(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】異臭を軽減する方法
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20240829BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
C11B9/00 S
C11B9/00 L
C11B9/00 J
C11B9/00 C
C11B9/00 G
C11B9/00 U
C11B9/00 W
C11B9/00 T
C11B9/00 R
C11B9/00 K
C11B9/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512058
(86)(22)【出願日】2022-08-03
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 EP2022071794
(87)【国際公開番号】W WO2023025549
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 洋平
(72)【発明者】
【氏名】間山 千郷
(72)【発明者】
【氏名】クラネン,ベルナルド
【テーマコード(参考)】
4B047
【Fターム(参考)】
4B047LB08
4B047LB09
4B047LF05
4B047LF07
4B047LG05
4B047LG06
4B047LG09
4B047LG10
4B047LG25
4B047LG54
4B047LP02
(57)【要約】
本開示は、食品および飲料における異臭を軽減するための方法に、食品および飲料における異臭を軽減するためのフレーバー組成物に、および、食品および飲料における異臭を軽減するための特定のフレーバー成分の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーバーづけされた食品または飲料製品における異臭を軽減するための方法であって、方法は、以下のステップ:
a)1以上の異臭構成要素O
iを同定すること;
b)1以上の異臭構成要素O
iのclogP(clogP(O
i))を算出すること;
c)ステップa)において同定された1以上の異臭構成要素O
iの各々について、フレーバーづけされた食品または飲料製品に、clogP(O
i)±0.75clogPユニット、より具体的にclogP(O
i)±0.5clogPユニットに等しいclogP(F
ij)値(単数または複数)を有する、有効量の少なくとも1のフレーバー成分F
ijを添加すること;
を含み、
ここで、clogP(O
i)およびclogP(F
ij)は、異臭構成要素O
iおよびフレーバー成分F
jの両方の算出されたオクタノール/水分配係数である;および
ここで、少なくとも1のフレーバー成分F
ijの有効量は、フレーバーづけされた食品または飲料製品に存在するにおい活性フレーバー成分の総重量に基づき、0.000001重量%~100重量%、より具体的に0.00001重量%~10重量%、なおより具体的に0.00005重量%~2.5重量%である、前記方法。
【請求項2】
-1~+0.5のclogP(F
ij)値を有する少なくとも1のフレーバー成分F
ijは、アセチルプロピオニル(2,3-ペンタンジオン)(ClogP=-0.84);ガンマブチロラクトン(clogP=-0.8);酒石酸ジエチル(clogP=-0.69);ギ酸(clogP=-054);2,3-ヘキサンジオン(clogP=-0.31);3,4-ヘキサンジオン(clogP=-0.31);バレロラクトンガンマ(clogP=-0.28);バレロラクトンデルタ(-0.24);アセトアルデヒド(clogP=-0.22);アセトイン(clogP=-0.2);テトラヒドロフルフリルアルコール(clogP=-0.12);2-(ヒドロキシアセチル)フラン(clogP=0.08);2-アセチルピラジン(clogP=-0.08);マルトール(clogP=0.1);ズルフロール(clogP=0.13);エチルピルバート(clogP=0.16);酢酸メチル(clogP=0.18);アンゲリカラクトンアルファ(5-メチル-3H-フラン-2-オン)(clogP=0.2);2,3-ヘプタンジオン(clogP=0.22);2-メチルテトラヒドロフラン-3-オン(clogP=0.24);エチルホルマート(clogP=0.26);ヘキサラクトンデルタ(clogP=0.27);フルフリルアルコール(clogP=0.28);プロパナール(clogP=0.3);ブタン-2-オン(clogP=0.32);プロピオン酸(clogP=0.33);乳酸エチル(clogP=0.33);アセト酢酸エチル(clogP=0.33);プロピオン酸(ClogP=0.34);エチル3-ヒドロキシブチラート(clogP=0.37);乾燥コリロン(clogP=0.42);2-アセチル-3-メチルピラジン(clogP=0.42);ジメチルスクシナート(clogP=0.42);3-アセチルピリジン(clogP=0.48);およびヘキサラクトンガンマ(clogP=0.48)からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
0.51~1.5のclogP(F
ij)値を有する少なくとも1のフレーバー成分F
ijは、1-ペンテン-3-オン(clogP=0.52);ペンタ-3-エン-2-オン(clogP=0.52);メチル-2-ピロリルケトン(clogP=0.59);ブタノール(clogP=0.6);4-ヒドロキシ-5-メチル-3(2h)-フラノン(clogP=0.61);3,4-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジオン(clogP=0.62);1,2-ジメチル-3,5-シクロペンタジオン(clogP=0.62);エチルマルトール(clogP=0.63);イソ酪酸(clogP=0.64);3-ヒドロキシブタン酸(clogp=0.64);ジメチル-2,3ピラジン(clogP=0.66);エチルレブリナート(clogP=0.66);フルフラール(clogP=0.67);アセチル-2チアゾール(clogP=0.71); メチルプロピオナート(clogP=0.71);酢酸エチル(clogP=0.71);メチルブテノール(clogP=0.72);イソブチルアルコール(clogP=0.74);イソブチルアルデヒド(clogP=0.74);テトラヒドロフルフリルアセタート(clogP=0.74);2-アセチルフラン(ClogP=0.76);メチルニコチナート(clogP=0.77);へプタラクトンガンマ(clogP=0.77);ブチルアルデヒド(clogP=0.83);ペンタン-2-オン(clogP=0.85);酪酸(clogP=0.86);エチル-3-ヒドロキシ-4-メチル-2(5h)-フラノン(clogP=0.86);cis-3-ペンテン-1-オール(clogP=0.87);アセチル-2ピリジン(clogP=0.88);4-ペンタナール(clogP=0.88);(E)-2-ブテン酸(clogP=0.89);メチル-3-ヒドロキシヘキサノアート(clogP=0.89);4-ペンテン酸(clogP=0.91);3-メチル-2-ブテナール(clogP=0.92);メチル-2ブテン-2-オール-4(プレノール)(clogP=0.93);ピペリジン(clogP=0.93);プレノール(clogP=0.94);2-アセチル-3-エチルピラジン(clogP=0.95);イソアミルアルコール(clogP=1);4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシ-ベンズアルデヒド(clogP=1.01);メチルイソブチラート(clogP=1.02);アニシルアルコール(clogP=1.02);ジメチル-2,5ピラジン(clogP=1.03);2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1,4-ジオン(clogP=1.03);4-ヘキセン-3-オン(clogP=1.04);3-エチル-2-ヒドロキシ-2-シクロペンテン-1-オン(clogP=1.07);1-フェニル-1,2-プロパンジオン(clogP=1.07);ジンゲロン(clogP=1.07);2-アセチル-3,5-ジメチルピラジン(clogP=1.1);ベンジルアルコール(clogP=1.1);2,6-ジメトキシフェノール(clogP=1.11);トリメチルピラジン(clogP=1.11);2-メチル酪酸(clogP=1.13);ジエチルマロナート(clogP=1.13);アルデマックス(1,2-ビス(1-エトキシエトキシ)プロパン)(clogP=1.13);フロノール(clogP=1.13);;ペンタノール-2(clogP=1.13);メトキシメチルピラジン(clogP=1.14);フルフリルアセタート(clogP=1.14);2.メチル酪酸(ClogP=1.17);5-メチル-フルフラール(clogP=1.17);;2-メチル-ブタン-1-オール(clogP=1.2);2-エチル5,6メチルピラジン(clogP=1.22);エチル-2メチル-5ピラジン(clogP=1.22);メチル-2ブタノール(clogP=1.22);ラズベリーケトン(clogP=1.22);4-メチルペント-2-エン酸(clogP=1.22);エチルプロピオナート(clogP=1.24);酪酸メチル(clogP=1.24);プロピルアセタート(clogP=1.24);4-メチルペンタン-2-オン(clogP=1.25);2-アセチル-5-メチルフラン(clogP=1.26);3-メチルブタン酸(clogP=1.26);テトラヒドロフルフリルプロピオナート(clogP=1.27);イソバレルアルデヒド(clogP=1.27);バニリン(clogP=1.28);3-メチル-ブト-2-エン酸(clgP=1.28);メチルフロエート(clogP=1.29);オクタラクトンガンマ(clogP=1.3);ブチルホルマート(clogP=1.32);フルフリリデンアセトン(clogP=1.32);グアイアコール(clogP=1.32);フェニルエチルアルコール(clogP=1.33);オクタラクトンデルタ(clogP=1.33);2-メチルチオフロアート(clogP=1.35);ペンタノール(clogP=1.35);2-アセチル-チオフェン(clogP=1.36);2-メチルブチルアルデヒド(clogP=1.36);2-メチル-2-ペンタナール(clogP=1.36);ペンタナール(clogP=1.36);バニリン酸(clogP=1.36);ブチルラクタート(clogP=1.39);エチル2-エチルアセトアセタート(clogP=1.39);ペンタン酸(clogP=1.39);ヘキセノール-3-cis(clogP=1.4);cis-4-ヘキセノール(clogP=1.4);(E)-4-ヘキセナール(clogP=1.41);メチルベンジルアルコール(clogP=1.41);純粋なフェニル酢酸(clogP=1.41);アニシルホルマート(clogP=1.42);エチル-3-ヒドロキシヘキサノアート(clogP=1.42);2-メチルペンタ-3-エン酸(clogP=1.42);ベラトルムアルデヒド(3,4-ジメトキシベンズアルデヒド)(clogP=1.44);4-メチル-2-ペンテナール((clogP=1.44);ジメチル-4-メトキシ-3(2h)-フラノン(clogP=1.47);ジエチルスクシナート(clogP=1.48);アセトキシ-2,5-ジメチル-3(2h)フラノン(clogP=1.48);ベンズアルデヒド(clogP=1.5);フェニルプロピオン酸(clogP=1.5);およびベンジルホルマート(clogP=1.5)からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1.51~2.5のclogP(F
ij)値を有する少なくとも1のフレーバー成分F
ijは、ヒドロキシシトロネラール(clogP=1.54);エチルイソブチラート(clogP=1.55);2-メチル酪酸メチル(clogP=1.55);6-メチル-3,5-ヘプタジエン-2-オン(clogP=1.55);(E)-2-ヘキセナール(clogP=1.58);アセトフェノン(clogP=1.58);テトラメチルピラジン(clogP=1.58);フルフリルメルカプタン(clogP=1.59);(E)-2-ヘキセノール(clogP=1.6);ホモフロノール(clogP=1.6);桂皮アルコール(clogP=1.61);サリチル酸アルデヒド(clogP=1.61);(e,e)-3,5-オクタジエン-2-オン(clogP=1.62);ジヒドロクマリン(clogP=1.63);イソブチルアセタート(clogP=1.64);(Z)-3-ヘキセン酸(clogP=1.64);t(E)-3-ヘキセン酸(clogP=1.64);フルフリルプロピオナート(clogP=1.66);エチルジメチルピラジン(clogP=1.66);3-エチル-2,(5または6)-ジメチル-ピラジン(clogP=1.66);2-エチル-3-メトキシ-ピラジン(clogP=1.67);2,4-ヘプタジエナール(clogP=1.68);2-エチルブタン酸(clogP=1.70);2-メチルペンタン酸(clogP=1.70);フェニルプロピルアルコール(clogP=1.71);イソアミルホルマート(clogP=1.72);ヘリオトロピン(clogP=1.76);ブチルアセタート(clogP=1.77);酪酸エチル(clogP=1.77);メチルバレラート(clogP=1.77);アニシルアルデヒド(clogP=1.78);桂皮酸(clogP=1.78);フルフリルチオアセタート(clogP=1.78);桂皮酸(clogP=1.78);4-メチルペンタン酸(clogP=1.79);フェニルアセトアルデヒド(clogP=1.78);4-メチルペンタン酸(clogP=1.79);2-メチル-4,5-ジヒドロフラン-3-チオールアセタート(clogP=1.79);ミントラクトン(3,6-ジメチル-5,6,7,7a-テトラヒドロ-4H-1-ベンゾフラン-2-オン)(clogP=1.8);アセタニゾール(clogP=1.8);メトキシフェニルブタノン(clogP=1.81);エチルバニリン(clogP=1.81);リナロールオキシド(clogP=1.81);ウイスキーラクトン(clogP=1.82);メチルヘプテノン(clogP=1.82);メチルフェニルアセタート(clogP=1.82);メチル-6-ヘプテン-5-オン-2(clogP=1.82);クレオゾール(clogP=1.82);2-(4-メチルフェニル)エタノール(clogP=1.83);ノナラクトンガンマ(clogP=1.83);アミルホルマート(clogP=1.85);エチルクロトナート(clogP=1.86);ヒドロキシノナン酸、デルタ-ラクトン(clogP=1.86);ノナラクトンデルタ(clogP=1.86);フェニル-3-プロパナール(clogP=1.87);ヘキサノール(clogP=1.88);アニシルアセタート(clogP=1.88);3-メチル-2-ブテン-1-イルアセタート(clogP=1.88);ヘキサン-1-オール(clogP=1.88);フィルベルトン((E)-5-メチルへプタ-2-エン-4-オン)(clogP=1.88);安息香酸(clogP=1.89);2-エチルブチルアルデヒド(clogP=1.89);ヘキサナール(clogP=1.89);(Z)-3-ヘキセニルホルマート(clogP=1.9);へプタノン-2(clogP=1.91);ジャスモラクトン((E)-6-(ペンタ-3-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン)(clogP=1.91);n-フルフリルピロール(clogP=1.91);3-へプタノン(clogP=1.91);1-ヘプテン-3-オール(clogP=1.91);オルトクレゾール(clogP=1.92);ヘキサン酸(clogP=1.92);ピペロニルアセタート(clogP=1.92);1-ブテニル-メチルスルフィド(clogP=1.93);(E)-2-ヘキセン(clogP=1.94);(Z)-4-ヘプテナール(clogP=1.94);(z)-1,5-オクタジエン-3-オール(clogP=1.95);ベンジルアセタート(clogP=1.96);(Z)-3-ヘキセニルラクタート(clogP=1.96);トリチア-2,3,5-ヘキサン(clogP=1.96);メタクレゾール(clogP=1.97);ジエチル-(2,5 + 2,6)3-メチルピラジン(clogP=1.97);2-メトキシシンナムアルデヒド(clogP=1.97);パラクレゾール(clogP=1.97);パラトリルアルデヒド(clogP=1.99);4-メチルフェニルアセタート(clogP=1.99);2-エチル4-メチルチアゾール(clogP=2.01);メチル(Z)-3-ヘキセノエート(clogP=2.01);プレニルエチルエーテル(clogP=2.04);ジメチルベンジルカルビノール(clogP=2.04);桂皮アルデヒド(clogP=2.05);メチルフェネチルエーテル(clogP=2.05);メトキシ-4-ビニルフェノール(clogP=2.05);フルフリルメチルスルフィド(clogP=2.07);カルボンラエボ(clogP=2.08);2-メチル酪酸エチル(clogP=2.08);メチルアセトフェノン(clogP=2.08);ベンゾチアゾール(clogP=2.08);2-メチル-1-プロパンチオール(clogP=2.1);オクタ-2-エン-4-オン(clogP=2.1);オクテン-3-オン(clogP=2.1);オクタ-2-エン-4-オン(clogP=2.1);(E)-2-ヘプテナール(clogP=2.11);メチルベンゾアート(clogP=2.11);アントラニル酸メチル(clogP=2.12);純粋なインドール(clogP=2.13);ベンジリデンアセトン(clogP=2.14);1,3-ジメトキシベンゼン(clogP=2.15);ジメチルヒドロキノン(clogP=2.15);チグリン酸エチル(clogP=2.16);エチルイソバレラート(clogP=2.17);5-エチル-2-メチルピリジン(clogP=2.17);酢酸イソアミル(clogP=2.17);イソブチルプロピオナート(clogP=2.17);メチルチオベンゾアート(clogP=2.17);2-メチルブチルアセタート(clogP=2.17);3-メチル-2,4-ノナンジオン(clogP=2.18);フェンコン(clogP=2.18);3-メチル-2,4-ノナンジオン(clogP=2.18);2-へプタノール(clogP=2.19);4-ビニルフェノール(clogP=2.20);カルボン(clogP=2.20);シクロヘキシル酢酸(clogP=2.21);2,4-オクタジエン-1-ナール(clogP=2.21);フェニル-2-ブテナール(clogP=2.21);ブタンチオール(clogP=2.23);スチラリルアセタート(clogP=2.27);フェニル酢酸エチル(clogP=2.28);イソホロン(clogP=2.28);アニス酸メチル(clogP=2.28);2-へプタノール(clogP=2.29);3-メチルヘキサナール(clogP=2.29);エチルバレラート(clogP=2.3);ヘキサン酸メチル(clogP=2.3);アミルアセタート(clogP=2.3);プロピルブチラート(clogP=2.3);酢酸オイゲノール(clogP=2.3);ジヒドロアクチニジオリド(clogP=2.32);サリチル酸メチル(clogP=2.33);カンホレンアルデヒド(clogP=2.34);(Z)-3-ヘキセニル-アセタート(clogP=2.34);エチルフェニルアセタート(clogP=2.35);パラエチルグアイアコール(clogP=2.35);デカラクトンガンマ(clogP=2.36);1-ヘキシルホルマート(clogP=2.38);2-メチル-3メチルチオフラン(clogP=2.38);デカラクトンデルタ(clogP=2.39);3-メチル-2-ブタンチオール(clogP=2.41);ベンジルメルカプタン(clogP=2.41);へプタノール(clogP=2.41);2-イソプロピル-4-メチルチアゾール(clogP=2.41);2,5-ジメチルフェノール(clogP=2.42);3,4-ジメチルフェノール(clogP=2.42);ヘプタナール(clogP=2.42);ジャスモン酸メチル(メチル2-(3-オキソ-2-ペンタ-2-エニルシクロペンチル)アセタート)(clogP=2.43);エチルフェニルグリシデート(clogP=2.43);1-オクテン-3-オール(clogP=2.43);2-オクタノン(clogP=2.44);メチルヘキシルケトン(clogP=2.44);2-イソブチルチアゾール(clogP=2.44);3-オクテノール(clogP=2.44);へプタン酸(clogP=2.45);パラメチルベンジルアセタート(clogP=2.46);メチルシンナマート(clogP=2.47);イソブチルイソブチラート(clogP=2.48);ベンジルプロピオナート(clogP=2.49);ピペリトンレイボ(clogP=2.49);パラエチルフェノール(clogP=2.5);および3,6-ノナジエン-1-オール(clogP=2.5)からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
2.51~3.5のclogP(F
ij)値を有する少なくとも1のフレーバー成分F
ijは、3-ヘキセン酸エチル(clogP=2.54);(E)-2-ヘキセニルアセタート(clogP=2.54);ベルベノン(clogP=2.55);シンナミルアセタート(clogP=2.55);パラクレシルメチルエーテル(clogP=2.57);イソオイゲノール(clogP=2.58);1-(4-メトキシフェニル)-1-ペンテン-3-オン(clogP=2.59);フルフリルイソバレラート(clogP=2.59);イソブチルメトキシピラジン(clogP=2.59);エチル2-メチルペンタノアート(clogP=2.61);カルベオールラエボ(clogP=2.62);3-ノネン-2-オン(clogP=2.63);テルピネオールアルファ(clogP=2.63);6-ペンチル-2h-ピラン-2-オン(clogP=2.64);(E)-2-オクテナール(clogP=2.64);エチルベンゾアート(clogP=2.64);cis-ジャスモン(clogP=2.64);アントラニル酸エチル(clogP=2.65);(E)-2-オクテン-1-オール(clogP=2.65);フェニルプロピルアセタート(clogP=2.66);アントラニル酸ジメチル(clogP=2.66);イソブチル3-メチルチオブチラート(clogP=2.68);2,6-ノナジエナール(clogP=2.68);2,6-ノナジエノール(clogP=2.7);イソブチルブチラート(clogP=2.7);2-イソプロピルフェノール(clogP=2.7);オクタ-3-エン酸(clogP=2.7);メチルヘプチンカーボネート(clogP=2.72);2-オクタノール(clogP=2.72);3-オクタノール(clogP=2.72);(E,E)-2,4-ノナジエナール(clogP=2.74);テルピネン-4-オール(clogP=2.74);イソアミルプロピオナート(clogP=2.74);イソプレゴール(clogP=2.75);リナロール(clogP=2.75);2-アセチルナフトン(clogP=2.76);イソアミルプロピオナート(clogP=2.76);イソブチル2-ブテノアート(clogP=2.78);メチルプロピルジスルフィド(clogP=2.8);1,4-シネオール(clogP=2.81);パラ-エチルアニセート(clogP=2.81);2-エチルヘキサノール(clogP=2.81);6-メチルヘプタナール(clogP=2.82);ブチルブチラート(clogP=2.82);ユーカリプトール(clogP=2.83);ヘキサン酸エチル(clogP=2.83);酢酸ヘキシル(clogP=2.83);ヘプタン酸メチル(clogP=2.83);メントン(clogP=2.83);フレスコメンテ(clogP=2.84);6-メチルへプタン酸(clogP=2.85);エチルサリチラート(clogP=2.86);メロナール(clogP=2.87);(Z)-3-ヘキセニルプロピオナート(clogP=2.87);クミンアルデヒド(clogP=2.88);純粋なモモ(5-へプチルジヒドロフラン-2(3H)-オン)(clogP=2.89);ブチルフタリド(clogP=2.9);2-メチル-3-(パラ-メチル-フェニル)-プロパナール(clogP=2.9);(E)-2-ヘキセン酸エチル(clogP=2.91);ウンデカラクトンデルタ(clogP=2.92);サフラナール(clogP=2.93);オクタン-1-オール(clogP=2.94);シトラール(clogP=2.95);オクタナール(clogP=2.95);エチルメチルフェニルグリシデート(clogP=2.95);ノナノン-2(clogP=2.96);ネロレックス(clogP=2.97);ゲラニオール(clogP=2.97);ネロール(clogP=2.97);オクタン酸(clogP=2.98);(Z)-6-ノネノール(clogP=2.98);ジメチルベンジルカルビニルアセタート(clogP=2.99);エチルシンナマート(clogP=2.99);(Z)-6-ノネナール(clogP=2.99);イソアミルイソブチラート(clogP=3.01);3-プロピリデンフタリド(clogP=3.01);ベンジルブチラート(clogP=3.02);ブチルブチロラクタート(clogP=3.02);メチルイソオイゲノール(clogP=3.05);アリルカプロアート(clogP=3.07);(Z)-4-デセナール(clogP=3.09);4-メチルオクタン酸(clogP=3.09);3,5,5-トリメチルヘキサナール(clogP=3.09);フェンキルアルコール(clogP=3.1);ボルネオール(clogP=3.1);イソブチルイソバレラート(clogP=3.1);イソボルネオール(clogP=3.1);イソブチルイソバレラート(clogP=3.1);ジヒドロジャスモン酸メチル(clogP=3.1);バニトロープ((E)-2-エトキシ-5-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノール)(clogP=3.11);フェニルエチルイソブチラート(clogP=3.12);3-デセン-2-オン(clogP=3.16);(E)-2-ノネナール(clogP=3.16);ローズオキシド(clogP=3.17);チモール(clogP=3.2);チモール結晶(clogP=3.2);2-イソプロピル-5-メチルヘキセン-2-ナール(clogP=3.21);ブチルイソバレラート(clogP=3.23);メチルプロピルトリスルフィド(clogP=3.23);2-メチルブチルブチラート(clogP=3.23);イソアミルブチラート(clogP=3.23);メントール(clogP=3.23);メチルオクチンカーボネート(clogP=3.25);シトロネロール(clogP=3.25);シトロキシド(clogP=3.26);シトロネラール(clogP=3.26);2,4-デカジエナール(clogP=3.27);イソブチルフェニルアセタート(clogP=3.28);ジアリルジスルフィド(clogP=3.29);ジベンジルエーテル(clogP=3.3);イソプロピルシンナマート(clogP=3.3);ピペリン(clogP=3.31);合成アネトール(clogP=3.31);フェニル酪酸エチル(clogP=3.34);カルバクロール(clogP=3.35);ペンチルブチラート(clogP=3.36);ヘキシルプロピオナート(clogP=3.36);ヘプタン酸エチル(clogP=3.36);へプチルアセタート(clogP=3.36);メチルオクタノアート(clogP=3.36);プロピルヘキサノアート(clogP=3.36);オクテニルアセタート(clogP=3.38);オクテニル-3アセタート(clogP=3.38);ライムオキシド(clogP=3.39);(Z)-3-ヘキセニルブチラート(clogP=3.4);カルビルアセタート(clogP=3.41);ベンジルイソバレラート(clogP=3.42);ドデカラクトンガンマ(clogP=3.42);イソアミルイソブチラート(clogP=3.42);ドデカラクトンデルタ(clogP=3.45);ノナノール(clogP=3.47);ゲラニルホルマート(clogP=3.47);ノナナール(clogP=3.48);および2-デカノン(clogP=3.49)からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
3.51~4.5のclogP(F
ij)値を有する少なくとも1のフレーバー成分F
ijは、ノナン酸(clogP=3.51);イソアミル2-メチルブチレート(clogP=3.53);ブチリデンフタリド(clogP=3.54);テルピニルアセタート(clogP=3.58);ベンジルフェニルアセタート(clogP=3.59);5-エチル-4-メチル-2-(1-メチルプロピル)-チアゾリン(clogP=3.6);エチルオクテノエート-3(clogP=3.6);2-ヘプタンチオール(clogP=3.6);(E)-2-ヘキセニルブチラート(clogP=3.6);メチル3-ノネノエート(clogP=3.6);イソペンチルイソバレラート(clogP=3.63);2-メチルブチル3-メチルブタノアート(clogP=3.63);ノナジエニルアセタート(clogP=3.65);メチルパラ-tert-ブチルフェニルアセタート(clogP=3.65);3-オクチルアセタート(clogP=3.66);5-メチル-2-フェニル-2-ヘキセナール(clogP=3.66);;(E)-2-デセナール(clogP=3.69);ジヒドロカルビルアセタート(clogP=3.69);イソプレギルアセタート(clogP=3.69);酢酸リナリル(clogP=3.7);イオノンアルファ(clogP=3.71);(Z)-3-ヘキセニル2-メチルブチラート(clogP=3.71;フェニルエチルチグレート(clogP=3.73);フェニルエチルイソバレラート(clogP=3.74);ペラルゴール(clogP=3.74);イソブチルヘキサノアート(clogP=3.75);3-メチル-ブチルバレラート(clogP=3.75);シトロネリルホルマート(clogP=3.75);ナフチルエチルエーテルベータ(clogP=3.76);純粋なイオノンベータ(clogP=3.77);ビス(2-メチル-3-フリル)ジスルフィド(clogP=3.79);メンテン-9-イルアセタート(clogP=3.79);(Z)-3-ヘキセニルイソバレラート(clogP=3.8);乳酸メンチル(clogP=3.8);2,4-ウンデカジエナール(clogP=3.8);イソアミルフェニルアセタート(clogP=3.81);ダマスコンアルファ(clogP=3.82);シクラメンアルデヒド(3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール)(clogP=3.83);パラ-クレシルフェニルアセタート(clogP=3.84);オクチルアセタート(clogP=3.88);ブチルヘキサノアート(clogP=3.88);オクチルアセタート(clogP=3.88);エチルオクタノアート(clogP=3.88);ヘキシルブチラート(clogP=3.88);4-エチルオクタン酸(clogP=3.91);4-メチルノナン酸(clogP=3.91);酢酸ネリル(clogP=3.92);フェニルエチルフェニルアセタート(clogP=3.92);ゲラニルアセタート(clogP=3.92);2-ペンチルフラン(clogP=3.93);ペンチルフェニルアセタート(clogP=3.94);ベンジルベンゾアート(clogP=3.94);エチル3-オクテノエート(clogP=3.97);メチル2-ノネノエート(clogP=3.97);デカノール(clogP=4);デカナール(clogP=4.01);シンナミルイソバレラート(clogP=4.01);メチルノニルケトン(clogP=4.02);2-ウンデカノン(clogP=4.02);ジメチルベンジルカルビニルブチラート(clogP=4.04);イソボルニルアセタート(clogP=4.04);ジヒドロイオノンベータ(clogP=4.04);ボルニルアセタート(clogP=4.05);9-デセン酸(clogP=4.05);パラシメン(clogP=4.07);メチルアルファ-イオノン(clogP=4.07);アリルシクロヘキシルプロピオナート(clogP=4.14);ノートカトン(clogP=4.15);ベンジルサリチラート(clogP=4.16);純粋なメンチルアセタート(clogP=4.17);(Z)-3-ヘキセニル(Z)-3-ヘキセノエート(clogP=4.18);ヘキシル2-メチルブチラート(clogP=4.19);シトロネリルアセタート(clogP=4.2);フェニルアセトアルデヒドジイソブチルアセタール(clogP=4.21);2-ウンデセナール(clogP=4.22);イロンアルファ(clogP=4.23);ベンジルシンナマート(clogP=4.23);ジフェニルオキシド(clogP=4.24);ダマセノン(clogP=4.27);(Z)-3-ヘキセニルベンゾアート(clogP=4.27);イソアミルヘキサノアート(clogP=4.28);ジヒドロノートカトン(clogP=4.3);オシメン(clogP=4.33);デルタ-3カレン(clogP=4.33);ミルセン(clogP=4.33) リモネン(clogP=4.35);テルピネンガンマ(clogP=4.35);テルピノレン(clogP=4.35);チオゲラニオール(clogP=4.38);フェランドレン(clogP=4.41);エチルノナノアート(clogP=4.41);ノニルアセタート(clogP=4.41);アミルヘキサノアート(clogP=4.41);テルピネンアルファ(clogP=4.41);ペラルゴン酸エチル(clogP=4.41);ネリルプロピオナート(clogP=4.44);ゲラニルプロピオナート(clogP=4.44);イソアミルシンナマート(clogP=4.45);イソアミルサリチラート(clogP=4.45);エチル-4-デセノエート(clogP=4.46);(Z)-3-ヘキセニルヘキサノアート(clogP=4.46);およびアミル桂皮アルデヒド(clogP=4.47)からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
4.51以上のclogP(F
ij)値を有する少なくとも1のフレーバー成分F
ijは、デルタ-テトラデカラクトン(clogP=4.51);セドロール(clogP=4.53);リナリルイソブチラート(clogP=4.53);ウンデカナール(clogP=4.54);フェニルエチルシンナマート(clogP=4.56);エチルデカジエノアート(clogP=4.61);エチル2,4-デカジエノアート((2E,4Z)-エチルデカ-2,4-ジエノアート)(clogP=4.61);テルピニルブチラート(clogP=4.63);オクテン-1-イルブタノアート(clogP=4.66);ドデカン酸(clogP=4.67);ダマスコンベータ(clogP=4.69);ピネンアルファ(clogP=4.7);カンフェン(clogP=4.7);ピネンベータ(clogP=4.7);オクチルイソブチラート(clogP=4.72);シトロネリルプロピオナート(clogP=4.73);カリオフィレンオキシド(clogP=4.74);リナリルブチラート(clogP=4.75);ドデセナル(clogP=4.75);ネロリドール(clogP=4.78);シンナミルシンナマート(clogP=4.84);2-ヘキシルチオフェン(clogP=4.93);デシルアセタート(clogP=4.94);エチルデシレート(clogP=4.96);エチルデカノアート(clogP=4.96);ヘキシルヘキサノアート(clogP=4.96);ゲラニルブチラート(clogP=4.97);ファルネソール(clogP=5);エチル-(E)-2-デセノエート(clogP=5.03);シトロネリルイソブチラート(clogP=5.04);ドデカン-1-オール(clogP=5.05);ドデカナールc(clogP=5.07);ウンデカトリエン(clogP=5.15);リナリルイソバレラート(clogP=4.535.15);ゲラニルイソバレラート(clogP=5.17);シトロネリルブチラート(clogP=5.25);(E)-2-トリデセナール(clogP=5.28);イソアミルオクタノアート(clogP=5.34);チベトライド(clogP=5.35);アンブレットリド(clogP=5.42);アンブロフィックス(clogP=5.47);リナリルベンゾアート(clogP=5.62);ドデシルアセタート(clogP=6);ウンデシレン酸ブチル(clogP=6.05);バレンセン(clogP=6.3);ファルネセン(clogP=6.36);ビサボレン(clogP=6.38);およびカリオフィレン(clogP=6.45)からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
フレーバー成分F
ijの蒸気圧は、異臭構成要素O
iの蒸気圧に等しいかまたはこれ未満であり、より具体的に異臭構成要素O
iの蒸気圧の10倍未満である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
フレーバー成分F
ijの蒸気圧は、異臭構成要素O
iの蒸気圧と等しいかまたはこれより高い、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
フレーバー成分F
ijのにおい強度は、異臭構成要素O
iのにおい強度と等しいかまたはこれより高い、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
フレーバー成分F
ijは、フレーバー成分F
ijが添加されるフレーバーづけされた食品または飲料製品の嗅覚プロファイルに適合する嗅覚プロファイルを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
フレーバー成分F
ijは、フレーバー成分が食品または飲料製品において使用されるレベルにおいて、オフノート構成要素O
iのにおい強度と等しいかまたはこれより高いにおい強度を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
フレーバー成分F
ijは、食品または飲料製品の嗅覚プロファイルに適合する嗅覚プロファイルを有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
フレーバー成分F
ijは、CHO化合物、とりわけアルデヒド、アルコール、エステル、ラクトン、ケトン、エーテル、ケタール、酸およびO-ヘテロ環からなる群より選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1~14に記載の方法によって得ることができる、セイボリー製品、乳製品、飲料、炭酸飲料、およびエナジードリンクから選択される、食品または飲料製品。
【請求項16】
魚油、ならびにデルタ-ノナラクトンおよびクレゾールを含むバニラフレーバーを含む、請求項15に記載の食品または飲料製品。
【請求項17】
フレーバー組成物に含まれるにおい活性フレーバー成分の総重量に基づいて、0.000001重量%~100重量%、より具体的に0.00001重量%~10重量%、さらにより具体的に0.00005重量%~2.5重量の少なくとも1のフレーバー 成分F
ijを含む、フレーバー組成物。
【請求項18】
1以上の異臭構成要素O
iによって引き起こされる異臭を軽減するための少なくとも1の選択されるフレーバー成分F
ijの使用であって、少なくとも1の選択されるフレーバー成分F
ijのclogP値(clogP(F
ij))が、1以上の異臭構成要素O
iのそれ(clogP(O
i))の、±0.75未満、より具体的に±0.5clogPユニット未満に近い、前記使用。
【請求項19】
請求項18に記載の少なくとも1の選択されるフレーバー成分F
ijの使用であって、1以上の異臭構成要素O
iが、魚油、より具体的にドコサキサエン酸(DHA)、アルファ-リノレン酸(ALA)、またはエイコサペンタエン酸(EPA)に由来する異臭構成要素である、前記使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本開示は、食品および飲料における異臭を軽減する方法に、食品および飲料における異臭を軽減するためのフレーバー組成物に、ならびに、食品および飲料における異臭を軽減するための特定のフレーバー成分の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
食品および飲料製品における異臭の形成は、高度に望ましくない現象である。異臭は、様々な原因が起源であり得る。異臭は、ニンニク由来化合物または日本のウコン由来の化合物などの、食品または飲料製品のレシピに存在する成分に固有であり得る。より頻繁に、異臭は、熱または光の作用下の(例えば保管の間の)製品のエイジングに関して出現し得る。異臭の典型例は、魚油、シトラステルペン、および、中性スピリッツによって形成されるもの、または、低分子量エステルの加水分解によって形成されるものである。
【0003】
AU 2001/259534 B2は、食品または飲料を、1以上の脂肪族合成ポリマーと接触させることを含む、食品または飲料製品から可溶性のオフフレーバーおよび異臭を除去するためのプロセスを開示する。かかるプロセスは、経時的な悪臭の形成を防止するのに好適ではない。
【0004】
US4961939Aは、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、アルデヒドオキシダーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼおよびアルコールオキシダーゼなどの酵素によって安定化された、脱臭された魚油を含有する食品製品を開示する。かかる酵素は、ほとんどの食品および飲料の味を変更し得、およびしたがって、これらの製品において万能に使用され得ない。
【0005】
CA 2 294 458 Cは、安定剤としてコーヒー酸を含む、水溶性植物エキスを含む、シトラールを含有する柑橘系飲料を開示する。植物エキスは、例えば、ローズマリー抽出物、ハッカ属抽出物、オレガノ属抽出物およびサルビア属抽出物を包含する。かかる抽出物はまた、ほとんどの食品および飲料の味を改変し得、およびしたがって、これらの製品において万能に使用され得ない。クエン酸/クエン酸カリウム酸塩基抱合体などの他の抗酸化剤の使用は、JP 2007/039610 Aにおいて言及されるレモンフレーバーの劣化を抑制するためのものである。しかしながら、かかる酸塩基抱合体を使用することは、製品のpHを低下させることを必要とする。さらにまた、クエン酸の添加はまた、非柑橘系製品の味をねじれさせ得る。
【0006】
US 2008/0317929 A1は、アルコール飲料を密封可能な容器中に提供する、ポリマーおよび脂肪酸硫黄スカベンジャーから構成されるライナーを含む閉鎖を提供すること、閉鎖を有する密封可能な容器を密封することのステップを含むアルコール飲料におけるオフフレーバーを除去する方法を開示する。かかる方法は、硫黄含有する悪臭化合物に特異的である。
【0007】
したがって、先行技術の欠点を有さない食品および飲料における異臭を軽減するための方法の必要性が存在する。とりわけ、方法は、依然として、味に対して、および、より一般的には、これらの製品の快不快プロファイルに対して、最小の影響を有するが、食品および飲料に万能に適用可能であるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の概要
1つの説明的な態様において、フレーバーづけされた食品または飲料製品における異臭を軽減するための方法は、以下のステップ:
a)1以上の異臭構成要素Oiを同定すること;
b)1以上の異臭構成要素OiのclogP(clogP(Oi))を算出すること;
c)ステップa)において同定された1以上の異臭構成要素Oiの各々について、フレーバーづけされた食品または飲料製品に、clogP(Oi)±0.75clogPユニット、より具体的にclogP(Oi)±0.5clogPユニットに等しいclogP(Fij)値(単数または複数)を有する、有効量の少なくとも1のフレーバー成分Fijを添加すること;
を含み、
ここで、clogP(Oi)およびclogP(Fij)は、異臭構成要素Oiおよびフレーバー成分Fjの両方の算出されたオクタノール/水分配係数である;および
ここで、少なくとも1のフレーバー成分Fijの有効量は、フレーバーづけされた食品または飲料製品に存在するにおい活性フレーバー成分の総重量に基づき、0.000001重量%~100重量%、より具体的に0.00001重量%~10重量%、なおより具体的に0.00005重量%~2.5重量%である。
【0009】
第2の側面において、本開示は、本開示に従って得ることができる、セイボリー製品、乳製品、飲料、炭酸飲料、およびエナジードリンクから選択される食品または飲料製品を提供する。
【0010】
第3の側面において、本開示は、上記本明細書に開示の特色を有する少なくとも1のフレーバー成分Fijを含むフレーバー組成物を提供する。
【0011】
第4の側面において、本開示は、1以上の異臭構成要素Oiによって引き起こされる異臭を軽減するために、少なくとも1の選択されるフレーバー成分Fijの使用を提供し、少なくとも1の選択されるフレーバー成分FijのclogP値(clogP(Fij))は、1以上の異臭構成要素Oiのそれ(clogP(Oi))の、0.75未満、より具体的に0.5clogPユニット未満に近い。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の詳細な記載
先行技術における欠陥に対処する際、本出願人は驚くべきことに、食品および飲料におけるオフノートの知覚を、これらの製品の全体の品質を変更することなく、軽減することを示すフレーバー組成物を構築するのが実行可能であり、該フレーバーは、フレーバーに添加することによって構築され、有効量の少なくとも1のフレーバー成分は、異臭構成要素の算出されたオクタノール-水分配係数に近い、算出されたオクタノール-水分配係数を有することを見出した。
【0013】
「異臭」は、所定の製品から消費者が予測するであろうにおいの変更として、この消費者によって知覚され得るにおいを意味する。典型的には、異臭は、普通ではない、不快なまたは無効にするものでさえあり得る。例えば、典型的な異臭は、cis-4-ヘプタナール、trans-2-ヘプタナール、cis-1,5-オクタジエン-3-オールおよびcis-1-オクテン-3-オールなどの魚油の酸化物を含有する製品において;p-メチルアセトフェノンなどのシトラールの酸化および環化物を含有する製品において;ジアリルジスルフィド、アリルメルカプタン、アリルメチルジスルフィド、およびアリルメチルスルフィドなどの辛味ニンニク構成要素を含有する製品において;ツルメロンおよびビニルグアイアコールなどの辛味ターメリック構成要素を含有する製品において;モノテルペンなどの熱分解物を含有する安価な中性スピリッツにおいて;または短鎖C2~C6カルボン酸などの分解物を含有する乳および乳製品において、遭遇し得る。
【0014】
1以上の異臭構成要素の同定は、当業者に公知の分析方法を適用することによって実施され得る。より具体的に、異臭構成要素は、揮発性であり、および、試料を囲む気相(または「ヘッドスペース」)から抽出され得る。ヘッドスペースは、試料と平衡状態にあってもよいし、なくてもよい。抽出は、ヘッドスペースを、溶媒で抽出され得るかまたは熱的に脱着され得る吸着剤と、接触させることによって行われ得る。構成要素は次いで、ガス液体クロマトグラフィーによって分離され、および質量スペクトル検出器を備えたガスクロマトグラフ中で、それらの保持時間および質量スペクトルに基づいて同定され得る。
【0015】
「clogP」は、算出されたオクタノール/水分配係数を意味する。オクタノール/水分配係数は、人体におけるいくつかの薬物の所謂バイオアベイラビリティ、環境における化学物質の持続性、および、線維および毛髪などの様々な基質上のフレグランスの堆積と十分に相関することが見出されている、周知および評判が良い物理化学的なパラメータである。このオクタノール/水分配係数は、当業者に公知の異なる方法によって、実験的に測定され得る。しかしながら、このパラメータの実験的決定は、しばしば困難であり、時間がかかり、および、分析エラーに起因して、とりわけ0.01より低く、3より高いlogP値を有する物質について、不正確である。したがって、きわめて大規模な実験データセットに基づく、定量的な構造-特性関係性から得られた化学基の寄与を使用する、算出方法が開発されている。
【0016】
算出されたlogPは、clogPまたはClogPと呼ばれ、ここで、命名法ClogPは、好ましくは、ポモナカレッジにおいて開発された本来の算出方法を使用して計算された値について使用され、これは、次いで、Claremont, CAの BioByte, Inc.およびAliso Viejo, CAのDaylight Chemical Information Systems, Inc.によって商業化されている。Perkin-Elmer ChemDrawソフトウェアにおいて実施されたclogP算出 ソフトウェアは、抱合されたケトンを除き、最大でも±0.06 ClogPユニットの偏差の、Daylightのものとほとんど同一のclogP値を提供し、偏差は、±0.2ClogPユニットに達し得る。ChemDrawは、ChemOfficeプラットホームの一部である。逆に言うと、ACD/LogP値(ACD labsソフトウェアを使用して算出される)またはLOGP(Chemical Computing Group Molecular Operative Environment (MOE)ソフトウェアを使用して算出される)は、先行するものからは有意に逸脱する。
【0017】
本発明の文脈において、異臭およびフレーバー構成要素の両方のclogP値は、好ましくは、ChemDrawバージョン1~18において実施されるClogP算出方法によって算出される。関係のあるclogP値は、以下の本明細書に列挙される。
【0018】
いったん、異臭構成要素が同定されると、その二次元化学構造は、ChemDraw文書上に描かれ、および、そのclogP値は、「化学的特性」パネルで読まれる。clogP値は、ChemDrawの化学的特性パネル上にもまた出現する「LogP」値と混同されてはならないことに注意する。この後者の値は、ChemDrawにおいて実施される異なる(ChemPro)コードから得られ、および、本発明の文脈において使用されない。
【0019】
いったん、異臭構成要素OiのclogP(clogP(Oi))が得られると、次のステップは、異臭構成要素のそれに近いclogP値を有する、フレーバー成分(clogP(Fij))を添加することである。「Oi」命名法は、異臭構成要素iを設計するために使用される。「Fij」命名法は、異臭構成要素iを相殺するために選択されたフレーバー成分を設計するために使用される。
【0020】
かかるフレーバー成分はまた、下文に「異臭相殺フレーバー成分」と称される。
【0021】
各異臭構成要素について、1~Nまで番号付けされる、N相殺フレーバー成分が存在し得る。よって、実例として、3つの相殺フレーバー成分は、異臭構成要素i=1を相殺するために使用されるとき、次いで、これらの3つの(N=3)相殺フレーバー成分は、F11、F12およびF13と記載されるだろう。
【0022】
具体的な態様において、Nは、5より大きくなく、より具体的に、3より大きくなく、およびさらにより具体的に2より大きくない。
【0023】
同様に、1つのフレーバー成分は、1より多くの異臭構成要素を相殺するために使用され得る。実例として、単一のフレーバー成分、例えばFi1が、3つの異臭構成要素i=1、2および3に対して良好な相殺効果を有する場合、次いで以下の一般式が適用される:F11=F21=F31。
【0024】
2つのclogP値は、これらのclogP値の間の差が、1clogPユニットまたはこれ未満であるとき、互いに「近い」と言われる。
【0025】
具体的な態様において、clogP(Fij)とclogP(Oi)との間の差は、0.75またはこれ未満、より具体的に0.5またはこれ未満である。
【0026】
いったん、少なくとも1のフレーバー成分Fijが同定されると、それは、有効量で製品に添加される。所定のフレーバー成分が、所定のオフノートを有効に相殺する量の決定は、経験により、および、当業者に簡単なステップを構成する。
【0027】
「有効量」は、異臭構成要素Oiの知覚を減少または抑制するのに充分な、所定のフレーバー成分Fijの量を意味する。
【0028】
具体的な態様において、有効量のフレーバー成分Fijは、フレーバーづけされた食品または飲料製品に存在するにおい活性フレーバー成分の総重量に基づいて、0.000001重量%~100重量%、より具体的に0.00001重量%~10重量%、さらにより具体的に0.00005重量%~2.5重量%である。
【0029】
具体的なフレーバー成分Fijは、既にフレーバーづけされた食品または飲料製品に存在するが、そのレベルは、本開示のために十分に有効ではないとき、次いでこの成分のレベルは、成分の総量が有効であるように、増大され得る。
【0030】
フレーバー成分Fijは、典型的には、植物油および抽出物および典型的には250g/mol未満の分子量を有する化学分子、例えばアルデヒド、エステル、アルコール、フェノール、エーテル、ピラジン、チアゾール、メルカプタン、スルフィド、および酸などの当業者に公知の他のフレーバー成分と混合される。
【0031】
「におい活性フレーバー成分」への本明細書での参照は、溶媒、乳化剤、無機塩、炭水化物、修飾された炭水化物、糖アルコール、酵母またはタンパク質ではない、いずれかのフレーバー成分への参照としてみなされるべきである。
【0032】
フレーバー成分の重量%への本明細書での参照は、製品に含有されるにおい活性フレーバー成分の総量に基づく、フレーバー成分の濃度への参照とみなされる。フレーバー組成物は、油、溶媒、可溶化剤、安定剤等などの他の非フレーバーまたは技術的成分を含有するとき、次いで、存在するこれらの成分の量が、フレーバー成分の重量%を決定するときに考慮されるべきではない。重量パーセンテージの算出において考慮されるべきではない油は、植物油および植物油画分、より具体的にトリグリセリドを包含する。重量パーセンテージ(%)の算出において考慮されるべきではない溶媒は、水、グリセロール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール(2-プロパノール)、プロピレングリコール(プロパン-1,2-ジオール)、トリエチルシトラート(トリエチル2-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボキシラート)、トリブチルシトラート(2-ヒドロキシ-1,2,3-プロパントリカルボン酸トリブチルエステル)、トリアセチン(1,2,3-プロパントリオールトリアセタート)、ジアセチン(1,2,3-プロパントリオールジアセタート)、中鎖トリグリセリド、および植物油を包含する。重量パーセンテージ(%)の算出において考慮されない安定剤は、ブチルヒドロキシルトルエン(2,6-ジtert-ブチル-4-メチルフェノール);トコフェロール;等を包含する。
【0033】
フレーバー成分の重量パーセンテージ(%)の算出において考慮されない可溶化剤は、ガムレシチン、糖脂質、サポニン、ポリソルベートおよびソルビトールエステルなどの界面活性剤を包含する。
【0034】
無機塩、炭水化物(糖、デキストリン、麦芽デキストリンなど)、アカシアゴム、および修飾された炭水化物(修飾されたデンプンなど)、糖アルコール、酵母およびタンパク質は、フレーバー成分の重量パーセンテージの算出において考慮されない。
【0035】
-1~0.5のclogP(Fij)値を有する好適な成分Fijは、アセチルプロピオニル(2,3-ペンタンジオン)(ClogP=-0.84);ガンマブチロラクトン(clogP=-0.8);酒石酸ジエチル(clogP=-0.69);ギ酸(clogP=-054);2,3-ヘキサンジオン(clogP=-0.31);3,4-ヘキサンジオン(clogP=-0.31);バレロラクトンガンマ(clogP=-0.28);バレロラクトンデルタ(-0.24);アセトアルデヒド(clogP=-0.22);アセトイン(clogP=-0.2);テトラヒドロフルフリルアルコール(clogP=-0.12);2-(ヒドロキシアセチル)フラン(clogP=0.08);2-アセチルピラジン(clogP=-0.08);マルトール(clogP=0.1);ズルフロール(clogP=0.13);エチルピルバート(clogP=0.16);酢酸メチル(clogP=0.18);アンゲリカラクトンアルファ(5-メチル-3H-フラン-2-オン)(clogP=0.2);2,3-ヘプタンジオン(clogP=0.22);2-メチルテトラヒドロフラン-3-オン(clogP=0.24);エチルホルマート(clogP=0.26);ヘキサラクトンデルタ(clogP=0.27);フルフリルアルコール(clogP=0.28);プロパナール(clogP=0.3);ブタン-2-オン(clogP=0.32);プロピオン酸(clogP=0.33);乳酸エチル(clogP=0.33);アセト酢酸エチル(clogP=0.33);プロピオン酸(ClogP=0.34);エチル3-ヒドロキシブチラート(clogP=0.37);乾燥コリロン(corylone dried)(clogP=0.42);2-アセチル-3-メチルピラジン(clogP=0.42);ジメチルスクシナート(clogP=0.42);3-アセチルピリジン(clogP=0.48);およびヘキサラクトンガンマ(clogP=0.48)を包含し得る。
【0036】
0.51~1.5のclogP(Fij)値を有する好適な成分Fijは、1-ペンテン-3-オン(clogP=0.52);ペンタ-3-エン-2-オン(clogP=0.52);メチル-2-ピロリルケトン(clogP=0.59);ブタノール(clogP=0.6);4-ヒドロキシ-5-メチル-3(2h)-フラノン(clogP=0.61);3,4-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジオン(clogP=0.62);1,2-ジメチル-3,5-シクロペンタジオン(clogP=0.62);エチルマルトール(clogP=0.63);イソ酪酸(clogP=0.64);3-ヒドロキシブタン酸(clogp=0.64);ジメチル-2,3ピラジン(clogP=0.66);エチルレブリナート(clogP=0.66);フルフラール(clogP=0.67);アセチル-2チアゾール(clogP=0.71);メチルプロピオナート(clogP=0.71);酢酸エチル(clogP=0.71);メチルブテノール(clogP=0.72);イソブチルアルコール(clogP=0.74);イソブチルアルデヒド(clogP=0.74);テトラヒドロフルフリルアセタート(clogP=0.74);2-アセチルフラン(ClogP=0.76);メチルニコチナート(clogP=0.77);へプタラクトンガンマ(clogP=0.77);ブチルアルデヒド(clogP=0.83);ペンタン-2-オン(clogP=0.85);酪酸(clogP=0.86);エチル-3-ヒドロキシ-4-メチル-2(5h)-フラノン(clogP=0.86);cis-3-ペンテン-1-オール(clogP=0.87);アセチル-2ピリジン(clogP=0.88);4-ペンタナール(clogP=0.88);(E)-2-ブテン酸(clogP=0.89);メチル-3-ヒドロキシヘキサノアート(clogP=0.89);4-ペンテン酸(clogP=0.91);3-メチル-2-ブテナール(clogP=0.92);メチル-2ブテン-2-オール-4(プレノール)(clogP=0.93);ピペリジン(clogP=0.93);プレノール(clogP=0.94);2-アセチル-3-エチルピラジン(clogP=0.95);イソアミルアルコール(clogP=1);4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシ-ベンズアルデヒド(clogP=1.01);メチルイソブチラート(clogP=1.02);アニシルアルコール(clogP=1.02);ジメチル-2,5ピラジン(clogP=1.03);2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1,4-ジオン(clogP=1.03);4-ヘキセン-3-オン(clogP=1.04);3-エチル-2-ヒドロキシ-2-シクロペンテン-1-オン(clogP=1.07);1-フェニル-1,2-プロパンジオン(clogP=1.07);ジンゲロン(clogP=1.07);2-アセチル-3,5-ジメチルピラジン(clogP=1.1);ベンジルアルコール(clogP=1.1);2,6-ジメトキシフェノール(clogP=1.11);トリメチルピラジン(clogP=1.11);2-メチル酪酸(clogP=1.13);ジエチルマロナート(clogP=1.13);アルデマックス(aldemax)(1,2-ビス(1-エトキシエトキシ)プロパン)(clogP=1.13);フロノール(furonol)(clogP=1.13);;ペンタノール-2(clogP=1.13);メトキシメチルピラジン(clogP=1.14);フルフリルアセタート(clogP=1.14);2.メチル酪酸(ClogP=1.17);5-メチル-フルフラール(clogP=1.17);;2-メチル-ブタン-1-オール(clogP=1.2);2-エチル5,6メチルピラジン(clogP=1.22);エチル-2メチル-5ピラジン(clogP=1.22);メチル-2ブタノール(clogP=1.22);ラズベリーケトン(clogP=1.22);4-メチルペント-2-エン酸(clogP=1.22);エチルプロピオナート(clogP=1.24);酪酸メチル(clogP=1.24);プロピルアセタート(clogP=1.24);4-メチルペンタン-2-オン(clogP=1.25);2-アセチル-5-メチルフラン(clogP=1.26);3-メチルブタン酸(clogP=1.26);テトラヒドロフルフリルプロピオナート(clogP=1.27);イソバレルアルデヒド(clogP=1.27);バニリン(clogP=1.28);3-メチル-ブト-2-エン酸(clgP=1.28);メチルフロエート(furoate)(clogP=1.29);オクタラクトンガンマ(clogP=1.3);ブチルホルマート(clogP=1.32);フルフリリデンアセトン(clogP=1.32);グアイアコール(clogP=1.32);フェニルエチルアルコール(clogP=1.33);オクタラクトンデルタ(clogP=1.33);2-メチルチオフロアート(clogP=1.35);ペンタノール(clogP=1.35);2-アセチル-チオフェン(clogP=1.36);2-メチルブチルアルデヒド(clogP=1.36);2-メチル-2-ペンタナール(clogP=1.36);ペンタナール(clogP=1.36);バニリン酸(clogP=1.36);ブチルラクタート(clogP=1.39);エチル2-エチルアセトアセタート(clogP=1.39);ペンタン酸(clogP=1.39);ヘキセノール-3-cis(clogP=1.4);cis-4-ヘキセノール(clogP=1.4);(E)-4-ヘキセナール(clogP=1.41);メチルベンジルアルコール(clogP=1.41);純粋なフェニル酢酸(clogP=1.41);アニシルホルマート(clogP=1.42);エチル-3-ヒドロキシヘキサノアート(clogP=1.42);2-メチルペンタ-3-エン酸(clogP=1.42);ベラトルムアルデヒド(3,4-ジメトキシベンズアルデヒド)(clogP=1.44);4-メチル-2-ペンテナール((clogP=1.44);ジメチル-4-メトキシ-3(2h)-フラノン(clogP=1.47);ジエチルスクシナート(clogP=1.48);アセトキシ-2,5-ジメチル-3(2h)フラノン(clogP=1.48);ベンズアルデヒド(clogP=1.5);フェニルプロピオン酸(clogP=1.5);およびベンジルホルマート(clogP=1.5)を包含し得る。
【0037】
1.51~2.5のclogP(Fij)値を有する好適な成分Fijは、ヒドロキシシトロネラール(clogP=1.54);エチルイソブチラート(clogP=1.55);2-メチル酪酸メチル(clogP=1.55);6-メチル-3,5-ヘプタジエン-2-オン(clogP=1.55);(E)-2-ヘキセナール(clogP=1.58);アセトフェノン(clogP=1.58);テトラメチルピラジン(clogP=1.58);フルフリルメルカプタン(clogP=1.59);(E)-2-ヘキセノール(clogP=1.6);ホモフロノール(clogP=1.6);桂皮アルコール(clogP=1.61);サリチル酸アルデヒド(clogP=1.61);(e,e)-3,5-オクタジエン-2-オン(clogP=1.62);ジヒドロクマリン(clogP=1.63);イソブチルアセタート(clogP=1.64);(Z)-3-ヘキセン酸(clogP=1.64);t(E)-3-ヘキセン酸(clogP=1.64);フルフリルプロピオナート(clogP=1.66);エチルジメチルピラジン(clogP=1.66);3-エチル-2,(5または6)-ジメチル-ピラジン(clogP=1.66);2-エチル-3-メトキシ-ピラジン(clogP=1.67);2,4-ヘプタジエナール(clogP=1.68);2-エチルブタン酸(clogP=1.70);2-メチルペンタン酸(clogP=1.70);フェニルプロピルアルコール(clogP=1.71);イソアミルホルマート(clogP=1.72);ヘリオトロピン(clogP=1.76);ブチルアセタート(clogP=1.77);酪酸エチル(clogP=1.77);メチルバレラート(clogP=1.77);アニシルアルデヒド(clogP=1.78);桂皮酸(clogP=1.78);フルフリルチオアセタート(clogP=1.78);桂皮酸(clogP=1.78);4-メチルペンタン酸(clogP=1.79);フェニルアセトアルデヒド(clogP=1.78);4-メチルペンタン酸(clogP=1.79);2-メチル-4,5-ジヒドロフラン-3-チオールアセタート(clogP=1.79);ミントラクトン(3,6-ジメチル-5,6,7,7a-テトラヒドロ-4H-1-ベンゾフラン-2-オン)(clogP=1.8);アセタニゾール(acetanisol)(clogP=1.8);メトキシフェニルブタノン(clogP=1.81);エチルバニリン(clogP=1.81);リナロールオキシド(clogP=1.81);ウイスキーラクトン(clogP=1.82);メチルヘプテノン(clogP=1.82);メチルフェニルアセタート(clogP=1.82);メチル-6-ヘプテン-5-オン-2(clogP=1.82);クレオゾール(clogP=1.82);2-(4-メチルフェニル)エタノール(clogP=1.83);ノナラクトンガンマ(clogP=1.83);アミルホルマート(clogP=1.85);エチルクロトナート(clogP=1.86);ヒドロキシノナン酸、デルタ-ラクトン(clogP=1.86);ノナラクトンデルタ(clogP=1.86);フェニル-3-プロパナール(clogP=1.87);ヘキサノール(clogP=1.88);アニシルアセタート(clogP=1.88);3-メチル-2-ブテン-1-イルアセタート(clogP=1.88);ヘキサン-1-オール(clogP=1.88);フィルベルトン((E)-5-メチルへプタ-2-エン-4-オン)(clogP=1.88);安息香酸(clogP=1.89);2-エチルブチルアルデヒド(clogP=1.89);ヘキサナール(clogP=1.89);(Z)-3-ヘキセニルホルマート(clogP=1.9);へプタノン-2(clogP=1.91);ジャスモラクトン((E)-6-(ペンタ-3-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン)(clogP=1.91);n-フルフリルピロール(clogP=1.91);3-へプタノン(clogP=1.91);1-ヘプテン-3-オール(clogP=1.91);オルトクレゾール(clogP=1.92);ヘキサン酸(clogP=1.92);ピペロニルアセタート(clogP=1.92);1-ブテニル-メチルスルフィド(clogP=1.93);(E)-2-ヘキセン(clogP=1.94);(Z)-4-ヘプテナール(clogP=1.94);(z)-1,5-オクタジエン-3-オール(clogP=1.95);ベンジルアセタート(clogP=1.96);(Z)-3-ヘキセニルラクタート(clogP=1.96);トリチア-2,3,5-ヘキサン(clogP=1.96);メタクレゾール(clogP=1.97);ジエチル-(2,5 + 2,6)3-メチルピラジン(clogP=1.97);2-メトキシシンナムアルデヒド(clogP=1.97);パラクレゾール(clogP=1.97);パラトリルアルデヒド(clogP=1.99);4-メチルフェニルアセタート(clogP=1.99);2-エチル4-メチルチアゾール(clogP=2.01);メチル(Z)-3-ヘキセノエート(hexenoate)(clogP=2.01);プレニルエチルエーテル(clogP=2.04);ジメチルベンジルカルビノール(clogP=2.04);桂皮アルデヒド(clogP=2.05);メチルフェネチルエーテル(clogP=2.05);メトキシ-4-ビニルフェノール(clogP=2.05);フルフリルメチルスルフィド(clogP=2.07);カルボンラエボ(carvone laevo)(clogP=2.08);2-メチル酪酸エチル(clogP=2.08);メチルアセトフェノン(clogP=2.08);ベンゾチアゾール(clogP=2.08);2-メチル-1-プロパンチオール(clogP=2.1);オクタ-2-エン-4-オン(clogP=2.1);オクテン-3-オン(clogP=2.1);オクタ-2-エン-4-オン(clogP=2.1);(E)-2-ヘプテナール(clogP=2.11);メチルベンゾアート(clogP=2.11);アントラニル酸メチル(clogP=2.12);純粋なインドール(clogP=2.13);ベンジリデンアセトン(clogP=2.14);1,3-ジメトキシベンゼン(clogP=2.15);ジメチルヒドロキノン(clogP=2.15);チグリン酸エチル(clogP=2.16);エチルイソバレラート(clogP=2.17);5-エチル-2-メチルピリジン(clogP=2.17);酢酸イソアミル(clogP=2.17);イソブチルプロピオナート(clogP=2.17);メチルチオベンゾアート(clogP=2.17);2-メチルブチルアセタート(clogP=2.17);3-メチル-2,4-ノナンジオン(clogP=2.18);フェンコン(clogP=2.18);3-メチル-2,4-ノナンジオン(clogP=2.18);2-へプタノール(clogP=2.19);4-ビニルフェノール(clogP=2.20);カルボン(clogP=2.20);シクロヘキシル酢酸(clogP=2.21);2,4-オクタジエン-1-ナール(clogP=2.21);フェニル-2-ブテナール(clogP=2.21);ブタンチオール(clogP=2.23);スチラリルアセタート(clogP=2.27);フェニル酢酸エチル(clogP=2.28);イソホロン(clogP=2.28);アニス酸メチル(clogP=2.28);2-へプタノール(clogP=2.29);3-メチルヘキサナール(clogP=2.29);エチルバレラート(clogP=2.3);ヘキサン酸メチル(clogP=2.3);アミルアセタート(clogP=2.3);プロピルブチラート(clogP=2.3);酢酸オイゲノール(clogP=2.3);ジヒドロアクチニジオリド(clogP=2.32);サリチル酸メチル(clogP=2.33);カンホレンアルデヒド(clogP=2.34);(Z)-3-ヘキセニル-アセタート(clogP=2.34);エチルフェニルアセタート(clogP=2.35);パラエチルグアイアコール(clogP=2.35);デカラクトンガンマ(clogP=2.36);1-ヘキシルホルマート(clogP=2.38);2-メチル-3メチルチオフラン(clogP=2.38);デカラクトンデルタ(clogP=2.39);3-メチル-2-ブタンチオール(clogP=2.41);ベンジルメルカプタン(clogP=2.41);へプタノール(clogP=2.41);2-イソプロピル-4-メチルチアゾール(clogP=2.41);2,5-ジメチルフェノール(clogP=2.42);3,4-ジメチルフェノール(clogP=2.42);ヘプタナール(clogP=2.42);ジャスモン酸メチル(メチル2-(3-オキソ-2-ペンタ-2-エニルシクロペンチル)アセタート)(clogP=2.43);エチルフェニルグリシデート(clogP=2.43);1-オクテン-3-オール(clogP=2.43);2-オクタノン(clogP=2.44);メチルヘキシルケトン(clogP=2.44);2-イソブチルチアゾール(clogP=2.44);3-オクテノール(clogP=2.44);へプタン酸(clogP=2.45);パラメチルベンジルアセタート(clogP=2.46);メチルシンナマート(clogP=2.47);イソブチルイソブチラート(clogP=2.48);ベンジルプロピオナート(clogP=2.49);ピペリトンレイボ(piperitone laevo)(clogP=2.49);パラエチルフェノール(clogP=2.5);および3,6-ノナジエン-1-オール(clogP=2.5)を包含し得る。
【0038】
2.51~3.5のclogP(Fij)値を有する好適な成分Fijは、3-ヘキセン酸エチル(clogP=2.54);(E)-2-ヘキセニルアセタート(clogP=2.54);ベルベノン(clogP=2.55);シンナミルアセタート(clogP=2.55);パラクレシルメチルエーテル(clogP=2.57);イソオイゲノール(clogP=2.58);1-(4-メトキシフェニル)-1-ペンテン-3-オン(clogP=2.59);フルフリルイソバレラート(clogP=2.59);イソブチルメトキシピラジン(clogP=2.59);エチル2-メチルペンタノアート(clogP=2.61);カルベオールラエボ(carveol laevo)(clogP=2.62);3-ノネン-2-オン(clogP=2.63);テルピネオールアルファ(clogP=2.63);6-ペンチル-2h-ピラン-2-オン(clogP=2.64);(E)-2-オクテナール(clogP=2.64);エチルベンゾアート(clogP=2.64);cis-ジャスモン(clogP=2.64);アントラニル酸エチル(clogP=2.65);(E)-2-オクテン-1-オール(clogP=2.65);フェニルプロピルアセタート(clogP=2.66);アントラニル酸ジメチル(clogP=2.66);イソブチル3-メチルチオブチラート(clogP=2.68);2,6-ノナジエナール(clogP=2.68);2,6-ノナジエノール(clogP=2.7);イソブチルブチラート(clogP=2.7);2-イソプロピルフェノール(clogP=2.7);オクタ-3-エン酸(clogP=2.7);メチルヘプチンカーボネート(clogP=2.72);2-オクタノール(clogP=2.72);3-オクタノール(clogP=2.72);(E,E)-2,4-ノナジエナール(clogP=2.74);テルピネン-4-オール(clogP=2.74);イソアミルプロピオナート(clogP=2.74);イソプレゴール(clogP=2.75);リナロール(clogP=2.75);2-アセチルナフトン(clogP=2.76);イソアミルプロピオナート(clogP=2.76);イソブチル2-ブテノアート(clogP=2.78);メチルプロピルジスルフィド(clogP=2.8);1,4-シネオール(clogP=2.81);パラ-エチルアニセート(clogP=2.81);2-エチルヘキサノール(clogP=2.81);6-メチルヘプタナール(clogP=2.82);ブチルブチラート(clogP=2.82);ユーカリプトール(clogP=2.83);ヘキサン酸エチル(clogP=2.83);酢酸ヘキシル(clogP=2.83);ヘプタン酸メチル(clogP=2.83);メントン(clogP=2.83);フレスコメンテ(frescomenthe)(clogP=2.84);6-メチルへプタン酸(clogP=2.85);エチルサリチラート(clogP=2.86);メロナール(clogP=2.87);(Z)-3-ヘキセニルプロピオナート(clogP=2.87);クミンアルデヒド(clogP=2.88);純粋なモモ(5-へプチルジヒドロフラン-2(3H)-オン)(clogP=2.89);ブチルフタリド(clogP=2.9);2-メチル-3-(パラ-メチル-フェニル)-プロパナール(clogP=2.9);(E)-2-ヘキセン酸エチル(clogP=2.91);ウンデカラクトンデルタ(clogP=2.92);サフラナール(clogP=2.93);オクタン-1-オール(clogP=2.94);シトラール(clogP=2.95);オクタナール(clogP=2.95);エチルメチルフェニルグリシデート(clogP=2.95);ノナノン-2(clogP=2.96);ネロレックス(nerolex)(clogP=2.97);ゲラニオール(clogP=2.97);ネロール(clogP=2.97);オクタン酸(clogP=2.98);(Z)-6-ノネノール(clogP=2.98);ジメチルベンジルカルビニルアセタート(clogP=2.99);エチルシンナマート(clogP=2.99);(Z)-6-ノネナール(clogP=2.99);イソアミルイソブチラート(clogP=3.01);3-プロピリデンフタリド(clogP=3.01);ベンジルブチラート(clogP=3.02);ブチルブチロラクタート(clogP=3.02);メチルイソオイゲノール(clogP=3.05);アリルカプロアート(clogP=3.07);(Z)-4-デセナール(clogP=3.09);4-メチルオクタン酸(clogP=3.09);3,5,5-トリメチルヘキサナール(clogP=3.09);フェンキルアルコール(clogP=3.1);ボルネオール(clogP=3.1);イソブチルイソバレラート(clogP=3.1);イソボルネオール(clogP=3.1);イソブチルイソバレラート(clogP=3.1);ジヒドロジャスモン酸メチル(clogP=3.1);バニトロープ((E)-2-エトキシ-5-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノール)(clogP=3.11);フェニルエチルイソブチラート(clogP=3.12);3-デセン-2-オン(clogP=3.16);(E)-2-ノネナール(clogP=3.16);ローズオキシド(clogP=3.17);チモール(clogP=3.2);チモール結晶(clogP=3.2);2-イソプロピル-5-メチルヘキセン-2-ナール(clogP=3.21);ブチルイソバレラート(clogP=3.23);メチルプロピルトリスルフィド(clogP=3.23);2-メチルブチルブチラート(clogP=3.23);イソアミルブチラート(clogP=3.23);メントール(clogP=3.23);メチルオクチンカーボネート(clogP=3.25);シトロネロール(clogP=3.25);シトロキシド(clogP=3.26);シトロネラール(clogP=3.26);2,4-デカジエナール(clogP=3.27);イソブチルフェニルアセタート(clogP=3.28);ジアリルジスルフィド(clogP=3.29);ジベンジルエーテル(clogP=3.3);イソプロピルシンナマート(clogP=3.3);ピペリン(clogP=3.31);合成アネトール(clogP=3.31);フェニル酪酸エチル(clogP=3.34);カルバクロール(clogP=3.35);ペンチルブチラート(clogP=3.36);ヘキシルプロピオナート(clogP=3.36);ヘプタン酸エチル(clogP=3.36);へプチルアセタート(clogP=3.36);メチルオクタノアート(clogP=3.36);プロピルヘキサノアート(clogP=3.36);オクテニルアセタート(clogP=3.38);オクテニル-3アセタート(clogP=3.38);ライムオキシド(clogP=3.39);(Z)-3-ヘキセニルブチラート(clogP=3.4);カルビルアセタート(clogP=3.41);ベンジルイソバレラート(clogP=3.42);ドデカラクトンガンマ(clogP=3.42);イソアミルイソブチラート(clogP=3.42);ドデカラクトンデルタ(clogP=3.45);ノナノール(clogP=3.47);ゲラニルホルマート(clogP=3.47);ノナナール(clogP=3.48);および2-デカノン(clogP=3.49)を包含し得る。
【0039】
3.51~4.5のclogP(Fij)値を有する好適な成分Fijは、ノナン酸(clogP=3.51);イソアミル2-メチルブチレート(clogP=3.53);ブチリデンフタリド(clogP=3.54);テルピニルアセタート(clogP=3.58);ベンジルフェニルアセタート(clogP=3.59);5-エチル-4-メチル-2-(1-メチルプロピル)-チアゾリン(clogP=3.6);エチルオクテノエート-3(clogP=3.6);2-ヘプタンチオール(clogP=3.6);(E)-2-ヘキセニルブチラート(clogP=3.6);メチル3-ノネノエート(clogP=3.6);イソペンチルイソバレラート(clogP=3.63);2-メチルブチル3-メチルブタノアート(clogP=3.63);ノナジエニルアセタート(clogP=3.65);メチルパラ-tert-ブチルフェニルアセタート(clogP=3.65);3-オクチルアセタート(clogP=3.66);5-メチル-2-フェニル-2-ヘキセナール(clogP=3.66);;(E)-2-デセナール(clogP=3.69);ジヒドロカルビルアセタート(clogP=3.69);イソプレギルアセタート(clogP=3.69);酢酸リナリル(clogP=3.7);イオノンアルファ(clogP=3.71);(Z)-3-ヘキセニル2-メチルブチラート(clogP=3.71;フェニルエチルチグレート(clogP=3.73);フェニルエチルイソバレラート(clogP=3.74);ペラルゴール(clogP=3.74);イソブチルヘキサノアート(clogP=3.75);3-メチル-ブチルバレラート(clogP=3.75);シトロネリルホルマート(clogP=3.75);ナフチルエチルエーテルベータ(clogP=3.76);純粋なイオノンベータ(clogP=3.77);ビス(2-メチル-3-フリル)ジスルフィド(clogP=3.79);メンテン-9-イルアセタート(clogP=3.79);(Z)-3-ヘキセニルイソバレラート(clogP=3.8);乳酸メンチル(clogP=3.8);2,4-ウンデカジエナール(clogP=3.8);イソアミルフェニルアセタート(clogP=3.81);ダマスコンアルファ(clogP=3.82);シクラメンアルデヒド(3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール)(clogP=3.83);パラ-クレシルフェニルアセタート(clogP=3.84);オクチルアセタート(clogP=3.88);ブチルヘキサノアート(clogP=3.88);オクチルアセタート(clogP=3.88);エチルオクタノアート(clogP=3.88);ヘキシルブチラート(clogP=3.88);4-エチルオクタン酸(clogP=3.91);4-メチルノナン酸(clogP=3.91);酢酸ネリル(clogP=3.92);フェニルエチルフェニルアセタート(clogP=3.92);ゲラニルアセタート(clogP=3.92);2-ペンチルフラン(clogP=3.93);ペンチルフェニルアセタート(clogP=3.94);ベンジルベンゾアート(clogP=3.94);エチル3-オクテノエート(clogP=3.97);メチル2-ノネノエート(clogP=3.97);デカノール(clogP=4);デカナール(clogP=4.01);シンナミルイソバレラート(clogP=4.01);メチルノニルケトン(clogP=4.02);2-ウンデカノン(clogP=4.02);ジメチルベンジルカルビニルブチラート(clogP=4.04);イソボルニルアセタート(clogP=4.04);ジヒドロイオノンベータ(clogP=4.04);ボルニルアセタート(clogP=4.05);9-デセン酸(clogP=4.05);パラシメン(clogP=4.07);メチルアルファ-イオノン(clogP=4.07);アリルシクロヘキシルプロピオナート(clogP=4.14);ノートカトン(clogP=4.15);ベンジルサリチラート(clogP=4.16);純粋なメンチルアセタート(clogP=4.17);(Z)-3-ヘキセニル(Z)-3-ヘキセノエート(clogP=4.18);ヘキシル2-メチルブチラート(clogP=4.19);シトロネリルアセタート(clogP=4.2);フェニルアセトアルデヒドジイソブチルアセタール(clogP=4.21);2-ウンデセナール(clogP=4.22);イロンアルファ(clogP=4.23);ベンジルシンナマート(clogP=4.23);ジフェニルオキシド(clogP=4.24);ダマセノン(clogP=4.27);(Z)-3-ヘキセニルベンゾアート(clogP=4.27);イソアミルヘキサノアート(clogP=4.28);ジヒドロノートカトン(clogP=4.3);オシメン(clogP=4.33);デルタ-3カレン(clogP=4.33);ミルセン(clogP=4.33)リモネン(clogP=4.35);テルピネンガンマ(clogP=4.35);テルピノレン(clogP=4.35);チオゲラニオール(clogP=4.38);フェランドレン(clogP=4.41);エチルノナノアート(clogP=4.41);ノニルアセタート(clogP=4.41);アミルヘキサノアート(clogP=4.41);テルピネンアルファ(clogP=4.41);ペラルゴン酸エチル(clogP=4.41);ネリルプロピオナート(clogP=4.44);ゲラニルプロピオナート(clogP=4.44);イソアミルシンナマート(clogP=4.45);イソアミルサリチラート(clogP=4.45);エチル-4-デセノエート(clogP=4.46);(Z)-3-ヘキセニルヘキサノアート(clogP=4.46);およびアミル桂皮アルデヒド(clogP=4.47)を包含し得る。
【0040】
4.50より高いclogP(Fij)値を有する好適な成分Fijは、デルタ-テトラデカラクトン(clogP=4.51);セドロール(clogP=4.53);リナリルイソブチラート(clogP=4.53);ウンデカナール(clogP=4.54);フェニルエチルシンナマート(clogP=4.56);エチルデカジエノアート(clogP=4.61);エチル2,4-デカジエノアート((2E,4Z)-エチルデカ-2,4-ジエノアート)(clogP=4.61);テルピニルブチラート(clogP=4.63);オクテン-1-イルブタノアート(clogP=4.66);ドデカン酸(clogP=4.67);ダマスコンベータ(clogP=4.69);ピネンアルファ(clogP=4.7);カンフェン(clogP=4.7);ピネンベータ(clogP=4.7);オクチルイソブチラート(clogP=4.72);シトロネリルプロピオナート(clogP=4.73);カリオフィレンオキシド(clogP=4.74);リナリルブチラート(clogP=4.75);ドデセナル(clogP=4.75);ネロリドール(clogP=4.78);シンナミルシンナマート(clogP=4.84);2-ヘキシルチオフェン(clogP=4.93);デシルアセタート(clogP=4.94);エチルデシレート(clogP=4.96);エチルデカノアート(clogP=4.96);ヘキシルヘキサノアート(clogP=4.96);ゲラニルブチラート(clogP=4.97);ファルネソール(clogP=5);エチル-(E)-2-デセノエート(clogP=5.03);シトロネリルイソブチラート(clogP=5.04);ドデカン-1-オール(clogP=5.05);ドデカナールc(clogP=5.07);ウンデカトリエン(clogP=5.15);リナリルイソバレラート(clogP=4.535.15);ゲラニルイソバレラート(clogP=5.17);シトロネリルブチラート(clogP=5.25);(E)-2-トリデセナール(clogP=5.28);イソアミルオクタノアート(clogP=5.34);チベトライド(thibetolide)(clogP=5.35);アンブレットリド(clogP=5.42);アンブロフィックス(clogP=5.47);リナリルベンゾアート(clogP=5.62);ドデシルアセタート(clogP=6);ウンデシレン酸ブチル(clogP=6.05);バレンセン(clogP=6.3);ファルネセン(clogP=6.36);ビサボレン(clogP=6.38);およびカリオフィレン(clogP=6.45)を含有し得る。
【0041】
上文に考察されたclogP選択基準に加えて、追加の選択基準として、異臭相殺フレーバー成分Fijの蒸気圧を考慮することがまた、有利であり得る。蒸気圧は、フレーバー成分の蒸発速度、および、異臭が知覚される気相におけるそれらの残留(remanence)を決定する。異臭相殺フレーバー成分は、それが気相に残る限り、有効であり得る。したがって、フレーバー成分の蒸気圧が、このフレーバー成分が相殺することを目的とする異臭構成要素のそれと、匹敵するオーダーの規模で存在する場合が有利である。もし、異臭相殺フレーバー成分の蒸気圧が高すぎる場合、次いでその気相における生存時間は、短すぎて経時的に異臭相殺を保証できない。
【0042】
具体的な態様において、異臭相殺フレーバー成分Fijの蒸気圧は、異臭構成要素 Oiの蒸気圧の10倍未満、より具体的に異臭構成要素Oiの蒸気圧と等しいかまたはそれ未満である。
【0043】
しかしながら、具体的な態様において、異臭相殺フレーバー成分の蒸気圧は、オフノート構成要素の蒸気圧よりも高いことが、充分であり得る。これは、とりわけ、即時のオフノート軽減が所望される場合、例えば食品または飲料製品を含有するパッケージングを開ける際、この食品または飲料製品を注ぐ(pooring)際、またはこの食品または飲料製品の使用の際である。
【0044】
フレーバー成分の蒸気圧は、当業者に公知の任意の技法によって測定されてもよいし、計算されてもよい。具体的に好適な算出方法は、Advanced Chemistry Development, Inc., Trontoから入手可能なACD labsソフトウェアスイートにおいて実施される蒸気圧モジュールによって提供される。表1は、この方法を使用して計算された、25℃におけるフレーバー成分Fij蒸気圧の説明的なリストを示す。
【0045】
【表A-1】
【表A-2】
【表A-3】
【表A-4】
【0046】
clogPおよび蒸気圧に加えて、異臭相殺フレーバー成分Fijは、それらのにおい閾値またはにおい強度に基づいて選択され得る。上記の本明細書に使用される用語 におい検出閾値(ODT)は、フレーバー成分がパネリストによって知覚することができ、および、例えば、Mueller and Lamparsky in Perfumes; Art, Science and Technology, Chapter 6 “The Measurement of Odors”at pages 176-179 (Elsevier 1991)に記載されるような嗅覚検査によって測定することができる濃度を超える平均濃度を指す。におい検出閾値(ODT)は、当業者に公知の手順に従ってオルファクトメーターを使用して測定され得る。フレーバー成分のにおい強度は、その濃度-強度応答曲線を測定することによって査定され得る。
【0047】
より具体的に、この成分が食品または飲料製品において使用されるレベルで、異臭相殺フレーバー成分の強度を考慮することが具体的に有利であり得る。
【0048】
具体的な態様において、異臭相殺フレーバー成分Fijは、フレーバー成分が食品または飲料製品において使用されるレベルにおいて、オフノート構成要素Oiのにおい強度と等しいかまたはこれよりも高い、におい強度を有する。
【0049】
これらの具体的な態様に従って、フレーバー成分Fijの有効量は、このフレーバー成分のにおい強度が、オフノート構成要素Oiのにおい強度と少なくとも同じくらい高い量として定義され得る。
【0050】
clogP、蒸気圧、におい検出閾値または強度に加えて、当該技術分野におけるフレーバリストは、食品または飲料製品の嗅覚プロファイルに適合する嗅覚プロファイルを有する異臭相殺フレーバー成分Fijを有利に選択し得る。当業者は、標的にされた製品に依存して、あるにおいを有する成分が、他のものよりもより好適であり得ることを容易に理解するだろう。
【0051】
製品のにおい特徴を査定する好適な方法は、温度、相対湿度、および嗅覚中性環境などの、制御された環境条件下で、製品のにおいをかぐことである。
【0052】
フレーバー成分の嗅覚プロファイルを規定する方法は存在し、および、本発明の文脈において使用することができる。例えば、においは、レモンのにおい、ライムのにおい、オレンジのにおい、またはグレープフルーツのにおい等の場合のように「柑橘系」;リンゴのにおい、モモのにおい、ベリーのにおい等の場合のように「フルーティな」;新鮮にカットされた草のにおい、葉のにおい等の場合のように「グリーンな」;樹脂のにおい、テレピンのにおい、麦わらのにおい等の場合のように「芳香族の/ハーブの」;桂皮のにおい、丁子のにおい、コショウのにおい等の場合のように「スパイシーな」;ミルクセーキのにおい、ヨーグルトのにおい等の場合のように「ミルキー/クリーミー」;ローズのにおい、イチゴのにおい等の場合のように「フローラルの」;サンダルウッドのにおい、スギのにおい、パチョリのにおい等の場合のように「ウッディ」;または、カラメルのにおい、バニラのにおい、桂皮のにおい等の場合のように「スイート」などの、予め定義された意味の特質を使用することによって定義され得る。他の意味の特質は、必要とあれば、においの定義の所望される正確性に依存して、規定され得る。においはまた、意味の特質の組み合わせとして定義され得る。においの定義に好適な、無数の例の代替の意味の特質は、例えば、S. Arctander, “Perfume and Flavor Chemicals”, Allured Pub. Corp. Wheatone, 1969において、および、www.thegoodscentscompany.comなどのウェブサイトにおいて、見出される。
【0053】
より具体的に、心地よいにおいを有するフレーバー成分は、チオール、ピラジン、チアゾールおよびアミンなどの辛味成分よりも、好まれ得る。
【0054】
具体的な態様において、フレーバー成分Fijは、好ましくは、CHO化合物、とりわけアルデヒド、アルコール、エステル、ラクトン、ケトン、エーテル ケタールおよびO-ヘテロ環からなる群から選択される。
【0055】
具体的な態様において、フレーバー成分Fijは、天然に起源し、これらは、石油化学的構築ブロックから合成されていないことを意味する。
【0056】
少なくとも1のフレーバー成分Fijは、典型的には、他のフレーバー成分と混合される。
【0057】
具体的な態様において、少なくとも1のフレーバー成分Fijは、食品または飲料製品に存在するにおい活性フレーバー成分の総重量の、0.000001重量%~100重量%、より具体的に0.00001重量%~10重量%、さらにより具体的に0.00005重量%~2.5重量%を表し得る。
【0058】
代替的に、少なくとも1のフレーバー成分Fijは、食品または飲料製品などに直接添加されてもよいし、溶媒中に希釈されてもよい。
【0059】
具体的な態様において、少なくとも1のフレーバー成分Fijは、食品または飲料製品に、0.000001重量%~99.99999重量%、より具体的に10重量%~90重量%溶液の形態で、水、グリセロール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール(2-プロパノール)、プロピレングリコール(プロパン-1,2-ジオール)、トリエチルシトラート(トリエチル2-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボキシラート)、トリブチルシトラート(2-ヒドロキシ-1,2,3-プロパントリカルボン酸トリブチルエステル)、トリアセチン(1,2,3-プロパントリオールトリアセタート)、ジアセチン(1,2,3-プロパントリオールジアセタート)、中鎖トリグリセリド、および植物油からなる群より選択される1以上の溶媒中に添加される。
【0060】
第2の側面において、本開示は、上記の本明細書に開示の方法によって得ることができる食品または飲料製品を提供する。かかる食品または飲料製品は、セイボリー製品、乳製品、飲料、炭酸飲料、ゼリー飲料;アルコール飲料;エナジー飲料;およびニュートラシューティカルズを包含し得る。
【0061】
具体的な態様において、食品または飲料製品は、魚油、より具体的に油のドコサキサエン酸(DHA)、ならびに、デルタ-ノナラクトン(clogP=2.39)およびクレオゾール(clogP=1.82)を含むフレーバー組成物を含む。下文の例2に示されるとおり、これら2つのフレーバー成分は、(Z)-4-ヘプテナール(clogP=1.94)、(Z)-1-オクテン-3-オール(clogP=2.44)および(E)-2-ヘプタナール(clogP=1.58)に対して有効な異臭中和剤であることがわかった。この例は、1より多くの異臭構成要素を軽減するための、1より多くの異臭相殺成分の使用を説明する。
【0062】
第3の側面において、本開示は、上記の本明細書に開示の特色を有する少なくとも1のフレーバー成分Fijを含むフレーバー組成物を含む食品または飲料製品を提供する。かかるフレーバー組成物は、食品または飲料製品に添加されるとき、有効な異臭軽減を提供する。より具体的に、かかるフレーバー組成物は、におい活性フレーバー成分の総重量に基づいて、0.000001重量%~100重量%、より具体的に0.00001重量%~10重量%、さらにより具体的に0.00005重量%~2.5重量%の少なくとも1のフレーバー成分Fijを含む。
【0063】
本開示に従うフレーバー組成物は、溶媒、抗酸化剤、キレート剤、保存料、色素等などの様々な添加剤と混合され得る。さらにまた、これらのフレーバー組成物は、当業者に公知の方法に従って、マイクロカプセルでカプセル化され得る。
【0064】
本開示に従うフレーバー組成物は、あらゆる種類のフレーバーづけされた食品および飲料製品における使用に好適である。フレーバー組成物は、固有の異臭を有するかまたはそれらの生活環の間に異臭形成しやすい構成要素を含む食品および飲料製品における使用に具体的に好適である。これらはとくには、レモンおよびオレンジ果汁などの柑橘系飲料、柑橘系のフレーバーづけされた水、ソフトフルーツのフレーバーづけされた水、スポーツ飲料、ゼリー飲料、ウオッカおよびジンなどの中性スピリッツ、フレーバーづけされたアルコールドリンク、ローカルエナジードリンク、アイスクリーム、ソルベ、凍結ヨーグルト、乳、セイボリー油、セイボリー抽出物、ドレッシング、スープ、チューインガム、キャンディー、ガム状キャンディー、チョコレート、ワッフル、クッキー、ウェハ、スプレッド、ジャム、マーガリン、およびニュートラシューティカル製剤を包含する。
【0065】
フレーバー組成物は、これらが組み込まれることが意図される、フレーバーづけされた製品の性質、および、フレーバー製品の意図される用途に依存して、好適なレベルで使用され得る。典型的な利用レベルは、フレーバーづけされた製品の約0.001~1重量%、より好ましくはフレーバーづけされた製品の約0.01~0.5重量%、さらにより具体的にフレーバーづけされた製品の0.05~0.4重量%を包含するだろう。
【0066】
第4の側面において、本開示は、1以上の異臭構成要素Oiによって引き起こされる異臭を軽減するための、少なくとも1の選択されるフレーバー成分Fijの使用を提供し、少なくとも1の選択されるフレーバー成分FijのclogP値(clogP(Fij))は、1以上の異臭構成要素Oi(clogP(Oi))の値の、0.75未満、より具体的に0.5clogPユニット未満に近い。
【0067】
本発明およびその利点をさらに説明するために、以下の特定の例および比較例が存在し、これは説明的および非限定的としてのみ意図されることが理解される。
【実施例】
【0068】
例
以下の例は、もっぱら説明の目的で与えられ、および、本発明の多くのバリエーションが本開示の精神および範囲から逸脱することなく実行可能であるため、本発明の限定として解釈されるべきではない。
【0069】
例1:選択されたオフノートの軽減
例1.1において、ヨーグルトのオフノートは、酢酸であり、このオフノートは、食品または飲料製品の総重量に基づいて、0.000005重量%~0.0005重量%のレベルで、表1.1に列挙されるにおい活性フレーバー成分を使用して、効率的に軽減される。
【0070】
【0071】
表1から明らかなとおり、数多の異臭相殺フレーバー成分は、所望される感覚刺激性プロファイルに依存して、ヨーグルト中の酢酸を相殺するために選択され得る。例えば 乳酸エチルは、イチゴフレーバー、他のベリーフレーバー、セイヨウナシフレーバー、熱帯産果実フレーバー、ヨーグルトフレーバー、チーズフレーバー、ビールフレーバー、日本酒フレーバーにおいて有利に使用され得る。さらにまた、これらの成分のいくつかは、酢酸よりもはるかに低い蒸気圧を有し、これらの成分は、長続きする異臭相殺を提供し得ることを意味する。
【0072】
例1.2において、エナジードリンクの典型的なニンニクオフノートは、2-ビニル-4H-1,3-ジチインおよびアリシンである。2-ビニル-4H-1,3-ジチインオフノートおよびアリシンは、食品または飲料製品の総重量に基づいて、0.000001重量%~0.0001重量%のレベルで、表1.2において列挙されるにおい活性フレーバー成分を含む果実フレーバーを添加することによって、効率的に軽減される。
【0073】
【0074】
表1.2から明らかなように、数多のフレーバー成分は、所望される感覚刺激性プロファイルに依存して、柑橘系フレーバー、バニラフレーバー、およびベリーフレーバーを包含する、様々なフルーティなフレーバーを使用して、エナジードリンク中の2-ビニル-4H-1,3-ジチインおよびアリシンを相殺するために選択することができる。
【0075】
例1.3において、柑橘系飲料中に存在し得る典型的なオフノートは、パラ-クレゾールおよびアセトフェノンである。これらのオフノートは、食品または飲料製品の総重量に基づいて、0.00000005重量%(0.0005ppm)~0.000005重量%(0.5ppm)(エチルバニリンについては:0.0000001重量%(0.01ppm))のレベルで、表1.3に列挙されるにおい活性フレーバー成分を含むフレーバーを添加することによって、効率的に軽減される。
【0076】
【0077】
表1.3から明らかなとおり、数多の異臭相殺フレーバー成分は、所望される感覚刺激性プロファイルに依存して、柑橘系飲料、柑橘系フレーバー、果実フレーバー、およびソーダポップフレーバー中の、パラ-クレゾールおよびアセトフェノンを相殺するために選択することができる。さらにまた、これらの成分のいくつかは、標的とされる異臭のそれよりもはるかに低い蒸気圧を有し、これらの成分は、長く続く異臭相殺を提供し得ることを意味する。逆に言うと、ヘキサナール、イソアミルホルマート、酪酸エチルおよびブチルアセタートなどの成分は、速いが長く続かない軽減を提供し得る。
【0078】
例2 バニラクリーム中の魚油オフノートの軽減
この例は、バニラクリーム中の、魚油ドコサキサエン酸(DHA)、アルファ-リノレン酸(ALA)、およびエイコサペンタエン酸(EPA)に由来する異臭を軽減するための、選択された異臭相殺フレーバー成分の使用を説明するものである。異臭の主な構成要素は、(E)-2-ヘプテナール、(Z)-4-ヘプテナールおよび1-オクテン-3-オールとして同定された。異臭相殺フレーバー成分の選択の基礎となる必須条件は、これらの成分が、バニラのにおいおよび味の両方に感覚刺激的に適合するはずということである。
【0079】
異臭構成要素および潜在的な異臭相殺フレーバー成分の両方のClogP値は、表2において報告される。
【0080】
【国際調査報告】