(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】アクティブアライメントによって光学面を結合するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/18 20210101AFI20240829BHJP
G01B 11/27 20060101ALI20240829BHJP
G02B 7/00 20210101ALI20240829BHJP
G02B 5/04 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G02B7/18 100
G01B11/27 Z
G02B7/00 D
G02B7/00 F
G02B5/04 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510412
(86)(22)【出願日】2022-08-28
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 IL2022050931
(87)【国際公開番号】W WO2023031913
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518010049
【氏名又は名称】ルムス エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】Lumus Ltd.
【住所又は居所原語表記】8 Pinchas Sapir Street, 7403631 Ness Ziona, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】シュリキ,ロネン
(72)【発明者】
【氏名】アイゼンバーグ,イド
(72)【発明者】
【氏名】ロネン,エイタン
(72)【発明者】
【氏名】ロバチンスキー,リリヤ
(72)【発明者】
【氏名】グリーンシュタイン,コビ
(72)【発明者】
【氏名】フリードマン,エドガー
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィ,エラド
【テーマコード(参考)】
2F065
2H042
2H043
【Fターム(参考)】
2F065AA33
2F065HH03
2F065HH08
2H042CA14
2H042CA15
2H043AD03
2H043AD11
2H043AD13
2H043AD19
2H043AE02
2H043AE24
2H043BA00
(57)【要約】
本明細書において開示されるのは、その結合面に沿って2つ以上のプリズムコンポーネントをアラインさせて接合することによって、複数の平面外面を有する複合プリズムを製造するためのシステムであって、システムは、第1のプリズムコンポーネント及び第2のプリズムコンポーネントの結合面を近接又は接触させるように構成されたインフラストラクチャと、第1のプリズムコンポーネントの少なくとも1つの第1の表面及び第2のプリズムコンポーネントの少なくとも1つの第2の表面をアラインさせるように構成された制御可能に回転可能な機械軸と、前記少なくとも1つの第1の表面及び前記少なくとも1つの第2の表面上に少なくとも1つのコリメートされた入射光ビームを投影するように構成された光源と、第1の表面及び第2の表面から反射された光ビームを感知するように構成された1つ以上の検出器と、感知されたデータに基づいて、少なくとも1つの第1の表面と少なくとも1つの第2の表面との間の実際の相対配向の平均を判定し、少なくとも1つの第1の表面と少なくとも1つの第2の表面との間の実際の相対配向の加重平均と意図された相対配向との間の差が精度閾値未満である場合に、制御可能に回転可能な機械軸に対する補正角度を判定するように構成された、計算モジュールと、を含み、プリズムコンポーネントのうちの1つ以上は、透明又は半透明である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の平面外面を有する複合プリズムを、その結合面に沿って2つ以上のプリズムコンポーネントをアライン及び接合することによって製造するための方法であって、
第1のプリズムコンポーネント及び第2のプリズムコンポーネントの結合面を近接又は接触させることと、
前記第1のプリズムコンポーネントの少なくとも1つの第1の表面と、前記第2のプリズムコンポーネントの少なくとも1つの第2の表面とをアラインさせることと、
前記少なくとも1つの第1の表面及び前記少なくとも1つの第2の表面上に少なくとも1つのコリメートされた入射光ビームを投影することと、
前記少なくとも1つの第1の表面及び前記少なくとも1つの第2の表面から反射された光ビームを感知することと、
前記感知されたデータに基づいて、前記少なくとも1つの第1の表面と前記少なくとも1つの第2の表面との間の実際の相対配向の平均を判定することと、
前記少なくとも1つの第1の表面と前記少なくとも1つの第2の表面との間の前記実際の相対配向の加重平均と意図された相対配向との間の差が精度閾値未満である場合に、制御可能に回転可能な機械軸を使用して、前記第1のプリズムコンポーネント及び前記第2のプリズムコンポーネントをその結合面に沿って接合することと、を含み、
前記プリズムコンポーネントのうちの1つ以上が、透明又は半透明である、方法。
【請求項2】
前記接合が、結合、硬化、加圧、加熱、及び/又は機械的に締め付けることのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、前記第1の表面と前記第2の表面との間の前記実際の相対配向と前記意図された相対配向との前記差が前記精度閾値を上回る場合、前記第1の表面と前記第2の表面とを再アラインさせることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、前記第1の表面と前記第2の表面とをアラインさせる段階を繰り返すことと、前記少なくとも1つの入射光ビームを投影することと、前記第1の表面と前記第2の表面との間の前記実際の相対配向と前記意図された相対配向との間の前記差が前記精度閾値を上回る場合、前記第1の表面と前記第2の表面との間の前記実際の相対配向を判定することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の表面と前記第2の表面とをアラインさせる段階の前に、接着剤が、前記結合面の間に塗布され、前記第1の表面と前記第2の表面との間の前記実際の相対配向と意図された相対配向との間の前記差が前記精度閾値を下回る場合、前記第1のプリズムコンポーネント及び前記第2のプリズムコンポーネントが、その結合面に沿って硬化される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの入射光ビームが、第1の入射光ビームを含み、第2の入射光ビームが、前記第1の表面及び前記第2の表面に対してそれぞれ、第1の角度及び第2の角度に導かれる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの入射光ビームが単色である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの入射光ビームの各々が、レーザビームである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの入射光ビームがコヒーレントである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の表面及び前記第2の表面から反射された前記光ビームが、感光面上に集束され、前記第1の表面及び前記第2の表面からそれぞれ反射された前記光によって前記感光面上に形成された第1のスポット及び第2のスポットの位置から、前記第1の表面と前記第2の表面との間の前記実際の相対配向と前記意図された相対配向との間の前記差が導出される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記入射光ビームが、オートコリメータを使用して生成され、前記感光面が、前記オートコリメータの画像センサの感光面である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記入射光ビームがコヒーレントであり、前記第1の表面と前記第2の表面との間の前記実際の相対配向と前記意図された相対配向との間の前記差が、前記反射された光ビームの干渉パターンの測定から導出される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の表面及び前記第2の表面が、隣接することが意図される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の表面及び前記第2の表面が、互いに垂直に、又は実質的に垂直に配向されることが意図される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の表面と前記第2の表面との間の角度が、約20°未満であることが意図される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の表面と前記第2の表面との間の角度が、約10°未満であることが意図される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の表面及び前記第2の表面が、互いに平行であるか、又は実質的に平行であることが意図される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の表面及び前記第2の表面が、外面である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の表面及び前記第2の表面のうちの少なくとも一方が、内部ファセットである、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの第2の表面が、公称上共平行な複数の内部ファセットを含み、前記少なくとも1つのコリメートされた入射光ビームの前記投影及び前記光ビームの前記感知が、前記第1の表面及び前記内部ファセットの各々に対して別々に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のプリズムコンポーネント及び/又は前記第2のプリズムコンポーネントが、内部ファセットをそれらの間に画定する接合サブプリズムを含み、及び/又は前記第1のプリズムコンポーネント及び/又は前記第2のプリズムコンポーネントが、埋め込まれた内部ファセットを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の表面及び/又は前記第2の表面が、反射性コーティングによりコーティングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の表面が、埋め込まれた内部ファセットであり、前記方法が、前記複合プリズムを、前記第2のプリズムコンポーネントと等しい屈折率を有する浸漬媒体に浸漬させる初期段階を更に含み、かつ/又は
前記第2のプリズムコンポーネントが、接合された第1のサブプリズム及び第2のサブプリズムを含み、前記第2の表面が、前記第1のサブプリズムと前記第2のサブプリズムとの間の境界によって画定される内部ファセットであり、前記方法が、前記第1のサブプリズムと等しい屈折率を有する媒体に前記複合プリズムを浸漬させる初期段階を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの入射光ビームが、前記浸漬媒体の表面に法線方向に投影される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第2のプリズムコンポーネントが、前記第1のサブプリズムと、前記第2のサブプリズムと、を含み、前記少なくとも1つの入射光ビームが、第1の入射光ビームと、前記第1の表面及び前記第2の表面上にそれぞれ伝播される第2の入射光ビームとを含み、前記第2の入射光ビームが、前記第1のサブプリズムを横断して、前記第2の表面に到達する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第2のプリズムコンポーネントに対する前記第1のプリズムコンポーネントの相対位置を判定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記第2のプリズムコンポーネントに対する前記第1のプリズムコンポーネントの前記相対位置の前記判定が、1つ以上のカメラを使用して実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のプリズムコンポーネントの前記第1の表面と、前記第2のプリズムコンポーネントの前記第2の表面とが、非平行であることが意図され、前記入射光ビームが、前記第1のプリズムコンポーネントの前記第1の表面に対して実質的に垂直な方向に投影され、前記入射光ビームの一部を、前記第2のプリズムコンポーネントの前記第2の表面に導き、前記第2の表面に実質的に法線方向に衝突させるために、媒介光学要素が利用される、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記媒介光学要素が、ペンタプリズム、直角プリズム、ミラーのセット、及び回折光学格子又は要素からなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記コリメートされた入射光ビームが、偏光である、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のプリズム及び前記第2のプリズムの結合面間に、2つの追加のサブプリズムを配置することと、前記第1のプリズムの前記第1の表面及び前記第2のプリズムの前記第2の表面を、前記2つの追加のサブプリズムを利用してアラインさせることと、を更に含み、前記追加のサブプリズムの各々が、2つの異なる角度を画定する2つの非平行表面を有し、それによって、前記第1のプリズムコンポーネント及び前記第2のプリズムコンポーネントの前記結合面間の角度を制御可能に設定することを可能にする、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
光学要素の2つの非平行表面間の配向を測定及び/又は検証するための方法であって、
第1の表面と、第2の表面と、を備える光学要素を提供することであって、前記表面が、互いに対してある角度に設定される、提供することと、
第1のサブビームと、第2のサブビームと、を含む少なくとも1つのコリメート光ビームを投影し、それによって、媒介光学要素を通過した後に、前記第1のサブビームが、前記第1の表面に実質的に法線方向に衝突し、かつ前記第2のサブビームが、前記第2の表面に実質的に法線方向に衝突することと、
前記媒介光学要素を再通過した後に、前記第1の表面から反射された光、及び前記第2の表面から反射された光を感知することと、
前記感知されたデータに基づいて、前記第1の表面と前記第2の表面との間の実際の相対配向を判定することと、を含む、方法。
【請求項33】
光学要素の2つの公称上平行であるか、又は公称上ほぼ平行であり、かつ横方向に重なり合う表面の間の配向を測定及び/又は検証するための方法であって、
公称上平行であるか、又は公称上ほぼ平行であり、かつ横方向に重なり合う第1の表面及び第2の表面を含む光学要素を提供することであって、前記第1の表面及び前記第2の表面のうちの一方が、他方よりも実質的に高い反射率を有する、提供することと、
s偏光されたコリメート光ビーム及びp偏光されたコリメート光ビームを非同時に投影することであって、前記s偏光されたコリメート光ビーム及び前記p偏光されたコリメート光ビームが、実質的により高い反射率を有する前記表面に対して実質的にブリュースター角で入射されるように導かれ、それによって、前記第1の表面から反射された光を前記第2の表面から反射された光から区別することが可能になる、投影することと、
前記第1の表面から反射された光、及び前記第2の表面から反射された光を感知することと、
前記感知されたデータに基づいて、前記第1の表面と前記第2の表面との間の実際の相対配向を判定することと、を含む、方法。
【請求項34】
光学要素の2つの公称上平行であるか、又は公称上ほぼ平行であり、かつ横方向に重なり合う表面の間の配向を測定及び/又は検証するための方法であって、
外側の第1の表面と、外側又は内側の第2の表面と、を含む光学要素を提供することであって、前記外側の第1の表面及び前記外側又は内側の第2の表面が、公称上平行であるか、又はほぼ平行であり、かつ横方向に重なり合う、提供することと、
くさび形プリズムを前記第1の表面上に配置することであって、前記くさび形プリズムが前記光学要素と同じ屈折率を有する、配置することと、
前記くさび形プリズムの上面上にコリメートされた入射光ビームを投影し、それによって、前記光学要素の前記第2の表面及び前記くさび形プリズムの前記上面が光を反射し、一方、光が前記第1の表面から反射されるのを阻止することと、
前記くさび形プリズムを通って再通過した後、前記第2の表面から反射された光を感知することと、
前記第1の表面上に前記コリメートされた入射光ビームを投影し、そのような第1の表面が、光を反射し、一方、光が前記くさび形プリズムの前記上面から及び前記第2の表面から反射されるのを阻止することと、
前記第1の表面から反射された光を感知することと、
前記感知されたデータに基づいて、前記第1の表面と前記第2の表面との間の実際の角度を判定することと、を含む、方法。
【請求項35】
2つ以上のプリズムコンポーネントをその結合面に沿ってアラインさせ、結合することによって、複数の平面外面を有する複合プリズムを製造するためのシステムであって、
第1のプリズムコンポーネント及び第2のプリズムコンポーネントの結合面を近接又は接触させるように構成されたインフラストラクチャと、
前記第1のプリズムコンポーネントの少なくとも1つの第1の表面及び前記第2のプリズムコンポーネントの少なくとも1つの第2の表面をアラインさせるように構成された、制御可能に回転可能な機械軸と、
前記少なくとも1つの第1の表面及び前記少なくとも1つの第2の表面上に少なくとも1つのコリメートされた入射光ビームを投影するように構成された光源と、
前記第1の表面及び前記第2の表面から反射された光ビームを感知するように構成された1つ以上の検出器と、
前記感知されたデータに基づいて、前記少なくとも1つの第1の表面と前記少なくとも1つの第2の表面との間の実際の相対配向の平均を判定するように構成された計算モジュールであって、前記少なくとも1つの第1の表面と前記少なくとも1つの第2の表面との間の前記実際の相対配向の加重平均と意図された相対配向との間の差が精度閾値未満である場合、前記制御可能に回転可能な機械軸についての補正角度を判定するように構成され、前記プリズムコンポーネントのうちの1つ以上が透明又は半透明である、計算モジュールと、を備える、システム。
【請求項36】
前記計算モジュールが、前記回転可能な機械軸に機能的に関連付けられたコントローラに命令を提供して、前記第1の表面と前記第2の表面との間の角度を自動的に補正するように更に構成される、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
光学要素の2つの非平行な表面間の配向を測定及び/又は検証するためのシステムであって、
第1の表面及び第2の表面を含む光学要素を位置決めするように構成されたインフラストラクチャであって、前記第1の表面及び前記第2の表面が、互いに対してある角度で設定されている、インフラストラクチャと、
第1のサブビームと、第2のサブビームと、を有する少なくとも1つのコリメートされた入射光ビームを投影し、それによって、媒介光学要素を通過した後に、前記第1のサブビームが前記第1の表面に実質的に法線方向に衝突し、前記第2のサブビームが前記第2の表面に実質的に法線方向に衝突するように構成された光源と、
前記媒介光学要素を再通過した後に、前記第1の表面から反射された光及び前記第2の表面から反射された光を感知するように構成された1つ以上の検出器と、
前記感知されたデータに基づいて、前記第1の表面と前記第2の表面との間の実際の相対配向を判定するように構成された計算モジュールと、を備える、システム。
【請求項38】
光学要素の2つの公称上平行であるか、又は公称上ほぼ平行であり、かつ横方向に重なり合う表面間の配向を測定及び/又は検証するためのシステムであって、
光学要素を位置決めするように構成されたインフラストラクチャであって、前記光学要素が、公称上平行であるか、又は公称上ほぼ平行であり、かつ横方向に重なり合う第1の表面及び第2の表面を備え、前記第1の表面及び前記第2の表面の一方が、他方よりも実質的に高い反射率を有する、インフラストラクチャと、
s偏光されたコリメート光ビーム及びp偏光されたコリメート光ビームを非同時に投影するように構成された光源であって、前記s偏光されたコリメート光ビーム及び前記p偏光されたコリメート光ビームが、前記実質的により高い反射率を有する前記表面に対して実質的にブリュースターの角度で入射するように導かれ、それによって、前記第1の表面から反射された光を前記第2の表面から反射された光から区別することが可能になる、光源と、
前記第1の表面から反射された光及び前記第2の表面から反射された光を感知するように構成された1つ以上の検出器と、
前記感知されたデータに基づいて、前記第1の表面と前記第2の表面との間の実際の相対配向を判定するように構成された計算モジュールと、を備える、システム。
【請求項39】
光学要素の2つの公称上平行であるか、又は公称上ほぼ平行であり、かつ横方向に重なり合う表面間の配向を測定及び/又は検証するためのシステムであって、
くさび形プリズムと、シャッターアセンブリと、を備えるインフラストラクチャであって、
前記くさび形プリズムを、検査される光学要素の外側の第1の表面上に配置するように構成されており、前記光学要素が、前記第1の表面に対して公称上平行であるか、又は公称上ほぼ平行であり、かつ前記第1の表面と横方向において重なり合う、外側又は内側の第2の表面を更に備える、インフラストラクチャと、
前記光学要素及び前記くさび形プリズムに導かれるコリメートされた入射光ビームを投影するように構成された光源と、
少なくとも第1の状態と第2の状態との間で制御可能に切り替えられるように構成されたシャッターアセンブリであって、前記第1の状態では、前記シャッターアセンブリが、光が前記光学要素の前記第1の表面に直接衝突するのを阻止し、前記第2の状態では、前記シャッターアセンブリが、光が前記くさび形プリズムに衝突するのを阻止する、シャッターアセンブリと、
前記くさび形プリズムを通過した後に、前記第1の表面から直接反射された光、及び前記第2の表面から反射された光を感知するように構成された1つ以上の光検出器と、
第1の感知されたデータ及び第2の感知されたデータに基づいて、前記第1の表面との間の実際の角度を判定するように構成された計算モジュールであって、前記第1の感知されたデータが、前記シャッターアセンブリが第1の状態にあるときに前記1つ以上の光検出器によって取得され、前記第2の感知されたデータが、前記シャッターアセンブリが第2の状態にあるときに前記1つ以上の光検出器によって取得される、計算モジュールと、を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、光学面を結合してアラインさせるための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
機械要素又は光学要素は、それらの間に特定の相対位置又は角度方向を有するべき2つ以上の平坦な反射面を含んでもよい。そのような要素の製造は、特に高精度が必要とされる場合に、技術的に困難であり、高価であり得る。光学要素を結合し、正確にアラインさせるための容易に実装可能な技術への満たされていないニーズが当技術分野には存在する。
【発明の概要】
【0003】
本開示の態様は、本開示の一部の実施形態によれば、アクティブアライメントを使用して2つ以上のプリズムを結合することによって複雑なプリズムを製造するための方法及びシステムに関する。より具体的には、限定的ではないが、本開示の一部の実施形態による、本開示の態様は、コンポーネント間で高い角度精度を有する複雑なプリズム構造を生成することに関する。このことは、屈折複合導波路構造を製造し、その品質を保証する上で特に重要である。
【0004】
したがって、一部の実施形態の一態様によれば、その結合面に沿って2つ以上のプリズムコンポーネントをアラインさせ結合することによって、複数の平面外面を有する複合プリズムを製造するためのシステムが提供され、システムは、第1のプリズムコンポーネント及び第2のプリズムコンポーネントの結合面を近接又は接触させるように構成されたインフラストラクチャと、少なくとも1つの第1の表面をアラインさせるように構成された制御可能に回転可能な機械軸と、第1のプリズムコンポーネント及び第2のプリズムコンポーネントの少なくとも1つの第2の表面と、少なくとも1つの第1の表面及び少なくとも1つの第2の表面上に少なくとも1つのコリメートされた入射光ビームを投影するように構成された光源と、第1の表面及び第2の表面から反射された光ビームを感知するように構成された1つ以上の検出器と、感知されたデータに基づいて少なくとも1つの第1の表面と少なくとも1つの第2の表面との間の実際の相対配向の平均を判定し、少なくとも1つの第1の表面と少なくとも1つの第2の表面との間の実際の相対配向の加重平均と意図された相対配向との間の差が、精度閾値未満である場合に、制御可能に回転可能な機械軸についての補正角度を判定するように構成された計算モジュールと、を備え、プリズムコンポーネントのうちの1つ以上が透明又は半透明である、システム。一部の実施形態によれば、計算モジュールは、第1の表面と第2の表面との間の角度を自動的に補正するために、回転可能な機械軸と機能的に関連付けられたコントローラに命令を提供するように更に構成される。
【0005】
一部の実施形態の一態様によれば、その結合面に沿って2つ以上のプリズムコンポーネントをアラインさせ結合することによって、複数の平面外面を有する複合プリズムを製造するための方法であって、第1のプリズムコンポーネント及び第2のプリズムコンポーネントの結合面を近接又は接触させることと、第1のプリズムコンポーネントの少なくとも1つの第1の表面及び第2のプリズムコンポーネントの少なくとも1つの第2の表面をアラインさせることと、少なくとも1つの第1の表面及び少なくとも1つの第2の表面上に少なくとも1つのコリメートされた入射光ビームを投影することと、少なくとも1つの第1の表面及び少なくとも1つの第2の表面から反射された光ビームを感知することと、感知されたデータに基づいて、少なくとも1つの第1の表面と少なくとも1つの第2の表面との間の実際の相対配向の平均を判定することと、少なくとも1つの第1の表面と少なくとも1つの第2の表面との間の実際の相対配向の加重平均と意図された相対配向との間の差が、精度閾値未満である場合に、制御可能に回転可能な機械軸を使用して、第1のプリズムコンポーネント及び第2のプリズムコンポーネントを、それらの結合面に沿って接合することと、を含み、プリズムコンポーネントのうちの1つ以上が透明又は半透明である、方法。
【0006】
一部の実施形態によれば、接合のステップは、結合、硬化、加圧、加熱、及び/又は機械的締め付けのうちの1つ以上を含み得る。
【0007】
一部の実施形態によれば、方法は、第1の表面と第2の表面との間の実際の相対方向と意図された相対方向との差が精度閾値を上回る場合に、第1の表面と第2の表面を再アラインさせることを更に含み得る。
【0008】
一部の実施形態によれば、方法は、第1の表面及び第2の表面をアラインさせる段階を繰り返すことと、少なくとも1つの入射光ビームを投影することと、第1の表面と第2の表面との間の実際の相対方向と意図された相対方向との間の差が精度閾値を上回る場合に、第1の表面と第2の表面との間の実際の相対方向を判定することと、を更に含み得る。
【0009】
一部の実施形態によれば、接着剤は、第1及び第2の表面をアラインさせる段階の前に、結合面間に塗布され得、第1の表面と第2の表面との間の実際の相対配向と意図された相対配向との間の差が精度閾値未満である場合、第1のプリズムコンポーネント及び第2のプリズムコンポーネントは、その結合面に沿って硬化される。接着剤は、第1の表面と第2の表面をアラインさせる段階の前に、結合面の間に塗布されてもよく、第1の表面と第2の表面との間の実際の相対配向と意図された相対配向との間の差が精度閾値未満である場合、第1のプリズムコンポーネント及び第2のプリズムコンポーネントは、その結合面に沿って硬化される。
【0010】
一部の実施形態によれば、少なくとも1つの入射光ビームは、第1の表面及び第2の表面に対して第1の角度及び第2の角度にそれぞれ導かれる第1の入射光ビーム及び第2の入射光ビームを含み得る。少なくとも1つの入射光ビームは、単色であり得る。一部の実施形態によれば、少なくとも1つの入射光ビームの各々は、レーザビームであり得る。一部の実施形態によれば、少なくとも1つの入射光ビームは、コヒーレントであり得る。
【0011】
一部の実施形態によれば、第1の表面及び第2の表面から反射された光ビームは、感光面に集束され、第1の表面と第2の表面との間の実際の相対配向と意図された相対配向との間の差は、第1の表面及び第2の表面からそれぞれ反射された光によって感光面上に形成された第1のスポット及び第2のスポットの位置から導出される。入射光ビームは、オートコリメータを使用して生成され得、感光面は、オートコリメータの画像センサの感光面である。入射光ビームは、コヒーレントであり得、第1の表面と第2の表面との間の実際の相対配向と意図された相対配向との間の差は、反射された光ビームの干渉パターンの測定から導出され得る。
【0012】
一部の実施形態によれば、第1及び第2の表面は、隣接することが意図される。
【0013】
一部の実施形態によれば、第1及び第2の表面は、互いに垂直に、又は実質的に垂直に配向されることが意図される。
【0014】
一部の実施形態によれば、第1の表面と第2の表面との間の角度は、約20°未満であることが意図される。第1及び第2の表面は、約10°未満であることが意図される。
【0015】
一部の実施形態によれば、第1及び第2の表面は、互いに平行又は実質的に平行であることが意図される。
【0016】
一部の実施形態によれば、第1及び第2の表面は、外面である。一部の実施形態によれば、第1の表面及び第2の表面のうちの少なくとも1つは、内部ファセットである。一部の実施形態によれば、少なくとも1つの第2の表面は、公称上共平行な複数の内部ファセットを含み得、少なくとも1つのコリメートされた入射光ビームの投影及び光ビームの感知は、第1の表面及び内部ファセットの各々上で別々に実施される。
【0017】
一部の実施形態によれば、第1のプリズムコンポーネント及び/若しくは第2のプリズムコンポーネントは、内部ファセットをそれらの間に画定する接合されたサブプリズムを含んでもよく、かつ/又は第1のプリズム及び/若しくは第2のプリズムコンポーネントは、埋め込まれた内部ファセットを含んでもよい。
【0018】
一部の実施形態によれば、第1及び/又は第2の表面は、反射コーティングでコーティングされている。
【0019】
一部の実施形態によれば、第2の表面は、埋め込まれた内部ファセットであり、方法は、第2のプリズムコンポーネントと等しい屈折率を有する浸漬媒体中に複合プリズムを浸漬させる初期段階を更に含み得、かつ/又は第2のプリズムコンポーネントは、接合された第1のサブプリズム及び第2のサブプリズムを含み得、第2の表面は、第1のサブプリズムと第2のサブプリズムとの間の境界によって画定された内部ファセットであり、方法は、第1のサブプリズムと等しい屈折率を有する媒体中に複合プリズムを浸漬させる初期段階を更に含み得る。
【0020】
一部の実施形態によれば、少なくとも1つの入射光ビームは、浸漬媒体の表面に法線方向に投影される。
【0021】
一部の実施形態によれば、第2のプリズムコンポーネントは、第1のサブプリズム及び第2のサブプリズムを含み得、少なくとも1つの入射光ビームは、第1の表面及び第2の表面上にそれぞれ伝播される第1の入射光ビーム及び第2の入射光ビームを含み、第2の入射光ビームは、第1のサブプリズムを横断して第2の表面に到達する。
【0022】
一部の実施形態によれば、方法は、第2のプリズムコンポーネントに対する第1のプリズムコンポーネントの相対位置を判定することを更に含み得る。
【0023】
一部の実施形態によれば、第2のプリズムコンポーネントに対して第1のプリズムコンポーネントの相対位置を判定することは、1つ以上のカメラを使用して実施される。一部の実施形態によれば、第2のプリズムコンポーネントに対して第1のプリズムコンポーネントの相対位置を判定することは、1つ以上のカメラを使用して実施される。
【0024】
一部の実施形態によれば、第1のプリズムコンポーネントの第1の表面及び第2のプリズムコンポーネントの第2の表面は、非平行であることが意図されており、入射光ビームは、第1のプリズムコンポーネントの第1の表面に対して実質的に垂直な方向に投影され、媒介光学要素は、入射光ビームの一部を第2のプリズムコンポーネントの第2の表面上に導くために利用され、第2の表面に実質的に法線方向に入射する。媒介光学要素は、ペンタプリズム、直角プリズム、ミラーのセット、及び回折光学格子又は要素からなる群から選択される。
【0025】
一部の実施形態によれば、コリメートされた入射光ビームは、偏光された光である。
【0026】
一部の実施形態によれば、方法は、第1のプリズム及び第2のプリズムの結合面間に、2つの追加のサブプリズムを配置することと、2つの追加のサブプリズムを利用して第1のプリズムの第1の表面及び第2のプリズムの第2の表面をアラインさせることと、を更に含み得、追加のサブプリズムの各々は、2つの異なる角度を画定する2つの非平行表面を有し、それによって、第1のプリズムコンポーネント及び第2のプリズムコンポーネントの結合面間の角度を制御可能に設定することを可能にする。
【0027】
一部の実施形態の一態様によれば、光学要素の2つの非平行な表面の間の配向を測定及び/又は検証するためのシステムが更に提供され、このシステムは、互いに対してある角度に設定された第1の表面及び第2の表面を含む光学要素を位置決めするように構成されたインフラストラクチャと、第1のサブビーム及び第2のサブビームを有する少なくとも1つのコリメートされた入射光ビームを投影し、それによって、媒介光学要素を通過した後に、第1のサブビームが第1の表面に実質的に法線方向に衝突し、第2のサブビームが第2の表面に実質的に法線方向に衝突するように構成された光源と、媒介光学要素を通過した後に第1の表面から反射された光及び第2の表面から反射された光を感知するように構成された1つ以上の検出器と、感知されたデータに基づいて第1の表面と第2の表面との間の実際の相対配向を判定するように構成された計算モジュールと、を備える。
【0028】
一部の実施形態の一態様によれば、光学要素の2つの非平行な表面の間の配向を測定及び/又は検証するための方法が提供され、この方法は、互いに対して一定の角度に設定された第1の表面及び第2の表面を含む光学要素を提供することと、第1のサブビーム及び第2のサブビームを含む少なくとも1つのコリメート光ビームを投影し、それによって、媒介光学要素を通過した後に、第1のサブビームが第1の表面に実質的に法線方向に衝突し、第2のサブビームが第2の表面に実質的に法線方向に衝突することと、媒介光学要素を通過した後に第1の表面から反射された光及び第2の表面から反射された光を感知することと、感知されたデータに基づいて、第1の表面と第2の表面との間の実際の相対配向を判定することと、を含む。
【0029】
一部の実施形態によれば、第1の表面と第2の表面との間の角度は、約90°である。一部の実施形態によれば、第1の表面と第2の表面との間の角度は、約20°~約90°である。一部の実施形態によれば、第1の表面と第2の表面との間の角度は、約30°~約70°である。
【0030】
一部の実施形態によれば、第1の表面及び第2の表面は、外面である。
【0031】
一部の実施形態によれば、第1の表面は外面であり、第2の表面は内面である。
【0032】
一部の実施形態によれば、光学要素は、第1の表面に対して公称上平行である第1の複数の内面を更に含み得、方法は、第1の複数の内面及び第2の表面の各々に対して投影するステップ、感知するステップ、及び判定するステップを適用することを更に含み得る。
【0033】
一部の実施形態によれば、方法は、第2の表面と第1の表面と第1の複数の内面との間の実際の相対配向の平均を更に含み得る。
【0034】
一部の実施形態によれば、光学要素は、第2の表面に公称上平行な第2の複数の内面を更に含み得、方法は、第2の複数の内面及び第1の表面の各々に対して投影するステップ、感知するステップ、及び判定するステップを適用することを更に含み得る。
【0035】
一部の実施形態によれば、方法は、第2の表面と第1の表面と第1の複数の内面との間の実際の相対配向の平均を計算することを更に含み得る。
【0036】
一部の実施形態の一態様によれば、光学要素の2つの公称上平行であるか、又は公称上ほぼ平行であり、かつ横方向に重なり合う表面の間の配向を測定及び/又は検証するためのシステムが更に提供され、システムは、光学要素を位置決めするように構成されたインフラストラクチャであって、光学要素が、公称上平行であるか、又は公称上ほぼ平行であり、かつ横方向に重なり合う第1の表面及び第2の表面を含み、第1の表面及び第2の表面の一方が、他方よりも実質的に高い反射率を有する、インフラストラクチャと、光源であって、実質的により高い反射率を有する表面に対して実質的にブリュースターの角度で入射するように導かれた、s偏光されたコリメート光ビーム及びp偏光されたコリメート光ビームを非同時に投影し、それによって、第1の表面から反射された光と第2の表面から反射された光とを区別することを可能にする、光源と、第1の表面から反射された光及び第2の表面から反射された光を感知するように構成された1つ以上の検出器と、感知されたデータに基づいて、第1の表面と第2の表面との間の実際の相対配向を判定するように構成された計算モジュールと、を備える。
【0037】
一部の実施形態の一態様によれば、光学要素の2つの公称上平行であるか、又はほぼ平行であり、かつ横方向に重なり合う表面の間の配向を測定及び/又は検証するための方法が提供され、この方法は、公称上平行であるか、又はほぼ平行であり、かつ横方向に重なり合う第1の表面及び第2の表面を含む光学要素を提供することであって、第1の表面及び第2の表面のうちの一方が、他方よりも実質的に高い反射率を有する、提供することと、実質的により高い反射率を有する表面に対してブリュースターの角度で実質的に入射されるように導かれた、s偏光化されたコリメート光ビーム及びp偏光化されたコリメート光ビームを非同時に投影し、それによって、第1の表面から反射された光を第2の表面から反射された光と区別することを可能にすることと、第1の表面から反射された光及び第2の表面から反射された光を感知することと、感知されたデータに基づいて、第1の表面と第2の表面との間の実際の相対配向を判定することと、を含む。
【0038】
一部の実施形態によれば、第1の表面は外面であり、第2の表面は内面である。
【0039】
一部の実施形態によれば、光学要素は、第1の表面に対して公称上平行である第1の複数の内面を更に含み得、方法は、第1の複数の内面及び第2の表面の各々に対して投影するステップ、感知するステップ、及び判定するステップを更に適用することを含み得る。
【0040】
一部の実施形態によれば、方法は、第2の表面と第1の表面と第1の複数の内部表面との間の実際の相対配向の平均を計算することを更に含み得る。
【0041】
一部の実施形態によれば、公称上ほぼ平行な角度は、約5アーク分よりも小さい。
【0042】
一部の実施形態の一態様によれば、光学要素の2つの公称上平行であるか、又は公称上ほぼ平行であり、かつ横方向に重なり合う表面の間の配向を測定及び/又は検証するためのシステムが更に提供され、システムは、くさび形プリズム及びシャッターアセンブリを含むインフラストラクチャであって、検査される光学要素の外側の第1の表面上にくさび形プリズムを配置するように構成されたインフラストラクチャであって、光学要素が、第1の表面に公称上平行であるか、又は公称上ほぼ平行であり、かつ横方向に重なり合う、外側又は内側の第2の表面を更に含む、光源と、光学要素及びくさび形プリズムに導かれたコリメートされた入射光ビームを投影するように構成された光源と、第1の状態と第2の状態との間で少なくとも制御可能に切り替えられるように構成されたシャッターアセンブリであって、第1の状態では、光が光学要素の第1の表面に直接衝突するのを阻止し、第2の状態では、シャッターアセンブリは、光がくさび形プリズムに衝突するのを阻止する、シャッターアセンブリと、くさび形プリズムを通過した後の、第1の表面から直接反射された光及び第2の表面から反射された光を感知するように構成された1つ以上の光検出器と、第1の感知されたデータ及び第2の感知されたデータに基づいて第1の表面との間の実際の角度を判定するように構成された計算モジュールであって、第1の感知されたデータが、シャッターアセンブリが第1の状態にあるときに1つ以上の光検出器によって取得され、第2の感知されたデータが、シャッターアセンブリが第2の状態にあるときに1つ以上の光検出器によって取得される、計算モジュールと、を備える。
【0043】
一部の実施形態の一態様によれば、光学要素の2つの公称上平行であるか、又は公称上ほぼ平行であり、かつ横方向に重なり合う表面の間の配向を測定及び/又は検証するための方法が提供され、方法は、公称上平行であるか、又は公称上ほぼ平行であり、かつ横方向に重なり合う外側の第1の表面及び外側若しくは内側の第2の表面を含む光学要素を提供することと、くさび形プリズムを第1の表面上に配置することであって、くさび形プリズムが、光学要素と同じ屈折率を有する、配置することと、コリメートされた入射光ビームをくさび形プリズムの上面上に投影し、それによって、光学要素の第2の表面及びくさびの上面が光を反射し、一方、光が第1の表面から反射されるのを阻止することと、くさび形プリズムを再通過した後に第2の表面から反射された光を感知することと、コリメートされた入射光ビームを第1の表面上に投影し、そのような第1の表面が光を反射し、一方、光がくさびの上面及び第2の表面から反射されるのを阻止することと、第1の表面から反射された光を感知することと、感知されたデータに基づいて、第1の表面と第2の表面との間の実際の角度を決定することと、を含む。
【0044】
一部の実施形態によれば、屈折率整合液体が、くさび形プリズムと光学要素との間に配置されている。
【0045】
一部の実施形態によれば、方法は、シャッターアセンブリを使用して、光が第1の表面に直接衝突すること、又はくさび形プリズムの上面に衝突することを選択的に阻止することを更に含み得る。
【0046】
一部の実施形態によれば、第2の表面は、内面である。
【0047】
一部の実施形態によれば、光学要素は、複合プリズムを含む。一部の実施形態によれば、光学要素は、導波路構造を含む。一部の実施形態によれば、光学要素は、複合プリズム及び導波路構造を含む。
【0048】
本開示の特定の実施形態は、上記利点の一部若しくは全てを含み得るか、又はいずれも含まない場合がある。本出願に含まれる図面、明細書、及び特許請求の範囲から、1つ以上の他の技術的利点が当業者に容易に明らかになり得る。更に、具体的な利点が上記に列挙されているが、様々な実施形態が、列挙された利点の全て若しくは一部を含み得るか、又はいずれも含まない場合がある。
【0049】
特に明記されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示に関する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。矛盾する場合は、定義を含め、本特許明細書が優先される。本明細書で使用される不定冠詞「a」及び「an」は、文脈上そうではないことが明らかな場合を除き、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味する。
【0050】
特に明記されない限り、本開示から明らかなように、一部の実施形態によれば、「処理する」、「計算する」、「演算する」、「決定する」、「推定する」、「評価する」、又は「測る」などの用語は、計算システムのレジスタ及び/又はメモリ内の物理的な(例えば、電子的な)量として表されるデータを、計算システムのメモリ、レジスタ、又は他のそのような情報記憶、送信、若しくは表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータへと操作及び/又は変換する、コンピュータ若しくは計算システム、又は同様の電子計算デバイスの行為及び/又はプロセスを指し得ることが理解されよう。
【0051】
本開示の実施形態は、本明細書における動作を実施するための装置を含み得る。装置は、所望の目的のために特別に構築され得るか、又はコンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に作動又は再構成される汎用コンピュータを含み得る。そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体、例えば、限定はされないが、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、磁気光ディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能及びプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、又は電子命令を記憶するのに適しており、かつコンピュータシステムバスに結合することができる任意の他のタイプの媒体などに記憶され得る。
【0052】
本明細書に提示されるプロセス及びディスプレイは、もともと、いかなる特定のコンピュータ又は他の装置にも関連付けられていない。本明細書の教示によるプログラムとともに様々な汎用システムを使用することができ、又は、所望の方法を実施するために、より特化した装置を構築することが好都合であり得る。様々なこれらのシステムのための所望の構造が以下の説明から理解されよう。また、本開示の実施形態の説明では、いかなる特定のプログラミング言語も参照していない。様々なプログラミング言語が、本明細書に記載されるように本開示の教示を実装するために使用され得ることが理解されよう。
【0053】
本開示の態様は、コンピュータによって実行される、プログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令の一般的なコンテキストで記述され得る。概して、プログラムモジュールは、特定のタスクを実施するか、又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、及びデータ構造などを含む。開示される実施形態はまた、通信ネットワークバイスによってタスクが実施される分散コンピューティング環境において実施され得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリ記憶デバイスを含むローカル及びリモートコンピュータ記憶媒体の両方に位置され得る。
【図面の簡単な説明】
【0054】
本開示の一部の実施形態を、添付の図面を参照しながら説明する。説明は、図とともに、一部の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。図は、例示的な説明を目的としたものであり、本開示の根本的な理解のために必要とされる以上に詳細に、実施形態の構造の細部を示そうとはしていない。明瞭さのために、図に描写されている一部の物体は、縮尺通りに描画されていない。更に、同じ図における2つの異なる物体が、異なる縮尺で描画されている場合がある。具体的には、一部の物体の縮尺が、同じ図の他の物体と比較して大幅に誇張されている場合がある。
【0055】
【
図1A】一部の実施形態による、例示的な複合プリズムの等角図を概略的に描写する。
【
図1B】一部の実施形態による、
図1Aの複合プリズムの側面図を概略的に描写する。
【
図1C】一部の実施形態による、
図1Aの複合プリズムのアクティブアライメントによる結合を概略的に描写する。
【
図1D】一部の実施形態による、
図1Aの複合プリズムのアクティブアライメントによる結合を概略的に描写する。
【
図1E】一部の実施形態による、2つの媒介プリズムを使用した複合プリズムのアクティブアライメントによる結合を概略的に描写する。
【
図2】一部の実施形態による、内部ファセットを有する複合プリズムのアクティブアライメントによる結合を概略的に描写する。
【
図3A】表面間の角度を測定するための従来技術の方法を概略的に描写する。
【
図3B】表面間の角度を測定するための従来技術の方法を概略的に描写する。
【
図4A】一部の実施形態による、ブリュースターの角度を利用することによって表面間の平行性を測定するための方法を概略的に描写する。
【
図4B】一部の実施形態による、ブリュースターの角度を利用することによって表面間の平行性を測定するための方法を概略的に描写する。
【
図4C】一部の実施形態による、2つのほぼ平行な表面間の相対角度を測定するための方法を概略的に描写する。
【
図5A】一部の実施形態による、対象となる2つの表面間の必要な角度がほぼ垂直(約90
°)である例示的な複合プリズムを概略的に描写する。
【
図5B】一部の実施形態による、一方が内部ファセットである、対象となる2つの表面間の必要な角度がほぼ垂直(約90
°)である例示的な複合プリズムを概略的に描写する。
【
図5C】一部の実施形態による、媒介光学要素を利用した、
図5A及び
図5Bの複合プリズムのほぼ垂直な表面をアクティブなアライメントによって結合するための方法を概略的に描写する。
【
図5D】一部の実施形態による、媒介光学要素を利用した、
図5A及び
図5Bの複合プリズムのほぼ垂直な表面をアクティブなアライメントによって結合するための方法を概略的に描写する。
【
図5E】一部の実施形態による、上昇光線及び下降光線によって垂直度を測定するための方法を概略的に描写する。
【
図6】一部の実施形態による、媒介光学要素を利用する複合プリズム(間に任意の角度を有する対象となる2つの表面のための)のアクティブアライメントによる結合のための方法を概略的に描写する。
【
図7A】一部の実施形態による、2つのサブプリズム間の相対位置がプリズムの外面に従って設定される例示的な複合プリズムを概略的に描写する。
【
図7B】一部の実施形態による、2つのサブプリズム間の相対位置がプリズムの内部ファセットに従って設定される例示的な複合プリズムを概略的に描写する。
【
図7C】一部の実施形態による、2つのサブプリズム間の配向及び相対位置がプリズムの内部ファセットに従って設定される例示的な複合プリズムを概略的に描写する。
【
図8】一部の実施形態による、光学撮像を利用した、2つのサブプリズム間の相対位置の測定及び補正のためのセットアップの上面図を概略的に描写する。
【
図9】一部の実施形態による、2つのサブプリズムの相対的な位置決めを、その内面に従って設定する必要がある複雑なプリズムを概略的に描写する。
【
図10A】一部の実施形態による、構造の2つの外面に平行であることを検証すべき内部ファセットを有する光導波路構造を概略的に描写する。
【
図10B】一部の実施形態による、偏光を利用する構造の外面に平行であることを検証すべき内部ファセットを有する光導波路構造を概略的に描写する。
【
図10C】一部の実施形態による、構造の外面に垂直であることを検証すべき内部ファセットを有する光導波路構造を概略的に描写する。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本出願に開示される教示の原理、使用、及び実装は、添付の明細書及び図面を参照することにより、より良く理解され得る。本出願の明細書及び図面を精査した当業者は、過度の努力又は実験なしに、本明細書の教示を実施することができるであろう。図中、同じ参照番号は、全体を通して同じ部分を指す。
【0057】
本出願の明細書及び特許請求の範囲では、「含む」及び「有する」という単語、並びにこれらの語形は、それらの単語が関連付けられ得るリスト内の構成要素に限定されない。
【0058】
本出願で使用される場合、「約」という用語は、量又はパラメータ(例えば、要素の長さ)の値を、所与の(記載されている)値の近傍(及びその値を含む)の連続した値の範囲内に指定するために使用され得る。一部の実施形態によれば、「約」は、パラメータの値を、所与の値の80%~120%に指定し得る。例えば、「要素の長さは約1mに等しい」という記述は、「要素の長さは0.8m~1.2mである」という記述に等しい。一部の実施形態によれば、「約」は、パラメータの値を、所与の値の90%~110%に指定し得る。一部の実施形態によれば、「約」は、パラメータの値を、所与の値の95%~105%に指定し得る。具体的には、「ほぼ等しい」及び「ほぼ等しい」という用語もまた、厳密に等しいことを包含することを理解されたい。
【0059】
本明細書では、一部の実施形態によれば、「実質的に」及び「約」という用語は同義であり得る。
【0060】
説明を簡単にするために、一部の図面では三次元デカルト座標系が導入されている。描写されている物体に対する座標系の配向は、図によって異なり得ることに留意されたい。また、記号
【数1】
は、「ページから外」を指す軸を表すために使用され得、一方、記号
【数2】
は、「ページ内へ」を指す軸を表すために使用され得る。
【0061】
図中、任意選択的な要素及び(フローチャートにおける)任意選択的な段階は、破線で描かれている。
【0062】
明細書全体を通して、ベクトルは、小文字、太字のアップライト文字(例えば、v)で表される。
【0063】
ここで
図1A~1Dを参照し、
図1A~1Dは、一部の実施形態による例示的な複合プリズム400の異なる図を概略的に描写する。
図1Aは、一部の実施形態による例示的な複合プリズム400の等角図を概略的に描写している。
図1Bは、一部の実施形態による複合プリズム400の側面図を概略的に描写している。
図1C及び1Dは、一部の実施形態による複合プリズム400のアクティブアライメントによる結合を概略的に描写している。
【0064】
複合プリズム400は、サブプリズム410及びサブプリズム420の2つのサブプリズムを結合することによって構築される。この例によれば、サブプリズム410の表面411及びサブプリズム420の表面421は、互いに対して正確な角度で配向されることが望ましい。
図1Cに明示されるように、そのようなプリズムは、サブプリズム410の表面412及びサブプリズム420の表面422を高精度に結合することによって製造することができる。このような高精度の結合は、一部の実施形態によれば、2つの表面412及び422を取り付け、プリズム410及び420を、(一方又は両方のサブプリズムをz軸の周りを回転させることによって)表面411と421との間の相対的な角度配向を設定及び最適化するようにアラインさせ、次いで、プリズム410とプリズム420との間の相対的な配向をクランプすることによって達成することができる。一部の実施形態によれば、結合は、例えば、2つの外面412と422との間に接着物質の薄い層を配置し、表面411と421との間に必要な角度が達成されるようにプリズム410及びプリズム420をアラインさせ、最終的に、例えば、UV硬化又は加熱などの方法を使用して接着剤を固化させることによって達成され得る。追加的又は代替的な実施形態によれば、プリズム410及び420を一緒に結合することは、機械的回転(一方又は両方のサブプリズムの、z軸の周りでの回転)を可能にする機械軸を使用し、次いで2つのサブプリズムを機械的に締め付けることによって達成され得る。
【0065】
一部の実施形態によれば、プリズム410及び420のアラインは、表面411と表面421との間の相対的な配向の測定及び補正の反復プロセスにおいて実施され得る。追加又は代替の実施形態によれば、プリズム410及び420のアラインは、リアルタイムに相対的な配向を測定し、一方、表面411及び421の相対的な配向を補正することによって実施され得る。
【0066】
一部の実施形態によれば、2つの表面間の角度の測定は、以下の
図3A及び3Bに明示されるように、光学的に行われ得る。
【0067】
図1C及び1Dは、一部の実施形態による複合プリズム400のアクティブアライメントによる結合を概略的に描写している。結合された表面412及び422がx-y平面内にあるように、座標軸が本明細書で定義される。2つのサブプリズム410及び420は、互いに密接に取り付けられ、結合されなければならないので、表面411と表面421との間の相対的な配向は、結合面412及び422の法線(n)の周りでプリズムを回転させることによってのみ調整することができることに留意されたい。したがって、x又はy軸の周りのサブプリズム410とサブプリズム420との間の角度配向は制御されず、x-y平面内のプリズム間の角度配向のみを調整することができる(すなわち、結合面412及び422の法線間の角度は、x-y平面内でのみ調整することができる)。2つの表面間の角度は、x-y平面上のその角度の投影及びy-z平面上のその角度の投影に分解され得る。表面411及び421の角度配向に対する高精度の要件がx-y平面内のみにある場合、サブプリズム410及び420は、非常にゆるい公差を用いて作製することができ、一方、サブプリズム410と420との間の角度配向に対する高精度の要件がx-z又はy-z平面内にもある場合、プリズム410及び420は、表面411と表面412との間及び表面421と表面422との間で高精度に製造しなければならない。
【0068】
代替的に、一部の実施形態によれば、サブプリズム(例えば、2つ、3つ、4つ以上)は、2つのサブプリズムの2つの結合面の間に配置され得、2つのサブプリズムの2つのそれぞれの表面のx-y平面及びy-z平面の両方におけるアクティブな正確な角度アライメントを容易にする。ここで、
図1Eを参照すると、
図1Eは、一部の実施形態による、2つの媒介プリズムを使用する複合プリズムのアクティブアライメントによる結合の例を概略的に描写する。この実施例では、複素プリズム400’は、表面411’と表面421’との間の角度配向が正確に制御されるように形成されるべきである。この実施形態によれば、2つの追加のサブプリズム430及び440を使用して、x-y平面及びy-z平面の両方において正確な角度アライメントを達成し得る。サブプリズム430及び440の各々は、それぞれ、2つの非平行な表面431及び432、並びに441及び442を有し、表面431と表面432との間の角度は、441と442との間の角度とは異なることができる。プリズム420’は、結合面422’及び431によってサブプリズム430に結合され、プリズム410’は、結合面412’及び441によってサブプリズム440に結合される。サブプリズム430及び440は、それらの配向をクランプ/固定する前にz軸の周りを回転させることができ、プリズム410’及び420’は、それぞれ、表面412’及び422’に対して法線の周りを回転させることができる。y-z平面内の412’と422’との間の初期角度が必要な角度に近い場合、サブプリズム440と比較して小さい、サブプリズム430の回転は、y-z平面内の必要な補正を完全に制御するのに十分である。この場合、420’の法線の周りの420’の回転は、x-y平面内の角度を主に制御し、サブプリズム430又は440のそれぞれ、法線442又は432の周りでの回転は、y-z平面内の角度を主に制御する。プリズム420の、その法線の周りでの回転は、1自由度のみをもたらすことに留意されたい、したがって、y-x平面内の表面411’と421’との間の角度のみを制御することができる(言い換えれば、表面411’と表面421’との間の相対的な角度の補正は、1つの次元においてのみ実施することができる)。有利には、サブプリズム430及び440を追加すると別の自由度が導入され、したがって、2での表面411’と表面421’との間の相対的な角度を制御することが可能になり、したがって、角度をy-z平面内でも制御することができる。
【0069】
一部の実施形態によれば、複合プリズム400’、プリズム410’、プリズム420’、表面411’、表面421’、表面412’、及び表面422’の各々は、複合プリズム400、プリズム410、プリズム420、表面411、表面421、表面412、及び表面422と同じであってもよい(例えば、同じ特性を有する)。代替の実施形態によれば、複合プリズム400’、プリズム410’、プリズム420’、表面411’、表面421’、表面412’、及び表面422’は、
複合プリズム400、プリズム410、プリズム420、表面411、表面421、表面412、及び表面422とは異なる場合がある。
【0070】
図1A及び1Eは、一部の実施形態による、外面に従ったアライメントを示す。しかしながら、他の実施形態によれば、サブプリズムは、一緒に組み合わされたいくつかのより小さいサブプリズムで構成され得、かつ/又はいくつかの内部構造を含み得、所望のアライメントは、内面の間、又は内面と外面との間で行い得る。このことは、一部の実施形態による、内部ファセットを有する複合プリズム500のアクティブアライメントによる結合を概略的に描写する
図2に明示されている。複合プリズム500は、2つのサブプリズム、サブプリズム510及びサブプリズム520の2つのそれぞれの表面512及び522を取り付けることによって2つのサブプリズムを結合することによって構築される。サブプリズム520は、2つのより小さいサブプリズム520a及び520bから構成され、これらのサブプリズムは、互いに結合され、それらの間に位置する内面を形成する。この例によれば、サブプリズム510の外面511及びサブプリズム520の内面523は、互いに対して正確な角度で配向されることが望ましい。
【0071】
一部の実施形態によれば、サブプリズム520a及び520bは、異なる材料で作製され得、内面523は、光学コーティングでコーティングされ得る。光は、媒体に入るときに屈折され、表面521は測定されないので、表面523と表面511との間の絶対角度は、複合プリズム400(
図1C及び1D)については必ずしも上述した方法に従って正確に測定することができないことに留意されたい。例えば、外面521がある程度の精度で内面523に平行である場合には、一部の実施形態によれば、
図1C及び1Dの構成を使用することができ、表面511は、表面521及び表面523の両方に従ってアラインすべきである。
【0072】
このことが必ずしも当てはまらないときは、一部の実施形態によれば、複合プリズム500のサブプリズム520(又は複合プリズムの一部)を、サブプリズム520(又は少なくともサブプリズム520aを含むサブプリズム)の屈折率と一致する屈折率を有する媒体で作られた別の構造と接触するように配置され得、ここで、構造の形状は、表面521に衝突する光が、法線入射率(又は法線入射率に近い入射率)で屈折率整合媒体に入るように作られる。例えば、複合プリズム全体又はその一部は、屈折率整合浸漬媒体(液体など)を備えたタンク内部に配置され得る。この場合、光は、表面521において媒体に入るときに屈折されず、表面511と表面523との間の正確な絶対角度を測定することができる。
【0073】
2つの所望の表面(例えば、表面411及び421間の角度を測定するための光学式の2つの例は、
図3A及び3Bに明示されている。
【0074】
図3Aに示されるように、光学セットアップ600aは、2つの表面A及びB(サブプリズム410の表面411及びサブプリズム420の表面421又はサブプリズム510の表面511及びサブプリズム520の表面523などであるが、これらに限定されない)を(例えば、ビームスプリッタなどの光学要素604aを利用して)照明するように構成されたコリメート照明源602aを含む。表面A及びBは、完全には示されておらず、以下に説明するように、同じプリズム又は異なるサブプリズムの2つの表面、又は媒介光学要素の表面を表し得ることに留意されたい。
【0075】
コリメート光ビーム(矢印によって描写されている)は、両方の表面A及びBに衝突し、それによって、ビームの一部が表面Aによって反射され、ビームの別の一部が表面Bによって反射される。表面A及びBから反射された光は、次に、(例えば、レンズ608aなどのレンズを使用して、カメラ610aなどの検出器上の小さなスポット又はラインに集束され、それによって、任意の角度の誤配向を各表面からの光の空間的分離に変換する。言い換えると、表面A及びBの角度が異なると、カメラ601a上のスポットがシフトされ、2つのスポットの変位は、それらの相対的な角度配向を示す。一部の実施形態によれば、光学セットアップ600aは、シャッター612a及び612bを含んでもよく、シャッターは、一度に1つの表面からの光を検出することを容易にするように、入射光が表面A又は表面Bに衝突することを制御可能に阻止するように構成されている。これは、表面A及び表面Bが公称上平行である実施形態において特に関連性があり得る。その場合、シャッター612が使用されない場合、2つのスポットは十分に分解されない場合があり、測定の精度が限定される。
【0076】
一部の実施形態によれば、市販のオートコリメータも使用され得る。
【0077】
代替的に、コリメートされたレーザ602bなどのコヒーレント照明源を利用する光学セットアップ600b(
図3Bに示されるように)が使用され得る。コリメートされたレーザビームは、(
図3Aのように、例えば、ビームスプリッタなどの光学要素604bを利用して)2つの表面A及びB(サブプリズム410の表面411及びサブプリズム420の表面421などであるが、それらに限定されない)を照明し、この表面間の角度を正確に測定してアラインすべきである。コリメートされたレーザビームは、両方の表面A及びBに衝突し、それによって、ビームの一部が表面Aによって反射され、ビームの別の部分が表面Bによって反射される。カメラ610bなどの検出器上に明るいスポット及び暗いスポットの干渉パターンを生成するように、両方の表面A及びBからの反射されたコリメート光を重ね合わせることができる。得られる干渉パターンのフリンジ間隔は、2つの表面A及びBの相対角度配向を示す。このような方法は、高い分解能をもたらすことができ、最大数度の角度について、約1アーク秒程度の小さい角度となる。
【0078】
しかしながら、表面間の平行性を測定/検証するとき、例えば、
図3A及び3Bに記載されているような方式を使用して、例えば、数アーク秒程度の小さな角度を正確に測定することはしばしば困難である。
【0079】
アラインされる表面(又はアライメントを検証する必要がある表面)が互いに横方向に重なり合っているとき(例えば、表面のうちの一方は、外面であり、第2の表面は、法線方向において外面と平行であり、外面の下方に配置されている内面である場合)、(
図3Aのように)シャッターを利用して表面のうちの一方又は他方を遮蔽することは不可能である。このような場合、2つの表面間の相対角度が小さい場合、特に、1つの表面からの反射率が第2の表面の反射率よりも強い場合、スポットは、分解されない場合がある。同様に、
図3Bの方法では、明確な干渉パターンがある場合、すなわち、測定された表面Aと表面Bとの間の角度が、2つの表面が横方向に重なり合うときに小さすぎない場合、相対角度を正確に測定することができる。
【0080】
一部の実施形態によれば、2つの表面が公称上平行で横方向に重なり合っている場合、前の段落で論じられている課題を克服するために、(
図4A及び4Bに描写されているように)ブリュースター角の偏光によるサンプルの照明が適用され得る。外面のブリュースター角は内部構造のブリュースター角とは異なるため、偏光で照射することで2つの信号を区別することができる。反射信号は、適切な角度で光を収集する検出器によって、又は光を光源に反射するミラーなどの光学要素を利用することによって(例えば、オートコリメータを使用するとき)検出することができる。表面の1つが有意に強い反射を有する場合、サンプルは、その表面のブリュースター角度の角度方向に配置されるべきである。次に、s偏光の場合、両方の表面が反射するが、一方の表面が検出された信号を支配する。一方、p偏光の場合、低反射率表面のみが光を反射する。
【0081】
図4A及び4Bは、一部の実施形態による、ブリュースターの角度を利用することによって、複合プリズム700、外面721、及び内部ファセット723の2つの表面間の平行性を測定/検証するための方法を概略的に描写する。表面のうちの一方が、他方の表面よりも有意に強い反射を有すると仮定する(この場合、内部ファセット723は、表面721よりも高い反射を有するが、表面721の反射率がファセット723の反射率よりも高い場合にもこの方法を適用することができる)と、サンプルは、その表面(この場合は、ファセット723)のブリュースター角度の角度配向に配置される。次いで、s偏光(750及び755によって示されている)は、それぞれ、表面721及び723に導かれる(
図4A)。表面721及び723の両方からのs偏光については、反射される(760及び765によって示されている)が、1つの表面(723)が検出される信号を支配する。しかしながら、p偏光750’が表面721及び723に導かれるとき(
図4B)、低反射率表面(721)のみが光(760’)を反射する。反射光は、適切な角度で光を収集する検出器によって、又はミラー770などの光学要素を利用することによって検出することができる。ミラー770が表面721に垂直である場合、ミラーは、一次元レトロリフレクタとして機能し、光を光源に反射する(例えば、オートコリメータを使用するとき、これは、図示されていない)。
【0082】
別の実施形態では、
図4Cに記載されているように、2つのほぼ平行な表面の間の相対角度を測定することができる。上記で論じられたように、ほぼ平行である2つの表面間の相対的な角度を測定/検証することは困難である。例えば、各表面の角度がコリメート光ビームで表面を照射することによって決定されるオートコリメータセットアップを使用する場合、各表面から反射された光ビームの各々は、検出器(例えば、カメラ)の平面上の小さなスポットに集束される。このようにして、表面の角変位は、信号の横方向変位に変換される。光学的には、各スポットは一定の幅を有し、スポットの中心部分を考慮することによって、測定の分解能を向上させることができる。しかしながら、ほぼ平行な2つの面からの反射を測定すると、両方の面からのスポットが部分的に重なり合い、測定の精度が低下する。したがって、2つの表面の各々から得られる信号を分離する必要がある。これは、一部の実施形態によれば、光学要素の上面にくさび形プリズムを配置し、くさび形プリズムを通過しない光を遮断することによって対処され得、それによって、光学要素の底面(又は内面)とくさび形プリズムの上面のみが光を反射し、光が光学要素の上面から反射されることはなくなる(屈折率整合液体がくさび形プリズムと光学要素との間に配置されている場合)。くさび形プリズムの上面と光学要素の底面は平行ではないので、それらの表面の反射光信号は区別可能であり、それによって、光学要素の底面の反射角を正確に計算することができる。次に、くさび形プリズムからの光を遮断し、光学要素の上面から反射された光のみを考慮することによって、光学要素の上面の測定値を得ることができる。
【0083】
図4Cに説明されるように、外面1211及び1213並びに内部の部分的に反射する表面1212を有するプリズム1200が考慮され、内面1212と外面1211との間の相対角度を測定することが望ましい。これは、屈折率整合液体を用いて、表面1211の上部にくさび(くさびの角度は約1アーク分程度に小さくすることができる)を備えた薄いプリズム1220を配置することによって達成される。このようにして、光線1231によって表されるコリメート光ビーム/レーザビームを、プリズム1200に衝突させるように導くことができる。ビーム1231の一部は、表面1211に衝突し、光線1231’に反射され、ビーム1231の一部は、プリズム1220の表面1221に衝突し、光線1231’‘として反射される。光線1231’と光線1231”との間の相対角度は、表面1221と表面1211との間の相対角度を示す。光線1231の一部が、表面1221を透過して光線1232となり、次いで内面1212によって反射されて光線1232’になり、次いで、表面1221を透過して光線1233になる。最後に、表面1212と表面1211との間の相対角度は、上記のように、くさび1220の角度の測定とともに、光線1233と光線1231’との間の相対角度の測定から計算することができる。
【0084】
一部の実施形態によれば、光線1231’及び1231”は、ビームの一部を物理的に遮断することによって検出において区別され得ることに留意されたい。したがって、1231’と1233との間相対角度の測定及び1231’と1231”との間の相対角度の測定は、1212からの反射率が1221からの反射率と比較して弱い場合には別々に実施することができる。必要に応じて(すなわち、1211及び1213がほぼ平行である場合)、表面1213からの反射は、反射された光を拡散させるか、又は代替的に、その光を他の非関連方向に反射する1213上に屈折率整合液体を配置することによって抑制することができる。
【0085】
一部の実施形態によれば、例えば、対象となる2つの表面間の角度が比較的大きく、すなわち、約90
°である場合、媒介光学要素を使用して角度を測定することが好ましい場合がある。そのような場合の例は、
図5A~5Dに明示されている。
【0086】
図5Aは、一部の実施形態による、対象となる2つの表面間の必要な角度がほぼ垂直(約90
°)である例示的な複合プリズム800を概略的に描写する。この場合、2つの外面、サブプリズム810の表面811及びサブプリズム820の表面825は、間にほぼ90°の相対角度を有するように位置決めするべきである。同様に、
図5Bは、一部の実施形態による、対象となる2つの表面(そのうちの1つは内部ファセットである)間の必要な角度がほぼ垂直(約90
°)である例示的な複合プリズム800を概略的に描写する。この場合、サブプリズム810の外面811及びサブプリズム820の内面824は、間にほぼ90°の相対角度を有するように位置決めするすべきである。2つの表面からの反射光は、
図3A及び3Bに提示される光学システムなどの光学システムを使用して測定され得る。
【0087】
ここで、
図5Cを参照すると、
図5Cは、一部の実施形態による、複素プリズム800のサブプリズム810及び820を、ほぼ垂直な外面、すなわち、サブプリズム810の表面811及びサブプリズム820の表面825に従って、アクティブアライメントによって結合するための方法/セットアップを概略的に描写する。表面811及び表面825は、間にほぼ90°の相対角度を有するように位置決めするべきである。そのようなアライメント及び結合は、表面825の前に配置された媒介光学要素(光折りたたみ要素)830などの媒介光学要素を利用して達成される。一部の実施形態によれば、媒介光学要素は、
図5Cにおいて明示されているように、ペンタプリズムであり得るか、又は、直角プリズム、ミラーのセット、回折光学格子又は要素などを含むがこれらに限定されない、光を正確に折りたたむ任意の他の要素などであり得る。媒介光学要素は、高精度に製造されるべきであり、又は少なくともその幾何学的誤差を慎重かつ正確に測定し、各測定値から差し引くべきである。同様に、一部の実施形態によれば、対象となる2つの表面間の相対角度が小さいがゼロではない場合に、媒介光学要素を使用することもできる。
【0088】
一部の実施形態によれば、媒介光学要素830が光を折りたたむ角度は、
図6に関する考察において以下でより詳細に示されるように、表面825(媒介光学要素830が取り付けられている表面)と表面811との間の公称角度に等しい。
【0089】
コリメート光ビーム/レーザの第1の部分(矢印850によって描写されている)は、サンプル(複素プリズム800)の表面811に法線方向に衝突し、反射されて検出器によって検出される(光ビームは、矢印850’によって描写されている)。コリメート光ビーム/レーザの第2の部分(矢印855によって描写されている)は、媒介光学要素830の表面832に法線方向に衝突し、媒介光学要素は、表面832が表面811に平行になるように配置されている。コリメート光ビーム/レーザ855の第2の部分は、表面832を透過され、媒介光学要素830内で内部反射を受け、媒介光学要素830から出て表面825に公称上法線方向に衝突し、光学要素830を通って伝播して検出器によって検出される(光ビームは、矢印855’によって示されている)。表面811と表面825との間の相対角度は、上記に提示された方法に従って(例えば、
図3A及び3Bに記載されるように)光によって測定され得る。
【0090】
一部の実施形態によれば、サンプルが2つの平行な反射面を有する場合、例えば、サブプリズム810の表面811及び813が平行であり、表面825がそれに対して公称上垂直であるとき、測定精度は、表面811が表面813に置き換わり、表面832がその場所に(表面813に平行に)留まるように、サンプルを反転させて追加の測定を実施することによって高められ得る。最後に、媒介光学要素の相対角度は、この2つの測定値の絶対値の平均として計算され得る。
【0091】
場合によっては、媒介光学要素の表面のうちの1つ(又は複数)が、測定システム内に光を反射し、有害な反射によって記録された画像を汚染し得る。この影響を克服するために、一部の実施形態によれば、有害な反射は、望ましくない反射表面に光吸収材料を塗布すること(例えば、光吸収ペンキで表面を塗装すること)、表面を研削すること、又は光を散乱させる屈折率整合材料、例えば、グリース又はワックスで表面を覆うことによって抑制され得る。追加又は代替の実施形態によれば、有害な反射は、分光感度の高い光学コーティングで表面をコーティングすることによって、所望の反射から区別され得る。このようにして、2つの表面は、異なる光学スペクトルを反射する。
【0092】
ここで、
図5Dを参照すると、
図5Dは、一部の追加又は代替の実施形態による、媒介光学要素840を利用する複合プリズム800などの複合プリズムのほぼ垂直な表面(サブプリズム810の外面813及びサブプリズム820の外面826)のアクティブアライメントによる結合のための方法又は測定のための方法を概略的に描写する。この方法は、2つの垂直面が効果的に再帰反射効果を形成するという事実に基づいている。説明の目的のために、任意の理論に限定されることなく、第1の表面813が法線
【数3】
を有し、第2の表面826が法線
【数4】
を有し、
【数5】
である場合、方向
【数6】
に伝播する光は、同じ角配向(しかし符号は逆)に反射される。入射における分散を克服し、入射光の全内部反射(TIR)(すなわち、
【数7】
が臨界角を超える場合)を回避するために、媒介光学要素840、この場合はカップリングインプリズムである。より具体的には、コリメート光ビーム/レーザ(矢印860によって示されている)は、媒介光学要素840の表面842に衝突し、媒介光学要素840の表面842を通過して外面826及び813から(矢印によって示されるように)反射されて光線860’になる。
【0093】
入射光860がまず表面813によって反射され、次いで826によって反射され(灰色の矢印815によって描写されている)光路と、入射光860がまず表面825によって反射される、次いで表面813によってのみ反射され(灰色の矢印815によって描写されている)別の光路の2つの可能な光路があることに留意されたい。表面813及び826が完全に垂直でない場合、光線860及び860’は平行ではなく、第1の光路に由来する光線860’は、第2の光路に由来する光線とは異なる。各経路は反対方向に傾けられ、これらの2つの光ピーク間の角距離は、表面の相対配向を示す。
【0094】
同様に、
図5Eの構成は、一部の実施形態による、複素プリズム900の2つの表面903及び901の垂直度を測定するために使用されてもよい。この場合、上昇光線及び下降光線を使用して、一方の表面に最初に衝突する光と他方の表面に衝突する光との間の分裂を観察し得る。コリメートされた平行光線931及び941は、プリズム910の表面911(表面901及び表面902が互いに平行である場合、光線は、これらの表面で構成されたスラブ導波路内に密閉される)に衝突する。光線931は、表面901によって反射され(フレネル反射、又は、より好ましくは、全内部反射によって)光線931’になる。次いで、光線931’は、表面903によって反射されて光線932’になり、この光線は次いで、プリズム920の表面921によって透過される。プリズム910及び920の表面912及び922は、それぞれ、表面902の上方に配置されてもよく、又は屈折率整合接着剤を用いて結合されてもよい(このことは、光が表面902に全反射している場合に必要である)。同様に、光線941は、902によって反射されて光線942になり、次いで、表面901によって反射されて光線942’になる。光線942’は、プリズム920の表面921によって透過される。光線931は、まず表面901によって反射され、次いで表面903によって反射され、一方、光線941は、まず表面903によって反射され、次いで表面901によって反射されることに留意されたい。したがって、2つの表面903及び901が互いに完全に垂直でない場合、光線932’及び942’は互いに平行ではなく、それらの光線の間の角間隔(
図3A及び3Bのような光学系によって測定される)は、表面901と表面903との間の相対角度を示す。
【0095】
一部の実施形態によれば、上記に開示される図は、典型的には(必ずしもそうであるとは限らないが)、(測定/検証されるか、又はアラインされる)2つの表面間の必要な角度が小さく、例えば、約10°未満であるか、又は大きく、例えば、約80°未満である場合に関連する。一部の実施形態によれば、2つの表面の間の必要な角度が中間(例えば、約10度~約80度)である場合、相対角度は、例えば、
図6に示されるように、カスタムメイドの媒介光学要素によって計算され得る。
【0096】
図6は、一部の実施形態によれば、媒介光学要素を利用して、複素プリズムにおいて、アクティブアライメントによって結合するための方法、又は間に任意の斜めの角度を有する対象となる2つの表面の配向を測定/検証するための方法を概略的に描写する。明示されているように、複素プリズム1900のサブプリズム1910の表面1911及び複素プリズム1900のプリズム1920の表面1925は、それらの表面間の所定の所望の角度に基づいてアラインすべきであり、かつ/又はこれらの2つの表面の間の公称角度は、所定の所望の角度を考慮して測定/検証するべきである。
【0097】
オートコリメータ1901からの光は、サブプリズム1910の表面1911に平行に位置付けられた光学要素1970の表面1972に法線方向に衝突し、それによって、表面1911を通して透過された光線が表面1974に衝突し(光ビームは、矢印1980によって描写されている)、サブプリズム1920の表面1925に衝突する(光ビームは、矢印1985によって描かれている)。サブプリズム1920の表面925から反射された光(光ビームは矢印1985’によって描写されている)は、検出器によって検出される。光学要素1970内に透過され、そこから出て、サブプリズム1910の表面1911に公称上法線方向に衝突し、光学要素1970を通って伝播して検出器によって検出される(光ビームは、矢印1980’によって描写されている)。したがって、検出器上で取得される2つの光ピーク間の距離は、表面1911と表面1925との相対配向を示す。
【0098】
光学要素1970は、本明細書ではプリズムとして示されているが、所望の所定の角度に光を屈折させるように構成された任意の他の光学要素であり得ることに留意されたい。
【0099】
一部の追加的又は代替的な実施形態によれば、複合プリズム構造内の他の(1つ以上の)サブプリズムに対するサブプリズムの相対的な位置決めを制御及び/又は検証することがしばしば必要である。これは、次いで一緒に結合される2つ以上のプリズム(又はその表面)間の角配向を制御、調整、及び/又は検証することに加えて、又はその代わりに必要とされ得る。そのような場合の例は、一部の実施形態による
図7A~7Cに記載されている。
【0100】
一部の実施形態によれば、
図7Aに示されるように、複合プリズムの外面に従って2つ以上のサブプリズム間の相対位置を制御するための方法及びシステムが提供される。
図7Aは、例示的な複合プリズム1000を概略的に示しており、この複合プリズムについては、サブプリズム1010とサブプリズム1020との間の相対位置を、そのそれぞれの外面1011及び1021に従って設定及び/又は検証すべきである。サブプリズム1010とサブプリズム1020との間の相対位置を調整することは、サブプリズムのうちの一方を他方に対して(矢印1002によって描写されるように)y軸に沿って移動させるか、(矢印1003によって描写されるように)x軸に沿って移動させるか、又はその両方を行うことによって実施され得る。一部の実施形態によれば、y軸位置については、カメラをx軸の方を向くように位置決めすべきである。x軸位置については、カメラをy軸の方を向くように位置決めすべきである。例えば、それぞれのサブプリズム1010及び1020の表面1011及び1021が、表面1021の左縁及び表面1011の右縁が互いに一致するようにアラインすることが意図されている場合、このことは
図7Aに示されるケースに当てはまらず、調整が必要である。
【0101】
一部の実施形態によれば、例えば
図7Bに示されるように、複合プリズムの外面及び内部ファセットに従って2つ以上のサブプリズムの間の相対位置を制御するための方法及びシステムが提供される。
図7Bは、例示的な複合プリズム1000を概略的に描写しており、この複合プリズムについては、サブプリズム1010とサブプリズム1020との間の相対位置を、(サブプリズム1010の)外面1011及び内部ファセット1021(サブプリズム1020)に従って設定及び/又は検証すべきである。サブプリズム1010とサブプリズム1020との間の相対位置を調整することは、サブプリズムのうちの一方を他方に対して(矢印1002によって描写されるように)y軸に沿って移動させるか、(矢印1003によって描写されるように)x軸に沿って移動させるか、又はその両方を行うことによって実施され得る。一部の実施形態によれば、y軸位置については、カメラをx軸の方を向くように位置決めすべきである。x軸位置については、カメラをy軸の方を向くように位置決めすべきである。
【0102】
一部の実施形態によれば、2つ以上のサブプリズムの相対位置及び配向の両方を制御するための方法及びシステムが提供される(典型的にはこのように制御されるが、それらに限定されず、同時に制御されてもよい)。2つ以上のサブプリズム間の相対位置は、例えば、
図7Cに示されるように、複合プリズムの外面に従って設定されてもよく、
図7Cは、例示的な複合プリズム1000を概略的に示しており、この複合プリズムについては、サブプリズム1010とサブプリズム1020との間の相対位置を(サブプリズム1010の)外面1011及び内部ファセット1023(及び/又はサブプリズム1020の外面1021)に従って設定及び/又は検証すべきである。サブプリズム1010とサブプリズム1020との間の相対位置を調整することは、サブプリズムのうちの一方を他方に対して(矢印1002によって描写されるように)y軸に沿って移動させるか、(矢印1003によって描写されるように)x軸に沿って移動させるか、又はその両方を行なうことによって実施され得る。一部の実施形態によれば、x軸位置については、カメラをy軸に沿った方向を向くように上から配置すべきである(言い換えれば、カメラの表面に対する法線は、y軸に平行である)。サブプリズム1010とサブプリズム1020との間の相対配向を調整することは、(矢印1006によって描写されるように)サブプリズムの一方をz軸の周りで他方に対して回転させることによって実施され得る。
【0103】
一部の実施形態によれば、サブプリズムの角度配向を制御する場合と同様に、プリズム間の相対位置を制御することは、相対位置の測定及び補正の反復手順を用いて、又はリアルタイムに相対位置を測定し、一方、相対位置を補正することによって行われ得る。
【0104】
一部の実施形態によれば、位置測定は、例えば、光学撮像システムを備えた2つのカメラを使用することによって、光学的に実行され得、その結果、位置決めは、プリズムの反対側に沿って追跡され得、それによって、各カメラは、x軸及びy軸の両方に沿った変位を判定することを可能にする可視性を有する。場合によっては、この目的のために単一のカメラを使用することもできることに留意されたい。ここで、
図8を参照すると、
図8は、一部の実施形態による、複合プリズム1100の両側にある2つのカメラ(1150及び1155、任意選択でレンズアセンブリを有する)を利用して、2つのサブプリズム(1110及び1120)を結合する2つの表面間の接続をキャプチャする、2つのサブプリズム(1110及び1120)間の相対位置の検証及び/又は測定並びに補正のためのセットアップ1101の上面図が概略的に描写される。
【0105】
代替の実施形態によれば、1つのカメラが、サブプリズム1110とサブプリズム1120との間の(例えば、上記で論じたように、サブプリズム1110の表面1111とサブプリズム1120の表面1121との間の)相対角配向の正確な測定とともに使用され得る。
【0106】
図9は、一部の実施形態による、より複雑なシナリオの例を概略的に描写しており、この実施形態では、複合プリズム1300は、サブプリズム1310がサブプリズム1320とサブプリズム1330との間に配設されるように3つのサブプリズム1310、1320、及び1330から構成されている。サブプリズム1310は、2つの内部ファセット1312及び1313を含む。サブプリズム1320は、3つの内部ファセット1324、1325、及び1326を含む。サブプリズム1330は、2つの内部ファセット1332及び1333を含む。この特定の非限定的な例では、2つのサブプリズム1310及び1330の相対的な位置決めを、これらのプリズムの内部ファセット、(サブプリズム1330の)1332及び1333並びに(サブプリズム1310の)1312及び1313に従って設定する必要があり、かつ2つのサブプリズム1310及び1320、及び任意選択的に同じくサブプリズム1330の相対角配向を、(サブプリズム1310)の内部ファセット1312及び1313並びに(サブプリズム1320の)1324及び1326に従ってアラインする必要がある。サブプリズム1310、1320、又は1330はまた、回折格子又は部分的に反射する表面などの内部構造を含み得る。
【0107】
一部の実施形態に従って上記で論じられたように、本明細書に開示される方法及びシステムは、プリズム及びサブプリズムのアクティブアライメントだけでなく、具体的には、個々の光導波路構造の品質分析の文脈において、内面及び/又は外面の配向及び位置の(受動)測定にも適している。以下の
図10A~10Cは、導光光学要素(LOE)の品質保証測定の例を提供する。
【0108】
ここで、
図10Aを参照すると、
図10Aは、一部の実施形態による、2つの外面1411及び1413に平行であることを検証すべき内部ファセット1412を有する光導波路構造1410概略的に描写する。コリメート光ビーム/レーザ1425は、サンプル1410の外面1411に法線方向に衝突するように導かれ、内部ファセット1412及び表面1413に法線方向に衝突するように光導波路構造1410を透過される。表面1411から反射された光は、矢印1426によって示され、表面1412から反射された光は、矢印1427によって示され、表面1413から反射された光は、矢印1428によって示されている。これらの表面間の相対的な角度(及び/又はそれらの間の平行性の検証)は、(例えば、
図3A及び3Bに記載されているように)上記の方法に従って測定されてもよい。一部の実施形態によれば、これらの表面の測定はまた、
図4Cに提示される方法を使用して実施され得る。
【0109】
ここで、
図10Bを参照すると、
図10Bは、一部の実施形態による、偏光を利用する構造の外面1421に平行であることを検すべき内部ファセット1423を有する光導波路構造1420を概略的に描写する。より具体的には、内部ファセット1423が表面1421よりも有意に強い反射を有すると仮定すると、サンプルは、ファセット1423のブリュースター角度の角配向に配置される。次いで、s偏光(1450及び1455によって示されている)は、それぞれ、表面1421及び1423に導かれる。表面1421及び1423の両方からのs偏光については、反射される(1460及び1465によって示されている)が、1つの表面(1423)が検出される信号を支配する。しかしながら、p偏光1450’が表面1421及び1423に導かれると、低反射率表面1421のみが光(1460’)を反射する。反射された光は、適切な角度で光を収集する検出器によって、又は光を光源に反射するミラー1470などの光学要素を利用することによって(例えば、オートコリメータを使用するとき、図示されていない)検出することができる。したがって、この方法は、一部の実施形態では、2つ(又は3つ以上)の表面間の平行性の検証のために利用され得る。この場合、内部ファセット1423は、表面1421よりも強い反射を有することが明示されたが、方法は、表面1421の反射率がファセット1423の反射率よりも高い場合にも適用されるように適合され得ることに留意されたい。更に、この方法は、任意の2つ(又は3つ以上)の内部ファセット及び/又は外面の間の平行性の検証測定に適用され得ることに留意されたい。
【0110】
ここで、
図10Cを参照すると、
図10Cは、一部の実施形態による、構造の外面1490に垂直であることが検証されるべき内面1480を有する光導波路構造1430を概略的に描写する。光線1460によって表されるコリメート光ビームは、(一部の実施形態によれば、
図5Dの媒介光学要素840と同様であってもよい媒介光学要素1500を介して)表面1480及び1490に衝突し、反射されてそれぞれ光線1461及び1462になる。次いで、光線1461及び1462は、それぞれ、表面1490及び1480反射されてそれぞれ、光線1463及び1462に反射される。内面1480が外面1490に対して完全に垂直である場合、光線1462及び1463は完全に平行である。しかしながら、内面1480と外面1490との間の相対角度が垂直ではない場合、光線1462及び1463は平行ではなく、光線間の相対的な角度は、表面1480及び1490の相対配向を示す。
【0111】
明細書全体を通して、三次元要素の内面(三次元要素の2つの部分間の平坦な境界又は三次元要素内に組み込まれた材料の内部平坦層など)は、「内部ファセット」と称される。
【0112】
本明細書では、一部の実施形態によれば、「ファセット」、「内部ファセット」、及び「内面」という用語は、同義的に使用される。本明細書では、一部の実施形態によれば、「ファセット」、「内部ファセット」、「内面」、「外面」、及び「表面」という用語は、平坦な「ファセット」、「内部ファセット」、「内面」、「外面」、及び「表面」を指す。
【0113】
本明細書では、一部の実施形態によれば、「測定すること」及び「感知すること」という用語は、同義的に使用される。同様に、「感知されたデータ」及び「測定データ」(又は「測定されたデータ」)という用語は、同義的に使用される。
【0114】
本明細書では、一部の実施形態によれば、プリズム又は導波路構造などの光学要素に関する「合成」及び「複合」という用語は、同義的に使用され、2つ以上の副光学要素で構成される光学要素を含んでもよく、かつ/又は1つ以上の内部ファセット(例えば、約10~20個、10~50個、50~100個、又はそれ以上)を含んでもよい。1つ以上の内部ファセットは、共平行であってもよい。
【0115】
一部の実施形態によれば、本明細書で使用される「結合された」又は「結合」という用語は、光学セメント若しくは膠、又は任意の他の好適な接着剤を用いて取り付けられるか又は取り付けることを意味すると理解するべきである。
【0116】
本明細書では、一部の実施形態によれば、「光導波路構造」、「導波路構造」、「屈折複合導波路構造」、及び「導光光学要素(LOE)」という用語は、同義的に使用される。
【0117】
本明細書では、物体が、設計及び製作上、その特性を呈することが意図されているが、実際には、製造許容誤差のために、その特性が実際には不完全に呈され得るとき、その物体は、サンプル(光学要素など)の平坦な表面間の角度などの特性を「公称上」呈する(すなわち、それによって特徴付けられる)と言われ得る。
【0118】
本明細書では、一部の実施形態によれば、2つの表面に関する「横方向に重なり合う」又は「横方向の重なり合い」という用語は、完全又は部分的な水平方向の重なり合いを指し得、2つの表面は垂直に分離されていると理解される。
【0119】
本明細書では、「測定」及び「感知」という用語は同義的に使用される。同様に、「感知されたデータ」及び「測定されたデータ」という用語は、同義的に使用される。
【0120】
明瞭さのために、別々の実施形態の文脈で説明されている本開示の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることを理解されたい。逆に、簡潔さのために、単一の実施形態の文脈で説明されている本開示の様々な特徴はまた、別々に提供され得、任意の適切な部分組み合わせにおいて提供され得、又は本開示の任意の他の記載された実施形態に適した様態で提供され得る。実施形態の文脈で説明されている特徴は、特に明記されていない限り、その実施形態の本質的な特徴とみなされるべきではない。
【0121】
一部の実施形態による方法の段階が特定のシーケンスにおいて記載されている場合があるが、本開示の方法は、異なるシーケンスにおいて実行される及び/又は発生する、記載されている段階の一部又は全てを含み得る。本開示の方法は、記載された段階のうちのいくつか、又は記載された段階の全てを含み得る。開示される方法のいずれの特定の段階も、特に明記されない限り、その方法の本質的な段階とみなされるべきではない。
【0122】
本開示は、その具体的実施形態とともに説明されているが、当業者にとって明らかな多数の代替形態、修正形態、及び変形形態が存在し得ることは明らかである。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲に含まれる全てのそのような代替形態、修正形態、及び変形形態を包含する。本開示は、本明細書に記載されている構成要素の構造及び配置、並びに/又は方法の細部への適用に必ずしも限定されないことを理解されたい。他の実施形態が実施され得、また、実施形態が様々な様態で実施され得る。
【0123】
本明細書で用いられる表現及び用語は、説明を目的とするものであり、制限を課すものとみなされるべきではない。本出願におけるいかなる参考文献の引用又は特定も、そのような参考文献が本開示に対する先行技術として利用可能であることを認めるものと解釈されるべきではない。本明細書において使用される項目の見出しは、本明細書の理解を容易にするためのものであり、必ずしも制限を課すものと解釈されるべきではない。
【国際調査報告】