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特表2024-532234ステープル留め最適化のための低速ステープル及びステープル弛緩
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】ステープル留め最適化のための低速ステープル及びステープル弛緩
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/115 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
A61B17/115
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510656
(86)(22)【出願日】2022-09-06
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 IB2022058353
(87)【国際公開番号】W WO2023037232
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】17/467,636
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ハート, アレクサンダー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ストラスナー, ヘイリー イー.
(72)【発明者】
【氏名】コーラル, チャールズ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC35
4C160MM32
(57)【要約】
電動外科用デバイスは、電源と、電源に結合したモータとを含む。本デバイスは、複数のステープルを有するリロードを含んでもよい。本デバイスはまた、モータによって動かすことが可能な伝達アセンブリを含んでもよい。本デバイスはまた、伝達アセンブリの動作を監視し、センサデータを出力するように構成されたセンサを含んでもよい。本デバイスはまた、伝達アセンブリの位置を決定し、伝達アセンブリの位置に基づいてモータを動作させて、伝達アセンブリを前進させ、複数のステープルをリロードから放出するように構成されているコントローラを含んでもよい。コントローラは、複数のステープルが予め設定された期間にわたってリロードから放出されると、モータを停止させるように更に構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用デバイスであって、
電源と、
前記電源に結合したモータと、
複数のステープルを含むリロードと、
前記モータによって動かすことが可能な伝達アセンブリと、
前記伝達アセンブリの動作を監視し、センサデータを出力するように構成されたセンサと、
コントローラであって、
前記伝達アセンブリの位置を決定し、
前記伝達アセンブリの前記位置に基づいて前記モータを動作させて、前記伝達アセンブリを前進させ、前記複数のステープルを前記リロードから放出し、
前記複数のステープルが予め設定された期間にわたって前記リロードから放出されると、前記モータを停止させるように構成されている、コントローラと、を備える、外科用デバイス。
【請求項2】
前記伝達アセンブリが、ステープラドライバを更に含む、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項3】
前記センサが、前記伝達アセンブリに付与された力を測定するように構成されている歪みゲージを含む、請求項2に記載の外科用デバイス。
【請求項4】
前記コントローラが、前記モータを動作させて、前記ステープルドライバを、第1の位置から第2の位置に、第1の速度で前進させるように更に構成されている、請求項3に記載の外科用デバイス。
【請求項5】
前記コントローラが、前記モータを動作させて、前記ステープルドライバを、前記第2の位置から第3の位置に、前記第1の速度よりも遅い第2の速度で前進させるように更に構成されている、請求項4に記載の外科用デバイス。
【請求項6】
前記コントローラは、前記測定された力が最小力閾値及び最大力閾値を有する範囲内にあると決定するように更に構成されている、請求項5に記載の外科用デバイス。
【請求項7】
前記予め設定された期間が、約1秒~約10秒である、請求項6に記載の外科用デバイス。
【請求項8】
前記コントローラが、前記モータを動作させて、前記伝達アセンブリを後退させるように更に構成されている、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項9】
前記コントローラが、前記予め設定された期間中に前記測定された力を決定するように更に構成されている、請求項3に記載の外科用デバイス。
【請求項10】
前記コントローラは、前記複数のステープルが、前記予め設定された期間中に適切に形成されているかどうかを決定するように更に構成されている、請求項9に記載の外科用デバイス。
【請求項11】
前記コントローラは、前記伝達アセンブリの前記位置の前記位置のうちの少なくとも1つに基づいて、前記複数のステープルが前記リロードから放出されることを決定するように構成されている、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項12】
電動ステープラを制御するための方法であって、
伝達アセンブリに結合したモータを作動させることと、
リロードに係合するように構成されたステープラドライバを含む前記伝達アセンブリを前進させることと、
前記伝達アセンブリの位置を決定することと、
複数のステープルを前記リロードから前記ステープラドライバによって放出することと、
前記複数のステープルが予め設定された期間にわたって前記リロードから放出された後に、前記モータを停止させることと、を含む、方法。
【請求項13】
前記伝達アセンブリに付与された力を歪みゲージにおいて測定することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ステープルドライバを、第1の位置から第2の位置に、第1の速度で前進させることを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ステープルドライバを、前記第2の位置から第3の位置に、前記第1の速度よりも遅い第2の速度で前進させることを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記測定された力が、最小力閾値及び最大力閾値を有する範囲内にあると決定することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記モータが、約1秒~約10秒停止する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のステープルを前記リロードから放出した後に、前記伝達アセンブリを後退させることを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記予め設定された期間中に前記伝達アセンブリに付与された前記力を測定することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外科用デバイスに関する。より具体的には、本開示は、ステープル留め最適化アルゴリズムを有する手持ち式電動外科用ステープラに関する。
【背景技術】
【0002】
以前に切断された直腸部分を再付着させる外科的処置、又は同様の処置では、円形ステープラが使用される。従来の円形のクランプ、切断及びステープル留め器具は、器具から延在する長尺シャフトと、長尺シャフトの遠位端で支持されるステープルカートリッジとを有するピストル型構造又は直線把持型構造を含む。この場合、医師は、切開部を通して、横切された直腸部分に向かって、円形ステープル留め器具のアンビルアセンブリを挿入してもよい。医師は、次に、円形ステープル留め器具の残りの部分(カートリッジアセンブリを含む)を患者の直腸内に導入し、このデバイスを患者の結腸管まで、横切された直腸部分に向かって操作してもよい。アンビルアセンブリとカートリッジアセンブリとを互いに向かって近接させ、ステープルをカートリッジアセンブリからアンビルアセンブリに向かって放出して、端から端までの吻合をもたらすようにステープルを組織内で形成し、環状ナイフを前進させて、クランプした組織部分の一部分をくり抜く。端から端までの吻合がもたらされた後に、円形のステープル留め装置は、手術部位から取り外される。
【0003】
電動外科用ステープラは、1つ以上のモータを利用して、組織をクランプし、切断し、ステープル留めする。ステープル留めプロセス中に、アクチュエータが種々の組織タイプ及び厚さを通して急速に移動することで、奇形ステープルが変形し得る。このため、ステープルの展開及び形成を制御して、変形したステープルに関連付けられるリスクを軽減するように構成された電動外科用ステープラが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態によれば、電動外科用デバイスが開示される。外科用デバイスは、電源と、電源に結合したモータと、を含み得る。本デバイスは、複数のステープルを有するリロードを含んでもよい。本デバイスは、モータによって動かすことが可能な伝達アセンブリを含んでもよい。本デバイスは、伝達アセンブリの動作を監視し、センサデータを出力するように構成されたセンサを含んでもよい。本デバイスはまた、伝達アセンブリの位置を決定し、伝達アセンブリの位置に基づいてモータを動作させて、伝達アセンブリを前進させ、複数のステープルをリロードから放出するように構成されているコントローラを含んでもよい。コントローラは、複数のステープルが予め設定された期間にわたってリロードから放出されると、モータを停止させるように更に構成されている。
【0005】
上記の実施形態の実施態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。上記の実施形態の一態様によれば、伝達アセンブリは、ステープラドライバを更に含んでもよい。センサは、伝達アセンブリに付与された力を測定するように構成された歪みゲージを含んでもよい。コントローラは、モータを動作させて、ステープルドライバを、第1の位置から第2の位置に、第1の速度で前進させるように更に構成されている。コントローラは、モータを動作させて、ステープルドライバを、第2の位置から第3の位置に、第1の速度よりも遅い第2の速度で前進させるように更に構成されている。コントローラは、測定された力が、最小力閾値及び最大力閾値を有する範囲内にあると決定するように更に構成されている。予め設定された時間は、約1秒~約10秒である。コントローラは、予め設定された期間中に測定された力を決定するように更に構成されている。コントローラは、複数のステープルが、予め設定された期間中に適切に形成されているかどうかを決定するように更に構成されている。コントローラは、モータを動作させて、伝達アセンブリを後退させるように更に構成されている。コントローラは、伝達アセンブリの位置の位置のうちの少なくとも1つに基づいて、複数のステープルがリロードから放出されることを決定するように構成されている。
【0006】
本開示の別の実施形態によれば、電動外科用ステープラを制御するための方法が開示される。本方法は、伝達アセンブリに結合したモータを作動させることを含む。本方法はまた、リロードに係合するように構成されたステープラドライバを有する伝達アセンブリを前進させることを含んでもよい。本方法はまた、伝達アセンブリの位置を決定することを含んでもよい。本方法は、複数のステープルをリロードからステープラドライバによって放出することを更に含んでもよい。本方法はまた、複数のステープルが予め設定された期間にわたってリロードから放出された後に、モータを停止させることを含んでもよい。
【0007】
上記の実施形態の実施態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。上記の実施形態の一態様によれば、本方法は、伝達アセンブリに付与された力を歪みゲージにおいて測定することを含んでもよい。本方法はまた、ステープルドライバを、第1の位置から第2の位置に、第1の速度で前進させることを含んでもよい。本方法は、ステープルドライバを、第2の位置から第3の位置に、第1の速度よりも遅い第2の速度で前進させることを更に含んでもよい。本方法はまた、測定された力が、最小力閾値及び最大力閾値を有する範囲内にあると決定することを更に含んでもよい。モータは、約1秒~約10秒停止してもよい。本方法はまた、予め設定された期間中に伝達アセンブリに付与された力を測定することを含んでもよい。本方法は、予め設定された期間中に測定された力に基づいて、複数のステープルが適切に形成されているかどうかを決定することを更に含んでもよい。本方法は、複数のステープルをリロードから放出した後に、伝達アセンブリを後退させることを更に含んでもよい。
【0008】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して本明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態による、ハンドルアセンブリ、アダプタアセンブリ、及びエンドエフェクタを含む電動円形ステープラの斜視図である。
【0010】
図2図1のハンドルアセンブリ、アダプタアセンブリ、及びエンドエフェクタの概略図である。
【0011】
図3】本開示の実施形態による、図1のアダプタアセンブリに取り付けられた、アダプタアセンブリ及びエンドエフェクタ、環状リロード及びアンビルアセンブリの側面斜視図である。
【0012】
図4】部分的に仮想線で示されている、図1のアダプタアセンブリ内に配設されたクランプ伝達アセンブリの斜視図である。
【0013】
図5】部分的に仮想線で示されている、図1のアダプタアセンブリ内に配設されたステープル留め伝達アセンブリの斜視図である。
【0014】
図6図1のエンドエフェクタのリロードの断面図である。
【0015】
図7】部分的に分解されて示される、歪みゲージアセンブリを有するアダプタアセンブリの斜視図である。
【0016】
図8】本開示の一実施形態による、図1の手持ち式外科用デバイスによって実施されるステープル留めシーケンス中のドライバ及び対応するモータの移動距離及び速度を示す概略図である。
【0017】
図9】本開示の一実施形態による、図10のステープル留めプロセス中に電動円形ステープラを制御するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の外科用デバイス、並びに外科用デバイスのためのアダプタアセンブリ及び/又はハンドルアセンブリの実施形態が、図面を参照して詳細に説明されており、図面において、同様の参照番号は、いくつかの図の各々において同一又は対応する要素を示す。本明細書で使用されるとき、「遠位」という用語は、ユーザからより遠い外科用器具の部分又はその構成要素を指し、一方、「近位」という用語は、ユーザにより近い外科用器具の部分又はその構成要素を指す。
【0019】
本開示は、ハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリに結合したアダプタアセンブリと、アダプタアセンブリに結合したエンドエフェクタと、を有する、電動円形ステープラ10を提供する。ステープラは、3つの機能であるクランプ、ステープル留め、及び切断の完全な独立制御を可能にする。これにより、組織が非理想的な状況を示す場合であっても、ステープラのある特定の部分が適合することが可能となる。
【0020】
図1には、例えば、アダプタアセンブリ200との選択的接続のために構成されているハンドルアセンブリ100を含む、端から端までの吻合(end-to-end anastomosis、「EEA」)を形成するための電動円形ステープラ10などの外科用デバイスが示されている。アダプタアセンブリ200は、リロード400及びアンビルアセンブリ500を含むエンドエフェクタ300との選択的接続のために構成されている。エンドエフェクタ300は、患者の組織に外科的効果を生じさせるように、すなわち、エンドエフェクタ300内に把持された組織をクランプし、ステープル留めし、切断することによって構造(例えば、腸、結腸など)の2つの部分を接続させることによって吻合を形成するように構成されている。
【0021】
ハンドルアセンブリ100は、パワーハンドル101と、パワーハンドル101を選択的に受容する及び包むように構成された外側シェルハウジング11と、を含む。シェルハウジング11は、遠位半部11aと、遠位半部11aに枢動可能に接続された近位半部11bと、を含む。連結すると、遠位半部11a及び近位半部11bはその中にシェルキャビティを画定し、このシェルキャビティ内に、パワーハンドル101が配設される。
【0022】
電動円形ステープラ10は、本明細書では、ハンドルアセンブリ100、取り外し可能なシェルハウジング11及びアダプタアセンブリ200などの複数の相互接続構成要素を含むモジュール式デバイスとして説明されているが、電動円形ステープラ10は、例えば、電動円形ステープラの製造中に、構成要素のうちの1つ以上が互いにしっかりと取り付けられた一体化されたデバイスとして形成されてもよい。
【0023】
シェルハウジング11の遠位半部11a及び近位半部11bは、アダプタアセンブリ200の長手方向軸「X」を横切る平面に沿って分割されている。シェルハウジング11の遠位半部11aは、アダプタアセンブリ200の対応する駆動結合アセンブリ210(図3)を受け入れるように構成された接続部分20を画定する。シェルハウジング11の遠位半部11aは、トグル制御ボタン30を支持する。トグル制御ボタン30は、4つの方向(例えば、左、右、上、及び下)に作動させることができる。
【0024】
図1及び図2を参照すると、パワーハンドル101は、主コントローラ回路基板142と、ハンドルアセンブリ100の電気構成要素のいずれかに電力を供給するように構成された充電式バッテリ144と、バッテリ144に結合した複数のモータ、すなわち、第1のモータ152a、第2のモータ152bとを含む。パワーハンドル101はまた、ディスプレイ146を含む。実施形態では、モータ152a及び152bは、AC/DC変圧器などの、モータ152a及び152bに電気エネルギーを提供するように構成された任意の好適な電源に結合してもよい。モータ152a及び152bの各々は、バッテリ144からモータ152a及び152bへの電気エネルギーの流れを含む、対応するモータ152a及び152bの動作を制御するモータコントローラ143に結合する。パワーハンドル101を制御する主コントローラ147が設けられている。主コントローラ147は、パワーハンドル101の動作を制御するクランプアルゴリズム、ステープル留めアルゴリズム、及び切断アルゴリズムなどの、本明細書に開示されるアルゴリズムを具現化するソフトウェア命令を実行するように構成されている。
【0025】
モータコントローラ143は、モータ152a及び152b並びにバッテリ144の動作状態を測定するように構成された複数のセンサ408a...408nを含む。センサ408a~nは、歪みゲージ408bを含み、また電圧センサ、電流センサ、温度センサ、テレメトリセンサ、光学センサ、及びそれらの組み合わせを含み得る。センサ408a~408nは、バッテリ144によって供給される電気エネルギーの電圧、電流、及び他の電気的特性を測定し得る。センサ408a~408nはまた、モータ152a及び152bの、1分間当たりの回転数(revolutions per minute、RPM)としての角速度(例えば、回転速度)、トルク、温度、電流引き込み、及び他の動作特性を測定し得る。センサ408aはまた、モータ152a及び152bの回転又は他の指標を計数するように構成されたエンコーダを含み、これは、次いで、モータ152a及び152bによって移動可能な構成要素の直線的移動を計算する主コントローラ147によって使用される。角速度は、モータ152a及び152b、又はそれらに結合した及びモータ152a及び152bによって回転可能な駆動シャフト(図示せず)の回転を測定することによって決定され得る。様々な軸方向に移動可能な駆動シャフトの位置はまた、シャフト内又はシャフトに近接して配設された様々なリニアセンサを使用することによって決定され得るか、又はRPM測定値から外挿され得る。実施形態では、トルクは、一定のRPMでのモータ152a及び152bの調整された電流引き込みに基づいて計算され得る。更なる実施形態では、モータコントローラ143及び/又は主コントローラ147は、時間を測定し、積分及び/又は微分を含む、時間の関数として上述の値を処理して、例えば、測定値における変化率を決定し得る。主コントローラ147はまた、モータ152a及び152bの回転を計数することによって、アダプタアセンブリ200及び/又はエンドエフェクタ300の様々な構成要素の移動距離を決定するように構成されている。
【0026】
モータコントローラ143は、モータコントローラ143とインターフェースするための複数の入力及び出力を含む主コントローラ147に結合する。特に、主コントローラ147は、モータ152a及び152b及びバッテリ144の動作状態に関するモータコントローラ143からの測定されたセンサ信号を受信し、次に、制御信号をモータコントローラ143に出力して、センサ読み取り値及び特定のアルゴリズム命令に基づいてモータ152a及び152bの動作を制御する。主コントローラ147はまた、ユーザインターフェース(主コントローラ147に結合する、例えば、スイッチ、ボタン、タッチスクリーンなど)から複数のユーザ入力を受け入れるように構成されている。
【0027】
主コントローラ147はまた、メモリ141に結合する。メモリ141は、パワーハンドル101を動作させるためのソフトウェア命令を含むデータを記憶するように構成された揮発性(例えば、RAM)及び不揮発性記憶デバイスを含み得る。主コントローラ147はまた、有線接続又は無線接続を使用してアダプタアセンブリ200の歪みゲージ408bに結合し、パワーハンドル101の動作中に使用される歪みゲージ408bから歪み測定値を受信するように構成されている。
【0028】
パワーハンドル101は、複数のモータ152a及び152bを含み、これらの各々が、それから伸長するそれぞれのモータシャフト(明示的に図示せず)を含み、それぞれの伝達アセンブリを駆動させるように構成されている。それぞれのモータによるモータシャフトの回転は、ハンドルアセンブリ100の様々な動作を行うために、シャフト及び/又はアダプタアセンブリ200のギア構成要素を駆動するように機能する。特に、パワーハンドル101のモータ152a及び152bは、アダプタアセンブリ200のトロカールアセンブリ270のトロカール部材274(図4)を選択的に伸長/後退させるために、アダプタアセンブリ200のシャフト及び/又はギア構成要素を駆動するように構成されている。トロカール部材274の伸長/後退により、エンドエフェクタ300が開閉し(アンビルアセンブリ500がトロカールアセンブリ270のトロカール部材274に接続されているとき)、リロード400のステープル423の環状アレイが発射され、リロード400の環状ナイフ444が移動する。
【0029】
リロード400は、開始クランプ力、最大クランプ力、力係数などを含むリロード400の動作パラメータを記憶するように構成された記憶デバイス402を含む。各タイプのリロード400は、対応する開始クランプ力を有してもよく、対応する開始クランプ力は、主コントローラ147が、記憶デバイス402から読み出すことによって自動的に取得することができ、かつ/又はリロード400のタイプ若しくはクランプ力のいずれかを直接選択することによってユーザによって手動で設定することができる。開始クランプ力は、約100ポンド~約200ポンドの任意の好適な閾値であってもよく、実施形態では、目標クランプ力は、約150ポンドであってもよい。実施形態では、33mmサイズのリロード400は、約150lbsのクランプ力を有し得る。
【0030】
ここで図3及び図4を参照すると、アダプタアセンブリ200は、外側ノブハウジング202と、ノブハウジング202の遠位端から延在する外管206と、を含む。ノブハウジング202及び外管206は、アダプタアセンブリ200の構成要素を収容するように構成及び寸法決定されている。ノブハウジング202は、電気コネクタ312と、それに結合した記憶デバイス310と、を含む。記憶デバイス310は、アダプタアセンブリ200に関する様々な動作パラメータを記憶するように構成されている。アダプタアセンブリ200は、ハンドルアセンブリ100の結合シャフト(明示的に図示せず)の回転を、アダプタアセンブリ200のトロカールアセンブリ270、アンビルアセンブリ500、及び/又はリロード400のステープルドライバ430若しくはナイフアセンブリ440を動作させるために有用な軸方向並進に変換するように構成されている。
【0031】
アダプタアセンブリ200は、外管206の遠位端に取り外し可能に支持されたトロカールアセンブリ270を更に含む。トロカールアセンブリ270は、トロカール部材274と、外管206に対してトロカール部材274を軸方向に移動させるために、トロカール部材274内に動作可能に受容される駆動ねじ276と、を含む。トロカール部材274の遠位端274bは、アンビルアセンブリ500に選択的に係合するように構成され、その結果、駆動ねじ276の回転を介したトロカール部材274の軸方向移動は、アンビルアセンブリ500の付随する軸方向移動をもたらす。
【0032】
図4を参照すると、クランプ伝達アセンブリ240は、モータ152a及び152bのうちの1つに結合した第1の回転可能な近位駆動シャフト212と、第2の回転可能な近位駆動シャフト281と、回転可能な遠位駆動シャフト282と、結合部材286と、を含み、これらの各々は、アダプタアセンブリ200の外管206内に支持される。クランプ伝達アセンブリ240は、アダプタアセンブリ200のトロカールアセンブリ270のトロカール部材274を伸長/後退させ、アンビルアセンブリ510がトロカール部材274に接続されるときにアンビルアセンブリ510を開放/閉鎖するように機能する。
【0033】
図5を参照すると、アダプタアセンブリ200は、第1のモータ152aとリロード400の第2の軸方向に並進可能な駆動部材とを相互接続するためのステープル留め伝達アセンブリ250を含み、ステープル留め伝達アセンブリ250は、第1のモータ152aの回転をアダプタアセンブリ200の外側可撓性バンドアセンブリ255の軸方向並進に変換して伝達し、次に、リロード400のステープルドライバ430に伝達し、リロード400のステープルドライバ430は、リロード400から、アンビルアセンブリ510に対して、ステープル423を発射する。
【0034】
アダプタアセンブリ200のステープル留め伝達アセンブリ250は、ステープルドライバカプラ254に固定された外側可撓性バンドアセンブリ255を含む。第2の回転可能な近位駆動シャフト220は、第2のモータ152bに結合し、回転運動を長手方向運動に変換するステープルドライバカプラ254を作動させるように構成されている。外側可撓性バンドアセンブリ255は、横方向に離隔され、また、その近位端で支持リング255cに、その遠位端で遠位プッシャ255dの近位端に接続した第1及び第2の可撓性バンド255a、255bを含む。第1及び第2の可撓性バンド255a、255bの各々は、支持リング255c及び遠位プッシャ255dに取り付けられる。外側可撓性バンドアセンブリ255は、支持リング255cから近位に伸長する第1及び第2の接続伸長部255e、255fを更に含む。第1及び第2の接続伸長部255e、255fは、外側可撓性バンドアセンブリ255をステープル留め伝達アセンブリ250のステープルドライバカプラ254に動作可能に接続するように構成されている。
【0035】
アダプタアセンブリ200はまた、第2のモータ152bとリロード400の環状ナイフ444とを相互接続するための切断伝達アセンブリ260を含み、切断伝達アセンブリ260は、第2のモータ152bのうちの1つの回転をアダプタアセンブリ200の外側可撓性バンドアセンブリ265の軸方向並進に変換して伝達し、次に、リロード400のナイフキャリア442は、リロード400から、アンビルアセンブリ510に対して、環状ナイフ444を前進させる。
【0036】
内側可撓性バンドアセンブリ265は、横方向に離隔され、また、その近位端で支持リング265cに、その遠位端で支持ベース265dの近位端に接続した第1及び第2の可撓性バンド265a、265bを含む。第1及び第2の可撓性バンド265a、265bの各々は、支持リング265c及び支持ベース265dに取り付けられる。
【0037】
内側可撓性バンドアセンブリ265は更に、支持リング265cから近位に伸長する第1及び第2の接続伸長部265e、265fを含む。第1及び第2の接続伸長部265e、265fは、内側可撓性バンドアセンブリ265を切断伝達アセンブリ260のナイフドライバ264に動作可能に接続するように構成されている。支持ベース265dは、可撓性バンド265a、265bから遠位に伸長し、リロード400のナイフアセンブリ440と接続するように構成されている。
【0038】
図6を参照すると、リロード400のステープルドライバ430は、ドライバアダプタ432及びドライバ434を有するステープルカートリッジ420を含む。ドライバアダプタ432の近位端432aは、アダプタアセンブリ200のステープル留め伝達アセンブリ250の外側可撓性バンドアセンブリ255の遠位プッシャ255dとの選択的接触及び当接のために構成されている。動作中、外側可撓性バンドアセンブリ255の遠位前進中に、上記で説明されるように、外側可撓性バンドアセンブリ255の遠位プッシャ255dは、ドライバアダプタ432の近位端432aに接触して、ドライバアダプタ432及びドライバ434を第1の位置又は近位位置から第2の位置又は遠位位置に前進させる。ドライバ434は、ステープル423との接触のためにステープルカートリッジ420のステープルポケット421と位置合わせされた複数のドライバ部材436を含む。したがって、ステープルカートリッジ420に対するドライバ434の前進は、ステープルカートリッジ420からのステープル423の放出を引き起こす。
【0039】
リロード400のナイフアセンブリ440は、ナイフキャリア442と、ナイフキャリア442の遠位端442bの周りに固定された環状ナイフ444と、を含む。ナイフキャリア442の近位端442aは、内側可撓性バンドアセンブリの支持ベース265dに係合するように構成されている。動作中、内側可撓性バンドアセンブリ265の遠位前進中に、内側可撓性バンドアセンブリ265の支持ベース265dは、ナイフキャリア442の近位端442aと接続して、ナイフキャリア442及び環状ナイフ444を第1の位置又は近位位置から第2の位置又は前進位置に前進させて、ステープルカートリッジ420とアンビルアセンブリ510との間に配設された組織の切断を引き起こす。
【0040】
トロカール部材274の作動、エンドエフェクタ300の閉鎖(例えば、リロード400に対するアンビルアセンブリ500の後退)、リロード400からのステープル423の放出、及びナイフアセンブリ440の前進中の力は、リロード400からのステープル423の発射などの様々なプロセスを監視及び制御し、ステープル423がリロード400から放出されているときにステープル423の発射及び形成中の力を監視し、組織の異なる指標のためにステープル423がリロード400から放出されているときにステープル423の形成(例えば、ステープルクリンプ高さ)を最適化し、リロード400の環状ナイフの発射を監視及び制御するために、歪みゲージ408bによって測定され得る。
【0041】
図7を参照すると、アダプタアセンブリ200の歪みゲージ408bは、歪みゲージハウジング320内に配設されている。歪みゲージ408bは、トロカール部材274の後退、並びにリロード400からのステープル423の放出及び形成を測定及び監視する。エンドエフェクタ300の閉鎖中に、アンビルアセンブリ500が、組織、通過障害物、リロード400の組織接触表面、ステープル放出などに接触するとき、概ね遠位方向にある反力が、アンビルアセンブリ500に対して及ぼされる。この遠位方向に方向付けられた反力は、アンビルアセンブリ500から歪みゲージ408bに伝達される。次いで、歪みゲージ408bは、ハンドルアセンブリ100のパワーハンドル101の主コントローラ回路基板142に信号を通信する。次いで、図形が、ハンドルアセンブリ100のディスプレイ146に表示されて、ハンドルアセンブリ100の発射の状態に関するリアルタイム情報をユーザに提供する。
【0042】
トロカールアセンブリ270は、アダプタアセンブリ200の外管206内に軸方向に及び回転可能に固定されている。図7を参照すると、アダプタアセンブリ200は、外管206内に固定して配設された支持ブロック292を含む。歪みゲージハウジング320は、支持ブロック292とコネクタスリーブ290との間に配設されている。リロード400は、コネクタスリーブ290に取り外し可能に結合する。
【0043】
動作中、アダプタアセンブリ200の歪みゲージ408bは、歪みゲージ408bを通過するトロカール部材274の後退を測定及び監視する。アダプタアセンブリ200の歪みゲージ408bは、リロード400からのステープル423の放出も測定及び監視し、これは、第1及び第2の可撓性バンド255a、255bも、歪みゲージ408bを通過するからである。クランプ、ステープル留め、及び切断中に、反力が、アンビルアセンブリ500及びリロード400に対して及ぼされ、この反力は、支持ブロック292に伝達され、次いで、この支持ブロックは、この反力を歪みゲージ408bの歪みセンサに伝達する。
【0044】
歪みゲージ408bの歪みセンサは、それが接着される物体(例えば、支持ブロック292)における歪み(無次元量)を測定するように構成されたいずれのデバイスであってもよく、その結果、物体が変形するときに、歪みセンサの金属箔も変形し、その電気抵抗を変化させ、次いで、この電気抵抗の変化は、トロカールアセンブリ270によって経験される負荷を計算するために使用される。歪みゲージ408bは、第1、第2、及び第3の力/回転伝達/変換アセンブリによって示される発射/クランプ負荷に閉ループフィードバックを提供する。
【0045】
次いで、歪みゲージ408bの歪みセンサは、信号を主コントローラ回路基板142に通信する。次いで、図形が、ハンドルアセンブリ100の電源パックコアアセンブリ106のディスプレイ146に表示されて、ハンドルアセンブリ100の発射の状態に関するリアルタイム情報をユーザに提供する。歪みゲージ408bはまた、近位ハーネスアセンブリ314及び遠位ハーネスアセンブリ316を介して電気コネクタ312(図3)に電気的に接続する。
【0046】
円形ステープラ及びその構成要素の構成及び動作に関する更なる詳細については、2019年7月3日に出願された国際出願PCT/US2019/040440号を参照することができ、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0047】
動作中、(外科医によってすでに位置決めされた)アンビルアセンブリ500がトロカール部材274に取り付けられ、ユーザは、トグル制御ボタン30の底部分を押すことによって、リロード400とアンビルアセンブリ500との間に挟まれた組織に対するクランププロセスを開始する。クランプ中、アンビルアセンブリ500は、予め設定された完全にクランプされた位置、すなわち、組織がアンビルアセンブリ500とリロード400との間に完全にクランプされるアンビルアセンブリ500の位置に達するまで、リロード400に向かって後退させられる。予め設定された完全にクランプされた位置は、異なるタイプのリロードの各々に対して変化する。クランプしている間、歪みゲージ408bは、トロカール部材274がアンビルアセンブリ500を移動させてアンビルアセンブリ500とリロード400との間で組織をクランプするときに、トロカール部材274に付与された力に関する測定値を主コントローラ147に連続的に提供する。
【0048】
ユーザは、結腸直腸又は上部胃腸領域内にトロカール部材274及びアンビルアセンブリ510を含むアダプタアセンブリ200を位置付けることによって、外科的処置を開始する。ユーザは、トグル制御ボタン30を押して、トロカール部材274が組織を貫通するまでトロカール部材を伸長させる。トロカール部材274の伸長後に、外科医によって以前に位置決めされたアンビルアセンブリ510がトロカール部材274に取り付けられ、ユーザは、トグル制御ボタン30の底部分を押すことによって、リロード400とアンビルアセンブリ510との間に挟まれた組織に対するクランププロセスを開始する。クランプが正常に完了すると、ユーザはステープル留めシーケンスを開始する。
【0049】
ステープル留めシーケンスを開始するために、ユーザは、パワーハンドル101の安全ボタン36のうちの1つを押し、安全ボタン36は、安全装置として機能し、トグル制御ボタン30を作動可能にし、ステープル留めを開始させる。安全ボタン36が作動すると、回転検証較正チェックが行われる。ディスプレイ146は、円形吻合部のアニメーション表示を示す円、プログレスバー及びステープルアイコンを含むステープル留めシーケンス表示に移行する。ステープル留めシーケンススクリーンは、ユーザがステープル留めシーケンスを開始するか、ステープル留めシーケンスを終了するか、又はクランプを外すまで表示される。
【0050】
ステープル留めシーケンスを開始するために、ユーザは、トグル制御ボタン30を押下し、これによって、ステープル留め伝達アセンブリ250が動き、回転が直線運動に変換され、円形リロード400からステープル423が放出及び形成される。特に、発射シーケンスの間、第1のモータ152aは、ステープル留め伝達アセンブリ250を使用してドライバ434を前進させる。ステープル留め伝達アセンブリ250に付加された力は、歪みゲージ408bによって監視される。ステープル留め伝達アセンブリ250が、リロード400の記憶デバイス402上に記憶されたステープルストローク情報及び歪みゲージ408bによって検出された力補償係数(force compensation factor)に対応する目標ステープル位置に到達すると、プロセスは完了したとみなされる。これは、ステープル423がアンビルアセンブリ510に対して正常に放出され、変形したことを示す。
【0051】
図8は、リロード400内でステープルドライバ434を前進させるときの第1のモータ152aの移動距離及び速度を概略的に示し、図9は、ステープルドライバ434を前進させるための方法を示す。図9の方法は、円形ステープラに関して説明されるが、本開示によるステープル留め方法は、直線ステープラを含むいずれの電動ステープラに組み込まれてもよい。ステープルドライバ434は、最初に、第1の位置608(例えば、ハードストップ)から、第1の位置608から第2の位置610(例えば、ステープルドライバ434がステープル423に接触するベース位置)への第1のセグメントの間、第1の速度で前進させられる。第2の位置610から、ステープルドライバ434は、ステープルドライバ434が第3の位置612(例えば、目標ステープル位置)に到達するまで、第1の速度よりも遅い第2の速度で前進し、ステープル423を放出する。
【0052】
第2の位置610に到達した後、第1のモータ152aは、第2のより遅い速度で動作して、ステープル423をリロード400から放出する。第2のセグメントの間、ステープル423がリロード400から放出されて組織をステープル留めするとき、主コントローラ147は、歪みゲージアセンブリ408bによって測定された歪みを継続的に監視し、測定された歪みに対応する力が最小ステープル留め力と最大ステープル留め力との間にあるかどうかを決定する。ステープル留め力の範囲は、リロード400の記憶デバイス402に記憶され、ステープル留めシーケンス中に主コントローラ147によって使用されてもよい。測定された力が最小ステープル留め力を下回っているかどうかの決定は、ステープル423がリロード400に存在することを検証するために使用される。加えて、低い力はまた、歪みゲージ408bの故障を示し得る。測定された力が最小ステープル留め力を下回っている場合、主コントローラ147は、第1のモータ152aに信号を送り、ドライバ434を第2の位置610まで後退させる。主コントローラ147はまた、ステープル留めシーケンスを終了し、アンビルアセンブリ510を後退させる工程をユーザに指示するシーケンスをディスプレイ146に表示する。アンビルアセンブリ510を取り外した後、ユーザは、円形アダプタアセンブリ200及びリロード400を交換し、ステープル留めプロセスを再開することができる。
【0053】
測定された力が、約580lbsであり得る最大ステープル留め力を超えている場合、主コントローラ147は、第1のモータ152aを停止させ、ステープル留めシーケンスを終了する工程をユーザに指示するシーケンスをディスプレイ146に表示する。しかしながら、ユーザは、トグル制御ボタン30を押すことにより、力限度検出なしでもステープル留めプロセスを継続することができる。
【0054】
主コントローラ147は、第1のモータ152aがステープル留めされた組織に関連付けられた第3の位置612に到達し、この移動中に測定された歪みが最小及び最大のステープル留め力の限度内にあった場合、ステープル留めプロセスが正常に完了したと決定する。第3の位置612に到達すると、第1のモータ152aは、ステープル423の完全性を保証するために、予め設定された期間にわたって停止する。
【0055】
第1のモータ152aは、約1秒~約10秒の期間、保持されてもよい。ステープル423が形成された直後、ステープル留め及び切断プロセスにおける次の工程に進む前に、組織を圧縮状態で保持することで、ステープル留め構成要素(例えば、アンビルアセンブリ500及びリロード400)の素早い動きに関連付けられるリスクが軽減される。ステープル留めの後ですぐに動くと、ステープル423上の圧力がすぐに解放されることにより、ときに、ステープル423が変形し得る。ステープル留め速度を減速させることによって、電動外科用ステープラ10は、流体を組織から押し出すことができるようになり、その結果、ステープル留め伝達アセンブリ250及び第1のモータ152aに対するステープル留め力が低下するとともに、ステープル423に付与された力が低下し、これにより今度は、ステープル423が変形する(例えば、開放する)可能性が低減される。
【0056】
加えて、保持期間中、歪みゲージ408bは、ステープルドライバ434に付与された歪みを測定して、歪み測定値が安定していないかどうか、例えば、増加しているかどうかを決定してもよい。歪みの増加は、形成不良のステープル423に起因して組織が分離してしまうことを示し得る。保持期間が終了した後、第1のモータ152aは、ドライバ434を第4の位置614に後退させて組織に対する圧力を解放し、その後、切断シーケンスを開始する前に第2の位置610に後退させ、その間、ナイフアセンブリ440が前進して、ステープル留めされた組織を切断する。
【0057】
本開示のアダプタアセンブリの実施形態には、様々な修正が行われ得ることが理解されるであろう。したがって、上記の説明は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者であれば、本開示の範囲及び趣旨内での他の改変を想定するであろう。
【0058】
1つ以上の例において、記載された技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令又はコードとして記憶され、ハードウェアベースの処理ユニットによって実行され得る。コンピュータ可読媒体は、データ記憶媒体(例えば、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、又は命令若しくはデータ構造の形式で所望のプログラムコードを記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセスすることができる任意の他の媒体)などの有形媒体に対応する、非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。
【0059】
命令は、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(field programmable logic array、FPGA)、又は他の同等の集積回路若しくは個別論理回路など、1つ以上のプロセッサによって実行され得る。したがって、「プロセッサ」という用語は、本明細書で使用するとき、前述の構造のいずれか、又は記載された技術の実施態様に好適な任意の他の物理的構造を指し得る。また、本技術は、1つ以上の回路又は論理素子で完全に実装され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】