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特表2024-532372抗PSMA放射性コンジュゲート及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】抗PSMA放射性コンジュゲート及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/30 20060101AFI20240829BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20240829BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20240829BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240829BHJP
   A61K 51/10 20060101ALI20240829BHJP
   A61K 51/00 20060101ALI20240829BHJP
   G01N 33/574 20060101ALI20240829BHJP
   G01N 33/534 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
C07K16/30 ZNA
C12N15/13
A61P35/00
A61P13/08
A61P35/04
A61K47/68
A61K39/395 N
A61K39/395 T
A61K51/10 100
A61K51/00 100
A61K51/00 200
A61K51/10 200
G01N33/574 A
G01N33/534
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513158
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 IB2022057979
(87)【国際公開番号】W WO2023026236
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/237,663
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/277,245
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/339,784
(32)【優先日】2022-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509087759
【氏名又は名称】ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100178685
【弁理士】
【氏名又は名称】田浦 弘達
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドバーグ,シャローム
(72)【発明者】
【氏名】クライン,ドナ
(72)【発明者】
【氏名】コーリ,ニラジ
(72)【発明者】
【氏名】マクデヴィット,テレサ
(72)【発明者】
【氏名】オーカット,スティーヴン ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076AA12
4C076AA16
4C076AA17
4C076AA22
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076BB11
4C076BB13
4C076CC17
4C076CC27
4C076EE59
4C084AA12
4C084MA16
4C084MA17
4C084MA21
4C084MA22
4C084MA23
4C084MA35
4C084MA37
4C084MA52
4C084MA55
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA811
4C084ZA812
4C084ZB261
4C084ZB262
4C085AA13
4C085AA14
4C085AA16
4C085BB11
4C085BB36
4C085BB41
4C085BB42
4C085BB43
4C085CC23
4C085EE01
4C085GG01
4C085GG02
4C085GG08
4C085HH03
4C085KA03
4C085KA29
4C085KB02
4C085KB12
4C085KB82
4C085LL18
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA71
4H045DA76
4H045EA28
4H045EA51
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書では、前立腺特異的膜抗原(PSMA)に結合する抗体又はその抗原結合断片、ポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、放射性コンジュゲート、抗体薬物コンジュゲート、及びそれらを使用して癌を治療する方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式の放射性免疫コンジュゲートであって、
【化1】
式中、
は放射性金属イオンであり、Mは、アクチニウム225(225Ac)、インジウム-111(111In)、ラジウム223(233Ra)、ビスマス213(213Bi)、鉛212(212Pb(II)及び/又は212Pb(IV))、テルビウム149(149Tb)、テルビウム152(152Tb)、テルビウム155(155Tb)、フェルミウム255(255Fm)、トリウム227(227Th)、トリウム226(226Th4+)、アスタチン211(211At)、セリウム134(134Ce)、ネオジム144(144Nd)、ランタン132(132La)、ランタン135(135La)、及びウラン230(230U)からなる群から選択され、及び
mAbは、PSMAに結合する抗体又は抗原結合断片である、放射性免疫コンジュゲート。
【請求項2】
前記抗体又は抗原結合断片が、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、及びHCDR3、並びに軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3が、
a.それぞれ、RYGMH(配列番号4)、LISYDGSNRYYADSVKG(配列番号5)、ERESSGWFEGYFDY(配列番号6)、GGNNIGSKSVH(配列番号7)、DNSDRPS(配列番号8)、及びQVWDSSSDHVV(配列番号9)、
b.それぞれ、SYYWN(配列番号10)、RIYSSGNTDYNPSLKS(配列番号11)、GRGANVGLFDY(配列番号12)、TGSNSNIGANYDVH(配列番号130、GNINRPL(配列番号14)、及びQSYDFSLSGSV(配列番号15)、
c.それぞれ、GYGMH(配列番号16)、VISYDGSNRYYADSVKG(配列番号17)、DGNWGSLDLYFDL(配列番号18)、TGSSSNIGADYDVH(配列番号19)、VNNNRPS(配列番号20)、及びQSYDNTLSGVV(配列番号21)、
d.それぞれ、SYGMH(配列番号22)、VISYDGSNKYYADSVKG(配列番号23)、EHYDSSGYYHGYYGMDV(配列番号24)、SGSSSNIGSNYVY(配列番号25)、SNNQRPS(配列番号26)、AARDDSLSGYV(配列番号27)、
e.それぞれ、SYDMH(配列番号28)、VISFDGSNKYYVDSVKG(配列番号29)、TYYDILTGYSHYSYGMDV(配列番号30)、RASQGISNYLA(配列番号31)、ATSTLQS(配列番号32)、及びQKYNSAPFT(配列番号33)、
f.それぞれ、TYGMH(配列番号34)、FISYDGSNKYYADSVKG(配列番号35)、RDNLRFLEWFMDV(配列番号36)、RASQSVRSNLA(配列番号37)、GASTRAT(配列番号38)、及びHQYNDWPPYT(配列番号39)、
g.それぞれ、IYSMN(配列番号40)、SISSSSSYIFYADSVKG(配列番号41)、SSYGADY(配列番号42)、RASQDITNFLA(配列番号43)、TASTLQS(配列番号44)、及びQKYNSAPLT(配列番号45)、
h.それぞれ、SYSLN(配列番号46)、SISSSSSYISYADAVKG(配列番号47)、DRGFLEDYYYYYGMDV(配列番号48)、RASQGISNWLA(配列番号49)、VASSLQS(配列番号50)、及びQQAYSFPLT(配列番号51、
i.それぞれ、SYYWS(配列番号272)、RIYSSGSTNYNPSLKS(配列番号273)、VGVWPGAFDI(配列番号274)、SGSSSNIGSNTVN(配列番号275)、SSNQRPS(配列番号276)、及びAAWDDSLNGVV(配列番号277)、
j.それぞれ、GFTLSRY(配列番号124)、SYDGSN(配列番号125)、ERESSGWFEGYFDY(配列番号6)、GGNNIGSKSVH(配列番号7)、DNSDRPS(配列番号8)、及びQVWDSSSDHVV(配列番号9)、
k.それぞれ、GGSISSY(配列番号130)、YSSGN(配列番号131)、GRGANVGLFDY(配列番号12)、TGSNSNIGANYDVH(配列番号13)、GNINRPL(配列番号14)、及びQSYDFSLSGSV(配列番号15)、
l.それぞれ、VRTFSGY(配列番号136)、SYDGSN(配列番号125)、DGNWGSLDLYFDL(配列番号18)、TGSSSNIGADYDVH(配列番号19)、VNNNRPS(配列番号20)、及びQSYDNTLSGVV(配列番号21)、
m.それぞれ、GFTFTSY(配列番号142)、SYDGSN(配列番号125)、EHYDSSGYYHGYYGMDV(配列番号24)、SGSSSNIGSNYVY(配列番号25)、SNNQRPS(配列番号26)、及びAARDDSLSGYV(配列番号27)、
n.それぞれ、GFTFSSY(配列番号148)、SFDGSN(配列番号149)、TYYDILTGYSHYSYGMDV(配列番号30)、RASQGISNYLA(配列番号31)、ATSTLQS(配列番号32)、及びQKYNSAPFT(配列番号33)、
o.それぞれ、GFTFSTY(配列番号154)、SYDGSN(配列番号125)、RDNLRFLEWFMDV(配列番号36)、RASQSVRSNLA(配列番号37)、GASTRAT(配列番号38)、及びHQYNDWPPYT(配列番号39)、
p.それぞれ、GFTLSIY(配列番号160)、SSSSSY(配列番号161)、SSYGADY(配列番号42)、RASQDITNFLA(配列番号43)、TASTLQS(配列番号44)、及びQKYNSAPLT(配列番号45)、
q.それぞれ、GFTFSSY(配列番号166)、SSSSSY(配列番号167)、DRGFLEDYYYYYGMDV(配列番号48)、RASQGISNWLA(配列番号49)、VASSLQS(配列番号50)、及びQQAYSFPLT(配列番号51)、
r.それぞれ、GGSIISY(配列番号290)、YSSGS(配列番号291)、VGVWPGAFDI(配列番号274)、SGSSSNIGSNTVN(配列番号275)、SSNQRPS(配列番号276)、及びAAWDDSLNGVV(配列番号277)、
s.それぞれ、GFTLSRYGMH(配列番号172)、LISYDGSNRY(配列番号173)、ERESSGWFEGYFDY(配列番号6)、GGNNIGSKSVH(配列番号7)、DNSDRPS(配列番号8)、及びQVWDSSSDHVV(配列番号9)、
t.それぞれ、GGSISSYYWN(配列番号178)、RIYSSGNTD(配列番号179)、GRGANVGLFDY(配列番号12)、TGSNSNIGANYDVH(配列番号13)、GNINRPL(配列番号14)、及びQSYDFSLSGSV(配列番号15)、
u.それぞれ、VRTFSGYGMH(配列番号184)、VISYDGSNRY(配列番号185)、DGNWGSLDLYFDL(配列番号18)、TGSSSNIGADYDVH(配列番号19)、VNNNRPS(配列番号20)、及びQSYDNTLSGVV(配列番号21)、
v.それぞれ、GFTFTSYGMH(配列番号190)、VISYDGSNKY(配列番号191)、EHYDSSGYYHGYYGMDV(配列番号24)、SGSSSNIGSNYVY(配列番号25)、SNNQRPS(配列番号26)、及びAARDDSLSGYV(配列番号27)、
w.それぞれ、GFTFSSYDMH(配列番号196)、VISFDGSNKY(配列番号197)、TYYDILTGYSHYSYGMDV(配列番号30)、RASQGISNYLA(配列番号31)、ATSTLQS(配列番号32)、及びQKYNSAPFT(配列番号33)、
x.それぞれ、GFTFSTYGMH(配列番号202)、FISYDGSNKY(配列番号203)、RDNLRFLEWFMDV(配列番号36)、RASQSVRSNLA(配列番号37)、GASTRAT(配列番号38)、及びHQYNDWPPYT(配列番号39)、
y.それぞれ、GFTLSIYSMN(配列番号208)、SISSSSSYIF(配列番号209)、SSYGADY(配列番号42)、RASQDITNFLA,(配列番号43)、TASTLQS(配列番号44)、及びQKYNSAPLT(配列番号45)、
z.それぞれ、GFTFSSYSLN(配列番号214)、SISSSSSYIS(配列番号215)、DRGFLEDYYYYYGMDV(配列番号48)、RASQGISNWL(配列番号49)、VASSLQS(配列番号50)、及びQQAYSF(配列番号51)、
aa.それぞれ、GGSIISYYWS(配列番号296)、RIYSSGSTN(配列番号297)、VGVWPGAFDI(配列番号274)、SGSSSNIGSNTVN(配列番号275)、SSNQRPS(配列番号276)、及びAAWDDSLNGVV(配列番号277)、
bb.それぞれ、GFTLSRYG(配列番号220)、ISYDGSNR(配列番号221)、ARERESSGWFEGYFDY(配列番号222)、NIGSKS(配列番号223)、DNS、及びQVWDSSSDHVV(配列番号9)、
cc.それぞれ、GGSISSYY(配列番号226)、IYSSGNT(配列番号227)、ARGRGANVGLFDY(配列番号228)、NSNIGANYD(配列番号229)、GNI、及びQSYDFSLSGSV(配列番号15)、
dd.それぞれ、VRTFSGYG(配列番号232)、ISYDGSNR(配列番号233)、ARDGNWGSLDLYFDL(配列番号234)、SSNIGADYD(配列番号235)、VNN、及びQSYDNTLSGVV(配列番号21)、
ee.それぞれ、GFTFTSYG(配列番号238)、ISYDGSNK(配列番号239、AREHYDSSGYYHGYYGMDV(配列番号240)、SSNIGSNY(配列番号241)、SNN、及びAARDDSLSGYV(配列番号27)、
ff.それぞれ、GFTFSSYD(配列番号244)、ISFDGSNK(配列番号245)、ARTYYDILTGYSHYSYGMDV(配列番号246)、QGISNY(配列番号247)、ATS、及びQKYNSAPFT(配列番号33)、
gg.それぞれ、GFTFSTYG(配列番号250)、ISYDGSNK(配列番号251)、AGRDNLRFLEWFMDV(配列番号252)、QSVRSN(配列番号253)、GAS、及びHQYNDWPPYT(配列番号39)、
hh.それぞれ、GFTLSIYS(配列番号256)、ISSSSSYI(配列番号257)、ARSSYGADY(配列番号258)、QDITNF(配列番号259)、TAS、及びQKYNSAPLT(配列番号45)、
ii.それぞれ、GFTFSSYS(配列番号262)、ISSSSSYI(配列番号263)、ARDRGFLEDYYYYYGMDV(配列番号264)、QGISNW(配列番号265)、VAS、及びQQAYSFPLT(配列番号51)、並びに
jj.それぞれ、GGSIISYY(配列番号302)、IYSSGST(配列番号303)、AKVGVWPGAFDI(配列番号304)、SSNIGSNT(配列番号305)、SSN、及びAAWDDSLNGVV(配列番号277)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の放射性免疫コンジュゲート。
【請求項3】
前記抗体又は前記抗原結合断片が、
a.それぞれ、配列番号52及び53、
b.それぞれ、配列番号54及び55、
c.それぞれ、配列番号56及び57、
d.それぞれ、配列番号58及び59、
e.それぞれ、配列番号60及び61、
f.それぞれ、配列番号62及び63、
g.それぞれ、配列番号64及び65、
h.それぞれ、配列番号66及び67、並びに
i.それぞれ、配列番号278及び279から選択される重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含む、請求項1に記載の放射性免疫コンジュゲート。
【請求項4】
前記抗体又は前記抗原結合断片が、配列番号84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、268、282、284、及び288から選択される重鎖アミノ酸配列、
並びに配列番号85、89、93、95、97、99、101、103、及び269から選択される軽鎖アミノ酸配列を含む、請求項1に記載の放射性免疫コンジュゲート。
【請求項5】
前記抗体又は前記抗原結合断片が、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4アイソタイプのものである、請求項1に記載の放射性免疫コンジュゲート。
【請求項6】
前記抗体又は抗原結合断片が、IgG1アイソタイプである、請求項5に記載の放射性免疫コンジュゲート。
【請求項7】
前記抗体又は前記抗原結合断片がIg定常領域を更に含み、前記Ig定常領域が、Fcγ受容体(FcγR)への前記抗体又はその抗原結合断片の低減された結合をもたらす少なくとも1つの変異を含む、請求項1に記載の放射性免疫コンジュゲート。
【請求項8】
前記タンパク質の前記FcγRへの低減された結合をもたらす前記少なくとも1つの変異が、F234A/L235A、L234A/L235A、L234A/L235A/D265S、V234A/G237A/P238S/H268A/V309L/A330S/P331S、F234A/L235A、S228P/F234A/L235A、N297A、V234A/G237A、K214T/E233P/L234V/L235A/G236欠失/A327G/P331A/D365E/L358M、H268Q/V309L/A330S/P331S、S267E/L328F、L234F/L235E/D265A、L234A/L235A/G237A/P238S/H268A/A330S/P331S、S228P/F234A/L235A/G237A/P238S、及びS228P/F234A/L235A/G236欠失/G237A/P238Sからなる群から選択され、残基番号付けが、EUインデックスに従う、請求項7に記載の放射性免疫コンジュゲート。
【請求項9】
前記FcγRへの前記抗体又はその抗原結合断片の低減された結合をもたらす前記変異が、L234A、L235A、及びD265Sである、請求項8に記載の放射性免疫コンジュゲート。
【請求項10】
前記抗体又は前記抗原結合断片がIg定常領域を更に含み、前記IgG定常領域が、前記抗体の半減期を調節する少なくとも1つの変異を含む、請求項1に記載の放射性免疫コンジュゲート。
【請求項11】
前記抗体の半減期を調節する少なくとも1つの変異が、H435A、P257I/N434H、D376V/N434H、M252Y/S254T/T256E、M252Y/S254T/T256E/H433K/N434F、T308P/N434A、及びH435Rからなる群から選択され、残基番号付けは、EUインデックスに従う、請求項10に記載の放射性免疫コンジュゲート。
【請求項12】
前記抗体又はその抗原結合断片の前記半減期を調節する前記変異が、M252Y、S254T、及びT256E変異である、請求項11に記載の放射性免疫コンジュゲート。
【請求項13】
以下の式の放射性免疫コンジュゲートであって、
【化2】
式中、
は、225Ac又は111Inであり;
mAbは、PSMAに結合する抗体又は抗原結合断片であり、
a.配列番号4のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号6のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、並びに配列番号7のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号8のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号9のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)、又は
b.配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号11のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、並びに配列番号13のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号14のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む、放射性免疫コンジュゲート。
【請求項14】
以下の式の放射性免疫コンジュゲートであって、
【化3】
式中、
は、225Ac又は111Inであり;
mAbは、PSMAに結合する抗体又は抗原結合断片であり、
a.配列番号4のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号6のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、並びに配列番号7のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号8のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号9のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)、又は
b.配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号11のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、並びに配列番号13のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号14のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む、放射性免疫コンジュゲート。
【請求項15】
請求項1に記載の放射性免疫コンジュゲートと、医薬的に許容される担体と、を含む医薬組成物。
【請求項16】
PSMA発現癌の治療を必要とする対象においてPSMA発現癌を治療する方法であって、治療有効量の請求項1に記載の放射性免疫コンジュゲートを投与することを含む、方法。
【請求項17】
前記PSMA発現癌が、前立腺癌である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記前立腺癌が、転移性去勢抵抗性癌(mCRPC)である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
対象の試料を請求項1に記載の放射性免疫コンジュゲートと接触させることを含む、対象のPSMA発現癌を検出する方法。
【請求項20】
前記対象の試料が、尿、血液、血清、血漿、唾液、腹水、循環細胞及び循環腫瘍細胞に由来する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項1に記載の放射性免疫コンジュゲート、試薬、及び前記放射性免疫コンジュゲートを使用するための使用説明書を含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「ANTI-PSMA ANTIBODIES AND USES THEREOF」と題された、2021年8月27日に出願された米国特許仮出願第63/237,663号、2022年11月9日に出願された米国仮出願第63/277,245号、及び2022年5月9日に出願された米国仮出願第63/339,784号に対する優先権を主張し、その各々の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(配列表)
本出願は、XMLファイル形式で電子的に提出済みである、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる配列表を含む。当該XMLコピーは、2022年7月11日に作られ、名称はJBI6621USNP2_SL.xmlであり、サイズは282,897バイトである。
【0003】
(発明の分野)
本明細書では、前立腺特異的膜抗原(prostate specific membrane antigen、PSMA)に結合する抗体又はその抗原結合断片、ポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、放射性コンジュゲート、抗体薬物コンジュゲート、及びそれらを使用して癌を治療する方法が提供される。
【背景技術】
【0004】
前立腺癌は、全世界の男性において2番目に多い癌であり、癌に関連する死因としては6番目に多い。世界的には、およそ110万人の新たな症例及び30万人の死亡例が毎年報告されており、これは全癌死の4パーセントを構成する。男性の6人に1人が、この疾患を生涯に診断されるものと推定されている。米国では、前立腺癌の90%超が局所期又は限局期で発見されている。これらの早期のステージでは、5年生存率は100%に近い。しかしながら、癌が転移した場合、5年生存率は28%まで低下し、進行した前立腺癌に対する有効な治療の必要性が残っている。
【0005】
前立腺特異的膜抗原(PSMA)は、前立腺細胞の一部が異常に見え、異常に挙動し始めた状態である前立腺上皮内腫瘍(prostatic intraepithelial neoplasia、PIN)において、並びに原発性及び転移性前立腺癌において高度に発現するタイプII膜タンパク質である(Bostwick DG,et al,Prostate specific membrane antigen expression in prostatic intraepithelial neoplasia and adenocarcinoma:A study of 184 cases.Cancer 1998;82(11):2256-2261)。癌組織におけるPSMAの発現は、疾患のステージ及びグリーソンスコアと相関する(Kawakami M,et al.Enhanced expression of prostate-specific membrane antigen gene in prostate cancer as revealed by in situ hybridization.Cancer Res 1997;57(12):2321-2324)。PSMA発現はまた、ホルモン抵抗性患者からの前立腺癌細胞においてより高く(Wright GL et al.,Upregulation of prostate-specific membrane antigen after androgen-deprivation therapy.Urology 1996;48(2):326-334)、増加したPSMA発現は、疾患再発の独立したマーカーであることが示されている(Mitsiades CS,et al.Molecular staging by RT-pCR analysis for PSA and PSMA in peripheral blood and bone marrow samples is an independent predictor of time to biochemical failure following radical prostatectomy for clinically localized prostate cancer.Clin Exp Metastasis 2004;21(6):495-505)。高レベルのPSMA発現は、外科的治療を受けた前立腺癌における早期前立腺特異的抗原(PSA)再発と相関する。PSMA発現レベルは、疾患の悪性度と相関し、そのため、前立腺癌の特性評価及び後続治療のための優れた標的としてのPSMAが強く支持される。
【0006】
前立腺癌の現在の治療としては、手術、放射線療法、及びホルモン療法が挙げられる。ホルモン療法によってテストステロンレベルを下げたにもかかわらず前立腺癌が増殖する場合、治療選択肢が限定される。このことは、PSMA発現進行前立腺癌に対するより改善された治療及び有効な療法の必要性を明確に示す。この明確な必要性にもかかわらず、前立腺癌のための改善された治療法を開発することは依然として困難である。2021年8月27日現在、少なくとも1つのPSMA阻害剤を評価する、及び/又は葉酸ヒドロラーゼ1を標的とする、前立腺癌についての約100回の臨床試験があった。しかし、これらの試験の約15%のみが、正の転帰を有した/主要評価項目が満たされた。試験の約23%が、中止されたか、一時的に終了したか、又は負の転帰を有した/主要評価項目が満たされなかった。別の約29%の試験が完了したが、未知又は不確定の転帰を有すると分類された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
推定33%の臨床試験が現在開始されているか、計画されているか、又は進行中であるが、この破壊的な疾患の成功率が低いことを考慮すると、新規な前立腺癌治療に対する患者の必要性は依然として満たされていない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書では、重鎖相補性決定領域1(heavy chain complementarity determining region 1、HCDR1)、HCDR2、及びHCDR3、並びに軽鎖相補性決定領域1(light chain complementarity determining region 1、LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、PSMAに結合する単離抗体又はその抗原結合断片が提供され、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3は、
a.それぞれ、RYGMH(配列番号4)、LISYDGSNRYYADSVKG(配列番号5)、ERESSGWFEGYFDY(配列番号6)、GGNNIGSKSVH(配列番号7)、DNSDRPS(配列番号8)、及びQVWDSSSDHVV(配列番号9)、
b.それぞれ、SYYWN(配列番号10)、RIYSSGNTDYNPSLKS(配列番号11)、GRGANVGLFDY(配列番号12)、TGSNSNIGANYDVH(配列番号13)、GNINRPL(配列番号14)、及びQSYDFSLSGSV(配列番号15)、
c.それぞれ、GYGMH(配列番号16)、VISYDGSNRYYADSVKG(配列番号17)、DGNWGSLDLYFDL(配列番号18)、TGSSSNIGADYDVH(配列番号19)、VNNNRPS(配列番号20)、及びQSYDNTLSGVV(配列番号21)、
d.それぞれ、SYGMH(配列番号22)、VISYDGSNKYYADSVKG(配列番号23)、EHYDSSGYYHGYYGMDV(配列番号24)、SGSSSNIGSNYVY(配列番号25)、SNNQRPS(配列番号26)、AARDDSLSGYV(配列番号27)、
e.それぞれ、SYDMH(配列番号28)、VISFDGSNKYYVDSVKG(配列番号29)、TYYDILTGYSHYSYGMDV(配列番号30)、RASQGISNYLA(配列番号31)、ATSTLQS(配列番号32)、及びQKYNSAPFT(配列番号33)、
f.それぞれ、TYGMH(配列番号34)、FISYDGSNKYYADSVKG(配列番号35)、RDNLRFLEWFMDV(配列番号36)、RASQSVRSNLA(配列番号37)、GASTRAT(配列番号38)、及びHQYNDWPPYT(配列番号39)、
g.それぞれ、IYSMN(配列番号40)、SISSSSSYIFYADSVKG(配列番号41)、SSYGADY(配列番号42)、RASQDITNFLA(配列番号43)、TASTLQS(配列番号44)、及びQKYNSAPLT(配列番号45)、
h.それぞれ、SYSLN(配列番号46)、SISSSSSYISYADAVKG(配列番号47)、DRGFLEDYYYYYGMDV(配列番号48)、RASQGISNWLA(配列番号49)、VASSLQS(配列番号50)、及びQQAYSFPLT(配列番号51)、
i.それぞれ、SYYWS(配列番号272)、RIYSSGSTNYNPSLKS(配列番号273)、VGVWPGAFDI(配列番号274)、SGSSSNIGSNTVN(配列番号275)、SSNQRPS(配列番号276)、及びAAWDDSLNGVV(配列番号277)、
j.それぞれ、GFTLSRY(配列番号124)、SYDGSN(配列番号125)、ERESSGWFEGYFDY(配列番号6)、GGNNIGSKSVH(配列番号7)、DNSDRPS(配列番号8)、及びQVWDSSSDHVV(配列番号9)、
k.それぞれ、GGSISSY(配列番号130)、YSSGN(配列番号131)、GRGANVGLFDY(配列番号12)、TGSNSNIGANYDVH(配列番号13)、GNINRPL(配列番号14)、及びQSYDFSLSGSV(配列番号15)、
l.それぞれ、VRTFSGY(配列番号136)、SYDGSN(配列番号125)、DGNWGSLDLYFDL(配列番号18)、TGSSSNIGADYDVH(配列番号19)、VNNNRPS(配列番号20)、及びQSYDNTLSGVV(配列番号21)、
m.それぞれ、GFTFTSY(配列番号142)、SYDGSN(配列番号125)、EHYDSSGYYHGYYGMDV(配列番号24)、SGSSSNIGSNYVY(配列番号25)、SNNQRPS(配列番号26)、及びAARDDSLSGYV(配列番号27)、
n.それぞれ、GFTFSSY(配列番号148)、SFDGSN(配列番号149)、TYYDILTGYSHYSYGMDV(配列番号30)、RASQGISNYLA(配列番号31)、ATSTLQS(配列番号32)、及びQKYNSAPFT(配列番号33)、
o.それぞれ、GFTFSTY(配列番号154)、SYDGSN(配列番号125)、RDNLRFLEWFMDV(配列番号36)、RASQSVRSNLA(配列番号37)、GASTRAT(配列番号38)、及びHQYNDWPPYT(配列番号39)、
p.それぞれ、GFTLSIY(配列番号160)、SSSSSY(配列番号161)、SSYGADY(配列番号42)、RASQDITNFLA(配列番号43)、TASTLQS(配列番号44)、及びQKYNSAPLT(配列番号45)、
q.それぞれ、GFTFSSY(配列番号166)、SSSSSY(配列番号167)、DRGFLEDYYYYYGMDV(配列番号48)、RASQGISNWLA(配列番号49)、VASSLQS(配列番号50)、及びQQAYSFPLT(配列番号51)、
r.それぞれ、GGSIISY(配列番号290)、YSSGS(配列番号291)、VGVWPGAFDI(配列番号274)、SGSSSNIGSNTVN(配列番号275)、SSNQRPS(配列番号276)、及びAAWDDSLNGVV(配列番号277)、
s.それぞれ、GFTLSRYGMH(配列番号172)、LISYDGSNRY(配列番号173)、ERESSGWFEGYFDY(配列番号6)、GGNNIGSKSVH(配列番号7)、DNSDRPS(配列番号8)、及びQVWDSSSDHVV(配列番号9)、
t.それぞれ、GGSISSYYWN(配列番号178)、RIYSSGNTD(配列番号179)、GRGANVGLFDY(配列番号12)、TGSNSNIGANYDVH(配列番号13)、GNINRPL(配列番号14)、及びQSYDFSLSGSV(配列番号15)、
u.それぞれ、VRTFSGYGMH(配列番号184)、VISYDGSNRY(配列番号185)、DGNWGSLDLYFDL(配列番号18)、TGSSSNIGADYDVH(配列番号19)、VNNNRPS(配列番号20)、及びQSYDNTLSGVV(配列番号21)、
v.それぞれ、GFTFTSYGMH(配列番号190)、VISYDGSNKY(配列番号191)、EHYDSSGYYHGYYGMDV(配列番号24)、SGSSSNIGSNYVY(配列番号25)、SNNQRPS(配列番号26)、及びAARDDSLSGYV(配列番号27)、
w.それぞれ、GFTFSSYDMH(配列番号196)、VISFDGSNKY(配列番号197)、TYYDILTGYSHYSYGMDV(配列番号30)、RASQGISNYLA(配列番号31)、ATSTLQS(配列番号32)、及びQKYNSAPFT(配列番号33)、
x.それぞれ、GFTFSTYGMH(配列番号202)、FISYDGSNKY(配列番号203)、RDNLRFLEWFMDV(配列番号36)、RASQSVRSNLA(配列番号37)、GASTRAT(配列番号38)、及びHQYNDWPPYT(配列番号39)、
y.それぞれ、GFTLSIYSMN(配列番号208)、SISSSSSYIF(配列番号209)、SSYGADY(配列番号42)、RASQDITNFLA,(配列番号43)、TASTLQS(配列番号44)、及びQKYNSAPLT(配列番号45)、
z.それぞれ、GFTFSSYSLN(配列番号214)、SISSSSSYIS(配列番号215)、DRGFLEDYYYYYGMDV(配列番号48)、RASQGISNWL(配列番号49)、VASSLQS(配列番号50)、及びQQAYSF(配列番号51)、
aa.それぞれ、GGSIISYYWS(配列番号296)、RIYSSGSTN(配列番号297)、VGVWPGAFDI(配列番号274)、SGSSSNIGSNTVN(配列番号275)、SSNQRPS(配列番号276)、及びAAWDDSLNGVV(配列番号277)、
bb.それぞれ、GFTLSRYG(配列番号220)、ISYDGSNR(配列番号221)、ARERESSGWFEGYFDY(配列番号222)、NIGSKS(配列番号223)、DNS、及びQVWDSSSDHVV(配列番号9)、
cc.それぞれ、GGSISSYY(配列番号226)、IYSSGNT(配列番号227)、ARGRGANVGLFDY(配列番号228)、NSNIGANYD(配列番号229)、GNI、及びQSYDFSLSGSV(配列番号15)、
dd.それぞれ、VRTFSGYG(配列番号232)、ISYDGSNR(配列番号233)、ARDGNWGSLDLYFDL(配列番号234)、SSNIGADYD(配列番号235)、VNN、及びQSYDNTLSGVV(配列番号21)、
ee.それぞれ、GFTFTSYG(配列番号238)、ISYDGSNK(配列番号239、AREHYDSSGYYHGYYGMDV(配列番号240)、SSNIGSNY(配列番号241)、SNN、及びAARDDSLSGYV(配列番号27)、
ff.それぞれ、GFTFSSYD(配列番号244)、ISFDGSNK(配列番号245)、ARTYYDILTGYSHYSYGMDV(配列番号246)、QGISNY(配列番号247)、ATS、及びQKYNSAPFT(配列番号33)、
gg.それぞれ、GFTFSTYG(配列番号250)、ISYDGSNK(配列番号251)、AGRDNLRFLEWFMDV(配列番号252)、QSVRSN(配列番号253)、GAS、及びHQYNDWPPYT(配列番号39)、
hh.それぞれ、GFTLSIYS(配列番号256)、ISSSSSYI(配列番号257)、ARSSYGADY(配列番号258)、QDITNF(配列番号259)、TAS、及びQKYNSAPLT(配列番号45)、
ii.それぞれ、GFTFSSYS(配列番号262)、ISSSSSYI(配列番号263)、ARDRGFLEDYYYYYGMDV(配列番号264)、QGISNW(配列番号265)、VAS、及びQQAYSFPLT(配列番号51)、又は
jj.それぞれ、GGSIISYY(配列番号302)、IYSSGST(配列番号303)、AKVGVWPGAFDI(配列番号304)、SSNIGSNT(配列番号305)、SSN、及びAAWDDSLNGVV(配列番号277)のアミノ酸配列を含む。
【0009】
また、
それぞれ、配列番号52及び53、
それぞれ、配列番号54及び55、
それぞれ、配列番号56及び57、
それぞれ、配列番号58及び59、
それぞれ、配列番号60及び61、
それぞれ、配列番号62及び63、
それぞれ、配列番号64及び65、
それぞれ、配列番号66及び67、又は
それぞれ、配列番号278及び279の重鎖可変領域(heavy chain variable region、VH)及び軽鎖可変領域(light chain variable region、VL)を含む、単離抗体又はその抗原結合断片が開示され、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0010】
本開示はまた、配列番号52のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるVLを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0011】
本開示はまた、配列番号54のVHと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%同一であるVH、及び配列番号55のVLと少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%同一であるVLを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0012】
本開示はまた、配列番号84、85、86、88、89、90、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、268、269、282、284、及び288からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0013】
本開示はまた、配列番号84又は85のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0014】
本開示はまた、配列番号86又は85のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0015】
本開示はまた、配列番号88又は89のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0016】
また、
配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号52のVH及び配列番号53のVL、並びに/又は
配列番号84のHC及び配列番号85のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片が開示され、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0017】
また、
配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号52のVH及び配列番号53のVL、並びに/又は
配列番号86のHC及び配列番号85のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片が開示され、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0018】
また、
配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号54のVH及び配列番号55のVL、並びに/又は
配列番号88のHC及び配列番号89のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片が開示され、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0019】
また、
配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号54のVH及び配列番号55のVL、並びに/又は
配列番号90のHC及び配列番号89のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片が開示され、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0020】
また、
配列番号16、17、18、19、20、及び21のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号56のVH及び配列番号57のVL、並びに/又は
配列番号92のHC及び配列番号93のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片が開示され、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0021】
また、
配列番号22、23、24、25、26、及び27のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号58のVH及び配列番号59のVL、並びに/又は
配列番号94のHC及び配列番号95のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片が開示され、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0022】
また、
配列番号28、29、30、31、32、及び33のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号60のVH及び配列番号61のVL、並びに/又は
配列番号96のHC及び配列番号97のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片が開示され、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0023】
また、
配列番号34、35、36、37、38、及び39のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号62のVH及び配列番号63のVL、並びに/又は
配列番号98のHC及び配列番号99のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片が開示され、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0024】
また、
配列番号40、41、42、43、44、及び45のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号64のVH及び配列番号65のVL、並びに/又は
配列番号100のHC及び配列番号101のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片が開示され、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0025】
また、
配列番号46、47、48、49、50、及び51のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号66のVH及び配列番号67のVL、並びに/又は
配列番号102のHC及び配列番号103のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片が開示され、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0026】
本開示はまた、PSMAに結合する単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、単離抗体又はその抗原結合断片は、2つの抗原結合ドメインを含むバイパラトピック抗体であり、第1の抗原結合ドメインは、PSMAの第1のエピトープに結合し、第2の結合ドメインは、PSMA上の第2のエピトープに結合する。
【0027】
いくつかの実施形態では、バイパラトピック抗体は、2つの抗原結合ドメインを含み、
第1の抗原結合ドメインは、配列番号4のHCDR1、配列番号5のHCDR2、配列番号6のHCDR3、配列番号7のLCDR1、配列番号8のLCDR2、配列番号9のLCDR3、配列番号52のVH、配列番号53のVL、配列番号268のHC、及び配列番号269のLCを含むFab若しくはFab断片であり、第2の抗原結合ドメインは、配列番号272のHCDR1、配列番号273のHCDR2、配列番号274のHCDR3、配列番号275のLCDR1、配列番号276のLCDR2、配列番号277のLCDR3、配列番号278のVH、配列番号279のVL、配列番号282のHCを含むscFv形式であるか、又は
第1の抗原結合ドメインは、配列番号4のHCDR1、配列番号5のHCDR2、配列番号6のHCDR3、配列番号7のLCDR1、配列番号8のLCDR2、配列番号9のLCDR3、配列番号52のVH、配列番号53のVL、配列番号284のHC、及び配列番号269のLCを含むFab若しくはFab断片であり、第2の抗原結合ドメインは、配列番号272のHCDR1、配列番号273のHCDR2、配列番号274のHCDR3、配列番号275のLCDR1、配列番号276のLCDR2、配列番号277のLCDR3、配列番号278のVH、配列番号279のVL、配列番号288のHCを含むscFv形式である。
【0028】
いくつかの実施形態では、開示される単離抗体又はその抗原結合断片は、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4アイソタイプである。
【0029】
いくつかの実施形態では、単離抗体又は抗原結合は、IgG1アイソタイプである。
【0030】
いくつかの実施形態では、単離抗体又はその抗原結合断片は、Ig定常領域又はIg定常領域の断片を含み、断片のIg定常領域又は定常領域は、Fcγ受容体(FcγR)への抗体又はその抗原結合断片の低減された結合をもたらす少なくとも1つの変異を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、FcγRへのタンパク質の低減された結合をもたらす少なくとも1つの変異は、F234A/L235A、L234A/L235A、L234A/L235A/D265S、V234A/G237A/P238S/H268A/V309L/A330S/P331S、F234A/L235A、S228P/F234A/L235A、N297A、V234A/G237A、K214T/E233P/L234V/L235A/G236欠失/A327G/P331A/D365E/L358M、H268Q/V309L/A330S/P331S、S267E/L328F、L234F/L235E/D265A、L234A/L235A/G237A/P238S/H268A/A330S/P331S、S228P/F234A/L235A/G237A/P238S、及びS228P/F234A/L235A/G236欠失/G237A/P238Sからなる群から選択され、残基番号付けは、EUインデックスに従う。
【0032】
いくつかの実施形態では、FcγRへの抗体又はその抗原結合断片の低減された結合をもたらす変異は、L234A_L235A_D265Sである。
【0033】
いくつかの実施形態では、FcγRは、FcγRI、FcγRIIA、FcγRIIB、若しくはFcγRIII、又はそれらの任意の組み合わせである。
【0034】
いくつかの実施形態では、単離抗体又はその抗原結合断片は、Ig定常領域又はIg定常領域の断片を含み、断片のIg定常領域又は定常領域は、抗体の半減期を調節する少なくとも1つの変異を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、抗体の半減期を調節する少なくとも1つの変異は、H435A、P257I/N434H、D376V/N434H、M252Y/S254T/T256E、M252Y/S254T/T256E/H433K/N434F、T308P/N434A、及びH435Rからなる群から選択され、残基番号付けは、EUインデックスに従う。
【0036】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片の半減期を調節する変異は、M252Y/S254T/T256E変異である。
【0037】
本開示はまた、本開示の単離抗体又はその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチドを提供する。
【0038】
任意選択的に、PSMAに結合する単離抗体又はその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチドは、配列番号68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、104、105、106、108、109、110、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、134、135、270、271、280、281、283、286、又は289のポリヌクレオチド配列を含む。
【0039】
任意選択的に、PSMAに結合する単離抗体又はその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチドは、配列番号68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、104、105、106、108、109、110、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、134、135、270、271、280、281、283、286、又は289のポリヌクレオチド配列と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一である。
【0040】
本開示はまた、本開示のポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
【0041】
本開示はまた、本開示のポリヌクレオチド又はベクターを含む宿主細胞を提供する。
【0042】
本開示はまた、PSMAに対する結合特異性を有する抗体又はその抗原結合断片にコンジュゲートされた少なくとも1つの放射性金属錯体を含む放射性コンジュゲートを提供し、放射性金属錯体は、放射性金属イオンを含む。
【0043】
本開示はまた、本開示の抗体又はその抗原結合断片のいずれかにコンジュゲートされた少なくとも1つの放射性金属錯体を含む放射性コンジュゲートを提供し、放射性金属錯体は、放射性金属イオンを含む。
【0044】
本開示はまた、放射性コンジュゲートを提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、及び6のそれぞれHCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変ドメイン、並びに配列番号7、8、及び9のそれぞれLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
【0045】
本開示はまた、放射性コンジュゲートを提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0046】
本開示はまた、放射性コンジュゲートを提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含み、軽鎖可変領域(VL)は、配列番号53のアミノ酸配列を含む。
【0047】
本開示はまた、抗体又は抗原結合断片が配列番号84のHC及び配列番号85のLCを含む放射性コンジュゲートを提供する。
【0048】
本開示はまた、抗体又は抗原結合断片が配列番号88のHC及び配列番号89のLCを含む放射性コンジュゲートを提供する。
【0049】
本開示はまた、放射性コンジュゲートを提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号86のHC及び配列番号85のLCを含み、抗体又はその抗原結合断片は、Ig定常領域又はIg定常領域の断片を含むIgG1であり、Ig定常領域又は定常領域の断片は、Fcγ受容体(FcγR)への抗体又はその抗原結合断片の低減された結合をもたらす少なくとも1つの変異を含む。
【0050】
本開示はまた、放射性コンジュゲートを提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号90のHC及び配列番号89のLCを含み、抗体又はその抗原結合断片は、Ig定常領域又はIg定常領域の断片を含むIgG1であり、Ig定常領域又は定常領域の断片は、Fcγ受容体(FcγR)への抗体又はその抗原結合断片の低減された結合をもたらす少なくとも1つの変異を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、FcγRへのタンパク質の低減された結合をもたらす少なくとも1つの変異は、F234A/L235A、L234A/L235A、L234A/L235A/D265S、V234A/G237A/P238S/H268A/V309L/A330S/P331S、F234A/L235A、S228P/F234A/L235A、N297A、V234A/G237A、K214T/E233P/L234V/L235A/G236欠失/A327G/P331A/D365E/L358M、H268Q/V309L/A330S/P331S、S267E/L328F、L234F/L235E/D265A、L234A/L235A/G237A/P238S/H268A/A330S/P331S、S228P/F234A/L235A/G237A/P238S、及びS228P/F234A/L235A/G236欠失/G237A/P238Sからなる群から選択され、残基番号付けは、EUインデックスに従う。
【0052】
いくつかの実施形態では、FcγRへの抗体又はその抗原結合断片の低減された結合をもたらす変異は、L234A_L235A_D265Sである。
【0053】
本開示はまた、放射性コンジュゲートを提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号86のHC及び配列番号85のLCを含み、抗体又はその抗原結合断片は、Ig定常領域又はIg定常領域の断片を含むIgG1であり、Ig定常領域又は定常領域の断片は、抗体の半減期を調節する少なくとも1つの変異を含む。
【0054】
本開示はまた、放射性コンジュゲートを提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号90のHC及び配列番号89のLCを含み、抗体又はその抗原結合断片は、Ig定常領域又はIg定常領域の断片を含むIgG1であり、Ig定常領域又は定常領域の断片は、抗体の半減期を調節する少なくとも1つの変異を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、抗体の半減期を調節する少なくとも1つの変異は、H435A、P257I/N434H、D376V/N434H、M252Y/S254T/T256E、M252Y/S254T/T256E/H433K/N434F、T308P/N434A、及びH435Rからなる群から選択され、残基番号付けは、EUインデックスに従う。
【0056】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片の半減期を調節する変異は、M252Y/S254T/T256E変異である。
【0057】
本開示はまた、抗体又はその抗原結合断片にコンジュゲートされた少なくとも1つの放射性金属錯体を含む放射性コンジュゲートを提供し、放射性金属錯体は、225Ac、111In、177Lu、32P、47Sc、67Cu、77As、89Sr、90Y、99Tc、105Rh、109Pd、111Ag、131I、134Ce、149Tb、152Tb、155Tb、153Sm、159Gd、165Dy、166Ho、169Er、186Re、188Re、194Ir、198Au、199Au、211At、212Pb、212Bi、213Bi、223Ra、255Fm、227Th、177Lu、62Cu、64Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Zr、111In、及び34Xeからなる群から選択される放射性金属イオンと錯体化されたキレータを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、225Acである。
【0059】
いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、111Inである。
【0060】
いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、134Xeである。
【0061】
いくつかの実施形態では、放射性金属錯体は、式(I)の化合物又はその医薬的な許容される塩にキレート化された放射性金属イオンを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、放射性金属錯体は、式(II)の化合物又はその医薬的な許容される塩にキレート化された放射性金属イオンを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、放射性金属錯体は、式(III)の化合物又はその医薬的な許容される塩にキレート化された放射性金属イオンを含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、放射性金属錯体は、式(IV)の化合物又はその医薬的な許容される塩にキレート化された放射性金属イオンを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、放射性金属錯体は、式(V)の化合物又はその医薬的な許容される塩にキレート化された放射性金属イオンを含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは以下を含む:
(a)キレータ部分に配位した造影剤として使用される放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが111Inであり、キレータが式IVのp-SCN-Bn-DOTA(S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸)である、放射性金属イオン;及び
(b)抗PSMA抗体又はその抗原結合断片であって、当該抗体又はその抗原結合断片が、
(i)配列番号4のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号6のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、配列番号7のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号8のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号9のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)、並びに/又は
(ii)配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び/又は配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を。
【0067】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは以下を含む:
(a)キレータ部分に配位した造影剤として使用される放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが111Inであり、キレータが式IVのp-SCN-Bn-DOTA(S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸)である、放射性金属イオン;及び
(b)抗PSMA抗体又はその抗原結合断片であって、当該抗体又はその抗原結合断片が、
(i)配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号11のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、配列番号13のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号14のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)、並びに/又は
(ii)配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び/又は配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)。
【0068】
いくつかの実施形態では、本開示は、以下の構造を有する放射性免疫コンジュゲートを提供し:
【0069】
【化1】
(本明細書においてTOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMA抗体コンジュゲートとも称される)、
式中、Mは、アクチニウム225(225Ac)であり、
mAbは、PSMAに対する結合特異性を有し、例えば、
(i)mAbは、配列番号4及び配列番号5及び配列番号6のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)可変領域、並びに配列番号7及び配列番号8及び配列番号9のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)可変領域を含む、PSMB1154抗体であり、及び/又は
(ii)mAbは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び/又は配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、本開示は、以下の構造を有する放射性免疫コンジュゲートを提供し:
【0071】
【化2】
(本明細書においてTOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMA抗体コンジュゲートとも称される)、
式中、Mは、アクチニウム225(225Ac)であり、
mAbは、PSMAに対する結合特異性を有し、例えば、
(i)mAbは、配列番号10及び配列番号11及び配列番号12のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)可変領域、並びに配列番号13及び配列番号14及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)可変領域を含む、PSMB1183抗体であり、及び/又は
(ii)mAbは、配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び/又は配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0072】
本開示はまた、開示される抗体若しくはその抗原結合断片のいずれか、又は開示される放射性コンジュゲートのいずれかと、医薬的に許容され得る担体と、を含む医薬組成物を提供する。
【0073】
本開示はまた、対象においてPSMA発現癌を治療する方法を提供し、これは、治療有効量の、開示される抗体若しくはその抗原断片のいずれか、開示される放射性コンジュゲートのいずれか、又は開示される医薬組成物のいずれかを、癌を治療するのに十分な時間にわたって、対象に投与することを含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、対象は、前立腺癌を有する。
【0075】
いくつかの実施形態では、対象は、腎癌を有する。
【0076】
本開示はまた、本開示の放射性コンジュゲートを用いて試料中のPSMAを検出する方法を提供する。
【0077】
本開示はまた、本開示の抗体若しくはその抗原結合断片のいずれか、放射性コンジュゲートのいずれか、又は医薬組成物のいずれかを含むキットを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0078】
「背景技術」において、また、本明細書全体を通じて、各種刊行物、論文及び特許が引用又は記載され、これらの参照文献の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に含まれる文書、操作、材料、デバイス、物品などの考察は、本発明の前後関係を与えるためのものである。そのような考察は、これらの事物のいずれか又は全てが、開示又は特許請求されるいずれかの発明に対する先行技術の一部を構成することを容認するものではない。
【0079】
開示される単離抗PSMA抗体、その抗原結合断片、放射性コンジュゲート、抗体-薬物コンジュゲート、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、組成物、キット、及び方法は、本開示の一部を形成する添付の図と併せて以下の詳細な説明を参照することによってより容易に理解され得る。開示される抗体、抗原結合ドメイン、抗体断片、放射性コンジュゲート、抗体-薬物コンジュゲート、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、組成物、キット、及び方法は、本明細書に具体的に記載及び/又は示されるものに限定されず、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を例によって記載するためだけのものであり、特許請求される抗体、抗原結合ドメイン、抗体断片、放射性コンジュゲート、抗体-薬物コンジュゲート、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、組成物、キット、及び方法を限定することを意図しないことを理解されたい。
【0080】
特別な記述がない限り、可能な機序若しくは作用様式、又は改善のための理由についてのあらゆる説明は、例示のみを意図したものであり、開示される抗体、その抗原結合断片、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、放射性コンジュゲート、抗体-薬物コンジュゲート、組成物、キット、及び方法は、いかなるそのような提案された機序若しくは作用様式、又は改善のための理由の是非によっても制限されない。
【0081】
この文脈を通して、説明は、抗体、その抗原結合断片、ラジコンジュゲート、抗体薬物コンジュゲート、並びに当該抗体、その抗原結合断片、ラジコンジュゲート、及び抗体薬物コンジュゲートを使用する方法を指す。本開示が、抗原結合ドメイン、放射性コンジュゲート、及び抗体-薬物コンジュゲートに関連する特徴又は実施形態を記載又は特許請求する場合、そのような特徴又は実施形態は、当該抗原結合ドメイン、放射性コンジュゲート、及び抗体-薬物コンジュゲートを使用する方法に等しく適用可能である。同様に、本開示が、抗原結合ドメイン、放射性コンジュゲート、及び抗体-薬物コンジュゲートを使用する方法に関連する特徴又は実施形態を記載又は特許請求する場合、そのような特徴又は実施形態は、抗原結合ドメイン、放射性コンジュゲート、及び抗体-薬物コンジュゲートに等しく適用可能である。数値の範囲が本明細書で列挙又は確立される場合、この範囲は、その端点、並びにその範囲内の全ての個々の整数及び有理数を含み、更に、これらの端点及び内部整数及び有理数の全ての種々の可能な組み合わせによって形成される、その中のより狭い範囲のそれぞれを含み、それらのより狭い範囲のそれぞれが明示的に列挙されたかのように、記載の範囲内の値のより大きい群の小群を形成する。数値の範囲が、記載される値よりも大きいと本明細書に記載される場合、その範囲はそれにもかかわらず有限であり、本明細書に記載される本発明の文脈内で動作可能である値によって、その上限が画定される。数値の範囲が、記載される値よりも小さいと本明細書に記載される場合、その範囲は、それにもかかわらず、ゼロでない値によって、その下限が画定される。本発明の範囲が、範囲を定義する際に列挙される特定の値に限定されることを意図しない。範囲はいずれも境界値を含み、組み合わせが可能である。
【0082】
値が、先行詞「約」を用いて近似値として表現される場合、その特定の値は、別の一実施形態を形成すると、理解されたい。特定の数値に関する言及は、文脈上その他に明記されない限り、少なくともその特定の値を含むものとする。
【0083】
別個の実施形態に照らして明確にするために本明細書に記載される、本発明の特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わされて提供されてもよいことが理解される。すなわち、明白に不適合であるか又は具体的に除外されない限り、各個々の実施形態は、任意の他の実施形態と組み合わせ可能であるとみなされ、このような組み合わせは、別の一実施形態であるとみなされる。逆に、単一の実施形態に照らして簡潔にするために記載される本発明の異なる特徴は、別々に又は任意の部分的組み合わせとして提供されてもよい。最後に、実施形態は、一連の工程の一部として又はより全般的な構造の一部として記載されてもよいが、その各工程は、他と組み合わせ可能である、それ自体が独立する実施形態であるとみなされてもよい。
【0084】
特別な記述がない限り、動作に関する可能なメカニズム又は形態、あるいは改善の理由についての記載は、説明のみを意図したものであり、本開示の方法は、提案されている動作に関するメカニズム又は形態、あるいは改善の理由の是非によって制限されない。
【0085】
本明細書の態様に関する様々な用語が、本明細書及び特許請求の範囲を通して使用される。別段の指示がない限り、このような用語には、当該技術分野におけるそれらの通常の意味が与えられるものとする。他の具体的に定義される用語は、本明細書で提供される定義と一致する様式で解釈されるものとする。
【0086】
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用されるとき、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、その内容について別途明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「細胞(a cell)」という言及には、2つ又は3つ以上の細胞の組み合わせなどが含まれる。
【0087】
移行句「含む」、「から本質的になる」、及び「からなる)」は、特許用語において概ね受け入れられている意味を含意することを意図しており、すなわち、(i)「備える/含む(comprising)」は、「含む」、「含有する」、又は「特徴とする」と同義であり、包括的又は非制限的なものであり、その他の列挙されていない要素又は方法工程を除外するものではなく、(ii)「からなる(consisting of)」は、特許請求の範囲において指定されていない、あらゆる要素、工程、又は成分を除外し、かつ、(iii)「から本質的になる(consisting essentially of)」は、指定の材料又は工程、及び特許請求される開示の「基本的かつ新規の特徴に実質的に影響を与えないもの」に、特許請求の範囲の範囲を制限する。「備える/含む」という語句(又はその同義語)を伴って記載される実施形態はまた、「からなる」及び「から本質的になる」を伴って独立して記載される実施形態として提供する。「から本質的になる」という語句(又はその同義語)を伴って記載される実施形態はまた、「からなる」を伴って独立して記載される実施形態として提供される。
【0088】
本明細書及び添付の特許請求において使用される場合、「及びその断片」という語句は、リストに付け加えられている場合、関連するリストのうちの1つ又は2つ以上のメンバーの断片を含む。リストは、一例として、「ペプチドA、B、及びC、並びにそれらの断片からなる群」という語句が、A、B、C、Aの断片、Bの断片、及び/又はCの断片を含むマーカッシュ群を指定又は列挙するように、マーカッシュ群を含み得る。
【0089】
一般に、水素又はHなどのある特定の元素への言及は、その元素の全ての同位体を含むことを意味する。例えば、R基が水素又はHを含むように定義される場合、重水素及びトリチウムも含む。したがって、トリチウム、C14、P32及びS35などの放射性同位体を含む化合物は、本技術の範囲内である。そのような標識を本技術の化合物に挿入するための手順は、本明細書の開示に基づいて、当業者には容易に明らかになるであろう。
【0090】
用語「置換された」は、全ての通常の原子価が維持され、置換が安定した化合物をもたらすという条件で、少なくとも1つの水素原子が非水素基で置換されていることを意味する。特定の基が「置換される」場合、その基は置換基の列挙から独立して選択される、1個又は2個以上の置換基、好ましくは1~5個の置換基、より好ましくは1~3個の置換基、最も好ましくは1~2個の置換基を有することができる。例えば、「置換された」は、その中に含有される水素原子への1つ又は2つ以上の結合が非水素又は非炭素原子への結合によって置き換えられる、以下に定義されるような有機基(例えば、アルキル基)を指す。置換された基はまた、炭素又は水素原子への1つ又は2つ以上の結合が、二重結合又は三重結合を含む1つ又は2つ以上の結合でヘテロ原子に置き換えられる基も含む。したがって、別途指定されない限り、置換された基は、1つ又は2つ以上の置換基で置換される。いくつかの実施形態では、置換された基は、1、2、3、4、5、又は6個の置換基で置換されている。置換基の例としては、ハロゲン(すなわち、F、Cl、Br、及びI);ヒドロキシル;アルコキシ、アルケノキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルオキシ、及びヘテロシクリルアルコキシ基;カルボニル(オキソ);カルボキシレート;エステル;ウレタン;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アラルコキシアミン;チオール;スルフィド;スルホキシド;スルホン;スルホニル;ペンタフルオロスルファニル(すなわち、SF)、スルホンアミド;アミン;N-オキシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;アミド;尿素;アミジン;グアニジン;エナミン;イミド;イソシアネート;イソチオシアネート;シアネート;チオシアネート;イミン;ニトロ基;ニトリル(すなわち、CN);などが挙げられる。用語「独立して」は、置換基に関して使用されるとき、2つ以上のそのような置換基が可能である場合、そのような置換基は互いに同じ又は異なることができることを意味する。
【0091】
置換されたシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリール基などの置換された環基は、水素原子への結合が炭素原子への結合で置き換えられている環及び環系も含む。したがって、置換されたシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリール基はまた、以下に定義されるような置換された又は非置換のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基で置換され得る。
【0092】
本明細書で使用される場合、C~C11、C~C、又はC~CなどのCm~Cnは、基の前に使用される場合、m~n個の炭素原子を含有する基を指す。
【0093】
アルキル基としては、1~12個の炭素原子、典型的には、1~10個の炭素原子、又はいくつかの実施形態では、1~8個、1~6個、若しくは1~4個の炭素原子を有する直鎖及び分岐アルキル基が挙げられる。直鎖アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、及びn-オクチル基などの基が挙げられる。分岐アルキル基の例としては、イソプロピル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチル、イソペンチル、及び2,2-ジメチルプロピル基が挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は、置換又は非置換であり得る。代表的な置換アルキル基は、上記に列挙された置換基などの置換基で1回又は2回以上置換されていてもよく、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシアルキル、チオアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルコキシアルキル、カルボキシアルキルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
シクロアルキル基は、環中に3~12個の炭素原子、又はいくつかの実施形態では、3~10個、3~8個、若しくは3~4個、5個、若しくは6個の炭素原子を有する単環式、二環式、又は三環式アルキル基を含む。例示的な単環式シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチル基が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、3~8の環員を有するが、他の実施形態では、環炭素原子の数は、3~5個、3~6個、又は3~7個の範囲である。二環式及び三環式環系は、架橋シクロアルキル基及び縮合環の両方を含み、例えば、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、アダマンチル(22damantly)、デカリニルなどであるが、これらに限定されない。シクロアルキル基は、置換又は非置換であり得る。置換されたシクロアルキル基は、上記で定義されたように、非水素基及び非炭素基で1回又は2回以上置換され得る。しかしながら、置換されたシクロアルキル基はまた、上記で定義された直鎖又は分岐鎖アルキル基で置換される環も含む。代表的な置換されたシクロアルキル基は、一置換されるか、又は限定されないが、2,2-、2,3-、2,4-2,5-、又は2,6-二置換シクロヘキシル基など、2回以上置換され得、これらは、上記に列挙された置換基などの置換基で置換され得る。
【0095】
シクロアルキルアルキル基は、アルキル基の水素又は炭素結合が、上で定義したシクロアルキル基への結合で置き換えられている、上で定義したアルキル基である。いくつかの実施形態では、シクロアルキルアルキル基は、4~16個の炭素原子、4~12個の炭素原子、典型的には4~10個の炭素原子を有する。シクロアルキルアルキル基は、置換又は非置換であり得る。置換シクロアルキルアルキル基は、基のアルキル部分、シクロアルキル部分、又はアルキル部分とシクロアルキル部分の両方で置換されていてもよい。代表的な置換シクロアルキルアルキル基は、一置換であるか、又は2回以上置換されてもよく、例えば、上記に列挙された置換基での一置換、二置換、又は三置換であり得るが、これらに限定されない。
【0096】
アルケニル基は、少なくとも1つの二重結合が2つの炭素原子の間に存在することを除いて、上で定義された直鎖及び分岐鎖アルキル基を含む。アルケニル基は、2~12個の炭素原子、典型的には、2~10個の炭素原子、又はいくつかの実施形態では、2~8個、2~6個、若しくは2~4個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アルケニルは、1つの炭素-炭素二重結合、又は2、3、4個若しくはそれ以上の炭素-炭素二重結合などの複数の炭素-炭素二重結合を有することができる。アルケニル基の例としては、メテニル、エテニル、プロペニル、ブテニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アルケニル基は置換又は非置換であってもよい。代表的な置換アルケニル基は、一置換であるか、又は2回以上置換されてもよく、例えば、上記に列挙された置換基での一置換、二置換、又は三置換であり得るが、これらに限定されない。
【0097】
シクロアルケニル基は、少なくとも1つの二重結合が2つの炭素原子の間にある、上で定義されたシクロアルキル基を含む。シクロアルケニル基は、環中に3~12個、より好ましくは3~8個の炭素原子を有し、かつ、2個の炭素原子間に少なくとも1つの二重結合を含む、単環式又は多環式アルキル基であることができる。シクロアルケニル基は、置換又は非置換であり得る。いくつかの実施形態では、シクロアルケニル基は、1つ、2つ、若しくは3つの二重結合、又は2つ、3つ、4つ、若しくはそれ以上の炭素-炭素二重結合などの複数の炭素-炭素二重結合を有し得るが、芳香族化合物は含まない。シクロアルケニル基は、3~14個の炭素原子、又はいくつかの実施形態では、5~14個の炭素原子、5~10個の炭素原子、又は更には5個、6個、7個、若しくは8個の炭素原子を有する。シクロアルケニル基の例としては、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、シクロブタジエニル、及びシクロペンタジエニルが挙げられる。
【0098】
シクロアルケニルアルキル基は、アルキル基の水素又は炭素結合が、上で定義したシクロアルケニル基への結合で置き換えられている、上で定義したアルキル基である。シクロアルケニルアルキル基は、置換又は非置換であり得る。置換シクロアルケニルアルキル基は、基のアルキル部分、シクロアルケニル部分、又はアルキル部分とシクロアルケニル部分の両方で置換されていてもよい。代表的な置換シクロアルケニルアルキル基は、上記に列挙された置換基などの置換基で1回又は2回以上置換され得る。
【0099】
アルキニル基は、少なくとも1つの三重結合が2つの炭素原子の間に存在することを除いて、上で定義された直鎖及び分岐鎖アルキル基を含む。アルキニル基は、2~12個の炭素原子、典型的には、2~10個の炭素原子、又はいくつかの実施形態では、2~8個、2~6個、若しくは2~4個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、1つ、2つ、又は3つの炭素-炭素三重結合を有する。例としては、特に、-C=CH、-C=CCH、-CHC=CCH、-C=CCHCH(CHCHが挙げられるが、これらに限定されない。アルキニル基は、置換又は非置換であり得る。末端アルキンは、三重結合炭素原子に結合した少なくとも1個の水素原子を有する。代表的な置換アルキニル基は、一置換であるか、又は2回以上置換されてもよく、例えば、上記に列挙された置換基での一置換、二置換、又は三置換であり得るが、これらに限定されない。「環状アルキン」又は「シクロアルキニル」は、2個の炭素原子間に少なくとも1つの三重結合を含むシクロアルキル環である。環状アルキン又はシクロアルキニル基の例としては、シクロオクチン、ビシクロノニン(BCN)、二フッ素化シクロオクチン(DIFO)、ジベンゾシクロオクチン(DIBO)、ケト-DIBO、ビアリールアザシクロオクチノン(BARAC)、ジベンゾアザシクロオクチン(DIBAC)、ジメトキシアザシクロオクチン(DIMAC)、ジフルオロベンゾシクロオクチン(DIFBO)、モノベンゾシクロオクチン(MOBO)及びテトラメトキシDIBO(TMDIBO)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
アリール基は、ヘテロ原子を含有しない環状芳香族炭化水素である。本明細書におけるアリール基には、単環式、二環式、及び三環式環系が含まれる。したがって、アリール基には、フェニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントレニル、アントラセニル、インデニル、インダニル、ペンタレニル、及びナフチル基が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アリール基は、6~14個の炭素を含有し、他の場合では、基の環部分に6~12個、又は更には6~10個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、アリール基はフェニル又はナフチルである。アリール基は、置換又は非置換であり得る。「アリール基」という語句は、縮合芳香族-脂肪族環系(例えば、インダニル、テトラヒドロナフチルなど)などの縮合環を含有する基を含む。代表的な置換アリール基は、一置換であるか、又は2回以上置換され得る。例えば、一置換アリール基としては、限定されないが、2-、3-、4-、5-、若しくは6置換フェニル又はナフチル基が挙げられ、これらは、上記に列挙された置換基などの置換基で置換され得る。アリール部分は周知であり、例えば、Lewis,R.J.,ed.,Hawley’s Condensed Chemical Dictionary,13th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York(1997)に記載されている。アリール基は、単一の環構造(すなわち、単環式)であるか、又は縮合環構造である複数の環構造(すなわち、多環式)を含むことができる。好ましくは、アリール基は、単環式アリール基である。
【0101】
アルコキシ基は、水素原子への結合が上記で定義された置換された又は非置換のアルキル基の炭素原子への結合によって置き換えられるヒドロキシル基(-OH)である。直鎖アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。分岐アルコキシ基の例としては、イソプロポキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、イソペントキシ、イソヘキソキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルコキシ基の例としては、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが含まれるが、これらに限定されない。アルコキシ基は、置換又は非置換であり得る。代表的な置換されたアルコキシ基は、上記に列挙された置換基などの置換基で1回又は2回以上置換され得る。
【0102】
同様に、アルキルチオ又はチオアルコキシは、-SR基を指し、式中、Rは、硫黄架橋を介して親分子に結合したアルキル、例えば、-S-メチル、-S-エチルなどである。アルキルチオの代表的な例としては、-SCH、-SCHCHなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
本明細書で使用される用語「ハロゲン」は、臭素、塩素、フッ素、又はヨウ素を指す。相応して、用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを意味する。いくつかの実施形態では、ハロゲンは、フッ素である。他の実施形態では、ハロゲンは、塩素又は臭素である。
【0104】
用語「ヒドロキシ」及び「ヒドロキシル」は、互換的に使用することができ、-OHを指す。
【0105】
用語「カルボキシ」は、-COOHを指す。
【0106】
用語「シアノ」は、-CNを指す。
【0107】
用語「ニトロ」は、-NOを指す。
【0108】
用語「イソチオシアネート」は、-N=C=Sを指す。
【0109】
用語「イソシアネート」は、-N=C=Oを指す。
【0110】
用語「アジド」は、-Nを指す。
【0111】
用語「アミノ」は、-NHを指す。用語「アルキルアミノ」は、窒素に結合した水素原子の1つ又は両方がアルキル基で置換されているアミノ基を指す。アルキルアミン基は、-NRとして表すことができ、式中、各Rは、独立して、水素又はアルキル基である。例えば、アルキルアミンとしては、メチルアミン(-NHCH)、ジメチルアミン(-N(CH)、-NHCHCHなどが挙げられる。本明細書で使用される場合、「アミノアルキル」という用語は、1つ又は2つ以上のアミノ基で置換された分岐及び直鎖飽和脂肪族炭化水素基の両方を含むことを意図している。アミノアルキル基の代表例としては、-CHNH、-CHCHNH、及び-CHCH(NH)CHが挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
本明細書で使用するとき、「アミド」は、-C(O)NIを指し、式中、各Rは、独立して、アルキル基又は水素である。アミドの例としては、-C(O)NH、-C(O)NHCH、及び-C(O)N(CHが挙げられるが、これらに限定されない。
【0113】
用語「ヒドロキシルアルキル」及び「ヒドロキシアルキル」は、互換的に使用され、1つ又は2つ以上のヒドロキシル基で置換されたアルキル基を指す。アルキルは、分岐鎖又は直鎖脂肪族炭化水素であることができる。ヒドロキシルアルキルの例としてはヒドロキシルメチル(-CHOH)、ヒドロキシルエチル(-CHCH2OH)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
本明細書で使用するとき、用語「ヘテロシクリル」は、硫黄、酸素、又は窒素などの少なくとも1個のヘテロ原子環員を含む安定な単環式及び多環式炭化水素を含む。本明細書で使用するとき、用語「ヘテロアリール」は、硫黄、酸素、又は窒素などの少なくとも1個のヘテロ原子環員を含む安定な単環式及び多環式芳香族炭化水素を含む。ヘテロアリールは、単環式又は多環式、例えば、二環式又は三環式であることができる。ヘテロ原子を含むヘテロシクリル又はヘテロアリール基の各環は、1個又は2個の酸素原子又は硫黄原子及び/又は1~4個の窒素原子を含むことができ、ただし、各環中のヘテロ原子の総数は4個以下であり、各環は少なくとも1個の炭素原子を有する。多環式、例えば二環式又は三環式であるヘテロアリール基は、少なくとも1つの完全芳香環を含む必要があるが、他の縮合環又は環は芳香族又は非芳香族であることができる。ヘテロシクリル又はヘテロアリール基は、ヘテロシクリル又はヘテロアリール基のうちの任意の環の任意の利用可能な窒素又は炭素原子に結合することができる。好ましくは、用語「ヘテロアリール」は、環のうちの少なくとも1つに少なくとも1個のヘテロ原子(O、S又はN)を有する5員又は6員の単環式基及び9員又は10員の二環式基を指し、ヘテロ原子含有環は、好ましくは、1、2又は3個のヘテロ原子を有し、より好ましくは、O、S及び/又はNから選択される1又は2個のヘテロ原子を有する。ヘテロアリールの窒素ヘテロ原子は、置換又は非置換であることができる。更に、ヘテロアリールの窒素及び硫黄ヘテロ原子は、任意選択で酸化することができる(すなわち、N→O及びS(O)であり、式中、rは、0、1又は2である)。
【0115】
用語「エステル」は-C(O)R(式中、Rはアルキルである)を指す。
【0116】
用語「カルバメート」は、-OC(O)NRを指し、式中、各Rは、独立して、アルキル又は水素である。
【0117】
用語「アルデヒド」は、-C(O)Hを指す。
【0118】
用語「炭酸塩」は、-OC(O)ORを指し、式中、Rはアルキルである。
【0119】
用語「マレイミド」は、化学式H(CO)NHを有する基を指す。用語「マレイミド」は、別の基又は分子に共有結合したマレイミド基を指す。好ましくは、マレイミド基はN結合し、例えば以下のとおりである。
【0120】
【化3】
【0121】
用語「ハロゲン化アシル」は、-C(O)Xを指し、式中、Xはハロ(例えば、Br、Cl)である。例示的なハロゲン化アシルとしては、塩化アシル(-C(O)Cl)及び臭化アシル(-C(O)Br)が挙げられる。
【0122】
当該技術分野で使用される慣用に従って、
【0123】
【化4】
が、本明細書における構造式において使用され、これは、本発明の化合物又は標的化リガンドなど、コア、親、又は骨格構造への部分、官能基、又は置換基の結合点である結合を示す。
【0124】
任意の変数が、化合物の任意の構成又は式において2回以上発生する場合、各発生におけるその定義は、他の全ての発生におけるその定義とは無関係である。したがって、例えば、ある基が0~3個のR基で置換されることが示されている場合、当該基は、最大3個のR基で任意選択で置換することができ、各々の場合に、Rは、Rの定義から独立して選択される。
【0125】
置換基への結合が環中の2つの原子を結合する結合を横断するように示される場合、そのような置換基は、環上の任意の原子に結合することができる。
【0126】
本明細書に引用される、特許及び特許出願を含むがそれらに限定されない全ての刊行物は、完全に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0127】
PSMAに結合する抗体
本開示は、PSMAに特異的に結合する単離抗体及びその抗原結合断片に関する。
【0128】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、広義の意味を有し、マウス、ヒト、ヒト化、及びキメラモノクローナル抗体を含むモノクローナル抗体を含む免疫グロブリン分子、抗原結合断片、多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体、二量体抗体、四量体抗体、多量体抗体、又はバイパラトピック抗体、単鎖抗体、ドメイン抗体、並びに必要とされる特異性の抗原結合部位を含む免疫グロブリン分子の任意の他の改変された形態を含む。抗体という用語は、完全長抗体、全抗体、無傷抗体、抗体断片、抗原結合断片、及び抗原結合ドメインを含む。
【0129】
一般に、抗体は、特定の抗原に対する結合特異性を示すタンパク質又はペプチド鎖である。抗体の構造は、周知である。免疫グロブリンは、重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に応じて5つの主なクラス(すなわち、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM)に割り当てることができる。IgA及びIgGは、アイソタイプのIgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4として更に細分類される。したがって、本発明の抗体は、5つの主要なクラス又は対応する下位クラスのいずれかのものであることができる。好ましくは、本発明の抗体はIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4である。脊椎動物種の抗体軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて2つの明確に異なるタイプ、すなわちカッパ及びラムダのうちの一方に割り当てることができる。したがって、本発明の抗体は、κ又はλ軽鎖定常ドメインを含有することができる。いくつかの実施形態によれば、本発明の抗体は、ラット又はヒト抗体からの重鎖及び/又は軽鎖定常領域を含む。重及び軽定常ドメインに加えて、抗体は、軽鎖可変領域及び重鎖可変領域からなる抗原結合領域を含有し、これらのそれぞれは3つのドメイン(すなわち相補性決定領域1~3;CDR1、CDR2、及びCDR3)を含有する。軽鎖可変領域ドメインは、代替的にLCDR1、LCDR2、及びLCDR3と称され、重鎖可変領域ドメインは、代替的にHCDR1、HCDR2、及びHCDR3と称される。
【0130】
「相補性決定領域」(CDR)は、抗原に結合する抗体の領域である。VHには3つのCDR(HCDR1、HCDR2、HCDR3)が存在し、VLには3つのCDR(LCDR1、LCDR2、LCDR3)が存在する。CDRは、Kabat(Wu et al.(1970)J Exp Med 132:211-50、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.,1991)、Chothia(Chothia et al.(1987)J Mol Biol 196:901-17)、IMGT(Lefranc et al.(2003)Dev Comp Immunol 27:55-77)、及びAbM(Martin and Thornton J Bmol Biol 263:800-15,1996)などの様々な記述を使用して定義し得る。様々な記述と可変領域の付番との間の対応関係が記載されている(例えば、Lefranc et al.(2003)Dev Comp Immunol 27:55-77、Honegger and Pluckthun(2001),J Mol Biol 309:657-70;International ImMunoGeneTics(IMGT)データベース、ウェブリソース、http://www_imgt_orgを参照されたい)。UCL Business PLCによるabYsisなどの利用可能なプログラムを使用して、CDRを記述することができる。本明細書で使用される場合、「CDR」、「HCDR1」、「HCDR2」、「HCDR3」、「LCDR1」、「LCDR2」、及び「LCDR3」という用語は、明細書で別途明示的に記載のない限り、上述したKabat、Chothia、IMGT、又はAbMの方法のいずれかにより定義されるCDRを含む。例えば、Kabat番号付け及びIMGT固有の番号付けシステムを含む番号付けシステム間の対応関係は、当業者に周知である(例えば、上記のKabat、上記のChothia、上記のMartin、上記のLefrancらを参照されたい)。
【0131】
【表1】
【0132】
「可変領域」又は「可変ドメイン」という用語は、抗原への抗体の結合に伴われる重鎖又は軽鎖ドメインを指す。重鎖又は軽鎖の可変ドメイン(それぞれVH及びVL)は、4つのフレームワーク領域(framework region、FR)及び3つの相補性決定領域(CDR)を含む。
【0133】
本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、組換え細胞などの分子が産生される系の他の成分から実質的に分離及び/又は精製された分子の均質な集団(例えば、合成ポリヌクレオチド又は合成ポリペプチド)、並びに少なくとも1つの精製又は単離工程に供されたタンパク質を指す。「単離された」とは、その他の細胞材料及び/又は化学物質を実質的に含まない分子を指し、より高い純度、例えば80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の純度まで単離された分子を包含する。
【0134】
本明細書で使用される場合、「単離抗体」という用語は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指す(例えば、PSMAに特異的に結合する単離抗体はPSMAに結合しない抗体を実質的に含まない)。加えて、単離抗体は、他の細胞物質及び/又は化学物質を実質的に含まない。「単離抗体」は、純度が80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の抗体など、高純度に単離された抗体を包含する。
【0135】
本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、微量に存在し得る可能性のある自然発生変異を除いて同一である。本発明のモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、ファージディスプレイ技術、単一リンパ球遺伝子クローニング技術、又は組換えDNA法によって作製することができる。例えば、モノクローナル抗体は、トランスジェニック非ヒト動物、例えば、トランスジェニックマウス又はラットから得られるB細胞を含むハイブリドーマによって生成され得、ヒト重鎖導入遺伝子及び軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有する。
【0136】
本明細書で使用される場合、「前立腺特異的膜抗原」又は「PSMA」という用語は、ある特定の細胞上で発現されるII型膜タンパク質を指す。ヒトPSMAのアミノ酸配列は、FOLH1遺伝子によってコードされている。特定されない限り、本明細書で使用される場合、PSMAは、ヒトPSMAを指す。ヒトPSMAのアミノ酸配列は、Uniprot(アクセッション番号Q04609)から再取出可能である。完全長ヒトPSMAのアミノ酸配列は、配列番号336に示される。配列番号336のうち、細胞外ドメインは残基-4~750にわたり、膜貫通ドメインは残基-0~43にわたり、細胞質ドメインは残基-1~19にわたる。
【0137】
配列番号336(完全長ヒトPSMA)
MWNLLHETDSAVATARRPRWLCAGALVLAGGFFLLGFLFGWFIKSSNEATNITPKHNMKAFLDELKAENIKKFLYNFTQIPHLAGTEQNFQLAKQIQSQWKEFGLDSVELAHYDVLLSYPNKTHPNYISIINEDGNEIFNTSLFEPPPPGYENVSDIVPPFSAFSPQGMPEGDLVYVNYARTEDFFKLERDMKINCSGKIVIARYGKVFRGNKVKNAQLAGAKGVILYSDPADYFAPGVKSYPDGWNLPGGGVQRGNILNLNGAGDPLTPGYPANEYAYRRGIAEAVGLPSIPVHPIGYYDAQKLLEKMGGSAPPDSSWRGSLKVPYNVGPGFTGNFSTQKVKMHIHSTNEVTRIYNVIGTLRGAVEPDRYVILGGHRDSWVFGGIDPQSGAAVVHEIVRSFGTLKKEGWRPRRTILFASWDAEEFGLLGSTEWAEENSRLLQERGVAYINADSSIEGNYTLRVDCTPLMYSLVHNLTKELKSPDEGFEGKSLYESWTKKSPSPEFSGMPRISKLGSGNDFEVFFQRLGIASGRARYTKNWETNKFSGYPLYHSVYETYELVEKFYDPMFKYHLTVAQVRGGMVFELANSIVLPFDCRDYAVVLRKYADKIYSISMKHPQEMKTYSVSFDSLFSAVKNFTEIASKFSERLQDFDKSNPIVLRMMNDQLMFLERAFIDPLGLPDRPFYRHVIYAPSSHNKYAGESFPGIYDALFDIESKVDPSKAWGEVKRQIYVAAFTVQAAAETLSEVA
【0138】
「PSMA」という用語は、細胞(前立腺細胞を含む)によって天然に発現されるか、又はそのポリペプチドをコードする遺伝子若しくはcDNAでトランスフェクトされた細胞上に発現され得る、任意のPSMAバリアント、アイソフォーム、及び種間相同体を含む。特定の実施形態では、PSMAは、ヒトPSMAである。
【0139】
「特異的に結合する」、「特異的結合」、「特異的に結合すること」、又は「結合する」は、タンパク質性分子が、抗原又は他の抗原に対する親和性よりも高い親和性をもって抗原内のエピトープに結合することを指す。
【0140】
「エピトープ」は、抗体が特異的に結合する抗原の一部分を指す。エピトープは、典型的には、化学的に活性な(極性、非極性、又は疎水性など)部分の表面集団、例えば、アミノ酸又は多糖側鎖からなり、特定の三次元構造特性、並びに特定の電荷特性を有し得る。エピトープは、立体配座的な空間単位を形成する連続的な、かつ/又は不連続的なアミノ酸で構成され得る。不連続なエピトープでは、抗原の直鎖配列の異なる部分にあるアミノ酸が、タンパク質分子の折り畳みにより三次元空間でごく近接するようになる。
【0141】
典型的には、タンパク質性分子は、約1×10-7M以下、例えば約5×10-8M以下、約1×10-8M以下、約1×10-9M以下、約1×10-10M以下、約1×10-11M以下、又は約1×10-12M以下の平衡解離定数(K)で抗原又は抗原内のエピトープに結合し、典型的には、Kは、非特異的抗原(例えば、BSA、カゼイン)への結合についてのKよりも少なくとも100倍小さい。
【0142】
「KD」という用語は、KのKaに対する比(すなわち、Kd/Ka)から得られ、モル濃度(M)として表される解離定数を指す。抗体のK値は、本開示を考慮して当該技術分野における方法を用いて決定することができる。例えば、抗体のKは、表面プラズモン共鳴法を使用することによって、例えば、バイオセンサーシステム、例えば、Biacore(登録商標)システムを使用することによって、又はバイオレイヤーインターフェロメトリー技術、例えば、Octet RED96システムを使用することによって決定され得る。抗体のKの値が小さいほど、抗体が標的抗原に結合する親和性が高い。
【0143】
本明細書で使用される場合、「PSMAに結合する」抗体又は「PSMAに特異的に結合する」抗体は、1×10-7M以下、好ましくは1×10-8M以下、より好ましくは5×10-9M以下、1×10-9M以下、5×10-10M以下、又は1×10-10M以下のKでPSMA、好ましくはヒトPSMAに結合する抗体を指す。
【0144】
「単離抗体」、「その抗原結合断片」、及び「抗PSMA抗体」などの用語は、互換的に使用され、PSMAに結合し、PSMAに特異的に結合する少なくとも1つの結合ドメインを含む抗体を指す。
【0145】
本明細書で使用される場合、「バイパラトピック抗体」という用語は、同じ標的タンパク質、例えば、PSMA上の2つの異なるエピトープに特異的に結合する抗体を指す。
【0146】
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又は抗原結合断片は、PSMAに結合するバイパラトピック抗体である。
【0147】
いくつかの実施形態では、本開示のバイパラトピック抗体は、PSMA標的タンパク質上の第1のエピトープに対する少なくとも1つの受容体結合ドメイン、及び同じPSMA標的タンパク質上の第2のエピトープに対する第2の受容体結合ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1のエピトープに対するK及び第2のエピトープに対するKは同じである。いくつかの実施形態では、第1のエピトープに対するK及び第2のエピトープに対するKは異なる。いくつかの実施形態では、第1のエピトープに対するK及び第2のエピトープに対するKは、約1×10-7M以下、好ましくは1×10-8M以下、より好ましくは5×10-9M以下、1×10-9M以下、5×10-10M以下、又は1×10-10M以下である。
【0148】
本開示の抗PSMA抗体は、全抗体、PSMAに特異的に結合する抗体断片、及びPSMAに特異的に結合するその抗原結合断片を含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体は、全抗体若しくは完全長抗体、Fv断片、単鎖scFv断片(scFv)、Fab、F(ab)、又は単鎖抗体を含む。いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体は、全抗体又は完全長抗体である。
【0150】
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体は、完全長抗体、全抗体、及び無傷抗体である。
【0151】
「完全長抗体」、「全抗体」、及び「無傷抗体」という用語は、本明細書において互換的に使用され、天然抗体に類似した構造を有する抗体を指す。「無傷抗体」は、ジスルフィド結合によって相互接続された、2本の重鎖(heavy chain、HC)及び2本の軽鎖(light chain、LC)、並びにそれらの多量体(例えば、IgM)で構成される。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)、及び重鎖定常領域(ドメインCH1、ヒンジ、CH2、及びCH3からなる)で構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)及び軽鎖定常領域(light chain constant region、CL)で構成される。VH領域及びVL領域は、フレームワーク領域(framework region、FR)が散在しており相補性決定領域(complementarity determining region、CDR)と呼称される超可変領域に更に細分化され得る。各VH及びVLは、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4で配置された、3つのCDR及び4つのFRセグメントで構成される。免疫グロブリンは、重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、5つの主要なクラス、すなわちIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMに割り当てられ得る。IgA及びIgGは、アイソタイプのIgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4として更に細分類される。どのような脊椎動物種の抗体軽鎖も、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、2つの明確に異なるタイプ、すなわち、カッパ(κ)及びラムダ(λ)のうちの一方に割り当てることができる。
【0152】
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体は、PSMAに特異的に結合する抗体断片又は抗原結合ドメインである。
【0153】
本明細書で使用される場合、「抗体断片」及び「抗原結合断片」という用語は、無傷抗体以外の分子を指す。抗原結合断片は、合成の、酵素的に入手可能な、又は遺伝子操作されたポリペプチドであってもよく、抗原に結合する免疫グロブリンの部分、例えば、VH、VL、VH及びVL、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd及びFv断片、ジスルフィド安定化Fv断片(disulfide stabilized Fv fragment、dsFv)、(dsFv)、二重特異性dsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド安定化ダイアボディ(disulfide stabilized diabody、dsダイアボディ)、単鎖抗体分子(single-chain antibody molecule、scFv)、単一ドメイン抗体(single domain antibody、sdab)、scFv二量体(二価ダイアボディ)、1つ若しくは2つ以上のCDRを含む抗体の部分から形成される多重特異性抗体、ラクダ化単一ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、1つのVHドメイン若しくは1つのVLドメインからなるドメイン抗体(domain antibody、dAb)、サメ可変IgNARドメイン、ラクダ化VHドメイン、VHHドメイン、抗体のCDRを模倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位、例えば、FR3-CDR3-FR4部分、HCDR1、HCDR2及び/若しくはHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2、及び/若しくはLCDR3、抗原に結合する代替足場、二価ドメイン抗体、抗原結合断片を含む多重特異性タンパク質、又は抗原に結合するが完全な抗体構造を含まない任意の他の抗体断片を含む」。
【0154】
「dAb」又は「dAb断片」は、VHドメインで構成される抗体断片を指す(Ward et al.,Nature 341:544 546(1989))。
【0155】
「Fab」又は「Fab断片」は、VH、CH1、VL、及びCLドメインで構成される抗体断片を指す。
【0156】
「F(ab’)2」又は「F(ab’)2断片」は、ヒンジ領域内のジスルフィド架橋によって接続された2つのFab断片を含有する抗体断片を指す。
【0157】
「Fd」又は「Fd断片」は、VH及びCH1ドメインで構成される抗体断片を指す。
【0158】
「Fv」又は「Fv断片」は、抗体の単一のアームからのVHドメイン及びVLドメインで構成される抗体断片を指す。Fv断片は、Fab(CH1及びCL)領域の定常領域を欠いている。Fv断片におけるVH及びVLは、非共有結合性相互作用によって一緒に保持される。
【0159】
抗原結合断片(VH及びVLなど)は、合成リンカーを介して互いに連結して、VH/VLドメインが分子内又は分子間で対合して、一価の抗原結合ドメイン、例えば、単鎖Fv(single chain Fv、scFv)又はダイアボディを形成し得る、様々なタイプの単鎖抗体設計を形成し得る。組換え発現系にて、リンカーはペプチドリンカーであり、任意の天然に存在するアミノ酸を含み得る。リンカーに含まれ得る例示的なアミノ酸は、Gly、Ser Pro、Thr、Glu、Lys、Arg、Ile、Leu、His、及びTheである。リンカーは、PSMAへの結合などの所望の活性を保持するように、互いに対して正確な高次構造を形成するような方式でVH及びVLを連結させるのに適切である長さを有している必要がある。リンカーは、約5~50個のアミノ酸長であり得る。
【0160】
「単鎖Fv」又は「scFv」は、軽鎖可変領域(VL)を含む少なくとも1つの抗体断片、及び重鎖可変領域(VH)を含む少なくとも1つの抗体断片を含む融合タンパク質であり、VL及びVHは、ポリペプチドリンカーを介して連続的に連結され、単鎖ポリペプチドとして発現することができる。scFvは、例えば、ポリペプチドのN末端及びC末端を基準として、いずれの順序でVL及びVH可変領域を有してもよく、scFvは、VL-リンカー-VHを含んでも、VH-リンカー-VLを含んでもよい。
【0161】
組換え発現系にて、リンカーはペプチドリンカーであり、任意の天然に存在するアミノ酸を含み得る。リンカーに含まれ得る例示的なアミノ酸は、Gly、Ser Pro、Thr、Glu、Lys、Arg、Ile、Leu、His、及びTheである。リンカーは、PSMAへの結合などの所望の活性を保持するように、互いに対して正確な高次構造を形成するような方式でVH及びVLを連結させるのに適切である長さを有している必要がある。
【0162】
リンカーは、約5~50個のアミノ酸長であり得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、約10~40個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、約10~35個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、約10~30個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、約10~25個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、約10~20個のアミノ酸長である。一部の実施形態では、リンカーは、約15~20個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、6個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、7個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、8個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、9個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、10個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、11個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、12個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、13個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、14個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、15個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、16個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、17個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、18個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、19個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、20個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、21個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、22個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、23個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、24個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、25個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、26個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、27個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、28個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、29個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、30個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、31個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、32個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、33個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、34個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、35個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、36個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、37個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、38個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、39個のアミノ酸長である。一部の実施形態では、リンカーは、40個のアミノ酸長である。使用され得る例示的なリンカーは、Glyリッチリンカー、Gly及びSer含有リンカー、Gly及びAla含有リンカー、Ala及びSer含有リンカー、並びに他の柔軟なリンカーである。
【0163】
他のリンカー配列は、免疫グロブリン重鎖又は軽鎖アイソタイプに由来する免疫グロブリンヒンジ領域、CL又はCH1の部分を含み得る。代替的に、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、又はポリエチレングリコールと、ポリプロピレングリコールとのコポリマーを含む様々な非タンパク質性ポリマーは、リンカーとしての使用が見出され得る。使用され得る例示的なリンカーは、表2に示される。
【0164】
いくつかの実施形態では、scFvは、N末端からC末端に向かって、VH、第1のリンカー(L1)、及びVL(VH-L1-VL)を含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、scFvは、N末端からC末端に向かって、VL、L1、及びVH(VL-L1-VH)を含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号308のアミノ酸配列を含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号309のアミノ酸配列を含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号310のアミノ酸配列を含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号311のアミノ酸配列を含む。
【0170】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号312のアミノ酸配列を含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号313のアミノ酸配列を含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号314のアミノ酸配列を含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号315のアミノ酸配列を含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号316のアミノ酸配列を含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号317のアミノ酸配列を含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号318のアミノ酸配列を含む。
【0177】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号319のアミノ酸配列を含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号320のアミノ酸配列を含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号321のアミノ酸配列を含む。
【0180】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号322のアミノ酸配列を含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号323のアミノ酸配列を含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号324のアミノ酸配列を含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号325のアミノ酸配列を含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号326のアミノ酸配列を含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号327のアミノ酸配列を含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号328のアミノ酸配列を含む。
【0187】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号329のアミノ酸配列を含む。
【0188】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号330のアミノ酸配列を含む。
【0189】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号331のアミノ酸配列を含む。
【0190】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号332のアミノ酸配列を含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号333のアミノ酸配列を含む。
【0192】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号334のアミノ酸配列を含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号335のアミノ酸配列を含む。
【0194】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号87のアミノ酸配列を含む。
【0195】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号107のアミノ酸配列を含む。
【0196】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号91のアミノ酸配列を含む。
【0197】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号111のアミノ酸配列を含む。
【0198】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号285のアミノ酸配列を含む。
【0199】
いくつかの実施形態では、L1は、配列番号287のアミノ酸配列を含む。
【0200】
【表2】
【0201】
二価(divalent)又は二価(bivalent)単鎖可変断片(di-scFv、bi-scFv)は、2つのscFvを連結することによって操作され得る「。(scFv)」又は「タンデムscFv」又は「ビスscFv」断片は、2つの軽鎖可変領域(VL)及び2つの重鎖可変領域(VH)を含む融合タンパク質を指し、2つのVL領域及び2つのVH領域は、ポリペプチドリンカーを介して連続的に連結されており、単鎖ポリペプチドとして発現することができる。2つのVL及び2つのVHは、ペプチドリンカーによって融合されて、二価分子VL-リンカー-VH-リンカー-VL-リンカー-VHを形成して、2つの異なる抗原又はエピトープに同時に結合することができる2つの結合部位を形成する。(ScFv)2は、単鎖ポリペプチドとして発現され得る。
【0202】
PSMAに結合する本明細書で同定されたVHドメイン及びVLドメインのいずれも、VH-リンカー-VL又はVL-リンカー-VH配向のいずれかのscFv形式に操作され得る。本明細書において同定されたVH及びVLのいずれも、VH-リンカー-VL-リンカー-VL-リンカー-VH、VH-リンカー-VL-リンカー-VH-リンカー-VL、VH-リンカー-VH-リンカー-VL-リンカー-VL、VL-リンカー-VH-リンカー-VH-リンカー-VL、VL-リンカー-VH-リンカー-VL-リンカー-VH、又はVL-リンカー-VL-リンカー-VH-リンカー-VHなどのsc(Fv)構造を生成するために使用することができる。
【0203】
「ダイアボディ」は、各々がVH及びVLドメインを含有する2つの鎖から形成される二価の二量体である。鎖内の2つのドメインは、鎖内二量体化を促進するには短過ぎるリンカーによって分離されており、頭-尾配置で二量体化する2つの鎖をもたらす。リンカーは、五量体グリシンリッチリンカー(G4S(配列番号337))であり得る。
【0204】
「VHH」は、重鎖の抗原結合ドメインで排他的に構成される単一ドメイン抗体又はナノボディを指す。VHH単一ドメイン抗体は、従来のFab領域の軽鎖及び重鎖のCH1ドメインを欠いている。いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体は、Fv断片、単鎖scFv断片(scFv)、(scFv)、Fab、F(ab)、ダイアボディ、VHH、dAb、Fd、Fv、又は他の単鎖抗体を含む。
【0205】
本開示の抗PSMA抗体は、PSMAに特異的に結合するキメラ抗体、ヒト化抗体、又は完全ヒト抗体を含む。
【0206】
「ヒト抗体」は、ヒト対象に投与されたときに免疫応答が最小限になるように最適化された抗体を指す。ヒト抗体の可変領域は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する。ヒト抗体が定常領域又は定常領域の一部を含む場合、その定常領域もヒト免疫グロブリン配列に由来する。ヒト抗体は、ヒト抗体の可変領域がヒト生殖系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロブリン遺伝子を使用する系から得られた場合、ヒト起源の配列に「由来する」重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。このような例示的な系は、ファージにディスプレイされたヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリ、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座を保有するトランスジェニック非ヒト動物、例えばマウス又はラットである。「ヒト抗体」は、典型的には、ヒト抗体及びヒト免疫グロブリン遺伝子座を得るために使用した系の違い、フレームワーク若しくはCDRへの体細胞変異の導入若しくは置換の意図的な導入、又はこれらの両方により、ヒトで発現した免疫グロブリンと比較したときにアミノ酸の違いを含有する。
【0207】
典型的には、「ヒト抗体」は、ヒト生殖系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロブリン遺伝子によってコードされているアミノ酸配列に対して、アミノ酸配列が少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一である。場合によっては、「ヒト抗体」は、例えばKnappik et al.,(2000)J Mol Biol 296:57-86に記載されるヒトフレームワーク配列分析に由来するコンセンサスフレームワーク配列、又は例えばShi et al.,(2010)J Mol Biol 397:385-96及び国際公開第2009/085462号に記載される、ファージ上に提示されたヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリに組み込まれた合成HCDR3を含有し得る。少なくとも1つのCDRが非ヒト種に由来する抗体は、「ヒト抗体」の定義には含まれない。
【0208】
自身のゲノムにヒト免疫グロブリン(immunoglobulin、Ig)遺伝子座を保有するマウス、ラット、又はニワトリなどのトランスジェニック動物を使用して、PSMAに結合する抗原結合断片を生成することができ、これらは、例えば、米国特許第6,150,584号、国際公開第1999/45962号、国際公開第2002/066630号、同第2002/043478号、及び同第1990/04036号に記載されている。このような動物の内因的な免疫グロブリン遺伝子座を破壊又は欠失させてもよく、相同又は非相同組換えを使用して、導入染色体(transchromosome)を使用して、又はミニ遺伝子を使用して、少なくとも1つの完全な又は部分的なヒト免疫グロブリン遺伝子座を動物のゲノムに挿入してもよい。Regeneron(http://_www_regeneron_com)、Harbour Antibodies(http://_www_harbourantibodies_com)、Open Monoclonal Technology,Inc.(OMT)(http://_www_omtinc_net)、KyMab(http://_www_kymab_com)、Trianni(http://_www.trianni_com)、及びAblexis(http://_www_ablexis_com)などの企業は、選択抗原を標的としたヒト抗体を提供するべく取り組んでいる場合がある。
【0209】
非ヒト動物を免疫することによって生成されたPSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片が、ヒト化され得る。ヒトアクセプタフレームワークの選択を含む例示的なヒト化技術としては、CDR移植(米国特許第5,225,539号)、SDR移植(米国特許第6,818,749号)、リサーフェシング(Padlan,(1991)Mol Immunol 28:489-499)、特異性決定残基リサーフェシング(米国特許出願公開第2010/0261620号)、ヒトフレームワーク適合(米国特許第8,748,356号)、又は超ヒト化(米国特許第7,709,226号)が挙げられる。これらの方法では、CDRの長さの類似性若しくはカノニカル構造の同一性、又はそれらの組み合わせに基づいて、親フレームワークに対する全体的な相同性に基づき選択され得るヒトフレームワークに、親抗体のCDR又はCDR残基のサブセットを移植する。
【0210】
ヒト化抗原結合ドメインは、国際公開第1090/007861号及び同第1992/22653号に記載されているものなどの技術により、変化させたフレームワーク支持残基を組み込んで結合親和性を保持することによって(復帰変異)、又はCDRのいずれかに多様性を導入して、例えば抗原結合ドメインの親和性を改善することによって、所望の抗原に対するその選択性又は親和性を改善するように更に最適化してもよい。
【0211】
いくつかの実施形態では、本開示は、重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、及びHCDR3、並びに軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、PSMAに結合する単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3は、アミノ酸配列を含む:
a.それぞれ、RYGMH(配列番号4)、LISYDGSNRYYADSVKG(配列番号5)、ERESSGWFEGYFDY(配列番号6)、GGNNIGSKSVH(配列番号7)、DNSDRPS(配列番号8)、及びQVWDSSSDHVV(配列番号9)、
b.それぞれ、SYYWN(配列番号10)、RIYSSGNTDYNPSLKS(配列番号11)、GRGANVGLFDY(配列番号12)、TGSNSNIGANYDVH(配列番号13)、GNINRPL(配列番号14)、及びQSYDFSLSGSV(配列番号15)、
c.それぞれ、GYGMH(配列番号16)、VISYDGSNRYYADSVKG(配列番号17)、DGNWGSLDLYFDL(配列番号18)、TGSSSNIGADYDVH(配列番号19)、VNNNRPS(配列番号20)、及びQSYDNTLSGVV(配列番号21)、
d.それぞれ、SYGMH(配列番号22)、VISYDGSNKYYADSVKG(配列番号23)、EHYDSSGYYHGYYGMDV(配列番号24)、SGSSSNIGSNYVY(配列番号25)、SNNQRPS(配列番号26)、AARDDSLSGYV(配列番号27)、
e.それぞれ、SYDMH(配列番号28)、VISFDGSNKYYVDSVKG(配列番号29)、TYYDILTGYSHYSYGMDV(配列番号30)、RASQGISNYLA(配列番号31)、ATSTLQS(配列番号32)、及びQKYNSAPFT(配列番号33)、
f.それぞれ、TYGMH(配列番号34)、FISYDGSNKYYADSVKG(配列番号35)、RDNLRFLEWFMDV(配列番号36)、RASQSVRSNLA(配列番号37)、GASTRAT(配列番号38)、及びHQYNDWPPYT(配列番号39)、
g.それぞれ、IYSMN(配列番号40)、SISSSSSYIFYADSVKG(配列番号41)、SSYGADY(配列番号42)、RASQDITNFLA(配列番号43)、TASTLQS(配列番号44)、及びQKYNSAPLT(配列番号45)、
h.それぞれ、SYSLN(配列番号46)、SISSSSSYISYADAVKG(配列番号47)、DRGFLEDYYYYYGMDV(配列番号48)、RASQGISNWLA(配列番号49)、VASSLQS(配列番号50)、及びQQAYSFPLT(配列番号51)、
i.それぞれ、SYYWS(配列番号272)、RIYSSGSTNYNPSLKS(配列番号273)、VGVWPGAFDI(配列番号274)、SGSSSNIGSNTVN(配列番号275)、SSNQRPS(配列番号276)、及びAAWDDSLNGVV(配列番号277)、
j.それぞれ、GFTLSRY(配列番号124)、SYDGSN(配列番号125)、ERESSGWFEGYFDY(配列番号6)、GGNNIGSKSVH(配列番号7)、DNSDRPS(配列番号8)、及びQVWDSSSDHVV(配列番号9)、
k.それぞれ、GGSISSY(配列番号130)、YSSGN(配列番号131)、GRGANVGLFDY(配列番号12)、TGSNSNIGANYDVH(配列番号13)、GNINRPL(配列番号14)、及びQSYDFSLSGSV(配列番号15)、
l.それぞれ、VRTFSGY(配列番号136)、SYDGSN(配列番号125)、DGNWGSLDLYFDL(配列番号18)、TGSSSNIGADYDVH(配列番号19)、VNNNRPS(配列番号20)、及びQSYDNTLSGVV(配列番号21)、
m.それぞれ、GFTFTSY(配列番号142)、SYDGSN(配列番号125)、EHYDSSGYYHGYYGMDV(配列番号24)、SGSSSNIGSNYVY(配列番号25)、SNNQRPS(配列番号26)、及びAARDDSLSGYV(配列番号27)、
n.それぞれ、GFTFSSY(配列番号148)、SFDGSN(配列番号149)、TYYDILTGYSHYSYGMDV(配列番号30)、RASQGISNYLA(配列番号31)、ATSTLQS(配列番号32)、及びQKYNSAPFT(配列番号33)、
o.それぞれ、GFTFSTY(配列番号154)、SYDGSN(配列番号125)、RDNLRFLEWFMDV(配列番号36)、RASQSVRSNLA(配列番号37)、GASTRAT(配列番号38)、及びHQYNDWPPYT(配列番号39)、
p.それぞれ、GFTLSIY(配列番号160)、SSSSSY(配列番号161)、SSYGADY(配列番号42)、RASQDITNFLA(配列番号43)、TASTLQS(配列番号44)、及びQKYNSAPLT(配列番号45)、
q.それぞれ、GFTFSSY(配列番号166)、SSSSSY(配列番号167)、DRGFLEDYYYYYGMDV(配列番号48)、RASQGISNWLA(配列番号49)、VASSLQS(配列番号50)、及びQQAYSFPLT(配列番号51)、
r.それぞれ、GGSIISY(配列番号290)、YSSGS(配列番号291)、VGVWPGAFDI(配列番号274)、SGSSSNIGSNTVN(配列番号275)、SSNQRPS(配列番号276)、及びAAWDDSLNGVV(配列番号277)、
s.それぞれ、GFTLSRYGMH(配列番号172)、LISYDGSNRY(配列番号173)、ERESSGWFEGYFDY(配列番号6)、GGNNIGSKSVH(配列番号7)、DNSDRPS(配列番号8)、及びQVWDSSSDHVV(配列番号9)、
t.それぞれ、GGSISSYYWN(配列番号178)、RIYSSGNTD(配列番号179)、GRGANVGLFDY(配列番号12)、TGSNSNIGANYDVH(配列番号13)、GNINRPL(配列番号14)、及びQSYDFSLSGSV(配列番号15)、
u.それぞれ、VRTFSGYGMH(配列番号184)、VISYDGSNRY(配列番号185)、DGNWGSLDLYFDL(配列番号18)、TGSSSNIGADYDVH(配列番号19)、VNNNRPS(配列番号20)、及びQSYDNTLSGVV(配列番号21)、
v.それぞれ、GFTFTSYGMH(配列番号190)、VISYDGSNKY(配列番号191)、EHYDSSGYYHGYYGMDV(配列番号24)、SGSSSNIGSNYVY(配列番号25)、SNNQRPS(配列番号26)、及びAARDDSLSGYV(配列番号27)、
w.それぞれ、GFTFSSYDMH(配列番号196)、VISFDGSNKY(配列番号197)、TYYDILTGYSHYSYGMDV(配列番号30)、RASQGISNYLA(配列番号31)、ATSTLQS(配列番号32)、及びQKYNSAPFT(配列番号33)、
x.それぞれ、GFTFSTYGMH(配列番号202)、FISYDGSNKY(配列番号203)、RDNLRFLEWFMDV(配列番号36)、RASQSVRSNLA(配列番号37)、GASTRAT(配列番号38)、及びHQYNDWPPYT(配列番号39)、
y.それぞれ、GFTLSIYSMN(配列番号208)、SISSSSSYIF(配列番号209)、SSYGADY(配列番号42)、RASQDITNFLA,(配列番号43)、TASTLQS(配列番号44)、及びQKYNSAPLT(配列番号45)、
z.それぞれ、GFTFSSYSLN(配列番号214)、SISSSSSYIS(配列番号215)、DRGFLEDYYYYYGMDV(配列番号48)、RASQGISNWL(配列番号49)、VASSLQS(配列番号50)、及びQQAYSF(配列番号51)、
aa.それぞれ、GGSIISYYWS(配列番号296)、RIYSSGSTN(配列番号297)、VGVWPGAFDI(配列番号274)、SGSSSNIGSNTVN(配列番号275)、SSNQRPS(配列番号276)、及びAAWDDSLNGVV(配列番号277)、
bb.それぞれ、GFTLSRYG(配列番号220)、ISYDGSNR(配列番号221)、ARERESSGWFEGYFDY(配列番号222)、NIGSKS(配列番号223)、DNS、及びQVWDSSSDHVV(配列番号9)、
cc.それぞれ、GGSISSYY(配列番号226)、IYSSGNT(配列番号227)、ARGRGANVGLFDY(配列番号228)、NSNIGANYD(配列番号229)、GNI、及びQSYDFSLSGSV(配列番号15)、
dd.それぞれ、VRTFSGYG(配列番号232)、ISYDGSNR(配列番号233)、ARDGNWGSLDLYFDL(配列番号234)、SSNIGADYD(配列番号235)、VNN、及びQSYDNTLSGVV(配列番号21)、
ee.それぞれ、GFTFTSYG(配列番号238)、ISYDGSNK(配列番号239、AREHYDSSGYYHGYYGMDV(配列番号240)、SSNIGSNY(配列番号241)、SNN、及びAARDDSLSGYV(配列番号27)、
ff.それぞれ、GFTFSSYD(配列番号244)、ISFDGSNK(配列番号245)、ARTYYDILTGYSHYSYGMDV(配列番号246)、QGISNY(配列番号247)、ATS、及びQKYNSAPFT(配列番号33)、
gg.それぞれ、GFTFSTYG(配列番号250)、ISYDGSNK(配列番号251)、AGRDNLRFLEWFMDV(配列番号252)、QSVRSN(配列番号253)、GAS、及びHQYNDWPPYT(配列番号39)、
hh.それぞれ、GFTLSIYS(配列番号256)、ISSSSSYI(配列番号257)、ARSSYGADY(配列番号258)、QDITNF(配列番号259)、TAS、及びQKYNSAPLT(配列番号45)、
ii.それぞれ、GFTFSSYS(配列番号262)、ISSSSSYI(配列番号263)、ARDRGFLEDYYYYYGMDV(配列番号264)、QGISNW(配列番号265、VAS、及びQQAYSFPLT(配列番号51)、又は
jj.それぞれ、GGSIISYY(配列番号302)、IYSSGST(配列番号303)、AKVGVWPGAFDI(配列番号304)、SSNIGSNT(配列番号305)、SSN、及びAAWDDSLNGVV(配列番号277)。
【0212】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0214】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号16、17、18、29、20、及び21のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0215】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号22、23、24、25、26、及び27のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0216】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号28、29、30、31、32、及び33のそれぞれHCDR1、HCDR1、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、PSMAに結合する単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0217】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号34、35、36、37、38、及び39のそれぞれHCDR1、HCDR1、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、PSMAに結合する単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0218】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号40、41、42、43、44、及び45のそれぞれHCDR1、HCDR1、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、PSMAに結合する単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0219】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号46。47、48、49、50、及び51のそれぞれHCDR1、HCDR1、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、PSMAに結合する単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0220】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号272、273、274、275、276、及び277のそれぞれHCDR1、HCDR1、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、PSMAに結合する単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0221】
本開示はまた、
配列番号52の重鎖可変領域(VH)の重鎖相補性決定領域(HCDR)1、HCDR2、及びHCDR3、並びに配列番号53の軽鎖可変領域(VL)の軽鎖相補性決定領域(LCDR)1、LCDR2、及びLCDR3、又は
配列番号54のVHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びに配列番号55のVLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3、又は
配列番号56のVHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びに配列番号57のVLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3、又は
配列番号58のVHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びに配列番号59のVLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3、又は
配列番号60のVHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びに配列番号61のVLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3、又は
配列番号62のVHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びに配列番号63のVLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3、又は
配列番号64のVHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びに配列番号65のVLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3、又は
配列番号66のVHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びに配列番号67のVLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3、又は
配列番号278のVHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びに配列番号279のVLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0222】
いくつかの実施形態では、抗原結合ドメインを含む単離タンパク質は、配列番号52のVHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びに配列番号53のVLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0223】
いくつかの実施形態では、抗原結合ドメインを含む単離タンパク質は、配列番号54のVHのHCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びに配列番号55のVLのLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0224】
いくつかの実施形態では、本開示は、
配列番号52のVH及び配列番号53のVL、又は
配列番号54のVH及び配列番号55のVL、又は
配列番号56のVH及び配列番号57のVL、又は
配列番号58のVH及び配列番号59のVL、又は
配列番号60のVH及び配列番号61のVL、又は
配列番号62のVH及び配列番号63のVL、又は
配列番号64のVH及び配列番号65のVL、又は
配列番号66のVH及び配列番号67のVL、又は
配列番号278のVH及び配列番号279のVLを含む、単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0225】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む。
【0226】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVH及び配列番号55のVLを含む。
【0227】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号56のVH及び配列番号57のVLを含む。
【0228】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号58のVH及び配列番号59のVLを含む。
【0229】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号60のVH及び配列番号61のVLを含む。
【0230】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号62のVH及び配列番号63のVLを含む。
【0231】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号64のVH及び配列番号65のVLを含む。
【0232】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号66のVH及び配列番号67のVLを含む。
【0233】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号278のVH及び配列番号279のVLを含む。
【0234】
いくつかの実施形態では、本開示はまた、配列番号84、85、86、88、89、90、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、268、269、282、284、及び288からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0235】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号84のアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0236】
いくつかの実施形態では、本開示はまた、配列番号85のアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0237】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号86のアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0238】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号88のアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0239】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号89のアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0240】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号90のアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0241】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84の重鎖及び配列番号85の軽鎖を含む。
【0242】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86の重鎖及び配列番号85の軽鎖を含む。
【0243】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88の重鎖及び配列番号89の軽鎖を含む。
【0244】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号90の重鎖及び配列番号89の軽鎖を含む。
【0245】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号92の重鎖及び配列番号93の軽鎖を含む。
【0246】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号94の重鎖及び配列番号95の軽鎖を含む。
【0247】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号96の重鎖及び配列番号97の軽鎖を含む。
【0248】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号98の重鎖及び配列番号99の軽鎖を含む。
【0249】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号100の重鎖及び配列番号101の軽鎖を含む。
【0250】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号102の重鎖及び配列番号103の軽鎖を含む。
【0251】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号268の第1の重鎖、配列番号282の第2の重鎖、及び配列番号269の軽鎖を含む。
【0252】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号284の第1の重鎖、配列番号288の第2の重鎖、及び配列番号269の軽鎖を含む。
【0253】
いくつかの実施形態では、本開示は、
配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号52のVH及び配列番号53のVL、並びに/又は
配列番号84のHC及び配列番号85のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0254】
いくつかの実施形態では、本開示は、
配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号52のVH及び配列番号53のVL、並びに/又は
配列番号86のHC及び配列番号85のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0255】
いくつかの実施形態では、本開示は、
配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号54のVH及び配列番号55のVL、並びに/又は
配列番号88のHC及び配列番号89のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0256】
いくつかの実施形態では、本開示は、
配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号54のVH及び配列番号55のVL、並びに/又は
配列番号90のHC及び配列番号89のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0257】
いくつかの実施形態では、本開示は、
配列番号16、17、18、19、20、及び21のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号56のVH及び配列番号57のVL、並びに/又は
配列番号92のHC及び配列番号93のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0258】
いくつかの実施形態では、本開示は、
配列番号22、23、24、25、26、及び27のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号58のVH及び配列番号59のVL、並びに/又は
配列番号94のHC及び配列番号95のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0259】
いくつかの実施形態では、本開示は、
配列番号28、29、30、31、32、及び33のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号60のVH及び配列番号61のVL、並びに/又は
配列番号96のHC及び配列番号97のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0260】
いくつかの実施形態では、本開示は、
配列番号34、35、36、37、38、及び39のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号62のVH及び配列番号63のVL、並びに/又は
配列番号98のHC及び配列番号99のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0261】
いくつかの実施形態では、本開示は、
配列番号40、41、42、43、44、及び45のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号64のVH及び配列番号65のVL、並びに/又は
配列番号100のHC及び配列番号101のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0262】
いくつかの実施形態では、本開示は、
配列番号46、47、48、49、50、及び51のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号66のVH及び配列番号67のVL、並びに/又は
配列番号102のHC及び配列番号103のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0263】
本開示はまた、2つの抗原結合ドメインを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、第1の抗原結合ドメインは、PSMAのエピトープに結合し、第2の結合ドメインは、PSMA上の異なるエピトープに結合する。
【0264】
本開示はまた、配列番号4のアミノ酸配列を有するCDR1配列、配列番号5のアミノ酸配列を有するCDR2配列、配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR3配列を含む重鎖可変領域、配列番号7のアミノ酸配列を有するCDR1配列、配列番号8のアミノ酸配列を有するCDR2配列、配列番号9のアミノ酸配列を有するCDR3配列を含む軽鎖軽鎖可変領域を、配列番号272のアミノ酸配列を有するCDR1配列、配列番号273のアミノ酸配列を有するCDR2配列、配列番号274のアミノ酸配列を有するCDR3配列を含む重鎖可変領域、配列番号275のアミノ酸配列を有するCDR1配列、配列番号276のアミノ酸配列を有するCDR2配列、配列番号277のアミノ酸配列を有するCDR3配列を含む軽鎖軽鎖可変領域と組み合わせて含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに、任意選択的にPSMA上の2つの異なるエピトープに結合する。
【0265】
いくつかの実施形態では、本開示は、2つの抗原結合ドメインを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、第1の抗原結合ドメインは、PSMAのエピトープに結合し、第2の結合ドメインは、PSMA上の異なるエピトープに結合し、
第1の抗原結合ドメインは、配列番号4のHCDR1、配列番号5のHCDR2、配列番号6のHCDR3、配列番号7のLCDR1、配列番号8のLCDR2、配列番号9のLCDR3、配列番号52のVH、配列番号53のVL、配列番号268のHC、及び配列番号269のLCを含むFab又はFab断片であり、
第2の抗原結合ドメインは、配列番号272のHCDR1、配列番号273のHCDR2、配列番号274のHCDR3、配列番号275のLCDR1、配列番号276のLCDR2、配列番号277のLCDR3、配列番号278のVH、配列番号279のVL、配列番号282のHCを含むscFv形式である。
【0266】
いくつかの実施形態では、本開示は、2つの抗原結合ドメインを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、第1の抗原結合ドメインは、PSMAのエピトープに結合し、第2の結合ドメインは、PSMA上の異なるエピトープに結合し、
第1の抗原結合ドメインは、配列番号4のHCDR1、配列番号5のHCDR2、配列番号6のHCDR3、配列番号7のLCDR1、配列番号8のLCDR2、配列番号9のLCDR3、配列番号52のVH、配列番号53のVL、配列番号284のHC、及び配列番号269のLCを含むFab又はFab断片であり、
第2の抗原結合ドメインは、配列番号272のHCDR1、配列番号273のHCDR2、配列番号274のHCDR3、配列番号275のLCDR1、配列番号276のLCDR2、配列番号277のLCDR3、配列番号278のVH、配列番号279のVL、配列番号288のHCを含むscFv形式である。
【0267】
いくつかの実施形態では、本開示は、2つの抗原結合ドメインを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、第1の抗原結合ドメインは、PSMAのエピトープに結合し、配列番号268の重鎖及び配列番号269の軽鎖を含み、第2の結合ドメインは、PSMA上の異なるエピトープに結合し、配列番号282の重鎖を含む。
【0268】
いくつかの実施形態では、本開示は、2つの抗原結合ドメインを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、第1の抗原結合ドメインは、PSMAのエピトープに結合し、配列番号284の重鎖及び配列番号269の軽鎖を含み、第2の結合ドメインは、PSMA上の異なるエピトープに結合し、配列番号288の重鎖を含む。
【0269】
いくつかの実施形態では、本開示は、
PSMA上の第1のエピトープに結合する第1の結合ドメインであって、第1の結合ドメインが、
配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号52のVH及び配列番号53のVL、並びに/又は
配列番号268のHC及び配列番号269のLCを含む、第1の結合ドメインと、
PSMA上の第2のエピトープに結合する第2の結合ドメインであって、第2の結合ドメインが、
配列番号272、273、274、275、276、及び277のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号278のVH及び配列番号279のVL、並びに/又は
配列番号282のHCを含む、第2の結合ドメインと、を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0270】
いくつかの実施形態では、本開示は、
PSMA上の第1のエピトープに結合する第1の結合ドメインであって、第1の結合ドメインが、
配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号52のVH及び配列番号53のVL、並びに/又は
配列番号284のHC及び配列番号269のLCを含む、第1の結合ドメインと、
PSMA上の第2のエピトープに結合する第2の結合ドメインであって、第2の結合ドメインが、
配列番号272、273、274、275、276、及び277のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3、
配列番号278のVH及び配列番号279のVL、並びに/又は
配列番号288のHCを含む、第2の結合ドメインと、を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0271】
相同抗体及びその抗原結合断片
当該抗体又はその抗原結合断片の誘導体、相同抗原結合ドメイン、機能的等価物、又はバリアントも本開示の対象である。本開示の抗体は、本開示の抗体の可変ドメイン若しくは超可変ドメインのアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド、又は保存的置換を有するポリペプチドを含む、PSMAに結合する開示される抗体又はその抗原結合断片の相同抗体、相同抗原結合ドメイン、機能的等価物、又はバリアントを含む。本開示の相同抗体及び抗原結合ドメイン、機能的等価物、又はバリアントは、PSMAに結合する当該抗体又はその抗原結合断片の配列と十分な相同性を有し、PSMAへの結合を保持するか、又は未改変抗体の活性のうちの少なくとも1つを保持するために未改変抗PSMA抗体に機能的に類似している。
【0272】
「抗体誘導体」、「相同抗原結合ドメイン」、「機能的等価物」、又は「バリアント」という用語は、1つ又は2つ以上のアミノ酸残基の1つ又は2つ以上の変異、置換、欠失、及び/又は付加を含む抗体を指す。そのような付加、置換、又は欠失は、分子中の任意の位置に位置し得る。いくつかのアミノ酸が付加、置換、又は欠失されている場合、得られる抗体が少なくとも本開示の抗体の有利な特性を依然として有するという条件で、付加、置換、又は欠失の任意の組み合わせを考慮することができる。
【0273】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される抗体又はその抗原結合断片のアミノ酸配列改変を提供する。例えば、特異性、熱安定性、発現レベル、エフェクター機能、グリコシル化(例えば、フコシル化)、免疫原性の低下、又は溶解性を含むがこれらに限定されない、抗体の結合親和性及び/又は他の生物学的特性を改善することが望ましい場合がある。したがって、本明細書に記載される抗体及び抗原結合断片に加えて、抗体バリアントは、適切なヌクレオチド変化をコードDNAに導入することによって、並びに/又は1つ若しくは2つ以上のアミノ酸残基の変異、置換、欠失、及び/若しくは付加を本明細書に記載される抗体及び抗原結合断片に付加することによって調製され得る。
【0274】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗体及びその抗原結合断片は、例えば、任意のタイプの分子を抗体に共有結合させることによって化学的に改変される。抗体誘導体は、例えば、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、既知の保護(protecting/blocking)基による誘導体化、タンパク質分解切断、細胞のリガンド又は他のタンパク質への連結などにより化学改変された抗体を含み得る。多数の化学的改変のうちのいずれかは、特異的化学開裂、アセチル化、製剤化、ツニカマイシンの代謝的合成などを含むがこれらに限定されない、既知の技法により実行することができる。加えて、抗体は、1つ又は2つ以上の非古典的アミノ酸を含み得る。
【0275】
多様性はまた、抗体又はポリペプチドをコードする1つ又は2つ以上のコドンの置換、欠失、又は挿入を含んでもよく、天然配列の抗体又はポリペプチドと比較してアミノ酸配列の変化をもたらす。アミノ酸置換は、1つのアミノ酸を、類似の構造的及び/又は化学的特性を有する別のアミノ酸で置き換えた結果であり得る。
【0276】
本開示の配列は、上記の抗体又はその抗原結合断片の配列に対して少なくとも80%の同一性又は相同性を有するアミノ酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、配列同一性は、本開示のPSMAに結合する抗原結合ドメインに対して約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%であり得る。PSMAに結合する抗原結合ドメインにおいて1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、又は29個のアミノ酸置換を含むPSMAに結合する抗原結合ドメインのバリアントは、親抗原結合ドメインと比較した場合に改善された機能的特性を保持するか又は有する限り、本開示の範囲内にある。PSMAに結合する抗原結合ドメインの機能的等価物又はバリアントは、1つ又は2つ以上のアミノ酸残基の1つ又は2つ以上の欠失及び/又は付加を含む。そのような付加、置換、又は欠失は、分子中の任意の位置に位置し得る。いくつかのアミノ酸が付加、置換、又は欠失されている場合、得られる抗体が少なくとも本開示の抗体の有利な特性を依然として有するという条件で、付加、置換、又は欠失の任意の組み合わせを考慮することができる。
【0277】
「同一の」又は「同一性」パーセントという用語は、2つ又は3つ以上の核酸又はポリペプチド配列(例えば、抗PSMA抗体及びそれをコードするポリヌクレオチド)の文脈において、以下の配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用して又は目視検査によって測定した場合、比較し、対応が最大になるように整列したときに同じであるか、又は指定のパーセンテージのアミノ酸残基若しくはヌクレオチドが同じである2つ又は3つ以上の配列又はサブ配列を指す。参照ポリペプチドに対するアミノ酸配列同一性パーセント(%)は、参照ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である所与の配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。2つの配列間の同一性パーセント(%)は、2つの配列の最適な整列のために導入する必要があるギャップの数及び各ギャップの長さを考慮した、配列によって共有される同一の位置の数の関数(すなわち、同一性%=同一の位置の数/位置の総数×100)である。2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントは、GCGソフトウェアパッケージで利用可能なBLAS、BLAST-2、ALIGN.Megalin(DNASTAR)、又はGAPプログラムなどの公的に利用可能なソフトウェアを使用して、当該技術分野の技能の範囲内である様々なアルゴリズムを使用して決定され得る。
【0278】
ポリペプチドは、典型的には、第2のポリペプチドと実質的に同一であり、例えば、2つのペプチドは、保存的置換によってのみ異なる。本開示の抗体はまた、結合特徴、機能的、又は物理的特性が直接変異によって改善されたものを含む。いくつかの実施形態では、PSMAに結合するバリアント抗原結合ドメインは、PSMAに結合する親抗原結合断片の所望の機能的特性を保持しながら、CDR領域のいずれかに1つ又は2つの保存的置換を含む。
【0279】
特定の実施形態では、置換は、1つ又は2つ以上の予測される非必須アミノ酸残基で行われる保存的アミノ酸置換である。「保存的改変」又は「保存的置換」は、アミノ酸改変を含有する抗体の結合特徴に著しく影響を与えることも変化させることもないアミノ酸改変を指す。保存的改変は、アミノ酸の置換、付加、及び欠失を含む。保存的アミノ酸置換は、あるアミノ酸が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基に置き換えられる置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、明確に定義されており、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、スレオニン、チロシン、トリプトファン)、芳香族側鎖(例えば、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン、チロシン)、脂肪族側鎖(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン)、アミド(例えば、アスパラギン、グルタミン)、β分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、及び含硫黄側鎖(システイン、メチオニン)を有するアミノ酸を含む。更に、ポリペプチド中の任意の天然残基はまた、アラニンスキャニング変異誘発(MacLennan et al.,(1988)Acta Physiol Scand Suppl 643:55-67;Sasaki et al.,(1988)Adv Biophys 35:1-24)について以前に記載されているように、アラニンで置換され得る。
【0280】
当業者に知られている標準的な技術を使用して、例えば、部位特異的変異誘発及びアミノ酸置換をもたらすPCR媒介変異誘発を含む、本明細書において提供される分子をコードするヌクレオチド配列に変異を導入することができる。
【0281】
代替的に、飽和変異誘発などにより、コード配列の全部又は一部に沿ってランダムに変異を導入することができ、得られた突然変異体の生物活性をスクリーニングして、活性を保持する突然変異体を同定することもできる。変異誘発の後、コードされたタンパク質を発現させ、タンパク質の活性を決定することができる。
【0282】
アミノ酸配列の挿入には、1つの残基から100以上の残基を含むポリペプチドまでの長さのアミノ末端及び/又はカルボキシル末端の融合、並びに単一又は複数のアミノ酸残基の配列内挿入が含まれる。末端挿入の例としては、N末端メチオニル残基を有する抗体が挙げられる。抗体分子の他の挿入変異体は、抗体のN末端又はC末端の、酵素(例えば、抗体指向酵素によるプロドラッグ療法)又は抗体の血清半減期を延長するポリペプチドへの融合体を含む。
【0283】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一のVLを含む。
【0284】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号55のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一のVLを含む。
【0285】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号56のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号57のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一のVLを含む。
【0286】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号58のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号59のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一のVLを含む。
【0287】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号60のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号61のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一のVLを含む。
【0288】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号62のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号63のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一のVLを含む。
【0289】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号64のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号65のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一のVLを含む。
【0290】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号66のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号67のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一のVLを含む。
【0291】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号278のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号279のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一のVLを含む。
【0292】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号53のVLを含む。
【0293】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVH、及び配列番号53のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVLを含む。
【0294】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも95%同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも95%同一であるVLを含む。
【0295】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも95%同一であるVH、及び配列番号53のVLを含む。
【0296】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVH、及び配列番号53のVLと少なくとも95%同一であるVLを含む。
【0297】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも95%同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも99%同一であるVLを含む。
【0298】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも99%同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも99%同一であるVLを含む。
【0299】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも99%同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも95%同一であるVLを含む。
【0300】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0301】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0302】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVH、及び配列番号53のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0303】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも95%同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも95%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0304】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも95%同一であるVH、及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0305】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVH、及び配列番号53のVLと少なくとも95%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0306】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも95%同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも99%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0307】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも99%同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも99%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0308】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも99%同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも95%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0309】
いくつかの実施形態では、本開示はまた、配列番号84のアミノ酸配列と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一のアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0310】
いくつかの実施形態では、本開示はまた、配列番号85のアミノ酸配列と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一のアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0311】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0312】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるHC、及び配列番号85のLCを含む。
【0313】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるLCを含む。
【0314】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含む。
【0315】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%同一であるLCを含む。
【0316】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%同一であるLCを含む。
【0317】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含む。
【0318】
いくつかの実施形態では、本開示はまた、配列番号86のアミノ酸配列と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一のアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0319】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0320】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるHC、及び配列番号85のLCを含む。
【0321】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるLCを含む。
【0322】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含む。
【0323】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%同一であるLCを含む。
【0324】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%同一であるLCを含む。
【0325】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含む。
【0326】
いくつかの実施形態では、本開示はまた、配列番号88のアミノ酸配列と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一のアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0327】
いくつかの実施形態では、本開示はまた、配列番号89のアミノ酸配列と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一のアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0328】
本開示はまた、配列番号88のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合する。
【0329】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるHC、及び配列番号89のLCを含む。
【0330】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHC、及び配列番号89のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるLCを含む。
【0331】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも95%同一であるLCを含む。
【0332】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも99%同一であるLCを含む。
【0333】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも99%同一であるLCを含む。
【0334】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも95%同一であるLCを含む。
【0335】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0336】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるHC、及び配列番号85のLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0337】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0338】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0339】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0340】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0341】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0342】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0343】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるHC、及び配列番号85のLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0344】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0345】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0346】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0347】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0348】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0349】
本開示はまた、配列番号88のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0350】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるHC、及び配列番号89のLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0351】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHC、及び配列番号89のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0352】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0353】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0354】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0355】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0356】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む。
【0357】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体は、配列番号84のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるHC、及び配列番号85のLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む。
【0358】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む。
【0359】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む。
【0360】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む。
【0361】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む。
【0362】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む。
【0363】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む。
【0364】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体は、配列番号86のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるHC、及び配列番号85のLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む。
【0365】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む。
【0366】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む。
【0367】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む。
【0368】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む。
【0369】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む。
【0370】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号55のVLを含む。
【0371】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVH、及び配列番号55のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVLを含む。
【0372】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも95%同一であるVH、及び配列番号55のVLと少なくとも95%同一であるVLを含む。
【0373】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも95%同一であるVH、及び配列番号55のVLを含む。
【0374】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVH、及び配列番号55のVLと少なくとも95%同一であるVLを含む。
【0375】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも95%同一であるVH、及び配列番号55のVLと少なくとも99%同一であるVLを含む。
【0376】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも99%同一であるVH、及び配列番号55のVLと少なくとも99%同一であるVLを含む。
【0377】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも99%同一であるVH、及び配列番号55のVLと少なくとも95%同一であるVLを含む。
【0378】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号55のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0379】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号55のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0380】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVH、及び配列番号55のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0381】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも95%同一であるVH、及び配列番号55のVLと少なくとも95%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0382】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも95%同一であるVH、及び配列番号55のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0383】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVH、及び配列番号55のVLと少なくとも95%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0384】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも95%同一であるVH、及び配列番号55のVLと少なくとも99%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0385】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも99%同一であるVH、及び配列番号55のVLと少なくとも99%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0386】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも99%同一であるVH、及び配列番号55のVLと少なくとも95%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む。
【0387】
本開示はまた、配列番号88のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号54のVH及び配列番号55のVLを含む。
【0388】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体は、配列番号88のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるHC、及び配列番号89のLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号54のVH及び配列番号55のVLを含む。
【0389】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHC、及び配列番号89のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号54のVH及び配列番号55のVLを含む。
【0390】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号54のVH及び配列番号55のVLを含む。
【0391】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号54のVH及び配列番号55のVLを含む。
【0392】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号54のVH及び配列番号55のVLを含む。
【0393】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号54のVH及び配列番号55のVLを含む。
【0394】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、2つの抗原結合ドメインを含むことを含み、第1の抗原結合ドメインは、PSMAのエピトープに結合し、第2の結合ドメインは、PSMA上の異なるエピトープに結合し、
第1の抗原結合ドメインは、配列番号52のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVLを含み、
第2の抗原結合ドメインは、配列番号278のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号279のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVLを含む。
【0395】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、2つの抗原結合ドメインを含むことを含み、第1の抗原結合ドメインは、PSMAのエピトープに結合し、第2の結合ドメインは、PSMA上の異なるエピトープに結合し、
第1の抗原結合ドメインは、配列番号268と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一である重鎖、及び配列番号269と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一である軽鎖を含み、
第2の抗原結合ドメインは、配列番号282と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一である重鎖を含む。
【0396】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、2つの抗原結合ドメインを含むことを含み、第1の抗原結合ドメインは、PSMAのエピトープに結合し、第2の結合ドメインは、PSMA上の異なるエピトープに結合し、
第1の抗原結合ドメインは、配列番号284と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一である重鎖、及び配列番号269と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一である軽鎖を含み、
第2の抗原結合ドメインは、配列番号288と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一である重鎖を含む。
【0397】
半減期延長部分及びFc操作
上記の改変に加えて、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片及びそれらの機能的等価物は、他の抗体、タンパク質、抗原結合断片、又は抗体特徴を所望のように調整、変化、改善、又は緩和するために使用され得る代替的な足場にコンジュゲートされ得る。
【0398】
例えば、増加したインビボ半減期を有する抗体は、半減期延長部分、例えば、アルブミン、アルブミンバリアント、アルブミン結合タンパク質及び/又はドメイン、トランスフェリン、並びにそれらの断片及び類似体、免疫グロブリン(Ig)又はその断片、例えば、Fc領域を、本開示の抗体、抗原結合断片に結合することによって生成され得る。追加の半減期延長部分としては、所望の特性のための、ポリエチレングリコール(PEG)分子、例えば、PEG5000又はPEG20,000、異なる鎖長の脂肪酸及び脂肪酸エステル、例えば、ラウレート、ミリステート、ステアレート、アラキデート、ベヘネート、オレエート、アラキドネート、オクタン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、ドコサン二酸など、ポリリジン、オクタン、炭水化物(デキストラン、セルロース、オリゴ糖、又は多糖類)が挙げられる。これらの部分は、本開示の抗体又は抗原結合断片と直接融合させてもよく、標準的なクローニング及び発現技術によって生成され得る。
【0399】
半減期延長部分は、当該抗体若しくは抗体断片のN若しくはC末端へのコンジュゲーションを通じて、又はリジン残基上に存在するイプシロン-アミノ基を介してのいずれかで、多官能性リンカーを用いて又は用いずに、抗体、又は抗体断片若しくは誘導体に結合され得る。代替的に、周知の化学的カップリング方法を使用して、組換えで産生された本開示の抗体又は抗原結合断片にその部分を結合することができる。
【0400】
例えば、システイン残基をPSMAに結合する抗体若しくは抗原結合断片のC末端に組み込むか、又は遺伝子操作して、システインをPSMA結合部位から離れる方向に面する残基位置にし、周知の方法を使用してペギル基をシステインに結合させることによって、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片にペギル部分をコンジュゲートさせることができる。
【0401】
いくつかの実施形態では、半減期延長部分は、アルブミンである。
【0402】
いくつかの実施形態では、半減期延長部分は、アルブミン結合ドメインである。
【0403】
いくつかの実施形態では、半減期延長部分は、トランスフェリンである。
【0404】
いくつかの実施形態では、半減期延長部分は、ポリエチレングリコールである。
【0405】
いくつかの実施形態では、半減期延長部分は、Ig定常領域又はIg定常領域の断片である。
【0406】
いくつかの実施形態では、半減期延長部分は、Igである。
【0407】
いくつかの実施形態では、半減期延長部分は、Igの断片である。
【0408】
いくつかの実施形態では、半減期延長部分は、Ig定常領域である。
【0409】
いくつかの実施形態では、半減期延長部分は、Ig定常領域の断片である。
【0410】
いくつかの実施形態では、半減期延長部分は、Fc領域である。
【0411】
本開示の抗体又はその抗原結合断片中に存在するIg定常領域又はIg定常領域の断片、例えば、Fc領域は、任意のアロタイプ又はアイソタイプ、すなわち、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA、及びIgEのものであり得る。
【0412】
いくつかの実施形態では、Ig定常領域又はIg定常領域の断片は、IgG1アイソタイプである。
【0413】
いくつかの実施形態では、Ig定常領域又はIg定常領域の断片は、IgG2アイソタイプである。
【0414】
いくつかの実施形態では、Ig定常領域又はIg定常領域の断片は、IgG3アイソタイプである。
【0415】
いくつかの実施形態では、Ig定常領域又はIg定常領域の断片は、IgG4アイソタイプである。
【0416】
アロタイプは結合又はFc媒介性エフェクター機能などのIg定常領域の特性に影響を与えないことが予想される。断片のIg定常領域を含む治療用タンパク質の免疫原性は、輸注反応のリスク増大及び治療応答の期間短縮と関連している(Baert et al.,(2003)N Engl J Med 348:602-08)。断片のIg定常領域を含む治療用タンパク質が宿主において免疫応答を誘導する程度は、Ig定常領域のアロタイプによってある程度決定され得る(Stickler et al.,(2011)Genes and Immunity 12:213-21)。Ig定常領域のアロタイプは、抗体の定常領域配列における特定の位置のアミノ酸配列の変異に関連する。
【0417】
本開示の抗体又はその抗原結合断片、及びそれらの機能的等価物は、Ig定常領域又はIg定常領域の断片にコンジュゲートされて、抗体又は抗原結合断片のエフェクター機能、例えば、ADCC、ADCP、及び/若しくはADCP、並びに/又は薬物動態特性を調節することができる。これは、変異したFcの活性化FcγRs(FcγRI、FcγRIIa、FcγRIII)、FcγRIIb、及び/又はFcRnへの結合を調節する変異をFcに導入することによって達成可能である。
【0418】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、Ig定常領域において又はIg定常領域の断片において少なくとも1つの変異を含むIg定常領域又はIg定常領域の断片にコンジュゲートされる。
【0419】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの変異は、Fc領域にある。
【0420】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、Ig定常領域に又はIg定常領域の断片にコンジュゲートされ、Fc領域に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個の変異を含む。
【0421】
新生児Fc受容体(FcRn)は、IgGの細胞輸送及び血清半減期において中心的な役割を果たす。いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、FcRnへの抗体又は抗原結合断片の結合を調節し、かつ抗体又は抗原結合断片の半減期を調節する、Fc領域における少なくとも1つの変異を含む、Ig定常領域に又はIg定常領域の断片にコンジュゲートされる。
【0422】
いくつかの実施形態では、Ig定常領域又は第1のIg定常領域の断片は、単離抗体又はその抗原結合断片の半減期を調節する少なくとも1つの変異を含む。
【0423】
半減期(例えば、FcRnへの結合)を調節するために変異させることが可能なFcの位置としては、位置250、252、253、254、256、257、307、376、380、428、434、及び435が挙げられる。単独で、又は組み合わせで行われ得る例示的な変異は、変異T250Q、M252Y、I253A、S254T、T256E、P257I、T307A、D376V、E380A、M428L、H433K、N434S、N434A、N434H、N434F、H435A、及びH435Rである。抗体の半減期を増加させるように行われ得る例示的な単独で又は組み合わせでの変異は、変異M428L/N434S、M252Y/S254T/T256E、T250Q/M428L、N434A及びT307A/E380A/N434Aである。いくつかの実施形態では、本開示の抗体又はその抗原結合断片、及びそれらの機能的等価物の半減期を調節する少なくとも1つの変異は、H435A、P257I/N434H、D376V/N434H、M252Y/S254T/T256E/H433K/N434F、T308P/N434A、及びH435Rからなる群から選択され、残基番号付けは、EUインデックスに従う。
【0424】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、M252Y/S254T/T256E変異を含むIg定常領域に又はIg定常領域の断片にコンジュゲートされる。
【0425】
いくつかの実施形態では、本開示の抗体又は抗原結合断片、及びそれらの機能的等価物は、活性化Fcγ受容体(FcγR)へのタンパク質の結合を低減し、かつ/又はC1q結合、補体依存性細胞毒性(complement dependent cytotoxicity、CDC)、抗体依存性細胞媒介細胞毒性(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity、ADCC)、若しくは貪食作用(antibody-dependent cell-mediated phagocytosis、ADCP)などのFcエフェクター機能を低減する、Fc領域における少なくとも1つの変異を含む、Ig定常領域に又はIg定常領域の断片にコンジュゲートされる。
【0426】
活性化FcγRへのタンパク質の結合を低減させ、続いて、エフェクター機能を低減させるために変異させ得るFc位置としては、位置214、233、234、235、236、237、238、265、267、268、270、295、297、309、327、328、329、330、331、及び365が挙げられる。単独で、又は組み合わせで行われ得る例示的な変異は、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4における、変異K214T、E233P、L234V、L234A、G236の欠失、V234A、F234A、L235A、G237A、P238A、P238S、D265A、S267E、H268A、H268Q、Q268A、N297A、A327Q、P329A、D270A、Q295A、V309L、A327S、L328F、A330S、及びP331Sである。ADCCが低減したタンパク質をもたらす例示的な組み合わせの変異は、IgG1におけるL234A/L235A、IgG1におけるL234A/L235A/D265S、IgG2におけるV234A/G237A/P238S/H268A/V309L/A330S/P331S、IgG4におけるF234A/L235A、IgG4におけるS228P/F234A/L235A、全てのIgアイソタイプにおけるN297A、IgG2におけるV234A/G237A、IgG1におけるK214T/E233P/L234V/L235A/G236欠失/A327G/P331A/D365E/L358M、IgG2におけるH268Q/V309L/A330S/P331S、IgG1におけるS267E/L328F、IgG1におけるL234F/L235E/D265A、IgG1におけるL234A/L235A/G237A/P238S/H268A/A330S/P331S、IgG4におけるS228P/F234A/L235A/G237A/P238S、及び、IgG4におけるS228P/F234A/L235A/G236欠失/G237A/P238Sの変異である。また、IgG2由来の残基117~260及びIgG4由来の残基261~447を有するFcなどのハイブリッドIgG2/4 Fcドメインを使用してもよい。
【0427】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、IgG1重鎖定常領域又はIgG1重鎖定常領域の断片にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、IgG1重鎖定常領域は、FcγRへの抗体の低減された結合をもたらす少なくとも1つの変異を含む。いくつかの実施形態では、FcγRへの抗体の低減された結合をもたらす少なくとも1つの変異は、F234A/L235A、L234A/L235A、L234A/L235A/D265S、V234A/G237A/P238S/H268A/V309L/A330S/P331S、F234A/L235A、S228P/F234A/L235A、N297A、V234A/G237A、K214T/E233P/L234V/L235A/G236欠失/A327G/P331A/D365E/L358M、H268Q/V309L/A330S/P331S、S267E/L328F、L234F/L235E/D265A、L234A/L235A/G237A/P238S/H268A/A330S/P331S、S228P/F234A/L235A/G237A/P238S、及びS228P/F234A/L235A/G236欠失/G237A/P238Sからなる群から選択され、残基番号付けは、EUインデックスに従う。
【0428】
いくつかの実施形態では、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、以下の変異:L234A_L235A_D265Sを含む。
【0429】
いくつかの実施形態では、FcγRは、FcγRI、FcγRIIA、FcγRIIB、若しくはFcγRIII、又はそれらの任意の組み合わせである。
【0430】
いくつかの実施形態では、本開示の抗体又は抗原結合断片、及びそれらの機能的等価物は、Fcγ受容体(FcγR)へのタンパク質の結合を増強し、かつ/又はC1q結合、補体依存性細胞毒性(CDC)、抗体依存性細胞媒介細胞毒性(ADCC)、及び/若しくは貪食作用(ADCP)などのFcエフェクター機能を増強する、Fc領域における少なくとも1つの変異を含むIg定常領域に又はIg定常領域の断片にコンジュゲートされる。
【0431】
活性化FcγRへのタンパク質の結合を増加させ、かつ/又はFcエフェクター機能を増強するために変異させることが可能なFc位置としては、位置236、239、243、256,290、292,298、300、305、312、326、330、332、333、334、345、360、339、378、396、又は430(EUインデックスに従う残基番号付け)が挙げられる。単一で又は組み合わせて行われ得る例示的な変異は、G236A、S239D、F243L、T256A、K290A、R292P、S298A、Y300L、V305L、K326A、A330K、I332E、E333A、K334A、A339T及びP396Lである。ADCC又はADCPが増加したタンパク質をもたらす例示的な組み合わせの変異は、S239D/I332E、S298A/E333A/K334A、F243L/R292P/Y300L、F243L/R292P/Y300L/P396L、F243L/R292P/Y300L/V305I/P396L及びG236A/S239D/I332Eである。
【0432】
CDCを増強させるように変異され得るFc位置としては、位置267、268、324、326、333、345及び430が挙げられる。単一で又は組み合わせで行われ得る例示的な変異は、S267E、F1268F、S324T、K326A、K326W、E333A、E345K、E345Q、E345R、E345Y、E430S、E430F及びE430Tである。CDCが増加したタンパク質をもたらす例示的な組み合わせの変異は、K326A/E333A、K326W/E333A、H268F/S324T、S267E/H268F、S267E/S324T、及びS267E/H268F/S324Tである。
【0433】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0434】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0435】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0436】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0437】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVH、及び配列番号53のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0438】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも95%同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも95%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0439】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも95%同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも99%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0440】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも99%同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも99%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0441】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号52のVHと少なくとも99%同一であるVH、及び配列番号53のVLと少なくとも95%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0442】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0443】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号54のVH及び配列番号55のVLを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0444】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号55のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0445】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVH、及び配列番号55のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0446】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVH、及び配列番号55のVLと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0447】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも95%同一であるVH、及び配列番号55のVLと少なくとも95%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0448】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも95%同一であるVH、及び配列番号55のVLと少なくとも99%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0449】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも99%同一であるVH、及び配列番号55のVLと少なくとも99%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0450】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号54のVHと少なくとも99%同一であるVH、及び配列番号55のVLと少なくとも95%同一であるVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0451】
いくつかの実施形態では、本開示はまた、配列番号84のアミノ酸配列と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合し、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0452】
いくつかの実施形態では、本開示はまた、配列番号85のアミノ酸配列と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合し、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0453】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0454】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるHC、及び配列番号85のLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0455】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0456】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0457】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0458】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0459】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、以下のL234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0460】
いくつかの実施形態では、本開示はまた、配列番号86のアミノ酸配列と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、PSMAに結合し、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0461】
いくつかの実施形態では、本開示はまた、配列番号85のアミノ酸配列と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるアミノ酸配列を含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又はその抗原結合断片は、PSMAに結合し、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0462】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0463】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるHC、及び配列番号85のLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0464】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0465】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0466】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0467】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0468】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、以下のL234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0469】
本開示はまた、配列番号88のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0470】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるHC、及び配列番号89のLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0471】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHC、及び配列番号89のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%)同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0472】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0473】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも95%同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0474】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも99%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0475】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHCと少なくとも99%同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、以下のL234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0476】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0477】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも100%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0478】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも100%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0479】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0480】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0481】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0482】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0483】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0484】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも100%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0485】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも100%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0486】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0487】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0488】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0489】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号4、5、6、7、8、及び9のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0490】
本開示はまた、配列番号88のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0491】
本開示はまた、配列番号88のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも100%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0492】
本開示はまた、配列番号88のHCと少なくとも100%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0493】
本開示はまた、配列番号88のHCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0494】
本開示はまた、配列番号88のHCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0495】
本開示はまた、配列番号88のHCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0496】
本開示はまた、配列番号88のHCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号10、11、12、13、14、及び15のそれぞれHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0497】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0498】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0499】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号84のHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0500】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0501】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0502】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0503】
本開示はまた、配列番号84のHCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0504】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0505】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0506】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0507】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0508】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0509】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0510】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0511】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0512】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0513】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号86のHC、及び配列番号85のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0514】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0515】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0516】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0517】
本開示はまた、配列番号86のHCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号85のLCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0518】
本開示はまた、配列番号88のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号54のVH及び配列番号55のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0519】
本開示はまた、配列番号88のHCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号54のVH及び配列番号55のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0520】
いくつかの実施形態では、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、配列番号88のHC、及び配列番号89のLCと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含み、抗体又は抗原結合断片は、配列番号54のVH及び配列番号55のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0521】
本開示はまた、配列番号88のHCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号54のVH及び配列番号55のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0522】
本開示はまた、配列番号85のHCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号54のVH及び配列番号55のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0523】
本開示はまた、配列番号88のHCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号54のVH及び配列番号55のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0524】
本開示はまた、配列番号88のHCと少なくとも99%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるHC、及び配列番号89のLCと少なくとも95%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%)同一であるLCを含む単離抗体又はその抗原結合断片を提供し、抗体又は抗原結合断片は、配列番号54のVH及び配列番号55のVLを含み、抗体又は抗原結合断片は、IgG1(例えば、IgG1λ)であり、任意選択的に、第1のIg定常領域若しくは第1のIg定常領域の断片、及び/又は第2のIg定常領域若しくは第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含み、例えば、第1のIg定常領域又は第1のIg定常領域の断片、及び第2のIg定常領域又は第2のIg定常領域の断片は、L234A_L235A_D265S及び/又はM252Y/S254T/T256E変異を含む。
【0525】
ポリヌクレオチド
本開示の抗PSMA抗体又は抗原結合断片をコードするポリヌクレオチド及びそれらの機能的等価物も提供される。本開示は、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片のいずれかをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0526】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号52のVHをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0527】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号54のVHをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0528】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号56のVHをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0529】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号58のVHをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0530】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号60のVHをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0531】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号62のVHをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0532】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号64のVHをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0533】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号66のVHをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0534】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号278のVHをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0535】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号53のVLをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0536】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号55のVLをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0537】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号57のVLをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0538】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号59のVLをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0539】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号61のVLをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0540】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号63のVLをコードする単離ポリヌクレオチドを含む。
【0541】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号65のVLをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0542】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号67のVLをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0543】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号279のVLをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0544】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号84の重鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0545】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号86の重鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0546】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号88の重鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0547】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号90の重鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0548】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号92の重鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0549】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号94の重鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0550】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号96の重鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0551】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号98の重鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0552】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号100の重鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0553】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号102の重鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0554】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号268の重鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0555】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号282の重鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0556】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号284の重鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0557】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号288の重鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0558】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号85の軽鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0559】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号89の軽鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0560】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号93の軽鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0561】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号95の軽鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0562】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号97の軽鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0563】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号99の軽鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0564】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号101の軽鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0565】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号103の軽鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0566】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号269の軽鎖をコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0567】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号52及び53のポリペプチド配列をコードする単離ポリヌクレオチド配列を提供する。
【0568】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号84及び85のポリペプチド配列をコードする単離ポリヌクレオチド配列を提供する。
【0569】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号86及び85のポリペプチド配列をコードする単離ポリヌクレオチド配列を提供する。
【0570】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号54及び55のポリペプチド配列をコードする単離ポリヌクレオチド配列を提供する。
【0571】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号88及び89のポリペプチド配列をコードする単離ポリヌクレオチド配列を提供する。
【0572】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号52、53、278、及び279のポリペプチド配列をコードする単離ポリヌクレオチド配列を提供する。
【0573】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号268、269、及び282のポリペプチド配列をコードする単離ポリヌクレオチド配列を提供する。
【0574】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号284、269、及び288のポリペプチド配列をコードする単離ポリヌクレオチド配列を提供する。
【0575】
いくつかの実施形態では、本開示は、配列番号68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、104、105、106、108、109、110、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、134、135、270、271、280、281、283、286、又は289の単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0576】
本開示の抗PSMA抗体又は抗原結合断片をコードするポリヌクレオチドは、本開示のポリヌクレオチドの核酸配列と実質的に同じである核酸配列を有するポリヌクレオチドを含む。「実質的に同じ」核酸配列は、本明細書では、2つの配列を整列させた場合に別の核酸配列に対して少なくとも80%の同一性を有する配列として定義される。2つの核酸配列は、第1の核酸によってコードされているポリペプチドが第2の核酸によってコードされているポリペプチドと免疫学的に交差反応性である場合、実質的に同一である。2つの核酸配列が実質的に同一である別の指標は、2つの分子がストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズすることである。
【0577】
修飾ヌクレオチドを使用して、本開示のポリヌクレオチドを生成することができる。例示的な改変ヌクレオチドは、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、N-置換アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、ベータ-D-マンノシルキューオシン、5’’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ウィブトキソシン(wybutoxosine)、シュードウラシル、キューオシン、ベータ-D-ガラクトシルキューオシン、イノシン、N-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、及び2,6-ジアミノプリンである。
【0578】
抗PSMA抗体をコードするポリヌクレオチドを含むベクター
本開示の抗PSMA抗体又は抗原結合断片をコードするDNAを含むベクターも提供される。開示されるベクターは、例えば、上記で開示される抗PSMA抗体又はその抗原結合断片のいずれかを生成するために使用され得る。本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片のいずれかをコードするポリヌクレオチドは、標準的な分子生物学的方法を使用してベクターに組み込まれ得る。
【0579】
いくつかの実施形態では、本開示は、本発明のポリヌクレオチドを含む発現ベクターを提供する。このようなベクターは、プラスミドベクター、ウイルスベクター、バキュロウイルス発現用ベクター、トランスポゾンベースのベクター、又は任意の手段によって所与の生物又は遺伝的バックグラウンドに本発明の合成ポリヌクレオチドを導入するのに好適な任意の他のベクターであってよい。本開示のベクターは、PSMA抗体ポリペプチドの効率的な合成、並びに酵母及び哺乳動物細胞培養物を含むがこれらに限定されない原核生物系及び真核生物系における本開示のPSMA抗体ポリペプチドの発現のための発現ベクターであり得る。
【0580】
使用され得る例示的なベクターは、細菌:pBs、phagescript、PsiX174、pBluescript SK、pBs KS、pNH8a、pNH16a、pNH18a、pNH46a(Stratagene、La Jolla,Calif.,USA);pTrc99A、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、及びpRIT5(Pharmacia、Uppsala,Sweden)。真核生物:pWLneo、pSV2cat、pOG44、PXR1、pSG(Stratagene)pSVK3、pBPV、pMSG及びpSVL(Pharmacia)、pEE6.4(Lonza)並びにpEE12.4(Lonza)である。追加のベクターとしては、pUCシリーズ(Fermentas Life Sciences、Glen Burnie,Md.)、pBluescriptシリーズ(Stratagene、LaJolla,Calif.)、pETシリーズ(Novagen、Madison,Wis.)、pGEXシリーズ(Pharmacia Biotech、Uppsala,Sweden)、及びpEXシリーズ(Clontech、Palo Alto,Calif.)が挙げられる。λGT10、λGT11、λEMBL4、及びλNM1149、λZapII(Stratagene)などのバクテリオファージベクターを使用することができる。例示的な植物発現ベクターとしては、pBI01、pBI01.2、pBI121、pBI101.3、及びpBIN19(Clontech)が挙げられる。例示的な動物発現ベクターとしては、pEUK-Cl、pMAM、及びpMAMneo(Clontech)が挙げられる。発現ベクターは、ウイルスベクター、例えば、レトロウイルスベクター、例えば、ガンマレトロウイルスベクターであり得る。
【0581】
本開示のベクターは、プロモーター及びエンハンサー配列を含有し得る。本開示のPSMA結合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、PSMA結合タンパク質の発現を確実にする発現ベクター中の制御配列に動作可能に連結され得る。そのような調節エレメントとしては、転写プロモーター、好適なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、並びに転写及び翻訳の終了を制御する配列を挙げることができる。発現ベクターはまた、1つ若しくは2つ以上の非転写エレメント、例えば、複製起点、発現する遺伝子に連結された好適なプロモーター及びエンハンサー、他の5’若しくは3’隣接非転写配列、5’若しくは3’非翻訳配列(例えば、必須リボソーム結合部位)、ポリアデニル化部位、スプライスドナー及びアクセプタ部位、又は転写終結配列を含み得る。宿主において複製する能力を付与する複製の起点もまた、組み込まれ得る。
【0582】
本開示のベクターはまた、1つ又は2つ以上の内部リボソーム侵入部位(Internal Ribosome Entry Site、IRES)を含有してもよい。IRES配列を融合ベクターに含めることは、一部のタンパク質の発現を増強させるのに有益であり得る。いくつかの実施形態では、ベクター系は、1つ又は2つ以上のポリアデニル化部位(例えば、SV40)を含み、その部位は、前述の核酸配列のうちいずれかの上流又は下流にあってもよい。ベクターの成分は、近接して連結されてもよいか、又は遺伝子産物を発現させるのに最適な間隔を提供するように(すなわち、ORF間に「スペーサー」ヌクレオチドを導入することにより)配置されてもよいか、又は別の方式で位置付けられてもよい。また、調節エレメント、例えば、IRESモチーフが、発現に最適な間隔を提供するように配置されてもよい。
【0583】
本開示のベクターは、環状であっても線形であってもよい。これらは、原核生物又は真核生物の宿主細胞において機能的な複製系を含有するように調製され得る。複製系は、例えば、ColE1、SV40、2μプラスミド、λ、ウシパピローマウイルスなどに由来してもよい。
【0584】
組換え発現ベクターは、一過性の発現のため、安定な発現のためのいずれか、又はその両方のために設計され得る。また、組換え発現ベクターは、構成的発現又は誘導性発現のために作製され得る。
【0585】
ベクターはまた、当技術分野において周知の選択マーカーを含んでいてもよい。選択マーカーは、陽性及び陰性選択マーカーを含む。マーカー遺伝子は、殺生物剤耐性(例えば、抗生物質、重金属などに対する耐性)、栄養要求性宿主における原栄養を提供するための補完などを含む。例示的なマーカー遺伝子としては、抗生物質耐性遺伝子(例えば、ネオマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、ペニシリン耐性遺伝子、ヒスチジノール耐性遺伝子、ヒスチジノール×耐性遺伝子)、グルタミン合成酵素遺伝子、ガンシクロビル選択用のHSV-TK、HSV-TK誘導体、又は6-メチルプリン選択用の細菌プリンヌクレオシドホスホリラーゼ遺伝子が挙げられる(Gadi et al.,7 Gene Ther.1738-1743(2000))。選択マーカーをコードする核酸配列又はクローニング部位は、目的のポリペプチドをコードする核酸配列又はクローニング部位の上流にあっても下流にあってもよい。
【0586】
宿主細胞
本開示はまた、本開示のベクターのいずれかを含む宿主細胞を提供する。「宿主細胞」は、ベクターが導入されている細胞を指す。宿主細胞という用語は、特定の対象細胞だけでなく、そのような細胞の後代、また特定の対象細胞から生成された安定な細胞株も指すことを意図すると理解される。変異又は環境による影響のいずれかに起因して、後続世代においてある特定の改変が生じ得るため、そのような後代は、親細胞と同一ではないことがあるが、本明細書で使用される場合「宿主細胞」という用語の範囲内には依然として含まれる。そのような宿主細胞は、真核細胞、原核細胞、植物細胞、又は古細菌細胞であってもよい。原核宿主細胞の例は、Escherichia coli、Bacillus subtilisなどの桿菌、及びサルモネラ、セラチア、及び様々なシュードモナス種などの他の腸内細菌科である。酵母などの他の微生物も発現に有用である。好適な酵母宿主細胞の例は、サッカロミセス(Saccharomyces)(例えば、S.セレビジアエ(S.cerevisiae))及びピキア(Pichia)である。例示的な真核細胞は、哺乳動物、昆虫、鳥類、又は他の動物由来のものであってもよい。哺乳類真核細胞としては、SP2/0(American Type Culture Collection(ATCC),Manassas,VA,CRL-1581)、NS0(European Collection of Cell Cultures(ECACC),Salisbury,Wiltshire,UK,ECACC No.85110503)、FO(ATCC CRL-1646)、及びAg653(ATCC CRL-1580)ネズミ細胞株などのハイブリドーマ又は骨髄腫の細胞株などの不死化細胞株が挙げられる。例示的なヒト骨髄腫細胞株は、U266(ATTC CRL-TIB-196)である。他の有用な細胞株としては、CHO-K1SV(Lonza Biologics(Walkersville,MD))、CHO-K1(ATCC CRL-61)、又はDG44などの、チャイニーズハムスターの卵巣(Chinese Hamster Ovary、CHO)細胞に由来するものが挙げられる。
【0587】
本開示は、本開示の発現ベクターのいずれかを含有する組換え宿主細胞を提供する。PSMA結合タンパク質又はその断片のいずれかをコードする核酸は、好適な哺乳動物宿主細胞の形質転換のために使用され得る。宿主細胞の形質転換、培養、抗体発現、及び精製は、周知の方法を使用して行われる。
【0588】
細胞株は、目的のPSMA抗体の高レベルの発現及び宿主細胞タンパク質からの最小限の混入に基づいて選択され得る。発現のための宿主細胞として利用可能な哺乳動物細胞株は、当該分野で周知されており、チャイニーズハムスター卵巣(Chinese Hamster Ovary、CHO)細胞、例えば、CHO-K1SV(Lonza Biologics,Walkersville,MD)、CHO-K1(ATCC CRL-61)、又はCHO DG44、及びベビーハムスター腎臓(Baby Hamster Kidney、BHK)細胞由来が挙げられるが、これらに限定されない。これらの細胞株は、抗体の発現に好適な条件下で細胞を培養し、宿主細胞又は宿主細胞周辺の培地から抗体を精製することによって、本開示の抗PSMA抗体又は抗体断片のいずれかを産生するために使用され得る。
【0589】
本開示はまた、抗PSMA結合タンパク質が発現する条件下で本開示の宿主細胞を培養することと、当該技術分野で周知の方法を使用して、宿主細胞によって産生された抗PSMA抗体結合タンパク質を回収することと、を含む、本開示の抗PSMA結合タンパク質を産生する方法も提供する。対象タンパク質は、実質的に純粋、例えば、純度が少なくとも約80%~85%、純度が少なくとも約85%~90%、純度が少なくとも約90%~95%、又は純度が少なくとも約98%~99%、若しくはそれ以上であってよく、例えば、細胞残屑、対象タンパク質以外の巨大分子などの夾雑物を含んでいなくてよい。
【0590】
放射性コンジュゲート及び抗体薬物コンジュゲート
本開示はまた、本開示の抗PSMA抗体を含む抗体薬物コンジュゲート(antibody drug conjugate、ADC)及び放射性コンジュゲートを提供する。ある特定の実施形態では、本開示の抗体又はその抗原結合断片は、医薬的に活性な部分又は診断用部分とコンジュゲートされて、「抗体薬物コンジュゲート」(ADC)又は「放射性コンジュゲート」を形成し得る。本開示のADC又は放射性コンジュゲートは、細胞毒素又は他のペイロードを標的位置に送達するために使用され得る。
【0591】
本明細書で使用される場合、「抗体薬物コンジュゲート」という用語は、広義に使用され、任意の医薬的に活性な部分、治療部分、毒素、又は薬物などの第2の分子にコンジュゲートされた(例えば、共有会合した)抗体又はその抗原結合断片を指す。
【0592】
本明細書で使用される場合、「標的化リガンド」という用語は、選択された標的、例えば、抗原、細胞、細胞種、組織、器官、身体の領域、又はコンパートメント(例えば、細胞、組織、又は器官コンパートメント)に対する増強された親和性を提供する任意の分子を指す。標的化リガンドとしては、抗体又はその抗原結合断片、アプタマー、ポリペプチド及び足場タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、抗体若しくはその抗原結合断片、操作ドメイン、又は足場タンパク質である。標的化リガンドは、当該標的化リガンドによって認識される標的によって定義される特定の部位にペイロードを送達するためのシャトルとして機能し得る。例えば、受容体を標的とする標的化リガンドは、当該受容体の存在量を特徴とする部位にそのペイロードを送達する。本開示では、標的化リガンドは、医薬活性部分にコンジュゲートされ、PSMAの存在量を特徴とする部位にペイロードを送達することができる抗PSMA抗体又はその断片である。
【0593】
本明細書で使用される場合、「ペイロード」という用語は、化学的に合成され得る低分子量分子又は化学的実体、及び宿主細胞の発酵によって産生される必要があり、標的又は抗原への結合に特異的な標的化リガンドに新規の機能性を付与するより大きな分子又は生物学的実体を含む、任意の天然に存在するか又は合成的に生成された分子を表す。ペイロードの例としては、部位特異的にコンジュゲートされた抗体薬物コンジュゲート(ADC)の生成のための、薬物、毒素、サイトカイン、マーカー、オリゴヌクレオチド、アンチセンス、低分子干渉RNAオリゴヌクレオチド(small interfering RNA、siRNA)などが挙げられるが、これらに限定されない。ペイロードはまた、以下に記載されるような放射性金属錯体又は放射性金属イオンであり得る。
【0594】
本明細書で使用される場合、「薬物」又は「弾頭」という用語は、互換的に使用され得、以下に記載されるような抗癌剤を含む、生物学的に活性な又は検出可能な分子又は化合物を意味する。「ペイロード」は、任意選択的なリンカー化合物と組み合わせて薬物又は弾頭を含み得る。コンジュゲート上の弾頭は、ペプチド、タンパク質、インビボで活性剤に代謝されるプロドラッグ、ポリマー、核酸分子、小分子、結合剤、模倣剤、合成薬物、無機分子、有機分子、及び放射性同位体を含み得る。いくつかの実施形態では、開示されるADC又は放射性コンジュゲートは、ペイロードを放出及び活性化する前に、結合したペイロードを比較的非反応性の非毒性状態で標的部位に指向させる。ペイロードのこの標的化された放出は、好ましくは、以下に記載されるような残基特異的又は部位特異的コンジュゲーションを介したペイロード、及び過剰にコンジュゲートされた毒性種を最小化するADC又は放射性コンジュゲート調製物の比較的均質な組成物の安定したコンジュゲーションを通して達成される。
【0595】
いくつかの実施形態では、本開示は、治療部分(例えば、細胞毒素)のペイロード、又は診断薬剤などの他のペイロードを含む。選択されたペイロードは、抗体に共有連結又は非共有連結することができ、コンジュゲーションに影響を及ぼすために使用される方法に少なくとも部分的に依存して、様々な化学量論的モル比を示すことができる。
【0596】
本開示のコンジュゲートは、式:
Ab-[L-D]n又はその医薬的に許容される塩によって表し得、式中、
a)Abは、本明細書に開示される抗PSMA抗体又はその抗原結合断片を含み、
b)Lは、任意選択的なリンカーを含み、
c)Dは、薬物部分又はキレータを含み、
d)nは、約1~約20の整数である。
【0597】
当業者は、前述の式に従うコンジュゲートが、いくつかの異なるリンカー及び薬物を使用して作製され得ること、並びにコンジュゲーション方法論が、成分の選択に依存して変化することを理解する。
【0598】
リンカー
いくつかの実施形態では、本開示の(ADC)及び放射性コンジュゲートは、本開示の抗PSMA抗体及びその抗原結合断片を薬物部分又はキレータに連結するリンカーを含む。
【0599】
本明細書で使用される場合、「リンカー」という用語は、化合物(キレータ又は薬物など)を求核部分、求電子部分、標的化リガンド又は抗体若しくはその抗原結合ドメインに結合する化学部分を指す。本開示を考慮して当業者に既知の任意の好適なリンカーは、本開示の抗体を関連する薬物又はキレータにコンジュゲートするために使用することができる。好ましくは、リンカーは、抗体の反応性残基と共有結合する。したがって、選択された抗体残基と反応し、本開示の比較的安定したコンジュゲート(部位特異的又はそれ以外)を提供するために使用することができる任意のリンカーは、本明細書の教示に適合する。理想的には、リンカーは、薬物が腫瘍部位に送達されたら、薬物を大部分放出するように設計され、非標的化細胞及び組織の細胞毒性薬物への曝露を最小限にすることによって望ましくない非特異的毒性を実質的に低減し、それによって治療指数の増強を提供する。
【0600】
リンカーは、例えば、置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換ヘテロアルキル部分、置換若しくは非置換アリール若しくはヘテロアリール、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)リンカー、ペプチドリンカー、糖ベースのリンカー、又は切断可能なリンカー、例えば、ジスルフィド結合又はプロテアーゼ切断部位、例えば、バリン-シトルリン-p-アミノベンジルオキシカルボニル(PAB)を含むことができる。リンカーは、1つ又は2つ以上のリンカー成分で構成され得る。例示的なリンカー成分としては、6-マレイミドカプロイル(maleimidocaproyl、「MC」)、マレイミドプロパノイル(maleimidopropanoyl、「MP」)、バリン-シトルリン(valine-citrulline、「val-cit」)、アラニン-フェニルアラニン(alanine-phenylalanine、「alaphe」)、p-アミノベンジルオキシカルボニル(p-aminobenzyloxycarbonyl、「PAB」)、N-スクシンイミジル4-(2-ピリジルチオ)ペンタノエート(N-Succinimidyl 4-(2-pyridylthio)pentanoate、「SPP」)、N-スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1カルボキシレート(N-Succinimidyl 4-(N-maleimidomethyl)cyclohexane-1 carboxylate、「SMCC」)、及びN-スクシンイミジル(4-ヨード-アセチル)アミノベンゾエート(N-Succinimidyl(4-iodo-acetyl)aminobenzoate、「SIAB」)が挙げられる。
【0601】
いくつかの実施形態では、リンカーは、バリン-シトルリン-p-アミノベンジルオキシカルボニル(「vc-PAB」)である。いくつかの実施形態では、リンカーは、アミノ酸残基を含み得る。例示的なアミノ酸リンカー成分としては、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、又はペンタペプチドが挙げられる。例示的なジペプチドとしては、バリン-シトルリン(vc又はval-cit)、アラニン-フェニルアラニン(af又はala-phe)が挙げられる。例示的なトリペプチドとしては、グリシン-バリン-シトルリン(glycine-valine-citrulline、gly-val-cit)及びグリシン-グリシン-グリシン(glycine-glycine-glycine、gly-gly-gly)が挙げられる。アミノ酸リンカー成分を含むアミノ酸残基は、天然に存在するもの、並びに微量アミノ酸及びシトルリンなどの天然に存在しないアミノ酸類似体を含む。アミノ酸リンカー成分は、特定の酵素、例えば、腫瘍関連プロテアーゼ、カテプシンB、C、及びD、又はプラスミンプロテアーゼによる酵素的切断に対するそれらの選択性において設計及び最適化することができる。
【0602】
本開示での使用に好適な例示的なリンカー構造としてはまた、以下が挙げられるが、これらに限定されず、
【0603】
【化5】
式中、mは、0~12の整数である。
【0604】
好ましい実施形態では、適合性リンカーは、細胞外環境においてADC又は放射性コンジュゲートに安定性を付与し、ADC分子又は放射性コンジュゲートの凝集を防止し、ADC及び放射性コンジュゲートを水性媒体中及びモノマー状態で自由に可溶性に保つ。細胞への輸送又は送達の前に、ADC又は放射性コンジュゲートは、好ましくは、安定かつ無傷のままである、すなわち、抗体は、薬物部分に連結されたままである。リンカーは、標的細胞の外側で安定しているが、それらは、細胞の内側である有効な速度で切断又は分解されるように設計される。したがって、有効なリンカーは、(i)抗体の特異的結合特性を維持し、(ii)コンジュゲート又は薬物部分の細胞内送達を可能にし、(iii)コンジュゲートがその標的部位に送達又は輸送されるまで、安定かつ無傷のままであり、すなわち、切断又は分解されず、(iv)薬物部分の細胞毒性、細胞死滅効果、又は細胞増殖抑制効果を維持する。
【0605】
ADC又は放射性コンジュゲートの安定性は、質量分光法、疎水性相互作用クロマトグラフィー(hydrophobic interaction chromatography、HIC)、HPLC、及び分離/分析技術LC/MSなどの標準的な分析技術によって測定され得る。
【0606】
細胞毒性剤及び薬物
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、1つ又は2つ以上の治療部分又は薬物、例えば、細胞毒性剤、細胞増殖抑制剤、抗血管新生剤、デバルキング剤、化学治療剤、放射線治療剤、標的化抗癌剤、生物学的応答改変剤、癌ワクチン、サイトカイン、ホルモン療法、オリゴヌクレオチド、アンチセンス、siRNA、抗転移剤、及び免疫治療剤が挙げられるが、これらに限定されない抗癌剤にコンジュゲートされる。
【0607】
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、1つ又は2つ以上の細胞毒性剤にコンジュゲートされる。細胞毒性剤の例としては、化学治療剤又は薬物、成長阻害剤、毒素(例えば、タンパク質毒素、細菌、真菌、植物、若しくは動物由来の酵素活性を有する毒素、又はそれらの断片)、及び放射性同位体が挙げられる。例示的な毒素としては、ジフテリア毒素などの細菌毒素、リシンなどの植物毒素、ゲルダナマイシンなどの小分子毒素(Mandler et al(2000)Jour,of the Nat.Cancer Inst.92(19):1573-1581、Mandler et al(2000)Bioorganic&Med.Chem.Letters10:1025-1028、Mandler et al(2002)Bioconjugate Chem.13:786-791)、メイタンシノイド(欧州特許第1391213号、Liu et al.,(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:8618-8623)、及びカリチアマイシン(Lode et al(1998)Cancer Res.58:2928、Hinman et al(1993)Cancer Res.53:3336-3342)が含まれるが、これらに限定されない。毒素は、チューブリン結合、DNA結合、又はトポイソメラーゼ阻害を含む機序によってその細胞毒性又は細胞増殖抑制効果を達成し得る。いくつかの細胞毒性薬物は、不活性であるか又は活性が低い傾向がある。使用され得る酵素活性毒素及びその断片は、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の未結合活性断片、エキソトキシンA鎖(Pseudomonas aeruginosaからの}、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ-サルシン、シナアブラギリ(Aleuritesfordii)タンパク質、ジアンチンタンパク質、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP-S)、ニガウリ(momordica charantia)阻害剤、クルシン、クロチン、サボン草(sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、マイトジェリン(mitogellin)、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、並びにトリコテセン(tricothecenes)が挙げられる。
【0608】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、1つ又は2つ以上の薬物にコンジュゲートされる。例示的な薬物としては、メイタンシノイド(例えば、米国特許第5,208,020号、同第5,416,06号を参照されたい)、モノメチルオーリスタチン薬物部分DE及びDF(MMAE及びMMAF)などのオーリスタチン(例えば、米国特許第5,635,483号、及び同第5,780,588号、及び同第7,498,298号を参照されたい)、ドラスタチン、カリチアマイシン、若しくはそれらの誘導体(例えば、米国特許第5,712,374号、同第5,714,586号、同第5,739,116号、同第5,767,285号、同第5,770,701号、同第5,770,710号、同第5,773,001号、及び同第5,877,296号、Hinman et al.,(1993)Cancer Res 53:3336-3342、及びLode et al.,(1998)Cancer Res 58:2925-2928を参照されたい)、ダウノマイシン若しくはドキソルビシンなどのアントラサイクリン(例えば、Kratz et al.,(2006)Current Med.Chem13:477-523、Jeffrey et al.,(2006)Bioorganic&Med Chem Letters 16:358-362、Torgov et al.,(2005)Bioconj Chem16:717-721、Nagy et al.,(2000)Proc Natl Acad Sci USA 97:829-834、Dubowchik et al,Bioorg.& Med.Chem.Letters 12:1529-1532(2002);King et al.,(2002)J Med Chem 45:4336-4343、及び米国特許第6,630,579号を参照されたい)、メトトレキサート、ビンデシン、タキサン、例えば、ドセタキセル、パクリタキセル、ラロタキセル、テセタキセル、及びオルタタキセル、カンプトテシン(camptothecin、CPT)類似体、例えば、トポテカン及びイリノテカン(例えば、Slichenmyer et al,(1994)Cancer Chemother Pharmacol,34(Suppl):S53-S570を参照されたい)、ピロロベンゾジアゼピン(pyrrolobenzodiazepine、PBD)誘導体(米国特許第10,639,373号)、アマトキシン誘導体、例えば、α-アマニチン及びβ-アマニチン、又はデュオカルマイシンアナログが挙げられる。
【0609】
放射性金属イオン
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、放射性金属イオンにコンジュゲートされて、放射性コンジュゲートを形成する。
【0610】
「放射性コンジュゲート」(本明細書では「放射性免疫コンジュゲート」又は「免疫コンジュゲート」とも呼ばれる)は、抗体又はその抗原結合断片が放射性金属で標識されているか、又は放射性金属錯体にコンジュゲートされている免疫コンジュゲートである。「放射性コンジュゲート」は、特に、少なくとも1つの放射性金属錯体にコンジュゲートされた(連結された、例えば、共有結合を介して結合された)抗体又は抗原結合ドメインを指す。別の言い方をすれば、放射性コンジュゲートは、抗体又は抗原結合ドメインに連結された、例えば、共有結合を介して結合された、少なくとも1つの放射性金属錯体を指す。放射性コンジュゲートは、リンカーを含む少なくとも1つの放射性金属錯体を含んでもよく、放射性金属錯体は、リンカーを介して抗体又は抗原結合ドメインに連結される。本明細書で使用される場合、「放射性金属錯体」は、キレータと会合する放射性金属イオンを含む錯体を指す。典型的には、放射性金属イオンは、配位結合によりキレータに結合又は配位される。いくつかの実施形態では、キレータは、大員環化合物である。大員環のヘテロ原子は、キレータへの放射性金属イオンの配位結合に関与し得る。キレータは、1つ又は2つ以上の置換基で置換することができ、1つ又は2つ以上の置換基はまた、大員環のヘテロ原子に加えて又は代替的に、キレータへの放射性金属イオンの配位結合に関与し得る。
【0611】
本明細書で使用される場合、「放射性金属イオン」又は「放射活性金属イオン」という用語は、粒子及び/又は光子を放出する元素の1つ又は2つ以上の同位体を指す。本開示を考慮して当業者に既知の任意の放射性金属イオンを本発明で使用することができる。例示的な放射性同位体は、γ放出、オージェ放出、β放出、アルファ放出、又はポジトロン放出性の放射性同位体であり得る。例示的な放射活性同位体としては、H、11C、13C、15N、18F、19F、55Co、57Co、60Co、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、68Ga、72As、75Br、86Y、89Zr、90Sr、94mTc、99mTc、115In、1231、1241、125I、1311、211At、212Bi、213Bi、223Ra、226Ra、134Ce、225Ac、及び227Acが挙げられる。
【0612】
例示的な金属原子は、20超の原子番号を有する金属、例えば、カルシウム原子、スカンジウム原子、チタン原子、バナジウム原子、クロム原子、マンガン原子、鉄原子、コバルト原子、ニッケル原子、銅原子、亜鉛原子、ガリウム原子、ゲルマニウム原子、ヒ素原子、セレン原子、臭素原子、クリプトン原子、ルビジウム原子、ストロンチウム原子、イットリウム原子、ジルコニウム 原子、ニオブ原子、モリブデン原子、テクネチウム原子、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、銀原子、カドミウム原子、インジウム原子、スズ原子、アンチモン原子、テルル原子、ヨウ素 原子、キセノン原子、セシウム原子、バリウム原子、ランタン原子、ハフニウム原子、タンタル原子、タングステン原子、レニウム原子、オスミウム原子、イリジウム原子、白金原子、金原子、水銀原子、タリウム原子、鉛原子、ビスマス原子、フランシウム原子、ラジウム原子、アクチニウム原子、セリウム原子、プラセオジム原子、ネオジム原子、プロメチウム原子、サマリウム原子、ユウロピウム原子、ガドリニウム原子、テルビウム原子、ジスプロシウム原子、ホルミウム原子、エルビウム原子、ツリウム原子、イッテルビウム原子、ルテチウム原子、トリウム原子、プロトアクチニウム原子、ウラン原子、ネプツニウム原子、プルトニウム原子、アメリシウム原子、キュリウム原子、バーケリウム原子、カリホルニウム原子、アインスタイニウム原子、フェルミウム原子、メンデレビウム原子、ノーベリウム原子、又はローレンシウム原子である。
【0613】
いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、癌細胞などの細胞を損傷するなどの治療用途に有用である放射性金属イオンを意味する「治療用放出体」である。治療剤として使用するのに好適な放射性金属は、前立腺癌細胞などの癌細胞の成長を低減若しくは阻害することができるか、又は特に癌細胞を死滅させることができるものである。癌細胞を標的とするために選択された高エネルギー放射性金属は、好ましくは、細胞毒性効果が標的化細胞に局在化されるように、短い範囲にわたって作用する。ある特定の実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、癌細胞の表面抗原上に結合し、細胞死を開始することによって、腫瘍の近傍でアルファ及び/又はベータ粒子を放出する能力を有する細胞毒性ペイロードを送達し得る。したがって、放射線治療は、非癌性細胞への損傷を減少させるために、より局在化な様式で送達される。
【0614】
本開示の放射性コンジュゲートを生成するために使用するのに好適な放射性金属イオンの例としては、47Sc、62Cu、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Zr、89Sr、90Y、99Tc、105Rh、109Pd、111Ag、111In、117Sn、149Tb、152Tb、155Tb、153Sm、159Gd、165Dy、166Ho、169Er、177Lu、186Re、188Re、194Ir、198Au、199Au、211At、212Pb、212Bi、213Bi、223Ra、225Ac、227Th、及び255Fmが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、放射性金属イオンは、治療用途において有用な放射性金属イオンを意味する「治療用放射体」である。治療用放出体の例としては、ベータ又はアルファ放出体、例えば、132La、135La、134Ce、144Nd、149Tb、152Tb、155Tb、153Sm、159Gd、165Dy、166Ho、169Er、177Lu、186Re、188Re、194Ir、198Au、199Au、211At、212Pb、212Bi、213Bi、223Ra、225Ac、255Fm、及び227Th、226Th、230Uが挙げられるが、これらに限定されない。
【0615】
いくつかの実施形態では、治療剤として使用される放射性金属イオンは、アルファ-放出放射性金属イオン、例えば、アクチニウム-225(225Ac)である。225Acの10日半減期は、放射性コンジュゲートの産生を促進するのに十分な長さであるが、抗体などの送達ビヒクルの循環薬物動態と一致させるのには十分短い。そのため、225Ac放射性免疫コンジュゲートに、特に関心が持たれている。加えて、225Acは、安定同位体に到達する前に最終的に4つのアルファ粒子を放出する一連の工程で崩壊する。更に、225Acは、短距離で高エネルギーを有するアルファ粒子を放出し、長距離177ルテチウムベータ粒子と比較して正常組織への損傷を制限することが予想されるので、225Acは177ルテチウムよりも有利である。
【0616】
いくつかの実施形態では、放射性金属は、造影剤又は検出可能な標識として使用され得る。放射性標識に使用される放射性核種としては、炭素-11、窒素-13、酸素-15、フッ素-18、銅-67、ガリウム-67、ガリウム-68、クリプトン-81m、ルビジウム-82、テクネチウム-99、インジウム-111、ヨウ素-123、ヨウ素-124、ヨウ素-125、ヨウ素-131、キセノン-133、タリウム-201、ジルコニウム-89、銅-64、イットリウム-90、テクネチウム-99m、ヨウ素-123、ヨウ素-124、及びヨウ素-125、ルテニウム-177、At-211、鉛-212、ビスマス-212、ビスマス-213、セリウム-134、並びにアクチニウム-225が挙げられるが、これらに限定されない。これらの放射性核種、並びにそれらの特徴(例えば、半減期、放出など)は、それらを作製する方法及びそれらでタンパク質を標識する方法と同様に、当該技術分野において周知されている。いくつかの実施形態では、造影剤又は検出可能な標識として使用される放射性金属は、セリウム134(134Ce)である。
【0617】
いくつかの実施形態では、造影剤又は検出可能な標識として使用される放射性金属は、インジウム111(111In)又はキセノン134(134Xe)である。
【0618】
いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、既知の方法を使用して本開示の単離抗体又はその抗原結合断片にコンジュゲートされる。
【0619】
いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、リンカーを用いて本開示の抗体又は抗原結合断片にコンジュゲートされる。
【0620】
いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、キレート剤又はキレータと錯体化される。
【0621】
いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、配位結合によりキレータに結合して、放射性金属錯体を形成する。
【0622】
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、キレータ及び放射性金属錯体にコンジュゲートされて(すなわち、共有連結されて)、例えば、標的化放射線治療などの対象、例えば、ヒトにおける医療用途に好適である放射性免疫コンジュゲートを産生する。いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、キレータ及び放射性金属錯体にコンジュゲートされて(すなわち、共有連結されて)、検出に好適である放射性免疫コンジュゲートを産生する。
【0623】
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、キレータ及びアクチニウム-225を含む放射性金属錯体にコンジュゲートされる。
【0624】
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、キレータ及びインジウム-111を含む放射性金属錯体にコンジュゲートされる。
【0625】
キレータ
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、キレータ、又は配位結合を介してキレータに配位した放射性金属イオンを含む放射性金属錯体を含む。本明細書で使用される場合、「キレータ(chelator)」又は「キレータ(chelant)」という用語は、放射性核種又は放射性金属が、配位結合を介してキレート化して、放射性金属錯体を形成し得る化学化合物を指す。いくつかの実施形態では、キレータは、1つ又は2つ以上のヘテロ原子、例えば、酸素及び/又は窒素を環原子として含有する大員環である。
【0626】
いくつかの実施形態では、キレータは、大員環キレート化部分を含む。大環状キレート化部分の例としては、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)、S-2-(4-イソチオシアネートベンジル)-1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4,7-三酢酸(NOTA)、1,4,8,11-テトラアザシクロドデカン-1,4,8,11-四酢酸(TETA)、3,6,9,15-テトラアザビシクロ[9.3.1]-ペンタデカ-1(15),11,13-トリエン-4-(S)-(4-イソチオシアネートベンジル)-3,6,9-三酢酸(PCTA)、5-S-(4-アミノベンジル)-1-オキサ-4,7,10-トリアザシクロドデカン-4,7,10-トリス(酢酸)(DO3A)又はその誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、キレータは、1,4,7,10テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10,四酢酸(DOTA)である。他の態様では、キレータは、S-2-(4-イソチオシアネートベンジル)-1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4,7-三酢酸(NOTA)である。更なる態様では、キレータは、1,4,8,11-テトラアザシクロドデカン-1,4,8,11-四酢酸(TETA)である。更に他の態様では、キレータは、3,6,9,15-テトラアザビシクロ[9.3.1]-ペンタデカ-1(15),11,13-トリエン-4-(S)-(4-イソチオシアネートベンジル)-3,6,9-三酢酸(PCTA)である。なお更なる態様では、キレータは、5-S-(4-アミノベンジル)-1-オキサ-4,7,10-トリアザシクロドデカン-4,7,10-トリス(酢酸)(DO3A)である。他の態様では、キレータは、DOTA、DFO、DTPA、NOTA、TETA、DTPA、又はHOPOである。
【0627】
いくつかの実施形態では、キレータは、DOTA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸、テトラキサテン)である。
【0628】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、式IVのキレータp-SCN-Bn-DOTA(S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸)
【0629】
【化6】
又はその医薬的に許容される塩にキレート化された放射性金属イオンを含む。
【0630】
いくつかの実施形態では、キレータは、Hbp18c6(N,N’-ビス[(6-カルボキ-2-ピリジル)メチル]-4,13-ジアザ-18-クラウン-6)又はHbp18c6誘導体であり、Thiele et al.「An Eighteen-Membered Macrocyclic Ligand for Actinium-225 Targeted Alpha Therapy」Angew.Chem.Int.Ed.(2017)56,14712-14717、及びRoca-Sabio et al.「Macrocyclic Receptor Exhibiting Unprecedented Selectivity for Light Lanthanides」J.Am.Chem.Soc.(2009)131,3331-3341に記載されている。
【0631】
本明細書で使用するとき、用語「TOPA」は、Hbp18c6として当技術分野で周知の大員環を指し、これは代替的にN,N’-ビス[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-4,13-ジアザ-18-クラウン-6と呼ばれ得る。例えば、Roca-Sabio et al.,「Macrocyclic Receptor Exhibiting Unprecedented Selectivity for Light Lanthanides」、J.Am.Chem.Soc.(2009)131,3331-3341に記載され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0632】
本発明による使用に適した追加のキレータは、国際公開第2018/183906号及び国際公開第2020/106886号に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、国際公開第2020/229974号に記載されているキレータにキレート化された放射性金属イオンを含み、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、キレータは、式(I)の構造
【0633】
【化7】
又はその医薬的に許容される塩、を有し、式中、
環A及び環Bの各々は、独立して、6~10員のアリール又は5~10員のヘテロアリールであり、
及びZの各々は、独立して、(C(R12-、又は-(CH-C(R12)(X)-(CH-であり;
14、R15、R16及びR17の各々は独立して、水素、アルキル又はXであり、
あるいは、R14及びR15並びに/又はR16及びR17は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、Xで置換されていてもよい5員又は6員シクロアルキル環を形成し;
各Xは、独立して、-L-Rであり、
は、求核部分若しくは求電子部分であるか、又はRは、標的化リガンドを含み、
は、存在しないか、又はリンカーである。
【0634】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、国際公開第2021/060350号に記載されているキレータにキレート化された放射性金属イオンを含み、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0635】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、式(II)の化合物にキレート化された放射性金属イオン
【0636】
【化8】
又はその医薬的に許容される塩、を含み、式中、
は水素であり、かつ、Rは-L-Rであり、
あるいは、Rは-L-Rであり、かつ、Rは水素であり、
は、水素であり、
あるいは、R及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、5員又は6員シクロアルキルを形成し、5員又は6員シクロアルキルは、-L-Rで任意選択的に置換されており、
は、存在しないか、又はリンカーであり、
は、求核部分、求電子部分、又は標的化リガンドである)。
【0637】
いくつかの実施形態では、Lは存在しない。Lが存在しない場合、Rは、化合物に直接結合される(例えば、共有結合を介して)。
【0638】
いくつかの実施形態では、リンカー構造には以下が含まれるが、これらに限定されず:
【0639】
【化9】
式中、mは0~12の整数である。
【0640】
いくつかの実施形態では、Rは、求核性部分又は求電子性部分である。「求核性部分」又は「求核基」は、化学反応において共有結合を形成するために電子対を供与する官能基を指す。「求電子性部分」又は「求電子基」は、化学反応において共有結合を形成するために電子対を受容する官能基を指す。求核基は、化学反応において、新たな共有結合を形成するために求電子基と反応し、その逆もしかりである。本発明の化合物の求核基又は求電子基を標的化リガンド又は対応する反応パートナーを含む他の化学部分(例えば、リンカー)と反応させることにより、標的化リガンド又は化学部分を本発明の化合物に共有結合させることが可能となる。
【0641】
求核基の例示的な例としては、アジド、アミン、及びチオールが挙げられるが、これらに限定されない。求電子基の例示としては、アミン反応性基、チオール反応性基、アルキニル及びシクロアルキニルが挙げられるが、これらに限定されない。アミン反応性基は、好ましくは、各ポリペプチド鎖のN末端及びリジン残基の側鎖に存在する第一級アミンを含む、第一級アミンと反応する。本発明での使用に好適なアミン反応性基の例としては、N-ヒドロキシスクシンイミド(N-hydroxy succinimide、NHS)、置換NHS(スルホ-NHSなど)、イソチオシアネート(-NCS)、イソシアネート(-NCO)、エステル、カルボン酸、ハロゲン化アシル、アミド、アルキルアミド、並びにテトラフルオロフェニルエステル及びパーフルオロフェニルエステルが挙げられるが、これらに限定されない。チオール反応性基は、チオール又はスルフヒドリルと反応し、好ましくは、ポリペプチドのシステイン残基の側鎖に存在するチオールと反応する。本発明での使用に好適なチオール反応性基の例としては、マイケル受容体(例えば、マレイミド)、ハロアセチル、ハロゲン化アシル、活性化ジスルフィド、及びフェニルオキサジアゾールスルホンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0642】
特定の実施形態では、Rは、-NH、-NCS(イソチオシアネート)、-NCO(イソシアネート)、-N(アジド)、アルキニル、シクロアルキニル、カルボン酸、エステル、アミド、アルキルアミド、マレイミド、ハロゲン化アシル、テトラジン、又はトランス-シクロオクテンであり、より具体的には、-NCS、-NCO、-N、アルキニル、シクロアルキニル、-C(O)R13、-COOR13、-CON(R13、マレイミド、ハロゲン化アシル(例えば、-C(O)Cl、-C(O)Br)、テトラジン、又はトランス-シクロオクテンであり、式中、各R13は、独立して、水素又はアルキルである。
【0643】
いくつかの実施形態では、Rは、アルキニル基、シクロアルキニル基、又はアジド基であり、これにより、クリックケミストリー反応を用いて、本発明の化合物を標的化リガンド又は他の化学部分(例えば、リンカー)に結合させることが可能となる。そのような実施形態では、実施することができるクリックケミストリー反応は、1,2,4-トリアゾールリンカー又は部分を形成するためのアジド(-N)とアルキニル基又はシクロアルキニル基との間のヒュスゲン環化付加又は1,3-双極子環化付加である。一実施形態では、本発明の化合物はアルキニル基又はシクロアルキニル基を含み、標的化リガンド又は他の化学部分はアジド基を含む。別の一実施形態では、本発明の化合物はアジド基を含み、標的化リガンド又は他の化学部分は、アルキニル基又はシクロアルキニル基を含む。
【0644】
特定の実施形態では、Rは、アルキニル基であり、より好ましくは、特に、歪み促進型アジド-アルキンシクロ環化付加(SPAAC)によりアジド基と反応性である末端アルキニル基又はシクロアルキニル基である。SPAACによりアジド基と反応することができるシクロアルキニル基の例としては、シクロオクチニル又はビシクロノニニル(BCN)、ジフッ素化シクロオクチニル(DIFO)、ジベンゾシクロオクチニル(DIBO)、ケト-DIBO、ビアリールアザシクロオクチノニル(BARAC)、ジベンゾアザシクロオクチニル(DIBAC、DBCO、ADIBO)、ジメトキシアザシクロオクチニル(DIMAC)、ジフルオロベンゾシクロオクチニル(DIFBO)、モノベンゾシクロオクチニル(MOBO)及びテトラメトキシジベンゾシクロオクチニル(TMDIBO)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0645】
特定の実施形態では、Rは、以下の構造を有するジベンゾアザシクロオクチニル、例えば、DIBAC、DBCO、及びADIBOである:
【0646】
【化10】
【0647】
がDBCOである実施形態では、DBCOは、直接的に又はリンカーを介して間接的に化合物に共有結合することができ、好ましくは、リンカーを介して間接的に化合物に結合される。
【0648】
特定の実施形態では、Rは標的化リガンドである。標的化リガンドは、共有結合により直接的に又はリンカーを介して間接的に化合物に結合することができる。標的化リガンドは、ポリペプチド、例えば、抗体若しくはその抗原結合断片、アプタマー、又は足場タンパク質などであることができる。好ましい実施形態では、標的化リガンドは、抗体又はその抗原結合断片、例えば、前立腺特異的膜抗原(prostate-specific membrane antigen、PSMA)、BCMA、Her2、EGFR、KLK2、CD19、CD22、CD30、CD33、CD79b又はネクチン-4であり得る、癌抗原などの腫瘍疾患又は障害に関連する抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体(mAb)又はその抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、Rは、本開示の抗PSMA抗体又はその断片である。
【0649】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲートは、式(III)の化合物にキレート化された放射性金属イオン
【0650】
【化11】
又はその医薬的に許容される塩、を含み、式中、
は、存在しないか、又はリンカーであり、
は、求核部分、求電子部分、又は標的化リガンドである)。
【0651】
別の一実施形態では、放射性コンジュゲートは、式(IV)の化合物:
【0652】
【化12】
又はその医薬的に許容される塩にキレート化された放射性金属イオンを含む(式中、
は、存在しないか、又はリンカーであり、
は、求核部分、求電子部分、又は標的化リガンドである)。
【0653】
別の一実施形態では、放射性コンジュゲートは、キレータ(式中、Rは-L-Rであり、R及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、5員又は6員シクロアルキルを形成し、Lは、存在しないか、又はリンカーであり、Rは、求核性部分、求電子性部分、又は標的化リガンドある);又はその医薬的に許容される塩にキレート化された放射性金属イオンを含む。
【0654】
更なる実施形態では、放射性コンジュゲートは、キレータにキレート化された放射性金属イオンを含む(式中、RはHであり、R及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、-L-Rで置換されている5員又は6員のシクロアルキルを形成し、Lは、存在しないか、又はリンカーであり、Rは、求核性部分、求電子性部分、又は標的化リガンドある);又はその医薬的に許容される塩:
更なる実施形態は、Rが標的化リガンドであり、この標的化リガンドが、抗体、抗体の抗原結合断片、足場タンパク質、及びアプタマーからなる群から選択される、キレータにキレート化された放射性金属イオンを含む放射性コンジュゲートを含む。
【0655】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲートは、以下からなる群から独立して選択される任意の1つ又は2つ以上のキレータにキレート化された放射性金属イオンを含み:
【0656】
【化13】
【0657】
【化14】
【0658】
【化15】
式中、nは1~10である。
【0659】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、以下の式のキレータTOPA-[C7]-フェニルイソチオシアネート:
【0660】
【化16】
又はその医薬的に許容される塩にキレート化された放射性金属イオンを含む。
【0661】
いくつかの実施形態では、以下により詳細に記載されるクリックケミストリー反応により、化合物をアジド標識標的化リガンドと反応させて1,2,3-トリアゾールリンカーを形成することによって、そのようなキレータは、標的化リガンド(例えば、本開示の抗体又はその抗原結合断片)に共有結合して、免疫コンジュゲート又は放射性免疫コンジュゲートを形成する。本開示のキレータは、本開示を考慮して当該技術分野で既知の任意の方法によって産生され得る。例えば、ペンダント芳香族/複素芳香族基は、以下に例示及び記載されるものなどの当該技術分野で既知の方法によって、大員環部分に結合することができる。
【0662】
本明細書で使用される場合、「抗体-キレータ錯体」又は「コンジュゲート中間体」は、放射性金属を含まないキレータにコンジュゲートされた(連結された、例えば、共有結合を介して結合された)抗体又は抗原結合ドメインを含む放射性コンジュゲートの前駆体を指す。コンジュゲート中間体は、リンカーを含んでもよく、キレータは、リンカーを介して抗体又は抗原結合ドメインに連結される。放射性金属がコンジュゲート中間体のキレータにキレート化された後、それは、放射性コンジュゲートになる。例えば、「DOTA-mAb」は、抗体にコンジュゲートされたDOTAを含むコンジュゲート中間体を指す。
【0663】
本明細書に記載されるキレータのいずれも、放射性金属イオンを含み得る。いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、アルファ放出放射性金属イオンである。いくつかの実施形態では、放射性金属は、225Acである。いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、ガンマ放出放射性金属イオンである。いくつかの実施形態では、放射性金属は、111Inである。いくつかの実施形態では、放射性金属は、134Ceである。本開示のキレータは、金属不純物に関係なく、任意の特異的活性で、放射性金属イオン、特に225Acを強固にキレート化することができ、したがってインビボ及びインビトロで高いキレート化安定性を有し、安定している放射性金属錯体を形成する。
【0664】
放射性金属錯体は、本開示を考慮して当該技術分野で既知の任意の方法によって製造することができる。例えば、本発明のキレータを、放射性金属イオンと混合することができ、混合物をインキュベートして、放射性金属錯体を形成することができる。例示的な実施形態では、キレータを、225Ac(NO3)の溶液と混合して、配位結合を介してキレータに結合した225Acを含む放射性錯体を形成する。本発明のキレータは、放射性金属、特に225Acを効率的にキレート化する。したがって、特定の実施形態では、本発明のキレータは、1:1000、1:500、1:400、1:300、1:200、1:100、1:50、1:10、又は1:5、好ましくは1:5~1:200、より好ましくは1:5~1:100の、本発明のキレータと225Acイオンとの濃度比で、225Acイオンの溶液と混合される。放射性錯体は、インスタント薄層クロマトグラフィー(例えば、iTLC-SG)、HPLC、LC-MSなどを特徴とし得る。
【0665】
放射性金属錯体
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片を、配位結合を介して本開示のキレータと錯体化された放射性金属イオンを含む放射性金属錯体にコンジュゲートさせて放射性免疫コンジュゲートを形成する。本開示のキレータのいずれも、放射性金属イオンを含むことができる。いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、アルファ放出放射性金属イオンである。いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、225Acである。いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、111Inである。いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、134Ceである。
【0666】
本開示のキレータは、金属不純物に関係なく、任意の比活性で、放射性金属イオンをキレート化することができ、したがって、インビボ及びインビトロで高いキレート安定性を有し、かつ、負荷剤(challenge agent)、例えば、ジエチレントリアミン五酢酸(diethylene triamine pentaacetic acid、DTPA)に対して安定である放射性金属錯体を形成する。
【0667】
本明細書に記載の任意の放射性金属錯体を使用して、本発明の放射性免疫コンジュゲートを生成することができる。
【0668】
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、式(I-M)の放射性金属錯体:
【0669】
【化17】
又はその医薬的に許容される塩にコンジュゲートされ、式中、
は放射性金属イオンであり、Mは、アクチニウム225(225Ac)、インジウム-111(111In)、ラジウム223(233Ra)、ビスマス213(213Bi)、鉛212(212Pb(II)及び/又は212Pb(IV))、テルビウム149(149Tb)、テルビウム152(152Tb)、テルビウム155(155Tb)、フェルミウム255(255Fm)、トリウム227(227Th)、トリウム226(226Th4+)、アスタチン211(211At)、セリウム134(134Ce)、ネオジム144(144Nd)、ランタン132(132La)、ランタン135(135La)、及びウラン230(230U)からなる群から選択され、
は水素であり、かつ、Rは-L-Rであり、
あるいは、Rは-L-Rであり、かつ、Rは水素であり、
は、水素であり、
あるいは、R及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、5員又は6員シクロアルキルを形成し、5員又は6員シクロアルキルは、-L-Rで任意選択的に置換されており、
は、存在しないか、又はリンカーであり、
は、求核部分、求電子部分、又は標的化リガンドである。
【0670】
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、式(II-M)の放射性金属錯体:
【0671】
【化18】
又はその医薬的に許容される塩にコンジュゲートされ、式中、
は放射性金属イオンであり、Mは、アクチニウム225(225Ac)、インジウム-111(111In)、ラジウム223(233Ra)、ビスマス213(213Bi)、鉛212(212Pb(II)及び/又は212Pb(IV))、テルビウム149(149Tb)、テルビウム152(152Tb)、テルビウム155(155Tb)、フェルミウム255(255Fm)、トリウム227(227Th)、トリウム226(226Th4+)、アスタチン211(211At)、セリウム134(134Ce)、ネオジム144(144Nd)、ランタン132(132La)、ランタン135(135La)、及びウラン230(230U)からなる群から選択され、
は、存在しないか、又はリンカーであり、
は、求核部分、求電子部分、又は標的化リガンドである。
【0672】
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、式(III-M)の放射性金属錯体:
【0673】
【化19】
又はその医薬的に許容される塩にコンジュゲートされ、式中、
は放射性金属イオンであり、Mは、アクチニウム225(225Ac)、インジウム-111(111In)、ラジウム223(233Ra)、ビスマス213(213Bi)、鉛212(212Pb(II)及び/又は212Pb(IV))、テルビウム149(149Tb)、テルビウム152(152Tb)、テルビウム155(155Tb)、フェルミウム255(255Fm)、トリウム227(227Th)、トリウム226(226Th4+)、アスタチン211(211At)、セリウム134(134Ce)、ネオジム144(144Nd)、ランタン132(132La)、ランタン135(135La)、及びウラン230(230U)からなる群から選択され、Lは、存在しないか、又はリンカーであり、
は、求核部分、求電子部分、又は標的化リガンドである)。
【0674】
別の一実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、放射性金属錯体(式中、
は放射性金属イオンであり、Mは、アクチニウム225(225Ac)、インジウム-111(111In)、ラジウム223(233Ra)、ビスマス213(213Bi)、鉛212(212Pb(II)及び/又は212Pb(IV))、テルビウム149(149Tb)、テルビウム152(152Tb)、テルビウム155(155Tb)、フェルミウム255(255Fm)、トリウム227(227Th)、トリウム226(226Th4+)、アスタチン211(211At)、セリウム134(134Ce)、ネオジム144(144Nd)、ランタン132(132La)、ランタン135(135La)、及びウラン230(230U)からなる群から選択され、
は-L-Rであり、
及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、5員又は6員シクロアルキルを形成し、
は、存在しないか、又はリンカーであり、
は、求核部分、求電子部分、又は標的化リガンドである);
又はその医薬的に許容される塩にコンジュゲートされる。
【0675】
更なる実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、放射性金属錯体(式中、
は放射性金属イオンであり、Mは、アクチニウム225(225Ac)、インジウム-111(111In)、ラジウム223(233Ra)、ビスマス213(213Bi)、鉛212(212Pb(II)及び/又は212Pb(IV))、テルビウム149(149Tb)、テルビウム152(152Tb)、テルビウム155(155Tb)、フェルミウム255(255Fm)、トリウム227(227Th)、トリウム226(226Th4+)、アスタチン211(211At)、セリウム134(134Ce)、ネオジム144(144Nd)、ランタン132(132La)、ランタン135(135La)、及びウラン230(230U)からなる群から選択され、
は、Hであるか、
及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、-L-Rで置換されている5員又は6員のシクロアルキルを形成し、
は、存在しないか、又はリンカーであり、
は、求核部分、求電子部分、又は標的化リガンドである);
又はその医薬的に許容される塩にコンジュゲートされる。
【0676】
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、以下からなる群から選択される任意の1つ又は2つ以上の放射性金属錯体にコンジュゲートされ:
【0677】
【化20】
【0678】
【化21】
【0679】
【化22】
式中、
nは1~10であり、
は放射性金属イオンであり、Mは、アクチニウム225(225Ac)、インジウム-1111(111In)、ラジウム223(233Ra)、ビスマス213(213Bi)、鉛212(212Pb(II)及び/又は212Pb(IV))、テルビウム149(149Tb)、テルビウム152(152Tb)、テルビウム155(155Tb)、フェルミウム255(255Fm)、トリウム227(227Th)、トリウム226(226Th4+)、アスタチン211(211At)、セリウム134(134Ce)、ネオジム144(144Nd)、ランタン132(132La)、ランタン135(135La)、及びウラン230(230U)からなる群から選択される。
【0680】
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、以下の式の放射性金属錯体:
【0681】
【化23】
又はその医薬的に許容される塩にコンジュゲートされ、式中、
は放射性金属イオンであり、Mは、アクチニウム225(225Ac)、インジウム-1111(111In)、ラジウム223(233Ra)、ビスマス213(213Bi)、鉛212(212Pb(II)及び/又は212Pb(IV))、テルビウム149(149Tb)、テルビウム152(152Tb)、テルビウム155(155Tb)、フェルミウム255(255Fm)、トリウム227(227Th)、トリウム226(226Th4+)、アスタチン211(211At)、セリウム134(134Ce)、ネオジム144(144Nd)、ランタン132(132La)、ランタン135(135La)、及びウラン230(230U)からなる群から選択される。
【0682】
いくつかの実施形態では、本開示の抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、以下の式の放射性金属錯体:
【0683】
【化24】
又はその医薬的に許容される塩にコンジュゲートされ、式中、
は放射性金属イオンであり、Mは、アクチニウム225(225Ac)、インジウム-111(111In)、ラジウム223(233Ra)、ビスマス213(213Bi)、鉛212(212Pb(II)及び/又は212Pb(IV))、テルビウム149(149Tb)、テルビウム152(152Tb)、テルビウム155(155Tb)、フェルミウム255(255Fm)、トリウム227(227Th)、トリウム226(226Th4+)、アスタチン211(211At)、セリウム134(134Ce)、ネオジム144(144Nd)、ランタン132(132La)、ランタン135(135La)、及びウラン230(230U)からなる群から選択される
【0684】
特定の実施形態では、放射性免疫コンジュゲートは、以下からなる群から独立して選択される任意の1つ又は2つ以上の構造であり:
【0685】
【化25】
式中、
は放射性金属イオンであり、Mは、アクチニウム225(225Ac)、インジウム-111(111In)、ラジウム223(233Ra)、ビスマス213(213Bi)、鉛212(212Pb(II)及び/又は212Pb(IV))、テルビウム149(149Tb)、テルビウム152(152Tb)、テルビウム155(155Tb)、フェルミウム255(255Fm)、トリウム227(227Th)、トリウム226(226Th4+)、アスタチン211(211At)、セリウム134(134Ce)、ネオジム144(144Nd)、ランタン132(132La)、ランタン135(135La)、及びウラン230(230U)からなる群から選択され、
は、存在しないか、又はリンカーであり、
mAbは、PSMAに結合する本開示の抗体又はその抗原結合断片である。
【0686】
別の一実施形態では、放射性免疫コンジュゲートは、以下からなる群から選択されるいずれか1つ又は2つ以上であり:
【0687】
【化26】
式中、
は放射性金属イオンであり、Mは、アクチニウム225(225Ac)、インジウム-111(111In)、ラジウム223(233Ra)、ビスマス213(213Bi)、鉛212(212Pb(II)及び/又は212Pb(IV))、テルビウム149(149Tb)、テルビウム152(152Tb)、テルビウム155(155Tb)、フェルミウム255(255Fm)、トリウム227(227Th)、トリウム226(226Th4+)、アスタチン211(211At)、セリウム134(134Ce)、ネオジム144(144Nd)、ランタン132(132La)、ランタン135(135La)、及びウラン230(230U)からなる群から選択され、及び
mAbは、PSMAに結合する本開示の抗体又はその抗原結合断片である。
【0688】
「mAb」を含む本明細書に示される放射性免疫コンジュゲート構造において、この構造は、放射性金属錯体に結合するmAbの残基(例えば、mAbのリジン残基)を示さないことに留意されたい。
【0689】
いくつかの実施形態では、本開示は、以下の構造を有する放射性免疫コンジュゲートを提供し:
【0690】
【化27】
(本明細書においてTOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMA抗体コンジュゲートとも称される)、式中、
は放射性金属イオンであり、Mは、アクチニウム225(225Ac)、インジウム-111(111In)、ラジウム223(233Ra)、ビスマス213(213Bi)、鉛212(212Pb(II)及び/又は212Pb(IV))、テルビウム149(149Tb)、テルビウム152(152Tb)、テルビウム155(155Tb)、フェルミウム255(255Fm)、トリウム227(227Th)、トリウム226(226Th4+)、アスタチン211(211At)、セリウム134(134Ce)、ネオジム144(144Nd)、ランタン132(132La)、ランタン135(135La)、及びウラン230(230U)からなる群から選択され、及び
mAbは、PSMAに結合する本開示の抗体又はその抗原結合断片である。
【0691】
いくつかの実施形態では、本開示は、以下の構造を有する放射性免疫コンジュゲートを提供し:
【0692】
【化28】
(本明細書においてp-SCN-Bn-DOTA-PSMA抗体コンジュゲートとも称される)、
式中、Mは放射性金属イオンであり、Mは、アクチニウム225(225Ac)、インジウム-111(111In)、ラジウム223(233Ra)、ビスマス213(213Bi)、鉛212(212Pb(II)及び/又は212Pb(IV))、テルビウム149(149Tb)、テルビウム152(152Tb)、テルビウム155(155Tb)、フェルミウム255(255Fm)、トリウム227(227Th)、トリウム226(226Th4+)、アスタチン211(211At)、セリウム134(134Ce)、ネオジム144(144Nd)、ランタン132(132La)、ランタン135(135La)、及びウラン230(230U)からなる群から選択され、及び
mAbは、PSMAに結合する本開示の抗体又はその抗原結合断片である。
【0693】
コンジュゲーション
薬物部分、キレータ、及び/又はリンカーを選択された抗体に結合させるために、いくつかの周知の異なる反応が使用され得ることが理解されるであろう。
【0694】
ある特定の実施形態によれば、薬物部分、キレータ、又はキレータ-リンカーは、求核性部分又は求電子性部分を含む。キレータ又はキレータ-リンカーの求核基又は求電子基と、対応する反応パートナーを含む抗体又は抗原結合ドメインとの反応は、抗体又は抗原結合ドメインが薬物部分、キレータ、又はキレータ-リンカーに共有連結することを可能にする。求核基の例としては、アジド、アミン、及びチオールが挙げられるが、これらに限定されない。求電子基の例としては、アミン反応性基、チオール反応性基、アルキニル、及びシクロアルキニルが挙げられるが、これらに限定されない。アミン反応性基は、好ましくは、各ポリペプチド鎖のN末端及びリジン残基の側鎖に存在する第一級アミンを含む、第一級アミンと反応する。アミン反応性基の例としては、N-ヒドロキシスクシンイミド(N-hydroxy succinimide、NHS)、置換NHS(スルホ-NHSなど)、イソチオシアネート(-NCS)、イソシアネート(-NCO)、エステル、カルボン酸、ハロゲン化アシル、アミド、アルキルアミド、並びにテトラフルオロフェニルエステル及びパーフルオロフェニルエステルが挙げられるが、これらに限定されない。チオール反応性基は、チオール又はスルフヒドリルと反応し、好ましくは、ポリペプチドのシステイン残基の側鎖に存在するチオールと反応する。チオール反応性基の例としては、マイケル受容体(例えば、マレイミド)、ハロアセチル、ハロゲン化アシル、活性化ジスルフィド、及びフェニルオキサジアゾールスルホンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0695】
残基特異的コンジュゲーション
いくつかの実施形態では、本開示の抗体又はその抗原結合断片への薬物部分、キレータ、及び/又はリンカーのコンジュゲーションは、リジン残基上のアミンのアシル化及びシステイン残基上のチオールのアルキル化などの残基特異的方法(ランダムコンジュゲーション)によって達成され得る。使用され得るコンジュゲーションのための残基特異的方法の例としては、例えば、活性化エステル又はイソチオシアネート基を含む、薬物部分、キレータ、リンカー、又は放射性金属錯体を使用する、抗体のリジン残基への薬物部分、キレータ、リンカー、及び/又は放射性金属錯体のコンジュゲーション、例えば、マレイミド、ハロアセチル誘導体、ハロゲン化アシル、活性化ジスルフィド基、又はメチルスルホニルフェニルオキサジアゾール基を含む、薬物部分、キレータ、リンカー、又は放射性金属錯体を使用する、抗体のシステイン残基への薬物部分、キレータ、リンカー、及び/又は放射性金属錯体のコンジュゲーション、例えば、4-フェニル-3H-1,2,4-トリアゾリン-3,5(4H)-ジオン(4-phenyl-3H-1,2,4-triazoline-3,5(4H)-dione、PTAD)を含む、薬物部分、キレータ、リンカー、又は放射性金属錯体を使用する、抗体のチロシン残基への薬物部分、キレータ、リンカー、及び/又は放射性金属錯体のコンジュゲーション、並びに、例えば、オキサジリジン誘導体を含む、薬物部分、キレータ、リンカー、又は放射性金属錯体を使用する、抗体のメチオニン残基への薬物部分、キレータ、リンカー、及び/又は放射性金属錯体のコンジュゲーションが挙げられるが、これらに限定されない。
【0696】
タンパク質へのコンジュゲーションのための残基特異的方法は十分に確立されており、最も一般的には、活性化エステル若しくはイソチオシアネートを使用したリジン側鎖、又はマレイミド、ハロアセチル誘導体、若しくは活性化ジスルフィドを有するシステイン側鎖のいずれかを伴う(Brinkley Bioconjugate Chem 1992:2)。ほとんどのタンパク質は複数のリジン及びシステイン残基を有するため、様々なアミノ酸位置において異なる数のコンジュゲート分子を有する生成物の不均一な混合物は、典型的には、そのような方法を使用して得られる。チロシン特異的コンジュゲーション(Ban et al.Bioconjugate Chemistry 2013:520)、メチオニン特異的方法(Lin et al.Science 2017(355)597)、追加のシステインに焦点を合わせたアプローチ(Toda et al.Angew Chemie 2013:12592)などを含む、追加の方法が確立されている。
【0697】
いくつかの実施形態では、本開示のPSMA抗体又はその抗体断片は、抗体の1つ又は2つ以上のリジン残基を介して、本明細書に記載される放射性金属錯体のいずれかにコンジュゲートされ得る。
【0698】
いくつかの実施形態では、本開示のADC又は放射性コンジュゲートは、選択された抗体中に存在するリジン残基の溶媒曝露アミノ基への薬物部分、キレータ、リンカー、又は放射性金属錯体のコンジュゲーションを介して生成され得る。リジンを伴うコンジュゲーション反応としては、イソチオシアネート、NHS-エステル、フッ化スルホニル、フルオロスルフェート、ジクロロトリアジン、活性化エステル、活性化スルホンアミド、ビニルスルホンアミド、イミドエステル、イソチオシアネート、サリチルアルデヒド、イミノボロネート、及びα,β-不飽和カルボニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0699】
いくつかの実施形態では、本開示のADC又は放射性コンジュゲートは、選択された抗体中に存在するシステイン残基のスルフヒドリル基を利用する反応を介して生成され得る。特に好ましい実施形態は、1つ又は2つ以上の遊離システインを含む抗体のコンジュゲーションを含む。還元システインを伴うコンジュゲーション反応としては、チオール-マレイミド、チオール-ハロゲノ(ハロゲン化アシル)、チオール-エン、チオール-イン、チオール-ビニルスルホン、チオール-ビスルホン、チオール-チオスルホネート、チオール-ピリジルジスルフィド、及びチオール-パラフルオロ反応が挙げられるが、これらに限定されない。
【0700】
いくつかの実施形態では、コンジュゲーションの前に、ジチオスレイトール(dithiothreitol、DTT)又はトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン((tris(2-carboxyethyl)phosphine、TCEP)などの還元剤で処理することによって、抗体をリンカー試薬とのコンジュゲーションに対して反応性にすることができる。いくつかの実施形態では、反応性チオール基は、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の遊離システイン残基を導入することによって、選択された抗体(又はその断片)に導入され得る。いくつかの実施形態では、コンジュゲーション方法論は、コンジュゲーション部位を提供するための鎖内又は鎖間抗体ジスルフィド結合の各々の完全な又は部分的な還元を含み得る。いくつかの実施形態では、ジチオスレイトール(DTT)又はトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)などの還元剤で処理することによって、システインをリンカー試薬とのコンジュゲーションに対して反応性にすることができる。したがって、各遊離システインは、理論的には、反応性チオール求核剤を提示する。
【0701】
ほとんどのタンパク質は複数のリジン、スレオニン、メチオニン、及びシステイン残基を有するため、様々なアミノ酸位置において異なる数のコンジュゲート分子を有する生成物の不均一な混合物は、典型的には、残基特異的コンジュゲーション方法を使用して得られる。
【0702】
部位特異的コンジュゲーション
より最近では、モノクローナル抗体及び他のタンパク質について、部位選択的及び部位特異的コンジュゲーション方法が確立されている(Agarwal,P.and C.R.Bertozzi,Bioconjug Chem,2015.26(2):p.176-92;Rabuka et al.Curr Opin Chem Biol 2010:790)。これらとしては、非天然アミノ酸の組み込み;SNAP又はDHFRなどの「自己標識化タグ」又はソルターゼA、リポ酸リガーゼ及びホルミルグリシン生成酵素などの別の酵素によって特異的に認識及び修飾されるタグへの目的のタンパク質の融合;目的のペイロードのコンジュゲートを可能にするためのグリカンの酵素改変(Hu et al.Chem Soc Rev 2016:1691)、抗体上の定義された位置を選択的に認識するための微生物トランスグルタミナーゼの使用;並びに選択的コンジュゲートに影響を及ぼすための分子認識及び/又は化学的アプローチを使用する追加の方法(Yamada et al.2019:5592;Park et al.Bioconjugate Chem 2018:3240、Pham et al.Chembiochem 2018:799)が挙げられる。免疫コンジュゲートの有効性及び安全性は、ランダムコンジュゲーションと比較して部位特異的方法を用いて増加され得る。
【0703】
いくつかの実施形態では、本開示の抗体又は抗原結合断片への薬物部分、キレータ、及び/又はリンカーのコンジュゲーションは、部位特異的コンジュゲーションを介して達成され得る。
【0704】
いくつかの実施形態では、トランスグルタミナーゼを使用して、本開示の抗体又は抗原結合断片に薬物部分、キレータ、及び/又はリンカーを結合することができる。トランスグルタミナーゼは、抗体又はその抗原結合断片中のペイロード上の遊離アミン基と、グルタミン残基の側鎖上のアシル基との間のイソペプチド結合の形成を触媒する酵素である。トランスグルタミナーゼは、タンパク質-グルタミンγ-グルタミルトランスフェラーゼ(EC2.3.2.13)であり、典型的には、リジン残基とのグルタミン残基のpH依存性トランスアミド化を触媒する。トランスグルタミナーゼの例としては、微生物トランスグルタミナーゼ(mTG)、ヒトトランスグルタミナーゼ、組織トランスグルタミナーゼ(tTG)、及び第XIII因子が挙げられるが、これらに限定されない。ヒトトランスグルタミナーゼの例としては、ケラチノサイトトランスグルタミナーゼ(Uniprot P22735)、組織トランスグルタミナーゼ(UniProt P21980)、表皮トランスグルタミナーゼ及び前立腺トランスグルタミナーゼが挙げられるが、これらに限定されない。これらの酵素は、天然源由来であっても組換え源由来であってもよい。ペプチド又はポリペプチド中のグルタミン及びリジンアミノ酸は、トランスグルタミナーゼ架橋のための基質であり得る。例えば、ペイロードは、リジンを含むリンカーに連結され得る。
【0705】
トランスグルタミナーゼは、当業者によって好適であると考えられる任意のトランスグルタミナーゼであり得る。トランスグルタミナーゼは、様々な供給源から得られるか又は作製することができる。いくつかの実施形態では、トランスグルタミナーゼは、酵素のコンホメーションの変化を誘導して酵素活性を可能にするためにカルシウムを必要とするカルシウム依存性トランスグルタミナーゼである。例えば、トランスグルタミナーゼは、モルモット肝臓に由来し、商業的供給源(例えば、Sigma-Aldrich(St Louis,MO)及びMP Biomedical(Irvine,CA))から入手することができる。
【0706】
いくつかの実施形態において、トランスグルタミナーゼは、真菌タンパク質(例えば、卵菌属(Oomycetes)、放線菌属(Actinomycetes)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、カンジダ属(Candida)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、モナスカス属(Monascus)、又はリゾプス・トランスグルタミナーゼ(Rhizopus transglutaminases))に由来する。いくつかの実施形態において、トランスグルタミナーゼポリペプチドは、変形菌に由来する(例えば、モジホコリ(Physarum polycephalum)トランスグルタミナーゼ)。いくつかの実施形態では、mTGaseポリペプチドは、ストレプトベルチシリウム・モバレンシス(Streptoverticillium mobarensis)、ストレプトベルチシリウム・グリセオカム(Streptoverticillium griseocameum)、ストレプトベルチシリウム・ラダカナム(Streptoverticillium ladakanum)、ストレプトマイセス・モバレンシス(Streptomyces mobarensis)、ストレプトマイセス・ビリディス(Streptomyces viridis)、ストレプトマイセス・ラダカナム(Streptomyces ladakanum)、ストレプトマイセス・カニフェルス(Streptomyces caniferus)、ストレプトマイセス・プラテンシス(Streptomyces platensis)、ストレプトマイセス・ハイグロスコピカス(Streptomyces hygroscopius)、ストレプトマイセス・ネトロプシス(Streptomyces netropsis)、ストレプトマイセス・フラジエ(Streptomyces fradiae)、ストレプトマイセス・ロゼオベルチビラタス(Streptomyces roseovertivillatus)、ストレプトマイセス・シナマオネオス(Streptomyces cinnamaoneous)、ストレプトマイセス・グリセオカメウム(Streptomyces griseocameum)、ストレプトマイセス・ラベンデュラ(Streptomyces lavendulae)、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)、ストレプトマイセス・リジカス(Streptomyces lydicus)、ストレプトマイセス・シオヤエンシス(Streptomyces sioyansis)、アクチノマヅラ属(Actinomadura sp)、バチルス属(例えば、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)など)、コリネバクテリウム・アンモニア遺伝子、コリネバクテリウム・グルタミカム、クロストリジウム、エンテロバクター属種、ミクロコッカス属(Micrococcus)、プロビデンシア属(Providencia sp.)、又はそれらの単離物に限定されない細菌タンパク質、例えば、トランスグルタミナーゼに由来する。いくつかの実施形態において、トランスグルタミナーゼポリペプチドは、S.モバレンシスに由来する。
【0707】
ACTIVA(味の素)などの市販のカルシウム非依存性トランスグルタミナーゼも本発明に好適である。いくつかの実施形態では、トランスグルタミナーゼはまた、当業者に既知の組換え技術を使用して産生される組換えタンパク質であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の本発明において使用されるトランスグルタミナーゼは、精製タンパク質であり得る。
【0708】
いくつかの実施形態では、本開示の抗体又は抗原結合断片は、トランスグルタミナーゼを使用して、CH2ドメイン中のGln295でコンジュゲートされて、本開示のADC、免疫コンジュゲート、又は放射性免疫コンジュゲートが生成される。
【0709】
いくつかの実施形態では、本開示の抗体又は抗原結合断片は、トランスグルタミナーゼとのコンジュゲーションの前に改変される。いくつかの実施形態では、本開示のADC、免疫コンジュゲート、又は放射性免疫コンジュゲートを産生するために使用される本開示の抗体又は抗原結合断片は、重鎖の位置302に置換を含む。そのような置換は、例えば、V302S、V302A、V302I、V302L、V302M、V302T、V302F、及びV302Y、好ましくはアミノ酸置換V302A及びV302Sであり得、アミノ酸番号付けは、KabatのEUインデックスに従う。
【0710】
いくつかの実施形態では、本開示のADC、免疫コンジュゲート、又は放射性免疫コンジュゲートを産生するために使用される本開示の抗体又は抗原結合断片は、アミノ酸置換V302A又はV302S、任意選択的にY300Lを含み、重鎖位置286、287、288、289、290、293、又は294にグルタミン置換、好ましくはアミノ酸置換N286Q、A287Q、K288Q、T289Q、K290Q、E293Q、又はE294Qを更に含み、アミノ酸番号付けは、KabatのEUインデックスに従う。
【0711】
いくつかの実施形態では、本開示のADC、免疫コンジュゲート、又は放射性免疫コンジュゲートを産生するために使用される本開示の抗体又は抗原結合断片は、アミノ酸置換V302A又はV302S、並びにアミノ酸置換E293Q及びE294Qのうちの少なくとも1つを含み、アミノ酸番号付けは、KabatのEUインデックスに従う。
【0712】
いくつかの実施形態では、本開示のADC、免疫コンジュゲート、又は放射性免疫コンジュゲートを産生するために使用される本開示の抗体又は抗原結合断片は、アミノ酸置換V302A又はV302Sを含み、重鎖位置286、287、288、289、290、293、若しくは294にグルタミン置換、例えば、アミノ酸置換N286Q、A287Q、K288Q、T289Q、K290Q、E293Q、若しくはE294Q、及び/又は重鎖位置241、243、294、若しくは301、例えば、F241A、F243A、E294A、若しくはR301Aにアラニン置換を更に含む。
【0713】
いくつかの実施形態では、本開示のADC、免疫コンジュゲート、又は放射性免疫コンジュゲートを産生するためにトランスグルタミナーゼとコンジュゲートされた本開示の抗体又は抗原結合断片は、グリコシル化されているか、若しくはグリカン無傷抗体であるか、又はそのグリカン含有量は、天然抗体と比較して変化していない。いくつかの実施形態では、本開示のADC、免疫コンジュゲート、又は放射性免疫コンジュゲートを産生するためにトランスグルタミナーゼとコンジュゲートされた本開示の抗体又は抗原結合断片は、位置N297でグリコシル化されているか、又は位置N297での抗体若しくはその抗原結合断片のグリカン含有量は、天然抗体と比較して変化していない。
【0714】
いくつかの実施形態では、本開示のADC又は放射性コンジュゲートを産生する方法は、本開示のグリコシル化若しくはグリカン無傷抗体又は抗原結合断片を、低イオン強度条件においてトランスグルタミナーゼの存在下でアミン化合物と反応させることを含む。低イオン強度条件としては、約25mM以下、約20mM以下、約15mM以下、約10mM以下の塩濃度を含む溶液が挙げられるが、これらに限定されない。
【0715】
いくつかの実施形態では、本開示のADC、免疫コンジュゲート、又は放射性免疫コンジュゲートを産生するために使用される本開示の抗体又は抗原結合断片は、抗体又はその抗原結合断片を、抗体のFc-グリコシル化部位におけるコアGlcNac残基間のβ-1,4連結に特異的な細菌エンドグリコシダーゼ、例えば、GlycINATOR(Genovis)(これは、Fc上の最も内側のGlcNAcを無傷なままとし、その部位でアジド糖の部位特異的な組み込みを可能にする)で切り出すことによって改変される。次いで、短縮された抗体又はその抗原結合断片を、GalTガラクトシルトランスフェラーゼ又はGalNAcトランスフェラーゼなどの糖転移酵素の存在下で、UDP-N-アジドアセチルガラクトサミン(UDP-GalNAz)又はUDP-6-アジド6-デオキシGalNacなどのアジド標識化糖と反応させて、それにより修飾された抗体又はその抗原結合断片を得ることができる。
【0716】
他の実施形態では、本開示の免疫コンジュゲート又は放射性免疫コンジュゲートを産生するために使用される本開示の抗体又はその抗原結合断片は、抗体又はその抗原結合断片をアミダーゼで脱グリコシル化することによって改変される。
【0717】
クリックケミストリー
いくつかの実施形態では、クリックケミストリーを使用して、本開示の選択された抗体に薬物部分、キレータ、及び/又はリンカーを結合させることができる。本明細書で使用される場合、「クリックケミストリー」という用語は、反応基を含む小さな単位を一緒に連結することによって共有結合を迅速かつ確実に生成するように調整された化学を記載している、Sharplessによって導入された化学原理を指す(Kolb,et al.,Angewandte ChemieInternational Edition(2001)40:2004-2021を参照されたい)。クリックケミストリーは、特定の反応を指すものではないが、自然界に見られる反応を模倣する反応を含むがこれらに限定されない概念を指す。いくつかの実施形態では、クリックケミストリー反応は、モジュール式であり、広範囲であり、高い化学収率が得られ、不活性の副生成物を生成し、立体特異的であり、単一の反応生成物との反応に有利になる大きな熱力学的駆動力を示し、かつ/又は生理学的条件下で実施することができる。いくつかの実施形態では、クリックケミストリー反応は、単純な反応条件下で実施することができ、容易に利用可能な出発物質及び試薬を使用し、非毒性溶媒を使用し又は水などの無害な若しくは容易に除去される溶媒を使用し、かつ/又は結晶化若しくは蒸留などの非クロマトグラフィー法による単純な生成物の単離を提供する。
【0718】
クリックケミストリー反応は、天然に存在する生体分子には稀にしか見られず、生体分子に対して化学的に不活性である反応基を利用するが、クリックケミストリーパートナーが一緒に反応した場合、反応は、生物学的に関連する条件下、例えば、過剰な加熱及び/又は強過ぎる試薬が存在しないなどの細胞培養条件で効率的に起こり得る。一般に、クリックケミストリー反応は、互いに反応することができるクリック反応パートナーを含む、少なくとも2つの分子を必要とする。互いに反応性であるこのようなクリック反応パートナーは、本明細書ではクリックケミストリーハンドル対、又はクリックケミストリー対と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、クリック反応パートナーは、アジド及び歪みを有する(strained)アルキン、例えばシクロオクチン又はシクロオクチン誘導体などのシクロアルキン、又は任意の他のアルキンである。他の実施形態では、クリック反応パートナーは、反応性ジエン及び好適なテトラジン求ジエン体である。例えば、トランス-シクロオクテン、ノルボルネン、又はビスシクロノネンは、クリック反応対として好適なテトラジン求ジエン体と対にすることができる。
【0719】
更に他の実施形態では、テトラゾールは、紫外線の存在下で活性化されていないアルケンと対になって、「光クリック」反応対と呼ばれるクリック反応対を作ることができるニトリルイミンの潜在的供給源として作用し得る。
【0720】
他の実施形態では、クリック反応パートナーは、システイン及びマレイミドである。例えば、ペプチドからのシステイン(例えば、GGGC(配列番号338))を、キレート剤(例えば、NOTA)に会合しているマレイミドと反応させることができる。他の好適なクリックケミストリーハンドルが当業者に知られている(例えば、Spicer et al.,Selective chemical protein modification.Nature Communications.2014号、5:p.4740を参照されたい)。他の実施形態では、クリック反応パートナーは、ホスフィン及びアジドなどのシュタウディンガーライゲーション成分である。他の実施形態では、クリック反応パートナーはジエン(例えば、テトラジン)及びアルケン(例えば、トランス-シクロオクテン(trans-cyclooctene、TCO)又はノルボルネン)などのディールス・アルダー反応成分である。例示的なクリック反応パートナーは、米国特許出願公開第20130266512号及び国際公開第2015073746号に記載されており、これら特許文献におけるクリック反応パートナーについての関連する説明は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0721】
好ましい実施形態によれば、クリックケミストリー反応は、クリックケミストリー対又は反応パートナーとして、アジド基及びアルキン基、より好ましくは、歪みを有するアルキン基、例えば、シクロオクチン又はシクロオクチン誘導体などのシクロアルキンを利用する。そのような実施形態では、クリックケミストリー反応は、1,2,3-トリアゾールリンカーを形成するためのアジド(-N)とアルキン部分との間のヒュスゲン環化付加又は1,3-双極子環化付加である。アルキンとアジドとの間のクリックケミストリー反応は、典型的には、1,3-シクロ付加反応を促進するために銅触媒の添加を必要とし、銅触媒アジド-アルキンシクロ付加(CuAAC)反応として知られている。しかしながら、シクロオクチン又はシクロオクチン誘導体とアジドとの間のクリックケミストリー反応は、典型的には銅触媒の添加を必要とせず、代わりに、歪み促進型(strain-promoted)アジド-アルキン付加環化反応(strain-promoted azide-alkyne cycloaddition、SPAAC)を介して進行する(Debets,M.F.,et al.,Bioconjugation with strained alkenes and alkynes.Acc Chem Res,2011.44(9):p.805-15)。放射性免疫コンジュゲートは、例えば、クリックケミストリー反応によって、本発明のキレータを抗体又はその抗原結合断片に共有連結させることによって、本発明の免疫コンジュゲートを最初に調製することによって産生することができ、その後、免疫コンジュゲートを放射性金属イオンで標識して、放射性免疫コンジュゲートを産生することができる。
【0722】
本明細書に記載の方法によって生成された放射性免疫コンジュゲートは、本開示を考慮して当業者に既知の方法を使用して分析することができる。例えば、LC/MS分析を使用して、キレータと、標識されたポリペプチド、例えば、抗体又はその抗原結合断片との比率を決定することができ、分析サイズ排除クロマトグラフィーを使用して、ポリペプチド及びポリペプチドコンジュゲート、例えば、抗体及び抗体コンジュゲートのオリゴマー状態を決定することができ、放射化学的収率は、インスタント薄層クロマトグラフィー(例えば、iTLC-SG)によって決定することができ、放射化学純度は、サイズ排除HPLCによって決定することができる。
【0723】
DAR分布
「薬物対抗体比(drug-to-antibody ratio、DAR)」又は「キレータ抗体比(chelator antibody ratio、CAR)」という用語は、抗体分子当たりの薬物-リンカー分子の数又は抗体当たりのキレータ分子の数を指す。DARは、オンライン質量分析と共にRP-HPLCを使用する無傷な質量分析によって測定され得る。ある特定の実施形態によれば、本開示のコンジュゲート中間体の平均DARは、約1~約10、又は1~約9、又は1~約8、約1~約7の、又は約1~約6、又は約1~約5、又は約1~約4、又は約1~約3、又は約2~約4、又は約2~約3である。
【0724】
いくつかの実施形態では、コンジュゲート調製物は、そのDAR分布に関して実質的に均質であってもよく、これは、調製物内に、ローディング部位(すなわち、遊離システイン上)に関しても均質である特定のDARを有する部位特異的ADCの優勢な種が存在することを意味する。ある特定の実施形態では、部位特異的抗体又は選択的組み合わせの使用によって所望の均質性を達成することが可能である。他の実施形態では、所望の均質性は、選択的還元と組み合わせた部位特異的構築物の使用によって達成され得る。更に他の実施形態では、調製物は、分析又は分取クロマトグラフィー技術を使用して更に精製され得る。これらの実施形態の各々では、ADC試料の均質性は、SDS-PAGE、HPLC(例えば、サイズ排除HPLC、RP-HPLC、HIC-HPLCなど)、又はキャピラリー電気泳動を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の様々な技術を使用して分析することができる。
【0725】
いくつかの実施形態では、抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、4のDARを有する放射性金属錯体にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、抗PSMA抗体又はその抗原結合断片は、8のDARを有する放射性金属錯体にコンジュゲートされる場合。
【0726】
本開示の放射性コンジュゲート及びADC
本明細書に記載されるものなどの、本開示の抗PSMA抗体、その抗原結合断片、キレータ、又は放射性金属錯体のいずれかを使用して、本開示の放射性免疫コンジュゲート又はADCを産生することができる。
【0727】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲート又はADCは、PSMAに特異的に結合する抗体又は抗原結合ドメインを含む。
【0728】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲート又はADCは、PSMAに特異的に結合し、(a)配列番号4のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号6のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、並びに(b)配列番号7のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号8のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号9のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む、抗体又は抗原結合ドメインを含む。
【0729】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲート又はADCは、PSMAに特異的に結合し、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び/又は配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む、抗体又は抗原結合ドメインを含む。
【0730】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲート又はADCは、PSMAに特異的に結合し、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)及び/又は配列番号53のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む、抗体又は抗原結合ドメインを含む。
【0731】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲート又はADCは、PSMAに特異的に結合し、配列番号84のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、及び/又は配列番号85のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域を含む、抗体又は抗原結合ドメインを含む。
【0732】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲート又はADCは、PSMAに特異的に結合し、配列番号84のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域及び/又は配列番号85のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む、抗体又は抗原結合ドメインを含む。
【0733】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲート又はADCは、PSMAに特異的に結合し、配列番号86のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、及び/又は配列番号85のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域を含む、抗体又は抗原結合ドメインを含む。
【0734】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲート又はADCは、PSMAに特異的に結合し、配列番号86のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域及び/又は配列番号85のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む、抗体又は抗原結合ドメインを含む。
【0735】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲート又はADCは、PSMAに特異的に結合し、(a)配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号11のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、並びに(b)配列番号13のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号14のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む、抗体又は抗原結合ドメインを含む。
【0736】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲート又はADCは、PSMAに特異的に結合し、配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び/又は配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む、抗体又は抗原結合ドメインを含む。
【0737】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲート又はADCは、PSMAに特異的に結合し、配列番号54のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)及び/又は配列番号55のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む、抗体又は抗原結合ドメインを含む。
【0738】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲート又はADCは、PSMAに特異的に結合し、配列番号88のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、及び/又は配列番号89のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域を含む、抗体又は抗原結合ドメインを含む。
【0739】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲート又はADCは、PSMAに特異的に結合し、配列番号88のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域及び/又は配列番号89のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む、抗体又は抗原結合ドメインを含む。
【0740】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲート又はADCは、PSMAに特異的に結合し、配列番号90のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、及び/又は配列番号89のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域を含む、抗体又は抗原結合ドメインを含む。
【0741】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲート又はADCは、PSMAに特異的に結合し、配列番号90のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域及び/又は配列番号89のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む、抗体又は抗原結合ドメインを含む。
【0742】
いくつかの実施形態では、放射性コンジュゲートは、キレータ及び放射性金属を含む放射性金属錯体にコンジュゲートされた、本開示のPSMA抗体又はその抗原結合断片などの抗体を含む。いくつかの実施形態では、PSMA抗体又はその抗原結合断片は、キレータに共有結合している。いくつかの実施形態では、放射性金属錯体は、リンカーを含む。
【0743】
いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、アクチニウム-225(225Ac)である。
【0744】
いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、セリウム134(134Ce)である。
【0745】
いくつかの実施形態では、放射性金属イオンは、インジウム111(111In)である。
【0746】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、抗PSMA抗体又はその抗原結合断片を含み、これは
(a)配列番号4のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号6のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、
(b)配列番号7のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号8のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号9のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)、並びに
(c)キレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含む。
【0747】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)、及び
キレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0748】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、配列番号53のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)、及びキレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0749】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号84のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域、及び
キレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0750】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号84のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0751】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、抗PSMA抗体又はその抗原結合断片を含み、これは
(a)配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号11のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、
(b)配列番号13のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号14のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)、並びに
(c)キレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含む。
【0752】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)、及び
キレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0753】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号54のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、配列番号55のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)、及びキレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0754】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号88のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域、及び
キレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0755】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号88のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0756】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号86のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域、及び
キレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0757】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号86のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0758】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号90のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域、及び
キレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0759】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号90のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0760】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、抗PSMA抗体又はその抗原結合断片を含み、これは
(a)配列番号4のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号6のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、
(b)配列番号7のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号8のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号9のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)、並びに
(c)キレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、111Inである、放射性金属イオンを含む。
【0761】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)、及び
キレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、111Inである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0762】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、配列番号53のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、111Inである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0763】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号84のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、111Inである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0764】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号84のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、111Inである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0765】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号86のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、111Inである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0766】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号86のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、111Inである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0767】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、抗PSMA抗体又はその抗原結合断片を含み、これは
(a)配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号11のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、
(b)配列番号13のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号14のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)、並びに
(c)キレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、111Inである、放射性金属イオンを含む。
【0768】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)、及び
キレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、111Inである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0769】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号54のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、配列番号55のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、111Inである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0770】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号88のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、111Inである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0771】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号88のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、111Inである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0772】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号90のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、111Inである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0773】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号90のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、111Inである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0774】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、抗PSMA抗体又はその抗原結合断片を含み、これは
(a)配列番号4のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号6のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、
(b)配列番号7のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号8のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号9のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)、並びに
(c)キレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、134Ceである、放射性金属イオンを含む。
【0775】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)、及び
キレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、134Ceである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0776】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、配列番号53のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、134Ceである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0777】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号84のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、134Ceである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0778】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号84のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、134Ceである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0779】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号86のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、134Ceである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0780】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号86のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、134Ceである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0781】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号90のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、134Ceである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0782】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号90のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、134Ceである、放射性金属イオンを含む、抗PSMA抗体を含む。
【0783】
いくつかの実施形態では、キレータは、本開示のキレータのいずれかを含む。
【0784】
いくつかの実施形態では、キレータは、以下の式のp-SCN-Bn-DOTA(S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸)
【0785】
【化29】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0786】
いくつかの実施形態において、キレータは、以下の式のTOPA-[C7]-フェニルイソチオシアネート:
【0787】
【化30】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0788】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、
(a)抗PSMA抗体又はその抗原結合断片であって、配列番号4のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号6のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH);配列番号7のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号8のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号9のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)を含むもの;並びに
(b)キレータ部分に配位した造影剤として使用される放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが111Inである、放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式のp-SCN-Bn-DOTA(S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸)
【0789】
【化31】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0790】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、
配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PSMA抗体;及び
キレータ部分に配位した造影剤として使用される放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが111Inである、放射性金属イオンを含み、キレータは、式IVのp-SCN-Bn-DOTA(S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸)又はその医薬的に許容される塩である。
【0791】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、
配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、配列番号53のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗PSMA抗体;及び
キレータ部分に配位した造影剤として使用される放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが111Inである、放射性金属イオンを含み、キレータは、式IVのp-SCN-Bn-DOTA(S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸)又はその医薬的に許容される塩である。
【0792】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、
配列番号84のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域を含む、抗PSMA抗体、及び
キレータ部分に配位した造影剤として使用される放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが111Inである、放射性金属イオンを含み、キレータは、式IVのp-SCN-Bn-DOTA(S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸)又はその医薬的に許容される塩である。
【0793】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、
配列番号84のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む抗PSMA抗体;及び
キレータ部分に配位した造影剤として使用される放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが111Inである、放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式のp-SCN-Bn-DOTA(S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸):
【0794】
【化32】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0795】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、
(a)抗PSMA抗体又はその抗原結合断片であって、配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号11のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH);配列番号13のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号14のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)を含むもの;
(b)キレータ部分に配位した造影剤として使用される放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが111Inである、放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式のp-SCN-Bn-DOTA(S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸)
【0796】
【化33】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0797】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、
配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PSMA抗体;及び
キレータ部分に配位した造影剤として使用される放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが111Inである、放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式のp-SCN-Bn-DOTA(S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸)
【0798】
【化34】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0799】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、
配列番号54のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、配列番号55のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む抗PSMA抗体;及び
キレータ部分に配位した造影剤として使用される放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが111Inである、放射性金属イオンを含み、キレータは、式IVのp-SCN-Bn-DOTA(S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸)又はその医薬的に許容される塩である。
【0800】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、
配列番号88のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域を含む、抗PSMA抗体、及び
キレータ部分に配位した造影剤として使用される放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが111Inである、放射性金属イオンを含み、キレータは、式IVのp-SCN-Bn-DOTA(S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸)又はその医薬的に許容される塩である。
【0801】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、
(a)配列番号88のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む抗PSMA抗体;及び
(b)キレータ部分に配位した造影剤として使用される放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが111Inである、放射性金属イオンを含み、キレータは、式IVのp-SCN-Bn-DOTA(S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸)又はその医薬的に許容される塩である。
【0802】
いくつかの実施形態では、本開示は、以下の構造を有する放射性免疫コンジュゲートを提供し:
【0803】
【化35】
(本明細書においてTOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-抗体コンジュゲートとも称される)、
式中、Mは、アクチニウム225(225Ac)であり、
mAbは、PSMAに対する結合特異性を有する。
【0804】
いくつかの実施形態では、本開示は、以下の構造を有する放射性免疫コンジュゲートを提供し:
【0805】
【化36】
(本明細書においてTOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMA抗体コンジュゲートとも称される)、
式中、Mは、アクチニウム225(225Ac)であり、
mAbは、PSMAに対する結合特異性を有し、例えば、
(i)mAbは、配列番号4及び配列番号5及び配列番号6のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)可変領域、並びに配列番号7及び配列番号8及び配列番号9のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)可変領域を含む、PSMB1154抗体であり、及び/又は
(ii)mAbは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び/又は配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0806】
いくつかの実施形態では、本開示は、以下の構造を有する放射性免疫コンジュゲートを提供し:
【0807】
【化37】
(i)mAbは、配列番号4及び配列番号5及び配列番号6のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)可変領域、並びに配列番号7及び配列番号8及び配列番号9のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)可変領域を含む、PSMB1154抗体であり、及び/又は
(ii)mAbは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び/又は配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0808】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、抗PSMA抗体又はその抗原結合断片を含み、これは、
(a)配列番号4のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号6のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、
(b)配列番号7のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号8のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号9のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)、
(c)キレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0809】
【化38】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0810】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PSMA抗体、及び
キレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0811】
【化39】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0812】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、配列番号53のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PSMA抗体、及びキレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0813】
【化40】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0814】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号84のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域を含む、抗PSMA抗体、及び
キレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0815】
【化41】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0816】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号84のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む、抗PSMA抗体、及びキレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0817】
【化42】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0818】
いくつかの実施形態では、本開示は、以下の構造を有する放射性免疫コンジュゲートを提供し:
【0819】
【化43】
(本明細書においてTOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMA抗体コンジュゲートとも称される)、
式中、Mは、アクチニウム225(225Ac)であり、
mAbは、PSMAに対する結合特異性を有し、例えば、
(i)mAbは、配列番号10及び配列番号11及び配列番号12のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)可変領域、並びに配列番号13及び配列番号14及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)可変領域を含む、PSMB1183抗体であり、及び/又は
(ii)mAbは、配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び/又は配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0820】
本発明の一実施形態は、以下の構造を有する放射性免疫コンジュゲートを提供し:
【0821】
【化44】
(i)mAbは、配列番号10及び配列番号11及び配列番号12のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)可変領域、並びに配列番号13及び配列番号14及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)可変領域を含む、PSMB1183抗体であり、及び/又は
(ii)mAbは、配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び/又は配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0822】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、抗PSMA抗体又はその抗原結合断片を含み、これは
(a)配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号11のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、
(b)配列番号13のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号14のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)、並びに
(c)キレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0823】
【化45】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0824】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PSMA抗体、及び
キレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0825】
【化46】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0826】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号54のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、配列番号55のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PSMA抗体、及びキレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0827】
【化47】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0828】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号88のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域を含む、抗PSMA抗体、及び
キレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0829】
【化48】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0830】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号88のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む、抗PSMA抗体、及びキレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0831】
【化49】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0832】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号86のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域を含む、抗PSMA抗体、及び
キレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0833】
【化50】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0834】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号86のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む、抗PSMA抗体、及びキレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0835】
【化51】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0836】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号90のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域を含む、抗PSMA抗体、及び
キレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0837】
【化52】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0838】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号90のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む、抗PSMA抗体、及びキレータ部分に配位されたアルファ-放出放射性金属イオンであって、アルファ-放出放射性金属イオンが、225Acである、アルファ-放出放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0839】
【化53】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0840】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、抗PSMA抗体又はその抗原結合断片を含み、これは
(a)配列番号4のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号6のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、
(b)配列番号7のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号8のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号9のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)、
(c)キレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、134Ceである、放射性金属イオンを含み;キレータは、以下の式の化合物:
【0841】
【化54】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0842】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PSMA抗体、及び
キレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、134Ceである、放射性金属イオンを含み;キレータは、以下の式の化合物:
【0843】
【化55】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0844】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、配列番号53のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む、抗PSMA抗体、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、134Ceである、放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0845】
【化56】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0846】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号86のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域を含む、抗PSMA抗体、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンを含み、放射性金属イオンは、134Ceであり、キレータは、以下の式の化合物:
【0847】
【化57】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0848】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号86のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号85のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む、抗PSMA抗体、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、134Ceである、放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0849】
【化58】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0850】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号90のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖定常領域を含む、抗PSMA抗体、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンを含み、放射性金属イオンは、134Ceであり、キレータは、以下の式の化合物:
【0851】
【化59】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0852】
いくつかの実施形態では、本開示の放射性コンジュゲートは、配列番号90のアミノ酸配列を含む重鎖定常領域、配列番号89のアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域を含む、抗PSMA抗体、及びキレータ部分に配位された放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが、134Ceである、放射性金属イオンを含み、キレータは、以下の式の化合物:
【0853】
【化60】
又はその医薬的に許容される塩である。
【0854】
医薬組成物
PSMA陽性癌を治療するための医薬品の調製のための、本開示の開示される抗体、その抗原結合断片、放射性コンジュゲート、又はADCのいずれかの使用も提供される。
【0855】
本開示の抗体、その抗原結合断片、放射性コンジュゲート、又はADCと、医薬的に許容され得る担体と、を含む、医薬組成物も提供される。
【0856】
治療用途では、本開示の抗PSMA抗体、その抗原結合断片、放射性コンジュゲート、又はADCは、医薬的に許容され得る担体中に活性成分として有効量の抗体を含有する医薬組成物として調製され得る。
【0857】
「担体」は、本発明の抗体が共に投与される希釈剤、補助剤、賦形剤、又はビヒクルを指す。このようなビヒクルは、水、及び石油、動物、植物、又は合成物由来のものを含む油、例えば、落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油などの液体であってもよい。例えば、0.4%生理食塩水及び0.3%グリシンを用いてよい。これらの溶液は滅菌され、概して粒子状物質を含まない。これらは、従来周知の滅菌技術(例えば、濾過)によって滅菌することができる。本組成物は、生理学的条件に近づけるために必要とされる医薬的に許容される補助物質、例えば、pH調節剤及び緩衝剤、安定剤、増粘剤、潤滑剤及び着色剤などを含有し得る。そのような医薬製剤中の本開示の抗体、その抗原結合断片、放射性コンジュゲート、又はADCの濃度は、約0.5重量%未満から通常少なくとも約1重量%まで、最大で15又は20重量%まで変化し得、選択される投与の様式に従って、必要とされる用量、流体体積、粘度などに主に基づいて選択され得る。好適なビヒクル及び製剤(他のヒトタンパク質、例えばヒト血清アルブミンを含む)は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,Troy,D.B.ed.,Lipincott Williams and Wilkins,Philadelphia,PA 2006,Part 5,Pharmaceutical Manufacturing pp 691-1092に記載されており、特にpp.958-989を参照されたい。
【0858】
医薬的に許容される担体としては、バッファー、賦形剤、安定剤、又は防腐剤を挙げることができる。医薬組成物に関して本明細書で使用される場合、「医薬的に許容される」という用語は、動物及び/又はヒトにおける使用について、連邦政府若しくは州政府の規制機関によって承認されているか、又は米国薬局方若しくは他の一般に認められている薬局方に列挙されていることを意味する。
【0859】
医薬的に許容される担体の例は、生理学的に適合性の溶剤、分散媒体、コーティング剤、抗菌及び抗真菌剤、等張及び吸収遅延剤などであり、例えば、塩、緩衝液、抗酸化剤、糖類、水性若しくは非水性担体、防腐剤、湿潤剤、界面活性剤、若しくは乳化剤、又はこれらの組み合わせである。医薬組成物中の医薬的に許容される担体の量は、担体の活性及び製剤の所望の特性、例えば安定性及び/又は最小酸化に基づいて実験的に決定され得る。
【0860】
医薬組成物は、酢酸、クエン酸、ギ酸、コハク酸、リン酸、炭酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、ヒスチジン、ホウ酸、トリス緩衝液、HEPPSO、HEPES、中性緩衝生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水などの緩衝液;グルコース、マンノース、スクロース又はデキストラン、マンニトールなどの炭水化物;タンパク質;グリシンなどのポリペプチド又はアミノ酸;抗酸化剤;EDTA又はグルタチオンなどのキレート剤;補助剤(例えば、水酸化アルミニウム);抗菌剤及び抗真菌剤;並びに防腐剤を含み得る。
【0861】
本開示の医薬組成物は、非経口投与又は経口投与の様々な手段のために製剤化することができる。一実施形態では、組成物は、注入又は静脈内投与向けに製剤化され得る。本明細書に開示される医薬組成物は、例えば、無菌液体調製物、例えば、等張水溶液、エマルション、懸濁液、分散液、又は粘性組成物として提供することができ、これらは、所望のpHに緩衝され得る。経口投与に好適な製剤としては、液体溶液、カプセル剤、サッシェ剤、タブレット剤、ドロップ剤、及びトローチ剤、適切な液体及び乳剤中の粉末液体懸濁液を挙げることができる。
【0862】
治療及び使用方法
癌の治療のための、開示される抗体、その抗原結合断片、放射性コンジュゲート、ADC、又は医薬組成物のいずれかの使用も提供される。
【0863】
いくつかの実施形態では、本開示は、本開示の抗体、その抗原結合断片、又は医薬組成物のいずれかを用いて、対象におけるPSMA発現癌を治療する方法を提供する。
【0864】
いくつかの実施形態では、本開示は、本開示の抗体薬物コンジュゲートのいずれかを用いて、対象におけるPSMA発現癌を治療する方法を提供する。
【0865】
いくつかの実施形態では、本開示は、本開示の放射性免疫コンジュゲートのいずれかを用いて、対象におけるPSMA発現癌を治療する方法を提供する。
【0866】
癌などの疾患若しくは障害を「治療する」、「治療すること」、又は「治療」とは、以下、障害の重篤度及び/若しくは期間を低減する、障害の進行を遅延させる、障害の進行を緩徐化させる、治療される障害に特徴的な症状の悪化を阻害する、以前に障害を有していた対象における障害の再発を制限若しくは予防する、又は障害について以前に症候性であった対象における症状の再発を制限若しくは予防する、のうちの1つ又は2つ以上を達成することを指す。本明細書で使用される場合、「その進行を遅延させる」及び「その進行を緩徐化する」という用語は、(a)疾患、状態、若しくは障害の1つ若しくは2つ以上の症状若しくは合併症の発症を遅延若しくは緩徐化させること、(b)疾患、状態、若しくは障害の1つ若しくは2つ以上の新しい/追加の症状若しくは合併症の発症を遅延若しくは緩徐化させること、及び/又は(c)疾患、状態、若しくは障害が当該疾患、状態、若しくは障害の後期若しくはより深刻な形態に進行することを遅延若しくは緩徐化させること、を含むものとする。
【0867】
「対象」は、任意のヒト又は非ヒト動物を含む。「非ヒト動物」は、全ての脊椎動物、例えば、哺乳動物及び非哺乳動物を含む。本明細書で使用される場合、用語「哺乳動物」は、あらゆる哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、非ヒト霊長類、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サル、ヒトなどが挙げられるが、これらに限定されない。「対象」及び「患者」という用語は、本明細書において互換的に使用され得る。いくつかの実施形態では、対象又は患者は、ヒトである。
【0868】
「治療有効量」は、必要な用量及び期間で所望の治療結果を達成するための有効量を指す。治療有効量は、個人の疾患期、年齢、性別、及び体重などの要因に応じて変化し得る。
【0869】
いくつかの実施形態では、医学的状態は、PSMA発現癌である。
【0870】
いくつかの実施形態では、医学的状態は、前立腺の疾患又は障害である。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、前立腺関連疾患又は障害である。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、前立腺癌である。いくつかの実施形態では、前立腺癌は、原発性前立腺癌である。いくつかの実施形態では、前立腺癌は転移性前立腺癌である。別の一実施形態では、前立腺癌は、去勢抵抗性癌である。別の一実施形態では、前立腺癌は、転移性去勢抵抗性癌(metastatic castration-resistant cancer、mCRPC)である。一実施形態では、前立腺の疾患又は障害は、前立腺上皮内腫瘍である。いくつかの実施形態では、前立腺の疾患又は障害は、前立腺腫瘍である。いくつかの実施形態では、前立腺腫瘍は、固形腫瘍である。
【0871】
ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、腎明細胞癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、腎細胞癌(renal cell carcinoma、RCC)である。いくつかの実施形態では、RCCは、腎臓明細胞癌である。いくつかの実施形態では、RCCは、腎臓乳頭状細胞癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、RCCの転移性病変である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、膀胱癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、乳癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、腎臓癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、血管新生障害である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、固形腫瘍成長を特徴とする癌である。いくつかの実施形態では、血管新生障害は、腎明細胞癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、大腸癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、乳癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、膀胱癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、肺癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、膵臓癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、非前立腺癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、腎癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、尿路上皮癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、肺癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、結腸癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、乳癌である。ある特定の実施形態では、疾患又は障害は、肝臓腺癌である。
【0872】
癌は、過剰増殖状態若しくは障害、固形腫瘍、血管新生、軟組織腫瘍、又は転移病変であり得る。「癌」は、病理学的な種類又は侵襲性の段階に関係なく、全ての種類の癌性成長又は発癌プロセス、転移組織又は悪性腫瘍形質転換細胞、組織、又は器官を含むことを意味する。癌の例としては、固形腫瘍、血液悪性腫瘍、軟組織腫瘍、及び転移性病変が挙げられる。例示的な固形腫瘍としては、前立腺、肝臓、肺、乳房、リンパ系、胃腸(例えば、結腸)、生殖器系(例えば、腎、尿上皮細胞)、前立腺、及び咽頭に影響を及ぼすものなどの様々な臓器系の悪性腫瘍、例えば、肉腫、及び癌(腺癌及び扁平上皮癌を含む)が挙げられる。腺癌には、最も結腸癌、直腸癌、腎細胞癌、肝臓癌、肺の非小細胞癌、小腸の癌、及び食道の癌などの悪性腫瘍が挙げられる。扁平上皮癌としては、例えば、肺、食道、皮膚、頭及び頸部領域、口腔、肛門、並びに子宮頸部の悪性腫瘍が挙げられる。
【0873】
放射性免疫コンジュゲートは、例えば、標的化リガンドによって標的化された細胞などに直接放射線を送達する。好ましくは、放射性免疫コンジュゲートは、225Acなどのα線放出放射性金属イオンを担持する。標的化すると、α線放出放射性金属イオン、例えば、225Ac及びその娘からのα粒子が標的化細胞に送達され、当該細胞に対して細胞毒性効果を引き起こし、それにより放射線治療及び/又は腫瘍疾患若しくは障害の治療を行うために腫瘍細胞を選択的に標的化する。
【0874】
いくつかの実施形態では、本開示は、PSMAに特異的に結合する抗体又は抗原結合ドメインを対象に投与することを含む、対象におけるPSMA発現癌を治療する方法を提供し、PSMAに結合する抗体又は抗原結合ドメインは、
配列番号4のアミノ酸配列を有するVH CDR1、及び配列番号5のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号6のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、並びに配列番号7のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号8のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号9のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)、又は
配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、あるいは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び/若しくは配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、あるいは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0875】
いくつかの実施形態では、本開示は、PSMAに特異的に結合する抗体又は抗原結合ドメインを対象に投与することを含む、PSMA発現癌を治療する方法を提供し、PSMAに結合する抗体又は抗原結合ドメインは、
配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号11のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、並びに配列番号13のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号14のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)、又は
配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、あるいは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び/若しくは配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、あるいは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0876】
いくつかの実施形態では、本開示は、以下の構造を有する放射性免疫コンジュゲートを用いて、対象におけるPSMA発現癌を治療する方法を提供し:
【0877】
【化61】
(本明細書においてTOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMB1154抗体コンジュゲートとも称される)、
式中、Mは、アクチニウム225(225Ac)であり、
mAbは、PSMAに対する結合特異性を有し、例えば、
(i)mAbは、配列番号4及び配列番号5及び配列番号6のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)可変領域、並びに配列番号7及び配列番号8及び配列番号9のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)可変領域を含む、PSMB1154抗体であり、及び/又は
(ii)mAbは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び/又は配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0878】
いくつかの実施形態では、本開示は、以下の構造を有する放射性免疫コンジュゲートを用いて、対象におけるPSMA発現癌を治療する方法を提供し:
【0879】
【化62】
(i)mAbは、配列番号10及び配列番号11及び配列番号12のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)可変領域、並びに配列番号13及び配列番号14及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)可変領域を含む、PSMB1183抗体であり、及び/又は
(ii)mAbは、配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び/又は配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0880】
試料を得ることと、試料を本開示の抗PSMA抗体、その抗原結合断片、又は放射性コンジュゲートと接触させることと、試料中のPSMAに結合した抗体又は放射性コンジュゲートを検出することと、を含む、試料中のPSMAを検出する方法も提供される。
【0881】
本開示は、試料を得ることと、試料を抗PSMA抗体、その抗原結合断片、又は抗PSMA抗体若しくは抗原結合断片を含む放射性コンジュゲートと接触させることと、試料中のPSMAに結合した抗体を検出することと、を含む、試料中のPSMAを検出する方法を提供する。
【0882】
本開示はまた、PSMA発現癌を有する対象を診断する方法であって、PSMA発現癌である方法を提供する。いくつかの実施形態では、PSMA発現癌は、前立腺癌である。
【0883】
いくつかの実施形態では、本開示は、試料中のPSMAを検出する方法又は対象においてPSMA発現癌を診断する方法であって、対象に、
(a)抗PSMA抗体又はその抗原結合断片であって、配列番号4のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号6のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH);配列番号7のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号8のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号9のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)を含むもの;並びに
(b)キレータ部分に配位した造影剤として使用される放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが111Inである、放射性金属イオンを、投与することを含み、キレータは、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10,四酢酸(DOTA)又はその医薬的に許容される塩である。
【0884】
いくつかの実施形態では、本開示は、試料中のPSMAを検出する方法又は対象においてPSMA発現癌を診断する方法であって、対象に、
(a)抗PSMA抗体又はその抗原結合断片であって、
配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号11のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、配列番号13のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号14のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)を含むもの;
(b)キレータ部分に配位した造影剤として使用される放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが111Inである、放射性金属イオンを、投与することを含み、キレータは、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10,四酢酸(DOTA)又はその医薬的に許容される塩である。
【0885】
いくつかの実施形態では、試料は、尿、血液、血清、血漿、唾液、腹水、循環細胞、循環腫瘍細胞、組織に会合していない細胞(即ち、遊離細胞)、組織(例えば、外科的に切除された腫瘍組織、穿刺吸引を含む生検材料)、組織プレパラートなどに由来し得る。
【0886】
本開示の抗体、ADC及び放射性コンジュゲートは、様々な形態であり得る。このような形態としては、例えば、液体、半固体、及び固体の剤形が挙げられるが、好ましい形態は、意図された投与方式及び治療用途により決まる。典型的に好ましい組成物は、注射可能な溶液又は注入可能な溶液の形態である。好ましい投与方式は、非経口(例えば、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下)である。好ましい実施形態では、本発明の組成物は、ボーラス又は一定期間にわたる連続的な注入により静脈投与される。別の好ましい実施形態では、本組成物は、局所並びに全身的な治療効果を発揮するために、筋肉内、皮下、関節内、関節滑液嚢内、腫瘍内、腫瘍周囲、病巣内、又は病巣周囲の経路により注射される。
【0887】
本開示の抗体、ADC及び放射性コンジュゲートは、試料中のPSMAを検出するための様々なアッセイにおいて使用され得る。例示的なアッセイは、ウェスタンブロット分析、ラジオイムノアッセイ、表面プラズモン共鳴、免疫沈降、平衡透析、免疫拡散、電気化学発光(electrochemiluminescence、ECL)イムノアッセイ、免疫組織化学的検査、蛍光活性化細胞選別(fluorescence-activated cell sorting、FACS)、ELISAアッセイ、又はSPECT/CT、CAT、CT、若しくはPET/CTを使用するラジオイメージングである。
【0888】
キット
本開示の抗体、抗原結合断片、放射性コンジュゲート、ADC組成物、又は医薬組成物を含むキットが本明細書に記載される。
【0889】
「キット」及び「製造物品」という用語は、同義語として使用される。
【0890】
いくつかの実施形態では、本開示は、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片を含むキットを提供する。
【0891】
いくつかの実施形態では、本開示は、放射性コンジュゲート、ADC、又は医薬組成物を含むキットを提供する。
【0892】
キットは、治療用途のために、及び診断キットとして使用することができる。
【0893】
キットは、試料中のPSMAの存在を検出するために使用され得る。
【0894】
いくつかの実施形態では、キットは、本開示の抗PSMA抗体又は抗原結合断片、及びPSMA結合タンパク質を検出するための試薬を含む。いくつかの実施形態では、キットは、本開示の放射性コンジュゲート及びPSMA結合タンパク質を検出するための試薬を含む。キットは、使用説明書;他の試薬、例えば、標識、治療剤、又はキレート化若しくは別の方法のカップリングに有用な薬剤、標識若しくは治療剤に対する抗体、又は放射線防護組成物;投与するために抗体を調製するためのデバイス又は他の材料;医薬的に許容される担体、及び対象に投与するためのデバイス又は他の材料を含む、1つ又は2つ以上の他の要素を含み得る。
【0895】
いくつかの実施形態では、キットは、容器内に開示される抗体、その抗原結合断片放射性コンジュゲート、ADC、又は医薬組成物、及びキットの使用説明書を含む。
【0896】
いくつかの実施形態では、キット中のPSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片は、標識される。
【0897】
いくつかの実施形態では、キットは、開示される抗体、その抗原結合断片、放射性コンジュゲート、ADC、又は医薬組成物容器、及びキットの使用説明書を含む。
【0898】
いくつかの実施形態では、キットは、PSMAに結合する抗体、その抗原結合断片を含み、抗体又は抗原結合断片は、
配列番号52のVH及び配列番号53のVL、
配列番号54のVH及び配列番号55のVL、
配列番号56のVH及び配列番号57のVL、
配列番号58のVH及び配列番号59のVL、
配列番号60のVH及び配列番号61のVL、
配列番号62のVH及び配列番号63のVL、
配列番号64のVH及び配列番号65のVL、
配列番号66のVH及び配列番号67のVL、又は
配列番号278のVH及び配列番号279のVLを含む。
【0899】
いくつかの実施形態では、キットは、配列番号52のVH及び配列番号53のVLを含む、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0900】
いくつかの実施形態では、キットは、配列番号84、85、86、88、89、90、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、268、269、282、284、又は288のアミノ酸配列を含む、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0901】
いくつかの実施形態では、キットは、(a)配列番号84及び配列番号85、(b)配列番号86及び配列番号85、(c)配列番号88及び配列番号89、(d)配列番号90及び配列番号89、(e)配列番号92及び配列番号93、f)配列番号94及び配列番号95、g)配列番号96及び配列番号97、h)配列番号98及び配列番号99、i)配列番号100及び配列番号101、j)配列番号102及び配列番号103、k)配列番号268及び配列番号269、l)配列番号284及び配列番号269、m)配列番号282及びn)配列番号288からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、PSMAに結合する抗体又はその抗原結合断片を含む。
【0902】
いくつかの実施形態では、キットは、以下の構造を有する放射性免疫コンジュゲートを含み:
【0903】
【化63】
(本明細書においてTOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMA抗体コンジュゲートとも称される)、
式中、Mは、アクチニウム225(225Ac)であり、
mAbは、PSMAに対する結合特異性を有し、例えば、
(i)mAbは、配列番号4及び配列番号5及び配列番号6のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)可変領域、並びに配列番号7及び配列番号8及び配列番号9のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)可変領域を含む、PSMB1154抗体であり、及び/又は
(ii)mAbは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び/又は配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0904】
いくつかの実施形態では、キットは、以下の構造を有する放射性免疫コンジュゲートを含み:
【0905】
【化64】
本明細書においてTOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMA抗体コンジュゲートとも称される)、
式中、Mは、アクチニウム225(225Ac)であり、
mAbは、PSMAに対する結合特異性を有し、例えば、
(i)mAbは、配列番号10及び配列番号11及び配列番号12のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)可変領域、並びに配列番号13及び配列番号14及び配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)可変領域を含む、PSMB1183抗体であり、及び/又は
(ii)mAbは、配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、及び/又は配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%、若しくは100%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0906】
いくつかの実施形態では、キットは、
キレータ部分に配位した造影剤として使用される放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが111Inであり、キレータが、以下の式のp-SCN-Bn-DOTA(S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸)
【0907】
【化65】
又はその医薬的に許容される塩である、放射性金属イオン;及び
抗PSMA抗体又はその抗原結合断片であって、
配列番号4のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号5のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号6のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、配列番号7のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号8のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号9のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)、並びに/又は
配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む抗PSMA抗体又はその抗原結合断片、を含む放射性免疫コンジュゲートを含む。
【0908】
いくつかの実施形態では、キットは、
キレータ部分に配位した造影剤として使用される放射性金属イオンであって、放射性金属イオンが111Inであり、キレータが、以下の式のp-SCN-Bn-DOTA(S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸)
【0909】
【化66】
又はその医薬的に許容される塩である、放射性金属イオン;及び
抗PSMA抗体又はその抗原結合断片であって、
配列番号14のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号15のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号16のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む重鎖可変領域(VH)、配列番号17のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号19のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)、並びに/又は
配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖可変領域(VH)、配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、若しくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖可変領域(VL)を含む抗PSMA抗体又はその抗原結合断片、を含む放射性免疫コンジュゲートを含む。
【実施例
【0910】
実施例1.抗原の生成
ヒト前立腺特異的膜抗原(PSMA)は、固有の3つの部分構造:19 a.a.細胞内ドメイン、24 a.a.膜貫通ドメイン、及び707 a.a.細胞外ドメインを有するII型膜貫通亜鉛メタロペプチダーゼである。それは、正常細胞に対してほぼ全ての原発性及び転移性前立腺癌細胞の上皮において過剰発現することが知られており、したがって、ADC及び放射性コンジュゲートなどの標的治療の魅力的な標的である。
【0911】
この標的に結合する抗体を同定するために、ヒトPSMA及びカニクイザルPSMAの細胞外ドメイン(extracellular domain、ECD)を、抗体発見中に一次免疫原として使用した。Uniprotアクセッション番号Q04609配列に基づいて、ヒトPSMA ECDを産生した。ECD構築物を、N末端に6XのHisタグ配列(配列番号339)を有するように設計した(タンパク質AA ID PSMW39;配列番号1)。Macaca fascicularisからのPSMA ECDを、NCBIアクセッション番号EHH56646.1に基づいて産生し、N末端でAviタグ及び6XのHisタグ(配列番号339)に融合させた(タンパク質AA ID PSMW1;配列番号2)。Mus musculusからのPSMAの細胞外ドメイン(ECD)を、Uniprotアクセッション番号O35409に基づいて産生し、N末端でAviタグ及び6XのHisタグ(配列番号339)に融合させて、精製を促進した(タンパク質AA ID PSMW29;配列番号3)。カニクイザル及びマウスECD発現構築物を使用して、PEI MAX(トランスフェクショングレードの線状ポリエチレンイミン塩酸塩、Polysciences)を使用してHEK293-6E細胞を一過性にトランスフェクトした。簡単に説明すると、トランスフェクトされた細胞を、振盪フラスコ中で5%COで37℃、6日間インキュベートし、生存率が80%に落ちたときに採取した。ヒトECD発現構築物を使用して、製造業者の推奨に従って、Expifectamine-CHO(ThermoFisher Scientific)を使用してExpi-CHOの安定したトランスフェクトを行った。簡単に説明すると、安定したトランスフェクタントをG418(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号10131027)で選択した。最も高レベルのヒトPSMA ECDタンパク質を発現するモノクローンを、ELISA(R&D Systems、カタログ番号DY4234-05)によって同定した。高PSMW39発現モノクローンを、5%Cell Boost 5(Hyclone、カタログ番号SH30865.01)を用いて補充されたDynamis培地(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号A2661501)中で培養し、37℃、125rpm、及び5%COで、細胞生存率が80%未満に落ちるまでインキュベートした。2、4、7、9、及び11日目に、6mLの20%D-グルコース(最終濃度2g/L)及び6mLの200mMのL-グルタミン(最終濃度2mM)を供給物としてフラスコの各々に添加した。全ての組換えPSMAタンパク質の精製のために、細胞を遠心分離によって除去し、Hisタグ付きPSMAタンパク質を、His 60 Ni Superflow Resin(Clonetech、カタログ番号635662)を使用する固定化金属親和性クロマトグラフィー、続いてSuperdex200分取サイズ排除クロマトグラフィー(size exclusion chromatography、SEC)(GE Healthcare)を介して上清から精製し、1mMのCaCl、0.5mMのMgCl、及び0.5mMのZnClを含有する1xのDPBS、pH7.2に配合した。ホモ二量体種の単離は、分析用サイズ排除クロマトグラフィーを介して確認した。組換え抗原のアミノ酸配列を表3に示す。
【0912】
【表3】
【0913】
実施例2.抗PSMA抗体の生成
トランスジェニックAblexis(登録商標)マウスを使用する抗体生成
Ablexis(登録商標)カッパ、ラムダ、及びカッパ/ラムダハイブリッドマウスを抗体発見のために使用した。Ablexis(登録商標)マウスは、ヒトCH1及びCLドメインに連結されたヒト可変ドメイン、キメラヒト/マウスヒンジ領域、並びにマウスFc領域を有する抗体を生成する。カッパマウスで生成された抗体は、マウスVH、DH、及びJHエクソン、並びにマウスVκ、Jκ、及びCκエクソンに由来する配列を欠く。内因性マウスIgλは、カッパマウスにおいて活性である。ヒトIgκ鎖は、約90~95%のナイーブレパートリを含み、マウスIgλ鎖は、この系統において約5~10%のナイーブレパートリを含む。ラムダマウスで生成された抗体は、マウスVH、DH、及びJHエクソン、並びにマウスVλ、Jλ、及びCλエクソンに由来する配列を欠く。内因性マウスIgκは、ラムダマウスにおいて活性である。ヒトIgλ鎖は、約40%のナイーブレパートリを含み、マウスIgκ鎖は、約60%のナイーブレパートリを含む。Ablexis(登録商標)の調製及び使用、並びにこのようなマウスが保有しているゲノム改変は、国際公開第11/123708号に記載されている。
【0914】
抗体発見のために、Ablexisカッパ/ラムダハイブリッドマウスを、CL413アジュバント(InvivoGen、VAC-C413-5)と組み合わせた組換えヒトPSMA抗原(PSMW39.002)及びカニクイザルPSMA抗原(PSMW1.009)で免疫化した。簡単に説明すると、マウスを0、7、14、21、及び28日目に追加免疫した後、血清学的分析のために35日目に採血した。血清学調査を、ヒトPSMA(+)細胞C4-2B(AG000002300)、及びヒトPSMAノックアウト細胞株(AG000002521)で行った。全部で8匹のマウスをハイブリドーマ融合のために選択し、56日目にPSMW39.002、又はPSMW39.002とPSMW1.009との等モル混合物で最終追加免疫した。また、この調製物は、B細胞増殖を刺激するための組換え抗マウスCD40 mAb(R&D Systems、MAB440)を含んだ。60日目に、脾臓及び流入領域リンパ節をこれらのマウスから採取し、プールし、単一細胞懸濁液に均質化した。マウス骨髄腫細胞株FOとプールされたマウスホモジネートとのPEG媒介性融合、続いてHAT選択によって、安定なハイブリドーマを生成した。
【0915】
これらのハイブリドーマからの上清を、MSDによってPSMA(+)C4-2B細胞に対してスクリーニングした。この一次スクリーニングから、440個の陽性試料を同定し、確認スクリーニングのために再配置した。ELISA、並びに蛍光活性化セルソーティング(Fluorescence-activated cell sorting、FACS)によって確認スクリーニングを行って、PSMAタンパク質及びC4-2B細胞への結合をそれぞれ検証した。特異性を確実にするために、試料を無関係な陰性対照試料TfRW2に対してもスクリーニングした。このスクリーニング結果に基づいて、V領域回収について同定及び提出された440個の試料から、96個の試料を確認スクリーニングに進めた。
【0916】
V領域クローニング
全細胞RNAを、製造業者のプロトコルに従ってRNEASY Plusミニキット(Qiagen)を使用して5×10個のハイブリドーマ細胞から調製した。続いて、SMARTER cDNA合成キット(Clontech,Mount View,CA)を本質的に製造業者の指示に従って使用して、全RNAからcDNAを合成した。簡単に説明すると、第1の鎖cDNA合成反応を促進するために、改変オリゴ(dT)プライマー(SMART CDSプライマーIIA)を使用して、mRNAの5’末端に到達したときに、cDNAの3’末端にオリゴヌクレオチドキャップ(Smarter IIA)も付加する逆転写酵素(SMARTScribe RT)と併せて全てのmRNAを転写した。VH及びVL断片の後続の増幅を、Smarter IIAキャップを標的とする5’プライマー及びCH1又はCL内のコンセンサス領域を標的とする3’プライマーを使用して、2段階PCR増幅によって行った。第1の工程において、各50μlのPCR反応物は、20μMのフォワードプライマー及びリバースプライマーの混合物、25μlのPRIMESTAR Max DNAポリメラーゼ予備混合物、2μlの未精製cDNA、並びに21μlの再蒸留HOからなった。PCR成分を薄壁PCRチューブ中、氷上で混合し、94℃に予熱したサーモサイクラーに移した。サイクリングプログラムは以下の工程からなった:(i)94℃で3分間、(ii)35サイクル(94℃で30秒間、55℃で1分間、68℃で1分間)、(iii)72℃で7分間。次いで、PCR反応物断片をゲル精製し、ヒト軽鎖(Lonza-huIgk又はLonza-huIgλ)及び重鎖(Lonza-huIgG1)定常領域のための本発明者らの自社独自の発現ベクターに相補的な追加の15bp領域も含有するVL及びVH第2のラウンドプライマーを使用して、別のラウンドのPCR(PCR#1と同じサイクリング条件)に供した。後続のPCR断片をゲル精製し、In-Fusion(登録商標)HDクローニングキット(Takara Bio)を製造業者の推奨に従って使用して、VL及びVH断片をそれぞれLonza-huIgk/huIgλ及びLonza-huIgG1ベクター中にインフレームでサブクローニングした。次いで、発現ベクターを、Qiaprep Miniprep Kit(Qiagen)を使用して精製し、サンガー配列決定のためにGenewizに提出すると、126個の固有のVL及びVH配列対がもたらされ、これを、in-silico開発可能性評価リスク分析に基づいて96対に更に絞り込んだ。
【0917】
ExpiCHOトランスフェクション及び精製
huIgG1として再フォーマットされた96個の固有のVH/VL対を、製造業者の推奨に従って、ExpiCHO-S(商標)システム(ThermoFisher Scientific)を使用して一過性に産生した。簡単に説明すると、ExpiCHO-S(商標)細胞を、37℃、8%CO2、及び125RPMに設定された軌道振動インキュベーター内で、ExpiCHO(商標)発現培地(ThermoFisher Scientific、カタログ番号A29100)中に懸濁させて維持した。細胞を継代し、トランスフェクションの前に、6.0×10個の細胞/mlに希釈し、細胞生存率を95.0%以上で維持した。一過性トランスフェクションは、ExpiFectamine(商標)CHOトランスフェクションキット(ThermoFisher Scientific、カタログ番号A29131)を使用して行った。トランスフェクトされる希釈された細胞1mLごとに、0.5μgのコーディングDNA(HC:LC=1:3)及び0.5μgのpAdVAntage DNA(Promega、カタログ番号E1711)を使用し、OptiPRO(商標)SFM複合体形成培地(ThermoFisher Scientific、カタログ番号12309019)に希釈した。ExpiFectamine(商標)CHO試薬を、1:4比(v/v、DNA:試薬)で使用し、OptiPRO(商標)に希釈した。希釈したDNA及びトランスフェクション試薬を1分間組み合わせ、DNA/脂質複合体を形成させ、次いで細胞に添加した。一晩インキュベートした後、ExpiCHO(商標)フィード及びExpiFectamine(商標)CHOエンハンサーを、製造業者の標準プロトコルのとおり、細胞に添加した。細胞を、軌道振動(125rpm)を用いて37℃でトランスフェクション後7日間インキュベートした後、培養ブロスを採取した。一過的にトランスフェクトされたExpiCHOS(商標)細胞からの培養上清を、遠心分離(30分、3000rcf)によって、続いて最初に0.45μmのフィルターを通し、次いで0.2μmのフィルターを通す2回の滅菌濾過工程(PES膜、Corning、Corning,NY)によって浄化した。
【0918】
抗PSMA抗体の精製
事前に1XのD-PBS、pH7.2で平衡化したMabselect SuReタンパク質Aカラムを使用して、浄化した上清から抗体を精製した。未結合タンパク質を、1XのDPBS(pH7.2)で広範囲にわたって洗浄することによって除去した。結合タンパク質を0.1Mの酢酸ナトリウム(pH3.5)で溶出した。ピーク画分を2.5Mのトリス(pH7.5)で中和し、プールした。次いで、中和した画分プールを1XのDPBS中に透析した。各溶出プールのタンパク質濃度をOD280nmでの吸光度を測定することによって求め、アミノ酸配列に基づいて吸光度、吸光係数を用いて計算した。
【0919】
PSMA抗体の配列
代表的なPSMA抗体の配列を表4~19に提供する。
【0920】
表4は、選択された抗PSMA選択抗体のKabat HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を示す。表5は、選択された抗PSMA抗体のKabat LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を示す。表6は、選択された抗PSMA抗体のChothia HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を示す。表7は、選択された抗PSMA抗体のChothia LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を示す。表8は、選択された抗PSMA抗体のABM HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を示す。表9は、選択された抗PSMA抗体のABM LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を示す。表10は、選択された抗PSMA抗体のIMTG HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を示す。表11は、選択された抗PSMA抗体のIMTG LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を示す。表12は、選択された抗PSMA抗体のVH及びVLアミノ酸配列を示す。表13は、選択された抗PSMA抗体のVH核酸配列を示す。表14は、選択された抗PSMA抗体のVL核酸配列を示す。表15は、選択された抗PSMA抗体のHCアミノ酸配列を示す。表16は、選択された抗PSMA抗体のLCアミノ酸配列を示す。表17は、選択された抗PSMA抗体のHCヌクレオチド配列を示す。表18は、選択された抗PSMA抗体のLCヌクレオチド配列を示す。表19は、選択された抗PSMA抗体の割り当てられた配列番号を要約する。
【0921】
【表4】
【0922】
【表5】
【0923】
【表6】
【0924】
【表7】
【0925】
【表8】
【0926】
【表9】
【0927】
【表10】
【0928】
【表11】
NA=該当なし。
【0929】
【表12-1】
【0930】
【表12-2】
【0931】
【表13-1】
【0932】
【表13-2】
【0933】
【表14-1】
【0934】
【表14-2】
【0935】
【表15-1】
【0936】
【表15-2】
【0937】
【表15-3】
【0938】
【表16-1】
【0939】
【表16-2】
【0940】
【表17-1】
【0941】
【表17-2】
【0942】
【表17-3】
【0943】
【表17-4】
【0944】
【表17-5】
【0945】
【表18-1】
【0946】
【表18-2】
【0947】
【表18-3】
【0948】
【表18-4】
【0949】
【表19】
【0950】
実施例3.抗PSMA抗体の特性評価及びトリアージ
抗PSMA抗体の分析的特性評価
96個の精製mAbのタンパク質濃度を、NANODROP1000分光光度計又はTRINEAN DROPSENSE96マルチチャネル分光光度計で280nmにおける吸光度を測定することによって決定し、アミノ酸配列に基づいて減衰係数を使用することによって計算した。
【0951】
Waters Alliance HPLC上で1mL/分で20分間、0.2M Na Phosphate pH6.8において、TOSOH TSKgel BioAssist G3SWxlカラム上の試料を稼働させることによって精製された抗体のSE HPLCを行った。カラム溶出液を、280nmにおける吸光度によってモニタした。治療リードと考えられる分子については、それが、高純度及び高収率で実質的な量で産生され得ることが重要である。典型的には、凝集しやすいタンパク質では、精製損失がより高く、収率がより低い。初期モノマーパーセンテージは、一般に、タンパク質の製造可能性の良好な代用指標と考えられる。表20は、選択されたmAbのサブセットについてのSECデータを要約しており、その大部分がタンパク質A精製後に>90%のモノマーを有し、これは良好な製造可能性を示唆している。
【0952】
【表20】
【0953】
PSMA抗原に結合する抗PSMA抗体
組換えヒトECDに対する精製された抗PSMA抗体の結合親和性を、BIACORE 8K機器を使用する表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance、SPR)によって決定した。抗体をヤギ抗Fc抗体改変C1チップ上に捕捉し、1nM~11.1nMの濃度にわたるPSMA抗原の3倍連続希釈で滴定した。50μL/分の流量を使用して、会合及び解離をそれぞれ3分間及び15分間モニタした。生の結合データを、ブランクから分析物結合シグナルを差し引くことによって参照し、Biacore Insight評価ソフトウェアを使用する1:1Langmuir結合モデルを使用して分析して、動態を得て、これを、結合親和性を計算するために使用した。選択された抗体の結合の動態パラメーターを表21に示す。抗PSMA抗体は、ピコモルからナノモルの親和性でヒトPSMAに結合することが見出された。
【0954】
【表21】
【0955】
C4-2B細胞でのFASCS結合
また、精製された抗体の親和性を、高PSMAレベルを有する細胞株であるC4-2Bで決定した。簡単に説明すると、C4-2B細胞を1XのPBSで1回洗浄し、3mL/T150フラスコの細胞解離緩衝液を用いて剥離するまでインキュベートし、細胞を収集し、100uMの篩を通して濾した。細胞を染色緩衝液(BD番号554657)中に0.5Xの10e6細胞/mLで再懸濁し、V底プレート(Corning 3894)中に25,000細胞/ウェルで播種した。各ウェルに、120nM(最終60nM)から染色緩衝液で4倍連続希釈した50μlのAbを2Xの最終濃度で添加した。対照mAbを2μg/ml、最終1μg/mlで添加した(対照は二次のみ及びアイソタイプ対照であった)。全ての一次抗体を細胞と共に4℃で60分間インキュベートした。一次インキュベーション後、100μlの染色緩衝液を全てのウェルに添加し、300Xgで5分間の遠心分離によるペレット化によって細胞を洗浄し、プレートをフリックすることによって緩衝液を除去した。次いで、細胞を200μlの染色緩衝液で再び同様に洗浄した。次いで、50μl/ウェルのヤギ抗ヒトAF647(Jackson 109-606-098)を染色緩衝液中2μg/mlで添加した。4℃で30分間インキュベートした後、細胞を上記のように150ulの染色緩衝液で洗浄し、続いて200ulのランニング緩衝液(ランニング緩衝液は染色緩衝液+1mMのEDTA及び0.1%プルロニック酸(登録商標)である)で最終洗浄した。細胞を、1:1000のSytox Blue生存率染色(Invitrogen番号S34857)を有する30ul/ウェルのランニング緩衝液に再懸濁し、フローサイトメーターで読み取るまで4℃で保存した。プレートをIntelliCyt IQue 3機器で読み取った。簡単に説明すると、細胞を生細胞でゲーティングし、次いで集団をシングレットでゲーティングした。抗体結合を、647nmでのAF647蛍光によって評価した。データをGeneData Screenerで分析し、シグナル/バックグラウンドAF647蛍光を抗体濃度に対してプロットした。4つのパラメーターフィットで曲線フィッティングを行って、表22に示すEC50(qAC50、M)値を生成した。
【0956】
【表22】
【0957】
抗PSMA抗体の熱安定性
抗PSMA抗体の熱安定性(立体配座安定性)を、Prometheus機器を使用してnanoDSF法によって決定した。試料を、384ウェルサンプルプレートから24ウェルキャピラリーに装填することによって測定を行った。二重の実行を行った。熱走査スキャンは、1.0℃/分の加熱速度で、20℃~95℃にわたる。データを処理して、330nm、350nm、比330/350、並びに熱転移、変性の開始、Tm、及びTaggが得られた散乱データについて積分データ及び一次微分解析を得た。
【0958】
「Tm」又は「中間点温度」は、熱変性曲線の温度中間点である。これは、アミノ酸配列の50%がその自然のコンホメーションにあり、他の50%が変性されている温度を指す。熱変性曲線は、典型的には温度の関数としてプロットされる。Tmは、タンパク質の安定性を測定するために使用される。概して、より高いTmは、より安定なタンパク質の指標である。Tmは、当業者に周知の方法、例えば、円偏光二色性分光法、示差走査熱量測定、示差走査蛍光測定(内因性及び外因性色素ベースの両方)、UV分光法、FT-IR及び等温熱量測定(ITC)を用いて容易に測定することができる。
【0959】
「Tagg」は、タンパク質が二量体化又はオリゴマー化のいずれかによって凝集し始める温度を指す。凝集温度は、凝集の開始を検出し、タンパク質が凝集する傾向を示す温度である。Taggは、示差走査熱量測定(DSC)、示差走査蛍光測定(DSF)、又は円二色性(CD)によって測定することができる。これらの技術は、タンパク質のコンホメーションの小さな変化を検出することができ、したがって凝集の開始点を検出することができる。Tagg値は、Tmよりも低くても高くてもよい。TaggがTmよりも低い場合、タンパク質は、最初に二量体化及び/又はオリゴマー化し、次いで、Taggよりも高い温度で後にアンフォールディングを開始する。TaggがTmよりも高い場合、タンパク質は最初にアンフォールディングし始め、次いでTmよりも高い温度で凝集する。いずれの事象も、一般に観察され、アミノ酸組成及びタンパク質コンホメーションに依存する。
【0960】
選択された抗PSMA抗体の熱変性パラメーター、熱変性のTm又は中間点温度、及びTagg又は凝集温度を表23に示す。
【0961】
【表23】
【0962】
MMAFへのハイスループットコンジュゲーション
mAbを、96ウェル形式においてモノメチルアウリスタチンF(monomethyl auristatin F、MMAF)ペイロードにコンジュゲートして、最適なADC候補のスクリーニングを可能にした。220ugの各mAb(dPBS中1mg/mL)をTCEPと混合して3mMの最終濃度とし、37℃で1時間インキュベートした。還元mAbをタンパク質A樹脂(Protein A HP Multitrap、GE)上に捕捉し、2mMのEDTAを含有する100mMのリン酸カリウム(pH7.5)で3回洗浄して、TCEPを除去した。
【0963】
マレイミド-PEG4-vcPAB-MMAFとN-エチルマレイミドとの混合物(モル比60:40、pH7.5で2mMのEDTAを含有する100mMのリン酸カリウム中合計100uM)を調製し、結合したmAbを有する樹脂を300uLのマレイミド混合物に再懸濁した。試料を室温で1時間回転させた、続いてN-Ac-L-Cys(最終2.6mM)でクエンチした。樹脂をdPBSで洗浄し、次いで結合したmAbを100mMの酢酸ナトリウム(pH3.5)で0.2~0.25容量の1Mのトリス(pH8.0)中に溶出して、中和した。溶出したADCのADC濃度及びDAR(パネル平均4.0±0.5)を、以前の報告(Hamblett,et.al.,(2004)Clinical Cancer Research,10,7063-7070、Cruz and Kayser(2009)Cancers 11(6),870)に基づいて、248及び280nmでUV-Vis分光測光法によって決定した。
【0964】
抗PSMA抗体のC4-2B細胞に対する細胞毒性評価
高いPSMA発現を有する細胞株であるC4-2b細胞を、GlutaMAX、25mMのHEPES、及び10%ウシ胎児血清(fetal bovine serum、FBS)を含有するRPMI1640中で培養し、次いで3000細胞/ウェル(60uL/ウェル)で白色96ウェルプレートに播いた。プレーティングの24時間後、細胞を様々な濃度のADCで処理し、次いで37℃、5%CO2でインキュベートした。72時間の処理の後、細胞生存率を製造業者の指示に従って、Cell Titer Glo(Promega)によって評価した。相対発光単位(Relative luminescence unit、RLU)をEnvisionプレートリーダー(Molecular Devices)で検出し、次いで未処理対照に対して正規化した。50%毒性が存在する濃度を、トップが100%に制約される3点シグモイド曲線に値をフィットさせ、Y=50%でX値を補間することによって決定した。表24は、選択されたADCについてのIC50値を示す。
【0965】
【表24】
【0966】
実施例4.選択された抗PSMA抗体の追加の特性評価
表20~24に要約された結果に基づき、かつin-silico配列分析と併せて、多様なCDRファミリーからの4つのmAb(PSMB1154、PSMB1183、PSMB1157、及びPSMB1156)を、更なる前臨床評価のために選択し、疎水性、自己相互作用、及び非特異性をそれぞれ評価するためのHIC、CIC、及びHUVECなどの追加の生物物理学的特性評価アッセイを使用して、並びに様々なPSMA受容体密度を有する細胞株における細胞毒性/内在化のためにトリアージした。
【0967】
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)
表面の疎水性を評価するために、抗PSMA抗体をHIC(疎水性相互作用クロマトグラフィー)法によって評価した。要約すると、試料を高塩緩衝液Aで1:5に希釈し、約10ugsの試料をAgilent HPLC機器のTOSOH TSKgel Butyl-NPRカラムに注入した。HICを、1.1M~0Mの線状Amonium-SO4勾配下で行った。UV280、及び蛍光(280nmで励起及び340nmで発光)シグナルを収集した。疎水性傾向を、既知の高い疎水性の対照に対する保持時間として評価し、疎水性指数(hydrophobicity index、HI)として報告した。選択された抗PSMA抗体の保持時間及び疎水性指数を表25に示す。
【0968】
【表25】
【0969】
相互作用クロマトグラフィー(CIC)
IgG交差相互作用の可能性を評価するために、抗PSMA抗体をCIC(交差相互作用クロマトグラフィー)法によって評価した。要約すると、試料をPBSで0.11mg/mLに希釈し、15uLの試料をPerfinity Custom IgG結合カラムに注入した。A280、A214、及びA254をモニタしながら、PBSを用いて0.2ml/分で溶出することによってHICを行った。IgG交差相互作用傾向を、既知のIgG交差相互作用の対照に対する保持時間として評価した。選択された抗PSMA抗体の保持時間を表26に示す。
【0970】
【表26】
【0971】
血清安定性
血清中の安定性を評価するために、抗PSMA抗体をAlexaFluor488(AF488)で標識し、ヒト血清中、37℃で1週間インキュベートした(濃度:1mg/mL)。インキュベーション後、凝集及び断片化をSEC-FDS(蛍光検出を伴うサイズ排除クロマトグラフィー)法によって評価した。簡単に説明すると、インキュベートした試料を、Agilent 1260 Infinity II HPLC上のTOSOH TSKgel BioAssist G3000SWXLに注入した。SEC-FDSを、A280及び蛍光(494nm(発光)及び520nm(励起))をモニタしながら、1mL/分でPBSを用いて溶出することによって行った。37℃で7日間インキュベートした選択された抗PSMA抗体及び時間0での対照についての結果を表27に示す。
【0972】
【表27】
ND:決定せず
【0973】
MMAFのためのDAR4への中規模コンジュゲーション
選択されたmAbをモノメチルアウリスタチンF(MMAF)ペイロードにコンジュゲートして、初期スクリーニングからの結果を確認した。簡単に説明すると、600ugの各mAb(1XのdPBS中1.2mg/mL)を、50mMのEDTAを含有する1Mのリン酸カリウム(1:10体積)の添加によってpH7.5に調整した。pHを調整したmAbをTCEPと混合して0.6mMの最終濃度にし、37℃で1時間インキュベートした。TCEPをクエンチするために(Gololobov and Kasukhin(1991)Tetrahedron 48,1353-1406、Kantner,et.al.(2017)ACS Omega 2,5785-57)、5mMの3-アミノ-プロピル-アジドを反応物に添加し、37℃で30分間インキュベートした。マレイミド-PEG4-vcPAB-MMAFとN-エチルマレイミドとの混合物(モル比60:40、合計108uM)を還元(TCEP中和)mAbに添加し、室温で1時間インキュベートし、続いてN-Ac-L-Cys(最終2mM)でクエンチした。ADCを反応成分から分離し、緩衝液をダイアフィルトレーションによってdPBSに交換した。溶出したADCのADC濃度及びDAR(パネル平均3.4±0.4)を、Hamblettら、並びにCruz及びカイザーの以前の報告(Cruz and Kayser(2009)Cancers 11(6),870)に基づいて、248及び280nmでUV-Vis分光測光法によって推定した。DARをまた、液体クロマトグラフィー/質量分光法によって計算した。抽出した荷電状態のデコンボリューションは、存在する各軽鎖及び重鎖種についての同定及び(全体の)相対画分、並びにマレイミド-PEG4-vcPAB-MMAF、N-エチルマレイミド、又は(重鎖の場合)両方の組み合わせのいずれかによる標識のそれらのそれぞれの程度を可能にした。ADCの合計DAR(パネル平均3.4±0.5)をマレイミド-PEG4-vcPAB-MMAFのみで標識された軽鎖及び重鎖の合計から計算した。サイズ排除クロマトグラフィーを実施して、非標識mAbに対する移動時間に基づいてモノマー画分パーセントを決定した。
【0974】
DX8951(カンプトテシノイド)を用いたDAR8への中規模コンジュゲーション
選択されたmAbをまた、マレイミド/チオール化学を介して、Gly-Gly-Phe-Glyリンカー(配列番号340)を含有するエキサテカンメタンスルホネートに由来するカンプトテシノイドDX8951にコンジュゲートして、ペイロードの切断及び放出を促進した。簡単に説明すると、350ugの各mAb(dPBS中1.1mg/mL)を、0.5MのEDTAを含有する0.5Mのボレート(1:10)の添加によってpH8.0に調整した。pHを調整したmAbをTCEPと混合して0.6mMの最終濃度にし、37℃で1時間インキュベートした。TCEPをクエンチするために(Gololobov and Kasukhin(1991)Tetrahedron 48,1353-1406、Kantner,et.al.(2017)ACS Omega 2,5785-57)、5mMの3-アミノ-プロピル-アジドを反応物に添加し、37℃で30分間インキュベートした。MC-GGFG-DX8951をmAbに対して16倍モル過剰で還元mAbに添加し、37℃で1時間インキュベートした。ADCを反応成分から分離し、緩衝液をダイアフィルトレーションによってdPBSに交換した。ADCの最終モル濃度を、非コンジュゲートmAbを標準として使用して、ビシンコニン酸アッセイによって決定した。DARを、セクション4.6に記載される液体クロマトグラフィー/質量分光法によって、全てのADCについて8.0であると決定した。サイズ排除クロマトグラフィーは、非標識mAbに対する比較分析移動時間に基づいて、標識が凝集に対して最小の影響を有することを決定した。
【0975】
ペイロードとしてMMAF及びDX8951を使用したC4-2B、22RV1、及びHUVECに対するインビトロ細胞毒性評価
選択されたADCのインビトロ細胞毒性もまた、様々なレベルのPSMAを発現する細胞株のパネル、及び非特異的死滅の代替として使用されたヒト内皮細胞株HUVECにおいて評価した。簡単に説明すると、高レベルのPSMAを発現するC4-2B細胞を、GlutaMAX、25mMのHEPES、及び10%ウシ胎児血清(FBS)を含有するRPMI1640中で培養し、次いで3000細胞/ウェルで白色96ウェルプレートに播いた。PSMA陰性であることが既知のHUVEC細胞を、低血清成長補充物(Gibco番号S-003-10)を含有する培地200中に8000細胞/ウェルで播いた。
【0976】
プレーティングの24時間後、細胞を様々な濃度のADCで処理し、次いで37℃、5%CO2で設定した。72時間の処理の後、細胞生存率を製造業者の指示に従って、Cell Titer Glo(Promega)によって評価した。相対発光単位(RLU)をEnvisionプレートリーダー(Perkin Elmer)で検出し、次いで未処理対照に対して正規化した。50%毒性が存在する濃度を、トップが100%に制約される3点シグモイド曲線に値をフィットさせ、Y=50%でX値を補間することによって決定した。選択されたmAbのIC50値を以下の表28に示す。全ての選択されたmAbは、C4-2B細胞に対して非常に強力な(低いIC50値)死滅を示し、優れた選択性(HUVEC対C4-2Bに対して高いIC50値)も示した。
【0977】
【表28】
【0978】
異なるペイロード(MMAF又はDX8951)にコンジュゲートされたPSMA ADCの細胞毒性も、低レベルのPSMAを発現する高度に不均一な細胞株である22RV1細胞において評価した。22RV1細胞を、GlutaMAX、25mMのHEPES、及び10%ウシ胎児血清(FBS)を含有するRPMI1640中で培養し、次いで5000細胞/ウェルで白色96ウェルプレートに播いた。プレーティングの24時間後、細胞を様々な濃度のADCで処理し、次いで37℃、5%CO2で設定した。6日の処理の後、細胞生存率を製造業者の指示に従って、Cell Titer Glo(Promega)によって評価した。相対発光単位(RLU)をEnvisionプレートリーダー(Perkin Elmer)で検出し、次いで未処理対照に対して正規化した。25%又は50%毒性が存在する濃度を、トップが100%に制約される3点シグモイド曲線に値をフィットさせて、Y=75又は50%でX値を補間することによって決定した。(細胞が75%生存性又は25%毒性である濃度は、IC25と呼ばれる。細胞が50%生存性である濃度をIC50と呼ばれる)。MMAF又はDX8951にコンジュゲートされたPSMA ADCの相対効力を以下の表29に示す。MMAFにコンジュゲートされたPSMA ADCで処理した細胞は、50%毒性に達しなかったため、IC25が代わりに示されていることに留意されたい。
【0979】
【表29】
【0980】
実施例5.バイパラトピック抗体の生成及び特性評価
バイパラトピック抗体の生成
より高いADC送達又はリソソームプロセシングをもたらし得るアプローチは、より良好なADC有効性をもたらし得、有効性を見るために必要とされる受容体密度閾値も低下させ得、したがって、この療法によって利益を得ることができる患者集団のサイズを増加させ得ると一般に考えられている。本発明者らは、それを達成することができる1つの方法が、PSMA受容体の2つの異なる領域を標的とするバイパラトピック抗体を作ることによるものであると仮定した。したがって、この仮説を試験するために、2つの異なるエピトープビンに属する抗体のVL及びVH領域を使用することによって、いくつかのバイパラトピック抗体を作った。簡単に説明すると、「GGSEGKSSGSGSESKSTGGS」リンカー(配列番号308)を使用して、異なるエピトープビンからの抗体のVL領域及びVH領域を融合することによって、いくつかのscFvを作った。したがって、二重特異性を作るために、1つのビンからのscFvを、C220S(不対システインをセリンに変異させる)及びノブ変異(T366W)を含有する操作されたFc領域に融合させ、別のビンからのFab領域を、ホール変異(T366S、L368A、及びY407V)を含有する操作されたFcに融合させた。全ての番号付けは、EUシステムに基づく。
【0981】
選択されたバイパラトピック分子の配列を表30に提供する。二重特異性抗体に対応する遺伝子をコドン最適化し、合成し、標準的な分子生物学技術を使用して社内独自のプラスミドにクローニングし、以下の公開物に記載されている手順に本質的に従って発現させ、かつ精製した。
【0982】
【表30】
【0983】
【表31】
【0984】
【表32】
【0985】
【表33】
【0986】
【表34】
【0987】
【表35】
【0988】
【表36】
【0989】
【表37】
NA=適用なし
【0990】
【表38】
【0991】
配列番号52(PSMB2819及びPSMB3002 Fab VHアミノ酸配列)
EVQLVESGGGEVQPGRSLRLTCAVSGFTLSRYGMHWVRQAPGKGLEWAALISYDGSNRYYADSVKGRFTISRDNSKNTVFLQMNSLRAEDTAVYYCARERESSGWFEGYFDYWGQGTTVTVSS
【0992】
配列番号53(PSMB2819及びPSMB3002 Fab VLアミノ酸配列)
QLVLTQPPSVSVAPGQTARITCGGNNIGSKSVHWYQQKPGQAPVLVVYDNSDRPSGIPERFSGSNSGNTATLTISRVEVGDEADYYCQVWDSSSDHVVFGGGTKLTVL
【0993】
配列番号278(PSMB2819及びPSMB3002 scFv VHアミノ酸配列)
EVQLLESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSIISYYWSWIRQPAGKGLEWIGRIYSSGSTNYNPSLKSRVTMSVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCAKVGVWPGAFDIWGQGTMVTVSS
【0994】
配列番号279(PSMB2819及びPSMB3002 scFv VLアミノ酸配列)
QSVLTQPPSASGTPGQRVTISCSGSSSNIGSNTVNWYQQLPGTAPKLLIYSSNQRPSGVPDRFSGSKSGTSASLAISGLQSEDEADYYCAAWDDSLNGVVFGGGTKLTVL
【0995】
配列番号134(PSMB2819及びPSMB3002 Fab VHヌクレオチド配列)
GAGGTGCAATTGGTAGAGAGTGGCGGGGGAGAAGTCCAACCAGGCCGCAGTCTCAGACTTACTTGTGCCGTCTCAGGCTTTACCCTCAGCCGTTACGGTATGCACTGGGTTAGACAAGCTCCAGGGAAGGGACTTGAATGGGCCGCACTGATTTCCTATGATGGCTCCAACCGCTATTATGCCGACAGTGTGAAAGGACGCTTCACAATTTCAAGGGATAATTCAAAGAATACAGTCTTTCTTCAAATGAACTCTTTGCGAGCCGAGGATACAGCCGTTTATTACTGTGCACGGGAAAGGGAGTCTAGTGGATGGTTTGAAGGGTATTTTGATTATTGGGGTCAAGGGACCACAGTGACCGTAAGCTCA
【0996】
配列番号135(PSMB2819及びPSMB3002 Fab VLヌクレオチド配列)
CAGCTTGTCCTCACCCAGCCACCTAGCGTTAGTGTCGCCCCCGGTCAAACTGCTCGCATAACTTGTGGAGGCAACAACATTGGGAGCAAAAGCGTTCATTGGTACCAACAAAAACCAGGACAGGCCCCTGTTTTGGTAGTTTATGACAACTCTGATCGACCATCAGGGATTCCCGAGCGGTTTTCTGGTAGTAATTCAGGGAATACTGCTACCCTGACTATCAGTCGCGTCGAAGTTGGCGACGAAGCTGACTATTATTGTCAAGTCTGGGACAGCAGCAGCGACCATGTGGTTTTTGGGGGAGGGACCAAACTTACCGTATTG
【0997】
配列番号280(PSMB2819及びPSMB3002 scFv VHヌクレオチド配列)
GAAGTTCAGCTGTTGGAATCTGGACCTGGCCTGGTCAAGCCTTCCGAGACACTGTCTCTGACCTGTACCGTGTCCGGCGGCTCCATCATCTCCTACTACTGGTCCTGGATCAGACAGCCTGCCGGCAAAGGACTGGAATGGATCGGCAGAATCTACTCCTCCGGCAGCACCAACTACAACCCCAGCCTGAAGTCCCGCGTGACCATGTCTGTGGACACCTCCAAGAACCAGTTCTCCCTGAAGCTGTCCTCTGTGACCGCCGCTGATACCGCTGTGTACTACTGCGCTAAAGTCGGAGTGTGGCCTGGCGCCTTTGATATCTGGGGACAGGGCACAATGGTCACCGTGTCCTCT
【0998】
配列番号281(PSMB2819及びPSMB3002 scFv VLヌクレオチド配列)
CAGTCCGTGCTGACCCAGCCTCCTTCTGCTTCTGGAACACCTGGCCAGAGAGTGACCATCTCCTGCTCCGGCTCCTCCTCCAACATCGGCTCTAACACCGTGAACTGGTATCAGCAGCTGCCCGGCACAGCCCCTAAACTGCTGATCTACTCTTCCAACCAGCGGCCTTCTGGCGTGCCCGATAGATTCTCTGGCTCCAAGTCTGGCACCTCCGCTAGCCTGGCTATTTCTGGCCTGCAGTCTGAGGACGAGGCCGATTACTACTGTGCCGCCTGGGATGATTCTCTGAACGGCGTTGTGTTTGGCGGAGGCACCAAATTGACAGTTCTT
【0999】
【表39】
【1000】
配列番号268(PSMB2819 Fab HCアミノ酸配列)
EVQLVESGGGEVQPGRSLRLTCAVSGFTLSRYGMHWVRQAPGKGLEWAALISYDGSNRYYADSVKGRFTISRDNSKNTVFLQMNSLRAEDTAVYYCARERESSGWFEGYFDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
【1001】
配列番号269(PSMB2819及びPSMB3002 Fab LCアミノ酸配列)
QLVLTQPPSVSVAPGQTARITCGGNNIGSKSVHWYQQKPGQAPVLVVYDNSDRPSGIPERFSGSNSGNTATLTISRVEVGDEADYYCQVWDSSSDHVVFGGGTKLTVLGQPKAAPSVTLFPPSSEELQANKATLVCLISDFYPGAVTVAWKADSSPVKAGVETTTPSKQSNNKYAASSYLSLTPEQWKSHRSYSCQVTHEGSTVEKTVAPTECS
【1002】
配列番号282(PSMB2819 scFv HCアミノ酸配列)
QSVLTQPPSASGTPGQRVTISCSGSSSNIGSNTVNWYQQLPGTAPKLLIYSSNQRPSGVPDRFSGSKSGTSASLAISGLQSEDEADYYCAAWDDSLNGVVFGGGTKLTVLGGSEGKSSGSGSESKSTGGSEVQLLESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSIISYYWSWIRQPAGKGLEWIGRIYSSGSTNYNPSLKSRVTMSVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCAKVGVWPGAFDIWGQGTMVTVSSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【1003】
配列番号284(PSMB3002 Fab HCアミノ酸配列)
EVQLVESGGGEVQPGRSLRLTCAVSGFTLSRYGMHWVRQAPGKGLEWAALISYDGSNRYYADSVKGRFTISRDNSKNTVFLQMNSLRAEDTAVYYCARERESSGWFEGYFDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
【1004】
配列番号288(PSMB3002 scFv HCアミノ酸配列)
QSVLTQPPSASGTPGQRVTISCSGSSSNIGSNTVNWYQQLPGTAPKLLIYSSNQRPSGVPDRFSGSKSGTSASLAISGLQSEDEADYYCAAWDDSLNGVVFGGGTKLTVLGGSEGKSSGSGSESKSTGGSEVQLLESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSIISYYWSWIRQPAGKGLEWIGRIYSSGSTNYNPSLKSRVTMSVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCAKVGVWPGAFDIWGQGTMVTVSSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【1005】
配列番号270(PSMB2819 Fab HC核酸配列)
GAGGTGCAATTGGTAGAGAGTGGCGGGGGAGAAGTCCAACCAGGCCGCAGTCTCAGACTTACTTGTGCCGTCTCAGGCTTTACCCTCAGCCGTTACGGTATGCACTGGGTTAGACAAGCTCCAGGGAAGGGACTTGAATGGGCCGCACTGATTTCCTATGATGGCTCCAACCGCTATTATGCCGACAGTGTGAAAGGACGCTTCACAATTTCAAGGGATAATTCAAAGAATACAGTCTTTCTTCAAATGAACTCTTTGCGAGCCGAGGATACAGCCGTTTATTACTGTGCACGGGAAAGGGAGTCTAGTGGATGGTTTGAAGGGTATTTTGATTATTGGGGTCAAGGGACCACAGTGACCGTAAGCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAAAGTTGAACCCAAATCCTGTGACAAAACCCATACTTGTCCCCCTTGCCCCGCCCCAGAGTTGCTTGGCGGACCTTCCGTGTTTCTGTTCCCTCCAAAGCCCAAGGACACTCTTATGATAAGCCGAACACCAGAGGTCACATGCGTCGTCGTGGACGTAAGCCACGAGGATCCCGAAGTAAAATTTAACTGGTACGTGGATGGGGTGGAAGTACATAATGCAAAAACTAAGCCCAGAGAGGAACAATATAATTCTACCTACCGAGTGGTATCCGTCCTGACAGTGTTGCATCAGGACTGGTTGAATGGAAAGGAGTATAAGTGCAAAGTGTCAAATAAGGCCCTGCCCGCTCCTATCGAGAAAACTATTTCCAAAGCTAAGGGCCAGCCTCGCGAACCTCAGGTCTACACCCTGCCACCTTCCAGAGAGGAGATGACCAAAAATCAAGTTTCATTGTCTTGTGCCGTAAAAGGATTTTACCCCTCCGATATAGCTGTCGAGTGGGAGAGTAATGGTCAACCCGAGAATAATTACAAAACAACTCCACCCGTTCTCGATAGTGATGGGAGCTTCTTTCTCGTTTCCAAATTGACTGTTGATAAATCTAGGTGGCAGCAGGGCAATGTCTTTTCCTGCAGCGTGATGCACGAAGCCCTGCATAATCGCTTTACTCAAAAAAGCCTTAGTCTGTCCCCAGGTAAG
【1006】
配列番号271(PSMB2819及びPSMB3002 Fab LC核酸配列)
CAGCTTGTCCTCACCCAGCCACCTAGCGTTAGTGTCGCCCCCGGTCAAACTGCTCGCATAACTTGTGGAGGCAACAACATTGGGAGCAAAAGCGTTCATTGGTACCAACAAAAACCAGGACAGGCCCCTGTTTTGGTAGTTTATGACAACTCTGATCGACCATCAGGGATTCCCGAGCGGTTTTCTGGTAGTAATTCAGGGAATACTGCTACCCTGACTATCAGTCGCGTCGAAGTTGGCGACGAAGCTGACTATTATTGTCAAGTCTGGGACAGCAGCAGCGACCATGTGGTTTTTGGGGGAGGGACCAAACTTACCGTATTGGGTCAGCCCAAGGCTGCACCCAGTGTCACTCTGTTCCCGCCCTCCTCTGAGGAGCTTCAAGCCAACAAGGCCACACTGGTGTGTCTCATAAGTGACTTCTACCCGGGAGCCGTGACAGTGGCCTGGAAGGCCGATAGCAGCCCCGTCAAGGCGGGAGTGGAGACCACCACACCCTCCAAACAAAGCAACAACAAGTACGCGGCCAGCAGCTATCTGAGCCTGACGCCTGAGCAGTGGAAGTCCCACAGAAGCTACAGCTGCCAGGTCACGCATGAAGGGAGCACCGTGGAGAAGACAGTGGCCCCTACAGAATGTTCA
【1007】
配列番号283(PSMB2819 scFv HC核酸配列)
CAGTCCGTGCTGACCCAGCCTCCTTCTGCTTCTGGAACACCTGGCCAGAGAGTGACCATCTCCTGCTCCGGCTCCTCCTCCAACATCGGCTCTAACACCGTGAACTGGTATCAGCAGCTGCCCGGCACAGCCCCTAAACTGCTGATCTACTCTTCCAACCAGCGGCCTTCTGGCGTGCCCGATAGATTCTCTGGCTCCAAGTCTGGCACCTCCGCTAGCCTGGCTATTTCTGGCCTGCAGTCTGAGGACGAGGCCGATTACTACTGTGCCGCCTGGGATGATTCTCTGAACGGCGTTGTGTTTGGCGGAGGCACCAAATTGACAGTTCTTGGCGGCTCCGAGGGCAAGAGCAGCGGCAGCGGCAGCGAGAGCAAGAGCACCGGCGGCAGCGAAGTTCAGCTGTTGGAATCTGGACCTGGCCTGGTCAAGCCTTCCGAGACACTGTCTCTGACCTGTACCGTGTCCGGCGGCTCCATCATCTCCTACTACTGGTCCTGGATCAGACAGCCTGCCGGCAAAGGACTGGAATGGATCGGCAGAATCTACTCCTCCGGCAGCACCAACTACAACCCCAGCCTGAAGTCCCGCGTGACCATGTCTGTGGACACCTCCAAGAACCAGTTCTCCCTGAAGCTGTCCTCTGTGACCGCCGCTGATACCGCTGTGTACTACTGCGCTAAAGTCGGAGTGTGGCCTGGCGCCTTTGATATCTGGGGACAGGGCACAATGGTCACCGTGTCCTCTGAGCCCAAATCTAGCGACAAAACTCACACATGTCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTGCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGTGGTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGTCTAGATGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAA
【1008】
配列番号286(PSMB3002 Fab HC核酸配列)
GAGGTGCAATTGGTAGAGAGTGGCGGGGGAGAAGTCCAACCAGGCCGCAGTCTCAGACTTACTTGTGCCGTCTCAGGCTTTACCCTCAGCCGTTACGGTATGCACTGGGTTAGACAAGCTCCAGGGAAGGGACTTGAATGGGCCGCACTGATTTCCTATGATGGCTCCAACCGCTATTATGCCGACAGTGTGAAAGGACGCTTCACAATTTCAAGGGATAATTCAAAGAATACAGTCTTTCTTCAAATGAACTCTTTGCGAGCCGAGGATACAGCCGTTTATTACTGTGCACGGGAAAGGGAGTCTAGTGGATGGTTTGAAGGGTATTTTGATTATTGGGGTCAAGGGACCACAGTGACCGTAAGCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAAAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGTCCACCGTGCCCAGCACCTGAAGCCGCCGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCTACATCACCCGGGAGCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGAGCGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGTCCTGCGCCGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCGTGAGCAAGCTCACCGTGGACAAGTCTAGATGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCGGTTCACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGAAAA
【1009】
配列番号289(PSMB3002 scFv HC核酸配列)
CAGTCCGTGCTGACCCAGCCTCCTTCTGCTTCTGGAACACCTGGCCAGAGAGTGACCATCTCCTGCTCCGGCTCCTCCTCCAACATCGGCTCTAACACCGTGAACTGGTATCAGCAGCTGCCCGGCACAGCCCCTAAACTGCTGATCTACTCTTCCAACCAGCGGCCTTCTGGCGTGCCCGATAGATTCTCTGGCTCCAAGTCTGGCACCTCCGCTAGCCTGGCTATTTCTGGCCTGCAGTCTGAGGACGAGGCCGATTACTACTGTGCCGCCTGGGATGATTCTCTGAACGGCGTTGTGTTTGGCGGAGGCACCAAATTGACAGTTCTTGGCGGCTCCGAGGGCAAGAGCAGCGGCAGCGGCAGCGAGAGCAAGAGCACCGGCGGCAGCGAAGTTCAGCTGTTGGAATCTGGACCTGGCCTGGTCAAGCCTTCCGAGACACTGTCTCTGACCTGTACCGTGTCCGGCGGCTCCATCATCTCCTACTACTGGTCCTGGATCAGACAGCCTGCCGGCAAAGGACTGGAATGGATCGGCAGAATCTACTCCTCCGGCAGCACCAACTACAACCCCAGCCTGAAGTCCCGCGTGACCATGTCTGTGGACACCTCCAAGAACCAGTTCTCCCTGAAGCTGTCCTCTGTGACCGCCGCTGATACCGCTGTGTACTACTGCGCTAAAGTCGGAGTGTGGCCTGGCGCCTTTGATATCTGGGGACAGGGCACAATGGTCACCGTGTCCTCTGAGCCCAAATCTAGCGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAAGCCGCCGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCTACATCACCCGGGAGCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGAGCGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTGTCGAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGTGGTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGATGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGTCTCTCTCCCTGTCTCCGGGAAAA
【1010】
実施例6.PSMB1154、PSMB1154-TOPA、及びPSMB1183に対するPSMW39のHDX-MSエピトープマッピング
PSMW39(配列番号1として表3に示されるN末端6-Hisタグ付きヒトPSMA)のHDX-MS挙動を、(a)PSMB1154、PSMB1154-TOPA、又はPSMB1183の存在下、(b)その非存在下で、10時点(pH6.4及び23℃で15、50、150、500、及び1,500秒、pH8.4及び23℃で15、50、150、500、及び1,500秒)でモニタした。これらの時点は、pH7.4、23℃での1.5秒~15,000秒の交換時間に対応する。残基番号を、PSMW39の残基番号からQ04609(全長ヒトPSMA、配列番号336)の残基番号に変換した。
【1011】
PSMB1154及びPSMB1154-TOPAに対するPSMA(ΔG≦-1kcal/mol)のエピトープは、残基138~143(IFNTSL、配列番号126)、271~276(GYPANE、配列番号127)、279(Y)、353~354(TR)、377~383(HRDSWVF、配列番号128)、及び564~566(KFY)と実質的に同一であった。PSMB1183に対するPSMA(G≦-1kcal/mol)のエピトープは、残基188~191(LERD、配列番号132)、308~319(KMGGSAPPDSSW、配列番号133)、327(Y)、及び353~354(TR)であった。PSMW39の配列カバー率は、8Mの尿素、1MのTCEP、pH3.0でクエンチした後にペプシン-FPXII混合床カラムによって消化された場合、98%(=693/713)であった。
【1012】
実施例7.TOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMB1154抗体コンジュゲート
【1013】
【化67】
(上記のTOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMB1154抗体コンジュゲートにおいて、構造は、フェニルチオ尿素部分に連結されたPSMB1154のリジン残基を示さない。)
【1014】
mAbのTOPA-[C7]-フェニルチオ尿素修飾:
PSMB1154mAb(10mg/ml)を1×DPBS緩衝液中で1mg/mlに希釈した。コンジュゲーションの直前に、pHを1M重炭酸ナトリウム緩衝液(VWR 144-55-8)でpH 9に調整し、pH紙で確認した。8倍モル過剰のTOPA-[C7]-フェニルイソチオシアネート(DMSOに溶解した50mMストック)をPSMB1154 mAbに加え、抗体とTOPA-[C7]-フェニルイソチオシアネートとの混合物を振盪せずに室温で約1時間インキュベートした。TOPA-[C7]-フェニルイソチオシアネートの添加を、CAR値が1.5~2.0に達するまで、Agilent(登録商標)G224機器でインタクト質量ESI-TOF LC-MSによってモニタし、次いで、1M Tris pH8.5(Teknova T1085)を100mMの最終濃度まで添加することによってクエンチした。55mlのHiPrep 26/10脱塩カラム(17508701-Cytiva)を使用して反応物を10mM酢酸ナトリウムpH5.2に交換することによって、過剰の遊離キレータを除去した。過剰なキレータが残っていないことを確認するために、3回の試料希釈、続いて50,000 MWCO Amicon濃縮装置を使用した濃縮を行った。次いで、放射性標識のための準備において試料を>10mg/mlに濃縮した。最終キレータ:抗体比を上記のようにESI-TOFによって決定した。1×DPBS移動相を用いて室温で0.8mL/分で実行するTosoh TSKgel G3000SWxl 7.8mm×30cm、5umカラムでの分析サイズ排除クロマトグラフィーによって、コンジュゲートがモノマーであることを確認した。
【1015】
実施例8.Ac-225標識TOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMB1154抗体コンジュゲート
【1016】
【化68】
(上記のAc-225標識TOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMB1154抗体コンジュゲートにおいて、構造は、フェニルチオ尿素部分に連結されたPSMB1154のリジン残基を示さない。)
【1017】
3M NaOAc緩衝液中のAc-225によるTOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMB1154の標識:
プラスチックバイアル中のNaOAc(HO中3M、40μL)の溶液に、Ac-225(0.1N HCl中10mCi/mL、10μL)及びTOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMB1154(10mM NaOAc中1mg/mL pH=5.5、333uL、0.33mg)を順次添加した。混合後、pH試験紙により、pHは約6.5であった。バイアルを37℃で2時間放置した。
【1018】
標識反応混合物のiTLC:
0.5μLの標識反応混合物をiTLC-SGに充填し、これを10mMのEDTA(pH 5~6)で展開した。乾燥したiTLC-SGを室温で>6時間放置した後、Bioscan AR-2000ラジオTLCスキャナでスキャンした。本明細書に記載される溶出条件下で、TOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMB1154結合Ac-225は起点に留まり、任意の遊離Ac-225は溶媒と共に溶媒先端に移動する。iTLCのスキャンは、100%のTOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMB1154がAc-225に結合していることを示した。
【1019】
PD10カラムでの精製:
PD-10樹脂を、5mL×3回のNaOAc緩衝液(25mM NaOAc pH5.5、0.04% PS-20、0.5% w/vアスコルビン酸ナトリウム)をカラムに通すことによってNaOAc緩衝液中で調整した。全ての標識反応混合物をカラムのリザーバに適用し、溶出液を回収した。次いで、反応バイアルを0.2mL×3回のNaOAcバッファーで洗浄し、洗浄液をPD-10カラムのリザーバにピペットで移し、溶出液を回収した。PD-10カラムのリザーバへのNaOAc緩衝液の適用を10mLの総溶出体積に達するまで続けた。溶出画分を、予め番号を付けたチューブ内の10×1mL画分に回収した。回収した画分の放射化学的純度を上記のようにiTLCによって確認した。純粋であると決定された画分をDTPAチャレンジ及びHPLCによって更に分析した。
【1020】
精製した225Ac-TOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMB1154のDTPAチャレンジ:
10μLの各純粋画分を15μLの10mM DTPA溶液(pH6.5)と混合し、37℃で30分間インキュベートした。10μLの混合物をiTLC-SGに負荷し、上記のように分析した。iTLC-SGの溶媒先端では、放射能シグナルは観察されなかったが、これは、DTPAチャレンジ後の画分中に遊離Ac-225が存在しなかったことを示す。
【1021】
精製した225Ac-TOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMB1154のHPLC分析:
PD-10カラム後に回収した純粋な画分をHPLCにより分析した。HPLC法:Tosoh TSKgel G3000SWxl 7.8mm×30cm、5μmカラム、カラム温度:室温で、カラムを1×DPBS緩衝液;流速:0.7mL/分;20分の運転、注入量:40μLで溶出した。HPLC後、画分を15秒の時間間隔で回収した。回収したHPLC画分を室温で>6時間放置し、次いで、回収した各画分の放射能をガンマカウンターでカウントした。HPLC放射能トレースは、各HPLC画分中の放射能から構築された。HPLC放射能トレースは、HPLC UVトレース上のモノマーTOPA-[C7]-フェニルチオ尿素-PSMB1154ピークに対応する放射性ピークを示し、これは1分当たりの総カウントの>99%であった。
【1022】
実施例9.DOTA-フェニルチオ尿素-PSMB1154抗体コンジュゲート
mAbのDOTA-フェニルチオ尿素修飾:
PSMB1154(10mg/ml)を1×DPBS緩衝液中で1mg/mlに希釈した。PSMB1154ストックをChelex 100樹脂(BioRad 143-2832)で処理して金属イオンを除去した。溶液mL当たり1~2gの樹脂を添加し、室温で30分間回転させた後、濾過して樹脂を除去した。Chelex処理緩衝液を同様に調製した。コンジュゲーションの直前に、chelex処理した1M重炭酸ナトリウム緩衝液(VWR 144-55-8)でpHをpH9に調整し、pH紙で確認した。
【1023】
水に溶解した50mMストックからの100倍モル過剰のp-SCN-Bn-DOTA(Macrocyclicsカタログ番号B-205)をPSMB1154抗体に添加し、抗体とDOTAの混合物を室温で約30分間振盪せずにインキュベートした。DOTA-フェニルイソチオシアネートの添加を、キレータ抗体比(CAR)が1.5~2.0に達するまでAgilent(登録商標)G224機器でインタクト質量ESI-TOF LC-MSによってモニタし、次いで、1M Tris pH7.5を添加して最終濃度100mMになるまでクエンチした。Chelex処理した50mM NaOAc pH5.5中で平衡化したZeba 7K脱塩カラムを使用して反応物を50mM酢酸ナトリウムpH5.5に交換することによって、過剰の遊離キレータを除去した。過剰なキレータが残っていないことを確認するために、3回の試料希釈、続いて50,000 MWCO Amicon濃縮装置を使用した濃縮を行った。次いで、放射性標識のための準備において試料を>9mg/mlに濃縮した。最終キレータ:抗体比を上記のようにESI-TOFによって決定した。1×DPBS移動相を用いて室温で0.8mL/分で実行するTosoh TSKgel G3000SWxl 7.8mm×30cm、5umカラムでの分析サイズ排除クロマトグラフィーによって、コンジュゲートがモノマーであることを確認した。
【1024】
実施例10.In-111標識DOTA-フェニルチオ尿素-PSMB1154抗体コンジュゲート
DOTA-フェニルチオ尿素-PSMB1154のIn-111による標識化
In-111塩化物(12.5uL中2.5mCi)を87.5uLの50mM HClと混合した。80uLの希釈ストック(2mCi)を800μLのHEPES緩衝液(0.5M、pH5.7)と合わせ、814uLのこの混合物(1.84mCi)を22uLのDOTA-PSMB1154(9.3mg/mL)に添加した。バイアルを37℃で1時間放置した。
【1025】
標識反応混合物のiTLC:
0.5μLの標識反応混合物をiTLC-SGに充填し、これを10mMのEDTA(pH 5~6)で展開した。乾燥したiTLC-SGを、Bioscan AR-2000ラジオTLCスキャナで走査した。本明細書に記載される溶出条件下で、DOTA-PSMB1154結合In-111は起点に留まり、任意の遊離In-111は溶媒と共に溶媒先端に移動する。iTLCの走査は、95%を超えるDOTA-PSMB1154結合In-111を示した。
【1026】
PD10カラムでの精製:
PD-10樹脂を、5mL×3のNaOAc緩衝液(25mM NaOAc pH5.5、0.04% PS-20、0.5% w/vアスコルビン酸ナトリウム)をカラムに通すことによってNaOAc緩衝液中で調整した。全ての標識反応混合物をカラムのリザーバに適用し、溶出液を回収した。次いで、反応バイアルを0.2mL×3回のNaOAcバッファーで洗浄し、洗浄液をPD-10カラムのリザーバにピペットで移し、溶出液を回収した。PD-10カラムのリザーバへのNaOAc緩衝液の適用を10mLの総溶出体積に達するまで続けた。溶出画分を、予め番号を付けたチューブ内の10×1mL画分に回収した。回収した画分の放射化学的純度を上記のようにiTLCによって確認した。純粋であると決定された画分をDTPAチャレンジ及びHPLCによって更に分析した。
【1027】
精製111In-DOTA-PSMB1154のDTPAチャレンジ:
10μLの各純粋画分を15μLの10mM DTPA溶液(pH6.5)と混合し、37℃で30分間インキュベートした。10μLの混合物をiTLC-SGに負荷し、上記のように分析した。
【1028】
精製111In-DOTA-PSMB1154のHPLC分析:
PD-10カラム後に回収した純粋な画分をHPLCにより分析した。HPLC法:Tosoh TSKgel G3000SWxl 7.8mm×30cm、5μmカラム、カラム温度:室温で、カラムを1x DPBS緩衝液:流量:0.7mL/分、20分の運転、注入量:40μLで溶出した。HPLC後、画分を15秒の時間間隔で回収した。HPLCは、放射能トレースを生成するためのインライン放射検出器を装備した。HPLCは、HPLC UV上のモノマーDOTA-PSMB1154ピークに対応する放射性ピークを示し、これは全シグナルの>96%であった。
【配列表】
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【国際調査報告】