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特表2024-532250医療におけるデジタル画像および通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトの統合を実装および使用するための方法およびシステム
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  • 特表-医療におけるデジタル画像および通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトの統合を実装および使用するための方法およびシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】医療におけるデジタル画像および通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトの統合を実装および使用するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
A61B8/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024511971
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 US2022041524
(87)【国際公開番号】W WO2023028228
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】17/459,542
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319011672
【氏名又は名称】ジーイー・プレシジョン・ヘルスケア・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ハンター,トレイシー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルチェック,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ウォルハイム,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ニコルズ,スティーブン
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601BB03
4C601EE10
4C601JC06
4C601JC09
4C601JC15
4C601KK21
(57)【要約】
医療におけるデジタル画像及び通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトの統合を実装し使用するシステムおよび方法である。統合プロセスは、同じ医用イメージングデータに基づいて生成された複数のオブジェクトに適用することができる。前記統合プロセスは、前記複数のオブジェクトの各オブジェクトを評価することであって、前記評価することは、前記オブジェクトが前記複数のオブジェクトの別のオブジェクトの親であるかどうかを判断すること、および前記オブジェクトが別のオブジェクトの親である場合、前記オブジェクトを破棄することを含む、前記評価することを含む。次に、前記複数のオブジェクトに基づいて複合オブジェクトが生成される。前記生成することは、前記評価した後に1つのオブジェクトしか残っていない場合、前記1つのオブジェクトを統合されたオブジェクトにコピーすること、および前記評価した後に複数の残りのオブジェクトが残存している場合、前記複数の残りのオブジェクトを、最も新しいオブジェクトから最も古いオブジェクトまで順に処理することを含み、前記処理することは、各残りのオブジェクトの各データエレメントを複合オブジェクトにコピーすることを含む。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用データを管理する方法であって、前記方法は、
プロセッサによって、複数のオブジェクトを統合するための統合プロセスを適用することを含み、
前記複数のオブジェクトは、同じ医用イメージングデータに基づいて生成され、
前記統合プロセスは、
前記複数のオブジェクトの各オブジェクトを評価することであって、前記評価することは、
前記オブジェクトが前記複数のオブジェクトの別のオブジェクトの親であるかどうかを判断すること、および
前記オブジェクトが別のオブジェクトの親である場合、前記オブジェクトを破棄することを含む、前記評価すること、並びに
前記複数のオブジェクトに基づいて複合オブジェクトを生成することであって、前記生成することは、
前記評価した後に1つのオブジェクトしか残っていない場合、前記1つのオブジェクトを統合されたオブジェクトにコピーすること、および
前記評価した後に複数の残りのオブジェクトが残存している場合、前記複数の残りのオブジェクトを処理すること
を含み、
前記処理することは、最も新しいオブジェクトから最も古いオブジェクトまで順に実行され、
前記処理することは、各残りのオブジェクトに対して、
発見される各データエレメントを複合オブジェクトにコピーすること、および
前記残りのオブジェクトを破棄すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記医用データセットは、医療におけるデジタル画像及び通信(DICOM)ベースのデータセットを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のオブジェクトの各々は、医療におけるデジタル画像及び通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
DICOM SRオブジェクトの内容日付フィールド及び内容時刻フィールドに基づいて、複数の残りのオブジェクトにおける残りのオブジェクトを、最も新しいオブジェクトから最も古いオブジェクトにソートすることを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記オブジェクトを評価することは、前記オブジェクトの先行固有識別子(UID)シーケンスを決定することと、先行文書シーケンスの照合に基づいて、前記オブジェクトが別のオブジェクトの親であるかどうかを判断することとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の残りのオブジェクトを処理することは、単一のオブジェクトに存在する重複する所見をコピーすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の残りのオブジェクトを処理することは、既に処理された別の残りのオブジェクトと重複する所見を破棄することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記統合プロセスを適用する場合、人工知能を利用することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の残りのオブジェクトの処理中に、所見に共通する整合パターンを認識するための人工知能ベースの学習を適用することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ユーザ入力に基づいて前記統合プロセスの少なくとも一部を設定することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
監査ログを維持することをさらに含み、前記監査ログは、前記複数のオブジェクトの統合に関連して取られたアクションを追跡するデータを含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
医用データを管理するシステムであって、前記システムは、
複数のオブジェクトを統合するための統合プロセスを適用するように較正された少なくとも1つの処理回路を含み、
前記複数のオブジェクトは、同じ医用イメージングデータに基づいて生成され、
前記少なくとも1つの処理回路は、前記統合プロセスが適用されると、
前記複数のオブジェクトの各オブジェクトを評価することであって、前記評価することは、
前記オブジェクトが前記複数のオブジェクトの別のオブジェクトの親であるかどうかを判断すること、および
前記オブジェクトが別のオブジェクトの親である場合、前記オブジェクトを破棄することを含む、前記評価すること、並びに
前記複数のオブジェクトに基づいて複合オブジェクトを生成することであって、前記生成することは、
前記評価した後に1つのオブジェクトしか残っていない場合、前記1つのオブジェクトを統合されたオブジェクトにコピーすること、および
前記評価した後に複数の残りのオブジェクトが残存している場合、前記複数の残りのオブジェクトを処理すること
を含み、
前記処理することは、最も新しいオブジェクトから最も古いオブジェクトまで順に実行され、
前記処理することは、各残りのオブジェクトに対して、
発見される各データエレメントを複合オブジェクトにコピーすること、および
前記残りのオブジェクトを破棄すること
を含む、システム。
【請求項13】
前記複数のオブジェクトの各々は、医療におけるデジタル画像および通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトを含み、
前記少なくとも1つの処理回路は、DICOM SRオブジェクトに基づくコンテンツ日付フィールド及びコンテンツ時間フィールドに基づいて、複数の残りのオブジェクトにおける残りのオブジェクトを新しいものから古いものへとソートするように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数のオブジェクトの各々は、医療におけるデジタル画像および通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトを含み、
前記少なくとも1つの処理回路は、前記オブジェクトを評価する場合、
前記オブジェクトのDICOMベースの先行固有識別子(UID)シーケンスを決定すること、および
前記先行文書シーケンスの照合に基づいて、前記オブジェクトが別のオブジェクトの親であるかどうかを判定すること
を実行するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの処理回路は、前記複数の残りのオブジェクトを処理する場合、単一のオブジェクトに存在する重複する所見をコピーするように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの処理回路は、前記複数の残りのオブジェクトを処理する場合、既に処理された別の残りのオブジェクトと重複する所見を破棄するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの処理回路は、前記統合プロセスを適用する場合人工知能を利用するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの処理回路は、前記複数の残りのオブジェクトの処理中に、所見における共通の整合パターンを認識するための人工知能ベースの学習を利用する及び/または適用するように構成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの処理回路は、ユーザ入力に基づいて前記統合処理の少なくとも一部を設定する又は調整するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの処理回路は、監査ログを保持するように構成され、前記監査ログは、前記複数のオブジェクトの統合に関連して取られたアクションを追跡するデータを含む、請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年8月27日に出願された米国特許出願番号17/459,542の利益および優先権を主張し、その米国特許出願の開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の態様は、医用画像ソリューションに関する。より具体的には、特定の実施形態は、医療におけるデジタル画像および通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトの統合を実装および使用するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
人体の臓器や軟部組織の撮影などに、様々な医用イメージング技術を使用することができる。医用イメージング技術の例としては、超音波イメージング、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴イメージング(MRI)などがある。医用撮影中に画像を生成する方法は、個々の技術によって様々である。
【0004】
例えば、超音波イメージングは、非侵襲的なリアルタイムの高周波音波を使用して、典型的には人体内の臓器、組織、物体(例えば、胎児)の超音波画像を生成する。医用撮影中に生成される画像は、二次元(2D)画像、三次元(3D)画像、及び/又は四次元(4D)画像(本質的にリアルタイム/連続3D画像)とすることができる。医用撮影中、撮影データセット(例えば、3D/4D撮影中のボリュメトリック撮影データセットを含む)が取得され、撮影データセットを使用して、対応する画像をリアルタイムで生成し、(例えば、ディスプレイを通じて)表示される。
【0005】
場合によっては、医用撮影中に生成された及び/又は医用撮像に基づいて生成された撮影データ(特に、撮影データの分析及び評価に関して)管理する必要がある(特に、様々なユーザによって管理される場合)。この場合、特に、撮影データ及び/又は撮影データに基づいて得られる情報の信頼性及び完全性を保証することに関して、ある問題を引き起こす恐れがある。このような状況を取り扱う従来のアプローチの限界及び欠点がある場合、この限界及び欠点は、図面を参照して本出願の残りの部分に記載されるように、このアプローチと本開示のいくつかの態様とを比較することによって、当業者には明らかになる。
【発明の概要】
【0006】
医療におけるデジタル画像および通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトの統合を実装および使用するためのシステム及び方法が提供される。このシステム及び方法は、複数の図のうちの少なくとも1つの図に示されている、及び/又は、少なくとも1つの図と関連付けて記載されており、特許請求の範囲に、より完全に言及されている。
【0007】
本開示のこれらの利点および他の利点、態様、新規な特徴、並びにその図示された1つ又は複数の例示的な実施形態の詳細は、以下の記載および図面から更に十分に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】医用画像イメージング装置の一例を示すブロック図である。
図2】例示的な超音波イメージングシステムを示すブロック図である。
図3】医療におけるデジタル画像および通信(DICOM)における複数の構造化レポート(SR)オブジェクトを統合するための使用例を示すブロック図である。
図4】医療におけるデジタル画像および通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトの統合のための例示的なプロセスのフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示に従った特定の実装形態は、医療におけるデジタル画像および通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトの統合を実装し、使用するものである。特に、特定の実施形態の以下の詳細な説明は、図面と併せて読むことによって、よりよく理解される。図が様々な実施形態の機能ブロックの図を示す場合、機能ブロックは、必ずしもハードウェア回路間の分割を示すものではない。したがって、例えば、複数の機能ブロックのうちの1つ以上の機能ブロック(例えば、プロセッサまたはメモリ)は、単一のハードウェア(例えば、汎用信号プロセッサ、またはランダムアクセスメモリ、ハードディスクなどのブロック)に実装されてもよいし、複数のハードウェアに実装されてもよい。同様に、プログラムは、スタンドアロンプログラムであってもよいし、オペレーティングシステムのサブルーチンとして組み込まれていてもよいし、インストールされたソフトウェアパッケージの機能などであってもよい。様々な実施形態は、図面に示された配置および手段に限定されないことを理解されたい。また、様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、実施形態を組み合わせてもよいし、他の実施形態を利用してもよいし、構造的、論理的、電気的な変更を加えてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味に理解されるべきではなく、本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物によって画定される。
【0010】
本明細書において、単数形で記載された要素又はステップであって、「a」または「an」が前にある要素またはステップは、当該要素またはステップの複数の存在を除外することが明示的に記載されない限り、当該要素またはステップの複数の存在を除外するものではないと理解されるべきである。さらに、「例示的な実施形態」、「様々な実施形態」、「特定の実施形態」、「代表的な実施形態」などを言及することは、列挙された特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図するものではない。さらに、反対のことが明示的に記載されていない限り、特定の特性を有する要素または複数の要素を「備える」、「含む」、または「有する」実施形態は、当該特性を有していない追加の要素を含むことができる。
【0011】
また、本明細書において、「画像」という用語は、表示可能な画像と、表示可能な画像を表すデータとの両方を広く表している。しかしながら、多くの実施形態では、少なくとも1つの表示可能な画像が生成される(又は生成されるように構成される)。さらに、本明細書において、超音波イメージングの文脈で使用される「画像」という語句を使用して、「画像」および/又は「平面」が単一ビーム又は複数のビームで生成される超音波モードが表される。超音波モードは、例えば、Bモード(2Dモード)、Mモード、3次元(3D)モード、CFモード、PWドップラ、CWドップラ、MGD、および/または、Bモードおよび/またはCFのサブモード(せん断波弾性イメージング(SWEI)、TVI、Angio、B-flow、BMI、BMI_Angio、および場合によってはMM、CM、TVDである。
【0012】
さらに、本明細書において、「画素」という語句は、データが「ボクセル」によって表される実施形態も含む。したがって、「画素」および「ボクセル」という用語は、本明細書の全体にわたって互換的に使用することができる。
【0013】
さらに、本明細書において、プロセッサまたは処理ユニットという用語は、シングルコアまたはマルチコアなど、様々な実施形態で必要な要求された計算を実行できる任意のタイプの処理ユニット(CPU、APU(Accelerated Processing Unit)、グラフィックボード、DSP、FPGA、ASIC、またはそれらの組み合わせ)を表している。
【0014】
画像を生成する又は形成する本明細書に記載された様々な実施形態は、ある実施形態ではビームフォーミングを含み、他の実施形態ではビームフォーミングを含まない、画像を形成するための処理を含むことに留意されたい。例えば、復調データの行列に係数の行列を乗算して、その積を画像とすることなどによって、ビームフォーミングを行わずに画像を形成することができ、この場合、処理はいかなる「ビーム」も形成しない。さらに、画像の形成は、複数の送信イベントに由来するチャネルの組み合わせ(例えば、合成開口技術)を使用して実行することができる。
【0015】
様々な実施形態において、画像を形成するための処理は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行される。処理は、ビームフォーミングの使用を含むことができる。図2に示されるように、様々な実施形態に従って形成されたソフトウェアビームフォーマアーキテクチャを有する超音波システムの一例の実装形態が示されている。
【0016】
図1は、例示的な医用イメージング設備を示すブロック図である。図1に示されているのは、1つ又は複数の医用イメージングシステム110及び1つ又は複数の計算システム120を含む例示的な医用イメージング設備100である。医用イメージング設備100(この医用イメージング設備の様々な構成要素を含む)は、本開示に従って、医療におけるデジタル画像及び通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトの統合の実装および使用をサポートするように構成することができる。
【0017】
医用イメージングシステム110は、医用イメージング検査中に画像を生成する及び/又は表示するときに使用されるデータを取得することができるようにする医用イメージングをサポートするために、適切なハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせを含んでいる。医用イメージングの例としては、超音波イメージング、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴イメージング(MRI)などがある。これは、特定の方法で、特定の種類のデータが取得され、特定の種類のデータは、画像のデータを生成するときに使用することができる。例えば、医用イメージングシステム110は、超音波画像を生成する及び/又は表示するように構成された超音波イメージングシステムとすることができる。医用イメージングシステム110に対応する超音波システムの実施例を、図2で、より詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、医用イメージングシステム110は、持ち運び可能で移動可能なスキャナ装置112と、表示/制御ユニット114とを含むことができる。スキャナ装置112は、患者の身体(又は身体の一部)上で移動させることなどにより、特定の種類の画像信号(及び/又はそれに対応するデータ)を生成する及び/又は取得するように構成することができ、そのような機能を実行する及び/又はサポートするための適切な回路を含むことができる。スキャナ装置112は、超音波プローブ、MRIスキャナ、CTスキャナ、又は任意の適切なイメージング装置とすることができる。例えば、医用イメージングシステム110が超音波システムである場合、スキャナ装置112は、超音波信号を放射し、エコー超音波画像を取得することができる。
【0019】
表示/制御ユニット114は、(例えば、画面116を通じて)画像を表示するように構成することができる。一部の実施態様では、表示/制御ユニット114は、さらに、表示画像を少なくとも部分的に生成するように構成することができる。さらに、表示/制御ユニット114は、ユーザ入力/ユーザ出力をサポートすることもできる。例えば、表示/制御ユニット114は、画像に加えて、ユーザフィードバック(例えば、システム、システムの機能、システムの設定などに関連する情報)を(例えば、画面116を通じて)表示してもよい。表示/制御ユニット114は、例えば、医用イメージングの制御ができるように、ユーザ入力を(例えば、ユーザ制御部118を通じて)サポートすることもできる。ユーザ入力は、画像の表示の制御、設定の選択、ユーザ嗜好の指定、フィードバックの要求などに使用することができる。
【0020】
一部の実施態様では、医用イメージング設備100は、追加の専用コンピューティング資源(1つ又は複数のコンピューティングシステム120など)を組み込むこともできる。これに関して、各コンピューティングシステム120は、データを処理する、記憶する、及び/又は通信するための適切な回路、インターフェース、論理部、及び/又はコードを含むことができる。コンピューティングシステム120は、特に医用イメージングと共に使用するように構成された専用機器であってもよく、又は、コンピューティングシステム120に関して以下に説明する動作を実行するように設定された及び/又は構成された汎用コンピューティングシステム(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ等)であってもよい。コンピューティングシステム120は、以下に記載されるように、医用イメージングシステム110の動作をサポートするように構成することができる。これに関して、様々な機能及び/又は動作をイメージングシステムからオフロードしてもよい。これを実行して、処理の特定の態様を合理化及び/又は集中化し、例えば、イメージングシステムの処理資源を増加させる必要性を回避することによって、コストを削減することができる。
【0021】
複数のコンピューティングシステム120を、異なる方法で使用されるように設定するおよび/または構成することができる。例えば、一部の実装形態では、単一のコンピューティングシステム120を使用することができる。他の実装形態では、複数のコンピューティングシステム120が、(例えば、分散処理構成に基づいて)一緒に動作する又は別個に動作するように構成され、各コンピューティングシステム120が特定の態様及び/又は機能を取り扱う及び/又は特定の医用イメージングシステム110のためだけにデータ処理するように構成される。更に、一部の実装形態では、コンピューティングシステム120は、ローカル(例えば、同じ施設内及び/又は同じローカルネットワーク内などに、1つ又は複数の医用イメージングシステム110と同じ場所に配置される)とすることができる。他の実施態様では、コンピューティングシステム120は、リモートとすることができ、従って、リモート接続を通じて(例えば、インターネット又は他の利用可能なリモートアクセス技術を通じて)のみアクセスすることができる。特定の実装形態において、コンピューティングシステム120は、クラウドを使用した方法で構成することができ、クラウドを使用した他のシステムがアクセスされ使用される方法と実質的に同様の方法で、コンピューティングシステム120にアクセスするおよび/または使用することができる。
【0022】
データがコンピューティングシステム120で生成される及び/又は作成されると、そのデータは医用イメージングシステム110にコピーする及び/又はロードすることができる。これは様々な方法で行うことができる。例えば、データは、医用イメージングシステム110とコンピューティングシステム120との間の直接接続又は直接リンクを通じてロードすることができる。これに関して、医用イメージング設備100の異なる構成要素間の通信は、利用可能な有線接続及び/又は無線接続を使用して、及び/又は任意の適切な通信(及び/又はネットワーキング)規格又は通信プロトコルに従って実行することができる。代替的に又は追加的に、データを医用イメージングシステム110に間接的にロードしてもよい。例えば、データは、適切な機械可読媒体(例えば、フラッシュカード等)に記憶することができ、この媒体を使用して、データを医用イメージングシステム110にロードする(例えば、システムのユーザ(例えば、画像診断医)又は権限のある使用者によって、施設内で)、又は、データは、ローカル通信可能な電子装置(例えば、ラップトップ等)にダウンロードすることができ、この電子装置は、施設内で(例えば、システムのユーザ又は権限のある使用者によって)使用され、直接接続(例えば、USBコネクタ等)を通じて、データを医用イメージングシステム110にアップロードすることができる。
【0023】
動作においては、医用イメージングシステム110は、医用検査中に画像を生成する及び提示する(例えば、レンダリングする又は表示する)、並びに/又は画像の生成及び提示に伴うユーザ入力/出力のサポートに使用することができる。画像は、2D画像、3D画像、及び/又は4D画像とすることができる。画像の生成及び/又は提示を支援するために医用イメージングシステム110で実行される特定の動作又は機能は、システムの種類、即ち、画像に対応するデータが取得される及び/又は生成されるやり方、に依存する。例えば、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンに基づくイメージングでは、データは、放出され取り込まれたX線の信号に基づいている。超音波イメージングでは、データは、図2で更に詳細に説明するように、放出されエコーとして反射された超音波信号に基づいている。
【0024】
本開示に従った様々な実装態様において、医用イメージングシステム及び/又は医用イメージングアーキテクチャ(例えば、医用イメージングシステム110及び/又は医用イメージング設備100の全体)は、医用イメージングデータの記憶及び管理のための強化されたソリューションをサポートするように構成することができる。特に、医用画像ソリューションは、拡張された医療におけるデジタル画像および通信(DICOM)を使用した機能(構造化レポート(SR)オブジェクトの統合など)を組み込むように構成される及び/又は修正される場合がある。本開示による統合スキーム/方法論は、レポーティングや分析パッケージのようなDICOM SRオブジェクトを利用する任意のアプリケーションで使用することができる。
【0025】
DICOMは、医用画像情報及び関連データの通信及び管理のための国際標準である。DICOM規格は、医療データがどのようにファイルに表現され、医療データがどのようにして交換されるかを記述しており、例えば、ファイルのフォーマットとネットワーク転送プロトコルの両方を定義している。この点に関して、DICOM規格は、画像データの保存、管理及び通信で使用される様々な構造を定義している。例えば、DICOM3.0規格は、構造化レポート(SR)オブジェクトと呼ばれるいくつかのオブジェクトタイプを定義しており、これは、ソフトウェアアプリケーション間の医療所見の交換を支援するために使用することができる。標準的には、SR(レポート)は、必ずしも「臨床的」な意味でのレポートを意味するものではなく、対応する画像データに基づいた単なる観察記録であってもよいし、観察記録に相当するものであってもよい。SRは作成され、対応する画像ファイル(それらの画像ファイル又は画像ファイルに関連する画像に関する情報(例えば、撮影された構造又はその中の特徴に関連する情報、測定値など)を含む)が付随する。
【0026】
一つの検査に対して複数のSRオブジェクトが存在する場合、これらのSRオブジェクトセットを利用するアプリケーションは、内容を統合するという課題がある。この点に関して、様々な種類のSRオブジェクトがある。1)「最終」SR、これは、画像ファイルに関連する「最終」情報を含む、および、2)「中間」または「不完全」なSRがある。「中間」または「不完全」なSRは、観測の詳細を記録する。しかし、複数の観測が行われる場合があるので、問題が生じる恐れがある。例えば、心臓のイメージングの場合、解剖学的構造に関する観測、血流に関する観測などがある。そして、これらの観測に基づいて複数の観測結果が計算され、結論が導き出される。さらに、別の人間(臨床医、医師など)が、画像と、画像に関連する測定値を検討し、新たに測定することがあり、したがって、新たに計算することがある。
【0027】
従って、場合によっては複数のレポートを生成し、要約する必要がある。DICOM3.0規格は、特定の検査に関連する複数のSRオブジェクト(例えば、全ての異なる中間SRオブジェクト/不完全SRオブジェクト)を統合する機構を提供しない。この点で、既存の解決策は、典型的には、所見(例えば、測定値)とSRオブジェクトを作成することに重点を置き、データの利用者が複数のSRオブジェクトから矛盾するデータエレメントを照合し解決できるようにする機能は(あるとしても)ほとんどない。本開示によるソリューションは、複数のSRオブジェクトを統合するためのメカニズム(例えば、データコンフリクトを解決しながらデータを自動的に統合すること)を組み込むことにより、このような問題に対処する。
【0028】
これらのメカニズムは、例えば、SRオブジェクト間の異常および/または相違を自動的に識別し、これらの異常および/または相違を解決/整合するように構成される。これは、例えば、統合モジュールを使用することによって実行することができ、統合モジュールは、複数のSRオブジェクトが作成されたときに、複数のSRモジュールを管理するために、配置して使用することができる。このような統合手段は、適応的に、例えば、医用イメージング装置に、ローカル専用システムに、又はリモートエンティティ(例えば、クラウドを使用したシステム)に配置してもよいし、あるいは、統合手段の異なる機能又は構成要素が、イメージング環境内の異なるコンポーネントに配置される及び/又は異なるコンポーネントで実行される分散方式で、統合手段を配置してもよい。一部の実施例では、高度な処理技術を使用して、複数のSRオブジェクトの取り扱いをさらに向上させることができる。例えば、一部の例示的な実装形態では、人工知能(AI)を使用した学習モードを使用して、一般的な手動異常の整合を認識して整合を自動的に実行することができる。
【0029】
本開示による解決策は、既存の解決策よりも、様々な技術的及び商業的な利点を実現することができる。これに関して、SRデータを利用するために用意する独立したアプリケーションを持つことは、以下の利点を有する。例えば、このような専用統合機能を使用することにより、DICOMを使用したアプリケーションが、DICOM SRフォーマットに関する専門知識を必要とすることから解放される。また、このような専用統合機能を使用することで、データの矛盾や異常から生じるエラーを回避することができる。さらに、このような専用統合機能を使用することで、DICOM SRオブジェクトを作成するベンダー間の違いを解決することができる。
【0030】
本開示による解決策に基づいた例示的な実装および使用例/使用状況を、特に図4に示された例示的な使用例の状況と併せて、以下により詳細に説明する。
【0031】
図2は、例示的な超音波イメージングシステムを示すブロック図である。図2に示されているのは、超音波イメージングシステム200であり、これは、本開示に従って、医療におけるデジタル画像および通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトの統合の実装をサポートして、使用するように構成することができる。
【0032】
超音波イメージングシステム200は、超音波イメージングを実現するように構成することができ、例えば、超音波イメージングの関連する機能を実行するおよび/またはサポートするための適切な回路、インターフェース、論理部、および/またはコードを含むことができる。超音波イメージングシステム200は、図1の医用イメージングシステム110に対応することができる。超音波イメージングシステム200は、例えば、送信機202と、超音波プローブ204と、送信ビームフォーマ210と、受信機218と、受信ビームフォーマ220と、RFプロセッサ224と、RF/IQバッファ226と、ユーザ入力モジュール230と、信号プロセッサ240と、画像バッファ250と、表示システム260と、アーカイブ270と、トレーニングエンジン280とを含む。
【0033】
送信機202は、超音波プローブ204を駆動するように動作可能な適切な回路、インターフェース、論理部、および/またはコードを含むことができる。超音波プローブ204は、圧電素子の2次元(2D)アレイを含むことができる。超音波プローブ204は、送信トランスデューサ素子群206と受信トランスデューサ素子群208とを含み、これらの素子群206および208は、通常は同じ素子で構成することができる。特定の実施形態では、超音波プローブ204は、解剖学的構造の少なくとも実質的な部分(心臓、血管、または任意の適切な解剖学的構造など)をカバーする超音波画像データを取得するように動作することができる。
【0034】
送信ビームフォーマ210は、送信サブアパーチャビームフォーマ214によって、送信トランスデューサ素子206のグループを駆動して、関心領域(例えば、人間、動物、地下空洞、物理的構造物など)に超音波送信信号を放射する送信機202を制御するように動作可能な適切な回路、インターフェース、論理部、及び/又はコードを含むことができる。送信された超音波信号は、血球又は組織のような関心対象内の組織で後方散乱し、エコーを生成することができる。このエコーは、受信トランスデューサ素子208によって受信される。
【0035】
超音波プローブ204の受信トランスデューサ素子208のグループは、受信したエコーをアナログ信号に変換するように動作可能であり、アナログ信号は、受信サブアパーチャビームフォーマ216によってサブアパーチャビームフォーミングされ、次いで、受信機218に伝送される。受信機218は、受信サブアパーチャビームフォーマ216からの信号を受信するように動作可能である適切な回路、インターフェース、論理部、及び/又はコードから構成することができる。アナログ信号は、複数のA/D変換器222のうちの1つ以上のA/D変換器に伝送される。
【0036】
複数のA/D変換器222は、受信機218からのアナログ信号を対応するデジタル信号に変換するように動作可能な適切な回路、インターフェース、論理部、および/またはコードから構成することができる。複数のA/D変換器222は、受信機218とRFプロセッサ224との間に配置される。本開示はこれに限定されない。したがって、一部の実施形態では、複数のA/D変換器222を受信機218内に組み込んでもよい。
【0037】
RFプロセッサ224は、複数のA/D変換器222によって出力されたデジタル信号を復調するように動作可能な適切な回路、インターフェース、論理部、および/またはコードを含むことができる。一実施形態によれば、RFプロセッサ224は、デジタル信号を復調して、対応するエコー信号を表すI/Qデータ対を形成するように動作可能な複素復調器(図示せず)を含むことができる。次に、RF信号データ又はI/Q信号データはRF/IQバッファ226に伝送することができる。RF/IQバッファ226は、RFプロセッサ224によって生成されたRF信号データまたはI/Q信号データを一時的に記憶するように動作可能な適切な回路、インターフェース、論理部、および/またはコードを含むことができる。
【0038】
受信ビームフォーマ220は、例えば、RF/IQバッファ226を通じてRFプロセッサ224から受信した遅延チャネル信号を加算し、加算されたビーム信号を出力するためのデジタルビームフォーミング処理を実行するように動作可能な適切な回路、インターフェース、論理、および/またはコードを含む。処理された結果として得られる情報は、受信ビームフォーマ220から出力されて信号プロセッサ240に伝送される加算ビーム信号とすることができる。一部の実施形態では、受信機218、複数のA/D変換器222、RFプロセッサ224、及びビームフォーマ220は、デジタルの単一のビームフォーマに統合することができる。様々な実施形態において、超音波イメージングシステム200は、複数の受信ビームフォーマ220を含んでいる。
【0039】
ユーザ入力装置230を使用して、患者データ、走査パラメータ、設定を入力し、プロトコル及び/又はテンプレートを選択し、追跡対象を選択する人工知能セグメンテーションプロセッサと対話することなどができる。例示的な実施形態では、ユーザ入力装置230は、超音波イメージングシステム200の1つ又は複数の構成要素及び/又はモジュールの動作を設定、管理及び/又は制御するように動作可能である。この点に関して、ユーザ入力装置230は、送信機202、超音波プローブ204、送信ビームフォーマ210、受信機218、受信ビームフォーマ220、RFプロセッサ224、RF/IQバッファ226、ユーザ入力装置230、信号プロセッサ240、画像バッファ250、表示システム260、及び/又はアーカイブ270の動作を設定、管理、及び/又は制御するように動作可能である。
【0040】
例えば、ユーザ入力装置230は、ボタン、ロータリーエンコーダ、タッチスクリーン、モーショントラッキング、音声認識、マウスデバイス、キーボード、カメラ、及び/又はユーザ指令を受信することができる他の任意の装置を含むことができる。特定の実施形態では、複数のユーザ入力装置230のうちの1つ以上のユーザ入力装置は、他の構成要素(例えば、表示システム260または超音波プローブ204など)に統合することができる。
【0041】
一例として、ユーザ入力装置230は、タッチスクリーンディスプレイを含むことができる。別の例として、ユーザ入力装置230は、プローブ204の動きを認識すること(1つ以上のプローブによる患者の身体の圧迫、プローブの予め定義された移動操作または傾斜操作などを識別することなど)ができるように、プローブ204に取り付けられた及び/又はプローブ204と一体化された加速度計、ジャイロスコープ、および/または磁力計を含むことができる。一部の実施例では、ユーザ入力装置230は、追加的または代替的に、取得された画像データを解析することによってプローブの動きを識別するための画像解析処理を実行すること含むことができる。本開示に従って、ユーザ入力と、ユーザ入力に関連する機能は、本開示で説明するように、新たなデータ記憶スキームの使用をサポートするように構成することができる。例えば、ユーザ入力装置230は、本明細書に記載されるように、分離プロセスの適用をトリガし(必要に応じて)管理するためのユーザ入力を受け取ることをサポートする、及び/又は、そのようなプロセスを実行する際に使用されるパラメータを提供する若しくは設定するように構成することができる。同様に、ユーザ入力装置230は、本明細書に記載されるように、(必要に応じて)復元プロセスの適用をトリガし管理するためのユーザ入力を受け取ることをサポートする、及び/又はそのようなプロセスを実行する際に使用されるパラメータを提供する若しくは設定するように構成することができる。
【0042】
信号プロセッサ240は、超音波スキャンデータ(すなわち、加算されたIQ信号)を処理して表示システム260上に表示するための超音波画像を生成するように動作可能な適切な回路、インターフェース、論理部、及び/又はコードを含むことができる。信号プロセッサ240は、取得された超音波スキャンデータに対して、選択可能な複数の超音波モダリティに従って、1つ以上の処理動作を実行するように動作可能である。例示的な実施形態では、信号プロセッサ240は、とりわけ表示処理及び/又は制御処理を実行するように動作可能である。取得された超音波スキャンデータは、エコー信号が受信されるスキャン期間中にリアルタイムで処理することができる。加えて又は代替的に、超音波スキャンデータは、スキャン期間中にRF/IQバッファ226に一時的に記憶され、ライブ操作又はオフライン操作においてリアルタイムより遅い時間で処理されてもよい。様々な実施形態において、処理された画像データは、表示システム260で表示すること及び/又はアーカイブ270に記憶することができる。
【0043】
アーカイブ270は、ローカルアーカイブ、医療用画像管理システム(PACS)、又は画像及び関連情報を記憶するための任意の適切な装置であってもよいし、アーカイブ270は、そのような装置又はシステムに結合され、画像関連データを容易に保存すする及び/又は画像関連データを取得することができる。例示的な実施態様では、アーカイブ270は更に、異なる場所にいるオペレータがコマンド及びパラメータを供給する及び/又は画像データにアクセスできるように、遠隔システム(放射線科情報システム、病院情報システムなど)及び/又は内部又は外部ネットワーク(図示せず)に結合される。
【0044】
信号プロセッサ240は、1つまたは複数の中央処理装置、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、及び/又は同様のものとすることができる。信号プロセッサ240は、例えば、統合された構成要素であってもよいし、様々な場所に分散されていてもよい。信号プロセッサ240は、特に、ユーザ入力装置230および/またはアーカイブ270から入力情報を受け取り、表示システム260によって表示可能な出力を生成し、ユーザ入力装置230からの入力情報に応答して出力を操作するよう構成することができる。信号プロセッサ240は、例えば、様々な実施形態に従って、本明細書で説明される方法および/または命令セットのいずれかを実行することができる。
【0045】
超音波イメージングシステム200は、当該撮影状況に適したフレームレートで超音波スキャンデータを連続的に取得するように動作可能である。典型的なフレームレートは20~220の範囲であるが、それより低くてもよいし、高くてもよい。取得された超音波スキャンデータは、フレームレートと同じ表示レート、又はフレームレートより遅い若しくは速い表示レートで、表示システム260に表示することができる。画像バッファ250は、取得された超音波スキャンデータの直ちに表示されることが予定されていない処理されたフレームを記憶するために含まれている。好ましくは、画像バッファ250は、少なくとも数分に相当する超音波スキャンデータのフレームを記憶するのに十分な容量のバッファである。超音波スキャンデータのフレームは、フレームの順序又は取得時間に従って、フレームの検索を容易にする方法で記憶される。画像バッファ250は、任意の公知のデータ記憶媒体として具体化することができる。
【0046】
例示的な実施形態では、信号プロセッサ240は、データ管理モジュール242を含むことができ、このデータ管理モジュール242は、本開示に記載されるように、医用イメージングソリューションのための新たなデータ記憶および管理スキームに関連する又はデータ記憶および管理スキームをサポートする様々な機能または動作を実行および/またはサポートするように構成することができる適切な回路、インターフェース、論理部、および/またはコードを含む。
【0047】
一部の実装形態では、信号プロセッサ240(および/またはデータ管理モジュール242などの信号プロセッサの構成要素)は、人工知能および/または機械学習技術を実装および/または使用して、イメージングに関連する機能または動作を向上する及び/または最適化するように構成できる。例えば、信号プロセッサ240(及び/又はデータ管理モジュール242などの信号プロセッサの構成要素)は、深層学習技術及び/又はアルゴリズムを実装及び/又は使用する(ディープニューラルネットワーク(例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN))を使用することなど)ように構成することができる及び/又は任意の好適な形態の(例えば、画像解析のための)人工知能を使用した処理技術又は機械学習処理機能を利用することができる。このような人工知能を使用した画像解析は、例えば、取得された超音波画像を解析する(特定の基準を満たす及び/または特定の特性を有する構造(またはその構造の組織)を識別、セグメント、ラベル付け、および追跡するなど)ように構成することができる。
【0048】
例示的な実装形態では、信号プロセッサ240(および/またはデータ管理モジュール242などの信号プロセッサの構成要素)は、ディープニューラルネットワークとして提供することができ、ディープニューラルネットワークは、例えば、入力層、出力層、および入力層と出力層との間の1つまたは複数の隠れ層から構成することができる。これらの層の各層は、ニューロンと呼ばれる複数の処理ノードで構成することができる。
【0049】
例えば、ディープニューラルネットワークは、解剖学的構造のスキャン面からの各画素又は画素群に対するニューロンを有する入力層を含むことができ、出力層は、予め定義された複数の構造又は構造(構造に含まれる組織)の複数の種類に対応するニューロンを有することができる。各層の各ニューロンは、処理機能を実行し、処理された超音波画像情報を、下流の層の複数のニューロンのうちの1つに渡して、更に処理ができるようにすることができる。一例として、第1の層のニューロンは、超音波画像データの構造のエッジを認識することを学習することができる。第2の層のニューロンは、第1の層からの検出されたエッジに基づいて形状を認識するように学習することができる。第3の層のニューロンは、認識された形状の、超音波画像データのランドマークに対する位置を学習することができる。第4の層のニューロンは、特定の構造に存在する特定の組織タイプの特徴などを学習することができる。したがって、ディープニューラルネットワーク(例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN))によって実行される処理によって、超音波画像データの生物学的構造および/または人工的構造を高い確率で識別することができる。
【0050】
一部の実装態様では、信号プロセッサ240(および/または信号プロセッサ240の構成要素(データ管理モジュール242など))は、ユーザ入力装置230によるユーザ命令に基づいて、信号プロセッサによって実行される機能の少なくとも一部を実行する又は制御するように構成することができる。一例として、ユーザは、音声コマンド、プローブジェスチャ、ボタン押下などを提供して、本開示で説明するように、特定の命令を出す(人工知能(AI)を使用した動作を含む新しいデータ管理スキームの様々な態様を開始する及び/若しくは制御する、並びに/またはそれに関連する様々なパラメータまたは設定を提供する又は指定するなど)ことができる。
【0051】
トレーニングエンジン280は、信号プロセッサ240(および/または信号プロセッサの構成要素(データ管理モジュール242など))のディープニューラルネットワークのニューロンをトレーニングするように動作可能である適切な回路、インターフェース、論理、および/またはコードを含むことができる。例えば、信号プロセッサ240は、超音波スキャン面内の特定の構造および/または組織(または構造及び組織の種類)を識別するようにトレーニングされ、トレーニングエンジン280は、必要な機能の一部(超音波画像の分類された様々な構造のデータベースを使用するなど)を実行するように信号プロセッサのディープニューラルネットワークをトレーニングすることができる。
【0052】
一例として、トレーニングエンジン280は、特定の構造の超音波画像を利用して、特定の構造の特性(構造のエッジの外観、エッジに基づく構造の形状の外観、超音波画像データのランドマークに対する形状の位置など)に関して、及び/又は特定の組織の特性(例えば、特定の組織の軟らかさ)に関して、信号プロセッサ240(及び/又は信号プロセッサの構成要素(データ管理モジュール242など))をトレーニングするように構成することができる。様々な実施形態において、トレーニング画像のデータベースは、アーカイブ270に記憶してもよいし、任意の適切なデータ記憶媒体に記憶してもよい。特定の実施形態では、トレーニングエンジン280及び/又はトレーニング画像データベースは、超音波イメージングシステム200に有線接続又は無線接続によって通信可能に結合された外部システムであってもよい。
【0053】
動作において、超音波イメージングシステム200は、超音波画像(二次元(2D)画像、三次元(3D)画像、および/または四次元(4D)画像など)を生成する際に使用することができる。この点に関して、超音波イメージングシステム200は、当該撮像状況に適した特定のフレームレートで超音波スキャンデータを連続的に取得するように動作可能である。例えば、フレームレートは30~70の範囲とすることができるが、これより低いフレームレートであってもよいし、これより高いフレームレートであってもよい。取得された超音波スキャンデータは、フレームレートと同じ表示レート又はフレームレートより遅い若しくは速い表示レートで表示システム260に表示することができる。画像バッファ250は、取得された超音波スキャンデータの直ちに表示される予定のない処理されたフレームを記憶するために含まれる。画像バッファ250は、少なくとも数秒分の超音波スキャンデータのフレームを記憶するのに十分な容量であることが好ましい。超音波スキャンデータのフレームは、超音波スキャンデータの順序又は取得時間に従って、超音波スキャンデータを容易に検索できる方法で記憶される。画像バッファ250は、任意の既知のデータ記憶媒体とすることができる。
【0054】
一部の実施例では、超音波イメージングシステム200は、グレースケールおよびカラーベースの動作をサポートするように構成することができる。例えば、信号プロセッサ240は、グレースケールBモード処理および/またはカラー処理を実行するように動作可能である。グレースケールBモード処理は、BモードRF信号データ又はIQデータ対を処理することを含む。例えば、グレースケールBモード処理は、量(I+Q1/2を計算することによって、ビーム合計した受信信号のエンベロープを形成することができる。エンベロープは、追加のBモード処理(表示データを形成するための対数圧縮など)を受けることができる。
【0055】
表示データは、ビデオ表示されるようにX-Yフォーマットに変換することができる。スキャン変換されたフレームは、グレースケールにマッピングされ、表示することができる。Bモードフレームは、画像バッファ250及び/又は表示システム260に供給される。カラー処理は、カラーベースのRF信号データまたはIQデータ対を処理してフレームを形成し、画像バッファ250および/または表示システム260に提供されるBモードフレームにオーバーレイすることを含む。グレースケール及び/又はカラー処理は、ユーザ入力(ユーザ入力装置230からの選択)に基づいて適応的に調整され、例えば、特定の領域のグレースケール及び/又はカラーの画質を向上させることができる。
【0056】
ある事例では、超音波イメージングは、ボリュメトリック超音波画像を生成する及び/又は表示する。すなわち、ボリュメトリック超音波画像では、対象(例えば、器官、組織など)が3次元(3D)表示される。この点に関して、3D(及び同様に4D)イメージングでは、ボリュメトリック超音波データセットが取得され、ボリュメトリック超音波データセットは、画像化された対象に対応するボクセルを含む。これは、例えば、音波を単に一方向(例えば、真下)に送信するのではなく、音波を異なる角度で送信し、反射して戻ってくる音波を取得することによって行うことができる。次に、(異なる角度で伝送される)反射エコーを取得し、(例えば、信号プロセッサ240によって)処理し、対応するボリュメトリックデータセットが生成される。ボリュメトリックデータセットは、例えば、ディスプレイ250によって、ボリューム(例えば、3D)画像を作成する及び/または表示するときに使用することができる。この場合、所望の3D知覚を提供するために特定の処理技術を使用する必要がある。
【0057】
例えば、ボリュームレンダリング技術は、ボリュームメトリック(例えば、3D)データセットの投影(例えば、3D投影)を表示する際に使用することができる。これに関して、3Dデータセットの3D投影をレンダリングすることは、表示されるオブジェクトに対する空間内の知覚角度を設定または定義し、次に、データセットのすべてのボクセルに対して必要な情報(例えば、不透明度および色)を定義または計算することを含む。これは、例えば、各ボクセルのRGBA(赤、緑、青、アルファ)値を定義するための適切な伝達関数を用いて行うことができる。
【0058】
一部の実施形態では、超音波イメージングシステム200は、本開示に従って、医療におけるデジタル画像及び通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトの統合を実装し使用することをサポートするように構成することができる。この点に関して、本開示に記載されるように、医用画像システム及び/又は環境は、図1で説明され、図4で示され説明される例示的な使用例に示されるように、特に、画像ファイルに基づいて複数のSRオブジェクトの統合を支援するときに、医用画像データの記憶及び管理のための改善されたソリューションを実装し使用することをサポートするように構成することができる。
【0059】
例えば、イメージングデータが取得される又は生成されると、信号プロセッサ240(及び/又は信号プロセッサの構成要素(データ管理モジュール242など))は、処理された画像ファイルをアーカイブ270に記憶することができ、このアーカイブ270は、独立して、又は信号プロセッサ240(及び/又は信号プロセッサの構成要素(データ管理モジュール242など))の制御の下で、アーカイブベースの符号化(例えば、DICOMベースの符号化)をデータに適用し、次に、保存と管理に関する機能を(例えば、DICOM規格に基づいて)実行する(例えば、必要な通信機能を実行して、結果として得られる符号化されたデータオブジェクトを対応する記憶場所(ローカル又はリモート)に送信する)ように構成することができる。
【0060】
また、アーカイブ270は、符号化されたデータを取得するように構成することができ、したがって、復元プロセスを実行するように構成することができる。この点に関して、アーカイブ270は、復元プロセスを以前にアーカイブされたデータに適用し(必要な通信機能を実行して、記憶場所(ローカルまたはリモート)からデータファイルを要求し受け取ることを含む)、データを復号化し、対応する画像を生成して、例えば、表示システム260によって表示できるように構成することができる。これらの機能は、信号プロセッサ240(及び/又は信号プロセッサの構成要素(データ管理モジュール242など))によって制御または管理することができる。あるいは、アーカイブ270は、これらの機能のうちの少なくとも一部の機能を独立して実行するように構成することもでき、この場合、プロセッサ240は、データが分離されたことすら認識していない可能性がある。
【0061】
更に、超音波イメージングシステム200(例えば、特に、プロセッサ240及び/又はプロセッサの構成要素(データ管理モジュール242など)によって)は、複数のSRオブジェクトを取り扱うように構成することができ、特に、本開示に従った統合スキーム/方法論に従って、SRオブジェクトの統合を取り扱うために使用することができる。この点に関して、幾つかの実施例で述べたように、超音波イメージングに基づいて生成された画像ファイルは、保存、管理及び/又は通信のDICOM規格に基づいて処理することができる。この結果、これらの画像ファイルが検討及び/又は分析されると、対応するSRオブジェクトを生成することができる。これにより、複数のSRオブジェクトを生成することができ、統合スキーム/方法論を使用して、本明細書で説明するように、SRオブジェクトの統合を取り扱うことができる。複数のSRオブジェクトとその取扱いに関する例示的な使用例を、図4で詳細に説明する。
【0062】
ある実施態様では、統合スキーム/方法論の少なくとも一部は、特に、DICOM SRオブジェクトを処理する又は取り扱うアプリケーションを実行するように構成することができるプロセッサ240(及び/又は信号プロセッサの構成要素(データ管理モジュール242など))によって、超音波イメージングシステム200内で実行することができる。代替的に又は追加的に、統合スキーム/方法論の少なくとも一部は、外部システム(例えば、図1で説明したようなコンピュータシステム120の例)にオフロードしてもよい。
【0063】
さらに、一部の例では、統合スキーム/方法論、および統合スキーム/方法論の実装または統合スキーム/方法論を実行する場合、高度処理技術(人工知能(AI)または他の機械学習技術など)の使用が必要なことがある。この点に関して、超音波イメージングシステム200は、特にプロセッサ240(及び/又は信号プロセッサの構成要素(データ管理モジュール242など))によって、統合スキーム/方法論と併せて人工知能(AI)ベースの学習モードの使用を実装するおよび/またはサポートするように構成することができる。たとえば、データ管理モジュール242(および学習エンジン280)は、統合スキーム/方法論を実行する又は使用して、異常を認識する及び/または一般的な手動異常の整合を自動的に実行するときに、人工知能(AI)ベースの学習モードをサポートし使用するように構成することができる。代替的または追加的に、人工知能(AI)ベースの学習モードに関連する機能の少なくとも一部を外部システム(例えば、ローカル専用コンピューティングシステム、リモート(例えば、クラウドベース)サーバなど)にオフロードしてもよい。
【0064】
また、超音波イメージングシステム200は、本明細書で説明するように、統合スキーム/方法論の結果として生じ得る複合SRオブジェクトの使用および取り扱いをサポートするように構成することができる。例えば、アーカイブ270は、上述したような復元プロセスを適用する際に、そのような複合SRオブジェクトを取り扱うように構成することができる。
【0065】
図3は、医療におけるデジタル画像および通信(DICOM)における複数の構造化レポート(SR)オブジェクトの統合の例示的なユースケースシナリオを示すブロック図である。図3に示す図300は、複数のDICOMのSRオブジェクト(SR1~SR6)の統合に伴う関係および取扱いを示している。
【0066】
これに関して、上述したように、DICOMのSRオブジェクトは、画像ファイルに関連する情報(計測、計算、解釈などを含む医療処置(検査)からの所見など)を記憶することができる。SRオブジェクトは、一般には、2つの必須状態タグ、即ち、「完成フラグ」および「確認フラグ」を含む。「完成フラグ」は「COMPLETE」または「PARTIAL」の値を有することができる。「確認フラグ」は、「VERIFIED」または「UNVERIFIED」の値を有することができる。これらのタグは、内容に関連する情報(内容完成の責任など)を伝送するために使用することができる。「COMPLETE」及び「VERIFIED」”であるSRオブジェクトは、(例えば、検査の所見のための)「信頼できる情報源」として使用することができる。しかしながら、「PARTIAL」のSRオブジェクトしか存在しない場合、SRオブジェクトセットの利用者は、個別のデータエレメントを統合し、コンフリクトを解決することが困難である。この点に関して、「データエレメント」はラベルと値の両方を表すことがあるため、同じラベルを持つ複数のデータエレメントが存在する可能性がある。ラベルは値の文脈を記述する任意の定型「修飾子」を含む。SRオブジェクトを統合することの難しさは、心エコー検査など、複数の測定セッションにわたって多くの測定や計算を行う特殊な検査に特に当てはまる。
【0067】
心臓の使用シナリオ/検査の一例では、SRオブジェクトを使用して、大動脈弁の心臓血管開口部面積に関する所見を保存することができる。これに関して、大動脈弁の心臓血管開口部面積は、以下のように符号化されている。測定タイプ:心臓血管開口部面積、部位:大動脈弁、画像モード:2D、測定方法:平面面積法、流れの方向:順行性の流れ、値:1.391677163142、単位:平方センチメートル(cm)。しかし、このような符号化は必須ではなく、また、このような符号化に固定されるものではなく、他の関係者(例えば、他のベンダー)は大動脈弁の心臓血管開口部面積を異なるように(例えば、測定方法を省略し、選択状態:選択される平均値を追加してもよい。DICOM SRオブジェクトでは、さまざまな臨床ユースケース(例えば、「成人心エコー検査」)に対してDICOM3.0規格により「テンプレート」が定義されている。
【0068】
検査の個々のSRオブジェクトは、以前のDICOM SRオブジェクトから独立したものであってもよいし、以前のDICOM SRオブジェクトに集約されたものであってもよい。集約が使用される場合、DICOM規格は、「親」DICOM SRオブジェクトをリストに入れる「先行文書シーケンス」と呼ばれるオプションのフィールドを定義し、「親」DICOM SRオブジェクトの内容は新しい「子」DICOM SRオブジェクトに継承される。しかし、「先行文書シーケンス」でSRオブジェクトを作成する場合、例えば、2人のユーザが同じSRオブジェクトから新しいSRオブジェクトを同時に作成する場合、SRオブジェクトが「分岐」する可能性がある。このような新しいオブジェクトは「分岐SRオブジェクト」と呼ばれる。しかし、1つの検査(同じ検査)に複数のSRオブジェクトが存在する場合、起こり得る問題の幾つかのシナリオに直面する恐れがある。以下の表は、そのような検査において起こり得る問題のシナリオを列挙したものである。
【0069】
【表1】
本開示によれば、統合スキーム/方法論を使用して、複数のSRオブジェクトの統合を取り扱うことができる。この点に関して、本明細書に記載された統合スキーム/方法論は、適応的に適用する(完成フラグが「PARTIAL」であり、同じテンプレートを持つSRオブジェクトのみに適用するなど)ことができる。以下の統合スキーム/方法論を使用し、上の表で詳述した起こり得る様々な問題シナリオを処理して複合SRオブジェクトにすることができる:1) SRオブジェクトの先行文書シーケンスを検査し、他のSRオブジェクトの親であるSRオブジェクトを破棄する。この点に関して、本明細書では、SRオブジェクトを「破棄」することは、必ずしもそのようなオブジェクトを削除することを含むものではなく、これらのオブジェクトは実際には削除されることなく単に無視されるものである。これはDICOMオブジェクトで特に当てはまる。このようなオブジェクトは永久的な医療記録の一部であるため、オブジェクトをアーカイブから削除することは、避けるのが一般的だからである。1つのSRオブジェクトだけが残っている場合、それをコピーして統合SRオブジェクトし、2)そうでない場合、残っている各SRオブジェクトに対して、最も新しいオブジェクトから最も古いオブジェクトまで処理し、内容日付フィールドと内容時刻フィールドを使用してソートする。3) 各SRオブジェクトに対して、発見される各データエレメントを複合SRオブジェクトにコピーし、後で再度コピーすることを回避するために未処理のSRオブジェクトから各データエレメントを削除する。臨床的には同一の所見が2回作成されたことを知る価値があるため、単一のSRオブジェクトに存在する重複する所見はすべてコピーする。
【0070】
コンソリデーションスキームでは、新しいDICOM SRオブジェクトが検査に追加される度に、新しい複合SRオブジェクトが作成される。このようにして、複合SRオブジェクトは常に検査に存在する。DICOM SRオブジェクトの全ての利用者は、先行文書シーケンスを検査することにより、正しい固有の複合SRを容易に見つけることができる。
【0071】
例えば、図3図300は、上記の表に記載された4つの問題シナリオの全てが存在するユースケースの例を示している。統合スキームは、以下のステップでSRオブジェクトセットを処理する:1)SR1およびSR2を破棄する、2)SR6を処理する、3)SR5を処理する、4)SR3を処理する(分岐の場合、SR3とSR2は互いに分岐している)、5)SR4を処理する(先行タグがSR5に保存されなかった)、6)SRの利用者が6つのSRオブジェクトを無視できるように、6つのSRオブジェクトの全てを先行オブジェクトとしてリストする新しい複合SRオブジェクトを作成する。
【0072】
一部の例では、オブジェクトの検討には、特殊なユースケースに遭遇し、処理することを伴う場合がある。例えば、特殊なユースケースでは、削除されたデータエレメントが存在し、削除されたデータエレメントに対処する必要があるかもしれない。この点に関して、先行文書シーケンスが存在する場合、削除は自動的に処理することができる。削除は子SRオブジェクトには存在せず、親SRオブジェクトは無視されるからである。しかし、先行文書シーケンスが存在しない場合、新しいSRオブジェクトでは削除されたデータエレメントを含む古いSRオブジェクトに遭遇することがある。SRオブジェクトが異なるソースから取得され、内容が両方のソースによって追加された場合と、真の削除とを区別する方法はない。
【0073】
従って、このような状態を処理するための手段を用いることができる。例えば、以下のオプションを使用して、このような起こり得る削除を処理することができる:1)起こり得る削除が保持されるべきか否かを制御するための設定を提供する、2)管理者が起こり得る削除を解決するように整合ツールを提供する、3)整合ツールは、特定の所見によって削除が自動的に行われるようにする一般的な整合パターンを認識する(例えば、保持するまたは除去する)ための学習メカニズム(例えば、AIの「学習モード」)を組み込むことができる。
【0074】
もう1つの特別なユースケースでは、ユーザは所見の最新のインスタンスのみを保持したい場合がある。この点に関して、先行文書シーケンスが存在する場合、古いSRオブジェクトは破棄されるため、古い所見は無視される。しかし、先行文書シーケンスが存在しない場合、そのような状態を処理するための手段を使用することができる。例えば、以下のオプションを使用して、所見の複数のインスタンスを処理することができる:1)所見の複数のインスタンスが保持されるべきか、最新のインスタンスのみが保持されるべきかを制御する設定を提供する、2)先行文書シーケンスが存在している場合、複数の所見インスタンスをどのように処理するかを示すオプションの修飾子(例えば、Maximum, Minimum, First, Last, Average)を使用する、3)管理者が所見の複数のインスタンスを管理するための整合ツールを提供する、4)整合ツールは、特定の所見によって削除が自動的に行われるようにする一般的な整合パターンを認識する(例えば、全てを保持する又は最後を保持する)ための学習メカニズム(例えば、AIの「学習モード」)を組み込むことができる。
【0075】
別の特殊なユースケースでは、所見のセマンティクスを理解することが方法論の実行に必要な場合がある。これに関して、2つのSRオブジェクトは、修飾子の異なるセットで同じ所見インスタンスを表すことが可能である。方法論は、これらの所見を同じインスタンスとして認識することが可能なセマンティック解釈を採用するように構成することができる。しかし、この方法論はセマンティック解釈なしでも機能し、一部の所見インスタンスが複製される可能性がある。さらに、学習メカニズム(例えば、AIの「学習モード」)を使用し、異なるベンダーごとに、同一の値を有するが表現がわずかに異なる所見のパターンを検出するように構成し、所見を重複として自動的に検出できるようにしてもよい。
【0076】
AIの「学習モード」は、システムの適切な構成要素(超音波システム200の信号プロセッサ240など(特に、学習エンジン280と協力する信号プロセッサ240の構成要素(データ管理モジュール242など))に実装される及び/又はシステムの適切な構成要素によって提供することができる。
【0077】
例示的な実装では、監査ログを維持して、管理者によって又は上記の特別なケースのためのAIモードによって実行されたアクションを追跡することができる。
【0078】
図4は、医療におけるデジタル画像及び通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトの統合のための例示的なプロセスのフローチャートを示す。図4に示されているフローチャート400は、複数の例示的なステップ(ブロック402~416で表されている)を含んでおり、これらのステップは、医療におけるデジタル画像及び通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトの統合のための適切なシステム(例えば、図1の医用イメージングシステム110又は図2の超音波イメージングシステム200)において実行することができる。
【0079】
開始ステップ402では、システムがセットアップされ、動作を開始させることができる。
【0080】
ステップ404では、医用イメージングによる検査中に画像信号を取得することができる。これは、ある種の信号を送信し、次いでこれらの信号のエコーを受け取ることによって実行することができる。例えば、超音波イメージングシステム(例えば、図2の超音波システム200)では、画像信号を取得することは、超音波信号を送信し、超音波信号の対応するエコーを受信することを含むことができる。
【0081】
ステップ406では、画像信号(例えば、超音波信号の受信エコー)が処理され(例えば、医用イメージングシステム110の表示/制御ユニット114、または超音波システム200の信号プロセッサ240によって処理され)、対応する医用画像(例えば、超音波画像)の生成に使用するための対応するイメージングデータを生成することができる。場合によっては、データ生成の少なくとも一部は、画像信号が取り込まれるシステムとは異なるシステムで実行することができる。
【0082】
ステップ408では、生成された画像データ(例えば、画像ファイル)を処理して、特に特定の規格(DICOMなど)に従ってアーカイブすることができる。これには、画像データを符号化(例えば、DICOMベースの符号化)することを含んでいてもよい。一部の実施例では、アーカイブの少なくとも一部を、画像信号が取り込まれる及び/又は画像データが生成されるシステムとは異なるシステムで実行することができる。
【0083】
ステップ410では、複数のオブジェクト(例えば、DICOM SRオブジェクト)は、例えば、複数のユーザ及び/又は複数の実行/評価(同一のユーザによる複数の実行/評価を含む)によるイメージングデータに基づいて生成することができる。
【0084】
このような複数のオブジェクトが生成されると、オブジェクトの統合を実行することができる。オブジェクトの統合はステップ412から開始され、複数のDICOM SRオブジェクトの各オブジェクトが評価される。この評価は、オブジェクトが複数のオブジェクトうちの別のオブジェクトの親であるかどうかを判断することを含み、オブジェクトが別のオブジェクトの親であると判断された場合、そのオブジェクトは破棄される。ステップ414では、全てのオブジェクトが評価されたか否かを判断するためのチェックが行われ、全てのオブジェクトが処理された場合(すなわち、「yes」の場合)にはステップ416に進み、全てのオブジェクトが処理されたわけではない場合(すなわち、「no」の場合)にはステップ412に戻る。
【0085】
ステップ416では、複合オブジェクト(例えば、DICOM SR複合オブジェクト)を生成することができる。この点に関して、複合オブジェクトを生成することは、評価した後に1つのオブジェクトしか残っていない場合、前記1つのオブジェクトを統合されたオブジェクトにコピーすること、および評価した後に複数の残りのオブジェクトが残存している場合、前記複数の残りのオブジェクトを処理することを含み、前記処理することは、最も新しいオブジェクトから最も古いオブジェクトまで順に実行され、前記処理することは、各残りのオブジェクトに対して、発見される各データエレメントを複合オブジェクトにコピーすること、および前記残りのオブジェクトを(処理リストから)破棄することを含む。
【0086】
医用データを管理する例示的な方法は、本開示によれば、プロセッサによって、複数のオブジェクトを統合するための統合プロセスを適用することを含み、前記複数のオブジェクトは、同じ医用イメージングデータに基づいて生成され、前記統合プロセスは、前記複数のオブジェクトの各オブジェクトを評価することであって、前記評価することは、前記オブジェクトが前記複数のオブジェクトの別のオブジェクトの親であるかどうかを判断すること、および前記オブジェクトが別のオブジェクトの親である場合、前記オブジェクトを破棄することを含む、前記評価すること、並びに前記複数のオブジェクトに基づいて複合オブジェクトを生成することであって、前記生成することは、前記評価した後に1つのオブジェクトしか残っていない場合、前記1つのオブジェクトを統合されたオブジェクトにコピーすること、および前記評価した後に複数の残りのオブジェクトが残存している場合、前記複数の残りのオブジェクトを処理することを含み、前記処理することは、最も新しいオブジェクトから最も古いオブジェクトまで順に実行され、前記処理することは、各残りのオブジェクトに対して、発見される各データエレメントを複合オブジェクトにコピーすること、および前記残りのオブジェクトを破棄することを含む。
【0087】
例示的な実施形態では、前記医用データセットは、医療におけるデジタル画像及び通信(DICOM)ベースのデータセットを含む。
【0088】
例示的な実施形態では、前記複数のオブジェクトの各々は、医療におけるデジタル画像及び通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトを含む。
【0089】
例示的な実施形態では、本方法は、DICOM SRオブジェクトの内容日付フィールド及び内容時刻フィールドに基づいて、複数の残りのオブジェクトにおける残りのオブジェクトを、最も新しいオブジェクトから最も古いオブジェクトにソートすることを更に含む。
【0090】
例示的な実施形態では、前記オブジェクトを評価することは、前記オブジェクトの先行固有識別子(UID)シーケンスを決定することと、先行文書シーケンスの照合に基づいて、前記オブジェクトが別のオブジェクトの親であるかどうかを判断することとを含む。
【0091】
例示的な実施形態では、前記複数の残りのオブジェクトを処理することは、単一のオブジェクトに存在する重複する所見をコピーすることをさらに含む。
【0092】
例示的な実施形態では、本方法は、前記複数の残りのオブジェクトを処理することは、既に処理された別の残りのオブジェクトと重複する所見を破棄することをさらに含む。
【0093】
例示的な実施形態では、本方法は、前記統合プロセスを適用する場合、人工知能を利用することをさらに含む。
【0094】
例示的な実施形態において、本方法は、前記複数の残りのオブジェクトの処理中に、所見に共通する整合パターンを認識するための人工知能ベースの学習を適用することをさらに含む。
【0095】
例示的な実施形態において、本方法は、ユーザ入力に基づいて前記統合プロセスの少なくとも一部を設定することをさらに含む。
【0096】
例示的な実施形態において、本方法は、監査ログを維持することをさらに含み、前記監査ログは、前記複数のオブジェクトの統合に関連して取られたアクションを追跡するデータを含む。
【0097】
医用データを管理するための例示的なシステムは、本開示によれば、複数のオブジェクトを統合するための統合プロセスを適用するように較正された少なくとも1つの処理回路を含み、前記複数のオブジェクトは、同じ医用イメージングデータに基づいて生成され、前記少なくとも1つの処理回路は、前記統合プロセスが適用されると、前記複数のオブジェクトの各オブジェクトを評価することであって、前記評価することは、前記オブジェクトが前記複数のオブジェクトの別のオブジェクトの親であるかどうかを判断すること、および前記オブジェクトが別のオブジェクトの親である場合、前記オブジェクトを破棄することを含む、前記評価すること、並びに前記複数のオブジェクトに基づいて複合オブジェクトを生成することであって、前記生成することは、前記評価した後に1つのオブジェクトしか残っていない場合、前記1つのオブジェクトを統合されたオブジェクトにコピーすること、および前記評価した後に複数の残りのオブジェクトが残存している場合、前記複数の残りのオブジェクトを処理することを含み、前記処理することは、最も新しいオブジェクトから最も古いオブジェクトまで順に実行され、前記処理することは、各残りのオブジェクトに対して、発見される各データエレメントを複合オブジェクトにコピーすること、および前記残りのオブジェクトを破棄することを含む。
【0098】
例示的な実施形態では、前記複数のオブジェクトの各々は、医療におけるデジタル画像および通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトを含み、
前記少なくとも1つの処理回路は、DICOM SRオブジェクトに基づく内容日付フィールド及び内容時刻フィールドに基づいて、複数の残りのオブジェクトにおける残りのオブジェクトを新しいものから古いものへとソートするように構成される。
【0099】
例示的な実施形態では、前記複数のオブジェクトの各々は、医療におけるデジタル画像および通信(DICOM)における構造化レポート(SR)オブジェクトを含み、前記少なくとも1つの処理回路は、前記オブジェクトを評価する場合、前記オブジェクトのDICOMベースの先行固有識別子(UID)シーケンスを決定すること、および
前記先行文書シーケンスの照合に基づいて、前記オブジェクトが別のオブジェクトの親であるかどうかを判断することを実行するように構成されている。
【0100】
例示的な実施形態では、前記少なくとも1つの処理回路は、前記複数の残りのオブジェクトを処理する場合、単一のオブジェクトに存在する重複する所見をコピーするように構成されている。
【0101】
例示的な実施形態では、前記少なくとも1つの処理回路は、前記複数の残りのオブジェクトを処理する場合、既に処理された別の残りのオブジェクトと重複する所見を破棄するように構成されている。
【0102】
例示的な実施形態では、前記少なくとも1つの処理回路は、前記統合プロセスを適用する場合人工知能を利用するように構成されている。
【0103】
例示的な実施形態では、前記少なくとも1つの処理回路は、前記複数の残りのオブジェクトの処理中に、所見における共通の整合パターンを認識するための人工知能ベースの学習を利用する及び/または適用するように構成される。
【0104】
例示的な実施形態では、前記少なくとも1つの処理回路は、ユーザ入力に基づいて前記統合処理の少なくとも一部を設定する又は調整するように構成されている。
【0105】
例示的な実施形態では、前記少なくとも1つの処理回路は、監査ログを保持するように構成され、前記監査ログは、前記複数のオブジェクトの統合に関連して取られたアクションを追跡するデータを含む。
【0106】
本明細書において、「回路」および「回路」という用語は、物理的な電子部品(例えば、ハードウェア)、およびハードウェアを構成し、ハードウェアによって実行され、または他の方法でハードウェアに関連付けられる可能性のある任意のソフトウェアおよび/またはファームウェア(「コード」)を表す。本明細書で使用されるように、例えば、特定のプロセッサおよびメモリは、1行又は複数行の第1のコードを実行するときに第1の「回路」を構成し、1行又は複数行の第2のコードを実行するときに第2の「回路」を構成することができる。本明細書で使用する場合、「および/または」は、「および/または」で結合されたリスト内の項目のいずれか1つ以上を意味する。一例として、「xおよび/またはy」は、3つの要素セット{(x),(y),(x,y)}のうちのいずれかの要素を意味する。言い換えれば、「xおよび/またはy」は「xとyの一方または両方」を意味する。別の例として、「x、y、および/またはz」とは、7つの要素のセット{(x)、(y)、(z)、(x、y)、(x、z)、(y、z)、(x、y、z)}のうちのいずれかの要素を意味する。言い換えれば、「x、yおよび/またはz」は、「x、yおよびzのうちの1つ以上」を意味する。本明細書において、用語「ブロック」および「モジュール」は、1つまたは複数の回路によって実行することができる機能を表す。本明細書において、「例示的」という用語は、非限定的な例、事例、あるいは例示という意味で用いられている。本明細書で利用されるように、「例えば」という用語は、1つまたは複数の非限定的な例、事例、あるいは例示のリストを示す。本明細書において、回路は、機能の実行が(例えば、何らかのユーザ調整可能な設定、工場出荷時のトリムなどによって)無効化されているか、または有効化されていないかにかかわらず、回路が機能を実行するために必要なハードウェア(および必要であればコード)を含むときはいつでも、機能を実行するように「動作可能」である。
【0107】
本発明の他の実施形態は、非一時的なコンピュータ可読媒体および/または記憶媒体、ならびに/または非一時的な機械可読媒体および/または記憶媒体を提供することができる。これらの媒体は、機械および/またはコンピュータによって実行可能な少なくとも1つのコードセクションを有する機械コードおよび/またはコンピュータプログラムを記憶しており、それによって機械および/またはコンピュータに本明細書に記載の処理を実行させる。
【0108】
したがって、本開示は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実現することができる。本発明は、少なくとも1つのコンピューティングシステムの集中型方式で実現されてもよいし、異なる要素が相互接続された複数のコンピューティングシステムに分散する分散型方式で実現されてもよい。あらゆる種類のコンピューティングシステムまたは他の装置は、本明細書に記載された方法を実施するのに適している。ハードウェアとソフトウェアの典型的な組み合わせは、プログラムまたは他のコードを有する汎用コンピューティングシステムであって、プログラムまたは他のコードがロードされ実行されると、本明細書に記載された方法を実施するようにコンピューティングシステムを制御する汎用コンピューティングシステムであってもよい。別の典型的な実装は、特定用途向け集積回路またはチップで構成されてもよい。
【0109】
本開示に従った様々な実施形態は、コンピュータプログラム製品に組み込むこともできる。コンピュータプログラム製品は、本明細書に記載された方法の実施を可能にする全ての機能を含み、コンピュータシステムにロードされるとこれらの方法を実施することができる。本明細書におけるコンピュータプログラムとは、情報処理能力を有するシステムに、特定の機能を直接に実行させること、又はa)別の言語、コードまたは表記法に変換すること、b)異なる物質的形態で複製すること、の一方若しくは両方を実行した後に特定の機能を実行させることを意図した命令の集合を、任意の言語、コードまたは表記法で表現したものを意味する。
【0110】
本発明を特定の実施形態を参照して説明してきたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができ、均等物を代用できることを理解する。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために、多くの変更を行うことができる。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に属するすべての実施形態を含むことが意図される。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】