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特表2024-532265参照データに対して構成要素を認証するデバイス及び方法
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  • 特表-参照データに対して構成要素を認証するデバイス及び方法 図1
  • 特表-参照データに対して構成要素を認証するデバイス及び方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】参照データに対して構成要素を認証するデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/44 20130101AFI20240829BHJP
   B64F 5/10 20170101ALI20240829BHJP
【FI】
G06F21/44
B64F5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512013
(86)(22)【出願日】2022-08-23
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 IB2022057878
(87)【国際公開番号】W WO2023037190
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】2112739.4
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521400327
【氏名又は名称】アダプティクス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ADAPTIX LTD
【住所又は居所原語表記】Begbroke Science Park, Centre for Innovation and Enterprise (CIE), Woodstock Road, Begbroke, Oxford Oxfordshire OX5 1PF (GB)
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ソルビエフ,ヴァディム
(57)【要約】
複合材料の構成要素に、基準マーカを埋め込むこと、及びX線を用いてこの構成要素を撮像して、基準マーカの空間的位置を判断すること、が知られている。しかしこのような2つの「ポイントクラウドパターン」を比較して、それらが合致するかを判断することは簡単な仕事ではない。それは特に、デジタルトモシンセシスにおける限定された角度取得を伴う、画像再構築の性質による。基準マーカの深度は近似的にしか分解されず、その一方で方位分解能は、一般的に大幅に高い。本発明は、回転中心の開始点を選択すること、最も近い隣接物までの距離を参照データセットからの距離と比較すること、及びこの比較に基づいて回転マトリクスを計算すること、によって構成要素を参照データに対して認証するデバイス、ならびに方法を提供する。このように、複合材料の構成要素は、それら固有の「フィンガープリント」によって追跡することができ、それによってそれらを使用前に確認することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の埋め込まれた基準マーカが設けられた構成要素を、参照データに対して認証する方法であって、前記参照データは、
テスト構成要素において、それぞれの参照基準マーカの、複数の三次元位置を備えた、参照データセット、
複数の前記三次元位置の内1つに対応した、回転中心、及び
前記回転中心と、複数の前記三次元位置の内、前記回転中心からN番目に近く隣接した三次元位置と、の間における、それぞれの参照距離であって、ここでNは少なくとも3である、それぞれの参照距離、
を備え、前記本方法は、
(a)テスト構成要素において、テスト基準マーカの、複数の近似三次元位置を備えたテストデータセットを、提供するステップ、
(b)複数の前記近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置について、複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置と、複数の前記近似三次元位置の内、N番目に近く隣接した近似三次元位置と、の間におけるそれぞれの第1の近似距離を判断するステップ、
(c)前記第1の近似距離を、前記参照距離と比較して、複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置が、前記回転中心に対応するかどうか、を立証するステップ、
(d)複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置が、前記回転中心に対応した場合、複数の前記近似三次元位置の内、N番目に近く隣接した近似三次元位置と、複数の前記三次元位置の内、N番目に近く隣接した三次元位置と、に基づいて、前記回転中心の周りで、前記テストデータセットと前記参照データセットとの間の回転マトリクスを計算するステップ、
(e)前記回転マトリクスを使用して、複数の前記三次元位置と共に、複数の前記近似三次元位置を登録するよう試みるステップ、ならびに、
(f)前記試みた登録の精度を推定して、前記テスト構成要素の認証を立証するステップ、
を含むが、
(g)複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置が、前記回転中心に対応しない場合、複数の前記近似三次元位置の内、2番目の近似三次元位置のためのステップ(b)から(f)を進める前に、複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置のためのステップ(d)から(f)はスキップされ、
前記回転マトリクスを計算するステップは、前記回転マトリクス
【数1】
を、次の数式を解くことによって計算することを含み、
=(BB+αI)-1Bc
ここで、
=(ai0,ai1,ai2
及び
【数2】
である。そして、
【数3】
は、参照/テストデータセットにおける、n個の位置の三次元座標を含んだマトリクスであり、
【数4】
は、テスト/参照データセットにおけるn個の位置に対応した三次元座標を含んだマトリクスであり、Iは識別マトリクス、αは正則化パラメータである、
認証する方法。
【請求項2】
複数の前記三次元位置の内、別の三次元位置について、前記ステップ(b)から(f)まで繰り返すステップをさらに含む、請求項1または請求項2に記載の認証する方法。
【請求項3】
複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置から開始した精度を、複数の前記近似三次元位置の内、別の近似三次元位置から開始した精度と比較するステップをさらに含む、請求項3に記載の認証する方法。
【請求項4】
複数の埋め込まれた基準マーカが設けられた構成要素を、参照データに対して認証する認証デバイスであって、前記デバイスは、
参照データにアクセスするための通信装備であって、前記参照データは、
テスト構成要素におけるそれぞれの参照基準マーカの、複数の三次元位置を備えた、参照データセット、
複数の前記三次元位置の内1つに対応した、回転中心、
前記回転中心と、複数の前記三次元位置の内、前記回転中心からN番目に近く隣接した三次元位置と、の間における、それぞれの参照距離であって、ここでNは少なくとも3である、それぞれの参照距離、
を備えた、通信設備と、
テスト構成要素におけるテスト基準マーカの、複数の近似三次元位置を備えたテストデータセットを取得するための、X線装置と、
プロセッサユニットであって、
複数の前記近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置について、複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置と、複数の前記近似三次元位置の内、N番目に近く隣接した近似三次元位置と、の間におけるそれぞれの第1の近似距離を判断するステップ、
前記第1の近似距離を、前記参照距離と比較して、複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置が、前記回転中心に対応するか、を立証するステップ、
複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置が、前記回転中心に対応した場合、複数の前記近似三次元位置の内、N番目に近く隣接した近似三次元位置と、複数の前記三次元位置の内、N番目に近く隣接した三次元位置と、に基づいて、前記回転中心の周りで、前記テストデータセットと前記参照データセットとの間の回転マトリクスを計算するステップ、
前記回転マトリクスを使用して、複数の前記三次元位置と共に、複数の前記近似三次元位置を登録するよう試みるステップ、ならびに、
前記試みた登録の精度を推定して、前記テスト構成要素の認証を立証するステップ、
を含むが、
複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置が、前記回転中心に対応しない場合、複数の前記近似三次元位置の内、2番目の近似三次元位置のための前記ステップを進める前に、複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置のための前記ステップはスキップされる、
プロセッサユニットと、
を備え、
前記回転マトリクスを計算するステップは、前記回転マトリクス
【数5】
を、次の数式を解くことによって計算することを含み、
=(BB+αI)-1Bc
ここで、
=(ai0,ai1,ai2
及び
【数6】
であり、
【数7】
は、参照/テストデータセットにおいてn個の位置の三次元座標を含んだマトリクスであり、
【数8】
は、テスト/参照データセットにおいてn個の位置に対応した三次元座標を含んだマトリクスであり、Iは識別マトリクス、αは正則化パラメータである、
認証デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体的に、参照データに対して構成要素を認証するデバイス及び方法に関し、他を排除しないが、航空宇宙産業の分野における偽造品を識別する有用性を見出す。
【背景技術】
【0002】
それら独特の工業的可能性のために、複雑な複合材料の部品を使用することには、明確な成長が存在する。高コストで複雑な複合材料の使用は、偽造部品の使用を誘発する。厳しい機構規格及び政府規格に対して機能しない偽造物は、航空宇宙産業においては怪我または死をもたらす場合がある。
【0003】
複合材料の構成要素に、基準マーカを埋め込むこと、及びX線を用いて構成要素の像を映し出して、基準マーカの空間的位置を判断すること、が知られている。しかし、このような2つの「ポイントクラウドパターン」を比較して、それらが合致するかを判断することは簡単な仕事ではなく、パターン認識分野では「ポイントクラウド登録」として知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
膨大な数学的文献が、ポイントクラウド登録の対象に存在する。しかしデジタルトモシンセシスを含んだポイントクラウド登録は、特定の特徴を有し、それは例えばコンピュータビジョンにおけるポイントクラウド登録から区別される。デジタルトモシンセシスにおける、限定された角度取得を伴う画像再構築の性質のため、基準マーカの深度は、近似的にしか分解されず、その一方で方位分解能は、一般的に大幅に高い。すなわち、検出されたポイントクラウドパターンは、これらのポイントクラウドが物理的に同じであっても、一致するパターンとは異なって見える場合がある。
【発明を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、参照データに対して構成要素を認証するための方法が提供され、構成要素には、埋め込まれた複数の基準マーカが設けられ、この参照データは:参照構成要素におけるそれぞれの参照基準マーカの、複数の三次元位置を備えた、参照データセット;複数の三次元位置の内1つに対応した、回転中心;及び、この回転中心と、複数の三次元位置の内、この回転中心に対してN番目に近く隣接した三次元位置と、の間におけるそれぞれの参照距離、を含む。ここでNは少なくとも3である。本方法は:
(a)テスト構成要素において、テスト基準マーカの、複数の近似三次元位置を備えた、テストデータセットを提供するステップ;
(b)複数の近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置について、複数の近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置と、複数の近似三次元位置の内、N番目に近く隣接した近似三次元位置と、の間におけるそれぞれの第1の近似距離を判断するステップ;
(c)第1の近似距離を、参照距離と比較して、複数の近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置が、回転中心に対応するかどうか、を立証するステップ;
(d)複数の近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置が、回転中心に対応した場合、回転中心の周りで、複数の近似三次元位置の内、N番目に近く隣接した近似三次元位置と、複数の三次元位置の内、N番目に近く隣接した三次元位置と、に基づいて、テストデータセットと参照データセットとの間の回転マトリクスを計算するステップ;
(e)この回転マトリクスを使用して、複数の三次元位置と共に、複数の近似三次元位置を登録するよう試みるステップ;
(f)試みた登録の精度を推定して、テスト構成要素の認証を立証するステップ、
を含む。
【0006】
このように、複合材料の構成要素は、それら固有の「フィンガープリント」によって追跡することができ、それによってそれらを使用前に確認することができる。
【0007】
認証は、構成要素が本物であることを、確実性の範囲内で確認することを備える。
【0008】
それぞれの参照基準マーカの、複数の三次元位置は、3つのデカルト座標、またはそれらそれぞれの三次元位置を識別するための、任意の他の手段を備え得る。それらの位置は、いくつかのデータに対するものであってもよいが、本発明は選択された任意のデータを用いて機能することを理解されたい。なぜなら認証は、基準マーカに対する相対的位置によるためである。
【0009】
参照構成要素は、テスト構成要素を備え、その逆も備え得る。例えば、参照構成要素は、テスト構成要素とし得る。例として、基準マーカの位置は、構成要素において判断され、このデータは基準データとなり得る。後日、構成要素はテスト構成要素としてテストされ得る。
【0010】
参照構成要素及び/またはテスト構成要素は、製造の際に構成要素内に埋め込み式の基準マーカを導入することによって形成され得る。次にこのフィンガープリントを撮像して、クラウドベースのデータベースの中に入れる。これらの基準構成(フィンガープリント)は、偽造複合材料製品がサプライチェーンに入ってくるのを阻止及び防止するために、物理的にクローン化は不可能である。次に撮像システムは、確認検査中に、このデータベースに対してチェックを行う。
【0011】
この物理的なフィンガープリントは、デバイスに統合される(したがって部品間で移動させることはできない)。本方法によって読み取られたフィンガープリントを統合することによって、アセットの寿命を通して、そのアセットについてのデータを捕捉する機会が存在する。特にデバイスが機体間で移動される場合である。
【0012】
回転中心は、単に複数の三次元位置の内1つを用いて、同じ位置に配置され得る。
【0013】
参照データセットは、回転中心に対する近位性によって並べられた、基準マーカの位置のリストを備え得る。例えば、参照データセットは、回転中心の位置を備え、その後に回転中心に対して1番目に近い隣接物の位置、その後に回転中心に対して2番目に近い隣接物の位置、などを備え得る。しかし、任意の並び、または並びのないものも可能であることを、理解されたい。
【0014】
参照データセットは、ベクトルのマトリクスを含み得る。
【0015】
参照距離は、例えば、複数の三次元位置の内、参照データセットにおける回転中心に、N番目に近く隣接した三次元位置と1対1の対応を有する参照データにおいて、明確に列挙され得る。しかし、参照距離が、単に参照データに内在し得ることも想定される。すなわち参照距離は、参照データセットから計算可能であってもよく、参照データにおいて列挙されなくてもよい。
【0016】
Nは、3以上の任意の整数、詳細には5以上、より詳細には10以上であり、例えば20以上、50以上、または100以上とし得る。
【0017】
Nは、複数の三次元位置の合計数の、最大でも半分とし得る。例えば、Nは最大で100、詳細には最大で50、より詳細には最大で20であり、例えば最大で10または5とし得る。
【0018】
参照データは、回転中心からN番目に近く隣接した基準マーカの内、1番目のものまでの、第1のラインと、回転中心からN番目に近く隣接した基準マーカの内、2番目のものまでの、第2のラインと、の間の角度を備えた、それぞれの参照角度をさらに備え得る。少なくとも1つの参照角度が、N番目に近く隣接した基準マーカの各々のために提供され得る。しかしいくつかの配置において、2つ以上の参照角度が、基準マーカのために提供され得る。
【0019】
このように、最も隣接した各々の位置は、単にそれらのそれぞれの距離だけではなく、立証され得る。参照距離を伴い、参照角度は、参照データセット内に内在的に包含され得る、及び/または参照データに明確に列挙され得る。
【0020】
本方法は、類似の方法でテストデータセットからテスト角度を判断すること、及びこのテスト角度を参照角度と比較して、複数の近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置が、回転中心に対応するかどうかを立証すること、をさらに含み得る。
【0021】
内側に基準マーカを埋め込むことは、基準マーカが、構成要素全体に配設され、この構成要素の表面から離隔されることを意味し得る。
【0022】
テストデータセットを提供することは、テスト構成要素の複数の透過画像(X線画像など)を撮ること、及びテスト構成要素の三次元画像を再構築して、基準マーカの近似三次元位置を識別すること、を含み得る。同様に、参照データ及び/または参照データセットが、同じ方法で取得され得る。
【0023】
詳細には、X線画像は、X線エミッタの平面パネルアレイを使用して、デジタルトモシンセシスを介して取得され得る。
【0024】
テストデータセットは、実質的に参照データセットに類似し、類似のフォーマットを有し得る。
【0025】
テストデータセットは、各近似位置に関連付けられた標準偏差、平方偏差、及び/または誤差の表示を含み得る。代替として、標準偏差、平方偏差、及び/または誤差は、テストデータセットが提供される手段に基づいて、各近似位置に適用され得る。
【0026】
複数の近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置が、回転中心に対応することは、複数の近似三次元位置の内、N番目に近く隣接した近似三次元位置が、複数の三次元位置の内、N番目に近く隣接した三次元位置の許容制限内にあることを意味し得る。例えば、この許容制限は、位置に関連付けられた誤差内、及び/または1~5つの平方偏差もしくは標準偏差内、とし得る。
【0027】
【数1】
【0028】
回転マトリクスを計算することは、回転マトリクスAを、次の数式を解くことによって計算することを含み得る。
=(BB+αI)-1Bc
ここで、
=(ai0,ai1,ai2
である。
【0029】
【数2】
【0030】
は、参照データセットにおいてn個の位置の三次元座標を含んだマトリクスである。
【0031】
【数3】
【0032】
Cは、参照データセットにおいてn個の位置の三次元座標を含んだマトリクスである。
【0033】
【数4】
【0034】
マトリクスBは、テストデータセットにおけるn個の位置に対応した三次元座標を含んだマトリクスであり、Iは識別マトリクス、αは正則化パラメータである。しかし、いくつかの配置において、マトリクスBは参照データセットに関連し、マトリクスCはテストデータセットに関連し得る。
【0035】
マトリクスBBが正方行列であっても、数学的に可逆ではない場合がある。それは、Bとして表わされる、クラウドにおけるいくつかの点が、互いに非常に近くに位置される場合があるためである。それは、数学的見地から、マトリクスBのいくつかの列が、ほとんど一致し得ることを意味する。これは、マトリクスBBにおける階数不足をもたらし、ランク不足のマトリクスは可逆ではない。したがって、マトリクスBBの逆を見出すために、正則化する必要があることが、良好に立証される。正則化は、様々な方法で成すことができ、膨大な文献がこの課題に向けられている。
【0036】
便宜上、本発明はティホノフの正則化を使用する。そこでは小さい数αが、マトリクスBBの対角線に加えられる。対角線マトリクスαIは、明白に可逆であり、合計BB+αIも可逆である。しかし、正則化パラメータαは、解に大きく影響しないように、十分小さくなければならない。αは、0と1との間であってもよく、好ましくは、αは10-6未満であってもよく、例えば10-9の小ささである。しかしαは0にするべきではない。なぜならそれは、正則化をもたらさないからである。実際αは、正則化の程度が、取得されたデータセットにおける誤差/ノイズに対して僅かなものとなるほど、小さくするべきではない。したがって、好ましい配置において、αは少なくとも10-12にするべきである。多くの場合、正則化パラメータは経験的に、及び/または試行錯誤によって選択される。例えばマトリクスBBの要素が1のオーダー、すなわちO(1)であり、かつ10-6の精度を伴う解を求める場合、α=10-6を設定することで十分である。
【0037】
上記の例において、各マトリクスにおける三次元座標は、対応した回転中心までの距離に対して分類され得る。
【0038】
回転マトリクスを使用して、複数の三次元位置と共に、複数の近似三次元位置を登録するよう試みることは、Bで動作するためにAを使用することを含み得る。
【0039】
試みた登録の精度を推定することは、積ABの結果をCと比較すること、すなわち参照またはテストデータセットの内、いずれか一方の試みた登録と、参照またはテストデータセットの内、他方の試みた登録と、を比較すること、を含み得る。
【0040】
精度は、統計的に判断され得る。再構築において、一片の含有物(基準)は、いくつかの小容量を占有した小斑点として現れる。本発明は、それらの重心を計算することによって、点として表わし得る(ピクセルの強度を「質量」として扱う)。本発明は、各含有物について境界ボックスを識別し得る。別のクラウドから登録された点が、このような境界ボックスの内側に分類されたとき、完全一致が見出される。例えば、これは100%一致(確率1を有する)として表わすことができる。上述のように、各軸に沿った境界ボックスのサイズの半分を、ガウス分布の1つの標準偏差として選択することができる。すなわちガウス分布は、含有物位置の不確実性を表わす。登録された点が2つの標準偏差のボリュームの中に分類された場合、一致と考慮されるが、100%未満の確率(確率<1)となり得る。1つの標準偏差におけるガウス分布下の領域が、約68%であり、かつ2つの標準偏差下の領域が、約95%であるので、この場合一致の確率は約(95-68)/68=0.4である。例えば、3つの標準偏差について(領域=99.7%)、(99.7-95)/68=0.07となる。これは、一致の統計的推定を与える。0.65よりも高い、一致の確率は、許容可能であると考慮され得る(2つの標準偏差未満)が、所望の場合、他の制限も選択され得る。
【0041】
含有物の位置を表わすガウス分布は、常に対称ではないため、すなわち各軸に沿った標準偏差が(全般に)異なるため、確率平均(算術的またはノルム)が計算され得る。最も低い確率が取入れられてもよく、及び/または、平均境界ボックス(三次曲線)が考慮され得る。
【0042】
ステップ(b)から(f)は、複数の近似三次元位置の内1つについて、2回、3回、4回、及び/または5回繰り返され得る。実際、ステップ(b)から(f)は、テストデータセットにおける近似三次元位置の合計までの任意の回数が、繰り返され得る。しかしいくつかのケースにおいて、ステップ(b)から(f)は、テストデータセットにおける近似三次元位置の合計数の半分、または1/3の回数が繰り返され得る。
【0043】
本方法は、複数の近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置から開始した精度を、複数の近似三次元位置の内、2番目の近似三次元位置から開始した精度と比較するステップをさらに含み、任意選択で、より高い精度を選択するステップ、及び/または、同じように計算された全ての精度を比較して、それらの精度の統計的有意性を評価するステップ、をさらに含む。
【0044】
複数の近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置が、回転中心に対応しない場合、複数の近似三次元位置の内、2番目の近似三次元位置のためのステップ(b)から(f)を進める前に、複数の近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置のためのステップ(d)から(f)はスキップされ得る。同じ原理を、複数の近似三次元位置の内、3番目、8番目など、他の近似三次元位置に適用され得る。
【0045】
本発明の第2の態様によると、参照データに対して構成要素を認証するための、認証デバイスが提供される。この構成要素には、埋め込まれた複数の基準マーカが設けられる。
このデバイスは、
参照データにアクセスするための通信装備であって、この参照データは:参照構成要素における、それぞれの参照基準マーカにおける複数の三次元位置を備えた参照データセット;複数の三次元位置の内1つに対応した、回転中心;この回転中心と、複数の三次元位置の内、回転中心に対してN番目に近く隣接した三次元位置と、の間におけるそれぞれの参照距離、を備え、ここでNは少なくとも3である、通信装備と、
テストデータセットを取得するための、X線装置であって、このテストデータは、テスト構成要素におけるテスト基準マーカの、複数の近似三次元位置を備える、X線装置と、
プロセッサユニットであって、以下のステップすなわち:複数の近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置について、複数の近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置と、複数の近似三次元位置の内、N番目に近く隣接した近似三次元位置と、の間における、それぞれの第1の近似距離を判断するステップ;第1の近似距離を、参照距離と比較して、複数の近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置が、回転中心に対応するかを立証するステップ;複数の近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置が、回転中心に対応した場合、複数の近似三次元位置の内、N番目に近く隣接した近似三次元位置、及び複数の三次元位置の内、N番目に近く隣接した三次元位置、に基づいて、回転中心の周りにおいて、テストデータセットと参照データセットとの間の回転マトリクスを、計算するステップ;この回転マトリクスを使用して、複数の三次元位置と共に、複数の近似三次元位置を登録するステップ;ならびに、試みた登録の精度を推定してテスト構成要素の認証を立証するステップ、を実行するための、プロセッサユニットと、
を備える。
【0046】
通信装備は、クラウド、インターネット、及び/またはローカルもしくは遠隔データ記憶部から、参照データをダウンロードするための手段を備え得る。
【0047】
X線装置は、エミッタの平面パネルアレイ、検出器、及び再構築プロセッサを含んだ、デジタルトモシンセシスシステムを備え得る。しかし、他の形態のX線取得も想定される。
【0048】
プロセッサユニットは、汎用コンピュータプロセッサ、または他の好適なプロセッサを備え得る。
【0049】
本発明の、上記及び他の特性、特徴、及び利点は、本発明の原理を例として示す添付の図面を共に用いて、以下の詳細な説明から明確になろう。この説明は、例のためのみに与えられ、本発明の範囲を限定するものではない。以下で言及する参照図は、添付の図面を指す。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】参照データセット及びテストデータセットの回転中心まで、最も近い隣接物を示す図である。
図2】各々の、成されたアプローチの効果をそれぞれ示した、一連のヒストグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明を、特定の図面に対して説明するが、本発明はそれらではなく、特許請求の範囲のみによって限定される。示される図面は概略に過ぎず、非限定である。各図面は、本発明の全ての特徴を含み得ず、したがって必ずしも本発明の実施形態であると考慮する必要はない。図面において、いくつかの要素のサイズは誇張され、例示目的のため、縮尺に則っていない場合がある。寸法及び相対的寸法は、本発明の実施に対して実際の縮小に対応していない。
【0052】
さらに、明細書及び特許請求の範囲における、第1の、第2の、第3の、等の用語は、類似の要素間を区別するために使用され、ランク付けまたは任意の他の方法における、時間的、空間的のいずれの順番も、必ずしも表わさない。このように使用される用語は、適切な状況下において交換可能であること、及び動作は、本明細書で説明または例示する以外の順番も可能であること、を理解されたい。同様に、特定の順番で説明または請求する方法ステップは、異なる順番で動作することが、理解され得る。
【0053】
さらに、本明細書及び特許請求の範囲における、上、下、上方、下方などの用語は、説明目的で使用され、必ずしも相対的位置を表わすためのものではない。このように使用される用語は、適切な状況下において交換可能であること、及び動作は、本明細書で説明または例示する以外の方向も可能であること、を理解されたい。
【0054】
特許請求の範囲において使用される用語「備えた、含んだ(comprising)」は、その後に列挙される手段に限定されるように解釈するべきではなく、他の要素またはステップを排除するものではないことに、留意されたい。したがって、言及された際に、記載された特徴、整数、ステップ、もしくは構成要素の存在を特定するよう解釈されるが、1つもしくは複数の他の特徴、整数、ステップ、もしくは構成要素、または、それらのグループの存在もしくは追加を、除外しないよう解釈するべきである。したがって、「手段A及びBを備えたデバイス」という表現の範囲は、構成要素A及びBのみで構成されたデバイスに限定するべきではない。本発明に関して、単に、デバイスの関連の構成要素が、A及びBであることを意味する。
【0055】
同様に、本明細書で使用される用語「接続された(connected)」は、直接的な接続のみに限定されるものと解釈するべきではないことに、留意されたい。したがって、「デバイスBに接続されたデバイスA」という表現の範囲は、デバイスAの出力部がデバイスBの入力部に直接的に接続されるデバイスまたはシステムに、限定するべきではない。それは、Aの出力部とBの入力部との間に経路が存在し、それは他のデバイスまたは手段を含む経路であってもよいことを意味する。「接続された」は、2つ以上の要素が、直接的に物理的な接触をしているか、もしくは電気的な接触をしているかのいずれか、または、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、やはり互いに協働もしくは相互作用していることを意味し得る。例えば、ワイヤレス接続が企図される。
【0056】
本明細書全体の、「実施形態」または「態様」に対する参照は、実施形態または態様と共に説明した、特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態または態様に含まれることを意味する。したがって、「1つの実施形態において」、「実施形態において」、または「態様において」という、本明細書の全体で様々な位置に現出するフレーズは、同じ実施形態または態様の全てを必ずしも指しておらず、様々な実施形態または態様を指し得る。さらに、本発明の、任意の1つの実施形態または態様における、特定の特徴、構造、または特性は、任意の好適な方法で、本発明の、別の実施形態または態様の、任意の他の特定の特徴、構造、もしくは特性と組み合わされてよく、それは、1つまたは複数の実施形態もしくは態様において、本開示から当業者には明確となろう。
【0057】
同様に、説明において、本発明の様々な特徴は、本開示を簡素化し、様々な発明の態様の内、1つまたは複数を理解することを補助する目的で、時としてそれらを単一の実施形態、図面、または説明において共にグループ化されることを、理解されたい。しかし本開示の方法は、請求する発明が、各請求項に明示的に列挙されるよりも多くの特徴を必要とする意図を反映すると、解釈するべきではない。さらに、任意の個々の図面または態様の説明は、必ずしも本発明の実施形態であると考える必要はない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明の態様は、上記で開示した単一の実施形態の、全ての特徴よりも少なくなる。したがって、「発明を実施するための形態」の後の「特許請求の範囲」は、ここで明示的にこの「発明を実施するための形態」に組み込まれ、各請求項は、本発明の別個の実施形態として、それ自体で自立する。
【0058】
さらに、本明細書で説明するいくつかの実施形態が、他の実施形態に含まれたいくつかの特徴を含む一方で、異なる実施形態における特徴の組み合わせは、本発明の範囲内であることを意味し、当業者には理解されるように、さらに別の実施形態を形成する。例えば、以下の特許請求の範囲において、任意の請求された実施形態を、任意の組み合わせで使用することができる。
【0059】
本明細書で提供される説明において、多くの特定の詳細が記載される。しかし、本発明の実施形態は、これら特定の詳細なしでも実施され得ることを理解されたい。他の例において、公知の方法、構造、及び技術は、この説明の理解を不明瞭にしないよう、詳細に示されていない。
【0060】
本発明の説明において、反対に述べない限り、パラメータの許容範囲で、上限または下限における代替の値の開示は、それらの値の内一方が他方よりもより好ましい表示と結合され、上記の代替の、より好ましいものとあまり好ましくないものとの間にある、上記のパラメートの各中間値は、上記のあまり好ましくない値に対して、かつ上記のあまり好ましくない値と上記の中間値との間にある各値に対しても、それ自体好ましいことを暗黙の表現として解釈される。
【0061】
用語「少なくとも1つの」の使用は、特定の状況において1つのみを意味し得る。用語「任意の」は、特定の状況において「全て」及び/または「各々」を意味し得る。
【0062】
次に本発明の原理を、例示的な特徴に関する少なくとも1枚の図面の詳細な説明によって説明する。他の配置が、基礎となるコンセプトまたは技術的教示から逸脱することなく、当業者の理解に従って構成され得ることは明確である。本発明は添付の特許請求の範囲の条件によってのみ限定される。
【0063】
図1は、参照データセットの中で、回転中心0に最も近く、かつベクトル(01)と(02)との間の角度がΦ12、ベクトル(01)と(03)との間の角度がΦ13、及びベクトル(02)と(03)との間の角度がΦ23、である3つの隣接物1、2、3を示し、テストデータセットの中で、回転中心0’に最も近く、かつベクトル(0’1’)と(0’2’)との間の角度がΦ’12、ベクトル(0’1’)と(0’3’)との間の角度がΦ’13、及びベクトル(0’2’)と(0’3’)との間の角度がΦ’23、である3つの隣接物1’、2’、3’との比較を示す。
【0064】
図2は、各々の、様々な角度オフセットで成されたアプローチの効果をそれぞれ示した、一連のヒストグラムを示す。すなわち、第1のヒストグラムは、テストデータセットが、参照データセットが取得された角度から、90°の角度オフセットにおいて取得された結果を示す。第2のヒストグラムは、テストデータセットが、参照データセットが取得された角度から、45°の角度オフセットにおいて取得された結果を示す。第3のヒストグラムは、テストデータセットが、参照データセットが取得された角度から、30°の角度オフセットにおいて取得された結果を示す。第4のヒストグラムは、テストデータセットが、参照データセットが取得された角度から、-30°(すなわち第3のヒストグラムに対して反対方向に30°)の角度オフセットにおいて取得された結果を示す。各々の横座標は、平均境界ボックスサイズに関して、(テストデータセット及び参照データセットにおける)対応した点の間の距離を示す。番号は任意であるが、ヒストグラムの横軸の最大距離は、平均境界ボックスサイズの約3つの標準偏差である。縦座標は、所与の距離において一致した数を示す。
【0065】
第1のデータセットは、177の内123の完全一致をもたらす。第2のデータセットは、177の内174の完全一致をもたらす。その一方で第3のデータセットは、177の内127をもたらし、最後のものは177の内112の完全一致しかもたらさない。確率の観点で、最後のデータセットは最低の63%の一致であり、その一方で第2のデータセットは、最高の98%の一致である。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-04-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の埋め込まれた基準マーカが設けられた構成要素を、参照データに対して認証する方法であって、前記参照データは、
テスト構成要素において、それぞれの参照基準マーカの、複数の三次元位置を備えた、参照データセット、
複数の前記三次元位置の内1つに対応した、回転中心、及び
前記回転中心と、複数の前記三次元位置の内、前記回転中心からN番目に近く隣接した三次元位置と、の間における、それぞれの参照距離であって、ここでNは少なくとも3である、それぞれの参照距離、
を備え、前記本方法は、
(a)テスト構成要素において、テスト基準マーカの、複数の近似三次元位置を備えたテストデータセットを、提供するステップ、
(b)複数の前記近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置について、複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置と、複数の前記近似三次元位置の内、N番目に近く隣接した近似三次元位置と、の間におけるそれぞれの第1の近似距離を判断するステップ、
(c)前記第1の近似距離を、前記参照距離と比較して、複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置が、前記回転中心に対応するかどうか、を立証するステップ、
(d)複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置が、前記回転中心に対応した場合、複数の前記近似三次元位置の内、N番目に近く隣接した近似三次元位置と、複数の前記三次元位置の内、N番目に近く隣接した三次元位置と、に基づいて、前記回転中心の周りで、前記テストデータセットと前記参照データセットとの間の回転マトリクスを計算するステップ、
(e)前記回転マトリクスを使用して、複数の前記三次元位置と共に、複数の前記近似三次元位置を登録するよう試みるステップ、ならびに、
(f)前記試みた登録の精度を推定して、前記テスト構成要素の認証を立証するステップ、
を含むが、
(g)複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置が、前記回転中心に対応しない場合、複数の前記近似三次元位置の内、2番目の近似三次元位置のためのステップ(b)から(f)を進める前に、複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置のためのステップ(d)から(f)はスキップされ、
前記回転マトリクスを計算するステップは、前記回転マトリクス
【数1】
を、次の数式を解くことによって計算することを含み、
=(BB+αI)-1Bc
ここで、
=(ai0,ai1,ai2
及び
【数2】
である。そして、
【数3】
は、参照/テストデータセットにおける、n個の位置の三次元座標を含んだマトリクスであり、
【数4】
は、テスト/参照データセットにおけるn個の位置に対応した三次元座標を含んだマトリクスであり、Iは識別マトリクス、αは正則化パラメータである、
認証する方法。
【請求項2】
複数の前記三次元位置の内、別の三次元位置について、前記ステップ(b)から(f)まで繰り返すステップをさらに含む、請求項1に記載の認証する方法。
【請求項3】
複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置から開始した精度を、複数の前記近似三次元位置の内、別の近似三次元位置から開始した精度と比較するステップをさらに含む、請求項2に記載の認証する方法。
【請求項4】
複数の埋め込まれた基準マーカが設けられた構成要素を、参照データに対して認証する認証デバイスであって、前記デバイスは、
参照データにアクセスするための通信装備であって、前記参照データは、
テスト構成要素におけるそれぞれの参照基準マーカの、複数の三次元位置を備えた、参照データセット、
複数の前記三次元位置の内1つに対応した、回転中心、
前記回転中心と、複数の前記三次元位置の内、前記回転中心からN番目に近く隣接した三次元位置と、の間における、それぞれの参照距離であって、ここでNは少なくとも3である、それぞれの参照距離、
を備えた、通信設備と、
テスト構成要素におけるテスト基準マーカの、複数の近似三次元位置を備えたテストデータセットを取得するための、X線装置と、
プロセッサユニットであって、
複数の前記近似三次元位置の内、1番目の近似三次元位置について、複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置と、複数の前記近似三次元位置の内、N番目に近く隣接した近似三次元位置と、の間におけるそれぞれの第1の近似距離を判断するステップ、
前記第1の近似距離を、前記参照距離と比較して、複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置が、前記回転中心に対応するか、を立証するステップ、
複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置が、前記回転中心に対応した場合、複数の前記近似三次元位置の内、N番目に近く隣接した近似三次元位置と、複数の前記三次元位置の内、N番目に近く隣接した三次元位置と、に基づいて、前記回転中心の周りで、前記テストデータセットと前記参照データセットとの間の回転マトリクスを計算するステップ、
前記回転マトリクスを使用して、複数の前記三次元位置と共に、複数の前記近似三次元位置を登録するよう試みるステップ、ならびに、
前記試みた登録の精度を推定して、前記テスト構成要素の認証を立証するステップ、
を含むが、
複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置が、前記回転中心に対応しない場合、複数の前記近似三次元位置の内、2番目の近似三次元位置のための前記ステップを進める前に、複数の前記近似三次元位置の内、前記1番目の近似三次元位置のための前記ステップはスキップされる、
プロセッサユニットと、
を備え、
前記回転マトリクスを計算するステップは、前記回転マトリクス
【数5】
を、次の数式を解くことによって計算することを含み、
=(BB+αI)-1Bc
ここで、
=(ai0,ai1,ai2
及び
【数6】
であり、
【数7】
は、参照/テストデータセットにおいてn個の位置の三次元座標を含んだマトリクスであり、
【数8】
は、テスト/参照データセットにおいてn個の位置に対応した三次元座標を含んだマトリクスであり、Iは識別マトリクス、αは正則化パラメータである、
認証デバイス。
【国際調査報告】