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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】ハブアッセンブリ及び自転車
(51)【国際特許分類】
   B62M 11/16 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
B62M11/16 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514022
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2022130803
(87)【国際公開番号】W WO2023138171
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】202210061317.0
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524077623
【氏名又は名称】コアントン ルオファンディ インテリジェント テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チーチュ リー
(72)【発明者】
【氏名】チェフゥァン リン
(57)【要約】
ハブアッセンブリであって、ハブ軸(100)と、ハブ軸(100)に回転可能に外挿されるハブ(200)と、ハブ軸(100)に設けられ、かつハブ(200)内に配置され、駆動力をハブ(200)に伝達するための遊星歯車アッセンブリ(300)と、ハブ軸(100)に回転可能に外挿され、駆動力を遊星歯車アッセンブリ(300)に提供するための動力入力部材(400)と、遊星歯車アッセンブリ(300)に作用し、駆動力の伝達経路を切り替えるための制御アッセンブリ(500)と、駆動力の伝達経路を切り替えるように制御アッセンブリ(500)に作用する電動変速アッセンブリ(600)と、ハブ(200)内に設置され、駆動力をハブ(200)に提供するための駆動モータ(10)と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブアッセンブリであって、
ハブ軸と、
前記ハブ軸に回転可能に外挿されるハブと、
前記ハブ軸に設けられ、かつ前記ハブ内に配置され、駆動力を前記ハブに伝達するための遊星歯車アッセンブリと、
前記ハブ軸に回転可能に外挿され、駆動力を前記遊星歯車アッセンブリに提供するための動力入力部材と、
前記遊星歯車アッセンブリに作用し、前記駆動力の伝達経路を切り替えるための制御アッセンブリと、
前記駆動力の伝達経路を切り替えるように前記制御アッセンブリに作用する電動変速アッセンブリと、
前記ハブ内に設置され、駆動力を前記ハブに提供するための駆動モータと、を含む、
ことを特徴とするハブアッセンブリ。
【請求項2】
前記ハブ内に装着ベースが設置されており、前記装着ベースに環状室が設置されており、前記電動変速アッセンブリは前記環状室内に設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のハブアッセンブリ。
【請求項3】
前記制御アッセンブリは、
前記ハブ軸に装着されるベース本体と、
前記ベース本体に設置される切り替え部材と、
前記切り替え部材と前記遊星歯車アッセンブリの太陽歯車との係合または分離状態を切り替えるように、前記切り替え部材に作用する制御スリーブと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のハブアッセンブリ。
【請求項4】
前記電動変速アッセンブリは、
制御モータと、
押動部を持ち、かつ前記制御スリーブに接続される制御リングと、
前記制御モータに動かされ、前記押動部に作用して前記制御リングを前記ハブ軸周りに回動させる伝動部材と、を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載のハブアッセンブリ。
【請求項5】
前記伝動部材は、
伝動リングと、
前記伝動リングの外周面に設置される歯部と、
前記制御モータに駆動され、かつ前記歯部と噛み合うウォームギヤ構造と、
前記伝動リングに設置され、前記押動部に作用する押動部材と、を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載のハブアッセンブリ。
【請求項6】
前記伝動リングに装着孔が設置されており、前記装着孔内にばねが設置されており、前記押動部材は前記ばねに接続される、
ことを特徴とする請求項5に記載のハブアッセンブリ。
【請求項7】
前記伝動リングは前記環状室内に内挿され、前記モータ、前記ウォームギヤ構造はともに前記環状室内に配置される、
ことを特徴とする請求項5または6に記載のハブアッセンブリ。
【請求項8】
前記装着ベースに装着されるホールプレートと、
前記伝動リングに設置される位置決め磁石と、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項7に記載のハブアッセンブリ。
【請求項9】
前記動力入力部材は、ハブ軸に第1軸受を介して装着されるフリーホイールマウントと、フリーホイールマウントに装着される伝動ギヤと、を含み、
前記フリーホイールマウントに装着室が設置されており、前記ハブは、前記装着室内に第2軸受を介して装着される、
ことを特徴とする請求項1~6、8のいずれか1項に記載のハブアッセンブリ。
【請求項10】
自転車であって、請求項1~9のいずれか1項に記載のハブアッセンブリを採用する、
ことを特徴とする自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2022年1月19日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202210061317.0であり、発明の名称が「ハブアッセンブリ及び自転車」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が援用されることで本出願に結合される。
[技術分野]
本出願は、自走車両の変速という技術的分野に関し、より具体的に言えば、特にハブアッセンブリに関し、さらに当該ハブアッセンブリを持つ自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車のハブアッセンブリ内に変速機が設置されており、サイクリストに大きな利便性をもたらす。自転車変速機の発展に伴い、自転車の内装変速機は、効率が高く、負荷が強く、防塵、防水等の多くの利点のため、ますますサイクリストの間で人気が高まっている。
【0003】
自転車の内装変速機は、遊星歯車アッセンブリを伝動本体とし、同時に後車輪軸のハブ内に閉鎖して組み立てられたものであり、外装変速機に存在する欠陥を克服し、良好な伝動性能を提供することができる。
【0004】
しかしながら、従来技術における自転車は、一般的に変速機のみで変速し、それに、従来の変速機は、ハンドルに装着されたサムシフターにより内装変速機の制御部材を変速制御させ、操作が比較的に複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本出願は、従来技術と比較すれば、自転車の正確で簡単な変速を実現でき、サイクリングが省力であり、使用者のサイクリング体験を向上させる、ハブアッセンブリ及び自転車を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来技術の課題を解決するために、
【0007】
第1態様によれば、本出願は、
ハブ軸と、
前記ハブ軸に回転可能に外挿されるハブと、
前記ハブ軸に設けられ、かつ前記ハブ内に配置され、駆動力を前記ハブに伝達するための遊星歯車アッセンブリと、
前記ハブ軸に回転可能に外挿され、駆動力を前記遊星歯車アッセンブリに提供するための動力入力部材と、
前記遊星歯車アッセンブリに作用し、前記駆動力の伝達経路を切り替えるための制御アッセンブリと、
前記駆動力の伝達経路を切り替えるように前記制御アッセンブリに作用する電動変速アッセンブリと、
前記ハブ内に設置され、駆動力を前記ハブに提供するための駆動モータと、を含む、
ハブアッセンブリを提供する。
【0008】
好ましくは、前記制御アッセンブリは、
前記ハブ軸に装着されるベース本体と、
前記ベース本体に設置される切り替え部材と、
前記切り替え部材と前記遊星歯車アッセンブリの太陽歯車との係合または分離状態を切り替えるように、前記切り替え部材に作用する制御スリーブと、を含む。
【0009】
好ましくは、前記電動変速アッセンブリは、
制御モータと、
押動部を持ち、かつ前記制御スリーブに接続される制御リングと、
前記制御モータに動かされ、前記押動部に作用して前記制御リングを前記ハブ軸周りに回動させる伝動部材と、を含む。
【0010】
好ましくは、前記伝動部材は、
伝動リングと、
前記伝動リングの外周面に設置される歯部と、
前記制御モータに駆動され、かつ前記歯部と噛み合うウォームギヤ構造と、
前記伝動リングに設置され、前記押動部に作用する押動部材と、を含む。
【0011】
好ましくは、前記伝動リングに装着孔が設置されており、前記装着孔内にばねが設置されており、前記押動部材は前記ばねに接続される。
【0012】
好ましくは、前記伝動リングは前記環状室内に内挿され、前記モータ、前記ウォームギヤ構造はともに前記環状室内に配置される。
【0013】
好ましくは、
前記装着ベースに装着されるホールプレートと、
前記伝動リングに設置される位置決め磁石と、をさらに含む。
【0014】
好ましくは、
前記動力入力部材は、ハブ軸に第1軸受を介して装着されるフリーホイールマウントと、フリーホイールマウントに装着される伝動ギヤと、を含み、
前記フリーホイールマウントに装着室が設置されており、前記ハブは、前記装着室内に第2軸受を介して装着される。
【0015】
第2態様によれば、本出願はさらに、上記のいずれか1項に記載のハブアッセンブリを含む、自転車を提供する。
【0016】
本発明が提供するハブアッセンブリは従来技術と比較すれば、ハブ内に電動変速アッセンブリ及び駆動モータが設置されており、電動変速アッセンブリが、制御アッセンブリに適時に作用して駆動力の伝達経路を切り替えることができ、簡単な操作でシフト位置の切替を実現でき、それに、駆動モータが、ハブに対して駆動力を提供し、ハブの回動をアシストすることができるため、自転車の正確で簡単な変速を実現できるだけでなく、サイクリングが省力であり、使用者のサイクリング体験を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本出願の実施例または従来技術における技術案をより明らかに説明するために、以下は実施例または従来技術の記載にとって必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の記載における図面は本出願のいくつかの実施例のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしない前提で、これらの図面に応じて他の図面を取得し得る。
図1】本発明の実施例が提供するハブアッセンブリの構造模式図である。
図2図1におけるA箇所の拡大模式図である。
図3】本発明の実施例が提供するハブアッセンブリの構造模式図である。
図4】本発明の実施例が提供するハブアッセンブリの立体構造模式図である。
図5】本発明の実施例におけるウォームギヤ及び伝動リングの構造模式図である。
図6】本発明の実施例における押動部材の構造模式図である。
図7】本発明の実施例のウォームギヤ及び伝動リングの別の視角の構造模式図である。
図8】本発明の実施例における装着ベースの構造模式図である。
図9】本発明の実施例における伝動リングの構造模式図である。
図10】本発明の実施例における制御リングの構造模式図である。
図11】本発明の実施例におけるベース本体の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
当業者がよりよく本出願における技術案を理解するために、以下、本出願の実施例における技術案を明確かつ完全に記載する。明らかに、記載した実施例は本出願のすべての実施例ではなく、一部のみである。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わない前提で得られるすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0019】
素子が別の素子に「固定される」、または「設置される」と呼ばれる場合、直接に別の素子にある、または、間接に別の素子に設置されることが可能であり、1つの素子が別の素子に「接続される」と呼ばれる場合、直接に別の素子に接続される、または、間接に別の素子に接続されることが可能であるのに注意すべきである。
【0020】
用語「長さ」、「幅」、「上」、下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」などが指示する方位又は位置関係は図面に基づいて示された方位又は位置関係であり、単に本出願の記載及び記載の簡略化の便宜上のものであり、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示したり暗示したりすることを意図するものではなく、従って、本出願を制限するものと理解されるべきではないことを理解する必要がある。
【0021】
さらに、用語「第1」および「第2」は、目的の記載だけで使用されており、相対的な重要性を意味または示唆するもの、または、指示する技術的特徴の数を非明示的に指明するものと理解されるべきではない。以上より、「第1」、「第2」が限定されている特徴は、1つまたはより複数の当該特徴を明示、または非明示的に含むことができる。本出願の記載において、「複数」、「若干」の意味は、別の明確で具体的な限定がない限り、2つ、または2つ以上である。
【0022】
尚、本明細書の図面で表される構造、割合、サイズなどは、いずれも、明細書に開示されている内容に合わせて当業者に理解と読解をさせるためだけのものであり、本出願が実施される限定条件を限定するためのものではないので、技術的に実質的な意味がなく、いずれの構造の修飾、割合関係の変化またはサイズの調整も、本出願により生じる効果および達成される目的に影響を及ぼさない限り、本出願に開示されている技術内容の範囲内に含まれる。
【0023】
本実施例は、漸進的な方式で記述される。
【0024】
図1図11に示すように、本発明の実施例は、ハブ軸100と、ハブ軸100に回転可能に外挿されるハブ200と、ハブ軸100に設けられ、かつハブ200内に配置され、駆動力をハブ200に伝達するための遊星歯車アッセンブリ300と、ハブ軸100に回転可能に外挿され、駆動力を遊星歯車アッセンブリ300に提供するための動力入力部材400と、遊星歯車アッセンブリ300に作用し、駆動力の伝達経路を切り替えるための制御アッセンブリ500と、駆動力の伝達経路を切り替えるように制御アッセンブリ500に作用する電動変速アッセンブリ600と、ハブ200内に設置される、駆動力をハブ200に提供するための駆動モータ10と、を含む、ハブアッセンブリを提供する。
【0025】
本発明が提供するハブアッセンブリは従来技術と比較すれば、電動変速アッセンブリ600及び駆動モータ10が設置されており、電動変速アッセンブリ600が、制御アッセンブリ600に適時に作用して駆動力の伝達経路を切り替えることができ、簡単な操作でシフト位置の切替を実現でき、駆動モータ10が、駆動力をハブ200に提供し、ハブ200の回動をアシストすることができるため、自転車の正確で簡単な変速を実現できるだけでなく、サイクリストがサイクリングの過程中により省力であり、使用者のサイクリング体験を向上させる。
【0026】
好ましい実施形態として、トルクセンサ及び/または速度センサ及び/またはジャイロを設置することができ、電動変速アッセンブリ600または駆動モータ10は、トルクセンサ及び/または速度センサ及び/またはジャイロが監視した信号に応じて変速機の自動変速、または駆動モータ10の自動アシストを実現することができる。当該構造を採用すれば、サイクリストが変速操作を行う必要がなくなり、サイクリストのサイクリング体験をさらに向上させることができる。
【0027】
本発明の実施例におけるハブ軸100は、自転車のフレームに固定装着される。
【0028】
本発明の実施例におけるハブ200は、ハブ軸100に対して回動可能であり、スポークを装着することができ、ハブ200が回動すると、自転車の車輪が回動し、それに、ハブ200の回転数が自転車の車輪の回転数と一致する。
【0029】
本実施例における遊星歯車アッセンブリ300は、ハブ軸100周りに回動可能な太陽歯車310と、太陽歯車310と噛み合う遊星歯車320と、遊星歯車320と噛み合うリングギヤ330と、遊星歯車320を保持するための遊星キャリア340と、を含む。リングギヤ330はハブ200に固定される。遊星歯車アッセンブリ300は、駆動力が異なる経路によって伝達されることを実現するように、2組以上設置されている。
【0030】
本実施例における動力入力部材400は、フリーホイールマウント410と、フリーホイール420とを含む。フリーホイール420は、フリーホイールマウント410に固定装着され、フリーホイールマウント410は、ハブ軸100に第1軸受411を介して装着される。フリーホイール420は、力を受けて回動してフリーホイールマウント410を回動させる。フリーホイールマウント410とリングギヤ330との間にワンウェイクラッチまたはクリック機構430を設置することにより、フリーホイールマウント410の回転数がリングギヤ330の回転数よりも大きい場合、駆動力は、フリーホイールマウント410を介してワンウェイクラッチまたはクリック機構430を経てリングギヤ330に伝達され、フリーホイールマウント410の回転数がリングギヤ330の回転数よりも小さい場合、駆動力は、フリーホイールマウント410を介して直接にリングギヤ330に伝達されなくなるが、遊星歯車アッセンブリ300によって変速されたあとにリングギヤ330に伝達される。フリーホイールマウント410は遊星キャリア340に固定接続され、フリーホイールマウント410が回動すると同時に、遊星キャリア340を回動させる。
【0031】
本発明の実施例において、フリーホイールマウント410に装着室412が設置されており、ハブ200は、フリーホイール420に近い端が装着室412内に配置され、第2軸受413を介して装着室412内に装着される。このように設置すると、リングギヤ330、ワンウェイクラッチまたはクリック機構430、フリーホイールマウント410、第2軸受413の係合部が基本的に1つの縦断面にあることができ、内装変速機の幅を極めて小さくし、その構造をよりコンパクトにさせ、自転車フレームのオーバーロックナット寸法を小さくする。
【0032】
本発明の実施例における制御アッセンブリ500は、ハブ軸100に装着されるベース本体510と、ベース本体510に設置される切り替え部材520と、切り替え部材520と遊星歯車アッセンブリ300の太陽歯車310との係合または分離状態を切り替えるように、切り替え部材520に作用する制御スリーブ530と、を含む。
【0033】
ベース本体510に第1溝、第2溝が設置されており、切り替え部材520は、一端が第1溝内に置かれ、トーションばねの作用により、切り替え部材520の他端が太陽歯車310の内周面と係合し、太陽歯車310をロックすることにより、太陽歯車310を回動させない。制御スリーブ530が回動する場合、制御スリーブ530は切り替え部材520に作用し、切り替え部材520の他端を第2溝内に押圧し、この場合、切り替え部材520と太陽歯車310とは分離状態にあり、太陽歯車310は回動できる。切り替え部材520は複数あり、その数が太陽歯車にマッチングし、制御スリーブ530の回動により、複数の切り替え部材520は、係合状態、分離状態で切り替えられる。
【0034】
ベース本体510は、ハブ軸100にキーまたは平坦位置の方式で固定されることができ、これにより、ベース本体510は、ハブ軸100に対して回動することがない。
【0035】
本発明の実施例における電動変速アッセンブリ600は、装着される制御モータ610と、押動部621を持ち、かつ制御スリーブ530に接続される制御リング620と、制御モータ610に動かされ、押動部621に作用して制御リング620をハブ軸100周りに回動させる伝動部材630と、を含む。
【0036】
トルクセンサ及び/または速度センサ及び/またはジャイロの監視した信号が制御モータ610に伝達される場合、制御モータ610は運転し、伝動部材630に作用し、伝動部材630を介して押動部621に作用することにより、制御リング620を回動させ、制御リング620が制御スリーブ530に接続されるため、制御スリーブ530が回動し、切り替え部材520の状態を切り替えることで、駆動力の伝達経路を変更する。
【0037】
好ましくは、伝動部材630は、伝動リング631と、伝動リング631の外周面に設置される歯部632と、制御モータ610に駆動され、かつ歯部632と噛み合うウォームギヤ構造633と、伝動リング631に設置され、押動部621に作用する押動部材634と、を含む。
【0038】
制御モータ610はウォームギヤ構造633を動かすことで歯部632に作用し、歯部632がウォームギヤ構造633と噛み合うため、伝動リング631が回動し、これにより、押動部材634が押動部621を押動することで、制御リング620を回動させ、制御スリーブ530の回動が実現する。
【0039】
好ましくは、伝動リング631に装着孔635が設置されており、装着孔635内にばね636が設置されており、押動部材634はばね636に接続される。押動部材634は、一端がばね636と接触し、一端が押動部621と接触することにより、ばね636は圧縮状態にある。ばね636を設置することにより、伝動リング631と押動部621との間に緩衝があり、モータに対して保護の役割を果たすことができる。
【0040】
本発明の実施例が提供するハブアッセンブリは、ハブ軸100に装着される装着ベース640をさらに含み、電動変速アッセンブリ600は、装着ベース640に装着される。
【0041】
具体的には、装着ベース640に、環状室641に設置され、伝動リング632は環状室641内に内挿され、制御モータ610、ウォームギヤ構造633はともに環状室641内に配置される。当該構造を採用すれば、ハブアッセンブリの軸方向の空間を節約することができ、ハブアッセンブリの幅をより合理的にさせ、自転車フレームのオーバーロックナット寸法を小さくすることができる。
【0042】
本発明の実施例が提供するハブアッセンブリは、装着ベース640に装着されるホールプレート642と、伝動リング631に設置される位置決め磁石643と、をさらに含む。シフトする場合、伝動リング631が回動し、伝動リング631にある位置決め磁石643がそれに伴い回動し、所望の位置に回動した後、ホールプレート642が位置決め磁石643に対応し、このように、シフトがより正確であることを保証できる。
【0043】
本発明の実施例はさらに、上記のいずれか1項に記載のハブアッセンブリを含む自転車を提供する。
【0044】
開示された実施例に対する上記説明により、当業者は本発明を実現または使用することを可能にする。これらの実施例に対する様々な補正は当業者にとって自明であり、本文において定義された一般原理は、本発明の精神または範囲を逸脱することなく、他の実施例に実現することができる。したがって、本発明は、本文に示されたこれらの実施例に限定されず、本文に開示された原理および新規特徴点と一致する最も広い範囲にまで及ぶ。
【符号の説明】
【0045】
10・・・駆動モータ;
100・・・ハブ軸;
200・・・ハブ;
300・・・遊星歯車アッセンブリ;
310・・・太陽歯車;
320・・・遊星歯車;
330・・・リングギヤ;
340・・・遊星キャリア;
400・・・動力入力部材;
410・・・フリーホイールマウント;
411・・・第1軸受;
412・・・装着室;
413・・・第2軸受;
420・・・フリーホイール;
430・・・ワンウェイクラッチまたはクリック機構;
500・・・制御アッセンブリ;
510・・・ベース本体;
520・・・切り替え部材;
530・・・制御スリーブ;
600・・・電動変速アッセンブリ;
610・・・制御モータ;
620・・・制御リング;
621・・・押動部;
630・・・伝動部材;
631・・・伝動リング;
632・・・歯部;
633・・・ウォームギヤ構造;
634・・・押動部材;
635・・・装着孔;
636・・・ばね;
640・・・装着ベース;
641・・・環状室;
642・・・ホールプレート;
643・・・位置決め磁石。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブアッセンブリであって、
ハブ軸と、
前記ハブ軸に回転可能に外挿されるハブと、
前記ハブ軸に設けられ、かつ前記ハブ内に配置され、駆動力を前記ハブに伝達するための遊星歯車アッセンブリと、
前記ハブ軸に回転可能に外挿され、駆動力を前記遊星歯車アッセンブリに提供するための動力入力部材と、
前記遊星歯車アッセンブリに作用し、前記駆動力の伝達経路を切り替えるための制御アッセンブリと、
前記駆動力の伝達経路を切り替えるように前記制御アッセンブリに作用する電動変速アッセンブリと、
前記ハブ内に設置され、駆動力を前記ハブに提供するための駆動モータと、を含む、
ことを特徴とするハブアッセンブリ。
【請求項2】
前記ハブ内に装着ベースが設置されており、前記装着ベースに環状室が設置されており、前記電動変速アッセンブリは前記環状室内に設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のハブアッセンブリ。
【請求項3】
前記制御アッセンブリは、
前記ハブ軸に装着されるベース本体と、
前記ベース本体に設置される切り替え部材と、
前記切り替え部材と前記遊星歯車アッセンブリの太陽歯車との係合または分離状態を切り替えるように、前記切り替え部材に作用する制御スリーブと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のハブアッセンブリ。
【請求項4】
前記電動変速アッセンブリは、
制御モータと、
押動部を持ち、かつ前記制御スリーブに接続される制御リングと、
前記制御モータに動かされ、前記押動部に作用して前記制御リングを前記ハブ軸周りに回動させる伝動部材と、を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載のハブアッセンブリ。
【請求項5】
前記伝動部材は、
伝動リングと、
前記伝動リングの外周面に設置される歯部と、
前記制御モータに駆動され、かつ前記歯部と噛み合うウォームギヤ構造と、
前記伝動リングに設置され、前記押動部に作用する押動部材と、を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載のハブアッセンブリ。
【請求項6】
前記伝動リングに装着孔が設置されており、前記装着孔内にばねが設置されており、前記押動部材は前記ばねに接続される、
ことを特徴とする請求項5に記載のハブアッセンブリ。
【請求項7】
前記ハブ内に装着ベースが設置されており、前記装着ベースに環状室が設置されており、前記伝動リングは前記環状室内に内挿され、前記制御モータ、前記ウォームギヤ構造はともに前記環状室内に配置される、
ことを特徴とする請求項5または6に記載のハブアッセンブリ。
【請求項8】
前記装着ベースに装着されるホールプレートと、
前記伝動リングに設置される位置決め磁石と、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項7に記載のハブアッセンブリ。
【請求項9】
前記動力入力部材は、ハブ軸に第1軸受を介して装着されるフリーホイールマウントと、フリーホイールマウントに装着される伝動ギヤと、を含み、
前記フリーホイールマウントに装着室が設置されており、前記ハブは、前記装着室内に第2軸受を介して装着される、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のハブアッセンブリ。
【請求項10】
自転車であって、請求項1~のいずれか1項に記載のハブアッセンブリを採用する、
ことを特徴とする自転車。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
好ましくは、前記ハブ内に装着ベースが設置されており、前記装着ベースに環状室が設置されており、前記伝動リングは前記環状室内に内挿され、前記制御モータ、前記ウォームギヤ構造はともに前記環状室内に配置される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
好ましくは、伝動リング631に装着孔635が設置されており、装着孔635内にばね636が設置されており、押動部材634はばね636に接続される。押動部材634は、一端がばね636と接触し、一端が押動部621と接触することにより、ばね636は圧縮状態にある。ばね636を設置することにより、伝動リング631と押動部621との間に緩衝があり、制御モータに対して保護の役割を果たすことができる。
【国際調査報告】