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特表2024-532419風化促進を使用する炭素隔離のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】風化促進を使用する炭素隔離のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/50 20170101AFI20240829BHJP
   C02F 1/58 20230101ALI20240829BHJP
【FI】
C01B32/50
C02F1/58 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513361
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 US2022075770
(87)【国際公開番号】W WO2023034869
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/239,044
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503469393
【氏名又は名称】イエール ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【弁理士】
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】タカハシ ディーン
(72)【発明者】
【氏名】プラナブスキ ノア
(72)【発明者】
【氏名】ジョアキム カチノフ
【テーマコード(参考)】
4D038
4G146
【Fターム(参考)】
4D038AA02
4D038AA03
4D038AA05
4D038AA08
4D038AB24
4D038BA02
4D038BA06
4D038BB13
4G146JA02
4G146JB10
4G146JC05
4G146JD02
(57)【要約】
本開示は、部分的には、風化促進のシステムおよび/または装置、ならびにその使用方法に関する。一局面では、本開示は、水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液からCO2を少なくとも部分的に隔離する方法を提供する。別の局面では、本開示は、ガス状CO2源からCO2を少なくとも部分的に隔離する方法を提供する。別の局面では、本開示は、本明細書に記載の方法における使用に好適なシステムおよび/または装置を提供する。別の局面では、本開示は、水源からのCO2の少なくとも部分的な隔離のためのシステムの設計および運用を最適化する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の段階を含む、水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液からCO2を少なくとも部分的に隔離する方法:
(a) 溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液中で、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する段階;
(b) 金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む鉱物供給原料を含む少なくとも1つの容器を通じて、流入水溶液を供給する段階;
(c) その中に溶存した1つまたは複数の金属イオンおよび/または炭酸イオンを含む流出水溶液を提供するために、流入水溶液と鉱物供給原料とを接触させる段階;
(d) 流出水溶液中でpH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する段階;
(e) 溶存CO2濃度の変化を計算するために、流入水溶液の少なくとも2つの測定パラメータと流出水溶液の少なくとも2つの測定パラメータとを比較する段階; ならびに
(f) 変化が約95%未満の溶存CO2濃度の減少を含む場合に、流入水溶液の少なくとも1つのパラメータ、および/または接触させる段階を修正する段階。
【請求項2】
流入液および流出液中で温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つのパラメータを測定する段階をさらに含み、
溶存金属が、任意で、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、およびクロムからなる群より選択される少なくとも1つの金属であり、かつ
溶存非金属が、任意で、リン、シリカ、および酸素からなる群より選択される少なくとも1つの非金属またはメタロイドである、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
pHおよびアルカリ度からなる群より選択される少なくとも1つのパラメータが流出液中で測定される、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
以下:
(d) 流出液のpHが約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満である;
(e) 変化が約95%未満の溶存CO2濃度の減少を含む; および
(f) 流出水溶液のアルカリ度が流入水溶液中のアルカリ度と5%未満異なる
のうち少なくとも1つが生じる場合に、再循環流出液を提供するために、流出液の再循環によって、前記方法が段階(b)から繰り返される、
請求項1~3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
以下:
(a) 流入液のpHが約2.0超、約2.5超、約3.0超、約3.5超、約4.0超、約4.5超、約5.0超、約5.5超、約6.0超、約6.5超、または約7.0超である場合、少なくとも1つの酸性化剤が、流入液中で約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満のpHを実現するために十分な量で加えられる; および
(b) 流出液のpHが約2.0超、約2.5超、約3.0超、約3.5超、約4.0超、約4.5超、約5.0超、約5.5超、約6.0超、約6.5超、または約7.0超である場合、少なくとも1つの酸性化剤が、再循環流出液中で約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満のpHを実現するために十分な量で加えられる
のうち少なくとも1つが当てはまる、請求項4記載の方法。
【請求項6】
酸性化剤が、CO2(ガス状)、CO2(水性)、有機酸、および無機酸からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項5記載の方法。
【請求項7】
無機酸が、H2CO3、H2SO4、HNO3、HCl(水性)、およびHCl(ガス状)からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
以下:
(a) 流出液の溶存CO2濃度が流入液の溶存CO2濃度よりも大きい; および
(b) 流出液のCO2の分圧がCO2の大気分圧よりも大きい
のうち少なくとも1つが当てはまる場合に、流出液がガスストリッピングに供される、
請求項1~7のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
以下:
(a) 段階(a)が、流入液中で溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを測定することをさらに含む; ならびに
(b) 段階(d)が、流出液中で溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを測定することをさらに含む
のうち少なくとも1つが当てはまる、請求項1~8のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
第2の流出液を提供するために流出液を処理する段階をさらに含み、
第2の流出液が、流入液および/または流出液の濃度未満である、溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを有する、
請求項9記載の方法。
【請求項11】
処理する段階が、流出液を曝気することを含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
曝気によって、金属酸化物、非金属酸化物、金属水酸化物、非金属水酸化物、金属オキシ水酸化物、および非金属オキシ水酸化物からなる群より選択される少なくとも1つが形成される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
金属または非金属が、P、Fe、Ni、Cr、およびCoからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項12記載の方法。
【請求項14】
処理する段階が、流出液と少なくとも1つの収着剤とを接触させることを含む、請求項10~13のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの収着剤が、活性炭、1つまたは複数の粘土鉱物、およびバイオ炭、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの収着剤が、P、Fe、Ni、Cr、およびCoからなる群より選択される少なくとも1つの金属または非金属を吸着する、請求項14または15記載の方法。
【請求項17】
第2の流出液中で、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、CO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータ、ならびに任意で、温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つ
を測定する段階をさらに含む、請求項10~16のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの容器が、少なくとも2つの容器を含む、請求項1~17のいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
少なくとも2つの容器が、直列に、並列に、またはそれらの任意の組み合わせで配列されている、請求項18記載の方法。
【請求項20】
少なくとも2つの容器が、直列に配列されている、請求項19記載の方法。
【請求項21】
金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および/または金属酸化物が、直列に配列されている各容器の順に減少する粒径を有しており、任意で、上流容器中での粒径が、下流容器中での粒径よりも少なくとも2倍、4倍、6倍、8倍、10倍、50倍、または100倍大きくてもよい、請求項20記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つのフィルターを通じて流出液または第2の流出液を供給する段階をさらに含む、請求項1~21のいずれか一項記載の方法。
【請求項23】
フィルターが約1μm~約100μmの範囲の孔を有しており、任意で、孔が約1μm~約50μmの範囲である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液が、都市廃水、工業廃水、雨水、河川水、湖水、淡水、水道水、流去水、豪雨水、地下水、および海水からなる群より選択される少なくとも1つの水源を含む、請求項1~23のいずれか一項記載の方法。
【請求項25】
金属炭酸塩が、式:
(M1)m(CO3)n(OH)o(L1)p
を有し、
式中、
M1は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M1は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L1は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
m、n、o、およびpはそれぞれ独立して、該金属炭酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である、
請求項1~24のいずれか一項記載の方法。
【請求項26】
金属ケイ酸塩が、式:
(M2)q(SiO4)r(OH)s(L2)t
を有し、
式中、
M2は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M2は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L2は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
q、r、s、およびtはそれぞれ独立して、該金属ケイ酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である、
請求項1~25のいずれか一項記載の方法。
【請求項27】
金属酸化物が、式:
(M3)u(O)v(OH)w
を有し、
式中、
M3は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M3は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ; かつ
u、v、およびwはそれぞれ独立して、該金属酸化物が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である、
請求項1~26のいずれか一項記載の方法。
【請求項28】
少なくとも1つの容器が撹拌され、撹拌が、撹拌機、バッフル、フローパルセーター、曝気装置、およびインペラーからなる群より選択される少なくとも1つを使用して任意で実行される、請求項1~27のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
流入液または流出液の流量を増加または減少させる段階をさらに含む、請求項1~28のいずれか一項記載の方法。
【請求項30】
金属酸化物が、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、および酸化カルシウムからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1~29のいずれか一項記載の方法。
【請求項31】
金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および/または金属酸化物がそれぞれ独立して約1ミクロン~100mmの範囲の平均粒径を有する、請求項1~30のいずれか一項記載の方法。
【請求項32】
測定段階(a)および(d)が別々の容器中で実行される、請求項1~31のいずれか一項記載の方法。
【請求項33】
流出液の濁度および総懸濁固形分からなる群より選択される少なくとも1つが第1の時点および第2の時点において測定され、第1の時点が第2の時点に先行する、請求項1~32のいずれか一項記載の方法。
【請求項34】
流出液の濁度および/または総懸濁固形分の測定が、流入液と鉱物供給原料との接触が行われる容器中で実行される、請求項33記載の方法。
【請求項35】
流出液の濁度および/または総懸濁固形分の測定が、流入液と鉱物供給原料との接触が行われる容器以外の容器中で実行される、請求項33記載の方法。
【請求項36】
第2の時点での流出液の濁度および/または総懸濁固形分が第1の時点での流出液の濁度および/または総懸濁固形分よりも実質的に少ない場合、金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む鉱物供給原料が少なくとも1つの容器に加えられる、請求項33または34記載の方法。
【請求項37】
鉱物供給原料が、少なくとも1つの容器に手動で固体またはスラリーとして加えられ、添加が、コンベヤーによって固体として、またはポンプによってスラリーとして任意で行われる、請求項36記載の方法。
【請求項38】
供給原料スラリーが、供給原料と、都市廃水、工業廃水、雨水、河川水、湖水、淡水、水道水、流去水、豪雨水、地下水、および海水からなる群より選択される少なくとも1つの水性流体とを混合することで作製され、鉱物供給原料が、スラリーの少なくとも1%(w/w)を占める、請求項37記載の方法。
【請求項39】
流出液が、河川、湖沼、海洋、海、湾、地下水、池、小川、および廃水貯水池からなる群より選択される水の少なくとも1つの表面および/または地下本体に排出される、請求項1~38のいずれか一項記載の方法。
【請求項40】
少なくとも1つの容器が、流動床式反応器、連続撹拌槽型反応器、回分式反応器、半回分式反応器、脈動床式反応器、固定床式反応器、およびプラグフロー反応器からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1~39のいずれか一項記載の方法。
【請求項41】
以下を含む、水溶液処理システム:
(e) 任意で封止可能な接合部によって容器に接続された、流入水溶液入口であって、
容器が、その中に含有された水溶液に少なくとも1つの酸性化剤を加えるために好適な少なくとも1つの任意で封止可能な入口を含み、かつ
容器が、金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む鉱物供給原料を含有するために好適である、
流入水溶液入口; ならびに
(f) 任意で封止可能な接合部によって容器に接続された、流出水溶液出口であって、
pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定するために好適であり、かつ任意で、温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される、その中に含有された水溶液の少なくとも1つのパラメータを測定するためにさらに好適である、少なくとも2つのセンサを、各容器が備えており、
溶存金属が、任意で、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、鉄、コバルト、クロムからなる群より選択される少なくとも1つの金属であり、
溶存非金属が、任意で、リンおよびシリカからなる群より選択される少なくとも1つの非金属またはメタロイドであり、かつ
少なくとも2つのセンサのそれぞれが、入口接合部および/または出口接合部から異なる距離で容器内に位置している、
流出水溶液出口;
(g) 溶存CO2濃度の変化を計算するために、容器中の少なくとも2つのセンサのうち2つにおいて少なくとも2つの測定パラメータを比較するための手段; ならびに
(h) 溶存CO2濃度の変化を制御するための手段。
【請求項42】
溶存CO2濃度の変化を制御するための手段が、以下:
(c) 入口接合部において少なくとも1つの測定パラメータを修正する、閉ループプロセスコントローラ; ならびに
(d) 流入水溶液の流量、撹拌速度、流動再循環の速度またはスケジュール、鉱物供給原料中の金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および/または金属酸化物の濃度(w/v%)からなる群より選択される、容器中の少なくとも1つの接触条件を修正する、閉ループプロセスコントローラ
のうち少なくとも1つを含む、請求項41記載のシステム。
【請求項43】
システムが、並列に、直列に、またはそれらの組み合わせで配列されている少なくとも2つの実例の容器を含み、かつ各追加の実例の容器が、任意で封止可能な接合部によって追加の各容器に接続されている、請求項41または42記載のシステム。
【請求項44】
各実例の容器の入口接合部および出口接合部が、容器の対向する末端に位置している、請求項41~43のいずれか一項記載のシステム。
【請求項45】
システムが、再循環ラインをさらに含み、
以下:
(a) 再循環ラインが容器の第1の地点と第2の地点とを接続し、第1の地点および第2の地点が入口接合部および/または出口接合部から異なる距離で容器内に位置している; ならびに
(b) 再循環ラインが2つの実例の容器を直列に接続し、再循環ラインが、封止可能な接合部によって容器にそれぞれ接続された2つの末端を含む
のうち少なくとも1つが当てはまる、
請求項41~44のいずれか一項記載のシステム。
【請求項46】
再循環ラインが、水溶液の上流移動を可能にする、請求項45記載のシステム。
【請求項47】
再循環ラインが、約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満のpHを有する水溶液の検出時に、その中に含有された水溶液の再循環を促進する、請求項45または46記載のシステム。
【請求項48】
各実例の容器が、その中に含有された水溶液およびその中に含有された鉱物供給原料のうち少なくとも1つを撹拌するための手段を備えている、請求項41~47のいずれか一項記載のシステム。
【請求項49】
撹拌するための手段が、攪拌機、バッフル、およびインペラーからなる群より選択される、請求項48記載のシステム。
【請求項50】
流出液出口が、5超であるが8未満であるpHを有する水性液体の検出時に流出液のpHを所望の範囲内に修正するために好適である補助的pH調整システムに任意で接続される、請求項41~49のいずれか一項記載のシステム。
【請求項51】
各実例の容器が、任意で封止可能な接合部によって鉱物供給原料入口に任意で接続される、請求項41~50のいずれか一項記載のシステム。
【請求項52】
鉱物供給原料入口が水性鉱物スラリー容器に接続され、水性鉱物スラリー容器が、その中に含有された水性鉱物スラリーを少なくとも1つの実例の容器に移動させるために好適なポンプを備えている、請求項51記載のシステム。
【請求項53】
少なくとも1つのガスストリッパーをさらに含む、請求項41~52のいずれか一項記載のシステム。
【請求項54】
少なくとも1つの実例の容器が、その中に含有された水溶液の曝気に好適な装置を備えている、請求項41~53のいずれか一項記載のシステム。
【請求項55】
任意で封止可能な接合部によって少なくとも1つの実例の容器に接続された曝気容器をさらに含む、請求項41~54のいずれか一項記載のシステム。
【請求項56】
曝気容器が、その中に含有された水溶液の曝気に好適な装置を含む、請求項55記載のシステム。
【請求項57】
任意で封止可能な接合部によって少なくとも1つの実例の容器に接続された溶存金属処理容器をさらに含む、請求項41~55のいずれか一項記載のシステム。
【請求項58】
溶存金属処理容器が、少なくとも1つの収着剤を含む、請求項57記載のシステム。
【請求項59】
少なくとも1つの収着剤が、活性炭、1つまたは複数の粘土鉱物、およびバイオ炭、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項58記載のシステム。
【請求項60】
少なくとも1つの収着剤が、P、Fe、Ni、Cr、およびCoからなる群より選択される少なくとも1つの金属または非金属を吸着する、請求項58または59記載の方法。
【請求項61】
曝気容器が、少なくとも1つの実例の容器に対する接続を含む入口と、少なくとも1つの実例の容器に任意で接続される出口とを有する、請求項55または56記載のシステム。
【請求項62】
溶存金属処理容器が、少なくとも1つの実例の容器に対する接続を含む入口と、少なくとも1つの実例の容器に任意で接続される出口とを有する、請求項57~60のいずれか一項記載のシステム。
【請求項63】
各実例の流出液出口が少なくとも1つのフィルターを備えている、請求項41~62のいずれか一項記載のシステム。
【請求項64】
フィルターが約1μm~約100μmの範囲の孔を有しており、任意で、孔が約1μm~約50μmの範囲である、請求項63記載のシステム。
【請求項65】
流入水溶液入口が、都市廃水、工業廃水、雨水、河川水、湖水、淡水、水道水、流去水、豪雨水、地下水、および海水からなる群より選択される少なくとも1つの水源に接続されている、請求項41~64のいずれか一項記載のシステム。
【請求項66】
酸性化剤が、CO2(ガス状)、CO2(水性)、1つまたは複数の有機酸、および1つまたは複数の無機酸からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項41~65のいずれか一項記載のシステム。
【請求項67】
金属炭酸塩が、式:
(M1)m(CO3)n(OH)o(L1)p
を有し、
式中、
M1は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M1は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L1は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
m、n、o、およびpはそれぞれ独立して、該金属炭酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である、
請求項41~66のいずれか一項記載のシステム。
【請求項68】
金属ケイ酸塩が、式:
(M2)q(SiO4)r(OH)s(L2)t
を有し、
式中、
M2は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M2は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L2は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
q、r、s、およびtはそれぞれ独立して、該金属ケイ酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、
各数は独立して任意で整数である、
請求項41~67のいずれか一項記載のシステム。
【請求項69】
金属酸化物が、式:
(M3)u(O)v(OH)w
を有し、
式中、
M3は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M3は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ; かつ
u、v、およびwはそれぞれ独立して、該金属酸化物が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、
各数は独立して任意で整数である、
請求項41~68のいずれか一項記載のシステム。
【請求項70】
金属酸化物が、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、および酸化カルシウムからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項41~69のいずれか一項記載のシステム。
【請求項71】
可搬式自立型ユニットであるか、または非可搬式構造に組み込まれる、請求項41~70のいずれか一項記載のシステム。
【請求項72】
以下の段階を含む、ガス状CO2源からCO2を少なくとも部分的に隔離する方法:
(a) CO2を約1%(v/v)~約100%(v/v)の範囲の濃度で含む、任意で圧縮されているガス流を提供する段階;
(b) CO2を含む第2の流入水溶液を提供するために流入水溶液中に圧縮ガス流を供給する段階;
(c) 第2の流入水溶液中で、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する段階;
(d) 金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される鉱物供給原料を含む少なくとも1つの容器中に、第2の流入水溶液を供給する段階;
(e) 流出水溶液を形成するために、容器中で第2の流入水溶液と鉱物供給原料とを接触させる段階;
(f) 流出水溶液中でpH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する段階; ならびに
(g) 溶存CO2濃度の変化を計算するために、第2の流入水溶液の少なくとも2つの測定パラメータと流出水溶液の少なくとも2つの測定パラメータとを比較する段階; ならびに
(h) 変化が約95%未満の溶存CO2濃度の減少を含む場合に、流入水溶液の少なくとも1つのパラメータ、および/または接触させる段階を修正する段階。
【請求項73】
CO2を含む任意で圧縮されているガス流が、直接空気回収技術(DAC)ユニット、有機成分燃焼からのCO2、直接CO2源(例えば煙道ガス)、工業的供給源からのCO2、高純度酸素活性汚泥法により回収されるCO2、水素製造からのCO2、合成ガス製造からのCO2、およびバイオガス製造からのCO2からなる群より選択される少なくとも1つの供給源から得られる、請求項72記載の方法。
【請求項74】
直接空気回収技術(DAC)ユニットが、液体ベースのDACシステムまたは固体ベースのDACシステムである、請求項73記載の方法。
【請求項75】
第2の流入水溶液および/または流出水溶液中で温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つのパラメータを測定する段階をさらに含む、請求項72~74のいずれか一項記載の方法。
【請求項76】
pHおよびアルカリ度からなる群より選択される少なくとも1つのパラメータが流出液中で測定される、請求項72~75のいずれか一項記載の方法。
【請求項77】
以下:
(d) 流出液のpHが約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満である;
(e) 変化が約95%未満の溶存CO2濃度の減少を含む; および
(f) 流出水溶液中のアルカリ度が流入水溶液中のアルカリ度と5%未満異なる
のうち少なくとも1つが生じる場合に、流出液の再循環によって、前記方法が段階(c)から繰り返される、
請求項72~76のいずれか一項記載の方法。
【請求項78】
以下:
(a) 第2の流入液のpHが約2.0超、約2.5超、約3.0超、約3.5超、約4.0超、約4.5超、約5.0超、約5.5超、約6.0超、約6.5超、または約7.0超である場合、少なくとも1つの酸性化剤が、第2の流入液中で約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満のpHを実現するために十分な量で加えられる; および
(b) 流出液のpHが約2.0超、約2.5超、約3.0超、約3.5超、約4.0超、約4.5超、約5.0超、約5.5超、約6.0超、約6.5超、または約7.0超である場合、少なくとも1つの酸性化剤が、再循環流出液中で約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満のpHを実現するために十分な量で加えられる
のうち少なくとも1つが当てはまる、請求項72~77のいずれか一項記載の方法。
【請求項79】
酸性化剤が、CO2(ガス状)、CO2(水性)、1つまたは複数の有機酸、および1つまたは複数の無機酸からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項78記載の方法。
【請求項80】
無機酸が、H2CO3、H2SO4、HNO3、HCl(水性)、およびHCl(ガス状)からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項79記載の方法。
【請求項81】
以下:
(a) 流出液の溶存CO2濃度が第2の流入液の溶存CO2濃度よりも大きい; および
(b) 流出液のCO2の分圧がCO2の大気分圧よりも大きい
のうち少なくとも1つが当てはまる場合に、流出液がガスストリッピングに供される、
請求項72~80のいずれか一項記載の方法。
【請求項82】
以下:
(a) 段階(c)が、流入液中で溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを測定することをさらに含む; ならびに
(b) 段階(f)が、流出液中で溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを測定することをさらに含む
のうち少なくとも1つが当てはまる、請求項72~81のいずれか一項記載の方法。
【請求項83】
第2の流出液を提供するために流出液を処理する段階をさらに含み、
第2の流出液が、流入液および/または流出液の濃度未満である、溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを有する、
請求項82記載の方法。
【請求項84】
処理する段階が、流出液を曝気することを含む、請求項83記載の方法。
【請求項85】
曝気によって、金属酸化物、非金属酸化物、金属水酸化物、非金属水酸化物、金属オキシ水酸化物、および非金属オキシ水酸化物からなる群より選択される少なくとも1つが形成される、請求項84記載の方法。
【請求項86】
金属または非金属が、P、Fe、Ni、Cr、およびCoからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項85記載の方法。
【請求項87】
処理する段階が、流出液と少なくとも1つの収着剤とを接触させることを含む、請求項83記載の方法。
【請求項88】
少なくとも1つの収着剤が、活性炭、1つまたは複数の粘土鉱物、およびバイオ炭、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項87記載の方法。
【請求項89】
少なくとも1つの収着剤が、P、Fe、Ni、Cr、およびCoからなる群より選択される少なくとも1つの金属または非金属を吸着する、請求項87または88記載の方法。
【請求項90】
第2の流出液中でpH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、CO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータ、ならびに任意で、温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つ
を測定する段階をさらに含む、請求項83~89のいずれか一項記載の方法。
【請求項91】
少なくとも1つの容器が、少なくとも2つの容器を含む、請求項72~90のいずれか一項記載の方法。
【請求項92】
少なくとも2つの容器が、直列に、並列に、またはそれらの任意の組み合わせで配列されている、請求項72~91記載の方法。
【請求項93】
少なくとも2つの容器が、直列に配列されている、請求項92記載の方法。
【請求項94】
金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および/または金属酸化物が、直列に配列されている各容器の順に減少する粒径を有しており、任意で、上流容器中での粒径が、下流容器中での粒径よりも少なくとも2倍、4倍、6倍、8倍、10倍、50倍、または100倍大きくてもよい、請求項93記載の方法。
【請求項95】
少なくとも1つのフィルターを通じて流出液または第2の流出液を供給する段階をさらに含む、請求項72~94のいずれか一項記載の方法。
【請求項96】
フィルターが約1μm~約100μmの範囲の孔を有しており、任意で、孔が約1μm~約50μmの範囲である、請求項95記載の方法。
【請求項97】
CO2を含む流入水溶液が、都市廃水、工業廃水、雨水、河川水、湖水、淡水、水道水、流去水、豪雨水、地下水、および海水からなる群より選択される少なくとも1つの水源を含む、請求項72~96のいずれか一項記載の方法。
【請求項98】
金属炭酸塩が、式:
(M1)m(CO3)n(OH)o(L1)p
を有し、
式中、
M1は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M1は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L1は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
m、n、o、およびpはそれぞれ独立して、該金属炭酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である、
請求項72~97のいずれか一項記載の方法。
【請求項99】
金属ケイ酸塩が、式:
(M2)q(SiO4)r(OH)s(L2)t
を有し、
式中、
M2は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M2は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L2は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
q、r、s、およびtはそれぞれ独立して、該金属ケイ酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、
各数は独立して任意で整数である、
請求項72~98のいずれか一項記載の方法。
【請求項100】
金属酸化物が、式:
(M3)u(O)v(OH)w
を有し、
式中、
M3は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M3は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ; かつ
u、v、およびwはそれぞれ独立して、該金属酸化物が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である、
請求項72~99のいずれか一項記載の方法。
【請求項101】
金属酸化物が、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、および酸化カルシウムからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項72~100のいずれか一項記載の方法。
【請求項102】
金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および/または金属酸化物がそれぞれ独立して約1ミクロン~100mmの範囲の平均粒径を有する、請求項72~101のいずれか一項記載の方法。
【請求項103】
測定段階(a)および(d)が別々の容器中で実行される、請求項72~102のいずれか一項記載の方法。
【請求項104】
流出液の濁度および総懸濁固形分からなる群より選択される少なくとも1つが第1の時点および第2の時点において測定され、第1の時点が第2の時点に先行する、請求項72~103のいずれか一項記載の方法。
【請求項105】
第2の時点での流出液の濁度および/または総懸濁固形分が第1の時点での流出液の濁度または総懸濁固形分よりも実質的に少ない場合、金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む鉱物供給原料が少なくとも1つの容器に加えられる、請求項104記載の方法。
【請求項106】
鉱物供給原料が、少なくとも1つの容器に手動で固体またはスラリーとして加えられ、添加が、コンベヤーによって固体として、またはポンプによってスラリーとして任意で行われる、請求項105記載の方法。
【請求項107】
鉱物供給原料スラリーが、供給原料と、都市廃水、工業廃水、雨水、河川水、湖水、淡水、水道水、流去水、豪雨水、地下水、および海水からなる群より選択される少なくとも1つの水性流体とを混合することで作製され、鉱物供給原料が、スラリーの少なくとも1%(w/w)を占める、請求項106記載の方法。
【請求項108】
流出液が、河川、湖沼、海洋、海、湾、地下水、池、小川、および廃水貯水池からなる群より選択される水の少なくとも1つの表面および/または地下本体に排出される、請求項72~107のいずれか一項記載の方法。
【請求項109】
少なくとも1つの容器が、流動床式反応器、連続撹拌槽型反応器、回分式反応器、半回分式反応器、脈動床式反応器、固定床式反応器、およびプラグフロー反応器からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項72~108のいずれか一項記載の方法。
【請求項110】
以下の段階を含む、水源からのCO2の少なくとも部分的な隔離のためのシステムの設計および運用を最適化する方法:
(a) 水源の少なくとも2つのパラメータの値を確定する段階;
(b) 金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物、またはそれらの任意の組み合わせを含む少なくとも1つの鉱物供給原料を選択、輸送、および調達することに関連する少なくとも1つのパラメータを確定する段階;
(c) 少なくとも1つの鉱物供給原料を選択、輸送、および調達することに関連する少なくとも1つのパラメータの地理空間情報システム(GIS)輸送ネットワーク分析を実行する段階;
(d) 水源の少なくとも2つのパラメータおよびGIS輸送ネットワーク分析の結果から風化モデルを計算する段階; ならびに
(e) 水源からCO2を少なくとも部分的に隔離するための少なくとも1つの容器を含む水溶液処理システムを、風化モデルの出力に従って設計および運用する段階。
【請求項111】
水溶液処理システムが、請求項41~71のいずれか一項記載のシステムをさらに含む、請求項110記載の方法。
【請求項112】
(f) 水溶液処理システムからの流出液流の少なくとも2つのパラメータを測定する段階;
(g) 測定された流出液流の少なくとも2つのパラメータによって反応輸送モデルをアップデートする段階; および
(h) アップデートされた反応輸送モデルに基づいて風化モデルを再計算する段階
をさらに含む、請求項111記載の方法。
【請求項113】
水源の少なくとも2つのパラメータが、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、温度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される、請求項111または112記載の方法。
【請求項114】
流出液流の少なくとも2つのパラメータが、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、温度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される、請求項111~113のいずれか一項記載の方法。
【請求項115】
少なくとも1つの鉱物供給原料を調達することに関連する少なくとも1つのパラメータが、鉱物ベースの供給原料の種類、供給原料のコスト、供給原料のCO2回収速度、および供給原料源と処理すべき水源との間の距離からなる群より選択される、請求項110~114のいずれか一項記載の方法。
【請求項116】
風化モデルが、少なくとも1つの鉱物供給原料の目標平均粉砕粒径を策定する、請求項110~115のいずれか一項記載の方法。
【請求項117】
風化モデルが、
流出液流の再循環速度または少なくとも1つの容器の撹拌速度のうち少なくとも1つを含む、水溶液処理システムの流動設計
を策定する、請求項110~116のいずれか一項記載の方法。
【請求項118】
風化モデルが、
供給原料適用速度、水溶液処理システムに対する酸の添加速度、または水溶液処理システムに対するCO2の添加速度のうち少なくとも1つを含む、添加物質および供給原料適用モデル
を含む、請求項110~117のいずれか一項記載の方法。
【請求項119】
水源が、都市廃水、工業廃水、雨水、河川水、湖水、淡水、水道水、流去水、豪雨水、地下水、および海水からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項110~118のいずれか一項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月31日出願の米国仮出願第63/239,044号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
背景
岩石の自然の化学的風化によって年間で約11億トンの二酸化炭素(CO2)が隔離される。鉱物および/または岩石(例えばケイ酸塩および/または炭酸塩)を微粒子に破砕して土地または水生系に適用することによって、鉱物溶解生成物(例えば特にアルカリ分、Si、Ca、Mg、Fe、およびNi)の放出を伴う鉱物溶解の間の大気CO2の消費を促進するように、この自然のプロセスを劇的に強化することができる。
【0003】
風化促進(EW)に関する研究は、破砕された鉱物および/または岩石を熱帯の農業条件に適用することに主に重点を置いており、楽観的なコスト推定値はCO2回収量1トン当たり80ドル~180ドルである。しかし、様々な条件にEWを適用する上で有効性、コスト、安全性、および検証戦略に関する根本的な疑問が残っている。
【0004】
したがって、風化促進のためのシステムおよび/または装置、ならびにその使用方法が当技術分野に求められている。本開示はこの要求に対処するものである。
【発明の概要】
【0005】
簡単な概要
一局面では、本開示は、水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液からCO2を少なくとも部分的に隔離する方法を提供する。特定の態様では、本方法は、(a) 溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液中で、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する段階を含む。特定の態様では、本方法は、(b) 金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む鉱物供給原料を含む少なくとも1つの容器を通じて、流入水溶液を供給する段階を含む。特定の態様では、本方法は、(c) その中に溶存した1つまたは複数の金属イオンおよび/または炭酸イオンを含む流出水溶液を提供するために、流入水溶液と鉱物供給原料とを接触させる段階を含む。特定の態様では、本方法は、(d) 流出水溶液中でpH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する段階を含む。特定の態様では、本方法は、(e) 溶存CO2濃度の変化を計算するために、流入水溶液の少なくとも2つの測定パラメータと流出水溶液の少なくとも2つの測定パラメータとを比較する段階を含む。特定の態様では、本方法は、(f) 変化が約95%未満、約90%未満、約85%未満、約80%未満、約75%未満、約70%未満、約65%未満、約60%未満、約55%未満、約50%未満、約45%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.9%未満、約0.8%未満、約0.7%未満、約0.6%未満、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満、約0.2%未満、または約0.1%未満の溶存CO2濃度の減少を含む場合に、流入水溶液の少なくとも1つのパラメータ、および/または接触させる段階を修正する段階を含む。
【0006】
別の局面では、本開示は、水溶液処理システムを提供する。特定の態様では、処理システムは、(a) 任意で封止可能な接合部によって容器に接続された流入水溶液入口を含む。特定の態様では、容器は、その中に含有された水溶液に少なくとも1つの酸性化剤を加えるために好適な少なくとも1つの任意で封止可能な入口を含む。特定の態様では、容器は、金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む鉱物供給原料を含有するために好適である。特定の態様では、処理システムは、(b) 任意で封止可能な接合部によって容器に接続された流出水溶液出口を含む。特定の態様では、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定するために好適であり、かつ任意で、温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される、その中に含有された水溶液の少なくとも1つのパラメータを測定するためにさらに好適である、少なくとも2つのセンサを、各容器は備えている。特定の態様では、溶存金属は、任意で、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、鉄、コバルト、クロムからなる群より選択される少なくとも1つの金属である。特定の態様では、溶存非金属は、任意で、リンおよびシリカからなる群より選択される少なくとも1つの非金属またはメタロイドである。特定の態様では、少なくとも2つのセンサのそれぞれは、入口接合部および/または出口接合部から異なる距離で容器内に位置している。特定の態様では、処理システムは、(c) 溶存CO2濃度の変化を計算するために、容器中の少なくとも2つのセンサのうち2つにおいて少なくとも2つの測定パラメータを比較するための手段を含む。特定の態様では、比較するための手段は、流入液および流出液中でpH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定するために好適な少なくとも2つのセンサを使用すること、ならびにこれら2つの結果を比較することを含む。特定の態様では、比較することは、コンピュータソフトウェアを使用して実行される。
【0007】
特定の態様では、処理システムは、溶存CO2濃度の変化を制御するための手段を含む。特定の態様では、制御するための手段は、酸性化剤を加えることを含む。特定の態様では、制御するための手段は、曝気を含む。特定の態様では、制御するための手段は、撹拌を含む。特定の態様では、制御するための手段は、CO2の分圧を増加させることを含む。
【0008】
別の局面では、本開示は、ガス状CO2源からCO2を少なくとも部分的に隔離する方法を提供する。特定の態様では、本方法は、(a) CO2を約1%(v/v)~約100%(v/v)の範囲の濃度で含む任意で圧縮されているガス流を提供する段階を含む。特定の態様では、本方法は、(b) CO2を含む第2の流入水溶液を提供するために流入水溶液中に圧縮ガス流を供給する段階を含む。特定の態様では、本方法は、(c) 第2の流入水溶液中で、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する段階を含む。特定の態様では、本方法は、(d) 金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される鉱物供給原料を含むする少なくとも1つの容器中に、第2の流入水溶液を供給する段階を含む。特定の態様では、本方法は、(e) 流出水溶液を形成するために、容器中で第2の流入水溶液と鉱物供給原料とを接触させる段階を含む。特定の態様では、本方法は、(f) 流出水溶液中でpH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する段階を含む。特定の態様では、本方法は、(g) 溶存CO2濃度の変化を計算するために、第2の流入水溶液の少なくとも2つの測定パラメータと流出水溶液の少なくとも2つの測定パラメータとを比較する段階を含む。特定の態様では、本方法は、(h) 変化が約95%未満、約90%未満、約85%未満、約80%未満、約75%未満、約70%未満、約65%未満、約60%未満、約55%未満、約50%未満、約45%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.9%未満、約0.8%未満、約0.7%未満、約0.6%未満、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満、約0.2%未満、または約0.1%未満の溶存CO2濃度の減少を含む場合に、流入水溶液の少なくとも1つのパラメータ、および/または接触させる段階を修正する段階を含む。
【0009】
別の局面では、本開示は、水源からのCO2の少なくとも部分的な隔離のためのシステムの設計および運用を最適化する方法を提供する。特定の態様では、本方法は、(a) 水源の少なくとも2つのパラメータの値を確定する段階を含む。特定の態様では、本方法は、(b) 金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物、またはそれらの任意の組み合わせを含む少なくとも1つの鉱物供給原料を選択、輸送、および調達することに関連する少なくとも1つのパラメータを確定する段階を含む。特定の態様では、本方法は、(c) 少なくとも1つの鉱物供給原料を選択、輸送、および調達することに関連する少なくとも1つのパラメータの地理空間情報システム(GIS)輸送ネットワーク分析を実行する段階を含む。特定の態様では、本方法は、(d) 水源の少なくとも2つのパラメータおよびGIS輸送ネットワーク分析の結果から風化モデル(反応輸送モデルとも呼ばれる)を計算する段階を含む。特定の態様では、本方法は、(e) 水源からCO2を少なくとも部分的に隔離するための少なくとも1つの容器を含む水溶液処理システムを、風化モデルの出力に従って設計および運用する段階を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面は、本出願の様々な態様を一般的に、例示として、但し限定としてではなく示す。
【0011】
図1】本開示の例示的な風化促進システムの模式図を示す。この模式図は、容器収容型の風化促進ユニットの配置の概念的全体像を提供する。容器収容型のユニットに流入水溶液が流入し、鉱物供給原料スラリーがさらに導入される。処理器内には、水と供給原料とを混合し、それにより風化反応を生じさせる、1つまたは複数の反応器が存在する。このプロセスの間に、供給原料が溶解し、pHおよびアルカリ度が増加し、それによりCO2から重炭酸イオンが生じる。ユニットの前端および後端に位置しうるセンサアレイによって、その中に含有されている水溶液の様々なパラメータが出入時に測定され、それによりCO2除去の高レベルの信頼度が提供され、同時に、風化促進を行っている間の多量元素または微量元素の放出もモニタリングされる。処理水は、pH 7~8に到達すると排出可能になる。
図2】HCO3が標準的な温度および圧力条件下でpH約7において溶存無機炭素の主要な水性形態となることを示したスペシエーション計算を提供する。
図3】橄欖石の一種(すなわち苦土橄欖石)が鉱物供給原料として粒径100μm、30μm、および10μmで使用される本開示の風化促進システムの一態様を使用する都市廃水処理施設での本開示のモデル化結果を示した棒グラフを提供する。都市主流および/または焼却施設流を使用する回収が示される。
図4】CO2添加水(EW-CO2)で最適化された米国の都市廃水システムおよび米国の都市システムの二酸化炭素回収能力を示す。回収能力を米国における一連の他のネガティブエミッション技術の推定値と比較する。四角は炭素回収能力の推定値の範囲を示し、一方、黒丸は高信頼度の推定値を示す。EWでは、下限推定値は廃水および供給原料の保存的組成を反映するものであり、一方、上限推定値は低pH廃水の総量の増加、および反応性がより高い粒径を想定するものである。EW-CO2では、下限推定値はCO2-流体最適化および供給原料組成の保存的使用を反映するものであり、一方、上限推定値はCO2-流体最適化の3倍増、および反応性がより高い粒径を想定するものである。
図5】粒度分布モデルの結果を示した、本開示のモデル化結果のグラフを提供する。θ = 1は、D* = 1の粒子を溶解させるために必要な時間である。D* = 1は、懸濁液中に溶解する粒子の初期対数正規分布の固有値である。経時的に、大きな粒子は溶解して小さな粒子になり、いくつかの小さな粒子は完全に溶解する。
図6】スケールされた表面積とスケールされた時間との間の関係を示した、本開示のモデル化結果のグラフを提供し、三角および関連する線は最小曲率を示し、円形および関連する線は単位質量当たりの最大表面積を示す。スケールされた表面積曲線の屈曲点(すなわち三角)において、単位質量当たりの表面積の生成が遅くなり始める(すなわち、反応-溶解効率が遅くなる)。
図7】本明細書に示される理論的モデル結果(すなわち図8A図8B)における反応に利用可能な総表面積を示した、本開示のモデル化結果のグラフを提供する。このグラフでは、実曲線は図8A図8Bに示されるものと同じである。破線は、溶解に利用可能な未反応表面積に対応している。このグラフは、表面積作成と反応性供給原料の溶解に利用可能な総質量との間のバランスを示す。このモデルはシステム運用を設計することに役立ちうる。
図8図8A図8Bは、橄欖石(図8A)および石灰石(図8B)を使用して計算された、半径rを有する球体のストークス沈降速度をストークス沈降時間スケールに対して比較するための説明図を提供する、本開示のモデル化結果を提供する。大きい水の速度と小さい粒子半径との組み合わせは反応器から洗い流されることが示された。そのような組み合わせは、いずれかのプロットにおける任意の所与の曲線の上および左にプロットされる。反応器の直径が増加するに従って、任意の所与の水の体積流量によって流動速度の低下が促される。したがって、反応カラムを大きくすることで、鉱物供給原料を洗い流すことなく水の流量を大きくすることができる。
図9図9A図9Bは、本開示の24時間の実際の風化促進実験の間に測定された、流入液/流出液のpH(図9A)および流入液の総アルカリ度(図9B)を示す。使用供給原料は苦土橄欖石とし、流量は1.5L/分に設定した。総アルカリ度が示される試料を実験の始め、途中、および終わりに取得した。流入液のpHの一時的な上昇が流入液槽の再充填の結果であることに留意されたい。流入液と流出液との間のpHの変化は、廃水に関連するpH条件下での橄欖石溶解の結果である。pHの差は反応24時間近くで減少するようであり、これは溶解速度の減少を示している。理論に拘束されることは望ましくないが、これは、粒度が最も微小なものが完全に溶解するときの表面積の減少が原因である可能性がある。図9Cは、本開示の実際の風化促進実験の間に測定された流入液/流出液のpHを示す。使用供給原料は平均粒径約1mmを有する粗粒の方解石質石灰石とし、流量は0.4L/分に設定した。この実験では、酸性流入液はpH約3.5を有したが、pHおよび流入速度はオペレーターが調整できる。酸性水溶液は、容器に入ったときに方解石質石灰石の顆粒床に浸透する。床から出た後、水溶液のpHを再度測定する(すなわち流出液)。流入水のpHと流出水のpHとの間の差は供給原料の溶解を示す。溶液中の遊離プロトンによって固体炭酸カルシウムが溶存重炭酸イオンおよびカルシウムカチオンに変換される。このプロセスにより、容器全体にわたってpHが上昇する。この図は、水溶液中でのCO2の溶解により生じる炭酸を、本開示のシステム、装置、および/または方法の使用により重炭酸イオンに変換することができることを示す。
図10図10A図10Bは、異なる橄欖石の粒度(すなわち図10Aでは約100μm; 図10Bでは63μm未満)で本開示の風化促進システムの態様を使用して測定された、溶存CO2濃度の経時的変化を示す。これらの実験では、CO2を流入液槽に吹き込み、橄欖石溶解のための酸供給源として使用した。溶存CO2の減少は、鉱物供給原料の溶解を通じてCO2を除去することができることを示す。
図11A図11A図11Cは、本開示の実際の実験により得られた、1M HClによるエッチングあり(図11A図11B)またはなし(図11C)での橄欖石粒子の表面粗さまたはエッチピットの増加を示した画像を提供する。反応速度が比表面積(SSA)と部分的に相関していることから、鉱物供給原料と酸性化剤(例えばHCl)とを接触させることで、HClによる風化皮膜のエッチングまたは除去により反応速度が増加しうる。
図11B図11Aの説明を参照のこと。
図11C図11Aの説明を参照のこと。
図12】本開示の実際の実験により得られた、1N塩酸の添加の前および後の橄欖石供給原料由来のFe、Co、およびNiの濃度を示す。金属の放出速度は、pHの減少により生じる橄欖石溶解の増加に従って増加する。したがって、効率的な金属回収は、容器収容型のEWシステムにおいて高い溶解速度を維持することに依存する。
図13】本開示の実際の実験により得られた、低pH水溶液中での橄欖石溶解実験の間のNi濃度の変化を示す。Niは、溶解開始時に実質的に上昇し、酸素化の間にFe酸化物上での収着によって除去される。これらのFe酸化物を収集することができ、収着されたNiを放出し、回収し、商業的に販売することができる。
図14】選択された橄欖石中でのMgの重量パーセントに対するCoおよびNiの濃度を示す(データはGEOROCデータベースから取得)。これらの濃度に基づいて、かつ鉱物供給原料の溶解および金属の回収が完了したものと仮定して、CO2回収量1トン当たり70ドルというコストが計算された。
図15】いくつかの態様に係る本開示の例示的な風化促進装置を示す。流入水溶液が反応槽に流入して、様々な粒度で供給されうる鉱物供給原料と混合される。反応器を通じた層流または乱流の様式を維持するために、一連の撹拌機または特定の流動設計を使用することができる。いくつかの態様では、反応槽は、例えば反応槽の1つまたは複数の壁面の一部または全体に沿って並んでいて、反応槽に入る流動または反応槽内の流動を変化させるように構成されている、1つまたは複数の散気装置または曝気装置を含みうる。いくつかの態様では、1つまたは複数のポイントフロー源、例えば反応槽内の流動を変化させるように速度が変動するポイントフロー源が、反応槽に位置しうる。いくつかの態様では、粒子状物質を除去するために一連の濾過機構および浄化機構を使用することができる。風化およびCO2回収の完了を確実にするために流動を再循環することができる。サンプリング口およびモニタリング口によって、水および鉱物供給原料の生理化学的状況の変化の追跡が可能になる。特定の態様では、流出液をさらなる処理のために廃水処理施設に排出することができる。
図16】いくつかの態様に係る本開示の別の例示的な風化促進装置を示す。流入水溶液が反応槽に流入して、様々な粒度で供給されうる鉱物供給原料と混合される。反応器を通じた層流または乱流の様式を維持するために、一連の撹拌機または特定の流動設計を使用することができ、風化促進のプロセスの間に生じた粒子状物質を除去するために一連の濾過機構および浄化機構を使用することができる。鉱物反応およびCO2回収の完了を確実にするために流動を再循環することができる。このシステムはか焼ループと組み合わせてもよく、この場合、金属酸化物(例えばMgO)と水溶液とを接触させることで菱苦土鉱(MgCO3)などの炭酸塩を形成した後、これを回収し、か焼することでCO2流を形成し、再生された鉱物供給原料は反応槽に再導入されうる。サンプリング口およびモニタリング口によって、水および鉱物供給原料の生理化学的状況の変化の追跡が可能になりうる。特定の態様では、流出水溶液をさらなる処理のために廃水処理施設に排出することができる。
図17】いくつかの態様に係る本開示の別の例示的な風化促進装置を示す。流入水溶液が反応槽に流入して、様々な粒度で供給されうる鉱物供給原料と混合される。反応器を通じた層流または乱流の様式を維持するために、一連の撹拌機または特定の流動設計を使用することができ、粒子状物質を除去するために一連の濾過機構および浄化機構を使用することができる。鉱物反応およびCO2回収の完了を確実にするために流動を再循環することができる。さらなる風化促進のために濃縮CO2流を反応槽に導入することができる。回収完了を確実にするために未反応CO2を反応器中に再循環することができる。サンプリング口およびモニタリング口によって、水および鉱物供給原料の生理化学的状況の変化の追跡が可能になりうる。特定の態様では、流出水溶液をさらなる処理のために廃水処理施設に排出することができる。
図18】いくつかの態様に係る本開示の例示的な可搬式風化促進システムを示す。
図19】容器収容型の反応器向けの流動床カラム設計を含むプロトタイプ風化促進システムの模式図を提供する。
図20】システムが標準的な輸送コンテナに収容されている、本開示の例示的な風化促進システムの模式図(上面図)を示す。
図21A図21A図21Bは、本開示の例示的な風化促進システムの側面模式図(図21A)および正面模式図(図21B)を示す。
図21B図21Aの説明を参照のこと。
図22】本開示の例示的な風化促進システムの模式図を示す。この模式図は、化学処理において一般的に使用される1つまたは複数の容器を含む、風化促進システムの一態様の概念的全体像を提供する。
図23】市場における潜在的なクライアント全体でどれほど多くのCO2を除去することができるかの現実的な推定値を提供しながら、用地に特有のCO2除去およびコストを同定、設計、および改善するように構成された、本開示の地球化学および地理空間モデルの流れ模式図である。
図24図24A: 回分式反応器中で様々な水:岩石比の微粒の橄欖石を鉱物供給原料として使用する、都市廃水処理施設からの有機物汚泥焼却施設クエンチ流から取得した酸性廃水流の中和を示した、本開示の実際の実験からの測定データのグラフを示す。図24B: 回分式反応器中の様々な水:岩石比のドロマイト質石灰石に関するpHの経時的変化を示した、本開示の実際の実験からの測定データのグラフを提供する。
図25図25A図25Bは、流出液中のアルカリ分と溶存無機炭素(DIC)との対比を示した、本開示の実際の実験からの測定データのグラフを提供する。この関係は、風化促進プロセスの間の溶存無機炭素種からアルカリ分(HCO3 -)への変換を反映するものである。このプロットにおけるデータは流動床としてのプロトタイプユニットから収集した。図25Aは、平均粒度200μmを有する中粒のドロマイト質石灰石によって行われた、本開示の実験からの測定データを表す。図25Bは、平均粒度63μm未満を有する微粒の橄欖石によって行われた実験を表す。
図26】様々な水:岩石比(すなわち10:1が丸; 50:1がX字; 100:1が三角)の平均粒度200μmを有する中粒のドロマイト質石灰石、および微粒の橄欖石(63μm未満; 星印)を使用する、回分式反応器中での風化促進プロセスの間の、溶存無機炭素種からアルカリ分(HCO3 -)への変換を反映する、流出液中のアルカリ分と溶存無機炭素(DIC)との対比を示した、本開示の実際の実験からの測定データのグラフを提供する。
図27A図27A図27Dは、橄欖石とHClで酸性化された脱イオン水とを含む回分式反応器中での経時的な橄欖石溶解の間のFe(図27A)、Ni(図27B)、Co(図27C)、およびCr(図27D)の放出を示した、本開示の実際の実験からの測定データのグラフを提供する。酸性化後のこの実験の出発pHは3.3とした。橄欖石が溶解するとき、Fe、Ni、Co、およびCrが放出される。Feが酸化してFe酸化物の形態で溶液から除去されるとき、Ni、Co、およびCrも酸化物表面への吸着を通じて除去される。
図27B図27Aの説明を参照のこと。
図27C図27Aの説明を参照のこと。
図27D図27Aの説明を参照のこと。
図28A図28A図28Bは、本明細書に記載の用地選択方法の特定の態様を記述したフロー図を提供する。これらの図面は、現地の物理的および地球化学的測定値を前提として用地に特有のCO2除去を同定および設計するために利用される、本開示の地球化学および反応輸送モデルの流れ模式図を示す。地球化学および反応輸送モデルは、風化反応の熱力学的および動力学的挙動ならびに該反応の物理的輸送を数学的に再現するために使用される、一連の式で構成される。このモデルは、水溶液源(例えば、特に都市廃水および工業廃水、ならびに有機物汚泥焼却施設クエンチ流、ならびに/または追加のCO2ガスと平衡化された他の流入水溶液)からの経験的データを使用して実行される場合、容器収容型の本開示の風化促進のシステム、装置、および/または方法を使用しての有意なCO2除去の速度を予測するものである。
図28B図28Aの説明を参照のこと。
図29】本開示の例示的な風化促進システムの使用の特定の態様の特定の制御パラメータを記述したフロー図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
驚くべきことに、かつ予想外なことに、特定の種類、粒径、および表面積のケイ酸塩および/もしくは炭酸塩の鉱物ならびに/または金属酸化物が特定の本発明のプロセス構成で容器に収容されている場合、その中に含有されたCO2と反応して重炭酸イオンを形成することで水溶液から大量の二酸化炭素を効率的に回収するように、それらを使用することができることが発見された。具体的には、水溶液から二酸化炭素を隔離するために特定の容器収容型の金属ケイ酸塩および/もしくは金属炭酸塩の鉱物ならびに/または金属酸化物を利用する、本明細書に記載の本発明のシステムおよび/または装置、ならびにその使用方法によって、容器に入る流入水溶液と容器から排出される流出水溶液との間で溶存CO2濃度の予想外かつ驚くべき減少が生じることが発見された。したがって、本開示は、天然組成物を利用してCO2を隔離するための、本発明のシステムおよび/または装置、ならびにその使用方法を提供する。大気CO2濃度の増加による地球温暖化に対抗する一助となるための、これらの天然組成物を利用する、これらの本明細書に開示される本発明のシステムおよび/または装置、ならびにその使用方法が長く求められていた。
【0013】
ここで、開示される主題の特定の態様に詳細に言及する。これら態様の例の一部は添付図面に示される。開示される主題を番号付きの請求項との関連で説明するが、例示される当該の主題が特許請求の範囲を開示される当該の主題に限定するようには意図されていないことが理解されよう。
【0014】
本文献全体を通じて、範囲という形で表される値は、範囲の限界値として明示的に記載される数値を含むだけではなく、該範囲内に包含されるすべての個々の数値または部分範囲も、あたかも各数値および部分範囲が明示的に記載されるかのように含むように、柔軟に解釈されるべきである。例えば、「約0.1%~約5%」または「約0.1%~5%」という範囲は、約0.1%~約5%だけでなく、指示された範囲内の個々の値(例えば1%、2%、3%、および4%)ならびに部分範囲(例えば0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)も含むものと解釈されるべきである。別途指示がない限り、「約X~Y」という記載は「約X~約Y」と同じ意味を有する。同様に、別途指示がない限り、「約X、Y、または約Z」という記載は「約X、約Y、または約Z」と同じ意味を有する。
【0015】
本文献では、文脈上別途明らかな指示がない限り、「a」、「an」、または「the」という用語は1つまたは2つ以上を含むように使用される。別途指示がない限り、「または」という用語は、非排他的な「または」を意味するように使用される。「AおよびBのうち少なくとも1つ」または「AもしくはBのうち少なくとも1つ」という記載は「A、B、またはAおよびB」と同じ意味を有する。さらに、本明細書において使用され、かつ他の箇所で定義されていない語句または用語は、記述のみを目的としており、限定を目的としていないものと理解されるべきである。節の見出しの任意の使用は、本文献の読解の助けとなるように意図されており、限定的なものと解釈されるべきではない。節の見出しに関連する情報は、その特定の節の内側または外側で生じうる。本文献において言及されるすべての刊行物、特許、および特許文献は、個々に参照により組み入れられるかのように、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0016】
本明細書に記載の方法では、時間順序または操作順序が明示的に記載されている場合を除き、行為を任意の順序で行うことができる。さらに、特定の行為が別々に行われなければならないと請求項の明示的な文言に記載されていない限り、それらを同時に行うことができる。例えば、Xを行うという請求項記載の行為およびYを行うという請求項記載の行為を1つの操作内で同時に行うことができ、結果的なプロセスは請求項記載のプロセスの字義通りの範囲内である。
【0017】
説明
地球温暖化の平均が2℃を、さらには1.5℃を超えることを防止するには、地球規模での排出量増加の継続(2019年のCO2eは土地利用の変化を含めて59.1±5.9Gt)、および総排出量の65%を占める化石燃料への依存を考慮すれば、温室効果ガス(GHG)除去が必須であると見られている。温暖化がこの2℃の閾値を超える場合に、食糧および水の安全保障に対する脅威、生態系の破壊、ならびに多くの他の環境的および社会経済的影響といった危険な結果が予測されている。このことが一連のネガティブエミッション技術(NETs)に関する研究の動機となっている。
【0018】
地球上での炭素の循環および除去の主要経路の1つは、ケイ酸塩岩石の風化-地質年代尺度で恒久的な炭素回収を生じさせる-および炭酸塩岩石の風化-約10,000年の時間尺度で炭素回収を生じさせる-である。大気中の二酸化炭素、または有機物分解などの代替源に由来する二酸化炭素は、地球上で水と自然に平衡化される。CO2はヘンリーの法則に従った比率で水と速やかに平衡化される。
【0019】
水に溶解するCO2の量は系中のガスの分圧に比例する。系に加えられるCO2の量が多くなるほど、溶解して弱酸である炭酸を形成する量が多くなり、これにより水のpHが減少する。
【0020】
水の化学的性質に応じて、炭素種は炭酸、重炭酸イオン、および炭酸イオンとして分配される。
【0021】
次に、これらの炭素種を4つの式によって関係づけることができる。
これらの式は、2つのパラメータが公知であるかまたは測定されている場合に、解離定数(K1およびK2)、温度、塩分、ならびに圧力に関する仮定に基づいて解くことができる。
【0022】
炭酸は式8~9に従って天然岩石と反応する:
式中、Xは二価のカチオン(例えばCa2+、Mg2+、Fe2+)を表す。供給原料の溶解または風化の速度(R)、したがってCO2回収量は、以下のように定量化することができる:
式中、Rは溶解速度であり、kはmol/cm2/秒単位の速度定数であり、SSAは比表面積(cm2/g)であり、mは供給原料の質量(g)であり、Ωは飽和閾値であり、aは流体中の促進種または阻害種(例えばH+イオン)の活性(すなわちpH)であり、nおよびpは反応次数である。大部分の風化速度はpHに大きく依存している。例えば、橄欖石の溶解速度は高pHよりも低pHのほうが複数桁大きい。
【0023】
この風化プロセスの間に、岩石は溶解して、炭酸が重炭酸イオン(HCO3 -)に変換され、そこで炭素は捕捉または貯留されて、もはや大気とは容易に平衡化され得ない。これらの溶存イオンは最終的に河川水または地下水を通じて海洋に到達し、そこで重炭酸イオン中の炭素は10,000年を超えて捕捉され、その間海洋を循環する。風化促進による、二酸化炭素除去(CDR)のこの経路は、炭素隔離の1つの方法となる。
【0024】
岩石の自然の化学的風化によって年間で約11億トンの二酸化炭素(CO2)が回収される。鉱物および/または岩石(例えばケイ酸塩および/または炭酸塩)を微粒子に破砕して土地または水生系に適用することによって、鉱物溶解生成物(例えば特にアルカリ分、Si、Ca、Mg、Fe、およびNi)の放出を伴う鉱物溶解の間の大気CO2の消費を促進するように、この自然のプロセスを劇的に強化することができる。
【0025】
本明細書に記載のように有意なCDRを実現するために、特別設計の容器収容型の反応器を開発するための風化促進戦略が使用されている。このモジュール式の枠組みでは、鉱物供給原料が1つまたは複数の反応器(例えば流動床式反応器、回分式反応器、固定床式反応器など)中で溶解して、溶存CO2および/または他の供給源から酸性分が消費される(図1)。したがって、一局面では、本開示は、風化促進システムおよびその使用方法を記述する。
【0026】
二酸化炭素除去(CDR)
水に溶解したCO2は炭酸の形態を取る(式1~7)。水に溶解したCO2の量が増加するに従って、酸性分が増加する。酸性水との相互作用時に、反応カラムに含有された供給原料は溶解し始める(式8~9)。供給原料の溶解によって、正に帯電したイオンが放出され、炭酸が負に帯電した溶存重炭酸イオンに分配される(図2)。したがって、供給原料の溶解によって、溶存CO2が重炭酸イオンに化学量論的に変換され、それにより炭素が、約10,000年以上も安定な溶存鉱物相に貯留される。
【0027】
配置戦略-都市廃水および/または工業廃水
風化反応が水溶液中でのみ生じることから、地上での風化には、溶解される鉱物および水の両方の利用可能性による限界がある。したがって、一局面では、大量の廃水が、本開示の風化促進の方法の望ましい標的となる。地球上では年間約95兆ガロンの廃水が生成され、米国はその約20%を占める。米国における廃水インフラは、処理用の個々の場所に大量の水を導流しかつ集中させるものであり、この処理は、風化促進を通じた速やかな炭素回収を促進するように強化されうる。
【0028】
廃水は、水のpHが周期的に低い(すなわちCO2含有量が高い)ことから、また、CO2を放出させる可能性がある他の化学的構成成分の濃度が低いことから、風化促進に理想的であると見なされうる。都市廃水中で著しい量で生じる有機物分解によってCO2が放出され、これは下記式に要約される。
【0029】
さらに、大部分の廃水処理施設は、大気から大量の空気をポンプで送ることで廃水を曝気するものであり、これにより廃水中に追加の大気CO2が加えられる。さらに、都市廃水システムは、主に汚泥焼却により生じる酸性でCO2リッチな流出液を生じさせることがある。有機物汚泥が焼却される際に、流入水の一部はCO2リッチな排出物をクエンチするために使用され、これにより大量のCO2が水に溶解し、大量の高度に酸性の流出液が生成される。
【0030】
例えば、廃水処理施設は、その焼却クエンチプロセスによりpH 3~3.5で1日当たり150万ガロン超を生じさせることがある。米国では汚泥全体の約15%が焼却されているが、欧州では汚泥焼却が行われる割合はもっと高く、ドイツでは汚泥全体の70%超が焼却されている。式1および2に要約されるように、これらのCO2源を、本明細書に記載の風化促進の装置および方法を通じて、重炭酸イオンへの変換によって回収することができる(図3)。
【0031】
周囲空気からの炭素回収および廃水中での有機物分解からの濃縮に関する特定の態様では、本開示のシステムおよび/または装置は、すべての廃水用地が本システムを採用した場合に、米国だけで年間で1ギガトン超のCO2を回収するように構成される。特定の態様では、本システムおよび/または装置は、下流水生生態系の利益のために都市廃水および工業廃水の栄養負荷を減少させるために使用されうる。
【0032】
配置戦略-外部CO2源による炭素回収
鉱物反応速度(したがってCO2回収速度)が低pHでは数桁速やかであることから、追加のCO2を流入水溶液と平衡化することは、二酸化炭素除去の一形態としての風化促進に役立つ水流を生成する手段となりうる。CO2と平衡化された水溶液のpHはヘンダーソン・ハッセルバルヒの式を使用して計算することができる。
【0033】
特定の態様では、式12の適用により、所望のpHを実現するための、特定のアルカリ度を有する水中でのCO2の量の推定が可能になる。したがって、外部源からのCO2(例えば伝統的な点源、直接空気回収技術、および/または有機物焼却により回収されたCO2)を水溶液に加え、それを本明細書に記載の1つまたは複数の装置および/またはシステム中に供給することで、CO2回収能力を劇的に増加させることができる(図4)。
【0034】
水溶液源(すなわち流入液源)
特定の態様では、風化促進のための、本明細書に記載の装置および/またはシステム、ならびにその使用方法は、溶存CO2を含む水溶液の使用を含む。特定の態様では、溶存CO2は外部源から水溶液に導入される。特定の態様では、水溶液は溶存CO2を自然に含む。特定の態様では、溶存CO2を含む水溶液は、都市廃水、工業廃水、雨水、河川水、湖水、淡水、水道水、流去水、豪雨水、地下水、および海水からなる群より選択される少なくとも1つに由来する。水溶液の非限定的な例の性質および/または特性を本明細書で提供する(表1)。
【0035】
(表1)様々な水溶液の選択された性質
焼却施設流体、一次都市流入流体、および一次都市流出流体を都市廃水処理施設から取得した。焼却施設流体は有機物汚泥焼却施設クエンチ流から取得した。Milli-Qは水道水の濾過を通じて調製された脱イオン水である。HClは5% HCl(水性)であり、この場合、HClはpH 3.5まで水に加えられる。検出限界未満(BDL)。
【0036】
廃水処理
特定の態様では、本開示の装置および/または方法は廃水処理において利用されうる。そのような態様では、既存の廃水インフラにおいて風化促進の反応が行われる。そのような態様では、廃水は廃水流から分流されて緩衝槽中に迂回される。特定の態様では、緩衝槽は速い加圧流の速度を減少させることができる。特定の態様では、緩衝槽は、廃水流に当初懸濁している大きな粒子状物質を、風化促進の装置および/またはシステムの主要部分への導入前に沈降させる。特定の態様では、廃水は緩衝槽から引き出されて加圧隔膜槽中にポンプで送られる。特定の態様では、インライン流量計を使用して電子式ゲート弁をデジタル制御することで、廃水が隔膜槽から引き出される速度の制御が可能になる。
【0037】
特定の態様では、流入液流は、隔膜槽を出てから装置の主配管に入り、そこでは、広範なモニタリングによって特にpH、温度、導電率、溶存CO2、アルカリ度、および金属の測定をインラインで行うことが可能になる。特定の態様では、1回または複数回の測定を実行した後に、微粉化鉱物供給原料を含有する反応器(例えば流動床式反応器)に流入水が向けられる。装置中で行われる一次反応は、反応器内の供給原料の溶解によって行われる。特定の態様では、システムは流動床式反応器を含む。特定の態様では、流動床を含有するカラムを水が横切るときに、比較的重い鉱物供給原料が沈降し、清浄水が反応器の上部から流出液として引き出される。
【0038】
候補鉱物供給原料中の不純物による溶存金属(例えばFe)が最初に溶出液流に存在しうる。したがって、特定の態様では、続いて、反応器(例えば流動床式反応器)からの流出液が曝気室に向けられる。特定の態様では、流出溶液が曝気室中で酸化されることで、金属酸化物(例えば鉄酸化物)が速やかに沈殿および沈降する。特定の態様では、曝気室は、沈降材料を除去するためのバッフルおよび/または収集アームを備えている。特定の態様では、溶存金属の曝気および/または少なくとも部分的な沈殿の後に、処理流が任意で濾過されて廃水処理主流に再導入される。
【0039】
水溶液を追加のCO2によって処理する
流入水溶液に追加のCO2(ガス状)を加えることで炭素回収を可能にしかつ/または促進することができる。したがって、本明細書に記載の炭素回収方法を、CO2の添加によって強化することで、普通の廃水流に溶解する濃度を超えた量のCO2を本明細書に記載の方法によって貯留すること、ならびに/または、非限定的な例として特に淡水、海洋水、および河川水が挙げられる代替源に由来する水溶液の使用を促進することができる。さらに、最初は溶存CO2をごくわずかに含有するかまたは全く含有しない水に、CO2ガス流を、本開示の方法および/または装置を使用するCDRの手段として加えることができる。
【0040】
そのような態様では、流入水溶液は炭酸化容器および/または炭酸化器に迂回され、そこでは、流入液が任意で持続的に導入されている間にCO2が加えられる(例えば流入液にCO2(ガス)を吹き込むことによって)。特定の態様では、水溶液およびCO2は一緒に流動して、接触表面積の増加を促進する内側の装置(例えばポールリング)を横切り、それにより水溶液中でのCO2の溶解が促進される。本明細書に記載の装置は、いくつかの供給源および/または供給業者のうちいずれかから様々な純度レベルのCO2(ガス状)を受け入れることができる。
【0041】
そのような態様では、CO2(ガス状)の添加は、水溶液を酸性化することで、1つまたは複数の反応室内での鉱物溶解を増加させるように働く(図1)。したがって、特定の態様では、CO2(ガス状)の添加によって、有意なCDRのために必要な時間の量が減少しうる。
【0042】
直接空気回収技術(DAC)
直接空気回収技術(DAC)は、周囲空気から二酸化炭素(CO2)を直接回収し、地質学的隔離(例えば地質学的構造中での注入および貯留)またはCO2利用(例えば合成燃料の製造)のために濃縮CO2流を生じさせるというプロセスである。DACは、空気からCO2を回収するために液体を利用すること(すなわち液体ベースのDACシステム)、または空気からCO2を回収するために固体を利用すること(すなわち固体ベースのDACシステム)に基づきうる。液体ベースのDACシステムは、化学物質溶液(例えば水酸化ナトリウムなどの水酸化物溶液)に空気を通すことで、炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム)の沈殿によりCO2を除去する。このシステムは、炭酸塩に高温を適用することで化学物質(例えば水酸化物溶液)を元通りにしてプロセスに戻すことにより、高純度のガス状CO2流を生じさせ、その間にCO2枯渇空気を環境に戻す。その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2020/0129916号では、水性炭酸塩液を生成するためにアンモニア水などの水性回収液を利用してCO2を隔離する方法が開示されている。
【0043】
固体ベースのDACでは、化学収着によってCO2と化学的に結合する固体収着フィルターが使用される。このフィルターは、加熱されて減圧下に置かれると濃縮CO2を放出し、次にこれが貯留または使用のために回収される。その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2017/0106330号では、空気からCO2を回収するための吸着構造を取り囲む真空室を含む直接空気回収技術の装置が開示されている。その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2021/0121826号では、大気からCO2を回収するために膜ユニットを利用する、直接空気回収技術のための装置および方法が開示されている。その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2022/0176310号では、少なくとも1つのガス吸着構造を利用して空気からCO2を分離するための高スループットDAC装置および使用方法が開示されている。
【0044】
空気中のCO2濃度が相当に低い(すなわち2021年に平均で約415ppmである)ことから、隔離または利用のために高濃縮CO2流(すなわち80体積%超のCO2)を提供するには、DACプロセスは非常にエネルギーを必要とする。このため、DACはコストの観点からは魅力的ではない(電気価格および当該エネルギー源からの炭素排出量に応じてCO2 1トン当たり200ドル~1000ドル)。しかし、水溶液を利用してCO2をガス状の形態で回収および除去するという本明細書に開示のシステムおよび方法を利用すれば、DACプロセスは、比較的低いCO2濃度(10~90体積%、または15~80体積%、または20~75体積%、または25~70体積%、または20~65体積%、または25~60体積%、または30~55体積%、または35~50体積%、または40~45体積%)を有する低圧CO2含有流を操作および提供することで、はるかに経済的なものになりうる。したがって、比較的低いCO2濃度を有するガス状流を生じさせるように運用されるDACシステムと、水溶液を利用してCO2をガス状の形態で回収および除去するという本明細書に開示のシステムとを組み合わせることで、隔離または利用を目的とした空気からのCO2の直接回収に関して、DACシステム単独の場合よりも経済的実現可能性が高いアプローチが提供される。
【0045】
供給原料添加システム
容器内での鉱物の処理および溶解が進行するに従って、効率を維持するために鉱物供給原料の補充が必要になる。特定の態様では、装置に供給原料を充填するために、1つまたは複数の反応器に供給原料を反応器の開放および/または排水なしで直接加えるためのスラリーポンプシステムが設けられる。特定の態様では、鉱物供給原料が容器および/または器に入れられ、そこで該原料が水と激しく混合されて水-岩石の懸濁液またはスラリーが作り出される。特定の態様では、次に水中ポンプのシステムを使用して直接このスラリーが反応室中に迂回される。
【0046】
特定の態様では、供給原料は、コンベヤーによって固体として1つまたは複数の反応器に加えられる。特定の態様では、コンベヤーはスクリューコンベヤーである。
【0047】
特定の態様では、鉱物供給原料は完全には均一ではない。特定の態様では、鉱物供給原料は組成上の、組織構造上の、および粒度上の不均一性を含む。鉱物供給原料の粒度は供給原料の特有の溶解時間尺度、したがってCO2回収の時間尺度に関連している。1つの重要な考慮事項は、反応器(例えば流動床式反応器)中での溶解が望まれる鉱物供給原料粒子の粒径の変動である。したがって、反応-溶解動力学を最適化するように鉱物供給原料の添加を行うことができる、供給原料添加のスケジュールに関する記述が、本明細書で提供される。
【0048】
最も有利な反応-溶解動力学のために最適化されうる、流動床式システムに対する供給原料添加のスケジュールに関する簡潔な記述が、本明細書で提供される。本明細書に記載のモデルは、スラリーに懸濁した固体粒子の溶解に対する粒径分布の効果を、ポピュレーションバランス技術を使用して捕捉することを目指すものである。
【0049】
球体の溶解に関する単純な構成モデル、およびポピュレーションバランス技術に基づいて、本発明者らは、懸濁粒子の絶えず変化する分布における供給原料の溶解を記述する偏微分方程式を導出した。二次鉱物が粒子の表面に形成され、かつ/またはパッシブハローが粒子の周りに反応的に形成され、それにより表面反応が制限されるという事例の調査を可能にする、パラメータ化が含まれる。
【0050】
重要なことに、大きな粒子が小さな粒子よりも表面積対体積比が低いことから、大きな粒子は小さな粒子に比べてゆっくりと溶解する(図5)。利用可能な表面積は、風化反応を実施する上で重要な要因である。溶液と接触する表面積が、反応器(例えば流動床式)中での供給原料の溶解速度を確定する上で重要な要因であることから、溶解効率に関する単純な判定基準を本明細書において規定する。
【0051】
単位質量当たりの表面積の増加を生じさせる反応が効率的であり、単位質量当たりの表面積の減少を生じさせる反応が非効率的である。粒子の単分散集団の溶解によって、質量当たりの表面積の増加が必然的に生じる。粒径の初期分布を前提として、溶解が遅くなり始める地点を理論的に予測することができる。
【0052】
スケールされた面積曲線の屈曲点において、単位質量当たりの表面積の生成が遅くなり始める(図6)。すなわち、反応-溶解効率が遅くなり始める。合理的な直観とは反対に、系中のこの地点は、追加の鉱物供給原料の注入により反応進行を促進するために効率的ではない。理想の添加地点は単位質量当たりの最大表面積(すなわちmax(dS/dt))を維持することを含む。しかし、利用可能な未変換の(すなわち未反応の)表面積の量を増加させることが、回収速度を増加させるために重要でありうるという可能性もある(図7)。
【0053】
水の流量および容器の幾何学的構造に関する実際の制限
特定の態様では、風化促進装置および/またはその使用方法は、流動床式反応器を含む。そのような態様では、流動床式反応器内の水溶液の速度と鉱物供給原料の沈降時間との間の一貫したバランスが決定的に重要である。水の速度が粒子のストークス沈降速度を超える場合、粒子が流動床式反応器から洗い流される可能性は相当に高くなる。これは非常に単純化されたモデルであるが、粒径分布中の最も小さな粒子がエラトリエーションによって流動床の最上部に仕分けられることから、このモデルの予測性は非常に高いものとなる。さらに、小さな粒子はカラムの上部にはるかに引き込まれやすく、そこでは水-岩石比が高く、したがって粒子濃度が小さい。小さな粒子は、カラムの上部に到達すると、時間尺度上で沈降が遅いことから、流動床式反応器から洗い流されやすくなる(図8A図8B)。
【0054】
CO2回収、センサアレイの設計、および検証
本開示は、橄欖石が様々な水:鉱物比で鉱物供給原料として使用される、本開示の風化促進システムの一態様を使用した、廃水処理施設からの酸性廃水の中和を実証する。廃水流中の溶存CO2の、重炭酸イオン(HCO3 -)への速やかな変換を用いて、出発pH約3.2で、酸性廃水流は20分以内に1.5~6 pH単位で調整される。
【0055】
初期パラメータ(すなわちpH)は、未処理水中ですべての炭素が溶存CO2の形態であることを示唆している。風化反応が進行するに従って、CO2由来の酸性分が消費され、CO2の濃度が減少すると同時にHCO3 -に変換され、そのときpHが増加する。この形態の炭素が捕捉されて、もはや容易には大気と平衡化され得なくなる。典型的な廃水操作の下では、この溶存HCO3 -は廃水主流に戻り、そこから排出される。
【0056】
本開示はさらに、時間と本明細書に記載の風化促進のシステムおよび/または装置の使用との関数としての、アルカリ分と溶存無機炭素との関係に関連するデータ、すなわち流入液/流出液のpHおよび/またはアルカリ度(図9A図9B)、ならびに溶存CO2濃度(図10A図10B)を提供する。
【0057】
風化鉱物の選択された性質
本開示は、走査型電子顕微鏡法および/またはエネルギー分散型X線分光法(EDS)によって評価された、本明細書に記載の風化方法により影響を受ける鉱物(例えば苦土橄欖石)の特定の物理的性質を記述する(図11A図11C)。特定の態様では、風化によって粗さおよび/またはトポグラフィーが変化し、かつ二次鉱物が形成される。
【0058】
センサ、測定、および検証
特定の態様では、本開示の装置、システム、および/または方法は、1つまたは複数のセンサまたはセンサアレイの使用を含む。特定の態様では、センサおよび/またはセンサアレイは、本明細書に記載のシステムおよび/もしくは装置に含有されるかまたはそれを通過する水溶液の1つまたは複数の性質および/またはパラメータを測定する。特定の態様では、水溶液中で測定される1つまたは複数の性質および/またはパラメータとして、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、CO2(ガス状)の分圧、温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、溶存非金属濃度、および溶存メタロイド濃度が挙げられるがそれに限定されない。センサおよび/またはセンサアレイにより測定される水溶液の特定の非限定的なパラメータおよび/または性質、ならびに測定の特質が、本明細書で提供される。
【0059】
さらに、選択される測定の非限定的な用途および/または有用性が、本明細書に示される。炭酸系を代数的に解く(式4~7)ために、溶存CO2濃度、pH、CO2の分圧、総アルカリ度、溶存無機炭素濃度、溶存重炭酸イオン濃度、および溶存炭酸イオン濃度より選択される任意の2つのパラメータが使用されうる。特定の態様では、炭酸系を代数的に解く(式4~7)ために、溶存CO2およびpHが使用され、したがって、溶存CO2濃度およびpHの測定によって重炭酸イオン濃度の計算が可能になる。特定の態様では、鉱物溶解の動力学および効率を評価および/または操作するために、温度が使用されうる。特定の態様では、水溶液の脱気を促進するために、酸性化、曝気、および/または撹拌が使用されうる。さらに、CO2脱気プロセスを回避するには、流出液の中性pHが必要である。
【0060】
本明細書に記載のシステムおよび/または装置中の1つまたは複数の反応器からの供給原料の洗い流しを評価するために、濁度測定が使用されうる。流体の濁度は懸濁粒子状物質の結果として変化し、濁度の測定は供給原料の洗い流しの検出を促進しうる。さらに、流量の変化が必要であるか否かを確定するために、導電率および/または濁度が使用されうる。
【0061】
特定の態様では、風化促進のための本明細書に記載のシステムおよび/または装置は、曝気槽および/または曝気プロセスを含む。そのような態様では、溶存した金属、非金属、および/またはメタロイド(例えばFe)の酸化に必要な酸素レベルをモニタリングするために、溶存酸素の測定が有用および/または必要である。
【0062】
特定の態様では、本明細書に記載の方法によって処理され、かつ/または本明細書に記載のシステムおよび/もしくは装置に含有された水溶液のアリコートが、1つまたは複数のセンサおよび/またはセンサアレイによって実行されない分析に供されることがある。そのような分析法の非限定的な例としては分光光度法、比色法、走査型電子顕微鏡法(SEM)、エネルギー分散型X線分光法(EDS)、X線回折法(XRD)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)、Brunauer Emmett-Teller(BET)法が挙げられる。
【0063】
流出水不純物軽減および金属回収
特定の態様では、鉱物(例えば橄欖石などのケイ酸塩鉱物)の溶解によって、金属(例えば特にFe、Co、Cr、およびNi)が流出液流に導入されることがある(図12)。したがって、特定の態様では、本明細書に記載のプロセスおよび/または方法の間に溶存金属不純物が除去される(図13)。特定の態様では、水溶液(例えば流出液および/または流入液)が1つまたは複数の方法による曝気に供される。特定の態様では、金属酸化物(例えば鉄酸化物)を提供するために、溶存金属が溶存酸素への曝露により酸化される。特定の態様では、金属酸化物は回収される。特定の態様では、溶存金属が、金属酸化物(例えば鉄酸化物)を生じさせるために好適な1つまたは複数の剤と接触させられる。特定の態様では、1つまたは複数の剤はバイオ炭を含む。特定の態様では、金属酸化物は回収される。特定の態様では、回収された金属(例えばNiおよび/またはCo)は商業的に有益である(図14)。
【0064】
定義
本明細書において使用される「約」という用語は、記載される値または記載される範囲限界値の例えば10%以内、5%以内、または1%以内での値または範囲の変動率を可能にしうるものであり、記載される正確な値または範囲を含む。
【0065】
本明細書において使用される「気圧」という用語は、標準的条件下での大気中の圧力を意味する。したがって、例えば、1気圧は圧力101kPaであり、2気圧は圧力202kPaである。
【0066】
本明細書において、「容器」、「室」、および/または「反応器」という用語は、少なくとも部分的に取り囲まれた器を記述するように互換的に使用される。
【0067】
本明細書において使用される「独立して~より選択される」という用語は、文脈上明らかに別途指示されない限り、言及される群が同じもの、異なるもの、またはそれらの混合形態であることを意味する。したがって、この定義に基づけば、「X1、X2、およびX3は独立して希ガスより選択される」という語句は、例えば、X1、X2、およびX3がすべて同じであるというシナリオ、X1、X2、およびX3がすべて異なるというシナリオ、X1およびX2が同じであるがX3が異なるというシナリオ、および他の類似した順列のシナリオを含むであろう。
【0068】
本明細書において使用される「室温」、「標準温度」、および/または「周囲温度」という用語は、約15℃~28℃、好ましくは約20℃~約22℃の温度を意味する。
【0069】
本明細書において使用される「隔離」という用語は、炭素の除去、回収、および/または貯留に関するものであり、二酸化炭素がそれによって大気、水溶液、または代替源から除去されて、固体または液体の形態(例えば重炭酸イオン)で保持される、プロセスを意味する。特定の場合では、炭素は炭酸塩として隔離されることがある。本明細書において、炭素回収、炭素隔離、炭素貯留、および炭素除去という用語は互換的に使用される。
【0070】
本明細書において使用される「実質的に」という用語は、「~の大部分(a majority of)」または「大部分は(mostly)」を、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、または少なくとも約99.999%以上、または100%と同様に意味する。本明細書において使用される「実質的に含まない」という用語は、全く有さないこと、または些少な量で有することを意味しうるものであり、したがって、存在する材料の量は、材料を含む組成物の材料性質に影響せず、したがって、材料は組成物の約0重量%~約5重量%、または約0重量%~約1重量%、または約5重量%以下、または約4.5重量%未満、約4.5重量%相当、もしくは約4.5重量%超、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01、または約0.001重量%またはそれ未満である。「実質的に含まない」という用語は、些少な量で有することを意味しうるものであり、したがって、材料は組成物の約0重量%~約5重量%、または約0重量%~約1重量%、または約5重量%以下、または約4.5重量%未満、約4.5重量%相当、もしくは約4.5重量%超、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01、または約0.001重量%またはそれ未満、または約0重量%である。本明細書において使用される「実質的に~未満である」という用語は、比較対象の語の間に些少ではない量の差があり、例えば約4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01、または約0.001%以上の差があることを示す。
【0071】
風化促進の方法
一局面では、本開示は、水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液からCO2を少なくとも部分的に隔離する方法を提供する。
【0072】
特定の態様では、本方法は、(a) 溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液中で、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する段階を含む。
【0073】
特定の態様では、本方法は、(b) 金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む鉱物供給原料を含む少なくとも1つの容器を通じて、流入水溶液を供給する段階を含む。
【0074】
特定の態様では、本方法は、(c) その中に溶存した1つまたは複数の金属イオンおよび/または炭酸イオンを含む流出水溶液を提供するために、流入水溶液と鉱物供給原料とを接触させる段階を含む。
【0075】
特定の態様では、本方法は、(d) 流出水溶液中でpH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する段階を含む。
【0076】
特定の態様では、本方法は、(e) 溶存CO2濃度の変化を計算するために、流入水溶液の少なくとも2つの測定パラメータと流出水溶液の少なくとも2つの測定パラメータとを比較する段階を含む。
【0077】
特定の態様では、本方法は、(f) 変化が約95%未満、約90%未満、約85%未満、約80%未満、約75%未満、約70%未満、約65%未満、約60%未満、約55%未満、約50%未満、約45%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.9%未満、約0.8%未満、約0.7%未満、約0.6%未満、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満、約0.2%未満、または約0.1%未満の溶存CO2濃度の減少を含む場合に、流入水溶液の少なくとも1つのパラメータ、および/または接触させる段階を修正する段階を含む。
【0078】
特定の態様では、本方法は、流入液および流出液中で温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つのパラメータを測定する段階をさらに含み、
溶存金属は、任意で、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、およびクロムからなる群より選択される少なくとも1つの金属であり、かつ
溶存非金属は、任意で、リン、シリカ、および酸素からなる群より選択される少なくとも1つの非金属またはメタロイドである。
【0079】
特定の態様では、流出液中で測定される少なくとも1つのパラメータはpHである。特定の態様では、流出液中で測定される少なくとも1つのパラメータはアルカリ度である。
【0080】
特定の態様では、流出液のpHが約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満である場合に、再循環流出液を提供するために、流出液の再循環によって、方法が段階(b)から繰り返される。特定の態様では、変化が約95%未満、約90%未満、約85%未満、約80%未満、約75%未満、約70%未満、約65%未満、約60%未満、約55%未満、約50%未満、約45%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.9%未満、約0.8%未満、約0.7%未満、約0.6%未満、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満、約0.2%未満、または約0.1%未満の溶存CO2濃度の減少を含む場合に、再循環流出液を提供するために、流出液の再循環によって、方法が段階(b)から繰り返される。特定の態様では、流出水溶液のアルカリ度が流入水溶液中のアルカリ度と5%未満異なる場合に、再循環流出液を提供するために、流出液の再循環によって、方法が段階(b)から繰り返される。
【0081】
特定の態様では、流入液のpHが約2.0超、約2.5超、約3.0超、約3.5超、約4.0超、約4.5超、約5.0超、約5.5超、約6.0超、約6.5超、または約7.0超である場合、少なくとも1つの酸性化剤が、流入液中で約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満のpHを実現するために十分な量で加えられる。特定の態様では、流出液のpHが約2.0超、約2.5超、約3.0超、約3.5超、約4.0超、約4.5超、約5.0超、約5.5超、約6.0超、約6.5超、または約7.0超である場合、少なくとも1つの酸性化剤が、再循環流出液中で約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満のpHを実現するために十分な量で加えられる。
【0082】
特定の態様では、酸性化剤はCO2(ガス状)である。特定の態様では、酸性化剤はCO2(水性)である。特定の態様では、酸性化剤は有機酸である。特定の態様では、酸性化剤は無機酸である。
【0083】
特定の態様では、無機酸はH2CO3である。特定の態様では、無機酸はH2CO4である。特定の態様では、無機酸はHNO3である。特定の態様では、無機酸はHCl(水性)である。特定の態様では、無機酸はHCl(ガス状)である。
【0084】
特定の態様では、流出液の溶存CO2濃度が流入液の溶存CO2濃度よりも大きい場合に、流出液はガスストリッピングに供される。特定の態様では、流出液のCO2の分圧がCO2の大気分圧よりも大きい場合に、流出液はガスストリッピングに供される。
【0085】
特定の態様では、段階(a)は、流入液中で溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを測定することをさらに含む。特定の態様では、段階(d)は、流出液中で溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを測定することをさらに含む。
【0086】
特定の態様では、本方法は、第2の流出液を提供するために、流出液を処理する段階をさらに含み、第2の流出液は、流入液および/または流出液の濃度未満である、溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを有する。
【0087】
特定の態様では、本方法は、処理する段階が、流出液を曝気することをさらに含む。
【0088】
特定の態様では、曝気によって、金属酸化物、非金属酸化物、金属水酸化物、非金属水酸化物、金属オキシ水酸化物、および非金属オキシ水酸化物からなる群より選択される少なくとも1つが形成される。
【0089】
特定の態様では、金属はFeである。特定の態様では、金属はNiである。特定の態様では、金属はCrである。特定の態様では、金属はCoである。特定の態様では、非金属はPである。
【0090】
特定の態様では、処理する段階は、流出液と少なくとも1つの収着剤とを接触させることを含む。特定の態様では、少なくとも1つの収着剤は、活性炭、1つまたは複数の粘土鉱物、およびバイオ炭、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0091】
特定の態様では、少なくとも1つの収着剤はPを吸着する。特定の態様では、少なくとも1つの収着剤はFeを吸着する。特定の態様では、少なくとも1つの収着剤はNiを吸着する。特定の態様では、少なくとも1つの収着剤はCrを吸着する。特定の態様では、少なくとも1つの収着剤はCoを吸着する。
【0092】
特定の態様では、本方法は、第2の流出液中でpH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、CO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータ、ならびに任意で、温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを測定する段階をさらに含む。
【0093】
特定の態様では、少なくとも1つの容器は、少なくとも2つの容器を含む。特定の態様では、少なくとも2つの容器は、直列に、並列に、またはそれらの任意の組み合わせで配列されている。特定の態様では、少なくとも2つの容器は、直列に配列されている。
【0094】
特定の態様では、金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および/または金属酸化物は、直列に配列されている各容器の順に減少する粒径を有している。特定の態様では、上流容器中での粒径は、下流容器中での粒径よりも少なくとも2倍、4倍、6倍、8倍、10倍、50倍、または100倍大きくてもよい。
【0095】
特定の態様では、本方法は、少なくとも1つのフィルターを通じて流出液または第2の流出液を供給する段階をさらに含む。
【0096】
特定の態様では、フィルターは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100μmからなる群より選択される孔を有する。
【0097】
特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は都市廃水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は工業廃水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は雨水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は河川水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は湖水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は淡水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は水道水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は流去水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は豪雨水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は地下水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は海水を含む。
【0098】
特定の態様では、金属炭酸塩は下記式を有する:
(M1)m(CO3)n(OH)o(L1)p
式中、
M1は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M1は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L1は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
m、n、o、およびpはそれぞれ独立して、該金属炭酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である。
【0099】
特定の態様では、金属炭酸塩は下記式を有する:
(M1)m(CO3)n(OH)o(L1)p
式中、
M1は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M1は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L1は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり;
mは1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
nは1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
oは0~10の範囲の整数であり;
pは0~10の範囲の整数であり; かつ
m、n、およびoは、該金属炭酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される。
【0100】
特定の態様では、金属ケイ酸塩は下記式を有する:
(M2)q(SiO4)r(OH)s(L2)t
式中、
M2は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M2は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L2は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
q、r、s、およびtはそれぞれ独立して、該金属ケイ酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である。
【0101】
特定の態様では、金属ケイ酸塩は下記式を有する:
(M2)q(SiO4)r(OH)s(L2)t
式中、
M2は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M2は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L2は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり;
qは2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
rは1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
sは0~10の範囲の整数であり;
tは0~10の範囲の整数であり; かつ
q、r、およびsは、該金属ケイ酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される。
【0102】
特定の態様では、金属酸化物は下記式を有する:
(M3)u(O)v(OH)w
式中、
M3は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M3は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ; かつ
u、v、およびwはそれぞれ独立して、該金属酸化物が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である。
【0103】
特定の態様では、金属酸化物は下記式を有する:
(M3)u(O)v(OH)w
式中、
M3は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M3は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
uは1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
vは0、1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
wは0、1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
vが0である場合、wは少なくとも2であり; かつ
u、v、およびwは、該金属酸化物が正味ゼロ電荷を有するように選択される。
【0104】
特定の態様では、金属ケイ酸塩はネソケイ酸塩である。特定の態様では、金属ケイ酸塩はソロケイ酸塩である。特定の態様では、金属ケイ酸塩はサイクロケイ酸塩である。特定の態様では、金属ケイ酸塩はイノケイ酸塩である。特定の態様では、金属ケイ酸塩はフィロケイ酸塩である。特定の態様では、金属ケイ酸塩はテクトケイ酸塩である。
【0105】
特定の態様では、ネソケイ酸塩はフェナサイト(例えばフェナサイトおよび珪亜鉛鉱)、橄欖石(例えば苦土橄欖石(Mg2SiO4)、鉄橄欖石、およびテフロ石)、柘榴石(例えば苦礬柘榴石、鉄礬柘榴石、満礬柘榴石、灰礬柘榴石、灰鉄柘榴石、灰クロム柘榴石、および加水灰礬柘榴石)、Al2SiO5(例えば紅柱石、藍晶石、珪線石、デュモルチ石、トパーズ、十字石)、ヒューム石(例えばノルベルグ石、コンドロ石、ヒューム石、単斜ヒューム石)、ダトー石、チタン石、硬緑泥石、ならびにムル石からなる群より選択される。
【0106】
特定の態様では、ソロケイ酸塩は異極鉱、ローソン石、斧石、珪灰鉄鉱、緑簾石、灰簾石、タンザナイト、単斜灰簾石、褐簾石、ドレイス石、およびベスブ石からなる群より選択される。
【0107】
特定の態様では、サイクロケイ酸塩はベニト石、パパゴ石、緑柱石、バッジ石、杉石、電気石、ペツォッタ石、大隅石、菫青石、セカニナ石、ユージアル石、およびミラー石からなる群より選択される。
【0108】
特定の態様では、イノケイ酸塩は輝石(例えば頑火輝石、鉄紫蘇輝石、ピジョン輝石、透輝石、灰鉄輝石、普通輝石、ヒスイ輝石、エジリン輝石、リチア輝石、およびパイロクスフェロ石、準輝石(例えば珪灰石、バラ輝石、および曹灰針石)、角閃石(例えば直閃石、カミントン閃石、鉄閃石、透角閃石、陽起石、普通角閃石、藍閃石、リーベック閃石(すなわち石綿)、およびアルベゾン閃石)からなる群より選択される。
【0109】
特定の態様では、フィロケイ酸塩は蛇紋石(例えばアンチゴライト、クリソタイル、リザルダイト)、粘土鉱物(例えばハロイサイト、カオリナイト、パイロフィライト、タルク、イライト、モンモリロナイト(すなわちスメクタイト)、クロライト、バーミキュライト、セピオライト、およびパリゴルスカイト)、雲母(例えば黒雲母、クロム雲母、白雲母、金雲母、リチア雲母、真珠雲母、および海緑石)からなる群より選択される。
【0110】
特定の態様では、テクトケイ酸塩は3Dケイ酸塩(例えば石英、鱗珪石、クリストバル石、コーサイト、スティショフ石、モガン石、および玉髄)、長石(例えば微斜長石、正長石、アノーソクレース、玻璃長石、曹長石、灰曹長石、中性長石、曹灰長石、亜灰長石、および灰長石)、準長石(例えば黝方石、灰霞石、白榴石、霞石、方ソーダ石、アウイン、および青金石)、柱石(例えば曹柱石および灰柱石); ならびに沸石(例えばソーダ沸石、毛沸石、斜方沸石、輝沸石、束沸石、灰沸石、モルデン沸石、および方沸石)からなる群より選択される。
【0111】
特定の態様では、金属炭酸塩は方解石である。特定の態様では、金属炭酸塩は霰石である。特定の態様では、金属炭酸塩は苦灰石である。特定の態様では、金属炭酸塩はハロ炭酸塩またはヒドロキシ炭酸塩である。特定の態様では、金属炭酸塩は水和炭酸塩である。
【0112】
特定の態様では、方解石は方解石、菱ニッケル鉱、菱苦土鉱、菱カドミウム鉱、菱マンガン鉱、菱鉄鉱、菱亜鉛鉱、および菱コバルト鉱からなる群より選択される。
【0113】
特定の態様では、霰石は霰石、白鉛鉱、ストロンチアン石、毒重石、ラザフォーディーン、およびナトライト(natrite)からなる群より選択される。
【0114】
特定の態様では、苦灰石はアンケル石、苦灰石、ハント石、ミレンコーダイト、および重土方解石からなる群より選択される。
【0115】
特定の態様では、ハロ炭酸塩またはヒドロキシ炭酸塩は藍銅鉱、水白鉛鉱、孔雀石、亜鉛孔雀石、角鉛鉱、水亜鉛鉱、および水亜鉛銅鉱からなる群より選択される。
【0116】
特定の態様では、水和炭酸塩は水菱苦土石、イカ石、ランスフォルダイト、モノハイドロカルサイト、ナトロン、およびゼレライト(zellerite)からなる群より選択される。
【0117】
特定の態様では、金属酸化物は酸化マグネシウムである。特定の態様では、金属酸化物は酸化ナトリウムである。特定の態様では、金属酸化物は酸化カルシウムである。
【0118】
特定の態様では、少なくとも1つの容器が撹拌される。特定の態様では、撹拌は撹拌機を使用して実行される。特定の態様では、撹拌はバッフルを使用して実行される。特定の態様では、撹拌はフローパルセーターを使用して実行される。特定の態様では、撹拌は曝気装置を使用して実行される。特定の態様では、撹拌はインペラーを使用して実行される。
【0119】
特定の態様では、本方法は、流入液の流量を増加させる段階をさらに含む。特定の態様では、本方法は、流入液の流量を減少させる段階をさらに含む。特定の態様では、本方法は、流出液の流量を増加させる段階をさらに含む。特定の態様では、本方法は、流出液の流量を減少させる段階をさらに含む。特定の態様では、流入液の流量は少なくとも2、4、6、8、10、50、または100の因数で増加する。特定の態様では、流入液の流量は少なくとも0.99、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、または0.01の因数で減少する。
【0120】
特定の態様では、金属ケイ酸塩は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100μmからなる群より選択される平均粒径を有する。特定の態様では、金属ケイ酸塩は0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100mmからなる群より選択される平均粒径を有する。
【0121】
特定の態様では、金属炭酸塩は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100μmからなる群より選択される平均粒径を有する。特定の態様では、金属炭酸塩は0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100mmからなる群より選択される平均粒径を有する。
【0122】
特定の態様では、金属酸化物は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100μmからなる群より選択される平均粒径を有する。特定の態様では、金属酸化物は0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100mmからなる群より選択される平均粒径を有する。
【0123】
特定の態様では、測定段階(a)および(d)は別々の容器中で実行される。
【0124】
特定の態様では、流出液の濁度および総懸濁固形分からなる群より選択される少なくとも1つが第1の時点および第2の時点において測定され、第1の時点は第2の時点に先行する。特定の態様では、流出液の濁度および/または総懸濁固形分の測定は、流入液と鉱物供給原料との接触が行われる容器中で実行される。特定の態様では、流出液の濁度および/または総懸濁固形分の測定は、流入液と鉱物供給原料との接触が行われる容器以外の容器中で実行される。
【0125】
特定の態様では、第2の時点での流出液の濁度および/または総懸濁固形分が第1の時点での流出液の濁度および/または総懸濁固形分よりも実質的に少ない場合、金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む鉱物供給原料が少なくとも1つの容器に加えられる。
【0126】
特定の態様では、鉱物供給原料は、少なくとも1つの容器に手動で固体またはスラリーとして加えられる。特定の態様では、添加は、コンベヤーによって固体として行われる。特定の態様では、添加は、ポンプによってスラリーとして行われる。
【0127】
特定の態様では、供給原料スラリーは、供給原料と、都市廃水、工業廃水、雨水、河川水、湖水、淡水、水道水、流去水、豪雨水、地下水、および海水からなる群より選択される少なくとも1つの水性流体とを混合することで作製され、鉱物供給原料は、スラリーの少なくとも1%(w/w)を占める。
【0128】
特定の態様では、流出液は河川に排出される。特定の態様では、流出液は湖沼に排出される。特定の態様では、流出液は海洋に排出される。特定の態様では、流出液は海に排出される。特定の態様では、流出液は湾に排出される。特定の態様では、流出液は地下水に排出される。特定の態様では、流出液は池に排出される。特定の態様では、流出液は小川に排出される。特定の態様では、流出液は廃水貯水池に排出される。
【0129】
特定の態様では、少なくとも1つの容器は流動床式反応器を含む。特定の態様では、少なくとも1つの容器は連続撹拌槽型反応器を含む。特定の態様では、少なくとも1つの容器は回分式反応器を含む。特定の態様では、少なくとも1つの容器は半回分式反応器を含む。特定の態様では、少なくとも1つの容器は脈動床式反応器を含む。特定の態様では、少なくとも1つの容器はプラグフロー反応器を含む。特定の態様では、少なくとも1つの容器は固定床式反応器を含む。
【0130】
別の局面では、本開示は、ガス状CO2源からCO2を少なくとも部分的に隔離する方法を提供する。
【0131】
特定の態様では、本方法は、(a) CO2を約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99~約100%(v/v)の範囲の濃度で含む、任意で圧縮されているガス流を提供する段階を含む。
【0132】
特定の態様では、本方法は、(b) CO2を含む第2の流入水溶液を提供するために流入水溶液中に圧縮ガス流を供給する段階を含む。
【0133】
特定の態様では、本方法は、(c) 第2の流入水溶液中で、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する段階を含む。
【0134】
特定の態様では、本方法は、(d) 金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される鉱物供給原料を含む少なくとも1つの容器中に、第2の流入水溶液を供給する段階を含む。
【0135】
特定の態様では、本方法は、(e) 流出水溶液を形成するために、容器中で第2の流入水溶液と鉱物供給原料とを接触させる段階を含む。
【0136】
特定の態様では、本方法は、(f) 流出水溶液中でpH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する段階を含む。
【0137】
特定の態様では、本方法は、(g) 溶存CO2濃度の変化を計算するために、第2の流入水溶液の少なくとも2つの測定パラメータと流出水溶液の少なくとも2つの測定パラメータとを比較する段階を含む。
【0138】
特定の態様では、本方法は、(h) 変化が約95%未満、約90%未満、約85%未満、約80%未満、約75%未満、約70%未満、約65%未満、約60%未満、約55%未満、約50%未満、約45%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.9%未満、約0.8%未満、約0.7%未満、約0.6%未満、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満、約0.2%未満、または約0.1%未満の溶存CO2濃度の減少を含む場合に、流入水溶液の少なくとも1つのパラメータ、および/または接触させる段階を修正する段階を含む。
【0139】
特定の態様では、CO2を含む任意で圧縮されているガス流は、直接空気回収技術(DAC)ユニットから得られる。特定の態様では、CO2を含む任意で圧縮されているガス流は、有機成分燃焼からのCO2から得られる。特定の態様では、CO2を含む任意で圧縮されているガス流は、直接CO2源(例えば煙道ガス)から得られる。特定の態様では、CO2を含む任意で圧縮されているガス流は、工業的供給源からのCO2から得られる。特定の態様では、CO2を含む任意で圧縮されているガス流は、高純度酸素活性汚泥法により回収されるCO2から得られる。特定の態様では、CO2を含む任意で圧縮されているガス流は、水素製造からのCO2から得られる。特定の態様では、CO2を含む任意で圧縮されているガス流は、合成ガス製造からのCO2から得られる。特定の態様では、CO2を含む任意で圧縮されているガス流は、バイオガス製造からのCO2から得られる。
【0140】
特定の態様では、直接空気回収技術(DAC)ユニットは、液体ベースのDACシステムまたは固体ベースのDACシステムである。
【0141】
特定の態様では、本方法は、第2の流入水溶液および/または流出水溶液中で温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つのパラメータを測定する段階をさらに含む。
【0142】
特定の態様では、流出液中で測定される少なくとも1つのパラメータはpHである。特定の態様では、流出液中で測定される少なくとも1つのパラメータはアルカリ度である。
【0143】
特定の態様では、流入液のpHが約2.0超、約2.5超、約3.0超、約3.5超、約4.0超、約4.5超、約5.0超、約5.5超、約6.0超、約6.5超、または約7.0超である場合、少なくとも1つの酸性化剤が、流入液中で約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満のpHを実現するために十分な量で加えられる。特定の態様では、流出液のpHが約2.0超、約2.5超、約3.0超、約3.5超、約4.0超、約4.5超、約5.0超、約5.5超、約6.0超、約6.5超、または約7.0超である場合、少なくとも1つの酸性化剤が、再循環流出液中で約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満のpHを実現するために十分な量で加えられる。
【0144】
特定の態様では、酸性化剤はCO2(ガス状)である。特定の態様では、酸性化剤はCO2(水性)である。特定の態様では、酸性化剤は有機酸である。特定の態様では、酸性化剤は無機酸である。
【0145】
特定の態様では、無機酸はH2CO3である。特定の態様では、無機酸はH2CO4である。特定の態様では、無機酸はHNO3である。特定の態様では、無機酸はHCl(水性)である。特定の態様では、無機酸はHCl(ガス状)である。
【0146】
特定の態様では、流出液の溶存CO2濃度が流入液の溶存CO2濃度よりも大きい場合に、流出液はガスストリッピングに供される。特定の態様では、流出液のCO2の分圧がCO2の大気分圧よりも大きい場合に、流出液はガスストリッピングに供される。
【0147】
特定の態様では、段階(c)は、流入液中で溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを測定することをさらに含む。特定の態様では、段階(f)は、流出液中で溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを測定することをさらに含む。
【0148】
特定の態様では、本方法は、第2の流出液を提供するために流出液を処理する段階をさらに含み、第2の流出液は、流入液および/または流出液の濃度未満である、溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを有する。
【0149】
特定の態様では、本方法は、処理する段階が、流出液を曝気することをさらに含む。
【0150】
特定の態様では、曝気によって、金属酸化物、非金属酸化物、金属水酸化物、非金属水酸化物、金属オキシ水酸化物、および非金属オキシ水酸化物からなる群より選択される少なくとも1つが形成される。
【0151】
特定の態様では、金属はFeである。特定の態様では、金属はNiである。特定の態様では、金属はCrである。特定の態様では、金属はCoである。特定の態様では、非金属はPである。
【0152】
特定の態様では、処理する段階は、流出液と少なくとも1つの収着剤とを接触させることを含む。特定の態様では、少なくとも1つの収着剤は、活性炭、1つまたは複数の粘土鉱物、およびバイオ炭、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0153】
特定の態様では、少なくとも1つの収着剤はPを吸着する。特定の態様では、少なくとも1つの収着剤はFeを吸着する。特定の態様では、少なくとも1つの収着剤はNiを吸着する。特定の態様では、少なくとも1つの収着剤はCrを吸着する。特定の態様では、少なくとも1つの収着剤はCoを吸着する。
【0154】
特定の態様では、本方法は、第2の流出液中でpH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、CO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータ、ならびに任意で、温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを測定する段階をさらに含む。
【0155】
特定の態様では、少なくとも1つの容器は、少なくとも2つの容器を含む。特定の態様では、少なくとも2つの容器は、直列に、並列に、またはそれらの任意の組み合わせで配列されている。特定の態様では、少なくとも2つの容器は、直列に配列されている。
【0156】
特定の態様では、金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および/または金属酸化物は、直列に配列されている各容器の順に減少する粒径を有している。特定の態様では、上流容器中での粒径は、下流容器中での粒径よりも少なくとも2倍、4倍、6倍、8倍、10倍、50倍、または100倍大きくてもよい。
【0157】
特定の態様では、本方法は、少なくとも1つのフィルターを通じて流出液または第2の流出液を供給する段階をさらに含む。
【0158】
特定の態様では、フィルターは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100μmからなる群より選択される孔を有する。
【0159】
特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は都市廃水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は工業廃水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は雨水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は河川水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は湖水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は淡水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は水道水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は流去水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は豪雨水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は地下水を含む。特定の態様では、溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液は海水を含む。
【0160】
特定の態様では、金属炭酸塩は下記式を有する:
(M1)m(CO3)n(OH)o(L1)p
式中、
M1は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M1は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L1は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
m、n、o、およびpはそれぞれ独立して、該金属炭酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である。
【0161】
特定の態様では、金属炭酸塩は下記式を有する:
(M1)m(CO3)n(OH)o(L1)p
式中、
M1は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M1は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L1は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり;
mは1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
nは1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
oは0~10の範囲の整数であり;
pは0~10の範囲の整数であり; かつ
m、n、およびoは、該金属炭酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される。
【0162】
特定の態様では、金属ケイ酸塩は下記式を有する:
(M2)q(SiO4)r(OH)s(L2)t
式中、
M2は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M2は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L2は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
q、r、s、およびtはそれぞれ独立して、該金属ケイ酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である。
【0163】
特定の態様では、金属ケイ酸塩は下記式を有する:
(M2)q(SiO4)r(OH)s(L2)t
式中、
M2は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M2は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L2は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり;
qは2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
rは1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
sは0~10の範囲の整数であり;
tは0~10の範囲の整数であり; かつ
q、r、およびsは、該金属ケイ酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される。
【0164】
特定の態様では、金属酸化物は下記式を有する:
(M3)u(O)v(OH)w
式中、
M3は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M3は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ; かつ
u、v、およびwはそれぞれ独立して、該金属酸化物が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である。
【0165】
特定の態様では、金属酸化物は下記式を有する:
(M3)u(O)v(OH)w
式中、
M3は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M3は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
uは1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
vは0、1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
wは0、1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
vが0である場合、wは少なくとも2であり; かつ
u、v、およびwは、該金属酸化物が正味ゼロ電荷を有するように選択される。
【0166】
特定の態様では、金属ケイ酸塩はネソケイ酸塩である。特定の態様では、金属ケイ酸塩はソロケイ酸塩である。特定の態様では、金属ケイ酸塩はサイクロケイ酸塩である。特定の態様では、金属ケイ酸塩はイノケイ酸塩である。特定の態様では、金属ケイ酸塩はフィロケイ酸塩である。特定の態様では、金属ケイ酸塩はテクトケイ酸塩である。
【0167】
特定の態様では、ネソケイ酸塩はフェナサイト(例えばフェナサイトおよび珪亜鉛鉱)、橄欖石(例えば苦土橄欖石(Mg2SiO4)、鉄橄欖石、およびテフロ石)、柘榴石(例えば苦礬柘榴石、鉄礬柘榴石、満礬柘榴石、灰礬柘榴石、灰鉄柘榴石、灰クロム柘榴石、および加水灰礬柘榴石)、Al2SiO5(例えば紅柱石、藍晶石、珪線石、デュモルチ石、トパーズ、十字石)、ヒューム石(例えばノルベルグ石、コンドロ石、ヒューム石、単斜ヒューム石)、ダトー石、チタン石、硬緑泥石、ならびにムル石からなる群より選択される。
【0168】
特定の態様では、ソロケイ酸塩は異極鉱、ローソン石、斧石、珪灰鉄鉱、緑簾石、灰簾石、タンザナイト、単斜灰簾石、褐簾石、ドレイス石、およびベスブ石からなる群より選択される。
【0169】
特定の態様では、サイクロケイ酸塩はベニト石、パパゴ石、緑柱石、バッジ石、杉石、電気石、ペツォッタ石、大隅石、菫青石、セカニナ石、ユージアル石、およびミラー石からなる群より選択される。
【0170】
特定の態様では、イノケイ酸塩は輝石(例えば頑火輝石、鉄紫蘇輝石、ピジョン輝石、透輝石、灰鉄輝石、普通輝石、ヒスイ輝石、エジリン輝石、リチア輝石、およびパイロクスフェロ石、準輝石(例えば珪灰石、バラ輝石、および曹灰針石)、角閃石(例えば直閃石、カミントン閃石、鉄閃石、透角閃石、陽起石、普通角閃石、藍閃石、リーベック閃石(すなわち石綿)、およびアルベゾン閃石)からなる群より選択される。
【0171】
特定の態様では、フィロケイ酸塩は蛇紋石(例えばアンチゴライト、クリソタイル、リザルダイト)、粘土鉱物(例えばハロイサイト、カオリナイト、パイロフィライト、タルク、イライト、モンモリロナイト(すなわちスメクタイト)、クロライト、バーミキュライト、セピオライト、およびパリゴルスカイト)、雲母(例えば黒雲母、クロム雲母、白雲母、金雲母、リチア雲母、真珠雲母、および海緑石)からなる群より選択される。
【0172】
特定の態様では、テクトケイ酸塩は3Dケイ酸塩(例えば石英、鱗珪石、クリストバル石、コーサイト、スティショフ石、モガン石、および玉髄)、長石(例えば微斜長石、正長石、アノーソクレース、玻璃長石、曹長石、灰曹長石、中性長石、曹灰長石、亜灰長石、および灰長石)、準長石(例えば黝方石、灰霞石、白榴石、霞石、方ソーダ石、アウイン、および青金石)、柱石(例えば曹柱石および灰柱石); ならびに沸石(例えばソーダ沸石、毛沸石、斜方沸石、輝沸石、束沸石、灰沸石、モルデン沸石、および方沸石)からなる群より選択される。
【0173】
特定の態様では、金属炭酸塩は方解石である。特定の態様では、金属炭酸塩は霰石である。特定の態様では、金属炭酸塩は苦灰石である。特定の態様では、金属炭酸塩はハロ炭酸塩またはヒドロキシ炭酸塩である。特定の態様では、金属炭酸塩は水和炭酸塩である。
【0174】
特定の態様では、方解石は方解石、菱ニッケル鉱、菱苦土鉱、菱カドミウム鉱、菱マンガン鉱、菱鉄鉱、菱亜鉛鉱、および菱コバルト鉱からなる群より選択される。
【0175】
特定の態様では、霰石は霰石、白鉛鉱、ストロンチアン石、毒重石、ラザフォーディーン、およびナトライトからなる群より選択される。
【0176】
特定の態様では、苦灰石はアンケル石、苦灰石、ハント石、ミレンコーダイト、および重土方解石からなる群より選択される。
【0177】
特定の態様では、ハロ炭酸塩またはヒドロキシ炭酸塩は藍銅鉱、水白鉛鉱、孔雀石、亜鉛孔雀石、角鉛鉱、水亜鉛鉱、および水亜鉛銅鉱からなる群より選択される。
【0178】
特定の態様では、水和炭酸塩は水菱苦土石、イカ石、ランスフォルダイト、モノハイドロカルサイト、ナトロン、およびゼレライトからなる群より選択される。
【0179】
特定の態様では、金属酸化物は酸化マグネシウムである。特定の態様では、金属酸化物は酸化ナトリウムである。特定の態様では、金属酸化物は酸化カルシウムである。
【0180】
特定の態様では、金属ケイ酸塩は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100μmからなる群より選択される平均粒径を有する。特定の態様では、金属ケイ酸塩は0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100mmからなる群より選択される平均粒径を有する。
【0181】
特定の態様では、金属炭酸塩は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100μmからなる群より選択される平均粒径を有する。特定の態様では、金属炭酸塩は0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100mmからなる群より選択される平均粒径を有する。
【0182】
特定の態様では、金属酸化物は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100μmからなる群より選択される平均粒径を有する。特定の態様では、金属酸化物は0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100mmからなる群より選択される平均粒径を有する。
【0183】
特定の態様では、測定段階(a)および(d)は別々の容器中で実行される。
【0184】
特定の態様では、流出液の濁度および総懸濁固形分からなる群より選択される少なくとも1つが第1の時点および第2の時点において測定され、第1の時点は第2の時点に先行する。特定の態様では、流出液の濁度および/または総懸濁固形分の測定は、流入液と鉱物供給原料との接触が行われる容器中で実行される。特定の態様では、流出液の濁度および/または総懸濁固形分の測定は、流入液と鉱物供給原料との接触が行われる容器以外の容器中で実行される。
【0185】
特定の態様では、第2の時点での流出液の濁度および/または総懸濁固形分が第1の時点での流出液の濁度および/または総懸濁固形分よりも実質的に少ない場合、金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む鉱物供給原料が少なくとも1つの容器に加えられる。
【0186】
特定の態様では、鉱物供給原料は少なくとも1つの容器に手動で固体またはスラリーとして加えられる。特定の態様では、添加は、コンベヤーによって固体として行われる。特定の態様では、添加は、ポンプによってスラリーとして行われる。
【0187】
特定の態様では、供給原料スラリーは、供給原料と、都市廃水、工業廃水、雨水、河川水、湖水、淡水、水道水、流去水、豪雨水、地下水、および海水からなる群より選択される少なくとも1つの水性流体とを混合することで作製され、鉱物供給原料は、スラリーの少なくとも1%(w/w)を占める。
【0188】
特定の態様では、流出液は河川に排出される。特定の態様では、流出液は湖沼に排出される。特定の態様では、流出液は海洋に排出される。特定の態様では、流出液は海に排出される。特定の態様では、流出液は湾に排出される。特定の態様では、流出液は地下水に排出される。特定の態様では、流出液は池に排出される。特定の態様では、流出液は小川に排出される。特定の態様では、流出液は廃水貯水池に排出される。
【0189】
特定の態様では、少なくとも1つの容器は流動床式反応器を含む。特定の態様では、少なくとも1つの容器は連続撹拌槽型反応器を含む。特定の態様では、少なくとも1つの容器は回分式反応器を含む。特定の態様では、少なくとも1つの容器は半回分式反応器を含む。特定の態様では、少なくとも1つの容器は脈動床式反応器を含む。特定の態様では、少なくとも1つの容器はプラグフロー反応器を含む。特定の態様では、少なくとも1つの容器は固定床式反応器を含む。
【0190】
風化促進のシステムおよび/または装置
別の局面では、本開示は、水溶液処理システムを提供する。
【0191】
特定の態様では、処理システムは、(a) 任意で封止可能な接合部によって容器に接続された流入水溶液入口であって、容器が、その中に含有された水溶液に少なくとも1つの酸性化剤を加えるために好適な少なくとも1つの任意で封止可能な入口を含み、容器が、金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む鉱物供給原料を含有するために好適である、流入水溶液入口を含む。
【0192】
特定の態様では、処理システムは、(b) 任意で封止可能な接合部によって容器に接続された流出水溶液出口であって、
pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定するために好適であり、かつ任意で、温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される、その中に含有された水溶液の少なくとも1つのパラメータを測定するためにさらに好適である、少なくとも2つのセンサを、各容器が備えており、
溶存金属が、任意で、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、鉄、コバルト、クロムからなる群より選択される少なくとも1つの金属であり、
溶存非金属が、任意で、リンおよびシリカからなる群より選択される少なくとも1つの非金属またはメタロイドであり、かつ
少なくとも2つのセンサのそれぞれが、入口接合部および/または出口接合部から異なる距離で容器内に位置している、流出水溶液出口を含む。
【0193】
特定の態様では、処理システムは、(c) 溶存CO2濃度の変化を計算するために、容器中の少なくとも2つのセンサのうち2つにおいて少なくとも2つの測定パラメータを比較するための手段を含む。
【0194】
特定の態様では、比較するための手段は、流入液および流出液中でpH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定するために好適な少なくとも2つのセンサを使用すること、ならびにこれら2つの結果を比較することを含む。特定の態様では、比較することは、コンピュータソフトウェアを使用して実行される。
【0195】
特定の態様では、処理システムは、(d) 閉ループプロセスコントローラによって溶存CO2濃度の変化を制御するための手段を含む。特定の態様では、制御するための手段は、閉ループプロセスコントローラによって酸性化剤を加えることを含む。特定の態様では、制御するための手段は、閉ループプロセスコントローラによる曝気を含む。特定の態様では、制御するための手段は、閉ループプロセスコントローラによる撹拌を含む。特定の態様では、制御するための手段は、閉ループプロセスコントローラによってCO2の分圧を増加させることを含む。特定の態様では、制御するための手段は、閉ループプロセスコントローラによって流出液流を再循環することを含む。特定の態様では、制御するための手段は、閉ループプロセスコントローラによって流動を増加させる、減少させる、または律動的に送るように流量を修正することを含む。
【0196】
特定の態様では、酸性化剤はCO2(ガス状)である。特定の態様では、酸性化剤はCO2(水性)である。特定の態様では、酸性化剤は有機酸である。特定の態様では、酸性化剤は無機酸である。
【0197】
特定の態様では、無機酸はH2CO3である。特定の態様では、無機酸はH2CO4である。特定の態様では、無機酸はHNO3である。特定の態様では、無機酸はHCl(水性)である。特定の態様では、無機酸はHCl(ガス状)である。
【0198】
特定の態様では、溶存CO2濃度の変化を制御するための手段は、入口接合部において少なくとも1つの測定パラメータを修正する、閉ループプロセスコントローラを含む。特定の態様では、溶存CO2濃度の変化を制御するための手段は、流入水溶液の流量、撹拌速度、流動再循環の速度またはスケジュール、鉱物供給原料中の金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および/または金属酸化物の濃度(w/v%)からなる群より選択される容器中の少なくとも1つの接触条件を修正する、閉ループプロセスコントローラを含む。
【0199】
特定の態様では、システムは、並列に、直列に、またはそれらの組み合わせで配列されていて、各追加の実例の容器が任意で封止可能な接合部によって追加の各容器に接続されている、少なくとも2つの実例の容器を含む。
【0200】
特定の態様では、各実例の容器の入口接合部および出口接合部は、容器の対向する末端に位置している。
【0201】
特定の態様では、システムは、容器の第1の地点と第2の地点とを接続し、第1の地点および第2の地点が、入口接合部および/または出口接合部から異なる距離で容器内に位置している、再循環ラインをさらに含む。特定の態様では、システムは、2つの実例の容器を直列に接続し封止可能な接合部によって容器にそれぞれ接続された2つの末端を含む、再循環ラインをさらに含む。
【0202】
特定の態様では、再循環ラインは、水溶液の上流移動を可能にする。
【0203】
特定の態様では、再循環ラインは、約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満のpHを有する水溶液の検出時に、その中に含有された水溶液の再循環を促進する。
【0204】
特定の態様では、各実例の容器は、その中に含有された水溶液およびその中に含有された鉱物供給原料のうち少なくとも1つを撹拌するための手段を備えている。
【0205】
特定の態様では、撹拌するための手段は攪拌機である。特定の態様では、撹拌するための手段はバッフルである。特定の態様では、撹拌するための手段はフローパルセーターである。特定の態様では、撹拌するための手段は曝気装置である。特定の態様では、撹拌するための手段はインペラーである。
【0206】
特定の態様では、流出液出口は、5超であるが8未満であるpHを有する水性液体の検出時に流出液のpHを所望の範囲内に修正するために好適である補助的pH調整システムに任意で接続される。
【0207】
特定の態様では、各実例の容器は、任意で封止可能な接合部によって鉱物供給原料入口に任意で接続される。
【0208】
特定の態様では、鉱物供給原料入口は水性鉱物スラリー容器に接続され、水性鉱物スラリー容器はその中に含有された水性鉱物スラリーを少なくとも1つの実例の容器に移動させるために好適なポンプを備えている。
【0209】
特定の態様では、システムは、少なくとも1つのガスストリッパーをさらに含む。
【0210】
特定の態様では、少なくとも1つの実例の容器は、その中に含有された水溶液の曝気に好適な装置を備えている。
【0211】
特定の態様では、システムは、任意で封止可能な接合部によって少なくとも1つの実例の容器に接続された曝気容器をさらに含む。
【0212】
特定の態様では、曝気容器は、その中に含有された水溶液の曝気に好適な装置を含む。
【0213】
特定の態様では、システムは、任意で封止可能な接合部によって少なくとも1つの実例の容器に接続された溶存金属処理容器をさらに含む。
【0214】
特定の態様では、溶存金属処理容器は、少なくとも1つの収着剤を含む。
【0215】
特定の態様では、少なくとも1つの収着剤は、活性炭、1つまたは複数の粘土鉱物、およびバイオ炭、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0216】
特定の態様では、少なくとも1つの収着剤は、少なくとも1つの金属または非金属を吸着する。特定の態様では、金属はFeである。特定の態様では、金属はNiである。特定の態様では、金属はCrである。特定の態様では、金属はCoである。特定の態様では、非金属はPである。
【0217】
特定の態様では、曝気容器は、少なくとも1つの実例の容器に対する接続を含む入口と、少なくとも1つの実例の容器に任意で接続される出口とを有する。
【0218】
特定の態様では、溶存金属処理容器は、少なくとも1つの実例の容器に対する接続を含む入口と、少なくとも1つの実例の容器に任意で接続される出口とを有する。
【0219】
特定の態様では、各実例の流出液出口は少なくとも1つのフィルターを備えている。特定の態様では、フィルターは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100μmからなる群より選択される孔を有する。
【0220】
特定の態様では、流入水溶液入口は少なくとも1つの水源に接続されている。特定の態様では、水源は都市廃水である。特定の態様では、水源は工業廃水である。特定の態様では、水源は雨水である。特定の態様では、水源は河川水である。特定の態様では、水源は湖水である。特定の態様では、水源は淡水である。特定の態様では、水源は水道水である。特定の態様では、水源は流去水である。特定の態様では、水源は豪雨水である。特定の態様では、水源は地下水である。特定の態様では、水源は海水である。
【0221】
特定の態様では、金属炭酸塩は下記式を有する:
(M1)m(CO3)n(OH)o(L1)p
式中、
M1は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M1は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L1は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
m、n、o、およびpはそれぞれ独立して、該金属炭酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である。
【0222】
特定の態様では、金属炭酸塩は下記式を有する:
(M1)m(CO3)n(OH)o(L1)p
式中、
M1は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M1は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L1は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり;
mは1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
nは1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
oは0~10の範囲の整数であり;
pは0~10の範囲の整数であり; かつ
m、n、およびoは、該金属炭酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される。
【0223】
特定の態様では、金属ケイ酸塩は下記式を有する:
(M2)q(SiO4)r(OH)s(L2)t
式中、
M2は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M2は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L2は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
q、r、s、およびtはそれぞれ独立して、該金属ケイ酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である。
【0224】
特定の態様では、金属ケイ酸塩は下記式を有する:
(M2)q(SiO4)r(OH)s(L2)t
式中、
M2は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M2は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L2は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり;
qは2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
rは1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
sは0~10の範囲の整数であり;
tは0~10の範囲の整数であり; かつ
q、r、およびsは、該金属ケイ酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される。
【0225】
特定の態様では、金属酸化物は下記式を有する:
(M3)u(O)v(OH)w
式中、
M3は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M3は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ; かつ
u、v、およびwはそれぞれ独立して、該金属酸化物が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である。
【0226】
特定の態様では、金属酸化物は下記式を有する:
(M3)u(O)v(OH)w
式中、
M3は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M3は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
uは1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
vは0、1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
wは0、1、2、3、および4からなる群より選択される整数であり;
vが0である場合、wは少なくとも2であり; かつ
u、v、およびwは、該金属酸化物が正味ゼロ電荷を有するように選択される。
【0227】
特定の態様では、金属ケイ酸塩はネソケイ酸塩である。特定の態様では、金属ケイ酸塩はソロケイ酸塩である。特定の態様では、金属ケイ酸塩はサイクロケイ酸塩である。特定の態様では、金属ケイ酸塩はイノケイ酸塩である。特定の態様では、金属ケイ酸塩はフィロケイ酸塩である。特定の態様では、金属ケイ酸塩はテクトケイ酸塩である。
【0228】
特定の態様では、ネソケイ酸塩はフェナサイト(例えばフェナサイトおよび珪亜鉛鉱)、橄欖石(例えば苦土橄欖石(Mg2SiO4)、鉄橄欖石、およびテフロ石)、柘榴石(例えば苦礬柘榴石、鉄礬柘榴石、満礬柘榴石、灰礬柘榴石、灰鉄柘榴石、灰クロム柘榴石、および加水灰礬柘榴石)、Al2SiO5(例えば紅柱石、藍晶石、珪線石、デュモルチ石、トパーズ、十字石)、ヒューム石(例えばノルベルグ石、コンドロ石、ヒューム石、単斜ヒューム石)、ダトー石、チタン石、硬緑泥石、ならびにムル石からなる群より選択される。
【0229】
特定の態様では、ソロケイ酸塩は異極鉱、ローソン石、斧石、珪灰鉄鉱、緑簾石、灰簾石、タンザナイト、単斜灰簾石、褐簾石、ドレイス石、およびベスブ石からなる群より選択される。
【0230】
特定の態様では、サイクロケイ酸塩はベニト石、パパゴ石、緑柱石、バッジ石、杉石、電気石、ペツォッタ石、大隅石、菫青石、セカニナ石、ユージアル石、およびミラー石からなる群より選択される。
【0231】
特定の態様では、イノケイ酸塩は輝石(例えば頑火輝石、鉄紫蘇輝石、ピジョン輝石、透輝石、灰鉄輝石、普通輝石、ヒスイ輝石、エジリン輝石、リチア輝石、およびパイロクスフェロ石、準輝石(例えば珪灰石、バラ輝石、および曹灰針石)、角閃石(例えば直閃石、カミントン閃石、鉄閃石、透角閃石、陽起石、普通角閃石、藍閃石、リーベック閃石(すなわち石綿)、およびアルベゾン閃石)からなる群より選択される。
【0232】
特定の態様では、フィロケイ酸塩は蛇紋石(例えばアンチゴライト、クリソタイル、リザルダイト)、粘土鉱物(例えばハロイサイト、カオリナイト、パイロフィライト、タルク、イライト、モンモリロナイト(すなわちスメクタイト)、クロライト、バーミキュライト、セピオライト、およびパリゴルスカイト)、雲母(例えば黒雲母、クロム雲母、白雲母、金雲母、リチア雲母、真珠雲母、および海緑石)からなる群より選択される。
【0233】
特定の態様では、テクトケイ酸塩は3Dケイ酸塩(例えば石英、鱗珪石、クリストバル石、コーサイト、スティショフ石、モガン石、および玉髄)、長石(例えば微斜長石、正長石、アノーソクレース、玻璃長石、曹長石、灰曹長石、中性長石、曹灰長石、亜灰長石、および灰長石)、準長石(例えば黝方石、灰霞石、白榴石、霞石、方ソーダ石、アウイン、および青金石)、柱石(例えば曹柱石および灰柱石); ならびに沸石(例えばソーダ沸石、毛沸石、斜方沸石、輝沸石、束沸石、灰沸石、モルデン沸石、および方沸石)からなる群より選択される。
【0234】
特定の態様では、金属炭酸塩は方解石である。特定の態様では、金属炭酸塩は霰石である。特定の態様では、金属炭酸塩は苦灰石である。特定の態様では、金属炭酸塩はハロ炭酸塩またはヒドロキシ炭酸塩である。特定の態様では、金属炭酸塩は水和炭酸塩である。
【0235】
特定の態様では、方解石は方解石、菱ニッケル鉱、菱苦土鉱、菱カドミウム鉱、菱マンガン鉱、菱鉄鉱、菱亜鉛鉱、および菱コバルト鉱からなる群より選択される。
【0236】
特定の態様では、霰石は霰石、白鉛鉱、ストロンチアン石、毒重石、ラザフォーディーン、およびナトライトからなる群より選択される。
【0237】
特定の態様では、苦灰石はアンケル石、苦灰石、ハント石、ミレンコーダイト、および重土方解石からなる群より選択される。
【0238】
特定の態様では、ハロ炭酸塩またはヒドロキシ炭酸塩は藍銅鉱、水白鉛鉱、孔雀石、亜鉛孔雀石、角鉛鉱、水亜鉛鉱、および水亜鉛銅鉱からなる群より選択される。
【0239】
特定の態様では、水和炭酸塩は水菱苦土石、イカ石、ランスフォルダイト、モノハイドロカルサイト、ナトロン、およびゼレライトからなる群より選択される。
【0240】
特定の態様では、金属酸化物は酸化マグネシウムである。特定の態様では、金属酸化物は酸化ナトリウムである。特定の態様では、金属酸化物は酸化カルシウムである。
【0241】
特定の態様では、システムは、可搬式自立型ユニットであるか、または非可動式構造に組み込まれる。特定の態様では、システムは輸送コンテナに収容される。特定の態様では、システムはトレーラーに収容される。特定の態様では、システムは舵輪を備えた船舶に収容される。特定の態様では、システムはバージの上または中に組み込まれる。特定の態様では、システムは船の上または中に組み込まれる。特定の態様では、システムの非可搬式の態様は特に倉庫、工業施設、都市施設、工場、廃水処理プラント、またはダムに組み込まれる。
【0242】
本明細書では、本開示のシステムおよび/または装置の非限定的な例示的態様が開示される。そのような例示的態様は独立した態様として図示および/または記述されうるものであるが、当業者は、各態様の局面を、その記述において明示的には記載されていない特徴によって修正することができ、かつ/またはそれらと組み合わせることができることを認識するものである。
【0243】
例示的態様1
ここで図15図18に関して、本開示の例示的な化学的風化促進のシステムおよび/または装置100が示される。システムおよび/または装置100は、任意で封止可能な接合部116を伴う入口103と、任意で封止可能な接合部116を伴う出口104と、少なくとも1つの反応槽105とを有する、収容ユニット101を含む。いくつかの態様では、システムおよび/または装置100は、以下のものの任意の組み合わせをさらに含みうる: 任意で封止可能な接合部116を伴う鉱物供給原料口102、任意で封止可能な接合部116を伴うサンプリング口およびモニタリング口106、凝集槽107、凝結槽108、複数の撹拌機109、任意で封止可能な接合部116を伴うか焼ループ110、ならびに任意で封止可能な接合部を伴うCO2源出入口111。いくつかの態様では、システムおよび/または装置100は、CO2源に付属する再循環空気システムと、流体CO2濃縮のためのスパージングシステムまたは空気強制システムとをさらに含みうる。未反応CO2を減圧下で回収して該CO2を流入水に再導入するために、空気処理システムを使用することができる。流入水からの力、および/または埋め込まれた撹拌機による力によって、鉱物供給原料は懸濁状態にとどまりうる。いくつかの態様では、鉱物供給原料は流体化していないことがある。いくつかの態様では、撹拌機109はタービンを含む。
【0244】
特定の態様では、システムおよび/または装置100は、反応槽105を通じた層流または乱流の様式を維持または導入するための、1つまたは複数の撹拌機、曝気装置、フローパルセーター、散気装置、および/またはポイントフロー源をさらに含みうる。特定の態様では、炭素回収量および流量を最大化するために、溶存CO2を含む水溶液は、最初に、粒度が比較的大きい(浸透性が比較的大きい)鉱物供給原料で充填された反応槽105を通過し、続いて、粒度が比較的小さい鉱物供給原料で充填された別の反応槽105を通過する。
【0245】
ここで図15図18に関して、システムおよび/または装置100は可搬式のシステムおよび/または装置でありうる。収容ユニット101は、車輪113を有するトレーラー112に搭載されうる。特定の態様では、収容ユニット101は、トラックに取り付けられるようにヒッチが装着されうる。特定の態様では、収容ユニット101は、システムおよび/または装置100が運用のために一時的に設置されているときに配置されるように構成された少なくとも2つの安定脚114をさらに含みうる。特定の態様では、収容ユニット101は、既存のトラックによる輸送に最適化されうる。特定の態様では、収容ユニット101は任意の利用可能な標準的サイズでありうる。特定の態様では、収容ユニット101は輸送コンテナを含みうる。特定の態様では、収容ユニット101は船および/またはバージの中または上に存在しうる。特定の態様では、収容ユニット101は倉庫、工業施設、水処理施設に存在してもよく、かつ/または独立型の施設であってもよい。
【0246】
ここで図15図18に関して、収容ユニット101は、長方形、楕円形などを含むがそれに限定されない、当業者に公知である任意の形状を有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は、鋼、アルミニウム、プラスチック、ガラス繊維、または他の好適な材料を含むがそれに限定されない、当業者に公知である任意の材料から作製されうる。様々な態様では、収容ユニット101は1~20メートル、1~100メートル、または1~1000メートルの長さを有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は1000メートル超の長さを有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は14~16メートルの長さを有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は16~18メートルの長さを有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は18~20メートルの長さを有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は20メートル超の長さを有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は14メートル未満の長さを有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は12~14メートルの長さを有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は10~12メートルの長さを有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は8~10メートルの長さを有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は6~8メートルの長さを有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は4~6メートルの長さを有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は2~4メートルの長さを有しうる。
【0247】
特定の態様では、収容ユニット101は少なくとも2.5メートルの高さおよび幅を有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は2~4メートルの高さおよび幅を有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は4~6メートルの高さおよび幅を有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は2.5メートル未満の高さおよび幅を有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は1~2.5メートルの高さおよび幅を有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は2.5メートル超の高さおよび幅を有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は1~50,000m3の総容積を有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は1~50,000m3、または1~25,000m3、または1~1,000m3、または10~1,000m3、または10~5,000m3、または100~20,000m3、または200~10,000m3、または1,000~20,000m3、または5,000~10,000m3、または20,000~50,000m3、または30,000~50,000m3、または40,000~50,000m3の総容積を有しうる。特定の態様では、収容ユニット101は50,000m3超の総容積を有しうる。
【0248】
特定の態様では、入口103は関心対象の水溶液流に位置しており、反応槽105に流体接続されている。特定の態様では、入口103は管を含む。特定の態様では、入口103は入口ポンプをさらに含みうる。入口ポンプは、水溶液流からの水を反応槽105に押し込むように構成された、当業者に公知である任意のポンプでありうる。特定の態様では、入口103は約10~1000cmの範囲の任意の適用可能な直径を有しうる。特定の態様では、入口103は1000cm超の直径を有しうる。特定の態様では、入口103は約1~100メートルの範囲の長さを有しうる。特定の態様では、本明細書において想定および記載される入口は、管、ホース、スプリンクラーなどを含むがそれに限定されない、1つまたは複数の要素を含みうる。
【0249】
反応槽105は、適用可能でかつ当業者に公知である任意のサイズを有しうる。特定の態様では、その中に含有されるかまたはその中での使用が指定される水溶液の流量および化学特性に基づいて、異なるサイズの反応槽105を使用および確定することができる。特定の態様では、反応槽105は、長方形、楕円形、円形などを含むがそれに限定されない任意の形状を有しうる。反応槽105は任意の好適な供給原料、例えば地域的に入手可能な供給原料で充填されうる。いくつかの態様では、複数の反応槽105が流体接続されている。特定の態様では、供給原料は、地球化学および地理空間モデル化の結果に基づいて、関心対象の用地向けに選択されうる。特定の態様では、供給原料は、風化促進の反応によって二酸化炭素排出物を回収および隔離するために好適でありうる。
【0250】
特定の態様では、収容ユニット101は、反応槽105と流体連通している少なくとも1つの室(107、108)をさらに含みうる。特定の態様では、少なくとも1つの室は、水溶液の精製および濾過のために構成されうる。特定の態様では、少なくとも1つの室は、複数の平行にかつ/または順々に整列されたメンブランフィルター、活性炭などを含むがそれに限定されない、当業者に公知である任意の濾過手段でありうる。特定の態様では、少なくとも1つの室は収容ユニット102中の任意の場所に位置しうる。いくつかの態様では、少なくとも1つの室は入口管103に流体接続されうる。いくつかの態様では、少なくとも1つの室は出口104に流体接続されうる。特定の態様では、水溶液を処理および精製するために、システムおよび/または装置100内で任意の数の室を使用することができる。
【0251】
出口104は、処理された水溶液を収容ユニット101から取り出すように構成されている。特定の態様では、出口104は管を含む。特定の態様では、出口104は、例えば約10~1000cmの範囲の任意の適用可能な直径を有しうる。特定の態様では、出口104は約1~100メートルの範囲の長さを有しうる。
【0252】
特定の態様では、収容ユニット101は、温度センサ、pHセンサ、溶存CO2センサ、CO2分圧センサ、アルカリ度センサ、硬度センサ、導電率センサ、溢流センサ、高水位センサ、溶存酸素センサ、または他の測定システムおよび/もしくは装置を含むがそれに限定されない、少なくとも1つのセンサ115をさらに含みうる。特定の態様では、少なくとも1つのセンサ115は収容ユニット101上の任意の場所に位置しうる。特定の態様では、少なくとも1つのセンサ115は少なくとも1つの室(105、107、108)と接触しうる。特定の態様では、少なくとも1つのセンサ115は入口103の上または中に位置しうる。特定の態様では、少なくとも1つのセンサ115は出口104の上または中に位置しうる。
【0253】
特定の態様では、収容ユニット101は少なくとも1つのサンプリング口106をさらに含みうる。特定の態様では、サンプリング口106は、当業者に公知の収容ユニット101上の任意の場所に位置しうる。特定の態様では、サンプリング口106は入口103の上または中に位置しうる。特定の態様では、サンプリング口106は出口104の上または中に位置しうる。特定の態様では、サンプリング口106は反応槽105と流体連通して位置しうる。特定の態様では、サンプリング口106は少なくとも1つの室(105、107、108)と流体連通して位置しうる。
【0254】
特定の態様では、システムおよび/または装置100は、非限定的な例として工業水源または都市水源が挙げられる、低pHを有する水溶液源に対して使用されうる。特定の態様では、システムおよび/または装置100は、高CO2濃度を有する水溶液源に対して使用されうる。特定の態様では、システムおよび/または装置100は、逆反応(CO2を再放出させうる反応)を促進しうる化学構成成分の低濃度を有する水溶液源に対して使用されうる。特定の態様では、システムおよび/または装置100は、風化プロセスを遅らせる粘土のような二次鉱物相の沈殿をおそらくは阻害する有機酸(すなわち低分子量有機化合物)の高含有量を有する水溶液源に対して、または二次鉱物相の沈殿を阻害する添加された単純有機物に対して使用されうる。特定の態様では、防汚剤が入口103、出口104、および/または反応槽105に加えられうる。
【0255】
特定の態様では、システムおよび/または装置100は既存の廃水処理プラント、または廃水が発生しかつ/もしくは処理される他の場所に付加されうる。これは食品・飲料産業(例えば醸造所、ワイナリー、および乳業工場)、紙パルプ製造プロセス、および自動車・金属加工産業で発生した廃水、ならびに鉱山で発生した廃水(例えば酸性鉱山排水)を含みうる。特定の態様では、システムおよび/または装置100は水処理プラント内の任意の場所に位置しうる。特定の態様では、廃棄物流からの水は、廃水処理プラントに入る前にシステムおよび/または装置100に入るように構成されうる。特定の態様では、廃水処理プラントからの水は、該プラント内での精製/濾過後にシステムおよび/または装置100に入るように向けられうる。特定の態様では、廃水処理プラントからの水は、該プラント内での生物学的処理後にシステムおよび/または装置100に入るように向けられうる。特定の態様では、廃水処理プラントからの水は、該プラント内での一次処理、二次処理、および三次処理の前、途中、または後の任意の時点でシステムおよび/または装置100に入るように向けられうる。
【0256】
特定の態様では、反応槽105は、その中に含有された供給原料および水溶液を十分に混合された状態に保つための複数の撹拌機109を含む。特定の態様では、反応槽105は、その中に含有された供給原料および水溶液を接触した状態および/または十分に混合された状態に保つための特別に設計された流動様式を含む。特定の態様では、反応槽105は、粒子状物質を除去および回収するための一連のフィルター、浄化槽および凝集槽107を含む。いくつかの態様では、浄化槽および凝集槽107は、ニッケルなどの金属を回収するように構成されうる。
【0257】
例示的態様2
図19に関して、本開示の例示的な風化促進のシステムおよび/または装置(200)が示される。特定の態様では、流入水溶液(21)は、本開示のシステムおよび/または装置に流入液が入ることを可能にする保持容器および/または遮断容器(1)と流体連通している。特定の態様では、保持容器および/または遮断容器(1)は外部CO2源(20)と流体連通している。特定の態様では、外部CO2源は、保持容器および/または遮断容器(1)に少なくとも部分的に含有された流入水溶液(21)を炭酸化しうる。
【0258】
特定の態様では、保持容器および/または遮断容器(1)に少なくとも部分的に含有された流入液(21)は、保持槽/遮断槽(1)と流体連通している圧力槽および/または圧力容器(3)中に、ポンプ(2)によって移されうる。特定の態様では、圧力槽および/または圧力容器(3)に少なくとも部分的に含有された流入液(21)は、第1の処理容器(10)と流体連通している。特定の態様では、第1の処理容器(10)および追加の処理容器(12)は流動床式反応器、回分式反応器、脈動床式反応器、固定床式反応器、またはそれらの任意の組み合わせを含みうる。特定の態様では、圧力槽および/または圧力容器(3)に少なくとも部分的に含有された流入液(21)は、第1の処理容器(10)に移されうる。特定の態様では、圧力槽および/または圧力容器(3)に少なくとも部分的に含有された流入液(21)の移動は、圧力調節器(4)、流量計(5)、弁ゲート(7)、流入液センサアレイ(8)、および流入液サンプリング口(9)を含む、圧力槽および/または圧力容器(3)ならびに第1の処理容器(10)と流体連通している、1つもしくは複数の成分と接触し、かつ/またはそれを通過することを含む。特定の態様では、流量計(5)は制御システム(6)と流体連通しており、かつ/またはそれによって修正される。特定の態様では、ゲート弁(7)は制御システム(6)と流体連通しており、かつ/またはそれによって修正される。特定の態様では、センサアレイ(8)は制御システム(6)と流体連通しており、かつ/またはそれによって修正される。特定の態様では、流入液が第1の処理容器(10)に入る前に、流入液サンプリング口(9)を使用して流入水溶液(21)のアリコートを得ることができる。
【0259】
特定の態様では、鉱物供給原料(25)を含む第1の処理容器(10)は、撹拌システム(24)をさらに含む。特定の態様では、撹拌システム(24)は制御システム(6)と流体連通しており、かつ/またはそれによって調整される。特定の態様では、流入水溶液(21)は第1の処理容器(10)中で鉱物供給原料(25)と接触する。特定の態様では、第1の処理容器(10)は追加の処理容器(12)と流体連通している。特定の態様では、第1の処理容器(10)に少なくとも部分的に含有された水溶液は追加の処理容器(12)に移される。特定の態様では、水溶液が追加の処理容器(10)に入る前に、中間サンプリング口(11)を使用して水溶液のアリコートを得ることができる。
【0260】
特定の態様では、鉱物供給原料(25)を含む追加の処理容器(12)は、撹拌システム(24)をさらに含む。特定の態様では、流入水溶液(21)は追加の処理容器(12)中で鉱物供給原料(25)と接触する。
【0261】
特定の態様では、追加の処理容器(12)はガスストリッピング容器(16)と流体連通している。特定の態様では、追加の処理容器(12)に少なくとも部分的に含有された水溶液はガスストリッピング容器(16)に移されうる。特定の態様では、ガスストリッピング容器(16)への水溶液の移動は、流出液サンプリング口(13)、流出液センサアレイ(14)、および自動弁(15)を含む、追加の処理容器(12)およびガスストリッピング容器(16)と流体連通している、1つもしくは複数の成分と接触し、かつ/またはそれを通過することを含む。特定の態様では、流出液が流出液センサアレイ(14)と接触する前に、流出液サンプリング口(13)を使用して水溶液のアリコートを得ることができる。
【0262】
特定の態様では、流出液センサアレイ(14)は制御システム(6)と流体連通している。特定の態様では、自動弁(15)は制御システム(6)と流体連通している。特定の態様では、自動弁(15)は、再循環システム(23)を通じて追加の処理容器(12)、ガスストリッピング容器(16)、圧力容器(3)のそれぞれと流体連通しており、再循環システム(23)を通じて保持容器および/または遮断容器(1)と流体連通している。特定の態様では、流出液センサアレイ(14)からの出力データによって、制御システム(6)による自動弁(15)の修正が行われる。
【0263】
特定の態様では、流出液センサアレイ(14)からの出力によって、再循環システム(23)を通じた追加の容器(12)から圧力容器(3)への水溶液の移動が行われる。特定の態様では、流出液センサアレイ(14)からの出力によって、再循環システム(23)を通じた追加の容器から保持容器および/または遮断容器(1)への水溶液の移動が行われる。特定の態様では、流出液センサアレイ(14)からの出力によって、追加の容器(12)からガスストリッピング容器(16)への水溶液の移動が行われる。
【0264】
特定の態様では、ガスストリッピング容器(16)は曝気容器(17)と流体連通している。特定の態様では、ガスストリッピング容器に少なくとも部分的に含有された水溶液は曝気容器(17)に移されうる。
【0265】
特定の態様では、曝気容器(17)は酸素源および/または吹込装置(18)を含む。特定の態様では、曝気容器(17)は濾過システム(19)と流体連通している。特定の態様では、曝気容器(17)に少なくとも部分的に含有された水溶液は濾過システム(19)にまたはそこを通じて移されうる。
【0266】
特定の態様では、濾過システム(19)は出口と流体連通している。特定の態様では、流出液(22)は出口から排出される。
【0267】
特定の態様では、流出液(22)は自動弁(15)から直接排出されうる。特定の態様では、自動弁(15)は曝気槽(17)または濾過システム(19)と流体連通している。
【0268】
特定の態様では、流出液(22)はガスストリッピング容器(16)から直接排出されうる。特定の態様では、ガスストリッピング容器(16)に少なくとも部分的に含有された水溶液は濾過システム(19)に移されうる。
【0269】
特定の態様では、流出液(22)は曝気容器(17)から直接排出されうる。
【0270】
例示的態様3
図20および図21A図21Bに関して、本開示の例示的な風化促進のシステムおよび/または装置300が示される。システムおよび/または装置300は輸送コンテナ内に収容されている。特定の態様では、輸送コンテナは20~100フィート以上の長さを有する(314)。特定の態様では、輸送コンテナは80~160インチ以上の高さを有する(312)。特定の態様では、輸送コンテナは約2~15フィート以上の幅を有する(316)。特定の態様では、輸送コンテナは、該コンテナの対向する末端に位置している入口(314)および出口(315)を有する。特定の態様では、輸送コンテナは、該コンテナの対向する末端に位置していない入口(314)および出口(315)を有する。
【0271】
特定の態様では、輸送コンテナは1つまたは複数の反応容器をさらに含む。特定の態様では、1つまたは複数の反応器は輸送コンテナの内部区画の長さのうち約20~100フィート以上を占める(311)。特定の態様では、輸送コンテナの内部区画は幅が約2~15フィート以上である(310)。特定の態様では、1つまたは複数の反応器は輸送コンテナの内部区画の幅のうち約2~15フィート以上を占めるものであり、利用可能な通路は約0~10フィートである(307)。特定の態様では、流入液が1つまたは複数の容器に入って、選択されるパラメータがセンサアレイ(301)により測定される。特定の態様では、流入液ライン(302)は、注入マニホールド(304)による、流入液源とそれぞれ約20~100インチ以上の直径を有する1つまたは複数の反応器との流体連通を提供する。特定の態様では、供給原料注入ラインは、1つまたは複数の容器のそれぞれと流体連通しており、必要に応じて鉱物供給原料の添加を可能にする(303)。特定の態様では、1つまたは複数の反応器と流体連通している流出液ライン(306)は、輸送コンテナの内部区画の出口(309)に位置しているセンサアレイ(308)に流出液を輸送する。
【0272】
特定の態様では、各容器は、容器内の補助配管および/または電子機器へのアクセスが可能になっている。特定の態様では、標準的な輸送コンテナの使用によって、電子機器の保護、および/または輸送性を含む、利点が提供される。特定の態様では、各容器は約700ガロン以上の容積を有する。特定の態様では、システムは1時間当たり約3,500ガロン以上の処理能力を有する。特定の態様では、容器の構成は、流動床式反応器、脈動床、および回分式反応器、ならびにそれらの任意の組み合わせの使用を可能にする。
【0273】
特定の態様では、システムは、注入マニホールドがトレーラータンクに組み込まれた1つの流動床式容器(例えば液体および/またはスラリーを保持するように設計されたエポキシライニング40フィート輸送コンテナ)を含む。そのような態様では、各容器は360平方フィート以上を含み、容量は21,000ガロン以上である。モデル化は、各容器が、1時間当たり60,000ガロン以上を処理可能であって、炭素を複数キロトン規模で回収可能であることを示唆している。特定の態様では、容器の構成は、流動床式反応器、脈動床、および回分式反応器、ならびにそれらの任意の組み合わせの使用を可能にする。
【0274】
例示的態様4
図22は、本開示の例示的な風化促進システムの模式図を示す。この模式図は、化学処理において一般的に使用される1つまたは複数の容器(411)を含む風化促進システム(400)の一態様の概念的全体像を提供する。そのような態様では、外部CO2源(412)が、任意で封止可能な接合部(413)を通じて入口と流体連通しており、入口(401)において流入水溶液(例えば淡水)にCO2(ガス状)を提供する。炭酸化の後、センサアレイ(402)においてバルク化学特性を測定することができる。次に、水溶液流は、注入マニホールド(404)によって、1つまたは複数の容器に収容されうる1つまたは複数の反応器(例えば特に流動床、回分式反応器、および固定床式反応器)と流体連通している流入液ライン(403)を通過する。流動は、並列に配列されうる流動床を通過しうる。流出液が流動床を通過し、流出液ライン(405/407)を通過すると、水溶液のパラメータをセンサアレイ(408)において再度測定することができ、その結果により、再循環(406)が行われることもあれば、1つまたは複数の金属(例えば鉄)が沈殿した好気室への流動が続けられることもある。水溶液は、システムを出る(409)前に、インラインフィルターをさらに通過することがあり、かつ/または残留CO2(ガス状)が取り除かれることがある。特定の態様では、各容器は約100~約1000ガロン以上の容積を有する。特定の態様では、システムは1時間当たり約1000~約10,000ガロン以上の処理能力を有する。特定の態様では、容器の構成は、流動床式反応器、脈動床、および回分式反応器、ならびにそれらの任意の組み合わせの使用を可能にする。
【0275】
例示的態様5
図23は、市場における潜在的なクライアント全体でどれほど多くのCO2を除去することができるかの現実的な推定値を提供しながら、用地に特有のCO2除去およびコストを同定、設計、および改善するように構成された、地球化学および地理空間モデル(500)の流れ模式図を示す。特定の態様では、供給原料源が選択され、財政的パラメータが評価される(例えば鉱物供給原料1トン当たりのコスト、および/または鉱物供給原料1トン当たりのCO2隔離量)(501)。特定の態様では、輸送コストが本開示の装置および/またはシステムの配置用地に対する近接性を考慮して評価される(502)。特定の態様では、コストが鉱物供給原料の粉砕および/または調製に関して評価される(503)。特定の態様では、地理空間情報システム(GIS)輸送ネットワーク分析が、コストおよび/または排出量に応じてフリクション値を輸送モードに適用することで実行される(504)。特定の態様では、少なくとも1つの鉱物供給原料を選択、輸送、および調達することに関連する少なくとも1つのパラメータのGIS輸送ネットワーク分析(504)が鉱物ベースの供給原料の種類、供給原料のコスト、供給原料のCO2回収速度、および供給原料源と処理すべき水源との間の距離からなる群より選択される。特定の態様では、潜在的な用地における水溶液のパラメータが評価され(505)、用地に特有のCO2除去能力および/またはコストが確定される(506)。特定の態様では、反応輸送モデル化または鉱物風化モデル化段階(507)は、少なくとも1つの鉱物供給原料の目標平均粉砕粒径を策定する風化モデルを含みうる。特定の態様では、風化モデル(507)は、流出液流の再循環速度または少なくとも1つの容器の撹拌速度のうち少なくとも1つを含む、水溶液処理システムの流動設計を策定する。特定の態様では、風化モデル(507)は、供給原料適用速度、水溶液処理システムに対する酸の添加速度、または水溶液処理システムに対するCO2の添加速度のうち少なくとも1つを含む、添加物質および供給原料適用モデルを含む。
【0276】
例示的態様6
図28A図28Bは、本開示の特定の風化促進システムの評価に使用される特定の数学および/または地球化学モデル(800)を示した、フロー図を示す。これらのモデルは図23における反応輸送モデル化または鉱物風化段階(507)に対応している。特定の態様では、潜在的な物理的場所における1つまたは複数の流入液源の生理化学特性は、pH、溶存CO2濃度、CO2の分圧、溶存無機炭素濃度、溶存重炭酸イオン濃度、溶存炭酸イオン濃度、およびアルカリ度より選択される、流入水溶液の1つまたは複数のパラメータの測定によって確定される(801)。特定の態様では、流入水溶液の多量元素および微量元素の濃度、温度、導電率、ならびに懸濁固形分が測定される(802)。
【0277】
特定の態様では、測定値は、地球化学モデルによって反応商(Q)を計算するための入力値として使用される(すなわち、Q = 生成物濃度/反応物濃度)(803)。特定の態様では、流入水溶液源の供給原料飽和閾値(Ω)が地球化学モデル(Ω = Q/Ksp)によって計算される(804)。
【0278】
特定の態様では、飽和閾値(Ω)が1超であって、ガス状CO2の添加が実用的ではない場合、用地は実用的ではないと見なされる(805)。
【0279】
飽和閾値(Ω)が1未満である他の態様では、用地での水の流量当たりのCO2回収能力、および反応動力学が、流入液の特性を考慮して、地球化学反応輸送モデル(R = k・SSA・(1-Ω)n)によって計算される(806)。
【0280】
特定の態様では、CO2回収能力および反応動力学が経済的に実行可能な運用を実現する場合、容器収容型の本開示の風化促進の装置および/またはシステムが配置され、CO2添加は必要ではない(807)。他の態様では、CO2回収能力および反応動力学が経済的に実行可能な運用を実現しないが、水飽和条件が有利であるという場合、容器収容型の本開示の風化促進の装置および/またはシステムが配置されて、流入水溶液の処理用の外部CO2源が備え付けられる(808)。
【0281】
例示的態様7
図29は、風化促進のための本明細書に記載の方法において使用される特定の制御特徴部(900)を示した、制御フロー図を示す。特定の態様では、流入液は、任意で封止可能な接合部を伴う入口(901)を通じてシステムに入る。特定の態様では、流入液は、pH、溶存CO2濃度、CO2の分圧、溶存無機炭素濃度、およびアルカリ度からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する、1つまたは複数のセンサアレイ(902)と接触する。
【0282】
特定の態様では、流入液のpHが約7.5超である場合、流入液は1つまたは複数の任意で封止可能な接合部を通じて酸性化剤(913)またはガス状CO2流(914)によって処理される。特定の態様では、溶存CO2濃度が低い場合、流入液はガス状CO2流(914)によって処理される。
【0283】
特定の態様では、流入液は、少なくとも1つの鉱物供給原料を含む1つまたは複数の反応器および/または容器(903)に入り、続いて、pH、溶存CO2濃度、CO2の分圧、溶存無機炭素濃度、およびアルカリ度からなる群より選択される少なくとも2つを測定する、1つまたは複数のセンサアレイ(904)と接触する。特定の態様では、センサアレイ(902)および(904)は、1つまたは複数の容器の対向する末端に位置しており、あるいは、センサアレイ(902)および(904)は、少なくとも1つの鉱物供給原料を含む1つまたは複数の反応器および/または容器(903)の入口および/または出口(905)から異なる距離で位置している。
【0284】
特定の態様では、pHが7.5超である場合(906)、処理された流入液(すなわち第1の流出液)が、1つまたは複数の容器(903)と流体連通している任意で封止可能な接合部(908)を通じて好気室(907)に移される。特定の態様では、好気室(907)が、第1の流出液中に溶解した1つまたは複数の金属の沈殿を促進することで、第2の流出液を提供し、これは出口(909)を通じて排出されうる。
【0285】
特定の態様では、溶存CO2濃度が高い場合(910)、処理された流入液(すなわち第1の流出液)が、ガスストリッピングラインおよび/または容器(919)中で、ガスストリッピングに供されることで、ガス状CO2流および脱気された第1の流出液(911)を提供する。特定の態様では、脱気された第1の流出液が、ガスストリッピングラインおよび/または容器(919)と流体連通している任意で封止可能な接合部を通じて好気室(907)に移される。特定の態様では、好気室(907)が、脱気された第1の流出液中に溶解した1つまたは複数の金属の沈殿を促進することで、第2の流出液を提供し、これは出口(909)を通じて排出されうる。特定の態様では、ガス状CO2流が、ガスストリッピングラインおよび/または容器(914)と流体連通している任意で封止可能なCO2ライン(912)を通じてCO2(ガス状)貯留容器に移される。
【0286】
特定の態様では、センサアレイ(902)および(904)の間で検出されたpH変化の速度が、地球化学モデル化により予測された速度よりも小さい場合、以下のうち少なくとも1つが当てはまる(915): 少なくとも1つの容器(903)中での鉱物供給原料の撹拌が開始および/もしくは増強される(916); ならびに/または流動スケジュールの変更が行われる(917)。特定の態様では、流動スケジュールの変更(917)は順列回分モードを含む。特定の態様では、流動スケジュールの変更(917)は脈動床モードを含む。
【0287】
特定の態様では、センサアレイ(902)および(904)の間で検出されたpH変化の速度が、地球化学モデル化により予測された速度よりも小さく、かつ少なくとも1つの容器(903)中で水溶液の濁度および総懸濁固形分が低いことが検出される場合、鉱物供給原料が少なくとも1つの容器(903)に固体、スラリー、またはそれらの任意の組み合わせとして加えられる(918)。
【0288】
用地選択方法
別の局面では、本開示は、水源からのCO2の少なくとも部分的な隔離のためのシステムの設計および運用を最適化する方法を提供する。
【0289】
特定の態様では、本方法は、(a) 水源の少なくとも2つのパラメータの値を確定する段階を含む。
【0290】
特定の態様では、処理システムは、(b) 金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物、またはそれらの任意の組み合わせを含む少なくとも1つの鉱物供給原料を選択、輸送、および調達することに関連する少なくとも1つのパラメータを確定する段階を含む。
【0291】
特定の態様では、処理システムは、(c) 少なくとも1つの鉱物供給原料を選択、輸送、および調達することに関連する少なくとも1つのパラメータの地理空間情報システム(GIS)輸送ネットワーク分析を実行する段階を含む。
【0292】
特定の態様では、処理システムは、(d) 水源の少なくとも2つのパラメータおよびGIS輸送ネットワーク分析の結果から風化モデルを計算する段階を含む。
【0293】
特定の態様では、処理システムは、(e) 水源からCO2を少なくとも部分的に隔離するための少なくとも1つの容器を含む水溶液処理システムを、風化モデルの出力に従って設計および運用する段階を含む。
【0294】
特定の態様では、水溶液処理システムは、本開示のシステムをさらに含む。
【0295】
特定の態様では、本方法は、(f) 水溶液処理システムからの流出液流の少なくとも2つのパラメータを測定する段階をさらに含む。
【0296】
特定の態様では、本方法は、(g) 測定された流出液流の少なくとも2つのパラメータによって反応輸送モデルをアップデートする段階をさらに含む。
【0297】
特定の態様では、本方法は、(h) アップデートされた反応輸送モデルに基づいて風化モデルを再計算する段階をさらに含む。
【0298】
特定の態様では、水源の少なくとも2つのパラメータは、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、温度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される。
【0299】
特定の態様では、流出液流の少なくとも2つのパラメータは、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、温度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される。
【0300】
特定の態様では、少なくとも1つの鉱物供給原料を調達することに関連する少なくとも1つのパラメータは、鉱物ベースの供給原料の種類である。特定の態様では、少なくとも1つの鉱物供給原料を調達することに関連する少なくとも1つのパラメータは、供給原料のコストである。特定の態様では、少なくとも1つの鉱物供給原料を調達することに関連する少なくとも1つのパラメータは、供給原料のCO2回収速度である。特定の態様では、少なくとも1つの鉱物供給原料を調達することに関連する少なくとも1つのパラメータは、供給原料源と処理すべき水源との間の距離である。
【0301】
特定の態様では、風化モデルは、少なくとも1つの鉱物供給原料の目標平均粉砕粒径を策定する。
【0302】
特定の態様では、風化モデルは、流出液流の再循環速度または少なくとも1つの容器の撹拌速度のうち少なくとも1つを含む、水溶液処理システムの流動設計を策定する。
【0303】
特定の態様では、風化モデルは、供給原料適用速度、水溶液処理システムに対する酸の添加速度、または水溶液処理システムに対するCO2の添加速度のうち少なくとも1つを含む、添加物質および供給原料適用モデルを含む。
【0304】
特定の態様では、水源は都市廃水である。特定の態様では、水源は工業廃水である。特定の態様では、水源は雨水である。特定の態様では、水源は河川水である。特定の態様では、水源は湖水である。特定の態様では、水源は淡水である。特定の態様では、水源は水道水である。特定の態様では、水源は流去水である。特定の態様では、水源は豪雨水である。特定の態様では、水源は地下水である。特定の態様では、水源は海水である。
【0305】
選択される各用地に関するプロジェクト設計の情報を提供するために、一連の初期ガイド分析を行い、続いてフィールド試験を通じて試験する。分析としては地理空間分析、地球化学モデル化、理論的ライフサイクルの初期評価、現地・州・連邦の規制に対する適合性の確認、ならびに健康リスクおよび安全性リスクと同様に潜在的な環境リスクの明確化が挙げられる。
【0306】
パイロット配置の後に、結果を使用して初期地球化学モデル、コスト推定値、ライフサイクル評価、および環境影響分析の正確性を比較する。これらの結果を用いて、地球化学モデル化と地理空間分析とのいっそう精密な組み合わせを行うことで、世界中でのフィールド試験および応用に最適な条件の廃水処理プラントを同定し、かつ裏付けとなるビジネスモデルを探求する。
【0307】
本開示は、地球化学および地理空間モデルのワークフロー模式図を提供する(図23)。地球化学および地理空間モデルは、市場における潜在的なクライアント全体でどれほど多くのCO2を除去することができるかの現実的な推定値を提供しながら、用地に特有のCO2除去およびコストを同定、設計、および改善することに役立つように構成されている。ユニットにより収集された化学的および物理的データを使用することで、地球化学モデルを使用してユニットの様々なパラメータを規定、変更、および/または特定することができる。現地の廃水の生理化学的パラメータに応じて、このモデルは、風化速度が最大化される粉砕様式を確定しうる。現地の廃水の生理化学的パラメータに応じて、このモデルは、さらにまたは代わりに、システムの風化能力を増強または促進するための廃水流の再循環および/または撹拌の頻度を確定しうる。現地の廃水の生理化学的パラメータに応じて、このモデルは、供給原料および/または他の添加物質(供給原料の凝結を破壊するための塩酸を含むがそれに限定されない)が、いつ、および/またはどれほど多く、ユニットに送達されるかを同定するように構成されうる。現地の廃水の生理化学的パラメータに応じて、このモデルは、CO2源が、いつ、および/またはどれほど多く、ユニットに加えられるかを同定するように構成されうる。
【0308】
いくつかの態様では、図23に示されるモデルは、GIS輸送ネットワーク分析に含まれる1つまたは複数の地理空間モデル化要素をさらに含みうる。本明細書において想定される地理空間モデル化分析では、供給原料のコスト(例えば岩石1トン当たりの)、炭素回収能力(例えば岩石1トン当たりの)、および1つまたは複数の供給源から処理用地に供給原料を輸送するコストが含まれることにより、図23のモデル全体の実行がさらに精密化される。輸送コストとしては距離、利用可能な輸送手段、および関連コストなどを挙げることができる。反応輸送モデルと輸送ネットワークモデルとの組み合わせの結果は、1つまたは複数の鉱物供給原料の1つまたは複数の選択される供給源、コスト効果の高い採掘方法および供給源から水処理用地への輸送経路、送達された供給原料を粉砕するための目標粒径、再循環速度および/または撹拌速度を含む流動設計、ならびに任意でシステムへの添加物質、供給原料、およびCO2の適用速度を含む、風化を使用した炭素回収の全体論的モデルである。計算すると、このモデルは、水が流動する用地において、水を処理するために使用される構築化システムにより構築されうる。いくつかの態様では、現時点でのおよび/または今後の再実行のためにモデルを精密化および改良するために、計算後のモデルにより構築されたシステムから流出する水の1つまたは複数のパラメータが測定されてモデル化計算にフィードバックされることがある。
【実施例
【0309】
例示として提供される以下の実施例を参照することで、本出願の様々な態様をより良く理解することができる。本出願の範囲は以下に示される実施例に限定されない。
【0310】
実施例1:
風化促進システムを使用する炭素回収(水道水および/または酸性化脱イオン水)
本開示は、二酸化炭素回収のための本開示の風化促進のシステムおよび/または装置の例示的態様を提供する。特定の態様では、本開示の例示的システムは流動床式反応器を含む。他の態様では、本開示の例示的システムは回分式反応器を含む。
【0311】
本明細書で提供される実験では、例示的態様2に対応するシステムおよび/または装置(図19)において、風化プロセスの過程全体にわたるpCO2の総変化および除去CO2の総比率を観察および/または測定した。本実施例において使用した鉱物供給原料は、橄欖石(すなわち例示的な金属ケイ酸塩の代表としての)ならびに苦灰石および方解石(すなわち例示的な金属炭酸塩の代表としての)を含んだ。より具体的には、本実施例において使用した鉱物供給原料は、平均粒度117μmを有する粗粒の橄欖石、平均粒度63μm未満を有する微粒の橄欖石、平均粒度約200μmを有する中粒のドロマイト質石灰石、平均粒度約1,000μmを有する粗粒の方解石質石灰石、および平均粒度63μm未満を有する微粒の方解石質石灰石を含んだ。本システム、装置、および/または方法は、本明細書に例示される金属ケイ酸塩および/または金属炭酸塩に限定されず、別の金属ケイ酸塩および/または金属炭酸塩が本開示において良好に使用されることが想定される。流動床実験では、ガス状CO2を流入水(水道水)に吹き込んで流入水中の溶存CO2濃度を増加させた。これらのCO2添加流体をポンプで流動床式反応器に通し、流量1L/分で鉱物供給原料と接触させた。pCO2の変化は、連続的に運用されるシステムにおける流入液と流出液との間の連続的に測定されるpCO2の差である。
【0312】
これらの実験では、供給原料をスラリーポンプによってプロトタイプユニット(すなわち例示的態様2; 図19)に入れた。流動床実験では、これらの結果は、溶存CO2の20~81%が流入流体から除去されたことを示す。これらのうち、ドロマイト質石灰石がCO2を除去する上で最も有効であり、方解石質石灰石、微粒の橄欖石、および粗粒の橄欖石がそれに続いた。金属ケイ酸塩について結果を比較したとき、予想外にも、微粒の橄欖石原料の性能が粗粒の橄欖石原料を約2.4の因数で上回ったことが観察された。しかし、この因数は供給原料の粒度、反応器の様式、および流量に応じて変動しうる。したがって、これらの除去効率を、システムおよび装置の特定のパラメータ、例えば特に流量、反応器の様式、供給原料の種類、および供給原料の粒度を変化させることで制御することができる。例えば、水:岩石の接触時間および水:岩石比を変化させることで、表に示したように回収効率を増加させることができる(表2A~表2Bにおける流動床式反応器および回分式反応器の結果を参照)。
【0313】
回分式反応器実験では、ドロマイト質石灰石(平均粒度200um)を(a) HClでpH 3.5に酸性化されたMilli-Q水、および(b) 0.01mol/kgの溶存無機炭素(DIC)と平衡化されかつpH 3.5に酸性化されたMilli-Q水と混合した。これらの流体の酸性化は、焼却施設の廃水流のpH条件を模倣することを意図していた。これらの実験は、封止されて定常的に撹拌された回分式反応器中で実行された。CO2除去効率に対する供給原料の質量の効果を調査するために、水:岩石比を5:1~100:1の範囲とした。驚くべきことに、回分式反応器実験では、これらの結果は、溶存CO2の80~97%が流入流体から除去され、水:岩石比が最高(10:1)の実験においてCO2除去の比率が最高であったことを示す。このことは、流入水溶液中でCO2がほぼ完全に除去されたことを示している。これらの結果は、水:岩石の接触時間を制御する(すなわち流動床式反応器および回分式反応器からの結果を比較する)ことで、CO2除去を最適化することができることを示した。
【0314】
(表2A)風化促進によるpCO2およびCO2除去の変化
水溶液A ― 水道水 + CO2; 水溶液B ― Milli-Q + HCl + NaHCO3
【0315】
(表2B)風化促進によるpCO2およびCO2除去の変化
【0316】
実施例2:
風化促進システムを使用する炭素回収(有機物汚泥焼却施設クエンチ流に由来する廃水)
本開示は、二酸化炭素回収のための本開示の風化促進のシステムおよび/または装置の例示的態様を提供する。特定の態様では、本開示の例示的システムは流動床式反応器を含む。他の態様では、本開示の例示的システムは回分式反応器を含む。本実施例では、回分式反応器を含む本開示のシステムの一態様(図24A図24B)を利用した。
【0317】
特定の態様では、風化促進のシステムおよび/または装置、ならびにその使用方法は、都市廃水処理施設からの有機物汚泥焼却施設クエンチ流から取得した酸性廃水流を使用する炭素回収に好適である。本実施例のシステムの特定の態様では、回分式反応器において、平均粒度12μmを有する微粒の橄欖石を鉱物供給原料として様々な水:岩石比で使用した。水流は、10~20% CO2と平衡化された流体とする。出発pH約3.2で、酸性廃水流は20分以内に1.5~6 pH単位で調整される。このことは、廃水流中の溶存CO2が重炭酸イオン(HCO3 -)に速やかに変換されることを示唆している(図2)。pH変化の速度は予想外に速やかであったし、供給原料の粒度の最適化を示唆するものである。この最適化は供給原料をより微細な粒径に微粉化し、それにより表面積および水:岩石の接触時間を増加させることで制御可能である。炭素種の分布はpHの関数であり、出発pHが3.2であることから、未処理水中ですべての炭素が溶存CO2の形態であることが示唆される(図2)。
【0318】
本実施例はさらに、回分式反応器中の様々な水:岩石比のドロマイト質石灰石に関するpHの経時的変化を示す。すべての実験において、出発pHは3.5とした。出発流体は、0.01mol/Lの溶存無機炭素(DIC)と平衡化された脱イオン水とし、これを封止して溶液の脱気を防止し、5% HClでpH 3.5に酸性化して溶存重炭酸イオン(HCO3 -)を溶存CO2に変換した。上記のように、酸性でCO2リッチな流体は速やかに中和され、反応1分以内で2.9~3.9 pH単位のpH増加が生じ、すべての実験において反応1時間以内にpH 7に到達したことが示される。pH変化の速度は予想外に速やかであったし、供給原料の種類の最適化を示唆するものである。このpH増加は、溶存CO2から重炭酸イオンへの変換を示唆しており(図2)、これは回収された炭素と見なされうる。
【0319】
実施例3:
風化促進システムからの流出液中でのアルカリ分と溶存無機炭素(DIC)との対比
本開示は、例示的態様2に対応する、二酸化炭素回収のための本開示の風化促進のシステムおよび/または装置の例示的態様(図19)を提供する。特定の態様では、本開示の例示的システムは流動床式反応器を含む。他の態様では、本開示の例示的システムは回分式反応器を含む。本実施例では、流動床式反応器(図25A図25B)および回分式反応器(図26)の両方において、流出液のアルカリ分および溶存無機炭素(DIC)を観察および/または比較した。
【0320】
流動床式反応器
本実施例では、流動床式反応器を含む本開示のシステムおよび/または装置の例示的態様から収集されたデータが記載される。この例示的実験は平均粒度約200μmを有する中粒のドロマイト質石灰石(図25A)および平均粒度63μm未満を有する微粒の橄欖石(図25B)を用いて行った。ガス状CO2を流入水(水道水)に吹き込んで流入水中の溶存CO2濃度、したがってDICを増加させた。次に、これらのCO2添加流体を流量1L/分で鉱物供給原料と接触させた。このデータは、アルカリ分としてのCO2回収の時間発展が、おそらくは反応器の表面積、水:岩石の接触時間、および流量などの制御可能な要因によって促されることを示している。
【0321】
回分式反応器
本実施例では、回分式反応器を含む本開示のシステムおよび/または装置の例示的態様(図26)から収集されたデータが記載される。本実施例では、様々な水:岩石比の平均粒度200μmを有する中粒のドロマイト質石灰石、および微粒の橄欖石(63μm未満)を使用した。ドロマイト質石灰石実験の出発水溶液は、0.01mol/Lの溶存無機炭素(DIC)と平衡化された脱イオン水とし、これを封止して溶液の脱気を防止し、5% HCl(水性)でpH 3.5に酸性化して溶存重炭酸イオン(HCO3 -)を溶存CO2に変換した。橄欖石実験の出発水溶液は、現地の都市廃水処理施設の焼却施設流から収集された廃水とした。次に、これらのCO2添加流体を鉱物供給原料と接触させた。驚くべきことに、橄欖石実験において、現地の都市廃水処理施設の焼却施設流から収集された水溶液からのCO2の約50%~100%がアルカリ分として回収されたことが発見された。
【0322】
実施例4:
風化促進のシステムおよび/または装置を使用する鉱物溶解の間の金属の放出
本明細書の他の箇所に記載のように、酸性水溶液との接触時に、鉱物供給原料に含有される金属不純物が流出液中に放出されうる。本実施例では、橄欖石とHClで酸性化された脱イオン水とを含有する回分式反応器中での橄欖石溶解の間の経時的な金属(すなわちFe、Ni、Co、およびCr)の放出が記載される(図27A図27D)。橄欖石が溶解するとき、Fe、Ni、Co、およびCrが放出される。Feは酸化して鉄酸化物の形態で水溶液から除去される。さらに、Ni、Co、およびCrも酸化物表面への吸着を通じて水溶液から除去され、風化促進プロセスの間に供給原料溶解後に放出された金属を効率的に除去することが可能になる。これにより、さもないと高い重金属濃度(例えばNi、Co、および/またはCr)の結果として風化促進プロセスにとって安全ではないと見なされるおそれがある条件(例えば農業条件および/または海上条件)において本開示の風化促進のシステム、装置、および/または方法を使用することが可能になる。驚くべきことに、これにより、高い重金属濃度を有する鉱物(例えば超苦鉄質岩)の有用性が増加する。というのも、これらの鉱物を風化促進の方法において使用することができ、さらには、電池製造に関連する金属の潜在的な供給源として使用することができるからである。
【0323】
実施例5:
風化促進のシステムおよび/または装置を使用する水溶液再循環の間のpHおよびアルカリ度の増加
本開示は、例示的態様2に対応する、二酸化炭素回収のための本開示の風化促進のシステムおよび/または装置の例示的態様(図19)を提供する。特定の態様では、本開示の例示的システムは流動床式反応器を含む。他の態様では、本開示の例示的システムは回分式反応器を含む。他の態様では、本開示の例示的システムは脈動床式反応器を含む。他の態様では、本開示の例示的システムは固定床式反応器を含む。
【0324】
本明細書で提供される実験では、例示的態様2に対応するシステムおよび/または装置(図19)において、風化プロセスの過程全体にわたる流動再循環によるpHおよびアルカリ度の増加を観察および/または測定した。これらの実験は、風化促進の反応によるCO2の回収に対応するpH調整およびアルカリ度増加(図2)に対する流動再循環の効果を示す。本実施例において使用した鉱物供給原料は方解石(すなわち例示的な金属炭酸塩の代表としての)を含んだ。より具体的には、本実施例において使用した鉱物供給原料は、平均粒度約1,000μmを有する粗粒の方解石質石灰石および平均粒度63μm未満を有する微粒の方解石質石灰石を含んだ。本システム、装置、および/または方法は、本明細書に例示される金属ケイ酸塩および/または金属炭酸塩に限定されず、別の金属ケイ酸塩および/または金属炭酸塩が本開示において良好に使用されることが想定される。流動床実験では、ガス状CO2を流入水(水道水)に吹き込んで流入水中の溶存CO2濃度を増加させた。これらのCO2添加流体をポンプで流動床式処理容器に通し、流量1L/分で鉱物供給原料と接触させた。次に、最初に処理した流出液を収集し、再循環し、新たに鉱物供給原料と接触させてさらなる風化促進の反応を促進した。
【0325】
平均粒度約1,000μmを有する方解石質石灰石を含む処理容器中にて、出発pH約4.4で、最初の接触の後に流入液を最初に約1.1~1.3 pH単位で調整する(表3)。実験1において、平均粒度約1,000μmを有する同様の粒度の方解石質石灰石の供給原料に流動を再循環させた(表3)。驚くほど短い処理期間(すなわち300分)であっても、pHはさらに0.14 pH単位増加した。このことは、pHが対数スケールであるという前提で、酸性分が著しく消費されたことを示唆した。実験2において、平均粒度63μm未満を有する微粒の方解石質石灰石の供給原料に流動を再循環させた(表3)。実験1と同様に、驚くほど短い処理期間(すなわち120分)であっても、pHはさらに0.34 pH増加した。これらの結果は、流入液中の溶存CO2が重炭酸イオン(HCO3 -)に速やかに変換されたことを示唆した(図2)。このことは、アルカリ度の増加が測定されたことにより確認された(表3)。
【0326】
実験1において、第1の処理段階におけるアルカリ度の7倍の増加、および再循環段階におけるさらに1.2倍の増加が観察された(表3)。実験2において、第1の処理段階におけるアルカリ度の4倍の増加、および再循環段階におけるさらに2.25倍の増加が観察された(表3)。pHおよびアルカリ度の変化の速度および規模は予想外のものであったし、本開示の制御能力、および流動再循環による最適化手段を示唆するものである。
【0327】
(表3)風化促進のシステムおよび/または装置を使用する水溶液再循環の間のpHおよびアルカリ度の変化
【0328】
付番された態様
以下の例示的態様が提供されるが、その付番は重要度のレベルを示すものと解釈されるべきではない。
【0329】
態様1は以下を提供する:
以下の段階を含む、水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液からCO2を少なくとも部分的に隔離する方法:
(a) 溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液中で、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する段階;
(b) 金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む鉱物供給原料を含む少なくとも1つの容器を通じて、流入水溶液を供給する段階;
(c) その中に溶存した1つまたは複数の金属イオンおよび/または炭酸イオンを含む流出水溶液を提供するために、流入水溶液と鉱物供給原料とを接触させる段階;
(d) 流出水溶液中でpH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する段階;
(e) 溶存CO2濃度の変化を計算するために、流入水溶液の少なくとも2つの測定パラメータと流出水溶液の少なくとも2つの測定パラメータとを比較する段階; ならびに
(f) 変化が約95%未満の溶存CO2濃度の減少を含む場合に、流入水溶液の少なくとも1つのパラメータ、および/または接触させる段階を修正する段階。
【0330】
態様2は以下を提供する:
流入液および流出液中で温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つのパラメータを測定する段階をさらに含み、
溶存金属が、任意で、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、およびクロムからなる群より選択される少なくとも1つの金属であり、かつ
溶存非金属が、任意で、リン、シリカ、および酸素からなる群より選択される少なくとも1つの非金属またはメタロイドである、
態様1の方法。
【0331】
態様3は以下を提供する:
pHおよびアルカリ度からなる群より選択される少なくとも1つのパラメータが流出液中で測定される、態様1または2の方法。
【0332】
態様4は以下を提供する:
以下:
(a) 流出液のpHが約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満である;
(b) 変化が約95%未満の溶存CO2濃度の減少を含む; および
(c) 流出水溶液のアルカリ度が流入水溶液中のアルカリ度と5%未満異なる
のうち少なくとも1つが生じる場合に、再循環流出液を提供するために、流出液の再循環によって、前記方法が段階(b)から繰り返される、
態様1~3のいずれか1つの方法。
【0333】
態様5は以下を提供する:
以下:
(a) 流入液のpHが約2.0超、約2.5超、約3.0超、約3.5超、約4.0超、約4.5超、約5.0超、約5.5超、約6.0超、約6.5超、または約7.0超である場合、少なくとも1つの酸性化剤が、流入液中で約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満のpHを実現するために十分な量で加えられる; および
(b) 流出液のpHが約2.0超、約2.5超、約3.0超、約3.5超、約4.0超、約4.5超、約5.0超、約5.5超、約6.0超、約6.5超、または約7.0超である場合、少なくとも1つの酸性化剤が、再循環流出液中で約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満のpHを実現するために十分な量で加えられる
のうち少なくとも1つが当てはまる、態様4の方法。
【0334】
態様6は以下を提供する:
酸性化剤が、CO2(ガス状)、CO2(水性)、有機酸、および無機酸からなる群より選択される少なくとも1つである、態様5の方法。
【0335】
態様7は以下を提供する:
無機酸が、H2CO3、H2SO4、HNO3、HCl(水性)、およびHCl(ガス状)からなる群より選択される少なくとも1つである、態様6の方法。
【0336】
態様8は以下を提供する:
以下:
(a) 流出液の溶存CO2濃度が流入液の溶存CO2濃度よりも大きい; および
(b) 流出液のCO2の分圧がCO2の大気分圧よりも大きい
のうち少なくとも1つが当てはまる場合に、流出液がガスストリッピングに供される、
態様1~7のいずれか1つの方法。
【0337】
態様9は以下を提供する:
以下:
(a) 段階(a)が、流入液中で溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを測定することをさらに含む; ならびに
(b) 段階(d)が、流出液中で溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを測定することをさらに含む
のうち少なくとも1つが当てはまる、態様1~8のいずれか1つの方法。
【0338】
態様10は以下を提供する:
第2の流出液を提供するために流出液を処理する段階をさらに含み、
第2の流出液が、流入液および/または流出液の濃度未満である、溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを有する、
態様9の方法。
【0339】
態様11は以下を提供する:
処理する段階が、流出液を曝気することを含む、態様10の方法。
【0340】
態様12は以下を提供する:
曝気によって、金属酸化物、非金属酸化物、金属水酸化物、非金属水酸化物、金属オキシ水酸化物、および非金属オキシ水酸化物からなる群より選択される少なくとも1つが形成される、態様11の方法。
【0341】
態様13は以下を提供する:
金属または非金属が、P、Fe、Ni、Cr、およびCoからなる群より選択される少なくとも1つである、態様12の方法。
【0342】
態様14は以下を提供する:
処理する段階が、流出液と少なくとも1つの収着剤とを接触させることを含む、態様10~13のいずれか1つの方法。
【0343】
態様15は以下を提供する:
少なくとも1つの収着剤が、活性炭、1つまたは複数の粘土鉱物、およびバイオ炭、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様14の方法。
【0344】
態様16は以下を提供する:
少なくとも1つの収着剤が、P、Fe、Ni、Cr、およびCoからなる群より選択される少なくとも1つの金属または非金属を吸着する、態様14または15の方法。
【0345】
態様17は以下を提供する:
第2の流出液中で、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、CO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータ、ならびに任意で、温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つ
を測定する段階をさらに含む、態様10~16のいずれか1つの方法。
【0346】
態様18は以下を提供する:
少なくとも1つの容器が、少なくとも2つの容器を含む、態様1~17のいずれか1つの方法。
【0347】
態様19は以下を提供する:
少なくとも2つの容器が、直列に、並列に、またはそれらの任意の組み合わせで配列されている、態様18の方法。
【0348】
態様20は以下を提供する:
少なくとも2つの容器が、直列に配列されている、態様19の方法。
【0349】
態様21は以下を提供する:
金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および/または金属酸化物が、直列に配列されている各容器の順に減少する粒径を有しており、任意で、上流容器中での粒径が、下流容器中での粒径よりも少なくとも2倍、4倍、6倍、8倍、10倍、50倍、または100倍大きくてもよい、態様20の方法。
【0350】
態様22は以下を提供する:
少なくとも1つのフィルターを通じて流出液または第2の流出液を供給する段階をさらに含む、態様1~21のいずれか1つの方法。
【0351】
態様23は以下を提供する:
フィルターが約1μm~約100μmの範囲の孔を有しており、任意で、孔が約1μm~約50μmの範囲である、態様22の方法。
【0352】
態様24は以下を提供する:
溶存した水性および/またはガス状CO2を含む流入水溶液が、都市廃水、工業廃水、雨水、河川水、湖水、淡水、水道水、流去水、豪雨水、地下水、および海水からなる群より選択される少なくとも1つの水源を含む、態様1~23のいずれか1つの方法。
【0353】
態様25は以下を提供する:
金属炭酸塩が、式:
(M1)m(CO3)n(OH)o(L1)p
を有し、
式中、
M1は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M1は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L1は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
m、n、o、およびpはそれぞれ独立して、該金属炭酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である、
態様1~24のいずれか1つの方法。
【0354】
態様26は以下を提供する:
金属ケイ酸塩が、式:
(M2)q(SiO4)r(OH)s(L2)t
を有し、
式中、
M2は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M2は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L2は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
q、r、s、およびtはそれぞれ独立して、該金属ケイ酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である、
態様1~25のいずれか1つの方法。
【0355】
態様27は以下を提供する:
金属酸化物が、式:
(M3)u(O)v(OH)w
を有し、
式中、
M3は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M3は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ; かつ
u、v、およびwはそれぞれ独立して、該金属酸化物が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である、
態様1~26のいずれか1つの方法。
【0356】
態様28は以下を提供する:
少なくとも1つの容器が撹拌され、撹拌が、撹拌機、バッフル、フローパルセーター、曝気装置、およびインペラーからなる群より選択される少なくとも1つを使用して任意で実行される、態様1~27のいずれか1つの方法。
【0357】
態様29は以下を提供する:
流入液または流出液の流量を増加または減少させる段階をさらに含む、態様1~28のいずれか1つの方法。
【0358】
態様30は以下を提供する:
金属酸化物が、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、および酸化カルシウムからなる群より選択される少なくとも1つである、態様1~29のいずれか1つの方法。
【0359】
態様31は以下を提供する:
金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および/または金属酸化物がそれぞれ独立して約1ミクロン~100mmの範囲の平均粒径を有する、態様1~30のいずれか1つの方法。
【0360】
態様32は以下を提供する:
測定段階(a)および(d)が別々の容器中で実行される、態様1~31のいずれか1つの方法。
【0361】
態様33は以下を提供する:
流出液の濁度および総懸濁固形分からなる群より選択される少なくとも1つが第1の時点および第2の時点において測定され、第1の時点が第2の時点に先行する、態様1~32のいずれか1つの方法。
【0362】
態様34は以下を提供する:
流出液の濁度および/または総懸濁固形分の測定が、流入液と鉱物供給原料との接触が行われる容器中で実行される、態様33の方法。
【0363】
態様35は以下を提供する:
流出液の濁度および/または総懸濁固形分の測定が、流入液と鉱物供給原料との接触が行われる容器以外の容器中で実行される、態様33の方法。
【0364】
態様36は以下を提供する:
第2の時点での流出液の濁度および/または総懸濁固形分が第1の時点での流出液の濁度および/または総懸濁固形分よりも実質的に少ない場合、金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む鉱物供給原料が少なくとも1つの容器に加えられる、態様33または34の方法。
【0365】
態様37は以下を提供する:
鉱物供給原料が、少なくとも1つの容器に手動で固体またはスラリーとして加えられ、添加が、コンベヤーによって固体として、またはポンプによってスラリーとして任意で行われる、態様36の方法。
【0366】
態様38は以下を提供する:
供給原料スラリーが、供給原料と、都市廃水、工業廃水、雨水、河川水、湖水、淡水、水道水、流去水、豪雨水、地下水、および海水からなる群より選択される少なくとも1つの水性流体とを混合することで作製され、鉱物供給原料が、スラリーの少なくとも1%(w/w)を占める、態様37の方法。
【0367】
態様39は以下を提供する:
流出液が、河川、湖沼、海洋、海、湾、地下水、池、小川、および廃水貯水池からなる群より選択される水の少なくとも1つの表面および/または地下本体に排出される、態様1~38のいずれか1つの方法。
【0368】
態様40は以下を提供する:
少なくとも1つの容器が、流動床式反応器、連続撹拌槽型反応器、回分式反応器、半回分式反応器、脈動床式反応器、固定床式反応器、およびプラグフロー反応器からなる群より選択される少なくとも1つを含む、態様1~39のいずれか1つの方法。
【0369】
態様41は以下を提供する:
以下を含む、水溶液処理システム:
(a) 任意で封止可能な接合部によって容器に接続された、流入水溶液入口であって、
容器が、その中に含有された水溶液に少なくとも1つの酸性化剤を加えるために好適な少なくとも1つの任意で封止可能な入口を含み、かつ
容器が、金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む鉱物供給原料を含有するために好適である、
流入水溶液入口; ならびに
(b) 任意で封止可能な接合部によって容器に接続された、流出水溶液出口であって、
pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定するために好適であり、かつ任意で、温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される、その中に含有された水溶液の少なくとも1つのパラメータを測定するためにさらに好適である、少なくとも2つのセンサを、各容器が備えており、
溶存金属が、任意で、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、鉄、コバルト、クロムからなる群より選択される少なくとも1つの金属であり、
溶存非金属が、任意で、リンおよびシリカからなる群より選択される少なくとも1つの非金属またはメタロイドであり、かつ
少なくとも2つのセンサのそれぞれが、入口接合部および/または出口接合部から異なる距離で容器内に位置している、
流出水溶液出口;
(c) 溶存CO2濃度の変化を計算するために、容器中の少なくとも2つのセンサのうち2つにおいて少なくとも2つの測定パラメータを比較するための手段; ならびに
(d) 溶存CO2濃度の変化を制御するための手段。
【0370】
態様42は以下を提供する:
溶存CO2濃度の変化を制御するための手段が、以下:
(a) 入口接合部において少なくとも1つの測定パラメータを修正する、閉ループプロセスコントローラ; ならびに
(b) 流入水溶液の流量、撹拌速度、流動再循環の速度またはスケジュール、鉱物供給原料中の金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および/または金属酸化物の濃度(w/v%)からなる群より選択される、容器中の少なくとも1つの接触条件を修正する、閉ループプロセスコントローラ
のうち少なくとも1つを含む、態様41のシステム。
【0371】
態様43は以下を提供する:
システムが、並列に、直列に、またはそれらの組み合わせで配列されている少なくとも2つの実例の容器を含み、かつ各追加の実例の容器が、任意で封止可能な接合部によって追加の各容器に接続されている、態様41または42のシステム。
【0372】
態様44は以下を提供する:
各実例の容器の入口接合部および出口接合部が、容器の対向する末端に位置している、態様41~43のいずれか1つのシステム。
【0373】
態様45は以下を提供する:
システムが、再循環ラインをさらに含み、
以下:
(a) 再循環ラインが容器の第1の地点と第2の地点とを接続し、第1の地点および第2の地点が入口接合部および/または出口接合部から異なる距離で容器内に位置している; ならびに
(b) 再循環ラインが2つの実例の容器を直列に接続し、再循環ラインが、封止可能な接合部によって容器にそれぞれ接続された2つの末端を含む
のうち少なくとも1つが当てはまる、
態様41~44のいずれか1つのシステム。
【0374】
態様46は以下を提供する:
再循環ラインが、水溶液の上流移動を可能にする、態様45のシステム。
【0375】
態様47は以下を提供する:
再循環ラインが、約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満のpHを有する水溶液の検出時に、その中に含有された水溶液の再循環を促進する、態様45または46のシステム。
【0376】
態様48は以下を提供する:
各実例の容器が、その中に含有された水溶液およびその中に含有された鉱物供給原料のうち少なくとも1つを撹拌するための手段を備えている、態様41~47のいずれか1つのシステム。
【0377】
態様49は以下を提供する:
撹拌するための手段が、攪拌機、バッフル、およびインペラーからなる群より選択される、態様48のシステム。
【0378】
態様50は以下を提供する:
流出液出口が、5超であるが8未満であるpHを有する水性液体の検出時に流出液のpHを所望の範囲内に修正するために好適である補助的pH調整システムに任意で接続される、態様41~49のいずれか1つのシステム。
【0379】
態様51は以下を提供する:
各実例の容器が、任意で封止可能な接合部によって鉱物供給原料入口に任意で接続される、態様41~50のいずれか1つのシステム。
【0380】
態様52は以下を提供する:
鉱物供給原料入口が水性鉱物スラリー容器に接続され、水性鉱物スラリー容器が、その中に含有された水性鉱物スラリーを少なくとも1つの実例の容器に移動させるために好適なポンプを備えている、態様51のシステム。
【0381】
態様53は以下を提供する:
少なくとも1つのガスストリッパーをさらに含む、態様41~52のいずれか1つのシステム。
【0382】
態様54は以下を提供する:
少なくとも1つの実例の容器が、その中に含有された水溶液の曝気に好適な装置を備えている、態様41~53のいずれか1つのシステム。
【0383】
態様55は以下を提供する:
任意で封止可能な接合部によって少なくとも1つの実例の容器に接続された曝気容器をさらに含む、態様41~54のいずれか1つのシステム。
【0384】
態様56は以下を提供する:
曝気容器が、その中に含有された水溶液の曝気に好適な装置を含む、態様55のシステム。
【0385】
態様57は以下を提供する:
任意で封止可能な接合部によって少なくとも1つの実例の容器に接続された溶存金属処理容器をさらに含む、態様41~55のいずれか1つのシステム。
【0386】
態様58は以下を提供する:
溶存金属処理容器が、少なくとも1つの収着剤を含む、態様57のシステム。
【0387】
態様59は以下を提供する:
少なくとも1つの収着剤が、活性炭、1つまたは複数の粘土鉱物、およびバイオ炭、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様58のシステム。
【0388】
態様60は以下を提供する:
少なくとも1つの収着剤が、P、Fe、Ni、Cr、およびCoからなる群より選択される少なくとも1つの金属または非金属を吸着する、態様58または59の方法。
【0389】
態様61は以下を提供する:
曝気容器が、少なくとも1つの実例の容器に対する接続を含む入口と、少なくとも1つの実例の容器に任意で接続される出口とを有する、態様55または56のシステム。
【0390】
態様62は以下を提供する:
溶存金属処理容器が、少なくとも1つの実例の容器に対する接続を含む入口と、少なくとも1つの実例の容器に任意で接続される出口とを有する、態様57~60のいずれか1つのシステム。
【0391】
態様63は以下を提供する:
各実例の流出液出口が少なくとも1つのフィルターを備えている、態様41~62のいずれか1つのシステム。
【0392】
態様64は以下を提供する:
フィルターが約1μm~約100μmの範囲の孔を有しており、任意で、孔が約1μm~約50μmの範囲である、態様63のシステム。
【0393】
態様65は以下を提供する:
流入水溶液入口が、都市廃水、工業廃水、雨水、河川水、湖水、淡水、水道水、流去水、豪雨水、地下水、および海水からなる群より選択される少なくとも1つの水源に接続されている、態様41~64のいずれか1つのシステム。
【0394】
態様66は以下を提供する:
酸性化剤が、CO2(ガス状)、CO2(水性)、1つまたは複数の有機酸、および1つまたは複数の無機酸からなる群より選択される少なくとも1つである、態様41~65のいずれか1つのシステム。
【0395】
態様67は以下を提供する:
金属炭酸塩が、式:
(M1)m(CO3)n(OH)o(L1)p
を有し、
式中、
M1は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M1は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L1は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
m、n、o、およびpはそれぞれ独立して、該金属炭酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である、
態様41~66のいずれか1つのシステム。
【0396】
態様68は以下を提供する:
金属ケイ酸塩が、式:
(M2)q(SiO4)r(OH)s(L2)t
を有し、
式中、
M2は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M2は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L2は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
q、r、s、およびtはそれぞれ独立して、該金属ケイ酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、
各数は独立して任意で整数である、
態様41~67のいずれか1つのシステム。
【0397】
態様69は以下を提供する:
金属酸化物が、式:
(M3)u(O)v(OH)w
を有し、
式中、
M3は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M3は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ; かつ
u、v、およびwはそれぞれ独立して、該金属酸化物が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、
各数は独立して任意で整数である、
態様41~68のいずれか1つのシステム。
【0398】
態様70は以下を提供する:
金属酸化物が、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、および酸化カルシウムからなる群より選択される少なくとも1つである、態様41~69のいずれか1つのシステム。
【0399】
態様71は以下を提供する:
可搬式自立型ユニットであるか、または非可搬式構造に組み込まれる、態様41~70のいずれか1つのシステム。
【0400】
態様72は以下を提供する:
以下の段階を含む、ガス状CO2源からCO2を少なくとも部分的に隔離する方法:
(a) CO2を約1%(v/v)~約100%(v/v)の範囲の濃度で含む、任意で圧縮されているガス流を提供する段階;
(b) CO2を含む第2の流入水溶液を提供するために流入水溶液中に圧縮ガス流を供給する段階;
(c) 第2の流入水溶液中で、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する段階;
(d) 金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される鉱物供給原料を含む少なくとも1つの容器中に、第2の流入水溶液を供給する段階;
(e) 流出水溶液を形成するために、容器中で第2の流入水溶液と鉱物供給原料とを接触させる段階;
(f) 流出水溶液中でpH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータを測定する段階; ならびに
(g) 溶存CO2濃度の変化を計算するために、第2の流入水溶液の少なくとも2つの測定パラメータと流出水溶液の少なくとも2つの測定パラメータとを比較する段階; ならびに
(h) 変化が約95%未満の溶存CO2濃度の減少を含む場合に、流入水溶液の少なくとも1つのパラメータ、および/または接触させる段階を修正する段階。
【0401】
態様73は以下を提供する:
CO2を含む任意で圧縮されているガス流が、直接空気回収技術(DAC)ユニット、有機成分燃焼からのCO2、直接CO2源(例えば煙道ガス)、工業的供給源からのCO2、高純度酸素活性汚泥法により回収されるCO2、水素製造からのCO2、合成ガス製造からのCO2、およびバイオガス製造からのCO2からなる群より選択される少なくとも1つの供給源から得られる、態様72の方法。
【0402】
態様74は以下を提供する:
直接空気回収技術(DAC)ユニットが、液体ベースのDACシステムまたは固体ベースのDACシステムである、態様73の方法。
【0403】
態様75は以下を提供する:
第2の流入水溶液および/または流出水溶液中で温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つのパラメータを測定する段階をさらに含む、態様72~74のいずれか1つの方法。
【0404】
態様76は以下を提供する:
pHおよびアルカリ度からなる群より選択される少なくとも1つのパラメータが流出液中で測定される、態様72~75のいずれか1つの方法。
【0405】
態様77は以下を提供する:
以下:
(a) 流出液のpHが約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満である;
(b) 変化が約95%未満の溶存CO2濃度の減少を含む; および
(c) 流出水溶液中のアルカリ度が流入水溶液中のアルカリ度と5%未満異なる
のうち少なくとも1つが生じる場合に、流出液の再循環によって、前記方法が段階(c)から繰り返される、
態様72~76のいずれか1つの方法。
【0406】
態様78は以下を提供する:
以下:
(a) 第2の流入液のpHが約2.0超、約2.5超、約3.0超、約3.5超、約4.0超、約4.5超、約5.0超、約5.5超、約6.0超、約6.5超、または約7.0超である場合、少なくとも1つの酸性化剤が、第2の流入液中で約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満のpHを実現するために十分な量で加えられる; および
(b) 流出液のpHが約2.0超、約2.5超、約3.0超、約3.5超、約4.0超、約4.5超、約5.0超、約5.5超、約6.0超、約6.5超、または約7.0超である場合、少なくとも1つの酸性化剤が、再循環流出液中で約8.5未満、約8.0未満、約7.5未満、または約7.0未満のpHを実現するために十分な量で加えられる
のうち少なくとも1つが当てはまる、態様72~77のいずれか1つの方法。
【0407】
態様79は以下を提供する:
酸性化剤が、CO2(ガス状)、CO2(水性)、1つまたは複数の有機酸、および1つまたは複数の無機酸からなる群より選択される少なくとも1つである、態様78の方法。
【0408】
態様80は以下を提供する:
無機酸が、H2CO3、H2SO4、HNO3、HCl(水性)、およびHCl(ガス状)からなる群より選択される少なくとも1つである、態様79の方法。
【0409】
態様81は以下を提供する:
以下:
(a) 流出液の溶存CO2濃度が第2の流入液の溶存CO2濃度よりも大きい; および
(b) 流出液のCO2の分圧がCO2の大気分圧よりも大きい
のうち少なくとも1つが当てはまる場合に、流出液がガスストリッピングに供される、
態様72~80のいずれか1つの方法。
【0410】
態様82は以下を提供する:
以下:
(a) 段階(c)が、流入液中で溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを測定することをさらに含む; ならびに
(b) 段階(f)が、流出液中で溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを測定することをさらに含む
のうち少なくとも1つが当てはまる、態様72~81のいずれか1つの方法。
【0411】
態様83は以下を提供する:
第2の流出液を提供するために流出液を処理する段階をさらに含み、
第2の流出液が、流入液および/または流出液の濃度未満である、溶存金属濃度および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つを有する、
態様82の方法。
【0412】
態様84は以下を提供する:
処理する段階が、流出液を曝気することを含む、態様83の方法。
【0413】
態様85は以下を提供する:
曝気によって、金属酸化物、非金属酸化物、金属水酸化物、非金属水酸化物、金属オキシ水酸化物、および非金属オキシ水酸化物からなる群より選択される少なくとも1つが形成される、態様84の方法。
【0414】
態様86は以下を提供する:
金属または非金属が、P、Fe、Ni、Cr、およびCoからなる群より選択される少なくとも1つである、態様85の方法。
【0415】
態様87は以下を提供する:
処理する段階が、流出液と少なくとも1つの収着剤とを接触させることを含む、態様83の方法。
【0416】
態様88は以下を提供する:
少なくとも1つの収着剤が、活性炭、1つまたは複数の粘土鉱物、およびバイオ炭、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される、態様87の方法。
【0417】
態様89は以下を提供する:
少なくとも1つの収着剤が、P、Fe、Ni、Cr、およびCoからなる群より選択される少なくとも1つの金属または非金属を吸着する、態様87または88の方法。
【0418】
態様90は以下を提供する:
第2の流出液中でpH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、CO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される少なくとも2つのパラメータ、ならびに任意で、温度、導電率、濁度、塩分、溶存酸素濃度、総懸濁固形分濃度、総溶解固形分濃度、硬度、溶存金属濃度、および溶存非金属またはメタロイド濃度からなる群より選択される少なくとも1つ
を測定する段階をさらに含む、態様83~89のいずれか1つの方法。
【0419】
態様91は以下を提供する:
少なくとも1つの容器が、少なくとも2つの容器を含む、態様72~90のいずれか1つの方法。
【0420】
態様92は以下を提供する:
少なくとも2つの容器が、直列に、並列に、またはそれらの任意の組み合わせで配列されている、態様72~91の方法。
【0421】
態様93は以下を提供する:
少なくとも2つの容器が、直列に配列されている、態様92の方法。
【0422】
態様94は以下を提供する:
金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および/または金属酸化物が、直列に配列されている各容器の順に減少する粒径を有しており、任意で、上流容器中での粒径が、下流容器中での粒径よりも少なくとも2倍、4倍、6倍、8倍、10倍、50倍、または100倍大きくてもよい、態様93の方法。
【0423】
態様95は以下を提供する:
少なくとも1つのフィルターを通じて流出液または第2の流出液を供給する段階をさらに含む、態様72~94のいずれか1つの方法。
【0424】
態様96は以下を提供する:
フィルターが約1μm~約100μmの範囲の孔を有しており、任意で、孔が約1μm~約50μmの範囲である、態様95の方法。
【0425】
態様97は以下を提供する:
CO2を含む流入水溶液が、都市廃水、工業廃水、雨水、河川水、湖水、淡水、水道水、流去水、豪雨水、地下水、および海水からなる群より選択される少なくとも1つの水源を含む、態様72~96のいずれか1つの方法。
【0426】
態様98は以下を提供する:
金属炭酸塩が、式:
(M1)m(CO3)n(OH)o(L1)p
を有し、
式中、
M1は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M1は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L1は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
m、n、o、およびpはそれぞれ独立して、該金属炭酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である、
態様72~97のいずれか1つの方法。
【0427】
態様99は以下を提供する:
金属ケイ酸塩が、式:
(M2)q(SiO4)r(OH)s(L2)t
を有し、
式中、
M2は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M2は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ;
L2は中性配位子であり、中性配位子は任意でH2Oであり; かつ
q、r、s、およびtはそれぞれ独立して、該金属ケイ酸塩が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、
各数は独立して任意で整数である、
態様72~98のいずれか1つの方法。
【0428】
態様100は以下を提供する:
金属酸化物が、式:
(M3)u(O)v(OH)w
を有し、
式中、
M3は、IA族元素、IIA族元素、IIIA族元素、IVA族元素、IB族元素、IIB族元素、IIIB族元素、IVB族元素、VB族元素、VIB族元素、およびVIIIB族元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含み、
M3は出現毎に、1つの元素、2つの同一の元素、または2つの別々の元素を含むことができ; かつ
u、v、およびwはそれぞれ独立して、該金属酸化物が正味ゼロ電荷を有するように選択される数であり、かつ
各数は独立して任意で整数である、
態様72~99のいずれか1つの方法。
【0429】
態様101は以下を提供する:
金属酸化物が、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、および酸化カルシウムからなる群より選択される少なくとも1つである、態様72~100のいずれか1つの方法。
【0430】
態様102は以下を提供する:
金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および/または金属酸化物がそれぞれ独立して約1ミクロン~100mmの範囲の平均粒径を有する、態様72~101のいずれか1つの方法。
【0431】
態様103は以下を提供する:
測定段階(a)および(d)が別々の容器中で実行される、態様72~102のいずれか1つの方法。
【0432】
態様104は以下を提供する:
流出液の濁度および総懸濁固形分からなる群より選択される少なくとも1つが第1の時点および第2の時点において測定され、第1の時点が第2の時点に先行する、態様72~103のいずれか1つの方法。
【0433】
態様105は以下を提供する:
第2の時点での流出液の濁度および/または総懸濁固形分が第1の時点での流出液の濁度または総懸濁固形分よりも実質的に少ない場合、金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む鉱物供給原料が少なくとも1つの容器に加えられる、態様104の方法。
【0434】
態様106は以下を提供する:
鉱物供給原料が、少なくとも1つの容器に手動で固体またはスラリーとして加えられ、添加が、コンベヤーによって固体として、またはポンプによってスラリーとして任意で行われる、態様105の方法。
【0435】
態様107は以下を提供する:
鉱物供給原料スラリーが、供給原料と、都市廃水、工業廃水、雨水、河川水、湖水、淡水、水道水、流去水、豪雨水、地下水、および海水からなる群より選択される少なくとも1つの水性流体とを混合することで作製され、鉱物供給原料が、スラリーの少なくとも1%(w/w)を占める、態様106の方法。
【0436】
態様108は以下を提供する:
流出液が、河川、湖沼、海洋、海、湾、地下水、池、小川、および廃水貯水池からなる群より選択される水の少なくとも1つの表面および/または地下本体に排出される、態様72~107のいずれか1つの方法。
【0437】
態様109は以下を提供する:
少なくとも1つの容器が、流動床式反応器、連続撹拌槽型反応器、回分式反応器、半回分式反応器、脈動床式反応器、固定床式反応器、およびプラグフロー反応器からなる群より選択される少なくとも1つを含む、態様72~108のいずれか1つの方法。
【0438】
態様110は以下を提供する:
以下の段階を含む、水源からのCO2の少なくとも部分的な隔離のためのシステムの設計および運用を最適化する方法:
(a) 水源の少なくとも2つのパラメータの値を確定する段階;
(b) 金属ケイ酸塩、金属炭酸塩、および金属酸化物、またはそれらの任意の組み合わせを含む少なくとも1つの鉱物供給原料を選択、輸送、および調達することに関連する少なくとも1つのパラメータを確定する段階;
(c) 少なくとも1つの鉱物供給原料を選択、輸送、および調達することに関連する少なくとも1つのパラメータの地理空間情報システム(GIS)輸送ネットワーク分析を実行する段階;
(d) 水源の少なくとも2つのパラメータおよびGIS輸送ネットワーク分析の結果から風化モデルを計算する段階; ならびに
(e) 水源からCO2を少なくとも部分的に隔離するための少なくとも1つの容器を含む水溶液処理システムを、風化モデルの出力に従って設計および運用する段階。
【0439】
態様111は以下を提供する:
水溶液処理システムが、態様41~71のいずれか1つのシステムをさらに含む、態様110の方法。
【0440】
態様112は以下を提供する:
(f) 水溶液処理システムからの流出液流の少なくとも2つのパラメータを測定する段階;
(g) 測定された流出液流の少なくとも2つのパラメータによって反応輸送モデルをアップデートする段階; および
(h) アップデートされた反応輸送モデルに基づいて風化モデルを再計算する段階
をさらに含む、態様111の方法。
【0441】
態様113は以下を提供する:
水源の少なくとも2つのパラメータが、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、温度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される、態様111または112の方法。
【0442】
態様114は以下を提供する:
流出液流の少なくとも2つのパラメータが、pH、アルカリ度、溶存CO2濃度、溶存無機炭素(DIC)濃度、重炭酸イオン濃度、炭酸イオン濃度、温度、およびCO2(ガス状)の分圧からなる群より選択される、態様111~113のいずれか1つの方法。
【0443】
態様115は以下を提供する:
少なくとも1つの鉱物供給原料を調達することに関連する少なくとも1つのパラメータが、鉱物ベースの供給原料の種類、供給原料のコスト、供給原料のCO2回収速度、および供給原料源と処理すべき水源との間の距離からなる群より選択される、態様110~114のいずれか1つの方法。
【0444】
態様116は以下を提供する:
風化モデルが、少なくとも1つの鉱物供給原料の目標平均粉砕粒径を策定する、態様110~115のいずれか1つの方法。
【0445】
態様117は以下を提供する:
風化モデルが、
流出液流の再循環速度または少なくとも1つの容器の撹拌速度のうち少なくとも1つを含む、水溶液処理システムの流動設計
を策定する、態様110~116のいずれか1つの方法。
【0446】
態様118は以下を提供する:
風化モデルが、
供給原料適用速度、水溶液処理システムに対する酸の添加速度、または水溶液処理システムに対するCO2の添加速度のうち少なくとも1つを含む、添加物質および供給原料適用モデル
を含む、態様110~117のいずれか1つの方法。
【0447】
態様119は以下を提供する:
水源が、都市廃水、工業廃水、雨水、河川水、湖水、淡水、水道水、流去水、豪雨水、地下水、および海水からなる群より選択される少なくとも1つである、態様110~118のいずれか1つの方法。
【0448】
本明細書において使用される用語および表現は、限定ではなく記述の用語として使用され、そのような用語および表現の使用においては、示され記載される特徴の任意の等価物またはその一部を排除するという意図はなく、本出願の態様の範囲内で様々な修正が可能であることが認識されよう。したがって、本出願では具体的な態様および任意の特徴が記載されているが、本明細書に開示される組成物、方法、および概念の修正および変形に当業者が依拠することができること、ならびに、そのような修正および変形が本出願の態様の範囲内であると考えられることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図22
図23
図24
図25
図26
図27A
図27B
図27C
図27D
図28A
図28B
図29
【国際調査報告】