(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】タイヤ膨張圧力の関数としてのタイヤに作用する垂直負荷の推定
(51)【国際特許分類】
B60C 19/00 20060101AFI20240829BHJP
B60C 11/00 20060101ALI20240829BHJP
B60C 11/24 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B60C19/00 Z
B60C19/00 B
B60C11/00 Z
B60C11/24 Z
B60C19/00 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024512957
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 US2022074125
(87)【国際公開番号】W WO2023028404
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サムズ,トーマス エー.
(72)【発明者】
【氏名】アヴラ,マリカルジュン
(72)【発明者】
【氏名】ゲスナー,マイケル エフ.
(72)【発明者】
【氏名】モガ,パトリック アール.
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BC55
3D131EC22U
3D131LA02
3D131LA06
3D131LA22
3D131LA34
(57)【要約】
【解決手段】 車両装着タイヤ(122)に作用する少なくとも1つの負荷を推定するためのシステム(100)及び方法(200)が提供される。一実施形態では、タイヤ取り付けセンサ(118)は、少なくともタイヤ膨張圧力及びフットプリントの長さに対応する出力信号を生成する。タイヤについての負荷とフットプリントの長さとの間の線形モデルが、少なくとも検知されたタイヤ膨張圧力の関数として導出されたモデル係数と共に、取り出し可能に記憶される(214、224)。ローカルコントローラ(102)、リモートサーバ(130)、又は他のコンピューティングデバイス(140)は、タイヤ取り付けセンサ及びデータストレージ(106、134)にリンクされ、少なくともフットプリントの長さ、検知されたタイヤ膨張圧力、及び導出されたモデル係数(222)に基づいて、線形モデルからタイヤに作用する負荷(230)を推定し、表示(242、244)、摩耗検出(246)、トラクション検出(248)、又は他の制御機能のために、推定された負荷(240)に対応する出力信号を生成するように更に構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられたタイヤ(122)に作用する少なくとも1つの負荷を推定するための方法(200)であって、前記方法は、
前記タイヤに取り付けられたセンサ(118)から、検知されたタイヤ膨張圧力を表す信号を少なくとも取得すること(222)と、
前記タイヤに関連付けられたフットプリントの長さを決定することと、
前記タイヤの負荷と前記フットプリントの長さとの間の線形モデルと、前記検知されたタイヤ膨張圧力の関数としての少なくとも第1のモデル係数とをデータストレージから取り出すこと(224)と、
少なくとも前記フットプリントの長さ、前記検知されたタイヤ膨張圧力、及び前記検知されたタイヤ膨張圧力の関数としての前記少なくとも第1のモデル係数に基づいて、前記線形モデルから前記タイヤに作用する前記負荷を推定すること(230)と、
前記タイヤに作用する前記推定された負荷に対応する出力信号を生成すること(240)と、を含む方法。
【請求項2】
前記タイヤに取り付けられた前記センサから半径方向加速度を表す信号を少なくとも取得することと、前記半径方向加速度を表す前記信号に少なくとも部分的に基づいて、前記タイヤに関連する前記フットプリントの長さを計算することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも第1のモデル係数は、前記検知されたタイヤ膨張圧力の関数としてのオフセット係数としての第1のモデル係数と、前記検知されたタイヤ膨張圧力の関数としての勾配係数としての第2のモデル係数とを含み、
前記タイヤに作用する前記負荷は、少なくとも前記フットプリントの長さ、前記検知されたタイヤ膨張圧力、前記第1のモデル係数、及び前記第2のモデル係数に基づいて、前記線形モデルから推定されることを更に特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記タイヤに作用する前記負荷は、公称タイヤ膨張圧力におけるフットプリントの長さをタイヤ負荷に関連付ける勾配係数としての第3のモデル係数に更に基づいて前記線形モデルから推定されることを更に特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
タイヤ膨張圧力、垂直負荷、及び速度に対する既知の入力値(212)を含む動作中に、
タイヤに取り付けられたセンサからのフットプリントの長さを表す入力信号を監視することと、
前記既知のタイヤ膨張圧力における前記垂直負荷と前記フットプリントの長さとの間の線形相関に従って、前記少なくとも第1のモデル係数を計算することと、
前記少なくとも第1のモデル係数を前記既知のタイヤ膨張圧力の関数として取り出し可能に記憶することと、によって前記線形モデルを生成すること(214)を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記出力信号は、前記車両のユーザに表示するために、前記車両に関連付けられたユーザインターフェースに提供される(242)ことを更に特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記出力信号は、フリート管理テレマティクスプラットフォームを介してリモートコンピューティングデバイスに関連付けられたユーザインターフェースに提供される(244)ことを更に特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記推定された負荷は、タイヤ摩耗検出モデルへの入力として利用される(246)ことを更に特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記推定負荷及び/又は前記推定負荷に少なくとも部分的に基づく推定タイヤ摩耗は、タイヤトラクション検出モデルへの入力として利用される(248)ことを更に特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記推定負荷に少なくとも部分的に基づく前記推定タイヤ摩耗及び/又は前記推定タイヤ摩耗に少なくとも部分的に基づく推定タイヤトラクションは、車両制御ユニットに提供される(250)ことを更に特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
車両に取り付けられた少なくとも1つのタイヤに作用する少なくとも1つの負荷を推定するためのシステム(100)であって、前記システムは、
少なくともタイヤ膨張圧力及びフットプリントの長さに対応する出力信号を生成するように構成された少なくとも1つのタイヤ取り付けセンサ(118)と、
前記タイヤの負荷と前記フットプリントの長さとの間の線形モデルと、前記検知されたタイヤ膨張圧力の関数としての少なくとも第1のモデル係数と、を記憶したデータストレージ(106、134)と、
前記少なくとも1つのタイヤ取り付けセンサ、及び前記データストレージに通信可能にリンクされ、かつ請求項1~10のいずれか一項に記載の方法(200)のためのステップの実行を指示するように更に構成されたコンピューティングデバイス(102、130、140)と、を備える、システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許文献の開示の一部は、著作権保護を受ける材料を含む。著作権所有者は、米国特許及び商標庁の特許出願又は記録において見られるように、本特許文書又は本特許開示の複製に対して異議を唱えていないが、他の方法ではいかなる全ての著作権をも保有する。
【0002】
本開示は、概して、車輪付き自動車のタイヤの性能面の定量化に関する。より詳細には、本明細書に開示されるシステム、方法、及び関連するアルゴリズムは、自動二輪車、家庭用車両(例えば、乗用車及び軽トラック)、商用車及びオフロード(OTR)車両を含むがこれらに限定されない車輪付き自動車のタイヤに作用する垂直負荷の推定、及び改善された垂直負荷推定に基づく車両の様々な性能面に関し、負荷推定は、タイヤ取り付けセンサから実質的にリアルタイムで提供されるタイヤ膨張圧力の関数である。
【背景技術】
【0003】
タイヤの負荷、傾斜角、スリップ角などの様々な動作条件は、従来、タイヤの摩耗、健全性、トラクションポテンシャルなどの性能面を理解するための極めて重要な情報であると理解されている。
【0004】
したがって、そのような性能面の予測は、特にフリート管理の文脈において、車両を所有又は操作する者にとって重要なツールである。タイヤが使用されるとき、トレッドが徐々に浅くなり、タイヤ全体の性能が変化することが通常である。タイヤトレッドが不十分であると危険な運転状態が生じる可能性があるので、ある時点でタイヤ状態を認識することが重要になる。例えば、道路状況が最適でない場合、タイヤは道路をグリップすることができない可能性があり、ドライバは自分の車両の制御を失う可能性がある。一般的に言えば、タイヤトレッドが浅ければ浅いほど、ドライバは、雨、雪などの中で運転するときにトラクションを失いやすくなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
大型トラックなどの車両についての典型的な車載センサ測定値は、車両速度、半径方向加速度、周囲温度、タイヤ膨張圧力、及びタイヤ含有空気温度(contained air temperature、CAT)を含み得る。これらの測定値は、それらを摩耗及び耐久性などのより高次の予測に拡張するときに全てが重要である。しかしながら、最も重要な情報の1つがまだ通常は欠けており、それはタイヤに作用する負荷であり、そのための従来のセンサは、法外に高価であり、かつ/又は信頼できない場合がある。
【0006】
従来のシステムにおける前述の欠陥を考慮して、本明細書に開示されるアプローチは、タイヤの摩耗、耐久性、トラクション、及び他の性能基準を理解するために極めて重要である、例えば、タイヤに作用する負荷などの動作状態指標を推定するために実装され得る。それに応じて構成されたシステムは、タイヤ搭載検知ユニットと、例えばフリート管理エンティティなどのユーザにリアルタイム監視及び予測分析を提供するための新規アルゴリズムとを備え得る。
【0007】
本開示の例示的な実装形態は、タイヤ膨張圧力依存性を追加することによって、従来のアルゴリズムの精度を改善することができる。本開示の範囲内のモデルの1つの特定の例は、以下のアルゴリズムを含む。
Fz=m2(FPL)+m1(p)-b
【0008】
上記のアルゴリズムは、タイヤに加えられた既知の力(Fz)で収集されたデータから導出された3つのモデル係数と共に、例えばタイヤ取り付けセンサ(TMS)から報告されたフットプリントの長さ(FPL)と、同じくTMSから報告され得る膨張圧力(p)とを考慮する。モデル係数はタイヤ固有であってもよい。モデル係数を用いて開発された上記のアルゴリズムは、現在加えられている力、すなわちタイヤ上の車両の重量を計算するために、TMS入力に基づいてリアルタイム動作中に実施することができる。
【0009】
本明細書に開示される方法の例示的な実施形態は、車両に取り付けられたタイヤに作用する少なくとも1つの負荷を推定するために提供され得る。タイヤに取り付けられた少なくとも1つのセンサは、少なくとも、検知されたタイヤ膨張圧力及びフットプリントの長さ(又はフットプリントの長さを決定することができる他のパラメータ)を表す信号を提供する。タイヤの負荷とフットプリントの長さとの間の線形モデルが、検知されたタイヤ膨張圧力の関数としての少なくとも第1のモデル係数と共に、データストレージから取り出される。タイヤに作用する負荷は、少なくともフットプリントの長さ、検知されたタイヤ膨張圧力、及び検知されたタイヤ膨張圧力の関数としての少なくとも第1のモデル係数に基づいて、線形モデルから推定される。タイヤに作用する推定された負荷(推定負荷)に対応する出力信号が生成される。
【0010】
上記で参照した実施形態による1つの例示的な態様では、半径方向加速度を表す信号が少なくとも1つのタイヤ取り付けセンサから取得され、タイヤに関連付けられたフットプリントの長さは、半径方向加速度を表す信号に少なくとも部分的に基づいて計算される。
【0011】
上記で参照した実施形態による別の例示的な態様では、少なくとも第1のモデル係数は、検知されたタイヤ膨張圧力の関数としてのオフセット係数としての第1のモデル係数と、検知されたタイヤ膨張圧力の関数としての勾配係数としての第2のモデル係数とを含む。タイヤに作用する負荷は、少なくともフットプリントの長さ、検知されたタイヤ膨張圧力、第1のモデル係数、及び第2のモデル係数に基づいて線形モデルから推定される。
【0012】
上記で参照した実施形態による別の例示的な態様では、タイヤに作用する負荷は、公称タイヤ膨張圧力におけるタイヤ負荷に対するフットプリントの長さに関する勾配係数としての第3のモデル係数に更に基づいて線形モデルから推定される。
【0013】
上記で参照した実施形態による別の例示的な態様では、線形モデルは、タイヤ膨張圧力、垂直負荷、及び速度に対する既知の入力値を含む動作中に、タイヤに取り付けられたセンサからのフットプリントの長さを表す入力信号を監視することと、既知のタイヤ膨張圧力における垂直負荷とフットプリントの長さとの間の線形相関に従って、少なくとも第1のモデル係数を計算することと、既知のタイヤ膨張圧力の関数として、少なくとも第1のモデル係数を取り出し可能に記憶することと、によって生成される。
【0014】
上記で参照した実施形態による別の例示的な態様では、出力信号が、車両のユーザに表示するために、車両に関連付けられたユーザインターフェースに提供される。
【0015】
上記で参照した実施形態による別の例示的な態様では、出力信号が、フリート管理テレマティクスプラットフォームを介してリモートコンピューティングデバイスに関連付けられたユーザインターフェースに提供される。
【0016】
上記で参照した実施形態による別の例示的な態様では、推定された負荷は、タイヤ摩耗検出モデルへの入力として利用される。推定負荷及び/又は推定負荷に少なくとも部分的に基づく推定タイヤ摩耗は、タイヤトラクション検出モデルへの入力として更に利用されてもよい。推定負荷に少なくとも部分的に基づく推定タイヤ摩耗及び/又は推定タイヤ摩耗に少なくとも部分的に基づく推定タイヤトラクションは、更に、例えばアクティブセーフティユニットなどの車両制御ユニットに提供されてもよい。
【0017】
別の実施形態では、車両に取り付けられた少なくとも1つのタイヤに作用する少なくとも1つの負荷を推定するためのシステムが提供される。少なくとも1つのタイヤ取り付けセンサは、少なくともタイヤ膨張圧力及びフットプリントの長さに対応する出力信号を生成するように構成される。データストレージに取り出し可能に記憶されているのは、負荷とタイヤのフットプリントの長さとの間の線形モデルと、検知されたタイヤ膨張圧力の関数としての少なくとも第1のモデル係数である。ローカルコントローラ、リモートサーバ、及び/又は他の適切なコンピューティングデバイスは、少なくとも1つのタイヤ取り付けセンサ、及びデータストレージに通信可能にリンクされ、かつ上記で参照した方法の実施形態及び任意選択で説明された例示的な態様のいずれかからの残りのステップ又は動作の実行を指示するように更に構成される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態をより詳細に例解する。
【0019】
【
図1】
図1は、本明細書に開示されるタイヤ負荷推定システムの一実施形態を表すブロック図である。
【
図2】
図2は、本明細書に開示されるタイヤ負荷推定方法の一実施形態を表すフローチャートである。
【
図3】
図3は、タイヤ膨張圧力の関数としての例示的なモデル係数(例えば、オフセット係数又は切片)を表すグラフ図である。
【
図4】
図4は、モデル検証のための予測負荷に対するタイヤに作用する測定負荷の例示的な比較を表すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
概して
図1~
図4を参照して、発明の様々な例示的な実施形態をここで詳細に説明することができる。様々な図が、様々な共通の要素及び特徴を他の実施形態と共有する実施形態を説明することがある場合、同様の要素及び特徴は同じ参照番号を与えられ、その重複する説明は以下で省略されることがある。特定の実施形態によるシステム100は、ローカルであり、例えば車両に関連して存在するコンピューティングデバイス102、又はリモートであり、例えばクラウドベースのネットワーク若しくはフリート管理システムの一部であるコンピューティングデバイス130、140、又は本開示の範囲内のそれらの何らかの組み合わせを含むことができ、及び/又は特定の実施形態による方法200は、それらによって実行することができる。したがって、集中型又は分散型データ処理は、指定されたセンサからの入力に基づいて実装されてもよく、又は本明細書で更に説明される出力信号の生成を少なくとも開始するために、特に明記しない限り、限定することなく、指定されたインターフェース、制御システム、又はアクチュエータに実装されてもよい。
【0021】
最初に
図1を参照すると、本明細書に開示されるシステム100の例示的な一実施形態は、データ取得デバイス102を含み、これは車両に搭載され、本明細書に開示される関連計算を実行する、及び/又は少なくともデータを取得し、前出のデータを1つ以上の下流コンピューティングデバイス(例えば、リモートサーバ130)に送信して、本明細書に開示されるように関連する計算を実行するように構成されている。データ取得デバイスは、例えばタイヤの半径方向加速度、含有空気温度及び/又は内部膨張圧力に対応する信号などの未処理の測定信号を収集し、そのような信号を下流コンピューティングデバイスに連続的又は選択的に送信するように適切に構成されたスタンドアロンのセンサユニット(図示せず)であってもよい。データ取得デバイス102は、1つ以上の分散型センサと通信するオンボードコンピューティングデバイス102を含み得、これは、分散型車両データ収集及び制御システムの一部としてポータブル又はモジュール式であり、あるいは、中央車両データ収集制御システムに対して一体型で提供されてもよい。データ取得デバイス102は、プロセッサ104と、プログラム論理108が常駐するメモリ106とを含み得、様々な実施形態では、車両電子制御ユニット(electronic control unit、ECU)又はその構成要素を含み得、又はそうでない場合、例えば恒久的に、本質的に別個であり得、又は車両マウントに対して着脱可能に設けられ得る。
【0022】
一般的に言及すると、本明細書に開示されるシステム100は、1つ以上の車両にわたって分散された多数の構成要素を実装することができ、例えば、必ずしもフリート管理エンティティに関連付けられるわけではないが、更に、通信ネットワークを介して車両モータの各々と機能的に通信する中央サーバネットワーク又は事象駆動型サーバレスプラットフォームを実装することができる。
【0023】
図示された実施形態は、本発明の範囲を特に限定することなく、タイヤ取り付けセンサユニット118、周囲温度センサ112、例えば車両に関連付けられた加速度データを収集するように構成された車両速度センサ114、全地球測位システム(global positioning system、GPS)トランスポンダなどの位置センサ116、及びDC電源110を例示の目的で含むことができる。タイヤ取り付けセンサユニット118は、タイヤのインナーライナー、タイヤのバルブなどに装着され、半径方向加速度、内蔵空気温度、膨張圧力などのいずれか又は全てを含むタイヤ状態に対応する出力信号を生成するように構成された1つ又は複数のセンサを含み得、そのようなセンサは、そのような信号を提供するために当業者に知られている様々な形態のいずれかをとり得る。様々なバスインターフェース、プロトコル、及び関連ネットワークは、それぞれのデータソースと、例えばオンボード受信機124を含むローカルコンピューティングデバイス102、及び/又はサーバ130との間の通信に関して当技術分野で周知であり、当業者であれば、そのようなツール及びそれを実装するための手段の広範囲を認識するであろう。
【0024】
いくつかの実施形態では、本明細書にて開示されるデータ取得デバイス及び同等のデータソースは、必ずしも車両固有センサ及び/又はゲートウェイデバイスに限定されず、サードパーティエンティティ及び関連ネットワーク、ドライバインターフェースなどのユーザコンピューティングデバイス140上に常駐するプログラムアプリケーション、フリート管理インターフェース、並びに本明細書に開示されるアルゴリズム及びモデルに適切であると考えられ得るような、任意の企業デバイス又はログデータの生ストリームの他のプロバイダも含むことができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、様々なセンサ112、114、116、118のうちの1つ以上は、例えば、セルラ通信ネットワークを介して、又は車両のユーザが携行するモバイルコンピューティングデバイス(図示せず)を介して、ローカル車載デバイス又はゲートウェイ構成要素を用いずに下流プラットフォームと通信するように構成され得る。
【0026】
本明細書で使用される「ユーザインターフェース」という用語は、特に明記されていない限り、ユーザデバイスが、本明細書に開示される処理ユニット、サーバ、デバイス、などに対してユーザ対話を容易にする任意の入出力モジュールを含み得、限定されるものではないが、ダウンロードされた、又はそうでない場合、常駐するプログラムアプリケーション、ウェブブラウザ、個々のウェブページ又はホストされるウェブサイトを集合的に規定するウェブページなどのようなウェブポータル、などを含む。ユーザインターフェースは、パーソナルモバイルコンピューティングデバイスに関して、ボタン及びディスプレイ部分の文脈で更に説明され得、これらは、独立して配置され得るか又はそうでない場合、例えば、タッチスクリーンに対して相互に関連付けられ得、更に音声及び/又は明示的なユーザ対話機能を用いない視覚的な入出力機能を含み得る。
【0027】
車両及びタイヤセンサ112、114、116、118、などには、一実施形態では一意の識別子が更に提供されてもよく、その場合、オンボードデバイスプロセッサは、同じ車両上のそれぞれのセンサから提供される信号を区別することができ、更に特定の実施形態においては、中央処理ユニット及び/又はフリートメンテナンス監督クライアントデバイスは、タイヤ、並びに関連する車両及び/又は複数の車両にわたるタイヤセンサから提供される信号を区別することができる。換言すれば、センサ出力値は、様々な実施形態において、本明細書に開示されるような計算のために、搭載又はリモート/下流のデータストレージ及び実装を目的として、特定のタイヤ、特定の車両、及び/又は特定のタイヤ車両システムと関連付けられてもよい。オンボードデータ取得デバイス102は、
図1に示されるように、下流処理ステージ130と直接通信することができるか、又は、代替的に、ドライバのモバイルデバイス又はトラックに搭載されたコンピューティングデバイスは、オンボードデバイス出力データを受信して処理し、1つ以上の下流処理ユニットに送信するように構成されてもよい。
【0028】
タイヤのインナーライナーに取り付けられているか、タイヤのバルブなどに取り付けられているかに関係なく、タイヤ取り付けセンサ118から受信された生の信号は、本明細書に開示される方法による計算の必要に応じて、選択的な取り出し及びデータパイプラインステージを介した送信のために、オンボードデバイスメモリ106、又はオンボードデバイスプロセッサ104に機能的にリンクされた同等のローカルデータストレージネットワークに任意に記憶され得る。本明細書で使用されるローカル又は下流「データストレージネットワーク」は、データを記憶し、そこからデータを選択的に取り出すことができるように構成された個別の、中央集中型の、又は分散型の論理的及び/又は物理的エンティティを一般に指し、例えば、これに限定されないが、メモリ、ルックアップテーブル、ファイル、レジスタ、データベース、データベースサービス、などを含むことができる。いくつかの実施形態では、様々なセンサ112、114、116、118からの生データ信号は、車両からサーバ130などの下流処理ユニットに実質的にリアルタイムで通信され得る。代替的に、高周波データの連続データ送信における固有の非効率を特に考慮して、データは、例えば、センサ又はオンボードデバイス(つまり、車両に関連付けられている)から適切な(例えば、セルラ)通信ネットワークを介したリモート処理ユニットへのより効率的な(例えば、周期的な時間ベースの、又は代替的に規定された事象ベースの)送信のためにコンパイル、符号化、及び/又は要約されてもよい。
【0029】
車両データ及び/又はタイヤデータは、通信ネットワークを介して下流サーバ130又は同等の処理システムに送信されると、例えば、そこに関連付けられたデータベース132に記憶され得、1つ以上の本明細書に開示されるようなアルゴリズム的モデル134を介して処理のために更に処理され得るか、又は、入力として取り出し可能になり得る。モデル134は、少なくとも部分的にプロセッサの実行を介して実装されてもよく、車両データ及び/又はタイヤデータの選択的取り出しを可能にすることができ、更に処理ユニットに関連付けて保存されているデータベース、ルックアップテーブル、などからの任意の追加のデータ又はアルゴリズムを入力するための電子通信を可能にする。
【0030】
次に以下で
図2~
図4を参照して、車両に取り付けられた少なくとも1つのタイヤに作用する少なくとも1つの垂直負荷を推定するための方法200の様々な実施形態について説明する。方法200の実施形態は、試験及びモデル生成段階(210~214)及びモデル実装段階(220~250)のいずれか若しくは両方、又は本開示の範囲内のそれらの部分若しくは変形形態であり得る。別の言い方をすれば、本明細書に開示されるようなモデルは、最初に生成され、その後、所与のエンティティによって実装及び/又は修正されてもよく、又はエンティティは、別のエンティティによって生成された実装のためのモデルを単に選択的に取り出してもよい。
【0031】
最初に(ステップ210において)試験及びモデル生成段階を参照すると、データ処理及び試験されるタイヤに特有の1つ又は複数のモデル係数の生成(ステップ214において)のために様々な入力が提供される(ステップ212)。一実施例では、
図3及び4に表されるデータは、オフライン試験を通して収集され、モデル生成入力は、タイヤ膨張圧力p、垂直負荷Fz、及び速度vであった。フットプリントの長さFPLに対応する追加のデータは、試験されるタイヤ上のタイヤ取り付けセンサからの入力として、例えば、直接入力として受信されてもよく、又は半径方向加速度などの他の入力に基づいて計算されてもよい。
図3に示すように、様々な膨張圧力において、タイヤに加えられる垂直負荷とタイヤのフットプリントの長さとの間に明確な線形関係が特定された。次に、このデータを使用して、以下のような例示的なアルゴリズムを作成した。
【0032】
Fz=m2(FPL)+m1(p)-b
このアルゴリズムを用いて、様々な膨張圧力において、タイヤに作用する垂直負荷とフットプリントの長さとの間に線形関係が実証される。この例におけるモデル係数m1及びbはそれぞれ、タイヤ膨張圧力に関連し、タイヤ膨張圧力に依存する。この例におけるモデル係数m2は、フットプリントの長さを公称タイヤ膨張圧力におけるタイヤ負荷に関連付ける。
【0033】
次に(ステップ210において)後続の又は代替の実際の垂直負荷推定段階を参照すると、生成されたモデルは、様々な実施形態において、タイヤ又は関連するタイプのタイヤの動作中の実際の入力に基づいて実質的にリアルタイムで実装され得る。動作中に収集された実際の入力(ステップ222)は、典型的には、少なくともサンプルタイヤ膨張圧力p及びフットプリントの長さFPLに対応する値を含み得る。
【0034】
特定の実施形態では、フットプリントの長さは、TMSデバイスから直接収集され得る。1つの代替的な実施形態では、タイヤの加速度波形に対応するデータは、タイヤ取り付けセンサのサンプリングされた出力からタイヤ半径方向に収集することができる。次に、タイヤ半径方向における加速度波形を積分して速度波形を生成することができ、速度波形における少なくとも第1及び第2のピークから接地中のサンプルの数を計算する。速度(積分加速度)プロファイルの物理的理解から、当業者は、接地面(フットプリント)の入口及び出口が、積分加速度計信号の第1の波形ピークと第2の波形ピークとの間のサンプル数の差に対応するものとして、したがって、フットプリントエリアにおいて取られたサンプル数に対応するものとして識別可能であることを理解することができる。計算された接地中のサンプルの数、タイヤ取り付けセンサの出力のサンプリングレート、及び車両の速度(v)に少なくとも基づいて、接地面の長さ、又はフットプリントの長さを更に計算することができる。
【0035】
入力(例えば、p及びFPL)は、モデル選択段階に供給されてもよく、ここで、例えば、モデル係数(例えば、m1、m2、b)が、タイヤ膨張圧力に応じて選択される(ステップ224)。モデル選択は、タイヤ膨張圧力に少なくとも部分的に基づいて実施されてもよく、いくつかの実施形態では、そのようなホイールマウントの区別に基づいて加えられる負荷の任意の既知の又は予測される関連する依存性を考慮して、例えば、問題のタイヤのホイールマウント位置に少なくとも部分的に基づいて更に実施されてもよい。次に、タイヤ負荷は、例えば上述のアルゴリズムに基づいて、更に少なくとも選択されたモデル係数を考慮して推定されてもよい(ステップ230)。
【0036】
方法200は更に継続してもよく、タイヤに作用する推定負荷に対応する出力信号が生成される(ステップ240)。様々な実施形態では、出力信号は、車両のユーザへのローカル表示のために車両に関連付けられたユーザインターフェース(ステップ242)、及び/又は例えばフリート管理テレマティクスプラットフォームを介してリモートコンピューティングデバイスに関連付けられたユーザインターフェース(ステップ244)、及び/又は車両制御ユニットに提供されてもよい。出力信号が車両制御ユニットに提供される場合、推定された負荷は、例えば、タイヤ摩耗推定モデル(ステップ246)、及び/又はタイヤトラクション推定モデル(ステップ248)への入力として利用され得る。
【0037】
例示的なタイヤ摩耗モデルは、例えば、様々な物理的部分、プロセス、又はシステムの「デジタルツイン」仮想表現に基づいてタイヤ摩耗値を推定してもよく、デジタル及び物理データは、ペアリングされ、例えばニューラルネットワークなどの学習システムと組み合わされる。例えば、上記で参照した出力信号及び関連する位置/経路情報を提供して、タイヤ摩耗を推定するための車両タイヤのデジタル表現を生成してもよく、推定されたタイヤ摩耗と決定された実際のタイヤ摩耗とのその後の比較は、機械学習アルゴリズムのフィードバックとして実装してもよい。摩耗モデルは、オンボードシステムを介して処理するために車両において実装されてもよいか、又は、タイヤデータ及び/若しくは車両データは、リモート摩耗推定のために代表的なデータをホスト型サーバに提供するように処理されてもよい。
【0038】
様々な実施形態では、方法は、1つ以上の将来の時点における摩耗値を予測することを更に含んでもよく、そのような予測値は、それぞれの閾値と比較され得る。例えば、予測されたタイヤ摩耗状態(例えば、所与の距離、時間などにおける予測されたトレッド深さ)に対応するフィードバック信号が、インターフェースを介して、例えば、タイヤを交換すべきであるか、若しくは間もなく交換する必要があるという警告又は通知/推奨を提供するように構成されたユーザインターフェースを統合している、車両自体に関連付けられたオンボードデバイスに、若しくはユーザに関連付けられたモバイルデバイスに提供され得る。他のタイヤ関連閾値事象は、本開示の範囲内で、例えば、タイヤ回転、位置合わせ、膨張などを含む予測されたタイヤ摩耗に基づいて、警報及び/又は介入のために予測及び実装され得る。システムは、個々の閾値、閾値のグループ、及び/又は既定されたパラメータに対する非閾値アルゴリズム比較に基づいて、そのような警告及び/又は介入推奨を生成し得る。
【0039】
別の例として、摩耗モデルは、フリート管理システムが、特定の車両及びタイヤだけでなく、関連付けられたルート、ドライバなどの性能を追跡することを可能にし得る。本明細書の方法によって得られた予測された摩耗率を使用して、フリートマネージャは、例えば、どのトラック、ドライバ、ルート、及び/又はタイヤモデルがトレッドを最も速く焼き切っているか、又は逆にトレッドを節約しているかを確認し得る。更に、正確な摩耗モデリングは、フリートタイヤ購入に関する意思決定支援を好ましく提供する場合がある。タイヤ摩耗予測は、例えば、所与の年、月、週などの予測されたタイヤ購入推定モデルに集約され得る。
【0040】
別の例として、自律型車両フリートは、様々な最小トレッド状態値を有する多数の車両を含み得、フリート管理システムは、最小閾値を下回る車両の配備を予防的に無効にするように構成され得る。フリート管理システムは、車輪位置に対応する様々な最小トレッド状態値を更に実装し得る。このシステムは、したがって、車両と関連付けられた複数のタイヤの各々の最小タイヤトレッド値に作用するように構成され得るか、又は一実施形態では、最小閾値と比較するために、複数のタイヤの集約されたトレッド状態を計算し得る。
【0041】
タイヤ摩耗状態(例えば、トレッド深さ)は、例えば、上記で参照した出力信号と共にトラクションモデルへの入力として提供され得(ステップ248)、トラクションモデルは、それぞれのタイヤについての推定トラクション状態又は1つ以上のトラクション特性を提供するように構成され得る。前述の摩耗モデルと同様に、トラクションモデルは、物理的部分、プロセス、又はシステムの「デジタルツイン」仮想表現を含んでもよく、デジタル及び物理データがペアリングされ、例えば人工ニューラルネットワークなどの学習システムと組み合わされる。特定のタイヤ、車両、又はタイヤ-車両システムからの実車両データ及び/又はタイヤデータを、それぞれの資産のライフサイクル全体にわたって提供して、タイヤトラクションの推定のための車両タイヤの仮想表現を生成し得、推定タイヤトラクションと対応する測定又は判定された実際のタイヤトラクションとのその後の比較は、好ましくは、サーバレベルで実行される機械学習アルゴリズムのフィードバックとして実装し得る。
【0042】
トラクションモデルは、様々な実施形態において、多数のタイヤ-車両システム及び入力パラメータ(例えば、タイヤトレッド、膨張圧力、路面特性、車両速度及び加速度、スリップ率及び角度、垂直力、制動圧力及び負荷)の値の関連付けられた組み合わせに関して収集された、例えば、停止距離試験結果、タイヤトラクション試験結果などを含む事前試験からの結果を利用し得、タイヤトラクション出力は、現在の車両データ及びタイヤデータ入力の所与の設定について効果的に予測され得る。
【0043】
一実施形態では、このトラクションモデルからの出力は、アクティブセーフティシステムに組み込まれ得る(ステップ250)。本明細書で使用するとき、「アクティブセーフティシステム」という用語は、好ましくは、衝突回避システム、高度運転補助システム(advanced driver-assistance system、ADAS)、アンチロック制動システム(anti-lock braking system、ABS)などの例を含むがこれらに限定されない、当業者に一般的に既知であるようなシステムを包含し得、これらは、最適な性能を達成するために、トラクションモデル出力情報を利用するように構成され得る。例えば、衝突回避システムは、典型的には、標的車両との潜在的な衝突を回避又は軽減するために、自車のブレーキを自動的に係合することなどの、及びタイヤのトラクション能力に関する情報の強化、ひいてはタイヤ車両システムの制動能力などの回避作用をとるように構成されており、タイヤのトラクション能力、すなわちタイヤ車両システムの制動能力に関する拡張情報が極めて望ましい。
【0044】
別の実施形態(図示せず)では、ライドシェア自律フリートは、トラクションモデルからの出力データを使用して、悪天候の間にトレッド深さが低い車両を使用不能にするか、又は別様に選択的に除去するか、又は潜在的にそれらの最大速度を制限し得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、方法200はまた、タイヤ耐久性及び健全性モデルへの入力として、タイヤに作用する推定された力、推定された摩耗などの入力を、単独で、又はタイヤの使用の過酷さの他の関連する測定基準と組み合わせて提供することを含んでもよい。そのようなモデルは、例えば、トレッド/ベルト分離などの耐久性事象の指標として、相対的な疲労特性を推定するために実装されてもよい。そのようなモデルはまた、例えば、相対的なタイヤ老化特性を推定するために、又は1つ以上の将来の時点における摩耗状態を予測するために実装されてもよい。そのような耐久性事象に対応するフィードバック信号は、インターフェースを介して、車両自体に関連付けられたオンボードデバイス102に、又はユーザに関連付けられたモバイルデバイスに提供されてもよく、例えば、1つ以上のタイヤが例えば交換、回転、位置合わせ、膨張などされるべきであるか又は間もなく必要になるなどの介入イベントの警告又は通知/推奨を提供するように構成されたユーザインターフェースと統合されてもよい。タイヤ耐久性及び健全性モデルからの出力は、更に、又は代替として、上記で参照したトラクションモデルに提供されてもよい。
【0046】
本明細書及び特許請求の範囲を通して、文脈がそうでない旨を指示しない限り、以下の用語は、少なくとも、本明細書に明示的に関連する意味をとる。以下で識別される意味は、必ずしも用語を限定するものではなく、単に用語の例解的な例を提供するものである。
【0047】
「a」、「an」、及び「the」の意味は、複数の参照を含み得、「in」の意味は、「in」及び「on」を含み得る。
【0048】
本明細書で使用されるとき、「一実施形態では」という句は、必ずしも同じ実施形態を指すものではないが、指すこともあり得る。
【0049】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例解的な論理ブロック、モジュール、及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はそれらの両方の組み合わせとして実装することができる。ハードウェア及びソフトウェアのこの互換性を明確に例解するために、様々な例解的な構成要素、ブロック、モジュール、及びステップは、概して、それらの機能性に関して上で説明されている。そのような機能性がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例、及びシステム全体に課される設計上の制約に依存する。説明された機能性は、それぞれの特定の適用例ごとに様々な方式で実装することができるが、そのような実装決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈されるべきではない。
【0050】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例解的な論理ブロック及びモジュールは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート若しくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、又は本明細書に説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせなど、機械によって実装又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替として、プロセッサは、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシン、それらの組み合わせなどであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成の組み合わせとして実装することもできる。
【0051】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される方法、プロセス、又はアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接具現化するか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで具現化するか、又はこれら2つの組み合わせで具現化することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD-ROM、又は当該技術分野において既知の任意の他の形態のコンピュータ可読媒体内に常駐することができる。例示的なコンピュータ可読媒体は、プロセッサがメモリ/記憶媒体から情報を読み取り、メモリ/記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合され得る。代替として、媒体は、プロセッサと一体であり得る。プロセッサ及び媒体は、ASIC内に常駐することができる。ASICは、ユーザ端末内に常駐することができる。代替として、プロセッサ及び媒体は、ユーザ端末内の別個の構成要素として常駐することができる。
【0052】
本明細書で使用される、とりわけ、「できる(can)」、「かもしれない(might)」、「場合がある(may)」、「など(e.g.)」など、条件付き文言は、具体的に別途記載のない限り、又はさもなければ使用される文脈内で理解されない限り、特定の実施形態が、特定の特徴、要素、及び/又は状態を含むが、他の実施形態は、それらの特定の特徴、要素、及び/又は状態を含まないことを伝えることを概して意図する。したがって、そのような条件付き文言は、特徴、要素、及び/又は状態が、1つ以上の実施形態のために何らかの方式で必要とされることを示唆することを概して意図せず、また、1つ以上の実施形態が、オーサー入力又はプロンプティングを用いて又は用いないで、これらの特徴、要素、及び/又は状態が、何らかの特定の実施形態に含まれるか又はそれにおいて実行されるべきかどうかを決定するための論理を、必ず含むことを示唆することを概して意図しない。
【0053】
本発明の特定の好ましい実施形態は、典型的には、フリート管理システムにより、又はフリート管理システムのために実行される方法、より具体的には自律型車両フリート又は商業用トラック用途のために実行される方法に対して本開示で説明され得るが、本発明は、それに全くもって明示的に限定されるものではなく、本明細書で使用される用語「車両」は、別途記載のない限り、自己推進式であるかどうかにかかわらず、1つ以上のタイヤを含み得る、自動車、トラック、又はそれらいずれかの等価物を指し、したがって、タイヤ内部圧力損失及び可能性のある障害の正確な推定又は予測、交換、若しくは介入を必要とし得る。
【0054】
本明細書で使用するとき、別途記載のない限り、「ユーザ」という用語は、例えば、本明細書に開示される特徴及びステップを提供するためのユーザインターフェースを有するデバイスと関連付けられ得る、ドライバ、搭乗者、メカニック、技術者、フリート管理職員、又は任意の他の人物若しくはエンティティを指し得る。
【0055】
前述の詳細な説明は、例解及び説明の目的のために提供されている。したがって、新規で有用な発明の特定の実施形態を説明してきたが、このような参照が、以下の特許請求の範囲における記載を除いて、本発明の範囲への限定として解釈されることを意図しない。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられたタイヤ(122)に作用する少なくとも1つの負荷を推定するための方法(200)であって、前記方法は、
タイヤ膨張圧力、垂直負荷、及び速度に対する既知の入力値を含むそれぞれの試験動作中に、
前記試験動作に対応するタイヤに取り付けられたセンサからのフットプリントの長さを表す入力信号を監視することと、
前記既知のタイヤ膨張圧力における前記垂直負荷と前記フットプリントの長さとの間の線形相関に従って、前記少なくとも第1のモデル係数を計算することと、
前記少なくとも第1のモデル係数を前記既知のタイヤ膨張圧力の関数として取り出し可能に記憶することと、によって垂直負荷とフットプリントの長さを相関させる1つ以上の線形モデルを生成することを含み、
前記方法は、前記車両に装着された少なくとも第1のタイヤを含む実動作中に、
前記第1のタイヤに取り付けられたセンサ(118)から、検知されたタイヤ膨張圧力を表す信号を少なくとも取得すること(222)と、
前記第1のタイヤに関連付けられたフットプリントの長さを決定することと、
前記第1のタイヤについての前記決定されたフットプリントの長さに対応する線形モデルと、前記検知されたタイヤ膨張圧力の関数としての少なくとも第1のモデル係数とをデータストレージから取り出すこと(224)と、
少なくとも前記フットプリントの長さ、前記検知されたタイヤ膨張圧力、及び前記検知されたタイヤ膨張圧力の関数としての前記少なくとも第1のモデル係数に基づいて、前記線形モデルから前記第1のタイヤに作用する前記負荷を推定すること(230)と、
前記第1のタイヤに作用する前記推定された負荷に対応する出力信号を生成すること(240)と、を更に含む、方法。
【請求項2】
前記第1のタイヤに取り付けられた前記センサから半径方向加速度を表す信号を少なくとも取得することと、前記半径方向加速度を表す前記信号に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のタイヤに関連する前記フットプリントの長さを計算することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも第1のモデル係数は、前記検知されたタイヤ膨張圧力の関数としてのオフセット係数としての第1のモデル係数と、前記検知されたタイヤ膨張圧力の関数としての勾配係数としての第2のモデル係数と、公称タイヤ膨張圧力におけるフットプリントの長さをタイヤ負荷に関連付ける勾配係数としての第3のモデル係数とを含み、
前記第1のタイヤに作用する前記負荷は、少なくとも前記フットプリントの長さ、前記検知されたタイヤ膨張圧力、前記第1のモデル係数、前記第2のモデル係数、及び前記第3のモデル係数に基づいて、前記線形モデルから推定されることを更に特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記推定された負荷は、タイヤ摩耗検出モデルへの入力として利用され(246)、
前記推定負荷及び/又は前記推定負荷に少なくとも部分的に基づく推定タイヤ摩耗は、タイヤトラクション検出モデルへの入力として利用され、
前記推定負荷に少なくとも部分的に基づく前記推定タイヤ摩耗及び/又は前記推定タイヤ摩耗に少なくとも部分的に基づく推定タイヤトラクションは、車両制御ユニットに提供される(250)ことを更に特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
車両に取り付けられた少なくとも1つのタイヤに作用する少なくとも1つの負荷を推定するためのシステム(100)であって、前記システムは、
少なくともタイヤ膨張圧力及びフットプリントの長さに対応する出力信号を生成するように構成された少なくとも1つのタイヤ取り付けセンサ(118)と、
タイヤに対して実行された試験操作に基づいて垂直負荷とフットプリントの長さを相関させる1つ以上の線形モデルと、既知のタイヤ膨張圧力における垂直負荷とフットプリントの長さとの間の線形相関の関数として計算された少なくとも第1のモデル係数と、を記憶するデータストレージ(106、134)と、
前記少なくとも1つのタイヤ取り付けセンサ、及び前記データストレージに通信可能にリンクされ、かつ請求項1~4のいずれか一項に記載の方法(200)のためのステップの実行を指示するように更に構成されたコンピューティングデバイス(102、130、140)と、を備える、システム(100)。
【国際調査報告】