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特表2024-532403腎障害または状態の治療のためのリラキシン類似体とバソプレシン類似体との組み合わせ
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  • 特表-腎障害または状態の治療のためのリラキシン類似体とバソプレシン類似体との組み合わせ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】腎障害または状態の治療のためのリラキシン類似体とバソプレシン類似体との組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/095 20190101AFI20240829BHJP
   C07K 14/435 20060101ALI20240829BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240829BHJP
   A61K 38/22 20060101ALI20240829BHJP
   A61K 38/28 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
A61K38/095
C07K14/435 ZNA
A61P13/12
A61K38/22
A61K38/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513300
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 US2022041095
(87)【国際公開番号】W WO2023028008
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/236,090
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/332,994
(32)【優先日】2022-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524069558
【氏名又は名称】リバー ツー レナル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】ギード・マーニ
【テーマコード(参考)】
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA02
4C084BA03
4C084BA17
4C084BA26
4C084CA59
4C084DB01
4C084DB29
4C084DB34
4C084MA02
4C084MA55
4C084MA60
4C084MA63
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA06
4C084NA14
4C084ZA811
4C084ZA812
4C084ZC412
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA18
4H045CA40
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、肝硬変、1型肝腎症候群(HRS-AKI)及び2型肝腎症候群(HRS-NAKI)、慢性腎臓病、ならびに急性腎臓損傷における腎機能障害などの腎障害の治療においてこれを必要とする個体への、リラキシン類似体、例えばRXFP1受容体を活性化することが可能なヒトリラキシン2のB鎖のペプチド類似体と、(b)V1受容体を活性化することが可能なバソプレシン(別名、アルギニンバソプレシン(AVP)、抗利尿ホルモン(ADH)、及びアグリプレシン)の類似体、例えばテルリプレシンとの同時投与を含む、周術期の肝移植中に腎機能を維持するための組み合わせ療法に関する。本開示は、それを必要とする個体に同時投与するためのリラキシン類似体及び/またはバソプレシン類似体を含む組成物、こうした組成物の調製、及びそれを必要とする個体に同時投与するためのこうした組成物の使用、ならびにその市販用パッケージにも関する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腎不全の予防または治療を必要とする個体の腎不全を予防または治療する方法であって、有効量のリラキシン類似体及びバソプレシン類似体を前記個体に同時投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
前記腎不全が、肝硬変によって誘発された腎機能障害、肝移植によって誘発された腎機能障害、慢性腎臓病、及び急性腎臓損傷からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リラキシン類似体がRXFP1アゴニストである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記リラキシン類似体が長時間作用型ペプチジルRXFP1アゴニストである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記バソプレシン類似体がV1a受容体アゴニストである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記バソプレシン類似体が、テルリプレシンまたはその薬学的に許容可能な塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
肝腎症候群の予防または治療を必要とする個体の肝腎症候群を予防または治療する方法であって、有効量のリラキシン類似体及びバソプレシン類似体を前記個体に同時投与することを含む、前記方法。
【請求項8】
前記肝腎症候群がHRS-AKI(1型肝腎症候群)である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記リラキシン類似体がRXFP1アゴニストである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記リラキシン類似体が長時間作用型ペプチジルRXFP1アゴニストである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記バソプレシン類似体がV1a受容体アゴニストである、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記バソプレシン類似体が、テルリプレシンまたはその薬学的に許容可能な塩である、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記テルリプレシンが、1回の投与あたり0.5~2mgの用量で静脈内投与される、請求項6または12に記載の方法。
【請求項14】
前記テルリプレシンが、4~6時間ごとに0.5~2mgの用量で静脈内投与される、請求項6または12に記載の方法。
【請求項15】
前記テルリプレシンが、静脈内注入を介して投与される、請求項6または12に記載の方法。
【請求項16】
前記テルリプレシンが、4~6時間あたり0.5~2mgの割合で投与される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記個体にミドドリンまたはオクトレオチドを投与することを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項18】
前記リラキシン類似体が、インビトロOVCAR5 cAMPアッセイにおいて、15nM未満、1nM未満、0.5nM未満、または0.1nM未満の活性化RXFP1のEC50を有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記リラキシン類似体が、約0.01mg/kg~約0.5mg/kgの用量で投与される、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記リラキシン類似体及び前記バソプレシン類似体が同時に投与される、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記リラキシン類似体及び前記バソプレシン類似体が単一の組成物中で投与される、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記リラキシン類似体及び前記バソプレシン類似体が個別の組成物中で投与される、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記バソプレシン類似体及び前記リラキシン類似体が逐次的に投与される、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記組み合わせ療法が相乗的治療効果を有する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記リラキシン類似体の前記投与が、前記個体におけるバソプレシン類似体治療に伴う有害作用を軽減する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記バソプレシン類似体の前記投与が、前記個体における前記リラキシン類似体による治療に伴う低血圧症のリスクを減少させる、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記バソプレシン類似体またはリラキシン類似体の前記投与により、前記個体の腎圧が上昇する、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記リラキシン類似体が、非経口的に、静脈内的に、皮下的に、経直腸的に、経皮的に、または吸入により投与される、先行請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
腎不全の治療を必要とする個体の腎不全を治療する方法であって、バソプレシン類似体を以前に投与されている前記個体にリラキシン類似体を投与することを含む、前記方法。
【請求項30】
肝硬変を有する個体における肝腎症候群を治療する方法であって、a)バソプレシン類似体を以前に投与されている前記個体にリラキシン類似体を投与することを含む、前記方法。
【請求項31】
前記リラキシン類似体の前記投与が、前記個体におけるバソプレシン類似体治療に伴う有害作用を軽減する、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
腎不全の治療を必要とする個体の腎不全を治療する方法であって、リラキシン類似体を以前に投与されている前記個体にバソプレシン類似体を投与することを含む、前記方法。
【請求項33】
肝硬変を有する個体における肝腎症候群を治療する方法であって、a)有効量のリラキシン類似体を以前に投与されている前記個体にバソプレシン類似体を投与することを含む、前記方法。
【請求項34】
前記バソプレシン類似体の前記投与が、前記個体における前記リラキシン類似体による治療に伴う低血圧症のリスクを減少させる、請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
前記バソプレシン類似体またはリラキシン類似体の前記投与により、前記個体の腎圧が上昇する、請求項32~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記肝腎症候群がHRS-AKI(1型肝腎症候群)である、請求項7~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記リラキシン類似体が、式(I)(配列番号105):
ter-Ac-X10-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-X21-X22-E-G-X25-S-X27-X28-X29-X30-X31-X32-X33-NH-Cterを含む修飾リラキシンB鎖ペプチドであって、
式中、
terは前記ペプチドのN末端を表し、
terは前記ペプチドのC末端を表し、
Acはアセチル基を表し、
10は、ロイシン、2-アミノ-イソ酪酸、Nε-アセチル-リシン、及びα-メチル-ロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Eはグルタミン酸を表し、
Gはグリシンを表し、
Rはアルギニンを表し、
15は、リシン、アルギニン、ホモリシン、ホモアルギニン、オルニチン、グルタミン、フェニルアラニン、及びロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Vはバリンを表し、
18は、アラニン、2-アミノ-イソ酪酸、ロイシン、Nε-アセチル-リシン、及びグルタミンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
19は、リシン、Nε-アセチル-リシン、シトルリン、グルタミン、アラニン、及び2-アミノ-イソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Iはイソロイシンを表し、
21は、2-アミノ-イソ酪酸及びアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
22は、2-アミノ-イソ酪酸及びイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
25は以下の構造を表し、
【化1】
式中、
は、式(I)のX25に先行するグリシンとの共有結合を表し、
【化2】
は、式(I)のX25に続くセリンとの共有結合を表し、
Zは式(II)の基を表し、
-[(PEGxx(gE)]、
b及びcは、独立して1、2、3、4、または5を表し、
PEGxxは、独立して、PEG、PEGDGA、及びTTDSからなる群から選択されるポリエチレングリコール誘導体を表し、
gEはγ-グルタミン酸を表し、
は、直鎖状の飽和C12~C22アシル基を表し、
Sはセリンを表し、
27は、スレオニン、リシン、アルギニン、及びグルタミンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
28は、トリプトファン、フェニルアラニン、5-フルオロ-トリプトファン、5-クロロ-トリプトファン、5-メトキシ-トリプトファン、チロシン、4-フルオロ-フェニルアラニン、1-ナフチルアラニン、2-ナフチルアラニン、α-メチル-トリプトファン、α-メチル-フェニルアラニン、及び5-ヒドロキシ-トリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
29は、セリン、D-セリン、2-アミノ-イソ酪酸、スレオニン、α-メチル-セリン、Nε-アセチル-リシン、及びバリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
30は、2-アミノ-イソ酪酸、α-メチル-リシン、D-リシン、リシン、ホモリシン、オルニチン、アルギニン、及びα-メチル-アルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
31は、アルギニン、Nω-メチル-アルギニン、アラニン、Nω、Nω’-ジメチル-アルギニン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
32は、リシン、アラニン、アルギニン、Nε-アセチル-リシン、及びNε,Nε,Nε-トリ-メチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
33は、リシン、Nε-アセチル-リシン、ロイシン、アルギニン、及びアラニンから選択されるアミノ酸を表す、前記修飾リラキシンB鎖ペプチド、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物である、請求項1~36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
bは2、3、4、または5を表し、cは2、3、もしくは4、またはこれらの塩もしくは溶媒和物を表す、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
式中、Cが、直鎖状の飽和C12~C22アシル基、例えば、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)、C18(Stea)、C20(Eico)、及びC22(Doco)アシル基からなる群から選択される直鎖状の飽和アシル基を表す、請求項37または38に記載の方法。一実施形態では、Cは、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)、またはC18(Stea)アシル基からなる群から選択される直鎖状の飽和アシル基、例えば直鎖状の飽和C14、C16、もしくはC18アシル基、もしくは例えば直鎖状C16もしくはC18アシル基、またはこれらの塩もしくは溶媒和物を表す。
【請求項40】
式中、Cが、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)、及びC18(Stea)アシル基からなる群から選択される直鎖状の飽和アシル基、またはその塩もしくは溶媒和物を表す、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
式中、Cが、直鎖状のC16またはC18アシル基、またはその塩もしくは溶媒和物を表す、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記リラキシン類似体が、式(Ib)であって:
ter-Ac-X10-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-X21-X-22-E-G-X25-S-X27-X28-X29-X30-R-X32-X33-NH-Cter
式中、
terが前記ペプチドのN末端を表し、
terが前記ペプチドのC末端を表し、
Acはアセチル基を表し、
10は、ロイシン、Nε-アセチル-リシン、及び2-アミノ-イソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Eはグルタミン酸を表し、
Gはグリシンを表し、
Rはアルギニンを表し、
15は、リシン、アルギニン、ホモリシン、グルタミン、フェニルアラニン、及びロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Vはバリンを表し、
18は、アラニン、2-アミノ-イソ酪酸、及びNε-アセチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
19は、リシン、Nε-アセチル-リシン、グルタミン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、Iはイソロイシンを表し、
21は、2-アミノ-イソ酪酸及びアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
22は、2-アミノ-イソ酪酸及びイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
25は以下の構造を表し、
【化3】
式中、
は、式(Ia)のX25に先行するグリシンとの共有結合を表し、
【化4】
は、式(Ia)のX25に続くセリンとの共有結合を表し、
Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Myr、及び-(TTDS)-(gE)-Myrからなる群から選択され、式中、gEはγ-グルタミン酸を表し、Palmはパルミトイルを表し、Steaはステアロイルを表し、
Sはセリンを表し、
27は、スレオニン、グルタミン、アルギニン、及びリシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
28は、トリプトファン、フェニルアラニン、5-クロロトリプトファン、α-メチル-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、及び5-フルオロトリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
29は、セリン、D-セリン、2-アミノ-イソ酪酸、Nε-アセチル-リシン、スレオニン、及びバリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
30は、2-アミノ-イソ酪酸、α-メチル-リシン、D-リシン、リシン、ホモリシン、及びアルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
32は、リシン、アラニン、アルギニン、及びNε-アセチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
33は、リシン、Nε-アセチル-リシン、及びアルギニンから選択されるアミノ酸を表す、前記式(Ib)、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物を含む、請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記リラキシン類似体が、配列番号1~97からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項37~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
Zが、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、
-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、
-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、
-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Stea、
-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、
-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、
-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、
-(TTDS)-(gE)-Myr、及び-(TTDS)-(gE)-Myrからなる群から選択される、請求項37~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記リラキシン類似体が、配列番号3、6、7、9~12、20~22、26、28、30~34、45、47~49、51、54~62、64、67~69、71~86、91、93、及び96からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項37~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記リラキシン類似体が、配列番号3、6、7、20、26、30~34、45、48、49、51、54~61、67、71、73、75~79、81、83~92、及び97からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項37~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記リラキシン類似体が、配列番号3、配列番号6、配列番号7、及び配列番号20からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項37~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記リラキシン類似体が、配列番号3のアミノ酸配列を含む、請求項37~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
リラキシン類似体、バソプレシン類似体、及び1種以上の薬学的に許容可能な賦形剤を別個にまたは一緒に含む、医薬組成物。
【請求項50】
前記バソプレシン類似体がV1aアゴニストである、請求項49に記載の組成物。
【請求項51】
前記バソプレシン類似体がテルリプレシンである、請求項49に記載の組成物。
【請求項52】
前記リラキシン類似体がRXFP1ペプチジルアゴニストである、請求項49~51のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項53】
前記リラキシン類似体が、式(I)(配列番号105):
ter-Ac-X10-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-X21-X22-E-G-X25-S-X27-X28-X29-X30-X31-X32-X33-NH-Cterを含む修飾リラキシンB鎖ペプチドであって、
式中、
terは前記ペプチドのN末端を表し、
terは前記ペプチドのC末端を表し、
Acはアセチル基を表し、
10は、ロイシン、2-アミノ-イソ酪酸、Nε-アセチル-リシン、及びα-メチル-ロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Eはグルタミン酸を表し、
Gはグリシンを表し、
Rはアルギニンを表し、
15は、リシン、アルギニン、ホモリシン、ホモアルギニン、オルニチン、グルタミン、フェニルアラニン、及びロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Vはバリンを表し、
18は、アラニン、2-アミノ-イソ酪酸、ロイシン、Nε-アセチル-リシン、及びグルタミンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
19は、リシン、Nε-アセチル-リシン、シトルリン、グルタミン、アラニン、及び2-アミノ-イソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Iはイソロイシンを表し、
21は、2-アミノ-イソ酪酸及びアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
22は、2-アミノ-イソ酪酸及びイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
25は以下の構造を表し、
【化5】
式中、
は、式(I)のX25に先行するグリシンとの共有結合を表し、
【化6】
は、式(I)のX25に続くセリンとの共有結合を表し、
Zは式(II)の基を表し、
-[(PEGxx(gE)]、
b及びcは、独立して1、2、3、4、または5を表し、
PEGxxは、独立して、PEG、PEGDGA、及びTTDSからなる群から選択されるポリエチレングリコール誘導体を表し、
gEはγ-グルタミン酸を表し、
は、直鎖状の飽和C12~C22アシル基を表し、
Sはセリンを表し、
27は、スレオニン、リシン、アルギニン、及びグルタミンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
28は、トリプトファン、フェニルアラニン、5-フルオロ-トリプトファン、5-クロロ-トリプトファン、5-メトキシ-トリプトファン、チロシン、4-フルオロ-フェニルアラニン、1-ナフチルアラニン、2-ナフチルアラニン、α-メチル-トリプトファン、α-メチル-フェニルアラニン、及び5-ヒドロキシ-トリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
29は、セリン、D-セリン、2-アミノ-イソ酪酸、スレオニン、α-メチル-セリン、Nε-アセチル-リシン、及びバリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
30は、2-アミノ-イソ酪酸、α-メチル-リシン、D-リシン、リシン、ホモリシン、オルニチン、アルギニン、及びα-メチル-アルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
31は、アルギニン、Nω-メチル-アルギニン、アラニン、Nω、Nω’-ジメチル-アルギニン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
32は、リシン、アラニン、アルギニン、Nε-アセチル-リシン、及びNε,Nε,Nε-トリ-メチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
33は、リシン、Nε-アセチル-リシン、ロイシン、アルギニン、及びアラニンから選択されるアミノ酸を表す、前記修飾リラキシンB鎖ペプチド、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物である、請求項49~52のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項54】
bは2、3、4、または5を表し、cは2、3、もしくは4、またはこれらの塩もしくは溶媒和物を表す、請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
式中、Cが、直鎖状の飽和C12~C22アシル基、例えば、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)、C18(Stea)、C20(Eico)、及びC22(Doco)アシル基からなる群から選択される直鎖状の飽和アシル基を表す、請求項53または54に記載の組成物。一実施形態では、Cは、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)、またはC18(Stea)アシル基からなる群から選択される直鎖状の飽和アシル基、例えば直鎖状の飽和C14、C16、もしくはC18アシル基、もしくは例えば直鎖状C16もしくはC18アシル基、またはこれらの塩もしくは溶媒和物を表す。
【請求項56】
式中、Cが、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)、及びC18(Stea)アシル基からなる群から選択される直鎖状の飽和アシル基、またはその塩もしくは溶媒和物を表す、請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
式中、Cが、直鎖状のC16またはC18アシル基、またはその塩もしくは溶媒和物を表す、請求項56に記載の組成物。
【請求項58】
前記リラキシン類似体が、式(Ib)であって:
ter-Ac-X10-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-X21-X-22-E-G-X25-S-X27-X28-X29-X30-R-X32-X33-NH-Cter
式中、
terは前記ペプチドのN末端を表し、
terは前記ペプチドのC末端を表し、
Acはアセチル基を表し、
10は、ロイシン、Nε-アセチル-リシン、及び2-アミノ-イソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Eはグルタミン酸を表し、
Gはグリシンを表し、
Rはアルギニンを表し、
15は、リシン、アルギニン、ホモリシン、グルタミン、フェニルアラニン、及びロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Vはバリンを表し、
18は、アラニン、2-アミノ-イソ酪酸、及びNε-アセチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
19は、リシン、Nε-アセチル-リシン、グルタミン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、Iはイソロイシンを表し、
21は、2-アミノ-イソ酪酸及びアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
22は、2-アミノ-イソ酪酸及びイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
25は以下の構造を表し、
【化7】
式中、
は、式(Ia)のX25に先行するグリシンとの共有結合を表し、
【化8】
は、式(Ia)のX25に続くセリンとの共有結合を表し、Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Myr、及び-(TTDS)-(gE)-Myrからなる群から選択され、式中、gEはγ-グルタミン酸を表し、Palmはパルミトイルを表し、Steaはステアロイルを表し、
Sはセリンを表し、
27は、スレオニン、グルタミン、アルギニン、及びリシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
28は、トリプトファン、フェニルアラニン、5-クロロトリプトファン、α-メチル-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、及び5-フルオロトリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
29は、セリン、D-セリン、2-アミノ-イソ酪酸、Nε-アセチル-リシン、スレオニン、及びバリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
30は、2-アミノ-イソ酪酸、α-メチル-リシン、D-リシン、リシン、ホモリシン、及びアルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
32は、リシン、アラニン、アルギニン、及びNε-アセチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
33は、リシン、Nε-アセチル-リシン、及びアルギニンから選択されるアミノ酸を表す、前記式(Ib)、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物を含む、請求項53~57のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項59】
前記リラキシン類似体が、配列番号1~97からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項53~58のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項60】
Zが、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、
-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、
-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、
-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Stea、
-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、
-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、
-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、
-(TTDS)-(gE)-Myr、及び-(TTDS)-(gE)-Myrからなる群から選択される、請求項53~59のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項61】
前記リラキシン類似体が、配列番号3、6、7、9~12、20~22、26、28、30~34、45、47~49、51、54~62、64、67~69、71~86、91、93、及び96からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項53~60のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項62】
前記リラキシン類似体が、配列番号3、6、7、20、26、30~34、45、48、49、51、54~61、67、71、73、75~79、81、83~92、及び97からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項53~60のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項63】
前記リラキシン類似体が、配列番号3、配列番号6、配列番号7、及び配列番号20からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項53~60のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項64】
前記リラキシン類似体が、配列番号3のアミノ酸配列を含む、請求項53~60のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項65】
薬学的に許容可能な組成物中のリラキシン類似体と、薬学的に許容可能な組成物中のバソプレシン類似体と、を含むキット。
【請求項66】
前記バソプレシン類似体がV1aアゴニストである、請求項65に記載のキット。
【請求項67】
前記バソプレシン類似体がテルリプレシンである、請求項65に記載のキット。
【請求項68】
前記リラキシン類似体がRXFP1ペプチジルアゴニストである、請求項65に記載のキット。
【請求項69】
前記リラキシン類似体が、式(I)(配列番号105):
ter-Ac-X10-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-X21-X22-E-G-X25-S-X27-X28-X29-X30-X31-X32-X33-NH-Cterを含む修飾リラキシンB鎖ペプチドであって、
式中、
terは前記ペプチドのN末端を表し、
terは前記ペプチドのC末端を表し、
Acはアセチル基を表し、
10は、ロイシン、2-アミノ-イソ酪酸、Nε-アセチル-リシン、及びα-メチル-ロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Eはグルタミン酸を表し、
Gはグリシンを表し、
Rはアルギニンを表し、
15は、リシン、アルギニン、ホモリシン、ホモアルギニン、オルニチン、グルタミン、フェニルアラニン、及びロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Vはバリンを表し、
18は、アラニン、2-アミノ-イソ酪酸、ロイシン、Nε-アセチル-リシン、及びグルタミンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
19は、リシン、Nε-アセチル-リシン、シトルリン、グルタミン、アラニン、及び2-アミノ-イソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Iはイソロイシンを表し、
21は、2-アミノ-イソ酪酸及びアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
22は、2-アミノ-イソ酪酸及びイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
25は以下の構造を表し、
【化9】
式中、
は、式(I)のX25に先行するグリシンとの共有結合を表し、
【化10】
は、式(I)のX25に続くセリンとの共有結合を表し
Zは式(II)の基を表し、
-[(PEGxx(gE)]、
b及びcは、独立して1、2、3、4、または5を表し、
PEGxxは、独立して、PEG、PEGDGA、及びTTDSからなる群から選択されるポリエチレングリコール誘導体を表し、
gEはγ-グルタミン酸を表し、
は、直鎖状の飽和C12~C22アシル基を表し、
Sはセリンを表し、
27は、スレオニン、リシン、アルギニン、及びグルタミンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
28は、トリプトファン、フェニルアラニン、5-フルオロ-トリプトファン、5-クロロ-トリプトファン、5-メトキシ-トリプトファン、チロシン、4-フルオロ-フェニルアラニン、1-ナフチルアラニン、2-ナフチルアラニン、α-メチル-トリプトファン、α-メチル-フェニルアラニン、及び5-ヒドロキシ-トリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
29は、セリン、D-セリン、2-アミノ-イソ酪酸、スレオニン、α-メチル-セリン、Nε-アセチル-リシン、及びバリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
30は、2-アミノ-イソ酪酸、α-メチル-リシン、D-リシン、リシン、ホモリシン、オルニチン、アルギニン、及びα-メチル-アルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
31は、アルギニン、Nω-メチル-アルギニン、アラニン、Nω、Nω’-ジメチル-アルギニン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
32は、リシン、アラニン、アルギニン、Nε-アセチル-リシン、及びNε,Nε,Nε-トリ-メチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
33は、リシン、Nε-アセチル-リシン、ロイシン、アルギニン、及びアラニンから選択されるアミノ酸を表す、前記修飾リラキシンB鎖ペプチド、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物である、請求項65~68のいずれか1項に記載のキット。
【請求項70】
bは2、3、4、または5を表し、cは2、3、もしくは4、またはこれらの塩もしくは溶媒和物を表す、請求項69に記載のキット。
【請求項71】
式中、Cが、直鎖状の飽和C12~C22アシル基、例えば、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)、C18(Stea)、C20(Eico)、及びC22(Doco)アシル基からなる群から選択される直鎖状の飽和アシル基を表す、請求項69または70に記載のキット。か
【請求項72】
式中、Cが、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)、及びC18(Stea)アシル基からなる群から選択される直鎖状の飽和アシル基、またはその塩もしくは溶媒和物を表す、請求項71に記載のキット。
【請求項73】
式中、Cが、直鎖状のC16またはC18アシル基、またはその塩もしくは溶媒和物を表す、請求項72記載のキット。
【請求項74】
前記リラキシン類似体が式(Ib)であって:
ter-Ac-X10-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-X21-X-22-E-G-X25-S-X27-X28-X29-X30-R-X32-X33-NH-Cter
式中、
terは前記ペプチドのN末端を表し、
terは前記ペプチドのC末端を表し、
Acはアセチル基を表し、
10は、ロイシン、Nε-アセチル-リシン、及び2-アミノ-イソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Eはグルタミン酸を表し、
Gはグリシンを表し、
Rはアルギニンを表し、
15は、リシン、アルギニン、ホモリシン、グルタミン、フェニルアラニン、及びロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Vはバリンを表し、
18は、アラニン、2-アミノ-イソ酪酸、及びNε-アセチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
19は、リシン、Nε-アセチル-リシン、グルタミン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、Iはイソロイシンを表し、
21は、2-アミノ-イソ酪酸及びアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
22は、2-アミノ-イソ酪酸及びイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
25は以下の構造を表し、
【化11】
式中、
は、式(Ia)のX25に先行するグリシンとの共有結合を表し、
【化12】
は、式(Ia)のX25に続くセリンとの共有結合を表し、
Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Myr、及び-(TTDS)-(gE)-Myrからなる群から選択され、式中、gEはγ-グルタミン酸を表し、Palmはパルミトイルを表し、Steaはステアロイルを表し、
Sはセリンを表し、
27は、スレオニン、グルタミン、アルギニン、及びリシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
28は、トリプトファン、フェニルアラニン、5-クロロトリプトファン、α-メチル-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、及び5-フルオロトリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
29は、セリン、D-セリン、2-アミノ-イソ酪酸、Nε-アセチル-リシン、スレオニン、及びバリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
30は、2-アミノ-イソ酪酸、α-メチル-リシン、D-リシン、リシン、ホモリシン、及びアルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
32は、リシン、アラニン、アルギニン、及びNε-アセチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
33は、リシン、Nε-アセチル-リシン、及びアルギニンから選択されるアミノ酸を表す、前記式(Ib)、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物を含む、請求項69~73のいずれか1項に記載のキット。
【請求項75】
前記リラキシン類似体が、配列番号1~97からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項69~74のいずれか1項に記載のキット。
【請求項76】
Zが、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、
-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、
-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、
-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Stea、
-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、
-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、
-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、
-(TTDS)-(gE)-Myr、及び-(TTDS)-(gE)-Myrからなる群から選択される、請求項69~75のいずれか1項に記載のキット。
【請求項77】
前記リラキシン類似体が、配列番号3、6、7、9~12、20~22、26、28、30~34、45、47~49、51、54~62、64、67~69、71~86、91、93、及び96からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項69~76のいずれか1項に記載のキット。
【請求項78】
前記リラキシン類似体が、配列番号3、6、7、20、26、30~34、45、48、49、51、54~61、67、71、73、75~79、81、83~92、及び97からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項69~76のいずれか1項に記載のキット。
【請求項79】
前記リラキシン類似体が、配列番号3、配列番号6、配列番号7、及び配列番号20からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項69~76のいずれか1項に記載のキット。
【請求項80】
前記リラキシン類似体が、配列番号3のアミノ酸配列を含む、請求項69~76のいずれか1項に記載のキット。
【請求項81】
腎不全の予防または治療を必要とする個体の腎不全を予防または治療する方法であって、約1.0mg~約10.0mgのリラキシン類似体及び有効量のバソプレシン類似体の用量を前記個体に同時投与することを含む、前記方法。
【請求項82】
前記腎不全が、肝硬変によって誘発された腎機能障害、肝移植によって誘発された腎機能障害、慢性腎臓病、及び急性腎臓損傷からなる群から選択される、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
肝腎症候群の予防または治療を必要とする個体の肝腎症候群を予防または治療する方法であって、約1.0mg~約10.0mgのリラキシン類似体及び有効量のバソプレシン類似体の用量を前記個体に同時投与することを含む、前記方法。
【請求項84】
前記肝腎症候群がHRS-AKI(1型肝腎症候群)である、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記リラキシン類似体がRXFP1アゴニストである、請求項81~84のいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
前記リラキシン類似体が長時間作用型ペプチジルRXFP1アゴニストである、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
約1.0mg~約3.0mgの前記リラキシン類似体が前記個体に投与される、請求項81~86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
約1.0mgの前記リラキシン類似体が前記個体に投与される、請求項81~87のいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
約2.0mgの前記リラキシン類似体が前記個体に投与される、請求項81~87のいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
約3.0mg~約5.0mgの前記リラキシン類似体が前記個体に投与される、請求項81~86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
約4.0mgの前記リラキシン類似体が前記個体に投与される、請求項81~86及び90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項92】
約5.0mg~約10.0mgの前記リラキシン類似体が前記個体に投与される、請求項81~86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項93】
約5.0mgの前記リラキシン類似体が前記個体に投与される、請求項81~86及び92のいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
約10.0mgの前記リラキシン類似体が前記個体に投与される、請求項81~86及び92のいずれか1項に記載の方法。
【請求項95】
前記リラキシン類似体が静脈内投与される、請求項81~94のいずれか1項に記載の方法。
【請求項96】
前記リラキシン類似体が、約1時間~約10時間にわたって静脈内投与される、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記リラキシン類似体が、約2時間~約8時間にわたって静脈内投与される、請求項95または96に記載の方法。
【請求項98】
前記リラキシン類似体が、約3時間~約6時間にわたって静脈内投与される、請求項95~97のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
前記リラキシン類似体が約4時間にわたって静脈内投与される、請求項95~98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
前記リラキシン類似体の追加用量を前記個体に投与することを更に含む、請求項81~99のいずれか1項に記載の方法。
【請求項101】
前記リラキシン類似体の前記追加用量が、約1.0mg~約10.0mgの前記リラキシン類似体の投与から5時間~18時間後に投与される、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記リラキシン類似体の前記追加用量が、約1.0mg~約10.0mgの前記リラキシン類似体の前記用量の投与から8時間~15時間後に投与される、請求項100または101に記載の方法。
【請求項103】
前記リラキシン類似体の前記追加用量が、約1.0mg~約10.0mgの前記リラキシン類似体の前記用量の投与から10時間~13時間後に投与される、請求項100または102に記載の方法。
【請求項104】
前記リラキシン類似体の前記追加用量が、約1.0mg~約10.0mgの前記リラキシン類似体の前記用量の投与から約12時間後に投与される、請求項100~103のいずれか1項に記載の方法。
【請求項105】
前記リラキシン類似体の前記追加用量が前記個体に皮下投与される、請求項100~104のいずれか1項に記載の方法。
【請求項106】
前記リラキシン類似体の前記追加用量が、約1mg~約50mgの前記リラキシン類似体を含む、請求項100~105のいずれか1項に記載の方法。
【請求項107】
前記リラキシン類似体の前記追加用量が、約5mg~約15mgの前記リラキシン類似体を含む、請求項100~106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項108】
前記リラキシン類似体の前記追加用量が、約8mg~約12mgの前記リラキシン類似体を含む、請求項100~107のいずれか1項に記載の方法。
【請求項109】
前記リラキシン類似体の前記追加用量が、約10mgの前記リラキシン類似体を含む、請求項100~108のいずれか1項に記載の方法。
【請求項110】
前記リラキシン類似体の更なる追加用量を前記個体に投与することを更に含む、請求項81~109のいずれか1項に記載の方法。
【請求項111】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約1.0mg~約10.0mgの前記リラキシン類似体の投与から18時間~30時間後に投与される、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約1.0mg~約10.0mgの前記リラキシン類似体の前記用量の投与から20時間~26時間後に投与される、請求項110または111に記載の方法。
【請求項113】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約1.0mg~約10.0mgの前記リラキシン類似体の前記用量の投与から約24時間後に投与される、請求項110~112のいずれか1項に記載の方法。
【請求項114】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が前記個体に皮下投与される、請求項110~113のいずれか1項に記載の方法。
【請求項115】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約1mg~約50mgの前記リラキシン類似体を含む、請求項110~114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項116】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約2mg~約15mgの前記リラキシン類似体を含む、請求項110~115のいずれか1項に記載の方法。
【請求項117】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約3mg~約8mgの前記リラキシン類似体を含む、請求項110~116のいずれか1項に記載の方法。
【請求項118】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約5mgの前記リラキシン類似体を含む、請求項110~117のいずれか1項に記載の方法。
【請求項119】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約2mg~約5mgの前記リラキシン類似体を含む、請求項110~115のいずれか1項に記載の方法。
【請求項120】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約2.5mgの前記リラキシン類似体を含む、請求項110~115及び119のいずれか1項に記載の方法。
【請求項121】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約6mg~約15mgの前記リラキシン類似体を含む、請求項110~115のいずれか1項に記載の方法。
【請求項122】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約8mg~約12mgの前記リラキシン類似体を含む、請求項110~115及び119のいずれか1項に記載の方法。
【請求項123】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約10mgの前記リラキシン類似体を含む、請求項110~115及び119~122のいずれか1項に記載の方法。
【請求項124】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量を毎日投与することを更に含む、請求項110~123のいずれか1項に記載の方法。
【請求項125】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約10日間~約20日間毎日投与される、請求項110~124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項126】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約12日間~約16日間毎日投与される、請求項110~124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項127】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約14日間以上の間毎日投与される、請求項110~124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項128】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約3日間~約15日間毎日投与される、請求項110~124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項129】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約4日間~約13日間毎日投与される、請求項110~124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項130】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約5日間~約11日間毎日投与される、請求項110~124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項131】
前記リラキシン類似体の前記更なる追加用量が、約6日間~約9日間毎日投与される、請求項110~124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項132】
前記リラキシン類似体が、インビトロOVCAR5 cAMPアッセイにおいて、15nM未満、1nM未満、0.5nM未満、または0.1nM未満の活性化RXFP1のEC50を有する、請求項81~131のいずれか1項に記載の方法。
【請求項133】
前記バソプレシン類似体がV1a受容体アゴニストである、請求項81~132のいずれか1項に記載の方法。
【請求項134】
前記バソプレシン類似体が、テルリプレシンまたはその薬学的に許容可能な塩である、請求項81~132のいずれか1項に記載の方法。
【請求項135】
前記テルリプレシンが、約0.5~約10mgの用量で静脈内投与される、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
前記テルリプレシンが、4~6時間ごとに約0.5~約2mgの用量で静脈内投与される、請求項134または135に記載の方法。
【請求項137】
前記テルリプレシンが、6時間ごとに約1mgの用量で静脈内投与される、請求項134~136のいずれか1項に記載の方法。
【請求項138】
前記テルリプレシンが、4~6時間ごとに約2~約6mgの用量で静脈内投与される、請求項134または135に記載の方法。
【請求項139】
前記テルリプレシンが、6時間ごとに約4mgの用量で静脈内投与される、請求項134~135及び138のいずれか1項に記載の方法。
【請求項140】
前記テルリプレシンが、4~6時間ごとに約6~約10mgの用量で静脈内投与される、請求項134または135に記載の方法。
【請求項141】
前記テルリプレシンが、6時間ごとに約6mgの用量で静脈内投与される、請求項134~135及び140のいずれか1項に記載の方法。
【請求項142】
前記テルリプレシンが、6時間ごとに約8mgの用量で静脈内投与される、請求項134~135及び140のいずれか1項に記載の方法。
【請求項143】
テルリプレシンがボーラス注射により静脈内投与される、請求項137、139、141、または142に記載の方法。
【請求項144】
テルリプレシンが、約1分間~約5分間にわたるボーラス注射により静脈内投与される、請求項143に記載の方法。
【請求項145】
テルリプレシンが、約2分間~約3分間にわたるボーラス注射により静脈内投与される、請求項143または144に記載の方法。
【請求項146】
テルリプレシンが約2分間にわたるボーラス注射により静脈内投与される、請求項143~145のいずれか1項に記載の方法。
【請求項147】
前記テルリプレシンが、約1mg~約10mgの用量で静脈内投与される、請求項134に記載の方法。
【請求項148】
前記テルリプレシンが、約1.5mg~約4mgの用量で静脈内投与される、請求項134または147に記載の方法。
【請求項149】
前記テルリプレシンが約2mgの用量で静脈内投与される、請求項134または147~148に記載の方法。
【請求項150】
前記テルリプレシンが、約5~約8mgの用量で静脈内投与される、請求項134または147に記載の方法。
【請求項151】
前記テルリプレシンが約6mgの用量で静脈内投与される、請求項134、147、または150に記載の方法。
【請求項152】
前記テルリプレシンが約10時間~約30時間にわたって静脈内投与される、請求項149または151に記載の方法。
【請求項153】
前記テルリプレシンが約20時間~約25時間にわたって静脈内投与される、請求項149または150に記載の方法。
【請求項154】
前記テルリプレシンが約24時間にわたって静脈内投与される、請求項149~153のいずれか1項に記載の方法。
【請求項155】
ミドドリンまたはオクトレオチドを前記個体に投与することを更に含む、請求項81~154のいずれか1項に記載の方法。
【請求項156】
アルブミンを前記個体に投与することを更に含む、請求項81~154のいずれか1項に記載の方法。
【請求項157】
前記リラキシン類似体及び前記バソプレシン類似体の用量が同時に投与される、請求項81~156のいずれか1項に記載の方法。
【請求項158】
前記リラキシン類似体及び前記バソプレシン類似体の用量が単一の組成物中で投与される、請求項81~156のいずれか1項に記載の方法。
【請求項159】
前記リラキシン類似体及び前記バソプレシン類似体の用量が個別の組成物中で投与される、請求項81~156のいずれか1項に記載の方法。
【請求項160】
前記バソプレシン類似体及び前記リラキシン類似体の用量が逐次的に投与される、請求項81~156のいずれか1項に記載の方法。
【請求項161】
前記組み合わせ療法が相乗的治療効果を有する、請求項81~160のいずれか1項に記載の方法。
【請求項162】
前記組み合わせ療法が、改善された奏効率の発生を達成し、奏効者が少なくともInternational Club of Acites(ICA)の基準に従って定義される、請求項81~161のいずれか1項に記載の方法。
【請求項163】
奏効者は、ICA基準に従って定義した完全奏効者または部分奏効者を含み、治療開始から少なくとも30日間は腎移植療法(RRT)なしで生存する、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
奏効者は、ICA基準に従って定義した完全奏効者または部分奏効者を含み、治療開始から少なくとも10日間は腎移植療法(RRT)なしで生存する、請求項162に記載の方法。
【請求項165】
完全奏効者は、2つの血清クレアチニンレベルが、少なくとも2時間間隔で、ベースライン血清クレアチニン値の0.3mg/dL(26.5マイクロモル/L)以内の値に戻ることとして定義される、請求項163または164に記載の方法。
【請求項166】
部分奏効者が、ベースライン血清クレアチニン値よりも0.3mg/dL以上高い血清クレアチニンの減少を伴う、少なくとも1つの急性腎臓損傷(AKI)ステージの退行として定義される、請求項163または164に記載の方法。
【請求項167】
前記組み合わせ療法が、改善された奏効率の発生を達成し、奏効率の発生は、血清クレアチニンがベースライン値の0.3mg/dL(26.5マイクロモル/L)以内の値に戻ることに基づいて測定される、請求項81~166のいずれか1項に記載の方法。
【請求項168】
前記組み合わせ療法が、改善された奏効率の発生を達成し、奏効率の発生は、ベースライン値よりも0.3mg/dL以上高い血清クレアチニンの減少を伴う急性腎臓損傷(AKI)ステージの退行に基づいて測定される、請求項81~166のいずれか1項に記載の方法。
【請求項169】
前記組み合わせ療法が、改善された奏効率の発生を達成し、奏効率の発生は、少なくとも2時間間隔の2つの連続した血清クレアチニン値が1.5mg/dL未満になることに基づいて測定される、請求項81~166のいずれか1項に記載の方法。
【請求項170】
前記リラキシン類似体の前記投与が、前記個体におけるバソプレシン類似体治療に伴う有害作用を軽減する、請求項81~169のいずれか1項に記載の方法。
【請求項171】
前記バソプレシン類似体の前記投与が、前記個体における前記リラキシン類似体による治療に伴う低血圧症のリスクを減少させる、請求項81~169のいずれか1項に記載の方法。
【請求項172】
前記バソプレシン類似体の前記投与により、前記個体の腎圧が上昇する、請求項81~169のいずれか1項に記載の方法。
【請求項173】
腎不全の治療を必要とする個体の腎不全を治療する方法であって、バソプレシン類似体を以前に投与されている前記個体にリラキシン類似体を投与することを含む、前記方法。
【請求項174】
肝硬変を有する個体における肝腎症候群を治療する方法であって、a)バソプレシン類似体を以前に投与されている前記個体にリラキシン類似体を投与することを含む、前記方法。
【請求項175】
前記個体が、以前に前記バソプレシン類似体に対する非奏効者であるとみなされた、請求項173または請求項174に記載の方法。
【請求項176】
前記リラキシン類似体の前記投与が、前記個体におけるバソプレシン類似体治療に伴う有害作用を軽減する、請求項173または174に記載の方法。
【請求項177】
腎不全の予防または治療を必要とする個体の腎不全を予防または治療する方法であって、
A)約4.0mgの用量のリラキシン類似体を個体に静脈内投与することと、
B)工程(A)が実施される日と同じ日に、約5.0mgの用量の前記リラキシン類似体を前記個体に皮下投与することと、
C)工程(A)及び(B)が実施される日とは異なる後の日に、約10mg用量の前記リラキシン類似体を前記個体に皮下投与することと、を含む、前記方法。
【請求項178】
肝腎症候群の予防または治療を必要とする個体の肝腎症候群を予防または治療する方法であって、
A)約4.0mgの用量のリラキシン類似体を個体に静脈内投与することと、
B)工程(A)が実施される日と同じ日に、約5.0mgの用量の前記リラキシン類似体を前記個体に皮下投与することと、
C)工程(A)及び(B)が実施される日とは異なる後の日に、約10mg用量の前記リラキシン類似体を前記個体に皮下投与することと、を含む、前記方法。
【請求項179】
工程(c)を最長で13日間毎日繰り返すことを更に含む、請求項177または178に記載の方法。
【請求項180】
工程(A)及び工程(b)が実施される日と同じ日に、6時間ごとに1mgのテルリプレシンのボーラスを静脈内投与することを更に含む、請求項177~179のいずれか1項に記載の方法。
【請求項181】
6時間ごとの1mgのテルリプレシンのボーラスの静脈内投与を最長で14日間繰り返すことを更に含む、請求項180に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月23日に出願された米国仮特許出願第63/236,090号、及び2022年4月20日に出願された米国仮特許出願第63/332,994号の利益及び優先権を主張するものであり、それぞれの開示全体が、参照によりあらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、肝硬変、1型肝腎症候群(HRS-AKI)及び2型肝腎症候群(HRS-NAKI)、慢性腎臓病、ならびに急性腎臓損傷における腎機能障害などの腎障害の治療においてそれを必要とする個体に投与され、周術期の肝移植中に腎機能を維持するための、(a)RXFP1受容体を活性化することが可能なリラキシン類似体、例えばヒトリラキシン2のB鎖のペプチド類似体と、(b)V1受容体を活性化することが可能なバソプレシン(別名、アルギニンバソプレシン(AVP)、抗利尿ホルモン(ADH)、及びアグリプレシン(agripressin))の類似体、例えばテルリプレシンとの同時投与を含む、組み合わせ療法に関する。本開示は、それを必要とする個体に同時投与するためのリラキシン類似体及び/またはバソプレシン類似体を含む組成物、こうした組成物の調製、及びそれを必要とする個体に同時投与するためのこうした組成物の使用、ならびにその市販用パッケージにも関する。
【背景技術】
【0003】
テルリプレシンは、肝腎症候群(HRS)及び食道出血(EVB)を含む肝硬変の致命的な合併症を治療するために米国外の多くの国で認可されている合成バソプレシンである。これは半減期が短いため、その使用は病院内に限定されており(Nilsson,et al.,(1990)Drugs Explt Clin.Res.,XVI(6):307-314)、典型的には、通常4~6時間ごとに静脈内ボーラスとして投与される。しかしながら、テルリプレシンは臨床的有用性を有する可能性があるものの、最近の研究では、3ヶ月時点で、テルリプレシン及び標準治療(例えばアルブミン)を投与された患者の死亡率は、標準治療のみを投与された患者の45%と比較して51%であったことが判明した(Wong,F.et al.,Terlipressin plus Albumin for the Treatment of Type 1 Hepatorenal Sydrome,NEJM(2021),384:818-828。更に、テルリプレシンは、患者のうち最大40%で副作用を引き起こす可能性がある。重篤な副作用(呼吸不全、心筋梗塞、狭心症、心不整脈、重症の高血圧症、及び腸虚血/梗塞/出血を含む)がこれまでに報告されており、患者のうち最大10%で治療の中断が必要となる場合がある(Angeli,(2011)Ascites,Hyponatremia and Hepatorenal Syndrome:Progress in Treatment,28:189-197)。実際に、その急速な血管収縮特性のため、IVボーラス投与されるテルリプレシンは慎重に使用するものであり、さもなければ重症の喘息、重症の高血圧症、進行型アテローム性動脈硬化症、心律動異常、及び冠動脈不全を患う患者では推薦されない場合がある。
【0004】
したがって、肝腎症候群(HRS)及び関連する状態を治療するための、例えばその有効性及び/または安全性プロファイルを改善する、改善された療法に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実施形態では、腎不全の予防または治療を必要とする個体において腎不全を予防または治療する方法であって、有効量のリラキシン類似体及びバソプレシン類似体を個体に同時投与することを含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、腎不全は、肝硬変によって誘発された腎機能障害、肝移植によって誘発された腎機能障害、慢性腎臓病、及び急性腎臓損傷からなる群から選択される。
【0006】
いくつかの実施形態によれば、肝腎症候群の予防または治療を必要とする個体において肝腎症候群を予防または治療する方法であって、有効量のリラキシン類似体及びバソプレシン類似体を個体に同時投与することを含む、方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、肝腎症候群はHRS-AKI(1型肝腎症候群)である。
【0007】
いくつかの実施形態では、リラキシン類似体はRXFP1アゴニストである。いくつかの実施形態では、リラキシン類似体は、長時間作用型ペプチジルRXFP1アゴニストである。いくつかの実施形態では、バソプレシン類似体はV1a受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、バソプレシン類似体はテルリプレシンまたはその薬学的に許容可能な塩である。
【0008】
いくつかの実施形態では、テルリプレシンは、1回の投与あたり0.5~2mgの用量で静脈内投与される。いくつかの実施形態では、テルリプレシンは、4~6時間ごとに0.5~2mgの用量で静脈内投与される。いくつかの実施形態では、テルリプレシンは、静脈内注入によって投与される。いくつかの実施形態では、テルリプレシンは、4~6時間あたり0.5~2mgの割合で投与される。いくつかの実施形態では、テルリプレシンは、8~36時間あたり0.5~2mgの割合で投与される。いくつかの実施形態では、テルリプレシンは、10~30時間あたり0.5~2mgの割合で投与される。いくつかの実施形態では、テルリプレシンは、15~28時間あたり0.5~2mgの割合で投与される。いくつかの実施形態では、テルリプレシンは、20~25時間あたり0.5~2mgの割合で投与される。いくつかの実施形態では、テルリプレシンは、24時間あたり0.5~2mgの割合で投与される。
【0009】
いくつかの実施形態では、リラキシン類似体は、約0.01mg/kg~約0.5mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、リラキシン類似体は、非経口的に、静脈内的に、皮下的に、経直腸的に、経皮的に、または吸入により投与される。いくつかの実施形態では、リラキシン類似体は、インビトロOVCAR5 cAMPアッセイにおいて、15nM未満、1nM未満、0.5nM未満、または0.1nM未満の活性化RXFP1のEC50を有する。
【0010】
いくつかの実施形態では、予防または治療する方法は、個体にミドドリンまたはオクトレオチドを投与することを更に含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、リラキシン類似体及びバソプレシン類似体は同時に投与される。いくつかの実施形態では、リラキシン類似体及びバソプレシン類似体は単一の組成物中で投与される。いくつかの実施形態では、リラキシン類似体及びバソプレシン類似体は個別の組成物中で投与される。いくつかの実施形態では、バソプレシン類似体及びリラキシン類似体は逐次的に投与される。
【0012】
いくつかの実施形態では、組み合わせ療法は相乗的治療効果を有する。いくつかの実施形態では、リラキシン類似体の投与は、個体におけるバソプレシン類似体治療に伴う有害作用を軽減する。いくつかの実施形態では、バソプレシン類似体の投与は、個体におけるリラキシン類似体による治療に伴う低血圧症のリスクを減少させる。いくつかの実施形態では、バソプレシン類似体またはリラキシン類似体の投与により、個体の腎圧が上昇する。
【0013】
また、いくつかの実施形態によれば、腎不全の治療を必要とする個体の腎不全を治療する方法であって、バソプレシン類似体を以前に投与されている個体にリラキシン類似体を投与することを含む方法も本明細書で提供される。
【0014】
また、いくつかの実施形態によれば、肝硬変を有する個体における肝腎症候群を治療する方法であって、a)バソプレシン類似体を以前に投与されている個体にリラキシン類似体を投与することを含む方法も本明細書で提供される。
【0015】
いくつかの実施形態では、リラキシン類似体の投与は、個体におけるバソプレシン類似体治療に伴う有害作用を軽減する。
【0016】
また、いくつかの実施形態によれば、腎不全の治療を必要とする個体の腎不全を治療する方法であって、リラキシン類似体を以前に投与されている個体にバソプレシン類似体を投与することを含む方法も本明細書で提供される。
【0017】
また、いくつかの実施形態によれば、肝硬変を有する個体における肝腎症候群を治療する方法であって、a)有効量のリラキシン類似体を以前に投与されている個体にバソプレシン類似体を投与することを含む方法も本明細書で提供される。
【0018】
いくつかの実施形態では、バソプレシン類似体の投与は、個体におけるリラキシン類似体による治療に伴う低血圧症のリスクを減少させる。いくつかの実施形態では、バソプレシン類似体またはリラキシン類似体の投与により、個体の腎圧が上昇する。
【0019】
いくつかの実施形態では、肝腎症候群はHRS-AKI(1型肝腎症候群)である。
【0020】
いくつかの実施形態では、リラキシン類似体、バソプレシン類似体、及び1種以上の薬学的に許容可能な賦形剤を別個にまたは一緒に含む医薬組成物も本明細書で提供される。
【0021】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な組成物中のリラキシン類似体と、薬学的に許容可能な組成物中のバソプレシン類似体とを含むキットも本明細書で提供される。
【0022】
いくつかの実施形態では、リラキシン類似体はRXFP1アゴニストである。いくつかの実施形態では、リラキシン類似体は、長時間作用型ペプチジルRXFP1アゴニストである。いくつかの実施形態では、バソプレシン類似体はV1a受容体アゴニストである。いくつかの実施形態では、バソプレシン類似体はテルリプレシンまたはその薬学的に許容可能な塩である。
【0023】
いくつかの実施形態では、リラキシン類似体は、式(I)(配列番号105):
ter-Ac-X10-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-X21-X22-E-G-X25-S-X27-X28-X29-X30-X31-X32-X33-NH-Cterを含む修飾リラキシンB鎖ペプチドであって、
式中、
terはペプチドのN末端を表し、
terはペプチドのC末端を表し、
Acはアセチル基を表し、
10は、ロイシン、2-アミノ-イソ酪酸、Nε-アセチル-リシン、及びα-メチル-ロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Eはグルタミン酸を表し、
Gはグリシンを表し、
Rはアルギニンを表し、
15は、リシン、アルギニン、ホモリシン、ホモアルギニン、オルニチン、グルタミン、フェニルアラニン、及びロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Vはバリンを表し、
18は、アラニン、2-アミノ-イソ酪酸、ロイシン、Nε-アセチル-リシン、及びグルタミンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
19は、リシン、Nε-アセチル-リシン、シトルリン、グルタミン、アラニン、及び2-アミノ-イソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Iはイソロイシンを表し、
21は、2-アミノ-イソ酪酸及びアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
22は、2-アミノ-イソ酪酸及びイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
25は以下の構造を表し、
【化1】
式中、
は、式(I)のX25に先行するグリシンとの共有結合を表し、
【化2】
は、式(I)のX25に続くセリンとの共有結合を表し、
Zは式(II)の基を表し、
-[(PEGxx(gE)]、
b及びcは、独立して1、2、3、4、または5を表し、
PEGxxは、独立して、PEG、PEGDGA、及びTTDSからなる群から選択されるポリエチレングリコール誘導体を表し、
gEはγ-グルタミン酸を表し、
は、直鎖状の飽和C12~C22アシル基を表し、
Sはセリンを表し、
27は、スレオニン、リシン、アルギニン、及びグルタミンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
28は、トリプトファン、フェニルアラニン、5-フルオロ-トリプトファン、5-クロロ-トリプトファン、5-メトキシ-トリプトファン、チロシン、4-フルオロ-フェニルアラニン、1-ナフチルアラニン、2-ナフチルアラニン、α-メチル-トリプトファン、α-メチル-フェニルアラニン、及び5-ヒドロキシ-トリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
29は、セリン、D-セリン、2-アミノ-イソ酪酸、スレオニン、α-メチル-セリン、Nε-アセチル-リシン、及びバリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
30は、2-アミノ-イソ酪酸、α-メチル-リシン、D-リシン、リシン、ホモリシン、オルニチン、アルギニン、及びα-メチル-アルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
31は、アルギニン、Nω-メチル-アルギニン、アラニン、Nω、Nω’-ジメチル-アルギニン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
32は、リシン、アラニン、アルギニン、Nε-アセチル-リシン、及びNε,Nε,Nε-トリ-メチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
33は、リシン、Nε-アセチル-リシン、ロイシン、アルギニン、及びアラニンから選択されるアミノ酸を表す、修飾リラキシンB鎖ペプチド、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物である。
【0024】
いくつかの実施形態では、bは2、3、4、または5を表し、cは2、3、もしくは4、またはこれらの塩もしくは溶媒和物を表す。
【0025】
いくつかの実施形態では、Cは、直鎖状の飽和C12~C22アシル基、例えば、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)、C18(Stea)、C20(Eico)、及びC22(Doco)アシル基からなる群から選択される直鎖状の飽和アシル基を表す。一実施形態では、Cは、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)、またはC18(Stea)アシル基からなる群から選択される直鎖状の飽和アシル基、例えば直鎖状の飽和C14、C16、もしくはC18アシル基、もしくは例えば直鎖状C16もしくはC18アシル基、またはこれらの塩もしくは溶媒和物を表す。
【0026】
いくつかの実施形態では、Cは、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)、及びC18(Stea)アシル基からなる群から選択される直鎖状の飽和アシル基、またはこれらの塩もしくは溶媒和物を表す。
【0027】
いくつかの実施形態では、Cは、直鎖状C16~C18アシル基、またはこれらの塩もしくは溶媒和物を表す。
【0028】
様々な実施形態で、リラキシン類似体は、式(Ib)であって:
ter-Ac-X10-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-X21-X-22-E-G-X25-S-X27-X28-X29-X30-R-X32-X33-NH-Cter
式中、
terはペプチドのN末端を表し、
terはペプチドのC末端を表し、
Acはアセチル基を表し、
10は、ロイシン、Nε-アセチル-リシン、及び2-アミノ-イソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Eはグルタミン酸を表し、
Gはグリシンを表し、
Rはアルギニンを表し、
15は、リシン、アルギニン、ホモリシン、グルタミン、フェニルアラニン、及びロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Vはバリンを表し、
18は、アラニン、2-アミノ-イソ酪酸、及びNε-アセチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
19は、リシン、Nε-アセチル-リシン、グルタミン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、Iはイソロイシンを表し、
21は、2-アミノ-イソ酪酸及びアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
22は、2-アミノ-イソ酪酸及びイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
25は以下の構造を表し、
【化3】
式中、
は、式(Ia)のX25に先行するグリシンとの共有結合を表し、
【化4】
は、式(Ia)のX25に続くセリンとの共有結合を表し、Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Myr、及び-(TTDS)-(gE)-Myrからなる群から選択され、式中、gEはγ-グルタミン酸を表し、Palmはパルミトイルを表し、Steaはステアロイルを表し、
Sはセリンを表し、
27は、スレオニン、グルタミン、アルギニン、及びリシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
28は、トリプトファン、フェニルアラニン、5-クロロトリプトファン、α-メチル-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、及び5-フルオロトリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
29は、セリン、D-セリン、2-アミノ-イソ酪酸、Nε-アセチル-リシン、スレオニン、及びバリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
30は、2-アミノ-イソ酪酸、α-メチル-リシン、D-リシン、リシン、ホモリシン、及びアルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
32は、リシン、アラニン、アルギニン、及びNε-アセチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
33は、リシン、Nε-アセチル-リシン、及びアルギニンから選択されるアミノ酸を表す、式(Ib)、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、リラキシン類似体は、配列番号1~97からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、
-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Myr、及び-(TTDS)-(gE)-Myrからなる群から選択される。
【0031】
いくつかの実施形態では、リラキシン類似体は、配列番号3、6、7、9~12、20~22、26、28、30~34、45、47~49、51、54~62、64、67~69、71~86、91、93、及び96からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、リラキシン類似体は、配列番号3、6、7、20、26、30~34、45、48、49、51、54~61、67、71、73、75~79、81、83~92、及び97からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、リラキシン類似体は、配列番号3、配列番号6、配列番号7、及び配列番号20からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、リラキシン類似体は、配列番号3のアミノ酸配列を含む。
【0035】
更に、腎不全の予防または治療を必要とする個体の腎不全を予防または治療する方法であって、約1.0mg~約10.0mgのリラキシン類似体及び有効量のバソプレシン類似体の用量を個体に同時投与することを含む、方法が本明細書で開示される。様々な実施形態で、腎不全は、肝硬変によって誘発された腎機能障害、肝移植によって誘発された腎機能障害、慢性腎臓病、及び急性腎臓損傷からなる群から選択される。
【0036】
更に、約1.0mg~約10.0mgの用量のリラキシン類似体及び有効量のバソプレシン類似体を個体に同時投与することを含む、それを必要とする個体における肝腎症候群を予防または治療する方法が本明細書で開示される。様々な実施形態で、肝腎症候群はHRS-AKI(1型肝腎症候群)である。
【0037】
様々な実施形態で、リラキシン類似体はRXFP1アゴニストである。様々な実施形態で、リラキシン類似体は、長時間作用型ペプチジルRXFP1アゴニストである。
【0038】
様々な実施形態で、約1.0mg~約3.0mgのリラキシン類似体が個体に投与される。様々な実施形態で、約1.0mgのリラキシン類似体が個体に投与される。様々な実施形態で、約2.0mgのリラキシン類似体が個体に投与される。様々な実施形態で、約3.0mg~約5.0mgのリラキシン類似体が個体に投与される。様々な実施形態で、約4.0mgのリラキシン類似体が個体に投与される。様々な実施形態で、約5.0mg~約10.0mgのリラキシン類似体が個体に投与される。様々な実施形態で、約5.0mgのリラキシン類似体が個体に投与される。様々な実施形態で、約10.0mgのリラキシン類似体が個体に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体は静脈内投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体は、約1時間~約10時間にわたって静脈内投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体は、約2時間~約8時間にわたって静脈内投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体は、約3時間~約6時間にわたって静脈内投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体は約4時間にわたって静脈内投与される。
【0039】
様々な実施形態で、本明細書で開示される方法は、リラキシン類似体の追加用量を個体に投与することを更に含む。様々な実施形態で、リラキシン類似体の追加用量は、約1.0mg~約5.0mgのリラキシン類似体の投与から5時間~18時間後に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の追加用量は、約1.0mg~約10.0mgのリラキシン類似体の用量の投与から8時間~15時間後に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の追加用量は、約1.0mg~約10.0mgのリラキシン類似体の用量の投与から10時間~13時間後に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の追加用量は、約1.0mg~約10.0mgのリラキシン類似体の用量の投与から約12時間後に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の追加用量は個体に皮下投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の追加用量は、約1mg~約50mgのリラキシン類似体を含む。様々な実施形態で、リラキシン類似体の追加用量は、約5mgから約15mgのリラキシン類似体を含む。様々な実施形態で、リラキシン類似体の追加用量は、約8mg~約12mgのリラキシン類似体を含む。様々な実施形態で、リラキシン類似体の追加用量は、約10mgのリラキシン類似体を含む。
【0040】
様々な実施形態で、本明細書で開示される方法は、リラキシン類似体の更なる追加用量を個体に投与することを更に含む。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約1.0mg~約5.0mgのリラキシン類似体の投与から18時間~30時間後に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約1.0mg~約10.0mgのリラキシン類似体の用量の投与から20時間~26時間後に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約1.0mg~約10.0mgのリラキシン類似体の用量の投与から約24時間後に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は個体に皮下投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約1mg~約50mgのリラキシン類似体を含む。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約2mg~約15mgのリラキシン類似体を含む。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約3mg~約8mgのリラキシン類似体を含む。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約5mgのリラキシン類似体を含む。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約2mg~約5mgのリラキシン類似体を含む。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約2.5mgのリラキシン類似体を含む。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約6mg~約15mgのリラキシン類似体を含む。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約8mg~約12mgのリラキシン類似体を含む。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約10mgのリラキシン類似体を含む。
【0041】
様々な実施形態で、本明細書で開示される方法は、リラキシン類似体の更なる追加用量を毎日投与することを更に含む。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約10日間~約20日間毎日投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約12日間~約16日間毎日投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約14日間以上の間毎日投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約3日間~約15日間毎日投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約4日間~約13日間毎日投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約5日間~約11日間毎日投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の更なる追加用量は、約6日間~約9日間毎日投与される。
【0042】
様々な実施形態で、リラキシン類似体は、インビトロOVCAR5 cAMPアッセイにおいて、15nM未満、1nM未満、0.5nM未満、または0.1nM未満の活性化RXFP1のEC50を有する。様々な実施形態で、バソプレシン類似体はV1a受容体アゴニストである。様々な実施形態で、バソプレシン類似体はテルリプレシンまたはその薬学的に許容可能な塩である。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約0.5~約10mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、4~6時間ごとに約0.5~約2mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、6時間ごとに約1mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、4~6時間ごとに約2~約6mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、6時間ごとに約4mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、4~6時間ごとに約6~約10mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、6時間ごとに約6mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、6時間ごとに約8mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンはボーラス注射により静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約1分間~約5分間にわたるボーラス注射により静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約2分間~約3分間にわたるボーラス注射により静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約2分間にわたるボーラス注射により静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約1mg~約10mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約1.5mg~約4mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約2mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約5mg~約8mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約6mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約10時間~約30時間にわたって静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約20時間~約25時間にわたって静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約24時間にわたって静脈内投与される。
【0043】
様々な実施形態で、本明細書で開示される方法は、個体にミドドリンまたはオクトレオチドを投与することを更に含む。様々な実施形態で、本明細書で開示される方法は、個体にアルブミンを投与することを更に含む。様々な実施形態で、リラキシン類似体及びバソプレシン類似体の用量は同時に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体及びバソプレシン類似体の用量は単一の組成物中で投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体及びバソプレシン類似体の用量は個別の組成物中で投与される。様々な実施形態で、バソプレシン類似体及びリラキシン類似体の用量は逐次的に投与される。様々な実施形態で、組み合わせ療法は相乗的治療効果を有する。
【0044】
様々な実施形態で、組み合わせ療法は、改善された奏効率(response rate incidence)の発生を達成し、奏効者は少なくともInternational Club of Acites(ICA)の基準に従って定義される。様々な実施形態で、奏効者は、ICA基準に従って定義した完全奏効者または部分奏効者を含み、治療開始から少なくとも30日間は腎移植療法(RRT)なしで生存する。様々な実施形態で、奏効者は、ICA基準に従って定義した完全奏効者または部分奏効者を含み、治療開始から少なくとも10日間は腎移植療法(RRT)なしで生存する。様々な実施形態で、完全奏効者は、2つの血清クレアチニンレベルが、少なくとも2時間間隔で、ベースライン血清クレアチニン値の0.3mg/dL(26.5マイクロモル/L)以内の値に戻ることとして定義される。様々な実施形態で、部分奏効者は、ベースライン血清クレアチニン値よりも0.3mg/dL以上高い血清クレアチニンの減少を伴う、少なくとも1つの急性腎臓損傷(AKI)ステージの退行として定義される。様々な実施形態で、組み合わせ療法は、改善された奏効率の発生を達成し、奏効率の発生は、血清クレアチニンがベースライン値の0.3mg/dL(26.5マイクロモル/L)以内の値に戻ることに基づいて測定される。様々な実施形態で、組み合わせ療法は、改善された奏効率の発生を達成し、奏効率の発生は、ベースライン値よりも0.3mg/dL以上高い血清クレアチニンの減少を伴う急性腎臓損傷(AKI)ステージの退行に基づいて測定される。様々な実施形態で、組み合わせ療法は、改善された奏効率の発生を達成し、奏効率の発生は、少なくとも2時間間隔の2つの連続した血清クレアチニン値が1.5mg/dL未満になることに基づいて測定される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の投与は、個体におけるバソプレシン類似体治療に伴う有害作用を軽減する。様々な実施形態で、バソプレシン類似体の投与は、個体におけるリラキシン類似体による治療に伴う低血圧症のリスクを減少させる。様々な実施形態で、バソプレシン類似体の投与により、個体の腎圧が上昇する。
【0045】
更に、腎不全の予防または治療を必要とする個体の腎不全を予防または治療する方法であって、A)約4.0mgの用量のリラキシン類似体を個体に静脈内投与することと、B)工程(A)が実施される日と同じ日に、約5.0mgの用量のリラキシン類似体を個体に皮下投与することと、C)工程(A)及び(B)が実施される日とは異なる後の日に、約10mg用量のリラキシン類似体を個体に皮下投与することと、を含む、方法が本明細書で開示される。
【0046】
更に、肝腎症候群の予防または治療を必要とする個体の肝腎症候群を予防または治療する方法であって、A)約4.0mgの用量のリラキシン類似体を個体に静脈内投与することと、B)工程(A)が実施される日と同じ日に、約5.0mgの用量のリラキシン類似体を個体に皮下投与することと、C)工程(A)及び(B)が実施される日とは異なる後の日に、約10mg用量のリラキシン類似体を個体に皮下投与することと、を含む、方法が本明細書で開示される。様々な実施形態で、本明細書で開示される方法は、工程(c)を最長で13日間毎日繰り返すことを更に含む。様々な実施形態で、本明細書で開示される方法は、工程(A)及び工程(b)が実施される日と同じ日に、6時間ごとに1mgのテルリプレシンのボーラスを静脈内投与することを更に含む。様々な実施形態で、本明細書で開示される方法は、6時間ごとの1mgのテルリプレシンのボーラスの静脈内投与を最長で14日間繰り返すことを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】リラキシンペプチド類似体を合成するために使用される一般的な方法を表すスキーマの2つの部分である。
図2】リラキシンペプチド類似体を合成するために使用される一般的な方法を表すスキーマの2つの部分である。
図3A】リラキシンアゴニスト投与後のベースライン有効腎血漿流量からの変化を示す。
図3B】リラキシンアゴニスト投与後のベースライン有効腎血漿流量からの変化を示す。
図4】テルリプレシンと組み合わせたリラキシンアゴニストの安全性、忍容性、有効性、及び薬物動態を評価する第II相試験の全体的な研究設計を示す。
図5図4に示される全体的な研究設計のうちの非盲検安全性ランインの部の設計を示す。
図6図4に示す全体的な研究設計のうちの単盲検プラセボ対照無作為化治療の部の設計を示す。
図7図4に示される全体的な研究設計のうちの非盲検テルリプレシン非奏効者の部の設計を示す。
【0048】
定義
本明細書で使用するとき、リラキシンペプチド類似体の式における「X」という用語は、異なる値を有するyと共に使用され、上記の式の定義で定義されたアミノ酸を表す。yは、リラキシン-2の天然B鎖における上記アミノ酸の位置を示す。例えば、X10は、リラキシン-2の天然B鎖のアミノ酸配列の10位のアミノ酸を表す。
【0049】
本明細書で使用するとき、「薬学的に許容可能な担体」という用語は、医薬組成物が生理学的に許容できる、すなわち毒性または過度の不快感なく個体の身体に投与可能になるような流体、特に、本発明の医薬化合物または医薬化合物の組み合わせを含む液体を対象とする。
【0050】
本明細書で使用するとき、「リラキシン類似体」という用語は、例えばRXFP1受容体を活性化することができる、リラキシンの機能的変異体であるペプチドまたは他の化合物、及び/または天然リラキシン-2の構造類似体、例えば修飾リラキシンB鎖ペプチドを指す。修飾リラキシンペプチドに加えて、リラキシン類似体には、RXFP1受容体アゴニストであるか、RXFP1アゴニスト特性を示す小分子が含まれる場合がある。いくつかの実施形態では、リラキシン類似体には、Fcフラグメントに結合したリラキシン、及びナノボディまたはモノクローナル抗体などのRXFP1アゴニストなどの他の様相も含まれ得る。
【0051】
本明細書で使用するとき、「バソプレシン類似体」という用語は、バソプレシンのプロドラッグ、ならびにバソプレシン及び/またはバソプレシンの機能的変異体に構造的に類似したペプチド、例えば、テルリプレシン(トリグリシルリシンバソプレシン)、アルギプレシン、デスモプレシン、フェリプレシン、リプレシン、またはオルニプレシンを指す。バソプレシン類似体は、バソプレシン受容体V1a、V2、及び/またはV3(別名V1b)を活性化できる。小分子であるバソプレシン類似体も当業者には公知であり、本明細書で使用する「バソプレシン類似体」という用語に含まれる。
【0052】
本文脈における「アゴニスト」という用語は、受容体に結合して活性化することができる、本明細書で定義されるペプチドまたは小分子を指す。完全アゴニストは、アゴニストが受容体で誘発できる最大の応答で受容体に結合して活性化する。部分アゴニストも所定の受容体に結合して活性化するが、最大の受容体占有率であっても、完全アゴニストと比較して受容体における有効性は部分的である。選択的アゴニストは、特定のタイプまたはサブタイプの受容体に対して選択的である。
【0053】
ペプチドの「機能的変異体」とは、それが機能的変異体であるペプチドと本質的に同じ機能を実行可能なペプチドである。特に、機能的変異体は、それが機能的変異体であるペプチドと同じ分子に、好ましくは同様の親和性で結合することができる。
【0054】
本明細書で使用するとき、リラキシンに関連して本明細書で使用される「天然」という用語は、天然に存在する分子または野生型分子を指す。
【0055】
本明細書で使用するとき、「予防する」という用語は、考察中の現象が発現するリスクを低減することを意味することを意図している。この減少は、全体的であっても部分的であってもよく、すなわち、本発明による使用における既存のリスクよりも低いリスクの程度がもたらされる。
【0056】
本明細書で使用するとき、「治療する」という用語は、考察中の望ましくない状態または疾患を低減する、または更には排除することを意味することを意図する。「治療効果(treatment effect)」または「治療効果(therapeutic effect)」は、「治療する(treating)」及び「治療(treatment)」という用語の定義を構成する基準によって測定して、治療されている状態に変化がある場合に現れる。少なくとも5%の改善、好ましくは10%の改善、より好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも50%、少なくとも75%、及び最も好ましくは100%の改善がアブ場合、治療されている状態において「変化」がある。この変化は、個体における治療状態の重症度の改善、または生物活性剤(複数可)による治療を受けた個体群及び治療を受けていない個体群における状態改善の頻度の差に基づくことができる。本発明による治療は、予防的、改善的、及び/または治癒的であり得る。
【0057】
「生物活性剤」(すなわち、生物学的に活性な物質/薬剤)は、インビボまたはインビトロで示すことができる何らかの薬理学的な、多くの場合で有益な効果を提供する任意の薬剤、薬物、化合物、物質の組成物または混合物である。これは、本明細書で定義されるペプチド配列、これらを含む化合物または組成物、及び上記のペプチドをコードする核酸構築物を指す。本明細書で使用するとき、この用語には、個体において局所的または全身的な効果を生み出す任意の生理学的または薬理学的に活性な物質が更に含まれる。本明細書で使用するとき、「生物活性剤」は、ペプチド、上記のペプチドをコードする核酸構築物、及びペプチドを含む組成物を集合的に意味する。
【0058】
「生物活性剤」の「薬理学的有効量」、「薬学的有効量」、「生理学的有効量」、または「有効量」は、本明細書に記載される1つ以上の医薬組成物が投与された場合に期待される生理学的反応をもたらすために、治療対象の個体の血流中または作用部位(例えば、肝臓系、腎臓系、循環系、肺、胃腸系、結腸直腸系など)に所望のレベルの活性剤(複数可)を提供するのに必要な、こうした組成物中に存在する生物活性剤または生物活性剤の組み合わせの量である。
【0059】
本明細書で使用するとき、「同時投与すること」または「同時投与」は、2つ以上の生物活性剤の投与を指す。2つ以上の成分は、個別に、逐次的に、または同時に投与することができる。
【0060】
「個体」という用語は、脊椎動物、哺乳動物種の特定のメンバー、好ましくはヒトを含む霊長類を指す。本明細書で使用するとき、「対象」及び「個体」は交換可能に使用され得る。しかしながら、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、及びブタなどの動物の治療も本発明の範囲内である。
【0061】
本明細書で使用するとき、「それを必要とする個体」とは、治療の恩恵を受けることのできる個体を指す。一実施形態では、上記のそれを必要とする個体は疾患を有する個体であり、上記の疾患は腎障害であり得る。
【0062】
本明細書における「約」の値またはパラメータに対する言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(かつそれを説明する)。例えば、「約X」に言及する説明は、「X」の説明を含む。
【0063】
本明細書で使用するとき、単数形の冠詞「a」、「an」、及び「the」は、別途指示されない限り、複数の言及を含む。
【0064】
本明細書に記載される本発明の態様及び実施形態は、態様及び実施形態「を含むこと」、「からなること」、及び/または「から本質的になること」を含むことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0065】
バソプレシン類似体及びリラキシン類似体の組み合わせ療法
いくつかの実施形態に従い、リラキシンペプチド類似体及びバソプレシン類似体を生物活性剤として個体に同時投与することを含む、腎障害、例えば肝腎症候群(HRS)の予防または治療を必要とする個体においてこれを予防または治療する方法が本明細書で開示される。
【0066】
テルリプレシンなどのバソプレシン類似体は、血管収縮剤として作用する。テルリプレシンは、内臓循環及び体循環においても血管収縮を引き起こす。背景技術の項で説明したように、テルリプレシンの安全性プロファイルは不十分である。例えば、Snowdon,Victoria K et al.“Serelaxin as a potential treatment for renal dysfunction in cirrhosis: Preclinical evaluation and results of a randomized phase 2 trial.” PLoS medicine vol.14,2 e1002248.28 Feb.2017,“splanchnic vasoconstrictors such as terlipressin...further compromise hepatic perfusion in cirrhosis and may impair organ function.”で説明されるとおり。テルリプレシンの内臓血管収縮に対する選択性は、肝臓及び腎臓血管収縮を含む全身的血管収縮よりも限定されているため、HRSが更に悪化する。一般に、テルリプレシンなどの内臓血管収縮剤の使用は、腎機能や患者の安全性を損なう可能性のある様々な有害作用をもたらす可能性があるため、肝硬変における腎機能障害の治療には最適でない。
【0067】
本明細書に開示される持続性ペプチジルRXFP1アゴニストなどのリラキシン類似体は、腎臓の血管拡張に対してある程度の機能的選択性を有する血管拡張剤として機能する。
【0068】
本明細書のリラキシン類似体とバソプレシン類似体との組み合わせ療法は、本明細書に記載されるように、個体における腎血管収縮に関連する腎臓状態の治療の安全性及び有効性を改善するために、異なる局所血管床(テルリプレシンの場合は主に内臓、リラキシン類似体の場合は主に腎臓)で作用する血管収縮剤(例えば、テルリプレシンなどのバソプレシン類似体)と血管拡張剤(例えば、リラキシン類似体)との間の相加的かつ相乗的な相互作用に依存する。
【0069】
いくつかの実施形態によれば、腎障害、例えばHRS、例えば1型肝腎症候群(HRS-AKI)及び2型肝腎症候群(HRS-NAKI)を治療する方法で使用するために、または周術期の肝移植中に腎機能を維持するために、リラキシンペプチド類似体及びバソプレシン類似体を個別にまたは一緒に含む医薬組成物が本明細書で開示される。
【0070】
いくつかの実施形態では、腎障害、例えばHRS、例えば1型肝腎症候群(HRS-AKI)及び2型肝腎症候群(HRS-NAKI)を治療する方法で使用するために、または周術期の肝移植中に腎機能を維持するために、RXFP1受容体を活性化することができるリラキシン-2のB鎖のペプチド類似体と、バソプレシンV1(V1a)受容体を活性化することができるバソプレシン類似体とを個別にまたは一緒に含む医薬組成物も本明細書に開示される。
【0071】
いくつかの実施形態によれば、腎障害、例えばHRS、例えば1型肝腎症候群(HRS-AKI)及び2型肝腎症候群(HRS-NAKI)を治療する方法で使用するために、または周術期の肝移植中に腎機能を維持するために、リラキシンペプチド類似体及びテルリプレシンを個別にまたは一緒に含む医薬組成物が本明細書で開示される。
【0072】
いくつかの実施形態では、腎障害、例えばHRS、例えば1型肝腎症候群(HRS-AKI)及び2型肝腎症候群(HRS-NAKI)を治療する方法で使用するために、または周術期の肝移植中に腎機能を維持するために、RXFP1受容体を活性化することができるリラキシン-2のB鎖のペプチド類似体と、テルリプレシンとを個別にまたは一緒に含む医薬組成物も本明細書で開示される。
【0073】
いくつかの実施形態では、1型肝腎症候群(HRS-AKI)及び2型肝腎症候群(HRS-NAKI)を含む腎障害を治療する方法であって、RXFP1受容体を活性化することができるリラキシン-2のB鎖のペプチド類似体などのリラキシンペプチド類似体と、V1(V1a)受容体を活性化することができるテルリプレシンなどのバソプレシン類似体と、を個別にまたは一緒に含む治療有効量の組成物を、それを必要とする個体に投与することを含む方法も本明細書で開示される。
【0074】
一実施形態では、腎障害は、1型肝腎症候群(HRS-AKI)及び2型肝腎症候群(HRS-NAKI)などのHRSを含む肝硬変、及び/または周術期肝移植、慢性腎臓病、及び急性腎臓損傷における腎機能障害である。
【0075】
テルリプレシンなどのバソプレシン類似体
本明細書に記載されるように、テルリプレシンなどのバソプレシン類似体は、腎機能障害に関連する障害の治療のためにリラキシン類似体と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、バソプレシン類似体は、テルリプレシン、アルギプレシン、デスモプレシン、フェリプレシン、リプレシン、またはオルニプレシンである。
【0076】
いくつかの実施形態では、バソプレシン類似体は、テルリプレシン、またはテルリプレシンの薬学的に許容可能な塩である。テルリプレシン(別名トリグリシルリシンバソプレシン)は、ヒト神経ペプチドホルモンバソプレシンの合成類似体である。テルリプレシンは、例えばRittig et al.,Movement Disorders,1991,Vol.6(1),p21-28で説明されるリシン-バソプレシン(トリグリシルリシンバソプレシン(TGLVP))のプロホルモンである。投与及び循環への吸収後、内皮ペプチダーゼによってグリシル残基がプロホルモンから切断され、リシン-バソプレシンの放出が可能となる。したがって、テルリプレシン自体は弱い固有の血管収縮活性を持っているが、内皮エンドペプチダーゼによって完全に活性なリシンバソプレシン(LVP)に変換される。テルリプレシンは、商品名のTeripress及びGlypressinでも知られている。テルリプレシンの分子量は1227.37g/molであり、次の式で表される。
【化5】

静脈内投与されるテルリプレシンは、例えば低血圧症(hypotension)(低血圧(low blood pressure)の管理における血管作用薬として、また例えば出血性食道静脈瘤、敗血症性ショック、HRS、及び腹水の治療に、使用される。
【0077】
米国外では、1型肝腎症候群(HRS-1)を示す肝硬変を有する個体は、持続的IV点滴により投与されるテルリプレシンで治療されてきた。用量は24時間あたり2.0~12.0 mgの範囲であった(Angeli,et al.,(2009)Journal of Hepatology,50:S73:2.0~12.0mg/24時間;Gerbes,(2009)Gastroenterology,137:1 179-1 189:開始用量3.0mg/日;Robertson,et al.,(2014)Hepatology,60(6):21 25-21 26:3.0mg/日;Ding,et al.,(2013),Gastroenterology and Hepatology,28:1242-1246:4.0mg/日;Cavallin,et al.,(2015),Hepatology,62(2):567-574:3~12mg/日)。
【0078】
現在、テルリプレシンは、再構成用の凍結乾燥粉末、またはバイアルに入った液体(0.2ミリグラム/mL)の2つの形態で入手できる。凍結乾燥バージョンは、通常、注射用に0.17mg/mLのテルリプレシン(0.2mg/mLの酢酸テルリプレシン)溶液を送達するために、提供された食塩水5mLのアンプルを使用して再構成するためのテルリプレシン粉末1mgを含有するバイアルで供給される(例えば、Glypressin(Ferring Pharmaceuticals)は、5mLの溶液中で再構成するための酢酸テルリプレシン1mgを含有する1つのバイアルとして供給される)。この生成物の投与には、粉末を希釈剤で再構成し、溶液を取り出し、場合により更に希釈し、その後、ゆっくりとしたボーラス用量で患者もしくは患者の静脈ラインに直接、またはIVバッグに注射する、2つまたは3つの事前工程が必要である。グリプレシンは、2℃~8℃の温度で冷蔵保存する必要がある。
【0079】
液状の酢酸テルリプレシン0.2ミリグラム/mL注射用溶液(酢酸テルリプレシン、Ever Pharma)も、室温(RT)では安定せず、2℃~8℃の温度で冷蔵保存する必要がある。これは、5mLまたは10mLの溶液を含有するバイアルで供給される。この溶液は、ボーラス注射による投与のためシリンジ内に引き込まれる。現行の製剤は、酢酸を使用して酢酸テルリプレシン溶液のpHを調整する。
【0080】
本開示の一態様は、酢酸テルリプレシンまたはその薬学的に許容可能な塩を含む水性組成物を提供し、組成物は、約0.2~約10.0mg/mlの酢酸テルリプレシンまたはその薬学的に許容可能な塩を含み、組成物のpHは、約3.4~約5.0である。
【0081】
本明細書で使用するとき、用語「水性」は、溶媒が水である溶液を指す。溶媒は、注射に適した滅菌水であり得る。一実施形態では、溶媒は静菌水であり得る。他の実施形態では、溶媒は、水と他の薬学的に許容可能な溶媒、または薬学的に許容可能なアルコールもしくは他の静菌剤(例えば、ベンジルアルコール)との混合物であり得る。
【0082】
液体(例えば、水性組成物)中のテルリプレシンの濃度は、例えば、0.2mg/ml、0.5mg/ml、1.0mg/ml、2.0mg/ml、5.0mg/ml、または10.0mg/mlであり得る。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.2mg/ml~約10.0mg/ml、約0.5mg/ml~約10.0mg/ml、約1.0mg/ml~約9.0mg/ml、約1.5mg/ml~約8.5mg/ml、約2.0mg/ml~約8.0mg/ml、約2.5mg/ml~約7.5mg/ml、約3.0mg/ml~約7.0mg/ml、約3.5mg/ml~約6.5mg/ml、約0.5mg/ml~約2.0mg/ml、または約0.5mg/ml~約1.0mg/mlの酢酸テルリプレシン、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、組成物のpHは、約3.4~約5.0、約3.5~約5.0、約3.6~約5.0、約3.7 約5.0、約3.8~約5.0、約3.9~約5.0、約4.0~約5.0、約4.1~約5.0、約4.2~約5.0、約4.3~約5.0、約4.4~約5.0、約4.5~約5.0、約4.6~約5.0、約4.7~約5.0、約4.8~約5.0、または約4.9~約5.0であり得る。他の実施形態では、組成物のpHは、約3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、または5.1であり得る。
【0084】
テルリプレシンの製剤及び投与に関する更なる情報は、例えば、その全体が参照により組み込まれる国際公開第WO2020/237170号パンフレット「Formulations of Terlipressin」で見出すことができる。
【0085】
組成物は、任意の薬物投与経路用であり得る(例えば口腔内、経鼻、経皮(例えばパッチ技術)、非経口、静脈内、筋肉内、または皮下注射、槽内、腹腔内)。いくつかの実施形態では、組成物は、例えば連続注入またはボーラスIV用量による静脈内投与用である。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、対象において約1~約1000μg/mLのテルリプレシン濃度を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、対象において約10~約600μg/mLのテルリプレシン濃度を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、対象において約20~約200μg/mLのテルリプレシン濃度を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、対象において約60μg/mLのテルリプレシン濃度を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、対象において約1~約200μg/mLの(リシン-)バソプレシン濃度を提供し、ここで(リシン-)バソプレシンはテルリプレシンの活性代謝物である。
【0087】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、対象中、例えば対象の血漿中に、約2~約100μg/mLのバソプレシン類似体濃度を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、対象中、例えば対象の血漿中に、約3~約30μg/mLのバソプレシン類似体濃度を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、対象中、例えば対象の血漿中に、約10μg/mLのバソプレシン類似体濃度を提供する。
【0088】
いくつかの実施形態では、この方法は、1日あたり2回までの投与を含む。いくつかの実施形態では、この方法は、1日あたり3回または4回までの投与を含む。化合物を利用する投薬量レジメンは、患者の年齢、体重、性別、及び医学的状態、治療される状態の重症度、投与経路、患者の腎機能または肝機能、ならびに用いられる特定の化合物またはその塩を含む様々な要因に従って選択される。通常の技術を有する医師であれば、状態の予防、対処、またはその進行の阻止に必要な薬物の有効量を容易に判断し処方することができる。
【0089】
本発明の別の態様は、腹水症(例えば肝硬変によって引き起こされた)に罹患している対象を治療する方法であって、治療有効量のバソプレシン類似体、例えばテルリプレシン及びリラキシン類似体を対象に投与することを含む、方法である。場合によっては、こうした治療は、腹水症の治療に使用される別の薬剤と組み合わせて施される。本発明の一態様は、腹水症に罹患している対象を治療する方法であって、治療有効量のバソプレシン類似体、例えばテルリプレシン及びリラキシン類似体を対象に投与することを含む、方法である。
【0090】
リラキシン類似体
リラキシン類似体またはその薬学的に許容可能な塩は、本発明において、テルリプレシンなどのバソプレシン類似体との組み合わせで有用である。いくつかの実施形態では、リラキシン類似体は、RXFP1受容体アゴニストとして機能する長時間作用型のリラキシンペプチド類似体である。本開示は更に、それを含む組成物、及び腎臓の状態、疾患または障害の治療における、バソプレシン類似体と組み合わせたこれらの使用に関する。
【0091】
該当する場合、本明細書で開示されるリラキシンペプチド類似体のアミノ酸は、それぞれ独立して、L-アミノ酸またはD-アミノ酸であり得る。特定の実施形態では、アミノ酸はL-アミノ酸である。本文中で、所与のアミノ酸のL型またはD型に関して情報が示されていない場合、そのアミノ酸はL-アミノ酸である。Nter及びCterは、ペプチドのN末端及びリラキシンペプチド類似体のC末端をそれぞれ示すために使用される従来の標識である。
【0092】
ペプチド構造類似体
いくつかの実施形態では、リラキシンペプチド類似体は、修飾リラキシン-2B鎖ペプチドである。
【0093】
いくつかの実施形態では、修飾リラキシンB鎖ペプチドは、式(I)(配列番号105):
ter-Ac-X10-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-X21-X22-E-G-X25-S-X27-X28-X29-X30-X31-X32-X33-NH-Cterを含む修飾リラキシンB鎖ペプチドであって、
式中、
terはペプチドのN末端を表し、
terはペプチドのC末端を表し、
Acはアセチル基を表し、
10は、ロイシン、2-アミノ-イソ酪酸、Nε-アセチル-リシン、及びα-メチル-ロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Eはグルタミン酸を表し、
Gはグリシンを表し、
Rはアルギニンを表し、
15は、リシン、アルギニン、ホモリシン、ホモアルギニン、オルニチン、グルタミン、フェニルアラニン、及びロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Vはバリンを表し、
18は、アラニン、2-アミノ-イソ酪酸、ロイシン、Nε-アセチル-リシン、及びグルタミンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
19は、リシン、Nε-アセチル-リシン、シトルリン、グルタミン、アラニン、及び2-アミノ-イソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Iはイソロイシンを表し、
21は、2-アミノ-イソ酪酸及びアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
22は、2-アミノ-イソ酪酸及びイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
25は以下の構造を表し、
【化6】
式中、
は、式(I)のX25に先行するグリシンとの共有結合を表し、
【化7】
は、式(I)のX25に続くセリンとの共有結合を表し、
Zは式(II)の基を表し、
-[(PEGxx(gE)]、
b及びcは、独立して1、2、3、4、または5を表し、
PEGxxは、独立して、PEG、PEGDGA、及びTTDSからなる群から選択されるポリエチレングリコール誘導体を表し、
gEはγ-グルタミン酸を表し、
は、直鎖状の飽和C12~C22アシル基を表し、
Sはセリンを表し、
27は、スレオニン、リシン、アルギニン、及びグルタミンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
28は、トリプトファン、フェニルアラニン、5-フルオロ-トリプトファン、5-クロロ-トリプトファン、5-メトキシ-トリプトファン、チロシン、4-フルオロ-フェニルアラニン、1-ナフチルアラニン、2-ナフチルアラニン、α-メチル-トリプトファン、α-メチル-フェニルアラニン、及び5-ヒドロキシ-トリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
29は、セリン、D-セリン、2-アミノ-イソ酪酸、スレオニン、α-メチル-セリン、Nε-アセチル-リシン、及びバリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
30は、2-アミノ-イソ酪酸、α-メチル-リシン、D-リシン、リシン、ホモリシン、オルニチン、アルギニン、及びα-メチル-アルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
31は、アルギニン、Nω-メチル-アルギニン、アラニン、Nω、Nω’-ジメチル-アルギニン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
32は、リシン、アラニン、アルギニン、Nε-アセチル-リシン、及びNε,Nε,Nε-トリ-メチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
33は、リシン、Nε-アセチル-リシン、ロイシン、アルギニン、及びアラニンから選択されるアミノ酸を表す、修飾リラキシンB鎖ペプチド、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物である。
【0094】
本明細書に開示されるリラキシンペプチド類似体には、本明細書に定義される式(I)または(Ia)のペプチドの塩、一実施形態では薬学的に許容可能な塩、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸、過塩素酸、チオシアン酸、及びホウ酸などの無機酸との、またはギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、マロン酸、フマル酸、アントラニル酸、安息香酸、桂皮酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、及びスルファニル酸などの有機酸との酸付加物としての塩、ならびに例えばナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、アルミニウムなどのアルカリ金属などの金属との塩も含まれる。
【0095】
一実施形態では、ペプチドの塩は薬学的に許容可能な塩、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、マロン酸、フマル酸、アントラニル酸、安息香酸、桂皮酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、及びスルファニル酸との酸付加物、ならびに例えばナトリウム、カリウム、リチウム、及び亜鉛などのアルカリ金属などの金属との塩である。
【0096】
本明細書に開示されるリラキシンペプチド類似体には、上記式(I)または(Ia)のペプチドの溶媒和物、一実施形態では薬学的に許容可能な溶媒和物も含まれる。
【0097】
溶媒和物とは、リラキシンペプチド類似体の化合物またはその塩と、溶媒分子、例えば有機溶媒分子及び/または水との複合体を意味する。
【0098】
標準的なポリペプチド命名法(J.Biol.Chem.,243:3552-59(1969))に従って、α-アミノ酸残基の略語は次のとおりである。
【表1】
【0099】
非天然アミノ酸または修飾アミノ酸については、次の略語が使用される。
【表2】
【0100】
リラキシンペプチド類似体の全ての式において、アミノ酸配列が上記の略語及び例えばX18などのX表現を使用して表される場合、左右の配向はアミノ末端からカルボキシ末端への従来の方向である。
【0101】
したがって、例えば、X28が、トリプトファン、5-フルオロ-トリプトファン、5-クロロ-トリプトファン、5-メトキシ-トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、1-ナフチルアラニン、2-ナフチルアラニン、α-メチル-トリプトファン、α-メチル-フェニルアラニン、及び5-ヒドロキシ-トリプトファンの群から選択されるアミノ酸を表す場合、上記のアミノ酸のN末端またはアミン基は、X27で表されるアミノ酸に結合しており、上記のアミノ酸のC末端またはカルボキシル基は、X29で表されるアミノ酸に結合している。
【0102】
そのN末端(Nter)先端部では、リラキシンペプチド類似体はアセチル基(Ac):CHC(O)--で置換される。
【0103】
そのC末端(Cter)先端部では、リラキシンペプチド類似体は--NH基で置換される。
【0104】
そのX25位で、リラキシンペプチド類似体は以下の構造を含む。
【化8】
【0105】
この構造はリシンアミノ酸に対応しており、ここで、
-アルファ(α)窒素原子()は、リラキシンペプチド類似体の式中に表されるNter-Cter方向に基づき、共有結合、例えばペプチド結合を介して(すなわち24位(X24)のグリシンとの)、ペプチドの前の部分に結合しており(すなわちX25のNterの基と)、
-カルボキシル基(
【化9】
)の炭素原子は、リラキシンペプチド類似体の式中に表されるNter-Cter方向に基づき、共有結合、例えばペプチド結合を介して(すなわち26位(X26)のセリンとの)、X25位に続くペプチドの部分に結合しており(すなわちX25のCterの基と)、
-その側鎖の窒素原子はZ基に結合している。
このZ基は式(II)のものとして定義される。
-[(PEGxx(gE)]、
【0106】
式(II)中、-は、X25におけるリシン構造の側鎖の窒素原子との共有結合を表し、
【0107】
b及びcは独立して1、2、3、4または5、特に2、3、4または5を表す。
【0108】
特定の実施形態では、bは2、3、4または5を表す。
【0109】
特定の実施形態では、cは2、3または4を表す。
【0110】
好ましい実施形態では、bは2、3、4または5を表し、cは独立して2、3または4を表す。
【0111】
リラキシンペプチド類似体の式におけるPEGxxは、独立して、PEG、PEGDGA、及びTTDSからなる群から選択されるポリエチレングリコール誘導体を表し、
【0112】
上記の基は次のとおり定義される。
【表3】
ここで、式(II)の(PEGxxにおいて、は、(gE)基との共有結合を表し、は、式(II)の基とX25のリシン構造の側鎖の窒素原子とを連結する共有結合を表す。
【0113】
特定の実施形態では、(PEGxxは、(TTDS)、(TTDS)、(PEGDGA)、(PEG、(PEG、及び(PEGからなる群から選択されるポリエチレングリコール誘導体を表す。
【0114】
既に示されたとおり、γE、gGlu、またはγGluとも表され得るgEは、γ-グルタミン酸を表す。このアミノ酸は次の構造を有し、
【化10】
式中、式(II)において(gE)として表される場合、
【化11】
はCとの共有結合を表し、
【化12】
は(PEGxx基との共有結合を表す。
【0115】
は、直鎖状の飽和C12~C22アシル基、例えば、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)、C18(Stea)、C20(Eico)、及びC22(Doco)アシル基からなる群から選択される直鎖状の飽和アシル基を表す。一実施形態では、Cは、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)、またはC18(Stea)アシル基からなる群から選択される直鎖状の飽和アシル基、例えば直鎖状の飽和C14、C16、もしくはC18アシル基、または例えば直鎖状C16もしくはC18アシル基を表す。
【0116】
特定の実施形態では、Cは、直鎖状の飽和C12アシル基を表す。直鎖状の飽和C12アシル基は、ラウロイル基(本書においては「Lau」とも表される)である。
【0117】
特定の実施形態では、Cは、直鎖状の飽和C14アシル基を表す。直鎖状の飽和C14アシル基は、ミリストイル基(本書においては「Myr」とも表される)である。
【0118】
特定の実施形態では、Cは、直鎖状の飽和C15アシル基を表す。直鎖状の飽和C15アシル基は、ペンタデカノイル基(本書においては「Penta」とも表される)である。
【0119】
特定の実施形態では、Cは、直鎖状の飽和C16アシル基を表す。直鎖状の飽和C16アシル基は、パルミトイル基(本書においては「Palm」とも表される)である。
【0120】
特定の実施形態では、Cは、直鎖状の飽和C17アシル基を表す。直鎖状の飽和C17アシル基は、ヘプタデカノイル基(本書においては「Hepta」とも表される)である。
【0121】
別の特定の実施形態では、Cは、直鎖状の飽和C18アシル基を表す。直鎖状の飽和C18アシル基は、ステアロイル基(本書においては「Stea」とも表される)である。
【0122】
別の特定の実施形態では、Cは、直鎖状の飽和C20アシル基を表す。直鎖状の飽和C20アシル基は、エイコサノイル基(本書においては「Eico」とも表される)である。
【0123】
別の特定の実施形態では、Cは、直鎖状の飽和C22アシル基を表す。直鎖状の飽和C22アシル基は、ドコサノイル基(本書においては「Doco」とも表される)である。
【0124】
特定の実施形態では、Zは、-(TTDS)-(γグルタミン酸)-パルミトイル(-(TTDS)-(gE)-Palm)、-(TTDS)-(γグルタミン酸)-パルミトイル(-(TTDS)-(gE)-Palm)、-(PEGDGA)-(γグルタミン酸)-パルミトイル(-(PEGDGA)-(gE)-Palm)、-(PEG-(γグルタミン酸)-パルミトイル(-(PEG-(gE)-Palm)、-(TTDS)-(γグルタミン酸)-パルミトイル(-(TTDS)-(gE)-Palm)、-(TTDS)-(γグルタミン酸)-ステアロイル(-(TTDS)-(gE)-Stea)、-(TTDS)-(γグルタミン酸)-ステアロイル(-(TTDS)-(gE)-Stea)、-(PEGDGA)-(γグルタミン酸)-ステアロイル(-(PEGDGA)-(gE)-Stea)、-(PEGDGA)-(γグルタミン酸)-ステアロイル(-(PEGDGA)-(gE)-Stea)、-(PEG-(γグルタミン酸)-パルミトイル(-(PEG-(gE)-Palm)、-(PEG-(γグルタミン酸)-ステアロイル(-(PEG-(gE)-Stea)、-(PEG5-(γグルタミン酸)-パルミトイル(-(PEG-(gE)-Palm)、-(PEG-(γグルタミン酸)-パルミトイル(-(PEG-(gE)-Palm)、-(TTDS)-(γグルタミン酸)-ステアロイル(-(TTDS)-(gE)-Stea)、-(TTDS)-(γグルタミン酸)-パルミトイル(-(TTDS)-(gE)-Palm)、-(TTDS)-(γグルタミン酸)-ステアロイル(-(TTDS)-(gE)-Stea)、及び-(TTDS)-(γグルタミン酸)-ステアロイル(-(TTDS)-(gE)4-Steaからなる群から選択され、別の実施形態では、Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Stea、及び-(TTDS)-(gE)-Palmからなる群から選択され、特殊な実施形態では、Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、及び-(TTDS)-(gE)-Stea、例えば-(TTDS)-(gE)-Palm、及び-(TTDS)-(gE)-Steaからなる群から選択される。
【0125】
これら全てのZ基において、最初の--の記号は、Z基とリシンX25構造の側鎖の窒素原子との間の共有結合を表す。
【0126】
したがって、Z基が、例えば、-(TTDS)-(γグルタミン酸)-パルミトイル(-(TTDS)-(gE)-Palmとも表される)として表される場合、最初のTTDS基は、X25構造の側鎖の窒素原子に結合する。共有結合は第2のTTDS基にも結合し、その間、別の共有結合が、この第2のTTDS基を第1のγ-グルタミン酸(gE)に結合する。この第1のγ-グルタミン酸(gE)自体は共有結合を介して第2のγ-グルタミン酸(gE)に結合しており、この第2のγ-グルタミン酸(gE)は別の共有結合を介して第3のγ-グルタミン酸(gE)に結合しており、この第3のγ-グルタミン酸(gE)基は共有結合によってパルミトイル(Palm)基に更に結合される。
【0127】
更に、本出願から、例えば、-(TTDS)-(γグルタミン酸)-パルミトイル(-(TTDS)-(gE)-Palmとも表される)として表されるZ基は、-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palmと表すこともできたことが理解されよう。
【0128】
同じことが、本発明による他の表されたZ基にも準用される。
【0129】
特定の実施形態によれば、リラキシンペプチド類似体は、式(Ia)(配列番号106)であって、
ter-Ac-L-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-Aib-Aib-E-G-X25-S-T-X28-X29-X30-R-X32-X33-NH-Cter 式中、
terはペプチドのN末端を表し、
terはペプチドのC末端を表し、
Acはアセチル基を表し、
Lはロイシンを表し、
Eはグルタミン酸を表し、
Gはグリシンを表し、
Rはアルギニンを表し、
15は、リシン、アルギニン、ホモリシン、グルタミン、フェニルアラニン、及びロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Vはバリンを表し、
18は、アラニン及び2-アミノ-イソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し、
19は、リシン、Nε-アセチル-リシン、グルタミン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Iはイソロイシンを表し、
Aibは2-アミノ-イソ酪酸を表し、
25は以下の構造を表し、
【化13】
式中、
は、式(Ia)のX25に先行するグリシンとの共有結合を表し、

【化14】
は、式(Ia)のX25に続くセリンとの共有結合を表し、Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、及び-(TTDS)-(gE)-Steaからなる群から選択され、式中、gEはγ-グルタミン酸を表し、
Palmはパルミトイルを表し、
Steaはステアロイルを表し、
Sはセリンを表し、
Tはスレオニンを表し、
28は、トリプトファン及びフェニルアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
29は、セリン、D-セリン、及び2-アミノ-イソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し、
30は、2-アミノ-イソ酪酸、α-メチル-リシン、D-リシン、及びリシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
32は、リシン、アラニン、及びアルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
33は、リシン及びNε-アセチル-リシンから選択されるアミノ酸を表す、式(Ia)、またはその塩もしくは溶媒和物である。
【0130】
特定の実施形態によれば、リラキシンペプチド類似体は、参照配列番号1~97のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。特定の実施形態では、リラキシンペプチド類似体は、参照配列番号1~32、34~37、39、42、44、45、47~49、51、及び54~97のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0131】
上記のように、以下の式(Ia)を有するペプチドに関する特定の実施形態では、
19は、Nε-アセチル-リシン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
25は以下の構造を表し、
【化15】
式中、
は、式(Ia)のX25に先行するグリシンとの共有結合を表し、

【化16】
は、式(Ia)のX25に続くセリンとの共有結合を表し、Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm,-(TTDS)-(gE)-Palm,-(PEGDGA)-(gE)-Palm,-(PEG-(gE)-Palm,-(TTDS)-(gE)-Palm,-(TTDS)-(gE)-Stea,-(TTDS)-(gE)-Stea,-(PEG-(gE)-Palm,-(PEG-(gE)-Stea、及び-(TTDS)-(gE)-Palmからなる群から選択され、式中、gEはγ-グルタミン酸を表し、Palmはパルミトイルを表し、Steaはステアロイルを表し、X32は、リシン及びアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、X33は、Nε-アセチル-リシン、またはその塩もしくは溶媒和物を表す。
【0132】
別の実施形態によれば、リラキシンペプチド類似体は、参照配列番号1~30のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0133】
特定の実施形態では、式(Ia)のリラキシンペプチド類似体は、
terはペプチドのN末端を表し、
terはペプチドのC末端を表し、
Acはアセチル基を表し、
Lはロイシンを表し、
Eはグルタミン酸を表し、
Gはグリシンを表し、
Rはアルギニンを表し、
15は、リシン及びホモリシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Vはバリンを表し、
18はアラニンを表し、
19は、Nε-アセチル-リシン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Iはイソロイシンを表し、
Aibは2-アミノ-イソ酪酸を表し、
25は以下の構造を表し、
【化17】
式中、
は、式(Ia)のX25に先行するグリシンとの共有結合を表し、

【化18】
は、式(Ia)のX25に続くセリンとの共有結合を表し、Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm,-(TTDS)-(gE)-Palm,-(TTDS)-(gE)-Palm,-(TTDS)-(gE)-Palm,-(PEGDGA)-(gE)-Palm,-(TTDS)-(gE)-Stea,-(TTDS)-(gE)-Stea、及び-(PEG-(gE)-Steaからなる群から選択され、式中、gEはγ-グルタミン酸を表し、Palmはパルミトイルを表し、Steaはステアロイルを表し、
Sはセリンを表し、
Tはスレオニンを表し、
28は、トリプトファン及びフェニルアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
29はセリンを表し、
30は、2-アミノ-イソ酪酸、及びα-メチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
32は、リシン、アラニン、及びアルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
33は、リシン、及びNε-アセチル-リシンから選択されるアミノ酸を表す、ようなもの、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物である。
【0134】
特定の実施形態では、式(Ia)のリラキシンペプチド類似体は、
terがペプチドのN末端を表し、
terがペプチドのC末端を表し、
Acはアセチル基を表し、
Lはロイシンを表し、
Eはグルタミン酸を表し、
Gはグリシンを表し、
Rはアルギニンを表し、
15はリシンを表し、
Vはバリンを表し、
18はアラニンを表し、
19はNε-アセチル-リシンを表し、
Iはイソロイシンを表し、
Aibは2-アミノ-イソ酪酸を表し、
25は以下の構造を表し、
【化19】
式中、
は、式(Ia)のX25に先行するグリシンとの共有結合を表し、

【化20】
は、式(Ia)のX25に続くセリンとの共有結合を表し、Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm,-(TTDS)-(gE)-Stea,-(TTDS)-(gE)-Stea、及び-(PEG-(gE)-Steaからなる群から選択され、式中、
gEはγ-グルタミン酸を表し、Palmはパルミトイルを表し、Steaはステアロイルを表し、
Sはセリンを表し、
Tはスレオニンを表し、
28は、トリプトファン及びフェニルアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
29はセリンを表し、
30は、2-アミノ-イソ酪酸、及びα-メチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
32は、リシン、アラニン、及びアルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
33は、リシン、及びNε-アセチル-リシンから選択されるアミノ酸を表す、ようなもの、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物である。
【0135】
特定の実施形態によれば、リラキシンペプチド類似体は、式(Ib)であって:
ter-Ac-X10-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-X21-X-22-E-G-X25-S-X27-X28-X29-X30-R-X32-X33-NH-Cter 式中、
terはペプチドのN末端を表し、
terはペプチドのC末端を表し、
Acはアセチル基を表し、
10は、ロイシン、Nε-アセチル-リシン、及び2-アミノ-イソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Eはグルタミン酸を表し、
Gはグリシンを表し、
Rはアルギニンを表し、
15は、リシン、アルギニン、ホモリシン、グルタミン、フェニルアラニン、及びロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
Vはバリンを表し、
18は、アラニン、2-アミノ-イソ酪酸、及びNε-アセチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
19は、リシン、Nε-アセチル-リシン、グルタミン、及びシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、Iはイソロイシンを表し、
21は、2-アミノ-イソ酪酸及びアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
22は、2-アミノ-イソ酪酸及びイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
25は以下の構造を表し、
【化21】
式中、
は、式(Ia)のX25に先行するグリシンとの共有結合を表し、

【化22】
は、式(Ia)のX25に続くセリンとの共有結合を表し、Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Myr、及び-(TTDS)-(gE)-Myrからなる群から選択され、式中、gEはγ-グルタミン酸を表し、
Palmはパルミトイルを表し、Steaはステアロイルを表し、
Sはセリンを表し、
27は、スレオニン、グルタミン、アルギニン、及びリシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
28は、トリプトファン、フェニルアラニン、5-クロロトリプトファン、α-メチル-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、及び5-フルオロトリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
29は、セリン、D-セリン、2-アミノ-イソ酪酸、Nε-アセチル-リシン、スレオニン、及びバリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
30は、2-アミノ-イソ酪酸、α-メチル-リシン、D-リシン、リシン、ホモリシン、及びアルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
32は、リシン、アラニン、アルギニン、及びNε-アセチル-リシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し、
33は、リシン、Nε-アセチル-リシン、及びアルギニンから選択されるアミノ酸を表す、式(Ib)のもの、
またはこれらの塩もしくは溶媒和物である。
【0136】
いくつかの実施形態では、Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Myr、及び-(TTDS)-(gE)-Myrからなる群から選択され得る。
【0137】
特定の実施形態では、リラキシンペプチド類似体は、配列番号3、6、7、9、10、11、12、13、20、21、22、26、28及び30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0138】
特定の実施形態では、リラキシンペプチド類似体は、配列番号3、6、7、9~12、20~22、26、28、30~34、45、47~49、51、54~62、64、67~69、71~93、96、及び97からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。上記で示し、含まれる(enclosed)実施例で例示するように、これらのペプチドは、1nM以下のEC50を有する。
【0139】
特に、リラキシンペプチド類似体は、配列番号3、6、7、13、20、26及び30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0140】
特に、リラキシンペプチド類似体は、配列番号3、6、7、20、26、30~34、45、48、49、51、54~61、67、71、73、75~79、81、83~92、及び97からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。含まれる実施例で例示するとおり、この実施形態によるペプチドは全て、OVCAR5細胞が内因性ヒトRXFP1を発現するインビトロのOVCAR5細胞株環状アデノシン一リン酸(cAMP)アッセイにおいて、≦0.5nMのEC50を有する(実施例3を参照)。
【0141】
更に、先行技術のRXFP1アゴニストペプチドと比較して、いくつかの実施形態では、リラキシンペプチド類似体は、改善されたpH4.5またはpH7.5での溶解度、改善されたラット及びヒトの血漿または血液の安定性ならびにインビボ薬物動態的半減期を示す。
【0142】
このような特性により、リラキシンペプチド類似体製剤を、広い濃度範囲でインビボ有効性を長期間維持する(すなわち、長時間作用型の)薬剤として使用できるようになり、静脈内または皮下経路による1日1回の投与が可能となる。
【0143】
特定の実施形態では、リラキシンペプチド類似体は、参照配列番号3、配列番号6、配列番号7、及び配列番号20のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有し、具体的には参照配列番号3のアミノ酸配列を有する。
【0144】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるリラキシン類似体の更なる説明及び関連する実施形態は、本明細書に記載されるように、バソプレシン類似体と組み合わせて使用することができる。リラキシン類似体のかかる開示は、参照によりその全体が組み込まれる、国際出願番号PCT/EP2019/052298号の公報として2019年8月8日に公開された国際公開第2019/149782号パンフレット「Modified Lipidated Relaxin B Chain Peptides and Their Therapeutic Use」、国際出願番号PCT/EP2019/052296号の公報として2019年8月8日に公開された国際公開第2019/149780号パンフレット「Modified Relaxin B Chain Peptides and Their Therapeutic Use」、及び国際出願番号PCT/EP2019/052297号の公報として2019年8月8日に公開された国際公開第2019/149781号パンフレット「Modified Lipidated Relaxin B Chain Peptides and Their Therapeutic Use」で見出すことができる。いくつかの実施形態では、当技術分野で公知の他のリラキシンペプチド類似体は、本明細書に記載されるように治療を必要とする個体を治療するために、テルリプレシンなどのバソプレシン類似体と組み合わせて使用することができる。例えば、RXFP1アゴニストのリラキシンペプチド類似体は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際出願番号PCT/AU2015/050184の公報として2015年10月22日に公開された、国際公開第2015/157829号パンフレット「Modified relaxin B chain peptides」に開示されている。
【0145】
リラキシンペプチド類似体は、単独でまたは組み合わせでの、任意の化学的、生物学的、遺伝的、または酵素的技術などであるがこれらに限定されない当技術分野でそれ自体が公知の任意の技術によって生成され得る。所望の配列のアミノ酸配列が分かっているため、当業者は、非天然アミノ酸が使用される場合であっても、ポリペプチド生産のための標準的技術によって、または本明細書に記載の方法に従って、上記のポリペプチドを容易に生産することができる。
【0146】
例えば、リラキシンペプチド類似体は、例えば、市販のペプチドシンセサイザー(Applied Biosystems,Foster City,Calif.、Gyros Protein technologies,Tucson,Ariz.、またはCEM corporation,Matthews,N.C.で製造されるものなどの)を使用し、製造元の指示に従った、周知の固相法を用いて合成可能である。
【0147】
適した方法の例は、含まれる実施例で例示される。
【0148】
リラキシン類似体-低分子RXFP1アゴニスト
いくつかの実施形態では、リラキシン類似体は、RXFP1においてオルソステリックまたはアロステリックなアゴニスト活性を有する小分子である。こうした小分子アゴニストは、ML290及びML290類似体など、当業者に既知である(例えば、McBride,A.,Hoy,A.M.,Bamford,M.J.et al.In search of a small molecule agonist of the relaxin receptor RXFP1 for the treatment of liver fibrosis.Sci Rep 7,10806(2017))、及びKocan,M.,Sarwar,M.,Ang,S.Y.et al.ML290 is a biased allosteric agonist at the relaxin receptor RXFP1.Sci Rep 7,2968(2017)を参照されたい)。
【0149】
リラキシン類似体及び/またはバソプレシン類似体の投与計画
腎不全の予防または治療を必要とする個体の腎不全を予防または治療するための方法であって、約1.0mg~約5.0mgのリラキシン類似体及び有効量のバソプレシン類似体の用量を個体に同時投与することを含む、方法が本明細書で開示される。様々な実施形態で、腎不全は、肝硬変によって誘発された腎機能障害、肝移植によって誘発された腎機能障害、慢性腎臓病、及び急性腎臓損傷からなる群から選択される。更に、肝腎症候群の予防または治療を必要とする個体の肝腎症候群を予防または治療するための方法であって、約1.0mg~約5.0mgのリラキシン類似体及び有効量のバソプレシン類似体の用量を個体に同時投与することを含む、方法が本明細書で開示される。様々な実施形態で、肝腎症候群は、HRS-AKI(1型肝腎症候群)である。特定の実施形態では、リラキシン類似体は、長時間作用型ペプチジルRXFP1アゴニストなどのRXFP1アゴニストである。
【0150】
様々な実施形態で、1回以上の用量のリラキシン類似体が個体に投与される。様々な実施形態で、2回以上の用量、3回以上の用量、4回以上の用量、5回以上の用量、6回以上の用量、7回以上の用量、8回以上の用量、9回以上の用量、10回以上の用量、11回以上の用量、12回以上の用量、13回以上の用量、14回以上の用量、15回以上の用量、16回以上の用量、17回以上の用量、18回以上の用量、19回以上の用量、または20回以上の用量のリラキシン類似体が個体に投与される。様々な実施形態で、単回用量のリラキシン類似体が個体に投与される。様々な実施形態で、2回以上の用量のリラキシン類似体が同じ日に投与される。様々な実施形態で、同じ日に2回用量のリラキシン類似体が個体に投与され、続いて、後続の日に1回以上の用量のリラキシン類似体が投与される。
【0151】
次の説明では、リラキシン類似体の用量について言及する。複数回用量のリラキシン類似体が個体に投与される実施形態では、以下の説明は、個体に投与されるリラキシン類似体の個々の用量のそれぞれに同様に適用可能である。
【0152】
特定の実施形態では、リラキシン類似体は、固定用量で個体に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体は、約0.1mg~約100mgの用量で個体に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体は、約0.5mg~約50mgの用量で個体に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体は、約1.0mg~約50mgの用量で個体に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体は、約1mg~約25mg、約2mg~約20mg、約3mg~約19mg、約4mg~約18mg、約5mg~約15mg、約6mg~約14mg、約7mg~約13mg、約8mg~約12mg、または約9mg~約11mgの用量で個体に投与される。
【0153】
様々な実施形態で、リラキシン類似体は、約1mg~約10mg、約1mg~約9mg、約1mg~約8mg、約1mg~約7mg、約1mg~約6mg、約1mg~約5mg、約1mg~約4mg、約1mg~約6mg、または約1mg~約2mgの用量で個体に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体は、約1mg~約10mg、約2mg~約8mg、約3mg~約6mg、約3mg~約5mg、または約4mg~約5mgの用量で個体に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体は、約1mg~約9mg、約2mg~約6mg、約3mg~約5mg、または約3.5mg~約4.5mgの用量で個体に投与される。
【0154】
様々な実施形態で、リラキシン類似体は、約10mg~約20mg、約10.5mg~約18mg、約11mg~約16mg、約11.5mg~約14mg、または約12mg~約13mgの用量で個体に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体は、約20mg~約30mg、約21mg~約29mg、約22mg~約28mg、約23mg~約26mg、または約24mg~約25mgの用量で個体に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体は、約40mg~約50mg、約42mg~約49.5mg、約44mg~約49mg、約46mg~約48.5mg、または約47mg~約48mgの用量で個体に投与される。
【0155】
特定の実施形態では、リラキシン類似体は、約2.0mgの用量で個体に投与される。特定の実施形態では、リラキシン類似体は、約4.0mgの用量で個体に投与される。特定の実施形態では、リラキシン類似体は、約5.0mgの用量で個体に投与される。特定の実施形態では、リラキシン類似体は、約10.0mgの用量で個体に投与される。特定の実施形態では、リラキシン類似体は、約12.0mgの用量で個体に投与される。特定の実施形態では、リラキシン類似体は、約15.0mgの用量で個体に投与される。特定の実施形態では、リラキシン類似体は、約24.0mgの用量で個体に投与される。特定の実施形態では、リラキシン類似体は、約48.0mgの用量で個体に投与される。
【0156】
様々な実施形態で、リラキシン類似体は皮下投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体は、静脈内投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体はボーラス注射として静脈内投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体は、約10分間~約24時間、約30分間~約16時間、約45分間~約12時間、約1時間~約10時間、約1.5時間~約9時間、約2時間~約8時間、約2.5時間~約7時間、約3時間~約6時間、約3.5時間~約5時間、または約4時間~約4.5時間にわたって静脈内投与される。特定の実施形態では、リラキシン類似体は約4時間にわたって静脈内投与される。
【0157】
様々な実施形態で、少なくとも2回用量のリラキシン類似体が個体に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の第2の用量(例えば、追加用量)が、リラキシン類似体の第1の用量の投与から約1時間~約24時間後に個体に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の第2の用量が、リラキシン類似体の第1の用量の投与から約2時間~約22時間、約3時間~約20時間、約4時間~約19時間、約5時間~約18時間、約6時間~約17時間、約7時間~約16時間、約8時間~約15時間、約9時間~約14時間、約10時間~約13時間、または約11時間~約12.5時間後に個体に投与される。
【0158】
様々な実施形態で、リラキシン類似体の第2の用量のタイミングが、リラキシン類似体の第1の用量の投与の完了に関連して測定される。例えば、リラキシン類似体の第1の用量が、4時間の連続静脈内投与であると仮定すると、リラキシン類似体の第2の用量のタイミングは、4時間の連続静脈内投与の完了に関連して測定される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の第2の用量のタイミングが、リラキシン類似体の第1の用量の投与の開始に関連して測定される。例えば、リラキシン類似体の第1の用量が、4時間の連続静脈内投与であると仮定すると、リラキシン類似体の第2の用量のタイミングは、4時間の連続静脈内投与の開始に関連して測定される。
【0159】
様々な実施形態で、リラキシン類似体の第1の用量及び第2の用量は、異なる投与経路を通して個体に投与される。例えば、リラキシン類似体の第1の用量は個体に静脈内投与されてもよく、リラキシン類似体の第2の用量は個体に皮下投与されてもよい。別の例として、リラキシン類似体の第1の用量は個体に皮下投与されてもよく、リラキシン類似体の第2の用量は個体に静脈内投与されてもよい。様々な実施形態で、リラキシン類似体の第1の用量及び第2の用量は、同じ投与経路を通して個体に投与される。例えば、リラキシン類似体の第1の用量及び第2の用量は両方とも、個体に静脈内投与される。別の例として、リラキシン類似体の第1の用量及び第2の用量は両方とも、個体に皮下投与される。
【0160】
様々な実施形態で、リラキシン類似体の第2の用量は、リラキシン類似体の第1の用量よりも高い。様々な実施形態で、リラキシン類似体の第2の用量は、リラキシン類似体の第1の用量よりも少なくとも100%高い。例えば、第1の用量は約2.0mgであってもよく、第2の用量は約5.0mgであってもよい。別の例として、第1の用量は約4.0mgであってもよく、第2の用量は約10.0mgであってもよい。様々な実施形態で、リラキシン類似体の第2の用量は、リラキシン類似体の第1の用量よりも30%未満高い。一実施形態では、リラキシン類似体の第2の用量は、リラキシン類似体の第1の用量よりも25%高くてもよい。例えば、第1の用量は約4.0mgであってもよく、第2の用量は約5.0mgであってもよい。
【0161】
様々な実施形態で、リラキシン類似体の少なくとも第3の用量(例えば、更なる追加用量)が、個体に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の第3の用量が個体に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の第3の用量が、リラキシン類似体の第1の用量の投与から約12時間~約48時間後に個体に投与される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の第3の用量が、リラキシン類似体の第1の用量の投与から約13時間~約45時間、約14時間~約42時間、約15時間~約39時間、約16時間~約36時間、約17時間~約33時間、約18時間~約30時間、約19時間~約28時間、約20時間~約26時間、約22時間~約25時間、または約23時間~約24.5時間後に個体に投与される。
【0162】
様々な実施形態で、リラキシン類似体の第3の用量のタイミングが、リラキシン類似体の第1の用量の投与の完了に関連して測定される。例えば、リラキシン類似体の第1の用量が、4時間の連続静脈内投与であると仮定すると、リラキシン類似体の第3の用量のタイミングは、4時間の連続静脈内投与の完了に関連して測定される。様々な実施形態で、リラキシン類似体の第3の用量のタイミングが、リラキシン類似体の第1の用量の投与の開始に関連して測定される。例えば、リラキシン類似体の第1の用量が、4時間の連続静脈内投与であると仮定すると、リラキシン類似体の第3の用量のタイミングは、4時間の連続静脈内投与の開始に関連して測定される。
【0163】
様々な実施形態で、リラキシン類似体の第1の用量及び第3の用量は、異なる投与経路を通して個体に投与される。例えば、リラキシン類似体の第1の用量は個体に静脈内投与されてもよく、リラキシン類似体の第3の用量は個体に皮下投与されてもよい。別の例として、リラキシン類似体の第1の用量は個体に皮下投与されてもよく、リラキシン類似体の第3の用量は個体に静脈内投与されてもよい。様々な実施形態で、リラキシン類似体の第1の用量及び第3の用量は、同じ投与経路を通して個体に投与される。例えば、リラキシン類似体の第1の用量及び第3の用量は両方とも、個体に静脈内投与される。別の例として、リラキシン類似体の第1の用量及び第3の用量は両方とも、個体に皮下投与される。
【0164】
様々な実施形態で、リラキシン類似体の第3の用量は、リラキシン類似体の第1の用量よりも高い。様々な実施形態で、リラキシン類似体の第3の用量は、リラキシン類似体の第1の用量よりも少なくとも100%高い。例えば、第1の用量は約2.0mgであってもよく、第3の用量は約5.0mgであってもよい。別の例として、第1の用量は約4.0mgであってもよく、第3の用量は約10.0mgであってもよい。様々な実施形態で、リラキシン類似体の第3の用量は、リラキシン類似体の第1の用量よりも30%未満高い。一実施形態では、リラキシン類似体の第3の用量は、リラキシン類似体の第1の用量よりも25%高くてもよい。例えば、第1の用量は約4.0mgであってもよく、第3の用量は約5.0mgであってもよい。
【0165】
様々な実施形態で、第3の用量を超える用量が個体に投与される。様々な実施形態で、第3の用量を超える用量は、第3の用量の量及び投与経路を再現する。例えば、第3の用量に10mgのリラキシン類似体の皮下投与が含まれると仮定すると、第3の用量を超える用量にも10mgのリラキシン類似体の皮下投与が含まれる。
【0166】
様々な実施形態で、第3の用量を超える用量が毎日投与される。様々な実施形態で、第3の用量を超える用量は、約5日間~約25日間毎日投与される。様々な実施形態で、第3の用量を超える用量は、約6日間~約24日間、約7日間~約23日間、約8日間~約22日間、約9日間~約21日間、約10日間~約20日間、約11日間~約18日間、約12日間~約16日間、または約13日間~約15日間毎日投与される。特定の実施形態では、第3の用量を超える用量が13日間毎日投与される。特定の実施形態では、第3の用量を超える用量が14日間毎日投与される。特定の実施形態では、第3の用量を超える用量が15日間毎日投与される。
【0167】
様々な実施形態で、第3の用量を超える用量が毎日投与される。様々な実施形態で、第3の用量を超える用量は、約3日間~約15日間毎日投与される。様々な実施形態で、第3の用量を超える用量は、約4日~約13日、約5日~約11日、または約6日~約9日毎日投与される。特定の実施形態では、第3の用量を超える用量が6日間毎日投与される。特定の実施形態では、第3の用量を超える用量が7日間毎日投与される。特定の実施形態では、第3の用量を超える用量が8日間毎日投与される。特定の実施形態では、第3の用量を超える用量が9日間毎日投与される。
【0168】
様々な実施形態で、腎不全の予防または治療を必要とする個体の腎不全を予防または治療するための方法、及び/または個体の肝腎症候群を予防または治療するための方法は、約4時間のリラキシン類似体2.0mgの第1の用量の静脈内投与、第1の用量の開始から12時間後のリラキシン類似体5.0mgの皮下投与、第1の用量の開始から24時間後のリラキシン類似体5.0mgの皮下投与、及び、その後最大12~15日間にわたる毎日のリラキシン類似体5.0mgの皮下投与を含む。
【0169】
様々な実施形態で、腎不全の予防または治療を必要とする個体の腎不全を予防または治療するための方法、及び/または個体の肝腎症候群を予防または治療するための方法は、約4時間のリラキシン類似体4.0mgの第1の用量の静脈内投与、第1の用量の開始から12時間後のリラキシン類似体10.0mgの皮下投与、第1の用量の開始から24時間後のリラキシン類似体10.0mgの皮下投与、及び、その後最大12~15日間にわたる毎日のリラキシン類似体5.0mgの皮下投与を含む。
【0170】
様々な実施形態で、腎不全の予防または治療を必要とする個体の腎不全を予防または治療するための方法、及び/または個体の肝腎症候群を予防または治療するための方法は、約4時間のリラキシン類似体4.0mgの第1の用量の静脈内投与、第1の用量の開始から12時間後のリラキシン類似体5.0mgの皮下投与、第1の用量の開始から24時間後のリラキシン類似体10.0mgの皮下投与、及び、その後最大12~15日間にわたる毎日のリラキシン類似体5.0mgの皮下投与を含む。
【0171】
様々な実施形態で、腎不全の予防または治療を必要とする個体の腎不全を予防または治療するための方法、及び/または個体の肝腎症候群を予防または治療するための方法は、有効量のリラキシン類似体及びバソプレシン類似体を個体に同時投与することを含む。特定の実施形態では、バソプレシン類似体はテルリプレシンまたはその薬学的に許容可能な塩である。
【0172】
様々な実施形態で、テルリプレシンは、約0.5~約10mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約0.6mg~約5mg、約0.7mg~約3mg、約0.8mg~約2mg、または約0.9mg~約1.5mgの用量で静脈内投与される。特定の実施形態では、テルリプレシンは、約1mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約0.8mg~約6mg、約1mg~約5mg、約1.2mg~約4mg、約1.4mg~約3mg、約1.6mg~約2.5mg、約1.8mg~約2.2mg、または約1.9mg~約2.1mgの用量で静脈内投与される。特定の実施形態では、テルリプレシンは、約2mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約1mg~約8mg、約2mg~約6mg、約3mg~約5mg、約3.2mg~約4.8mg、約3.4mg~約4.6mg、約3.6mg~約4.4mg、または約3.8mg~約4.2mgの用量で静脈内投与される。特定の実施形態では、テルリプレシンは、約4mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約2mg~約9mg、約4mg~約8mg、約5mg~約7mg、約5.2mg~約6.8mg、約5.4mg~約6.6mg、約5.6mg~約6.4mg、または約5.8mg~約6.2mgの用量で静脈内投与される。特定の実施形態では、テルリプレシンは、約6mgの用量で静脈内投与される。
【0173】
様々な実施形態で、テルリプレシンは、2~10時間ごとに静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、3~8時間ごと、または4~6時間ごとに静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、6時間ごとに静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンはボーラス注入により静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンはボーラス注射により約30秒間~約10分間、約1分間~約5分間、または約2分間~約3分間にわたって静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約2分間にわたるボーラス注射により静脈内投与される。
【0174】
様々な実施形態で、約0.5mg~約2mgのテルリプレシンが、4~6時間ごとに静脈内投与される。特定の実施形態では、約1.0mgのテルリプレシンが、6時間ごとに静脈内投与される。様々な実施形態で、約2mg~約6mgのテルリプレシンが、4~6時間ごとに静脈内投与される。特定の実施形態では、約4.0mgのテルリプレシンが、6時間ごとに静脈内投与される。様々な実施形態で、約6mg~約10mgのテルリプレシンが、4~6時間ごとに静脈内投与される。特定の実施形態では、約6.0mgのテルリプレシンが、6時間ごとに静脈内投与される。様々な実施形態で、約8.0mgのテルリプレシンが8時間ごとに投与される。
【0175】
様々な実施形態で、テルリプレシンは、約8時間~約36時間にわたって静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約10時間~約30時間、約15時間~約28時間、または約20時間~約25時間にわたって静脈内投与される。特定の実施形態では、テルリプレシンは、約24時間にわたって静脈内投与される。
【0176】
様々な実施形態で、テルリプレシンは、約1mg~約10mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約1.5mg~約4.0mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約2.0mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約5.0mg~約8.0mgの用量で静脈内投与される。様々な実施形態で、テルリプレシンは、約6.0mgの用量で静脈内投与される。
【0177】
特定の実施形態では、腎不全の予防または治療を必要とする個体の腎不全を予防または治療するための方法、及び/または個体の肝腎症候群を予防または治療するための方法は、以下の(1A)、(1B)、または(1C)のうちの1つと(2)との組み合わせを含む。
(1A)6時間ごとのテルリプレシン1.0mgのボーラス静脈内注入、
(1B)24時間にわたるテルリプレシン2.0mgの静脈内注入、
(1C)24時間にわたるテルリプレシン6.0mgの静脈内注入、
(2)約4時間のリラキシン類似体2.0mgの第1の用量の静脈内投与、第1の用量の開始から12時間後のリラキシン類似体5.0mgの皮下投与、第1の用量の開始から24時間後のリラキシン類似体5.0mgの皮下投与、及び、その後最大12~15日間にわたる毎日のリラキシン類似体5.0mgの皮下投与。
【0178】
特定の実施形態では、腎不全の予防または治療を必要とする個体の腎不全を予防または治療するための方法、及び/または個体の肝腎症候群を予防または治療するための方法は、以下の(1A)、(1B)、または(1C)のうちの1つと(2)との組み合わせを含む。
(1A)6時間ごとのテルリプレシン1.0mgのボーラス静脈内注入、
(1B)24時間にわたるテルリプレシン2.0mgの静脈内注入、
(1C)24時間にわたるテルリプレシン6.0mgの静脈内注入、
(2)約4時間のリラキシン類似体4.0mgの第1の用量の静脈内投与、第1の用量の開始から12時間後のリラキシン類似体10.0mgの皮下投与、第1の用量の開始から24時間後のリラキシン類似体10.0mgの皮下投与、及び、その後最大12~15日間にわたる毎日のリラキシン類似体5.0mgの皮下投与。
【0179】
特定の実施形態では、腎不全の予防または治療を必要とする個体の腎不全を予防または治療するための方法、及び/または個体の肝腎症候群を予防または治療するための方法は、以下の(1A)、(1B)、または(1C)のうちの1つと(2)との組み合わせを含む。
(1A)6時間ごとのテルリプレシン1.0mgのボーラス静脈内注入、
(1B)24時間にわたるテルリプレシン2.0mgの静脈内注入、
(1C)24時間にわたるテルリプレシン6.0mgの静脈内注入、
(2)約4時間のリラキシン類似体4.0mgの第1の用量の静脈内投与、第1の用量の開始から12時間後のリラキシン類似体5.0mgの皮下投与、第1の用量の開始から24時間後のリラキシン類似体10.0mgの皮下投与、及び、その後最大12~15日間にわたる毎日のリラキシン類似体5.0mgの皮下投与。
【0180】
組成物及び薬剤
本願はまた、上記のバソプレシン類似体及びリラキシン類似体、またはこれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物ならびに少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体を、個別にまたは組み合わせて含む薬剤または医薬組成物に関する。
【0181】
いくつかの実施形態では、リラキシン類似体及び/またはバソプレシン類似体は、本発明の薬剤または医薬組成物中に有効成分として存在する。
【0182】
本発明の組成物または薬剤は、それを必要とする個体への投与に適した形態である。
【0183】
本発明の組成物または薬剤は、例えば、非経口的に、静脈内的に、皮下的に、経直腸的に、経皮的に、局所的に、または吸入により投与することができる。特に、本発明の組成物は、静脈内または皮下経路によって投与される。
【0184】
特定の実施形態によれば、本発明の組成物の薬学的に許容可能な担体は、注射用滅菌水などの注射可能な担体液体、及び生理食塩水などの水溶液からなる群から適切に選択される。
【0185】
本発明の組成物または薬剤は、0.01mg/mL~30mg/mL、特に0.3mg/mL~3mg/mLの含有量の本発明のペプチドを含み得る。
【0186】
本発明の薬剤または医薬組成物は、本発明の少なくとも1つのペプチドを唯一の有効成分として含んでもよく、または、更に少なくとも1つの他の有効成分を含んでもよい(上記の他の有効成分が本発明のペプチドの生物活性を妨げない限りにおいて)。
【0187】
本発明の医薬組成物または薬剤は、更に、少なくとも1つの抗酸化剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、香味剤、防腐剤、可溶化剤、及び/または染料を、この/これらの追加物質が本発明のペプチドの生物学的特性を妨げない限りにおいて含んでもよい。
【0188】
非経口投与のための本発明の無菌組成物は、特定の実施形態では、水性または非水性の溶液、懸濁液、または乳濁液であってよい。使用できる溶媒またはビヒクルとしては、水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えばオリーブ油、注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチル、または他の適切な有機溶媒が挙げられる。これらの組成物は更に、補助剤、例えば湿潤剤、等張化剤、乳化剤、分散剤、及び安定剤を含んでもよい。滅菌は、いくつかの方法、例えば、無菌濾過、組成物への滅菌剤の組み込み、射線照射、または加熱によって実施することができる。これらは、使用時に滅菌水または任意の他の注射可能な滅菌媒体に溶解され得る滅菌固体組成物の形態で調製することもできる。
【0189】
局所投与用の組成物は、例えば、点鼻薬またはエアロゾルであってもよい。
【0190】
皮下、筋肉内、または静脈内投与の場合、使用される本発明のペプチドは、必要に応じて、可溶化剤、乳化剤、または他の賦形剤などのこの目的で慣例的な物質を用いて、溶液、懸濁液または乳濁液へと変換される。適切な溶媒の例は、水、生理食塩水、もしくはアルコール、例えばエタノール、プロパノール、グリセロール、及びグルコースもしくはマンニトール溶液などの糖溶液、または上述の様々な溶媒の混合物である。
【0191】
特定の実施形態では、本発明の組成物、本発明の薬剤、もしくは本発明のペプチド、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物のうちの1つは、非経口経路によって個体に投与され、特に経皮的、静脈内的、皮下的、または筋肉内的に、特に静脈内的または皮下的に投与される。
【0192】
非経口的に投与可能な組成物を調製する方法は当業者には明白であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Science,15th ed.,Mack Publishing Company, Easton,Paでより詳細に説明されている。
【0193】
本発明の組成物または本発明のペプチドの個体への投与は、全身投与であってもよく、個々の生物の組織、器官、及び/または部位に局在化した投与であってもよい。
【0194】
リラキシン類似体及びバソプレシン類似体のペプチド及び組成物の使用
本発明は、治療を必要とする個体を治療するための、バソプレシン類似体及びリラキシン類似体の組み合わせ療法、ならびにこれらの生物活性剤を含んだ関連する組成物、のみならずこれらの薬学的に許容可能なその塩もしくは溶媒和物に関する。
【0195】
更に、本発明は、バソプレシン類似体及びリラキシン類似体生物活性剤を含む、組み合わせ療法として使用するための本発明の1つ以上の医薬組成物にも関する。
【0196】
更に、本発明は、RXFP1受容体及び/またはV1aバソプレシン受容体が関与する様々な疾患または状態の治療及び/または予防のための、より具体的には、肝硬変によって誘発された腎機能障害、肝移植によって誘発された腎機能障害、慢性腎臓病、及び急性腎臓損傷を含む腎不全が関連する疾患または状態の治療及び/または予防のための組み合わせ療法で使用するための本発明のペプチド、その薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、または本発明の医薬組成物に関する。このような組み合わせ療法は、特に、HRS、特にHRS-AKI(1型肝腎症候群)またはHRS-NAKI(2型肝腎症候群)の治療及び/または予防のために使用することができる。
【0197】
一態様では、リラキシン類似体及びバソプレシン類似体ペプチド、その薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはこれらの生物活性剤のうち1つ以上を含む医薬組成物(複数化)の組み合わせ療法は、特に静脈内または皮下経路によって、1日1回施される。
【0198】
投与されるリラキシン類似体及びバソプレシン類似体ペプチド、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の用量ならびに投与頻度は、使用される化合物の所望の効果、効力、及び作用持続時間に応じて、更に、治療される疾患または状態の性質及び重症度、ならびに治療される個体の性別、年齢、体重、及び個々の反応性にも応じて変化する。一般に、医師は、年齢、及び体重、ならびに治療される個体に特有の他の全ての因子の関数として、適切な投与量を決定する。
【0199】
更に、肝硬変によって誘発された腎機能障害、肝移植によって誘発された腎機能障害、慢性腎臓病、及び急性腎臓損傷を含む腎不全に関連する疾患または状態を予防及び/または治療するための方法であって、上記の予防及び/または治療を必要とする個体に、本発明のリラキシン類似体及びバソプレシン類似体ペプチド、その薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の組み合わせ、もしくは本発明のバソプレシン類似体及び/またはリラキシン類似体生物活性剤を含む本発明の医薬組成物(複数可)を、または本発明による治療有効量のバソプレシン類似体及びリラキシン類似体ペプチド、その薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の組み合わせ、もしくはバソプレシン類似体及び/またはリラキシン類似体生物活性剤を含む本発明の医薬組成物(複数可)を、同時投与することを含む、方法が本明細書で提供される。
【0200】
更に、肝硬変によって誘発された腎機能障害、肝移植によって誘発された腎機能障害、慢性腎臓病、及び急性腎臓損傷を含む腎不全に関連する疾患または状態の個体における予防及び/または治療のための薬剤を製造するための、本明細書で説明されるリラキシン類似体及びバソプレシン類似体生物活性剤、その薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の組み合わせ、もしくは本発明によるリラキシン類似体及びバソプレシン類似体ペプチドを個別にもしくは組み合わせで含む本発明の医薬組成物、または治療有効量のこれら、その薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の組み合わせ、もしくは本発明のリラキシン類似体及びバソプレシン類似体ペプチドを個別にもしくは組み合わせで含む本発明の医薬組成物の使用も説明される。
【0201】
更に、HRS、例えばHRS-AKI(1型肝腎症候群)及びHRS-NAKI(2型肝腎症候群)の個体における予防及び/または治療のための薬剤を製造するための、本明細書で説明されるリラキシン類似体及びバソプレシン類似体生物活性剤、その薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の組み合わせ、もしくは本発明によるリラキシン類似体及びバソプレシン類似体ペプチドを個別にもしくは組み合わせで含む本発明の医薬組成物、または治療有効量のこれら、その薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の組み合わせ、もしくは本発明のリラキシン類似体及びバソプレシン類似体ペプチドを個別にもしくは組み合わせで含む本発明の医薬組成物の使用も説明される。
【0202】
等価物及び範囲
当業者は、日常的な実験のみを使用して、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識するか、または確認することができるであろう。本発明の範囲は、上記説明に限定されることを意図するものではなく、添付の特許請求の範囲に記載されるとおりである。
【0203】
特許請求の範囲において、「a」、「an」、及び「the」などの冠詞は、その反対が示されるか、または別途に文脈から明白でない限り、1つまたは2つ以上を意味し得る。群の1つ以上の要素の間に「または」を含む請求項または記載は、その反対が示されるか、または別途文脈から明白でない限り、1つ、2つ以上、または全ての群の要素が、所与の生成物またはプロセスにおいて存在するか、用いられるか、またはそうでなければ関連している場合に、満たされると考えられる。本発明は、群の正確に1つの要素が、所与の生成物またはプロセスにおいて存在するか、用いられるか、または別途関連している実施形態を含む。本発明は、群の要素のうちの複数または全てが、所与の生成物またはプロセスにおいて存在するか、用いられるか、または別途関連している実施形態を含む。
【0204】
用語「含む(comprising)」は、制約がないことが意図され、追加の要素またはステップの包含を、許しはするがこれを必要としていないことにも留意されたい。用語「含む(comprising)」が本明細書で使用される場合、用語「からなること(consisting of)」も包含されかつ開示される。
【0205】
範囲が与えられている場合、端点は含まれる。更に、別途指示のない限り、または別途文脈及び当業者の理解から明白でない限り、範囲として表現される値は、文脈に別途明示のない限り、範囲の下限の単位の10分の1まで、本発明の異なる実施形態に記載される範囲内の任意の具体的な値または部分範囲を想定し得ると理解されたい。
【0206】
全ての引用源、例えば、本明細書で引用される参考文献、刊行物、データベース、データベースエントリ、及び技術は、引用文に明示的に記載されていない場合でも、参照により本願に組み込まれる。引用源及び本願で記述が矛盾する場合、本願の記述が優先される。
【0207】
セクション及び表の見出しは、限定を意図するものではない。
【実施例
【0208】
以下は、本発明を実行するための特定の実施形態の実施例である。これらの実施例は、例示を目的として提供されているにすぎず、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。使用される数値(例えば、量、温度など)に対する正確さを確保する努力がなされているが、当然ながら、いくらかの実験誤差及び偏差は許容されるものとする。
【0209】
本発明の実施は、別途指示のない限り、当該技術の範囲内で、タンパク質化学、生化学、組み換えDNA手法、及び薬理学の従来の方法を用いる。そのような手法は、文献で完全に説明される。例えば、T.E.Creighton,Proteins:Structures and Molecular Properties(W.H.Freeman and Company,1993)、A.L.Lehninger,Biochemistry(Worth Publishers,Inc.,current addition)、Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2nd Edition,1989)、Methods In Enzymology(S.Colowick and N.Kaplan eds.,Academic Press,Inc.)、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition(Easton,Pennsylvania:Mack Publishing Company,1990)、Carey and Sundberg Advanced Organic Chemistry 3rd Ed.(Plenum Press)Vols A and B(1992)を参照されたい。
【0210】
実施例1:リラキシンペプチド類似体の合成。
使用された材料
C末端アミドの合成には、様々なrinkアミド樹脂が使用された(Chem-Impexより販売される4-(2’,4’-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)フェノキシ樹脂、またはMillipore Merckより販売される4-(2’,4’-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)フェノキシアセトアミドメチル樹脂)。
【0211】
これらを0.2~0.4mmol/gの範囲内で充填した。
【0212】
Fmoc(フルオレニルメチルオキシカルボニル)で保護された天然アミノ酸は、様々な供給元から購入した、すなわち、Protein Technologies Inc.、Merck Biosciences、Novabiochem、Iris Biotech、Bachem、Chem-Impex International、またはMATRIX Innovation。
【0213】
合成全体を通して以下の標準アミノ酸を使用した。Fmoc-L-Ala-OH、Fmoc-L-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-L-Gln(Trt)-OH、Fmoc-L-Glu(OtBu)-OH、Fmoc-L-Glu-OtBu、Fmoc-Gly-OH、Fmoc-L-Ile-OH、Fmoc-L-Leu-OH、Fmoc-L-Lys(Boc)-OH、Fmoc-L-Met-OH、Fmoc-L-Phe-OH、Fmoc-L-Ser(tBu)-OH、Fmoc-L-Thr(tBu)-OH、Fmoc-L-Trp(Boc)-OH、Fmoc-L-Tyr(tBu)-OH、及びFmoc-L-Val-OH。
【0214】
更に、以下の特殊なアミノ酸を上記と同じ供給元から購入した。Fmoc-L-hArg(Pbf)-OH、Fmoc-L-Cit-OH、Fmoc-L-Arg(Me,Pbf)-OH、Fmoc-L-hLys(Boc)-OH、Fmoc-L-Orn(Boc)-OH、Fmoc-L-Lys(Dde)-OH、Fmoc-L-Lys(ivDde)-OH、Fmoc-L-Lys(Mtt)-OH、Fmoc-L-Lys(aloc)-OH、Fmoc-L-Lys(Ac)-OH、Fmoc-Aib-OH、Fmoc-L-α-Me-Ser(tBu)-OH、Fmoc-L-α Me-Lys(Boc)-OH、Fmoc-L-α-Me-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-L-α-Me-Leu-OH、Fmoc-L-Nle-OH and Fmoc-L-1-Nal-OH、Fmoc-L-2-Nal-OH Fmoc-5-Wox-OH、Fmoc-Pfp-OH、Fmoc-L-α-Me-Trp-OH、Fmoc-L-α-Me-Phe-OH。

【表4-1】

【表4-2】
【0215】
C末端脂質化リラキシンペプチド類似体を合成するために、以下に示すように、直交保護されたリシンを使用した。
【0216】
1.A.選択されたリラキシンペプチド類似体の合成に使用される一般法
配列番号1~97の配列のリラキシンペプチド類似体を、図1及び2で表される方法に基づいて合成した。
【0217】
0.2mmolのRinkアミドAM樹脂をCEM Liberty blueマイクロ波ペプチドシンセサイザーに入れ、完全なペプチド配列を組み立てた(図1)。
【0218】
合成全体が、溶媒としてのDMF中で実行された。ペプチドは、0.1~0.2mmolスケールの標準加熱プロトコルを使用して合成された。
【0219】
標準加熱プロトコル:170ワット、75℃、15秒間の照射。続いて30ワット、90℃、120秒間の照射。
【0220】
脱保護は、DMF中20v/v%のピペリジンを用いて実施され、続いて3回のDMF洗浄ステップが行われた。
【0221】
脱保護のための加熱プロトコル:170ワット、75℃、15秒間の照射。続いて30ワット、90℃、50秒間の照射。
【0222】
アミノ酸カップリングは、カップリング試薬として5当量のN,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)0.5M、及び5当量のOxyma(エチル2-シアノ-2-(ヒドロキシイミノ)アセテート(Oxyma Pure(登録商標))1Mを用いて、DMF中0.2M溶液として5当量のFmoc-AAを用いて実施された。
【0223】
最終収率を高めるためには、各アミノ酸は90℃で120秒間の二重カップリングを必要とした。式(I)のX21及びX22位の2-アミノイソ酪酸、ならびにX29位のセリンの場合、90℃で2分間の三重カップリングを用いた。
【0224】
Fmoc-α-メチルリシン(Boc)-OHなどの高価なアミノ酸誘導体の場合、3当量のアミノ酸、及びHATUまたはHCTUなどの3当量のカップリング剤を用いた手動カップリングを室温で1~18時間行うか、あるいはDIC及びOxyma Pure(商標)を用いて120秒間マイクロ波で加熱することが有利な場合がある。
【0225】
25位では、側鎖窒素上に直交保護基を有するFmoc-リシン-OHの誘導体を使用した。選択的脱保護により、このアミノ酸側鎖の修飾が可能となった。
【0226】
合成の最後に、DMF中20v/v%のピペリジンを用いて、室温で30分間のFmoc脱保護を手動で2回実施した。
【0227】
15分間のDMF中5~10当量の無水酢酸及び5~10当量のDIEAを用いた処理により、N末端でアセチル化を実施した。続いて、完全に保護されたペプチドを含有する樹脂を、DCM/DMF/DCMでそれぞれ3回洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0228】
続いて、X25位のリシンのNε-保護基(Dde、ivDde、Aloc、またはMtt)を、DMF中の希釈ヒドラジン(Dde、ivDde)、DCM中パラジウム(0)触媒(aloc)の存在下のフェニルシランもしくはジメチルアミノボラン、またはDCM中1%TFA(Mtt)を使用して除去した。
【0229】
次に、以下の工程に従い、Z基を固体支持体上でX25リシンの側鎖窒素に結合させた。
【0230】
25位のリシンがDdeまたはiv-Ddeによってその側鎖上で保護されたときに、樹脂ペプチドを50mlのポリプロピレンシリンジに移した。80mlのDMF中ヒドラジン5%溶液を樹脂に浸透させ、続いてDMFで洗浄した(3回)。反応をカイザーテストで監視した。
【0231】
25位のリシンがアリル-オキシ-カルボニル基(aloc)によってその側鎖上で保護されたときに、樹脂ペプチドを50mlのポリプロピレンシリンジに移し、ジクロロメタン中で膨潤させ、アルゴン下で2時間、20当量のフェニルシラン(PhSiH3)(またはボランジメチルアミン複合体((CHNH.BH)及びピペリジン)及び10%(mol/mol)のテトラキス-(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)で処理した。この処理は、樹脂のアリコート部分の切断後にUPLC/MS分析によって出発aloc保護ペプチドが検出されなくなるまで繰り返した。
【0232】
反応が完了したら、樹脂をジクロロメタン、DMF中1%DIEA、DMF中5%ジエチル-ジチオ-カルバメート、DMF、DMF中10%DIEA、DMF及びジクロロメタンで洗浄した(それぞれ3回)。
【0233】
25位のリシンが、その側鎖上でメチル-トリチル基(Mtt)によって保護された場合、樹脂-ペプチドを50mlのポリプロピレンシリンジに移し、ジクロロメタン中で膨潤させ、10mLのDCM/TIS/TFA(88/5/2)混合物で処理した。1時間振盪した後で溶媒を排出し、樹脂をDCMで洗浄し、10mlのDCM/DIEA(90/10)混合物と共に振盪し、DCMで数回洗浄した。
【0234】
Z基のPEGxx基(複数可)は、所与のリラキシンペプチド類似体に対して該当する場合、ニンヒドリン(カイザー)テストによって反応を監視しながら、3当量のDIC及び3当量のHOAtと共に3当量のFmoc-PEGxx-OHを用いた18時間の単一アシル化によって導入した。次に、樹脂をDMF中20v/v%のピペリジンで処理してFmoc保護基を除去し(2×30分)、DMFで3回洗浄した。Fmoc-PEGxx-OHカップリング、Fmoc除去、及び洗浄工程をx回繰り返した(x=0~5)。
【0235】
次に、gEがリラキシンペプチド類似体のZ基中に存在していた場合は、カイザーテストによって反応を監視しながら、3当量のDIC及び3当量のHOAtと共に3当量のアミノ酸を用いた18時間の単一カップリングによって、Fmoc-Glu-OtBu((4S)-5-tert-ブトキシ-4-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-ペンタン酸)を導入した。
【0236】
次に、樹脂をDMF中20v/v%のピペリジンで処理してFmoc保護基を除去し(2×30分)、DMFで3回洗浄した。Fmoc除去及びFmoc-Glu-OtBuカップリング工程をy回繰り返した(y=1~5)。
【0237】
次に、側鎖を、3当量のCkラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、ペンタデカン酸(C15)、パルミチン酸(C16)、ヘプタデカン酸(C17)、ステアリン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、もしくはドコサン酸(C22)を用いて、NMP中3当量のDIC及び3当量のHOAtを用いて、ジクロロメタン中の塩基としての対応する塩化アシル及びDIEAを用いて、またはDMF中の塩基としての対応するN-スクシンイミジルエステル及びDIEAを用いて脂質化した。
【0238】
反応をカイザーテストで監視し、一晩放置した。
【0239】
続いて、完全に保護されたペプチドを含有する樹脂を、DCM/DMF/DCMでそれぞれ3回洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0240】
1.B.ペプチド-樹脂の切断
固相の合成が完了したら、ペプチドを切断試薬B:TFA/フェノール/HO/TIPS(87.5%/5%/5%/2.5%/25ml)で3時間処理することにより、固体支持体から切断した(TIPSはトリイソプロピルシランを表す)。
【0241】
特定の場合では、1,2-エタンジチオールまたはDODT(2,2’-(エチレンジオキシ)ジエタンチオール)などのジチオールの添加が有利である場合もある(例えば切断試薬K)。ペプチドを含有するTFA溶液を濾過し、T<30℃の減圧下で濃縮した。
【0242】
所望の生成物を氷冷MTBE(メチルtert-ブチルエーテル)またはジエチルエーテルで沈殿させ、3000rpmで30分間遠心分離した。次に、遠心分離したペレットを氷冷ジエチルエーテルで洗浄し、遠心分離した。このプロセスを3回繰り返した。
【0243】
特定の場合では、粗製ペプチドを処理して、TFAエステル、トリプトファンのインドール窒素上のCO付加物(カルバミン酸)、及びメチオニン残基上の2-t-ブチル-スルファニルエチル付加物などの望ましくない副産物を除去する必要がある場合もある。
【0244】
トリプトファンのインドール窒素上の付加物であるCOを除去するために、粗製ペプチドを10~20%のCHCN、5mg/mlを含有する水に溶解し、凍結乾燥させた。
【0245】
Met上の2-t-ブチル-スルファニルエチル付加物を除去するために、粗製ペプチドを、0.1%ギ酸を含有するHO/CHCN(50:50v/v)の溶液中に溶解した(2mg/ml)。
【0246】
混合物を、37℃で一晩穏やかに振盪した。
【0247】
TFAエステルを除去するために、粗製ペプチドを、0.1%ギ酸を含有するHO/CHCN(50:50v/v)の溶液中に溶解した(2mg/ml)。混合物を、37℃で1~4時間穏やかに振盪した。
【0248】
どちらの場合も、こうして得られた粗製ペプチド溶液を減圧下、T<30℃で部分的に濃縮し、凍結乾燥させた。
【0249】
1.C.精製工程
リラキシンペプチド類似体を合成するために示された上記の方法のいずれかに続いて、上記のペプチドを使用前に精製した。
【0250】
80mgのペプチドを1.5mLのDMSO中に溶解し、逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)によって精製した。RP-HPLCについては以下で説明する。
【0251】
GX271 Liquid Handler、333/334ポンプ、及びUV/VIS 151 Gilsonシステムを使用した。
【0252】
上記のペプチドを精製するために、2つの異なるシステムを用いた。
システムA
-カラム Waters Delta-Pack C4 15μm 300Å. 250×20mm
-溶液A:HO中0.1%のトリフルオロ酢酸(TFA)
-溶液B:アセトニトリル中0.1%のTFA
-勾配:15%Bで5分間、20分間で15%Bから50%B
-流速:80ml/分
システムB
-カラム Waters CSH C18 5μm 250×50mm、またはWaters Sunfire C18 10μM 250×50mm
-溶液A=水中0.1%のTFA
-溶液B=アセトニトリル中0.1%のTFA
-勾配:5分間で1%Bから18%B、10分間で18%Bから28%B、28%Bで15分間、10分間で28%Bから48%B
-次に10分間で48%Bから90%Bのカラム洗浄
-流速:150ml/分。
【0253】
目的のペプチドは、35~40分間の時間枠で溶出した。
【0254】
分析用UHPLCシステム上でその保持時間によって特徴づけられた各ペプチドの極性に従い、勾配をわずかに調整した。
【0255】
次に、純粋なペプチドを含有する画分を、T<35℃の減圧下で部分的に濃縮し、恒量になるまで凍結乾燥した。
【0256】
特定の使用(例えば、インビボ試験)の場合、TFA塩を酢酸塩に交換することが有利であった。3つの対応する方法が使用され、次の1.Dの部で説明される。
【0257】
1.D.酢酸塩交換
(i)TOYOPEARL(登録商標)DEAE 650C(Tosoh Corporation)での酢酸塩交換
イオン交換はTOYOPEARL(登録商標)DEAE650 Cグレード樹脂(弱陰イオン交換樹脂)を用いて実施した。
【0258】
120mlの樹脂を、15容量のNaOH 1M、5容量のHO、5容量の酢酸 1.6M、5容量の酢酸 0.16M、及び最後に5容量のHOで逐次的に洗浄した。
【0259】
次に、41.8mgのペプチドを4mlの蒸留水中に溶解し、樹脂に充填(download)し、穏やかに2時間混合した。
【0260】
最後に、ペプチドを溶出によって回収し、水で洗浄し、凍結乾燥した。
【0261】
ペプチド回収量:35mg(19F NMR(400MHz)ns 1028により酢酸塩として)。
【0262】
(ii)Sepharose HiTrap Q HPカラム(強陰イオン交換カラム)による酢酸塩交換
この第2の方法では、イオン交換はHiTrap Q HPを使用して実施した。
【0263】
カラム(総容積5ml)を48(4.5ml/分)にセットした蠕動ポンプに接続し、50ml(10カラム容量)のHO、100ml(20カラム容量)の酢酸ナトリウムの1M溶液、150ml(30カラム容量)のHO、及び50ml(10カラム容量)の酢酸0.16M溶液でカラムを洗浄してからペプチドを充填した。
【0264】
純粋なペプチドを0.16Mの酢酸溶液に2mg/mlで溶解させ、カラムにゆっくり充填し、4.5ml/分で溶出した。
【0265】
回収した溶液を凍結乾燥した。
【0266】
イオン交換の有効性を、19F NMR(400MHz)ns 1028によって実証した。
【0267】
(iii)BIO RAD AG1X4(登録商標)陰イオン交換樹脂による酢酸塩交換
【0268】
底部に焼結ガラスを備えた125mlの反応容器に、6.2gのBIO RAD AG1X4(登録商標)陰イオン交換樹脂、100~200ドライメッシュ寸法(OH--型)を投入した。
【0269】
攪拌プレート上で、樹脂を3×100mlの1.6M酢酸水溶液(10v/v%)及び3×50mlの0.16M酢酸水溶液(1v/v%)と共にそれぞれ20分間振盪した。
【0270】
TFA塩としての精製ペプチド(100mg)を50mlの蒸留水に溶解し、交換樹脂上に注ぎ、攪拌プレート上で120分間振盪した。
【0271】
水溶液を100mlの丸底フラスコ内に排出し、樹脂を2×15mlの0.16M酢酸水溶液(1v/v%)で洗浄した。
【0272】
酢酸塩としてペプチドを含む合わせた溶液を、恒量になるまで凍結乾燥した。収量=酢酸塩としてのペプチド80mg。
【0273】
イオン交換の有効性を、19F NMR(400MHz、ns 1028)及び/またはイオン性クロマトグラフィーによって実証した。
【0274】
実施例2:リラキシンペプチド類似体の例示的合成
2.A Rinkアミド樹脂へのFmoc-Lys(Ac)-OHの充填
底部に焼結ガラスを備えた100mlの反応容器内で、6gのNovabiochemまたはChemImpex RinkアミドAM樹脂(低充填0.47mmol/g)を40mlのDMF中で膨潤させた。溶媒を排出し、30mlのDMF中20%ピペリジン溶液を添加した。15分間振盪した後、溶媒を排出した。これを2回繰り返し、Fmoc保護基の完全な除去を確実にした。樹脂を5×30mlのDMFで洗浄した。
【0275】
別のフラスコ内で、30mlのDMF中にFmoc-Lys(Ac)-OH(3.5g、8mmol、3当量)HOBT・HO(1.3g、8.5mmol)を含有する溶液を調製した。ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(1g、8.5mmol)をこの溶液に添加し、5分後、得られた混合物を樹脂に添加した。懸濁液を攪拌プレート上で4時間、または樹脂のアリコート部分でカイザーテスト(ニンヒドリンテスト)によって判定して反応の完了まで振盪した。
【0276】
次に溶媒を排出し、樹脂を30mlのDMFで3回洗浄した。Fmoc-Lys(Ac)-NHを充填した樹脂を、次の工程のために直ちに使用するか、または必要となるまで4℃の湿った状態で保管した。
【0277】
2.B.配列番号3を有するペプチドの合成
それぞれ0.2mmolのFmoc-Lys(Ac)-NHに相当する、工程2.A.で得られた樹脂の5倍の量を使用して、以下の合成を実施した。合成は、CEM Liberty Blueマイクロ波ペプチドシンセサイザーを使用して個々のバッチ上で別々に実施し、ペプチド配列の第2及び第3の残基を構築した(C末端から開始)。
【0278】
ペプチド合成は、DMF中のDIC0.5M/Oxyma 1Mを使用することにより実施した。
【0279】
全てのアミノ酸を、標準的な加熱プロトコルを用いて二重カップリングで導入した。
【0280】
樹脂をシンセサイザーから取り出し、マイクロ波加熱しながら(75℃、15秒及び90℃、110秒)、3当量のOxyma(商標)及び3当量のDICを使用して、Fmoc-α-メチル-リシン(Boc)-OH(3当量)を手動でカップリングした。反応の完了はカイザーテストによって制御した。陽性の場合は、3当量のDICを添加し、続いて上記のようにマイクロ波加熱した。
【0281】
Fmoc-α-メチル-リシン(Boc)-OHのカップリングが完了したら、CEM Liberty Blueマイクロ波ペプチドシンセサイザーを使用してペプチド配列の残りを構築した。
【0282】
90℃で2分間三重カップリングを行った21位のアミノイソ酪酸及び29位のセリンを除く全てのアミノ酸を、上記と同様に90℃にて二重カップリングで導入した。Fmoc-Lys(Dde)-OHを25位で使用した。
【0283】
5回の合成の最後に、樹脂の5つのバッチを合わせ、50mLのポリプロピレンシリンジに移し、ペプチドをDMF(30mL)中の無水酢酸(944μL、10mmol)によりN末端で20分間アセチル化し、このサイクルを2回繰り返した。
【0284】
次に、リシン25側鎖上のDde保護基を、50mLのDMF中ヒドラジン5w/v%溶液を濾過することによって除去し、その後DMF洗浄した(5×20ml)。反応を、カイザーテストによって監視し、樹脂のアリコート部分を切断し、UPLC/MS分析を実施した。
【0285】
3つのTTDSスペーサー単位を、以下の手順を3回実施することによる単一カップリングによって導入した。樹脂に、30mLのDMF中のFmoc-TTDS-OH(1.62g、3mmol)の溶液を添加し、続いてHOAt(DMF中の0.6ml溶液5ml、3mmol)及びDIC(1ml、6mmol)を添加した。シリンジをオービタルテーブル上で18時間攪拌した。反応をカイザーテストにより監視した。樹脂をDMF(2×30mL)で洗浄した。次に、樹脂に、30mLのDMF中20v/v%ピペリジンを添加した。シリンジをオービタルテーブル上で20分間攪拌した。この脱保護手順をもう1回繰り返し、樹脂をDMF(2×30mL)及びジクロロメタン(3×30mL)で洗浄した。
【0286】
3つのγグルタミン酸スペーサーを、各Fmoc-Glu-OtBuの二重カップリングを実施することにより導入した。したがって、以下の手順を3回適用した。
【0287】
樹脂に、30mLのDMF中の(4S)-5-tert-ブトキシ-4-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-ペンタン酸(Fmoc-Glu-OtBu)(1.275g、3mmol)溶液を添加し、続いてHOAt(5mlのDMF中0.6ml溶液、3mmol)及びDIC(1ml、6mmol)を添加した。シリンジをオービタルテーブル上で4時間攪拌した。樹脂をDMFで洗浄し(2×20mL)、カップリングをもう1回繰り返した。反応をカイザーテストにより監視した。樹脂をDMF(2×30mL)で洗浄した。次に、樹脂に、30mLのDMF中20v/v%ピペリジンを添加した。シリンジをオービタルテーブル上で20分間攪拌した。この脱保護手順をもう1回繰り返し、樹脂をDMF(3×30mL)及びジクロロメタン(3×30mL)で洗浄した。
【0288】
最後に、2.5時間のDMF(30mL)中のパルミチン酸(768mg、3mmol)、HOAt(5mlのDMF中0.6M溶液、3mmol)及びDIC(1ml、6mmol)の活性化によって、ペプチドをアシル化した。樹脂をDMF(2×30mL)及びジクロロメタン(3×30mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0289】
樹脂からのペプチドの切断は、TFA中のフェノール(6.25g)、水(6.25mL)及びTIPS(3mL)の溶液(QSP 125mL)を使用し、室温で2.5時間実施した。樹脂を濾別し、2×30mLのTFAで洗浄した。合わせた濾液を250mLの丸底フラスコに移し、T<30℃の真空下で部分的に濃縮し、100mLの氷冷MTBEを添加することによりペプチドを沈殿させ、3600rpmで30分間遠心分離した。
【0290】
次に、遠心分離したペレットを氷冷ジエチルエーテルで洗浄し、遠心分離した。このプロセスを3回繰り返した。4.3gの粗製ペプチドが得られた。0.1%のギ酸を含有するHO/CHCN(50:50v/v)の溶液に粗製ペプチドを溶解し(10mg/mL)、混合物を37℃で1時間穏やかに振盪し、部分的に濃縮し、凍結乾燥した。
【0291】
精製は、精製システムAを使用して、それぞれ350mgを10回注入して実施し、純粋な所望のペプチドを含む画分を凍結乾燥した。トリフルオロ酢酸塩としてのペプチドが白色固体として得られた。
m=428mg(17.5%)
UPLC/MS:
RT:4.98分(分析条件A)、純度99%(UV)
観察された質量m/z(イオン型):1454.5(M+3H);1091.1(M+4H);873.1(M+5H)。
【0292】
2.C.配列番号7を有するペプチドの合成
それぞれ0.2mmolのFmoc-Lys(Ac)-NH2(合計0.4mmol)に相当する、2.A.で得られた樹脂の2つのバッチを、実施例2.B.と同じ手順に従い並行して処理した。第3の(4S)-5-tert-ブトキシ-4-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-ペンタン酸(Fmoc-Glu-OtBu)をカップリングした後、重さ2.6gの合わせた樹脂バッチを50mLポリプロピレンシリンジに移した。
【0293】
次に、樹脂に、30mLのDMF中20v/v%ピペリジンを添加した。シリンジをオービタルテーブル上で20分間攪拌した。この脱保護手順をもう1回繰り返し、樹脂をDMF(3×30mL)及びジクロロメタン(3×30mL)で洗浄した。
【0294】
20mlのDCM中の塩化ステアロイル(362mg、1.2mmol)及びDIPEA(0.255ml、1.5mmol)の溶液を2.5時間かけて添加することによりペプチドをアシル化した。樹脂をDMF(2×30mL)及びジクロロメタン(3×30mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0295】
樹脂からのペプチドの切断は、TFA中のフェノール(1.5g)、水(1.5mL)及びTIPS(0.6mL)の溶液(QSP 30mL)を使用し、室温で2.5時間実施した。樹脂を濾別し、2×10mLのTFAで洗浄した。合わせた濾液を250mLの丸底フラスコに移し、T<30℃の真空下で部分的に濃縮し、100mLの氷冷MTBEを加えてペプチドを沈殿させ、3600rpmで30分間遠心分離した。
【0296】
次に、遠心分離したペレットを氷冷ジエチルエーテルで洗浄し、遠心分離した。このプロセスを3回繰り返した。720mgの粗製ペプチドを得た。精製は、精製システムBを使用して、それぞれ240mgを3回注入して実施した。純粋な所望のペプチドを含む画分を凍結乾燥した。トリフルオロ酢酸塩としてのペプチドが白色固体として得られた。
m=72mg(3.6%)
UPLC/MS:
RT:5.86分(分析条件A)、純度98%(UV)
観察された質量m/z(イオン型):1463.9(M+3H);1098.2(M+4H);878.7(M+5H)。
【0297】
2.D.配列番号6を有するペプチドの合成
0.1mmolのFmoc-Lys(Ac)-NH2に相当する、2.A.で得られた樹脂のバッチを、CEM Liberty Blueマイクロ波ペプチドシンセサイザーの反応容器に入れた。ペプチド合成は、DMF中のDIC 0.5M/Oxyma 1Mを用いて実施した。
【0298】
90℃で2分間三重カップリングを行った21位のアミノイソ酪酸及び29位のセリンを除く全てのアミノ酸を、上記と同様に90℃にて二重カップリングで導入した。Fmoc-Lys(ivDde)-OHを25位で使用した。
【0299】
ペプチド構築の最後に、樹脂を20mlのポリプロピレンシリンジに移し、ペプチドをDMF(10mL)中の無水酢酸(95μL、1mmol)及びDIPEA(174μL、1mmol)によりN末端で20分間アセチル化し、このサイクルを2回繰り返した。
【0300】
次に、リシン25側鎖のivDde保護基を、樹脂のアリコート部分の切断及びUPLC/MS分析後に出発原料が検出できなくなるまで、必要な回数だけ10mLのDMF中ヒドラジン5w/v%溶液で20分間攪拌することによって除去した。脱保護が完了したと判断したら、樹脂をDMF(5×10ml)で洗浄した。
【0301】
2つのTTDSスペーサー単位を、以下の手順を2回実施することによる単一カップリングによって導入した。樹脂に、Fmoc-TTDS-OH(163mg、0.3mmol)、HOAt(42mg、0.3mmol)及びDIC(77μL、0.5mmol)の7mL DMF溶液を添加した。シリンジをオービタルテーブル上で18時間攪拌した。反応をカイザーテストにより監視した。必要に応じて、二重カップリングを実行した。樹脂をDMF(2×10mL)で洗浄した。次に、樹脂に、10mLのDMF中20v/v%ピペリジンを添加した。シリンジをオービタルテーブル上で20分間攪拌した。この脱保護手順をもう1回繰り返し、樹脂をDMF(2×10mL)及びジクロロメタン(3×10mL)で洗浄した。
【0302】
3つのγグルタミン酸スペーサーを、各Fmoc-Glu-OtBuの二重カップリングを実施することにより導入した。したがって、以下の手順を3回適用した。
【0303】
樹脂に、7mLのDMF中の(4S)-5-tert-ブトキシ-4-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-ペンタン酸(Fmoc-Glu-OtBu)(127mg、0.3mmol)、HOAt(42mg、0.3mmol)及びDIC(77μL、0.5mmol)の溶液。シリンジをオービタルテーブル上で18時間攪拌した。反応をカイザーテストにより監視した。樹脂をDMF(2×10mL)で洗浄した。次に、樹脂に、10mLのDMF中20v/v%ピペリジンを添加した。シリンジをオービタルテーブル上で20分間攪拌した。この脱保護手順をもう1回繰り返し、樹脂をDMF(3×10mL)及びジクロロメタン(3×30mL)で洗浄した。
【0304】
最後に、ペプチドを、5mlのDCM中の塩化ステアロイル(62mg、0.2mmol)及びDIPEA(54μL、0.3mmol)を用いて2.5時間にわたりアシル化した。樹脂をDMF(2×30mL)及びジクロロメタン(3×30mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0305】
樹脂からのペプチドの切断は、TFA中のフェノール(0.5g)、水(0.5mL)及びTIPS(0.2mL)の溶液(QSP 10mL)を使用し、室温で2.5時間実施した。樹脂を濾別し、2×4mLのTFAで洗浄した。合わせた濾液を100mLの丸底フラスコに移し、T<30℃の真空下で部分的に濃縮し、50mLの氷冷MTBEを加えてペプチドを沈殿させ、3600rpmで30分間遠心分離した。
【0306】
次に、遠心分離したペレットを氷冷ジエチルエーテルで洗浄し、遠心分離した。このプロセスを3回繰り返した。240gの粗製ペプチドを得た。精製システムBを使用して精製を実施し、純粋な所望のペプチドを含む画分を凍結乾燥した。トリフルオロ酢酸塩としてのペプチドを白色固体として得た。m=38mg(8%)UPLC/MS:RT:5.40分。(分析条件A)、純度97%(UV)観察された質量m/z(イオン型):1376.1(M+3H);1032.0(M+4H);826.0(M+5H)。
【0307】
2.E.配列番号20を有するペプチドの合成
この化合物は、3つのTTDSをリシン25側鎖に導入したことを除いて、実施例2.Dで使用したものと同じ手順に従って得られた。
【0308】
したがって、0.1mmolのFmoc-Lys(Ac)-NH2に相当する、2.A.で得られた250mgの樹脂から白色固体を得た。m=20mg(4.5%)UPLC/MS:RT:5.44分。(分析条件A)、純度99%(UV)観察された質量m/z(イオン型):2215.0(M+2H);1476.8(M+3H);1107.9(M+4H);886.7(M+5H)。
【0309】
2.F.配列番号22を有するペプチドの合成
この化合物は、Fmoc-Lys(Dde)-OHの代わりにFmoc-Lys(Aloc)-OHを25位(X25)で使用したことを除いて、実施例2.B.で使用したものと同じ手順に従って得られた。
【0310】
したがって、0.1mmolのFmoc-Lys(Ac)-NH2に相当する、2.A.で得られた250mgの樹脂を、N末端アセチル化工程まで2.B.におけるように処理した。
【0311】
2mlの脱気DCM中1ml(8.33mmol)のフェニルシランの溶液、及び4mlのDCM中10mg(25.96μモル)のテトラキス-(トリフェニルホスフィン)パラジウムの溶液を、アルゴン雰囲気下で樹脂に添加することにより、Lys25側鎖のAloc基を除去した。樹脂をオービタルテーブル上で60分間振盪し、反応媒体を新鮮な試薬と2回交換し、各回で60分間振盪した。
【0312】
反応が完了したら、樹脂をジクロロメタン、DMF中1%DIEA、DMF中5%ジエチル-ジチオ-カルバメート、DMF、DMF中10%DIEA、DMF及びジクロロメタンで洗浄した(それぞれ3回)。
【0313】
3つのPEGDGAスペーサー単位を、以下の手順を3回実施することによる単一カップリングによって導入した。樹脂に、8mLのDCM中のFmoc-PEGDGA-OH(170mg、0.3mmol)の溶液を添加し、続いてHOAt(DMF中の0.6ml溶液0.5ml、0.3mmol)及びDIC(100μl、0.642mmol)を添加した。シリンジをオービタルテーブル上で18時間攪拌した。反応をカイザーテストにより監視した。樹脂をDMF(2×10mL)で洗浄した。次に、樹脂に、10mLのDMF中20v/v%ピペリジンを添加した。シリンジをオービタルテーブル上で20分間攪拌した。この脱保護手順をもう1回繰り返し、樹脂をDMF(2×30mL)及びジクロロメタン(3×30mL)で洗浄した。
【0314】
3つのγグルタミン酸スペーサーを、各Fmoc-Glu-OtBuの二重カップリングを実施することにより導入した。したがって、以下の手順を3回適用した。
【0315】
樹脂に、8mLのDMF中の(4S)-5-tert-ブトキシ-4-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-ペンタン酸(Fmoc-Glu-OtBu)(0.13g、0.3mmol)溶液を添加し、続いてHOAt(0.5mlのDMF中0.6ml溶液、0.3mmol)及びDIC(0.1ml、0.6mmol)を添加した。シリンジをオービタルテーブル上で4時間攪拌した。樹脂をDMFで洗浄し(2×20mL)、カップリングをもう1回繰り返した。反応をカイザーテストにより監視した。樹脂をDMF(2×10mL)で洗浄した。次に、樹脂に、10mLのDMF中20v/v%ピペリジンを添加した。シリンジをオービタルテーブル上で20分間攪拌した。この脱保護手順をもう1回繰り返し、樹脂をDMF(3×30mL)及びジクロロメタン(3×30mL)で洗浄した。
【0316】
最後に、2.5時間のDMF(10mL)中のパルミチン酸(80mg、0.3mmol)、HOAt(0.5mlのDMF中0.6M溶液、3mmol)及びDIC(0.1ml、6mmol)の活性化によって、ペプチドをアシル化した。樹脂をDMF(2×30mL)及びジクロロメタン(3×30mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0317】
樹脂からのペプチドの切断は、TFA中のフェノール(0.5g)、水(0.5mL)及びTIPS(0.25mL)の溶液(QSP 10mL)を使用し、室温で2.5時間実施した。樹脂を濾別し、2×5mLのTFAで洗浄した。合わせた濾液を250mLの丸底フラスコに移し、T<30℃の真空下で部分的に濃縮し、100mLの氷冷MTBEを添加することによりペプチドを沈殿させ、3600rpmで30分間遠心分離した。
【0318】
次に、遠心分離したペレットを氷冷ジエチルエーテルで洗浄し、遠心分離した。このプロセスを3回繰り返した。220mgの粗製ペプチドを得た。
【0319】
精製システムBを使用して精製を実施した。純粋な所望のペプチドを含む画分を凍結乾燥した。トリフルオロ酢酸塩としてのペプチドが白色固体として得られた。
m=37mg(8%)
UPLC/MS:
RT:4.99分。(分析条件A)、純度99%(UV)
観察された質量m/z(イオン型):2205.2(M+2H);1470.5(M+3H);1103.1(M+4H);882.7(M+5H)。
【0320】
2.G.結果
配列番号1~32、34~37、39、44、45、47~49、51、及び54~97を用いて得られた結果を以下の表1に示す。
【表5-1】


【表5-2】

【表5-3】

条件Aは以下のとおりである。
-カラム:Acquity Peptide CSH、C18、130Å、2.1×100mm、1.7um;
-カラム温度:50℃;流速=0.6ml/分;
-溶媒A:HO中0.1%のTFA;
-溶媒B:CHCN中0.1%のTFA;
-勾配:0~1分はB=2%、1~7分でB=2%~70%、7~8分でB=70%~100%;
-UV検出器:波長:220nm;MS取得:ESI+200~3000uma。
条件Bは以下のとおりである。
-カラム:Acquity BEH C18、130Å、2.1×50mm、1.7μm
-カラム温度60℃;
-流速0.6ml/分 溶媒A:H2O中0.05%のTFA 溶媒B:CHCN中0.05%のTFA
-勾配:0~1分はB=2%、1~16分でB=2%~100%、16~17分でB=100%
-UV検出器:波長:220nm;MS取得:ESI+200~3000uma
条件Cは以下のとおりである。
-カラム:ACQUITY BEH C4、130Å、2.1×50mm、1.7μm;
-カラム温度 45℃;
-流速:0.4ml/分;
-溶媒A:HO中0.1の%TFA;溶媒B:CHCN中0.05%のTFA
-勾配:0~1分間はB=30%、1~5分間でB=30%~50%、5~6分間でB=80%
-UV検出器:波長:220nm;MS取得:ESI+200~3000uma
条件Dは以下のとおりである。
-カラム:Acquity Peptide CSH、C18、130Å、2.1×150mm、1.7um;
-カラム温度60℃;
-流速=0.4ml/分;
-溶媒A:HO中0.1%のTFA;溶媒B:CHCN中0.1%のTFA;
-勾配:0~1分間はB=2%、1~14分間でB=2%~70%、14~16分間でB=70%~100%;
-UV検出器:波長:220nm;MS取得:ESI+200~3000uma。
【0321】
以下のリラキシンペプチド類似体は、上記のとおりにそれぞれ調製することができる(配列番号33、38、40、41、43、46、50、52、及び53)。
【0322】
実施例3:RXFP1受容体上でのリラキシンペプチド類似体のインビトロ分析(OVCAR5 cAMPアッセイ)
A.方法
内因性ヒトRXFP1を発現するOVCAR5細胞を使用して、リラキシンペプチド類似体、特に配列番号1~97の配列のペプチドのRXFP1アゴニスト特性をテストした。
【0323】
RXFP1はGs共役GPCRであるため、cAMPの増加をRXFP1活性化の読み取り値として使用した。
【0324】
イソブチルメチルキサンチン(IBMX)を使用して、ホスホジエステラーゼ活性を阻害し、cAMP測定を容易にした。HTRF(ホモジニアス時間分解蛍光)技術は、高感度であるため、cAMPの検出に使用した。
【0325】
要約すると、OVCAR5を、10%ウシ胎仔血清(FCS)及び1%抗生物質(ペニシリン/ストレプトマイシン)を含有する通常の培地(RPMI)中で増殖させた。
【0326】
実験前に、細胞をアキュターゼで剥離し、1mMの(3-イソブチル-1-メチルキサンチン)IBMXと共に37℃で40分間インキュベートした。
【0327】
次に、細胞を、一定容量の培地(FCSなし)に漸増濃度の種々のペプチドを含有する384ブラックウェルプレート内に分配した。
【0328】
湿潤インキュベーター内の5%CO中、37℃で30分インキュベーションした後、溶解緩衝液及びcAMP-D2(色素d2で標識したcAMP)、ならびにユーロピウムに連結し、cAMP検出に使用した抗cAMP抗体を含有する一定容量の溶液を添加して、反応を停止した。
【0329】
実験の読み取りは、HTRF測定を可能にする蛍光光度計上で実行された。活性化曲線は、化合物濃度のlog10に対するcAMPの細胞内値をプロットすることによって生成した。
【0330】
50%活性化濃度(EC50)は、Prism 5ソフトウェアを用いたシグモイド用量反応(可変勾配)方程式を用いた非線形回帰によって計算した。
【0331】
Emax%は、試験化合物のcAMPの最大細胞内値(cAMPの上限対濃度曲線)を、同じ試験機会に決定したヒトリラキシン2(H2-R1x)のcAMPの最大細胞内値で割り、100を乗じて決定した。
【0332】
Emax%=100×[cAMPtest cpd]/[cAMPH2-R1x
【0333】
B.結果 リラキシンペプチド類似体を用いて得られた結果を以下の表2に示す。
【表6-1】

【表6-2】

【表6-3】
【0334】
本明細書に記載のリラキシンペプチド類似体は、ヒトRXFP1の強力なアゴニストであり、インビトロOVCAR5 cAMPアッセイにおいて、天然のヒトリラキシン2に匹敵する一貫して高いEmax値を有する。
【0335】
同じ実験を、B7-33 C11.23S、AcB7-33 C11.23S、及びKKKK(AcB7-29 C11.23S)の名称で知られる従来技術(参照によりその全体が援用されるBathgate et al.の国際公開第2015/157829号パンフレット)のペプチドを用いて実施した。
【0336】
以下のOVCAR5 cAMPアッセイにおけるEC50の結果は、これらの3つのペプチドについて得られた。
【表7】
上記で実証したように、表2のリラキシンペプチド類似体は、非常に興味深いRXFP1アゴニスト特性を有し、RXFP1の活性化に非常に効果的である。更に、これらの全てが、従来技術のペプチドよりも著しくかつ予想外に優れている。
【0337】
実施例4:リラキシンアゴニストの安全性、忍容性を評価し、薬物動態及び薬力を測定するための、健康な志願者における第1相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、単回及び複数回漸増用量範囲試験
この実施例では、リラキシンアゴニスト(すなわち、配列番号3のリラキシンペプチド類似体)の安全性、忍容性、PK、及びPDを評価するための、第1相、無作為化、二重盲検、パセボ(pacebo)対照試験について説明する。
【0338】
研究設計及び研究の安全性結果
SADのAの部は、最大5つのコホート(コホートA1~A5)に順次登録された合計40人の対象(1コホートあたりn=8、リラキシンアゴニストに6人、プラセボに2人)に対するSAD研究であった。4つのコホートはSC注射のみによって用量を投与され、1つのコホート(コホートA2、4.0mg)はSC注射及びIV注射の両方によって投与され、SC注射とIV注射との間に少なくとも2週間のウォッシュアウト期間を設けた。4.0mg投与コホート(コホートA2)は、12.0mgのSCコホート(コホートA3)が完了した後でIV用量を投与された。各コホートの対象は、以下のとおり5つの用量レベル(1.0mg、4.0mg、12.0mg、24.0mg、及び48.0mg)のうちの1つ、または一致するプラセボを投与された。
● コホートA1:1.0mgのリラキシンアゴニスト(n=6)または対応するプラセボ(n=2)の単回SC用量
● コホートA2:期間1 4.0mgのリラキシンアゴニスト(n=6)または対応するプラセボ(n=2)の単回SC用量
● コホートA2:期間2 4.0mgのリラキシンアゴニスト(n=6)または対応するプラセボ(n=2)の15分間の単回IV用量
● コホートA3:12.0mgのリラキシンアゴニスト(n=6)または対応するプラセボ(n=2)の単回SC用量
● コホートA4:24.0mgのリラキシンアゴニスト(n=6)または対応するプラセボ(n=2)の単回SC用量
● コホートA5:48.0mgのリラキシンアゴニスト(n=6)または対応するプラセボ(n=2)の単回SC用量
【0339】
この最初のヒト研究では、最適な安全性を確保するために、全てのSADコホートの対象がセンチネル投与設計に従って投与された。これは、最初に2人の対象が投与されたことを意味する(1人の対象にはリラキシンアゴニストを、及びもう1人の対象にはプラセボを)。最低用量レベル(コホートA1)で、最初の対象に対する投与から最初の48時間後の安全性及び忍容性の結果が治験責任医師に承認され得るものであった場合は、他の6人の対象(5人が実薬、1人がプラセボ)も投与されることになった。コホートA2~A5では、コホートの残りの対象に投与する前に、最初の2人の対象における用量投与から最初の24時間後の安全性及び忍容性の結果を評価した。
【0340】
研究のMADのBの部では、合計24人の対象(1コホートあたりn=8、リラキシンアゴニストに6人、プラセボに2人)が順次登録され(コホートB1~B3)、コホート内の対象は並行して登録された。コホートB1~B3は、以下の3つのSC用量(1日1回(QD)の5.0mg、15.0mg、30.0mg)のうちの1つを投与される。
● コホートB1:5.0mgのSCリラキシンアゴニスト(n=6)または対応するプラセボ(n=2)のQDを14日間
● コホートB2:15.0mgのSCリラキシンアゴニスト(n=6)または対応するプラセボ(n=2)のQDを14日間
● コホートB3:30.0mgのSCリラキシンアゴニスト(n=6)または対応するプラセボ(n=2)のQDを14日間
【0341】
要約すると、Aの部では、1.0mg、4.0mg、12.0mg、24mg、及び48mgの単回皮下(sc)用量と、4.0mgの単回静脈内(iv)用量とが投与された。全ての用量は忍容性が高く、かつ安全であった。報告された有害事象は全て軽度(グレード1)であり、大半が自然に解消された。最も頻繁に報告された有害事象には、注射部位の紅斑、注射部位のかゆみ、及び注射部位の灼熱感が含まれ、全てが治験薬に関連すると報告された。
【0342】
Bの部では、単回及び複数回の1日1回の皮下用量5.0mg、15.0mg、及び30mgを14日間投与した。全ての用量は忍容性が高く、かつ安全であった。報告された有害事象は全て軽度(グレード1)であり、大半が自然に解消された。最も頻繁に報告された有害事象には、注射部位の紅斑、注射部位のかゆみ、及び注射部位の灼熱感が含まれ、全てが治験薬に関連すると報告され、全て急速に(大半は同日中に)消散した。
【0343】
研究の臨床薬物動態
リラキシンアゴニストを単回漸増用量で皮下(sc)投与した後の予備的なPK結果を表4に要約する。12mgのリラキシンアゴニストの用量までは、曝露は用量に比例して増加した。24mg及び48mgのSC投与後に、用量比例よりも高い曝露が観察された(予想より約15%高い)。
【表8】
【0344】
4mgのリラキシンアゴニストの単回静脈内(iv)用量後の予備的なPK結果を表5に要約する。iv投与後に観察されたCmax及びAUCinfは、sc投与と比較して約3.5倍及び1.3倍高かった。したがって、sc投与後、絶対的バイオアベイラビリティ(F)は約0.76である。
【表9】
【0345】
リラキシンアゴニストを単回及び複数回漸増用量で皮下(sc)投与した後の予備的なPK結果を表6に要約する。全ての用量レジメン(5mg、15mg、及び30mg)で、14日目に約2.6倍の蓄積が観察された。曝露は、リラキシンアゴニスト30mgの用量レジメンまでは用量に比例して増加した。最終半減期は23~24時間あたりで観察された。
【表10】
【表11】
【0346】
腎血漿流量(PAH)
腎血漿流量(RPF)の測定値は、パラアミノ馬尿酸(PAH)クリアランスに基づいて概算された。PAH測定は、MAD(Bの部)研究でのみ実施された。ベースライン測定は1日目に行われ、13日目の測定は投与前-2.5、-1、及び-0.5時間、ならびに投与後4、5.5、及び6時間に行われ、これは予測されたTmaxであった。
【0347】
図3A及び3Bが参照され、これらは、リラキシンアゴニスト投与後のベースライン有効腎血漿流量からの変化を示す。リラキシンアゴニストまたはプラセボを複数回投与した後で、PAHバイオマーカーを使用して評価したRPFは、実薬用量群でプラセボと比較して増加する傾向があり、全ての治療群で投与前13日目と比較した投与後13日目の効果がより顕著であった。
【0348】
5mg QD~30mg QDの複数回投与後のPAHクリアランスのベースライン値からの変化は、投与前13日目では118mL/分~187mL/分で変化し、投与後13日目では212mL/分~223mL/分で変化した。用量に関連するPAHクリアランスのベースラインからの変化に明確な傾向は存在しなかった。プラセボ群におけるPAHクリアランスのベースラインからの変化は実薬群と比較して低く、ベースラインPAHクリアランスからの変化は、投与前13日目で40mL/分であり、投与後13日目で13mL/分であった。PAHクリアランスと一致して、実効RPF(eRPF)は、プラセボ群と比較して実薬用量群で高く、用量との明確な関係はなかった。
【0349】
研究設計及び研究の安全性結果
この研究は、重度の腎障害のある対象及び正常な腎機能を有した対応する対象における、非盲検、第1相、多施設、単回用量研究である。この予備評価には、重度の腎障害のある5名の対象及び正常な腎機能を有した2名の対象が含まれていた。
【0350】
1名の対象で2件の有害事象(動悸及び頭痛)が報告された。1名の対象が、おそらく治験薬に関連するグレード1(軽度)の動悸を報告した。ECGを実施したが、臨床的に有意な異常はなかった。治験薬に対していかなる措置も取られず、事象は自然に消散した。同じ対象はグレード1の頭痛も報告したが、関連性はなく、治験薬に対していかなる措置も取られなかった。この事象も自然に消散した。要約すると、重度の腎障害のある5名の対象及び正常な腎機能を有した2名の対象に、4.0mgのリラキシンアゴニストの単回皮下用量が投与された。全ての用量は忍容性が高く、かつ安全であった。対象者における2件のAEが報告され、いずれもグレード1(軽度)であり、自然に消散した。
【0351】
研究の臨床的薬物動態
この研究は、重度の腎障害のある対象及び正常な腎機能を有した対応する対象における、第1相、多施設、単回用量研究である。重度の腎障害のある5名の対象及び正常な腎機能を有した2名の対象が含まれていた。PKサンプリングは、投与前、ならびに投与後1、2、3、4、6、8、10、12、24、48、72、96及び120時間後に実施した。
【0352】
重度の腎障害のある群の平均Cmaxは391.8ng/mLである。正常群の平均Cmaxは302.0であり、4mg後のSAD研究では355.7であった。平均AUCinfでは、正常群と比較し、またSAD4mg群と比較すると、重度の腎障害群において同様の増加が見られる。平均Cmaxは、10~30%の増加がある。平均AUCinfは、14~31%の増加がある。

【表12】
【0353】
実施例5:テルリプレシンと組み合わせたリラキシンアゴニストの安全性、忍容性、有効性、及び薬物動態を評価する第II相試験
この実施例では、肝腎症候群(HRS)-急性腎臓損傷(AKI)の患者における、安全性ランイン後の無作為化、単一盲検対照、2群、多施設試験について説明する。この無作為化単一盲検実薬対照試験の目的は、HRS-AKIの患者の治療における、テルリプレシンと組み合わせたリラキシンアゴニスト(すなわち、配列番号3のリラキシンペプチド類似体)の安全性及び有効性を、テルリプレシンのみと比較して評価することである。有効性は、確立された肝腎症候群(HRS)の逆転という主要評価項目を通じて評価される。他の重要な有効性パラメータも評価される。安全性データが収集され、リラキシンアゴニストの全体的な安全性評価に組み込まれる。
【0354】
この研究では、奏効者はInternational Club of Ascites(ICA)の基準に従って定義される。完全奏効者は、2つの血清クレアチニンレベルが、少なくとも2時間間隔で、ベースライン血清クレアチニン値の0.3mg/dL(26.5マイクロモル/L)以内の値に戻ることとして定義される。部分奏効者は、ベースライン血清クレアチニン値よりも0.3mg/dL以上高い血清クレアチニン減少を伴う、少なくとも1つの急性腎臓損傷(AKI)ステージの退行として定義される。確立されたHRSの逆転(臨床的奏効者)とは、血清クレアチニンレベル及びAKIステージに基づいて完全奏効または部分奏効を有する患者として定義され、最初の治療開始から少なくとも30日間は腎移植療法(RRT)なしで生存する。
【0355】
研究の主な目的は以下を含む。
● テルリプレシンのみと対比したテルリプレシンとの組み合わせのリラキシンアゴニストの忍容性と安全性を評価すること。
● 奏効患者の数に基づいて、テルリプレシンのみと対比したリラキシンアゴニストとテルリプレシンとの組み合わせの有効性を評価すること(完全奏効及び部分奏効を別個の転帰尺度として考慮し、これらを単一の群で組み合わせる、確立されたHRS逆転の奏効者率)。
● テルリプレシン非奏効者におけるテルリプレシンにリラキシンアゴニストを追加することの有効性を評価すること。
【0356】
研究の副次的な目的は以下を含む。
● 30日、60日、及び90日目における死亡率に対する、テルリプレシンのみと対比したリラキシンアゴニストとテルリプレシンとの組み合わせの有効性を評価すること。
● 30日、60日、及び90日目における肝移植率に対する、テルリプレシンのみと対比したリラキシンアゴニストとテルリプレシンとの組み合わせの有効性を評価すること。
● 30日、60日、及び90日目におけるRRTの出現率に対する、テルリプレシンのみと対比したリラキシンアゴニストとテルリプレシンとの組み合わせの有効性を評価すること。
● SCr/AKIステージ(総奏効=完全奏効+部分奏効、完全奏効、または部分奏効)に基づいて、HRS奏効に対する、テルリプレシンのみと対比したリラキシンアゴニストとテルリプレシンとの組み合わせの有効性を評価すること。
● 確立されたHRS逆転の持続性(45日、60日、及び90日目までに奏効があり、かつRRTがない患者数)に対する、テルリプレシンのみと対比したリラキシンアゴニストとテルリプレシンとの組み合わせの有効性を評価すること。
● HRSの再発に対する、テルリプレシンのみと対比したリラキシンアゴニストとテルリプレシンとの組み合わせの有効性を評価すること。
● 急性もしくは慢性肝不全(ACLF)のステージ3への悪化、またはACLFステージの低減に対する、テルリプレシンのみと対比したリラキシンアゴニストとテルリプレシンとの組み合わせの有効性を評価すること。
● 30日、60日、及び90日目における末期肝疾患モデル(MELD)スコアの変化に対する、テルリプレシンのみと対比したリラキシンアゴニストとテルリプレシンとの組み合わせの有効性を評価すること。
● SCr/AKIステージ、及び患者が(治療開始から30日間の代わりに)HRS奏効の達成から10日後にRRTなしで生存していることに基づく完全及び部分HRS奏効を示した患者数に対する、テルリプレシンのみと対比したリラキシンアゴニストとテルリプレシンとの組み合わせの有効性を評価すること。
【0357】
研究の探索的な目的は以下のものを含む。
● 血清及び尿のバイオマーカー(シスタチンC、エンドセリン-1、フォンウィルブランド因子(vWF)、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)、及び腎臓損傷分子-1(KIM1))のベースラインからの変化を評価すること。
● リラキシンアゴニストとテルリプレシンとの組み合わせの集団薬物動態(PK)を評価すること。
【0358】
研究設計
これは、肝腎症候群-急性腎臓損傷(AKI)の患者における、安全性ランイン後の無作為化、単一盲検対照、2群、多施設試験である。ここで、図4を参照すると、テルリプレシンと組み合わせたリラキシンアゴニストの安全性、忍容性、有効性、及び薬物動態を評価する第II相試験の例示的な研究設計が示される。
【0359】
図4に示すように、研究は以下で構成される。
A.3つの患者コホートによる非盲検安全性ランインの部、それに続く、
B.並行して治療を受けた2つの患者コホートによる単盲検プラセボ対照無作為化の部、及び
C.非盲検テルリプレシン非奏効者コホート。
【0360】
全てのコホートの全ての患者はテルリプレシンで治療され、6時間ごとに1mgのボーラスIV注入が施され、臨床的に適切な場合は6時間で最大2.0mgの注入まで増量される。テルリプレシンの投与は、血清クレアチニン(SCr)/AKIステージに基づくHRS奏効(部分奏効または完全奏効のいずれか)の達成から24時間後まで、または14日目まで継続するべきである。
【0361】
ここで図5を参照すると、図4に示される全体的な研究設計のうち非盲検安全性ランインの部の設計が示される。ここでは、3人の患者からなる3つの初期コホート(図4ではコホート1、2、及び3と標識されている)のそれぞれが、テルリプレシンとリラキシンアゴニストとの組み合わせで非盲検治療されて、その安全性が確認される。
【0362】
コホート1(N=3)は、テルリプレシン及び1.0mgのリラキシンアゴニストを4時間かけてiv投与され、次にiv開始の12時間後に2.5mgのリラキシンアゴニストをsc投与され、24時間目に2.5mgのリラキシンアゴニストをsc投与され、その後はSCr/AKIステージに基づくHRS奏効(部分または完全のいずれか)の達成から24時間後まで、または14日目までは1日1回投与される。コホート1はコホート2が開始する前に投与を終了する。
【0363】
コホート2(N=3)は、テルリプレシン及び2.0mgのリラキシンアゴニストを4時間かけてIV投与され、次にIV開始から12時間後に5.0mgのリラキシンアゴニストをSC投与され、24時間目に5.0mgのリラキシンアゴニストをSC投与され、その後は同じ用量を、SCr/AKIステージに基づくHRS奏効(部分または完全のいずれか)の達成から24時間後まで、または14日目まで1日1回投与される。コホート2はコホート3が開始する前に投与を終了する。
【0364】
コホート3(N=3)は、テルリプレシン及び4.0mgのリラキシンアゴニストを4時間かけてIV投与され、次にIV開始から12時間後に5.0mgのリラキシンアゴニストをSC投与され、24時間目に10.0mgのリラキシンアゴニストをSC投与され、その後は同じ用量(10.0mg)を、SCr/AKIステージに基づくHRS奏効(部分または完全のいずれか)の達成から24時間後まで、または14日目まで1日1回投与される(すなわち、試験の無作為化の部でコホート4に対して用いられるものと同じ用量及びスケジュール)。
【0365】
コホート3は、Bの部(単盲検プラセボ対照無作為化の部)の開始前に投与を終了する。コホート1、2、及び3における様々なリラキシンアゴニスト用量スケジュールの安全性と忍容性に基づいて、SRCはコホート4及び5に進められる適切なリラキシンアゴニスト用量スケジュールを決定する。このリラキシンアゴニストのスケジュールは、コホート1、2、または3からの3つの治療スケジュールのうちの1つである。
【0366】
ここで図6を参照すると、図4に示す全体的な研究設計のうちの単盲検プラセボ対照無作為化治療の部の設計が示される。非盲検安全性ランインの部(図5に示す)の終了後、及び適切なリラキシンアゴニストの用量スケジュールが決定された後で、約80名の患者が、リラキシンアゴニスト及びテルリプレシン(コホート4)、またはテルリプレシン及びプラセボ(コホート5)に1:1で無作為化される。
無作為化の際に、患者は、全身性炎症反応症候群(SIRS)の有無によって層別化されるが、これは、SIRS患者がSIRSのない患者よりもテルリプレシンに対する奏効が良好であるためである。
【0367】
リラキシンアゴニストの最高用量スケジュール(コホート3で調査された)が安全かつ忍容性が高い場合に限り、リラキシンアゴニストは、初日に4時間にわたる4.0mgの注入としてコホート4の患者に投与され、続いて注入開始から12時間後に5.0mgがSC投与され、続いて24時間の時点で10.0mgがSC投与され、その後はSCr/AKIステージに基づくHRS奏効(部分または完全のいずれか)の達成から24時間後まで、または14日目まで1日1回投与される。
【0368】
コホート4の患者は、より低い用量スケジュールで治療される場合がある。コホート5では、患者はコホート4と同じスケジュールでIVテルリプレシン及びIV/SCプラセボを投与される。
【0369】
ここで図7を参照すると、図4に示される全体的な研究設計のうちの非盲検テルリプレシン非奏効者の部の設計が示される。コホート5においてテルリプレシンに奏効しない患者は中止される。中止後、患者はコホート6(テルリプレシン非奏効者の部)に入り、コホート4と同じ用量及びスケジュールでリラキシンアゴニストの投与を受けることができる。コホート5以外の全てのコホートの患者はコホート6に入ることができない。テルリプレシンの非奏効者は以下のように定義される。4日目に、血清クレアチニンの改善が10%未満であるか、あるいはベースライン以上のレベルである場合、患者は非奏効者とみなされ、コホート5から脱落する。これらの患者はコホート6に入る資格がある。全ての患者はアルブミンによる標準治療を投与される。
【0370】
試験対象患者基準
患者は、以下の試験対象患者基準に従って研究参加の適格性を評価される。
1. AKIステージ2または3(表11を参照;AKIは以下のいずれかによって定義される。1)48時間以内のSCr(SCr)≧0.3mg/dl(または≧26.5マイクロモル/L)の増加、または2)過去7日以内に発生したことが判明しているか、もしくは推定されている、ベースラインSCrの≧50%の増加。
2. QLY SCrが≧1.5mg/dlである。
3. 48時間利尿薬を中止し、アルブミンによる血漿量の増加を開始した後、腎機能の持続的な改善が見られない(SCrの20%未満の減少、及びSCr=>1.5mg/dL)。
4. 女性患者及び男性患者の女性パートナーは、研究期間中(>90日)は妊娠を避ける必要がある。
【0371】
除外基準
以下の除外基準のいずれかを満たす患者は、研究に参加する資格がない。
1. 治験責任医師が研究への参加を妨げると判断した重大な併存疾患。
2. QLY SCrレベルが>5mg/dLである。
3. AKIステージ1
4. ACLFステージ3。
5. 末期肝疾患(MELD)スコアが>35のモデル。
6. 無作為化前の4日間の間に>4リットルの大量穿刺(LVP)が少なくとも1回発生した。
7. 腎毒性薬(例、アミノグリコシド、アンホテリシン、シクロスポリン、NSAIDS(例、イブプロフェン、ナプロキセン、セレコキシブ)による現在または最近(4週間以内)の治療、X線造影剤への重大な曝露(ヨウ素化造影剤の大量のまたは複数回の注射)。
8. 平均動脈血圧(MAP)≦70mmHgまたは収縮期血圧≦90mmHgを伴うショック(血液量減少性、心原性、または血管拡張性/分布異常性ショック)及び低灌流。
9. 迅速敗血症関連臓器不全評価(quick sepsis-related organ dysfunction assessment、qSOFA)スコアで測定した敗血症または制御不能な細菌感染(例えば、持続性の菌血症,持続性の腹水白血球増加症、発熱、血管運動不安定を伴う白血球増加)。
10. 感染が確認された場合、または感染が疑われる場合の抗感染症治療は2日間未満。
11. アルコール性肝炎を除く、薬物、薬草調合剤、または栄養補助食品によって引き起こされる混合型(superimposed)急性肝障害。
12. 推定される平均余命は5日未満。
13. タンパク尿>500mg/日。
14. 尿細管上皮円柱、ヘム顆粒円柱。
15. 血尿または微小血尿(高倍率視野あたり50個超の赤血球)。
16. 既知の慢性構造疾患(例、糖尿病性腎症または高血圧性腎症)がない場合を除く異常な腎臓超音波検査。
17. 現在または最近(4週間以内)の腎移植療法(RRT)。
18. 不安定狭心症、肺水腫、薬物療法の用量増加が必要なうっ血性心不全、持続性の症候性末梢血管疾患、または治験責任医師が重篤と判断した任意の他の心血管疾患が挙げられるがこれらに限定されない重度の心血管疾患及び肺疾患。
19. 機能していない、または閉塞していることが分かっている場合を除く、経頸静脈性肝内全身シャント(TIPS)。
20. スクリーニング前の48時間のみ使用される場合を除く、ミドドリンを含む昇圧剤の継続使用。この場合、無作為化の前に8時間のウォッシュアウト期間が用いられる。
21. テルリプレシンまたは研究治療の他の成分に対する既知のアレルギーまたは過敏症。
22. 治験責任医師の意見において対象が任意の理由(併存疾患、治験来院、処置、または薬剤投与の不遵守歴を含むがこれらに限定されない)により治験の参加に適さない。
23. 出産能力のある女性(避妊手術を受けていない、または閉経後少なくとも1年が経過していない女性)は、セクション11.3に記載される適切な避妊法を使用することに同意しない限り研究への参加から除外される。
24. 不妊手術歴がなく、その女性パートナーに妊娠の可能性がある男性は、インフォームドコンセントフォーム(ICF)への署名時から治験薬の最終投与後90日までの期間、非常に効果的な避妊方法を使用することに同意しなければならない。男性患者は、研究中にそのパートナーが妊娠した場合は直ちに治験責任医師に通知することに同意しなければならない。
【0372】
研究治療
研究設計の様々なコホートの治療の詳細を以下の表9に示す。

【表13】
【0373】
全てのコホートにわたるテルリプレシンの用量投与に関して、全てのコホート(1~6)の全ての患者は、6時間ごとに1.0mgのボーラスIV注入(2分間で1mg)として投与されるテルリプレシンで治療される。テルリプレシンの投与は、SCr/AKIステージに基づくHRS奏効(部分または完全のいずれか)の達成から24時間後まで、または14日目まで継続するべきである。
【0374】
全てのコホートにわたるテルリプレシン用量の修正に関して、3日目(2日間のテルリプレシン治療後)にSCrがQLY SCrの25%未満(すなわち、患者が無作為化されたときのSCr値の25%未満)に減少した場合、かつテルリプレシンが許容できる安全性を示す場合、テルリプレシンを1日あたり8.0mg(すなわち、6時間ごとに2.0mg)まで増量してよい。冠状動脈疾患のある患者においては、または循環過負荷、肺水腫、もしくは気管支けいれんがある場合は、用量を増やすべきではない。有害事象(AE)のために投与を中断した場合、治験責任医師の判断により、プロトコルに従い同量以下の用量でテルリプレシンを再開してもよい。AEが心虚血または腸間膜虚血からなる場合、投与を再開すべきではない。
【0375】
テルリプレシン非奏効者の定義(コホート5にのみ適用される)に関して、4日目にSCrがQLY SCrの10%未満に減少しているか、またはQLY SCrと同等以上のレベルである場合、患者は非奏効者とみなされ、コホート5から脱落する。これらの患者はコホート6に入る資格がある。
【0376】
テルリプレシンとリラキシンアゴニストとの組み合わせ治療に関して、テルリプレシンがリラキシンアゴニストと組み合わせて投与されるコホート(コホート1、2、3、4、及び6)では、最初のリラキシンアゴニストの投与は、最初のテルリプレシン投与の直後に開始される。リラキシンアゴニストは、SCr/AKIステージに基づくHRS奏効(部分または完全のいずれか)の達成から24時間後まで、または14日目まで投与されるべきである。
【0377】
前治療期間(コホート1、2、3、4、及び5)
前治療期間は治験薬の投与前に生じ、ベースライン評価の実施及び過去の投薬情報の収集が含まれる。適格なSCr値(利尿剤の中止及びアルブミン液負荷開始の両方から少なくとも48時間後のSCr値)は、QLY SCr値と考えられ、治験薬開始の8時間以内に導出される。QLY SCr値は≧1.5mg/dLであるべきである。無作為化及び治験薬開始前の8時間以内にそのQLY SCrが得られていない限り、対象を無作為化すべきではない。対象の無作為化に遅れがある場合、対象がQLY SCrの試験対象患者基準を依然として満たしていることを検証するために、QLY SCr値を、無作為化及び治験薬開始前の8時間以内に値が収集されるように再導出する。他のベースライン評価は、治験薬開始前の24時間以内に実施される。
【0378】
実薬研究期間(全てのコホート)
実薬研究期間は、研究治療の開始から、14日目までか、または何らかの理由で退院するまでのいずれか早い方にわたる。治験薬は、上記の研究設計に記載されるとおり投与される。
【0379】
テルリプレシンの投与は、SCr/AKIステージに基づくHRS奏効の達成から24時間後まで、または14日目まで継続するべきである。最初のSCrレベルがBL SCr値の0.3mg/dl(26.5マイクロモル/L)以内の値に戻った後、またはSCrがBL SCr値より0.3mg/dl以上減少してAKI段階が退行した後で、2番目のSCr値が、最初のSCr値から最低2時間後に取得される。これらのSCr値を収集するための努力が払われる。RRT、TIPS、肝移植、または非盲検昇圧剤の使用に関する全ての情報が収集される。
【0380】
追跡期間は研究治療の終了後に開始し、治療開始から90日後に終了する。全ての対象は、生存、RRT、TIPS、及び肝移植の状態を評価するために、30(±2)日目に追跡調査のために戻り、60(±7)日目及び90(±7)日目に追跡調査のために電話連絡を受ける。研究日数は、治験薬投与の初日から(または治験薬を投与されない対象の無作為化から)計数される。更に、30日目の追跡調査中に身体検査が実施され、病歴、バイタルサイン、併用薬、及びSAEの評価に関する最新データが収集される。
【0381】
有効性の評価は次のように評価される。血清クレアチニンは治療中にベースラインで1日1回収集され、その後、14日目または退院のいずれか早い方まで、1日1回(治療状況に関係なく)収集される。対象の医療ケアの一環としてSCr評価が1日に複数回実施される場合、毎日取得される全ての値がeCRFに記録される。RRT、TIPS、肝移植、または非盲検昇圧剤の使用後に得られたSCr値は、有効性評価から除外される。
【0382】
主な有効性変数には以下が含まれる。
● 安全性及び忍容性は、AEの発生、身体検査の変化、バイタルサイン、ECG、及び臨床検査パラメータによって評価される。
● 2つの異なる転帰群として個別に評価され、結合される奏効者の発生率(完全または部分的HRS奏効(SCr/AKIステージに基づく)を有し、治験薬の第1の用量後少なくとも30日間は腎移植療法(RRT)なしで生存している患者として定義される、確立されたHRS逆転)。
● 治療開始後の最初の30日間に肝移植を受ける患者は、移植前のSCr及びAKIステージについて評価され、肝移植前のHRS奏効(完全または部分的)に関するSCr/AKIステージの基準を満たし、治療開始後30日目の時点で生存しており、RRTなしの場合は奏効者とみなされる。
● 最初の30日間に再発及び再治療があった場合、2回目の治療期間の奏効が評価される。
【0383】
副次的な有効性変数には以下が含まれる。
● 30日、60日、及び90日目における死亡した患者数(死亡率)。
● 30日、60日、及び90日目における腎移植及び/または肝移植率を有する患者の数。
● 30日、60日、及び90日目におけるRRTを受けた患者数。
● 持続的なHRS逆転を示した患者の数(45日目、60日目、及び90日目までに奏効があり、RRTがなかった患者の数)。
● HRSを再発した患者の数。
● ACLF1または2がステージ3に悪化した患者の数。
● 30日、60日、及び90日目におけるMELDスコアのベースラインからの平均変化
● 確立されたHRS逆転(すなわち、CONFIRM研究により)を示した奏効患者の数(その臨床的定義は、HRS奏効の達成後10日でRRTなしに生存している患者である)。
【0384】
探索的な評価基準には次のものが含まれる。
● 血清及び尿のバイオマーカー(シスタチンC、エンドセリン-1、vWF、NGAL、KIM1を含む)のベースラインからの平均変化
● 集団薬物動態解析は、一次PKパラメータ(例:吸収率(ka)、見かけのクリアランス(Cl/F)、及び見かけの分布容積(V/F))、及び二次PKパラメータ(最大濃度(Cmax)、Cmaxの時間(tmax)、最小血漿濃度(Cmin)、投与間隔にわたる濃度時間曲線下面積(AUC0-24h)、消失半減期(t1/2)、及び蓄積率(Racc)を導出するために実施される。
【0385】
安全性評価
身体検査:以下の評価を含む身体検査が、治験責任医師またはその被指名人によって実施される。頭、耳、鼻、及び喉、首/甲状腺、四肢、及び心血管系、外皮系、リンパ系、神経系、筋骨格系、呼吸器系が、特定の時点で評価される。研究中の身体検査所見における臨床的に有意な変化は全てAEとみなされ、eCRFに記録される。
【0386】
バイタルサイン:バイタルサインの評価(心拍数、血圧、呼吸数、体温、身長、体重が記録される。
【0387】
安全性/12誘導ECG:12誘導ECGは、特定の時点に1分間隔で3回実施される。ECGの結果は、正常または異常としてeCRFに記録される。全ての異常な結果は、治験責任医師によって臨床的に有意であるか臨床的に有意でないかのいずれかとして評価される。新規の異常な臨床的に有意なECGの結果は、AEとして記録される。各ECGトレースのコピーは原文書と共に残る。
【0388】
臨床安全性検査室評価:尿妊娠検査、血清クレアチニン、CBC、INR、及び電解質を除き、プロトコルに指定された全ての検査室試験は中央検査室で実施される。臨床検査サンプルの収集、取り扱い、及び報告に関する詳細な指示は、施設の開始前に中央検査室から提供される検査マニュアル中で施設に提供される。
【0389】
異常で臨床的に有意な検査結果が生じた場合、異常な結果の妥当性を確認するために、必要に応じて異常な検査が繰り返される場合もある。異常で臨床的に有意な異常な結果が妥当である場合、結果が正常範囲内になるか、または治験責任医師がもはや臨床的に有意であるとみなさなくなるまで、検査室試験(複数可)が2週間ごとに繰り返される。新規の異常な臨床的に有意な検査結果は、全てAEとして記録される。
【0390】
検査室評価は以下を含む:ヘモグロビン、ヘマトクリット、RBC、MCV、MCH、MCHC、網状赤血球、ハプトグロビン、鑑別WBC(WBC with differential)、血小板数及び血小板凝集試験、BUN、血清クレアチニン、シスタチンC、AST、ALT、アルカリホスファターゼ、LDH、総ビリルビン、間接型及び直接型ビリルビン、ナトリウム、カリウム、塩化物、カルシウム、リン酸塩、グルコース、総タンパク質、アルブミン、総コレステロール、LDL、HDL、トリグリセリド、C-反応性タンパク質、尿酸、コルチゾールACTH、乳酸塩、アンモニア、尿検査:比重(女性のみ)、タンパク質、血液、ケトン、グルコース、多臓器機能不全(例えばCLIF-SOFAスコアに基づく)の評価、脳障害スコア、全身性炎症反応症候群(SIRS)評価、迅速敗血症関連臓器不全評価(qSOFA)(低い収縮期血圧(≦100mmHg)、高い呼吸速度(1分間あたり≧22回の呼吸)、及び精神状態の変化(グラスゴー昏睡尺度で<15)の3つの基準を用いて計算し、それぞれ1ポイントを割り当てる)ならびに末期肝疾患スコアのモデル(SCr、ビリルビン、及びINR値に基づく)。
【0391】
配列表
配列番号1
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号2
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- F-S-Aib-R-A-K(Ac)-NH
配列番号3
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号4
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-- S- Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号5
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG-PEG-PEG-P- EG-gE-gE-gE-Palm)-S- T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号6
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S-T-W-- S- Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号7
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S- -T-F- S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号8
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG-PEG-PEG-P- EG-gE-gE-gE-Palm)-S- T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号9
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-M- ly-R- A-K(Ac)-NH
配列番号10
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-gE-Palm)-S-T- -F-S- Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号11
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- W-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号12
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-Cit-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T- -F-S- Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号13
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- F-S-K-R-A-K(Ac)-NH
配列番号14
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- F-Dser-K-R-A-K(Ac)-NH
配列番号15
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- F-Aib-K-R-A-K(Ac)-NH
配列番号16
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-- S- Dlys-R-A-K(Ac)-NH
配列番号17
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-- S- Dlys-R-A-K(Ac)-NH
配列番号18
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-- S- Dlys-R-K-K(Ac)-NH
配列番号19
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG-PEG-PEG-g- E-gE-gE-Palm)-S-T-W- S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号20
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S- -T- W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号21
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG-PEG-PEG-P- EG-gE-gE-gE-Stea)-S- T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号22
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEGDGA-PEGDGA-PEG.s- ub.2DGA-gE-gE- gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号23
Ac-L-E-G-R-E-L-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T-F- S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号24
Ac-L-E-G-R-E-F-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T-F- S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号25
Ac-L-E-G-R-E-Q-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号26
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG2-PEG2-PEG2-PEG2-gE-gE-gE-St- ea)-S- T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号27
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号28
Ac-L-E-G-R-E-Hly-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)- -S-T- F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号29
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-Aib-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)- -S-T- F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号30
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S- -T- W-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号31
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- W-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH
配列番号32
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEGDGA-PEGDGA-PEG.s- ub.2DGA-gE-gE- gE-Stea)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号33
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-- S- Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号34
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S-T-F-- S-Mly- R-A-K(Ac)-NH
配列番号35
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- W-Aib-K-R-A-K(Ac)-NH
配列番号36
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- F-S-Dlys-R-A-K(Ac)-NH
配列番号37
Ac-L-E-G-R-E-L-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- W-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH
配列番号38
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG-PEG-PEG-g- E-gE-gE-Palm)-S-T-F- S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号39
Ac-L-E-G-R-E-F-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- W-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH
配列番号40
Ac-L-E-G-R-E-Q-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- W-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH
配列番号41
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEGDGA-PEGDGA-PEG.s- ub.2DGA-gE-gE- gE-Palm)-S-T-W-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号42
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG-PEG-PEG-P- EG-gE-gE-gE-Palm)-S- T-W-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号43
Ac-L-E-G-R-E-Hly-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)- -S-T- W-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号44
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- W-Dser-K-R-A-K(Ac)-NH
配列番号45
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG-PEG-PEG-P- EG-PEG-gE-gE-gE- Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号46
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG-PEG-PEG-P- EG-PEG-gE-gE-gE- gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号47
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F- -S- Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号48
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-Q-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F- -S- Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号49
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- F-S-Mly-R-A-K-NH
配列番号50
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEGDGA-PEGDGA-PEG.s- ub.2DGA-gE-gE- gE-Stea)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号51
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-gE-Stea- )-S- T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号52
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-Stea)-S-T-- W-S- Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号53
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEGDGA-PEGDGA-PEG.s- ub.2DGA-gE-gE- gE-gE-Stea)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号54
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-gE-Stea)-S-T-W-S- Aib-R-K-K(Ac)-NH SEQ-ID-NO: 55 Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- W-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH
配列番号55
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- T- W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号56
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-Cit-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S-T- -F-S- Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号57
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- W-S-Hly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号58
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-St- ea)- S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号59
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-St- ea)- S-T-F-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号60
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S-T-F-- S-Aib- R-K-K(Ac)-NH
配列番号61
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S- -T-F- S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号62
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-gE-Palm- )-S- T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号63
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -Q- W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号64
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -R- W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号65
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-K(Ac)-Q-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号66
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- W-K(Ac)-Aib-R-A-K(Ac)-NH
配列番号67
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号68
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- W-S-Aib-R-K(Ac)-K-NH
配列番号69
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- W-S-Aib-R-K(Ac)-R-NH
配列番号70
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-I-E-G-K(TTDS-TTDS-TTD S-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W- S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号71
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- W-S-Aib-R-A-K-NH
配列番号72
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- F-Aib-R-R-A-K(Ac)-NH
配列番号73
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -K- W-S-Aib-R-A-K-NH
配列番号74
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-I-E-G-K(TTDS-TTDS-TTD S-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号75
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-TTD S-gE-gE-gE- Palm)-S-T-W-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH
配列番号76
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- F-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH
配列番号77
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE- Palm)-S-T-F-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH
配列番号78
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE- Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号79
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -K- F-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号80
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- Trp(5-C1)-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH
配列番号81
Ac-K(Ac)-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Pal- m)- S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号82
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-Aib-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)- -S-T- W-S-Aib-R-A-K(Ac)-NH
配列番号83
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -K- W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH
配列番号84
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-I-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T- -F-S- Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号85
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-Aib-K(Ac) I Aib Aib E G K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm) S T W S Aib R R K(Ac)-NH,
配列番号86
Ac-Aib-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-I-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T-F- S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号87
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- F-S-R-R-A-K(Ac)-NH
配列番号88
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- F-S-Hly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号89
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- Mph-S-R-R-A-K(Ac)-NH
配列番号90
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-A-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T- -F- S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号91
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- Pfp-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH
配列番号92
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- Trp(5-F)-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH
配列番号93
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- F-T-R-R-A-K(Ac)-NH
配列番号94
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S- -T- F-V-R-R-A-K(Ac)-NH
配列番号95
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Myr)-S-- T-F- S-Mly-R-A-K(Ac)-NH
配列番号96
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Myr)-S-- T-F- S-Mly-R-A-K-NH
配列番号97
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-gE-Myr)- -S- T-F-S-Mly-R-A-K-NH
配列番号100=H2-リラキシン鎖A
H-Gln-Leu-Tyr-Ser-Ala-Leu-Ala-Asn-Lys-Cys-Cys-His-Val-Gly-Cys-Thr-Lys-Arg-- Ser-Leu- Ala-Arg-Phe-Cys-OH
配列番号101=H2-リラキシン鎖B
H-Asp-Ser-Trp-Met-Glu-Glu-Val-Ile-Lys-Leu-Cys-Gly-Arg-Glu-Leu-Val-Arg-Ala-- Gln-Ile-Ala- Ile-Cys-Gly-Met-Ser-Thr-Trp-Ser-OH
配列番号102=配列番号B7-33 C11.235
H-Val-Ile-Lys-Leu-Ser-Gly-Arg-Glu-Leu-Val-Arg-Ala-Gln-Ile-Ala-Ile-Ser-Gly-- Met-Ser-Thr- Trp-Ser-Lys-Arg-Ser-Leu-NH
配列番号103=配列番号AcB7-33 C11.235
Ac-Val-Ile-Lys-Leu-Ser-Gly-Arg-Glu-Leu-Val-Arg-Ala-Gln-Ile-Ala-Ile-Ser-Gly- -Met-Ser-Thr- Trp-Ser-Lys-Arg-Ser-Leu-NH
配列番号104=配列番号KKKK(AcB7-29 C11.235)
Ac-Val-Ile-Lys-Leu-Ser-Gly-Arg-Glu-Leu-Val-Arg-Ala-Gln-Ile-Ala-Ile-Ser-Gly- -Met-Ser-Thr- Trp-Ser-Lys-Lys-Lys-Lys-NH
【0392】
他の実施形態
使用されている単語は、限定するものではなく、むしろ説明のための単語であり、変更は、本発明のより広い態様における真の範囲及び趣旨から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で行うことができることが理解される。
【0393】
本発明は、いくつかの説明された実施形態に関してある程度詳細に説明されてきたが、そのような詳細や実施形態、または特定の実施形態に限定されることを意図するものではなく、参照によって解釈されるべきである。従来技術を考慮して添付の特許請求の範囲を可能な限り広く解釈し、したがって本発明の意図する範囲を効果的に包含するように、添付の特許請求の範囲を参照する。
【0394】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、全体が参照により組み込まれる。矛盾する場合、定義を含めて本明細書が優先する。更に、セクションの見出し、材料、方法、及び例は、例示にすぎず、限定することは意図されない。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
【配列表】
2024532403000001.xml
【国際調査報告】