(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】真菌増殖を阻害するためのプロバイオティクス細菌組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/99 20170101AFI20240829BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240829BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
A61K8/99
A61Q5/02
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512111
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 EP2022073726
(87)【国際公開番号】W WO2023025911
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(32)【優先日】2022-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521292984
【氏名又は名称】ラクトバイオ アー/エス
【氏名又は名称原語表記】LACTOBIO A/S
【住所又は居所原語表記】Lerso Parkalle 42,2.,2100 Copenhagen O(DK)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェデル,シャルロッテ
(72)【発明者】
【氏名】テスドルフ,ジェンス エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ケアウルフ,ゾーレン
(72)【発明者】
【氏名】エルヴェバッケン,ヘレナ ファルホルト
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA031
4C083AA032
4C083AA072
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB332
4C083AB432
4C083AC102
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC152
4C083AC212
4C083AC231
4C083AC232
4C083AC272
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC332
4C083AC372
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC482
4C083AC512
4C083AC532
4C083AC582
4C083AC642
4C083AC682
4C083AC692
4C083AC712
4C083AC782
4C083AC792
4C083AC902
4C083AC912
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD162
4C083AD202
4C083AD212
4C083AD242
4C083AD252
4C083AD411
4C083AD412
4C083AD532
4C083AD601
4C083AD632
4C083AD662
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB07
4C083CC02
4C083CC28
4C083CC38
4C083CC39
4C083DD17
4C083DD22
4C083DD27
4C083DD30
4C083DD31
4C083EE06
4C083EE13
4C083EE23
(57)【要約】
本発明は、組成物であって、1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株、1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株の2つ以上の活性物質、又は、1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株と1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株の2つ以上の活性物質との組み合わせと、許容される担体と、を含み、1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株及び/又は1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株の2つ以上の活性物質が真菌増殖を阻害することができる、組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株、該1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株の2つ以上の活性物質、又は、1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株と該1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株の2つ以上の活性物質との組み合わせと、
-許容される担体と、
を含み、
該1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株及び/又は該1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株の2つ以上の活性物質が真菌増殖を阻害することができる、組成物。
【請求項2】
前記組成物が核酸及び/又はヌクレオチドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が植物材料及び/又は繊維材料を含まない、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、pH8.0未満、例えばpH7.5未満(例えばpH7.0未満)、例えばpH6.5未満(例えばpH6.0未満)、例えばpH5.5未満(例えばpH5.0未満)、例えばpH4.5未満(例えばpH4.0未満)、例えばpH3.5未満(例えばpH2.0未満)、例えばpH1.5未満(例えばpH1.0未満)のpH値を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも2つの活性物質が、前記単離された生存プロバイオティクス細菌株の代謝によって産生される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記少なくとも2つの活性物質が、単一の単離されたプロバイオティクス細菌株によって産生される、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記活性物質が、バクテリオシン、有機酸、細胞壁材料、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
ヒト又は動物における真菌症及び/又はフケの予防及び/又は治療における使用のための、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記ヒト又は動物における真菌症及び/又はフケの予防及び/又は治療が、対象の頭皮、手、耳、足、爪又は皮膚上のMalassezia属の酵母の増殖に関連する状態の予防及び/又は治療である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物と、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの洗浄界面活性剤を含むpH6.5未満のシャンプーマトリックスとの組み合わせを含む、局所ヘアケア組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物由来の活性材料を含む抗菌組成物に関する。より詳細には、本発明は、Malassezia furfurの増殖などの真菌増殖を阻害し、かつ、脂漏性皮膚炎(Seborrheic Dermatitis、SD)を治療するのに有効なプロバイオティクス細菌又はプロバイオティクス細菌によって産生されるポストバイオティクス画分を含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
脂漏性皮膚炎は、黄色味を帯びた脂っぽい鱗屑を伴う境界が不明瞭な鱗状の紅斑性斑点を特徴とする病理組織学的な湿疹性皮膚疾患である。「フケ」は、頭皮に局在するこの状態の軽度の形態である。この疾患は、以下の部位:頭皮、眉毛、眉間、眉間、副鼻腔及び顎の襞(chin folds)、耳及び後耳介溝、胸骨前肩甲間領域、恥骨領域及び臀部間の襞のうちのいずれか1つ、いくつか、又は全てを伴い得る。
【0003】
タール、硫黄、又は抗生物質を含むコルチコステロイドは、場合によっては一時的な制御を与えるが、多くの場合、状態は慢性であり、治療が終了すると、もとに戻る。現在の療法は、局所及び全身抗菌剤、コルチコステロイド及び局所タールからなる。これらの皮膚状態に関連する感染性生物は、他の皮膚領域に広がる可能性があり、他の人々に伝染する可能性さえあり、疾患を更に悪化させる機能不全の微生物叢を引き起こす自然皮膚微生物叢の変化をもたらす可能性がある。本療法は、局所及び全身の抗生物質及び抗菌剤からなる。脂漏性皮膚炎の従来の治療は、頭皮、及び特に微生物叢に大きな影響を及ぼすため、刺激の少ない治療が必要であり、脂漏性皮膚炎に関連する機能が不全の微生物叢の再確立が必要である。
【0004】
脂漏性皮膚炎は、表皮細胞の過度に急速な増殖及びそれらの異常な成熟に起因する過度で目に見える頭皮の落屑に相当する。過剰な毛髪処理、極端な気候条件、神経過敏、食事、疲労、又は汚染などの様々な要因がこの状態を誘発し得る。しかしながら、脂漏性皮膚炎、特に連続的な再発は、最も一般的には、頭皮の微生物叢の障害に起因し、より詳細には、頭皮上に天然に存在するMalassezia属の酵母のファミリーに属する真菌による過剰なコロニー形成に起因する。
【0005】
Malasseziaは、様々な哺乳動物、家畜及び鳥類の皮膚にコロニー形成する。これらの親油性酵母は、ヒト及び動物の皮膚の角質層に生息するが、これは、この層が脂質に富むためである。現在知られていない理由により、これらの酵母は、その腐生状態を変化させ、病原体として角質層に侵入する可能性がある。
【0006】
脂漏性皮膚炎の一形態は、乳児における新生児頭部皮膚炎である。新生児頭部皮膚炎を有する乳児は、頭皮上にわずかに赤い鱗状又は痂皮状の黄色の斑点を有する。これはまた、顔又はおむつ領域から始まり、身体の他の部分に広がることができる。
【0007】
Malasseziaも動物の皮膚に感染性であり、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ及びネコの皮膚炎で一般的である。Malasseziaは、通常、皮膚に見られるが、その異常な過剰成長は、皮膚炎、又は皮膚、耳、口腔及び身体開口部の炎症を引き起こす可能性がある。
【0008】
しばしばフケと呼ばれる軽度のものを含む脂漏性皮膚炎は、世界人口の最大50パーセントに影響を及ぼし、男性と女性の両方に影響を及ぼし、一般に負の心理社会的影響を有する。フケは、審美的に(死んだ皮膚薄片の存在が目に見えるために)不快であり、かつ個人が感じる個人的な不快感(特にかゆみ)のために不快である。したがって、この問題に多かれ少なかれ直面している罹患者は、それを効率的かつ永続的に取り除くことを望む。
【0009】
多くの市販されている療法、頭皮トリートメント及びシャンプーにもかかわらず、脂漏性皮膚炎は依然として困難な状態であり、多くの患者はいくつかの試みられた治療に応答せず、これにより、多くの場合に、治療は予測不可能かつ困難なものとなる。
【0010】
Malassezia酵母を頭皮から根絶することを主目的として、多くのフケ防止処理が開発されている。したがって、亜鉛ピリチオン、ピロクトンオラミン、クリンバゾール、ケトコナゾール、又は二硫化セレンなどの今日のフケ防止活性剤の活性は、主にそれらの殺真菌特性に基づいている。最近、天然ベースの代替物を使用する他の配合物、例えば特許文献1に記載されているエラグ酸及び少なくとも1つの精油に基づくフケ防止組成物、又は特許文献2に記載されているPunica granatum由来の加水分解性タンニン濃縮活性物質が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2011/138450号細書
【特許文献2】仏国特許第2908045号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記にもかかわらず、皮膚刺激を引き起こさず、バランスのとれた天然の頭皮微生物叢の再確立を容易にする真菌増殖の阻害及び/又は真菌症の治療若しくは予防及び/又はフケの治療若しくは予防のための新しい有効な天然溶液が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、プロバイオティクス微生物に由来するフケ防止活性物質の種々の組み合わせが、特に、微生物由来活性材料を更に含む脂漏性皮膚炎(SD)に対する局所使用のための組成物、より詳細には、Malassezia furfurなどのMalasseziaceae科からの属を有する真菌を阻害し、かつ、脂漏性皮膚炎を治療するのに有効なプロバイオティクス細菌又はプロバイオティクス微生物によって産生されたポストバイオティクス画分を含む組成物に配合されるという認識を前提とする。
【0014】
本発明の態様は、組成物であって、1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株、1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株の2つ以上の活性物質、又は、1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株と1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株の2つ以上の活性物質との組み合わせと、許容される担体と、を含み、1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株及び/又は1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株の2つ以上の活性物質が真菌増殖を阻害することができる、組成物に関する。
【0015】
本発明の更なる態様は、プロバイオティクス微生物に由来する少なくとも2つのフケ防止活性物質の組み合わせを含む(又は本質的にそれからなる)フケ防止組成物に関する。フケ防止活性物質は、フケを治療又は予防するのに有効な量でフケ防止組成物中に存在する。
【0016】
本発明の更なる態様は、ヒト又は動物における真菌症の予防及び/又は治療における使用に関する。
【0017】
本発明はまた、既存のフケ防止剤と比較して同等又は改善されたフケ防止特性などの抗真菌特性を提供し得るヘアケア配合物中の化合物を提供しようとする。
【0018】
本発明の態様は、本発明に係る組成物と、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの洗浄界面活性剤を含むpH6.5未満のシャンプーマトリックスとの組み合わせを含む、局所ヘアケア組成物に関する。
【0019】
本発明の態様は、真菌症を治療するためのリーブオン組成物に関する。
【0020】
本発明はまた、ヒトの皮膚上のフケを低減するのに使用するための、フケ防止剤としての化合物及び当該化合物を含む配合物を提供しようとする。
【0021】
本発明の別の実施形態によれば、Malassezia furfurに対するフケの処理に適したフケ防止ヘアケア組成物が提供される。
【0022】
本発明に係る組成物は、1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株及び/又は1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株のうちの2つ以上の活性物質、例えばフケ防止活性物質と、許容される担体と、を含み得、6.5未満のpHを有する。
【0023】
抗真菌効果、例えばフケ防止活性物質と組成物のpHとの間の相乗効果を決定することは驚くべきことであった。理論に束縛されるものではないが、この相乗効果は、少なくとも2つの異なる機構として同定され、生存プロバイオティクス微生物、並びに抗真菌効果、特にフケ防止活性物質をやはり含むそれに由来する任意の画分の両方について観察されたと考えられる。したがって、Malasseziaceae科からの属、例えばMalassezia furfurであり得る真菌の阻害に対する活性物質の抗菌活性の間で相乗効果が観察され得、また、フケ防止組成物のpHと天然の微生物叢が処理後に再確立する能力との間で相乗効果が観察され、それにより、抗菌処理後に頭皮上に残った機能不全の微生物叢の修復を修復又は促進しない従来の処理と比較して、より長くかつより持続的な効果を伴うマイルドなフケ防止処理などのマイルドな抗真菌処理を可能にした。
【0024】
本発明の更なる利点として、プロバイオティクス処理は、ヒト若しくは動物の身体又は皮膚若しくは頭皮にいかなる刺激も引き起こさなかった。
【0025】
本発明の更に別の実施形態によれば、対象の頭皮上のMalassezia属の酵母の増殖に関連するフケ状態を治療する方法が提供される。この方法は、有効量のフケ防止組成物を対象の頭皮に塗布することを含み、有効量のフケ防止組成物は、頭皮上のMalassezia属の酵母の増殖を阻害する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【0027】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
発明の詳細な説明
本発明は、組成物、当該組成物の使用、及び真菌増殖を阻害し、機能不全の微生物叢に関連する頭皮の状態を予防又は治療するための使用のための方法に関し得る。組成物、例えばフケ防止組成物は、機能性プロバイオティクス細菌及び/又はプロバイオティクス細菌の発酵によって得られる代謝産物を含み得る。
【0029】
フケ防止組成物、特にシャンプーは周知であり、長年にわたって市販されている。多くのフケ防止活性物質、例えばケトコナゾール、亜鉛ピリチオン、ピロクトンオラミン、オクトピロックス、サリチル酸、硫化セレン、コールタール及びアゼライン酸が商業的に使用されてきた。
【0030】
これらのタイプの活性物質は、好ましくは、一般に抗菌剤/真菌剤として機能し、真菌、酵母及び/又は細菌の特定の種及び株に対して有効であり、特に真菌及び/又は酵母に対して有効である活性化合物であり得る。例えば、酵母様真菌Malasseziaはほとんどの成人の頭皮上に生息するが、一部の人々では、頭皮を刺激し、より多くの皮膚細胞を増殖させる可能性がある。Malassezia酵母は、正常な微生物叢の一部であるが、特定の条件下で、表在性皮膚感染症を引き起こし得る。これらの余分な皮膚細胞は死滅して脱落し、毛髪及び衣服では白く薄片状に見える。したがって、Malassezia、特にMalassezia furfur種に対して活性な材料は、フケの重症度を軽減することができる。
【0031】
好ましくは、1つ以上のプロバイオティクス細菌株(好ましくは単離されたプロバイオティクス細菌株)の1つ以上の活性物質は、真菌増殖を阻害するのに有効な量で提供され得る。
【0032】
これらのシャンプー及び他の(orther)局所抗真菌製剤は、炎症を制御し、疼痛及び痒みを軽減するために、しばしばコルチゾン薬と組み合わせられる。しかしながら、これらの分子の使用は満足のいく結果をもたらさない場合があり、場合によっては、これらの化合物は、内因性かつ望ましくない細胞傷害性並びに微生物叢に対する損傷を示す。
【0033】
改善されたフケ防止活性物質、及び皮膚に対して非刺激性であり、頭皮の微生物叢に有害な影響を及ぼさないフケ防止活性物質を含有する最終用途製品が継続的に必要とされている。
【0034】
本発明は、局所的に適用された場合に効果的な阻害、治療又は予防を提供することができ、天然の微生物叢に有害な影響を及ぼさない。
【0035】
本発明の好ましい実施形態は、組成物であって、1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株、1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株の2つ以上の活性物質、又は、1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株と1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株の2つ以上の活性物質との組み合わせと、許容される担体と、を含み、1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株及び/又は1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株の2つ以上の活性物質が真菌増殖を阻害することができる、組成物に関する。
【0036】
好ましくは、真菌増殖能を有する真菌は、Malasseziaceae科から選択される属の真菌であってもよい。好ましくは、Malasseziaceae科からの属はMalasseziaであり得る。
【0037】
本発明の更に好ましい実施形態は、有効量の、活性物質(例えばフケ防止活性物質)を産生することができるプロバイオティクス微生物又はプロバイオティクス微生物の画分を含む組成物(例えば、フケ防止組成物)であって、画分が活性物質を含む、組成物に関する。
【0038】
本発明の別の態様によれば、抗真菌効力、特にフケ防止効力を提供する方法であって、
(i)毛髪を水で濡らす工程;
(ii)プロバイオティクス微生物又はその画分を含む本発明に係る組成物の有効量を適用する工程;
(iii)水を使用して毛髪から組成物をすすぐ工程;及び
(iv)場合により工程(ii)及び(iii)を繰り返す工程、
を含む、方法が提供される。
【0039】
本発明の別の態様によれば、リーブオン組成物を、頭皮、足、膣、生殖器及び耳の皮膚を含む皮膚、上皮、爪、口に適用する工程を含む、抗真菌効力を提供する方法が提供される。
【0040】
本発明の別の態様によれば、真菌、特にMalassezia spp.などのMalasseziaceae科からの真菌を殺傷するか、又はその成長を遅延させる方法であって、Malassezia spp.などの真菌を、本発明に係るプロバイオティクス微生物に由来する活性物質を含む組成物と接触させる工程を含む、方法が提供される。
【0041】
本明細書で使用される場合、「例えば(for example)」、「例えば(for instance)」、「など(such as)」、又は「含む(including)」という用語は、より一般的な主題を更に明確にする例を導入することを意味する。別段の指定がない限り、これらの実施例は、本開示に示される用途を理解するための補助としてのみ提供され、決して限定することを意味するものではない。
【0042】
「抗真菌組成物」という用語は、真菌増殖を阻害する、真菌感染を治療又は予防する、例えばヒト又は動物の真菌症及び/又はフケを治療又は予防することができる本発明に係る組成物に関する。
【0043】
更にフケ防止効果も、本発明に主に記載される効果であり、本発明に係る組成物は、強い真菌症防止効果も示す。
【0044】
真菌増殖は、哺乳動物においてフケ及び/又は真菌症の発生をもたらし得る。真菌増殖を制限、低減又は終結させることにより、フケ及び/又は真菌症の発生が防止、回避又は制限され得ると考えられる。
【0045】
好ましくは、本発明に係る組成物は、フケ防止組成物及び/又は真菌症防止組成物であり得る。
【0046】
「フケ防止組成物」という用語は、頭皮のフケを予防及び/又は治療する効果の提供を指す。これは、過度のフケ形成及び/又は視覚的に魅力のない過度に形成されたフケを予防及び/又は低減することを含む。
【0047】
「活性物質」という用語は、ヒト又は動物における真菌症の治療及び/又は予防のための、真菌増殖に対して活性な化合物に関し得る。活性物質は、好ましくは、バクテリオシン、有機酸、細胞壁材料、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0048】
本発明は、抗真菌組成物、特にフケ防止組成物、及びフケの治療又は阻害などのために抗真菌増殖を治療又は阻害するために組成物を使用する方法に関する。本発明に係る組成物は、ケラチン組織又は頭皮表面への適用に有用であり得、Malassezia furfurの増殖から生じる症状、例えばフケ症状を阻害、低減又は排除する有効量の活性物質の組み合わせを含み得る。本発明の組成物は、溶液、懸濁液、ローション、クリーム、ゲル、軟膏、油、エマルジョン、スプレー、エアロゾル、シャンプー、ヘアコンディショナー、ペースト、発泡体、粉末、ムース、ワイプ、ストリップ、パッチ、ヒドロゲル、フィルム形成製品などを含むがこれらに限定されない多種多様な製品形態であり得る。組成形態は、選択された特定の皮膚科学的に許容される担体に由来し得る。
【0049】
本発明の実施形態では、フケ防止組成物は、毛髪及び/又は毛髪の下の皮膚に適用される組成物を含んでもよく、フケ防止組成物は、プロバイオティクス由来活性物質と皮膚科学的に許容される担体との様々な組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでもよく(又は本質的にそれらからなってもよく)、それらの組み合わせは、Malassezia furfurを阻害し、フケを治療するのに有効である。
【0050】
活性物質は、有効量で組成物中に存在する場合、Malassezia furfurなどの真菌の増殖を阻害する能力を有する単一の化合物又は2つ以上の化合物を含む組成物を指し得る。
【0051】
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、真菌、特にMalassezia furfurの増殖を低減又は阻害する、Malassezia furfurの増殖などの真菌増殖によって引き起こされる真菌感染、真菌症若しくはフケの目に見える及び/若しくは物理的影響を減少又は阻害する、又は頭皮掻痒症を統計的に有意な量だけ低減若しくは阻害するのに十分な、1つの化合物又は2つ以上の化合物を含む組成物の量を意味する。
【0052】
本明細書で使用される「局所適用」という用語は、本発明の組成物を毛髪、皮膚(例えば、頭皮)の表面上に適用又は広げることを意味する。
【0053】
本明細書で使用される場合、「許容担体」という用語は、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応、不快感などを伴わない担体の好適な体内(例えば、経口摂取若しくは直腸摂取)又は体外(局所)使用を意味する。
【0054】
本明細書で使用される「皮膚科学的に許容される」という用語は、そのように記載される組成物又はその成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを伴わずに哺乳動物のケラチン又は皮膚組織と接触して使用するのに適していることを意味する。
【0055】
本発明の実施形態によれば、組成物、例えばフケ防止組成物は、有効量の、有機酸群から選択される少なくとも2つの活性物質の組み合わせを含む(又は本質的にそれからなる)。更に好ましい実施形態では、有機酸は、乳酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、3-フェニル乳酸、3-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、プロピオン酸及びコハク酸、サリチル酸、アゼライン酸、インドール-3-乳酸、インドール-3-酢酸、2-ヒドロキシブチル酸、2-ヒドロキシイソカプロン酸、3-(R)-ヒドロキシデカン酸、3-ヒドロキシ-5-シックドデカン酸(3-hydroxy-5-cic dodecanoic acid)、3-(R)-ヒドロキシドデカン酸、3-(R)-ヒドロキシテトラデカン酸、グリコール酸、並びにN-アセチルアスパラギン酸からなる群から選択される。
【0056】
本発明の実施形態では、組成物は生存プロバイオティクス微生物を含んでもよい。本発明の更なる実施形態では、組成物中に存在する活性物質は、生存プロバイオティクス微生物の形態であり得る。好ましくは、生存プロバイオティクス微生物は真菌増殖を阻害することができ、例えばMalassezia furfurを阻害可能であり得る。好ましくは、Malassezia furfurの阻害は、組成物を頭皮又は皮膚のフケ病変領域に局所適用し得る場合に得られ得る。
【0057】
本明細書で使用される場合、「生存」又は「生きた」という用語は、死んでおらず、活発な代謝を有することができる微生物に関する。
【0058】
本明細書で使用される「微生物叢」という用語は、全ての多細胞生物の中及び上に見られる共生(commensal)、共生(symbiotic)及び病原性微生物群(communities)に関する。微生物叢には、細菌、古細菌、原生生物、真菌、酵母、ウイルス及びファージが含まれる。
【0059】
本明細書で使用される場合、「微生物叢の機能不全」という用語は、微生物叢が誤って機能するか、又は機能することが完全に妨げられている状態に関する。特に明記しない限り、微生物叢の機能不全は、機能不全の微生物叢をもたらす病原性微生物の過剰成長又は成長の増加を含む本発明を考慮したものである。機能不全の微生物叢の一例は、真菌症又はフケのような脂漏性皮膚炎をもたらすMalassezia furfurの増加である。
【0060】
本発明の実施形態では、真菌感染症は、真菌症又は脂漏性皮膚炎であり得る。好ましくは、脂漏性皮膚炎はフケであり得る。
【0061】
本明細書で使用される場合、「プロバイオティクス微生物」という用語は、宿主に消費又は適用されたときに健康上の利益を有することを意図した生きた微生物に関する。好適なプロバイオティクス微生物の例としては、Saccharomyces、Debaromyces、Candida、Pichia及びTorulopsisなどの酵母、Aspergillus、Rhizopus、Mucor及びPenicillium及びTorulopsisなどのカビ、並びにBifidobacterium属、Bacteroides属、Clostridium属、Fusobacterium属、Melissococcus属、Propionibacterium属、Streptococcus属、Enterococcus属、Lactococcus属、Staphylococcus属、Peptostrepococcus属、Bacillus属、Pediococcus属、Micrococcus属、Leuconostoc属、Weissella属、Aerococcus属、Oenococcus属、Cutibacterium属、Lacticaseibacillus属、Levilactobacillus属、Lactiplantibacillus属及びLactobacillus属などの細菌が挙げられる。
【0062】
最も一般的に使用されるプロバイオティクスは乳酸菌株(LAB)である。「乳酸菌」という用語は、Lactobacillaceae科、Aerococcaceae科、Bifidobacteriaceae科、Carnobacteriaceae科、Enterococcaceae科、Leuconostocaceae科及びStreptococcaceae科からの種を含む。これらは非病原性であると考えられ、胃腸内細菌叢を改善するため、及び胃腸症状の治療において一般にプロバイオティクス細菌として使用される。本発明は、フケ防止活性物質を産生するプロバイオティクスを特徴とするプロバイオティクスの局所適用に関する。
【0063】
微生物は、好ましくは乳酸菌であり得る。微生物は、更により好ましくは、Lactobacillus属、Lactiplantbacillus属、Holzapfelia属、Amylolactobacillus属、Bombilactobacillus属、Companilactobacillus属、Lapidilactobacillus属、Agrilactobacillus属、Schleiferilactobacillus属、Loigolactobacillus属、Lacticaseibacillus属、Latilactobacillus属、Dellaglioa属、Liquorilactobacillus属、Ligilactobacillus属、Furfurilactobacillus属、Paucilactobacillus属、Limosilactobacillus属、Fructilactobacillus属、Acetilactobacillus属、Apilactobacillus属、Levilactobacillus属、Secundilactobacillus属、Lentilactobacillus属、Leuconostoc属、Bifidobacterium属、Pediococcus属、Lactococcus属、Streptococcus属、Aerococcus属、Carnobacterium属、Enterococcus属、Oenococcus属、Sporolactobacillus属、Tetragenococcus属、Vagococcus属、及びWeissella属からなる群から選択され得る。
【0064】
好ましい微生物は、特に細菌であり得る。プロバイオティクス細菌は、好ましくは、Lactococcus lactis、Lacticaseibacillus rhamnosus、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus jensenii、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus amylovorus、Lactobacillus amylolyticus、Lactobacillus alimentarius、Lactobacillus aviaries、Lactobacillus delbrueckii、Lactobacillus diolivorans、Lactobacillus farciminis、Lactobacillus gallinarum、Lacticaseibacillus casei、Lactobacillus crispatus、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus johnsonii、Lactobacillus hilgardii、Lactobacillus kefiranofaciens、Lactobacillus kefiri、Lactobacillus mucosae、Lactobacillus panis、Lactiplantibacillus paraplantarum、Lactobacillus pontis、Latilactobacillus sakei、Lactobacillus saliverius、Lactobacillus sanfraciscensis、Lacticaseibacillus paracasei、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus cellobiosus、Lactobacillus collinoides、Lactobacillus coryniformis、Lactobacillus curvatus、Levilactobacillus brevis、Lactobacillus buchneri、Lactobacillus fructivorans、Lactobacillus hilgardii、Lactobacillus fermentum、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus ingluviei、Weissella viridescens、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium animalis、Carnobacterium divergens、Corynebacterium glutamicum、Leuconostoc citreum、Leuconostoc lactis、Leuconostoc mesenteroides、Leuconostoc pseudomesenteroides、Oenococcus oeni、Pasteuria nishizawae、Pediococcus acidilactici、Pediococcus dextrinicus、Pediococcus parvulus、Pediococcus pentosaceus、Probionibacterium freudenreichii、Probionibacterium acidipropoinici、Enterococcus faecium、Enterococcus faecalis、Streptococcus thermophilus、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus atrophaeus、Bacillus clausii、Bacillus coagulans、Bacillus flexus、Bacillus fusiformis、Bacillus lentus、Bacillus licheniformis、Bacillus mega-terium、Bacillus mojavensis、Bacillus pumilus、Bacillus smithii、Bacillus subtilis、Bacillus vallismortis、Geobacillus stearother-mophilus、又はそれらの変異体からなる群から選択され得る。
【0065】
本発明の好ましい一実施形態では、組成物は、Lactiplantibacillus plantarum LB356R(DSM 33094)、Lactiplantibacillus plantarum LB244R(DSM 32996)、Weissella viridescens LB10G(DSM 32906)、Lacticaseibacillus paracasei LB113R(DSM 32907)、Lacticaseibacillus paracasei LB116R(DSM 32908)、Levilactobacillus brevis LB152G(DSM 32995)、Lacticaseibacillus paracasei LB28R(DSM 32994)、Enterococcus faecium LB276R(DSM 32997)、Leuconostoc mesenteriodes LB349R(DSM 33093)、Lactiplantibacillus plantarum LB316R(DSM 33091)、Lactiplantibacillus plantarum LB312R(DSM 33098)、Pediococcus pentosaceus LB606R(DSM 33730)、Lactiplantibacillus plantarum LB679R(DSM 33731)、Lactobacillus crispatus LB714R(DSM 33732)Lactobacillus gasseri LB905R(DSM 34094)、Lactobacillus crispatus LB912R(DSM 34095)、Lactobacillus jensenii LB918R(DSM 34096)、Lactobacillus crispatus LB919R(DSM 34097)、Lacticaseibacillus paracasei subsp.paracasei LB555R(DSM 34249)、Lactiplantibacillus plantarum LB681R(DSM 34250);並びに/又はそれらの任意の組み合わせ、若しくはその変異体株、及び/若しくはこれらのプロバイオティクス株のいずれか1つの細胞及び/若しくは細胞溶解物及び/又は可溶性代謝産物。これらのプロバイオティクス株のいずれか1つの溶解物及び/若しくは可溶性代謝産物からなる群から選択される少なくとも1つの株を含む。
【0066】
微生物の数は、1ml当たり又は1グラム当たりのコロニー形成単位(Colony Forming Unit、CFU)として測定される。
【0067】
本発明に係る微生物は、好ましくは単離又は精製された形態であってもよく、「単離された」という用語は、特に乳酸菌が、例えばそれらの天然培地を含むそれらの培地に由来することを意味する。「単離された」又は「精製された」という用語は、絶対純度に限定されない場合がある。「単離された」及び「精製された」という用語は、互換的に使用され得る。
【0068】
本発明の実施形態では、プロバイオティクス株は、安定化された形態の生きた単離された微生物として使用され得る。安定化のための好適な方法は当業者に公知であり、凍結乾燥又は異なる凍結保護剤を含む凍結乾燥を含む。
【0069】
本発明の更なる実施形態では、株を生きた単離株として使用することができる。
【0070】
好ましくは、株は生きた単離株として使用され得る。好ましくは、株は、生きた単離安定化株として使用され得る。更により好ましくは、株は、凍結乾燥によって安定化された生きた単離株として使用され得る。更により好ましくは、株は、凍結乾燥によって安定化され、凍結保護剤を含む生きた単離株として使用され得る。
【0071】
本発明の好ましい実施形態では、プロバイオティクス株はグラム陽性菌である。
【0072】
本発明の好ましい一実施形態では、組成物は、Lactiplantibacillus plantarum LB356R(DSM 33094)、Lactiplantibacillus plantarum LB244R(DSM 32996)、Weissella viridescens LB10G(DSM 32906)、Lacticaseibacillus paracasei LB113R(DSM 32907)、Lacticaseibacillus paracasei LB116R(DSM 32908)、Levilactobacillus brevis LB152G(DSM 32995)、Lacticaseibacillus paracasei LB28R(DSM 32994)、Enterococcus faecium LB276R(DSM 32997)、Leuconostoc mesenteriodes LB349R(DSM 33093)、Lactiplantibacillus plantarum LB316R(DSM 33091)、Lactiplantibacillus plantarum LB312R(DSM 33098)、Pediococcus pentosaceus LB606R(DSM 33730)、Lactiplantibacillus plantarum LB679R(DSM 33731)、Lactobacillus crispatus LB714R(DSM 33732)Lactobacillus gasseri LB905R(DSM 34094)、Lactobacillus crispatus LB912R(DSM 34095)、Lactobacillus jensenii LB918R(DSM 34096)、Lactobacillus crispatus LB919R(DSM 34097)、Lacticaseibacillus paracasei subsp.paracasei LB555R(DSM 34249)、Lactiplantibacillus plantarum LB681R(DSM 34250)からなる群から選択される少なくとも1つの株を含む。
【0073】
「ポストバイオティクス」という用語は、宿主に適用した場合に健康上の利益を提供するプロバイオティクス微生物から分泌又は放出される化合物、代謝産物又は細胞材料を指す。ポストバイオティクス組成物は、生存微生物の存在なしに健康上の利益を有することを特徴とする。
【0074】
本明細書で使用される「プロバイオティクス微生物のポストバイオティクス画分」という用語は、生存微生物を実質的に含まないプロバイオティクス微生物の発酵組成物を開示する。組成物は、死細胞を含む細胞材料を含むことができる。
【0075】
本発明の実施形態では、組成物は、pH8.0未満、例えばpH7.5未満(例えばpH7.0未満)、例えばpH6.5未満(例えばpH6.0未満)、例えばpH5.5未満(例えばpH5.0未満)、例えばpH4.75未満(例えばpH4.5未満)、例えばpH4,25未満(例えばpH4.0未満)、例えばpH3.75未満(例えばpH3.5未満)、例えばpH3.25未満のpH値を有してもよい。
【0076】
組成物の好ましいpHは、pH2.5~pH7、より好ましくはpH3~pH6.5、及び更により好ましくはpH3.5~pH5.5である。プロバイオティクス微生物によって産生される酸から生じる組成物の低pHは、頭皮に適用されると、pHが上昇した皮膚表面の酸性化を引き起こす。健康な頭皮は約4.5のpHを有し、プロバイオティクス微生物によって産生される代謝産物は、別の有益な効果として皮膚の健康なpHを維持するのを助ける。
【0077】
本発明の実施形態では、少なくとも2つの活性物質は、単離された生存プロバイオティクス細菌株の代謝によって産生され得る。
【0078】
本発明の更なる実施形態では、少なくとも2つの活性物質は、単一の単離されたプロバイオティクス細菌株によって産生され得る。
【0079】
好ましくは、活性物質は、バクテリオシン、有機酸、細胞壁材料、又はそれらの組み合わせから選択され得る。
【0080】
本発明の1つの好ましい実施形態では、有機酸である活性成分は酸のプロトン化形態で存在し、pHは酸のpKaに等しいか、それ以下である。
【0081】
本発明は、乳酸菌のいくつかの種が、たとえ乳酸菌がもはや存在しなくてもMalasseziaの成長を阻害するのに有効な量のバクテリオシンを上清中で産生するという発見に基づく。
【0082】
本発明の一実施形態では、好ましい微生物は、単離された野生型乳酸菌である。
【0083】
一実施形態において、本発明で使用される好ましいバクテリオシンは、プロバイオティクス細菌によって産生され、更に好ましい実施形態では、バクテリオシンは乳酸菌によって産生され、更に好ましい実施形態では、バクテリオシンは以下の細菌のうちの1つによって産生される:Lactiplantibacillus plantarum LB356R(DSM 33094)、Lactiplantibacillus plantarum LB244R(DSM 32996)、Weissella viridescens LB10G(DSM 32906)、Lacticaseibacillus paracasei LB113R(DSM 32907)、Lacticaseibacillus paracasei LB116R(DSM 32908)、Levilactobacillus brevis LB152G(DSM 32995)、Lacticaseibacillus paracasei LB28R(DSM 32994)、Enterococcus faecium LB276R(DSM 32997)、Leuconostoc mesenteriodes LB349R(DSM 33093)、Lactiplantibacillus plantarum LB316R(DSM 33091)、Lactiplantibacillus plantarum LB312R(DSM 33098)、Pediococcus pentosaceus LB606R(DSM 33730)、Lactiplantibacillus plantarum LB679R(DSM 33731)、Lactobacillus crispatus LB714R(DSM 33732)Lactobacillus gasseri LB905R(DSM 34094)、Lactobacillus crispatus LB912R(DSM 34095)、Lactobacillus jensenii LB918R(DSM 34096)、Lactobacillus crispatus LB919R(DSM 34097)、Lacticaseibacillus paracasei subsp.paracasei LB555R(DSM 34249)、Lactiplantibacillus plantarum LB681R(DSM 34250);及び/又はそれらの任意の組み合わせ。
【0084】
バクテリオシンは、好ましくは、バクテリオシンの1~100万任意単位(AU)の量で本発明の組成物に使用される。バクテリオシンのAUが、寒天プレート上の指標株の菌叢(lawn)による明確な成長阻害領域をもたらす培養上清の最大希釈の5マイクロリットルとして定義された。
【0085】
本発明の実施形態では、活性物質はバクテリオシンであり得る。
【0086】
「バクテリオシン」という用語は、微生物に対して活性であるが産生細菌に害を及ぼさない細菌によって産生される抗菌ペプチド又はタンパク質を指す。本発明の目的のために、バクテロシン(bacterocin)又はバクテロシン源は、一般に、化粧品又は医薬品としての配合物での使用に適した抗菌剤を含む。特に好ましい抗菌剤としては、「抗生物質」(すなわち、ランチオニン及びベータ-メチルランチオニンを含有するポリペプチド)が挙げられる。そのような抗生物質の非限定的な例は、ナイシン、例えばナイシンA若しくはナイシンZ、又はナイシン類似体若しくは関連するランチオニン含有ペプチド、例えばペディオシン、ラクトシン、ラクタシン(例えば、ラクチシンA、ラクチシンB、ラクタシンF)、カモシン、エンテロシン、プランタルシン、サブチリン、エピデルミン、シンナマイシン、デュラマイシン、アンコベニン、Pep5など(個々に又はそれらの任意の組み合わせで)である。本発明で有用な他のバクテロシンとしては、例えば、ラクトコッシン(lactococcin)(例えば、ラクトコッシンA、ラクトコッシンB、ラクトコッシンM)、ロイココイン(leucocoin)、ヘルベチカン(helvetican)、アシドフィルシン(acidophilucin)、カゼイシン(caseicin)、ラクチシン(lacticin)J46、ラクチシン481、ラクチシン3147、サリバルシン(salivarcin)A、サリバルシンA2、サリバルシンA3、サリバルシンA4、BHT-Aa、BHT Ab、サリバルシンA5、サリバルシンB、ストレプチン(streptin)、サリバルシンAl、ストレプチン、ストレプトコッシンA-FF22、ムタシン(mutacin)BNY266、ムタシン1140、ムタシンK8、ムタシンII、smbAB、ボビシン(bovicin)HJ50、ボビシンHC5、マセドシン(macedocin)、ロイコシン(leucocin)C、サカシン(sakacin)5X、エンテロシン(enterocin)CRL35/ムンディティシン(mundticin)、アビシン(avicin)A、ムンディティシンI、エンテロシンHF、ババリシンA、ウベリシン(ubericin)A、ロイコシンA、メセンテリシン(mesentericin)Y105、サカシンG、カルバシン(curvacin)A/サカシンA、ラクトシン(lactocin)5、細胞溶解素、エンテロシンA、ジベルシン(divercin)V41、ジベルシンM35、ババリシン、コアグリン、ペディオシン(pediocin)PA-1、ムンディティシン、ピシコシン(piscicocin)CS526、ピシコシン126/Vla、サカシン、プカルノバクテリオシン(Pcarnobacteriocin)BM1、エンテロシンP、ピシコイン(piscicoin)Vlb、ペノシン(penocin)A、バクテリオシン31、バクテリオシンRC714、ヒラシン(hiracin)JM79、バクテリオシンT8、エンテロシンSE-K4、カルノバクテリオシンB2、及びプランタリシン(Plantaricin)が挙げられる。
【0087】
「プランタリシン」という用語は、Lactiplantibacillus plantarum由来のバクテリオシンを指し、プランタリシンの主な種類には、プランタリシンA、プランタリシンE、プランタリシンF、プランタリシンJ、プランタリシンK、プランタリシンC、プランタリシンD、プランタリシンW、プランタリシンT及びプランタリシンSが含まれる。並びに他のプランタリシン、例えばプランタリシン35d、プランタリシンMG、プランタリシン423、プランタリシン154、プランタリシン149、プランタリシン163、プランタリシンLC74、プランタリシンK25、プランタリシンST31、プランタリシンSA6。特に、広域スペクトルプランタリシン、例えばプランタリシンF、プランタリシンDL3、プランタリシンZJ008、プランタリシンMG、プランタリシンQ7、プランタリシンKL-1Y、プランタリシン163、プランタリシン154。
【0088】
したがって、本発明の実施形態は、少なくとも1つの活性物質を産生するプロバイオティクス微生物を含む組成物であって、活性物質がバクテリオシンを含む(から本質的になる)組成物に関する。
【0089】
本発明の更に別の実施形態では、少なくとも2つの異なるバクテリオシンがプロバイオティクス微生物によって産生され得る。
【0090】
本発明の組成物は、フケ防止活性物質などの活性物質、又はプロバイオティクス生物からのポストバイオティクスの画分を産生することができるプロバイオティクス微生物を含み、活性物質はポストバイオティクス組成物中に維持される。
【0091】
本発明の実施形態では、活性物質は、有機酸、又は1つ以上の有機酸と1つ以上のバセリオシンとの組み合わせを含み得る。
【0092】
有機酸は、約0.1~20%の総重量濃度でポストバイオティクス組成物に使用されることが好ましい。例えば、重量で、1~5%の乳酸又は酢酸。有機酸は、好ましくは、乳酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、フェニル乳酸、3-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、プロピオン酸及びコハク酸、サリチル酸、アゼライン酸、インドール-3-乳酸、インドール-3-酢酸、2-ヒドロキシブチル酸、2-ヒドロキシイソカプロン酸、3-(R)-ヒドロキシデカン酸、3-ヒドロキシ-5-シックドデカン酸、3-(R)-ヒドロキシドデカン酸、3-(R)-ヒドロキシテトラデカン酸、グリコール酸からなる群から選択され、N-アセチルアスパラギン酸は、好ましくは、ポストバイオティクス組成物において0.1~10%(w/w)の濃度で使用される。
上記のように、組成物の活性部分は、プロバイオティクス微生物に由来するか、又は少なくとも2つの活性物質を産生することができる生存プロバイオティクス微生物の形態で適用される少なくとも2つの活性物質の組み合わせを含む(又は本質的にそれからなる)。
【0093】
本発明の実施形態では、活性物質は、プロバイオティクス細菌によって産生され得、活性物質は、乳酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、3-フェニル乳酸、3-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、プロピオン酸及びコハク酸、サリチル酸、アゼライン酸、インドール-3-乳酸、インドール-3-酢酸、2-ヒドロキシブチル酸、2-ヒドロキシイソカプロン酸、3-(R)-ヒドロキシデカン酸、3-ヒドロキシ-5-シックドデカン酸、3-(R)-ヒドロキシドデカン酸、3-(R)-ヒドロキシテトラデカン酸、グリコール酸、並びにN-アセチルアスパラギン酸から選択され得る。
【0094】
活性物質は、プロバイオティクス細菌によって頭皮上で産生され得、2-ヒドロキシイソカプロン酸、フェニル乳酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸、インドール-3-乳酸、没食子酸、アゼライン酸、2-ヒドロキシブチル酸、N-アセチルアスパラギン酸、コハク酸及び乳酸から選択され得る。
【0095】
本発明の実施形態では、組成物は、活性物質の以下の組み合わせ:バクテリオシン及び/又はフェニル乳酸及び/又はサリチル酸及び/又は乳酸及び/又は2-ヒドロキシイソカプロン酸及び/又はアゼライン酸及び/又はコハク酸及び/又はインドール-3-乳酸及び/又は2-ヒドロキシブチル酸及び/又はN-アセチルアスパラギン酸及び/又はインドール-3-酢酸及び/又は没食子酸のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0096】
本発明の別の実施形態では、活性物質は、プロバイオティクス微生物によって産生されるか、又はプロバイオティクス微生物の発酵からの画分で単離される少なくとも2つの異なるバクテリオシンの組み合わせを含み得、プロバイオティクス微生物は、バクテリオシンを産生するように遺伝子改変されていない。
【0097】
本発明は、頭皮状態の予防若しくは治療又は機能不全微生物叢の調節のための治療用又は頭皮ケア用組成物において、頭皮ケア製品として直接使用するために、又は頭皮ケア製品に製剤化するために好適であり得る。
【0098】
本発明のプロバイオティクス微生物は、成長中に、広範囲の抗菌活性、抗炎症活性、剥離効果、保湿効果並びに/又は足、爪及び頭皮の硬さなどの機能的効果を提供するのに十分な、機能的代謝産物、例えばフケ防止活性物質のような活性物質の収量を産生することができる。理論に束縛されるものではないが、その効果はフィブリリンの活性化及びコラーゲン合成によって提供され得ると考えられる。
【0099】
更に、組成物中に存在する活性物質又は代謝産物と組成物のpHとの間の相乗効果を決定することは驚くべきことであった。この相乗効果により、各活性物質の機能的濃度を、精製された活性物質で必要とされる機能的濃度よりも低くすることができる。
【0100】
例えば、アゼライン酸を高濃度で使用してもよい。本発明の実施形態では、アゼライン酸の濃度は、全て相乗的機能効果に寄与する複数の活性物質又は代謝産物を含む組成物中でアゼライン酸を使用して2~20%(w/w)であり得、それにより使用中の濃度を有意に低下させることができ、また副作用及び2%(w/w)を超える高濃度のこれらの化合物を使用している間に観察され得る任意の毒性又は刺激も低下させる。
【0101】
本発明は、プロバイオティクス微生物の成長により産生される活性物質を含む、組成物に関する。組成物は、体内使用又は体外使用のために投与され得る。体外使用は、例えば、生存微生物としての頭皮、足、及び/又は爪への局所適用であってもよく、又は活性物質を含むポストバイオティクス組成物として適用されてもよい。
【0102】
本発明は、プロバイオティクス微生物の成長によって産生され、生存微生物として頭皮に局所適用されるか、又はフケ防止活性物質を含むポストバイオティクス組成物として適用されるフケ防止活性物質を含む、組成物に関するものであり得る。
【0103】
本発明の実施形態では、組成物は、活性物質としてバクテリオシン及び少なくとも1つの有機酸を産生することができるプロバイオティクス微生物を含む。
【0104】
本発明の別の実施形態では、組成物は、活性物質としてプランタルシン及び少なくとも1つの有機酸を産生することができるプロバイオティクス微生物を含む。
【0105】
好ましくは、組成物は、活性物質として少なくとも2つの異なるバクテリオシンを含む。
【0106】
本発明の組成物は、活性物質を産生することができるプロバイオティクス微生物を含み得る。
【0107】
本発明の組成物は、許容される担体を含み得、局所組成物について、許容される担体は、活性物質を提供するための皮膚科学的に許容される担体(「担体」と呼ばれることもある)であり得る。好適な担体を選択して、所望の産物形態を得ることができる。更に、成分の溶解性又は分散性は、担体の形態及び特徴を決定し得る。一実施形態において、担体は、組成物の約30重量パーセント~約99重量パーセント、約40重量パーセント~約98重量パーセント、約50重量パーセント~約96重量パーセント、又は代替的に約60重量パーセント~約95重量パーセントのレベルで存在してもよい。重量パーセントは、組成物全体の重量に基づく。
【0108】
担体は、多種多様な形態であってもよい。非限定的な例としては、単純な溶液(例えば、水性、有機溶媒、又は油系)、エマルジョン、及び固体形態(例えば、ゲル、粉末、スティック、流動性固体、又は非晶質材料)が挙げられる。特定の実施形態では、担体は、水又はアロエベラ水などの天然の植物ジュースを含み得る水性担体である。特定の実施形態では、担体はエマルジョンの形態であり得る。エマルジョンは、一般に、連続水相(例えば、水中油型及び水中油中水型)又は連続油相(例えば、油中水型及び油中水中油型)を有するものとして分類され得る。本発明の油相は、天然油、植物油、シリコーン油、炭化水素油、エステル、エーテルなどの非シリコーン油、及びそれらの混合物を含み得る。
【0109】
エマルジョンの場合、水相は、例えば脱塩水又は蒸留水などの水を含み得る。水性担体において使用され得る他の許容される担体としては、限定されないが、アルコール又はエーテル化合物、例えばエタノール、グリセロール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4-ブタンジオール、3-アリルオキシ-l,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、1,2-ヘキサンジオール、ジメチルイソソルビド、エタノール、l,3-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、2,2´-チオジエタノール、及び1,6-ヘキサンジオール、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0110】
本発明の一実施形態では、担体及び活性物質を2つの区画に分離し、その後、局所適用による投与などの投与直前に2つの区画の含有量を1つの組成物に混合することができる。
【0111】
例えば、担体と、投与前にキャップ区画から担体中に放出され得る凍結乾燥された生存プロバイオティクス微生物を含む区画を有するキャップと、を含むボトル。
【0112】
本発明に係る組成物は、約3.0~約6.5の範囲のpHを有し得、これは、25℃で組成物の標準水素電極を使用して直接pH測定を行うことによって測定され得る。したがって、組成物のpHは、約3~約6の範囲内、より好ましくは3.5~5.5の範囲内であり得る。
【0113】
本発明の好ましい実施形態は、6.5未満のpHを有する組成物、例えばフケ防止組成物、より好ましくは6未満のpHを有する組成物、より好ましくは5.5未満のpHを有する組成物、より好ましくは5.2未満のpHを有する組成物である。
【0114】
本発明の実施形態では、組成物は、石鹸、シャンプー、エマルジョン;油;ペースト;粉末;タルク;ローション;発泡体;ゲル;軟膏;懸濁液;ミスト;又は液体;又は錠剤に配合されてもよい。
【0115】
本発明の更なる実施形態では、本発明の組成物は、局所適用のための典型的な配合物で調製され得る。それらは、好ましくは、溶液、分散液、エマルジョン、粉末、タルク、カプセル化、球体、スポンジ、固体剤形、発泡体、及び他の送達機構の形態であり得る。
【0116】
本発明の実施形態の組成物は、ヘアトニック、頭皮血清などのリーブオン毛髪製品、コンディショナー、トリートメント及びスタイリング製品、コンディショナーなどのリンスオフ毛髪製品、シャンプー、及びトリートメント製品、並びに頭皮又は皮膚に適用され得る任意の他の形態を含む。
【0117】
本発明に係る組成物は、所望の用途によるリーブオン組成物又はリンスオフ組成物であってもよい。
【0118】
本発明の好ましい一実施形態では、組成物はフケ防止組成物、好ましくはリーブオン頭皮トリートメントであってもよい。
【0119】
本発明の別の好ましい実施形態では、組成物はシャンプーであってもよい。
【0120】
本発明の更なる実施形態では、組成物は爪用組成物であってもよい。組成物の配合の上記の説明に加えて、爪用組成物は、マニキュア液、爪用クリーム、爪用油、爪用エマルジョン、爪用ジェル、軟膏などであってもよい。
【0121】
爪用組成物は、ヒト又は動物の爪上の真菌症又は爪真菌症などの真菌感染症を除去、制限、治療又は予防するのに適し得る。
【0122】
本発明の更なる実施形態では、組成物は足用組成物であってもよい。組成物の配合の上記の説明に加えて、足用組成物は、好ましくは足用クリーム、足用油、足用エマルジョン、足用軟膏などであってもよい。
【0123】
足用組成物は、真菌症又は足真菌症などの真菌感染症、ヒト又は動物の足の水虫を除去、制限、治療又は予防するのに適し得る。
【0124】
組成物の他の成分
したがって、本発明に係る組成物は、他の一般的な毛髪成分も含み得る。CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Tenth Edition(the Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.(現在はThe Personal Care Products Councilと呼ばれている),Washington,D.C.)(2004)によって公開されている)は、本明細書の組成物に添加することができる多種多様な非限定的な材料を記載している。これらの成分クラスの例には、研磨剤、吸収剤、芳香剤、顔料、着色剤/着色剤(coloring/colorant)、精油、皮膚感覚剤(skin sensate)、収斂剤、ニキビ防止剤、固化防止剤、消泡剤、抗菌剤、酸化防止剤、結合剤、生物学的添加剤、緩衝剤、増量剤、キレート剤、皮膜形成剤、乳白剤、pH調整剤、噴射剤、還元剤、金属イオン封鎖剤、レオロジー調整剤、コンディショニング剤、乳化剤、及び界面活性剤が含まれるが、これらに限定されない。実施形態によれば、フケ防止組成物は、シャンプー、ヘアコンディショナー、又はシャンプー-コンディショナーの組み合わせなどのヘアケア組成物として配合されてもよく、以下の成分のうちの1つ以上を更に含む:(i)界面活性剤(アニオン性、両性/双性イオン性、非イオン性)、(ii)コンディショニング剤、(iii)乳化剤、(iv)乳白剤、(v)増粘剤、及び(vi)緩衝剤。
【0125】
界面活性剤
したがって、一実施形態では、本発明の組成物は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの洗浄界面活性剤を含むシャンプーマトリックスと共に、ヘアケア組成物として製剤化配合され得る。
【0126】
本発明のヘアケア組成物は、洗浄性能を組成物に提供する洗浄界面活性剤を含み得る。
ヘアケア組成物中などの組成物中の洗浄界面活性剤成分の濃度は、所望の洗浄及び泡立ち性能を提供するのに十分であるべきであり、一般に、約2重量パーセント~約50重量パーセント、約5重量パーセント~約40重量パーセント、約8重量パーセント~約35重量パーセント、又は約10重量パーセント~約30重量パーセントの範囲である。したがって、ヘアケア組成物などの組成物は、例えば、約5重量パーセント、約10重量パーセント、約12重量パーセント、約15重量パーセント、約17重量パーセント、約18重量パーセント、約20重量パーセント、約25重量パーセント、約30重量パーセント、又は前述のいずれか2つの間の範囲の量の洗浄界面活性剤を含み得る。重量パーセントは、組成物全体の重量に基づく。
【0127】
組成物における使用のための例示的なアニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリン酸モノグリセリド硫酸ナトリウム(lauric monoglyceride sodium sulfate)、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシネートナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム(sodium lauroyl sarcosinate)、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム及びそれらの組み合わせが挙げられ得る。本発明の更なる実施形態では、アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、又はそれらの組み合わせである。
【0128】
本明細書の組成物に使用するのに適した両性/双性イオン性界面活性剤には、例えばヘアケア又は他のパーソナルケアクレンジングでの使用が知られているものが含まれ得る。このような界面活性剤の濃度は、約0.5重量パーセント~約20重量パーセント、及び約1重量パーセント~約10重量パーセントの範囲であり得る。例はベタインであり、好適な双性イオン性又は両性界面活性剤の更なる非限定的な例は、米国特許第5,104,646号明細書及び米国特許第5,106,609号明細書に記載され、これらは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0129】
組成物に使用するのに適した両性洗浄界面活性剤は、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記載される界面活性剤を含んでいてもよく、脂肪族基は直鎖又は分岐鎖であってもよく、脂肪族置換基のうちの1つは、約8~約18個の炭素原子を含有し、少なくとも1つのアニオン性基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートを含有する。ヘアケア組成物における使用に適した双性イオン性洗浄界面活性剤としては、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載される界面活性剤が挙げられ、脂肪族基は、直鎖又は分枝鎖であってもよく、脂肪族置換基のうちの1つは、約8~約18個の炭素原子を含有し、1つは、カルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート又はホスホネートなどのアニオン性基を含有する。本組成物における使用のための例示的な両性及び/又は双性イオン性洗浄界面活性剤としては、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0130】
非イオン性界面活性剤は、いくつかの組成物、特にシャンプー組成物に添加され得る。
【0131】
シャンプー組成物などの本発明に係る組成物は、非イオン性界面活性剤を含み得る。非イオン性界面活性剤は、本質的に親水性のアルキレンオキシド基と、本質的に脂肪族又はアルキル芳香族であり得る有機疎水性化合物との縮合によって生成される化合物を含み得る。
【0132】
例えばシャンプー組成物における使用のための非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、以下が挙げられ得る。(1)アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、例えば、直鎖又は分岐鎖のいずれかの配置で約6~約20個の炭素原子を含有するアルキル基を有するアルキルフェノールとエチレンオキシドとの縮合生成物であって、前記エチレンオキシドが、アルキルフェノール1モル当たり約10~約60モルのエチレンオキシドに等しい量で存在する、ポリエチレンオキシド縮合物;(2)エチレンオキシドと、プロピレンオキシドとエチレンジアミン生成物との反応から生じる生成物との縮合から誘導されるもの;(3)約8~約18個の炭素原子を直鎖又は分岐鎖のいずれかの配置で有する脂肪族アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、ココナッツアルコールエチレンオキシド縮合物であって、ココナッツアルコール1モル当たり約10~約30モルのエチレンオキシドを有し、ココナッツアルコール画分が約10~約14個の炭素原子を有する、縮合生成物;(4)式[R1R2R3N0]の長鎖三級アミンオキシド(式中、R1は、約8~約18個の炭素原子、0~約10個のエチレンオキシド部分及び0~約1個のグリセリル部分のアルキル、アルケニル又はモノヒドロキシアルキル基を含有し、R2及びR3は、約1~約3個の炭素原子及び0~約1個のヒドロキシ基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル又はヒドロキシプロピル基を含有する);(5)式 [RR´R”P(R)0](式中、Rは、鎖長が約8~約18個の炭素原子、0~約10個のエチレンオキシド部分及び0~1個のグリセリル部分の範囲のアルキル、アルケニル又はモノヒドロキシアルキル基を含有し、R´及びR”は、それぞれ、約1~約3個の炭素原子を含むアルキル又はモノヒドロキシアルキル基である;(6)1~約3個の炭素原子の1つの短鎖アルキル又はヒドロキシアルキル基(通常、メチル)と、約8~約20個の炭素原子、0~約10個のエチレンオキシド部分及び0~1個のグリセリル部分を含むアルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル又はケトアルキル基を含む1つの長鎖疎水性鎖とを含む長鎖ジアルキルスルホキシド;(7)アルキル多糖(APS)界面活性剤(例えばアルキルポリグリコシド)であり、その例が、米国特許第4,565,647号明細書(その全体が参照により本明細書に組み込まれ、約6~約30個の炭素原子を有する疎水性基及び親水性基としての多糖(例えば、ポリグリコシド)を有するAPS界面活性剤を開示する)に記載され、場合により、疎水性部分と親水性部分とをつなぐポリアルキレンオキシド基が存在し得る。アルキル基(すなわち、疎水性部分)は、飽和又は不飽和、分枝状又は非分枝状、及び非置換又は置換であり得る(例えば、ヒドロキシ環又は環状環を有する);並びに(8)一般式RO(CH2CH2)nH)を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び一般式R(0)0CH2CH(0H)CH2(0CH2CH2)n0H)を有するポリエチレングリコール(PEG)グリセリル脂肪エステルを含み、式中、nは1~約200、好ましくは約20~約100であり、Rは約8~約22個の炭素原子を有するアルキルである。
【0133】
特定の非イオン性界面活性剤は、泡安定剤、粘度制御剤、又はコンディショニング剤としても機能することができる。含まれる場合、組成物は、約0.5重量パーセント~約5.0重量パーセントの非イオン性界面活性剤、又は約0.75重量パーセント~約2.0重量パーセントを含有し得る。組成物に使用するのに適した他のアニオン性、両性/双性イオン性、非イオン性、又は任意選択的な追加の界面活性剤の非限定的な例は、米国特許第3,929,678号、第2,658,072号、第2,438,091号、第2,528,378号明細書(これらは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0134】
コンディショニング剤
本発明の一実施形態では、組成物は、1つ以上のコンディショニング剤を含み得る。コンディショニング剤には、ヒト又は動物の毛髪、爪及び/又は皮膚に特定のコンディショニング効果を与えるために使用される材料が含まれる。本発明の組成物に有用なコンディショニング剤は、典型的には、乳化液体粒子を形成する水不溶性、水分散性、不揮発性の液体を含む。組成物に使用するのに適したコンディショニング剤は、一般にシリコーン(例えば、シリコーン油、カチオン性シリコーン、シリコーンゴム、高屈折シリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニング油(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪エステル)若しくはそれらの組み合わせとして特徴付けられるコンディショニング剤、又は水性界面活性剤マトリックス中に分散した液体粒子を形成するコンディショニング剤であり得る。実施形態では、組成物全体の重量の約0.01重量パーセント~約10重量パーセント、約0.1重量パーセント~約8重量パーセント、及び約0.2重量パーセント~約4重量パーセントの1つ以上のコンディショニング剤が存在する。
【0135】
乳化剤
種々のアニオン性乳化剤を、以下に記載される本発明の組成物、特にシャンプー組成物に使用することができる。陰イオン性乳化剤としては、限定ではなく例示として、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルイソチオネート、アルキルカルボキシレート、アルキルスルホスクシネート、アルキルスクシナメート(alkyl succinamates)、アルキルサルフェート塩、例えばドデシル硫酸ナトリウム、アルキルサルコシネート、タンパク質加水分解物のアルキル誘導体、アシルアスパルテート、アルキルエーテル又はアルキルエーテル又はアルキルアリールエーテルリン酸エステル、ドデシル硫酸ナトリウム、リン脂質又はレシチン、又は石鹸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム又はステアリン酸アンモニウム、オレエート又はパルミテート、アルキルアリールスルホン酸塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチル、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ポリ(スチレンスルホン酸)ナトリウム塩、イソブチレン-無水マレイン酸コポリマー、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、硫酸セルロース及びペクチン、ポリ(スチレンスルホネート)、イソブチレン-無水マレイン酸コポリマー、アラビアガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ペクチン酸、トラガカントガム、アーモンドガム及び寒天;半合成ポリマー、例えばカルボキシメチルセルロース、硫酸化セルロース、硫酸化メチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、リン酸デンプン、リグニンスルホン酸;並びに合成ポリマー、例えば無水マレイン酸コポリマー(その加水分解物を含む)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸ブチルアクリレートコポリマー又はクロトン酸ホモポリマー及びコポリマー、ビニルベンゼンスルホン酸又は2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ホモポリマー及びコポリマー、及びそのようなポリマー及びコポリマーの部分アミド又は部分エステル、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール及びリン酸変性ポリビニルアルコール、リン酸又は硫酸化トリスチリルフェノールエトキシレートが挙げられる。
【0136】
更に、アクリレート官能性を有するアニオン性乳化剤、例えば本発明のシャンプー組成物も本発明の組成物に使用してもよい。本明細書で有用なアニオン性乳化剤としては、限定されないが、ポリ(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸及びその(メタ)アクリレートとCl-22アルキル、C1-C8アルキル、ブチルとのコポリマー;(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルアミドとのコポリマー;カルボキシビニルポリマー;アクリレートコポリマー、例えばアクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリル酸/ビニルエステルコポリマー/アクリレート/ビニルイソデカノエートクロスポリマー、アクリレート/パルメト-25アクリレートコポリマー、アクリレート/ステアレス-20イタコネートコポリマー、及びアクリレート/セレス-20イタコネートコポリマー;ポリスチレンスルホネート、メタクリル酸とアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸とのコポリマー、及びアクリル酸とアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸とのコポリマー;カルボキシメチルセルロース;カルボキシグアー;エチレンとマレイン酸とのコポリマー;並びにアクリレートシリコーンポリマーが挙げられる。実施形態では、乳化剤は、存在する場合、組成物全体の約0.01重量パーセント~約5重量パーセント、又は約0.1重量パーセント~約4重量パーセント、又は約0.1重量パーセント~約3重量パーセントの範囲である。重量パーセントは、組成物全体の重量に基づく。
【0137】
カルボマーは、液体ゲルの場合は低濃度で、固体ゲルの場合は高濃度でヒドロゲルに使用することができる。
【0138】
任意選択的な乳白剤
本発明のいくつかの組成物は、真珠光沢として知られる化粧品として魅力的な真珠様外観を達成するために、その中に材料を組み込むことによって不透明化配合物として提供され得る。不透明化又は真珠光沢性材料は、二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、オキシ塩化ビスマス被覆雲母、ミリスチン酸ミリスチル、グアニン、光輝剤(ポリエステル又は金属)、及びそれらの混合物を含み得るが、これらに限定されない。他の真珠光沢性材料は、米国特許第4,654,207号及び米国特許第5,019,376号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)に見出すことができる。実施形態では、乳白剤の濃度は、存在する場合、全体の約0.01重量パーセント~約5重量パーセント、又は約0.1重量パーセント~約3重量パーセント、又は約0.1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲である。重量パーセントは、組成物全体の重量に基づく。
【0139】
増粘剤
増粘剤又はレオロジー調整剤としては、アクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー(及び)ポリイソブテン(及び)ポリソルベート20;アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80;アクリレートコポリマー;アクリレート/ベヘネス(beheneth)-25メタクリレートコポリマー;アクリレート/C10-C30アルキルアクリレートクロスポリマー;アクリレート/ステアレス-20イタコネートコポリマー;ポリアクリル酸アンモニウム/イソヘキサデカン/PEG-40ヒマシ油;Cl2-16アルキルPEG-2ヒドロキシプロピルヒドロキシエチルエチルセルロース(HM-EHEC);カルボマー;架橋ポリビニルピロリドン(PVP);ジベンジリデンソルビトール;ヒドロキシエチルエチルセルロース(EHEC);ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);ヒドロキシプロピルセルロース(HPC);メチルセルロース(MC);メチルヒドロキシエチルセルロース(MEHEC);PEG-l 50/デシルアルコール/SMDIコポリマー;PEG-l 50/ステアリルアルコール/SMDIコポリマー;ポリアクリルアミド/C 13-14イソパラフィン/ラウレス-7;ポリアクリレート13/ポリイソブテン/ポリソルベート20;ポリアクリレートクロスポリマー-6;ポリアミド-3;ポリクオタミウム-37(及び)水素化ポリデセン(及び)トリデセス-6;ポリウレタン-39;アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウレート/ジメチルアクリルアミド;クロスポリマー(及び)イソヘキサデカン(及び)ポリソルベート60;ポリアクリル酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、レオロジー調整剤の濃度は、存在する場合、組成物全体の重量の約0.01重量パーセント~約7重量パーセント、又は約0.1重量パーセント~約5重量パーセント、又は約0.2重量パーセント~約4重量パーセントの範囲である。重量パーセントは、組成物全体の重量に基づく。
【0140】
緩衝液
本発明に係る組成物は、約3.0~約6.5の範囲のpHを有し得、緩衝系の存在によって安定化され得る。好適な緩衝液は、例えば、クエン酸、リン酸、フタル酸、酢酸、乳酸、グリシン又はそれらの混合物を使用する弱酸又は弱塩基系を使用して調製することができる。いずれの場合も、適切な緩衝能力は、組成物の最終pHを上記のpH範囲内に調整することによって得られる。これは、必要に応じて酸(例えば、HCl、クエン酸)又は塩基(例えば、NaOH、クエン酸ナトリウム)を使用して行ってもよい。本組成物に使用される緩衝剤の量は、選択される特定の酸に依存し得るが、一般に約0.1重量パーセント~約10重量パーセント、好ましくは約0.2重量パーセント~約5重量パーセントである。重量パーセントは、組成物全体の重量に基づく。
【0141】
有益剤などの更なる薬剤もまた、本発明に係る組成物に含まれ得る。有益剤は、プレバイオティクス、香料、光沢剤、酵素、感覚剤(冷却又は加温)、誘引剤、保存剤、染料、顔料、漂白剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでもよい。
【0142】
本明細書に開示される天然活性物質の本発明の組み合わせはまた、二次頭皮有益活性物質、例えば可溶性及び/又は不溶性の二次活性物質などの二次有益活性物質と組み合わせて使用され得ることを更に理解されたい。そのような二次活性物質には、ケトコナゾール、エコナゾール、クリンバゾール及びエルビオールなどのアゾール;サリチル酸などの角質溶解剤;及び亜鉛含有層状(ZLM)材料、ピリジンチオンフケ防止粒子、例えば亜鉛ピリチオン、コールタール、硫黄、木炭、ホワイトフィールド(whitfield)軟膏、カステラーニ(castellani)塗料、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、尿素製剤、グリセオフルビン、8-ヒドロキシキノリンクリオキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロギン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(テルビナフィンなど)、Sensiva SC-50、Elestab HP-100、アゼライン酸、リチカーゼ(lyticase)、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、イソチアザリノン、例えばオクチルイソチアザリノン、他の天然油、抽出物、又は化合物、例えばビターオレンジ油、ティーツリー油、クローブ葉油、コリアンダー、パルマロサ、ベルベリン、タイムレッド、シナモン油、桂皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール、イクチルペール、並びにそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。実施形態では、二次有益剤の濃度は、組成物全体の約0.01重量パーセント~約5重量パーセント、又は約0.1重量パーセント~約3重量パーセント、又は約0.1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲であり得る。重量パーセントは、組成物全体の重量に基づく。本発明の代替実施形態では、本明細書に開示される天然活性物質の本発明の組み合わせはまた、前述の列挙された二次活性物質のいずれも含まれていない場合がある。
【0143】
好ましくは、少なくとも1つのプレバイオティクス化合物は、本発明の組成物中の追加の薬剤として、すなわち他の成分として含まれ得る。非常に広い概念では、プレバイオティクスは、プロバイオティクスによって代謝され得る全ての化合物である。好ましくは、プレバイオティクスは、哺乳動物によって消化されないか、又はほとんど消化されない。プレバイオティクスは当技術分野で周知であり、本発明で使用される場合、プレバイオティクス自体に特に制限はない。
【0144】
好ましくは、組成物中の少なくとも1つのプレバイオティクス製品は、以下の化合物及び組成物から選択され得る:非消化性炭水化物、ベータ-グルカン、マンナン-オリゴ糖、イヌリン、オリゴフルクトース、ヒト乳オリゴ糖(human milk oligosaccharide、HMO)、ガラクトオリゴ糖(galactooligosaccharide、GOS)、ラクツロース、ラクトスクロース、ガラクトトリオース、フルクトオリゴ糖(fructo-oligosaccaride、FOS)、セロビオース、セロデキストリン、シクロデキストリン、マルチトール、ラクチトール、グリコシルスクロース。マンナンオリゴ糖及び/又はイヌリンが好ましい場合がある。
【0145】
HMOは、ラクト-N-テトラオース、ラクト-N-フコペンタオース、ラクト-N-トリオース、3’-シアリルラクトース、ラクト-N-ネオフコペンタオース、シアル酸、L-フコース、2-フコシルラクトース、6’-シアリルラクトース、ラクト-N-ネオテトラオース及び3-フコシルラクトースを含み得る。
【0146】
D-フコース及びL-フコースは好適であり得、皮膚の自然防御を強化し、表皮免疫防御を刺激し、並びに/又は皮膚自己免疫疾患を予防及び/若しくは治療し得る。本発明の好ましい実施形態では、組成物はD-及び/又はL-フコースを含む。
【0147】
本発明の好ましい一実施形態では、組成物は、組成物中に10mM~500mMの濃度でL-フコースを更に含む。
【0148】
本発明に係る組成物は、一般に、当技術分野で公知の従来の方法、例えばシャンプー組成物、クリーム、油、エマルジョンなどを調製することによって調製することができる。そのような方法は、典型的には、加熱、冷却、真空の適用などの有無にかかわらず、1つ以上の工程で成分を比較的均一な状態に混合することを含む。組成物は、活性物質の安定性(物理的安定性、化学的安定性、光安定性)及び/又は送達を最適化するように調製され得る。この最適化は、適切なpH、及び活性剤(複数可)と複合又は反応し、したがって安定性又は送達に悪影響を及ぼし得る材料の排除を含み得る。
【0149】
組成物は単相又は単一生成物であってもよく、又は組成物は別個の相又は別個の生成物であってもよい。2つの生成物が使用される場合、それらの生成物は、同時に又は連続して一緒に使用され得る。連続使用は、短期間、例えば1つの製品の使用直後に起こり得るか、又は数時間若しくは数日間にわたって起こり得る。
【0150】
本発明の一実施形態では、組成物は、グラム当たり103から1013コロニー形成細菌単位の濃度で生存プロバイオティクス細菌を含むリーブオン組成物である。より具体的には、グラム当たり104~1010コロニー形成単位の細菌を含む組成物、より具体的にはグラム当たり105~109コロニー形成単位の細菌を含む組成物。
【0151】
本発明の一実施形態では、組成物は、グラム当たり少なくとも103コロニー形成細菌単位の濃度で生存プロバイオティクス細菌を含むリーブオン組成物である。より具体的には、グラム当たり少なくとも104コロニー形成単位の細菌を含む組成物、より具体的にはグラム当たり少なくとも105コロニー形成単位の細菌を含む組成物、より具体的にはグラム当たり少なくとも106コロニー形成単位の細菌を含む組成物、より具体的にはグラム当たり少なくとも107コロニー形成単位の細菌を含む組成物。
【0152】
本発明の一実施形態では、組成物は、フケ防止活性物質又は真菌症防止活性物質などの活性物質のポストバイオティクス画分を含む。
【0153】
フケ防止組成物としての本発明に係る組成物の使用:本発明の実施形態によれば、フケを有する対象を治療するため、及び/又は対象の頭皮上でのMalassezia属の酵母の増殖に関連するフケ症状の発症を予防若しくは阻害するための方法が提供される。この方法は、対象の頭皮又はケラチン組織を有効量の本発明のフケ防止組成物と接触させることを含む。フケ防止組成物は、頭皮上にマッサージされてもよく、少なくとも15秒以上の期間、対象の頭皮又はケラチン組織と接触したままであるべきである。配合物に応じて、フケ防止組成物は、リーブインであってもよく、又は洗い流すものであってもよい。
【0154】
したがって、別の実施形態では、本方法は、有効量のフケ防止活性物質を含むフケ防止組成物を、Malasseziaの阻害が必要又は望まれる対象の皮膚の領域に局所的に適用することを含み、フケ防止活性物質は、リーブオン組成物として、又は15秒以上の期間、領域と接触したままであり、次いで、洗い流される。更に別の実施形態では、本方法は、レジメンに従って組成物を適用することを含み、当該レジメンは、(a)頭皮を洗浄して、洗浄された頭皮を形成することと、(b)フケ防止組成物を当該洗浄された頭皮に局所的に塗布することと、を含む。
【0155】
真菌症防止組成物としての本発明に係る組成物の使用:本発明の実施形態によれば、爪若しくは足に真菌症を有する対象を治療するための、並びに/又は対象の爪及び/若しくは足上のMalassezia属の増殖に関連する真菌症症状の発症を予防若しくは阻害するための方法が提供される。この方法は、対象の爪及び/又は足を有効量の本発明の真菌症防止組成物と接触させることを含む。真菌症防止組成物は、爪及び/又は足にマッサージされてもよく、少なくとも15秒以上の期間、対象の爪及び/又は足と接触したままでなければならない。配合物に応じて、真菌症防止組成物は、リーブインであってもよく、又は洗い流すものであってもよい。
【0156】
したがって、別の実施形態では、本方法は、有効量の真菌症防止活性物質を含む真菌症防止組成物を、真菌の阻害が必要又は望まれる対象の爪及び/又は足の領域に局所的に適用することを含み、真菌症防止活性物質は、リーブオン組成物として、又は15秒以上の期間、領域と接触したままであり、次いで、洗い流される。更に別の実施形態では、本方法は、レジメンに従って組成物を適用することを含み、当該レジメンは、(a)爪又は足を洗浄して、洗浄された頭皮を形成することと、(b)真菌症防止組成物を当該洗浄された爪又は足に局所的に塗布することと、を含む。
【0157】
本発明によれば、真菌感染症にはフケ及び/又は真菌症が含まれ得る。真菌症は、真菌によって引き起こされる任意の疾患に関連し得、身体の異なる部分、特にヒト又は動物の身体の足、耳、手及び/又は爪に影響を及ぼし得る。
【0158】
本発明の好ましい実施形態は、ヒト又は動物における真菌症の予防及び/又は治療における使用のための、本発明に係る組成物に関する。
【0159】
好ましくは、ヒト又は動物における真菌症及び/又はフケの予防及び/又は治療が、対象の頭皮、手、耳、足、爪又は皮膚上のMalassezia属の酵母の増殖に関連する状態の予防及び/又は治療を含んでもよい。
【0160】
本発明の更なる実施形態では、組成物は、ヒト又は動物における真菌症の予防及び/又は治療における使用のための、1つ以上のプロバイオティクス細菌株(好ましくは単離されたプロバイオティクス細菌株)及び/又は1つ以上のプロバイオティクス細菌株の活性物質(好ましくは単離されたプロバイオティクス細菌株)を含む。
【0161】
ヒト又は動物における真菌症の予防及び/又は治療は、以下の予防及び/又は治療であり得る:
-ヒト又は動物の頭皮又は皮膚上でのMalassezia属の酵母の増殖に関連するフケ状態;又は
-ヒト又は動物の場合、真菌又は酵母、例えば爪上のTinea unguium又はTrichophyton spp.の増殖に関連する真菌性爪感染症;又は
【0162】
本発明の実施形態では、組成物は核酸及び/又はヌクレオチドを含む。
【0163】
本発明の更なる実施形態では、組成物は植物材料及び/又は繊維材料を含まない。繊維材料は植物繊維材料であることが好ましい。
【0164】
好ましくは、組成物中の繊維材料の含有量は、組成物全体に対して5%(w/w)未満、例えば4%(w/w)未満、例えば3%(w/w)未満、例えば2%(w/w)未満、例えば1%(w/w)未満、例えば0.5(w/w)未満、例えば0.1%(w/w)未満、例えば0%である。
【0165】
本発明の実施形態では、組成物は、1つ以上の単離されたプロバイオティクス細菌株の2つ以上の活性物質(特定の活性物質は上記の通りであり得る)、例えば3つ以上(例えば4つ以上)、例えば5つ以上(例えば4つ以上)、例えば10以上(例えば15以上)、例えば20以上(例えば25以上)を含む。
【0166】
本発明に係る対象は、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ又はヒツジから選択される哺乳動物であり得る。
【0167】
本発明に係る組成物は、毎日、毎週、又は様々なレジメンで使用してもよい。組成物は、夜間及び午前中など、1日に2回以上使用され得る。組成物は、毛髪を洗浄した後(濡れた又は乾いた毛髪上でも)、又は身体、足若しくは爪を洗浄した後に使用することができ、これは、特定の日に1日に2回以上組成物を使用すること、又は週に数回のみ使用することを意味し得る。組成物は、1日3回、1日2回、1日1回、1週間に6回、1週間に5回、1週間に4回、1週間に3回、1週間に2回、又は1週間に1回使用され得る。いくつかの実施形態では、フケ防止組成物は、1週間に4、5、6又は7回使用される。
【0168】
別の実施形態によれば、組成物は、少なくとも約1週間にわたって1日に少なくとも1回、又は少なくとも約1週間にわたって1日に少なくとも2回塗布され得る。
【0169】
別の実施形態によれば、組成物は、少なくとも約4週間にわたって1日に少なくとも1回、又は少なくとも約4週間にわたって1日に少なくとも2回塗布され得る。別の実施形態によれば、組成物は、少なくとも約8週間にわたって少なくとも1日1回塗布され得る。組成物は、男性及び女性によって使用され得る。組成物は、新生児、乳児、乳児及び小児を含む任意の年齢の哺乳動物によって使用され得る。
【0170】
本発明の実施形態では、組成物はフケ防止組成物であり得る。好ましくは、フケ防止組成物は、新生児頭部皮膚炎の予防又は治療に使用され得る。
【0171】
本発明の別の実施形態では、組成物は、ヒト又は動物の皮膚、被毛(fur)、口腔、生殖器領域、耳及び/又は身体開口部に適用され得る。
【0172】
好ましくは、本発明に係る組成物は、動物に局所的に適用され得る。更に好ましい実施形態では、動物は、イヌ、ネコ、ウシ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ及び鳥類から選択され得る。
【0173】
本発明は、頭皮、手、皮膚、耳、足及び/又は爪などの感染領域に局所適用された場合に活性物質を産生することができるプロバイオティクス微生物を含む組成物(フケ防止組成物及び/又は真菌症防止組成物など)に関するものであり得る。
【0174】
本発明は、頭皮に局所適用した場合にフケ防止活性物質を産生することができるプロバイオティクス微生物を含む、フケ防止組成物に関し得る。
【0175】
好ましくは、組成物は、バクテリオシン、乳酸、酢酸、コハク酸、アゼライン酸、サリチル酸、インドール-3-乳酸、インドール-3-酢酸、2-ヒドロキシブチル酸、N-アセチルトリプトファン、グリコール酸、N-アセチルグルタミン及びN-アセチルアスパラギン酸から選択されるプロバイオティクス微生物によって産生される少なくとも2つのフケ防止活性物質を含む。
【0176】
フケ及び/又は真菌症を治療するための組成物であって、組成物が、組成物1グラム当たり少なくとも103コロニー形成単位の濃度で生存プロバイオティクス微生物を含み、プロバイオティクス微生物が、フケ防止及び/又は真菌症防止活性物質を産生することができる、組成物。
【0177】
フケ及び/又は真菌症を治療するためのpH6.5未満の組成物であって、組成物が、組成物1グラム当たり少なくとも103コロニー形成単位の濃度で生存プロバイオティクス微生物を含み、プロバイオティクス微生物が、フケ防止及び/又は真菌症防止活性物質を産生することができる、組成物。
【0178】
バクテリオシン産生存プロバイオティクス微生物を含む組成物であって、同じ微生物が以下の代謝産物:コハク酸、アゼライン酸、サリチル酸、2-ヒドロキシイソカプロン酸、インドール-3-乳酸、インドール-3-酢酸、2-ヒドロキシブチル酸、N-アセチルトリプトファン、グリコール酸、N-アセチル-グルタミン及びN-アセチルアスパラギン酸の少なくとも2つを産生する、組成物。
【0179】
以下のフケ防止及び/又は真菌症防止活性物質:コハク酸、アゼライン酸、サリチル酸、2-ヒドロキシイソカプロン酸、インドール-3-乳酸、インドール-3-酢酸、2-ヒドロキシブチル酸、N-アセチルトリプトファン、グリコール酸、N-アセチルグルタミン又はN-アセチルアスパラギン酸のうちの少なくとも2つを産生することができる乳酸菌由来のポストバイオティクス画分を含む、組成物。
【0180】
インドール-3-乳酸を含むフケ防止及び/又は真菌症防止組成物であって、インドール-3-乳酸が乳酸菌によって産生される、フケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0181】
サリチル酸を含むフケ防止及び/又は真菌症防止組成物であって、サリチル酸が乳酸菌によって産生される、フケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0182】
グルコン酸を含むフケ防止及び/又は真菌症防止組成物であって、グルコン酸が乳酸菌によって産生される、フケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0183】
フェニル乳酸を含むフケ防止及び/又は真菌症防止組成物であって、フェニル乳酸が乳酸菌によって産生される、フケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0184】
2-ヒドロキシイソカプロン酸を含むフケ防止及び/又は真菌症防止組成物であって、2-ヒドロキシイソカプロン酸が乳酸菌によって産生される、フケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0185】
2-ヒドロキシ-ブチル酸を含むフケ防止及び/又は真菌症防止組成物であって、2-ヒドロキシ-ブチル酸が乳酸菌によって産生される、フケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0186】
N-アセチルアスパラギン酸を含むフケ防止及び/又は真菌症防止組成物であって、N-アセチルアスパラギン酸が乳酸菌によって産生される、フケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0187】
アゼライン酸を含むフケ防止及び/又は真菌症防止組成物であって、アゼライン酸が乳酸菌によって産生される、フケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0188】
コハク酸を含むフケ防止及び/又は真菌症防止組成物であって、コハク酸が乳酸菌によって産生される、フケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0189】
インドール3-酢酸を含むフケ防止及び/又は真菌症防止組成物であって、インドール3-酢酸が乳酸菌によって産生される、フケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0190】
3-フェニル乳酸を含むフケ防止及び/又は真菌症防止組成物であって、3-フェニル乳酸が乳酸菌によって産生される、フケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0191】
N-アセチルグルタミンを含むフケ防止及び/又は真菌症防止組成物であって、N-アセチルグルタミンが乳酸菌によって産生される、フケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0192】
乳酸菌によって産生される2-ヒドロキシイソカプロン酸及びサリチル酸を含む、フケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0193】
上記の組成物のうちのいずれか1つによるフケ防止組成物及び/又は真菌症防止組成物であって、当該組成物が少なくとも1つのバクテリオシンを含む、フケ防止組成物及び/又は真菌症防止組成物。
【0194】
バクテリオシン、サリチル酸、インドール-3-乳酸及び3-フェニル乳酸を含む、フケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0195】
バクテリオシン、2-ヒドロキシイソカプロン酸、サリチル酸、インドール-3-乳酸、2-ヒドロキシブチル酸及びN-アセチルアスパラギン酸を含む、フケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0196】
上記の組成物のうちのいずれかによるフケ防止及び/又は真菌症防止組成物であって、当該組成物が単離された乳酸菌によって産生される、フケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0197】
過酸化水素、3-フェニル乳酸、3-ヒドロキシフェニル乳酸、4-ヒドロキシフェニル乳酸、2-ヒドロキシイソカプロン酸、3-ヒドロキシプロパンアルデヒド、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、コハク酸、エタノール、酢酸、炭酸、プロパン酸、酪酸、環状ジペプチド、シクロ(L-Phe-L-Pro)、シクロ(L-Traps-4-OH-L-Pro)、3-(R)-ヒドロキシデカン酸、3-ヒドロキシ-5-シックドデカン酸、3-(R)-ヒドロキシドデカン酸、及び3-(R)-ヒドロキシテトラデカン酸を含む群から選択される少なくとも1つの抗菌性細菌代謝産物を更に含む、上記の組成物のうちのいずれかによるフケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0198】
プロバイオティクス微生物が、Lactiplantibacillus plantarum LB356R(DSM 33094)、Lactiplantibacillus plantarum LB244R(DSM 32996)、Weissella viridescens LB10G(DSM 32906)、Lacticaseibacillus paracasei LB113R(DSM 32907)、Lacticaseibacillus paracasei LB116R(DSM 32908)、Levilactobacillus brevis LB152G(DSM 32995)、Lacticaseibacillus paracasei LB28R(DSM 32994)、Enterococcus faecium LB276R(DSM 32997)、Leuconostoc mesenteriodes LB349R(DSM 33093)、Lactiplantibacillus plantarum LB316R(DSM 33091)、Lactiplantibacillus plantarum LB312R(DSM 33098)、Pediococcus pentosaceus LB606R(DSM 33730)、Lactiplantibacillus plantarum LB679R(DSM 33731)、Lactobacillus crispatus LB714R(DSM 33732)Lactobacillus gasseri LB905R(DSM 34094)、Lactobacillus crispatus LB912R(DSM 34095)、Lactobacillus jensenii LB918R(DSM 34096)、Lactobacillus crispatus LB919R(DSM 34097)、Lacticaseibacillus paracasei subsp.paracasei LB555R(DSM 34249)、Lactiplantibacillus plantarum LB681R(DSM 34250);及び/又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、上記の組成物のうちのいずれかによるフケ防止及び/又は真菌症防止組成物。
【0199】
生体材料の寄託
本発明に係る乳酸菌には、特に、以下を含む群から選択される微生物又はその類似体、断片、誘導体、発酵物、溶解物、変異体又は組み合わせが含まれる:
-2022年5月5日にGerman Collection for Microorganisms and Cell Culturesに寄託された微生物:Lactiplantibacillus plantarum LB681R(DSM 34250)及びLacticaseibacillus paracasei subsp.paracasei LB555R(DSM 34249);
-2020年12月14日にGerman Collection for Microorganisms and Cell Culturesに寄託された微生物:Lactobacillus crispatus LB714R(DSM 33732)、Pediococcus pentosaceus LB606R(DSM 33730)、及び/若しくはLactiplantibacillus plantarum LB679R(DSM 33731);
-2021年11月25日に寄託された微生物:Lactobacillus crispatus LB919R(DSM 34097)、Lactobacillus crispatus LB912R(DSM 34095)、Lactobacillus gasseri LB905R(DSM 34094)、及び/若しくはLactobacillus jensenii LB918R(DSM 34096);
-2019年4月10日にGerman Collection for Microorganisms and Cell Culturesに寄託された微生物:Lactobacillus plantarum LB356R(DSM 33094)、Leuconostoc mesenteriodes LB349R(DSM 33093)、Lacticaseibacillus paracasei LB316R(DSM 33091)、及び/若しくはLactiplantibacillus plantarum LB312R(DSM 33098);
-2018年12月13日にGerman Collection for Microorganisms and Cell Culturesに寄託された微生物:Lactobacillus plantarum LB244R(DSM 32996)、Enterococcus faecium LB276R(DSM 32997)、Levilactobacillus brevis LB152G(DSM 32995)、及び/若しくはLacticaseibacillus paracasei LB28R(DSM 32994)、並びに/又は
-2018年8月28日にGerman Collection for Microorganisms and Cell Culturesに寄託された微生物:Lactobacillus plantarum LB116R(DSM 32908)、Lacticaseibacillus paracasei LB113R(DSM 32907)及び/若しくはWeissella viridescens LB10G(DSM 32906)。
【0200】
本出願で引用された全ての特許及び非特許文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0201】
本発明を、以下の非限定的な実施例において更に詳細に説明する。
【実施例】
【0202】
実施例1:
CCUG番号59937のMalassezia furfurは、「Culture Collection University Gothenburg」から送達された。この株は、ヒト癜風に罹患した15歳の少女から単離された。M.furfur 59937をポテトデキストロースブロス(Sigma)に接種し、30℃で5日間インキュベートした。インキュベーション後、培養物をポテトデキストロース寒天(Sigma)プレート上に綿棒で画線培養(streaked)して菌叢を作製した。画線培養寒天プレートの上に、Lactiplantibacillus plantarum LB244R(登録商標)(DSM 32996),Lactiplantibacillus plantarum LB356R(登録商標)(DSM 33094)及びPediococcus pentosaceus LB606R(登録商標)(DSM 33730)の48時間培養物20μLをスポットした。プレートを30℃で5日間インキュベートした。インキュベーション後、プレートを目視検査した。乳酸菌の全スポットの周りに、M.furfur菌叢における+1cmの阻害領域を観察することができた。
【0203】
実施例2.
様々な配合物
フケ防止シャンプー組成物:
【0204】
シャンプー配合物A11
成分:
水65%(w/w)
抗生物質投与後(Lactobio Lactiplantibacillus LB356R(登録商標)発酵溶解物)15%(w/w)-95~98%(w/w)の水分を含む(107~1010細胞/mlの細胞濃度に等しい)
ラウロイル/ミリストイルメチルグルカミド7%(w/w)
デシルグルコシド2%(w/w)
ベタイン2%(w/w)
ココイルイセチオン酸ナトリウム1%(w/w)
グリセリン1%(w/w)
コカミドミパ1%(w/w)
水添ココナッツ酸1%(w/w)
ソルビン酸1%(w/w)
イセチオン酸ナトリウム1%(w/w)
フィチン酸ナトリウム1%(w/w)
エタノール1%(w/w)
安息香酸ナトリウム0.5%(w/w)
ソルビン酸カリウム0.5%(w/w)
pHを4.5に調整
【0205】
プロバイオティクス微生物を除く全ての成分を溶融するまで加熱し、撹拌しながら冷却し、シャンプーを20℃に冷却したときにプロバイオティクス微生物をポストバイオティクス溶液として添加する。
【0206】
シャンプー配合物A12:
成分:
水39%(w/w)
ポストバイオティクス(Lactiplantibacillus plantarum LB356R((登録商標)発酵溶解物)14%(w/w)-95~98%(w/w)の水分を含む(107~1010細胞/mlの細胞濃度に等しい)
ラウレス硫酸ナトリウム13%(w/w)
ココアンホ二酢酸二ナトリウム8%(w/w)
PEG-200水素化グリセリルパルミテート5%(w/w)
ポリソルベート20 5%(w/w)
ヘキシレングリコール2%(w/w)
リシノールアミド二ナトリウムMEA 2%(w/w)
スルホサクシネート2%(w/w)
安息香酸ナトリウム1%(w/w)
ポリソルベート21 1%(w/w)
メチルパラベンナトリウム1%(w/w)
ポリクオタニウム-10 1%(w/w)
PEG-7グリセリルココエート、メントール1%(w/w)
エチルパラベン1%(w/w)
プロピレングリコール1%(w/w)
ブチルフェニルメチルプロピオナール1%(w/w)
ベンジルアルコール1%(w/w)
水酸化ナトリウム1%(w/w)
pHを3.7に調整
【0207】
プロバイオティクス微生物を除く全ての成分を溶融するまで加熱し、撹拌しながら冷却し、シャンプーを20℃に冷却したときにプロバイオティクス微生物をポストバイオティクス溶液として添加する。
【0208】
シャンプー配合物A13
成分:
水21%(w/w)
ココ硫酸ナトリウム20%(w/w)
ココグルコシド20%(w/w)
グリセリン12%(w/w)
ココイルイセチオン酸ナトリウム6%(w/w)
ラウリルグルコシド5%(w/w)
クエン酸ステアリル4%(w/w)
vitis vinifera(ブドウ/レーズン)種子油4%(w/w)
クエン酸3%(w/w)
Lactiplantibacillus plantarum LB244R(登録商標)3%(w/w)(9×1010CFU/gの濃度の凍結乾燥粉末)
パンテノール(ビタミンB5)0.5%(w/w)
オレイン酸グリセリル0.5%(w/w)
イヌリン0.5%(w/w)
ソルビン酸カリウム0.5%(w/w)
【0209】
プロバイオティクス微生物を除く全ての成分を溶融するまで加熱し、撹拌しながら冷却し、pHを5.0に調整し、シャンプーを20℃に冷却したときにプロバイオティクス微生物を添加する。
【0210】
シャンプー配合物A14
成分:
水40%(w/w)
C14-16オレフィンスルホン酸ナトリウム18%(w/w)
コカミドプロピルベタイン8%(w/w)
塩化ナトリウム4%(w/w)
コカミドプロピルベタイン4%(w/w)
Cocos Nucifera(ココナッツ)油5%
PPG-2ヒドロキシエチルココ/イソステアラミド(Isostearamide)2%
アクリレートコポリマー2%
イヌリン2%
Lactiplantibacillus plantarum LB356R(登録商標)2%(w/w)(2×1010CFU/gの濃度の凍結乾燥粉末)
加水分解乳タンパク質2%
卵白2%
アモジメチコン1%
ココイルイセチオン酸ナトリウム1%
ジステアリン酸グリコール1%
ラウレス-4 1%
ポリクオタニウム-6 1%
ポリクオタニウム-10 1%
トリデセス-12 1%
塩化セトリモニウム0.5%
グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド0.5%
PEG-120メチルグルコースジオレエート0.5%
EDTA二ナトリウム0.4%
ジアゾリジニル尿素0.1%
【0211】
凍結乾燥されたプロバイオティクス微生物を、2gの凍結乾燥材料(Bormioli Pharma、イタリアから入手したAccuRecキット二相キャップ)を含むデュアルチャンバープラスチックキャップにカプセル化する。
【0212】
プロバイオティクス微生物を除く全ての成分を融解するまで加熱し、pHを4.8に測定し、撹拌しながら冷却し、100mlボトルに組成物を充填し、プロバイオティクス微生物を含むキャップを別の区画に入れて閉じる。使用前に、微生物をキャップからボトルに放出し、十分に振盪する。
【0213】
ドライシャンプールースパウダー、リーブイン配合物B11
Zea Maysデンプン46%(w/w)
オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム38%(w/w)
カオリン10%(w/w)
シクロデキストリン5%(w/w)
Lactiplantibacillus plantarum LB356R(登録商標)1%(w/w)(2×1010CFU/gの濃度の凍結乾燥粉末)
【0214】
凍結乾燥された生存プロバイオティクス微生物をシクロデキストリンと混合した後、室温で残りの成分と混合する。
【0215】
フケ防止組成物を、リーブオン組成物として頭皮に噴霧又は散布する。
【0216】
ドライシャンプールースパウダー、リーブイン配合物B12
タルク97%(w/w)
Lactiplantibacillus plantarum LB356R(登録商標)2%(w/w)(2×1010CFU/gの濃度の凍結乾燥粉末)
イヌリン1%(w/w)
【0217】
凍結乾燥された生存プロバイオティクス微生物を室温でタルクと穏やかにブレンドする。
【0218】
フケ防止組成物を、リーブオン組成物として頭皮に噴霧又は散布する。
【0219】
ドライシャンプールースパウダー、リーブイン配合物B13
コーンスターチ90%(w/w)
タルク9%(w/w)
Pediococcus pentosaceus LB606R(登録商標)1%(w/w)(9×109CFU/gの濃度の凍結乾燥粉末)
【0220】
凍結乾燥された生存プロバイオティクス微生物を室温でコーンスターチ及びタルクと穏やかにブレンドする。
【0221】
フケ防止組成物を、リーブオン組成物として頭皮に噴霧又は散布する。
【0222】
ドライシャンプールースパウダー、リーブイン配合物B14
ジャガイモデンプン40%(w/w)
コーンスターチ37%(w/w)
カオリン10% 8w/w)
タルク9%(w/w)
シクロデキストリン4%(w/w)
Pediococcus pentosaceus LB606R(登録商標)1%(w/w)(9×109CFU/gの濃度の凍結乾燥粉末)
【0223】
凍結乾燥された生存プロバイオティクス微生物を室温で他の成分と穏やかにブレンドする。
【0224】
フケ防止組成物を、リーブオン組成物として頭皮に噴霧又は散布する。
【0225】
ヘアリンスリーブイン配合物C11
水70%(w/w)
リンゴ酢10%(w/w)
塩化セトリモニウム5%(w/w)
グリセリン3%(w/w)
加水分解植物タンパク質1%(w/w)
PG-プロピルシラントリオール1%(w/w)
Argania Spinosa核油1%(w/w)
Aloe Barbadensis葉汁1%(w/w)
Macadamia Ternifolia種子油1%(w/w)
クオタニウム-96 1%(w/w)
ポリクオタニウム-55 1%(w/w)
ジプロピレングリコール1%(w/w)
プロピレングリコール1%(w/w)
ジアゾリジニル尿素1%(w/w)
ヨードプロピニルブチルカルバメート1%(w/w)
Pediococcus pentosaceus LB606R(登録商標)1%(w/w)(9×109CFU/gの濃度の凍結乾燥粉末)
【0226】
凍結乾燥されたプロバイオティクス微生物を、2gの凍結乾燥材料(Bormioli Pharma、イタリアから入手したAccuRecキット二相キャップ)を含むデュアルチャンバープラスチックキャップにカプセル化する。
【0227】
プロバイオティクス微生物を除く全ての成分を融解するまで加熱し、pHを4.5に測定し、撹拌しながら冷却し、100mlボトルに組成物を充填し、プロバイオティクス微生物を含むキャップを別の区画に入れて閉じる。使用前に、微生物をキャップからボトルに放出し、十分に振盪する。
【0228】
ヘアリンスリーブイン配合物C12
水70%(w/w)
リンゴ酢10%(w/w)
グリセリン(3%w/w)
ナタネアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート(Rapeseedamidopropyl Ethyldimonium Ethosulfate)1%(w/w)
ポリアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド(Polyacrylamidopropyltrimonium Chloride)1%(w/w)
加水分解植物タンパク質PG-プロピルシラントリオール1%(w/w)
Argania Spinosa核油1%(w/w)
Aloe Barbadensis葉汁1%(w/w)
Macadamia Ternifolia種子油1%(w/w)
クオタニウム-96 1%(w/w)
ポリクオタニウム-55 1%(w/w)
ジプロピレングリコール1%(w/w)
プロパンジオール1%(w/w)
プロピレングリコール1%(w/w)
ジアゾリジニル尿素1%(w/w)
グルタミン酸二酢酸四ナトリウム(Tetrasodium Glutamate Diacetate)1%(w/w)
ヨードプロピニルブチルカルバメート1%(w/w)
Pediococcus pentosus LB606R(登録商標)2%(w/w)(9×109CFU/gの濃度の凍結乾燥粉末)
Lactiplantibacillus plantarum LB356R(登録商標)1%(w/w)(2×1010CFU/gの濃度の凍結乾燥粉末)
【0229】
凍結乾燥されたプロバイオティクス微生物を、2gの凍結乾燥材料(Bormioli Pharma、イタリアから入手したAccuRecキット二相キャップ)を含むデュアルチャンバープラスチックキャップにカプセル化する。
【0230】
プロバイオティクス微生物を除く全ての成分を融解するまで加熱し、ホモ遺伝子溶液としての溶液(pHは4.4と測定される)を撹拌しながら冷却し、100mlボトルに組成物を充填し、プロバイオティクス微生物を含むキャップを別の区画に入れて閉じる。使用前に、微生物をキャップからボトルに放出し、十分に振盪する。
【0231】
ヘアリンスリーブイン配合物C13
水70%(w/w)
Lactiplantibacillus plantarum LB356R(登録商標)発酵溶解物(15%w/w)-95~98%(w/w)の水分を含む(107~1010細胞/mlの細胞濃度に等しい)
グリセリン(3%w/w)
ナタネアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート1%(w/w)
ポリアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド(Polyacrylamidopropyltrimonium Chloride)1%(w/w)
Argania Spinosa核油1%(w/w)
Aloe Barbadensis葉汁1%(w/w)
Macadamia Ternifolia種子油1%(w/w)
クオタニウム-96 1%(w/w)
ポリクオタニウム-55 1%(w/w)
ジプロピレングリコール1%(w/w)
プロパンジオール1%(w/w)
プロピレングリコール1%(w/w)
ジアゾリジニル尿素1%(w/w)
グルタミン酸二酢酸四ナトリウム(Tetrasodium Glutamate Diacetate)1%(w/w)
【0232】
全ての成分が可溶化するまで穏やかに加熱する。組成物を室温に冷却した後、L.plantarum LB356R(登録商標)発酵溶解物を添加した。pHは4.4と測定された。
【0233】
ヘアリンスリーブイン配合物C14
Helianthus annuus種子油
Ricinus communis種子油
Pediococcus pentosaceus LB606R 1%(w/w)(9×109CFU/gの濃度の凍結乾燥粉末)
Lactiplantibacillus plantarum LB356R(登録商標)2%(w/w)(2×1010CFU/gの濃度の凍結乾燥粉末)
トコフェロール(Vit E)
ヘアリンスリーブイン配合物C15
Helianthus annuus種子油75%(w/w)
Ricinus communis種子油22%(w/w)
Lactiplantibacillus plantarum LB356R(登録商標)2%(w/w)(2×1010CFU/gの濃度の凍結乾燥粉末)
トコフェロール(Vit E)(1% w/w)
【0234】
配合物C13及びC14を、成分を加熱することなく室温で混合した。
【0235】
粉末組成物は、ドライシャンプーとしてだけでなく、頭皮処理、皮膚処理、及びおむつかぶれにも有用である。
【0236】
局所リーブオン配合物C16
Helianthus annuus種子油55%(w/w)
Ricinus communis種子油42%(w/w)
Lactiplantibacillus plantarum LB356R(登録商標)2%(w/w)(2×1010CFU/gの濃度の凍結乾燥粉末)
トコフェロール(Vit E)(1% w/w)
【0237】
全ての成分を室温で混合する
【0238】
局所リーブオン配合物C17
水83.8%(w/w)
Pediococcus pentosaceus LB606R(登録商標)発酵溶解物(15%w/w)-95~98%(w/w)の水分を含む(107~1010細胞/mlの細胞濃度に等しい)
ベタイン1%(w/w)
カルボマー0.2%(w/w)
【0239】
透明な溶液が得られるまで水、ベタイン及びカルボマーを混合し、pHをpH4.7に調整し、発酵溶解物を添加する。
【0240】
実施例3
メタボロミクスを3つの異なる乳酸菌に対して行った。Lactiplantibacillus plantarum LB356R(DSM 33094)、Lactiplantibacillus plantarum LB244R(DSM 32996)、Pediococcus pentosaceus LB606R(DSM 33730)。
【0241】
微生物をMRS培地中で30℃にて24時間成長させた。上清を半極性代謝産物法によって分析した。サンプル分析は、MS-Omics(Vedbaek、デンマーク)により以下のように行った。
【0242】
試料を、0.1%ギ酸を含む10mMギ酸アンモニウムで10倍希釈した。
【0243】
LC-MS法
分析は、高分解能四重極オービトラップ質量分析計(Q Exactive(商標)HF Hybrid Quadrupole-Orbitrap、Thermo Fisher Scientific)と組み合わせたUPLCシステム(Vanquish、Thermo Fisher Scientific)を使用して行った。エレクトロスプレーイオン化界面をイオン化源として使用した。分析は、負及び正のイオン化モードで実施した。化合物の同定のためにQC試料をMS/MSモードで分析した。UPLCは、Catalinらによって記載されたプロトコルのわずかに修正されたバージョンを使用して実施した(UPLC/MS細胞培養培地中の水溶性ビタミンBの数分でのモニタリング、Water Application note 2011,720004042en)。
【0244】
データ処理
データは、Compound Discoverer 3.1(ThermoFisher Scientific)及びTraceFinder 4.1(ThermoFisher Scientific)を使用して処理した。
【0245】
化合物抽出
1つの化合物は、多くの場合、2つ以上の質量トレース(例えば、天然に存在するC13同位体、付加物、及び/又は断片に起因して)においてシグナルを生じさせるので、化合物は、ほぼ常に、同じ保持時間であるが質量が異なる2つ以上の特徴によって表される。Compound Discovererによって実施される化合物抽出は、以下の4つの工程からなる:
1)まず、生データから特徴を抽出する。
2)特徴検出を行い、次に同じ化合物に属する特徴のグループ化を行う。
3)次いで、この追加情報(例えば同位体パターン)を正確な質量と共に使用して、分子式を決定する。
4)次いで、各化合物について収集された全情報を、以下の識別工程で使用する。
【0246】
分析は、Thermo Q Exactive HF MSに連結されたThermo Scientific Vanquish LCを使用して行った。エレクトロスプレーイオン化界面をイオン化源として使用した。分析は、負及び正のイオン化モードで実施した。UPLCは、Catalinらによって記載されたプロトコルのわずかに修正されたバージョンを使用して実施した。(UPLC/MS細胞培養培地中の水溶性ビタミンBの数分でのモニタリング、Water Application note 2011,720004042en)。ピーク面積は、Compound Discoverer 3.1(Thermo Scientific)を用いて抽出した。化合物の同定は4つのレベルで実施した。レベル1:保持時間(社内の真正標準と比較)、正確な質量(許容偏差3ppm)、及びMS/MSスペクトルによる同定、レベル2a:保持時間(社内の真正標準と比較)、正確な質量(許容偏差3ppm)による同定。レベル2b:正確な質量による同定(許容される偏差は3ppm)、及びMS/MSスペクトル、レベル3:正確な質量のみによる同定(許容される偏差は3ppm)。
【0247】
試料中に合計1606個の化合物が検出された。そのうちの271個はレベル3で、103子はレベル2bで、113個はレベル2aで、60個はレベル1でアノテーションされた。
【0248】
乳酸、酢酸、コハク酸、アゼライン酸、サリチル酸、インドール-3-乳酸、インドール-3-酢酸、2-ヒドロキシブチル酸、2-ヒドロキシイソカプロン酸及びN-アセチルアスパラギン酸は全て、菌株について有意な量でレベル1でアノテーションされた。
【0249】
有機酸は、全ての発酵について3%(w/w)を超える濃度であった。
【0250】
実施例4:
フケに関する評価試験
フケを有する12人が組成物C14を2週間評価した。
【0251】
リーブイン組成物を14日間毎日1回頭皮の患部にマッサージした。組成物をいずれかの洗浄前に少なくとも8時間放置した。
【0252】
試験者に、処理開始前のフケと比較してフケを自己評価するように求めた。以下のスコアに従ってフケを評価した。
【0253】
【0254】
全ての試験者がフケの有意な減少を観察した。
【0255】
実施例5:
組成物B12を、アイリッシュソフトコーテッド・ウィートン・テリア(イヌ年齢11歳)の外耳におけるMalassezia感染皮膚の治療について評価した。耳を生理食塩水で穏やかに洗浄し、粉末組成物B12を耳に蒔き、1日2回、外耳の感染部に穏やかにマッサージした。処理の有意な効果が2日後に既に観察され、発赤、カビ臭及び耳の皮膚刺激が減少した。7日後、処理を1日1回に減らした。2週間後、外耳の感染はなくなった。
【0256】
実施例6:
活性物質の活性に対するpHの影響を、実施例1に記載されているスポット・オン・ローン(spot on lawn)法を使用して決定した。Lactiplantibacillus plantarum LB244R(登録商標)(DSM 32996)、Lactiplantibacillus plantarum LB356R(登録商標)(DSM 33094)及びPediococcus pentosaceus LB606R(登録商標)(DSM 33730)をそれぞれMRS培地中30℃で48時間成長させ、各培養物からの上清を遠心分離によって分離し、濾過して無細胞上清を作製した。
【0257】
上清を1M NaOH及び1M HClでそれぞれ以下のpH値に調整した:3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8。各pH値のリン酸緩衝液をpH効果の対照として使用した。
【0258】
Malasseziaの増殖は、スポット・オン・ローン法を使用して阻害領域として測定した。
【0259】
3つ全ての上清は、約6.6未満のpHでMalasseziaの増殖を阻害することができた。
【0260】
実施例7:
M.furfur DSMZ 6170、M.restricta CBS 7877及びM.[0lobose CBS 7874の阻害
Zhang P.et al.(2015)Inter-strain interactions between bacteria isolated from vacuum-packaged refrigerated beef.Appl Environ Microbiol 81:2753-2761.doi:10.1128/AEM.03933-14及びArena,M.P.et al.(2016)Use of Lactobacillus plantarum Strains as a Bio-Control Strategy against Food-Borne Pathogenic Microorganisms.Frontiers in Microbiology 7(APR):1-10.doi:10.3389/fmicb.2016.00464から改変したスポット・オン・ローン法を使用して阻害を評価した。
【0261】
標的株Malassezia furfur DSMZ 6170は、Leibniz Institute DSMZから入手した。標的株M.globosa CBS 7874及びM.restricta CBS 7877は、Westerdijk fungal biodiversity institute CBSから入手した。標的株を改変Leeming Notmann(mLN)(ATCC培地No.2737 Leeming&Notman agar Modified)寒天中で成長させ、単一コロニーを10mLのmLNブロスに接種した。標的株培養物を使用して菌叢を作出し、乾燥させた。実施例1から単離した細菌株を、10mLのMRSブロス中での貯蔵から培養した。その後、LABの一晩培養物をプレートにスポットし、インキュベートした。M.furfurを30℃で約10日間成長させ、M.restrictaを30℃で約14日間成長させ、M.globosaを33℃で約14日間成長させた。阻害領域を、LABコロニーの縁部から目に見えるMalassezia成長の開始部(透明領域(clearing zone))までミリメートル単位で測定した。全てのプレートを技術的に2つずつ作製し、別々に繰り返した。
【0262】
LABをM.furfur DSMZ 6170に対してスクリーニングし、そのうち84が中程度の阻害を示し、18が高い阻害を示した。18株から2株を選択し、続いてM.restricta CBS 7877及びM.globosa CBS 7874に対するスポット・オン・ローン法を使用して試験した。4つの株は全て、M.restricta CBS 7877及びM.globosa CBS 7874を阻害することができた。
【0263】
【0264】
実施例8:
寒天アッセイでのTrichophyton spp.スポット
【0265】
Trichophyton spp.に対する抗真菌活性を実施例7に記載のように決定した。
【0266】
Trichophyton rubrum CBS 189.69 a爪単離株は、Royal Netherlands Academy of Arts and SciencesのWesterdijk Fungal Biodiversity Institute部から入手した。
【0267】
Trichophyton rubrum CBS 392.58(Epidermophyton rubrum CastellのNeotype)皮膚(足)単離株を、Royal Netherlands Academy of Arts and SciencesのWesterdijk Fungal Biodiversity Institute部から入手した。
【0268】
Trichophyton spp.をSabouraudマルトース寒天上で24℃にて2~3週間成長させた。
【0269】
【0270】
実施例9:
無細胞上清溶液による阻害
実施例2からのLABの無細胞上清(CFS)あり及びなしのMalassezia spp.の成長(実施例7に記載の3株)を、oCelloScope(BioSense Solutions ApS、デンマーク)を使用して監視した。
【0271】
5~10mLのLAB細胞培養物を遠心分離し(2,700×g、10分)、0.2μmシリンジフィルターを用いて滅菌濾過した。24~72時間後にLAB培養物から試料を採取した。
【0272】
10mLのMalassezia spp.から培養物1:2希釈液を調製した。これらの希釈物の各々から、100μLを、96ウェルマイクロタイタープレート中で100、75、50、25、10及び0%のCFSを使用して100μLのCFS又はその希釈物と混合した。MRSブロスを使用して体積を調整した。阻害の陽性対照として、Malassezia spp.をフルコナゾール(64μg/mL)で処理した。全てのチャレンジアッセイを技術的に3回ずつ実行し、別々に繰り返した。プレートをoCelloScope中37℃でインキュベートした。生画像を最大48時間にわたって2時間半ごとに撮影し、成長曲線をエクセルにプロットし、3回の平均として計算した。
【0273】
実験後、プレートを目視検査し、生画像を目視検査した。UniExplorer PCソフトウェアを使用して画像を分析した。
【0274】
結果は
図1~3に示され、3つの単離株(LB555R、LB681R、及びLB606R)から得られた無細胞上清が、(i)受託番号DSM 34249で寄託されたLacticaseibacillus paracasei subsp.paracasei LB555Rと、(ii)受託番号DSM 34250の下で寄託されたLactiplantibacillus plantarum,LB681Rと、(iii)Pediococcus pentosaceus LB606R(DSM 33730)と、を含む組成物を使用すると、抗真菌化合物フルコナゾール(濃度64μg/ml)を含む組成物と比較して、かつ未処理真菌溶液と比較して、Malassezia furfur DSM 6170(
図1)、M.restricta CBS 7877(
図2)及びM.globosa CBS 7874(
図3)を強力かつ有意に阻害することを実証した。
【0275】
3つのヒット株は、乳酸菌が成長して少なくとも2つの病原性真菌の真菌成長を阻害することができるとしてスクリーニングで同定され、成長阻害は、既知の抗真菌抗生物質フルコナゾールについて観察されたものよりも有意に良好であった。
【0276】
実施例10:
短鎖脂肪酸産生(SCFA)の解析
試料分析は以下のように行った。37℃で、24時間MRS培地で増殖させた4つの株(LB555R;LB681R;LB606R;及びLB244R)からの無細胞上清を、塩酸及び重水素標識内部標準物質を添加して使用して酸性化した。分析は、高極性カラム(Zebron(商標)ZB-FFAP、GC Cap)を使用して実施した。カラム30m×0.25mm×0.25μm)を、四重極検出器(5977B、アジレント)に連結されたGC(7890B、Agilent)に設置した。システムを、ChemStation(Agilent)によって制御した。生データを、Chemstation(Agilent)を使用してnetCDF形式に変換した後、データをインポートし、Johnsen et.al(DOI:10.1016/j.chroma.2017.04.052)によって記載されたPARADISeソフトウェアを使用してMatlab R2014b(Mathworks,Inc.)で処理した。SCFA法は、高極性カラム及び標準を使用して短鎖脂肪酸を特に標的とするGC-MS法である。各株の上清中の短鎖脂肪酸(酢酸)の濃度を決定した。
【0277】
【0278】
実施例11:
皮膚及び爪用の様々な局所配合物
【0279】
ルースパウダー、リーブオン配合物
成分:
Oryza sative(米)デンプン49%(w/w)
タピオカデンプン49%(w/w)
Lacticaseibacillus paracasei subsp.paracasei LB555R 2%(w/w)(9×109CFU/gの濃度を有する凍結乾燥粉末)
【0280】
ルースパウダー、リーブオン配合物
成分:
Zea mays(トウモロコシ)デンプン49%(w/w)
タピオカデンプン49%(w/w)
Lactiplantibacillus plantarum LB830R(登録商標)2%(w/w)(8x109CFU/gの濃度の凍結乾燥粉末)
【0281】
局所液体軟膏
成分:
水90%(w/w)
発酵溶解物/ポストバイオティクス(Lactiplantibacillus plantarum,LB681R)10%(w/w)
【0282】
局所油配合物:
成分:
ホホバ油48%(w/w)
ヒマワリ油48%(w/w)
Lactiplantibacillus plantarum LB681R(登録商標)1%(w/w)(5x109CFU/gの濃度の凍結乾燥粉末)
Lacticaseibacillus paracasei subsp.paracasei LB555R 1%(w/w)(9×109CFU/gの濃度を有する凍結乾燥粉末)
イヌリン(FOS)1%(w/w)
トコフェロール1%(w/w)
【0283】
実施例12.
ウェル拡散アッセイ
LABの一晩培養物を調製した。LABをMRSブロス中で成長させ、真菌を、菌叢上のスポットについて上記の実施例に記載されるように成長させた。プレートにウェルを作製し、50μLのLAB培養物をウェルに移した。真菌の成長が目に見えるまでインキュベートした後、ウェルの周りの阻害領域を調べた。
【0284】
【0285】
参照文献
米国特許第4,654,207号公報
米国特許第5,019,376号公報
米国特許第3,929,678号公報
米国特許第2,658,072号公報
米国特許第2,438,091号公報
米国特許第2,528,378号公報
米国特許第5,104,646号公報
米国特許第5,106,609号公報
国際公開第2011/138450号公報
仏国特許第2908045号公報
米国特許第4,565,647号公報
The CTFA Cosmetic Ingredient Handbook (2004)
【0286】
【数3】
【数4】
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】
【数10】
【数11】
【数12】
【数13】
【国際調査報告】