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特表2024-532220非同時送受信(NSTR)ソフトアクセスポイント(AP)マルチリンクデバイス(MLD)
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】非同時送受信(NSTR)ソフトアクセスポイント(AP)マルチリンクデバイス(MLD)
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/12 20090101AFI20240829BHJP
   H04W 76/15 20180101ALI20240829BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240829BHJP
【FI】
H04W48/12
H04W76/15
H04W84/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510488
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 US2022034881
(87)【国際公開番号】W WO2023027799
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】17/409,349
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/409,370
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】アビシェク・プラモド・パティル
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・チェリアン
(72)【発明者】
【氏名】アルフレッド・アスタージャディ
(72)【発明者】
【氏名】サイ・イウ・ダンカン・ホ
(72)【発明者】
【氏名】ヤンジュン・スン
(72)【発明者】
【氏名】ガウラング・ナイク
(72)【発明者】
【氏名】トゥシニム・バタチャリア
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクラム・フォーガット
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA03
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ14
(57)【要約】
非同時送受信(NSTR)ソフトアクセスポイント(AP)マルチリンクデバイス(MLD)として動作するワイヤレス局(STA)は、プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられる。NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみ、プライマリリンクの完全なプロファイルを含み、かつ非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すフレームを送信する。プライマリリンク及び非プライマリリンクのそれぞれの完全なプロファイルは各々、能力、動作パラメータ、及び他の発見情報を含む。フレームは、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有するフィールド及び要素を含むことができ、かつ非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すマルチリンク(ML)要素を含むことができる。NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクの動作パラメータに対する更新を受信又は判定することができ、かつプライマリリンク上で、非プライマリリンクの動作パラメータに対する更新の指示を送信することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス局(STA)によるワイヤレス通信のための方法であって、
プライマリリンクに関連付けられた第1のアクセスポイント(AP)を含み、かつ非プライマリリンクに関連付けられた第2のAPを含む、非同時送受信(NSTR)ソフトAPマルチリンクデバイス(MLD)として動作することと、
前記プライマリリンク上でのみフレームを送信することと、を含み、前記フレームが、前記プライマリリンクの完全なプロファイルを含み、かつ前記非プライマリリンクの完全なプロファイルを示し、前記プライマリリンク及び前記非プライマリリンクのそれぞれの前記完全なプロファイルが各々、少なくともビーコン間隔、能力情報、サービスセット識別子(SSID)、サポートレート、タイミング同期機能(TSF)値、及びそれぞれの前記リンクの発見に関連付けられた1つ以上の追加のフィールド又は要素を含む、方法。
【請求項2】
前記フレームが、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記非プライマリリンクの前記ビーコン間隔、前記SSID、及び前記TSF値が、前記プライマリリンクから継承される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フレームが、フレーム本体を含み、前記フレーム本体が、
前記プライマリリンクの前記完全なプロファイルを保有する複数のフィールド及び要素と、
前記非プライマリリンクの前記完全なプロファイルを示すSTAごとのプロファイルサブ要素を保有するマルチリンク要素と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記マルチリンク要素が、前記プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の基本サービスセット(BSS)パラメータに対する更新を示すBSSパラメータ変更カウント(BPCC)値を保有する共通情報フィールドを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記マルチリンク要素のマルチリンク制御フィールド又は共通情報フィールドの1つ以上のビットは、前記フレームが前記NSTR softAP MLDの前記第1のAPから送信されているか否かを示す、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記フレーム本体が、前記非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールドを含む低減された近隣報告(RNR)要素を更に含み、前記近隣AP情報フィールドが、前記非プライマリリンクの基本サービスセット識別情報(BSSID)と1つ以上のMLDパラメータとからなる目標ビーコン送信時間(TBTT)情報フィールドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
TBTTオフセットサブフィールド、短縮SSIDサブフィールド、BSSパラメータサブフィールド、及びパワースペクトル密度(PSD)サブフィールドが、前記非プライマリリンクに対応する前記TBTT情報フィールドに存在しない、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記近隣AP情報フィールドは、1、又は前記近隣AP情報フィールドが前記非プライマリリンクのみに関係する情報を保有することを示す予約済み値に設定されたTBTT情報フィールドタイプを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記TBTT情報フィールドの長さが、9オクテットであり、かつ前記フレームが前記NSTR softAP MLDの前記第1のAPから送信されているか否かを示す、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記TBTT情報フィールドに保有されている前記1つ以上のMLDパラメータが、前記非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の基本サービスセット(BSS)パラメータに対する更新を示すBSSパラメータ変更カウント(BPCC)値を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記非プライマリリンクに関連付けられた前記BSSパラメータのうちの少なくとも1つに対する更新を受信することと、
受信した前記更新に基づいて、別のフレームの低減された近隣報告(RNR)要素に含まれる目標ビーコン送信時間(TBTT)情報フィールドの基本サービスセット(BSS)パラメータ変更カウント(BPCC)フィールドの値を増分することと、
前記BPCCフィールドの前記値を増分することに基づいて、前記別のフレームの能力情報フィールドに重大更新フラグ(CUF)を設定することと、
前記プライマリリンク上でのみ前記別のフレームを送信することと、を更に含み、前記別のフレームが、前記非プライマリリンクに関連付けられた少なくとも1つの前記BSSパラメータに対する前記更新を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記BSSパラメータが、チャネルスイッチアナウンス(CSA)要素、拡張チャネルスイッチアナウンス(eCSA)要素、拡張型分散チャネルアクセス(EDCA)パラメータ、待機期間要素、直接拡散方式(DSSS)パラメータセット、高スループット(HT)動作要素、非常に高いスループット(VHT)動作要素、高効率(HE)動作要素、超高スループット(EHT)動作要素、広帯域チャネルスイッチ要素、動作モード通知要素、ブロードキャスト目標待ち時間(TWT)要素、BSSカラー変更アナウンス要素、マルチユーザ(MU)EDCAパラメータセット、空間再使用パラメータセット、又はアップリンク(UL)直交周波数分割多元接続(OFDMA)ランダムアクセス(UORA)パラメータセットのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の基本サービスセット(BSS)パラメータに対する更新を受信することと、
前記プライマリリンク上でのみ、前記非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の更新された前記BSSパラメータを送信することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上の更新されたBSSパラメータが、前記非プライマリリンクの部分的なプロファイルの一部である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのモデムと、
前記少なくとも1つのモデムと通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合されており、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを備え、前記プロセッサ可読コードが、前記少なくとも1つのモデムと連携して前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
プライマリリンクに関連付けられた第1のアクセスポイント(AP)を含み、かつ非プライマリリンクに関連付けられた第2のAPを含む、非同時送受信(NSTR)ソフトAPマルチリンクデバイス(MLD)として動作し、かつ
前記プライマリリンク上でのみフレームを送信するように構成されており、前記フレームが、前記プライマリリンクの完全なプロファイルを含み、かつ前記非プライマリリンクの完全なプロファイルを示し、前記プライマリリンク及び前記非プライマリリンクのそれぞれの前記完全なプロファイルが各々、少なくともビーコン間隔、能力情報、サービスセット識別子(SSID)、サポートレート、タイミング同期機能(TSF)値、及びそれぞれの前記リンクの発見に関連付けられた1つ以上の追加のフィールド又は要素を含む、ワイヤレス通信デバイス。
【請求項17】
前記フレームが、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つである、請求項16に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項18】
前記非プライマリリンクの前記完全なプロファイルの前記ビーコン間隔、前記SSID、及び前記TSF値が、前記プライマリリンクの前記完全なプロファイルから継承される、請求項16に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項19】
前記フレームが、フレーム本体を含み、前記フレーム本体が、
前記プライマリリンクの前記完全なプロファイルを保有する複数のフィールド及び要素と、
前記非プライマリリンクの前記完全なプロファイルを示すSTAごとのプロファイルサブ要素を保有するマルチリンク要素と、を含む、請求項16に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項20】
前記マルチリンク要素が、前記プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の基本サービスセット(BSS)パラメータに対する更新を示すBSSパラメータ変更カウント(BPCC)フィールドを保有する共通情報フィールドを更に含む、請求項19に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項21】
前記マルチリンク要素のマルチリンク制御フィールド又は共通情報フィールドの1つ以上のビットは、前記フレームが前記NSTR softAP MLDの前記第1のAPから送信されているか否かを示す、請求項19に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項22】
前記フレーム本体が、前記非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールドを含む低減された近隣報告(RNR)要素を更に含み、前記近隣AP情報フィールドが、前記非プライマリリンクの基本サービスセット識別情報(BSSID)と1つ以上のMLDパラメータとからなる目標ビーコン送信時間(TBTT)情報フィールドを含む、請求項16に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項23】
TBTTオフセットサブフィールド、短縮SSIDサブフィールド、BSSパラメータサブフィールド、及びパワースペクトル密度(PSD)サブフィールドが、前記非プライマリリンクに対応する前記TBTT情報フィールドに存在しない、請求項22に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項24】
前記近隣AP情報フィールドは、1、又は前記近隣AP情報フィールドが前記非プライマリリンクのみに関係する情報を保有することを示す予約済み値に設定されたTBTT情報フィールドタイプを含む、請求項22に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項25】
前記TBTT情報フィールドの長さが、9オクテットであり、かつ前記フレームが前記NSTR softAP MLDの前記第1のAPから送信されているか否かを示す、請求項22に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項26】
前記TBTT情報フィールドに保有されている前記1つ以上のMLDパラメータが、前記非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の基本サービスセット(BSS)パラメータに対する更新を示すBSSパラメータ変更カウント(BPCC)値を含む、請求項22に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項27】
前記プロセッサ可読コードの実行が、
前記非プライマリリンクに関連付けられた前記BSSパラメータのうちの少なくとも1つに対する更新を受信し、
受信した前記更新に基づいて、別のフレームの低減された近隣報告(RNR)要素に含まれる目標ビーコン送信時間(TBTT)情報フィールドの基本サービスセット(BSS)パラメータ変更カウント(BPCC)フィールドの値を増分し、
前記BPCCフィールドの前記値を増分することに基づいて、前記別のフレームの能力情報フィールドに重大更新フラグ(CUF)を設定し、かつ
前記プライマリリンク上でのみ前記別のフレームを送信するように更に構成されており、前記別のフレームが、前記非プライマリリンクに関連付けられた少なくとも1つの前記BSSパラメータに対する前記更新を示す、請求項16に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項28】
前記BSSパラメータが、チャネルスイッチアナウンス(CSA)要素、拡張チャネルスイッチアナウンス(eCSA)要素、拡張型分散チャネルアクセス(EDCA)パラメータ、待機期間要素、直接拡散方式(DSSS)パラメータセット、高スループット(HT)動作要素、非常に高いスループット(VHT)動作要素、高効率(HE)動作要素、超高スループット(EHT)動作要素、広帯域チャネルスイッチ要素、動作モード通知要素、ブロードキャスト目標待ち時間(TWT)要素、BSSカラー変更アナウンス要素、マルチユーザ(MU)EDCAパラメータセット、空間再使用パラメータセット、又はアップリンク(UL)直交周波数分割多元接続(OFDMA)ランダムアクセス(UORA)パラメータセットのうちの少なくとも1つを含む、請求項27に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項29】
前記プロセッサ可読コードの実行が、
前記非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の基本サービスセット(BSS)パラメータに対する更新を受信し、かつ
前記プライマリリンク上でのみ、前記非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の更新された前記BSSパラメータを送信するように更に構成されている、請求項16に記載のワイヤレス通信デバイス。
【請求項30】
前記1つ以上の更新されたBSSパラメータが、前記非プライマリリンクの部分的なプロファイルの一部である、請求項29にワイヤレス通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2021年8月23日に出願された「NON-SIMULTANEOUS TRANSMIT-RECEIVE(NSTR)SOFT ACCESS POINT(AP)MULTI-LINK DEVICE(MLD)」と題する米国特許出願第17/409349号、及び2021年8月23日に出願された「NON-SIMULTANEOUS TRANSMIT-RECEIVE(NSTR)SOFT ACCESS POINT(AP)MULTI-LINK DEVICE(MLD)」と題する米国特許出願第17/409370号の優先権を主張するものであり、これらの両方とも本出願の譲受人に譲渡されている。全ての先願の開示は、本特許出願の一部とみなされ、参照により本特許出願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、ワイヤレス通信に関し、より具体的には、マルチリンクデバイス(multi-link device、MLD)に関連付けられたワイヤレス通信に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の記載
ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)は、局(station、STA)とも呼ばれるいくつかのクライアントデバイスが使用するための共有されたワイヤレス通信媒体を提供する、1つ以上のアクセスポイント(access point、AP)によって形成される場合がある。米国電気電子技術者協会(Institute of Electrical and Electronics Engineers、IEEE)802.11規格ファミリーに準拠するWLANの基本ビルディングブロックは、APによって管理される基本サービスセット(Basic Service Set、BSS)である。各BSSは、APによって通知される基本サービスセット識別子(Basic Service Set Identifier、BSSID)によって識別される。APは、APのワイヤレス範囲内の任意のSTAがWLANとの通信リンクを確立又は維持することを可能にするために、ビーコンフレームを定期的にブロードキャストする。
【0004】
APマルチリンクデバイス(MLD)は、複数のそれぞれの通信リンク上で独立して動作することができる複数のAPを含み得る。各APは、それぞれの通信リンク上でBSSを確立することができ、AP MLDに関連付けられたワイヤレス通信デバイスは、AP MLDに関連付けられた通信リンクのうちの1つ以上の上でAP MLDにデータを送信するか、又はAP MLDからデータを受信することができる。通信リンクの各々は、40MHz幅チャネル、80MHz幅チャネル、160MHz幅チャネル、又は320MHz幅チャネルを形成するために、いくつかの20MHz幅チャネルを一緒に結合することによって、様々な帯域幅を有し得る。STAは、1つのリンク上でのデータの受信が別のリンク上でのデータの送信に干渉することを可能にし得る、制限されたフィルタリング能力を有し得るが、STAがsoftAP MLDとして動作することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示のシステム、方法、及びデバイスは各々、いくつかの発明的態様を有し、それらのうちのどの単一の態様も、本明細書で開示する望ましい属性を単独で担うものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示で説明する主題の1つの発明的態様は、ワイヤレス局(STA)によるワイヤレス通信の方法として実装され得る。いくつかの実装形態では、方法は、プライマリリンクに関連付けられた第1のソフトアクセスポイント(AP)を含み、かつ非プライマリリンクに関連付けられた第2のAPを含む、非同時送受信(non-simultaneous transmit-receive、NSTR)ソフトAPマルチリンクデバイス(MLD)としてSTAを動作させることを含み得る。方法はまた、プライマリリンク上でのみプライマリリンクの完全なプロファイルを含み、かつ非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すフレームを送信することも含む。いくつかの事例では、プライマリリンク及び非プライマリリンクのそれぞれの完全なプロファイルは、各々、少なくともビーコン間隔、能力情報、サービスセット識別子(service set identifier、SSID)、サポートレート、タイミング同期機能(timing synchronization function、TSF)値、及びそれぞれのリンクの発見に関連付けられた1つ以上の追加のフィールド又は要素を含む。フレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つであり得る。いくつかの事例では、非プライマリリンクのビーコン間隔、SSID、及びTSF値は、プライマリリンクから継承され得る。
【0007】
いくつかの実装形態では、フレームは、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有する複数のフィールド及び要素を含み、非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すSTAごとのプロファイルサブ要素を保有するマルチリンク(Multi-Link、ML)要素を含む、フレーム本体を含む。ML要素は、プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の基本サービスセット(BSS)パラメータに対する更新を示すBSSパラメータ変更カウント(BSS Parameters Change Count、BPCC)フィールドを保有する共通情報フィールドを更に含む。いくつかの事例では、ML要素のマルチリンク制御フィールド又は共通情報フィールドの1つ以上のビットは、フレームがNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されているか否かを示す。
【0008】
いくつかの実装形態では、フレーム本体はまた、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールドを含む低減された近隣報告(Reduced Neighbor Report、RNR)要素を含む。近隣AP情報フィールドは、基本サービスセット識別情報(BSSID)と、非プライマリリンクの1つ以上のMLDパラメータとからなる目標ビーコン送信時間(target beacon transmission time、TBTT)情報フィールドを含み得る。いくつかの事例では、TBTTオフセットサブフィールド、短縮SSIDサブフィールド、BSSパラメータサブフィールド、及びパワースペクトル密度(power spectral density、PSD)サブフィールドは、非プライマリリンクに対応するTBTT情報フィールドに存在しないことがある。近隣AP情報フィールドはまた、近隣AP情報フィールドが非プライマリリンクのみに関係する情報を保有することを示す値に設定されたTBTT情報フィールドタイプを含み得る。いくつかの事例では、TBTT情報フィールドタイプは、1、又はTBTT情報フィールドが新しい又は未定義のタイプであることを示す予約済み値に設定され得る。いくつかの実装形態では、TBTT情報フィールドの長さは、フレームがNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されているか否かを示し得る。いくつかの態様では、TBTT情報フィールドの長さは、9オクテットである。
【0009】
いくつかの実装形態では、TBTT情報フィールドに保有されている1つ以上のMLDパラメータは、非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のBSSパラメータに対する更新を示すPBCC値を含み得る。いくつかの事例では、方法はまた、非プライマリリンクに関連付けられたBSSパラメータのうちの少なくとも1つに対する更新を受信することと、受信された更新に基づいて、別のフレームのTBTT情報フィールドに保有されているBPCC値を増分することと、BPCC値を増分することに基づいて、上記別のフレームの能力情報フィールドに重大更新フラグ(Critical Update Flag、CUF)を設定することと、プライマリリンク上でのみ上記別のフレームを送信することと、を含み得る。このようにして、受信デバイスは、プライマリリンクにキャンプオンしている間に、非プライマリリンクのBSSパラメータに対する更新を取得することができる。様々な実装形態では、BSSパラメータは、チャネルスイッチアナウンス(Channel Switch Announcement、CSA)要素、拡張チャネルスイッチアナウンス(eCSA)要素、拡張型分散チャネルアクセス(Enhanced Distributed Channel Access、EDCA)パラメータ、待機期間要素、直接拡散方式(Direct Sequence Spread Spectrum、DSSS)パラメータセット、高スループット(high-throughput、HT)動作要素、非常に高いスループット(very high-throughput、VHT)動作要素、高効率(high-efficiency、HE)動作要素、超高スループット(extremely high-throughput、EHT)動作要素、広帯域チャネルスイッチ要素、動作モード通知要素、ブロードキャスト目標待ち時間(Target Wait Time、TWT)要素、BSSカラー変更アナウンス要素、マルチユーザ(Multi-User、MU)EDCAパラメータセット、空間再使用パラメータセット、又はアップリンク(uplink、UL)直交周波数分割多元接続(orthogonal frequency division multiple access、OFDMA)ランダムアクセス(UL OFDMA random access、UORA)パラメータセットのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0010】
方法はまた、非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のBSSパラメータに対する更新を受信することと、プライマリリンク上で、非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の更新されたBSSパラメータを送信することと、を含み得る。いくつかの事例では、1つ以上の更新されたBSSパラメータは、非プライマリリンクの部分的なプロファイルの一部であり得る。1つ以上の更新されたBSSパラメータは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、再アソシエーション応答フレーム、又は通知フレームなどのアクションフレームで、プライマリリンク上で送信され得る。
【0011】
本開示において説明される主題の別の革新的態様は、ワイヤレス通信デバイスにおいて実装され得る。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイスは、少なくとも1つのモデムと、少なくとも1つのモデムと通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合されており、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを含み得る。いくつかの実装形態では、少なくとも1つのモデムと連動した少なくとも1つのプロセッサによるプロセッサ可読コードの実行は、プライマリリンクに関連付けられた第1のAPを含み、かつ非プライマリリンクに関連付けられた第2のAPを含むNSTR softAP MLDとしてワイヤレス通信デバイスを動作させるように構成され得る。プロセッサ可読コードの実行はまた、プライマリリンク上でのみプライマリリンクの完全なプロファイルを含み、かつ非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すフレームを送信するように構成され得る。いくつかの事例では、プライマリリンク及び非プライマリリンクの完全なプロファイルは、各々、少なくともビーコン間隔と、能力情報と、SSIDと、サポートレートと、TSF値と、それぞれのリンクの発見に関連付けられた1つ以上の追加のフィールド又は要素と、を含む。フレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つであり得る。いくつかの事例では、非プライマリリンクのビーコン間隔、SSID、及びTSF値は、プライマリリンクから継承され得る。
【0012】
いくつかの実装形態では、フレームは、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有する複数のフィールド及び要素を含み、かつ非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すSTAごとのプロファイルサブ要素を保有するML要素を含む、フレーム本体を含む。ML要素は、プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のBSSパラメータに対する更新を示すBPCCフィールドを含む共通情報フィールドを更に含む。いくつかの事例では、ML要素のマルチリンク制御フィールド又は共通情報フィールドの1つ以上のビットは、フレームがNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されているか否かを示す。
【0013】
いくつかの実装形態では、フレーム本体はまた、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールドを含むRNR要素を含む。近隣AP情報フィールドは、非プライマリリンクのBSSID及び1つ以上のMLDパラメータからなるTBTT情報フィールドを含み得る。いくつかの事例では、TBTTオフセットサブフィールド、短縮SSIDサブフィールド、BSSパラメータサブフィールド、及びPSDサブフィールドは、非プライマリリンクに対応するTBTT情報フィールドに存在しないことがある。近隣AP情報フィールドはまた、近隣AP情報フィールドが非プライマリリンクのみに関係する情報を保有することを示す値に設定されたTBTT情報フィールドタイプを含み得る。いくつかの事例では、TBTT情報フィールドタイプは、1、又はTBTT情報フィールドが新しい又は未定義のタイプであることを示す予約済み値に設定され得る。いくつかの実装形態では、TBTT情報フィールドの長さは、フレームがNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されているか否かを示し得る。いくつかの態様では、TBTT情報フィールドの長さは、9オクテットである。
【0014】
いくつかの実装形態では、TBTT情報フィールドに保有されている1つ以上のMLDパラメータは、非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のBSSパラメータに対する更新を示すBPCC値を含み得る。いくつかの事例では、プロセッサ可読コードの実行はまた、非プライマリリンクに関連付けられたBSSパラメータのうちの少なくとも1つに対する更新を受信し、受信した更新に基づいて、別のフレームのTBTT情報フィールドに保有されているBPCC値を増分し、BPCC値を増分することに基づいて、上記別のフレームの能力情報フィールドにCUFを設定し、かつプライマリリンク上でのみ上記別のフレームを送信するように構成され得る。このようにして、受信デバイスは、プライマリリンクにキャンプオンしている間に、非プライマリリンクのBSSパラメータに対する更新を取得することができる。様々な実装形態では、BSSパラメータは、CSA要素、eCSA要素、EDCAパラメータ、待機期間要素、DSSSパラメータセット、HT動作要素、VHT動作要素、HE動作要素、EHT動作要素、広帯域チャネルスイッチ要素、動作モード通知要素、ブロードキャストTWT要素、BSSカラー変更アナウンス要素、MU EDCAパラメータセット、空間再使用パラメータセット、又はUORAパラメータセットのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0015】
プロセッサ可読コードの実行はまた、非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のBSSパラメータに対する更新を受信し、かつプライマリリンク上で、非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の更新されたBSSパラメータを送信するように構成され得る。いくつかの事例では、1つ以上の更新されたBSSパラメータは、非プライマリリンクの部分的なプロファイルの一部であり得る。1つ以上の更新されたBSSパラメータは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、再アソシエーション応答フレーム、又は通知フレームなどのアクションフレームで、プライマリリンク上で送信され得る。
【0016】
本開示で説明される主題の1つ以上の実装形態の詳細が、添付の図面及び以下の説明に記載されている。他の特徴、態様、及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかになろう。以下の図の相対的な寸法が、縮尺で描かれていない場合があることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】例示的なワイヤレス通信ネットワークの絵図である。
図2A】アクセスポイント(AP)と1つ以上のワイヤレス局(STA)との間の通信に使用可能な例示的なプロトコルデータユニット(protocol data unit、PDU)を示す図である。
図2B図2AのPDUの中の例示的なフィールドを示す図である。
図3A】APと1つ以上のSTAとの間の通信に使用可能な別の例示的なPDUを示す。
図3B】APと1つ以上のSTAとの間の通信に使用可能な別の例示的なPDUを示す。
図4】APといくつかのSTAとの間の通信に使用可能な例示的な物理レイヤコンバージェンスプロトコル(physical layer convergence protocol、PLCP)プロトコルデータユニット(PLCP protocol data unit、PPDU)を示す図である。
図5】例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図を示す。
図6A】例示的なアクセスポイント(AP)のブロック図である。
図6B】例示的な局(STA)のブロック図である。
図7A】いくつかの実装形態による、非同時送受信(NSTR)ソフトアクセスポイント(AP)マルチリンクデバイス(MLD)をサポートする例示的なワイヤレス通信を示すシーケンス図を示す。
図7B】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートする別の例示的なワイヤレス通信を示すシーケンス図を示す。
図8A】いくつかの他の実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートする例示的なワイヤレス通信を示すシーケンス図を示す。
図8B】いくつかの他の実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートする別の例示的なワイヤレス通信を示すシーケンス図を示す。
図9A】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートする例示的なワイヤレス通信を示すタイミング図を示す。
図9B】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートする別の例示的なワイヤレス通信を示すタイミング図を示す。
図10A】いくつかの実装形態による、マルチリンク通信に使用可能な例示的な管理フレームを示す。
図10B】いくつかの実装形態による、マルチリンク通信に使用可能な別の例示的な管理フレームを示す。
図11A】いくつかの実装形態による、マルチリンク通信のために使用可能な例示的な低減された近隣報告(RNR)要素を示す。
図11B】いくつかの実装形態による、図11AのRNR要素の例示的なTBTT情報ヘッダを示す。
図11C】いくつかの実装形態による、図11AのRNR要素の例示的なTBTT情報フィールドを示す。
図12A】いくつかの実装形態による、マルチリンク通信に使用可能な例示的なマルチリンク(ML)要素を示す。
図12B】いくつかの実装形態による、図12AのML要素の例示的なマルチリンク制御フィールドを示す。
図12C】いくつかの実装形態による、図12AのML要素の例示的な共通情報フィールドを示す。
図12D】いくつかの実装形態による、図12AのML要素の例示的なSTAごとのプロファイルサブ要素を示す。
図12E】いくつかの実装形態による、図12DのSTAごとのプロファイルサブ要素の例示的なSTA制御フィールドを示す。
図12F】いくつかの実装形態による、図12DのSTAごとのプロファイルサブ要素の例示的なSTA情報フィールドを示す。
図13】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図14】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図15】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図16】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図17】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図18】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図19】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図20】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図21】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図22】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図23】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図24】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図25】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図26】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図27】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図28】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図29】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図30】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図31】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図32】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図33】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図34】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図35】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図36】いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセスを示すフローチャートを示す。
図37】いくつかの実装形態による、例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図を示す。
図38】いくつかの実装形態による、別の例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図を示す。 様々な図面における同様の参照番号及び名称は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明は、本開示の革新的態様について説明する目的で、いくつかの実装形態を対象とする。しかしながら、本明細書での教示が多数の異なる方法で適用され得ることを当業者は容易に認識されよう。説明される実装形態は、とりわけ、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11規格、IEEE802.15規格、Bluetoothスペシャルインタレストグループ(Special Interest Group、SIG)によって定義されたBluetooth(登録商標)規格、又は第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project、3GPP(登録商標))によって公表されたロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)、3G、4G若しくは5G(新無線(New Radio、NR))規格のうちの1つ以上に従って無線周波数(radio frequency、RF)信号を送信及び受信することが可能な、任意のデバイス、システム、又はネットワークにおいて実装され得る。説明される実装形態は、以下の技術又は技法、すなわち、符号分割多元接続(code division multiple access、CDMA)、時分割多元接続(time division multiple access、TDMA)、周波数分割多元接続(frequency division multiple access、FDMA)、直交FDMA(orthogonal FDMA、OFDMA)、シングルキャリアFDMA(single-carrier FDMA、SC-FDMA)、シングルユーザ(single-user、SU)多入力多出力(multiple-input multiple-output、MIMO)、及びマルチユーザ(multi-user、MU)MIMOのうちの1つ以上に従ってRF信号を送信及び受信することが可能な、任意のデバイス、システム、又はネットワークにおいて実装され得る。説明される実装形態はまた、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(wireless personal area network、WPAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(wireless wide area network、WWAN)、又はinternet of things(IOT)ネットワークのうちの1つ以上において使用するのに適した他のワイヤレス通信プロトコル又はRF信号を使用して実装され得る。
【0019】
様々な実装形態は、概して、AP MLD及びSTA MLDなどのマルチリンクデバイス(MLD)間の通信に関する。いくつかの実装形態は、より具体的には、複数の通信リンク上でモバイルホットスポットとして動作するワイヤレス局(STA)に関する。AP MLDは、複数の異なる通信リンク上で通信するように構成された複数のAPを含む。STA MLDは、異なる通信リンクのうちの1つ以上を同時に使用してAP MLDと通信し得る。AP MLDは、AP MLDに関連付けられた異なる通信リンクの完全なプロファイルを含むか又は示すマルチリンクコンテキストを提供し得る。それぞれのリンクの完全なプロファイルは、それぞれのリンクの能力、動作パラメータ、及び発見情報を含み得る。AP MLDは、その通信リンクのうちの1つ上でマルチリンクコンテキストを通知し得、それにより、その通信リンク上で動作する近くのワイヤレス通信デバイス(STA MLDなど)が、マルチリンクコンテキストを受信し、AP MLDの複数の通信リンクについての完全なプロファイルを取得することができる。このようにして、1つの通信リンク上で動作するワイヤレス通信デバイスは、他の通信リンクをスキャン又は調査することなしに、1つ以上の他の通信リンク上のAP MLDを発見し、それに関連付けることができる。AP MLDがマルチリンクコンテキストを通知する通信リンクは、プライマリリンクと呼ばれることがあり、他の通信リンクは、非プライマリリンクと呼ばれることがある。
【0020】
マルチリンクコンテキストはまた、AP MLD及び1つ以上の関連付けられたデバイスが、AP MLDの複数の通信リンク上で共通ブロック肯定応答(block acknowledgement、BA)ポリシー又はセッションを確立することと、AP MLDの複数の通信リンクに対して単一の認証機構を使用することと、を可能にする。関連付けられたデバイスは、マルチリンクコンテキストを使用して、AP MLDとのアソシエート解除又は再アソシエートを伴わずに、AP MLDの異なる通信リンク間で通信を動的に切り替えることができる。AP MLDは、マルチリンクコンテキストを使用して、トラフィック識別子(traffic identifier、TID)値と異なる通信リンクの各々との間の連携を動的に変更又は再マッピングすることができる。
【0021】
ワイヤレスSTAは、APと比較して、1つのリンク上のSTAへの送信が別のリンク上のSTAからのデータ送信に干渉することを可能にし得る、制限されたフィルタリング能力を有する。例えば、STAが、1つのリンク上でダウンリンク(downlink、DL)通信を送信しながら、別のリンク上でアップリンク(UL)通信を同時に受信するとき、STAのアンテナリソース間の比較的小さい間隔は、その制限されたフィルタリング能力とともに、1つのリンク上でのDLデータの送信が、他のリンク上でのULデータの同時受信に干渉するか、又はそれを防止することを可能にし得る。このクロスリンク干渉は、複数の通信リンク上でモバイルホットスポットとして動作するSTAが、異なる通信リンク上でデータを同時に送信及び受信することを抑制するか又は妨げ得る。したがって、これらのSTAは、非同時送受信(NSTR)softAP MLDと呼ばれることがある。
【0022】
本開示の態様は、NSTR softAP MLDに関連するクロスリンク干渉を低減又は除去することの重要性を認識する。いくつかの実装形態では、プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられたNSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみプライマリリンク及び非プライマリリンクの完全なプロファイルを通知し得る。NSTR softAP MLDはまた、プライマリリンク上でのみプライマリリンク及び非プライマリリンクの1つ以上のBSSパラメータに対する更新を通知し得る。プライマリリンク上でNSTR softAP MLDの両方のリンクの完全なプロファイルを通知することは、プライマリリンク上で動作するいくつかのワイヤレス通信デバイスが、非プライマリリンクをスキャン又は調査することなく、プライマリリンク及び非プライマリリンクの一方又は両方上で、NSTR softAP MLDを発見し、それに関連付けることを可能にし得る。いくつかの実装形態では、プライマリリンク上で動作する非レガシーデバイスは、プライマリリンク及び非プライマリリンクの両方の完全なプロファイルを復号又は解析することが可能であり得るが、プライマリリンク上で動作するレガシーデバイスは、プライマリリンクの完全なプロファイルのみを復号又は解析することが可能であり得る。結果として、プライマリリンク上で動作するレガシーデバイスは、非プライマリリンク上のNSTR softAP MLDを発見することも、それに関連付けることもできないことがある。更に、非プライマリリンク上でいずれかのリンクの完全なプロファイルを通知しないことによって、非プライマリリンク上で動作するレガシーデバイスは、非プライマリリンク上でNSTR softAP MLDを発見することも、それに関連付けることもできない場合がある。このようにして、本明細書で開示する主題の様々な態様は、NSTR softAP MLDとレガシーデバイスとの間の通信をプライマリリンクに限定し得る。本明細書で使用される場合、「レガシーデバイス」という用語は、IEEE 802.11ax又はそれ以前のワイヤレス通信規格の802.11ファミリーに対する改正に従って動作するように構成されたワイヤレス通信デバイスを指すことがあり、「非レガシーデバイス」という用語は、IEEE 802.11be又はそれ以降のワイヤレス通信規格の802.11ファミリーに対する改正に従って動作するように構成されたワイヤレス通信デバイスを指すことがある。
【0023】
本開示で説明した主題の様々な態様は、以下の潜在的な利点のうちの1つ以上を実現するために実装することができる。NSTR softAP MLDとレガシーデバイスとの間の通信をプライマリリンクに制限することによって(及び、それによって、レガシーデバイスが非プライマリリンク上でNSTR softAP MLDと通信することを妨げることによって)、NSTR softAP MLDは、NSTR softAP MLDがプライマリリンク上で1つ以上の関連付けられたデバイスにDLデータを送信している間、レガシーデバイスが非プライマリリンク上でULデータを送信することを防止し得る。このようにして、本明細書で開示する主題の実装形態は、非プライマリリンク上のUL送信から生じるクロスリンク干渉が、プライマリリンク上のNSTR softAP MLDからのDL送信を劣化させるか、又は別様にそれに干渉する可能性を低減し得る。
【0024】
図1は、例示的なワイヤレス通信ネットワーク100のブロック図を示す。いくつかの態様によれば、ワイヤレス通信ネットワーク100はWi-Fiネットワークなどのワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)の一例であり得る(また、以下でWLAN100と呼ばれる)。例えば、WLAN100は、(IEEE802.11-2016仕様、又は限定はしないが、802.11ah、802.11ad、802.11ay、802.11ax、802.11az、802.11ba、及び802.11beを含む、その改訂によって定義されるものなどの)IEEE802.11規格群のうちの少なくとも1つを実装するネットワークであり得る。WLAN100は、アクセスポイント(AP)102及び複数の局(STA)104などの多数のワイヤレス通信デバイスを含んでもよい。ただ1つのAP102が示されているが、WLANネットワーク100は、複数のAP102も含み得る。
【0025】
STA104の各々は、考えられる例の中でも、移動局(mobile station、MS)、モバイルデバイス、モバイルハンドセット、ワイヤレスハンドセット、アクセス端末(access terminal、AT)、ユーザ機器(user equipment、UE)、加入者局(subscriber station、SS)、又は加入者ユニットと呼ばれることもある。STA104は、考えられる例の中でも、モバイルフォン、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、他のハンドヘルドデバイス、ネットブック、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップ、ディスプレイデバイス(例えば、特に、TV、コンピュータモニタ、ナビゲーションシステム)、音楽又は他のオーディオ若しくはステレオデバイス、リモートコントロールデバイス(「リモート」)、プリンタ、キッチン用器具又は他の家庭用器具、キーフォブ(例えば、パッシブキーレスエントリ及びスタート(passive keyless entry and start、PKES)システム用)などの様々なデバイスを表してよい。
【0026】
単一のAP102、及びSTA104の関連付けられたセットは、それぞれのAP102によって管理される基本サービスセット(BSS)と呼ばれることがある。図1は、追加として、WLAN100の基本サービスエリア(basic service area、BSA)を表し得る、AP102の例示的なカバレージエリア106を示す。BSSは、サービスセット識別子(SSID)によってユーザに対して、並びにAP102の媒体アクセス制御(medium access control、MAC)アドレスであってもよい基本サービスセット識別子(BSSID)によって他のデバイスに対して識別される場合がある。AP102は、AP102のワイヤレス範囲内のあらゆるSTA104が、AP102とのそれぞれの(以下「Wi-Fiリンク」とも呼ばれる)通信リンク108を確立するために、又はAP102との通信リンク108を維持するために、AP102と「アソシエートする」こと又は再アソシエートすることを可能にするように、BSSIDを含むビーコンフレーム(「ビーコン」)を定期的にブロードキャストする。例えば、ビーコンは、それぞれのAP102によって使用されるプライマリチャネルの識別情報、並びにAP102とのタイミング同期を確立又は維持するためのタイミング同期機能を含み得る。AP102は、それぞれの通信リンク108を介してWLANにおける様々なSTA104に外部ネットワークへのアクセスを提供し得る。
【0027】
AP102との通信リンク108を確立するために、STA104の各々は、1つ以上の周波数帯域(例えば、2.4GHz、5.0GHz、6.0GHz、又は60GHz帯域)における周波数チャネル上で受動的又は能動的なスキャン動作(「スキャン」)を実行するように構成される。受動スキャンを実行するために、STA104はビーコンを聴取し、ビーコンは、目標ビーコン送信時間(TBTT)(時間単位(time unit、TU)で測定され、1TUは1024マイクロ秒(μs)に等しいことがある)と呼ばれる定期的な時間間隔でそれぞれのAP102によって送信される。アクティブスキャンを実行するために、STA104は、プローブ要求を生成し、スキャンされるべき各チャネル上でそれらを連続的に送信し、AP102からのプローブ応答を求めてリッスンする。各STA104は、パッシブスキャン又はアクティブスキャンを通じて取得されたスキャン情報に基づいて、関連付けるべきAP102を識別又は選択し、選択されたAP102との通信リンク108を確立するために、認証及びアソシエーション動作を実行するように構成され得る。AP102は、アソシエーション動作の最盛期にアソシエーション識別子(association identifier、AID)をSTA104に割り当て、AP102はSTA104を追跡するためにAIDを使用する。
【0028】
ワイヤレスネットワークの遍在性が高まった結果として、STA104は、STAの範囲内の多くのBSSのうちの1つを選択するための、又は接続された複数のBSSを含む拡張サービスセット(extended service set、ESS)を一緒に形成する複数のAP102の中から選択するための機会を有してよい。WLAN100に関連付けられた拡張ネットワーク局は、複数のAP102がそのようなESSの中で接続されることを可能にし得る、有線又はワイヤレスの配信システムに接続されてよい。したがって、STA104は、2つ以上のAP102によってカバーされることが可能であり、異なる送信のために異なる時間において異なるAP102に関連付けることができる。追加として、AP102とのアソシエーション後、STA104はまた、関連付けるべきより好適なAP102を見つけるために、その周辺を周期的にスキャンするように構成され得る。例えば、その関連付けられたAP102に対して動いているSTA104は、より大きい受信信号強度インジケータ(received signal strength indicator、RSSI)又は低いトラフィック負荷などのより望ましいネットワーク特性を有する別のAP102を見つけるために、「ローミング」スキャンを実行してもよい。
【0029】
場合によっては、STA104は、AP102、又はSTA104自体以外の他の機器を伴わずに、ネットワークを形成してよい。そのようなネットワークの一例は、アドホックネットワーク(又は、ワイヤレスアドホックネットワーク)である。アドホックネットワークは、代替として、メッシュネットワーク又はピアツーピア(peer-to-peer、P2P)ネットワークと呼ばれることがある。場合によっては、アドホックネットワークは、WLAN100などのより大きいワイヤレスネットワーク内で実装されてよい。そのような実装形態では、STA104は、通信リンク108を使用してAP102を介して互いに通信することが可能であり得るが、STA104はまた、ダイレクトワイヤレスリンク110を介して互いに直接通信することができる。加えて、2つのSTA104は、両方のSTA104が同じAP102に関連付けられており、かつ同じAP102によってサービスされるかどうかにかかわらず、ダイレクト通信リンク110を介して通信してもよい。そのようなアドホックシステムでは、STA104のうちの1つ以上が、BSSの中のAP102によって満たされる役割を担ってよい。そのようなSTA104は、グループ所有者(group owner、GO)と呼ばれることがあり、アドホックネットワーク内の送信を協調させ得る。ダイレクトワイヤレスリンク110の例としては、Wi-Fiダイレクト接続、Wi-Fiトンネルドダイレクトリンクセットアップ(Tunneled Direct Link Setup、TDLS)リンクを使用することによって確立される接続、及び他のP2Pグループ接続が挙げられる。
【0030】
AP102及びSTA104は、(IEEE802.11-2016仕様、又は限定はしないが、802.11ah、802.11ad、802.11ay、802.11ax、802.11az、802.11ba、及び802.11beを含む、その改訂によって定義されるものなどの)IEEE802.11規格群に従って、機能し、(それぞれの通信リンク108を介して)通信してもよい。これらの規格は、PHYレイヤ及び媒体アクセス制御(MAC)レイヤのためのWLAN無線及びベースバンドプロトコルを規定する。AP102及びSTA104は、物理レイヤコンバージェンスプロトコル(PLCP)プロトコルデータユニット(PPDU)の形式で、互いとの間でワイヤレス通信(以下で、「Wi-Fi通信」とも呼ばれる)を送信及び受信する。WLAN100におけるAP102及びSTA104は、免許不要スペクトルを介してPPDUを送信してもよく、免許不要スペクトルは、2.4GHz帯域、5.0GHz帯域、60GHz帯域、3.6GHz帯域、及び900MHz帯域などのWi-Fi技術によって従来使用されている周波数帯域を含むスペクトルの一部分であってもよい。本明細書で説明するAP102及びSTA104のいくつかの実装形態はまた、認可通信及び無認可通信の両方をサポートし得る6.0GHz帯域などの他の周波数帯域の中で通信してよい。AP102及びSTA104はまた、複数の事業者が、同じか又は重複する1つ又は複数の周波数帯域の中で運用するための認可を有し得る、共有認可周波数帯域などの他の周波数帯域を介して通信するように構成され得る。
【0031】
周波数帯域の各々は、複数のサブバンド又は周波数チャネルを含んでよい。例えば、IEEE802.11n、802.11ac、及び802.11ax規格の改訂に準拠するPPDUは、各々が複数の20MHzチャネルに分割される2.4及び5.0GHz帯域上で送信される場合がある。したがって、これらのPPDUは、20MHzという最小帯域幅を有する物理チャネルを介して送信されるが、チャネルボンディングを通じてより大きいチャネルが形成され得る。例えば、PPDUは、複数の20MHzチャネルを一緒に結合することによって、40MHz、80MHz、160、又は320MHzの帯域幅を有する物理チャネルを介して送信されてもよい。
【0032】
各PPDUは、PHYプリアンブル及びペイロードをPLCPサービスデータユニット(PLCP service data unit、PSDU)の形式で含む合成構造である。プリアンブル内で提供される情報は、PSDUの中の後続のデータを復号するために受信デバイスによって使用されてもよい。結合されたチャネルを介してPPDUが送信される実例では、プリアンブルフィールドは複製され、複数の構成要素チャネルの各々において送信されてもよい。PHYプリアンブルは、レガシー部分(又は「レガシープリアンブル」)及び非レガシー部分(又は「非レガシープリアンブル」)の両方を含んでもよい。レガシープリアンブルは、用途の中でも特に、パケット検出、自動利得制御、及びチャネル推定に使用されてもよい。レガシープリアンブルはまた、概して、レガシーデバイスとの互換性を維持するために使用され得る。プリアンブルの非レガシー部分のフォーマット、コーディング、及びそこで提供される情報は、ペイロードを送信するために使用されるべき特定のIEEE802.11プロトコルに基づく。
【0033】
図2Aは、APといくつかのSTAとの間の通信に使用可能な例示的なプロトコルデータユニット(PDU)200を示す。例えば、PDU200はPPDUとして構成され得る。示されるように、PDU200は、PHYプリアンブル202及びPHYペイロード204を含む。例えば、PHYプリアンブル202は、それ自体がレガシーショートトレーニングフィールド(legacy short training field、L-STF)206と、レガシーロングトレーニングフィールド(legacy long training field、L-LTF)208と、レガシーシグナリングフィールド(legacy signaling field、L-SIG)210とを含むレガシー部分を含んでもよい。PHYプリアンブル202はまた、非レガシー部分(図示せず)を含んでもよい。L-STF206は、概して、受信デバイスが、自動利得制御(automatic gain control、AGC)と粗いタイミングと周波数推定とを実行することを可能にする。L-LTF208は、概して、受信デバイスが、細かいタイミング及び周波数推定を実行することを可能にし、ワイヤレスチャネルを推定することも可能にする。L-SIG210は、概して、受信デバイスが、PDUの持続時間を判定し、判定された持続時間を使用して、PDUの上で送信するのを回避することを可能にする。例えば、L-STF206、L-LTF208、及びL-SIG210は、2位相シフトキーイング(binary phase shift keying、BPSK)変調方式に従って変調されてもよい。ペイロード204は、BPSK変調方式、直交BPSK(quadrature BPSK、Q-BPSK)変調方式、直交振幅変調(quadrature amplitude modulation、QAM)変調方式、又は別の適切な変調方式に従って変調されてもよい。ペイロード204は、概して、例えば、媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(MAC protocol data unit、MPDU)又は集約されたMPDU(aggregated MPDU、A-MPDU)の形式で、上位レイヤデータを保有してもよい。
【0034】
図2Bは、図2AのPDUにおける例示的なL-SIGフィールド220を示す。L-SIG220は、データレートフィールド222と、予備ビット224と、長さフィールド226と、パリティビット228と、テールフィールド220とを含む。データレートフィールド222はデータレートを示す(データレートフィールド222内で示されたデータレートは、ペイロード204に保有されているデータの実際のデータレートでない場合があることに留意されたい)。長さフィールド226は、例えば、バイト単位でパケットの長さを示す。パリティビット228は、ビットエラーを検出するために使用される。テールフィールド220は、デコーダ(例えば、ビタビデコーダ)の動作を終了するために受信デバイスによって使用されるテールビットを含む。受信デバイスは、例えば、マイクロ秒(μs)単位でパケットの持続時間を判定するために、データレートフィールド222及び長さフィールド226において示されたデータレート及び長さを利用する。
【0035】
図3Aは、APと1つ以上のSTAとの間のワイヤレス通信に使用可能な別の例示的なPDU300を示す。PDU300は、SU送信、OFDMA送信、又はMU-MIMO送信に使用されてもよい。PDU300は、IEEE802.11ワイヤレス通信プロトコル規格に対するIEEE802.11axの改訂に従って、高効率(HE)WLAN PPDUとしてフォーマットされてもよい。PDU300は、レガシー部分302と非レガシー部分304とを含むPHYプリアンブルを含む。PDU300は、例えば、データフィールド324を含むPSDUの形式で、プリアンブルの後にPHYペイロード306を更に含んでもよい。
【0036】
プリアンブルのレガシー部分302は、L-STF308と、L-LTF310と、L-SIG312とを含む。非レガシー部分304は、L-SIG(RL-SIG)314、第1のHE信号フィールド(HE-SIG-A)316、HEショートトレーニングフィールド(HE short training field、HE-STF)320、及び1つ以上のHEロングトレーニングフィールド(又はシンボル)(HE long training field、HE-LTF)322の繰返しを含む。OFDMA通信又はMU-MIMO通信の場合、第2の部分304は、HE-SIG-A316とは別々に符号化された第2のHE信号フィールド(HE-SIG-B)318を更に含む。L-STF308、L-LTF310、及びL-SIG312のように、結合チャネルの使用を伴う実例では、RL-SIG314及びHE-SIG-A316の中の情報は複製され、コンポーネット20MHzチャネルの各々において送信されてもよい。対照的に、HE-SIG-B318の内容は、各20MHzチャネルに対して固有であり、特定のSTA104を標的にしてもよい。
【0037】
RL-SIG314は、PDU300がHE PPDUであることをHE互換STA104に示してもよい。AP102は、HE-SIG-A316を使用して、APが複数のSTA104のためにUL又はDLのリソースをスケジュールしたことを特定し、複数のSTA104に知らせてもよい。例えば、HE-SIG-A316は、特定されたSTA104のためのリソース割振りを示すリソース割振りサブフィールドを含んでもよい。HE-SIG-A316は、AP102によってサービスされる各HE互換STA104によって復号されてもよい。MU送信の場合、HE-SIG-A316は、関連付けられたHE-SIG-B318を復号するために各特定されたSTA104によって使用可能な情報を更に含む。例えば、HE-SIG-A316は、例の中でも特に、HE-SIG-B318の位置及び長さと、利用可能なチャネル帯域幅と、変調及びコーディング方式(MCS)とを含むフレームフォーマットを示してもよい。HE-SIG-A316はまた、特定されたSTA104以外のSTA104によって使用可能なHE WLANシグナリング情報を含んでもよい。
【0038】
HE-SIG-B318は、例えば、STA固有(又は「ユーザ固有」)MCS値及びSTA固有のRU割振り情報などのSTA固有のスケジューリング情報を保有してもよい。DL MU-OFDMAの文脈では、そのような情報により、それぞれのSTA104が関連付けられたデータフィールド324の中の対応するリソースユニット(RU)を特定及び復号することが可能になる。各HE-SIG-B318は、共通フィールドと、少なくとも1つのSTA固有フィールドとを含む。共通フィールドは、例の中でも特に、周波数領域におけるRU割当てを含む複数のSTA104に対するRU割振りを示し、どのRUがMU-MIMO送信に割り振られるか、どのRUがMU-OFDMA送信に対応するか、及び割振りにおけるユーザの数を示すことができる。共通フィールドは、共通ビット、CRCビット、及びテールビットで符号化されてもよい。ユーザ固有フィールドは特定のSTA104に割り当てられ、固有のRUをスケジュールし、他のWLANデバイスにスケジューリングを示すために使用されてもよい。各ユーザ固有フィールドは、複数のユーザブロックフィールドを含んでもよい。各ユーザブロックフィールドは、データフィールド324の中のそれぞれのRUペイロードを復号するために、2つのそれぞれのSTAのための情報を含む2つのユーザフィールドを含んでもよい。
【0039】
図3Bは、APと1つ以上のSTAとの間のワイヤレス通信に使用可能な別の例示的なPPDU350を示す。PDU350は、SU送信、OFDMA送信、又はMU-MIMO送信に使用されてもよい。PDU350は、IEEE802.11ワイヤレス通信プロトコル規格に対するIEEE802.11beの改訂に従って、超高スループット(EHT)WLAN PPDUとしてフォーマットされてもよく、又は将来のIEEE802.11ワイヤレス通信プロトコル規格若しくは他のワイヤレス通信規格に準拠する新しいワイヤレス通信プロトコルの任意の後の(ポストEHT)バージョンに準拠するPPDUとしてフォーマットされてもよい。PDU350は、レガシー部分352と非レガシー部分354とを含むPHYプリアンブルを含む。PDU350は、例えば、データフィールド376を含むPSDUの形式で、プリアンブルの後にPHYペイロード356を更に含んでもよい。
【0040】
プリアンブルのレガシー部分352は、L-STF358と、L-LTF360と、L-SIG362とを含む。プリアンブルの非レガシー部分354は、RL-SIG364と、RL-SIG364の後の複数のワイヤレス通信プロトコルバージョン依存信号フィールドとを含む。例えば、非レガシー部分354は、(本明細書では「U-SIG366」と呼ばれる)汎用信号フィールド366と、(本明細書では「EHT-SIG368」と呼ばれる)EHT信号フィールド368とを含んでもよい。U-SIG366とEHT-SIG368の一方又は両方が、EHT以降の他のワイヤレス通信プロトコルバージョンとして構築され、それらのためのバージョン依存情報を保有してもよい。非レガシー部分354は、追加の(本明細書では「EHT-STF372」と呼ばれるが、それはEHT以降の他のワイヤレス通信プロトコルバージョンとして構築され、それらのためのバージョン依存情報を保有してもよい)ショートトレーニングフィールド372と、1つ以上の追加の(本明細書では「EHT-LTF374」と呼ばれるが、それらはEHT以降の他のワイヤレス通信プロトコルバージョンとして構築され、それらのためのバージョン依存情報を保有してもよい)ロングトレーニングフィールド374と、を更に含む。L-STF358、L-LTF360、及びL-SIG362のように、結合チャネルの使用を伴う実例では、U-SIG366及びEHT-SIG368の中の情報は複製され、構成要素20MHzチャネルの各々において送信されてもよい。いくつかの実装形態では、EHT-SIG368は、追加又は代替として、プライマリ20MHzチャネルに保有されている情報とは異なる1つ以上の非プライマリ20MHzチャネルに情報を保有し得る。
【0041】
EHT-SIG368は、1つ以上の統合符号化されたシンボルを含んでもよく、U-SIG366が符号化されるブロックとは異なるブロックにおいて符号化されてもよい。EHT-SIG368は、APが複数のSTA104のためにUL又はDLのリソースをスケジュールしたことを特定し、複数のSTA104に知らせるために使用されてもよい。EHT-SIG368は、AP102によってサービスされる各互換STA104によって復号されてもよい。EHT-SIG368は、概して、データフィールド376の中のビットを解釈するために受信デバイスによって使用され得る。例えば、EHT-SIG368は、例の中でも特に、RU割振り情報と、空間ストリーム構成情報と、MCSなどのユーザごとのシグナリング情報とを含んでもよい。EHT-SIG368は、バイナリ畳み込みコード(binary convolutional code、BCC)のために使用される場合がある、巡回冗長検査(cyclic redundancy check、CRC)(例えば、4ビット)と、テール(例えば、6ビット)とを更に含んでもよい。いくつかの実装形態では、EHT-SIG368は、各々がCRCとテールとを含む1つ以上のコードブロックを含んでもよい。いくつかの態様では、コードブロックの各々は別々に符号化されてもよい。
【0042】
EHT-SIG368は、例えば、ユーザ固有のMCS値及びユーザ固有のRU割振り情報などのSTA固有のスケジューリング情報を保有してもよい。EHT-SIG368は、概して、データフィールド376の中のビットを解釈するために受信デバイスによって使用され得る。DL MU-OFDMAの文脈では、そのような情報により、それぞれのSTA104が関連付けられたデータフィールド376の中の対応するRUを特定及び復号することが可能になる。各EHT-SIG368は、共通フィールドと、少なくとも1つのユーザ固有フィールドとを含んでもよい。共通フィールドは、例の中でも特に、複数のSTA104にRU分布を示し、周波数領域におけるRU割当てを示し、どのRUがMU-MIMO送信に割り振られるか、どのRUがMU-OFDMA送信に対応するか、及び割振りにおけるユーザの数を示すことができる。共通フィールドは、共通ビット、CRCビット、及びテールビットで符号化されてもよい。ユーザ固有フィールドは特定のSTA104に割り当てられ、固有のRUをスケジュールし、他のWLANデバイスにスケジューリングを示すために使用されてもよい。各ユーザ固有フィールドは、複数のユーザブロックフィールドを含んでもよい。各ユーザブロックフィールドは、例えば、それぞれのRUペイロードを復号するために、2つのそれぞれのSTAのための情報を格納する2つのユーザフィールドを含んでもよい。
【0043】
RL-SIG364及びU-SIG366の存在は、PPDU350がEHT PPDUであること、又は将来のIEEE802.11ワイヤレス通信プロトコル規格に準拠する新しいワイヤレス通信プロトコルの任意の後の(ポストEHT)バージョンに準拠するPPDUであることをEHT又は後のバージョンに準拠するSTA104に示してもよい。例えば、U-SIG366は、EHT-SIG368又はデータフィールド376のうちの1つ以上の中のビットを解釈するために、受信デバイスによって使用されてもよい。
【0044】
図4は、AP102といくつかのSTA104との間の通信に使用可能な例示的なPPDU400を示す。上で説明されたように、各PPDU400は、PHYプリアンブル402とPSDU404とを含む。各PSDU404は、例えば、複数のMACプロトコルデータユニット(MPDU)サブフレーム408を含む集約されたMPDU(A-MPDU)406など、1つ以上のMPDUを保有し得る。各MPDUサブフレーム408は、MPDUサブフレーム408のデータ部分又は「ペイロード」を含む、付随するフレーム本体416より前に、MACデリミタ412とMACヘッダ414とを含み得る。フレーム本体416は、例えば、複数のMACサービスデータユニット(MSDU)サブフレーム424を含む集約されたMSDU(aggregated MSDU、A-MSDU)422など、1つ以上のMSDUを保有し得る。各MSDUサブフレーム424は、サブフレームヘッダ428、フレーム本体430、及び1つ以上のパディングビット432を含む、対応するMSDU 426を含む。
【0045】
A-MPDUサブフレーム406を再び参照すると、MACヘッダ414は、フレーム本体416内にカプセル化されたデータの特性又は属性を定義するか又は示す情報を格納するいくつかのフィールドを含んでもよい。MACヘッダ414はまた、フレーム本体416内にカプセル化されたデータのためのアドレスを示すいくつかのフィールドを含む。例えば、MACヘッダ412は、ソースアドレス、トランスミッタアドレス、レシーバアドレス、又は宛先アドレスの組み合わせを含んでもよい。MACヘッダ414は、制御情報を格納するフレーム制御フィールドを含んでもよい。フレーム制御フィールドは、フレームタイプ、例えば、データフレーム、制御フレーム、又は管理フレームを指定する。MACヘッダ414は、ワイヤレス通信デバイスによって送信されるべき最後のPPDUの確認応答(acknowledgment、ACK)(例えば、A-MPDUの場合はブロックACK(BA))の終了まで、PPDUの終了から延びる持続時間を示す持続時間フィールドを更に含んでもよい。持続時間フィールドを使用すると、示された持続時間の間ワイヤレス媒体を確保するように働き、したがってNAVが確立される。各A-MPDUサブフレーム408はまた、誤り検出のためのフレームチェックシーケンス(frame check sequence、FCS)フィールド418を含んでもよい。例えば、FCSフィールド418は、巡回冗長検査(CRC)を含み得、1つ以上のパディングビット420が後に続き得る。
【0046】
上で説明したように、AP102及びSTA104は、マルチユーザ(MU)通信をサポートすることができる。すなわち、1つのデバイスから複数のデバイスの各々への同時送信(例えば、AP102から対応するSTA104への複数の同時ダウンリンク(DL)通信)、又は複数のデバイスから単一のデバイスへの同時送信(例えば、対応するSTA104からAP102への複数の同時アップリンク(UL)送信)である。MU送信をサポートするために、AP102及びSTA104は、マルチユーザ多入力多出力(multi-user multiple-input, multiple-output、MU-MIMO)技法と、マルチユーザ直交周波数分割多元接続(multi-user orthogonal frequency division multiple access、MU-OFDMA)技法とを利用してもよい。
【0047】
MU-OFDMA方式では、ワイヤレスチャネルの利用可能な周波数スペクトルは、各々がいくつかの異なる周波数サブキャリア(「トーン」)を含む複数のリソースユニット(RU)に分割されてもよい。異なるRUは、特定の時間に異なるSTA104にAP102によって割り振られてもよく、又は割り当てられてもよい。RUのサイズ及び分布は、RU割振りと呼ばれる場合がある。いくつかの実装形態では、RUは2MHzの間隔で割り振られる場合があるので、最小のRUは、24個のデータトーン及び2個のパイロットトーンからなる26個のトーンを含む場合がある。結果として、20MHzのチャネルでは、(一部のトーンは他の目的のために確保されるので)(2MHz、26トーンのRUなどの)最大で9個のRUが割り振られる場合がある。同様に、160MHzのチャネルでは、最大で74個のRUが割り振られる場合がある。より大きい52個のトーン、106個のトーン、242個のトーン、484個のトーン、及び996個のトーンのRUも割り振られ得る。例えば、隣接するRU間の干渉を減らすために、レシーバのDCオフセットを減らすために、及び送信中心周波数の漏洩を回避するために、隣接するRUは、(DCサブキャリアなどの)ヌルサブキャリアによって分離されてもよい。
【0048】
UL MU送信の場合、AP102は、複数のSTA104からAP102へのUL MU-OFDMA送信又はUL MU-MIMO送信を開始して同期するために、トリガフレームを送信することができる。したがって、そのようなトリガフレームは、複数のSTA104が時間的に同時にAP102にULトラフィックを送信することを可能にする場合がある。トリガフレームは、それぞれのアソシエーション識別子(AID)を介して1つ以上のSTA104をアドレス指定してもよく、AP102にULトラフィックを送信するために使用され得る1つ以上のRUを各AID(及びしたがって各STA104)に割り当ててもよい。APはまた、スケジューリングされていないSTA104が競合し得る1つ以上のランダムアクセス(random access、RA)RUを指定し得る。
【0049】
図5は、例示的なワイヤレス通信デバイス500のブロック図を示す。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス500は、図1を参照しながら上で説明したSTA104のうちの1つなどのSTAにおいて使用するためのデバイスの一例であり得る。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス500は、図1を参照しながら上で説明したAP102などのAPにおいて使用するためのデバイスの一例であり得る。ワイヤレス通信デバイス500は、(例えば、ワイヤレスパケットの形式で)ワイヤレス通信を送信(又は、送信のために出力)すること及び受信することが可能である。例えば、ワイヤレス通信デバイス500は、限定はしないが、802.11ah、802.11ad、802.11ay、802.11ax、802.11az、802.11ba、及び802.11beを含むIEEE802.11-2016仕様又はその改正によって定義されるものなどのIEEE802.11規格に準拠する物理レイヤコンバージェンスプロトコル(PLCP)プロトコルデータユニット(PPDU)及び媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(MPDU)の形態でパケットを送信及び受信するように構成され得る。
【0050】
ワイヤレス通信デバイス500は、1つ以上のモデム502、例えば、Wi-Fi(IEEE802.11準拠)モデムを含む、チップ、システムオンチップ(system on chip、SoC)、チップセット、パッケージ、又はデバイスであり得るか、又はそれらを含み得る。いくつかの実装形態では、1つ以上のモデム502(総称して「モデム502」)は、追加として、WWANモデム(例えば、3GPP(登録商標) 4G LTE又は5G準拠モデム)を含む。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス500は、1つ以上の無線機504(総称して「無線機504」)も含む。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス500は、1つ以上のプロセッサ、処理ブロック、又は処理要素506(まとめて「プロセッサ506」)と、1つ以上のメモリブロック又はメモリ要素508(まとめて「メモリ508」)とを更に含む。
【0051】
モデム502は、例えば、考えられる例の中でも、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)などの、インテリジェントハードウェアブロック又はデバイスを含むことができる。モデム502は、概して、PHYレイヤを実装するように構成されている。例えば、モデム502は、ワイヤレス媒体を介した送信のために、パケットを変調し、変調されたパケットを無線機504に出力するように構成される。モデム502は同様に、無線機504によって受信される変調されたパケットを取得し、パケットを復調して復調されたパケットを提供するように構成される。変調器及び復調器に加えて、モデム502は、デジタル信号処理(digital signal processing、DSP)回路と、自動利得制御(AGC)と、コーダと、デコーダと、マルチプレクサと、デマルチプレクサとを更に含んでもよい。例えば、送信モードにある間、プロセッサ506から取得されたデータは、コーダに提供され、コーダは、データを符号化して符号化ビットを提供する。次いで、符号化されたビットは、(選択されたMCSを使用して)変調コンスタレーションの中の点にマッピングされて変調されたシンボルを提供する。次いで、変調されたシンボルは、NSS個の数の空間ストリーム又はNSTS個の数の時空間ストリームにマッピングされ得る。次いで、それぞれの空間ストリーム又は時空間ストリームの中の変調されたシンボルは、多重化され、逆高速フーリエ変換(inverse fast Fourier transform、IFFT)ブロックを介して変換され、続いて、Txウィンドウ処理及びフィルタ処理のためにDSP回路に提供され得る。次いで、デジタル信号は、デジタルアナログ変換器(digital-to-analog converter、DAC)に提供され得る。次いで、得られたアナログ信号は、周波数アップコンバータに、最終的には、無線機504に提供され得る。ビームフォーミングを伴う実装形態では、それぞれの空間ストリームの中の被変調シンボルは、IFFTブロックへのそれらの提供の前にステアリング行列を介してプリコーディングされる。
【0052】
受信モードにある間、無線機504から受信されたデジタル信号は、DSP回路に提供され、DSP回路は、例えば、信号の存在を検出すること並びに初期タイミング及び周波数オフセットを推定することによって、受信信号を獲得するように構成されている。DSP回路構成は、例えば、チャネル(狭帯域)フィルタ処理、(I/Q不平衡を補正することなどの)アナログ減損調整を使用して、かつ最終的に狭帯域信号を取得するためにデジタル利得を適用して、デジタル信号をデジタル的に調整するように更に構成される。次いで、DSP回路の出力はAGCに供給され得、AGCは、例えば、適切な利得を判定するために、1つ以上の受信されたトレーニングフィールドにおいてデジタル信号から抽出された情報を使用するように構成される。DSP回路の出力はまた、復調器と結合され、復調器は、信号から変調されたシンボルを抽出し、例えば、各空間ストリームの中の各サブキャリアのビット位置ごとの対数尤度比(logarithm likelihood ratios、LLR)を算出するように構成されている。復調器はデコーダと結合され、デコーダは、LLRを処理して復号ビットを提供するように構成され得る。次いで、空間ストリームの全てからの復号されたビットは、多重化解除のためにデマルチプレクサに供給される。次いで、多重化解除されたビットは、スクランブル解除され、処理、評価、又は解釈のためにMACレイヤ(プロセッサ506)に提供されてもよい。
【0053】
無線機504は、概して、少なくとも1つの無線周波数(RF)送信機(又は、「送信機チェーン」)及び少なくとも1つのRF受信機(又は、「受信機チェーン」)を含み、それらは1つ以上の送受信機に組み合わせられてもよい。例えば、RF送信機及びRF受信機は、それぞれ、少なくとも1つの電力増幅器(power amplifier、PA)及び少なくとも1つの低雑音増幅器(low-noise amplifier、LNA)を含む様々なDSP回路構成を含んでよい。RF送信機及びRF受信機は、次に1つ以上のアンテナに結合され得る。例えば、いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス500は、(対応する送信チェーンを各々が伴う)複数の送信アンテナ及び(対応する受信チェーンを各々が伴う)複数の受信アンテナを含むことができる、又はそれらと結合することができる。モデム502から出力されたシンボルは無線機504に提供され、次いで、無線機504は結合されたアンテナを介してシンボルを送信する。同様に、アンテナを介して受信されたシンボルは無線機504によって取得され、次いで、無線機504はシンボルをモデム502に提供する。
【0054】
プロセッサ506は、例えば、処理コア、処理ブロック、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)などのプログラマブル論理デバイス(programmable logic device、PLD)、個別ゲート若しくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、又は本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせなどの、インテリジェントハードウェアブロック又はデバイスを含むことができる。プロセッサ506は、無線機504及びモデム502を介して受信された情報を処理し、ワイヤレス媒体を介した送信のために、モデム502及び無線機504を介して出力される情報を処理する。例えば、プロセッサ506は、MPDU、フレーム、又はパケットの生成及び送信に関係する様々な動作を実行するように構成された制御プレーンとMACレイヤとを実装してもよい。MACレイヤは、動作又は技法の中でも特に、フレームのコーディング及び復号と、空間多重化と、時空間ブロックコーディング(space-time block coding、STBC)と、ビームフォーミングと、OFDMAリソース割振りとを実行するか、又はそれらを容易にするように構成される。いくつかの実装形態では、プロセッサ506は、概して、上で説明した様々な動作をモデムに実行させるようにモデム502を制御することができる。
【0055】
メモリ508は、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)又は読取り専用メモリ(read-only memory、ROM)又はそれらの組み合わせなどの有形記憶媒体を含み得る。メモリ508はまた、プロセッサ506によって実行されると、MPDU、フレーム、又はパケットの生成、送信、受信、及び解釈を含む、ワイヤレス通信のための本明細書において説明された様々な動作をプロセッサに実行させる命令を格納する非一時的プロセッサ又はコンピュータ実行可能ソフトウェア(software、SW)コードを記憶することができる。例えば、本明細書において開示された構成要素の様々な機能、又は本明細書に開示された方法、動作、プロセス、若しくはアルゴリズムの様々なブロック若しくはステップは、1つ以上のコンピュータプログラムの1つ以上のモジュールとして実装され得る。
【0056】
図6Aは、例示的なAP602のブロック図を示す。例えば、AP602は、図1を参照しながら説明したAP102の例示的な実装形態であり得る。AP602は、ワイヤレス通信デバイス(wireless communication device、WCD)610を含む。例えば、ワイヤレス通信デバイス610は、図5を参照しながら説明したワイヤレス通信デバイス500の例示的な実装形態であってもよい。AP602はまた、ワイヤレス通信を送信及び受信するために、ワイヤレス通信デバイス610と結合された複数のアンテナ620を含む。いくつかの実装形態では、AP602は、ワイヤレス通信デバイス610と結合されたアプリケーションプロセッサ630と、アプリケーションプロセッサ630と結合されたメモリ640とを更に含む。AP602は、インターネットを含む外部ネットワークへのアクセスを得るためにAP602がコアネットワーク又はバックホールネットワークと通信することを可能にする、少なくとも1つの外部ネットワークインターフェース650を更に含む。例えば、外部ネットワークインターフェース650は、有線(例えば、Ethernet)ネットワークインターフェース及び(WWANインターフェースなどの)ワイヤレスネットワークインターフェースのうちの一方又は両方を含んでもよい。上述の構成要素のうちのいくつかは、少なくとも1つのバスを介して、構成要素のうちの他のいくつかと直接又は間接的に通信することができる。AP602は、ワイヤレス通信デバイス610、アプリケーションプロセッサ630、メモリ640、並びにアンテナ620及び外部ネットワークインターフェース650の少なくとも部分を包含するハウジングを更に含む。
【0057】
図6Bは、例示的なSTA604のブロック図を示す。例えば、STA604は、図1を参照しながら説明したSTA104の例示的な実装形態であり得る。STA604は、ワイヤレス通信デバイス615を含む。例えば、ワイヤレス通信デバイス615は、図5を参照して説明したワイヤレス通信デバイス500の例示的な実装形態であってもよい。STA604はまた、ワイヤレス通信を送信及び受信するために、ワイヤレス通信デバイス615と結合された1つ以上のアンテナ625を含む。STA604は、ワイヤレス通信デバイス615と結合されたアプリケーションプロセッサ635と、アプリケーションプロセッサ635と結合されたメモリ645とを更に含む。いくつかの実装形態では、STA604は、(タッチスクリーン又はキーパッドなどの)ユーザインターフェース(user interface、UI)655と、タッチスクリーンディスプレイを形成するようにUI655と統合され得るディスプレイ665とを更に含む。いくつかの実装形態では、STA604は、例えば、1つ以上の慣性センサ、加速度計、温度センサ、圧力センサ、又は高度センサなどの1つ以上のセンサ675を更に含んでもよい。上述の構成要素のうちのいくつかは、少なくとも1つのバスを介して、構成要素のうちの他のいくつかと直接又は間接的に通信することができる。STA604はワイヤレス通信デバイス615、アプリケーションプロセッサ635、メモリ645、並びにアンテナ625、UI655、及びディスプレイ665の少なくとも部分を包含するハウジングを更に含む。
【0058】
説明したように、ワイヤレスSTAは、APと比較して、1つの通信リンク上でのULデータの受信が別の通信リンク上でのDLデータの送信に干渉することを可能にし得る、制限されたフィルタリング能力を有し得る。結果として、プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられたNSTR softAP MLDとして動作するSTAは、同時に非プライマリリンク上でULデータを受信し、プライマリリンク上でDLデータを送信することはできない。同様に、NSTR softAP MLDとして動作するSTAは、プライマリリンク上でULデータを受信し、それと同時に非プライマリリンク上でDLデータを送信することはできない。
【0059】
本開示の態様は、NSTR softAP MLDに関連するクロスリンク干渉を低減又は除去することの重要性を認識する。いくつかの実装形態では、プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられたNSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみプライマリリンク及び非プライマリリンクの完全なプロファイルを通知し得る。NSTR softAP MLDはまた、プライマリリンク上でのみプライマリリンク及び非プライマリリンクの1つ以上のBSSパラメータに対する更新を通知し得る。プライマリリンク上でNSTR softAP MLDの両方のリンクの完全なプロファイルを通知することは、プライマリリンク上で動作するいくつかのワイヤレス通信デバイスが、非プライマリリンクをスキャン又は調査することなく、プライマリリンク及び非プライマリリンクの一方又は両方上で、NSTR softAP MLDを発見し、それに関連付けることを可能にし得る。いくつかの実装形態では、プライマリリンク上で動作する非レガシーデバイスは、プライマリリンク及び非プライマリリンクの両方の完全なプロファイルを復号又は解析することが可能であり得るが、プライマリリンク上で動作するレガシーデバイスは、プライマリリンクの完全なプロファイルのみを復号又は解析することが可能であり得る。結果として、プライマリリンク上で動作するレガシーデバイスは、非プライマリリンク上のNSTR softAP MLDを発見することも、それに関連付けることもできないことがある。更に、非プライマリリンク上でいずれかのリンクの完全なプロファイルを通知しないことによって、非プライマリリンク上で動作するレガシーデバイスは、非プライマリリンク上でNSTR softAP MLDを発見することも、それに関連付けることもできない場合がある。このようにして、本明細書で開示する主題の様々な態様は、NSTR softAP MLDとレガシーデバイスとの間の通信をプライマリリンクに限定し得る。
【0060】
本開示で説明した主題の様々な態様は、以下の潜在的な利点のうちの1つ以上を実現するために実装することができる。NSTR softAP MLDとレガシーデバイスとの間の通信をプライマリリンクに制限することによって(及び、それによって、レガシーデバイスが非プライマリリンク上でNSTR softAP MLDと通信することを妨げることによって)、NSTR softAP MLDは、NSTR softAP MLDがプライマリリンク上で1つ以上の関連付けられたデバイスにDLデータを送信している間、レガシーデバイスが非プライマリリンク上でULデータを送信することを防止し得る。このようにして、本明細書で開示する主題の実装形態は、非プライマリリンク上のUL送信から生じるクロスリンク干渉が、プライマリリンク上のNSTR softAP MLDからのDL送信を劣化させるか、又は別様にそれに干渉する可能性を低減し得る。
【0061】
図7Aは、いくつかの実装形態による、例示的なマルチリンク通信700のシーケンス図を示す。図7Aの例では、マルチリンク通信700は、NSTR softAP MLDとして動作するSTAと、1つ以上の関連付けられたSTA(簡略化のために1つの関連付けられたSTAのみが示されている)との間で実行され得る。STAは、例えば、それぞれ図1及び図6Bを参照しながら上で説明したSTA104及び604を含む、任意の好適なワイヤレス通信デバイスであり得る。いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンクに関連付けられた第1のAPを含み得、かつ非プライマリリンクに関連付けられた第2のAPを含み得る。いくつかの事例では、第1及び第2のAPは、NSTR softAP MLDとして動作するSTAによって実装されるsoftAPであり得る。
【0062】
NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみ送信される1つ以上のフレームで、プライマリリンク及び非プライマリリンクの完全なプロファイルをブロードキャストするように構成され得る。したがって、NSTR softAP MLDの範囲内のいくつかのワイヤレス通信デバイスは、プライマリリンク上で動作している間に、プライマリリンク及び非プライマリリンクの両方の完全なプロファイルを取得し得る。具体的には、いくつかの事例では、プライマリリンク及び非プライマリリンクの完全なプロファイルを取得する非レガシーデバイスは、プライマリリンク及び非プライマリリンクの一方又は両方上でNSTR softAP MLDに関連付けることが可能であり得るが、プライマリリンク上でブロードキャストされた完全なプロファイルを受信するレガシーデバイスは、プライマリリンク上でのみNSTR softAP MLDに関連付けることが可能であり得る。このようにして、レガシーデバイスとNSTR softAP MLDとの間の通信は、プライマリリンクに制限され得、これは次に、非プライマリリンク上のレガシーデバイスからの送信によって引き起こされるプライマリリンク上のクロスリンク干渉を低減し得る。
【0063】
図7Aの例では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみプライマリリンクの完全なプロファイルを含み、非プライマリリンクの完全なプロファイルを示す第1のフレームを送信する。いくつかの実装形態では、それぞれのリンクの完全なプロファイルは、少なくともビーコン間隔、能力情報、サービスセット識別子(SSID)、サポートレート、タイミング同期機能(TSF)値、及びそれぞれのリンクの発見に関連付けられた1つ以上の追加のフィールド又は要素を含み得る。いくつかの他の実装形態では、それぞれのリンクの完全なプロファイルは、それぞれのリンク上でBSSを動作させるAPによってブロードキャストされるビーコンフレーム又はプローブ応答に含まれることになる、能力、動作パラメータ、及び発見情報の全てを含むように定義され得る。
【0064】
いくつかの実装形態では、プライマリリンクは、完全なBSSとして構成され得、非プライマリリンクは、1つ以上の能力及び動作パラメータをプライマリリンクと共有する擬似BSSとして構成され得る。例えば、いくつかの態様では、非プライマリリンクは、プライマリリンクと同じSSID、TSF値、及びビーコン間隔を有し得、したがって、これらの値をプライマリリンクから継承し得る。そのため、非プライマリリンクのSSID、TSF値、及びビーコン間隔は、第1のフレームに含まれないことがある。このようにして、第1のフレームのサイズが低減又は最小化され得る。非プライマリリンクの他の能力及び動作パラメータは、プライマリリンクのものと異なる場合があり、したがって、プライマリリンクから継承されない場合がある。そのような能力及び動作パラメータの例は、EDCAパラメータ、帯域幅、空間ストリームの数(number of spatial streams、NSS)、パンクチャリングパターン、BSSID、及びMLD能力を含む(ただしこれらに限定されない)。
【0065】
第1のフレームは、プライマリリンク及び非プライマリリンクの両方の完全なプロファイルを保有するか又は示すことができる任意の好適なフレームであり得る。いくつかの実装形態では、第1のフレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームであり得る。いくつかの事例では、NSTR softAP MLDはまた、プライマリリンク上でのみ、高速初期リンクセットアップ(fast initial link setup、FILS)発見フレーム、トラフィック指示マップ(traffic indication map、TIM)フレーム、及び通知フレームなどのアクションフレームを送信し得る。NSTR softAP MLDはまた、プライマリリンク上でのみ、グループアドレス指定されたフレーム(マルチキャストフレームなど)を送信し得る。このようにして、NSTR softAP MLDは、レガシーデバイスとの通信をプライマリリンクに限定し得る。
【0066】
いくつかの実装形態では、第1のフレームは、マルチリンク(ML)要素が後に続く複数のフィールド及び要素を含むフレーム本体を含む。複数のフィールド及び要素は、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有し得る。ML要素は、非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すSTAごとのプロファイルサブ要素を含み得る。ML要素は、プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の基本サービスセット(BSS)パラメータに対する更新を示すBSSパラメータ変更カウント(BPCC)フィールドを保有する共通情報フィールドを更に含み得る。いくつかの事例では、ML要素に保有されているマルチリンク制御フィールド又は共通情報フィールドの1つ以上のビットは、第1のフレームがNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されているか否かを示し得る。例えば、マルチリンク制御フィールド又は共通情報フィールドの1つ以上のビットは、第1のフレームがNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されることを示すために第1の値に設定され得るか、又は第1のフレームがAP MLD(又は他の同時送受信(simultaneous transmit-receive、STR)デバイス)に関連付けられたAPから送信されることを示すために第2の値に設定され得る。
【0067】
第1のフレームの本体はまた、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールドを保有する低減された近隣報告(RNR)要素を含み得る。近隣AP情報フィールドは、基本サービスセット識別情報(BSSID)と、非プライマリリンクの1つ以上のMLDパラメータとからなる目標ビーコン送信時間(TBTT)情報フィールドを保有し得る。説明したように、非プライマリリンクは、プライマリリンクからいくつかの能力及び動作パラメータを継承する擬似BSSとして構成され得、したがって、非プライマリリンクに関連付けられたTBTT情報フィールドは、TBTTオフセットサブフィールド、短縮SSIDサブフィールド、BSSパラメータサブフィールド、及びPSDサブフィールドなど(ただしこれらの限定されない)の1つ以上のサブフィールドを含まないことがある。これらのサブフィールドの省略は、他の通信リンクに関連付けられた近隣AP情報フィールド中のTBTT情報フィールドと比較して、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールド中のTBTT情報フィールドのサイズ又は長さを減少させ得る。したがって、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールド中のTBTT情報フィールドのサイズ又は長さは、第1のフレームがNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されているかどうかを判定するために受信STAによって使用され得る。いくつかの態様では、非プライマリリンクに関連付けられたTBTT情報フィールドは、6オクテットのBSSIDフィールドと3オクテットのMLDパラメータフィールドとからなり、9オクテットの長さを有する。
【0068】
いくつかの実装形態では、近隣AP情報フィールドは、近隣AP情報フィールドが非プライマリリンクに関連付けられた情報のみを保有することを示す値に設定されたTBTT情報フィールドタイプを含み得る。いくつかの事例では、近隣AP情報フィールドは、新しい又は未定義のタイプであり得、TBTT情報フィールドタイプは、1、又はTBTT情報フィールドの新しい又は未定義のタイプを示す予約済み値に設定され得る。このようにして、受信STAは、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールド中のTBTT情報フィールドタイプを解析することによって、第1のフレームがNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されることを判定し得る。いくつかの事例では、非レガシーデバイスは、本明細書で開示する新しいタイプのTBTT情報フィールドを認識し得、したがって、第1のフレームからプライマリリンク及び非プライマリリンクの両方の完全なプロファイルを取得し得る。逆に、レガシーデバイスは、本明細書で開示する新しいタイプのTBTT情報フィールドを理解しないことがあり、したがって、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールド中のTBTT情報フィールドを無視することがある。このようにして、本明細書で開示する主題の態様は、少なくともいくつかのレガシーデバイスが、プライマリリンク上で受信した情報に基づいて、非プライマリリンクを発見することを妨げ得る。
【0069】
いくつかの事例では、TBTT情報フィールドのMLDパラメータフィールドは、非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の基本サービスセット(BSS)パラメータに対する更新を示す値を保有する基本サービスセット(BSS)パラメータ変更カウント(BPCC)フィールドを含み得る。いくつかの他の事例では、非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のBSSパラメータに対する更新を示す値は、第1のフレームの別の好適なフィールド、要素、又はヘッダに保有され得る。
【0070】
STAは、プライマリリンク上でNSTR softAP MLDによって送信された第1のフレームを受信し、第1のフレームを解析して、プライマリリンク及び非プライマリリンクの完全なプロファイルを取得し得る。STAは、プライマリリンク上のNSTR softAP MLDを発見するか又は関連付けるために、プライマリリンクの完全なプロファイルを使用し得、かつ非プライマリリンク上のNSTR softAP MLDを発見するか又は関連付けるために、非プライマリリンクの完全なプロファイルを使用し得る。いくつかの事例では、STAは、プライマリリンク上で、能力情報と、動作パラメータと、NSTR softAP MLDとのアソシエーションプロシージャ及び認証プロシージャのために使用され得る他の情報と、を含む応答フレームを送信し得る。STAがプライマリリンク上でNSTR softAP MLDに関連付けられた後、STA及びNSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でデータ、制御信号、及び他の情報を互いに交換し得る。STAがSTR能力を有するマルチ無線デバイスである実装形態の場合、STAはまた、非プライマリリンク上で、NSTR softAP MLDに関連付け、非プライマリリンク上で、データ、制御信号、及び他の情報をNSTR softAP MLDと交換し得る。
【0071】
いくつかの事例では、プライマリリンクに関連付けられたBSSパラメータのうちの1つ以上は、変更又は更新され得る。同様に、非プライマリリンクに関連付けられたBSSパラメータのうちの1つ以上は、変更又は更新され得る。いくつかの実装形態では、それぞれの通信リンクのBSSパラメータは、チャネルスイッチアナウンス(CSA)要素、拡張チャネルスイッチアナウンス(eCSA)要素、拡張型分散チャネルアクセス(EDCA)パラメータ、待機期間要素、直接拡散方式(DSSS)パラメータセット、高スループット(HT)動作要素、非常に高いスループット(VHT)動作要素、高効率(HE)動作要素、超高スループット(EHT)動作要素、広帯域チャネルスイッチ要素、動作モード通知要素、ブロードキャスト目標待ち時間(TWT)要素、BSSカラー変更アナウンス要素、マルチユーザ(MU)EDCAパラメータセット、空間再使用パラメータセット、又はアップリンク(UL)直交周波数分割多元接続(OFDMA)ランダムアクセス(UORA)パラメータセットのうちの1つ以上を含み得る。
【0072】
いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみ、プライマリリンクの1つ以上のBSSパラメータに対する更新及び非プライマリリンクの1つ以上のBSSパラメータに対する更新を示す第2のフレームを生成及び送信し得る。具体的には、NSTR softAP MLDがプライマリリンクの1つ以上のBSSパラメータに対する更新を受信又は判定するとき、NSTR softAP MLDは、プライマリリンクに関連付けられたBPCC値を増分し、増分されたBPCC値を、第2のフレームに保有されているML要素の共通情報フィールド内のBPCCサブフィールドに挿入し得る。NSTR softAP MLDが非プライマリリンクの1つ以上のBSSパラメータに対する更新を受信又は判定するとき、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクに関連付けられたBPCC値を増分し、増分されたBPCC値を、第2のフレームに保有されているRNR要素の近隣AP情報フィールド内のMLDパラメータフィールドのBPCCサブフィールドに挿入し得る。いくつかの事例では、NSTR softAP MLDはまた、非プライマリリンクに関連付けられたBPCC値を増分することに基づいて、第2のフレームの能力情報フィールドに保有されている重大更新フラグ(CUF)を設定し得る。
【0073】
STAは、第2のフレームを受信し、第2のフレームを解析して、プライマリリンク及び非プライマリリンクに対するBSSパラメータ更新を取得し得る。いくつかの実装形態では、第2のフレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つであり得る。いくつかの事例では、第2のフレームは、プライマリリンク及び非プライマリリンクの一方又は両方の更新されたBSSパラメータを含み得る。他の実装形態では、第2のフレームは、通知フレームなどのアクションフレームであり得る。いくつかの態様では、それぞれの通信リンクの1つ以上の更新されたBSSパラメータは、それぞれの通信リンクの部分的なプロファイルの一部であり得る。例えば、いくつかの態様では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上で、1つ以上の更新されたBSSパラメータを有する各通信リンクの部分的なプロファイルを保有する非要請ブロードキャストプローブ応答フレームを送信し得る。その後、STAは、少なくともプライマリリンク上でNSTR softAP MLDにULデータを送信し得、NSTR softAP MLDは、少なくともプライマリリンク上でSTAにDLデータを送信し得る。
【0074】
図7Bは、いくつかの実装形態による別の例示的なマルチリンク通信710を示すシーケンス図を示す。図7Bの例では、マルチリンク通信710は、NSTR softAP MLDと、図7Aを参照しながら説明した1つ以上の関連付けられたSTA(簡略化のために1つの関連付けられたSTAのみが示されている)との間で実行され得る。NSTR softAP MLDは、プライマリリンクに関連付けられた第1のAPを含み得、かつ非プライマリリンクに関連付けられた第2のAPを含み得る。いくつかの事例では、第1及び第2のAPは、NSTR softAP MLDとして動作するSTAによって実装されるsoftAPであり得る。
【0075】
図7Aを参照しながら説明したように、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみプライマリリンク及び非プライマリリンクの完全なプロファイルをブロードキャストし得る。プライマリリンク上でのみ両方のリンクの完全なプロファイルをブロードキャストすることは、非レガシーデバイスが、プライマリリンク及び非プライマリリンクの一方又は両方の上でNSTR softAP MLDを発見し、それに関連付けることを可能にし得、レガシーデバイスが、非プライマリリンク上でNSTR softAP MLDを発見し、それに関連付けることを妨げ得る。
【0076】
いくつかの事例では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクが利用不可能であることを判定し得る。非プライマリリンクは、様々な理由で、NSTR softAP MLDとそれの関連付けられたSTAとの間のマルチリンク通信のために利用不可能であり得る。例えば、非プライマリリンクは、ロングタームエボリューション(LTE)無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)又は第5世代(fifth-generation、5G)新無線(NR)アクセスネットワークにおけるセルラーリンクのために非プライマリリンクが使用されるとき、利用不可能であり得る。別の例では、非プライマリリンクは、電力消費を低減するために、又はNSTR softAP MLDとして動作するSTAのバッテリ寿命を延ばすために、非プライマリリンクが電力節約モード(スリープモード又はドーズモードを含む)に置かれるとき、利用不可能であり得る。別の例では、非プライマリリンクは、非プライマリリンクがピアツーピア(P2P)通信又はSTA内通信のために使用されるとき、利用不可能であり得る。
【0077】
本開示の態様は、プライマリリンクが、NSTR softAP MLDに関連付けられたSTAに非プライマリリンクの利用不可能性を通知するのにより好適であり得ることを認識する。いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクの利用不可能性に基づいて、1に設定された重大更新フラグ(CUF)と、1に設定された送信不可(Do Not Transmit、DNT)ビットと、を含む第1のフレームを生成し得る。いくつかの事例では、CUFは、第1のフレームの能力情報フィールドに保有され得、DNTビットは、第1のフレームのSTAごとのプロファイルサブ要素又はRNR要素に保有され得る。
【0078】
NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみ、STAに(及びプライマリリンク上で動作する他の関連付けられたデバイスに)第1のフレームを送信し得る。いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、利用不可能な非プライマリリンクに基づいて、プライマリリンク上でシングルリンクデバイスとして動作し得る。例えば、いくつかの事例では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上で完全に動作可能なままでありながら、非プライマリリンクに関連付けられたsoftAP(又は他の送信チェーン、受信チェーン、信号処理回路など)をスリープ状態、ドーズ状態、又は電源オフ状態に置き得る。このシングルリンク状態では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンク上で動作することに関連付けられた電力消費を低減(又はほぼ除去)しながら、プライマリリンク上でBSSをシングルリンクBSSとして動作させることができる。
【0079】
STAは、第1のフレームを受信し、第1のフレームを解析して、非プライマリリンクが利用不可能であるという指示を取得し得る。いくつかの事例では、第1のフレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つであり得る。他の事例では、第1のフレームは、通知フレームなどのアクションフレームであり得る。NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でシングルリンクデバイスとして動作するが、NSTR softAP MLD及びそれの関連付けられたSTAは、プライマリリンク上でのみ互いにフレームを交換し得る。
【0080】
非プライマリリンクは、NSTR softAP MLDがプライマリリンク上でシングルリンクデバイスとして動作する間に利用可能になり得る。NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクが利用可能であることを判定し得、非プライマリリンクが利用可能であるという指示を送信し得る。いくつかの事例では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクに関連付けられたDNTビットをリセットすることができ、かつプライマリリンク上でのみ、少なくともリセットされたDNTビットを保有する第2のフレームを送信することができる。いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクが利用可能であることを判定することに基づいて、プライマリリンク及び非プライマリリンク上でマルチリンクデバイスとして動作し得る。例えば、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクに関連付けられたsoftAP(又は他の送信チェーン、受信チェーン、信号処理回路など)を完全動作状態に戻し得る。このマルチリンク状態では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク及び非プライマリリンクの両方上でBSSを動作させることができる。
【0081】
STAは、第2のフレームを受信し、第2のフレームを解析して、非プライマリリンクが利用可能であるという指示を取得し得る。いくつかの事例では、第2のフレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つであり得る。他の事例では、第2のフレームは、通知フレームなどのアクションフレームであり得る。その後、NSTR softAP MLD及びそれの関連付けられたSTAは、プライマリリンク及び非プライマリリンクの一方又は両方上で互いにフレームを交換し得る。
【0082】
いくつかの実装形態では、非プライマリリンクの利用不可能性を判定することは、非プライマリリンクを省電力状態(スリープ状態又はドーズ状態を含む)に置くことを含み得るか又は関連付けられ得、それは、電力消費を低減し、かつNSTR softAP MLDのバッテリ寿命を延ばし得る。いくつかの他の実装形態では、非プライマリリンクの利用不可能性を判定することは、非プライマリリンクを無効化することを含み得るか又は関連付けられ得る。いくつかの事例では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられたマルチリンクコンテキストから非プライマリリンクを除去することによって非プライマリリンクを無効化し、それによって、NSTR softAP MLDの関連付けられたSTAが非プライマリリンクを使用することを防止し得る。非プライマリリンクが利用可能になるとき、NSTR softAP MLDは、マルチリンクコンテキストに非プライマリリンクを返すか又は追加し、それによって、NSTR softAP MLDの関連付けられたSTAが(プライマリリンクに加えて)非プライマリリンクを使用することを可能にし得る。いくつかの態様では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクがマルチリンクコンテキストにもはや含まれていないことを示すために、プライマリリンク上で第1の通知フレームを送信し得、かつ非プライマリリンクがマルチリンクコンテキストに追加されたことを示すために、プライマリリンク上で第2の通知フレームを送信し得る。いくつかの他の事例では、NSTR softAP MLDは、トラフィック識別子(TID)を非プライマリリンクからプライマリリンクに再マッピングすることによって、非プライマリリンクを無効化し得る。非プライマリリンクが利用可能になるとき、NSTR softAP MLDは、TIDをプライマリリンクから非プライマリリンクに再マッピングし得る。いくつかの態様では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクに連携しているTIDがプライマリリンクに再マッピングされたことを示すために、プライマリリンク上で第1の通知フレームを送信し得、かつプライマリリンクに連携しているいくつかのTIDが非プライマリリンクに再マッピングされたことを示すために、プライマリリンク上で第2の通知フレームを送信し得る。
【0083】
図8Aは、いくつかの他の実装形態による例示的なマルチリンク通信800を示すシーケンス図を示す。図8Aの例では、マルチリンク通信800は、NSTR softAP MLDと、図7A及び図7Bを参照しながら説明した1つ以上の関連付けられたSTA(簡略化のために1つの関連付けられたSTAのみが示されている)との間で実行され得る。NSTR softAP MLDは、プライマリリンクに関連付けられた第1のAPを含み得、かつ非プライマリリンクに関連付けられた第2のAPを含み得る。いくつかの事例では、第1及び第2のAPは、NSTR softAP MLDとして動作するSTAによって実装されるsoftAPであり得る。
【0084】
説明したように、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみ送信される1つ以上のフレームで、プライマリリンク及び非プライマリリンクの両方の完全なプロファイルを通知し得る。したがって、非レガシーデバイスは、プライマリリンク上で動作しながら非プライマリリンクを発見することが可能であることがあり、プライマリリンク又は非プライマリリンクのいずれか上で動作するレガシーデバイスは、NSTR softAP MLDに関連付けられた非プライマリリンクを発見することが可能でないことがある。このようにして、NSTR softAP MLDとレガシーデバイスとの間の通信は、プライマリリンクに制限され得、これは、次に、NSTR softAP MLDがプライマリリンク上で1つ以上の関連付けられたデバイスにDLデータを送信している間の非プライマリリンク上でのUL送信の可能性を低減し得る。これは、次に、非プライマリリンク上の同時UL送信から生じる、プライマリリンク上のDL送信上のクロスリンク干渉を防止又は低減し得る。
【0085】
説明したように、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみ、プライマリリンクの完全なプロファイルを含み、かつ非プライマリリンクの完全なプロファイルを示す管理フレームを送信し得る。STAは、管理フレームを受信し、プライマリリンクの完全なプロファイルを使用して、プライマリリンク上のNSTR softAP MLDに関連付け、これを認証し得る。いくつかの事例では、STAは、非プライマリリンクの完全なプロファイルを使用して、非プライマリリンク上のNSTR softAP MLDに関連付け、これ認証し得る。
【0086】
いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、ULデータをNSTR softAP MLDに送信する前に、送信準備完了(ready-to-send、RTS)フレーム及び送信可(clear-to-send、CTS)フレームをNSTR softAP MLDと交換するように、STAに命令し得る。いくつかの事例では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上で、NSTR softAP MLDにULデータを送信する前に、RTS/CTSフレーム交換を実行するための命令を含むフレームを送信し得る。いくつかの他の事例では、NSTR softAP MLDは、NSTR softAP MLDとのアソシエーション中に、NSTR softAP MLDにULデータを送信する前に、RTS/CTSフレーム交換を実行するようにSTAに命令し得る。
【0087】
STAは、命令を受信する。STAが送信すべきULデータをキューに入れたときなど、後の時間に、STAは、プライマリリンク上でNSTR softAP MLDにRTSフレームを送信し得る。NSTR softAP MLDは、RTSフレームを受信し、非プライマリリンクが利用可能であることを判定し、プライマリリンク及び非プライマリリンクの両方上でCTSフレームをSTAに送信する。STAは、プライマリリンク及び非プライマリリンクの両方上でCTSフレームを受信し、プライマリリンク及び非プライマリリンクの両方上でCTSフレームを受信したことに基づいて、非プライマリリンクが利用可能であることを判定する。STAは、プライマリリンク及び非プライマリリンクの一方又は両方上でNSTR softAP MLDに1つ以上のUL PPDUを送信する。いくつかの事例では、プライマリリンク及び非プライマリリンクの両方上でのCTSフレームのSTAへの送信は、STAが非プライマリリンクとプライマリリンクとを一緒にリンクすることを可能にし得る。
【0088】
NSTR softAP MLDは、後で、非プライマリリンクが利用不可能であることを判定し得る。いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクが利用不可能であることを判定したことに基づいて、CUFを1に等しく設定し得、かつDNTビットを1に等しく設定し得る。いくつかの事例では、NSTR softAP MLDは、STAからRTSフレームを受信したことに基づいて、プライマリリンク上でのみCTSフレームを送信することによって、非プライマリリンクの利用不可能性を示し得る。例えば、STAがキューに入れられたULデータを有するとき、STAは、プライマリリンク上でNSTR softAP MLDに別のRTSフレームを送信する。NSTR softAP MLDは、RTSフレームを受信し、非プライマリリンクの利用不可能性に基づいて、プライマリリンク上でのみCTSフレームをSTAに送信する。STAは、CTSフレームを受信し、プライマリリンク上でのみCTSフレームを受信することに基づいて、非プライマリリンクが利用不可能であることを判定する。STAは、プライマリリンク上でのみNSTR softAP MLDに1つ以上のUL PPDUを送信する。
【0089】
いくつかの他の実装形態では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクが利用不可能であることを判定したことに基づいて、チャネル切り替え動作を実行し得る。例えば、いくつかの事例では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクを第2のワイヤレスチャネルから第1のワイヤレスチャネルに切り替えるのと同時に、プライマリリンクを第1のワイヤレスチャネルから第2のワイヤレスチャネルに切り替え得る。いくつかの態様では、第1のワイヤレスチャネルは、6GHz周波数帯域中に位置し得、第2のワイヤレスチャネルは5GHz周波数帯域中に位置し得る。他の態様では、第1のワイヤレスチャネルは、5GHz周波数帯域中に位置し得、第2のワイヤレスチャネルは6GHz周波数帯域中に位置し得る。いくつかの他の態様では、第1のワイヤレスチャネルは、2.4GHz周波数帯域、5GHz周波数帯域、又は6GHz周波数帯域のうちの1つに位置し得、第2のワイヤレスチャネルは、2.4GHz周波数帯域、5GHz周波数帯域、又は6GHz周波数帯域のうちの別の1つに位置し得る。
【0090】
NSTR softAP MLDは、プライマリリンク及び非プライマリリンクのチャネルを同時に切り替えるために、任意の好適なルール又は機構を使用し得る。いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、チャネル切り替え動作を実行するとき、プライマリリンク上で送信される管理フレーム(ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームなど)の本体に保有されているチャネル切り替えアナウンス(CSA)要素又は拡張チャネル切り替えアナウンス(eCSA)要素を使用し得る。
【0091】
図8Bは、いくつかの他の実装形態による別の例示的なマルチリンク通信810を示すシーケンス図を示す。図8Bの例では、マルチリンク通信810は、NSTR softAP MLDと、図7A及び図7Bを参照しながら説明した1つ以上の関連付けられたSTA(簡略化のために1つの関連付けられたSTAのみが示されている)との間で実行され得る。NSTR softAP MLDは、プライマリリンクに関連付けられた第1のAPを含み得、かつ非プライマリリンクに関連付けられた第2のAPを含み得る。いくつかの事例では、第1及び第2のAPは、NSTR softAP MLDとして動作するSTAによって実装されるsoftAPであり得る。説明したように、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみ、プライマリリンク及び非プライマリリンクの両方のプロファイルを通知し得る。
【0092】
いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみ、プライマリリンクの完全なプロファイルとプライマリリンク及び非プライマリリンクに共通のMLD情報とを含む第1のフレームを送信する。いくつかの事例では、第1のフレームは、ML要素が後に続く複数のフィールド及び要素を含むフレーム本体を含み得る。複数のフィールド及び要素は、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有し得る。ML要素は、MLD共通情報から構成され得る。すなわち、第1のフレームに保有されているML要素は、非プライマリリンクに関係するリンク情報を含まないことがある。いくつかの事例では、MLD共通情報は、MLD媒体アクセス制御(MAC)アドレスフィールド、リンクID情報フィールド、BPCCフィールド、同期遅延フィールド、拡張マルチリンク(Enhanced Multi-Link、EML)能力フィールド、及びMLD能力フィールドを含み得る(ただしこれらに限定されない)。MLD MACアドレスフィールドは、NSTR softAP MLDのMACアドレスを含み得る。BPCCフィールドは、プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のBSSパラメータに対する更新を示し得る。
【0093】
STAは、プライマリリンク上で送信された第1のフレームを受信し、第1のフレームを解析して、プライマリリンクの完全なプロファイル及びMLD共通情報を取得し得る。STAは、プライマリリンク上のNSTR softAP MLDを発見するか又は関連付けるために、プライマリリンクの完全なプロファイルを使用し得、かつAP MLDから非プライマリリンクの完全なプロファイルを要求するか否かを判定するために、MLD共通情報を使用し得る。
【0094】
STAは、プライマリリンク上で、非プライマリリンクの完全なプロファイルに対する要求を含む第2のフレームを送信する。いくつかの事例では、第2のフレームは、プローブ要求フレームであり得る。他の事例では、第2のフレームは、アソシエーション要求フレームであり得る。いくつかの他の事例では、第2のフレームは、再アソシエーション要求フレームであり得る。
【0095】
NSTR softAP MLDは、第2のフレームを受信し、非プライマリリンクの完全なプロファイルに対する要求を解析する。要求に応答して、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみ、非プライマリリンクの完全なプロファイルを示す第3のフレームを送信する。いくつかの実装形態では、第3のフレームの本体は、ML要素及びRNR要素を含み得る。ML要素は、非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すSTAごとのプロファイルサブ要素を保有し得る。RNR要素は、非プライマリリンクのBSSID及び1つ以上のMLDパラメータからなる、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールドを含み得る。いくつかの事例では、近隣AP情報フィールドに保有されているTBTT情報フィールドのMLDパラメータフィールドは、非プライマリリンクのBSSパラメータのいずれかが更新されたか否かを示す値を保有する、PBCCフィールドを含み得る。いくつかの他の事例では、非プライマリリンクのBSSパラメータのいずれかが更新されたか否かを示す値は、第3のフレームの別の好適なフィールド、要素、又はヘッダに保有され得る。
【0096】
図7Aを参照しながら説明したように、プライマリリンクは、完全なBSSとして構成され得、非プライマリリンクは、少なくともいくつかの能力及び動作パラメータをプライマリリンクと共有する擬似BSSとして構成され得る。いくつかの事例では、非プライマリリンクは、プライマリリンクと同じSSID、TSF値、及びビーコン間隔を有し得、かつこれらの値をプライマリリンクから継承し得る。非プライマリリンクはまた、プライマリリンクのTBTTオフセット、短縮SSID、BSSパラメータ、及びPSD制限を継承し得る。したがって、TBTTオフセット、短縮SSID、BSSパラメータ、及びPSDサブフィールドは、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールドに保有されているTBTT情報フィールドに存在せず、それによって、対応するRNR要素の長さ又はサイズを低減し得る。
【0097】
様々な実装形態では、第1のフレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームであり得る。第2のフレームは、プローブ要求フレーム、アソシエーション要求フレーム、又は再アソシエーション要求フレームであり得る。第3のフレームは、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームであり得る。
【0098】
図9Aは、いくつかの実装形態による、例示的なマルチリンク通信900のタイミング図を示す。図9Aの例では、マルチリンク通信900は、図7A図7B図8A、又は図8Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDと、2つの関連付けられたワイヤレス局STA1及びSTA2との間で実行され得る。STAは、例えば、それぞれ図1及び図6Bを参照しながら上で説明したSTA104及び604を含む、任意の好適なワイヤレス通信デバイスであり得る。NSTR softAP MLDは、プライマリリンクに関連付けられた第1のAPを含み得、かつ非プライマリリンクに関連付けられた第2のAPを含み得る。いくつかの事例では、第1及び第2のAPは、NSTR softAP MLDとして動作するSTAによって実装されるsoftAPであり得る。いくつかの実装形態では、STA1は、IEEE802.11ax又はそれ以前のワイヤレス通信規格の802.11ファミリーに対する改正に従って動作するように構成されたレガシーデバイスであり、STA2は、IEEE802.11be又はそれ以降のワイヤレス通信規格の802.11ファミリーに対する改正に従って動作するように構成された非レガシーデバイスである。
【0099】
時間tの前に、NSTR softAP MLDは、好適なチャネルアクセス機構(EDCA機構など)を使用してプライマリリンクへのチャネルアクセスを求めて競合し、プライマリリンク上で送信機会(transmission opportunity、TXOP)を取得する。プライマリリンク上でTXOPを取得した後、NSTR softAP MLDはまた、非プライマリリンクへのチャネルアクセスを獲得し得る。いくつかの事例では、非プライマリリンクへのチャネルアクセスを取得することは、プライマリリンク上でチャネルアクセス又はTXOPを取得することに基づき得る。いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンク上での送信を個別にアドレス指定されたフレームに制限し得る。
【0100】
時間tにおいて、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみ、プライマリリンクの完全なプロファイルを含み、かつ非プライマリリンクの完全なプロファイルを示す、第1のビーコンフレーム901を送信する。プライマリリンクは、完全なBSSとして構成され得、非プライマリリンクは、プライマリリンクから1つ以上の能力及び動作パラメータを継承する擬似BSSとして構成され得る。例えば、いくつかの態様では、非プライマリリンクは、プライマリリンクからSSID、TSF値、及びビーコン間隔を継承し得る。
【0101】
ビーコンフレーム901は、ML要素が後に続く複数のフィールド及び要素を含む、フレーム本体を含む。複数のフィールド及び要素は、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有し得る。ML要素は、非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すSTAごとのプロファイルサブ要素を保有し得る。ML要素は、プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のBSSパラメータに対する更新を示すBPCCフィールドを保有する、共通情報フィールドを含み得る。いくつかの事例では、ML要素に保有されているマルチリンク制御フィールド又は共通情報フィールドの1つ以上のビットは、第1のビーコンフレーム901がNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されているか否かを示し得る。例えば、マルチリンク制御フィールド又は共通情報フィールドの1つ以上のビットは、第1のビーコンフレーム901がNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されることを示すために第1の値に設定され得るか、又は第1のビーコンフレーム901が同時送受信(STR)デバイス(AP MLDなど)に関連付けられたAPから送信されることを示すために第2の値に設定され得る。
【0102】
第1のビーコンフレーム901はまた、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールドを保有するRNR要素を含み得る。近隣AP情報フィールドは、非プライマリリンクのBSSID及び1つ以上のMLDパラメータからなるTBTT情報フィールドを保有し得る。いくつかの事例では、TBTT情報フィールドのMLDパラメータフィールドは、非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のBSSパラメータに対する更新を示す値を保有するBPCCフィールドを含み得る。いくつかの他の事例では、非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のBSSパラメータに対する更新を示す1つ以上の値は、第1のビーコンフレーム901の別の好適なフィールド、要素、又はヘッダに保有され得る。
【0103】
STA1及びSTA2は、プライマリリンク上で第1のビーコンフレーム901を受信し、第1のビーコンフレーム901を解析して、プライマリリンク及び非プライマリリンクの完全なプロファイルを取得し得る。いくつかの実装形態では、STA1及びSTA2の各々は、第1のビーコンフレーム901の本体に含まれるフィールド及び要素に保有されているプライマリリンクの完全なプロファイルを解析又は復号し得る。非レガシーデバイスとして、STA2はまた、第1のビーコンフレーム901のML要素中に示される非プライマリリンクの完全なプロファイルを解析又は復号することが可能であり得る。レガシーデバイスとして、STA1は、第1のビーコンフレーム901に保有されているML要素の1つ以上の部分を解析又は復号することができないことがあり、したがって、第1のビーコンフレーム901から非プライマリリンクに関連付けられた能力、動作パラメータ、及び他の発見情報を取得することができないことがある。STA1はまた、第1のビーコンフレーム901に保有されているRNR要素の1つ以上の部分を解析又は復号することができないことがある。したがって、STA2は、第1のビーコンフレーム901から取得された情報を使用して、プライマリリンク及び非プライマリリンクの両方上でNSTR softAP MLDを発見し、それに関連付けることが可能であり得るが、STA1は、第1のビーコンフレーム901から取得された情報を使用して、プライマリリンク上でのみNSTR softAP MLDを発見し、それに関連付けることができる。このようにして、NSTR softAP MLDとSTA1(及びNSTR softAP MLDに関連付けられた他のレガシーデバイス)との間の通信は、プライマリリンクに制限され得る。
【0104】
時間tにおいて、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上で第1のDL PPDU 911をSTA1に送信し、非プライマリリンク上で第2のDL PPDU 912をSTA2に同時に送信する。いくつかの事例では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上で第1のグループのSTA(STA1など)にDL PPDU 911を送信するために、アンテナリソースの第1のグループを使用し得、非プライマリリンク上で第2のグループのSTA(STA2など)にDL PPDU 912を送信するために、アンテナリソースの第2のグループを使用し得る。
【0105】
時間t~tに、STA1は、プライマリリンク上で第1のDL PPDU 911を受信し、STA2は、非プライマリリンク上で第2のDL PPDU 912を受信する。プライマリリンク及び非プライマリリンク上でのDL PPDU 911及び912の同時送信は、NSTR softAP MLDに関連付けられたワイヤレス通信デバイス(STA1及びSTA2など)が、時間t~tにプライマリリンク及び非プライマリリンク上でNSTR softAP MLDにULデータを送信することを防止し得る。
【0106】
いくつかの事例では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上で別のTXOPを取得するために好適なチャネルアクセス機構を使用して時間t~tにプライマリリンクへのチャネルアクセスを求めて競合する。プライマリリンク上でTXOPを取得した後、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクへのチャネルアクセスを獲得し、非プライマリリンク上でTXOPを取得し得る。いくつかの他の事例では、NSTR softAP MLDは、時間t~tにプライマリリンク及び非プライマリリンク上で取得されたTXOPを保持し得、時間t~tにチャネルアクセスを求めて競合する必要がないことがある。
【0107】
時間tにおいて、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみ第2のビーコンフレーム902を送信する。いくつかの実装形態では、第2のビーコンフレーム902は、例えば、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有し、かつ非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すことによって、第1のビーコンフレーム901と同様であり得る。いくつかの他の実装形態では、第2のビーコンフレーム902は、第1のビーコンフレーム901よりも少ない情報を含み得る。例えば、いくつかの事例では、第2のビーコンフレーム902は、プライマリリンク及び非プライマリリンクの一方又は両方の部分的なプロファイルを保有又は示し得る。いくつかの他の事例では、第2のビーコンフレーム902は、プライマリリンクの完全又は部分的なプロファイルを保有し得、非プライマリリンクの能力又は動作パラメータを含まないことがある。いくつかの実装形態では、第2のビーコンフレーム902は、例えば、非プライマリリンクのBSSID及びMLD共通パラメータのみを保有するか又は示すことによって、図8Bを参照しながら説明した第1のフレームと同様であり得る。
【0108】
時間tにおいて、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でDL PPDU 921をSTA1に送信する。STA1は、時間t~tにプライマリリンク上でDL PPDU 921を受信し得る。本開示の態様は、プライマリリンク上でのDL PPDU 921の送信から生じるクロスリンク干渉が、NSTR softAP MLDが非プライマリリンク上でUL送信を受信又は適切に復号することが不可能であり得る非プライマリリンク上での「デフネス」の期間を引き起こし得ることを認識する。いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのDL PPDU 921の送信中に非プライマリリンクをデフ状態914に入らせ得る。デフ状態914にあるとき、非プライマリリンクは、NSTR softAP MLDとそれの関連付けられたSTAとの間の通信のために利用可能でないことがある。具体的には、いくつかの態様では、STA2(及びNSTR softAP MLDに関連付けられた他のワイヤレス通信デバイス)は、デフ状態914の間に非プライマリリンク上でULデータを送信することを許可されないことがある。このようにして、プライマリリンク上でのDL PPDU 921の送信から生じるクロスリンク干渉に起因してNSTR softAP MLDが受信又は適切に復号することができないことがあるUL送信は、DL送信が終了する後まで防止又は遅延され得る。
【0109】
デフ状態914は、任意の好適な持続時間であり得る。いくつかの事例では、デフ状態914の持続時間は、プライマリリンク上のDL PPDU 921の送信持続時間と時間的に整合され得る。いくつかの他の事例では、デフ状態914の持続時間は、ガード時間と、それに続くDL PPDU 921の送信持続時間と、それに続く別のガード時間と、を含み得る。他の持続時間が、デフ状態914に好適であり得る。いくつかの実装形態では、ガード時間は、非プライマリリンク上で送信されるDL通信に対するクロスリンク干渉の影響を防止する(又は一定量以上低減する)ように選択され得る。例えば、いくつかの事例では、ガード時間の持続時間は、DL PPDU 921の最初及び最後のシンボルが非プライマリリンク上でのUL送信に干渉しないことを保証するように構成され得る。
【0110】
DL PPDU 921の送信の終了後、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクをデフ状態914から復帰する。NSTR softAP MLDは、任意の好適なデフ復帰ルール又は機構を使用して、非プライマリリンクをデフ状態914から復帰させ得る。いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上で、非プライマリリンクを復帰させることに基づいて、非プライマリリンクの利用可能性の指示を送信し得る。非プライマリリンクがデフ状態914に置かれた(ひいては利用不可能にされた)ときにNSTR softAP MLDがマルチリンクコンテキストから非プライマリリンクを除去した実装形態では、非プライマリリンクをデフ状態914から復帰させることは、マルチリンクコンテキストに非プライマリリンクを追加することを含み得る。いくつかの態様では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクがマルチリンクコンテキストに追加されたことを示すために、プライマリリンク上で通知フレームを送信し得る。非プライマリリンクがデフ状態914に置かれた(ひいては利用不可能にされた)ときに、NSTR softAP MLDがTIDを非プライマリリンクからプライマリリンクに再マッピングした実装形態では、非プライマリリンクをデフ状態914から復帰させることは、TIDをプライマリリンクから非プライマリリンクに再マッピングすることを含み得る。いくつかの態様では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンクに属するいくつかのTIDが非プライマリリンクに再マッピングされたことを示すために、プライマリリンク上で通知フレームを送信し得る。
【0111】
時間tにおいて、STA1は、プライマリリンク上でNSTR softAP MLDにUL PPDU 922を送信し、STA2は、非プライマリリンク上でNSTR softAP MLDにUL PPDU 923を送信する。NSTR softAP MLDは、時間t~tにUL PPDU 922及び923を受信する。プライマリリンク及び非プライマリリンク上でのUL PPDU 922及び923の同時送信は、NSTR softAP MLDが時間t~tにプライマリリンク及び非プライマリリンク上でDLデータを送信することを防止し得、これは、時間t~tに非プライマリリンクをデフ状態に置く必要性をなくし得る。
【0112】
いくつかの事例では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上で別のTXOPを取得するために好適なチャネルアクセス機構を使用して、時間t~tにプライマリリンクへのチャネルアクセスを求めて競合する。プライマリリンク上でTXOPを取得した後、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクへのチャネルアクセスを獲得し、非プライマリリンク上でTXOPを取得し得る。
【0113】
時間tにおいて、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみ第3のビーコンフレーム903を送信する。いくつかの実装形態では、第3のビーコンフレーム903は、例えば、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有し、かつ非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すことによって、第1のビーコンフレーム901と同様であり得る。いくつかの他の実装形態では、第3のビーコンフレーム903は、例えば、第1のビーコンフレーム901よりも少ない情報を保有することによって、第2のビーコンフレーム902と同様であり得る。
【0114】
時間tにおいて、STA1は、プライマリリンク上でNSTR softAP MLDにUL PPDU 931を送信する。時間t~t10に、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でUL PPDU 931を受信する。本開示の態様は、プライマリリンク上のUL PPDU 931の送信から生じるクロスリンク干渉が、非プライマリリンク上のDL送信と干渉し得ることを認識する。いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのUL PPDU 931の送信中に非プライマリリンクをデフ状態932に置く。デフ状態931にあるとき、非プライマリリンクは、NSTR softAP MLDとそれの関連付けられたSTAとの間の通信のために利用可能でないことがある。いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、デフ状態932中に非プライマリリンク上でDLデータを送信しないことがある。このようにして、プライマリリンク上でのUL PPDU 931の送信から生じるクロスリンク干渉の影響を受けやすい非プライマリリンク上でのDL送信は、デフ状態932の終了後まで防止又は遅延され得る。いくつかの事例では、STA2(及びNSTR softAP MLDに関連付けられた他のワイヤレス通信デバイス)は、デフ状態932中に非プライマリリンク上でULデータを送信することを許可されないことがある。
【0115】
デフ状態932は、任意の好適な持続時間であり得る。いくつかの事例では、デフ状態932の持続時間は、プライマリリンク上のUL PPDU 931の送信持続時間と時間的に整合され得る。いくつかの他の事例では、デフ状態932の持続時間は、ガード時間と、それに続くUL PPDU 931の送信持続時間と、それに続く別のガード時間とを含み得る。他の持続時間が、デフ状態932に好適であり得る。いくつかの実装形態では、ガード時間は、非プライマリリンク上で送信されるDL通信に対するクロスリンク干渉の影響を防止する(又は一定量以上低減する)ように選択され得る。例えば、いくつかの事例では、ガード時間の持続時間は、非プライマリリンク上のDL送信がUL PPDU 931の最初又は最後のシンボルに干渉しないことを保証するように構成され得る。UL PPDU 931の送信の終了後、又はデフ状態932の満了後、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクをデフ状態932から復帰させる。
【0116】
図9Bは、いくつかの他の実装形態による例示的なマルチリンク通信940を示すタイミング図を示す。いくつかの実装形態では、マルチリンク通信940は、図9Aを参照しながら説明したNSTR softAP MLDとワイヤレス局STA1及びSTA2との間で実行され得る。いくつかの他の実装形態では、マルチリンク通信940は、図7A図7B図8A、又は図8Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDと、関連付けられたワイヤレス局STA1及びSTA2との間で実行され得る。STAは、例えば、それぞれ図1及び図6Bを参照しながら上で説明したSTA104及び604を含む、任意の好適なワイヤレス通信デバイスであり得る。NSTR softAP MLDは、プライマリリンクに関連付けられた第1のAPを含み得、かつ非プライマリリンクに関連付けられた第2のAPを含み得る。いくつかの事例では、第1及び第2のAPは、NSTR softAP MLDとして動作するSTAによって実装されるsoftAPであり得る。説明したように、STA1は、IEEE802.11ax又はそれ以前のワイヤレス通信規格の802.11ファミリーに対する改正に従って動作するように構成されたレガシーデバイスであり、STA2は、IEEE802.11be又はそれ以降のワイヤレス通信規格の802.11ファミリーに対する改正に従って動作するように構成された非レガシーデバイスである。
【0117】
時間tの前に、NSTR softAP MLDは、好適なチャネルアクセス機構(EDCA機構など)を使用してプライマリリンクへのチャネルアクセスを求めて競合し、プライマリリンク上でTXOPを取得する。プライマリリンク上でTXOPを取得した後、NSTR softAP MLDはまた、非プライマリリンクへのチャネルアクセスを獲得し得る。いくつかの事例では、非プライマリリンクへのチャネルアクセスを取得することは、プライマリリンク上でチャネルアクセス又はTXOPを取得することに基づき得る。いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンク上での送信を個別にアドレス指定されたフレームに制限し得る。
【0118】
時間tにおいて、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみ第1のビーコンフレーム941を送信する。第1のビーコンフレーム941は、プライマリリンクの完全なプロファイルを含み得、かつ非プライマリリンクの完全なプロファイルを示し得る。説明したように、プライマリリンクは、完全なBSSとして構成され得、非プライマリリンクは、プライマリリンクから1つ以上の能力及び動作パラメータを継承する擬似BSSとして構成され得る。例えば、いくつかの態様では、非プライマリリンクは、プライマリリンクと同じSSID、TSF値、及びビーコン間隔を有し得、かつプライマリリンクからからSSID、TSF値、及びビーコン間隔を継承し得る。
【0119】
いくつかの実装形態では、第1のビーコンフレーム941は、図9Aの第1のビーコンフレーム901と同様であり得る。すなわち、第1のビーコンフレーム941は、ML要素が後に続く複数のフィールド及び要素を含むフレーム本体を含み得る。複数のフィールド及び要素は、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有し得る。ML要素は、非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すSTAごとのプロファイルサブ要素を保有し得る。ML要素は、プライマリリンクの1つ以上のBSSパラメータに対する更新を示すBPCCフィールドを保有する共通情報フィールドを含み得る。ML要素に保有されているマルチリンク制御フィールド又は共通情報フィールドの1つ以上のビットは、第1のビーコンフレーム941がNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されているか否かを示し得る。第1のビーコンフレーム941はまた、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールドを保有するRNR要素を含み得る。近隣AP情報フィールドは、非プライマリリンクのBSSID及び1つ以上のMLDパラメータからなるTBTT情報フィールドを保有し得る。いくつかの事例では、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールドに保有されているTBTT情報フィールドのMLDパラメータフィールドは、非プライマリリンクの1つ以上のBSSパラメータに対する更新を示す値を保有するBPCCフィールドを含み得る。いくつかの他の事例では、非プライマリリンクの1つ以上のBSSパラメータに対する更新を示す値は、第1のビーコンフレーム941の別の好適なフィールド、要素、又はヘッダに保有され得る。
【0120】
STA1及びSTA2は、プライマリリンク上で第1のビーコンフレーム941を受信し、ビーコンフレーム941を解析して、プライマリリンク及び非プライマリリンクの完全なプロファイルを取得し得る。いくつかの実装形態では、STA1及びSTA2の各々は、第1のビーコンフレーム941の本体に含まれるフィールド及び要素に保有されているプライマリリンクの完全なプロファイルを解析又は復号し得る。非レガシーデバイスとして、STA2はまた、第1のビーコンフレーム941のML要素中に示される非プライマリリンクの完全なプロファイルを解析又は復号することが可能であり得る。レガシーデバイスとして、STA1は、第1のビーコンフレーム941に保有されているML要素の1つ以上の部分を解析又は復号することができないことがあり、したがって、第1のビーコンフレーム941から非プライマリリンクの能力、動作パラメータ、及び他の発見情報を取得することができないことがある。STA1はまた、第1のビーコンフレーム941に保有されているRNR要素の1つ以上の部分を解析又は復号することができないことがある。したがって、STA2は、第1のビーコンフレーム941から取得された情報を使用して、プライマリリンク及び非プライマリリンクの両方上でNSTR softAP MLDを発見し、それに関連付けることが可能であり得るが、STA1は、第1のビーコンフレーム941から取得された情報を使用して、プライマリリンク上でのみNSTR softAP MLDを発見し、それに関連付けることができる。このようにして、NSTR softAP MLDとSTA1(及び他のレガシーデバイス)との間の通信は、プライマリリンクに制限され得る。
【0121】
時間tにおいて、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンク上で第2のトリガフレーム952を送信するのと同時に、プライマリリンク上で第1のトリガフレーム951を送信する。第1のトリガフレーム951は、プライマリリンク上で第1のグループのSTA(STA1を含む)からのUL送信を要請し得、第2のトリガフレーム952は、非プライマリリンク上で第2のグループのSTA(STA2を含む)からのUL送信を要請し得る。
【0122】
時間t~tに、STA1は、第1のトリガフレーム951を受信することに基づいて、プライマリリンク上でNSTR softAP MLDにトリガベース(trigger-based、TB)PPDU 961を送信し、STA2は、第2のトリガフレーム952を受信することに基づいて、非プライマリリンク上でNSTR softAP MLDにTB PPDU 962を送信する。それぞれ、STA1及びSTA2からのプライマリリンク及び非プライマリリンク上でのTB PPDU 961及び962の同時送信は、NSTR softAP MLDが時間t~tにプライマリリンク及び非プライマリリンク上でDLデータを送信することを防止し得、これは、時間t~tに非プライマリリンクをデフ状態に置く必要性をなくし得る。
【0123】
いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク及び非プライマリリンク上で協調済みTWTセッションを確立し得る。簡略化のために図9Bには示されていないが、プライマリリンク上のTWTセッションは、NSTR softAP MLDがプライマリリンク上のSTA1又は第1のグループのSTAとの間の送信をスケジュールすることができる1つ以上のサービス期間(service period、SP)を含み得、非プライマリリンク上のTWTセッションは、NSTR softAP MLDが非プライマリリンク上のSTA2又は第2のグループのSTAとの間の送信をスケジュールすることができる1つ以上のSPを含み得る。いくつかの事例では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク及び非プライマリリンク上で確立されたそれぞれのTWTセッションのTWT SPを互いに同期させ得る。例えば、プライマリリンク及び非プライマリリンク上のそれぞれのTWTセッション又はTWT SPを互いに協調させることは、NSTR softAP MLDが、非プライマリリンク上でのSTA2からのTB PPDU 962のUL送信と同時に、プライマリリンク上のSTA1からのTB PPDU 961のUL送信をスケジュールすることを可能にし得る。このようにして、プライマリリンク上でのSTA1からのTB PPDU 961の送信は、非プライマリリンク上でのSTA2からのTB PPDU 962の送信と時間的に整合され得る。
【0124】
いくつかの事例では、NSTR softAP MLDは、好適なチャネルアクセス機構(EDCA機構など)を使用して、時間t~tにプライマリリンクへのチャネルアクセスを求めて競合し、プライマリリンク上でTXOPを取得する。プライマリリンク上でTXOPを取得した後、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクへのチャネルアクセスを獲得し、非プライマリリンク上でTXOPを取得し得る。いくつかの他の事例では、NSTR softAP MLDは、時間t~tにプライマリリンク及び非プライマリリンク上で取得されたTXOPを保持し得、時間t~tにチャネルアクセスを求めて競合する必要がないことがある。
【0125】
時間tにおいて、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみ第2のビーコンフレーム942を送信する。いくつかの実装形態では、第2のビーコンフレーム942は、例えば、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有し、かつ非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すことによって、第1のビーコンフレーム941と同様であり得る。いくつかの他の実装形態では、第2のビーコンフレーム942は、第1のビーコンフレーム941よりも少ない情報を含み得る。例えば、いくつかの事例では、第2のビーコンフレーム942は、プライマリリンク及び非プライマリリンクの一方又は両方の部分的なプロファイルを保有又は示し得る。いくつかの他の事例では、第2のビーコンフレーム942は、プライマリリンクの完全又は部分的なプロファイルを保有し得、非プライマリリンクに関連する能力又は動作パラメータを含まないことがある。いくつかの実装形態では、第2のビーコンフレーム942は、例えば、非プライマリリンクのBSSID及びMLD共通パラメータのみを保有するか又は示すことによって、図8Bを参照しながら説明した第1のフレームと同様であり得る。
【0126】
時間tにおいて、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンク上で第3のトリガフレーム953を送信する。第3のトリガフレーム953は、非プライマリリンク上でSTA2から(又は第2のグループのSTAから)のUL送信を要請する。時間t~tに、STA2は、第3のトリガフレーム953を受信したことに基づいて、非プライマリリンク上でNSTR softAP MLDにTB PPDU 963を送信する。図9Bの例では、STA1は、時間t~tにプライマリリンク上でNSTR softAP MLDに非要請UL PPDU 971を送信する。それぞれ、STA1及びSTA2からのプライマリリンク及び非プライマリリンク上でのUL PPDU 971及びTB PPDU 963の送信は、NSTR softAP MLDが時間t~tにプライマリリンク及び非プライマリリンク上でDLデータを送信することを防止し得、これは、時間t~tに非プライマリリンクをデフ状態に置く必要をなくし得る。
【0127】
いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、TB PPDU 963のNSTR softAP MLDへの送信をスケジュールするために、非プライマリリンク上で独立したTWTセッションを確立し得る。簡略化のために図9Bには示されていないが、非プライマリリンク上の独立TWTセッションは、NSTR softAP MLDが非プライマリリンク上でSTA2からのUL送信又はSTA2(及び他の関連付けられたデバイス)へのDL送信をスケジュールすることができる1つ以上のSPを含み得る。
【0128】
時間tにおいて、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上で第1のDL PPDU 981をSTA1に送信し、非プライマリリンク上で第2のDL PPDU 982をSTA2に同時に送信する。時間t~tに、STA1は、プライマリリンク上で第1のDL PPDU 981を受信し、STA2は、非プライマリリンク上で第2のDL PPDU 982を受信する。NSTR softAP MLDは、時間t~tにいずれのUL通信も受信せず、したがって、それぞれプライマリリンク及び非プライマリリンク上でのDL PPDU 981及び982の同時送信は、時間t~tのUL送信から生じるいかなるクロスリンク干渉も見ないことがある。
【0129】
いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、それぞれ、プライマリリンク及び非プライマリリンク上でのSTA1及びSTA2へのDL PPDU 981及び982の送信をスケジュールするために、プライマリリンク及び非プライマリリンク上で協調済みTWT SPを確立し得る。このようにして、NSTR softAP MLDは、STA1及びSTA2が、それぞれDL PPDU 981及び982の送信を受信するためにアウェイクであることを保証し得る。いくつかの事例では、非プライマリリンク上のTWT SPは、プライマリリンク及び非プライマリリンク上のDL送信が互いに時間的に整合されるように、プライマリリンク上のTWT SPと同期され得る。いくつかの事例では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上で第1のグループのSTA(STA1を含む)にDL PPDU 981を送信するために、第1のグループのアンテナリソースを使用し得、非プライマリリンク上で第2のグループのSTA(STA2を含む)にDL PPDU 982を送信するために、第2のグループのアンテナリソースを使用し得る。
【0130】
時間t10において、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのみ第3のビーコンフレーム943を送信する。いくつかの実装形態では、第3のビーコンフレーム943は、例えば、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有し、かつ非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すことによって、第1のビーコンフレーム941と同様であり得る。いくつかの他の実装形態では、第3のビーコンフレーム943は、例えば、第1のビーコンフレーム941よりも少ない情報を保有することによって、第2のビーコンフレーム942と同様であり得る。
【0131】
時間t11において、STA1は、プライマリリンク上でNSTR softAP MLDにUL PPDU 991を送信する。NSTR softAP MLDは、時間t11~t12にプライマリリンク上でUL PPDU 991を受信し得る。本開示の態様は、プライマリリンク上でのUL PPDU 991の送信から生じるクロスリンク干渉が、非プライマリリンク上でのデフネスの期間を引き起こし得ることを認識する。いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上でのUL PPDU 991の送信中に非プライマリリンクをデフ状態992に置き得る。デフ状態992にあるとき、非プライマリリンクは、NSTR softAP MLDとそれの関連付けられたSTAとの間の通信のために利用可能でないことがある。いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、デフ状態992中に非プライマリリンク上でDLデータを送信しないことがある。このようにして、プライマリリンク上でのUL PPDU 991の送信から生じるクロスリンク干渉の影響を受けやすい非プライマリリンク上でのDL送信は、デフ状態992の終了後まで防止又は遅延され得る。いくつかの事例では、STA2(及びNSTR softAP MLDに関連付けられた他のワイヤレス通信デバイス)は、デフ状態992中に非プライマリリンク上でULデータを送信することを許可されないことがある。
【0132】
デフ状態992は、任意の好適な持続時間であり得る。いくつかの事例では、デフ状態992の持続時間は、プライマリリンク上のUL PPDU 991の送信持続時間と時間的に整合され得る。いくつかの他の事例では、デフ状態992の持続時間は、ガード時間と、それに続くUL PPDU 991の送信持続時間と、それに続く別のガード時間とを含み得る。他の持続時間が、デフ状態992に好適であり得る。いくつかの実装形態では、ガード時間は、非プライマリリンク上で送信されるDL通信に対するクロスリンク干渉の影響を防止する(又は一定量超低減する)ように選択され得る。例えば、いくつかの事例では、ガード時間の持続時間は、非プライマリリンク上のDL送信がUL PPDU 991の最初又は最後のシンボルに干渉しないことを保証するように構成され得る。UL PPDU 991の送信の終了後、又はデフ状態992の満了後、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクをデフ状態992から復帰させる。
【0133】
図10Aは、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDをサポートするワイヤレス通信のために使用可能な例示的な管理フレーム1000Aを示す。管理フレーム1000Aは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、再アソシエーション応答フレーム、又は何らかの他の好適な管理フレームであり得る。いくつかの態様では、管理フレーム1000Aは、図7Aの第1若しくは第2のフレーム、図7Bの第1若しくは第2のフレーム、図8Aのフレーム、図8Bの第3のフレーム、図9Aのビーコンフレーム、又は図9Bのビーコンフレームの例示的な実装形態であり得る。説明の簡略化のために、フレーム1000Aのいくつかの情報要素は、「フィールド」、「サブフィールド」、「要素」、又は「サブ要素」と呼ばれることもあり、これらは、本明細書での説明のために交換可能な用語と見なされ得る。
【0134】
フレーム1000Aは、複数の要素及びフィールド1010と、低減された近隣報告(RNR)要素1020と、能力及び動作パラメータ1030と、基本マルチリンク(ML)要素1040と、を含むように示されている。要素及びフィールド1010は、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有し得る。RNR要素1020は、1つ以上のAPエントリ1022を含み得る。APエントリ1022の各々は、AP MLDのそれぞれのAPに関連付けられ得、それぞれのAPの1つ以上のパラメータを保有又は示し得る。いくつかの実装形態では、1つ以上のパラメータは、それぞれのAPのBSSID及びMLDパラメータを含み得る。いくつかの事例では、それぞれのAPエントリ1022は、対応する非プライマリリンクのTBTTオフセット、短縮SSID、BSSパラメータ、又はPSD制限のうちの1つ以上を含まないことがある。能力及び動作パラメータ1030は、プライマリリンクに関連付けられた任意の数の能力及び動作パラメータを含み得る。ML要素1040は、共通情報1042と、いくつかのSTAごとのプロファイルサブ要素1044(1)~1044(n)と、を含み得る。共通情報1042は、MLDパラメータと、プライマリリンク及び1つ以上の非プライマリリンクに共通の他の情報と、を含み得る。STAごとのプロファイルサブ要素1044(1)~1044(n)の各々は、AP MLDの対応する非プライマリリンクに関連付けられ得、かつ対応する非プライマリリンクの完全なプロファイルを保有するか又は示し得る。
【0135】
図10Bは、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信のために使用可能な別の例示的な管理フレームを示す。管理フレーム1000Bは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、再アソシエーション応答フレーム、又は何らかの他の好適な管理フレームであり得る。いくつかの態様では、管理フレーム1000Bは、図8Bの第1のフレームの例示的な実装形態であり得る。説明の簡略化のために、フレーム1000Aのいくつかの情報要素は、「フィールド」、「サブフィールド」、「要素」、又は「サブ要素」と呼ばれることもあり、これらは、本明細書での説明のために交換可能な用語と見なされ得る。
【0136】
フレーム1000Bは、複数の要素及びフィールド1010、RNR要素1020、能力及び動作パラメータ1030、並びに基本ML要素1050を含むように示されている。要素及びフィールド1010は、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有し得る。RNR要素1020は、1つ以上のAPエントリ1022を含み得る。APエントリ1022の各々は、AP MLDのそれぞれのAPに関連付けられ得、それぞれのAPの1つ以上のパラメータを保有又は示し得る。いくつかの実装形態では、1つ以上のパラメータは、それぞれのAPのBSSID及びMLDパラメータを含み得る。いくつかの事例では、それぞれのAPエントリ1022は、対応する非プライマリリンクのTBTTオフセット、短縮SSID、BSSパラメータ、又はPSD制限のうちの1つ以上を含まないことがある。能力及び動作パラメータ1030は、プライマリリンクに関連付けられた任意の数の能力及び動作パラメータを含み得る。ML要素1050は、共通情報1042を含み得る。共通情報1042は、AP MLDに関連付けられたプライマリリンク及び1つ以上の非プライマリリンクに共通のMLDパラメータ及び他の情報を含み得る。
【0137】
図11Aは、いくつかの実装形態による、マルチリンク通信に使用可能な例示的なRNR要素1100を示す。いくつかの実装形態では、RNR要素1100は、それぞれ図10A及び図10Bを参照しながら説明した例示的な管理フレーム1000A及び1000BのRNR要素1020の例示的な実装形態であり得る。いくつかの事例では、RNR要素1100は、AP MLDから送信されるビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームなど(ただしこれらに限定されない)フレームに含まれ得る。説明の簡略化のために、RNR要素1100のいくつかの情報要素は、「フィールド」、「サブフィールド」、「要素」、又は「サブ要素」と呼ばれることがあり、これらは、本明細書での説明のために交換可能な用語と見なされ得る。
【0138】
RNR要素1100は、チャネル情報、パラメータ、及びAP MLDに関係している1つ以上のAPに属する他の情報を示すために使用され得る。図示のように、RNR要素1100は、要素IDフィールド1102、長さフィールド1104、及び1つ以上の近隣AP情報フィールド1106を含む。要素IDフィールド1102は、RNR要素1100を識別する値を保有する。長さフィールド1104は、RNR要素1100の長さを示す値を保有する。各近隣AP情報フィールド1106は、AP MLDの対応するAPのタイミング基準、動作クラス、チャネル番号、及び他のパラメータを示す情報を保有する。
【0139】
図示のように、近隣AP情報フィールド1106は、TBTT情報ヘッダ1111、動作クラスフィールド1112、チャネル番号フィールド1113、及びTBTT情報セットフィールド1114を含む。TBTT情報ヘッダ1111は、対応するAPに関する全般的な情報を保有する。動作クラスフィールド1112は、チャネル番号フィールドとともに、近隣AP情報フィールドに関連付けられたAPのBSSのプライマリチャネルを示すチャネル開始周波数を示す。チャネル番号フィールド1113は、近隣AP情報フィールドに関連付けられたAPの最後の既知のプライマリチャネルを示す。TBTT情報セットフィールド1114は、近隣AP情報フィールドに関連付けられたAPのためのTBTT情報、動作パラメータ、及びMLDパラメータを保有する1つ以上のTBTT情報フィールドを含む。
【0140】
いくつかの実装形態では、RNR要素1100は、近隣AP情報フィールド1106中のエントリをML要素のSTAごとのプロファイルサブ要素中に記憶された情報にマッピングするために使用され得る、1つ以上の一意のリンクIDを記憶するリンクIDフィールドを含むように拡張され得る。いくつかの他の実装形態では、RNR要素1100は、対応する通信リンクのためのDNT指示を保有することができる送信不可(DNT)フィールドを含むように拡張され得る。加えて、又は代わりに、RNR要素1100の1つ以上の要素又はフィールドは、組み合わせられ、追加、除去、又は修正され得る。
【0141】
図11Bは、いくつかの実装形態による、例示的なTBTT情報ヘッダ1120を示す。いくつかの事例では、TBTT情報ヘッダ1120は、図11AのTBTT情報ヘッダ1111の例示的な実装形態であり得る。図示のように、TBTT情報ヘッダ1120は、TBTT情報フィールドタイプサブフィールド1121、フィルタリング済み近隣APサブフィールド1122、予約済みサブフィールド1123、TBTT情報カウントサブフィールド1124、及びTBTT情報長サブフィールド1125を含む。TBTT情報フィールドタイプサブフィールド1121は、TBTT情報フィールドのタイプ又はフォーマットを示す値を保有する。いくつかの実装形態では、TBTT情報フィールドタイプサブフィールド1121の値は、TBTT情報フィールドがNSTRデバイスに関連付けられた新しいタイプ又はフォーマットであることを示すために、1又は予約済み値に設定され得る。このようにして、1又は予約済み値に設定されたTBTT情報フィールドタイプサブフィールドを有するRNR要素を受信するワイヤレス通信デバイスは、RNR要素を保有するフレームがNSTRデバイスによって送信されたことを判定することができる。
【0142】
フィルタリング済み近隣APサブフィールド1122は、低減された近隣報告要素がTVHT APによって送信されたプローブ応答フレームに保有されている場合を除いて、予約される。予約済みサブフィールド1123は、1つ以上の予約済み又は未使用ビットを含む。TBTT情報カウントサブフィールド1124は、近隣AP情報フィールドのTBTT情報セットフィールドに含まれるTBTT情報フィールドの数から1を引いた数を示す。TBTT情報長サブフィールド1125は、近隣AP情報フィールドのTBTT情報セットフィールドに含まれた各TBTT情報フィールドの長さを示す。
【0143】
図11Cは、いくつかの実装形態による、例示的なTBTT情報フィールド1130を示す。いくつかの事例では、TBTT情報フィールド1130は、図11AのTBTT情報セットフィールド1114に保有されているTBTT情報フィールドの一実装形態であり得る。図示のように、TBTT情報フィールド1130は、近隣AP TBTTオフセットサブフィールド1131、任意選択のBSSIDサブフィールド1132、任意選択の短縮SSIDサブフィールド1133、BSSパラメータサブフィールド1134、20MHz PSDサブフィールド1135、及びMLDパラメータサブフィールド1136を含む。近隣AP TBTTオフセットサブフィールド1131は、報告APの直前のTBTTからの報告されたAPの次のTBTTのオフセット(TU単位)を示す。任意選択のBSSIDサブフィールド1132は、報告されたAPのBSSIDを保有する。任意選択の短縮SSIDサブフィールド1133は、報告されたAPの短縮されたSSIDを保有する。BSSパラメータサブフィールド1134は、OCT推奨サブフィールド、同じSSIDサブフィールド、複数BSSIDサブフィールド、送信済みBSSIDサブフィールド、ESSメンバサブフィールド、非要請プローブ応答アクティブサブフィールド、及びコロケートAPサブフィールドなど(ただしこれらに限定されない)、報告されたAPの1つ以上のBSSパラメータを示す。20MHz PSDサブフィールド1135は、プライマリ20MHzチャネル上の対応するAPのための最大送信電力を示す。いくつかの事例では、近隣AP TBTTオフセットサブフィールド1131、短縮SSIDサブフィールド1133、BSSパラメータサブフィールド1134、及び20MHz PSDサブフィールド1135は、TBTT情報フィールド1130から省略され得る。
【0144】
MLDパラメータサブフィールド1136は、MLD IDサブフィールド、リンクIDサブフィールド、BSSパラメータ変更カウント(BPCC)サブフィールド、及び予約済みサブフィールドを含む。MLD IDサブフィールドは、AP MLDの識別子を示し、AP MLDに関連付けられた報告されたAPのリストを識別するために使用され得る。リンクIDサブフィールドは、対応するAPのリンク識別子を示し、対応するAPに一意である。BSSパラメータ変更カウントサブフィールドは、0に初期化された符号なし整数であり、報告されたAPのビーコンフレームに対する重大な更新が発生したときに増分する。予約済みサブフィールドは、1つ以上の予約済み又は未使用ビットを含む。
【0145】
図12Aは、いくつかの実装形態による、マルチリンク通信に使用可能な例示的なマルチリンク(ML)要素1200を示す。いくつかの実装形態では、ML要素1200は、図10Aを参照しながら説明したML要素1040の例示的な実装形態であり得る。いくつかの事例では、ML要素1200は、NSTR softAP MLDから送信されるビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームなど(ただしこれらに限定されない)フレームに含まれ得る。説明の簡略化のために、ML要素1200のいくつかの情報要素は、「フィールド」、「サブフィールド」、「要素」、又は「サブ要素」と呼ばれることがあり、これらは、本明細書での説明のために交換可能な用語と見なされ得る。
【0146】
ML要素1200は、要素IDフィールド1201、長さフィールド1202、要素ID拡張フィールド1203、マルチリンク制御フィールド1204、共通情報フィールド1205、及びリンク情報フィールド1206を含む。要素IDフィールド1201及び要素ID拡張フィールド1203は、要素1200がML要素であることを示す値、及びML要素のタイプを示す値を保有する。長さフィールド1202は、ML要素1200の長さを示す値を保有する。マルチリンク制御フィールド1204は、共通情報フィールド1205内の様々なフィールド及びサブフィールドの存在を示す情報を保有する。共通情報フィールド1205は、AP MLDに関連付けられた1つ以上の非プライマリリンクに共通の情報を保有する。リンク情報フィールド1206は、AP MLDに関連付けられた非プライマリリンクの各々に固有の情報を保有する。いくつかの事例では、リンク情報フィールド1206は、NSTR softAP MLDなどのAP MLDの1つ以上の対応する非プライマリリンクの完全なプロファイルを保有するか又は示し得る1つ以上のSTAごとのプロファイルサブ要素を含む。
【0147】
図12Bは、いくつかの実装形態による、例示的なマルチリンク制御フィールド1210を示す。いくつかの事例では、マルチリンク制御フィールド1210は、図12AのML要素1200のマルチリンク制御フィールド1204の一実装形態であり得る。図示のように、マルチリンク制御フィールド1210は、タイプフィールド1211、予約済みフィールド1212、及び存在ビットマップフィールド1213を含む。タイプフィールド1211は、ML要素1200のバリアント(基本ML要素及びプローブ要求ML要素など)を区別するために使用される。予約済みフィールド1212は、1つ以上の予約済みビット又は未使用ビットを含む。存在ビットマップフィールド1213は、ML要素1200の共通情報フィールド1205内の様々なサブフィールドの存在を示すために使用される。例えば、存在ビットマップフィールド1213は、ML要素1200の共通情報フィールド1205内のMLD MACアドレスフィールド、リンクID情報フィールド、BSSパラメータ変更カウント(BPCC)フィールド1223、媒体同期遅延情報フィールド、拡張マルチリンク(EML)能力フィールド、及びMLD能力フィールドの存在を示し得る。
【0148】
図12Cは、いくつかの実装形態による、例示的な共通情報フィールド1220を示す。いくつかの事例では、共通情報フィールド1220は、図12AのML要素1200の共通情報フィールド1205の一実装形態であり得る。図示のように、共通情報フィールド1220は、MLD MACアドレスフィールド1221、リンクID情報フィールド1222、BPCCフィールド1223、媒体同期遅延情報フィールド1224、拡張マルチリンク(EML)能力フィールド1225、及びMLD能力フィールド1226を含む。MLD MACアドレスフィールド1221は、MLD(NSTR softAP MLDなどの)のMACアドレスを保有する。リンクID情報フィールド1222は、ML要素1200を送信するAPのリンク識別子を保有する。BSSパラメータ変更カウント(BPCC)フィールド1223は、0に初期化され、基本バリアントML要素を送信するAPの動作パラメータに重大な更新が発生したときに増分する符号なし整数を保有する。
【0149】
媒体同期遅延情報フィールド1224は、MediumSyncDelayタイマーの持続時間を示す値を保有する。EML能力フィールド1225は、EML単一無線(Single-Radio、SR)動作及びEML複数無線(Multiple-Radio、MR)動作のための能力を通知するために使用されるいくつかのサブフィールドを含む。MLD能力フィールド1226は、MLDの様々な能力を示す。いくつかの事例では、MLD能力フィールド1226は、フレームの同時送信又は受信をサポートするリンクの最大数、MLDがSRS制御サブフィールドを保有するフレームの受信をサポートするか否か、MLDがTID対リンクマッピングネゴシエーションをサポートするかどうか、及びSTR動作のために非AP MLDによって推奨される任意の2つのリンク間の最小周波数ギャップを示し得る。
【0150】
図12Dは、いくつかの実装形態による、例示的なSTAごとのプロファイルサブ要素1230を示す。いくつかの事例では、STAごとのプロファイルサブ要素1230は、図12AのML要素1200のリンク情報フィールド1206に保有されているSTAごとのプロファイルサブ要素の一実装形態であり得る。図示のように、STAごとのプロファイルサブ要素1230は、サブ要素IDフィールド1231、長さフィールド1232、STA制御フィールド1233、STA情報フィールド1234、及びSTAプロファイルフィールド1235を含み得る。サブ要素IDフィールド1231は、STAごとのプロファイルサブ要素1230のタイプを示す値を保有する。長さフィールド1232は、STAごとのプロファイルサブ要素1230の長さを示す値を保有する。STA制御フィールド1233は、STAプロファイルフィールド1235内の様々なフィールド及びサブフィールドの存在(又は不在)を示す情報を保有する。STA情報フィールド1234は、STAごとのプロファイルサブ要素1230に対応するAPに関連する情報を保有する。STAプロファイルフィールド1235は、STAごとのプロファイルサブ要素1230に対応するAPの完全なプロファイルを示す情報を保有する。
【0151】
図12Eは、いくつかの実装形態による、例示的なSTA制御フィールド1240を示す。いくつかの事例では、STA制御フィールド1240は、図12DのSTAごとのプロファイルサブ要素1230のSTA制御フィールド1233の一実装形態であり得る。図示のように、STA制御フィールド1240は、リンクIDフィールド1241、完全なプロファイルフィールド1242、MACアドレス存在フィールド1243、ビーコン間隔存在フィールド1244、DTIM情報存在フィールド1245、NSTRリンクペア存在フィールド1246、NSTRビットマップサイズフィールド1247、及び予約済みフィールド1248を含む。リンクIDフィールド1241は、STAごとのプロファイルサブ要素1230に対応するAPに関連付けられた通信リンクを一意に識別する値を保有する。完全なプロファイルフィールド1242は、STAごとのプロファイルサブ要素1230が対応するAPの完全なプロファイルを保有するかどうかを示す値を保有する。MACアドレス存在フィールド1243は、STAごとのプロファイルサブ要素1230が対応するAPのMACアドレスを保有するかどうかを示す値を保有する。ビーコン間隔存在フィールド1244は、STAごとのプロファイルサブ要素1230のSTA情報フィールド1234が対応するAPのビーコン間隔を保有するかどうかを示す値を保有する。DTIM情報存在フィールド1245は、STAごとのプロファイルサブ要素1230のSTA情報フィールド1234対応するAPのDTIM情報を保有するかどうかを示す値を保有する。NSTRリンクペア存在フィールド1246は、STAごとのプロファイルサブ要素1230が、NSTR softAP MLDに関連付けられた通信リンクのペア(プライマリリンク及び非プライマリリンクなど)に関する情報を保有するかどうかを示す値を保有する。NSTRビットマップサイズフィールド1247は、STAごとのプロファイルサブ要素1230に含まれたNSTR指示ビットマップフィールドのサイズを示す値を保有する。
【0152】
図12Fは、いくつかの実装形態による、例示的なSTA情報フィールド1250を示す。いくつかの事例では、STA情報フィールド1250は、図12DのSTAごとのプロファイルサブ要素1230のSTA情報フィールド1234の一実装形態であり得る。図示のように、STA情報フィールド1250は、MACアドレスフィールド1251、ビーコン間隔フィールド1252、DTIMフィールド1253、NSTRリンクペアフィールド1254、及びNSTRビットマップフィールド1255を含む。MACアドレスフィールド1251は、STAごとのプロファイルサブ要素1230に対応するAPのMACアドレスを保有する。ビーコン間隔フィールド1252は、STAごとのプロファイルサブ要素1230に対応するAPのビーコン間隔を示す情報を保有する。DTIMフィールド1253は、STAごとのプロファイルサブ要素1230に対応するAPのDTIMカウント及びDTIM期間を示す情報を保有する。NSTRリンクペアフィールド1254は、STAごとのプロファイルサブ要素1230に対応するAPに関連付けられた通信リンクのペアを識別する情報を保有する。NSTRビットマップフィールド1255は、STAごとのプロファイルサブ要素1230に対応するAPのNSTRビットマップを保有する。
【0153】
図13は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス1300を示すフローチャートである。プロセス1300は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス1300は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス1300は、図7Aを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0154】
いくつかの実装形態では、プロセス1300は、ブロック1302において、プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられたNSTR softAP MLDとして動作することから始まる。ブロック1304において、プロセス1300は、プライマリリンク上でのみフレームを送信することで続き、フレームは、プライマリリンクの完全なプロファイルを含み、かつ非プライマリリンクの完全なプロファイルを示し、プライマリリンク及び非プライマリリンクのそれぞれの完全なプロファイルは各々、少なくともビーコン間隔、能力情報、サービスセット識別子(SSID)、サポートレート、タイミング同期機能(TSF)値、及びそれぞれのリンクの発見に関連付けられた1つ以上の追加のフィールド又は要素を含む。フレームは、プライマリリンク上でのみ送信され、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つであり得る。いくつかの事例では、非プライマリリンクの完全なプロファイルのビーコン間隔、SSID、及びTSF値は、プライマリリンクの完全なプロファイルから継承される。したがって、非プライマリリンクのビーコン間隔、SSID、及びTSF値は、フレームに存在しなくてもよい。
【0155】
いくつかの実装形態では、フレームは、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有する複数のフィールド及び要素を含み、非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すSTAごとのプロファイルサブ要素を保有するマルチリンク(ML)要素を含む、フレーム本体を含む。ML要素は、プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のBSSパラメータに対する更新を示すBPCCフィールドを保有する共通情報フィールドを含む。ML要素のマルチリンク制御フィールド又は共通情報フィールドの1つ以上のビットは、フレームがNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されているか否かを示し得る。
【0156】
フレーム本体はまた、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールドを保有するRNR要素を含み得る。近隣AP情報フィールドは、非プライマリリンクのBSSID及び1つ以上のMLDパラメータからなるTBTT情報フィールドを保有し得る。いくつかの事例では、非プライマリリンクのTBTTオフセット、短縮SSID、BSSパラメータ、及びPSDパラメータは、プライマリリンクから継承され得る。したがって、TBTTオフセットサブフィールド、短縮SSIDサブフィールド、BSSパラメータサブフィールド、及びPSDサブフィールドは、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールド中のTBTT情報フィールドから省略され得、それによって、RNR要素のサイズ及びオーバーヘッドを低減する。いくつかの態様では、この低減されたサイズのTBTT情報フィールドは、ワイヤレス通信規格の802.11ファミリーに対する既存の補正のいずれによっても定義されない新しいタイプのTBTT情報フィールドであり得る。そのため、近隣AP情報フィールドは、近隣AP情報フィールドが非プライマリリンクのみに関係する情報を保有することを示す値に設定されたTBTT情報フィールドタイプを含み得る。いくつかの事例では、TBTT情報フィールドタイプは、この新しい又は未定義のタイプのTBTT情報フィールドを示すために、1又は予約済み値に設定され得る。TBTT情報フィールドタイプを1又は予約済み値に設定することはまた、関連する近隣AP情報フィールド、ひいては、対応するRNR要素を保有するフレームが、NSTR softAP MLDに関連するAPから送信されることを示し得る。
【0157】
いくつかの実装形態では、TBTT情報フィールドの長さは、フレームがNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されているか否かを示す。いくつかの事例では、TBTT情報フィールドの長さは、9オクテットである。TBTT情報フィールドの1つ以上のMLDパラメータは、非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のBSSパラメータに対する更新を示すBPCCフィールドを含み得る。
【0158】
図14は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス1400を示すフローチャートである。例えば、プロセス1400は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス1400は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス1400は、図7Aを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0159】
いくつかの実装形態では、プロセス1400は、図13のブロック1304においてフレームを送信した後に実行され得る。例えば、ブロック1402において、プロセス1400は、非プライマリリンクに関連付けられたBSSパラメータのうちの少なくとも1つに対する更新を受信することで始まる。ブロック1404において、プロセス1400は、受信された更新に基づいて、別のフレームのRNR要素に含まれるTBTT情報フィールドのBPCCフィールドの値を増分することで続く。ブロック1406において、プロセス1400は、BPCCフィールドに保有されている値を増分することに基づいて、上記別のフレームの能力情報フィールドに重大更新フラグ(CUF)を設定することで続く。ブロック1408において、プロセス1400は、プライマリリンク上でのみ上記別のフレームを送信することで続き、上記別のフレームは、非プライマリリンクに関連付けられた少なくとも1つのBSSパラメータに対する更新を示す。いくつかの事例では、上記別のフレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、再アソシエーション応答フレーム、又は通知フレームなどのアクションフレームであり得る。
【0160】
いくつかの実装形態では、BSSパラメータは、チャネルスイッチアナウンス(CSA)要素、拡張チャネルスイッチアナウンス(eCSA)要素、拡張型分散チャネルアクセス(EDCA)パラメータ、待機期間要素、直接拡散方式(DSSS)パラメータセット、高スループット(HT)動作要素、非常に高いスループット(VHT)動作要素、高効率(HE)動作要素、超高スループット(EHT)動作要素、広帯域チャネルスイッチ要素、動作モード通知要素、ブロードキャスト目標待ち時間(TWT)要素、BSSカラー変更アナウンス要素、マルチユーザ(MU)EDCAパラメータセット、空間再使用パラメータセット、又はアップリンク(UL)直交周波数分割多元接続(OFDMA)ランダムアクセス(UORA)パラメータセットのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0161】
図15は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス1500を示すフローチャートである。プロセス1500は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス1500は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス1500は、図7Aを参照しながら上で説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0162】
様々な実装形態では、プロセス1500は、図13のブロック1304においてフレームを送信した後に実行され得る。例えば、ブロック1502において、プロセス1500は、非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のBSSパラメータに対する更新を受信することで始まる。ブロック1504において、プロセス1500は、非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の更新されたBSSパラメータを、プライマリリンク上でのみ送信することで続く。いくつかの実装形態では、1つ以上の更新されたBSSパラメータは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームに保有され得る。いくつかの他の実装形態では、1つ以上の更新されたBSSパラメータは、非プライマリリンクの部分的なプロファイルの一部であり得る。いくつかの事例では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上で、非プライマリリンクの部分的なプロファイルを保有する(ひいては、非プライマリリンクの1つ以上の更新されたBSSパラメータを示す)非要請ブロードキャストプローブ応答フレームを送信し得る。
【0163】
図16は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス1600を示すフローチャートである。プロセス1600は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス1600は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス1600は、図7Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0164】
いくつかの実装形態では、プロセス1600は、ブロック1602において、プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられたNSTR softAP MLDとして動作することから始まる。ブロック1604において、プロセス1600は、非プライマリリンクが利用不可能であることを判定することで続く。ブロック1606において、プロセス1600は、プライマリリンク上でのみ非プライマリリンクの利用不可能性の指示を保有するフレームを送信することで続く。いくつかの事例では、フレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つであり得る。いくつかの他の事例では、フレームは、通知フレームなどのアクションフレームであり得る。
【0165】
非プライマリリンクは、様々な理由で利用不可能であり得る。例えば、非プライマリリンクは、非プライマリリンクがロングタームエボリューション(LTE)無線アクセスネットワーク(RAN)又は第5世代(5G)新無線(NR)アクセスネットワークにおけるセルラーリンクのために使用されるとき、NSTR softAP MLDに関連付けられたマルチリンク通信に対して利用不可能であり得る。別の例では、非プライマリリンクは、例えば、電力消費を低減するために、又はNSTR softAP MLDのバッテリ寿命を延ばすために、非プライマリリンクが電力節約モード(スリープモード又はドーズモードを含む)に置かれるとき、NSTR softAP MLDに関連付けられたマルチリンク通信に対して利用不可能であり得る。別の例では、非プライマリリンクは、非プライマリリンクがピアツーピア(P2P)通信又はSTA内通信のために使用されるとき、非プライマリリンクは、NSTR softAP MLDに関連付けられたマルチリンク通信に対して利用不可能であり得る。
【0166】
図17は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス1700を示すフローチャートである。プロセス1700は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス1700は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス1700は、図7Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0167】
いくつかの実装形態では、プロセス1700は、図16のブロック1606において指示を送信したことと連動して実行され得る。例えば、ブロック1702において、プロセス1700は、非プライマリリンクの利用不可能性に基づいて、送信不可(DNT)ビットを1の値に設定することで始まる。いくつかの事例では、DNTビットは、プライマリリンク上で送信されるフレームのSTAごとのプロファイルサブ要素又はRNR要素に保有され得る。いくつかの他の実装形態では、NSTR softAP MLDはまた、非プライマリリンクの利用不可能性に基づいて、フレームに保有されている重大更新フラグ(CUF)を1の値に設定し得る。いくつかの事例では、フレームは、1の値に設定されたCUFを保有する能力情報フィールドを含む。
【0168】
図18は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス1800を示すフローチャートである。プロセス1800は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス1800は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス1800は、図7Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0169】
いくつかの実装形態では、プロセス1800は、図16のブロック1606において指示を保有するフレームを送信した後に実行され得る。例えば、ブロック1802において、プロセス1800は、非プライマリリンクの利用不可能性に基づいて、プライマリリンク上でシングルリンクデバイスとして動作することで始まる。いくつかの態様では、非プライマリリンクが利用不可能であるとき、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上で完全に動作可能なままでありながら、非プライマリリンクに関連付けられたsoftAP(又は他の送信チェーン、受信チェーン、及び信号処理回路など)をスリープ状態、ドーズ状態、又は電源オフ状態に置き得る。このシングルリンク状態では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンク上で動作することに関連する電力消費も低減しながら、プライマリリンク上でシングルリンクBSSとしてBSSを動作させることができる。
【0170】
図19は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス1900を示すフローチャートである。例えば、プロセス1900は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス1900は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス1900は、図7Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0171】
いくつかの実装形態では、プロセス1900は、図18のブロック1802においてNSTR softAP MLDがシングルリンクデバイスとして動作する間に実行され得る。例えば、ブロック1902において、プロセス1900は、プライマリリンク上でシングルリンクデバイスとして動作している間に非プライマリリンクが利用可能であることを判定することで始まる。ブロック1904において、プロセス1900は、非プライマリリンクの利用可能性に基づいて、送信不可(DNT)ビットを0の値にリセットすることで続く。ブロック1906において、プロセス1900は、プライマリリンク上でのみ別のフレームでリセットDNTビットを送信することで続け、上記別のフレームは、0の値を有するリセットDNTビットを保有するSTAごとのプロファイルサブ要素又は低減された近隣報告(RNR)要素を含む。いくつかの事例では、上記別のフレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つであり得る。いくつかの他の事例では、上記別のフレームは、通知フレームなどのアクションフレームであり得る。
【0172】
図20は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス2000を示すフローチャートである。例えば、プロセス2000は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス2000は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス2000は、図7Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0173】
いくつかの実装形態では、プロセス2000は、図16のプロセス1600の後に実行され得る。例えば、ブロック2002において、プロセス2000は、指示を送信した後に非プライマリリンクが利用可能であることを判定することで始まる。ブロック2004において、プロセス2000は、プライマリリンク上でのみ、非プライマリリンクの利用可能性の指示を送信することで続く。ブロック2006において、プロセス2000は、非プライマリリンクの利用可能性に基づいて、プライマリリンク及び非プライマリリンク上でマルチリンクデバイスとして動作することで続く。いくつかの事例では、指示は、プライマリリンク上で、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームなど(ただしこれらに限定されない)の好適な管理フレームで送信され得る。いくつかの他の事例では、指示は、プライマリリンク上で、通知フレームなどの好適なアクションフレームで送信され得る。いくつかの態様では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクが利用可能になるとき(又は構成された時間内に)、非プライマリリンクに関連付けられたsoftAPを電源オンにし得る。このマルチリンク状態では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク及び非プライマリリンクの両方上でBSSを動作させることができる。
【0174】
図21は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス2100を示すフローチャートである。プロセス2100は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス2100は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス2100は、図7Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0175】
いくつかの実装形態では、プロセス2100は、図16のブロック1604において非プライマリリンクの利用不可能性を判定した後に実行され得る。例えば、ブロック2102において、プロセス2100は、非プライマリリンクの利用不可能性に基づいて、非プライマリリンクを無効化するか、又は非プライマリリンクを省電力状態に置くことで始まる。いくつかの事例では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク上で完全に動作可能なままでありながら、非プライマリリンクに関連付けられたsoftAP(又は他の送信チェーン、受信チェーン、及び信号処理回路など)をスリープ状態、ドーズ状態、又は電源オフ状態に置き得る。このようにして、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンク上で動作することに関連する電力消費を低減し得、また、非プライマリリンク上でのUL送信から生じるクロスリンク干渉を低減し得る。
【0176】
図22は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス2200を示すフローチャートである。例えば、プロセス2200は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス2200は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス2200は、図7Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0177】
いくつかの実装形態では、プロセス2200は、図21のブロック2102において非プライマリリンクを無効化する1つの実装形態であり得る。例えば、ブロック2202において、プロセス2200は、NSTR softAP MLDに関連付けられたマルチリンクコンテキストから非プライマリリンクを除去することで始まる。いくつかの事例では、非プライマリリンクがマルチリンクコンテキストから除去されるとき、NSTR softAP MLDに関連付けられたワイヤレス通信デバイスは、非プライマリリンクにアクセスするか又はこれを利用することが可能でないことがある。いくつかの態様では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクがもはやマルチリンクコンテキストに含まれないことを示すために、プライマリリンク上で通知フレームを送信し得る。
【0178】
図23は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス2300を示すフローチャートである。プロセス2300は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス2300は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス2300は、図7Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0179】
いくつかの実装形態では、プロセス2300は、図22のブロック2202においてマルチリンクコンテキストから非プライマリリンクを除去した後に実行され得る。例えば、ブロック2302において、プロセス2300は、マルチリンクコンテキストから非プライマリリンクを除去した後に非プライマリリンクが利用可能であることを判定することで始まる。ブロック2304において、プロセス2300は、非プライマリリンクの判定された利用可能性に基づいて、マルチリンクコンテキストに非プライマリリンクを追加することで続く。いくつかの事例では、NSTR softAP MLDに関連付けられたワイヤレス通信デバイスは、非プライマリリンクがマルチリンクコンテキストに追加されると、NSTR softAP MLDとアソシエート解除又は再アソシエートすることなく、非プライマリリンクにアクセスし、非プライマリリンクを利用することが可能であり得る。いくつかの態様では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクがマルチリンクコンテキストに追加されたことを示すために、プライマリリンク上で通知フレームを送信し得る。
【0180】
図24は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス2400を示すフローチャートである。プロセス2400は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス2400は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス2400は、図7Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0181】
いくつかの実装形態では、プロセス2400は、図21のブロック2102において非プライマリリンクを無効化する別の実装形態であり得る。例えば、ブロック2402において、プロセス2400は、トラフィック識別子(TID)を非プライマリリンクからプライマリリンクに再マッピングすることで始まる。一例として、プライマリリンクは、トラフィックの第1のタイプ又はフローを示す第1のTID値と最初に関連付け又は属させ得、非プライマリリンクは、トラフィックの第2のタイプ又はフローを示す第2のTID値と最初に関連付け又は属させ得る。非プライマリリンクが利用不可能であるとき、NSTR softAP MLDは、第2のTID値を非プライマリリンクからプライマリリンクに再マッピングすることができる。このようにして、第2のTID値によって示されるトラフィックタイプ又はフローは、プライマリリンク上で(非プライマリリンク上ではない)通信され得る。いくつかの態様では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンクに属しているTIDがプライマリリンクに再マッピングされたことを示すために、プライマリリンク上で通知フレームを送信することができる。
【0182】
図25は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス2500を示すフローチャートである。プロセス2500は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス2500は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス2500は、図7Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0183】
いくつかの実装形態では、プロセス2500は、図24のブロック2402においてTIDを非プライマリリンクからプライマリリンクに再マッピングした後に実行され得る。例えば、ブロック2502において、プロセス2500は、非プライマリリンクを無効化した後に非プライマリリンクが利用可能であることを判定することで始まる。ブロック2504において、プロセス2500は、非プライマリリンクの利用可能性に基づいて、TIDをプライマリリンクから非プライマリリンクに再マッピングすることで続く。図24を参照しながら説明した例を続くと、非プライマリリンクが利用可能になると、NSTR softAP MLDは、第2のTID値をプライマリリンクから非プライマリリンクに再マッピングし得る。このようにして、第2のTID値によって示されるトラフィックタイプ又はフローの通信は、非プライマリリンクに返され得る。いくつかの態様では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンクに属するいくつかのTIDが非プライマリリンクに再マッピングされたことを示すために、プライマリリンク上で通知フレームを送信し得る。
【0184】
図26は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス2600を示すフローチャートである。プロセス2600は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス2600は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス2600は、図7Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0185】
いくつかの実装形態では、プロセス2600は、図16のブロック1606においてフレームを送信した後に実行され得る。例えば、ブロック2602において、プロセス2600は、非プライマリリンクを第2のチャネルから第1のチャネルに切り替えるのと同時に、プライマリリンクを第1のチャネルから第2のチャネルに切り替えることで始まる。いくつかの事例では、第1のチャネルは、5GHz周波数帯域又は6GHz周波数帯域のうちの一方にあり、第2のチャネルは、5GHz周波数帯域又は6GHz周波数帯域のうちの他方にある。
【0186】
図27は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス2700を示すフローチャートである。プロセス2700は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス2700は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス2700は、図8Aを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0187】
いくつかの実装形態では、プロセス2700は、ブロック2702において、プライマリリンク上でSTA MLDから送信準備完了(RTS)フレームを受信することで始まる。ブロック2704において、プロセス2700は、RTSフレームを受信したことに基づいて、プライマリリンク及び非プライマリリンク上でSTA MLDに送信可(CTS)フレームを送信することで続く。ブロック2706において、プロセス2700は、プライマリリンク及び非プライマリリンク上でSTA MLDから1つ以上のアップリンク(UL)物理レイヤプロトコルデータユニット(PPDU)を受信することで続く。いくつかの事例では、NSTR softAP MLDは、プライマリリンク及び非プライマリリンクの両方上でCTSフレームを送信することによって、非プライマリリンクの利用可能性を示し得る。STA MLDがプライマリリンク及び非プライマリリンクの両方でCTSフレームを受信するとき、STA MLDは、プライマリリンク及び非プライマリリンクの両方でULデータを送信し得る。逆に、STA MLDがプライマリリンクでのみCTSフレームを受信する場合、STA MLDは、プライマリリンク上でのみNSTR softAP MLDにULデータを送信することができる。
【0188】
図28は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス2800を示すフローチャートである。プロセス2800は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス2800は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス2800は、図8Bを参照しながら説明したSTA MLDなどのSTA MLDによって実行され得る。
【0189】
いくつかの実装形態では、プロセス2800は、ブロック2802において、プライマリリンク上でのみ、プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられたNSTR softAP MLDから第1のフレームを受信することで始まる。第1のフレームは、プライマリリンクの完全なプロファイルと、プライマリリンク及び非プライマリリンクに共通のMLD情報と、を含み得る。完全なプロファイルは、少なくとも、ビーコン間隔、能力情報、SSID、サポートレート、TSF値、及びプライマリリンクの発見に関連する1つ以上の追加のフィールド又は要素を含み得る。ブロック2804において、プロセス2800は、プライマリリンク上でのみNSTR softAP MLDに第2のフレームを送信することで続け、第2のフレームは、非プライマリリンクの完全なプロファイルを要求する。ブロック2806において、プロセス2800は、プライマリリンク上でのみNSTR softAP MLDから第3のフレームを受信することで続け、第3のフレームは、非プライマリリンクの完全なプロファイルを示す。いくつかの事例では、第1のフレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つであり得る。第2のフレームは、プローブ要求フレーム、アソシエーション要求フレーム、又は再アソシエーション要求フレームのうちの1つであり得る。第3のフレームは、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つであり得る。
【0190】
いくつかの実装形態では、第1のフレームは、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有する複数のフィールド及び要素を含み、かつMLD共通情報からなるML要素を含む、フレーム本体を含む。第3のフレームは、非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すSTAごとのプロファイルサブ要素を保有するML要素を含む、フレーム本体を含み得る。第3のフレームの本体はまた、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールドを保有するRNR要素を含み得る。近隣AP情報フィールドは、非プライマリリンクのBSSID及び1つ以上のMLDパラメータからなるTBTT情報フィールドを保有し得る。いくつかの事例では、非プライマリリンクのTBTTオフセット、短縮SSID、BSSパラメータ、及びPSDパラメータは、プライマリリンクから継承され得る。したがって、TBTTオフセットサブフィールド、短縮SSIDサブフィールド、BSSパラメータサブフィールド、及びPSDサブフィールドは、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールド中のTBTT情報フィールドから省略され得、それによって、RNR要素のサイズ及びオーバーヘッドを低減する。いくつかの態様では、TBTT情報フィールドの長さは、9オクテットである。
【0191】
図29は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス2900を示すフローチャートである。プロセス2900は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス2900は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス2900は、図7Aを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0192】
いくつかの実装形態では、プロセス2900は、ブロック2902において、プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられたNSTR softAP MLDとして動作することから始まる。ブロック2904において、プロセス2900は、プライマリリンク上でのみ、プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のタイミングパラメータを含むフレームを送信することで続き、ここで、非プライマリリンクのタイミングパラメータは、プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のタイミングパラメータに基づく。いくつかの態様では、非プライマリリンクのタイミングパラメータは、プライマリリンクから継承される。フレームは、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つであり得る。いくつかの事例では、プライマリリンクは目標ビーコン送信時間(TBTT)に関連付けられ、非プライマリリンクは、プライマリリンクのTBTTと整合された擬似BSSであり得る。1つ以上のタイミングパラメータは、チャネル切り替えアナウンス、待機期間、又はビーコン間隔のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0193】
図30は、いくつかの実装形態によるNSTR softAP MLDとのワイヤレス通信のための例示的なプロセス3000を示すフローチャートである。プロセス3000は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス3000は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス3000は、図9Aを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0194】
いくつかの実装形態では、プロセス3000は、ブロック3002において、プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられたNSTR softAP MLDとして動作することから始まる。ブロック3004において、プロセス3000は、プライマリリンク上でチャネルアクセスを取得することで続く。ブロック3006において、プロセス3000は、プライマリリンク上で第1の関連付けられたSTAに第1のフレームを送信することで続く。ブロック3008において、プロセス3000は、プライマリリンク上でのフレーム送信の持続時間の間、非プライマリリンクをデフ状態に入ることで続く。ブロック3010において、プロセス3000は、プライマリリンク上のフレーム送信の終了後に、非プライマリリンクをデフ状態から復帰させることで続く。いくつかの実装形態では、フレームは、管理フレーム、制御フレーム、又はデータフレームを含む(ただしこれらに限定されない)任意の好適なフレームであり得る。
【0195】
図31は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス3100を示すフローチャートである。プロセス3100は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス3100は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス3100は、図9Aを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0196】
いくつかの実装形態では、プロセス3100は、図30のブロック3010において非プライマリリンクを復帰させた後に実行され得る。例えば、ブロック3102において、プロセス3100は、プライマリリンクへのチャネルアクセスに基づいて、非プライマリリンク上でチャネルアクセスを取得することで始まる。ブロック3104において、プロセス3100は、プライマリリンク上での第3のフレームの第1の関連付けられたSTAへの送信と同時に、非プライマリリンク上で第2のフレームを第2の関連付けられたSTAに送信することで続く。いくつかの実装形態では、NSTR softAP MLDは、非プライマリリンク上での第2のフレームの送信をプライマリリンク上での第3のフレームの送信と同期させ得る。いくつかの事例では、第1の関連付けられたSTAが、IEEE802.11ax又はそれ以前のワイヤレス通信規格の802.11ファミリーに対する改正に従って動作するように構成されたレガシーデバイスであり、第2の関連付けられたSTAが、IEEE802.11be又はそれ以降のワイヤレス通信規格の802.11ファミリーに対する改正に従って動作するように構成された非レガシーデバイスである。
【0197】
図32は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス3200を示すフローチャートである。例えば、プロセス3200は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス3200は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス3200は、図9Aを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0198】
いくつかの実装形態では、プロセス3200は、図30のブロック3010において非プライマリリンクを復帰させた後に実行され得る。例えば、ブロック3202において、プロセス3200は、プライマリリンク上で取得されたチャネルアクセスの少なくとも一部分の間に非プライマリリンク上でチャネルアクセスを取得することで始まる。ブロック3204において、プロセス3200は、プライマリリンク上での第1のフレームの送信中に、非プライマリリンク上で1つ以上の第2の関連付けられたSTAに第2のフレームを送信することで続く。
【0199】
図33は、いくつかの実装形態によるNSTR softAP MLDとのワイヤレス通信のための例示的なプロセス3300を示すフローチャートである。プロセス3300は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス3300は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス3300は、図9Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0200】
いくつかの実装形態では、プロセス3300は、ブロック3302において、プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられたNSTR softAP MLDとして動作することから始まる。ブロック3304において、プロセス3300は、プライマリリンク及び非プライマリリンクへのチャネルアクセスを取得することで続く。ブロック3306において、プロセス3300は、プライマリリンク及び非プライマリリンク上で協調済み目標待ち時間(TWT)セッションを確立することで続く。ブロック3308において、プロセス3300は、プライマリリンク上で第1のトリガフレームを送信することを継続し、第1のトリガフレームは、プライマリリンク上で第1のグループのSTAからのアップリンク(UL)送信を要請する。ブロック3310において、プロセス3300は、プライマリリンク上での第1のトリガフレームの送信と同時に、非プライマリリンク上で第2のトリガフレームを送信することを続け、第2のトリガフレームは、非プライマリリンク上での第2のグループのSTAからのUL送信を要請する。いくつかの事例では、協調済みTWTセッションは、対応するSTA又は対応するグループのSTAがそれぞれのプライマリリンク及び非プライマリリンク上でのUL送信のためにスケジュール又はトリガされ得る1つ以上のそれぞれのサービス期間(SP)を含み得る。
【0201】
図34は、いくつかの実装形態によるNSTR softAP MLDとのワイヤレス通信のための例示的なプロセス3400を示すフローチャートである。プロセス3400は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス3400は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス3400は、図9Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0202】
いくつかの実装形態では、プロセス3400は、図33のブロック3308及び3310においてトリガフレームを送信した後に実行され得る。例えば、プロセス3400は、ブロック3402において、第1のトリガフレームに基づいて、プライマリリンク上で第1のグループのSTAから1つ以上の第1のUL PPDUを受信することで始まる。ブロック3404において、プロセス3400は、第2のトリガフレームに基づいて、非プライマリリンク上で第2のグループのSTAから1つ以上の第2のUL PPDUを受信することで続く。いくつかの事例では、第1及び第2のそれぞれのグループのSTAからの第1及び第2のUL PPDUの送信は、互いに同期され得る。
【0203】
図35は、いくつかの実装形態によるNSTR softAP MLDとのワイヤレス通信のための例示的なプロセス3500を示すフローチャートである。プロセス3500は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス3500は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス3500は、図9Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0204】
いくつかの実装形態では、プロセス3500は、図33のプロセス3300と連動して実行され得る。例えば、プロセス3500は、ブロック3502において、非プライマリリンク上の1つ以上のTWTサービス期間をプライマリリンク上の1つ以上のそれぞれのTWTサービス期間と同期させることから始まる。このようにして、プライマリリンク上での第1のグループのSTAによる1つ以上の第1のUL PPDUの送信は、非プライマリリンク上での第2のグループのSTAによる1つ以上の第2のUL PPDUの送信と時間的に整合され得る。
【0205】
図36は、いくつかの実装形態による、NSTR softAP MLDとのマルチリンク通信をサポートするワイヤレス通信のための例示的なプロセス3600を示すフローチャートである。プロセス3600は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500などのワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス3600は、図1及び図6Bを参照しながらそれぞれ上で説明したSTA104又は604のうちの1つなどの、STAとして動作する、又はSTA内で動作するワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの事例では、プロセス3600は、図9Bを参照しながら説明したNSTR softAP MLDなどのAP MLDによって実行され得る。
【0206】
いくつかの実装形態では、プロセス3600は、図34のブロック3402及び3404において1つ以上の第1及び第2のUL PPDUを受信した後に実行され得る。例えば、プロセス3600は、ブロック3602において、1つ以上の第1のダウンリンク(DL)PPDUをプライマリリンク上で第1のグループのSTAに送信することで始まる。ブロック3604において、プロセス3600は、プライマリリンク上での1つ以上の第1のDL PPDUの第1のグループのSTAへの送信と同時に、非プライマリリンク上で1つ以上の第2のDL PPDUを第2のグループのSTAに送信することで続く。
【0207】
図37は、いくつかの実装形態による、例示的なワイヤレス通信デバイス3700のブロック図を示す。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス3700は、図7Aの通信700、図7Bの通信710、又は図8Aの通信810を実行するように構成される。ワイヤレス通信デバイス3700は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500の例示的な実装形態であり得る。例えば、ワイヤレス通信デバイス3700は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのモデム(例えば、Wi-Fi(IEEE802.11)モデム又はセルラーモデム)を含む、チップ、SoC、チップセット、パッケージ、又はデバイスであり得る。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス3700は、それぞれ図1及び図6Bを参照しながら説明したSTA104及び604のうちの1つなどのSTAにおいて使用するためのデバイスであり得る。いくつかの他の実装形態では、ワイヤレス通信デバイス3700は、そのようなチップ、SoC、チップセット、パッケージ又はデバイス、及び少なくとも1つのアンテナ(図6Bのアンテナ625など)を含むSTAであり得る。様々な実装形態では、ワイヤレス通信デバイス3700は、本明細書で説明するNSTR softAP MLDのうちの1つ以上の一例であり得る。
【0208】
ワイヤレス通信デバイス3700は、受信構成要素3710と、通信マネージャ3720と、送信構成要素3730と、を含む。通信マネージャ3720は、チャネルアクセス構成要素3721、フレーム生成構成要素3722、リンクプロファイル構成要素3723、リンク利用可能性構成要素3724、パラメータ更新構成要素3725、並びにタイミング及び同期構成要素3726を更に含む。構成要素のうちの1つ以上の部分は、ハードウェア又はファームウェアにおいて少なくとも部分的に実装され得る。いくつかの実装形態では、構成要素3721、3722、3723、3724、3725、及び3726のうちの少なくともいくつかは、少なくとも部分的に、メモリ(図5のメモリ508など)に記憶されたソフトウェアとして実装される。例えば、構成要素3721、3722、3723、3724、3725、及び3726のうちの1つ以上の部分は、それぞれの構成要素の機能又は動作を実施するために(図5のプロセッサ506などの)プロセッサによって実行可能な非一時的命令(又は「コード」)として実装され得る。
【0209】
受信構成要素3710は、1つ以上のワイヤレスチャネル又はリンクを介して、他のワイヤレス通信デバイスからRX信号を受信するように構成されている。通信マネージャ3720は、他のワイヤレス通信デバイスとの通信を制御又は管理するように構成されている。いくつかの実装形態では、チャネルアクセス構成要素3721は、ワイヤレス通信デバイス3700に関連付けられたプライマリリンク及び/又は非プライマリリンクへのチャネルアクセスを求めて競合し、それを取得する。フレーム生成構成要素3722は、発見情報、プロファイル情報、動作パラメータ、動作パラメータに対する更新、リンク利用可能性、リンクタイミング基準、並びにプライマリリンク及び非プライマリリンク上で動作するMLDに関係する他の好適な情報を送信するためのフレームを生成する。リンクプロファイル構成要素3723は、プライマリリンク及び非プライマリリンクのうちの1つ以上に対して、完全なプロファイル又は部分的なプロファイルを生成する。リンク利用可能性構成要素3724は、プライマリリンク及び/又は非プライマリリンクが利用可能であるか否かを示す。パラメータ更新構成要素3725は、プライマリリンク及び非プライマリリンクの1つ以上のパラメータに対する変更を判定し、パラメータ更新の指示を送信する。タイミング及び同期構成要素3726は、プライマリリンクに対する非プライマリリンクのタイミング基準を生成する。
【0210】
送信構成要素3730は、ワイヤレスチャネル上で、1つ以上の他のワイヤレス通信デバイスにTX信号を送信するように構成される。いくつかの実装形態では、送信構成要素3730は、発見情報、プロファイル情報、動作パラメータ、動作パラメータに対する更新、リンク利用可能性、リンクタイミング基準、並びにワイヤレス通信デバイス3700に関連付けられたプライマリリンク及び非プライマリリンクに関する他の好適な情報を含むか又は示すフレームを送信し得る。
【0211】
図38は、いくつかの実装形態による、別の例示的なワイヤレス通信デバイス3800のブロック図を示す。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス3800は、図8Bの通信810を実行するように構成されている。ワイヤレス通信デバイス3800は、図5を参照しながら上で説明したワイヤレス通信デバイス500の例示的な実装形態であり得る。例えば、ワイヤレス通信デバイス3800は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのモデム(例えば、Wi-Fi(IEEE802.11)モデム又はセルラーモデム)を含む、チップ、SoC、チップセット、パッケージ、又はデバイスであり得る。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス3800は、それぞれ図1及び図6Bを参照しながら説明したSTA104及び604のうちの1つなどのSTAにおいて使用するためのデバイスであり得る。いくつかの他の実装形態では、ワイヤレス通信デバイス3800は、そのようなチップ、SoC、チップセット、パッケージ又はデバイス、並びに少なくとも1つのアンテナ(図6Bのアンテナ625など)を含むSTAであり得る。様々な実装形態では、ワイヤレス通信デバイス3800は、本明細書で説明するSTA MLDのうちのいずれか1つ以上の一実施例であり得る。
【0212】
ワイヤレス通信デバイス3800は、受信構成要素3810と、通信マネージャ3820と、送信構成要素3830と、を含む。通信マネージャ3820は、チャネルアクセス構成要素3821、フレーム生成構成要素3822、及びプロファイル要求構成要素3823を更に含む。構成要素のうちの1つ以上の部分は、ハードウェア又はファームウェアにおいて少なくとも部分的に実装され得る。いくつかの実装形態では、構成要素3821、3822、及び3823のうちの少なくとも一部は、少なくとも部分的に、メモリ(メモリ508など)に記憶されたソフトウェアとして実装される。例えば、構成要素3821、3822、及び3823のうちの1つ以上の部分は、それぞれの構成要素の機能又は動作を実行するために(プロセッサ506などの)プロセッサによって実行可能な非一時的命令(又は「コード」)として実装することができる。
【0213】
受信構成要素3810は、1つ以上のワイヤレスチャネル又はリンクを介して、他のワイヤレス通信デバイスからRX信号を受信するように構成されている。通信マネージャ3820は、他のワイヤレス通信デバイスとの通信を制御又は管理するように構成されている。いくつかの実装形態では、チャネルアクセス構成要素3821は、NSTR softAP MLDなどのAP MLDに関連付けられたプライマリリンク及び/又は非プライマリリンクへのチャネルアクセスを求めて競合し、それを取得する。フレーム生成構成要素3822は、ワイヤレス通信デバイス3800の能力及び動作パラメータを保有するためのフレームを生成する。プロファイル要求構成要素3823は、AP MLDがプライマリリンク及び非プライマリリンクのうちの1つ以上の完全なプロファイル又は部分的なプロファイルを提供するための要求を生成する。
【0214】
送信構成要素3830は、ワイヤレスチャネル上で、1つ以上の他のワイヤレス通信デバイスにTX信号を送信するように構成される。いくつかの実装形態では、送信構成要素3830は、AP MLDに関連付けられたプライマリリンク及び非プライマリリンクに関する能力、動作パラメータ、プロファイル要求、及び他の好適な情報を含むか又は示すフレームを送信し得る。
【0215】
以下の番号付きの項目において、実装例について説明する。
1.ワイヤレス局(STA)によるワイヤレス通信のための方法であって、
プライマリリンクに関連付けられた第1のアクセスポイント(AP)を含み、かつ非プライマリリンクに関連付けられた第2のAPを含む、非同時送受信(NSTR)ソフトAPマルチリンクデバイス(MLD)として動作することと、
プライマリリンク上でのみフレームを送信することを含み、フレームが、プライマリリンクの完全なプロファイルを含み、かつ非プライマリリンクの完全なプロファイルを示し、プライマリリンク及び非プライマリリンクのそれぞれの完全なプロファイルが、各々、少なくともビーコン間隔、能力情報、サービスセット識別子(SSID)、サポートレート、タイミング同期機能(TSF)値、及びそれぞれのリンクの発見に関連付けられた1つ以上の追加のフィールド又は要素を含む、方法。
【0216】
2.フレームが、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つである、項目1に記載の方法。
【0217】
3.非プライマリリンクのビーコン間隔、SSID、及びTSF値が、プライマリリンクから継承される、項目1~2のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0218】
4.フレームが、フレーム本体を含み、フレーム本体が、
プライマリリンクの完全なプロファイルを保有する複数のフィールド及び要素と、
非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すSTAごとのプロファイルサブ要素を保有するマルチリンク(ML)要素と、を含む、項目1~3のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0219】
5.ML要素が、プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の基本サービスセット(BSS)パラメータに対する更新を示すBSSパラメータ変更カウント(BPCC)値を保有する共通情報フィールドを更に含む、項目4に記載の方法。
【0220】
6.ML要素のマルチリンク制御フィールド又は共通情報フィールドの1つ以上のビットは、フレームがNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されているか否かを示す、項目4~5のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0221】
7.フレーム本体が、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールドを含む低減された近隣報告(RNR)要素を更に含み、近隣AP情報フィールドが、非プライマリリンクの基本サービスセット識別情報(BSSID)と1つ以上のMLDパラメータとからなる目標ビーコン送信時間(TBTT)情報フィールドを含む、項目4~6のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0222】
8.TBTTオフセットサブフィールド、短縮SSIDサブフィールド、BSSパラメータサブフィールド、及びパワースペクトル密度(PSD)サブフィールドが、非プライマリリンクに対応するTBTT情報フィールドに存在しない、項目7に記載の方法。
【0223】
9.近隣AP情報フィールドは、近隣AP情報フィールドが非プライマリリンクのみに関係する情報を保有することを示す値に設定されたTBTT情報フィールドタイプを含む、項目7~8のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0224】
10.TBTT情報フィールドタイプが、1、又は予約済み値に設定される、項目9に記載の方法。
【0225】
11.TBTT情報フィールドの長さは、フレームがNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されているか否かを示す、項目7~10のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0226】
12.TBTT情報フィールドの長さが、9オクテットである、項目7~11のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0227】
13.TBTT情報フィールドに保有されている1つ以上のMLDパラメータが、非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の基本サービスセット(BSS)パラメータに対する更新を示すBSSパラメータ変更カウント(BPCC)値を含む、項目7~12のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0228】
14.非プライマリリンクに関連付けられたBSSパラメータのうちの少なくとも1つに対する更新を受信することと、
受信した更新に基づいて、別のフレームの低減された近隣報告(RNR)要素に含まれる目標ビーコン送信時間(TBTT)情報フィールドの基本サービスセット(BSS)パラメータ変更カウント(BPCC)フィールドの値を増分することと、
BPCCフィールドの値を増分することに基づいて、上記別のフレームの能力情報フィールドに重大更新フラグ(CUF)を設定することと、
プライマリリンク上でのみ上記別のフレームを送信することと、を更に含み、上記別のフレームが、非プライマリリンクに関連付けられた少なくとも1つのBSSパラメータに対する更新を示す、項目13に記載の方法。
【0229】
15.BSSパラメータが、チャネルスイッチアナウンス(CSA)要素、拡張チャネルスイッチアナウンス(eCSA)要素、拡張型分散チャネルアクセス(EDCA)パラメータ、待機期間要素、直接拡散方式(DSSS)パラメータセット、高スループット(HT)動作要素、非常に高いスループット(VHT)動作要素、高効率(HE)動作要素、超高スループット(EHT)動作要素、広帯域チャネルスイッチ要素、動作モード通知要素、ブロードキャスト目標待ち時間(TWT)要素、BSSカラー変更アナウンス要素、マルチユーザ(MU)EDCAパラメータセット、空間再使用パラメータセット、又はアップリンク(UL)直交周波数分割多元接続(OFDMA)ランダムアクセス(UORA)パラメータセットのうちの少なくとも1つを含む、項目13に記載の方法。
【0230】
16.非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の基本サービスセット(BSS)パラメータに対する更新を受信することと、
プライマリリンク上でのみ非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の更新されたBSSパラメータを送信することと、を更に含む、項目1~15のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0231】
17.1つ以上の更新されたBSSパラメータが、非プライマリリンクの部分的なプロファイルの一部である、項目16に記載の方法。
【0232】
18.ワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのモデムと、
少なくとも1つのモデムと通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合されており、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを備え、プロセッサ可読コードが、少なくとも1つのモデムと連携して少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
プライマリリンクに関連付けられた第1のアクセスポイント(AP)を含み、かつ非プライマリリンクに関連付けられた第2のAPを含む、非同時送受信(NSTR)ソフトAPマルチリンクデバイス(MLD)として動作し、かつ
プライマリリンク上でのみフレームを送信するように構成されており、フレームが、プライマリリンクの完全なプロファイルを含み、かつ非プライマリリンクの完全なプロファイルを示し、プライマリリンク及び非プライマリリンクのそれぞれの完全なプロファイルが各々、少なくともビーコン間隔、能力情報、サービスセット識別子(SSID)、サポートレート、タイミング同期機能(TSF)値、及びそれぞれのリンクの発見に関連付けられた1つ以上の追加のフィールド又は要素を含む、ワイヤレス通信デバイス。
【0233】
19.フレームが、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つである、項目18に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0234】
20.非プライマリリンクのビーコン間隔、SSID、及びTSF値が、プライマリリンクから継承される、項目18~19のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0235】
21.フレームが、フレーム本体を含み、フレーム本体が、
プライマリリンクの完全なプロファイルを保有する複数のフィールド及び要素と、
非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すSTAごとのプロファイルサブ要素を保有するマルチリンク(ML)要素と、を含む、項目18~20のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0236】
22.ML要素が、プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の基本サービスセット(BSS)パラメータに対する更新を示すBSSパラメータ変更カウント(BPCC)値を保有する共通情報フィールドを更に含む、項目21に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0237】
23.ML要素のマルチリンク制御フィールド又は共通情報フィールドの1つ以上のビットは、フレームがNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されているか否かを示す、項目21~22のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0238】
24.フレーム本体が、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールドを含む低減された近隣報告(RNR)要素を更に含み、近隣AP情報フィールドが、非プライマリリンクの基本サービスセット識別情報(BSSID)と1つ以上のMLDパラメータとからなる目標ビーコン送信時間(TBTT)情報フィールドを含む、項目21~23のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0239】
25.TBTTオフセットサブフィールド、短縮SSIDサブフィールド、BSSパラメータサブフィールド、及びパワースペクトル密度(PSD)サブフィールドが、非プライマリリンクに対応するTBTT情報フィールドに存在しない、項目24に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0240】
26.近隣AP情報フィールドは、近隣AP情報フィールドが非プライマリリンクのみに関係する情報を保有することを示す予約済み値に設定されたTBTT情報フィールドタイプを含む、項24~25のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0241】
27.TBTT情報フィールドの長さは、フレームがNSTR softAP MLDの第1のAPから送信されているか否かを示す、項目24~26のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0242】
28.TBTT情報フィールドに保有されている1つ以上のMLDパラメータが、非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の基本サービスセット(BSS)パラメータに対する更新を示すBSSパラメータ変更カウント(BPCC)値を含む、項目24に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0243】
29.プロセッサ可読コードの実行が、
非プライマリリンクに関連付けられたBSSパラメータのうちの少なくとも1つに対する更新を受信することと、
受信した更新に基づいて、別のフレームの低減された近隣報告(RNR)要素に含まれる目標ビーコン送信時間(TBTT)情報フィールドの基本サービスセット(BSS)パラメータ変更カウント(BPCC)フィールドの値を増分することと、
BPCCフィールドの値を増分することに基づいて、上記別のフレームの能力情報フィールドに重大更新フラグ(CUF)を設定することと、
プライマリリンク上でのみ上記別のフレームを送信することと、を行うように更に構成されており、上記別のフレームが、非プライマリリンクに関連付けられた少なくとも1つのBSSパラメータに対する更新を示す、項目28に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0244】
30.プロセッサ可読コードの実行が、
非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の基本サービスセット(BSS)パラメータに対する更新を受信することと、
プライマリリンク上でのみ、非プライマリリンクに関連付けられた1つ以上の更新されたBSSパラメータを送信することと、を行うように更に構成されている、項目18~29のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0245】
31.ワイヤレス局(STA)によるワイヤレス通信のための方法であって、
プライマリリンクに関連付けられた第1のアクセスポイント(AP)を含み、かつ非プライマリリンクに関連付けられた第2のAPを含む、非同時送受信(NSTR)ソフトAPマルチリンクデバイス(MLD)として動作することと、
非プライマリリンクが利用不可能であることを判定することと、
プライマリリンク上でのみ、非プライマリリンクの利用不可能性の指示を保有するフレームを送信することと、を含む、方法。
【0246】
32.フレームが、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、再アソシエーション応答フレーム、又はアクションフレームのうちの1つを含む、項目31に記載の方法。
【0247】
33.フレームが、1の値に設定された送信不可(DNT)ビットを保有するSTAごとのプロファイルサブ要素又は低減された近隣報告(RNR)要素を含み、1の値に設定されたDNTビットが、非プライマリリンクの利用不可能性を示す、項目31~32のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0248】
34.フレームが、重大更新フラグ(CUF)を保有する能力情報フィールドを含み、CUFが、非プライマリリンクの利用不可能性に基づいて1の値に設定される、項目31~33のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0249】
35.非プライマリリンクの利用不可能性に基づいて、プライマリリンク上でシングルリンクデバイスとして動作することを更に含む、項目31~34のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0250】
36.プライマリリンク上でシングルリンクデバイスとして動作している間に、非プライマリリンクが利用可能であることを判定することと、
非プライマリリンクの利用可能性に基づいて、送信不可(DNT)ビットを0の値にリセットすることと、
プライマリリンク上でのみ別のフレームのリセットDNTビットを送信することと、を更に含み、上記別のフレームが、0の値を有するリセットDNTビットを保有するSTAごとのプロファイルサブ要素又は低減された近隣報告(RNR)要素を含む、項目35に記載の方法。
【0251】
37.指示を送信した後に、非プライマリリンクが利用可能であることを判定することと、
プライマリリンク上でのみ非プライマリリンクの利用可能性の指示を送信することと、
非プライマリリンクの利用可能性に基づいて、プライマリリンク及び非プライマリリンク上でマルチリンクデバイスとして動作することと、を更に含む、項目31~36のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0252】
38.非プライマリリンクの利用不可能性に基づいて、非プライマリリンクを無効化すること、又は非プライマリリンクを省電力状態に置くことを更に含む、項目31~36のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0253】
39.非プライマリリンクを無効化することが、NSTR softAP MLDに関連付けられたマルチリンクコンテキストから非プライマリリンクを除去することを含む、項目38に記載の方法。
【0254】
40.マルチリンクコンテキストから非プライマリリンクを除去した後に、非プライマリリンクが利用可能であることを判定することと、
非プライマリリンクの利用可能性に基づいて、マルチリンクコンテキストに非プライマリリンクを追加することと、を更に含む、項目39に記載の方法。
【0255】
41.非プライマリリンクを無効化することが、トラフィック識別子(TID)を非プライマリリンクからプライマリリンクに再マッピングすることを含む、項目38に記載の方法。
【0256】
42.非プライマリリンクを無効化した後に、非プライマリリンクが利用可能であることを判定することと、
非プライマリリンクの利用可能性に基づいて、TIDをプライマリリンクから非プライマリリンクに再マッピングすることと、を更に含む、項目41に記載の方法。
【0257】
43.プライマリリンク上でSTA MLDから送信準備完了(RTS)フレームを受信することと、
RTSフレームを受信したことに基づいて、プライマリリンク及び非プライマリリンク上でSTA MLDに送信可(CTS)フレームを送信することと、
プライマリリンク及び非プライマリリンク上で、STA MLDから1つ以上のアップリンク(UL)物理レイヤプロトコルデータユニット(PPDU)を受信することと、を更に含む、項目31~42のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0258】
44.非プライマリリンクを第2のチャネルから第1のチャネルに切り替えることと同時に、プライマリリンクを第1のチャネルから第2のチャネルに切り替えることを更に含む、項目31~42のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0259】
45.第1のチャネルが、5GHz周波数帯域又は6GHz周波数帯域のうちの一方にあり、第2のチャネルが、5GHz周波数帯域又は6GHz周波数帯域のうちの他方にある、項目44に記載の方法。
【0260】
46.ワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのモデムと、
少なくとも1つのモデムと通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合されており、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを備え、プロセッサ可読コードが、少なくとも1つのモデムと連携して少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
プライマリリンクに関連付けられた第1のアクセスポイント(AP)を含み、かつ非プライマリリンクに関連付けられた第2のAPを含む、非同時送受信(NSTR)ソフトAPマルチリンクデバイス(MLD)として動作し、
非プライマリリンクが利用不可能であることを判定し、かつ
プライマリリンク上でのみ、非プライマリリンクの利用不可能性の指示を保有するフレームを送信するように構成されている、ワイヤレス通信デバイス。
【0261】
47.フレームが、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、再アソシエーション応答フレーム、又はアクションフレームのうちの1つを含む、項目46に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0262】
48.フレームが、1の値に設定された送信不可(DNT)ビットを保有するSTAごとのプロファイルサブ要素又は低減された近隣報告(RNR)要素を含み、1の値に設定されたDNTビットが、非プライマリリンクの利用不可能性を示す、項目46~47のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0263】
49.フレームが、重大更新フラグ(CUF)を保有する能力情報フィールドを含み、CUFが、非プライマリリンクの利用不可能性に基づいて1の値に設定される、項目46~47のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0264】
50.プロセッサ可読コードの実行が、
非プライマリリンクの利用不可能性に基づいて、プライマリリンク上でシングルリンクデバイスとして動作するように更に構成されている、項目46~49のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0265】
51.プロセッサ可読コードの実行が、
プライマリリンク上でシングルリンクデバイスとして動作している間に、非プライマリリンクが利用可能であることを判定し、
非プライマリリンクの利用可能性に基づいて、送信不可(DNT)ビットを0の値にリセットし、かつ
プライマリリンク上でのみ別のフレームのリセットDNTビットを送信するように更に構成されており、上記別のフレームが、0の値を有するリセットDNTビットを保有するSTAごとのプロファイルサブ要素又は低減された近隣報告(RNR)要素を含む、項目50に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0266】
52.プロセッサ可読コードの実行が、
指示を送信した後に、非プライマリリンクが利用可能であることを判定し、
プライマリリンク上でのみ非プライマリリンクの利用可能性の指示を送信し、かつ
非プライマリリンクの利用可能性に基づいて、プライマリリンク及び非プライマリリンク上でマルチリンクデバイスとして動作するように更に構成されている、項目46~51のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0267】
53.プロセッサ可読コードの実行が、非プライマリリンクの利用不可能性に基づいて、非プライマリリンクを無効化するか、又は非プライマリリンクを省電力状態にするように更に構成されている、項46~52のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0268】
54.非プライマリリンクを無効化することが、NSTR softAP MLDに関連付けられたマルチリンクコンテキストから非プライマリリンクを除去することを含む、項目53に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0269】
55.プロセッサ可読コードの実行が、
マルチリンクコンテキストから非プライマリリンクを除去した後に、非プライマリリンクが利用可能であることを判定し、かつ
非プライマリリンクの利用可能性に基づいて、マルチリンクコンテキストに非プライマリリンクを追加するように更に構成されている、項目54に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0270】
56.非プライマリリンクを無効化することが、トラフィック識別子(TID)を非プライマリリンクからプライマリリンクに再マッピングすることを含む、項目53に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0271】
57.プロセッサ可読コードの実行が、
非プライマリリンクを無効化した後に、非プライマリリンクが利用可能であることを判定し、かつ
非プライマリリンクの利用可能性に基づいて、TIDをプライマリリンクから非プライマリリンクに再マッピングするように更に構成されている、項目56に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0272】
58.プロセッサ可読コードの実行が、
プライマリリンク上でSTA MLDから送信準備完了(RTS)フレームを受信し、
RTSフレームを受信したことに基づいて、プライマリリンク及び非プライマリリンク上でSTA MLDに送信可(CTS)フレームを送信し、かつ
プライマリリンク及び非プライマリリンク上で、STA MLDから1つ以上のアップリンク(UL)物理レイヤプロトコルデータユニット(PPDU)を受信するように更に構成されている、項目46~57のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0273】
59.プロセッサ可読コードの実行が、
非プライマリリンクを第2のチャネルから第1のチャネルに切り替えることと同時に、プライマリリンクを第1のチャネルから第2のチャネルに切り替えるように更に構成されている、項目46~58のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0274】
60.第1のチャネルが、5GHz周波数帯域又は6GHz周波数帯域のうちの一方にあり、第2のチャネルが、5GHz周波数帯域又は6GHz周波数帯域のうちの他方にある、項目59に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0275】
61.ワイヤレス局(STA)によるワイヤレス通信のための方法であって、
プライマリリンク上でのみ、プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられた非同時送受信(NSTR)ソフトアクセスポイント(AP)マルチリンクデバイス(MLD)から第1のフレームを受信することであって、第1のフレームが、プライマリリンクの完全なプロファイルと、プライマリリンク及び非プライマリリンクに共通のMLD情報と、を含み、完全なプロファイルが、少なくとも、ビーコン間隔、能力情報、サービスセット識別子(SSID)、サポートレート、タイミング同期機能(TSF)値、及びプライマリリンクの発見に関連付けられた1つ以上の追加のフィールド又は要素を含む、受信することと、
プライマリリンク上でのみNSTR softAP MLDに第2のフレームを送信することであって、第2のフレームが、非プライマリリンクの完全なプロファイルを要求する、送信することと、
プライマリリンク上でのみNSTR softAP MLDから第3のフレームを受信することであって、第3のフレームが、非プライマリリンクの完全なプロファイルを示す、受信することと、を含む、方法。
【0276】
62.第1のフレームが、ビーコンフレームであり、第2のフレームが、プローブ要求フレームであり、第3のフレームが、プローブ応答フレームである、項目61に記載の方法。
【0277】
63.第1のフレームが、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有し、かつMLD共通情報からなるマルチリンク(ML)要素を含むフレーム本体を含む、項目61~62のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0278】
64.MLD共通情報が、MLD媒体アクセス制御(MAC)アドレスフィールド、リンクID情報フィールド、基本サービスセット(BSS)パラメータ変更カウント(BPCC)フィールド、同期遅延フィールド、拡張マルチリンク(EML)能力フィールド、及びMLD能力フィールドを含む、項目63に記載の方法。
【0279】
65.BPCCフィールドが、プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のBSSパラメータに対する更新を示す、項目64に記載の方法。
【0280】
66.非プライマリリンクのリンク情報が、第1のフレームのML要素に存在しない、項目64~65のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0281】
67.第3のフレームが、非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すSTAごとのプロファイルサブ要素を保有するマルチリンク(ML)要素を含むフレーム本体を含む、項目61~66のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0282】
68.第3のフレームのフレーム本体が、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールドを保有する低減された近隣報告(RNR)要素を更に含み、近隣AP情報フィールドが、基本サービスセット識別情報(BSSID)と、非プライマリリンクの1つ以上のMLDパラメータとからなる目標ビーコン送信時間(TBTT)情報フィールドを保有する、項目67に記載の方法。
【0283】
69.TBTTオフセットサブフィールド、短縮SSIDサブフィールド、BSSパラメータサブフィールド、及びパワースペクトル密度(PSD)サブフィールドが、非プライマリリンクに対応するTBTT情報フィールドに存在しない、項目68に記載の方法。
【0284】
70.非プライマリリンクのビーコン間隔、SSID、及びTSF値が、プライマリリンクから継承される、項目61~69のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0285】
71.ワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのモデムと、
少なくとも1つのモデムと通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合されており、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを備え、プロセッサ可読コードが、少なくとも1つのモデムと連携して少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
プライマリリンク上でのみ、プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられた非同時送受信(NSTR)ソフトアクセスポイント(AP)マルチリンクデバイス(MLD)から第1のフレームを受信することであって、第1のフレームが、プライマリリンクの完全なプロファイルと、プライマリリンク及び非プライマリリンクに共通のMLD情報と、を含み、完全なプロファイルが、少なくとも、ビーコン間隔、能力情報、サービスセット識別子(SSID)、サポートレート、タイミング同期機能(TSF)値、及びプライマリリンクの発見に関連付けられた1つ以上の追加のフィールド又は要素を含む、受信することと、
プライマリリンク上でのみNSTR softAP MLDに第2のフレームを送信することであって、第2のフレームが、非プライマリリンクの完全なプロファイルを要求する、送信することと、
プライマリリンク上でのみNSTR softAP MLDから第3のフレームを受信することであって、第3のフレームが、非プライマリリンクの完全なプロファイルを示す、受信することと、を行うように構成されている、ワイヤレス通信デバイス。
【0286】
72.第1のフレームが、ビーコンフレームであり、第2のフレームが、プローブ要求フレームであり、第3のフレームが、プローブ応答フレームである、項目71に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0287】
73.第1のフレームが、プライマリリンクの完全なプロファイルを保有し、かつMLD共通情報からなるマルチリンク(ML)要素を含むフレーム本体を含む、項目71~72のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0288】
74.MLD共通情報が、MLD媒体アクセス制御(MAC)アドレスフィールド、リンクID情報フィールド、基本サービスセット(BSS)パラメータ変更カウント(BPCC)フィールド、同期遅延フィールド、拡張マルチリンク(EML)能力フィールド、及びMLD能力フィールドを含む、項目73に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0289】
75.BPCCフィールドが、プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のBSSパラメータに対する更新を示す、項目74に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0290】
76.非プライマリリンクのリンク情報が、第1のフレームのML要素に存在しない、項目73に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0291】
77.第3のフレームが、非プライマリリンクの完全なプロファイルを示すSTAごとのプロファイルサブ要素を保有するマルチリンク(ML)要素を含むフレーム本体を含む、項目71~76のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0292】
78.第3のフレームのフレーム本体が、非プライマリリンクに関連付けられた近隣AP情報フィールドを保有する低減された近隣報告(RNR)要素を更に含み、近隣AP情報フィールドが、基本サービスセット識別情報(BSSID)と、非プライマリリンクの1つ以上のMLDパラメータとからなる目標ビーコン送信時間(TBTT)情報フィールドを保有する、項目77に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0293】
79.TBTTオフセットサブフィールド、短縮SSIDサブフィールド、BSSパラメータサブフィールド、及びパワースペクトル密度(PSD)サブフィールドが、非プライマリリンクに対応するTBTT情報フィールドに存在しない、項目78に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0294】
80.非プライマリリンクのビーコン間隔、SSID、及びTSF値が、プライマリリンクから継承される、項目71~79のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0295】
81.ワイヤレス局(STA)によるワイヤレス通信のための方法であって、
プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられた非同時送受信(NSTR)ソフトアクセスポイント(AP)マルチリンクデバイス(MLD)として動作することと、
プライマリリンク上でのみ、プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のタイミングパラメータを含むフレームを送信することと、を含み、非プライマリリンクが、プライマリリンクから継承された1つ以上のタイミングパラメータを含む、方法。
【0296】
82.フレームが、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つである、項目81に記載の方法。
【0297】
83.1つ以上のタイミングパラメータが、チャネルスイッチアナウンス、待機期間、又はビーコン間隔のうちの少なくとも1つを含む、項81~82のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0298】
84.プライマリリンクが、目標ビーコン送信時間(TBTT)に関連付けられ、非プライマリリンクが、プライマリリンクのTBTTと整合された擬似BSSを含む、項目81~83のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0299】
85.非プライマリリンク上で確立された目標待ち時間(TWT)セッションが、プライマリリンク上で確立されたTWTセッションと同期される、項目81~84のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0300】
86.非プライマリリンク上のNSTR softAP MLDへのアップリンク(UL)送信を、プライマリリンク上のNSTR softAP MLDへのUL送信と整合させることを更に含む、項目81~85のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0301】
87.ワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのモデムと、
少なくとも1つのモデムと通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合されており、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを備え、プロセッサ可読コードが、少なくとも1つのモデムと連携して少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられた非同時送受信(NSTR)ソフトアクセスポイント(AP)マルチリンクデバイス(MLD)として動作し、かつ
プライマリリンク上でのみ、プライマリリンクに関連付けられた1つ以上のタイミングパラメータを含むフレームを送信するように構成されており、非プライマリリンクが、プライマリリンクから継承された1つ以上のタイミングパラメータを含む、ワイヤレス通信デバイス。
【0302】
88.フレームが、ビーコンフレーム、プローブ応答フレーム、アソシエーション応答フレーム、又は再アソシエーション応答フレームのうちの1つである、項目87に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0303】
89.1つ以上のタイミングパラメータが、チャネルスイッチアナウンス、待機期間、又はビーコン間隔のうちの少なくとも1つを含む、項87~88のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0304】
90.プライマリリンクが、目標ビーコン送信時間(TBTT)に関連付けられ、非プライマリリンクが、プライマリリンクのTBTTと整合された擬似BSSを含む、項目87~89のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0305】
91.非プライマリリンク上で確立された目標待ち時間(TWT)セッションが、プライマリリンク上で確立されたTWTセッションと同期される、項目87~90のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0306】
92.プロセッサ可読コードの実行が、
非プライマリリンク上のNSTR softAP MLDへのアップリンク(UL)送信を、プライマリリンク上のNSTR softAP MLDへのUL送信と整合させるように更に構成されている、項目87~91のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0307】
93.ワイヤレス局(STA)によるワイヤレス通信のための方法であって、
プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられた非同時送受信(NSTR)ソフトアクセスポイント(AP)マルチリンクデバイス(MLD)として動作することと、
プライマリリンク上でチャネルアクセスを取得することと、
第1の関連付けられたSTAにプライマリリンク上で第1のフレームを送信することと、
プライマリリンク上でのフレーム送信の持続時間の間、非プライマリリンクをデフ状態に入れることと、
プライマリリンク上でのフレーム送信の終了後に、非プライマリリンクをデフ状態から復帰させることと、を含む、方法。
【0308】
94.第1のフレームが、管理フレーム、制御フレーム、又はデータフレームを含む、項目93に記載の方法。
【0309】
95.プライマリリンク上で取得されたチャネルアクセスに基づいて、非プライマリリンク上でチャネルアクセスを取得することと、
プライマリリンク上での第3のフレームの第1の関連付けられたSTAへの送信と同時に、非プライマリリンク上で第2のフレームを第2の関連付けられたSTAに送信することと、を更に含む、項目93~95のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0310】
96.第1の関連付けられたSTAが、IEEE802.11ax又はそれ以前のワイヤレス通信規格の802.11ファミリーに対する改正に従って動作するように構成されたレガシーデバイスであり、第2の関連付けられたSTAが、IEEE802.11be又はそれ以降のワイヤレス通信規格の802.11ファミリーに対する改正に従って動作するように構成された非レガシーデバイスである、項目95に記載の方法。
【0311】
97.非プライマリリンク上での第2のフレームの送信を、プライマリリンク上での第3のフレームの送信と同期させることを更に含む、項目95に記載の方法。
【0312】
98.プライマリリンク上で取得されたチャネルアクセスの少なくとも一部分の間に、非プライマリリンク上でチャネルアクセスを取得することと、
プライマリリンク上での第1のフレームの送信中に、1つ以上の第2の関連付けられたSTAに非プライマリリンク上で第2のフレームを送信することと、を更に含む、項目93に記載の方法。
【0313】
99.第1のフレームが、ビーコンフレームであり、第2のフレームが、1つ以上の第2の関連付けられたSTAへのアグリゲートされた送信である、項目98に記載の方法。
【0314】
100.1つ以上の第2の関連付けられたSTAが、プライマリリンク及び非プライマリリンク上で動作するマルチ無線デバイスである、項目99に記載の方法。
【0315】
101.ワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのモデムと、
少なくとも1つのモデムと通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合されており、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを備え、プロセッサ可読コードが、少なくとも1つのモデムと連携して少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられた非同時送受信(NSTR)ソフトアクセスポイント(AP)マルチリンクデバイス(MLD)として動作し、
プライマリリンク上でチャネルアクセスを取得し、
第1の関連付けられたSTAにプライマリリンク上で第1のフレームを送信し、
プライマリリンク上でのフレーム送信の持続時間の間、非プライマリリンクをデフ状態に入れ、かつ
プライマリリンク上でのフレーム送信の終了後に、非プライマリリンクをデフ状態から復帰させるように構成されている、ワイヤレス通信デバイス。
【0316】
102.第1のフレームが、管理フレーム、制御フレーム、又はデータフレームを含む、項目101に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0317】
103.プロセッサ可読コードの実行が、
プライマリリンク上で取得されたチャネルアクセスに基づいて、非プライマリリンク上でチャネルアクセスを取得し、かつ
プライマリリンク上で第1の関連付けられたSTAに第3のフレームを送信することと同時に、非プライマリリンク上で第2の関連付けられたSTAに第2のフレームを送信するように更に構成されている、項目101~102のいずれか1つ以上に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0318】
104.第1の関連付けられたSTAが、IEEE802.11ax又はそれ以前のワイヤレス通信規格の802.11ファミリーに対する改正に従って動作するように構成されたレガシーデバイスであり、第2の関連付けられたSTAが、IEEE802.11be又はそれ以降のワイヤレス通信規格の802.11ファミリーに対する改正に従って動作するように構成された非レガシーデバイスである、項目103に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0319】
105.プロセッサ可読コードの実行が、
非プライマリリンク上での第2のフレームの送信を、プライマリリンク上での第3のフレームの送信と同期させるように更に構成されている、項目103に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0320】
106.プロセッサ可読コードの実行が、
プライマリリンク上で取得されたチャネルアクセスの少なくとも一部分の間に、非プライマリリンク上でチャネルアクセスを取得し、かつ
プライマリリンク上での第1のフレームの送信中に、1つ以上の第2の関連付けられたSTAに非プライマリリンク上で第2のフレームを送信するように更に構成されている、項目101に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0321】
107.第1のフレームが、ビーコンフレームであり、第2のフレームが、1つ以上の第2の関連付けられたSTAへのアグリゲートされた送信である、項目106に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0322】
108.1つ以上の第2の関連付けられたSTAが、プライマリリンク及び非プライマリリンク上で動作するマルチ無線デバイスである、項目107に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0323】
109.ワイヤレス局(STA)によるワイヤレス通信のための方法であって、
プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられた非同時送受信(NSTR)ソフトアクセスポイント(AP)マルチリンクデバイス(MLD)として動作することと、
プライマリリンク及び非プライマリリンクへのチャネルアクセスを取得することと、
プライマリリンク及び非プライマリリンク上で協調済み目標待ち時間(TWT)セッションを確立することと、
プライマリリンク上で第1のトリガフレームを送信することであって、第1のトリガフレームが、プライマリリンク上で第1のグループのSTAからのアップリンク(UL)送信を要請する、送信することと、
プライマリリンク上での第1のトリガフレームの送信と同時に非プライマリリンク上で第2のトリガフレームを送信することと、を含み、第2のトリガフレームが、非プライマリリンク上での第2のグループのSTAからのUL送信を要請する、方法。
【0324】
110.第1のトリガフレームに基づいて、プライマリリンク上で第1のグループのSTAから1つ以上の第1のUL物理レイヤプロトコルデータユニット(PPDU)を受信することと、
第2のトリガフレームに基づいて、非プライマリリンク上で第2のグループのSTAから1つ以上の第2のUL PPDUを受信することと、を更に含む、項目109に記載の方法。
【0325】
111.非プライマリリンク上の1つ以上のTWTサービス期間を、プライマリリンク上の1つ以上のそれぞれのTWTサービス期間と同期させることを更に含む、項目110に記載の方法。
【0326】
112.プライマリリンク上での第2のグループのSTAによる1つ以上の第2のUL PPDUの送信が、プライマリリンク上での第1のグループのSTAによる1つ以上の第1のUL PPDUの送信と時間的に整合される、項目110に記載の方法。
【0327】
113.プライマリリンク上で1つ以上の第1のダウンリンク(DL)PPDUを第1のグループのSTAに送信することと、
プライマリリンク上での1つ以上の第1のDL PPDUの第1のグループのSTAへの送信と同時に、非プライマリリンク上で1つ以上の第2のDL PPDUを第2のグループのSTAに送信することと、を更に含む、項目110に記載の方法。
【0328】
114.ワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのモデムと、
少なくとも1つのモデムと通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合されており、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを備え、プロセッサ可読コードが、少なくとも1つのモデムと連携して少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
プライマリリンク及び非プライマリリンクに関連付けられた非同時送受信(NSTR)ソフトアクセスポイント(AP)マルチリンクデバイス(MLD)として動作し、
プライマリリンク及び非プライマリリンクへのチャネルアクセスを取得し、
プライマリリンク及び非プライマリリンク上で協調済み目標待ち時間(TWT)セッションを確立し、
プライマリリンク上で第1のトリガフレームであって、第1のトリガフレームが、プライマリリンク上で第1のグループのSTAからのアップリンク(UL)送信を要請する、第1のトリガフレームを送信し、かつ
プライマリリンク上での第1のトリガフレームの送信と同時に非プライマリリンク上で第2のトリガフレームを送信するように構成されており、第2のトリガフレームが、非プライマリリンク上での第2のグループのSTAからのUL送信を要請する、ワイヤレス通信デバイス。
【0329】
115.プロセッサ可読コードの実行が、
第1のトリガフレームに基づいて、第1のグループのSTAからプライマリリンク上で1つ以上の第1のUL物理レイヤプロトコルデータユニット(PPDU)を受信し、かつ
第2のトリガフレームに基づいて、第2のグループのSTAから非プライマリリンク上で1つ以上の第2のUL PPDUを受信するように更に構成されている、項目114に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0330】
116.プロセッサ可読コードの実行が、
非プライマリリンク上の1つ以上のTWTサービス期間をプライマリリンク上の1つ以上のそれぞれのTWTサービス期間と同期させるように更に構成されている、項目115に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0331】
117.プライマリリンク上での第2のグループのSTAによる1つ以上の第2のUL PPDUの送信が、プライマリリンク上での第1のグループのSTAによる1つ以上の第1のUL PPDUの送信と時間的に整合される、項目115に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0332】
118.プロセッサ可読コードの実行が、
プライマリリンク上で1つ以上の第1のダウンリンク(DL)PPDUを第1のグループのSTAに送信し、かつ
プライマリリンク上での1つ以上の第1のDL PPDUの第1のグループのSTAへの送信と同時に、非プライマリリンク上で1つ以上の第2のDL PPDUを第2のグループのSTAに送信するように更に構成されている、項目115に記載のワイヤレス通信デバイス。
【0333】
本明細書で使用される場合、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」又は「のうちの1つ以上」に言及する句は、単一のメンバを含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。例えば、「a、b、又はcのうちの少なくとも1つ」は、aのみ、bのみ、cのみ、aとbとの組み合わせ、aとcとの組み合わせ、bとcとの組み合わせ、及びaとbとcとの組み合わせのという可能性を包含することが意図される。
【0334】
本明細書で開示される実装形態に関して説明される様々な例示的な構成要素、論理、論理ブロック、モジュール、回路、動作、及びアルゴリズムプロセスは、本明細書で開示される構造及びその構造的均等物を含む、電子ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、ハードウェア、ファームウェア、若しくはソフトウェアの組み合わせとして実装され得る。ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアの互換性は、機能の観点から概略的に説明され、上で説明された様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びプロセスに示されている。そのような機能がハードウェアにおいて実装されるか、ファームウェアにおいて実装されるか、又はソフトウェアにおいて実装されるかは、具体的な適用例及びシステム全体に課される設計制約に依存する。
【0335】
本開示において説明される実装形態の様々な修正は、当業者には容易に明らかになる場合があり、本明細書において定義される一般原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく他の実装形態に適用されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示されている実装形態に限定されるものではなく、本開示、本明細書で開示される原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0336】
更に、別個の実装形態の文脈で本明細書において説明される様々な特徴はまた、単一の実装形態において組み合わせて実装され得る。反対に、単一の実装形態の文脈で説明される様々な特徴はまた、複数の実装形態において別々に、又は任意の好適な部分組み合わせにおいて実装され得る。したがって、特徴は特定の組み合わせで働くものとして上で説明され、そのようなものとして最初に特許請求されることさえあるが、場合によっては、特許請求される組み合わせからの1つ以上の特徴をその組み合わせから削除することができ、特許請求される組み合わせは、部分組み合わせ又は部分組み合わせの変形を対象とする場合がある。
【0337】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されるが、このことは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示された特定の順序若しくは連続した順序で実行されること、又は図示された全ての動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきでない。更に、図面は、1つ以上の例示的なプロセスをフローチャート又は流れ図の形式で概略的に図示する場合がある。しかしながら、示されない他の動作が、概略的に図示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。例えば、1つ以上の追加の動作が、図示した動作のうちのいずれかの前に、その後に、それと同時に、又はそれらの間に実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキング及び並列処理が有利である場合がある。その上、上で説明された実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、全ての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明されたプログラム構成要素及びシステムは、概して、単一のソフトウェア製品において一緒に統合され得るか、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
【国際調査報告】