(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】キャリブレーションなどの被測定回路からの入力信号の反復測定をサポートするプログラム可能なアナログキャリブレーション回路及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
H03M 1/38 20060101AFI20240829BHJP
G01R 19/257 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H03M1/38
G01R19/257
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510305
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 US2022035636
(87)【国際公開番号】W WO2023027810
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】バナジー,アニルバン
(72)【発明者】
【氏名】パンディタ,ブペシュ
(72)【発明者】
【氏名】ボッカー,チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】グローン,エリック
【テーマコード(参考)】
2G035
5J022
【Fターム(参考)】
2G035AD11
2G035AD23
2G035AD27
2G035AD55
2G035AD56
2G035AD65
5J022AA02
5J022CB01
5J022CD03
5J022CD04
5J022CF01
5J022CF08
(57)【要約】
被測定回路からの入力信号の反復測定をサポートするアナログキャリブレーション(ACAL)回路、及び関連する方法が開示される。ACAL回路は電圧基準生成回路及びコンパレータ回路を含む。電圧基準生成回路は入力基準電圧を受けるよう構成される。コンパレータ回路は、入力基準電圧を被測定回路の入力回路電圧と比較し、比較に基づきデジタル測定信号を生成するよう構成される。ACAL回路が入力回路電圧をより正確に測定できるようにするために、電圧基準生成回路はプログラム可能であり、プログラムされた基準電圧選択に基づき入力基準電圧を生成するよう構成される。このようにして、ACAL回路は、入力回路電圧のより正確な測定のために、種々の、プログラムされた入力基準電圧に基づき、入力回路電圧を繰り返し測定するために使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログキャリブレーション(ACAL)回路であって、
供給電圧と、基準電圧選択回路によって選択された基準電圧プログラミング選択とに基づいて、複数のプログラム可能なステップ基準電圧の中からステップ基準電圧を生成するよう構成されるプログラム可能な電圧基準生成回路を有し、
当該ACAL回路は、選択された前記ステップ基準電圧に基づいて入力基準電圧を生成するよう構成され、
前記入力基準電圧を被測定回路からの入力回路電圧と比較し、前記入力基準電圧と前記入力回路電圧との間の差に基づいてデジタル測定信号を生成するコンパレータ回路を更に有する、
ACAL回路。
【請求項2】
前記プログラム可能な電圧基準生成回路は、前記供給電圧と、前記基準電圧選択回路によって生成された前記基準電圧プログラミング選択とに基づいて、前記複数のプログラム可能なステップ基準電圧の中から第2ステップ基準電圧を生成するよう更に構成され、
当該ACAL回路は、前記選択されたステップ基準電圧及び前記第2ステップ基準電圧に基づいて前記入力基準電圧を生成するよう構成される、
請求項1に記載のACAL回路。
【請求項3】
前記プログラム可能な電圧基準生成回路は、
前記供給電圧へ結合されるよう構成される供給ノードと接地ノードとの間に結合される抵抗ラダー回路を有し、
前記抵抗ラダー回路は、抵抗ラダー出力部及び複数の抵抗を有し、
前記複数の抵抗は、当該複数の抵抗の中の各抵抗間で複数のタップノードを形成しながら直列に接続され、前記複数のタップノードの中の各タップノードは、前記供給電圧に基づいて前記ステップ基準電圧を有するよう構成され、
前記プログラム可能な電圧基準生成回路は、
前記基準電圧プログラミング選択を受け取り、該受け取られた基準電圧プログラミング選択に基づいて前記抵抗ラダー回路内のタップノードをアクティブにして該アクティブにされたタップノードでの前記ステップ基準電圧を選択し、前記アクティブにされたタップノードでの前記ステップ基準電圧を前記抵抗ラダー出力部で前記入力基準電圧として供給する
よう構成されることによって、前記ステップ基準電圧を生成するよう構成される、
請求項1に記載のACAL回路。
【請求項4】
前記プログラム可能な電圧基準生成回路は、第2抵抗ラダー出力部を更に有し、
前記プログラム可能な電圧基準生成回路は、
前記受け取られた基準電圧プログラミング選択に基づいて、前記アクティブにされたタップノードへ結合されている抵抗へ結合されている前記抵抗ラダー回路内の第2タップノードをアクティブにし、該アクティブにされた第2タップノードでの第2ステップ基準電圧を前記第2抵抗ラダー出力部で第2入力基準電圧として供給する
よう構成されることによって、前記第2ステップ基準電圧を生成するよう更に構成され、
前記入力基準電圧及び前記第2入力基準電圧は、当該抵抗の両端間の電圧降下の差動ステップ基準電圧を形成する、
請求項3に記載のACAL回路。
【請求項5】
前記抵抗ラダー回路は、前記複数のタップノードの中の各タップノードへ夫々結合される複数のタップノードスイッチを更に有し、
X対Yデコーダ回路を有する前記基準電圧選択回路は、
X個のデコーダ入力部と、
前記複数のタップノードスイッチの中のタップノードスイッチへ夫々結合されるY個のデコーダ出力部と、を有し、
前記X対Yデコーダ回路は、前記基準電圧プログラミング選択を受け取り、該基準電圧プログラミング選択に基づいてY個のデコーダ出力部の中からデコーダ出力部をアクティブにして該アクティブにされたデコーダ出力部へ結合されている前記タップノードスイッチをアクティブにする、よう構成される、
請求項3に記載のACAL回路。
【請求項6】
前記供給電圧を前記プログラム可能な電圧基準生成回路へ供給するよう構成される供給回路を更に有し、
前記供給回路は、
電圧供給選択を示す供給アクティブ化信号を受信することに応答して、受け取られた供給電圧を前記プログラム可能な電圧基準生成回路へ結合するよう構成される電圧供給回路と、
電流供給選択を示す前記供給アクティブ化信号を受信することに応答して、受け取られた供給電流を前記プログラム可能な電圧基準生成回路へ結合するよう構成される電流供給回路と
を有する、
請求項1に記載のACAL回路。
【請求項7】
前記基準電圧選択回路を更に有し、
前記基準電圧選択回路は、
前記ステップ基準電圧を受けるよう構成される第1基準電圧入力部と、
前記第2ステップ基準電圧を受けるよう構成される第2基準電圧入力部と、
基準電圧選択を受け取るよう構成される基準電圧選択入力部と、
前記コンパレータ回路へ結合される基準電圧選択出力部と
を有し、
前記基準電圧選択回路は、
前記第1基準電圧入力部で前記ステップ基準電圧を受け取り、
前記第2基準電圧入力部で前記第2ステップ基準電圧を受け取り、
前記受け取られた基準電圧選択に基づいて、前記ステップ基準電圧及び前記第2ステップ基準電圧の中から前記選択されたステップ基準電圧を前記基準電圧選択出力部で前記入力基準電圧として供給する
よう構成される、
請求項2に記載のACAL回路。
【請求項8】
前記基準電圧選択回路の前記基準電圧選択入力部へ結合される変調器出力部を有する変調器回路を更に有し、
前記変調器回路は、パルス幅変調(PWM)信号のデューティサイクルを示す受け取られた変調器入力コードに基づいて、前記変調器出力部で前記PWM信号を生成するよう構成され、
前記基準電圧選択回路は、前記PWM信号の変調に従って、前記ステップ基準電圧及び前記第2ステップ基準電圧の補間に基づいて、前記選択されたステップ基準電圧を前記基準電圧選択出力部で前記入力基準電圧として供給するよう構成される、
請求項7に記載のACAL回路。
【請求項9】
第1前置基準電圧選択回路及び第2前置基準電圧選択回路を更に有し、
前記第1前置基準電圧選択回路は、
ステップ基準入力電圧を受けるよう構成される第1前置基準電圧入力部と、
前記供給電圧を受けるよう構成される第2前置基準電圧入力部と、
第1前置基準電圧選択を受け取るよう構成される第1前置基準電圧選択入力部と、
前記基準電圧選択回路の前記第1基準電圧入力部へ結合される第1前置基準電圧出力部と、を有し、
前記第1前置基準電圧選択回路は、
前記第1前置基準電圧入力部で前記ステップ基準入力電圧を受け、
前記第2前置基準電圧入力部で前記供給電圧を受け、
前記受け取られた第1前置基準電圧選択に基づいて、前記ステップ基準入力電圧及び前記供給電圧の中から選択された電圧を前記第1前置基準電圧出力部で前記ステップ基準電圧として供給する、よう構成され、
前記第2前置基準電圧選択回路は、
第2ステップ基準入力電圧を受けるよう構成される第3前置基準電圧入力部と、
接地電圧を受けるよう構成される第4前置基準電圧入力部と、
第2前置基準電圧選択を受け取るよう構成される第2前置基準電圧選択入力部と、
前記基準電圧選択回路の前記第2基準電圧入力部へ結合される第2前置基準電圧出力部と、を有し、
前記第2前置基準電圧選択回路は、
前記第3前置基準電圧入力部で前記第2ステップ基準入力電圧を受け、
前記第4前置基準電圧入力部で前記接地電圧を受け、
前記受け取られた第2前置基準電圧選択に基づいて、前記第2ステップ基準入力電圧及び前記接地電圧の中から選択された電圧を前記第2前置基準電圧出力部で前記第2ステップ基準電圧として供給する、よう構成される、
請求項7に記載のACAL回路。
【請求項10】
前記プログラム可能な電圧基準生成回路と前記コンパレータ回路との間に結合されるフィルタ回路を更に有し、
前記フィルタ回路は、前記入力基準電圧において通過周波数を超える周波数を取り除くよう構成される、
請求項1に記載のACAL回路。
【請求項11】
前記コンパレータ回路は、
前記入力基準電圧を受けるよう構成される第1コンパレータ入力部と、
前記被測定回路から前記入力回路電圧を受けるよう構成される第2コンパレータ入力部と、
測定出力部と、を有し、
前記コンパレータ回路は、
前記第1コンパレータ入力部での前記入力基準電圧を前記第2コンパレータ入力部での前記入力回路電圧と比較し、
前記入力基準電圧と前記入力回路電圧との間の差に基づいて、前記測定出力部で前記デジタル測定信号を生成する、よう構成される、
請求項1に記載のACAL回路。
【請求項12】
前記コンパレータ回路は、
第1入力電圧を受けるよう構成される第1コンパレータ入力部と、
第2入力電圧を受けるよう構成される第2コンパレータ入力部と、
測定出力部と、を有し、
前記コンパレータ回路は、
前記第1コンパレータ入力部での前記第1入力電圧を前記第2コンパレータ入力部での前記第2入力電圧と比較し、
前記第1入力電圧と前記第2入力電圧との間の差に基づいて、前記測定出力部で前記デジタル測定信号を生成する、よう構成され、
当該ACAL回路は、モードセレクタ回路を更に有し、
前記モードセレクタ回路は、
前記入力基準電圧を受け、
前記ステップ基準電圧を受け、
前記第2ステップ基準電圧を受け、
前記入力回路電圧の正入力回路電圧を受け、
前記入力回路電圧の負入力回路電圧を受け、
当該ACAL回路の動作モードを示すモード選択を受け取り、
前記モード選択に基づいて、前記入力基準電圧、前記ステップ基準電圧、前記第2ステップ基準電圧、前記正入力回路電圧、及び前記負入力回路電圧のうちの1つを前記第1コンパレータ入力部へ結合し、
前記モード選択に基づいて、前記入力基準電圧、前記ステップ基準電圧、前記第2ステップ基準電圧、前記正入力回路電圧、及び前記負入力回路電圧のうちの1つを前記第2コンパレータ入力部へ結合する、よう構成される、
請求項2に記載のACAL回路。
【請求項13】
被測定回路の入力回路電圧を測定する方法であって、
複数のプログラム可能なステップ基準電圧の中からステップ基準電圧を選択するよう基準電圧プログラミング選択をセットすることと、
前記基準電圧プログラミング選択をセットすることに応答して、
供給電圧及び前記基準電圧プログラミング選択に基づいて、前記複数のプログラム可能なステップ基準電圧の中からステップ基準電圧を生成し、
選択された前記ステップ基準電圧に基づいて入力基準電圧を生成し、
前記入力基準電圧を前記被測定回路からの入力回路電圧と比較し、
前記入力基準電圧と前記入力回路電圧との間の差に基づいてデジタル測定信号を生成する、ことと
を有する方法。
【請求項14】
前記デジタル測定信号に基づいて、前記入力基準電圧が前記入力回路電圧よりも大きいかどうかを決定することと、
前記入力基準電圧が前記入力回路電圧よりも大きいことが前記デジタル測定信号により示されることに応答して、
(a)前記複数のプログラム可能なステップ基準電圧の中から次のステップ基準電圧を選択するよう次の基準電圧プログラミング選択をセットし、
(b)前記次の基準電圧プログラミング選択をセットすることに応答して、
(c)前記供給電圧及び前記次の基準電圧プログラミング選択に基づいて前記複数のプログラム可能なステップ基準電圧の中から次のステップ基準電圧を生成し、
(d)選択された前記次のステップ基準電圧に基づいて次の入力基準電圧を生成し、
(e)前記次の入力基準電圧を前記被測定回路からの前記入力回路電圧と比較し、
(f)前記次の入力基準電圧と前記入力回路電圧との間の差に基づいて次のデジタル測定信号を生成する、ことと
を更に有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記次のデジタル測定信号に基づいて、前記次の入力基準電圧が前記入力回路電圧よりも大きいかどうかを決定することと、
前記次の入力基準電圧が前記入力回路電圧よりも大きいことが前記次のデジタル測定信号により示されることに応答して、前記次のデジタル測定信号に基づいて、前記次の入力基準電圧が前記入力回路電圧よりも大きくならなくなるまで、ステップ(a)~(f)を繰り返し実行することと
を更に有する、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術はアナログキャリブレーション(ACAL)回路に関係があり、より具体的には、プロセッサ内の回路のキャリブレーションのために使用されるより正確な電圧測定をもたらすように、システム・オン・チップ(SoC)内を含む、プロセッサとともにチップ上に位置することができるACAL回路に関係がある。
【背景技術】
【0002】
アナログキャリブレーション(ACAL)回路は、「アナログキャリブレーションエンジン」とも呼ばれ、オンチップの高精度の電圧測定に用いられる汎用のカスタムアナログ回路である。例として、ACAL回路は、高速シリアライザ/デシリアライザ(SerDes)回路のキャリブレーションに使用されるオンチップ測定信号を供給するためにSerDes回路システムとともにオンチップで用いられ得る。オンチップのACAL回路は、様々な回路キャリブレーションをサポートするために用いられ得る。例えば、回路の意図した動作及び性能のために、プロセス、電圧、及び/又は温度(PVT)の変動などにより、回路の動作中に回路に対してキャリブレーションを行うことが望まれたり又は必要となったりする場合がある。一例として、ACAL回路は、ADCオフセットキャリブレーションに使用され得る基準電圧を供給するためにSerDesシステム内のアナログ-デジタルコンバータ(ADC)高速レシーバで用いられ得る。他の例では、ACAL回路は、出力ドライバ抵抗及びクロックデューティサイクルの調整をキャリブレーションするために高速トランスミッタで用いられ得る。更なる他の例では、ACAL回路は、回路のキャリブレーション及び/又は動作に使用され得る高精度のオンチップバイアス電圧及び/又は回路測定を生成するためにも用いられ得る。
【0003】
高速SerDes回路設計では、従来の技術は、オンチップ回路キャリブレーションのために実装されてきた。しかし、このような従来技術には、既知の課題がある。例えば、ACAL回路マクロは、集積回路(IC)チップの広いダイ面積を消費する可能性があり、この場合、チップ上でACAL回路マクロの多数のインスタンスを設けることは困難であったり又は現実的でなかったりする。よって、キャリブレーションされるべき回路システムからの出力信号は、ACAL回路がキャリブレーションのためのオンチップ測定信号を生成するために、より少数のACAL回路又は中央のACAL回路へ迂回されなければならず、回路をキャリブレーションするためのルーティング複雑性及び信号ルーティング遅延を増大させることになる。更に、より少数のACAL回路又は中央のACAL回路を設けるとは、ACAL回路が複数の他のオンチップ回路をサポートするために多数のオンチップ測定信号を生成できるよう設計されなければならない可能性があることを意味し、ACAL回路のサイズ及び電力消費量を増やすことになる。例えば、高速SerDes回路では、性能の理由により、SerDes回路の各レーンごとにオンチップ測定信号を生成できるACAL回路を設けることが必要であるか又は設計される場合がある。チップ内のSerDes回路の全体のフットプリント及びレーンの数が、プロセスノードサイズの低減における進歩などにより、設計サイクルの経過とともに増えるにつれて、SerDes回路のキャリブレーションをサポートするACAL回路は、チップ上のフットプリントが増える可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で開示される例示的な側面は、被測定回路からの入力信号の反復測定をサポートするプログラム可能なアナログキャリブレーション(ACAL)回路を含む。関連する方法も開示される。1つの非限定的な例として、ACAL回路は、キャリブレーションを目的として被測定回路のオンチップ測定を提供するよう、被測定回路を含む同じ集積回路(IC)チップに用いられ得る。例えば、被測定回路はICチップ内のシリアライザ/デシリアライザ(SerDes)回路であってよい。例示的な側面では、ACAL回路は、電圧基準生成回路及びコンパレータ回路を含む。電圧基準生成回路は、入力基準電圧をコンパレータ回路へ供給するよう構成される。コンパレータ回路は、入力基準電圧を被測定回路からの(例えば、キャリブレーションされる回路からの)入力回路電圧と比較し、比較に基づいてデジタル測定信号(例えば、論理‘0’又は論理‘1’)を生成するよう構成される。コンパレータ回路は、アナログ-デジタルコンバータ(ADC)回路のように動作する。例えば、入力回路電圧が入力基準電圧よりも高い場合、コンパレータ回路は、デジタル測定信号をデジタル論理‘0’値として生成するよう構成されてよい。入力回路電圧が入力基準電圧よりも低い場合、コンパレータ回路は、デジタル測定信号としてデジタル論理‘1’値を生成するよう構成されてよい。このように、デジタル測定信号は、入力回路電圧の電圧レベルのインジケータである。
【0005】
例示的な側面では、ACAL回路の能力を、入力回路電圧をより正確に測定するものにするために、ACAL回路は、プログラム可能な電圧基準生成回路を電圧基準生成回路として含む。プログラム可能な電圧基準生成回路はデジタル-アナログコンバータ(DAC)回路に類似した動作をすることができる。例えば、プログラム可能な電圧基準生成回路は、抵抗の両端間の漸進的な電圧降下に基づいて異なるステップ基準電圧を複数のタップノードにもたらす複数の直列接続抵抗を含む抵抗ラダー回路であってよい。プログラム可能な電圧基準生成回路は、基準電圧選択回路によって生成された基準電圧プログラミング選択に基づいて、特定の選択されたステップ基準電圧のプログラムされたステップ基準電圧を供給するよう構成される。コンパレータ回路に供給される入力基準電圧は、プログラム可能なステップ基準電圧に基づく。所望のステップ電圧レベルのステップ基準電圧をプログラム的に生成できるプログラム可能な電圧基準生成回路によって、ACAL回路は、入力回路電圧のより正確な測定のために反復的な方法で入力回路電圧を測定するために使用できる。ACAL回路の所与の動作繰り返しでコンパレータ回路によって生成されるデジタル測定信号に基づいて、プログラム可能な電圧基準生成回路は、その後の動作繰り返しで次の選択されたステップ基準電圧のステップ基準電圧を生成して、次いでコンパレータ回路によって再び入力回路電圧と比較されるようにプログラムされ得る。ACAL回路内のこのプログラム可能な電圧基準生成回路は、入力回路電圧がプログラムされた入力基準電圧に対応することをコンパレータ回路が決定するまで繰り返しプログラムされ得る。
【0006】
他の例示的な側面では、フィルタ回路(例えば、ローパスフィルタ回路)がACAL回路に設けられ、プログラム可能な電圧基準生成回路とコンパレータ回路との間に結合される。フィルタ回路は、より安定した入力基準電圧を、より正確な測定のためにコンパレータ回路へ供給するために、プログラム可能な電圧基準生成回路によって生成された入力基準電圧からノイズ及び/又はリプルを取り除くよう構成される。また、プログラム可能な電圧基準生成回路が、コンパレータ回路に供給される入力基準電圧を生成するために使用されるステップ基準電圧を生成するよう構成されることによって、フィルタ回路のコンポーネント(例えば、抵抗及びキャパシタ)は、入力基準電圧を適切にフィルタ処理するよう、より小さい抵抗及び容量の、より小さいサイズにされ得る。フィルタ回路は、フィルタコンポーネントがICチップで製造されるという性質上、ACAL回路内のICチップ内で大きい方の又は最も大きい面積をしばしば消費する。フィルタ回路のサイズを小さくすることは、多数のACAL回路がICチップに含まれること及び/又は各々のACAL回路によってキャリブレーションされる回路に対してICチップのダイ上でより近接して位置付けられることを可能にし得る。よって、より小さいフットプリントの多数のACAL回路を、キャリブレーションされる回路に対して物理的により近接して配置することができる。このように、オンチップACAL回路とそれらの各々のキャリブレーションされるオンチップ回路との間のルーティング遅延は、キャリブレーション遅延による性能の低下を軽減するように小さくすることができる。また、チップ上の特定の回路により専用である、より小さいフットプリントの多数のオンチップACAL回路を設けることは、ACAL回路による全体の電力消費を減らすことができる。
【0007】
更に、他の例示的な側面では、プログラム可能な電圧基準生成回路は、プログラムされた差動ステップ基準電圧を受けて混合して、コンパレータ回路へ供給される補間入力基準電圧を生成するよう構成される任意のマルチプレクサ回路を含むことができる。差動ステップ基準電圧の混合は、入力基準電圧のノイズ及び/又はリプルを更に低減することができる。これは、コンパレータ回路が入力基準電圧と入力回路電圧とのより正確な比較を、ひいては入力回路電圧のより正確な測定を実行することを可能にし得る。
【0008】
更に、他の例示的な側面では、プログラム可能な電圧基準生成回路は、任意のデルタ-シグマ変調器回路を含むことができる。デルタ-シグマ変調器回路は、マルチプレクサ回路の出力選択を制御するように、入力されたデューティサイクル選択に従って、プログラムされたデューティサイクルでパルス信号を生成するよう構成される。パルス信号のデューティサイクルは、コンパレータ回路が入力回路電圧をより一層正確に測定することを可能にするように、より一層高い分解能の入力基準電圧を生成することができるよう差動ステップ基準電圧の重み付き混合(つまり、補間)を制御する。
【0009】
更に、他の例示的な側面では、ACAL回路は、プログラム可能な電圧基準生成回路とコンパレータ回路との間に結合される測定モードセレクタ回路を含む。測定モードセレクタ回路は、プログラム可能な電圧基準生成回路によって入力電圧としてプログラム的に選択される直接ステップ基準電圧、プログラム可能な電圧基準生成回路によって生成される入力基準電圧、及び1つ以上の入力回路電圧を受けるよう構成される。測定モード入力に基づいて、モードセレクタ回路は、コンパレータ回路によって実行されるよう望まれる所望の測定モードに基づいて、これらの入力電圧をコンパレータ回路に渡すよう構成される。例えば、測定モードセレクタ回路は、シングルエンドの電圧測定、基準電圧を伴う差動電圧測定、基準電圧を伴わない差動電圧測定、及び/又はテスト電圧測定(例えば、コンパレータのオフセットを決定するため)をコンパーレ高い路に実行させるよう構成され得る。
【0010】
これに関連して、1つの例示的な側面では、ACAL回路が提供される。ACAL回路は、供給電圧と、基準電圧選択回路によって選択された基準電圧プログラミング選択とに基づいて、複数のプログラム可能なステップ基準電圧の中からステップ基準電圧を生成するよう構成されるプログラム可能な電圧基準生成回路を含む。ACAL回路は、選択されたステップ基準電圧に基づいて入力基準電圧を生成するよう構成される。ACAL回路はコンパレータ回路を更に有する。コンパレータ回路は、入力基準電圧を被測定回路からの入力回路電圧と比較し、入力基準電圧と入力回路電圧との間の差に基づいてデジタル測定信号を生成するよう構成される。
【0011】
他の例示的な側面では、被測定回路の入力回路電圧を測定する方法が提供される。方法は、複数のプログラム可能なステップ基準電圧の中からステップ基準電圧を選択するよう基準電圧プログラミング選択をセットすることを有する。方法はまた、基準電圧プログラミング選択をセットすることに応答して、供給電圧及び基準電圧プログラミング選択に基づいて、複数のプログラム可能なステップ基準電圧の中からステップ基準電圧を生成し、選択されたステップ基準電圧に基づいて入力基準電圧を生成し、入力基準電圧を被測定回路からの入力回路電圧と比較し、入力基準電圧と入力回路電圧との間の差に基づいてデジタル測定信号を生成する、ことを有する。
【0012】
当業者であれば、添付の図面に関連して好適な実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後で、本開示の範囲を認識し、その更なる測定を実現するであろう。
【0013】
本願に組み込まれてその一部を形成する添付の図面は、本開示のいくつかの側面を表しており、明細書とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】被測定回路の入力回路電圧を測定するために使用されるコンパレータ回路へプログラムされたステップ基準電圧に基づいて入力基準電圧を供給するよう構成されるプログラム可能な電圧基準生成回路を含み、プログラム可能な電圧基準生成回路が、入力回路電圧をより正確に測定するよう反復的に異なるステップ基準電圧のプログラミングをサポートする、例示的なアナログキャリブレーション(ACAL)回路のブロック図である。
【
図2】プログラム可能な電圧基準生成回路によって生成されるプログラムされたステップ基準電圧の連続的な選択に基づいて、被測定回路からの入力回路電圧を繰り返し測定する、
図1のACAL回路の例示的なプロセスを説明するフローチャートである。
【
図3A】被測定回路からの入力回路電圧を測定するために使用されるコンパレータ回路へプログラムされたステップ基準電圧に基づいて入力基準電圧を供給するよう構成されるプログラム可能な電圧基準生成回路を含み、プログラム可能な電圧基準生成回路が、入力回路電圧をより正確に測定するよう反復的に異なるステップ基準電圧のプログラミングをサポートする、他の例示的なACAL回路の回路図である。
【
図3B】被測定回路からの入力回路電圧を測定するために使用されるコンパレータ回路へプログラムされたステップ基準電圧に基づいて入力基準電圧を供給するよう構成されるプログラム可能な電圧基準生成回路を含み、プログラム可能な電圧基準生成回路が、入力回路電圧をより正確に測定するよう反復的に異なるステップ基準電圧のプログラミングをサポートする、他の例示的なACAL回路の回路図である。
【
図4A】ACAL回路のプログラム可能な選択に基づいて
図3A及び
図3BのACAL回路の動作の種々の測定モードを説明するチャートである。
【
図4B】
図4Aのチャートにおける測定モードの夫々について
図3A及び
図3BのACAL回路の動作のモードを説明する一連の式である。
【
図5】集積回路(IC)チップ内に設けられ得る例示的なプロセッサベースシステムのブロック図であり、プロセッサベースシステムが、実行用のコンピュータ命令を実行するよう夫々構成された1つ以上のプロセッサコアを備えたプロセッサを含み、制限なしに、
図1及び
図3A~3BのACAL回路を含む、プログラム可能な電圧基準生成回路を備えた1つ以上のACAL回路が、入力回路電圧をより正確に測定するよう反復的に異なるステップ基準電圧のプログラミングをサポートする。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書で開示される例示的な側面は、被測定回路からの入力信号の反復測定をサポートするプログラム可能なアナログキャリブレーション(ACAL)回路を含む。関連する方法も開示される。1つの非限定的な例として、ACAL回路は、キャリブレーションを目的として被測定回路のオンチップ測定を提供するよう、被測定回路を含む同じ集積回路(IC)チップに用いられ得る。例えば、被測定回路はICチップ内のシリアライザ/デシリアライザ(SerDes)回路であってよい。例示的な側面では、ACAL回路は、電圧基準生成回路及びコンパレータ回路を含む。電圧基準生成回路は、入力基準電圧をコンパレータ回路へ供給するよう構成される。コンパレータ回路は、入力基準電圧を被測定回路からの(例えば、キャリブレーションされる回路からの)入力回路電圧と比較し、比較に基づいてデジタル測定信号(例えば、論理‘0’又は論理‘1’)を生成するよう構成される。コンパレータ回路は、アナログ-デジタルコンバータ(ADC)回路のように動作する。例えば、入力回路電圧が入力基準電圧よりも高い場合、コンパレータ回路は、デジタル測定信号をデジタル論理‘0’値として生成するよう構成されてよい。入力回路電圧が入力基準電圧よりも低い場合、コンパレータ回路は、デジタル測定信号としてデジタル論理‘1’値を生成するよう構成されてよい。このように、デジタル測定信号は、入力回路電圧の電圧レベルのインジケータである。
【0016】
例示的な側面では、ACAL回路の能力を、入力回路電圧をより正確に測定するものにするために、ACAL回路は、プログラム可能な電圧基準生成回路を電圧基準生成回路として含む。プログラム可能な電圧基準生成回路はデジタル-アナログコンバータ(DAC)回路に類似した動作をすることができる。例えば、プログラム可能な電圧基準生成回路は、抵抗の両端間の漸進的な電圧降下に基づいて異なるステップ基準電圧を複数のタップノードにもたらす複数の直列接続抵抗を含む抵抗ラダー回路であってよい。プログラム可能な電圧基準生成回路は、基準電圧選択回路によって生成された基準電圧プログラミング選択に基づいて、特定の選択されたステップ基準電圧のプログラムされたステップ基準電圧を供給するよう構成される。コンパレータ回路に供給される入力基準電圧は、プログラム可能なステップ基準電圧に基づく。所望のステップ電圧レベルのステップ基準電圧をプログラム的に生成できるプログラム可能な電圧基準生成回路によって、ACAL回路は、入力回路電圧のより正確な測定のために反復的な方法で入力回路電圧を測定するために使用できる。ACAL回路の所与の動作繰り返しでコンパレータ回路によって生成されるデジタル測定信号に基づいて、プログラム可能な電圧基準生成回路は、その後の動作繰り返しで次の選択されたステップ基準電圧のステップ基準電圧を生成して、次いでコンパレータ回路によって再び入力回路電圧と比較されるようにプログラムされ得る。ACAL回路内のこのプログラム可能な電圧基準生成回路は、入力回路電圧がプログラムされた入力基準電圧に対応することをコンパレータ回路が決定するまで繰り返しプログラムされ得る。
【0017】
これに関連して、
図1は、被測定回路102から入力回路電圧V
INを測定するよう構成される例示的なACAL回路100のブロック図である。ACAL回路100は、例えばキャリブレーション等の目的のために、被測定回路102のオンチップ測定を提供するよう、被測定回路102を含む同じICチップ104に含まれ得る。例えば、被測定回路102は、ICチップ104内のSerDes回路であってよい。ACAL回路100は、プログラム可能な電圧基準生成回路106及びコンパレータ回路108を含む。例えば、コンパレータ回路108は演算増幅器(オペアンプ)であることができる。プログラム可能な電圧基準生成回路106は、入力基準電圧V
REFをコンパレータ回路108へ供給するよう構成される。フィルタ回路110(例えば、接地へ結合されているキャパシタCに結合されている抵抗R)が、入力基準電圧V
REFのノイズ及び/又は他の周波数成分を取り除くよう、プログラム可能な電圧基準生成回路106とコンパレータ回路108との間に結合されている。コンパレータ回路108は、入力基準電圧V
REFを、被測定回路102からの(例えば、キャリブレーションされる回路からの)入力回路電圧V
INと比較し、比較に基づいてデジタル測定信号111(例えば、論理‘0’又は論理‘1’)を生成するよう構成される。コンパレータ回路108はADC回路のように作動する。例えば、入力回路電圧V
INが入力基準電圧V
REFよりも高い場合、コンパレータ回路108は、デジタル論理‘0’値としてデジタル測定信号111を生成するよう構成され得る。しかしm入力回路電圧V
INが入力基準電圧V
REFよりも低い場合、コンパレータ回路108は、デジタル論理‘1’値としてデジタル測定信号111を生成するよう構成され得る。このように、デジタル測定信号111は、入力基準電圧V
REFに対する、被測定回路102の入力回路電圧V
INの電圧レベルのインジケータである。
【0018】
図1のACAL回路100の能力を、被測定回路102からの入力回路電圧V
INをより正確に測定するものにするために、プログラム可能な電圧基準生成回路106は、所望の電圧レベルで入力基準電圧V
REFを生成するようプログラム可能である。これは、例えば、ICチップ104のより高いレベルの正供給電圧(“供給電圧”)V
DDを入力基準電圧V
REFとして供給することとは、対照的である。入力基準電圧V
REFが入力回路電圧V
INの実際の電圧レベルに近ければ近いほど、より正確な入力回路電圧V
INを測定することができる。以下で更に詳細に議論されるように、プログラム可能な電圧基準生成回路106は、基準電圧選択回路114によって生成された基準電圧プログラミング選択112に基づいて、選択された特定のステップ基準電圧のプログラムされた入力基準電圧V
REFを供給するよう構成される。例えば、プログラム可能な電圧基準生成回路106は、25ミリボルト(mV)ステップで入力基準電圧V
REFを生成する能力を有し得る。コンパレータ回路108に供給される所与のステップ基準電圧での入力基準電圧V
REFは、基準電圧プログラミング選択112に基づく。所望のステップ基準電圧の入力基準電圧V
REFをプログラム的に生成できるプログラム可能な電圧基準生成回路106によって、ACAL回路100は、入力回路電圧V
INのより正確な測定のために反復的な方法で入力回路電圧V
INを測定するために使用できる。ACAL回路100の所与の動作繰り返しでコンパレータ回路108によって生成されるデジタル測定信号111に基づいて、プログラム可能な電圧基準生成回路106は、その後の動作繰り返しでの入力基準電圧V
REFとして次のステップ基準電圧を生成して、次いでコンパレータ回路によって再び入力回路電圧V
INと比較されるように、反復的にプログラムされ得る。このプログラム可能な電圧基準生成回路106は、基準電圧選択回路114によってプログラムされる所与のプログラムされた入力回路電圧V
INに入力回路電圧V
INが対応している(つまり、一致しているか又は最も一致している)としてコンパレータ回路108がデジタル測定信号111を生成するまで、次の電圧ステップで後続の次の入力基準電圧V
REFを生成するよう反復的にプログラムされ続けることができる。
図1でのACAL回路100のこの例では、プログラム可能な電圧基準生成回路106は、抵抗ラダー回路116の形で設けられている。抵抗ラダー回路116は複数の直列接続抵抗R
0~R
Xを含み、抵抗R
0が正供給電圧V
DDに結合されており、最後の抵抗R
Xが接地電圧V
SSに結合されている。隣接して結合されているR
0~R
Xの間には、タップノードT
0~T
Xが形成されている。抵抗ラダー回路116は分圧回路であり、正供給電圧V
DDは、各抵抗R
0~R
Xの両端で、‘X’個の基準ステップ電圧V
REF-0~V
REF-Xに分けられる。例えば、R
Xの‘X’が31に等しい場合、R
0~R
31として全部で32個の抵抗が存在する。抵抗R
0~R
Xの夫々が同じ抵抗値を有する場合、正供給電圧V
DDは、基準ステップ電圧V
REF-0~V
REF-Xの32個の等しい基準電圧ステップに分けられることになり、V
REF-31が各タップノードT
0~T
X、つまりT
31に存在する。例えば、正供給電圧V
DDが0.8ボルトである場合、各タップノードT
0~T
31で生成される電圧ステップは、0.8ボルト/32ステップ=約25mVステップになる。抵抗R
0~R
Xの夫々にはスイッチS
0~S
Xが結合され、フィルタ回路110へ及び間接的にコンパレータ回路108へ結合されている抵抗ラダー出力部118への各々のタップノードT
0~T
Xの結合を制御する。故に、この例では、基準電圧プログラミング選択112は、どのスイッチS
0~S
Xが、プログラム可能な電圧基準生成回路106によって、各々の選択されたタップノードT
0~T
Xを抵抗ラダー出力部118へ結合して、プログラムされたステップ基準電圧V
REF-0~V
REF-Xを入力基準電圧V
REFとして供給するために閉じられるかを制御する。プログラム可能な電圧基準生成回路106はDAC回路のように動作し、基準電圧選択回路114は、例えば、デジタルワード入力を受け入れ、デジタルワード入力に従ってスイッチS
0~S
Xをアクティブにするよう単一出力を“ホット”出力として作動させるデコーダである。
【0019】
よって、基準電圧プログラミング選択112によりプログラム可能な電圧基準生成回路106をプログラムすることによって、プログラム可能な電圧基準生成回路106は、入力基準電圧VREFとして既知のプログラムされたステップ基準電圧VREF-0~VREF-Xに基づいて入力回路電圧VINが正確に測定されるまで、反復的に入力回路電圧VINと比較されるコンパレータ回路108に供給される入力基準電圧VREFを供給し変更するよう制御され得る。例として、ハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェア状態機械が、ACAL回路100に入力回路電圧VINを測定させるようプログラム可能な電圧基準生成回路106の反復プログラミングを駆動するためにICチップ104に設けられ得る。他の例として、ACAL回路100は、ICチップ104が使用できるときに電圧がICチップ104のポストプロダクションで設定及び調整されることを可能にするために用いられ得る。このように、ICチップ104は、ICチップ104の動作を調整するために及び/又はプロセス、電圧、温度(PVT)変動を補償するために電圧が測定及び変更されることを可能にする柔軟性を備えている。
【0020】
図2は、プログラム可能な電圧基準生成回路106によって生成されるプログラムされたステップ基準電圧の連続的な選択に基づいて、被測定回路102からの入力回路電圧V
INを繰り返し測定する、
図1のACAL回路100の例示的なプロセス200を説明するフローチャートである。これに関連して、
図2に表されるように、この例で被測定回路102からの入力回路電圧V
INを測定するプロセス200内の最初のステップは、複数のプログラム可能なステップ基準電圧V
REF-0~V
REF-Xの中から次のステップ基準電圧V
REF-0~V
REF-Xを選択するよう次の基準電圧プログラミング選択112をセットすること(
図2のブロック202)を伴う。次の基準電圧プログラミング選択112は、入力回路電圧V
INを測定する最初の繰り返しに基づいた最初の基準電圧プログラミング選択112、又は入力回路電圧V
INが正確に測定される前の、入力回路電圧V
INを測定するその後の繰り返しでのその後の基準電圧プログラミング選択112であってよい。基準電圧プログラミング選択112をセットすること(
図2のブロック204)に応答して、プロセス200内の次のステップは、基準電圧プログラミング選択112が、正供給電圧VDD及び次の基準電圧プログラミング選択112に基づいて、プログラム可能な電圧基準生成回路106において、複数のプログラム可能なステップ基準電圧V
REF-0~V
REF-Xの中から次のステップ基準電圧V
REF-0~V
REF-Xを生成すること(
図2のブロック206)を含む。基準電圧プログラミング選択112は、選択された次のステップ基準電圧V
REF-0~V
REF-Xに基づいて、次の入力基準電圧VREFを生成する(
図2のブロック208)。
【0021】
引き続き
図2を参照して、プロセス200内の次のステップは、コンパレータ回路108が、プログラム可能な電圧基準生成回路106によって生成された次の入力基準電圧V
REFを、被測定回路102からの入力回路電圧V
INと比較すること(
図2のブロック210)を含む。コンパレータ回路108は、入力基準電圧V
REFと入力回路電圧V
INとの間の差に基づいてデジタル測定信号111を生成する(
図2のブロック212)。入力回路電圧VINが未だ正確に測定されない場合(
図2のブロック214)、プロセスは、プログラム可能な電圧基準生成回路106が入力基準電圧V
REFを生成するために使用する次のステップ基準電圧V
REF-0~V
REF-Xをセットするようステップ202に戻ることによって繰り返す。しかし、入力回路電圧V
INが正確に測定される場合(
図2のブロック214)、プロセスは終了する(
図2のブロック216)。例として、入力回路電圧V
INが、コンパレータ回路108によって生成されたデジタル測定信号111に基づいて、プログラム可能な電圧基準生成回路106によって生成された現在及び最後の入力回路電圧V
INとの間の電圧であると決定される場合に、入力回路電圧V
INが正確に測定されているかどうかは決定できる。
【0022】
図3A及び
図3Bは、正入力回路電圧V
INP又は負入力回路電圧V
INN(
図3Bを参照。)のどちらかを被測定回路から測定するよう構成されるACAL回路300の他の例を表す。
図1のACAL回路100と同様に、
図3A及び
図3BのACAL回路300は、例えばキャリブレーション等の目的のために、被測定回路のオンチップ測定を提供するよう、正及び負の入力回路電圧V
INP、V
INNを有する被測定回路を含む同じICチップに含まれ得る。
図1のACAL回路100と同様に、
図3A及び
図3BのACAL回路300も、プログラム可能な電圧基準生成回路306(
図3A)及びコンパレータ回路308(
図3B)を含む。例えば、コンパレータ回路308はオペアンプ309を含むことができる。プログラム可能な電圧基準生成回路306は、差動入力基準電圧V
REF0、V
REF1をコンパレータ回路308へ供給するよう構成される。以下で更に詳細に議論されるように、差動入力基準電圧V
REF0、V
REF1は、プログラム可能な電圧基準生成回路306内の抵抗ラダー回路316の中の選択された抵抗の両側のタップノードでの異なるステップ基準電圧である。やはり以下で更に詳細に議論されるように、ACAL回路300はまた、入力回路電圧V
INP、V
INNを測定するために使用される選択された基準電圧をコンパレータ回路308に渡すよう構成される基準電圧選択回路320も含む。これにより、所望の動作モードに基づいて入力回路電圧V
INP、V
INNと比較するために使用される所望の入力基準電圧を選択する柔軟性が提供され、これは以下で更に詳細に議論される。やはり以下で更に詳細に議論されるように、ACAL回路300はまた、正又は負入力回路電圧V
INP、V
INNと比較されるようコンパレータ回路308(
図3B)に渡すべき入力基準電圧V
REFとして使用されるために基準電圧選択回路320によって更に選択されるように、各々の差動入力基準電圧V
REF0、V
REF1と正供給電圧V
DD及び接地電圧V
SSとの間で選択するよう構成される前置基準電圧選択回路322も含む。
【0023】
引き続き
図3Aを参照して、フィルタ回路310(例えば、接地に結合されたキャパシタCに結合されている抵抗R)が、プログラム可能な電圧基準生成回路306(より具体的には、基準電圧選択回路320)とコンパレータ回路308との間にインラインで結合されて、渡された入力基準電圧V
REFのノイズ及び/又は他の周波数成分を取り除く。コンパレータ回路308は、渡された入力基準電圧V
REFを、被測定回路からの(例えば、キャリブレーションされる回路からの)選択された正又は負入力回路電圧V
INP、V
INNと比較し、比較に基づいてデジタル測定信号311(
図3B)(例えば、論理‘0’又は論理‘1’)を生成するよう構成される。コンパレータ回路308はADC回路のように作動する。例えば、正入力回路電圧V
INPが入力回路電圧V
INと比較されるよう選択され、正入力回路電圧V
INPが入力基準電圧V
REFよりも高い場合、コンパレータ回路308は、デジタル論理‘0’値としてデジタル測定信号311を生成するよう構成され得る。しかし、正入力回路電圧V
INPが入力基準電圧V
REFよりも低い場合、コンパレータ回路308は、デジタル論理‘1’値としてデジタル測定信号311を生成するよう構成され得る。このように、デジタル測定信号311は、入力基準電圧V
REFに対する入力回路電圧V
INの電圧レベルのインジケータである。
【0024】
図3AのACAL回路300の更なる例示的な詳細がこれより議論され、これの後に、
図3AのACAL回路300のコンパレータ回路308の例示的な詳細が続く。
【0025】
これに関連して、
図3Aを参照して、プログラム可能な電圧基準生成回路306は、この例では、抵抗ラダー回路316の形で設けられている。
図1のACAL回路100内の抵抗ラダー回路116と同様に、抵抗ラダー回路316は複数の直列接続抵抗R
0~R
Xを含み、抵抗R
0が正供給電圧V
DDに結合されており、最後の抵抗R
Xが接地電圧V
SSに結合されている。隣接して結合されているR
0~R
Xの間には、タップノードT
0~T
Xが形成されている。抵抗ラダー回路316は分圧回路であり、正供給電圧V
DDは、各抵抗R
0~R
Xの両端で、‘X’個の基準ステップ電圧V
REF-0~V
REF-Xに分けられる。例えば、R
Xの‘X’が31に等しい場合、R
0~R
31として全部で32個の抵抗が存在する。抵抗R
0~R
Xの夫々が同じ抵抗値を有する場合、正供給電圧V
DDは、各タップノードに存在する32個の等しい基準電圧ステップV
DD/32に分けられることになる。例えば、正供給電圧V
DDが0.8ボルトである場合、各タップノードT
0~T
31で生成される電圧ステップは、0.8ボルト/32ステップ=約25mVステップになる。抵抗R
0~R
Xの夫々にはスイッチS
0-0~S
X-1が結合され、以下で議論される前置基準電圧選択回路322への各々のタップノードT
0~T
Xの結合を制御する。例えば、スイッチS
0-0、S
0-1は抵抗R
0の両側に結合される。スイッチS
1-0、S
1-1は抵抗R
1の両側に結合される。スイッチS
2-0、S
2-1は抵抗R
2の両側に結合される。スイッチS
X-0、S
X-1は抵抗R
Xの両側に結合される。基準電圧選択回路314は、この例ではデコーダ324の形をとり、プログラム可能な電圧基準生成回路306によってステップ基準電圧V
REF0、V
REF1として供給されるステップ電圧を選択する。この例では、デコーダは、デコーダ入力部din<4:0>で5ビットデジタルワード入力を受け入れ、その32個のデコーダ出力部SEL<31:0>のうちの1つを基準電圧プログラミング選択312としてアクティブにする5:32ビットデコーダである。各デコーダ出力部SEL<31:0>は各々のスイッチペアS
0-0~S
X-1へ結合される。例えば、デコーダ出力部SEL<0>はスイッチS
0-0、S
0-1へ結合される。デコーダ出力部SEL<X>はスイッチS
X-0、S
X-1へ結合される。このように、基準電圧プログラミング選択312は、どのタップノードT
0~T
Xが、選択された抵抗R0~TXの両端の各々のステップ電圧をステップ基準電圧V
REF0、V
REF1として抵抗ラダー出力部318(0)、318(1)へ結合するようアクティブにされるかを制御する。
【0026】
よって、基準電圧プログラミング選択312によりプログラム可能な電圧基準生成回路306をプログラムすることによって、プログラム可能な電圧基準生成回路306は、被測定回路302からの入力回路電圧VINを測定するよう、反復的にコンパレータ回路308へ入力基準電圧VREFを供給するステップ基準電圧VREF0、VREF1を供給し変更するよう制御され得る。例として、ハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェア状態機械が、ACAL回路300に正又は負の入力回路電圧VINP、VINNを測定させるようプログラム可能な電圧基準生成回路306の反復プログラミングを駆動するためにICチップに設けられ得る。他の例として、ACAL回路300は、ACAL回路300が測定対象電圧を測定し、PVT変動を補償するよう動作を調整するために使用できるときに、電圧がポストプロダクションで設定及び調整されることを可能にするために用いられ得る。
【0027】
引き続き
図3Aを参照して、この例のACAL回路300はまた、正供給電圧V
DD又はバイアス電流I
Bのどちらかをプログラム可能な電圧基準生成回路306へ供給して抵抗ラダー回路316を駆動させるよう構成される供給回路326も含む。これに関連して、供給回路326は、正供給電圧V
DD及びタップノードT
0へ結合されているヘッドスイッチ330(例えば、P型電界効果トランジスタ(FET)(PFET))を含む電圧供給回路328を含む。ヘッドスイッチ330は、ヘッドスイッチ330が正供給電圧V
DDをタップノードT
0に渡すかどうかを制御するイネーブル信号ENを受信するよう構成されるイネーブルゲートGを含む。このように、ヘッドスイッチ330は、プログラム可能な電圧基準生成回路306の抵抗ラダー回路316が正供給電圧V
DDによって駆動されるかどうかを制御するよう選択的に有効又は無効にされ得る。また、この例では、供給回路326は、抵抗ラダー回路316を駆動するためにバイアス電流I
Bをプログラム可能な電圧基準生成回路306へ渡すよう構成される電流供給回路332も含む。電流供給回路332は、イネーブル信号ENの相補信号によってゲート制御される第2ヘッドスイッチ334(例えば、PFET)を含み、それにより、電圧供給回路328内のヘッドスイッチ330及び電流供給回路332内の第2ヘッドスイッチ334は同時にアクティブにならない。第3ヘッドスイッチ336(例えば、N型FET(NFET))は、抵抗ラダー回路316を駆動するようバイアス電流I
Bを抵抗ラダー回路316のタップノードT
0へ渡すようゲートG制御される。
【0028】
引き続き
図3Aを参照して、この例では、ACAL回路300は、コンパレータ回路308(
図3B)に渡される入力基準電圧V
REFとして使用されるよう異なる基準電圧を基準電圧選択回路320に供給することにおいて柔軟性を提供するために前置基準電圧選択回路322も含む。これに関連して、この例では、前置基準電圧選択回路322は、第1前置基準電圧選択回路338(0)及び第2前置基準電圧選択回路338(1)を含む。第1前置基準電圧選択回路338(0)は、抵抗ラダー出力部318(0)に結合される第1前置基準電圧入力部340I(0)を含み、それにより、第1前置基準電圧入力部340I(0)は第1ステップ基準入力電圧V
REF0を受けるよう構成される。第1前置基準電圧入力部340I(0)は、タップノードT
0に結合される第2前置基準電圧入力部342I(0)を更に含み、それにより、第2前置基準電圧入力部342I(0)は接地電圧V
SSを受けるよう構成される。第2前置基準電圧選択回路338(1)は、抵抗ラダー出力部318(1)に結合される第3前置基準電圧入力部340I(1)を含み、それにより、第3前置基準電圧入力部340I(1)は第2ステップ基準入力電圧V
REF1を受けるよう構成される。第2前置基準電圧選択回路338(1)は、タップノードTXに結合される第4前置基準電圧入力部342I(1)を更に含み、それにより、第4前置基準電圧入力部342I(1)は正供給電圧V
DDを受けるよう構成される。
【0029】
第1前置基準電圧選択回路338(0)及び第2前置基準電圧選択回路338(1)は、各々のマルチプレクサ回路344(0)、344(1)として設けられ得る。両方のマルチプレクサ回路344(0)、344(1)が、受け取ったどの入力を各々の第1及び第2前置基準電圧出力部348O(0)、348O(1)に渡すべきかを制御する各々の第1及び第2前置基準電圧選択入力部346I(0)、346I(1)を含む。第1及び第2前置基準電圧選択入力部346I(0)、356I(1)は両方とも、同じ選択信号(SEL_VDDREF)を受信するよう構成される。第1前置基準電圧選択回路338(0)は、プログラム可能な電圧基準生成回路306によって生成された第1ステップ基準電圧V
REF0及び接地電圧V
SSのうちの一方を第1前置基準電圧出力部348O(0)に渡すよう構成される。第2前置基準電圧選択回路338(1)は、プログラム可能な電圧基準生成回路306によって生成された第2ステップ基準電圧V
REF1及び正供給電圧V
DDのうちの一方を第2前置基準電圧出力部348O(1)に渡すよう構成される。このように、ACAL回路300は、入力基準電圧V
REFとして使用されるようステップ基準電圧V
REF0、V
REF1と正供給電圧及び接地電圧V
DD、V
SSとのいずれかをコンパレータ回路308(
図3B)に渡すように柔軟であり且つ構成可能である。
【0030】
引き続き
図3Aを参照して、ACAL回路300は基準電圧選択回路320を更に含む。基準電圧選択回路320はマルチプレクサ回路350として設けられ得る。基準電圧選択回路320は、第2前置基準電圧選択回路338(1)の第2前置基準電圧出力部348O(1)へ結合される第1基準電圧入力部352(0)を備えている。基準電圧選択回路320は、第1前置基準電圧選択回路338(0)の第1前置基準電圧出力部348O(0)へ結合される第2基準電圧入力部352(1)も備えている。基準電圧選択回路320は、第1又は第2基準電圧入力部352(0)、352(1)での信号がフィルタ回路310に結合されている基準電圧選択出力部356に渡されるかどうかを制御する基準電圧選択入力部354を含む。このように、基準電圧選択回路320は、コンパレータ回路308(
図3B)への入力基準電圧V
REFとして、使用されている前置基準電圧選択回路322及び基準電圧選択回路320の制御に基づいて、ステップ基準電圧V
REF0、V
REF1と正供給電圧及び接地電圧V
DD、V
SSとのいずれかを渡すよう選択することができることにおいて、更なる柔軟性を提供する。
【0031】
引き続き
図3Aを参照して、この例のACAL回路300は、デルタ-シグマ変調器として設けられ得る変調器回路358を更に含む。変調器回路358は、第1及び第2基準電圧入力部352(0)、352(1)でのどの信号がフィルタ回路310に結合されている基準電圧選択出力部356へ渡されるかを制御するように、基準電圧選択回路320の基準電圧選択入力部354に結合されている変調器出力部360を含む。変調器回路358は、基準電圧選択回路320が第1及び第2基準電圧入力部352(0)、352(1)からの基準電圧を基準電圧選択出力部356に渡す期間を制御するように、変調器出力部360でパルス幅変調(PWM)信号362を生成するよう構成される。これにより、基準電圧選択出力部356で生成される入力電圧基準V
REFは、第1及び第2基準電圧入力部352(0)、352(1)での電圧基準信号の補間(つまり混合)であることができる。補間入力基準電圧V
REFは、コンパレータ回路308(
図3B)によるより正確な測定をもたらすよう、より少ないノイズ又は干渉を有し得る。
【0032】
PWM信号362のデューティサイクルは、入力基準電圧VREFを生成するよう第1及び第2基準電圧入力部352(0)、352(1)での電圧基準の重み付けを制御する。第1及び第2基準電圧入力部352(0)、352(1)での基準電圧の変調は、コンパレータ回路308が入力回路電圧VINP、VINNをより一層正確に測定することを可能にするために、より高い分解能の入力基準電圧VREFが生成されることを可能にする。変調器回路358は、PWM信号362のデューティサイクルを制御する変調器入力コードdsm_code<12:0>を受けるよう構成される変調器入力部364を備えている。この例では、変調器回路358は、13ビット変調器入力コードdsm_code<12:0>を用いてPWM信号362内に213個の異なるPWM信号を生成するよう構成される。これは、第1及び第2基準電圧入力部352(0)、352(1)で渡される基準電圧間の213個の異なる電圧レベルである入力基準電圧VREFの分解能をもたらす。例えば、ステップ基準電圧VREF0、VREF1が、25mV差動で第1及び第2基準電圧入力部352(0)、352(1)で渡されるよう前置基準電圧選択回路322によって選択される場合、変調器回路358は、25mV差動を213個のステップに分けることによって、3.04マイクロボルト(μV)分解能を提供することができる。
【0033】
また、基準電圧選択回路320及び変調器回路358が、より高い電圧ステップの分解能で入力基準電圧VREFが切り替えられることを可能にすることによれば、フィルタ回路310のコンポーネント(例えば、抵抗及びキャパシタ)は、入力基準電圧VREFを適切にフィルタ処理するよう、より小さい抵抗及び容量の、より小さいサイズにされ得る。フィルタ回路310は、フィルタコンポーネントがICチップで製造されるという性質上、ACAL回路300内で大きい方の又は最も大きい面積をしばしば消費する可能性がある。フィルタ回路310のサイズを小さくすることは、より多くのACAL回路300がICチップに含まれること及び/又は各々のACAL回路300によって測定又はキャリブレーションされる回路に対してICチップのダイ上でより近接して位置付けられることを可能にし得る。よって、より小さいフットプリントのより多くのACAL回路を、測定又はキャリブレーションされる回路に対して物理的により近接して配置することができる。このように、オンチップACAL回路300とそれらの各々のキャリブレーション又は測定されるオンチップ回路との間のルーティング遅延は、キャリブレーション遅延による性能の低下を軽減するように小さくすることができる。また、チップ上の特定の回路により専用である、より小さいフットプリントのより多くのオンチップACAL回路300を設けることは、ACAL回路300による全体の電力消費を減らすことができる。
【0034】
よって、
図3Aに示されるように、基準電圧プログラミング選択312と、前置基準電圧選択回路322及び基準電圧選択回路320の制御と、変調器回路358によって制御される基準電圧選択回路320における基準電圧の補間との結果として生成される入力基準電圧V
REFが、
図3Bにおけるコンパレータ回路308への入力基準電圧V
REFとして供給される。
図3Bを参照して、この例のこのACAL回路300内のコンパレータ回路308は、第1入力基準電圧を受けるよう構成される第1コンパレータ入力部366(0)と、比較されるべき第2入力基準電圧を受けるよう構成される第2コンパレータ入力部366(1)とを含むオペアンプ309を含む。オペアンプ309は、オペアンプ309のオフセットをゼロにするよう、この例ではオートゼロ・アンプ309である。オペアンプ309は、第1コンパレータ入力部366(0)での入力基準電圧を第2コンパレータ入力部366(1)での入力回路電圧と比較し、第1コンパレータ入力部366(0)での入力基準電圧と第2コンパレータ入力部366(1)での入力回路電圧との間の差を表すオペアンプ出力部368での出力電圧V
OUTを生成するよう構成される。この例では、コンパレータ回路308は、出力電圧V
OUTをラッチするよう構成されるラッチ回路370を含む。コンパレータ回路308は、出力電圧V
OUTに基づいて第1コンパレータ入力部366(0)での入力基準電圧と第2コンパレータ入力部366(1)での入力回路電圧との間の差を表すデジタル測定信号311を生成するよう構成されるS-Rフリップフロップ372も含む。
【0035】
この例では、引き続き
図3Bを参照して、ACAL回路300は、入力基準電圧V
REFと、ステップ基準電圧V
REF0、V
REF1と、正及び負の入力回路電圧V
INP、V
INNとのいずれかをオペアンプ309の第1及び第2コンパレータ入力部366(0)、366(1)で供給するように柔軟性を提供するモードセレクタ回路374を含む。モードセレクタ回路374は、入力基準電圧V
REFと、ステップ基準電圧V
REF0、V
REF1と、正及び負の入力回路電圧V
INP、V
INNとのうちのどれがオペアンプ309の第1及び第2コンパレータ入力部366(0)、366(1)へのモードセレクタ出力部380(0)~380(3)へ渡されるかを制御するようMUXセレクタ377によって制御される。非重複クロック位相発生器376が設けられ、モードセレクタ回路374のモードセレクタ出力部380(0)~380(3)にある各々のスイッチを制御して、入力基準電圧V
REFと、ステップ基準電圧V
REF0、V
REF1と、正及び負の入力回路電圧V
INP、V
INNとのうちのどれがオペアンプ309の第1及び第2コンパレータ入力部366(0)、366(1)へ結合されるかを制御するために、重なり合わないクロック信号378(1)、378(2)を生成する。これにより、異なる測定モードがACAL回路300によって実行されることが可能になり、これは、
図4A~4B及び
図5に関連して以下で更に詳細に説明される。
【0036】
図4Aは、ACAL回路300のプログラム可能な選択に基づいて、
図3A及び
図3BのACAL回路300の動作の種々の測定モードを説明するチャート400である。この例では、モードカラム402に示されるように、5つの異なる測定モード、つまり、モード1~モード5が存在する。モード1は、
図4Bの式1 450(1)に基づいたシングルエンドの電圧測定用である。測定モード1で動作するようACAL回路300を制御するために、MUXセレクタ377はビット‘0000’にセットされ、選択信号(SEL_VDDREF)は‘0’にセットされる。これにより、前置基準電圧選択回路322は、ステップ基準電圧V
REF0、V
REF1を基準電圧選択回路320に渡して混合し、入力基準電圧V
REFを供給する。MUXセレクタ377が‘0000’にセットされることに応答して、モードセレクタ回路374は、正入力回路電圧V
INPをモードセレクタ出力部380(0)、380(3)に渡し、入力基準電圧V
REFをモードセレクタ出力部380(1)、380(1)に渡す。次いで、非重複クロック位相発生器376による制御に基づいて、オペアンプ309は、第1クロック周期において第1及び第2コンパレータ入力部366(0)、366(1)で正入力回路電圧V
INP及び入力基準電圧V
REFを夫々受けるよう構成され、それから、
図4Bの式1 450(1)でのシングルエンドの測定を実行するよう第2クロック周期においてリザーブされる。
【0037】
引き続き
図4Aを参照して、モード2は、
図4Bの式2 450(2)に基づいた差動電圧測定用である。測定モード2で動作するようACAL回路300を制御するために、MUXセレクタ377はビット‘0001’にセットされ、選択信号(SEL_VDDREF)は‘0’にセットされる。これにより、前置基準電圧選択回路322は、ステップ基準電圧V
REF0、V
REF1を基準電圧選択回路320に渡して混合し、入力基準電圧V
REFとする。MUXセレクタ377が‘0001’にセットされることに応答して、モードセレクタ回路374は、正入力回路電圧V
INPをモードセレクタ出力部380(0)へ、負入力回路電圧V
INNをモードセレクタ出力部380(1)へ、入力基準電圧V
REFをモードセレクタ出力部380(2)へ、及び0Vをモードセレクタ出力部380(3)で供給する。次いで、非重複クロック位相発生器376による制御に基づいて、オペアンプ309は、第1クロック周期において第1及び第2コンパレータ入力部366(0)、366(1)で正入力回路電圧V
INP及び入力基準電圧V
REFを夫々受けるよう構成される。それから、オペアンプ309は、
図4Bの式2 450(2)での差動電圧測定を実行するように、第2クロック周期において第1及び第2コンパレータ入力部366(0)、366(1)で負入力回路電圧V
INN及び0Vを受けるよう構成される。
【0038】
引き続き
図4Aを参照して、モード5は、
図4Bの式5 450(5)に基づいた、入力基準電圧V
REFによらない差動電圧測定である。測定モード5で動作するようACAL回路300を制御するために、MUXセレクタ377はビット‘0100’にセットされ、選択信号(SEL_VDDREF)は‘0’にセットされる。これにより、前置基準電圧選択回路322は、ステップ基準電圧V
REF0、V
REF1を基準電圧選択回路320に渡して混合し、入力基準電圧V
REFとする。MUXセレクタ377が‘0100’にセットされることに応答して、モードセレクタ回路374は、正入力回路電圧V
INPをモードセレクタ出力部380(0)へ、負入力回路電圧V
INNをモードセレクタ出力部380(1)へ、負入力回路電圧V
INNをモードセレクタ出力部380(2)へ、及び正入力回路電圧V
INPをモードセレクタ出力部380(3)で供給する。次いで、非重複クロック位相発生器376による制御に基づいて、オペアンプ309は、第1クロック周期において第1及び第2コンパレータ入力部366(0)、366(1)で正入力回路電圧V
INP及び負入力回路電圧V
INNを夫々受けるよう構成される。それから、オペアンプ309は、
図4Bの式5 450(5)での差動電圧測定を実行するように、第2クロック周期において第1及び第2コンパレータ入力部366(0)、366(1)で正入力回路電圧V
INP及び負入力回路電圧V
INNを受けるよう構成される。
【0039】
モードセレクタ回路374はまた、ACAL回路300のテストモードを可能にするよう構成される。
図4A及び
図4Bで説明されるモード3及びモード4は、ACAL回路300のテストモードである。測定モード3は測定モード1と同じであるが、ステップ基準電圧V
REF0、V
REF1の補間に基づいた入力基準電圧V
REFを使用することに代えて、入力基準電圧V
REFは、正供給電圧V
DD及び接地電圧V
SSの補間に基づいている。これに関連して、テスト測定モード3で動作するようACAL回路300を制御するために、MUXセレクタ377はビット‘0010’にセットされ、選択信号(SEL_VDDREF)は‘1’にセットされる。これにより、前置基準電圧選択回路322は、正供給電圧V
DD及び接地電圧V
SSを基準電圧選択回路320に渡して混合し、入力基準電圧V
REFとする。MUXセレクタ377が‘0010’にセットされることに応答して、モードセレクタ回路374は、ステップ基準電圧V
REF1をモードセレクタ出力部380(0)へ、入力基準電圧V
REF(正供給電圧V
DD及び接地電圧V
SSの補間に基づく。)をモードセレクタ出力部380(1)へ、入力基準電圧V
REF(正供給電圧V
DD及び接地電圧V
SSの補間に基づく。)をモードセレクタ出力部380(2)へ、及びステップ基準電圧V
REF1をモードセレクタ出力部380(3)で供給する。次いで、非重複クロック位相発生器376による制御に基づいて、オペアンプ309は、第1クロック周期において第1及び第2コンパレータ入力部366(0)、366(1)でステップ基準電圧V
REF1及び入力基準電圧V
REF(正供給電圧V
DD及び接地電圧V
SSの補間に基づく。)を夫々受けるよう構成される。それから、オペアンプ309は、
図4Bでは正供給電圧V
DD及び接地電圧V
SSの補間の基準電圧に基づいて式3 450(3)でのシングルエンドの電圧測定を実行するように、第2クロック周期において第1及び第2コンパレータ入力部366(0)、366(1)で入力基準電圧V
REF(正供給電圧V
DD及び接地電圧V
SSの補間に基づく。)及びステップ基準電圧V
REF1を受けるよう構成される。
【0040】
図4A及び
図4Bの測定モード4は、測定モード3と同じであり、ステップ基準電圧V
REF0が、ステップ基準電圧V
REF1の代わりに基準電圧として使用される。これに関連して、テスト測定モード4で動作するようACAL回路300を制御するために、MUXセレクタ377はビット‘0011’にセットされ、選択信号(SEL_VDDREF)は‘1’にセットされる。これにより、前置基準電圧選択回路322は、正供給電圧V
DD及び接地電圧V
SSを基準電圧選択回路320に渡して混合し、入力基準電圧V
REFとする。MUXセレクタ377が‘0011’にセットされることに応答して、モードセレクタ回路374は、ステップ基準電圧V
REF0をモードセレクタ出力部380(0)へ、入力基準電圧V
REF(正供給電圧V
DD及び接地電圧V
SSの補間に基づく。)をモードセレクタ出力部380(1)へ、入力基準電圧V
REF(正供給電圧V
DD及び接地電圧V
SSの補間に基づく。)をモードセレクタ出力部380(2)へ、及びステップ基準電圧V
REF0をモードセレクタ出力部380(3)で供給する。次いで、非重複クロック位相発生器376による制御に基づいて、オペアンプ309は、第1クロック周期において第1及び第2コンパレータ入力部366(0)、366(1)でステップ基準電圧V
REF0及び入力基準電圧V
REF(正供給電圧V
DD及び接地電圧V
SSの補間に基づく。)を夫々受けるよう構成される。それから、オペアンプ309は、
図4Bでは正供給電圧V
DD及び接地電圧V
SSの補間の基準電圧に基づいて式4 450(4)でのシングルエンドの電圧測定を実行するように、第2クロック周期において第1及び第2コンパレータ入力部366(0)、366(1)で入力基準電圧V
REF(正供給電圧V
DD及び接地電圧V
SSの補間に基づく。)及びステップ基準電圧V
REF0を受けるよう構成される。
【0041】
図5は、実行用のコンピュータ命令を実行するよう夫々構成された1つ以上のCPUコア504(1)~504(P)を備えたプロセッサ502を含む例示的なプロセッサベースシステム500のブロック図である。プロセッサベースシステム500はまた、被測定回路からの入力回路電圧を測定するために使用されるコンパレータ回路へのプログラムされたステップ基準電圧に基づいて入力基準電圧を供給するよう構成されたプログラム可能な電圧基準生成回路を含むACAL回路506も含み、プログラム可能な電圧基準生成回路は、異なるステップ基準電圧のプログラミングをサポートし、反復的な方法で、入力回路電圧508をより正確に測定する。例えば、ACAL回路506は、プロセッサベースシステム500内の被測定回路510の入力回路電圧508を測定することができる。ACAL回路506は、制限なしに、
図1のACAL回路100及び
図3A~3BのACAL回路300を含むことができる。また、プロセッサベースシステム500内のプロセッサ502は、基準電圧プログラミング選択513をACAL回路506へ送信し、プログラム可能な電圧基準生成回路によって選択されるようプログラムされたステップ基準電圧のプログラミングを制御して、ACAL回路506に被測定回路510の入力回路電圧508を測定させ、測定された入力回路電圧508のデジタル測定信号511を生成させるための入力基準電圧を生成するよう構成され得る。例えば、プロセッサ502は、以下で更に詳細に議論されるようにコンピュータ命令を実行してよく、そのようなコンピュータ命令は、被測定回路510の入力回路電圧508を、望ましくは反復的な方法で、測定するようにACAL回路506を制御するための命令プログラムの部分であることができる。
【0042】
引き続き
図5を参照して、プロセッサベースシステム500は、印刷回路基板(PCB)などの電子基板カード、サーバ、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピューティングパッド、モバイルデバイス、又は任意の他のデバイスに含まれる1つ以上の回路であってよく、例えば、サーバ又はユーザのコンピュータに相当することができる。プロセッサ502は、マイクロプロセッサ、中央演算処理装置、などのような、1つ以上の汎用プロセッシング回路に相当する。プロセッサ502は、本明細書で議論されている動作及びステップを実行するためのコンピュータ命令の中のプロセッシングロジックを実行するよう構成される。プロセッサ502はまた、命令の一時的な高速アクセスメモリ記憶のための命令キャッシュ512も含む。システムメモリ514などのメモリからシステムバス516を介してフェッチ又はプリフェッチされた命令は、命令キャッシュ512に格納される。
【0043】
プロセッサ502及びシステムメモリ514はシステムバス516に結合され、プロセッサベースシステム500に含まれているペリフェラルデバイスを相互結合することができる。よく知られているように、プロセッサ502は、システムバス516を介してアドレス、コントロール、及びデータ情報を交換することによって、これらの他のデバイスと通信する。例えば、プロセッサ502は、スレーブデバイスの例として、システムメモリ514内のメモリコントローラ518へバストランザクション要求を通信することができる。
図5には表されていないが、複数のシステムバス516が設けられてもよく、各システムバスは異なるファブリックを構成する。この例では、メモリコントローラ518は、システムメモリ514内のメモリアレイ520へメモリアクセス要求を供給するよう構成される。メモリアレイ520は、データを記憶するための記憶ビットセルのアレイから成る。システムメモリ514は、非限定的な例として、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、例えば同期型DRAM(SDRAM)など、及び静的メモリ(例えば、フラッシュメモリ、静的ランダムアクセスメモリ(SRAMなど))であってよい。
【0044】
システムバス516には他のデバイスを接続することもできる。
図5に表されているように、これらのデバイスは、例として、システムメモリ514、1つ以上の入力デバイス522、1つ以上の出力デバイス524、モデム526、及び1つ以上のディスプレイコントローラ528を含むことができる。入力デバイス522は、入力キー、スイッチ、ボイスプロセッサ、などを含むがこれらに限られない如何なるタイプの入力デバイスも含むことができる。出力デバイス524は、オーディオ、ビデオ、他の視覚インジケータなどを含むがこれらに限られない如何なるタイプの出力デバイスも含むことができる。モデム526は、ネットワーク530との間のデータの交換を可能にするよう構成された如何なるデバイスでもあることができる。ネットワーク530は、有線又は無線ネットワーク、プライベート又はパブリックネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、BLUETOOTH(登録商標)ネットワーク、及びインターネットを含むがこれらに限られない如何なるタイプのネットワークでもあることができる。モデム526は、望まれている如何なるタイプの通信プロトコルもサポートするよう構成され得る。プロセッサ502はまた、1つ以上のディスプレイ532へ送信された情報を制御するようシステムバス516を介してディスプレイコントローラ528にアクセスするよう構成されてもよい。ディスプレイ532は、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイなどを含むがこれらに限られない如何なるタイプのディスプレイも含むことができる。
【0045】
図5のプロセッサベースシステム500は命令の組534を含んでもよく、命令の組は、そのような命令がCI命令又はCD命令のいずれかであるようにする条件付き制御命令を含んでもよい。命令534は、非一時的なコンピュータ可読媒体536の例としてシステムメモリ514、プロセッサ502、及び/又は命令キャッシュ512において格納されてもよい。命令534はまた、それらの実行中にシステムメモリ514内に及び/又はプロセッサ502内に完全に又は少なくとも部分的に存在してもよい。命令534は更に、モデム526を介してネットワーク530上で送信又は受信されてもよく、それにより、ネットワーク530は非一時的なコンピュータ可読媒体536を含む。
【0046】
非一時的なコンピュータ可読媒体536は、例示的な実施形態では、単一の媒体であるよう示されているが、「コンピュータ可読媒体」という用語は、ひと組以上の命令を記憶する単一又は複数の媒体(例えば、中央集権型若しくは分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むものと解釈されるべきである。「コンピュータ可読媒体」という用語はまた、プロセッシングデバイスによって実行される命令の組を記憶、符号化、又は搬送する能力を有し、本明細書で開示される実施形態のメソッドロジのいずれか1つ以上をプロセッシングデバイスに実行させる如何なる媒体も含むものと解釈されるべきである。「コンピュータ可読媒体」という用語は、従って、ソリッドステートメモリ、光学媒体、及び磁気媒体を含むがこれらに限られないと解釈されるべきである。
【0047】
本明細書で開示される実施形態は様々なステップを含む。本明細書で開示される実施形態のステップは、ハードウェア部品によって形成されてよく、あるいは、命令によりプログラムされた汎用又は特別目的のプロセッサにステップを実行させるために使用され得るマシン実行可能命令で具現化されてもよい。代替的に、ステップは、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実行されてもよい。
【0048】
本明細書で開示される実施形態は、本明細書で開示される実施形態に従ってプロセスを実行するようコンピュータシステム(又は他の電子デバイス)をプログラムするために使用され得る命令が記憶されているマシン可読媒体(又はコンピュータ可読媒体)を含んでもよいコンピュータプログラム製品又はソフトウェアとして提供されてもよい。マシン可読媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形式で情報を記憶又は伝送するための如何なるメカニズムも含む。例えば、マシン可読媒体は、マシン可読記憶媒体(例えば、ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、など)、などを含む。
【0049】
特に別なふうに述べられない限り、様々な議論から明らかなように、明細書の全体を通して、「処理する」(processing)、「計算する」(computing)、「決定する」(determining)、「表示する」(displaying)、などの用語を利用している議論は、コンピュータシステムのレジスタ内で物理(電子)量として表示されているデータ及びメモリを、コンピュータシステムメモリ、レジスタ、又は他のそのような情報記憶、伝送若しくは表示デバイス内で物理量として同様に表現される他のデータに操作及び変換するコンピュータシステム又は同様の電子計算デバイスの動作及びプロセスを指すことが理解されるだろう。
【0050】
本明細書で提示されているアルゴリズム及びディスプレイは、如何なる特定のコンピュータ又は他の装置にも本質的に関連するものではない。本明細書の教示に従ったプログラムとともに様々なシステムを使用することができ、あるいは、必要な方法ステップを実行するためにより特化した装置を構築することが便利であることが判明することもある。様々なこれらのシステムのための必要とされる構造は、上記の説明から明らかであろう。それに加えて、本明細書で記載される実施形態は、如何なる特定のプログラミング言語も参照して記述されない。様々なプログラミング言語は、本明細書で記載される実施形態の教示を実装するために使用されることが理解されるだろう。
【0051】
当業者であれば、本明細書で開示される実施形態に関連して記載される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムが、電子ハードウェアや、メモリ又は他のコンピュータ可読媒体に記憶されて、プロセッサ又は他のプロセッシングデバイスによって実行される命令、又はそれらの組み合わせとして実装されてもよいことを更に理解するだろう。本明細書で記載される分散アンテナシステムのコンポーネントは、例として、如何なる回路、ハードウェア部品、集積回路(IC)、又はICチップでも用いられてよい。本明細書で議論されるメモリは、如何なるタイプ及びサイズのメモリであってもよく、望まれている如何なるタイプの情報も記憶するよう構成されてよい。同義的にこれを明りょうに説明するために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、及びステップがそれらの機能性に関して一般的に上で記載されてきた。そのような機能性がどのように実装されるかは、システム全体に課されている特定のアプリケーション、設計選択、及び/又は設計制約に依存する。当業者は、各特定のアプリケーションについて、記載されている機能を様々な方法で実装してよいが、そのような実装の決定は、本実施形態の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈されるべきではない。
【0052】
本明細書で開示される実施形態に関連して記載される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、若しくは他のプログラム可能なロジックデバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、又は本明細書で記載される機能を実行するよう設計されているそれらの任意の組み合わせにより実装又は実装されてもよい。更に、コントローラはプロセッサであってもよい。プロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、代替的に、プロセッサは、如何なる従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械であってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ(例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成)としても実装されてもよい。
【0053】
本明細書で開示される実施形態は、ハードウェアにおいて、及びハードウェアで記憶されている命令において具現化されてよく、例えば、RAM、フラッシュメモリ、ROM、電気的プログラム可能ROM(EPROM)、電気的消去可能なプログラム可能ROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又は当該技術で知られている任意の他の形式のコンピュータ可読媒体に存在してもよい。例となる記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出したり、記憶媒体に情報を書き込んだりすることができるように、プロセッサへ結合されている。代替的に、記憶媒体は、プロセッサと一体であってもよい。プロセッサ及び記憶媒体はASCIに存在してもよい。ASICはリモート局に存在してもよい。代替的に、プロセッサ及び記憶媒体は、リモート局、基地局、又はサーバ内のディスクリート部品として存在してもよい。
【0054】
また、留意すべきは、本明細書で例示的な実施形態のいずれかにおいて記載されている任意のステップは例及び議論を提供するために記載されている点である。記載されている動作は、説明されている順序とは別の多種多様な順序で実行されてよい。更に、単一の動作ステップで記載されている動作は、実際には、多数の異なるステップで実行されてもよい。更には、例示的な実施形態で議論されている1つ以上の動作ステップは組み合わされてもよい。当業者はまた、情報及び信号が様々なテクノロジ及び技術のいずれかを用いて表現されてもよいことも理解するであろう。例えば、上記の説明の全体にわたって参照されることがあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは粒子、光場若しくは粒子、又はそれらの任意の組み合わせによって表現されてもよい。
【0055】
特に明示されない限り、本明細書に記載の方法は、そのステップが特定の順序で実行されることを必要とするものとして解釈されることを決して意図していない。従って、方法の請求項が、そのステップが従うべき順序を実際に記載していない場合、又は特許請求の範囲若しくは明細書に、ステップが特定の順序に限定されることが特に明記されていない場合、特定の順序が推測されることは決して意図されていない。
【0056】
本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。本発明の精神及び本質を組み込んだ開示された実施形態の修正、組み合わせ、サブコンビネーション、及び変形を当業者が思いつく可能性があるため、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内の全てを含むものと解釈されるべきである。
【国際調査報告】