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特表2024-532488波長分析により表面を検査するための装置及び方法
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  • 特表-波長分析により表面を検査するための装置及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】波長分析により表面を検査するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/57 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
G01N21/57
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513968
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 EP2022072620
(87)【国際公開番号】W WO2023030861
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】102021122713.5
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507231987
【氏名又は名称】ベーユプスィロンカー-ガードネル ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スパーリング、ウーヴェ
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB10
2G059EE02
2G059EE04
2G059GG02
2G059GG03
2G059HH02
2G059JJ01
(57)【要約】
ラッカー塗装された表面、特に自動車の表面特性を調べるための装置(1)は、調べられるべき表面(10)を第1の照明角度(a1)で照明する第1の照明デバイス(2)と、表面(10)を第2の照明角度(a2)で照明する第2の照明デバイス(12)と、第2の照明デバイス(2)によって第1の記録角度で照明される表面によって反射及び/又は散乱される放射線を記録し、表面からセンサデバイスに到達する放射線の特徴である少なくとも1つの値を出力する第1のセンサデバイス(4)と、を有し、装置(1)は、表面によって散乱及び/又は反射される放射線をその波長に関して分析する放射線分析デバイス(4)を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラッカー塗装された表面の表面特性を調べるための装置(1)であって、
調べられるべき表面(10)を第1の照明角度(a1)で照明する第1の照明デバイス(2)と、前記表面(10)を第2の照明角度(a2)で照明する第2の照明デバイス(12)と、前記第2の照明デバイス(2)によって第1の記録角度(b2)で照明される前記表面によって反射及び/又は散乱される放射線を検出する第1のセンサデバイス(4)と、を有し、
前記装置(1)は、前記表面によって散乱及び/又は反射される放射線をその波長に関して分析する放射線分析デバイス(4)を有する、装置(1)。
【請求項2】
前記放射線分析デバイス(14)が分光計(14)を備える、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記放射線分析デバイス(14)は、前記照明デバイスのうちの少なくとも一方によって前記表面(10)上に照射されて前記表面によって散乱及び/又は反射される前記放射線を記録するように配置される、請求項1又は2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記放射線分析デバイスが前記センサデバイス(4)の構成要素でもある、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記装置(1)は、前記放射線分析デバイスにより出力される信号を積分する積分デバイスを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記装置(1)は、前記表面に対して第3の照明角度(a3)で配置される第3の照明デバイス(6)を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの照明角度は、30°~60°、好ましくは35°~55°、好ましくは40°~50°、特に好ましくは45°であり、及び/又は少なくとも1つの照明角度は、60°よりも大きい、好ましくは65°よりも大きい、好ましくは70°よりも大きい、好ましくは75°よりも大きい、特に好ましくは80°よりも大きい、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記放射線分析デバイスは、前記第1の照明デバイス及び/又は前記第3の照明デバイスによって前記表面上に照射されて前記表面によって散乱された放射線をその波長に関して分析するのに適しており且つ分析するようになっている、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記装置(1)は、前記表面に対して第4の照明角度(a4)で配置される第4の照明デバイス(16)を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
少なくとも1つの照明デバイスは、前記表面上に異なる波長の放射線を照射するのに適しており且つ照射するようになっている、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項11】
ラッカー塗装された表面の表面特性を調べるための方法であって、第1の照明デバイス(2)が、調べられるべき表面(10)を第1の照明角度(a1)で照明し、第2の照明デバイス(12)が、前記表面(10)を第2の照明角度(a2)で照明し、第1のセンサデバイス(4)が、第1の記録角度で前記第2の照明デバイス(2)によって照明された前記表面によって反射及び/又は散乱される放射線を記録するとともに、前記表面から前記センサデバイス(4)に到達する前記放射線の特性である少なくとも1つの値を出力し、
放射線分析デバイスが、その波長に関して前記表面によって散乱及び/又は反射される放射線を分析する、方法。
【請求項12】
前記センサデバイスによって決定される前記値及び前記放射線分析デバイスによって記録されるデータの両方が前記表面特性の評価のために考慮される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
照明デバイス(2,12)が前記表面上に放射線を照射し、前記放射線分析デバイスは、前記照明デバイスによって照射されて前記表面によって反射される前記放射線を記録する、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記放射線分析デバイスが分光計によって放射線を分析する、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
第3の照明デバイスが第3の角度で前記表面を照明する、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面特性、特に光学表面特性を調べるための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような装置は、表面、例えば自動車両の表面を検査する最新技術から知られている。自動車両の表面は、ベースコートに加えて、他のラッカー層、特に効果顔料を有するラッカー層も有する非常に複雑なコーティングであることがある。そのような効果顔料は、観察の方向及び/又は入射光のタイプ、例えば拡散照明又は指向性照明にも依存する異なる光学的印象を作り出す。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、そのような表面を可能な限り包括的且つ正確に評価できるようにすることを目的とする。本発明によれば、これは独立特許請求項の主題によって達成される。有利な実施形態及び更なる発展形態が、従属請求項の主題である。
【0004】
ラッカー塗装された表面、特に自動車の表面を検査し、特に表面特性を検査するための本発明による装置は、検査される表面を第1の照明角度で照明する(及び/又はこの表面に放射線を放射する)第1の照明デバイス及び/又は放射装置を有する。
【0005】
さらに、装置は、第2の照明角度で表面を照明する第2の照明デバイスを有する。好ましくは、第1の照明角度と第2の照明角度は互いに異なる。
【0006】
さらに、本装置は、第2の照明デバイスによって照明された表面からの反射および/または散乱される放射線を第1の記録角度で記録し、表面からセンサデバイスに到達する放射線の特徴である少なくとも1つの値を出力する第1のセンサデバイスを有する。
【0007】
本発明によれば、装置は、表面によって散乱および/または反射された放射線をその波長に関して分析する放射線分析デバイスを有する。
【0008】
好ましくは、放射線分析デバイスは、第1の照明デバイスによって表面上に照射されて表面によって散乱及び/又は反射された、特に散乱された放射線を記録する。
【0009】
出願人は、多角度の色測定では、表面に関する情報を取得する主な焦点、すなわち異なる角度での色測定が、光沢挙動を測定することによって補われ得ると判断した。ベースコート及びクリアコート仕上げを伴う自動車用ラッカーの場合、放射線分析デバイスを用いたスペクトル分解光沢測定により、ベースコートの色がクリアコートの光沢レベルの測定に与える影響を考慮することができる。
【0010】
これにより、照明が指定された標準光で行われてv-λフィルタリング(人間の目の感度に対応する)を使用して検出される、古典的な非スペクトル分解光沢測定よりも広範な評価オプションが可能になる。
【0011】
表面からセンサデバイスに到達する放射線の特性である値は、好ましくは、この放射線の強度である。
【0012】
好ましくは、センサデバイスは、記録された放射線の特性である積分値、特に複数の波長にわたって積分された値を検出する。
【0013】
以下でより詳細に説明されるように、放射線分析(積分を実行することによる)は、好ましくは第1のセンサデバイスとしても機能する。
【0014】
したがって、好ましくは、放射線分析デバイスは、放射線分析デバイスに衝突する放射線、特に第1の照明デバイスから生じる放射線のスペクトル分析を実行する。一方、放射線分析デバイスは、波長にわたって積分された強度(特に、第2の照明デバイスから生じる放射線の強度)を得るために、これらのスペクトル成分も積分する。
【0015】
好適には、装置は、第1のセンサデバイス、放射線分析デバイス及び/又は照明デバイスが配置されるハウジングを有する。
【0016】
更なる有利な実施形態において、装置は、照明デバイスを制御するための制御デバイスを有する。この制御デバイスは、照明デバイスによる表面の照明を交互に及び/又は時間オフセットで制御するように設計され得る。このようにして、異なる方向から照明されるべき表面及び散乱放射線を放射線分析デバイスによって分析することができ、一方、照明されるべき表面及び表面から反射される放射線をセンサデバイスによって検出することができる。
【0017】
更に好ましい実施形態では、全ての入射及び出射放射線の入射又は照射の方向が、1つの平面内にある。このことは、表面の照明及び観察が1つの平面内で行われることを意味する。この平面は、好ましくは、調べられるべき表面に対して垂直である。
【0018】
更なる有利な実施形態では、少なくとも1つの照明デバイスは発光ダイオード(LED)を有する。特に、少なくとも1つの照明デバイスは白色光LEDを有する。好ましくは、少なくとも1つの照明デバイスは、標準光、特にD65標準光を放射する。標準光とは、特徴的なエミッタの標準化されたスペクトル放射線分布曲線を指す。D65標準光タイプは、6504ケルビン(灰色の曇天にほぼ対応する)の色温度を伴う放射線分布である。
【0019】
更に好ましい実施形態において、装置は、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのレンズデバイス、特に色消しレンズデバイスを有する。更なる有利な実施形態において、装置は、少なくとも1つのセグメント化されたレンズデバイスを有する。このようにして、設置スペースを節約することができる。これらのレンズデバイスは、照明デバイスと調べられるべき表面との間のビーム経路に配置されることが好ましい。
【0020】
更に好ましい実施形態において、1つ又は複数のレンズデバイスは、表面とセンサデバイス及び/又は放射線デバイスとの間のビーム経路に配置される。更なる有利な実施形態において、1つ又は複数のレンズデバイスは、1つ又は複数の照明デバイスと(検査されるべき)表面との間に配置される。
【0021】
好ましくは、少なくとも1つの照明デバイスは、検査されるべき表面上に拡散光を放射する。好ましくは、少なくとも1つの照明デバイスは、検査されるべき表面上に指向性放射線を放射する。特に好ましくは、放射線分析デバイスによってその照明が記録される照明デバイスは、表面上に指向性放射線を放射する。
【0022】
更に好ましい実施形態において、放射線分析デバイス及び第1のセンサデバイスは、同じ記録角度又は検出角度で表面によって散乱及び/又は反射された放射線を記録する。
【0023】
更に好ましい実施形態において、放射線分析デバイス及び第1のセンサデバイスは、同じ場所及び/又は同じ(角度)位置に配置される。
【0024】
更なる有利な実施形態において、放射線分析デバイスは、センサデバイスの構成要素でもあり、及び/又は放射線分析デバイスは第1のセンサデバイスとしても機能する。センサデバイス及び放射線分析デバイスは、好ましくは同一の、1つの同じ構成要素、すなわち好ましくは分光計である。この実施形態は、特に費用効果が高い。しかしながら、センサデバイス及び放射線分析デバイスを別々の構成要素として及び/又は別々に設計することも考えられる。
【0025】
さらに有利な実施形態では、放射線分析デバイスは、分光計および/またはモノクロメータを有する。好ましくは、この分光計は、特に可視波長範囲の波長、すなわち特に400nm~700nmの範囲の波長を分析することができる。
【0026】
さらに有利な実施形態では、放射線分析デバイスは、少なくとも1つの照明デバイスによって表面に照射された放射線および表面によって散乱された放射線を記録するように配置される。更に、放射線分析デバイスは、照明デバイスの少なくとも1つによって表面上に照射された放射線及び表面から反射された放射線を記録するようにも配置される。
【0027】
更に好ましい実施形態において、装置は、第3の照明角度で表面に対して配置される及び/又は第3の照明又は照射角度で表面に対して放射線を照射する第3の照明デバイス及び/又は放射線デバイスを有する。
【0028】
好ましくは、放射線分析デバイスは、第3の照明デバイスによって表面上に照射されてそれにより(放射線分析デバイスの方向にも)散乱される放射線も記録する。好ましくは、放射線分析デバイスは、この放射線に関してスペクトル分解された信号を出力する。
【0029】
さらに好ましい実施形態では、少なくとも1つの照明角度は30°~60°、好ましくは35°~55°、好ましくは40°~50°、特に好ましくは45°である。0°の角度は、1つの方向が調べられるべき又は検査されるべき表面に対して垂直である角度であると理解される。
【0030】
更に好ましい実施形態では、少なくとも1つの照明角度は、5°~40°、好ましくは5°~30°、好ましくは10°~20°、特に好ましくは約15°である。0°の角度は、1つの方向が調べられるべき又は検査されるべき表面に対して垂直である角度であると理解される。
【0031】
さらに有利な実施形態では、少なくとも1つの照明角度は、(垂直方向に対して)60°より大きく、好ましくは65°より大きく、好ましくは70°より大きく、好ましくは75°より大きく、特に好ましくは80°より大きい。このことは、放射線が検査されるべき表面上に非常に平坦な角度で放射されることを意味する。そのような角度では、前述の効果顔料は、観察の照明に対する影響が比較的小さいことが好ましい。
【0032】
好ましくは、放射線は、(+又は-)45°の角度で放射線分析デバイスによって観察又は分析される。したがって、照射は、好ましくは-又は+45°の角度で行われる。このことは、放射線分析デバイスが好ましくは反射放射線も記録することを意味する。
【0033】
さらに有利な実施形態では、装置は第4の照明デバイスを有し、この照明デバイスは表面に対して第4の照明角度で配置される。したがって、この実施形態において、装置は、好ましくは、4つの異なる角度で表面を照明及び/又は照射することが特に好ましい合計4つの照明デバイスを有する。好ましくは、これらの照明デバイスの全ては、表面に入射する放射線の全てが1つの平面内にあるように配置される。
【0034】
好ましくは、放射線分析デバイスは、第4の照明デバイスによって表面上に照射されてそれにより(放射線分析デバイスの方向にも)散乱される放射線も記録する。好ましくは、放射線分析デバイスは、この放射線に関してスペクトル分解された信号を出力する。
【0035】
更に好ましい実施形態では、少なくとも1つの照明デバイスが、適切であり、異なる波長の放射線を表面上に照射するようになっている。これは、例えば、照明デバイスと表面との間に配置される異なるカラーフィルタ要素によって行うことができる。例えば、異なるカラーフィルタをフィルタホイール上に配置することができる。このタイプのフィルタデバイスは、照明デバイスと検査されるべき表面との間にあることが特に好ましい。
【0036】
照明された表面又は検査されるべき表面と画像捕捉デバイスとの間にフィルタ要素を配置することも可能である。
【0037】
好ましい実施形態において、装置は、調べられるべき表面に対して移動させることができる。例えば、装置は、ポータブルデバイスとなることができ、又はロボットデバイス上に配置することができる。
【0038】
好ましい実施形態では、調べられるべき表面に対する装置の(特に相対的な)位置を記録することができる。例えば、表面の異なる位置で幾つかの測定値を記録することができ、これらの測定値を互いに比較することができる。特に、第2の測定位置に対する第1の測定位置の相対位置も記録することができる。
【0039】
更なる有利な実施形態において、装置は、記録された測定結果(特に、センサデバイスによって記録された値及び放射線分析デバイスによって記録された値の両方)を少なくとも一時的に記憶するのに適しており記録するようになっているメモリデバイスを有する。好ましくは、これらの値は、特に記録の領域又は場所への割り当てと共に記憶され得る。
【0040】
本発明は、更に、特に自動車両のラッカー塗装された表面(及び特に自動車両の外面)の表面特性を調べるための方法に関し、第1の照明デバイスが第1の照明角度下で調べられるべき表面を照明する。
【0041】
更に、第2の照明デバイスは、第2の照明角度で表面を照明し、第1のセンサデバイスは、第1の記録角度で第2の照明デバイスによって照明された表面からの反射及び/又は散乱される放射線を記録するとともに、表面からセンサデバイスに到達する放射線の特性である少なくとも1つの値を出力する。
【0042】
本発明によれば、放射線分析デバイスは、特にその波長に関して、表面によって散乱及び/又は反射された放射線を分析する。特に、これは、少なくとも1つの照明デバイスによる照明の結果として表面から散乱及び/又は反射された放射線である。
【0043】
特に好ましくは、放射線分析デバイスは、放射線分析デバイスに衝突する放射線のスペクトル特性の特徴である少なくとも1つの値、好ましくは複数の値を出力する。
【0044】
したがって、方法側では、放射線分析デバイスに落下する放射線の波長依存分析を実行することも提案される。
【0045】
好ましい方法では、前述の放射線及び/又は照明デバイスは時間遅延を伴って作動される。
【0046】
更に好ましい方法では、画像記録デバイスによって出力された測定値(特に入射放射線の強度において特徴的である)及び放射線分析デバイスによって記録されたデータの両方が、表面特性の評価のために考慮される。
【0047】
さらに好ましい方法では、照明デバイスが表面に放射線を照射し、放射線分析デバイスが、照明デバイスによって照射され、表面によって反射された放射線を記録する。
【0048】
さらに好ましい方法では、放射線分析デバイスは分光計を用いて放射線または光を分析する。
【0049】
好ましくは、放射線分析デバイスは、表面上に照射された及び/又は表面によって放射された放射線の波長又は波長分布に特徴的な信号を出力する。特に、これにより、表面が放射線を反射する周波数スペクトルを評価することが可能になり、これは効果顔料によるラッカー塗装の評価に特に重要である。
【0050】
好ましくは、放射線分析デバイスによって検出された波長依存分布も波長範囲にわたって積分され、入射放射線の積分強度もこのようにして決定される。これは、特に反射角度で照射された放射線、すなわち特に第2の照明デバイスによって照射された放射線に関して行われる。
【0051】
更に好ましい方法では、第3の照明デバイスが表面を第3の角度で照明する。好ましくは、この第3の角度は、前述の第1及び第2の角度とは異なる。好ましくは、第3の照明デバイスから発せられて表面によって散乱された放射線も、放射線分析デバイスによって(少なくとも部分的に)記録され、その波長に関して分析される(すなわち、特にスペクトル的に)。
【0052】
更に好ましい方法では、少なくとも1つの照明又は照射放射線の色が、少なくとも一時的に変更される。
【0053】
更に好ましい方法において、放射線検出デバイスは、調べられるべき表面上の幾つかの位置で表面上に放射され及び表面から反射された放射線を記録及び分析する。このようにして、表面の幾つかの領域から測定データを記録することができる。
【0054】
好ましくは、表面上の幾つかの点で記録されたデータ及び/又は値は、互いに比較される。このようにして、調べられるべき表面の光沢挙動(すなわち、放射線分析デバイスによって決定することができる挙動)は、好ましくは、表面のより広い領域にわたって決定及び評価され得る。
【0055】
好ましくは、記録されたデータは、それぞれの測定が行われた表面上の位置に割り当てられる。
【0056】
更なる利点及び実施形態が添付図面に示される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】本発明に係る装置の概略図を示す。
図2】ビーム分析を説明する図を示す。
図3】最新技術に係る装置の更なる例示を示す。
図4】本発明の更なる例示を示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1は、検査されるべき表面10を第1の照明角度a1で照明する又はこの角度で光を照射する第1の照明デバイス2を有する、本発明に係る装置1の概略図を示す。センサデバイス4は、照射された表面によって散乱又は反射された放射線、特に散乱放射線を記録する。
【0059】
参照符号16は、記載された構成要素が内部に配置されるハウジングを示す。好ましくは、このハウジングの内壁は、放射線を吸収するように設計される。参照符号Oは開口を示し、該開口を通じて表面10を照明することができ及び/又は表面を観察することができる。
【0060】
参照符号12は、同じく所定の角度a2で表面上に放射線を照射する第2の照明デバイスを特定する。この所定の角度は、ここでは45°である。参照符号14は、照明デバイス12によって表面上に照射されて表面によって反射された放射線を記録するとともにその波長に関して放射線を分析する放射線分析デバイスを特定する。放射線分析デバイスは、センサデバイス4としても機能する。
【0061】
参照符号6は、非常に平坦な角度で表面を照明する更なる照明デバイスを示す。放射線分析デバイス14は、好ましくは、照明デバイス6によって照明された表面からの放射線を記録する(又は照明デバイス6によって表面上に照射されて表面によって反射及び/又は散乱された、特に散乱された放射線を記録する)。したがって、表面10が異なる角度で照射され、表面によって反射及び/又は散乱された放射線がいずれの場合にも放射線分析デバイスによって記録されることが提案される。
【0062】
参照符号8は、ここでは表面10も照明する更なる照明デバイスを示す。放射線分析デバイス14は、更なる照明デバイスによって照射されて表面によって反射及び/又は散乱された放射線も記録する。
【0063】
したがって、ここに示す実施形態では、表面が3つの異なる角度から照明され、放射線分析デバイスは、いずれの場合にも表面によって散乱された放射線を記録し、この放射線のスペクトル分析を実行する。
【0064】
参照符号a1は、第1の照明デバイス2が表面10を照明する(垂直方向に対する)第1の入射又は照明角度を示す。この角度はこの場合30°である。参照符号b1は、照明デバイス8が表面10を照明する第4の入射角度を示す。これはここでは0°であるため、照明は表面10に対して垂直である。しかしながら、この照明は、0°ではなく、(垂直方向に対して)好ましくは20°未満、好ましくは10°未満である所定の角度であることも可能である。
【0065】
参照符号a2は、第2の放射線デバイス12が表面10上に放射線を放射する第2の入射角度及び/又は照明角度を特定する。この第2の入射角度及び/又は照明角度は、ここでは45°である。参照符号b2は、表面10に対して放射線分析デバイス14及びセンサデバイスが配置される、又は反射された放射線が記録される第2の記録角度を示す。この場合、この角度は、表面10に対して-45°である。
【0066】
参照符号a3は、第3の放射線デバイス6が表面10を照明する第3の入射角度及び/又は照明角度を示す。この場合、これは約-70°である。任意選択的に、更なる入射角度及び/又は照明角度で表面を照明する第4の放射線デバイスを設けることもできる。
【0067】
参照符号20は、異なる角度からの表面の照明を時間遅延を伴って行わせる制御デバイスを概略的に特定する。更に、装置は、放射線分析デバイスによって記録されたデータが記憶される記憶デバイス(図示せず)を有することが好ましい。
【0068】
表面10から反射された放射線を検出するために使用されるセンサデバイス4も放射線分析デバイスを使用するが、積分デバイス(図示せず)が、記録されたスペクトルを波長にわたって再び積分し、したがって強度に関する積分値を出力する。
【0069】
図2は、光沢測定処理をより詳細に示す。好ましくは、第2の照明デバイス12は、(垂直方向に対して)45°の角度で表面10上に放射線を照射し、放射線分析デバイスは、反射角度(ここでは-45°)で表面から反射された放射線を記録する。好ましくは、照明デバイスは、標準光、特にD65標準光を放射する。更に、照明デバイスは、好ましくは、表面上に指向性放射線を放射する。
【0070】
センサデバイス4は、反射放射線を記録する。放射線分析デバイス14は、それに衝突する放射線をより正確に、好ましくはその波長に関して分析することができ、好ましくは300nm~900nm、好ましくは350nm~800nm、特に好ましくは400nm~700nmの波長範囲の強度分布を出力することができる。しかしながら、この測定のための測定値として、波長にわたる強度の積分値が出力される。この積分により、放射線分析デバイスは、ここではセンサデバイス4とも呼ばれる。
【0071】
図3は、本出願人の内部先行技術に係る装置を示す。ここでも、それぞれが表面上に放射線を放射する照明デバイス2、6及び8と、表面によって反射及び/又は散乱された放射線を記録するセンサデバイス4とを見ることができる。
【0072】
図4は、本発明に係る装置1の概略図を示す。ここでは、この場合は45°の角度で表面を照明する照明デバイス12も設けられる。この照明デバイスは、白色光LEDであることが好ましい。好ましくは、この照明デバイスは、光トラップ13内に配置される。この照明デバイスの前にコリメート用のレンズデバイス(図示せず)を配置することができる。この照明デバイス12は、好ましくは、放射線分析デバイス14又は分光計の方向に鏡面反射の角度で位置される。
【0073】
したがって、参照符号14は放射線分析デバイスを指すが、同時にセンサデバイス4としても機能する。デバイス14は分光計を有し、参照符号15は分散素子を指す。
【0074】
これにより、入射放射線を多くの波長にわたって分析することができる。
【0075】
更に、スペクトル分析デバイスは、全てのチャネルを介して出力されたスペクトル分析デバイスからの信号を積分する積分デバイス17も有する。この積分は、特に、照明デバイス12によって放射されて放射線分析デバイス14に反射される放射線を介して行われる。
【0076】
このようにして、非常に簡単で安価な光沢測定を実現することができ、この光沢測定は、特に実際の色測定を決して妨げることなく、光沢測定目的でスペクトル分析デバイスを使用することによって色測定を補うことができる。利用可能なスペクトル分解された光沢値は、更なる計算処理、すなわち標準準拠(vラムダ重み付け)光沢値の計算又は他の色依存(ユーザ定義)光沢値の出力の全ての自由度を可能にする。特に、ベースコート(場合によっては効果顔料を伴う)及びクリアコート仕上げを伴う自動車両用ラッカーの場合、ベースコートの光沢レベルがベースコートの色測定に及ぼす影響と、ベースコートの色がクリアコートの光沢測定に及ぼす影響との両方を計量的に切り離すことができる。
【0077】
ここで、特に、多数のレンズ22も装置に組み込まれていることが分かる。これらのレンズは、放射線デバイス又は照明デバイス2、6及び8の前に少なくとも部分的に配置される。
【0078】
放射線チャネル24が、これらのレンズ22と放射線デバイス(一方のみ指定)との間に配置される。
【0079】
ビーム経路をコリメートするために、第2の放射線及び/又は照明デバイス12と表面10(すなわち、放射線及び/又は照明デバイス12と表面10との間のビーム経路における)との間に開口が配置されることが好ましい。好ましくは、第2の照明デバイスがビームトラップ13内に配置される。参照符号34は、更なる開口を示す。
【0080】
本出願人は、出願書類に開示されている全ての特徴を本発明に不可欠であるとして主張する権利を留保するが、ただし、それらが個別に又は組み合わせて、先行技術と比較して新しいものであることを条件とする。また、個々の図は、それ自体が有利であり得る特徴も記載していることに留意されたい。当業者は、図に記載された特定の特徴が、この図から更なる特徴を採用することなく有利であり得ることを直ちに認識するであろう。更に、当業者は、個々の図又は異なる図に示されている幾つかの特徴の組み合わせから利点がもたらされ得ることを認識する。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】