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特表2024-532297送信された物体位置情報とセンサーベースの相対的物体位置情報を組み合わせた乗り物ナビゲーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】送信された物体位置情報とセンサーベースの相対的物体位置情報を組み合わせた乗り物ナビゲーション
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/28 20060101AFI20240829BHJP
   G08G 3/00 20060101ALI20240829BHJP
   G08G 5/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G01C21/28
G08G3/00
G08G5/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512109
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 IL2022050697
(87)【国際公開番号】W WO2023031904
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】286034
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509082743
【氏名又は名称】イスラエル エアロスペース インダストリーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】テル オレン,ニル
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA11
2F129AA13
2F129BB03
2F129BB04
2F129BB06
2F129BB07
2F129BB19
2F129BB21
2F129BB22
2F129BB26
2F129BB33
2F129BB45
2F129BB63
2F129BB64
2F129BB66
2F129DD21
2F129DD62
2F129EE95
2F129FF02
2F129FF19
2F129FF57
2F129FF72
2F129HH21
5H181AA25
5H181AA26
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF05
5H181MB01
(57)【要約】
コンピュータ位置決めシステムが乗り物と関連付けられる。それは、次の方法を実行するように構成される:(a)送信(複数可)を示す第1の情報を受信することであって、送信は物体(複数可)と関連付けられる。第1の情報は物体と関連付けられた物体第1位置情報の項目(複数可)を含む。物体第1位置情報の項目は物体の絶対位置を示す、(b)乗り物に対する物体の第2の相対位置を示している、物体の第2の位置情報を受信すること、(c)物体の導出された位置を、少なくとも第1の情報および第2の位置情報に基づいて、決定すること。導出された位置は、乗り物の報告された位置における修正を容易にするために利用可能である。報告された位置は、乗り物と関連付けられたGNSS受信機(複数可)によって受信されたGNSS信号(複数可)に基づく。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物と関連付けられたコンピュータ位置決めシステムであって、前記コンピュータ位置決めシステムは処理回路を含み、前記処理回路は、次の方法:
a.少なくとも1つの送信を示す第1の情報を受信することであって、
前記送信は少なくとも1つの物体と関連付けられており、
前記第1の情報は前記少なくとも1つの物体と関連付けられた物体第1位置情報の少なくとも1つの項目を含み、
物体第1位置情報の前記少なくとも1つの項目は前記少なくとも1つの物体の絶対位置を示すことと、
b.前記少なくとも1つの物体の第2の位置情報を受信することであって、前記第2の位置情報は、前記乗り物に対する前記少なくとも1つの物体の第2の相対位置を示していることと、
c.前記乗り物の導出された位置を、少なくとも前記第1の情報および前記第2の位置情報に基づいて決定することであって、
前記乗り物の前記導出された位置は、前記乗り物の報告された位置における修正を容易にするために利用可能であり、
前記乗り物の前記報告された位置は、前記乗り物と関連付けられた少なくとも1つの全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機によって受信された少なくとも1つのGNSS信号に基づくことと
を実行するように構成されている、
コンピュータ位置決めシステム。
【請求項2】
前記第1の情報は、前記少なくとも1つの物体の物体識別情報の少なくとも1つの項目を含む、請求項1に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項3】
前記方法は、
h.前記乗り物の前記導出された位置と前記報告された位置との間のずれを決定すること
をさらに含む、請求項1および請求項2のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項4】
前記方法は、
i.前記決定されたずれを示すアラートを送信すること
をさらに含む、前述の請求項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項5】
前記アラートは、人間のオペレータと関連付けられたユーザーインタフェース、自律ナビゲーションシステム、外部システム、の少なくとも1つに対して送信される、請求項4に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項6】
前記方法は、
j.前記乗り物の前記報告された位置を修正するための修正命令を送信し、それにより前記乗り物の修正済みの報告された位置を導出すること
をさらに含む、請求項3~請求項5のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項7】
前記命令は、人間のオペレータと関連付けられたユーザーインタフェース、自律ナビゲーションシステム、外部システム、の少なくとも1つに送信される、請求項6に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項8】
前記方法は:
k.前記乗り物を、前記乗り物の前記修正済みの報告された位置に基づいてナビゲートすること
をさらに含む、請求項6~請求項7のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項9】
前記処理回路は、前記方法の少なくとも1回の繰り返しを実行するようにさらに構成され、
それにより前記修正済みの報告された位置の追跡を可能にする、
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項10】
前記導出された位置は、前記少なくとも1つのGNSS信号と関連付けられた混乱の場合に利用可能である、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項11】
前記混乱は:電波妨害、前記少なくとも1つのGNSS信号の干渉またはスプーフィング、GNSS受信機故障、GNSSアンテナ故障、のうちの少なくとも1つを含む、前述の請求項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの受信されたGNSS信号および前記少なくとも1つのGNSS受信機は次の技術の少なくとも1つ:全地球測位システム(GPS)、全地球的航法衛星システム(GLONASS)およびGalileo、と関連付けられる、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項13】
前記送信は、前記少なくとも1つの物体と関連付けられている送信機およびトランスポンダの少なくとも1つから受信される、請求項1~請求項12のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項14】
前記トランスポンダは、自動船舶識別装置(AIS)トランスポンダである、前述の請求項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項15】
前記乗り物は、前記送信を受信するために構成された受信機と関連付けられている、請求項1~請求項14のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの物体の前記物体識別情報は:MMSI(海上移動業務識別コード)、前記少なくとも1つの物体の名前、前記少なくとも1つの物体のコールサイン、のうちの少なくとも1つを含む、請求項2~請求項15のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの物体と関連付けられた前記物体第1位置情報は、前記少なくとも1つの物体のGNSS位置情報を含む、請求項1~請求項16のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項18】
前記物体第1位置情報は前記少なくとも1つの物体と関連付けられている、請求項1~請求項17のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項19】
前記ステップ(c)における前記乗り物の前記導出された位置の、少なくとも前記第1の情報および前記第2の位置情報に基づく、前記決定は、前記乗り物の導出された絶対位置を決定することを含む、請求項1~請求項18のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項20】
前記第2の位置情報の前記受信は、前記乗り物に対する少なくとも1つの第2の物体第2相対位置を示す第2の位置情報を受信することを含み、
前記ステップ(c)における前記乗り物の前記導出された絶対位置の前記決定は、
xii.少なくとも1つの第2の物体の、物体第2相対位置の、前記少なくとも1つの第1の物体と関連付けられた、前記第1の情報内に含まれる、物体第1位置情報の前記少なくとも1つの項目との、第1の照合を実行し
それにより、前記少なくとも1つの第2の物体の絶対位置情報を導出することと、
xiii.前記少なくとも1つの第2の物体の各一致した第2の物体を前記少なくとも1つの物体の対応する物体を構成するように設定することと、
xiv.前記乗り物の前記導出された絶対位置を、少なくとも前記対応する物体の絶対位置情報および前記少なくとも1つの物体第2相対位置に基づいて決定することと
を含む、前述の請求項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項21】
前記第1の照合は、物体第1位置情報の前記少なくとも1つの項目、および定義された許容範囲内の、同じ位置を示している、前記物体相対第2位置に基づく、前述の請求項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項22】
前記少なくとも1つの物体は、複数の物体を含み、
前記ステップ(c)(iii)は、前記乗り物の前記導出された絶対位置を少なくとも、複数の対応する物体の絶対位置情報および前記複数の対応する物体の物体第2相対位置に基づいて決定することを含む、
請求項20~請求項21のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項23】
前記第1の照合は、第1のマップと第2のマップを比較することを含み、
前記第1のマップは、物体第1位置情報の前記少なくとも1つの項目を示しており、
前記第2のマップは、前記少なくとも1つの物体第2相対位置を示している、
請求項20~請求項22のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項24】
各一致した第2の物体を前記設定することは:前記少なくとも1つの物体の、前記少なくとも1つの第2の物体との第2の照合を、前記第1の照合に基づいて実行することを含む、請求項20~請求項23のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項25】
各一致した第2の物体を前記設定することは:
前記各一致した第2の物体の前記物体識別情報を、前記少なくとも1つの物体の前記対応する物体と関連付けること
をさらに含む、前述の請求項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項26】
前記乗り物は少なくとも1つのセンサーと関連付けられていて、
前記第2の位置情報は前記少なくとも1つのセンサーから取得されたセンサーデータに基づいており、
前記第2の相対位置は、前記少なくとも1つの物体の範囲および前記少なくとも1つの物体の少なくとも1つの相対角度を含む、
請求項1~請求項25のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項27】
前記少なくとも1つのセンサーは:レーダー(RADAR)システム、敵味方識別(IFF)システム、および自動従属監視-ブロードキャスト(ADS-B)システムの少なくとも1つを含む、前述の請求項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項28】
前記少なくとも1つのセンサーは、距離計および少なくとも1つの画像センサーを含む、請求項26~請求項27のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項29】
前記少なくとも画像センサーは、少なくとも1つのカメラを含む、前述の請求項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項30】
前記少なくとも1つの物体は複数の物体を含み、
前記乗り物の前記導出された位置の前記決定は、前記複数の物体のうちの物体の第2相対位置の交差に基づく、
請求項1~請求項29のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項31】
前記第1の情報を前記受信することは、前記第1の情報を示すインターネットフィードを受信することを含み、
前記乗り物の前記導出された位置を前記決定することは、少なくとも前記インターネットフィードに基づく、
請求項1~請求項30のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項32】
前記インターネットフィードは、AIS情報のインターネット更新を含む、前述の請求項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項33】
前記インターネットフィードは、少なくとも1つの衛星から受信される、請求項31~請求項32のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項34】
前記少なくとも1つの物体は、複数の物体を含み、
前記ステップ(c)において前記乗り物の前記導出された位置を前記決定することは、
xv.前記複数の物体の各物体に対して、物体識別情報の対応する項目と関連付けられた品質測定基準を決定することと、
xvi.以下の少なくとも1つを実行すること:
(3)前記導出された位置の前記決定において利用するために、前記各物体の前記品質測定基準に基づいて、前記複数の物体のうちの物体を選択すること、および
(4)前記各物体の物体重みを、前記品質測定基準に基づいて割り当てて、少なくとも前記物体重みに基づいて前記導出された位置を決定すること
をさらに含む、請求項2~請求項33のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項35】
前記各物体の前記品質測定基準は、前記各物体の物体第1位置情報の対応する項目と関連付けられた地理的妥当性のレベルに少なくとも基づく、前述の請求項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項36】
前記少なくとも1つの物体は、複数の物体を含み、
前記ステップ(c)において前記導出された位置を前記決定することは、次:
xvii.前記複数の物体のうちの物体の複数の固有のサブセットを定義することと、
xviii.前記複数の固有のサブセットのうちの1つのサブセットに基づいて、暫定的な位置決定を実行することと、
xix.それにより、前記乗り物の前記導出された位置の暫定値を取得することと、
xx.前記暫定値と関連付けられた位置の重みを決定することと、
xxi.前記複数の固有のサブセットの各サブセットに対して、前記ステップ(vi)~(viii)を繰り返し、
それにより対応する位置の重みと関連付けられた複数の暫定値を導出することと、
xxii.前記複数の暫定値に、少なくとも前記対応する位置の重みに基づいて、重み付けし、
それにより、前記乗り物の前記導出された位置の最終値を導出し、前記最終値は、前記乗り物の前記導出された位置を構成することと、
をさらに含む、
請求項34~請求項35のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項37】
前記複数の固有のサブセットを前記定義することは、利用すべき前記物体の前記選択に少なくとも基づく、前述の請求項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項38】
前記位置の重みを前記決定することは、前記サブセット内の各物体の対応する物体の重みに少なくとも基づく、請求項36~請求項37のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項39】
前記乗り物の前記導出された位置を前記決定することは、地理的位置決めプロセスを利用する、請求項1~請求項38のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項40】
前記方法は、前記第2の位置情報が、不十分な数の前記少なくとも1つの物体を示す事例では、高度を上げるために、前記乗り物に指示を送信することをさらに含む、請求項1~請求項39のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項41】
前記方法は、前記第2の位置情報が、不十分な数の前記少なくとも1つの物体を示す事例では、より多くの物体を含む地理的地域に移動するために、前記乗り物に指示を送信することをさらに含む、請求項1~請求項40のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項42】
前記少なくとも1つの物体は1つの物体である、請求項1~請求項41のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項43】
前記乗り物は航空機である、請求項1~請求項42のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項44】
前記航空機は哨戒機である、前述の請求項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項45】
前記航空機は、無人航空機(UAV)である、請求項43~請求項44のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項46】
前記少なくとも1つの物体は、少なくとも1つの水上乗り物を含む、請求項1~請求項45のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項47】
前記少なくとも1つの水上乗り物は、少なくとも1つの船を含む、前述の請求項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項48】
前記少なくとも1つの物体は、少なくとも1つの定位置物体を含む、請求項1~請求項47のいずれか1項に記載のコンピュータ位置決めシステム。
【請求項49】
乗り物の位置決めのコンピュータ化された方法であって、前記方法は、処理回路を含むコンピュータ位置決めシステムによって実行されるように構成されて、前記本方法は、前記処理回路によって次:
d.少なくとも1つの送信を示す第1の情報を受信することであって、
前記送信は、少なくとも1つの物体と関連付けられており、
前記第1の情報は、前記少なくとも1つの物体と関連付けられた物体第1位置情報の少なくとも1つの項目を含み、
物体第1位置情報の前記少なくとも1つの項目は、前記少なくとも1つの物体の絶対位置を示していることと、
e.前記少なくとも1つの物体の第2の位置情報を受信することであって、前記第2の位置情報は、前記乗り物に対する前記少なくとも1つの物体の第2の相対位置を示していることと、
f.前記乗り物の導出された位置を、少なくとも前記第1の情報および前記第2の位置情報に基づいて決定することであって、
前記乗り物の前記導出された位置は、前記乗り物の報告された位置における修正を容易にするために利用可能であり、
前記乗り物の前記報告された位置は、前記乗り物と関連付けられた少なくとも1つの全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機によって受信された少なくとも1つのGNSS信号に基づくことと、
を実行することを含む、乗り物の位置決めのコンピュータ化された方法。
【請求項50】
命令のプログラムを有形的に具現化している持続性コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、コンピュータ位置決めシステムによって実行される場合に、前記コンピュータに乗り物の位置決めのコンピュータ化された方法を実行させ、前記方法は、前記コンピュータ位置決めシステムの処理回路によって実行されて、以下の動作:
a.少なくとも1つの送信を示す第1の情報を受信することであって、
前記送信は、少なくとも1つの物体と関連付けられており、
前記第1の情報は、前記少なくとも1つの物体と関連付けられた物体第1位置情報の少なくとも1つの項目を含み、
物体第1位置情報の前記少なくとも1つの項目は、前記少なくとも1つの物体の絶対位置を示すことと、
b.前記少なくとも1つの物体の第2の位置情報を受信することであって、前記第2の位置情報は、前記乗り物に対する前記少なくとも1つの物体の第2の相対位置を示していることと、
c.前記乗り物の導出された位置を、少なくとも前記第1の情報および前記第2の位置情報に基づいて、決定することであって、
前記乗り物の前記導出された位置は、前記乗り物の報告された位置における修正を容易にするために利用可能であり、
前記乗り物の前記報告された位置は、前記乗り物と関連付けられた少なくとも1つの全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機によって受信された少なくとも1つのGNSS信号に基づくことと、
を実行することを含む、持続性コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、乗り物、例えば、航空機の、位置決めおよびナビゲーションに関する。
【背景技術】
【0002】
船舶用途に対してGPSを使用することに関連するいくつかの問題が、例えば、「GPS Jamming and its impact on maritime navigation」、Dr.Alan Grant、10 May 2010,Royal Institute of Navigation,Research and Development-Special Interest Groupで開示された。
【0003】
Daniel Medinaらによる文書「On GNSS Jamming Threat from the Maritime Navigation Perspective」、IEEE、2019 22th International Conference on Information Fusion (FUSION)、2-5 July 2019は、https://core.ac.uk/download/pdf/220158826.pdfで取得されて、GNSS電波妨害脅威、およびGNSS電波妨害の影響を軽減するためのマルチセンサー融合の使用を開示する。
【0004】
自動船舶識別システム(AIS)が、例えば、「The Definitive AIS Handbook」、BigOceanData Global Vessel Management Solutionsで開示されている。
【0005】
政府当局は、周知のGNSS干渉の領域に関する勧告を公表する。例えば、ウェブページhttps://safety4sea.com/us-marad-warns-maritime-about-gps-interference/およびhttps://safety4sea.com/us-marad-warns-maritime-about-gps-interference/を参照すると、米国海事管理局(MARAD)による勧告に言及し、とりわけ、「Multiple instances of significant GPS interference have been reported worldwide in the maritime domain, says US MARAD ・・・ For this reason, exercise caution when operating underway and prior to getting underway(重大なGPS干渉の複数のインスタンスが海上領域内で世界的に報告されている、とUS MARADが言っており、この理由のために、航行時および出発前には用心のこと)」と述べている。
【0006】
本明細書での上の引用の確認は、これらが、いかなる方法によっても、本開示の主題の特許性に関連することを意味すると推測されるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の主題の第1の態様によれば、乗り物と関連付けられたコンピュータ位置決めシステムが提示されており、コンピュータ位置決めシステムは、処理回路を含み、処理回路は、以下の方法:
a.少なくとも1つの送信を示す第1の情報を受信することであって、
送信は少なくとも1つの物体と関連付けられており、
第1の情報は、少なくとも1つの物体と関連付けられた物体第1位置情報の少なくとも1つの項目を含み、
物体第1位置情報の少なくとも1つの項目は、その少なくとも1つの物体の絶対位置を示すこと、
b.少なくとも1つの物体の第2の位置情報を受信することであって、第2の位置情報は、乗り物に関して少なくとも1つの物体第2相対位置を示すこと、
c.乗り物の導出された位置を、少なくとも第1の情報および第2の位置情報に基づいて、決定することであって、
乗り物の導出された位置は、乗り物の報告された位置における修正を容易にするために利用可能であり、
乗り物の報告された位置は、その乗り物と関連付けられた少なくとも1つの全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機によって受信された少なくとも1つのGNSS信号に基づくこと、
を実行するように構成されている。
【0008】
前述の特徴に加えて、本開示の主題のこの態様に従った方法は、以下にリストされる特徴(i)~(lviii)の1つ以上を、技術的に可能な任意の所望の組合せまたは順列で、含むことができる:
(i)第1の情報は、少なくとも1つの物体の物体識別情報の少なくとも1つの項目を含む。
(ii)本方法は:
d.乗り物の導出された位置と報告された位置との間のずれを決定すること
をさらに含む、
(iii)本方法は:
e.決定されたずれを示すアラートを送信すること
をさらに含む。
(iv)アラートは、人間のオペレータと関連付けられたユーザーインタフェース、自律ナビゲーションシステム、外部システム、の少なくとも1つに送信される。
(v)本方法は:
f.乗り物の報告された位置を修正するための修正命令を送信し、それにより乗り物の修正済みの報告された位置を導出すること
をさらに含む。
(vi)命令は、人間のオペレータと関連付けられたユーザーインタフェース、自律ナビゲーションシステム、外部システム、の少なくとも1つに送信される。
(vii)本方法は:
g.乗り物を、乗り物の修正済みの報告された位置に基づいてナビゲートすること
をさらに含む。
(viii)請求項1~8の任意の1項のコンピュータ位置決めシステムであって、処理回路は、本方法の少なくとも1回の繰り返しを実行するようにさらに構成され、それにより修正済みの報告された位置の追跡を可能にする。
(ix)導出された位置は、少なくとも1つのGNSS信号と関連付けられた混乱の場合に利用されるのを可能にする。
(x)混乱は:電波妨害、少なくとも1つのGNSS信号の干渉またはスプーフィング、GNSS受信機故障、GNSSアンテナ故障、のうちの少なくとも1つを含む。
(xi)受信されたGNSS信号(複数可)および少なくとも1つのGNSS受信機は次の技術の少なくとも1つ:全地球測位システム(GPS)、全地球的航法衛星システム(GLONASS)およびGalileo、と関連付けられる。
(xii)送信は、少なくとも1つの物体と関連付けられている送信機およびトランスポンダの少なくとも1つから受信される。
(xiii)トランスポンダは、自動船舶識別装置(AIS)トランスポンダである。
(xiv)乗り物は、送信を受信するために構成された受信機と関連付けられている。
(xv)少なくとも1つの物体の物体識別情報は:MMSI(海上移動業務識別コード)、少なくとも1つの物体の名前、少なくとも1つの物体のコールサイン、のうちの少なくとも1つを含む。
(xvi)少なくとも1つの物体と関連付けられた物体第1位置情報は、少なくとも1つの物体のGNSS位置情報を含む。
(xvii)物体第1位置情報は少なくとも1つの物体と関連付けられる
(xviii)前記ステップ(c)における乗り物の導出された位置の、少なくとも第1の情報および第2の位置情報に基づく決定は、乗り物の導出された絶対位置を決定することを含む。
(xix)前のクレームのコンピュータ位置決めシステムであって、
第2の位置情報の受信は、乗り物に関して少なくとも1つの第2の物体の第2の相対位置を示す第2の位置情報を受信することを含み、
前記ステップ(c)における乗り物の導出された絶対位置の決定は、
i.少なくとも1つの第2の物体の、物体の第2の相対位置の、少なくとも1つの第1の物体と関連付けられた、第1の情報内に含まれる、物体第1位置情報の少なくとも1つの項目との、第1の照合を実行し、
それにより、少なくとも1つの第2の物体の絶対位置情報を導出すること、
ii.少なくとも1つの第2の物体の各一致した第2の物体を少なくとも1つの物体の対応する物体を構成するように設定すること、ならびに
iii.乗り物の導出された絶対位置を、少なくとも対応する物体の絶対位置情報および少なくとも1つの物体の第2の相対位置に基づいて決定すること
を含む。
(xx)第1の照合は、物体第1位置情報の少なくとも1つの項目、および定義された許容範囲内の、同じ位置を示している、物体相対第2位置に基づく。
(xxi)少なくとも1つの物体は、複数の物体を含み、
前記ステップ(c)(iii)は、乗り物の導出された絶対位置を少なくとも、複数の対応する物体の絶対位置情報および複数の対応する物体の物体第2相対位置に基づいて決定することを含む。
(xxii)第1の照合は、第1のマップと第2のマップを比較することを含み、
第1のマップは、物体第1位置情報の少なくとも1つの項目を示しており、
第2のマップは、少なくとも1つの物体第2相対位置を示している。
(xxiii)各一致した第2の物体を設定することは:少なくとも1つの物体の、少なくとも1つの第2の物体との第2の照合を、第1の照合に基づいて、実行することを含む。
(xxiv)各一致した第2の物体を設定することは:
各一致した第2の物体の物体識別情報を、少なくとも1つの物体の対応する物体と関連付けることをさらに含む。
(xxv)乗り物は少なくとも1つのセンサーと関連付けられていて、
第2の位置情報は少なくとも1つのセンサーから取得されたセンサーデータに基づいており、
第2の相対位置は、少なくとも1つの物体の範囲および少なくとも1つの物体の少なくとも1つの相対角度を含む
(xxvi)センサー(複数可)は:レーダー(RADAR)システム、敵味方識別(IFF)システム、および自動従属監視-ブロードキャスト(ADS-B)システムの少なくとも1つを含む。
(xxvii)センサー(複数可)は、距離計および少なくとも1つの画像センサーを含む。
(xxviii)センサー(複数可)は、少なくとも1つのカメラを含む。
(xxix)複数の物体の各物体の、乗り物に関する第2の相対位置は、乗り物に関する各物体の対応する物体範囲(object range)を含み、
乗り物の導出された位置を決定することは、対応する物体範囲の交差に基づく。
(xxx)物体(複数可)は、複数の物体を含み、
乗り物の導出された位置を決定することは、複数の物体のうちの物体の第2の相対位置の交差に基づき、
少なくとも1つの物体は、複数の物体を含み、
複数の物体の各物体の、乗り物に関する、第2の相対位置は、各物体の対応する物体相対角度を含み、
乗り物の導出された位置を決定することは、対応する物体相対角度の三角測量に基づく。
(xxxi)少なくとも1つの画像センサーは、乗り物に対する複数の視野方向と関連付けられた画像を捕捉するために構成される。
(xxxii)少なくとも1つの画像センサーは、複数の画像センサーを含み、
複数の画像センサーは、同一でない視野方向で構成される。
(xxxiii)第1の情報を受信することは、第1の情報を示すインターネットフィードを受信することを含み、
乗り物の導出された位置を決定することは、少なくともインターネットフィードに基づく。
(xxxiv)インターネットフィードは、AIS情報のインターネット更新を含む。
(xxxv)インターネットフィードは、少なくとも1つの衛星から受信される。
(xxxvi)物体(複数可)は、複数の物体を含み、
前記ステップ(c)において乗り物の導出された位置を決定することは、
iv.複数の物体の各物体に対して、物体識別情報の対応する項目と関連付けられた品質測定基準を決定すること、
v.以下の少なくとも1つを実行すること:
(1)導出された位置の決定において利用するために、各物体の品質測定基準に基づいて、複数の物体のうちの物体を選択すること、および
(2)各物体の物体重みを、品質測定基準に基づいて割り当てて、少なくとも物体重みに基づいて導出された位置を決定すること
をさらに含む。
(xxxvii)各物体の品質測定基準は、少なくとも各物体の物体第1の位置情報の対応する項目と関連付けられた地理的妥当性のレベルに基づく。
(xxxviii)乗り物の導出された位置の決定は、それに対応する第1の情報が、物体位置情報の少なくとも1つの項目を含まない、少なくとも1つの物体の物体を除外する。
(xxxix)物体(複数可)は、複数の物体を含み、
前記ステップ(c)における導出された位置の決定は、次をさらに含む:
vi.複数の物体のうちの物体の複数の固有のサブセットを定義すること、
vii.複数の固有のサブセットのうちの1つのサブセットに基づいて、暫定的な位置決定を実行すること、
viii.それにより、乗り物の導出された位置の暫定値を取得すること、
ix.暫定値と関連付けられた位置の重みを決定すること、
x.複数の固有のサブセットの各サブセットに対して、前記ステップ(vi)~(viii)を繰り返し、
それにより対応する位置の重みと関連付けられた複数の暫定値を導出すること、
xi.複数の暫定値に、少なくとも対応する位置の重みに基づいて、重み付けし、
それにより、乗り物の導出された位置の最終値を導出し、最終値は、乗り物の導出された位置を構成すること。
(xl)複数の固有のサブセットを定義することは、少なくとも利用すべき物体の選択に基づく。
(xli)位置の重みを決定することは、少なくともサブセット内の各物体の対応する物体の重みに基づく。
(xlii)複数の暫定値のうちの1つの暫定値が、定義された閾値を超えて、他の暫定値の少なくとも1つ、および乗り物の以前の導出された位置と異なる事例では、
相違する暫定値を除外しながら、複数の暫定値の重み付けを実行する。
(xliii)乗り物の導出された位置を決定することは、ivプロセスを利用する。
(xliv)第1の位置情報の少なくとも1つの項目および第2の物体位置情報は、少なくとも1つの物体の方向を示し、乗り物の導出された位置を決定することは、少なくとも方向に基づく。
(xlv)第1の位置情報の少なくとも1つの項目および第2の物体位置情報は、少なくとも1つの物体の速度を示し、乗り物の導出された位置を決定することは、少なくとも速度に基づく。
(xlvi)乗り物の導出された位置を決定することは、少なくとも乗り物の高度に基づく。
(xlvii)本方法は、第2の位置情報が、不十分な数の少なくとも1つの物体を示す事例では、高度を上げるために、乗り物に指示を送信することをさらに含む。
(xlviii)本方法は、第2の位置情報が、不十分な数の少なくとも1つの物体を示す事例では、より多くの物体を含む地理的地域に移動するために、乗り物に指示を送信することをさらに含む。
(xlix)少なくとも1つの物体は1つの物体である。
(l)乗り物は航空機である。
(li)航空機は哨戒機である。
(lii)哨戒機は、海洋哨戒機(MPA)である。
(liii)航空機は、無人航空機(UAV)である。
(liv)少なくとも1つの物体は、少なくとも1つの水上乗り物を含む。
(lv)少なくとも1つの水上乗り物は、少なくとも1つの船舶を含む。
(lvi)少なくとも1つの水上乗り物は、大洋、海、湖、川のうちの1つ内に位置する。
(lvii)少なくとも1つの物体は、少なくとも1つの地上車を含む。
(lviii)少なくとも1つの物体は、少なくとも1つの定位置物体を含む。
【0009】
本開示の主題の第2の態様によれば、乗り物の位置決めのコンピュータ化された方法が提示され、本方法は、処理回路を含むコンピュータ位置決めシステムによって実行されるように構成されて、本方法は、処理回路によって次:
a.少なくとも1つの送信を示す第1の情報を受信することであって、
送信は、少なくとも1つの物体と関連付けられており、
第1の情報は、少なくとも1つの物体と関連付けられた物体第1位置情報の少なくとも1つの項目を含み、
物体第1位置情報の少なくとも1つの項目は、少なくとも1つの物体の絶対位置を示していること、
b.少なくとも1つの物体の第2の位置情報を受信することであって、第2の位置情報は、乗り物に対する少なくとも1つの物体の第2の相対位置を示していること、
c.乗り物の導出された位置を、少なくとも第1の情報および第2の位置情報に基づいて決定することであって、
乗り物の導出された位置は、その乗り物の報告された位置における修正を容易にするために利用可能であり、
乗り物の報告された位置は、その乗り物と関連付けられた少なくとも1つの全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機によって受信された少なくとも1つのGNSS信号に基づくこと
を実行することを含む。
【0010】
本開示の主題の第3の態様によれば、命令のプログラムを有形的に具現化している持続性コンピュータ可読記憶媒体が提示されており、命令は、コンピュータ位置決めシステムによって実行される場合に、コンピュータに乗り物の位置決めのコンピュータ化された方法を実行させ、本方法は、コンピュータ位置決めシステムの処理回路によって実行されて、以下の動作:
a.少なくとも1つの送信を示す第1の情報を受信することであって、
送信は、少なくとも1つの物体と関連付けられており、
第1の情報は、少なくとも1つの物体と関連付けられた物体第1位置情報の少なくとも1つの項目を含み、
物体第1位置情報の少なくとも1つの項目は、少なくとも1つの物体の絶対位置を示すこと、
b.少なくとも1つの物体の第2の位置情報を受信することであって、第2の位置情報は、乗り物に対する少なくとも1つの物体の第2の相対位置を示していること、
c.乗り物の導出された位置を、少なくとも第1の情報および第2の位置情報に基づいて、決定することであって、
乗り物の導出された位置は、乗り物の報告された位置における修正を容易にするために利用可能であり、
乗り物の報告された位置は、乗り物と関連付けられた少なくとも1つの全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機によって受信された少なくとも1つのGNSS信号に基づくこと
を実行することを含む。
【0011】
本開示の主題の第4の態様によれば、AISおよびRADAR法を統合するように構成される、乗り物の位置確認のコンピュータ化された方法が提示される。
【0012】
本開示の主題の第5の態様によれば、コンピュータによって実行される場合に、そのコンピュータに開示の主題の第3の態様の方法を実行させる、命令のプログラムを有形的に具現化している持続性コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0013】
本開示の主題の第6の態様によれば、開示される主題の第3の態様の方法を実行するように構成された、処理回路を含む、コンピュータ化システムが提供される。
【0014】
開示される主題の第6の態様に対する第2のものは任意選択で、上でリストされた特徴(i)~(lviii)の1つ以上を、変更すべきところは変更して、技術的に可能な任意の所望の組合せまたは順列で、含むことができる。
【0015】
本発明を理解して、それを実際にはどのように実行できるかを見るために、実施形態は、非限定的例として、添付の図面を参照して説明される:。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、相対位置決めの一般化した図例を概略的に示す。
図1B】本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、物体送信の一般化した図例を概略的に示す。
図2】本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、マップオーバーレイの一般化した図例を概略的に示す。
図3A】本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、乗り物位置決めソリューションの一般化した概略図例を概略的に示す。
図3B】本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、コンピュータ位置決めシステムの一般化した概略図例を概略的に示す。
図4】本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、巡視の一般化した図例を概略的に示す。
図5】本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、物体検出方法の一般化した図例を概略的に示す。
図6】本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、物体検出方法の一般化した図例を概略的に示す。
図7】本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、物体検出方法の一般化した図例を概略的に示す。
図8A】本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、乗り物の位置決めのための、プロセスまたは方法のフローの、一般化したフローチャート図の一例を示す。
図8B】本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、乗り物の位置決めのための、プロセスまたは方法のフローの、一般化したフローチャート図の一例を示す。
図8C】本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、乗り物の位置決めのための、プロセスまたは方法のフローの、一般化したフローチャート図の一例を示す。
図8D】本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、乗り物の位置決めのための、プロセスまたは方法のフローの、一般化したフローチャート図の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
示された図面および説明では、同一の参照番号は、異なる実施形態または構成に共通している構成要素を示す。
【0018】
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載される。しかし、当業者には、本開示の主題は、これらの特定の詳細なしで実施され得ることが理解されるであろう。他の事例では、周知の方法、手順、構成要素および回路は、本開示の主題を曖昧にしないために、詳細には説明されていない。
【0019】
本発明は、その用途を、本明細書に含まれる説明に記載されているか、または図面に図解されている詳細に制限されないことが理解されるべきである。本発明は、他の実施形態ならびに様々な方法での実施および実行が可能である。従って、本明細書で採用される表現および用語は、説明のためであり、制限と考えられるべきでないことが理解されるべきである。そのため、当業者は、本開示が基づく概念は、本開示の主題のいくつかの目的を実行するために他の構造、方法、およびシステムを設計するための基礎として容易に利用され得ることが理解されよう。
【0020】
本発明に従ったシステムは、適切にプログラムされたコンピュータ上に、少なくとも部分的に、実装され得ることも理解されよう。同様に、本発明は、本発明の方法を実行するためにコンピュータによって可読なコンピュータプログラムを企図する。本発明は、本発明の方法を実行するためにコンピュータによって実行可能な命令のプログラムを有形的に具現化する持続性コンピュータ可読メモリをさらに企図する。
【0021】
当業者は、様々な修正および変更が、添付のクレーム内で、クレームによって定義される、その範囲から逸脱することなく、上で説明されるように、本発明の実施形態に適用できることを容易に理解しよう。
【0022】
特に断らない限り、以下の説明から明らかなように、本明細書を通して、「受信する」、「決定する」、「送信する」、「警告する」、「設定する」もしくは同様のものなどの用語を利用した説明は、データを操作し、かつ/またはデータを他のデータに変換するコンピュータの動作(複数可)および/もしくはプロセス(複数可)を指し、前記データは、物理的、例えば、電子もしくは機械的などの、量として表され、かつ/また前記データは物理的な物体を表すことが理解される。用語「コンピュータ」は、データ処理機能を備えた任意の種類のハードウェアベースの電子機器をカバーすると広範に解釈されるべきであり、パーソナルコンピュータ、サーバー、コンピューティングシステム、通信装置、プロセッサもしくは処理ユニット(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)など)、ならびに、非限定的例として、本出願で開示される、コンピュータ化システム310および処理回路312を含む、任意の他の電子コンピューティング装置を含む。
【0023】
本明細書の教示に従った操作は、所望の目的のために特別に構築されたコンピュータによって、または持続性コンピュータ可読記憶媒体内に格納されたコンピュータプログラムにより所望の目的のために特別に構成された汎用コンピュータによって実行され得る。
【0024】
本開示の主題の実施形態は、任意の特定のプログラミング言語を参照して説明されない。本明細書で説明される本開示の主題の教示を実装するために様々なプログラミング言語が使用され得ることが理解されよう。
【0025】
本明細書で使用される用語「持続性メモリ」および「持続性制記憶媒体」は、本開示の主題に適した任意の揮発性または不揮発性コンピュータメモリをカバーすると広範に解釈されるべきである。
【0026】
本明細書では、句「例えば(for example)」、「などの」、「例えば(for instance)」およびそれらの変形は、本開示の主題の限定されない実施形態を説明する。本明細書での「1つの事例」、「いくつかの事例」、「他の事例」、「一例」、「いくつかの例」、「他の例」、またはそれらの変形は、実施形態(複数可)に関連して説明される、特定の説明された方法、手順、構成要素、構造、特徴または特性は、本開示の主題の少なくとも1つの実施形態に含まれるが、必ずしも全ての実施形態に含まれないことを意味する。同じ表現の出現は、必ずしも同じ実施形態(複数可)または例(複数可)を指さない。
【0027】
「可能性がある(may)」、「かも知れない(might)」、またはその変形などの、条件付き言語の使用は、主題の1つ以上の例が、ある方法、手順、構成要素および特徴を含み得るが、主題の1つ以上の他の例は、必ずしも含まない可能性があることを伝えると解釈されるべきである。従って、かかる条件付き言語は一般に、特定の説明された方法、手順、構成要素または回路は主題の全ての例に必ず含まれることを意味することを意図しない。その上、非条件付き言語の使用は、特定の説明された方法、手順、構成要素または回路は主題の全ての例に必ず含まれることを必ずしも意味しない。
【0028】
明確にするために、別個の実施形態もしくは例の文脈で説明される、本開示の主題のある実施形態、方法、手順、構成要素または特徴は、単一の実施形態もしくは例で組み合わせても提供され得ることが理解される。反対に、明確にするために、単一の実施形態の文脈で説明される、本開示の主題の様々な実施形態、方法、手順、構成要素または特徴は、別個の、もしくは任意の適切な部分的組合せでも提供され得る。
【0029】
本明細書における特徴図面の各々、および各図面のテキスト説明は、本開示の主題の一態様を、説明を明確にするためにだけ、非限定的例として、情報を提供する方法でのみ説明することにも留意すべきである。本開示の主題の教示は、特徴図面のいずれかを参照して説明されるもの、または本出願で参照される他の文書に記載されたものに制約されないことが理解される。
【0030】
これを念頭に置いて、図1Aに注目すると、本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、相対位置決めの一般化した図例を概略的に示している。
【0031】
乗り物105が示されており、例えば、飛行機または他の航空機105である。いくつかの他の例では、それは、船またはボート105などの、水上乗り物である。それは、それと関連付けられているか、またはそれに含まれている、全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機185を有する。GNSS技術およびシステムの例は、全地球測位システム(GPS)、全地球的航法衛星システム(GLONASS)およびGalileoを含む。GNSS受信機185は、GNSS信号をGNSS衛星180から受信するように構成される(説明し易くするために、1つの衛星だけが図示されている)。GNSSシステムは、乗り物105の位置の決定を可能にする。いくつかの例では、乗り物の進行方向、速度等も、例えば、乗り物の移動中に異なる時点におけるGNSS位置を捕捉することにより、決定できる。かかる方法で、乗り物の移動が追跡できる。例えば、航空機がポイントAからポイントBに飛行している場合、その飛行は、複数のウェイポイントを含み得る。いくつかの事例では、飛行機はウェイポイントからウェイポイントへ、例えば、その現在の測定位置を、次のウェイポイントに向かう飛行経路における修正のための基礎として使用することによって、飛行する。GNSSは極めて一般的な位置決めツールである。
【0032】
いくつかの状況では、GNSSサービスは危険に曝されており、正確な位置を提供するために、従って、乗り物の航行を支援するために、もはや信頼できない。GNSS信号は、何らかの方法で邪魔されて、劣化されるか、または別の方法で損なわれる。かかる混乱の例は、GNSS信号(複数可)の電波妨害、遮断、干渉またはスプーフィングの1つ以上、GNSS受信機の誤動作または故障および受信機と関連付けられたGNSSアンテナの誤動作/故障を含む。これらの混乱は、故意/悪意であり得、かつ/または故意ではない。
【0033】
いくつかの例では、陸地の上を飛行しているとき、乗り物の位置は依然として、観測された固定のランドマークに基づいて決定できる。例えば、飛行機がエッフェル塔、建物および/または何らかの他の固定のランドマークを右側に見る場合、その乗り物の相対位置が、例えば、いくつかのかかるランドマークの測定データを三角測量することによって、決定できる。
【0034】
それに対して、大きな水域、例えば、海もしくは大洋、または大きな湖、川もしくは入江を越えて/それらの上を飛んでいるか、または別の方法で移動している事例では、GNSSを欠く場合に乗り物の位置を決定するのを可能にするために、かかる固定のランドマークが存在しない可能性があるか、または十分な数が存在しない可能性がある。
【0035】
加えて、いくつかの事例では、GNSSは海で特に干渉され得る。例えば、敵対的、犯罪的または他の悪意のある船、ボート等は海で意図的に、電波妨害/干渉またはスプーフィング信号を送信し得る。かかる場所では、それらは政府の管轄から離れていて、政府当局によってあまり注意深く監視されないので、これは、海ではよく起こり得る。いくつかの例では、非合法な妨害装置が使用される。いくつかの例では、悪意のある関係者が間違った情報をもつGNSS信号を比較的高出力でブロードキャストし、このようにして、信号をスプーフィングする。かかるサイバー脅威は、例えば、位置および方位/進行方向の誤った決定を引き起こし得る。いくつかの例では、乗り物はGNSS情報が無効であることを知らないことにも留意されたい。かかるGNSS脅威は、海洋または水系環境における航行に対する大きな課題として確認されている。例えば、「GPS Jamming and its impact on maritime navigation」、Dr. Alan Grant、10 May 2010、Research and Radio Navigation、Royal Institute of Navigation、Research and Development-Special Interest Groupを参照。
【0036】
文献「On GNSS Jamming Threat from the Maritime Navigation Perspective」、Daniel Medinaら、IEEE、2019 22th International Conference on Information Fusion(FUSION)、2-5 July 2019は、マルチセンサー融合に基づく緩和技術を開示する:「位置決めに関する電波妨害の影響を緩和する別の方法は、GNSSの情報を他の検知モダリティと融合することである。慣性センサー、ジャイロコンパスおよび速度ログは一般に、海洋航行のタスクにGNSSを伴うためのセンサーである。マルチセンサーシステムの航行ソリューションを推定することは、再帰的ベイズ推定のフレームワーク内で、カルマンフィルタ(KF)を最も広く適用された技術として用いて、実現される。」
【0037】
しかし、慣性航法装置(INS)などのソリューションは、ドリフトに悩まされることに留意すべきである。それらは従って、いくつかの事例では、INS決定された位置に対する修正を可能にするため、および、特に、GNSS妨害がかなりのサイズの面積に広がる場合に、例えば、推測航法を可能にするために、GNSSデータの利用を必要とする。それ故に、INSだけでは、少なくともいくつかの事例では、妨害されたGNSS方法に対する十分な代替ではない。
【0038】
同様に、陸上移動のいくつかの事例では、無線ブロードキャスト源(例えば、AM無線送信機/電波塔から)の三角測量などの方法が、位置決め情報を提供するために使用できる。しかし、水上飛行の少なくともいくつかの事例では、送信機は乗り物から遠く離れていて、かかる位置決めの精度は乗り物の航行ニーズに対して十分でない。
【0039】
前述の理由の少なくとも全てに対して、GNSSベースの位置決めを置き換えるか、または補完するための位置決め方法は、水域を越えて、または水域上の移動の事例である、「海洋(marine)」事例では特に課題である。
【0040】
また、図4に関連して本明細書でさらに開示されるように、警備任務のいくつかの例では、GNSS妨害は、任務を打ち切らせる必要があり、かつ/または任務はそうでなければ失敗する。
【0041】
乗り物105と関連付けられたコンピュータ位置決めシステムが、処理回路を含む、図3Aおよび図3Bを参照して本明細書で開示される。乗り物105の位置確認のコンピュータ化された方法が、図1A図2および図4図8を参照して本明細書で開示され、その方法は、処理回路によって、以下の動作を実行することを含む:
a.少なくとも1つの送信を示す第1の情報を受信する。その送信は、1つ以上の物体と関連付けられる。第1の情報は、物体(複数可)と関連付けられた物体第1位置情報の1つ以上の項目を含む。物体の第1の位置情報の項目(複数可)は、物体(複数可)の絶対位置を示す。
b.物体(複数可)の第2の位置情報を受信する。第2の位置情報は、乗り物105に対する物体(複数可)の、第2の相対的な位置を示す。
c.乗り物の導出された位置を、少なくとも第1の情報および第2の位置情報に基づいて決定する。
【0042】
いくつかの例では、乗り物105はそれ自身の位置を決定しているので、乗り物105のこの導出された位置は本明細書では、乗り物の自己位置とも呼ばれる。従って、本方法は本明細書では、乗り物自己位置決め方法とも呼ばれ得る。
【0043】
乗り物の導出された位置は、乗り物の報告された位置における修正を容易にするために利用することが可能であり、乗り物の報告された位置は、乗り物105と関連付けられた全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機(複数可)によって受信されたGNSS信号(複数可)に基づく。
【0044】
1つ以上の物体は、本明細書でさらに開示される第2の物体からそれらを区別するために、第1の物体とも呼ばれる。
【0045】
いくつかの事例では、送信は、各物体と関連付けられている、送信機179またはトランスポンダ179から受信される。かかるトランスポンダの非限定的例は、図2に関連して開示される、自動船舶識別システム(AIS)トランスポンダ179である。いくつかの例では、乗り物105は、送信を受信するために構成された受信機178、例えば、AIS受信機178を備えているか、または別の方法でそれと関連付けられている。
【0046】
いくつかの事例では、乗り物105は、1つ以上のセンサー177を備えているか、または別の方法でそれと関連付けられており、第2の位置情報はセンサー(複数可)から取得されたセンサーデータに基づく。いくつかの例では、第2の相対位置は、少なくとも物体(複数可)の範囲および物体(複数可)の少なくとも1つの相対角度を含む。かかるセンサー177の1つの非限定的例は、レーダー(RADAR)システムである。かかるセンサーに対して役立ち得る他の技術またはシステムは、敵味方識別(IFF)システム177、および自動従属監視-ブロードキャスト(ADS-B)システム177を含む。
【0047】
第2の位置情報を取得するためのセンサー177の他の実施態様が、図5図7を参照して、さらに開示される。
【0048】
本明細書では、AISとRADARを組み合わせる、乗り物105の位置確認のコンピュータ化システム方法も開示される。
【0049】
上で開示された方法を実行するために構成された、例えば、上で開示されたシステムを利用する、関連ソフトウェア製品も本明細書でさらに開示される。
【0050】
本開示の方法、システムおよびソフトウェア製品は、乗り物の導出された位置と乗り物のGNSS報告された位置との間のずれを判断するのを可能にすることにも留意されたい。いくつかの例では、乗り物は、判断されたずれを示すアラートを送信できる。いくつかの例では、乗り物は、その乗り物の報告された位置を修正するために、修正命令および/またはコマンドを送信できる。いくつかの例では、乗り物は、乗り物の修正済みの報告された位置に基づいて航行できる。いくつかの例では、本方法は、反復して実行されて、それにより修正済みの報告された位置の長期間にわたる追跡を可能にすることにも留意されたい。これらのアラート、命令、コマンド、航行および追跡は本明細書でさらに開示される。
【0051】
従って、本明細書でさらに開示されるように、本開示の主題を使用して取得された、乗り物の導出された位置は少なくとも、飛行機または他の乗り物105による、水域を越えて、もしくは水域上の、改善されて、より堅牢かつ信頼できる航行を容易にするという優位性の例を提供できる。例えば、そのAIS(例えば)情報が信頼できる、十分な数の信用できる船または他の物体がある限り、たとえGPSまたは他のGNSS信号が危険に曝されている/妨害されていても、乗り物105の実際の位置を知ることができる。また、乗り物105の位置の追跡が経時的に実行される事例では、たとえGNSS位置決めソリューションが正しく機能していない場合でも、INSも修正できる。
【0052】
同様に、図4を参照して本明細書でさらに開示される、警備任務の事例では、本開示の方法は、GNSS妨害にも関わらず、任務の継続を可能にできる。
【0053】
いくつかの例では、本開示の方法は、GNSS妨害が検出される場合に実装される。いくつかの他の例では、本開示の方法は、GNSSが良好に機能している場合にも、継続的に実装される。例えば、乗り物の導出された位置とそのGNSS報告された位置との間のずれが定義された閾値を上回る場合、疑わしいGNSS問題のアラートが送信できる。いくつかのかかる事例では、それ以来、GNSS機能が正常に戻っていると判断される時まで、本開示の方法だけが、位置決めのために信頼されるであろう。これについての追加の詳細が本明細書でさらに開示される。
【0054】
説明し易くするためにだけ、図1Aおよび図2Bの方法は、RADAR技術センサーおよびAISトランスポンダブロードキャストの非限定的例に関して開示される。本開示の方法は本明細書では、説明を簡略化するために、「RADAR+AIS方法」および「センサー+AIS方法」とも呼ばれる。
【0055】
多くの飛行機は典型的には、レーダー(RADAR)システムおよび自動船舶識別システム(AIS)受信機などのシステムを保持しないことに留意されたい。本明細書でさらに開示されるように、かかる機器が飛行機に搭載されていて、本開示の方法を実行可能なソフトウェアが追加されていれば、本開示のソリューションが、例えば、GNSS妨害によって引き起こされた位置決めエラーを克服するために、これらの飛行機/乗り物105に提供できる。
【0056】
いくつかの従来技術の実施態様では、AISは、例えば、ウェブサイトhttps://www.marinetraffic.com/に示されるように、海上追跡サービスのため、または警備任務などの用途、もしくは図4を参照して以下で開示される他の用途での使用のために、使用されることに留意されたい。それに対して、本開示の主題では、AISは、航行を容易にするために、乗り物の自己位置決めを可能にするために、飛行機センサーデータと一緒に、利用される。
【0057】
ここで図1Aに戻ると、純粋に説明を簡略化するために、北に移動している、乗り物105が示されている。いくつかの非限定的例では、乗り物105は、水域上を飛行している、航空機、例えば、飛行機、ヘリコプターまたは他の飛行機である。いくつかの例では、航空機105は、哨戒機、例えば、海洋哨戒機(MPA)である。いくつかの例では、航空機105は、無人航空機(UAV)である。
【0058】
飛行機105は、GNSSブロードキャスト184をGNSS衛星(複数可)180から受信する、GNSS受信機185と関連付けられる。説明を簡略化するために、1つの衛星だけが図示されている。飛行機105は、例えば、AIS送信を受信するように構成された、受信機178とさらに関連付けられる(かかる送信については、図1Bを参照して本明細書でさらに開示される)。
【0059】
飛行機105は、センサー177、例えば、RADARとさらに関連付けられる。図の例では、センサーは、1つ以上の物体1、2、3、4、5、6の乗り物105に対する、位置、例えば、距離範囲および角度を示す情報を提供するように構成される。送信されたRADAR信号は、参照173によって示される。センサー(複数可)177は本明細書では、乗り物の位置決め目的のために使用できるデータを収集するので、位置決めセンサー(複数可)177とも呼ばれる。
【0060】
いくつかの例では、物体1~6は、水上乗り物、例えば、船、ボートまたは他の水上船舶を含む。いくつかの例では、これらの水上乗り物は、例えば、海もしくは大洋、または大きな湖、川もしくは入江に位置する。いくつかの例では、物体1~6の1つ以上は、地上車である。いくつかの例では、物体1~6の1つ以上は、定位置物体、例えば、AIS情報を送信する、水域の沿岸上に置かれた電波塔である。
【0061】
センサー177によって検知された物体は、図では四角として示されている。それらは本明細書では、例えば、図1Bの物体からそれらを区別するために、第2の物体とも呼ばれる。
【0062】
少なくともRADARまたは他のセンサー(複数可)に基づいて、乗り物の位置決めシステム(図3を参照して本明細書でさらに開示される)は、物体1、2、3および4が、距離範囲121、122、123、124に対応して位置していると決定する。少なくともRADARまたは他のセンサー(複数可)に基づいて、乗り物の位置決めシステムは、物体1、2、3および4が、例えば、北から測定された、角度A、B、C、Dに対応して位置していると決定する。
【0063】
6つの物体1~6の非限定的例が図に示されている。説明を明確にする目的で、物体5および6に対する角度および距離範囲は図示されていない。
【0064】
距離範囲および角度/方位情報に基づいて、位置決めシステムは、6つの物体は、例えば、乗り物105に対して、XR11、YR11、XR12、YR12、XR13、YR13、XR14、YR14、XR15、YR15、XR16、YR16の、2次元座標にあると決定する。文字XおよびYは、xおよびy座標を示す。文字Rは、座標が、絶対座標ではなく、相対座標であることを示す。11~16の数は、対応して、第2の物体1~6を示す。
【0065】
位置決めシステムは、乗り物105に対する各第2の物体の位置を知っているので、それはそれ故に、逆、すなわち、各物体1~6に対する乗り物の位置を知っていることに留意されたい。乗り物のこの相対位置は本明細書では、XVR11、YVR11~XVR16、YVR16と示されている。命名/番号付け規則は、「V」が、これらは物体1~6の位置ではなく、乗り物105の位置であることを示すことを除いて、物体位置に対して開示されたものと同じである。
【0066】
図1Aは、乗り物105に対する、1つ以上の物体の第2の相対位置を示す、第2のマップ100の非限定的例である。
【0067】
ここで図1Bに注目すると、本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、物体送信の一般化した図例102を概略的に示している。
【0068】
乗り物105の位置決めシステムは、1つ以上の物体191、192、193、195、196、197と関連付けられた、少なくとも1つ以上の送信を示す第1の情報を受信する。一例では、物体191~197は、船舶もしくは他の水上乗り物、または、例えば、沿岸上に位置する固定物であり、例えば、AISトランスポンダ179を備えている。説明を簡略化するために、図に示されている唯一のトランスポンダは、船舶191上のものである。
【0069】
各物体/船/船舶からの送信内の第1の情報は、いくつかの例では、
・物体の物体識別情報の1つ以上の項目。いくつかの例では、この物体ID情報は、MMSI(海上移動業務識別コード)、少なくとも1つの物体の名前(例えば、「The Queen Mary」)、またはその物体のコールサイン、のうちの少なくとも1つを含む。図の例では、トランスポンダ179は、名前Ship 1、Ship 2、Ship 3、Ship 5、Ship 6およびShip 7をそれに応じてブロードキャストする。
・物体と関連付けられた物体第1位置情報の1つ以上の項目。この物体第1位置情報は、いくつかの例では、少なくとも1つの物体の絶対位置を示す。図の例では、トランスポンダ179は、例えば、2次元座標X1、Y1、X2、Y2...X7、Y7を含む、絶対位置(何らかの関連する基準座標系において)をブロードキャストする。いくつかの例では、これらの座標は、経度および緯度である。いくつかの例では、この位置情報は、船/物体1、2により、その関連付けられたGNSS受信機(図には示されていない)を使用して実行されたGNSS測定(例えば、GPS測定)に基づく。
・船の航路に関する情報、例えば、対地針路(COG)
・船の速度、例えば、対地速力(SOG)
・送信のタイムスタンプ
を含む。
【0070】
いくつかの例では、乗り物105は、送信を受信するように構成される、受信機178(図1Aを参照)を含むか、または別の方法でそれと関連付けられる。例えば、詐欺行為が関与しない、通常の状況では、船192~197などの物体によってブロードキャストされたこれらの信号の受信は、乗り物105が、それらの近くにいることを示す。
【0071】
円は、物体192~197が、第1の情報がそれに対して飛行機105によって受信されるものであることを示す。
【0072】
図では、Ship 7 197が破線として示されていることに留意されたい。これは、例えば、2D座標(X7,X7)の、その報告された絶対位置が、他の船舶の大部分の絶対位置から、および恐らくは乗り物105の既知の位置から、かなり遠く離れていることを概略的に示す。1つの非限定的例は、地中海上を飛行している飛行機105であり、地中海地方にある位置(X1,Y1)~(X6,Y6)を受信しているが、一方、位置(X7,Y7)は太平洋の真ん中の位置である。物体197からの送信は従って、地理的に不合理または非論理的である。かかる事例では、受信機178は太平洋からのトランスポンダ送信を受信していないことは明らかであり得、従って、情報「物体ID=Ship 7、第1の位置情報=X7,Y7」の送信は、偽造であるか、またはそうでなければ、例えば、何らかの地元のボートもしくは他の地元の物体によって送信された、詐欺的送信であると乗り物105によって判断され得る。乗り物105はその結果、乗り物の位置を決定する際に197によって送信されたデータを無視し得る。
【0073】
同様に概略的に示されているのは、インターネット190(図では雲状物として概略的に示されている)からの、第1の情報、例えば、AIS更新情報のフィードである。いくつかの例では、乗り物105は、このインターネットフィードを1つ以上の衛星198を介して受信し、1つ以上の衛星198は、インターネットフィードを受信して(199A)そのフィードを飛行機105などの乗り物に中継する(199B)。いくつかの例では、これは、例えば、定期的な更新を受信して、サニティーチェックを行うか、または別の方法でそれらの精度を検証する、https://www.marinetraffic.com/などのウェブサイトから公式に利用可能なインターネットフィードである。
【0074】
一例では、インターネットフィード情報は、様々なトランスポンダ179によって送信された第1の情報の一部が無視されるべきかどうかを決定するために使用できる。例えば、Ship 5 196195が、それが西地中海に位置していると送信するが、インターネットフィードは、Ship 5が実際にはこの2日間、南大西洋にいることを示す場合、乗り物105はいくつかの事例では、この矛盾を考慮して、物体195は実際には詐欺的であること、およびそれは実際にはShip 5ではないと判断するように構成される。乗り物/飛行機はいくつかの例では、次いで、乗り物105の位置を判断する際に、195からのこのAISブロードキャストを無視するように構成される。
【0075】
いくつかの事例では、インターネットフィードは、特定のインターネットサイト等によって実行された分析情報を含むことに留意されたい。1つの非限定的例として、いくつかの事例では、インターネットサイトは、不合理な地理的位置を示すAIS送信をプレフィルタ処理して、かかる船をリストしない。加えて、いくつかの事例では、ウェブサイトhttps://www.marinetraffic.com/などのインターネットソースは、ブロードキャストしている船と関連付けられた追加の情報、例えば、非限定的例として、船のタイプ、船のサイズ(例えば、長さおよび/または船幅)、船の進行(航路)方向、船の速度、船の写真、電送のタイムスタンプ、および航路予報などを、提供する。かかるデータの使用例が、図2を参照して本明細書でさらに開示される。
【0076】
AISブロードキャストは、船舶のタイプ、船の長さ/幅、航路、速度などの、パラメータを含み得るが、いくつかの例では、ある船は、このデータの全部、または少なくとも一部をブロードキャストしないことに留意されたい。かかる事例では、インターネット190フィードは、かかる情報を提供するために、受信されたAIS送信を補完できる。
【0077】
いくつかの例では、物体ID情報の位置決めシステムによる受信は要求されないことに留意されたい。しかし、領域内の全ての船が十分に信用できないるとは限らない事例では、この情報は、少なくとも一定の利点例を提供する。物体ID情報は、船の1つ以上の信頼度を決定するために利用できる。
【0078】
図1Bは、1つ以上の物体の第1の位置情報の項目(複数可)、例えば、絶対位置情報、を示す、第2のマップ102の非限定的例である。
【0079】
ここで図2に注目すると、本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、マップオーバーレイ200の一般化した図例を概略的に示している。マップ100および102は、他の上に重ね合されたものとして示される。説明を簡略化するために、位置データは、図に示された物体に対してのみ分かっていることが想定される。
【0080】
コンピュータ化されたシステムは、例えば、第1のマップ102上の第1の物体191~197と、第2のマップ100上の第2の物体1~6との間の最良の一致を得るために、マップを操作できる。例えば、AIS 179、190から、およびセンサー/RADAR 177から受信された位置情報と関連付けられた、幾何学的パターンの照合が実行される。いくつかの非限定的例では、マップは、「最良適合」を得るために重ね合され、その場合、各マップからの最大可能数の物体が、他のマップ上の対応する物体に位置が近い。図は1つのかかる結果を示す。
【0081】
図において、物体1および191が同じ位置にあること、物体5および195が同じ位置にあること、ならびに物体6および196が同じ位置にあることが見られる。これは、対応する円および四角の完全または略完全なオーバーラップによって示されている。より一般的には、物体2および192が距離220内で同じ位置にあること、ならびに物体3および193が距離230内で同じ位置にあることが見られる。これらの距離220および230が、定義された許容範囲内である、例えば、差が定義された閾値未満である場合、例えば、2および192の位置は、同じであると見なされる。それ故に、第1の物体192と関連付けられた物体第1位置情報の項目および第2の物体2の物体相対第2位置は、同じ位置を示していると考えられる。これは本明細書では、第2の物体2の、物体第2相対位置の、第1の物体192と関連付けられた、第1の情報内に含まれる、物体第1位置情報の項目(複数可)との第1の照合とも呼ばれる。第1の照合は、いくつかの実施態様では、第1のマップ102と第2のマップ100の比較を含む。
【0082】
定義された許容範囲は、飛行機105およびその周辺の船舶/船/物体の特定の状況の関数であることに留意されたい。いくつかの例では、定義された許容範囲は、1~50メートル(m)の値を有する。いくつかの例では、定義された許容範囲は、50~500メートルの値を有する。いくつかの例では、定義された許容範囲は、0.5~1キロメートル(km)の値を有する。
【0083】
例えば、AISおよびRADARを介して受信された物体位置情報が、例えば、その地域内に比較的少ない船舶があること、およびそれらは互いに比較的遠く離れていることを示す場合、1kmの距離220、230は、2と192が同じ位置であると考えるのに十分であり得る。かかる条件は、船およびボートの交通量が疎らな、主要な交通路および航路から離れた、大洋の比較的「空いている(empty)」部分に適用され得る。
【0084】
他方、例えば、AISおよびRADARを介して受信された物体位置情報が、海に比較的多くの船舶があること、およびそれらは互いに比較的近いことを示している場合、2と192が同じ位置であると考えるために、例えば、50mのより短い距離220、230が要求され得る。かかる条件は、船およびボートの交通量が多くて密な場所、例えば、主要な交通路および航路内、ならびに/または混雑した港の近く、もしくは船が互いに比較的近接しているに違いない海峡もしくは運河などの狭い領域内の、水域の比較的「密集した」/「混雑した」部分に適用され得る。
【0085】
いくつかの例では、この定義された許容範囲の値は構成可能である。いくつかの例では、これらの値は、各許容値または値の範囲を使用するための条件と一緒に、乗り物105と関連付けられた、データストア(図3Bを参照して本明細書でさらに開示される)内に格納される。
【0086】
いくつかの例では、物体位置の第1の照合は、第2の物体(複数可)の絶対位置情報を導出する。例えば、第2の物体3と第1の物体193が実際には同じ位置にあると判定される場合、および第1の物体193の絶対第1位置がX3、Y3である場合、コンピュータ位置決めシステムは、第2の物体3の位置も実際にX3、Y3であると判断できる。同様に、第1の照合は、第2の物体1は、第1の物体191と関連付けられた絶対位置X1、Y1を有するという決定をもたらし得る。かかる方法で、いくつかの事例では、一致した第1の位置の全ての絶対位置は、第1の照合によって決定できる。
【0087】
本明細書で第2の照合とも呼ばれる、別の照合が実行できる。それらの位置が一致する物体は、一致物体と判断できる。例えば、本システムは、それらそれぞれの位置は第1の一致を有するので、物体5は実際に物体195と同じであると判断できる。例えば、物体195が、それと関連付けられたAIS情報に基づいて、「Ship 5」である場合、第2の照合は、RADARを介して検出された、物体5は-RADAR検出と関連付けられたIDがないという事実にもかかわらず-実際にShip 5であると決定できる。すなわち、一致した第2の物体の物体識別情報は、対応する第1の物体と関連付けられる。それ故に、各一致した第2の物体1、2、5は、対応する物体(第1の物体とも呼ばれる)191、192、195を構成するように設定できる。
【0088】
図では、物体4と197は一致していないことに留意されたい。図1Bを参照して上で示したように、物体197は、乗り物105および他の物体から不合理に遠く離れた位置をブロードキャストし、その情報は無視されて、それは、照合またはマップオーバーレイにおいて考慮されない。別の例では、物体197は、そのブロードキャストされた絶対位置情報が、インターネットフィード199Bを介して受信された「Ship 7」に対する位置と矛盾している、例えば、2つの位置が最大許容量、例えば、閾値差(それは、いくつかの例では、例えば、データストア内に格納された、構成可能な値である)を上回って異なるために、無視される。
【0089】
物体4は、乗り物のセンサー177、例えば、RADARによって検出されたが、4の位置に対応する物体第1位置情報と共に受信されたAIS情報がない。それ故に、物体4は、いくつかの例では、乗り物105の関連付けられた位置決めシステムにより、疑わしい-例えば、密輸業者、犯罪者の船舶、違法操業を行っている漁船、または何らかの他の違法船舶-物理的には水上に存在するが、例えば、検出を逃れようとして、AIS送信をブロードキャストしないことを選択している船舶、と考えられる。これの別の例は、AISをブロードキャストしない難民ボートである。AISをブロードキャストしない他の事例が存在することに留意されたい。これには、少なくとも一定の軍用艦、規則によりAISをブロードキャストする必要のない船舶、および船のAIS機器が正常に機能していない事例を含む。
【0090】
物体4を疑わしい物体として恐らくはラベル付けすることに加えて、位置決めシステムは、乗り物105の位置を決定する際に、それを考慮しない。
【0091】
いくつかの例では、乗り物105の導出された絶対位置は、少なくとも対応する物体(複数可)193の絶対位置情報X3、Y3および物体(複数可)3の第2の相対位置(複数可)XR13、YR13に基づいて、決定できる。物体3および193を例にとると、それらは第2の照合が行われて、それらは同じ物体であると判断される。飛行機105の絶対位置は、概念的に(ベクトル演算を使用して):
(Xv-abs-3,Yv-abs-3)=(X3,Y3)-(XR13,YR13)
=(X3,Y3)+(XVR13,YVR13)(1)
であると決定できる。
【0092】
この式では、「v-abs」は乗り物105の絶対位置を指し、「3」は物体3、193に基づいて計算された乗り物位置を指す。
【0093】
上で示したように、2などの第2の物体の相対位置X12、R12は、範囲122および角度Bを使用して決定できることを思い出されたい。
【0094】
飛行機105の絶対位置を、例えば、マップオーバーレイ200に基づいて決定する場合、いくつかの検討事項が考えられる。いくつかの例では、どの船が乗り物位置決めタスクのために使用されるべきかを判断するのを支援するために、位置決めシステムは、例えば、その船によってブロードキャストされたAISデータの信頼性もしくは信用性を示す、品質測定基準もしくはスコアと各々が関連付けられた、様々な船舶識別のデータベースまたはリストを保持する。1つの非限定的例では、測定基準は、その物体がどのくらい周知であり信頼できるかに少なくとも部分的に基づく。一例では、周知の遠洋航路船は、10の測定基準を有しており、極めて明確に定義された定期航路をもつ石油タンカーは、8または9の測定基準を受け取り、小さな漁船(または事前に分かっていない他の船)は1または2の測定基準を有する、等。同様に、いくつかの例では、AIS情報と一致しない、物体4などの物体は、いかなる状況においても計算のために使用されず、その物体は0の測定基準を割り当てられる。
【0095】
いくつかの事例では、本システムは、各船舶に対する船舶タイプを事前に知らない、すなわち、データおよび関連付けられた品質データがその船舶に対して事前に格納されていないことにも留意されたい。いくつかのかかる例では、本システムは、AIS送信内、および/またはインターネット190フィード内で提供される「船舶タイプ」情報(例えば、「石油タンカー」)を利用する。
【0096】
品質測定基準は本明細書では、識別品質測定基準とも呼ばれる。
【0097】
いくつかの例では、識別品質測定基準は、1つの物体の物体第1位置情報の対応する項目と関連付けられた地理的妥当性のレベルに少なくとも部分的基づく。上で示された、一例として、Ship 7 197は、飛行機105が地中海上を飛行している間に、それは太平洋にいるとブロードキャストするので、地理的妥当性の「重度」または深刻な欠如があり、その品質スコアは、物体197が無視されるように、0に設定され得る。別の例として、Ship 7 197が、地中海にいるとブロードキャストするが、他方、インターネットフィードは、それを、現在、北極海を航行しているとして経時的に追跡している場合、再度、重度の地理的不合理があり、その品質スコアは、物体197が無視されるように、0に設定され得る。
【0098】
さらに別の例では、位置決めシステムと関連付けられたデータストアは、Oil Tanker 2などの船の既知の定期航路を格納する。Tanker 2が、それが周知の航路から数百km離れているか、もしくはいくつかの事例では、数十km離れているとブロードキャストする場合、および/またはRADARデータが標準航路からの逸脱を検出する場合、Tanker 2と関連付けられた品質測定基準は、より低いレベルの信頼度を示すために、例えば、8から、例えば、5もしくは6に、すなわち、ブロードキャストしている物体が本当にTanker 2であることの確実性の比較的低いレベルもしくは信頼度を示すものに、引き下げることができる。
【0099】
前述の評価システムは、説明目的だけのために、非限定的例として提示される。
【0100】
一旦、第1の物体の1つ以上に対して品質測定基準が決定されると、いくつかの例では、位置決め方法がそれらを利用できる。一例では、1つの物体193は、極めて信頼できる(例えば、品質測定基準=10)ことが分かっている。相対位置XR13、YR13が測定されている場合、物体193は選択できて、決定のために単独で使用できる。この例は、物体193は、それがQueen Elizabethなどの周知の遠洋航路船であるとブロードキャストして、インターネットフィードがこの情報を確認することである。物体193の真実性を疑う理由がほとんどないので、本システムは、式(1)を適用でき、結果として、飛行機105の位置を1つの船からのAIS情報だけに基づいて決定できる。
【0101】
別の例では、本システムは、乗り物105の導出された位置を決定する際に利用されるべき複数の物体192、193、195を選択する。いくつかの例では、その選択は、少なくとも品質測定基準に基づく。かかる場合、より高い品質測定基準を持つこれらの物体は、計算において使用されるための優先度を有しており、低い品質測定基準の物体は、利用可能な高い品質(すなわち、高い信頼性)の船/物体が十分にない場合に限り、使用される。いくつかの他の例では、品質測定基準は、使用のための閾値である。すなわち、いくつかの事例では、9を下回る測定基準を持つ船は、たとえ、もっと信用できる船が付近になくても、全く使用されない。かかる事例では、飛行機は、本明細書でさらに実例が示されるように、より高い品質測定基準の船を探そうとして、その高度を上げ、かつ/または別の地域に移動し得る。
【0102】
前述の例は、乗り物105の位置の計算においてどの船/物体を使用すべきかの選択の非限定的例である。
【0103】
ここで、位置決めが、1つまたは2つの船だけを使用して実行される他の事例があることに留意すべきである。例えば、飛行機105は、大洋のほとんど何もない領域上を飛行していて、1つの船193、3だけが検出されてAIS送信を伝送する。他の選択肢がないので、単一の船193、3が飛行機の位置計算のために使用される。
【0104】
いくつかの他の例では、それに対して、飛行機/乗り物105の位置Xv-abs、Yv-absの導出は、複数の船/船舶/物体1、2、3、191、192、193を利用し、1つの船だけではない。図2の例では、各物体は、乗り物の位置を決定するために別々に使用できる。例えば、前述の式(1)は、計算された値(Xv-abs-3,Yv-abs-3)を提供できる。物体2、192に基づく、別の計算された値(Xv-abs-2,Yv-abs-2)は、(1)に類似した式であるが、(X2,Y2)および(XR12,YR12)に基づくものを使用できる。類似の方法で、図の例では、飛行機105の位置の絶対値が、船舶1、2、3、5、6の各々に基づいて決定できる。
【0105】
いくつかの例では、導出された乗り物105の位置の最終値Xv-abs、Yv-absは、各船/物体1、2、3、5、6に基づいて決定された、値(Xv-abs-2,Yv-abs-2)、(Xv-abs-3,Yv-abs-3)等に基づいて計算される。1つの非限定的例では、複数の決定された乗り物位置の値の平均化が実行される。いくつかの例では、複数の測定およびデータ点に基づく値のかかる平均化は、乗り物105の位置のより正確な最終値を提供できる。
【0106】
いくつかの他の例では、重みの印加は、物体の全部を位置計算に対して均等に寄与していると考える単純な平均化よりも、位置のより正確な最終値を提供できる。いくつかのかかる例では、重み付けが、各計算された位置(Xv-abs-3,Yv-abs-3)等に割り当てられて、導出された位置の最終値は、例えば、加重平均を使用して、重み付けされた位置に基づいて決定される。いくつかの例では、各位置計算と関連付けられた重み付けは、各物体1、2、3と関連付けられた物体の重みに基づく。いくつかの例では、物体の重みは、その物体に対して決定された品質測定基準に基づいて物体に割り当てられる。従って、例えば、遠洋航路船のデータに基づいて導出された位置は、最終値Xv-abs、Yv-absを決定するとき、小さな漁船に基づいて導出された位置よりも高く重み付けされる。
【0107】
いくつかの例では、優先度と重み付けの組合せが使用される。例えば、30隻の船が、RADARを使用して検出されて、関連付けられたAIS送信も有する。しかし、30隻のうちの5隻だけが、品質測定基準および特定の計算シナリオの必要性に基づいて、計算における使用のために選択される。これら5隻の船の各々は、関連付けられたそれぞれの物体重みを有しており、導出された位置は、5つの対応する重み付け位置計算に基づく。
【0108】
船1、2、3、5、6のセットの複数のサブセットの使用に基づく、飛行機105の位置計算の別の実施態様例が、図8を参照して、本明細書でさらに開示される。
【0109】
いくつかの例では、飛行機が、十分な数の船を「見る」こと(すなわち、センサーで検出することが可能であること、および関連する十分なAIS情報を受信すること)が望ましい。これは、一定のAIS情報のスプーフィング、および船192のAISトランスポンダ179に、例えば、誤ったGPS読取りに基づくGPSベースの位置を送信させ得る、考えられるGNSS妨害(スプーフィング、電波妨害など)に対して脆弱にならないために行われ得る。
【0110】
いくつかの例では、例えば、スプーフィングまたは電波妨害に起因したGNSS妨害の領域は、乗り物105がAIS送信をそこから受信できる領域より小さいサイズであることに留意されたい。一例では、GNSS妨害は、最大で数キロメートル(km)までの領域をカバーし、他方、比較的高い高度で飛行している、飛行機は、例えば、数10km、例えば、最大で約100km半径までの距離からAIS送信を受信できる。従って、十分な数の船からのAIS送信が受信される場合、これらの船のいくつかは、例えば、GNSSスプーフィングに起因して誤った位置を送信しているか、または、例えば、GNSS電波妨害に起因して位置情報なしで送信しているという事実にもかかわらず、乗り物は、統計的方法を使用して、その正しい自己位置を導出できる。
【0111】
いくつかの事例では、「外れ値」船によってブロードキャストされた位置情報は、計算から除外される。例えば、22隻の船からの送信に基づいて、乗り物の位置が、数百メートルの範囲内で、X9,Y9として決定され、他方、3隻の他の船は、X9,Y9から30km離れている乗り物の位置となり得る送信を提供する。これら3隻の船は、計算に対して、無視される。
【0112】
例えば、ウェブページhttps://safety4sea.com/areas-with-rising-gps-interference-and-jamming-incidents/に示されるように、GPS干渉が分かっていて予期される事例では、本システムは、位置計算で使用のために多数のAIS送信を選択するように構成でき、GNSS干渉の事前予想のない領域内を飛行している場合に少数の送信が必要とされるのと比べて、この多数を見つけるために、必要なら、高度を上げるように構成できることにも留意されたい。いくつかの例では、本システムは、問題領域のデータベース/リストを格納し、かつ/または問題領域のリストに対する更新のフィードを取得して、この情報に基づき多数のAIS送信を選択する。
【0113】
実施態様オプションのいくつかの追加例の開示が本明細書で提供される。
【0114】
RADAR 389の使用のいくつかの例では、ブリップが検出されると、ブリップをもっと大きな画像として検出するため、およびそのサイズを推定可能にするために、RADAR開口角を変えることができる。結果として、例えば、物体2が小さなヨットであるか、または遠洋航路船であるかどうかを区別できる。この情報は、RADAR検出された物体2の、191、192などのAISブロードキャストしている物体との第1の照合を実行する際に利用できる。サイズ情報がAISブロードキャスト内で提供されなかった場合、それは時として、インターネット190フィードによって提供され得ることに留意されたい。RADAR決定されたサイズは、AISとRADARデータを照合しようとして、AIS提供されたサイズと比較できる。
【0115】
例えば、図5および図6を参照して開示される、いくつかの他の例では、位置決めシステムは、カメラまたは他の画像センサーと共に構成されることに留意されたい。いくつかのかかる事例では、本システムは、インターネット190フィードで提供された、船の写真を利用できる。画像処理は、捕捉された画像を、AISデータと関連付けられた船の受信された写真と比較しようとして、捕捉された画像に関して実行できる。いくつかの例では、画像比較は機械学習を利用する。
【0116】
例えば、図2を参照して開示されるような、第1の照合のいくつかの他の例では、飛行機105の位置の決定において、幾何学的パターンまたは形成の照合が使用される。これは、地理的位置決めの一例である。例えば、本システムは、特定のシナリオに対して、飛行機をShip 3、信頼できる遠洋航路船に基づいて位置決めするように構成される。AISは、その位置が概略で、一定の寸法の二等辺三角形を、頂点が西を指して形成する、3隻の船を報告する。このAIS情報内で最も西の船はShip 3である。RADARパターンも、類似のサイズの、頂点が西を指した、二等辺三角形を示す。位置決めシステム310は従って、2つの三角形が一致していること、およびそれ故に、これらのRADAR検出された物体の最西はShip 3であることが分かる。本システムはその結果、Ship 3を乗り物自己位置決めのために使用できる。いくつかの事例では、RADAR 389は次いで、その位置を正確に判断して、そのサイズを確認するために、Ship 3に焦点を合わせる。
【0117】
三角形は、幾何学的パターンの非限定的例に過ぎない。別の図示例では、AISおよびRADARデータは両方とも、5隻の船の「船団」を特定の隊形で、おおよそ列を成して、または一直線で示し、列内の第2の船は、信頼できるShip 3である。
【0118】
幾何学的パターンを使用して地理的位置決めを実行することは、いくつかの例では、たとえRADARが、例えば、物体のサイズを決定できず、それ故に、物体の識別を支援するために物体のサイズを使用できない事例においてさえ、AISとRADARデータの照合を可能にすることに留意されたい。一例では、飛行機105上の特定のRADAR 389は、遠洋航路船Ship 3をRADARブリップのサイズに基づいて識別することは可能ではない。しかし、地理的位置決めを使用すると、本システムは、三角形の頂点にあるブリップがShip 3であることを、AISベースの位置の三角形における船の位置との比較によって、決定することが可能である。
【0119】
いくつかの例では、予期される船を検出しようとして(例えば、AISによってX3、Y3に位置していると報告されるShip 3)、さらに遠くを見るために、RADARは、比較的狭い開口角に設定される。一旦、船が検出されると、位置決めシステム310は、それが、何らかの他の近くの物体ではなく、本当にShip 3であると検証することを欲し得る。従って、任意の考えられる近くの物体を検出して、どれがShip 3であるかの決定を支援するために、RADAR角度は、より広い視野を見るように、大きくできる。別の選択肢は、代わりに、または追加として、元々見られていた領域の幾分左/右の領域を見て、追加のデータを集めるために、RADARの方位を回転させることである。
【0120】
いくつかの例では、本システムは、収集されたデータの量を増やして、決定を改善するために、複数の開口角を使用して特定の領域をスキャンするように構成されることに留意されたい。
【0121】
いくつかの例では、追加の照合は、幾何学的形成もしくはパターンの照合を、補完できるか、またはいくつかの事例では、その代わりに使用できることに留意されたい。1つの図示例では、AISデータは、各辺の長さが5kmに等しくて、頂点を西に向けた、1つの正三角形を示している。しかし、RADARデータは、2つのかかる三角形を示しており、本システムは、どちらが実際にAISデータに一致するかを決定する必要がある。AISデータ(トランスポンダ179送信を介した、および/またはインターネット190フィードを介した)が船の方位データ、例えば、船の航路、を含む場合、本システムは、センサーによって、およびAISによって提供された、このデータを、照合しようとし得る。この例を継続すると、AISは、三角形パターン内の全ての3隻の船が北に向かっていることを示している。RADARデータは、1つの三角形では、3つの物体が本当に全て北に向かっているが、第2の三角形では、1つが東に向かっていて、2つが南西に向かっていることを示している。本システムは、第2の三角形の、およびAISベースの三角形の船と関連付けられた方位は、十分に似通っていないと(例えば、一定数の程度の閾値パラメータを使用して)判断する。本システムは、第2の三角形を照合に対する候補として除外して、第1の三角形が、AISベースの幾何学的パターンに一致するものであると判断する。
【0122】
同様に、AISデータ(トランスポンダ179送信を介した、および/またはインターネット190フィードを介した)が船の速度データを含む場合、AISとRADARデータとの間の照合も少なくとも部分的に速度に基づいて実行できる。1つの図示例では、AISは、30ノットで移動している船を示しているが、その付近の船に対するRADARデータは、その船はわずか10ノットで移動していることを示している。本システムは、2つの速度が十分に近くない(例えば、閾値パラメータを使用して)こと、従って、これらの2つの船は相互に一致しないと判断する。
【0123】
速度および方位に少なくとも部分的に基づく、AISとRADARデータの照合は、幾何学的パターン/形成だけでなく、個々の船に関しても実行できることにも留意されたい。
【0124】
これらの例では、幾何学的パターン/形成は、本明細書ではアンカー空間パターンまたはアンカー空間形成とも呼ばれる。例えば、AISを介して分かっている船の位置を表す、これらのパターン上の点は、本明細書では標点(reference point)とも呼ばれる。AIS情報は、RADARによって検出された物体の絶対位置の決定に関して、各かかる船を、例えば、RADARによって取得された写真のジオリファレンスのための、標点として機能させることができる。このジオリファレンスは、いくつかの例では、2つの技術を使用して取得された幾何学的パターンの一致に基づくRADARおよびAIS点の地理的位置決めに基づく。
【0125】
いくつかの例では、AISタイムスタンプ情報が、照合プロセスで利用できることにも留意されたい。この事例では、AISデータ(トランスポンダ179送信を介した、および/またはインターネット190フィードを介した)は、船の送信のタイムスタンプを含む。1つの図示例では、RADARは、X9、Y9に物体2を示す。AIS情報は、その位置の近くに物体を示していないが、船192を幾分さらに遠く離れた位置X10、Y10で示す。しかし、AIS情報は10分古い。例えば、AIS情報が船192の方位および速度も含む場合、位置決めシステムは、10分後の今、船192が、X10、Y10から、定義された許容範囲内で、X9、Y9に近い、新しい位置に移動しているはずであるということを、十分に高い確率で推定できる。本システムは従って、RADARとAISの物体が一致すると判断する。
【0126】
いくつかの例では、AIS航路予報情報が照合プロセスで利用できることにも留意されたい。この事例では、例えば、インターネット190フィードを介した、AISデータは、船の航路予報を含む。例えば、ウェブサイトhttps://www.marinetraffic.com/で、かかる情報を参照のこと。1つの図示例では、RADARは、X9、Y9に物体2を示す。AIS情報は、その位置の近くに物体を示していないが、幾分さらに遠く離れた位置X10、Y10に船192を示す。AIS情報のタイムスタンプは10分前である。その例では、AIS情報は航路予報を含む。航路予報に基づき、予報された航路では、この船は10分前から、おおよそX9、Y9に移動することが十分に高い確率で判断される。本システムは、RADARとAISの物体が一致すると判断する。
【0127】
いくつかの例では、位置決め方法は、このAIS情報の一部もしくは全部、および/または上で開示されていない他のAIS情報を、任意の組合せで、利用することにも留意されたい。各情報は、AIS「マップ」102上の第1の点193、およびセンサー「マップ」100上の第2の点3が、実際には同じ位置における同じ船であるという確率を高めるか、または低下させ得る。
【0128】
図2は、第1のマップ102および第2のマップ100の比較に基づいて、第1および第2の位置情報を照合し、第1および第2の物体を照合するための、マップオーバーレイの非限定的例を示すことに留意されたい。他の例、他の方法、例えば、それ自体が既知である数学的方法が、この目的のために利用できる。
【0129】
位置決めが1つの信頼できる物体1、191だけに基づいて実行されるいくつかの例では、マップオーバーレイ方法は必要ないことにも留意されたい。
【0130】
上で示されたとおり、いくつかの例では、図1図2を参照して開示された方法を使用して決定された、飛行機105の導出された位置が、例えば、GNSS受信機185によって報告された位置と比較される。差が、予め定義された量より大きい、例えば、定義された閾値を上回る場合、GNSS問題があると判断でき、飛行機の報告された位置Xv-rep、Yv-repが、導出された位置に基づいて、修正できる。飛行機105は今や、GNSS問題にもかかわらず、その正しい位置が分かっている。航行は、いくつかの事例では、この修正された位置に基づく。
【0131】
いくつかの例では、位置決めシステムの処理回路は、図1図2を参照して開示される方法の1つ以上の反復を実行するように構成されることにも留意されたい。例えば、毎秒、数秒、または数分の1秒毎に、プロセスが反復できる。これは、いくつかの事例では、修正済みの報告された位置の追跡を可能にでき、それにより、例えば、改善された航行を可能にする。例えば、時間T1における正しい位置が、GNSSおよび/または本開示の主題に基づいて、決定されている場合、位置決めシステムは、10秒後に、飛行機が直近の10秒で50km飛行したことを示す位置決定を、かかる状況は不合理であるので、受け入れない。すなわち、乗り物の現在位置の決定は、かかる事例では、乗り物の以前に決定された位置(複数可)に少なくとも部分的に基づく。
【0132】
いくつかの例では、乗り物105の移動経路は、事前に計画されるか、または第1の情報、例えば、AIS情報に基づいて、例えば、リアルタイムもしくは準リアルタイムで、変更される。いくつかの例では、これらは、図3Bを参照して以下で開示される経路計画/最適化モジュール331によって実行される。いくつかの例では、これは、自動化されたやり方で実行される。
【0133】
一例では、ウェイポイントの選択を含む、初期飛行経路は、1つの考慮すべき事項として、たとえ考えられるGNSS妨害に直面していても、航行がこの経路上で確実な方法で実行できるかどうかという、特定の経路の「航行可能性」を取り上げる。例えば、モジュール331は、AIS情報のインターネット190フィード更新、ならびに/または、例えば、比較的一定で周知の航路をもつタンカーおよび他の船の既知の履歴経路に関する情報を受信する。そのモジュールは、例えば、所望の品質測定基準を有する船/物体191によって関連付けられた、十分な密度のAIS送信機179がある領域上を通過するように、経路を構築する。かかる方法で、飛行経路は、その経路が信頼できるAIS送信機の付近を通過し、従って、乗り物105の自己位置決めは、たとえGNSS妨害があっても可能であるという点において、最適化される。
【0134】
別の例では、モジュール331は、リアルタイムまたは準リアルタイムで、乗り物105の飛行中に、経路の再計算および経路の修正を実行する。AIS受信機178が、付近に、および/または乗り物が移動する予定である領域内に、不十分な数の船もしくは不十分な数の信用できる船を示す、AIS情報を受信する場合、モジュールは受信されたAIS情報に注目し得、必要な数および品質のAIS送信の付近を移動する、より良いAIS「カバレージ」を提供することが期待される、新しいウェイポイントを持つ、新しい経路を計画または決定し得る。かかる経路変更は、いくつかの事例では、それは、考えられるGNSS妨害に直面しても信頼できる航行の可能性を容易に向上できるという点において、さらに最適化されたものである。いくつかの例では、モジュールは、AISデータのインターネット190更新も(または代わりに)考慮することに留意されたい。この経路修正のさらなる開示は、図8のブロック822、824および826を参照して本明細書でさらに提供される。
【0135】
一例では、初期飛行経路計画、および/または乗り物の移動中の経路の再計算は、GNSS妨害の既知の、または予期される領域に関する勧告/アラートを利用する。例えば、ウェブページhttps://safety4sea.com/areas-with-rising-gps-interference-and-jamming-incidents/を参照のこと。本システムは、この勧告情報を受信して、いくつかの事例では、それを将来の参照のために格納するように構成できる。経路計画モジュール331は、特にこれら既知の領域に焦点を合わせて、問題のあるGNSSで知られている、少なくともそれらの領域では、経路が、必要な数および品質のAIS送信の付近を通過するように、経路を計画するように構成できる。
【0136】
別の例では、初期飛行経路計画、および/または乗り物の移動中の経路の再計算は、経路予報情報を利用する。この事例では、例えば、インターネット190フィードを介した、AISデータは、船の航路予報を含む。例えば、ウェブサイトhttps://www.marinetraffic.com/で、かかる情報を参照のこと。経路計画は、アンカーとして機能する船の現在のAISベースの位置だけでなく、その船の航路予報に基づく将来の推定される位置も考慮できる。
【0137】
モジュール331は、経路を計画および/または修正する場合に、これらの情報源の一部または全部、および考慮事項を使用できることに留意されたい。
【0138】
図3A図3Bは、この位置確認方法を実装するための典型的なシステムアーキテクチャ例を以下で開示する。図1A図2および図4図8は、飛行機/乗り物105の位置Xv-abs、Yv-absを決定するための技術例を以下で示す。図8A図8Dは、コンピュータ位置決め方法の詳細なフロー例を以下で提供する。
【0139】
ここで図3Aに注目すると、本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、乗り物位置決めソリューション300の一般化した概略図例を示している。図3Aを参照して開示されて、図3Bを参照してここでさらに開示される構成要素は、いくつかの例では、図1~2を参照して、およびここでさらに図4図8を参照して開示される位置決め/位置確認動作および方法を実行するために使用できる。
【0140】
いくつかの例では、乗り物105、例えば、航空機または他の飛行機、例えば、UAVは、人間のオペレータ391と関連付けられて、人間のオペレータ391によって使用される、ユーザーインタフェース(UI)392を含む。人間のオペレータ391の例は、パイロット、副操縦士または航空士などの、飛行機の乗組員を含む。他の例では、UI 392および人間のオペレータ391は、乗り物105の外部に、例えば、地上局(図示せず)に、例えば、外部システム395によって乗り物105に接続されたものに、位置する。
【0141】
いくつかの例では、乗り物105は、コンピュータ位置決めシステム310を含む。いくつかの例では、このシステムは、図1図2図4図8の方法の1つ以上を実行する。システム310の非限定的例の概略図が図3Bを参照してここでさらに開示される。
【0142】
いくつかの例では、乗り物105は、ナビゲーション/誘導システム360を含む。いくつかの例では、このシステムはナビゲートして乗り物105の移動を誘導する。いくつかの例では、システム310および360は、同じシステムの部分であるか、または一方が他方を含むものであることに留意されたい。
【0143】
いくつかの例では、乗り物105は、GNSS受信機185を含む。乗り物105の位置を決定するためのGNSS受信機の機能の例が、図1Aを参照して、開示される。
【0144】
いくつかの例では、乗り物105はRADAR 389を含む。これはセンサー177の一例である。物体1、2の相対位置を決定するためのRADARの機能の例が、例えば、図1A図2を参照して、開示される。
【0145】
いくつかの例では、乗り物105は、1つ以上の距離計385を含む。これは、センサー177の別の例である。物体1、2の相対位置を決定するための距離計の機能の例が、例えば、図5および図7を参照してさらにここで開示される。
【0146】
いくつかの例では、乗り物105は、1つ以上のカメラまたは他の画像センサー375、377、370を含む。カメラ#1 375およびカメラ#2 377は、いくつかの例では、乗り物の特定の部分に、特定の視野角で、固定した方法で取り付けられた、1つ以上の固定カメラである。カメラ370の特定の例は、その視野角を変更できるように、例えば、ジンバル上に取り付けられたカメラである。物体1、2の相対位置を決定するためのカメラの機能の例が、例えば、図5および図6を参照してさらにここで開示される。
【0147】
いくつかの例では、乗り物105は、受信機178を含む。受信機178は、例えば、図1Aおよび図2を参照して開示された、物体の第1の情報を示す送信を受信するために構成される。いくつかの非限定的例では、受信機はAIS受信機178である。
【0148】
いくつかの例では、乗り物105は、インターネット190との通信199Bのために構成された、インターネットインタフェース388を含む。インタフェース388は、いくつかの事例では、第1の情報の更新、例えば、AISインターネット更新のインターネットフィード199A、199Bの受信を容易にする。図1Bを参照して開示されるように、いくつかの例では、フィードは衛星(複数可)198を利用し、インターネットインタフェース388は、この衛星(複数可)と通信するために構成される。いくつかの例では、インタフェース388は、既知の通信インタフェースおよび技術、例えば、当技術分野で既知の、無線技術など、を利用する。インターネットフィードの使用例は、図1B図2を参照して開示される。
【0149】
この図には、説明を簡略化するために示されていない、インターネット190および通信衛星199は、いくつかの事例では、位置決めソリューション300の一部であることに留意されたい。
【0150】
いくつかの例では、乗り物105は、外部インタフェース390を含む。インタフェース390は、乗り物/飛行機105の外部に位置している、1つ以上の外部システム395との単方向または双方向通信397のために構成される。いくつかの例では、インタフェース388は、既知の通信インタフェースおよび技術、例えば、当技術分野で既知の、無線技術など、を利用する。外部システム395および外部インタフェース390の機能例が、図8を参照してさらにここで開示される。例えば、インタフェース390は、アラート、コマンドおよび/または命令を外部システム(複数可)395に送信するために使用できる。
【0151】
いくつかの例では、外部インタフェース390および内部インタフェース388は同じであるか、または代替として、それらは少なくともいくつかの構成要素および技術を共有することに留意されたい。
【0152】
ここで図3Bに注目すると、本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、コンピュータ位置決めシステム310の一般化した概略図例を概略的に示している。図は、図3Aを参照して開示されたコンピュータ位置決めシステム例310の追加の詳細を提供する。
【0153】
いくつかの例では、コンピュータ位置決めシステム310は、コンピュータを含む。それは、非限定的例として、処理回路312を含み得る。この処理回路は、プロセッサ314およびメモリ317を含み得る。この処理回路312は、非限定的例では、持続性コンピュータ可読記憶媒体内に格納されたコンピュータプログラムによる所望の目的に対して特別に構成された、汎用コンピュータ(複数可)であり得る。それらは、コンピュータ可読命令に従っていくつかの機能モジュールを実行するように構成され得る。他の非限定的例では、この処理回路312は、所望の目的のために特別に構築されたコンピュータ(複数可)であり得る。
【0154】
プロセッサ314は、いくつかの例では、少なくとも1つ以上の機能モジュールを含み得る。いくつかの例では、それは、図1図2および図4図8を参照して開示されるものなどの、少なくとも機能を実行し得る。
【0155】
いくつかの例では、プロセッサ314は、センサー入力モジュール322を含む。いくつかの例では、このモジュールは、センサー177、380、385、370、375、377の1つ以上に動作可能に結合される。いくつかの例では、このモジュールは、位置センサーデータを捕捉して、「第2の」船舶/物体1、2、3、4、5、6に関する乗り物105の相対位置の決定において使用されるように構成される。
【0156】
いくつかの例では、プロセッサ314は、送信入力モジュール324を含む。いくつかの例では、このモジュールは、受信機178、例えば、AIS受信機(複数可)178、の1つ以上に動作可能に結合される。従って、いくつかの例では、入力モジュール324は、本明細書ではAIS入力モジュール324とも呼ばれる。いくつかの例では、このモジュールは、「第1の」船舶/物体191、192、193、195、196、197と関連付けられた、第1の情報を、例えば、AISトランスポンダから受信するように構成される。いくつかの例では、この第1の情報は、いくつかの例では、第1の位置情報および物体ID情報を含む。いくつかの例では、このモジュールは、例えば、更新されたAIS情報のインターネットフィードを受信するために、インターネットインタフェース388に結合される。
【0157】
いくつかの例では、プロセッサ314は、物体優先順位付けおよび重み付けモジュール326を含む。いくつかの例では、このモジュールは、品質測定基準を第1の物体192、193に(例えば、それらの識別の信頼性/信用性に基づいて)割り当て、乗り物105の位置計算における各物体の使用のために優先順位を割り当てて、かつ/または、各物体の乗り物位置計算に対する寄与に重みを付けるために使用される、各物体に対する物体重みを割り当てるように構成される。これらの機能の例は、図2および図8を参照して本明細書で開示される。
【0158】
いくつかの例では、プロセッサ314は、マップオーバーレイモジュール330を含み、本明細書では、位置比較モジュール330およびマップ比較モジュール330とも呼ばれる。いくつかの例では、このモジュールは、物体位置の第1の照合を、例えば、物体第1位置情報の項目、および物体相対第2位置(複数可)に基づいて、実行するように構成される。いくつかの例では、このモジュールは、例えば、第2の物体2と第1の物体192との第2の照合も実行する。いくつかの例では、このモジュールは、第1のマップ102および第2のマップ100に対する比較を、例えば、マップオーバーレイを使用して実行する。いくつかの例では、このモジュールはまた、乗り物105の位置の最終値を、例えば、位置計算の重み付けに基づいて、導出する。これらの機能の例は、例えば、図2を参照して本明細書で開示される。
【0159】
いくつかの例では、プロセッサ314は、最終決定モジュール335を含み、本明細書では、集約モジュール335とも呼ばれる。いくつかの例では、このモジュールは、物体1、2、3、191、192、193を複数のサブセットにグループ化し、マップオーバーレイモジュール330に各サブセットに対する位置計算を実行させて、乗り物105の位置Xv-abs、Yv-absの最終値を導出するためにこれらの計算を集約するように構成される。これらの機能の例は、例えば、図8を参照して本明細書で開示される。
【0160】
いくつかの例では、プロセッサ314は、ずれ計算モジュール340を含む。いくつかの例では、このモジュールは、本開示の主題の方法を使用して取得された、導出された乗り物位置、および、例えば、GNSS受信機105から取得された報告された位置のずれを計算するように構成される。これらの機能の例は、図2および図8を参照して本明細書で開示される。
【0161】
いくつかの例では、プロセッサ314は、位置修正モジュール342を含む。いくつかの例では、このモジュールは、十分に大きなずれが決定されている場合、報告された位置Xv-rep、Yv-repを修正するように構成される。これらの機能の例は、例えば、図2および図8を参照して本明細書で開示される。
【0162】
いくつかの例では、プロセッサ314は、アラートモジュール344を含む。いくつかの例では、このモジュールは、導出された位置と報告された位置との間のずれに関して、アラートを送信するように構成される。これらの機能の例は、例えば、図8を参照して本明細書で開示される。
【0163】
いくつかの例では、プロセッサ314は、命令/コマンドモジュール346を含む。いくつかの例では、このモジュールは、例えば、航行を改善するために、報告された位置の修正のための命令、および/またはコマンドを送信するように構成される。これらの機能の例は、例えば、図8を参照して本明細書で開示される。
【0164】
いくつかの例では、プロセッサ314は、位置履歴モジュール333を含む。いくつかの例では、このモジュールは、例えば、第1の情報の送信が継続して受信されているとき、およびセンサー177が継続的に船舶/物体1、2を検出するときに、飛行機/乗り物105の位置を長期間に亘って追跡するように構成される。このモジュールは従って、乗り物105の位置の履歴を保持する。これらの機能の例は、例えば、図2および図8を参照して本明細書で開示される。
【0165】
いくつかの例では、プロセッサ314は、経路計画/最適化モジュール331を含む。いくつかの例では、このモジュールは、送信情報(例えば、AIS)に基づいて経路を計画し、かつ/または乗り物105の飛行/移動中に経路を最適化および再構成するように構成される。いくつかの例では、このモジュールは、自動的かつ自律的な方法で、リアルタイムで機能する。これらの機能の例は、例えば、図2および図8を参照して本明細書で開示される。
【0166】
いくつかの例では、プロセッサ314は、ミッションモジュール348を含む。いくつかの例では、このモジュールは、飛行機/乗り物105に割り当てられる特定の任務を実行するように構成される。1つのかかる非限定的例は、警備任務である。これらの機能の例は、例えば、図4および図8を参照して本明細書で開示される。いくつかの例では、処理回路312のメモリ317は、プロセッサ314によって実行された計算および決定と関連付けられたデータを格納するように構成される。例えば、メモリ317は、受信された第1の情報、測定された相対第2位置、マップおよびマップオーバーレイ、計算された位置、計算された位置のずれ、以前の位置(例えば、追跡目的のため)、GNSSシステムの判断された状態(例えば、機能している、または妨害されている)等、を格納できる。
【0167】
いくつかの例では、コンピュータ位置決めシステム310は、データベースまたは他のデータストレージ319を含む。いくつかの例では、ストレージ319は、メモリ317内に格納されたデータよりも比較的持続するデータを格納する。データストア319内に格納されるデータの例は、船舶に対するID情報、船舶に対する品質測定基準、船舶の重みおよび優先順位、ならびに一定の船舶の既知の航路および/または位置を含む。
【0168】
図3Bの例は、非限定的である。他の例では、ストレージ319とメモリ317との間にデータ記憶の他の区分が存在し得る。例えば、いくつかの例では、マップ100、102がストレージ319内に格納される。いくつかの例では、データストア317は、コンピュータ位置決めシステム310から分離していることにも留意されたい。
【0169】
いくつかの例では、コンピュータ位置決めシステム310の構成要素の一部もしくは全部は、飛行機または他の乗り物105内に含まれる。いくつかの例では、コンピュータ位置決めシステム310の構成要素の少なくとも一部は、少なくとも1つの可動物体に、例えば、外部インタフェース390を介して、動作可能に結合される、1つ以上の外部システム395内に含まれる。例えば、位置の計算の多くは、いくつかの事例では、乗り物の外部で実行できる。
【0170】
図3は、非限定的例として、本開示の主題のある態様を、単に説明を明確にするために、情報を提供する方法で説明する、システムアーキテクチャの概略図のみを示す。本開示の主題の教示は、図3を参照して説明されるものに制約されないことが理解されよう。
【0171】
一定の構成要素だけが、必要に応じて、本開示の主題を例証するために図示されている。図示されていない、他の構成要素および下位構成要素が存在し得る。図3の非限定的例に関して説明されるものなどのシステムは、本明細書で開示される方法の全部、いくつか、または一部を実行可能であり得る。
【0172】
図3の各システム構成要素およびモジュールは、本明細書で定義および説明されるように機能を実行する、適切な装置または複数の装置上で実行される、関連する、ソフトウェア、ハードウェアおよび/またはファームウェアの任意の組合せで構成できる。ハードウェアはデジタルおよび/またはアナログであり得る。
【0173】
各システム構成要素およびモジュールに関して説明されたような、均等および/または修正された機能は、別の方法で統合または分割できる。従って、本開示の主題のいくつかの実施形態では、本システムは、図3に示されるものよりも少ない、多い、修正された、および/もしくは異なる構成要素、モジュールならびに機能を含み得る。これの1つの非限定的例を提供するために、いくつかの例では、ずれ計算モジュール340および位置修正モジュール342が組み合わされる。同様に、いくつかの例では、マップオーバーレイモジュール330および最終決定モジュール335が組み合わされる。同様に、いくつかの例では、インタフェース388および390、またはカメラ370および375もしくは377は同じである。同様に、いくつかの例では、各々が異なる任務を実行するように構成された、別個のミッションモジュール348があり得る。同様に、いくつかの例では、各々異なるタイプのセンサー177をサポートするために、センサー入力モジュール323の別個のインスタンスが存在する。
【0174】
これらの構成要素およびモジュールの1つ以上は、1つの位置に集中できるか、または、関連どおりに、2つ以上の位置にわたって分配および分散できる。
【0175】
図3の各構成要素は、様々なデータおよび電気入力を処理するために独立して、および/または協力して動作するように適合されて、かつ飛行機もしくは他の乗り物105の位置決めに関連した動作を可能にするための、恐らくは分散アーキテクチャにおける、複数の特定の構成要素を表し得る。いくつかの事例では、構成要素の複数のインスタンスが、性能、冗長性および/または可用性の理由のために利用され得る。同様に、いくつかの事例では、構成要素の複数のインスタンスは、機能性または有用性の理由のために利用され得る。例えば、特定の機能の異なる部分が構成要素の異なるインスタンス内に置かれ得る。
【0176】
図3のシステムの様々な構成要素間の通信は、それらが1つの位置に、または1つの物理的構成要素内に完全には配置されるない事例では、任意の信号通信システムまたは通信構成要素、モジュール、プロトコル、ソフトウェア言語および駆動信号によって実現でき、必要に応じて、有線および/または無線にできる。
【0177】
図3を参照して開示されるようなシステムの少なくともいくつかの利点例は明らかである。利用可能な固定の地上ランドマークがない、水域上または、水域を越えて航行する状況では、乗り物105は、船/ボート船舶1、2、191、192をランドマークとして、すなわち、位置決めのためのアンカー点として使用できる。本システムは、乗り物105の航行を支援するために、典型的に使用される、GNSSシステムに対する、バックアップまたは補足または代替位置決めシステムとして使用できる。乗り物の位置の推定は-例えば、そのAIS(例えば)情報が信頼できる、信用できる船舶または他の物体がある限り-GNSS妨害の場合にドリフトしないので、航行はいくつかの事例では、GNSS妨害に対して免疫ができるか、または少なくともGNSSにあまり依存しないようになる。
【0178】
いくつかの例では、例えば、RADAR 389、および/または本明細書でさらに開示される他のセンサー、ならびにAIS受信機178などの受信機を、既存の飛行機105に追加すること、ならびに図3Bに開示されるモジュールなどのソフトウェアを、例えば、ハードウェア/ソフトウェアレトロフィットとして追加することは、既存の飛行機および他の乗り物105においてこの機能を可能にできる。AISは、AIS送信を受信する飛行機/乗り物の位置限定/位置確認/位置決め目的のために設計されていないが、本開示の主題は、かかる位置決め目的のためにかかる技術を使用する方法を提供することに留意されたい。
【0179】
例えば、RADARによって検出されて、例えば、AISをブロードキャストしている船がほとんどない、比較的稀な事例で、かつ十分な数のこれらの船を信頼することができない場合、航行は、十分な数の船が識別されるまで、INS精度に依存し得ることにも留意されたい。いくつかの事例では、3隻の船は、それらが相互に近過ぎない場合、航行にとって十分である。
【0180】
加えて、位置計算のための複数のAIS送信(複数の船による)の使用、および計算時により確実で信用できる船に優先/重み付けも与えることは、計算の精度を高める。
【0181】
また、例えば、既知の方法を使用した、強化(hardened)AISの使用は、例えば、特定の技術の特定のGNSSの使用と比べて、AISの使用を、位置決めのためのさらに信頼できるツールにできる。例えば、送受信機品質が向上しており、GNSS干渉に対して感度が低い、送受信機品質が向上している。いくつかの新しいモデルは、いくつかの事例では、異なる周波数で動作する、いくつかのGNSS技術の信号、例えば、GPSおよびGalileoを受信する。従って、1つの周波数が干渉される場合、位置に関連した信号は依然として捕捉でき、AISトランスポンダは、正しい位置を報告できる。AISの強化能力は、経時的に向上していることに留意されたい。
【0182】
追加として、AISマップのインターネット190からの、または飛行機のAIS受信機178に対する補足としてのインターネットからの、取得は、いくつかの例では、少なくとも次のような方法で、アルゴリズムを改善できる。いくつかの事例では、インターネットは、より良いランドマークとして機能できる、信用できる船の初期フィルタ処理/スクリーニングを提供する。また、インターネットフィードは、船の長期間に亘る追跡に基づくので、不合理な値を除去するのに役立つ。いくつかの事例では、インターネット情報は、リアルタイムに比べて、遅延するが、船/ボートは典型的には、飛行機よりも遥かに低速で移動し、従ってこの遅延は、少なくともいくつかの事例では、位置決め方法に悪影響を及ぼさない。
【0183】
ここで図4に注目すると、本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、警備の一般化した図例400を概略的に示している。図4を参照して開示される警備任務400は、乗り物105により、いくつかの例では、ミッションモジュール348を使用して、実行される任務の1つの非限定的例である。いくつかの例では、この任務は、哨戒機105、例えば、海洋哨戒機によって実行される。いくつかの例では、飛行機105は有人であるが、他では、それは無人、例えば、UAVである。
【0184】
例えば、RADAR 389を使用して、哨戒機は、例えば、半径100マイルの範囲内の、広大な沿岸地域410を探査できる。いくつかの例では、哨戒機105は、第1の情報の送信を受信するために、AIS受信機178などの、受信機も装備している。加えて、いくつかの事例では、飛行機は、AIS更新のインターネット190フィードも受信する(インターネットフィードは、説明を明確にするために、この図には示されていない。GNSS衛星も示されていない)。
【0185】
いくつかの例では、警備任務の目的は、状況認識である。例えば、問題のある、もしくは未知の船または他の海上交通を識別して、恐らくはそれらを調査するために、海/大洋の特定の部分における状況の「写真」を検証するという望み要請がある。警備任務は、AISに関してブロードキャストされて受信された、船/ボートのアサートされた位置だけに依存しないことを目指すが、船の実際の位置の写真も取得することを望む。警備は、AIS位置データを、測定された位置の実際の測定された位置に対して検証する。飛行機は、AISに基づく絶対位置を、RADARブリップに基づく飛行機からの船の相対位置(例えば、範囲と方位)と照合する。ミッションモジュール348は、いくつかの例では、RADARデータおよびAISデータを、状況のRADARおよびAIS「写真」(例えば、マップ)を重ね合わせることによって照合する。
【0186】
自身のAIS IDおよび位置をブロードキャストしないような船4は、いくつかの事例では、疑わしいとラベル付けされる。地理的に不合理な位置をブロードキャストする197などの船もそうである(例えば、大西洋内の船が、大西洋太平洋にいるとブロードキャストする)。インターネットフィードを通して、実際には遠く離れて位置する、船IDをブロードキャストする船も同じである。AISを介して同じIDコードをブロードキャストする2隻の船もそうである等。他の事例では、ブロードキャストしない船舶は、それを行う規制上の要件を有していないか、またはそのAISトランスポンダが単に機能していないことに留意されたい。
【0187】
ミッションモジュール348は、巡視領域410内の船の一部または全部の動きも追跡する。
【0188】
いくつかの事例では、哨戒機は、その疑わしい船を識別しようとして、それに近づいて、それを調査し、恐らくはそれを撮影しようと試みる。他の事例では、哨戒機105、または外部システム395は、別の乗り物、例えば、警察艇(図示せず)に、その疑わしい船、例えば、違法な漁船を調査して接近するように指示し得る。
【0189】
任務の成功は哨戒機105自体の位置が正確であることに基づくことに留意されたい。ミッションモジュール348は、飛行機の位置Xv-abs、Yv-absを知っており、物体1の相対位置XR11、YR11を知っている。それは従って、物体の絶対位置X-abs-11、Y-abs-11を知っており、それを、船1 191によってブロードキャストされたAIS内で受信された絶対位置X1、Y1と照合できる。RADARおよびAIS位置が同じであるか、または定義された許容閾値を下回って異なると仮定すれば、2つの物体は同じであると考えられる。
【0190】
警備任務400に対する、本開示の主題のいくつかの追加の利点例は従って、容易に明らかである。GNSS受信機185を介したGNSSサービスが妨害されるか、または別の方法で危険に曝される場合、位置推定がドラフトし(draft)、飛行機105は最終的にそれ自身の位置を見失うであろう。飛行機はそれ故に、巡視を完了することができない。加えて、それ自身の報告された位置Xv-rep Yv-repが不正確であるので、それがRADARおよびAISデータを使用して作成するマップは不正確であろう。本システムは、かかる事例では、RADARによって検出された物体に絶対位置を割り当てる。この理由からも、任務は失敗であろう。これらの理由の両方のために、任務は中断されて、少なくとも乗り物が、その位置を(例えば、地上ランドマークに基づいて)再計算できる位置に着くまで、達成されない。いくつかの例では、これは、時間および飛行と関連付けられた費用の無駄を引き起こす。いくつかの事例では、任務は、緊急であり、GNSS妨害に起因したその遅延は容認できない。
【0191】
警備任務の事例では、本開示の主題のソリューションは、いくつかの例では、任務が達成されることを確実にできる。図の例では、哨戒機は、AIS受信機およびRADAR、ならびにミッションモジュール348などの、ミッション関連ソフトウェアを有する。本開示の方法は、これらのシステム/機器/センサー/ソフトウェアの全部の再使用を可能にする。RADARおよびAISデータ(いずれにしても捕捉される)を使用してXv-abs、Yv-absを決定するための、いくつかのソフトウェアの追加は、哨戒機がそれ自身の位置を決定するバックアップ方法を有していて、GNSSベースのXv-rep、Yv-repに完全に依存する必要がないことを確実にする。一旦、それが自身の位置を決定できると、たとえ危険に曝されたGNSSに直面していても、それは航行を継続できて、ミッション計算を実行することもできる。マッピングは正しく実行でき、マップ100および102上で検出された、物体/船は、相互に関連付けられ、従って、例えば、疑わしい物体/船の検出を可能にする。いくつかの例では、これは、比較的小さな追加費用で達成できる。
【0192】
警備任務は、例えば、ミッションモジュール348により、飛行機に対して実行された任務の1つの非限定的例である。他の非限定的例は、例えば、救難機(SAR)によって実行される、捜索救助任務、例えば、沖合の掘削基地へ、および掘削基地から移動している、例えば、ヘリコプター隊のフリート追跡および管理のための、沖合のヘリコプター交通のナビゲーションを含む。例えば、ウェブサイトhttp://avionetics.com/airborne_AIS.htmを参照のこと。これらの任務用途の全てにおいて、たとえGNSS妨害の事例においてさえ、ナビゲーションを可能にするために、正確な位置が必要とされる。いくつかの事例では、これは、例えば、ヘリコプターと掘削基地との間、および/または同じ領域内で動作している2機のヘリコプター間の衝突を防ぐことにより、安全性を確実にするために必要である。
【0193】
ここで図5に注目すると、本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、物体検出方法500の一般化した図例を概略的に示している。検出シナリオ500は、図2を参照して開示されたRADARの使用例の代わりに、1つ以上の距離計177、385および1つ以上のカメラ177、370、375、377の使用を例示する。距離計(複数可)385は、物体/船1、2、3、4の距離/範囲121、122、123、124を測定する。カメラ370、375、377は、角度A、B、C、D、例えば、北に対する角度を測定する。図の非限定的例では、固定カメラ375が、一方向を向いて、乗り物105の左舷に取り付けられ、固定カメラ377が、別方向を向いて、乗り物の右舷に取り付けられる。2つのカメラの使用は、非限定的例である。別の例では、例えば、ジンバル上に取り付けられた1つ以上のカメラ370が利用される。カメラは、複数の固定カメラを使用するのではなく、複数の視野角に狙いを定めながら写真を撮ることができる。別の例では、固定カメラとジンバルカメラの組合せが使用される。
【0194】
いくつかの事例では、距離計+カメラ(複数可)のソリューションは、1つの船/物体1、191だけを使用して飛行機105を位置決めできることにも留意されたい。
【0195】
いくつかの例では、距離計385は、比較的短い距離範囲を有しており、従ってかかるソリューションを使用する視野410は、例えば、RADAR 389を使用するものよりも小さいことにも留意されたい。
【0196】
図では、物体5および6は示されていないことに留意されたい。
【0197】
ここで図6に注目すると、本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、物体検出方法600の一般化した図例を概略的に示している。検出シナリオ600は、図2を参照して開示されたRADARの使用例、または図5のソリューションの代わりに、1つ以上のカメラ177、370、375、377の使用を例示する。カメラ370、375、377は、角度A、B、C、例えば、北に対する角度を測定する。図の非限定的例では、固定カメラ375が、一方向を向いて、乗り物105の左舷に取り付けられ、固定カメラ377が、別方向を向いて、乗り物の右舷に取り付けられる。2つのカメラの使用は、非限定的例である。別の例では、例えば、ジンバル上に取り付けられた1つ以上のカメラ370が利用される。他の例では、固定カメラとジンバルカメラの組合せが使用される。図の例では、距離計385は使用されない。
【0198】
角度A、B、Cは、空間610、620、630内に線を描く。これらの線は、点650で交差する。点650はそれ故に、物体1、2、3に対する、乗り物105の相対位置である。例えば、図2で開示されたマップ比較、および物体191、192、193の絶対位置を使用して、角度A、B、Dは、交点650を見つけるために使用できる。
【0199】
図6のカメラベースのソリューションは、いくつかの例では、飛行機105を位置決めするために、複数の物体1、2、3の使用を必要とすることに留意されたい。
【0200】
図は、3本の交差する線の非限定的例を示す。いくつかの他の例では、もっと多いか、またはもっと少ない物体(および従って、角度A/線610)が使用できる。
【0201】
図では、物体4、5および6は示されていないことにも留意されたい。
【0202】
ここで図7に注目すると、本開示の主題のいくつかの実施形態に従った、物体検出方法700の一般化した図例を概略的に示している。検出シナリオ700は、図2を参照して開示されたRADARの使用例、または図5もしくは図6のソリューション例の代わりに、1つ以上の距離計177、385の使用を例示する。距離計385は、物体/船1、2、3までの範囲/距離121、122、123(破線として示されている)を測定する。概念上は、範囲121、122、123は、半径121、122、123の、円710、720、730(一点鎖線)を描く。円は、物体1、2、3を中心とする。かかる事例では、例えば、図2の第1の照合(例えば、マップオーバーレイ)は、その周辺で121、122、123の半径をもつ仮想円が交わる、物体191、192、193を探す。これらの円の交点750は、乗り物105の位置を示しており、従って、絶対位置Xv-abs、Yv-absが決定できる。図の例では、カメラ370、375、377は使用されない。
【0203】
図は、3本の交差する線の非限定的例を示す。いくつかの他の例では、もっと多いか、またはもっと少ない物体(および従って、半径121、122)が使用できる。例えば、2つの物体1、2が使用される場合、円は2つの点で交差することに留意されたい。いくつかのかかる事例では、以前の点/位置の追跡が、どの交点が乗り物105の位置を表すかを決定するために使用できる。
【0204】
図7の距離計ベースのソリューションは、いくつかの例では、飛行機105を位置決めするために、複数の物体1、2、3の使用を必要とすることに留意されたい。
【0205】
いくつかの例では、距離計385は、比較的短い距離範囲を有しており、従ってかかるソリューションを使用する視野410は、例えば、RADAR 389を使用するものよりも小さいことにも留意されたい。
【0206】
図では、物体4、5および6は示されていないことに留意されたい。
【0207】
ここで図8A図8Dに注目すると、本開示の主題のある実施形態に従った、乗り物105の位置決めのための、プロセスまたは方法800のフローの、一般化したフローチャート図の一例を示している。このプロセスは、いくつかの例では、図3を参照して開示されたものなどの、システムによって実行される。
【0208】
フロー例は、図8A上のブロック805から始まる。いくつかの例によれば、ナビゲーション問題が識別される(ブロック805)。いくつかの例では、このブロックは、ナビゲーションシステム360によって実行される。いくつかの例では、この識別は、GNSSサービスの混乱の検出から成る。
【0209】
ブロック805は、いくつかの実施態様においてのみ関連する。いくつかの他の例では、本開示の方法は、継続的に、またGNSSがうまく機能しているときにも、実装される。かかる方法では、本開示の方法を使用して導出された位置は、GNSSがもう信頼できない事例において、既に利用可能である。いくつかの例では、GNSS報告された位置の、例えば、RADARおよびAISデータのマッピングを使用して導出された位置との継続的な比較が、GNSS妨害を、それが生じたときに検出するために使用できる。例えば、2つの位置の間のずれが予め定義された閾値を上回る場合、これは、GNSS妨害の兆候であり得る。疑わしいGNSS問題のアラートが送信できる。いくつかのかかる事例では、その時から、GNSS機能が正常に戻る(例えば、2つの位置間のずれが定義された閾値を再度下回る)まで、本開示の方法だけが位置決めに対して信頼できるであろう。例えば、本明細書でさらに開示されるブロック865、870および890も参照のこと。
【0210】
いくつかの例によれば、1つ以上の物体191、192と関連付けられた、送信が受信される(ブロック810)。いくつかの例では、これらの物体は、本明細書では第1の物体と呼ばれる。いくつかの例では、このブロックは、受信機178、例えば、AIS受信機178によって実行される。一例では、送信は、送信機179またはトランスポンダ179、例えば、AISトランスポンダ179によって送信またはブロードキャストされる。いくつかの例では、これらの送信は、第1の物体(複数可)と関連付けられた物体第1位置情報の少なくとも項目(複数可)、および/または第1の物体(複数可)と関連付けられた物体識別情報の項目(複数可)を含む。いくつかの例では、物体第1の位置情報は、第1の物体(複数可)の絶対位置(複数可)を示す。
【0211】
いくつかの例によれば、インターネットフィードが受信される(ブロック812)。いくつかの例では、これは、インターネットインタフェース388によって実行される。いくつかの例では、インターネットインタフェース388は、例えば、衛星198を介して中継された、インターネット190から受信する。しかし、インターネットフィードはいくつかの事例では、時間的に遅れる。
【0212】
上で開示のとおり、他の例では、ブロック812なしで、ブロック810だけが実行される。
【0213】
さらに他の例では、ブロック810なしで、ブロック812だけが実行される。この後者の実施態様は、例えば、AISをブロードキャストしている十分に速度の遅い船舶がある事例では、AISのインターネットフィードから、およびセンサー/RADAR 177から受信した位置情報の幾何学的パターンの照合を実施可能にするために、機能できる。
【0214】
いくつかの例によれば、送信(複数可)を示す第1の情報が受信される(ブロック816)。いくつかの例では、このブロックは、受信機178および/またはインターネットインタフェース388に動作可能に結合された、送信入力モジュール324によって実行される。いくつかの例では、第1の情報は、AIS送信および/またはインターネットフィード更新を示す。
【0215】
いくつかの例によれば、1つ以上の物体(複数可)1、2、3の第2の位置情報が受信される(ブロック820)。いくつかの例では、このブロックは、例えば、RADAR 389、距離計385などのセンサー(複数可)177、およびカメラ370、375、377に動作可能に結合された、センサー入力モジュール322によって実行される。いくつかの例では、第2の位置情報は、乗り物105に対する、物体(複数可)の第2の相対位置を示す。
【0216】
いくつかの例によれば、第2の情報、および/または第1の情報が、十分な数の物体に対して受信されているか否かのチェックが行われる(ブロック822)。いくつかの例では、このブロックは、センサー入力モジュール322によって実行される。
【0217】
「十分/不十分」の定義は、例えば、ナビゲーションの要求に基づき、そしてナビゲーションの要求は、いくつかの事例では、その結果として特定の任務(警備任務)に基づく、ナビゲーションの要求に基づく。1つの非限定的な図示例では、ナビゲーションの要求は、AIS情報が9以上の品質測定基準を備えた少なくとも3隻の船によって受信されることを必要とする。別の非限定的な図示例では、要求は、RADAR 389が少なくとも5つの物体を検出することを必要とする。
【0218】
いくつかの例によれば、ブロック822における「No」、第2および/または第1の情報が不十分な数の物体に対してしか受信されていないという判断に応答して、プロセスは、ブロック824に進む。いくつかの例によれば、命令および/またはコマンドが飛行機もしくは他の航空機105に送信されて、その高度を上げる(ブロック824)。いくつかの例では、このブロックは、例えば、ナビゲーションシステム360および/またはオペレータのユーザーインタフェース392と通信して、センサー入力モジュール322によって実行される。いくつかの他の例では、それは、命令/コマンドモジュール346によって実行される。いくつかの例では、命令/コマンドを送信するための、決定を、経路計画/最適化モジュール331によって行う。命令の事例では、例えば、人間のパイロット391に対して高度を上げるべきだと警告する/示す、命令が、UI 392に送信できる。コマンドの事例では、コマンドは、例えば、ナビゲーションシステム360に送信できる。いくつかの例では、ナビゲーションシステム360は自律的に飛行機105を移動させる。
【0219】
いくつかの例によれば、命令/コマンドが飛行機または他の乗り物105に送信されて、多数の物体を含む地理的地域まで移動させる(ブロック826)。いくつかの例では、このブロックは、例えば、ナビゲーションシステム360および/またはオペレータのユーザーインタフェース392と通信して、センサー入力モジュール322によって実行される。いくつかの他の例では、それは、命令/コマンドモジュール346によって実行される。いくつかの例では、命令および/またはコマンドを送信するための、決定を、経路計画/最適化モジュール331によって行う。
【0220】
命令の事例では、例えば、人間のパイロット391に対して乗り物を移動させるべきだと警告する/示す、命令が、UI 392に送信できる。コマンドの事例では、コマンドは、例えば、ナビゲーションシステム360に送信できる。いくつかの例では、ナビゲーションシステム360は自律的に乗り物105を移動させる。
【0221】
いくつかの例では、ブロック824および826の一方、または両方が実行される。いくつかの例では、飛行機105は、多数の物体を検出しようとして、まず高度を上げる。それでも十分な数が見つからない場合、それは、位置決定を行うことができるように、別の位置に移動する。
【0222】
いくつかの例では、ブロック824および/または826を実行した後、プロセスはブロック810に戻って、第1の情報の送信を受信し、次いでプロセスを続行するか、または直接ブロック820に戻って、第2の位置情報を受信する。
【0223】
いくつかの例によれば、ブロック822における「Yes」、第2および/または第1の情報が十分な数の物体に対して受信されているという判断に応答して、プロセスは、ブロック830に進む。いくつかの例によれば、物体識別情報の対応する項目と関連付けられた、品質測定基準が、第1の物体191、192の1つ以上に対して、決定される(ブロック830)。いくつかの例では、これは、物体優先順位付けおよび重み付けモジュール326によって実行される。
【0224】
プロセスはAから図8Bに続く。
【0225】
いくつかの例によれば、物体191、192の1つ以上が選択されて、各々の物体の品質測定基準に基づく、乗り物105の導出された位置の決定において、利用される(ブロック832)。いくつかの例では、これは、物体優先順位付けおよび重み付けモジュール326によって実行される。例えば品質測定基準の比較的高い値を持つ船だけが選択されて、位置決定に対して使用される。これについては、図2を参照して本明細書でさらに開示される。
【0226】
一例では、飛行機105の飛行計画は、その概位置が、例えば、インターネットフィード199Bを介して、分かっている、いくつかの信用できる船191、192を利用する。これらの船は、海/大洋内の異なる位置にあり、それらは、飛行計画においてウェイポイントとして機能するために選択される。飛行機が実際に飛行するとき、各ウェイポイントに順に達するために、これらの船のID情報を示すAISブロードキャストを探す。
【0227】
かかる選択に対するいくつかの非限定的な基準例が、船の信頼性に加えて、ここで開示される。位置決めシステム310は、いくつかの事例では、その測定された位置がより安定するであろう、比較的低速の船を選択する。例えば、低速の石油タンカーは、ウェイポイントとして機能するために、スピードボートよりも好まれ得る。同様に、いくつかの例では、ウェイポイントに対して、ウェイポイント船が目立つ、海のあまり密集していない領域内にいる船を選択することは好ましい。これは、相互に比較的近い2つの物体を検出しているセンサー177に起因して、信用できる船と、あまり信用できない船を間違える可能性を下げる。
【0228】
また、いくつかの例では、その航路が頻繁に変わり得る船ではなく、同じ航路を航行している履歴を有する船(例えば、石油タンカー)を選択するのが好ましい。詐欺関係者が、AISブロードキャストにおいて、かかる定期航路船に成り済ますことができる可能性は低い。その理由は、定期航路から遠く離れている第1の位置を含むかかるブロードキャストは、位置決めシステムにより、地理的に不合理な状況を示すとして見られる可能性が高いためである。
【0229】
選択基準の追加例は、飛行経路の比較的大きな部分の間における特定の船の有用性である。例えば、Ship 1 191は、現在のところ飛行機105から遠く離れているが、それは飛行経路に沿って位置している。その飛行機が、後に飛行中にShip 1に近づくと、その飛行機はそれをアンカー点として使用することが可能であり、Ship 1のごく近辺を通過した後もある程度の時間、Ship 1をアンカー点として使用し続けることが可能であろう。
【0230】
ウェイポイント選択の1つの図示例は次のとおりである:飛行はShip 1 191の3マイル東に向かい、次いでShip 5 195の2マイル南西まで進んで、その後Ship 2 192の6マイル北まで進む。飛行中にGNSS問題があり、乗り物に配備されたINSがドリフトする場合、乗り物105は、本明細書で開示されるその自己位置決め方法を、例えば、推測航法と組み合わせて、使用して、ウェイポイントからウェイポイントへと進み得る。少なくともいくつかの従来技術の実施態様では、かかる海上のウェイポイント/アンカー点/ランドマークは実現可能ではないことに留意されたい。
【0231】
いくつかの例では、船選択のために使用される論理/アルゴリズム(複数可)は、次の1つ以上を考慮する:飛行機105の速度、飛行機105の高度(センサー177がどれ程広い領域を見ることができるかに影響する)、飛行方位、飛行が生じる領域(複数可)、RADAR/センサー特性等。比較的遠い距離を見ることができる飛行機は、比較的多くの数の物体/船191、192から受信したデータを処理する必要があることに留意すべきである。
【0232】
いくつかの例によれば、物体の重みが、第1の物体191、192の1つ以上に、品質測定基準に基づいて、割り当てられる(ブロック834)。いくつかの例では、これは、物体優先順位付けおよび重み付けモジュール326によって実行される。これについては、図2を参照して本明細書でさらに開示される。
【0233】
いくつかの事例では、ブロック832で、2つ以上の物体が、乗り物の導出された位置の決定において利用するために選択されている。いくつかの例によれば、複数の物体のうちの物体の複数の固有のサブセットが定義される(ブロック837)。いくつかの例では、これは、物体優先順位付けおよび重み付けモジュール326によって、またはマップオーバーレイモジュール330によって実行される。ブロック838、849~852を参照して、本明細書でさらに見られるように、いくつかの例では、乗り物の位置は、複数回、導出/決定されて、各導出は物体の異なるサブセットを利用する。1つの図示例では、乗り物の第1の暫定値が船191、192、193に基づいて計算され、第2の暫定値が船191、195、196に基づいて計算されて、第3の暫定値が船8、船9、船10および船11に基づいて計算される。複数の暫定値の導出後、最終値が決定される。
【0234】
いくつかの例では、複数の固有のサブセットの定義は、少なくとも利用すべき物体の選択に基づくことに留意されたい。すなわち、ブロック832で、例えば、低信頼性と関連付けられた低い品質測定基準に起因して、物体191が、使用のために選択されない場合、物体191はいずれのサブセットにも割り当てられない。
【0235】
ブロック837、838、849~852を使用する、この実施態様は、任意選択である。他の例では、乗り物105の位置の決定は、物体192、193、195、196の複数のサブセットに対して実行されない。1つの物体1、191が乗り物105の位置の決定のために選択される場合、サブセットに関連したブロックは使用されないことに留意されたい。
【0236】
いくつかの例によれば、物体の固有のサブセットのうちの1つのサブセットが計算を目的として選択される(ブロック838)。位置決定のための動作が、この選択されたサブセットを使用して実行される。いくつかの例では、これは、物体優先順位付けおよび重み付けモジュール326によって、またはマップオーバーレイモジュール330によって実行される。ブロック840~849の次のセットが、この選択されたサブセットに関して実行される。
【0237】
いくつかの例によれば、第1の位置情報の項目を示す、第1のマップ102、および、第2の物体相対位置(複数可)を示す、第2のマップ100が比較される(ブロック840)。いくつかの例では、これは、位置比較モジュール/マップ比較モジュール/マップオーバーレイモジュール330によって実行される。いくつかの例では、この比較は、例えば、図2を参照して本明細書でさらに開示されるような、マップオーバーレイ200を利用する。
【0238】
いくつかの例によれば、第2の物体(複数可)1、2の、物体第2相対位置XR11、YR11、XR12,YR12の、第1の物体(複数可)191、192と関連付けられた物体第1位置情報の項目(複数可)との、第1の照合が実行される(ブロック842)。いくつかの例では、物体第1位置情報の項目(複数可)は、第1の物体の絶対位置X1、Y1、X2、Y2を示すことを思い出されたい。いくつかの例では、これは、位置比較モジュール/マップ比較モジュール/マップオーバーレイモジュール330によって実行される。
【0239】
いくつかの例によれば、第2の物体(複数可)1、2の絶対位置情報X1、Y1、X2、Y2が導出される(ブロック842)。いくつかの例では、これは、位置比較モジュール/マップ比較モジュール/マップオーバーレイモジュール330によって実行される。いくつかの例では、この導出は、ブロック842で実行された照合に基づく。
【0240】
いくつかの例によれば、第1の物体(複数可)191、192の第2の物体(複数可)1、2との第2の照合が実行される(ブロック846)。いくつかの例では、これは、位置比較モジュール/マップ比較モジュール/マップオーバーレイモジュール330によって実行される。いくつかの例では、この第2の照合は、第1の照合に基づく。いくつかの例では、各一致した第2の物体1は、第1の物体191、192の対応する物体191を構成するように設定される。
【0241】
プロセスはBから図8Cに続く。
【0242】
いくつかの例によれば、暫定的な位置決定が乗り物105に対して行われる(ブロック848)。いくつかの例では、これは、位置比較モジュール/マップ比較モジュール/マップオーバーレイモジュール330によって実行される。いくつかの例では、決定は少なくとも、対応する物体(複数可)1、191の絶対位置情報および物体第2相対位置(複数可)、例えば、XR11、YR11に基づく。
【0243】
計算が、物体191、192、193、195、196(例えば、ブロック838ごと)のサブセット191、192、193(例えば、ブロック838につき)に基づく事例では、ブロック848での決定は、サブセットに基づく。
【0244】
導出された乗り物105の位置の暫定値が取得される。いくつかの例では、これは、乗り物105の絶対位置を示す。サブセットが使用されない事例では、このブロックは、暫定ではない位置決定を行い、乗り物の導出された位置は、暫定値ではないことに留意されたい。
【0245】
いくつかの例によれば、暫定値と関連付けられた、位置の重みが決定される(ブロック849)。いくつかの例では、これは、物体優先順位付けおよび重み付けモジュール326によって実行される。いくつかの例では、この位置の重みは、特定のサブセットの構成要素物体の物体重みに基づいて、決定される。従って、その構成要素物体がより高い品質測定基準、および従ってより高い物体重みを有するサブセットは、より高い位置の重みをもたらす。
【0246】
いくつかの例によれば、ブロック837で定義された、物体の全てのサブセットが処理されたか否かのチェックが、例えば、ブロック838~849の一部または全部を通して、行われる(ブロック850)。いくつかの例では、これは、物体優先順位付けおよび重み付けモジュール326、またはマップオーバーレイモジュール330によって実行される。
【0247】
いくつかの例によれば、ブロック850における「No」、定義されたサブセットの全部は処理されていないという判断に応答して、フローは、図8Bにおけるブロック838に戻る(C)。ブロック838で、次のサブセットが選択されて処理されて、乗り物位置の別の重み付けされた暫定値を導出する。
【0248】
いくつかの例によれば、ブロック822における「Yes」、定義されたサブセットの全部が処理されているという判断に応答して、プロセスはブロック852に進む。いくつかの例によれば、ブロック838~850の一部または全部の処理の反復実行は、乗り物105の位置の複数の暫定値の導出をもたらす(ブロック852)。いくつかの例では、複数の暫定値は、対応する位置の重みと関連付けられる。いくつかの例では、これは、物体優先順位付けおよび重み付けモジュール326、またはマップオーバーレイモジュール330によって実行される。
【0249】
いくつかの例によれば、一定の条件下で、一定の暫定値(複数可)が決定プロセスから除外される(ブロック854)。いくつかの例では、これは、物体優先順位付けおよび重み付けモジュール326、またはマップオーバーレイモジュール330によって実行される。
【0250】
除外の1つの条件例は、1つ以上の暫定値が他の暫定値の1つ以上から著しく外れていることである。除外の別の条件例は、1つ以上の暫定値が乗り物の以前の導出された位置から著しく外れていることである。句「著しく外れている」は、例えば、複数の暫定値のうちの特定の暫定値が、定義された閾値を上回って、他の暫定値の少なくとも1つとは異なっている事例、および/または複数の暫定値のうちの特定の暫定値が、定義された閾値を上回って、乗り物の以前の導出された位置とは異なっている事例を指す。様々な暫定値のクロスチェックが実行される。この一例として、暫定位置値のほとんどが相互に数メートルまたは数十メートルの範囲内にあって、1つの他の暫定値が他から数km離れている場合、この値は異常であり、その相違値は除外される。同様に、導出された暫定値が乗り物105の以前に決定された位置から数km離れている場合、この値は異常であり、その相違値は除外される。これらの場合、除外された値は「外れ値」である。
【0251】
いくつかの例によれば、複数の暫定値が重み付けされる(ブロック856)。いくつかの例では、重み付けは、ブロック849で導出された、対応する位置の重みに少なくとも基づいて実行される。いくつかの例では、これは、物体優先順位付けおよび重み付けモジュール326、またはマップオーバーレイモジュール330によって実行される。いくつかの他の例では、ブロック856での重み付けは、(ブロック834で割り当てられた)各物体の物体重みに直接基づく。
【0252】
物体のサブセットが使用されず、位置決めが複数の船/物体に基づく場合の、いくつかの例では、絶対乗り物105位置Xv-abs-3、Yv-abs-3、Xv-abs-5、Yv-abs-5(それらは各々、異なる物体3、193、5、195を使用して導出される)が、例えば、関連物体193、195の物体重みに基づいて、重み付けされることにも留意されたい。
【0253】
プロセスはCから図8Dに続く。
【0254】
いくつかの例によれば、乗り物の導出された位置の、最終値が導出される(ブロック860)。いくつかの例では、これは、集約/最終決定モジュール335、またはマップオーバーレイモジュール330によって実行される。いくつかの例では、この最終値は、乗り物105の導出された絶対位置Xv-abs、Yv-absである。いくつかの例では、この最終値は、乗り物の導出された位置を構成するように設定される。
【0255】
物体のサブセットが使用されない場合、ブロック860は、いくつかの例では、ブロック848と同一であることに留意されたい。
【0256】
いくつかの例によれば、乗り物の導出された位置と報告された位置との間のずれが決定される(ブロック865)。いくつかの例では、これは、ずれ計算モジュール340によって実行される。上で開示のとおり、報告された位置Xv-rep、Yv-repは、GNSS受信機185を利用して取得されたものを指し、他方、導出された位置は、例えば、ブロック848または860で導出されたものである。
【0257】
いくつかの例によれば、決定されたずれを示す、1つ以上のアラートが送信される(ブロック870)。いくつかの例では、これは、アラートモジュール344によって実行される。いくつかの例では、アラート(複数可)は、人間のオペレータ391と関連付けられたユーザーインタフェース391、ナビゲーションシステム360(いくつかの例では、自律ナビゲーションシステム)、および/または外部システム395に送信される。
【0258】
一例では、アラートは人間のオペレータ391、および/または外部システム395における人間のオペレータに、2つの位置の間のずれが閾値を上回っていること、ならびにGNSSサービスが妨害されている可能性があることを告げる。これは、オペレータが、例えば、ナビゲーションシステム360を手動で切り替えて、GNSS報告された位置の代わりに、導出された位置を使用し始めるのを可能にできる。
【0259】
別の例では、アラートは、自律ナビゲーションシステム360に、GNSS報告された位置の代わりに、導出された位置を使用し始めるように示す。さらに別の例では、アラートは外部システム395に、それは、GNSS報告された位置の代わりに導出された位置を使用し始めるために、コマンドを、例えば、自動的に送信すべきであることを示す。
【0260】
いくつかの例によれば、1つ以上の修正命令、および/またはコマンドが送信される(ブロック875)。命令/コマンドは、乗り物の報告された位置Xv-rep、Yv-repを修正するためである。いくつかの例では、これは、命令/コマンドモジュール346によって実行される。
【0261】
いくつかの例では、命令は、少なくとも、人間のオペレータ391と関連付けられたユーザーインタフェース391、ナビゲーションシステム360、および/または外部システム395に送信される。一例では、命令は、人間のオペレータ391、および/または外部システム395における人間のオペレータに、乗り物の位置は、例えば、ブロック860の、導出された位置に基づいて、修正されるべきであることを知らせる。この助言情報は、オペレータが、例えば、適切なシステム上で修正を実行するのを容易にできる。
【0262】
いくつかの例では、コマンドは、いくつかの例では、自律ナビゲーションシステムである、ナビゲーションシステム360に、および/または外部システム395に送信される。一例では、コマンドは、自律ナビゲーションシステム360に、乗り物のGNSS報告された位置Xv-rep、Yv-repを、導出された位置の使用開始、例えば、ブロック860の、乗り物の導出された位置Xv-abs、Yv-absの使用に基づいて、修正すべきであることを示す。さらに別の例では、コマンドは、外部システム395に、GNSS報告された位置を修正するために、コマンドを、例えば、自律自動的に、ナビゲーションシステム360に送信すべきであることを示す。
【0263】
いくつかの例では、このブロックの結果は、乗り物の修正済みの報告された位置を導出することである。
【0264】
導出計算、アラート、および位置修正のための命令/コマンドのブロック865~875は全て、乗り物/飛行機105の位置Xv-abs、Yv-absを決定するためのプロセスの考慮された出力であり得ることに留意されたい。
【0265】
いくつかの例によれば、乗り物105が、ブロック875で導出された乗り物の修正済みの報告された位置に基づいて、ナビゲートされる(ブロック880)。いくつかの例では、これは、ナビゲーション/誘導システム360によって実行される。いくつかの例では、ナビゲーションは次のウェイポイント(複数可)までである。いくつかの例では、乗り物の進行方向/方位、速度等も、例えば、乗り物の移動中に、異なる時点で捕捉されたデータに基づく、複数の位置を決定することによって、決定できることに留意されたい。
【0266】
いくつかの例によれば、任務タスクが実行される(ブロック885)。いくつかの例では、これは、ミッションモジュール348によって実行される。図4は、警備任務の非限定的例を開示する。そのような任務において、ブロック885で実行されるタスクは、たとえば、さらなる調査を必要とし得る疑わしいボート/船4、197を識別している、警備任務の非限定的例することである。ブロック885は、説明を容易にするためにだけ、ここに示されていることに留意されたい。いくつかの例では、任務タスクは、飛行機105の自己位置決めプロセスと並行して、すなわちフローチャート8A~8Dの全部または一部と並行して、実行されている(885)。
【0267】
いくつかの例によれば、乗り物の位置履歴が追跡される(ブロック890)。例えば、ブロック810~885の一部または全部の、プロセスが、次の時点に対して実行される。いくつかの例では、フローはブロック810にループバックする。これは、いくつかの例では、反復して実行される。位置決めシステムはこのように、乗り物105の修正された位置を継続的に取得し、これらの位置が追跡される。いくつかの例では、このブロックは、位置履歴モジュール333によって実行される。
【0268】
位置履歴のかかる追跡は、いくつかの事例では、GNSS妨害を識別するために使用できることを思い出されたい。GNSS報告された位置、および導出された位置が、長期間にわたって類似していて、Ti時に突然、GNSSベースの位置が以前の位置値とは大きく異なる場合、これはGNSSサービスが何らかの方法で危険に曝されているという兆候であり得る。
【0269】
いくつかの他の例では、フローの一部は、位置決めシステム310以外のシステムによって実行される。例えば、警備任務システムは、AIS送信データおよびRADARデータの一部または全部、ならびに恐らくはマップ100および102の一方または両方を提供できる。これは、位置決めシステム310に対する入力の役割を果たし得、位置決めシステム310はこれらの入力を使用して、乗り物105の位置を計算してナビゲートする。
【0270】
プロセスフロー800の前述の説明は非限定的例に過ぎないことに留意されたい。
【0271】
いくつかの実施形態では、本明細書で例示されるフローチャートの1つ以上のステップは、自動的に実行され得る。フローチャート図内に例示されるフローおよび機能は、例えば、システム310および処理回路312内に実装され得、それらは、図3に関して説明される構成要素を利用し得る。フローチャートは、例えば、システム310、処理回路312などの、ステップを実現するシステム要素に関連して説明されるが、これは、決して拘束ではなく、操作は、本明細書で説明されるもの以外の要素によって実行できることにも留意されたい。
【0272】
本開示の主題の教示は、様々な図面で例示されたフローチャートに縛られないことに留意されたい。操作は、例示された順序を離れて生じ得る。図面に示される1つ以上のステージは、異なる順序で実行でき、かつ/またはステージの1つ以上グループは同時に実行され得る。1つの非限定的例として、連続して示されている、ブロック810および812は、実質的に同時に、または異なる順序で実行できる。同じことが、例えば、ブロック820および816、ならびにブロック865および870に当てはまる。
【0273】
同様に、操作またはステップの一部は、統合操作に組み込まれ得るか、もしくはいくつかの操作に分解でき、かつ/または他の操作が追加され得る。非限定的例として、いくつかの事例では、ブロック832および834は組み合わせることができる。同じことが、例えば、ブロック842および844、ならびにブロック822、824および826に言える。
【0274】
本開示の主題の実施形態では、図に示されたものより、少ないか、多いか、および/または異なるステージが実行できる。1つの非限定的例として、一定の実施態様がブロック824および/または826に含まれない可能性がある。同じことが、例えば、物体のサブセットと関連付けられた、ブロック837~838およびブロック849~856に当てはまる。
【0275】
以下のクレームでは、構成要素およびステップなどのクレーム要素を指定するために使用される英数字文字およびローマ数字は、便宜のためのみに提供されており、ステップを実行するいかなる特定の順序も暗示していない。
【0276】
添付のクレームを通して使用される語「含む」は、「を含むが、それに限定されない」ことを意味すると解釈されるべきであることに留意すべきである。
【0277】
本開示の主題に従った例が示されて開示されているが、多くの変更が、本開示の主題の精神から逸脱することなく、その中で行われ得ることが理解されるであろう。
【0278】
本開示の主題は、その適用において、本明細書に含まれるか、または図で例示される説明に記載される詳細に限定されないことが理解されるべきである。本開示の主題は、他の実施形態が可能であり、かつ様々な方法で実施および実行可能である。それ故に、本明細書で採用される表現および用語は、説明目的のためであり、制限と見なされるべきではないことが理解されるべきである。そのため、当業者は、本開示が基づく概念は、本開示の主題のいくつかの目的を実行するための他の構造、方法、およびシステムを設計するための基礎として容易に利用され得ることを理解するであろう。
【0279】
本開示の主題に従ったシステムは、少なくとも一部、適切にプログラムされたコンピュータであり得ることも理解されるであろう。同様に、本開示の主題は、本開示の主題の方法、またはその任意の部分を実行するために、機械またはコンピュータによって可読なコンピュータプログラム製品を企図する。本開示の主題は、本開示の主題の方法またはその任意の部分を実行するために、機械またはコンピュータによって実行可能な命令のプログラムを有形的に具現化する持続性機械可読またはコンピュータ可読メモリをさらに企図する。本開示の主題は、本開示の主題の方法を実行するために実行するように構成された、本明細書で具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する持続性コンピュータ可読記憶媒体をさらに企図する。
【0280】
当業者は、様々な修正および変更が、添付のクレーム内で添付のクレームによって定義された、その範囲から逸脱することなく、本明細書で前述された本発明の実施形態に適用できることを容易に理解するであろう。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
【国際調査報告】