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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】複数ゾーン型燃料要素
(51)【国際特許分類】
   G21C 3/58 20060101AFI20240829BHJP
   G21C 3/28 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G21C3/58
G21C3/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513980
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 US2022041808
(87)【国際公開番号】W WO2023034173
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/238,148
(32)【優先日】2021-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524076682
【氏名又は名称】ライトブリッジ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トートマイアー、アーロン
(57)【要約】
軸方向、径方向、又は軸方向及び径方向の両方に沿って燃料材料の別個のゾーン又は濃度勾配を有する燃料要素。付加製造プロセスを使用して、燃料要素を生成することができる。付加製造プロセスは、燃料要素の別個のゾーン又は濃度勾配配置の生成を容易にすることができ、さらに、燃料及び非燃料材料の両方をゾーンのいずれか又は勾配内に組み込むことを可能にすることができる。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉の燃料集合体に用いるための燃料要素であって、
前記燃料要素の第1の方向に前記燃料要素の第1の軸に沿って延在し、前記燃料要素の第2の方向に前記第1の軸から外側に延在する第1のゾーンであって、第1の材料で構成される、第1のゾーンと、
前記燃料要素の前記第2の方向における前記第1のゾーンの周囲を囲み、前記第1の方向に延在する第2のゾーンであって、前記第1の材料とは異なる第2の材料で構成される、第2のゾーンであり、
前記第2の方向における前記第2のゾーンの厚さが、前記第1の方向に沿って変化する、第2のゾーンと、
前記燃料要素の前記第2の方向における前記第2のゾーンの周囲を囲み、前記第1の方向に延在する第3のゾーンであって、前記第1の材料とは異なり、前記第2の材料とは異なる第3の材料で構成される、第3のゾーンであり、
前記第2の方向における前記第3のゾーンの厚さが、前記第1の方向に沿って変化する、第3のゾーンと、
を備える、燃料要素。
【請求項2】
前記第1の材料、前記第2の材料、及び前記第3の材料の各々が、金属型燃料、セラミック燃料、及びサーメットからなる群から選択される材料である、請求項1に記載の燃料要素。
【請求項3】
原子炉の燃料集合体に用いるための燃料要素であって、
前記燃料要素の第1の方向に前記燃料要素の第1の軸から延在し、前記燃料要素の第2の方向に前記第1の軸に沿って延在する第1のゾーンであって、第1の材料組成を有する、第1のゾーンと、
前記燃料要素の前記第1の方向に前記燃料要素の前記第1の軸から延在する第2のゾーンであって、前記燃料要素の前記第2の方向において前記第1のゾーンに隣接し、前記第1の材料組成とは異なる第2の材料組成を有する、第2のゾーンと、
前記燃料要素の前記第1の方向に前記燃料要素の前記第1の軸から延在する第3のゾーンであって、前記燃料要素の前記第2の方向において前記第2のゾーンに隣接し、前記第1の材料組成とは異なり、前記第2の材料組成とは異なる第3の材料組成を有する、第3のゾーンと
を備える、燃料要素。
【請求項4】
前記第1の材料組成、前記第2の材料組成、及び前記第3の材料組成の各々が、金属、セラミック、及びサーメットからなる群から選択される材料組成である、請求項3に記載の燃料要素。
【請求項5】
原子炉の燃料集合体に用いるための燃料要素であって、
第1の材料組成を有する第1のゾーンであって、
前記燃料要素の第1の方向に第1の軸から外側に延在する第1の中央ゾーンであって、第1の材料で構成され、前記第1の方向に第1の厚さを有する、第1の中央ゾーン、
前記燃料要素の前記第1の方向における前記第1の中央ゾーンの周囲を囲む第1の中間ゾーンであって、前記第1の材料とは異なる第2の材料で構成され、第2の厚さを有する、第1の中間ゾーン、及び
前記燃料要素の前記第1の方向における前記第1の中間ゾーンの周囲を囲む第1の外側ゾーンであって、前記第1の材料とは異なり、前記第2の材料とは異なる第3の材料で構成され、第3の厚さを有する、第1の外側ゾーン、
を含む、第1のゾーンと、
前記第1の材料組成とは異なる第2の材料組成を有する第2のゾーンであって、
前記燃料要素の前記第1の方向に前記第1の軸から外側に延在する第2の中央ゾーンであって、前記第1の材料で構成され、前記第1の方向に前記第1の厚さとは異なる第4の厚さを有する、第2の中央ゾーン、
前記燃料要素の前記第1の方向における前記第2の中央ゾーンの周囲を囲む第2の中間ゾーンであって、前記第2の材料で構成され、前記第2の厚さとは異なる第5の厚さを有する、第2の中間ゾーン、及び
前記燃料要素の前記第1の方向において前記第2の中間ゾーンの周囲を囲む第2の外側ゾーンであって、前記第3の材料で構成され、前記第3の厚さとは異なる第6の厚さを有する、第2の外側ゾーン、
を含む、第2のゾーンと、
を備える、燃料要素。
【請求項6】
前記第1の材料、前記第2の材料、及び前記第3の材料の各々が、金属、セラミック、及びサーメットからなる群から選択される材料である、請求項5に記載の燃料要素。
【請求項7】
付加製造を使用して核燃料要素を製造する方法であって、
第1の材料を使用して第1のゾーンを形成する工程であって、前記第1のゾーンが、前記燃料要素の第1の方向に前記燃料要素の第1の軸に沿って延在し、第2の方向に前記第1の軸から外側に延在する、第1のゾーンを形成する工程と、
前記第1の材料とは異なる第2の材料を使用して第2のゾーンを形成する工程であって、前記第2のゾーンが、前記燃料要素の前記第2の方向における前記第1のゾーンの周囲を囲み、前記第1の方向に延在し、前記第2の方向における前記第2のゾーンの厚さが、前記第1の方向に沿って変化する、第2のゾーンを形成する工程と、
前記第1の材料とは異なり、前記第2の材料とは異なる第3の材料を使用して第3のゾーンを形成する工程であって、前記第2の方向における前記第3のゾーンの厚さが、前記第1の方向に沿って変化する、第3のゾーンを形成する工程と、
を含む、方法。
【請求項8】
前記第1の材料、前記第2の材料、及び前記第3の材料の各々が、金属、セラミック、及びサーメットからなる群から選択される材料である、請求項7に記載の燃料要素。
【請求項9】
原子炉のための燃料集合体であって、前記燃料集合体は、
複数の燃料要素であって、前記複数の燃料要素のうちの少なくとも1つが、
前記燃料要素の第1の方向に前記燃料要素の第1の軸に沿って延在し、前記燃料要素の第2の方向に前記第1の軸から外側に延在する第1のゾーンであって、第1の材料で構成される、第1のゾーンと、
前記燃料要素の前記第2の方向における前記第1のゾーンの周囲を囲み、前記第1の方向に延在する第2のゾーンであって、前記第1の材料とは異なる第2の材料で構成され、前記第2の方向における前記第2のゾーンの厚さが、前記第1の方向に沿って変化する、第2のゾーンと、
前記燃料要素の前記第2の方向における前記第2のゾーンの周囲を囲み、前記第1の方向に延在する第3のゾーンであって、前記第1の材料とは異なり、前記第2の材料とは異なる第3の材料で構成され、前記第2の方向における前記第3のゾーンの厚さが、前記第1の方向に沿って変化する、第3のゾーンと、
を備える、複数の燃料要素
を備える、燃料集合体。
【請求項10】
前記第1の材料、前記第2の材料、及び前記第3の材料の各々が、金属、セラミック、及びサーメットからなる群から選択される材料である、請求項9に記載の燃料要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、核燃料に関する。より詳細には、本開示は、少なくとも1つの方向に燃料材料の複数のゾーンを有する燃料要素に関する。
【背景技術】
【0002】
核燃料の分野では、チューブ入りペレット燃料(UO2セラミック燃料)の場合、軸方向に濃縮度を変化させることが知られている。しかしながら、径方向ゾーン分割は、個々の燃料要素内で実行されず、径方向ゾーン分割は、隣接する要素の濃縮度を変化させることによって燃料集合体レベルでのみ達成されている。
【0003】
さらに、既知の原子炉は、炉内の中性子束(及びその後の出力プロファイル)を制御するために様々な材料を使用する。そのような材料の例には、中性子減速材料、吸収材材料、及び核分裂性材料が含まれる。これらの材料の組成及び位置は、炉の動作及び性能に影響を与える。中性子減速材料、吸収材材料、及び核分裂性材料は、異なる組成を有する均質要素を利用する。この均質な要素構造は、設計の柔軟性を制限し、それによって炉性能を真に最適化する能力を損なう。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、原子炉の燃料集合体に用いるための燃料要素は、燃料要素の第1の方向に燃料要素の第1の軸に沿って延在し、燃料要素の第2の方向に第1の軸から外側に延在する第1のゾーンを含む。第1のゾーンは、第1の材料で構成される。第2のゾーンは、燃料要素の第2の方向における第1のゾーンの周囲を囲み、第1の方向に延在する。第2のゾーンは、第1の材料とは異なる第2の材料で構成される。第2の方向における第2のゾーンの厚さは、第1の方向に沿って変化する。第3のゾーンは、燃料要素の第2の方向における第2のゾーンの周囲を囲み、第1の方向に延在する。第3のゾーンは、第1の材料とは異なり、第2の材料とは異なる第3の材料で構成される。第2の方向における第3のゾーンの厚さは、第1の方向に沿って変化する。
【0005】
別の実施形態では、原子炉の燃料集合体に用いるための燃料要素は、燃料要素の第1の方向に燃料要素の第1の軸から延在し、燃料要素の第2の方向に第1の軸に沿って延在する第1のゾーンを含む。第1のゾーンは、第1の材料組成を有する。第2のゾーンは、燃料要素の第1の方向に燃料要素の第1の軸から延在する。第2のゾーンは、燃料要素の第2の方向において第1のゾーンに隣接する。第2のゾーンは、第1の材料組成とは異なる第2の材料組成を有する。第3のゾーンは、燃料要素の第1の方向に燃料要素の第1の軸から延在する。第3のゾーンは、燃料要素の第2の方向において第2のゾーンに隣接する。第3のゾーンは、第1の材料組成とは異なり、第2の材料組成とは異なる第3の材料組成を有する。
【0006】
さらに別の実施形態では、原子炉の燃料集合体に用いるための燃料要素であって、燃料要素は、第1の材料組成を有する第1のゾーンを有する。第1のゾーンは、燃料要素の第1の方向に第1の軸から外側に延在する第1の中央ゾーンを含む。第1の中央ゾーンは、第1の材料で構成され、第1の方向に第1の厚さを有する。第1の中間ゾーンは、燃料要素の第1の方向における第1の中央ゾーンの周囲を囲む。第1の中間ゾーンは、第1の材料とは異なる第2の材料で構成され、第2の厚さを有する。第1の外側ゾーンは、燃料要素の第1の方向における第1の中間ゾーンの周囲を囲む。第1の外側ゾーンは、第1の材料とは異なり、第2の材料とは異なる第3の材料で構成され、第3の厚さを有する。燃料要素は、第1の材料組成とは異なる第2の材料組成を有する第2のゾーンをさらに有する。第2のゾーンは、燃料要素の第1の方向に第1の軸から外側に延在する第2の中央ゾーンを含む。第2の中央ゾーンは、第1の材料で構成され、第1の方向に第1の厚さとは異なる第4の厚さを有する。第2の中間ゾーンは、燃料要素の第1の方向における第2の中央ゾーンの周囲を囲む。第2の中間ゾーンは、第2の材料で構成され、第2の厚さとは異なる第5の厚さを有する。第2の外側ゾーンは、燃料要素の第1の方向において第2の中間ゾーンの周囲を囲む。第2の外側ゾーンは、第3の材料で構成され、第3の厚さとは異なる第6の厚さを有する。
【0007】
別の実施形態では、付加製造を使用して核燃料要素を製造する方法は、第1の材料を使用して第1のゾーンを形成する工程であって、第1のゾーンが、燃料要素の第1の方向に燃料要素の第1の軸に沿って延在し、第2の方向に第1の軸から外側に延在する、第1のゾーンを形成する工程を含む。本方法は、第1の材料とは異なる第2の材料を使用して第2のゾーンを形成することであって、第2のゾーンが、燃料要素の第2の方向に第1のゾーンの周囲を囲み、第1の方向に延在し、第2の方向における第2のゾーンの厚さが、第1の方向に沿って変化する、第2のゾーンを形成することをさらに含む。本方法は、第1の材料とは異なり、第2の材料とは異なる第3の材料を使用して第3のゾーンを形成することであって、第2の方向における第3のゾーンの厚さが、第1の方向に沿って変化する、第3のゾーンを形成することをさらに含む。
【0008】
さらに別の実施形態では、原子炉のための燃料集合体は、複数の燃料要素を含む。複数の燃料要素のうちの少なくとも1つは、燃料要素の第1の方向に燃料要素の第1の軸から延在し、燃料要素の第2の方向に第1の軸に沿って延在する第1のゾーンを含む。第1のゾーンは、第1の材料組成を有する。第2のゾーンは、燃料要素の第1の方向に燃料要素の第1の軸から延在する。第2のゾーンは、燃料要素の第2の方向において第1のゾーンに隣接する。第2のゾーンは、第1の材料組成とは異なる第2の材料組成を有する。第3のゾーンは、燃料要素の第1の方向に燃料要素の第1の軸から延在する。第3のゾーンは、燃料要素の第2の方向において第2のゾーンに隣接する。第3のゾーンは、第1の材料組成とは異なり、第2の材料組成とは異なる第3の材料組成を有する。
【0009】
本発明の実施形態並びに他の目的及びそのさらなる特徴をより良く理解するために、添付の図面と併せて使用される以下の説明を参照する。同様の要素は、同じ参照番号で識別される。単一の構成要素として示されている要素は複数の構成要素で置き換えられてもよく、複数の構成要素として示されている要素は単一の構成要素で置き換えられてもよいことを理解されたい。図面は縮尺通りではなく、特定の要素の比率は例示の目的で誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態による燃料集合体の断面図であり、断面は自己分割平面で切り取られている図である。
図2図1の燃料集合体の断面図であり、断面は図1の図から燃料要素のねじれの1/8だけずれた平面で切り取られている図である。
図3図1の燃料集合体の軸方向に平行な平面で切り取られた、燃料集合体の断面図である。
図4図1の燃料集合体の燃料要素の斜視図である。
図5図3の燃料要素の断面図である。
図6】正多角形内に外接する、図3の燃料要素の断面図である。
図7A】加圧重水炉で用いるための、代替実施形態による燃料集合体の端面図である。
図7B図7Aの燃料集合体の部分側面図である。
図8図7A及び図7Bに示す燃料集合体を使用する加圧重水炉の図である。
図9図3の燃料要素の断面図である。
図10】本発明の一実施形態による燃料集合体の断面図である。
図11】本発明の代替実施形態による燃料要素の平面図である。
図12】11-11に沿って切り取られた、図11の燃料要素の断面図である。
図13】本発明の別の代替実施形態による、燃料要素の断面図である。
図14】本発明の別の代替実施形態による、燃料要素の断面図である。
図15】本発明の別の代替実施形態による、燃料要素の平面図である。
図16】本発明の別の代替実施形態による、燃料要素の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
燃料要素の様々な実施形態のための構成が開示される。燃料要素は、少なくとも1つの方向に燃料材料の別個のゾーン又は濃度勾配を有する。例えば、軸方向、径方向、又は軸方向及び径方向の両方に沿って。付加製造プロセスを使用して、燃料要素を生成することができる。付加製造プロセスは、燃料要素の別個のゾーン又は濃度勾配配置の生成を容易にし、さらに、燃料及び非燃料材料の両方をゾーンのいずれか又は勾配内に組み込むことを可能にする。付加製造は、金属型燃料の製造に特によく適しており、酸化物、炭化物及び窒化物などのセラミック燃料、並びにサーメットとして知られる金属燃料とセラミック燃料との組合せを含むがこれらに限定されない他のタイプの燃料を製造するために使用することもできる。
【0012】
従来のプロセスによって生成された核燃料は、複数の材料を組み込む能力、精密濃縮度ゾーン分割、及び機能勾配が制限されている。付加製造プロセスを使用して、従来の燃料製造プロセスでは得られない性能能力を有する燃料システムの設計を可能にする、機能的濃縮度ゾーン分割及び個々の要素内の複数の材料(異なる同位体を含む)を有する核燃料要素を生成することができる。さらに、付加製造を使用して、燃料要素内の濃縮度を変化させ、炉心内の中性子束の形状を平坦化し、それによって中性子吸収材材料の必要性を低減することができる。
【0013】
本明細書に記載の燃料要素の利点には、発電、水素製造、同位体製造、研究、並びに宇宙及び海上用途のための原子炉の安全性、経済性、及び性能の向上が含まれる。さらに、本明細書に記載の燃料要素の付加製造は、コスト削減、設備設計及び運転の改善、生産及びエネルギー利用効率、並びに作業者の安全性の向上を含む、燃料製造の他の態様を変容させる。
【0014】
以下では、付加製造プロセスが特に有用である、複数ローブ付きプロファイルを有する燃料要素について詳細に説明する。しかしながら、付加製造プロセスは、任意の所望の形状を有する燃料要素を製造するために使用されてもよいことが理解される。例えば、燃料要素は、ローブのないシリンダとして形成されてもよい。別の例としては、燃料要素は、プレートとして形成されてもよい。さらに、付加製造プロセスを使用することにより、従来の製造プロセスでは形成が困難又は不可能でさえある形状に燃料要素を形成することが可能である。したがって、本明細書に記載の付加製造プロセスは、本明細書に記載の複数ローブ付きプロファイルを有する燃料要素を製造することに限定されない。
【0015】
図1図3は、本発明の一実施形態による燃料集合体10を示す。図3に示すように、燃料集合体10は、フレーム25によって支持された複数の燃料要素20を備える。
【0016】
図3に示すように、フレーム25は、シュラウド30、ガイドチューブ40、上部ノズル50、下部ノズル60、下部タイプレート70、上部タイプレート80、及び/又は集合体10が原子炉内の燃料集合体として動作することを可能にする他の構造物を備える。本発明の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態によれば、フレーム25のこれらの構成要素のうちの1又は複数を省略することができる。
【0017】
図3に示すように、シュラウド25は、上部ノズル50及び下部ノズル60に装着される。下部ノズル60(又は集合体10の他の適切な構造物)は、下部ノズル60を介して集合体10を通る炉心への冷却剤の流れを促進するように、集合体10が配置される炉90と集合体10との間の流体連通インターフェースを提供するように構成及び成形される。上部ノズル50は、集合体10から発電プラントの蒸気発生器(PWR用)、タービン(BWR用)などへの加熱された冷却剤の方向付けを容易にする。ノズル50、60は、炉心内部構造と適切に嵌合するように特別に設計された形状を有する。
【0018】
図3に示すように、下部タイプレート70及び上部タイプレート80は、好ましくは、シュラウド30又は下部ノズル60(及び/又は集合体10の他の適切な構造的構成要素)に(例えば、溶接、ボルト、ねじなどの適切な締結具を介して)堅固に装着される。
【0019】
要素20の下部軸端は、下部タイプレート70の穴70aに適合するピン20aを形成し、要素20を支持し、要素20の適切な間隔を維持するのを助ける。ピン20aは、要素20がそれらの軸を中心に回転すること、又は下部タイプレート70に対して軸方向に移動することを防止するように、穴70aに装着される。回転に対するこの制限は、隣接する要素20間の接触点がすべて、要素20に沿った同じ軸方向位置において(例えば、以下に説明する自己分割平面において)生じることを確実にするのに役立つ。ピン20aと穴70aとの間の接続は、溶接、締まりばめ、回転を防止する嵌合する非円筒形特徴部(例えば、キー溝及びスプライン)、並びに/又は下部タイプレート70に対する要素20の軸方向及び/若しくは回転運動を制限するための任意の他の適切な機構を介して形成されてもよい。下部タイプレート70は、冷却剤が要素20に向かって流れる軸方向に延在するチャネル(例えば、開口部のグリッド)を含む。
【0020】
要素20の上部軸端は、上部タイプレート80の穴80aに自由に適合するピン20aを形成し、要素20間の間隔を維持するのを助けながら、上部ピン20aが上部タイプレート80を通って上方に自由に軸方向に移動することを可能にする。結果として、要素20が核分裂中に軸方向に成長すると、細長い要素20は、上部タイプレート80内にさらに自由に延在することができる。
【0021】
図4に示すように、ピン70aは、要素20の中央部分に移行する。
【0022】
図4及び図5は、集合体10の個々の燃料要素/棒20を示す。図5に示すように、燃料要素20の細長い中央部分は、4ローブ付きの断面を有する。要素20の断面は、要素20の中央部分の長さにわたって実質的に均一なままである。各燃料要素20は、耐火性金属と、核分裂性材料を含む燃料材料とを含む燃料カーネル100を有する。
【0023】
耐火性金属を含むディスプレーサ110が、燃料カーネル100の中心において長手方向軸に沿って配置される。ディスプレーサ110は、そうでなければ燃料要素20の最も厚い部分を占める核分裂性材料を変位させることによって、そのような空間の中心の温度を制限し、燃料要素の表面に沿った熱流束の変動を最小限に抑えるのに役立つ。様々な実施形態によれば、ディスプレーサ110は完全に排除されてもよい。
【0024】
図5に示すように、燃料カーネル100は、耐火性金属クラッド120によって取り囲まれている。クラッド120は、好ましくは、破損することなく(例えば、カーネル100をクラッド120の外部の環境にさらすことなく)カーネル100の放射線誘起膨張に耐えるのに十分な厚さ、十分な強度、及び十分な可撓性である。1又は複数の実施形態によれば、クラッド120全体は、少なくとも0.3mm、0.4mm、0.5mm、及び/又は0.7mmの厚さである。1又は複数の実施形態によれば、クラッド120の膨張に基づく破損、酸化に基づく破損、及び/又は任意の他の破損機構の可能性を低減するために、クラッド120の厚さは少なくとも0.4mmである。
【0025】
クラッド120は、環状方向において(すなわち、図5の断面図に示すように、クラッド120の周囲の周りで)、及びカーネル100の軸方向/長手方向の長さにわたって(図4に示すように)、実質的に均一な厚さを有することができる。あるいは、図5に示すように、1又は複数の実施形態によれば、クラッド120は、ローブ20b間の凹状交差部/エリア20cにおいてよりもローブ20bの先端においてより厚い。例えば、1又は複数の実施形態によれば、ローブ20bの先端のクラッド120は、凹状交差部/エリア20cのクラッド120よりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、及び/又は150%厚い。ローブ20bの先端のより厚いクラッド120は、隣接する燃料要素20が自己分割平面(後述する)で互いに接触するローブ20bの先端での耐摩耗性を改善する。
【0026】
ディスプレーサ110、燃料カーネル100、及びクラッド120に使用される耐火性金属は、本発明の1又は複数の実施形態によれば、ジルコニウムを含む。本明細書で使用される場合、ジルコニウムという用語は、純粋なジルコニウム又は他の合金材料と組み合わせたジルコニウムを意味する。しかしながら、本発明の範囲を逸脱することなく、ジルコニウムの代わりに他の耐火性金属を使用してもよい(例えば、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステン、レニウム、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、ハフニウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、及び/又は他の金属)。本明細書で使用される場合、「耐火性金属」という用語は、摂氏1800度(2073K)を超える融点を有する任意の金属/合金を意味する。
【0027】
さらに、特定の実施形態では、耐火性金属は、別の非燃料金属、例えばアルミニウムで置き換えられてもよい。しかしながら、非耐火性非燃料金属の使用は、より低い温度で動作する炉心(例えば、約1メートルの高さ及び100MWe以下の電力定格を有する小型コア)に最も適している。より高い動作温度を有するコアでの使用には、耐火性金属が好ましい。
【0028】
図5に示すように、燃料カーネル100及びクラッド120の中央部分は、渦巻き状スペーサリブ130を形成する4ローブ付きプロファイルを有する。ディスプレーサ110はまた、リブ130において外側に突出するように成形されてもよい(例えば、正方形のディスプレーサ110の角部は、リブ130と位置合わせされる)。本発明の代替実施形態によれば、燃料要素20は、本発明の範囲から逸脱することなく、より多い又はより少ない数のリブ130を有することができる。例えば、米国特許出願公開第2009/0252278号の図5に一般に示されているように、燃料要素は、3つのリブ/ローブを有することができ、これらは好ましくは互いに円周方向に等間隔に離間している。ローブ/リブ130の数は、燃料集合体10の形状に少なくとも部分的に依存し得る。例えば、4ローブ付き要素20は、(例えば、AP-1000で使用されるような)正方形の断面の燃料集合体10で良好に機能することができる。対照的に、3ローブ付き燃料要素は、(例えば、VVERで使用されるような)六角形の燃料集合体で良好に機能することができる。
【0029】
図9は、1又は複数の実施形態による燃料要素20の様々な寸法を示す。以下の表に特定されるこれらの寸法、パラメータ及び/又は範囲のいずれも、本発明の範囲から逸脱することなく、最大5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、又はそれよりも多く増加又は減少させることができる。
【表1】
【0030】
図4に示すように、ディスプレーサ110は、正方形の正四角形の断面形状を有しており、正方形の正四角形の角部がリブ130と位置合わせされる。ディスプレーサ110は、ディスプレーサ110の角部が燃料カーネル100の軸方向長さに沿ってリブ130と位置合わせされたままであるように、リブ130の渦巻きに従う渦巻きを形成する。より多い又はより少ないリブ130を有する代替実施形態では、ディスプレーサ110は、好ましくは、要素20がリブを有するのと同じ数の辺を有する正多角形の断面形状を有する。
【0031】
図6に示すように、要素20の中央部分の断面積は、好ましくは、リブ130の各々の先端が正方形200の一辺に接する正方形200の面積よりも実質的に小さい。より一般的に言えば、n個のリブを有する要素20の断面積は、好ましくは、リブ130の各々の先端が多角形の一辺に接する、n辺を有する正多角形の面積よりも小さい。様々な実施形態によれば、正方形(又は4つより多い若しくは少ないリブ130を有する要素20の関連する正多角形)の面積に対する要素20の面積の比は、0.7、0.6、0.5、0.4、0.35、0.3未満である。図1に示すように、この面積比は、シュラウド30内の利用可能な空間のうちのどれだけが燃料要素20によって占められるかに近似し、その結果、比がより低いことは、冷却剤のためにより多くの空間が有利に利用可能であることを意味し、これは中性子減速材としても作用し、減速材対燃料比(中性子工学にとって重要)を増加させ、油圧抗力を減少させ、要素20から冷却剤への熱伝達を増加させる。様々な実施形態によれば、得られる減速材対燃料比は、(従来の円筒形酸化ウラン棒が使用される場合の1.96とは対照的に)少なくとも2.0、2.25、2.5、2.75、及び/又は3.0である。同様に、様々な実施形態によれば、燃料集合体10の流れ面積は、円筒形酸化ウラン棒を使用する1又は複数の従来の燃料集合体の使用と比較して、16%を超えて増加する。増加した流れ面積は、集合体10を通る冷却剤の圧力降下を(従来の酸化ウラン集合体と比較して)減少させることができ、これは集合体10を通る冷却剤の圧送に関して利点を有し得る。
【0032】
図4に示すように、要素20は軸方向に細長い。図示の実施形態では、各要素20は全長要素であり、集合体10の底部又はその付近の下部タイプレート70から集合体10の頂部又はその付近の上部タイプレート80まで全体にわたって延在する。様々な実施形態及び炉設計によれば、これにより、(小型炉の場合)1メートル~4メートルを超える長さである要素20がもたらされ得る。したがって、典型的な炉では、要素20は1~5メートルの長さであり得る。しかしながら、要素20は、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の他のサイズの炉を収容するために長く又は短くすることができる。
【0033】
図示の要素20はそれ自体で全長であるが、要素20は、代替的にセグメント化されて、その結果複数のセグメントが一緒になって全長要素を形成してもよい。例えば、4つの個々の1メートルの要素セグメント20を端から端まで整列させて、全長要素を効果的に作成することができる。セグメントの軸方向の間隔及び配置を維持するために、セグメント間の交差部に追加のタイプレート70、80を設けることができる。
【0034】
1又は複数の実施形態によれば、燃料カーネル100は、耐火性金属/合金と燃料材料との組合せを含む。耐火性金属/合金は、ジルコニウム合金を含んでもよい。燃料材料は、低濃縮ウラン(例えば、U235、U233)、プルトニウム、又は以下に定義されるような低濃縮ウラン及び/若しくはプルトニウムと組み合わされたトリウムを含み得る。本明細書で使用される場合、「低濃縮ウラン」は、燃料材料全体が20重量%未満の核分裂性材料(例えば、ウラン-235又はウラン-233)を含有することを意味する。様々な実施形態によれば、ウラン燃料材料は、1重量%~20重量%、5重量%~20重量%、10重量%~20重量%、及び/又は15重量%~20重量%のウラン-235に濃縮される。1又は複数の実施形態によれば、燃料材料は、19.7%濃縮ウラン-235を含む。
【0035】
様々な実施形態によれば、燃料材料は、燃料カーネル100の3~10%、10~40%、15~35%、及び/又は20~30%の体積分率を含むことができる。様々な実施形態によれば、耐火性金属は、燃料カーネル100の60~99%、60~97%、70~97%、60~90%、65~85%、及び/又は70~80%の体積分率を含むことができる。1又は複数の実施形態によれば、これらの範囲のうちの1又は複数内の体積分率は、特定の合金組成の材料相図によって定義される有益な特性を有する合金を提供する。燃料カーネル100は、6相UZr2、又は6相UZr2とa相Zrとの組合せのいずれかを含む高合金燃料(すなわち、ウラン成分に対して合金成分の濃度が比較的高い)であるZr-U合金を含むことができる。1又は複数の実施形態によれば、U-Zr二元合金系の6相は、燃料カーネル100の約65~81体積パーセント(約63~80原子パーセント)のジルコニウム組成からの範囲であり得る。これらの実施形態のうちの1又は複数は、燃料要素20の低容積照射誘起膨張をもたらすことが分かっている。1又は複数のそのような実施形態によれば、燃料要素20の1又は複数の実施形態が燃料要素20から従来のガスギャップを省略することができるように、核分裂ガスが金属カーネル100自体の中に同伴される。1又は複数の実施形態によれば、そのような膨張は、低合金(a相のみ)組成物が使用された場合に起こるであろうよりも有意に少なくなり得る(例えば、低合金a相U-10Zr燃料を使用した場合よりも、原子パーセント燃焼度当たりの体積パーセント膨張の少なくとも10%、20%、30%、50%、75%、100%、200%、300%、500%、1000%、1200%、1500%、又はそれより多くの減少)。本発明の1又は複数の実施形態によれば、燃料要素20又はそのカーネル100の照射誘起膨張は、原子パーセント燃焼度当たり20、15、10、5、4、3、及び/又は2体積パーセント未満であり得る。1又は複数の実施形態によれば、膨張は、原子パーセント燃焼度当たり約1体積パーセントであると予想される。
【0036】
本発明の1又は複数の代替実施形態によれば、燃料カーネルは、上述のU-Zr燃料カーネル100と同じか若しくは類似の体積百分率を持つ、又は上述のU-Zr燃料カーネル100とは異なる体積百分率を持つ、プルトニウム-ジルコニウム二元合金で置き換えられる。例えば、プルトニウムは典型的には核分裂性同位体の約60~70%の重量分率を有するが、LEUウランは核分裂性U-235同位体の20%以下の重量分率を有するので、カーネル100内のプルトニウム分率は、対応するウランベースのカーネル100内の対応するウラン分率よりも実質的に小さくてよい。様々な実施形態によれば、カーネル100中のプルトニウム体積分率は、15%未満、10%未満、及び/又は5%未満であってもよく、耐火性金属の体積分率はそれに応じて調整される。
【0037】
本発明の1又は複数の実施形態による高合金カーネル100の使用はまた、照射中の核分裂ガスの有利な保持をもたらし得る。酸化物燃料及び低合金金属燃料は、典型的には、通常は放出された核分裂ガスを含有するための燃料棒内のプレナムを用いる燃料設計によって典型的に収容される、著しい核分裂ガス放出を示す。対照的に、本発明の1又は複数の実施形態による燃料カーネル100は、核分裂ガスを放出しない。これは、部分的には、燃料カーネル100の低い動作温度、及び核分裂ガス原子(具体的には、Xe及びKr)が固体核分裂生成物のように挙動するという事実に起因する。1又は複数の実施形態によれば、核分裂ガス気泡の形成及び粒界に沿った燃料カーネル100の外部への移動は起こらない。1又は複数の実施形態によれば、十分に高い温度で、小さい(直径数ミクロンの)核分裂ガス気泡が形成され得る。しかしながら、これらの気泡は、本発明の1又は複数の実施形態によれば、燃料カーネル100内に隔離されたままであり、核分裂ガス放出を促進する相互接続ネットワークを形成しない。燃料カーネル100とクラッド120との間の冶金的結合は、核分裂ガス放出に対する追加の障壁を提供することができる。
【0038】
様々な実施形態によれば、燃料要素20のうちの1又は複数の燃料カーネル100(又はクラッド120又は燃料要素20の他の適切な部分)は、ガドリニウム、ホウ素、エルビウム又は他の適切な中性子吸収材料などの可燃性毒物と合金化されて、一体型可燃性毒物燃料要素を形成することができる。燃料集合体10内の異なる燃料要素20は、異なる可燃性毒物及び/又は異なる量の可燃性毒物を利用し得る。例えば、燃料集合体10の燃料要素20のいくらか(例えば、75%未満、50%未満、20%未満、1~15%、1~12%、2~12%など)は、25重量パーセント、20重量パーセント、及び/又は15重量パーセント以下のGd(例えば、1~25重量パーセント、1~15重量パーセント、5~15重量パーセントなど)を有するカーネル100を含むことができる。燃料集合体10の他の燃料要素20(例えば、10~95%、10~50%、20~50%、Gdを利用する燃料要素20よりも多い数の燃料要素20)は、10重量パーセント又は5重量パーセント以下のEr(例えば、0.1~10.0重量パーセント、0.1~5.0重量パーセントなど)を有するカーネル100を含むことができる。
【0039】
様々な実施形態によれば、可燃性毒物は、そのカーネル100中に可燃性毒物を含まない燃料要素20に対して、(耐火性金属ではなく)燃料材料を置換する。例えば、毒物が存在しない場合にそのカーネル100が65体積パーセントのジルコニウム及び35体積パーセントのウランを含む燃料要素20の一実施形態によれば、燃料要素20は、16.5体積パーセントのGd、65体積パーセントのジルコニウム、及び18.5体積パーセントのウランであるカーネル100を含む。1又は複数の他の実施形態によれば、可燃性毒物は、燃料材料ではなく、代わりに耐火性金属を置換する。1又は複数の他の実施形態によれば、燃料カーネル100中の可燃性毒物は、耐火性金属及び燃料材料を比例的に置換する。したがって、これらの実施形態の様々な実施形態によれば、燃料カーネル100内の可燃性毒物は、可燃性毒物の存在により可燃性毒物が配置されているUZr2合金又はZr合金の相を変化させないように、UZr2の6相又はZrのa相に配置されてもよい。
【0040】
可燃性毒物を含むカーネル100を有する燃料要素20は、炉心で使用される1又は複数の燃料集合体10の燃料要素20の一部(例えば、0~100%、1~99%、1~50%など)を構成することができる。例えば、可燃性毒物を含む燃料要素20は、出力分配制御を提供し、運転サイクルの早期に可溶性ホウ素濃度を低減するために、可燃性毒物を含まない燃料要素20も含む集合体10の燃料集合体格子内において戦略的位置に配置することができる。同様に、可燃性毒物を含む燃料要素20を含む選択燃料集合体10は、出力分配制御を提供し、運転サイクルの早期に可溶性ホウ素濃度を低減するために、可燃性毒物を含む燃料要素20を含まない集合体10に対して炉心内の戦略的位置に配置することができる。そのような一体型可燃性吸収材の使用により、延長された運転サイクルの設計を容易にすることができる。
【0041】
代替的に及び/又は追加的に、別個の非燃料担持可燃性毒物が燃料集合体10に含まれてもよい(例えば、燃料要素20に隣接して、1又は複数の燃料要素20の代わりに、制御棒を受け入れない燃料集合体10のガイドチューブに挿入されて、など)。1又は複数の実施形態では、そのような非燃料可燃性毒物棒は、バブコックアンドウィルコックス又はウェスティングハウス設計の炉で使用されるものと同様のスパイダー集合体(可燃性毒物棒集合体(BPRA)と呼ばれる)に設計することができる。次いで、これらは、制御棒ガイドチューブに挿入され、反応性制御のための初期運転サイクルに対する制御バンクがない選択燃料集合体10に係止されてもよい。可燃性毒物クラスタが使用される場合、可燃性毒物クラスタは燃料集合体が次の燃料サイクルのために再配置されるときに除去されてもよい。別個の非燃料担持可燃性毒物棒が1又は複数の燃料要素20の代わりに配置される代替実施形態によれば、非燃料可燃性毒物棒は、燃料集合体10内に残り、燃料集合体10がその使用可能寿命に達したときに他の燃料要素20と共に排出される。
【0042】
燃料要素20は、粉末冶金共押出によって製造される。典型的には、燃料カーネル100用の粉末化耐火性金属及び粉末化金属燃料材料(並びに、カーネル100に含まれる場合、粉末化可燃性毒物)が混合され、ディスプレーサ110のブランクが粉末混合物内に配置され、次いで粉末とディスプレーサ110との組合せが加圧され、焼結されて燃料炉心ストック/ビレットとなる(例えば、混合物を焼結するために様々な時間期間にわたって様々な程度まで加熱された金型内で)。ディスプレーサ110のブランクは、最終的に形成されるディスプレーサ110と同じ又は類似の断面形状を有し得る。あるいは、ディスプレーサ110のブランクは、押出時にディスプレーサ110の意図された断面形状に変形するように設計された形状を有してもよい。燃料炉心ストック(ディスプレーサ110及び焼結燃料カーネル100の材料を含む)は、封止されたチューブベース及び他端に開口部を有する中空クラッド120のチューブに挿入される。次いで、他端の開口部をクラッドと同じ材料で作られたエンドプラグで封止して、ビレットを形成する。ビレットは、円筒形状であってもよく、又は、例えば図5及び図9に示すような、要素20の最終的な断面形状により近い形状を有してもよい。次いで、ビレットは、ダイセットによって温度及び圧力下で共押出され、最終的に成形されるカーネル100、クラッド110、及びディスプレーサ120を含む要素20を作成する。非円筒形ディスプレーサ110を利用する様々な実施形態によれば、ビレットは、ディスプレーサ110の角部が燃料要素20のローブ20bと位置合わせされるように、押出プレスダイに対して適切に配向されてもよい。押出プロセスは、直接押出(すなわち、固定ダイを通してビレットを移動させる)又は間接押出(すなわち、ダイを固定ビレットに向かって移動させる)のいずれかによって行うことができる。このプロセスにより、クラッド120が燃料カーネル100に冶金的に結合され、燃料カーネル100からのクラッド120の剥離のリスクが低減される。クラッド120のチューブ及びエンドプラグは、互いに冶金的に結合して、燃料カーネル100をクラッド120内に封止する。燃料要素10に使用される耐火性金属の融点が高いことにより、これらの金属から構成要素を製造するために選択される方法が粉末冶金になる傾向がある。
【0043】
1又は複数の代替実施形態によれば、燃料要素20の燃料炉心ストックは、焼結の代わりに鋳造によって製造されてもよい。粉末化又はモノリシックな耐火性金属及び粉末化又はモノリシックな燃料材料(並びに、カーネル100に含まれる場合、粉末化可燃性毒物)を混合し、溶融し、金型に注ぎこむことができる。金型は、押し出されるビレットを形成するためにクラッド120が追加されるのと同じように、カーネル100が鋳造された後にディスプレーサ110のブランクが挿入され得るように、鋳造カーネル100にディスプレーサブランク形状の空隙を作成することができる。燃料要素20を製造するための残りの工程は、鋳造の代わりに焼結を利用する上記の実施形態と同じ又は同様のままであってもよい。その後の押出により、ディスプレーサ110とカーネル100との間、並びにカーネル100とクラッド120との間の冶金的接合がもたらされる。
【0044】
1又は複数の代替実施形態によれば、燃料要素20は、粉末化金属燃料材料の代わりに粉末化セラミック燃料材料を使用して製造される。残りの製造工程は、粉末化金属燃料材料を使用する実施形態に関して上述したのと同じであってもよい。様々な金属燃料の実施形態及びセラミック燃料の実施形態において、製造プロセスは、金属非燃料材料の母材内に配置された燃料材料を含む燃料カーネル100をもたらすことができる。金属燃料の実施形態のうちの1又は複数において、結果として得られる燃料カーネル100は、金属燃料材料と金属非燃料材料の母材との合金(例えば、ウラン-ジルコニウム合金)を含む金属燃料合金カーネルを含む。セラミック燃料の実施形態のうちの1又は複数において、カーネル100は、金属非燃料材料の母材内に配置された(例えば、全体に散在している)セラミック燃料材料を含む。様々な実施形態によれば、製造プロセスで使用されるセラミック燃料材料は、粉末化酸化ウラン又は酸化プルトニウム、粉末化窒化ウラン又は窒化プルトニウム、粉末化炭化ウラン又は炭化プルトニウム、粉末化水素化ウラン又は水素化プルトニウム、又はそれらの組合せを含み得る。UO2ペレットがチューブ内に配置されている従来のUO2燃料要素とは対照的に、本発明の1又は複数の実施形態による製造プロセスでは、セラミック燃料が非燃料材料の固体母材(例えば、ジルコニウム母材)内に配置される。
【0045】
図4に示すように、渦巻き状リブ130の軸方向巻きピッチは、隣接する燃料要素10の軸を、燃料要素の断面の角部を横切る幅に等しい間隔で配置する条件に応じて選択され、燃料要素20の長さの5%~20%であってもよい。一実施形態によれば、ピッチ(すなわち、ローブ/リブが完全に回転する軸方向長さ)は約21.5cmであるが、要素20の全有効長さは約420cmである。図3に示すように、燃料要素10の垂直配置の安定性は、底部においては下部タイプレート70によって、頂部においては上部タイプレート80によって、コアの高さに対してはシュラウド30によって提供される。図1に示すように、燃料要素10は、任意の2つの隣接する燃料要素10のローブ付きプロファイルが、燃料要素束の少なくとも1つの断面において前記2つの隣接する燃料要素10の軸を通る共通の対称面を有するように、円周方向の向きを有する。
【0046】
図1に示すように、燃料要素20の螺旋状ねじれは、それらの向きと組み合わせて、1又は複数の自己分割平面が存在することを確実にする。図1に示すように、そのような自己分割平面において、隣接する要素20のリブは互いに接触し、そのような要素20間の適切な間隔を確保する。したがって、要素20の中心間間隔は、各要素20の角部から角部までの幅(図5に示す要素では12.6mm)とほぼ同じになる。各燃料要素20内のローブ20bの数及び燃料要素20の相対的な幾何学的配置に応じて、すべての隣接する燃料要素20、又は隣接する燃料要素20の一部のみが互いに接触する。例えば、図示の4ローブ付きの実施形態では、各燃料要素20は、各自己分割平面において4つの隣接する燃料要素20すべてと接触する。しかしながら、燃料要素が六角形のパターンで配置されている3ローブ付き燃料要素の実施形態では、各燃料要素は、所与の自己分割平面内で6つの隣接する燃料要素のうちの3つにのみ接触する。3ローブ付き燃料要素は、次の軸方向に離間した自己分割平面(すなわち、前の自己分割平面から1回転の1/6オフセットされている)において、他の3つの隣接する燃料要素と接触する。
【0047】
n個の燃料要素が特定の燃料要素20に隣接するnローブ付き要素20では、1/n螺旋回転ごとに(例えば、他の4つの燃料要素20が前記燃料要素20に隣接するように正方形パターンで配置された4ローブ付き要素20については1/4の螺旋回転ごとに、3つの燃料要素が前記燃料要素に隣接している3ローブ付き要素については1/3螺旋回転ごとに(すなわち、前記燃料要素の周囲の周りに120度ごとに))自己分割平面が存在する。螺旋のピッチは、燃料要素20の軸方向長さにわたってより多い又はより少ない自己分割平面を作成するように変更してもよい。一実施形態によれば、各4ローブ付き燃料要素20は、燃料要素20の束の軸方向長さにわたって複数の自己分割平面が存在するように、複数のねじれを含む。
【0048】
図示の実施形態では、要素20のすべてが同じ方向にねじれている。しかしながら、代替実施形態によれば、隣接する要素20は、本発明の範囲から逸脱することなく、反対方向にねじれてもよい。
【0049】
燃料棒の長さに沿った自己分割平面の数についての式は以下の通りである。
N=n*L/h、式中、
L--燃料棒の長さ
n--ローブ(リブ)の数及び燃料要素に隣接する燃料要素の数
h--螺旋状ねじれのピッチ
ローブの数と燃料要素に隣接する燃料要素の数が同じでない場合、この式はわずかに異なる。
【0050】
そのような自己分割の結果として、燃料集合体10は、集合体10の長さに沿って適切な要素間隔を保証するために必要であったかもしれないスペーサグリッドを省略することができる。スペーサグリッドを排除することにより、冷却剤は、集合体10を通ってより自由に流れることができ、これにより、要素20から冷却剤への熱伝達が有利に増加する。しかしながら、本発明の代替実施形態によれば、集合体10は、本発明の範囲から逸脱することなくスペーサグリッドを含むことができる。
【0051】
図3に示すように、シュラウド30は、燃料要素20の全長に沿って軸方向に延在し、要素20を囲む管状シェルを形成する。しかしながら、本発明の代替実施形態によれば、シュラウド30は、軸方向に離間したバンドを含むことができ、その各々は燃料要素20を囲む。1又は複数のそのようなバンドは、自己分割平面と軸方向に位置合わせされてもよい。軸方向に延在する角部支持体は、そのような軸方向に離間したバンド間に延在して、バンドを支持し、バンドの整列を維持し、集合体を強化することができる。代替的に及び/又は追加的に、支持のためにシュラウド30が必要ではないか又は所望されない場所において、そうでなければ管状/多角形のシュラウド30に穴が切り込まれてもよい。完全なシュラウド30の使用により、各個々の燃料集合体10を通る別個の冷却剤の流れのより良い制御を容易にすることができる。逆に、バンド、又は穴を有するシュラウドの使用により、隣接する燃料集合体10間のより良好な冷却剤混合を容易にすることができ、隣接する燃料集合体10間の冷却剤温度勾配を有利に低減することができる。
【0052】
図1に示すように、シュラウド30の断面の周囲は、集合体10が使用される炉を収容する形状を有する。正方形の燃料集合体を利用するAP-1000などの炉では、シュラウドは正方形の断面を有する。しかしながら、シュラウド30は、代替的に、それが使用される炉に応じて任意の適切な形状(例えば、(例えば、米国特許出願公開第2009/0252278号の図1に示されているような)VVER炉で用いるための六角形の形状)をとることができる。
【0053】
ガイドチューブ40は、炭化ホウ素(B4C)、銀インジウムカドミウム(Ag、In、Cd)、チタン酸ジスプロシウム(Dy203・Ti02)又は反応性制御のために使用される他の適切な合金若しくは材料(図示せず)をベースとする制御用吸収材要素、及び炭化ホウ素、酸化ガドリニウム(Gd203)又は他の適切な材料(図示せず)をベースとする可燃性吸収材要素の挿入を提供し、弾性軸方向変位の能力を備えて上部ノズル50内に配置される。ガイドチューブ40は、ジルコニウム合金を含むことができる。例えば、図1に示すガイドチューブ40の配置は、AP-1000炉で使用される配置(例えば、17×17グリッドに示す位置に2つの環状列に配置された24個のガイドチューブ)である。
【0054】
フレーム25の形状、サイズ、及び特徴は、集合体10が使用される特定の炉心に依存する。したがって、当業者は、燃料集合体10のための適切な形状及びサイズのフレームをどのように作製するかを理解するであろう。例えば、フレーム25は、そのプラントの炉心用の従来の酸化ウラン又は混合酸化物燃料集合体の代わりに、従来の原子力発電プラントの炉心に適合するような形状及び構成であってもよい。原子力発電プラントは、2010年より前に実際に使用されていた炉心設計(例えば、2、3又は4ループPWR、BWR-4)を含むことができる。あるいは、原子力発電プラントは、燃料集合体10と共に使用するために特別に調整された全く新しい設計のものであってもよい。
【0055】
上記で説明したように、図示の燃料集合体10は、AP-1000又はEPR炉で使用するように設計されている。集合体は、燃料要素20、24の17×17アレイを含み、それらのうち、EPRでは計265個の燃料要素20が、又はAP-1000では264個の燃料要素20が、上述のガイドチューブ40に置き換えられている(AP-1000では、24個の燃料要素がガイドチューブに置き換えられることに加えて、中央燃料要素も計装チューブに置き換えられる)。
【0056】
要素20は、好ましくは、燃料集合体10の核分裂性材料全体の100%を提供する。あるいは、集合体10の核分裂性材料の一部は、要素20以外の燃料要素(例えば、ローブなし燃料要素、酸化ウラン要素、要素20とは異なる燃料比及び/又は濃縮度を有する要素)によって提供されてもよい。様々なこのような代替実施形態によれば、燃料要素20は、燃料集合体10の核分裂性材料全体の少なくとも50体積%、60体積%、70体積%、75体積%、80体積%、85体積%、90体積%、及び/又は95体積%を提供する。
【0057】
本発明の1又は複数の実施形態による金属燃料要素20の使用により、ウェスティングハウス設計のAP-1000、AREVA設計のEPR炉、又はGE設計のABWRなどの軽水原子炉(LWR)(沸騰水炉及び加圧水炉を含む)で従来使用されている酸化ウラン又は混合酸化物燃料を超える様々な利点が容易になる。例えば、1又は複数の実施形態によれば、既存のタイプのLWR又は提案されている新しいタイプのLWRで現在使用されている標準的な酸化ウラン燃料及び燃料集合体の代わりに全金属燃料要素20及び/又は燃料集合体10を使用することによって、標準的な酸化ウラン又は混合酸化物燃料で動作するLWRの出力定格を最大約30%増加させることができる。
【0058】
標準的な酸化ウラン燃料で動作するLWRの出力定格を増加させるための主要な制約の1つは、そのような燃料が利用する円筒形燃料要素の表面積が小さいことであった。円筒形燃料要素は、いずれのタイプの燃料要素断面プロファイルに対しても最も低い表面積対体積比を有する。標準的な酸化ウラン燃料に対する別の主要な制約は、そのような燃料要素が、許容可能な燃料性能基準を依然として満たしながらも到達する可能性がある燃焼度が比較的低いことであった。結果として、標準的な酸化ウラン又は混合酸化物燃料に関連するこれらの因子が、既存の炉出力定格を高めることができる程度を著しく制限している。
【0059】
全金属燃料要素20の1又は複数の実施形態は、上記の制限を克服する。例えば、上記で説明したように、スペーサグリッドをなくすことで、油圧抵抗を低減し、したがって要素20から一次冷却剤への冷却剤の流れ及び熱流束を増加させることができる。燃料要素20の螺旋状ねじれは、冷却剤の混合及び乱流を増加させ得、これはまた、要素20から冷却剤への熱流束を増加させ得る。
【0060】
本発明の1又は複数の実施形態による予備的な中性子及び熱水力解析は、以下を示している。
・LWR炉の熱出力定格は、最大30.7%以上増加させることができる(例えば、EPR炉の熱出力定格を4.59GWth~6.0GWthに増加させることができる)。
・ウラン-ジルコニウム混合物中のウラン体積分率が25%であり、ウラン-235濃縮度が19.7%である場合、4ローブの金属燃料要素20の構成を有するEPR炉心は、バッチ当たり72個の燃料集合体が交換された場合(18ヶ月毎に1回)、6.0GWthの増加した熱出力定格で、約500~520定格出力運転日数(EFPD)の間動作することができ、又はバッチ当たり80個の燃料集合体が交換された場合(18ヶ月毎に1回)、540~560EFPDの間動作することができる。
・複数ローブ燃料要素の表面積が増加することにより、6.0GWthという増加した出力定格においてさえも、複数ローブ燃料要素の平均表面熱流束は、4.59GWthの熱出力定格で動作する円筒形酸化ウラン燃料要素の平均表面熱流束よりも4~5%低いことが示されている。これにより、臨界熱流束に対する安全マージンを高めることができる(例えば、PWRにおける核沸騰マージン又はBWRにおける臨界出力比を制限する最大分率からの逸脱の増加)。さらに、これにより、可燃性毒物を含む、集合体当たり12個の燃料要素を使用する可能性を与えることができる。可燃性毒物を使用して、サイクルの開始時に過剰な反応性を除去するか、又はコアの昇温中にドップラー効果を増加させることができる。
・したがって、燃料集合体10は、従来の酸化ウラン又は混合酸化物燃料集合体よりも低い燃料動作温度でより大きな熱出力を提供することができる。
【0061】
集合体10の増加した電力出力を利用するために、従来の発電プラントをアップグレードすることができる(例えば、より大きな及び/又は追加の冷却剤ポンプ、蒸気発生器、熱交換器、加圧器、タービン)。実際、1又は複数の実施形態によれば、このアップグレードにより、既存の炉から30~40%多い電気を供給することができる。そのような可能性により、完全な第2の炉を建造する必要性を回避することができる。改修コストは、増加した電気出力によって迅速に元を取ることができる。あるいは、集合体10のより高い熱出力を扱い、利用するための適切な特徴を含むように、新しい発電プラントを構築することができる。
【0062】
さらに、本発明の1又は複数の実施形態は、LWRが、主要な炉の変更なしに、既存の炉システムを使用して、標準的な酸化ウラン又は混合酸化物燃料と同じ出力定格で動作することを可能にすることができる。例えば、一実施形態によれば、
・EPRは、従来の酸化ウラン燃料が使用される場合と同じ出力を有するであろう:4.59GWt;
・ウラン-ジルコニウム混合物中のウラン体積分率が25%であり、ウラン-235濃縮度が約15%である場合、4ローブの金属燃料要素20の構成を有するEPR炉心は、バッチ当たり72個の燃料集合体が交換された場合、約500~520定格出力運転日数(EFPD)の間動作することができ、又はバッチ当たり80個の燃料集合体が交換された場合、540~560EFPDの間動作することができる。
・要素20の平均表面熱流束は、従来の酸化ウラン燃料を有する円筒形棒の平均表面熱流束と比較して約30%低減される(例えば、39.94対57.34W/cm.sup.2)。集合体10を通る冷却剤の温度上昇(例えば、入口温度と出口温度との間の差)及び集合体10を通る冷却剤流量は、従来の燃料集合体と比較してほぼ同じままであるため、平均表面熱流束の低減は、臨界熱流束に対する安全マージンの増加(例えば、PWRにおける核沸騰マージン又はBWRにおける臨界出力比を制限する最大分率からの逸脱の増加)に寄与する燃料棒表面温度の対応する低減をもたらす。
【0063】
追加的に及び/又は代替的に、本発明の1又は複数の実施形態による燃料集合体10は、従来の燃料集合体の代わりに炉心内に段階的に配置/積載することができる。移行期間中、従来の燃料集合体と同等の核分裂性/中性子/熱出力を有する燃料集合体10は、発電プラントの動作パラメータを変更することなく、連続的な燃料変更にわたってそのような従来の燃料集合体を徐々に交換することができる。したがって、燃料集合体10は、移行期間中に重要となり得る既存のコアに後付けすることができる(すなわち、燃料集合体10を有する部分コアから開始し、燃料集合体10の完全なコアに徐々に移行する)。
【0064】
さらに、集合体10の核分裂性充填量は、プラントオペレータが所望する特定の移行に合わせて調整することができる。例えば、集合体10が置き換える従来の燃料集合体の使用と比較して、炉の熱出力を0%~30%以上高く増加させるように、核分裂性充填量を適切に増加させることができる。したがって、発電プラントオペレータは、既存のプラントインフラストラクチャ又はアップグレード中の様々な時点における発電プラントの能力に基づいて、所望の特定の出力の向上を選択することができる。
【0065】
燃料集合体10及び燃料要素20の1又は複数の実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく、(軽水炉とは対照的に)高速炉で使用することができる。高速炉では、燃料カーネル100の非燃料金属は、好ましくは耐火性金属、例えばモリブデン合金(例えば、純粋なモリブデン又はモリブデンと他の金属との組合せ)であり、クラッド120は、好ましくはステンレス鋼(その任意の合金変形例を含む)又はそのような炉内で冷却剤と共に使用するのに適した他の材料(例えば、ナトリウム)である。そのような燃料要素20は、上述の共押出プロセスによって製造されてもよく、又は任意の他の適切な方法(例えば、真空溶解)によって製造されてもよい。
【0066】
図7A図7B、及び図8に示すように、本発明の1又は複数の実施形態による燃料集合体510は、CANDU炉などの加圧重水炉500(図8参照)で使用することができる。
【0067】
図7A及び図7Bに示すように、燃料集合体510は、フレーム520に装着された複数の燃料要素20を備える。フレーム520は、燃料要素20の対向する軸端に(例えば、溶接、締まりばめ、要素20を下部タイプレート70に取り付けるための上述の様々なタイプの取り付け方法のいずれかによって)装着される2つのエンドプレート520a、520bを備える。燃料集合体510に使用される要素20は、典型的には、集合体10に使用される要素20よりもはるかに短い。様々な実施形態及び炉500によれば、炉500で使用される要素20及び集合体510は、約18インチの長さであってもよい。
【0068】
要素20は、集合体10に関して上述したように自己分割平面が要素20間の間隔を維持するように、集合体510内で互いに対して配置されてもよい。あるいは、集合体510の要素20は、隣接する要素20が決して互いに接触しないように互いから離間されてもよく、代わりに、要素20の間隔を維持するためにフレーム520に完全に依存してもよい。さらに、スペーサは、隣接する要素20に接触し、要素間隔20を維持するのを助けるように(例えば、加圧重水炉用の従来の燃料集合体の従来の燃料棒にスペーサを使用して、棒間隔を維持するのを助ける方法と同様に)、要素20の軸方向長さに沿った様々な位置で要素20又はそれらのリブに取り付けることができる。
【0069】
図8に示すように、集合体510は、炉500(当技術分野ではカランドリア500と呼ばれることもある)のカランドリアチューブ500aに供給される。炉500は、減速材及び一次冷却材として重水500bを使用する。一次冷却剤500bは、チューブ500aを通って、次いで熱交換器に水平に循環し、熱交換器において熱は、典型的にはタービンを介して発電するために使用される二次冷却剤ループに伝達される。典型的には炉500が動作している間に、燃料集合体510をカランドリアチューブ500aの一方の側に充填し、使用済み集合体510をチューブ500aの反対側から押し出すために、燃料集合体充填機構(図示せず)が使用される。
【0070】
燃料集合体510は、既存の従来の加圧重水炉(例えば、CANDU炉)用の従来の燃料集合体(当技術分野では燃料束としても知られている)の直接的な代替として設計することができる。そのような実施形態では、集合体510は、従来の集合体/束の代わりに炉500に供給される。そのような燃料集合体510は、置き換えられる従来の集合体と同様の中性子/熱特性を有するように設計することができる。あるいは、燃料集合体510は、熱出力の向上を提供するように設計されてもよい。そのように向上された実施形態では、より高い熱出力に対応するように、新しい又はアップグレードされた炉500を設計することができる。
【0071】
本発明の様々な実施形態によれば、燃料集合体10は、従来の原子炉の従来の燃料集合体を置き換えるように設計される。例えば、図1に示す燃料集合体10は、UO2燃料棒の17×17アレイを利用する従来の燃料集合体を置き換えるように特に設計されている。集合体10のガイドチューブ40が、従来の燃料集合体で使用する場合と全く同じ位置に残され、また燃料要素20のすべてが同じサイズである場合、燃料要素/棒間のピッチは、従来のUO2燃料集合体と燃料集合体10の1又は複数の実施形態との間で変化しないままである(例えば、12.6mmピッチ)。換言すれば、燃料要素20の長手方向軸は、従来のUO2燃料棒の長手方向軸が同等の従来の燃料集合体にあるのと同じ位置に配置することができる。様々な実施形態によれば、燃料要素20は、同等のUO2燃料棒よりも大きな外接径を有することができる(例えば、典型的なUO2燃料棒の外径9.5mmと比較して12.6mm)。その結果、図1に示す自己整列平面において、燃料要素20によって占められる空間の断面長さ及び幅は、従来の燃料集合体における従来のUO2燃料棒によって占められるものよりもわずかに大きくなり得る(例えば、12.6mmピッチで互いに分離された17×17アレイの9.5mmのUO2燃料棒を含む従来のUO2燃料集合体の場合の211.1mmとは対照的に、燃料集合体10の場合は214.2mm(すなわち、燃料要素当たり17個の燃料要素20×12.6mmの外接径))。従来のUO2燃料集合体では、スペーサグリッドが燃料棒を囲み、従来の燃料集合体の断面エンベロープ全体を214mm×214mmに増加させる。燃料集合体10において、シュラウド30は、燃料集合体10の断面エンベロープを同様に増加させる。シュラウド30は、任意の適切な厚さ(例えば、0.5mm又は1.0mmの厚さ)であってもよい。1.0mmの厚さのシュラウド30を利用する実施形態では、燃料集合体10の一実施形態の断面エンベロープ全体は、216.2mm×216.2mmであってもよい(例えば、17個の直径12.6mmの燃料要素20が占める214mmにシュラウド30の厚さ1.0mmの2倍を加えたもの)。結果として、本発明の1又は複数の実施形態によれば、燃料集合体10は、典型的なUO2燃料集合体(214mm×214mm)よりもわずかに大きくなり得る(例えば、216.2mm×216.2mm)。より大きなサイズは、従来のUO2燃料集合体と共に使用するように設計された1又は複数の従来の炉の燃料集合体位置に適切に適合する集合体10の能力を損なうことがある。このサイズ変化に対応するために、本発明の1又は複数の実施形態によれば、より大きなサイズの燃料集合体10に対応するように新しい炉を設計及び建造することができる。
【0072】
本発明の代替実施形態によれば、燃料要素20のすべての外接径は、燃料集合体10の断面サイズ全体を縮小するようにわずかに縮小することができる。例えば、各燃料要素20の外接径は、0.13mm~12.47mmだけ縮小することができ、その結果、燃料集合体10によって占められる断面空間全体は、従来の214mm×214mmの燃料集合体に匹敵するままである(例えば、直径12.47mmの燃料要素20を17個分にシュラウドの厚さ1.0mmを2つ分加えて、合計約214mm)。17×17アレイのサイズのこのような縮小は、従来の燃料集合体におけるガイドチューブの位置に対して、燃料集合体10におけるガイドチューブ40の位置をわずかに変化させる。チューブ40の位置のこのわずかな位置変化に対応するために、炉内の対応する制御棒アレイ及び制御棒駆動機構の位置は、再配置されたガイドチューブ40を収容するように同様にシフトすることができる。あるいは、従来の炉内の制御棒に十分なクリアランス及び公差が提供される場合、従来のように配置された制御棒は、燃料集合体10のわずかにシフトされたチューブ40に適切に適合することができる。
【0073】
あるいは、集合体10全体が従来の燃料集合体用に設計された従来の炉に適合するように、周辺燃料要素20の直径をわずかに縮小することができる。例えば、燃料要素20の外側列の外接径は、燃料集合体の合計サイズが214mm×214mm(例えば、12.6mmの燃料要素20を15個分に11.5mmの燃料要素20を2つ分加え、シュラウド30の厚さ1.0mmを2つ分加えたもの)になるように1.1mmだけ縮小することができる。あるいは、燃料要素20の外側の2列の外接径は、燃料集合体の合計サイズが214mm×214mm(例えば、12.6mmの燃料要素20を13個分に12.05mmの燃料集合体を4つ分加え、シュラウド30の厚さ1.0mmを2つ分加えたもの)のままであるように、それぞれ0.55mmだけ縮小することができる。各実施形態では、燃料要素20及びガイドチューブ40の中央の13×13アレイのピッチ及び位置は、ガイドチューブ40が従来の炉の制御棒アレイ及び制御棒駆動機構と整列するように変更されないままである。
【0074】
図10は、本発明の代替実施形態による燃料集合体610を示す。様々な実施形態によれば、燃料集合体610は、様々な従来のUO2燃料集合体と共に使用するように設計された炉の制御棒の配置を維持しながら、従来の炉内の従来のUO2燃料集合体を置き換えるように設計される。燃料集合体610は、一般に、上述し図1に示した燃料集合体10と同様であるが、制御棒位置又は制御棒駆動機構を変更することなく集合体610が1又は複数の既存の炉タイプ(例えば、UO2棒の17×17アレイを利用するウェスティングハウスの燃料集合体設計を使用する炉)に良好に適合するのを助けるいくつかの違いを含む。
【0075】
図10に示すように、燃料集合体は、空間の17×17アレイを含む。中央の15×15アレイは、図1に示す同様の燃料集合体10に関して上述したように、200個の燃料要素20及び25個のガイドチューブ40によって占められている。特定の炉設計に応じて、炉設計が中央のチューブ40を利用しない(すなわち、201個の燃料要素20及び24個のガイドチューブ40)場合、中央のガイドチューブ40は追加の燃料要素20によって置き換えられてもよい。ガイドチューブ40の位置は、従来のUO2燃料集合体を使用するように設計された炉で使用されるガイドチューブの位置に対応する。
【0076】
燃料集合体610の17×17のアレイ/パターンの周辺位置(すなわち、燃料要素20から横方向外側に配置された位置)は、64個のUO2燃料要素/棒650によって占められる。当技術分野で知られているように、燃料棒650は、中空棒内に配置された標準的なUO2ペレット化燃料を含み得る。UO2ペレット化燃料は、20%未満、15%未満、10%未満、及び/又は5%未満だけU-235で濃縮されてもよい。棒650は、燃料要素20の外接径よりもわずかに小さい直径(例えば、9.50mm)を有することができ、これにより、燃料集合体610の断面寸法全体がわずかに減少し、その結果、集合体610は従来のUO2燃料集合体に割り当てられた空間により良く適合する。
【0077】
図示の実施形態では、燃料棒/要素650は、UO2ペレット化燃料を含む。しかしながら、燃料棒/要素650は、代替的に、1又は複数の核分裂性材料及び/又は核燃料親物質(例えば、トリウム、プルトニウム、ウラン-235、ウラン-233、これらの任意の組合せ)の任意の他の適切な組合せを利用することができる。そのような燃料棒/要素650は、金属及び/又は酸化物燃料を含むことができる。
【0078】
1又は複数の代替実施形態によれば、燃料棒650は、64個の周辺位置のすべてよりも少ない位置を占めてもよい。例えば、燃料棒650は、周辺部の最上部の行及び左列を占めてもよく、周辺部の最下部の行及び右列は、燃料要素20によって占められてもよい。あるいは、燃料棒650は、燃料集合体の周辺部の任意の他の2辺を占めてもよい。シュラウド630は、燃料集合体の周辺部にある追加の燃料要素20を取り囲むように変更してもよい。そのように変更された燃料集合体は、1つの集合体内の周辺燃料要素650の行/列が隣接する燃料集合体内の燃料要素20の行/列に常に隣接するように、互いに隣接して配置され得る。その結果、隣接する集合体間の境界面が、周辺の境界面側に燃料要素650を含む集合体に向かってわずかにシフトされるという事実によって、燃料集合体のための追加の空間が提供される。そのような変更により、燃料集合体610によって提供されるよりも多数のより高い熱出力燃料要素20の使用を提供することができる。
【0079】
シュラウド630は、燃料要素20のアレイを囲み、要素20を要素650から分離する。ノズル50、60、シュラウド630、それらの間に形成された冷却剤流路、要素20及び要素650を通る相対的な圧力降下、並びに/又は要素650を囲むスペーサグリッド660(後述する)を通る圧力降下の増加により、シュラウド630内、及びより高い熱出力燃料要素20を通過する冷却剤流量は、シュラウド630の外側、及び比較的低い熱出力燃料棒650を通過する流量よりも高くなり得る。通路及び/又はその中のオリフィスは、それらのそれぞれの熱出力及び設計された動作温度に基づいて要素20、650を通過する相対的な冷却剤流量を最適化するように設計することができる。
【0080】
様々な実施形態によれば、燃料集合体610の燃料要素20の減速材:燃料比は、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2.0、1.9、及び/又は1.8より小さいか又はそれに等しい。図示の実施形態では、減速材:燃料比は、(1)冷却剤/減速材に利用可能なシュラウド630内の総面積(例えば、(ガイドチューブ40が冷却剤で満たされていると仮定して)シュラウド630内の総断面積から燃料要素20によって占められる総断面積を引いたものによって近似される)と、(2)シュラウド630内の燃料要素20のカーネル100の総断面積との比に等しい。
【0081】
本発明の代替実施形態によれば、シュラウド630は、1又は複数の環状バンドで置き換えられてもよく、又は上記で説明したように、シュラウド630に穴が設けられてもよい。シュラウド630にバンド又は穴を使用することにより、燃料要素20と燃料要素650との間の冷却剤の相互混合を容易にすることができる。
【0082】
図10に示すように、燃料要素650は、従来のUO2燃料集合体で使用されるスペーサグリッドの外側部分にほぼ匹敵する環状スペーサグリッド660内に配置される。スペーサグリッド660は、シュラウド630に(例えば、溶接、ボルト、ねじ又は他の締結具を介して)堅固に接続することができる。スペーサグリッド660は、好ましくは、中央燃料要素20間に設けられるのと同じピッチ(例えば、すべての燃料要素20、650の軸線間の12.6mmピッチ)を燃料要素650と燃料要素20との間に提供するようなサイズにされる。このような間隔を設けるために、燃料要素650は、シュラウド630及びスペーサグリッド660の内側よりもスペーサグリッド660の外側により近くなるように配置されてもよい。燃料集合体610及びスペーサグリッド660はまた、好ましくは、隣接する燃料集合体の燃料要素650間に同じピッチ(例えば、12.6mmピッチ)が提供されるようなサイズ及び位置にされる。しかしながら、燃料要素20、650のいずれかの間の間隔は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の燃料要素20、650の間の間隔に対して変化してもよい。
【0083】
様々な実施形態によれば、燃料要素20は、燃料集合体610のすべての核分裂性材料含有燃料要素20、650の総体積の少なくとも60%、65%、70%、75%、及び/又は80%を提供する。例えば、燃料集合体610が、各々が約70mm2の断面積を有する201個の燃料要素20と、各々が9.5mmの直径を有する64個の燃料要素650とを含む1又は複数の実施形態によれば、燃料要素20は、すべての燃料要素20、650の総体積の約75.6%を提供する(201個の燃料要素20×70mm2は14070mm2に等しく、64個の燃料要素650×r×(9.5/2)2=4534mm2であり、燃料要素20、650の面積は、燃料要素の体積に本質的に比例する(14070mm2/(14070mm2+4534mm2)=75.6%))。
【0084】
燃料集合体610の高さは、集合体610が置き換えることができる同等の従来の燃料集合体の高さ(例えば、ウェスティングハウス又はAREVA炉設計のための標準的な燃料集合体の高さ)と一致する。
【0085】
図示の燃料集合体610は、ウェスティングハウスの4ループ設計、AP1000、又はAREVA EPRなどの17×17PWRで使用することができる。しかしながら、燃料集合体610の設計はまた、様々な他の炉設計(例えば、六角形の外周がUO2棒によって占められ、一方で内側位置は燃料要素20によって占められる、六角形の燃料集合体を利用する炉設計、又は沸騰水炉、又は小型モジュール式炉)に対応するように変更されてもよい。特定の実施形態に関して特定の寸法が説明されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な代替的に寸法決めされた燃料要素20、650及び燃料集合体10を様々な炉又は炉タイプに関連して使用することができる。
【0086】
特定の炉設計に応じて、燃料集合体の追加の棒位置は、UO2棒で置き換えられてもよい。例えば、燃料集合体610は、外周列にのみUO2棒を含むが、集合体610は、代替的に、本発明の範囲から逸脱することなく、外側の2列にUO2棒を含むことができる。
【0087】
様々な実施形態によれば、燃料要素650を支持する燃料集合体610の一部分は、燃料要素20を支持する燃料集合体610の一部分から分離不可能である。様々な実施形態によれば、燃料要素20は、(たとえ個々の燃料要素20、650が、例えば個々の燃料要素の破損に基づいて集合体610から除去することができるとしても)燃料集合体610の燃料要素650からユニットとして分離可能ではない。同様に、燃料集合体の燃料要素650の部分を燃料集合体610の燃料要素20の部分に選択的に係止する係止機構は存在しない。様々な実施形態によれば、燃料集合体610の燃料要素20及び燃料要素650は、燃料集合体610全体が炉内で使用され、次いで単一の使用済みユニットとして除去されるように、同じ設計寿命サイクルを有する。
【0088】
様々な実施形態によれば、燃料集合体610内の燃料要素20の熱出力の増加により、集合体610が置き換える従来のすべてのUO燃料棒集合体に対して出力の向上を提供することができる。様々な実施形態によれば、出力の向上は、少なくとも5%、10%、及び/又は15%である。様々な実施形態によれば、向上は、1~30%、5~25%、及び/又は10~20%であり得る。様々な実施形態によれば、燃料集合体610は、少なくとも18ヶ月の燃料サイクルを提供するが、24ヶ月+又は36ヶ月+の燃料サイクルへの移行を容易にすることもできる。図10に示す要素20に関して上述した例示的なパラメータを有する燃料要素20を使用する燃料集合体610の一実施形態によれば、集合体17は、以下の表に特定される動作パラメータの下で従来のUO燃料集合体に対して17%の向上を提供する。
【表2】

【表3】
【0089】
燃料集合体10、510、610は、電気及び/又は電気以外の目的(例えば、脱塩、化学処理、蒸気発生など)に使用される熱を生成するように設計された陸上の原子力炉90、500(例えば、陸上のLWRS(BWR及びPWRを含む)、陸上の高速炉、陸上の重水炉)で使用するために、好ましくは熱力学的に設計され、また物理的に成形される。そのような陸上の原子力炉90には、とりわけ、VVER、AP-1000、EPR、APR-1400、ABWR、BWR-6、CANDU、BN-600、BN-800、東芝4S、もんじゅなどが含まれる。しかしながら、本発明の代替実施形態によれば、燃料集合体10、510、610は、海洋型の原子炉(例えば、船舶又は海底発電プラント、沿岸での使用のための電力(例えば、電気)を生成するように設計された浮体式発電プラント)又は他の原子炉用途で使用するように設計されてもよく、またそれらにおいて使用されてもよい。
【0090】
上述したように、燃料要素は、共押出プロセス又は真空溶解プロセスを含む従来の方法によって製造することができる。燃料要素はまた、付加製造プロセスを使用して製造されてもよく、付加製造は、金属型燃料の製造に特によく適していることが分かった。しかしながら、付加製造は、金属型燃料に限定されず、酸化物、炭化物及び窒化物などのセラミック燃料、並びにサーメットとして知られる金属とセラミック燃料との組合せを含むがこれらに限定されない、他のタイプの燃料を製造するために使用され得ることが理解される。さらに、上述の炉に加えて、付加製造技術を使用して製造される燃料は、モジュール式炉、マイクロ炉、ペブルベッド炉、高速炉、研究用炉、並びに宇宙及び海上用途に使用される炉を含む、他の炉で使用することができる。
【0091】
3D印刷としても知られている付加製造は、材料の連続層の堆積によって物体が作成されるプロセスである。材料層の堆積は、コンピュータ支援設計ファイルを読み取るコンピュータによって制御されてもよい。付加製造プロセスのカテゴリには、指向性エネルギー堆積、液槽光重合、材料噴射、バインダ噴射、粉末床溶融結合、材料押出、ワイヤ供給、及びシート積層が含まれるが、これらに限定されない。電子ビーム付加製造及びプラズマアーク堆積付加製造は、これらのプロセスが核燃料製造に関連する安全性及び品質要件を満たす可能性があるため、本出願に特によく適している。
【0092】
特定の付加製造プロセスは、特定の材料の燃料要素を製造するのに特によく適合している。例えば、粉末床溶融付加製造は、材料が適所で焼結されるセラミック系燃料の処理を容易にすることができる。別の例として、ワイヤ供給付加製造は、金属燃料の処理を容易にすることができる。前述の例は単に例示的なものであり、特定の付加製造プロセスを特定のタイプの核物質のみに限定することを意味しないことが理解される。
【0093】
付加製造を使用して製造された燃料は、とりわけ、円筒形、複数ローブ付き、プレート、及び球形を含む多くの形態をとることができる。付加製造により、より従来的な製造技術を使用して生成することが非常に困難であるか又は不可能でさえある形状因子を有する燃料要素の製造が可能になる。付加製造により、核分裂、反応性制御、及びクラッドのための材料の位置及び濃度に対する精密な制御が可能になり、様々な原子炉用途にわたってより効率的で、費用効率が高く、かつ安全な動作が可能になる。
【0094】
図11及び図12は、付加製造プロセスを使用して製造することができる燃料要素800を示す。図示の実施形態では、燃料要素800は、実質的に円筒形の形状を有する。代替実施形態では、燃料要素800は、本明細書に開示されるローブ付きプロファイルを含む任意の所望の形状を有することができる。
【0095】
一実施形態によれば、燃料要素800は、耐火性金属/合金と燃料材料との組合せで構成される。耐火性金属/合金は、ジルコニウム合金を含んでもよい。燃料材料は、低濃縮ウラン(例えば、U235、U233)、プルトニウム、又は低濃縮ウラン及び/若しくはプルトニウムと組み合わされたトリウムを含み得る。様々な実施形態によれば、ウラン燃料材料は、1重量%~20重量%、5重量%~20重量%、10重量%~20重量%、及び/又は15重量%~20重量%のウラン-235に濃縮される。1又は複数の実施形態によれば、燃料材料は、19.7%濃縮ウラン-235を含む。
【0096】
図11に示すように、燃料要素800は、第1の端部804と第2の端部806との間で長手方向中心軸802に沿って延在する。第1の軸方向ゾーン808は、燃料要素800の第1の端部804に設けられる。第2の軸方向ゾーン810は、燃料要素800の第2の端部806に設けられる。第3の軸方向ゾーン812は、第1の軸方向ゾーン808と第2の軸方向ゾーン810との間に設けられる。本明細書で使用される場合、「軸方向」は、長手方向中心軸802に平行に延在する方向を指す。軸方向ゾーン808、810、812の各々の長さは、互いに実質的に等しい。一実施形態によれば、軸方向ゾーン808、810、812の各々は、異なる組成の金属材料を有する。本明細書で使用される場合、異なる組成の金属材料は、材料が異なる元素(例えば、ウラン対プルトニウム)であること、又は材料が異なる同位体組成(例えば、5%に濃縮されたU-50Zr対15%に濃縮されたU-50Zr)を有することを意味し得る。代替実施形態では、軸方向ゾーンは異なる長さを有してもよい。他の代替実施形態では、軸方向ゾーンの1又は複数は、同じ組成の金属材料を有してもよい。さらに他の代替実施形態では、異なる濃縮率を有する軸方向ゾーンの1又は複数。さらにまた他の代替実施形態では、燃料要素は、より多いか又はより少ない数の軸方向ゾーンを含むことができる。
【0097】
図12に示すように、燃料要素800は、実質的に円形の断面を有し、第1の径方向ゾーン814と、第2の径方向ゾーン816と、第3の径方向ゾーン818とを含む。第1の径方向ゾーン814は、中心軸802から径方向外側に延在し、第1の厚さを有する。第2の径方向ゾーン816は、第1の径方向ゾーン814の径方向外側に配置され、第2の厚さを有する。第3の径方向ゾーン818は、第2の径方向ゾーン816の径方向外側に配置され、第3の厚さを有する。本明細書で使用される場合、「径方向」は、長手方向中心軸802から離れて燃料要素800の縁部まで延在する方向を指し、厚さは、中心軸又は径方向ゾーンの内側境界で始まり、その径方向ゾーンの外側境界で終わる径方向ゾーンの寸法を指す。一実施形態によれば、径方向ゾーン814、816、818の各々は、異なる金属材料で作られる。ここでも、本明細書で使用される場合、異なる組成の金属材料は、材料が異なる元素であること、又は材料が異なる同位体組成を有することを意味し得る。代替実施形態では、径方向ゾーンの1又は複数は、同じ金属材料で作られてもよい。他の代替実施形態では、径方向ゾーンの1又は複数は、異なる濃縮率を有する金属材料を有することができる。さらに他の代替実施形態では、燃料要素は、より多いか又はより少ない数の径方向ゾーンを含むことができる。
【0098】
径方向ゾーンの各々の厚さは、燃料要素の長さに沿って変化してもよい。例えば、図13を参照すると、燃料要素800は、第1の径方向ゾーン814の第1の厚さtが一定であり、第2の径方向ゾーン816の第2の厚さtが、第1の端部804から第2の端部806に向かって中心軸802に沿って移動するにつれて減少し、第3の厚さtが、第1の端部804から第2の端部806に向かって中心軸802に沿って移動するにつれて増加するように配置されてもよい。第3の厚さtは、燃料要素800の外観が実質的に円筒形の形状になるように、第2の厚さtの減少に比例して増加する。
【0099】
図13に示す配置により、始動時及び照射中の燃料要素の寿命全体を通して、炉内の中性子束形状に対する制御を改善することができる。したがって、この配置により、核分裂性材料の効率的な使用に関してコアの最適化が可能になり、安全マージン限界を向上し、中性子漏れを低減することができる。
【0100】
代替実施形態では、第1の径方向ゾーンの厚さは、燃料要素の長さに沿って変化してもよい。他の代替実施形態では、径方向ゾーンのうちの任意の1又は複数の厚さは、波形(正弦波、矩形波、三角波、のこぎり波など)又は任意の他の所望の配置に従って燃料要素の長さに沿って変化してもよい。さらに他の代替実施形態では、径方向ゾーンのうちの任意の1又は複数の厚さは、燃料要素の外観が円錐形又は任意の他の所望の形状になるように変化してもよい。ゾーンは、特定の発電プラントの要件を満たすために燃料要素設計を最適化するように構成及び配置することができる。
【0101】
軸方向ゾーンの各々は、隣接する軸方向ゾーンとは別個の特有の属性を持つ径方向ゾーンを有することができる。例えば、図14を参照すると、第1の軸方向ゾーン808は、それぞれ第1の厚さt1a、第2の厚さt2a、及び第3の厚さt3aを持つ第1の径方向ゾーン814a、第2の径方向ゾーン816a、及び第3の径方向ゾーン818aを有することができ、第2の軸方向ゾーン810は、それぞれ第1の厚さt1b、第2の厚さt2b、及び第3の厚さt3bを持つ第1の径方向ゾーン814b、第2の径方向ゾーン816b、及び第3の径方向ゾーン818bを有することができ、第3の軸方向ゾーン812は、それぞれ第1の厚さt1c、第2の厚さt2c、及び第3の厚さt3cを持つ第1の径方向ゾーン814c、第2の径方向ゾーン816c、及び第3の径方向ゾーン818cを有することができる。第1の軸方向ゾーン808の第1の径方向ゾーン814aの厚さt1aは、第2の軸方向ゾーン810の第1の径方向ゾーン814bの厚さt1bよりも小さく、第3の軸方向ゾーン812の第1の径方向ゾーン814cの厚さt1cよりも大きい。第1の軸方向ゾーン808の第2の径方向ゾーン816aの厚さt2aは、第2の軸方向ゾーン810の第2の径方向ゾーン816bの厚さt2bよりも大きく、第3の軸方向ゾーン812の第2の径方向ゾーン816cの厚さt2cよりも小さい。第1の軸方向ゾーン808の第3の径方向ゾーン818aの厚さt3aは、第2の軸方向ゾーン810の第3の径方向ゾーン818bの厚さt3bよりも小さく、第3の軸方向ゾーン812の第3の径方向ゾーン818cの厚さt3cよりも大きい。
【0102】
軸方向ゾーン808、810、812の各々の第1の径方向ゾーン814a、814b、814cは、第1の金属材料から作られる。軸方向ゾーン808、810、812の各々の第2の径方向ゾーン816a、816b、816cは、第2の金属材料から作られる。軸方向ゾーン808、810、812の各々の第3の径方向ゾーン818a、818b、818cは、第3の金属材料から作られる。第1、第2及び第3の金属材料は、すべて互いに異なる。
【0103】
図14に示す配置により、始動中、及び照射中の燃料要素の寿命全体を通して、炉内の中性子束形状に対する制御を改善することができる。したがって、この配置により、核分裂性材料の効率的な使用に関してコアの最適化が可能になり、安全マージン限界を向上し、中性子漏れを低減することができる。
【0104】
代替実施形態では、いずれかの軸方向ゾーンの径方向ゾーンの厚さは、いずれかの他の軸方向ゾーンの径方向ゾーンの厚さよりも大きくてもよく、小さくてもよく、又は等しくてもよい。他の代替実施形態では、第1、第2、及び及び/又は第3の金属材料は、互いに同じであってもよい。ゾーンは、特定の発電プラントの要件を満たすために燃料要素設計を最適化するように構成及び配置することができる。
【0105】
径方向ゾーンのうちの1又は複数は、燃料要素の円周方向に沿って変化する厚さを有し得る。例えば、図15を参照すると、点Aから始まって燃料要素800の周りを(矢印CWで示す)円周方向に時計回りに移動すると、第1の径方向ゾーン814は、点Bまで増加し、次いで再び点Aに達するまで減少する厚さtを有する。第2の径方向ゾーン816は、点Aから始まって円周方向に時計回りCWに移動すると、点Bまで減少し、次いで再び点Aに達するまで増加する厚さtを有する。第3の径方向ゾーン818は、燃料要素800の円周方向に沿って一定のままである厚さtを有する。代替実施形態では、径方向ゾーンのいずれか1つは、燃料要素の円周方向に沿って任意の所望の厚さ又は厚さの変化を有することができる。ゾーンは、特定の発電プラントの要件を満たすために燃料要素設計を最適化するように構成及び配置することができる。
【0106】
図15に示す配置により、始動中、及び照射中の燃料要素の寿命全体を通して、炉内の中性子束形状に対する制御を改善することができる。したがって、この配置により、核分裂性材料の効率的な使用に関してコアの最適化が可能になり、安全マージン限界を向上し、中性子漏れを低減することができる。
【0107】
燃料要素は、別個のゾーンを有するのではなく、軸方向、径方向、又は軸方向及び径方向の両方に濃度勾配が存在するように配置されてもよい。例えば、図16を参照すると、燃料要素800の中心点Cが15%に濃縮されたU-50Zrで構成され、燃料要素の周辺部分Pが5%に濃縮されたU-50Zrで構成されるように、燃料要素800を配置することができる。図16に示すように、より暗いエリアは、相対的に高い濃縮率を有するU-50Zrで構成されている燃料要素800の部分を表し、より明るいエリアは、相対的に低い濃縮率を有するU-50Zrで構成されている燃料要素800の部分を表す。したがって、図16は、中心点Cから始まり、周辺部分Pに向かって径方向外側に移動するのに伴う濃縮度の全体的な減少を示す。代替実施形態では、U-50Zr以外の燃料材料が使用されてもよい。他の代替実施形態では、燃料材料は、任意の所望のレベルで濃縮されてもよく、任意の所望の勾配に従って変化してもよい。例えば、燃料要素の中心点は、5%に濃縮されたU-50Zrで構成されてもよく、燃料要素の周辺部分は、15%に濃縮されたU-50Zrで構成されてもよい。ゾーンは、特定の発電プラントの要件を満たすために燃料要素設計を最適化するように構成及び配置することができる。
【0108】
図16に示す配置により、始動中、及び照射中の燃料要素の寿命全体を通して、炉内の中性子束形状に対する制御を改善することができる。したがって、この配置により、核分裂性材料の効率的な使用に関してコアの最適化が可能になり、安全マージン限界を向上し、中性子漏れを低減することができる。
【0109】
前述の構成は、付加製造プロセスの使用によって可能にされるか、又は少なくとも容易にされる。付加製造プロセスを使用して燃料材料を生成することに加えて、付加製造プロセスを使用して燃料要素用のクラッドを生成することもできる。さらに、付加製造プロセスを使用して、燃料要素の最終形態を生成してもよく、又は燃料要素は、付加製造プロセスが完了した後にさらなる処理を受けてもよい。例えば、付加製造を使用して、複雑なビレット形状を印刷することができ、その後、そのビレット形状は、例えば別個に製造されたクラッドを用いて、延伸、圧延、又は押出される。付加製造プロセスはまた、上述のように金属材料を超えて燃料要素の部品を形成するために使用されてもよい。例えば、付加製造プロセスを使用して、任意の所望の形状因子を有するクラッドを形成することができる。
【0110】
付加製造プロセスを使用して生成された燃料要素は、始動中、及び照射中の燃料要素の寿命全体を通して、炉内の中性子束形状に対する制御を改善することができる。したがって、付加製造の使用により、核分裂性材料の効率的な使用に関してコアの最適化が可能になり、安全マージン限界を向上し、中性子漏れを低減することができる。さらに、付加製造プロセスを使用して生成された燃料要素は、固有の流束成形を用いて設計することができ、したがって、別個の可燃性吸収材などの外部流束制御システム及び高価な化学制御システムの必要性を低減することができる。外部流束制御システムの低減により、サイズがより小さく、発電コストが低平準化され、複雑さが低減され、運転及び経済性が改善された高度な炉の開発が可能になる。
【0111】
別個の実施形態及び変形形態が図1図16に示され説明されているが、開示された特徴は説明された各実施形態に排他的ではないことが理解される。代わりに、様々な特徴を必要に応じて燃料要素に組み合わせることができる。例えば、図5に示す構成のディスプレーサ又はクラッドは、図11及び図12に示す構成と共に使用することができる。
【0112】
前述の図示の実施形態は、本発明の構造的及び機能的原理を例示するために提供されており、限定することを意図するものではない。逆に、本発明の原理は、以下の特許請求の範囲の精神及び範囲内のありとあらゆる変更、改変及び/又は置換を包含することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】