(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】炭素排出量を削減する際に使用するための複合材料
(51)【国際特許分類】
C08L 1/00 20060101AFI20240829BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20240829BHJP
C08K 3/00 20180101ALI20240829BHJP
C08L 101/04 20060101ALI20240829BHJP
C08L 67/03 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
C08L1/00
C08L101/00
C08K3/00
C08L101/04
C08L67/03
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513061
(86)(22)【出願日】2022-08-23
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 IL2022050921
(87)【国際公開番号】W WO2023031912
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523192288
【氏名又は名称】ユー.ビー.キュー.マテリアルズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビジオ、ジャック(タト)
(72)【発明者】
【氏名】フェラス、ギル
(72)【発明者】
【氏名】スタール、ガト
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AA012
4J002AB011
4J002AC032
4J002BB002
4J002BB032
4J002BB122
4J002BD033
4J002BE032
4J002BG102
4J002CF062
4J002CF182
4J002CG002
4J002CK022
4J002CL002
4J002DA076
4J002DA086
4J002DA096
4J002DJ006
4J002DJ016
4J002DM006
4J002FD203
4J002FD206
(57)【要約】
本開示は、炭素排出量を削減する際に使用するための複合材料であって、i)複合材料の総重量のうち少なくとも40重量%の不均質有機物質であって、少なくともセルロースを含む、不均質有機物質と、(ii)複数の合成ポリマーと、(iii)最大15重量%の無機物質と、を含み、当該複合材料が、複合材料の総重量のうち5重量%未満のポリエチレンテレフタレートPETを含み、当該複合材が、ISO14040:2006に従って判定される際、約-10KgCO2 eq/Kgを下回るカーボンフットプリントを有する、使用するための複合材料を提供する。また、複合材料を含む製造物品、製造物品を生成する方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素排出量を削減する際に使用するための複合材料であって、(i)前記複合材料の総重量のうち少なくとも40重量%の不均質有機物質であって、少なくともセルロースを含む、不均質有機物質と、(ii)複数の合成ポリマーと、(iii)最大15重量%の無機物質と、を含み、
前記複合材料が、前記複合材料の総重量のうち5重量%未満のポリエチレンテレフタレートPETを含み、
前記複合材が、ISO14040:2006に従って判定される際、約-10KgCO
2 eq/Kgを下回るカーボンフットプリントを有する、使用するための複合材料。
【請求項2】
最大40重量%の合成熱可塑性ポリマーを含む、請求項1に記載の使用するための複合材料。
【請求項3】
最大5重量%の合成熱可塑性ポリマーを含む、請求項1に記載の使用するための複合材料。
【請求項4】
1%未満のハロゲン化ポリマーを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用するための複合材料。
【請求項5】
前記不均質有機物質が、有機不均質廃棄物を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用するための複合材料。
【請求項6】
2%のクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)(CTAB)を含む溶液から抽出される際、少なくとも0.1mg/gのDNAを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用するための複合材料。
【請求項7】
0.9g/cm3~1.2g/cm
3の密度を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用するための複合材料。
【請求項8】
更に少なくとも1つの合成ポリマーと組み合わされ、前記組み合わせが、前記合成ポリマー単独のカーボンフットプリントよりも統計的に有意に低い前記カーボンフットプリントを呈する、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用するための複合材料。
【請求項9】
70重量%のポリプロピレン(PP)で射出成形に供されたその試料の場合、前記試料が、以下のうちの少なくとも1つ:
-少なくとも少なくとも1,000MPaの引張弾性率、
-少なくとも1,000MPaの曲げ弾性率、
-少なくとも15MPaの曲げ応力、を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用するための複合材料。
【請求項10】
1つ以上の合成ポリマーと請求項1~9のいずれか一項に記載の複合材料との組み合わせを含む、製造物品であって、前記1つ以上の合成ポリマーの総カーボンフットプリントよりも低いカーボンフットプリントを呈する、製造物品。
【請求項11】
少なくとも1つの熱可塑性合成ポリマーを含む、請求項10に記載の製造物品。
【請求項12】
少なくとも10%の合成ポリマーを含む、請求項10又は11に記載の製造物品。
【請求項13】
負のカーボンフットプリントを有する、請求項10~12のいずれか一項に記載の製造物品。
【請求項14】
製造物品を生成する方法であって、前記方法が、1つ以上の合成ポリマーと、請求項1~9のいずれか一項に記載の複合材料と、の溶融物を形成することと、前記溶融物を前記製造物品の形状に成形することと、を含む、方法。
【請求項15】
製造物品を生成する方法であって、前記方法が、1つ以上の合成ポリマーであって、前記1つ以上の合成ポリマーの各々が、ISO14040:2006に従って判定される際、カーボンフットプリントを有する、1つ以上の合成ポリマーを、請求項1~9のいずれか一項に記載の複合材料と混合することを含み、前記製造物品が、前記1つ以上の合成ポリマーのカーボンフットプリントよりも統計的に有意に低いカーボンフットプリントによって特徴付けられる、方法。
【請求項16】
前記1つ以上の合成ポリマーが、未使用プラスチックである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記製造物品が、少なくとも10重量%の前記1つ以上の合成ポリマーを含む、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記製造物品が、少なくとも30重量%の前記1つ以上の合成ポリマーを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ以上の合成ポリマーが、ポリオレフィン及び生分解性ポリマーからなる群から選択される、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記1つ以上の合成ポリマーが、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ乳酸(PLA)から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記製造物品が、少なくとも10重量%の前記複合材料を含む、請求項14~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記1つ以上の合成ポリマーと、前記複合材料と、のブレンドの押出成形、射出成形、圧縮成形のうちのいずれか1つ又は組み合わせを含む、請求項14~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
1つ以上の合成ポリマーを含む製造物品の製造に伴う炭素排出量を削減する方法であって、前記方法が、前記1つ以上の合成ポリマーと、i)前記複合材料の総重量のうち少なくとも40重量%の不均質有機物質であって、少なくともセルロースを含む、不均質有機物質と、(ii)複数の合成ポリマーと、(iii)最大15重量%の無機物質と、を含む、複合材料と、のブレンドを有する、前記製造物品を製造することを含み、
前記複合材料が、前記複合材料の総重量のうち5重量%未満のポリエチレンテレフタレートPETを含み、
前記複合材が、ISO14040:2006に従って判定される際、約-10KgCO
2 eq/Kgを下回るカーボンフットプリントを有する、方法。
【請求項24】
前記ブレンドが、少なくとも10重量%の少なくとも1つの合成ポリマーを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ブレンドが、少なくとも10重量%の前記複合材料を含む、請求項23又は24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、温室効果ガス及び炭素排出量、並びにそれらを削減するための製品及び方法に関する。
【0002】
参考文献
現在開示されている主題の背景として関連すると考えられる参考文献を以下に挙げる。
-国際特許出願公開第10082202号
【0003】
本明細書における上記の参考文献の認識は、これらが現在開示されている主題の特許性に何らかの形で関連していることを意味するものとして推論されるべきではない。
【背景技術】
【0004】
国際公開第10082202号は、熱可塑性特性を有し、有機物質と、任意選択的に無機物質及びプラスチック物質の一方又は両方と、を含む、複合材料を説明している。そのような複合材料は、生活廃棄物などの廃棄物から調製することができる。複合材料の調製のために、廃棄物は、乾燥及び粒子化される。次いで、乾燥及び粒子化された廃棄物材料は、剪断力下で混合しながら加熱される。複合材料は、有用な物品を得るために加工される。
【発明の概要】
【0005】
現在開示されている主題の第1の態様によれば、複合材料であって、i)複合材料の総重量のうち少なくとも40重量%の不均質有機物質であって、少なくともセルロースを含む、不均質有機物質と、(ii)複数の合成ポリマーと、(iii)最大15重量%の無機物質と、を含み、
当該複合材料が、複合材料の総重量のうち5重量%未満のポリエチレンテレフタレートPETを含み、
当該複合材が、ISO14040:2006に従って判定される際、約-10KgCO2 eq/Kgを下回るカーボンフットプリントを有する、複合材料が提供される。
【0006】
複合材料は、特に、炭素排出量を削減する際に使用するためのものである。したがって、本開示の文脈において、現在開示されている複合材料に言及する場合、複合材料自体を指し、なお、いくつかの例では、その意図された用途を優先して指すことが理解されるべきである。
【0007】
現在開示されている主題の第2の態様によれば、製造物品であって、1つ以上の熱可塑性合成ポリマーと本明細書で定義される複合材料との組み合わせを含み、1つ以上の合成ポリマーの総カーボンフットプリントよりも低いカーボンフットプリントを呈する、製造物品が提供される。
【0008】
更に、現在開示されている主題の第3の態様によれば、製造物品を生成する方法であって、本方法が、1つ又はモル(mor)の合成ポリマーと、本明細書で定義される複合材料と、の溶融物を形成することと、溶融物を製造物品に成形することと、を含む、方法が提供される。更なる方法は、1つ以上の合成ポリマーであって、1つ以上の合成ポリマーの各々が、ISO14040:2006に従って判定される際、カーボンフットプリントを有する、1つ以上の合成ポリマーを、本明細書で定義される複合材料と混合することに関し、当該製造物品が、当該1つ以上の合成ポリマーのカーボンフットプリントよりも統計的に有意に低いカーボンフットプリントによって特徴付けられる。
【0009】
最後に、現在開示されている主題の第4の態様によれば、1つ以上の合成ポリマーを含む製造物品の製造に伴う炭素排出量を削減する方法であって、本方法が、当該1つ以上の合成ポリマーと、i)複合材料の総重量のうち少なくとも40重量%の不均質有機物質であって、少なくともセルロースを含む、不均質有機物質と、(ii)複数の合成ポリマーと、(iii)最大15重量%の無機物質と、を含む、複合材料と、のブレンドを有する、当該製造物品を製造することを含み、
当該複合材料が、複合材料の総重量のうち5重量%未満のポリエチレンテレフタレートPETを含み、
当該複合材が、ISO14040:2006に従って判定される際、約-10KgCO2 eq/Kgを下回るカーボンフットプリントを有する、方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に開示されている主題をより良く理解し、実際にそれがどのように実行され得るかを例示するために、添付の図面を参照して、非限定的な例としてのみ、実施形態をここで説明する。
【
図1】以下のパラメータを含む、回避された排出量を計算するための一次減衰(First Order Decay、FOD)法のための式を提供する:モデル補正係数(「10」)、固形廃棄物処理場(Solid Waste Disposal Site、SWDS)で捕捉されたメタンの画分(「20」)、メタンの地球温暖化係数の影響(「30」)、酸化係数(「40」)、炭素のメタンへの変換(「50」)、SWDSでのメタンの画分(「60」)、分解することができる分解性有機炭素の画分(「70」)、メタン補正係数(「80」)、分析期間の区別(「90」)、廃棄物タイプの区別(「100」)、SWDSでの処分が阻止された固形廃棄物(Solid Waste、SW)タイプjの量(「110」)、廃棄物タイプにおける分解性有機炭素の画分(「120」)、廃棄物タイプによる減衰率(「130」)、再調査下の分析期間(「140」)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
不均質廃棄物から使用可能な複合材料を生成することは、多くの課題に直面する。なお、世界中で毎日作り出されている廃棄物の量により、そこから新しい有用な材料を再び作り出すことが求められている。そのため、有機廃棄物、特に、食品廃棄物管理は、地方、地域、国、及び国際政府によって最優先事項として掲げられる必要がある。
【0012】
現在開示されている主題は、負のカーボンフットプリントを有する複合材料の開発に基づいており、したがって、正のカーボンフットプリントを有し、したがって、環境及び温室効果にとって好ましくないとみなされる合成ポリマー(プラスチック)のための「希釈剤」として使用することができる。
【0013】
具体的には、かつその最も広い態様によれば、現在開示されている主題は、好ましくは、炭素排出量を削減する際に使用するための(例えば、温室効果炭素排出量を削減する際に使用するための)複合材料を提供する。
【0014】
本明細書に開示される複合材料は、(i)複合材料の総重量のうち少なくとも40重量%の不均質有機物質であって、少なくともセルロースを含む、不均質有機物質と、(ii)複数の合成ポリマーと、(iii)最大15重量%の無機物質と、を含み、
複合材料が、複合材料の総重量のうち5重量%未満、好ましくは、4重量%未満、又は更には3重量%以下のポリエチレンテレフタレートPETを含み、
複合材が、ISO14040:2006に従って判定される際、約-10KgCO2 eq/Kgを下回るカーボンフットプリントを有する。
【0015】
本開示の文脈において、「複合材料」に言及する場合、2つ以上の構成材料の本質的に均一に分布したブレンドとして理解されるべきであり、2つ以上の構成材料は、それらの化学的及び/又は物理的特性において異なり、なお、一緒に融合/組み合わされて、それを形成する個々の材料とは特性が異なる材料を作り出す。
【0016】
現在開示されている複合材料は、非プラスチック/非合成の不均質有機物質を含む。
【0017】
不均質(非プラスチック/非合成)有機物質に言及する場合、植物廃棄物、植物由来製品からの廃棄物、動物破片、動物系食品からの廃棄物などを起源とし得る異なる天然由来物質の混合物を包含することが理解されるべきである。
【0018】
いくつかの例では、有機物質は、セルロース系材料の不均質ブレンドを含む。これには、リグノセルロース、セルロース、リグニン、及び/又はヘミセルロースバイオマス、並びにそれらの任意の誘導体又は修飾形態の任意の組み合わせが含まれる。以下において、「セルロース」という用語は、リグノセルロース、セルロース、リグニン、及びヘミセルロース、並びにそれらの誘導体又は修飾体のうちのいずれか1つ又は組み合わせを集合的に指す。
【0019】
セルロース含量は、以下に説明される条件下で、ISO11358(重量損失>5%)に従って行われるTG-DSCによって判定することができる。
【0020】
現在開示されている主題のいくつかの例では、複合材料内の非プラスチック不均質有機物質の量は、ISP11358に従って、少なくとも40重量%、時には少なくとも45重量%、時には少なくとも50重量%、時には少なくとも55重量%、時には少なくとも60重量%、時には少なくとも65重量%、時には少なくとも70重量%、時には少なくとも75重量%、時には少なくとも80重量%、時には少なくとも85重量%、時には少なくとも90重量%であると判定される。
【0021】
現在開示されている主題の複合材料は、従来のDNA抽出プロトコルにおけるクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)(CTAB)溶液を使用して検出されるDNA物質(有機物質の一部としての)の存在によっても特徴付けることができ、これは、例えば、Yi,S.,Jin,W.,Yuan,Y.and Fang,Y.(2018).An Optimized CTAB Method for Genomic DNA Extraction from Freshly-picked Pinnae of Fern,Adiantum capillus-venerisL.Bio-protocol8(13):e2906.DOI:10.21769/BioProtoc.2906によって説明されている(本開示の不可欠な部分を形成する実施例も参照されたい)。
【0022】
現在開示されている主題のいくつかの例では、複合材料内のDNAの量は、少なくとも0.1mg/g、時には少なくとも0.5mg/g、時には少なくとも1mg/g、時には少なくとも2mg/g、時には少なくとも3mg/g、時には少なくとも4mg/g、時には少なくとも5mg/g、時には少なくとも6mg/g、時には少なくとも7mg/g、時には少なくとも8mg/g、時には少なくとも9mg/g、時には少なくとも10mg/g、時には少なくとも11mg/g、時には少なくとも12mg/g、時には少なくとも13mg/g、時には少なくとも14mg/g、時には少なくとも15mg/gである。
【0023】
現在開示されている主題のいくつかの例では、特に複合材料が本質的にプラスチックを含まない場合(以下に更に説明されるように)、DNAの量は、少なくとも10mg/g、又は更には少なくとも15mg/gである。
【0024】
現在開示されている主題のものの複合材料はまた、従来のプロトコルを使用して検出されるクロロフィル(また、有機物質の一部)の存在によって特徴付けることができる。
【0025】
いくつかの例では、クロロフィル含量は、現在開示されている主題の複合材料の試料に1mlのジメチルホルムアミド(dimethylformamide、DMF、1.5mlのチューブ中)を添加することによって判定される。チューブを4℃で一晩インキュベートして、クロロフィルをDMF溶液に溶解させる。試料溶液(300μl)を、新しいエッペンドルフチューブ中で600μlのDMFと混合する(試料の体積当たり2体積のDMF)。吸光度(A)を、石英キュベットを使用して、647nm及び664.5nmの波長で、分光光度計において取得する。クロロフィル含量を、以下の関係式を使用して計算する:
クロロフィルa含量(μg/ml)=(12×A664.5)-(2.79×A647)
クロロフィルb含量(μg/ml)=(20.78×A647)-(4.88×A664.5)
【0026】
いくつかの例では、現在開示されている主題の複合材料中のクロロフィルの量は、少なくとも95μg/gである。
【0027】
いくつかの例では、現在開示されている複合材料は、本質的に合成物を含まない、すなわち、最大10重量%の合成ポリマー(合成プラスチック)を含む。そのような複合材料は、本明細書では、時には、「有機複合材」という用語で称される。
【0028】
いくつかの例では、現在開示されている主題は、10重量%超の合成ポリマーを含む。「合成ポリマー」又は簡潔に「合成プラスチック」という用語は、生活及び/又は産業廃棄物中に典型的に存在するプラスチックの混合物、なお当技術分野で公知の任意の他の合成プラスチックも指すことが理解されるべきである。
【0029】
現在開示されている主題のいくつかの例によれば、有機複合材は、9重量%未満の合成ポリマー、時には、8重量%未満の合成ポリマー、時には7重量%未満の合成ポリマー、時には6重量%未満の合成ポリマー、時には5重量%未満の合成ポリマー、時には4重量%未満の合成ポリマー、時には3重量%未満の合成ポリマー、時には2重量%未満の合成ポリマー、時には1重量%未満の合成ポリマー、時には非検出可能量の合成ポリマーを含む現在開示されている主題の複合材料である。
【0030】
いくつかの例では、本開示の有機複合材料は、多くとも3重量%の合成ポリマーを含む。
【0031】
いくつかの例では、現在開示されている複合材料は、本明細書に説明されるTG-DSC分析条件を使用して調査した場合、非検出可能量の合成ポリマーを有する(以下に説明される条件下で、ISO11358に従って行われたTG-DSC(重量損失>5%))。
【0032】
いくつかの代替的な例では、複合材料は、複合材料の総重量のうち10重量%超、なお10重量%~40重量%の量の合成ポリマーを含む。10重量%超であるが最大40重量%の合成ポリマーを含む本明細書に開示される複合材料は、本明細書では「プラスチックレス複合材」という用語で称される。
【0033】
現在開示されている主題の上記及び下記の説明において、「複合材料」という用語は、有機複合材及びプラスチックレス複合材、並びに現在開示されている主題の範囲に収まる他のタイプの複合材料を集合的に指す。
【0034】
現在開示されている主題のいくつかの例では、プラスチックレス複合材料は、最大35重量%の量、時には最大30重量%の量、時には最大25重量%の量、時には最大20重量%の量、時には最大15重量%の量、時には10重量%~135重量%の量、時には10重量%~30重量%の量、時には10重量%~20重量%の量の合成ポリマーを含む。
【0035】
現在開示されている複合材料中に存在する合成ポリマー(それが有機であってもプラスチックレスであっても)は、1つ以上のポリオレフィンを含むことができる。ポリオレフィンに言及する場合、それには、高密度ポリエチレン(high density polyethylene、HDPE)、低密度ポリエチレン(low density polyethylene、LDPE)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)が含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
現在開示されている主題のいくつかの例では、合成ポリマーには、1つ以上のポリアクリロニトリルが含まれる。
【0037】
現在開示されている主題のいくつかの例では、合成ポリマーには、1つ以上のポリブタジエンが含まれる。
【0038】
現在開示されている主題のいくつかの例では、合成ポリマーには、1つ以上のポリカーボネートが含まれる。
【0039】
現在開示されている主題のいくつかの例では、合成ポリマーには、1つ以上のポリアミド(polyamide、PA)が含まれる。
【0040】
現在開示されている主題のいくつかの例では、合成ポリマーには、1つ以上のエチレンビニルアルコールコポリマー(ethylene vinyl alcohol copolymer、EVOH)が含まれる。
【0041】
現在開示されている主題のいくつかの例では、合成ポリマーには、1つ以上のポリウレタン(polyurethane、PU)が含まれる。
【0042】
本開示の文脈において、合成ポリマーにPETが含まれる場合、その量は、上記及び下記で更に考察されるように、複合材料の総重量のうち5重量%未満、又は更には4重量%未満、又は更には3重量%未満、又は更には2重量%未満、又は更には1重量%未満である。
【0043】
いくつかの例では、合成ポリマーには、1つ以上の熱硬化性樹脂、例えば、加硫ゴム、加硫された熱可塑性ポリマー(thermoplastic polymers vulcanized、TPV)、及び/又はポリウレタン(PU)が含まれる。
【0044】
本明細書において「未満」に言及する場合、それは、いくらかの規定された量を意味するが、分析下の成分に関連する適切な測定方法によって判定される非検出可能量も意味することが理解されるべきである。例えば、この用語が合成ポリマーを指す場合、5重量%未満の量はまた、ISO11358に従って行われるTG-DSC分析を使用して判定されるような非検出可能量(重量損失>5%)を意味する。
【0045】
現在開示されている主題のいくつかの例では、複合材料は、無機物も含む。無機物質の量は、複合材料中に存在する場合、当技術分野で公知の条件下でのTG-DSC分析、誘導結合プラズマ原子発光分光法(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission spectroscopy、ICP-AES)を使用して、又は本明細書に(例えば、実施例セクションに)説明されるように判定することができる。
【0046】
現在開示されている主題のいくつかの例では、複合材料中に存在する無機物質は、TG-DSC分析又は誘導結合プラズマ原子発光分光法(ICP-AES)を使用して判定される際、複合材料の総重量のうち最大約15重量%の量、時には最大約10重量%の量、時には最大5重量%の量、時には最大約4重量%、3重量%、2重量%、又は更には最大1重量%の量である。
【0047】
現在開示されている主題のいくつかの例では、無機物質の量は、上記で列挙された下限と上限との間の任意の範囲内であり得る。例えば、無機物質は、約1%~15重量%、例えば、約5重量%~10重量%、又は約1重量%~10重量%、又は約3重量%~8重量%などの範囲内の任意の範囲であり得る。
【0048】
いくつかの例では、現在開示されている主題の複合材料内の無機物質は、都市、家庭、及び/又は産業廃棄物中に典型的に存在する材料を指す。これには、砂、石、ガラス、セラミック及び他の鉱物、並びに例えばアルミニウム、鉄、銅を含む金属が含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
現在開示されている主題のいくつかの例では、無機物質は、シリケートを含む。シリカが存在する場合、その量は、多くとも10mg/gである。いくつかの例では、複合材料中のシリカ量は、多くとも7mg/g、時には多くとも6mg/g、時には多くとも5mg/g、時には多くとも4mg/g、時には多くとも3mg/g、時には多くとも2mg/g、時には多くとも1mg/gである。
【0050】
現在開示されている主題のいくつかの例では、シリケート及び他の無機元素の量は、誘導結合プラズマ原子発光分光法(ICP-AES)の技術においてアルゴンプラズマを使用して判定することができ、その詳細は、以下で更に考察される量で、本開示の不可欠な部分を形成する以下の実施例において提供される。
【0051】
複合材料は、ISO14040:2006のライフサイクルアセスメント(life cycle assessment、LCA)に従って判定される際、約-10KgCO2 eq/Kgを下回るカーボンフットプリントによって特徴付けられる。
【0052】
現在開示されている主題の文脈において、「カーボンフットプリント」という用語は、複合材料から排出される二酸化炭素(CO2)又はCO2等価物の量を示すために使用される。
【0053】
現在開示されている主題の文脈において、「炭素オフセット」又は「炭素オフセットすること」という用語は、大気中の二酸化炭素の等価削減を行うことによって二酸化炭素排出量を補償する行為又はプロセスを示すために使用される。
【0054】
現在開示されている主題の文脈において、カーボンフットプリントの判定は、UNクリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism、CDM)のMethodology Tool 4(V.8.0、その詳細は、https://cdm.unfccc.int/Reference/tools/index.htmlで見出される)及び代替的な廃棄物処理プロセスのための統合された方法論(ACM0022、その詳細は、https://cdm.unfccc.int/methodologies/DB/YINQ0W7SUYOO2S6GU8E5DYVP2ZC2N3で見出される)を利用する。注目すべきことに、CDMメカニズムは、欧州連合、英国、米国、及びイスラエルを含む全ての市場において適用可能である。
【0055】
Tool 4は、固形廃棄物処理場(SWDS)からの排出量に関する。想定されるベースラインシナリオ(廃棄物管理/リサイクル施設を用いない状態で)は、部分的に管理された埋立地における都市固形廃棄物(municipal solid waste、MSW)の処分である。埋立地は、嫌気性条件を生み出し、その条件下で、有機廃棄物は、分解するときにメタンを作り出す。理解されるように、メタンは非常に強力な温室効果ガス(greenhouse gas、GHG)であり、地球温暖化係数(global warming potential、GWP)は、20年のタイムラインで考慮された場合に二酸化炭素(CO2)よりも86倍高く(GWP20)、100年の分析期間では34倍高い(GWP100)(これに関連して、https://www.ipcc.ch/site/assets/uploads/2018/02/WG1AR5_Chapter08_FINAL.pdf、714頁、表8.7.も参照されたい)。本明細書に開示される複合材料は、有機廃棄物を、とりわけ、埋立地から転用し、それをメタンのこの発生を阻止する生成物に変換することによって、顕著な必要性に対する解決策を提供する。
【0056】
現在開示されている主題の文脈において、回避された排出量の判定は、一次減衰法(FOD)によって判定することができ、それは、以下のパラメータを含む:
-SWDSガス中のメタンの画分
-SWDSで捕捉されたメタンの画分
-SWDS覆土(covering)によって酸化されたメタンの量
-メタン補正係数
-モデルの不確実性を説明するためのモデル補正係数
-処理された各タイプの廃棄物の量
-分解性有機炭素(degradable organic carbon、DOC)の画分
-各タイプの廃棄物についての減衰率
【0057】
【0058】
FODパラメータに使用される中心値を表1A及び1Bに示す。
【0059】
【0060】
【0061】
カーボンフットプリントの判定を考慮する場合、以下の用語の定義を考慮に入れるべきである。
【0062】
嫌気性分解-酸素の非存在下での分解。有機廃棄物は、酸素の存在下で分解するとCO2を生成するが、嫌気性条件下ではより強力なGHGメタンを生成する(https://www.epa.gov/lmop/basic-information-about-landfill-gas)。
【0063】
ベースラインシナリオ-提案されたプロジェクト又は活動がない状態で生じるであろう状況(別名「business as usual」、https://cdm.unfccc.int/Reference/Guidclarif/glos_CDM.pdf)。
【0064】
二酸化炭素(CO2)-地球上で最も豊富な温室効果ガス(GHG)。二酸化炭素は天然に生じるが、輸送、エネルギー発生、及び工業プロセスを含む多くの人間の活動によっても放出される。100万分率(parts per million、ppm)で測定される(https://www.epa.gov/ghgemissions/overview-greenhouse-gases#carbon-dioxide)。
【0065】
二酸化炭素換算(CO2eq)-他のGHGの地球温暖化係数(GWP)、及びプロセス、活動、又は製品のカーボンフットプリントをCO2に関して表すために使用される尺度(https://ec.europa.eu/eurostat/statistics-explained/index.php/Glossary:Carbon_dioxide_equivalent)
【0066】
カーボンフットプリント-製品の寿命の間に又は組織の活動によって引き起こされる炭素排出量を測定するために気候変動影響カテゴリのみに焦点を当てたライフサイクルアセスメント(LCA)(関連するISO規格は、14067である、(https://www.iso.org/standard/71206.html)
【0067】
カーボンネガティブ-カーボンネガティブな製品、プロセス、又は組織は、発生させるよりも多くの炭素排出量を隔離又は阻止しなければならない。以下で更に考察されるように、本明細書に開示される複合材料は、カーボンネガティブ(別名「クライメートポジティブ」製品である(https://www.vox.com/the-goods/2020/3/5/21155020/companies-carbon-neutral-climate-positive)。
【0068】
クライメートポジティブ-クライメートポジティブな製品、プロセス、又は組織は、それを発生させるよりも多くの炭素排出量を隔離又は阻止しなければならない。本明細書に詳述されるように、本明細書に開示される複合材料は、クライメートポジティブ(別名「カーボンネガティブ」)製品である。
【0069】
クリーン開発メカニズム(CDM)-GHG排出量を削減し、認証された排出削減量ユニット(Certified Emission Reduction、CER)を生み出すプロジェクトを提供するために京都議定書において定義された方法論であり、それは、排出量取引スキームにおいて取引され得る(https://cdm.unfccc.int/)。上記及び下記で説明されるように、このCDM方法論は、本明細書に開示される複合材料のライフサイクルアセスメント(LCA)のための回避された排出量を計算するために使用することができ、そのために使用された。
【0070】
クレードル-トゥ-ゲート-クレードル-トゥ-ゲートLCAは、製品が製造業者又は工場のゲートを出るまで、生成プロセスを通して抽出段階からの炭素排出量を考慮する。これには、工場への輸送が含まれるが、顧客への輸送は含まれない(https://circularecology.com/glossary-of-terms-and-definitions.html#.X-Ir1C-ZPOQ)。
【0071】
エンド・オブ・ライフ(End of life、EOL)-製品の寿命の処分段階を指す。一般的なEOLオプションには、埋立て、化学的及び機械的リサイクル、堆肥化、並びに焼却が含まれる(https://www.wur.nl/en/article/Waste-stage-end-of-life-options-1.htm)。
【0072】
温室効果ガス(GHG)-放射線が地球の大気から出るのを阻止し、温室効果を引き起こすことによって熱を捕捉する可能性を有するガス。二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、及び水蒸気は、最も重要なGHGであり、程度は低いものの地表レベルオゾン、亜酸化窒素、及びフッ素化ガスも同様である(https://www.epa.gov/ghgemissions/overview-greenhouse-gases)
【0073】
地球温暖化係数(GWP)-放射線を捕らえ、加熱を引き起こすGHGの能力。全てのGHGのGWPは、CO2のGWPに基づき、CO2 CO2eqとして表される。異なるガスは異なる寿命を有するため、ガスのGWPは、分析された時間量に依存する。CO2に対して短い寿命を有するガスは、ガスが大気中で破壊されると効果が減少し始めるので、より短い分析期間でより大きいGWPを有するであろう(https://www.ipcc.ch/site/assets/uploads/2018/02/WG1AR5_Chapter08_FINAL.pdf)。
【0074】
GWP20-メタンがCO2よりも86倍強力である、20年の分析期間におけるGWP(https://www.ipcc.ch/site/assets/uploads/2018/02/WG1AR5_Chapter08_FINAL.pdf)。
【0075】
GWP100-メタンがCO2よりも34倍強力である、100年の分析期間におけるGWP(https://www.ipcc.ch/site/assets/uploads/2018/02/WG1AR5_Chapter08_FINAL.pdf)。
【0076】
京都議定書-拘束力のある排出削減目標を設定する、1997年に採用され、2005年に発効された合意である。排出許可証の取引に基づくCDMなどの確立された柔軟な市場メカニズム。
【0077】
ライフサイクルアセスメント(LCA)-製品、プロセス、又は組織の環境的影響の定量分析。影響カテゴリ(例えば、炭素排出量又は水使用)及びシステムの境界(例えば、クレードル-トゥ-ゲート)は、評価の目標に依存して変動し得るが、それらは明確に記述されなくてはならない。関連するISO規格は、14040及び14044である(https://pre-sustainability.com/legacy/download/Life-Cycle-Based-Sustainability-Standards-Guidelines.pdf)。
【0078】
システム境界-製品、プロセス、又は組織に関連付けられた活動がLCAで考慮される程度を説明する。境界は、生成の段階、地理的エリア、及び時間間隔を考慮し得る(https://ec.europa.eu/environment/life/project/Projects/index.cfm?fuseaction=home.showFile&rep=file&fil=ECOIL_Life_Cycle.pdf)。
【0079】
上記に基づいて、現在開示されている複合材料は、-10KgCO2 eq/Kg以下、時には-11KgCO2 eq/Kg以下のカーボンフットプリントを有することが判定された。いくつかの例では、複合材料は、-12KgCO2 eq/Kg以下のカーボンフットプリントを有する。いくつかの例では、複合材料は、-13KgCO2 eq/Kg以下のカーボンフットプリントを有する。いくつかの例では、複合材料は、-14KgCO2 eq/Kg以下のカーボンフットプリントを有する。いくつかの例では、複合材料は、-15KgCO2 eq/Kg以下のカーボンフットプリントを有する。いくつかの例では、複合材料は、-16KgCO2 eq/Kg以下のカーボンフットプリントを有する。いくつかの例では、複合材料は、-17KgCO2 eq/Kg以下のカーボンフットプリントを有する。いくつかの例では、複合材料は、-18KgCO2 eq/Kg以下のカーボンフットプリントを有する。
【0080】
現在開示されている主題のいくつかの例では、複合材料が有機複合材である、すなわち、最大10重量%のプラスチックを含むか、又は更にはプラスチックを本質的に含まない場合、そのカーボンフットプリントは、-11KgCO2 eq/Kg以下、時には-15KgCO2 eq/Kg以下、時には-18KgCO2 eq/Kg以下である。
【0081】
現在開示されている主題のいくつかの例では、複合材料がプラスチックレス複合材である、すなわち、10重量%~40重量%のプラスチックを含む場合、そのカーボンフットプリントは、-10KgCO2 eq/Kg以下、時には-11KgCO2 eq/Kg以下、時には-11.5KgCO2 eq/Kg以下である
【0082】
複合材料は、以下で更に説明されるように、外部的に添加された合成ポリマー、例えば、未使用プラスチックと組み合わせることができる。注目すべきことに、複合材料がポリプロピレン(PP)又はポリ乳酸(polylactic acid、PLA)などの未使用プラスチックポリマーと組み合わされる場合に、複合材料は、合成ポリマーのカーボンフットプリントを、現在開示されている複合材料の非存在下で合成ポリマーのカーボンフットプリントを下回って有意に低減する。これは、有機(本質的にプラスチックを含まない)複合材料のカーボンフットプリントを示す、表3A及び4に提示された非限定的な例から明らかである。更に、表4は、有機/プラスチックを含まない複合材料が、PP又はPLAなどの70%の合成ポリマーとともに配合された場合、これら2つのポリマーのカーボンフットプリントは、それぞれ、2.7KgCO2 eq/Kgから-3.3KgCO2 eq/Kgまで、及び3.8KgCO2 eq/Kgから-2.6KgCO2 eq/Kgまで削減されたことを示す。
【0083】
現在開示されている主題のいくつかの例では、複合材料は、220℃以下の熱重量分析(Thermogravimetric analysis、TGA)曲線における重量損失開始温度を有する。複合材料が本質的にプラスチックを含まない場合、重量損失開始温度は、180℃以下である。
【0084】
現在開示されている主題のいくつかの例では、複合材料は、70重量%のポリプロピレン(PP)によって射出成形に供されたその試料に対するその物理的特性によって特徴付けることができる。
【0085】
現在開示されている主題のいくつかの例では、射出成形試験片は、少なくとも少なくとも1,000MPa、時には少なくとも1,100MPa、時には少なくとも1,200MPaの引張弾性率(ISO-527-2に従う)によって特徴付けられる。いくつかの例では、引張弾性率は、1,000MPa~1,400MPaの範囲内である。
【0086】
現在開示されている主題のいくつかの例では、射出成形試験片は、少なくとも12MPa、時には少なくとも13MPa、時には少なくとも13.5MPaの降伏点引張応力(ISO-527-2に従う)によって特徴付けられる。
【0087】
現在開示されている主題のいくつかの例では、射出成形試験片は、少なくとも2.2%、時には少なくとも2.3%、時には少なくとも2.4%、時には少なくとも2.5%、時には少なくとも2.6%、時には少なくとも2.7%、時には少なくとも2.8%の降伏点引張ひずみ(ISO-527-2に従う)によって特徴付けられる。いくつかの例では、降伏点引張ひずみは、2.2%~2.85%の範囲にある。
【0088】
現在開示されている主題のいくつかの例では、射出成形試験片は、少なくとも3.2%、時には少なくとも3.3%、時には少なくとも3.4%、時には少なくとも3.5%、時には少なくとも3.6%、時には少なくとも3.7%の破断点引張ひずみ(全伸び、ISO-527-2に従う)によって特徴付けられる。
【0089】
本明細書に開示される主題のいくつかの例では、射出成形試験片は、少なくとも2.8kJ/m2、時には少なくとも2.9kJ/m2、時には少なくとも3.0kJ/m2、時には少なくとも3.1kJ/m2のノッチ付きアイゾット衝撃(衝撃強度、ISO-180に従う)によって特徴付けられる。
【0090】
現在開示されている主題のいくつかの例では、射出成形試験片は、少なくとも1,000MPa又は時には少なくとも1,100MPaの曲げ弾性率(ISO-178に従う)によって特徴付けられる。
【0091】
現在開示されている主題のいくつかの例では、射出成形試験片は、少なくとも15MPa、少なくとも20MPa、時には少なくとも21MPa、時には少なくとも22MPa、時には少なくとも23MPa、時には少なくとも24MPaの曲げ応力(ISO-178に従う)によって特徴付けられる。
【0092】
現在開示されている主題のいくつかの例では、射出成形試験片は、約0.97g/cm3又は0.98g/cm3の密度(ISO-1183に従う)によって特徴付けられる。
【0093】
現在開示されている主題のいくつかの例では、射出成形試験片は、25g/10分を上回るメルトフローインデックス(Melt Flow Index、MFI)230℃/2.16Kg(g/10分、ISO1130に従う)によって特徴付けられる。
【0094】
複合材料は、不均質取り込み材料を利用する方法によって調製される。本開示の文脈において、「取り込み材料」という用語は、典型的には、少なくとも40%の有機物質を含む生活/家庭廃棄物に由来する廃棄物物質を指すものとして理解されるべきである。
【0095】
現在開示されている主題のいくつかの例では、取り込み材料は、生不均質廃棄物に由来する。本開示の文脈において、「生不均質廃棄物」に言及する場合、それは、合成ポリマー(プラスチック)と、少なくともセルロースを含む非合成/非プラスチック有機物質と、無機物質と、の不均質ブレンドの組み合わせを含む材料として理解されるべきである。
【0096】
現在開示されている主題のいくつかの例では、生不均質廃棄物は、都市、産業、及び/又は家庭廃棄物から得られ、そのような選別されていない不均質廃棄物材料、つまり、いずれの実質的な産業選別プロセスにも供されていない不均質廃棄物材料を指す。いくつかの例では、生不均質廃棄物は、動物性材料、植物性材料などを起源とし得る異なる有機物質の組み合わせである。
【0097】
現在開示されている主題のいくつかの例では、生不均質廃棄物材料は、大きい所望されない廃棄物アイテムが除去される予備選別プロセスを受ける。例えば、生廃棄物は、金属、ガラス、及び大きい鉱物のいずれか1つを除去するために予備選別することができる。予備選別は、例えば、生廃棄物をコンベヤベルト上で搬送し、所望されない大きい廃棄物アイテムを識別することによって、手動で行うことができる。
【0098】
加えて、又は代替的に、予備選別は、典型的には鉄金属の分離及び除去のために、磁力を使用する分離(磁石ベースの分離)を含む。時には、磁石ベースの分離は、磁性金属及び合金の分離及び除去のために使用され、時には、強磁性材料の分離及び除去のために使用される。
【0099】
加えて、又は代替的に、予備選別は、典型的には非鉄金属の除去のための渦電流分離機を使用する分離を含む。
【0100】
予備選別プロセス(複数可)を受けた生廃棄物は、依然として、複数の不均質プラスチック物質、非プラスチック有機物質、及び無機物を含む。この選別された廃棄物は、金属を含まない不均質廃棄物と称される。
【0101】
次いで、金属を含まない不均質廃棄物を乾燥及び選別のいくつかのステップに供して、取り込み材料を得ることができる。
【0102】
現在開示されている主題の文脈において、乾燥に言及する場合、不均質廃棄物材料から水の一部分を除去することとして理解されるべきである。乾燥は、廃棄物から全ての水を除去するものとして解釈されるべきではない。いくつかの例では、生廃棄物は、約30%~40%w/wの水を含み、乾燥は、含水量の少なくとも50%、時には含水量の少なくとも60%、時には含水量の少なくとも70%、時には含水量の少なくとも80%、時には含水量の少なくとも90%、時には含水量の少なくとも95%の除去を伴う。このとき得られた廃棄物材料は、乾燥廃棄物材料とみなすことができる。乾燥廃棄物材料は、典型的には、10重量%未満の水(水分)を含む。
【0103】
いくつかの例では、乾燥廃棄物材料、したがって、取り込み材料は、10重量%未満の水、時には9重量%未満の水、時には8重量%未満の水、時には7重量%未満の水、時には6重量%未満の水、時には5重量%未満の水、時には4重量%未満の水、時には3重量%未満の水、時には2重量%未満の水を含む。
【0104】
乾燥は、当技術分野で公知の任意の手段によって達成することができる。
【0105】
いくつかの例では、乾燥は、不均質廃棄物を屋外に置き、それを乾燥させることによって達成される。いくつかの他の例では、乾燥は、廃棄物を乾燥空気流下及び/若しくはオーブンチャンバ中に置くことによって、並びに/又は液体を搾り出すことによって達成される。
【0106】
乾燥プロセスでは、水及び時にはいくらかの揮発性液体が除去される。これは、20℃で少なくとも15mmHgの蒸気圧を有する液体、例えば、エタノールを含み得る。
【0107】
現在開示されている主題のいくつかの例では、乾燥は、廃棄物中に元々存在する細菌を利用する生物乾燥プロセスによって達成される。この目的のために、廃棄物材料は、典型的には、温度制御された環境に置かれる。いくつかの例では、生物乾燥は、約70℃に維持された温度で実行される。
【0108】
現在開示されている主題のいくつかの例では、生物乾燥プロセスを誘導又は強化するために、細菌が不均質廃棄物材料(例えば、予備選別された廃棄物材料)に添加される。
【0109】
理論に束縛されるものではないが、残りの残留含水量は、乾燥/無水廃棄物材料の本開示の複合材料への変換を生じさせる化学プロセスにおいて役割を果たすと考えられる。
【0110】
現在開示されている主題のいくつかの例では、無水廃棄物は、次いで、粒子化された廃棄物材料を得るためにサイズ低減に供される。
【0111】
本開示の文脈において、「粒子状」又は「粒子化」という用語は、廃棄物材料のサイズ低減をもたらす任意のプロセス又はプロセスの組み合わせを包含すると理解されるべきである。粒子化/サイズ縮小は、造粒、寸断、細断、ダイシング、切断、破砕、崩壊、粉砕などのうちのいずれか1つ又は組み合わせによって起こり得る。
【0112】
現在開示されている主題のいくつかの例では、サイズ低減は、廃棄物(乾燥又は非乾燥、なお好ましくは乾燥)を、40mmを下回る、時には30mmを下回る、時には20mmを下回る、時には10mmを下回る平均サイズの粒子に寸断することを含む。
【0113】
時には、シュレッダ内の摩擦により、サイズ低減は、更なる水分低減(例えば、更に2%~3%)をもたらし得る。
【0114】
現在開示されている主題のいくつかの例では、廃棄物材料の加工は、2つ以上の乾燥段階を含む。いくつかの例では、第1の乾燥段階は金属除去後に行われ、第2の乾燥段階は廃棄物のサイズ低減後に行われる。
【0115】
現在開示されている主題のいくつかの例では、粒子状廃棄物は、次いで、残留金属及び/又は鉱物粒子(サイズ縮小段階前に除去されなかった「不純物」)が除去される(第1の金属除去プロセス後に残っているもの)洗浄プロセスに供される。
【0116】
現在開示されている主題のいくつかの例では、残留不純物は、重い粒子(例えば、金属粒子及び/若しくは鉱物)が重力によって排除される一方で、軽い廃棄物画分が収集され、かつ/又は次のプロセスステップに搬送される空気分離システムに粒子状物質を供することによって除去される。
【0117】
得られる軽い画分は、多くとも、少量の金属及び鉱物を含む。それに束縛されるものではないが、画分は、多くとも1%w/wの金属(第一鉄及び非鉄)並びに多くとも5%のミネラルを含むと考えられる。
【0118】
次いで、得られた軽い画分は、近赤外線(Near Infra-Red、NIR)を使用する合成物除去段階(複数可)に供される。NIRベースの分離は、ポリマータイプに基づいて(樹脂の波長シグネチャに基づいて)、所望されないプラスチック材料を他のプラスチック廃棄物から光学的に選別することを可能にする。NIR技術における当業者によって理解されるように、NIRベースの分離システムは、多くのポリマー及び他の化合物を含む異なるタイプの物質を同定することができるようにプログラムされる。システムのオペレータは、どの化合物が留まり、何が選別されるかを定義する。より具体的には、NIR分離ステップは、ポリオレフィンと非相溶性のポリマー、例えば、200℃を上回る、若しくは更には210℃を上回る融点を有するポリマー、及び/又はハロゲン化ポリマー及び/又はアリール含有有機化合物、並びに所望に応じて任意選択的に他のポリマーを含む、除去される物質ごとのアルゴリズムを装備するシステムを利用する。このアルゴリズムは、それに応じて各化合物の同定及び分離を可能にする。これに関連して、各化学物質は、化学物質の「フィンガープリント」IDである複雑なIRスペクトルを有することが当業者には理解される。このフィンガープリントは、任意の公的に利用可能な「Chemical Atlas」において見出され得、コンピュータープログラムによって認識される。
【0119】
加えて、NIRベースの分離を使用して、手動で除去するよりもはるかに多くの合成ポリマーを除去することが可能であることが見出された。したがって、プラスチックを選択的に除去する可能性がNIRベースの分離によって提供されるだけでなく、定量的に、5重量%を下回る、又は更には4重量%を下回る、又は更には3重量%を下回る合成ポリマーレベルに達することが可能であり、これは、手動分離だけでは不可能である。
【0120】
NIRベースの分離は制御可能であり、つまり、取り込み材料からプラスチックを選択的に除去することが可能である。NIRベースの分離の結果は、本明細書ではNIR加工された取り込み材料という用語で称される。
【0121】
したがって、現在開示されている主題のいくつかの例では、NIRベースの分離は、ハロゲン化ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル(polyvinylchloride、PVC))及びアリール含有化合物及び/又は少なくとも200℃以上の融点範囲を有するポリマーを選択的に除去するように制御される。この場合、得られるNIR加工された取り込み材料は、少なくともPVC、ポリスチレン(polystyrene、PS)、より重要なことにはPETを少量有するであろう。具体的には、アリール含有化合物及びハロゲン化ポリマーが本質的に除去されたNIR加工された取り込み材料は、5%未満のPET、並びに任意選択的に1%未満のPVC及び/又は3%未満のPSを含有する。次いで、この「プラスチックレス」取り込み材料は、現在開示されている複合材料(合成ポリマー除去のレベルに依存して、プラスチックレス又は有機)の生成に使用される。
【0122】
現在開示されている主題のいくつかの例では、NIRベースの分離は、ポリオレフィンと非相溶性であると当技術分野で認識されている少なくともポリマーの分離を可能にする様式で操作される。
【0123】
いくつかの好ましい例では、NIRベースの分離は、アリール含有有機化合物、及び好ましくはスチレン又はポリスチレン有機ポリマーの分離、並びに少なくとも、全てではないにしても検出可能量のポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)のほとんどの除去を可能にする様式で操作される。したがって、NIRベースの分離は、5重量%未満、時には4重量%未満、時には3重量%未満、時には、2重量%未満、時には、1重量%未満、時には0重量%~3重量%の量のPETを含む有機取り込み材料を提供する(0重量%は、ISO11358に従って判定される際、非検出可能量のPETを意味する。
【0124】
いくつかの追加的な例では、NIRベースの分離は、ポリ塩化ビニル(PVC又はビニル)樹脂などの少なくともハロゲン化ポリマー樹脂の分離を可能にする様式で操作される。
【0125】
NIR加工された取り込み材料は、剪断力下で加熱しながら混合に供される。
【0126】
いくつかの例では、NIR加工された取り込み材料は、高速混合に供される。
【0127】
いくつかの例では、NIR加工された取り込み材料は、押出成形に供される。
【0128】
本開示の文脈において、剪断力下で混合しながらの加熱は、バンバリーミキサ内ではない。
【0129】
NIR加工された取り込み材料が最大10重量%の合成ポリマー(すなわち、合成プラスチックを本質的に含まない)及び最大4重量%のPETを含む場合、高速ミキサ内でそれらを加熱しながら混合することが優先されることが見出された。実際、10重量%未満のプラスチックを含有する場合、取り込み材料は、押出機内で加工することができないことが見出された。
【0130】
高速混合は、押出機ではない。むしろ、高速混合は、最大130℃の高温、少なくとも2,500rpmの速さ、及び負圧での混合を可能にする、閉鎖された(真空密封された)高速ミキサ内で実行される。
【0131】
取り込み材料が合成ポリマーを本質的に含まない場合、混合は、2,500rpm~4,500rpmの速さの高速ミキサ内である。いくつかの例では、混合は、3,000rpm~5,000rpmの速さの高速ミキサ内である。いくつかの例では、混合は、3,000rpm~4,500rpmの速さの高速ミキサ内である。いくつかの例では、混合は、2,500rpm~4,000rpmの速さの高速ミキサ内である。
【0132】
更に、NIR加工された取り込み材料が合成ポリマーを本質的に含まない場合、高速ミキサ内の混合は、約0.5Bar~約0.9Bar、時には0.6Bar~0.9Bar、時には0.6Bar~0.8Bar、時には約0.7Barの負圧である。高速ミキサは、全作業時間中にこの負圧を提供するように設計され、そのように動作可能である。
【0133】
なお更に、NIR加工された取り込み材料が合成ポリマーを本質的に含まない場合、高速混合は、最大約120℃の温度である。
【0134】
いくつかの例では、高速ミキサは、30~100m/秒、時には30~80m/秒、時には40~70m/秒、時には、かつ好ましくは45~60m/秒の先端速度で操作される。いくつかの例では、高速ミキサは、45~60m/秒、又は更には50~70m/秒、又は更には55~70m/秒の先端速度で操作されるように構成又は構築される。
【0135】
いくつかの例では、先端速度は、ロータ直径及び回転速度によって判定又は決定付けられる。
【0136】
高速ミキサ内での混合は、上記で定義された特徴を有する複合材料の乾燥ブレンドの形成に十分な時間である。混合の持続時間は、混合の速さ及びミキサ内の負圧に依存するであろう。
【0137】
いくつかの例では、合成物を含まない取り込み材料を使用する場合、高速ミキサは、2,500rpm~3,000rpmの速さ、約0.7Barの負圧、最大120℃の温度、及び30分~50分間で操作することができる。
【0138】
いくつかの他の例では、高速ミキサは、渦運動を生み出しながら混合を可能にして、同時に、加工中に均質性を達成するように設計され、そのように動作可能である。時には、これは、特別に設計されたブレードを使用することによって達成することができる。
【0139】
いくつかの他の例では、高速ミキサは、振動を阻止するために渦運動におけるバランスを維持するように設計され、そのように動作可能である。これは、異なる比重の材料の混合物を含む取り込み材料の存在に起因して、特に関連性がある。
【0140】
一般に、高速ミキサ内の速さが速いほど、かつ/又は負圧が低いほど、混合の持続時間は短くなる。いくつかの例では、混合は、ミキサ内の揮発性物質のレベルが1%を下回るまで継続する。
【0141】
これに限定されないが、かつ1つの特定の例によれば、高速ミキサは、以下によって特徴付けられる:
ミキサブレード先端速度45~60m\秒(ミキサブレードは、好ましくは摩耗から保護された)、反応を達成するための温度90~130℃、全作業時間の間、少なくとも0.7barの真空、反応の終了時の最大湿度-1%。
【0142】
いくつかの例では、NIR加工された取り込み材料が10重量%超(典型的には、最大40重量%)の量で合成プラスチックを含む場合、かつこれらの場合に、取り込み材料は、押出成形に供される。
【0143】
いくつかの例では、押出成形の条件は、少なくとも、
-200℃を下回る、時には約150℃~約200℃、時には約120℃~約180℃、時には160℃~200℃、時には150℃~180℃の内部(運転)温度と、
-少なくとも2.0分、時には少なくとも2.5分、時には少なくとも3分、時には少なくとも3.5分、時には少なくとも4分、時には少なくとも4.5分、時には少なくとも5分、時には少なくとも5.5分、時には少なくとも6分、時には少なくとも7分の押出機内の最小滞留時間と、を伴う。しかし、滞留時間が押出内の材料の分解又は燃焼を引き起こさないという制限がある。したがって、場合によっては、滞留時間は、約2~約10分、時には約3分~7分、時には約2.5分~10分の間、時には約3.5分~8分、時には約4.5分~8分、時には約5.5分~7分、時には約5.5分~6.5分の範囲内であると定義される。
【0144】
押出機は、典型的には、回転する単軸スクリュー又は多軸スクリューをその中に収容する加熱バレルを備える。本開示の文脈で用いることができる様々なタイプの押出がある。
【0145】
理論に束縛されるものではないが、200℃を下回る材料温度で、NIR加工された取り込み材料に剪断力を加えることにより、有機繊維材料(リグニン、セルロース、ヘミセルロース、及び他の炭水化物)が、天然の「分子ステッチ」統合(結合)プラスチックとして作用する部分的に炭化されたリグノセルロース繊維、特に、そうでなければ相分離する異なる極性を有するポリオレフィンに変換され、有機-熱可塑性複合材料が作り出されると考えられる。
【0146】
現在開示されている主題のいくつかの例では、押出成形は、反応器押出機内で実行される。単軸押出機のタイプの反応器を使用する場合、最小滞留時間は、少なくとも3分、又は少なくとも4分、好ましくは少なくとも5分又は5.5分であるべきであることが見出された。
【0147】
現在開示されている主題のいくつかの例では、反応器押出機は、30~10rpm、時には40~90rpmで動作するように設計される。
【0148】
押出内の運転温度(すなわち、内部温度、言い換えれば、押出成形される材料の温度)は、熱電対タイプJなどの熱電対によって制御することができる。
【0149】
現在開示されている主題のいくつかの例では、押出機は、少なくとも2つ以上の通気ゾーンを装備する。押出機に沿って2つの別個の通気ゾーンが存在することにより、押出成形された材料内の揮発性有機化合物の量が低減し、揮発性化合物の捕捉が防止される。少なくとも2つの通気ゾーンの存在は、開示された複合材料から作製された製造物品(成形物品又は押出成形された物品である製造物品)における気泡を回避するために重要であることが見出された。
【0150】
剪断力下で加熱しながら混合する前に、様々な添加剤をNIR加工された不均質取り込み材料に添加することができる(それが高速ミキサ、押出機などであっても)。これらには、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、酸化防止剤、UV安定剤、発泡剤、可塑剤、エラストマー、充填剤、例えばタルク及び炭酸カルシウム;カーボンブラック、二酸化チタン及びプラスチック産業で使用される他の顔料のような難燃剤及び顔料のいずれか1つ又は組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0151】
次いで、得られた複合材料を更なる加工に供することができる。例えば、複合材料は、例えば、材料を冷却空気流に曝露することによって、制御可能に冷却することができる。時には、これにより、複合材料から追加的な揮発性物質が除去され得る。
【0152】
現在開示されている主題のいくつかの例では、複合材料は、従来のミリングシステムを使用して更に精製される。注目すべきことに、高速ミキサを使用する場合、サイズ低減/微細化は、典型的には高速混合中に行われる。
【0153】
いくつかの例では、ミリングは、複合材料をハンマーミル(例えば、タイプ40/32 HA)などの連続ミリングプロセスを通過させることを伴う。
【0154】
現在開示されている主題のいくつかの例では、複合材料は、高速回転ブレード(ビータプレート)が複合材料を囲壁に対して及びそれ自体に対して粉々にする衝撃ミリングプロセスに供され、摩擦がサイズの低減を引き起こす。
【0155】
現在開示されている主題のいくつかの例では、微細化は、ROTOPLEX 50\100を使用することによって達成されるものなどの「ナイフミル」に複合材料を供することによって達成することができる。この技術は、高いスループットで高い切断力を得るように設計されている。「はさみ」の原理を使用して、ナイフを備えたドラムは、冷却された環境においてカウンタナイフの前を高速で移動する。
【0156】
現在開示されている主題のいくつかの例では、微細化は、2つ以上の微細化技術の組み合わせによって行われ、例えば、第1のものはハンマーミル技術を利用し、第2のものは衝撃ミリング技術を利用する。技術の組み合わせは、1.5mmを下回る粉末サイダーの低減を可能にする。
【0157】
現在開示されている主題のいくつかの例では、複合材料は、サイズ低減に供される。これは、例えば、高速ミキサを使用する場合、混合装置内で、又は例えば、押出機を使用する場合、加熱ステップの間の混合後のいずれかで達成することができる。サイズ低減が加熱ステップの間の混合とは別である場合、サイズ低減は、押出物を粉砕して粉末(微細化複合材料)にするように設定されたミリング装置の組み合わせを使用して、かつ900μm(0.9mm)又は1400μm(1.4mm)のふるいを通してふるい分けすることによって行うことができ、2つの集団の粉末を得るが、一方は、0.9mmを下回る粒径(本明細書では省略名「Q0.9」と称される)を有し、他方は、1.4mmを下回る粒径(本明細書では省略名「Q1.4」と称される)を有する。複合材料は、その後のその使用のために、複合材料が生成される様式に関係なく、数ミリメートル(0.1mm~10mm、又は10mm未満)の範囲内のサイズを有する粉末の形態であることが所望される。
【0158】
現在開示されている主題のいくつかの例では、得られた粉末は、例えば、異なる直径の異なるサイズの孔を使用することによって、粒径をふるいにかける振動ふるいシステムを使用してふるい分けされる。
【0159】
現在開示されている主題のいくつかの例では、サイズ低減は、1.4mm以下のd90によって定義される粒径までである。時には、サイズ低減は、1.3mm以下、時には1.2mm以下、時には1.1mm以下、時には1.0mm以下、時には0.9以下、時には0.8mm以下、時には0.7mm以下のd90の粒径までである。
【0160】
以下の非限定的な実施例では、d90≦1.4μmのサイズを有する微細化複合材料は、略称Q 1.4と称され、d90≦0.9mmのサイズを有する微細化複合材料は、略称Q 0.9と称される。
【0161】
複合材料のその後の使用のために、複合材料は、熱可塑性材料として使用することができる。したがって、いくつかの例によれば、複合材料は、100℃を上回る温度に再加熱される。いくつかの例では、複合材料は、複合材料が加熱の結果としていかなる分解又は燃焼も受けない限り、120℃を上回る、時には130℃を上回る、時には140℃を上回る、時には150℃を上回る、時には160℃を上回る、時には170℃を上回る、更に180℃を上回る温度、時には200℃を下回る任意の温度に加熱すると流動性溶融物に変わる。
【0162】
次いで、溶融物は、任意の公知の技術、とりわけ、押出射出、ブロー成形、及び回転成形を含む成形を使用して、所望の製造物品に成形することができる。このようにして、定義された構成の物品が製造され得る。例えば、複合材料は、典型的には、未使用プラスチック又は再生プラスチックから調製される種々の製造物品を生成するために使用することができる。これには、例えば、植木鉢、住宅サイディング、デッキ材料、フローリング、家具、ラミネート、パレット、浄化槽などが含まれる。本開示の文脈において、製造物品はまた、プラスチック産業において取り込み材料として使用される、プラスチックと組み合わされた複合材料のペレットを包含する。
【0163】
したがって、現在開示されている主題によれば、製造物品を生成する方法であって、本方法が、1つ以上の合成ポリマー(好ましくは、熱可塑性ポリマー)と、現在開示されている複合材料と、の溶融物を形成することと、溶融物を製造物品の形状に成形することと、を含む、方法も提供される。
【0164】
更に、現在開示されている主題によれば、製造物品を生成する方法であって、本方法が、1つ以上の合成ポリマーであって、1つ以上の合成ポリマーの各々が、ISO14040:2006に従って判定される際、カーボンフットプリントを有する、1つ以上の合成ポリマーを、現在開示されている複合材料と混合することを含み、当該製造物品が、当該1つ以上の合成ポリマーのカーボンフットプリントよりも統計的に有意に低いカーボンフットプリントによって特徴付けられる、方法が提供される。現在開示されている主題のいくつかの例では、製造物品は、本明細書に開示される通りである。
【0165】
なお更に、現在開示されている主題によれば、1つ以上の合成ポリマーを含む製造物品の製造に伴う炭素排出量を削減する方法であって、本方法が、当該1つ以上の合成ポリマーと、i)複合材料の総重量のうち少なくとも40重量%の不均質有機物質であって、少なくともセルロースを含む、不均質有機物質と、(ii)複数の合成ポリマーと、(iii)最大15重量%の無機物質と、を含む、複合材料と、のブレンドを有する、製造物品を製造することを含み、
当該複合材料が、複合材料の総重量のうち5重量%未満のポリエチレンテレフタレートPETを含み、
当該複合材が、ISO14040:2006に従って判定される際、約-10KgCO2 eq/Kgを下回るカーボンフットプリントを有する、方法が提供される。
【0166】
本明細書で開示される方法の例及び態様は全て、本明細書では総称して「方法」という用語で称される。
【0167】
現在開示されている方法のいくつかの例では、1つ以上の合成ポリマーは、熱可塑性ポリマーである。
【0168】
現在開示されている方法のいくつかの例では、1つ以上の合成ポリマーは、製造物品態様に関して本明細書で定義される通りである。
【0169】
現在開示されている主題のいくつかの態様によれば、製造物品の製造は、加熱して溶融物を形成することを伴う。
【0170】
現在開示されている主題のいくつかの態様によれば、製造物品の製造は、当該1つ以上の合成ポリマーと、当該複合材料と、のブレンドを押出成形することを伴う。
【0171】
現在開示されている主題のいくつかの態様によれば、製造物品の製造は、当該1つ以上の合成ポリマーと、当該複合材料と、のブレンドの射出成形を伴う。
【0172】
現在開示されている主題のいくつかの態様によれば、製造物品の製造は、当該1つ以上の合成ポリマーと、当該複合材料と、のブレンドの圧縮成形を伴う。
【0173】
様々な添加剤、充填剤などを、有用な製造物品への再加熱/再加工時に複合材料に添加して、冷却後に最終的に得られる物品に特定の所望の特性を付与し得る。充填剤の例としては、砂、鉱物、リサイクルタイヤ材料、コンクリート、ガラス、木材チップ、熱硬化性材料、他の熱可塑性ポリマー、砂利、金属、ガラス繊維、及び粒子などが挙げられ得るが、これらに限定されない。これらの充填剤は、リサイクル製品に由来し得るが、未使用プラスチック(例えば、ポリプロピレン及び/又はポリエチレン)などの未使用材料も用いられ得る。着色剤、臭気マスキング剤(例えば、活性炭)、酸化剤(例えば、過マンガン酸カリウム)又は抗酸化剤などの他の添加剤は、複合材料の外観、質感、又は香りを改善するために添加され得る。それにもかかわらず、本開示の複合材料の特性及びその潜在的な用途は、結合剤又は可塑剤を使用する必要なく成し遂げられるが、これらは、現在開示されている複合材料のうちのいくつかの下で添加され得ることに留意されたい。
【0174】
いくつかの例では、複合材料は、外部的に添加されたポリオレフィンと一緒に再加熱される。いくつかの例では、複合材料は、ポリエチレン及びポリプロピレンのうちのいずれか1つとともに再加熱される。再加熱された混合物は、再加熱されるポリオレフィンのカーボンフットプリントと比較して、著しく低いカーボンフットプリントのために、プラスチック産業において環境に優しい取り込み材料としてその後使用される混合ペレットに押出成形することができる。
【0175】
現在開示されている製造物品又は方法のいくつかの例では、製造物品は、少なくとも10重量%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、少なくとも15重量%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、少なくとも20重量%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、少なくとも25重量%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、少なくとも10重量%、時には少なくとも20重量%、時には少なくとも30重量%の、合成/プラスチックポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、少なくとも35重量%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、少なくとも40重量%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、少なくとも45重量%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、少なくとも50重量%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、少なくとも55重量%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。
【0176】
いくつかの例では、本明細書に開示される製造物品又は方法は、多くとも90重量%、時には多くとも85%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む製造物品を提供する。いくつかの例では、製造物品は、多くとも80重量%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、多くとも75重量%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、多くとも70重量%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、多くとも65重量%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、多くとも60重量%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、多くとも55重量%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、多くとも50重量%の、合成ポリマー(複数可)と配合された複合材料を含む。
【0177】
いくつかの例では、本明細書に開示される製造物品又は方法は、約10重量%の複合材料~90重量%の複合材料を含む製造物品を提供する。いくつかの例では、製造物品は、約20重量%の複合材料~80重量%の複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、約30重量%の複合材料~60重量%の複合材料を含む。いくつかの例では、製造物品は、約20重量%の複合材料~80重量%の複合材料を含む。
【0178】
製造物品態様のいくつかの例又は製造物品を生成する方法のいくつかの例による現在開示されている主題は、少なくとも10重量%、時には少なくとも15重量%、時には少なくとも20重量%、時には少なくとも25重量%、時には少なくとも30重量%、時には少なくとも35重量%、時には少なくとも40重量%、時には少なくとも45重量%、時には少なくとも50重量%、時には少なくとも55重量%、時には少なくとも60重量%、時には少なくとも65重量%、時には少なくとも70重量%の当該1つ以上の合成ポリマーを含む物品に関する。
【0179】
製造物品態様のいくつかの例又は製造物品を生成する方法のいくつかの例による現在開示されている主題は、少なくとも5重量%、時には少なくとも10重量%、時には少なくとも15重量%、時には少なくとも20重量%、時には少なくとも25重量%、時には少なくとも30重量%、時には少なくとも35重量%、時には少なくとも40重量%、時には少なくとも45重量%、時には少なくとも50重量%、時には少なくとも55重量%、時には少なくとも60重量%、時には少なくとも65重量%、時には少なくとも70重量%、時には少なくとも75重量%、時には少なくとも80重量%、時には少なくとも85重量%の当該複合材料を含む物品に関する。
【0180】
いくつかの例では、製造物品又はそれを生成する方法は、複合材料を、合成ポリマーに対して、20重量%~80重量%から80重量%~20重量%までの範囲、時には30重量%~70重量%から70重量%~30重量%の範囲、40重量%~60重量%から60重量%~40重量%の範囲、時には約50重量%~約50重量%で含むように設計される。
【0181】
製造物品又はその生成方法のいくつかの態様によれば、1つ以上の合成ポリマーは、ポリオレフィン及び生分解性ポリマーからなる群から選択される。
【0182】
いくつかの例では、1つ以上の合成ポリマーは、未使用プラスチックを含む。
【0183】
いくつかの例では、未使用プラスチックは、少なくともポリオレフィン(例えば、PP及び/又はPE)を含む。
【0184】
いくつかの例では、1つ以上の合成ポリマーは、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(polyethylene、PE)から選択される。
【0185】
いくつかの例では、特に複合材料が10重量%未満の合成ポリマーを含む場合、複合材料を生分解性ポリマーと配合して、生分解性製造物品を形成することができる。
【0186】
いくつかの例では、製造物品は、生分解性ポリマーであるポリ乳酸(PLA)と配合される。驚くべきことに、10重量%未満の合成プラスチックを有する複合材料(すなわち、有機複合材)がPLAなどの生分解性ポリマーと配合される場合、組み合わされた製造物品は、表4に説明されるように、セルロースの生分解性と本質的に同様の独特の生分解性、及び低いカーボンフットプリントを呈することが見出された。
【0187】
少量の合成プラスチックを含む複合材料の独特の生分解性を考慮すると、それは、限定されるものではないが、包装材物品、例えば食品包装、好ましくは食用に認可された包装材などの、低炭素影響/フットプリントを有する生分解性ポリマーを使用することに関心がある多くの用途を有することができる。
【0188】
したがって、本開示の複合材料、及び複合材料をプラスチックと混合することによって得られる材料は、それ自体公知の種々の工業プロセスによって加工されて、種々の半完成品又は完成品を形成することができる。
【0189】
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、及び「the」の形式は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、単数形及び複数形を含む。例えば、「粒子状物質」という用語は、列挙された特徴を有する1つ以上のタイプの粒子状物質を含む。
【0190】
更に、本明細書で使用される場合、「含む」という用語は、複合材料が列挙された成分、すなわち、非プラスチック有機物、プラスチック、及び無機物(inroganics)を含むが、他の要素を除外しないことを意味することが意図される。「から本質的になる」という用語は、例えば、記載された要素を含むが、複合材料の特性に本質的な重要性を有し得る他の要素を除外する複合材料を定義するために使用される。したがって、「からなる」とは、微量の要素を超える他の要素を除外することを意味するものとする。これらの移行用語のそれぞれによって定義される実施形態は、本発明の範囲内である。
【0191】
更に、全ての数値、例えば、本明細書に開示される複合材料又は不均質取り込み材料を構成する構成要素の量又は範囲は、表示した値の(+)又は(-)最大20%、時には最大10%変動する近似値である。明示的に述べられていない場合でも、全ての数値指定の前に「約」という用語が付いていると理解するものとする。例えば、「約10%」という用語は、9%~11%の範囲を包含するものとして理解されるべきであり、約100℃という用語は、90~110℃の範囲を示す。
【0192】
ここで、本発明は、本発明に従って実施された実験の以下の説明において例示される。これらの例は、限定ではなく、例解の性質で意図されていると理解されたい。上記の教示を鑑み、これらの例には多くの修正及び変形が可能であることは明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本発明は、以下に具体的に説明されるよりも、無数の可能な方法で、別様に実施され得ることが理解されるべきである。
【0193】
非限定的な実施例
以下の非限定的な実施例では、2つのタイプの複合材料を家庭廃棄物から調製した。両方とも、NIRを使用したプラスチックの選択的除去までの不均質廃棄物の加工であって、これは、予備選別、寸断、及び乾燥を含む、加工。更に、得られた2つの例示的なタイプの複合材料に対して同様の分析を実行した。
【0194】
以下の実施例では、様々な装置及びシステムを用いた。装置のいくつかは、本発明の目的のために構成されたが、全ては従来の装置に基づいていることが理解されるべきである。これらには、シュレッダ、単軸押出機、射出成形機、圧縮成形プレス、並びに材料が剪断及び/又は加熱を受ける任意の他の機械、例えば、造粒機、ペレット化プレス、ミルなどが含まれる。
【0195】
装置及び方法
予備選別-金属、ガラス、及び鉱物の手動除去を伴う。
【0196】
金属分離磁石(IFE MPQ 900 F-P)を使用して鉄材料を分離した。金属分離磁石は、搬送ベルト上を浮上する電磁石を含み、コイルは、鉄金属部品を持ち上げ、それらをそれ自体のコンベヤベルトを通して短距離輸送し、したがって残りの材料から磁性金属を分離する狭く深い磁場を作り出す。金属は、システムの底部にあるビンに処分され、リサイクルに戻される。磁気ベルトシステムは、コンベヤベルトの端部に設置され、ボックスは、磁性材料を捕らえるためにフライトパラボラの真上に配置される。
【0197】
渦電流システム(Wagner magnet 0429\0-37)を使用して金属を分離した。具体的には、ネオジム高勾配磁石を有する幅2.5mの渦電流ベルトを使用した。極システムは、より遅いベルトドラムの内側に偏心して設置した。ベルトドラムは、1~3m/sの外部速度を有する。内部ドラムは、最大3000rpmで運転する。これは、非鉄金属(したがって除去される)を反発するが、鉄金属を引き付けて加熱する渦電流場を作り出す。(Wagner Magnete 0429\0-37)。分離力は、アルミニウムで最も高く、黄銅、銅から他の非鉄金属にかけて減少する。
【0198】
渦電流は、同様の結果を達成するために金属検出器で置き換えることができる。
【0199】
この選別プロセスの終了時に、著しく削減された金属/プラスチック/無機物を有する家庭固形有機廃棄物を得た。これらの不純物の最終的な除去を、乾燥に続いて実行した。
【0200】
この段階で、不均質家庭固形天然廃棄物(heterogenous household solid natural waste、HSNW)は、典型的には、25%~50%の高い水分/湿分含量を含有する。したがって、このHSNWを乾燥プロセスに移した。
【0201】
生物乾燥(堆肥生物乾燥システム)-生物乾燥は、家庭廃棄物中に存在する細菌及び多細胞生物によって活性化された。このプロセスは、熱を作り出す細菌による有機材料の消化を介して生じる。家庭廃棄物が制御された条件下で緩く層状化され、正確に規定された量の空気で換気されることが重要である。この空気は、吹き付け力がデジタル的に制御されている間、冷たすぎても湿りすぎてもいけない。数日及び最大2週間の期間にわたって、都市廃棄物(municipal waste、MW)は、熱くなり、最大70℃の熱を得る。
【0202】
熱は、空気の制御された供給によって調節され、約55℃~70℃の最適プロセス温度が設定された。MWが含水量約15~20%、又は更に15%~18%の乾燥レベルに達すると、細菌の活性は、かなり減少し、生物乾燥プロセスは、完了したと考えられる。
【0203】
二次乾燥-第2の乾燥段階は、熱風補助乾燥の原理で作動する工業用回転床乾燥機内で行った。この乾燥段階は、水分レベルを、10%を下回って低減した。
【0204】
シュレッダ(Vecoplan VAZ 1300)を使用して、乾燥選別廃棄物を粒子化した。具体的には、一次予備破砕機及び二次シュレッダの2つのタイプを使用した。
【0205】
予備破砕機は、油圧式又は電気機械式駆動装置に結合された1つ、2つ、3つ、又は4つのシャフトによって画定される。一次予備破砕機の特徴は、廃棄物を小片に破断するために非常に大きい力が発生することである。二次破砕を妨げる非破砕性材料を分離することができる。使用される寸断シャフトは、シャフトに機械的に接続されており、シャフトの周速は低い。
【0206】
二次寸断は、摩耗工具及びカウンタブレードと機械的に接続された1つ又は2つのロータによって行われ、スクリーンバスケットを、粒径を制御するためにロータの前に設置した。
【0207】
空気分離システム(IFE UFS600X+1000X)を使用して、軽い粒子と重い粒子とを分離した。具体的には、空気分離機/分級機は、粒子が1つの層に配置される加速ベルト及び調整可能な規定の空気流を材料に吹き込む後続のエアバーからなる。エアバーの後には、通常、軽い粒子と重い粒子との間に分離機がある。分離に続いて、軽い部分に沈み込む機会を与える分割空間がある。重い材料は、エアバーと分離機との間で分離される。
【0208】
近赤外線システム(SESOTEC MN 1024)を使用して、特定のプラスチックポリマーを選択的に選別/分離した。具体的には、スキャナ並びにアクティブセンサ支持体及びアクティブブローバーを有するシステムを使用した。加えて、システムは、少なくとも1.5mmの感度を有する高解像度NIRカメラを装備しており、これは、特定の物質のIRスペクトルの反射を捕捉し、それを様々な物質の記憶されたスペクトルと比較する。システムが所望の物質を検出した場合、自由にプログラムされた関数をバイナリ形式-分離又は保持で照会した。次いで、接続されたブローノズルバーを使用して、検出と同じ細かさで粒子を吹き飛ばした。
【0209】
選択的選別は、粒子状形態で、1%未満のPVC及び3%未満のPS、並びに5%未満のPETを含む選択された不均質廃棄物をもたらした。
【0210】
単軸押出機(タイプF:GRAN 145)を使用した。具体的には、単軸押出機は、直径145mm、スクリュー長さ:950cm、スクリュー対バレルのクリアランス:0.5~2mm、高耐摩耗性スクリュー及びバレル、最大30mmのダイ開口部直径、並びに2つの通気ゾーンの寸法を有していた。動作中、抗ブリッジングサイロ、ロータは、使用準備済み(RTW、すなわち、選別された不均質廃棄物)を動かし続け、これは、材料がブリッジングすることを防止し、流動性を確保する。フィーダスクリューは、押出機容量の利用に応じて自動的に作動させた。
【0211】
押出機プロセスの後、材料を、長さ800cmの冷却コンベヤ及び15000メートル立方メートル/時の空気流を有する制御された冷却システムに移した。
【0212】
高速ミキサ-負圧下で3,000rpmで操作される高速加熱ミキサ(0.7Barで40分間、最大120℃の温度)。
【0213】
ミリング装置-最終製品、すなわち複合材料のサイズを低減させるために、いくつかのミリング装置を用いた。
【0214】
ハンマーミルタイプ40\32HA-ハンマーミルは、連続プロセスにおいて軟質から中硬質の断片を粉砕し、材料は、粉砕しながら粒子混合のプロセスを受け、したがって均質性を作り出す。
【0215】
インパクトミル(ULTRAPLEX UPZ 500)-粒子を壁及びそれら自体の間に「衝突する」高速回転ブレード(ビータプレート)を使用することによって、粒径を別のレベルに低減させ、グラインダの側面(粉砕トラック)とビータプレートとの間の著しい摩擦によって、材料を粉末形態に低減させた。得られた粉末は、異なる直径の異なるサイズの孔を使用することによって粒径をふるいにかける振動ふるいシステムを通過した。
【0216】
次いで、低減された粒径をハンマーミルからブロワーを通して次のミリング段階であるインパクトミルに搬送した。
【0217】
ナイフミル(ROTOPLEX 50\100)-0.9mmサイズ(及びそれを下回る)の粒子及び1.4mmの粒子は、各々、直接貯蔵された。1.4mmを上回る粒径を、「ナイフミル」(ROTOPLEX 50\100)を使用して更に処理した。具体的には、ナイフミルは、高いスループットで高い切断力を作り出すように設計される。「はさみ」の原理を使用して、ナイフを備えたドラムは、冷却された環境においてカウンタナイフの前を高速で移動する。ナイフミルシステムを介して、粒子(特に繊維)を、1.4mmを下回るサイズに更に低減させた。
【0218】
元素分析装置(Flash EA 1112)-を、総炭素(C)、水素(H)、窒素(N)、硫黄(S)、及び酸素(O)の判定のために使用した。
【0219】
フーリエ変換赤外分光法(FTIR)-Nicolet 6700、中赤外範囲用の分光光度計。吸光度スペクトルを、波長の関数として吸光度を記録することによって得た。濃度は、製造業者の操作説明書内に提供され、一般に知られているライブラリに基づく特定の波長での吸光度測定から計算した。
【0220】
熱重量分析(TG)-示差走査熱量測定(DSC)-STA TG-DSC 449 F3 Jupiter(登録商標)(NETZSCH-Geratebau)-STA機器における単一試料へのTG及びDSCの同時適用は、2つの異なる機器におけるTG及びDSCの別々の適用よりも多くの情報をもたらす。STAは、加熱下で試験材料に生じる質量及び熱力学的変化の同時定量的監視を可能にする。熱分析のための機器へのMSの結合は、加熱実験の間に放出される材料/成分の同定を可能にする。したがって、STA TG-DSCのMSとの組み合わせは、広範囲の材料における化学反応及び相変態の明確な実験的特徴付けのための独自の簡単なツールを提供する。TG-DSCは、以下の条件下で操作した。
【0221】
【0222】
ガスクロマトグラフィ-質量分析(gas chromatography-mass spectrometry、GC-MS)-複合材料の試料を、24時間のヘッドスペース抽出後に、ガスクロマトグラフィ(GC)スニッファ、続いてガスクロマトグラフィ質量分析(MS)を使用して分析した。具体的には、Agilent 7890A GCは、オートサンプラ、スプリット/スプリットレス注入器、並びに3つの検出器:FID及びECD及びTCDを装備していた。GCは、ガス圧力及び流量の電子制御を装備していた。
【0223】
引張試験-引張特性は、試験片タイプA1:全長≧150~200mm、狭い平行側面部分の長さ=80±2mm、半径20~25mm、広い平行側面部分間の距離104~113mm、端部における幅=20±0.2mm、狭い部分における幅10±0.2mm、好ましい厚さ4±0.2mm、ゲージ長さ50±0.5mm、及びグリップ間の初期距離=115±1mmを使用してISO 521-2:1996に従って判定した。
【0224】
衝撃アイゾット(ノッチ付き)-アイゾット衝撃は、ISO 180(1J振り子)/ASTM D256(1J振り子)、ノッチ付き、ハンマー1Jを使用して測定した。(アイゾット衝撃強度、エッジワイズノッチ付き試験片)
【0225】
シャルピー衝撃-シャルピー衝撃試験は、ノッチ付きハンマー1Jを使用して、ISO 179に従って行った(ISO 179に従うシャルピー衝撃強度、エッジワイズノッチ付き試験片、振り子重量1J)。
【0226】
曲げ試験-ASTM D790(ISO 178)法を使用して、試験速度5mm/分で試験を行った。
【0227】
灰分-灰は、ISO 3451方法Aに従って判定した。それぞれ5grの2つの試験部分を使用し、950±50℃で30分間燃焼させた。
【0228】
表面エネルギー-表面エネルギーは、Dyne Penを使用してASTM D2578で測定した。
【0229】
酸素指数-酸素指数は、ISO 4589-2に従って判定した。
【0230】
密度-密度は、ASTM D792=ISO1183-1手順(Plastics-Methods for determining the density of non-cellular plastics)に従って、MRC実験機器(モデルBPS750-C2V2)を使用して測定した。試験片は、少なくとも1cm3及び少なくとも1mm厚(1grの重量ごと)であるべきである。
【0231】
実施例1-プラスチックレス複合材調製
混合された家庭廃棄物は、上で説明されるような予備選別及び生物乾燥プロセスを受けた。選別された取り込み材料において、プラスチックを削減したが、それは依然として10重量%を上回っており、したがって、「プラスチックを含まない」とはみなされない。
【0232】
生物乾燥した都市廃棄物を寸断して、(最大)30ミリメートル以下の廃棄物粒径を得た。30ミリメートル以下に寸断された粒子は、専用バスケットを通して除去され、一方、より大きい粒子は、所望のサイズに達するまでシュレッダで回転し続けた。注目すべきことに、寸断は、いくらかの摩擦を生じ、これは更に水分を2%~3%低減させた。寸断された粒子は、より均一になり、プロセスの次の段階がより効率的に働くことを可能にした。
【0233】
寸断に続いて、寸断された廃棄物粒子に「接着された」又は包まれた不純物のいくつかは、上で説明されるような空気分離機システムによって放出された。寸断された材料は、寸断された材料から重い粒子(金属又は鉱物)の任意の連想部分を排除した(「軽い画分」の形成をもたらす)。
【0234】
次いで、軽い画分を上で説明されるようなNIR分離システムに搬送し、ここで、PVCなどのハロゲン化ポリマー、並びにポリスチレン及び/又はPETなどのアリール含有化合物を選択的に除去した。
【0235】
NIR分離に続く材料は、選別された不均質取り込み材料(本明細書では「NIR加工された取り込み材料」と称される)を提供した。
【0236】
押出成形:NIR加工された取り込み材料を押出成形に供した。押出機は、150℃~180℃の運転温度、5~7分の滞留時間、及び60~90rpmの回転速度を有するように操作した。
【0237】
押出機プロセスを通過した後、得られた溶融材料を冷却コンベヤ(長さ800cm、空気流量15000立方メートル/時)によって40℃に冷却した。
【0238】
冷却された複合材料を、ハンマーミル、続いてインパクトミルに通すことによってサイズ低減/サイズ微細化に供し、次いで、微細化粒子を選択的にふるい分けして、Q0.9(最大0.9mmの粒子)又はQ1.4(最大1.4mmの粒子)製品のいずれかを得た。
【0239】
実施例2-有機物複合材調製
混合された家庭廃棄物は、上で説明されるような予備選別及び生物乾燥プロセスを受けた。
【0240】
本質的に全ての合成プラスチックのNIR分離に続いて、残りの有機廃棄物材料は、金属、無機物、及びプラスチック材料うちのいずれも本質的に含まなかった(したがって、少なくとも90%有機物であった)。この本質的に乾燥した粒子状で綿毛状の合成物を含まない取り込み材料を、高速ミキサによって所望の有機複合材料に加工するために使用した。
【0241】
具体的には、合成物を含まない有機綿毛状取り込み材料を、粉末を混合するように設計された高速加熱ミキサに移した。これに関連して、綿毛状取り込み材料は、従来のバンバリーミキサでは加工することができず、バンバリーミキサは、力強いミキサであるが、ゴム又は溶融ポリマーを混合するように設計されており、粉末及び/又は綿毛状材料を力強く混合するのに好適ではないことに留意されたい。
【0242】
高速ミキサの原理は、作り出された渦及び粉末粒子間の内部摩擦のために、加熱しながら同時混合、ミリング、及び均質化を可能にするために必要であった。内部温度を監視し、内部温度が90℃に達すると、負圧を適用して(0.7Bar)、閉鎖されたミキサ内の揮発性物質を除去した。内部温度が120℃に達するまで、真空下の混合プロセスを継続する。
【0243】
次いで、得られた均質な合成物を含まない複合材料を、40℃より低い温度に達するように、工業用クーラーミキサに移した。
【0244】
分析-
物理的特性
プラスチックレス複合材料及び有機複合材料を、70%のポリプロピレン(MFI 230℃/2.16Kgのポリプロピレンが60g/10分である)と配合した後に、それらの物理的特性について分析した。
【0245】
表2は、本明細書に開示される複合材料の2つの非限定的な例に使用される試験標準である、異なる調査した特性を要約する。
【0246】
【0247】
カーボンフットプリント
カーボンフットプリントは、特定の製品の製造などの所与の活動によって放出される温室効果ガスの尺度であり、発生する二酸化炭素換算(CO2eq)排出量のメートルトンで表される。
【0248】
本明細書に例示される2つの異なる複合材料を、それらのカーボンフットプリントについて評価し、これらの複合材料を、新しいプロセスによって必要とされる総エネルギー質量バランスからLCA計算機ソフトウェアを使用して、ISO14040に従うLCA(Life Cycle Assessment)によって判定した。計算の方法論を上記で提供する。
【0249】
具体的には、2つの複合材料のLCAを計算する方法論は、変換活性の影響を判定することを必要とした。これに関連して、複合材料の各々のカーボンフットプリントの計算には、変換プロセス自体に使用されたエネルギーのみが考慮されており、廃棄物が加工施設に達する前に行われるため、先行する乾燥及び寸断ステップは含まれていないことに留意されたい。
【0250】
以下の非限定的な例は、イスラエル南部のTze’elimに基づくプラントに基づいており、乾燥のための太陽熱が利用可能であるために、異なる炭素排出量削減タイプの複合材料(例えば、プラスチックレス及び有機物)を生成するために、ほとんどエネルギーが必要とされない。したがって、この非限定的な例の条件下では、1.40MJ/kgに変換される各キログラムの有機物複合材料を生成するために、0.39kWhの電力のみを必要とした。
【0251】
イスラエル電気ミックスの気候影響は、0.31kg CO2eq/MJ(GWP100)及び0.35kg CO2eq/MJ(GWP20)であった。この情報を、LCAソフトウェアIMPACT 2002+(vQ2.28)(2017年7月)V2.28/IMPACT 2002+から取り、Quantisの持続可能性コンサルタントと併せて判定した。
【0252】
正味のLCAを、
図1に提示した式に従って計算した回避された排出量を、変換プロセスのエネルギー使用の気候影響(上記)から減算することによって計算した。本明細書に開示される複合材料の正味の影響は、両方のタイプの複合材料について負であることが見出された。
【0253】
表3Aは、93.3%の食品廃棄物及び6.7%の無機物を含む合成物を含まない複合材料の回避された排出量及び正味の気候影響を提供する。
【0254】
【0255】
表3Bは、プラスチックレス複合材料の(すなわち、約65%の非プラスチック有機物及び約35%の無機物を含む)回避された排出量及び正味の気候影響(概数)を提供する。
【0256】
【0257】
比較のために、2つの複合材料のカーボンフットプリントを、未使用ポリプロピレン(PP)、未使用のポリ乳酸(PLA)のカーボンフットプリント、及び国際公開第10082202号に説明されている複合材料のカーボンフットプリントと比較した(以下、「選別されていない複合材料」)。この比較を表4に提供する。
【0258】
表4は、単独又は組み合わせのいずれかの材料のカーボンフットプリントを提供する。
【0259】
【0260】
表3は、本明細書に開示される有機物複合材が、国際公開第10082202号の選別されていない複合材よりも更に大きい、その負の正味のカーボンフットプリントによって、環境に対してはるかに大きい影響を有することを明確に示している。
【0261】
同様に、表4は、プラスチックレス複合材が、プラスチック/有機複合材よりも著しく大きい環境的影響を有することを示している。
【0262】
少なくとも本質的にPETを含まない本明細書に開示される複合材料の利点を、正である複合材料を含まないポリマーのカーボンフットプリントと比較して、表4に示す。
【国際調査報告】