(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】材料加工システムを用いたエッジ成形
(51)【国際特許分類】
B23K 10/00 20060101AFI20240829BHJP
B23K 26/38 20140101ALI20240829BHJP
B23K 31/00 20060101ALI20240829BHJP
B23K 26/361 20140101ALI20240829BHJP
B26F 3/00 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B23K10/00 501A
B23K26/38 A
B23K31/00 Z
B23K26/361
B26F3/00 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512153
(86)(22)【出願日】2022-08-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 US2022041345
(87)【国際公開番号】W WO2023028125
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500036037
【氏名又は名称】ハイパーサーム インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ユー
(72)【発明者】
【氏名】ムーディ、スティーブン
【テーマコード(参考)】
3C060
4E001
4E168
【Fターム(参考)】
3C060AA00
3C060CE08
3C060CE13
3C060CE28
4E001AA01
4E001BA04
4E001CA01
4E168AD06
4E168AD07
4E168CB07
(57)【要約】
加工ストリームを供給するように構成された加工ヘッドを含む材料加工システムを使用して、ワークピースから切断される部品のエッジを成形するためのコンピュータ実装方法が提供される。本方法は、所望のエッジプロファイルに基づいて部品のエッジに近接する成形経路の始点及び終点を計算することと、始点から終点までの成形経路を実行するために部品のエッジの周りに加工ストリームを制御可能に衝突させるための、動作パラメータのセットを決定することと、を含む。本方法は、加工ヘッドを部品の表面に対して垂直に位置決めすることと、加工ヘッドによって、加工ストリームを部品のエッジに制御可能に衝突させて、所望のエッジプロファイルを成形することと、を更に含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工ストリームを供給するように構成された加工ヘッドを含む材料加工システムを使用して、ワークピースから切断される部品のエッジを成形するためのコンピュータ実装方法であって、
前記材料加工システムによって、所望のエッジプロファイルに基づいて前記部品の前記エッジに近接する成形経路の始点及び終点を計算することと、
前記材料加工システムによって、前記始点から前記終点までの前記成形経路を実行するために前記部品の前記エッジの周りに前記加工ストリームを制御可能に衝突させるための、動作パラメータのセットを決定することであって、前記動作パラメータのセットは、前記部品に対する前記加工ヘッドの高さ、前記加工ストリームのエネルギー密度、前記成形経路に沿った前記加工ヘッドの速度、前記部品の前記エッジに対する前記成形経路のオフセット、及び前記加工ストリームの圧力のうちの少なくとも1つを含む、決定することと、
前記材料加工システムによって、前記加工ヘッドを前記部品の表面に対して垂直に位置決めすることと、
前記加工ヘッドによって、前記加工ストリームを前記部品の前記エッジに制御可能に衝突させて、前記所望のエッジプロファイルを成形することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記材料加工システムは、プラズマアークトーチシステム、レーザ加工システム、又はウォータージェット切断システムのうちの1つを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記加工ストリームは、プラズマアーク、レーザビーム、又はウォータージェットストリームのうちの1つを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記所望のエッジプロファイルは、傾斜の付いたエッジ、すくい取られたエッジ、又は面取りされたエッジのうちの1つを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記加工ストリームはレーザビームを含み、前記制御可能に衝突させることは、前記部品の前記エッジの一部を選択的に溶融して前記所望のエッジプロファイルを達成するために、前記ワークピースの表面に対して前記レーザビームを供給することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記加工ストリームはプラズマアークを含み、前記制御可能に衝突させることは、前記部品の前記エッジにおいて前記プラズマアークを制御可能に曲げて前記所望のエッジプロファイルを達成することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記プラズマアークの前記制御可能に曲げることは、前記ワークピースを横切る前記加工ヘッドの移動方向に対して非垂直な方向に前記プラズマアークの遠位先端を曲げることを含む、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記プラズマアークの前記遠位先端は、前記プラズマアークの長さの約40%を含む、請求項7に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記部品の前記エッジを成形するための前記部品に対する前記加工ヘッドの高さは、前記部品を切断するために使用可能なプラズマアークのエネルギー密度の約25%のエネルギー密度の発生を可能にするように設定される、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記加工ヘッドは、前記プラズマアークの幅の少なくとも約10%だけ前記ワークピースの前記部品の前記エッジから横方向にオフセットされる、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記成形経路は、前記ワークピースの前記部品の前記エッジから約2.5cm以内に位置する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記成形経路は、前記始点と前記終点との間の第1のパスと、前記始点と前記終点との間の第2のパスと、を含み、
(i)前記第1のパス中に、前記加工ストリームは、前記ワークピースを貫通して、前記ワークピースから前記部品の少なくとも一部を分離し、
(ii)前記第2のパス中に、前記加工ストリームは、前記分離された部品の前記エッジを成形して、前記所望のエッジプロファイルを達成する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
加工ヘッド高さ、加工ストリームエネルギー密度、加工ストリーム圧力、加工ストリームガス混合物、速度、又はオフセットのうちの少なくとも1つは、前記所望のエッジプロファイルを達成するために、前記第1のパスと前記第2のパスとの間で異なる、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記第1のパス中の前記部品に対する前記加工ヘッドの前記高さは、前記第2のパス中の前記部品に対する前記加工ヘッドの前記高さよりも低く、それによって、前記第2のパス中に前記ワークピースに衝突する前記加工ストリームの前記エネルギー密度を減少させる、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記所望のエッジプロファイルに関連する所望の角度及び深さを、前記第2のパス中に前記加工ヘッドの速度を制御することによって生成することをさらに含む、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
切断消耗品のセットを前記第1のパスを実行するために取り付けることと、消耗品の異なるセットを前記第2のパスを実行するために取り付けることと、をさらに含む、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記動作パラメータのセットを決定することは、前記ワークピースの材料タイプ又は厚さのうちの少なくとも1つに基づく、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記第1のパスと前記第2のパスとの両方に1組の消耗品を使用することと、前記部品の前記エッジを制御可能に成形するために、前記動作パラメータのうちの1つ以上を前記第1のパスと前記第2のパスとの間で変更することと、をさらに含む、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
レーザビームを供給するように構成された熱加工ヘッドを含むレーザ切断システムを使用して、ワークピースから切断される部品のエッジを成形するためのコンピュータ実装方法であって、
前記レーザ切断システムによって、所望の傾斜プロファイルに基づいて前記部品の前記エッジに近接する成形経路の始点及び終点を計算することと、
前記レーザ切断システムによって、前記始点から前記終点までの前記成形経路を実行するために、少なくとも前記部品に対する前記熱加工ヘッドの高さを決定することと、
前記レーザ切断システムによって、前記加工ヘッドを前記決定された高さで前記部品の表面に対して垂直に位置決めすることと、
前記熱加工ヘッドから前記成形経路に沿って供給される前記レーザビームによって、前記部品の前記エッジの一部を選択的に溶融して、前記所望の傾斜プロファイルを達成することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項20】
前記レーザビームの遠位先端は、前記ワークピースの表面に垂直な方向に前記ワークピースを貫通する、請求項19に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項21】
前記部品に対する前記熱加工ヘッドの前記高さは、約2.5cmである、請求項19に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項22】
前記熱加工ヘッドは、少なくとも1.27mmだけ前記ワークピースの前記部品の前記エッジから横方向にオフセットされる、請求項19に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項23】
前記成形経路は、前記始点と前記終点との間の第1のパスと、前記始点と前記終点との間の第2のパスとを含み、
(i)前記第1のパス中に、前記加工ストリームは、前記ワークピースを貫通して、前記ワークピースから前記部品の少なくとも一部を分離し、
(ii)前記第2のパス中に、前記加工ストリームは、前記分離された部品の前記エッジを成形して、前記所望の傾斜プロファイルを達成する、請求項19に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項24】
前記部品に対する前記熱加工ヘッドの前記高さを決定することは、前記ワークピースの材料タイプ又は厚さのうちの少なくとも1つに基づく、請求項19に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項25】
ワークピースから切断される部品のエッジを成形するための材料加工システムであって、
加工ストリームを生成し、前記加工ストリームを前記ワークピースに供給するための手段と、
所望のエッジプロファイルに基づいて、前記部品の前記エッジに近接する成形経路の始点及び終点を計算するための手段と、
前記始点から前記終点までの前記成形経路を実行するために前記部品の前記エッジの周りに前記加工ストリームを制御可能に衝突させるための、動作パラメータのセットを決定するための手段であって、前記動作パラメータのセットは、前記部品に対する加工ヘッドの高さ、前記加工ストリームのエネルギー密度、前記成形経路に沿った前記加工ヘッドの速度、前記部品の前記エッジに対する前記成形経路のオフセット、及び前記加工ストリームの圧力のうちの少なくとも1つを含む、決定するための手段と、
前記加工ストリームを供給する前記手段が前記部品の表面に対して垂直になるように、前記加工ストリームを供給する前記手段を位置決めする手段と、
前記所望のエッジプロファイルを成形するために前記部品の前記エッジに前記加工ストリームを制御可能に衝突させる手段と、を含む、材料加工システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、材料加工システムを使用してワークピースから切断される部品のエッジを成形するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマアークトーチシステム、レーザ加工システム、及び液体ジェット加工システムを含む材料加工システムは、材料(例えば、金属などの導電性材料)の加工(例えば、加熱、切断、ガウジング、及びマーキング)に広く使用されている。これらの材料加工システムは、ワークピースに加工ストリームを供給してワークピースを加工するための加工ヘッドを含む、様々な消耗部品を含む。例えば、プラズマアークトーチシステムは、一般に、プラズマアークトーチヘッドを含む加工ヘッドと、トーチヘッド内に取り付けられた電極と、電極のボア内に配置されたエミッタと、トーチヘッド内に取り付けられた中央出口オリフィスを有するノズルと、シールドと、電気接続部と、冷却用通路と、アーク制御流体(例えば、プラズマガス)用通路と、電源とを含む。スワールリングを使用して電極とノズルとの間に形成されたプラズマチャンバ内の流体の流れのパターンを制御することができる。動作中、プラズマアークトーチは、溶融金属の除去を支援するために、高温でかつ十分な運動量を有するイオン化ガスの圧縮されたジェットであるプラズマアークを含む加工ストリームを生成する。トーチで使用されるガスは、非反応性(例えば、アルゴン又は窒素)又は反応性(例えば、酸素又は空気)であり得る。ウォータージェット加工システム又はレーザ加工システムなどの他のタイプの材料加工システムも、それぞれの加工装置を動作させるために使用される様々な消耗部品を含む。これらの消耗品は、ワークピースを加工するために加工ストリーム(例えば、ウォータージェットストリーム又はレーザストリーム)を供給するための加工ヘッド(例えば、ウォータージェット切断ヘッド又はレーザ切断ヘッド)を含む。
【0003】
これらの材料加工システムは、複雑な機械及び構造へと溶接及び組立をするための準備において、平板、I型鋼及びパイプを切断するために頻繁に使用される。一般的な溶接技術は、強い溶接を達成するために、接合される部品に傾斜の付いたエッジ(すなわち、勾配のある、90度でないエッジ)を必要とすることが多い。従来、部品のエッジに傾斜の付いた形状を達成するために、材料加工システムは、多軸傾斜トーチ及び/又は大量の二次加工(例えば、エンドユーザによる研削)を使用している。しかしながら、多軸傾斜トーチは高価であり、設計が複雑であり、所望の傾斜形状を達成するために部品の周りで操作/操縦するのが複雑である。加えて、所望の形状を達成するために使用される二次加工は、通常は非効率的である。複雑な切断コンポーネントを採用することに伴う二次加工及び費用のこれらの非効率性は、溶接可能部品を形成する際の従来の材料加工システム(例えば、プラズマ又はレーザ切断システム)の使用を制限する。更に、塗装される部品に対して、部品上の直角(すなわち、90度)のエッジは塗装するのが困難であり、多くの場合、完成品上の塗料の破損/欠け点となる。したがって、より容易に塗装可能な部品には、エッジ面取り(すなわち、部品の直角エッジの一部を切り取って丸みを帯びた勾配のあるエッジを達成すること)が必要とされる場合がある。現在、作業者は、塗装可能な面取りされたエッジを達成するために部品の直角エッジを研削しているが、これも非効率性及び追加の材料取扱い要件並びに追加の人的操作をもたらす。
【0004】
したがって、二次加工及び/又は複雑な加工コンポーネントを必要とすることなく、部品エッジにおける傾斜及び/又は面取り形状を達成することができるシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、プラズマアークシステム及びレーザシステムなどの既存の材料加工システムを使用して、ワークピースの一部に傾斜の付いた及び面取りされたエッジを達成するためのシステム及び方法を提供する。いくつかの実施形態では、単純なX-Y切断テーブルが、加工ヘッド運動、動作、及び/又はプロセス設定の制御された調節と併せて使用されて、複雑な切断コンポーネント(例えば、多関節又は傾斜ベンチ、ロボット操作など)又は二次加工のいかなる使用も伴わずに、一貫した傾斜切断及び/又は面取り切断を得る。
【0006】
一態様では、本発明は、加工ストリームを供給するように構成された加工ヘッドを含む材料加工システムを使用して、ワークピースから切断される部品のエッジを成形するためのコンピュータ実装方法を特徴とする。本方法は、材料加工システムによって、所望のエッジプロファイルに基づいて部品のエッジに近接する成形経路の始点及び終点を計算することと、材料加工システムによって、所望のエッジプロファイルに基づいて部品のエッジに近接する成形経路の始点及び終点を計算することとを含む。本方法はまた、材料加工システムによって、始点から終点までの成形経路を実行するために部品のエッジの周りに加工ストリームを制御可能に衝突させるための、動作パラメータのセットを決定することを含む。動作パラメータのセットは、部品に対する加工ヘッドの高さ、加工ストリームのエネルギー密度、成形経路に沿った加工ヘッドの速度、部品のエッジに対する成形経路のオフセット、及び加工ストリームの圧力のうちの少なくとも1つを含む。本方法は、材料加工システムによって、加工ヘッドを部品の表面に対して垂直に位置決めすることと、加工ヘッドによって、加工ストリームを部品のエッジに制御可能に衝突させて、所望のエッジプロファイルを成形することとを更に含む。
【0007】
別の態様では、ワークピースから切断される部品のエッジを成形するための材料加工システムが提供される。材料加工システムは、加工ストリームを生成し、加工ストリームをワークピースに供給するための手段と、所望のエッジプロファイルに基づいて、部品のエッジに近接する成形経路の始点及び終点を計算するための手段とを含む。材料加工システムはまた、始点から終点までの成形経路を実行するために部品のエッジの周りに加工ストリームを制御可能に衝突させるための、動作パラメータのセットを決定するための手段を含む。動作パラメータのセットは、部品に対する加工ヘッドの高さ、加工ストリームのエネルギー密度、成形経路に沿った加工ヘッドの速度、部品のエッジに対する成形経路のオフセット、及び加工ストリームの圧力のうちの少なくとも1つを含む。材料加工システムは、加工ストリームを供給する手段が部品の表面に対して垂直になるように、加工ストリームを供給する手段を位置決めする手段と、所望のエッジプロファイルを成形するために部品のエッジに加工ストリームを制御可能に衝突させる手段とを更に含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、材料加工システムは、プラズマアークトーチシステム、レーザ加工システム、又はウォータージェットストリームのうちの1つを含む。いくつかの実施形態では、加工ストリームは、プラズマアーク、レーザビーム、又はウォータージェットストリームのうちの1つを含む。いくつかの実施形態では、加工ストリームはレーザビームを含み、制御可能に衝突させることは、部品のエッジの一部を選択的に溶融して所望のエッジプロファイルを達成するために、ワークピースの表面に対してレーザビームを供給することを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、加工ストリームはプラズマアークを含み、制御可能に衝突させることは、部品のエッジにおいてプラズマアークを制御可能に曲げて所望のエッジプロファイルを達成することを含む。いくつかの実施形態では、プラズマアークを制御可能に曲げることは、ワークピースを横切る加工ヘッドの移動方向に対して非垂直な方向にプラズマアークの遠位先端を曲げることを含む。いくつかの実施形態では、プラズマアークの遠位先端は、プラズマアークの長さの約40%を含む。いくつかの実施形態では、部品のエッジを成形するための部品に対する加工ヘッドの高さは、部品を切断/分断するために使用可能なプラズマアークに関連するエネルギー密度の約25%のプラズマアーク密度の発生を可能にするように設定される。いくつかの実施形態では、加工ヘッドは、プラズマアークの幅の少なくとも約10%だけワークピースの部品のエッジから横方向にオフセットされる。いくつかの実施形態では、成形経路は、ワークピースの部品のエッジから約25mm(1インチ)以内に位置する。
【0010】
いくつかの実施形態では、成形経路は、始点と終点との間の第1のパスと、始点と終点との間の第2のパスとを含む。第1のパス中に、加工ストリームは、ワークピースを貫通して、ワークピースから部品の少なくとも一部を分離し、第2のパス中に、加工ストリームは、分離された部品のエッジを成形して、所望のエッジプロファイルを達成する。いくつかの実施形態では、加工ヘッド高さ、加工ストリームエネルギー密度、加工ストリーム圧力、加工ストリームガス混合物、速度、又はオフセットのうちの少なくとも1つは、所望のエッジプロファイルを達成するために、第1のパスと第2のパスとの間で異なる。いくつかの実施形態では、第1のパス中の部品に対する加工ヘッドの高さは、第2のパス中の部品に対する加工ヘッドの高さよりも低く、それによって、第2のパス中にワークピースに衝突する加工ストリームのエネルギー密度を減少させる。いくつかの実施形態では、所望のエッジプロファイルに関連する所望の角度及び深さは、第2のパス中に加工ヘッドの速度を制御することによって生成される。いくつかの実施形態では、切断消耗品のセットが、第1のパスを実行するために取り付けられ、消耗品の異なるセットが、第2のパスを実行するために取り付けられる。あるいは、第1のパスと第2のパスの両方に同じセットの消耗品が使用されるが、部品のエッジを制御可能に成形するために、動作パラメータ(例えば、電流、電力密度、圧力、オフセット、及び/又は加工ヘッド高さ)のうちの1つ以上が第1のパスと第2のパスとの間で変更される。
【0011】
いくつかの実施形態では、動作パラメータのセットを決定することは、ワークピースの材料タイプ又は厚さのうちの少なくとも1つに基づく。いくつかの実施形態では、所望のエッジプロファイルは、傾斜の付いたエッジ(例えば、Y字形傾斜、V字形傾斜、U字形傾斜など)、すくい取られた/丸みを帯びたエッジ、又は面取りされたエッジのうちの1つを含む。
【0012】
更に別の態様では、レーザビームを供給するように構成された熱加工ヘッドを含むレーザ切断システムを使用して、ワークピースから切断される部品のエッジを成形するためのコンピュータ実装方法が提供される。この方法は、レーザ切断システムによって、所望の傾斜プロファイルに基づいて部品のエッジに近接する成形経路の始点及び終点を計算することと、レーザ切断システムによって、始点から終点までの成形経路を実行するために少なくとも部品に対する熱加工ヘッドの高さを決定することとを含む。この方法は、レーザ切断システムによって、加工ヘッドを決定された高さで部品の表面に対して垂直に位置決めすることと、熱加工ヘッドから成形経路に沿って供給されるレーザビームによって、部品のエッジの一部を選択的に溶融して、所望の傾斜プロファイルを達成することとを更に含む。いくつかの実施形態では、レーザ出力密度、ワークフロー圧力、熱加工ヘッド高さ、又は熱加工ヘッドの横方向オフセットのうちの少なくとも1つを含む、レーザ切断システムに関連する1つ以上の動作パラメータが、所望の傾斜プロファイルを達成するために変更される。
【0013】
いくつかの実施形態では、レーザビームの遠位先端は、ワークピースの表面に垂直な方向にワークピースを貫通する。いくつかの実施形態では、部品に対する熱加工ヘッドの高さは、約25mm(1インチ)である。いくつかの実施形態では、部品に対する熱加工ヘッドの高さを決定することは、ワークピースの材料タイプ又は厚さのうちの少なくとも1つに基づく。いくつかの実施形態では、熱加工ヘッドは、少なくとも約0.25mm(0.01)インチ~約12.7mm(0.5インチ)、例えば1.27mm(0.05インチ)だけワークピースの一部のエッジから横方向にオフセットされる。
【0014】
いくつかの実施形態では、成形経路は、始点と終点との間の第1のパスと、始点と終点との間の第2のパスとを含む。第1のパス中に、加工ストリームは、ワークピースを貫通して、ワークピースから部品の少なくとも一部を分離し、第2のパス中に、加工ストリームは、分離された部品のエッジを成形して、所望の傾斜プロファイルを達成する。
【0015】
上述した本発明の利点は、更なる利点と共に、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによってより良く理解することができる。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、概して、本発明の原理を示すことに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による、ワークピースから切断される部品のエッジを成形するための例示的な材料加工システムを示す。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態による、
図1の材料加工システムを使用してワークピースから切断される部品のエッジを成形するための例示的なコンピュータ化されたプロセスを示す。
【
図3A-3B】本発明のいくつかの実施形態による、面取りされたエッジを生成するために
図2のプロセスを使用して、それぞれ第1のパス及び第2のパスにおけるプラズマアークトーチシステムによるワークピースからの部品の切断及び成形を視覚化する図を示す。
【
図4】本発明のいくつかの実施形態による、傾斜の付いたエッジを生成するために
図2のプロセス200を使用してプラズマアークトーチシステムによって部品のエッジを成形することを視覚化する図を示す。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態による、傾斜の付いたエッジを生成するために
図2のプロセスを使用して成形された例示的な部品を示す。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態による、面取りされたエッジを生成するために
図2のプロセスを使用して成形された例示的な部品を示す。
【
図7】本発明のいくつかの実施形態による、プラズマアークトーチシステムによってワークピース上に加工された例示的なV字形傾斜プロファイルを示す。
【
図8】本発明のいくつかの実施形態による、プラズマアークトーチシステムによってワークピース上に加工された例示的なU字形傾斜プロファイルを示す。
【
図9】本発明のいくつかの実施形態による、レーザ切断システムを使用してワークピースから切断される部品のエッジを成形するための、
図2のコンピュータ化されたプロセスから適合された例示的なコンピュータ化されたプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明のいくつかの実施形態による、ワークピース106から切断される部品のエッジを成形するための例示的な材料加工システム100を示す。図示のように、システム100は、概して、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、コンピュータ、コンピュータ数値制御(CNC)工作機械、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路(ASIC)などとすることができるプロセッサ108と電気通信する、加工ヘッド102を含む。加工ヘッド102は、加工ストリームを生成してワークピース106に供給し、(i)ワークピース106から部品を切断し、及び/又は(ii)ワークピース106から分離された後に部品のエッジを成形するように構成されている。いくつかの実施形態では、材料加工システム100はプラズマアークトーチシステムであり、この場合、加工ヘッド102は、プラズマアークを生成してワークピース106に供給して切断及び/又はエッジ成形を行うように構成されたプラズマトーチヘッドである。いくつかの実施形態では、材料加工システム100はレーザ加工システムであり、この場合、加工ヘッド102は、レーザストリームを生成してワークピース106に供給して切断及び/又はエッジ成形を行うように構成された熱加工ヘッドである。いくつかの実施形態では、材料加工システムは液体ジェットシステムであり、この場合、加工ヘッド102は、液体のストリームを生成してワークピース106に供給して切断及び/又はエッジ成形を行うように構成された液体ジェットヘッドである。
【0018】
図1に示すような材料加工システム100の例示的な構成では、ワークピース106は、切断テーブル108(例えば、X-Y切断テーブル)上に配置され、加工ヘッド102は、加工ヘッド102の遠位先端122がワークピース106の上方に位置決めされるようにガントリ112に取り付けられた、高さコントローラ110内に取り付けられる。プロセッサ108は、材料加工システム100の様々なシステムモジュールと相互作用して、加工ヘッド102からの加工ストリームをワークピース106上の成形経路に沿って方向付けながら、ワークピース106に対する加工ヘッド102の動きを制御するように構成される。システム100はまた、様々なシステムモジュールと相互作用して、ワークピース106を加工するために加工ヘッド102に供給される電流、電圧及び/又は電力を制御するように構成された、電源116を含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ108及び電源116は、1つのコンポーネントに統合される。あるいは、それらは、
図1に示されるように別個のコンポーネントである。
【0019】
一般に、プロセッサ108及び/又は電源116は、開始シーケンス、CNCインターフェース機能、ガス及び動作パラメータ、並びに停止シーケンスを含むがこれらに限定されない多くのシステム機能を調整することによって、ワークピース106に対する加工ヘッド102の動作を制御及び最適化するように構成される。例えば、プロセッサ108及び/又は電源116は、(i)加工ヘッド102に供給される1つ以上のガス(例えば、プラズマアークトーチシステムのためのシールドガス及び/又はプラズマガス)を制御するためのガスコントローラ118、(ii)ワークピース106の表面に対する加工ヘッド102の横方向移動を調節するためのドライバシステム120、(iii)加工ヘッド102とワークピース106との間の垂直高さを調節するための高さコントローラ110、及び(iv)所望の切断及び/又は成形結果を達成するためにワークピース106を加工するための所望のパラメータを設定する適切なプログラムを提供するためのネスティングソフトウェア(図示せず)を含む、様々なシステムモジュールを制御する。
【0020】
図2は、本発明のいくつかの実施形態による、
図1の材料加工システム100を使用してワークピース106から切断される部品のエッジを成形するための例示的なコンピュータ化されたプロセス200を示す。材料加工システム100は、ワークピース106から切断された部品のエッジを成形して、部品のエッジにおいて、傾斜の付いたエッジプロファイル、すくい取られた/丸みを帯びたエッジプロファイル、又は面取りされたエッジプロファイルなどのユーザが所望するプロファイルを達成することができる。一例として、材料加工システム100は、約9.5mm(3/8インチ)厚の鋼板であるワークピース106にプロセス200を適用して、ワークピース106から約60度の傾斜の付いたエッジを有する部品を切断及び/又は成形することができる。
【0021】
図2に示すように、プロセス200は、ステップ202で開始し、材料加工システム100(例えば、材料加工システム100のプロセッサ108及び/又は電源116)が、所望のエッジプロファイルを達成するために、部品のエッジに近接する成形経路の始点及び終点を計算する。いくつかの実施形態では、成形経路は2つ以上のパスを含み、各パスは始点と終点との間に延びている。第1のパス中に、加工ヘッド102は、加工ストリームを供給してワークピース106を貫通して、ワークピース106から部品の少なくとも一部を分離する(例えば、ワークピースから部品を切り離す)。第1のパスの後、切断が行われた部品のエッジは、実質的に直角(すなわち、90度)であってもよい。第2及び任意の後続のパス中に、加工ストリームは、所望のエッジプロファイルが達成されるように、初期切断が行われた部品のエッジを成形する。したがって、第1のパスでワークピース106から部品が切断/分離されるエッジは、第2のパス及び任意の後続のパス中に成形が行われるエッジと同じであり得る。代替実施形態では、部品は、追加の切断を必要とせずに提供され、この場合、成形経路は、成形経路の始点及び終点が、所望のプロファイルへの成形が必要とされるエッジを示すシングルパス動作である。
【0022】
ステップ204において、材料加工システム100(例えば、材料加工システム100のプロセッサ108及び/又は電源116)は、マルチパス(例えば、2パス)成形経路又はシングルパス成形経路のいずれかで、始点から終点まで成形経路を実行するために、部品のエッジの周りに(加工ヘッド102によって)加工ストリームを生成し、制御可能に衝突させるための1つ以上の動作パラメータのセットを決定する。動作パラメータのセットは、ワークピース106の表面の上方の加工ヘッド102の高さ(例えば、高さコントローラ110を調節することによる)、加工ヘッド102によって生成される加工ストリームのエネルギー密度、成形経路に沿った加工ヘッド102の速度、及び部品のエッジに対する成形経路の横方向オフセット(例えば、形状厚さ及び角度に応じて約0.25mm(0.01インチ)~約25mm(1インチ))のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態では、パラメータのセットは、達成される必要がある所望のエッジプロファイルを考慮しながら、ワークピースの材料タイプ又は厚さのうちの少なくとも1つに基づいて決定される。例えば、プラズマアーク加工手法では、第2のパス又は任意の後続のパス中に(又はシングルパス成形動作において)、プラズマアークトーチシステム100の動作パラメータは、トーチヘッド102によって放出される低密度プラズマアーク(例えば、ワークピースを切断/分断するために使用されるプラズマアークのエネルギー密度よりも実質的に低いエネルギー密度を有するプラズマアーク)を制御可能に曲げるように構成され得、その結果、曲げられたアークは、部品の上部部分上の/から大部分の材料を除去し、それによって、傾斜の付いた、面取りされた、又はすくい取られたエッジプロファイルを達成する。例えば、低密度プラズマアークは、ワークピースを切断するために使用されるプラズマアークに関連するエネルギー密度の約25%のエネルギー密度を有することができる。別の例として、レーザ加工手法では、第2のパス又は任意の後続のパス中に(又はシングルパス成形動作において)、レーザ加工システム100の動作パラメータは、部品のエッジの上部部分を選択的に溶融するレーザビームを生成するように構成され、それによって、傾斜の付いた、面取りされた、又はすくい取られたエッジプロファイルを達成する。いくつかの実施形態では、第1のパス及び後続のパスは、同じセットの消耗品を使用するが、切断高さ、速度、横方向オフセット、入力電力密度、ガス圧力、ガス混合物、制御された電力プロファイル及び圧力プロファイルなどを含む1つ以上のパラメータの異なる設定を用いる。
【0023】
いくつかの実施形態では、マルチパス(例えば、2パス)成形経路において、これらの動作パラメータのうちの1つ以上は、パス中において異なる機能を実行するために、第1のパスと第2のパスとの間で異なる。より具体的には、第1のパスでは、動作パラメータは、ワークピース106から部品を分断するように構成され、それによって部品のエッジを(例えば、直角エッジとして)寸法的に形成し、第2の(及び任意の後続の)パスでは、動作パラメータは、第1のパスからの部品の同じエッジ(例えば、第1のパスからの直角エッジ)を成形して所望のプロファイルを達成するように構成される。いくつかの実施形態では、2パス動作において、第1のパス中の部品に対する加工ヘッド102の高さは、第2のパス中の部品に対する加工ヘッド102の高さよりも低く(例えば、加工ヘッドは、第2のパス中に部品からより遠くに離間される)、それによって、第2のパス中の加工ストリーム衝突のエネルギー密度を減少させる。いくつかの実施形態では、マルチパス(例えば、2パス)動作において、加工ヘッド102の速度は、所望のエッジプロファイルに関連する所望の角度及び深さを生成するために、複数のパスの間で異なる。例えば、加工ヘッド102の速度は、第1のパスの速度よりも第2のパスにおいて速くても遅くてもよい。他の差異は、異なるガス圧力、異なる電流のアンペア数、エッジからの加工ストリーム中心点の異なる横方向オフセットなどのうちの1つ以上を含む。例えば、第2のパスは、第1のパスにおける加工ストリームの衝突の場所と比較して、加工ストリームが部品に衝突する横方向オフセットを導入することができる。いくつかの実施形態では、横方向オフセットは、プロセスガスの直径の2倍以下である(例えば、約100Aでのプラズマ加工の場合、横方向オフセットは約5.1mm(0.2インチ)未満であり得る)。いくつかの実施形態では、第2のパス中に、より低い、電流アンペア数、電力密度、ガス混合物、又はガス圧力のうちの少なくとも1つが、第1のパス中に設定されたものと比較して設定される。いくつかの実施形態では、異なるパス間の高さの差及び他のパラメータ設定の差は、切断厚さ及び傾斜角に依存する。例えば、約30度の傾斜を有する13mm(1/2インチ)の軟鋼の場合、第1のパスのパラメータは、約105Aの電流、約1.5m(61インチ)/分の速度、約3.2mm(0.125インチ)の切断高さを含み、横方向オフセットは無い。第2のパスのパラメータは、約105Aの電流、約0.6m(24インチ)/分の速度、約30mm(1.2インチ)の切断高さ、及び約3.8mm(0.15インチ)の横方向オフセットを含む。
【0024】
ステップ206において、材料加工システム100は(ドライバシステム120及びガントリ118を介して)加工ヘッド102をワークピース106の表面に対して実質的に垂直に位置決めする。ステップ208において、材料加工システム100は、加工ストリームを(加工ヘッド102を介して)部品のエッジに制御可能に供給する。加工ストリームは、上述したように、始点から終点までのマルチパス(例えば、2パス)成形経路又はシングルパス成形経路のいずれかにおいて、材料加工システム100によって供給され得る。材料加工システム100は、所望のエッジプロファイルを達成するためにそれぞれのパスに対して決定された動作パラメータを使用して、マルチパス成形経路又はシングルパス成形経路のための加工ストリームを生成することができる。いくつかの実施形態では、2パス動作が使用される場合、材料加工システム100は、第1のパスの切断動作を実行するために切断消耗品のセットを使用し、その後、これらの消耗品を、第2のパスのエッジ精緻化/成形動作を実行するための消耗品(例えば、ガウジング又は傾斜付け消耗品)の異なるセットに変更するように適合される。代替実施形態では、同じセットの消耗品が全てのパスに使用されるが、異なる動作パラメータ設定を有する。
【0025】
図3A及び
図3Bは、本発明のいくつかの実施形態による、面取りされたエッジを生成するために
図2のプロセス200を使用して、それぞれ第1のパス及び第2のパスにおけるプラズマアークトーチシステム100によるワークピース302からの部品300の切断及び成形を視覚化する図を示す。より具体的には、
図3Aは、成形経路の第1の/初期パス中にワークピース302から部品300を切断する(すなわち、分離する)ために、プラズマアークトーチ102を使用してワークピース302にプラズマアーク304を供給することを示す。いくつかの実施形態では、プラズマアーク304は、第1のパス中にワークピース302の表面に対して実質的に垂直に衝突する。いくつかの実施形態では、初期エッジ300aは、切断が行われる第1のパスの後に部品300上に形成される。エッジ300aは、例えば、実質的に直角であり得る。この第1のパスにおける切断を実行するために、トーチ102の遠位先端122は、ワークピース302の表面から第1の高さ(H1)、例えばワークピース302の上方に約1.5mm(0.06インチ)~約6.4mm(0.25インチ)に位置決めされる。第1の高さH1を含むプラズマアーク304の生成に関連する動作パラメータは、プラズマアーク304がプラズマアークトーチ102から真っ直ぐ下方に流れ、ワークピース302の表面に対して実質的に垂直/直角方向でワークピース302を貫通するように選択することができる。
図3Aに示される第1のパス中において、プラズマアーク304の中心は、ワークピースの表面に衝突するとき、部品300のエッジ300aから実質的に位置合わせされる(すなわち、横方向オフセットが無い)。
【0026】
図3Bは、成形経路の第2のパス中に部品300のエッジ302aを成形するために、プラズマアークトーチ102を使用して
図3Aの部品300にプラズマアーク306を供給することを示しており、第1及び第2のパスは実質的に同じ始点及び終点を有する。図示のように、プラズマアークトーチ102の第2のパスは、部品300のエッジ300aを成形して面取りされたエッジを形成する。これを達成するために、プラズマアークシステム100は、トーチ先端102を部品300の表面の上方の第2の高さ(H2)に位置決めし、第2の高さH2は、第1のパスで使用される第1の高さH1よりも高い。いくつかの実施形態では、プラズマアーク306の中心は、部品300の表面に衝突する際に、エッジ300aに対して横方向オフセット距離D2だけ横方向にオフセットされる。そのような高さH2及び横方向オフセットD2の選択は、プラズマアーク306を生成するための他の動作パラメータの値の特定の選択と任意選択で組み合わされて、第1のパスからのプラズマアーク304と比較して、より長くより順応性のある/柔軟なプラズマアーク306をもたらす。例えば、プラズマアークシステム100は、
図3Aの第1のパスに関連するトーチ速度と比較して、トーチ先端102が部品300を横切って移動するより高い又はより低い速度を選択することができる。第1のパスの速度に対するこの変化したトーチ速度は、面取りされたエッジを達成するために、プラズマアーク306によってエッジ300aから除去される材料の量を減少させるように適合される。
【0027】
結果として生じるプラズマアーク306は、部品300に衝突する際に曲がることができ、材料の周りで湾曲し、最小抵抗の空隙/経路内に入り、部品300のエッジ300aにおいて滑らかな面取りされた形状を生成する。図示のように、プラズマアーク306の遠位先端306aは、概して、部品300を横切るトーチ102の移動方向に対して垂直でない方向に曲がる。いくつかの実施形態では、プラズマトーチ102から放出されているプラズマガスは、プラズマガスが部品300から離れて流れるときに、プラズマアーク306を部品300のエッジ及びその周りに押し、それによって、プラズマアーク306の曲がりを効果的に駆動してエッジプロファイルを成形する。いくつかの実施形態では、プラズマアーク306の遠位先端306aは、プラズマアーク306の長さの約40%を含む。いくつかの実施形態では、結果として生じる部品300の面取りされたエッジ300aは、すぐに塗装できる丸みを帯びたエッジを提供する。
【0028】
図4は、本発明のいくつかの実施形態による、傾斜の付いたエッジを生成するために
図2のプロセス200を使用してプラズマアークトーチシステム100によって部品400のエッジ400aを成形することを視覚化する図を示す。いくつかの実施形態では、
図4に示される成形プロセスは、独立型成形動作である。いくつかの実施形態では、
図4に示される成形プロセスは、2パス動作の第2のパスを表し、第1のパスは、
図3Aを参照して上で説明された第1のパスの動作と同様に、より大きなワークピースから部品400を最初に切断することを含む。一般に、エッジ400aにおいて傾斜の付いた形状を達成するために、第2のパスに関して、プラズマアークシステム100は、トーチ先端102を部品400の表面の上方の第3の高さ(H3)に位置決めし、第3の高さH3は、ワークピースから部品400を切断する第1のパスにおいて使用される第1の高さH1よりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、トーチ102によって供給されるプラズマアーク406の中心は、部品400の表面に衝突する際に、エッジ400aに対して横方向オフセット距離D3だけ横方向にオフセットされる。このような高さH3及び横方向オフセットD3の選択は、プラズマアーク406を生成するための他の動作パラメータの値の選択と任意選択で組み合わされて、プラズマアーク406を部品400に貫入した後に部品400のエッジ400aから下方に移動させ、それによって、トーチ400が成形経路の始点から終点に移動する際に、部品400の上部部分を削り取り、エッジ400aに角度の付いた/傾斜の付いた面を形成する。
図4に示すように、傾斜の付いた形状を生成するために、プラズマアーク406の遠位先端406aは、概して、部品400を横切るトーチ102の移動方向に対して垂直でない方向に曲がる。いくつかの実施形態では、プラズマアーク406の遠位先端406aは、プラズマアーク406の長さの約40%を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、傾斜形状の角度は、横方向オフセット距離D3、トーチ高さH3、及び/又は1つ以上の他の動作パラメータ(例えば、トーチ速度、アーク電流など)を調節することによって制御され得る。一例として、トーチ速度を増加させて、アーク406によって除去される材料の量を減少させることによって傾斜角度を増加(すなわち、平坦化)させて、より浅い傾斜深さ、したがって角度を生成することができる。
【0030】
一般に、プラズマアークシステム100を使用したエッジ成形では、部品に対するプラズマアークトーチの高さ(例えば、それぞれ
図3B及び
図4のH2及びH3)、部品のエッジからの横方向オフセット(例えば、それぞれ
図3B及び
図4のD2及びD3)、又は1つ以上の他の動作パラメータの値のうちのいずれか1つを調節して、所望のエッジプロファイルを達成することができる。部品が既に切断された後の成形動作のいくつかの実施形態では、部品に対するプラズマアークトーチの高さ(例えば、H2又はH3)は、同じワークピースを切断/分断するためのプラズマアークに関連するエネルギー密度(例えば、第1の切断パス中に使用されるプラズマアークのエネルギー密度)の約25%のプラズマアーク密度の生成を可能にするように設定される。いくつかの実施形態では、横方向オフセット(例えば、D2又はD3)は、部品のエッジから約25mm(1インチ)以内に位置することができる。いくつかの実施形態では、プラズマアークは、プラズマアークの幅の少なくとも約10%だけ部品のエッジから横方向にオフセットされる。いくつかの実施形態では、傾斜の付いたプロファイルと比較して面取りされたプロファイルにより丸みを帯びたエッジを形成するために(例えば、面取りされたプロファイルにおいてより少ない材料が除去される)、プロセスパラメータは、より低い電流プロセス及びより高い切断速度を生成して、除去される材料の量を低減するように調節される。
【0031】
図5は、本発明のいくつかの実施形態による、傾斜の付いたエッジ502を生成するために
図2のプロセス200を使用して成形された例示的な部品500を示す。部品500は、厚さ約9.5mm(3/8インチ)の鋼板を含む。傾斜の付いた角度は、部品500のエッジ502において約60度である。いくつかの実施形態では、プラズマアークトーチシステム100を利用して傾斜の付いたエッジ502を生成するために、部品500は、
図3Aを参照して詳細に上述された第1のパスの動作を使用して、より大きなワークピースから最初に切断される。次に、部品500のエッジ502は、
図4を参照して詳細に上述した第2のパスの動作を用いて、傾斜の付いたプロファイルを有するように精緻化される。
【0032】
図6は、本発明のいくつかの実施形態による、面取りされたエッジ602を生成するために
図2のプロセス200を使用して成形された例示的な部品600を示す。部品600は、厚さ約9.5mm(3/8インチ)の鋼板を含む。いくつかの実施形態では、プラズマアークトーチシステム100を利用して面取りされたエッジ602を生成するために、部品600は、
図3Aを参照して上で詳細に説明される第1のパスの動作を使用して、より大きいワークピースから最初に切断される。次に、部品のエッジ602は、
図3Bを参照して詳細に上述した第2のパスの動作を用いて、面取りされたプロファイルを有するように精緻化される。
【0033】
いくつかの実施形態では、部品上に傾斜の付いたエッジプロファイルを生成するための上述のプロセス200は、V字形傾斜又はU字形傾斜などの他の関連する傾斜形状を生成するように容易に適合され得る。
図7は、本発明のいくつかの実施形態による、プラズマアークトーチシステム100によってワークピース上に加工された例示的なV字形傾斜プロファイル700を示す。このプロファイル700は、
図3A(第1のパスの動作)及び
図4(第2のパスの動作)を参照して上で説明したマルチパスプロセス200を2つの部品702、704に繰り返し適用することによって達成することができ、部品702、704のそれぞれのエッジに鏡像の傾斜切断が生成される。
図8は、本発明のいくつかの実施形態による、プラズマアークトーチシステム100によってワークピース上に加工された例示的なU字形傾斜プロファイル800を示す。9.5mm(3/8インチ)のU字形傾斜である
図8のU字形傾斜800の場合、プラズマアークの屈曲は、
図7のV字形傾斜700より小さい。いくつかの実施形態では、U字形傾斜プロファイル800を生成するために、1つ以上の動作パラメータの値は、切断に関連するものと傾斜に関連するものとの間に設定される。例えば、トーチ先端高さは、切断に関連する高さと傾斜に関連する高さとの間であるように選択されることができ、その結果、プラズマアークの屈曲もまた、その間になる。いくつかの実施形態では、9.5mm(3/8インチ)のU字形傾斜のための動作パラメータは、約75Aの電流、約0.95m(37.5インチ)/分の速度、約15mm(0.6インチ)のトーチ先端高さ、及び約2.8mm(0.11インチ)の横方向オフセットを含む。
【0034】
別の例として、部品のエッジに19mm(3/4インチ)のU字形傾斜プロファイルを生成するために、4パス加工動作を使用して材料を切断/除去してこのプロファイルを達成することができる。第1のパス中に、鋼ワークピースは、所望の部品を生成するために完全に切断/分断される。この初期切断に関連するパラメータは、約105Aの動作電流、約2.5mm(0.1インチ)のトーチ高さ、及び約0.8m(33インチ)/分の切断速度を含む。後続の3回のパス中に、1つ以上の動作パラメータが連続的に調節されて、部品を所望のプロファイルに成形する。例えば、後続の3回のパスでは、動作電流は約105Aのままとすることができ、トーチ高さは約15mm(0.6インチ)に設定することができ、トーチ速度は約0.5m(20インチ)/分に設定することができる。更に、後続の3回のパスに対して、トーチヘッドの横方向オフセットは、第2のパス中の約2.5mm(0.1インチ)から、第3のパス中の約3.8mm(0.15インチ)まで、次いで第4のパス中の約5.1mm(0.2インチ)まで、パス毎に連続的に増加させることができる。
【0035】
図9は、本発明のいくつかの実施形態による、レーザ切断システム100を使用してワークピース106から切断される部品のエッジを成形するための、
図2のコンピュータ化されたプロセス200から適合された例示的なコンピュータ化されたプロセス900を示す。プラズマアークトーチシステムと同様に、レーザ切断システム100は、ワークピース106から切断された部品のエッジを成形して、傾斜の付いたエッジプロファイル、すくい取られたエッジプロファイル、又は面取りされたエッジプロファイルなどのユーザが所望するプロファイルを達成することができる。
【0036】
図9に示すように、プロセス900は、ステップ902で開始し、レーザ切断システム100(例えば、レーザ切断システム100のプロセッサ108及び/又は電源116)が、所望のエッジプロファイルを達成するために、部品のエッジに近接する成形経路の始点及び終点を計算する。いくつかの実施形態では、成形経路は、複数のパス(例えば、2つのパス)を含み、各パスは、始点と終点との間に延びている。第1のパス中に、レーザ切断ヘッド102は、レーザビームを供給してワークピース106を貫通して、ワークピース106から部品の少なくとも一部を分離する(例えば、ワークピースから部品を切り離す)。第1のパスの後、切断が行われた部品のエッジは、実質的に直角(すなわち、90度)であってもよい。第2のパス及び任意の後続のパス中に、所望のエッジプロファイルが達成されるように、初期切断が行われた部品のエッジを成形するために、レーザビームが供給される。代替実施形態では、部品は、追加の切断を必要とせずに提供され、この場合、成形経路は、成形経路の始点及び終点が、所望のプロファイルへの成形が必要とされるエッジを示すシングルパス動作である。
【0037】
ステップ904において、レーザ切断システム100(例えば、レーザ切断システム100のプロセッサ108及び/又は電源116)は、マルチパス成形経路又はシングルパス成形経路のいずれかにおいて始点から終点まで成形経路を実行するときに、部品の表面に対するレーザ切断ヘッド102の高さ、部品のエッジからのレーザ切断ヘッド102の横方向オフセット、レーザ切断ヘッド102の速度、ガス圧力/ガス混合物、又はレーザ出力密度のうちの少なくとも1つを決定する。例えば、第1のパス中に、レーザ切断ヘッド102を設定するための高さは、ワークピース106から部品を切り離すためにワークピースを貫通するレーザビームを生成するように決定され、それによって、部品のエッジを(例えば、直角エッジとして)寸法的に形成する。第2のパス又は任意の後続のパス中に(又は切断が必要とされないときのシングルパス成形動作において)、レーザ切断ヘッド102を設定するための高さは、部品のエッジの上部部分を選択的に溶融するレーザビームを生成するように決定され、それによって、傾斜の付いた、面取りされた、又はすくい取られたエッジプロファイルを達成する。いくつかの実施形態では、2パス動作において、第1のパス中の部品に対するレーザ切断ヘッド102の高さは、第2のパス中の部品に対するレーザ切断ヘッド102の高さよりも低く、それによって、第2のパス中のレーザビーム衝突のエネルギー密度を減少させる。いくつかの実施形態では、マルチパス動作において、レーザ切断システム100に関連する他の動作パラメータも、部品の所望のエッジプロファイルを達成するように調節される。例えば、第2の又は任意の後続のパスは、第1のパスにおける加工ストリームの衝突の場所と比較して、レーザビームが部品に衝突する横方向オフセットを導入することができる。このレーザビームの横方向オフセットは、部品のエッジから少なくとも約2.5mm(0.1インチ)とすることができる。いくつかの実施形態では、レーザ切断ヘッド102の高さを含む動作パラメータのセットは、ワークピースの材料タイプ又は厚さのうちの少なくとも1つに基づいて決定される。
【0038】
ステップ906において、レーザ切断システム100は、ステップ904から決定された高さでワークピース106の表面に対して垂直にレーザ切断ヘッド102を位置決めする。ステップ908において、レーザ切断システム100は、レーザ切断ヘッド102を介してレーザビームを制御可能に供給して、部品のエッジの一部を選択的に溶融し、部品のエッジにおいて所望のプロファイルを達成する。レーザビームは、上述したように、始点から終点までのマルチパス(例えば、2パス)成形経路又はシングルパス成形経路のいずれかにおいて、レーザ切断システム100によって供給され得る。レーザ切断システム100は、所望のエッジプロファイルを達成するためにそれぞれのパスに対して決定された動作パラメータを使用して、マルチパス成形経路又はシングルパス成形経路のためのレーザビームを生成することができる。いくつかの実施形態では、切断動作及び成形動作の両方について、レーザビームがワークピースを貫通するときのレーザビームの遠位先端は、ワークピースの表面に対して実質的に垂直である。すなわち、分離可能な切断が必要とされず、代わりにレーザビームが部品のエッジを成形するために使用される第2のパス中であっても、レーザビームは、部品を貫通するときに屈曲せず、実質的に垂直である。いくつかの実施形態では、レーザビームが直線(すなわち、ワークピース表面に対して垂直)のままである間、レーザ切断ヘッドから放出されるガスは、部品のエッジの周りで湾曲し、横方向に流出し、次いで部品のエッジの周りで部品から下方に流れ、それによってエッジを所望のように成形する。いくつかの実施形態では、切断ヘッド高さに加えて、レーザビームに関連するガス圧力などの他の動作パラメータが、所望のエッジプロファイルを達成するように適切に調節される。一般に、使用される圧力が高いほど、エッジ加工中により多くの材料が吹き飛ばされる。
【0039】
いくつかの実施形態では、プラズマ及びレーザ切断システムに関して上述した同様の手法が、部品のエッジを成形するために液体ジェットシステムによって利用される。例えば、マルチパスプロセスは、ウォータージェット加工システムによって使用されて、最初に所望のワークピースから部品を切断し、次いで、後続のパス中に部品のエッジを成形することができる。いくつかの実施形態では、速度、トーチヘッド高さ、部品エッジに対するトーチヘッドの横方向オフセット、ガーネットサイズ、タイプ又は量、及びウォータージェット圧力を含む、ウォータージェット加工システムの1つ以上の動作パラメータを変更することによって、後続のパス中に所望の成形を達成することができる。
【0040】
本明細書で説明されるように、本発明のシステム及び方法は、一貫した角度及び結果を伴って、ワークピース上に勾配のある切断(例えば、傾斜の付いた切断、丸みを帯びた切断、又は面取りされた切断)を生成することが可能である。これらの切断は、単純なプロセス設定及び低コストの機器(例えば、単純なX-Yテーブル及び典型的な消耗品)を使用して、最小限の二次的機械加工/作業を伴って、効率的に行われ得る。対照的に、複雑なロボット工学及び/又は特殊な機器が、以前は、同じ角度付けられた切断を生成するために必要であった。したがって、本発明は、特定の部品エッジプロファイルを生成するための自動化された効率的かつ低コストのソリューションを提供し、それによって、エンドユーザが高価な3D切断ソリューションを購入して維持する必要性を低減する。例えば、本発明は、直線トーチプラズマ切断システム(例えば、傾斜ヘッドもテーブルも必要としない)及び単純なXYテーブルのみを使用して、溶接準備済み(例えば、傾斜の付いた)及び/又は塗装準備済み(例えば、面取りされた又は丸みを帯びた)ワークピースを生産することができる。
【0041】
本発明の様々な態様及び実施形態は、様々な方法で組み合わせることができることを理解されたい。本明細書の教示に基づいて、当業者は、これらの様々な実施形態をどのように組み合わせるかを容易に決定することができる。当業者であれば、本明細書を読んだ際に修正を思いつくこともできよう。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマアークを供給するように構成された加工ヘッドを含む
プラズマアークトーチシステムを使用して、ワークピースから切断される部品のエッジを成形するためのコンピュータ実装方法であって、
前記
プラズマアークトーチシステムによって、所望のエッジプロファイルに基づいて前記部品の前記エッジに近接する成形経路の始点及び終点を計算することと、
前記
プラズマアークトーチシステムによって、前記始点から前記終点までの前記成形経路を実行するために前記部品の前記エッジの周りに前記
プラズマアークを制御可能に衝突させるための、動作パラメータのセットを決定することであって、前記動作パラメータのセットは、前記部品に対する前記加工ヘッドの高さ、前記
プラズマアークのエネルギー密度、前記成形経路に沿った前記加工ヘッドの速度、前記部品の前記エッジに対する前記成形経路のオフセット、及び前記
プラズマアークの圧力のうちの少なくとも1つを含む、決定することと、
前記
プラズマアークトーチシステムによって、前記加工ヘッドを前記部品の表面に対して垂直に位置決めすることと、
前記加工ヘッドによって、前記
プラズマアークを前記部品の前記エッジに
おいて制御可能に
曲げて、前記所望のエッジプロファイルを成形することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記所望のエッジプロファイルは、傾斜の付いたエッジ、すくい取られたエッジ、又は面取りされたエッジのうちの1つを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記プラズマアークの前記制御可能に曲げることは、前記ワークピースを横切る前記加工ヘッドの移動方向に対して非垂直な方向に前記プラズマアークの遠位先端を曲げることを含む、請求項
1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記プラズマアークの前記遠位先端は、前記プラズマアークの長さの約40%を含む、請求項
3に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記部品の前記エッジを成形するための前記部品に対する前記加工ヘッドの高さは、前記部品を切断するために使用可能なプラズマアークのエネルギー密度の約25%のエネルギー密度の発生を可能にするように設定される、請求項
1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記加工ヘッドは、前記プラズマアークの幅の少なくとも約10%だけ前記ワークピースの前記部品の前記エッジから横方向にオフセットされる、請求項
1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記成形経路は、前記ワークピースの前記部品の前記エッジから約2.5cm以内に位置する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記成形経路は、前記始点と前記終点との間の第1のパスと、前記始点と前記終点との間の第2のパスと、を含み、
(i)前記第1のパス中に、前記
プラズマアークは、前記ワークピースを貫通して、前記ワークピースから前記部品の少なくとも一部を分離し、
(ii)前記第2のパス中に、前記
プラズマアークは、前記分離された部品の前記エッジを成形して、前記所望のエッジプロファイルを達成する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
加工ヘッド高さ
、エネルギー密度
、圧力
、ガス混合物、速度、又はオフセットのうちの少なくとも1つは、前記所望のエッジプロファイルを達成するために、前記第1のパスと前記第2のパスとの間で異なる、請求項
8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記第1のパス中の前記部品に対する前記加工ヘッドの前記高さは、前記第2のパス中の前記部品に対する前記加工ヘッドの前記高さよりも低く、それによって、前記第2のパス中に前記ワークピースに衝突する前記
プラズマアークの前記エネルギー密度を減少させる、請求項
8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記所望のエッジプロファイルに関連する所望の角度及び深さを、前記第2のパス中に前記加工ヘッドの速度を制御することによって生成することをさらに含む、請求項
8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
切断消耗品のセットを前記第1のパスを実行するために取り付けることと、消耗品の異なるセットを前記第2のパスを実行するために取り付けることと、をさらに含む、請求項
8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記動作パラメータのセットを決定することは、前記ワークピースの材料タイプ又は厚さのうちの少なくとも1つに基づく、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記第1のパスと前記第2のパスとの両方に1組の消耗品を使用することと、前記部品の前記エッジを制御可能に成形するために、前記動作パラメータのうちの1つ以上を前記第1のパスと前記第2のパスとの間で変更することと、をさらに含む、請求項
8に記載のコンピュータ実装方法。
【国際調査報告】