(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】熱伝達効率を向上するために固定子が固定子モトレット及び圧縮スペーサから形成されているモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 3/487 20060101AFI20240829BHJP
H02K 3/46 20060101ALI20240829BHJP
H02K 1/18 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H02K3/487
H02K3/46 B
H02K1/18 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512214
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 US2022039356
(87)【国際公開番号】W WO2023027876
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestr. 1-3, 91074 Herzogenaurach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エリック ユーベルハート
【テーマコード(参考)】
5H601
5H604
【Fターム(参考)】
5H601BB20
5H601CC01
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
5H601DD18
5H601GA02
5H601GB12
5H601GB33
5H601GB48
5H601GD02
5H601GD08
5H601GD22
5H601GE10
5H601HH14
5H601JJ07
5H601KK26
5H604AA03
5H604BB01
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC15
5H604DB01
5H604PE06
5H604QC01
(57)【要約】
固定子と、固定子内に回転可能に取り付けられた回転子とを有する電気モータが提供される。固定子は、各々が鉄金属コアセグメントと、コアセグメント上の導電性巻線とを有する複数のモトレットを含む。複数のモトレットは、円形構成に配置され、複数のウェッジが提供され、ウェッジのうちの1つは、モトレットのうちの隣接するモトレットの導電性巻線間の各界面に位置決めされており、モトレットのうちの隣接するモトレットの導電性巻線を鉄金属コアセグメントのそれぞれの鉄金属コアセグメントに向かって押圧する。これにより、導電性巻線と、コアセグメント又はコアセグメントの各々上の電気絶縁体との間に、最小限の空隙を含むか又は空隙を含まない構成が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータであって、
固定子と、
前記固定子内に回転可能に取り付けられた回転子と、を備え、
前記固定子は、
複数のモトレットであって、各々が鉄金属コアセグメントと、前記コアセグメント上の導電性巻線とを含み、
前記複数のモトレットは、円形構成に配置されている、複数のモトレットと、
複数のウェッジであって、前記ウェッジのうちの1つは、前記モトレットのうちの隣接するモトレットの前記導電性巻線間の各界面に位置決めされており、前記モトレットのうちの前記隣接するモトレットの前記導電性巻線を前記鉄金属コアセグメントのうちのそれぞれの鉄金属コアセグメントに向かって押圧する、複数のウェッジと、
を含む、電気モータ。
【請求項2】
前記鉄金属コアセグメントの各々の上に電気絶縁体を更に備え、前記導電性巻線は、前記電気絶縁体上に巻回されている、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項3】
前記ウェッジは各々、固定のテーパ部を有する、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項4】
前記ウェッジは、半径方向外側端部と半径方向内側端部との間に延在する2つの巻線接触側面を含み、前記半径方向外側端部は、前記半径方向内側端部より幅が広く、前記巻線接触側面は、凸形状を有する、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項5】
前記ウェッジは、半径方向外側端部と半径方向内側端部との間に延在する2つの巻線接触側面を含み、前記半径方向外側端部は、前記半径方向内側端部よりも幅が広く、前記巻線接触側面は、前記半径方向外側端部と前記半径方向内側端部との間の領域において前記導電性巻線のうちの隣接する導電性巻線に、より大きい円周方向圧縮力を印加するように構成されている外形を有する、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項6】
前記ウェッジは、ポリマー材料又はセラミック材料で形成されている、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項7】
前記ウェッジは、熱伝導性材料で形成されている、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項8】
前記導電性巻線を取り囲むポッティング材料を更に含む、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項9】
eモータの固定子を組み立てる方法であって、前記方法は、
モトレットを形成するために、鉄金属コアセグメントの周りに導電性巻線を巻き付けることと、
複数のモトレットを円形構成に配置することであって、ウェッジが、前記モトレットのうちの隣接するモトレットの前記導電性巻線間の各界面に位置決めされている、配置することと、
前記ウェッジが前記モトレットのうちの前記隣接するモトレットの前記導電性巻線を前記鉄金属コアセグメントのうちのそれぞれの鉄金属コアセグメントに向かって押圧して前記固定子を形成するように、前記モトレットを一緒に圧縮することと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記導電性巻線を巻き付ける前に、前記鉄金属コアセグメント上に電気絶縁体を提供することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記鉄金属コアセグメントは、ポリマー材料で形成された電気絶縁体でオーバーモールドされている、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記導電性巻線及び前記ウェッジの周りにポッティング材料を注入することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記ウェッジは各々、固定のテーパ部を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記ウェッジは、半径方向外側端部と半径方向内側端部との間に延在する2つの巻線接触側面を含み、前記半径方向外側端部は、前記半径方向内側端部より幅が広く、前記巻線接触側面は、凸形状を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記ウェッジは、半径方向外側端部と半径方向内側端部との間に延在する2つの巻線接触側面を含み、前記半径方向外側端部は、前記半径方向内側端部よりも幅が広く、前記巻線接触側面は、前記半径方向外側端部と前記半径方向内側端部との間の領域において前記導電性巻線のうちの隣接する導電性巻線に、より大きい円周方向圧縮力を印加するように構成されている外形を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記ウェッジは、ポリマー材料又はセラミック材料で形成されている、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記ウェッジは、熱伝導性材料で形成されている、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月26日に出願された米国非仮出願第17/412,411号の優先権を主張するものであり、当該出願の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本開示は、電気自動車又はハイブリッド電気自動車に使用されるeモータ(電気モータ)に関し、より具体的には、eモータの固定子を形成する導電性巻線を有するコアセグメントから作製されたモトレットから形成された固定子に関する。
【背景技術】
【0003】
材料伝導率は、機械的動力を作り出すためにeモータ内に必要な磁界を作り出すために必要な材料の量に熱的に影響を及ぼす。自動車用途では、航続距離を増加させるために性能を最適化する必要がある。したがって、eモータのパッケージング積層体の熱抵抗を低減することは、電力密度を増加させることに役立ち、重量の低減又は性能の向上を可能にし得る。
【0004】
予め巻回されたコアセグメント(モトレット)から組み立てられる集中巻eモータ固定子の固定子コアセグメントの巻回中に、現在の張力方法では、コアセグメントの銅とプラスチックボビンオーバーモールドとの間に小さな空隙を残す可能性があることが判明している。この空隙は、組み立てられた固定子内の材料間の熱伝達に基づくeモータ性能にとって問題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本開示は、熱伝達効率を向上させるために、この空隙を低減又は排除して、最小限の空隙を含むか又は空隙を含まない状態で、固定子コイルと、上にコイルが巻回される固定子コアセグメント/ボビンとの締り嵌めを提供することを対象とする。
【0006】
本開示によれば、固定子と、固定子内に回転可能に取り付けられた回転子とを有する電気モータが提供される。固定子は、各々が鉄金属コアセグメントと、コアセグメント上の導電性巻線とを有する複数のモトレットを含む。複数のモトレットは、円形構成に配置されており、複数のウェッジが提供され、ウェッジのうちの1つは、モトレットのうちの隣接するモトレットの導電性巻線間の各界面に位置決めされており、モトレットのうちの隣接するモトレットの導電性巻線を鉄金属コアセグメントのそれぞれの鉄金属コアセグメントに向かって押圧する。これにより、導電性巻線と、コアセグメント又はコアセグメントの各々上の電気絶縁体との間に、最小限の空隙を含むか又は空隙を含まない構成が提供される。
【0007】
一実施形態では、ウェッジは各々、固定のテーパ部を有する。
【0008】
別の実施形態では、ウェッジは、半径方向外側端部と半径方向内側端部との間に延在する2つの巻線接触側面を含み、半径方向外側端部は、半径方向内側端部より幅が広く、巻線接触側面は、凸形状を有する。これにより、凸形状が外側に延在又は湾曲している領域において、ウェッジによって導電性巻線に印加される力がより大きくなる。
【0009】
別の実施形態では、ウェッジは、半径方向外側端部と半径方向内側端部との間に延在する2つの巻線接触側面を含み、半径方向外側端部は、半径方向内側端部よりも幅が広く、巻線接触側面は、半径方向外側の端部と半径方向内側の端部との間の領域内において導電性巻線のうちの隣接する導電性巻線に、より大きい円周方向圧縮力を印加するように構成されている外形を有する。この構成では、外形は、特定の用途又はモトレット構成に合わせて調整することができる。
【0010】
一態様では、ウェッジは、ポリマー材料で形成されている。
【0011】
別の態様では、ウェッジは、熱伝導性材料で形成されている。この熱伝導性材料は、ポリマーの熱伝導性材料とすることができ。
【0012】
別の態様では、絶縁ポッティング材料が、導電性巻線を囲むように注入され、好ましくは絶縁ポッティング材料もまた、熱伝導性である。
【0013】
別の態様では、eモータの固定子を組み立てる方法が提供され、本方法は、(a)モトレットを形成するために、鉄金属コアセグメントの周りに導電性巻線を巻き付けることと、(b)複数のモトレットを円形構成に配置することであって、ウェッジが、モトレットのうちの隣接するモトレットの導電性巻線間の各界面に位置決めされている、配置することと、(c)ウェッジがモトレットのうちの隣接するモトレットの導電性巻線を鉄金属コアセグメントのそれぞれの鉄金属セグメントに向かって押圧して固定子を形成するように、モトレットを一緒に圧縮することと、を含む。
【0014】
本方法は、鉄金属コアが、ポリマー材料で形成された電気絶縁体でオーバーモールドされていることを更に含むことができる。代替的に、紙絶縁体など、他のタイプの絶縁体を使用してもよい。
【0015】
本方法はまた、導電性巻線及びウェッジの周りにポッティング材料を注入することを含むことができる。
【0016】
ウェッジの形状及び構造はまた、熱伝達効率を向上させ、eモータの全体効率を向上させるために、導電性巻線とコアセグメントとの間の空隙を最小化又は排除するように、本明細書に開示される様々な構成から選択することができる。
【0017】
上記の特徴のうちの様々な特徴は、単独で使用することも、相互に組み合わせて使用することもできることに留意されたい。
【0018】
前述の概要及び以下の詳細な記載は、本開示の好ましい実施形態を例解する添付の図面と併せて読むときに、より良好に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示の実施形態による、電気モータの概略図である。
【
図2】
図1に示される電気モータの固定子を組み立てるために使用されるモトレットの斜視図である。
【
図3A】固定子を組み立てるために使用されるウェッジの第1の実施形態の側面図である。
【
図4A】固定子を組み立てるために使用されるウェッジの第2の実施形態の側面図である。
【
図5A】固定子を組み立てるために使用されるウェッジの第3の実施形態の側面図である。
【
図6】固定子の構成要素を示す図であり、モトレットと組み立て中のウェッジとを含む。
【
図7】ケーシング内に封入された組み立て済み固定子の断面図である。
【
図8】固定子の断面の拡大詳細図であり、モトレット間に位置するウェッジによって圧縮されている巻線と、巻線とウェッジを取り囲むポッティング材料とを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の説明では、特定の用語が便宜的にのみ使用されており、限定的なものではない。「内向きに」及び「外向きに」という用語は、図面で参照される部品に向かう方向及び部品から離れる方向を指す。「a又はbのうちの少なくとも一方」(a及びbは、列挙されている項目を表す)として引用されている項目のリストへの言及は、項目a若しくはbのうちのいずれか単一の一方、又はそれらのa及びbの組み合わせを意味する。これは、3つ以上の項目のリストにも同様に適用され、項目の個々の項目又はそれらの組み合わせが含まれる。「約」及び「およそ」という用語は、別段の記載がない限り、示された値の±10%を包含する。用語には、上記で具体的に述べた語、その派生語、及び類似の意味の語が含まれる。空隙が最小限されるという文脈において、これは、空隙が0.030インチ以下であることを意味する。
【0021】
図1を参照すると、本開示による電気モータ(eモータ)10が概略的に示されている。eモータ10は、固定子20と、固定子20内に回転可能に取り付けられた回転子40とを含み、シャフト42が回転子40から延在している。固定子20は、ハウジング又はケーシング21によって囲まれている。端部カバーは、図示されていないが、他の取り付けコンポーネント及び電子コンポーネントと同様に取り付けることができる。
【0022】
図2及び8を参照すると、固定子20は、各々が鉄金属コアセグメント24と、コアセグメント24上の導電性巻線26とを含む複数のモトレット22を含む。単一のモトレットが
図2に示されており、導電性巻線26がコアセグメント24の周りに巻き付けられている。
図8に詳細に示すように、鉄金属コアセグメント24の各々は、好ましくは、導電性巻線26の領域において電気絶縁体28(ボビンとも称される)で被覆されているか又は覆われており、導電性巻線26は、電気絶縁体28上に巻回されている。絶縁体は、好ましくは、熱伝導性材料で作製され、熱伝導性材料には、例えば、ガラス充填混合物を含むナイロンPA46、電気絶縁紙、又はPETフィルムとすることができる熱伝導性ポリマーなどがある。導電性巻線26は、好ましくは、被覆された銅線で作製される。しかしながら、他の導電性材料を使用することもできる。
【0023】
図6及び7に示すように、複数のモトレット22が円形構成に配置され、複数のウェッジ30が提供され、ウェッジ30のうちの1つは、モトレット22のうちの隣接するモトレットの導電性巻線間の各界面に位置決めされており、モトレット22のうちの隣接するモトレットの導電性巻線26を鉄金属コアセグメント24のそれぞれの鉄金属コアセグメントに向かって押圧する。
【0024】
図3A及び3Bに示すように、ウェッジ30は、固定のテーパ部を有し得る。ウェッジ30Aの第1の代替的な形態が
図4A及び4Bに示されている。ウェッジ30Aは、ウェッジ30Aの半径方向外側端部34と半径方向内側端部35との間に延在する2つの巻線接触側面32、33を含み、半径方向外側端部34は、半径方向内側端部35よりも幅が広く、巻線接触側面32、33は各々、凸形状36を有する。これにより、より多くの力を標的化して導電性巻線26の中間領域に印加することが可能になる。代替的に、
図5A及び5Bに示すように、ウェッジ30Bは、半径方向外側端部34と半径方向内側端部35との間の領域において、導電性巻線26のうちの隣接する導電性巻線に、より大きい円周方向の力を印加するように構成されている外形37を含み得る。この外形37は、導電性巻線26と、それぞれの固定子コアセグメント24又は
図8に一点鎖線で示されている標的領域内の導電性巻線26上の電気絶縁体28との間の空隙を低減又は排除するために、導電性巻線に追加の力を印加する必要がある場所に応じて、単純な矩形外形又はより複雑な階段状外形とすることができる。同じ又は異なるタイプのウェッジ30、30A、30Bを単一の固定子20内で使用することができる。空隙を低減又は排除することは、動作中に導電性巻線26から熱を伝達する際のより良好な熱効率を提供し、eモータ10の全体的性能及び効率を向上させる。
【0025】
ウェッジ30、30A、30Bは、好ましくは、ガラス充填ナイロン混合物などのポリマー材料、又はセラミック材料、又は他の熱伝導性材料などで形成される。ウェッジ30、30A、30Bもまた、好ましくは、熱伝導性材料で形成される。
【0026】
図8に詳細に示すように、ポッティング材料38は、好ましくは熱伝導性かつ電気絶縁性でもあり、導電性巻線26を取り囲んでいる。ポッティング材料38は、モトレット22及びウェッジ30、30A、30Bが組み立てられた後に注入することができ、その組み立てプロセスは、以下で更に詳細に記載される。
【0027】
ここで
図6を参照すると、eモータ10の固定子20を組み立てる方法が記載されている。鉄金属コアセグメント24の周りに導電性巻線26を巻き付けることによってモトレット22が形成された後、複数のモトレット22が、円形構成に配置され、ウェッジ30、30A、30Bが、モトレット22の隣接するモトレットの導電性巻線26間の各界面に位置決めされる。
図6に概略的に示すように、この構成はクランプアセンブリ50(クランプリングとして表される)内に提供され、モトレット22及びウェッジ30、30A、30Bを所定の位置に配置した後、それらは、ウェッジ30、30A、30Bが、モトレット22の隣接するモトレットの導電性巻線26を鉄金属コアセグメント24のそれぞれの鉄金属コアセグメント又は導電性巻線26上の電気絶縁体28に向かって押圧して固定子20を形成するように、クランプリング50によって一緒に圧縮される。クランプリング50は、最終アセンブリの永久的な部分であってもよく、又は圧縮された構成は、
図7に示すように、圧縮されたモトレット22及びウェッジ30、30A、30Bを所定の位置に維持するハウジング又はケーシング21内に移送することができ、導電性巻線26は、鉄金属コアセグメント24又は導電性巻線26上の絶縁体28に押圧され、あらゆる空隙を低減又は排除する。
【0028】
電気絶縁体28は、好ましくは、ポリマー材料で形成され、鉄金属コアセグメント24上にオーバーモールドされる。
【0029】
更に、組み立てられた後、より効率的な熱伝達を提供するために、並びに振動によるコンポーネントのいかなる移動も低減するために、導電性巻線26及びウェッジ30、30A、30Bの周りにポッティング材料38を注入することができる。
【0030】
このように、現在好ましい実施形態を詳細に記載してきたが、多くの物理的な変更は、そのうちのいくつかのみが本発明の詳細な記載において例示されているが、本発明の概念及び本発明において具現化される原理を変更することなく行うことができることが理解されるべきであり、かつ当業者には明らかであろう。また、好ましい実施形態の一部のみを組み込んだ多数の実施形態が可能であり、これらの部分に関しては、本発明の概念及び本発明において具現化される原理を変更しないことを理解されたい。したがって、本実施形態及び任意選択的な構成は、全ての点において例示的及び/又は例証的であり、限定的ではないとみなされるべきであり、本発明の範囲は、前述の記載によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示されるものであり、したがって、当該特許請求の等価物の意味及び範囲内に入る全ての代替的な実施形態及び本実施形態への変更は、当該特許請求の範囲に包含されるべきである。
【符号の説明】
【0031】
10 電気モータ
20 固定子
21 ケーシング又はハウジング
22 モトレット
24 鉄金属コアセグメント
26 導電性巻線
28 電気絶縁体
30、30A、30B ウェッジ
32 巻線接触側面
33 巻線接触側面
34 半径方向外側端部
35 半径方向内側端部
36 凸形状
37 外形
38 ポッティング
40 回転子
42 シャフト
50 クランプリング
【国際調査報告】