(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法及び装置
(51)【国際特許分類】
F16H 21/02 20060101AFI20240829BHJP
B25J 19/00 20060101ALN20240829BHJP
【FI】
F16H21/02
B25J19/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513116
(86)(22)【出願日】2021-08-24
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 CN2021114306
(87)【国際公開番号】W WO2023023937
(87)【国際公開日】2023-03-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524068481
【氏名又は名称】ハン、ファンユアン
【氏名又は名称原語表記】HAN, Fangyuan
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ファンユアン
【テーマコード(参考)】
3C707
3J062
【Fターム(参考)】
3C707BS24
3J062AA41
3J062AB01
3J062AB28
3J062AC10
3J062BA17
3J062CB04
3J062CB28
3J062CB33
3J062CG83
(57)【要約】
本発明は、自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法、及びその装置を提供する。該方法は、自在継手受け作動シリンダを適用対象とし、前記方法に使用される装置は、基礎、ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、ユニバーサルスイングロッド装置、及び一体型外部接続装置を含み、前記方法は、主な設計パラメータ及び力付加装置のタイプを決定する第1ステップと、装置構造を設計するステップであって、主な設計パラメータ及び力付加装置のタイプを決定した後、装置構造を設計する第2ステップと、実際の重力モーメント又は正圧及び重量補償の効果を計算、テスト、及び評価し、設計要件を満たすか否かを判断し、重力モーメント及び低減割合を計算、又はテスト、及び評価する第3ステップと、を含む。本方法によれば、作動シリンダに大きなサイドフォースが存在し、システムの動力負担を増大するという技術的課題を解決する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法であって、
自在継手受け作動シリンダを適用対象とし、
前記方法に使用される装置は、ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、ユニバーサルスイングロッド装置、及び一体型外部接続装置を含み、
前記方法は、
主な設計パラメータ及び力付加装置のタイプを決定するステップであって、
低減する当該作動シリンダの最大正圧の大きさ、最大重力モーメントと解消する重力モーメントとの割合、最大反重力モーメント、重量補償の大きさを含む、主な設計パラメータを決定するステップAと、
力付加装置のタイプ及び構造の形態を決定するステップであって、力付加装置のタイプの決定には、反重力モーメントを提供するために使用される力付加方式を決定することを含み、前記力付加方式は、引張りバネ、ねじりバネ、重力カウンターウェイト、重力振子、空気バネ、又は電磁力のうちの1つの力付加方式又は2種以上の方式の組み合わせであり、
構造の形態の決定について、構造の形態は、オープンループ構造、クローズドループ構造、セミオープンループ構造、セミクローズドループ構造又はハイブリッド構造のうちの1つの構造の形態を含む、ステップBと、を含み、上記のステップAとステップBは、順番を問わず、同時に行われてもよい、第1ステップと、
装置構造を設計するステップであって、
主な設計パラメータ及び力付加装置のタイプを決定した後、構造設計、製造、組み立て、デバッグを含む前記装置構造設計を行い、前記構造設計には、ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、及び前記一体型外部接続装置の設計を含む、第2ステップと、
実際の重力モーメント又は正圧及び重量補償の効果を計算、テスト、及び評価し、設計要件を満たすか否かを判断し、重力モーメント及び低減割合を計算、又はテスト、及び評価し、重量補償の効果を計算又はテスト及び評価し、設計要件を満たす場合、停止し、上記設計案を設計結果とし、要件を満たさない場合、パラメータを調整し、以上のステップを繰り返して、設計要件を満たすまで設計を改めて行う、第3ステップと、を含む、方法。
【請求項2】
ユニバーサルスイングロッド装置の構造設計、ユニバーサルスイングロッド装置のパラメータ構造の調整と反復を含む、ユニバーサルスイングロッド装置の主なパラメータ設計を含み、
ユニバーサルスイングロッド装置は、基礎又はベースフレームの底部に取り付けられ、ユニバーサルスイングロッド装置又は前記自在継手受け作動シリンダのシリンダ筒体と力付加装置の他端は一体型外部接続装置を介して接続され、クローズドループを構成する、請求項1に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法。
【請求項3】
第2ステップは、前記方向適応装置の第1回り対偶を軸線が水平面に垂直となるように基礎に取り付ける方法をさらに含み、
前記第1回り対偶は旋回軸受であり、前記旋回軸受の固定ディスクが基礎に固定され、可動ディスク上に支持ディスクが固定され、前記旋回軸受に支持ディスクが固定して取り付けられ、前記旋回軸受は前記ベースフレームの一部である、請求項1に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法。
【請求項4】
前記方法の第2ステップにおいて、前記ユニバーサルスイングロッド装置及び前記方向適応装置は同一の回り対偶を共用し、共用される回り対偶は、ユニバーサルスイングロッドにおける自在継手を基礎に接続するための回り対偶であり、共用された回り対偶は旋回軸受と呼ばれ、旋回軸受の軸線が水平面に垂直であり、旋回軸受の固定ディスクが基礎に固定され、可動ディスク上に支持ディスクが固定されており、旋回軸受は前記ベースフレームの一部となる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記解消重力モーメントの割合の値が、95%~105%の範囲である、請求項1又は2に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法。
【請求項6】
請求項1に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法を実現するための自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置であって、
ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、及び一体型外部接続装置を含み、
前記ベースフレームは、外部接続装置1A、フレーム本体、及び外部接続装置1Bを含み、
前記力付加装置は、力発生装置、力伝達装置、外部接続装置2A、及び外部接続装置2Bを含み、前記力発生装置による力には、重力、金属バネ力、空気バネ力又は電磁力が含まれ、
前記方向適応装置は、同軸ではなく平行ではない2つの回り対偶を含み、外部接続装置3A、外部接続装置3B、及び2つの回り対偶は一体に固定して接続され、2自由度回転を可能にし、
前記一体型外部接続装置は、外部接続装置5Aと外部接続装置5Bを含む、装置。
【請求項7】
ユニバーサルスイングロッド装置をさらに含み、
ユニバーサルスイングロッド装置は、自在継手、揺動接続ロッド、外部接続装置4A、及び外部接続装置4Bを含み、前記自在継手は揺動接続ロッドに接続され、
ユニバーサルスイングロッド装置は、基礎又はベースフレームの底部に取り付けられ、ユニバーサルスイングロッド装置又は前記自在継手受け作動シリンダのシリンダ筒体と前記力付加装置の他端は、前記一体型外部接続装置を介して接続され、クローズドループを構成する、請求項6に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項8】
前記方向適応装置の第1回り対偶は地面に取り付けられ、前記第1回り対偶の軸線が地面に垂直であり、前記第1回り対偶として旋回軸受が使用される、請求項6に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項9】
前記方向適応装置及びユニバーサルスイングロッドは同一の回り対偶を共用し、当該回り対偶は、自在継手受け接続ロッドの第1回り対偶であり、この回り対偶は、軸線が地面に垂直であって、通常旋回軸受を使用し、旋回軸受の固定ディスクが基礎に固定され、可動ディスク上に支持ディスクが固定して接続され、旋回軸受はベースフレームの一部であり、1回転自由度ベースフレームが構成される、請求項7に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項10】
前記力付加装置の前記力発生装置は、1つ又は1組の引張りバネであり、前記力付加装置の力伝達装置は、ユニバーサルジョイント、又はこれらの組み合わせである、請求項6又は7に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項11】
前記力付加装置の力伝達装置は、ケーブル、ケーブルと滑車、又はケーブルとギアボックスから構成され、前記力付加装置の力発生装置は、1つ又は1組の引張りバネ、引張力を発生させる1つ又は1組のねじりバネ、ギアボックス付き空気バネ、単振り装置又はカウンターウェイト、電磁バネ、又はトルクモータのうちの1つである、請求項6又は7に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項12】
前記力付加装置の力発生装置は、1つ又は1組のねじりバネであり、前記ねじりバネは、トルクを発生させ、旋回軸受に取り付けられ、軸線が水平で、かつ自在継手の水平軸の軸線に平行であり、接続ロッドが進み対偶を介して前記自在継手受け作動シリンダに接続される、請求項8又は9に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項13】
前記力付加装置の力発生装置は、1つ又は1組のカウンターウェイトであり、カウンターウェイトは反重力モーメントを生成し、前記力伝達装置を介して作動シリンダに接続され、反重力モーメントを生成する、請求項6又は7に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項14】
前記力付加装置は2つ以上の力付加方式の組み合わせである、請求項6又は7に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項15】
前記旋回軸受において、旋回軸受の固定ディスクは基礎に固定され、旋回軸受の回転ディスクには支持ディスクが固定して接続され、この旋回軸受はベースフレームの一部を構成し、ベースフレームの残りの部分は支持ディスクに取り付けられ、1回転自由度ベースフレームが形成される、請求項8又は9に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項16】
前記ベースフレームのフレーム本体には、フレームの高さ又はフレームの幅を調整可能な装置又は高さと幅の両方を調整する装置があり、調整後にベースフレームが固定され、剛性フレームとなる、請求項6又は7に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項17】
前記ユニバーサルスイングロッド装置の揺動接続ロッドは、前記外部接続装置4Bから前記ユニバーサルスイングロッド装置の自在継手の中心までの距離を調整可能な装置を含み、前記揺動接続ロッドは、調整後に固定されて、剛性ロッドとなる、請求項6又は7に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項18】
前記ねじりバネの取り付け位置は、X軸線における座標が(0.05R0~-0.28R0)区間内の1点、Y軸線における座標が(-0.05R0~0.28R0)区間内の1点である矩形区間にある、請求項12に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項19】
前記力付加装置は、前記力発生装置、前記力伝達装置、及び前記ベースフレームの間に直列接続された張力調整装置を含む、請求項6又は7に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項20】
前記ベースフレームはフレーム本体を含み、前記フレーム本体は上部と下部の2つの部分に分けられ、上部と下部の接続箇所が前記ベースフレームのフレーム本体の中央部に設けられ、前記接続箇所には、軸線が水平の回り対偶及びロック装置が設けられ、前記ロック装置がロックされると、前記フレーム本体は剛性フレームとなる、請求項6又は7に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項21】
前記ねじりバネの取り付け位置は、X軸線における座標が(-0.18R0~-0.22R0)区間内の1点、Y軸線における座標が(0.18R0~0.22R0)区間内の1点である矩形区間にある、請求項18に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項22】
前記力発生装置は単振り子を含み、前記単振り子は、スイングロッドと、前記スイングロッドの端部に取り付けられたカウンターウェイトと、を含み、前記スイングロッドは、重力振子回り対偶を介してベースにヒンジ連結され、前記ケーブルは前記カウンターウェイトに接続される、請求項11に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項23】
前記旋回軸受の中央部が中空、支持ディスクの中央部が中空である、請求項8に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項24】
前記力伝達装置は、互いに噛み合う1対の歯車であり、2つの歯車の半径が同じであり、前記カウンターウェイトは一方の歯車に接続され、他方の歯車は前記継手受けアクチュエータと同期して回転し、カウンターウェイト及び作動シリンダは水平面に対する対称運動を行う、請求項13に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項25】
前記ケーブルの第1段の方向が、第1滑車の取り付け位置によって決定され、
滑車がベースフレームに取り付けられ、同方向の適応装置が同一の水平軸線回り対偶を共用し、ケーブルの第1段の方向が固定される単一滑車形態が含まれ、ケーブルの第2段の方向が、力付加装置の力発生装置の取り付け位置によって決定され、ケーブルの第2段の方向が水平面に垂直であり、又は、
第1滑車がベースフレームに取り付けられ、同方向の適応装置がケーブルの第1段の方向を固定するための同一の水平軸線回り対偶を共用し、第2滑車が、ベースフレームに取り付けられ、2つの滑車が協力して、ケーブルの第2段の方向が決定され、ケーブルの第3段の方向が力発生装置の取り付け位置によって決定される、2滑車形態が含まれ、又は、
第1滑車がベースフレームに取り付けられ、同方向の適応装置がケーブルの第1段の方向を固定するための同一の水平軸線回り対偶を共用し、第2滑車がベースフレームに取り付けられ、第1滑車と第2滑車との2つの滑車が協力して、ケーブルの第2段の方向を決定し、第3滑車又は残りの滑車が、ケーブルの段の方向を任意に変えるものである、3つ以上の滑車の形態が含まれる請求項11に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項26】
前記支持ディスクには、開口が上向きのU字型フォークが設けられている、請求項23に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項27】
少なくとも1つのUPS類分岐を有するパラレル機構をさらに含み、UPS分岐の進み対偶のシリンダ筒体は力付加装置の一端に接続され、作動シリンダに適切な反重力モーメントを付加し、それによって、微小横力パラレル機構システムが形成される、請求項6に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項28】
請求項6~27のいずれか1項に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置を用いる、自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法であって、
前記自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置の数は2~6個であり、前記ユニバーサルスイングロッド装置は完全なUPS分岐であり、
パラレル機構の構成において、前記UPS分岐に運動プラットフォームと基礎プラットフォームが取り付けられており、
前記UPS分岐、前記運動プラットフォーム、及び前記基礎プラットフォームによりパラレル機構が構成され、微正圧パラレル機構システムが形成される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、継手受け機構の技術分野に関し、特に自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、多くの機構には、UPS(UCSを含む)類分岐が広く使用される。このような分岐では、駆動対偶(P対偶又はC対偶)は油圧シリンダ又は電動シリンダ(以下、作動シリンダと呼ばれる)。例えば、パラレル機構(
図1.1参照)では、UPS類分岐は空間内を揺動するものである。UPS分岐のP対偶は2次元空間内を揺動するもので、すなわち、分岐の作動空間は傾斜した円錐体となる。
【0003】
このようなパラレル機構システムには、主に、以下の2つの解決すべき課題がある。1つは作動シリンダの摩擦力を減少させる課題であり、もう1つは作動シリンダ自体の重量による負荷の課題である。
【0004】
摩擦力の課題に関しては、進み対偶の摩擦力を小さくする必要がある。現在、米国の軍事用航空機にはシミュレータ仕様(MIL-S-87241)が採用されており、商用フライトシミュレータの技術仕様もこの基準に基づいており、この仕様によれば、フライトシミュレータモーションシステムの作動シリンダの摩擦力が最大有効大ペイロードの0.3%未満であることが規定されている。
【0005】
作動シリンダの摩擦には、主に、作動シリンダのシリンダ筒体とピストンとの間の摩擦と、シリンダヘッドとピストンロッドとの間の摩擦という2つの部位による摩擦が含まれる。古典的なトライボロジー理論によれば、摩擦力は摩擦係数と正圧(以下、サイドフォースともいう)の積に等しい。サイドフォースとは、作動シリンダのシリンダ筒体とピストンの直径の正圧シリンダヘッドとピストンロッドの直径の正圧の合計である(正圧とも呼ばれる)。摩擦係数と正圧の2つの要素のうち、どちらかが減少すると、摩擦力が減少することになる。摩擦力を下げるために現在採用されている方法の多くは摩擦係数を下げることである。サイドフォースが摩擦力に与える影響については、あまり研究されていない。
【0006】
実際の応用では、低摩擦係数を追求するには、主に2つの解決策があり、1つは静圧支持方式、もう1つは組み合わせシール方式である。静圧軸受を用いることにより、極めて低い摩擦係数を得ることができる。しかし、静圧サーボオイルシリンダは、プロセスが複雑で製造コストが高く、サイドフォースに対する抵抗力が制限され(過大のサイドフォースにより機械的摩耗が発生する)、出力量の長さが小さく、動力負荷が大きい。組み合わせシール方式では、低摩擦材料を用いて摩擦対偶を構成する。しかし、この方式では、サイドフォースに耐えられず、摩耗が激しく、摩擦力を全荷重の1%以下にすることは難しい。そのため、フライトシミュレータに求められる平滑性を十分に満たすことはできない。摩擦補償、超滑り技術などがあるが、まだ問題が解決しない。
【0007】
資料検索によると、サイドフォースの減少による摩擦力の減少に関する有効な解決策が見られなかったことが明らかになった。一方、フライングシミュレータパラレル機構の応用環境では、サイドフォースは摩擦力に影響を与える重要な要素の1つである。サイドフォースに影響を与える要素は、重力、軸方向力、加工・組立誤差、シールやガイドなどを含む。そして、これらのいくつかのサイドフォースは互いに影響し合い、さらにサイドフォースを増大させることになる。
【0008】
従って、サイドフォースを減少させ、サイドフォースの相互影響を減少させることによって、サイドフォースによる摩擦力を効果的に減少させることができる。
【0009】
分析によると、サイドフォースに影響を与える多くの要素のうち、重力が主な要素であることが明らかになった。リニア作動シリンダのピストンとシリンダヘッドのガイドスリーブには、重力による大きなサイドフォースが存在する。しかもこのサイドフォースは変化する。サイドフォースは、ピストンロッドが伸長するほど大きくなり、作動シリンダの軸線が水平な状態であり、ピストンロッドの伸長量が70%に達したとき、このサイドフォースはリニアアクチュエータの自重よりも大きく、伸長量の増加に伴って急激に増加する。
【0010】
例えば、数トンの重さを駆動するパラレル機構モーションシステムの場合、電動シリンダ単体の重量は数百キログラム以上になり、応用環境ではこの数百キログラムの重量がかなり大きなサイドフォースを形成する。このサイドフォースは、特に相対出力量が大きい場合、チルト角が小さい場合、自重よりもはるかに大きくなる。
【0011】
軸方向力もサイドフォースを形成することができる。ピストンロッドの軸線のシリンダ筒体の軸線からの偏心やたわみの存在のため、軸方向推力は曲げモーメントを形成する。この曲げモーメントがまた偏心を大きくし、曲げモーメントを大きくし、その結果、より大きなサイドフォースを形成する。重力もこのサイドフォースを増加させる。
【0012】
シールとガイドもサイドフォースを形成する。シールには等方性の圧力分布が必要である。ただし、重力と軸方向力によってこの等方性が損なわれ、シール条件が破壊される。シール条件を満たすために、初期設計では、より大きなシール力が必要である。これにより、サイドフォースと摩擦力が間接的に増加する。
【0013】
このような比較的大きなサイドフォースは、静圧支持にとって耐えることが困難であり、これは大きな動力支持を必要とするだけでなく、時には機械摩擦を形成し、摩擦力を増大させ、寿命を短縮させることさえある。組み合わせシールでは、大きな摩擦力と大きな摩耗が発生する。油圧駆動作動シリンダの場合、サイドフォースの増加は、シール効果を著しく低下させることになる。したがって、サイドフォースは、静圧支持と組み合わせシール支持の両方に不利な要因となる。
【0014】
運動プラットフォームの荷重は2つの主な部分に分けられ、1つは運動プラットフォーム構造部分とプラットフォームよりも上の荷重部分であり、これは運動プラットフォームの主要な荷重であり、もう1つは運動プラットフォームよりも下の部分であり、すなわち油圧シリンダ或いは電動シリンダの自重である。
【0015】
運動プラットフォームが運動すると、作動シリンダもそれに追従して運動し、その重心も昇降する。運動プラットフォームが上昇すると、システムは電動シリンダの重心を上昇させるので、作動シリンダも運動システムの荷重となる。例えば、荷重4トンの電動運動プラットフォームは、約300kgの作動シリンダを6本使用し、作動シリンダの総重量は約1800kgである。作動シリンダ自体の重量はプラットフォームの総重量の比較的大きな割合を占めている。プラットフォームの自重による負荷の問題を解決するために、現在採用されている方法は空気圧補償である。空気圧補償には1つのガス駆動システムが必要で、複数のシリンダが大きなプラットフォームを支えるほど、構造が複雑になる。現在の空気圧補償方式で解決するのは、プラットフォーム全体の重量補償である。空気圧補償は通常、プラットフォームの総重量の約半分を占める。
【0016】
以上のように、既存の空間傾斜揺動アプリケーションの作動シリンダには、以下の課題が存在する。
1.重力の影響のため、ピストンとシリンダ筒体の間、シリンダヘッドとピストンロッドの間に比較的大きなサイドフォース(正圧)が存在し、摩擦力や伸縮量を含む作動シリンダの性能に影響している。
2.シリンダ筒体の重量は運動プラットフォームの荷重であり、システムの動力負担を増加させた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、作動シリンダに大きなサイドフォースが存在し、性能に悪影響を与え、システムの動力負担を増大するという技術的課題を解決する、自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法及びその装置を提供することにある
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の目的を実現するために、本発明は、
自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法であって、
自在継手受け作動シリンダを適用対象とし、
前記方法に使用される装置は、ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、ユニバーサルスイングロッド装置、及び一体型外部接続装置を含み、
前記方法は、
主な設計パラメータ及び力付加装置のタイプを決定するステップであって、
低減する当該作動シリンダの最大正圧の大きさ、最大重力モーメントと解消する重力モーメントとの割合、最大反重力モーメント、重量補償の大きさを含む、主な設計パラメータを決定するステップAと、
力付加装置のタイプ及び構造の形態を決定するステップであって、力付加装置のタイプの決定には、反重力モーメントを提供するために使用される力付加方式を決定することを含み、前記力付加方式は、引張りバネ、ねじりバネ、重力カウンターウェイト、重力振子、空気バネ、又は電磁力のうちの1つの力付加方式又は2種以上の方式の組み合わせであり、
構造の形態の決定について、構造の形態は、オープンループ構造、クローズドループ構造、セミオープンループ構造、セミクローズドループ構造又はハイブリッド構造のうちの1つの構造の形態を含む、ステップBと、を含み、上記のステップAとステップBは、順番を問わず、同時に行われてもよい、第1ステップと、
装置構造を設計するステップであって、
主な設計パラメータ及び力付加装置のタイプを決定した後、構造設計、製造、組み立て、デバッグを含む前記装置構造設計を行い、前記構造設計には、ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、及び前記一体型外部接続装置の設計を含む、第2ステップと、
実際の重力モーメント又は正圧及び重量補償の効果を計算、テスト、及び評価し、設計要件を満たすか否かを判断し、重力モーメント及び低減割合を計算、又はテスト、及び評価し、重量補償の効果を計算又はテスト及び評価し、設計要件を満たす場合、停止し、上記設計案を設計結果とし、要件を満たさない場合、パラメータを調整し、以上のステップを繰り返して、設計要件を満たすまで設計を改めて行う、第3ステップと、を含む、方法を提供する。
【0019】
本発明は、
上記の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法を実現するための自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置であって、
ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、及び一体型外部接続装置を含み、
前記ベースフレームは、外部接続装置1A、フレーム本体、及び外部接続装置1Bを含み、
前記力付加装置は、力発生装置、力伝達装置、外部接続装置2A、及び外部接続装置2Bを含み、前記力発生装置による力には、重力、金属バネ力、空気バネ力又は電磁力が含まれ、
前記方向適応装置は、同軸ではなく平行ではない2つの回り対偶を含み、外部接続装置3A、外部接続装置3B、及び2つの滑り対偶は一体に固定して接続され、2自由度回転を可能にし、
前記一体型外部接続装置は、外部接続装置5Aと外部接続装置5Bを含む、装置を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の特徴および利点は、以下のとおりである。
利点1 重力によるサイドフォース(正圧)を部分的に除去するか、あるいは全部除去することで、摩擦力を低減する。
静圧支持に適用される油圧シリンダは、横負荷を減少させ、摩擦力を減少させるほか、静圧給油によるエネルギー消費量を減少させ、機械的摩擦摩耗の確率を減少させ、寿命を延ばすことができる。
組み合わせシール支持に適用される場合、シリンダ筒体とピストンロッドの間の正圧を大幅に減少させることができ(重力による正圧を減少させるか、ほとんどなくし、同時に、それに伴う正圧をなくす)、それによって、摩擦力を大幅に減少させ、また、摩耗を軽減し、寿命を延ばすことができる。したがって、サイドフォース低減装置は通常の組み合わせシール方式を適用するために、高性能なフライトシミュレータを提供することが可能である。
利点2 作動シリンダのすべての(場合によってはそれよりも大きい)または大部分の重量を相殺する。電動シリンダ自体の重量による重力荷重を軽減または解消する。プラットフォームの重量の一部を相殺することになる。負荷能力が提供され、空気圧補償の負担が軽減されるか、場合によっては空気圧補償を解除することができる。
利点3 重力によるサイドフォースを減少または除去するため、また次のような効果がある。1.作動シリンダの軸線の偏心率を減少させ、軸方向推力によるサイドフォースを減少させる。2.ピストン周辺の力の対称性を向上させ、シール圧力を適切に低減することができる。これは、摩擦力をさらに減らすことができる。3.摩擦補償などの補助措置があれば、摩擦補償の難易度を下げたり、摩擦補償の効果を高めたりすることができる。
【0021】
以下の図面は本発明を例示的に説明、解釈するために過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1-1.10】
図1~
図1.10は、実施例1の構造概略図である。
【
図2-2.4】
図2~
図2.4は、実施例2の構造概略図である。
【
図3-3.2】
図3~
図3.2は、実施例3の構造概略図である。
【
図6-6.1】
図6~
図6.1は、実施例6の構造概略図である。
【
図9-9.2】
図9~
図9.2は、実施例9の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
傾斜自在継手受けのUPS類分岐における重力によるサイドフォースを効果的に減少又は解消する方法、装置、及びシステムを提供し、また、モーションシステムの重量荷重の一部を減少させる方法、装置、及びシステムを提供する。又は、モーションシステムの重量荷重の一部を減少させる方法、及び装置を個別に提供する。
【0024】
本明細書の前記UPS類分岐は、UPU、SPR、UPR、UCU、UCR、UCU、UCS、SPS、SCS、(RUR)CS、(UR)CS、SCS、(RR)CS、(RRR)CS、URCS、URPU、U(RHR)Uなどの分岐を含むが、これらに限定されない。前記進み対偶は、P、C、Hのうちの1種である。前記パラレル機構は、2~6自由度パラレル機構である。
【0025】
図1は実施例1の構造概略図であり、
図1.1は、6-UPS6自由度パラレル機構構造の概略図であり、
図1.2は、実施例1の反重力モーメントの受力分析図(作動シリンダの軸線を通る垂直平面内)であり、
図1.3は、実施例1の反重力モーメントの受力分析図(水平面での投影)であり、
図1.4は、作動シリンダ構造の概略図であり、
図1.5~
図1.9は、力付加装置と作動シリンダ(又は接続ロッド)とのいくつかの接続方式の概略図であり、
図1.10は、4軸線が直交する対称球面ヒンジの概略図である。
【0026】
図2は、実施例2の構造概略図であり、
図2.1は、スリーブバネの構造概略図であり、
図2.2は、
図2の力付加装置の部分図(C1方向)であり、
図2.3は、
図2における接続ロッドの一例の構造であり、
図2.4は、力付加装置のフレキシブル接続方式の概略図(力付加装置と方向適応装置との組み合わせ)である。
【0027】
図3は、実施例3の構造概略図(クローズドループ、支持ディスク無し、ケーブルとねじりバネによる引張力発生、ケーブル方向変更なし)であり、
図3.1、
図3.2は、実施例3の力付加装置の2種の力発生装置である。実施例5にも用いられる。
【0028】
図4は、実施例4の構造概略図である(クローズドループ、支持ディスク無し、引張りバネ、ケーブルの方向を1回変更)。
図5は、実施例5の構造概略図である(クローズドループ、支持ディスク無し、ねじりバネによる引張力、ケーブルの方向を1回変更)。
【0029】
図6は、実施例6の構造概略図(クローズドループ、支持ディスク無し、引張りバネ、ケーブルの方向を2回変更)、
図6.1は、実施例6の改良図である。
【0030】
図7は、実施例7の構造概略図であり(クローズドループ、支持ディスク無し、重力振子とケーブルによる引張力発生、ケーブルの方向を2回変更)、
図8は、実施例8の構造概略図である(クローズドループ、支持ディスク有り、引張りバネ、ケーブルの方向を2回変更)。
【0031】
図9は、実施例9の構造概略図であり(クローズドループ、支持ディスク有り、引張りバネ、垂直ロッドがケーブルに接続、ケーブルの方向を1回変更)、
図9.1は、その上面図であり、バネが作動シリンダの両側に配置されており、
図9.2は、実施例9の改良である(小クローズドループを大クローズドループに変更)。
【0032】
図10は、実施例10の構造概略図であり(小クローズドループ、支持ディスク有り、ねじりバネによるトルク発生)、
図10.1は
図10の上面図であり、
図10.2は、ねじりバネ取り付け位置及び受力分析図であり、
図10.3は、ねじりバネの剛度選択の概略図であり、
図10.4は、実施例10の改良であって、大クローズドループの実施例を示す。
【0033】
図11は、実施例11の構造概略図であり(支持ディスク有り、直接カウンターウェイトの形態)、
図11はその側面図であり、
図11.1は、実施例11の上面図である。
【0034】
図12は、実施例12の構造概略図であり(支持ディスク有り、両側重力間接カウンターウェイト(歯車による方向変更))、
図12.1はその上面図である。
【0035】
図13は、実施例13の構造概略図であり(小クローズドループ、支持ディスク、ケーブル式バネによる3回の方向変更、バネが地面に装着、ハイブリッド形態)、
図13.1は、3回目の方向変更の部分構造図である。
【0036】
図14は、実施例14の構造概略図であり(支持ディスク有り、重力カウンターウェイト+引張力バネ)、
図14.1はその上面図である。
図15は、実施例15の構造概略図である(オープンループ、引張りバネ、ベースフレームは折り畳み可能、中空方向適応装置)。
【0037】
図16は、実施例16の構造概略図であり(セミオープンループ、支持ディスク有り、ねじりバネによる引張力発生、カップリング有り)、
図16.1は、実施例16の改良であり、セミオープンループを大オープンループに変更し、U字型フォークが付いている
【0038】
図17は、実施例17の構造概略図であり(セミオープンループ、支持ディスク有り、ねじりバネによるトルク発生)、
図17.1は、実施例17の改良であって、セミオープンループを大オープンループに変更する(明瞭さのため、
図17.1には、自在揺動接続ロッド装置(作動シリンダ付き)が示されるが、オープンループ形態では、この装置がない)。
【0039】
図18は、実施例18の構造概略図である(大オープンループ、支持ディスクに軸受有り、共用せず、両側カウンターウェイトによる反重力モーメント発生、カップリング同期)。
図19は、実施例19の構造概略図である(システムの形態1では、支持ディスク無し、ケーブルバネの方向を2回変更、慣性が小さい)。
【0040】
図20は、実施例20の構造概略図であり(システムの形態2では、支持ディスク有り、ねじりバネによるトルク発生)、
図20.1は、実施例20の改良構造概略図である(支持ディスク有り、ねじりバネは一方の側にあるケーブルバネ、2つの軸線は1つになる)。
【0041】
図21は、実施例21の構造概略図である(システムの形態3では、支持ディスク有り、モータの重量カウンターウェイト)。
【0042】
第1部分
この部分には、オープンループ方法が説明され、この部分に記載の方法は、ユニバーサルスイングロッド装置の方法を含まない。
【0043】
自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法は、自在継手受け作動シリンダを適用対象とし、係る装置は、ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、及び一体型外部接続装置を含み、上記自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法は、以下のステップを含む。
【0044】
第1ステップ:主な設計パラメータ及び力付加装置のタイプを決定する。
【0045】
A、主な設計パラメータを決定し、すなわち、所定の適用対象(自在継手受け作動シリンダ、すなわち、UPS類分岐)及び設計要件に対しては、主なパラメータは、低減する最大正圧の大きさ、最大重力モーメント(作動シリンダが水平にある際にその自重が継手受け点に与えるモーメント)と解消する重力モーメント(又は正圧)との割合、最大反重力モーメントを含み、適用対象(パラレル機構)の主な構造サイズ、特性を含む。また、重力補償の大きさを含む。
【0046】
適用対象の主な構造サイズは、自在継手受け作動シリンダの作動空間、すなわち、作動シリンダのピッチ角、ヨー角、作動シリンダの重量の大きさなどを含む。最大重力モーメントは、作動シリンダの軸線が水平であるときのその自重と、一部の付加重量が継手受け点に与えるモーメントを含む。付加重量は、例えば力付加装置が作動シリンダに与える重力及び重力モーメントである。最大反重力モーメントは、重力モーメントと解消する重力モーメントとの割合の積である。通常、対応する工学的誤差も与えられる。
【0047】
最大正圧は、作動シリンダが水平状態である場合、ピストン(ピストンとシリンダ筒体との間)での正圧絶対値とシリンダヘッド(ピストンロッドとシリンダヘッドとの間)での正圧絶対値との和である。この正圧は、作動シリンダの摩擦力の要因の1つである。
【0048】
重力モーメントは、自在継手受け作動シリンダの自重による重力モーメントに加えて、力付加装置、接続ロッドなどの重量が作動シリンダに作用して形成される付加重力モーメントを含む。第1形態を設計する前に、力付加装置の重量が作動シリンダに与える重力モーメント(MLという)を予め推定する必要がある。類似した以前の設計案のデータがあれば、以前のデータを参照して設定してもよい。
【0049】
力付加装置の重量が作動シリンダに与える重力モーメントには、複数の場合がある。例えば、実施例4、実施例5、実施例6において、接続部分の重量による重力モーメントが主であるが、実施例1において、いくつかのバネの重量も含まれ、実施例2、3において、接続ロッドの重量も含まれる。多くの場合、形成される重力モーメントは正のものであるが、形成された重力モーメントの一部は有益なものである。例えば、カウンターウェイト実施例のいくつかの場合、接続装置による重力モーメントは、有益な反重力モーメントで、重力モーメントを小さくするものである。
【0050】
重力モーメントの決定には、以下の2つの場合がある。1つは、実際に適用する対象に応じて重力モーメントを決定することであり、もう1つは、運動プラットフォームに等級を付け、等級別の運動プラットフォームの分岐の重量、分岐の重力モーメントや主な要件などのパラメータによって、重力モーメントに等級を付けて設計を行う。それによって、様々な適用場面のニーズに対応できるようになる。例えば、作動シリンダの重量によって、50、100、200、300、400kgなど、複数の等級に分けられる。
【0051】
解消する重力モーメントの割合は、除去される重力モーメントの百分率や重量補償の大きさであり、設計者によって決定される。正圧低減と重量補償の両方を考慮すると、この割合は、通常、50%~150%、最も好ましくは、100%~120%である。正圧を最小(追求する最小摩擦力)に低減することのみを考慮すると、この割合は、通常、95%~105%、最も好ましくは100%である。解消割合を100%とすれば、理論的には、設計点の正圧が最小になり、重量補償も作動シリンダの重量になる。
【0052】
低減する正圧又は反重力モーメントの大きさは、重量補償の大きさとは関係がある。80%の正圧を低減させる必要がある場合、反重力モーメントは、80%又は120%(すなわち、2つの形態に対応)であってもよい。120%の反重力モーメント形態では、80%の反重力モーメント形態よりも40%大きい重量補償が得られる。100%の正圧は、1つの反重力モーメント形態に対応し、1つの重量補償形態に対応する。正圧低減への要件がそれほど高くないが、重量補償への要件が高い場合、100%よりも僅かに大きい反重力モーメントが選択され得る。
【0053】
以上より、重量補償と正圧低減を総合的に考慮すると、100%~120%の反重力モーメントが選択されるようにしてもよい。重量補償を優先すれば、100%よりもはるかに大きい反重力モーメントも実現的な形態である。
【0054】
摩擦力の低減を考慮せずに、重量補償のみを考慮すると、この割合は、150%以上、例えば、200%の反重力モーメント、又は300%の反重力モーメントとしてもよい。このように、大きな重量補償が得られる。200%よりも大きい反重力モーメントでは、摩擦力は反重力モーメント無しの場合よりも大きくなる。
【0055】
B、力付加装置のタイプ及び構造全体の形態を決定する。
【0056】
力付加装置のタイプを決定するとは、反重力モーメントを供給する力付加方式を決定することである。力付加方式としては、以下の方式が含まれるが、これらに限定されない。
【0057】
引張りバネ、圧縮バネ、ねじりバネ、空気バネ、重力カウンターウェイト、重力振子、電磁力の力付加方式のうちの1種又は2種以上の組み合わせが選択され得る。
【0058】
構造の形態を決定する。構造の形態は、オープンループ構造、クローズドループ構造、セミオープンループ構造、セミクローズドループ構造、ハイブリッド構造などを含む。これらのうちの1つの構造の形態を選択する。
【0059】
上記ステップAとステップBは、順番を問わず、同時に行われてもよい。
【0060】
例えば、実施例1、実施例2では、引張りバネは力付加方式として使用され、クローズドループ構造となり、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6では、引張りバネとケーブルを組み合わせたものは力付加方式として使用され、クローズドループ構造となり、実施例17では、ねじりバネのパラメータトルクは、力付加方式として使用され、セミオープンループ構造となり、実施例11、実施例12では、重力カウンターウェイトは、力付加方式として使用され、実施例14では、混合方式は力付加方式として使用される。
【0061】
第2ステップ:具体的な構造設計
具体的な構造設計には、構造設計、製造、組み立て、デバッグなどが含まれる(構造設計と略称され、構造設計には、シミュレーション設計、組み立て、デバッグが含まれる)。
【0062】
構造設計は、ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、一体型外部接続装置の設計を含む。
【0063】
ベースフレームは、他の部材の(直接又は間接的)マウントとして作用する。
力付加装置は適切な力を供給し、この力は、継手受け作動シリンダとマウントとの間に作用し、適切な反重力モーメント及び適切な重量補償を形成する。各ピッチ角では、供給される反重力モーメント及び重量補償が設計要件を満たす。
【0064】
方向適応装置は、作動シリンダの作動空間に適合する作動空間を力付加装置に提供し、ヨー角が変化した際に、反重力モーメントが変わらず、又はその変化が小さいことを確保する。
【0065】
一体型外部接続装置は、作動シリンダの接続や装置全体の取り付けに用いられ、タスク荷重に接続される。
【0066】
上記運動部材は、互いに協働して、UPS類分岐のピッチ角が変化した際に、設計要件を満たす反重力モーメントや設計要件を満たす重量補償を供給する。ヨー角が変化した際に、反重力モーメントは変わらず、又は工学的に許容される誤差範囲内で小さな変化が生じ、重量補償は変わらず、又は工学的に許容される誤差範囲内で小さな変化が生じる。例えば5%以下である。すなわち、反重力モーメントの変化及び重量補償の変化は、工学的に許容される誤差範囲内である。
【0067】
第3ステップ:実際の重力モーメント又は正圧及び重量補償の効果を計算、テスト、評価し、設計要件を満たすか否かを判断する。
【0068】
重力モーメント(作動シリンダや力付加装置接続部分などの重量によるもの)及び低減割合を計算、又はテスト、評価し、重量補償効果を計算、又はテスト、評価する。設計要件を満たす又はほぼ満たす場合、停止させる。上記形態は設計結果となる。
【0069】
要求を満たさない場合、パラメータを調整し、以上のプロセスを繰り返し、設計要件を満たすまで設計を改めて行う。
【0070】
調整されるパラメータには、反重力モーメント、低減割合、力付加方式、構造の形態、構造サイズ、構造慣性がさらに含まれるが、これらに限定されない。例えば、旋回軸受の使用有無、使用される力付加方式の種類などがある。
【0071】
パラメータ調整は、接続装置の重量(設計案における接続装置の重量)MLを変化させ、又は力付加装置や構造を調整し、又は2つ以上を調整することであり、場合によっては、付加装置の慣性やシステムの各部材の摂動空間なども考慮にされる。
【0072】
設計を改めて行い、設計要件を満たすまで上記プロセスを繰り返す。これは反復するプロセスである。
【0073】
上記方法による装置は、オープンループ装置であって、オープンループサイドフォース低減装置と呼ばれ、パラレル機構(パラレル機構のUPS類分岐の作動シリンダに接続)に直接適用可能である。
【0074】
第2部分
この部分には、クローズドループ方法が説明され、この部分に記載の方法は、自在継手受け作動シリンダの形態を構築する方法を含む。
【0075】
上記方法のように、ユニバーサルスイングロッド装置又は自在継手受け作動シリンダ(すなわちUPS類分岐)分岐(この3つの名前は時々交換可能である)も含まれており、このため、上記方法では、ユニバーサルスイングロッド装置などの設計も必要である。また、一体型外部接続装置も変化する。ベースフレームと基礎の接続がそのままであるが、元の力付加装置の一端はユニバーサルスイングロッド装置のスイングロッド装置に接続され、スイングロッド装置は一体型外部接続装置の一部となる。このようにして、クローズドループ構造が得られ、クローズドループ自在継手受け作動シリンダサイドフォース低減装置(クローズドループサイドフォース低減装置又はクローズドループ正圧低減装置)と略称される。クローズドループサイドフォース低減装置は、パラレル機構又はUPS類分岐(同一の回り対偶を共用するRPS分岐又はPS、CS分岐を含む)を適用対象とする。ユニバーサルスイングロッド装置は、作動シリンダのための取り付けベース及び揺動作動空間を提供する。場合によっては、ユニバーサルスイングロッド装置の接続ロッドの代わりに作動シリンダが使用される。接続ロッド装置は、作動シリンダの軸線に対して、平行、垂直、逆方向又は他の方向であってもよく、接続ロッドは、作動シリンダの軸線を通る垂直面内にある。
【0076】
このため、オープンループサイドフォース低減アセンブリの方法を基にして、適切な調整を加えると、クローズドループサイドフォース低減装置による自在継手受け作動シリンダサイドフォース低減方法が得られる。オープンループ方法を参照することができるので、ここでは詳しく説明しない。
【0077】
上記オープンループ方法の第2ステップでは、方向適応装置の第1回り対偶を、軸線が水平面に垂直となるようにして、基礎に取り付ける方法も含まれ、それによって、構造が簡素化され、精度が向上し、この回り対偶は旋回軸受と呼ばれ、この旋回軸受の固定ディスクは基礎に固定され、この旋回軸受の回転ディスクには支持ディスクが固定して取り付けられる。旋回軸受は、スタンドフレームの一部でもあり、支持ディスクには、ベースフレームの残りの部分が取り付けられ、支持ディスクには、方向適応装置の別の回り対偶が取り付けられる。旋回軸受付きオープンループの実施例を参照する。
【0078】
上記クローズドループ方法の第2ステップでは、ユニバーサルスイングロッド(すなわちUPS分岐)及び方向適応装置が同一の回り対偶を共用する方法によって、構造が簡素化され、精度が向上し、共用される回り対偶は、ユニバーサルスイングロッド装置の自在継手と基礎が接続される回り対偶であり、旋回軸受と呼ばれ、旋回軸受の軸線が水平面に垂直であり、旋回軸受の固定ディスクは基礎に固定され、旋回軸受の回転ディスクの上面には支持ディスクが固定されている。また、旋回軸受はベースフレームの一部として機能する。方向適応装置の別の回り対偶は支持ディスクに取り付けられ、UPS分岐の残りの部分は、支持ディスクに取り付けられ、通常、別の2つの軸受の回り対偶の軸線は水平面に平行である。旋回軸受付きクローズドループの実施例8、実施例9を参照する。
【0079】
適用際には、UPS分岐の残りの部分も支持ディスクに取り付けられる。力付加装置では、ベースフレームに接続される一端は、支持ディスクや基礎に接続されてもよい。
【0080】
本明細書では、UPS分岐及び自在揺動接続ロッドは同一装置を指す。
【0081】
第3部分
この部分には、構造オープンループアセンブリ形態が説明され、オープンループの実施例15を参照する。
【0082】
自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置は、ベースフレーム1、力付加装置2、方向適応装置3、及び一体型外部接続装置5を含む。その中でも、前者の3つの部分は機能構造本体である。すべてのオープンループ形態にはこのような主な部分が含まれている。クローズドループ形態には、自在揺動接続ロッド装置4も含まれている。
【0083】
1.ベースフレームは、外部接続装置1A、フレーム本体、及び外部接続装置1Bを含む。ベースフレームは、0~2個の回転自由度を有する構造又は機構である。方向適応装置や力付加装置などの他の部材の取り付けマウントとして機能する。
【0084】
2.力付加装置は、力発生装置、力伝達装置、外部接続装置2A、及び外部接続装置2Bを含む。力発生装置は、重力、金属バネ力、空気バネ力や電磁力等により構成されるが、これらの力に限定されない。力伝達装置は、力の伝達や力の大きさと方向の変更に用いられる。
力付加装置は、力付加装置による力をベースフレームと自在揺動接続ロッド装置の接続ロッド(又は作動シリンダ)との間に作用させ、作動シリンダに反重力モーメントを与えるものである。
【0085】
3.方向適応装置は、同軸ではなく平行ではない2つの回り対偶と、外部接続装置3A、3Bと、を含む。2つの回り対偶は一体に固定して接続され、2自由度回転を可能にする。
【0086】
方向適応装置は、作動シリンダが水平軸を中心にして上下に回転することを確保にしつつ、力付加装置と組み合わせて方向の変化を実現し、適切な反重力モーメントを与える。作動シリンダが垂直軸の周りに回転すると、力付加装置は対応する運動を行う。
【0087】
一体型外部接続装置5は、外部接続装置5Aと外部接続装置5Fを含む。全体の固定や外部への出力を担当する。
【0088】
構造全体
ベースフレーム1は、自在継手4.2(UPS分岐のU対偶)付近(外側又は周囲)に取り付けられ、方向適応装置3は、ベースフレームに取り付けられ、力付加装置2の一端は方向適応装置によってベースフレームに接続され、力付加装置の他端は接続装置によって自在揺動接続ロッド又はシリンダ筒体に接続され、すなわち、一端は作動シリンダに作用し、他端はベースフレームに作用する。ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、自在揺動接続ロッド装置でクローズドループが構成されると、同期回転が実現される。
【0089】
一体型外部接続装置5は、基礎や外部設備に接続され、これらの基本的な機能を実現する。
【0090】
取り付け及び使用
このサイドフォース低減装置はパラレル機構に適用される。自在継手及びパラレル機構を基準位置にすれば、サイドフォース低減装置の接続装置の第1端は外側や自在継手の外側又は周囲に取り付けられる。接続装置1の第2端は作動シリンダに接続される。
【0091】
上記各部分は、互いに協働して、作動シリンダの作動空間全体、作動シリンダとベースフレームとの間に適切な反重力モーメントを形成し、傾斜継手受けのUPS分岐U対偶の中心に作用する、作動シリンダの重力(ピストンロッドの重量を含んでもよい)によるモーメント(以下、単に重力モーメント)を小さくしたり部分的に解消したりし、正圧や摩擦力を小さくする。また、作動シリンダの重力作用を低減したり部分的に解消したりし、システムの動力負担を小さくする。
【0092】
第4部分
この部分には、セミオープンループ形態が説明され、セミオープンループの実施例17を参照する。
【0093】
オープンループ形態では、前記自在継手受け作動シリンダ正圧低減装置において、前記方向適応装置の第1回り対偶は地面に取り付けられる。この回り対偶の軸線は地面に垂直である。この回り対偶としては、通常、旋回軸受が使用され、旋回軸受の固定ディスクは基礎に固定され、可動ディスクは、通常、支持ディスクに固定して接続され、支持ディスクには、方向適応装置の別の回り対偶が取り付けられる。旋回軸受はスタンドフレームの一部となる。スタンドフレームは、1自由度スタンドフレームとなる。ベースフレームの残りの部分は支持ディスクに取り付けられる。旋回軸受の固定ディスクは基礎に取り付けられる。
【0094】
クローズドループの実施例8、実施例9、実施例10では、自在継手の水平軸回り対偶や接続ロッドを取り外すだけで、このセミオープンループの構造形態が得られる。
【0095】
使用際には、支持ディスクはUPS分岐の残りの部分、例えばRPS部分が取り付けることにも利用される。
【0096】
UPS類分岐のU対偶は、2つの回り対偶を持つ、又は自在継手のかわりに球面ヒンジが使用される場合、3つの回り対偶を持つ。基礎に接続された回り対偶は第1回り対偶とされ、それよりも上にあるものは、順次第2回り対偶、第3回り対偶とされる。本明細に記載の正圧はサイドフォースと呼ばれる場合もあり、これらは実際には同一の意味である。
【0097】
オープンループ形態には、大オープンループとセミオープンループの2種類がある。オープンループとは、自在揺動接続ロッド装置を含まない形態である。方向適応装置が自在継手接続ロッドの自在継手と第1回り対偶を共用する場合は、セミオープンループ構造と呼ばれる。それ以外の場合、大オープンループとなる。共用される第1回り対偶は旋回軸受と呼ばれる。この旋回軸受は所定の転倒力に耐えられる。セミオープンループ構造は、大オープンループ構造を簡素化したものである。大オープンループはオープンループとも呼ばれる。
【0098】
第5部分
この部分には、オープンループ形態に基づいて、自在揺動接続ロッド装置を増設して、クローズドループ形態を形成した構造クローズドループ形態が説明され、実施例1~6を参照する。
【0099】
自在継手受け作動シリンダの正圧低減装置であって、ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、自在揺動接続ロッド装置、及び一体型外部接続装置5A、5Fを含む。そのベースフレーム、力付加装置、方向適応装置については、オープンループ形態と同様であるので、詳しく説明しない。自在揺動接続ロッドの自在継手の一端は基礎(又はベースフレームの底部)に取り付けられ、揺動接続ロッドの一端は作動シリンダ及び力付加装置に接続され、力付加装置は、作動シリンダ又は接続ロッドに反重力モーメントを印加する。ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、自在揺動接続ロッドでクローズドループが構成され、各部材の同期運動が実現される。
【0100】
ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、自在揺動接続ロッドという4つの部材で構成される全体は機能構造体と呼ばれる。外部接続装置は、基礎接続ベースと、作動シリンダ接続ベース又はプラットフォーム接続ベースと、を含む。
【0101】
一実施形態では、自在揺動接続ロッド装置は、自在継手、揺動接続ロッド、外部接続装置4A、及び外部接続装置4Bを含む。自在継手(又は球面ヒンジ)はスイングロッドに接続される。自在継手は、U、RR、RU、UR、RUR、Sなどの機構を含むが、これらに限定されない。接続ロッドは、作動シリンダの軸線を通る又は作動シリンダの軸線に平行な直線上にあってもよいし、作動シリンダの軸線に垂直な平面にあってもよいし、作動シリンダの軸線の延長線上にあってもよい。接続ロッドはストレートロッドであってもよく、曲げロッドであってもよい。機能:作動シリンダ(分岐)のための2自由度作動空間を提供するとともに、RPS又はPS分岐との接続インターフェースや力付加装置との接続インターフェースを提供し、パラレル機構との全体にする。
【0102】
取り付け及び使用:実施例20を参照する。
【0103】
クローズドループ形態にも、大クローズドループとセミクローズドループとの2種類がある。クローズドループ形態では、方向適応装置の水平軸線回り対偶と自在継手の第1回り対偶は同一の旋回軸受を共用する。このような形態はセミクローズドループ形態と呼ばれる(実施例8、実施例9を参照)。大オープンループは単にオープンループと呼ばれる場合もある。
【0104】
実施例8、実施例9、実施例10では、旋回軸受は方向適応装置と同一の垂直軸回り対偶を共用する。
【0105】
この回り対偶は通常旋回軸受を用いる。旋回軸受の固定ディスクは基礎に固定され、可動ディスクは、通常、支持ディスクに固定して接続され、支持ディスクには、方向適応装置の別の回り対偶が取り付けられる。旋回軸受はスタンドフレームの一部となる。スタンドフレームは、1回転自由度を有するスタンドフレームとなる。ベースフレームの残りの部分は支持ディスクに取り付けられる。旋回軸受の固定ディスクは、基礎に取り付けられる。
【0106】
使用際には、支持ディスクは、UPS分岐の残りの部分、例えばRPS部分を取り付けるのにも利用される。
【0107】
UPS類分岐のU対偶は、2つの回り対偶を持つ、又は自在継手の代わりに球面ヒンジが使用される場合、3つの回り対偶を持つ。基礎に接続された回り対偶は第1回り対偶と呼ばれ、それよりも上のものは、順次第2回り対偶、第3回り対偶と呼ばれる。
【0108】
本明細書に記載の正圧は、サイドフォースと呼ばれる場合もある、これらは実際には同一の意味である。各部材の詳細については、統一的に説明する(オープンループかクローズドループに関わらず)
【0109】
一実施形態では、ベースフレームは、基礎取り付けベース1A1.1、フレーム本体、上部取り付けベース1B1.2を含む。基礎取り付けベースは地面基礎におけるUPS分岐の周辺に接続される。上部取り付けベースは、方向適応装置又は力付加装置に接続される。
【0110】
ベースフレームは、力付加装置又は方向適応装置のための取り付けマウントとして機能し、適切な取り付け点を与える。
【0111】
ベースフレームには、以下の3種類がある。
第1種の基礎フレーム:メインフレームは剛性構造フレームであり(実施例1を参照)、又は2つ(高さ、幅)調整可能な並進自由度を持ち、調整されると剛性フレームとなる。実施例2を参照する。
【0112】
第2種の基礎フレームは、垂直軸を中心とする回転自由度のベースフレームである(実施例8、実施例9)。この垂直軸回り対偶は方向適応装置の第1回り対偶と共用される。通常、この回り対偶は旋回軸受を用い、旋回軸受、支持ディスク、マウントを含む。このような場合、2つの調整可能な並進自由度が設定されてもよい。実施例11~15を参照する。
【0113】
第3種は、2回転自由度ベースフレームであり、1つの垂直軸回り対偶と1つの水平軸回り対偶を持つ。2つの回り対偶は方向適応装置の2つの回り対偶と共用される。実施例11を参照する。垂直軸の周りに回転する旋回軸受の軸線には、10度程度の誤差が許可され、このような誤差は精度への影響が小さく、それによって、作動シリンダのピッチ作動空間を大きくすることができる。
【0114】
一実施形態では、力付加装置は、力発生装置2.2、力伝達装置2.3、外部接続装置2A2.1、及び外部接続装置2B2.4を含む。構造:力発生装置及び力伝達装置は直列接続関係がある。直列接続された両端には、接続装置2A、2Bを有する。ケーブルが存在する場合、滑車との接続もある。
【0115】
力伝達装置は、一端がアクチュエータに接続され、他端が方向適応装置によってベースフレームに接続される。
【0116】
力付加装置は、適切な力を発生させ、電動シリンダとベースとの間に作用させ、電動シリンダに対して反重力モーメント(定義:反重力モーメントは重力モーメントの方向と反対の方向のモーメントで、重力モーメントの解消又は減少に用いられる)を与える。
【0117】
力発生装置は、作動シリンダが回転する際に適切な力を提供するものである。力の発生方式によって、引張りバネ、圧縮バネ、ねじりバネ、空気バネ、永磁力バネ、電気バネ、重力、モーメントモータなどが含まれるが、これらに限定されない。1種又は複数の組み合わせは並列接続又は直列接続される場合も含まれる。
【0118】
力伝達装置は、簡単な接続ベース又は簡単なケーブル(ロープ)による伝動、又はケーブル、伝動ボックス、滑車群の組み合わせである。力伝達装置は、力を伝達したり、力の方向や大きさを変えたりする。
【0119】
力付加装置の力伝達装置は、滑車とケーブルを含み、滑車はケーブルの方向を固定又は変更する。第1滑車は、力付加装置の力付加方向を決定し、合理的な力成分を提供するものである。第2滑車は、第1滑車と協働して、ケーブルの第2段の方向を決定し、ケーブルの第2段が地面に垂直であり、作動シリンダのヨーによる揺動を遮断するものである。第3滑車はケーブルの方向をさらに変え、力付加装置に適切な取り付け位置を提供する。
【0120】
ケーブルと滑車との組み合わせは、以下の複数の場合の1種である。
【0121】
A.1つの滑車
当該滑車は、ベースフレームに取り付けられ、方向適応装置と同一の水平軸線回り対偶を共用し、ケーブルの第1段の方向を固定し、力付加装置と協働して、ケーブルの第2段の方向を水平面に垂直なものとし、かつ、ケーブルの軸線を自在継手に近くする。
【0122】
B.2つの滑車
一方の滑車は、ベースフレームに取り付けられ、方向適応装置と同一の水平軸線回り対偶を共用し、ケーブルの第1段の方向を固定し、他方の滑車は、ベースフレームに取り付けられ、2つの滑車は協働して、ケーブルの第2段の方向を水平面に垂直なものとし、かつ、ケーブルの軸線を自在継手に近くする。ケーブルの第3段は比較的自在な方向を持つ。
【0123】
C.3つ以上の滑車
1つの滑車は、ベースフレームに取り付けられ、方向適応装置と同一の水平軸線回り対偶を共用し、ケーブルの第1段の方向を固定し、もう1つの滑車は、ベースフレームに取り付けられ、これらの2つの滑車は協働して、ケーブルの第2段の方向を水平面に垂直なものとし、かつケーブルの軸線を自在継手に近くする。残りの滑車はケーブルの任意の段の方向を任意で変える。
これらの形態のいずれも減速ケースに直列接続されてもよい。
特に、一般的な空気バネ(磁性バネも同様)は、変位量が小さい。大きな変位量を得るために、伝動装置が使用され、空気バネの出力変位を大きくする。
初期力を容易に変えるように、力付加装置では、力付加装置のある部位、例えば、力発生装置と力伝達装置との間、力発生装置とベースフレームとの間、力伝達装置とベースフレームとの間に、初期力を変えるための調整装置が直列接続され、調整後にロックが行われる。
【0124】
一実施形態では、方向適応装置は、2つの回り対偶と、2つの外部接続装置3A、3Bと、を含む。
【0125】
方向適応装置の2つの回り対偶軸線は、最も好ましくは直交する(面一または非面一)。2つの回り対偶は、剛性マウントによって接続される。回り対偶は、従来の回り対偶やフレキシブル回り対偶であってもよい。方向適応装置は、ユニバーサルジョイントに限定されず、例えばSR、RU、RURの組み合わせはいずれも利用可能である。
【0126】
方向適応装置の構造は、回り対偶集中配置構造と上下配置構造(旋回軸受付きの実施例)の2つの種類に分けられる。
【0127】
一実施形態では、自在継手受けスイングロッド装置では、自在継手と接続ロッドは一体に固定して接続される。自在継手接続ロッド装置には、以下のいくつかの形態がある。
【0128】
作動シリンダの軸線に平行な接続ロッド(実施例2、実施例3を参照)、作動シリンダの軸線に垂直な接続ロッド(実施例9を参照)、作動シリンダの軸線の下にある接続ロッド(実施例11を参照)、作動シリンダを接続ロッドとする形態については、実施例1、実施例4、実施例5を参照する。
【0129】
作動シリンダ接続ロッド装置とUPS類分岐との相違点については、前者は、UPSの自在継手とシリンダ筒体又はシリンダ筒体に接続されたロッド部材とを含み(実施例)、一般には、作動シリンダや運動プラットフォーム自在継手を含まない。場合によっても、混淆を持たさない場合、交換してもよい。
【0130】
接続ロッドには、回り対偶取り付けベースを有し、取り付けベースの接続ロッドでの位置は、R1の大きさを変えるために調整されてもよい。
【0131】
パラレル機構に適切な各種の自在継手。(自在継手タイプは、RR、RU、RUR、S、URを含むが、これらに限定されない。)(面一、非面一、第1回り対偶は地面に垂直であり、第1回り対偶は地面に平行である。軸線がランダムに配置された他の形態。パラレル機構によって異なる場合がある。場合によっては、自在継手は同じであるが、自在継手の取り付け方式は異なる。分岐が同じであれば、取り付け方式が異なると、異なるパラレル機構が得られる)。
【0132】
一実施形態では、一体型外部接続装置は、基礎接続装置5Aと、作動シリンダ接続装置5Bと、を含む。
【0133】
基礎接続装置は、地面との接続を可能とし、例えば、旋回軸受の固定ディスク、又はベースの接続ベース装置であり、装置全体を固定する役割を果たす。作動シリンダ接続装置は、作動シリンダ又はプラットフォームとの接続を可能とし、パラレル機構とともに一体になる。
【0134】
上記力付加装置、方向適応装置には、フードやシェルなどの保護装置が設計されている。力発生装置には、長さ調整装置が設計されている。正確な反重力モーメントを得るために、力付加装置には、力センサやセンサなどが設計されている。
【0135】
第6部分
この部分には、システムアセンブリ形態が説明され、微正圧パラレル機構システムが含まれている。
【0136】
構造:パラレル機構と、サイドフォース低減装置と、システム外部接続装置7A、7Bと(以上のオープンループ及びクローズドループアセンブリの形態は、サイドフォース低減装置と呼ばれる)の3つの部分を含む。パラレル機構は、少なくとも1つのUPS類分岐を有し、少なくとも1つのUPS類分岐には、1つのサイドフォース低減装置(オープンループ又はクローズドループ)が配置されており、このUPS分岐のほとんどのサイドフォースをなくし、この分岐の重力の一部をなくし(場合によっては、より大きなプラットフォーム重量を相殺するために、作動シリンダの重量よりも僅かに大きくてもよい)、それによって、サイドフォースが低く、摩擦力が低く、部分重力補償特性があるパラレル機構大システムが得られる。各種のクローズドループ構造やオープンループ構造は、関連する実施例19、実施例20、実施例21を参照する。
【0137】
パラレル機構は、少なくとも1つの分岐がUPS類分岐のパラレル機構であり、オープンループ又はクローズドループのサイドフォース低減装置と協働して、大きなシステム、すなわち低摩擦力パラレル機構システムとなる。上記パラレル機構は、2、3、4、5、6という5自由度、又はこれらの各自由度の組み合わせを含むパラレル機構である。
【0138】
上記オープンループ及びクローズドループのサイドフォース低減装置の中からいずれか1つ又は複数が選択される(UPS類分岐と同数が必要)。UPS類分岐ごとに1つのサイドフォース低減装置が配置される。
【0139】
外部接続装置は、基礎取り付けベースと、プラットフォーム接続ベースと、を含む。基礎取り付けベースは、パラレル機構の基礎プラットフォーム及びサイドフォース低減装置の基礎取り付けベースである。プラットフォーム接続ベースは、運動プラットフォームで、タスク荷重、例えばキャビンなどを取り付けるためのものである。
【0140】
クローズドループのサイドフォース低減装置が使用される場合、クローズドループサイドフォース低減装置には分岐の自在継手が存在するため、パラレル機構の自在継手が不要となり、両方は同一の自在継手を共用する。
【0141】
サイドフォース低減装置のベースフレームは、6自由度の6つの分岐の下端付近に取り付けられ、力付加装置の一端は方向適応装置によってベースフレームに接続され、力付加装置の他端は接続装置によって作動シリンダのシリンダ筒体の接続ベースに接続され、すなわち、一端は作動シリンダに作用し、他端はベースフレームに作用する。各UPS類分岐は、対応するサイドフォース低減装置を持つ。
【0142】
なお、パラレル機構の各分岐及びプラットフォームの摂動空間が占有できない空間であり、サイドフォース低減装置を取り付ける際には、上記摂動空間を占有することができない。また、上記空間との適切な間隔が必要である。
【0143】
上記各部分は、互いに協働して、作動シリンダの作動空間全体にわたって、アクチュエータとベースフレームとの間に適切な(重力モーメントと反対の)モーメントを形成し(以下、反モーメントと略称)、ほぼ正弦の法則に従って変化する反重力モーメントを各分岐に与える。傾斜継手受けのUPS分岐U対偶の中心に作用する、作動シリンダ重力(ピストンロッドの重量を含んでもよい)によるモーメント(以下、重力モーメントと略称)を減少又は解消する。サイドフォース又は摩擦力の低い多自由度パラレル機構運動プラットフォームシステムが提供され、また、全体の荷重が小さい運動プラットフォーム、重力荷重が適切に補償されるモーションシステムが提供される。
【0144】
サイドフォース低減装置は、実質的には、特殊の2自由度又は3自由度パラレル機構(クローズドループ)又は直列接続機構(オープンループ)である。円錐状の作動空間内で、正弦の法則に従って変化する反重力モーメントを自在継手受け作動シリンダに与えることを特徴とする。
【0145】
複数の自由度を持つ、かつUPS類分岐を含むパラレル機構には、複数のサイドフォース低減装置が存在する。サイドフォース低減装置は、いずれも、上記の任意のパラレル機構に適用できる。そのため、適用形態がさまざまなである。
【0146】
以下、本発明の技術的形態について、詳細に説明する。
【0147】
実施例1
図1に示すように、クローズドループ、支持ディスク無し、単一バネによる直接引張力発生の形態の構造タイプがある。
【0148】
ベースフレーム1、力付加装置2、方向適応装置3、ユニバーサルスイングロッド装置4、一体型外部接続装置5を含む。前者の4つは機能構造本体、残りの部分は接続装置と呼ばれる。クローズドループ実施例のすべての形態には、上記の複数の部分が含まれるため、以下の説明において、詳しく説明しない。
【0149】
1、ベースフレーム1は剛性構造フレームである。その下部は、基礎に接続されるベース取り付けベース1A1.1であり、その上部は、方向適応装置3に接続される外部接続装置1B1.3であり、その中間は、力を負荷するフレーム本体1.2である。
【0150】
ベースフレーム1は、方向適応装置、力付加装置などに、取り付け支点を提供する機能を発揮する。
【0151】
2、力付加装置2は、力発生装置2.2と、力伝達装置2.3と、外部接続装置2A2.1、2B2.4と、を含む。
【0152】
本実施例では、力発生装置2.2は、引張りバネ2.2aであり、力伝達装置2.3は、ユニバーサルジョイント類伝動装置2.3dである。力付加装置の外部接続装置2A2.1、2B2.4は、一端がユニバーサルジョイントによってアクチュエータのシリンダ筒体に接続され、他端が方向適応装置3に接続される。
【0153】
力付加装置は、揺動する作動シリンダに適切な力又はモーメントを与える機能を発揮する。引張りバネは、組み合わせバネ又は並列接続バネとしてもよく、このように、バネの体積及び長さを小さくし、エネルギー密度を高める。
【0154】
3、方向適応装置3は、自在継手(又はユニバーサル滑車)と、2つの外部接続装置3A3.1及び3B3.4と、を含む。ユニバーサルジョイントは、回り対偶A 3.2と回り対偶B 3.3の2つの回り対偶を含む。本実施例では、2つの回り対偶A、Bは、非面一に直交し(間隔をe2とし、e2が0である場合、面一に直交)、ユニバーサルジョイントを構成する。方向適応装置3の外部接続装置は、一端3.1がベースフレームの上端に接続され、他端3.4が力付加装置に接続される。方向適応装置3は、力付加装置及び作動シリンダが揺動するための2自由度作動空間を提供する機能を発揮する。ユニバーサルジョイントの2つの回り対偶は、互いに協働して、作動シリンダのピッチ角やヨー角の変化に対応する。
【0155】
4、ユニバーサルスイングロッド装置
ユニバーサルスイングロッド装置4は、自在継手(又は球面継手)4.2と、接続ロッド4.3と、外部接続装置4A4.1及び外部接続装置4B4.4と、を含む。ユニバーサルジョイントは接続ロッドに接続され、接続ロッド装置は作動シリンダの本体によって取り替わってもよい(各実施例でも同様。)。接続ロッド(又はシリンダ筒体)には回り対偶取り付けベースが設けられ、取り付けベースの接続ロッドでの位置(A1a)を調整することにより、R1(R1については、
図1を参照)の大きさを変えることが可能である。接続ロッドは様々であり、実施例1、実施例2、実施例9、実施例14を参照する。図において、4.4bはピストンロッドで、外部接続装置の1種である。
ユニバーサルスイングロッド装置4は、基礎プラットフォームや力付加装置に接続され、作動シリンダに2自由度(又は3自由度)作動空間を提供し、パラレル機構と一体になるような役割を果たす。
自在継手のタイプには、RR、U、RU、UR、RUR、Sなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0156】
5、一体型外部接続装置は、ベースフレームの接続装置5A5.1と、シリンダ筒体又はピストンロッドに力付加装置を接続する接続5B5.2と、を含む。
機能:装置全体を固定し、タスク荷重を接続し、すなわち作動シリンダ又はピストンロッドに接続する。作動シリンダ又はパラレル機構と一体化する。
ベースフレーム1、力付加装置2、方向適応装置3、自在継手スイングロッド装置4は、クローズドループ(基礎は大きな部材)を構成し、各部材は、互いに協働して、各部材の同期運動を可能にし、適切な反重力モーメントや重量補償を印加するタスクを担当する。6-UPSパラレル機構に適用される場合、分岐ごとに、このようなクローズドループ機構が必要とされる。
このクローズドループは、特殊な2自由度パラレル機構であり、その運動プラットフォームが揺動接続ロッドである。機構は、接続ロッドに作用する重力によるモーメントを解消又は部分的に解消し、及び/又は一部又はより多くの作動シリンダ又は移動プラットフォームの重量を相殺することを特徴とする。
【0157】
図において、A1aは力付加装置と作動シリンダとの設計接続点であり、A2aは力付加装置と方向適応装置との設計接続点である。
【0158】
説明されていない符号については、符号の説明を参照すればよい。
【0159】
以下は、実施例に係るいくつかの問題が説明される。
【0160】
本明細書における前記パラレル機構は、少なくとも1つの分岐がUPS類分岐の2~6自由度パラレル機構である。
【0161】
図1.1は、6-UPS型6自由度パラレル機構の概略図である。基礎プラットフォーム7.2には、6つのUPS類分岐7.3が接続され、接続点は六角形を構成し、六角形の内部を内とし、6つのUPS類分岐7.3の上端は運動プラットフォーム7.4に接続される。
【0162】
基礎プラットフォームに接続された自在継手は基礎プラットフォーム自在継手7.3aと呼ばれ、本明細書に最も一般的に使用されるのは基礎プラットフォーム自在継手であることから、通常、単に自在継手と呼ばれる(混淆がないように、方向適応装置又は力付加装置の接続装置はユニバーサルジョイントと呼ばれる)。
【0163】
分岐7.3では、運動プラットフォームに接続される自在継手は、運動プラットフォーム自在継手と呼ばれ、通常、接続点による六角形である(3角形、4角形、5角形であってもよい)。
【0164】
2つの六角形と6つの分岐により囲まれる空間は内、それに対応する外部は外とする。
【0165】
特定の自在継手の外側は、別の自在継手の外側ではなく、当該自在継手の付近である。
【0166】
基礎装置の取り付けは、通常、基礎プラットフォーム平面における内外を指す。
【0167】
作動シリンダの作動空間、及び分岐の作動シリンダ(進み対偶又は円筒対偶又はネジ対偶)のうち、一方は、ピッチ作動空間であり、通常、0度~90度の範囲であり(
図1.2参照)、他方はヨー作動空間である。ヨー作動空間は110度程度である(
図1.3参照)。作動空間は、運動プラットフォームの几何パラメータによって決定され、構造が異なると、作動空間のパラメータが異なる。
【0168】
座標系の作成
座標系の作成において、水平面がxy平面とされる。上方はZ軸の正の方向とされ、原点はUPS分岐の第1回り対偶の中心とされる。
【0169】
図1.2は、傾斜継手受け作動シリンダの解消する重力モーメントの受力原理の概略図で、側面図である。L1は、作動シリンダの軸線の初期位置であり、ピッチ角が最小であり、L3は、作動シリンダの軸線が最大のピッチ角にあることである。2つの角度の差は、作動シリンダのピッチ作動範囲αmである。作動シリンダの軸線上又は軸線付近に1つの重力G0が作用し、この重力は座標原点であるO点に対して重力モーメントを形成する。この重力モーメントはピストン及びシリンダヘッドで付加正圧を形成し、この正圧はサイドフォースと呼ばれる。
【0170】
A1は、力付加装置とシリンダ筒体との理論接続点であり、A2は、力付加装置の別の理論接続点(方向適応装置との接続点)である。引張りバネは作動シリンダに力を印加し、この力の1つの分力は、O点(水平軸線)に対して、反重力モーメントと呼ばれるモーメントを形成し、重力モーメントと反重力モーメントが相殺又はほぼ相殺される際に、シリンダ筒体やピストンに作用する正圧は最も小さい又は比較的小さい。
【0171】
A2点を通る垂直線と座標系の垂直軸との間の距離は偏心e1と呼ばれ、この偏心e1が0である場合、つまり、A2がZ軸上にある場合、反重力モーメントのバランス誤差が最も小さく、偏心e1が大きく、いくつかの分岐のバランス誤差が生じる。
【0172】
重力モーメントの変化の法則は、作動シリンダの軸線と垂直軸とのなす角度が大きいほど、重力モーメントが大きく、90度に達する際に、重力モーメントは最も大きく、
図10.3に示すように、その間は正弦の法則に従って変化するか、又は略正弦の法則に従って変化する。
図10.3における曲線は正弦曲線である。
【0173】
図1.3は、作動シリンダのヨー範囲を表す上面図である。偏心e1が0ではないため、反重力モーメントは、O点に対して、z軸を中心とする作用モーメントを形成する(偏心が0である場合、このモーメントは0であることが明らかである)。偏心が大きいほど、このモーメントは大きい。このモーメントは望ましくないものである。モーメントが小さいほど、好ましい。動力学解析には、このモーメントが運動プラットフォームの運動に与える影響が考慮されるべきである。また、この偏心は反重力モーメントにも影響を及ぼし、また、誤差を引き起こす(ただし、極めて小さい)。
【0174】
図1.2、
図1.3において、F0はバネ力であり、F1は作動シリンダの軸線でのF0の投影であり、F2は、作動シリンダの軸線に垂直な方向(F0とF1の平面内)でのF0の投影である。F3は、F0及びF1に垂直な方向におけるF0の投影である。
【0175】
支持ディスクが存在する場合、
図1.3に示すような状況がなく、この場合、上面図から見ると、D2点は、作動シリンダの軸線の延長線上にあり、つまり、z軸を中心とする作用モーメント(F3=0)が存在しない。この点は支持ディスク有り形態の利点であるが、支持ディスク有り形態には、回転慣性が大きいという欠点が存在する。
【0176】
図1.4は作動シリンダの剖面図であり、作動シリンダに関連するサイズやピストンロッドの運動範囲を示す。ここで、Lminは、ピストンの変位が0であるときの位置であり、通常の場合、このときの正圧は最も小さい。
【0177】
Lmaxは、ピストンの変位が最大である場合の位置であり、通常の場合、正圧が最大である。
【0178】
Lxは、ピストンの位置と自在継手の中心との距離である。Lx=Lmin+0.5(Lmax-Lmin)の場合、ピストンの中立位置又は作動シリンダの中立位置と呼ばれる。ピストン中立位置での重力モーメントは、反重力モーメント設計点としてもよい。
【0179】
L0は、1つの分岐の基礎プラットフォーム自在継手の中心と運動プラットフォーム自在継手の中心との最小間隔である。
【0180】
力付加装置と作動シリンダとの接続装置の構造(
図1.5~
図1.9参照)
【0181】
図1.5は、2つの回転自由度を持つ外部接続装置2.4であり、
図1.6は、3つの回転自由度を持つ外部接続装置2.4である。これは、ユニバーサルジョイント類2.4aの中空ユニバーサルジョイントである。接続管2.4dは、シリンダ筒体に接続される。2.4iは、U字形フォークである。2.4eは中空十字軸である。2.4bはフック・リング類外部接続装置である。
【0182】
図1.5の接続管2.4dは中空ユニバーサルジョイントに接続され、
図1.6の接続管2.4dの他端は、中空の3軸直交球面ヒンジに接続される。
【0183】
図1.5、
図1.6は中空ユニバーサルジョイントである。中空軸回り対偶は作動シリンダの自転に適合し、中空ユニバーサルジョイントの別の回り対偶は、力付加装置の方向の変化に適合する。力付加装置は、2つあり、それぞれ作動シリンダの両側に配置される。両側にバネ(組み合わせバネを含む)が配置されることによって、バネの長さが小さくなる(引っ張られていない場合)。力付加装置の一端は作動シリンダ接続ロッド装置2.3に接続される。
【0184】
図1.7は別の接続装置である。外部接続装置2.4はボルトでシリンダ筒体4.3dに接続され、接続ロッドに固定される。中間にあるシリンダ筒体4.3dは接続管(板)2.4dに固定して接続される。接続管(板)2.4dはユニバーサルジョイント類2.4a及びフック・リング類ユニバーサルジョイント4bに接続される。互いに可動接続された2つのリングはユニバーサルジョイントを構成する。
【0185】
図1.8は、フレキシブル類外部接続装置2.4である。シリンダ筒体2.4dの両側には同軸線の2つの軸が固定して接続され、軸には2つのフック・リング2.4bが接続され、1段のケーブル2.4f端にはフックが配置され、そのフックは2つのリンクに接続され、ケーブル2.4fは逆V字形となり、ケーブルと滑車2.4bは協働し、滑車はケーブルに接続され、ケーブルは溝内を移動する。ケーブル上を移動する滑車は、作動シリンダの軸線の周りに回転するフレキシブル回り対偶を構成する。このようにして、球面ヒンジ機能が得られる。
【0186】
図1.9は、別のフック・リング類外部接続装置2.4であり.接続管(板)2.4dは、ボルトによってシリンダ筒体4.3dに固定して接続される。接続管(板)2.4dの上方にフック・リングが配置され、フック・リング類2.4bユニバーサルジョイント類2.4a外部接続装置(球面ヒンジ類)を構成する。
【0187】
図1.10は、4軸線が直交する球面ヒンジであり、ここで、第1回り対偶4.2aの軸線は地面に垂直であり、第4回り対偶4.2dの軸線はシリンダ筒体の軸線と重なる。第2回り対偶及び第3回り対偶の軸線は面一又は非面一に直交し、それによって、ユニバーサルジョイント4.2eが得られる。これは、対称的な4軸線直交球面継手である。第1回り対偶又は第4回り対偶が省略されると、3軸線直交球面継手となる。
【0188】
自在継手(自在揺動接続ロッドに使用される)の種類
前記自在継手のタイプには、RR、U、RU、UR、RUR、Sが含まれるが、これらに限定されない。RURは、対称直交球面ヒンジであり(
図1.10参照)、第1回り対偶Rの軸線は基礎プラットフォームの平面に垂直であり、残りの回り対偶Rの軸線は作動シリンダの軸線と重なる。RU自在球面ヒンジでは、第1回り対偶Rの軸線は基礎プラットフォームの平面に垂直であり、UR球面ヒンジよりも後の回り対偶Rの軸線は、作動シリンダ軸線と重なる。
前記自在継手の2つの回り対偶の軸線は一般に直交し、直交(非面一又は面一)は最適な形態である。理論的には、平行ではなければよい。このため、本発明では、平行ではない場合もある。
【0189】
重力モーメント設計点の選択
重力モーメント:最大重力モーメントMmax、最小重力モーメントMmin、シリンダ筒体重力モーメントMa、
【0190】
重力モーメントは、作動シリンダの重量及び付加重量がO点(自在継手の中心又は水平軸)に与える重力モーメントである。ピストンロッドの移動により、重力モーメントは変数である。
【0191】
一般には、作動シリンダの重心がその作動シリンダの軸線上にあり、この場合、重力モーメントは、ピッチ角に応じて、正弦曲線の法則に従って変化する。ただし、場合によっては、重心が軸線からずれる。例えば、モータがシリンダ筒体に直連されていない電動シリンダ(H型又はL型接続電動シリンダでは、モータがシリンダ筒体の一方の側に位置する)が挙げられる。この場合、重力モーメントのピッチ角に応じる変化が、正弦曲線からずれる(要求が厳しい場合、力付加装置の0作用力点を調整することができ、例えば、最大ピッチ角では、反重力モーメントを0とする)。
【0192】
分岐全体の重量が重力モーメントとなるわけではない。
【0193】
最大角度重力モーメントM:作動シリンダの軸線が地面に対して垂直であるか、又は小さな角度をなす場合、重力モーメントは0であり、これは最大角度重力モーメントである。当該点又はその付近にある力付加装置による力が0である。プレストレストがある場合、略0であってもよい。
【0194】
最小角度重力モーメントM:作動シリンダの軸線が水平である場合、重力モーメントは最も大きく、最小角度重力モーメントと呼ばれる。作動シリンダの軸線が最小ピッチ角である場合、最小ピッチ角重力モーメントと呼ばれる。
【0195】
シリンダ筒体重力モーメントMa:作動シリンダのシリンダ筒体の重量がO点に与える重力モーメントであって、シリンダ筒体重力モーメントMaと呼ばれる。作動シリンダの軸線が水平である場合、シリンダ筒体の重量による重力モーメントはシリンダ筒体最大重力モーメントと呼ばれる。
【0196】
作動シリンダピストン最長変位重力モーメント:作動シリンダが最長(Lx=Lmax)まで伸長する場合に作動シリンダの重量がO点に与える重力モーメントは作動シリンダピストン最長変位重力モーメントと呼ばれる。作動シリンダの軸線が水平である場合、重力モーメントは最も大きく、最長変位最大重力モーメントMmと呼ばれる。
【0197】
無変位重力モーメント:Lx=Lminの場合、作動シリンダの重量がO点に与える重力モーメントは、無変位重力モーメントと呼ばれる。作動シリンダの軸線が水平である場合、無変位重力モーメントは最も大きく、無変位最大重力モーメントMsと呼ばれる。
G1:作動シリンダのシリンダ筒体の重量のうちのOに重力モーメントを与える部分(
図1.4におけるO点よりも左側の材料の重量とこの部分の重量により相殺される重量を含まない。)
G2:ピストンロッドの重量(
図1.4におけるO点よりも右側の材料の重量とこの部分の重量により相殺される重量を含まない。)
R0:ピストンロッドの変位が0である場合(Lx=Lminの場合)、作動シリンダの重心から作動シリンダの継手受け点までの距離。
反重力モーメント設計点Msが80%Mmax~120%Mmaxであれば、正圧の解消精度や重量補償性能が優れている。例えば、Ms=90%Mmax(正圧は最小で、重量補償はわずかに小さい)、又はMs=110%Mmax((正圧はわずかに大きく、重量補償は大きい)である。又は、Ms=0.5(Mmax+Mmin)、又はMs=Ma等である。工学的には±3%又はそれよりも僅かに大きな誤差が許可される。
【0198】
反重力モーメント設計点がピストン中立位置にある場合、ピストンの変位が0であれば、反重力モーメントは比較的大きい。
【0199】
ピストンの変位が最も大きい場合、反重力モーメントは比較的小さく、正圧が残っている。反重力モーメント設計点が適切に選択される場合、ピストンが両端にあるとき、両端に残った正圧が等しく、又はほぼ等しい。これは、最適設計点の特徴である。反重力モーメント設計点がピストン中立位置の小さな領域内であると、最適設計点が得られる。
【0200】
バネ剛度、バネ変形量Ls、重力モーメント設計点(すなわち、解消する重力モーメントの量)
バネの変形量は、ピッチ作動空間及び接続端の位置A1a、e1に関する。自在継手中心Oと接続点A1aとの間の距離は、反重力モーメントの実際のモーメントアーム長さR1であり、力付加装置と方向適応装置の水平軸接続点(又は十字軸の交差点)から自在継手の中心Oまでの距離はR2である。R1及びR2はほぼ等しい。2つの接続端点間の距離の最大値をLsとする。Lsは力付加装置の変形量である。実際の変形長さはLsよりも僅かに大きい。
【0201】
作動シリンダが水平である場合、力付加装置は設計の要件を満たし、十分な(設計要件を満たす)重力モーメントを相殺することができる。作動シリンダが垂直である場合、力付加装置の反重力モーメントは0又はほぼ0である。
【0202】
偏心e1(
図1、
図2等)は、方向適応装置の垂直軸の軸線(又は水平軸接続点を通る垂直線)と自在継手の中心を通る垂直線との間の距離である。e1は0以上である。作動シリンダのピッチ作動空間が小さい場合、e1は0であってもよい。
【0203】
偏心の作用:偏心が0よりも大きいことによって、力付加装置に大きな有効作動空間を付与するが、力付加装置は作動シリンダに対して垂直軸の周りに回転するモーメントを発生させる。偏心が大きいほど、垂直軸の周りに回転するモーメントが大きく発生する。動力学解析において、このモーメントが考慮されるべきである(
図1.3のF3を参照)。旋回軸受あり形態では、この力F3が存在しない。
【0204】
実施例1の作動過程:作動シリンダがピッチ変化を行う場合、ピッチ角が小さくなると、ケーブル長さが長くなり、引張りバネの引張力が大きくなり、反重力モーメントが増大する。一方、ピッチ角が大きくなると、反重力モーメントが小さくなる。変化は、正弦の法則又はほぼ正弦の法則に従う。作動シリンダがヨー運動を行い、ピッチ角が変化しない場合、ケーブル長さが一定に維持され、反重力モーメントが変わらず、又は誤差内で変化する。引張りバネは、作動シリンダの作用の下で、作動シリンダに追従してヨー運動を行い、方向適応装置を垂直軸の周りに回転させる。他の実施例の作動過程は、この実施例と類似しているので、特に断らない限り、ここでは詳しく説明しない。
【0205】
実施例2
図2、
図2.1、
図2.2、
図2.3、
図2.4に示すように、実施例2の構造形態は、クローズドループで、支持ディスクがなく、両側に引張りバネが配置され、ケーブルバネの上端がバネ取り付けブッシュ2.2h内に取り付けられたものである。
【0206】
実施例1と比べて、実施例2では、以下の2つの点は相違する。1つは、ベースフレーム1がサイズ調整可能な剛性構造フレームであることであり、もう1つは、力付加装置にはいくつかの変化を加えることである。構造は全体として実施例1に似ている。
【0207】
ベースフレーム1は、サイズ調整可能な剛性構造フレームであり、その下部が基礎取り付けベース1.1であり、その上部が外部接続装置1.3であり、その中間が、力を受けるフレーム本体1.2である。ベースフレーム1は、方向適応装置及び力付加装置に適切な取り付け点を提供する。フレーム本体1.2の上下のサイズと左右(高さと幅)の2つずつのサイズが調整可能であり、調整後のものが再度固定されて剛性フレームとなる。調整により、様々な構造やサイズのパラレル機構に対応できる。
【0208】
力付加装置2の力発生装置2.2は、それぞれ作動シリンダの両側(上面視)に配置された2組の引張りバネ2.2aであり、力伝達装置2.3は、球面ヒンジが接続するバネ受け2.3dである。外部接続装置2.1は、一端が方向適応装置に接続され、他端2.4dが接続ロッド4.3aに接続される。
【0209】
図2.1は、力付加装置(部分)と方向適応装置とを組み合わせたものであり、ケーブルバネの一端は円筒体内に固定して接続され、バネが自由状態である場合、その全体又は大部分が筒内にある。円筒体及び力発生装置の水平軸の接続軸線は円筒体のバネから離れた固定端に位置する。バネ(又は円筒体の大部分)は作動シリンダのピッチ作動空間の外部に位置する。それによって、作動シリンダのための作動空間が大きくなる。e1は、通常、小さく(例えば作動シリンダ長さの10%未満)又は0(e2、e3も同様)である。
【0210】
図2.2は、2つのポケットコイルで構成される力付加装置、方向適応装置、及びシリンダ筒体を組み合わせたものである。方向適応装置の水平軸線は、それぞれその垂直軸の両側にあり、2つであり、2つのU字型フォークでは、U字型フォークごとにポケットコイルが接続されている。作動シリンダに接続された一端は、ユニバーサルジョイントによって接続管のロッドに接続される。接続ロッドは回り対偶を介してシリンダ筒体に接続される。
【0211】
力付加装置のバネはバネ取り付けブッシュ内の底部に取り付けられ、それによって、同期運動にも有利である。バネ取り付けブッシュ2.2fは力伝達装置として方向適応装置3又は作動シリンダに接続される。バネ取り付けブッシュは方向適応装置3の水平軸3.3の周りに回転可能である。変形していないバネはバネパケット内に収納され、バネパケットのほとんどはピッチ作動空間の外にある。力付加装置の他端は、作動シリンダ又は作動シリンダ接続ロッドに接続される。
【0212】
両側にあるバネとしては、組み合わせバネが使用されてもよいし、両側に4つのバネパケットが使用されてもよく、このようにして、バネの長さをさらに小さくし、ピッチ作動空間を大きくし、また、偏心e1を減少させることができる。
【0213】
3、方向適応装置3は、偏心を持つ1つのユニバーサルジョイントと、2つの端部接続装置3A、3Bと、を含む。一方の回り対偶3.2cの軸線は地面に垂直であり、他方の回り対偶3.3cの軸線は水平であり、2つの回り対偶は非面一に直交する。2つの回り対偶の軸線の間隔はe2であり、偏心量e2と呼ばれる。水平回り対偶の出力端には2つのU字形枠を有し、U字形枠ごとにバネ取り付けブッシュ2.2hが取り付けられる。この回り対偶の軸線は水平であり、方向適応装置の1つの回り対偶3.3である。通常、両側にあるバネが垂直軸線の回り対偶に与えるモーメントは同じであり、両側にある引張力が異なると、異なるモーメントアームが取られる。バネ取り付けブッシュの開口はラッパ状のものである。
【0214】
4、ユニバーサルスイングロッド装置
ユニバーサルスイングロッド装置は、自在継手(又は球面継手)4.2と、接続ロッド4.3aと、外部接続装置4A4.1及び外部接続装置4B4.4aと、を含む。ユニバーサルジョイントは接続ロッドに接続され、接続ロッド装置(
図2.3)には、力付加装置が接続するための2つの球面ヒンジ取り付けベースを有する。
【0215】
取り付けベースの接続ロッドでの位置を調整して、R1(R1については、実施例1及び
図1を参照)の大きさを変えることができる。接続ロッドは様々なであり、実施例1、実施例2、実施例8、実施例14を参照する。
【0216】
基礎プラットフォーム、力付加装置、及び作動シリンダに接続され、作動シリンダが揺動するための2自由度(又は3自由度)作動空間を与え、パラレル機構と一体になる機能が発揮する。
【0217】
図2.3は接続ベースを備える接続ロッドの構造の1つであり、図において、右側接続ベースは自在継手に接続され、左側接続ベースは管状バネに接続される。
【0218】
作動シリンダ接続ロッド装置の代わりに作動シリンダが使用されてもよい(いずれのクローズドループ実施例においても同様)。接続ロッドには回り対偶取り付けベースが設けられ、取り付けベースの接続ロッドでの位置を調整することにより、R1の大きさを変えることができる。
【0219】
5、一体型外部接続装置は、ベースフレームの接続装置5Aと、シリンダ筒体又はピストンロッドとの接続5Bと、を含む。実施例1と類似している。
【0220】
取り付け:ベースは自在継手の外側に取り付けられる(外側と内側については、上記の定義を参照)。力付加装置とフレームとの接続点は自在継手の上方に位置する。左右にある2つのバネに偏心が存在する場合、作動シリンダの周りに回転する回り対偶は接続装置として使用される。偏心が小さい場合、バネ自体の変形も要件を満たす。偏心の存在のため、2つのバネの平面が捩じる可能性がある。ただし、その捩じりが小さく、使用に影響を及ぼすほどではない。
【0221】
バネ剛度の決定や取り付けサイズなどについては、実施例1を参照する。
【0222】
実施例2の改良1
作動シリンダのためのピッチ作動空間をより大きくするために、各組のバネの両端のそれぞれにバネパケットが設けられる。バネとしては、組み合わせバネが使用される。偏心は小さい。ピッチ角が最大である場合、バネはすべて両端のバネパケット内に位置してもよい。
【0223】
実施例2の改良2
実施例2を基にして、力付加装置は引張りバネとケーブルとを直列接続したものである。両方により力付加装置を構成する。
図2.4に示すように、2つのバネの一方の側に1つのケーブルが設けられ、ケーブルは接続軸に接続され、それによって、フレキシブル回り対偶を形成する。
【0224】
図2.4は、方向適応装置3のフレキシブル回り対偶3.3aの概略図である。方向適応装置3の水平回り対偶3.3の代わりにフレキシブル回り対偶が使用される。水平回り対偶は、垂直軸に固定される部分シーブであり、ケーブルと組み合わせて、ピッチ角度の変化に対応するフレキシブル回り対偶を構成する。
【0225】
方向適応装置の変化は以下のとおりである。方向適応装置の水平軸回り対偶はフレキシブル回り対偶3.3aに変わる。水平軸は、スロット付き固定輪とケーブル2.3aとの両方により構成される。スロット付き固定輪3.3aは、軸線が水平で、垂直軸の出力端に固定される。ケーブルはスロットを介して輪に固定される。ケーブルは、スロット内に巻き付けられて移動してもよい。それによって、フレキシブル回り対偶が得られる。力付加装置と作動シリンダとの接続も、ケーブルと滑車との接続となり、フレキシブル運動対偶が得られる。
【0226】
残りは実施例2を参照する。バネ剛度の決定及び取り付けサイズについては、実施例1を参照する。
【0227】
実施例3
図3、
図3.1、
図3.2には、クローズドループで、旋回軸受がなく、ケーブルの方向が変更されず、ねじりバネ引張力を発生させる形態が示される。
【0228】
実施例3では、実施例1と比べて、力付加装置2のみは変更された。力付加装置の力発生装置2.2bはねじりバネに変更され、ねじりバネにより引張力が発生する。力伝達装置2.3aとしては、ケーブルユニットが使用される。ねじりバネは、自在継手の上方に取り付けられ、ケーブルを介して接続ロッドに接続される。力伝達装置のケーブルは、一端がねじりバネに接続され、他端が接続装置2.4aを介して、作動シリンダ接続ロッド4.3aに接続される。方向適応装置の水平軸はねじりバネの軸線と重なり、両方は同一の回り対偶を共用する。
【0229】
ねじりバネは、方向適応装置3の上方にある水平軸に取り付けられ、ねじりバネの回転により引張力が発生する。
図3.1、
図3.2に示すように、ねじりバネは、方向適応装置の垂直軸に追従して回転し、作動シリンダのヨー運動に適合する。ねじりバネには様々な構造形態がある。力調整装置2.5は、ケーブルの張力の度合を変えて、初期引張力の大きさを変えることができる。一般には、初期引張力は0であるか、又はほぼ0である。初期引張力は、作動シリンダの軸線が垂直であり、又は略垂直であることに対応する。
【0230】
接続ベースとスイングロッドとの接続位置は調整可能である。すなわち、A1aと自在継手との間の距離が変化可能である。
【0231】
ねじりバネの構造は様々なである。例えば、シングルねじりバネ、マルチねじりバネ、組み合わせねじりバネ(2つの直径の異なるねじりバネが互いにネストされる)が挙げられる。
図3.1、
図3.2には、2種類の構造のねじりバネが示される。
【0232】
図3.1は、ねじりバネ力発生装置の概略図である。2つのねじりバネ2.2bは左右対称に配置され、ねじりバネは固定軸2.2lに巻き付けられ、固定軸はねじりバネ取り付けベース2.2f又は基礎に固定される。ねじりバネは、一端がベースに固定され、他端が回転の円筒体2.3iに接続される。固定軸と円筒体の軸線は重なり、円筒体は固定軸の周りに回転可能で、それによって、回り対偶を形成する。
図3.2には、1つのねじりバネが使用される。それ以外、
図3.1と同様である。
【0233】
回転の円筒体の一端には、1つのケーブルが巻き付けられる。ケーブルは回転円筒体上に巻き付けられる。ケーブルが引かれると、回転円筒体は回転し、ねじりバネは捩じり、引張力が発生する。ケーブルは、方向適応装置の中空軸を貫通してシーブを越え、作動シリンダに接続される。
【0234】
力伝達装置は、円筒体とケーブルを含む。円筒体は固定軸の外面に嵌め込まれる。2つの円筒体は同一の軸線の周りに回転可能である。外円筒体は固定軸の軸線の周りに回転可能である。円筒体は方向適応装置の水平軸の軸線と重なり、円筒体は方向適応装置の水平軸に固定される。ねじりバネの一端は固定円筒体又はベースに固定され、ねじりバネの他端は回転円筒体に固定され、回転筒が回転すると、ねじりバネはその回転に連動して捩じる。回転円筒体にはケーブルが接続される。ケーブルは回転円筒体に巻き付けられる。ケーブルが引かれると、ねじりバネは回転し、引張力が発生する。力発生装置はピッチ作動空間の外に位置し、それは分岐の作動に有利である。
【0235】
実施例3の作動中に、作動シリンダがピッチ変化を行い、ピッチ角が小さくなると、ケーブル長さが大きくなり、ねじりバネの引張力が大きくなり、ねじりバネによる反重力モーメントが増大する。一方、ピッチ角が大きくなると、反重力モーメントが小さくなる。作動シリンダがヨー運動を行い、ピッチ角が変わらない場合、ケーブル長さは一定に維持され、反重力モーメントは変わらず、又は誤差内で変化し、ねじりバネは、ケーブルの作用によって、動シリンダに追従してヨー運動を行う(ケーブルは方向適応装置の垂直軸の周りに回転)。
【0236】
実施例4
図4に示すように、実施例3を基にして、滑車がケーブルの方向を変更した後、力付加装置はベースフレームの底面又は基礎に取り付けられる。
【0237】
1.ベースフレーム1は、剛性構造フレームであり、下部が外部接続装置1A1.1であり、上部が外部接続装置1B1.3であり、方向適応装置を取り付けることに用いられる。フレーム本体は、長さ調整可能な部材1.2aである。ベースフレームは、実施例2とほぼ同様である。
【0238】
2.力付加装置2の力発生装置2.2は引張りバネ2.2aであり、力伝達装置2.3はケーブル装置2.3aである。力付加装置のケーブル2.3aの一端はアクチュエータのシリンダ筒体に接続され、その他端は、方向適応装置3の滑車によって方向が変わった後、ベースフレームの下部に接続される。方向適応装置3は自在継手の上方に位置する。ケーブルは、方向適応装置3の滑車の溝を介して作動シリンダに接続される。滑車では、A1aのうちの作動シリンダに接続されたセグメントは第1段と呼ばれ、滑車によってケーブルの第1段の方向が決定される。方向適応装置の滑車によって方向が変わったセグメントは第2段と呼ばれる。ケーブルの第2段の軸線は地面に垂直である(約10の誤差が可能)。作動空間の要件を満たすために、力発生装置は地面よりも下に取り付けられてもよい。図において、バネはバネパケット内に取り付けられており、このようにして、その取り付けが容易になる。バネパケットはベースフレームの下方に取り付けられる。ケーブルの第2段は自体の軸線の周りに回転可能である。作動シリンダのヨー運動が遮断される。
図4において、R1とR2は等しい(R2の微細な変化が無視)。A2aは水平軸滑車の円弧上にある。
力付加装置のプリロード又は力付加装置の初期力変化を容易にするために、調整装置が設けられる。本例では、ガスケット2.5は調整装置として使用される。
【0239】
3.方向適応装置は、偏心e3を持つユニバーサル滑車であり、方向適応装置の回り対偶A3.2の軸線は、地面にほぼ垂直であり(約10の誤差が可能)、ヨー角に対応することに用いられる。別の回り対偶B3.3の軸線は地面に平行であり(別の回り対偶の下方に位置)、ピッチ角の角度に対応することに用いられる。水平軸には、スロット付き滑車が取り付けられる。すなわち、方向適応装置の水平回り対偶は滑車である。ケーブルは滑車によって方向が変わる。作動中、作動シリンダはヨー揺動を行い、滑車は揺動して、ケーブルの第2段はその揺動に連動して自体の軸線の周りに回転する。ケーブルの第2段の軸線と方向適応装置の垂直軸の軸線とは、ほぼ重なる。
方向適応装置には接続装置が設けられ、それらのうち、一方はベースフレームに接続され、他方は力付加装置に接続される。
【0240】
4.ユニバーサルスイングロッド装置(
図3において、破線で示される)については、実施例1を参照する。
ユニバーサルスイングロッド装置4は、作動シリンダのシリンダ筒体4.3dと、自在継手4.2eと、を含む。本例では、作動シリンダのシリンダ筒体は接続ロッド装置に取り替わる。
図4では、破線部分が削除され、オープンループ実施例が得られる。
【0241】
5.外部接続装置5.1は、全体として地面基礎プラットフォームに取り付けられ、5.2はプラットフォーム又はピストンロッド(タスク荷重)に接続される。
【0242】
以下では、いくつかの設計上の問題について説明する。
【0243】
R1及びR2については、R2モーメントアームは実施例1と異なる。A2aが滑車の円弧上にあるので、ケーブルと円弧との交差点がピッチ角に応じて変化する。変化が小さいので、無視可能である。
【0244】
自在継手の中心Oとアクチュエータが接続する接続点A1aとの間の距離をR1とし、方向適応装置の水平軸滑車とケーブルの第1段の接点A2aとの間の距離をR2とする。R1とR2はほぼ等しい。A1aとA2aとの間の最大距離は、引張りバネの最大変形量である。A1aは作動シリンダの上部にある。誤差が若干あるが、許容可能な範囲である。
【0245】
設計点である重力モーメントの選択については、実施例1を参照する。バネ剛度及びバネ変形量については、実施例1を参照する。本例では、ピストンが中立であるときの重力モーメントは設計点として選択される。
【0246】
方向適応装置の垂直軸の軸線とケーブルの第2段の軸線とは、ほぼ重なる。
偏心e2:方向適応装置の水平軸の接続点(定義が与えられる)を通る垂直線と、ユニバーサルジョイントの中心を通る垂直線との間の距離。e2は0以上である。
【0247】
偏心e1の作用:一般には、作動シリンダのピッチ角作動空間は70~80度の間である。この空間の扇面に力付加装置を取り付ける必要があり、力付加装置は所定の長さを持つので、作動シリンダの作動空間が占有されてしまう。0を超える偏心により、作動シリンダの有効作動空間が増大する。
【0248】
実施例5
図5に示すように、実施例5は、実施例4とほぼ同様であるが、力付加装置の力発生装置をねじりバネに変更し、ねじりバネにより引張力を発生させ、方向適応装置について適切な調整を与える点は主な相違点である。
【0249】
1.ベースフレームは実施例4とほぼ同様であるので、ここでは詳しく説明しない。
【0250】
2.力付加装置は、力発生装置と力伝達装置の2つの部分を含む。力発生装置はねじりバネにより引張力を発生させ、力伝達装置は実施例4と同様であり、ケーブルにより伝動を行う。ねじりバネは、ユニバーサルジョイント(方向適応装置)の下方に取り付けられる。ケーブルの第2段の軸線は水平面に垂直である(適切な誤差が可能)
【0251】
3.ねじりバネ構造については、
図3.1、
図3.2、及び実施例3を参照する。
方向適応装置3は実施例4と類似している。垂直軸が水平軸の下方に位置する中空のものであり、ケーブルが中空軸の中心を通る点は、異なる。滑車の輪にはスロットが設けられ、ケーブルは輪のスロットに巻き付けられ、滑車に巻き付けられたケーブルの半径はe2に等しい、又はほぼ等しい。滑車が揺動すると、中空軸は同期して回転し、ヨー角に対応することに用いられる。ケーブルの第2段(力付加装置に接続されたセグメント)は常に中空軸の孔内にある。作動シリンダが揺動すると、滑車はその揺動に連動して揺動し、ケーブルの第2段は捩じり、それによって、作動シリンダの揺動が遮断される。ねじりバネは1つの回転自由度しかない。
【0252】
4.ユニバーサルスイングロッド装置4としては、非面一に直交する自在継手が使用され、第1回り対偶軸線は水平面に垂直である。2つの中心に偏心e3を有し、ピッチ空間が大きい。接続ロッド4.3はシリンダ筒体用のものである。
引張力やねじりバネの半径などのパラメータによりねじりバネの剛度が決定される。バネの剛度の決定及び取り付けサイズについては、実施例1を参照する。
【0253】
実施例5の改良1
ねじりバネは、両側に取り付けられる場合、空間を大きく占め、隣接する2つのUPS分岐を取り付ける際に干渉が生じる。そのため、2つのバネを同一側に配置してもよい。この2つのバネのうち、一方は大径、他方は小径であり、小径のバネを長くし、2つをネストする。2つのねじりバネは、一端がベースに固定され、他端が回転円筒体に固定される。ケーブルは1つのままである。このようにして、他方の側にはねじりバネがなく、摂動空間がない。2つの隣接するUPS類分岐は隣接して取り付けられる。
【0254】
実施例5の作動過程
実施例5の作動過程において、作動シリンダがピッチ変化を行い、ピッチ角が小さくなると、ケーブル長さが大きくなり、ねじりバネが回転し、引張力が増大し、ねじりバネによる反重力モーメントが増大する。一方、ピッチ角が大きくなると、反重力モーメントが小さくなる。作動シリンダがヨー運動を行い、ピッチ角が変わらないと、ケーブル長さは一定に維持され、反重力モーメントは変わらず、又は誤差内で変化する。作動シリンダはヨー揺動を行い、第1固定ケーブルは揺動し、ケーブルの第2段が自体の軸線の周りに回転し、作動シリンダの揺動が遮断される。このため、ねじりバネはベースフレーム又は地面に固定され、作動シリンダに追従して揺動しない。
【0255】
実施例6
図6に示すように、この実施例は、クローズドループで、支持ディスクがなく、通常の引張りバネによりケーブルの方向を2回変更する形態である。実施例4と比べて、ケーブルの方向は2回変更され、引張りバネは軸線が水平になるように取り付けられる以外、残りは実施例4と類似している。
【0256】
1.基礎フレームは実施例4と類似し、ただし、下部には方向変更滑車(又は滑車群)が取り付けられ、さらに保護カバーが取り付けられ、上部の方向適応装置にも保護カバーが取り付けられる点は主な相違点である。
【0257】
2.力付加装置の下部には滑車2.3e(又は滑車群)が増設される。ケーブルは滑車2.3eによって2回目の方向変更を受ける。この滑車(又は滑車群)によりケーブルの2回目の方向変更が行われる。ケーブルは、方向適応装置の水平軸滑車によって方向が変更され、ケーブルの第2段となる。ケーブルの第2段(滑車2.3eと方向適応装置の水平軸滑車との間)の軸線が水平面に垂直である。2回目の方向変更が行われたケーブルは方向が選択的である。ケーブルバネを取り付けることがさらに簡便になる。本例では、力付加装置の力発生装置は、基礎プラットフォームに取り付けられる。
力付加装置と接続ロッドとの接続については、力付加装置は中空球面ヒンジ(
図1.6を参照)によって接続ロッドに接続され、作動シリンダのシリンダ筒体は中空の十字軸の内部を通過して接続ベースに取り付けられる。中空球面ヒンジには中空十字軸が存在し、3軸線が直交する。中空球面ヒンジの中空軸回り対偶は作動シリンダの自転に対応し、中空球面ヒンジの別の回り対偶は、力付加装置の方向変化に対応する。
【0258】
3.方向適応装置
方向適応装置はベースフレームの上方に取り付けられ、かつ、自在継手の真上に位置し(偏心が可能)、一方の軸線が水平面に垂直であり、他方の軸線が水平であり、水平軸は垂直軸の下に位置し、それには、スロット付き滑車が取り付けられ、ケーブルは滑車のスロットを貫通して、方向が変わる。水平軸線と垂直軸線は非面一に直交する。方向適応装置の垂直軸の軸線とケーブルの第2段の軸線とは、重なるか、又はほぼ重なる。作動シリンダはケーブルを駆動してヨー揺動を行い、ケーブルは、滑車を駆動して、方向適応装置の垂直軸の周りに回転する。ケーブルの第2段は、揺動することがなく、自体の軸線の周りに回転し、それによって、作動シリンダのヨー揺動が遮断され、ピッチ揺動はケーブルの直線運動に変換される。
【0259】
4.自在継手受けスイングロッド装置(自在継手のタイプは、RR、U、RU、UR、RUR、Sを含むが、これらに限定されない。)
自在継手受けスイングロッド装置は、自在継手4.2(第1回り対偶の軸線が水平面に平行)と、接続ロッド4.3及び接続装置4A4.1と、接続ロッド装置4B4.4などとを含む。自在継手4.2は、接続ロッド4.3に固定して接続され、接続ロッド装置の代わりに作動シリンダのシリンダブロックが使用されてもよい(いずれのクローズドループ実施例においても同様)。接続ロッド(又はシリンダ筒体)には接続ベースを有し、接続ベースの接続ロッドでの位置を調整することにより、R1(
図1.1を参照)の大きさを変えることができる。自在継手受けスイングロッド装置は、作動シリンダに接続され、作動シリンダのための2自由度作動空間を提供し、パラレル機構と一体になる機能を果たす。
【0260】
5.外部接続装置は全体として実施例4と類似しているので、ここでは詳しく説明しない。
【0261】
実施例6の改良1
実施例6では、力伝達装置にギアボックスが増設され、
図6.1は引張りバネ及びギアボックスの上面図である。力付加装置には、ギアボックス2.8が増設され、バネの出力変位を変える。小さな変位を増大させる。バネの長さを短くする。
図6.1において、力伝達装置及び力初期装置は、変速機取り付けベース2.2mに取り付けられ、右側には、1つの大きな大シーブ2.8aと1つの小さな小シーブ2.8bを含むギアボックス2.8が設けられ、2つのシーブは一体に固定して接続され、それらの軸線が重なり、2つのシーブはギアボックスケース2.8eに支持され、引張りバネ2.2aは、一端がケーブルに接続され、ケーブルが小さなシーブに巻き付けられ、他端がケーブルコネクタA 2.8fに固定され、大きなシーブには別のケーブル2.8cが巻き付けられ、ケーブルは、一端がケーブルコネクタB2.8gに固定され、他端が、方向適応装置を作動シリンダに接続する。この力付加装置はバネにおけるケーブルのストロークを大きくすることができる。
【0262】
実施例6の改良2
図6.1における金属バネの代わりに空気バネが使用される以外、残りを同様にして、実施例6の改良2が達成される。通常の空気バネは、変位量が小さい。大きな変位量を得るために、空気バネの出力変位を大きくする伝動装置が使用される。空気バネには、大荷重に適用されるという大きな利点がある。空気バネは、構造が小さく、しかも、空気バネ力の調整が可能である。空気圧を調整することによってバネ力が変わる。適用性が高い。
このような形態では、永久磁石バネや電気バネも利用可能であるが、いずれも、元の変位を大きくする必要がある。
【0263】
実施例6の改良3
引張りバネが上下に2列設けられる。2つの滑車がある。大負荷に適している。
図6.1において、ケーブルバネ受けと取り付けベースとの間では、ガスケットを用いて力付加装置の長さを変えたり、力付加装置をプリロードしたり、初期力の大きさを変えたりすることができる。ガスケットは調整装置に相当する。
【0264】
実施例4~6では、バネが作動シリンダに追従して揺動しないため、システムの慣性が低下する。また、力付加装置が作動シリンダの作動空間の外にあるので、作動シリンダとの干渉がない。構造が簡単である。
【0265】
実施例7
図7に示すように、クローズドループであって、重力振子により引張力を発生させ、間接カウンターウェイトがあり、支持ディスクがなく、ケーブルの方向を2回変更する形態が示される。
【0266】
力付加装置の力発生装置以外、構造は全体として実施例6とほぼ同様である。力付加装置の力発生装置では、重力振子により引張力が提供される点は相違する。
【0267】
重力振子は、重力振子回り対偶2.2g、スイングロッド2.2d、及びカウンターウェイト2.2eを含む。スイングロッド2.2dは、重力振子回り対偶2.2gに接続される。回り対偶はフレーム本体の上方に取り付けられる。ケーブルは、マスカウンターウェイトの一端に接続される。重力ロッドが揺動する際に、カウンターウェイトにより引張力を提供する。ケーブルは、定滑車及び方向適応装置の水平滑車を介して作動シリンダに接続される。
【0268】
この重力振子はa~90度内の特定の範囲で揺動する(aは、スイングロッドと水平面とがなす角であり、通常、20度であり、aが大きいほど、線形に近い)。重力振子の可動ロッドの長さR3が、R1よりも大きく、重力振子の可動ロッドの揺動角度が、作動シリンダのピッチ作動空間よりも小さい。スイングロッドの揺動空間としては、垂直軸線に近い部分の連続空間が使用され、通常、60度以下である。このような部分は、線形特性に近く、工学的な要件を満たす。
【0269】
本実施例では、作動シリンダのピッチ作動空間は15~85度とされる。スイングロッドの作動空間は50度(40~90)とされる。スイングロッドの長さは約1.5R1である。スイングロッドにおけるケーブル接続点の初期位置と当該接続点の終点位置との間の距離が、作動シリンダにおけるケーブル接続点の初期位置と作動シリンダの接続点の終点位置との間の距離に等しい。重力振子は、ほぼ線形の引張力特性を与える。ケーブルの第2段の方向を固定する定滑車は、方向適応装置に近い位置に取り付けられ、全体の高さが小さい。他のパラメータについては、実施例6を参照する。
【0270】
カウンターウェイトの初期位置は、作動シリンダの最小ピッチ角でのカウンターウェイトの位置に対応する。カウンターウェイトの初期位置は固定滑車の真下にある。初期位置でのケーブルでは、ケーブルの第2段とケーブルの第3段の軸線が重なるか、又は両方の角度が極めて小さい。その角度が小さいほど、必要とされるカウンターウェイトの重量が小さくなる。空間が限られるので、
図15において、ケーブルの第1段とケーブルの第2段は小さな角度をなし、この場合、カウンターウェイトの重量が大きい。初期位置では、重力振子の可動ロッドと水平面とのなす角は約40度であり、カウンターウェイトが最下方に揺れると、移動空間は約50度である。この50の移動空間は作動シリンダのピッチ作動空間全体に対応する。
【0271】
注:
図7には、自在揺動接続バー装置が省略される。
図7はオープンループ構造図である。
【0272】
実施例8
図8に示すように、実施例8はセミクローズドループ構造である。すなわち、同一の旋回軸受が共用される。その同じ特徴は、方向適応装置3の1つの回り対偶及びユニバーサルスイングロッド装置4の自在継手の1つの回り対偶の代わりに、旋回軸受が使用され、旋回軸受の軸線が水平面に垂直であり、旋回軸受がベースフレームの一部を構成することである。ベースフレームには1つの回転自由度がある。旋回軸受の回転ディスクには支持ディスクが固定して接続され、その支持ディスクには、他の部材、例えばU字形シート、力発生装置やブランチマウントなどが取り付けられる。
【0273】
1.ベースフレーム
ベースフレーム1は、旋回軸受4.2aとサブマウント1.2bで構成される。旋回軸受3.2a(4.2a)は、主に回転ディスクと固定ディスクを含む。固定ディスク装置は地面に固定して接続され、接続装置1.1となる。回転ディスクには、支持ディスク3.2bが固定して接続され、支持ディスクには、サブマウント1.2b(1つ又は複数)が固定して接続され、回転ディスク、支持ディスク及びサブマウントにより剛性フレーム本体1.2を構成する。旋回軸受の軸線は地面に垂直である(約±10度の誤差が可能)。旋回軸受4.2a、支持ディスク3.2b、及びサブマウント1.2bによりベースフレーム1を構成する。
支持ディスクと回転ディスクは一体となり、支持ディスクは旋回軸受から延びたものである。
旋回軸受:工学的な旋回軸受に限定されない。本明細書では、軸方向力と径方向力に加えて、大きな転倒モーメントを受ける軸受であれば、旋回軸受と呼ばれる。
【0274】
2.力付加装置
力付加装置は、実施例6と類似し、力発生装置2.2aと力伝達装置2.3aを含む。力発生装置は引張りバネ2.2aと類似し、力伝達装置はケーブル2.3aである。
力付加装置と作動シリンダ接続ロッドは、中空回り対偶又は中空ユニバーサルジョイントによって接続される。実施例6と同様に、ケーブル2.3aは、定滑車2.3bによって2回目の方向変更を受ける。
本形態では、ケーブルの第2段の軸線の方向は地面に垂直である必要はない。引張りバネとしては、組み合わせバネ又は複数のバネを並列接続したものが使用され、複数の組み合わせバネを並列接続したものでもよい。ケーブルの第3段は、支持ディスク3.2bの一方の側から他方の側まで延び、支持ディスクの長さが活用され、バネのための取り付け空間が大きくなる。
R1、R2の大きさ及びバネ剛度などについては、実施例1を参照する。
選択され得る作用点は様々である。力付加装置の軸線は、自在継手受け点と作動シリンダの接続点を通る垂直平面内にあってもよいし、当該垂直平面に平行な平面内にあってもよい。
【0275】
3.方向適応装置
旋回軸受3.2aは方向適応装置3の垂直軸回り対偶A3.2である、方向適応装置3の水平軸回り対偶B3.3は、ベースフレーム1のサブマウント1.2bの先端に取り付けられる。この回り対偶は、力付加装置に接続された1つの滑車を持つ。水平軸線回り対偶B3.3の軸線は、垂直軸の軸線と面一に又は非面一に直交する(平行でなければよいが、直交は好ましい形態である)。
【0276】
4.自在継手受けスイングロッド装置
自在継手受けスイングロッド装置は、自在継手と作動シリンダ接続ロッドを含む。
旋回軸受4.2aは、自在継手4.2の第1回り対偶として機能し、自在継手の垂直軸であり、旋回軸受における回転ディスクには、軸線が水平の回り対偶4.2bが取り付けられ(本例では、水平回り対偶はサブマウントに取り付けられる)、方向適応装置の第2回り対偶として機能する。水平軸の軸線と垂直軸の軸線は面一に又は非面一に直交する。水平回り対偶は、揺動接続ロッド4.3a(又は作動シリンダ)を取り付けるものである。
それは、2つの回り対偶を一体化したアセンブリ形態である。自在継手の第1回り対偶、方向適応装置3の第1回り対偶、及びベースフレーム1の下部の3つは一体となる。
自在継手4.2の2つの回り対偶軸線は面一に又は非面一に直交する。バネは作動シリンダの下方に配置され、作動シリンダの下方の空間を占める。他の部材の摂動空間とは矛盾がない。
【0277】
5.一体型外部接続装置5A5.1、5B5.2は、旋回軸受の固定ディスク(ベースフレームの接続部分でもある)と地面との接続、及びユニバーサルジョイントと作動シリンダとの接続又は作動シリンダとプラットフォームとの接続を含む。
本実施例では、実施例6と比べて、以下の点は相違する。1、力発生装置は、(基礎又はベースフレームの底部ではなく)支持ディスクに取り付けられる。2、ケーブルの第2段の方向は地面に垂直でなくてもよい。3、方向適応装置の2つの回り対偶は、間隔が大きく、サブマウントによって一体に接続され、すなわち、ベースフレームと方向水平装置は、一部の部材を共用する。
【0278】
実施例8の改良形態
力付加装置は二重バネ装置、又は二重双組み合わせバネに変更される。2組のバネ、2つのケーブル、2組の滑車はそれぞれ作動シリンダの両側に位置する(上面視)。このようにして、バネは作動シリンダの真下に位置することがなく、高さが減少する。構造のサイズが減少する。
反重力モーメントの引張力は、作動シリンダの軸線を通ってかつ地面に垂直な平面内にのみ制限される。受力が単純化する。
実施例8、実施例9、実施例10の改良:旋回軸受は中空であり、支持ディスクも中空であり、自在揺動接続ロッドの第1回り対偶と方向適応装置の回り対偶は個別にされる。すなわち、自在揺動接続ロッドは独立しており、すなわち、同一の旋回軸受が共用されないと、大クローズドループ構造形態が得られる。この形態では、旋回軸受はベースフレームの一部である。すなわち、ベースフレームは1つの回転自由度を持つ。
【0279】
実施例9
本実施例は、大クローズドループ形態であって、旋回軸受を持ち、両側に2組のバネが設けられ、ケーブルの方向が1回変更される。
【0280】
それは、実施例8に基づいた改良形態である。以下の3つの主な変化がある。
【0281】
第1変更は、力付加装置2と接続ロッドとの接続方式や部位が変化することである。接続ロッド4.3bは作動シリンダの軸線に垂直である。接続ロッドは、作動シリンダに平行な軸線から、作動シリンダに垂直な軸線に変わり、R1、R2の位置も変わる(
図9を参照)。接続ロッド4.3bは、自在継手(又は回り対偶又は球面ヒンジ)によってケーブル2.3aに接続される。
【0282】
第2変更は、方向適応装置3の水平軸3.3が、上方ではなく、一方の側に取り付けられることである。方向適応装置3の水平軸3.3は、作動シリンダの軸線を通ってかつ水平面に垂直な平面上にある。取り付け位置は、ケーブルの滑車との接触点A2aと自在継手の中心との距離をR2とする際にR2=R1であるようにする。
図9.1に示すように、通常、A2aは自在継手の中心を通る水平面上にある。A1aは作動シリンダの軸線付近に位置していない。A1aは接続ロッドにある。
【0283】
第3変更は、それぞれ作動シリンダの両側に位置する(上面視)2組のバネ、2つのケーブル、2組の滑車を用いることである。このようにして、バネが筒の真下にないため、高さが小さくなる。幾何学的サイズが減少する。また、上部滑車は作動シリンダのピッチ作動空間の範囲から離れるので、干渉が回避される。
【0284】
言及される符号以外、残りの符号は実施例8と同様である。
【0285】
実施例8、実施例9(
図8、
図9を参照)では、力付加装置の力発生装置とベースフレームとの間に力調整装置が直列接続される。この力調整装置は、通常のボルト(2.5)又はバスケットボルトであってもよく、力付加装置をテンションするものである。本実施例では、ボルト2.5が使用される。要件を満たすまで調整されると、ロック、例えばセルフロックが行われる。
【0286】
この調整装置は、ガスケットを追加してケーブル長さ等を変えることによって達成されてもよく、つまり、それを実現する形態はさまざまである。ケーブルの長さを変えるなども想定される。例えば、実施例14では、作動シリンダの重心が作動シリンダの軸線上にいない(僅かにすれる)場合、初期力はわずかに変化するが、その変化が小さい。初期力調整装置はこのような要件を満たすことができる。もちろん、この調整装置が設けられなくてもよく、設計又は組み立てに際しては、要求される値を満たすことができる。
【0287】
実施例9の改良1
図9.2に示すように、旋回軸受が中空で、支持ディスクが中空で、自在揺動接続ロッドの自在継手が個別に取り付けられた大クローズドループに変更される。自在継手及び方向適応装置は回り対偶を共用しない。
図9.2には、自在継手受け接続ロッドが取り外される。
【0288】
実施例9の改良2
片側バネが使用される。力付加装置の摂動空間が小さくなり、隣接する2つのUPS分岐が取り付けられやすくなり、干渉が低減する。
本例では、接続ロッドの長さを調整することもできる。
【0289】
実施例10
図10に示すように、この実施例は、旋回軸受を持ち、セミクローズドループで、ねじりバネによりトルクを発生させる形態である。
【0290】
実施例10では、実施例8、実施例9と比べて、力付加装置がねじりバネによってトルクを提供する点は相違する。本例では、力発生装置はねじりバネであり、力伝達装置は剛性耐荷重ロッドである。剛性耐荷重ロッドは、ストレートロッド又は曲げロッドである。部分的に曲げロッドが存在すれば、干渉が回避される。
【0291】
ベースフレーム1については、実施例8、実施例9を参照して、支持ディスク3.2bには、2種類の回り対偶が取り付けられ、一方は、自在継手の水平軸回り対偶4.2b(作動シリンダの軸線が垂直である)であり、他方は、方向適応装置3の水平軸回り対偶3.3であり、この方向適応装置の水平軸はフレキシブル運動対偶である。この2つの回り対偶の軸線は平行である(重なる場合も含む)。旋回軸受3.2aの軸線は上記2つの回り対偶軸線の一方に面一に直交し、他方に非面一に直交するか、又はこれらの両方に非面一に直交する。水平軸は、取り付けベースによって支持ディスクに取り付けられ、ねじりバネ2.2bの一端は水平軸2.2jの一端に固定され、調整装置2.5が位置決めされる。調整装置は、ねじりバネの初期モーメントを変えることができる。このねじりバネの軸線と方向適応装置の水平軸の軸線とは重なり、ねじりバネは、この水平軸の軸線の周りに捩じることができる。ねじりバネはフレキシブル回り対偶となる。
【0292】
ねじりバネの他端は接続ロッドの一部に接続される。ねじりバネの接続ロッド2.3fと作動シリンダとは可動接続され、進み対偶を構成する。力が作動シリンダに伝達される。
【0293】
このような可動接続には、様々な接続方式がある。滑り接続、転がり接続(直線軸受)、回り対偶接続により進み対偶が得られる。例えば、
図10に示すように、第1種は、作動シリンダのモーメントアームの半径が常数であるが、ねじりバネの接続点が変化し、つまり、ねじりバネのモーメントアームの半径が変化することである。第2種は、ねじりバネのモーメントアームの半径が常数で、作動シリンダの接続点が変化することである。つまり、作動シリンダのモーメントアーム長さは変化することである。上記の2つの場合は、ねじりバネの取り付け位置は、ほぼ同じで、いずれも第2象限にあり、提供されるモーメント特性は類似しており、いずれも凸曲線が提供され、正弦曲線からの誤差が小さく、5%以下の高精度が得られる。
【0294】
第2種は、第1種の構造を逆にしたものであり、滑車はねじりバネロッドに固定され、滑りロッドは作動シリンダの両側又は真上に取り付けられる。第2種の構造のスライドレールは作動シリンダの上方に配置され、ねじりバネのモーメントアームには滑車が取り付けられ、滑車は作動シリンダのロッドと協働し、滑車はロッド上を転がる。滑車が転がることに伴い、ねじりバネと作動シリンダとの接続点は変わり、作動シリンダにおけるモーメントアームの長さは変わる。
図10において、接続ロッド2.3fは、スロット付きの回転輪(滑り接続であってもよい)によって作動シリンダに接続され、作動シリンダに反重力モーメントを印加する。作動シリンダがピッチ揺動を行う場合、接続ロッドはスロット付き回転輪に対して相対運動を行う。ストレートロッドによるモーメントアームの長さが変わると、ねじりバネの自在継手水平軸に関するトルク特性が変わる。スロット付き最大輪に接触する接続ロッドの軸線は、作動シリンダの軸線に平行であるか、又はほぼ平行である。本実施例では、作動シリンダにおけるモーメントアーム長さは維持される。
【0295】
第3種の構造は、連結棒に直線軸受を嵌め込み、トルクを伝達するとともに、作動シリンダと接続ロッドとの間の相対移動を可能にするものである。
【0296】
本例におけるねじりバネの軸線の取り付け位置
図10.2の座標系:作動シリンダの軸線を通る垂直平面内で平面座標系を作成し、原点を自在継手の中心とし、X軸線を水平にし、Z軸線を水平面に垂直にする。
【0297】
ねじりバネ軸線の座標位置、ねじりバネ剛度、及び初期トルク(角度が0である場合のトルク)を適切に設計することにより、高精度への要件を満たすことができる。
【0298】
具体的な計算過程(
図10.2、
図10.3を参照)
ねじりバネ剛度は常数とされる。作動シリンダの重力モーメントの曲線(正弦曲線は
図10.3に示される)を作成する。開始点(最小ピッチ角に対応する点又は原点、図にはM3)と終了点(最大ピッチ角又は90度の点、図にはMa)を接続した直線をねじりバネの最小剛度直線Laとする。
開始点を通って重力モーメント曲線の接線を作成して得た直線をねじりバネ最大剛度直線とする。
【0299】
通常、最大剛度直線及び最小剛度直線の中から剛度直線を1本選択して、ねじりバネ剛度特性とする。例えば、
図10.2におけるLb(M1とM2を接続したもの)や
図10.2におけるLc(原点とM3を接続したもの)が挙げられる。
【0300】
特定の場合、最大剛度(例えば重力補償への要件が高い場合)を超える又は最小剛度(例えば精度への要件が低い場合)未満の直線を選択されてもよい。
この区間内又はこの区間の外側の付近から剛度値が選択される。その剛度値を最適化した後に、ねじりバネの剛度値、開始点のトルクや取り付け位置が得られる。
【0301】
ねじりバネの取り付け位置は、X軸線における座標が(0.05R0~-0.28R0)区間内の1点であり、Y軸線における座標が(-0.05R0~0.28R0)区間内の1点である矩形区間から選択されてもよい。この領域内の取り付け点については、自在継手の水平軸のトルク特性は、従来の直線特性から凸曲線特性に変わる(又は、ほとんどの場合は凸曲線又は凹凸曲線であり、特定の場合は直線であるが、いずれも正弦曲線に近いもの)。具体的な位置は実際の状況に応じて最適化され設計される。
【0302】
ねじりバネに最適な取り付け位置は、X軸線における座標が(-0.18R0~-0.22R0)区間内の1点であり、Y軸線における座標が(0.18R0~0.22R0)区間内の1点である小さな小矩形区間にある。剛度が異なると、初期力が異なり、差が考えられる。
【0303】
本例では、ねじりバネの軸線の座標は(-0.2R0、0.2R0)(作動シリンダの設計点の重心半径はR0)とされる。ねじりバネ剛度曲線はLb(
図10.3)とされる。設計点は、ピストン中立の場合の重力モーメントとされる。
【0304】
方法:所定の対象に関しては、決定された反重力モーメントと決定された主なパラメータがある。まず、ねじりバネのための剛度値を決定し、次に、トルクが0の位置(初期力)を選択し、取り付け位置を選択し、作動空間にわかってトルクを計算し、誤差(実際のトルク曲線と正弦曲線との差)から、結果を比較する。
【0305】
すべての作動空間(主にピッチ作動空間)では、重力モーメントと反重力モーメントの差が誤差の要件を満たす場合、停止することができる。通常、上偏差と下偏差がほぼ等しいことは最適な結果である。
【0306】
満足できない場合、初期力、取り付け位置、剛度を順次変えて、満足できる結果を得るまで、上記のプロセスを繰り返す。通常、結果は一意なものではない。通常、ピッチ作動空間にわたって、反重力モーメントと重力モーメントの正の偏差と負の偏差はほぼ等しい。偏差が小さいほど、好ましい。
【0307】
上記初期力、取り付け位置、剛度の選択には、順番がない。例えば、取り付け位置を決定してから他の変数を決定してもよく、初期力を決定してから他の変数を決定してもよい。
【0308】
実施例10では、ねじりバネ初期トルク調整装置が設けられ、
図10において、調整装置はボルトである。ボルトを回すと、ねじりバネの初期ねじり力を調整することができ、調整後にロック、例えばセルフロックが行われる。このように、ねじりバネの初期ねじり力が変わる。理論的には、通常、作動シリンダの軸線が地面に垂直である場合、対応するねじりバネトルクは0である。多くの場合、最大ピッチ角は90度以下である。例えば5%以下の誤差が許可される。
本例では、ねじりバネは、調整装置2.5によって初期力が調整され、ロックされてもよい。
【0309】
実施例10の改良1
旋回軸受が中空で、支持ディスクが中空で、UPS分岐が独立している大クローズドループに変更される。
【0310】
実施例10を基にして、自在継手分岐の(RPS)部分を取り外し、支持ディスクを中空にし、旋回軸受を中空に維持する。中空部分にUPS分岐が取り付けられ、力付加装置はUPS分岐に接続され、分岐には反重力モーメントが与えられる。実施例10の改良1の形態(
図10.4)が得られる。
【0311】
残りは実施例10とほぼ同様である。符号は実施例9を参照する。
ねじりバネ改良
組み合わせバネ(大径と小径の2つのバネをネストする)又は片側バネが使用される。
【0312】
実施例8、実施例9、実施例10に共通の特徴はセミクローズドループ構造にある。すなわち、同一の旋回軸受が共用される。それらの実施例の共通の特徴は、方向適応装置3の一方の回り対偶とユニバーサルスイングロッド装置4の自在継手の一方の回り対偶の代わりに1つの旋回軸受が使用され、旋回軸受の軸線が水平面に垂直で、旋回軸受がベースフレームの一部でもあることにある。ベースフレームは1つの回転自由度を持つ。旋回軸受の回転ディスクには、支持ディスクが固定して接続され、支持ディスクには、他の部材、例えばU字形シート、力発生装置、ブランチマウントなどが取り付けられる。
【0313】
実施例11
図11に示すように、
図11.1は、カウンターウェイトを力付加装置とする形態である。
【0314】
実施例10を基にして、力付加装置が取り外され、自在継手の水平軸U字形シートを高くする。接続ロッドはシリンダ筒体に接続される。接続ロッドは作動シリンダの軸線とは反対の方向に延びており、接続ロッドにはカウンターウェイトが設けられ、カウンターウェイトは作動シリンダに反重力モーメントを与える(図では、水平軸の左側の接続ロッドにカウンターウェイトが接続される)。カウンターウェイトは、アクチュエータの軸線とは反対の方向における位置に固定して取り付けられる。その重量は重力モーメントを相殺又は部分的に相殺する。2組のカウンターウェイトは、それぞれ作動シリンダの軸線の両側に位置する(上面
図11.1から見る)。カウンターウェイトは自在継手とは干渉しない。
【0315】
本例では、カウンターウェイトと作動シリンダとの接続は固定接続である。固定接続は伝動装置の1つでもある。
【0316】
力付加装置2はカウンターウェイト2.2eである。ベースフレーム1、方向適応装置3、自在継手4.2は同一の水平回り対偶を共用し、旋回軸受と水平回り対偶はまた、ベースフレームを構成する。それは、3つのものを一体化したアセンブリ形態である。構造が単純である。この形態では、U字形フォークが高いので、総高さが大きい。
【0317】
実施例12
図12、
図12.1に示すように、別のカウンターウェイト形態であり、対称伝動方式によるカウンターウェイトの形態であり、
図12、
図12.1に示すように、カウンターウェイトは作動シリンダの同一側に位置する。
【0318】
伝動装置によって、カウンターウェイトは前記作動シリンダの同一側に配置されることによって、作動シリンダの軸線とカウンターウェイトは水平面に対する対称的運動を可能とする(側面視)。作動シリンダは駆動側、カウンターウェイトは受動側である。カウンターウェイトは反重力モーメントを提供する。
このような対称伝動は様々な方式によって実現されてもよい。例えば、歯数が同じで、半径が同じ1対の歯車(又は少歯歯車)やスチールケーブルで接続された1対のホイールなどによって、逆方向同期回転などが図れる。
【0319】
以下では、歯車伝動を例にする。
【0320】
ベースフレーム1、方向適応装置3、及び自在継手の構造は実施例10と同様である。カウンターウェイトの取り付け方式のみは、実施例10と相違する。カウンターウェイトは、互いに噛み合って、歯数が同じ歯車2.3cによって噛み合い、一方の歯車は作動シリンダの軸(自在継手の水平軸)に接続され、同期伝動を行い、駆動歯車であり、他方の歯車は、カウンターウェイトに接続され、受動歯車であり、受動歯車に連結棒によって取り付けられたカウンターウェイトはプラットフォームの内側にある。本例では、受動歯車は駆動歯車の上に取り付けられ、このようにして、全体高さの増加が小さくなる。駆動歯車及び受動歯車はいずれも作動シリンダの両側に配置される。カウンターウェイトは作動シリンダの両側に1つずつ配置される。
【0321】
2つの歯車は水平面に対する対称運動を行い、反重力モーメントと重力モーメントとのバランスが取られる。このような形態は、全体高さが小さいが、慣性が多く増加する。この2つのカウンターウェイトの作動空間は、作動シリンダの両側に位置し、互いに干渉しない。しかも、全体の高さが大きく低下する。また、外部空間が節約される。
【0322】
実施例12の改良1は、一側にカウンターウェイトが設けられ、一側に歯車があり、作動シリンダの片側に摂動空間がなく、2つの隣接するUPS分岐の取り付け距離が小さい大クローズドループである。
【0323】
実施例13
図13には、旋回軸受を持つ、ケーブルの方向を3回変更するクローズドループ形態が示される。
図13.1は、2回目と3回目の方向変更を担当する滑車の部分図である(
図13のC2-C2断面)。
【0324】
本実施例では、実施例8を基にして、支持ディスクに1つの滑車2.3iが増設され(左右に1つずつ、1対滑車も可能)、増設された滑車2.3iの軸線は水平面に垂直である。水平軸線の方向を変更する滑車2.3eと垂直軸の方向を変更する滑車2.3iの軸線とは互いに垂直である。残りは実施例8と同様である。
【0325】
第2滑車2.3eを経たケーブルは第3滑車2.3iによって方向がさらに変更されてもよい。ケーブル2.3aはこの滑車の扇形面に巻き付けられ、このケーブルがこの滑車2.3iに最初に接触する点C(
図13.1を参照)は旋回軸受の軸線上にある。回転ディスク3.2bが回転すると、第2滑車は回転し、この初回接触点Cは変わらない。第3滑車は旋回軸受の周りに回転し、ケーブルの第4段にはわずかに揺動が発生するが、作動に影響しない。接続される力発生装置2.2aは地面に取り付けられてもよい。ただし、回転ディスクが回転する際に、ケーブルが滑車に垂直な扇面に巻き付けられる角度も変わるため、ケーブルの長さにも僅かな変化が認められる。それによって、若干の誤差が生じるが、滑車の直径が小さく、回転角度が小さいため、誤差が工学的に許可されるほど極めて小さい。
【0326】
本例では、引張りバネには、オルガン様保護カバーが設けられる。
【0327】
実施例14
図14に示すように、実施例14は、1つの支持ディスクを持ち、クローズドループで、重力とケーブルバネを組み合わせたハイブリッド力付加形態であり、
図14.1はその上面図である。
【0328】
それは、実施例11と実施例8を組み合わせたものである。実施例11を基にして、モータカウンターウェイトが重力モーメントを相殺するのに不十分でるため、慣性が過剰に増加しないように、バネにより重力モーメントの一部を相殺する。両側に2組の引張りバネが配置される(又は片側にのみ1組配置)。ケーブルは作動シリンダの軸線と反対の方向の一端に接続され(図におけるモータの下)、バネの軸線は基礎プラットフォームの平面に垂直である。
【0329】
方向適応装置の第2回り対偶は自在継手の下方にある。R1、R2にも位置変化が発生する(
図14を参照)。関連する符号は
図8、
図10を参照する。
【0330】
実施例15
図15には、オープンループであって、引張りバネとケーブルを組み合わせ、ケーブルの方向を2回変更した形態が示される。
【0331】
実施例15は、実施例6を改良したものである。
図6において、自在継手接続ロッド4(作動シリンダ)、すなわち、
図15における破線の部分が取り外される。オープンループ形態が得られる。
【0332】
実施例15では、方向適応装置3は、垂直軸が水平軸の下に位置し、軸線が垂直な回り対偶は中空軸である。偏心e1は滑車の半径に等しい。ケーブルは中空軸を貫通する。滑車の半径とは、滑車の最小半径にケーブルの半径を加算したものである。滑車が揺動する際に、ケーブルの第2段の軸線は変わらず、いつでも中空軸の中心にある。
【0333】
輸送しやすさから、実施例15では、ベースフレームは折り畳み式のものにする。ベースフレームのフレーム本体の中央部において、フレーム本体は上部と下部の2つの部分に分けられ、メインマウントの中央部には、回り対偶1.5及びロック装置が設けられる。展開して固定ボルトでロックすると、剛性フレームが得られる。折り畳むと、ベースフレームが得られ、このように、輸送に有利である。符号などの詳細は実施例6及び
図6を参照する。
【0334】
実施例16
図16には、セミオープンループであって、ディスクを持ち、ねじりバネによって引張力を発生させる形態が示される。
【0335】
実施例8を基にして、力付加装置が取り外され、自在揺動接続ロッドは支持ディスクに取り付けられる。力付加装置は実施例3の力付加装置に変更される。それによって、実施例16が得られる。
【0336】
実施例16では、ねじりバネはベースフレームの上方に取り付けられ、点A2aは自在継手の上に位置し、所定の偏心が許可される。
【0337】
実施例16の改良1(
図16.1を参照)
実施例16を基にして、支持ディスクを中空にし、旋回軸受を中空に位置し、中空部位に自在揺動接続ロッドの自在継手を取り付ける。支持ディスクにおいて、作動シリンダの真下にU字型フォーク6が増設され、作動シリンダはU字型フォーク内にあり(U字型フォーク6と協働する部分であって、作動シリンダ又は接続ロッドの断面は円形)、U字型フォークと遊び嵌めする。それは広義のカップリングである。作動シリンダは、U字型フォークを駆動して水平軸の周りに回転させ、支持ディスクを回転させ、このようにして、同期回転を実現する。作動シリンダがピッチ回転を行う際に、U字型フォークは動かない。
【0338】
実施例17
図17には、セミオープンループであって、ねじりバネによりトルクを発生させる形態が示される。
【0339】
実施例17は、実施例10の変形である。作動シリンダ(すなわち揺動接続ロッド)、自在継手の水平軸及び取り付けベースが取り外される。残りは実施例10と同様である。それによって、実施例17が得られる。実施例17は、セミオープンループ形態であり、1つの旋回軸受が共用される(自在継手と方向適応装置は同一の回り対偶を共用し、また、この回り対偶はベースフレームの一部となり、構造が単純化し、かつ、力付加装置は作動シリンダの軸線を通ってかつ水平面に垂直な分力を発生させない。)。
【0340】
実施例17の改良(参考
図17.1)
実施例18を基にして、作動シリンダ、自在継手の水平軸や取り付けベースが取り外されることに加えて、支持ディスクを中空支持ディスクにし、旋回軸受の中央部を中空に維持する。中空部位は自在揺動接続ロッドの自在継手を取り付けるものである。実施例17は、大オープンループ形態である。
オープンループ形態では、
図16、
図16.1、
図17において、自在揺動接続ロッド装置が取り外されるべきである。
【0341】
実施例18
図18は、実施例18の上面図である。実施例18は、オープンループであって、重力カウンターウェイトを持つ形態である。
【0342】
正面図は
図12に示され、
図18は
図12の上面図である。実施例12では、作動シリンダは自在継手の水平軸によってカウンターウェイトを駆動する。
図12.1に示すように、その軸は長軸を用いる。実施例18では、軸が分割され、軸線が同一の2つ(又は3つ)の軸が使用され、それらの中間部はカップリング5.2bによって接続されたものは従来の長軸に取り替わり、それによって、
図18が得られる。旋回軸受(支持ディスク)の外周に2つのU字形シートが取り付けられ、U字形シートには軸線が水平の回転軸が設けられ、この回転軸と、自在継手の水平軸とは軸線が重なり、カップリングによって自在継手に接続される。カウンターウェイトは旋回軸受(支持ディスク)のU字形シートの軸に取り付けられる。
図18では、歯車によってカウンターウェイトが接続される。作動シリンダがピッチ揺動を行うと、カップリングを回転させ、U字形シートの軸が回転すると、カウンターウェイトを揺動させる。作動シリンダとカウンターウェイトの連結棒は水平面に対する対称運動を行い、カウンターウェイトは適切な反重力モーメントを提供する。
【0343】
旋回軸受は中空になり、支持ディスクの中心も中空になる。中空部位はUPS類分岐のU対偶の取り付け空間である。
図18には、自在揺動接続ロッド装置が示される。ただし、大オープンループ形態では、この自在揺動接続ロッド装置が存在しない。
【0344】
使用に際しては、旋回軸受の中心に自在継手が取り付けられ、自在継手は作動シリンダに接続され、このようにして、自在継手及び作動シリンダはUPS分岐となる。この分岐は独立したものであってもよい。このように、大きな力クローズドループ構造が得られる。
【0345】
以下、サイドフォース低減装置を用いた6自由度パラレル機構の実施例を代表として挙げると、このパラレル機構を微正圧パラレル機構とする。他の自由度の少ないパラレル機構にも適用可能である。
【0346】
実施例19
微正圧パラレル機構は、6-UPS(又は6-UCS、6-UCU)パラレル機構とオープンループサイドフォース低減装置(実施例6)を組み合わせたものである。微正圧パラレル機構は、3つの対称軸を持つ(
図19には、パラレル機構システムの3分の1のみが示され、
図20、
図21についても同様)。P対偶には直連式電動シリンダが使用される。この形態は、従来のパラレル機構の改造にも、新しい微小サイドフォースパラレル機構システムの設計にも利用可能である。
【0347】
サイドフォース低減装置の取り付け位置に関しては、進み対偶は円錐状の作動空間を持ち、この円錐状作動空間の境界の水平面での投影により角が形成され、この角については対称軸(二等分線と呼ばれる)を決定することができ、一般には、この対称軸(二等分線と呼ばれる)、取り付け位置はこの対称軸に関連し、この対称軸軸線上、例えば継手受け点の真上にするのが好ましい。又は、継手受け点は、軸線上、又は継手受け点の外側のこの軸線の真上にある。この取り付け位置は、左側への偏向と右への偏向の両方の受力がほぼ同じであるので、好ましい位置であり、つまり、偏心が存在する場合、偏心を持った受力状態が良好であり、この軸線上にいない場合、このような偏心を持つ受力では、一方の側では受力が大きくなる場合がある。ただし、正常な使用に影響を与えることはなく、この場合、動力学解析において、この力を考慮すべきである。
ベースは自在継手の外側に取り付けられる。力付加装置とフレームとの接続点の位置は自在継手の上方にある。
【0348】
実施例20
微正圧パラレル機構は、6-UPS(又は6-UCS、6-UCU)パラレル機構と、クローズドループサイドフォース低減装置(実施例10)とを組み合わせたものである。力付加装置には、片側ねじりバネ又は両側ねじりバネが使用される。P対偶としては、油圧シリンダが選択される。
【0349】
実施例21
微正圧パラレル機構としては6-UPS6-DOFパラレル機構が例示され、サイドフォース低減装置としては実施例10におけるスリーインワンの形態が使用される。
【0350】
この形態は、主に、新しい微小サイドフォースパラレル機構システム(従来の油圧パラレル機構の改造にも利用可能)を設計する際に使用される。自由度の少ないパラレル機構、例えば、3-UPU、4-UPUなど、UPS類分岐を含むパラレル機構であれば、適用可能である。従来のパラレル機構の改造や新しいパラレル機構の設計に利用可能である。
【0351】
実施例19、実施例20、実施例21は、実質的には、同一の微小サイドフォースパラレル機構システムである。この3つの実施例では、上記低減サイドフォース装置(オープンループ形態)はパラレル機構に適用される。具体的には、オープンループ低減サイドフォース装置はパラレル機構をさらに含み、このパラレル機構は、少なくとも1つのUPS類分岐を有し、UPS分岐の進み対偶のシリンダ筒体は力付加装置の一端に接続され、作動シリンダに適切な反重力モーメントを印加し、それによって、微小サイドフォース(摩擦力が極めて小さくなり、しかも、一定の重量補償能力がある)パラレル機構システムが得られる。通常、パラレル機構において、UPS類分岐と同数のオープンループ低減サイドフォース装置が配置され、低減サイドフォース装置はパラレル機構の下側や外側に位置するので、運動部材同士の干渉がなくなる。
【0352】
実施例19、実施例20、実施例21は、複数の(1個~6個、通常の分岐)クローズドループサイドフォース低減装置(完全なUPS分岐を有する)で構成されるパラレル機構とみなされてもよい。例えば、6つの
図1に示す装置では、パラレル機構の構成に従って、6つのUPS分岐には可動プラットフォーム、固定プラットフォームが取り付けられると、6つのUPS分岐は6自由度パラレル機構となり、すなわち、微正圧パラレル機構システムとなる。このパラレル機構システムは、摩擦力が極めて小さく、かつ、一定の重量補償能力を持つ。組み立てに関しては、通常、低減サイドフォース装置はパラレル機構の下側や外側に位置し、運動部材同士は干渉しない。
【0353】
同様に、すべてのクローズドループサイドフォース装置は対応するパラレル機構システムを構成することができる。
【0354】
実施例1~14は、主にクローズドループ形態である。実施例15~21は、オープンループ実施例であり、大オープンループ実施例とセミオープンループ実施例を含む。実施例1~6について、ユニバーサルスイングロッド装置が取り外され、大オープンループ形態が得られる。実施例8、実施例9、実施例10では、自在継手の水平軸や作動シリンダが取り外されることに加えて、支持ディスクの中央部は中空、旋回軸受の中央部は中空に維持され、力付加装置の接続装置は外部接続装置に変更され、それによっても、大オープンループの実施形態が得られる。実施例8、実施例9、実施例10について、自在継手の水平軸や作動シリンダが取り外されると、セミオープンループの実施形態が得られる(方向適応装置と自在継手は、同一の回り対偶、すなわち同一の旋回軸受を共用する。)。
【0355】
以下では、実施例について説明する。
【0356】
方法の本質に関しては、すべての実施例では、以下のような総合的な方法が記載される。すなわち、サイドフォース低減方法は、実質的には、低減装置を提供し、作動シリンダと基礎との間に力を印加することであり、この力の1つの成分により反重力モーメントが解消され、この力はまた重量補償を可能にする上向きの成分を持つ。この反重力モーメント及び重力補償によって、ピッチ角が変化する際に、適切な反重力モーメント及び重力補償を提供し、ヨー角が変化すると、この反重力モーメントや重力補償には変化がなく、又は工学的な誤差が許可される変化だけが生じる。このため、この方法は、適切な反重力モーメント及び重力補償を提供する。いわゆる適切な反重力モーメントは、ピッチ角を問わず、力付加装置による反重力モーメントが設計要件を満たすことを指す。
【0357】
方法の繰り返しに関しては、繰り返し過程は、特定の実施形態において、特定の要件に応じて、比較を行うことにより行われる。例えば、特定の設計案に関しては、具体的な反重力モーメント及び具体的な重量補償の要件が与えられてから、設計目的が達成されたか否かを確認する。この場合、繰り返しを行うことができる。実施例は、単に繰り返した結果である。
【0358】
方法の第1ステップにおけるAとBの順番に関しては、具体的な適用対象が存在し、つまり、クライアントから具体的なフライトシミュレータモーションシステム(パイロット訓練用)が提供される場合、明確な構造パラメータ、明確な重力モーメントや重量補償への要件、及び具体的な設計要件があり、この場合、この6自由度モーションシステムが適用する構造を決定する。すなわち、まず、主なパラメータを決定してから、構造を決定する。つまり、AとBの順になる。実施例6では、このような方法が使用されている。
【0359】
1つの実施例の構造を選択してから、この実施例を特定の多自由度パラレル機構に適用する場合、まず、力付加方式や構造を決定し、次に、パラメータを決定することになる。反重力モーメントや重力補償への要件が含まれる。例えば、実施例1では、自動車運転シミュレータへの適用には、このような方法が使用される。つまり、BとAの順になる。
【0360】
このため、実施例では、AとBの順番は任意であり、同時に行う場合も含まれる。
【0361】
力付加装置の滑車及びケーブル
複数の実施例では、力付加装置の力伝達装置には滑車やケーブルが使用され、前記ケーブルでは、ケーブルの第1段の方向は第1滑車の取り付け位置によって決定され、具体的な形態は、以下の3つのうちの1つである。a.1つの滑車の形態:滑車はベースフレームに取り付けられ、方向適応装置と同一の水平軸線回り対偶を共用し、ケーブルの第1段の方向を固定し、ケーブルの第2段の方向は、力付加装置の力発生装置の取り付け位置によって決定され、ケーブルの第2段の方向は水平面に垂直である(約10度の誤差が可能)。b.2つの滑車形態:第1滑車はベースフレームに取り付けられ、方向適応装置と同一の水平軸線回り対偶を共用し、ケーブルの第1段の方向を固定することに用いられ、第2滑車は、ベースフレームに取り付けられ、2つの滑車は協働して、ケーブルの第2段の方向を決定し、ケーブルの第3段の方向は、力発生装置の取り付け位置によって決定される。c.3つ以上の滑車の形態:1つの滑車は、ベースフレームに取り付けられ、方向適応装置と同一の水平軸線回り対偶を共用し、ケーブルの第1段の方向を固定することに用いられ、もう1つの滑車は、ベースフレームに取り付けられ、2つの滑車は協働して、ケーブルの第2段の方向を決定し、残りの滑車はケーブルの任意の段の方向を任意で変える。
【0362】
構造についての表現
すべての実施例では、それぞれの部材の基本構成には、機能構造体と外部接続装置との2つの部分が含まれる。このような部材は、全体として、機能構造体と外部接続装置との2つの部分で構成される。そのため、このような角度からは、
【0363】
1.各部材は自己相似であり、全体と各部分も自己相似である。
【0364】
2.2つの接続可能な部材は、すべて、それぞれの接続装置によって互いに接続され、それは、これらの共通点である。2つずつの接続部材について、詳細な説明や符号引用が行われると、明細書が長すぎ、重点は分かりにくくなる。このため、簡潔さや明瞭さから、接続部分については、詳細な説明や符号引用が省略される。
【0365】
基礎に関しては、固定された設備又は装置が、基礎又は地面に取り付けられなければならず、これは、相対的に固定された装置又は設備の意味である。本案では、ベースフレームは基礎に取り付けられ、パラレル機構の基礎プラットフォームは基礎に取り付けられ、UPS分岐は基礎に取り付けられ、実施例16の力発生装置は基礎に取り付けられる。機械の原理によれば、基礎は大きな部材であり、基礎に取り付けられた部材は相対的に固定された部材である。あるいは、相対的に固定された複数の部材は、実質的は、1つの大きな部材である。文献における機構については、基礎を含むことが特に明示されていない。このため、本案では、基本構成については基礎が言及されておらず、各実施例では、基礎も常に言及されるわけではない。それは、基礎を含まないわけではなく、単なる表現に過ぎない。
【0366】
本発明は、特殊なパラレル機構を提供し、このパラレル機構は、2つ又は3つの回転自由度を有し、基礎プラットフォーム、2つの分岐、及び運動プラットフォームを含む。第1分岐は、ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置を含み、第2分岐は自在継手(又は球面ヒンジ)であり、運動プラットフォームはスイングロッド装置である。2つの分岐の末端の間で、第1分岐が接続ロッドに力を発生させ、この力の1つの成分は、接続ロッド及び接続ロッドに取り付けられた重物に反重力モーメントを発生させ、また、接続ロッドに対して、接続ロッド及び接続ロッドに取り付けられた重物の重量の一部を相殺するための上向きの分力を発生させることを特徴とする。実施例では、前記クローズドループ構造に対応する。
【0367】
また、本発明は、直列接続機構(直並列接続成分を含む場合がある)を提供し、この直列接続機構は、2つ又は3つの自由度を有し、この直列接続機構は、基礎プラットフォーム、ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、及び運動プラットフォーム(すなわちアクチュエータ)を含む。ベースフレーム、方向適応装置、力付加装置、アクチュエータは1つの直列接続分岐を構成する。この直列接続分岐は、自在接続ロッドに適用され、自在接続ロッドとともにパラレル機構を構成する場合、自在継手における接続ロッド及びその付属品に1つの力を作用させ、この力には分力があり、接続ロッド及び接続ロッドに取り付けられた重物に対して反重力モーメントを発生させ、重力モーメントを相殺することができ、また、運動プラットフォームに対して上向きの分力を発生させ、接続ロッド及びその付加装置の重量の一部を相殺できることを特徴とする。
【0368】
本明細書では、外部接続装置は接続装置Aと接続装置Bの2つに加えて、複数の場合もある。AとB自体にも複数の接続部位がある場合もある。それは、入力と出力に対応する表現の1つであり、場合によっては、出力と入力が複数あり、この場合、接続部位が複数ある。
【0369】
以上は、本発明の例示的な実施形態に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。当業者であれば、本発明の構想や原則を逸脱することなく、行われる同等変化や修正はすべて本発明の特許範囲に属する。
【符号の説明】
【0370】
1:ベースフレーム(機能:方向適応装置及び力付加装置のための取り付けマウントを提供する。)
1.1:外部接続装置1A、すなわち基礎取り付けベース;
1.2:フレーム本体;1.2a:剛性構造のフレーム全体に1つ又は2つの長さ調整可能な部材;1.2b:1回転自由度ベースフレーム(サブマウントA);1.2c:2回転自由度ベースフレーム(サブマウントB);1.2d:長さ又は高さを調整可能なフレーム本体;
1.3:外部接続装置1B;1.3a:方向適応装置接続ベース;1.3b力付加装置接続ベース
1.4:安全カバー又はシェル;1.5折り畳み又は伸縮可能装置(輸送に有利)。
2:力付加装置;
2.1:外部接続装置2A;
2.2:力発生装置;2.2a:引張りバネ;2.2b:ねじりバネ;2.2c:組み合わせバネ;2.2d:スイングロッド;2.2e:カウンターウェイト;2.2f:ねじりバネ受け;2.2g:重力振子回り対偶;2.2h:バネ取り付けブッシュ;2.2i:支持軸;2.2j:モータカウンターウェイト;2.2k:補助カウンターウェイト;2.2l:固定軸;2.2m:力付加装置取り付けベース;2.2k:接続端;2.2i:ケーブル回転筒;2.2:ラッパ状口;2.2f:ねじりバネ取り付けベース;
2.3:力伝達装置;2.3a:ケーブル伝動;2.3b:滑車伝動対偶;2.3c:歯車伝動構造;2.3d:ユニバーサルジョイント類伝動装置;2.3e:方向変更滑車;2.3f:ねじりバネ接続伝動ロッド;2.3g:接続ロッド;2.3h:接続ロッド(関連する接続ロッドを削除);2.3i:回転リング(ねじりバネ用);
2.4:外部接続装置2B;2.4a:ユニバーサルジョイント類;2.4b:フック・リングユニバーサルジョイント類;2.4c:フレキシブルユニバーサルジョイント類;2.4d:接続管(板);2.4e:中空十字軸;2.4i:U字型フォーク;2.4f:ケーブル;
2.5:力調整装置;2.5a:調整ボルト;2.5b:ガスケット;
2.8:ギアボックス;2.8a:大シーブ;2.8b:小シーブ;2.8c:ケーブルA;2.8d:ケーブルB;2.8eギアボックスケース;2.8fケーブルコネクタA;2.8gケーブルコネクタB;
3:方向適応装置;
3.1:外部接続装置3A;
3.2:回り対偶A;3.2a:旋回軸受類;3.2b:支持ディスク;3.2c:通常の回り対偶類;3.2d:単一滑車ユニバーサルジョイント;3.2e:ダブルジョイントユニバーサルジョイント;3.2f:二重滑車ユニバーサルジョイント;
3.3:回り対偶B;3.3a:フレキシブル回り対偶;3.3b:リング;3.3c:剛体回り対偶類;
3.4:外部接続装置3B。
4:ユニバーサルスイングロッド装置;
4.1:外部接続装置4A;
4.2:自在継手;4.2a:旋回軸受;4.2b:水平回り対偶;4.2c:揺動・回り対偶;4.2d:作動シリンダの軸線を中心とした回り対偶;4.2e:自在継手;4.2f:3軸直交球面ヒンジ;4.2g:4軸直交対称球面ヒンジ;4.2h:U字形シート;4.2i:自在継手二重滑車;
4.3:揺動接続ロッド、長さ調整可能;4.3d:シリンダ筒体;4.3a:平行接続ロッド;4.3b:垂直接続ロッド;4.3c:逆方向接続ロッド;4.3f:長さ調整可能接続ロッド;
4.4:外部接続装置4B;4.4a:力付加装置に接続;4.4b:タスク荷重に接続;
5:一体型外部接続装置;5.1:基礎接続ベース5A;5.2:タスク荷重接続ベースF。
6:U字型フォーク;
システムの形態:
7:UPS類パラレル機構;
7.1:システム外部接続装置7A;7.2:基礎プラットフォーム;
7.3:UPS類分岐;7.3a:下部プラットフォーム自在継手(4.2);7.3b:進み対偶又は円筒対偶;7.3c:上部プラットフォーム自在継手;
7.4:運動プラットフォーム;7.5:システム外部接続装置7B;
8:サイドフォース低減装置;
8.1:一体型外部接続装置8A;8.2:支持ディスク無し類;8.3:支持ディスク有り類;
図1.2、
図1.3の説明
L0:ピッチ角がαである場合の作動シリンダの軸線の位置
L1:最小ピッチ角での作動シリンダの軸線の位置
L3:最大ピッチ角での作動シリンダの軸線の位置
L2:OA2結び線
Lm:ヨー角の内側境界の水平面での投影
Ln:ヨー角の外側境界の水平面での投影
Lp:2つのヨー角の境界線の対称軸
図10.2の説明:
L4:作動シリンダの最小ピッチ角に対応するねじりバネの出力棒の軸線
L5:作動シリンダのある時刻の軸線に対応するねじりバネの出力棒の軸線
L6:作動シリンダの最大ピッチ角に対応するねじりバネの出力棒の軸線
La:設定されたねじりバネ自体の剛度直線A(O、α1を通る)
Lc:設定されたねじりバネ自体の剛度直線C、(α0、α3を通る)
Lb:設定されたねじりバネ自体の剛度直線B(正弦曲線の2つの点を通る)
α:作動シリンダの軸線の任意の時刻に対応するピッチ角
α1:作動シリンダの軸線の最小ピッチ角
α2:作動シリンダの軸線の最大ピッチ角
α3:作動シリンダの軸線の最小ピッチ角でのねじりバネの出力棒の角度
α4:作動シリンダの軸線の最大ピッチ角でのねじりバネの出力棒の角度
α5:作動シリンダの軸線が任意の位置にある場合のねじりバネの出力棒の角度。
β:最大ヨー角の作動シリンダの軸線の水平面での投影の最大角度
β2:引張力偏向角、作動シリンダの軸線と引張力軸線との夾角
R0:作動シリンダの重心に対応する半径、R0=OA1
Ra:力付加装置固定端での半径、又は、引張りバネのケーブルの1回目の方向変換時の半径
R1:力付加装置と作動シリンダとの接続点、R1=OA1a
R2:力付加装置に対する引張りバネのベースフレームでの接続点、R2=OA2a
R3:重力スイングロッドの半径
R4:ねじりバネと作動シリンダとの接続点の半径、定数又は変数。
A1:作動シリンダの重心の位置であって、場合によっては軸線上にいない。
A2:ベースフレームにおける引張りバネの別の固定点
A1a:力付加装置と作動シリンダ都の実際の接続
A2a:力付加装置とベースフレームとの実際の接続点であって、この点は力の方向を決定する。
F0:作動シリンダに対する力付加装置の、例えばケーブルの軸線方向、又はねじりバネの出力棒に垂直する方向における、垂直面での作用力
F1:作動シリンダの軸線でのF0の分力
F2:作動シリンダの軸線を通る垂直面内の、作動シリンダの軸線に垂直な方向におけるF0の分力
F3:F1、F2に垂直な方向におけるF0の分力
F4:ねじりバネの出力棒の軸線に垂直な、ねじりバネの出力力
F5:作動シリンダの軸線を通る垂直平面であって作動シリンダの軸線に垂直な方向におけるF4の投影。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法であって、
自在継手受け作動シリンダを適用対象とし、
前記方法に使用される装置は、ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、ユニバーサルスイングロッド装置、及び一体型外部接続装置を含み、
前記方向適応装置はベースフレームの上方に取り付けられ、
前記力付加装置の一端は方向適応装置によってベースフレームに接続され、他端は接続装置によってユニバーサルスイングロッド装置又は前記自在継手受け作動シリンダのシリンダ筒体に接続され、
前記一体型外部接続装置は、作動シリンダの接続や装置全体の取り付けに用いられ、タスク荷重に接続され、
前記方法は、
力付加装置は力を供給し、この力は、継手受け作動シリンダとベースフレームとの間に作用し、反重力モーメント及び重量補償を形成するステップ、を含むことを特徴とする自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法。
【請求項2】
前記方法は、
主な設計パラメータ及び力付加装置のタイプを決定するステップであって、
低減する当該作動シリンダの最大正圧の大きさ、最大重力モーメントと解消する重力モーメントとの割合、最大反重力モーメント、重量補償の大きさを含む、主な設計パラメータを決定するステップAと、
力付加装置のタイプ及び構造の形態を決定するステップであって、力付加装置のタイプの決定には、反重力モーメントを提供するために使用される力付加方式を決定することを含み、前記力付加方式は、引張りバネ、ねじりバネ、重力カウンターウェイト、重力振子、空気バネ、又は電磁力のうちの1つの力付加方式又は2種以上の方式の組み合わせであり、
構造の形態の決定について、構造の形態は、オープンループ構造、クローズドループ構造、セミオープンループ構造、セミクローズドループ構造又はハイブリッド構造のうちの1つの構造の形態を含む、ステップBと、を含み、上記のステップAとステップBは、順番を問わず、同時に行われてもよい、第1ステップと、
装置構造を設計するステップであって、
主な設計パラメータ及び力付加装置のタイプを決定した後、構造設計、製造、組み立て、デバッグを含む前記装置構造設計を行い、前記構造設計には、ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、及び前記一体型外部接続装置の設計を含む、第2ステップと、
実際の重力モーメント又は正圧及び重量補償の効果を計算、テスト、及び評価し、設計要件を満たすか否かを判断し、重力モーメント及び低減割合を計算、又はテスト、及び評価し、重量補償の効果を計算又はテスト及び評価し、設計要件を満たす場合、停止し、上記設計案を設計結果とし、要件を満たさない場合、パラメータを調整し、以上のステップを繰り返して、設計要件を満たすまで設計を改めて行う、第3ステップと、を含む、請求項1に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法。
【請求項3】
ユニバーサルスイングロッド装置の構造設計、ユニバーサルスイングロッド装置のパラメータ構造の調整と反復を含む、ユニバーサルスイングロッド装置の主なパラメータ設計を含み、
ユニバーサルスイングロッド装置は、基礎又はベースフレームの底部に取り付けられ、ユニバーサルスイングロッド装置又は前記自在継手受け作動シリンダのシリンダ筒体と力付加装置の他端は一体型外部接続装置を介して接続され、クローズドループを構成する、請求項
2に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法。
【請求項4】
第2ステップは、前記方向適応装置の第1回り対偶を軸線が水平面に垂直となるように基礎に取り付ける方法をさらに含み、
前記第1回り対偶は旋回軸受であり、前記旋回軸受の固定ディスクが基礎に固定され、可動ディスク上に支持ディスクが固定され、前記旋回軸受に支持ディスクが固定して取り付けられ、前記旋回軸受は前記ベースフレームの一部である、請求項
2に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法。
【請求項5】
前記方法の第2ステップにおいて、前記ユニバーサルスイングロッド装置及び前記方向適応装置は同一の回り対偶を共用し、共用される回り対偶は、ユニバーサルスイングロッドにおける自在継手を基礎に接続するための回り対偶であり、共用された回り対偶は旋回軸受と呼ばれ、旋回軸受の軸線が水平面に垂直であり、旋回軸受の固定ディスクが基礎に固定され、可動ディスク上に支持ディスクが固定されており、旋回軸受は前記ベースフレームの一部となる、請求項
3に記載の
自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法。
【請求項6】
請求項1に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法を実現するための自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置であって、
ベースフレーム、力付加装置、方向適応装置、及び一体型外部接続装置を含み、
前記ベースフレームは、外部接続装置1A、フレーム本体、及び外部接続装置1Bを含み、
前記力付加装置は、力発生装置、力伝達装置、外部接続装置2A、及び外部接続装置2Bを含み、前記力発生装置による力には、重力、金属バネ力、空気バネ力又は電磁力が含まれ、
前記方向適応装置は、同軸ではなく平行ではない2つの回り対偶を含み、外部接続装置3A、外部接続装置3B、及び2つの回り対偶は一体に固定して接続され、2自由度回転を可能にし、
前記一体型外部接続装置は、外部接続装置5Aと外部接続装置5Bを含む、
自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項7】
ユニバーサルスイングロッド装置をさらに含み、
ユニバーサルスイングロッド装置は、自在継手、揺動接続ロッド、外部接続装置4A、及び外部接続装置4Bを含み、前記自在継手は揺動接続ロッドに接続され、
ユニバーサルスイングロッド装置は、基礎又はベースフレームの底部に取り付けられ、ユニバーサルスイングロッド装置又は前記自在継手受け作動シリンダのシリンダ筒体と前記力付加装置の他端は、前記一体型外部接続装置を介して接続され、クローズドループを構成する、請求項6に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項8】
前記方向適応装置の第1回り対偶は地面に取り付けられ、前記第1回り対偶の軸線が地面に垂直であり、前記第1回り対偶として旋回軸受が使用される、請求項6に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項9】
前記方向適応装置及びユニバーサルスイングロッドは同一の回り対偶を共用し、当該回り対偶は、自在継手受け接続ロッドの第1回り対偶であり、この回り対偶は、軸線が地面に垂直であって、通常旋回軸受を使用し、旋回軸受の固定ディスクが基礎に固定され、可動ディスク上に支持ディスクが固定して接続され、旋回軸受はベースフレームの一部であり、1回転自由度ベースフレームが構成される、請求項7に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項10】
前記力付加装置の前記力発生装置は、1つ又は1組の引張りバネであり、前記力付加装置の力伝達装置は、ユニバーサルジョイント、又はこれらの組み合わせである、請求項6又は7に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項11】
前記力付加装置の力伝達装置は、ケーブル、ケーブルと滑車、又はケーブルとギアボックスから構成され、前記力付加装置の力発生装置は、1つ又は1組の引張りバネ、引張力を発生させる1つ又は1組のねじりバネ、ギアボックス付き空気バネ、単振り装置又はカウンターウェイト、電磁バネ、又はトルクモータのうちの1つである、請求項6又は7に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項12】
前記力付加装置の力発生装置は、1つ又は1組のねじりバネであり、前記ねじりバネは、トルクを発生させ、旋回軸受に取り付けられ、軸線が水平で、かつ自在継手の水平軸の軸線に平行であり、接続ロッドが進み対偶を介して前記自在継手受け作動シリンダに接続される、請求項8又は9に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項13】
前記力付加装置の力発生装置は、1つ又は1組のカウンターウェイトであり、カウンターウェイトは反重力モーメントを生成し、前記力伝達装置を介して作動シリンダに接続され、反重力モーメントを生成する、請求項6又は7に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項14】
少なくとも1つのUPS類分岐を有するパラレル機構をさらに含み、UPS分岐の進み対偶のシリンダ筒体は力付加装置の一端に接続され、作動シリンダに適切な反重力モーメントを付加し、それによって、微小横力パラレル機構システムが形成される、請求項6に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置。
【請求項15】
請求項6~
9のいずれか1項に記載の自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置を用いる、自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法であって、
前記自在継手受け作動シリンダの正圧の低減装置の数は2~6個であり、前記ユニバーサルスイングロッド装置は完全なUPS分岐であり、
パラレル機構の構成において、前記UPS分岐に運動プラットフォームと基礎プラットフォームが取り付けられており、
前記UPS分岐、前記運動プラットフォーム、及び前記基礎プラットフォームによりパラレル機構が構成され、微正圧パラレル機構システムが形成される、
自在継手受け作動シリンダの正圧の低減方法。
【国際調査報告】