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特表2024-532237LED-基盤固体光源用変換発光材料としての色安定Mn-活性化オキシドフルオリド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】LED-基盤固体光源用変換発光材料としての色安定Mn-活性化オキシドフルオリド
(51)【国際特許分類】
   C09K 11/67 20060101AFI20240829BHJP
   C09K 11/62 20060101ALI20240829BHJP
   C09K 11/61 20060101ALI20240829BHJP
   C09K 11/66 20060101ALI20240829BHJP
   C09K 11/68 20060101ALI20240829BHJP
   C09K 11/85 20060101ALI20240829BHJP
   C09K 11/08 20060101ALI20240829BHJP
   C01G 45/00 20060101ALI20240829BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20240829BHJP
   F21V 9/30 20180101ALI20240829BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240829BHJP
【FI】
C09K11/67
C09K11/62
C09K11/61
C09K11/66
C09K11/68
C09K11/85
C09K11/08 A
C01G45/00
H01L33/50
F21V9/30
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510661
(86)(22)【出願日】2022-08-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 KR2022012459
(87)【国際公開番号】W WO2023022575
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/235,400
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/394,518
(32)【優先日】2022-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/890,292
(32)【優先日】2022-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507194969
【氏名又は名称】ソウル セミコンダクター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL SEMICONDUCTOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】97-11, Sandan-ro 163 beon-gil, Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】524065930
【氏名又は名称】ライテック-フェアメーゲンスフェアヴァルトゥングスゲゼルシャフト・エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ヤンセン
(72)【発明者】
【氏名】ホ・ジュン・ビョン
(72)【発明者】
【氏名】インボム・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ボ・ヨン・ハン
(72)【発明者】
【氏名】ベンヤミン・キストナー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・テフス
【テーマコード(参考)】
4G048
4H001
5F142
【Fターム(参考)】
4G048AA06
4G048AB02
4G048AC08
4G048AD03
4G048AE05
4G048AE06
4H001CF01
4H001XA01
4H001XA03
4H001XA06
4H001XA07
4H001XA11
4H001XA14
4H001XA19
4H001XA22
4H001XA24
4H001XA32
4H001XA37
4H001XA40
4H001XA42
4H001XA50
4H001XA52
4H001XA55
4H001XA58
4H001XA72
4H001XA74
4H001XA75
4H001XA81
4H001XA82
4H001YA25
5F142AA25
5F142BA03
5F142BA32
5F142CA11
5F142CD02
5F142CD44
5F142CD47
5F142CE02
5F142CG03
5F142CG04
5F142CG05
5F142DA12
5F142DA13
5F142DA14
5F142DA23
5F142DA32
5F142DA35
5F142DA45
5F142DA48
5F142DA49
5F142DA52
5F142DA72
5F142DA73
5F142FA46
5F142GA11
5F142GA21
5F142HA01
(57)【要約】
本発明は、Mn(IV)活性化発光材料、それの製造工程および発光団、または蛍光体、または変換発光団、または変換蛍光体としてのその利用、特にpc-LED(蛍光体変換LED)のような発光団-変換発光素子に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Mn(IV)でドーピングされた一般式(I)の化合物:
BF1-x2-2x4+2x (I)、
ここで使用された記号とインデックスは次の通りである:
Aは、Li,Na,K,Rb,Cs,Cu,Ag,Tl,NH,NRおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、ここでRは、アルキルまたはアリール基であり;
Bは、Hと、Dおよびこれらの混合物からなる群から選択され、ここでDは重水素であり;
Mは、Cr,Mo,W,Te,Reおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され;
Tは、Si,Ge,Sn,Ti,Pb,Ce,Zr,Hfおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され;かつ
0≦x≦1。
【請求項2】
一般式(II)で表される、請求項1に記載の化合物:
BF1-x2-2x4+2x:Mn(IV) (II)、ここで使用された記号とインデックスは次の通りである:
Aは、A=Li,Na,K,Rb,Cs,Cu,Ag,Tl,NH,NRおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、ここでRは、アルキルまたはアリール基であり;
Bは、Hと,Dおよびこれらの混合物からなる群から選択され、ここでDは重水素であり;
Mは、Cr,Mo,W,Te,Reおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され;
Tは、Si,Ge,Sn,Ti,Pb,Ce,Zr,Hfおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され;かつ
0<x<1.0。
【請求項3】
インデックスxは0.1≦m≦0.9、好ましくは0.3≦m≦0.7、およびより好ましくは0.55≦m≦0.65である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Aは、Na,K,Csおよびこれらの2種または3種の混合物からなる群から選択され;
Bは、Hと、Dおよびこれらの混合物からなる群から選択され、ここでDは重水素であり;
Mは、Mo,WおよびMoとWの混合物からなる群から選択され、ここでCr,Teおよび/またはReが、任意選択的に存在してよく;
Tは、Si,TiおよびSiとTiの混合物からなる群から選択され、ここでGe,Sn,Pb,Ce,Zrおよび/またはHfが任意選択的に存在してよく;かつ
0.0001≦x≦0.40である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
化合物の表面が別の化合物でコーティングされていることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物の製造方法において、
AF-含有溶液中にA,B,M,TおよびMnを含む溶液/懸濁液を製造する段階;
懸濁液/溶液を撹拌する段階;および
収得された固体を取り除く段階を含む、製造方法。
【請求項7】
UV光、紫色光および/または青色光を長波長の光で部分的に、或いは完全に変換させる発光団または変換発光団において、前記発光団または変換発光団は、請求項1に記載の化合物を含む、発光団または変換発光団。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物を含む、放射線-変換混合物。
【請求項9】
変換発光団および半導体ナノ粒子から選択される一つ以上の追加発光材料をさらに含む、請求項8に記載の放射線-変換混合物。
【請求項10】
少なくとも一つの一次光源、および少なくとも一つの請求項1に記載の化合物を含む、光源。
【請求項11】
少なくとも一つの一次光源は、発光インジウムアルミニウムガリウム窒化物を含む、請求項10に記載の光源。
【請求項12】
発光インジウムアルミニウムガリウム窒化物は、式IniGajAlkNの化合物であり、ここで0≦i,0≦j,0≦kおよびi+j+k=1である、請求項11に記載の光源。
【請求項13】
請求項10に記載の少なくとも一つの光源を含む、照明ユニット。
【請求項14】
発光装置において、
基板;
前記基板に配置される発光ダイオード;および
前記発光ダイオード上に配置される波長変換部を含み、
前記波長変換部は複数の蛍光体を含み、前記発光ダイオードおよび前記複数の蛍光体の各々が放出する光の合成により白色光が形成され、
前記複数の蛍光体の少なくとも一つは、オキシドハライド(oxidohalide)ホスト格子に基づいたMn(IV)-活性化蛍光体である、発光装置。
【請求項15】
前記複数の蛍光体の少なくとも一つの蛍光体は、前記オキシドハライド(oxidohalide)ホスト格子に基づいたMn(IV)-活性化蛍光体と同じ色域帯の光を放出する、請求項14に記載の発光装置。
【請求項16】
前記複数の蛍光体の少なくとも一つの蛍光体は、前記オキシドハライド(oxidohalide)ホスト格子に基づいたMn(IV)-活性化蛍光体と異なる色域帯の光を放出する、請求項14に記載の発光装置。
【請求項17】
前記発光ダイオードおよび前記複数の蛍光体の各々が放出する光の合成により形成された白色光は、CRIが90以上である、請求項14に記載の発光装置。
【請求項18】
前記発光ダイオードおよび前記複数の蛍光体の各々が放出する光の合成により形成された白色光は、光効率が100%を超過する、請求項14に記載の発光装置。
【請求項19】
前記波長変換部は、第1波長変換部および第2波長変換部を含み、前記第1波長変換部と前記第2波長変換部は、前記発光ダイオード上に積層される、請求項14に記載の発光装置。
【請求項20】
前記波長変換部は、前記発光ダイオードから離隔されて配置される、請求項14に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Mn(IV)活性発光材料、その製造工程および発光団、または蛍光体、または変換発光団、または変換蛍光体としてのその利用、特にpc-LED(蛍光体変換LED)のような発光団-変換発光素子に関するものである。本発明は、さらに本発明の発光材料を含む放射線変換混合物、および本発明の発光材料または放射線変換混合物を含む光源に関するものである。本発明は、本発明の発光材料または本発明の放射線-変換混合物を有する光源を含む照明ユニットをさらに提供する。本発明の発光材料は、LED固体光源内での温白色光の生成に特に適している。
【背景技術】
【0002】
100年以上の間、無機発光団は、放出ディスプレイ画面、X-線ブースターおよび放射線または光源をスペクトル的に調整して各使用分野の要求事項を最大限最適に満たすと同時に、最小限のエネルギーを消費するように発展してきた。このような脈絡において、励起類型、つまり、一次放射線源の特性、および必要な放出スペクトルは、ホスト格子と活性剤の選択に非常に重要である。
【0003】
特に、一般照明用蛍光灯光源、つまり、低圧放電ランプおよび発光ダイオードの場合、エネルギー効率、演色性および(色軌跡)安定性をより高めるために新たな発光団が持続的に開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示が解決しようとする課題は、赤色スペクトル領域で強い発光性を有し、温白色光の生成のための高性能PC-LEDの使用に特に適した、長期間安定性を有する発光材料を提供することである。これは、当業者が白色-発光素子の製造に適した材料をより多く選択できるようにさせる。
【0005】
本開示が解決しようとする課題は従って、近UVから青色スペクトル領域で広い吸収断面積を表し、610nm~640nm間の赤色スペクトル領域において放出最大値を有し、これにより、高演色性LEDの変換発光団としての使用に適した新たな発光材料を提供するものである。本開示が解決しようとするまた別の課題は、簡単且つ安価な合成によって容易に収得できる高い安定性、長い寿命および高い光変換効率(量子効率)を有する発光材料を提供することである。本開示が解決しようとするまた別の課題は、LED内で演色指数および色温度安定性を向上させることである。これは、低い色温度(CCT<4000K)で高演色性を有する温白色PC-LEDを具現すると同時に高い光収率の具現を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つ以上の実施例によると、一般式(I)の化合物が提供される:ABF1-x2-2x4+2x、Mn(IV)でドーピングされ、ここで使用された記号とインデックスは次の通りである:Aは、Li,Na,K,Rb,Cs,Cu,Ag,Tl,NH,NRおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、ここでRは、アルキルまたはアリールグループであり;Bは、H、Dおよびこれらの混合物からなる群から選択され、ここでDは重水素であり;Mは、Cr,Mo,W,Te,Reおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され;Tは、Si,Ge,Sn,Ti,Pb,Ce,Zr,Hfおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され;そして0≦x≦1である。
【0007】
別の実施例において、前記化合物は、さらに一般式(II)で表される:ABF1-x2-2x4+2x:Mn(IV)、ここで使用された記号とインデックスは次の通りである:Aは、Li,Na,K,Rb,Cs,Cu,Ag,Tl,NH,NRおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、ここでRは、アルキルまたはアリールグループであり;Bは、H,Dおよびこれらの混合物からなる群から選択され、ここでDは重水素であり;Mは、Cr,Mo,W,Te,Reおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され;Tは、Si,Ge,Sn,Ti,Pb,Ce,Zr,Hfおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され;そして0<x<1.0である。
【0008】
別の実施例において、インデックスxは:0.1≦m≦0.9、好ましくは0.3≦m≦0.70、およびより好ましくは0.55≦m≦0.65である。
【0009】
また別の実施例において、前記化合物は次をさらに含む:(i)Aは、Na,K,Csおよびこれらの2種または3種の混合物からなる群から選択され;(ii)Bは、HとDおよびこれらの混合物からなる群から選択され、ここでDは重水素であり;(iii)Mは、Mo,WおよびMoとWの混合物からなる群から選択され、ここでCr,Teおよび/またはReは、選択的に存在し得;(iv)Tは、Si,TiおよびSiとTiの混合物からなる群から選択され、ここでGe,Sn,Pb,Ce,Zrおよび/またはHfは選択的に存在し得;(v)0.0001≦x≦0.40である。
【0010】
また別の実施例において、前記化合物は、表面が別の化合物でコーティングされていることを特徴とする。
【0011】
本開示の一つ以上の実施例によると、a)AF-含有溶液中にA,B,M,TおよびMnを含む溶液/懸濁液を製造;b)前記懸濁液/溶液を撹拌;c)収得された固体を取り除く段階を含む化合物の製造工程を提供する。
【0012】
本開示の一つ以上の実施例によると、UV光、紫色光および/または青色光を長波長の光で部分的に、或いは完全に変換させる発光団または変換発光団が提供される。前記の発光団または変換発光団は、前述の前記化合物を含む。
【0013】
また別の実施例において、放射線-変換混合物は前述の前記化合物を含む。
【0014】
別の実施例において、放射線-変換混合物は、変換発光団および半導体ナノ粒子から選択された一つ以上の追加発光材料をさらに含む。
【0015】
別の実施例において、光源は、前述の少なくとも一つの一次光源および前述の少なくとも一つの化合物を含む。
【0016】
別の実施例において、前記の少なくとも一つの一次光源は、発光インジウムアルミニウムガリウム窒化物を含む。
【0017】
別の実施例において、発光インジウムアルミニウムガリウム窒化物は、式IniGajAlkNの化合物であり、ここで0≦i,0≦j,0≦kおよびi+j+k=1である。
【0018】
別の実施例において、前述の少なくとも一つの光源を含む照明ユニットが提供される。
【0019】
本開示の一実施例にかかる発光装置は、基板;前記基板に配置される発光ダイオード;および前記発光ダイオード上に配置される波長変換部を含み、前記波長変換部は複数の蛍光体を含み、前記発光ダイオードおよび前記の複数の蛍光体の各々が放出する光の合成により白色光が形成され、前記の複数の蛍光体の少なくとも一つは、オキシドハライド(oxidohalide)ホスト格子に基づいたMn(IV)-活性化蛍光体である。
【0020】
一実施例において、前記の複数の蛍光体の少なくとも一つの蛍光体は、前記オキシドハライド(oxidohalide)ホスト格子に基づいたMn(IV)-活性化蛍光体と同じ色域帯の光を放出する。
【0021】
別の実施例において、前記の複数の蛍光体の少なくとも一つの蛍光体は、前記オキシドハライド(oxidohalide)ホスト格子に基づいたMn(IV)-活性化蛍光体と異なる色域帯の光を放出する。
【0022】
別の実施例において、前記発光ダイオードおよび前記の複数の蛍光体の各々が放出する光の合成により形成された白色光は、CRIが90以上である。
【0023】
別の実施例において、前記発光ダイオードおよび前記の複数の蛍光体の各々が放出する光の合成により形成された白色光は、光効率が100%を超過する。
【0024】
別の実施例において、前記波長変換部は、第1波長変換部および第2波長変換部を含み、前記発光ダイオード上に積層される。
【0025】
別の実施例において、前記波長変換部は、前記発光ダイオード上に前記発光ダイオードから離隔されて配置され得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、KHF0.5Ti0.45Mn0.05Oの反射スペクトルである(実験例2)。
図2図2は、KHF0.5Ti0.45Mn0.05Oの励起スペクトルである(実験例2)(λem=627nm)。
図3図3は、KHF0.5Ti0.45Mn0.05Oの放出スペクトルである(実験例2)(λex=465nm)。
図4図4は、KHF0.5Ti0.45Mn0.05OのX線粉末回析図である(実験例2)。
図5図5は、KHF0.5Ti0.45Mn0.05Oの結晶構造である(実験例2)。
図6図6は、本開示の一実施例にかかる発光装置を説明するための概略的な断面図である。
図7図7は、本開示にかかる発光装置から放出する光のスペクトルを表すグラフである。
図8A図8Aは、本開示の別の実施例にかかる発光装置を説明するための概略的な断面図である。
図8B図8Bは、本開示のまた別の実施例にかかる発光装置を説明するための概略的な断面図である。
図9図9は、本開示のまた別の実施例にかかる発光装置を説明するための概略的な断面図である。
図10図10は、本開示のまた別の実施例にかかる発光装置を説明するための概略的な断面図である。
図11図11は、本開示のまた別の実施例にかかる発光装置を説明するための概略的な断面図である。
図12図12は、本開示のまた別の実施例にかかる発光装置を説明するための概略的な断面図である。
図13図13は、本開示の一実施例にかかる直下型ディスプレイ装置を説明するための概略的な断面図である。
図14A図14Aは、本開示の一実施例にかかるトップビュー型発光装置を説明するための概略的な平面図である。
図14B図14Bは、図14Aの切り取り線A-A’に沿って切り取られた概略的な断面図である。
図15図15は、本開示のまた別の実施例にかかる発光装置を説明するための概略的な断面図である。
図16図16は、本開示のまた別の実施例にかかるエッジ型ディスプレイ装置を説明するための概略的な断面図である。
図17図17は、本開示の一実施例にかかる側面型発光装置を説明するための概略的な断面図である。
図18図18は、本開示のまた別の実施例にかかる側面型発光装置を説明するための概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示は多様に変形することができ、多様な形態で具現することができるため、よって、具体的な実施例を図面に例示し、以下で詳しく記述する。但し、本開示は開示された特定形態に限定されなく、本開示の思想と範囲に含まれるすべての変形、均等物、代替物を含むものと解釈されなければならない。
【0028】
本開示が解決しようとする課題は、驚くことに、下記のような一般的な形態のオキシドハライドホスト格子を基盤とするMn(IV)-活性化発光材料によって解決されることが明らかになった。ABF[M1-x2-2x4+2x](A=Li,Na,K,Rb,Cs,Cu,Ag,Tl,NHおよび/またはNR、ここでRは、アルキルまたはアリールグループである;B=Hおよび/またはD、ここでDは、重水素である;M=Cr,Mo,W,Teおよび/またはRe;T=Si,Ge,Sn,Ti,Pb,Ce,Zrおよび/またはHf;0≦x≦0.99)。
【0029】
本発明者等は、驚くことに、610nm~640nmの範囲の放出最大値、高い量子収率、高演色性、長い寿命および高い色温度安定性を有する赤色-放出発光材料がABF1-x2-2x4+2xの一般組成の化合物を収得するためにMn(IV)イオンを下記のような一般的な形態のオキシドハライドホスト格子に統合させることにより具現できることを見出した:ABF1-x2-2x4+2x(A=Li,Na,K,Rb,Cs,Cu,Ag,Tl,NHおよび/またはNR(ここでRは、アルキルまたはアリールグループである);B=Hおよび/またはD(ここでDは、重水素である);M=Cr(VI),Mo(VI),W(VI),Te(VI)および/またはRe(VI);T=Si(IV),Ge(IV),Sn(IV),Ti(IV),Pb(IV),Ce(IV),Zr(IV)および/またはHf(VI);0≦x≦0.99)。
【0030】
BF1-x2-2x4+2x
【0031】
また、前記発光材料は、簡単な合成を通じて効率的且つ安価に収得することができ、一般形態[M1-x2-2x4+2x2-に相応する八面体オキシドハライド複合陰イオンは非常に高い安定性を有するため、長期安定性を有するフッ化物化合物を収得するために、特定オプションとしては、Cr(VI),Mo(VI),W(VI),Te(VI),Re(VI),Si(IV),Ge(IV),Sn(IV),Ti(IV),Pb(IV),Ce(IV),Zr(IV)および/またはHf(IV)がある。本開示の発光材料のマイクロ規模の粉末の場合、MnOの形成がないため、よって、灰色変色がない。さらに、本開示のオキシドハライドは、他のフッ化物に比べてより高い格子エネルギーによってさらに大きい安定性を有する。特にタングステン酸塩とモリブデン酸塩の場合、相当なπバック-ボンディングがハロゲン化物およびW(VI)イオンの有効イオン電荷密度を減少させることが観察された。
【0032】
4価Mn(IV),Si(IV),Ge(IV),Sn(IV),Ti(IV),Pb(IV),Ce(IV),Zr(IV)、および/またはHf(VI)イオンは、6価Mイオン(Cr(VI),Mo(VI),W(VI),Te(VI)、および/またはRe(VI))の結晶層に統合される。4価イオンへの置換は、4価イオンがホスト格子の結晶構造に効率的に挿入されるため、簡単且つ効率的な合成を可能にする。電荷は、ホスト化合物内で酸化物陰イオンをフッ化物陰イオンへ置換することによってバランスを取る。
【0033】
この一般組成の化合物は、赤色スペクトル領域で放出線多重線が610nm~640nm間、特に620nm~635nm間の範囲内で、最大値を有する赤色-放出Mn(IV)発光材料である。
【0034】
さらに、本発明の化合物は、任意種類の固体-放射線源、例えば、固体-LED光源または高性能固体-LED光源内で変換発光団としての使用に適する。本明細書に請求された全ての材料に対するCIE1931色座標はx>0.66およびy<0.33であり、ルーメン当量は200lm/Wよりも高く、好ましくは220lm/Wよりも高い。
【0035】
本発明は従って、下記一般式(I)の化合物を提供する。
【0036】
Mn(IV)でドーピングされたABF1-x2-2x4+2x (I)、ここで使用された記号およびインデックスは次の通りである:
【0037】
Aは、A=Li,Na,K,Rb,Cs,Cu,Ag,Tl,NH,NRおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、ここでRは、アルキルまたはアリール基であり;
【0038】
Bは、HとDおよびこれらの混合物からなる群から選択され、ここでDは重水素であり;
【0039】
Mは、Cr,Mo,W,Te,Reおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され;
【0040】
Tは、Si,Ge,Sn,Ti,Pb,Ce,Zr,Hfおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され;
【0041】
0≦x≦0.99である。
【0042】
好ましいアルキルグループは、線形C1-C5-アルキルラジカル、または分岐型C3-C5-アルキルグループである。特に好ましいアルキルグループは、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびペンチルである。
【0043】
好ましいアリールグループは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシル、フルオライド、クロリドおよびトリフルオロメチルから選択された一つ以上のグループに選択的に置換することができる、フェニル、ナフチル、アントリルおよびフェナントリルである。
【0044】
前記一般式(I)において、Aは単一電荷を帯びた金属および/またはアンモニウム陽イオンAである。Bは単一電荷を帯びた水素および/または重水素陽イオンBであり、Mは6価荷電金属原子M6+である。Tは4価荷電金属原子T4+で存在する反面、フッ素はフッ化物(F)で存在し、酸素Oは酸化物(O2-)で、Mnは4価荷電金属原子Mn4+で存在する。本発明のMn(IV)-活性化発光材料はMn4+でドーピングされた変換材料であり、ここで一つのMn4+イオンと二つのFイオンは、一つのM6+イオンと二つのO2-イオンを代替する。よって、電荷は二つのFイオンの追加導入および二つのO2-イオンの不在によってバランスを取る。
【0045】
本発明の化合物は、典型的に約250nm~約550nm、好ましくは約325nm~約525nmのスペクトル範囲で励起可能であり、ここで吸収最大値は425nm~500nm間で、典型的に約600nm~約650nmの赤色スペクトル領域から放出し、ここで放出最大値は610nm~640nm間、好ましくは620nm~635nm間内の範囲である。本発明の化合物は、さらに高い光発光量子収率を表し、LEDに使用される際は高いスペクトル純度および高い色温度安定性を有する。
【0046】
本開示の脈絡において、紫外線は100nm~399nm間の放出最大値を有する光を指し、紫色光は400nm~430nm間の放出最大値を有する光を、青色光は431nm~480nm間の放出最大値を有する光を、青緑光は481nm~510nm間の最大放出値を有する光を、緑色光は511nm~565nm間の最大放出値を有する光を、黄色光は566nm~575nm間の最大放出値を有する光を、橙色光は576nm~600nm間の最大放出値を有する光を、そして赤色光は601nm~750nm間の最大放出値を有する光を指す。
【0047】
本発明の好ましい実施例において、一般式(I)のMn(IV)-ドーピングされた化合物は、下記一般式(II)で表される:
【0048】
BF1-x-y2-2x-2y4+2x+2y:Mn(IV) (II)、ここで使用された記号とインデックスは次の通りである:
【0049】
Aは、Li,Na,K,Rb,Cs,Cu,Ag,Tl,NH,NRおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、ここでRはアルキルまたはアリール基であり;
【0050】
Bは、HとDおよびこれらの混合物からなる群から選択され、ここでDは重水素であり;
【0051】
Mは、Cr,Mo,W,Te,Reおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され;
【0052】
Tは、Si,Ge,Sn,Ti,Pb,Ce,Zr,Hfおよびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され;および
【0053】
0<x<1.0,0<y<1.0およびx+y≦1.0である。
【0054】
一般式(I)および(II)で、インデックスxについて:好ましくは0≦x≦0.99であり、より好ましくは0.25≦x≦0.75である。好ましい実施例において、一般式(I)および(II)で、xは0~0.99であり、より好ましくは0.5、0.7および0.9から選択される。最も好ましくは一般式(I)および(II)で:x=0.9である。
【0055】
一般式(I)および(II)で、インデックスyについて:好ましくは0.01≦y≦0.1であり、より好ましくは0.05≦y≦0.075および最も好ましくは0.035≦y≦0.55である。好ましい実施例において、一般式(I)および(II)で、yは0.04、0.05および0.06である。最も好ましくは一般式(I)および(II)で:y=0.05である。
【0056】
本発明の好ましい実施例において、一般式(II)で、インデックスyは次の通りである:0<x≦0.80であり、より好ましくは0<x≦0.60、さらに好ましくは0.0001<x≦0.40、特に好ましくは0.001≦x≦0.20、より特に好ましくは0.001≦x≦0.10であり、最も好ましくは0.002≦x≦0.05である。
【0057】
本発明の特に好ましい実施例において、上で言及した好ましい特徴の2個以上が、好ましい、より好ましい、特に好ましい、および/または最も好ましい特徴なのかに関係なく同時に適用可能である。
【0058】
よって、下記のような一般式(II)の化合物が特に好ましい:
【0059】
Aは、Li,Na,K,Rb,Cs,Cu,Ag,Tl,NH,NRおよびこれらの2個または3個の混合物からなる群から選択され;
【0060】
Bは、HとDおよびこれらの混合物からなる群から選択され、ここでDは重水素であり;
【0061】
Mは、Mo,WおよびMoとWの混合物からなる群から選択され、ここでCr,Teおよび/またはReは、選択的に存在することができる;および0.0001≦z≦0.40であり、より好ましくは0.001≦z≦0.20、特に好ましくは0.001≦z≦0.10であり、最も好ましくは0.002≦z≦0.05である。
【0062】
Tは、Si,TiおよびSiとTiの混合物からなる群から選択され、ここでGe,Sn,Pb,Ce,Zrおよび/またはHfは、選択的に存在することができる;および0.0001≦x≦0.40であり、より好ましくは0.001≦x≦0.20、特に好ましくは0.001≦x≦0.10であり、最も好ましくは0.002≦x≦0.05である。
【0063】
本発明の化合物は、好ましくはその表面が下記でさらに記述した通りまた別の化合物でコーティングされていてもよい。
【0064】
本発明は、下記段階を含む一般式(I)および/または(II)の化合物を製造する工程をさらに提供する:
【0065】
a)AF-含有溶液にA,B,M,TおよびMnを含む溶液/懸濁液を製造;
b)懸濁液/溶液を撹拌;および
c)収得された固体を取り除く。
【0066】
前記の溶液/懸濁液は、B,M,TおよびMnを含有した塩をAF-含有溶液に懸濁/溶解させる段階a)で製造される。ここで、段階a)では任意の順序で連続的または同時に塩を添加することが可能である。前記塩は、固体または懸濁液/溶液として添加することができる。使用されたAF-含有溶液は、HF-含有溶液および/またはDF-含有溶液である。
【0067】
使用されるHF溶液は、好ましくは濃縮されたHF溶液である。本発明の製造工程で好ましくは10重量%~60重量%HF、より好ましくは20重量%~50重量%HF、最も好ましくは30重量%~40重量%HFを含有した濃縮されたHF水溶液(フッ酸)を使用する。DF溶液は、好ましくはDSOおよびFDから製造される。収得されたDFガスは、DF溶液を収得するために、DOに導入される。
【0068】
一般式(I)、および/または(II)の化合物を製造する工程において、段階a)で、A,M6+、およびT4+イオンのための出発化合物として使用される塩は、好ましくはハロゲン化物または酸化物化合物、例えば、AMO,AXおよびAHXである。好ましいAMO化合物は次の通りである:LiCrO,NaCrO,KCrO,RbCrO,CsCrO,LiMoO,NaMoO,KMoO,RbMoO,CsMoO,LiWO,NaWO,KWO,RbWO,CsWO,LiReO,NaReO,KReO,RbReO4、およびCsReO。SiO,GeO,SnO,TiO,PbO,CeO,ZrO,HfO,HSiF,HGeF,HSnF,HTiF,HPbF,CeF,ZrF,HfF,LiSiF,LiGeF,LiSnF,LiTiF,LiPbF,LiZrF,LiHfF;NaSiF,NaGeF,NaSnF,NaTiF,NaPbF,NaZrF,NaHfF,RbSiF,RbGeF,RbSnF,RbTiF,RbPbF,RbZrF,RbHfF,CsSiF,CsGeF,CsSnF,CsTiF,CsPbF,CsZrF,CsHfF。好ましいフッ素化合物AFは次の通りである:LiF,NaF,KF,RbF,NHF,NDF,CsF。好ましいフッ素化合物AHFは次の通りである:NaHF,KHF,RbHF,[NH]HF,[ND]DFおよびCsHF
【0069】
Mnは、段階a)で好ましくは出発化合物として4価マンガン塩の形態で、例えばAMnFが使用される。好ましい4価マンガン塩AMnFは、LiMnF,NaMnF,KMnF,RbMnF、およびCsMnFである。
【0070】
出発化合物は、-10℃~100℃間、好ましくは0℃~50℃間、より好ましくは10℃~40℃間、および最も好ましくは15℃~30℃間の温度で懸濁/溶解することができる。
【0071】
前記の懸濁液/溶液は、好ましくは段階b)で-10℃~100℃間、好ましくは0℃~50℃間、より好ましくは10℃~40℃間、および最も好ましくは15℃~30℃間の温度で最大10時間、好ましくは最大6時間、より好ましくは最大4時間、最も好ましくは最大3時間撹拌される。段階b)で懸濁液/溶液の撹拌に好ましい時間は、0.1時間~10時間、0.5時間~6時間、1時間~4時間、および2時間~3時間である。好ましい実施例において、懸濁液/溶液は段階b)で15℃~30℃の温度で2時間~3時間撹拌される。
【0072】
収得された固体は、段階c)で、好ましくはろ過、遠心分離またはデカンティングによって、より好ましくは吸引フィルターによるろ過によって取り除かれる。
【0073】
本発明の好ましい実施例において、段階c)は、段階c)で収得された固体を洗浄し、乾燥させる追加段階d)に続く。前記固体は、好ましくは固体に酸性がなくなるまで有機溶媒で洗浄される。有機非陽子性溶媒は、例えば、アセトン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルスルホキシド(DMSO)が好ましい。洗浄に使用される溶媒の温度は-10℃~20℃であることが好ましい。
【0074】
前記固体は、好ましくは段階d)で減圧下に乾燥される。乾燥は、室温(20℃~25℃)または昇温、例えば25℃~150℃で行うことができる。段階d)で乾燥させた後、目的とする発光材料が収得される。
【0075】
前記固体は、好ましくは段階d)で減圧下に乾燥される。乾燥は、室温(20℃~25℃)または昇温、例えば25℃~150℃で行うことができる。段階d)で乾燥させた後、目的とする発光材料が収得される。
【0076】
本発明はまた、発光団または変換発光団としての本発明の発光材料の用途、特に、UV光、紫色光および/または青色光を低エネルギー光、つまり、より長い波長の光で部分的にまたは完全に変換するための用途をさらに提供する。
【0077】
本発明の化合物は従って、発光団とも呼ばれる。
【0078】
本発明は、本発明の化合物を含む放射線-変換混合物をさらに提供する。放射線-変換混合物は、本発明の一つ以上の化合物で構成され得、よって、前記で定義された用語「発光団」または「変換発光団」と同一になり得る。
【0079】
本発明の一つの化合物だけでなく、放射線-変換混合物は一つ以上の追加発光材料を含むことが好ましい。好ましい発光材料は、本発明の化合物以外の変換発光団、または半導体ナノ粒子(量子材料)である。
【0080】
特に好ましい実施例において、放射線-変換混合物は本開示の化合物およびさらに変換発光団を含む。本発明の化合物および追加変換発光団は、各々互いに補完的な波長を有する光を放出することが非常に特に好ましい。
【0081】
代案的な特に好ましい実施例において、放射線-変換混合物は本発明の化合物および量子材料を含む。本発明の化合物および量子材料は、各々互いに補完的な波長を有する光を放出することが特に非常に好ましい。
【0082】
特により好ましい実施例において、放射線-変換混合物は、本発明の化合物、変換発光団および量子材料を含む。
【0083】
本発明の化合物が少量で使用される場合、それらは既に優れたLED品質を発生させる。LED品質は、一般的な媒介変数、例えばCRI(演色指数)、CCT(相関色温度)、ルーメン当量または絶対ルーメンまたはCIE xおよびy座標で色軌跡で記述される。
【0084】
演色指数(CRI)は当業者によく知られており、人工光源と太陽光またはフィラメント光源(後者の二つの光源のCRIは100)の色再現の真実性を比較する単位のない照明技術媒介変数である。
【0085】
相関色温度(CCT)は、当業者によく知られているケルビン単位を有する照明技術媒介変数である。前記数値が高いほど、光の青色成分が多くなり、合成放射線源から出る白色光が観察者により冷たく表れる。CCTは、CIEダイアグラムにおいてプランク曲線と呼ばれる色温度で記述される黒体放射体の概念に従う。
【0086】
ルーメン当量は、lm/W単位を有し、ワット単位の特定放射輻射力の光源からルーメンの測光光束の大きさを表す、当業者によく知られている照明技術媒介変数である。ルーメン当量が高いほど、光源の効率が高くなる。
【0087】
単位ルーメンを有する光束は、放射線源によって放出される総可視放射線の尺度である光源からの光束を表す、当業者によく知られている測光照明技術媒介変数である。光束が大きいほど、光源が観察者にさらに明るく見える。
【0088】
CIE xおよびCIE yは、CIE標準色度(本明細書では1931 Standard Observer)で光源の色が記述される、当業者によく知られている座標である。
【0089】
上に列挙した全ての媒介変数は、光源の放出スペクトルから当業者に公知の方法によって計算することができる。
【0090】
本発明の発光団の励起性は、約250nm~約550nm、好ましくは約325nm~約525nmに至る広い範囲に亘って拡張される。
【0091】
本発明は、少なくとも一つの一次光源および本発明の少なくとも一つの化合物または本発明の放射線-変換混合物を含む光源をさらに提供する。ここで、一次光源の最大放出値は、典型的に本発明の発光団によって一次放射線が部分的にまたは完全に長波放射線に変換される約250nm~約550nmの範囲内、好ましくは約325nm~約525nmの範囲内である。
【0092】
本発明の光源の好ましい実施例において、一次光源は、特に0≦i,0≦j,0≦k,i+j+k=1である式IniGajAlkNの、発光インジウムアルミニウムガリウム窒化物を含む。
【0093】
当業者は、このような種類の光源の可能な形態を知っている。それらは、他の構成の発光LEDチップでもよい。
【0094】
本発明の光源のより好ましい実施例において、一次光源は、ZnO,TCO(透明導電性酸化物),ZnSeまたはSiC等を基盤とする発光配列、または有機発光層(OLED)を基盤とする配列である。
【0095】
本発明の光源のより好ましい実施例において、一次光源は、電界発光および/または光発光を表す光源である。また、一次光源はプラズマソースまたは放電ソースでもよい。
【0096】
本発明の該当光源は、発光ダイオードまたはLEDとも呼ばれる。
【0097】
本発明の発光材料は、個別的に使用できたり、或いは当業者によく知られている適した発光材料との混合物として使用することができる。混合物に適した該当発光材料は原則的に変換発光団または量子材料である。
【0098】
本発明の発光材料と一緒に使用することができ、本発明の放射線-変換混合物を形成できる変換発光団は、如何なる特別な制限も受けない。よって、可能な全ての変換発光団を使用することが一般的に可能である。次のものが特に適する:Ba2SiO4:Eu2+,Ba3SiO5:Eu2+,(Ba,Ca)3SiO5:Eu2+,BaSi2N2O2:Eu,BaSi2O5:Pb2+,Ba3Si6O12N2:Eu,BaxSr1-xF2:Eu2+(with 0≦x≦1)、BaSrMgSi2O7:Eu2+,BaTiP2O7,(Ba,Ti)2P2O7:Ti,BaY2F8:Er33+,Yb+,Be2SiO4:Mn2+,Bi4Ge3O12,CaAl2O4:Ce3+,CaLa4O7:Ce3+,CaAl2O4:Eu2+,CaAl2O4:Mn2+,CaAl4O7:Pb2+,Mn2+,CaAl2O4:Tb3+,Ca3Al2Si3O12:Ce3+,Ca3Al2Si3O12:Ce3+,Ca3Al2Si3O12:Eu2+,Ca2B5O9Br:Eu2+,Ca2B5O9Cl:Eu2+,Ca2B5O9Cl:Pb2+,CaB2O4:Mn2+,Ca2B2O5:Mn2+,CaB2O4:Pb2+,CaB2P2O9:Eu2+,Ca5B2SiO10:Eu3+,Ca0.5Ba0.5Al12O19:Ce3+,Mn2+,Ca2Ba3(PO4)3Cl:Eu2+,SiO2内CaBr2:Eu2+,SiO2内CaCl2:Eu2+,SiO2内CaCl2:Eu2+,Mn2+,CaF2:Ce3+,CaF2:Ce3+,Mn2+,CaF2:Ce3+,Tb3+,CaF2:Eu2+,CaF2:Mn2+,CaGa2O4:Mn2+,CaGa4O7:Mn2+,CaGa2S4:Ce3+,CaGa2S4:Eu2+,CaGa2S4:Mn2+,CaGa2S4:Pb2+,CaGeO3:Mn2+,SiO2内CaI2:Eu2+,SiO2内CaI2:Eu2+,Mn2+,CaLaBO4:Eu3+,CaLaB3O7:Ce3+,Mn2+,Ca2La2BO6.5:Pb2+,Ca2MgSi2O7,Ca2MgSi2O7:Ce3+,CaMgSi2O6:Eu2+,Ca3MgSi2O8:Eu2+,Ca2MgSi2O7:Eu2+,CaMgSi2O6:Eu2+,Mn2+,Ca2MgSi2O7:Eu2+,Mn2+,CaMoO4,CaMoO4:Eu3+,CaO:Bi3+,CaO:Cd2+,CaO:Cu+,CaO:Eu3+,CaO:Eu3+,Na+,CaO:Mn2+,CaO:Pb2+,CaO:Sb3+,CaO:Sm3+,CaO:Tb3+,CaO:TI,CaO:Zn2+,Ca2P2O7:Ce3+,α-Ca3(PO4)2:Ce3+,β-Ca3(PO4)2:Ce3+,Ca5(PO4)3Cl:Eu2+,Ca5(PO4)3Cl:Mn2+,Ca5(PO4)3Cl:Sb3+,Ca5(PO4)3Cl:Sn2+,β-Ca3(PO4)2:Eu2+,Mn2+,Ca5(PO4)3F:Mn2+,Ca5(PO4)3F:Sb3+,Ca5(PO4)3F:Sn2+,α-Ca3(PO4)2:Eu2+,β-Ca3(PO4)2:Eu2+,Ca2P2O7:Eu2+,Ca2P2O7:Eu2+,Mn2+,CaP2O6:Mn2+,α-Ca3(PO4)2:Pb2+,α-Ca3(PO4)2:Sn2+,β-Ca3(PO4)2:Sn2+,β-Ca2P2O7:Sn,Mn,α-Ca3(PO4)2:Tr,CaS:Bi3+,CaS:Bi3+,Na,CaS:Ce3+,CaS:Eu2+,CaS:Cu+,Na+,CaS:La3+,CaS:Mn2+,CaSO4:Bi,CaSO4:Ce3+,CaSO4:Ce3+,Mn2+,CaSO4:Eu2+,CaSO4:Eu2+,Mn2+,CaSO4:Pb2+,CaS:Pb2+,CaS:Pb2+,Cl,CaS:Pb2+,Mn2+,CaS:Pr3+,Pb2+,Cl,CaS:Sb3+,CaS:Sb3+,Na,CaS:Sm3+,CaS:Sn2+,CaS:Sn2+,F,CaS:Tb3+,CaS:Tb3+,Cl,CaS:Y3+,CaS:Yb2+,CaS:Yb2+,Cl,CaSc2O4:Ce,Ca3(Sc,Mg)2Si3O12:Ce,CaSiO3:Ce3+,Ca3SiO4Cl2:Eu2+,Ca3SiO4Cl2:Pb2+,CaSiO3:Eu2+,Ca3SiO5:Eu2+,(Ca,Sr)3SO5:Eu2+,(Ca,Sr)3MgSi2O8:Eu2+,(Ca,Sr)3MgSi2O8:Eu2+,Mn2+,CaSiO3:Mn2+,Pb,CaSiO3:Pb2+,CaSiO3:Pb2+,Mn2+,CaSiO3:Ti4+,CaSr2(PO4)2:Bi3+,β-(Ca,Sr)3(PO4)2:Sn2+Mn2+,CaTi0.9Al0.1O3:Bi3+,CaTiO3:Eu3+,CaTiO3:Pr3+,Ca5(VO4)3Cl,CaWO4,CaWO4:Pb2+,CaWO4:W,Ca3WO6:U,CaYAlO4:Eu3,CaYBO4:Bi3+,CaYBO4:Eu3+,CaYB0.8O3.7:Eu3+,CaY2ZrO6:Eu3+,(Ca,Zn,Mg)3(PO4)2:Sn,(Ce,Mg)BaAl11O18:Ce,(Ce,Mg)SrAl11O18:Ce,CeMgAl11O19:Ce:Tb,Cd2B6O11:Mn2+,CdS:Ag+,Cr,CdS:In,CdS:In,CdS:In,Te,CdS:Te,CdWO4,CsF,CsI,CsI:Na+,CsI:TI,(ErCl3)0.25(BaCl2)0.75,GaN:Zn,Gd3Ga5O12:Cr3+,Gd3Ga5O12:Cr,Ce,GdNbO4:Bi3+,Gd2O2S:Eu3+,Gd2O2Pr3+,Gd2O2S:Pr,Ce,F,Gd2O2S:Tb3+,Gd2SiO5:Ce3+,KAl11O17:TI+,KGa11O17:Mn2+,K2La2Ti3O10:Eu,KMgF3:Eu2+,KMgF3:Mn2+,K2SiF6:Mn4+,LaAl3B4O12:Eu3+,LaAlB2O6:Eu3+,LaAlO3:Eu3+,LaAlO3:Sm3+,LaAsO4:Eu3+,LaBr3:Ce3+,LaBO3:Eu3+,LaCl3:Ce3+,La2O3:Bi3+,LaOBr:Tb3+,LaOBr:Tm3+,LaOCl:Bi3+,LaOCl:Eu3+,LaOF:Eu3+,La2O3:Eu3+,La2O3:Pr3+,La2O2S:Tb3+,LaPO4:Ce3+,LaPO4:Eu3+,LaSiO3Cl:Ce3+,LaSiO3Cl:Ce3+,Tb3+,LaVO4:Eu3+,La2W3O12:Eu3+,LiAlF4:Mn2+,LiAl5O8:Fe3+,LiAlO2:Fe3+,LiAlO2:Mn2+,LiAl5O8:Mn2+,Li2CaP2O7:Ce3+,Mn2+,LiCeBa4Si4O14:Mn2+,LiCeSrBa3Si4O14:Mn2+,LiInO2:Eu3+,LiInO2:Sm3+,LiLaO2:Eu3+,LuAlO3:Ce3+,(Lu,Gd)2SiO5:Ce3+,Lu2SiO5:Ce3+,Lu2Si2O7:Ce3+,LuTaO4:Nb5+,Lu1-xYxAlO3:Ce3+(0≦x≦1),(Lu,Y)3(Al,Ga,Sc)5O12:Ce,MgAl2O4:Mn2+,MgSrAl10O17:Ce,MgB2O4:Mn2+,MgBa2(PO4)2:Sn2+,MgBa2(PO4)2:U,MgBaP2O7:Eu2+,MgBaP2O7:Eu2+,Mn2+,MgBa3Si2O8:Eu2+,MgBa(SO4)2:Eu2+,Mg3Ca3(PO4)4:Eu2+,MgCaP2O7:Mn2+,Mg2Ca(SO4)3:Eu2+,Mg2Ca(SO4)3:Eu2+,Mn2,MgCeAlnO19:Tb3+,Mg4(F)GeO6:Mn2+,Mg4(F)(Ge,Sn)O6:Mn2+,MgF2:Mn2+,MgGa2O4:Mn2+,Mg8Ge2O11F2:Mn4+,MgS:Eu2+,MgSiO3:Mn2+,Mg2SiO4:Mn2+,Mg3SiO3F4:Ti4+,MgSO4:Eu2+,MgSO4:Pb2+,MgSrBa2Si2O7:Eu2+,MgSrP2O7:Eu2+,MgSr5(PO4)4:Sn2+,MgSr3Si2O8:Eu2+,Mn2+,Mg2Sr(SO4)3:Eu2+,Mg2TiO4:Mn4+,MgWO4,MgYBO4:Eu3+,M2MgSi2O7:Eu2+(M=Ca,Sr,and/or Ba),M2MgSi2O7:Eu2+,Mn2+(M=Ca,Sr,and/or Ba),M2MgSi2O7:Eu2+,Zr4+(M=Ca,Sr,and/or Ba),M2MgSi2O7:Eu2+,Mn2+,Zr4+(M=Ca,Sr,and/or Ba),Na3Ce(PO4)2:Tb3+,Na1.23K0.42Eu0.12TiSi4O11:Eu3+,Na1.23K0.42Eu0.12TiSi5O13.xH2O:Eu3+,Na1.29K0.46Er0.08TiSi4O11:Eu3+,Na2Mg3Al2Si2O10:Tb,Na(Mg2-xMnx)LiSi4O10F2:Mn(0≦x≦2),NaYF4:Er3+,Yb3+,NaYO2:Eu3+,P46(70%)+P47(30%),6-SiAlON:Eu,SrAl12O19:Ce3+,Mn2+,SrAl2O4:Eu2+,SrAl4O7:Eu3+,SrAl12O19:Eu2+,SrAl2S4:Eu2+,Sr2B5O9Cl:Eu2+,SrB4O7:Eu2+(F,Cl,Br),SrB4O7:Pb2+,SrB4O7:Pb2+,Mn2+,SrB8O13:Sm2+,SrxBayClzAl2O4-z/2:Mn2+,Ce3+,SrBaSiO4:Eu2+,(Sr,Ba)3SiO5:Eu,(Sr,Ca)Si2N2O2:Eu,SiO2中のSr(Cl,Br,I)2:Eu2+,SiO2中のSrCl2:Eu2+,Sr5Cl(PO4)3:Eu,SrwFxB4O6.5:Eu2+,SrwFxByOz:Eu2+,Sm2+,SrF2:Eu2+,SrGa12O19:Mn2+,SrGa2S4:Ce3+,SrGa2S4:Eu2+,Sr2-yBaySiO4:Eu(0≦y≦2),SrSi2O2N2:Eu,SrGa2S4:Pb2+,SrIn2O4:Pr3+,Al3+,(Sr,Mg)3(PO4)2:Sn,SrMgSi2O6:Eu2+,Sr2MgSi2O7:Eu2+,Sr3MgSi2O8:Eu2+,SrMoO4:U,SrO。3B2O3:Eu2+,Cl,β-SrO。3B2O3:Pb2+,β-SrO。3B2O3:Pb2+,Mn2+,α-SrO。3B2O3:Sm2+,Sr6P5BO20:Eu,Sr5(PO4)3Cl:Eu2+,Sr5(PO4)3Cl:Eu2+,Pr3+,Sr5(PO4)3Cl:Mn2+,Sr5(PO4)3Cl:Sb3+,Sr2P2O7:Eu2+,β-Sr3(PO4)2:Eu2+,Sr5(PO4)3F:Mn2+,Sr5(PO4)3F:Sb3+,Sr5(PO4)3F:Sb3+,Mn2+,Sr5(PO4)3F:Sn2+,Sr2P2O7:Sn2+,β-Sr3(PO4)2:Sn2+,β-Sr3(PO4)2:Sn2+,Mn2+(Al),SrS:Ce3+,SrS:Eu2+,SrS:Mn2+,SrS:Cu+,Na,SrSO4:Bi,SrSO4:Ce3+,SrSO4:Eu2+,SrSO4:Eu2+,(Sr,Ba)3SiO5:Eu2+,SrTiO3:Pr3+,SrTiO3:Pr3+,Al3+,SrY2O3:Eu3+,ThO2:Eu3+,ThO2:Pr3+,ThO2:Tb3+,YAl3B4O12:Bi3+,YAl3B4O12:Ce3+,YAl3B4O12:Ce3+,Mn,YAl3B4O12:Ce3+,Tb3+,YAl3B4O12:Eu3+,YAl3B4O12:Eu3+,Cr3+,YAl3B4O12:Th4+,Ce3+,Mn2+,YAlO3:Ce
3+,Y3Al5O12:Ce3+,Y3Al5O12:Cr3+,YAlO3:Eu3+,Y3Al5O12:Eu3+,Y4Al2O9:Eu3+,Y3Al5O12:Mn4+,YAlO3:Sm3+,YAlO3:Tb3+,Y3Al5O12:Tb3+,YAsO4:Eu3+,YBO3:Ce3+,YBO3:Eu3+,YF3:Er3+,Yb3+,YF3:Mn2+,YF3:Mn2+,Th4+,YF3:Tm3+,Yb3+,(Y,Gd)BO3:Eu,(Y,Gd)BO3:Tb,(Y,Gd)2O3:Eu3+,Y1.34Gd0.60O3:(Eu,Pr),Y2O3:Bi3+,YOBr:Eu3+,Y2O3:Ce,Y2O3:Er3+,Y2O3:Eu3+,Y2O3:Ce3+,Tb3+,YOCl:Ce3+,YOCl:Eu3+,YOF:Eu3+,YOF:Tb3+,Y2O3:Ho3+,Y2O2S:Eu3+,Y2O2S:Pr3+,Y2O2S:Tb3+,Y2O3:Tb3+,YPO4:Ce3+,YPO4:Ce3+,Tb3+,YPO4:Eu3+,YPO4:Mn2+,Th4+,YPO4:V5+,Y(P,V)O4:Eu,Y2SiO5:Ce3+,YTaO4,YTaO4:Nb5+,YVO4:Dy3+,YVO4:Eu3+,ZnAl2O4:Mn2+,ZnB2O4:Mn2+,ZnBa2S3:Mn2+,(Zn,Be)2SiO4:Mn2+,Zn0.4Cd0.6S:Ag,Zn0.6Cd0.4S:Ag,(Zn,Cd)S:Ag,Cl,(Zn,Cd)S:Cu,ZnF2:Mn2+,ZnGa2O4,ZnGa2O4:Mn2+,ZnGa2S4:Mn2+,Zn2GeO4:Mn2+,(Zn,Mg)F2:Mn2+,ZnMg2(PO4)2:Mn2+,(Zn,Mg)3(PO4)2:Mn2+,ZnO:Al3+,Ga3+,ZnO:Bi3+,ZnO:Ga3+,ZnO:Ga,ZnO―CdO:Ga,ZnO:S,ZnO:Se,ZnO:Zn,ZnS:Ag+,Cl-,ZnS:Ag,Cu,Cl,ZnS:Ag,Ni,ZnS:Au,In,ZnS―CdS(25-75),ZnS―CdS(50-50),ZnS―CdS(75-25),ZnS―CdS:Ag,Br,Ni,ZnS―CdS:Ag+,Cl,ZnS―CdS:Cu,Br,ZnS―CdS:Cu,I,ZnS:Cl,ZnS:Eu2+,ZnS:Cu,ZnS:Cu+,Al3+,ZnS:Cu+,Cl,ZnS:Cu,Sn,ZnS:Eu2+,ZnS:Mn2+,ZnS:Mn,Cu,ZnS:Mn2+,Te2+,ZnS:P,ZnS:P3-,Cl-,ZnS:Pb2+,ZnS:Pb,Cu,Zn3(PO4)2:Mn2+,Zn2SiO4:Mn2+,Zn2SiO4:Mn2+,As5+,Zn2SiO4:Mn,Sb2O2,Zn2SiO4:Mn2+,P,Zn2SiO4:Ti4+,ZnS:Sn2+,ZnS:Sn,Ag,ZnS:Te,Mn,ZnS―ZnTe:Mn2+,ZnSe:Cu+,ClおよびZnWO4。
【0099】
本発明の化合物は、別の蛍光色相の追加発光団と混合する際、またはそのような発光団と一緒にLEDに使用する際に、特に利点を表す。緑色-放出発光団と一緒に本発明の化合物を使用することが好ましい。特に本発明の化合物が緑色-放出発光団と組み合わされる場合、白色LEDに対する照明媒介変数の最適化が特に成功的に可能だということが明らかになった。
【0100】
該当緑色-放出発光団は、当業者に公知あるいは前記目録から当業者によって選択することができる。本明細書で特に適した緑色-放出発光団は、(Sr,Ba)2SiO4:Eu,(Sr,Ba)3SiO5:Eu,(Sr,Ca)Si2N2O2:Eu,BaSi2N2O2:Eu,(Lu,Y)3(Al,Ga,Sc)5O12:Ce,SiAlON:Eu,CaSc2O4:Ce,CaSc2O4:Ce,Mg,Ba3Si6O12N2:Eu、およびCa3(Sc,Mg)2Si3O12:Ceである。Ba3Si6O12N2:EuおよびCa3(Sc,Mg)2Si3O12:Ceが特に好ましい。
【0101】
本発明のより好ましい実施例において、本発明の化合物を唯一の発光団として使用することが好ましい。本発明の化合物は、高い赤色成分を有する広い放出スペクトルの結果として、単一発光団として使用される場合にも非常に優れた結果を表す。
【0102】
本発明の発光材料と一緒に使用することができ、本発明の放射線-変換混合物を形成できる量子材料は何ら特別な制限も受けない。よって、可能な全ての量子材料を使用することが一般的に可能である。本明細書で適した量子材料は、特にコア-シェル構成またはコア-多重シェル構成で存在し得る長い、丸い、楕円形、およびピラミッド状を有する半導体ナノ粒子である。このような種類の半導体ナノ粒子は、その開示内容が本明細書に参照として統合された、例えばWO2005075339、WO2006134599、EP2 528 989B1および米国特許第8,062,421B2に公知となっている。
【0103】
量子材料は、好ましくはII-VI族、III-V族、IV-VI族またはI-III-VI2族半導体またはこれらの任意の組み合わせで構成される。例えば、量子材料は、CdS,CdSe,CdTe,ZnS,ZnSe,ZnTe,ZnO,GaAs,GaP,GaAs,GaSb,GaN,HgS,HgSe,HgTe,InAs,InP,InSb,AlAs,AlP,AlSb,Cu2S,Cu2Se,CuGaS2,CuGaSe2,CuInS2,CuInSe2,Cu2(InGa)S4,AgInS2,AgInSe2,Cu2(ZnSn)S4、これらの合金およびこれらの混合物からなるグループから選択できる。
【0104】
量子材料は、非活性化された結晶質材料の表面に半導体ナノ粒子形態で存在してもよい。このような種類の材料では、半導体ナノ粒子の一つ以上の類型は非活性化された結晶質材料の一つ以上の類型、例えば非活性化された発光団マトリックス材料の表面に存在する。このような類型の材料は、蛍光体マトリックス上の量子材料(QMOP)とも呼ばれ、その開示内容が本明細書に参照として統合された、WO2017/041875A1に公知となっている。
【0105】
本発明の追加実施例において、緑色-放出発光団が赤色-放出発光団を既に通過したり、これによって散乱された光によって本質的に照射されるのに対し、赤色-放出発光団は一次光源からの光によって本質的に照射されるように、発光団が一次光源上に配列されることが好ましい。これは、赤色-放出発光団が一次光源と緑色-放出発光団間に装着されることで達成することができる。
【0106】
本発明の発光団または発光団の組み合わせは、バルク材料、粉末材料、厚い或いは薄いシート材料または自立型材料の形態でもよく、好ましくはフィルム形態でもよい。また、封止材に埋められてもよい。
【0107】
本発明の発光団または発光団の組み合わせは、本明細書で封止材に分散されるか、適切な大きさの割合が与えられると、応用分野に従って一次光源の直ぐ上に配列したり、またはそれから一定距離を置いて配列することができる(後者の配列はまた「遠隔(remote)蛍光体技術」を含む)。遠隔蛍光体技術の長所は、当業者に知られていて、例えば、下記刊行物に記載されている:Japanese Journal of Applied Physics Vol.44,No.21(2005),L649-L651
【0108】
「封止材」という用語は、本発明の発光材料および放射線-変換混合物を封止化する透明マトリックス材料に関するものである。透明マトリックス材料は、シリコン、重合体(単量体またはオリゴマーのような液体、或いは半固体前駆体材料から形成される)、エポキシド、ガラスまたはシリコンとエポキシドのハイブリッドから形成できる。重合体の具体的だが非制限的な例には、フッ素重合体、ポリアクリルアミド重合体、ポリアクリル酸重合体、ポリアクリロニトリル重合体、ポリアニリン重合体、ポリベンゾフェノン重合体、ポリ(メチルメタクリレート)重合体、シリコン重合体、アルミニウム重合体、ポリビスフェノール重合体、ポリブタジエン重合体、ポリジメチルシロキサン重合体、ポリエチレン重合体、ポリイソブチレン重合体、ポリプロピレン重合体、ポリスチレン重合体、ポリビニル重合体、ポリビニルブチラール重合体またはパーフルオロシクロブチル重合体を含む。シリコンには、ゲル、例えばDow Corning(登録商標)OE-6450、エラストマー、例えばDow Corning(登録商標)OE-6520、Dow Corning(登録商標)OE-6550、Dow Corning(登録商標)OE-6630、および樹脂、例えばDow Corning(登録商標)OE-6635、Dow Corning(登録商標)OE-6665、Nusil LS-6143およびNusilのその他の製品、Momentive RTV615、Momentive RTV656およびその他の製造業者のその他の様々な製品を含むことができる。また、封止材は(ポリ)シラザン、例えば変性有機ポリシラザン(MOPS)またはパーヒドロポリシラザン(PHPS)になり得る。封止材を基準に、発光材料または放射線-変換混合物の割合は、好ましくは1%~300重量%の範囲、より好ましくは3%~50重量%の範囲である。
【0109】
追加実施例において、発光材料と一次光源間の光学的結合が導光配列によって達成されることが好ましい。よって、一次光源を中央位置に設置し、これを導光装置、例えば光繊維を通じて発光材料に光学的に連結することが可能である。このような方式で、電気的設置に有利な位置に強力な一次光源を配置することができ、別途の電気ケーブルを連結することなく、単に光繊維を配置するだけで、光繊維に光学的に結合された発光材料で構成された照明を希望するどの位置でも設置することができる。
【0110】
また、本発明の発光団または本発明の放射線-変換混合物は、例えばUS2014/0369036A1に記載されているように、フィラメントLEDに使用することができる。
【0111】
本発明は、本発明の少なくとも一つの光源を含むことを特徴とする、特にディスプレイ装置のバックライトのための照明ユニット、および本発明の少なくとも一つの照明ユニットを含むことを特徴とする、バックライトを有するディスプレイ装置、特に液晶ディスプレイ装置(LCディスプレイ)をさらに提供する。
【0112】
LEDに使用するための本発明の発光団の平均粒子径は、典型的に50nm~30μm間、好ましくは0.1μm~25μm間、より好ましくは1μm~20μm間である。平均粒子径は、好ましくはISO13320:2009(「粒子径分析レーザー回析法」)によって確認できる。ISO標準は、粒子の光散乱特性分析を通じた粒子径分布測定を基盤とする。
【0113】
LEDに使用するために、発光団は球形粒子、プレートレット(platelets)、構造化された材料およびセラミックのような、希望する外部形態に変換されてもよい。このような形態は、「成形体」という用語によって本発明に基づいて含まれる。好ましくは、成形体は「発光団体」である。よって、本発明は本発明の発光団を含む成形体をさらに提供する。該当成形体の生産および使用は、非常に多くの刊行物を通じて当業者に知られている。
【0114】
本発明の化合物は、下記のような有利な特性を有する:
【0115】
1)本発明の化合物は、高い赤色成分を有する放出スペクトルを有し、高い光発光量子収率を有する。
【0116】
2)本発明の化合物は、低い熱的クエンチング(quenching)を有する。例えば、本発明の化合物のTQ1/2値は、典型的に400K超過領域内にある。
【0117】
3)本発明の化合物の高い熱安定性はまた、高熱ストレス下でも光源内での材料の使用を可能にする。
【0118】
4)また、本発明の化合物は、長い寿命を特徴とし、LED内で高演色性と高い色温度安定性を可能にする。これは、低い色温度(CCT<4000K)で高演色性を有する温白色PC-LEDの具現を可能にする。
【0119】
5)本発明の化合物は、簡単な合成によって効率的且つ安価に製造することができる。
【0120】
本明細書に記述された全ての実施例は、各実施例が互いに排他的ではない限り、互いに結合され得る。より具体的には、本文書の教示に鑑みると、特に好ましい特定実施例に到達するために、特に本明細書に記述された多様な実施例を結合することが通常の最適化の過程で明らかな工程である。
【0121】
次に、実験例は、本発明を例示するためのものであり、特に、記述された本発明の実施例の例示的な組み合わせの結果を見せるためのものである。しかし、これは決して制限的なものと見なしてはならなく、むしろ、一般化を促すことを意図としている。製造に使用される全ての化合物または成分は公知のものであり、商業的に利用可能であるか、或いは公知の方法によって合成することができる。実験例に報告された温度は、常に℃単位とする。技術および実験例共に、組成物に使用された構成成分の量を合わせると、常に計100%になるということも自明なものである。百分率は、常に与えられた脈絡(コンテクスト)内で表されなければならない。
【0122】
[実験例および試験方法]
放出スペクトルは、450nmの励起波長において、粉末サンプル用ミラー光学装置が装着された、エディンバラインストルメント社(Edinburgh Instruments Ltd.)の蛍光分光計を使用して記録された。使用された励起源は、450W Xeランプだった。温度による放出測定のために、分光計にはオックスフォードインストルメント(Oxford Instruments,MicrostatN2)の低温維持装置が装着された。使用された冷媒は窒素だった。
【0123】
反射スペクトルは、エディンバラインストルメント社の蛍光分光計を使用して結晶された。そのために、サンプルをBaSO4-コーティングされたウルブリヒト(Ulbricht)球に入れ、分析した。反射スペクトルは、250nm~800nmの範囲内で記録された。使用された白色標準品は、BaSO4(Alfa Aesar99.998%)だった。450W高圧Xeランプが励起源として使用された。
【0124】
励起スペクトルは、粉末サンプル用ミラー光学装置が装着された、エディンバラインストルメント社の蛍光分光計を使用して550nmで記録された。使用された励起源は450W Xeランプだった。
【0125】
X-線回析図は、ブラッグ-ブレンターノ(Bregg-Brentano)幾何学形状で作動するリガクミニフレックスII(Rigaku Miniflex II)を使用してCu K-アルファ(Cu k alpha)放射線と1秒の統合時間で0.02°段階と記録された。
【0126】
結晶構造の分析は、下記の通り行った:針状の単結晶を分離する。結晶は、蜜ろうで薄い石英繊維に貼り付けた。強度データ収集のための単結晶の品質は、バーガー(Buerger)カメラ(白色モリブデンX-放射線,イメージプレート技術,富士フィルム,BAS-1800)を使用してラウエ(Laue)イメージで検証した。データセットは、293KのMoマイクロフォーカスソースとピラタス(Pilatus)感知システムが装着されたストアスタディバリ(Stoe StadiVari)の回析計で測定された。温度は、±0.5Kの正確度によりクライオストリームプラス(Cryostream Plus)システム(Oxford Cryosystems,700シリーズ)を使用して制御した。X線ソースのガウスプロファイルを基盤に、全てのデータセットに対する数値吸収補正を用いてスケーリングが行われた。
【0127】
[実験例1:KHFMo0.5Ti0.45Mn0.05Oの製造]
KF 6.69g(120mmol)、KMoO 1.19g(5.00mmol)、TiO 0.36g(4.5mmol)、およびKMnF 0.1234g(0.5mmol)を各々フッ酸(48重量%)3mlに溶解させた。激しく撹拌させながら、KF溶液を先にKMnF溶液と混合した。その後、KMoO溶液とTiO溶液をゆっくり滴加した。組成KHFMo0.5Ti0.45Mn0.05Oと一致する黄色沈殿物が瞬間的に形成された。前記粉末をろ過した後、冷たいアセトン(約0℃)で繰り返し洗浄した。収得された淡黄色粉末を80℃で8時間乾燥させた。CIE1931色軌跡はx=0.688およびy=0.312である。ルーメン当量は231lm/Woptである。図5は、製造された化合物のX線粉末回析図である。
【0128】
[実験例2:KHF0.5Ti0.45Mn0.05Oの製造]
KF 6.69g(120mmol)、KWO 1.63g(5mmol)、TiO 0.36g(4.5mmol)、およびKMnF 0.1234g(0.5mmol)を各々3mlのフッ酸(48重量%)に溶解させた。激しく撹拌させながら、KF溶液を先にKMnF溶液と混合した。その後、KWO溶液とTiO溶液をゆっくり滴加した。組成KHF0.5Ti0.45Mn0.05Oと一致する黄色沈殿物が瞬間的に形成された。前記粉末をろ過した後、冷たいアセトン(約0℃)で繰り返し洗浄した。収得された淡黄色粉末を80℃で8時間乾燥させた。CIE1931色軌跡はx=0.688およびy=0.312である。ルーメン当量は225lm/Woptである。製造された化合物の反射スペクトル、励起スペクトル、放出スペクトルおよび熱的クエンチング曲線が図1~4に示されている。図6および7は、X線粉末回析図と製造された化合物の結晶構造である。
【0129】
[実験例3:KHF0.5Si0.45Mn0.05Oの製造]
KF 6.69g(120mmol)、KWO 1.63g(5mmol)、SiO 0.27g(4.5mmol)およびKMnF 0.1234g(0.5mmol)を各々3mlのフッ酸(48重量%)に溶解させた。激しく撹拌させながら、KF溶液を先にKMnF溶液と混合した。その後、KWO溶液とTiO溶液をゆっくり滴加した。組成KHF0.5Ti0.45Mn0.05Oと一致する黄色沈殿物が瞬間的に形成された。前記粉末をろ過した後、冷たいアセトン(約0℃)で繰り返し洗浄した。収得された淡黄色粉末を80℃で8時間乾燥させた。CIE1931色軌跡はx=0.688およびy=0.312である。ルーメン当量は225lm/Woptである。
【0130】
図6は、本開示の一実施例にかかる発光装置100を説明するための概略的な断面図である。図6を参照すると、発光装置100は、ハウジング101、発光ダイオード102および波長変換部103を含む。波長変換部103は、複数の蛍光体104,105,106を含み得る。本実施例において、波長変換部103は、第1蛍光体104、第2蛍光体105、および第3蛍光体106を含むことを開示しているが、蛍光体の個数はこれに制限されるのではない。
【0131】
ハウジング101は、キャビティを形成する内壁を有し得る。発光ダイオード102、第1蛍光体104、第2蛍光体105、第3蛍光体106および波長変換部103は、ハウジング101のキャビティ内に配置することができる。ハウジング101の内壁は、発光ダイオード102から放出される光の反射のために傾斜するように形成することができる。
【0132】
発光ダイオード102は、ハウジング101の底面に配置することができ、ハウジング101には発光ダイオード102に電気的に連結するためのリード端子を配置することができる。波長変換部103は、第1,第2および第3蛍光体104,105,106を含み、発光ダイオード102を覆うことができる。
【0133】
発光ダイオード102は、紫外線発光ダイオードまたは青色発光ダイオードになり得る。発光ダイオード102が青色発光ダイオードの場合は、放出する光のピーク波長は410nm~490nmの範囲内に位置し得る。発光ダイオード102が放出する青色光の発光スペクトルの半値幅(full width at half maximum:FWHM)は、30nm以下になり得る。本開示にかかる発光装置100において、一つの発光ダイオード102が配置されることを開示したが、配置される発光ダイオード102の個数および配置形態はこれに制限されるのではなく、複数の発光ダイオード102が配置され得る。複数の発光ダイオード102が配置される場合、複数の発光ダイオード102はピーク波長が互いに異なる光を放出することができる。複数の発光ダイオード102は、半値幅が互いに異なる発光スペクトルを有する光を放出することができる。複数の発光ダイオード102の発光スペクトル間の半値幅の差は10nm以下になり得る。複数の発光ダイオード102は、互いに異なる波長帯の光を放出することができる。例えば、一つの発光ダイオードは紫外線を放出し、別の一つの発光ダイオードは青色光を放出することができる。一実施例において、一つの発光ダイオードは紫外線または390nm~430nmの範囲内の短波長青色光を放出することができ、別の一つの発光ダイオードは430nm~470nmの範囲内の青色光を放出することができる。別の実施例において、複数の発光ダイオード102の少なくとも2つの発光ダイオードは、紫外線または390nm~430nmの範囲内の短波長青色光、または430nm~470nmの範囲内の青色光を放出することができる。
【0134】
波長変換部103は、高い硬度を有する物質で形成することができる。具体的には、波長変換部103は、高硬度を有させるために、シリコン(silicone)、エポキシ(epoxy)、PMMA(polymethyl methacrylate)、PE(polyethylene)およびPS(polystyrene)の少なくとも一つを含む物質で形成することができる。
【0135】
波長変換部103に含まれる複数の蛍光体104,105,106は、発光ダイオード102によって励起されて発光ダイオード102から放出される光と異なる波長帯域の光を放出することができる。複数の蛍光体104,105,106が放出する光のピーク波長は、互いに異なってもよい。一実施例において、複数の蛍光体104,105,106が放出する光のピーク波長は互いに異なるが、そのうち少なくとも二種の蛍光体は、同じ色域帯のピーク波長を有することができる。複数の蛍光体が放出する光の半値幅は互いに異なり得る。例えば、第1蛍光体104が放出する光の半値幅は、第2蛍光体105が放出する光の半値幅よりも大きく、第2蛍光体105が放出する光の半値幅は、第3蛍光体106が放出する光の半値幅よりも大きくなり得る。
【0136】
第1蛍光体104は、発光ダイオード102に励起されて緑色光を放出することができる。第2蛍光体105および第3蛍光体107は、発光ダイオードに励起されて赤色光を放出することができる。これとは異なり、第1蛍光体104および第2蛍光体105は発光ダイオード102に励起されて緑色光を放出することができ、第3蛍光体106は発光ダイオードに励起されて赤色光を放出することができる。
【0137】
第1蛍光体104が放出する緑色光のピーク波長は、500nm~600nmの範囲内に位置し得る。第1蛍光体104は、BAM(Ba-Al-Mg)系列の蛍光体、量子ドット(quantum dot)蛍光体、シリケート(Silicate)系列、ベータ-サイアロン(beta-SiAlON)系列、ガーネット(Garnet)系列、LSN系列およびフッ化物系列蛍光体から選択された少なくとも一つの蛍光体を含むことができる。波長変換部103に分散された第1蛍光体104は、10um以上50um以下の粒子径を有する蛍光体を含むことができる。
【0138】
第2蛍光体105は、発光ダイオード102によって励起されて赤色光を放出することができる。第2蛍光体105が放出する赤色光のピーク波長は、600nm~670nmの範囲内に位置することができる。第2蛍光体105は、CASN,CASONおよびSCASNで表される窒化物系蛍光体になり得るが、これに制限されるのではない。また、前記第2蛍光体105は、量子ドット(quantum dot)蛍光体、硫化物系蛍光体の少なくとも一つを含むことができる。波長変換部103に分散された第2蛍光体105は、5um以上30um以下の粒子径を有する蛍光体を含むことができる。
【0139】
第3蛍光体106は、発光ダイオード102によって励起されて赤色光を放出することができる。第3蛍光体106が放出する赤色光のピーク波長は、第2蛍光体105が放出する赤色光のピーク波長と異なり得る。第3蛍光体106が放出する赤色光のピーク波長は、600nm~670nmの範囲内で位置し得る。第3蛍光体は、本開示の実験例1~3に開示されたオキシドハライド(oxidohalide)ホスト格子に基づいたMn(IV)-活性化蛍光体になり得る。
【0140】
波長変換部103に分散された第3蛍光体106は、20um以上55um以下の粒子径を有する蛍光体を含み得る。図6を参照して、ハウジング101に約450nmのピーク波長を放出する青色発光ダイオード、ガーネット(Garnet)系列の緑色蛍光体、窒化物系赤色蛍光体およびオキシドハライド(oxidohalide)ホスト格子に基づいたMn(IV)-活性化赤色蛍光体を含む発光装置を製造して色座標(CIE)、CRI、R9およびFlux(Im(%))を測定して下記表1に示し、図7は前記発光装置によって放出された光のスペクトルを表す。
【0141】
また、前記本開示の実施例にかかる発光装置との比較のために、第3蛍光体が第2蛍光体と異なる窒化物系蛍光体を含むことを除き、前記本開示の発光装置と同じ方法で発光装置を製造して色座標(CIE)、CRI、R9およびFlux(Im(%))を測定して下記表1に示した。
【0142】
【表1】
【0143】
前記表1に示したように、本開示の一実施例に従って製造された発光装置は、目的とする色座標を維持してCRIが93以上の白色光を放出すると同時に、光量変化率が115%に高く表れることを確認することができる。よって、本開示の実施例に従って製造された発光装置は、比較例よりも高い演色性を有し、同時に高い光量を有する白色光を放出することができる。
【0144】
図7を参照すると、本発明にかかる白色光は、互いに異なる色領域で各々ピーク波長を有し得る。また、本発明にかかる白色光は、一つの色領域で複数のピーク波長を有することができる。例えば、白色光は赤色領域で複数のピーク波長を有することができる。赤色領域の複数のピーク波長は、緑色領域のピーク波長よりも狭い半値幅を有することができる。赤色領域の複数のピーク波長は、2個以上のピーク波長を含むことができ、さらに、4個以上のピーク波長を含むことができる。赤色領域の複数のピーク波長は、610nm~640nm間に存在する第1ピーク波長および630nm~650nm間に存在する第2ピーク波長を含むことができる。第1ピーク波長を有する発光スペクトルと第2ピーク波長を有する発光スペクトルは、各々20nm以下の半値幅を有することができる。さらに、第1ピーク波長を有する発光スペクトルと第2ピーク波長を有する発光スペクトルは、15nm以下の半値幅を有し得る。第1ピーク波長は、複数の第1サブピーク波長を有することができる。第1ピーク波長を有する光の強度は、第2ピーク波長を有する光の強度よりも高くなり得る。また、複数の第1サブピーク波長の少なくとも一つの第1サブピーク波長を有する光の強度は、第2ピーク波長を有する光の強度よりも高くなり得る。複数の第1サブピーク波長を有する光の強度は、第2ピーク波長を有する光の強度よりも高くなり得る。
【0145】
図8Aは、本開示のまた別の実施例にかかる発光装置100aを説明するための概略的な断面図である。
【0146】
図8Aを参照すると、発光装置100aは、ハウジング101、発光ダイオード102および波長変換部103を含み、前記波長変換部103は、複数の蛍光体104,105,106を含む。本実施例にかかる発光装置は、波長変換部103を除くと、図6にかかる発光装置と大体類似し、よって同じ構成要素に対する重複する説明は省略する。
【0147】
本実施例において、波長変換部103は、第1波長変換部103aおよび第2波長変換部103bを含むことができる。第1波長変換部103aおよび第2波長変換部103bは発光ダイオード102を覆うことができ、第2波長変換部103bは第1波長変換部103aを覆うことができる。第1波長変換部103aは、第2波長変換部103bと同じ硬度を有する物質で形成されたり、別の硬度を有する物質で形成され得る。
【0148】
一実施例において、第1波長変換部103aは、赤色光を放出する蛍光体105,106を含むことができ、第2波長変換部103bは、緑色光を放出する蛍光体104を含み得る。相対的に長波長を放出する第2および第3蛍光体105,106を下部に配置し、相対的に短波長を放出する第1蛍光体104を上部に配置して第1蛍光体104から放出された緑色光が第2蛍光体に吸収されて損失されることを防止することができる。
【0149】
別の実施例において、第1波長変換部103aは緑色光を放出する蛍光体104を含むことができ、第2波長変換部103bは、赤色光を放出する蛍光体105,106を含むことができる。このとき、赤色光を放出する複数の蛍光体の少なくとも一つは、緑色光によって励起される効率が低くなり得る。これによって、緑色光を放出する第1蛍光体104が下部に配置されても赤色蛍光体105または106に再度吸収されて損失されることを防止すると共に、熱に脆弱な赤色蛍光体の安定性を向上させることができる。
【0150】
本発明の実施例は、上で説明した蛍光体104,105,106の配置に制限されるのではない。つまり、第1波長変換部103aおよび第2波長変換部103bに配置される蛍光体104,105,106は、多様に変更することができる。例えば、図8Bは、本発明のまた別の実施例にかかる発光装置100bを説明するための概略的な断面図である。図8Bを参照すると、第1波長変換部103aに第3蛍光体106が分散されて配置され得、第2波長変換部103bに第1蛍光体104および第2蛍光体105が分散されて配置することができる。また、第2波長変換部103bにおいて、第1蛍光体104と第2蛍光体105は互いに異なる密度で配置することができる。例えば、第2蛍光体105は、第1蛍光体104に比べて低い密度で第2波長変換部103bに配置され得る。第1波長変換部103aに配置された第3蛍光体106は、発光ダイオード102の少なくとも一面、およびハウジング101の少なくとも一面と接するように配置することができる。または第3蛍光体106は、発光ダイオード102の少なくとも一側面および上面が接するように配置することができる。例えば、第3蛍光体106は、発光ダイオード102の側面および上面に層を形成することができる。このとき、発光ダイオード102の上面に配置される第3蛍光体106の厚さは、発光ダイオード102の側面に接するように配置する第3蛍光体106の厚さよりもさらに大きくなり得る。また、ハウジング101の底面に接するために配置される第3蛍光体106の厚さは、発光ダイオード102の上面に配置される第3蛍光体106の厚さと同じか、より大きくなり得る。図9は、本開示のまた別の実施例にかかる発光装置100cを説明するための概略的な断面図である。
【0151】
図9を参照すると、発光装置100cは、ハウジング101、発光ダイオード102および波長変換部108を含み、前記波長変換部108は蛍光体プレートである。本実施例にかかる発光装置100cは、蛍光体プレート108と除くと、図6を参照して説明した発光装置100と大体類似し、よって、同じ構成要素に対する重複する説明は省略する。
【0152】
蛍光体プレート108は、発光ダイオード102と離隔されて発光ダイオード102上部に配置され、複数の蛍光体104,105,106を含む。蛍光体プレート108と発光ダイオード102間にモールディング部が配置されてもよく、モールディング部の代わりに空間が形成されてもよい。蛍光体プレート108は、モールディング部と同じ硬度を有する物質または高い硬度を有する物質で形成することができ、シリコンまたはガラスで形成することができる。また、蛍光体プレート108は、発光ダイオード102と離隔されて配置されることにより、発光ダイオード102から放出された熱または光による蛍光体の損傷を減らすことができる。よって、蛍光体104,105,106の信頼性を向上させることができる。
【0153】
図10は、本開示のまた別の実施例にかかる発光装置200を説明するための概略的な断面図である。
【0154】
図10を参照すると、発光装置200は、基板209、発光ダイオード202および波長変換部203を含む。本実施例にかかる発光装置200は、図6を参照して説明したようなハウジング101を含まない。基板209は、発光ダイオード202に電気的に連結される印刷回路基板になり得る。波長変換部203は、複数の蛍光体204,205,206を含み、発光ダイオード202の上面をカバーして配置することができる。波長変換部203は、発光ダイオード202の側面をカバーしてもよい。
【0155】
図11は、本開示のまた別の実施例にかかる発光装置200aを説明するための概略的な断面図である。
【0156】
図11を参照すると、発光装置200aは、基板209、発光ダイオード202および波長変換部203a,203bを含む。本実施例にかかる発光装置200aは、図10を参照して説明した発光装置200と大体類似するが、前記波長変換部203a,203bが互いに積層した第1波長変換部203aおよび第2波長変換部203bを含むことに違いがある。
【0157】
第1波長変換部203aは、赤色光を放出する蛍光体205,206を含むことができ、第2波長変換部203bは、緑色光を放出する蛍光体204を含むことができる。長波長を放出する第2蛍光体205および第3蛍光体206を下部に配置し、短波長を放出する第1蛍光体204を上部に配置して第1蛍光体204から放出された緑色光が第2蛍光体205に吸収されて損失されることを防止することができる。
【0158】
別の実施例において、第1波長変換部203aは、緑色光を放出する蛍光体204を含むことができ、第2波長変換部203bは、赤色光を放出する蛍光体205,206を含むことができる。このとき、赤色光を放出する複数の蛍光体205,206の少なくとも一つ、例えば、第2蛍光体205は、緑色光によって励起される効率が低くなり得る。これによって、緑色光を放出する第1蛍光体204が下部に配置されても緑色光が第2蛍光体205に吸収されて損失されることを防止すると同時に、熱に脆弱な赤色蛍光体の安定性を向上させることができる。
【0159】
図12は、本開示のまた別の実施例にかかる発光装置200bを説明するための概略的な断面図である。
【0160】
図12を参照すると、前記発光装置200bは、発光ダイオード202および波長変換部203を含む。本実施例にかかる発光装置200bは、図10を参照して説明した発光装置200と大体類似し、波長変換部203が発光ダイオード202の上面および側面を覆う。さらに、発光ダイオード202は、ボンディングパッド21a,21bを含み、ボンディングパッド21a,21bを用いて発光装置200bを回路基板等に直接ボンディングすることができる。発光装置200bは、チップスケールパッケージに該当し、発光ダイオード202は、フリップ型発光ダイオードチップになり得る。
【0161】
波長変換部203は、発光ダイオード202の側面と一緒に上面を覆うことができる。波長変換部203は、図10または図11を参照して説明したような蛍光体204,205,206を含むことができる。
【0162】
図13は、本開示の一実施例にかかる直下型ディスプレイ装置を説明するための概略的な断面図である。
【0163】
図13を参照すると、本開示の一実施例にかかるディスプレイ装置は、ディスプレイパネル2110、ディスプレイパネル2110に光を提供するバックライトユニット、および前記ディスプレイパネル2110の下部縁を支持するパネルガイドを含む。
【0164】
ディスプレイパネル2110は、特別限定されなく、例えば、液晶層を含む液晶ディスプレイパネルになり得る。ディスプレイパネル2110の上部には、青色光以外の光を遮断する青色透過フィルター、緑色光以外の光を遮断する緑色透過フィルター、および赤色光以外の光を遮断する赤色透過フィルターが配置され得る。ディスプレイパネル2110の縁には、前記ゲートラインに駆動信号を供給するゲート駆動PCBをさらに位置させることができる。ここで、ゲート駆動PCBは、別途のPCBに構成されなく、薄膜トランジスタ基板上に形成されてもよい。
【0165】
バックライトユニットは、少なくとも一つの基板および複数の発光装置2160を含むことができる。さらに、バックライトユニットは、ボトムカバー2180、反射シート2170、拡散プレート2131および光学シート2130をさらに含むことができる。
【0166】
ボトムカバー2180は、上部に開口されて、基板、発光素子2160、反射シート2170、拡散プレート2131および光学シート2130を収納することができる。また、ボトムカバー2180は、パネルガイドと結合することができる。基板は、反射シート2170の下部に位置して、反射シート2170に囲まれた形態で配置することができる。但し、これに限定されるのではなく、反射物質が表面にコーティングされた場合は、反射シート2170上に位置してもよい。また、基板は複数で形成され、複数の基板が並んで配置された形態で配置できるが、これに限定されるのではなく、単一基板で形成されてもよい。
【0167】
発光装置2160は、上述の本発明の実施例にかかる発光装置を含むことができる。発光装置2160は、基板上に一定のパターンで規則的に配列され得る。直下型ディスプレイ装置に使用される発光装置2160の多様な実施例については後でさらに説明する。
【0168】
幾つかの実施例において、各々の発光装置2160上にレンズ2210が配置され、発光装置2160から放出される光を分散させることができる。しかし、レンズ2210が必ずしも要求されるのではなく、レンズ2210は、省略されてもよい。例えば、発光装置2160から放出される光の均一性を高めるために、レンズ以外に別の光ガイドユニットが含まれ得る。光ガイドユニットは、例えば、反射器、ホワイトウォール、または屈折率或いは形状を通じて光の経路を制御するモールディング部等を含むことができる。
【0169】
拡散プレート2131および光学シート2130は、発光装置2160上に位置する。発光装置2160から放出された光は、拡散プレート2131および光学シート2130を経て面光源形態でディスプレイパネル2110に供給することができる。
【0170】
図14Aおよび図14Bは、本開示の一実施例にかかるトップビュー型発光装置300を説明するための概略的な平面図および断面図である。
【0171】
図14Aおよび図14Bを参照すると、前記発光装置300は、発光ダイオード102、波長変換部103、第1リード310aおよび第2リード310b、ハウジング301、およびボンディングワイヤ340a,340bを含み得る。
【0172】
ハウジング301は、第1および第2リード310a,310bの上面の一部および側面を覆う。第1および第2リード310a,310bの下面は、ハウジング301の底面に露出され、第1および第2リード310a,310bの端部が外部電源に連結するためにハウジング301の側面に露出される。
【0173】
ハウジング301はまた、第1リード310aと第2リード310b間の領域を埋めることができる。第1および第2リード310a,310bは、底面側で部分的にハーフカッティングされ得、これにより、第1リード310aと第2リード310bの間の領域に段差部が形成され得る。段差部は、第1および第2リード310a,310bがハウジング301から分離されることを防止して堅固な構造のパッケージを提供する。
【0174】
さらに、第1および第2リード310a,310bの各々は、ハウジング301内部に配置されたメインボディから延びる少なくとも二つの端部を含み、これら端部がハウジング301内部で別れてハウジング301の側面から外部に延びる。このとき、第1および第2リード310a,310bがハウジング301から分離されることを防ぐことができる。
【0175】
ハウジング301は、発光ダイオード102および蛍光体から放出された光を反射させることができる反射物質で形成することができ、例えば、白色エポキシモールディングコンパウンド(EMC)で形成することができる。
【0176】
ハウジング301は、発光ダイオード102および波長変換部103を収容するためのキャビティを有するように形成することができる。また、キャビティを形成するハウジング301の内側壁は、傾斜面を形成することができ、傾斜面の上段および下段に段差部が形成され得る。ハウジング301の外側壁は、垂直になってもよいが、これに限定されるのではなく、図14Bにも示したように、第1および第2リード310a,310bの底面と鋭角を成すように傾斜することもできる。
【0177】
発光ダイオード102は、第1リード310a上に実装され、ボンディングワイヤ340a,340bを通じて第1および第2リード310a,310bに電気的に連結される。波長変換部103は、ハウジング301のキャビティ内に配置されて発光ダイオード102を覆う。波長変換部103は、上で説明した通り、少なくとも一つの蛍光体104,105,106を含むことができる。
【0178】
発光ダイオード102および波長変換部103は、図6図8A図8B、または図9の実施例で説明した通りのため、詳しい説明は省略する。但し、本実施例において、発光ダイオード102は、水平型発光ダイオードチップとして図示される。しかし、本実施例において、発光ダイオード102が水平型発光ダイオードチップに限定されるのではなく、垂直型発光ダイオードチップまたはフリップ型発光ダイオードチップでもよい。
【0179】
図15は、本開示のまた別の実施例にかかる発光装置400を説明するための概略的な断面図である。
【0180】
図15を参照すると、本実施例にかかる発光装置300は、発光ダイオード102、波長変換部103、第1および第2リード410a,410bおよびハウジング401を含むことができる。
【0181】
第1および第2リード410a,410bは、上面でハーフカッティングが行われて発光ダイオード102を実装するための突出部を有することができる。前記突出部は、第1および第2リード410a,410bの隣り合う側面近くに形成することができる。
【0182】
また、第1および第2リード410a,410bは、下面でハーフカッティングが行われてハウジング401を締結するための段差部を有することができる。図15に示したように、前記段差部は第1リード410aと第2リード410bが互いに対面する側面に形成することができる。
【0183】
ハウジング401は、第1および第2リード410a,410bの側面および上面を覆い、但し、前記突出部を露出させる。ハウジング401は、発光ダイオード102および蛍光体から放出された光を反射させることができるように、反射率が高い材料、例えば、白色エポキシモールディングコンパウンド(EMC)で形成することができる。
【0184】
発光ダイオード102は、第1および第2リード410a,410bの突出部上にフリップボンディングされ得、波長変換部103は、ハウジング401のキャビティ内に配置されて発光ダイオード102を覆うことができる。波長変換部103は、図14Aおよび図14Bを参照して説明したように、蛍光体104,105,106の少なくとも一つの蛍光体を含むことができる。本実施例において、発光ダイオード102はフリップ型発光ダイオードチップになり得る。
【0185】
図16は、本開示のまた別の実施例にかかるエッジ型ディスプレイ装置を説明するための概略的な断面図である。
【0186】
図16を参照すると、本実施例にかかるディスプレイ装置は、ディスプレイパネル3210、ディスプレイパネル3210の背面に配置されて光を照射するバックライトユニットを含む。さらに、前記ディスプレイ装置は、ディスプレイパネル3210を支持し、バックライトユニットが収納されるフレーム3240および前記ディスプレイパネル3210を覆うカバー3270,3280を含む。
【0187】
ディスプレイパネル3210は、特に限定されるのではなく、例えば、液晶層を含む液晶ディスプレイパネルになり得る。ディスプレイパネル3210の上部には、青色光以外の光を遮断する青色透過フィルター、緑色光以外の光を遮断する緑色透過フィルター、および赤色光以外の光を遮断する赤色透過フィルターが配置され得る。ディスプレイパネル3210の縁には、前記ゲートラインで駆動信号を供給するゲート駆動PCBがさらに位置し得る。ここで、ゲート駆動PCBは、別途のPCBで構成されなく、薄膜トランジスタ基板上に形成されてもよい。ディスプレイパネル3210は、その上下部に位置するカバー3270,3280によって固定され、下部に位置するカバー3270はバックライトユニットと結束され得る。
【0188】
ディスプレイパネル3210に光を提供するバックライトユニットは、上面の一部が開口した下部カバー3270、下部カバー3270の内部の一側に配置された光源モジュールおよび前記光源モジュールと並んで位置して点光を面光に変換する導光板3250を含む。また、本実施例のバックライトユニットは、導光板3250上に位置して光を拡散および集光させる光学シート3230、導光板3250の下部に配置されて導光板3250の下部方向に進行する光をディスプレイパネル3210方向に反射させる反射シート3260をさらに含むことができる。
【0189】
光源モジュールは、基板3220および前記基板3220の一面に一定間隔で離隔されて配置された複数の発光装置3110を含む。基板3220は、発光装置3110を支持し、発光装置3110に電気的に連結されたものであれば制限されなく、例えば、印刷回路基板でもよい。発光装置3110は、上述の本発明の実施例にかかる発光ダイオード102,202、および蛍光体104,105,106の少なくとも一つの蛍光体を含むことができる。光源モジュールから放出された光は、導光板3250に入射して光学シート3230を通じてディスプレイパネル3210に供給される。導光板3250および光学シート3230を通じて、発光装置3110から放出された点光が面光に変形し得る。発光装置3110はまた、側面型発光装置でもよく、これについては図17を参照して詳しく説明する。
【0190】
図17は、本開示の一実施例にかかる側面型発光装置500を説明するための概略的な断面図である。
【0191】
図17を参照すると、前記発光装置500は発光ダイオード102、波長変換部103、第1および第2リード510a,510b、ハウジング501、ボンディングワイヤ540a、540bを含むことができる。
【0192】
ハウジング501は、第1および第2リード510a,510bを覆い、キャビティを有する。ハウジング501のキャビティ内に第1および第2リード510a,510bの上面が露出される。
【0193】
第1および第2リード510a,510bは、ハウジング501の側面から延び、ハウジング501の背面に折り曲げられる。背面に形成された第1および第2リード510a,510bが回路基板に実装され、よって、発光装置500はそれが実装された回路基板から側面方向に光を放出することができる。
【0194】
発光ダイオード102は、第1リード510a上に実装され、ボンディングワイヤ540a,540bを通じて第1および第2リード510a,510bに電気的に連結され得る。発光ダイオード102は水平型でもよいが、これに限定されるのではない。
【0195】
波長変換部103は、ハウジング501のキャビティ内に配置されて発光ダイオードチップ102を覆う。波長変換部103は、前の実施例で説明した蛍光体104,105,106の少なくとも一つの蛍光体を含むことができる。
【0196】
図18は、本開示のまた別の実施例にかかる側面型発光装置600を説明するための概略的な断面図である。
【0197】
図18を参照すると、本実施例にかかる発光装置600は、図17を参照して説明した発光装置500と大体類似し、但し、2個の発光ダイオード102a,102bが第1リード510aおよび第2リード510b上に各々実装されたことに違いがある。
【0198】
発光ダイオード102a,102bは、ボンディングワイヤ540a,540b,540cを通じて第1および第2リード510a,510bに直列連結され得る。
【0199】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図とするものではない。これら新規実施形態は、その他の多様な形態で実施されることが可能で、発明の要旨から外れない範囲で、様々に省略、置換、変更が可能である。これを実施する形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれ、特許請求の範囲に記載されている発明とその均等な範囲に含まれる。
【0200】
本開示の特定実施例および側面を本明細書に例示し記述したが、本発明の思想および範囲から外れなく、多様な別の変更および修正を行うことができる。また、本明細書では多様な側面を記述したが、このような側面が組み合わされて活用される必要はない。よって、添付の請求項は本明細書に図示し記述した実施例の範囲内にある全ての変更および修正を包括するものと理解しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】