(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】NLRP3またはNLRP1発現を調節するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/113 20100101AFI20240829BHJP
C12Q 1/02 20060101ALI20240829BHJP
A61K 31/7125 20060101ALI20240829BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240829BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240829BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20240829BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240829BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240829BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240829BHJP
A61P 25/06 20060101ALI20240829BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20240829BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20240829BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240829BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20240829BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20240829BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240829BHJP
A61K 47/62 20170101ALN20240829BHJP
A61K 47/68 20170101ALN20240829BHJP
A61K 47/54 20170101ALN20240829BHJP
A61K 47/56 20170101ALN20240829BHJP
A61K 47/65 20170101ALN20240829BHJP
A61K 39/395 20060101ALN20240829BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
C12Q1/02
A61K31/7125
A61P43/00 105
A61P29/00
A61P37/06
A61P25/00
A61P3/10
A61P1/04
A61P25/06
A61P21/00
A61P25/02
A61P43/00 111
A61P25/28
A61P25/16
A61P25/14
A61K48/00
A61K47/62
A61K47/68
A61K47/54
A61K47/56
A61K47/65
A61K39/395 C
A61K39/395 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513895
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 US2022042394
(87)【国際公開番号】W WO2023034538
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523399418
【氏名又は名称】モレキュラー アクシオム エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン リーシャン
(72)【発明者】
【氏名】ジン ボハン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン ティモシー プレストン
【テーマコード(参考)】
4B063
4C076
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4B063QA20
4B063QQ08
4B063QR32
4B063QR35
4B063QS40
4B063QX10
4C076AA95
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4C076CC29
4C076CC41
4C076EE59
4C084AA13
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4C084ZA021
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4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
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4C086MA04
4C086MA55
4C086MA59
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA08
4C086ZA16
4C086ZA22
4C086ZA66
4C086ZA94
4C086ZB08
4C086ZB11
4C086ZB21
4C086ZC35
4C086ZC41
(57)【要約】
本明細書では、遺伝子発現を調節するための、NACHT、LRR及びPYDドメイン含有タンパク質3(NLRP3)mRNAまたはNLRP1 mRNAに結合することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドの組成物が記載される。また、本明細書では、遺伝子発現を調節するために、またはインフラマソーム関連疾患を処置するために、本明細書に記載される組成物を使用する方法も記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NACHT、LRR及びPYDドメイン含有タンパク質3(NLRP3)mRNAまたはNLRP1 mRNAに結合することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む組成物。
【請求項2】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、前記NLRP3 mRNAに特異的に結合する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、NLRP3 mRNAをコードする核酸配列に対して相補的な核酸配列を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1~7によってコードされるmRNAに対して少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%相補的な核酸配列を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、前記NLRP1 mRNAに特異的に結合する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、NLRP1 mRNAをコードする核酸配列に対して相補的な核酸配列を含む、請求項1または5に記載の組成物。
【請求項7】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号8~13によってコードされるmRNAに対して少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%相補的な核酸配列を含む、請求項1または5に記載の組成物。
【請求項8】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、前記NLRP3 mRNA及び前記NLRP1 mRNAに特異的に結合する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、NLRP3 mRNA及びNLRP1 mRNAをコードする核酸配列に対して相補的な核酸配列を含む、請求項1または8に記載の組成物。
【請求項10】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1及び配列番号8によってコードされるmRNAに対して相補的な核酸配列を含む、請求項1または8に記載の組成物。
【請求項11】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、下記配列:配列番号21~38のうちの1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列類似性を有する核酸配列を含む、請求項1または8~10に記載の組成物。
【請求項12】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、12~30個のヌクレオチドの長さで構成される、請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ギャップセグメント及びウイングセグメントを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、5’-ウイングセグメント及び3’-ウイングセグメントを含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記5’-ウイングセグメント及び前記3’-ウイングセグメントの各々は、3個のヌクレオチドの長さで構成される、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの2’-修飾ヌクレオシド、少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間結合、または少なくとも1つの反転脱塩基部分を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記少なくとも1つの2’修飾ヌクレオチドは、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、2’-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、2’-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾ヌクレオチド、ロックド核酸(LNA)、cEt(constrained ethyl)糖、チオモルホリノ、エチレン架橋核酸(ENA)、またはそれらの組み合わせを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合またはホスホロジチオエート結合を含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー(PMO)、チオモルホリノ、ロックド核酸(LNA)、またはcEt(constrained ethyl)糖を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはポリマーとコンジュゲートされる、請求項1~19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、リンカーを介して、ペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはポリマーとコンジュゲートされる、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物は、前記NLRP3 mRNAに特異的に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドと、前記NLRP1 mRNAに特異的に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドとの組み合わせを含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物は、NLRP3 mRNA及びNLRP1 mRNAの両方に結合することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、請求項1~22のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物は、賦形剤をさらに含む、請求項1~23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物は、非経口投与用または鼻腔投与用に製剤化される、請求項1~24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95、96、97、98、99、100、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、または646のいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む、請求項1~25のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95、121、139、144、146、147、または172のいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である前記核酸配列を含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95、121、139、144、146、147、または172のいずれか1つである、請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
細胞におけるインフラマソーム経路を調節する方法であって、
NLRP3 mRNAまたはNLRP1 mRNAに結合することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む組成物で前記細胞を処理し、それによって前記細胞におけるNLRP3、NLRP1、またはインフラマソームの発現を低減させること、を含む前記方法。
【請求項30】
前記細胞は、インフラマソーム疾患または病態に関連する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの2’-修飾ヌクレオチド、少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間結合、または少なくとも1つの反転脱塩基部分を含む、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つの2’修飾ヌクレオチドは、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、2’-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、2’-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾ヌクレオチド、ロックド核酸(LNA)、cEt(constrained ethyl)糖、チオモルホリノ、エチレン架橋核酸(ENA)、またはそれらの組み合わせを含む、請求項29~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記NLRP3もしくはNLRP1タンパク質の発現またはNLRP3もしくはNLRP1 mRNAの発現は、前記処理後に少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%低減される、請求項29~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記NLRP3もしくはNLRP1タンパク質の発現またはNLRP3もしくはNLRP1 mRNAの発現は、未処理の細胞と比較して、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%低減される、請求項29~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記組成物で処理された前記細胞は、少なくとも1種のサイトカインの発現を増加させる、請求項29~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
インフラマソームに関連する疾患または病態の処置を必要とする対象におけるその処置方法であって、請求項1~35のいずれか1項に記載の組成物を前記対象に投与し、それによって、前記対象における前記インフラマソームに関連する疾患または病態を処置すること、を含む前記方法。
【請求項37】
前記インフラマソームに関連する疾患または病態には、自己炎症性疾患、自己免疫疾患、神経変性疾患が含まれる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記自己免疫疾患には、糖尿病または炎症性腸疾患(IBD)が含まれる、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記神経変性疾患には、片頭痛、ALS、パーキンソン病、アルツハイマー病またはハンチントン病が含まれる、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記疾患または病態には、神経損傷が含まれる、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記神経損傷には、末梢神経損傷が含まれる、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記神経損傷には、脊髄損傷が含まれる、請求項41に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年9月2日に出願された米国仮出願第63/240,219号及び2022年5月10日に出願された米国仮出願第63/340,192号の利益を主張するものであり、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
参照による組み込み
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願のそれぞれが、参照により組み込まれるように、明確に、かつ個々に示された場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる刊行物及び特許または特許出願が、本明細書に含有される開示内容と矛盾する場合において、本明細書は、そのような矛盾した内容全てに取って代わる、及び/または優先することが意図される。
【背景技術】
【0003】
特定の疾患または病態は、炎症、または炎症に関連する経路の1つ以上の遺伝子の過剰発現もしくは過小発現によって引き起こされる。かかる疾患または病態を処置するために、最も求められている治療選択肢の1つは、炎症に関連する遺伝子の直接的編集、または遺伝子サイレンシング手段もしくは遺伝子サイレンシング法を用いた転写/翻訳制御を必要とするものである。RNAによって誘導された遺伝子サイレンシングにより、転写不活性化、mRNA分解、転写減衰を含む様々な態様において、標的遺伝子のRNA発現が制御される。したがって、RNAレベルでの遺伝子発現を効果的に編集するための組成物及び方法が、依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの態様において、本明細書では、NACHT、LRR及びPYDドメイン含有タンパク質3(NLRP3)mRNAまたはNLRP1 mRNAに結合することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む組成物が記載される。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、NLRP3 mRNAに特異的に結合する。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、NLRP3 mRNAをコードする核酸配列に対して相補的な核酸配列を含む。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1~7によってコードされるmRNAに対して少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%相補的な核酸配列を含む。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、NLRP1 mRNAに特異的に結合する。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、NLRP1 mRNAをコードする核酸配列に対して相補的な核酸配列を含む。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号8~13によってコードされるmRNAに対して少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%相補的な核酸配列を含む。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、NLRP3 mRNA及びNLRP1 mRNAに特異的に結合する。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、NLRP3 mRNA及びNLRP1 mRNAをコードする核酸配列に対して相補的な核酸配列を含む。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1及び配列番号8によってコードされるmRNAに対して相補的な核酸配列を含む。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、下記配列:配列番号21~38のうちの1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の配列類似性を有する核酸配列を含む。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、12~30個の核酸塩基の長さで構成される。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ギャップセグメント及びウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、5’-ウイングセグメント及び3’-ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、5’-ウイングセグメント及び3’-ウイングセグメントの各々は、3個の核酸塩基の長さで構成される。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの2’-修飾ヌクレオシド、少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間結合、または少なくとも1つの反転脱塩基部分を含む。いくつかの態様において、少なくとも1つの2’修飾ヌクレオチドは、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、2’-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、2’-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、もしくは2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾ヌクレオチド、ロックド核酸(LNA)、cEt(constrained ethyl)糖、チオモルホリノ、エチレン架橋核酸(ENA)、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合またはホスホロジチオエート結合を含む。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー(PMO)、チオモルホリノ、ロックド核酸(LNA)、またはcEt(constrained ethyl)糖を含む。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはポリマーとコンジュゲートされる。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、リンカーを介して、ペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはポリマーとコンジュゲートされる。いくつかの態様において、組成物は、NLRP3 mRNAに特異的に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドと、NLRP1 mRNAに特異的に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドとの組み合わせを含む。いくつかの態様において、組成物は、NLRP3 mRNA及びNLRP1 mRNAの両方に結合することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、組成物は、賦形剤をさらに含む。いくつかの態様において、組成物は、非経口投与用または鼻腔投与用に製剤化される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95、96、97、98、99、100、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、または646のいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95、121、139、144、146、147、または172のいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号121と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号139と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号144と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号146と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号147と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号172と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95、121、139、144、146、147、または172のいずれか1つである。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号121である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号139である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号144である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号146である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号147である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号172である。
【0005】
本明細書では、いくつかの態様において、細胞におけるインフラマソーム経路を調節する方法であって、NLRP3 mRNAまたはNLRP1 mRNAに結合することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む組成物で細胞を処理し、それによって細胞におけるNLRP3、NLRP1、またはインフラマソームの発現を低減させること、を含む前記方法が記載される。いくつかの態様において、細胞は、インフラマソーム疾患または病態に関連する。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの2’-修飾ヌクレオチド、少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間結合、または少なくとも1つの反転脱塩基部分を含む。いくつかの態様において、少なくとも1つの2’修飾ヌクレオチドは、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、2’-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、2’-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、もしくは2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾ヌクレオチドを含むか、ロックド核酸(LNA)、cEt(constrained ethyl)糖もしくはエチレン架橋核酸(ENA)を含むか、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、NLRP3もしくはNLRP1タンパク質の発現またはNLRP3もしくはNLRP1 mRNAの発現は、処理後に少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%低減される。いくつかの態様において、NLRP3もしくはNLRP1タンパク質の発現またはNLRP3もしくはNLRP1 mRNAの発現は、未処理の細胞と比較して、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%低減される。いくつかの態様において、組成物で処理された細胞は、少なくとも1種のサイトカインの発現を増加させる。
【0006】
本明細書では、いくつかの態様において、インフラマソームに関連する疾患または病態の処置を必要とする対象におけるその処置方法であって、請求項1~25のいずれか1項に記載の組成物を対象に投与し、それによって、当該対象におけるインフラマソームに関連する疾患または病態を処置すること、を含む前記方法が記載される。いくつかの態様において、インフラマソームに関連する疾患または病態には、自己炎症性疾患、自己免疫疾患、神経変性疾患が含まれる。いくつかの態様において、自己免疫疾患には、糖尿病または炎症性腸疾患(IBD)が含まれる。いくつかの態様において、神経変性疾患には、片頭痛、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、アルツハイマー病またはハンチントン病が含まれる。いくつかの態様において、疾患または病態には、神経損傷が含まれる。いくつかの態様において、神経損傷には、末梢神経損傷が含まれる。いくつかの態様において、神経損傷には、脊髄損傷が含まれる。
【0007】
本特許出願は、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含有するものである。カラー図面(複数可)を伴う本特許または特許出願の写しは、請求及び必要な手数料の支払いに応じて、当局により提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】トランスフェクションしてから24時間後のU87ヒト神経膠芽腫細胞におけるNLRP3 mRNAノックダウンを例示している。
【
図2】LPS+ATPで刺激したマウスミクログリアにおけるNLRP3 mRNAノックダウンを例示している。
【
図3】LPS+ATPで刺激したマウスミクログリアにおいて、ASO処理72時間後にIL-1ベータが抑制されることを例示している。
【
図4】LPS+ATPで刺激したヒトPBMCにおいて、IL-1ベータが抑制されることを例示している。
【0009】
本開示の新規性は、添付の特許請求の範囲に詳細に示される。本開示の特徴及び利点のより良い理解は、例示的な実施形態を示す以下の発明を実施するための形態を参照することによって得られるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0010】
概要
本明細書では、炎症に関連する遺伝子発現または経路を調節するための組成物及び方法が記載される。また、本明細書では、炎症性疾患または病態に関連する遺伝子発現または経路を調節することによって当該炎症性疾患または病態を処置するための組成物及び方法も記載される。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含み、当該オリゴヌクレオチドは、細胞内に送達されるとすぐに内在性の核酸に結合し、それによって、標的核酸が分解される。いくつかの態様において、本明細書では、本明細書に記載される組成物またはオリゴヌクレオチドを利用する方法が記載される。いくつかの態様において、当該方法は、細胞をオリゴヌクレオチドと接触させて、炎症性疾患または病態に関連する遺伝子発現または経路を減少させることによって、当該炎症性疾患または病態を処置するものである。
【0011】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドであり、当該オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの内在性核酸(例えば、pre-mRNAまたはmRNA)に対して相補的であり、それに対して結合する。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの内在性核酸に対する結合により、内在性核酸が分解されるか、または内在性核酸からのコードされた標的タンパク質の翻訳が遮断される。したがって、内在性核酸によってコードされる遺伝子の発現が減少する。例えば、mRNAを含む内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、二重鎖核酸分子が創出され、次いで、このことによってmRNAを分解する内在性ヌクレアーゼがリクルートされ得る。場合によっては、オリゴヌクレオチドの内在性核酸に対する結合により、標的タンパク質をコードする内在性mRNAが分解され、標的タンパク質の翻訳が減少することにより、インフラマソーム集合体が減少する。
【0012】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドによって調節される遺伝子は、経路の一部である。いくつかの態様において、経路は、炎症経路である。このように、いくつかの態様において、内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合に起因する遺伝子発現の減少により、オリゴヌクレオチドによって調節される遺伝子を含むインフラマソーム経路の発現がさらに減少し得る。いくつかの態様において、遺伝子または経路の発現の減少により、炎症性疾患または病態の処置に対する治療効果がもたらされる。いくつかの態様において、炎症性疾患または病態は、遺伝子発現またはインフラマソーム経路が増強することによって引き起こされる。
【0013】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのギャップセグメントを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、2つのウイングセグメントと隣接している少なくとも1つのギャップセグメントを含む。例えば、オリゴヌクレオチドは、5’-ウイングセグメント及び3’-ウイングセグメントと隣接しているギャップセグメントを含む。いくつかの態様において、ギャップセグメントまたはウイングセグメントは、少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾により、内在性核酸に結合するオリゴヌクレオチドの特異性が増加する。いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾により、内在性核酸に結合するオリゴヌクレオチドの親和性が増加する。いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾により、加水分解に対するオリゴヌクレオチドの耐性が増加する。いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾により、ヌクレアーゼ消化に対するオリゴヌクレオチドの耐性が増加する。いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾により、in vivoでのオリゴヌクレオチドの半減期が増加する。いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾により、免疫原性が減少する。いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾により、自然免疫応答が減少する。
【0014】
組成物
本明細書では、いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドを少なくとも1つ含む組成物が記載される。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、複数のオリゴヌクレオチドは、同じ核酸配列または異なる核酸配列を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、内在性核酸を標的とし、内在性核酸に結合するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドである。いくつかの態様において、内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、内在性核酸を分解する内在性ヌクレアーゼがリクルートされる。いくつかの態様において、内在性核酸が分解されると、内在性核酸によってコードされる遺伝子の発現が減少する。いくつかの態様において、内在性核酸を分解することで、本明細書に記載される疾患または病態を処置することができる。
【0015】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45、50個、またはそれ以上の核酸塩基の長さで構成される。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の核酸塩基の長さで構成される。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、10個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、11個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、12個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、13個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、14個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、15個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、16個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、17個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、18個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、19個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、20個の核酸塩基を含む。
【0016】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのギャップセグメントを含む。いくつかの態様において、ギャップセグメントは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45、50個、またはそれ以上の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ギャップセグメントは、少なくとも1、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ギャップセグメントは、4個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ギャップセグメントは、5個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ギャップセグメントは、6個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ギャップセグメントは、7個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ギャップセグメントは、8個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ギャップセグメントは、9個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ギャップセグメントは、10個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ギャップセグメントは、11個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ギャップセグメントは、12個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ギャップセグメントは、13個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ギャップセグメントは、14個の核酸塩基を含む。
【0017】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、少なくとも1つのウイングセグメントは5’-末端ウイングセグメントであり、この5’-末端ウイングセグメントは、ギャップセグメントに、当該ギャップセグメントの5’-末端で共有結合性に結合している。いくつかの態様において、少なくとも1つのウイングセグメントは3’-末端ウイングセグメントであり、この3’-末端ウイングセグメントは、ギャップセグメントに、当該ギャップセグメントの3’-末端で共有結合性に結合している。いくつかの態様において、ギャップセグメントは、当該ギャップセグメントの5’-末端及び3’-末端の両方でウイングセグメントと隣接している。いくつかの態様において、ウイングセグメントは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12個、またはそれ以上の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ウイングセグメントは、1個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ウイングセグメントは、2個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ウイングセグメントは、3個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ウイングセグメントは、4個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ウイングセグメントは、5個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ウイングセグメントは、6個のヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、ウイングセグメントは、7個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ウイングセグメントは、8個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ウイングセグメントは、9個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、ウイングセグメントは、10個の核酸塩基を含む。
【0018】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、5’-末端ウイングセグメントと、それに続くギャップセグメントと、それに続く3’-末端ウイングセグメントとを含む。このような配列において、5’-末端ウイングセグメントは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12個、またはそれ以上の核酸塩基を含み、3’-末端ウイングセグメントは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12個、またはそれ以上の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、5’-末端ウイングセグメント及び3’-末端ウイングセグメントは、同じ個数の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、5’-末端ウイングセグメント及び3’-末端ウイングセグメントは、異なる個数の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、5’-末端ウイングセグメントは、1個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、5’-末端ウイングセグメントは、2個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、5’-末端ウイングセグメントは、3個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、5’-末端ウイングセグメントは、4個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、5’-末端ウイングセグメントは、5個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、5’-末端ウイングセグメントは、6個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、5’-末端ウイングセグメントは、7個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、5’-末端ウイングセグメントは、8個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、5’-末端ウイングセグメントは、9個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、5’-末端ウイングセグメントは、10個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、3’-末端ウイングセグメントは、1個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、3’-末端ウイングセグメントは、2個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、3’-末端ウイングセグメントは、3個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、3’-末端ウイングセグメントは、4個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、3’-末端ウイングセグメントは、5個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、3’-末端ウイングセグメントは、6個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、3’-末端ウイングセグメントは、7個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、3’-末端ウイングセグメントは、8個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、3’-末端ウイングセグメントは、9個の核酸塩基を含む。いくつかの態様において、3’-末端ウイングセグメントは、10個の核酸塩基を含む。
【0019】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、1個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び1個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、2個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び2個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、3個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び3個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、4個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び4個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、5個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び5個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、6個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び6個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、7個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び7個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、8個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び8個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、9個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び9個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、10個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び10個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。
【0020】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的核酸に結合する。いくつかの態様において、標的核酸は、内在性核酸である。いくつかの態様において、標的核酸には、核RNA、細胞質RNA、またはミトコンドリアRNAが含まれる。いくつかの態様において、標的RNAには、遺伝子間DNA(限定されないが、ヘテロクロマチンDNAを含む)、メッセンジャーRNA(mRNA)、プレメッセンジャーRNA(pre-mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、単離されたDNA配列、単離されたRNA配列、sgRNA、オリゴヌクレオチド、核酸プローブ、プライマー、snRNA、長鎖ノンコーディングRNA、small RNA、snoRNA、siRNA、miRNA、tRNA由来のsmall RNA(tsRNA)、アンチセンスRNA、shRNA、またはsmall rDNA由来のRNA(srRNA)が含まれる。
【0021】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、ワトソン・クリック塩基対形成等の塩基対形成によって当該オリゴヌクレオチドの標的核酸に対する結合を可能にする核酸配列を含む。本明細書で提供される組成物及び方法は、遺伝子または経路の発現を調節するために利用され得る。調節とは、遺伝子または遺伝子内の変異に関連する疾患または病態を緩和する目的で、様々な段階のうちの1つにおいて、遺伝子またはその一部の発現を変化させることを指し得る。調節は、転写レベルに影響を与え得るか、または転写後に影響を与え得る。転写を調節することで、遺伝子の変異によって生成したスプライスバリアントの異常発現が修正され得る。場合によっては、本明細書で提供される組成物及び方法は、標的の遺伝子翻訳を制御するために利用され得る。調節とは、転写物の存在量を減少させることにより、遺伝子またはその一部の発現を減少させることまたはノックダウンすることを指し得る。転写物の存在量の減少は、転写物のプロセシング、スプライシング、ターンオーバーもしくは安定性を低下させることによって、またはリボソーム等の翻訳機構による転写物への接近性を低下させることによって媒介され得る。場合によっては、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、ノックダウンを促進し得る。ノックダウンにより、標的RNAの発現が低減され得る。場合によっては、ノックダウンは、mRNAの調節を伴い得る。場合によっては、ノックダウンは、mRNAを実質的にほとんど調節することなく起こり得る。いくつかの例では、ノックダウンは、3’UTR、5’UTRまたはその両方等、標的RNAの非翻訳領域を標的とすることによって起こり得る。場合によっては、ノックダウンは、標的RNAのコード領域を標的とすることによって起こり得る。
【0022】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、本明細書に記載される遺伝子のいずれか1つを標的とし、それに結合するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドである。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的とされ、結合される遺伝子(複数可)は、NLRP3、NLRC4/NAIP、NLRP1、AIM2、IFI16、パイリン、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、NLRP3、NLRC4/NAIP、NLRP1、AIM2、IFI16、またはパイリンと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一であるmRNAを標的とし、それに結合する。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、NLRP3、NLRC4/NAIP、NLRP1、AIM2、IFI16、またはパイリンのmRNAと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である少なくとも2つのmRNAを標的とし、それらに結合する。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、NLRP3、NLRC4/NAIP、NLRP1、AIM2、IFI16、パイリン、またはそれらの組み合わせのmRNAに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%相補的な核酸配列を含む。
【0023】
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的とされ、結合される遺伝子(複数可)は、NLRP3またはNLRP1である。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドによって標的とされ、結合される遺伝子は、NLRP3及びNLRP1の両方である。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、表1に示されるNLRP3もしくはNLRP1をコードする核酸、または同じく表1に示されるNLRP3もしくはNLRP1のmRNAを標的とし、それに結合する。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1によってコードされるNLRP3のmRNAを標的とし、それに結合することができる。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号8によってコードされるNLRP1のmRNAを標的とし、それに結合することができる。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1によってコードされるNLRP3のmRNA、または配列番号8によってコードされるNLRP1のmRNAを標的とし、それに結合することができる。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号1によってコードされるNLRP3のmRNA、及び配列番号8によってコードされるNLRP1のmRNAを標的とし、それらに結合することができる。
【0024】
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号2~7と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一であるNLRP3のmRNAを標的とし、それに結合する。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号9~13と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一であるNLRP1のmRNAを標的とし、それに結合する。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号2~7と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一であるNLRP3のmRNA、または配列番号9~13と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一であるNLRP1のmRNAを標的とし、それに結合する。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号2~7と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一であるNLRP3のmRNA、及び配列番号9~13と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一であるNLRP1のmRNAを標的とし、それらに結合する。
【0025】
いくつかの態様において、NLRP3のmRNAを標的とし、それに結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号21~38と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの態様において、NLRP1のmRNAを標的とし、それに結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号21~38と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの態様において、NLRP3のmRNAまたはNLRP1のmRNAを標的とし、それに結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号21~38と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの態様において、NLRP3のmRNAまたはNLRP1のmRNAを標的とし、それに結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号21~38と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの態様において、NLRP3のmRNA及びNLRP1のmRNAを標的とし、それらに結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号21~38と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。
【0026】
いくつかの態様において、NLRP3のmRNAを標的とし、それに結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号21~38のヌクレオチド配列に由来する、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15個の連続したヌクレオチドまたは連続的ヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、NLRP3のmRNAを標的とし、それに結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号21~38と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15個の核酸を含む。いくつかの態様において、NLRP1のmRNAを標的とし、それに結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号21~38のヌクレオチド配列に由来する、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15個の連続したヌクレオチドまたは連続的ヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、NLRP3のmRNAを標的とし、それに結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、2個以下、3個以下、4個以下のヌクレオチドが配列番号21~38のヌクレオチド配列と異なる、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15個の連続したヌクレオチドまたは連続的ヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、NLRP1のmRNAを標的とし、それに結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、2個以下、3個以下、4個以下の核酸塩基が配列番号21~38のヌクレオチド配列と異なる、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15個の連続した核酸塩基または連続的核酸塩基を含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95、96、97、98、99、100、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、または646のいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95、121、139、144、146、147、または172のいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号121と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号139と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号144と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号146と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号147と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号172と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95、121、139、144、146、147、または172のいずれか1つである。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号121である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号139である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号144である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号146である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号147である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号172である。
【0028】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、インフラマソーム経路に関連する遺伝子をコードする内在性核酸を標的とし、それに結合する。いくつかの態様において、インフラマソーム経路に関連する遺伝子は、NLRP3、NLRC4/NAIP、NLRP1、AIM2、IFI16、パイリン、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様において、インフラマソーム経路に関連する遺伝子は、NLRP3である。いくつかの態様において、インフラマソーム経路に関連する遺伝子は、NLRP1である。いくつかの態様において、インフラマソーム経路に関連する遺伝子は、NLRP3またはNLRP1である。いくつかの態様において、インフラマソーム経路に関連する遺伝子は、NLRP3及びNLRP1である。
【0029】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、内在性核酸に結合するとすぐに、当該内在性核酸と共に二重鎖を形成し、当該内在性核酸を分解する内在性ヌクレアーゼをリクルートする。いくつかの態様において、内在性ヌクレアーゼは、デオキシリボヌクレアーゼである。いくつかの態様において、内在性ヌクレアーゼは、リボヌクレアーゼである。いくつかの態様において、リボヌクレアーゼは、エンドリボヌクレアーゼである。いくつかの態様において、エンドリボヌクレアーゼには、エンドリボヌクレアーゼまたはRNアーゼA、P、H、I、III、T1、T2、U2、V1、PhyM、もしくはVが含まれる。いくつかの態様において、リボヌクレアーゼは、エキソリボヌクレアーゼである。いくつかの態様において、エキソリボヌクレアーゼには、RNアーゼPH、II、R、D、またはTが含まれる。いくつかの態様において、ヌクレアーゼには、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ(PNPアーゼ)、オリゴリボヌクレアーゼ、エキソリボヌクレアーゼI、またはエキソリボヌクレアーゼIIが含まれる。いくつかの態様において、内在性核酸に結合するオリゴヌクレオチドによってリクルートされるリボヌクレアーゼは、RNアーゼHである。
【0030】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個、またはそれ以上の化学修飾を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個、またはそれ以上の化学修飾を含む少なくとも1つのギャップセグメント、を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個、またはそれ以上の化学修飾を含む少なくとも1つのウイングセグメント、を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個、またはそれ以上の化学修飾を含む少なくとも1つのギャップセグメント及び少なくとも1つのウイングセグメント、を含む。
【0031】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、NLRP3をコードする内在性核酸(例えば、mRNA)に結合し、このNLRP3内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、細胞におけるNLRP3の内在性mRNAまたはタンパク質発現が、当該オリゴヌクレオチドによって調節されていないNLRP3の内在性mRNAまたはタンパク質発現と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上減少する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、NLRP1をコードする内在性核酸(例えば、mRNA)に結合し、このNLRP1内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、細胞におけるNLRP1の内在性mRNAまたはタンパク質発現が、当該オリゴヌクレオチドによって調節されていないNLRP1の内在性mRNAまたはタンパク質発現と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上減少する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、NLRP3またはNLRP1をコードする内在性核酸(例えば、mRNA)に結合し、このNLRP3またはNLRP1内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、細胞におけるNLRP3またはNLRP1の内在性mRNAまたはタンパク質発現が、当該オリゴヌクレオチドによって調節されていないNLRP3またはNLRP1の内在性mRNAまたはタンパク質発現と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上減少する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、NLRP3またはNLRP1をコードする内在性核酸(例えば、mRNA)に結合し、このNLRP3及びNLRP1内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、細胞におけるNLRP3及びNLRP1の内在性mRNAまたはタンパク質発現が、当該オリゴヌクレオチドによって調節されていないNLRP3及びNLRP1の内在性mRNAまたはタンパク質発現と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上減少する。
【0032】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、NLRP3をコードする内在性核酸(例えば、mRNA)に結合し、このNLRP3内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、細胞における、インフラマソーム経路に関連するかもしくはインラマソーム経路内の遺伝子もしくはタンパク質の内在性発現または活性が、当該オリゴヌクレオチドによって調節されていない、インフラマソーム経路に関連するかもしくはインフラマソーム経路内の遺伝子もしくはタンパク質の内在性発現または活性と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上増加するかまたは減少する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、NLRP1をコードする内在性核酸(例えば、mRNA)に結合し、このNLRP1内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、細胞における、インフラマソーム経路に関連するかもしくはインラマソーム経路内の遺伝子もしくはタンパク質の内在性発現または活性が、当該オリゴヌクレオチドによって調節されていない、インフラマソーム経路に関連するかもしくはインフラマソーム経路内の遺伝子もしくはタンパク質の内在性発現または活性と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上増加するかまたは減少する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、NLRP3またはNLRP1をコードする内在性核酸(例えば、mRNA)に結合し、このNLRP3またはNLRP1内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、細胞における、インフラマソーム経路に関連するかもしくはインラマソーム経路内の遺伝子もしくはタンパク質の内在性発現または活性が、当該オリゴヌクレオチドによって調節されていない、インフラマソーム経路に関連するかもしくはインフラマソーム経路内の遺伝子もしくはタンパク質の内在性発現または活性と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上増加するかまたは減少する。
【0033】
いくつかの態様において、組成物は、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドを含み、第1のオリゴヌクレオチドは、NLRP3またはNLRP1内在性核酸(例えば、NLRP3またはNLRP1 mRNA)に結合し、第2のオリゴヌクレオチドは、NLRP3またはNLRP1内在性核酸(例えば、NLRP3またはNLRP1 mRNA)に結合し、第1及び第2のオリゴヌクレオチドは、異なる内在性核酸に結合するか、または同じ内在性核酸の異なる部分に結合する。いくつかの態様において、NLRP3内在性核酸及びNLRP1内在性核酸の両方に対するオリゴヌクレオチドの結合により、細胞でのインフラマソーム経路における遺伝子もしくはタンパク質の内在性発現またはインフラマソーム経路におけるタンパク質の活性が、当該オリゴヌクレオチドによって調節されていない、インフラマソーム経路における遺伝子もしくはタンパク質の内在性発現またはインフラマソーム経路におけるタンパク質の活性と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上減少する。
【0034】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、NLRP3をコードする内在性核酸(例えば、mRNA)に結合し、このNLRP3内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、細胞または組織における、本明細書に記載される少なくとも1種のサイトカインの内在性発現が、当該オリゴヌクレオチドによって調節されていない少なくとも1種のサイトカインの内在性発現と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上減少する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、NLRP1をコードする内在性核酸(例えば、mRNA)に結合し、このNLRP1内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、細胞または組織における、本明細書に記載される少なくとも1種のサイトカインの内在性発現が、当該オリゴヌクレオチドによって調節されていない少なくとも1種のサイトカインの内在性発現と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上減少する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、NLRP3またはNLRP1をコードする内在性核酸(例えば、mRNA)に結合し、このNLRP3またはNLRP1内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、細胞または組織における、本明細書に記載される少なくとも1種のサイトカインの内在性発現が、当該オリゴヌクレオチドによって調節されていない少なくとも1種のサイトカインの内在性発現と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上減少する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、NLRP3及びNLRP1をコードする内在性核酸(例えば、mRNA)に結合し、このNLRP3及びNLRP1内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、細胞または組織における、本明細書に記載される少なくとも1種のサイトカインの内在性発現が、当該オリゴヌクレオチドによって調節されていない少なくとも1種のサイトカインの内在性発現と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上減少する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、NLRP3をコードする内在性核酸(例えば、mRNA)に結合し、このNLRP3内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、細胞または組織における、本明細書に記載される少なくとも1種のサイトカインの内在性発現が、当該オリゴヌクレオチドによって調節されていない少なくとも1種のサイトカインの内在性発現と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上増加する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、NLRP1をコードする内在性核酸(例えば、mRNA)に結合し、このNLRP1内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、細胞または組織における、本明細書に記載される少なくとも1種のサイトカインの内在性発現が、当該オリゴヌクレオチドによって調節されていない少なくとも1種のサイトカインの内在性発現と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上増加する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、NLRP3またはNLRP1をコードする内在性核酸(例えば、mRNA)に結合し、このNLRP3またはNLRP1内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、細胞または組織における、本明細書に記載される少なくとも1種のサイトカインの内在性発現が、当該オリゴヌクレオチドによって調節されていない少なくとも1種のサイトカインの内在性発現と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上増加する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、NLRP3及びNLRP1をコードする内在性核酸(例えば、mRNA)に結合し、このNLRP3及びNLRP1内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合により、細胞または組織における、本明細書に記載される少なくとも1種のサイトカインの内在性発現が、当該オリゴヌクレオチドによって調節されていない少なくとも1種のサイトカインの内在性発現と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上増加する。内在性NLRP3核酸またはNLRP1核酸に結合するオリゴヌクレオチドによって調節され得る少なくとも1種のサイトカインの非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:4-1BBL、アシル化刺激タンパク質、アディポカイン、アルブインターフェロン、APRIL、Arh、BAFF、Bcl-6、CCL1、CCL1/TCA3、CCL11、CCL12/MCP-5、CCL13/MCP-4、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17/TARC、CCL18、CCL19、CCL2、CCL2/MCP-1、CCL20、CCL21、CCL22/MDC、CCL23、CCL24、CCL25、CCL26、CCL27、CCL28、CCL3、CCL3L3、CCL4、CCL4L1/LAG-1、CCL5、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9、CCR10、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CD153、CD154、CD178、CD40LG、CD70、CD95L/CD178、ケルベロス(タンパク質)、ケモカイン、CLCF1、CNTF、コロニー刺激因子、共通b鎖(CD131)、共通g鎖(CD132)、CX3CL1、CX3CR1、CXCL1、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、CXCL17、CXCL2、CXCL2/MIP-2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL9、CXCR3、CXCR4、CXCR5、EDA-A1、Epo、エリスロポイエチン、FAM19A1、FAM19A2、FAM19A3、FAM19A4、FAM19A5、Flt-3L、FMS様チロシンキナーゼ3リガンド、Foxp3、GATA-3、GcMAF、G-CSF、GITRL、GM-CSF、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、肝細胞増殖因子、IFNA1、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA2、IFNA4、IFNA5/IFNaG、IFNA7、IFNA8、IFNB1、IFNE、IFNG、IFNZ、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、IFNω/IFNW1、IL-1、IL-10、IL-10ファミリー、IL-10様、IL-11、IL-12、IL-13、IL-14、IL-15、IL-16、IL-17、IL-17ファミリー、IL-17A~F、IL-18、IL-18BP、IL-19、IL-1A、IL-1B、IL-1F10、IL-1F3/IL-1RA、IL-1F5、IL-1F6、IL-1F7、IL-1F8、IL-1F9、IL-1様、IL-1RA、IL-1RL2、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-20、IL-21、IL-22、IL-23、IL-24、IL-28A、IL-28B、IL-29、IL-3、IL-31、IL-33、IL-35、IL-4、IL-5、IL-6、IL-6様、IL-7、IL-8/CXCL8、IL-9、インフラマソーム、インターフェローム(interferome)、インターフェロン、インターフェロンベータ-1a、インターフェロンベータ-1b、インターフェロンガンマ、I型インターフェロン、II型インターフェロン、III型インターフェロン、インターフェロン類、インターロイキン、インターロイキン1受容体アンタゴニスト、インターロイキン8、IRF4、レプチン、白血病抑制因子(LIF)、白血球促進因子、LIGHT、LTA/TNFB、LT-β、リンフォカイン、リンフォトキシン、リンフォトキシンアルファ、リンフォトキシンベータ、マクロファージコロニー刺激因子、マクロファージ炎症タンパク、マクロファージ活性化因子、M-CSF、MHCクラスIII、種々のヘマトポイエチン、モノカイン、MSP、マイオカイン、マイオネクチン、ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ、オンコスタチンM(OSM)、オプレルベキン、OX40L、血小板第4因子、プロメガポエチン、RANKL、SCF、STAT3、STAT4、STAT6、間質細胞由来因子1、TALL-1、TBX21、TGF-α、TGF-β、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、TNF、TNFSF10、TNFSF11、TNFSF12、TNFSF13、TNFSF14、TNFSF15、TNFSF4、TNFSF8、TNF-α、TNF-β、Tpo、TRAIL、TRANCE、TWEAK、血管内皮増殖抑制物質、XCL1、またはXCL2。
【0035】
いくつかの態様において、組成物は、適切な投与経路による対象への投与用に製剤化され、適切な投与経路としては、限定されないが、静脈内、動脈内、経口、非経口、バッカル、局所、経皮、直腸、筋肉内、皮下、骨内、経粘膜、吸入、または腹腔内投与経路が挙げられる。本明細書に記載される医薬製剤としては、限定されないが、水性液状分散剤、自己乳化型分散剤、固溶体、リポソーム型分散剤、エアロゾル、固体剤形、散剤、即放性製剤、放出制御製剤、速溶性製剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、遅延放出性製剤、徐放性製剤、脈動放出性製剤、多粒子製剤、及び即放性製剤と放出制御製剤との混合製剤が挙げられる。いくつかの態様において、組成物は剤形へと製剤化される。いくつかの態様において、組成物は、少なくとも1つの賦形剤を含むように製剤化される。いくつかの態様において、賦形剤は、薬学的に許容される賦形剤である。
【0036】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドを含む組成物は、疾患または病態に関連する遺伝子または経路の発現を減少させることによって、当該疾患または病態を処置するものである。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドを含む組成物は、本明細書に記載される疾患または病態に関連する遺伝子の発現を直接的に減少させることによって、本明細書に記載される疾患または病態を処置するものである。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドを含む組成物は、本明細書に記載される経路の一部としての遺伝子発現を減少させることによって、疾患または病態を処置するものである。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドを含む組成物は、内在性NLRP3発現を減少させることによって、疾患または病態を処置するものである。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドを含む組成物は、内在性NLRP1発現を減少させることによって、疾患または病態を処置するものである。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドを含む組成物は、内在性NLRP3発現またはNLRP1発現を減少させることによって、疾患または病態を処置するものである。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドを含む組成物は、内在性NLRP3発現及びNLRP1発現を減少させることによって、疾患または病態を処置するものである。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドを含む組成物は、内在性インフラマソーム発現を減少させることによって、疾患または病態を処置するものである。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドを含む組成物は、内在性インフラマソーム経路の活性を減少させることによって、疾患または病態を処置するものである。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、炎症性疾患または病態である。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、ピロトーシス疾患または病態である。
【0037】
化学修飾
本明細書では、いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドが記載される。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、一本鎖である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50個、またはそれ以上の化学修飾を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、分子内に構造的特徴がない。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個、またはそれ以上の化学修飾核酸塩基を含む、少なくとも1つのギャップセグメントを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上の化学修飾核酸塩基を含む、少なくとも1つのウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上の化学修飾核酸塩基を含む、5’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上の化学修飾核酸塩基を含む、3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、少なくとも1つのウイングセグメントは、ギャップセグメントの5’-末端に共有結合性に融合される。いくつかの態様において、少なくとも1つのウイングセグメントは、ギャップセグメントの3’-末端に共有結合性に融合される。
【0038】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個、またはそれ以上の化学修飾核酸塩基を、当該オリゴヌクレオチドの5’-末端に含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個、またはそれ以上の化学修飾核酸塩基を、当該オリゴヌクレオチドの3’-末端に含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個、またはそれ以上の化学修飾核酸塩基を、当該オリゴヌクレオチドの5’-末端及び3’-末端の両方に含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を、当該オリゴヌクレオチドのギャップセグメントにおいて含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を、ギャップセグメントと隣接している核酸塩基において含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの塩基またはヌクレオチド間結合の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%が修飾を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、100%修飾されたヌクレオチド塩基を含む。
【0039】
いくつかの態様において、化学修飾は、3’OΗ基、5’OΗ基、骨格、糖成分、またはヌクレオチド塩基で起こり得る。化学修飾は、鎖間架橋または鎖内架橋の非天然起源リンカー分子を含み得る。一態様において、化学修飾核酸は、3’OΗ基もしくは5’OΗ基、骨格、糖成分、またはヌクレオチド塩基の1つ以上の修飾を含むか、または非天然起源リンカー分子の付加を含む。いくつかの態様において、化学修飾骨格には、ホスホジエステル骨格以外の骨格が含まれる。いくつかの態様において、修飾糖には、デオキシリボース以外の糖(修飾DNAにおいて)またはリボース以外の糖(修飾RNAにおいて)が含まれる。いくつかの態様において、修飾塩基には、アデニン、グアニン、シトシン、チミンまたはウラシル以外の塩基が含まれる。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾塩基を含む。いくつかの例では、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20個、またはそれ以上の修飾塩基が含まれる。場合によっては、塩基部分の化学修飾としては、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、またはウラシルの天然修飾及び合成修飾、ならびにプリン塩基またはピリミジン塩基の天然修飾及び合成修飾が挙げられる。
【0040】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの少なくとも1つの化学修飾には、下記のいずれか1つの修飾、または下記のものを任意に組み合わせた修飾が含まれる:2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、2’-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、2’-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、もしくは2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)を含む2’修飾ヌクレオチド、ホスホジエステル骨格結合における非連結リン酸酸素の一方もしくは両方の修飾、ホスホジエステル骨格結合における連結リン酸酸素の1つ以上の修飾、リボース糖の構成成分の修飾、「デホスホ」リンカーでのリン酸部分の置換、天然起源の核酸塩基の修飾もしくは置換、リボース-リン酸骨格の修飾、ポリヌクレオチドの5’末端の修飾、ポリヌクレオチドの3’末端の修飾、デオキシリボースリン酸骨格の修飾、リン酸基の代替、リボースリン酸(ribophosphate)骨格の修飾、ヌクレオチドの糖の修飾、ヌクレオチドの塩基の修飾、または立体化学的に純粋なヌクレオチド。オリゴヌクレオチドに対する化学修飾の非限定的な例としては、下記のものを挙げることができる:ホスホジエステル骨格結合における非連結または連結リン酸酸素の一方または両方の修飾(例えば、硫黄(S)、セレン(Se)、BR3(Rは、例えば、水素、アルキル、またはアリールであり得る)、C(例えば、アルキル基、アリール基、及び同様のもの)、H、NR2(Rは、例えば、水素、アルキル、もしくはアリールであり得るか、またはRは、例えば、アルキルもしくはアリールであり得る)、「デホスホ」リンカーでのリン酸部分の置換(例えば、メチルホスホナート、ヒドロキシルアミノ、シロキサン、カルボナート、カルボキシメチル、カルバメート、アミド、チオエーテル、エチレンオキシドリンカー、スルホナート、スルホンアミド、チオホルムアセタール(thioformacetal)、ホルムアセタール(formacetal)、オキシム、メチレンイミノ、メチレンメチルイミノ、メチレンヒドラゾ、メチレンジメチルヒドラゾ、またはメチレンオキシメチルイミノでの置換)、核酸アナログでの天然起源核酸塩基の修飾または置換、デオキシリボース-リン酸骨格またはリボース-リン酸骨格の修飾(例えば、ホスホロチオエート、ホスホノチオアセテート(phosphonothioacetate)、ホスホロセレナート(phosphoroselenate)、ボラノホスフェート、ボラノホスフェートエステル、リン酸水素、ホスホノカルボキシレート(phosphonocarboxylate)、ホスホロアミダート、アルキルホスホナートもしくはアリールホスホナート、ホスホノアセテート、またはホスホトリエステルが組み込まれるようにリボース-リン酸骨格を修飾すること)、核酸配列の5’末端修飾(例えば、5’キャップもしくは5’キャップ-OH修飾)または3’末端修飾(3’テールもしくは3’末端-OH修飾)、メチルホスホナート、ヒドロキシルアミノ、シロキサン、カルボナート、カルボキシメチル、カルバメート、アミド、チオエーテル、エチレンオキシドリンカー、スルホナート、スルホンアミド、チオホルムアセタール(thioformacetal)、ホルムアセタール(formacetal)、オキシム、メチレンイミノ、メチレンメチルイミノ、メチレンヒドラゾ、メチレンジメチルヒドラゾ、またはメチレンオキシメチルイミノでのリン酸基の置換、モルホリノ(例えば、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー、PMO、またはチオモルホリノ)、シクロブチル、ピロリジン、またはペプチド核酸(PNA)ヌクレオシドサロゲートが組み込まれるようにリボースリン酸(ribophosphate)骨格を修飾すること、ロックド核酸(LNA)、非固定核酸(UNA)、エチレン架橋核酸(ENA)、cEt(constrained ethyl)糖、または架橋型核酸(BNA)が組み込まれるようにヌクレオチドの糖を修飾すること、リボース糖構成成分の修飾(例えば、2’-O-メチル、2’-O-メトキシ-エチル(2’-MOE)、2’-フルオロ、2’-アミノエチル、2’-デオキシ-2’-フルオロアラビノ核酸、2’-デオキシ、2’-O-メチル、3’-ホスホロチオエート、3’-ホスホノアセテート(PACE)、または3’-ホスホノチオアセテート(phosphonothioacetate)(チオPACE))、ヌクレオチド塩基(A、T、C、G、またはU)に対する修飾、及び立体化学的に純粋なヌクレオチド(例えば、ホスホロチオエートのSコンフォメーションまたはホスホロチオエートのRコンフォメーション)。
【0041】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの化学修飾は、オリゴヌクレオチドのホスホジエステル骨格結合における非連結リン酸酸素原子の一方または両方の置換を少なくとも1つ含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの少なくとも1つの化学修飾は、オリゴヌクレオチドのホスホジエステル骨格結合における連結リン酸酸素原子の1つ以上の置換を含む。リン酸酸素原子の化学修飾の非限定的な例は、硫黄原子である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの化学修飾は、オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの糖に対する少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの化学修飾は、ヌクレオチドの糖に対する少なくとも1つの化学修飾を含み、当該化学修飾は、少なくとも1つのロックド核酸(LNA)を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの化学修飾は、オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの糖に対する少なくとも1つの化学修飾を含み、少なくとも1つの非固定核酸(UNA)を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの化学修飾は、オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの糖に対する少なくとも1つの化学修飾を含み、少なくとも1つのエチレン架橋核酸(ENA)を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの化学修飾は、糖の構成成分の修飾を含む、糖に対する少なくとも1つの化学修飾を含み、当該糖は、リボース糖である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの化学修飾は、オリゴヌクレオチドのヌクレオチドのリボース糖構成成分に対する少なくとも1つの化学修飾を含み、2’-O-メチル基を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの化学修飾は、デホスホリンカーによるオリゴヌクレオチドのリン酸部分の置換を含む、少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの化学修飾は、オリゴヌクレオチドのリン酸骨格の化学修飾を少なくとも1つ含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、ホスホチオエート基を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの化学修飾は、オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの塩基に対する修飾を含む、少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの化学修飾は、ヌクレオチドの非天然塩基を含む、少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの化学修飾は、モルホリノ基(例えば、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー、PMO、またはチオモルホリノ)、シクロブチル基、ピロリジン基、またはペプチド核酸(PNA)ヌクレオシドサロゲートを含む、少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの化学変更(修正)形態は、少なくとも1つの立体化学的に純粋な核酸を含む、少なくとも1つの化学修飾を含む。いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾は、オリゴヌクレオチドの5’-末端近位に位置し得る。いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾は、オリゴヌクレオチドの3’-末端近位に位置し得る。いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾は、オリゴヌクレオチドの5’-末端及び3’-末端の両方の近位に位置し得る。
【0042】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、互いに共有結合性に連結された複数の糖及びリン酸部分を含む骨格を含む。場合によっては、オリゴヌクレオチドの骨格は、DNA中のデオキシリボースまたはRNA中のリボースの5’炭素に対するリン酸基の第1ヒドロキシル基の連結と、DNA中のデオキシリボースまたはRNA中のリボースの3’炭素に対する第2ヒドロキシル基の連結との間のホスホジエステル結合を含む。
【0043】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの骨格は、溶媒に曝露される可能性がある、5’還元性ヒドロキシル、3’還元性ヒドロキシル、またはその両方を欠き得る。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの骨格は、ヌクレアーゼに曝露される可能性がある、5’還元性ヒドロキシル、3’還元性ヒドロキシル、またはその両方を欠き得る。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの骨格は、加水分解酵素に曝露される可能性がある、5’還元性ヒドロキシル、3’還元性ヒドロキシル、またはその両方を欠き得る。いくつかの例では、オリゴヌクレオチドの骨格は、1つのヌクレオチドが他のヌクレオチドの後に続く、環状2次元フォーマットのポリヌクレオチド配列として示され得る。いくつかの例では、オリゴヌクレオチドの骨格は、1つのヌクレオチドが他のヌクレオチドの後に続く、輪状2次元フォーマットのポリヌクレオチド配列として示され得る。場合によっては、5’ヒドロキシル、3’ヒドロキシル、またはその両方が、リン-酸素結合を介して接続される。場合によっては、5’ヒドロキシル、3’ヒドロキシル、またはその両方が、リン含有部分でホスホエステルへと修飾される。
【0044】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含む。化学修飾は、置換、挿入、欠失、化学修飾、物理的修飾、安定化、精製、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。場合によっては、修飾は、化学修飾である。適切な化学修飾は、下記のいずれか1つを含む:5’アデニレート、5’グアノシン-トリホスフェートキャップ、5’N7-メチルグアノシン-トリホスフェートキャップ、5’トリホスフェートキャップ、3’ホスフェート、3’チオホスフェート、5’ホスフェート、5’チオホスフェート、シス-シンチミジンダイマー、トリマー、C12スペーサー、C3スペーサー、C6スペーサー、dスペーサー、PCスペーサー、rスペーサー、スペーサー18、スペーサー9、3’-3’修飾、5’-5’修飾、脱塩基、アクリジン、アゾベンゼン、ビオチン、ビオチンBB、ビオチンTEG、コレステリルTEG、デスチオビオチンTEG、DNP TEG、DNP-X、DOTA、dT-ビオチン、デュアルビオチン、PCビオチン、ソラレンC2、ソラレンC6、TINA、3’DABCYL、ブラックホールクエンチャー1、ブラックホールクエンチャー2、DABCYL SE、dT-DABCYL、IRDye QC-1、QSY-21、QSY-35、QSY-7、QSY-9、カルボキシルリンカー、チオールリンカー、2’デオキシリボヌクレオシドアナログプリン、2’デオキシリボヌクレオシドアナログピリミジン、リボヌクレオシドアナログ、2’-O-メチルリボヌクレオシドアナログ、糖修飾アナログ、ゆらぎ/ユニバーサル塩基、蛍光色素標識、2’フルオロRNA、2’O-メチルRNA、メチルホスホナート、ホスホジエステルDNA、ホスホジエステルRNA、ホスホチオエートDNA、ホスホロチオエートRNA、UNA、LNA、cEt、プソイドウリジン-5’-トリホスフェート、5-メチルシチジン-5’-トリホスフェート、2′-O-メチル3ホスホロチオエートまたはそれらの組み合わせ。
【0045】
場合によっては、修飾は、恒常的なものであり得る。他の場合には、修飾は、一過性のものであり得る。場合によっては、複数の修飾がオリゴヌクレオチドになされる。オリゴヌクレオチドの修飾は、ヌクレオチドの生理化学的特性を変更し得、その生理化学的特性は、ヌクレオチドのコンフォメーション、極性、疎水性、化学反応性、塩基対形成相互作用、またはそれらの任意の組み合わせ等である。
【0046】
化学修飾は、ホスホロチオエート置換でもあり得る。場合によっては、天然のホスホジエステル結合は、細胞ヌクレアーゼによる急速な分解に感受性があり得、ホスホロチオエート(PS)結合置換を用いてヌクレオチド間結合を修飾することで、細胞分解による加水分解に対してより安定になり得る。修飾により、ポリ核酸の安定性が増加し得る。修飾により、生物活性も高まり得る。場合によっては、ホスホロチオエートで強化されたRNAポリ核酸は、RNアーゼA、RNアーゼT1、仔ウシ血清ヌクレアーゼ、またはそれらの任意の組み合わせを阻害し得る。これらの特性により、in vivoまたはin vitroでヌクレアーゼに曝露される可能性が高い用途における使用対象のPS-RNAポリ核酸の使用が可能になり得る。例えば、ホスホロチオエート(PS)結合は、ポリ核酸の5’-末端または3’-末端の最後の3~5ヌクレオチド間に導入され得、このことによって、エキソヌクレアーゼ分解が阻害され得る。場合によっては、ホスホロチオエート結合をポリ核酸の全体にわたって付加して、エンドヌクレアーゼによる攻撃を低減させることができる。
【0047】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、PS結合を含むヌクレオチド間結合を少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、50、100、またはそれ以上含む。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合のみを含む。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドの全ヌクレオチド間結合は、完全にPS修飾されたものであるか、またはホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含むものである。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、1個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、2個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、3個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、4個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、5個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、6個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、7個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、8個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、9個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、10個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、1個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、2個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、3個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、4個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、5個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、6個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、7個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、8個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、9個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、10個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。
【0048】
いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、1個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び1個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、2個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び2個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、3個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び3個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、4個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び4個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、5個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び5個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、6個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び6個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、7個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び7個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、8個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び8個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、9個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び9個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。いくつかの態様において、ヌクレオチド間結合修飾としてPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、10個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント及び10個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含む。
【0049】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、1個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び1個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含み、5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び3’-末端ウイングセグメントを接続するオリゴヌクレオチドのヌクレオチド間結合は、PS結合のみを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、2個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び2個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含み、5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び3’-末端ウイングセグメントを接続するオリゴヌクレオチドのヌクレオチド間結合は、PS結合のみを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、3個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び3個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含み、5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び3’-末端ウイングセグメントを接続するオリゴヌクレオチドのヌクレオチド間結合は、PS結合のみを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、4個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び4個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含み、5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び3’-末端ウイングセグメントを接続するオリゴヌクレオチドのヌクレオチド間結合は、PS結合のみを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、5個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び5個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含み、5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び3’-末端ウイングセグメントを接続するオリゴヌクレオチドのヌクレオチド間結合は、PS結合のみを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、6個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び6個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含み、5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び3’-末端ウイングセグメントを接続するオリゴヌクレオチドのヌクレオチド間結合は、PS結合のみを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、7個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び7個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含み、5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び3’-末端ウイングセグメントを接続するオリゴヌクレオチドのヌクレオチド間結合は、PS結合のみを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、8個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び8個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含み、5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び3’-末端ウイングセグメントを接続するオリゴヌクレオチドのヌクレオチド間結合は、PS結合のみを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、9個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び9個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含み、5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び3’-末端ウイングセグメントを接続するオリゴヌクレオチドのヌクレオチド間結合は、PS結合のみを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、10個の核酸塩基を含む5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び10個の核酸塩基を含む3’-末端ウイングセグメントを含み、5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、及び3’-末端ウイングセグメントを接続するオリゴヌクレオチドのヌクレオチド間結合は、PS結合のみを含む。
【0050】
いくつかの態様において、5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、3’-末端ウイングセグメント、及びヌクレオチド間結合としてのPS結合を含むオリゴヌクレオチドは、配列番号21~38のいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、5’-末端ウイングセグメント、ギャップマー、3’-末端ウイングセグメント、及びヌクレオチド間結合としてのPS結合を含み、ギャップマーは、配列番号21~38のいずれか1つと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。
【0051】
いくつかの例では、ガイド安定性、合成、局在化、細胞内保持、または半減期の延長を強化するための化学修飾は、遺伝学的にコード化できない場合がある。オリゴヌクレオチドは、環状であるか、実質的に環状であるか、そうでなければ近接した様式で連結され(例えば、輪状に配置され得る)、また、オリゴヌクレオチドは、環状ではない可能性があるかまたは輪状ではない可能性がある、実質的に類似したオリゴヌクレオチドと実質的に類似した二次構造も保持し得る。
【0052】
リン酸骨格の修飾
いくつかの態様において、化学修飾は、ホスホジエステル骨格結合における非連結リン酸酸素の一方もしくは両方の修飾、またはホスホジエステル骨格結合における1つ以上の連結リン酸酸素の修飾を含む。本明細書で使用される場合、「アルキル」は、直鎖または分枝鎖である飽和炭化水素基を指す。アルキル基の例としては、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n-プロピルもしくはイソプロピル)、ブチル(例えば、n-ブチル、イソブチル、もしくはt-ブチル)、またはペンチル(例えば、n-ペンチル、イソペンチル、もしくはネオペンチル)が挙げられる。アルキル基は、1~約20、2~約20、1~約12、1~約8、1~約6、1~約4、または1~約3個の炭素原子を含有し得る。本明細書で使用される場合、「アリール」は、単環式または多環式(例えば、2、3、もしくは4個の縮合環を有する)の芳香族炭化水素を指し、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、インダニル、またはインデニル等である。いくつかの態様において、アリール基は、6~約20個の炭素原子を有する。本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を含有する脂肪族基を指す。本明細書で使用される場合、「アルキニル」は、2~12個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖を指し、1つ以上の三重結合を有することを特徴とする。アルキニル基の例としては、エチニル、プロパルギル、または3-ヘキシニルを挙げることができる。「アリールアルキル」または「アラルキル」は、アルキル水素原子がアリール基で置換されているアルキル部分を指す。
アラルキルには、1つ超の水素原子がアリール基で置換されている基も含まれる。「アリールアルキル」または「アラルキル」の例としては、ベンジル基、2-フェニルエチル基、3-フェニルプロピル基、9-フルオレニル基、ベンズヒドリル基、及びトリチル基が挙げられる。「シクロアルキル」は、3~12個の炭素を有する、環式、二環式、三環式、または多環式の非芳香族炭化水素基を指す。シクロアルキル部分の例としては、限定されないが、シクロプロピル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが挙げられる。「ヘテロシクリル」は、複素環系の一価ラジカルを指す。代表的なヘテロシクリルとしては、限定されないが、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、及びモルホリニルが挙げられる。「ヘテロアリール」は、芳香族複素環系の一価ラジカルを指す。ヘテロアリール部分の例としては、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピロリル、フラニル、インドリル、チオフェニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、キノリル、及びプテリジニルを挙げることができる。
【0053】
いくつかの態様において、化学修飾ヌクレオチドのリン酸基は、1つ以上の酸素を異なる置換基で置換することによって修飾され得る。いくつかの態様において、化学修飾ヌクレオチドは、未修飾のリン酸部分を本明細書に記載される修飾リン酸で置換することを含み得る。いくつかの態様において、リン酸骨格の修飾は、非荷電リンカーまたは非対称な電荷分布を有する荷電リンカーのいずれかを生じさせる改変を含み得る。修飾リン酸基の例としては、ホスホロチオエート、ホスホノチオアセテート(phosphonothioacetate)、ホスホロセレナート(phosphoroselenate)、ボラノホスフェート、ボラノホスフェートエステル、リン酸水素、ホスホロアミダート、アルキルまたはアリールホスホナート、及びホスホトリエステルを挙げることができる。いくつかの態様において、リン酸骨格部分における非架橋リン酸酸素原子の1つは、以下の基のいずれかによって置換され得る:硫黄(S)、セレン(Se)、BR3(Rは、例えば、水素、アルキル、またはアリールであり得る)、C(例えば、アルキル基、アリール基、及び同様のもの)、H、NR2(Rは、例えば、水素、アルキル、もしくはアリールであり得るか、またはRは、例えば、アルキルもしくはアリールであり得る)。非修飾リン酸基におけるリン原子は、アキラルであり得る。しかしながら、非架橋酸素の1つを上記の原子または原子団の1つで置換すると、リン原子がキラルになり得る。このように修飾されたリン酸基におけるリン原子は、不斉中心である。不斉中心リン原子は、「R」配置(本明細書ではRp)または「S」配置(本明細書ではSp)のいずれかを取り得る。場合によっては、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートのSコンフォメーションまたはホスホロチオエートのRコンフォメーションを含む、立体化学的に純粋なヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、キラルなホスフェート生成物は、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上超過してジアステレオマーとして存在する。いくつかの態様では、キラルなホスフェート生成物は、95%超でジアステレオマーとして存在する。いくつかの態様では、キラルなホスフェート生成物は、96%超でジアステレオマーとして存在する。いくつかの態様では、キラルなホスフェート生成物は、97%超でジアステレオマーとして存在する。いくつかの態様では、キラルなホスフェート生成物は、98%超でジアステレオマーとして存在する。いくつかの態様では、キラルなホスフェート生成物は、99%超でジアステレオマーとして存在する。いくつかの態様において、ホスホロジチオエートの非架橋酸素は、両方とも硫黄で置換され得る。ホスホロジチオエートにおけるリン中心は、オリゴリボヌクレオチドジアステレオマーが形成するのを妨げるアキラルであり得る。いくつかの態様において、非架橋酸素の一方または両方に対する修飾は、S、Se、B、C、H、N、及びOR(Rは、例えば、アルキルまたはアリールであり得る)から独立して選択される基での非架橋酸素の置換も含み得る。いくつかの態様において、リン酸リンカーは、架橋酸素(すなわち、リン酸をヌクレオシドに連結する酸素)を、窒素で置換すること(架橋ホスホロアミダート)、硫黄で置換すること(架橋ホスホロチオエート)及び炭素で置換すること(架橋メチレンホスホナート)によっても修飾され得る。置換は、連結酸素のいずれか、または両方で起こり得る。
【0054】
特定の実施形態では、核酸には、連結核酸が含まれる。核酸は、任意のヌクレオチド間連結を使用して互いに連結され得る。ヌクレオチド間連結基のクラスは主に2つあり、リン原子の存在または不在によって定義される。代表的なリン含有ヌクレオチド間連結としては、限定されないが、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホナート、ホスホロアミダート、及びホスホロチオエート(P=S)が挙げられる。代表的な非リン含有ヌクレオチド間連結基としては、限定されないが、メチレンメチルイミノ(-CH2-N(CH3)-O-CH2-)、チオジエステル(-O-C(O)-S-)、チオノカルバメート(-O-C(O)(NH)-S-)、シロキサン(-O-Si(H)2-O-)、及びN,N*-ジメチルヒドラジン(-CH2-N(CH3)-N(CH3))が挙げられる。特定の実施形態において、キラル原子を有するヌクレオチド間連結基、例えばアルキルホスホナート及びホスホロチオエートは、ラセミ混合物として、別々のエナンチオマーとして調製され得る。非天然核酸は、単一の修飾を含有し得る。非天然核酸は、1つの部分内または異なる部分間に複数の修飾を含有し得る。
【0055】
核酸に対するリン酸骨格の修飾としては、限定されないが、メチルホスホナート、ホスホロチオエート、ホスホロアミダート(架橋または非架橋)、ホスホトリエステル、ホスホロジチオエート、ホスホジチオエート、及びボラノホスフェートが挙げられ、任意の組み合わせで使用され得る。また、他の非リン酸連結が使用されてもよい。
【0056】
いくつかの態様において、骨格修飾(例えばメチルホスホナート、ホスホロチオエート、ホスホロアミダート及びホスホロジチオエートのヌクレオチド間連結)により、修飾核酸に免疫調節活性が付与され得、及び/またはin vivoでのその安定性が強化され得る。
【0057】
いくつかの例では、リン誘導体(または修飾リン酸基)は、糖または糖アナログ部分内に付着し、モノホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェート、アルキルホスホナート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミダートまたは同様のものであり得る。
【0058】
場合によっては、骨格修飾は、ホスホジエステル結合を、陰イオン性基、中性基または陽イオン性基等の代替部分で置換することを含む。このような修飾の例としては、下記のものが挙げられる:陰イオン性ヌクレオシド間連結、N3’→P5’ホスホロアミダート修飾、ボラノホスフェートDNA、プロオリゴヌクレオチド、メチルホスホナート等の中性ヌクレオシド間連結、アミド連結DNA、メチレン(メチルイミノ)連結、ホルムアセタール(formacetal)及びチオホルムアセタール(thioformacetal)連結、スルホニル基含有骨格、モルホリノオリゴ、ペプチド核酸(PNA)、ならびに正に荷電したグアニジン核酸(deoxyribonucleic guanidine)(DNG)オリゴ。修飾核酸は、1つ以上の修飾(例えば、ホスホジエステル結合とホスホロチオエート結合との組み合わせ等のリン酸連結の組み合わせ)を含む、キメラ骨格または混合骨格を含み得る。
【0059】
リン酸に対する置換基としては、例えば、短鎖アルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間連結、混合ヘテロ原子及びアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間連結、または1つ以上の短鎖ヘテロ原子もしくは複素環式ヌクレオシド間連結が挙げられる。これらには、モルホリノ連結(ヌクレオシドの糖部から部分的に形成される)を有するもの、シロキサン骨格、スルフィド、スルホキシド及びスルホン骨格、ホルムアセチル(formacetyl)及びチオホルムアセチル(thioformacetyl)骨格、メチレンホルムアセチル(methylene formacetyl)及びチオホルムアセチル(thioformacetyl)骨格、アルケン含有骨格、スルファミン酸骨格、メチレンイミノ及びメチレンヒドラジノ骨格、スルホナート及びスルホンアミド骨格、アミド骨格、ならびにN、O、S及びCH2構成要素部位を混合して有する他のものが含まれる。ヌクレオチドの糖部分及びリン酸部分の両方が、例えば、アミド型連結(アミノエチルグリシン)で置換され得る(PNA)ことも、ヌクレオチド置換基において理解される。また、他の型の分子(コンジュゲート)をヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログに連結させて、例えば、細胞の取込みを強化することも可能である。コンジュゲートは、ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログに化学的に連結され得る。このようなコンジュゲートとしては、限定されないが、脂質部分(コレステロール部分、チオエーテル(例えば、ヘキシル-S-トリチルチオール)、チオコレステロール、脂肪族鎖(例えば、ドデカンジオールもしくはウンデシル残基)、リン脂質(例えば、ジ-ヘキサデシル-rac-グリセロールもしくはトリエチルアンモニウム1-ジ-O-ヘキサデシル-rac-グリセロ-S-H-ホスホナート、ポリアミンまたはポリエチレングリコール鎖等)、またはアダマンタン酢酸、パルミチル部分、またはオクタデシルアミンもしくはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステリン部分が挙げられる。
【0060】
いくつかの態様において、本明細書に記載される化学修飾は、リン酸骨格の修飾を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学的に修飾されたリン酸骨格を含む。リン酸基またはリン酸骨格の例示的な化学修飾としては、異なる置換基による1つ以上の酸素の置換を挙げることができる。さらに、オリゴヌクレオチド中に存在する修飾ヌクレオチドには、本明細書に記載される修飾リン酸での非修飾リン酸部分の置換が含まれ得る。いくつかの態様において、リン酸骨格の修飾は、非荷電リンカーまたは非対称な電荷分布を有する荷電リンカーのいずれかを生じさせる改変を含み得る。例示的な修飾リン酸基としては、ホスホロチオエート、ホスホノチオアセテート(phosphonothioacetate)、ホスホロセレナート(phosphoroselenate)、ボラノホスフェート、ボラノホスフェートエステル、リン酸水素、ホスホロアミダート、アルキルまたはアリールホスホナート、及びホスホトリエステルを挙げることができる。いくつかの態様において、リン酸骨格部分における非架橋リン酸酸素原子の1つは、以下の基のいずれかによって置換され得る:硫黄(S)、セレン(Se)、BR3(Rは、例えば、水素、アルキル、またはアリールであり得る)、C(例えば、アルキル基、アリール基、及び同様のもの)、H、NR2(Rは、例えば、水素、アルキル、もしくはアリールであり得る)、または(Rは、例えば、アルキルもしくはアリールであり得る)。非修飾リン酸基におけるリン原子は、アキラルである。しかしながら、非架橋酸素の1つを上記の原子または原子群の1つで置換すると、リン原子がキラルになり得る。すなわち、このように修飾されたリン酸基におけるリン原子は、不斉中心である。不斉中心リン原子は、「R」配置(本明細書ではRp)または「S」配置(本明細書ではSp)のいずれかを取り得る。このような場合、化学修飾オリゴヌクレオチドは、立体化学的に純粋(例えば、SコンフォメーションまたはRコンフォメーション)であり得る。場合によっては、化学修飾オリゴヌクレオチドは、立体化学的に純粋なリン酸修飾を含む。例えば、化学修飾オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートのSコンフォメーションまたはホスホロチオエートのRコンフォメーションを含む。
【0061】
ホスホロジチオエートは、非架橋酸素の両方が硫黄で置換されている。ホスホロジチオエートにおけるリン中心は、オリゴリボヌクレオチドジアステレオマーが形成するのを妨げるアキラルである。いくつかの態様において、非架橋酸素の一方または両方に対する修飾は、S、Se、B、C、H、N、及びOR(Rは、例えば、アルキルまたはアリールであり得る)から独立して選択される基での非架橋酸素の置換も含み得る。
【0062】
リン酸リンカーは、架橋酸素(すなわち、リン酸をヌクレオシドに連結する酸素)を、窒素で置換すること(架橋ホスホロアミダート)、硫黄で置換すること(架橋ホスホロチオエート)及び炭素で置換すること(架橋メチレンホスホナート)によっても修飾され得る。置換は、連結酸素のいずれか、または連結酸素の両方で起こり得る。
【0063】
リン酸部分の置換
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのリン酸基は、化学的に修飾され得る。いくつかの態様において、リン酸基は、リンを含有しない連結体によって置換され得る。いくつかの態様において、リン酸部分は、デホスホリンカーによって置換され得る。いくつかの態様において、荷電リン酸基は、中性基で置換され得る。場合によっては、リン酸基は、メチルホスホナート、ヒドロキシルアミノ、シロキサン、カルボナート、カルボキシメチル、カルバメート、アミド、チオエーテル、エチレンオキシドリンカー、スルホナート、スルホンアミド、チオホルムアセタール(thioformacetal)、ホルムアセタール(formacetal)、オキシム、メチレンイミノ、メチレンメチルイミノ、メチレンヒドラゾ、メチレンジメチルヒドラゾ及びメチレンオキシメチルイミノによって置換され得る。いくつかの態様において、本明細書に記載されるヌクレオチドアナログもまた、リン酸基において修飾され得る。修飾リン酸基には、2つのヌクレオチド間の連結における、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルホスホナートならびに3’-アルキレンホスホナート及びキラルホスホナートを含む他のアルキルホスホナート、ホスフィナート、ホスホロアミダート(例えば、3’-アミノホスホロアミダート及びアミノアルキルホスホロアミダート)、チオノホスホロアミダート、チオノアルキルホスホナート、チオノアルキルホスホトリエステル、ならびにボラノホスフェートでの修飾が含まれ得る。2つのヌクレオチド間のリン酸連結または修飾リン酸連結は、3’-5’連結または2’-5’連結を経由し得、当該連結には、3’-5’から5’-3’、または2’-5’から5’-2’等の方向性の反転が含有される。
【0064】
リン酸基の置換
いくつかの態様において、本明細書に記載される化学修飾は、リン酸基の置換による修飾を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、リン酸基の代替または置換を含む、少なくとも1つの化学修飾を含む。例示的なリン酸基置換としては、リンを含有しない連結体を挙げることができる。いくつかの態様において、リン酸基の代替または置換は、中性部分による荷電リン酸基の置換を含み得る。リン酸基を置換し得る例示的な部分としては、メチルホスホナート、ヒドロキシルアミノ、シロキサン、カルボナート、カルボキシメチル、カルバメート、アミド、チオエーテル、エチレンオキシドリンカー、スルホナート、スルホンアミド、チオホルムアセタール(thioformacetal)、ホルムアセタール(formacetal)、オキシム、メチレンイミノ、メチレンメチルイミノ、メチレンヒドラゾ、メチレンジメチルヒドラゾ及びメチレンオキシメチルイミノを挙げることができる。
【0065】
リボースリン酸(ribophosphate)骨格の修飾
いくつかの態様において、本明細書に記載される化学修飾は、オリゴヌクレオチドのリボースリン酸(ribophosphate)骨格を修飾することを含む。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学的に修飾されたリボースリン酸(ribophosphate)骨格を含む。化学的に修飾されたリボースリン酸(ribophosphate)骨格の例としては、核酸を模倣し得るスキャフォールドを挙げることができ、当該スキャフォールドでは、リン酸リンカー及びリボース糖が、ヌクレアーゼ耐性ヌクレオシドまたはヌクレオチドサロゲートで置換されている。いくつかの態様において、核酸塩基は、サロゲート骨格によって結びつけられ得る。例として、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー(PMO)、チオモルホリノ等のモルホリノ、シクロブチル、ピロリジン及びペプチド核酸(PNA)ヌクレオシドサロゲートを挙げることができる。
【0066】
糖の修飾
いくつかの態様において、本明細書に記載される化学修飾は、糖の修飾を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学的に修飾された糖を含む。例示的な化学修飾糖は、多数の異なる「オキシ」または「デオキシ」置換基で修飾または置換された2’ヒドロキシル基(OH)を含み得る。いくつかの態様において、2’ヒドロキシル基に対する修飾により、もはやヒドロキシルは脱プロトン化されて2’-アルコキシドイオンを形成することができないので、核酸の安定性が強化され得る。2’-アルコキシドは、リンカーリン原子に対する分子内求核攻撃によって分解を触媒し得る。「オキシ」-2’ヒドロキシル基修飾の例としては、アルコキシまたはアリールオキシ(OR、ここで「R」は、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたは糖であり得る)、ポリエチレングリコール(PEG)、O(CH2CH2O)nCH2CH2OR(ここでRは、例えば、Hまたは任意選択で置換されているアルキルであり得、nは、0~20の整数(例えば、0~4、0~8、0~10、0~16、1~4、1~8、1~10、1~16、1~20、2~4、2~8、2~10、2~16、2~20、4~8、4~10、4~16、及び4~20)であり得る)を挙げることができる。いくつかの態様において、「オキシ」-2’ヒドロキシル基修飾としては、LNA(この場合、2’ヒドロキシルは、例えば、Ci-6アルキレンまたはCj-6ヘテロアルキレン架橋によって、同じリボース糖の4’炭素に接続され得る。例示的な架橋としては、メチレン、プロピレン、エーテル、またはアミノ架橋を挙げることができる)、O-アミノ(ここでアミノは、例えば、NH2(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、もしくはジヘテロアリールアミノ、エチレンジアミン、またはポリアミノ)であり得る)及びアミノアルコキシ、O(CH2)n-アミノ(ここでアミノは、例えば、NH2(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、もしくはジヘテロアリールアミノ、エチレンジアミン、またはポリアミノ)であり得る)を挙げることができる。いくつかの態様において、「オキシ」-2’ヒドロキシル基修飾としては、メトキシエチル基(MOE)、(OCH2CH2OCH3、例えば、PEG誘導体)を挙げることができる。場合によっては、デオキシ修飾としては、水素(すなわち、デオキシリボース糖、例えば、部分的dsRNAのオーバーハング部分)、ハロ(例えば、ブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨード)、アミノ(ここでアミノは、例えば、NH2(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、またはアミノ酸)であり得る)、NH(CH2CH2NH)nCH2CH2-アミノ(ここでアミノは、例えば、本明細書に記載されるものであり得る)、NHC(O)R(ここでRは、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたは糖であり得る)、シアノ、メルカプト、アルキル-チオ-アルキル、チオアルコキシ、ならびに任意選択で、例えば、本明細書に記載されるアミノで置換され得るアルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル及びアルキニルを挙げることができる。いくつかの例では、糖基はまた、リボースにおける対応する炭素の立体化学的配置とは反対の立体化学的配置を有する、1つ以上の炭素を含有し得る。したがって、修飾核酸は、例えば、糖としてアラビノースを含有するヌクレオチドを含み得る。ヌクレオチド「モノマー」は、糖のΓ位にアルファ結合、例えば、アルファ-ヌクレオシドを有し得る。修飾核酸はまた、C-で核酸塩基を欠く「脱塩基」糖も含み得る。また、脱塩基糖は、糖構成原子の1つ以上においてさらに修飾され得る。修飾核酸はまた、1つ以上のL型の糖、例えば、L-ヌクレオシドも含み得る。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、酸素を有する5員環のリボース糖基を含む。例示的な修飾ヌクレオシド及び修飾ヌクレオチドには、リボースにおける酸素の置換(例えば、硫黄(S)、セレン(Se)、またはアルキレン(例えば、メチレンもしくはエチレン等)での置換)、二重結合の付加(例えば、シクロペンテニルまたはシクロヘキセニルでリボースを置換するため)、リボースの環縮小(例えば、シクロブタンまたはオキセタンの4員環を形成するため)、リボースの環拡大(例えば、アンヒドロヘキシトール、アルトリトール、マンニトール、シクロヘキサニル、シクロヘキセニル、及びホスホロアミダート骨格も有するモルホリノ等、追加の炭素もしくはヘテロ原子を有する6員環または7員環を形成するため)が含まれ得る。いくつかの態様において、修飾ヌクレオチドには、多環式形態(例えば、トリシクロ)、ならびにグリコール核酸(GNA)(例えば、R-GNAまたはS-GNA、ここでリボースは、ホスホジエステル結合に付着するグリコールユニットで置換される)、トレオース核酸等の「非固定」形態が含まれ得る。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの糖の修飾は、ロックド核酸(LNA)、非固定核酸(UNA)、エチレン架橋核酸(ENA)、cEt(constrained ethyl)糖、または架橋型核酸(BNA)を含むようにオリゴヌクレオチドを修飾することを含む。
【0067】
リボース糖構成成分の修飾
いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、リボース糖構成成分の化学修飾を少なくとも1つ含む。いくつかの態様において、リボース糖構成成分の化学修飾としては、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-フルオロ、2’-アミノエチル、2’-デオキシ-2’-フルオロアラビノ核酸、2’-デオキシ、2’-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-メチル、3’-ホスホロチオエート、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、2’-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)、3’-ホスホノアセテート(PACE)、または3’-ホスホノチオアセテート(phosphonothioacetate)(チオPACE)を挙げることができる。いくつかの態様において、リボース糖構成成分の化学修飾には、非天然核酸が含まれる。いくつかの例では、非天然核酸は、5’-CH2-置換2’-O-保護ヌクレオシド等、糖環の5’位及び2’位での修飾を含む。場合によっては、非天然核酸は、オリゴヌクレオチドへの組み込みのために調製されているアミド連結ヌクレオシドダイマーを含み、当該ダイマーの3’連結ヌクレオシド(5’から3’)は、2’-OCH3及び5’-(S)-CH3を含む。非天然核酸は、2’-置換5’-CH2(またはO)修飾ヌクレオシドを含み得る。非天然核酸は、5’-メチレンホスホナートDNA及びRNAモノマー、ならびにダイマーを含み得る。非天然核酸は、2’-置換を有する5’-ホスホナートモノマー及び他の修飾5’-ホスホナートモノマーを含み得る。非天然核酸は、5’-修飾メチレンホスホナートモノマーを含み得る。非天然核酸は、5’位及び/または6’位にヒドロキシル基を含む、5’または6’-ホスホナートリボヌクレオシドアナログを含み得る。非天然核酸は、5’-リン酸基を有する、5’-ホスホナートデオキシリボヌクレオシドモノマー及びダイマーを含み得る。非天然核酸は、6’-ホスホナート基を有するヌクレオシドを含み得、5’位または/及び6’位は、非置換か、またはチオ-tert-ブチル基(SC(CH3)3)(及びそのアナログ)、メチレンアミノ基(CH2NH2)(及びそのアナログ)もしくはシアノ基(CN)(及びそのアナログ)で置換されている。
【0068】
いくつかの態様において、非天然核酸は、糖部分の修飾も含む。場合によっては、核酸は、糖基が修飾されている1つ以上のヌクレオシドを含有する。このような糖修飾ヌクレオシドは、ヌクレアーゼ安定性の強化、結合親和性の向上、またはいくつかの他の有益な生物学的特性を付与し得る。特定の実施形態において、核酸は、化学的に修飾されたリボフラノース環部分を含む。化学的に修飾されたリボフラノース環の例としては、限定されないが、置換基(5’及び/または2’置換基を含む)の付加、二環式核酸を形成するための2つの環原子の架橋、S、N(R)、またはC(R1)(R2)(R=H、C1-C12アルキルまたは保護基)でのリボシル環酸素原子の置換、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0069】
いくつかの例では、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、修飾された糖または糖アナログを含む。したがって、リボース及びデオキシリボースに加えて、糖部分は、ペントース、デオキシペントース、ヘキソース、デオキシヘキソース、グルコース、アラビノース、キシロース、リキソース、または糖「アナログ」シクロペンチル基であり得る。糖は、ピラノシル形態またはフラノシル形態であり得る。糖部分は、リボース、デオキシリボース、アラビノースまたは2’-O-アルキルリボースのフラノシドであり得、糖は、[アルファ]または[ベータ]アノマー立体配置のいずれかで、それぞれの複素環塩基に付着し得る。糖修飾としては、限定されないが、2’-アルコキシ-RNAアナログ、2’-アミノ-RNAアナログ、2’-フルオロ-DNA、及び2’-アルコキシ-またはアミノ-RNA/DNAキメラが挙げられる。例えば、糖修飾には、2’-O-メチル-ウリジンまたは2’-O-メチル-シチジンが含まれ得る。糖修飾には、2’-O-アルキル置換デオキシリボヌクレオシド及び2’-O-エチレングリコール様リボヌクレオシドが含まれる。
【0070】
糖部分に対する修飾には、リボース及びデオキシリボースの天然修飾ならびに非天然修飾が含まれる。糖修飾としては、限定されないが、2’位における以下の修飾:OH、F、O-アルキル、S-アルキル、もしくはN-アルキル、O-アルケニル、S-アルケニル、もしくはN-アルケニル、O-アルキニル、S-アルキニル、もしくはN-アルキニル、またはO-アルキル-O-アルキルが挙げられ、当該アルキル、アルケニル及びアルキニルは、置換または非置換C1~C10アルキルもしくはC2~C10アルケニル及びアルキニルであり得る。2’糖修飾としては、限定されないが、-O[(CH2)nO]mCH3、-O(CH2)nOCH3、-O(CH2)nNH2、-O(CH2)nCH3、-O(CH2)nONH2、及び-O(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2も挙げられ、n及びmは、1~約10である。2’位における他の化学修飾としては、限定されないが、C1~C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリル、O-アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を改善する基、またはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善する基、及び同様の特性を有する他の置換基が挙げられる。同様の修飾が、糖における他の位置で、特に、3’末端ヌクレオチドまたは2’-5’連結オリゴヌクレオチドにおける糖の3’位、及び5’末端ヌクレオチドの5’位でもなされ得る。化学的に修飾された糖としては、CH2及びS等、架橋環酸素における修飾を含有するものも挙げられる。ヌクレオチド糖アナログは、ペントフラノシル糖の代わりに、シクロブチル部分等の糖模倣物も有し得る。修飾された糖部分を有する核酸の例としては、限定されないが、5’-ビニル、5’-メチル(RまたはS)、4’-S、2’-F、2’-OCH3、及び2’-O(CH2)2OCH3置換基を含む核酸が挙げられる。2’位における置換基は、アリル、アミノ、アジド、チオ、O-アリル、O-(C1~C10アルキル)、OCF3、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2-O-N(Rm)(Rn)、及びO-CH2-C(=O)-N(Rm)(Rn)からも選択することができ、各Rm及びRnは、独立して、Hまたは置換もしくは非置換C1~C10アルキルである。
【0071】
特定の実施形態では、本明細書に記載される核酸は、1つ以上の二環式核酸を含む。このような特定の実施形態では、二環式核酸は、4’リボシル環原子と2’リボシル環原子との間の架橋を含む。特定の実施形態では、本明細書で提供される核酸は1つ以上の二環式核酸を含み、架橋により、4’から2’の二環式核酸が構成される。このような4’から2’の二環式核酸の例としては、限定されないが、下記の式のうちの1つが挙げられる:4’-(CH2)-O-2’(LNA)、4’-(CH2)-S-2’、4’-(CH2)2-O-2’(ENA)、4’-CH(CH3)-O-2’及び4’-CH(CH2OCH3)-O-2’、ならびにそれらのアナログ、4’-C(CH3)(CH3)-O-2’及びそのアナログ。
【0072】
ヌクレオチドの塩基における修飾
いくつかの態様において、本明細書に記載される化学修飾は、ヌクレオチドの塩基(例えば、核酸塩基)の修飾を含む。例示的な核酸塩基としては、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)、及びウラシル(U)を挙げることができる。これらの核酸塩基は、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドにおいて修飾または置換され得る。ヌクレオチドの核酸塩基は、プリン、ピリミジン、プリンアナログまたはピリミジンアナログから独立して選択され得る。いくつかの態様において、核酸塩基は、天然起源の塩基または合成の塩基誘導体であり得る。
【0073】
いくつかの態様において、本明細書に記載される化学修飾は、ウラシルの修飾を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学的に修飾されたウラシルを含む。例示的な化学修飾ウラシルとしては、プソイドウリジン、ピリジン-4-オンリボヌクレオシド、5-アザ-ウリジン、6-アザ-ウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ウリジン、4-チオ-ウリジン、4-チオ-プソイドウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、5-ヒドロキシ-ウリジン、5-アミノアリル-ウリジン、5-ハロ-ウリジン(例えば、5-ヨード-ウリジンまたは5-ブロモ-ウリジン)、3-メチル-ウリジン、5-メトキシ-ウリジン、ウリジン5-オキシ酢酸、ウリジン5-オキシ酢酸メチルエステル、5-カルボキシメチル-ウリジン、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、5-カルボキシヒドロキシメチル-ウリジン、5-カルボキシヒドロキシメチル-ウリジンメチルエステル、5-メトキシカルボニルメチル-ウリジン、5-メトキシカルボニルメチル-2-チオ-ウリジン、5-アミノメチル-2-チオ-ウリジン、5-メチルアミノメチル-ウリジン、5-メチルアミノメチル-2-チオ-ウリジン、5-メチルアミノメチル-2-セレノ-ウリジン、5-カルバモイルメチル-ウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチル-ウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオ-ウリジン、5-プロピニル-ウリジン、1-プロピニル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-ウリジン、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウリジン、1-タウリノメチル-4-チオ-プソイドウリジン、5-メチル-ウリジン、1-メチル-プソイドウリジン、5-メチル-2-チオ-ウリジン、1-メチル-4-チオ-プソイドウリジン、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、3-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、5,6-ジヒドロウリジン、5-メチル-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシ-ウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、N1-メチル-プソイドウリジン、3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウリジン、1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピルプソイドウリジン、5-(イソペンテニルアミノメチル)ウリジン、5-(イソペンテニルアミノメチル)-2-チオ-ウリジン、a-チオ-ウリジン、2’-O-メチル-ウリジン、5,2’-O-ジメチル-ウリジン、2’-O-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-2’-O-メチル-ウリジン、5-メトキシカルボニルメチル-2’-O-メチル-ウリジン、5-カルバモイルメチル-2’-O-メチル-ウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチル-2’-O-メチル-ウリジン、3,2’-O-ジメチル-ウリジン、5-(イソペンテニルアミノメチル)-2’-O-メチル-ウリジン、1-チオ-ウリジン、デオキシチミジン、2’-F-ara-ウリジン、2’-F-ウリジン、2’-OH-ara-ウリジン、5-(2-カルボメトキシビニル)ウリジン、5-[3-(1-E-プロペニルアミノ)ウリジン、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、キサンチン、及びヒポキサンチンを挙げることができる。
【0074】
いくつかの態様において、本明細書に記載される化学修飾は、シトシンの修飾を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学的に修飾されたシトシンを含む。例示的な化学修飾シトシンとしては、5-アザ-シチジン、6-アザ-シチジン、プソイドイソシチジン、3-メチル-シチジン、N4-アセチル-シチジン、5-ホルミル-シチジン、N4-メチル-シチジン、5-メチル-シチジン、5-ハロ-シチジン、5-ヒドロキシメチル-シチジン、1-メチル-プソイドイソシチジン、ピロロ-シチジン、ピロロ-プソイドイソシチジン、2-チオ-シチジン、2-チオ-5-メチル-シチジン、4-チオ-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、ゼブラリン、5-アザ-ゼブラリン、5-メチル-ゼブラリン、5-アザ-2-チオ-ゼブラリン、2-チオ-ゼブラリン、2-メトキシ-シチジン、2-メトキシ-5-メチル-シチジン、4-メトキシ-プソイドイソシチジン、4-メトキシ-1-メチル-プソイドイソシチジン、リシジン、a-チオ-シチジン、2’-O-メチル-シチジン、5,2’-O-ジメチル-シチジン、N4-アセチル-2’-O-メチル-シチジン、N4,2’-O-ジメチル-シチジン、5-ホルミル-2’-O-メチル-シチジン、N4,N4,2’-O-トリメチル-シチジン、1-チオ-シチジン、2’-F-ara-シチジン、2’-F-シチジン、及び2’-OH-ara-シチジンを挙げることができる。
【0075】
いくつかの態様において、本明細書に記載される化学修飾は、アデニンの修飾を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学的に修飾されたアデニンを含む。例示的な化学修飾アデニンとしては、2-アミノ-プリン、2,6-ジアミノプリン、2-アミノ-6-ハロ-プリン(例えば、2-アミノ-6-クロロ-プリン)、6-ハロ-プリン(例えば、6-クロロ-プリン)、2-アミノ-6-メチル-プリン、8-アジド-アデノシン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザ-アデニン、7-デアザ-2-アミノ-プリン、7-デアザ-8-アザ-2-アミノ-プリン、7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン、1-メチル-アデノシン、2-メチル-アデニン、N6-メチル-アデノシン、2-メチルチオ-N6-メチル-アデノシン、N6-イソペンテニル-アデノシン、2-メチルチオ-N6-イソペンテニル-アデノシン、N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、2-メチルチオ-N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、N6-グリシニルカルバモイル(glycinylcarbamoyl)-アデノシン、N6-スレオニルカルバモイル-アデノシン、N6-メチル-N6-スレオニルカルバモイル-アデノシン、2-メチルチオ-N6-スレオニルカルバモイル-アデノシン、N6,N6-ジメチル-アデノシン、N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイル-アデノシン、2-メチルチオ-N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイル-アデノシン、N6-アセチル-アデノシン、7-メチル-アデニン、2-メチルチオ-アデニン、2-メトキシ-アデニン、a-チオ-アデノシン、2’-O-メチル-アデノシン、N6-2’-O-ジメチル-アデノシン、N6-メチル-2’-デオキシアデノシン、N6,N6,2’-O-トリメチル-アデノシン、1,2’-O-ジメチル-アデノシン、2’-O-リボシルアデノシン(ホスフェート)(Ar(p))、2-アミノ-N6-メチル-プリン、1-チオ-アデノシン、8-アジド-アデノシン、2’-F-ara-アデノシン、2’-F-アデノシン、2’-OH-ara-アデノシン、及びN6-(19-アミノ-ペンタオキサノナデシル(pentaoxanonadecyl))-アデノシンを挙げることができる。
【0076】
いくつかの態様において、本明細書に記載される化学修飾は、グアニンの修飾を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学的に修飾されたグアニンを含む。例示的な化学修飾グアニンとしては、イノシン、1-メチル-イノシン、ワイオシン、メチルワイオシン、4-デメチル-ワイオシン、イソワイオシン、ワイブトシン、ペルオキシワイブトシン、ヒドロキシワイブトシン、修飾を受けたヒドロキシワイブトシン、7-デアザ-グアノシン、キューオシン、エポキシキューオシン、ガラクトシル-キューオシン、マンノシル-キューオシン、7-シアノ-7-デアザ-グアノシン、7-アミノメチル-7-デアザ-グアノシン、アーケオシン、7-デアザ-8-アザ-グアノシン、6-チオ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアノシン、7-メチル-グアノシン、6-チオ-7-メチル-グアノシン、7-メチル-イノシン、6-メトキシ-グアノシン、1-メチル-グアノシン、N2-メチル-グアノシン、N2,N2-ジメチル-グアノシン、N2,7-ジメチル-グアノシン、N2,N2,7-ジメチル-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、1-メチルチオ-グアノシン、N2-メチル-6-チオ-グアノシン、N2,N2-ジメチル-6-チオ-グアノシン、a-チオ-グアノシン、2’-O-メチル-グアノシン、N2-メチル-2’-O-メチル-グアノシン、N2,N2-ジメチル-2’-O-メチル-グアノシン、1-メチル-2’-O-メチル-グアノシン、N2,7-ジメチル-2’-O-メチル-グアノシン、2’-O-メチル-イノシン、1,2’-O-ジメチル-イノシン、6-O-フェニル-2’-デオキシイノシン、2’-O-リボシルグアノシン、1-チオ-グアノシン、6-O-メチルグアノシン、O6-メチル-2’-デオキシグアノシン、2’-F-ara-グアノシン、及び2’-F-グアノシンを挙げることができる。
【0077】
場合によっては、オリゴヌクレオチドの化学修飾は、オリゴヌクレオチドへの核酸アナログまたは非天然核酸の導入または置換を含み得る。いくつかの態様において、核酸アナログは、本明細書に記載される化学修飾核酸のいずれか1つであり得る。それらは全て、参照によりそれらの全体が明示的に組み込まれる。本明細書に記載される化学修飾ヌクレオチドは、グアノシン、ウリジン、アデノシン、チミジン、及びシトシンのバリアントを含み得、例えば、アセチル化、メチル化、ヒドロキシル化によって化学的に変化している、任意の天然起源または非天然起源のグアノシン、ウリジン、アデノシン、チミジンまたはシチジンを含む。例示的な化学修飾ヌクレオチドとしては、1-メチル-アデノシン、1-メチル-グアノシン、1-メチル-イノシン、2,2-ジメチル-グアノシン、2,6-ジアミノプリン、2’-アミノ-2’-デオキシアデノシン、2’-アミノ-2’-デオキシシチジン、2’-アミノ-2’-デオキシグアノシン、2’-アミノ-2’-デオキシウリジン、2-アミノ-6-クロロプリンリボシド、2-アミノプリン-リボシド、2’-araアデノシン、2’-araシチジン、2’-araウリジン、2’-アジド-2’-デオキシアデノシン、2’-アジド-2’-デオキシシチジン、2’-アジド-2’-デオキシグアノシン、2’-アジド-2’-デオキシウリジン、2-クロロアデノシン、2’-フルオロ-2’-デオキシアデノシン、2’-フルオロ-2’-デオキシシチジン、2’-フルオロ-2’-デオキシグアノシン、2’-フルオロ-2’-デオキシウリジン、2’-フルオロチミジン、2-メチル-アデノシン、2-メチル-グアノシン、2-メチル-チオ-N6-イソペンテニル-アデノシン、2’-O-メチル-2-アミノアデノシン、2’-O-メチル-2’-デオキシアデノシン、2’-O-メチル-2’-デオキシシチジン、2’-O-メチル-2’-デオキシグアノシン、2’-O-メチル-2’-デオキシウリジン、2’-O-メチル-5-メチルウリジン、2’-O-メチルイノシン、2’-O-メチルプソイドウリジン、2-チオシチジン、2-チオ-シチジン、3-メチル-シチジン、4-アセチル-シチジン、4-チオウリジン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)-ウリジン、5,6-ジヒドロウリジン、5-アミノアリルシチジン、5-アミノアリル-デオキシウリジン、5-ブロモウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオ-ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-ウラシル、5-クロロ-ara-シトシン、5-フルオロ-ウリジン、5-ヨードウリジン、5-メトキシカルボニルメチル-ウリジン、5-メトキシ-ウリジン、5-メチル-2-チオ-ウリジン、6-アザシチジン、6-アザウリジン、6-クロロ-7-デアザ-グアノシン、6-クロロプリンリボシド、6-メルカプト-グアノシン、6-メチル-メルカプトプリン-リボシド、7-デアザ-2’-デオキシ-グアノシン、7-デアザアデノシン、7-メチル-グアノシン、8-アザアデノシン、8-ブロモ-アデノシン、8-ブロモ-グアノシン、8-メルカプト-グアノシン、8-オキソグアノシン、ベンズイミダゾール-リボシド、ベータ-D-マンノシル-キューオシン、ジヒドロ-ウリジン、イノシン、N1-メチルアデノシン、N6-([6-アミノヘキシル]カルバモイルメチル)-アデノシン、N6-イソペンテニル-アデノシン、N6-メチル-アデノシン、N7-メチル-キサントシン、N-ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ピューロマイシン、キューオシン、ウラシル-5-オキシ酢酸、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ワイブトキソシン、キサントシン、及びキシロ-アデノシンを挙げることができる。いくつかの態様において、本明細書に記載される化学修飾核酸は、2-アミノ-6-クロロプリンリボシド-5’-トリホスフェート、2-アミノプリン-リボシド-5’-トリホスフェート、2-アミノアデノシン-5’-トリホスフェート、2’-アミノ-2’-デオキシシチジン-トリホスフェート、2-チオシチジン-5’-トリホスフェート、2-チオウリジン-5’-トリホスフェート、2’-フルオロチミジン-5’-トリホスフェート、2’-O-メチル-イノシン-5’-トリホスフェート、4-チオウリジン-5’-トリホスフェート、5-アミノアリルシチジン-5’-トリホスフェート、5-アミノアリルウリジン-5’-トリホスフェート、5-ブロモシチジン-5’-トリホスフェート、5-ブロモウリジン-5’-トリホスフェート、5-ブロモ-2’-デオキシシチジン-5’-トリホスフェート、5-ブロモ-2’-デオキシウリジン-5’-トリホスフェート、5-ヨードシチジン-5’-トリホスフェート、5-ヨード-2’-デオキシシチジン-5’-トリホスフェート、5-ヨードウリジン-5’-トリホスフェート、5-ヨード-2’-デオキシウリジン-5’-トリホスフェート、5-メチルシチジン-5’-トリホスフェート、5-メチルウリジン-5’-トリホスフェート、5-プロピニル-2’-デオキシシチジン-5’-トリホスフェート、5-プロピニル-2’-デオキシウリジン-5’-トリホスフェート、6-アザシチジン-5’-トリホスフェート、6-アザウリジン-5’-トリホスフェート、6-クロロプリンリボシド-5’-トリホスフェート、7-デアザアデノシン-5’-トリホスフェート、7-デアザグアノシン-5’-トリホスフェート、8-アザアデノシン-5’-トリホスフェート、8-アジドアデノシン-5’-トリホスフェート、ベンズイミダゾール-リボシド-5’-トリホスフェート、N1-メチルアデノシン-5’-トリホスフェート、N1-メチルグアノシン-5’-トリホスフェート、N6-メチルアデノシン-5’-トリホスフェート、6-メチルグアノシン-5’-トリホスフェート、プソイドウリジン-5’-トリホスフェート、ピューロマイシン-5’-トリホスフェート、またはキサントシン-5’-トリホスフェートから選択される少なくとも1つの化学修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、本明細書に記載される化学修飾核酸は、ピリジン-4-オンリボヌクレオシド、5-アザ-ウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオウリジン、4-チオ-プソイドウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、5-ヒドロキシウリジン、3-メチルウリジン、5-カルボキシメチル-ウリジン、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、5-プロピニル-ウリジン、1-プロピニル-プソイドウリジン、5-タウリノメチルウリジン、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウリジン、1-タウリノメチル-4-チオ-ウリジン、5-メチル-ウリジン、1-メチル-プソイドウリジン、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、及び4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジンから選択される少なくとも1つの化学修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、本明細書に記載される人工核酸は、5-アザ-シチジン、プソイドイソシチジン、3-メチル-シチジン、N4-アセチルシチジン、5-ホルミルシチジン、N4-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、1-メチル-プソイドイソシチジン、ピロロ-シチジン、ピロロ-プソイドイソシチジン、2-チオ-シチジン、2-チオ-5-メチル-シチジン、4-チオ-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、ゼブラリン、5-アザ-ゼブラリン、5-メチル-ゼブラリン、5-アザ-2-チオ-ゼブラリン、2-チオ-ゼブラリン、2-メトキシ-シチジン、2-メトキシ-5-メチル-シチジン、4-メトキシ-プソイドイソシチジン、及び4-メトキシ-1-メチル-プソイドイソシチジンから選択される少なくとも1つの化学修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、本明細書に記載される化学修飾核酸は、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザ-アデニン、7-デアザ-2-アミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2-アミノプリン、7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン、1-メチルアデノシン、N6-メチルアデノシン、N6-イソペンテニルアデノシン、N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、2-メチルチオ-N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、N6-グリシニルカルバモイルアデノシン(glycinylcarbamoyladenosine)、N6-スレオニルカルバモイルアデノシン、2-メチルチオ-N6-スレオニルカルバモイルアデノシン、N6,N6-ジメチルアデノシン、7-メチルアデニン、2-メチルチオ-アデニン、及び2-メトキシ-アデニンから選択される少なくとも1つの化学修飾ヌクレオチドを含む。他の実施形態において、本明細書に記載される化学修飾核酸は、イノシン、1-メチル-イノシン、ワイオシン、ワイブトシン、7-デアザ-グアノシン、7-デアザ-8-アザ-グアノシン、6-チオ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアノシン、7-メチル-グアノシン、6-チオ-7-メチル-グアノシン、7-メチルイノシン、6-メトキシ-グアノシン、1-メチルグアノシン、N2-メチルグアノシン、N2,N2-ジメチルグアノシン、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、1-メチル-6-チオ-グアノシン、N2-メチル-6-チオ-グアノシン、及びN2,N2-ジメチル-6-チオ-グアノシンから選択される少なくとも1つの化学修飾ヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される化学修飾核酸は、6-アザ-シチジン、2-チオ-シチジン、アルファ-チオ-シチジン、プソイド-イソ-シチジン、5-アミノアリル-ウリジン、5-ヨード-ウリジン、N1-メチル-プソイドウリジン、5,6-ジヒドロウリジン、アルファ-チオ-ウリジン、4-チオ-ウリジン、6-アザ-ウリジン、5-ヒドロキシ-ウリジン、デオキシ-チミジン、5-メチル-ウリジン、ピロロ-シチジン、イノシン、アルファ-チオ-グアノシン、6-メチル-グアノシン、5-メチル-シチジン、8-オキソ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、N1-メチル-アデノシン、2-アミノ-6-クロロ-プリン、N6-メチル-2-アミノ-プリン、プソイド-イソ-シチジン、6-クロロ-プリン、N6-メチル-アデノシン、アルファ-チオ-アデノシン、8-アジド-アデノシン、7-デアザ-アデノシンから選択される少なくとも1つの化学修飾ヌクレオチドを含む。
【0078】
非天然核酸の修飾塩基としては、限定されないが、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、2-アミノアデニン-9-イル、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニンならびにグアニンの6-メチル誘導体及び他のアルキル誘導体、アデニンならびにグアニンの2-プロピル誘導体及び他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル及びシトシン、5-プロピニルウラシル及びシトシン、6-アゾウラシル、シトシン及びチミン、5-ウラシル(プソイドウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル及び他の8-置換アデニンならびにグアニン、5-ハロ特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル及び他の5-置換ウラシルならびにシトシン、7-メチルグアニン及び7-メチルアデニン、8-アザグアニン及び8-アザアデニン、7-デアザグアニン及び7-デアザアデニンならびに3-デアザグアニン及び3-デアザアデニンが挙げられる。ある種の非天然核酸は、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジンならびにN-2置換プリン、N-6置換プリン、O-6置換プリン、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、5-メチルシトシン、二重鎖形成の安定性を高めるもの、ユニバーサル核酸、疎水性核酸、乱交雑核酸、サイズ拡張核酸、フッ素化核酸、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル及び5-プロピニルシトシンを含む、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジンならびにN-2置換プリン、N-6置換プリン、及びO-6置換プリン、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニンならびにグアニンの6-メチル及び他のアルキル誘導体、アデニンならびにグアニンの2-プロピル及び他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニル(-C≡C-CH3)ウラシル、5-プロピニルシトシン、ピリミジン核酸の他のアルキニル誘導体、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-ウラシル(プソイドウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル及び他の8-置換アデニンならびにグアニン、5-ハロ特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル及び他の5-置換ウラシルならびにシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノ-アデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、三環式ピリミジン、フェノキサジンシチジン([5,4-b][1,4]ベンゾキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、G-クランプ、フェノキサジンシチジン(例えば、9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)、プリン塩基またはピリミジン塩基が他の複素環で置換されているもの、7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン、2-ピリドン、アザシトシン、5-ブロモシトシン、ブロモウラシル、5-クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノシド、5-フルオロシトシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6-ジヒドロシトシン、5-ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素、ヨードウラシル、5-ニトロシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、及び5-ヨードウラシル、2-アミノ-アデニン、6-チオ-グアニン、2-チオ-チミン、4-チオ-チミン、5-プロピニル-ウラシル、4-チオ-ウラシル、N4-エチルシトシン、7-デアザグアニン、7-デアザ-8―アザグアニン、5-ヒドロキシシトシン、2’-デオキシウリジン、または2-アミノ-2’-デオキシアデノシン等である。
【0079】
場合によっては、少なくとも1つの化学修飾は、オリゴヌクレオチドの5’キャップまたは3’テール等の5’末端または3’末端の化学修飾を含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、例えば、本明細書に記載される修飾ヌクレオチドの1つ以上を組み込むことにより分解に対して安定化され得る3’ヌクレオチドを含む、化学修飾を含む。本実施形態において、ウリジンは、修飾ウリジン、例えば、5-(2-アミノ)プロピルウリジン及び5-ブロモウリジンで置換され得るか、または本明細書に記載される修飾ウリジンのいずれかで置換され得、アデノシン及びグアノシンは、修飾アデノシン及びグアノシン、例えば、8位での修飾体(例えば、8-ブロモグアノシン)で置換され得るか、または本明細書に記載される修飾アデノシンもしくはグアノシンのいずれかで置換され得る。いくつかの態様において、デアザヌクレオチド(例えば、7-デアザ-アデノシン)が、gRNAに組み込まれ得る。いくつかの態様において、O-アルキル化ヌクレオチド及びN-アルキル化ヌクレオチド(例えば、N6-メチルアデノシン)が、gRNAに組み込まれ得る。いくつかの態様において、糖修飾リボヌクレオチドが組み込まれ得、例えば、2’OH基は、H、-OR、-R(ここでRは、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたは糖であり得る)、ハロ、-SH、-SR(ここでRは、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたは糖であり得る)、アミノ(ここでアミノは、例えば、NH2(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、もしくはアミノ酸)であり得る)、またはシアノ(-CN)から選択される基により置換される。いくつかの態様において、リン酸骨格は、本明細書に記載されるように、例えば、ホスホチオエート基で修飾され得る。いくつかの態様において、gRNAのオーバーハング領域におけるヌクレオチドは、各々が独立して修飾ヌクレオチドまたは非修飾ヌクレオチドであり得、修飾ヌクレオチドとしては、限定されないが、2’-糖修飾、例えば、2-F 2’-O-メチル、チミジン(T)、2’-O-メトキシエチル-5-メチルウリジン(Teo)、2’-O-メトキシエチルアデノシン(Aeo)、2’-O-メトキシエチル-5-メチルシチジン(m5Ceo)、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0080】
いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドは、標的RNAに結合すると、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドと同一の核酸配列を共有するが化学修飾を有しないオリゴヌクレオチドと比較して、標的RNAの発現を減少させる内在性ヌクレアーゼをより特異的にリクルートする。いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドと同一の核酸配列を共有するが化学修飾を有しないオリゴヌクレオチドと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、またはそれ以上、標的RNAの発現を減少させる内在性ヌクレアーゼをより特異的にリクルートする。
【0081】
いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドと同一の核酸配列を共有するが化学修飾を有しないオリゴヌクレオチドと比較して、加水分解による分解に対する耐性が増強している。いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドと同一の核酸配列を共有するが化学修飾を有しないオリゴヌクレオチドと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、またはそれ以上、加水分解による分解に対して耐性がある。
【0082】
いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドと同一の核酸配列を共有するが化学修飾を有しないオリゴヌクレオチドと比較して、ヌクレアーゼ消化作用による分解に対する耐性が増強している。いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドと同一の核酸配列を共有するが化学修飾を有しないオリゴヌクレオチドと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、またはそれ以上、ヌクレアーゼ消化作用による分解に対して耐性がある。
【0083】
いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドと同一の核酸配列を共有するが化学修飾を有しないオリゴヌクレオチドと比較して、より低い免疫原性を誘導する。いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドと同一の核酸配列を共有するが化学修飾を有しないオリゴヌクレオチドと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、またはそれ以上、免疫原性を誘導する可能性が低い。
【0084】
いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドと同一の核酸配列を共有するが化学修飾を有しないオリゴヌクレオチドと比較して、より弱い自然免疫応答を誘導する。いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドと同一の核酸配列を共有するが化学修飾を有しないオリゴヌクレオチドにより誘導される自然免疫応答と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、またはそれ以上、自然免疫応答を誘導する可能性が低い。
【0085】
いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドは、標的RNAに接触した場合、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドと同一の核酸配列を共有するが化学修飾を有しないオリゴヌクレオチドにより誘導される標的RNAのオフターゲット調節と比較して、標的RNAのオフターゲット調節を誘導する可能性が低い。いくつかの態様において、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの化学修飾を含むオリゴヌクレオチドと同一の核酸配列を共有するが化学修飾を有しないオリゴヌクレオチドにより誘導されるオフターゲット調節と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、またはそれ以上、オフターゲット調節を誘導する可能性が低い。
【0086】
表2は、本明細書に記載される化学修飾を少なくとも1つ含むオリゴヌクレオチドの例を示している。表2に示す核酸配列において、LNAでの核酸置換については「+」で表し、ホスホロチオエート結合を含む化学修飾については「*」で表している。「+N」は、LNAとして修飾されているNヌクレオチドである。「N*」は、後続のヌクレオシドと連結しているホスホチオエート結合である。
【0087】
送達方法
本明細書では、いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドを細胞に送達する方法が記載される。いくつかの態様において、本方法は、オリゴヌクレオチドを直接または間接的に細胞に送達することを含む。いくつかの態様において、本方法は、本明細書に記載される組成物またはオリゴヌクレオチドを細胞と接触させることを含む。いくつかの態様において、本方法は、本明細書に記載される組成物またはオリゴヌクレオチドを細胞内で発現させることを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドをコードするベクターは、本明細書に記載されるトランスフェクション方法のいずれかを介して細胞内に送達され得る。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、発現ベクターの使用を介して細胞内に送達され得る。発現ベクターという面に関して、ベクターは、当該技術分野における任意の方法によって、本明細書に記載される細胞内に容易に導入され得る。例えば、発現ベクターは、物理的、化学的、または生物学的手段によって細胞内に移入され得る。
【0088】
オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドをコードするベクターを細胞内に導入するための物理的方法としては、リン酸カルシウム沈澱、リポフェクション、微粒子銃、マイクロインジェクション、遺伝子銃、エレクトロポレーション、及び同様のものを挙げることができる。ベクター及び/または外因性核酸を含む細胞を生成する方法は、本明細書の方法に適切なものである。オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドをコードするベクターを宿主細胞内に導入する方法の1つは、リン酸カルシウムトランスフェクションである。
【0089】
オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドをコードするベクターを細胞内に導入するための化学的手段としては、高分子複合体、ナノカプセル、ミクロスフェア、ビーズ、及び脂質ベースの系(水中油型エマルション、ミセル、混合ミセル、球状核酸(SNA)、リポソーム、または脂質ナノ粒子を含む)等のコロイド分散系を挙げることができる。in vitro及びin vivoで送達媒体として使用するための例示的なコロイド系は、リポソーム(例えば、人工膜小胞)である。標的化ナノ粒子または他の適切なサブミクロンサイズの送達系を用いたオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドをコードするベクターの送達等、核酸を標的へ送達する他の最先端の方法が利用できる。
【0090】
非ウイルス送達系が利用される場合、例示的な送達媒体はリポソームである。オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドをコードするベクターを(in vitro、ex vivo、またはin vivoで)細胞内へ導入するために、脂質製剤の使用が企図される。別の態様において、オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドをコードするベクターは、脂質と会合し得る。いくつかの態様において、脂質と会合するオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドをコードするベクターは、リポソームの水性内部に包埋される、リポソームの脂質二重層内で散在する、リポソーム及びオリゴヌクレオチドの両方に会合する連結分子を介してリポソームに付着する、リポソーム内に封入される、リポソームと複合化する、脂質含有溶液中で分散する、脂質と混合される、脂質と組み合わされる、懸濁液として脂質中に包含される、ミセルに包含されるかもしくはミセルと複合化する、または他の方法で脂質と会合する。脂質、脂質/DNAまたは脂質/発現ベクター関連組成物は、溶液中で任意の特定の構造に限定されない。例えば、いくつかの態様において、それらは二重層構造で存在するか、ミセルとして存在するか、または「崩壊」構造を伴って存在する。あるいは、それらは単に溶液中で散在し、サイズまたは形状が均一でない凝集物を形成する場合がある。いくつかの態様において、脂質は、天然起源の脂質または合成脂質である脂肪性物質である。例えば、脂質としては、細胞質中に天然に存在する脂肪滴、ならびに長鎖脂肪族炭化水素及びその誘導体(脂肪酸、アルコール、アミン、アミノアルコール、及びアルデヒド等)を含有する化合物類が挙げられる。
【0091】
使用に適した脂質は、市販のものから得られる。クロロホルムまたはクロロホルム/メタノール中の脂質原液は、多くの場合、約-20℃で保管される。クロロホルムは、メタノールよりも容易に蒸発するため、専ら溶媒として用いられる。「リポソーム」とは、閉鎖脂質二重層または凝集物の生成によって形成される、種々の単層及び多重層の脂質媒体を包含する総称である。リポソームは、多くの場合、リン脂質二重層膜及び内部水性媒質を伴う小胞構造を有するものとして特徴づけられる。多重層リポソームは、水性媒質によって分離された複数の脂質層を有する。それらは、リン脂質を過剰量の水溶液中に懸濁させると自発的に形成される。脂質成分は、自己再構成を経て閉鎖構造を形成し、水及び溶解した溶質を脂質二重層間に封入する。しかしながら、通常の小胞構造とは異なる溶液中の構造を有する組成物も包含される。例えば、いくつかの態様において、脂質はミセル構造を装うか、または単に脂質分子の不均一性凝集物として存在する。また、リポフェクタミン-核酸複合体も企図される。
【0092】
場合によっては、非ウイルス送達法には、リポフェクション、ヌクレオフェクション、マイクロインジェクション、微粒子銃、ビロソーム、リポソーム、免疫リポソーム、エクソソーム、ポリカチオンもしくは脂質:カーゴコンジュゲート(または凝集体)、むき出しのポリペプチド(例えば、組換えポリペプチド)、むき出しのDNA、人工ビリオン、及びポリペプチドまたはDNAの薬剤強化型取り込みが含まれる。いくつかの態様において、送達方法には、本明細書に記載される組成物またはオリゴヌクレオチドを、天然ポリマーまたは合成材料等の少なくとも1つのポリマーとコンジュゲートさせるかまたはそれらに包埋することが含まれる。ポリマーは、生体適合性または生分解性であり得る。適切な生体適合性、生分解性合成ポリマーの非限定的な例としては、脂肪族ポリエステル、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテル-エステル)、シュウ酸ポリアルキレン、ポリアミド、ポリ(イミノカルボナート)、ポリオルトエステル、ポリオキサエステル、ポリアミドエステル、アミン基を含有するポリオキサエステル、及びポリ(無水物)を挙げることができる。このような合成ポリマーは、複数の異なるモノマー(例えば、乳酸、ラクチド、グリコール酸、グリコリド、イプシロン-カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、p-ジオキサノンなどの2つ以上)のホモポリマーまたはコポリマー(例えば、ランダム、ブロック、セグメント化、グラフト)であり得る。一例では、スキャフォールドは、グリコール酸及び乳酸を含むポリマーで構成され、グリコール酸と乳酸の比が90/10または5/95のもの等であり得る。天然起源の生体適合性、生分解性ポリマーの非限定的な例としては、糖タンパク質、プロテオグリカン、多糖類、グリコサミノグリカン(GAG)及びこれらの成分に由来する断片(複数可)、エラスチン、ラミニン、デコリン、フィブリノーゲン/フィブリン、フィブロネクチン、オステオポンチン、テネイシン、ヒアルロン酸、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ORC、カルボキシメチルセルロース、及びキチンを挙げることができる。
【0093】
場合によっては、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドをコードするベクターは、パッケージ化され、細胞外小胞を介して細胞に送達され得る。細胞外小胞は、任意の膜結合粒子であり得る。いくつかの実施態様において、細胞外小胞は、少なくとも1つの細胞によって分泌される任意の膜結合粒子であり得る。いくつかの例では、細胞外小胞は、in vitroで合成された任意の膜結合粒子であり得る。いくつかの例では、細胞外小胞は、細胞を用いずに合成された任意の膜結合粒子であり得る。場合によっては、細胞外小胞は、エクソソーム、マイクロベシクル、レトロウイルス様粒子、アポトーシス小体、アポプトソーム、オンコソーム、エクソファー、エンベロープウイルス、エクソメア、または他の超大型細胞外小胞であり得る。
【0094】
場合によっては、最初にオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドをコードするベクターを同種細胞内または自己細胞内に導入することによって生成したトランスジェニック細胞を使用して、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドをコードするベクターを、それを必要とする対象に投与することができる。場合によっては、細胞が単離され得る。いくつかの態様において、細胞が対象から単離され得る。
【0095】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドは、コンジュゲートされる。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、ペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはポリマーとコンジュゲートされる。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、当該オリゴヌクレオチドの5’-末端において、ペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはポリマーとコンジュゲートされる。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、当該オリゴヌクレオチドの3’-末端において、ペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはポリマーとコンジュゲートされる。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、当該オリゴヌクレオチドの任意の核酸残基において、ペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはポリマーとコンジュゲートされる。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされたペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはポリマーは、治療効果を付与する。例えば、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされたペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはポリマーは、細胞傷害性薬剤またはがんを処置するための薬剤であり得る。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされたペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはポリマーは、内在性核酸に対するオリゴヌクレオチドの結合効率を増加させる。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされたペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはポリマーは、特定の型の細胞(例えば、がん細胞など)に対する標的特異性をオリゴヌクレオチドに付与する。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされたペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはポリマーは、in vitro、ex vivo、またはin vivoでの安定性をオリゴヌクレオチドに付与する。例えば、オリゴヌクレオチドは、免疫原性または分解を低下させるために、ポリエチレングリコール(PEG)またはエンドソーム溶解薬とコンジュゲートされ得る。いくつかの態様において、ペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはポリマーは、オリゴヌクレオチドが細胞に入るのを容易にするために、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされる。いくつかの態様において、ペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはポリマーは、細胞内でのオリゴヌクレオチドの放出を容易にするために、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされる。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされたペプチド、抗体、脂質、炭水化物、またはポリマーは、細胞を標的化するための少なくとも1つの標的化部分を含む。標的化部分の非限定的な例には、シグナル伝達ペプチド、ケモカイン、ケモカインレセプター、接着分子、抗原、または抗体が含まれる。
【0096】
オリゴヌクレオチドをペプチド、抗体、脂質、またはポリマーにコンジュゲートさせるためのリンカーは、生体分子を結びつける任意のリンカーであり得る。いくつかの態様において、本明細書に記載されるリンカーは、切断可能なリンカーまたは切断不可能なリンカーである。いくつかの例では、リンカーは、切断可能なリンカーである。他の例では、リンカーは、切断不可能なリンカーである。場合によっては、リンカーは、非ポリマーリンカーである。非ポリマーリンカーとは、重合プロセスによって生成したモノマーの繰り返し単位を含有しないリンカーを指す。いくつかの態様において、リンカーは、ペプチド部分を含む。いくつかの例では、ペプチド部分は、少なくとも2、3、4、5、または6個以上のアミノ酸残基を含む。いくつかの態様において、リンカーは、安息香酸基またはその誘導体を含む。いくつかの態様において、リンカーは、DNAリンカー等の核酸リンカーを含み得る。このような場合、ペプチド、抗体、脂質、またはポリマーは、核酸リンカーの一端にコンジュゲートされ得るか、または核酸リンカーのヌクレオチド対の間に挿入され得る。いくつかの態様において、リンカーは、ペプチドリンカーであり得る。ペプチドリンカーは、可撓性(例えば、ポリグリシンリンカー)または剛性(例えば、EAAAK反復リンカー)であり得る。いくつかの態様において、ペプチドリンカーは、切断され得る(例えば、ジスルフィド結合)。いくつかの態様において、リンカーは、PEG、ポリ乳酸(PLA)、またはポリアクリル酸(PAA)等のポリマーを含む。
【0097】
処置方法
本明細書では、いくつかの態様において、疾患または病態を処置するために、本明細書に記載される遺伝子のいずれか1つの遺伝子発現を調節する方法が開示される。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物によって調節される遺伝子は、インフラマソーム経路に関連する。いくつかの態様において、本方法は、NLRP3の発現を減少させるために、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物を細胞と接触させることを含む。いくつかの態様において、本方法は、NLRP1の発現を減少させるために、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物を細胞と接触させることを含む。いくつかの態様において、本方法は、NLRP3またはNLRP1の発現を減少させるために、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物を細胞と接触させることを含む。いくつかの態様において、本方法は、NLRP3及びNLRP1の発現を減少させるために、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物を細胞と接触させることを含む。いくつかの態様において、本方法は、インフラマソームに関連する遺伝子のいずれか1つの発現を減少させるために、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物を細胞と接触させることを含む。
【0098】
また、本明細書では、いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物の治療有効量を対象に投与することによって、それを必要とする対象を処置する方法が開示される。いくつかの態様において、本方法は、対象における遺伝子発現またはインフラマソーム経路を調節することによって対象を処置する方法である。いくつかの態様において、本方法は、内在性核酸(例えば、内在性mRNA)を、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドと接触させることによって、遺伝子発現を減少させることを含む。いくつかの態様において、本方法は、本明細書に記載される遺伝子のいずれか1つの発現を減少させることを含む。いくつかの態様において、本方法は、NLRP3、NLRC4/NAIP、NLRP1、AIM2、IFI16、パイリン、またはそれらの組み合わせの発現を減少させることを含む。いくつかの態様において、本方法は、NLRP3を減少させることを含む。いくつかの態様において、本方法は、NLRP1を減少させることを含む。いくつかの態様において、本方法は、NLRP3またはNLRP1を減少させることを含む。いくつかの態様において、本方法は、NLRP3 mRNAまたはNLRP1 mRNAを、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドと接触させることによって、対象における、または疾患細胞における、NLRP3及びNLRP1を減少させることを含み、mRNAに対するオリゴヌクレオチドの結合により、mRNAを分解する内在性ヌクレアーゼがリクルートされる。いくつかの態様において、本方法は、疾患細胞におけるインフラマソーム経路の発現を減少させることを含む。
【0099】
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95、96、97、98、99、100、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、または646のいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95、121、139、144、146、147、または172のいずれか1つと少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号121と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号139と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号144と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号146と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号147と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号172と少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%同一である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95、121、139、144、146、147、または172のいずれか1つである。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号95である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号121である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号139である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号144である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号146である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号147である。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号172である。
【0100】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、対象に単独で投与され得る(例えば、単独処置)。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、追加の薬剤と併せて投与される。場合によっては、本明細書で使用される追加の薬剤は、単独で投与される。オリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物及び追加の薬剤は、共にまたは逐次的に投与され得る。追加の薬剤の非限定的な例には、N-(2-(4-(4-ビス(2-クロロエチル)アミノフェニル)ブチリル)アミノエチル)-5-(4-アミジノフェニル)-2-フランカルボキサミド塩酸塩、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸フェネチル、ベリノスタット、ベルベリン、カスチシン、クリシン、ブファリン、フィセチン、フコイダン、没食子酸、ゲムシタビン、桂枝茯苓丸、JOTO1007、ケルセチン、ラスフォニン、2,3,7,8-テトラクロロジベンゾジオキシン、トリプトライド、4-ヒドロキシブテノリド、またはそれらの組み合わせが含まれる。追加の薬剤の他の非限定的な例には、グリブリド、16673-34-0、JC124、FC11A-2、パルテノライド、VX-740、VX-765、Bay 11-7082、BHB、MCC950、MNS、CY-09、トラニラスト、OLT1177、オリドニン、グリベンクラミド、Ac-YVAD-cmk、Z-VAD-FMK、イソリキリチゲニン、プラルナカサン、またはそれらの組み合わせが含まれる。併用療法は、同日中に行われ得るか、または1日以上、1週以上、1ヶ月以上、もしくは1年以上隔てて行われ得る。いくつかの態様において、本方法は、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドによる遺伝子発現の調節に加えて、IL-6、IL-Ιβ、IL-17、IL-18、IL-1a、IL-37、IL-22、IL-33、及びThl7の1つ以上の発現を調節することを含む。
【0101】
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、疾患または病態のための第1選択処置である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、第2選択処置、第3選択処置、または第4選択処置である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30個またはそれ以上のオリゴヌクレオチドを含む。一般に、本明細書に開示される方法は、オリゴヌクレオチド、組成物または医薬組成物を経口投与によって投与することを含む。しかしながら、いくつかの例では、本方法は、オリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物を腹腔内注射によって投与することを含む。いくつかの例では、本方法は、医薬組成物を肛門座薬の形態で投与することを含む。いくつかの例では、本方法は、オリゴヌクレオチド、組成物または医薬組成物を静脈内(「i.v.」)投与によって投与することを含む。ある場合には、本明細書に開示されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物が、他の経路(皮下注射、筋肉内注射、皮内注射、経皮注射、経皮投与、鼻腔内投与、リンパ内注射、直腸投与、胃内投与、または任意の他の適切な非経口投与等)によっても投与され得ることが考えられる。いくつかの態様では、損傷部位または炎症部位に近い局所送達経路が、全身経路よりも好ましい。治療薬の投与経路、投与量、投与時点、及び投与期間は、調整することができる。いくつかの態様において、治療薬は、疾患または病態の急性症状及び慢性症状のいずれか一方、または両方が発症する前、または発症した後に投与される。
【0102】
対象に投与される適切な用量及び投薬量は、特定のオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物、疾患状態及びその重症度、処置を必要とする対象の独自性(例えば、体重、性別、年齢)を含むがこれらに限定されない因子によって決定され、事態を取り巻く特定の状況(例えば、投与される具体的な薬剤、投与経路、処置される状態、及び処置される対象を含む)に応じて決定され得る。
【0103】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物の投与は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、2年、3年、4年、もしくは5年に1回、または10年に1回である。有効投薬量の範囲は、処置に対する対象の応答に基づいて調整され得る。投与経路によっては、治療薬の有効量を他の投与経路よりも高濃度にする必要が生じるであろう。
【0104】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物の投与により、対象の生存率が少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、またはそれ以上増加する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、対象の生存率を少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、またはそれ以上増加させる用量で投与される。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、対象の生存率を少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、またはそれ以上増加させるスケジュールで投与される。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、対象の生存率を少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、またはそれ以上増加させる用量及びスケジュールで投与される。
【0105】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物の投与により、腫瘍の増殖が少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、またはそれ以上減少する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、腫瘍の増殖を少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、またはそれ以上減少させる用量で投与される。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、腫瘍の増殖を少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、またはそれ以上減少させるスケジュールで投与される。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、腫瘍の増殖を少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、またはそれ以上減少させる用量及びスケジュールで投与される。
【0106】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物の投与により、炎症が少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、またはそれ以上減少する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、炎症を少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、またはそれ以上減少させる用量で投与される。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、炎症を少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、またはそれ以上減少させるスケジュールで投与される。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、炎症を少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、またはそれ以上減少させる用量及びスケジュールで投与される。
【0107】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、腫瘍の増殖を阻害するのに十分な用量で対象に投与される。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、腫瘍の増殖を阻害するのに十分なスケジュールで対象に投与される。いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、腫瘍の増殖を阻害するのに十分な用量及びスケジュールで対象に投与される。
【0108】
特定の実施形態において、対象の病態が改善しない場合、医師の判断に応じて、対象の疾患または病態の症状を緩和するために、他の場合には、対象の疾患または病態の症状を制御または制限するために、医薬組成物の投与は、慢性的に、すなわち、対象の一生を通じることを含む長期間にわたり行われる。対象の状態が改善される特定の実施形態において、投与される医薬組成物の用量は、一時的に低減され得るか、または一定期間、一時的に中止され得る(すなわち、「休薬(drug holiday)」)。ある特定の実施形態では、休薬(drug holiday)期間の長さは、2日~1年であり、例を挙げるに過ぎないが、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、または28日超である。休薬(drug holiday)中の用量低減は、例に過ぎないが、10%~100%であり、例を挙げるに過ぎないが、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、及び100%である。特定の実施形態において、投与される医薬組成物の用量は、一時的に低減され得るか、または一定期間、一時的に中断され得る(すなわち、「休薬(drug diversion)」)。ある特定の実施形態では、医薬組成物の休薬(diversion)期間の長さは、2日~1年であり、例を挙げるに過ぎないが、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、または28日超である。医薬組成物の休薬(diversion)中の用量低減は、例に過ぎないが、10%~100%であり、例を挙げるに過ぎないが、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、及び100%である。適切な期間が経過した後は、任意選択で通常の投与スケジュールに戻る。
【0109】
いくつかの態様において、対象の病態が一旦改善されると、必要に応じて維持量が投与される。その後、ある特定の実施形態では、投薬量もしくは投与頻度、またはその両方が、症状に応じて、疾患、障害または病態の改善が保持されるレベルにまで低減され得る。しかしながら、特定の実施形態では、症状が少しでも再発することがあれば、長期間を原則にした断続的処置が対象には必要となる。
【0110】
このような治療レジメンの毒性及び治療効果は、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順(限定されないが、LD50及びED50の決定が挙げられる)によって決定される。毒性作用と治療効果との間の用量比は治療指数であり、これはLD50とED50との間の比として表現される。特定の実施形態において、細胞培養アッセイ及び動物試験から得られるデータは、ヒトを含む哺乳動物に用いるための治療上有効な1日投薬量の範囲及び/または治療上有効な単位投薬量を設定する際に使用される。いくつかの態様において、本明細書に記載される組成物の1日投薬量は、毒性が最小限のED50を含む循環濃度の範囲内にある。特定の実施形態において、1日投薬量の範囲及び/または単位投薬量は、採用される剤形及び利用される投与経路に応じて、この範囲内で変動する。
【0111】
いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、炎症に関連する。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、ピロトーシスに関連する。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、本明細書に記載される遺伝子のいずれか1つの発現に関連する。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、NLRP3、NLRC4/NAIP、NLRP1、AIM2、IFI16、パイリン、またはそれらの組み合わせに関連する。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、NLRP3の発現に関連する。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、NLRP3の発現に関連する炎症によって引き起こされる。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、NLRP3の発現に関連するピロトーシスによって引き起こされる。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、NLRP1の発現に関連する。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、NLRP1の発現に関連する炎症によって引き起こされる。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、NLRP1の発現に関連するピロトーシスによって引き起こされる。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、NLRP3またはNLRP1の発現に関連する。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、NLRP3またはNLRP1の発現に関連する炎症によって引き起こされる。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、NLRP3またはNLRP1の発現に関連するピロトーシスによって引き起こされる。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、NLRP3及びNLRP1の発現に関連する。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、NLRP3及びNLRP1の発現に関連する炎症によって引き起こされる。いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、NLRP3及びNLRP1の発現に関連するピロトーシスによって引き起こされる。
【0112】
いくつかの態様において、本明細書に記載される疾患または病態は、インフラマソームの発現に関連する。いくつかの態様において、疾患または病態は、NLRP3の発現に関連するインフラマソームによって引き起こされる。いくつかの態様において、疾患または病態は、NLRP1の発現に関連するインフラマソームによって引き起こされる。いくつかの態様において、疾患または病態は、NLRP3またはNLRP1の発現に関連するインフラマソームによって引き起こされる。いくつかの態様において、疾患または病態は、NLRP3及びNLRP1の発現に関連するインフラマソームによって引き起こされる。
【0113】
いくつかの態様において、NLRP3もしくはNLRP1またはインフラマソームの発現に関連する疾患または病態は、自己炎症性疾患、自己免疫疾患、神経変性疾患である。いくつかの態様において、疾患または病態は、免疫系、心血管系、内分泌系、消化管、腎臓系、呼吸器系、中枢神経系、がん、または病原体感染(例えば、ウイルス、細菌、原生生物、寄生虫、真菌、または哺乳動物に感染可能な任意の他の生物による感染)に関連する。ウイルスの非限定的な例としては、インフルエンザウイルス、サイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、アルファウイルス(チクングニアウイルス及びロスリバーウイルス等)、フラビウイルス(デングウイルス、ジカウイルス等)、またはパピローマウイルスが挙げられる。病原性細菌の非限定的な例としては、Staphylococcus aureus、Helicobacter pylon、Bacillus anthracis、Bordatella pertussis、Corynebacterium dipthenae、Clostridium tetani、Clostridium botulinum、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus pyogenes、Listeria monocytogenes、Hemophilus influenzae、Pasteureiia multicida、Shigella dysenteriae、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium leprae、Mycoplasma pneumoniae、Mycoplasma hominis、Neisseria meningitidis、Neisseria gonorrhoeae、Rickettsia rickettsii、Legionella pneumophila、Klebsiella pneumoniae、Pseudomonas aeruginosa、Propionibacterium acnes、Treponema pallidum、Chlamydia trachomatis、Vibrio cholerae、Salmonella typhimurium、Salmonella typhi、Borrelia burgdorferi、またはYersinia pestisが挙げられる。原生生物の非限定的な例としては、Plasmodium、Babesia、Giardia、Entamoeba、Leishmania、またはTrypanosomasが挙げられる。寄生虫の非限定的な例としては、住血吸虫(schistisime)、回虫、条虫、または吸虫を含めた蠕虫が挙げられる。真菌の非限定的な例としては、Candida属またはAspergillus属が挙げられる。
【0114】
いくつかの態様において、疾患または病態は、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、Muckle-Wells症候群(MWS)、家族性寒冷自己炎症性症候群(FCAS)、または新生児期発症多臓器性炎症性疾患(NOMID)を含む、恒常的活性型の炎症によって少なくとも部分的に引き起こされる。いくつかの態様において、疾患または病態は、家族性地中海熱(FMF)、TNF受容体関連周期熱症候群(TRAPS)、メバロン酸キナーゼ欠損症(MET)、高免疫グロブリンD血症及び周期熱症候群、インターロイキン1受容体拮抗分子欠損症(DIRA)、マジード症候群、化膿性関節炎、PAPA(壊疽性膿皮症及びざ瘡)、A20ハプロ不全症(HA20)、小児肉芽腫性関節炎(PGA)、PLCG2関連抗体欠損免疫異常症(PLAID)、PLCG2関連自己炎症、抗体欠損免疫異常症(APLAID)、SIFD(B細胞免疫不全、周期性発熱、及び発育遅延を伴う鉄芽球性貧血)、スイート症候群、慢性非細菌性骨髄炎(CNO)、慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)、SAPHO(滑膜炎、ざ瘡、膿疱症、骨化過剰症、または骨炎症候群)を含む自己炎症性疾患である。いくつかの態様において、疾患または病態は、多発性硬化症(MS)、I型糖尿病、乾癬、関節リウマチ、ベーチェット病、シェーグレン症候群、またはシュニッツラー症候群を含む自己免疫疾患である。いくつかの態様において、疾患または病態は、特発性肺線維症(IFF)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ステロイド抵抗性喘息、アスベスト症、または珪肺症及び嚢胞性線維症を含む、呼吸器疾患である。いくつかの態様において、疾患または病態は、片頭痛、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、アルツハイマー病、運動ニューロン疾患、ハンチントン病、脳マラリア、または肺炎球菌性髄膜炎による脳損傷を含む、中枢神経系疾患である。いくつかの態様において、疾患または病態には、神経損傷が含まれる。いくつかの態様において、神経損傷には、末梢神経損傷が含まれる。いくつかの態様において、神経損傷には、脊髄損傷が含まれる。
【0115】
いくつかの態様において、疾患または病態は、II型糖尿病、アテローム性動脈硬化症、肥満症、痛風、または偽性痛風を含む、代謝性疾患である。いくつかの態様において、疾患または病態は、眼上皮障害、加齢性黄斑変性(AMD)、角膜感染症、ブドウ膜炎、またはドライアイ等の眼疾患である。いくつかの態様において、疾患または病態は、慢性腎臓病、シュウ酸腎症、または糖尿病性腎症等の腎臓疾患である。いくつかの態様において、疾患または病態は、非アルコール性脂肪性肝炎またはアルコール性肝臓疾患等の肝臓疾患である。いくつかの態様において、疾患または病態は、接触過敏症または日焼け等の皮膚における炎症性反応である。いくつかの態様において、疾患または病態は、骨関節炎、全身型若年性特発性関節炎、成人発症型スティル病、または再発性多発性軟骨炎等の関節における炎症性反応である。いくつかの態様において、疾患または病態は、アルファウイルス(チクングニア、ロスリバー)、フラビウイルス(デングウイルス及びジカウイルス)、インフルエンザ、またはHIV等のウイルス感染によって引き起こされる。いくつかの態様において、疾患または病態は、化膿性汗腺炎(HS)または嚢胞を生じさせる他の皮膚疾患である。いくつかの態様において、疾患または病態は、多発性筋炎、脳卒中、心筋梗塞、移植片対宿主病、高血圧、大腸炎、蠕虫感染、細菌感染、腹部大動脈瘤、創傷治癒、うつ病、心理的ストレス、ドレスラー症候群を含む心膜炎、または虚血再灌流障害である。
【0116】
いくつかの態様において、疾患または病態は、がんである。いくつかの態様において、がんは、肺癌、膵癌、または結腸癌である。他の非限定的ながんの例としては、急性リンパ性白血病、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、腺様嚢胞癌、副腎癌、副腎皮質癌、成人白血病、AIDS関連リンパ腫、アミロイドーシス、肛門癌、星細胞腫、毛細管拡張性失調症、異型母斑症候群、異型奇形腫/異型横紋筋腫瘍、基底細胞腫、胆管癌、バート・ホッグ・デュベ症候群、膀胱癌、骨癌、脳腫瘍、乳癌、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍(消化管)、原発不明癌、心腫瘍(心臓腫瘍)、子宮頸癌、胆管癌、脊索腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(Chronic Myelogenous Leukemia)、慢性骨髄性白血病(Chronic Myeloid Leukemia)、慢性骨髄増殖性新生物、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、管癌、胎児性腫瘍、子宮内膜癌、脳室上衣細胞腫、食道癌、鼻腔神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外生殖細胞腫瘍、眼腫瘍、卵管癌、骨の繊維性組織球腫、悪性骨肉腫、胆嚢癌、胃癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛疾患、毛髪様細胞白血病、頭頸部癌、肝細胞癌、HER2陽性乳癌、組織球症、ランゲルハンス細胞、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼内黒色腫、島細胞腫瘍、若年性ポリポーシス症候群、カポジ肉腫、腎臓癌、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭癌、白血病、口唇及び口腔癌、肝臓癌、小葉癌、肺癌(非小細胞及び小細胞)、リンパ腫、骨の悪性線維性組織球腫及び骨肉腫、悪性神経膠腫、黒色腫、眼内黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞癌、中皮腫、悪性転移性癌、原発性潜在性の転移性頸部扁平上皮癌、正中線上癌、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、形質細胞新生物、菌状息肉症、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物、慢性鼻腔及び副鼻腔癌、鼻咽腔癌、神経芽細胞腫、神経内分泌腫瘍、非ホジキンリンパ腫、口腔癌、口唇及び口腔癌ならびに口腔咽頭癌、口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、膵癌、膵神経内分泌腫瘍、乳頭腫症、傍神経節腫、副鼻腔及び鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、腹膜癌、ポイツ・ジェガーズ症候群、咽頭癌、クロム親和性細胞腫、下垂体腫瘍、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、真性多血症、妊娠中の乳癌、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、原発性腹膜癌、前立腺癌、直腸癌、再発癌、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫、セザリー症候群、皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、固形腫瘍、皮膚の扁平上皮癌、原発性潜在性の頸部扁平上皮癌、転移性胃癌、T細胞リンパ腫、精巣癌、喉頭癌、胸腺腫、胸腺癌、甲状腺癌、腎盤及び尿管の移行細胞癌、小児期の希少がん、尿管及び腎盤、移行細胞癌、尿道癌、子宮癌(子宮内膜癌)、子宮肉腫、膣癌、血管性腫瘍、外陰癌、ウィルムス腫瘍、またはそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0117】
医薬組成物
本明細書では、いくつかの態様において、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドまたは本明細書に記載される組成物を含む医薬組成物が記載される。本明細書で使用される場合、医薬組成物は、医薬組成物と他の化学成分(すなわち、薬学的に許容される不活性成分)との混合物を指し、他の化学成分とは、例えば、担体、賦形剤、結合剤、充填剤、懸濁化剤、香味剤、甘味剤、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤、希釈剤、可溶化剤、湿潤剤(moistening agent)、可塑剤、安定剤、浸透増強剤、湿潤剤(wetting agent)、消泡剤、抗酸化剤、防腐剤、またはそれらの1つ以上の組み合わせである。任意選択で、組成物は、本明細書で述べた2つ以上の医薬組成物を含む。本明細書で提供される処置方法または使用方法を実践する際には、本明細書に記載される治療有効量の医薬組成物は、処置すべき疾患、障害、または病態(例えば、炎症性疾患、線維化狭窄疾患、及び/または線維性疾患)を有する哺乳動物に、医薬組成物として投与される。いくつかの態様において、哺乳動物は、ヒトである。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢及び相対的健康状態、使用される医薬組成物の効力、及び他の要因に応じて大きく変動し得る。医薬組成物は、単独で使用され得るか、または混合物の成分として1つ以上の医薬組成物と併せて使用され得る。本明細書に記載される医薬組成物は、オリゴヌクレオチド、組成物、オリゴヌクレオチドと接触させた細胞もしくはオリゴヌクレオチドを含む組成物と接触させた細胞、またはそれらの組み合わせを含む。
【0118】
本明細書に記載される医薬製剤は、適切な投与経路によって対象に投与され、適切な投与経路としては、限定されないが、静脈内、動脈内、経口、非経口、バッカル、局所、経皮、経直腸、筋肉内、皮下、骨内、経粘膜、吸入、または腹腔内投与経路が挙げられる。本明細書に記載される医薬製剤としては、限定されないが、水性液状分散剤、自己乳化型分散剤、固溶体、リポソーム型分散剤、エアロゾル、固体剤形、散剤、即放性製剤、放出制御製剤、速溶性製剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、遅延放出性製剤、徐放性製剤、脈動放出性製剤、多粒子製剤、及び即放性製剤と放出制御製剤との混合製剤が挙げられる。
【0119】
医薬組成物を含む医薬組成物は、従来の様式(例に過ぎないが、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠形成、微粒子化、乳化、カプセル化、封入または圧縮工程によるもの等)で製造される。
【0120】
医薬組成物は、少なくとも1つの医薬組成物を、遊離酸形態もしくは遊離塩基形態、または薬学的に許容される塩形態で、活性成分として含み得る。加えて、本明細書に記載される方法及び医薬組成物は、N-オキシド(適切な場合)、結晶形、非晶相、ならびに同一タイプの活性を有するこれらの化合物の活性代謝産物の使用を含む。いくつかの態様において、医薬組成物は、非溶媒和形態で存在するか、または水、エタノール、及び同様のもの等の薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態で存在する。医薬組成物の溶媒和形態も本明細書に開示されているとみなされる。
【0121】
いくつかの態様において、医薬組成物は、互変異性体として存在する。全ての互変異性体が、本明細書に提示される薬剤の範囲内に含まれる。このように、2つの原子の間で、どちらか一方が共有結合を形成するために水素原子を交換することによって、2つの化学化合物が容易に相互変換されることが可能である互変異性現象が、医薬組成物またはその塩で示され得ることを理解されたい。互変異性化合物は互いに可動平衡状態で存在するため、互変異性化合物を同一化合物の異なる異性体形態とみなすことができる。
【0122】
いくつかの態様において、医薬組成物は、エナンチオマー、ジアステレオマー、または他の立体異性形態として存在する。本明細書に開示される薬剤は、全てのエナンチオマー形態、ジアステレオマー形態、及びエピマー形態、ならびにそれらの混合物を含む。
【0123】
いくつかの態様において、本明細書に記載される医薬組成物は、プロドラッグとして調製され得る。「プロドラッグ」とは、in vivoで親薬物に変換される薬剤を指す。状況によっては、プロドラッグは、親薬物よりも投与しやすい可能性があるため、しばしば有用である。例えば、プロドラッグでは、経口投与により生体利用可能となり得るが、親薬物ではそうならない。また、プロドラッグでは、医薬組成物における溶解性が親薬物よりも改善されていることもある。限定されないが、プロドラッグの一例は、本明細書に記載される医薬組成物と想定され、これは、エステル(「プロドラッグ」)として投与されて、水溶性が移動に不利な場である細胞膜を横切る送達が促進されるが、次いで、水溶性が有益な場である細胞内に一旦入ると、活性酵素により代謝性に加水分解されてカルボン酸になる。さらなるプロドラッグの一例は、酸性基に結合した短鎖ペプチド(ポリアミノ酸)であり得、このペプチドが代謝されて活性部分が現れる。特定の実施形態において、プロドラッグは、in vivoで投与されると、医薬組成物の生物学的、薬学的または治療的に活性な形態に化学的に変換される。特定の実施形態において、プロドラッグは、1つ以上のステップまたはプロセスによって酵素的に代謝されて、医薬組成物の生物学的、薬学的または治療的に活性な形態になる。
【0124】
医薬組成物のプロドラッグ形態であって、当該プロドラッグがin vivoで代謝されて、本明細書に示される薬剤が生成する、前記医薬組成物のプロドラッグ形態は、特許請求の範囲内に含まれる。本明細書に記載される医薬組成物のプロドラッグ形態であって、当該プロドラッグがin vivoで代謝されて、本明細書に示される薬剤が生成する、前記医薬組成物のプロドラッグ形態は、特許請求の範囲内に含まれる。場合によっては、本明細書に記載される医薬組成物のいくつかは、別の誘導体または活性化合物のプロドラッグであり得る。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、ヒドラゾンがin vivoで代謝されて、医薬組成物が生成する。
【0125】
キット
本明細書では、いくつかの態様において、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物を使用するためのキットが記載される。いくつかの態様において、本明細書に開示されるキットは、対象の疾患または病態を処置するために使用され得る。いくつかの態様において、キットは、オリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物とは別の材料または構成要素の集合体を含む。いくつかの態様において、キットは、疾患または病態の処置に対して適切なオリゴヌクレオチドをアッセイし、選択するための構成要素を含む。いくつかの態様において、キットは、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、Simoa(single-molecular array)、PCR、またはqPCR等のアッセイを実施するための構成要素を含む。キットを構成する構成要素の厳密な性質は、キットが意図する目的に依存する。例えば、いくつかの実施形態は、対象における本明細書に開示される疾患または病態(例えば、がん)を処置する目的で構成される。いくつかの態様において、キットは特に、哺乳動物の対象を処置する目的で構成される。いくつかの態様において、キットは特に、ヒト対象を処置する目的で構成される。
【0126】
キットには使用説明書が含まれ得る。いくつかの態様において、キットは、組成物の投与を必要とする対象に対するその投与のための説明書を含む。いくつかの態様において、キットは、オリゴヌクレオチドをさらに操作するための説明書を含む。いくつかの態様において、キットは、保管または輸送中に凍結保存または凍結乾燥されている可能性があるオリゴヌクレオチドを解凍するための説明書、あるいはその他の様式でその生物活性を回復するための説明書を含む。いくつかの態様において、キットは、それが意図する目的に対する有効性(例えば、対象を処置するために使用される場合の治療有効性)を測定するための説明書を含む。
【0127】
任意選択で、キットは、希釈剤、緩衝剤、薬学的に許容される担体、シリンジ、カテーテル、アプリケーター、ピペットもしくは測定用具、包帯材料または他の有用な道具等の他の有用な構成要素も含有する。キットにまとめられた材料または構成要素は、それらの実施可能性及び有用性を保つ、任意の便宜的かつ適切な方法で保管され、実務担当者に提供され得る。例えば、オリゴヌクレオチド、組成物、または医薬組成物は、溶解形態、無水形態、または凍結乾燥形態であり得る。構成要素は、通常、適切な包装材(複数可)に包まれる。
【0128】
絶対的用語または経時的用語、例えば、「することになる」、「しないことになる」、「するものとする」、「しないものとする」、「しなければならない」、「してはならない」、「第1に」、「最初に」、「次に」、「続いて」、「前に」、「後に」、「最後に」、及び「最終的に」の使用は、本明細書に開示される本実施形態の範囲の限定を意味するものではなく、例示的なものである。
【0129】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈により別途明示されない限り、複数形を同様に含むように意図される。さらに、用語「含む(including)」、「含む(include)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」またはそれらの変形が、発明を実施するための形態及び/または特許請求の範囲のいずれかで使用される限りにおいて、かかる用語は、用語「含む(comprising)」と同様の様式で包括的であるように意図される。
【0130】
本明細書で使用される場合、語句「少なくとも1つ」、「1つ以上」、及び「及び/または」は、作用において接続的かつ離接的なオープンエンド表現である。例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、及びCのうちの1つ以上」、「A、B、またはCのうちの1つ以上」及び「A、B、及び/またはC」という表現の各々は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びB共に、A及びC共に、B及びC共に、または、A、B及びC共に、を意味する。
【0131】
本明細書で使用される場合、「または」は、「及び」、「または」、または「及び/または」を指し得、排他的かつ包括的に使用され得る。例えば、用語「AまたはB」は、「AまたはB」、「BではなくA」、「AではなくB」、及び「A及びB」を指し得る。場合によっては、文脈により特定の意味が定まり得る。
【0132】
本明細書に記載される任意のシステム、方法、ソフトウェア、及びプラットフォームは、モジュール式である。したがって、「第1」及び「第2」等の用語は、優先順位、重要性の順序、または行為の順序を必ずしも意味するものではない。
【0133】
数または数の範囲に言及する際、用語「約」は、言及される数または数の範囲が、実験に基づく変動の範囲内(または統計的実験誤差以内)の近似であり、当該数または数の範囲が、記載される数または数の範囲の例えば1%~15%で変動し得ることを意味する。例として、用語「約」は、記載される数または値の±10%を指す。
【0134】
本明細書において、用語「増加した」、「増加する」、または「増加」は、一般的に、統計学的に有意な量の増加を意味するように使用される。いくつかの態様において、用語「増加した」、または「増加」は、基準レベルと比較して少なくとも10%の増加、例えば、基準レベル、標準、または対照と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、もしくは少なくとも約30%、もしくは少なくとも約40%、もしくは少なくとも約50%、もしくは少なくとも約60%、もしくは少なくとも約70%、もしくは少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%の増加、もしくは最大100%(100%を含む)の増加、または10~100%の間のあらゆる増加を意味する。他の「増加」の例としては、基準レベルと比較して、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも1000倍またはそれ以上の増加が挙げられる。
【0135】
本明細書において、用語「減少した」、「減少する」、または「減少」は、一般的に、統計学的に有意な量の減少を意味するように使用される。いくつかの態様において、「減少した」または「減少」は、基準レベルと比較して少なくとも10%の低下、例えば、基準レベルと比較して、少なくとも約20%、もしくは少なくとも約30%、もしくは少なくとも約40%、もしくは少なくとも約50%、もしくは少なくとも約60%、もしくは少なくとも約70%、もしくは少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%の減少、もしくは最大100%(100%を含む)の減少(例えば、基準レベルと比較してレベルが不在または検出不可能)、または10~100%の間のあらゆる減少を意味する。マーカーまたは症状という面に関して、これらの用語は、かかるレベルの統計学的に有意な減少を意味するものである。例えば、減少は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%またはそれ以上であり得、好ましくは、所与の疾患を有しない個人にとって正常範囲内として受け入れられるレベルまで下がることである。
【0136】
本明細書では、本発明の好ましい実施形態を示し、記載してきたが、かかる実施形態は例として提供されたものに過ぎないことが、当業者には明らかであろう。本発明が、本明細書内で提供される特定の例によって限定されることは、意図されない。本発明は、前述の明細書によって説明されているが、本明細書における実施形態の記載及び例は、限定的な意味で解釈されることを意味するものではない。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多くの変形、変更、及び代用が想到されるであろう。さらに、本発明の全ての態様は、様々な条件及び変数に依存する、本明細書に示される特定の叙述、構成または相対的割合に限定されないことが理解されるものとする。本発明の実施に際し、本明細書に記載される本発明の実施形態には、様々な代替形態が採用され得ることが理解されるべきである。したがって、本発明はまた、かかる代替形態、修正形態、変形形態または均等物のいずれもを網羅するものとして企図される。特許請求の範囲は本発明の範囲を規定するものであり、この特許請求の範囲に含まれる方法及び構造ならびにそれらの均等物がそれによって網羅されることが意図される。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【表1-20】
【表1-21】
【表1-22】
【表1-23】
【表1-24】
【表1-25】
【表1-26】
【表1-27】
【表1-28】
【表1-29】
【表1-30】
【表1-31】
【表1-32】
【表1-33】
【実施例】
【0137】
以下の例示的な実施例は、本明細書に記載される刺激作用、システム、及び方法の実施形態を代表するものであり、いかなる形であれ限定することを意味するものではない。
【0138】
実施例1.NLRP3またはNLRP1の発現調節
細胞培養条件及びin vitroトランスフェクション
10%ウシ胎児血清、100U/mlペニシリン及び100U/mlストレプトマイシン(Pen-strep、またはPS)を10%補充したイーグル最小必須培地でHMC3細胞を維持し、5% CO2を含有する加湿インキュベーター内で37℃にて、当該細胞をインキュベートする。アンチセンス処理のために、前日に細胞を70%の培養密度で96ウェルプレートに蒔く。トランスフェクション当日、細胞をOptiMEM培地で1回洗浄し、80μLのOptiMEM中でインキュベートする。OptiMEM中で、アンチセンスとLipofectamine RNAiMaxトランスフェクション試薬とを、所望の濃度で混合することにより、トランスフェクション混合液を調製し、このトランスフェクション混合液を各ウェルに20μL添加し、2時間インキュベートする。2時間経った時点で、10μLの血清をウェルに添加し、それぞれの細胞株用の培養培地で体積を200μLにする。別の方法として、トランスフェクションしてから2時間後または翌日に培地を交換する。ASO処理は、トランスフェクション試薬を用いないでも行われ得る。この場合は、NLRP3またはNLRP1をコードする内在性核酸に結合するオリゴヌクレオチドを、OptiMEMで希釈し、全体積の5%未満の体積で細胞培養液中に添加する。
【0139】
mRNAノックダウンの検出
トランスフェクションしてから48時間後に細胞を溶解して回収する。溶解及びそれに続くmRNA検出は、製造業者(ThermoFisher)が指定したQuantigenアッセイに従って行う。
【0140】
細胞炎症アッセイ
アンチセンス処理後、トランスフェクションしてから3日後または5日後にHMC3細胞をモニターする。細胞炎症は、リポ多糖(LPS ng/mL、Sigma-Aldrich)で24時間、及びアデノシン三リン酸(ATP、5mM、Sigma-Aldrich)でさらに30分間活性化することによりモニターする。サイトカイン測定は、培地における定性的ELISAによって実施した。
【0141】
細胞増殖アッセイ
アンチセンス処理後、トランスフェクションしてから3日後または5日後に細胞をモニターする。細胞増殖は、CellTiter-Gloアッセイにより、製造業者(Promega)が指定したプロトコールに従ってモニターする。
【0142】
実施例2.化学修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが介在するNLRP3のmRNAノックダウン
LNA修飾及び完全ホスホロチオエート骨格を含有する、14塩基長のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、Integrated DNA Technologies,Inc.が合成した。96ウェルフォーマットにおいて、ウェルあたり0.3μLのLipofectamine RNAiMax(Thermo-Fisher)を用いて、各オリゴを20nMの最終濃度でU87-MG神経膠芽腫細胞株(ATCC)内にトランスフェクトした。24時間後、遺伝子発現アッセイのために、ウェルあたり0.05mLのQuantigene lysis mixture(Life Technologies)で細胞を溶解した。NLRP3及びPPIBハウスキーピング遺伝子の発現は、Quantigene singleplex assay kit(Life Technologies)を用いて、製造業者のプロトコールに従いRNAを捕捉して定量し、続いてシグナルを増幅させ、化学発光反応により検出した。ウェルあたりで検出した相対的遺伝子発現量は、Sparkルミノメーター(Tecan)において相対的発光量(RLU)で定量した。NLRP3ノックダウンの程度は以下の式で求めた:% KD配列X=1-[(RLU NLRP3配列X/RLU PPIB配列X)/(RLU NLRP3陰性対照/RLU PPIB陰性対照)]。表2は、化学修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドが介在するmRNAノックダウンを例示している。
図1は、トランスフェクションしてから24時間後のU87ヒト神経膠芽腫細胞におけるNLRP3 mRNAノックダウンを例示している。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【0143】
実施例3.NLRP3アンチセンスオリゴヌクレオチド処理に続くマウスミクログリアにおけるインフラマソーム活性の抑制
不死化マウスミクログリア(IMG)細胞をSigma Aldrichから入手し、96ウェルフォーマットにおいて、10% FBSを補充したDMEM(Gibco)中で培養した。NLRP3を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を、様々な濃度で72時間かけて細胞に添加し、37℃の5% CO
2インキュベーター内で培養した。ASO処理に続いて、100ng/mLのリポ多糖(LPS、Invivogen)で90分間処理し、その後5mMのアデノシン三リン酸(ATP、Invivogen)を加えて30分間処理することにより、インフラマソームの刺激を行った。培養上清中の分泌IL-1ベータは、Lumit mouse IL-1 beta assay kit(Promega)を用いて測定し、細胞可溶化物に対する遺伝子発現解析は、Quantigene Singleplex assay system(Life Technologies)を用いたbDNAアッセイにより、製造業者のプロトコールに従って実施した。両アッセイ系では、Sparkルミノメーター(Tecan)で化学発光検出を行った。
図2は、むき出しで送達された(gymnotically-delivered)アンチセンスオリゴヌクレオチドで処理してから72時間後の不死化マウスミクログリア細胞におけるNLRP3 mRNAノックダウンを例示し、
図3は、細胞培養上清中の分泌IL-1ベータサイトカインの抑制結果を例示している。
【0144】
実施例4.NLRP3オリゴヌクレオチド処理に続くヒト末梢血単核球におけるインフラマソーム活性の抑制
健常人に由来する凍結保存したヒト末梢血単核球(PBMC)を、iXCells(San Diego,CA)から調達し、37℃の水浴中で1分間解凍し、10% FBS(熱不活化)、ピルビン酸ナトリウム、非必須アミノ酸、L-グルタミン、及びHEPESを補充した14mLのRPMI培養液で洗浄した。次いで、96ウェル平底細胞培養プレートに、細胞をウェル(0.1mL中)あたり200,000細胞で蒔き、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)処理前に4時間馴化させた。NLRP3を標的とするASOを様々な濃度で細胞に添加し、37℃の5% CO
2インキュベーター内に72時間置いた。ASO処理に続いて、100ng/mLのリポ多糖(LPS、Invivogen)で90分間処理し、その後5mMのアデノシン三リン酸(ATP、Invivogen)を加えて30分間処理することにより、インフラマソームの刺激を行った。培養上清中の分泌IL-1ベータは、Lumit mouse IL-1 beta assay kit(Promega)を用いて、製造業者のプロトコールに従って測定し、化学発光検出は、Sparkルミノメーター(Tecan)で行った。
図4は、NLRP3を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理した後の培養ヒトPBMCにおける、IL-1ベータ分泌を通じてのインフラマソーム活性の低下を例示している。
【0145】
前述の開示は、明確性及び理解の目的で若干詳しく記載されているが、本開示を読むことによって、形態及び細部における様々な変更が、本開示の真の範囲から逸脱することなくなされ得ることが当業者には明らかとなるであろう。例えば、上記の全ての技術及び装置は、様々な組み合わせで使用され得る。本出願で引用される全ての刊行物、特許、特許出願、及び/または他の文献は、個々の刊行物、特許、特許出願、及び/または他の文献のそれぞれが、あらゆる目的で参照により組み込まれるように、個々に、かつ別々に示された場合と同程度に、あらゆる目的でそれらの全体が参照により組み込まれる。
【配列表】
【国際調査報告】