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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】電気機械式水素発生器
(51)【国際特許分類】
   C25B 1/04 20210101AFI20240829BHJP
   C25B 9/65 20210101ALI20240829BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20240829BHJP
   C25B 9/67 20210101ALI20240829BHJP
   C25B 9/70 20210101ALI20240829BHJP
   C25B 9/19 20210101ALN20240829BHJP
   C25B 11/02 20210101ALN20240829BHJP
   C25B 11/052 20210101ALN20240829BHJP
   C25B 11/077 20210101ALN20240829BHJP
   C25B 11/091 20210101ALN20240829BHJP
【FI】
C25B1/04
C25B9/65
C25B9/00 A
C25B9/67
C25B9/70
C25B9/19
C25B11/02 302
C25B11/052
C25B11/077
C25B11/091
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510245
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 IB2022000475
(87)【国際公開番号】W WO2023021332
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/234,647
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524061792
【氏名又は名称】エイチ2ジェネレーション インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カー,コリン
【テーマコード(参考)】
4K011
4K021
【Fターム(参考)】
4K011AA50
4K011BA08
4K011DA01
4K021AA01
4K021BA02
4K021BC01
4K021CA05
4K021CA08
4K021CA09
4K021DB12
4K021DB18
4K021DB40
4K021DB47
4K021DC03
(57)【要約】
外部の電気エネルギー源を必要とすることなく、機械エネルギーから水素を生成する電気機械デバイスを備える実施形態が開示される。1実施形態において例えば、必要とされる唯一の外部エネルギーは回転エネルギーであり、水の電解解離に必要な電気エネルギーは装置の内部で生成される。本発明の実施形態の様々な態様は、水素を生成するための向上した効率を提供する。様々な実施形態の詳細が、本明細書でさらに説明される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転エネルギーを使用して水から水素を発生させる装置であって、
シャフトの周りに配置された磁石のアセンブリ;
それぞれが磁気コアおよびワイヤ巻線を備える1つまたは複数の磁気セルであって、前記1つまたは複数の磁気セルは、前記シャフトの周りで前記磁石のアセンブリに近接して配置され、これにより、前記磁石のアセンブリおよび前記1つまたは複数の磁気セルの互いに対する動きに応答して電流が生成される、1つまたは複数の磁気セル;
1つまたは複数の電解セルであって、前記1つまたは複数の磁気セルによって生成される電流が、前記1つまたは複数の電解セル内の水を電解するための電流を提供するように、前記1つまたは複数の磁気セルに対して電気的に結合された、1つまたは複数の電解セル;
前記1つまたは複数の電解セルに対して結合されて前記水から抽出された水素を捕捉する1つまたは複数のエンクロージャ;
を備え、
前記シャフト、前記磁石のアセンブリ、および前記1つまたは複数の磁気セルは、前記シャフトを回転させることによって、前記磁石のアセンブリおよび前記1つまたは複数の磁気セルのうちの少なくとも1つが、それ以外に対して相対的にかつ互いに十分に近接して移動し、前記1つまたは複数の磁気セル内に電流を誘導するように取り付けられ、さらに、内部電気接続が、前記1つまたは複数の磁気セルから前記1つまたは複数の電解セルに対して電気エネルギーを送達する、
装置。
【請求項2】
前記シャフトおよび前記磁石のアセンブリは、前記シャフトを回転させることによって、前記磁石のアセンブリを前記1つまたは複数の磁気セルに対して移動させるように、互いに機械的に結合される、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記磁石のアセンブリは、内側磁石リングと、前記シャフトの周りに配置された外側磁石リングとを備え、前記1つまたは複数の磁気セルは、前記内側磁石リングと前記外側磁石リングとの間で前記シャフトの周りに配置される、請求項1から2のいずれか1項記載の装置。
【請求項4】
前記内側磁石リングは複数の磁石を備え、前記外側磁石リングも複数の磁石を備える、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記1つまたは複数の磁気セルおよび前記1つまたは複数の電解セルは、交互に配置されて、前記シャフトの周りに前記1つまたは複数の磁気セルおよび前記1つまたは複数の電解セルを含むリングを形成する、請求項1~4のいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
前記磁石のアセンブリの磁石は、磁気コギングを最小限に抑えるかまたはなくすように構成された形状プロファイルを有する、請求項1~5のいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記形状プロファイルは平行四辺形である、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記1つまたは複数の電解セルの電解セルはアノードおよびカソードを備え、前記アノードおよび前記カソードの各々は、前記水中の水素および酸素の解離を増強する触媒材料を含む、請求項1から7のいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
前記1つまたは複数の電解セルは、前記シャフトを回転させることによって、前記磁石のアセンブリが前記1つまたは複数の電解セルに対して相対的にかつ互いに十分に近接して移動するように取り付けられ、それによって、前記磁石のアセンブリの前記移動磁場が前記水中の水素と酸素の解離を促進する、請求項1から8のいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
前記1つまたは複数の電解セルは、前記シャフトを回転させることによって、前記磁石のアセンブリを前記1つまたは複数の電解セルに対して相対的にかつ互いに十分に近接して移動させるように取り付けられ、それによって、前記磁石のアセンブリの前記移動磁場が前記触媒材料内に渦電流を誘導し、前記水中の水素と酸素の解離を促進する際における前記触媒材料の触媒作用を高める加熱を引き起こす、請求項8記載の装置。
【請求項11】
前記磁石のアセンブリは、前記シャフトの周りに配置されるとともに磁性材料の単一の連続片として形成された単一の磁石リングである、請求項1から2または5から10のいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
前記磁石のアセンブリは、前記シャフトの周りに配置された複数の磁石を備える単一の磁石リングである、請求項1から2または5から10のいずれか1項記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2021年8月18日に出願された米国仮出願第63/234,647号の利益を主張する。その出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
水素は、クリーンな燃料およびエネルギー貯蔵の源としてますます重要になってきている。水素は、電気分解によって水から容易に生成され、唯一の副生成物は酸素である。しかしながら、既存の水素発生器は、典型的には外部の電気エネルギー源に依存する。
【0003】
本発明の実施形態は、外部の電気エネルギー源を必要とすることなく、機械エネルギーから水素を生成する電気機械デバイスを含む。1実施形態において例えば、必要とされる唯一の外部エネルギーは回転エネルギーであり、水の電解解離に必要な電気エネルギーは装置の内部で生成される。本発明の実施形態の様々な態様は、水素を生成するための向上した効率を提供する。様々な実施形態の詳細が、本明細書でさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本発明の1実施形態による電気機械装置の外観斜視図である。
【0005】
図2図1の実施形態の内部の一部の正面図である。
【0006】
図3図1の実施形態の内部の一部の平面図である。
【0007】
図4図2および図3において参照される外側および内側回転磁気リングのセグメントの前面プロファイルを図示する。
【0008】
図5A図2および3において参照される電解セルの詳細を示す。
図5B図2および3において参照される電解セルの詳細を示す。
【0009】
図6図5A図5Bに示されるカソードとアノードとを分離する円筒形セパレータのさらなる詳細を示す。
【0010】
図7図2および図3で参照される磁気セルの詳細を示す。
【0011】
本発明は上記の図面を参照して説明されるが、図面は例示的であることが意図され、他の実施形態は本発明の要旨と一致し、本発明の範囲内である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の1実施形態に係る水素生成器100の外観斜視図である。他の図の文脈でさらに説明されるように、上部外側シリンダ1(カバー2によって覆われる)は、外部機械力によって駆動シャフト3に対して加えられるトルクに応答して固定電解セルおよび磁気セルの周りを回転するように取り付けられた磁石の外側および内側同心リングをその内部に有する。下側の固定シリンダ7は、固定電解セルおよび磁気セルのための、ならびにベアリング支持駆動シャフト3、電解質分配構造、水素収集構造、および他の要素のための支持構造を提供する。スロット101は、電解反応の副生成物である酸素が周囲大気に向かって排出される開口部を提供する。
【0013】
図2は、図1の実施形態の内部の一部の正面図である。図3は、図1の実施形態の内部の一部の上面図である。
【0014】
図2を参照すると、回転する上部シリンダ1は平らなカバー2によって上部で閉じられ、中央駆動シャフト3はカバーの中心に固定され、上方に突出し、上部内側シリンダ4の中心を通り、固定された下部内側シリンダ5を通って下方に続き、そこで軸受6内で回転する。したがって、シャフト3は、回転シリンダ1の運動が固定シリンダ7およびそれに取り付けられたすべての構成要素と同軸であることを確実にする。回転取り付け装置の剛性は、回転磁石と磁気セルとの間の磁気ギャップを最小にするのに十分である。
【0015】
回転シリンダ1の内部構造は、隣接する表面に対してしっかりと結合されたカラー9によって一緒に保持された内側シリンダ4と安定化ディスク8とを有する。
【0016】
固定外筒7の内部構造は、軸受保持器10と、内下筒5の内部の軸受6と、セル取付板12に対して取り付けられた環状のセル保持ブロック11とを含む。
【0017】
図3にさらに示されるように、丸みを帯びた面を有する磁石(永久磁石または電磁石)リングセグメント23および24(それぞれ外側および内側)が、シリンダ1の内側およびシリンダ4の外側の周りに配置され、それらに対して接着される。
【0018】
図2は、1つの電解セル15と1つの磁性セル16とを円筒状配置の両側に示している。1実施形態において、外側磁石リングは、図3に示すようにシリンダ1の内壁の周りに配置された複数の磁石セグメント23を備える。内側磁気リングは図3に示すように、シリンダ4の外壁の周りに配置された複数の磁石セグメント24を備える。この実施形態において、外側リング磁石セグメント23は、隣接するセグメント23に対して極性が交互になっている。隣接する内側リング磁石セグメント24は、極性が交互になるように同様に配置される。しかしながら、代替の実施形態において、極性は同じ方向に配向される(単極)。また、別の代替実施形態において、磁石リングは複数の磁石セグメントではなく、単一の連続磁石を備える。
【0019】
図2を参照すると、電解セル15および磁性セル16は、固定セル取り付けプレート12上に取り付けられた環状複合セル保持部11に対してしっかりと挿入される。好ましくは、電解セル15および磁性セル16は、それらのセルと磁石リングセグメント23および24との間の空間が実際に可能な限り小さく、一方で、磁石リングセグメントが電解セル15および磁性セル16に対して自由に回転することを可能にするように、寸法決めおよび配置される。言い換えれば、セルに接触することなく磁石がセルを通過するのに必要なだけのサイズとなるように、磁気ギャップは最小であるべきである。
【0020】
水は、水入口17および水分配管18を通って電解槽に対して供給される。電解セルおよび磁気セルは、基部の下側にある、取り付けプレートに打ち抜かれた孔と嵌合する同一の成形円筒配置ディンプル52によって、セル取り付けプレート12上の所定の位置にロックされる。
【0021】
シャフト3を回転させると、内側および外側磁石のペア(それぞれ24および23)が磁気セルを通過して移動し、対応する電解セル15内の水を電解するための電流が発生する。磁気セル16の巻線内に発生した電流は、内部接続部22を介して接続された電解セル15に対して伝達される。水が電解されると、水素および酸素の気泡が生成され、これがセル15の頂部まで上昇する。酸素は、電解セル(図3および図5A参照)の上部の孔44を通って、さらに回転シリンダ1と固定ベースアセンブリとの間の空間を通って大気中に排出される。水素は電解セルの基部を通して自然圧力によって放出され、セル取り付けプレートとベースプレート20との間の空間に位置する水素プレナム19内に収集され、水素出口21を通して抽出される。
【0022】
図3は、第1実施形態において、複数の区画301および302が外側複合ケーシング25によって画定されることを示す。各区画301内には電解槽15がある。各区画302内には、磁気セル16がある。図示の実施形態は、交互に配置された電解セル15および磁気セル16を示す。しかしながら、代替実施形態において、これは必ずしもそうである必要はない。さらに、代替の実施形態において、より少ない磁気セル(たとえば、わずか1つの磁気セル)およびより少ない電解セル(たとえば、わずか1つの電解セル)が存在し得る。
【0023】
図3に示されるように、各磁気セル16は、外側磁極部分46aおよび内側磁極部分46bならびに巻線47を有する磁気(すなわち、磁化可能)コア46を備える。コア46およびその対応する磁極部分は、磁性鋼または他の磁化可能な金属で作られる。磁性鋼または磁化可能な金属は磁場の存在下では磁性になるが、磁場が除去されると磁性を失うことを、当業者は理解するであろう。駆動シャフト3の回転によって外側円筒1が回転し、これにより外側磁気セグメント23および対応する内側磁気セグメント24が回転して磁気セル16に近接すると、磁場が区画302内に生成される。これらの磁場は、磁極部分46aおよび46bを有する対応する磁気コア46内に磁場を誘導する。
【0024】
図示の実施形態において、外側リング磁石セグメント23の極性は、円筒構造の周りでセグメントごとに交互になっている。所与のセグメント23の外縁部23aは第1の極性を有し、内縁23bは反対の第2の極性を有する。同様に、内側リング磁石セグメント24の極性は、円筒構造の周りでセグメントごとに交互になっている。所与の内側セグメント24の外縁部24aは第1の極性を有し、そのセグメントの内側エッジ24bは第2の反対の極性を有する。
【0025】
さらに、図示の実施形態において、1つの外側リングセグメント23および1つの内側リングセグメント24を含むセグメントのペアが所与の磁気セル16を横断し、それらの極性は、外側リングセグメント23の内側エッジ23bの極性が対応する内側リングセグメント24の外縁部24aの極性の反対となる。これは、所与の磁気セル16を横切る磁場を最大化するのに役立つ。
【0026】
さらに、セグメント23(およびセグメント24)の極性が円筒構造の周りで次々と交互になっている場合、隣接する磁石セグメント23(および隣接する磁気セグメント24)間の間隔が、所与のコアの内側および外側磁極部分46bおよび46aの湾曲した長さよりも大きいことが、望ましい。このようにして、内側磁石セグメント23および外側磁石セグメント24の2つ以上のペアが、一度に所与の磁気セルを横断することはない。
【0027】
最後に、1実施形態において、電解セル15、磁気セル16、およびそれらが収容される対応する区画301および302は、電解セル15(および磁気セル16の)の上面プロファイルが図3の図に示されるよりも多くの総空間を満たすようなサイズである。上述のように、図面中の要素は図示された実施形態の基礎をなす原理を説明することをより容易にするために、必ずしも互いに対して縮尺通りに描かれていない。しかしながら、図3は各セル(すなわち、各電解セル15および各磁気セル16)と、コンパートメント301または302の対応する外側複合材ケーシング25との間のより少ない空きスペースを実際の縮尺に近づけて描いたものである。
【0028】
図4は、外側リング磁石セグメント23および内側リング磁石セグメント24(例えば、外側リングセグメント23の内向き凹部、内側リングセグメント24の外向き凹部、など)の幅広い側面プロファイル(2次元平面図)を示す。永久磁石の実施形態において、ネオジムまたは他の永久磁石材料が磁化の前に凹形状に成形され、その結果、外側リング磁石セグメント23は上部外側シリンダ1の内面の曲率と一致し、内側リング磁石セグメント24は上部内側シリンダ4の表面の外曲率と一致する。電磁石の実施形態において、磁石セグメントは同様の形状である。
【0029】
磁石セグメントのプロファイルの平行四辺形形状は、磁石セグメントの垂直縁部が磁気セル16内に埋め込まれた磁気コア46の縁部を横切るときの磁気コギングを最小限に抑えるように設計される。
【0030】
図5A図5B図5Bは上面図である)は、特定の関連する構成要素とともに電解セル15を示す。セル15は、その周囲の円筒形セルケーシング26を含む。ケーシング26は螺旋状陰極28を取り囲み、螺旋状陰極28は螺旋状陽極29を取り囲む。円筒状複合セパレータ27は、陽極28を陽極29から分離する一方で、電解液中の電流をそれら2つの間で通過させる。図6にさらに示されるように、特定の実施形態において、セパレータ27はまた、任意の気泡(カソード側からの水素気泡およびアノード側からの酸素気泡)を偏向させながら、液中のそのような流れを可能にするように配置されたフラップ開口部を有し、これにより、ガスがセパレータ27を通って交換されないようにする。
【0031】
特定の実施形態において、カソード28および陽極29はそれぞれ、巻かれた薄いシートであることを構造的に理解することができ、これは、カソードおよびアノードの材料と電解液との間の表面積接触を最大にする配置である。
【0032】
図示された特定の実施形態において、水は供給チャネル18(図2を参照)から底面カバー503の開口37(図面に下線が引かれたカバー503、他方の503(下線が引かれていない)はコネクタ35にアクセスできるようにするためのカバー503の穴である)に入り、圧力下で、管36、弁組立体38を通って上昇し、次いでセル15の図示された部分の背後にある別の管(別個に図示されていない他の管)を通って下方に進み、陽極29の直下の領域およびカソード28に入り、円状セルケーシング26を通る穴30を通る。水はアノードおよびカソード領域(複合充填材45によって形成された床501の上)を充填し、弁アセンブリ38(別個に図示されていない背面管および円錐形フロートと併せて)が管36を介してより多くの水を受け取ることを遮断するまで上昇し、レベルがカソード28およびアノード29の頂部付近の指定レベル未満に低下するまで続く。これは、水を電解セルに導入し、そのレベルを制御するための単なる1実施形態である。当業者には多くの代替案が知られているであろう。
【0033】
カソード28から発生する水素は、カソード28の上の空間を占め、自然圧力下で、継手42を通って管41を通って下方に移動し、プレナム19に出て、そこで、図2の文脈で図示されるように、出口21を介してセルから収集され得る。代替の実施形態において、出口を介して水素が収集される水素プレナムは、底部ではなく、セルの上部に配置することができる。他の代替も可能であり、十分に当業者の範囲内である。
【0034】
アノード29から発生する酸素は前述のように、開口部44および101を通って排出される。
【0035】
電解セルは、接続部34および35、リード32および33、接続部31cおよび31aを介してカソード28および陽極29にそれぞれ接続するワイヤを介して、対応する磁気セル(または複数の磁気セル)から到達する電流によって給電される。
【0036】
図示の実施形態において、陽極および陰極電極は、酸化物コーティングを有する鉄-ニッケル金属などの触媒材料の螺旋巻き波形平板状から作製され、これにより、純水の自己イオン化を向上させる。渦巻き状および波形状の構成は、電気分解の活性領域を増加させるためのものである。触媒効果はセルを通過する回転磁場によってさらに増強され、これはまた、電極を加熱する電極基材に渦電流を誘導し、電解反応をさらに加速する。
【0037】
図6は、円筒形セパレータ27の一部が、カソード28が存在するその円筒形境界の外側と、陽極29が存在するその円筒形境界の内側との間に提供するインターフェースのさらなる詳細を示す。セパレータ27は、スパイラルカソード28およびスパイラルアノード29の下に孔601を含む。これは水がカソード28および陽極29の下の領域の間を自由に流れることを可能にし、これはセパレータの両側で均等な水レベルを促進するのに役立つ。
【0038】
セパレータ27は、カソード28および陽極29の底部の上方かつ水位(好ましくはカソード28および陽極29の頂部付近である)の下方にフラップ付き開口部602を有する。フラップ付き開口部は、水および電流が側壁のカソード側とアノード側との間を流れることを可能にし、同時に、上向きに傾斜したフラップ(直線として示されているが、特定の実施形態において湾曲させることができる)はセパレータ27のカソード側とアノード側との間の気泡の交換を防止するのに役立つ。具体的には、カソード側に形成される水素泡がアノード側に移動するのを防ぎ、アノード側に形成される酸素泡がカソード側に移動するのを防ぐのに役立つ。1実施形態において、フラップ付き開口部は、セパレータ壁を形成する材料から打ち抜かれる。別の実施形態において、それらは成形される。
【0039】
水位より上では、水素ガス(カソード側)および酸素ガス(アノード側)の気泡が均質な水素ガス(カソード側)および酸素ガス(アノード側)に分けられ、これは放出および膨張して開放空間を自由に満たすことが期待され、セパレータ27は開口部を有さず、水素および酸素ガスに対して不透過性であり、水素および酸素ガスが混合するのを防止する。
【0040】
図7に示すように、各磁気セル16は、外側磁極部分46aおよび内側磁極部分46bならびに巻線47を有する磁気コア46(積層磁気鋼から作製することができる)を備える。図7にさらに示すように、磁気セル16は、全波ブリッジ48も含む。
【0041】
磁心46の目的は、回転マグネットリングセグメント23と24との間の移動磁束を、磁鉄心46の周りに巻き回された絶縁銅マグネット線材のコイルである巻線材47を介して集中させることである。
【0042】
巻線47のワイヤ端は、全波ブリッジ48のac端子に対して接続される。電圧レギュレータ(別々に図示せず)もブリッジに接続される。ブリッジの負および正のdc端子はそれぞれ出力コネクタ49および50に接続され、出力コネクタは内部接続22を介して、それぞれカソード28および陽極29に接続するためのコネクタ34および35(電解セル15内)に対して接続される。
【0043】
組み立て後、セルケーシング25は液体複合充填材45で充填され、これは設置されると、セル構成要素から熱を伝導させて、セル壁を通して放散する。
【0044】
外側および内側磁石リングセグメント23および24が交互の磁石極性で構成される場合、全波ブリッジは、電解セルの動作に必要な整流された直流電流を提供する。内側および外側磁石リングセグメントが同一の極性磁石で構成される場合、ブリッジは、磁気セル極を離れる磁石の通過によって生成された逆極性スパイクを有用な直流電流に変換する働きをする。
【0045】
図示の特定の実施形態において、磁気セルおよび電解セルの交互の半径方向配置は、1対の磁石が磁気セルを横断しているとき、対応する電解セルが対向する1対の磁石を横断しているようになっている。磁気セル内で生成された交流電流は、脈動または定常直流電流として(磁石の配置および極性による)、水を電気分解するために必要とされる正しい極性の整流ブリッジ48(および内部相互接続22)を介して電解セルに対して供給され、これにより、水素ガスおよび酸素ガスが電極から発生する。
【0046】
普通の給水(河川、湖沼、井戸水)は常に、いくらかのミネラル含有量を有するが、通常、不十分な電気伝導体であることに留意されたい。本発明のいくつかの実施形態において、普通給水を通る伝導は、(a)磁気セル内のスイッチング電圧レギュレータマイクロ回路によって制御される過電圧、(b)電解セル内の追加のアルカリ度、によって強化される。
【0047】
上記の実施形態の多くの態様が効率を向上させることに留意されたい。例えば、スパイラル電極を使用すると、所与のセルの表面積が典型的な電極よりも最大20倍大きくなり、したがって水素生成が向上する。また、回転セルアセンブリにおける慣性力は、撹拌と同様にガス抽出を改善する。別の例として、セルに対して印加される脈動電気エネルギーは、イオン移動度を高める。別の例として、電解セルを通過する強力な横方向磁場は効率を高める。一般に、様々な実施形態における電力の内部生成は、透過損失および変圧損失を最小限に抑えた。様々な実施形態において性能を向上させるために、以下のうちの1つ以上を実施することができる:(1)内部電解質のフローおよび混合を可能にするために電極に穿孔を追加する;(2)スパイラル電極の両側を触媒材料でコーティングする;(3)電解セル内の耐久性アルカリ添加剤は伝導性を向上させることができる。他の変形および改良は、本開示によって教示されるものとして当業者によって理解されるであろう。
【0048】
図示の実施形態において、電解セル15および磁気セル16が好ましくはモジュール式であり、メンテナンス、修理、および/または交換のために容易に取り外し可能であることに留意されたい。
【0049】
また、図面は必ずしも縮尺通りではないことに留意されたい。図示の実施形態の原理は、用途に応じて、様々なスケールの構造として実装することができる。1つの例示的な用途では、本明細書に開示される実施形態に基づく装置は、風力タービンに対して機械的に結合され、水素発生器のシャフトの回転を駆動するための回転エネルギーを提供する。
【0050】
本明細書に記載される本発明は、多くの異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は本明細書が徹底的かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。とりわけ、本明細書は、方法またはデバイスとして具現化され得る。本発明を図示の実施形態に関して特に説明してきたが、本開示に基づいて様々な変更、修正、および適応をなすことができ、それらは本発明の範囲内であることが意図されていることが理解されよう。本発明は現在最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関連して説明されてきたが、本発明は開示された実施形態に限定されず、逆に、上および下で参照される様々な実施形態によって説明されるように、本発明の基礎となる原理の範囲内に含まれる様々な修正および同等の構成を包含することが意図されることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
【国際調査報告】