第1の周方向列のxコネクタ150に隣接する第1の位置における第1の厚さおよび第2の周方向列のxコネクタ152に隣接する第2の位置における第2の厚さから、第1の位置と第2の位置との間に長手方向に配置された第3の位置における最小の厚さまで漸減している。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを直接接続する複数のフレーム支柱131の各フレーム支柱の厚さは、第1の周方向列のxコネクタ150に隣接する第1の位置における第1の厚さおよび第2の周方向列のxコネクタ152に隣接する第2の位置における第2の厚さから、第1の位置と第2の位置との間に長手方向に配置された第3の位置における最小の厚さまで漸減している。第3の位置における最小の厚さは、第1の厚さおよび第2の厚さよりも小さくてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、上側クラウン138は、格子構造の第1の最大外側範囲を規定し得、下側クラウン136は、格子構造の第2の最大外側範囲を規定し得る。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aは、第1の最大外側範囲よりも小さい格子構造の第3の最大外側範囲を規定し得る。いくつかの実施形態では、格子構造の第3の最大外側範囲は、第2の最大外側範囲より小さくてもよい。いくつかの実施形態では、格子構造の第3の最大外側範囲は、第1の最大外側範囲および第2の最大外側範囲より小さくてもよい。
【0057】
ここで図2に戻ると、置換心臓弁インプラント130は、中央ルーメン内に配置された複数の弁リーフレット134を含み得る。複数の弁リーフレット134は、拡張可能なフレームワーク132に結合され、固定され、かつ/または固定的に取り付けられ得る。複数の弁リーフレット134の各々は、拡張可能なフレームワーク132に結合された根元縁部と、接合領域に沿って他の弁リーフレットの接合縁部と接合するために根元縁部に対して移動可能な自由縁部(例えば、接合縁部)とを含み得る。いくつかの実施形態では、複数の弁リーフレット134は、互いに一体的に形成することができ、その結果、複数の弁リーフレット134は、単一の一体ユニットおよび/またはモノリシックユニットとして形成される。いくつかの実施形態では、「根元縁部」は、例えば、複数の弁リーフレット134が拡張可能なフレームワーク132上の定位置に形成される等の場合に、形成された縁部であり得る。いくつかの実施形態では、複数の弁リーフレット134は、内側スカート142および/または外側スカート(図示せず)、ベース構造、ライナなどの他の構造と一体的に形成され得、それらの状況では、「根元縁部」は、切断または別様に分割された縁部ではなく、むしろ、複数の弁リーフレット134の各々がそれらの他の構造と接触する自由縁部とは反対側の場所である。
【0058】
複数の弁リーフレット134は、閉鎖位置にある置換心臓弁インプラント130を通って流体が流れることを実質的に制限するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、複数の弁リーフレット134の自由縁部は、閉鎖位置において互いに接合するように移動して、置換心臓弁インプラント130を通して流体が流れるのを実質的に制限し得る。具体的には、複数の弁リーフレット134は、置換心臓弁インプラント130の中央ルーメンを充填または閉鎖するように接合し、それによって、置換心臓弁インプラント130を通る流体の流れを妨げ得る。複数の弁リーフレット134の自由縁部は、置換心臓弁インプラント130を通る流体の流れを許容にするために、開放位置において互いに離れるように移動し得る。具体的には、複数の弁リーフレット134は、置換心臓弁インプラント130の中央ルーメンを開くように互いに離れて移動し得、それによって、置換心臓弁インプラント130を通る流体の流れを許容する。図2において、複数の弁リーフレット134は、複数の弁リーフレット134が流体の流れによって付勢されていない(unbiased)ときに移動し得る開位置または部分的に開位置(例えば、中立位置)にある状態で示されている。
【0059】
複数のリーフレット134の各々は、2つの接続部分をさらに含み得る。1つの接続部分は、接続部分が複数の複数の安定化アーチ140に隣接して配置された交連(commissures)146において拡張可能なフレームワーク132に接触または隣接するように、その個々のリーフレットの自由縁部のいずれかの端部上に配置され得る。いくつかの実施形態では、複数の弁リーフレット134は、拡張可能なフレームワーク132に複数の複数の安定化アーチ140に隣接して配置された複数の交連146において固定され、かつ/または固定的に取り付けられ得る。複数の弁リーフレット134の自由縁部は、複数の交連146の間に延在し得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、複数の交連146は、複数の安定化アーチ140の基部に配置され得る。いくつかの実施形態では、複数の交連146の各々は、複数の安定化アーチ140の周方向に隣接する安定化アーチを共に結合し得る。いくつかの実施形態では、複数の交連146は、複数の安定化アーチ140と上部クラウン138との間に長手方向に配置され得る。いくつかの実施形態において、複数の交連146は、複数の安定化アーチ140の遠位に、かつ上側クラウン138の近位に配置され得る。少なくともいくつかの実施形態では、複数の交連146の周方向に隣接する交連の間で、置換心臓弁インプラント130は、複数の弁リーフレット134の自由縁部の半径方向外側の長手方向位置において拡張可能なフレームワーク132が設けられていない。従って、複数の弁リーフレット134の自由縁部は、複数の弁リーフレット134が開き、かつ/または閉じるときに、拡張可能なフレームワーク132と直接接触し得ない。
【0061】
いくつかの実施形態では、複数の弁リーフレット134の複数の接続部分は、交連取付タブと称され得る。いくつかの実施形態では、接続部分は、拡張可能なフレームワーク132を通って形成され、かつ/または延在する接続開口部内に少なくとも部分的に配置されており、それによって、複数の弁リーフレット134を拡張可能なフレームワーク132に結合または取り付け得る。いくつかの実施形態では、接続部分は、それらの個々のリーフレットからの突起であり得る。いくつかの実施形態では、接続部分は、リーフレットおよび接続部分が単一の一体部品および/またはモノリシック部品または構造であるように、その個別のリーフレットと一体的に形成され得る。いくつかの実施形態では、リーフレットの接続部分は、例えば、接続開口部が拡張可能なフレームワーク132を貫通して完全に延在する等の場合、接続開口部を通って完全に延在することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、接続部分は、例えば、支柱および/または拡張可能なフレームワーク132が接続開口部を形成しない場所で接続部分が支柱に接触する等の場合、拡張可能なフレームワーク132の一部を取り囲み得る。いくつかの実施形態では、複数の弁リーフレット134および/または接続部分は、縫合糸、接着剤、または他の適切な方法を使用して、拡張可能なフレームワーク132に取り付けられ得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、置換心臓弁インプラント130は、内側スカート142を含み得る。いくつかの実施形態では、内側スカート142は、実質的に管状の形状を形成し得る。内側スカート142は、拡張可能なフレームワーク132の内側表面(例えば、ルーメン表面)上に配置され得、かつ/または内側表面に沿って延在し得る。少なくともいくつかの実施形態では、内側スカート142は、拡張可能なフレームワーク132に固定的に取り付けられ得る。内側スカート142は、置換心臓弁インプラント130を通って流れる血液などの流体を複数の弁リーフレット134に向けて方向付け得る。少なくともいくつかの実施形態では、内側スカート142は、複数の弁リーフレット134に固定的に取り付けられ得、かつ/または複数の弁リーフレット134と一体的に形成され得る。内側スカート142は、流体が置換心臓弁インプラント130の中央ルーメンを通って流れることを確実にするとともに、複数の弁リーフレット134が閉鎖位置にあるときに、流体が複数の弁リーフレット134の周囲を流れないことを確実にし得る。
【0064】
内側スカート142は、内側スカート142から1つまたは複数の接続開口部内に延在する接続突起を含み得る。いくつかの実施形態では、接続突起は、支柱および/または拡張可能なフレームワーク132の一部の周囲に延在し得る。いくつかの実施形態では、接続突起は、支柱の一部の周囲に延在するとともに、1つまたは複数の接続開口部の中に延在し得る。いくつかの実施形態では、接続突起は、拡張可能なフレームワーク132と相互作用して、表面積接触構造および/または形状嵌め込み構造によって内側スカート142を拡張可能なフレームワーク132に取り付けるか、または結合し得る。いくつかの実施形態では、接続突起は、縫合糸、接着剤、または他の適切な方法を使用して、拡張可能なフレームワーク132に取り付けられ得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、置換心臓弁インプラント130は、外側スカートを含むことができる。いくつかの実施形態では、外側スカートは、実質的に管状の形状を形成し得る。いくつかの実施形態では、外側スカートは、拡張可能なフレームワーク132の反ルーメン側表面上に配置され得る。いくつかの実施形態では、外側スカートは、下側クラウン136に、かつ/または下側クラウン136と隣接して配置され得る。外側スカートは、血液などの流体が置換心臓弁インプラント130および/または拡張可能なフレームワーク132の周囲に下流方向に流れるのを防止するために、拡張可能なフレームワーク132と血管壁との間に配置され得る。外側スカートは、流体が置換心臓弁インプラント130を通って流れることを確実にするとともに、例えば、複数の弁リーフレット134が閉位置にあるときに流体の流れを停止することができることを確実にする等のために、流体が置換心臓弁インプラント130の周囲に流れないことを確実にし得る。
【0066】
外側スカートは、外側スカートから1つまたは複数の接続開口部内に延在する接続突起を含み得る。いくつかの実施形態では、接続突起は、支柱および/または拡張可能なフレームワーク132の一部の周囲に延在し得る。いくつかの実施形態では、接続突起は、支柱および/または拡張可能なフレームワーク132の一部の周囲に延在するとともに、1つまたは複数の接続開口部内に延在し得る。いくつかの実施形態では、接続突起は、拡張可能なフレームワーク132と相互作用して、例えば、表面積接触構造または形状嵌め込み構造等によって外側スカートを拡張可能なフレームワーク132に取り付けるか、または結合し得る。いくつかの実施形態では、接続突起は、縫合糸、接着剤、または他の適切な方法を使用して、拡張可能なフレームワーク132に取り付けられ得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、複数の弁リーフレット134は、熱可塑性ポリマーなどのポリマーから構成され得る。いくつかの実施形態では、複数の弁リーフレット134は、少なくとも50重量パーセントのポリマーを含み得る。いくつかの実施形態では、複数の弁リーフレット134は、ウシ心膜または他の生体組織から形成され得る。他の構成および/または材料も企図される。
【0068】
いくつかの実施形態では、内側スカート142は、熱可塑性ポリマーなどのポリマーを含み得る。いくつかの実施形態では、内側スカート142は、少なくとも50重量パーセントのポリマーを含み得る。いくつかの実施形態では、外側スカートは、熱可塑性ポリマーなどのポリマーを含み得る。いくつかの実施形態では、外側スカートは、少なくとも50重量パーセントのポリマーを含み得る。いくつかの実施形態では、複数の弁リーフレット134、内側スカート142、および/または外側スカートのうちの1つまたは複数は、同一ポリマーまたは複数のポリマーから形成され得る。いくつかの実施形態において、ポリマーはポリウレタンであり得る。いくつかの実施形態では、内側スカート142および/または外側スカートは、流体に対して実質的に不浸透性であり得る。いくつかの実施形態では、内側スカート142および/または外側スカートは、薄い組織(例えば、ウシの心膜等)から形成され得る。いくつかの実施形態では、内側スカート142および/または外側スカートは、コーティングされたファブリック材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、内側スカート142および/または外側スカートは、無孔性ファブリック材料および/または不透過性ファブリック材料から形成され得る。他の構成も企図される。ポリマー、複合材などを含むがこれらに限定されない、内側スカート142および/または外側スカートを形成するために使用され得る材料のいくつかの適切であるが非限定的な例が、以下に説明される。
【0069】
いくつかの実施形態において、内側スカート142は、下側クラウン136および/または上側クラウン138に結合され得る。いくつかの実施形態では、内側スカート142は、上側クラウン138のみに結合され得る。いくつかの実施形態において、外側スカートは、下側クラウン136および/または上側クラウン138に結合され得る。いくつかの実施形態では、外側スカートは、下側クラウン136のみに結合され得る。いくつかの実施形態では、複数の弁リーフレット134は、複数の安定化アーチ140がある位置またはその直下の位置で、かつ上側クラウン138の上方の位置で、拡張可能なフレームワーク132に結合され得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク132および/または置換心臓弁インプラント130は、非拘束形態(例えば、拡張された形態)において、約23ミリメートル(mm)、約25mm、約27mm、約30mm等の外側範囲を有し得る。いくつかの実施形態では、拡張可能なフレームワーク132および/または置換心臓弁インプラント130は、折り畳まれた形態において、約10mm、約9mm、約8mm、約7mm、約6mm等の外側範囲を有し得る。他の構成も企図される。
【0071】
いくつかの実施形態では、内側スカート142および/または外側スカートは、拡張可能なフレームワーク132内に形成された複数の間隙133のうちの1つ、いくつか、複数、または各々を封止し得る。少なくともいくつかの実施形態では、間隙を封止することは、流体が拡張可能なフレームワーク132のルーメン側から拡張可能なフレームワーク132の反ルーメン側に間隙を通って流動することを防止することが考慮され得る。いくつかの実施形態では、内側スカート142および/または外側スカートは、縫合糸またはフィラメントによる結束、接着剤による接着、溶融接着、埋め込みまたはオーバーモールド、溶接等を含むがこれらに限定されない1つまたは複数の方法を使用して、拡張可能なフレームワーク132および/または複数のフレーム支柱131に取り付けられ得る。
【0072】
使用時、医療デバイスシステムは、一般に、置換心臓弁インプラント100を送達するためのインプラント送達デバイスを含むカテーテルシステムとして説明され得、置換心臓弁インプラント100は、インプラント送達デバイスに結合されるとともに、置換心臓弁インプラント100の送達中にインプラント送達デバイスのルーメン内に配置され得る。インプラント送達デバイスは、近位ハンドルと、近位ハンドルから遠位に延在する長尺状シャフトとを含み得る。いくつかの実施形態では、インプラント送達デバイスおよび/または長尺状シャフトは、近位シースおよび遠位シースを含み得る。インプラント送達デバイスは、長尺状シャフトのルーメン内に摺動可能に配置された内側シャフトを含み得る。内側シャフトは、遠位シースに固定的に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、内側シャフトは、内側シャフトを貫通して延在するガイドワイヤルーメンを含み得る。いくつかの実施形態では、近位ハンドルは、近位シースおよび/または遠位シースを互いに相対的に操作および/または移動させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、近位ハンドルは、長尺状シャフトおよび/または近位シースに対して内側シャフトを操作および/または移動させるように構成され得る。
【0073】
置換心臓弁インプラント130の送達中、置換心臓弁インプラント130は、折り畳まれた形態で近位シースおよび/または遠位シース内に配置され得る。いくつかの実施形態では、近位シースおよび/または遠位シースは、インプラント送達デバイスのステント保持部を集合的に形成し得る。いくつかの実施形態では、ステント保持部は、置換心臓弁インプラント130を折り畳まれた形態に拘束するように構成され得る。いくつかの実施形態では、置換心臓弁インプラント130は、内側シャフトに解放可能に結合され得る。
【0074】
使用時に、医療デバイスシステムは、治療部位に隣接する位置まで血管系を通って経皮的に前進され得る。例えば、医療デバイスシステムは、欠陥のある自己心臓弁10に隣接する位置まで、脈管構造を通り、大動脈弓を横切るように前進され得る。欠陥のある大動脈弁および/または他の心臓弁(単数または複数)を治療するための代替手法もまた、医療デバイスシステムとともに企図される。インプラント送達デバイスおよび/またはステント保持部を治療部位にナビゲートした後、近位シースおよび/または遠位シースが相対的に移動されて、ステント保持部が開放される。ステント保持部によって拘束されなくなると、置換心臓弁インプラント130は、折り畳まれた形態から拡張された形態に移行するように構成され得る。少なくともいくつかの介入では、置換心臓弁インプラント130は、例えば、図5に示されるように、自己心臓弁10内に展開され得る(例えば、自己心臓弁10は、定位置に留置され、切除されない)。置換心臓弁インプラント130の全ての特徴および/または要素が図5に示されていないことに留意されたい。代替的に、自己心臓弁10は、除去されてもよく(例えば、弁形成術等によって)、置換心臓弁インプラント130は、置換としてその場所に展開され得る。医療デバイスシステム、インプラント送達デバイス、近位ハンドル、長尺状シャフト、近位シース、遠位シース、内側シャフト、ステント保持部、および/またはそれらの構成要素もしくは要素のためのいくつかの好適であるが非限定的な材料(例えば、金属材料および/またはポリマー材料)が、以下に説明される。
【0075】
図5には、自己心臓弁10(例えば、大動脈弁など)の弁輪20内に配置された置換心臓弁インプラント130の拡張可能なフレームワーク132が示されており、上側クラウン138は、自己心臓弁10の複数の弁尖30よりも下流に配置され、下側クラウン136は、自己心臓弁10の複数の弁尖30よりも上流に配置される。少なくともいくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150は、自己心臓弁10の複数の弁尖30に近接して配置され得、第2の周方向列のxコネクタ152は、自己心臓弁10の弁輪20を形成する1つまたは複数の壁に対して配置され、かつ/または1つまたは複数の壁に隣接して配置され得る。いくつかの実施形態では、第2の周方向列のxコネクタ152は、自己心臓弁10の複数の弁尖30よりも上流に配置され得る。
【0076】
ベンチテストにより、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さが、複数のフレーム支柱131のうちの他のフレーム支柱の厚さよりも小さい本明細書に開示される構成(単数または複数)が、拡張可能なフレームワーク132が弁輪20に及ぼす半径方向外向きの力を増加させ得ることが示された。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さは、複数のフレーム支柱131のうちの他のフレーム支柱と比較して約25%低減され得る。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さは、複数のフレーム支柱131のうちの他のフレーム支柱と比較して約35%低減され得る。いくつかの実施形態では、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さは、複数のフレーム支柱131のうちの他のフレーム支柱と比較して約50%低減され得る。
【0077】
複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さが減少していない拡張可能なフレームワークと比較して、拡張可能なフレームワーク132は、弁輪20に対して最大約8~10%の半径方向外向きの大きな力を及ぼし得る。いくつかの実施形態では、複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さが減少していない拡張可能なフレームワークと比較して、拡張可能なフレームワーク132は、弁輪20に対して最大約6.5%の半径方向外向きの大きな力を及ぼし得る。いくつかの実施形態では、複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さが減少していない拡張可能なフレームワークと比較して、拡張可能なフレームワーク132は、弁輪20に対して最大約5%の半径方向外向きの大きな力を及ぼし得る。いくつかの実施形態では、複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aの厚さが減少していない拡張可能なフレームワークと比較して、拡張可能なフレームワーク132は、弁輪20に対して最大約3.5%の半径方向外向きの大きな力を及ぼし得る。比較のために、複数のフレーム支柱131の全ての支柱(例えば、拡張可能なフレームワーク全体)を約50%だけ薄くすると、拡張可能なフレームワークによって弁輪20に加えられる半径方向外向きの力が53~55%減少した。
【0078】
従って、本明細書に開示される構成(単数または複数)は、拡張可能なフレームワーク132の一部を厚さが減少するようにして弁輪20に対してより適合性のあるものにしながら、意外にも、半径方向外向きの力の増加をもたらした。この構成は、拡張可能なフレームワークを改良していない場合と比べて、さらなる利点をもたらした。例えば、ベンチテストでは、心室(上流)方向における軸方向移動に対する抵抗が約12.3%増加したことが示されている。さらに、ベンチテストでは、拡張可能なフレームワーク132を大動脈(下流)方向に軸方向に移動させるのに必要な力の量が、1回目のテストでは平均約4.5ポンド(2.0キログラム)の力から約10.1ポンド(4.6キログラム)の力に増加し、2回目のテストでは平均約3.5ポンド(1.6キログラム)の力から約9.9ポンド(4.5キログラム)の力に増加したことが示されている。1回目と2回目のテストでは、固定具の直径が異なり、2回目のテストでは、1回目のテストよりも固定具の直径がわずかに(約4%)大きくなっている。従って、開示された構成(単数または複数)は、弁輪20内での拡張可能なフレームワーク132の不所望な軸方向移動をより困難にしている。
【0079】
図6図8は、置換心臓弁インプラント130の拡張可能なフレームワーク132を製造する方法の態様を示す。本明細書で説明するように、拡張可能なフレームワーク132は、図6に示す管状部材200から形成され得る。いくつかの実施形態では、管状部材200は、金属製の管状部材であり得る。他の構成も企図される。管状部材200は、管状部材200の近位端202から管状部材200の遠位端204まで延在するルーメン220を形成する壁210を含み得る。
【0080】
方法は、図7に示すように、管状部材200の壁210の一部を除去して、厚さが減少した領域212を形成するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、厚さが減少した領域212を形成する管状部材200の壁210の一部は、厚さが変化した状態、階段状の状態、漸減した状態等であり得る。いくつかの実施形態では、厚さが減少した領域212は、管状部材200の壁210の外面から半径方向内向きに延在し得る。いくつかの実施形態において、厚さが減少した領域212は、機械加工、研削、化学溶解などを含むがこれらに限定されない1つまたは複数の適切な方法によって形成され得る。少なくともいくつかの実施形態において、厚さが減少した領域212は、近位端202よりも遠位端204の近くに配置され得る。
【0081】
切断時の形態の拡張可能なフレームワーク132を示す図8から分かるように、図7に示される厚さが減少した領域212は、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する、複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aに対応し得る。その後、拡張可能なフレームワーク132は、拡張された形態(例えば、図3)で上側クラウン138および/または下側クラウン136を形成するように成形および/または熱セット(heat set)され得る。
【0082】
図9は、切断時の形態の拡張可能なフレームワーク132の代替構成を示す。上記の図8と同様に、図7に示される厚さが減少した212の領域は、第1の周方向列のxコネクタ150と第2の周方向列のxコネクタ152とを接続する複数のフレーム支柱131のうちの少なくとも一部のフレーム支柱131Aに対応し得る。加えて、第1の周方向列のxコネクタ150のxコネクタ151および/または第2の周方向列のxコネクタ152のxコネクタ153は、それぞれ、第1の周方向列のxコネクタ150および/または第2の周方向列のxコネクタ152の厚さから追加の材料が除去されている。従って、浅い窪みが、xコネクタ151および/またはxコネクタ153の上に、および/またはそれを含んで形成され得る。いくつかの実施形態において、浅い窪みは、機械加工、研削などを含むがこれらに限定されない1つまたは複数の適切な方法によって形成され得る。他の構成も企図される。例えば、xコネクタ151および/またはxコネクタ153は、複数のフレーム支柱131のうちの他のフレーム支柱と比較して、厚さが漸減した状態および/または階段状の状態であり得る。
【0083】
本明細書に開示される医療デバイスシステムの種々の構成要素ならびにその種々の要素のために使用することができる材料は、医療デバイスと一般的に関連する材料を含み得る。説明を簡単にするために、以下の説明はシステムに言及する。しかしながら、これは、本明細書に説明されるデバイスおよび方法を限定することを意図するものではなく、説明は、拡張可能なフレームワーク、内側スカート、外側スカート、複数のリーフレット、および/またはそれらの要素もしくは構成要素等であるが、これらに限定されない、本明細書に開示される他の要素、部材、構成要素、またはデバイスに適用され得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、システムおよび/またはその構成要素は、金属、金属合金、ポリマー(そのいくつかの例が以下に開示される)、金属-ポリマー複合材料、セラミック、それらの組み合わせ等、または他の適切な材料から作製され得る。
【0085】
いくつかの適切なポリマーの他の例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えばデュポン社から入手できるDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、ポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテル-エステル(例えば、DSMエンジニアリングプラスチック社から入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテルまたはエステルベースのコポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタル酸塩および/または他のポリエステルエラストマー(デュポン社から入手可能なHYTREL(登録商標)等)、ポリアミド(例えば、バイヤー社から入手可能なDURETHAN(登録商標)、またはエルフ・アトケム社から入手可能なCRISTAMID(登録商標))、エラストマポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えば、商品名PEBAX(登録商標)で入手可能)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、MARLEX(登録商標)高密度ポリエチレン、MARLEX(登録商標)低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン(例えば、REXELL(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン-12(EMSアメリカン・グリロン社から入手可能なGRILAMID(登録商標)等)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(例えば、SIBSおよび/またはSIBS50A)、ポリカーボネート、ポリカーボネート、ポリイソブチレン(PIB)、ポリイソブチレンポリウレタン(PIBU)、ポリウレタンシリコーンコポリマー(例えば、アオルテック・バイオマテリアル社からのElast-Eon(登録商標)またはアドバンソース・バイオマテリアル社からのChronoSil(登録商標))、アイオノマ、生体適合性ポリマー、他の適切な材料、またはそれらの混合物、組み合わせ、コポリマー、ポリマー/金属複合材等を含み得る。いくつかの実施形態では、シースは、液晶ポリマー(LCP)とブレンドされ得る。例えば、混合物は最大約6%のLCPを含有することができる。
【0086】
好適な金属および金属合金のいくつかの例としては、304V、304Lおよび316LVステンレス鋼などのステンレス鋼;軟鋼;線形弾性および/または超弾性ニチノールなどのニッケル-チタン合金;ニッケル-クロム-モリブデン合金(例えば、INCONEL(登録商標)625などのUNS:N06625、HASTELLOY(登録商標)C-22(登録商標)などのUNS:N06022、HASTELLOY(登録商標)C276(登録商標)などのUNS:N10276、他のHASTELLOY(登録商標)合金など)、ニッケル-銅合金(例えば、MONEL(登録商標)400、NICKELVAC(登録商標)400、NICORROS(登録商標)400などのUNS:N04400など)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)などのUNS:R30035など)、ニッケル-モリブデン合金(例えば、HASTELLOY(登録商標)ALLOY B2(登録商標)などのUNS:N10665)、他のニッケル-クロム合金、他のニッケル-モリブデン合金、他のニッケル-コバルト合金、他のニッケル-鉄合金、他のニッケル-銅合金、他のニッケル-タングステンまたはタングステン合金などの他のニッケル合金など;コバルト-クロム合金;コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)などのUNS:R30003など);白金富化ステンレス鋼;チタン;プラチナ;パラジウム;金;これらの組み合わせ;または任意の他の好適な材料が挙げられる。
【0087】
少なくともいくつかの実施形態では、そのシステムおよび/または構成要素の一部または全部はまた、放射線不透過性材料がドープされてもよく、放射線不透過性材料で作製されてもよく、あるいは放射線不透過性材料を含み得る。放射線不透過性材料は、医療処置中に蛍光透視画面上または別の画像技術で比較的明るい画像を生成することができる材料であると理解される。この比較的明るい画像は、その位置を決定する際にシステムのユーザを支援する。放射線不透過性材料のいくつかの例としては、金、白金、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過性充填材が装填されたポリマー材料などが挙げられるが、これらに限定されない。更に、同じ結果を達成するために、他の放射線不透過性マーカーバンドおよび/またはコイルが、システムの設計に組み込まれてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、ある程度の磁気共鳴像(MRI)適合性が、本明細書中に開示されるシステムおよび/または他の要素に付与される。例えば、システムおよび/またはその構成要素若しくは一部は、画像を実質的に歪ませず、実質的なアーチファクト(例えば、画像内のギャップ)を生じさせない材料で作製され得る。例えば、特定の強磁性材料は、MRI画像にアーチファクトを生じさせる可能性があるため、適切でない場合がある。システムまたはその一部はまた、MRI機器が撮像することができる材料から作製され得る。これらの特性を示すいくつかの材料としては、例えば、タングステン、コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)などのUNS:R30003など)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)などのUNS:R30035など)、ニチノールなど、およびその他が挙げられる。
【0089】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムおよび/または他の要素は、構造上または構造内に配置される織物材料を含み得る。織物材料は、組織の内部増殖を促進するように適合されたポリマー材料または生体材料などの生体適合性材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、織物材料は、生体吸収性材料を含み得る。適切な織物材料のいくつかの例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、ePTFE)、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系材料、ポリエステル、ポリウレタンおよび/またはこれらのブレンドまたは組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
いくつかの実施形態では、本明細書中に開示されるシステムおよび/または他の要素は、テキスタイル材料を含み得る、および/またはテキスタイル材料から形成され得る。好適なテキスタイル材料のいくつかの例としては、平坦であり得る、成形され得る、撚りが施され得る、テクスチャ加工され得る、予備収縮され得る、または未収縮であり得る合成糸が挙げられ得る。本開示での使用に好適な合成生体適合性糸としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)ポリエステルを含むポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリビニル、ポリメチルアセテート(polymethylacetates)、ポリアミド、ナフタレンジカルボン酸誘導体、天然絹、およびポリテトラフルオロエチレンが挙げられるが、これらに限定されない。更に、合成糸の少なくとも1つは、金属糸、ガラス若しくはセラミック糸、または繊維であり得る。有用な金属糸としては、ステンレス鋼、白金、金、チタン、タンタル、若しくはNi-Co-Cr系合金から作製された、またはステンレス鋼、白金、金、チタン、タンタル、若しくはNi-Co-Cr系合金を含有する糸が挙げられる。糸は、炭素繊維、ガラス繊維、またはセラミック繊維を更に含み得る。望ましくは、糸は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリナフタレン、ポリテトラフルオロエチレンなどを含むがこれらに限定されない熱可塑性材料から作製される。糸は、マルチフィラメントタイプ、モノフィラメントタイプ、またはスパンタイプのものであり得る。選択される糸のタイプおよびデニールは、生体適合性かつ植え込み型の補綴物、より具体的には、望ましい特性を有する血管構造を形成するように選択され得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、本明細書中に開示されるシステムおよび/または他の要素は、適切な治療薬を含み得るおよび/または適切な治療薬で処理され得る。適切な治療薬のいくつかの例としては、抗血栓剤(へパリン、へパリン誘導体、ウロキナーゼ、およびPPack(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)など);増殖抑制剤(エノキサパリン、アンジオペプチン、平滑筋細胞増殖を遮断することのできるモノクローナル抗体、ヒルジン、およびアセチルサリチル酸など);抗炎症剤(デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、およびメサラミンなど);抗腫瘍剤/抗増殖剤/抗有糸分裂剤(パクリタキセル、5-フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンギオスタチン、およびチミジンキナーゼ阻害剤など);麻酔剤(リドカイン、ブピバカイン、およびロピバカインなど);抗凝固剤(D-Phe-Pro-Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、へパリン、抗トロンビン化合物、血小板受容体拮抗薬、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤、およびダニ抗血小板ペプチドなど);血管細胞成長促進剤(増殖因子阻害剤、増殖因子受容体拮抗剤、転写活性化因子、および翻訳促進剤など);血管細胞増殖阻害剤(増殖因子阻害剤、増殖因子受容体拮抗剤、転写抑制剤、翻訳抑制剤、複製阻害剤、阻害抗体、増殖因子に対する抗体、増殖因子と細胞毒素とからなる二官能性分子、抗体と細胞毒素とからなる二官能性分子など);コレステロール低下剤;血管拡張剤;および内因性血管作動性機構に干渉する薬剤が挙げられ得る。
【0092】
本開示は、多くの点で例示にすぎないことを理解されたい。本開示の範囲を超えることなく、詳細に、特に形状、サイズ、および工程の構成に関して変更を行うことができる。これは、適切な範囲で、1つの例示的な実施形態の特徴のいずれかを他の実施形態で使用することを含むことができる。本開示の範囲は、当然のことながら、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
置換心臓弁インプラントにおいて使用するための拡張可能なフレームワークであって、
中心長手方向軸の周囲に格子構造を形成する複数のフレーム支柱を備えており、各フレーム支柱が前記中心長手方向軸から半径方向に厚さを有しており、
前記複数のフレーム支柱は、前記格子構造の流入端に近接する下側クラウンと、前記格子構造の流出端に近接する上側クラウンと、前記格子構造の前記流出端から下流に延在する複数の安定化アーチとを形成しており、
前記格子構造は、前記上側クラウンよりも上流にある第1の周方向列のxコネクタと、前記下側クラウンよりも下流にある第2の周方向列のxコネクタとを含んでおり、
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、前記複数のフレーム支柱のうちの他のフレーム支柱の厚さよりも小さい、フレームワーク。
【請求項2】
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、前記第1の周方向列のxコネクタよりも下流にあるフレーム支柱の厚さよりも小さい、請求項1に記載の拡張可能なフレームワーク。
【請求項3】
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、前記第1の周方向列のxコネクタよりも下流にある全てのフレーム支柱の厚さよりも小さい、請求項2に記載の拡張可能なフレームワーク。
【請求項4】
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、前記第2の周方向列のxコネクタよりも上流にあるフレーム支柱の厚さよりも小さい、請求項に記載の拡張可能なフレームワーク。
【請求項5】
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、前記第2の周方向列のxコネクタよりも上流にある全てのフレーム支柱の厚さよりも小さい、請求項4に記載の拡張可能なフレームワーク。
【請求項6】
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱の中間部分に向かって半径方向内向きに漸減している、請求項に記載の拡張可能なフレームワーク。
【請求項7】
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱の厚さは、前記第1の周方向列のxコネクタに隣接する第1の位置における第1の厚さおよび前記第2の周方向列のxコネクタに隣接する第2の位置における第2の厚さから、前記第1の位置と前記第2の位置との間に長手方向に配置された第3の位置における最小の厚さまで漸減しており、
前記最小の厚さは、前記第1の厚さおよび前記第2の厚さよりも小さい、請求項に記載の拡張可能なフレームワーク。
【請求項8】
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱は、前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを直接接続する前記複数のフレーム支柱のうちの全てのフレーム支柱を含んでいる、請求項に記載の拡張可能なフレームワーク。
【請求項9】
前記上側クラウンは、前記格子構造の第1の最大外側範囲を規定し、前記下側クラウンは、前記格子構造の第2の最大外側範囲を規定しており、
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを接続する前記少なくとも一部のフレーム支柱は、前記第1の最大外側範囲および前記第2の最大外側範囲よりも小さい前記格子構造の第3の最大外側範囲を規定している、請求項に記載の拡張可能なフレームワーク。
【請求項10】
置換心臓弁インプラントであって、
請求項に記載の拡張可能なフレームワークと、
前記拡張可能なフレームワークに結合された複数の弁リーフレットと、を備える置換心臓弁インプラント。
【請求項11】
前記複数の弁リーフレットは、閉鎖位置において前記置換心臓弁インプラントを通って流体が流れるのを実質的に制限するように構成されている、請求項10に記載の置換心臓弁インプラント。
【請求項12】
前記複数の弁リーフレットは、前記複数の安定化アーチに隣接して配置された複数の交連において前記拡張可能なフレームワークに固定的に取り付けられている、請求項10に記載の置換心臓弁インプラント。
【請求項13】
前記複数の交連は、前記複数の安定化アーチと前記上側クラウンとの間に長手方向に配置されている、請求項12に記載の置換心臓弁インプラント。
【請求項14】
前記拡張可能なフレームワークの反ルーメン側表面上に配置された外側スカートをさらに備える、請求項10に記載の置換心臓弁インプラント。
【請求項15】
置換心臓弁インプラントにおいて使用するための拡張可能なフレームワークであって、
中心長手方向軸の周囲に格子構造を形成する複数のフレーム支柱を備えており、各フレーム支柱が前記中心長手方向軸から半径方向に厚さを有しており、
前記複数のフレーム支柱は、前記格子構造の流入端に近接する下側クラウンと、前記格子構造の流出端に近接する上側クラウンと、前記格子構造の前記流出端から下流に延在する複数の安定化アーチとを形成しており、
前記格子構造は、第1の周方向列のxコネクタと、前記第1の周方向列のxコネクタから長手方向に離間した第2の周方向列のxコネクタとを含んでおり、
前記第1の周方向列のxコネクタと前記第2の周方向列のxコネクタとを直接接続する少なくとも一部のフレーム支柱は厚さが変化している、フレームワーク。
【国際調査報告】