(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】直接採血のための単一のモノリシックピースのPIVC一体型溶血低減アクセサリ
(51)【国際特許分類】
A61M 39/10 20060101AFI20240829BHJP
A61B 5/154 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
A61M39/10 120
A61B5/154
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024512138
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 US2022040252
(87)【国際公開番号】W WO2023027906
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オースティン、アビン
【テーマコード(参考)】
4C038
4C066
【Fターム(参考)】
4C038TA01
4C038UA10
4C066JJ03
(57)【要約】
流れ制限装置が、雄ルアーコネクタ部分と、雄ルアーコネクタ部分に近位に配置された雌ルアーコネクタ部分と、雄ルアー部分と雌ルアー部分との間に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分と一体に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分とを含んでもよい。雄ルアーコネクタ部分は、そのルーメンを画定する内面を有してもよく、雌ルアーコネクタ部分は、雄ルアーコネクタ部分のルーメンに流体接続されたルーメンを画定する内面を有してもよい。本体部分は、それを通って長手方向に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分のルーメンと流体連通する凹部を有してもよい。凹部は、それに沿って流体が雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分を介して流体採取装置に流れるマイクロチャネルを画定してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルアセンブリに結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分であって、前記雄ルアーコネクタ部分はそのルーメンを画定する内面を含む、雄ルアーコネクタ部分と、
前記雄ルアーコネクタ部分に近位に配置され、流体採取装置に結合するように構成された雌ルアーコネクタ部分であって、前記雌ルアーコネクタ部分は前記雄ルアーコネクタ部分の前記ルーメンに流体接続されたルーメンを画定する内面を含む、雌ルアーコネクタ部分と、
前記雄ルアー部分と前記雌ルアー部分との間に延在し、前記雄ルアー部分および前記雌ルアー部分と一体に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分であって、前記本体部分は、それを通って長手方向に延在し、前記雄ルアー部分および前記雌ルアー部分の前記ルーメンと流体連通する凹部を備え、前記凹部は、それに沿って流体が前記雄ルアーコネクタ部分から前記雌ルアーコネクタ部分を介して前記流体採取装置に流入するマイクロチャネルを画定する、本体部分と
を備える、流れ制限装置。
【請求項2】
前記本体部分の外面が、前記本体部分の長手方向軸の周りに配置され、前記本体部分の長手方向軸を取り囲む複数の横方向に延在するリブを備え、前記複数のリブは、前記雌ルアーコネクタ部分と前記雄ルアーコネクタ部分との間で前記長手方向軸に沿って互いに離間している、請求項1に記載の流れ制限装置。
【請求項3】
前記本体部分の前記外面が、前記長手方向軸に沿って配置され、前記雄ルアーコネクタ部分から前記雌ルアーコネクタ部分まで延在する少なくとも1つの長手方向に延在するリブをさらに備える、請求項2に記載の流れ制限装置。
【請求項4】
前記長手方向に延在するリブが、前記横方向に延在するリブの各々を横切って配置され、それらを相互接続する、請求項3に記載の流れ制限装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの長手方向に延在するリブが、前記本体部分の前記外面の両側に配置された一対の長手方向に延在するリブを備える、請求項3に記載の流れ制限装置。
【請求項6】
前記一対の長手方向に延在するリブが、前記本体部分の前記外面の両側で前記横方向に延在するリブの各々を横切って配置され、それらを相互接続する、請求項5に記載の流れ制限装置。
【請求項7】
前記雄ルアーコネクタ部分から前記雌ルアーコネクタ部分を介して前記流体採取装置内に流れる前記流体が血液を含み、前記流体採取装置は血液採取装置を備える、請求項4に記載の流れ制限装置。
【請求項8】
前記血液採取装置がルアーロックアクセス装置を備える、請求項8に記載の流れ制限装置。
【請求項9】
患者からの血液の採取中に溶血を制限するように構成された単一のモノリシックピースの流れ制限装置を製造する方法であって、前記方法は、
第1および第2のモールド部品を設けるステップであって、前記第1および第2のモールド部品の各々は、その中に凹んだインプリントを含み、前記インプリントは、前記第1のモールド部品の遠位端部分に雄ルアーコネクタインプリント部分と、その近位端部分に雌ルアーコネクタインプリント部分と、前記雄ルアーコネクタインプリント部分と前記雌ルアーコネクタインプリント部分との間に長手方向に延在するマイクロチャネルインプリント部分と、前記マイクロチャネルインプリント部分を囲む補強リブインプリント部分と、を含む、ステップと、
雄ルアーコネクタモールド部品を前記雄ルアーコネクタインプリント部分に挿入するステップと、
雌ルアーコネクタモールド部品を前記雌ルアーコネクタインプリント部分に挿入するステップであって、前記雌ルアーコネクタモールド部品は、前記雌ルアーコネクタモールド部品の遠位端から延びるマイクロチャネルモールド部品を備え、前記マイクロチャネルモールド部品は、前記マイクロチャネルインプリント部分に挿入される、ステップと、
前記第1のモールド部品と前記第2のモールド部品とを結合してモールドアセンブリを形成するステップと、
溶融したモールド材料を前記モールドアセンブリ内に注入するステップと、
前記モールドアセンブリを冷却するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
単一コネクタを形成するために互いに融着された第1および第2のコネクタ半体
を備える流れ制限装置であって、前記単一コネクタは、
カテーテルアセンブリに結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分であって、前記雄ルアーコネクタ部分はそのルーメンを画定する内面を含む、雄ルアーコネクタ部分と、
前記雄ルアーコネクタ部分に近位に配置され、流体採取装置に結合するように構成された雌ルアーコネクタ部分であって、前記雌ルアーコネクタ部分は前記雄ルアーコネクタ部分の前記ルーメンに流体接続されたルーメンを画定する内面を含む、雌ルアーコネクタ部分と、
前記雄ルアー部分と前記雌ルアー部分との間に延在し、前記雄ルアー部分および前記雌ルアー部分と一体に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分であって、前記本体部分は、それを通って長手方向に延在し、前記雄ルアー部分および前記雌ルアー部分の前記ルーメンと流体連通する少なくとも1つの凹部を備え、前記少なくとも1つの凹部は、それに沿って流体が前記雄ルアーコネクタ部分から前記雌ルアーコネクタ部分を介して前記流体採取装置に流入するマイクロチャネルを画定する、本体部分と
を備える、
流れ制限装置。
【請求項11】
前記第1および第2のコネクタ半体が、前記雄ルアーコネクタ部分の前記ルーメンを画定する前記内面に沿って画定された溶接線の周りに超音波溶接され、前記内面は、前記雌ルアーコネクタ部分の前記ルーメンを画定し、前記少なくとも1つの凹部の内面は、前記マイクロチャネルを画定する、請求項10に記載の流れ制限装置。
【請求項12】
前記雄ルアーコネクタ部分の前記ルーメン、前記マイクロチャネル、および前記雌ルアーコネクタ部分の前記ルーメンが、流体がそれに沿って前記流れ制限装置を通って移動する流体経路を画定し、前記溶接線は、前記流体経路の外周を漏れからシールする、請求項11に記載の流れ制限装置。
【請求項13】
前記本体部分の外面が、前記本体部分の長手方向軸の周りに配置され、前記本体部分の長手方向軸を取り囲む複数の横方向に延在するリブを備え、前記複数のリブは、前記雌ルアーコネクタ部分と前記雄ルアーコネクタ部分との間で前記長手方向軸に沿って互いに離間している、請求項11に記載の流れ制限装置。
【請求項14】
前記本体部分の前記外面が、前記長手方向軸に沿って配置され、前記雄ルアー部分から前記雌ルアー部分まで延在する少なくとも1つの長手方向に延在するリブをさらに備える、請求項13に記載の流れ制限装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの長手方向に延在するリブが、前記横方向に延在するリブの各々を横切って配置され、それらを相互接続する、請求項14に記載の流れ制限装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの長手方向に延在するリブが、前記本体部分の前記外面の側面の対応する半体にそれぞれ配置された一対の長手方向に延在するリブを備える、請求項13に記載の流れ制限装置。
【請求項17】
前記マイクロチャネルを画定する前記凹部内に取り付けられたチュービングをさらに備える、請求項11に記載の流れ制限装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの凹部が、各々が前記雄ルアーコネクタ部分の前記ルーメンを前記雌ルアーコネクタ部分の前記ルーメンと流体連通させる複数のマイクロチャネルを画定する複数の凹部を備える、請求項10に記載の流れ制限装置。
【請求項19】
前記第1および第2のコネクタ半体が、各々が前記雄ルアーコネクタ部分の前記ルーメンを画定する前記内面に沿って画定される複数の溶接線の周りに超音波溶接され、前記内面は、前記雌ルアーコネクタ部分の前記ルーメンを画定し、前記少なくとも1つの凹部の複数の内面の各々は、前記マイクロチャネルを画定する、請求項18に記載の流れ制限装置。
【請求項20】
患者からの血液の採取中に溶血を制限するように構成された末梢静脈カテーテルアセンブリであって、
カテーテルアセンブリに結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分であって、前記雄ルアーコネクタ部分はそのルーメンを画定する内面を含む、雄ルアーコネクタ部分と、
前記雄ルアーコネクタ部分に近位に配置され、流体採取装置に結合するように構成された雌ルアーコネクタ部分であって、前記雌ルアーコネクタ部分は前記雄ルアーコネクタ部分の前記ルーメンに流体接続されたルーメンを画定する内面を含む、雌ルアーコネクタ部分と、
前記雄ルアー部分と前記雌ルアー部分との間に延在し、前記雄ルアー部分および前記雌ルアー部分と一体的に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分であって、前記本体部分は、それを通って長手方向に延在し、前記雄ルアー部分および前記雌ルアー部分の前記ルーメンと流体連通する凹部を備え、前記凹部はマイクロチャネルを画定し、前記マイクロチャネルは、前記血液が前記雄ルアーコネクタ部分から前記雌ルアーコネクタ部分を介して患者から前記流体採取装置に採取されるときに、血液の溶血を制限するように構成される、本体部分と、
を備える、流れ制限装置と、
近位端および遠位端を有するカテーテルハブと、
前記カテーテルハブを前記流れ制限装置と流体結合する流体コネクタと
を備える、末梢静脈カテーテルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、採血および患者への非経口流体の投与に関し、特に、単一のモノリシックピースの流れ制限装置を使用してPIVC採血における溶血を低減するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、一般に、様々な注入療法に使用される。例えば、カテーテルは、標準の生理食塩水、様々な薬剤、および完全非経口栄養などの流体を患者に注入するために使用され得る。カテーテルはまた、患者から血液を回収するために使用されてもよい。
【0003】
一般的なタイプのカテーテルは、オーバーザニードル末梢静脈(「IV」)カテーテル(PIVC)である。その名称が示すように、オーバーザニードルカテーテルは、鋭い遠位先端を有するイントロデューサ針の上に装着されてもよい。カテーテルアセンブリは、カテーテルハブと、カテーテルハブから遠位に延びるカテーテルと、カテーテルを通って延びるイントロデューサ針とを含んでもよい。カテーテルおよびイントロデューサ針は、イントロデューサ針の遠位先端がカテーテルの遠位先端を越えて延び、針のベベルが患者の皮膚から離れて上を向くように組み立てられてもよい。カテーテルおよびイントロデューサ針は、一般に、皮膚を通して患者の血管系内に浅い角度で挿入される。
【0004】
血管内のイントロデューサ針および/またはカテーテルの適切な留置を検証するために、臨床医は、一般に、カテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバ内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の留置が確認されると、臨床医は血管系内の流れを一時的に閉塞し、針を取り除き、将来の血液回収または流体注入のためにカテーテルを所定の位置に残してもよい。
【0005】
血液回収または患者からの血液サンプルの採取には、血液採取容器が使用されてもよい。血液採取容器は、シリンジを含んでもよい。あるいは、血液採取容器は、一端にゴム栓を有する試験管を含んでもよい。いくつかの例では、試験管は、試験管から空気の全部または一部が除去されているため、試験管内の圧力は周囲圧力よりも低い。このような血液採取容器は、内部真空または真空管と呼ばれることが多い。一般的に使用される血液採取容器は、Becton Dickinson&Companyから入手可能なVACUTAINER(登録商標)血液採取管である。
【0006】
血液採取容器は、カテーテルに結合されてもよい。血液採取容器がカテーテルに結合されると、静脈内の圧力が血液採取容器内の圧力よりも高くなり、血液採取容器内に血液が押し込まれ、血液採取容器内に血液が充填される。血液採取容器内の圧力が静脈内の圧力と等しくなり、血液の流れが止まるまで、血液採取容器内の真空は、血液採取容器が充填されるにつれて減少する。
【0007】
残念なことに、血液が血液採取容器に採取されると、赤血球は高い剪断応力状態にあり、静脈と血液採取容器との間の高い初期圧力差に起因して溶血を起こしやすい。溶血は、血液サンプルの拒絶および廃棄をもたらし得る。高い初期圧力差はまた、カテーテル先端の崩壊、静脈の崩壊、または血液採取容器への血液の充填を防止または制限する他の複雑な事態をもたらし得る。さらに、採血中および/または採血後の血液漏出が一般的に起こる。
【0008】
背景技術のセクションで提供される説明は、単に背景技術のセクションで言及されているか、または背景技術のセクションに関連付けられているという理由で、従来技術であると仮定されるべきではない。背景技術のセクションは、主題技術の1つまたは複数の態様を記述する情報を含み得る。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、カテーテルアセンブリに結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分であって、雄ルアーコネクタ部分はそのルーメンを画定する内面を含む、雄ルアーコネクタ部分と、雄ルアーコネクタ部分に近位に配置され、流体採取装置に結合するように構成された雌ルアーコネクタ部分であって、雌ルアーコネクタ部分は雄ルアーコネクタ部分のルーメンに流体接続されたルーメンを画定する内面を含む、雌ルアーコネクタ部分と、雄ルアー部分と雌ルアー部分との間に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分と一体に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分であって、本体部分は、それを通って長手方向に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分のルーメンと流体連通する凹部を備え、凹部は、それに沿って流体が雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分を介して流体採取装置に流入するマイクロチャネルを画定する、本体部分と、を備える、流れ制限装置を提供する。
【0010】
いくつかの例では、本開示は、患者からの血液の採取中に溶血を制限するように構成された単一のモノリシックピースの流れ制限装置を製造する方法を提供し、方法は、第1および第2のモールド部品を設けるステップであって、第1および第2のモールド部品の各々は、その中に凹んだインプリントを含み、インプリントは、第1のモールド部品の遠位端部分に雄ルアーコネクタインプリント部分と、その近位端部分に雌ルアーコネクタインプリント部分と、雄ルアーコネクタインプリント部分と雌ルアーコネクタインプリント部分との間に長手方向に延在するマイクロチャネルインプリント部分と、マイクロチャネルインプリント部分を囲む補強リブインプリント部分と、を含む、ステップと、雄ルアーコネクタモールド部品を雄ルアーコネクタインプリント部分に挿入するステップと、雌ルアーコネクタモールド部品を雌ルアーコネクタインプリント部分に挿入するステップであって、雌ルアーコネクタモールド部品は、雌ルアーコネクタモールド部品の遠位端から延びるマイクロチャネルモールド部品を備え、マイクロチャネルモールド部品は、マイクロチャネルインプリント部分に挿入される、ステップと、第1のモールド部品と第2のモールド部品とを結合してモールドアセンブリを形成するステップと、溶融したモールド材料をモールドアセンブリ内に注入するステップと、モールドアセンブリを冷却するステップと、を含む。
【0011】
いくつかの態様では、本開示は、単一コネクタを形成するために互いに融着された第1および第2のコネクタ半体を備える流れ制限装置を提供し、単一コネクタは、カテーテルアセンブリに結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分であって、雄ルアーコネクタ部分はそのルーメンを画定する内面を含む、雄ルアーコネクタ部分と、雄ルアーコネクタ部分に近位に配置され、流体採取装置に結合するように構成された雌ルアーコネクタ部分であって、雌ルアーコネクタ部分は雄ルアーコネクタ部分のルーメンに流体接続されたルーメンを画定する内面を含む、雌ルアーコネクタ部分と、雄ルアー部分と雌ルアー部分との間に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分と一体に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分であって、本体部分は、それを通って長手方向に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分のルーメンと流体連通する少なくとも1つの凹部を備え、少なくとも1つの凹部は、それに沿って流体が雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分を介して流体採取装置に流入するマイクロチャネルを画定する、本体部分と、を備える。
【0012】
いくつかの例では、本開示は、患者からの血液の採取中に溶血を制限するように構成された末梢静脈カテーテルアセンブリを提供し、末梢静脈カテーテルアセンブリは、カテーテルアセンブリに結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分であって、雄ルアーコネクタ部分はそのルーメンを画定する内面を含む、雄ルアーコネクタ部分と、雄ルアーコネクタ部分に近位に配置され、流体採取装置に結合するように構成された雌ルアーコネクタ部分であって、雌ルアーコネクタ部分は雄ルアーコネクタ部分のルーメンに流体接続されたルーメンを画定する内面を含む、雌ルアーコネクタ部分と、雄ルアー部分と雌ルアー部分との間に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分と一体的に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分であって、本体部分は、それを通って長手方向に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分のルーメンと流体連通する凹部を備え、凹部はマイクロチャネルを画定し、マイクロチャネルは、血液が雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分を介して患者から流体採取装置に採取されるときに、血液の溶血を制限するように構成される、本体部分と、を備える、流れ制限装置と、近位端および遠位端を有するカテーテルハブと、カテーテルハブを流れ制限装置と流体結合する流体コネクタと、を備える。
【0013】
主題技術の他の構成は、以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかになることが理解され、ここで主題技術の様々な構成は例示として示され説明される。理解されるように、主題技術は、他のおよび異なる構成が可能であり、そのいくつかの詳細は、すべて主題技術の範囲から逸脱することなく、様々な他の点で修正が可能である。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示と見なされるべきであり、限定と見なされるべきではない。
【0014】
以下の図は、実施形態の特定の態様を説明するために含まれ、排他的な実施形態と見なされるべきではない。開示される主題は、当業者が想到し、本開示の利益を有するように、形態および機能においてかなりの修正、変更、組み合わせ、および均等物が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置を含む末梢静脈カテーテル(PIVC)アセンブリを含む血管アクセス装置を示す図である。
【
図2A】本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置の斜視図である。
【
図2B】本開示のいくつかの実施形態による、
図2Aの流れ制限装置の上面図である。
【
図2C】本開示のいくつかの実施形態による、線2C-2Cに沿った
図2Bの流れ制限装置の断面図である。
【
図2D】本開示のいくつかの実施形態による、
図2Aの流れ制限装置の側面図である。
【
図2E】本開示のいくつかの実施形態による、線2E-2Eに沿った
図2Dの流れ制限装置の断面図である。
【
図3A】本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置を形成するための複数のモールド部品の斜視図である。
【
図3B】本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置のトップモールドなしの流れ制限装置の組み立てられたモールドを示す図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置の第1および第2のコネクタ半体の断面図である。
【
図5A】本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置の斜視図である。
【
図5B】本開示のいくつかの実施形態による、
図5Aの流れ制限装置の第1および第2の半体の断面図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置の第1および第2のコネクタ半体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に記載される詳細な説明は、主題技術の様々な構成を説明するものであり、主題技術が実施され得る構成のみを表すことを意図するものではない。詳細な説明は、主題技術の完全な理解を提供する目的のために特定の詳細を含む。したがって、寸法は、非限定的な例として特定の態様に関して提供され得る。しかしながら、これらの具体的な詳細なしで主題技術が実施され得ることが、当業者には明らかであろう。いくつかの例では、主題技術の概念を不明瞭にすることを回避するために、周知の構造および構成要素がブロック図形式で示されている。
【0017】
本開示は、主題技術の例を含み、添付の特許請求の範囲を限定しないことを理解されたい。ここで、主題技術の様々な態様が、特定であるが非限定的な例に従って開示される。本開示に記載される様々な実施形態は、異なる方法および変形で、所望の用途または実施態様に従って実行され得る。
【0018】
血管アクセス装置を介した採血は、静脈穿刺による従来の採血方法と比較して、最小限の針刺しおよび改善された操作効率に起因して、ますます注目を集めている。末梢静脈カテーテル(PIVC)を使用する現在の採血にはいくつかの課題が見られており、最も重要なものの1つは溶血関連の血液の質である。特に、現在市販されている既存のPIVC製品では、標準的な接続部(短い拡張セットおよび無針コネクタなど)および血液採取装置(Vacutainerなど)と共に、血球に及ぼされる剪断応力は溶血の寸前である傾向がある。
【0019】
本開示の様々な実施形態は、PIVCに予め取り付けられ、溶血のリスクを低減するための流れ制限器として機能する溶血低減アクセサリ(本明細書では流れ制限装置とも呼ばれる)を用いて、PIVC採血における溶血に対処するシステムおよび方法を提供することに関する。溶血低減アクセサリは、PIVC留置に有利に適合し、既存の操作のいずれかへの変更を必要としない。本明細書に記載の様々な実施形態の溶血低減アクセサリは、多種多様なPIVC製品に潜在的に適用可能であり、既存の血液採取装置および注入使い捨て用品と適合する。
【0020】
本開示の様々な実施形態は、血球が通過する際の流体経路全体の全体的な流量を調節するアドオン溶血低減アクセサリ(本明細書では流れ制限装置とも呼ばれる)による効果的な流れ制限に焦点を合わせている。流れ制限装置は、PIVCと組み立てられるか、またはPIVCと一緒にパッケージされ得る。このため、装置は血液フラッシュバックを可能にする通気ルーメンを有するので、カテーテル留置中に追加の操作はない。臨床医は、血液採取装置をアクセサリのポートに接続し得、その後、血液を意図された容積に引き込むことができる。採血後、臨床医は流れ制限装置と血液採取装置を互いに切り離して廃棄してもよい。このため、この流れ制限装置は、単回採血のためのものであっても、留置全体にわたってインラインに留まるものであってもよい。
【0021】
本明細書に記載の様々な実施形態の流れ制限装置および関連する血液採取システムは、現在存在する血液採取システムを超えるさらなる利点をさらに提供する。例えば、本明細書に記載のアドオン流れ制限装置は、PIVC採血のために溶血低減機能を統合することを可能にする。さらに、本明細書に記載の流れ制限装置は、PIVC留置に適合し、挿入時にシームレスな採血を可能にする。加えて、流れ制限装置は、既存のPIVCを変更することなく容易に組み込むことができるアドオンであるため、臨床設定および動作への影響は最小限である。
【0022】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置100を含む末梢静脈カテーテル(PIVC)アセンブリ50を含む血管アクセス装置10を示す。流れ制限装置100は、血管アクセス装置10を使用して血液採取中の溶血の可能性を低減するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、血管アクセス装置10は、カテーテルアセンブリ50を含んでもよい。カテーテルアセンブリ50は、遠位端54、近位端56、ならびに遠位端および近位端を通って延びるルーメンを含み得るカテーテルハブ52を含んでもよい。カテーテルアセンブリ50は、カテーテル58をさらに含んでもよく、カテーテル58は、カテーテルハブ52内に固定されてもよく、カテーテルハブ52の遠位端54から遠位に延びてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ50は、末梢静脈カテーテル(PIVC)であってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ50は、任意の適切なカテーテルアセンブリ50を含むかまたはそれに対応してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ50は、一体化されてもよく、カテーテルハブ52のサイドポート59から延びて一体化されてもよい延長チューブ60を含んでもよい。一体型カテーテルアセンブリの非限定的な例は、Becton Dickinson and Companyから入手可能なBD NEXIVA(商標)Closed IV Catheterシステムである。いくつかの実施形態では、延長チューブ60の近位端は、例えばYアダプタ70などのアダプタに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、流れ制限装置110は、Yアダプタ70に流体結合されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ50は、一体化されていなくてもよく、延長チューブ60を含まなくてもよい。これらおよび他の実施形態では、流れ制限装置100は、カテーテルハブ52の近位端56またはカテーテルアセンブリ50の別の適切な部分に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、流れ制限装置100は、カテーテルアセンブリ50に直接結合されてもよく、これにより、延長チューブ60を排除し、コンパクトなカテーテルシステムを提供する。
【0025】
図2Aは、本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置の斜視図を示す。
図2Bは、本開示のいくつかの実施形態による、
図2Aの流れ制限装置の上面図を示す。
図2Cは、本開示のいくつかの実施形態による、線2C-2Cに沿った
図2Bの流れ制限装置の断面図を示す。
図2Dは、本開示のいくつかの実施形態による、
図2Aの流れ制限装置の側面図を示す。
図2Eは、本開示のいくつかの実施形態による、線2E-2Eに沿った
図2Dの流れ制限装置の断面図を示す。
【0026】
引き続き
図1を参照すると、
図2Aから
図2Eに示すように、いくつかの実施形態では、流れ制限装置100は、カテーテルアセンブリ50に結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分150を含んでもよい。雄ルアーコネクタ部分150は、雄ルアーコネクタ部分150のルーメン154を画定する内面156を有してもよい。いくつかの実施形態では、流れ制限装置100は、雄ルアーコネクタ部分150の近位に配置された雌ルアーコネクタ部分110をさらに含んでもよい。雌ルアーコネクタ部分110は、流体採取装置40(例えば、血液採取装置)に結合するように構成されてもよい。例えば、雌ルアーコネクタ部分110は、血液採取装置40と一体化されてもよく、または血液採取装置40とモノシリックに単一のユニットまたはピースとして形成されてもよい。別の例として、雌ルアーコネクタ部分110は、血液採取装置40の雄ルアー部分と結合され得る雌ルアーコネクタまたは別の適切なコネクタの形態であってもよい。雌ルアーコネクタ部分110は、血液採取装置40の雄ルアー部分に結合するために貫通して延在するルーメン114を画定する内面115を含んでもよい。雌ルアーコネクタ部分110のルーメン114は、後述するように、流れ制限装置100の本体部分120の凹部またはルーメン140を介して雄ルアーコネクタ部分のルーメン154に流体接続されてもよい。
【0027】
本開示の様々な実施形態によれば、流れ制限装置100は、雄ルアー部分150と雌ルアー部分110との間に延在し、雄ルアー部分150および雌ルアー部分110と一体的に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分120をさらに含んでもよい。流れ制限装置100が単一のモノリシックピースとして形成される上述の構成は、一般に互いに結合された複数のコネクタを含む現在の既存の採血コネクタよりも有利である。例えば、単一のモノリシックピースとして形成される流れ制限装置100の構造は、いくつかの部品およびコネクタを組み込む現在の既存の採血コネクタと比較して、複雑さが低減され、コストが低減された設計を有利に提供する。単一のモノリシック部品として形成された流れ制限装置100の構造はまた、いくつかの部品およびコネクタを組み込んだ現在の既存の採血コネクタと比較して、材料の浪費を有利に低減する。さらに有利には、単一のモノリシック部品として形成された流れ制限装置100の構造は、漏れ試験を実行する必要性を低減または排除し、それによって試験に関連する時間およびコストを節約する。
【0028】
図示のように、本体部分120は、それを通って長手方向に延在し、雄ルアー部分150および雌ルアー部分110のルーメン154および114と流体連通する凹部またはルーメン140を含んでもよい。ルーメンまたは凹部140は、それに沿って流体が雄ルアーコネクタ部分150から雌ルアーコネクタ部分110を介して流体採取装置40に流れるマイクロチャネル142を画定してもよい。図示のように、ルーメンまたは凹部140は、流れ制限装置100を介してカテーテルアセンブリ50を流体採取装置40と流体連通させてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、Yアダプタ70の脚部72は、流れ制限装置100に結合されてもよい。Yアダプタ70の脚部72は、雄ルアーコネクタ部分150の遠位端151が結合され得るルーメンを含んでもよい。Yアダプタ70は、例えば延長チューブ60を介して、無針コネクタとして示されているコネクタ90および凹部またはルーメン140を介してカテーテルアセンブリ50と流れ制限装置100を流体連通させてもよい。したがって、マイクロチャネル142のルーメンまたは凹部140は、カテーテルアセンブリ50から流れ制限装置100に入る流体が、流体採取装置40に採取するために流れ制限装置100を通って流れ得る、縮小された、小さい、またはマイクロサイズの直径(後述する)を有する流体経路を画定し得る。例えば、血液が患者から回収または採取されている場合、医療用流体は血液であってもよく、流体採取装置40は血液採取装置であってもよい。いくつかの実施形態では、血液採取装置はルアーロックアクセス装置(LLAD)であってもよい。したがって、患者からの血液採取または回収中に、血液サンプルは、雄ルアーコネクタ部分150の遠位端151から、凹部またはルーメン140によって画定された流路またはマイクロチャネル142を介してLLAD40に流れてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、凹部またはルーメン140によって画定されるマイクロチャネル142は、小さい、縮小された、またはマイクロサイズの直径を有する細長い薄いチャネルであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、流体がそれに沿って遠位端151から流体採取装置40に流れ得る流路またはマイクロチャネルを画定する凹部またはルーメン140は、0.020~0.025インチの範囲の直径を有し得る。しかしながら、本開示の様々な実施形態は、上述の構成に限定されない。いくつかの実施形態では、マイクロチャネルを画定する凹部またはルーメン142の直径は、1~1.3インチの範囲であり得る。したがって、患者からの血液採取または回収中に、血液15は、最小直径を有する凹部またはルーメン142によって画定された流路またはマイクロチャネルを介して血液採取装置40に流入してもよい。本明細書に記載の様々な実施形態の流れ制限装置100は、現在存在する血液採取システムよりも有利である。例えば、現在存在する採血装置による採血中、血球は、血液採取システムの遠位端から近位端に流れる際に壁剪断応力を受ける可能性がある。血球上の壁剪断応力は、血球の溶血を引き起こす血球への機械的損傷の主な原因と考えられている。最小直径を有するルーメン142によって画定される流路またはマイクロチャネルは、圧力差を分散させ、血液15の赤血球が受ける剪断応力を低減するために、血管アクセスシステム内の流れ抵抗の増加を促進し得る。例えば、ルーメン142によって画定された流路またはマイクロチャネルの最小直径は、血液15の流れに対する抵抗を増加させ、それによって流れ抵抗装置100内の血流量を減少させ得る。血流量の低下は、血液15の赤血球が受ける剪断応力の低下を引き起こすので、血液採取中の溶血のリスクを有利に低減し得る。
【0030】
凹部140のルーメン142によって画定された一体型流路またはマイクロチャネルを有する本明細書に記載の様々な実施形態の流れ制限装置100は、採血コネクタまたはアクセサリのコストを大幅に増加させる傾向があるカニューレを組み込む現在存在する採血コネクタまたはアクセサリよりもコスト的に有利であり得る。
【0031】
本開示の様々な実施形態によれば、本体部分120の外面122は、本体部分120の長手方向軸Xの周りに配置され、それを取り囲む複数の横方向に延在するリブ124を含んでもよい。図示のように、複数の横方向に延在するリブ124は、雌ルアーコネクタ部分110と雄ルアーコネクタ部分150との間で長手方向軸Xに沿って互いに離間していてもよい。いくつかの実施形態では、外面122は、長手方向軸Xに沿って配置され、雄ルアーコネクタ部分150から雌ルアー部分110まで延在する少なくとも1つの長手方向に延在するリブ130をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、
図3に示すように、本体部分120は、本体部分120の両側に配置された一対の長手方向に延在するリブ130を含んでもよい。図示のように、長手方向に延在するリブ130は、横方向に延在するリブ124の各々を横切って配置されてもよく、相互接続してもよい。したがって、複数の横方向に延在するリブ124および1つまたは複数の長手方向に延在するリブ130は、本体部分120を囲むグリッドまたはマトリックス形状を形成してもよい。
【0032】
本体部分120を囲むグリッドまたはマトリックス形状は、有利には、血液採取システム用の現在存在するコネクタと比較して、追加のまたは強化された構造的完全性または剛性を提供し得る。例えば、いくつかの実施形態では、本体部分120を取り囲む横方向に延在するリブ124および長手方向に延在するリブ130のグリッドまたはマトリックス形状は、流れ制限装置100の雄ルアーコネクタ部分150と雌ルアーコネクタ部分110との間の剛性を高めてもよく、それによって流れ制限装置100が曲げ力またはねじり力の影響を受けにくくする。上述の構成は、流れ制限装置100の剛性を高めることにより、可撓性を低下させ、それにより、流れ制御装置100の偶発的または不注意による屈曲またはねじれに起因する血液漏出の可能性を減少させるという点で有利である。横方向に延在するリブ124および長手方向に延在するリブ130が本体部分120を取り囲む流れ制限装置の上述の構成は、本体部分120のより均一な表面よりも把持しやすい表面を本体部分に設けるのにさらに有利であり得る。
【0033】
図3Aは、本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置を形成するための複数のモールド部品の斜視図を示す。
図3Bは、本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置のトップモールドなしの流れ制限装置の組み立てられたモールドを示す。いくつかの実施形態によれば、単一のモノリシックピースの流れ制限装置100を製造する方法は、第1のモールド部品205および第2のモールド部品215を設けるステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のモールド部品205および第2のモールド部品215は、構造が同一であり、互いに鏡映していてもよい。図示のように、第1のモールド部品205および第2のモールド部品215の各々は、その中に凹んだインプリント220を含んでもよい。インプリント220は、第1のモールド部品205の遠位端部分230にある雄ルアーコネクタインプリント部分225と、その近位端部分235にある雌ルアーコネクタインプリント部分212と、雄ルアーコネクタインプリント部分225と雌ルアーコネクタインプリント部分212との間に長手方向に延在するマイクロチャネルインプリント部分242と、マイクロチャネルインプリント部分242を取り囲む補強リブインプリント部分222および232とを含んでもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、単一のモノリシックピースの流れ制限装置100を製造する方法は、雄ルアーコネクタモールド部品250を雄ルアーコネクタインプリント部分225に挿入するステップと、雌ルアーコネクタモールド部品210を雌ルアーコネクタインプリント部分212に挿入するステップとをさらに含んでもよい。
図3Bに示すように、雌ルアーコネクタモールド部品210は、雌ルアーコネクタモールド部品210の遠位端から延びるマイクロチャネルモールド部品240を有してもよく、マイクロチャネルモールド部品は、マイクロチャネルインプリント部分242に挿入されてもよい。本開示の様々な実施形態によれば、本方法は、第1のモールド部品205および第2のモールド部品215を結合してモールドアセンブリを形成するステップと、溶融したモールド材料をモールドアセンブリ内に注入するステップとをさらに含んでもよい。方法は、溶融したモールド材料を冷却して流れ制限装置100の形状にすることを可能にするために、モールドアセンブリを冷却するステップをさらに含んでもよい。
【0035】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置100の第1のコネクタ半体100Aおよび第2のコネクタ半体100Bの断面図を示す。本開示の様々な実施形態によれば、単一ピースの流れ制限装置100は、
図4に示すように、2つの同一の半体100Aおよび100Bを恒久的に接着することによって形成され得る。結合されたときの2つのコネクタ半体100Aおよび100Bの構造は、流れ制限装置100の構造と同一であってもよい。したがって、第1のコネクタ半体100Aおよび第2のコネクタ半体100Bの対応する要素が、特徴が対応するそれぞれのコネクタ半体を示すために参照符号の最後に「A」または「B」のいずれかを含むことを除いて、第1のコネクタ半体100Aおよび第2のコネクタ半体100Bの対応する特徴を示すために同じ参照符号が使用されている。したがって、流れ制限装置100と同一の第1のコネクタ半体100Aおよび第2のコネクタ半体100Bの特徴の詳細な説明は、
図4に関しては省略される。例えば、いくつかの実施形態では、単一ピースの流れ制限装置100は、2つの半体100Aおよび100Bを共に超音波溶接することによって形成されてもよい。特に、いくつかの実施形態では、第1の半体100Aおよび第2の半体100Bは、雄ルアーコネクタ部分150A,150Bのルーメン154A,154Bを画定する内面156A,156B、雌ルアーコネクタ部分110A,110Bのルーメン114A,114Bを画定する内面115A,115B、およびマイクロチャネル142A,142Bを画定する少なくとも1つの凹部またはルーメン140A,140Bの内面156A,156Bに沿って画定された溶接線の周りに超音波溶接されてもよい。しかしながら、本開示の様々な実施形態は、上述の構成に限定されない。いくつかの実施形態では、第1のコネクタ半体100Aおよび第2のコネクタ半体100Bは、任意の他の適切な接着または取り付け方法によって互いに恒久的に接着されてもよい。
【0036】
第1のコネクタ半体100Aおよび第2のコネクタ半体100Bを有する流れ制限装置100の上述の構成は、雄ルアーコネクタ部分152A,152Bのルーメン154A,154Bを画定する内面156A,156B、雌ルアーコネクタ部分110A,110Bのルーメン114A,114Bを画定する内面115A,115B、およびマイクロチャネル142A,142Bを画定する少なくとも1つの凹部またはルーメン140A,140Bの内面156A,156Bに沿って画定された溶接線が、医療用流体、例えば採血中の血液の漏れを防止するために、雄ルアーコネクタ部分150から雌ルアーコネクタ部分110への流体経路の追加または強化されたシーリングを提供することができるという点で有利であり得る。
【0037】
図5Aは、本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置300の斜視図である。
図5Bは、本開示のいくつかの実施形態による、
図5Aの流れ制限装置の第1の半体300Aおよび第2の半体300Bの断面図を示す。図示のように、2つのコネクタ半体300Aおよび300Bの構造は、流れ制限装置300がルーメンまたは凹部140(すなわち、140Aおよび140B)に取り付けられるチュービング340をさらに含み得ることを除いて、流れ制限装置100の2つのコネクタ半体100Aおよび100Bの構造と同一であり得る。したがって、第1のコネクタ半体300Aおよび第2のコネクタ半体300Bにおける対応する特徴を示すために同じ参照符号が使用されている。このため、流れ制限装置100と同一の第1のコネクタ半体300Aおよび第2のコネクタ半体300Bの特徴の詳細な説明は、
図5Aおよび
図5Bに関しては省略される。例えば、いくつかの実施形態では、単一ピースの流れ制限装置300は、その間に挟まれたチュービング340と共に2つの半体300Aおよび300Bを超音波溶接することによって形成されてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、チュービング340は、近位端346、遠位端344、それを通って延びるルーメン342を画定する内面を有してもよい。チュービング340は、ルーメンまたは凹部140に取り付けられてもよく、雌ルアーコネクタ部分110のルーメン114と雄ルアーコネクタ部分のルーメン154との間に介在し、それらの間に延在してもよい。本開示のいくつかの実施形態によれば、チュービング340のルーメン342は、流体(例えば、血液)がそれに沿って流れ制限装置300から流体採取装置40に流れ得る流路またはマイクロチャネルを画定し得る。いくつかの実施形態では、チュービングのルーメン342によって画定される流路またはマイクロチャネルは、小さい、縮小された、またはマイクロサイズの直径を有する細長い薄いチャネルであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ルーメン342によって画定される流路またはマイクロチャネルは、0.020~0.025インチの範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、チュービング340は、2つの半体300Aおよび300Bの接合後に除去されてもよく、2つの半体の接合中に、その間にチュービングを用いて、チュービングはマイクロチャネル142A,142Bの適切な整列に寄与することができる。しかしながら、本開示の様々な実施形態は、上述の構成に限定されない。
【0039】
いくつかの実施形態では、ルーメン342によって画定される流路またはマイクロチャネルの直径は、1から1.3インチの範囲であり得る。したがって、患者からの血液採取または回収中に、血液は、最小直径を有するルーメン342によって画定された流路またはマイクロチャネルを介して血液採取装置40に流入してもよい。最小直径を有するチュービング340のルーメン342によって画定される流路またはマイクロチャネルは、圧力差を分散させ、血液の赤血球が受ける剪断応力を低減するために、血管アクセスシステム内の流れ抵抗の増加を促進し得る。例えば、ルーメン342によって画定された流路またはマイクロチャネルの最小直径は、血液の流れに対する抵抗を増加させ、それによって流れ制限装置300内の血流量を減少させ得る。血流量の低下は、血液15の赤血球が受ける剪断応力の低下を引き起こすので、血液採取中の溶血のリスクを有利に低減し得る。
【0040】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置400の第1のコネクタ半体400Aおよび第2のコネクタ半体400Bの断面図を示す。図示のように、2つのコネクタ半体400Aおよび400Bの構造は、流れ制限装置400が第1のルーメンまたは凹部440A,440Bおよび第2のルーメンまたは凹部444A,444Bを含み得ることを除いて、流れ制限装置100の2つのコネクタ半体100Aおよび100Bの構造と同一であり得る。したがって、第1のコネクタ半体400Aおよび第2のコネクタ半体400Bにおける対応する特徴を示すために同じ参照符号が使用されている。このため、流れ制限装置100と同一の第1のコネクタ半体400Aおよび第2のコネクタ半体400Bの特徴の詳細な説明は、
図6に関しては省略される。例えば、いくつかの実施形態では、単一ピースの流れ制限装置400は、2つの半体400Aおよび400Bを共に超音波溶接することによって形成されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、組み合わされたルーメンまたは凹部半体440A,440Bによって画定された第1のルーメンまたは凹部440は、その中にマイクロチャネル442A,442Bを画定する内面441A,441Bを有してもよい。同様に、組み合わされたルーメンまたは凹部半体444A,444Bによって画定された第2のルーメンまたは凹部444は、その中にマイクロチャネル446A,446Bを画定する内面445A,445Bを有してもよい。本開示の様々な実施形態によれば、マイクロチャネル442A,442B,446A,および446Bの各々に画定された流路は、小さい、縮小された、またはマイクロサイズの直径を有する細長い薄いチャネルであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、マイクロチャネル442A,442B,446A,および446Bの各々に画定された流路は、0.020~0.025インチの範囲の直径を有し得る。しかしながら、本開示の様々な実施形態は、上述の構成に限定されない。いくつかの実施形態では、ルーメン442によって画定される流路またはマイクロチャネルの直径は、1から1.3インチの範囲であり得る。したがって、患者からの血液採取または回収中に、血液は、最小直径を有するルーメン442によって画定された流路またはマイクロチャネルを介して血液採取装置40に流入してもよい。
【0042】
最小直径を有するマイクロチャネル442A,442B,446A,および446Bの各々に画定された流路は、圧力差を分散させ、採取される血液の赤血球が受ける剪断応力を低減するために、血管アクセスシステム内の流れ抵抗の増加を有利に促進し得る。例えば、マイクロチャネル442A,442B,446A,および446Bの各々に画定された流路の最小直径は、血液15の流れに対する抵抗を増加させ、それによって流れ抵抗装置400内の血流量を減少させ得る。血流量の減少は、血液の赤血球が受ける剪断応力の低下を引き起こすので、血液採取中の溶血のリスクを有利に低減し得る。
【0043】
条項としての主題技術の例示
主題技術は、例えば、以下に説明する様々な態様によって例示される。主題技術の態様の様々な例は、便宜上、番号付きの条項(1、2、3など)として説明される。これらは例として提供されており、主題技術を限定するものではない。従属条項のうちのいずれも、任意の組み合わせで組み合わされ、それぞれの独立した条項、例えば、条項1または条項5に置かれる得ることに留意されたい。他の条項もまた、同様に提示されることができる。
【0044】
条項1.カテーテルアセンブリに結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分であって、雄ルアーコネクタ部分はそのルーメンを画定する内面を含む、雄ルアーコネクタ部分と、雄ルアーコネクタ部分に近位に配置され、流体採取装置に結合するように構成された雌ルアーコネクタ部分であって、雌ルアーコネクタ部分は雄ルアーコネクタ部分のルーメンに流体接続されたルーメンを画定する内面を含む、雌ルアーコネクタ部分と、雄ルアー部分と雌ルアー部分との間に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分と一体に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分であって、本体部分は、それを通って長手方向に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分のルーメンと流体連通する凹部を備え、凹部は、それに沿って流体が雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分を介して流体採取装置に流入するマイクロチャネルを画定する、本体部分と、を備える、流れ制限装置。
【0045】
条項2.本体部分の外面が、本体部分の長手方向軸の周りに配置され、本体部分の長手方向軸を取り囲む複数の横方向に延在するリブを備え、複数のリブは、雌ルアーコネクタ部分と雄ルアーコネクタ部分との間で長手方向軸に沿って互いに離間している、条項1に記載の流れ制限装置。
【0046】
条項3.本体部分の外面が、長手方向軸に沿って配置され、雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分まで延在する少なくとも1つの長手方向に延在するリブをさらに備える、条項2に記載の流れ制限装置。
【0047】
条項4.長手方向に延在するリブが、横方向に延在するリブの各々を横切って配置され、それらを相互接続する、条項3に記載の流れ制限装置。
【0048】
条項5.少なくとも1つの長手方向に延在するリブが、本体部分の外面の両側に配置された一対の長手方向に延在するリブを備える、条項3に記載の流れ制限装置。
【0049】
条項6.一対の長手方向に延在するリブが、本体部分の外面の両側で横方向に延在するリブの各々を横切って配置され、それらを相互接続する、条項5に記載の流れ制限装置。
【0050】
条項7.雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分を介して流体採取装置内に流れる流体が血液を含み、流体採取装置は血液採取装置を備える、条項4に記載の流れ制限装置。
【0051】
条項8.血液採取装置がルアーロックアクセス装置を備える、条項8に記載の流れ制限装置。
【0052】
条項9.患者からの血液の採取中に溶血を制限するように構成された単一のモノリシックピースの流れ制限装置を製造する方法であって、方法は、第1および第2のモールド部品を設けるステップであって、第1および第2のモールド部品の各々は、その中に凹んだインプリントを含み、インプリントは、第1のモールド部品の遠位端部分に雄ルアーコネクタインプリント部分と、その近位端部分に雌ルアーコネクタインプリント部分と、雄ルアーコネクタインプリント部分と雌ルアーコネクタインプリント部分との間に長手方向に延在するマイクロチャネルインプリント部分と、マイクロチャネルインプリント部分を囲む補強リブインプリント部分と、を含む、ステップと、雄ルアーコネクタモールド部品を雄ルアーコネクタインプリント部分に挿入するステップと、雌ルアーコネクタモールド部品を雌ルアーコネクタインプリント部分に挿入するステップであって、雌ルアーコネクタモールド部品は、雌ルアーコネクタモールド部品の遠位端から延びるマイクロチャネルモールド部品を備え、マイクロチャネルモールド部品は、マイクロチャネルインプリント部分に挿入される、ステップと、第1のモールド部品と第2のモールド部品とを結合してモールドアセンブリを形成するステップと、溶融したモールド材料をモールドアセンブリ内に注入するステップと、モールドアセンブリを冷却するステップと、を含む、方法。
【0053】
条項10.単一コネクタを形成するために互いに融着された第1および第2のコネクタ半体を備える流れ制限装置であって、単一コネクタは、カテーテルアセンブリに結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分であって、雄ルアーコネクタ部分はそのルーメンを画定する内面を含む、雄ルアーコネクタ部分と、雄ルアーコネクタ部分に近位に配置され、流体採取装置に結合するように構成された雌ルアーコネクタ部分であって、雌ルアーコネクタ部分は雄ルアーコネクタ部分のルーメンに流体接続されたルーメンを画定する内面を含む、雌ルアーコネクタ部分と、雄ルアー部分と雌ルアー部分との間に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分と一体に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分であって、本体部分は、それを通って長手方向に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分のルーメンと流体連通する少なくとも1つの凹部を備え、少なくとも1つの凹部は、それに沿って流体が雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分を介して流体採取装置に流入するマイクロチャネルを画定する、本体部分と、を備える。
【0054】
条項11.第1および第2のコネクタ半体が、雄ルアーコネクタ部分のルーメンを画定する内面に沿って画定された溶接線の周りに超音波溶接され、内面は、雌ルアーコネクタ部分のルーメンを画定し、少なくとも1つの凹部の内面は、マイクロチャネルを画定する、条項10に記載の流れ制限装置。
【0055】
条項12.雄ルアーコネクタ部分のルーメン、マイクロチャネル、および雌ルアーコネクタ部分のルーメンが、流体がそれに沿って流れ制限装置を通って移動する流体経路を画定し、溶接線は、流体経路の外周を漏れからシールする、条項11に記載の流れ制限装置。
【0056】
条項13.本体部分の外面が、本体部分の長手方向軸の周りに配置され、本体部分の長手方向軸を取り囲む複数の横方向に延在するリブを備え、複数のリブは、雌ルアーコネクタ部分と雄ルアーコネクタ部分との間で長手方向軸に沿って互いに離間している、条項11に記載の流れ制限装置。
【0057】
条項14.本体部分の外面が、長手方向軸に沿って配置され、雄ルアー部分から雌ルアー部分まで延在する少なくとも1つの長手方向に延在するリブをさらに備える、条項13に記載の流れ制限装置。
【0058】
条項15.少なくとも1つの長手方向に延在するリブが、横方向に延在するリブの各々を横切って配置され、それらを相互接続する、条項14に記載の流れ制限装置。
【0059】
条項16.少なくとも1つの長手方向に延在するリブが、本体部分の外面の側面の対応する半体にそれぞれ配置された一対の長手方向に延在するリブを備える、条項13に記載の流れ制限装置。
【0060】
条項17.マイクロチャネルを画定する凹部内に取り付けられたチュービングをさらに備える、条項11に記載の流れ制限装置。
【0061】
条項18.少なくとも1つの凹部が、各々が雄ルアーコネクタ部分のルーメンを雌ルアーコネクタ部分のルーメンと流体連通させる複数のマイクロチャネルを画定する複数の凹部を備える、条項10に記載の流れ制限装置。
【0062】
条項19.第1および第2のコネクタ半体が、各々が雄ルアーコネクタ部分のルーメンを画定する内面に沿って画定される複数の溶接線の周りに超音波溶接され、内面は、雌ルアーコネクタ部分のルーメンを画定し、少なくとも1つの凹部の複数の内面の各々は、マイクロチャネルを画定する、条項18に記載の流れ制限装置。
【0063】
条項20.雄ルアーコネクタ部分のルーメン、複数のマイクロチャネルの各々、および雌ルアーコネクタ部分のルーメンが、流体がそれに沿って流れ制限装置を通って移動する複数の流体経路を画定し、溶接線は、各流体経路の外周を漏れからシールする、条項19に記載の流れ制限装置。
【0064】
条項21.患者からの血液の採取中に溶血を制限するように構成された末梢静脈カテーテルアセンブリであって、カテーテルアセンブリに結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分であって、雄ルアーコネクタ部分はそのルーメンを画定する内面を含む、雄ルアーコネクタ部分と、雄ルアーコネクタ部分に近位に配置され、流体採取装置に結合するように構成された雌ルアーコネクタ部分であって、雌ルアーコネクタ部分は雄ルアーコネクタ部分のルーメンに流体接続されたルーメンを画定する内面を含む、雌ルアーコネクタ部分と、雄ルアー部分と雌ルアー部分との間に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分と一体的に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分であって、本体部分は、それを通って長手方向に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分のルーメンと流体連通する凹部を備え、凹部はマイクロチャネルを画定し、マイクロチャネルは、血液が雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分を介して患者から流体採取装置に採取されるときに、血液の溶血を制限するように構成される、本体部分と、を備える、流れ制限装置と、近位端および遠位端を有するカテーテルハブと、カテーテルハブを流れ制限装置と流体結合する流体コネクタと、を備える、末梢静脈カテーテルアセンブリ。
【0065】
本開示は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実施することを可能にするために提供される。本開示は、主題技術の様々な例を提供し、主題技術はこれらの例に限定されない。これらの態様に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかになり、本明細書で定義される包括的な原理は、他の態様に適用され得る。
【0066】
単数形の要素への言及は、特に明記しない限り、「1つおよび1つだけの」を意味するものではなく、「1つまたは複数」を意味することを意図している。特に明記しない限り、「いくつか」という用語は、1つまたは複数を指す。男性代名詞(例えば、彼の)は、女性および中性(例えば、彼女の、およびその)を含み、その逆も同様である。見出しおよび小見出しがある場合、それらは便宜上使用されているにすぎず、本発明を限定するものではない。
【0067】
「例示的な」という語句は、本明細書では「例または例示としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的な」として説明される態様または設計は、必ずしも他の態様または設計よりも好ましいまたは有用であると解釈されるものではない。1つの態様では、本明細書で説明される様々な代替の構成および動作は、少なくとも均等物であると見なされ得る。
【0068】
本明細書で使用される場合、一連の事項に続く「の少なくとも1つ」という句は、その事項の任意のものを分離するための「または」という用語を伴うとき、列挙されたものの各事項ではなく、列挙されたもの全体を修飾する。「の少なくとも1つ」という句は、少なくとも1つの事項を選択する必要はなく、むしろ、この句は、事項の任意の1つの少なくとも1つ、および/または事項の任意の組み合わせの少なくとも1つ、および/または事項の各々の少なくとも1つを含む意味を許容する。例として、「A、B、またはCの少なくとも1つ」という句は、Aのみ、Bのみ、もしくはCのみ、またはA、B、およびCの任意の組み合わせを指し得る。
【0069】
「態様」などの句は、このような態様が主題技術に必須であることも、このような態様が主題技術のすべての構成に適用されることも示唆しない。態様に関する開示は、すべての構成、または1つまたは複数の構成に適用され得る。態様は、1つまたは複数の例を提供することができる。1つの態様などの句は、1つまたは複数の態様を指すことができ、その逆も同様である。「実施形態」などの句は、このような実施形態が主題技術に必須であることも、このような実施形態が主題技術のすべての構成に適用されることも示唆しない。実施形態に関する開示は、すべての実施形態、または1つまたは複数の実施形態に適用され得る。実施形態は、1つまたは複数の例を提供することができる。実施形態などの句は、1つまたは複数の実施形態を指すことができ、その逆も同様である。「構成」などの句は、このような構成が主題技術に必須であることも、このような構成が主題技術のすべての構成に適用されることも示唆しない。構成に関する開示は、すべての構成、または1つまたは複数の構成に適用され得る。構成は、1つまたは複数の例を提供することができる。「構成」などの句は、1つまたは複数の構成を指すことができ、その逆も同様である。
【0070】
1つの態様では、他の方法で明記しない限り、続く特許請求の範囲を含む本明細書に記載されているすべての測定値、値、格付け、位置、大きさ、サイズ、および他の仕様は、近似的であり、正確ではない。1つの態様では、それらは、それらが関連する機能、およびそれらが属する当技術分野で慣用的なものと一致する合理的な範囲を有することを意図している。
【0071】
開示されたプロセスまたは方法におけるステップまたは動作の特定の順序または階層は、例示的な手法の例示であることが理解される。実施態様の選好またはシナリオに基づいて、ステップ、動作、またはプロセスの特定の順序または階層が再配置され得ることが理解される。ステップ、動作、またはプロセスのいくつかは、同時に実施されてもよい。いくつかの実施態様の選好またはシナリオでは、特定の動作が実施されてもされなくてもよい。ステップ、動作、またはプロセスの一部またはすべては、ユーザの介入なしに自動的に実施されてもよい。添付の方法の請求項は、サンプル順序で様々なステップ、動作、またはプロセスの要素を提示し、提示された特定の順序または階層に限定されることを意味しない。
【0072】
当業者に知られているまたは後に知られるようになる、本開示を通して説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的均等物および機能的均等物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されることを意図している。さらに、本明細書で開示されたものには、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に専用であることを意図するものは何もない。請求項のいかなる要素も、要素が「~するための手段」という句を使用して明確に列挙されておらず、または方法請求項の場合には、要素が「~するためのステップ」という句を使用して列挙されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定の下で解釈されるべきではない。さらに、「含む」、「有する」などの用語が使用される限りにおいて、そのような用語は、特許請求の範囲において移行語として「備える」という用語が使用される場合に「備える」が解釈されるように同様に包括的であることを意図している。
【0073】
本開示の名称、背景技術、概要、図面の簡単な説明、および要約は、本明細書によって本開示に組み込まれ、限定的な説明としてではなく、本開示の例示的な例として提供される。それらが特許請求の範囲の範囲または意味を限定するようには使用されないことを理解して提出される。加えて、発明を実施するための形態では、説明が例示的な例を提供し、本開示を合理化する目的で、様々な特徴が様々な実施形態において合わせて群化されていることが理解できよう。この開示の方法は、特許請求される主題が、各請求項に明確に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するとは解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された構成または動作のすべての特徴よりも少ない特徴にある。以下の特許請求の範囲は、本明細書によって発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は別個に特許請求される主題として独立している。
【0074】
特許請求の範囲は、本明細書で説明された態様に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲の文言と一致する全範囲が与えられるべきであり、すべての法的均等物を包含するべきである。それにもかかわらず、特許請求の範囲のいずれも、米国特許法第101条、第102条、または第103条の要件を満たさない主題を包含することを意図しておらず、また、そのように解釈されるべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、採血および患者への非経口流体の投与に関し、特に、単一のモノリシックピースの流れ制限装置を使用してPIVC採血における溶血を低減するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、一般に、様々な注入療法に使用される。例えば、カテーテルは、標準の生理食塩水、様々な薬剤、および完全非経口栄養などの流体を患者に注入するために使用され得る。カテーテルはまた、患者から血液を回収するために使用されてもよい。
【0003】
一般的なタイプのカテーテルは、オーバーザニードル末梢静脈(「IV」)カテーテル(PIVC)である。その名称が示すように、オーバーザニードルカテーテルは、鋭い遠位先端を有するイントロデューサ針の上に装着されてもよい。カテーテルアセンブリは、カテーテルハブと、カテーテルハブから遠位に延びるカテーテルと、カテーテルを通って延びるイントロデューサ針とを含んでもよい。カテーテルおよびイントロデューサ針は、イントロデューサ針の遠位先端がカテーテルの遠位先端を越えて延び、針のベベルが患者の皮膚から離れて上を向くように組み立てられてもよい。カテーテルおよびイントロデューサ針は、一般に、皮膚を通して患者の血管系内に浅い角度で挿入される。
【0004】
血管内のイントロデューサ針および/またはカテーテルの適切な留置を検証するために、臨床医は、一般に、カテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバ内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の留置が確認されると、臨床医は血管系内の流れを一時的に閉塞し、針を取り除き、将来の血液回収または流体注入のためにカテーテルを所定の位置に残してもよい。
【0005】
血液回収または患者からの血液サンプルの採取には、血液採取容器が使用されてもよい。血液採取容器は、シリンジを含んでもよい。あるいは、血液採取容器は、一端にゴム栓を有する試験管を含んでもよい。いくつかの例では、試験管は、試験管から空気の全部または一部が除去されているため、試験管内の圧力は周囲圧力よりも低い。このような血液採取容器は、内部真空または真空管と呼ばれることが多い。一般的に使用される血液採取容器は、Becton Dickinson&Companyから入手可能なVACUTAINER(登録商標)血液採取管である。
【0006】
血液採取容器は、カテーテルに結合されてもよい。血液採取容器がカテーテルに結合されると、静脈内の圧力が血液採取容器内の圧力よりも高くなり、血液採取容器内に血液が押し込まれ、血液採取容器内に血液が充填される。血液採取容器内の圧力が静脈内の圧力と等しくなり、血液の流れが止まるまで、血液採取容器内の真空は、血液採取容器が充填されるにつれて減少する。
【0007】
残念なことに、血液が血液採取容器に採取されると、赤血球は高い剪断応力状態にあり、静脈と血液採取容器との間の高い初期圧力差に起因して溶血を起こしやすい。溶血は、血液サンプルの拒絶および廃棄をもたらし得る。高い初期圧力差はまた、カテーテル先端の崩壊、静脈の崩壊、または血液採取容器への血液の充填を防止または制限する他の複雑な事態をもたらし得る。さらに、採血中および/または採血後の血液漏出が一般的に起こる。
【0008】
背景技術のセクションで提供される説明は、単に背景技術のセクションで言及されているか、または背景技術のセクションに関連付けられているという理由で、従来技術であると仮定されるべきではない。背景技術のセクションは、主題技術の1つまたは複数の態様を記述する情報を含み得る。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、カテーテルアセンブリに結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分であって、雄ルアーコネクタ部分はそのルーメンを画定する内面を含む、雄ルアーコネクタ部分と、雄ルアーコネクタ部分に近位に配置され、流体採取装置に結合するように構成された雌ルアーコネクタ部分であって、雌ルアーコネクタ部分は雄ルアーコネクタ部分のルーメンに流体接続されたルーメンを画定する内面を含む、雌ルアーコネクタ部分と、雄ルアー部分と雌ルアー部分との間に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分と一体に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分であって、本体部分は、それを通って長手方向に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分のルーメンと流体連通する凹部を備え、凹部は、それに沿って流体が雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分を介して流体採取装置に流入するマイクロチャネルを画定する、本体部分と、を備える、流れ制限装置を提供する。
【0010】
いくつかの例では、本開示は、患者からの血液の採取中に溶血を制限するように構成された単一のモノリシックピースの流れ制限装置を製造する方法を提供し、方法は、第1および第2のモールド部品を設けるステップであって、第1および第2のモールド部品の各々は、その中に凹んだインプリントを含み、インプリントは、第1のモールド部品の遠位端部分に雄ルアーコネクタインプリント部分と、その近位端部分に雌ルアーコネクタインプリント部分と、雄ルアーコネクタインプリント部分と雌ルアーコネクタインプリント部分との間に長手方向に延在するマイクロチャネルインプリント部分と、マイクロチャネルインプリント部分を囲む補強リブインプリント部分と、を含む、ステップと、雄ルアーコネクタモールド部品を雄ルアーコネクタインプリント部分に挿入するステップと、雌ルアーコネクタモールド部品を雌ルアーコネクタインプリント部分に挿入するステップであって、雌ルアーコネクタモールド部品は、雌ルアーコネクタモールド部品の遠位端から延びるマイクロチャネルモールド部品を備え、マイクロチャネルモールド部品は、マイクロチャネルインプリント部分に挿入される、ステップと、第1のモールド部品と第2のモールド部品とを結合してモールドアセンブリを形成するステップと、溶融したモールド材料をモールドアセンブリ内に注入するステップと、モールドアセンブリを冷却するステップと、を含む。
【0011】
いくつかの態様では、本開示は、単一コネクタを形成するために互いに融着された第1および第2のコネクタ半体を備える流れ制限装置を提供し、単一コネクタは、カテーテルアセンブリに結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分であって、雄ルアーコネクタ部分はそのルーメンを画定する内面を含む、雄ルアーコネクタ部分と、雄ルアーコネクタ部分に近位に配置され、流体採取装置に結合するように構成された雌ルアーコネクタ部分であって、雌ルアーコネクタ部分は雄ルアーコネクタ部分のルーメンに流体接続されたルーメンを画定する内面を含む、雌ルアーコネクタ部分と、雄ルアー部分と雌ルアー部分との間に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分と一体に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分であって、本体部分は、それを通って長手方向に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分のルーメンと流体連通する少なくとも1つの凹部を備え、少なくとも1つの凹部は、それに沿って流体が雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分を介して流体採取装置に流入するマイクロチャネルを画定する、本体部分と、を備える。
【0012】
いくつかの例では、本開示は、患者からの血液の採取中に溶血を制限するように構成された末梢静脈カテーテルアセンブリを提供し、末梢静脈カテーテルアセンブリは、カテーテルアセンブリに結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分であって、雄ルアーコネクタ部分はそのルーメンを画定する内面を含む、雄ルアーコネクタ部分と、雄ルアーコネクタ部分に近位に配置され、流体採取装置に結合するように構成された雌ルアーコネクタ部分であって、雌ルアーコネクタ部分は雄ルアーコネクタ部分のルーメンに流体接続されたルーメンを画定する内面を含む、雌ルアーコネクタ部分と、雄ルアー部分と雌ルアー部分との間に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分と一体的に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分であって、本体部分は、それを通って長手方向に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分のルーメンと流体連通する凹部を備え、凹部はマイクロチャネルを画定し、マイクロチャネルは、血液が雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分を介して患者から流体採取装置に採取されるときに、血液の溶血を制限するように構成される、本体部分と、を備える、流れ制限装置と、近位端および遠位端を有するカテーテルハブと、カテーテルハブを流れ制限装置と流体結合する流体コネクタと、を備える。
【0013】
主題技術の他の構成は、以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかになることが理解され、ここで主題技術の様々な構成は例示として示され説明される。理解されるように、主題技術は、他のおよび異なる構成が可能であり、そのいくつかの詳細は、すべて主題技術の範囲から逸脱することなく、様々な他の点で修正が可能である。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示と見なされるべきであり、限定と見なされるべきではない。
【0014】
以下の図は、実施形態の特定の態様を説明するために含まれ、排他的な実施形態と見なされるべきではない。開示される主題は、当業者が想到し、本開示の利益を有するように、形態および機能においてかなりの修正、変更、組み合わせ、および均等物が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置を含む末梢静脈カテーテル(PIVC)アセンブリを含む血管アクセス装置を示す図である。
【
図2A】本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置の斜視図である。
【
図2B】本開示のいくつかの実施形態による、
図2Aの流れ制限装置の上面図である。
【
図2C】本開示のいくつかの実施形態による、線2C-2Cに沿った
図2Bの流れ制限装置の断面図である。
【
図2D】本開示のいくつかの実施形態による、
図2Aの流れ制限装置の側面図である。
【
図2E】本開示のいくつかの実施形態による、線2E-2Eに沿った
図2Dの流れ制限装置の断面図である。
【
図3A】本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置を形成するための複数のモールド部品の斜視図である。
【
図3B】本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置のトップモールドなしの流れ制限装置の組み立てられたモールドを示す図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置の第1および第2のコネクタ半体の断面図である。
【
図5A】本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置の斜視図である。
【
図5B】本開示のいくつかの実施形態による、
図5Aの流れ制限装置の第1および第2の半体の断面図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置の第1および第2のコネクタ半体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に記載される詳細な説明は、主題技術の様々な構成を説明するものであり、主題技術が実施され得る構成のみを表すことを意図するものではない。詳細な説明は、主題技術の完全な理解を提供する目的のために特定の詳細を含む。したがって、寸法は、非限定的な例として特定の態様に関して提供され得る。しかしながら、これらの具体的な詳細なしで主題技術が実施され得ることが、当業者には明らかであろう。いくつかの例では、主題技術の概念を不明瞭にすることを回避するために、周知の構造および構成要素がブロック図形式で示されている。
【0017】
本開示は、主題技術の例を含み、添付の特許請求の範囲を限定しないことを理解されたい。ここで、主題技術の様々な態様が、特定であるが非限定的な例に従って開示される。本開示に記載される様々な実施形態は、異なる方法および変形で、所望の用途または実施態様に従って実行され得る。
【0018】
血管アクセス装置を介した採血は、静脈穿刺による従来の採血方法と比較して、最小限の針刺しおよび改善された操作効率に起因して、ますます注目を集めている。末梢静脈カテーテル(PIVC)を使用する現在の採血にはいくつかの課題が見られており、最も重要なものの1つは溶血関連の血液の質である。特に、現在市販されている既存のPIVC製品では、標準的な接続部(短い拡張セットおよび無針コネクタなど)および血液採取装置(Vacutainerなど)と共に、血球に及ぼされる剪断応力は溶血の寸前である傾向がある。
【0019】
本開示の様々な実施形態は、PIVCに予め取り付けられ、溶血のリスクを低減するための流れ制限器として機能する溶血低減アクセサリ(本明細書では流れ制限装置とも呼ばれる)を用いて、PIVC採血における溶血に対処するシステムおよび方法を提供することに関する。溶血低減アクセサリは、PIVC留置に有利に適合し、既存の操作のいずれかへの変更を必要としない。本明細書に記載の様々な実施形態の溶血低減アクセサリは、多種多様なPIVC製品に潜在的に適用可能であり、既存の血液採取装置および注入使い捨て用品と適合する。
【0020】
本開示の様々な実施形態は、血球が通過する際の流体経路全体の全体的な流量を調節するアドオン溶血低減アクセサリ(本明細書では流れ制限装置とも呼ばれる)による効果的な流れ制限に焦点を合わせている。流れ制限装置は、PIVCと組み立てられるか、またはPIVCと一緒にパッケージされ得る。このため、装置は血液フラッシュバックを可能にする通気ルーメンを有するので、カテーテル留置中に追加の操作はない。臨床医は、血液採取装置をアクセサリのポートに接続し得、その後、血液を意図された容積に引き込むことができる。採血後、臨床医は流れ制限装置と血液採取装置を互いに切り離して廃棄してもよい。このため、この流れ制限装置は、単回採血のためのものであっても、留置全体にわたってインラインに留まるものであってもよい。
【0021】
本明細書に記載の様々な実施形態の流れ制限装置および関連する血液採取システムは、現在存在する血液採取システムを超えるさらなる利点をさらに提供する。例えば、本明細書に記載のアドオン流れ制限装置は、PIVC採血のために溶血低減機能を統合することを可能にする。さらに、本明細書に記載の流れ制限装置は、PIVC留置に適合し、挿入時にシームレスな採血を可能にする。加えて、流れ制限装置は、既存のPIVCを変更することなく容易に組み込むことができるアドオンであるため、臨床設定および動作への影響は最小限である。
【0022】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置100を含む末梢静脈カテーテル(PIVC)アセンブリ50を含む血管アクセス装置10を示す。流れ制限装置100は、血管アクセス装置10を使用して血液採取中の溶血の可能性を低減するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、血管アクセス装置10は、カテーテルアセンブリ50を含んでもよい。カテーテルアセンブリ50は、遠位端54、近位端56、ならびに遠位端および近位端を通って延びるルーメンを含み得るカテーテルハブ52を含んでもよい。カテーテルアセンブリ50は、カテーテル58をさらに含んでもよく、カテーテル58は、カテーテルハブ52内に固定されてもよく、カテーテルハブ52の遠位端54から遠位に延びてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ50は、末梢静脈カテーテル(PIVC)であってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ50は、任意の適切なカテーテルアセンブリ50を含むかまたはそれに対応してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ50は、一体化されてもよく、カテーテルハブ52のサイドポート59から延びて一体化されてもよい延長チューブ60を含んでもよい。一体型カテーテルアセンブリの非限定的な例は、Becton Dickinson and Companyから入手可能なBD NEXIVA(商標)Closed IV Catheterシステムである。いくつかの実施形態では、延長チューブ60の近位端は、例えばYアダプタ70などのアダプタに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、流れ制限装置110は、Yアダプタ70に流体結合されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ50は、一体化されていなくてもよく、延長チューブ60を含まなくてもよい。これらおよび他の実施形態では、流れ制限装置100は、カテーテルハブ52の近位端56またはカテーテルアセンブリ50の別の適切な部分に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、流れ制限装置100は、カテーテルアセンブリ50に直接結合されてもよく、これにより、延長チューブ60を排除し、コンパクトなカテーテルシステムを提供する。
【0025】
図2Aは、本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置の斜視図を示す。
図2Bは、本開示のいくつかの実施形態による、
図2Aの流れ制限装置の上面図を示す。
図2Cは、本開示のいくつかの実施形態による、線2C-2Cに沿った
図2Bの流れ制限装置の断面図を示す。
図2Dは、本開示のいくつかの実施形態による、
図2Aの流れ制限装置の側面図を示す。
図2Eは、本開示のいくつかの実施形態による、線2E-2Eに沿った
図2Dの流れ制限装置の断面図を示す。
【0026】
引き続き
図1を参照すると、
図2Aから
図2Eに示すように、いくつかの実施形態では、流れ制限装置100は、カテーテルアセンブリ50に結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分150を含んでもよい。雄ルアーコネクタ部分150は、雄ルアーコネクタ部分150のルーメン154を画定する内面156を有してもよい。いくつかの実施形態では、流れ制限装置100は、雄ルアーコネクタ部分150の近位に配置された雌ルアーコネクタ部分110をさらに含んでもよい。雌ルアーコネクタ部分110は、流体採取装置40(例えば、血液採取装置)に結合するように構成されてもよい。例えば、雌ルアーコネクタ部分110は、血液採取装置40と一体化されてもよく、または血液採取装置40とモノシリックに単一のユニットまたはピースとして形成されてもよい。別の例として、雌ルアーコネクタ部分110は、血液採取装置40の雄ルアー部分と結合され得る雌ルアーコネクタまたは別の適切なコネクタの形態であってもよい。雌ルアーコネクタ部分110は、血液採取装置40の雄ルアー部分に結合するために貫通して延在するルーメン114を画定する内面115を含んでもよい。雌ルアーコネクタ部分110のルーメン114は、後述するように、流れ制限装置100の本体部分120の凹部またはルーメン140を介して雄ルアーコネクタ部分のルーメン154に流体接続されてもよい。
【0027】
本開示の様々な実施形態によれば、流れ制限装置100は、雄ルアー部分150と雌ルアー部分110との間に延在し、雄ルアー部分150および雌ルアー部分110と一体的に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分120をさらに含んでもよい。流れ制限装置100が単一のモノリシックピースとして形成される上述の構成は、一般に互いに結合された複数のコネクタを含む現在の既存の採血コネクタよりも有利である。例えば、単一のモノリシックピースとして形成される流れ制限装置100の構造は、いくつかの部品およびコネクタを組み込む現在の既存の採血コネクタと比較して、複雑さが低減され、コストが低減された設計を有利に提供する。単一のモノリシック部品として形成された流れ制限装置100の構造はまた、いくつかの部品およびコネクタを組み込んだ現在の既存の採血コネクタと比較して、材料の浪費を有利に低減する。さらに有利には、単一のモノリシック部品として形成された流れ制限装置100の構造は、漏れ試験を実行する必要性を低減または排除し、それによって試験に関連する時間およびコストを節約する。
【0028】
図示のように、本体部分120は、それを通って長手方向に延在し、雄ルアー部分150および雌ルアー部分110のルーメン154および114と流体連通する凹部またはルーメン140を含んでもよい。ルーメンまたは凹部140は、それに沿って流体が雄ルアーコネクタ部分150から雌ルアーコネクタ部分110を介して流体採取装置40に流れるマイクロチャネル142を画定してもよい。図示のように、ルーメンまたは凹部140は、流れ制限装置100を介してカテーテルアセンブリ50を流体採取装置40と流体連通させてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、Yアダプタ70の脚部72は、流れ制限装置100に結合されてもよい。Yアダプタ70の脚部72は、雄ルアーコネクタ部分150の遠位端151が結合され得るルーメンを含んでもよい。Yアダプタ70は、例えば延長チューブ60を介して、無針コネクタとして示されているコネクタ90および凹部またはルーメン140を介してカテーテルアセンブリ50と流れ制限装置100を流体連通させてもよい。したがって、マイクロチャネル142のルーメンまたは凹部140は、カテーテルアセンブリ50から流れ制限装置100に入る流体が、流体採取装置40に採取するために流れ制限装置100を通って流れ得る、縮小された、小さい、またはマイクロサイズの直径(後述する)を有する流体経路を画定し得る。例えば、血液が患者から回収または採取されている場合、医療用流体は血液であってもよく、流体採取装置40は血液採取装置であってもよい。いくつかの実施形態では、血液採取装置はルアーロックアクセス装置(LLAD)であってもよい。したがって、患者からの血液採取または回収中に、血液サンプルは、雄ルアーコネクタ部分150の遠位端151から、凹部またはルーメン140によって画定された流路またはマイクロチャネル142を介してLLAD40に流れてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、凹部またはルーメン140によって画定されるマイクロチャネル142は、小さい、縮小された、またはマイクロサイズの直径を有する細長い薄いチャネルであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、流体がそれに沿って遠位端151から流体採取装置40に流れ得る流路またはマイクロチャネルを画定する凹部またはルーメン140は、0.050mm~0.064mm(0.020~0.025インチ)の範囲の直径を有し得る。しかしながら、本開示の様々な実施形態は、上述の構成に限定されない。いくつかの実施形態では、マイクロチャネルを画定する凹部またはルーメン142の長さは、25.4mm~33.0mm(1~1.3インチ)の範囲であり得る。したがって、患者からの血液採取または回収中に、血液15は、最小直径を有する凹部またはルーメン142によって画定された流路またはマイクロチャネルを介して血液採取装置40に流入してもよい。本明細書に記載の様々な実施形態の流れ制限装置100は、現在存在する血液採取システムよりも有利である。例えば、現在存在する採血装置による採血中、血球は、血液採取システムの遠位端から近位端に流れる際に壁剪断応力を受ける可能性がある。血球上の壁剪断応力は、血球の溶血を引き起こす血球への機械的損傷の主な原因と考えられている。最小直径を有するルーメン142によって画定される流路またはマイクロチャネルは、圧力差を分散させ、血液15の赤血球が受ける剪断応力を低減するために、血管アクセスシステム内の流れ抵抗の増加を促進し得る。例えば、ルーメン142によって画定された流路またはマイクロチャネルの最小直径は、血液15の流れに対する抵抗を増加させ、それによって流れ抵抗装置100内の血流量を減少させ得る。血流量の低下は、血液15の赤血球が受ける剪断応力の低下を引き起こすので、血液採取中の溶血のリスクを有利に低減し得る。
【0030】
凹部140のルーメン142によって画定された一体型流路またはマイクロチャネルを有する本明細書に記載の様々な実施形態の流れ制限装置100は、採血コネクタまたはアクセサリのコストを大幅に増加させる傾向があるカニューレを組み込む現在存在する採血コネクタまたはアクセサリよりもコスト的に有利であり得る。
【0031】
本開示の様々な実施形態によれば、本体部分120の外面122は、本体部分120の長手方向軸Xの周りに配置され、それを取り囲む複数の横方向に延在するリブ124を含んでもよい。図示のように、複数の横方向に延在するリブ124は、雌ルアーコネクタ部分110と雄ルアーコネクタ部分150との間で長手方向軸Xに沿って互いに離間していてもよい。いくつかの実施形態では、外面122は、長手方向軸Xに沿って配置され、雄ルアーコネクタ部分150から雌ルアー部分110まで延在する少なくとも1つの長手方向に延在するリブ130をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、
図3に示すように、本体部分120は、本体部分120の両側に配置された一対の長手方向に延在するリブ130を含んでもよい。図示のように、長手方向に延在するリブ130は、横方向に延在するリブ124の各々を横切って配置されてもよく、相互接続してもよい。したがって、複数の横方向に延在するリブ124および1つまたは複数の長手方向に延在するリブ130は、本体部分120を囲むグリッドまたはマトリックス形状を形成してもよい。
【0032】
本体部分120を囲むグリッドまたはマトリックス形状は、有利には、血液採取システム用の現在存在するコネクタと比較して、追加のまたは強化された構造的完全性または剛性を提供し得る。例えば、いくつかの実施形態では、本体部分120を取り囲む横方向に延在するリブ124および長手方向に延在するリブ130のグリッドまたはマトリックス形状は、流れ制限装置100の雄ルアーコネクタ部分150と雌ルアーコネクタ部分110との間の剛性を高めてもよく、それによって流れ制限装置100が曲げ力またはねじり力の影響を受けにくくする。上述の構成は、流れ制限装置100の剛性を高めることにより、可撓性を低下させ、それにより、流れ制御装置100の偶発的または不注意による屈曲またはねじれに起因する血液漏出の可能性を減少させるという点で有利である。横方向に延在するリブ124および長手方向に延在するリブ130が本体部分120を取り囲む流れ制限装置の上述の構成は、本体部分120のより均一な表面よりも把持しやすい表面を本体部分に設けるのにさらに有利であり得る。
【0033】
図3Aは、本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置を形成するための複数のモールド部品の斜視図を示す。
図3Bは、本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置のトップモールドなしの流れ制限装置の組み立てられたモールドを示す。いくつかの実施形態によれば、単一のモノリシックピースの流れ制限装置100を製造する方法は、第1のモールド部品205および第2のモールド部品215を設けるステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のモールド部品205および第2のモールド部品215は、構造が同一であり、互いに鏡映していてもよい。図示のように、第1のモールド部品205および第2のモールド部品215の各々は、その中に凹んだインプリント220を含んでもよい。インプリント220は、第1のモールド部品205の遠位端部分230にある雄ルアーコネクタインプリント部分225と、その近位端部分235にある雌ルアーコネクタインプリント部分212と、雄ルアーコネクタインプリント部分225と雌ルアーコネクタインプリント部分212との間に長手方向に延在するマイクロチャネルインプリント部分242と、マイクロチャネルインプリント部分242を取り囲む補強リブインプリント部分222および232とを含んでもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、単一のモノリシックピースの流れ制限装置100を製造する方法は、雄ルアーコネクタモールド部品250を雄ルアーコネクタインプリント部分225に挿入するステップと、雌ルアーコネクタモールド部品210を雌ルアーコネクタインプリント部分212に挿入するステップとをさらに含んでもよい。
図3Bに示すように、雌ルアーコネクタモールド部品210は、雌ルアーコネクタモールド部品210の遠位端から延びるマイクロチャネルモールド部品240を有してもよく、マイクロチャネルモールド部品は、マイクロチャネルインプリント部分242に挿入されてもよい。本開示の様々な実施形態によれば、本方法は、第1のモールド部品205および第2のモールド部品215を結合してモールドアセンブリを形成するステップと、溶融したモールド材料をモールドアセンブリ内に注入するステップとをさらに含んでもよい。方法は、溶融したモールド材料を冷却して流れ制限装置100の形状にすることを可能にするために、モールドアセンブリを冷却するステップをさらに含んでもよい。
【0035】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置100の第1のコネクタ半体100Aおよび第2のコネクタ半体100Bの断面図を示す。本開示の様々な実施形態によれば、単一ピースの流れ制限装置100は、
図4に示すように、2つの同一の半体100Aおよび100Bを恒久的に接着することによって形成され得る。結合されたときの2つのコネクタ半体100Aおよび100Bの構造は、流れ制限装置100の構造と同一であってもよい。したがって、第1のコネクタ半体100Aおよび第2のコネクタ半体100Bの対応する要素が、特徴が対応するそれぞれのコネクタ半体を示すために参照符号の最後に「A」または「B」のいずれかを含むことを除いて、第1のコネクタ半体100Aおよび第2のコネクタ半体100Bの対応する特徴を示すために同じ参照符号が使用されている。したがって、流れ制限装置100と同一の第1のコネクタ半体100Aおよび第2のコネクタ半体100Bの特徴の詳細な説明は、
図4に関しては省略される。例えば、いくつかの実施形態では、単一ピースの流れ制限装置100は、2つの半体100Aおよび100Bを共に超音波溶接することによって形成されてもよい。特に、いくつかの実施形態では、第1の半体100Aおよび第2の半体100Bは、雄ルアーコネクタ部分150A,150Bのルーメン154A,154Bを画定する内面156A,156B、雌ルアーコネクタ部分110A,110Bのルーメン114A,114Bを画定する内面115A,115B、およびマイクロチャネル142A,142Bを画定する少なくとも1つの凹部またはルーメン140A,140Bの内面156A,156Bに沿って画定された溶接線の周りに超音波溶接されてもよい。しかしながら、本開示の様々な実施形態は、上述の構成に限定されない。いくつかの実施形態では、第1のコネクタ半体100Aおよび第2のコネクタ半体100Bは、任意の他の適切な接着または取り付け方法によって互いに恒久的に接着されてもよい。
【0036】
第1のコネクタ半体100Aおよび第2のコネクタ半体100Bを有する流れ制限装置100の上述の構成は、雄ルアーコネクタ部分152A,152Bのルーメン154A,154Bを画定する内面156A,156B、雌ルアーコネクタ部分110A,110Bのルーメン114A,114Bを画定する内面115A,115B、およびマイクロチャネル142A,142Bを画定する少なくとも1つの凹部またはルーメン140A,140Bの内面156A,156Bに沿って画定された溶接線が、医療用流体、例えば採血中の血液の漏れを防止するために、雄ルアーコネクタ部分150から雌ルアーコネクタ部分110への流体経路の追加または強化されたシーリングを提供することができるという点で有利であり得る。
【0037】
図5Aは、本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置300の斜視図である。
図5Bは、本開示のいくつかの実施形態による、
図5Aの流れ制限装置の第1の半体300Aおよび第2の半体300Bの断面図を示す。図示のように、2つのコネクタ半体300Aおよび300Bの構造は、流れ制限装置300がルーメンまたは凹部140(すなわち、140Aおよび140B)に取り付けられるチュービング340をさらに含み得ることを除いて、流れ制限装置100の2つのコネクタ半体100Aおよび100Bの構造と同一であり得る。したがって、第1のコネクタ半体300Aおよび第2のコネクタ半体300Bにおける対応する特徴を示すために同じ参照符号が使用されている。このため、流れ制限装置100と同一の第1のコネクタ半体300Aおよび第2のコネクタ半体300Bの特徴の詳細な説明は、
図5Aおよび
図5Bに関しては省略される。例えば、いくつかの実施形態では、単一ピースの流れ制限装置300は、その間に挟まれたチュービング340と共に2つの半体300Aおよび300Bを超音波溶接することによって形成されてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、チュービング340は、近位端346、遠位端344、それを通って延びるルーメン342を画定する内面を有してもよい。チュービング340は、ルーメンまたは凹部140に取り付けられてもよく、雌ルアーコネクタ部分110のルーメン114と雄ルアーコネクタ部分のルーメン154との間に介在し、それらの間に延在してもよい。本開示のいくつかの実施形態によれば、チュービング340のルーメン342は、流体(例えば、血液)がそれに沿って流れ制限装置300から流体採取装置40に流れ得る流路またはマイクロチャネルを画定し得る。いくつかの実施形態では、チュービングのルーメン342によって画定される流路またはマイクロチャネルは、小さい、縮小された、またはマイクロサイズの直径を有する細長い薄いチャネルであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ルーメン342によって画定される流路またはマイクロチャネルは、0.050mm~0.064mm(0.020~0.025インチ)の範囲の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、チュービング340は、2つの半体300Aおよび300Bの接合後に除去されてもよく、2つの半体の接合中に、その間にチュービングを用いて、チュービングはマイクロチャネル142A,142Bの適切な整列に寄与することができる。しかしながら、本開示の様々な実施形態は、上述の構成に限定されない。
【0039】
いくつかの実施形態では、ルーメン342によって画定される流路またはマイクロチャネルの長さは、25.4mm~33.0mm(1~1.3インチ)の範囲であり得る。したがって、患者からの血液採取または回収中に、血液は、最小直径を有するルーメン342によって画定された流路またはマイクロチャネルを介して血液採取装置40に流入してもよい。最小直径を有するチュービング340のルーメン342によって画定される流路またはマイクロチャネルは、圧力差を分散させ、血液の赤血球が受ける剪断応力を低減するために、血管アクセスシステム内の流れ抵抗の増加を促進し得る。例えば、ルーメン342によって画定された流路またはマイクロチャネルの最小直径は、血液の流れに対する抵抗を増加させ、それによって流れ制限装置300内の血流量を減少させ得る。血流量の低下は、血液15の赤血球が受ける剪断応力の低下を引き起こすので、血液採取中の溶血のリスクを有利に低減し得る。
【0040】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、流れ制限装置400の第1のコネクタ半体400Aおよび第2のコネクタ半体400Bの断面図を示す。図示のように、2つのコネクタ半体400Aおよび400Bの構造は、流れ制限装置400が第1のルーメンまたは凹部440A,440Bおよび第2のルーメンまたは凹部444A,444Bを含み得ることを除いて、流れ制限装置100の2つのコネクタ半体100Aおよび100Bの構造と同一であり得る。したがって、第1のコネクタ半体400Aおよび第2のコネクタ半体400Bにおける対応する特徴を示すために同じ参照符号が使用されている。このため、流れ制限装置100と同一の第1のコネクタ半体400Aおよび第2のコネクタ半体400Bの特徴の詳細な説明は、
図6に関しては省略される。例えば、いくつかの実施形態では、単一ピースの流れ制限装置400は、2つの半体400Aおよび400Bを共に超音波溶接することによって形成されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、組み合わされたルーメンまたは凹部半体440A,440Bによって画定された第1のルーメンまたは凹部440は、その中にマイクロチャネル442A,442Bを画定する内面441A,441Bを有してもよい。同様に、組み合わされたルーメンまたは凹部半体444A,444Bによって画定された第2のルーメンまたは凹部444は、その中にマイクロチャネル446A,446Bを画定する内面445A,445Bを有してもよい。本開示の様々な実施形態によれば、マイクロチャネル442A,442B,446A,および446Bの各々に画定された流路は、小さい、縮小された、またはマイクロサイズの直径を有する細長い薄いチャネルであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、マイクロチャネル442A,442B,446A,および446Bの各々に画定された流路は、0.050mm~0.064mm(0.020~0.025インチ)の範囲の直径を有し得る。しかしながら、本開示の様々な実施形態は、上述の構成に限定されない。いくつかの実施形態では、ルーメン442によって画定される流路またはマイクロチャネルの長さは、25.4mm~33.0mm(1~1.3インチ)の範囲であり得る。したがって、患者からの血液採取または回収中に、血液は、最小直径を有するルーメン442によって画定された流路またはマイクロチャネルを介して血液採取装置40に流入してもよい。
【0042】
最小直径を有するマイクロチャネル442A,442B,446A,および446Bの各々に画定された流路は、圧力差を分散させ、採取される血液の赤血球が受ける剪断応力を低減するために、血管アクセスシステム内の流れ抵抗の増加を有利に促進し得る。例えば、マイクロチャネル442A,442B,446A,および446Bの各々に画定された流路の最小直径は、血液15の流れに対する抵抗を増加させ、それによって流れ抵抗装置400内の血流量を減少させ得る。血流量の減少は、血液の赤血球が受ける剪断応力の低下を引き起こすので、血液採取中の溶血のリスクを有利に低減し得る。
【0043】
条項としての主題技術の例示
主題技術は、例えば、以下に説明する様々な態様によって例示される。主題技術の態様の様々な例は、便宜上、番号付きの条項(1、2、3など)として説明される。これらは例として提供されており、主題技術を限定するものではない。従属条項のうちのいずれも、任意の組み合わせで組み合わされ、それぞれの独立した条項、例えば、条項1または条項5に置かれる得ることに留意されたい。他の条項もまた、同様に提示されることができる。
【0044】
条項1.カテーテルアセンブリに結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分であって、雄ルアーコネクタ部分はそのルーメンを画定する内面を含む、雄ルアーコネクタ部分と、雄ルアーコネクタ部分に近位に配置され、流体採取装置に結合するように構成された雌ルアーコネクタ部分であって、雌ルアーコネクタ部分は雄ルアーコネクタ部分のルーメンに流体接続されたルーメンを画定する内面を含む、雌ルアーコネクタ部分と、雄ルアー部分と雌ルアー部分との間に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分と一体に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分であって、本体部分は、それを通って長手方向に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分のルーメンと流体連通する凹部を備え、凹部は、それに沿って流体が雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分を介して流体採取装置に流入するマイクロチャネルを画定する、本体部分と、を備える、流れ制限装置。
【0045】
条項2.本体部分の外面が、本体部分の長手方向軸の周りに配置され、本体部分の長手方向軸を取り囲む複数の横方向に延在するリブを備え、複数のリブは、雌ルアーコネクタ部分と雄ルアーコネクタ部分との間で長手方向軸に沿って互いに離間している、条項1に記載の流れ制限装置。
【0046】
条項3.本体部分の外面が、長手方向軸に沿って配置され、雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分まで延在する少なくとも1つの長手方向に延在するリブをさらに備える、条項2に記載の流れ制限装置。
【0047】
条項4.長手方向に延在するリブが、横方向に延在するリブの各々を横切って配置され、それらを相互接続する、条項3に記載の流れ制限装置。
【0048】
条項5.少なくとも1つの長手方向に延在するリブが、本体部分の外面の両側に配置された一対の長手方向に延在するリブを備える、条項3に記載の流れ制限装置。
【0049】
条項6.一対の長手方向に延在するリブが、本体部分の外面の両側で横方向に延在するリブの各々を横切って配置され、それらを相互接続する、条項5に記載の流れ制限装置。
【0050】
条項7.雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分を介して流体採取装置内に流れる流体が血液を含み、流体採取装置は血液採取装置を備える、条項4に記載の流れ制限装置。
【0051】
条項8.血液採取装置がルアーロックアクセス装置を備える、条項8に記載の流れ制限装置。
【0052】
条項9.患者からの血液の採取中に溶血を制限するように構成された単一のモノリシックピースの流れ制限装置を製造する方法であって、方法は、第1および第2のモールド部品を設けるステップであって、第1および第2のモールド部品の各々は、その中に凹んだインプリントを含み、インプリントは、第1のモールド部品の遠位端部分に雄ルアーコネクタインプリント部分と、その近位端部分に雌ルアーコネクタインプリント部分と、雄ルアーコネクタインプリント部分と雌ルアーコネクタインプリント部分との間に長手方向に延在するマイクロチャネルインプリント部分と、マイクロチャネルインプリント部分を囲む補強リブインプリント部分と、を含む、ステップと、雄ルアーコネクタモールド部品を雄ルアーコネクタインプリント部分に挿入するステップと、雌ルアーコネクタモールド部品を雌ルアーコネクタインプリント部分に挿入するステップであって、雌ルアーコネクタモールド部品は、雌ルアーコネクタモールド部品の遠位端から延びるマイクロチャネルモールド部品を備え、マイクロチャネルモールド部品は、マイクロチャネルインプリント部分に挿入される、ステップと、第1のモールド部品と第2のモールド部品とを結合してモールドアセンブリを形成するステップと、溶融したモールド材料をモールドアセンブリ内に注入するステップと、モールドアセンブリを冷却するステップと、を含む、方法。
【0053】
条項10.単一コネクタを形成するために互いに融着された第1および第2のコネクタ半体を備える流れ制限装置であって、単一コネクタは、カテーテルアセンブリに結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分であって、雄ルアーコネクタ部分はそのルーメンを画定する内面を含む、雄ルアーコネクタ部分と、雄ルアーコネクタ部分に近位に配置され、流体採取装置に結合するように構成された雌ルアーコネクタ部分であって、雌ルアーコネクタ部分は雄ルアーコネクタ部分のルーメンに流体接続されたルーメンを画定する内面を含む、雌ルアーコネクタ部分と、雄ルアー部分と雌ルアー部分との間に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分と一体に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分であって、本体部分は、それを通って長手方向に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分のルーメンと流体連通する少なくとも1つの凹部を備え、少なくとも1つの凹部は、それに沿って流体が雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分を介して流体採取装置に流入するマイクロチャネルを画定する、本体部分と、を備える。
【0054】
条項11.第1および第2のコネクタ半体が、雄ルアーコネクタ部分のルーメンを画定する内面に沿って画定された溶接線の周りに超音波溶接され、内面は、雌ルアーコネクタ部分のルーメンを画定し、少なくとも1つの凹部の内面は、マイクロチャネルを画定する、条項10に記載の流れ制限装置。
【0055】
条項12.雄ルアーコネクタ部分のルーメン、マイクロチャネル、および雌ルアーコネクタ部分のルーメンが、流体がそれに沿って流れ制限装置を通って移動する流体経路を画定し、溶接線は、流体経路の外周を漏れからシールする、条項11に記載の流れ制限装置。
【0056】
条項13.本体部分の外面が、本体部分の長手方向軸の周りに配置され、本体部分の長手方向軸を取り囲む複数の横方向に延在するリブを備え、複数のリブは、雌ルアーコネクタ部分と雄ルアーコネクタ部分との間で長手方向軸に沿って互いに離間している、条項11に記載の流れ制限装置。
【0057】
条項14.本体部分の外面が、長手方向軸に沿って配置され、雄ルアー部分から雌ルアー部分まで延在する少なくとも1つの長手方向に延在するリブをさらに備える、条項13に記載の流れ制限装置。
【0058】
条項15.少なくとも1つの長手方向に延在するリブが、横方向に延在するリブの各々を横切って配置され、それらを相互接続する、条項14に記載の流れ制限装置。
【0059】
条項16.少なくとも1つの長手方向に延在するリブが、本体部分の外面の側面の対応する半体にそれぞれ配置された一対の長手方向に延在するリブを備える、条項13に記載の流れ制限装置。
【0060】
条項17.マイクロチャネルを画定する凹部内に取り付けられたチュービングをさらに備える、条項11に記載の流れ制限装置。
【0061】
条項18.少なくとも1つの凹部が、各々が雄ルアーコネクタ部分のルーメンを雌ルアーコネクタ部分のルーメンと流体連通させる複数のマイクロチャネルを画定する複数の凹部を備える、条項10に記載の流れ制限装置。
【0062】
条項19.第1および第2のコネクタ半体が、各々が雄ルアーコネクタ部分のルーメンを画定する内面に沿って画定される複数の溶接線の周りに超音波溶接され、内面は、雌ルアーコネクタ部分のルーメンを画定し、少なくとも1つの凹部の複数の内面の各々は、マイクロチャネルを画定する、条項18に記載の流れ制限装置。
【0063】
条項20.雄ルアーコネクタ部分のルーメン、複数のマイクロチャネルの各々、および雌ルアーコネクタ部分のルーメンが、流体がそれに沿って流れ制限装置を通って移動する複数の流体経路を画定し、溶接線は、各流体経路の外周を漏れからシールする、条項19に記載の流れ制限装置。
【0064】
条項21.患者からの血液の採取中に溶血を制限するように構成された末梢静脈カテーテルアセンブリであって、カテーテルアセンブリに結合するように構成された雄ルアーコネクタ部分であって、雄ルアーコネクタ部分はそのルーメンを画定する内面を含む、雄ルアーコネクタ部分と、雄ルアーコネクタ部分に近位に配置され、流体採取装置に結合するように構成された雌ルアーコネクタ部分であって、雌ルアーコネクタ部分は雄ルアーコネクタ部分のルーメンに流体接続されたルーメンを画定する内面を含む、雌ルアーコネクタ部分と、雄ルアー部分と雌ルアー部分との間に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分と一体的に形成されて単一のモノリシックピースを形成する本体部分であって、本体部分は、それを通って長手方向に延在し、雄ルアー部分および雌ルアー部分のルーメンと流体連通する凹部を備え、凹部はマイクロチャネルを画定し、マイクロチャネルは、血液が雄ルアーコネクタ部分から雌ルアーコネクタ部分を介して患者から流体採取装置に採取されるときに、血液の溶血を制限するように構成される、本体部分と、を備える、流れ制限装置と、近位端および遠位端を有するカテーテルハブと、カテーテルハブを流れ制限装置と流体結合する流体コネクタと、を備える、末梢静脈カテーテルアセンブリ。
【0065】
本開示は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実施することを可能にするために提供される。本開示は、主題技術の様々な例を提供し、主題技術はこれらの例に限定されない。これらの態様に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかになり、本明細書で定義される包括的な原理は、他の態様に適用され得る。
【0066】
単数形の要素への言及は、特に明記しない限り、「1つおよび1つだけの」を意味するものではなく、「1つまたは複数」を意味することを意図している。特に明記しない限り、「いくつか」という用語は、1つまたは複数を指す。男性代名詞(例えば、彼の)は、女性および中性(例えば、彼女の、およびその)を含み、その逆も同様である。見出しおよび小見出しがある場合、それらは便宜上使用されているにすぎず、本発明を限定するものではない。
【0067】
「例示的な」という語句は、本明細書では「例または例示としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的な」として説明される態様または設計は、必ずしも他の態様または設計よりも好ましいまたは有用であると解釈されるものではない。1つの態様では、本明細書で説明される様々な代替の構成および動作は、少なくとも均等物であると見なされ得る。
【0068】
本明細書で使用される場合、一連の事項に続く「の少なくとも1つ」という句は、その事項の任意のものを分離するための「または」という用語を伴うとき、列挙されたものの各事項ではなく、列挙されたもの全体を修飾する。「の少なくとも1つ」という句は、少なくとも1つの事項を選択する必要はなく、むしろ、この句は、事項の任意の1つの少なくとも1つ、および/または事項の任意の組み合わせの少なくとも1つ、および/または事項の各々の少なくとも1つを含む意味を許容する。例として、「A、B、またはCの少なくとも1つ」という句は、Aのみ、Bのみ、もしくはCのみ、またはA、B、およびCの任意の組み合わせを指し得る。
【0069】
「態様」などの句は、このような態様が主題技術に必須であることも、このような態様が主題技術のすべての構成に適用されることも示唆しない。態様に関する開示は、すべての構成、または1つまたは複数の構成に適用され得る。態様は、1つまたは複数の例を提供することができる。1つの態様などの句は、1つまたは複数の態様を指すことができ、その逆も同様である。「実施形態」などの句は、このような実施形態が主題技術に必須であることも、このような実施形態が主題技術のすべての構成に適用されることも示唆しない。実施形態に関する開示は、すべての実施形態、または1つまたは複数の実施形態に適用され得る。実施形態は、1つまたは複数の例を提供することができる。実施形態などの句は、1つまたは複数の実施形態を指すことができ、その逆も同様である。「構成」などの句は、このような構成が主題技術に必須であることも、このような構成が主題技術のすべての構成に適用されることも示唆しない。構成に関する開示は、すべての構成、または1つまたは複数の構成に適用され得る。構成は、1つまたは複数の例を提供することができる。「構成」などの句は、1つまたは複数の構成を指すことができ、その逆も同様である。
【0070】
1つの態様では、他の方法で明記しない限り、続く特許請求の範囲を含む本明細書に記載されているすべての測定値、値、格付け、位置、大きさ、サイズ、および他の仕様は、近似的であり、正確ではない。1つの態様では、それらは、それらが関連する機能、およびそれらが属する当技術分野で慣用的なものと一致する合理的な範囲を有することを意図している。
【0071】
開示されたプロセスまたは方法におけるステップまたは動作の特定の順序または階層は、例示的な手法の例示であることが理解される。実施態様の選好またはシナリオに基づいて、ステップ、動作、またはプロセスの特定の順序または階層が再配置され得ることが理解される。ステップ、動作、またはプロセスのいくつかは、同時に実施されてもよい。いくつかの実施態様の選好またはシナリオでは、特定の動作が実施されてもされなくてもよい。ステップ、動作、またはプロセスの一部またはすべては、ユーザの介入なしに自動的に実施されてもよい。添付の方法の請求項は、サンプル順序で様々なステップ、動作、またはプロセスの要素を提示し、提示された特定の順序または階層に限定されることを意味しない。
【0072】
当業者に知られているまたは後に知られるようになる、本開示を通して説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的均等物および機能的均等物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されることを意図している。さらに、本明細書で開示されたものには、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に専用であることを意図するものは何もない。請求項のいかなる要素も、要素が「~するための手段」という句を使用して明確に列挙されておらず、または方法請求項の場合には、要素が「~するためのステップ」という句を使用して列挙されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定の下で解釈されるべきではない。さらに、「含む」、「有する」などの用語が使用される限りにおいて、そのような用語は、特許請求の範囲において移行語として「備える」という用語が使用される場合に「備える」が解釈されるように同様に包括的であることを意図している。
【0073】
本開示の名称、背景技術、概要、図面の簡単な説明、および要約は、本明細書によって本開示に組み込まれ、限定的な説明としてではなく、本開示の例示的な例として提供される。それらが特許請求の範囲の範囲または意味を限定するようには使用されないことを理解して提出される。加えて、発明を実施するための形態では、説明が例示的な例を提供し、本開示を合理化する目的で、様々な特徴が様々な実施形態において合わせて群化されていることが理解できよう。この開示の方法は、特許請求される主題が、各請求項に明確に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するとは解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された構成または動作のすべての特徴よりも少ない特徴にある。以下の特許請求の範囲は、本明細書によって発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は別個に特許請求される主題として独立している。
【0074】
特許請求の範囲は、本明細書で説明された態様に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲の文言と一致する全範囲が与えられるべきであり、すべての法的均等物を包含するべきである。それにもかかわらず、特許請求の範囲のいずれも、米国特許法第101条、第102条、または第103条の要件を満たさない主題を包含することを意図しておらず、また、そのように解釈されるべきではない。
【国際調査報告】