(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】人工インプラント用ドッキングステーション
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513445
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 US2022041991
(87)【国際公開番号】W WO2023034266
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アリソン・ルイーズ・ロドリゲス
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ポール・シェファー
(72)【発明者】
【氏名】アブドルーマン・エム・ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ジェイ・デロシアーズ
(72)【発明者】
【氏名】レイチェル・クリスティン・リーコック
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー・マイケル・ロメロ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC02
4C097CC05
4C097CC14
4C097DD10
4C097EE06
4C097EE08
4C097EE09
4C097SB03
(57)【要約】
人工インプラント用のドッキングステーションは、フレームを含む。フレームは、一つ以上の組織係合要素を含み、一部の実施例は、フレームの支柱によって形成されるフレームの尖部である。フレームおよび/または尖部は、埋め込み位置で自己組織と係合して、自己組織を損傷することなく、フレームの位置を保持するように構成され得る。ドッキングステーションはまた、フレームに結合された密封スカートおよび/または保護カバーを含み得る。密封スカートは、フレームを通る、および/またはその周りの逆行性血流を低減することができる。保護カバーは、自己組織への損傷を低減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工インプラント用のドッキングステーションであって、
複数の支柱を含むフレームであって、前記複数の支柱が、一つ以上の尖部を形成する、フレームと、
前記尖部上に配置された一つ以上の保護カバーであって、前記一つ以上の保護カバーが、埋め込み位置で前記フレームの前記尖部と自己組織との間に位置付けられるように構成されている、一つ以上の保護カバーと、を備える、ドッキングステーション。
【請求項2】
前記一つ以上の保護カバーが、PET、PTFE、ePTFE、またはTPUを含む、請求項1に記載のドッキングステーション。
【請求項3】
前記フレームの前記複数の支柱に結合された一つ以上の密封スカートをさらに備える、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のドッキングステーション。
【請求項4】
前記一つ以上の保護カバーが前記密封スカートと一体的に形成されている、請求項3に記載のドッキングステーション。
【請求項5】
前記一つ以上の保護カバーが、前記密封スカートとは別個の構成要素として形成されている、請求項3に記載のドッキングステーション。
【請求項6】
前記一つ以上の保護カバーのうちの少なくとも一つが、前記密封スカートと一体的に形成されている、請求項3に記載のドッキングステーション。
【請求項7】
前記一つ以上の保護カバーのうちの少なくとも一つが、前記密封スカートから別個の構成要素として形成されている、請求項3または請求項6のいずれかに記載のドッキングステーション。
【請求項8】
前記一つ以上の保護カバーが、一つ以上の縫合糸を介して前記フレームの前記複数の支柱に結合されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のドッキングステーション。
【請求項9】
前記一つ以上の尖部が、前記フレームの流入端に配置された第一の複数の尖部と、前記フレームの前記流出端に配置された第二の複数の尖部と、を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のドッキングステーション。
【請求項10】
前記複数の支柱が、前記フレームの前記流入端に隣接する第一の複数のセル、および前記フレームの前記流出端に隣接する第二の複数のセルを形成する、請求項9に記載のドッキングステーション。
【請求項11】
前記一つ以上の密封スカートが前記第一の複数のセルを完全に覆う、請求項10に記載のドッキングステーション。
【請求項12】
前記一つ以上の密封スカートが前記第二の複数のセルを完全に覆う、請求項11に記載のドッキングステーション。
【請求項13】
前記一つ以上の密封スカートが、前記第二の複数のセルの各セルのすべて以下を覆う、請求項10または請求項11のいずれかに記載のドッキングステーション。
【請求項14】
前記一つ以上の密封スカートがその中に形成される一つ以上の開口部を備える、請求項13に記載のドッキングステーション。
【請求項15】
前記一つ以上の保護カバーが、前記一つ以上の保護カバーを前記フレームに結合するように構成された、その中に形成された開口部を備える、請求項1~14のいずれか一項に記載のドッキングステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年8月31日に出願された米国仮特許出願第63/239,334号の利益を主張するものであり、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、移植可能な人工装置に関し、より具体的には、人工心臓弁用のドッキングステーションに関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトの心臓は、様々な弁膜症に罹患する可能性がある。これらの弁膜症は、心臓の深刻な機能不全を引き起こし得るものであって、最終的には、自己弁を修復することが必要となったり、自己弁を人工弁へと置換することが必要となったりすることがある。多くの既知の修復機器(例えば、ステント)および人工弁、ならびにこれらの機器および弁をヒトに埋め込む多くの既知の方法が存在する。経皮的および低侵襲的な外科的アプローチが、外科手術によって容易にはアクセス可能ではない、または外科手術を伴わないアクセスが望ましい身体の内部の場所に人工医療機器を送達するために、様々な手技において使用される。
【0004】
特定の一実施例では、人工弁を、送達装置の遠位端上に圧着状態で装着し、人工弁が心臓内の埋め込み位置に到達するまで、患者の血管系を通して(例えば、大腿動脈および大動脈を通して)前進させることができる。その後、人工弁は、例えば、人工弁が装着されているバルーンを膨張させ、人工弁に拡張力を加える機械的アクチュエータを作動させることによって、または人工弁がその機能的サイズに自己拡張することができるように、人工弁を送達装置のシースから展開することによって、その機能的サイズに拡張される。
【0005】
一部の事例では、人工弁を自己弁輪に固定することは、例えば、自己弁輪が大きすぎる場合、または自己弁の幾何学的形状が複雑すぎて弁のしっかりした埋め込みを可能にすることができない場合に、不可能であり得る。これらの場合における一つのアプローチは、まず、埋め込み位置にドッキングステーションを展開し、次に、人工弁をドッキングステーション内に取り付けることである。ドッキングステーションは、人工弁を自己弁輪内に固定するために必要なインターフェースを提供するように選択され得る。望ましくは、ドッキングステーションは、低侵襲的処置で埋め込み位置に送達することができ、これにより、人工弁を送達するために使用される同じ処置内でドッキングステーションを展開することが可能になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
患者の体内に移植され得るドッキングステーションなどの人工インプラントの例が本明細書に開示される。開示されたドッキングステーションは、例えば、自己心臓弁の弁輪内またはそれに隣接して位置付けられ、人工心臓弁を受容するように構成され得る。このようにして、ドッキングステーションは、自然の解剖学的構造に対する人工心臓弁の位置付けを保持するのに役立つ支持構造またはアンカーとして作用する。開示されたドッキングステーションは、複数の支柱を有するフレームを備えることができる。フレームは、送達構成に半径方向に圧縮可能であり、送達構成から機能構成に半径方向に拡張可能であり得る。一部の実装形態では、フレームは、自然の解剖学的構造に対してドッキングステーションを保持するのに役立つように構成された一つ以上の特徴部を含み得る。例えば、フレームは、自然の解剖学的構造の形状に対応する輪郭形状を備え得る。追加的に、または代替的に、フレームは、支柱によって形成され、自己組織と係合するように構成された一つ以上の尖部を備え得る。特定の実施例では、フレームの尖部および/または他の部分は、それに結合されたカバーを備え得る。カバーは、例えば、尖部が自己組織を損傷(例えば、穿刺および/または断裂)する可能性を防止または低減するのに役立ち得る。
【0007】
ドッキングステーションは、複数の支柱を含むフレーム(また、「ステント」または「プレステント」とも呼ばれ得る)を含み得る。支柱は、支柱が半径方向に圧縮された状態と半径方向に拡張された状態との間で移動することを可能にする様式で相互接続され得る。
【0008】
一部の実施例では、人工インプラント用のドッキングステーションは、フレームおよび一つ以上の保護カバーを含む。フレームは、複数の支柱を含み、支柱は、一つ以上の尖部を形成する。保護カバーは、尖部上に配置され、埋め込み位置でフレームの尖部と自己組織との間に位置付けられるように構成される。
【0009】
一部の実施例では、人工インプラントを支持するためのフレームは、第一の複数のセルおよび第二の複数のセルを含む。第一の複数のセルは、第一の円周方向に延在する列に配置される。第二の複数のセルは、第二の円周方向に延在する列に配置され、第二の複数のセルのセルは、第一の複数のセルのセルよりも大きい。
【0010】
一部の実施例では、ドッキングステーション用の密封スカートは、第一の部分および第二の部分を含む。第一の部分は、フレームの一つ以上のセルを覆うように構成され、第二の部分は、フレームの隣接するセルの間に延在するように構成される。
【0011】
一部の実施例では、ドッキングステーション用のフレームは、複数のセルおよび一つ以上の支持支柱を含む。複数のセルは、複数の支柱によって画定され、セルは、第一の尖部列および第二の尖部列を備える。各支持支柱は、第一の尖部列内の尖部から第二の尖部列内の尖部まで軸方向に延在する。
【0012】
一部の実施例では、ドッキングステーション用のフレームは、複数のセルを形成する複数の支柱を含む。セルは、フレームの流入端からフレームの流出端まで延在する。流出端に隣接して配置される一つ以上のセルは、半径方向に先細りしたセクションを備え、流入端に隣接して配置される一つ以上のセルは、半径方向に湾曲したセクションを備える。
【0013】
一部の実施例では、ドッキングステーション用のフレームは、流入端部分、流出端部分、および中間部分を含む。流出端部分は、第一の軸方向位置に第一の直径、および第二の軸方向位置に第二の直径を有する。第二の直径は第一の直径よりも小さい。第二の軸方向位置は、第一の軸方向位置よりもフレームの遠位端の近くに配置される。中間部分は、流入端部分と流出端部分との間に配置され、第三の軸方向位置に第三の直径を有する。第三の直径は、第一の直径および第二の直径よりも小さい。第三の軸方向位置は、第一の軸方向位置および第二の軸方向位置よりもフレームの流入端に向かってより近くに配置される。
【0014】
上記の装置は、生きた動物上で実施することができる、あるいは、死体、死体の心臓、擬人化ゴースト、シミュレータ(例えば、身体の一部、心臓、組織、等がシミュレートされる)、等のように、シミュレーション上で実施することができる移植処置の一部として使用することができる。
【0015】
本開示の様々な革新は、組み合わせて、または別々に、使用され得る。本発明の概要は、以下の発明を実施するための形態でさらに説明する様々な概念の選択を、簡略的な形態で紹介するために提供される。本概要は、特許請求される主題に関する主要な特徴または必須の特徴を特定することを意図したものではなく、また、特許請求される主題の範囲を限定するために使用することを意図したものでもない。本開示に関する上記のおよび他の、目的、特徴、ならびに利点は、以下の詳細な説明から、特許請求の範囲から、さらに添付図面から、より明瞭となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、半径方向に拡張された状態のドッキングステーションのフレームの一部分の立面図である。
【
図2】
図2は、半径方向に圧縮された状態の
図1のフレームの斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1のフレームを含むドッキングステーションの斜視図である。
【
図4】
図4は、患者の解剖学的構造内の埋め込み位置で展開された
図3のドッキングステーションの破断図である。これは、断面で概略的に図示され、その中に人工心臓弁が展開されている。
【
図5A】
図5Aは、ドッキングステーションを展開するための送達装置の斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、送達装置の外側シャフトが収縮位置にある、
図5Aの送達装置の遠位部分の立面図である。
【
図6B】
図6Bは、送達装置の外側シャフトが拡張位置にあり、破断されて、封入されたドッキングステーションを示す、
図5Aの送達装置の遠位部分の立面図である。
【
図7B】
図7Bは、ハンドルの一部分が切り取られて様々な内部構成要素を示す、
図7Aのハンドル部分の斜視図である。
【
図7C】
図7Cは、ハンドルの一部分が切り取られて様々な内部構成要素を示す、
図7Aのハンドル部分の斜視図である。
【
図8】
図8は、例示的なドッキングステーションの斜視図である。
【
図9】
図9は、
図8のフレームの流入端部分を含むドッキングステーションの斜視図である。
【
図10】
図10は、一実施例による、保護カバー部分を有する密封スカートの一部分の側面図である。
【
図11】
図11は、別の実施例による、保護カバー部分を有する密封スカートの一部分の側面図である。
【
図12】
図12は、別の実施例による、保護カバー部分を有する密封スカートの一部分の側面図である。
【
図13】
図13は、
図5Aの送達装置から部分的に展開された例示的なドッキングステーションの図を示す。
【
図14】
図14は、
図5Aの送達装置から部分的に展開された例示的なドッキングステーションの図を示す。
【
図15】
図15は、例示的なドッキングステーションの斜視図である。
【
図17】
図17は、ドッキングステーション用の別の例示的な密封スカートの一部分の平面図である。
【
図18】
図18は、例示的なドッキングステーションの側面図である。
【
図20】
図20は、ドッキングステーション用の例示的なフレームの斜視図である。
【
図21】
図21は、ドッキングステーション用の例示的なフレームの斜視図である。
【
図22A】
図22Aは、
図21のフレームを備える例示的なドッキングステーションの斜視図であり、フレームの流入尖部と同様に湾曲したフレームのコネクタタブを図示する。
【
図22B】
図22Bは、
図21のフレームを備える例示的なドッキングステーションの斜視図であり、フレームの流入尖部に対して半径方向に外向きに広がるフレームのコネクタタブを図示する。
【
図23】
図23は、ドッキングステーション用の例示的なフレームの側面図である。
【
図25】
図25は、ドッキングステーション用の例示的なフレームの側面図である。
【
図26B】
図26Bは、
図25および26Aに示すフレームと比較するための、フレームの湾曲した端部分の概略図である。
【
図29】
図29は、ドッキングステーション用の例示的なフレームの側面図である。
【
図31】
図31は、別の例示的なドッキングステーションの斜視図である。
【
図32】
図32は、
図31に図示するドッキングステーションのフレームの尖部のための例示的な構成を示す表である。
【
図33】
図33は、ドッキングステーション用の例示的なフレームの端部分を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
一般的な考慮事項
本明細書の目的のために、本開示の例における特定の態様、利点、および新規な特徴について、本明細書で説明する。説明する方法、装置、およびシステムは、いかようにも限定的なものとして解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、互いの様々な組合せで、および互いの様々な下位組合せで、様々な開示する例に関する、すべての新規かつ非自明な、特徴および態様を対象とする。方法、装置、およびシステムが、任意の特定の態様若しくは特徴、またはそれらの組合せに限定されることもなく、開示される実施例が、任意の一つ以上の特定の利点が存在すること、または問題が解決されることを必要とすることもない。
【0018】
開示される実施例のいくつかの操作が、提示の便宜上、特定の連続的な順序で記載されるが、以下に記載される特定の言葉によって特定の順序が要求されない限り、この記載方法が並べ替えを包含することは、理解されるべきである。例えば、順次的に説明する操作は、場合によっては、並べ替えられてもよく、または同時に実行されてもよい。その上、簡略化のために、添付図面は、開示する方法を他の方法と組み合わせて使用し得る様々な態様を示していないことがあり得る。追加的に、説明では、開示する方法を記述するために、時に、「提供する」または「達成する」などの用語を使用する。これらの用語は、実行される実際の操作に関する高レベルの抽象概念である。これらの用語に対応した実際の操作は、特定の実装形態によって相違し得るものであって、当業者であれば容易に認識可能である。
【0019】
簡潔さのため、および説明の連続性のために、同じまたは類似の参照文字は、異なる図の同じまたは類似の要素に使用されることがあり、一つの図の中の要素の説明は、要素が同じまたは類似の参照文字を有する他の図に現れるとき、持ち越されるとみなされる。一部の事例では、「に対応する」という用語は、異なる図の要素間の対応を記述するために使用され得る。使用例において、第一の図の中の要素が第二の図の中の別の要素に対応するものとして記述される場合、第一の図の中の要素は、別段の記載がない限り、第二の図の中の他の要素の特徴を有するとみなされ、その逆も同様である。
【0020】
本出願および特許請求の範囲で使用した際には、「一つの(a)」、「一つの(an)」、「その(the)」という単数形は、文脈が別段のことを明確に記述しない限り、複数形を含む。「備える(comprise)」という語、ならびに「備える(comprises)」および「備える(comprising)」などのその派生語は、オープンで、包括的な意味で、すなわち「含むがこれに限定されない(including, but not limited to)」と解釈されるべきである。追加的に、「含む(includes)」という用語は、「備える(comprises)」ことを意味する。さらに、「結合する(coupled)」という用語は、一般に、物理的に、機械的に、化学的に、磁気的に、および/または電気的に、結合あるいは連結することを意味するものであり、特定の反対の文言がない限り、結合されたまたは関連付けられた部材どうしの間における中間介在要素の存在を排除するものではない。
【0021】
本明細書で使用した際には、「近位」という用語は、ユーザに対してより近くであり、かつ、埋め込み部位から離間している、デバイスの位置、方向、または部分を指す。本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、ユーザからより遠く離間しており、かつ、埋め込み部位に対してより近くである、デバイスの位置、方向、または部分を指す。よって、例えば、デバイスの近位移動とは、デバイスが埋め込み部位から離間して、ユーザへと向かう(例えば、患者の身体外へと向かう)移動であり、他方、デバイスの遠位移動とは、デバイスがユーザから離間して、埋め込み部位へと向かう(例えば、患者の体内へと向かう)移動である。「長手方向」および「軸方向」という用語は、別段に明示的に定義されない限り、近位方向におよび遠位方向に延びた軸を指す。
【0022】
本明細書で使用される場合、「シミュレーション」という用語は、死体、死体の心臓、擬人化ゴースト、および/またはコンピュータシミュレータ(例えば、シミュレーション対象の身体部分、組織)を動作させることを意味する。
【0023】
開示する技術に対する導入
上述のように、本明細書で開示されたドッキングステーションは、複数の支柱を有するフレームを備えることができる。フレームの支柱は、一部の実例では、フレームの流入端および/または流出端に一つ以上の尖部を形成することができる。一部の実装形態では、フレームは、自然の解剖学的構造に対してドッキングステーションを保持するのに役立つように構成された一つ以上の特徴部を含み得る。例えば、フレームは、自然の解剖学的構造の形状に対応する輪郭形状(例えば、砂時計の形状)を備え得る。追加的または代替的に、フレームの尖部は、自己組織と係合して、自己組織に対するドッキングステーションの移動を防止または低減するのに役立つことができる。
【0024】
フレーム(例えば、尖部)と自己組織との間の係合は、自己組織に対するドッキングステーションの移動を防止するために有益であり得るが、フレームが自己組織と係合する程度を制御する上でも有益であり得る。例えば、フレームと自己組織との間の係合を制限または低減することは、例えば、フレームが自己組織を穿刺、断裂、および/またはその他の方法で損傷するのを防止するのに役立ち得る。
【0025】
したがって、本明細書において、ドッキングステーションが、自然の解剖学的構造に対して十分な移動の防止を有し、一方で組織損傷の可能性も低減することを可能にするように構成された、様々なフレーム構成(例えば、形状)および/または他の特徴部が開示される。例えば、本明細書に開示されるドッキングステーションは、フレーム(例えば、尖部)が自己組織を損傷する可能性を防止または低減するように構成された一つ以上のカバーおよび/またはフレーム形状を備え得る。
【0026】
開示される技術の実施例
ここで図面を参照すると、
図1は、ドッキングステーションの本体を形成することができるフレーム100(またはステント)の例示的な実施を示す。フレーム100は、第一の端104および第二の端108を有する。一部の実施例では、第一の端104は流入端であり得、第二の端108は流出端であり得る。一部の実施例では、第一の端104は流出端であり得、第二の端108は流入端であり得る。「流入」および「流出」という用語は、フレームを通る血流の正常な方向(例えば、順行性血流)に関連する。
図1に示すフレーム100の制約のない拡張状態では、第一の端104と第二の端108との間のフレーム100の比較的より狭い部分(またはくびれ)112が、弁座116を形成する。フレーム100は、送達装置による埋め込み位置への送達のために圧縮され得る(
図2に図示するように)。
【0027】
ドッキングステーション、送達装置、人工心臓弁、および/または方法は、特定の埋め込み位置(例えば、肺動脈弁)および/または特定の送達アプローチ(例えば、経大腿)に関して本明細書に記述されているが、本明細書に開示される装置および方法は、様々な他の埋め込み位置(例えば、大動脈弁、僧帽弁、および三尖弁)および/または送達アプローチ(例えば、経心尖部、経中隔)に適合され得る。
【0028】
図1によって図示された実施例では、フレーム100は、セル124を形成するように配置された複数の支柱120を含む。支柱120の端は、フレーム100の端の尖部128を形成する。尖部128のうちの一つ以上は、コネクタタブ132を含み得る。尖部128と弁座116(またはくびれ112)との間の支柱120の部分は、フレーム100の封止部分130を形成する。
図1に図示したフレーム100の制約のない拡張状態では、尖部128は、概して半径方向に外向きに延在し、弁座116の半径方向に外向きである。
【0029】
フレーム100は、解剖学的構造における大きな変化に対応するために、高弾性または適合する材料から作製することができる。例えば、フレーム100は、可撓性の金属、金属合金、ポリマー、またはオープンセルフォームで作製することができる。高弾性金属の例としては、ニッケルとチタンの金属合金であるニチノールがあるが、他の金属および高弾性または適合する非金属材料が使用され得る。フレーム100は、自己拡張、手動で拡張可能(例えば、バルーンを介して拡張可能)、または機械的に拡張可能であり得る。自己拡張フレームは、例えば、ニチノールなどの形状記憶材料から作製され得る。このようにして、フレームは、
図2に図示するように(例えば、圧着装置を介して)半径方向に圧縮され得、
図1に図示する構成に半径方向に拡張し得る。
【0030】
図3は、フレーム100と、フレーム内に配置された密封スカート140と、を含む、例示的なドッキングステーション136を示す。密封スカート140は、フレーム100に(例えば、縫合糸144によって)取り付けられる。
図3によって図示された実施例では、密封スカート140は、少なくとも、フレーム100の封止部分130のセル124を覆う。このような方法で、密封スカート140は、近位流入端104から弁座116(および弁座に取り付けられたら、弁)へと、ドッキングステーション136内に血液を流れ込ませるのに役立ち得る。密封スカートは、追加的または代替的に、ステント周囲の漏出(例えば、ドッキングステーションと自己組織との間の逆行性血流および/または弁周囲漏出(例えば、人工心臓弁とドッキングステーションとの間の逆行性血流)を防止または低減するのに役立ち得る。図示した実施例では、遠位流出端108に近接するセルの列は、密封スカート140によって覆われていない。覆われていないセルは、血液がフレームの遠位側を通って流れることを可能にし、および/または(例えば、例えば、移植処置中および/または二次介入中に、別の血管内装置(例えば、カテーテル、ワイヤなど)を通過させるために)左右の肺動脈分枝へのカテーテルアクセスを可能にし得る。
【0031】
密封スカート140は、血液に対して不透過性である布とすることができる。様々な生体適合性材料を密封スカート140用に使用でき、例えば、血液に対して不浸透性のコーティングで処理された発泡体もしくは布、ポリエステル材料、または処理された生物学的材料(心膜など)などである。一部の実施例では、密封スカート140は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、延伸ポリテトラフルオレン(ePTFE)、および/または熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含むポリマー材料を含むことができる。
【0032】
ドッキングステーション136は、フレーム100のくびれ112の周りに延在する(またはくびれと一体的な)バンド146を含み得る。バンド146は、弁座116の拡張を、展開状態の特定の直径に制約して、弁座116が特定の弁サイズを支持することを可能にすることができる。バンド146は、多種多様な異なる形態を取ることができ、多種多様な異なる材料で作製することができる。例えば、バンド146は、PET、一つ以上の縫合糸、布、金属、ポリマー、生体適合性テープ、または当技術分野で既知であり、かつ弁座116の形状を維持し得る、他の比較的拡張不可能な材料から作製され得る。
【0033】
図4は、自己弁輪148内で展開状態にあるドッキングステーション136を示す(概略的に示す)。見ることができる通り、ドッキングステーション136のフレーム100は、拡張された状態にあり、フレームの端部分は、自己弁輪の内側表面152に押し付けられる。バンド146(
図3に示す)は、フレーム100の拡張された状態で、弁座116を一定または実質的に一定の直径に維持することができる。
図4はまた、ドッキングステーション136内に展開され、ドッキングステーション136の弁座116と係合する、人工弁200を示す。人工弁200は、まず、ドッキングステーション136を埋め込み位置に展開し、次いで、ドッキングステーション内に人工弁を設置することによって埋め込むことができる。
【0034】
人工弁200は、自己心臓弁(例えば、大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、および/または三尖弁)を置き換えるように構成され得る。一実施例では、人工弁200は、フレーム204と、フレーム204内に配置され、フレーム204に取り付けられる弁膜構造208とを含み得る。弁膜構造208は、心臓の拡張期および収縮期の間、開状態と閉状態との間を循環する、一つ以上の弁尖212を含み得る。フレーム204は、ドッキングステーション136のフレーム100について記載したフレーム材料から作製することができる。弁尖212は、心膜組織(例えば、ウシ心膜組織)、生体適合性合成材料、または当技術分野で既知の様々な他の好適な天然材料もしくは合成材料から全体または部分的に作製することができる。
【0035】
ドッキングステーション136は、
図4に図示した人工弁200の特定の実施例での使用に限定されない。例えば、機械的に拡張可能な人工弁は、ドッキングステーション136内に取り付けられてもよい。例示的な機械的に拡張可能な人工弁は、米国特許第10,603,165号および第10,806,573号ならびに国際特許出願第PCT/US2019/056865号および第PCT/US2020/040318号は、参照により本明細書に組み込まれる。ドッキングステーションおよび人工弁に関する追加情報は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,363,130号に見出すことができる。
【0036】
図5Aは、ドッキングステーションを埋め込み位置に送達するために使用できる例示的な送達装置300を示す。送達装置300は概して、ハンドル302と、ハンドル302に結合され、ハンドル302から遠位に延在するシャフト組立品303とを含む。シャフト組立品303は、内側シャフト305および外側シャフト309を含む。内側シャフト305は、外側シャフト309の内腔を通って延在する。
【0037】
図5Aによって図示された実施例では、フレームコネクタ400は、内側シャフト305に結合される。ドッキングステーション136は、
図5Bに示すように、フレームコネクタ400から遠位に延在する内側シャフト305の一部分の周りに配置され得る。一実施例では、フレームコネクタ400は、ドッキングステーション136の近位端で一つ以上のコネクタタブ132を受けそれによってドッキングステーション136を軸方向に抑制することができる、一つ以上の凹部を含む。
【0038】
ノーズコーン317は、内側シャフト305の遠位端に取り付けられ得る。ノーズコーン317は、ガイドワイヤを受けるための中央開口部319を含む。このように、ガイドワイヤの近位端は、中央開口部319内に、内側シャフト305を通って挿入されてもよく、送達装置300の遠位端部分は、患者の血管系を通して、および埋め込み位置にガイドワイヤにわたって前進させられてもよい。ガイドワイヤは、患者の血管系を通した送達装置の前進中に、ノーズコーン317を通って内側シャフト305内に通過することができる。
【0039】
ハンドル302は、内側シャフト305に対して外側シャフト309を動かすように、概して拡張位置と収縮位置との間で動作してもよい。ハンドル302は、外側シャフト309をフレームコネクタ400の上に、およびフレームコネクタ400に結合された任意のドッキングステーションの上に摺動させて、ドッキングステーションを外側シャフト309内に封入するように、拡張され得る。外側シャフト309がドッキングステーション136の上に摺動するにつれて、外側シャフト309は、ドッキングステーションが外側シャフト309内に圧縮状態で封入されるように、ドッキングステーション136を圧縮することができる。完全に拡張した位置では、外側シャフト309の遠位端は、送達組立品にギャップがないように、ノーズコーン317の近位端に当接し得る。追加的にまたは代替的に、圧着装置を使用して、ドッキングステーションを、それが送達装置の外側シャフトに挿入され得るように、半径方向に圧縮し得る。
【0040】
図6A~7Cは、解剖学的構造内の埋め込み位置にドッキングステーションを展開する方法を示す。説明の目的で、患者の解剖学的構造は省略する。
図6Aでは、方法は、内側シャフト305へのドッキングステーション136の装填を可能にするために、送達装置のハンドルによって外側シャフト309を引き込むことを含む。
図6Bでは、方法は、内側シャフト305の周りにドッキングステーション136を配置し、ドッキングステーション136のコネクタタブ132の各々をフレームコネクタ400と係合することを含む。方法はまた、ドッキングステーションがその中に封入されるように、外側シャフト309をドッキングステーション上に位置付けることを含む。これは、送達装置のハンドルを操作することによって達成することができる。
図6Bに示すように、外側シャフト309の遠位端は、ノーズコーン317の近位端に当接する。方法は、ノーズコーン317端から患者の血管系内に送達装置を挿入すること、および患者の血管系を通して送達装置を埋め込み位置に前進させることを含む。
【0041】
埋め込み位置において、方法は、外側シャフト309を送達装置のハンドルによって引き込んで、ドッキングステーション136を露出させることを含む。
図6C~6Fは、外側シャフト309を引き込む異なる段階を示す。見ることができる通り、ドッキングステーション136が自己拡張する場合、ドッキングステーション136は外側シャフト309から徐々に出、外側シャフト309が引き込まれるにつれて、圧縮状態から徐々に拡張する。外側シャフト309が十分に引き込まれると、コネクタタブ132は、フレームコネクタ400から係合解除される。ドッキングステーション136がフレームコネクタ400から係合解除されると、ドッキングステーション136は半径方向に拡張して解剖学的構造と係合することができる。
【0042】
図7A~7Cは、送達装置のハンドル302の例示的な実装形態を示す。ハンドル302は、ハンドル本体304と、ハンドル本体に結合され、かつハンドル本体内に部分的に配置される展開機構306とを含む。ハンドル本体304は、近位端308、遠位端312、および近位端308から遠位端312へ延在するキャビティ316を含む。ハンドル302は、近位端308から遠位端312へ延在する長手方向軸315を含む。長手方向軸315は、ハンドルの軸方向を画定する。
【0043】
ハンドル本体304は、キャビティ316を有する一体成形の本体とすることができる。代替的に、ハンドル本体304は、キャビティ316を形成するために一緒に組み立てることができる二つの本体部分品304a、304bを有し得る。例えば、第一の本体部分品304bは、第二の本体部分品304aの相補的な凹部に嵌め込むスナップフック307を有してもよい。
【0044】
ハンドル302の展開機構306は、キャリッジ部材500および駆動部材320を含む。キャリッジ部材500は、キャビティ316内に配置され、ハンドル本体304に対して軸方向に移動可能である。駆動部材320は、キャリッジ部材500と係合し、ハンドル本体304に対して移動可能(例えば、回転可能)であって、ハンドル本体304に対してキャリッジ部材500の軸方向位置を調整する。
【0045】
シャフト305、309の近位部分は、ハンドル本体304のキャビティに挿入される。ハンドル本体304に対するキャリッジ部材500の移動が拡張位置と収縮位置との間で外側シャフト309の移動を引き起こすように、シャフト組立品303の外側シャフト309の近位端部分をキャリッジ部材500に結合することができる(例えば、締結具、接着剤、および/または他の結合手段によって)。
【0046】
内側シャフト305の近位部分は、外側シャフト309の内腔313を通ってキャビティ316の近位部分内へ延在し、ハンドル本体304に結合される。外側シャフト309がハンドル本体304に対して動く間、内側シャフト305が静止するように、内側シャフト305はハンドル本体304に対して固定され得る。
【0047】
図7A~7Cによって図示された実施例では、注入ポート324は、ハンドル本体304の近位端308の開口部に取り付けられる。注入ポート324は、例えば、ルアーフィッティングであってもよい。内側シャフト305の近位端は、インジェクタポート324(
図11Aに示す)に挿入されることができ、注入ポート324に(例えば、結合によって)固定されることができる。一部の事例では、内側シャフト305の注入ポート324への取り付けは、ハンドル本体304に対して内側シャフト305を固定する目的を果たすことができる。
【0048】
注入ポート324は、生理食塩水などのフラッシング流体を内側シャフト305の内腔に注入するために使用することができる。一部の事例では、内側シャフト305は、一つ以上の流体ポート311を含み得、それを通して、注入された流体が内側シャフト305を出て外側シャフト309の内腔313に入り、それによって、内側シャフト305および外側シャフト309の内腔の、単一の注入ポートからのフラッシングを可能にする。
【0049】
送達装置およびその構成要素に関するさらなる詳細は、米国特許出願第63/154,956号および第63/154,966号ならびに国際特許出願第PCT/US2022/018093号に見出すことができ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
図8~33は、ドッキングステーションおよび/またはその構成要素のいくつかの追加的な実施例を示す。ドッキングステーションは、フレームが自己組織を損傷する可能性を防止または低減するように構成された一つ以上の特徴部(例えば、カバーおよび/またはフレーム形状)を備える。
【0051】
図8~9は、ドッキングステーション600およびその構成要素の実施例を示す。
図8を参照すると、ドッキングステーション600は、フレーム602、密封スカート604、および複数の保護カバー606という3つの主要構成要素を備える。フレーム602は、埋め込み位置(例えば、自己肺動脈弁)で自己組織と係合するように構成され、その中に人工心臓弁を支持するように構成され得る。密封スカート604は、フレーム602に結合され、ステント周囲および/または弁周囲の漏出を低減するのを助ける、および/または組織の内部成長を促進するのを助けるように構成され得る。保護カバーは、自己組織が損傷(例えば、穿孔、断裂など)するのを防止するために、フレームの尖部に結合される。ドッキングステーション600はまた、流入端608および流出端610を備える。
【0052】
図8~9を参照すると、ドッキングステーション600のフレーム602は、フレーム100と類似した様式で構成され得る。例えば、フレーム602は、複数の支柱612で形成される。支柱612は、複数のセル614(
図9)、フレーム602の流入端608に配置された複数の流入尖部616、およびフレーム602の流出端610に配置された複数の流出尖部618を画定することができる。フレーム602の流入尖部616および流出尖部618は、
図8の保護カバー606によって隠される。
図9は、保護カバー606のないフレーム602の流入尖部616を図示する。フレーム602はまた、フレーム602を送達装置に結合するように構成された複数のコネクタタブ620を備えることができる。
【0053】
フレーム602のセル614は、3つの円周方向に延在する列に配置される。セルの形状/サイズ、セルの数、および/またはセルの列の数は、図示した実施例から変化させることができる。
【0054】
再び
図8を参照すると、密封スカート604は、例えば、ステント周囲および/または弁周囲の漏出を低減するのを助けることができる。ドッキングステーション600の密封スカート604は、フレーム602の流入尖部616からフレーム602の流出端610に向かって延在するが、流出尖部618まで完全には延在しない。このように、流出端に隣接するフレームのセルの一部分(例えば、10~30%または20~25%)は、密封スカート604によって遮られない。セルの遮られていない部分は、例えば、血液がフレーム602の遠位側を通って流れることを可能にし、および/またはカテーテル(または他の血管内装置)が左右の肺動脈分枝にアクセスすることを可能にし得る。セルの遮られていない部分は、追加的または代替的に、その後の介入中に別の血管内装置(例えば、カテーテル、ワイヤなど)を通過する経路を提供することができる。
【0055】
他の実施例では、密封スカートは、フレームの流入尖部からフレームの流出尖部まで延在し、フレームのセルを完全に覆うことができる。一部の実施例では、フレームの流入端に隣接するセルの少なくとも一部分(例えば、20~25%のうちの10~30%)は、密封スカートによって遮られなくてもよい。
【0056】
図示した実施例では、密封スカート604は、フレームの外部表面ではなく、フレームの内部表面上に配置される。一部の実施例では、密封スカートは、フレームの内部表面ではなく、フレームの外部表面上に配置される。一部の実施例では、密封スカートは、フレームの内部表面の一つ以上の部分上およびフレームの外部表面の一つ以上の部分上に配置される。一部の実施例では、フレームの内部表面上に配置された第一の密封スカート、およびフレームの外部表面上に配置された第二の密封スカートなど、複数の密封スカートが提供され得る。
【0057】
密封スカート604は、単一の連続的な材料片である。一部の実施例では、密封スカートは、(例えば、縫合糸を介して)一緒に結合される複数のセクションを備え得る。
【0058】
密封スカート604は、様々な方法でフレーム602に結合され得る。例えば、密封スカート604は、締結具(例えば、クリップ)、縫合糸、接着剤、および/または結合のための他の手段でフレームに結合され得る。図示した実施例では、密封スカート604は、縫合糸622でフレーム602に結合される。
【0059】
密封スカート604は、布を含む様々な材料で形成され得る。布は、織布または不織布材料とすることができる。一部の実施例では、密封スカートは、PET、PTFE、ePTFE、TPU、および/または他の材料を含み得る。
【0060】
さらに
図8を参照すると、ドッキングステーション600の保護カバー606は、フレーム602の流入尖部616および流出尖部618の上に配置される。上述のように、保護カバー606は、例えば、自己組織が損傷(例えば、穿孔、断裂など)する可能性を防止または低減することができる。保護カバー606はまた、(または代替的に)組織の内部成長を促進することができる。
【0061】
保護カバー606は、布を含む様々な材料で形成され得る。布は、織布または不織布材料とすることができる。一部の実施例では、保護カバー606は、PET、PTFE、ePTFE、TPU、および/または他の材料を含み得る。一部の例では、高密度材料(例えば、HD PET)は、過度のバルクを加えることなくフレーム縁から緩衝するため、低密度材料よりも好ましい。一部の状況では、よりバルクの高い材料は、望ましくない過剰な組織の内部成長を促進し得る。織物材料を含む構成では、布の縦糸および横糸は、フレームに対して幅広い異なる角度で配向され得る。
【0062】
ドッキングステーション600の保護カバー606は、フレームの尖部の内部表面および外部表面の両方を覆う。一部の実施例では、ドッキングステーション600の保護カバー606は、自己組織に接触する表面である、フレームの尖部の外部表面を覆う。
【0063】
保護カバーは、締結具(例えば、クリップ)、縫合糸、接着剤、および/または結合のための他の手段を含む、様々な方法でフレームの尖部に結合され得る。図示した実施例では、保護カバー606は、縫合糸を介してフレーム602および/または密封スカート604(例えば、流入端で)に結合される。
【0064】
一部の例では、フレームは、保護カバーを尖部に取り付けるように構成された一つ以上の取り付け機構(例えば、開口部、凹部、突出部など)を備え得る。例えば、
図9に示すように、フレーム602は、(例えば、縫合糸を介して)保護カバー606を尖部に結合するために使用され得る、流入尖部616内に形成された開口部624を備える。
図8では見えないが、流出尖部618は、保護カバーをそれに結合するためにその中に形成された開口部を備える。
【0065】
尖部内の開口部の代わりに、またはそれに加えて、保護カバーは、保護カバーをフレームの尖部に結合するように構成された一つ以上の取り付け機構(例えば、開口部、タブなど)を有し得る。いくつかの例示的な取り付け機構を、
図10~12に関して以下に説明する。
【0066】
ドッキングステーション600の保護カバー606は、密封スカート604とは別個の構成要素として形成される。一部の実施例では、保護カバーのうちの一つ以上は、密封スカートと一体的に形成されてもよく、または密封スカートに直接結合されてもよい。例えば、ドッキングステーションの流入端に配置された保護カバーは、密封スカートと一体的に形成されてもよく、ドッキングステーションの流出端に配置された保護カバーは、密封スカートから分離された構成要素として形成され得る。一部の実施例では、流入端の保護カバーおよび流出端の保護カバーの両方は、密封スカートと一体的に形成されてもよく、または直接結合されてもよい。
【0067】
図8を参照すると、ドッキングステーション600は、ドッキングステーション600の展開ならびに弁座116の中への弁200の配置を支援し得る、一つ以上の放射線不透過性マーカー626を含み得る。一つ以上の放射線不透過性マーカー626は、一つ以上の放射線不透過性マーカー626が蛍光透視法または類似の撮像プロセス下で識別され得るように、放射線不透過性であってもよく、一つ以上の他の構成要素よりも高い放射線不透過性を有してもよい。一つ以上の放射線不透過性マーカー626は、以下に詳述する方法など、幅広い方法でドッキングステーション600上に配置、取り付け、またはその他の方法で取り付けることができる。一つ以上の放射線不透過性マーカー626は、放射線不透過性であるか、または弁座116の少なくとも一部分の放射線不透過性を増加させる任意の材料または材料の組合せを含み得る。例えば、一つ以上の放射線不透過性マーカー626は、硫酸バリウム、ビスマス、タングステン、タンタル、白金-イリジウム、金、および/または蛍光透視法、X線、もしくは類似の放射線もしくはそれらの任意の組合せを通さない任意の他の材料を含むことができる。図示したように、放射線不透過性マーカーは円盤形状および円形または八角形とすることができる。しかしながら、一つ以上の放射線不透過性マーカーは、軸方向の動きを低減するように構成され得、任意の好適な形状であり得る。例えば、一つ以上の放射線不透過性マーカーは、六角形、三角形、長方形、楕円形、または任意の他の形状もしくは構成であり得る。放射線不透過性マーカー626はまた、マーカー626の中央部分を通って延在する開口を含み得る。開口は、縫合糸628がそれを通って通過できるようにサイズ設定され得る。縫合糸628はまた、弁座116を支持または補強するベルトとして作用し得る。このようにして、縫合糸628は、例えば、人工弁が弁座内で拡張された時に、人工弁がドッキングステーションにしっかりと結合されることを確実にするのに役立ち得る。放射線不透過性マーカーおよび縫合糸に関する追加情報は、例えば、国際特許公開第WO2021/188278号に見出すことができ、参照により本明細書に組み込まれる。
【0068】
本明細書に開示されるドッキングステーションのいずれかは、密封スカート、一つ以上の放射線不透過性マーカー、および/またはドッキングステーション600について記載したものと同様の縫合糸/ベルトを備え得る。
【0069】
図10は、主要部分702および保護カバー部分704を備える密封スカート700の一部分を図示する。言い換えれば、保護カバー部分704は、主要部分702と一体的に形成される。密封スカート700の主要部分702は、ドッキングステーション600の密封スカート604と同様に構成される。
【0070】
密封スカート700の保護カバー部分704は、第一のセグメント706(例えば、内側セグメント)、第二のセグメント708(例えば、外側セグメント)、および第一のセグメントと第二のセグメントとの間に配置される接続セグメント710を備える。図示した構成では、保護カバー部分704は、
図8または「砂時計」タイプの形状を含む。このようにして、保護カバー部分704の第一のセグメント706は、フレームの尖部の一方の表面(例えば、内側表面)上に配置されてもよく、保護カバー部分704は、保護カバー部分の第二のセグメント708がフレームの尖部のもう一方の表面(例えば、外側表面)上に配置されるように、接続セグメント710で(例えば、折り目712に沿って)折り畳まれてもよい。
【0071】
保護カバー部分704はまた、複数の取り付け開口部714を備える。取り付け開口部714は、保護カバー部分をフレームの尖部に(例えば、一つ以上の縫合糸を介して)結合するように構成され得る。図示した実施例では、第一のセグメント706は、第一の取り付け開口部714を備え、第二のセグメント708は、第二の取り付け開口部714を備える。一部の実施例では、第一および第二のセグメントの各々は、その中に形成されるおおよそ一つの取り付け開口部を有し得る。
【0072】
図11は、一実施例による、密封スカート800の一部分を示す。密封スカートの一部分は、一緒に一体的に形成される主要部分802および保護カバー部分804を備える。密封スカート800の主要部分802は、密封スカート700の主要部分702と同様に構成される。
【0073】
密封スカート800の保護カバー部分804は、単一のセグメントを含む。保護カバー部分804は、フレームの尖部の単一の表面(例えば、内側表面)よりも比較的大きいように構成される。このようにして、「サイズが大きすぎる」保護カバーは、尖部の第一の表面(例えば、内側表面)から一つ以上の他の表面(例えば、側面および/または外側表面)に巻き付けられ得る。
【0074】
保護カバー部分804はまた、取り付け開口部806を備える。取り付け開口部806は、例えば、フレームの尖部への結合を容易にするために(例えば、一つ以上の縫合糸を介して)使用され得る。本明細書では、本明細書に開示される「開口部(opening)」はいずれも、「開口(aperture)」とも称され得ることに留意されたい。
【0075】
図12は、一緒に一体的に形成される主要部分902および保護カバー部分904を備える密封スカート900の一部分を図示する。密封スカート900の主要部分902は、密封スカート700の主要部分702と同様に構成される。
【0076】
密封スカート900の保護カバー部分904は、第一のセグメント906(例えば、内側セグメント)、第二のセグメント908(例えば、外側セグメント)、第一のセグメントと第二のセグメントとの間に配置される接続セグメント910、および接続セグメント910から横方向に延在する複数の延長セグメント912を備える。図示した構成では、保護カバー部分904は、「数字8の形状」または「砂時計」タイプの形状を含み、2つのアームがそれから外向きに延在する。このようにして、保護カバー部分904の第一のセグメント906は、フレームの尖部の一方の表面(例えば、内側表面)上に配置されてもよく、保護カバー部分904は、保護カバー部分の第二のセグメント908がフレームの尖部のもう一方の表面(例えば、外側表面)上に配置されるように、接続セグメント910で折り畳まれてもよい。第二のセグメント908が折り畳まれる前または折り畳まれた後、延長セグメント912は尖部の周りに巻かれ得る。このようにして、延長セグメント912は、例えば、尖部の側面を覆うことができ、および/または保護カバー部分を尖部に固定するのに役立つことができる。
【0077】
保護カバー部分904はまた、複数の取り付け開口部914を備える。取り付け開口部914は、保護カバー部分904をフレームの尖部に(例えば、一つ以上の縫合糸を介して)結合するように構成され得る。図示した実施例では、第一のセグメント906は、第一の取り付け開口部914を備え、第二のセグメント908は、第二の取り付け開口部914を備える。一部の実施例では、第一および第二のセグメントの各々は、その中に形成されるおおよそ一つの取り付け開口部を有し得る。
【0078】
図10~12に図示した密封スカートの部分は、密封スカートの流入端部分である。一部の実施例では、
図10~12に図示した密封スカートの部分は、フレームの流出端部分上で使用され得る。
【0079】
本明細書に開示される保護カバー部分は、保護カバーが取り付けられる尖部の形状に対応しても対応しなくてもよい、様々なサイズおよび/または形状を含み得る。例えば、一部の例では、保護カバーは、フレームの尖部のサイズおよび形状に対応する類似のサイズおよび/または形状(例えば、円形)を備え得る。一部の実施例では、保護カバーは、フレームの対応する尖部とは異なるサイズ(例えば、より大きい)および/または形状(例えば、長方形)とすることができる。
【0080】
図13~14は、別の実施例によるドッキングステーション1000を図示する。ドッキングステーション1000は、送達装置300から部分的に配備されて描写されている(例えば、
図6Dに図示する構成と類似するもの)。
【0081】
ドッキングステーション1000は、フレーム1002、密封スカート1004、および複数の保護カバー1006を備える。フレーム1002は、フレーム602と類似している。密封スカート1004は、密封スカート1004がドッキングステーション1000の流出端1008で尖部まで全面的に延在することを除いて、密封スカート604と類似している。保護カバー1006は、保護カバー606と同様に構成され得る。
【0082】
図15~16は、別の実施例による、ドッキングステーション1100およびその構成要素を図示する。ドッキングステーション1000は、フレーム1102および密封スカート1104を備える。密封スカート1104は、フレーム1102の尖部上に延在する保護カバー部分1106を備える。
【0083】
密封スカート1104は、流入部分1104aおよび流出部分1104bを含む、複数の別個のセグメントとして形成される。密封スカート1104の流入部分および流出部分は、様々な方法(例えば、縫合糸、締結具、接着剤、および/または結合のための他の手段)で一緒に結合され得る。一部の実施例では、流入部分および流出部分(および/または密封スカートの他の部分)は、単一の一体型構成要素として一体的に形成され得る。一部の実施例では、密封スカートは、3つ以上の別個の部分(例えば、3~5)を備え得る。特定の実施例では、密封スカートは、流入部分、流出部分、および流入部分と流出部分との間に配置される中間部分を含む、3つの別個の部分を備え得る。
【0084】
図示した実施例では、密封スカート1104の流入部分1104aは、フレーム1102の流入セルのすべてを覆う。一部の実施例では、密封スカートの流入部分は、フレーム1102の流入セルのすべて以下(例えば、50~99%または75~95%)を覆うことができる。
【0085】
密封スカート1104の流出部分1104bは、フレーム1102の流出セルのすべて以下を覆い、複数の開口部1108を含む。流出セルのすべてではなく一部を覆うことによって、密封スカート1104は、例えば、逆行性血流を低減させ、一方で、左右の肺動脈分枝への順行性血流および/またはカテーテルアクセスを可能にし得る。
【0086】
図示した構成では、流出部分は、フレーム1102の流出セルの75%(またはおよそ75%、すなわち、75%+/-5%)を覆う。一部の実施例では、密封スカートの流出部分は、図示した実施例に示されるものよりも多いまたは少ない流出セルを覆うことができる。例えば、密封スカートの流出部分は、フレーム1102の流出セルの20~95%(または一部の実施例では、25~85%または70~80%)を覆うことができる。一部の実施例では、流出部分は、フレームの流出セルの20%未満(例えば、およそ10%)を覆うことができる。
【0087】
密封スカートの開口部は、様々な形状および/またはサイズを備え得る。例えば、密封スカート1104の開口部1108は、多角形形状(例えば、三角形、ひし形、長方形など)を含む。一部の実施例では、密封スカートの開口部は、丸みのある形状(例えば、円形、卵形など)を含む。一部の実施例では、密封スカートの開口部は、一つ以上の丸みのある(または湾曲した)縁および一つ以上の直線縁を含み得る。
【0088】
図示した実施例では、密封スカート1104の開口部1108は、均一なサイズおよび形状を含む。一部の実施例では、密封スカートの開口部は、不均一なサイズおよび/または形状を含む。
【0089】
密封スカート1104の流出部分1104bの保護カバー部分1106(「タブ」とも呼ぶことができる)は、フレーム1102の流出尖部の周りに巻き付くように構成され得る。このように、保護カバー部分1106は、例えば、フレームの尖部が自己組織を損傷する(例えば、深く貫通しすぎる、および/または断裂する)可能性を低減することができる。
【0090】
保護カバー部分1106(および/または密封スカート1104の他の部分)は、様々な方法(例えば、縫合糸、締結具、接着剤など)でフレームに結合され得る。
【0091】
密封スカート1104の流出部分1104bはまた、フレーム1102の隣接する流出セルの間に円周方向に延在するように構成された延長セグメント1110を備える。
【0092】
図17は、密封スカート1200の一部分(例えば、流出部分)を示す。密封スカート1200は、密封スカート1104の流出部分1104bと同様に構成される。密封スカート1200と密封スカート1104との間の一つの違いは、密封スカート1200の開口部1202が密封スカート1104の開口部1108よりも大きいことである。密封スカート1200と密封スカート1104との間の別の違いは、密封スカート1200の保護カバー部分1204は円盤形状を含み、密封スカート1104の保護カバー部分1106は長方形の形状を含むことである。
【0093】
密封スカート1200はまた、保護カバー部分1204内に形成された開口1206を備える。開口1206は、例えば、保護カバー部分1204をフレームの尖部に結合するために使用され得る。
【0094】
一部の実施例では、フレームの各尖部は、その上に配置された保護カバー部分を有する。一部の実施例では、一つ以上の保護カバー部分は、フレームの尖部のうちの一つ以上が露出し、フレームの尖部のうちの一つ以上が覆われるように省略されてもよい。
【0095】
本明細書に開示される「保護カバー」および/または「保護カバー部分」は、「尖部カバー」、「パッド」、および「ガード」とも称され得ることに留意されたい。
【0096】
図18~19は、別の実施例によるドッキングステーション1300を図示する。ドッキングステーションは、フレーム1302、密封スカート1304、流入端1306、および流出端1308を備える。フレーム1302は、ドッキングステーション1300の流出端1308に隣接して配置される比較的大きなセルを含む。流出端1308に隣接する比較的大きなセルでフレーム1302を形成することは、比較的大きな自己組織領域にわたって、ドッキングステーションの流出端からの力を自己組織(例えば、自己肺動脈)に分布させることができる。これは、例えば、自己組織への損傷を低減することができる。
【0097】
ドッキングステーション1300のフレーム1302は、複数のセルおよび尖部を形成する複数の支柱を備える。セルおよび尖部の数は変化し得る。例えば、図示するように、フレーム1302は、12個の流入セルおよび12個の流入尖部、ならびに6個の流出セルおよび6個の流出尖部を含む。一部の実施例では、フレームは、12個未満(例えば、9~11個)または12個超(例えば、12~16個)の流入セルおよび/または流入尖部を含むことができ、および/またはフレームは、6個未満(例えば、3~5個)または6個超(例えば、7~9個)の流出セルおよび/または流出尖部を含むことができる。
【0098】
フレーム1302はまた、流入セルと流出セルとの間に配置される複数の中間セルを含む。言い換えれば、フレーム1302は、3つの円周方向に延在するセルの列(すなわち、流入列、中間列、および流出列)を含む。フレーム1302は、流入端1306に向かって方向付けられた12個の尖部、および流出端1308に向かって方向付けられた12個の尖部を有する12個の中間セルを備える。一部の実施例では、フレームは、12個未満の中間セルおよび/または尖部、または12個を超える中間セルおよび/または尖部を備え得る。
【0099】
ドッキングステーション1300は、一部の例では、フレームの尖部(例えば、流入尖部および/または流出尖部)上に配置された一つ以上の保護カバーをさらに備え得る。保護カバーは、大きな流出セルと共に、一つの利点として、自己組織損傷を低減することができる。保護カバーおよび密封スカート1304は、別個の構成要素として一体的に形成または形成され得る。
【0100】
図20は、なおも別の実施例によるドッキングステーションのフレーム1400を図示する。フレーム1400は、フレーム1400が追加的な力分散特徴部を含むことを除いて、フレーム1302と同様に構成され、これは以下にさらに説明される。
【0101】
フレーム1400は、フレーム1302と同様に、流入列1402、中間列1404、および流出列1406を含む3つの円周方向に延在するセルの列を含む。セルの中間列1404は、セルの流出列1406に向かって方向付けられた尖部1408を形成する。
【0102】
フレーム1400は、尖部1408から延在する力分散特徴部を含む。図示した実施例では、力分散特徴部は、各々がそれぞれの尖部1408から延在する、複数の可撓性支柱1410を含む。各可撓性支柱1410は、蛇行セグメント1412および一つ以上のスロット1414を備える。スロットは、軸方向にオフセットされ、交互パターン(例えば、図示された配向での左側-右側-左側-右側)で横方向に延在する。このようにして、可撓性支柱1410は、自然の解剖学的構造と接触し、適合するように構成された、ばね様のパッドを形成する。このように、可撓性支柱1410は、例えば、尖部1408における、または尖部1408に近接する自己組織損傷のリスクを低減するのに役立ち得る。
【0103】
フレーム1400(および/または本明細書に開示される任意のフレーム)は、それに結合された一つ以上の密封スカートおよび/または一つ以上の保護カバーを有し得る。
【0104】
図21~22Bは、なおも別の実施例によるドッキングステーションのフレーム1500を図示する。フレーム1500は、フレーム1500が力分散特徴部の別の実施例を含むことを除いて、フレーム1400と同様に構成され、これは以下にさらに説明される。
【0105】
フレーム1500は、流入列1502、中間列1504、および流出列1506を含む3つの円周方向に延在するセルの列を備える。セルの中間列1504は、セルの流出列1506に向かって方向付けられた尖部1508を形成する。
【0106】
フレーム1500は、尖部1508から延在する力分散特徴部を備える。図示した実施例では、力分散特徴部は、それぞれがそれぞれの尖部1508から延在する、複数のパドル1510を備える。各パドル1510は、ネック部分1512およびヘッド部分1514を備える。ネック部分1512は、片持ち様式で尖部1508に結合され、かつ尖部1508から延在する第一の端部分を備える。ヘッド部分1514は、ネック部分1512の反対側の第二の端部から延在する。ネック部分1512は、(例えば、ヘッド部分1514と比較して)比較的薄く、可撓性であり、これは、例えば、ネック部分が自然の解剖学的構造に適合することを可能にし得る。ヘッド部分1514は、(例えば、ネック部分1512および/または尖部1508と比較して)比較的大きい。このように、ヘッド部分は、例えば、自己組織の比較的大きな領域にわたって接触力を分配することができる。これは、一例として、尖部1508における、または尖部1508に近接する自己組織への損傷を低減することができる。
【0107】
パドル1510はまた、開口1516を備える。開口1516は、例えば、パドルのヘッド部分の可撓性を増加させることができ、および/または密封スカートおよび/または保護カバーをパドルに結合するための手段を提供することができる。
【0108】
一部の実施例では、フレームは、フレームの一つ以上の尖部に結合された力分散特徴部(例えば、可撓性支柱1410および/またはパドル1510)を有してもよく、フレームの他の尖部は、力分散特徴部なしで形成され得る。
【0109】
一部の実施例では、フレームは、力分散特徴部の様々な組合せを含むことができる。例えば、フレームは、フレームの一つ以上の尖部から延在する一つ以上の可撓性支柱1410を備えることができ、フレームの一つ以上の他の尖部から延在する一つ以上のパドル1510を備えることができる。
【0110】
フレーム1500はまた、フレームを送達装置に取り外し可能に結合するように構成された複数のコネクタタブを備えることができる。コネクタタブは、様々な方法で湾曲および/または角度付けられ得る。例えば、
図21~22Aに示すように、コネクタタブ1518aは、フレーム1500の他の流入尖部が湾曲/角度付けされるのと同じまたは類似の様式で湾曲/角度付けされる。別の例として、
図22Bに示す通り、フレーム1500のコネクタタブ1518bは、フレーム1500のその他の流入尖部(および/またはコネクタタブ1518aと比較して)とは異なって(例えば、さらに外向きに)湾曲/角度付けられる。コネクタタブ1518bをこのようにして外向きに広がるように構成することは、例えば、フレームコネクタ400からのフレームの解放を助け得る。
【0111】
図22A~22Bを参照すると、フレーム1500はまた、それに結合された密封スカート1520を有することができ、これはドッキングステーションを形成する。密封スカート1520は、フレーム1500の流出セルのすべてまたは少なくとも実質的にすべてを覆うように構成される。密封スカート1520はまた、フレーム1500の隣接する流出セルの間に配置された延長フラップ1522を備える。延長フラップは、例えば、組織の内部成長および/または改善された密封を促進することができる。延長フラップは、様々な形状(例えば、凸形状、凹形状、直線形状など)を含むことができる。延長フラップの各々は、一部の実施例では、均一なサイズおよび形状を含み得る。一部の実施例では、延長フラップのうちの一つ以上は、一つ以上の他の延長フラップに対して不均一な形状および/またはサイズを備え得る。
【0112】
図23~24は、別の実施例によるドッキングステーションのフレーム1600を図示する。フレーム1600は、フレーム1600の流入端1602に隣接して配置される比較的大きなセルと、フレーム1600の流出端1604に隣接して配置される比較的大きなセルと、を備える。フレームの流入端および流出端に隣接した比較的大きなセルでフレーム1600を形成することは、比較的大きな自己組織の領域にわたって、フレームからの力を自己組織(例えば、自己肺動脈)に分布させることができる。これは、例えば、自己組織への損傷を低減することができる。
【0113】
フレーム1600は、複数のセルおよび尖部を形成する複数の支柱を備える。セルおよび尖部の数は変化し得る。セルの列の数も変化し得る。例えば、図示するように、フレーム1600は、3列のセル、すなわち、流入列1606、中間列1608、および流出列1610を備える。流入列は、6つの流入セルおよび6つの流入尖部1612を備える。中間列は、12個の中間セルと、12個の流入方向の中間尖部1614aおよび12個の流出方向の中間尖部1614b(総称して、または一般に、「中間尖部1614」と称される)とを含む。流出列は、6つの流出セルおよび6つの流出尖部1616を備える。
【0114】
一部の実施例では、フレームは、セルの3列未満もしくは3列超を備えることができ、および/またはセルの各列は、図示した実施例に示されるよりも多い、もしくはより少ないセルを有することができる。
【0115】
フレーム1600は、複数の支持支柱1618をさらに備える。支持支柱1618は、例えば、フレーム1600の強度を増加させることができる。各支持支柱1618は、中間尖部1614から流入尖部1612または流出尖部1616のいずれかまで延在する。
【0116】
フレーム1600は、12個の支持支柱1618を備える。一部の実施例では、フレームは、12個より多いまたはより少ない支持支柱を備え得る。例えば、一部の実施例では、フレームは、流入端部分に配置された3つの支持支柱、および流出端部分に配置された3つの支持支柱を備え得る。一部の実装形態では、流入支持支柱は、流出支持支柱に対して円周方向にオフセットされ得る。一部の実装形態では、流入支持支柱は、流出支持支柱に対して円周方向に整列され得る。一部の実施例では、フレームは、フレームの流入端部分に一つ以上の支持支柱を備えてもよく、流出端部分から支持支柱を省略してもよく、またはその逆であってもよい。
【0117】
フレーム1600は、一部の例では、フレームに結合された一つ以上の密封スカート、および/またはフレームの尖部(例えば、流入尖部および/または流出尖部)上に配置された一つ以上の保護カバーをさらに備え得る。保護カバーは、大きな流入セル/流出セルと共に、一つの利点として、自己組織損傷を低減することができる。保護カバーおよび密封スカート1304は、別個の構成要素として一体的に形成または形成され得る。
【0118】
図25~26Aは、別の実施例によるドッキングステーションのフレーム1700を図示する。フレーム1700は、フレームが半径方向に湾曲した形状ではなく、フレームの流出端部分において半径方向に先細りした形状を有することを除いて、上述のフレームと類似している。半径方向に湾曲した形状と比較して先細り形状が、
図26Aおよび26Bにそれぞれ図示されている。フレーム1700の流出端部分の半径方向に先細りした形状は、例えば、流出端部分のより大きな部分が自己組織(例えば、肺動脈)に接触し、それによって、自己組織にわたってより均等に力を拡散することを確実にするのに役立ち得る。このように、半径方向に先細りした形状は、自己組織への損傷を低減するのに役立ち得る。
【0119】
特に、フレーム1700は、フレームのショルダー領域1702からフレームの流出端1704まで半径方向に先細りした形状を含む。図示した例では、フレーム1700のショルダー領域1702は、フレームの中間セルの流出方向の尖部1706に対応し、これはまた、フレームの流出セルの中点に対応する。一部の実施例では、ショルダー領域は、(例えば、さらに流出端に向かって、またはさらに流入端に向かって)フレームに沿った様々な他の軸方向位置に対応し得る。
【0120】
図26Aを参照すると、フレームの先細りの程度は変化し得る。例えば、一部の実施例では、先細り領域と垂直軸1708との間の角度αは、5~45度(または10~25度または15~20度)の範囲内であり得る。
【0121】
図27は、それに結合された密封スカート1800を有するフレーム1700を示す。密封スカート1800は、フレームの流出セルのすべて以下を覆うように構成される。例えば、一部の実施例では、密封スカート1800は、フレームの流出セルの約60~90%を覆うことができる。特定の実施例では、密封スカート1800は、フレームの流出セルの約70~80%(または72~77%)を覆うことができる。密封スカート1800はまた、隣接する流出セルの間に延在する延長領域1802を備える。
【0122】
図28は、それに結合された密封スカート1900を有するフレーム1700を示す。密封スカート1900は、フレーム1700の流出セルのすべてまたは少なくとも実質的にすべて(すなわち、95~100%)を覆うように構成される。
【0123】
図29~30は、ドッキングステーションのフレーム2000を図示する。フレーム2000は、フレームの軸方向長さLに沿って変化する直径を有する。例えば、フレーム2000は、
図29に示すフレームの軸方向位置に対応する最大直径D1、フレームの流出端に対応する流出直径D2、および
図29に示すフレームの軸方向位置に対応する最小直径D2を備える。直径D1>直径D2>直径D3である。直径D2は、直径D2よりもわずかに小さいのみである。例えば、一部の例では、直径D2は直径D1よりも0~1mm小さい。例えば、一部の例では、直径D2は直径D1よりも0.25~0.75mm(0.40~0.50 mm)小さい。一部の実施例では、フレーム2000は、0.95~0.99のD2/D1比を含む。
【0124】
このように、流出尖部2002は、わずかに半径方向に内向きに湾曲または角度付けられている。これは、例えば、流出尖部2002が自己組織を損傷するのを防止するのに役立ち得る。
【0125】
図31は、別の実施例によるドッキングステーション2100を示す。ドッキングステーション2100は、フレーム2102および密封スカート2104を備える。フレーム2102の流出尖部(1~12と番号付けられている)は、様々な角度を含む。例えば、
図32に提供する表に示すように、フレーム2102の奇数の尖部(すなわち、1、3、5、7、9、および11)は垂直構成を含み、フレーム2102の偶数の尖部(すなわち、2、4、6、8、10、および12)は斜め/フレア状の構成を含む。
【0126】
フレーム2102について図示したその他のすべてのタイプのパターンが例示的である。様々な他のパターンを使用することができる。例えば、二つの垂直-二つの斜め/フレア状のパターンを使用することができる。
【0127】
例えば、図示した構成では、垂直の流出尖部は垂直軸に対して0度の角度を含み、斜め/フレア状の尖部は垂直軸に対して約45度の角度を含む。一部の実施例では、流出尖部の角度は変化し得る。例えば、一つの組の尖部は0~15度の角度を含むことができ、別の組の尖部は16~55度の角度を含むことができる。言い換えれば、フレームは、第一の角度を有する一つ以上の尖部および第二の角度を有する一つ以上の他の尖部を有する。
【0128】
角度がより低い一つ以上の尖部およびより角度が付けられた一つ以上の尖部を提供することによって、フレームは、組織損傷を低減する(例えば、角度がより低い尖部を介して)という要望と、自然の解剖学的構造に対して適切な移動の防止を提供する(例えば、より角度が付けられた尖部を介して)という要望とのバランスを取ることができる。
【0129】
一部の実施例では、角度の低い尖部は、自然の解剖学的構造内の特定の位置に配向され得る。例えば、一部の例では、一つ以上の角度の低い尖部は、自己大動脈に隣接して配置される自己肺動脈の内側セグメントに向かって配向され得る。
【0130】
流出尖部の代わりに、またはそれに加えて、フレームの流入尖部は変化する角度を有することができる。
【0131】
図33は、概略的に示されているドッキングステーション用のフレーム2200の一部分を図示する。フレーム2200は、交互パターン(一対のみを示す)を有する尖部(例えば、流出尖部)を備える。フレーム2200の第一の尖部2202は、十字形または「T」字形状を有し、第二の尖部2204は、先細りしたまたは丸みのある形状を有する。第一の尖部2202は、自己組織をある程度貫通するように構成されており、第二の尖部は、自己組織とほとんどまたは全く貫通することなく係合するように構成されている。この交互パターンは、自己組織に対して適切な保持を提供し、および/または自己組織への損傷を低減することができる。
【0132】
フレーム2200の第一の尖部2202は、突出部部分2206およびガード部分2208を含む。突出部部分2206は、自己組織を貫通するように構成され得、ガード部分2208は、突出部部分2206が自己組織を貫通することができる程度を制限するように構成され得る。このように、ガード部分2208は、突出部部分のストッパーとして作用する。このようにして、第一の尖部はナイフと類似しており、突出部部分2206はナイフのブレード様であり、ガード部分2208はナイフのつばの片側様である。
【0133】
フレーム2200の第二の尖部2204は、幅広い部分2210および狭い部分2212を有する先細り形状を含む。一部の実施例では、第二の尖部2204の広い部分2210は、第一の尖部2202の突出部部分2206と軸方向に整列することができ、第二の尖部2204の狭い部分2212は、第一の尖部2202のガード部分2208と軸方向に整列することができる。第一の尖部2202および第二の尖部2204をこのように構成することは、例えば、第一の尖部2202の比較的広い部分を第二の尖部2204の比較的狭い部分と嵌め込むことができ、その逆もまた可能である。これは、例えば、フレーム2200を半径方向に圧縮することができる直径を減少させ、および/または半径方向に圧縮された時に尖部が互いに接触することを防止することができる。
【0134】
一部の実施例では、フレームは、互いに隣接して配置される第一の尖部2202と類似したように構成された複数の尖部を備えることができる。こうした実施例では、第一の尖部のガード部分は、フレームが半径方向に圧縮された時に、ガード部分が互いに接触することを防止するために、互いに対して軸方向にオフセットされ得る。
【0135】
本開示における様々なシステム、装置、装置などのいずれかは、患者に使用するのに安全であることを確実にするために滅菌され得(例えば、熱、放射線、エチレンオキシド、過酸化水素などを用いて)、本明細書の方法には、関連するシステム、装置、機器などの滅菌を含み得る(例えば、熱、放射線、エチレンオキシド、過酸化水素などを用いて)。
【0136】
本明細書に記載または示唆される治療技術、方法、ステップなど、または本明細書に組み込まれる参考文献は、生きている動物に対して、または死体、死体の心臓、擬人化ゴースト、シミュレータ(例えば、シミュレート対象の身体部分、組織などで)などの非生体シミュレーションに対して実行することができる。
【0137】
開示する技術に関する追加的な例
開示する主題に関して上述した実装を考慮して、本出願は、以下に列挙する追加的な実施例を開示する。単独である実施例の一つの特徴、または、組み合わせて、および任意的に一つ以上のさらなる実施例の一つ以上の特徴と組み合わせて取り込まれる実施例の二つ以上の特徴は、本出願の開示内に同様に含まれるさらなる実施例であることに留意すべきである。
【0138】
実施例1.フレームおよび一つ以上の保護カバーを含む、人工インプラント用のドッキングステーション。フレームは、複数の支柱を含み、支柱は、一つ以上の尖部を形成する。保護カバーは、尖部上に配置され、埋め込み位置でフレームの尖部と自己組織との間に位置付けられるように構成される。
【0139】
実施例2.一つ以上の保護カバーがPET、PTFE、ePTFE、またはTPUを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1に記載のドッキングステーション。
【0140】
実施例3.フレームの複数の支柱に結合された一つ以上の密封スカートをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例1または実施例2のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0141】
実施例4.一つ以上の保護カバーが密封スカートと一体的に形成されている、本明細書の任意の実施例、特に実施例3に記載のドッキングステーション。
【0142】
実施例5.一つ以上の保護カバーが密封スカートからの別個の構成要素として形成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例3に記載のドッキングステーション。
【0143】
実施例6.一つ以上の保護カバーのうちの少なくとも一つが、密封スカートと一体的に形成されている、本明細書の任意の実施例、特に実施例3に記載のドッキングステーション。
【0144】
実施例7.一つ以上の保護カバーのうちの少なくとも一つが密封スカートからの別個の構成要素として形成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例3または実施例6のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0145】
実施例8.一つ以上の保護カバーが、一つ以上の縫合糸を介してフレームの複数の支柱に結合されている、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~7のいずれか一つに記載のドッキングステーション。
【0146】
実施例9.一つ以上の尖部が、フレームの流入端に配置された第一の複数の尖部と、フレームの流出端に配置された第二の複数尖部と、を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~8のいずれか一つに記載のドッキングステーション。
【0147】
実施例10.複数の支柱が、フレームの流入端に隣接する第一の複数のセル、およびフレームの流出端に隣接する第二の複数のセルを形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例9に記載のドッキングステーション。
【0148】
実施例11.一つ以上の密封スカートが第一の複数のセルを完全に覆う、本明細書の任意の実施例、特に実施例10に記載のドッキングステーション。
【0149】
実施例12.一つ以上の密封スカートが第二の複数のセルを完全に覆う、本明細書の任意の実施例、特に実施例11に記載のドッキングステーション。
【0150】
実施例13.一つ以上の密封スカートが第二の複数のセルの各セルのすべて以下を覆う、本明細書の任意の実施例、特に実施例10または実施例11のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0151】
実施例14.一つ以上の密封スカートがその中に形成される一つ以上の開口部を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例13に記載のドッキングステーション。
【0152】
実施例15.一つ以上の保護カバーが、一つ以上の保護カバーをフレームに結合するように構成され、その中に形成される開口部を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~14のいずれか一つに記載のドッキングステーション。
【0153】
実施例16.第一の複数のセルおよび第二の複数のセルを含む、人工インプラントを支持するためのフレーム。第一の複数のセルは、第一の円周方向に延在する列に配置される。第二の複数のセルは、第二の円周方向に延在する列に配置され、第二の複数のセルのセルは、第一の複数のセルのセルよりも大きい。
【0154】
実施例17.第一の複数のセルが、フレームの流入端に隣接して配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例16に記載のフレーム。
【0155】
実施例18.第二の複数のセルが、フレームの流出端に隣接して配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例16または実施例17のいずれかに記載のフレーム。
【0156】
実施例19.第一の複数のセルと第二の複数のセルとの間に配置される第三の複数のセルをさらに備え、第二の複数のセルが第三の複数のセルよりも大きい、本明細書の任意の実施例、特に実施例16~18のいずれか一つに記載のフレーム。
【0157】
実施例20.第一の複数のセルのセルが、第三の複数のセルのセルよりも大きい、本明細書の任意の実施例、特に実施例19のフレーム。
【0158】
実施例21.第三の複数のセルをさらに備え、第一の複数のセルが、第二の複数のセルと第三の複数のセルとの間に配置され、第二の複数のセルが、フレームの流出端に隣接して配置され、第三の複数のセルが、フレームの流入端に隣接して配置され、第三の複数のセルのセルが、第一の複数のセルよりも大きい、本明細書の任意の実施例、特に実施例16に記載のフレーム。
【0159】
実施例22.第二の複数のセルのセルが、第三の複数のセルのセルよりも大きい、本明細書の任意の実施例、特に実施例21のフレーム。
【0160】
実施例23.第一の複数のセルが、10~16個のセルを備える、請求項16~22のいずれか一項に記載のフレーム。
【0161】
実施例24.第一の複数のセルが、12~14個のセルを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例23に記載のフレーム。
【0162】
実施例25.第一の複数のセルが、ちょうど12個のセルを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例24に記載のフレーム。
【0163】
実施例26.第一の複数のセルが、ちょうど14個のセルを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例24に記載のフレーム。
【0164】
実施例27.第二の複数のセルが、4~8個のセルを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例16~22のいずれか一つに記載のフレーム。
【0165】
実施例28.第二の複数のセルが、5~6個のセルを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例27に記載のフレーム。
【0166】
実施例29.第二の複数のセルが、ちょうど6個のセルを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例28に記載のフレーム。
【0167】
実施例30.フレームが、一つ以上の力分散特徴部を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~29のいずれか一つに記載のフレーム。
【0168】
実施例31.一つ以上の力分散特徴部が、複数の支柱に結合された一つ以上の可撓性支柱を備え、各可撓性支柱が、蛇行部分および複数のノッチを備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例31に記載のフレーム。
【0169】
実施例32.一つ以上の力分散特徴部が、複数の支柱に結合された一つ以上のパドルを備え、各パドルが、ネック部分およびヘッド部分を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例31または実施例32のいずれかに記載のフレーム。
【0170】
実施例33.フレームを送達装置に結合するように構成された一つ以上のコネクタタブをさらに備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~32のいずれか一つに記載のフレーム。
【0171】
実施例34.コネクタタブが、フレームの流入端でフレームの曲率に従う、本明細書の任意の実施例、特に実施例33のフレーム。
【0172】
実施例35.コネクタタブが、フレームの流入端で尖部に対して半径方向に外向きに広がる、本明細書の任意の実施例、特に実施例33に記載のフレーム。
【0173】
実施例36.第一の部分および第二の部分を備える、本明細書の任意のフレーム、特に実施例1~35のいずれか一つに記載のフレームに結合されるように構成された密封スカート。第一の部分は、フレームの一つ以上のセルを覆うように構成され、第二の部分は、フレームの隣接するセルの間に延在するように構成される。
【0174】
実施例37.複数のセルおよび一つ以上の支持支柱を備える、ドッキングステーション用のフレーム。複数のセルは、複数の支柱によって画定され、セルは、第一の尖部列および第二の尖部列を備える。各支持支柱は、第一の尖部列内の尖部から第二の尖部列内の尖部まで軸方向に延在する。
【0175】
実施例38.複数のセルを形成する複数の支柱を備える、ドッキングステーション用のフレーム。セルは、フレームの流入端からフレームの流出端まで延在する。流出端に隣接して配置される一つ以上のセルは、半径方向に先細りしたセクションを備え、流入端に隣接して配置される一つ以上のセルは、半径方向に湾曲したセクションを備える。
【0176】
実施例39.流入端部分、流出端部分、および中間部分を備える、ドッキングステーション用のフレーム。流出端部分は、第一の軸方向位置に第一の直径、および第二の軸方向位置に第二の直径を有する。第二の直径は第一の直径よりも小さい。第二の軸方向位置は、第一の軸方向位置よりもフレームの遠位端の近くに配置される。中間部分は、流入端部分と流出端部分との間に配置され、第三の軸方向位置に第三の直径を有する。第三の直径は、第一の直径および第二の直径よりも小さい。第三の軸方向位置は、第一の軸方向位置および第二の軸方向位置よりもフレームの流入端に向かってより近くに配置される。
【0177】
実施例40.フレームの一つ以上の尖部が第一の構成を備え、フレームの一つ以上の他の尖部が第二の構成を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~39のいずれか一つに記載のフレーム。
【0178】
実施例41.第一の構成が垂直構成であり、第二の構成が斜めまたはフレア状の構成である、本明細書の任意の実施例、特に実施例40に記載のフレーム。
【0179】
実施例42.フレームの尖部が、第一の構成と第二の構成との間で交互パターンで配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例40または実施例41のいずれかに記載のフレーム。
【0180】
実施例43.交互パターンが、第一の構成-第二の構成-第一の構成などである、本明細書の任意の実施例、特に実施例42に記載のフレーム。
【0181】
実施例44.一つ以上の尖部および一つ以上の他の尖部が、フレームの流出端部分に配置される、本明細書の任意の実施例、特に実施例40~43のいずれか一つに記載のフレーム。
【0182】
実施例45.尖部の一つ以上が十字形状を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~44のいずれか一つに記載のフレーム。
【0183】
実施例46.一つ以上の尖部が、十字形状を形成する突出部部分およびガード部分を備える、本明細書の任意の実施例、特に実施例45に記載のフレーム。
【0184】
実施例47.尖部の一つ以上が狭い部分および広い部分を有する先細り形状を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~46のいずれか一つに記載のフレーム。
【0185】
実施例48.先細り形状の狭い部分が十字形状のガード部分と軸方向に整列し、先細り形状の広い部分が十字形状の突出部部分と軸方向に整列する、本明細書の任意の実施例、特に実施例47に記載のフレーム。
【0186】
実施例49.十字形状および先細り形状が、フレームが半径方向に圧縮された時に互いに嵌め込むように構成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例46~48のいずれか一つに記載のフレーム。
【0187】
実施例50.本明細書の任意の実施例、特に実施例1~49のいずれか一つのドッキングステーションまたはフレームのいずれか一つを滅菌することを含む、方法。
【0188】
実施例51.本明細書に開示される装置のうちのいずれか一つ、特に実施例1~49のいずれか一つに記載の装置のうちのいずれか一つを含む、人工装置を移植する方法。
【0189】
実施例52.本明細書に開示される装置のうちのいずれか一つ、特に実施例1~49の装置のいずれか一つを含む、人工装置の埋め込み処置をシミュレーションする方法。
【0190】
別段の記載がない限り、任意の実施例に関して本明細書に記載される特徴は、他の実施例のうちの任意の一つ以上に記載される他の特徴と組み合わせることができる。
【0191】
本開示の原理が適用され得る多くの可能なやり方を考慮すると、図示される構成が、開示される技術の実施例を示すのであり、本開示または請求項の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことは、認識されるべきである。むしろ、特許請求される主題の範囲は、以下の特許請求の範囲によって、およびその均等物によって、規定される。
【国際調査報告】