(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】血管外画像を使用して血管属性を特定するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/045 20060101AFI20240829BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
A61B1/045 615
A61B1/00 526
A61B1/045 620
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510393
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 US2022040755
(87)【国際公開番号】W WO2023023248
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509128672
【氏名又は名称】ライトラボ・イメージング・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(72)【発明者】
【氏名】チウ,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リ,シンミン
(72)【発明者】
【氏名】ゴピナス,アジェイ
(72)【発明者】
【氏名】セゲフ,ヤコブ
(72)【発明者】
【氏名】ダスカル,ロリーナ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA22
4C161BB08
4C161CC06
4C161HH51
4C161JJ09
(57)【要約】
撮像された血管の仮想血流予備能(VFR)を推定するために、血管外画像及び血管内画像を使用して血管の特徴を特定するシステム及び方法が開示される。本開示の態様は、血管外画像を使用して、血管内で撮像されていない領域における血管のサイズを推定することを含む。VFR推定は、血管内画像データ及び推定される血管サイズの両方を組み込んだ抵抗モデルに基づくものとすることができる。他の態様においては、血管枝のサイズ及び向きを特定するために、多角度血管外画像がキャプチャされ分析される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のプロセッサによって、血管の複数の血管外画像を、前記血管の第1の領域に沿って画定されたプルバックの長さを有する血管内撮像プローブのプルバックの間に受信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記複数の血管外画像における1つ以上のマーカの場所を検出することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記複数の血管外画像における前記1つ以上のマーカの前記場所に基づいて、前記複数の血管外画像において表された前記血管の前記第1の領域を前記プルバックの長さと相関付けることと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記複数の血管外画像において表された前記血管の前記第1の領域についての前記プルバックの長さとの前記相関に基づいて、前記複数の血管外画像において表された前記血管の第2の領域のサイズを決定することと
を含む血管の属性を特定する方法。
【請求項2】
前記血管の前記第2の領域の前記サイズは、前記第2の領域の長さと、前記第2の領域内の断面直径と、前記第2の領域内の断面積とのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上のプロセッサによって、前記血管内撮像プローブによってキャプチャされた複数の画像に基づいて、かつ前記血管の前記第2の領域の前記決定されたサイズに基づいて、前記血管の仮想血流予備能(VFR)を計算することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記血管の前記VFRは、血管中心線と、前記複数の血管外画像のうちの少なくとも1つにおいて特定された前記血管の前記血管の前記第2の領域の境界との間の距離に基づいて計算される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記血管の前記第2の領域は、前記血管の遠位心外膜領域と、近位心外膜領域とのうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記血管の第2の領域のサイズを決定することは、前記遠位心外膜領域の長さと、前記近位心外膜領域の長さとを決定することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の血管外画像において表された前記血管の前記第1の領域を前記プルバックの長さと相関付けることは、前記複数の血管外画像のうちの少なくとも1つにおいて表された管腔サイズをスケーリングすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の血管外画像は、前記血管に対する複数の場所から撮影される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上のプロセッサによって、前記血管に対する1つ以上のオブジェクトの3次元的な向きを特定するように、前記複数の血管外画像を分析することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上のオブジェクトは、前記血管からの枝分かれを含み、前記枝分かれの3次元的な向きは、前記血管に対する前記枝分かれの位置及び離脱角度を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上のプロセッサによって、前記枝分かれの特定された位置と、離脱角度とに基づいて、前記血管の仮想血流予備能(VFR)を計算することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
血管の属性を特定するシステムであって、
血管の画像を記憶するための1つ以上のメモリと、
血管の複数の血管外画像を、前記血管の第1の領域に沿った画定されたプルバックの長さを有する血管内撮像プローブのプルバックの間にキャプチャすることと、前記複数の血管外画像における1つ以上のマーカの場所を検出することと、前記複数の血管外画像における前記1つ以上のマーカの前記場所に基づいて、前記複数の血管外画像において表された前記血管の前記第1の領域を前記プルバックの長さと相関付けることと、前記複数の血管外画像において表された前記血管の前記第1の領域の前記プルバックの長さとの前記相関に基づいて、前記複数の血管外画像において表された前記血管の第2の領域のサイズを決定することとを行うように構成された、1つ以上のプロセッサと
を備える、システム。
【請求項13】
前記血管の前記第2の領域の前記サイズは、前記第2の領域の長さと、前記第2の領域内の断面直径と、前記第2の領域内の断面積とのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つ以上のプロセッサは、前記血管内撮像プローブによってキャプチャされた複数の画像に基づいて、かつ前記血管の前記第2の領域の前記決定されたサイズに基づいて、前記血管の仮想血流予備能(VFR)を計算するように更に構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記血管の前記VFRは、血管中心線と、前記複数の血管外画像のうちの少なくとも1つにおいて特定された前記血管の前記血管の前記第2の領域の境界との間の距離に基づいて計算される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記血管の前記第2の領域は、前記血管の遠位心外膜領域と、近位心外膜領域とのうちの少なくとも一方を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数の血管外画像において表された前記血管の前記第1の領域を、前記プルバックの長さと相関付けることは、前記複数の血管外画像のうちの少なくとも1つにおいて表された管腔サイズをスケーリングすることを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサは、前記血管に対する枝分かれの位置と、離脱角度とを特定するように、前記複数の血管外画像を分析するように更に構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ以上のプロセッサは、前記枝分かれの前記特定された位置及び離脱角度に基づいて、前記血管の仮想血流予備能(VFR)を計算するように更に構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
血管の属性を特定する方法であって、
1つ以上のプロセッサによって、患者に対して複数の角度でキャプチャされた複数の血管外画像を受信することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記複数の血管外画像に基づいて、血管の3次元モデルを生成することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、血管内プルバック処置が実施されることとなる前記血管内の場所を特定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記特定された場所内に含まれない1つ以上の領域における前記血管のサイズを推定することであって、該推定は前記3次元モデルに基づくものであることと、
前記血管の前記推定されたサイズに基づいて、前記血管の仮想血流予備能(VFR)を計算することと
を含む方法。
【請求項21】
前記1つ以上のプロセッサによって、前記血管に沿った1つ以上の分岐を特定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記1つ以上の分岐における血管枝のサイズ及び向きを推定することと
を更に含み、前記血管の前記VFRを計算することは、前記血管枝の前記推定されたサイズ及び向きに基づく、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記血管枝の前記向きは、前記血管に対する前記血管枝の離脱角度を含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年8月19日に出願された、「Systems and Methods of Identifying Vessel Attributes Using Extravascular Images」という名称の米国仮特許出願第63/234,916号の出願日の利益を主張し、その開示内容は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【背景技術】
【0002】
血管の仮想血流予備能(「VFR」(Virtual Flow Reserve))の算出は、血管内の病変を診断するために使用することができ、ステントの留置等の治療措置が行われるべき領域を決定することを支援することができる。VFRの計算は、血管内画像を使用して計算することができる。しかしながら、血管内撮像は、血管全体のうちの一部でしか行われないことが多い。例えば、いくつかの血管内光コヒーレンス断層撮影(「OCT」(optical coherence tomography))システムは、75mmの最大のプルバック(pullback)の長さを有しうるが、血管の全長はその長さの2倍よりも長くなりうる。血管内プローブによって撮像されていない領域における血管の構造に関する追加的な情報がない場合には、VFR計算を実行するために仮定がなされる。特に、血管内で撮像されていない血管の領域における血管の構造に関する仮定がなされる。しかしながら、血管の構造がこれらの仮定と異なる場合においては、VFR計算が不正確になりうる。これらのVFR計算の不正確さを低減し、それによって血管状態の診断を改善するための、システム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
撮像された血管の仮想血流予備能(VFR)を推定するために、血管外画像及び血管内画像を使用して血管の特徴を特定する(identify:識別する)システム及び方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の態様は、血管外画像を使用して、血管内で撮像されていない領域における血管のサイズを推定することを含む。VFR推定は、血管内画像データ及び推定される血管サイズの両方を組み込んだ抵抗モデルに基づくものとすることができる。他の態様においては、血管枝のサイズ及び向きを特定するために、多角度血管外画像がキャプチャ(capture:取り込む)され分析される。
【0005】
本システム及び方法は、血管の画像を記憶するための1つ以上のメモリと、1つ以上のプロセッサであって、血管の複数の血管外画像を、血管の第1の領域に沿った画定されたプルバックの長さを有する血管内撮像プローブのプルバックの間に、キャプチャすることと、複数の血管外画像における1つ以上のマーカの場所を検出することと、複数の血管外画像における1つ以上のマーカの場所に基づいて、複数の血管外画像において表された血管の第1の領域を、プルバックの長さと相関付けることと、複数の血管外画像において表された血管の第1の領域の、プルバックの長さとの相関に基づいて、複数の血管外画像において表された血管の第2の領域のサイズを決定することとを行うように構成される。
【0006】
本開示の他の態様においては、血管の第2の領域のサイズは、第2の領域の長さ、第2の領域内の断面直径、及び第2の領域内の断面積のうちの少なくとも1つを含むことができる。更に別の態様においては、1つ以上のプロセッサは、血管内撮像プローブによってキャプチャされた複数の画像に基づいて、かつ血管の第2の領域の決定されたサイズに基づいて、血管の仮想血流予備能(VFR)を計算するように更に構成することができる。また、血管のVFRは、血管中心線と、複数の血管外画像のうちの少なくとも1つにおいて特定された血管における血管の第2の領域の境界との間の距離に少なくとも部分的に基づいて計算することができる。
【0007】
本開示の更に他の態様においては、血管の第2の領域は、血管の遠位心外膜領域(distal epicardial region)及び近位心外膜領域(proximal epicardial region)のうちの少なくとも一方を含むことができる。また、複数の血管外画像において表された血管の第1の領域を、プルバックの長さと相関付けることは、複数の血管外画像のうちの少なくとも1つにおいて表された管腔サイズをスケーリングすることを含むことができる。
【0008】
更に他の態様においては、1つ以上のプロセッサは、血管に対する枝分かれの位置及び離脱角度を特定するように、複数の血管外画像を分析するように更に構成することができる。また、1つ以上のプロセッサは、枝分かれの特定された位置及び離脱角度に基づいて、血管の仮想血流予備能(VFR)を計算するように更に構成することができる。
【0009】
本開示の他の態様においては、1つ以上のプロセッサは、患者に対して複数の角度でキャプチャされた複数の血管外画像を受信することと、複数の血管外画像に基づいて、血管の3次元モデルを生成することと、血管内プルバック処置(intravascular pullback procedure)が実施されることとなる血管内の場所を特定することと、特定された場所内に含まれない1つ以上の領域における血管のサイズを推定することであって、その推定は3次元モデルに基づくものであることと、血管の推定されたサイズに基づいて、血管の仮想血流予備能(VFR)を計算することとを行うように構成することができる。
【0010】
本開示の更に他の態様においては、1つ以上のプロセッサは、血管に沿った1つ以上の分岐を特定することと、1つ以上の分岐における血管枝のサイズ及び向きを推定することとを行うように更に構成することができ、血管のVFRを計算することは、血管枝の推定されたサイズ及び向きに基づき、血管枝の向きは、血管に対する血管枝の離脱角度を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】血管の領域内の仮想血流予備能に関するデータの計算及び表示を含む、得られた画像データに対する関心のある特徴/関心領域を自動的に検出する、血管を撮像するように構成されたシステムの概略図である。
【
図3】本開示の態様によって生成された抵抗モデルの図である。
【
図4】本開示の態様による血管内プローブマーカの位置を表す図である。
【
図5】本開示の態様による血管内の血管内プローブの位置を表す図である。
【
図6】本開示の態様による、血管内プローブを含む血管の血管造影画像の表示である。
【
図7】本開示の態様による、血管内プローブを含む血管の血管造影画像の表示である。
【
図8】本開示の態様による、血管内プローブを含む血管の血管造影画像の表示である。
【
図9】本開示の態様による多角度血管造影画像の表示である。
【
図10】本開示の態様による血管分岐及び血管中心線の図である。
【
図11】本開示の態様による血管外画像を分析するためのフロー図である。
【
図12】本開示の態様による血管外画像を分析するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示のシステム及び方法は、1つ以上の血管内の仮想血流予備能(「VFR」)の改善された計算を含む、血管属性の改善された評価を提供する。OCT画像に基づいて血管のVFRを計算する際に、血管内撮像プルバックからの相対的な撮像データセットの特徴検出及び整列を実行することができる。例えば、血管内撮像プルバックは、OCT、血管内超音波(「IVUS」(intravascular ultrasound))、又は近赤外分光法プルバックとすることができる。撮像データセットは、異なる動脈の事象又は手当(treatment)に対応する1つ以上の時点において撮影することができる。動脈の1つ以上の表現を、撮像データセットに基づいて表示することができる。表現は、VFRの特定の示度(indication)を含むことができる。1つ以上の表現を、ユーザに表示することができる。
【0013】
図1は、動脈及び他の血管を撮像するのに適し、得られた画像データに基づいて関心のある血管属性を自動的に特定するように構成された、診断システム5の概略図である。システム5は、動脈情報の視覚表現の視認及び評価に適している。これらのユーザインタフェースは、ユーザがマウス、ジョイスティック、又は他の制御装置を用いて制御することができるとともに、1つ以上のプロセッサ及びメモリ記憶素子を使用して動作させることができる1つ以上の可動要素を含むことができる。画像データに関して自動的に取得される形態構造結果は、簡素化(streamline)されたワークフローの一部として表示することができる。
【0014】
図1は、データを収集するか、又は被検者4の特徴を検出するか、又は被検者4の状態を検知するか、又は別の方法で被検者4を診断するのに適した様々なデータ収集サブシステムを含むシステム5を示している。1つの実施形態において、被検者は、テーブル、ベッド、若しくは椅子等の適切な支持体44又は他の適切な支持体上に配置される。典型的に、被検者4は、特定の関心領域25を有する人間又は別の動物である。
【0015】
データ収集システム5は、核磁気共鳴、X線、コンピュータ支援断層撮影、又は他の適切な非侵襲撮像技術等の非侵襲撮像システムを含む。そのような非侵襲撮像システムの非限定的な一例として示されるように、シネ(cines)を生成するのに適するような血管造影システム(angiography system)20が示されている。血管造影システム20は蛍光透視システムを含むことができる。血管造影システム20は、画像データのフレームの形をとる血管造影データのフレームを生成するように、被検者4を非侵襲的に撮像するように構成されている。血管造影データは、OCT、IVUS、又は近赤外分光法、更には非侵襲的血管造影撮像等の、1つ以上の血管内撮像技術を使用して、被検者4の領域25における血管が撮像されるように、プローブ30を使用して実行されるプルバック処置とは独立して又はかかる処置と関連して、生成することができる。
【0016】
血管造影システム20は、血管造影データ記憶及び画像管理システム22と通信状態にあり、血管造影データ記憶及び画像管理システム22は、1つの実施形態においてはワークステーション又はサーバとして実施することができる。1つの実施形態において、収集された血管造影信号に関連するデータ処理は、血管造影システム20の検出器上で直接実行される。システム20からの画像は、血管造影データ記憶及び画像管理部22によって記憶及び管理される。
【0017】
1つの実施形態において、システムサーバ50又はワークステーション85はシステム22の機能を担当する。1つの実施形態において、システム20全体は、X線等の電磁放射を発生させる。システム20はまた、被検者4を通過した後のそのような放射線を受け取る。次いで、データ処理システム22は、血管造影システム20からの信号を使用して、領域25を含む被検者4の1つ以上の領域を撮像する。
【0018】
この特定の例に示すように、関心領域25は、特定の血管等の血管系又は末梢血管系のサブセットである。このサブセットは、OCTを使用して撮像することができる。カテーテルベースのデータ収集プローブ30は、被検者4内に導入され、例えば冠動脈等の特定の血管の管腔内に配置される。プローブ30は、例えば、OCTプローブ、FFRプローブ、IVUSプローブ、近赤外分光法プローブ、上記のうちの2つ以上の特徴を組み合わせるプローブ、及び血管内で撮像するのに適した他のプローブ等の、種々のタイプのデータ収集プローブとすることができる。プローブ30は、プローブ先端部、1つ以上の放射線不透過性マーカ(radiopaque marker)、光ファイバ、及びトルクワイヤを含むことができる。加えて、プローブ先端部は、光ビームディレクタ、音響ビームディレクタ、圧力検出器センサ、他の変換器又は検出器、及び上記の組み合わせ等の、1つ以上のデータ収集サブシステムを含むことができる。
【0019】
光ビームディレクタを含むプローブの場合、光ファイバ28は、ビームディレクタを用いてプローブと光通信状態にある。トルクワイヤは、光ファイバが配設される穴を画定する。
図1において、光ファイバ28は、それを囲むトルクワイヤなしで示されている。加えて、プローブ30はまた、カテーテルの一部を形成するポリマーシース(polymer sheath)(図示せず)等のシース(sheath:覆い)を含む。OCTシステムの文脈において、干渉計のサンプルアームの一部分である、光ファイバ28は、図示するように患者インタフェースユニット(PIU:patient interface unit)35に光結合する。
【0020】
患者インタフェースユニット35は、プローブ30の端部を受け取り、それに光結合させられるのに適したプローブコネクタを含むことができる。データ収集プローブ30は使い捨て可能とすることができる。PIU35は、使用されるデータ収集プローブのタイプに基づいて適切なジョイント及び要素を含む。例えば、OCT及びIVUSデータ収集プローブの組み合わせは、OCT及びIVUS PIUとともに動作する。PIU35は、トルクワイヤ、シース、及び内部に配設される光ファイバ28を、プルバック処置の一部としてプルバックするのに適するモータを含むことができる。プルバックされることに加えて、プローブ先端部はまた、典型的に、PIU35によって回転させることができる。こうして、被検者4の血管は、長手方向に又は横断面を介して撮像することができる。
【0021】
次いで、PIU35は、1つ以上の血管内データ収集システム40に接続される。血管内データ収集システム40は、OCTシステム、IVUSシステム、別の撮像システム、及び上記の組み合わせとすることができる。例えば、OCTプローブであるプローブ30の文脈におけるシステム40は、干渉計のサンプルアーム、干渉計の基準アーム(reference arm)、フォトダイオード、制御システム、及び患者インタフェースユニットを含むことができる。同様に、別の例として、IVUSシステムの文脈において、血管内データ収集システム40は、超音波信号生成及び処理回路機構、ノイズフィルタ、回転可能なジョイント、モータ、及びインタフェースユニットを含むことができる。1つの実施形態において、データ収集システム40及び血管造影システム20は、血管造影ビデオフレームタイムスタンプ及びOCT画像フレームタイムスタンプを同期させるように構成される、共有クロック又は他のタイミング信号を有する。
図1の侵襲的及び非侵襲的画像データ収集システム及びデバイスに加えて、被検者の領域25及び被検者の他の関心パラメータに関して、様々な他のタイプのデータを収集することができる。例えば、データ収集プローブ30は、例えば圧力ワイヤ等の1つ以上の圧力センサを含むことができる。圧力ワイヤは、OCT又は超音波構成要素の付加なしで使用することができる。圧力読み取り値は、被検者4の領域25内の血管のセグメントに沿って取得することができる。
【0022】
1つ以上のディスプレイ82、83も、本明細書に開示される様々なワークフロー、VFR算出、カルシウム角度、EEL検出、カルシウム検出、近位フレーム、遠位フレーム、及び関連したグラフィカルユーザインタフェース、EELベースのメトリクス(metrics)、ステント有無の決定、スコア、減量術及び他の処置の推奨、関心領域/特徴部の自動検出によって通知されたエビデンスベースの推奨、血管造影データフレーム、OCTフレーム、画像データ、ステント計画インタフェース、形態構造インタフェース、レビューインタフェース、ステント配備インタフェース、OCT及び血管造影データ用のユーザインタフェース、並びに他の制御及び関心のある特徴部を示すのに使用することができる。ワークフローA及びワークフローBの2つの例示的なワークフローをディスプレイ82、83に表示することができ、これらのワークフローは、限定ではなく、グラフィカルユーザインタフェース、パネル、動脈画像、動脈表現、関心のある特徴部、関心領域、並びに本明細書に開示又は描写される他の測定値及びグラフィカル要素のうちの任意のものを含むことができ、それらの任意のサブセットを含むことができる。
【0023】
データ収集プローブ30を使用して生成される血管内データのフレーム等の血管内画像データは、PIU35を介してプローブに結合したデータ収集処理システム40に送ることができる。画像管理システム22を使用して生成される非侵襲的画像データを、共位置合わせ(co-registration)サーバ50ワークステーション85等の1つ以上のサーバ又はワークステーションに送信し、そこに記憶し、それによって処理することができる。システム22から血管造影画像データを取り込むように構成されるコンピュータボード等のビデオフレームグラバデバイス(video frame grabber device)55を、様々な実施形態で使用することができる。
【0024】
1つの実施形態において、サーバ50は、メモリ70に記憶され、プロセッサ80によって実行される1つ以上の共位置合わせ(co-registration)ソフトウェアモジュール67を含む。サーバは、本開示の様々な実施形態を実施するのに適したトレーニングされたニューラルネットワーク52を含むことができる。1つの実施形態において、グラフィカル処理ユニット53等のAIプロセッサがサーバ50に含まれ、メモリ70と電気通信する。コンピューティングデバイス/サーバ50は、プロセッサベースのコンピューティングサーバのための他の典型的な構成要素を含むことができる。代替的に、データベース90等の1つ以上のデータベースは、生成される画像データ、被検者のパラメータ、及び
図1に示すシステムデバイス又は構成要素の1つ以上によって生成され、データベース90によって受信されるか又はデータベース90に転送される他の情報を、受信するように構成することができる。
【0025】
データベース90は、ワークステーション85のメモリ内に記憶されている間、サーバ50に接続されているように示されるが、これは1つの例示的な構成にすぎない。例えば、ソフトウェアモジュール67は、ワークステーション85のプロセッサ上で実行することができ、データベース90は、サーバ50のメモリ内に配置することができる。様々なソフトウェアモジュールを実行するためのデバイス又はシステムの使用が、例として提供される。様々な組み合わせにおいて、本明細書において説明されるハードウェア及びソフトウェアは、画像データのフレームを取得し、そのような画像データを処理し、そのような画像データを位置合わせする(register)ために使用することができる。
【0026】
本明細書に別段の指定がない限り、ソフトウェアモジュール67は、前処理ソフトウェア、変換、行列、及び画像データを処理して又は患者トリガに応答して、他のソフトウェアベースの構成要素67によって異なるタイプの画像データの共位置合わせを容易にするか又はそれ以外に画像データの注釈を実行してグラウンドトゥルース(ground truth)を生成するのに使用される他のソフトウェアベースの構成要素等のソフトウェア、並びに本開示の様々な実施形態を実施するのに適した他のソフトウェア、モジュール、及び機能を含むことができる。これらのモジュールは、ワークフロー、形態構造ワークフロー、レビューワークフロー、サイジングワークフロー、配備ワークフロー、コンピュータ指示ワークフロー、コンピュータ支援ワークフロー、スキャンラインベース又は画像ベースの手法を使用した管腔検出、ワークフロー、インディシア生成、VFR計算、カルシウム角度/円弧生成、スキャンラインベース又は画像ベースの手法を使用したステント検出、インジケータ生成、ステント計画用の密着バー生成、近位/遠位色分け/インディシア生成、管腔境界検出、ステント拡張、管腔プロファイル、ターゲット管腔プロファイル、側枝(side branch)及び欠測データ等を含むことができる。
【0027】
データベース90は、血管造影システム20によって生成され、フレームグラバ55サーバ50によって取得される画像データ等の血管造影画像データ92を受信し記憶するように構成することができる。データベース90は、OCT画像データ、IVUS画像データ、赤外分光法画像データ、若しくはOFDI画像データ等の血管内画像データ、又は、OCTシステム40によって生成され、サーバ50のフレームグラバ(frame grabber)55によって取得された画像データ等の他の非血管内動脈画像データ95を受信し記憶するように構成することができる。
【0028】
加えて、被検者4は、1つ以上の電極を介して、例えばモニタ49等の1つ以上のモニタに電気結合することができる。モニタ49は、限定することなく、心臓機能に関連し、収縮期及び拡張期等の被検者の様々な状態を示すデータを生成するように構成される心電図モニタを含むことができる。
【0029】
所与の図における方向性を示す矢印の使用又はその欠如は、情報が流れることができる方向を制限又は要求することを意図されない。例えば、
図1に示す要素を接続するように示される矢印及びライン等の所与のコネクタについて、情報は、所与の実施形態のために適するように、1つ以上の方向に又は1つだけの方向に流れることができる。接続は、光接続、有線接続、電力接続、無線接続、又は電気接続等の様々な適切なデータ伝送接続を含むことができる。
【0030】
1つ以上のソフトウェアモジュールは、
図1に示すシステム22等の血管造影システムから受信される血管造影データのフレームを処理するために使用することができる。限定することなく、ソフトウェア、その構成要素、又は、ソフトウェアベースの若しくはプロセッサ実行方法の1つ以上のステップを含むことができる様々なソフトウェアモジュールは、本開示の所与の実施形態において使用することができる。
【0031】
部分的に、本開示は、血管内プローブによって収集された血管内データをプロセッサベースのシステムによって変換又は解析することができる血管内データ収集システム及び関連方法に関する。そのような解析及び変換の結果は、画像データに関する関心のある特徴部又は関心領域の画像セグメンテーション/検出のための撮像処理ソフトウェアモジュールのパイプライン、医療画像の構成要素を分類し、関心のある特徴部及び関心領域のインスタンスを検出するニューラルネットワークを有する機械学習システム、並びに他の画像処理システム及びセグメンテーション/検出システムと通信するディスプレイ等の様々な表示においてエンドユーザに表示することができる。1つの実施形態において、OCT、IVUS、赤外分光法、X線ベースの撮像システム等の所与の撮像システムは、MLSと電子通信し、所与のタイプの撮像システムを使用して取得された画像データの変更バージョンをそのような画像データが取得された同じセッションの間に表示することができる。V-net、U-net、CUMedVision1、CUMedVision2、VGGNet、多段マルチ再帰入力完全畳み込みネットワーク(M2FCN:Multi-stage Multi-recursive-input Fully Convolutional Network)、コースツーファインスタック型(Coarse-to-Fine Stacked)完全畳み込みネット、ディープアクティブラーニングフレームワーク、ResNet、それらの組み合わせ、並びに画像セグメンテーションに適した他のニューラルネットワーク及びソフトウェアベースの機械学習フレームワーク等の様々なニューラルネットワークアーキテクチャを画像セグメンテーションに使用することができる。
【0032】
図1のシステム5は、血管内画像及び血管外画像の両方を通した血管の撮像を通してうることができる解剖学的情報を使用して、VFR計算を実行するように構成することができる。例えば、血管プルバック処置の間に収集された血管内OCT画像は、同じ血管の血管外造影画像と共位置合わせすることができる。OCTプルバック処置の間、血管内撮像プローブは血管の領域を通って引かれ、多くの場合、血管内撮像は血管全体のうちの一部にわたってのみ行われる。血管内プローブによって撮像されていない領域における血管の構造に関する追加的な情報がない場合には、VFR計算を実行するためには仮定が必要となる。例えば、VFR計算は、血管内画像が血管のほぼ中心に対応する領域にわたってキャプチャされたものであり、そのため等しい近位及び遠位心外膜の長さを有し、OCT撮像されたセグメントの近位及び遠位の血管サイズに類似している近位及び遠位心外膜の血管サイズを有するという仮定に基づくものとすることができる。
【0033】
図2においては、血管200がその長手方向の長さに沿って3つの異なるセグメント202、204、208を有するものとして示されている(セグメントは定縮尺で描かれていない)。セグメント202は、血管内OCTプローブによって撮像された血管200の部分である。遠位の場所212は、プルバック処置の一部としてOCTプローブが画像をキャプチャし始めた血管200内の場所であり、近位の場所214は、プルバック処置の終了時にOCTプローブが画像をキャプチャすることを停止した血管200内の場所である。セグメント204は、セグメント202の場所212から遠位に延在する遠位心外膜セグメントであり、セグメント206は、セグメント202の場所214から近位に延在する近位心外膜セグメントである。セグメント202は、血管200の長手方向の軸に沿ってサイズが変化するものとして示されている。このことは、血管200の内腔の断面直径及び断面積が、セグメント202の長手方向の軸に沿って変化する態様を表している。セグメント202に沿った断面直径及び断面積は、セグメント202の長さに沿ってキャプチャされた複数のOCT画像の分析に基づいて特定される。しかしながら、かかるOCT画像は、血管200のセグメント204及び206については利用可能ではない。その代わりに、セグメント204及び206は、セグメント204及び206に沿った管腔の典型的な長さ及び断面サイズに関する近似値に基づいて表される。
【0034】
図2に示されるように、遠位心外膜セグメント204及び近位心外膜セグメント206の長さは、それぞれ38mmと近似されている。この近似値は、少なくとも部分的には、医学文献において提供されているような、又は患者の集団から決定されるような、平均血管長に基づくものであってもよい。例えば、血管200が左前下行(「LAD」)動脈である場合、開示されるシステム及び方法は、典型的なLAD動脈がOCTプルバックの長さよりも約76mm長い長さを有すると決定することができる。上述したように、OCTプルバックの領域が血管のほぼ中央で生じたと仮定することができ、そのため遠位セグメント204及び近位セグメント206はそれぞれ38mmであると示される。同様に、遠位セグメント204及び近位セグメント206の幅、すなわち断面直径は、それぞれ場所212及び214における血管の幅に対応するものとして示されている。したがって、血管の断面直径は、血管内で撮像されたセグメント202から延在していくにつれて一定のままであるという仮定がなされている。しかしながら、血管200がこれらの仮定とはかなり異なる場合においては、これらの仮定を使用することが不正確なVFR算出をもたらしうる。
【0035】
図3においては、血管302のVFRを計算するために使用することができる、血管302の流れ抵抗モデル300が示されている。ボックス310は、血管内OCTプローブによって撮像された血管302の領域を描出している。モデル300において見られるように、血管302のOCT撮像領域は、血管枝304、306及び308を含む。血管302のOCT画像を使用して血管302の流れ抵抗を計算することができ、これを使用して血管302の長さ、更には血管302の断面直径又は断面積を特定することができる。側枝(side branch)304、306及び308の位置及び断面直径又は断面積もまた、OCT画像を使用して特定することができる。R
1、R
2、...R
N+1等の抵抗は、セグメントの長さ及び断面サイズに基づいて血管302のセグメントに沿って生じる相対的な圧力降下を表す。同様に、側枝304、306及び308に沿って位置する抵抗は、それぞれの側枝の場所及びサイズに起因して生じる相対的な圧力降下を表す。血管302はまた、OCTプローブによって撮像されなかった近位セグメント及び遠位セグメントを含む。これらのセグメントは、ボックス310の外側にある。しかしながら、抵抗312及び314によって表されるように、これらのセグメントは、大動脈圧(「Pa」)と遠位端圧(「Pv」)との間に生じる、計算される圧力降下に影響を及ぼす。本開示においては、近位抵抗(抵抗312)及び遠位抵抗(抵抗314)の推定は、血管外画像から得られた情報を使用して決定することができ、それによって、血管内で撮像された領域の外側の血管302のサイズに関する一般的な仮定を使用するVFR計算と比較して、VFR計算を改善することができる。
【0036】
これに加えて、VFR計算のために使用される抵抗値は、微小血管抵抗の表現を含むことができる。例えば、
図3に示されるように、末梢冠血管床の微小血管抵抗を表すために、抵抗R
mvを使用することができる。微小血管抵抗の推定は、1つ以上の血管外画像から得られた情報を使用して決定することができる。以下に述べられるように、OCTプルバックの長さに関する情報を、血管外画像と組み合わせて使用して、血管内の近位抵抗、遠位抵抗、及び微小血管抵抗の、より正確な決定を生成することができる。微小血管抵抗に関しては、心外膜動脈の両端での圧力降下が無視できる場合、血管の中で達成することができる最大血流に基づいて、抵抗を決定することが可能である。例えば、微小血管抵抗を決定するために、充血速度値を使用することができる。これに加えて、充血下微小血管抵抗指数を決定し、VFR計算に関連して使用することもできる。充血速度及び充血下微小血管抵抗指数を含む微小血管抵抗の決定は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする米国特許出願第13/796,710において提供されている。
【0037】
図1のシステム5は、カテーテルベースのデータ収集プローブ30が1つ以上の放射線不透過性マーカを含むように構成することができる。例えば、
図4においては、カテーテルベースのデータ収集プローブ30は、その長さに沿って3つの放射線不透過性マーカを含んでいる。マーカ310は、プローブ30の遠位端に位置する遠位マーカである。マーカ312は、血管内画像をキャプチャするために使用されるレンズに位置するレンズマーカである。マーカ314は、プルバック処置の終了時にプローブ30の遠位端が位置することとなる位置又はその近傍に対応するカテーテル上の位置に近接して位置するものであってもよい、プルバックマーカである。レンズマーカ312とプルバックマーカ314との間の距離は、
図4においては、L
(Lens→PBK)-Groundtruthと示されており、一方、遠位マーカ310とレンズマーカ312との間の距離は、L
(Dist→Lens)-Groundtruthと示されている。これらの長さは、マーカ間の実際の距離に対応するものであるため、「グランドトゥルース(groundtruth)」と呼ばれる。
【0038】
図5は、プローブ30が血管502内に配置された、血管造影画像500の表現である。プローブ30が血管502内に配置されるとき、プローブ30の遠位端は、血管502内の初期のプルバックの場所に配置されうる。初期のプルバックの場所は、プルバック処置が開始されるときのプローブ30の場所に対応する。造影流体が血管502の中に導入されることに先立ち、プローブ30が
図5に示される初期のプルバックの場所にあるときに、血管502の血管造影画像500を取得することができる。
図1のシステム5は、プローブ30が初期のプルバックの場所にあるときに、血管造影画像500内のマーカ310、312及び314の場所を特定するように構成されている。プルバックが開始されると、システム5はまた、後続する血管造影画像内で、プローブマーカ310、312及び314の位置を追跡するように構成されている。システム5は次いで、血管造影画像中に表される、マーカのうちの1つ以上が血管内を移動する見かけの距離を算出してもよい。
【0039】
図6は、血管602を通って延びる中心線604を含む血管造影画像600である。血管602内のマーカ312の位置が示されている。この位置は、プルバック処置を開始することに先立つマーカ312の初期プルバック位置に対応する。正確な血管中心線を計算するために、高速マーチングアルゴリズム(fast marching algorithm)及び狭帯域法(narrow band method)等の様々な方法を使用することができる。いずれの方法が使用されても、開示されるシステムは、主血管及び任意の特定された側枝の両方についての中心線を、特定及び表示することができる。
【0040】
図7は、一度プルバック処置が行われ、かくしてプローブが血管を通して引かれたために、血管602内のマーカ312’の位置が変化した、血管602の血管造影画像700である。血管造影画像内の見かけのプルバックの長さを決定するために、開示されるシステムは、プローブが初期のプルバック位置にあるときにキャプチャされた初期血管造影画像に対して、後続する血管造影画像のうちの1つ以上を変形可能に位置合わせすることができる。
【0041】
例えば、
図8は、血管造影画像700からマーカ312’の位置を含むように元の血管造影画像600を修正した、修正された血管造影画像800である。中心線604に沿って測定されるマーカ312とマーカ312’との間の距離は、血管造影画像内のプルバックの見かけの長さを表すものであるため、L
pullback-angioと呼ぶことができる。長さL
pullback-angioは、血管の深さ及び向きが血管造影画像内の血管の投影される長さに影響を及ぼしている程度を決定するように、実際のプルバックの長さL
pullback-groundtruthと比較されてもよい。血管の深さ及び向きは、見かけの血管長の短縮を引き起こしうるため、長さL
pullback-angioはL
pullback-groundtruthよりも短くなることが多い。L
pullback-groundtruthを血管造影画像800中のマーカ312とマーカ312’との間の距離と相関付けることによって、開示されるシステムは、血管造影画像内の真の血管長を特定するように、血管の深さ及び向きを考慮して決定することができる。同じ分析が、同じ画像の異なるマーカ間で実行されてもよい。例えば、上記で説明された長さL
(Lens→PBK)-Groundtruthが、血管造影画像内で見た、プルバックマーカ310とレンズマーカ312との間の血管中心線に沿った距離と、相関付けられてもよい。同様に、長さL
(Dist→Lens)-Groundtruthは、レンズマーカ312と遠位マーカ314との間の、血管中心線に沿った距離と相関付けられてもよい。
【0042】
図1に示されるシステム5に戻ると、血管造影システム20は、被検者4に対する複数の異なる位置から、複数の血管造影画像を撮影するように構成することができる。複数の血管造影画像をキャプチャする際に、システム5は、特定の血管からの側枝の位置及び離脱角度を特定すること等によって、関心領域の3次元的な向きを決定することができる。側枝の位置は、上記で議論された中心線の計算に基づいて特定することができる。その開示内容が引用することにより本明細書の一部をなすものとする米国特許10,172,582もまた、画像フレーム内の血管分岐の位置及び向きを特定するためのシステム及び方法を開示している。
【0043】
図9においては、2つの異なる血管造影画像900及び910が表示されており、それぞれが2つの異なる角度からの血管902の画像を含んでいる。血管造影画像900に示されているように、画像は42度の左前斜位角(left anterior oblique angulation)及び0度の頭蓋角(cranial angulation)でキャプチャされている。画像910においては、血管造影画像は、0度の左前斜位角及び0度の頭蓋角でキャプチャされている。画像900及び910のような複数の血管造影画像は、血管902及び血管902から枝分かれしている血管枝904の向きを決定するために使用することができる。例えば、血管造影システムのX線源及び検出器を患者の周りで動かして、様々な外側角、頭蓋角及び尾側角(caudal angulation)で血管造影画像をキャプチャすることができる。これらの多角度血管造影画像は次いで、血管及び周囲構造の3次元モデルを生成するために、システムによって処理することができる。
【0044】
3次元モデルを生成する際、又は血管造影画像を血管内画像に共位置合わせする際、どの血管造影画像フレームが使用されるべきかについての決定をすることができる。例えば、血管造影画像は、複数の心周期にわたってキャプチャすることができ、また血管造影画像は、患者の心周期の同じ部分又は類似する部分に対応する画像フレームを分析するために選択することができる。
【0045】
図10においては、血管の中心線1002が特定され、また血管枝の中心線1004も特定されている、血管造影画像の一部1000が示されている。上述したように、複数の血管造影画像を種々の外側角、頭蓋角及び尾側角で撮影することができ、同様に分析して、それらの画像中の中心線1002及び1004を特定することもできる。次いで、血管の中心線1002に対する血管枝の中心線1004の向きを特定するように、多角度血管造影画像を使用して、血管の3次元モデルを生成することができる。血管枝の向きは、血管枝の特定された場所及び離脱角度を使用して特定することができる。例えば、
図10においては、血管の中心線1002及び血管の中心線1004は、枝分かれが生じる位置1006、及び血管からの枝分かれの離脱角度1008を特定するために使用することができる、3次元モデルを生成するために使用される。
【0046】
上記で議論されたように、システム5の1つ以上のプロセッサは、血管内画像及び血管外画像を分析して、撮像された血管の特定領域のVFRを決定するように構成されてもよい。画像処理手法及び/又は機械学習(つまり、画像処理手法又は機械学習あるいはそれらの両方)が、VFRを計算するものとすることもできる。プルバックのフレームは、整列特徴(alignment feature)の様々なウィンドウ又はビンを使用して伸張及び整列させることができる。この画像データは、様々なグラフィカルユーザインタフェースを使用して提示されうる。
図11は、本開示の態様による機能を含むフロー
図1100である。例えば、フロー
図1100の機能は、血管のVFRの算出を改善するために、開示されるシステムの1つ以上のプロセッサを使用して実行することができる。
【0047】
ブロック1102において、システムは、血管の血管内画像をキャプチャする際に使用されることとなる、血管内プローブタイプ又はプルバックの長さの示度を受信することができる。血管内プローブ又はプルバックの長さの示度は、システムのユーザによって提供されるものとすることもできる。例えば、ユーザは、複数の血管内プローブタイプから選択することができる。特定されたプローブタイプに関する記憶されたデータにアクセスすることによって、システムがプルバックの長さを特定することもできるし、又は、血管内画像をキャプチャする際に使用されることとなる特定のプルバックの長さを特定する入力を、ユーザが提供することもできる。ブロック1104において、血管及び血管内の血管内プローブの1つ以上の血管外画像がキャプチャされる。この血管外画像は、血管の血管造影画像とすることができる。血管外画像内の1つ以上のプローブマーカの初期の場所を特定するように、血管外画像のうちの1つ以上が分析されてもよい(ブロック1106)。上記で議論されたように、血管内プローブは、1つ以上の放射線不透過性マーカを含むことができ、これらのマーカの位置は、血管内プローブがプルバック処置のための初期位置へと配置されたときに、特定することができる。
【0048】
ブロック1108において、プルバック処置が開始される。このことは、血管の少なくとも一部を造影流体を用いて流し、血管内プローブのプルバックの長さにわたって血管内画像をキャプチャすることを含むことができる。次いで、プローブがプルバック処置の一部として血管の一部を横断した後に、血管内プローブの1つ以上のマーカの場所を特定することができる。(ブロック1110)。ブロック1112において、血管内プローブの位置が、血管外画像と変形可能に共位置合わせされる。上記で議論されたように、血管内プローブの「グランドトゥルース」であるプルバックの長さは、血管内画像内でプローブが移動した見かけの距離と関連付けられてもよい。特に、1つ以上のプローブマーカの初期の場所及び最終の場所は、変形可能な共位置合わせの一部として単一の血管外画像上にマッピングされてもよい。このマッピングに基づいて、血管サイズの決定をなすことができる。(ブロック1114)。
【0049】
この血管サイズの決定は、血管内プローブによって撮像された領域を越える領域を含んでもよい。例えば、血管の全長は、プルバック処置の間にプローブマーカが移動した既知の距離に基づいて、外挿することができる。これに加えて、血管の断面直径及び断面積は、変形可能に共位置合わせされた血管外画像における血管の見かけの幅を、血管内プローブによって撮像された血管の領域についての既知の直径及び面積と比較することによって、外挿されてもよい。血管外画像内の血管長さは、管腔中心線を特定することによって、及び血管を近位心外膜セグメント、血管内で撮像されたセグメント、及び遠位心外膜セグメントの3つのセグメントに分割することによって、推定することができる。血管内で撮像されたセグメントは、血管内プローブが移動した「グランドトゥルース」距離に相当するものとなる。近位心外膜セグメント及び遠位心外膜セグメントの長さは、1つ以上の血管外画像における見かけの長さを、血管内で撮像されたセグメントの見かけの長さと比較することによって、決定することができる。比較されたセグメントの長さの比は、血管内で撮像されたセグメントの「グランドトゥルース」距離と共に、近位心外膜セグメント及び遠位心外膜セグメントの実際の長さを決定するために使用されてもよい。したがって、血管内で撮像されたセグメントは、近位心外膜セグメント及び遠位心外膜セグメントをスケーリングするために使用されてもよい。
【0050】
血管の断面サイズは、血管の管腔の造影境界を分析して、血管外画像内の血管の断面幅を決定することによっても、決定されうる。この断面幅は、血管内画像に基づく血管の既知の直径と相関付けることができ、血管の断面直径は次いで、近位心外膜セグメント及び遠位心外膜セグメントに対しても外挿することができる。例えば、プルバックの遠位端及び近位端においてキャプチャされた血管内画像を使用して、これらの場所における管腔直径を決定してもよい。これらの場所において決定された直径は次いで、近位心外膜セグメント及び遠位心外膜セグメントに沿った断面直径を含む、血管外画像内の血管の断面直径をスケーリングするために使用されてもよい。それゆえ、長さ及び断面サイズを含む血管のサイズは、3つの血管セグメントの全てについて決定することができる。
【0051】
ブロック1116において、血管外画像及び血管内画像を分析して、撮像された血管についての管腔の中心線に沿った分岐の特定に基づいて、血管側枝の場所及びサイズを決定することができる。近位心外膜セグメント及び遠位心外膜セグメントにおけるこれらの分岐は、血管の先細りについての場所マーカを特定するために使用することができる。これに加えて、血管から延在する微小血管系のサイズもまた、血管内画像の長さ及び幅のデータを、血管外画像内で可視である微小血管系と比較することによって、決定されてもよい。上記で議論されたように、この微小血管系は、分析された血管セグメントの一部である別の抵抗値として取り扱われてもよい。
【0052】
決定された血管のサイズ、更には側枝のサイズ及び場所は次いで、血管のVFRを計算するために使用することができる(ブロック1118)。例えば、血管外画像によって決定される、3つの血管セグメントのサイズは、血管内画像から収集される情報と共に、血管の領域にわたる圧力降下を算出するために使用される
図3のモデル300等の流れ抵抗モデルに導入することができる。
【0053】
フロー
図1100のブロックは、単一の場所からキャプチャされた血管造影画像を使用して実行することができる。しかしながら、多角度血管造影画像もまた、フロー
図1100に関連して使用することができる。例えば、ブロック1104は、患者に対して複数の角度で複数の血管造影画像をキャプチャすることを含むことができる。これに加えて、ブロック1114は、多角度血管造影画像に基づく血管の3次元モデルに少なくとも部分的に基づいて、血管サイズを決定することを含むことができる。例えば、血管の管腔直径は、血管の特定された中心線からの血管造影画像における造影境界の距離を検出することによって、推定することができる。これに加えて、ブロック1116において特定される側枝の場所は、各側枝の離脱角度を決定するための3次元モデルの分析を含むことができる。かくして、各側枝の場所及び離脱角度を含む、特定された側枝の向きは、ブロック1118において行われるVFR算出の一部として使用することができる。
【0054】
図12は、開示されるシステムが多角度血管外画像を収集及び分析する、フロー
図1200である。ブロック1202において、多角度血管外画像がキャプチャされ、ブロック1204において、多角度血管外画像に基づいて1つ以上の撮像された血管の3次元モデルが生成される。ユーザは次いで、血管内プルバック処置がその間で実施されるべき近位及び遠位の場所を表す、撮像された血管内の近位及び遠位の場所を特定することができる(ブロック1206)。例えば、ユーザは、表示された血管外画像のうちの1つ上の、又は生成された3次元モデルの表示上の、近位及び遠位の場所を特定することができる。近位の場所と遠位の場所との間の長さは、3次元モデル内の長さの分析に基づいて、ユーザに表示されてもよい。
【0055】
ブロック1208において、血管内で撮像されるべき領域に対して遠位及び近位である領域における血管のサイズを含む血管のサイズを、推定することができる。この推定は、血管の管腔内の造影境界をトレースすることによって決定される、血管の中心線の特定に基づくものとすることができ、血管の長さの推定及び血管の直径/面積の推定の両方を含むことができる。例えば、血管直径は、生成された3次元モデル内で分析される、血管の血管外画像内の造影境界の径方向距離を測定することによって、推定することができる。血管内画像は、特定された近位の場所と遠位の場所との間のプルバック処置の一部として、ブロック1210において収集される。血管内画像は、血管外画像と共位置合わせされ、3次元モデルデータに組み込むことができる。ブロック1212において、撮像された血管の中心線に沿った分岐が特定される。次いで、特定された分岐に対応する血管枝のサイズ及び向きを推定することができる(ブロック1214)。上記で議論されたように、血管枝の向きは、特定された分岐の中心線によって決定される、分岐の場所、更には血管枝の離脱角度の特定を含むことができる。これに加えて、血管から延在する微小血管系のサイズもまた、血管内画像の長さ及び幅のデータを、血管外画像内で可視である微小血管系と比較することによって、決定されてもよい。上記で議論されたように、この微小血管系は、分析された血管セグメントの一部である別の抵抗値として取り扱われてもよい。血管のVFRは、ブロック1216において算出される。このVFR算出は、血管外画像の分析によって決定される、推定された血管及び枝のサイズ及び向きの任意のセット又はサブセットを使用することができる。例えば、血管の微小血管系を含む、血管内で撮像された領域の外側の血管の近位及び遠位の長さは、血管のVFRを算出するために使用される抵抗モデルに組み込むことができる。各血管枝のサイズ、場所、及び離脱角度もまた、VFR算出のために使用される抵抗モデルに組み込むことができる。
【0056】
詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する操作のアルゴリズム及び記号的表現等の、方法の観点から提示されている。これらのアルゴリズム記述及び表現は、コンピュータ及びソフトウェア関連分野の当業者によって使用することができる。1つの実施形態において、アルゴリズムとはここでは、一般的には、所望される結果に導く操作の自己矛盾のないシーケンスであると考えられる。本明細書で方法のステップとして又はその他の態様で記載される実行される操作は、物理量の物理的操作を必要とするものである。これらの量は通常、必須ではないが、記憶されること、転送されること、結合されること、変形されること、比較されること、及びその他の態様で操作されることが可能な、電気信号又は磁気信号の形をとる。
【0057】
本明細書で提示されるアルゴリズム及び表示は、任意の特定のコンピュータ又は他の装置と本質的に関連するものではない。様々な汎用システムが本明細書での教示によるプログラムと共に使用されてもよいし、又は必要とされる方法のステップを実行するためのより特殊化された装置を構築することが便利であることが判明しうる。これらの様々なシステムに必要とされる構造は、以下の説明から明らかとなるであろう。
【0058】
本開示の態様、実施形態、特徴、及び例は、全ての点で例示的であると考えられ、本開示を限定することを意図するものではなく、その範囲は特許請求の範囲によってのみ規定される。他の実施形態、修正形態、及び使用法は、特許請求される発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。
【0059】
本出願における見出し及び段落の使用は、本発明を限定することを意味しない。各段落は、本発明の任意の態様、実施形態、又は特徴に適用することができる。
【0060】
本出願全体を通して、構成物が特定の構成要素を有する、含む、又は備えるものとして記載される場合、又は、プロセスが特定のプロセスステップを有する、又は含むものと記載される場合、本教示の構成物が、本質的に列挙される構成要素からなる又は列挙される構成要素からなること、及び、本教示のプロセスが、本質的に列挙されるプロセスステップからなる又は列挙されるプロセスステップからなることが企図される。
【0061】
本出願において、要素又は構成要素が、列挙された要素又は構成要素のリストに含まれる及び/又はそのリストから選択される(つまり、構成要素のリストに含まれる、又はそのリストから選択される、あるいはそれらの両方)と言及される場合には、その要素又は構成要素が、列挙される要素又は構成要素のいずれか1つとすることができ、また、列挙される要素又は構成要素のうちの2つ以上からなる群から選択することができることが理解されるべきである。さらに、本明細書に記載される構成物、装置、又は方法の要素及び/又は特徴(つまり、要素又は特徴あるいはそれらの両方)を、本明細書において明示的であろうと暗黙的であろうと、本教示の趣旨及び範囲から逸脱することなく種々の方法で組み合わせることができることが理解されるべきである。
【0062】
用語「含む(include)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(have)」、「有する(has)」、又は「有している(having)」の使用は、別段の定めがない限り、一般にオープンエンドでかつ非限定的であると理解されるべきである。
【0063】
本明細書における単数形の使用は、別段の定めがない限り、複数を含む(逆の場合も同様である)。さらに、別段に文脈が明確に指示しない限り、単数形「一つの("a," "an")」及び、「その(the)」又は「前記の(the)」は、複数形を含む。さらに、用語「約(about)」の使用が定量値の前である場合に、本教示は、別段の定めがない限り、特定の定量値自体も含む。本明細書で使用される場合、「約」の語は、公称値から±10%の変動を意味する。本明細書に開示される全ての数値及び数値範囲は、各値の前に「約」を含むとみなされる。
【0064】
本教示が動作可能である限りは、ステップの順序又は或る特定の動作を実行する順序は重要でないことは、理解されるべきである。さらに、2つ以上のステップ又は動作が同時に実施されてもよく、本開示の態様によってステップが削除又は置換されてもよい。
【0065】
値の範囲又はリストが提供される場合には、値のその範囲又はリストの上限と下限との間の介在する各値は、個々に企図され、各値が本明細書に具体的に列挙されているかのように本発明内に包含される。さらに、所与の範囲の上限と下限との間及びそれらを含むより小さい範囲が、企図され、本発明内に包含される。例示的な値又は範囲のリストは、所与の範囲の上限及び下限の間並びにそれらを含む他の値又は範囲を排除するものではない。
【国際調査報告】