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特表2024-532198腸内微生物叢多様性を改善するための方法
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  • 特表-腸内微生物叢多様性を改善するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】腸内微生物叢多様性を改善するための方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/00 20160101AFI20240829BHJP
   G01N 33/02 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
A23L33/00
G01N33/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510333
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 EP2022073323
(87)【国際公開番号】W WO2023025722
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】21193064.9
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ル ロワ, キャロリン
(72)【発明者】
【氏名】ドグラ, シャイレイ クマール
【テーマコード(参考)】
4B018
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018MD07
4B018MD08
4B018MD85
4B018ME01
4B018ME11
4B018MF14
(57)【要約】
本発明は、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を特定する方法であって、方法が、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を特定することを含む、方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を特定する方法であって、前記方法が、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を特定することを含む、方法。
【請求項2】
前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計が多いほど、より多様な腸内微生物叢が提供され、任意選択的には、より多様な腸内微生物叢が、(i)観察される微生物分類群がより多数である、及び/又は(ii)多様性指数がより高く、好ましくは、前記多様性指数は、FaithのPD指数若しくはShannon指数などの系統学的多様性指数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記様々なタイプのポリフェノールが、フラボノイド、リグナン、スチルベン、及びフェノール酸を含み、並びに/又は前記様々なタイプのポリフェノールが、フラボノール、フラバノン、フラボン、フラバン-3-オール、アントシアニン/アントシアニジン、及びイソフラボンを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するためのダイエット指数であって、前記ダイエット指数が、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を使用して特定される、ダイエット指数。
【請求項5】
前記ダイエット指数が、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を含む、又は合計からなる、請求項4に記載のダイエット指数。
【請求項6】
より高いダイエット指数が、より多様な腸内微生物叢を提供し、任意選択的には、より多様な腸内微生物叢が、(i)観察される微生物分類群がより多数である、及び/又は(ii)多様性指数がより高く、好ましくは、前記多様性指数が、FaithのPD指数若しくはShannon指数などの系統学的多様性指数である、請求項4又は5に記載のダイエット指数。
【請求項7】
前記方法が、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を使用して前記ダイエット指数を特定することを含む、請求項4~6のいずれか一項に記載のダイエット指数を提供する方法。
【請求項8】
食品製品、食事、又はダイエットを調整する方法であって、前記方法が、
(a)請求項1~3のいずれか一項に記載の方法を使用して、対象の腸内微生物叢に対する前記食品製品、食事、又はダイエットの効果を特定することと、
(b)前記食品製品、食事、又はダイエットを調整して、前記対象の腸内微生物叢多様性に対する効果が改善されている調整食品製品、調整食事、又は調整ダイエットを提供することと、
を含む、方法。
【請求項9】
対象の腸内微生物叢多様性を維持又は改善する方法であって、前記方法が、
(a)請求項1~3のいずれか一項に記載の方法を使用して、前記対象の腸内微生物叢に対する前記対象の現在のダイエットの効果を特定することと、
(b)前記対象の現在のダイエットを調整して、前記対象の腸内微生物叢多様性に対する効果が改善されている調整ダイエットを提供することと、
を含む、方法。
【請求項10】
対象の腸内微生物叢多様性を維持又は改善する方法であって、前記方法が、
(a)前記対象の現在のダイエットについて、請求項4~6のいずれか一項に記載のダイエット指数を特定することと、
(b)前記対象の現在のダイエットを調整して、改善されたダイエット指数を有する調整ダイエットを提供することと、
を含む、方法。
【請求項11】
対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するための、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計の使用。
【請求項12】
対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するための、ポリフェノール多様性指数の使用。
【請求項13】
対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するための、請求項4~6のいずれか一項に記載のダイエット指数の使用。
【請求項14】
コンピュータプログラムであって、前記プログラムがコンピュータによって実行されるときに、前記コンピュータに、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールを考慮して対象の腸内微生物叢に対する前記食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するためのダイエット指数を特定させる命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項15】
コンピュータ可読媒体であって、コンピュータによって実行されるときに、前記コンピュータに、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールを考慮して対象の腸内微生物叢に対する前記食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するためのダイエット指数を特定させる命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又は食生活(diet、ダイエット)の効果を特定する方法であって、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を特定することを含む、方法に関する。本発明は更に、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するためのダイエット指数に関する。
【背景技術】
【0002】
大腸に存在する微生物群集(腸内マイクロバイオーム)の多様性及び組成は、その宿主の健康状態に密接に関連している(Lynch & Pedersen,2016,New England Journal of Medicine,375(24),2369-2379)。この動的生態系の組成は、部分的には、ダイエットを含む環境因子によって形成される(Zhernakova et al.,2016,Science,352(6285),565-569;Falony et al.,2016,Science,352(6285),560-564)。
【0003】
ダイエットにおいて、ポリフェノールなどのいくつかの成分は、腸内マイクロバイオームに対してより大きな効果を有することが認識されている(Gibson,G.R.,et al.,2017.Nature reviews Gastroenterology & hepatology,14(8),pp.491-502)。ポリフェノールは、UV光及び病原体から植物を保護するために植物によって産生されるファイトケミカルである。ポリフェノールには8000種類を超える様々な化合物が属しており、ヒトの健康に有益な効果を発揮することが知られている化学物質の一大ファミリーである(Scalbert,A.,et al.,2002.Biomedicine & Pharmacotherapy,56(6),pp.276-282)。
【0004】
健康に対するポリフェノールの有益な効果の一部には、腸内マイクロバイオームが介在し(Mompeo,O.,et al.,2020.Nutrients,12(6),p.1871)、(1)有益な細菌の増殖の促進、(2)腸管内腔環境の改変、(3)病原体に対する抗微生物効果、及び(4)腸バリアを通して吸収されるより前の細菌代謝(Van Hul,M.and Cani,P.D.,2019.Current nutrition reports,8(4),pp.307-316;Ma,J.,et al.,2020.Animal Nutrition,6(4),pp.404-409)、を含む、いくつかのメカニズムが作用する。
【0005】
個々のフェノール化合物による腸内マイクロバイオームに対する効果はこれまでに調査されているものの、ヒトのダイエットにおいてフェノール化合物が多様であり、且つ遍在(prevalence)していることは、フェノール化合物が単一の実体として摂取されることはなく、組み合わせとして且つ様々なレベルの多様性で摂取されることを暗示する。腸内マイクロバイオームに対するポリフェノール摂取多様性の影響は調査されておらず、腸内マイクロバイオーム組成に対するポリフェノールの役割を十分に解明する妨げとなっている。
【発明の概要】
【0006】
本発明者らは、健康な腸内マイクロバイオームの発達及び/又は維持を支持するために、食品製品、食事、又はダイエット中のポリフェノールの多様性を評価するシステムを開発した。
【0007】
本発明者らは、このシステムを使用して、食品製品、食事、又はダイエット中のポリフェノール豊富度及び/又は多様性を捉える新しい指数を開発できることを示した。かかる指数は、食品製品、食事、又はダイエットが腸内微生物叢の多様性及び有益な分類群の成長を増強する可能性を反映し得る。指数は、多様性の高いポリフェノール摂取を確保するように、食品製品、食事、又はダイエットを調整するために使用され得る。
【0008】
一態様では、本発明は、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を特定する方法であって、方法が、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を特定することを含む、方法を提供する。
【0009】
いくつかの実施形態では、方法は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの各々の量を特定することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性を特定することを更に含む。食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性は、ポリフェノール多様性指数を使用して特定され得る。
【0010】
食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計が多いほど、より多様な腸内微生物叢が提供される。食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性が高いほど、より多様な腸内微生物叢が提供され得る。より多様な腸内微生物叢は、(i)観察される微生物分類群がより多数である;及び/又は(ii)多様性指数がより高く、好ましくは、当該多様性指数は、FaithのPD指数若しくはShannon指数などの系統学的多様性指数である、場合もある。
【0011】
様々なタイプのポリフェノールは、フラボノイド、リグナン、スチルベン、及びフェノール酸を含み得る。様々なタイプのポリフェノールは、フラボノール、フラバノン、フラボン、フラバン-3-オール、アントシアニン/アントシアニジン、及びイソフラボンを含み得る。様々なタイプのポリフェノールは、フラボノール、フラバノン、フラボン、カテキン、テアフラビン、テアルビジン、アントシアニン/アントシアニジン、及びイソフラボンを含み得る。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、(-)-エピカテキン、(-)-エピカテキン3-ガレート、(-)-エピガロカテキン、(-)-エピガロカテキン3-ガレート、(+)-カテキン、(+)-ガロカテキン、アピゲニン、シアニジン、ダイゼイン、デルフィニジン、エリオジクチオール、ゲニステイン、グリシテイン、ヘスペレチン、イソラムネチン、ケンペロール、ルテオリン、マルビジン、ミリセチン、ナリンゲニン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペツニジン、ケルセチン、テアフラビン、テアフラビン-3-ガレート、テアフラビン-3,3’-ジガレート、テアフラビン-3’-ガレート、及び総テアルビジンを含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、(-)-エピカテキン、(-)-エピカテキン3-ガレート、(-)-エピガロカテキン、(-)-エピガロカテキン3-ガレート、(+)-カテキン、(+)-ガロカテキン、アピゲニン、シアニジン、ダイゼイン、デルフィニジン、エリオジクチオール、ゲニステイン、グリシテイン、ヘスペレチン、イソラムネチン、ケンペロール、ルテオリン、マルビジン、ミリセチン、ナリンゲニン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペツニジン、ケルセチン、テアフラビン、テアフラビン-3-ガレート、テアフラビン-3,3’-ジガレート、テアフラビン-3’-ガレート、総テアルビジン、総アントシアニジン、総カテキン、総フラバン-3-オール、総フラバノン、総フラボン、総フラボノイド、総フラボノール、及び総イソフラボンを含む、又はそれらからなる。
【0012】
方法は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を使用してダイエット指数を特定することを更に含み得る。より高いダイエット指数は、より多様な腸内微生物叢を提供し得る。いくつかの実施形態では、ダイエット指数は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を含む、又は合計からなる。いくつかの実施形態では、方法は、食品製品、食事、若しくはダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの各々の量、及び/又は食品製品、食事、若しくはダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの化学構造の類似性を使用して、ダイエット指数を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性を使用してダイエット指数を特定するステップを含み、任意選択的に、食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性は、ポリフェノール多様性指数を使用して特定される。いくつかの実施形態では、ダイエット指数は、ポリフェノール多様性指数を含む、又はポリフェノール多様性指数からなる。
【0013】
別の態様では、本発明は、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するためのダイエット指数を提供する。ダイエット指数は、本発明の方法を使用して特定され得る。
【0014】
別の態様では、本発明は、本発明によるダイエット指数を提供する方法であって、方法が、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を使用してダイエット指数を特定することを含む、方法を提供する。
【0015】
別の態様では、本発明は、食品製品、食事、又はダイエットを調整する方法であって、方法が、
(a)本発明による方法を使用して、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を特定することと、
(b)食品製品、食事、又はダイエットを調整して、対象の腸内微生物叢多様性に対する効果が改善されている調整食品製品、調整食事、又は調整ダイエットを提供することと、
を含む、方法を提供する。
【0016】
調整食品製品、調整食事、又は調整ダイエットは、調整されていない食品製品、調整されていない食事、又は調整されていないダイエットよりも多くの様々なタイプのポリフェノールを提供し得る。
【0017】
別の態様では、本発明は、対象の腸内微生物叢多様性を維持又は改善する方法であって、方法が、
(a)本発明による方法を使用して、対象の腸内微生物叢に対する対象の現在のダイエットの効果を特定することと、
(b)対象の現在のダイエットを調整して、対象の腸内微生物叢多様性に対する効果が改善されている調整ダイエットを提供することと、
を含む、方法を提供する。
【0018】
別の態様では、本発明は、対象の腸内微生物叢多様性を維持又は改善する方法であって、方法が、
(a)対象の現在のダイエットについて、本発明に従ってダイエット指数を特定することと、
(b)対象の現在のダイエットを調整して、改善されたダイエット指数を有する調整ダイエットを提供することと、
を含む、方法を提供する。
【0019】
調整ダイエットは、対象の現在のダイエットよりも多くの様々なタイプのポリフェノールを提供し得る。ダイエットを調整した後、対象の腸内微生物叢状態は健康であり得る。調整ダイエットは、好ましい微生物分類群の存在量及び/若しくは機能を増加させ得、並びに/又は好ましくない微生物分類群の存在量及び/若しくは機能を減少させ得る。
【0020】
別の態様では、本発明は、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するための、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計の使用を提供する。
【0021】
別の態様では、本発明は、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するためのポリフェノール多様性指数の使用を提供する。
【0022】
別の態様では、本発明は、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するための、本発明によるダイエット指数の使用を提供する。
【0023】
本発明の方法は、コンピュータに実装された方法であってもよい。
【0024】
別の態様では、本発明は、コンピュータプログラムであって、プログラムがコンピュータによって実行されるときに、コンピュータに本発明による方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラムを提供する。
【0025】
別の態様では、本発明は、コンピュータプログラムであって、プログラムがコンピュータによって実行されるときに、コンピュータに、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールを考慮して対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するためのダイエット指数を特定させる命令を含む、コンピュータプログラムを提供する。
【0026】
別の態様では、本発明は、コンピュータ可読媒体であって、コンピュータによって実行されるときに、コンピュータに本発明による方法を実行させる命令を含む、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0027】
別の態様では、本発明は、コンピュータ可読媒体であって、コンピュータによって実行されるときに、コンピュータに、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールを考慮して対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するためのダイエット指数を特定させる命令を含む、コンピュータ可読媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】集団におけるポリフェノール多様性指数の分布のヒストグラムである。
【0029】
アメリカン・ガット・プロジェクト(AGP)参加者に配布された食物摂取頻度調査票(FFQ)に掲載のある259個の食物品目中の38種のポリフェノールの有無に基づいて、ポリフェノール多様性指数を構築した。ポリフェノール多様性指数は、参加者によって摂取された全ポリフェノールの合計として計算した。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明の様々な好ましい特徴及び実施形態を、非限定的な実施例により記載する。当業者は、開示される本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される本発明の全ての特徴を組み合わせることができることを理解されたい。
【0031】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別段の指示がない限り、複数の指示対象を含むことについて留意する必要がある。
【0032】
本明細書で使用する場合、用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、及び「を含む(comprised of)」は、「含む(including)」又は「含む(includes)」又は「含有する(containing)」又は「含有する(contains)」と同義であり、他を包含し得るもの、すなわちオープンエンドであり、かつ追加の、列挙されていない構成、要素、又は工程を除外しない。用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、及び「を含む(comprised of)」はまた、用語「からなる(consisting of)」を含む。
【0033】
本明細書で論じられる刊行物は、単に本出願の出願日より前にそれらが開示されていたがために提供されている。本明細書において引用されるいかなる文献も、これらの刊行物が本明細書に添付の特許請求の範囲に対する先行技術を構成するものであると認めるものとして解釈されるべきではない。

食品製品、食事、又はダイエットの効果を特定する方法
【0034】
本発明は、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を特定する方法であって、方法が、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を特定することを含む、方法を提供する。

ポリフェノール
【0035】
「ポリフェノール」(「フェノール化合物」としても知られる)は、少なくとも1つのフェノール単位を有することを特徴とする有機化合物の大きなファミリーであり、フラボノイド、リグナン、スチルベン、及びフェノール酸を含む(例えば、Manach,C.,et al.,2004.The American journal of clinical nutrition,79(5),pp.727-747を参照されたい)。いくつかの実施形態では、ポリフェノールは、2つ以上のフェノール単位を有する。
【0036】
好適には、ポリフェノールはダイエット由来ポリフェノールである。「ダイエット由来ポリフェノール」は、一般的に摂取されるポリフェノールを指し得る。ダイエット由来ポリフェノールのタイプは、例えばScalbert,A.,et al.,2002.Biomedicine & Pharmacotherapy,56(6),pp.276-282に記載されているように、当該技術分野において周知である。フェノールエクスプローラ(Phenol-Explorer)は、食品中のポリフェノール含有量に関するオンラインの包括的データベースである(Neveu,V.,Perez-Jimenez,J.,et al.,2010.Database,2010,bap024;Rothwell,J.A.,et al.,2012.Database,2012,bas031;及びRothwell,J.A.et al.,2013.Database,2013,bat070を参照されたい)。
【0037】
ポリフェノールの「タイプ」は、任意のポリフェノールクラス、ポリフェノールサブクラス、又は個々のポリフェノールを含み得る。例えば、「総フラボノイド」、「総フラバノール」、「総カテキン」、及び(+)-カテキンの各々は、ポリフェノールの「タイプ」と見なされ得る。

フラボノイド
【0038】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、フラボノイドを含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総フラボノイドを含む(すなわち、フラボノイドは一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。用語「フラボノイド」は、天然産物及び合成産物を含み:(1)その構造的特徴が、C15骨格を有するフェニル置換プロピルベンゼンの誘導体に基づく化合物;(2)フェニル置換プロピルベンゼン誘導体であるC16骨格を有する化合物(ロテノイド);及び(3)その構造が、C6~C3リグナン前駆体と縮合したフェニル置換プロピルベンゼンの誘導体に基づくフラボノリグナン(Rauter,A.P.,et al.,2018.Pure and Applied Chemistry,90(9),pp.1429-1486)に適用され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のクラスのフラボノイドを含む。フラボノイドの例示的なクラスとしては、アントシアニン、カルコン、ジヒドロカルコン、ジヒドロフラボノール、フラバノール、フラバノン、フラボン、フラボノール、及びイソフラボノイドが挙げられる。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総アントシアニン/アントシアニジン、総カルコン、総ジヒドロカルコン、総ジヒドロフラボノール、総フラバノール、総フラバノン、総フラボン、総フラボノール、及び総イソフラボノイドのうちの1つ以上を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、アントシアニン及び/又はアントシアニジンを含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総アントシアニン及び/又はアントシアニジンを含む(すなわち、アントシアニン及び/又はアントシアニジンは一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のアントシアニン及び/又はアントシアニジンを含む。「アントシアニジン」は、フラビリウム(2-フェニルクロメニリウム)塩の酸素化誘導体を含み得る。「アントシアニン」は、糖を付加することによってアントシアニジンから誘導され得る。例示的なアントシアニン/アントシアニジンとしては、マルビジン3-O-(6’’-p-クマロイル-グルコシド)、デルフィニジン3-O-(6’’-アセチル-ガラクトシド)、シアニジン3-O-(6’’-アセチル-ガラクトシド)、シアニジン3-O-ガラクトシド、シアニジン3-O-グルコシド、シアニジン3-O-ルチノシド、シアニジン3-O-ソホロシド、ペラルゴニジン3-O-グルコシド、シアニジン3-O-(6’’-マロニル-グルコシド)、ペオニジン、ペオニジン3-O-グルコシド、ペオニジン3-O-ルチノシド、ペラルゴニジン3-O-ルチノシド、ペラルゴニジン、シアニジン、マルビジン3,5-O-ジグルコシド、シアニジン3-O-グルコシル-ルチノシド、ペラルゴニジン3-O-ソホロシド、ペラルゴニジン3-O-グルコシル-ルチノシド、シアニジン3-O-(6’’-スクシニル-グルコシド)、ペラルゴニジン3-O-(6’’-スクシニル-グルコシド)、デルフィニジン3-O-ガラクトシド、デルフィニジン3-O-グルコシド、デルフィニジン3-O-アラビノシド、ペツニジン3-O-ガラクトシド、シアニジン3-O-アラビノシド、ペツニジン3-O-グルコシド、ペオニジン3-O-ガラクトシド、ペツニジン3-O-アラビノシド、マルビジン3-O-グルコシド、マルビジン3-O-アラビノシド、デルフィニジン3-O-(6’’-アセチル-グルコシド)、ペツニジン3-O-(6’’-アセチル-ガラクトシド)、ペオニジン3-O-(6’’-アセチル-ガラクトシド)、シアニジン3-O-(6’’-アセチル-グルコシド)、マルビジン3-O-(6’’-アセチル-ガラクトシド)、ペツニジン3-O-(6’’-アセチル-グルコシド)、マルビジン3-O-(6’’-アセチル-グルコシド)、ペオニジン3-O-(6’’-アセチル-グルコシド)、ペラルゴニジン3-O-アラビノシド、デルフィニジン3-O-ルチノシド、シアニジン3-O-サムブビオシド、ペラルゴニジン3-O-(6’’-マロニル-グルコシド)、ペオニジン3-O-(6’’-p-クマロイル-グルコシド)、シアニジン3-O-キシロシド、マルビジン3-O-ガラクトシド、ペオニジン3-O-アラビノシド、ペツニジン3-O-ルチノシド、デルフィニジン3-O-キシロシド、ペツニジン3-O-(6’’-p-クマロイル-グルコシド)、ペラルゴニジン3-O-ガラクトシド、ペラルゴニジン3-O-サムブビオシド、デルフィニジン3-O-サムブビオシド、シアニジン3-O-キシロシル-ルチノシド、ビチシンA、デルフィニジン3-O-(6’’-p-クマロイル-グルコシド)、ピグメントA、シアニジン3-O-(6’’-p-クマロイル-グルコシド)、シアニジン3-O-サムブビオシド5-O-グルコシド、シアニジン3-O-(6’’-カフェオイル-グルコシド)、シアニジン3,5-O-ジグルコシド、ピノチンA、デルフィニジン3,5-O-ジグルコシド、ペラルゴニジン3,5-O-ジグルコシド、マルビジン3-O-(6’’-カフェオイル-グルコシド)、シアニジン3-O-(6’’-ジオキサリル-グルコシド)、デルフィニジン3-O-グルコシル-グルコシド、シアニジン3-O-(6’’-マロニル-3’’-グルコシル-グルコシド)、デルフィニジン3-O-フェルロイル-グルコシド、ペツニジン3,5-O-ジグルコシド、ペツニジン3-O-ラムノシド、シアニジン3-O-ジグルコシド-5-O-グルコシド、ペオニジン3-O-ジグルコシド-5-O-グルコシド、ペオニジン3-O-(2-O-(6-O-(E)-カフェオイル-D-グルコシル)-D-グルコシド)-5-O-D-グルコシド、ペオニジン3-O-ソホロシド、ペオニジン3-O-サムブビオシド、ペオニジン3-O-サムブビオシド-5-O-グルコシド、ペオニジン3-O-キシロシド、4’-O-メチルシアニジン3-O-D-グルコシド、シアニジン3-O-(3’’,6’’-O-ジマロニル-グルコシド)、4-O-メチルデルフィニジン3-O-D-グルコシド、イソペオニジン3-O-アラビノシド、イソペオニジン3-O-ガラクトシド、イソペオニジン3-O-グルコシド、イソペオニジン3-O-ルチノシド、イソペオニジン3-O-サムブビオシド、イソペオニジン3-O-キシロシド、シアニジン3-O-(2-O-(6-O-(E)-カフェオイル-Dグルコシド)-D-グルコシド)-5-O-D-グルコシド、及び4’-O-メチルデルフィニジン3-O-ルチノシドが挙げられる。
【0041】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、カルコンを含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総カルコンを含む(すなわち、カルコンは一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のカルコンを含む。「カルコン」は、1,3-ジフェニルプロペノン(ベンジリデンアセトフェノン)、及び置換によって形成されたその誘導体を含み得る。例示的なカルコンとしては、ブテイン及びキサントフモールが挙げられる。
【0042】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、ジヒドロカルコンを含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総ジヒドロカルコンを含む(すなわち、ジヒドロカルコンは一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のジヒドロカルコンを含む。「ジヒドロカルコン」は、1,3-ジフェニルプロパノン、及び置換によって形成されたその誘導体を含み得る。例示的なジヒドロカルコンとしては、フロレチン、フロリジン、フロレチン2’-O-キシロシル-グルコシド、3-ヒドロキシフロレチン2’-O-キシロシル-グルコシド、3-ヒドロキシフロレチン2’-O-グルコシド、及びフロレチン2’-O-グルクロニドが挙げられる。
【0043】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、ジヒドロフラボノールを含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総ジヒドロフラボノールを含む(すなわち、ジヒドロフラボノールは一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のジヒドロフラボノールを含む。「ジヒドロフラボノール」(「フラバノノール」としても知られる)は、3-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-2-フェニルクロメン-4-オン主鎖を使用するフラボノイドを含み得る。例示的なジヒドロフラボノールとしては、ジヒドロケルセチン3-O-ラムノシド、ジヒドロケルセチン、及びジヒドロミリセチン3-O-ラムノシドが挙げられる。
【0044】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、フラバノールを含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総フラバノールを含む(すなわち、フラバノールは一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のフラバノールを含む。「フラバノール」(「フラバン-3-オール」としても知られる)は、2-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-3-オール骨格を有するフラバンの誘導体を含み得る。例示的なフラバノールとしては、(+)-カテキン、(-)-エピカテキン、(+)-ガロカテキン、(-)-エピガロカテキン、(-)-エピカテキン3-O-ガレート、(-)-エピガロカテキン3-O-ガレート、テアフラビン、テアフラビン3-O-ガレート、テアフラビン3’-O-ガレート、テアフラビン3,3’-O-ジガレート、(+)-ガロカテキン3-O-ガレート、(+)-カテキン3-O-ガレート、プロシアニジンダイマーB1、プロシアニジンダイマーB2、プロシアニジンダイマーB3、プロシアニジンダイマーB4、プロシアニジンダイマーB5、プロシアニジンダイマーB7、プロデルフィニジンダイマーB3、プロシアニジントリマーC1、プロシアニジントリマーEEC、プロシアニジントリマーT2、プロシアニジントリマーC2、プロデルフィニジントリマーGC-GC-C、プロデルフィニジントリマーGC-C-C、プロデルフィニジントリマーC-GC-C、(-)-エピカテキン-(2a-7)(4a-8)-エピカテキン3-O-ガラクトシド、シンナムタンニンA2、(+)-カテキン3-O-グルコース、3’-O-メチルエピカテキン、4’-O-メチル-(-)-エピカテキン3’-O-グルクロニド、エピカテキン3’-O-グルクロニド、3’-O-メチルカテキン、4’,4’’-ジメチルエピガロカテキン3-O-ガレート、4’-O-メチルエピガロカテキン、4’’-O-メチルエピガロカテキン3-O-ガレート、4’-O-メチルエピカテキン、エピガロカテキン3-O-ガレート-7-O-グルコシド-4’’-O-グルクロニド、(-)-エピガロカテキン3-O-グルクロニド、3’-O-メチル-(-)-エピカテキン7-O-グルクロニド、エピカテキン7-O-グルクロニド、(-)-エピガロカテキン3’-O-グルクロニド、(-)-エピガロカテキン7-O-グルクロニド、4’-O-メチル-(-)-エピガロカテキン3’-O-グルクロニド、及び4’-O-メチル-(-)-エピガロカテキン7-O-グルクロニドが挙げられる。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のクラスのフラバノールを含む。フラバノールの例示的なクラスとしては、カテキン、テアフラビン、及びテアルビジンが挙げられる。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総カテキン、総テアフラビン、及び総テアルビジンのうちの1つ以上を含む(すなわち、カテキン、テアフラビン、及び/又はテアルビジンの各々は、別々に一緒にグループ化され、各々がポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。
【0045】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、フラバノンを含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総フラバノンを含む(すなわち、フラバノンは一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のフラバノンを含む。「フラバノン」は、基礎の2,3-ジヒドロフラボン構造を有し、C2とC3との間の二重結合を欠くフラボノイドを含み得る。例示的なフラバノンとしては、ナリンゲニン、エリオジクチオール、ヘスペレチン、エリオシトリン、ヘスペリジン、ナリンギン、ナリルチン、ネオエリオシトリン、ネオヘスペリジン、ポンシリン、ジジミン、ナリルチン4’-O-グルコシド、ナリンギン4’-O-グルコシド、ナリンギン6’-マロネート、イソサクラネチン、ナリンゲニン7-O-グルコシド、ピノセンブリン、8-プレニルナリンゲニン、6-プレニルナリンゲニン、6-ゲラニルナリンゲニン、イソキサントフモール、エリオジクチオール7-O-グルコシド、サクラネチン、ヘスペレチン3’-O-グルクロニド、ヘスペレチン7-O-グルクロニド、ヘスペレチン3’-サルフェート、ホモエリオジクチオール、ナリンゲニン4’-O-グルクロニド、ナリンゲニン5-O-グルクロニド、ナリンゲニン7-O-グルクロニド、ヘスペレチン3’,7-O-ジグルクロニド、及びヘスペレチン5,7-O-ジグルクロニドが挙げられる。
【0046】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、フラボンを含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総フラボンを含む(すなわち、フラボンは一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のフラボンを含む。「フラボン」は、2-フェニルクロメン-4-オンの主鎖を有するフラボノイドを含み得る。フラボンの例としては、アピゲニン、ルテオリン、ジオスミン、イソロイフォリン、ネオジオスミン、ロイフォリン、シネンセチン、ノビレチン、タンゲレチン、ルテオリン7-O-ジグルクロニド、クリシン、ルテオリン7-O-ルチノシド、テトラメチルスクテラレイン、ルテオリン7-O-グルコシド、アピゲニン7-O-グルコシド、アピゲニン6,8-ジ-C-グルコシド、アピゲニン6,8-C-アラビノシド-C-グルコシド、アピゲニン6,8-C-ガラクトシド-C-アラビノシド、ルテオリン7-O-グルクロニド、アピゲニン7-O-グルクロニド、ルテオリン7-O-マロニル-グルコシド、ルテオリン6-C-グルコシド、ルテオニン7-O-(2-アピオシル-グルコシド)、ルテオリン7-O-(2-アピオシル-6-マロニル)-グルコシド、アピゲニン7-O-アピオシル-グルコシド、7,3’,4’-トリヒドロキシフラボン、7,4’-ジヒドロキシフラボン、ゲラルドン、バイカレイン、アピゲニン6-C-グルコシド、ヒスピドリン、シルシマリチン、5,6-ジヒドロキシ-7,8,3’,4’-テトラメトキシフラボン、ペブレリン(Pebrellin)、ガーデニンB、ネペチン、ジャセオシジン、シルシリネオール、ユーパトリン、6-ヒドロキシルテオリン、6-ヒドロキシルテオリン7-O-ラムノシド、スクテラレイン、アピゲニン7-O-(6’’-マロニル-アピオシル-グルコシド)、クリソエリオール7-O-アピオシル-グルコシド、クリソエリオール7-O-(6’’-マロニル-アピオシル-グルコシド)、クリソエリオール7-O-グルコシド、クリソエリオール7-O-(6’’-マロニル-グルコシド)、アピゲニン7-O-ジグルクロニド、及びロイフォリン4’-O-グルコシドが挙げられる。
【0047】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、フラボノールを含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総フラボノールを含む(すなわち、フラボノールは一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のフラボノールを含む。「フラボノール」は、3-ヒドロキシフラボン主鎖を有するフラボノイドを含み得る。例示的なフラボノールとしては、ケンペロール、ケルセチン、ケルセチン3-O-ガラクトシド、ケルセチン3-O-グルコシド、ケルセチン3-O-キシロシド、ケルセチン3-O-ラムノシド、ケルセチン3-O-ルチノシド、ケルセチン3-O-ソホロシド、ケルセチン3-O-アラビノシド、ケルセチン3-O-キシロシル-グルクロニド、イソラムネチン3-O-グルコシド7-O-ラムノシド、イソラムネチン3-O-ルチノシド、ケンペロール3-O-グルクロニド、イソラムネチン7-O-ラムノシド、ケルセチン3,4’-O-ジグルコシド、ミリセチン3-O-ルチノシド、ミリセチン、モリン、ケンペリド、ミリセチン3-O-ガラクトシド、ミリセチン3-O-グルコシド、ケルセチン3-O-グルコシル-キシロシド、ケルセチン3-O-アセチル-ラムノシド、ケンペロール3-O-ガラクトシド、ガランギン、イソラムネチン、ケンペロール3-O-グルコシド、ケンペロール3-O-ルチノシド、ケンペロール3-O-グルコシル-ラムノシル-ガラクトシド、ケンペロール3-O-グルコシル-ラムノシル-グルコシド、ケルセチン3-O-グルコシル-ラムノシル-ガラクトシド、ケルセチン3-O-グルコシル-ラムノシル-グルコシド、ラムネチン、イソラムネチン3-O-グルコシド、ミリセチン3-O-ラムノシド、ケルセチン3-O-ラムノシル-ガラクトシド、ケルセチン3-O-グルクロニド、イソラムネチン3-O-グルクロニド、ミリセチン3-O-アラビノシド、ケルセチン7,4’-O-ジグルコシド、ケルセチン4’-O-グルコシド、イソラムネチン4’-O-グルコシド、3,7-ジメチルケルセチン、ケンペロール3-O-ソホロシド、ケンペロール3,7-O-ジグルコシド、ケンペロール3-O-ソホロシド7-O-グルコシド、ケルセチン3-O-(6’’-マロニル-グルコシド)、ケンペロール3-O-(6”-マロニル-グルコシド)、ケンペロール3-O-ラムノシド、ケルセチン3-O-(6”-マロニル-グルコシド)7-O-グルコシド、パツレチン3-O-グルコシル-(1→6)-[アピオシル(1→2)]-グルコシド、スピナセチン3-O-グルコシル-(1→6)-[アピオシル(1→2)]-グルコシド、パツレチン3-O-(2’’-フェルロイルグルコシル)(1→6)-[アピオシル(1→2)]-グルコシド、スピナセチン3-O-(2’’-p-クマロイルグルコシル)(1→6)-[アピオシル(1→2)]-グルコシド、スピナセチン3-O-(2”-フェルロイルグルコシル)(1→6)-[アピオシル(1→2)]-グルコシド、スピナセチン3-O-グルコシル-(1→6)-グルコシド、ジャセイジン4’-O-グルクロニド、5,3’,4’-トリヒドロキシ-3-メトキシ-6:7-メチレンジオキシフラボン4’-O-グルクロニド、5,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメトキシ-6:7-メチレンジオキシフラボン4’-O-グルクロニド、ケンペロール3-O-キシロシル-グルコシド、ケンペロール3-O-アセチル-グルコシド、ケルセチン3-O-キシロシル-ルチノシド、ケンペロール3-O-キシロシル-ルチノシド、ケンペロール7-O-グルコシド、ケンペロール3-O-ガラクトシド7-O-ラムノシド、ケンペロール3-O-(6’’-アセチル-ガラクトシド)7-O-ラムノシド、ケルセチン3-O-ガラクトシド7-O-ラムノシド、ケルセチン3-O-(6’’-アセチル-ガラクトシド)7-O-ラムノシド、ケンペロール3-O-(2’’-ラムノシル-ガラクトシド)7-O-ラムノシド、ケンペロール3-O-(2’’-ラムノシル-6’’-アセチル-ガラクトシド)7-O-ラムノシド、6,8-ジヒドロキシケンペロール、イソラムネチン3-O-ガラクトシド、ケルセチン3-O-ラムノシル-ラムノシル-グルコシド、ケンペロール3-O-ラムノシル-ラムノシル-グルコシド、メチルガランギン、ケンペロール3,7,4’-O-トリグルコシド、3-メトキシノビレチン、3-メトキシシネンセチン、ケルセチン3’-O-グルクロニド、ケルセチン3’-サルフェート、ケルセチン4’-O-グルクロニド、及びイソラムネチン4’-O-グルクロニドが挙げられる。
【0048】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、イソフラボノイドを含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総イソフラボノイドを含む(すなわち、イソフラボノイドは一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のイソフラボノイドを含む。「イソフラボノイド」は、2位にヒドロキシル基置換のない3-フェニルクロメン-4-オン主鎖、又は3-フェニルクロマン(イソフラバン)主鎖を有し得る。例示的なイソフラボノイドとしては、ダイゼイン、ホルモノネチン、ゲニステイン、ビオカニンA、グリシテイン、グリシチン、6’’-O-アセチルダイジン、6’’-O-マロニルゲニスチン、ダイジン、ゲニスチン、6’’-O-アセチルゲニスチン、6’’-O-アセチルグリシチン、6’’-O-マロニルダイジン、6’’-O-マロニルグリシチン、2’,7-ジヒドロキシ-4’,5’-ジメトキシイソフラボン、2-デヒドロ-O-デスメチルアンゴレンシン、2’-ヒドロキシホルモノネチン、3’,4’,7-トリヒドロキシイソフラバン、3’,4’,7-トリヒドロキシイソフラバノン、3’-ヒドロキシダイゼイン、3’-ヒドロキシ-O-デスメチルアンゴレンシン、4’,6,7-トリヒドロキシイソフラバノン、4’,7-ジヒドロキシ-3’-メトキシイソフラバン、4’,7-ジヒドロキシ-6-メトキシイソフラバン、4’-O-メチルエクオール、5,6,7,3’,4’-ペンタヒドロキシイソフラボン、5,6,7,4’-テトラヒドロキシイソフラボン、5,7,8,3’,4’-ペンタヒドロキシイソフラボン、5,7,8,4’-テトラヒドロキシイソフラボン、5’-ヒドロキシ-O-デスメチルアンゴレンシン、5’-メトキシ-O-デスメチルアンゴレンシン、6,7,3’,4’-テトラヒドロキシイソフラボン、6,7,4’-トリヒドロキシイソフラボン、6’-ヒドロキシアンゴレンシン、6’-ヒドロキシ-O-デスメチルアンゴレンシン、7,8,3’,4’-テトラヒドロキシイソフラボン、7,8,4’-トリヒドロキシイソフラボン、アンゴレンシン、カリコシン、ダイゼイン4’-O-グルクロニド、ダイゼイン7-O-グルクロニド、ジヒドロビオカニンA、ジヒドロダイゼイン、ジヒドロダイゼイン7-O-グルクロニド、ジヒドロホルモノネチン、ジヒドロゲニステイン、ジヒドログリシテイン、エクオール、ホルモノネチン7-O-グルクロニド、ゲニステイン4’,7-O-ジグルクロニド、ゲニステイン4’-O-グルクロニド、ゲニステイン5-O-グルクロニド、ゲニステイン7-O-グルクロニド、グリシテイン4’-O-グルクロニド、グリシテイン7-O-グルクロニド、コパリン、O-デスメチルアンゴレンシン、オロボール、プルネチン、シュードバプチゲニン、プエラリン、ダイジン4’-O-グルクロニド、イリソリドン7-O-グルクロニド、テクトリゲニン7-サルフェート、テクトリゲニン4’-サルフェート、イリソリドン、テクトリゲニン、テクトリジン、5,7-ジヒドロキシ-8,4’-ジメトキシイソフラボン、イソテクトリゲニン、エクオール7-O-グルクロニド、エクオール4’-O-グルクロニド、3’,4’,5,7-テトラヒドロキシイソフラバノン、3’-O-メチルエクオール、6-O-メチルエクオール、3’-ヒドロキシゲニステイン、6-ヒドロキシジヒドロダイゼイン、3’-ヒドロキシエクオール、シス-4-ヒドロキシエクオール、4’-メトキシ-2’,3,7-トリヒドロキシイソフラバノン、イリロン、ベスチトン、サチバノン、ブチン、3’-ヒドロキシメラネッチン、メラネッチン、ステベニン、ビオラノン、イソリキリチゲニン、ダルベルギン、3’-O-メチルビオラノン、及び8-ヒドロキシジヒドロダイゼインが挙げられる。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のクラスのイソフラボノイドを含む。イソフラボノイドの例示的なクラスとしては、イソフラボン、イソフラボノン、イソフラバン、イソフラバンジオール、イソフラベン、及びプテロカルパンが挙げられる。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総イソフラボン、総イソフラボノン、総イソフラバン、総イソフラバンジオール、総イソフラベン、及び総プテロカルパンのうちの1つ以上を含む(すなわち、イソフラボン、イソフラボノン、イソフラバン、イソフラバンジオール、イソフラベン、及び/又はプテロカルパンの各々は、別々に一緒にグループ化され、各々がポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。
リグナン
【0049】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、リグナン及び/又はネオリグナンを含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総リグナン及び/又はネオリグナンを含む(すなわち、リグナン及び/又はネオリグナンは一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のリグニン及び/又はネオリグナンを含む。
【0050】
「リグナン」及び「ネオリグナン」は、2つのC単位のカップリングを特徴とする天然産物の大きなグループである。リグナンという用語は、2つの単位がβ,β’-結合している構造を説明する。この2つの単位が他の方法(m,m’;γ,γ’;β,m’;等)で結合されている場合、それらはネオリグナンと呼ばれる(Moss G.P.,et al.,2000.Pure and Applied Chemistry,72(8),pp.1493-1523)。
【0051】
例示的なリグナンとしては、セコイソラリシレシノール、マタイレシノール、ラリシレシノール、ピノレシノール、シリンガレシノール、イソラリシレシノール、アルクチゲニン、トラケロゲニン、メジオレシノール、1-アセトキシピノレシノール、セサミン、セサモリン、セサモリノール、セサミノール、セサモール、7-ヒドロキシマタイレシノール、イソヒドロキシマタイレシノール、セコイソラリシレシノール-セスキリグナン、シクロラリシレシノール、7-オキソマタイレシノール、トドラクトールA、コニデンドリン、7-ヒドロキシセコイソラリシレシノール、ノルトラケロゲニン、ラリシレシノール-セスキリグナン、アンヒドロ-セコイソラリシレシノール、ジメチルマタイレシノール、エピセサミン、エピセサミノール、エンテロジオール、エンテロラクトン、セサミノロール2-O-トリグルコシド、シサンドリン、ゴミシンD、シサンドロールB、チグロイルゴミシンH、シサンヘノール、シサンテリンA、ゴミシンM2、デオキシシサンドリン、シサンドリンB、シサンドリンC、2-ヒドロキシエンテロジオール、4-ヒドロキシエンテロジオール、6-ヒドロキシエンテロジオール、2-ヒドロキシエンテロラクトン、4-ヒドロキシエンテロラクトン、6-ヒドロキシエンテロラクトン、2’-ヒドロキシエンテロラクトン、4’-ヒドロキシエンテロラクトン、6’-ヒドロキシエンテロラクトン、5-ヒドロキシエンテロラクトン、及び7-ヒドロキシエンテロラクトンが挙げられる。

スチルベン
【0052】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、スチルベンを含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総スチルベンを含む(すなわち、スチルベンは一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のスチルベンを含む。
【0053】
「スチルベン」という用語は、1,2-ジフェニルエテンの立体異性体及びその誘導体(例えば、スチルベノイド)の両方を指し得る。
【0054】
例示的なスチルベンとしては、トランス-レスベラトロール、ピセアタンノール、e-ビニフェリン、プテロスチルベン、d-ビニフェリン、パリドール、ピセアタンノール3-O-グルコシド、ピノシルビン、レスベラトロール5-O-グルコシド、レスベラトロール、レスベラトロール3-O-グルコシド、3,4,5,4’-テトラメトキシスチルベン、3’-ヒドロキシ-3,4,5,4’-テトラメトキシスチルベン、4’-ヒドロキシ-3,4,5-トリメトキシスチルベン、4-ヒドロキシ-3,5,4’-トリメトキシスチルベン、シス-レスベラトロール3-O-グルクロニド、シス-レスベラトロール3-サルフェート、シス-レスベラトロール4’-O-グルクロニド、シス-レスベラトロール4’-サルフェート、レスベラトロール3-サルフェート、トランス-レスベラトロール3,5-ジサルフェート、トランス-レスベラトロール3,4’-ジサルフェート、トランス-レスベラトロール3-O-グルクロニド、トランス-レスベラトロール3-サルフェート、トランス-レスベラトロール4’-O-グルクロニド、トランス-レスベラトロール4’-サルフェート、及びジヒドロレスベラトロールが挙げられる。

フェノール酸
【0055】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、フェノール酸を含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総フェノール酸を含む(すなわち、フェノール酸は一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。「フェノール酸」は、フェノール環及び有機カルボン酸官能基を含有する生成物を含んでもよく、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシケイ皮酸、ヒドロキシフェニル酢酸、ヒドロキシフェニルプロパン酸、及びヒドロキシフェニルペンタン酸を含んでもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のクラスのフェノール酸を含む。フェノール酸の例示的なクラスとしては、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシケイ皮酸、ヒドロキシフェニル酢酸、ヒドロキシフェニルプロパン酸、及びヒドロキシフェニルペンタン酸が挙げられる。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総ヒドロキシ安息香酸、総ヒドロキシケイ皮酸、総ヒドロキシフェニル酢酸、総ヒドロキシフェニルプロパン酸、及び総ヒドロキシフェニルペンタン酸のうちの1つ以上を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、ヒドロキシ安息香酸を含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総ヒドロキシ安息香酸を含む(すなわち、ヒドロキシ安息香酸は、一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のヒドロキシ安息香酸を含む。「ヒドロキシ安息香酸」は、2-ヒドロキシ安息香酸、3-ヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、及びこれらの誘導体を含み得る。例示的なヒドロキシ安息香酸としては、エラグ酸グルコシド、プロトカテク酸、没食子酸、バニリン酸、ゲンチジン酸、エラグ酸、4-ヒドロキシ安息香酸、シリンガ酸、5-O-ガロイルキナ酸、エラグ酸アラビノシド、エラグ酸アセチル-キシロシド、エラグ酸アセチル-アラビノシド、安息香酸、2-ヒドロキシ安息香酸、3-ヒドロキシ安息香酸、2,3-ジヒドロキシ安息香酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸4-O-グルコシド、プロトカテク酸4-O-グルコシド、没食子酸4-O-グルコシド、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、2,6-ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸3-O-ガレート、没食子酸エチルエステル、バロン酸ジラクトン、ガロイルグルコース、ランベルチアニンC、サングインH-6、プニカラギン、ガラギン酸、3-O-メチル没食子酸、4-O-メチル没食子酸、3,4-O-ジメチル没食子酸、プニカリン、4-ヒドロキシ馬尿酸、3-ヒドロキシ馬尿酸、2-ヒドロキシ馬尿酸、馬尿酸、ペオニフロリン、及びバニリン酸4-サルフェートが挙げられる。
【0058】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、ヒドロキシケイ皮酸を含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総ヒドロキシケイ皮酸を含む(すなわち、ヒドロキシケイ皮酸は一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のヒドロキシケイ皮酸を含む。「ヒドロキシケイ皮酸」は、C6~C3骨格を有するケイ皮酸のヒドロキシル誘導体を含み得る。例示的なヒドロキシケイ皮酸としては、p-クマル酸、5-p-クマロイルキナ酸、4-p-クマロイルキナ酸、コーヒー酸、フェルロイルグルコース、フェルラ酸、カフェオイル酒石酸、ロスマリン酸、o-クマル酸、m-クマル酸、シナピン酸、p-クマロイルグルコース、p-クマロイルキナ酸、3-カフェオイルキナ酸、ベルバスコシド、4-カフェオイルキナ酸、p-クマロイル酒石酸、2,5-ジ-S-グルタチオニルカフタル酸、フェルロイル酒石酸、コーヒー酸エチルエステル、シンナモイルグルコース、5-カフェオイルキナ酸、3-p-クマロイルキナ酸、2-S-グルタチオニルカフタル酸、5-フェルロイルキナ酸、4-フェルロイルキナ酸、3-フェルロイルキナ酸、5-シナポイルキナ酸、4-シナポイルキナ酸、3-シナポイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、イソフェルラ酸、カフェオイルグルコース、p-クマル酸4-O-グルコシド、コーヒー酸4-O-グルコシド、フェルラ酸4-O-グルコシド、p-クマロイル酒石酸グルコシドエステル、p-クマル酸エチルエステル、ヒドロキシコーヒー酸、チコリ酸、5-5’-デヒドロジフェルラ酸、5-8’-デヒドロジフェルラ酸、1,2-ジシナポイルゲンチオビオース、1-シナポイル-2-フェルロイルゲンチオビオース、1,2-ジフェルロイルゲンチオビオース、1,2,2’-トリシナポイルゲンチオビオース、1,2’-ジシナポイル-2-フェルロイルゲンチオビオース、1-シナポイル-2,2’-ジフェルロイルゲンチオビオース、1,2,2’-トリフェルロイルゲンチオビオース、8-O-4’-デヒドロジフェルラ酸、5-8’-ベンゾフランデヒドロジフェルラ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジフェルロイルキナ酸、3,5-ジフェルロイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸、アベナンスラミド2p、アベナンスラミド2c、アベナンスラミド2f、p-クマロイルリンゴ酸、p-クマロイルグリコール酸、ケイ皮酸、カフェオイルアスパラギン酸、p-クマロイルチロシン、シナピン、アベナンスラミドK、24-メチルコレスタノールフェルレート、24-メチルコレステロールフェルレート、24-メチルラトステロールフェルレート、スチグマスタノールフェルレート、シトステロールフェルレート、スコッテノールフェルレート、24-メチレンコレスタノールフェルレート、3-O-メチルロスマリン酸、フェルロイルグリシン、イソフェルラ酸3-O-グルクロニド、イソフェルラ酸3-サルフェート、フェルラ酸4-サルフェート、フェルラ酸4-O-グルクロニド、コーヒー酸4-サルフェート、コーヒー酸3-サルフェート、フェルロイルC1-グルクロニド、イソフェルロイルC1-グルクロニド、コーヒー酸3-O-グルクロニド、コーヒー酸4-O-グルクロニド、カフェオイルC1-グルクロニド、1,5-ジフェルロイルキナ酸、1-カフェオイル-5-フェルロイルキナ酸、及び1-フェルロイル-5-カフェオイルキナ酸が挙げられる。
【0059】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、ヒドロキシフェニル酢酸を含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総ヒドロキシフェニル酢酸を含む(すなわち、ヒドロキシフェニル酢酸は一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のヒドロキシフェニル酢酸を含む。「ヒドロキシフェニル酢酸」は、フェニル酢酸のヒドロキシル誘導体を含み得る。例示的なヒドロキシフェニル酢酸としては、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸、4-ヒドロキシフェニル酢酸、ホモバニリン酸、ホモベラトルム酸、メトキシフェニル酢酸、3-ヒドロキシフェニル酢酸、2-ヒドロキシフェニル酢酸、フェナセチルグリシン、フェニル酢酸、4-ヒドロキシマンデル酸、2-ヒドロキシ-2-フェニル酢酸、及びホモバニリン酸4-サルフェートが挙げられる。
【0060】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、ヒドロキシフェニルプロパン酸を含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総ヒドロキシフェニルプロパン酸を含む(すなわち、ヒドロキシフェニルプロパン酸は一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のヒドロキシフェニルプロパン酸を含む。「ヒドロキシフェニルプロパン酸」は、フェニルプロパン酸のヒドロキシル誘導体を含み得る。例示的なヒドロキシフェニルプロパン酸としては、ジヒドロ-p-クマル酸、ジヒドロコーヒー酸、3-ヒドロキシ-3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-メトキシプロピオン酸、3-ヒドロキシフェニルプロピオン酸、ジヒドロフェルラ酸4-サルフェート、ジヒドロコーヒー酸3-O-グルクロニド、ジヒドロコーヒー酸3-サルフェート、ジヒドロフェルラ酸、ジヒドロフェルラ酸4-O-グルクロニド、ジヒドロシナピン酸、ジヒドロフェルロイルグリシン、ダンシェンス、3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル乳酸、3,4-ジヒドロキシフェニル乳酸メチルエステル、ヒドロキシダンシェンス、3-フェニルプロピオン酸、3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル乳酸、及び4-ヒドロキシフェニル-2-プロピオン酸が挙げられる。
【0061】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、ヒドロキシフェニルペンタン酸を含む。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総ヒドロキシフェニルペンタン酸を含む(すなわち、ヒドロキシフェニルペンタン酸は一緒にグループ化され、ポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、1つ以上のヒドロキシフェニルペンタン酸を含む。「ヒドロキシフェニルペンタン酸」は、フェニルペンタン酸のヒドロキシル誘導体を含み得る。例示的なヒドロキシフェニルペンタン酸としては、5-(3’-メトキシ-4’-ヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトン、4-ヒドロキシ-(3’,4’-ジヒドロキシフェニル)吉草酸、5-(3’,4’-ジヒドロキシフェニル)-吉草酸、5-(3’,4’-ジヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトン、5-(3’,4’,5’-トリヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトン、5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトン、3-ヒドロキシフェニル吉草酸、及び5-(3’,5’-ジヒドロキシフェニル)-γ-バレロラクトン3-O-グルクロニドが挙げられる。

他のポリフェノール
【0062】
様々なタイプのフェノールは、任意の他のクラスのポリフェノールを含み得る。他のクラスとしては、アルキルメトキシフェノール、アルキルフェノール、クルクミノイド、フラノクマリン、ヒドロキシベンズアルデヒド、ヒドロキシベンゾケトン、ヒドロキシシンナムアルデヒド、ヒドロキシクマリン、ヒドロキシフェニルプロペン、メトキシフェノール、ナフトキノン、フェノールテルペン、及びチロソールが挙げられる。いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、総アルキルメトキシフェノール、総アルキルフェノール、総クルクミノイド、総フラノクマリン、総ヒドロキシベンズアルデヒド、総ヒドロキシベンゾケトン、総ヒドロキシシンナムアルデヒド、総ヒドロキシクマリン、総ヒドロキシフェニルプロペン、総メトキシフェノール、総ナフトキノン、総フェノールテルペン、及び総チロソールのうちの1つ以上を含む(すなわち、アルキルメトキシフェノール、アルキルフェノール、クルクミノイド、フラノクマリン、ヒドロキシベンズアルデヒド、ヒドロキシベンゾケトン、ヒドロキシシンナムアルデヒド、ヒドロキシクマリン、ヒドロキシフェニルプロペン、メトキシフェノール、ナフトキノン、フェノールテルペン、及び/又はチロソールの各々は、別々に一緒にグループ化され、各々がポリフェノールの1つの「タイプ」として分類される)。
【0063】
様々なタイプのフェノールは、任意の他のポリフェノールを含み得る。他のポリフェノールとしては、4-ビニルグアイアコール、4-エチルグアイアコール、4-ビニルシリンゴール、5-ヘンエイコセニルレゾルシノール、5-ヘンエイコシルレゾルシノール、5-ヘプタデシルレゾルシノール、5-ノナデセニルレゾルシノール、5-ノナデシルレゾルシノール、5-ペンタコセニルレゾルシノール、5-ペンタコシルレゾルシノール、5-ペンタデシルレゾルシノール、5-トリコセニルレゾルシノール、5-トリコシルレゾルシノール、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、4-エチルカテコール、4-ビニルフェノール、4-エチルフェノール、クルクミン、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、ベルガプテン、プソラレン、キサントトキシン、イソピムピネリン、シリングアルデヒド、プロトカテクアルデヒド、バニリン、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、ガリアルデヒド、p-アニスアルデヒド、バニリン4-サルフェート、3-メトキシアセトフェノン、2,3-ジヒドロキシ-1-グアイアシルプロパノン、ペオノール、2,4-ジヒドロキシアセトフェノン5-サルフェート、2-ヒドロキシ-4-メトキシアセトフェノン5-サルフェート、レスアセトフェノン、ノラチリオール、フェルルアルデヒド(Ferulaldehyde)、シナプアルデヒド、クマリン、メレイン、スコポレチン、エスクレチン、エスクリン、ウンベリフェロン、4-ヒドロキシクマリン、ウロリチンA 3,8-O-ジグルクロニド、ウロリチンA、ウロリチンB、ウロリチンB 3-O-グルクロニド、ウロリチンC、2-メトキシ-5-プロプ-1-エニルフェノール、アネトール、オイゲノール、アセチルオイゲノール、[6]-ギンゲロール、エストラゴール、グアイアコール、ジュグロン、1,4-ナフトキノン、カルノシン酸、ロスマノール、カルノソール、エピロスマノール、ロスマジアール、チモール、カルバクロール、チロソール、ヒドロキシチロソール、3,4-DHPEA-AC、p-HPEA-AC、オレウロペイン、デメチルオレウロペイン、3,4-DHPEA-EA、リグストロシド、3,4-DHPEA-EDA、ヒドロキシチロソール4-O-グルコシド、オレオシドジメチルエステル、オレオシド11-メチルエステル、p-HPEA-EDA、p-HPEA-EA、オレウロペイン-アグリコン、リグストロシド-アグリコン、チロソール4-サルフェート、クメストロール、カテコール、ピロガロール、フロリン、フェノール、アルブチン、3,4-ジヒドロキシフェニルグリコール、リトスペルミン酸、サルビアノール酸B、サルビアノール酸C、サルビアノール酸D、サルビアノール酸G、及びイソプロピル3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシプロパノエートが挙げられる。
【0064】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、(-)-エピカテキン、(-)-エピカテキン3-ガレート、(-)-エピガロカテキン、(-)-エピガロカテキン3-ガレート、(+)-カテキン、(+)-ガロカテキン、アピゲニン、シアニジン、ダイゼイン、デルフィニジン、エリオジクチオール、ゲニステイン、グリシテイン、ヘスペレチン、イソラムネチン、ケンペロール、ルテオリン、マルビジン、ミリセチン、ナリンゲニン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペツニジン、ケルセチン、テアフラビン、テアフラビン-3-ガレート、テアフラビン-3,3’-ジガレート、テアフラビン-3’-ガレート、及びテアルビジンのうちの1つ以上を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、様々なタイプのポリフェノールは、(-)-エピカテキン、(-)-エピカテキン3-ガレート、(-)-エピガロカテキン、(-)-エピガロカテキン3-ガレート、(+)-カテキン、(+)-ガロカテキン、アピゲニン、シアニジン、ダイゼイン、デルフィニジン、エリオジクチオール、ゲニステイン、グリシテイン、ヘスペレチン、イソラムネチン、ケンペロール、ルテオリン、マルビジン、ミリセチン、ナリンゲニン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペツニジン、ケルセチン、テアフラビン、テアフラビン-3-ガレート、テアフラビン-3,3’-ジガレート、テアフラビン-3’-ガレート、テアルビジン、総アントシアニジン、総カテキン、総フラバン-3-オール、総フラバノン、総フラボン、総フラボノイド、総フラボノール、及び総イソフラボンのうちの1つ以上を含む。

ポリフェノール含有量
【0066】
多くの一般的な食物では、ポリフェノール含有量が特定されている。フェノールエクスプローラは、食物中のポリフェノール含有量に関するオンラインの包括的データベースであり、食物のポリフェノール含有量を分析するために使用することができる(Perez-Jimenez,J.,et al.,2010.Journal of agricultural and food chemistry,58(8),pp.4959-4969;及びPerez-Jimenez,J.,et al.,2010.European journal of clinical nutrition,64(3),pp.S112-S120)。フェノールエクスプローラは、アルコール飲料、シリアル及びシリアル製品、コーヒー及びココア、果実及び果実製品、ノンアルコール飲料、油、調味料、種子、並びに野菜を含む400を超える様々な食物についてのポリフェノール数を提供する。
【0067】
食物のポリフェノール含有量を特定するための日常的な方法は、例えば、Naczk,M.and Shahidi,F.,2004.Journal of chromatography A,1054(1-2),pp.95-111;Ignat,I.,et al.,2011.Food chemistry,126(4),pp.1821-1835;Kalili,K.M.and de Villiers,A.,2011.Journal of separation science,34(8),pp.854-876;及びLopez-Fernandez,O.,et al.,2020.Antioxidants,9(6),p.479に記載されているように、当該技術分野において公知である。好適な分析技術の例としては、タンデム質量分析に連結された液体クロマトグラフィー(LC-MS/MS)及びダイオードアレイ検出器を備えた液体クロマトグラフィー(LC DAD)が挙げられる。

ポリフェノール多様性指数
【0068】
食品製品、食事、若しくはダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を特定する別の方法として、又はそれに加えて、本発明の方法は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性を特定することを含み得る。
【0069】
一態様では、本発明は、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を特定する方法であって、方法が、食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性を特定することを含む、方法を提供する。方法は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を特定することを更に含み得る。
【0070】
食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性は、任意の好適な方法によって特定され得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を使用して特定される。
【0072】
いくつかの実施形態では、食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの各々の量を使用して特定される。
【0073】
いくつかの実施形態では、食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの化学構造の類似性を使用して特定される。
【0074】
いくつかの実施形態では、食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計、及び食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの各々の量を使用して特定される。
【0075】
いくつかの実施形態では、食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計、及び食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの化学構造の類似性を使用して特定される。
【0076】
いくつかの実施形態では、食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの各々の量、及び食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの化学構造の類似性を使用して特定される。
【0077】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、食品製品、食事、又はダイエットのポリフェノール豊富度を特定することを含む。「ポリフェノール豊富度」は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を指し得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、食品製品、食事、又はダイエットのポリフェノール均衡度を特定することを含む。「ポリフェノール均衡度」は、食品製品、食事、又はダイエット中の各ポリフェノールの含有量がどれだけ似通っているかを指し得る。ポリフェノール均衡度は、当業者に公知の任意の好適な統計的方法によって(例えば、Pielouの均衡度指数(Pielou’s evenness index)を使用して)特定することができる。食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの各々の量は、ポリフェノール均衡度を特定するために使用され得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、食品製品、食事、又はダイエットについてのポリフェノール多様性指数を特定することを含む。「ポリフェノール多様性指数」は、食品製品、食事、又はダイエット中に様々なタイプのポリフェノールがどれだけ存在するかを反映し、同時に、豊富度、均衡度、又は化学構造の類似性などのタイプ間の関係を考慮に入れることができる定量的尺度を指し得る。ポリフェノール多様性指数は、当業者に公知の任意の好適な統計的方法によって特定され得る(例えば、Morris,E.K.,et al.,2014.Ecology and evolution,4(18),pp.3514-3524を参照されたい)。例えば、ポリフェノール多様性指数は、ポリフェノール均衡度を説明する非系統学的尺度(例えば、Shannon指数)を使用して計算することができる。ポリフェノール多様性指数は、化学構造の類似性を説明する系統学的尺度(例えば、FaithのPD多様性)を使用して計算することができ、ポリフェノールは、それらの化学構造に従って、及びそれらが属するクラス(例えば、フラボノイド)及びサブクラス(例えば、フラバノール)に主に基づきツリー上にマッピングされ、又はポリフェノール多様性指数は、存在量で重み付けした系統学的尺度を使用して計算することができる(例えば、McCoy,C.O.and Matsen IV,F.A.,2013.PeerJ,1,p.e157を参照されたい)。食品製品、食事、若しくはダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの各々の量、及び/又は食品製品、食事、若しくはダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの化学構造の類似性を使用して、ポリフェノール多様性指数を特定してもよい。いくつかの実施形態では、ポリフェノール多様性指数は、Shannon指数又は系統学的指数(例えば、FaithのPD多様性)である。

微生物叢及びマイクロバイオーム
【0080】
本発明者らは、ダイエット中のポリフェノール摂取の多様性が腸内マイクロバイオームの多様性に関連することを示した。
【0081】
食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計が多いほど(ポリフェノール豊富度が大きいほど)、より多様な腸内微生物叢が提供され得る。加えて、また、ポリフェノール均衡度が高いほど、及び/又はポリフェノールの多様性が高いほど(例えば、ポリフェノール多様性指数が高いほど)、より多様な腸内微生物叢が提供され得る。
【0082】
「腸内微生物叢」は、消化管に生息する微生物(細菌、古細菌、及び真菌を含む)組成である。用語「腸内マイクロバイオーム」は、それらの構造要素(核酸、タンパク質、脂質、多糖類)と、代謝産物(シグナル伝達分子、毒素、有機分子及び無機分子)と、共存する宿主によって産生され且つ周囲の環境条件によって構造化された分子と、を含み得る、「腸内微生物叢」及びそれらの「活性の場(theatre of activity)」の両方を包含し得る(例えば、Berg,G.,et al.,2020.Microbiome,8(1),pp.1-22)。したがって、本発明では、用語「腸内マイクロバイオーム」は、「腸内微生物叢」という用語と互換的に使用され得る。

腸内微生物叢多様性
【0083】
対象の「腸内微生物叢多様性」は、対象の腸内マイクロバイオーム及び/又は糞便中に存在する様々な分類群の数(例えば、「豊富度」)を指し得る。腸内微生物叢多様性はまた、対象の腸内マイクロバイオーム及び/又は糞便の「均衡度」を指し得、すなわち、各分類群の存在量又は相対存在量を考慮に入れる。
【0084】
α多様性は、単一試料(糞便試料など)の多様性であり得、様々な分類群の数及びそれらの相対存在量を考慮に入れることができる。α多様性は、豊富度指数、系統学的多様性指数、又はShannon指数を使用して特定することができる。これらの指数は、例えば、R package Phyloseq(McMurdie and Holmes,2013,PLoS One,8,Article e61217)を使用するなど、当該技術分野で日常的な方法を使用して特定することができる。α多様性指数は、16rRNA配列決定データ及び/又は全ゲノムショットガンメタゲノミクス配列決定に基づいて計算され得る。
【0085】
β多様性は、Whittaker指数(例えば、Jaccard又はSorensen)、Min-Max指数(例えば、Simpson、β-2又はβ-3)、Cody指数、又はAbundance指数(例えば、Bray-Curtis又はBDTOTAL)を使用して特定することができる。これらの指数は、例えば、R package Phyloseq(McMurdie and Holmes,2013,PLoS One,8,Article e61217)を使用するなど、当該技術分野で日常的な方法を使用して特定することができる。β多様性指数は、16rRNA配列決定データ及び/又は全ゲノムショットガンメタゲノミクス配列決定に基づいて計算され得る。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態では、より多様な腸内微生物叢は、より高いα多様性を有し、好ましくは、α多様性は、豊富度指数、系統学的多様性指数(例えば、FaithのPD指数)、又はShannon指数を使用して特定される。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態では、より高いダイエット指数は、より多様な腸内微生物叢を提供し、好ましくは、より多様な腸内微生物叢は、より高いα多様性を有し、より好ましくは、α多様性は、豊富度指数、系統学的多様性指数(例えば、FaithのPD指数)、又はShannon指数を使用して特定される。
腸内微生物叢データ
【0088】
対象の腸内微生物叢データは、任意の好適なサンプリング方法によって取得され得る、又は取得可能であり得る。例えば、腸内微生物叢データは、Tang,Q.,et al.,2020,Frontiers in cellular and infection microbiology,10,p.151に記載されている任意の方法によって取得され得る、又は取得可能であり得る。
【0089】
腸内微生物叢データは、糞便試料、内視鏡試料(例えば、生検試料、内腔ブラッシング試料(luminal brush samples)、レーザーキャプチャーマイクロダイセクション試料)、吸引腸液試料、手術試料から、又はin vivoモデル若しくはインテリジェントカプセルによって取得され得る、又は取得可能であり得る(例えば、Tang,Q.,et al.,2020,Frontiers in cellular and infection microbiology,10,p.151を参照されたい)。
【0090】
好適には、腸内微生物叢データは、糞便試料から取得され得る、又は取得可能であり得る。糞便試料は、自然に収集され、非侵襲性であり、繰り返しサンプリングすることができる。防腐剤なしで微生物の完全性を維持することができる-80℃で瞬時に凍結された糞便材料は、腸内微生物叢プロファイリングのゴールドスタンダードとして広く認められてきたが、防腐剤あり又はなしの他の保存方法もまた、新鮮な試料のものと同様の微生物叢組成を達成するために利用することができる。
【0091】
腸内微生物叢データは、任意の好適な検出方法によって試料から取得され得る、又は取得可能であり得る。例えば、腸内微生物叢データは、配列決定法(例えば、次世代配列決定(NGS)法)、PCRベースの方法、半定量的検出法(例えば、SwissDeCodeから)、循環温度キャピラリー電気泳動(例えば、REM分析から)、細胞ベースの方法、免疫学ベースの方法、又はそれらの任意の組み合わせによって取得され得る、又は取得可能であり得る。好ましくは、腸内微生物叢データは、PCRベースの方法、半定量的検出法(例えば、SwissDeCodeから)、循環温度キャピラリー電気泳動(例えば、REM分析から)、若しくは免疫学ベースの方法、又はそれらの任意の組み合わせによって取得される、又は取得可能である。
【0092】
いくつかの実施形態では、腸内微生物叢データは、配列決定法(例えば、次世代配列決定(NGS)法)によって取得される、又は取得可能である。NGSは、試料中に存在する全ての微生物のゲノムDNAのプロファイリングを可能にする。NGS法は、例えば、Poussin,C.,et al.,2018.Drug Discovery Today,23(9),pp.1644-1657に記載されるように、ターゲットシーケンシング(例えば、16SリボソームRNA配列決定)及び/又はショットガン配列決定によるアプローチを含み得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、腸内微生物叢データは、PCRベースの方法によって取得される、又は取得可能である。例えば、腸内微生物叢データは、PCR、マルチプレックスPCR(mPCR)、及び/又は定量PCR(qPCR)によって取得され得る、又は取得可能であり得る。好適には、腸内微生物叢データは、例えば、Jian,C.,et al.,2020.PLoS One,15(1),p.e0227285に記載されているように、qPCRによって取得され得る、又は取得可能であり得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、腸内微生物叢データは、半定量的検出方法によって取得される、又は取得可能である。例えば、腸内微生物叢データは、例えば、Fraher,M.H.,et al.,2012.Nature reviews Gastroenterology & hepatology,9(6),p.312に記載されているように、培養法、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)、末端制限酵素切断断片長多型(T-RFLP)、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)、及び/又はDNAマイクロアレイによって取得され得る、又は取得可能であり得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、腸内微生物叢データは、例えば、Refinetti,P.,et al.,2016.Mitochondrion,29,pp.65-74に記載されているように、循環温度キャピラリー電気泳動によって取得される、又は取得可能である。
【0096】
いくつかの実施形態では、腸内微生物叢データは、免疫学ベースの方法によって取得され得る、又は取得可能であり得る。免疫学ベースの方法は、特定の抗体がその特異的抗原に結合することができる、かつポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体を使用することができる、抗体-抗原相互作用に基づくことができる。酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)及びラテラルフローイムノアッセイは、例えば、Law,J.W.F.,et al.,2015.Frontiers in microbiology,5,p.770.に記載されているように、使用することができる免疫学ベースの方法の中の1つである。例示的な方法は、Amrouche,T.,et al.,2006.Journal of microbiological methods,65(1),pp.159-170;及びQian,H.,et al.,2008.Applied and environmental microbiology,74(3),pp.833-839に記載されている。
【0097】
いくつかの実施形態では、腸内微生物叢データは、細胞ベースの方法によって取得される、又は取得可能である。例えば、腸内微生物叢データは、例えばGalazzo,G.,et al.,2020.Frontiers in cellular and infection microbiology,10,p.403に記載されているように、フローサイトメトリーを使用して微生物細胞を計数することによって取得され得る、又は取得可能であり得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、腸内微生物叢データは、例えば、Allaband,C.,et al.,2019.Clinical Gastroenterology and Hepatology,17(2),pp.218-230に記載されるように、本明細書に記載される1つ以上の方法の組み合わせによって取得される、又は取得可能である。
【0099】
腸内微生物叢データは、複数の微生物分類群の相対存在量及び/又は絶対存在量を提供し得る。好適には、腸内微生物叢データは、複数の微生物分類群の相対存在量を提供する。
【0100】
微生物分類群は、好適な分類に従って分類することができる(例えば、Pitt,T.L.and Barer,M.R.,2012.Medical Microbiology,p.24を参照されたい)。微生物分類群は、分類学的に分類されてもよく、及び/又は機能的に分類されてもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、微生物分類群は分類学的に分類される。微生物分類学は、微生物の階級に基づく分類を指す。Carl Linnaeusによって確立された科学的分類では、各々の種は属に割り当てられ、属は、複数の階級からなる階層(科、亜目、目、亜綱、綱、門(division)/門(phyla)、界及びドメイン)の下位レベルになる。これまでに正確に記載されている原核生物分類群は、例えばBergey’s manual of Systematic Bacteriologyに概説されている。
【0102】
好適には、微生物の比率における微生物分類群は、門、綱、目、科、属、及び/又は種によって分類学的に分類される。好適には、微生物の比率における微生物分類群は、門、属、及び/又は種によって分類学的に分類される。好適には、微生物の比率における微生物分類群は、属及び/又は種によって分類学的に分類される。いくつかの実施形態では、微生物の比率における微生物分類群は、属によって分類学的に分類される。いくつかの実施形態では、微生物の比率における微生物分類群は、種によって分類学的に分類される。
【0103】
いくつかの実施形態では、微生物分類群は機能的に分類される。例えば、微生物分類群は、1つ以上の表現型分類システム(例えば、グラム染色、形態、増殖要件、生化学反応、血清学的システム、環境リザーバーなど)によって分類され得る。いくつかの実施形態では、微生物分類群は、生物学的経路若しくは代謝経路、タンパク質ドメイン若しくはファミリー、機能モジュール、複合糖質代謝、抗菌剤耐性(antibiotic resistance)、病原性因子、抗生物質の標的(bacterial drug target)及び内毒素、可動性遺伝因子、並びに/又は任意の他の機能特性、例えば、Kultima,J.R.,et al.,2016.Bioinformatics,32(16),pp.2520-2523 及びOverbeek,R.,et al.,2014.Nucleic acids research,42(D1),pp.D206-D214に記載されているものに従って分類される。
【0104】
好適には、微生物分類群は細菌分類群である。

食品製品、食事、又はダイエット
【0105】
「食品製品」は、対象によって摂取される単一の食品を含み得る。「食事」は、対象によって1回の食事で摂取される全ての食品製品を含み得る。対象の「ダイエット」は、対象によって摂取される全ての食品製品を含み得る。
【0106】
対象のダイエットは、複数の食物群を提供し得る。「食物群」という用語は、同様の栄養特性又は生物学的分類を共有する食物の集合を指す。栄養ガイドは、典型的には、食物を食物群に分け、健康的なダイエットのために各群の1日当たりの摂取量を勧告する。例示的な食物群としては、果物類、野菜類、豆類、堅果類、又は種子類、肉類、デンプン又は穀物類、乳製品、並びに油及び脂肪が挙げられる。
【0107】
対象のダイエットはまた、複数の食物タイプを提供し得る。「食物タイプ」という用語は、より類似した栄養特性又は生物学的分類を共有する同じ食物群からの食物の集合を指し得る。各食物群は、複数の食物タイプに更にグループ化されてもよい。果物の食物群の例示的な食物タイプとしては、リンゴ、バナナ、柑橘類、ベリー類、他の果物類(例えば、ナシ、モモ、パイナップル)、及びドライフルーツを挙げることができる。好適な食物群及び食物タイプは、当該技術分野で公知の任意の好適な方法によって容易に特定することができる。例えば、好適な食物群及び食物タイプは、公開されている観察に基づき得る(例えば、Dwyer JT.The Journal of Nutrition.2018;148(suppl 3):1575S-80S又はフェノールエクスプローラ)。

対象
【0108】
対象は任意の年齢であってよい。例えば、対象は小児又は成人であってよい。用語「小児」は、18歳未満の対象を指し得る。用語「成人」は、18歳以上の対象を指し得る。いくつかの実施形態では、対象は小児である。いくつかの実施形態では、対象は成人である。
【0109】
いくつかの実施形態では、対象は乳児、幼児、又は低年齢の小児である。「乳児」という用語は、約0歳~約1歳の対象を指し得る。「幼児」という用語は、約1歳~約3歳の対象を指し得る。「低年齢の小児」という用語は、約3歳~約5歳の対象を指し得る。いくつかの実施形態では、乳児、幼児、又は低年齢の小児は、早産の乳児、幼児、又は低年齢の小児である。「早産(preterm)」又は「早産(premature)」の、幼児又は低年齢の小児は、満期出生ではない(例えば、妊娠36週前に生まれた)乳児、幼児、又は低年齢の小児を意味する。

ダイエット指数
【0110】
本発明の方法は、ダイエット指数を特定することを含み得る。ダイエット指数は、本明細書に記載される任意のダイエット指数であり得る。
【0111】
一態様では、本発明は、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するためのダイエット指数を提供する。ダイエット指数はポリフェノールダイエット指数であり得る。かかるダイエット指数は、本明細書に記載される任意の方法によって特定され得る。
【0112】
「ダイエット指数」は、食品製品、食事、又はダイエットについての特性の集約尺度を提供する。「ポリフェノールダイエット指数」は、食品製品、食事、又はダイエット中のポリフェノールの集約尺度を提供する。本発明によるポリフェノールダイエット指数は、少なくとも部分的に、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計に基づく。
【0113】
したがって、本発明は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を使用してダイエット指数を特定することを更に含み得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、ダイエット指数は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を含む、又は合計からなる。
【0115】
いくつかの実施形態では、食品製品、食事、若しくはダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの各々の量、及び/又は食品製品、食事、若しくはダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの化学構造の類似性。
【0116】
いくつかの実施形態では、ダイエット指数は、食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性を使用して特定される。
【0117】
いくつかの実施形態では、ダイエット指数は、ポリフェノール豊富度、ポリフェノール均衡度、及び/又はポリフェノール多様性指数を使用して特定される。
【0118】
いくつかの実施形態では、ダイエット指数は、ポリフェノール多様性指数を含む、又はポリフェノール多様性指数からなる。
【0119】
好適には、より高いダイエット指数は、より多様な腸内微生物叢を提供し得る。
【0120】
一態様では、本発明は、ダイエット指数を提供する方法を提供する。ダイエット指数は、本明細書に記載される任意の方法によって特定され得る。ダイエット指数は、本明細書に記載される任意のダイエット指数であり得る。

食品製品、食事、又はダイエットを調整する方法
【0121】
一態様では、本発明は、食品製品、食事、又はダイエットを調整する方法を提供する。
【0122】
食品製品、食事、又はダイエットを調整する方法は、本発明による方法を使用して、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を特定することを含み得る。例えば、方法は、食品製品、食事、又はダイエットについてのポリフェノール豊富度、ポリフェノール均衡度、及び/又はポリフェノール多様性指数を特定することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、食品製品、食事、又はダイエットについての本発明によるダイエット指数を特定することを含む。
【0123】
方法は、食品製品、食事、又はダイエットを調整して、対象の腸内微生物叢多様性に対する効果が改善されている調整食品製品、調整食事、又は調整ダイエットを提供することを含み得る。食品製品、食事、又はダイエットは、当該技術分野で公知の任意の方法によって、より多様なポリフェノールを提供するように調整され得る。例えば、食品製品、食事、又はダイエットは、当業者に公知の任意の方法を使用してフェノール化合物で強化され得る(例えば、McDougall,G.J.,2017.Proceedings of the Nutrition Society,76(2),pp.163-171を参照されたい)。ポリフェノール強化食品を提供する方法は、当該技術分野において公知である(例えば、Sridhar,K.and Charles,A.L.,2021.International Journal of Food Science & Technology,56(8),pp.3742-3751;及びRoopchand,D.E.,et al.,2012.Food Chemistry,131(4),pp.1193-1200を参照されたい)。
【0124】
いくつかの実施形態では、調整食品製品、調整食事、又は調整ダイエットは、調整されていない食品製品、調整されていない食事、又は調整されていないダイエットよりも多くの様々なタイプのポリフェノールを提供する。
【0125】
いくつかの実施形態では、調整食品製品、調整食事、又は調整ダイエットは、調整されていない食品製品、調整されていない食事、又は調整されていないダイエットよりも大きいポリフェノール豊富度、高いポリフェノール均衡度、及び/又はポリフェノール多様性指数を有する。
【0126】
いくつかの実施形態では、調整食品製品、調整食事、又は調整ダイエットは、調整されていない食品製品、調整されていない食事、又は調整されていないダイエットよりも高いポリフェノール多様性指数を有する。
【0127】
いくつかの実施形態では、調整食品製品、調整食事、又は調整ダイエットは、調整されていない食品製品、調整されていない食事、又は調整されていないダイエットよりも改善されたダイエット指数を有する。

腸内微生物叢多様性を維持又は改善する方法
【0128】
一態様では、本発明は、腸内微生物叢多様性を維持又は改善する方法を提供する。
【0129】
腸内微生物叢多様性を維持又は改善する方法は、本発明による方法を使用して、対象の腸内微生物叢に対する対象の現在のダイエットの効果を特定することを含み得る。例えば、方法は、対象の現在のダイエットについてポリフェノール豊富度、ポリフェノール均衡度、及び/又はポリフェノール多様性指数を特定することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、対象の現在のダイエットについて本発明によるダイエット指数を特定することを含む。
【0130】
方法は、対象の現在のダイエットを調整して、対象の腸内微生物叢多様性に対する効果が改善された調整ダイエットを提供することを含み得る。ダイエットは、当該技術分野で公知の任意の方法によって、より多様なポリフェノールを提供するように調整され得る。
【0131】
一態様では、本発明は、腸内微生物叢多様性を維持又は改善する方法であって、方法が
(a)本発明による方法を使用して、対象の腸内微生物叢に対する対象の現在のダイエットの効果を特定することと、
(b)対象の現在のダイエットを調整して、対象の腸内微生物叢多様性に対する効果が改善されている調整ダイエットを提供することと、
を含む、方法を提供する。
【0132】
一態様では、本発明は、腸内微生物叢多様性を維持又は改善する方法であって、方法が
(a)対象の現在のダイエットについて、本発明に従ってダイエット指数を特定することと、
(b)対象の現在のダイエットを調整して、改善されたダイエット指数を有する調整ダイエットを提供することと、
を含む、方法を提供する。
【0133】
いくつかの実施形態では、調整ダイエットは、対象の現在のダイエットよりも多くの様々なタイプのポリフェノールを提供する。
【0134】
いくつかの実施形態では、調整ダイエットは、対象の現在のダイエットよりも大きいポリフェノール豊富度、高いポリフェノール均衡度、及び/又はポリフェノール多様性指数を有する。
【0135】
いくつかの実施形態では、調整ダイエットは、対象の現在のダイエットよりも高いポリフェノール多様性指数を有する。
【0136】
いくつかの実施形態では、調整ダイエットは、対象の現在のダイエットと比較して改善されたダイエット指数を有する。

腸内微生物叢多様性の維持又は改善
【0137】
腸内微生物叢多様性を維持することは、腸内微生物叢多様性が有意に低減されないことを指し得る。腸内微生物叢多様性を改善することは、腸内微生物叢多様性を増加させることを指し得る。
【0138】
改善された腸内微生物叢多様性は、例えば、豊富度指数、系統学的多様性指数(例えば、FaithのPD)、又はShannon指数などのα多様性指数によって特定される、より「豊富な」及び/又は「均一な」腸内微生物叢を指し得る。
【0139】
好適には、対象のダイエットを調整した後、対象は、より多様な腸内微生物叢を有し得る。
【0140】
腸内微生物叢多様性を改善することは、腸内マイクロバイオームの機能を改善し得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、ダイエットを調整した後、対象は、適切な腸成熟状態、適切な腸進展状態(progression state)、及び/又は適切な腸遷移状態にあり得る。「適切な腸成熟状態」は、対象の腸内微生物叢が正常又は適切に成熟していることを意味し得る。「適切な腸進展状態」は、対象の腸内微生物叢が適時に進展又は発達(evolving)していることを意味し得る。「適切な腸遷移状態」は、対象の腸内微生物叢が適時に遷移していることを意味し得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、ダイエットを調整した後、対象は、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、アレルギー、糖尿病、がん、喘息、及び肥満などの腸内マイクロバイオームに関連する疾患、障害、又は病態に罹患するリスクが低下し得る。いくつかの実施形態では、ダイエットを調整した後、対象は、心血管疾患、便秘、大腸憩室症、食道がん、胃がん、結腸直腸腺腫及び結腸直腸がん、乳がん、子宮内膜がん、前立腺がん、膵臓がん、卵巣がん又は腎臓がんなどの繊維摂取に関連する疾患、障害、又は病態に罹患するリスクが低下し得る。
【0143】
いくつかの実施形態では、ダイエットを調整した後、対象は、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、アレルギー、糖尿病、がん、喘息、及び肥満などの腸内マイクロバイオームに関連する疾患、障害、又は病態の症状の軽減を経験し得る。いくつかの実施形態では、ダイエットを調整した後、対象は、心血管疾患、便秘、大腸憩室症、食道がん、胃がん、結腸直腸腺腫及び結腸直腸がん、乳がん、子宮内膜がん、前立腺がん、膵臓がん、卵巣がん又は腎臓がんなどの繊維摂取に関連する疾患、障害、又は病態の症状の軽減を経験し得る。

使用
【0144】
本発明者らは、食品製品、食事、又はダイエット中のポリフェノールの多様性が、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するために使用され得ることを示した。
【0145】
一態様では、本発明は、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するための、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計の使用を提供する。
【0146】
別の態様では、本発明は、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するための、ポリフェノール豊富度、ポリフェノール均衡度、及び/又はポリフェノール多様性指数の使用を提供する。
【0147】
別の態様では、本発明は、対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するための、本発明によるダイエット指数の使用を提供する。
【0148】
本発明の使用は、本明細書に記載される方法に含まれる任意のステップを含み得る。

コンピュータプログラム及びコンピュータ可読媒体
【0149】
本明細書に記載の方法は、コンピュータに実装された方法であってもよい。
【0150】
一態様では、本発明は、本発明の方法を実行するための手段を含む、データ処理システムを提供する。
【0151】
一態様では、本発明は、本発明の方法を実行するように構成されたプロセッサを含む、データ処理装置を提供する。
【0152】
一態様では、本発明は、コンピュータプログラムであって、プログラムがコンピュータによって実行されるときに、コンピュータに本発明の方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラムを提供する。
【0153】
一態様では、本発明は、コンピュータ可読媒体であって、コンピュータによって実行されるときに、コンピュータに本発明の方法を実行させる命令を含む、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0154】
一態様では、本発明は、本発明のコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータが読み取り可能なデータキャリアを提供する。
【0155】
一態様では、本発明は、本発明のコンピュータプログラムを搬送するデータキャリア信号を提供する。
【0156】
本明細書に記載のシステムは、目的の食品製品、食事、又はダイエットに基づいてカスタマイズされるダッシュボード又は他の適切なユーザインターフェースをユーザに表示し得る。例えば、食品製品、食事、又はダイエット中のポリフェノールの多様性に基づいて、システムは、食品製品、食事、又はダイエットを調整するための推奨を提供し得る。

ダイエット指数の特定
【0157】
一態様では、本発明は、データ処理システムであって、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールを考慮して対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するためのダイエット指数を特定する手段を含む、データ処理システムを提供する。
【0158】
一態様では、本発明は、データ処理装置であって、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールを考慮して対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するためのダイエット指数を特定するように構成されたプロセッサを含む、データ処理装置を提供する。
【0159】
一態様では、本発明は、コンピュータプログラムであって、プログラムがコンピュータによって実行されるときに、コンピュータに、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールを考慮して対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するためのダイエット指数を特定させる命令を含む、コンピュータプログラムを提供する。
【0160】
別の態様では、本発明は、コンピュータ可読媒体であって、コンピュータによって実行されるときに、コンピュータに、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールを考慮して対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するためのダイエット指数を特定させる命令を含む、コンピュータ可読媒体を提供する。

食品製品、食事、又はダイエットの調整
【0161】
一態様では、本発明は、データ処理システムであって、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールを考慮して食品製品、食事、又はダイエットを調整するための手段を含む、データ処理システムを提供する。
【0162】
一態様では、本発明は、データ処理装置であって、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールを考慮して食品製品、食事、又はダイエットを調整するように構成されたプロセッサを含む、データ処理装置を提供する。
【0163】
一態様では、本発明は、コンピュータプログラムであって、プログラムがコンピュータによって実行されるときに、コンピュータに、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールを考慮して食品製品、食事、又はダイエットを調整させる命令を含む、コンピュータプログラムを提供する。
【0164】
別の態様では、本発明は、コンピュータ可読媒体であって、コンピュータによって実行されるときに、コンピュータに、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールを考慮して食品製品、食事、又はダイエットを調整させる命令を含む、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0165】
本発明の実施では、特に指示がない限り、当業者の能力の範囲内のものである、化学、生化学、分子生物学、微生物学、及び免疫学の従来技術を用いる。かかる技術は文献で説明されている。例えば、Sambrook,J.,Fritsch,E.F.and Maniatis,T.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press;Ausubel,F.M.et al.(1995 and periodic supplements)Current Protocols in Molecular Biology,Ch.9,13 and 16,John Wiley & Sons;Roe,B.,Crabtree,J.and Kahn,A.(1996)DNA Isolation and Sequencing:Essential Techniques,John Wiley & Sons;Polak,J.M.and McGee,J.O’D.(1990)In Situ Hybridization:Principles and Practice,Oxford University Press;Gait,M.J.(1984)Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach,IRL Press、並びに、Lilley,D.M.and Dahlberg,J.E.(1992)Methods in Enzymology:DNA Structures Part A:Synthesis and Physical Analysis of DNA,Academic Pressを参照されたい。
【実施例
【0166】
本発明の好ましい特徴及び実施形態を、非限定的な例によってこれより記述する。

実施例1-ダイエット由来ポリフェノール摂取の多様性は、腸内マイクロバイオームの多様性に関連する。

材料及び方法
【0167】
本発明者らは、公的に利用可能なアメリカン・ガット・プロジェクト(AGP)マイクロバイオーム及び1777人の参加者について収集されたダイエットデータを使用した。AGP参加者に配布された食物摂取頻度調査票(FFQ)に掲載のある259個の食物品目中の38種のポリフェノールの有無に基づいて、ポリフェノール多様性指数を構築した(表1)。ポリフェノールは、摂取された食物品目の少なくとも1つに存在する場合(USDAによる)、参加者のダイエットの一部とみなされた。ポリフェノール多様性指数は、参加者によって摂取された全ポリフェノールの合計として計算した。
【0168】
次に、本発明者らは、年齢、性別、BMI、及び季節について調整した線形混合効果モデルを使用して、ポリフェノール多様性指数と腸内マイクロバイオーム多様性(観察された分類群、Shannon及びFaith PD)との間の関連性を調査した。この調査では、腸内マイクロバイオーム指数は応答として、ポリフェノールは予測因子として位置づけた。結果に対する繊維の効果を評価するために、共変量として総繊維摂取量を含めて同じ分析を繰り返した。
【表1】


結果
【0169】
ポリフェノール多様性指数は、AGP集団において15~37の範囲であり、中央値は34であり、平均は33であった(図1)。
【0170】
本発明者らは、腸内マイクロバイオーム多様性とダイエット由来ポリフェノール多様性との間の有意な正の関連性を観察した。最も有意な結果は、観察される分類群の数に関して得られ(β=0.85;SE=0.22及びP=1.0x10-4)、Faith PD(β=0.08;SE=0.02及びP=2x10-4)及びShannon(β=0.016;SE=0.005及びP=2x10-3)がそれに続いた。加えて、本発明者らは、ポリフェノール多様性と酪酸産生菌のレベルとの間の正の関連を観察した(β=0.0015;SE=0.0006及びP=0.019)。
【0171】
ほとんどのポリフェノール含有食物は、腸内マイクロバイオームの組成に影響することが知られている繊維も豊富であるため、本発明者らは、次に、上記のモデルを総繊維摂取量について調整したところ、上記の結果における繊維の役割に疑問を抱いた。ポリフェノールとマイクロバイオーム多様性との間の全ての関連性は、有意なままであった(Shannon:β=0.014,SE=0.005,P=9.4x10-3;豊富度:β=0.76,SE=0.22,P=7.4x10-4;Faith:β=0.075,SE=0.022,P=5.6x10-4)。しかしながら、酪酸産生菌とポリフェノール多様性との間の関連性は有意ではなかった(P=0.13)。
【0172】
本発明の新たなポリフェノール多様性指数は、ダイエットにおけるポリフェノール摂取の多様性を捕捉するために使用することができ、腸内マイクロバイオーム多様性と関連する。このことは、食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノール多様性のレベルを捕捉するのに役立ち、消費者がポリフェノール摂取を改善し、腸内マイクロバイオーム多様性を高めるのに役立ち得る。

実施形態
【0173】
本発明の様々な好ましい特徴及び実施形態を、以下の番号付けしたパラグラフ(段落)を参照して説明する。
[段落1]
対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を特定する方法であって、前記方法が、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を特定することを含む、方法。
[段落2]
前記方法が、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの各々の量を特定することを更に含む、段落1に記載の方法。
[段落3]
前記方法が、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性を特定することを含み、好ましくは、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性が、ポリフェノール多様性指数を使用して特定される、段落1又は2に記載の方法。
[段落4]
前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計が多いほど、より多様な腸内微生物叢が提供される、段落1~3のいずれか一項に記載の方法。
[段落5]
対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を特定する方法であって、前記方法が、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性を特定することを含み、好ましくは、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性が、ポリフェノール多様性指数を使用して特定される、方法。
[段落6]
前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性が高いほど、より多様な腸内微生物叢が提供される、段落3~5のいずれか一項に記載の方法。
[段落7]
より多様な腸内微生物叢が、
(i)観察される微生物分類群がより多数である、及び/又は
(ii)多様性指数がより高く、好ましくは、当該多様性指数は、FaithのPD指数若しくはShannon指数などの系統学的多様性指数である、段落4~6のいずれか一項に記載の方法。
[段落8]
前記様々なタイプのポリフェノールが、フラボノイド、リグナン、スチルベン、及びフェノール酸を含む、段落1~7のいずれか一項に記載の方法。
[段落9]
前記様々なタイプのポリフェノールが、フラボノール、フラバノン、フラボン、フラバン-3-オール、アントシアニン/アントシアニジン、及びイソフラボンを含む、段落1~8のいずれか一項に記載の方法。
[段落10]
前記様々なタイプのポリフェノールが、フラボノール、フラバノン、フラボン、カテキン、テアフラビン、テアルビジン、アントシアニン/アントシアニジン、及びイソフラボンを含む、段落1~9のいずれか一項に記載の方法。
[段落11]
前記様々なタイプのポリフェノールが、(-)-エピカテキン、(-)-エピカテキン3-ガレート、(-)-エピガロカテキン、(-)-エピガロカテキン3-ガレート、(+)-カテキン、(+)-ガロカテキン、アピゲニン、シアニジン、ダイゼイン、デルフィニジン、エリオジクチオール、ゲニステイン、グリシテイン、ヘスペレチン、イソラムネチン、ケンペロール、ルテオリン、マルビジン、ミリセチン、ナリンゲニン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペツニジン、ケルセチン、テアフラビン、テアフラビン-3-ガレート、テアフラビン-3,3’-ジガレート、テアフラビン-3’-ガレート、及び総テアルビジンを含む、段落1~10のいずれか一項に記載の方法。
[段落12]
前記様々なタイプのポリフェノールが、(-)-エピカテキン、(-)-エピカテキン3-ガレート、(-)-エピガロカテキン、(-)-エピガロカテキン3-ガレート、(+)-カテキン、(+)-ガロカテキン、アピゲニン、シアニジン、ダイゼイン、デルフィニジン、エリオジクチオール、ゲニステイン、グリシテイン、ヘスペレチン、イソラムネチン、ケンペロール、ルテオリン、マルビジン、ミリセチン、ナリンゲニン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペツニジン、ケルセチン、テアフラビン、テアフラビン-3-ガレート、テアフラビン-3,3’-ジガレート、テアフラビン-3’-ガレート、総テアルビジン、総アントシアニジン、総カテキン、総フラバン-3-オール、総フラバノン、総フラボン、総フラボノイド、総フラボノール、及び総イソフラボンを含む、段落1~11のいずれか一項に記載の方法。
[段落13]
前記方法が、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を使用してダイエット指数を特定することを含む、段落1~12のいずれか一項に記載の方法。
[段落14]
前記方法が、前記食品製品、食事、若しくはダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの各々の量、及び/又は前記食品製品、食事、若しくはダイエット中に存在する前記様々なタイプのポリフェノールの化学構造の類似性を使用して、ダイエット指数を特定することを含む、段落1~13のいずれか一項に記載の方法。
[段落15]
前記方法が、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性を使用してダイエット指数を特定することを含み、好ましくは、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの前記多様性が、ポリフェノール多様性指数を使用して特定される、段落1~14のいずれか一項に記載の方法。
[段落16]
より高いダイエット指数が、より多様な腸内微生物叢を提供する、段落13~15のいずれか一項に記載の方法。
[段落17]
対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するためのダイエット指数であって、前記ダイエット指数が、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を使用して特定される、ダイエット指数。
[段落18]
前記ダイエット指数が、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を含む、又は合計からなる、段落17に記載のダイエット指数。
[段落19]
前記食品製品、食事、若しくはダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの各々の量、及び/又は前記食品製品、食事、若しくはダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの化学構造の類似性も使用して、ダイエット指数を特定する、段落17又は18に記載のダイエット指数。
[段落20]
前記ダイエット指数が、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性を使用して特定され、好ましくは、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在するポリフェノールの多様性が、ポリフェノール多様性指数を使用して特定される、段落16~19のいずれか一項に記載のダイエット指数。
[段落21]
前記ダイエット指数が、ポリフェノール多様性指数を含む、又はポリフェノール多様性指数からなる、段落16~20のいずれか一項に記載のダイエット指数。
[段落22]
前記様々なタイプのポリフェノールが、フラボノイド、リグナン、スチルベン、及びフェノール酸を含む、段落16~21のいずれか一項に記載のダイエット指数。
[段落23]
前記様々なタイプのポリフェノールが、フラボノール、フラバノン、フラボン、フラバン-3-オール、アントシアニン/アントシアニジン、及びイソフラボンを含む、段落16~22のいずれか一項に記載のダイエット指数。
[段落24]
前記様々なタイプのポリフェノールが、フラボノール、フラバノン、フラボン、カテキン、テアフラビン、テアルビジン、アントシアニン/アントシアニジン、及びイソフラボンを含む、段落16~23のいずれか一項に記載のダイエット指数。
[段落25]
前記様々なタイプのポリフェノールが、(-)-エピカテキン、(-)-エピカテキン3-ガレート、(-)-エピガロカテキン、(-)-エピガロカテキン3-ガレート、(+)-カテキン、(+)-ガロカテキン、アピゲニン、シアニジン、ダイゼイン、デルフィニジン、エリオジクチオール、ゲニステイン、グリシテイン、ヘスペレチン、イソラムネチン、ケンペロール、ルテオリン、マルビジン、ミリセチン、ナリンゲニン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペツニジン、ケルセチン、テアフラビン、テアフラビン-3-ガレート、テアフラビン-3,3’-ジガレート、テアフラビン-3’-ガレート、及び総テアルビジンを含む、段落16~24のいずれか一項に記載のダイエット指数。
[段落26]
前記様々なタイプのポリフェノールが、(-)-エピカテキン、(-)-エピカテキン3-ガレート、(-)-エピガロカテキン、(-)-エピガロカテキン3-ガレート、(+)-カテキン、(+)-ガロカテキン、アピゲニン、シアニジン、ダイゼイン、デルフィニジン、エリオジクチオール、ゲニステイン、グリシテイン、ヘスペレチン、イソラムネチン、ケンペロール、ルテオリン、マルビジン、ミリセチン、ナリンゲニン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペツニジン、ケルセチン、テアフラビン、テアフラビン-3-ガレート、テアフラビン-3,3’-ジガレート、テアフラビン-3’-ガレート、総テアルビジン、総アントシアニジン、総カテキン、総フラバン-3-オール、総フラバノン、総フラボン、総フラボノイド、総フラボノール、及び総イソフラボンを含む、段落16~25のいずれか一項に記載のダイエット指数。
[段落27]
より高いダイエット指数が、より多様な腸内微生物叢を提供する、段落16~26のいずれか一項に記載のダイエット指数。
[段落28]
より多様な腸内微生物叢が、
(i)観察される微生物分類群がより多数である、及び/又は
(ii)多様性指数がより高く、好ましくは、前記多様性指数が、FaithのPD指数若しくはShannon指数などの系統学的多様性指数である、段落27に記載のダイエット指数。
[段落29]
前記方法が、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計を使用して前記ダイエット指数を特定することを含む、段落16~28のいずれか一項に記載のダイエット指数を提供する方法。
[段落30]
食品製品、食事、又はダイエットを調整する方法であって、前記方法が
(a)段落1~15のいずれか一項に記載の方法を使用して、対象の腸内微生物叢に対する前記食品製品、食事、又はダイエットの効果を特定することと、
(b)前記食品製品、食事、又はダイエットを調整して、前記対象の腸内微生物叢多様性に対する効果が改善されている調整食品製品、調整食事、又は調整ダイエットを提供することと、
を含む、方法。
[段落31]
前記調整食品製品、調整食事、又は調整ダイエットが、調整されていない食品製品、調整されていない食事、又は調整されていないダイエットよりも多くの様々なタイプのポリフェノールを提供する、段落30に記載の方法。
[段落32]
対象の腸内微生物叢多様性を維持又は改善する方法であって、前記方法が、
(a)段落1~15のいずれか一項に記載の方法を使用して、前記対象の腸内微生物叢に対する前記対象の現在のダイエットの効果を特定することと、
(b)前記対象の現在のダイエットを調整して、前記対象の腸内微生物叢多様性に対する効果が改善されている調整ダイエットを提供することと、
を含む、方法。
[段落33]
対象の腸内微生物叢多様性を維持又は改善する方法であって、方法が
(a)前記対象の現在のダイエットについて、段落16~28のいずれか一項に記載のダイエット指数を特定することと、
(b)前記対象の現在のダイエットを調整して、改善されたダイエット指数を有する調整ダイエットを提供することと、
を含む方法。
[段落34]
前記調整ダイエットが、前記対象の現在のダイエットよりも多くの様々なタイプのポリフェノールを提供する、段落32又は33に記載の方法。
[段落35]
対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するための、前記食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールの合計の使用。
[段落36]
対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するための、ポリフェノール多様性指数の使用。
[段落37]
対象の腸内微生物叢に対する食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するための、段落16~28のいずれか一項に記載のダイエット指数の使用。
[段落38]
コンピュータプログラムであって、前記プログラムがコンピュータによって実行されるときに、前記コンピュータに段落1~15又は29~34のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム。
[段落39]
コンピュータプログラムであって、前記プログラムがコンピュータによって実行されるときに、前記コンピュータに、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールを考慮して対象の腸内微生物叢に対する前記食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するためのダイエット指数を特定させる命令を含む、コンピュータプログラム。
[段落40]
コンピュータ可読媒体であって、コンピュータによって実行されるときに、前記コンピュータに段落1~15又は29~34のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を含む、コンピュータ可読媒体。
[段落41]
コンピュータ可読媒体であって、コンピュータによって実行されるときに、前記コンピュータに、食品製品、食事、又はダイエット中に存在する様々なタイプのポリフェノールを考慮して対象の腸内微生物叢に対する前記食品製品、食事、又はダイエットの効果を評価するためのダイエット指数を特定させる命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【0174】
上記明細書で言及した全ての刊行物は、参照により本明細書に援用される。開示された本発明の方法、使用、コンピュータに実装された方法、及び指数の様々な修正及び変更は、本発明の範囲及び主旨から逸脱することなく、当業者には明白である。本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して開示されているが、特許請求される本発明は、このような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。実際、本発明を実施するために開示された様式の種々の改変は、当業者には自明であり、以下の特許請求の範囲の範囲内であることを意図している。
図1
【国際調査報告】