(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】アヤメ球根由来のエクソソームを有効成分として含有する化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9794 20170101AFI20240829BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240829BHJP
A61Q 19/02 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
A61K8/9794
A61Q19/00
A61Q19/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513306
(86)(22)【出願日】2022-03-05
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 KR2022003135
(87)【国際公開番号】W WO2023027274
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0114181
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524070174
【氏名又は名称】ピーピー プロデュイ プレスティージュ エス エー
(71)【出願人】
【識別番号】316017985
【氏名又は名称】シンセゲ インターナショナル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジーニー
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ソク
(72)【発明者】
【氏名】キム、チュン オ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AA111
4C083AA112
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC112
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC472
4C083AC532
4C083AC642
4C083AC662
4C083AD041
4C083AD051
4C083AD152
4C083AD172
4C083AD492
4C083AD662
4C083CC02
4C083CC05
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD31
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE09
4C083EE12
4C083EE16
4C083FF01
(57)【要約】
本発明は、アヤメ球根由来のエクソソームを有効成分として含有する化粧料組成物に関し、具体的には、超高圧前処理と水性二相系を用いて精製されたアヤメ球根エクソソームを有効成分として含有するため安定性に優れており、皮膚に対する保湿、シワ改善及び美白効果に優れた化粧料組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アヤメ球根エクソソームを含有する、化粧料組成物。
【請求項2】
前記アヤメ球根エクソソームは、
(A)アヤメ球根を超高圧処理するステップと、
(B)超高圧処理したアヤメ球根を搾汁するステップと、
(C)前記アヤメ球根の搾汁液を1,000xg~10,000xgで遠心分離して上清液を得るステップと、
(D)エクソソームが存在する前記上清液を凍結乾燥するステップと、
(E)前記凍結乾燥物にPEG(Polyethylene glycol)/デキストラン(Dextran)を用いて水性二相系を形成するステップと、
(F)前記水性二相系のうちエクソソームが濃縮された下層液を得るステップと、を含む方法によって精製されたことを特徴とする、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項3】
前記超高圧処理は、15~25℃の温度で200~500Mpaの圧力で20秒~2分間行うことを特徴とする、請求項2に記載の化粧料組成物。
【請求項4】
アヤメ球根エクソソームは、組成物の総重量に対して0.0001~30.0%(w/w)で含有されることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項5】
前記化粧料組成物は、アヤメ球根エクソソームの性状安定性を高めるために、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合体又はそれらの誘導体、ブチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリンからなる群より選択される少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項6】
前記化粧料組成物は、皮膚保湿用であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項7】
前記化粧料組成物は、皮膚シワ改善用であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項8】
前記化粧料組成物は、皮膚美白用であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アヤメ球根由来のエクソソームを有効成分として含有する化粧料組成物に関し、具体的には超高圧前処理と水性二相系を用いて精製されたアヤメ球根エクソソームを有効成分として含有するため安定性に優れており、皮膚に対する保湿、シワの改善及び美白効果に優れた化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明において、「エクソソーム(Exosome)」とは、多様な細胞から分泌される膜構造の小さな小胞を意味し、細胞外小胞体(Extracellular Vesicles、EVs)の一種として定義される。すべての細胞は、他の細胞又は外部環境と情報を交換し、このために細胞外小胞体を分泌する。エクソソームは、50~200nm程度のサイズを有し、タンパク質、脂質、核酸などの生理活性物質を含む。エクソソームは、哺乳類、バクテリア、植物などの多様な細胞に存在し、起源細胞の状態を反映しているため、診断及び治療に活用することができる。エクソソームは、二重リン脂質膜構造体であり、細胞内への浸透が容易であり、免疫反応、信号伝逹のような多様な生理的、病理的機能を行う。
【0003】
最近では、植物由来のエクソソームの多様な効果に関する研究が行われており、その抗酸化、抗炎などの皮膚への効果に対しても研究が始まっている。植物由来のエクソソームは、植物細胞自体が分泌する生理活性及び信号伝達物質を含んでおり、細胞間の移動と吸収に寄与する天然ナノ粒子であり、植物から精製されたエクソソームは、哺乳類由来のエクソソームに比べて毒性が低いと知られている。
【0004】
これに関して、大韓民国登録特許第10-2125567号には、遠心分離と接線流濾過(tangential-flow filtration、TFF)を用いて、原料植物から高純度の植物エクソソームを抽出する方法が開示されており、大韓民国公開特許第10-2020-0121062号には、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて、高純度及び高品質の細胞外小胞体を精製する方法が開示されており、大韓民国公開特許第10-2019-0050286号には、ヒアルロン酸ベースのフィラー組成物にエクソソームを含有させることでエクソソームの安定性を高めたフィラー組成物が開示されている。
【0005】
このようなエクソソームは、その多様な利点及び活性により、医薬品、化粧品、食品などの分野で活用可能な素材であるが、リン脂質二重膜から構成されている構造的な特徴により、分散力が低く、凝集しようとする性質がある。また、高温で不安定であり、化粧品製剤を製造する過程で壊れやすく、このような性質により、製剤中のエクソソームの安定性が低下し、沈澱が発生する可能性がある。したがって、継続的に活性を維持するためには、水溶液中のエクソソームの溶解度及び分散性を高め、製剤中の安定性を高める必要がある。
【0006】
本発明者らは、水性二相系を用いて多様な植物由来のエクソソームを分離精製し、皮膚効果に優れた植物由来のエクソソームを化粧料として利用するための研究を行った結果、本発明を完成するに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、アヤメ球根由来のエクソソームを有効成分として含有するため安定性に優れており、皮膚に対する保湿、シワの改善及び美白効果に優れた化粧料組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明によると、アヤメ球根エクソソームを含有する化粧料組成物が提供される。
【0009】
好ましくは、前記アヤメ球根エクソソームは、(A)アヤメ球根を超高圧処理するステップと、(B)超高圧処理したアヤメ球根を搾汁するステップと、(C)前記アヤメ球根の搾汁液を1,000xg~10,000xgで遠心分離して上清液を得るステップと、(D)エクソソームが存在する前記上清液を凍結乾燥するステップと、(E)前記凍結乾燥物にPEG(Polyethylene glycol)/デキストラン(Dextran)を用いて水性二相系を形成するステップと、(F)前記水性二相系のうちエクソソームが濃縮された下層液を得るステップと、を含む方法によって精製されたものである。
【0010】
前記超高圧処理は、15~25℃の温度で200~500Mpaの圧力で20秒~2分間行うことを特徴とする。
【0011】
有効成分としての前記アヤメ球根エクソソームは、組成物の総重量に対して0.0001~30.0%(w/w)で含有される。
【0012】
前記化粧料組成物は、アヤメ球根エクソソームの性状安定性を高めるために、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合体、又はそれらの誘導体、ブチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリンからなる群より選択される少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする。
【0013】
前記化粧料組成物は、皮膚保湿用、皮膚シワ改善用又は皮膚美白用であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
超高圧前処理と水性二相系を用いて精製された本発明のアヤメ球根由来のエクソソームは、安定性に優れており、皮膚に対する優れた保湿効果とシワの改善及び美白効果を発揮するため、アンチエイジング化粧料として有用に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施例によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームのTEMイメージ。
【
図2】本発明の一実施例によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソーム粒子のサイズ分布と粒子数を確認するためのNTA分析結果を示したグラフ。
【
図3】超高圧前処理を行わずに精製されたアヤメ球根由来のエクソソーム粒子のサイズ分布と粒子数を確認するためのNTA分析結果を示したグラフ。
【
図4】本発明によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームの細胞毒性をMTTアッセイで評価した結果を示したグラフ。
【
図5】本発明によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームの保湿効果をAQP3発現に基づいて評価した結果を示したグラフ。
【
図6】本発明によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームの皮膚に対するシワ改善効果をMMP-1発現に基づいて評価した結果を示したグラフ。
【
図7】本発明によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームの皮膚に対するシワ改善効果をCOL1A1発現に基づいて評価した結果を示したグラフ。
【
図8】本発明によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームの美白効果をチロシナーゼ活性抑制率で評価した結果を示したグラフ。
【
図9】本発明によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームの美白効果をメラニン生成抑制率で評価した結果を示したグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明についてさらに具体的に説明する。
【0017】
植物由来のエクソソームは、植物細胞自体が分泌する生理活性及び信号伝達物質を含有しており、哺乳類由来のエクソソームに比べて毒性が低いと知られている。このような利点によって、医薬品、化粧品、食品などの分野で活用可能な素材であるが、リン脂質二重膜から構成されている構造的な特徴により、分散力が低く、凝集しようとする性質があるため、製剤中でその活性を継続的に維持しにくいという問題がある。本発明は、アヤメ球根からエクソソームを高純度で分離精製し、これを化粧料として利用することを技術的特徴とする。
【0018】
アヤメは、アヤメ科アヤメ属に属する多年草である。アヤメは、球根に消化促進作用や抗炎症作用があるため、消化不良、痔疾、打ち身、皮膚病、咽喉炎、扁桃炎などの治療薬として用いられている。アヤメ球根には、リノール酸(linoleic acid)、ミリスチン酸(myristic acid)、ラウリン酸(lauric acid)などの脂肪酸が多く含有されている。その一種であるドイツアヤメ(Iris germanica)は、ヨーロッパ原産の多年草で、乾燥した場所に植えて育てる単子葉植物のユリ目アヤメ科の多年草である。寒さに非常に強く、露地越冬が可能であり、アヤメ類の中で最も大きな花が花茎の先に多く咲く。地下茎が太いので球根植物としても取り扱われる。ドイツアヤメ(Iris germanica)の球根には、イリゾロン(irisolone)やイリゲニン(irigenin)などのイソフラボンが含有されている。
【0019】
本発明のアヤメ球根エクソソームは、以下のような方法によって精製される。
【0020】
(A)アヤメ球根を超高圧処理するステップと、(B)超高圧処理したアヤメ球根を搾汁するステップと、(C)前記アヤメ球根の搾汁液を1,000xg~10,000xgで遠心分離して上清液を得るステップと、(D)エクソソームが存在する前記上清液を凍結乾燥するステップと、(E)前記凍結乾燥物にPEG(Polyethylene glycol)/デキストランを用いて水性二相系を形成するステップと、(F)前記水性二相系のうちエクソソームが濃縮された下層液を得るステップと、を含む方法によって精製される。
【0021】
前記ステップ(A)において、アヤメ球根は、生物又は乾燥物の両方を用いることができ、超高圧処理は、15~25℃の温度で200Mpa以上の圧力で、好ましくは、200~500Mpaの圧力で20秒~2分間行うことを特徴とする。エクソソームは、生理活性物質でその処理温度を15℃~25℃にすることが好ましい。
【0022】
本発明の一具体例によると、前記超高圧処理は、アヤメ球根乾燥物をビニールパックに蒸留水と共に入れ、空気が入らないようにしっかり密封した後、超高圧機を用いて15~25℃の温度で200Mpa以上の圧力で20秒~2分間超高圧処理を行う。アヤメ球根の生物を用いる場合には、蒸留水を用いることなくビニールパックに入れて行うことができる。
【0023】
前記ステップ(B)において、アヤメ球根を搾汁する工程で用いられるスクリューは、攪拌速度20~50rpmのものを用いることが好ましい。超高圧処理による植物細胞壁の透過率の変化により汁が抜けやすくなるため、一定速度以下の攪拌速度を有するスクリューを用いた方が好ましい。
【0024】
前記ステップ(C)で用いられる遠心分離法は、サイズ、形状、密度、粘性、ローター速度に応じる遠心力を用いて溶液の粒子を分離する方法を意味する。rpmを順に調節して大きな汚染物質を除去する必要があり、最終的に水性二相系を形成するための溶液を得るためには10,000xgで行うことがさらに好ましい。
【0025】
前記ステップ(D)で用いられる凍結乾燥は、容器の温度を急激に下げて乾燥させようとする物質を凍結させた後、容器内部の圧力を真空に近づけることにより、材料に含まれた固化した溶媒を直ちに水蒸気に昇華させて乾燥する方法である。-50~-80℃で15~24時間凍結し、凍結乾燥機により真空状態で72~120時間乾燥する。このとき、真空状態とは通常、凍結乾燥機の圧力状態を意味する。
【0026】
エクソソームを効率的に分離精製するために、本発明では、互いに溶解しにくい2種類の水溶液から2層を作成し、各層に対する親和性差を用いた分離法の1つである水性二相分配法(aqueous two phase partition method)を用いた。
【0027】
水性二相系を形成する方法としては、一般にPEG/塩(塩としては、硫酸塩(sulfate)、リン酸塩(phosphate)、クエン酸塩(citrate)など)を用いてもよいが、本発明の目的を達成するためには、PEG/デキストランを用いることが好ましい。デキストランは、バクテリア作用によって得られた天然高分子であり、化粧品製剤において増粘剤、結合剤、増量剤として用いる。
【0028】
前記ステップ(E)において、水性二相系の形成時にPEG分子量が10,000~35,000のものを1~15重量%、好ましくは2~5重量%で用い、デキストランは、分子量が300,000~650,000のものを1~8重量%、好ましくは1~3重量%で用いることを特徴とする。前記PEGとデキストランが3.3重量%:1.7重量%の濃度比で用いられる場合にエクソソームの収率が最も高く、安定性に最も優れるためさらに好ましい。
【0029】
エクソソームの純度を高めるために、前記ステップ(F)の後に、同じ濃度の水性二相系溶液を用いて水性二相系を形成し、下層液を得る過程を2~3回行う工程をさらに行うことができる。
【0030】
このような方法によって製造されたアヤメ球根由来のエクソソームは、アヤメ球根抽出物と比較して、優れた保湿効果(試験例4)、シワ改善効果(試験例5、試験例6、試験例9)、美白効果(試験例7、試験例8)を示した。また、前記アヤメ球根由来のエクソソームは、製剤中で優れた安定性を示した(試験例9、10)。
【0031】
したがって、前記アヤメ球根由来のエクソソームは、保湿用、シワ改善用又は美白用化粧料組成物に用いることができる。このとき、前記有効成分としてのアヤメ球根由来のエクソソームは、化粧料組成物の全重量に対して0.0001~30.0%(w/w)で含有されてもよい。
【0032】
好ましくは、前記化粧料組成物は、アヤメ球根エクソソームの性状安定性を高めるために、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合体又はそれらの誘導体、ブチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリンからなる群より選択される少なくとも1つを、さらに好ましくは、グリセリン、ブチレングリコール及び1,3-プロピレングリコールからなる群より選択される少なくとも1つを、最も好ましくは、ブチレングリコール及び1,3-プロピレングリコールをさらに含むことを特徴とする。
【0033】
一般に、エクソソームは、リン脂質二重膜から構成されている構造的な特徴から分散力が低く凝集しようとする性質があるため、製剤内でその活性を継続的に維持しにくいという問題がある。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合体又はそれらの誘導体、ブチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリンからなる群より選択される、アルコール基を含む化合物を併用する場合、アヤメ球根エクソソームの安定性がさらに良好であった。
【0034】
前記化粧料組成物は、通常製造されているいずれの製剤でもよく、例えば、スキンローション、スキンソフナー、スキントナー、ローション、ミルクローション、モイスチャーローション、栄養ローション、マッサージクリーム、栄養クリーム、モイスチャークリーム、ハンドクリーム、エッセンス、パック、せっけん、シャンプー、クレンジングフォーム、クレンジングローション、クレンジングクリーム、ボディローション、ボディクレンザー、乳液、プレスパウダー、ルースパウダーなどに製造することができる。
【0035】
一方、前記の化粧料組成物から製造される場合、本発明の効果を損傷しない範囲内で、通常の化粧品に用いられる成分、例えば、保湿剤、酸化防止剤、界面活性剤、アルコール類、増粘剤、水性成分、水、乳化剤、ビタミン、顔料及び香料のような通常の補助剤などを必要に応じて当業者が困難なく適宜選択して配合することができる。
【実施例】
【0036】
以下、本発明を下記の実施例及び試験例に基づいてさらに詳しく説明する。ただし、下記実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明が下記実施例によって限定されるものでなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で置換及び均等な他の実施例に変更できることは、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者には明らかであろう。
【0037】
実施例1:アヤメ球根由来のエクソソームの製造
アヤメ球根の超高圧処理
アヤメ(Iris germanica)球根乾燥物100gをビニールパックに蒸留水と共に入れ、空気が入らないようにしっかり密封した後、超高圧機を用いて25℃の温度で200Mpaの圧力で30秒間超高圧処理を行った。
【0038】
アヤメ球根の搾汁
超高圧処理したアヤメ(Iris germanica)球根を一般の搾汁機を用いて30rpmの低速スクリューでアヤメ球根を搾汁し、得られたアヤメ球根の搾汁液はメッシュ網に濾過して浮遊物を除去した。回収したアヤメ球根の搾汁液は、精製を開始する前まで-80℃で保管した。
【0039】
エクソソームを精製するための上清液の回収
アヤメ球根の搾汁液は、エクソソームを精製するためには大きな汚染物質を除去する必要があるため、10,000xgで10分間4℃で遠心分離を行った。遠心分離後に水性二相系を形成するために上清液を回収した。
【0040】
上清液の凍結乾燥
エクソソームの大量生産のために、上清液の体積を減らす目的で凍結乾燥を行った。-80℃で20時間凍結し、凍結乾燥機により真空状態で100時間乾燥した。このとき、真空状態とは通常、凍結乾燥機の圧力状態を意味し、凍結及び乾燥時間は溶液の体積によって異なる。
【0041】
水性二相系の形成
凍結乾燥した上清液に精製水を加え、PEG(Polyethylene glycol)/デキストランを用いて水性二相系を形成した。PEG(Sigma Aldrichより購入)は、分子量10,000~35,000のものを3.3重量%で用い、デキストラン(Sigma Aldrichより購入)は、分子量300,000~650,000のものを1.7重量%で用いて水性二相系を形成した。
【0042】
アヤメ球根由来のエクソソームの回収
上清液とPEG/デキストラン溶液を混合した後、1,000xgで10分間4℃で遠心分離を行った。遠心分離後に上清液を除去し、エクソソームを回収した。
【0043】
追加の洗浄工程
純度を高めるために、回収した下層液に同じ濃度の前記水性二相系溶液を加えて追加の洗浄工程を行った。処理を3回繰り返した後、最終的にエクソソームが濃縮された下層液を回収した。
【0044】
比較例1:超高圧処理を行っていないアヤメ球根由来のエクソソームの精製
超高圧処理を行っていないことを除いては、上記実施例1と同様にしてアヤメ球根由来のエクソソームを精製した。
【0045】
比較例2:アヤメ球根熱水抽出物の製造
アヤメ(Iris germanica)球根乾燥物20gを精製水800gに入れ、80℃で3時間抽出した。抽出後に減圧濾過を行ってアヤメ球根熱水抽出物を得た後、回転蒸発濃縮機を用いて蒸留して粉末状のサンプルを得た。
【0046】
比較例3:アヤメ球根メタノール抽出物の製造
アヤメ(Iris germanica)球根乾燥物20gをメタノール800gに入れ、60℃で3時間抽出した。抽出後に減圧濾過を行ってアヤメ球根メタノール抽出物を得た後、回転蒸発濃縮機を用いて蒸留して粉末状のサンプルを得た。
【0047】
比較例4:アヤメ球根エタノール抽出物の製造
アヤメ(Iris germanica)球根乾燥物20gをエタノール800gに入れ、60℃で3時間抽出した。抽出後に減圧濾過を行ってアヤメ球根エタノール抽出物を得た後、回転蒸発濃縮機を用いて蒸留して粉末状のサンプルを得た。
【0048】
比較例5:アヤメ球根ヘキサン抽出物の製造
アヤメ(Iris germanica)球根乾燥物20gをヘキサン800gに入れ、60℃で3時間抽出した。抽出後に減圧濾過を行ってアヤメ球根ヘキサン抽出物を得た後、回転蒸発濃縮機を用いて蒸留して粉末状のサンプルを得た。下記表1は、各溶媒による抽出収率を示す。
【0049】
【0050】
試験例1:アヤメ球根由来のエクソソームの特性に対する分析:TEM分析
精製したアヤメ(Iris germanica)球根由来のエクソソームの形状を確認するために透過電子顕微鏡(TEM)で分析した。
図1は、上記実施例1によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームのTEM分析イメージである。分析の結果、球状のリン脂質二重膜構造からなる約160.7nmの粒子の存在が確認された。
【0051】
試験例2:アヤメ球根由来のエクソソームの特性に対する分析:NTA分析
精製したアヤメ(Iris germanica)球根由来のエクソソームの粒径分布と単位体積当たりの粒子数を確認するために、ナノ粒子追跡分析(Nanoparticle Tracking Analysis、NTA)で分析した。超高圧処理の有無によるエクソソームの粒子数を比較するために、比較例1によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームのNTA分析も行った。
図2は、上記実施例1によって精製されたアヤメ(Iris germanica)球根由来のエクソソームのNTA分析結果を示したグラフであり、分析の結果、平均粒径は160.7nmで単位体積1mL当たりに9.90×10
9個の濃度が確認された。
図3は、上記比較例1によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームのNTA分析結果を示したグラフであり、平均粒径は172.1nmで単位体積1mL当たりに1.61×10
9個の濃度が確認された。実施例1と比較例1は同量で実験を行い、収率を比較してみると、超高圧処理を行った場合(実施例1)にさらに多くの量のエクソソームを抽出できることが確認された。
【0052】
試験例3:アヤメ球根由来のエクソソームの細胞毒性に対する評価
アヤメ(Iris germanica)球根由来のエクソソーム(実施例1)と溶媒ごとのアヤメ(Iris germanica)球根抽出物(比較例2、比較例3、比較例4)の細胞毒性を確認するために、MTTアッセイ評価を行った。96ウェルプレートにヒト線維芽細胞細胞株(human dermal fibroblast、HDFa)を1×10
5cells/mLの濃度で接種した後、37℃で18時間の間、5%CO
2下で培養した。培養後に培地を除去し、PBSバッファーで洗浄した後、新しい培地とアヤメ球根由来のエクソソーム(ストック(Stock)濃度9.90×10
9particles/mL)及び溶媒ごとのアヤメ球根抽出物(ストック濃度100mg/mL)を濃度ごとに投与し、また48時間培養した。細胞の生存率を測定するために、MTT溶液(5mg/mL)を添加した後、4時間の間で形成されたホルマザン(formazan)をジメチルスルホキシド(DMSO)で溶解し、ELISAリーダーを用いて570nmで吸光度を測定した。
図4は、上記実施例1によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームの細胞毒性をMTTアッセイで評価した結果を示したグラフである。試験の結果、アヤメ球根由来のエクソソーム9.90×10
9particles/mLの濃度のストックを0.1%以下で処理した場合には細胞毒性が見られず、1%以上処理した場合には細胞生存率が約90%と確認された。
【0053】
試験例4:アヤメ球根由来のエクソソームの保湿効果に対する評価(AQP3発現)
アヤメ球根由来のエクソソームの保湿効果を確認するために、溶媒ごとのアヤメ(Iris germanica)球根抽出物と比較してAQP3発現に与える影響を確認した。ヒト表皮角化細胞株(human keratinocyte、HEKa)を接種した後、100IU/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシンを添加したダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco Modified Eagle Medium、DMEM)培養培地で、37℃で24時間の間、5%CO
2下で培養した。培養後に培地を廃棄し、アヤメ球根由来のエクソソーム(ストック濃度9.90×10
9particles/mL)及び溶媒ごとのアヤメ球根抽出物(ストック濃度100mg/mL)を処理して48時間培養した。その後、培養された細胞をTransZol試薬を用いてRNAを抽出した後、RT-PCR(リアルタイム遺伝子ポリメラーゼ連鎖反応)を行うことにより、細胞の水分移動に関与する保湿因子として皮膚保湿に重要な役割をするタンパク質であるAQP3(Aquaporin 3)のmRNA変化量を測定した。PCRによって生成された産物は、1%アガロースゲルで電気泳動してゲル画像解析システム(Gel Documentation system)で確認した。このとき、陰性対照群としてはPBSを処理し、陽性対照群としてはヒアルロン酸0.01%を処理した。
図5は、上記実施例1によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームの保湿効果をAQP3発現に基づいて評価した結果を示したグラフである。試験の結果、アヤメ球根由来のエクソソームとアヤメ球根抽出物を処理したときに濃度依存的にAQP3のmRNA発現が増加し、アヤメ球根由来のエクソソームを処理したときに発現がさらに増加したことが確認された。この場合、陽性対照群であるヒアルロン酸0.01%を処理したときには155.69%の発現率を示した。
【0054】
試験例5:アヤメ球根由来のエクソソームのシワ改善効果に対する評価(MMP-1発現)
アヤメ(Iris germanica)球根由来のエクソソームの老化防止効果を確認するために、溶媒ごとのアヤメ(Iris germanica)球根抽出物と比較してMMP-1発現に与える影響を確認した。ヒト線維芽細胞細胞株(human dermal fibroblast、HDFa)を接種した後、100IU/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシンを添加した線維芽細胞基本培地(Fibroblast Basal Medium)(Medium 106)培養培地で、37℃で24時間の間、5%CO
2下で培養した。培養後に培地を廃棄し、アヤメ球根由来のエクソソーム(ストック濃度9.90×10
9particles/mL)及び溶媒ごとのアヤメ球根抽出物(ストック濃度100mg/mL)を処理して48時間培養した。細胞損傷を誘導するために、UVB非照射群を除いた残りの培養された細胞群に、培地を除去した後にUVBを20mJ/cm
2照射し、新しい培地に交換した後に24時間培養した。24時間後、TransZol試薬を用いてRNAを抽出し、RT-PCR(リアルタイム遺伝子ポリメラーゼ連鎖反応)を行うことにより、皮膚老化及びシワの生成と関連するMMP-1のmRNA変化量を測定した。PCRによって生成された産物は、1%アガロースゲルで電気泳動してゲル画像解析システムにより確認した。このとき、陰性対照群としてはPBSを処理し、陽性対照群としてはパルミチン酸レチニル50μMを処理した。
図6は、上記実施例1によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームの老化防止効果をMMP-1発現に基づいて評価した結果を示したグラフである。試験の結果、アヤメ球根由来のエクソソームと溶媒ごとのアヤメ球根抽出物を処理したときに、濃度依存的にMMP-1発現が減少し、アヤメ球根由来のエクソソームを処理したときに、遥かに高い減少率が確認された。この場合、陽性対照群であるパルミチン酸レチニルを50μM処理したときに72.81%の発現率を示した。
【0055】
試験例6:アヤメ球根由来のエクソソームのシワ改善効果に対する評価(COL1A1発現)
アヤメ(Iris germanica)球根由来のエクソソームの老化防止効果を確認するために、溶媒ごとのアヤメ(Iris germanica)球根抽出物と比較してCOL1A1発現に与える影響を確認した。ヒト線維芽細胞細胞株(human dermal fibroblast、HDFa)を接種した後、100IU/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシンを添加した線維芽細胞基本培地(Medium 106)培養培地で、37℃で24時間の間、5%CO
2下で培養した。培養後に培地を廃棄し、アヤメ球根由来のエクソソーム(ストック濃度9.90×10
9particles/mL)及び溶媒ごとのアヤメ球根抽出物(ストック濃度100mg/mL)を処理して48時間培養した。培養後にTransZol試薬を用いてRNAを抽出した後、RT-PCR(リアルタイム遺伝子ポリメラーゼ連鎖反応)を行って皮膚連結組織を維持させるコラーゲンのmRNA変化量を測定した。PCRによって生成された産物は、1%アガロースゲルで電気泳動してゲル画像解析システムにより確認した。このとき、陰性対照群としてはPBSを処理し、陽性対照群としてはパルミチン酸レチニルを50μM処理した。
図7は、上記実施例1によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームの老化防止効果をCOL1A1発現に基づいて評価した結果を示したグラフである。試験の結果、アヤメ球根由来のエクソソームとアヤメ球根抽出物を処理したときに濃度依存的にCOL1A1の発現が増加し、アヤメ球根由来のエクソソームを処理したときに発現がさらに増加することが確認された。この場合、陽性対照群であるパルミチン酸レチニルを50μM処理したときには173.93%の発現率を示した。
【0056】
試験例7:アヤメ球根由来のエクソソームの美白効果に対する評価(チロシナーゼ活性抑制)
アヤメ(Iris germanica)球根由来のエクソソームの美白効果を確認するために、溶媒ごとのアヤメ(Iris germanica)球根抽出物と比較してチロシナーゼ活性抑制試験を行った。キノコ由来のチロシナーゼとチロシンは、Sigma Chemicalより購入して用い、チロシナーゼ活性は、0.1Mリン酸緩衝液(pH 6.5)150μlとキノコチロシナーゼ(2100unit/ml、0.05Mリン酸緩衝液、pH 6.5)8μl、1.5mM濃度のL-チロシン36μlと共に、アヤメ球根由来のエクソソーム(ストック濃度9.90×10
9particles/mL)と溶媒ごとのアヤメ球根抽出物(ストック濃度100mg/mL)を濃度ごとに処理した。チロシナーゼ抑制活性は、試料を37℃で15分間反応させた後、490nmで吸光度を測定して確認した。このとき、陰性対照群としてはPBSを処理し、美白剤として知られている合成物質であるアルブチンを標準試料として用い、結果は%に換算した。
図8は、上記実施例1によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームの美白効果をチロシナーゼ活性抑制率で評価した結果を示したグラフである。試験の結果、アヤメ球根由来のエクソソームとアヤメ球根抽出物を処理したときに濃度依存的にチロシナーゼ活性抑制率が増加し、アヤメ球根由来のエクソソームを処理したときにさらに高い抑制率が確認された。
【0057】
試験例8:アヤメ球根由来のエクソソームの美白効果に対する評価(メラニン生成抑制)
アヤメ(Iris germanica)球根由来のエクソソームの美白効果を確認するために、溶媒ごとのアヤメ(Iris germanica)球根抽出物と比較してメラニン生成抑制試験を行った。マウス由来のB16F10細胞株(メラニン分泌細胞)を接種した後、10%FBSを添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)の培養培地で、37℃で24時間の間、5%CO
2下で培養した。培養後に培地を廃棄し、新しい培地に交換した後、アヤメ球根由来のエクソソーム(ストック濃度9.90×10
9particles/mL)及び溶媒ごとのアヤメ球根抽出物(ストック濃度100mg/mL)を処理して72時間培養した。培養後に細胞をトリプシン-EDTAで処理し、遠心分離して回収した。回収した細胞を洗浄した後、1N NaOH 500μLで処理し、100℃で10分間反応させてメラニンを溶解した。メラニンの量は、405nmで吸光度を測定して確認した。このとき、陰性対照群としてはPBSを処理し、美白剤として知られている合成物質であるアルブチンを標準試料として用い、結果は%に換算した。
図9は、上記実施例1によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームの美白効果をメラニン生成抑制率で評価した結果を示したグラフである。試験の結果、アヤメ球根由来のエクソソームとアヤメ球根抽出物を処理したときに濃度依存的にメラニン生成抑制率が増加し、アヤメ球根由来のエクソソームを処理したときにさらに高い抑制率が確認された。
【0058】
製剤例1:水系製剤の製造
下記表2の組成により、上記実施例1によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームを含む水系製剤を製造した。水性二相系で精製したエクソソームの製剤中の安定性をさらに高めるために、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールとそれらの共重合体及び誘導体、ブチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリンのようにアルコール基を含む化合物からなる群より1つ以上含めて製造した。このような化合物を含有していない製剤を比較製剤例1にした。
【0059】
【0060】
試験例9:アヤメ球根由来のエクソソームにおける水系製剤中の温度による安定性分析
上記製剤例1及び比較製剤例1によって製造された水系製剤の温度による安定性試験を行った。下記表3は、上記製剤例1及び比較製剤例1を12週間4℃、25℃、45℃で保管した後、ナノ粒子追跡分析(NTA)によって粒子のサイズと濃度を示した表である。
【0061】
【0062】
温度による12週間の安定性を分析した結果、製剤例1のポリオールを配合した製剤例1に該当するアヤメ球根由来のエクソソームのサイズ及び濃度変化が4℃、25℃、45℃の条件ですべて安定であることが確認された。一方、比較製剤例1の場合、エクソソームの濃度が4℃、25℃、45℃の条件ですべて減少したことが確認された。
【0063】
製剤例2:クリームの製造
下記表4の組成により、上記実施例1によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームを含むクリームを通常の方法で製造した。溶媒ごとのアヤメ球根抽出物の効果を比較するときに効果が良好であった比較例2のアヤメ球根熱水抽出物を含有するクリームを比較製剤例2にした。
【0064】
【0065】
試験例10:アヤメ球根由来のエクソソームの製剤における性状安定性の分析
上記製剤例2によって製造されたクリームの性状安定性試験を行った。製造されたクリームを12週の間、サイクルチャンバー(Cycling Chamber)で24時間間隔で4℃⇔45℃の温度変化を与えてその性状の変化を観察した。その結果を下記表5に示した。
【0066】
【0067】
(-;変化なし、+;わずかな色の変化、++;色の変化又はわずかな沈殿、+++;色の変化及び沈澱が発生)
【0068】
水性二相系で精製したアヤメ球根由来のエクソソーム(実施例1)を含有したクリーム製剤の安定性を観察した結果、性状安定性が維持されることが確認された。
【0069】
試験例11:アヤメ球根由来のエクソソームの皮膚シワ改善効果
30代~50代の大人女性30名を対象として、2つのグループに分けて上記実施例1によって精製されたアヤメ球根由来のエクソソームを含むクリーム(製剤例2)と、上記比較例2のアヤメ球根熱水抽出物を含むクリーム(比較製剤例2)を顔の両面に塗布し、LED光源装置で633nmの赤色光を6週間累計で24時間照射した後、シワ改善効果を評価した。下記表6は、この評価に基づくシワ改善効果の結果を示した表である。
【0070】
【0071】
上記表6の結果よりも分かるように、本発明のアヤメ球根由来のエクソソームを含むクリームは優れたシワ改善効果を示した。
【国際調査報告】