(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】カート安定化装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
A61G 12/00 20060101AFI20240829BHJP
A61B 50/13 20160101ALI20240829BHJP
【FI】
A61G12/00 C
A61B50/13
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513370
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 US2022041921
(87)【国際公開番号】W WO2023034227
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508296440
【氏名又は名称】ニューヴェイジヴ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ラブ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】バクセンデール,トッド
【テーマコード(参考)】
4C341
【Fターム(参考)】
4C341JJ01
4C341LL07
4C341MM04
4C341MP10
(57)【要約】
カートを安定させるための装置、アセンブリ、システム、及び方法が開示される。例示的なカートは、上にロボットアームを有する外科用カートである。スタビライザシステムは、カートをある場所で安定させたるめに、カートの一部であり得るか、又はカートと共に使用され得る。スタビライザシステムは、スタビライザと、アクチュエータと、を含み得る。スタビライザは、足部と、足部を後退位置に付勢し、足部が展開位置にあるときには、カートを支持する床面に加えられたある量の力に寄与するように構成された付勢器と、を有し得る。アクチュエータは、スタビライザを後退位置に付勢している付勢力に打ち勝って、スタビライザの足部を床面に接触させるようにスタビライザに作用する。スタビライザの足部が床面に接触すると、付勢器のばねが、足部に所定量の力を床面に加えさせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセンブリであって、
床面に接触するように構成されたロックキャスタ車輪を有する外科用カート、
スタビライザであって、
足部であって、前記足部が展開位置にあって前記床面に接触しているときに前記外科用カートの移動に抵抗するように構成された、足部と、
前記足部を後退位置に付勢し、前記足部が前記展開位置にあるときには、前記床面に加えられる所定量の力に寄与するように構成された付勢器と、を備える、スタビライザ、
前記スタビライザを前記展開位置に向かって駆動するように構成されたアクチュエータ、を備え、
前記アクチュエータの作動が、前記スタビライザを、前記展開位置に調節させて、前記所定量の力を前記床面に加えさせる、アセンブリ。
【請求項2】
前記付勢器が、
前記スタビライザを前記後退位置に付勢する第1のばねと、
前記スタビライザを前記展開位置に付勢する第2のばねと、を備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記付勢器が、
ハウジングを備え、前記第1のばねが前記ハウジングの外側に沿って延在し、前記第2のばねが前記ハウジングの内側に沿って延在している、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記外科用カートが、外科用カート基部を備え、
前記付勢器が、
付勢器ハウジングと、
前記外科用カート基部及び前記付勢器ハウジングに作用して前記スタビライザを前記後退位置に付勢するように構成されたばねと、を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記スタビライザが、
ロッドと、
前記ロッドに対して固定されたプレートと、
前記ロッドに接続され、前記スタビライザが前記展開位置にあるときに前記床面に接触するように構成された足部と、を備え、
前記付勢器が、
付勢器ハウジングと、
前記付勢器ハウジング内に延在するばねと、を備え、
前記ばねが、前記付勢器ハウジング及び前記プレートに作用して、前記スタビライザが前記展開位置にあるときに前記床面に加えられる前記所定量の力に寄与するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記スタビライザが前記展開位置にあるときに前記床面に加えられる力の量を直接的又は間接的に測定するように構成された力センサを更に備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記スタビライザが前記展開位置にあるときに前記床面に加えられる前記所定量の力が、前記床面から前記外科用カートを持ち上げるのに必要な力よりも小さい、請求項1~6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記スタビライザが前記展開位置にあるときに前記床面に加えられる力の前記所定量が、80ポンドの力~100ポンドの力の範囲内である、請求項1~7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記スタビライザが、第1のスタビライザであり、
前記アセンブリが、前記第1のスタビライザから離間された第2のスタビライザを更に備え、
前記アクチュエータが、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザを前記展開位置に向かって同時に駆動するように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
機械的解除部を更に備え、前記機械的解除部が、前記アクチュエータを機械的に係合解除して、前記スタビライザを前記展開位置から前記後退位置まで移動させるように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記アクチュエータが、前記スタビライザによって前記床面に加えられている力の量にかかわらず、前記スタビライザを前記後退位置と前記展開位置との間で駆動するように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項12】
システムであって、
車輪上の外科用カートを安定させるための第1のスタビライザ及び第2のスタビライザと、
前記第1のスタビライザと前記第2のスタビライザとの間に延在する力アプリケータと、
前記力アプリケータを引き下げて、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザを後退位置から展開位置まで移動させるように構成されたリニアアクチュエータと、を備える、システム。
【請求項13】
前記力アプリケータが、
前記第1のスタビライザと相互作用する第1の端部と、
前記第2のスタビライザと相互作用する第2の端部と、
前記リニアアクチュエータに結合されている、前記第1の端部と前記第2の端部との間の部分と、を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記力アプリケータが、前記リニアアクチュエータと、前記第1のスタビライザと、前記第2のスタビライザとの間に延在しており、
前記リニアアクチュエータが、前記外科用カートを支持する床面に向かって前記力アプリケータを引っ張って、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザを前記展開位置に向かって移動させるように配置されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザの各々は、
前記スタビライザが前記展開位置にあるときに床面に接触して前記外科用カートを支持するように構成された足部と、
前記スタビライザを前記後退位置に付勢し、前記展開位置においては、前記足部が前記床面に加えるある量の力に寄与するように構成された付勢器と、を備える、請求項12~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
各スタビライザの前記足部が、前記スタビライザが前記後退位置から前記展開位置へと移動しているとき、最初は前記力アプリケータ及び前記付勢器の前記付勢器ハウジングと共に並進し、各スタビライザの前記足部が前記床面に接触したら、前記力アプリケータ及び前記付勢器ハウジングに対して並進するように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記リニアアクチュエータは、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザの前記足部が前記展開位置において前記床面に加える力の量にかかわらず、前記後退位置と関連付けられた第1の所定の位置と、前記展開位置と関連付けられた第2の所定の位置との間で調節するように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記リニアアクチュエータと通信する力センサであって、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザが前記展開位置にあるときに、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザが前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザに接触している床面に加える力を示す力を感知するように構成されている、力センサと、
前記力センサによって検出された力の量に基づいて、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザの展開を成功又は失敗として分類するように構成されたコントローラと、を更に備える、請求項12~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
アセンブリであって、
ロボットアームを支持し、かつロックキャスタを有する外科用カートと、
前記外科用カートによって支持され、かつ第1の付勢器及び第1の足部を有する第1のスタビライザと、
前記外科用カートによって支持され、かつ第2の付勢器及び第2の足部を有する第2のスタビライザと、
第1の位置と第2の位置との間で調節するように構成されたアクチュエータと、
前記アクチュエータからの力を前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザに加えるように構成された力アプリケータと、を備え、
前記第1の位置から前記第2の位置への前記アクチュエータの調節が、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザを後退位置から展開位置まで移動させ、
各足部は、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザが前記後退位置から前記展開位置へと移動しているときには、最初は前記力アプリケータと共に並進し、次いで、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザが前記後退位置から前記展開位置へと移動しているときには、前記力アプリケータに対して並進するように構成されており、
前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザは、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザが前記展開位置にあるとき、前記外科用カートを安定させるように構成されている、アセンブリ。
【請求項20】
前記アクチュエータが、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザによって前記外科用カートを支持する床面に加えられている力の量にかかわらず、前記第1の位置と前記第2の位置との間で直線的に調節するように構成されたリニアアクチュエータである、請求項19に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年8月30日に出願されたCART STABILIZATION DEVICES,SYSTEMS,AND METHODSと題する米国特許出願第17/461,342号の優先権を主張するものであり、当該特許出願は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
医療用途の、例えば外科用途の多種多様な外科用装置及びシステムが開発されている。これらの装置及びシステムとしては、数ある装置及びシステムの中でも特に、外科的処置において使用するためのカートが挙げられる。これらの装置及びシステムは、様々な異なる製造方法のうちのいずれか1つによって製造され、様々な方法のうちのいずれか1つに従って使用され得る。既知の外科用装置、システム、及び方法は、各々が特定の利点及び不利点を有する。代替的な外科用装置及びシステム、並びに外科用装置及びシステムを製造及び使用するための代替的な方法を提供するための持続する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、医療処置において使用される装置、システム、アセンブリのための設計、材料、製造方法、及び使用の代替案を提供する。例示的なアセンブリは、床面に接触するように構成されたロックキャスタ車輪を有する外科用カートと、スタビライザと、スタビライザを展開位置に向かって駆動するように構成されたアクチュエータと、を含む。スタビライザは、足部であって、足部が展開位置にあって床面に接触しているときに外科用カートの移動に抵抗するように構成された足部と、足部を後退位置に付勢し、足部が展開位置にあるときには、床面に加えられる所定量の力に寄与するように構成された付勢器と、を含み得る。アクチュエータの作動は、スタビライザを、展開位置へと調節させて、所定量の力を床面に加えさせる。
【0004】
このセクションにおける実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、付勢器は、スタビライザを後退位置に付勢する第1のばねと、スタビライザを展開位置に付勢する第2のばねと、を備える。
【0005】
このセクションの実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、付勢器は、ハウジングを備え、第1のばねがハウジングの外側に沿って延在し、第2のばねがハウジングの内側に沿って延在している。
【0006】
このセクションの実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、外科用カートは、外科用カート基部を備え、付勢器は、付勢器ハウジングと、外科用カート基部及び付勢器ハウジングに作用してスタビライザを後退位置に付勢するように構成されたばねと、を備える。
【0007】
このセクションの実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、スタビライザは、ロッドと、ロッドに対して固定されたプレートと、ロッドに接続され、スタビライザが展開位置にあるときに床面に接触するように構成された足部と、を備え、付勢器は、付勢器ハウジングと、付勢器ハウジング内に延在するばねと、を備え、ばねは、付勢器ハウジング及びプレートに作用して、スタビライザが展開位置にあるときに床面に加えられる所定量の力に寄与するように構成されている。
【0008】
このセクションの実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、アセンブリは、スタビライザが展開位置にあるときに床面に加えられる力の量を直接的又は間接的に測定するように構成された力センサを更に備える。
【0009】
このセクションの実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、スタビライザが展開位置にあるときに床面に加えられる所定量の力は、床面から外科用カートを持ち上げるのに必要な力よりも小さい。
【0010】
このセクションの実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、スタビライザが展開位置にあるときに床面に加えられる力の所定量は、80ポンドの力~100ポンドの力の範囲内である。
【0011】
このセクションの実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、スタビライザは、第1のスタビライザであり、アセンブリは、第1のスタビライザから離間された第2のスタビライザを更に備え、アクチュエータは、第1のスタビライザ及び第2のスタビライザを展開位置に向かって同時に駆動するように構成されている。
【0012】
このセクションの実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、アセンブリは、機械的解除部を更に備え、機械的解除部は、アクチュエータを機械的に係合解除して、スタビライザを展開位置から後退位置まで移動させるように構成されている。
【0013】
このセクションの実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、アクチュエータは、スタビライザによって床面に加えられている力の量にかかわらず、スタビライザを後退位置と展開位置との間で駆動するように構成されている。
【0014】
更なる一例は、システムであって、車輪上の外科用カートを安定させるための第1のスタビライザ及び第2のスタビライザと、第1のスタビライザと第2のスタビライザとの間に延在する力アプリケータと、力アプリケータを引き下げて、第1のスタビライザ及び第2のスタビライザを後退位置から展開位置まで移動させるように構成されたリニアアクチュエータと、を備える、システムを含み得る。
【0015】
このセクションの実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、力アプリケータは、第1のスタビライザと相互作用する第1の端部と、第2のスタビライザと相互作用する第2の端部と、リニアアクチュエータに結合された、第1の端部と第2の端部との間の部分と、を含む。
【0016】
このセクションの実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、力アプリケータは、リニアアクチュエータと、第1のスタビライザと、第2のスタビライザとの間に延在しており、リニアアクチュエータは、外科用カートを支持する床面に向かって力アプリケータを引っ張って、第1のスタビライザ及び第2のスタビライザを展開位置に向かって移動させるように配置されている。
【0017】
このセクションの実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、第1のスタビライザ及び第2のスタビライザの各々は、スタビライザが展開位置にあるときに床面に接触して外科用カートを支持するように構成された足部と、スタビライザを後退位置に付勢して、展開位置において足部が床面に加えるある量の力に寄与するように構成された付勢器と、を備える。
【0018】
このセクションの実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、各スタビライザの足部は、スタビライザが後退位置から展開位置へと移動しているとき、最初は力アプリケータ及び付勢器の付勢器ハウジングと共に並進し、各スタビライザの足部が床面に接触したら、力アプリケータ及び付勢器ハウジングに対して並進するように構成されている。
【0019】
このセクションの実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、リニアアクチュエータは、第1のスタビライザ及び第2のスタビライザの足部が展開位置において床面に加える力の量にかかわらず、後退位置と関連付けられた第1の所定の位置と、展開位置と関連付けられた第2の所定の位置との間で調節されるように構成されている。
【0020】
このセクションの実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、システムは、リニアアクチュエータと通信する力センサであって、第1のスタビライザ及び第2のスタビライザが展開位置にあるとき、第1のスタビライザ及び第2のスタビライザが第1のスタビライザ及び第2のスタビライザに接触している床面に加える力を示す力を感知するように構成されている、力センサと、力センサによって検出された力の量に基づいて、第1のスタビライザ及び第2のスタビライザの展開を成功又は失敗として分類するように構成されたコントローラと、を更に備え得る。
【0021】
更なる例は、アセンブリであって、ロボットアームを支持し、かつロックキャスタを有する外科用カートと、外科用カートによって支持され、かつ第1の付勢器及び第1の足部を有する第1のスタビライザと、外科用カートによって支持され、かつ第2の付勢器及び第2の足部を有する第2のスタビライザと、第1の位置と第2の位置との間で調節するように構成されたアクチュエータと、アクチュエータからの力を第1のスタビライザ及び第2のスタビライザに加えるように構成された力アプリケータと、を備える、アセンブリを含み得る。第1の位置から第2の位置へのアクチュエータの調節は、第1のスタビライザ及び第2のスタビライザを後退位置から展開位置まで移動させ得る。各足部は、第1のスタビライザ及び第2のスタビライザが後退位置から展開位置へと移動しているときには、最初は力アプリケータと共に並進し、次いで、第1のスタビライザ及び第2のスタビライザが後退位置から展開位置へと移動しているときには、力アプリケータに対して並進するように構成されている。第1のスタビライザ及び第2のスタビライザは、第1のスタビライザ及び第2のスタビライザが展開位置にあるとき、外科用カートを安定させるように構成されている。
【0022】
このセクションの実施形態のうちのいずれかに代替的又は追加的に、アクチュエータは、第1のスタビライザ及び第2のスタビライザによって外科用カートを支持する床面に加えられている力の量にかかわらず、第1の位置と第2の位置との間で直線的に調節するように構成されたリニアアクチュエータである。
【0023】
いくつかの実施形態の上記の概要は、本開示の各開示された実施形態又は全ての実装形態を説明することを意図していない。以下の図面及び詳細な説明は、これらの実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示は、添付の図面と関連する以下の詳細な説明の考慮において、より完全に理解され得る。
【
図2】
図1の例示的な外科用カートの概略端面図である。
【
図3】
図1の例示的な外科用カートの概略側面図である。
【
図4】
図3の線4-4に沿って切断した、
図1の外科用カートの例示的なカート基部及び安定化システムの概略断面図である。
【
図5】
図2の線5-5に沿って切断した、
図1の外科用カートの例示的なカート基部及び安定化システムの概略断面図である。
【
図6】アクチュエータを部分的に作動させた
図5の概略断面図。
【
図7】アクチュエータを完全に作動させた
図5の概略断面図。
【0025】
本開示は、様々な修正形態及び代替形態を受け入れることができるが、それらの詳細は、例として図面に示されており、詳細に説明されることになる。しかしながら、その意図は、説明される特定の実施形態に本発明を限定することではないことを理解されたい。逆に、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内に収まる全ての修正物、均等物、及び代替物を包含するものである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
カートは、外科的処置において、又は外科的処置を容易にするために使用され得る。場合によっては、カートは、外科的処置において使用するための1つ以上のロボット又はロボット構成要素を含み得る。カート又はカート上の構成要素が外科的処置に使用されている場合、又は別様に使用されている場合、かかるカート(例えば、ロボットカート又は他の好適なカート)は、しばしば、輸送するための高移動状態と高不動状態との間を交互させることが必要である。しばしば、カートを支持するためにロックキャスタが使用され、ロックキャスタは、カートを高移動状態で移動させるのを容易にするが、外科的処置において高不動状態で使用するためにカートを完全に安定させるには、少なくとも単独では不十分であり得る。
【0027】
アセンブリは、カートと、カートと共に使用するための安定化システムと、を含み得る。安定化システムは、カートを表面又は床面から持ち上げずに、カートが支持される表面又は床面に力を加えるように展開される足部を含み得る。動作中に、安定化システム及びロックキャスタ車輪を含むカートは、所望の場所に移動され得、所望の場所に移動した時点で、ロックキャスタ車輪がロックされ得、安定化システムの足部がカートの下又は他の好適な場所から展開され得る。
【0028】
安定化システムの一実装形態では、安定化システムは、床面、クロスバー(例えば、力アプリケータ)、及びアクチュエータに接触するための足部を各々が有する、第1のスタビライザ及び第2のスタビライザを含み得る。動作中に、アクチュエータは、第1の方向に作動して、スタビライザに作用するクロスバーを引き下げ、その結果、スタビライザが付勢力に打ち勝ち、それにより、足部が地面まで延在して、床面又は別の表面に力を加えて、カートを安定させる。足部を床面から引き込ませるには、アクチュエータを、第1の方向とは反対の第2の方向に解除又は作動させ、それにより、スタビライザの付勢力が、クロスバーによってスタビライザに作用している力(存在する場合)に打ち勝ち、足部を表面から引き込ませる。
【0029】
足部によって表面に加えられた力の量は、カートを安定させることができる任意の好適な力の量であり得る。この力は、カートが支持されている表面からカート(例えば、キャスタ又はカートの他の好適な部分)を持ち上げるのに十分であり得るが、そうである必要はない。一例では、スタビライザによって、カートを支持する表面に加えられた力の量は、約80ポンドの力~約100ポンドの力の範囲であり得る。他の好適な力の量が想到される。
【0030】
図面に目を向けると、
図1は、例示的なカートアセンブリ100の概略斜視図を描画する。カートアセンブリ100は、数ある好適な構成要素の中でも特に、カート102と、安定化システム104と、を含み得る。
【0031】
カート102は、外科的処置において使用するように構成されたカートであり得る。一例では、カート102は、外科用ロボット(例えば、ロボットアームなど)又は他の好適な遠隔操作外科システムを含み得るか、又はそれらを受容するように構成され得る。
【0032】
カート102は、フレーム構造体106を含み得る。フレーム構造体106は、1つ以上のコンピュータシステム、カメラ、ライト、器具、外科用ロボット、好適な遠隔操作外科システム、関連構成要素、又はそれらの組み合わせ、などの外科的処置において使用するための1つ以上のアイテムを支持するのを容易にする、任意の好適な設計又は構成を有し得る。場合によっては、フレーム構造体106は、基部130(例えば、外科用カート基部)を含み得るか、又は別様に基部によって支持され得る。
【0033】
図1に描画されるように、フレーム構造体106は、カートの頂部108と、底部110と、1つ以上の側面112と、を有し得るか、又はそれらを画定し得、1つ以上の側面112は、頂部108と底部110との間に全体的に、又は少なくとも部分的に延在し得る。場合によっては、頂部108、底部110、及び1つ以上の側面112は、中央空間114を画定し得、この空間内には、カートアセンブリ100又はそれと共に使用する1つ以上の構成要素が位置付けられ得る。フレーム構造体106は、そこに接続されるか、又はそれによって支持される構成要素と共に、頂部108、底部110、及び側面112を画定するものを支持するためのストラット、フレームバー、支持体、又は他の好適な構成要素を含み得る。描画されていないが、頂部108、底部110、及び側面112のうちの1つ以上は、カバー又は他の好適な中実の若しくは部分的に中実の表面を含み得るか、又はその上に有し得る。
【0034】
カート102の頂部108は、1つ以上の外科システム構成要素又は他の構成要素を支持するように構成され得る。必須ではないが、頂部108は、外科システム構成要素又は他の構成要素をカート102に固定するのを容易にするように構成された1つ以上の構成要素を有し得る。カート102に固定される(例えば、カート102の頂部108又は他の好適な場所に固定される)例示的な外科システム構成要素は、ロボット外科用アームであり得るが、他の構成要素が想到される。
【0035】
カート102の底部110は、中央空間114内に少なくとも部分的に位置付けられた1つ以上の構成要素を支持するように構成され得る。一例では、
図1に描画されるように、スタビライザシステム104は、カート102の底部110によって支持され得る。かかる構成は必須ではなく、スタビライザシステム104は、カート102の1つ以上の他の部分によって支持され得る。
【0036】
フレーム構造体106は、カート102の他の特徴部を支持し得るか、又は画定し得る。
図1に描画されるように、フレーム構造体106は、数ある好適な特徴部の中でも特に、1つ以上のモニタ支持体116と、1つ以上のハンドル118と、を含み得る。モニタ支持体116は、カート102又は外科用構成要素によって支持される構成要素と共に使用されるように(例えば、その制御を容易にするように)構成されたディスプレイ又は制御システムを受容するように構成され得る。場合によっては、ハンドル118は、剛性ハンドルとして構成され得るか、又はハンドル118は、カート102の車輪をロック若しくはロック解除するように調節され得る調節可能な部分を有し得るが、これは必須ではない。本明細書では、モニタ支持体116及びハンドル118は、フレーム構造体106の一部であるように説明されているが、モニタ支持体116又はハンドル118は、フレーム構造体106とは別個でありフレーム構造体106によって支持され得る。
【0037】
カート102は、表面又は床面でカート102を支持するのを容易にするように、かつ表面若しくは床面上の又はそれに沿ったカート102の移動を容易にするように構成され得る、1つ以上の車輪120を含み得る。一例では、カートは、4つの車輪120を含み得る(しかし、
図1では3つだけを見ることができる)。
【0038】
車輪120は、カート102を支持するように、かつカートを床面又は他の好適な表面に沿って輸送するのを容易にするように構成された、任意の好適なタイプのもの、又は好適なタイプの組み合わせであり得る。例示的なタイプの車輪120としては、剛性キャスタ車輪、スイベルキャスタ車輪、ロック車輪、ロックキャスタ車輪、キングピンレスキャスタ車輪、全方向性車輪、などが挙げられるが、これらに限定されない。一例では、カート102は、ロックキャスタタイプである1つ以上の車輪120を含み得る。
【0039】
カート102が1つ以上のロック車輪120(例えば、ロックキャスタ車輪など)を含む場合、車輪120は、手動でロック又はロック解除するように構成され得る。一例では、車輪120は、車輪120ごとに手動でロックされ得る。別の例では、車輪120のうちの1つ以上は、車輪120のうちの1つ以上を適所でロック又はロック解除する機械的ロックシステムを作動させることによって、ユーザにより手動でロック又はロック解除され得る。
【0040】
代替的又は追加的に、車輪120は、ユーザによる行動に応答して、又はカートを室内のある場所に位置付けることによって、自動化された様式でロック又はロック解除するように構成され得る。一例では、車輪120は、ユーザの選択、又は電気機械システムを起動して車輪120のうちの1つ以上をロック又はロック解除するボタン又は他の好適なアクチュエータの選択を制御システムが受信することに応答して、適所でロック又はロック解除され得る。別の例では、車輪120は、室内(例えば、手術室又は他の好適な室内)の位置決めシステムが、カート102が室内の又は室内の特徴部に対する所望の又は所定の場所にあることを識別し、カート102の位置を識別することに応答して、電気機械システムを起動して車輪のうちの1つ以上をロック又はロック解除することに応答して、適所でロック又はロック解除され得る。
【0041】
上で考察されたように、カートアセンブリ100は、スタビライザシステム104を含み得る。数ある特徴部の中でも特に、及び下でより詳細に考察されるように、スタビライザシステム104は、床面又は他の表面に係合してカート102を安定させるのを容易にするための足部123又は他の好適な特徴部を有する1つ以上のスタビライザ122と、スタビライザ122を展開位置又は後退位置に向かって駆動するように構成された1つ以上のアクチュエータ124と、1つ以上のアクチュエータ124及び1つ以上のスタビライザ122を結合する1つ以上の力アプリケータ126(例えば、クロスバー又は他の好適な力アプリケータ)と、を含み得る。一例では、スタビライザシステム104は、2つのスタビライザ122を含み得る。
【0042】
動作中に、1つ以上のアクチュエータ124を作動させると、アクチュエータは、非展開状態(例えば、後退又は静止位置)から、床面又は他の好適な表面に向かって又はそこまで足部123を移動させる完全展開状態又は少なくとも部分的な展開状態まで、スタビライザ122を駆動し得る。2つ以上のスタビライザ122が力アプリケータ126と共に利用される場合、アクチュエータ124を作動させることで、(例えば、力アプリケータ126を介して)スタビライザ122を展開位置に向かって同時に駆動し得る。しかしながら、スタビライザ122を同時に駆動することは必須ではなく、スタビライザ122、アクチュエータ124、及び力アプリケータ126の構成は、代替的又は追加的に、スタビライザ122のうちの1つ以上がスタビライザ122のうちの1つ以上とは別に、又はそれらから独立して作動されるように構成され得る。足部123が床面又は他の好適な表面と接触してそこに力を加える完全展開状態にあるときに、足部123及びスタビライザ122は、外科用カート102の移動に抵抗し得るか、又は別様に外科用カートを安定させ得る。
【0043】
アクチュエータ124は、手動で作動され得るか、又は自動化された様式で作動され得る。場合によっては、アクチュエータ124の作動は、車輪120をロックすることに応答して、又はロック時に自動的に実行され得るが、これは必須ではない。
【0044】
カート102は、非常解除部128(例えば、機械的解除部)を含み得る。場合によっては、非常解除部128は、車輪120のロック部若しくはロックシステムに結合され得るか、スタビライザシステム104に若しくはその一部に結合され得るか、又は車輪120のロック部若しくはロックシステム及びスタビライザシステム104の両方に結合され得る。非常解除部128が車輪120及びスタビライザシステム104のロック部又はロックシステムに結合されて、非常解除部128が作動されたときに、車輪120のロック部又はロックシステムは、車輪120をロック解除状態にさせ得、スタビライザシステム104は、カート102が床面又は他の好適な表面に沿って移動し得るように、スタビライザ122に、足部123を完全に若しくは少なくとも部分的に引き込ませ得るか、又は後退位置まで移動させ得る。
【0045】
図2は、カートアセンブリ100の概略端面図を描画する。
図5~
図8は、
図2の線5-5に沿って切断したカートアセンブリ100の断面図を描画する。
【0046】
図2に示される概略端面図は、モニタ支持体116及びハンドル118が位置付けられるカート102の端部を描画する。
図2から分かるように、カートアセンブリ100は、4つの車輪120を含み得、前輪120は、後輪120からわずかに(例えば、内側へ)オフセットされ得るが、これは必須ではなく、車輪120は、異なる様式でオフセットされ得るか、又は全くオフセットされ得ない。更に、スタビライザシステム104は、対向側面112の間でカート102の中央に位置付けられ得る。中央でカート102に位置付けられたスタビライザシステム104は、スタビライザ122が展開位置にあるとき、カート102のバランスのとれた安定化を提供するのを容易にし得る。スタビライザシステム104は、
図2に描画されるカートアセンブリ100の構成では、中央空間114内の中央に位置付けられているが、スタビライザシステム104は、カート102に対して他の場所に位置付けられ得る。
【0047】
図3は、カートアセンブリ100の概略側面図を描画する。
図4は、
図3の線4-4に沿って切断したカートアセンブリ100の断面図を描画する。
【0048】
図3から分かるように、前車輪120及び後車輪120だけを描画しているため、前輪120が軸方向に整列しており、また、後輪120が軸方向に整列している。更に、スタビライザシステム104は、第1の足部123aと関連付けられた第1のスタビライザ122aと、第2の足部123bと関連付けられた第2のスタビライザ122bと、を含み得る。描画されるように、第1のスタビライザ122aは、カート102の第1の端部(例えば、後方端部)の近くに位置付けられ得、第2のスタビライザ122bは、カート102の第2の端部(例えば、前方端部)の近くに位置付けられ得る。スタビライザ122は、使用時にカートを安定させるのを容易にするために、所望に応じてカート102の端部から離間され得る。
【0049】
図4は、カートアセンブリ100の概略断面図を描画する。カートアセンブリ100の断面図は、
図3の線4-4に沿って切断されており、フレーム構造体106を取り外した状態で、力アプリケータ126に結合されたアクチュエータ124、及びカート102の基部130を示す。
【0050】
上で考察されたように、力アプリケータ126は、アクチュエータ124が力アプリケータ126に作用して、力アプリケータ126がスタビライザ122に力を加えるように、アクチュエータ124及びスタビライザ122に結合され得る。アクチュエータ124は、アクチュエータ124が力アプリケータ126に作用するのを容易にする任意の好適な様式で力アプリケータ126に結合され得る。力アプリケータ126とアクチュエータ124との間の例示的な継手としては、ピン接続、ねじ接続、ルアーロック接続、バヨネット接続、摩擦嵌め接続、スナップ接続、他の好適な継手、又はこれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0051】
力アプリケータ126とアクチュエータ124との間の継手の1つの例示的な構成では、
図4に描画されるように、アクチュエータ124は、ピン432によって力アプリケータ126に結合されて、ピン接続を作成し得る。この例では、ピン432がアクチュエータ124を通って延在する開口部434に挿入され得、ピン432を伴うアクチュエータ124が力アプリケータ126に挿入され得る。かかる構成では、アクチュエータ124が調節されるか、又は別様に作動されたときに、ピンが力アプリケータ126に作用して、力アプリケータ126の位置を変化させ得る。ピン432は、アクチュエータ124の一部であり得るか、又はアクチュエータ124と共に使用される別個の構成要素であり得る。
【0052】
力アプリケータ126は、任意の好適な構成を有し得る。力アプリケータ126の例示的な構成は、単一の細長い構成要素若しくはバー、マルチピース構成要素若しくはバー、又は1つ以上の他の好適な構成を含み得る。一例では、
図4に描画されるように、力アプリケータは、第1の細長い構成要素436と、第2の細長い構成要素438と、を含み得る。必須ではないが、第1の細長い構成要素436は、アクチュエータ124及びピン432を受容するための開口部440を有するバー構成を有し得る。第2の細長い構成要素438は、第1の細長い構成要素436を受容して(例えば、任意の好適なコネクタを介して)そこに結合するように構成されたU字形ブラケット構成を有し得るが、これは必須ではなく、他の構成が想到される。更に、第2の細長い構成要素438は、アクチュエータ124を受容するように構成された開口部442を有し得る。
【0053】
力アプリケータ126は、アクチュエータ124及びスタビライザ122との使用時に加えられた力に耐えるように構成された任意の好適な材料から形成され得る。例示的な材料としては、金属、ポリマー、ステンレス鋼、シートメタル、金属及びポリマーの組み合わせ、などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
アクチュエータ124は、任意の好適な様式で基部130に結合され得る。
図4に描画される例では、アクチュエータ124は、基部130の開口部444を通って延在し得、基部130に固定された接続プレート446に結合され得る。
図4に描画される例では、ピン448は、クレビス450を通って延在して、アクチュエータ124を接続プレート446に接続し得る。他の好適な構成が想到される。ねじ、ボルト、ナット、ワッシャ、スペーサ、ピン、などが挙げられるが、これらに限定されない任意の好適なタイプの継手又はコネクタを利用して、アクチュエータ124、基部130、及び接続プレート446を結合又は接続し得る。
【0055】
アクチュエータ124は、力アプリケータ126に、次にスタビライザ122に引張力又は押圧力を加えるように構成された任意の好適なタイプのアクチュエータであり得る。例示的なタイプのアクチュエータとしては、リニアアクチュエータ、ロータリアクチュエータ、液圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、電動アクチュエータ、熱磁気アクチュエータ、機械的アクチュエータ、高次コイル高分子アクチュエータ、又は他の好適なアクチュエータ、及びアクチュエータタイプの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一例では、アクチュエータ124は、電気モータ駆動式リニアアクチュエータであり得るが、これは必須ではない。
【0056】
図4に描画される電気モータリニアアクチュエータ124は、様々な構成要素を有し得る。描画されるように、アクチュエータ124は、外管452(例えば、カバー管)と、内管454(例えば、延長管、被駆動管、変換管、など)と、電気モータ456と、モータハウジング458と、を含み得る。アクチュエータ124は、スピンドル又は親ねじ、内管の過剰な拡張を防止するためにスピンドルの端部に位置付けられた安全止め、外管452と内管454との間のワイパ、内管454に取り付けられてスピンドルに沿って進行する駆動ナット、モータへの電流を遮断することによって管の完全な拡張位置及び後退位置を制御するためのリミットスイッチ、歯車、など、が挙げられるが、これらに限定されない、描画されていない他の構成要素を含み得る。
【0057】
図5は、カートアセンブリ100の概略断面図を描画する。
図2の線5-5に沿って切断したカートアセンブリ100の断面図は、数ある特徴の中でも特に、アクチュエータ124及びスタビライザ122(例えば、第1のスタビライザ122a及び第2のスタビライザ122b)に結合された力アプリケータ126を示す。
【0058】
安定化システム104は、カート102を支持する床面又は表面561にスタビライザ122が加えている力の量を決定するための1つ以上の圧力又は力センサ560を含み得る。力センサ560は、スタビライザ122が展開位置にあるときに床面又は表面561に加えられた力の量を直接的に、間接的に、若しくは直接的及び間接的の両方で測定若しくは感知するように、又は加えられた力の量を示すように構成され得る。感知又は測定された力は、アクチュエータ124が仕様通りに動作していることを確認するためのアクチュエータ124のチェックが挙げられるが、これに限定されない、任意の好適な目的のために利用され得る。アクチュエータ124が仕様通りに動作していないと判断された場合、力センサ560からのデータを利用して、アクチュエータ124の健全性、及び仕様通りに動作していないアクチュエータ124に対処するためにとる行動を決定し得る。追加的又は代替的に、(例えば、カートアセンブリ100のコントローラ又は他の好適なコントローラが力センサ560から出力信号を直接的又は間接的に受信することによって)力センサ560の出力を利用して、力センサ560によって検出された力の量に基づいて、スタビライザ122の展開を成功又は失敗として分類し得る。失敗した展開を検出することに応答して、コントローラは、通知を提供し得るか、是正行動をとり得るか、2回目の展開の試みを行うか、又は他の好適な行動をとり得るが、これは必須ではない。
【0059】
力センサ560は、スタビライザシステム104に沿った任意の好適な場所に位置付けられ得、その場所において、スタビライザ122が展開位置にあるときに床面又は表面561に加えられた力の量が測定若しくは感知され得るか、又は加えられた力の量が示され得る。一例では、力センサ560が床面又は表面561に加えられた力を直接測定するように構成されている場合、力センサ560は、力センサ560のある部分が床面又は表面561に接触するように構成され、かつ力センサ560の別の部分がスタビライザ122に接触するように構成されるように、スタビライザ122の足部123に位置付けられ得る。別の例では、力センサ560が床面又は表面に加えられた力を間接的に測定するように構成されている場合、力センサ560は、床面又は表面561に力を加えている足部123から離間され得るか、又は別様に、床面又は表面561と直接接触しないように構成され得る。
【0060】
場合によっては、力センサ560は、カート102の基部130に、及びアクチュエータ124が結合された接続プレート446に固定され得る。かかる構成では、アクチュエータ124が力アプリケータ126及びスタビライザ122に、矢印D1によって表される第1の方向に作用した場合、アクチュエータ124は、接続プレート446に力を加え、次に力センサ560と基部130との間に力を加える。力センサ560と基部130との間の力は、スタビライザ122が展開位置にあるときに床面又は他の表面に加えられた力の量の間接測定である。他の構成が想到される。
【0061】
圧力又は力センサ560は、任意の好適なタイプのものであり得る。例示的な圧力又は力センサのタイプとしては、ロードセル、歪みゲージ、感知抵抗器、光学力センサ、超音波力センサ、空気圧ロードセル、液圧ロードセル、圧電結晶ロードセル、誘導ロードセル、静電容量ロードセル、磁気抵抗ロードセル、歪みゲージロードセル、他のタイプのもの、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
スタビライザシステム104が2つのスタビライザ122、アクチュエータ124、及び力アプリケータ126を含む場合、2つのスタビライザ122は、アクチュエータ124に対する任意の所望の場所に位置付けられ得、力アプリケータ126は、2つのスタビライザ122とアクチュエータ124との間に延在し得る。
図5に描画されるように、スタビライザ122は、アクチュエータ124から等距離に又は実質的に等距離で離間され得る。アクチュエータ124に対するスタビライザ122のかかる構成は、スタビライザ122の各々においてカート102を支持する床面又は他の表面561に実質的に等しい力を加えるのを容易にし得る。例えば、アクチュエータ124は、力アプリケータ126を引き下げて(例えば、力アプリケータ126を床面又は他の表面561に向かって引っ張り)、2つのスタビライザ122を静止又は後退位置(例えば、非展開位置)から展開位置まで移動させて、床面又は他の表面561に等しい又は実質的に等しい力を加えさせるように構成され得る。
【0063】
スタビライザ122は、アクチュエータ124が力アプリケータ126に作用して、力アプリケータ126に、スタビライザ122に力を加えさせるように、力アプリケータ126を介してアクチュエータ124に結合され得る。スタビライザ122は、任意の好適な様式で力アプリケータ126に結合され得る。力アプリケータ126とスタビライザ122との間の例示的な継手としては、ピン接続、ロックピン接続、ねじ接続、ルアーロック接続、バヨネット接続、摩擦嵌め接続、スナップ接続、又は他の好適な継手が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0064】
スタビライザ122及びアクチュエータ124は、任意の好適な場所で力アプリケータ126に結合され得る。一例では、第1のスタビライザ122aは、力アプリケータ126の第1の端部に結合され得るか、又はそれと相互作用し得、第2のスタビライザ122bは、力アプリケータ126の第2の端部に結合され得るか、又はそれと相互作用し得、アクチュエータ124は、第1の端部と第2の端部との間で力アプリケータ126に結合され得るか、又はそれと相互作用し得るが、他の構成が想到される。
【0065】
図5に描画されるような力アプリケータ126とスタビライザ122との間の継手の1つの例示的な構成では、スタビライザ122は、スタビライザ122の一部分の周りに延在するコネクタ562(例えば、スタビライザ122の構成要素であり得る、クリップ、保持クリップ、ピン、ねじ、ボルト、ナット、ブラケット、など)によって力アプリケータ126に結合され得る。この例では、スタビライザ122の付勢器ハウジング568の一部分は、力アプリケータ126に挿入され得、コネクタ562は、力アプリケータ126に挿入された付勢器ハウジング568の一部分を通して、その周りに適用されて、又は別様にそこに接続されて、スタビライザ122を力アプリケータ126と結合し得る。かかる構成では、アクチュエータ124が調節されたときに、又は別様に作動されたときに、力アプリケータ126がスタビライザ122の外面に作用して、スタビライザを後退位置と展開位置との間で移動させ得る。
【0066】
スタビライザ122は、任意の好適な構成を有し得る。場合によっては、スタビライザ122は、アクチュエータ124がそこに作用することに応答して、床面又は表面561に所定量の力を加えるように構成され得る。必須ではないが、床面又は表面561に加えられる力の所定量は、スタビライザ122が展開されたときに床面又は表面561に加えられる力の量であり得、この量は、床面からカート102を持ち上げるために必要とされる力の量よりも小さいが、スタビライザ122が展開位置にあるときにカート102を安定させて、カート102の移動に抵抗するか、それを防止するか、又は実質的に防止するのに十分な力を床面又は表面561に提供する。他の力の量が想到され、これはカート102の質量又は他の構成に依存し得るが、スタビライザ122がカート102を持ち上げることなく展開位置にあるときに表面又は床面561に加えられた例示的な力の所定量は、80又は約80ポンドの力~100又は約100ポンドの力の範囲内の力の量であり得る。他の好適な力の量が想到される。
【0067】
1つの例示的な構成では、
図5に描画されるように、スタビライザ122は、スタビライザ122が展開位置にあるときに床面又は他の表面561に接触して外科用カート102を支持するように構成された1つ以上の足部123と、足部123と連通し得るロッド564と、支持体又はプレート574であって、ロッド564に固定され得るか、又はそれに対して固定され得、かつロッド564(例えば、支持体又はプレート574及びロッドが付勢器ハウジング568内で軸方向に調節され得る)及び足部123と並進し得る、支持体又はプレート574と、付勢器566と、を含み得る。場合によっては、付勢器566は、足部123を後退位置に付勢し、足部123が展開位置にあるときには、カート102を支持する床面又は表面561に加えられる所定量の力に寄与するように構成され得る。代替的に、付勢器566は、足部123を展開位置に付勢するように構成され得る。
【0068】
足部123は、任意の好適な構成をとり得る。場合によっては、足部123は、スタビライザ122が展開構成にあるときにカート102を支持して安定させるための、丸み付けした、正方形状の、環状の、又は他の好適な構成を有し得る。足部123は、様々な材料のうちのいずれかから構築され得る。一例では、足部123は、プラスチックから構築される。
【0069】
足部123は、任意の好適な様式でロッド564に結合され得るか、又は別様に接続され得る。一例では、足部123は、足部123がロッド564から独立して移動することができないように、ロッド564に堅固に結合され得る。別の例では、足部123は、調整可能にロッド564に枢動可能に、又は別様に結合され得る。調整可能にロッド564に枢動可能に、又は別様に結合された場合、足部123は、起伏のある床面又は表面上でカートを安定させるのを容易にするように構成され得る。
【0070】
ロッド564は、任意の好適な構成をとり得る。
図5に描画されるように、ロッド564は、第1の部分564aと、第2の部分を564bと、を有し得るが、これは必須ではなく、ロッド564は単一の部分又は2つを超える部分を有し得る。ロッド564のうちの1つ以上が1つを超える部分を有する場合、ロッド564は、溶接接続、ねじ接続、接着接続、オーバーモールド接続、などが挙げられるが、これらに限定されない、任意の好適な様式で接続され得る。
【0071】
支持体又はプレート574は、任意の好適な構成をとり得る。一例では、支持体又はプレート574は、下で更に考察される付勢器ハウジング568内を並進するように構成され得、また、プレート574が付勢器566の第2のばね(例えば、下で更に考察される第2のばね572)の端部を支持し得るようにロッド564の周りに延在し得る。
【0072】
更に、場合によっては、スタビライザ122は、カート102の基部130から床面又は他の表面561に向かって延在する1つ以上の支持体576を含み得、ロッド564は、1つ以上の支持体576を通って延在し得る。支持体576は、含まれている場合、構造的に、支持体を通って延在する支持体576又はロッド564に隣接した足部123を支持するのを容易にし得る。
【0073】
支持体576は、足部123を支持するように支持体576から延在し得る、調節可能な軸受580(例えば、金属、ゴム、などで作製された軸受)を含み得る。任意の好適な数の軸受が利用され得る。例えば、単一の軸受が利用され得る、2つの軸受が利用され得る、3つの軸受が利用され得る、10個の軸受が利用され得る、などである。更に、軸受580は、足部123が静止又は後退位置(例えば、非安定化位置)にあるときに、足部123を支持するように、又は別様にそこに接触するように構成された任意の好適な形状をとり得る。例示的な形状は、全円形状、半円形状、装飾的な形状、リング形状、ドット形状、などが挙げられるが、これらに限定されない。図に描画されるように、3つの軸受が利用され、各軸受は、支持体576に結合するための細長いねじ付き部分を備えた、丸み付けされたドット形状を有する。軸受580を支持体576に結合するための他の構成が想到される。軸受580が支持体576であること、又は別様にそれに結合されていることに追加的又は代替的に、軸受は、足部123であり得るか、又はそれに結合され得る。
【0074】
付勢器566は、足部123及びスタビライザ122を後退位置に付勢するように、また、足部123及びスタビライザ122が展開位置にあるときには、カート102を支持する床面又は表面561に加えられる所定量の力に寄与するように構成された1つ以上の構成要素を含み得る。
図5に描画されるように、数ある好適な構成要素の中でも特に、付勢器566は、付勢器ハウジング568と、スタビライザ122を後退又は静止位置に付勢する第1のばね570と、スタビライザ122を展開位置に付勢する第2のばね572と、を含み得る。
【0075】
付勢器ハウジング568は、任意の好適な構成をとり得る。場合によっては、付勢器ハウジング568は、第1の部分568aと、第2の部分568bと、を有し得る。
図5に描画されるように、ハウジング568の第1の部分568aは、ハウジング568の第2の部分568b内で受容されるように構成され得る。付勢器ハウジング568の第1の部分568a及び第2の部分568bは、互いに対して固定され得る。代替的に、第1の部分568a及び第2の部分568bは、スタビライザ122に作用する外力、内力、又は外力及び内力の両方に応答して、互いに対して摺動するように、又は別様に調節するように構成され得る。ハウジング568の他の構成が想到される。
【0076】
付勢器566の第1のばね570は、付勢器ハウジング568に対して任意の好適な場所に位置付けられ得る。一例では、付勢器566の第1のばね570は、全体的に又は少なくとも部分的に付勢器ハウジング568の外側にあり得(例えば、第1のばね570は、付勢器ハウジング568の外側に沿って延在し得る)、また、矢印D2の方向に(例えば、表面561から、表面561に対して実質的に垂直な方向に離れるように)付勢器ハウジング568に作用することによって、スタビライザ122を後退位置に付勢するように構成され得る。必須ではないが、第1のばね570は、カート102の基部の表面130とハウジング568の第2の部分568bとの間に延在し得る。かかる構成では、第1のばね570は、基部130及び付勢器ハウジング568に作用して、スタビライザ122を後退又は静止位置に付勢し得る。
【0077】
付勢器566の第2のばね572は、付勢器ハウジング568に対して任意の好適な場所に位置付けられ得る。一例では、付勢器566の第2のばね572は、全体的に又は少なくとも部分的に付勢器ハウジング568の内側にあり得(例えば、第2のばね572は、付勢器ハウジング568の内側に沿って延在し得る)、また、矢印D1の方向に(例えば、表面561から、表面561に対して実質的垂直な方向に向かうように)支持体又はプレート574に作用することによって、スタビライザ122を展開位置に付勢するように構成され得る。必須ではないが、第2のばね572は、付勢器ハウジング568の第2の部分568b(例えば、第2の部分568bの内面)と、付勢器ハウジング568内でロッド564の周りに延在する付勢器ハウジング568又はプレート574の第1の部分568aとの間に延在し得る。第2のばね572が付勢器ハウジング568の第2の部分568bと支持体又はプレート574との間に延在する構成では、スタビライザ122が展開位置にあるときに、第2のばね572が付勢器ハウジング568及び支持体又はプレート574に作用して、床面又は他の表面561に加えられてカート102を安定させる所定量の力に寄与し得る。
【0078】
第1のばね570及び第2のばね572は、任意の好適な形状又は構成を有し得る。一例では、第2のばね572は、第1のばね570よりも小さい直径を有し得、第2のばね572は、第1のばね570よりも長い弛緩状態を有し、第1のばね570及び第2のばね572は、1つ以上の他の同様の又は異なる構成を有し得るが、これは必須ではない。
【0079】
第1のばね570及び第2のばね572は、各々、任意の好適なばね定数を有し得る。ばね定数は、カート102上の機器の質量、カート102の質量、第1のばね570と第2のばね572との間の所望の相対ばね定数、アクチュエータ124が打ち勝ち得る力の量、スタビライザ122によって床面又は表面561に加えられる所望の力の量、などが挙げられるが、これらに限定されない、様々な要因のうちの1つ以上に基づいて決定、選択、又は設定され得る。一例では、第1のばね570のばね定数は、第1のばね570がスタビライザ122を後退位置から、スタビライザ122が床面又は表面561と接触する位置まで前進させるために必要な力の量(例えば、アクチュエータ124が力アプリケータ126に加える力の量)に寄与するように、第2のばね572のばね定数よりも小さくなり得る。第2のばね572のばね定数は、第2のばね572のばね定数が、スタビライザ122が床面又は表面561と接触した後に、展開構成にあるスタビライザ122によって床面又は表面561に加えられるある量の力に寄与し得るように、第1のばね570のばね定数よりも大きくなり得る。
【0080】
図5に描画されるように、スタビライザ122が後退又は静止位置にあるときには、第1のばね570が付勢器ハウジング568の基部130と第2の部分568bとの間に拡張して、長さS1を有する。スタビライザ122の後退又は静止位置では、第2のばね572が付勢器ハウジング568の第2の部分568bとプレート574との間に延在して、長さS2を有する。アクチュエータ124は、スタビライザ122が後退又は静止位置にあるときにS3の長さを有する。
【0081】
図6及び
図7に関して下で考察されるように、スタビライザ122は、アクチュエータ124の作動に応答して、後退又は静止位置から展開位置へと移行し得る。後退又は静止位置と展開位置との間で移行させるための他の好適な構成が想到される。
【0082】
図6及び
図7は、カートのスタビライザ122の(例えば、
図5に描画されるような)後退又は静止位置から(例えば、
図7に描画されるような)完全展開位置への移行を表す。スタビライザ122は、アクチュエータ124の調節に応答して後退又は静止位置から完全展開位置へと移行するが、他の構成が想到される。
【0083】
図6のカートアセンブリ100の断面図は、数ある特徴の中でも特に、後退又は静止位置と、アクチュエータ124が(
図5のような)S3の長さから長さS3よりも短いS3’の長さに調節された完全展開位置との間の移行位置にあるスタビライザ122を描画している。アクチュエータ124を調節する際に、アクチュエータ124は、力アプリケータ126及びスタビライザ122を床面又は他の表面561に向かって矢印D1の方向に引き下げる。スタビライザ122が後退位置から展開位置へと移動するとき、スタビライザ122の各足部123は、最初は力アプリケータ126及び付勢器ハウジング568と共に並進し得る。すなわち、移行位置に調節する際に、アクチュエータ124は、第1のばね570の付勢力に少なくとも部分的に打ち勝って、第1のばね570に、長さS1よりも短い、低減された長さS1’を有させる。この時点で、第2のばね572は、長さS2に等しい又は実質的に等しいS2’の長さを有し、足部123は、足部123が床面又は他の表面561から離間された、部分的展開状態にある。
【0084】
図7のカートアセンブリ100の断面図は、数ある特徴の中でも特に、アクチュエータ124が所望の位置に調節された完全展開位置にあり、それにより、アクチュエータ124の長さが、(
図5のような)S3の長さから、長さS3及びS3’よりも短いS3’’の長さに変化した、スタビライザ122を描画している。場合によっては、完全展開位置にあるアクチュエータ124の位置は、床面又は他の表面561に加えられるべき既知の力の量を生じさせるようにスタビライザの構成と併せて構成される、所定の直線位置であり得る。かかる展開は、力センサ又は他のセンサを考慮せずに行うことができ、システムを簡素化することができる。代替的又は追加的に、アクチュエータ124の位置は、アクチュエータ124が調節されるときに足部123によって床面又は他の表面561に加えられた力の測定値又は感知値に応答して決定され得る。例えば、アクチュエータ124は、足部123によって所望の(例えば、所定の又は他の)力の量が床面又は他の表面561に加えられるまで調節され得るが、これは必須ではない。アクチュエータ124を所定の直線位置まで駆動して、床面又は他の表面561に加えられる既知の力の量を生じさせることは、所望の安定化力が支持面に加えられるまでコントローラを利用してアクチュエータを調節し得る他の安定化システムを通じて、スタビライザシステム104の制御を簡素化し得る。
【0085】
完全展開位置に調節する際に、アクチュエータ124は、第1のばね570の付勢力に打ち勝ち得、所定の直線位置になったときに、第1のばね570に、長さS1及びS1’よりも短く、スタビライザ122の足部123が床面又は他の表面561に接触する、更に低減された長さS1’’を有させる。スタビライザ122の足部123が床面又は他の表面561に接触した時点で、足部123、又は足部123に間接的又は直接的に結合されたロッド564、支持体若しくはプレート574、第2のばね572、又はそれらの組み合わせなどの構成要素のうちの1つ以上は、アクチュエータ124が所定の直線位置になり、かつ足部123によって所定量の力が床面又は他の表面561に加えられるまで、
図7に描画されるように、力アプリケータ126及び付勢器ハウジング568に対して調節(例えば、並進)され得る。一例では、ロッド564、支持プレート574、及び第2のばね572は、所定量の力が床面他の表面561に加えられるまで、力アプリケータ126及び付勢器ハウジング568に対して調節され得る。すなわち、足部123が床面又は他の表面561に接触し、アクチュエータ124が所定の直線位置になった時点で、第2のばね572は、長さS2及びS2’よりも短く、足部123が床面又は他の表面561に接触してそこに所望の力の量を加えてカート102を所望の場所で安定させる、S2’’の長さに圧縮され得る。
【0086】
場合によっては、床面又は表面561に加えられる所望の又は力の所定量は、全体的に又は少なくとも部分的に第2のばね572のばね定数に依存し得る。一例では、床面又は表面561に加えられる力の所定量は、第2のばねのばね定数、及び足部123が床面又は表面561に接触した後にアクチュエータ124が進行する距離に依存し得るが、これは必須ではない。
【0087】
考察されたように、アクチュエータ124は、スタビライザ122を後退又は静止位置と展開位置との間で移動させるように調節され得る。場合によっては、アクチュエータ124は、静止又は後退位置(例えば、非展開位置)と関連付けられた第1の所定の位置と、スタビライザ122の展開位置と関連付けられた第2の所定の位置との間で調節するように構成され得る。スタビライザ122の展開位置と関連付けられたアクチュエータ124の第2の所定の位置は、展開位置においてスタビライザ122の足部123が床面若しくは他の表面561に加える力の量から独立した、又はそれに関係のない場所であり得る。例えば、アクチュエータ124の第2の所定の位置は、スタビライザ122の足部123を床面又は表面561に接触させるように設定され得、足部123が床面又は表面561と接触した時点で、第2のばね572のばね定数によって生じた力が、足部123に、所定量の力を床面又は他の表面561に加えさせ得る。すなわち、床面にスタビライザ122によって加えられている力の量にかかわらず、アクチュエータ124は、スタビライザ122を後退位置と展開位置との間で駆動し得る。スタビライザ122に対するアクチュエータ124のかかる構成は、スタビライザ122が展開されるたびにアクチュエータ124を単一の、既知の、又は所定の位置に調節することのみを必要とするので、アクチュエータ124及びスタビライザ122の簡素化された制御を可能にし得る。
【0088】
アクチュエータ124は、(例えば、レバー又は他の機械的機構の調節に応答して)手動で、又はユーザ選択によって手動で開始された又は自動的に開始された制御信号に応答して自動化された様式で調節され得る。しかしながら、場合によっては、(例えば、非常事態に応答して、又は1つ以上の他の好適な目的のために、カートを手術部位から離れるように移動させるのを容易にするために)迅速にスタビライザを展開位置から解除することが望ましくなり得る。スタビライザ122の迅速な又は非常解除を容易にするために、非常解除部128は作動され得る。一例では、非常解除部128は、スタビライザ122が(例えば、
図7に描画されるような)完全展開位置にある第1の位置から、スタビライザ122を後退位置まで矢印D2の第2の方向に後退させる、又は別様にそれをもたらす(例えば、
図8に描画されるような)第2の位置まで作動される、機械的解除部であり得る。
図8に描画される構成では、非常解除部128は、矢印Aの方向に回転し得るが、押しボタンが挙げられるがこれに限定されない非常解除の他の構成が想到される。
【0089】
非常解除部128は、(例えば、レバー若しくは他の機械的機構の調節に応答して)手動で調節され得るか、ユーザ選択によって、自動的に開始されるか若しくは手動で開始される制御信号に応答して、自動化された様式で調節され得るか、又は手動で若しくは自動化された様式で調節されるように構成され得る。非常解除部128は、手動で調節されるように構成された場合、非常解除部128を作動させるのを容易にするように、ユーザの手若しくは足、又は他の好適な構成要素によって係合され得る、把持部分578を含む。
【0090】
非常解除部128は、任意の好適な様式でスタビライザ122を後退位置に移動させるのを容易にし得る、スタビライザ122のアクチュエータ124又は他の構成要素に接続又は結合され得る。一例では、非常解除部128は、機械的に、電気的に、又は機械的及び電気的の両方でアクチュエータ124に接続又は結合され得、それにより、非常解除部128の作動が、スタビライザシステム104のアクチュエータ124又は他の好適な構成要素を、アクチュエータ124が長さS3’’を有する作動位置から弛緩位置まで機械的に解除させ、スタビライザ122を、
図8に描画されるように、第1のばねが長さS1’’を有し、かつ第2のばねが長さS2’’を有する展開位置から、後退位置まで自動的に移動させ、それにより、第1のばね570が長さS1を有し、第2のばね572が長さS2を有し、アクチュエータが長さS3を有する。
【0091】
以下に定義される用語については、特許請求の範囲又は本明細書の他の箇所において異なる定義が与えられない限り、これらの定義が適用されるものとする。
【0092】
全ての数値は、本明細書において、明示的に示されているか否かにかかわらず、「約」という用語によって修飾されると想定される。「約」という用語は、概して、当業者が列挙された値と等しい(例えば、同じ機能又は結果を有する)と考えるであろう数の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められる数を含み得る。
【0093】
端点による数値範囲の列挙は、その範囲内の全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
【0094】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、「又は」という用語は、概して、内容が明らかに別のことを指示しない限り、「及び/又は」を含む意味で使用される。
【0095】
本明細書における「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、説明される実施形態が1つ以上の特定の特徴、構造、及び/又は特性を含み得ることを示すことに留意されたい。しかしながら、そのような列挙は、全ての実施形態が特定の特徴、構造、及び/又は特性を含むことを必ずしも意味しない。加えて、特定の特徴、構造、及び/又は特性が一実施形態と関連して説明されるとき、そのような特徴、構造、及び/又は特性はまた、明確に反対に述べられない限り、明示的に説明されるか否かにかかわらず、他の実施形態と関連しても使用され得ることを理解されたい。
【0096】
上記の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、異なる図面の同様の要素は、同様の番号を有する。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、例示的な実施形態を描画し、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0097】
本開示は、多くの点で例示的なものにすぎないことを理解されたい。本開示の範囲を超えることなく、詳細に、特に形状、サイズ、及びステップの配置に関して変更が行われ得る。これは、適切である範囲まで、他の実施形態で使用される1つの例示的な実施形態の特徴のいずれかの使用を含み得る。当然ながら、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセンブリであって、
床面に接触するように構成されたロックキャスタ車輪を有する外科用カート、
スタビライザであって、
足部であって、前記足部が展開位置にあって前記床面に接触しているときに前記外科用カートの移動に抵抗するように構成された、足部と、
前記足部を後退位置に付勢し、前記足部が前記展開位置にあるときには、前記床面に加えられる所定量の力に寄与するように構成された付勢器と、を備える、スタビライザ、
前記スタビライザを前記展開位置に向かって駆動するように構成されたアクチュエータ、を備え、
前記アクチュエータの作動が、前記スタビライザを、前記展開位置に調節させて、前記所定量の力を前記床面に加えさせる、アセンブリ。
【請求項2】
前記付勢器が、
前記スタビライザを前記後退位置に付勢する第1のばねと、
前記スタビライザを前記展開位置に付勢する第2のばねと、を備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記付勢器が、
ハウジングを備え、前記第1のばねが前記ハウジングの外側に沿って延在し、前記第2のばねが前記ハウジングの内側に沿って延在している、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記外科用カートが、外科用カート基部を備え、
前記付勢器が、
付勢器ハウジングと、
前記外科用カート基部及び前記付勢器ハウジングに作用して前記スタビライザを前記後退位置に付勢するように構成されたばねと、を備える、請求項
1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記スタビライザが、
ロッドと、
前記ロッドに対して固定されたプレートと、
前記ロッドに接続され、前記スタビライザが前記展開位置にあるときに前記床面に接触するように構成された足部と、を備え、
前記付勢器が、
付勢器ハウジングと、
前記付勢器ハウジング内に延在するばねと、を備え、
前記ばねが、前記付勢器ハウジング及び前記プレートに作用して、前記スタビライザが前記展開位置にあるときに前記床面に加えられる前記所定量の力に寄与するように構成されている、請求項
1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記スタビライザが前記展開位置にあるときに前記床面に加えられる力の量を直接的又は間接的に測定するように構成された力センサを更に備える、請求項
1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記スタビライザが前記展開位置にあるときに前記床面に加えられる前記所定量の力が、前記床面から前記外科用カートを持ち上げるのに必要な力よりも小さい、請求項
1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記スタビライザが前記展開位置にあるときに前記床面に加えられる力の前記所定量が、80ポンドの力~100ポンドの力の範囲内である、請求項
1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記スタビライザが、第1のスタビライザであり、
前記アセンブリが、前記第1のスタビライザから離間された第2のスタビライザを更に備え、
前記アクチュエータが、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザを前記展開位置に向かって同時に駆動するように構成されている、請求項
1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
機械的解除部を更に備え、前記機械的解除部が、前記アクチュエータを機械的に係合解除して、前記スタビライザを前記展開位置から前記後退位置まで移動させるように構成されている、請求項
1に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記アクチュエータが、前記スタビライザによって前記床面に加えられている力の量にかかわらず、前記スタビライザを前記後退位置と前記展開位置との間で駆動するように構成されている、請求項
1に記載のアセンブリ。
【請求項12】
システムであって、
車輪上の外科用カートを安定させるための第1のスタビライザ及び第2のスタビライザと、
前記第1のスタビライザと前記第2のスタビライザとの間に延在する力アプリケータと、
前記力アプリケータを引き下げて、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザを後退位置から展開位置まで移動させるように構成されたリニアアクチュエータと、を備える、システム。
【請求項13】
前記力アプリケータが、
前記第1のスタビライザと相互作用する第1の端部と、
前記第2のスタビライザと相互作用する第2の端部と、
前記リニアアクチュエータに結合されている、前記第1の端部と前記第2の端部との間の部分と、を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記力アプリケータが、前記リニアアクチュエータと、前記第1のスタビライザと、前記第2のスタビライザとの間に延在しており、
前記リニアアクチュエータが、前記外科用カートを支持する床面に向かって前記力アプリケータを引っ張って、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザを前記展開位置に向かって移動させるように配置されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザの各々は、
前記スタビライザが前記展開位置にあるときに床面に接触して前記外科用カートを支持するように構成された足部と、
前記スタビライザを前記後退位置に付勢し、前記展開位置においては、前記足部が前記床面に加えるある量の力に寄与するように構成された付勢器と、を備える、請求項1
2に記載のシステム。
【請求項16】
各スタビライザの前記足部が、前記スタビライザが前記後退位置から前記展開位置へと移動しているとき、最初は前記力アプリケータ及び前記付勢器
の付勢器ハウジングと共に並進し、各スタビライザの前記足部が前記床面に接触したら、前記力アプリケータ及び前記付勢器ハウジングに対して並進するように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記リニアアクチュエータは、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザの前記足部が前記展開位置において前記床面に加える力の量にかかわらず、前記後退位置と関連付けられた第1の所定の位置と、前記展開位置と関連付けられた第2の所定の位置との間で調節するように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記リニアアクチュエータと通信する力センサであって、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザが前記展開位置にあるときに、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザが前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザに接触している床面に加える力を示す力を感知するように構成されている、力センサと、
前記力センサによって検出された力の量に基づいて、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザの展開を成功又は失敗として分類するように構成されたコントローラと、を更に備える、請求項1
2に記載のシステム。
【請求項19】
アセンブリであって、
ロボットアームを支持し、かつロックキャスタを有する外科用カートと、
前記外科用カートによって支持され、かつ第1の付勢器及び第1の足部を有する第1のスタビライザと、
前記外科用カートによって支持され、かつ第2の付勢器及び第2の足部を有する第2のスタビライザと、
第1の位置と第2の位置との間で調節するように構成されたアクチュエータと、
前記アクチュエータからの力を前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザに加えるように構成された力アプリケータと、を備え、
前記第1の位置から前記第2の位置への前記アクチュエータの調節が、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザを後退位置から展開位置まで移動させ、
各足部は、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザが前記後退位置から前記展開位置へと移動しているときには、最初は前記力アプリケータと共に並進し、次いで、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザが前記後退位置から前記展開位置へと移動しているときには、前記力アプリケータに対して並進するように構成されており、
前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザは、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザが前記展開位置にあるとき、前記外科用カートを安定させるように構成されている、アセンブリ。
【請求項20】
前記アクチュエータが、前記第1のスタビライザ及び前記第2のスタビライザによって前記外科用カートを支持する床面に加えられている力の量にかかわらず、前記第1の位置と前記第2の位置との間で直線的に調節するように構成されたリニアアクチュエータである、請求項19に記載のアセンブリ。
【国際調査報告】