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特表2024-532169ラミネート方法及びラミネートステーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】ラミネート方法及びラミネートステーション
(51)【国際特許分類】
   B29C 63/02 20060101AFI20240829BHJP
   B29C 65/48 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B29C63/02
B29C65/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509492
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 EP2022072918
(87)【国際公開番号】W WO2023025628
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】21192869.2
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ギッリング、ヨナス
(72)【発明者】
【氏名】ウィンカー、イェンス
【テーマコード(参考)】
4F211
【Fターム(参考)】
4F211AA01
4F211AA19
4F211AC03
4F211AD03
4F211AD06
4F211AD08
4F211AG01
4F211AG03
4F211AG07
4F211AH56
4F211SA07
4F211SC06
4F211SD01
4F211SN03
4F211SN19
4F211SP04
4F211SP26
4F211TA03
4F211TC05
4F211TD11
4F211TN28
4F211TN44
4F211TN60
4F211TQ03
(57)【要約】
バリアフィルム又はシート(6)を、紙又は板紙などのセルロース系材料のバルク層(5)にラミネートする方法及びウェットラミネートステーションであって、前記バルク層(5)には貫通孔(3)が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バリアフィルム又はシート(6)を、紙又は板紙又は他のセルロース系材料のバルク層(5)にラミネートする方法であって、前記バルク層(5)は貫通孔(3)を備え、当該方法は、
前記バリアフィルム又はシート(6)をウェット接着剤(19)でコーティングし、
コーティングされた前記バリアフィルム又はシートを、前記バリアフィルム又はシート(6)の非コーティング面がニップローラ(12)に接触するように、前記ニップローラ(12)とサポートローラ(11)との間に形成されたニップ部に供給し、前記ニップローラ(12)の表面材料が前記サポートローラ(11)の表面材料よりも軟質であり、
前記バルク層(5)が前記サポートローラ(11)に接触するように、前記バルク層(5)を前記ニップ部に供給し、
前記バルク層(5)及び前記コーティングされたバリアフィルム又はシートを前記ニップを通して送り、それによって前記バルク層(5)を前記接着剤(19)によって前記バリアフィルム又はシート(6)に接着させる、
方法。
【請求項2】
前記バルク層(5)が連続ウェブとして提供される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バリアフィルム又はシート(6)が連続ウェブとして提供される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記バリアフィルム又はシート(6)が、アルミニウム箔、バリアコーティングが施されたプラスチックフィルム、又はバリアコーティングが施された紙又はセルロース系シートである、
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記バルク層(5)及びバリアフィルム又はシート(6)が、0.2~0.45ミリメートルの合計厚さを有する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記バルク層(5)と前記バリアフィルム又はシート(6)との組み合わせ厚さに基づいて、前記サポートローラ(11)と前記ニップローラ(12)との間の距離を調整することをさらに含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記サポートローラ(11)と前記ニップローラ(12)との間の距離を、前記距離がバルク層(5)と前記バリアフィルム又はシート(6)との合計厚さよりも小さくなるように調整する、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ユーザーインターフェース(81)を用いてユーザーから提供された入力に基づいて、前記距離を調整する、
請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
バリアフィルム又はシート(6)を、紙又は板紙又は他のセルロース系材料のバルク層(5)にラミネートするウェットラミネートステーション(1)であって、前記バルク層(5)には、貫通孔(3)が設けられ、当該ウェットラミネートステーション(1)は、
バリアフィルム又はシート(6)をウェット接着剤(19)でコーティングするように構成されたコーティングユニット(16)と、
ニップローラ(12)とサポートローラ(11)とを備えるラミネートユニット(10)と、前記ニップローラ(12)の表面材料が前記サポートローラ(11)の表面材料よりも軟質であり、
前記ラミネートユニット(10)を介して、前記バリアフィルム又はシート(6)を連続的に供給するように構成されたバリアフィルム又はシート供給ユニット(24)と、前記バリアフィルム又はシート(6)の非被覆面が前記ニップローラ(12)と接触するように、前記ラミネートユニット(10)と前記バリアフィルム又はシート供給ユニット(24)とが相互に配置され、
前記ラミネートユニット(10)を介して、前記バルク層(5)を連続的に供給するように構成されたバルク層供給ユニット(13)と、前記バルク層(5)が前記サポートローラ(11)と接触するように前記バルク層供給ユニット(13)と前記ラミネートユニット(10)とが相互に配置され、
前記ニップローラ(12)を前記サポートローラ(11)の方向に押圧するように構成された、又は前記サポートローラ(11)を前記ニップローラ(12)の方向に押圧するように構成された作動手段(60)と、
を備える、ウェットラミネートステーション(1)。
【請求項10】
前記ニップローラ(12)の外周面がエラストマー材料で作られている、
請求項9に記載のウェットラミネートステーション(1)。
【請求項11】
前記エラストマー材料が、少なくとも90ShA、好ましくは、少なくとも92ShAのショア硬度を有する、
請求項10に記載のウェットラミネートステーション(1)。
【請求項12】
前記サポートローラ(11)の回転を駆動するように構成された駆動装置(30)をさらに備える、
請求項9~11のいずれか一項に記載のウェットラミネートステーション(1)。
【請求項13】
前記作動手段(60)が油圧式である、
請求項8~11のいずれか一項に記載のウェットラミネートステーション(1)。
【請求項14】
前記サポートローラ(11)と前記ニップローラ(12)との間の距離を調整するための調整手段(50)をさらに備える、
請求項8~12のいずれか一項に記載のウェットラミネートステーション(1)。
【請求項15】
前記サポートローラ(11)及び前記ニップローラ(12)の一方は、支持構造(70)内に調整可能に配置されており、前記調整手段(50)は、少なくとも1つのリニアアクチュエータ(51)を含み、各リニアアクチュエータ(51)は、前記支持構造(70)に対する前記サポートローラ(11)又は前記ニップローラ(12)の位置を調整するために、前記サポートローラ(11)又は前記ニップローラ(12)と係合するように配置された可動調整部材(58、59)に接続される、
請求項14に記載のウェットラミネートステーション(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体食品を包装するためのラミネート包装材料のバルク層にバリアフィルムをラミネートする方法に関し、バルク層には貫通孔が設けられている。本発明はまた、ラミネートステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
液体食品用の使い捨てタイプの包装容器は、板紙又はカートンをベースとする包装用ラミネートから製造されることが多い。このような一般的な包装容器の1つは、Tetra Brik Aseptic(登録商標)の名称で販売されており、主に、長期常温保存用に販売される牛乳、フルーツジュースなどの液体食品の無菌包装に使用される。この既知の包装容器の包装材料は、典型的には、紙、板紙、その他のセルロース系材料のバルク層又はコア層と、熱可塑性プラスチックの外側の液密層とを含むラミネートである。包装容器をガス気密、特に酸素気密にするため、例えば無菌包装やミルクやフルーツジュースの包装の目的で、これらの包装容器のラミネートは通常、少なくとも1つの追加層、最も一般的にはバリアとして機能するアルミニウム箔を備える。
【0003】
ラミネートの内側、すなわち、ラミネートから製造される容器の充填された食品内容物に面することを意図した側には、アルミニウム箔上に適用された最内層があり、この最内層は、接着性ポリマー及び/又はポリオレフィンなどのヒートシール可能な熱可塑性ポリマーを含む1層又は数層の部分層を含み得る。また、バルク層の外側には、最も外側のヒートシール可能なポリマー層がある。
【0004】
包装容器は、一般に、ウェブから、又は包装材料の予め組み立てられたブランクから、パッケージを形成し、充填し、密封するタイプの最新の高速包装機によって製造される。従って、包装容器は、ラミネート包装材料のウェブを、ウェブの長手方向の両縁を、内側と最も外側のヒートシール可能な熱可塑性ポリマー層を一緒に溶着することによって、オーバーラップ接合で互いに結合させ、チューブに改質することによって製造され得る。チューブは、目的とする液体食品で充填され、その後、チューブ内の内容物の高さより下方で、互いに所定の距離をおいてチューブの横方向シールが繰り返されることにより、個々のパッケージに分割される。包装材料は、横方向のシールに沿って切り込みを入れることによりチューブから分離され、包装材料に予め準備された折り目線に沿って折り目をつけることにより、所望の幾何学的形状(通常は平行六面体)が与えられる。
【0005】
この連続的なチューブ成形、充填及び密封する包装方法のコンセプトの主な利点は、チューブ成形の直前にウェブを連続的に滅菌することができることであり、したがって無菌包装方法、すなわち充填される液体内容物及び包装材料自体が細菌から低減され、充填された包装容器が清潔な条件下で製造され、充填された製品に微生物が増殖する危険性がなく、常温でも長期間保存することができる方法の可能性を提供する。Tetra Brik(登録商標)タイプの包装方法のもう一つの重要な利点は、上述のように、連続高速包装が可能なことであり、これはコスト効率にかなりの影響を与える。
【0006】
敏感な液体食品、例えば牛乳やジュース等の包装容器も、本発明のラミネート包装材料のシート状ブランク又は予め組み立てられたブランクから製造できる。平らに折り畳まれた包装用ラミネートのチューブ状ブランクから、まずブランクを組み立てて開いた開放チューブ状容器カプセルを形成し、その開放端の一方を一体型エンドパネルの折り畳みとヒートシールによって閉鎖することにより、包装容器が製造される。こうして閉鎖された容器カプセルは、その開放端から当該食品、例えばジュースが充填され、その後、対応する一体型エンドパネルのさらなる折り畳みとヒートシールによって閉鎖される。シート状及び管状のブランクから製造される包装容器の例としては、従来のいわゆるゲーブルトップ・パッケージがある。この種のパッケージには、プラスチック製の成型トップ及び/又はスクリューキャップを有するものもある。
【0007】
使い捨て包装容器には、例えばストローを包装容器に挿入できるようにするための開口構造が設けられてもよい。消費者に必要な貫通力を低減するために、ラミネート包装材は様々な方法で加工される。一般的な方法の一つは、ラミネート前にバルク層又はコア層に穴を開け、バリア材料を含む追加のラミネート層で内側と外側の穴を覆うことである。このような構成により、消費者はバルク層やコア層を貫通する必要がなくなり、必要な貫通力が大幅に減少する。無傷のバリアは、ストローが挿入されるまで、包装容器の所望の完全性を提供する。
【0008】
バルク層又はコア層へのバリア層とのラミネートは、通常、押出ラミネートによって行われ、押出溶融されたポリマーが、ニップローラとチルローラとの間に形成されたニップのすぐ上流で、バルク層又はコア層とバリア層とに接触させられる。このニップでは、バルク層又はコア層とバリア層がほぼ同時に溶融押出ポリマーと接触し、強く押し付けられることにより、バルク層とバリア層のラミネートが可能になる。ラミネート構造体はその後、溶融押出ポリマーが完全に固化する間に、通常、チルローラの一部に沿って走行させて冷却される。適切な接着とラミネート強度を得るためには、2つの層、すなわちバルク層又はコア層とバリア層とを結合させるために、溶融押出ポリマーの最小厚さが必要である。最小厚さは、バルク層の剛性と厚さにもよるが、通常少なくとも15g/m、例えば少なくとも18g/m、例えば少なくとも20g/mである。
【0009】
包装材料の持続可能性を向上させるために、ラミネート包装材料の厚さを薄くすること、特に押出ラミネート層又は接着層の厚さを薄くすることは、ラミネート包装材料の繊維含有量を増やすだけでなく、COフットプリントを減らすことができる。このため、押出ラミネートをウェットラミネートに置き換えることが提案されている。
【0010】
上記の文脈で適用されるウェットラミネートは、ニップに入ってバルク層又はコア層と接触する前に、バリアにウェット接着剤コーティングを施すことによって行われる。ニップローラは、モーター駆動のバックアップローラに対して圧力を加え、又はその逆を行い、バリアとバルク層又はコア層との間の接着を強制する。
【0011】
しかし、貫通孔を有するバルク層又はコア層のウェットラミネートには、多くの欠点が伴う。例えば、バリアをバルク層又はコア層に接着するために利用される接着剤が、孔を通って漏れ出し、ニップローラに付着する可能性がある。そのため、ニップの下流のどの段階においても包装材料に残留物が形成されるなど、ラミネート装置の汚染を引き起こす可能性がある。その結果、包装容器の性能に問題が生じ、完全性に問題が生じる可能性がある。
【0012】
従って、ウェット接着剤がラミネートローラに付着するリスクを低減し、貫通孔を有する基材のウェットラミネートのための改良された方法及び装置が必要とされている
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、従来技術の上記で特定された制限の1つ以上を少なくとも部分的に克服することである。特に、貫通孔を有する基板のウェットラミネートにおいて、ラミネート装置の汚染を防止することが目的である。
【0014】
これらの目的を解決するために、貫通孔が設けられた紙又は板紙又はセルロース系材料のバルク層にバリアフィルムやシートをラミネートする方法が提供される。この方法は、バリアフィルム又はシートをウェット接着剤でコーティングし、コーティングされたバリアをニップに供給することを含む。ニップは、バリアフィルム又はシートの非コーティング面がニップローラと接触するように、ニップローラとサポートローラとの間に形成される。ニップローラは、サポートローラの表面材料よりも柔らかい表面材料を備える。「表面材料」という用語は、この文脈では、使用中にバリアフィルム又はシート又はバルク層と接触するそれぞれのローラの材料として解釈されるべきである。
【0015】
この方法はさらに、バルク層がサポートローラと接触するようにバルク層を前記ニップに供給し、ニップを通して、バルク層及びコーティングされたバリアフィルム又はシートを供給し、それによってバルク層が接着剤によってバリアフィルム又はシートに接着するようにすることを含む。
【0016】
非コーティング面がニップローラと接触するようにバリアフィルム又はシートを供給し、バルク層がサポートローラと接触するようにバルク層を供給することにより、ウェット接着剤がバリアフィルム又はシートとバルク層の間に含まれるため、ローラと接触する危険性を減らすことができる。
【0017】
バルク層は連続ウェブとして提供されてもよい。バリアフィルム又はシートは、連続ウェブとして提供されてもよい。
【0018】
バリアフィルム又はシートは、アルミニウム箔、バリアコーティングが施されたプラスチックフィルム、又はバリアコーティングが施された紙又はセルロース系シートであってもよい。
【0019】
バルク層とバリアフィルム又はシートは、合計0.2~0.45ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0020】
本方法は、バルク層とバリアフィルム又はシートとの組み合わせ厚さに基づいて、サポートローラとニップローラとの間の距離を調整することを含んでもよい。これにより、手元の材料に応じてニップを適合させることができ、距離が材料の厚さに適合していないためにローラが望ましくない程度に貫通孔を埋めるリスクを軽減できる。従って、ラミネート装置の汚染リスクがさらに減少する。
【0021】
この距離は、バルク層とバリアフィルム又はシートを合わせた厚さよりも小さくなるように調整してもよい。
【0022】
距離は、ユーザーインターフェースによってユーザーから提供された入力に基づいて調整してもよい。このように、所望の距離を達成するためのユーザーフレンドリーで信頼性の高い方法が提供される。
【0023】
前述の目的をさらに解決するために、バリアフィルム又はシートを、貫通孔が設けられた紙又は板紙又は他のセルロース系材料のバルク層にラミネートするためのウェットラミネートステーションが提供される。ウェットラミネートステーションは、バリアフィルム又はシートをウェット接着剤でコーティングするように構成されたコーティングユニットと、ニップローラ及びサポートローラを含むラミネートユニットとを備える。ウェットラミネートステーションは、さらに、非コーティング面がニップローラと接触するように、ラミネートユニットを通してバリアフィルム又はシートを連続的に供給するように構成されたバリアフィルム又はシート供給ユニットと、バルク層がサポートローラと接触するように、ラミネートユニットを通してバルク層を連続的に供給するように構成されたバルク層供給ユニットと、ニップローラをサポートローラの方向に押圧するように構成された、又はサポートローラをニップローラの方向に押圧するように構成された作動手段とを備える。
【0024】
サポートローラとニップローラの位置関係によって、ウェット接着剤がバリアフィルム又はシートとバルク層の間に含まれるため、ローラに接触するリスクを低減する。
【0025】
ニップローラの外周面は、エラストマー材料で形成されてもよい。エラストマー材料は、ニップ内の圧力分布をより均一にすることができる。
【0026】
エラストマー材料は、少なくとも90ShA、好ましくは、少なくとも92ShAのショア硬度を有してもよい。比較的硬いエラストマー材料は、より柔らかいエラストマー材料と比較して、作動手段によって加えられるのに必要な圧力がそれほど高くないため、ベース層の貫通孔を埋める傾向がより少ない。
【0027】
ウェットラミネートステーションは、サポートローラの回転を駆動するように構成された駆動装置を備えてもよい。
【0028】
作動手段は、油圧式で作動してもよい。油圧で作動する作動手段は、ラミネートされる材料のスプライスが通過する際に、材料との係合から押し出されることに対してより強固である。したがって、スプライス時のベース層とバリアフィルム又はシートとの間の空気の巻き込みに対してより堅牢なウェットラミネートプロセスを可能にする。
【0029】
ウェットラミネートステーションは、サポートローラとニップローラとの間の距離を調整するための調整手段を備えてもよい。これにより、材料に応じてニップを適合させることができ、距離が材料の厚さに適合していないために、ローラが望ましくない程度に貫通孔を埋めるリスクを軽減することができる。したがって、ウェット接着剤によるラミネート装置の汚染の危険性がさらに減少する。
【0030】
サポートローラ及びニップローラの一方は、支持構造内に調整可能に配置されてもよい。調整手段は、少なくとも1つのリニアアクチュエータを備えてもよい。各リニアアクチュエータは、支持構造体に対するサポートローラ又はニップローラの位置を調整するために、サポートローラ又はニップローラに係合するように配置された可動調整部材に接続されてもよい。このように、サポートローラとニップローラとの間の所望の距離を達成するための、ユーザーフレンドリーで信頼性の高い方法が提供される。
【0031】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1a】包装材料ラミネートから形成された包装容器の斜視図である。
図1b】本発明の実施形態によるウェットラミネートステーション及びラミネート方法の概略図である。
図2】本発明の実施形態によるウェットラミネートステーションのラミネートユニットの斜視図である。
図3】本発明の実施形態によるラミネートユニットの側面図である
図4】本発明の実施形態によるラミネートユニットの斜視図及び部分断面図である。
図5】本発明の実施形態によるラミネートユニットの一部の詳細図である。
図6】ラミネートユニットのローラ間の距離を調整する機構の一部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1aに包装容器Pが示されている。包装容器Pは、本明細書で説明するような包装材料から製造される。特に包装材料は、バリアフィルム又はシートで被覆されたバルク層を含む。包装容器は、例えばストロー穴を形成する、プレカットされたラミネート孔PLHを備える。
【0035】
図1bを参照すると、ウェットラミネートステーションが示されている。ウェットラミネートステーション1は、バルク層5をバリアフィルム又はシート6でコーティングするためのものであり、積層されたバルク層5及びバリアフィルム又はシート6は、その後、包装材料を形成するために使用される。
【0036】
バルク層5には、貫通孔3、すなわちバルク層の材料シートを貫通して延びる孔が設けられている。各貫通孔3は、当該貫通孔3を横切って延びるバリアフィルム又はシート6の一部と共に、例えば、図1aに示すようなストロー孔の形態で、包装容器の開口構造の一部を形成することを意図し得る。貫通孔3は、最終包装容器の例えばストロー孔を形成する打ち抜き孔、例えば予め打ち抜かれた孔であってもよい。
【0037】
バリアフィルム又はシート6は、アルミニウム箔、バリアコーティングが施されたプラスチックフィルム、又はバリアコーティングが施された紙又はセルロース系シートであってもよい。
【0038】
バリアコーティングは、ビニルアルコールポリマー及びコポリマー、例えばポリビニルアルコール(PVOH)及びエチレンビニルアルコール(EVOH)からなる群から選択されるポリマー、デンプン、デンプン誘導体、ナノフィブリルセルロース/ミクロフィブリルセルロース(NFC/MFC)、ナノ結晶セルロース(NCC)、及びそれらの2種以上のブレンドからなる群から選択されるポリマーを含んでもよい。このようなポリマーは、実質的に水性組成物として分散可能又は溶解可能である。このような分散液又は溶液からのバリア性分散コーティングは、乾燥重量で0.2~5g/m、例えば0.5~4g/m、例えば0.5~3.5g/m、例えば1~3g/mの量で、分散液又は溶液コーティングによって適用されてもよい。
【0039】
バリアコーティングは、代替的又は追加的に、金属、金属酸化物、無機酸化物及び非晶質ダイヤモンドライクカーボンコーティングから選択される材料を含んでもよい。蒸着コーティングは、物理蒸着法(PVD)又は化学蒸着法(CVD)、例えばプラズマエンハンスト化学蒸着法(PECVD)によって施される。より具体的には、アルミニウム金属化コーティング及び酸化アルミニウムAlOxからなる群から選択してもよい。好ましくは、アルミニウム金属化コーティングである。
【0040】
ウェットラミネートステーションは、ラミネートユニット(図1には描かれていない)を備える。ウェットラミネートステーションは、ニップローラ12とサポートローラ11を備える。ニップローラ12とサポートローラ11はニップを形成する。ニップは、バルク層5及びバリアフィルム又はシート6を受け入れるように構成される。サポートローラ11は、冷却ローラ又はチルローラであってもよい。冷却ローラ又はチルローラは、内部の水冷装置(図示せず)によって冷却されてもよい。
【0041】
バルク層5及びバリアフィルム又はシート6は、0.2~0.45ミリメートルの合計厚さを有してもよい。バルク層5は、バルク層5とバリアフィルム又はシート6とを合わせた厚さの少なくとも80%、好ましくは、少なくとも90%を構成してもよい。
【0042】
ウェットラミネートステーション1は、コーティングユニット16を備える。コーティングユニット16は、バリアフィルム又はシート6をウェット接着剤19でコーティングするように構成される。ウェット接着剤は、本明細書では接着剤とも呼ばれる。
【0043】
コーティングユニット16は、ウェット粘着剤を塗布するように構成される。ウェット接着剤は、バリアフィルム又はシート6上に、水性アクリルポリマー接着促進組成物をベースとする分散液又は溶液の形態であってもよい。接着のために溶融ポリマーから十分な熱を得るためにバリアフィルム又はシートの15~20g/mの量のポリマーを必要とする押出ラミネートと比較して、ウェットラミネートは、十分な接着のためにバリアフィルム又はシートの2~5g/mの量のウェット接着剤のみ必要とする。したがって、コーティングユニット16は、バリアフィルム又はシート上に2~5g/mのウェット接着剤のコーティングを施すように構成されてもよい。
【0044】
バリアフィルム又はシート6をラミネートユニットに供給するために、ウェットラミネートステーション1は、バリアフィルム又はシート供給ユニット24を備える。バリアフィルム又はシート供給ユニット24は、ラミネートユニット10を通してバリアフィルム又はシート6を連続的に供給するように構成される。バリアフィルム又はシート6は、連続ウェブとして供給されてもよい。バリアフィルム又はシート供給ユニット24は、バリアフィルム又はシート6のウェブのロールを巻き戻して、ラミネートユニットを通してバリアフィルム又はシート6のウェブを供給するように構成されたリールであってもよい。
【0045】
バルク層5をラミネートユニットに供給するために、ウェットラミネートステーション1はバルク層供給ユニット13を備える。バルク層供給ユニット13は、ラミネートユニット10を通してバルク層5を連続的に供給するように構成される。バルク層5は、連続ウェブとして供給されてもよい。バルク層供給ユニット13は、バルク層のウェブのロールを巻き戻して、バルク層のウェブをラミネートユニットを通して供給するように構成されたリールであってもよい。
【0046】
図1bに見られるように、バリアフィルム又はシート6は、バリアフィルム又はシート供給ユニット24によって、ニップローラ12とサポートローラ11との間に形成されたニップを通して供給される。バリアフィルム又はシート6は、バリアフィルム又はシート6が片面にウェット接着剤19でコーティングされるコーティングユニット16を介してニップに供給される。バリアフィルム又はシート供給ユニットは、バリアフィルム又はシート6の非コーティング面がニップローラ12に接触するように、バリアフィルム又はシート6を供給する。したがって、前記バリアフィルム又はシート6のコーティングされた面は、ニップにおいてサポートローラ11に対向してもよい。
【0047】
バルク層5はバルク層供給ユニット13によってニップに供給される。バルク層供給ユニット13は、バルク層がサポートローラ11に接触するようにバルク層をニップ部に供給する。
【0048】
バルク層5及びバリアフィルム又はシート6は、ニップを通して供給され、バルク層5が接着剤によってバリアフィルム又はシート6に接着される。バルク層5及びバリアフィルム又はシート6は、それぞれバルク層供給ユニット13及びバリアフィルム又はシート供給ユニット24によってニップを通して供給されてもよい。
【0049】
ニップによる圧力により、バリアフィルム又はシート6がバルク層5にラミネートされ、ラミネート材料が得られる。ラミネート材料は、ウェット接着剤19を乾燥させるため、ニップ部の下流でウェットラミネートステーションの乾燥機91に導かれてもよい。
【0050】
一般的なラミネートシステムでは、ニップローラ12及びサポートローラ11に接触する材料は、ニップローラがより厚い層又はより安定した層に接触し、サポートローラがフィルム又は箔のようなより薄い敏感な層に接触する。しかし、一般的なラミネート設定では、貫通孔のあるバルク層と薄いバリアフィルム又はシートがニップで一緒に圧縮されるため、ウェット接着剤がニップローラに接触する危険性がある。ニップローラは一般的にサポートローラよりも柔らかい材料であるため、圧縮中にニップローラが貫通孔を部分的に埋め、ウェット接着剤に接触する可能性があり、ラミネートステーションでウェット接着剤による汚染を引き起こす可能性がある。
【0051】
本発明による上述した方法とウェットラミネートステーションにより、この種の汚染のリスクは排除又は低減される。
【0052】
図2~4を参照すると、ウェットラミネートステーションのラミネートユニットが示されている。
【0053】
ラミネートユニット10は、ウェットラミネートステーションの一部を構成する。ラミネートユニット10は、サポートローラ11とニップローラ12を備える。
【0054】
サポートローラ11は、駆動サポートローラ11であってもよい。従って、ウェットラミネートステーションは、駆動ユニット30を備えてもよい。駆動ユニット30は、サポートローラ11の回転を駆動するように構成される。図2~4に描かれているように、駆動ユニット30は、ラミネートユニット10内に構成されてもよい。
【0055】
ラミネートに必要な圧力を発生させるために、バルク層5とバリアフィルム又はシートは、ニップローラ12とサポートローラの間で一緒に押圧される。ローラ間の圧力を受ける領域は、一般にニップと呼ばれる。長手方向におけるニップの範囲は、一方ではサポートローラとニップローラとの間の力によって、他方ではニップローラとサポートローラとの間の材料の弾力性によって決定される。
【0056】
ニップ内の十分な圧力を維持するために、ウェットラミネートステーションは、ニップローラ12をサポートローラ11の方向に押圧するように構成された作動手段60を備えてもよい。図2~4に描かれているように、作動手段60は、ラミネートユニット10内に構成されてもよい。作動手段60は、ニップローラ12をサポートローラ11の方向に、バリアフィルム又はシート6に対して押圧するように適合してもよい。バルク層及びコーティングされたバリアフィルム又はシートがニップを介して供給される間、作動手段は、ニップローラ12からコーティングされたバリアフィルム又はシート及びバルク層に押圧力を与える。
【0057】
作動手段60は、油圧又は空気圧で作動させてもよい。有利には、作動手段は油圧式である。
【0058】
作動手段60は、ニップローラ12をサポートローラの方向に押圧するためのアクチュエータ61を備えてもよい。アクチュエータ61は、ニップローラ12を介して、バリアフィルム又はシート、バルク層及びサポートローラ11に押圧力を及ぼすように構成されてもよい。アクチュエータ61は、ニップローラをサポートローラに対して設定された距離に維持するために、ニップローラにバイアス力を作用させるように構成されてもよい。アクチュエータは油圧で作動させてもよく、したがって油圧アクチュエータであってもよい。
【0059】
アクチュエータ61は、ニップローラ12に接続されてもよく、作動手段は、ニップローラ12の第1及び第2の横方向端部にそれぞれ接続された第1及び第2のアクチュエータを備えてもよい。
【0060】
代替的又は付加的に、ニップローラ12はシューローラ型であってもよい。このようなニップローラは、加圧ウェブと、アクチュエータに接続された加圧バーとを備えてもよい。加圧バーは、アクチュエータによって作動可能である。作動中、加圧ウェブは、サポートローラ、ベース層のウェブ及びバリアフィルム又はシートと同じ速度で走行する。圧力は、圧力バーによって加圧ウェブがサポートローラに押し付けられることによって発生する。加圧バーは、サポートローラに対して静止している。加圧ウェブはバーの前面に対してスライドするように配置される。
【0061】
ニップローラ12の外周面は、エラストマー材料であってもよい。エラストマー材料はゴムであってもよい。好ましくは、エラストマー材料は、少なくとも90ShA、より好ましくは、少なくとも92ShAのショア硬度を有する。従来のニップローラは、比較的柔らかいゴム材料を利用するのが一般的である。柔らかい材料は、硬い材料に比べて、貫通孔をより広範囲に充填する。さらに、柔らかい材料は、ニップ部での材料の圧縮を確実にするために、作動手段に高い圧力を与える必要があり、これが穴埋め効果をさらに高める。硬いゴム材料は、十分な圧力分布が得られるだけでなく、貫通孔を埋める傾向が比較的に低くなる。
【0062】
当業者であれば認識するように、ショア硬度は、一般的に、ポリマー、エラストマー、ゴムなどの材料の硬度を測定する装置であるショアデュロメータによって測定される。ショア硬度は、予め定義された力/圧力によって材料に生じるくぼみの深さをデュロメーターによって測定される。本明細書でいうShAとは、ショアA硬度スケールのことであり、比較的軟らかく柔軟なエラストマー材料の硬度を測定するために一般的に利用されている。
【0063】
ニップローラ12は、ニップローラ12の外周面を形成するエラストマーコーティングに包まれた金属コアを有してもよい。金属コアはアルミニウム製や鋼製であってもよい。
【0064】
サポートローラは、ニップローラの表面がサポートローラの表面よりも柔らかくなるように、剛性材料からなる外周面を備える。好ましくは、サポートローラの表面の材料は金属であり、例えば、任意にクロムで覆われた鋼である。
【0065】
ニップローラ12とサポートローラ11との間の距離又はギャップは、バリアフィルム又はシート及びバルク層の異なる厚さに対応するように調整可能であってもよい。ウェットラミネートステーションは、この距離を調整するための調整手段を備えてもよい。有利には、調整手段はラミネートユニット内に構成されてもよい。調整手段は、バルク層5とバリアフィルム又はシート6との組み合わせ厚さに基づいて、サポートローラ11とニップローラ12との間の距離を調整することを可能にする、すなわち、調整手段は、ニップ又はニップ距離を調整することを可能にする。適切な圧縮を確実にするために、好ましくは、サポートローラ11とニップローラ12との間の距離が、バルク層とバリアフィルム又はシートとを合わせた厚さよりも小さくなるように、距離が調整される。
【0066】
従って、ニップローラ12とサポートローラ11との間の距離は、好ましくは、バルク層5とバリアフィルム又はシート6とを合わせた厚さよりも小さい。好ましくは、ニップローラ12とサポートローラとの間の距離は、バルク層5とバリアフィルム又はシート6とを合わせた厚さの60~70%である。例えば、バルク層5とバリアフィルム又はシート6の合計厚さが0.45ミリメートルである場合、距離は、好ましくは0.3ミリメートルである。
【0067】
図2を参照すると、ウェットラミネートステーションは、コントローラ82をさらに備えてもよい。コントローラ82は、駆動ユニット30に動作可能に接続されてもよい。コントローラ82は、駆動ユニット30の動作を制御するように構成されてもよい。
【0068】
コントローラ82は、調整手段50に動作可能に接続されてもよい。コントローラ82は、ニップローラ12とサポートローラ11との間の距離を調整するための調整手段50の動作を制御するように構成されてもよい。したがって、コントローラ82は、ユーザーインターフェース81によって受信されたユーザー入力に基づいて、サポートローラ11とニップローラ12との間の距離を調整するように調整手段50を制御するように構成されてもよい。
【0069】
ウェットラミネートステーションは、ユーザーがコントローラ82、及びラミネートステーションとインターフェースできるようにするためのユーザーインターフェース81をさらに備えてもよい。ユーザーインターフェース81は、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)であってもよい。ユーザーインターフェース81は、コントローラ82に動作可能に接続される。ユーザーインターフェース81は、ユーザーがニップローラ12とサポートローラ11との間の距離を変化させることができるように構成されてもよい。
【0070】
ユーザーは、ユーザーインターフェース81を介してコントローラ82にデータを提供してもよい。データは、バルク層とバリアフィルム又はシートの組み合わせ厚さに関するデータを含んでもよい。データの受信に応答して、コントローラ82は、ニップローラ12とサポートローラ11との間の距離を調整するように構成される。好ましくは、距離は、組み合わされた厚さよりも小さくなるように調整される。
【0071】
有利には、ユーザー入力、すなわちユーザーインターフェース81を介して提供されるユーザー入力は、ニップローラの外周面のショア硬度、及びバリアフィルム又はシートとバルク層とを合わせた厚さのいずれか1つ又は両方を含んでもよい。バリアフィルム又はシートとバルク層とを合わせた厚さは、単一の値として提供されてもよく、バルク層及びバリアフィルム又はシートの各々について別々の値として提供されてもよい。外周面のショア硬度は、ショア硬度値として提供されてもよく、予め定義されたショア硬度値を有するニップローラタイプに関連付けられた識別値として提供されてもよい。
【0072】
したがって、ユーザーは、ラミネートが行われる前に、ニップローラの外周面のショア硬度、及びバリアフィルム又はシートとバルク層との合計厚さのいずれか一方又は両方からなるユーザー入力を提供することによって、ユーザーインターフェース81を介してコントローラ82に指示を提供してもよい。ユーザーデータに応答して、コントローラ82は、ニップローラ12とサポートローラ11との間の距離を設定するように作動手段50に促し、これにより、前記ニップローラ12とサポートローラ11との間の距離が調整される。
【0073】
代替的又は付加的に、前述の厚さは、コントローラ82が、バルク層及びバリアフィルム又はシートの厚さを測定するように構成された光学センサから外部データ又はセンサデータを取得する手段によって提供されてもよい。
【0074】
図6は、調整手段50を概略的に示している。サポートローラ11とニップローラ12の一方は、支持構造70内に調整可能に配置されている。支持構造70はレール78を備えてもよい。サポートローラ11の支持軸受77又はニップローラ12の支持軸受79は、ニップローラ又はサポートローラの移動及び調整を可能にするために、レール78に配置されてもよい。図示の例では、ニップローラ12は、ニップローラとサポートローラとの間の距離を調整するために、サポートローラ11に対して移動可能である。従って、ニップローラ12の支持軸受79はレール78に配置される。
【0075】
有利には、ニップローラは、作動手段(図6には描かれていない)によって可動調整部材58、59に対して付勢されるようにさらに配置される。したがって、可動調整部材58、59は、サポートローラ11に対するニップローラ12の作動のための停止部を構成するように配置されてもよい。
【0076】
好ましくは、ニップローラ12及びサポートローラ11は、それらの横方向端部の各々にサポートベアリングを備えてもよい。支持構造は、ニップローラ又はサポートローラの第1及び第2のサポートベアリングを調整可能に受け入れる第1及び第2のレール78を備えてもよい。
【0077】
調整手段50は、少なくとも1つのアクチュエータ51を備えてもよい。アクチュエータ51は、リニアサーボモータ等のリニアアクチュエータであってもよい。リニアアクチュエータ51は、可動調整部材58、59に接続されてもよい。調整部材は、支持構造70に対するサポートローラ11又はニップローラ12の位置を調整するために、サポートローラ11又はニップローラ12と係合するように配置される。
【0078】
リニアアクチュエータ51は、アーム機構55によって可動調整部材58、59に連結される。アーム機構55は、少なくとも1つの可動調整部材58、59に接続される。可動調整部材58、59は、ねじ軸53上に配置される。ねじ軸53はアーム機構55に接続され、これによりアーム機構55は、リニアアクチュエータ51による作動に応じてねじ軸を回転させるように配置され、それにより可動調整部材58、59を移動させ、ニップローラ12とサポートローラ11との間の距離の調整を促す。このように、アーム機構55は、リニアアクチュエータ51の直線運動をねじ軸53の回転運動に変換するように配置されてもよい。
【0079】
図6に示すように、可動調整部材58、59は、ニップローラの支持ベアリング79とサポートローラ12の支持ベアリング77との間に配置されてもよい。ねじ軸53の回転により、可動調整部材が移動し、ニップローラ12の支持軸受79に係合して、ニップローラ12をレール78に対して強制的に移動させる。
【0080】
一対の可動調整部材58、59をねじ軸53上に配置し、ねじ軸の回転によって調整部材がねじ軸53に沿って互いに向かって、又は互いに離れて移動するように構成してもよい。
【0081】
可動調整部材58、59は、ねじ軸53の回転に応答して、可動調整部材58、59を調整可能ローラ(図示の例ではニップローラ)から離れる方向又は調整可能ローラに向かって延びる方向に付勢し、それによって調整可能ローラの移動を引き起こすように配置された案内構成に配置されてもよい。案内構成は、軌道43、44に案内された案内ピン41、42を備えてもよい。軌道は、ニップローラ及びサポートローラの軸方向と直交する平面内で、ねじ軸53に対して斜め方向に延びてもよい。図示された例では、一対の可動調整部材58、59の各調整部材は、固定案内ピン41、42と係合する軌道43、44を備える。ねじ軸に沿って調整部材が移動すると、斜めに向けられたトラックも、トラック41、42と案内ピン43、44との間の係合により、ニップローラ12に向かって延びる方向又はニップローラ12から離れる方向に調整部材を付勢する。
【0082】
図6を参照すると、ねじ軸を第1の方向に回転させると、可動調整部材58、59が互いに向かって、ニップローラ12に向かう方向に移動し、それによって、可動調整部材がニップローラ12と係合することにより、ニップローラをサポートローラ11から離れる方向に付勢する。ねじ軸を第2の反対方向に回転させると、可動調整部材58、59が互いに離れてニップローラ12から離れる方向に動くため、可動調整部材がニップローラ12と係合することにより、ニップローラがサポートローラに向かって付勢される。
【0083】
好ましくは、調整手段は、2つのリニアアクチュエータ51を備える。第1のリニアアクチュエータは、ニップローラ又はサポートローラを調整するために、ニップローラ又はサポートローラの第1の横断面に配置された可動調整部材に順に接続された第1のアーム機構に接続されてもよい。同様に、第2のリニアアクチュエータは、ニップローラ又はサポートローラを調整するために、ニップローラ又はサポートローラの第2の横断面に配置された可動調整部材に接続された第2のアーム機構に順に接続されてもよい。
【0084】
当業者が認識するように、調整手段50は、ローラを相対的に移動させるための任意の従来の手段によって構成してもよい。
【0085】
以上の説明から、本発明の様々な実施形態を説明し示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に定義される主題の範囲内で他の方法で具体化してもよい。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】