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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】微視的生物有機体観察のための装置
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/34 20060101AFI20240829BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20240829BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
C12M1/34 A
G01N37/00 101
G01N1/00 101G
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024510267
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 EP2022072868
(87)【国際公開番号】W WO2023021039
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】21191740.6
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524062179
【氏名又は名称】ナギ・バイオサイエンス・エスエイ
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】コルナーリャ・マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】タシェ・ファビアン
【テーマコード(参考)】
2G052
4B029
【Fターム(参考)】
2G052AA36
2G052CA12
2G052DA09
2G052GA28
2G052GA29
2G052GA32
2G052HC08
2G052JA06
4B029AA02
4B029AA07
4B029BB01
4B029CC01
4B029FA01
4B029FA02
4B029FA12
4B029FA15
(57)【要約】
微視的生物有機体培養および観察装置(1)であって、支持構造体(10)と、支持構造体上に装着された1つ以上のチップホルダ(3)と、ポンプ(P)と、バルブシステム(V)と、を含み、各チップホルダは、マイクロ流体チップ(2)を保持するように構成され、マイクロ流体チップは、マイクロ流体チップのポンプ連結側(44a)とマイクロ流体チップのリザーバ側連結器(44b)との間に延びる、1つ以上のマイクロ流体チャネル(54)および培養チャンバ(52)を中に有する、微視的生物有機体培養および観察装置。支持構造体は、可動台(12)上に装着されたリザーバ支持プラットフォーム(7)を含み、リザーバ支持プラットフォーム(7)は、液体中の微視的生物有機体または栄養素および試験されるべき物質を収容するための複数の栄養物リザーバ(5)を保持するように構成されている。チップホルダ(3)および/またはマイクロ流体チップ(2)は、中空チューブの形態のリザーバ側流体連結器(26)を含み、これは、マイクロ流体チップ(2)から中空チューブの自由端部における先端部(26b)まで延び、各先端部(26b)は対応する栄養物リザーバ(5)内に挿入可能である。可動台は、高さアクチュエータ機構(14)と、リザーバ支持プラットフォーム(7)を水平面内で栄養素リザーバ(5)の直径(D)よりも小さい振幅だけ振動させるように構成された振動機構と、に連結され、高さアクチュエータ機構(14)によりリザーバ支持プラットフォームの垂直運動を作動させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微視的生物有機体培養および観察装置(1)であって、
支持構造体(10)と、前記支持構造体上に装着された1つ以上のチップホルダ(3)と、ポンプ(P)と、バルブシステム(V)と、を含み、
各チップホルダは、マイクロ流体チップ(2)を保持するように構成され、前記マイクロ流体チップは、前記マイクロ流体チップのポンプ連結側(44a)と前記マイクロ流体チップのリザーバ側連結器(44b)との間に延びる、1つ以上のマイクロ流体チャネル(54)および培養チャンバ(52)を中に有し、
前記支持構造体は、可動台(12)上に装着されたリザーバ支持プラットフォーム(7)を含み、
前記リザーバ支持プラットフォーム(7)は、液体中の微視的生物有機体または栄養素および試験されるべき物質を収容するための複数の栄養物リザーバ(5)を保持するように構成され、
前記チップホルダ(3)および/または前記マイクロ流体チップ(2)は、中空チューブの形態のリザーバ側流体連結器(26)を含み、これは、前記マイクロ流体チップ(2)から前記中空チューブの自由端部における先端部(26b)まで延び、各先端部(26b)は、対応する栄養物リザーバ(5)内に挿入可能であり、
前記可動台は、高さアクチュエータ機構(14)により前記リザーバ支持プラットフォームの垂直運動を作動させる前記高さアクチュエータ機構(14)と、前記中空チューブの前記自由端部が前記栄養物リザーバに挿入されたときに前記リザーバ支持プラットフォーム(7)を水平面内で前記栄養素リザーバ(5)の直径(D)よりも小さい振幅だけ振動させるように構成された振動機構と、に連結されている、微視的生物有機体培養および観察装置。
【請求項2】
前記支持構造体上に実質的に平行に配置された複数の前記チップホルダが存在する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各マイクロ流体チップは、複数の平行なマイクロ流体チャネル(54)を含み、各マイクロ流体チャネルは、複数の連続する培養チャンバ(52)を流体的に通過する、前記マイクロ流体チップ(2)に関連する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
各マイクロ流体チャネル(54)は、ポンプ側連結オリフィス(54a)と、リザーバ側連結オリフィス(54b)と、を含み、前記オリフィスは、封止する形で中空チューブの端部を挿入可能に受容するように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記マイクロ流体チップは、前記チップホルダ(3)に差し込み可能に連結され、かつ前記ポンプおよび/または前記バルブシステムまで延びる流体チューブ(36)の端部を封止的に収容する、対応する流体チューブコネクタ(4)に流体的に連結されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
チューブ先端部封止プレート(9)をさらに含み、前記チューブ先端部封止プレートは、支持フレーム(11)と、前記中空チューブの前記先端部(26b)の下で移動可能なエラストマーパッド(13)と、を含み、前記装置の対応する動作ステップの間、前記エラストマーパッド(13)を前記先端部に対して封止的に押し付けるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記対応する動作ステップは、前記マイクロ流体チップ内の前記流体チャネルの脱泡動作を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記マイクロ流体チップのリザーバ側連結オリフィス(54b)および対応する中空チューブ(26)は、水平面の直交するXおよびY方向両方に間隔をあけて配置され、前記中空チューブは、二次元グリッドに従って間隔をあけ、前記中空チューブは、実質的に正方形または長方形のグリッドの交点に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ポンプ側流体連結器(24)は、前記チップホルダ(3)に連結され、かつ前記マイクロ流体チップ(2)の対応するポンプ側連結オリフィス(54a)に挿入される、複数の中空チューブを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記チップホルダは、ベース(18)と、前記ベースに旋回可能に連結されており、前記マイクロ流体チップ(2)が前記ベース(18)上に置かれ得る開放位置から移動可能であり、かつ前記チップホルダ内に前記マイクロ流体チップをクランプする閉鎖機構(22)によって保持される閉鎖位置まで移動可能である、カバー(20)と、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記チップホルダは、ベース(18)およびカバー(20)の両方に視界窓(21)を含み、前記マイクロ流体チップの底部から顕微鏡(44)で見ることができる上部側まで光が差し込むことを可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
顕微鏡(44)を含む撮像システム(42、44)と、照明システム(38)と、前記バルブシステム(V)および前記ポンプ(P)、作動機構(14、16)、前記照明システム(38)および前記撮像システム(42、44)に接続されたコンピューティングシステム(46)とは、前記マイクロ流体チップ(2)の前記培養チャンバ(52)内の微視的生物有機体を自動操作し、数日から数週間の範囲の期間にわたって前記培養チャンバ内の前記微視的生物有機体を撮像するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記支持構造体は、前記1つ以上のチップホルダおよび前記リザーバ支持プラットフォームが収容されるチャンバを形成するエンクロージャ(15)と、前記チャンバ内の温度を制御するための温度制御ユニット(19)および温度センサ(23)と、を含み、前記エンクロージャは、前記エンクロージャの内側へのアクセスを可能にする開放可能または取り外し可能なカバー(17)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の微視的生物有機体培養および観察装置(1)を動作させる方法であって、
前記ポンプ(P)を給餌方向に動作させて前記栄養素リザーバ(5)から前記マイクロ流体チップの前記培養チャンバ(52)内に液体を引き込むことと、前記ポンプの動作中または前記ポンプの動作直前のいずれかに、前記リザーバ支持プラットフォーム(7)の振動運動および高さ調節運動の作動により前記栄養素リザーバ(5)内の前記液体を攪拌することと、を含む、寄生虫給餌動作を含む、方法。
【請求項15】
前記装置の動作は、前記装置内に新しいマイクロ流体チップを装填した後に、チッププライミングステップを含み、前記チッププライミングステップは、前記中空チューブから出る流体の流れの方向(プライミング方向)に前記ポンプを動作させて、プライミング液が前記中空チューブ(26)の先端部(26b)から出るまで、前記マイクロ流体チップの前記マイクロ流体チャネル(54)および前記培養チャンバ(52)を通して前記プライミング液を圧送することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記装置の動作は、チップ脱泡動作を含み、前記脱泡動作は、プライミング方向に液体を圧送すると共に、前記先端部に対してエラストマーパッド(13)を押し付けてそれらを封止的に閉じ、前記マイクロ流体チャネル内に過圧を発生させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記装置の動作は、前記マイクロ流体チップ(2)の培養チャンバ(52)内に注入されるべき微視的生物有機体を収容する栄養素リザーバを栄養素リザーバ(5)内に位置付けることと、前記栄養素リザーバを前記中空チューブの前記先端部の下に置き、前記先端部を前記液体中に挿入することと、前記ポンプをパルスで動作させて微視的生物有機体を前記培養チャンバ(52)内に注入することと、を含む、チップ上での寄生虫装填動作を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記装置の動作は、前記中空チューブの前記先端部を最初のセットのリザーバから取り出すことと、前記ポンプをプライミング方向に動作させて前記先端部に液滴を形成することと、その後、前記リザーバ支持プラットフォーム(7)を移動させて前記中空チューブの前記先端部を新しいセットの栄養素リザーバ(5)に挿入することと、を含む、リザーバ交換ステップを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微視的生物学的モデル、例えば寄生虫、例えば微視的回虫であるC.エレガンスに対する、薬物、潜在的に有害な物質、および潜在的に有益な物質などの物質の影響を観察するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、医薬品の試験、水中の汚染物質の試験、および様々な他の用途のために、物質の毒性を決定するため、微視的回虫であるC.エレガンスの成長および挙動を観察することが知られている。例えばEP3209790に記載されているような、マイクロ流体チップを使用することが知られており、微視的寄生虫がマイクロ流体チップのチャンバに注入される。栄養素および試験されるべき物質を含有する培地は、特定の濃度で異なる時間に注入され得る。マイクロ流体チャンバ内の寄生虫の成長および活動は、顕微鏡で観察され得、マイクロ流体チャンバは透明な材料で作られている。複数の連続したチャンバをそれぞれが含む複数のチャネルが設けられ、各チャネルには、異なるチャンバにおける寄生虫の成長および挙動を比較するために、類似の物質または別々の物質が供給される。寄生虫の成長および活動の観察は、典型的には1~3週間の期間で行われ得、その間に寄生虫に、寄生虫の成長のための栄養素、典型的にはバクテリアを含有する溶液が供給される。
【0003】
従来のシステムでは、初期段階における、マイクロ流体チップへの寄生虫の装填と、その後の寄生虫の給餌は、複雑で面倒なプロセスである。さらに、寄生虫の挙動および成長の観察は、通常、実験室内で多くの手作業で行われ、手作業は、コストがかかるだけでなく、モニタリングおよびそこから導かれる結論の信頼性も低下させる。
【0004】
他の種類の寄生虫、微生物、細胞ベースの生物学的モデルの観察も、あまり面倒でなく複雑でない観察および取り扱い手順から恩恵を受けることができる。
【0005】
米国特許第10184104 B2号は、トランスジェニックC.エレガンスを培養するための自動化システムを開示しており、このシステムでは、C.エレガンスは、ウェル内の培地が排出されるようにフィルタを備えたウェルインサートを有するウェルプレートカセット内で培養される。分注システムが提供され、これは、試薬アセンブリから試薬を吸引し、ウェルプレートに移動してウェルに試薬を分注する。次いで、撮像システムがウェルまで移動されて、ウェルインサート内のC.エレガンスの画像を撮影することができる。このシステムの欠点の1つは、試薬供給部からウェルカセットアセンブリへの移動が、汚染につながる可能性があり、よりかさばる設備と複数の機械的動作を必要とすることである。もう1つの欠点は、ウェル内のC.エレガンスの撮像が、ウェルの深さ、ならびに、画像の質に影響する培地の栄養素およびその中の他の粒子の観点から理想的でないことである。この装置はまた、複数のロボットアームおよびシェーカーを必要とし、装置のコスト、複雑さ、かさばりを増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のことから、本発明の目的は、経済的で信頼性の高い方法で生物学的モデルの成長等およびそれらの挙動をより正確かつ反復可能にモニターするためのシステムを提供することである。
【0007】
生物学的モデルは、寄生虫、ゼブラフィッシュ、カエル胚、寄生生物、バクテリア、藻類、酵母、オルガノイド、3D細胞モデル、ヒトおよび動物の組織を含み得る。
【0008】
具体的な応用において、本発明の目的は、経済的で信頼性の高い方法で寄生虫の成長およびそれらの挙動をより正確かつ反復可能にモニターするためのシステムを提供することである。
【0009】
セットアップが容易で、自動化された手順で動作させるのが容易である、様々な物質の試験のための微視的寄生虫または他の生物学的モデルの成長、挙動、および他の表現型をモニターするための装置を提供することが有利である。
【0010】
マイクロ流体ネットワークにおける気泡および他の不整合の問題なしに、多数のチャンバで並行して寄生虫または他のモデルを容易かつ確実に観察することができる、微視的寄生虫または他の生物学的モデルの培養および観察のためのマイクロ流体システムを提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、請求項1に記載の微視的生物有機体培養および観察装置を提供することにより達成された。
【0012】
本発明の目的は、請求項11に記載の方法を提供することにより達成された。
【0013】
本明細書で開示されるのは、微視的生物有機体培養および観察装置であり、これは、支持構造体と、支持構造体上に装着された1つ以上のチップホルダと、ポンプと、バルブシステムと、を含み、各チップホルダは、マイクロ流体チップを保持するように構成され、マイクロ流体チップは、マイクロ流体チップのポンプ連結側とマイクロ流体チップのリザーバ側連結器との間に延びる、1つ以上のマイクロ流体チャネルおよび培養チャンバを中に有する。支持構造体は、可動台上に装着されたリザーバ支持プラットフォームを含み、リザーバ支持プラットフォームは、液体中の微視的生物有機体または栄養素および試験されるべき物質を収容するための複数の栄養物リザーバを保持するように構成されている。チップホルダおよび/またはマイクロ流体チップは、中空チューブの形態のリザーバ側流体連結器を含み、これは、マイクロ流体チップから中空チューブの自由端部における先端部まで延び、各先端部は対応する栄養物リザーバ内に挿入可能である。
【0014】
本発明の第1の態様によれば、可動台は、高さアクチュエータ機構と、リザーバ支持プラットフォームを水平面内で栄養素リザーバの直径よりも小さい振幅だけ振動させるように構成された振動機構と、に連結され、高さアクチュエータ機構によりリザーバ支持プラットフォームの垂直運動を作動させる。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、支持構造体は、1つ以上のチップホルダおよびリザーバ支持プラットフォームが収容されるチャンバを形成するエンクロージャと、チャンバ内の温度を制御するための温度制御ユニットおよび温度センサと、を含み、エンクロージャは、エンクロージャの内側へのアクセスを可能にする開放可能または取り外し可能なカバーを含む。
【0016】
有利な実施形態では、支持構造体上に実質的に平行に配置された複数の前記チップホルダが存在する。
【0017】
有利な実施形態では、前記マイクロ流体チップは、各マイクロ流体チップが複数の平行なマイクロ流体チャネルを含み、各マイクロ流体チャネルが複数の連続する培養チャンバを流体的に通過する。
【0018】
有利な実施形態では、各マイクロ流体チャネルは、ポンプ側連結オリフィスとリザーバ側連結オリフィスとを含み、これらのオリフィスは、封止する形で中空チューブの端部を挿入可能に受容するように構成されている。
【0019】
有利な実施形態では、マイクロ流体チップは、チップホルダに差し込み可能に連結され、かつポンプおよび/またはバルブシステムまで延びる流体チューブの端部を封止的に収容する、対応する流体チューブコネクタに流体的に連結されている。
【0020】
有利な実施形態では、装置は、チューブ先端部封止プレートをさらに含み、これは、支持フレームと、中空チューブの先端部の下で移動可能なエラストマーパッドと、を含み、装置の対応する動作ステップの間、前記エラストマーパッドを前記先端部に対して封止的に押し付けるように構成されている。
【0021】
有利な実施形態では、前記対応する動作ステップは、マイクロ流体チップ内の流体チャネルの脱泡動作を含む。
【0022】
有利な実施形態では、マイクロ流体チップのリザーバ側連結オリフィスおよび対応する中空チューブは、水平面の直交するXおよびY方向両方に間隔をあけて配置され、中空チューブは、二次元グリッドに従って間隔をあけ、中空チューブは、実質的に正方形または長方形のグリッドの交点に配置される。
【0023】
有利な実施形態では、ポンプ側流体連結器は、チップホルダに連結され、かつマイクロ流体チップの対応するポンプ側連結オリフィスに挿入される、複数の中空チューブを含む。
【0024】
有利な実施形態では、チップホルダは、ベースと、ベースに旋回可能に連結されており、マイクロ流体チップがベース上に置かれ得る開放位置から移動可能であり、かつチップホルダ内にマイクロ流体チップをクランプする閉鎖機構によって保持される閉鎖位置まで移動可能である、カバーと、を含む。
【0025】
有利な実施形態では、チップホルダは、ベースおよびカバーの両方に視界窓を含み、マイクロ流体チップの底部側から顕微鏡で見ることができる上部側まで光が差し込むことを可能にする。
【0026】
有利な実施形態では、顕微鏡を含む撮像システムと、照明システムと、バルブシステムおよびポンプ、作動機構、照明システムおよび撮像システムに接続されたコンピューティングシステムとは、マイクロ流体チップの培養チャンバ内の微視的生物有機体を自動操作し、数日から数週間の範囲の期間にわたって前記培養チャンバ内の微視的生物有機体を撮像するように構成される。
【0027】
有利な実施形態では、支持構造体は、1つ以上のチップホルダおよびリザーバ支持プラットフォームが収容されるチャンバを形成するエンクロージャと、チャンバ内の温度を制御するための温度制御ユニットおよび温度センサと、を含み、エンクロージャは、エンクロージャの内側へのアクセスを可能にする開放可能または取り外し可能なカバーを含む。
【0028】
本明細書には、上記のような微視的生物有機体培養および観察装置を動作させる方法も開示され、この方法は、ポンプを給餌方向に動作させて栄養素リザーバからマイクロ流体チップの培養チャンバ内に液体を引き込むことと、ポンプの動作中またはポンプの動作直前のいずれかに、リザーバ支持プラットフォームの振動運動および高さ調節運動の作動により栄養素リザーバ内の液体を攪拌することと、を含む、寄生虫給餌動作を含む。
【0029】
有利な実施形態では、装置の動作は、装置内に新しいマイクロ流体チップを装填した後に、チッププライミングステップを含み、チッププライミングステップは、中空チューブから出る流体の流れの方向(プライミング方向)にポンプを動作させて、プライミング液が中空チューブの先端部から出るまで、マイクロ流体チップのマイクロ流体チャネルおよび培養チャンバを通して前記プライミング液を圧送することを含む。
【0030】
有利な実施形態では、装置の動作は、チップ脱泡動作を含み、前記脱泡動作は、プライミング方向に液体を圧送すると共に、前記先端部に対してエラストマーパッドを押し付けてそれらを封止的に閉じ、マイクロ流体チャネル内に過圧を発生させることを含む。
【0031】
有利な実施形態では、装置の動作は、マイクロ流体チップの培養チャンバ内に注入されるべき微視的生物有機体を収容する栄養素リザーバを中空チューブの先端部の下に位置付けることと、先端部を液体中に挿入することと、ポンプをパルスで動作させて微視的生物有機体を培養チャンバ内に注入することと、を含む、チップ上での寄生虫装填動作を含む。
【0032】
有利な実施形態では、装置の動作は、中空チューブの先端部を最初のセットのリザーバから取り出すことと、ポンプをプライミング方向に動作させて先端部に液滴を形成することと、その後、リザーバ支持プラットフォームを移動させて中空チューブの先端部を新しいセットの栄養素リザーバに挿入することと、を含む、リザーバ交換ステップを含む。
【0033】
本発明のさらなる目的および有利な態様は、特許請求の範囲、ならびに以下の詳細な説明および添付図面から明らかになるであろう。
【0034】
次に、本発明が添付図面を参照して説明され、この図面は、例として、本発明の実施形態を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の一実施形態による寄生虫培養および観察装置の概略図である。
図2】本発明の一実施形態による寄生虫培養および観察装置をプライミングし動作させる際のステップの概略図である。
図3】本発明の一実施形態による寄生虫培養および観察装置の、ハウジングを取り外した状態の斜視図である(顕微鏡またはコンピューティングシステムは示していない)。
図3a】本発明の一実施形態による寄生虫培養および観察装置の斜視図である。
図3b】本発明の一実施形態による寄生虫培養および観察装置の斜視図である。
図3c】本発明の一実施形態による寄生虫培養および観察装置の斜視図である。
図4図3の装置の一部の図であり、マイクロ流体チップを観察するための照明システムおよび顕微鏡を概略的に示している。
図5】本発明の一実施形態による装置のマイクロ流体チップホルダ内のマイクロ流体チップの斜視図であり、開放位置にあるチップホルダのカバーを示している。
図5a】カバーが閉鎖位置にある、図5と同様の図である。
図5b図5aのデバイスの上面図である。
図5c図5bの線5c-5cを通る断面図である。
図5d】マイクロ流体チップがなく、カバーが取り外されている、図5のマイクロ流体チップホルダの一部の斜視図である。
図5e図5のマイクロ流体チップホルダに装着されるマイクロ流体チップの斜視図である。
図6】本発明の一実施形態による装置の支持構造体10内の複数のマイクロ流体チップホルダの斜視図であり、マイクロ流体チップに液体を供給するための、チップホルダに連結された流体チューブコネクタ4をさらに示している。
図6a図6の流体チューブコネクタの斜視図である。
図6b】カバー部分が取り外され、液体を供給するための流体チューブが取り外された、図6aの流体チューブコネクタのベース部分の斜視図である。
図7】本発明の一実施形態による寄生虫培養および観察装置のチューブ先端部封止プレートを示す斜視図である。
図8】本発明の一実施形態による図3の装置のリザーバ支持プラットフォームの斜視図である。
図8a図8の支持プラットフォームの一部とその上に装着されたチップホルダの斜視図である。
図8b図8aの線8b-8bを通る断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図を参照すると、本発明の実施形態による微視的生物有機体培養および観察装置1は、支持構造体10を含み、支持構造体10は、1つ以上のチップホルダ3が装着されるマイクロ流体カートリッジ支持プラットフォーム6であって、各チップホルダ3がマイクロ流体チップ2の装着のために構成されている、マイクロ流体カートリッジ支持プラットフォームと、マイクロ流体カートリッジ支持プラットフォーム6が収容されるエンクロージャ15と、を含む。エンクロージャは、エンクロージャの内側へのアクセスを可能にする開放可能または取り外し可能なカバー17を含む。微視的生物有機体培養および観察装置1は、マイクロ流体チップ2を試薬および廃棄物容器34に流体的に相互接続する流体チューブ36に連結されたポンプPおよびバルブシステムVをさらに含む。
【0037】
微視的生物有機体培養および観察装置は、初期段階において微視的寄生虫または他の微視的生物有機体をマイクロ流体チップ内に供給し、その後、マイクロ流体チップ2のチャンバ52に収容された微視的寄生虫または他の微視的生物有機体に栄養素および試験される物質を供給するための複数の栄養物リザーバ5をさらに含む。
【0038】
支持構造体10は、リザーバ支持プラットフォーム7をさらに含み、その上に、複数の栄養物リザーバ5が位置付けられ固定される。マイクロ流体チップ2は、チップホルダ3のベース18から延びるリザーバ側流体連結器26を介して栄養物リザーバ5内の液体に流体的に連結する。リザーバ側流体連結器26は、本明細書ではチップ連結セクション26aと名付けられた一端部において、マイクロ流体チップ内のマイクロ流体チャネルに接続し、栄養物リザーバ内の液体に浸漬され得る先端部26bを形成する反対側の端部まで延びる。リザーバ側流体連結器26は、好ましくは中空チューブ、好ましくは剛性チューブ、特に長い針に類似した真っ直ぐなチューブの形態である。中空チューブは、例えば、高い剛性かつ小さな直径および肉厚のために金属チューブで形成され得る。しかし、中空チューブは、プラスチック材料で作られ、半剛性であってもよく、主な側面は、先端部が対応するリザーバに入るように確実に位置付けられるために必要な構造特性を有することである。
【0039】
リザーバ支持プラットフォーム7は、チップホルダ3に対するリザーバの高さを調節するための高さアクチュエータ機構14に連結された可動台12上に装着されている。高さアクチュエータ機構14は、少なくとも1つのアクチュエータ16を含む。高さアクチュエータ機構は、栄養物リザーバ5の高さHよりも大きい垂直移動量を有し、それは、中空チューブ26が栄養物リザーバ5から完全に取り外され、係合解除されるように、リザーバ支持プラットフォーム7を完全に降下させるのに十分である。高さアクチュエータ機構14により、中空チューブを栄養物リザーバ5内に挿入することができ、一方ではチューブ先端部26bが栄養物リザーバの底部または底部近くまで延び、他方ではチューブ先端部26bを栄養物リザーバ5から完全に持ち上げる。
【0040】
リザーバ支持プラットフォーム7は、可動台12、またはリザーバホルダが固定された可動台の一部を、栄養物リザーバの直径Dよりも小さい振幅で水平面内でチップホルダに対して振動させるように構成された、さらなる作動機構を含む。この運動は、実質的に円の運動、楕円運動、直線振動運動、または、中空チューブ26がリザーバ内に挿入され、振動運動が加えられると、リザーバ内の液体の混合が行われるような直線運動と円運動との間の任意の運動であってよい。
【0041】
リザーバ支持プラットフォームの水平振動運動は、高さ作動と同時または非同時に作動され得、混合は、振動中に中空チューブが一定の高さ位置にある状態または高さが変化する状態の両方で実行され得る。
【0042】
高さアクチュエータ機構14は、一対のはさみ型のリンクアームと、一対のリンクアームの一方を作動させるピストン16と、を含んで示されているが、例えばねじおよびナット機構を備えたリニアモータに基づく、様々な他の高さ調節機構、または、油圧式もしくは空気圧式の作動機構が、本発明の範囲から逸脱することなく、使用され得る。
【0043】
リザーバ支持プラットフォームの水平面内での振動運動は、それ自体既知の様々な機構、例えば可動台12に連結された偏心器(excentre)を備えた回転モータ、によって行うこともできる。
【0044】
有利なことに、高さ調節と水平振動の組み合わせにより、栄養素リザーバ内の液体の非常に効果的な混合を行うことができ、あらゆる栄養素ならびに他の粒子および物質が液体内に均一に分散されることを確実にし、その時間の間に、ポンプPが作動されて、栄養素リザーバからマイクロ流体チップ2内に液体および栄養素および他の物質を吸い込むことができる。したがって、落下して栄養素リザーバ5の底部に集まるか、または栄養素リザーバ内の液体の上に浮遊している、栄養素ならびに他の粒子および物質は、マイクロ流体チップ2内のマイクロ流体チャンバ52内に液体を吸い込む前に均一に混合される。混合はまた、栄養素リザーバ内の液体の均質な特性を保証するために、マイクロ流体チャンバへの液体の吸引の外部で実行されてもよく、これは、リザーバ内に収容される液体および物質によっては重要となり得る。
【0045】
エンクロージャ15により、特に、エンクロージャにより囲まれ、リザーバおよびマイクロ流体チップが位置付けられるチャンバ内の温度、場合によっては湿度およびCO濃度の制御のために、エンクロージャ内に制御された環境を提供することができる。微視的生物有機体培養および観察装置1は、温度制御ユニット19、例えば加熱ユニット、オプションとしてさらに冷却ユニット、およびエンクロージャ内の温度を測定するための温度センサ23をさらに含むことができる。
【0046】
微視的生物有機体培養および観察装置は、装置の動作中にポンプ、バルブシステムおよび可動台作動機構の動作を制御および調整するために、可動台12の1つ以上の作動機構、バルブシステムVおよびポンプPに接続されたコンピューティングシステム46をさらに含み得る。コンピューティングシステムは温度センサにさらに接続されている。
【0047】
微視的生物有機体培養および観察装置1は、撮像システム42をさらに含み、これは、顕微鏡44と、マイクロ流体チップ2のチャンバ52内の微視的寄生虫または他の微視的生物有機体の静止画像または動画像をキャプチャするためのカメラシステムと、を特に含み得る。撮像システム42は、キャプチャされた静止画像または動画像を記録するコンピューティングシステム46に接続されており、コンピューティングシステムは、画像を処理および分析するためにその中に格納されたソフトウェアを含む。
【0048】
顕微鏡44は、マイクロ流体チップ2の各々、特に培養チャンバ52を含むセクションの上に顕微鏡を位置付けるために、水平面X-Yにおいて顕微鏡を変位させるように構成された作動機構(図示せず)上に装着される。顕微鏡はまた、その高さZが調節可能であってもよく、当然、各培養チャンバ52内の高さで顕微鏡の焦点面を調節するために、焦点機構を含む。撮像システム42は、チャンバ52内の寄生虫または他の微視的生物有機体の画質を改善するために、マイクロ流体チップの透明材料を通して差し込む光をマイクロ流体チップの下方に発生させる照明システム38をさらに含む。
【0049】
照明システムは、有利には、支持構造体10上に装着されたLED光パネルのような光源3aを含み得、これは、光を実質的に水平に照射し、光は複数のチップホルダ3の各々の下方に位置付けられたミラー40で反射される。したがって、LEDパネルからの光の投射方向は、マイクロ流体チップの平面X-Yに平行であり、退避位置(deported position)にあり得る。これにより、有利には、構成および維持が容易な配置で、特にコンパクトな照明配置が提供される。
【0050】
チップホルダ3は、顕微鏡44を通じた可視化のために、培養チャンバ52を含むマイクロ流体チップ2の部分を光が通過するように、ベース18およびカバー20に窓21を備える。光源3aは、ミラーシステム40を考慮して、支持構造体10の外縁に沿って位置付けられ得るので、これらの光源、特にLEDパネルは、容易に置き換えまたは交換することができ、さらに、様々なフィルタが、観察に必要な光の種類に応じて、光源とミラーとの間に挿入され得る。例えば、特定の色の照明、蛍光照明、または特定の物質を観察したり、特定の物質を他の物質および寄生虫もしくは他の微視的生物有機体とよりよく区別したりすることを可能にする他のタイプの照明が望まれる場合がある。例えば、寄生虫または他の微視的生物有機体によって発現または摂取された蛍光マーカーが検出され得る。
【0051】
ミラーシステム40は、反射面を有するミラーに基づくか、または屈折率および光の入射角による内部反射面を有するプリズムによるものとすることができる。
【0052】
特に図5図5eおよび図6図6bを参照すると、本発明の実施形態によるチップホルダ3は、ベース18と、カバー20と、を含む。チップホルダカバー20は、例えば、ベース18にヒンジ可能に連結され、図5に図示されるような開放位置から図5a~図5cに図示されるような閉鎖位置まで旋回可能であってよい。開放位置では、マイクロ流体チップ2はベース18上に位置付けられ得、カバーはそれに対して閉鎖され、例えば回転可能なラッチの形態の、閉鎖機構22でロックされ得る。他のクランプおよび閉鎖機構が、本発明の範囲から逸脱することなく、例えば、ラッチ肩部を有する片持ち梁弾性ビーム、旋回してカバーの端部にまたがる橋渡し要素、ねじまたはボルト機構、および他の様々なそれ自体周知の閉鎖およびクランプ機構により、提供され得る。
【0053】
中空チューブの形態のリザーバ側流体連結器26は、ベース18に固定され、マイクロ流体チップ2のベース50a内に延びる相補的なリザーバ側連結オリフィス54bに挿入されるよう、ベース18の上方に突出するチップ連結セクション28aを提示することができる。中空チューブ26bのチップ連結セクション26aは、チューブとオリフィス壁との間に気密封止を提供するために、対応するキャビティ54bに締まり嵌めで挿入される。実施形態では、チューブのチップ連結セクション26aは、オリフィス壁とチューブとの間に封止部を提供するために、チューブの周囲に封止リングまたは封止コーティングを備えてもよい。接着剤または結合材などの他の材料が設けられてもよい。中空チューブ26のチップ連結セクション26aは、例えば超音波溶接によって、チップに溶接されてもよい。第1の変形例では、中空チューブの形態のリザーバ側流体連結器26は、マイクロ流体チップ2に予め装着され、それに永続的に溶接されるか、結合されるか、または取り付けられ、マイクロ流体チップと共に廃棄されてもよい。別の実施形態では、中空チューブの形態のリザーバ側流体連結器26は、マイクロ流体チップホルダ3に永続的に固定され、異なるマイクロ流体チップを用いた複数の動作のために再使用可能であってもよい。
【0054】
さらに別の実施形態では、マイクロ流体チップホルダ3は、1回しか使えず、マイクロ流体チップを用いた動作の終了後に廃棄される、構成要素であってもよい。
【0055】
チップホルダ3は、マイクロ流体チップ2を、バルブシステムV、ポンプP、試薬および廃棄物容器34に接続された流体チューブ36に流体的に相互接続するためのポンプ側流体連結器24をさらに含む。ポンプ側流体連結器24は、有利には、マイクロ流体チップのポンプ側連結オリフィス54aに挿入されるチップ連結セクション24aを一端部に有し、他端部が流体チューブコネクタ4のプラグ連結部分32に挿入されるコネクタ連結セクション24bまで延びる、中空チューブを含み得る。ポンプ側流体連結器24は、例えば、チップホルダ3のベース18に埋め込まれたエルボまたはL字型の中空金属チューブを含んでもよいし、一方がチップ連結セクション24aを形成し、他方がベース18内部に形成されたチャネルによって流体的に相互接続されるコネクタ連結セクション24bを形成する、チューブの2つの別々のセクションを含んでもよい。他の連結器が使用されてもよく、例えば、チューブ24bが取り外され、コネクタ連結セクションの界面における可撓性封止リングまたはガスケットによって接続が確保され得る。
【0056】
リザーバ側流体連結器26に関連して上述したように、ポンプ側流体連結器24は、外部封止要素を含んでもよいし、マイクロ流体チップに溶接されるか、または、密封される形で他の様々な手段によって連結されてもよい。
【0057】
マイクロ流体チップ内では、マイクロ流体チャネル54が、ポンプ側連結オリフィス54aを、連続的に配置された複数のマイクロ流体培養チャンバ52を通って延びるリザーバ側連結オリフィス54bに流体的に相互接続している。図示の実施形態では、16個の実質的に平行なマイクロ流体チャネル54があり、各チャネルは8つの連続的に配置された培養チャンバ52を通過しており、そのため、単一のマイクロ流体チップで観察され得るマイクロ流体チャンバは全部で128個ある。
【0058】
マイクロ流体チップのリザーバ側連結オリフィス54bおよび対応する中空チューブ26は、有利には、水平面の直交するXおよびY方向の両方に間隔をあけて配置され得、中空チューブは、二次元グリッドに従って離間され、中空チューブは、例えば、図5eに最もよく示されるように、実質的に正方形または長方形のグリッドの交点に配置される。
【0059】
マイクロ流体チャネル54は、実質的に同一の栄養素で給餌された、同じ種類で同様の年齢の寄生虫を収容することができる。これにより、寄生虫の挙動、成長、他の表現型を統計的に評価するための、複数のマイクロ流体チャンバ内の寄生虫の観察が可能となる。これは、微視的生物有機体培養および観察装置1に収容された複数のマイクロ流体チップ2の各々について同様の条件を有することにより、さらに増大され得る。しかしながら、寄生虫の年齢、栄養素の種類、注入される物質、および使用される試薬に関する条件は、チップごとに、またはチップ2内のチャネルごとに、または特定のチャネルのセットなどと共に、変化され得る。例えば、チップの複数のチャネル54のうち1つまたはいくつかは、対照および比較の目的で、試験されるべき物質なしで微視的寄生虫または他の微視的生物有機体を有する場合がある。また、同じ物質が、異なるチャネル54またはマイクロ流体チップ2に、異なる濃度で供給されていることもある。2つ以上の異なる生物学的モデルの共培養も各チャネルにおいて可能であり、例えば、同じチャネルにおける、異なる細胞型または異なるタイプの寄生虫および/またはバクテリアなどの共培養が可能であることに留意されたい。
【0060】
マイクロ流体チップ2およびチップホルダ3は、流体チューブコネクタ4により、バルブシステムVおよびポンプシステムP、ならびに試薬および廃棄物容器34に好都合に相互接続され得る。流体チューブコネクタ4は、チップホルダ3のチップ連結セクション24aおよびマイクロ流体チップ2に密封式に連結するためのオリフィスを有するプラグ連結部分32を含む。有利な実施形態では、流体チューブコネクタ4は、流体チューブ36を中に受容するための複数の溝30を含む底部28bと、底部を覆って流体チューブ36の端部を中にクランプする上部28aと、を含み得る。上部および底部は、様々な材料で作ることができ、共にクランプすることは、例えば、ねじによって、またはバウンディング(bounding)もしくは溶接によって、取り外し可能または永続的な方法で行うことができる。流体チューブ36は、好ましくは、蠕動型またはシャトル型のポンプにおいて押しつぶされ得る、しなやかなポリマーチューブの形態であるか、またはその一部を少なくとも含む。したがって、流体チューブ36は、流体チューブコネクタ4からバルブシステムVまで延びることができる。
【0061】
ポンプPは、試薬容器34とバルブシステムVとの間に延びる流体チューブに係合する蠕動ポンプまたはシャトル型ポンプの形態であってもよい。本発明の範囲内において、ポンプPおよびバルブVの構成は、様々な形態をとることができ、例えば、ポンプはバルブシステムVとマイクロ流体チップ2との間に位置付けられてもよいし、別個の独立制御ポンプがバルブシステムとチップとの間に設けられてもよい。蠕動ポンプシステムの代わりに、シリンジポンプシステムまたはメンブレン型ポンプシステムを設けてもよい。このようなポンプシステムはそれ自体既知であり、バルブシステムと同様にこれ以上説明する必要はない。
【0062】
本発明の一実施形態による微視的生物有機体培養および観察装置1の支持構造体10は、チューブ先端部封止プレート9をさらに含むことができ、これは、支持構造体上に移動可能に装着され、作動機構によって位置付けられ得るか、または、代わりに、手動で挿入可能なプレートとして、中空チューブ26の先端部26bの下方に設けられていてもよい。チューブ先端部封止プレート9は、支持フレーム11と、中空チューブ26の先端部26bが押し付けられ得る1つ以上のエラストマーパッド13と、を含む。チューブ先端部封止プレート9は、マイクロ流体チャネル54内に圧力を加えるために、中空チューブ26の先端部26bを封止するように、微視的生物有機体培養および観察装置1のプライミング動作中に使用される。マイクロ流体チップチャネル内および流体チューブ36内の圧力は、特に、有利には脱泡動作中に使用され得る。チューブ先端部封止プレート9は、マイクロ流体チャネル内にある特定の過圧を発生させることを必要とする他のステップ中にも使用され得る。
【0063】
一実施形態(図示せず)では、チューブ先端部封止プレート9は、リザーバ支持プラットフォーム7に固定され、可動台12によって先端部26bの下方の封止位置に移動可能であってよい。
【0064】
図2を参照して、本発明の一実施形態による微視的生物有機体培養および観察装置1の動作手順の一例を説明する。
【0065】
最初のステップでは、1つ以上のマイクロ流体チップが、対応する流体チューブコネクタ4に流体的に連結された対応するチップホルダ3内に装着される。ポンプPが動作されて、特にプライミング液、例えば水溶液、例えばDI水、70%エタノール、または直接S培地(寄生虫液体培養および維持に使用されるそれ自体典型的な培地)を構成する、液体を試薬の容器34から吸引し、流体チューブ36、マイクロ流体チャネル54、および中空チューブ26をプライミング液で充填し、よって、流体チャネルシステムから空気を除去する。
【0066】
ポンプPが先端部26bまで液体を注入し、ある特定の量の液体が1つ以上のマイクロ流体チップの先端部26bのすべてから流出したら、チューブ先端部封止プレート9は、先端部26bに押し付けられて先端部を封止することができる。ポンプPは、脱泡動作において流体チャネル内に過圧を生じさせるように動作され得る。オプションとして、脱泡動作は、最初の圧縮段階と、それに続く、先端部26bからのチューブ先端部封止プレートの解放と、チューブ先端部26bを通してさらなるプライミング流体を注入するためのポンプの動作と、を含み得る。先端部の再封止、マイクロ流体チャネル内に過圧を発生させるための圧送、およびその後の解放は、さらに1回以上行われ得る。この手順により、マイクロ流体チャネル内の気泡が効果的に除去される。
【0067】
その後、寄生虫または他の微視的生物有機体はマイクロ流体チップ2の培養チャンバ52に装填され得る。これは、例えば、マイクロ流体チャンバ52内に圧送されるのに十分小さなサイズの、発生初期の寄生虫を、中空チューブの下に位置付けられた栄養素リザーバ5内の液体中に入れ、中空チューブを栄養素リザーバ内に浸漬し、ポンプをプライミング方向とは逆方向に動作させることによって、行うことができる。バルブシステムVは、寄生虫の一部が培養チャンバ52のすべてを通って流体チューブ36内に圧送されることを考慮して、ポンプ液を廃棄物容器内に導くように作動され得る。
【0068】
栄養素リザーバ5は次に、寄生虫または他の微視的生物有機体がマイクロ流体チップ内に装填され、中空チューブ26の先端部26bに液滴が形成されるのを確実にするためにわずかな前方への圧送が行われた後、取り外され得る。こうすることで、その後に栄養素および試験されるべき物質を収容する栄養素リザーバ5に先端部を挿入する際、チューブが液体で完全に満たされ、内部に空気がないことが保証される。これらの物質は、次に、プライミング方向とは逆方向にポンプを動作させることにより、マイクロ流体チップ2のマイクロ流体チャネル54およびチャンバ52内に引き込まれる。
【0069】
チップ上での寄生虫の装填または他の微視的生物有機体の装填動作の間、ポンプは、寄生虫または他の微視的生物有機体をマイクロ流体チャンバ52間のフィルタに通すためにパルス方式で動作されてよく、これらのフィルタは、より低い圧力の流体の流れの条件下で、寄生虫または他の微視的生物有機体が泳ぐかまたは流れてチャンバから出るのを防止するように構成されたサイズであることに留意されたい。したがって、いったんマイクロ流体チャンバ52に装填されると、栄養素および試験されるべき物質は、マイクロ流体チャンバを通って、低圧、低流速の条件で流れることができ、その条件では、マイクロ流体寄生虫または他の微視的生物有機体がマイクロ流体チャンバ内に留まり、典型的には数日から数週間続き得るプロセスにおいて栄養素および試験される物質が供給される。しかし、いくつかの試験は、数時間または数分しか続かない場合もある(例えば、急性毒性)。温度および場合によっては他の環境条件は、有利には、試験期間中、寄生虫または他の微視的生物有機体の最適な成長を促進するために、エンクロージャチャンバ内で制御され得る。また、必要であれば、温度サイクルが実施されて、微視的生物有機体の温度関連因子を試験することもできる。
【0070】
その時間中、顕微鏡44は、静止画像または動画像をキャプチャするために、様々なマイクロ流体チップ2の上に連続して位置付けられ得、また、マイクロ流体チャンバおよびその中の寄生虫または他の微視的生物有機体の画像を同時にキャプチャするために、システム上に複数の顕微鏡が設けられていてもよい。
【0071】
〔特徴部参照符のリスト〕
微視的生物有機体培養および観察装置1
(例えば、寄生虫培養および観察装置)
支持構造体10
エンクロージャ15
カバー17
温度制御(加熱/冷却)ユニット19
温度センサ23
マイクロ流体カートリッジ支持プラットフォーム6
リザーバ支持プラットフォーム7
可動台12
高さアクチュエータ機構14
アクチュエータ16
リザーバ支持プレート8
チューブ先端部封止プレート9
支持フレーム11
エラストマーパッド13
チップホルダ3
ベース18
ポンプ側流体連結器24
チップ連結セクション24a
コネクタ連結セクション24b
リザーバ側流体連結器26
中空(例えば、剛性)チューブ(例えば、針)
チップ連結セクション26a
先端部26b
チップ支持セクション18a
コネクタ支持セクション18b
カバー20
視界窓21
閉鎖機構/クランプ/ラッチ22
流体チューブコネクタ4
上部28a
底部28b
溝30
プラグ連結部分32
栄養物リザーバ5
ポンプP
試薬および廃棄物容器34
バルブシステムV
流体チューブ36
照明システム38
光源
LEDパネル39
ミラー40
撮像システム42
顕微鏡44
コンピューティングシステム46
マイクロ流体チップ2
ベース50a
培養チャンバ52
マイクロ流体チャネル54
ポンプ側連結器54a
リザーバ側連結器54b
カバー50b

リザーバチューブ直径D
リザーバチューブ高さH
【0072】
〔実施の態様〕
(1) 微視的生物有機体培養および観察装置(1)であって、
支持構造体(10)と、前記支持構造体上に装着された1つ以上のチップホルダ(3)と、ポンプ(P)と、バルブシステム(V)と、を含み、
各チップホルダは、マイクロ流体チップ(2)を保持するように構成され、前記マイクロ流体チップは、前記マイクロ流体チップのポンプ連結側(44a)と前記マイクロ流体チップのリザーバ側連結器(44b)との間に延びる、1つ以上のマイクロ流体チャネル(54)および培養チャンバ(52)を中に有し、
前記支持構造体は、可動台(12)上に装着されたリザーバ支持プラットフォーム(7)を含み、
前記リザーバ支持プラットフォーム(7)は、液体中の微視的生物有機体または栄養素および試験されるべき物質を収容するための複数の栄養物リザーバ(5)を保持するように構成され、
前記チップホルダ(3)および/または前記マイクロ流体チップ(2)は、中空チューブの形態のリザーバ側流体連結器(26)を含み、これは、前記マイクロ流体チップ(2)から前記中空チューブの自由端部における先端部(26b)まで延び、各先端部(26b)は、対応する栄養物リザーバ(5)内に挿入可能であり、
前記可動台は、高さアクチュエータ機構(14)により前記リザーバ支持プラットフォームの垂直運動を作動させる前記高さアクチュエータ機構(14)と、前記中空チューブの前記自由端部が前記栄養物リザーバに挿入されたときに前記リザーバ支持プラットフォーム(7)を水平面内で前記栄養素リザーバ(5)の直径(D)よりも小さい振幅だけ振動させるように構成された振動機構と、に連結されている、微視的生物有機体培養および観察装置。
(2) 前記支持構造体上に実質的に平行に配置された複数の前記チップホルダが存在する、実施態様1に記載の装置。
(3) 各マイクロ流体チップは、複数の平行なマイクロ流体チャネル(54)を含み、各マイクロ流体チャネルは、複数の連続する培養チャンバ(52)を流体的に通過する、前記マイクロ流体チップ(2)に関連する、実施態様1に記載の装置。
(4) 各マイクロ流体チャネル(54)は、ポンプ側連結オリフィス(54a)と、リザーバ側連結オリフィス(54b)と、を含み、前記オリフィスは、封止する形で中空チューブの端部を挿入可能に受容するように構成されている、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記マイクロ流体チップは、前記チップホルダ(3)に差し込み可能に連結され、かつ前記ポンプおよび/または前記バルブシステムまで延びる流体チューブ(36)の端部を封止的に収容する、対応する流体チューブコネクタ(4)に流体的に連結されている、実施態様1に記載の装置。
【0073】
(6) チューブ先端部封止プレート(9)をさらに含み、前記チューブ先端部封止プレートは、支持フレーム(11)と、前記中空チューブの前記先端部(26b)の下で移動可能なエラストマーパッド(13)と、を含み、前記装置の対応する動作ステップの間、前記エラストマーパッド(13)を前記先端部に対して封止的に押し付けるように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記対応する動作ステップは、前記マイクロ流体チップ内の前記流体チャネルの脱泡動作を含む、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記マイクロ流体チップのリザーバ側連結オリフィス(54b)および対応する中空チューブ(26)は、水平面の直交するXおよびY方向両方に間隔をあけて配置され、前記中空チューブは、二次元グリッドに従って間隔をあけ、前記中空チューブは、実質的に正方形または長方形のグリッドの交点に配置されている、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記ポンプ側流体連結器(24)は、前記チップホルダ(3)に連結され、かつ前記マイクロ流体チップ(2)の対応するポンプ側連結オリフィス(54a)に挿入される、複数の中空チューブを含む、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記チップホルダは、ベース(18)と、前記ベースに旋回可能に連結されており、前記マイクロ流体チップ(2)が前記ベース(18)上に置かれ得る開放位置から移動可能であり、かつ前記チップホルダ内に前記マイクロ流体チップをクランプする閉鎖機構(22)によって保持される閉鎖位置まで移動可能である、カバー(20)と、を含む、実施態様1に記載の装置。
【0074】
(11) 前記チップホルダは、ベース(18)およびカバー(20)の両方に視界窓(21)を含み、前記マイクロ流体チップの底部から顕微鏡(44)で見ることができる上部側まで光が差し込むことを可能にする、実施態様1に記載の装置。
(12) 顕微鏡(44)を含む撮像システム(42、44)と、照明システム(38)と、前記バルブシステム(V)および前記ポンプ(P)、作動機構(14、16)、前記照明システム(38)および前記撮像システム(42、44)に接続されたコンピューティングシステム(46)とは、前記マイクロ流体チップ(2)の前記培養チャンバ(52)内の微視的生物有機体を自動操作し、数日から数週間の範囲の期間にわたって前記培養チャンバ内の前記微視的生物有機体を撮像するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記支持構造体は、前記1つ以上のチップホルダおよび前記リザーバ支持プラットフォームが収容されるチャンバを形成するエンクロージャ(15)と、前記チャンバ内の温度を制御するための温度制御ユニット(19)および温度センサ(23)と、を含み、前記エンクロージャは、前記エンクロージャの内側へのアクセスを可能にする開放可能または取り外し可能なカバー(17)を含む、実施態様1に記載の装置。
(14) 実施態様1から13のいずれかに記載の微視的生物有機体培養および観察装置(1)を動作させる方法であって、
前記ポンプ(P)を給餌方向に動作させて前記栄養素リザーバ(5)から前記マイクロ流体チップの前記培養チャンバ(52)内に液体を引き込むことと、前記ポンプの動作中または前記ポンプの動作直前のいずれかに、前記リザーバ支持プラットフォーム(7)の振動運動および高さ調節運動の作動により前記栄養素リザーバ(5)内の前記液体を攪拌することと、を含む、寄生虫給餌動作を含む、方法。
(15) 前記装置の動作は、前記装置内に新しいマイクロ流体チップを装填した後に、チッププライミングステップを含み、前記チッププライミングステップは、前記中空チューブから出る流体の流れの方向(プライミング方向)に前記ポンプを動作させて、プライミング液が前記中空チューブ(26)の先端部(26b)から出るまで、前記マイクロ流体チップの前記マイクロ流体チャネル(54)および前記培養チャンバ(52)を通して前記プライミング液を圧送することを含む、実施態様14に記載の方法。
【0075】
(16) 前記装置の動作は、チップ脱泡動作を含み、前記脱泡動作は、プライミング方向に液体を圧送すると共に、前記先端部に対してエラストマーパッド(13)を押し付けてそれらを封止的に閉じ、前記マイクロ流体チャネル内に過圧を発生させることを含む、実施態様14に記載の方法。
(17) 前記装置の動作は、前記マイクロ流体チップ(2)の培養チャンバ(52)内に注入されるべき微視的生物有機体を収容する栄養素リザーバを栄養素リザーバ(5)内に位置付けることと、前記栄養素リザーバを前記中空チューブの前記先端部の下に置き、前記先端部を前記液体中に挿入することと、前記ポンプをパルスで動作させて微視的生物有機体を前記培養チャンバ(52)内に注入することと、を含む、チップ上での寄生虫装填動作を含む、実施態様14に記載の方法。
(18) 前記装置の動作は、前記中空チューブの前記先端部を最初のセットのリザーバから取り出すことと、前記ポンプをプライミング方向に動作させて前記先端部に液滴を形成することと、その後、前記リザーバ支持プラットフォーム(7)を移動させて前記中空チューブの前記先端部を新しいセットの栄養素リザーバ(5)に挿入することと、を含む、リザーバ交換ステップを含む、実施態様14に記載の方法。
図1
図2
図3
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図6
図6a
図6b
図7
図8
図8a
図8b
【国際調査報告】