(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】パルス監視方法、装置、機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
A61B18/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514033
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 CN2022115891
(87)【国際公開番号】W WO2023030331
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202111020857.6
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524044773
【氏名又は名称】杭州維納安可医療科技有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】衷 興華
(72)【発明者】
【氏名】汪 龍
(72)【発明者】
【氏名】楊 克
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK22
4C160KK24
4C160KK62
4C160KK63
(57)【要約】
本出願の実施例には、パルス監視方法、装置、機器及び記憶媒体が提供されている。該パルス監視方法は、ターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力することと、第二パルス列がターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得することと、フィードバック信号に基づいて、第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定することと、第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、第一パルス列の出力を停止することと、を含み、第二パルス列の電圧は第一パルス列の電圧よりも低く、第一パルス列はターゲット生物組織をアブレートすることに用いられる。本出願の実施例には、パルスアブレーションプロセス中に、フィードバック信号に基づいてターゲット生物組織のアブレーション状態を決定して、パルスアブレーションプロセス中におけるターゲット生物組織のアブレーション状況を実時間で監視するとともに、生物組織のアブレーション状況に応じて、パルスアブレーションの進行をガイドすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス監視方法であって、
ターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力することと、
前記第二パルス列が前記ターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得することと、
前記フィードバック信号に基づいて、前記第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定することと、
前記第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、前記第一パルス列の出力を停止することと、を含み、
前記第二パルス列の電圧は前記第一パルス列の電圧よりも低く、前記第一パルス列は前記ターゲット生物組織をアブレートすることに用いられる、
パルス監視方法。
【請求項2】
前記ターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力することは、
前記ターゲット生物組織に、第一設計数の第一パルス列と、第二設計数の第二パルス列とを交互に連続して出力することを含む、請求項1に記載のパルス監視方法。
【請求項3】
前記第一パルス列が少なくとも一種類のパルスを含み、前記第二パルス列が少なくとも一種類のパルスを含む、請求項1又は2に記載のパルス監視方法。
【請求項4】
前記第一パルス列がナノ秒パルスを含むか、又はナノ秒パルス及びマイクロ秒パルスを含み、前記第二パルス列がマイクロ秒パルスを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のパルス監視方法。
【請求項5】
前記第一パルス列の電圧が500ボルト超、且つ、15キロボルト以下であり、及び/又は前記第二パルス列の電圧が500ボルト以下である、請求項4に記載のパルス監視方法。
【請求項6】
前記第二パルス列が前記ターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得することは、
前記第二パルス列が前記ターゲット生物組織に出力された後、前記ターゲット生物組織に対応するフィードバック回路の実時間電圧及び実時間電流を取得することを含み、
前記フィードバック信号に基づいて、前記第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定することは、
前記フィードバック回路の実時間電圧及び実時間電流に基づいて、前記ターゲット生物組織の実時間抵抗値を決定することと、
前記実時間抵抗値が設計抵抗値未満であるか否かを決定すること、又は、前記実時間抵抗値を表示し、前記第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったかどうかを決定することと、を含み、
前記第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、前記第一パルス列の出力を停止することは、
前記実時間抵抗値が設計抵抗値未満であると決定したとき、前記第一パルス列の出力を停止すること、又は、前記第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったと決定したとき、前記第一パルス列の出力を停止することを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のパルス監視方法。
【請求項7】
前記実時間抵抗値を表示することは、
実時間抵抗値曲線を表示すること、及び、
前記実時間抵抗値を前記ターゲット生物組織の生物指標情報と対応させて表示すること、のうちの少なくとも1つを含み、
前記実時間抵抗値曲線は、設計時間区間における少なくとも2つの前記実時間抵抗値を含み、前記生物指標情報は、心拍数、血圧、及び血中酸素濃度の少なくとも1つを含む、請求項6に記載のパルス監視方法。
【請求項8】
前記実時間抵抗値を表示し、前記第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったかどうかを決定することは、
前記ターゲット生物組織の生物指標情報が設計閾値よりも大きくなったとき、アラーム指示を発すること、及び、
アラーム情報を受け取ったとき、前記第一パルス列に対しての終了指令を出力すること、を含み、
前記アラーム指示は、アラーム音を発すること及び/又はアラーム情報を出力することを含む、
請求項6又は7に記載のパルス監視方法。
【請求項9】
パルス監視装置であって、
ターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力するためのパルス出力モジュールと、
前記第二パルス列が前記ターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得するための取得モジュールと、
前記フィードバック信号に基づいて、前記第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定して、前記第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、前記第一パルス列の出力を停止するための処理モジュールと、を含み、
前記第二パルス列の電圧は前記第一パルス列の電圧よりも低く、前記第一パルス列は前記ターゲット生物組織をアブレートすることに用いられる、パルス監視装置。
【請求項10】
パルス監視機器であって、
パルス発生回路と、制御ユニットと、監視ユニットとを含み、
前記制御ユニットは、前記パルス発生回路に通信接続されており、前記パルス発生回路がターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力させるように制御することと、前記監視ユニットから転送されたフィードバック信号に基づき、前記第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定することと、前記第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、前記パルス発生回路へ前記第一パルス列に対しての終了指令を出力することとに用いられ、
前記監視ユニットは、前記制御ユニットに通信接続されており、前記第二パルス列が前記ターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得して、前記フィードバック信号を前記制御ユニットに出力することに用いられ、
前記第一パルス列の電圧は前記第二パルス列の電圧よりも高く、前記第一パルス列は前記ターゲット生物組織をアブレートすることに用いられる、
パルス監視機器。
【請求項11】
前記パルス発生回路は、第一パルス列を出力するための第一パルス発生回路と、第二パルス列を出力するための第二パルス発生回路とを含み、
前記第一パルス発生回路と前記第二パルス発生回路とは、同一の回路基板上に集積されている、請求項10に記載のパルス監視機器。
【請求項12】
前記第一パルス発生回路には、電気的に順に接続された少なくとも1段階の第一パルス発生ユニットが含まれ、
前記第一パルス発生ユニットは、前記制御ユニットに電気的に接続され、前記制御ユニットの制御下でオンになり、前記第一パルス列を前記ターゲット生物組織に出力することに用いられる、請求項11に記載のパルス監視機器。
【請求項13】
少なくとも1段階の第一パルス発生ユニットの各段階には、第一キャパシタ、第一スイッチ部品、及び第一ダイオードが含まれ、前記第一キャパシタの第一端は前記第一スイッチ部品の第一端に電気的に接続され、前記第一ダイオードの正極と負極は、それぞれ前記第一キャパシタの第二端及び前記第一スイッチ部品の第二端に電気的に接続され、前記第一スイッチ部品の制御端は前記制御ユニットに電気的に接続される、
請求項12に記載のパルス監視機器。
【請求項14】
前記第一パルス発生回路には、少なくとも1つの第二ダイオードが含まれ、少なくとも1段階の第一パルス発生ユニット内の1段階目の第一パルス発生回路の第一キャパシタの第一端は、少なくとも1つの第二ダイオードを介して第一電源に電気的に接続される、請求項13に記載のパルス監視機器。
【請求項15】
前記第一パルス発生回路には、少なくとも1つの第三ダイオードがさらに含まれ、前記第三ダイオードの陽極と陰極はそれぞれ、隣接する2つの前記第一パルス発生ユニットに電気的に接続される、請求項12から14のいずれか一項に記載のパルス監視機器。
【請求項16】
前記第二パルス発生回路には、電気的に順に接続された少なくとも1段階の第二パルス発生ユニットが含まれ、
前記第二パルス発生ユニットは、前記制御ユニットに電気的に接続され、前記制御ユニットの制御下でオンになり、前記第二パルス列を前記ターゲット生物組織に出力することに用いられる、請求項11から15のいずれか一項に記載のパルス監視機器。
【請求項17】
前記第二パルス発生ユニットには、第二キャパシタ、第二スイッチ部品、及び第四ダイオードが含まれ、前記第二キャパシタの第一端は前記第二スイッチ部品の第一端に電気的に接続され、前記第四ダイオードの正極と負極は、それぞれ前記第二キャパシタの第二端及び前記第二スイッチ部品の第二端に電気的に接続され、前記第二スイッチ部品の制御端は前記制御ユニットに電気的に接続される、
請求項16に記載のパルス監視機器。
【請求項18】
前記パルス監視機器には、表示ユニットがさらに含まれ、前記表示ユニットは、前記制御ユニットに通信接続され、前記表示ユニットは、実時間抵抗値、実時間抵抗値曲線及び生物指標情報のうちの少なくとも1つを表示することに用いられる、請求項10から17のいずれか一項に記載のパルス監視機器。
【請求項19】
前記パルス監視機器には、アラームユニットがさらに含まれ、前記アラームユニットは、前記制御ユニットに通信接続され、前記アラームユニットは、前記ターゲット生物組織の生物指標情報が設計閾値よりも大きくなったとき、アラーム指示を発することに用いられる、請求項10から18のいずれか一項に記載のパルス監視機器。
【請求項20】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、パルス監視機器によって実行されるとき、請求項1から8のいずれか一項に記載のパルス監視方法を実現する、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、医療機器技術分野に関し、特に、パルス監視方法、装置、機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
パルスアブレーションは、腫瘍アブレーション、心臓組織のアブレーション、増殖組織のアブレーションなど、様々な臨床的疾患への応用が可能な新しい生物組織のアブレーション技術である。
【0003】
現在のところ、パルスアブレーションの過程においてターゲット生物組織に対するアブレーションの効果を実時間で監視・評価する方法は実現されておらず、その結果、ターゲット生物組織の状態変化に応じて、アブレーションの進行をガイドすることができない状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願には、従来方式の欠点に着目して、生物組織の変化状態に応じてパルスアブレーションの進行をガイドすることができないという従来技術に存在している技術的問題を解決するためのパルス監視方法、装置、機器及び記憶媒体が提供されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一の態様において、本出願には、パルス監視方法であって、
ターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力することと、
第二パルス列がターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得することと、
フィードバック信号に基づいて、第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定することと、
第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、第一パルス列の出力を停止することと、を含み、
第二パルス列の電圧は第一パルス列の電圧よりも低く、第一パルス列はターゲット生物組織をアブレートすることに用いられる、パルス監視方法が提供されている。
【0006】
1つの可能な実現形態において、ターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力することは、
ターゲット生物組織に、第一設計数の第一パルス列と、第二設計数の第二パルス列とを交互に連続して出力することを含む。
【0007】
1つの可能な実現形態において、第一パルス列が少なくとも一種類のパルスを含み、第二パルス列が少なくとも一種類のパルスを含む。
【0008】
1つの可能な実現形態において、第一パルス列がナノ秒パルスを含むか、又はナノ秒パルス及びマイクロ秒パルスを含み、第二パルス列がマイクロ秒パルスを含む。
【0009】
1つの可能な実現形態において、第一パルス列の電圧が500ボルト超、且つ、15キロボルト以下であり、及び/又は第二パルス列の電圧が500ボルト以下である。
【0010】
1つの可能な実現形態において、第二パルス列が前記ターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得することは、
第二パルス列がターゲット生物組織に出力された後、ターゲット生物組織に対応するフィードバック回路の実時間電圧及び実時間電流を取得することを含み、
フィードバック信号に基づいて、第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定することは、
フィードバック回路の実時間電圧及び実時間電流に基づいて、ターゲット生物組織の実時間抵抗値を決定することと、
実時間抵抗値が設計抵抗値未満であるか否かを決定すること、又は、実時間抵抗値を表示し、第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったかどうかを決定することと、を含み、
第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、第一パルス列の出力を停止することは、
実時間抵抗値が設計抵抗値未満であると決定したとき、第一パルス列の出力を停止すること、又は、第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったと決定したとき、第一パルス列の出力を停止することを含む。
【0011】
1つの可能な実現形態において、実時間抵抗値を表示することは、
実時間抵抗値曲線を表示すること、及び、
実時間抵抗値をターゲット生物組織の生物指標情報と対応させて表示すること、のうちの少なくとも1つを含み、
実時間抵抗値曲線は、設計時間区間における少なくとも2つの実時間抵抗値を含み、生物指標情報は、心拍数、血圧、及び血中酸素濃度の少なくとも1つを含む。
【0012】
1つの可能な実現形態において、実時間抵抗値を表示し、第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったかどうかを決定することは、
ターゲット生物組織の生物指標情報が設計閾値よりも大きくなったとき、アラーム指示を発すること、及び、
アラーム情報を受け取ったとき、第一パルス列に対しての終了指令を出力すること、を含み、
前記アラーム指示は、アラーム音を発すること及び/又はアラーム情報を出力することを含む。
【0013】
第二の態様において、本出願には、パルス監視装置であって、
ターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力するためのパルス出力モジュールと、
第二パルス列がターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得するための取得モジュールと、
フィードバック信号に基づいて、第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定して、第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、第一パルス列の出力を停止するための処理モジュールと、を含み、
第二パルス列の電圧は第一パルス列の電圧よりも低く、第一パルス列はターゲット生物組織をアブレートすることに用いられる、パルス監視装置が提供されている。
【0014】
第三の態様において、本出願には、パルス監視機器であって、
パルス発生回路と、制御ユニットと、監視ユニットとを含み、
制御ユニットは、パルス発生回路に通信接続されており、パルス発生回路がターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力させるように制御することと、監視ユニットから転送されたフィードバック信号に基づき、第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定することと、第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、パルス発生回路へ第一パルス列に対しての終了指令を出力することとに用いられ、
前記監視ユニットは、前記制御ユニットに通信接続されており、前記第二パルス列が前記ターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得して、前記フィードバック信号を前記制御ユニットに出力することに用いられ、
第一パルス列の電圧は第二パルス列の電圧よりも高く、第一パルス列はターゲット生物組織をアブレートすることに用いられる、
パルス監視機器が提供されている。
【0015】
1つの可能な実現形態において、パルス発生回路は、第一パルス列を出力するための第一パルス発生回路と、第二パルス列を出力するための第二パルス発生回路とを含み、
第一パルス発生回路と第二パルス発生回路とは、同一の回路基板上に集積されている。
【0016】
1つの可能な実現形態において、第一パルス発生回路には、電気的に順に接続された少なくとも1段階の第一パルス発生ユニットが含まれ、
第一パルス発生ユニットは、制御ユニットに電気的に接続され、制御ユニットの制御下でオンになり、第一パルス列をターゲット生物組織に出力することに用いられる。
【0017】
1つの可能な実現形態において、少なくとも1段階の第一パルス発生ユニットの各段階には、第一キャパシタ、第一スイッチ部品、及び第一ダイオードが含まれ、第一キャパシタの第一端は第一スイッチ部品の第一端に電気的に接続され、第一ダイオードの正極と負極は、それぞれ第一キャパシタの第二端及び第一スイッチ部品の第二端に電気的に接続され、第一スイッチ部品の制御端は制御ユニットに電気的に接続される。
【0018】
1つの可能な実現形態において、第一パルス発生回路には、少なくとも1つの第二ダイオードが含まれ、少なくとも1段階の第一パルス発生ユニット内の1段階目の第一パルス発生回路の第一キャパシタの第一端は、少なくとも1つの第二ダイオードを介して第一電源に電気的に接続される。
【0019】
1つの可能な実現形態において、第一パルス発生回路には、少なくとも1つの第三ダイオードがさらに含まれ、第三ダイオードの陽極と陰極はそれぞれ、隣接する2つの第一パルス発生ユニットに電気的に接続される。
【0020】
1つの可能な実現形態において、第二パルス発生回路には、電気的に順に接続された少なくとも1段階の第二パルス発生ユニットが含まれ、
第二パルス発生ユニットは、制御ユニットに電気的に接続され、制御ユニットの制御下でオンになり、第二パルス列をターゲット生物組織に出力することに用いられる。
【0021】
1つの可能な実現形態において、第二パルス発生ユニットには、第二キャパシタ、第二スイッチ部品、及び第四ダイオードが含まれ、第二キャパシタの第一端は第二スイッチ部品の第一端に電気的に接続され、第四ダイオードの正極と負極は、それぞれ第二キャパシタの第二端及び第二スイッチ部品の第二端に電気的に接続され、第二スイッチ部品の制御端は制御ユニットに電気的に接続される。
【0022】
1つの可能な実現形態において、パルス監視機器には、表示ユニットがさらに含まれ、表示ユニットは、制御ユニットに通信接続され、表示ユニットは、実時間抵抗値、実時間抵抗値曲線及び生物指標情報のうちの少なくとも1つを表示することに用いられる。
【0023】
1つの可能な実現形態において、パルス監視機器には、アラームユニットがさらに含まれ、アラームユニットは、制御ユニットに通信接続され、アラームユニットは、ターゲット生物組織の生物指標情報が設計閾値よりも大きくなったとき、アラーム指示を発することに用いられる。
【0024】
第五の態様において、本出願には、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、該コンピュータプログラムは、パルス監視機器によって実行されるとき、第一の態様のパルス監視方法を実現する、コンピュータ可読記憶媒体が提供されている。
【発明の効果】
【0025】
本出願の実施例の提供する技術案によりもたらす有益な技術的効果は、少なくとも以下を含む。
【0026】
本出願の実施例に係るパルス監視方法において、ターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力し、第二パルス列がターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号に基づいて、第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定することができる。すなわち、パルスアブレーションプロセス中に、フィードバック信号に基づいてターゲット生物組織のアブレーション状態を決定し、パルスアブレーションプロセス中におけるターゲット生物組織の変化を実時間で監視することができる。第一パルス列の終了条件が満たされていると決定された場合、第一パルス列の出力を停止する。すなわち、本出願の実施例は、生物組織の変化状況に応じてパルスアブレーションの進行をガイドすることができ、パルスアブレーションの効果が達成されたと決定された後、生物組織アブレーション用の第一パルス列の出力を停止することにより、ターゲット生物組織のアブレーション状況に応じたパルスアブレーションの進行ガイドを実現する。
【0027】
本出願の添付の態様及び利点は以下の説明で部分的に与えられ、これらは以下の説明から明らかになるか、又は本出願の実行を通じて理解されることになる。
【0028】
本出願における上述及び/又は追加の態様と利点は、以下で実施例に関して図を併せて説明することから明らかで理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本出願の実施例に係るパルス監視機器の構造の模式図である。
【
図2】本出願の実施例に係る別のパルス監視機器の構造の模式図である。
【
図3】本出願の実施例に係るパルス監視機器の回路構造の模式図である。
【
図4】本出願の実施例に係るパルス監視方法のフローを示す模式図である。
【
図5】本出願の実施例に係るパルス列の出力波形を示す図である。
【
図6】本出願の実施例に係るパルス監視装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本出願について以下に詳細を記述する。実施例の実施例は添付図面に示され、図面全体を通じて同一又は類似の部品又は同一又は類似の機能を有する部品が同一又は類似の参照符号で表される。また、既知の技術に関する詳細な説明が、本出願の特徴を示す上で不必要である場合は省略される。以下、添付図面を参照して説明される実施例は例示的なものであり、本出願の解釈のみに用いられ、本出願の解釈に対しての制限として解釈されるべきではない。
【0031】
当業者なら理解できるように、特別な定義が与えられていない限り、ここで使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)には、本出願の属する分野の一般的な技術者の通常理解と同等の意味がある。さらに、一般的な辞書に定義されているような用語は、従来の技術文脈内での意味と整合性を持つ意味で解釈されるべきであり、ここでの特別な定義が施されているような場合でない限り、理想化されたあるいは過度に形式的な意味で解釈されるべきではない。
【0032】
当業者は、特に明示されていない限り、ここで使用される単数形「1つ」、「1個」、「前記」及び「当該」も、複数形を含むことができることを理解すべきである。さらに、本出願の明細書で「含む」という表現は、述べられた特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は部品が存在することを指すが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、部品及び/又はそれらのグループの存在や追加を排除するものではないと理解されるべきである。ある要素が「接続される」又は「結合される」と言われると、それは直接他の要素に接続される又は結合されることも、中間要素が存在することも可能である。また、ここで使用される「接続」又は「結合」には無線接続又は無線結合も含んでもよい。そして、ここで使用される「及び/又は」という表現には、列挙された、お互いに関連した少なくとも1つの項目のうちの全部のユニット、いずれか1つのユニット、もしくはそのすべての組み合わせも含まれる。
【0033】
本出願の発明者は研究を通じて、従来のパルスアブレーションプロセスにおいて、パルスアブレーションの効果に対する実時間の監視評価を行うことが考慮されていなかったため、アブレーションプロセス中の生物組織の変化状況を取得することができず、その結果、パルスアブレーションの進行を正確にガイドするための根拠がなかったことを発見した。
【0034】
さらに、本出願の発明者は、従来のパルスアブレーション技術は主に病巣の定位に焦点を当てており、パルスアブレーションプロセスを実時間で監視できる方法や技術はまだ開示されていないことも認識した。さらに、従来のパルス発生装置では、監視機能を実現するためには、別途他の監視機器や独立したモジュールを装備する必要がある。従って、パルスアブレーションの監視を実現するには、さらなる探究が必要である。
【0035】
本出願により提供されるパルス監視方法、装置、機器及び記憶媒体は、従来技術の上記のような技術的問題を解決することを目的としている。
【0036】
以下に具体的な実施例によって、本出願の技術的解決策とその解決策が上述の技術的問題をどのように解決するかについて詳細に説明する。
【0037】
本出願の実施例には、パルス監視機器10が提供されている。
図1に示すように、該パルス監視機器10は、パルス発生回路100と、制御ユニット200と、監視ユニット300とを含む。
【0038】
制御ユニット200は、前記パルス発生回路100に通信接続されており、パルス発生回路100がターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力させるように制御することと、監視ユニット300から転送されたフィードバック信号に基づき、第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定することと、第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、パルス発生回路100へ第一パルス列に対しての終了指令を出力することとに用いられ、
監視ユニット300は、制御ユニット200に通信接続されており、第二パルス列がターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得して、フィードバック信号を制御ユニット200に出力することに用いられ、
第一パルス列の電圧は第二パルス列の電圧よりも高く、第一パルス列はターゲット生物組織をアブレートすることに用いられる。
【0039】
本出願の実施例に係るパルス監視機器10のパルス発生回路100は、制御ユニット200の制御下で、ターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力することができ、制御ユニット200は、監視ユニット300からのフィードバック信号に基づいて第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定する。すなわち、パルスアブレーションが進んでいる過程で、制御ユニット200はフィードバック信号に基づいてターゲット生物組織のアブレーション状況を確認し、アブレーションプロセス中のターゲット生物組織のアブレーション状況を実時間で監視することができる。
【0040】
本出願の実施例に係る制御ユニット200は生物組織の変化状況に応じてパルスアブレーションの進行をガイドでき、パルスアブレーションの効果が達成されたと決定した後に、第一パルス列に対しての終了指令を出力することで、制御ユニット200は、パルス発生回路100が生物組織アブレーション用の第一パルス列の出力を停止させるように制御して、生物組織の変化状況に応じたパルスアブレーションの進行ガイドを実現する。
【0041】
本出願の実施例に係るパルス監視機器10は、パルスアブレーション及び監視の2つの機能を1つの機器に集積しており、別途他の監視機器や独立したモジュールを追加で装備する必要がなく、使用や操作が便利である。
【0042】
選択的に、ターゲット生物組織には、人体のアブレートすべき部分が含まれる。
【0043】
選択的に、
図2に示すように、パルス監視機器10は、制御ユニット200に通信接続されている、実時間抵抗値を表示するための表示ユニット400をさらに含む。
【0044】
選択的に、表示ユニット400は、実時間抵抗値曲線であって、設計時間区間における少なくとも2つの前記実時間抵抗値を含む実時間抵抗値曲線、を表示すること、又は、実時間抵抗値をターゲット生物組織の生物指標情報と対応させて表示することにさらに用いられ、生物指標情報は、心拍数、血圧、及び血中酸素濃度の少なくとも1つを含む。
【0045】
選択的に、表示ユニット400は、実時間抵抗値、実時間抵抗値曲線、又は生物指標情報を表示するためもディスプレイスクリーンであってもよい。
【0046】
選択的に、
図2に示すように、パルス監視機器10には、アラームユニット500がさらに含まれ、アラームユニット500は、制御ユニット200に通信接続され、生物特徴組織が設計閾値よりも大きくなったとき、アラーム指示を発することに用いられる。アラーム指示は、アラーム音を発すること及び/又は、制御ユニット200にアラーム情報を出力することを含み、制御ユニット200は、アラーム情報を受け取ったとき、第一パルス列に対しての終了指令を出力することに用いられる。
【0047】
いくつかの実施例では、
図3に示すように、パルス発生回路100は、第一パルス列を出力するための第一パルス発生回路110と、第二パルス列を出力するための第二パルス発生回路120とを含む。
【0048】
第一パルス発生回路110と第二パルス発生回路120とは、同一の回路基板上に集積されている。
【0049】
本出願の実施例には、第一パルス発生回路110と第二パルス発生回路120を同一の回路基板上に集積させることで、1つの回路基板から第一パルス列と第二パルス列を出力することができるようにし、アブレーション機能と監視機能を両立させている。
【0050】
いくつかの実施例では、
図3に示すように、第一パルス発生回路100には、電気的に順に接続された少なくとも1段階の第一パルス発生ユニット111が含まれ、
第一パルス発生ユニット111は、制御ユニット200に電気的に接続され、制御ユニット200の制御下でオンになり、第一パルス列をターゲット生物組織に出力することに用いられる。
【0051】
選択的に、
図3に示すように、各段階の第一パルス発生ユニット111には、第一キャパシタ、第一スイッチ部品、及び第一ダイオードが含まれる。第一キャパシタの第一端は第一スイッチ部品の第一端に電気的に接続され、第一ダイオードの正極と負極は、それぞれ第一キャパシタの第二端及び第一スイッチ部品の第二端に電気的に接続され、第一スイッチ部品の制御端は制御ユニット200に電気的に接続される。
【0052】
選択的に、第一パルス発生回路110が放電する時、制御ユニット200は第一パルス発生ユニット111の第一スイッチ部品をオンにさせるように制御する。
【0053】
選択的に、
図3に示すように、第一パルス発生回路110には少なくとも1つの第二ダイオードが含まれる。第一段階の第一パルス発生回路110の第一キャパシタの第一端が少なくとも1つの第二ダイオードを介して第一電源UHに電気的に接続される。第二ダイオードの正極は第一電源UHに電気的に接続され、第二ダイオードの負極は第一段階の第一パルス発生回路110の第一キャパシタの第一端に電気的に接続される。
【0054】
選択的に、
図3に示すように、第一パルス発生回路110には、少なくとも1つの第三ダイオードをさらに含み、第三ダイオードの陽極と陰極はそれぞれ、隣接する2つの第一パルス発生ユニット111に電気的に接続される。第三ダイオードの陽極と陰極はそれぞれ前段階の第一スイッチ部品の第一端及び次の段階の第一キャパシタの第一端に電気的に接続される。
【0055】
いくつかの実施例では、
図3に示すように、第二パルス発生回路120には、電気的に順に接続された少なくとも1段階の第二パルス発生ユニット121が含まれ、
第二パルス発生ユニット121は、制御ユニット200に電気的に接続され、制御ユニット200の制御下でオンになり、第二パルス列をターゲット生物組織に出力することに用いられる。
【0056】
選択的に、
図3に示すように、第二パルス発生ユニット121には、第二キャパシタ、第二スイッチ部品、及び第四ダイオードが含まれ、第二キャパシタの第一端は第二スイッチ部品の第一端に電気的に接続され、第四ダイオードの正極と負極は、それぞれ第二キャパシタの第二端及び第二スイッチ部品の第二端に電気的に接続され、第二スイッチ部品の制御端は制御ユニット200に電気的に接続される。
【0057】
選択的に、第二パルス発生回路120が放電する時、制御ユニット200は第二パルス発生ユニット121の第二スイッチデバイスをオンにさせるように制御する。
【0058】
選択的に、第一パルス列の終了指令には、制御ユニット200から出力される、第二スイッチ部品をオフにさせるように制御する指令が含まれる。
【0059】
選択的に、
図3に示すように、第二パルス発生回路120には、少なくとも1つの第五ダイオードが含まれる。第五ダイオードの正極は第二電源ULに電気的に接続され、第五ダイオードの負極は第一段階の第二パルス発生ユニット121の第二キャパシタの第一端に電気的に接続される。
【0060】
選択的に、
図3に示すように、第二パルス発生回路120には、少なくとも1つの第六ダイオードが含まれ、第六ダイオードの正極及び負極は、それぞれ、隣接する第二パルス発生ユニット121に電気的に接続される。第六ダイオードの正極及び負極は、それぞれ、前段階の第二スイッチ部品の第一端及び次の段階の第二キャパシタの第一端に電気的に接続される。
【0061】
選択的に、
図3に示すように、パルス監視機器10には、第一キャパシタ放電リレー112及び第二キャパシタ放電リレー122が含まれ、第一キャパシタ放電リレー112と第二キャパシタ放電リレー122の第一端は両方とも接地されており、第一キャパシタ放電リレー112と第二キャパシタ放電リレー122の第二端は、それぞれ、最後段階の第一パルス発生ユニット111及び最後段階の第二パルス発生ユニット121に電気的に接続される。
【0062】
第一キャパシタ放電リレー112及び第二キャパシタ放電リレー122は迅速に放電する必要がある特殊な場合に、キャパシタの放電を人為的に制御して、パルス発生回路100内のキャパシタの放電をより完全かつ迅速にする。
【0063】
選択的に、
図3に示すように、パルス監視装置10には、第一出力リレー150、第二出力リレー160及びフットスイッチ170がさらに含まれる。第一出力リレー150の第一端は第一パルス発生回路110及び第二パルス発生回路120の両方に電気的に接続され、第一出力リレー150の第二端は第二出力リレー160の第一端に電気的に接続され、第二出力リレー160の第二端は負荷RLoadに電気的に接続され、負荷RLoadは接地される。フットスイッチ170は、第一出力リレー150の第三端に電気的に接続されて、負荷RLoadと、第一出力リレー150と、第一パルス発生回路110又は第二パルス発生回路120との間で放電回路を形成するように制御することに用いられる。
【0064】
第一出力リレー150、第二出力リレー160及びフットスイッチ170の設定は、負荷RLoad(すなわち人体部分)の所在する供給電路をオフにさせ、それによって安全性の向上を実現するために用いられる。第二出力リレー160として12チャンネルリレーを選択可能である。負荷RLoadはターゲット生物組織の等価負荷に相当する。
【0065】
選択的に、
図3に示すように、監視ユニット300には、第一ピアソンコイル310、第二ピアソンコイル320及び第一抵抗R1が含まれる。第一ピアソンコイル310の第一端は第一抵抗R1に接続され、第一抵抗R1は接地される。第一ピアソンコイル310の第二端は第二ピアソンコイル320の第一端に接続され、第二ピアソンコイル320の第二端は第一パルス発生回路110及び第二パルス発生回路120の両方に電気的に接続される。フィードバック回路は、第二パルス発生回路120と負荷RLoadとで形成される回路である。
【0066】
選択的に、第一ピアソンコイル310の役割は2つあり、1つ目は放電回路が放電しない時に生じるパルスが、漏れるチャンネルを備えるようにすることであり、2つ目は、該コイルの抵抗値がおおよそ10-100kΩ(キロオーム)にあるため、実時間電圧監視に使用可能であることであり、そして第二ピアソンコイル320は電流測定に用いられる。
【0067】
選択的に、第二パルス発生回路120と負荷RLoadが電気的に接続されて、フィードバック回路を形成した時、第一ピアソンコイル310と第二ピアソンコイル320を、2つのサンプリングポイントであって、フィードバック回路上の実時間電圧と実時間電流の収集に用いられるサンプリングポイントとして収集する。
【0068】
1つの例として、パルス発生回路100が、電源、負荷RLoad、及び監視ユニットが電気的に接続されたことを示す模式図として提供される
図3に示すように、第一電源UHの所在する給電回路は高電圧ナノ秒パルス発生回路であり、第二電源ULの所在する給電回路は低電圧マイクロ秒パルス発生回路であり、フィードバック回路として、第二電源ULの所在する給電回路には2段階の第二パルス発生ユニット121が含まれ、出力される電圧の幅は0~500V(ボルト)である。第一電源UHの所在する給電回路には20段階の第一パルス発生ユニット111が含まれ得、0~15kV(キロボルト)の高電圧ナノ秒パルスを生成することができる。
【0069】
選択的に、本実施例では、低電圧マイクロ秒パルス発生回路には、キャパシタC1、スイッチ部品T1、及びダイオードD1が1つの第2パルス発生ユニット121を構成し、キャパシタC2、スイッチ部品T2、及びダイオードD2が1つの第2パルス発生ユニット121を構成し、ダイオードD7が第6ダイオードとして、ダイオードD6が第5ダイオードとして機能する。
【0070】
選択的に、本実施例では、高電圧ナノ秒パルス発生回路には、キャパシタC3、スイッチ部品T3、及びダイオードD3が1つの第1パルス発生ユニット111を構成し、キャパシタC4、スイッチ部品T4、及びダイオードD4が1つの第1パルス発生ユニット111を構成し、キャパシタCn、スイッチ部品Tn、及びダイオードDnが1つの第1パルス発生ユニット111を構成する。ダイオードD8、ダイオードD9、ダイオードD10、ダイオードD11、及びダイオードD12はいずれも第2ダイオードであり、ダイオードD9、ダイオードD10、ダイオードD11、及びダイオードD12が順次直列に接続され、ダイオードD13が第3ダイオードである。
【0071】
選択的に、低電圧マイクロ秒パルス発生回路で使用されるスイッチ部品はMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、金属酸化物半導体場効果トランジスタ)であり、高電圧ナノ秒パルス発生回路で使用されるスイッチ部品はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)である。
【0072】
同じ発明構想に基づき、本出願の実施例には、パルス監視方法が提供されている。
図3に示すように、該パルス監視方法には、ステップS401~S404を含む。
【0073】
S401、ターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力し、第二パルス列の電圧は第一パルス列の電圧よりも低く、第一パルス列はターゲット生物組織をアブレートすることに用いられる。
【0074】
本出願の実施例には、ターゲット生物組織に出力された第二パルス列は、実時間にターゲット生物組織の状態を反映し、パルスアブレーションプロセス中のターゲット生物組織のアブレーション状況を監視するために用いられ、その結果、ターゲット生物組織のアブレーション状況に基づいて、パルスアブレーションの進行をガイドすることができる。
【0075】
選択的に、パルス発生回路100は、ターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力する。
【0076】
いくつかの実施例では、ターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力することは、 ターゲット生物組織に、第一設計数の第一パルス列と、第二設計数の第二パルス列とを交互に連続して出力することを含む。
【0077】
選択的に、パルス発生回路100は、ターゲット生物組織に、第一設計数の第一パルス列と、第二設計数の第二パルス列とを交互に連続して出力する。
【0078】
選択的に、第一設計数と第二設計数は同じであっても異なっていてもよく、たとえば、第一設計数と第二設計数がともに1である場合、1つの第一パルス列と1つの第二パルス列が交互に出力される。また、たとえば、第一設計数が3つで、第二設計数が1つである場合、3つの第一パルス列が出力された後、1つの第二パルス列が出力されるように、繰り返す。
【0079】
本実施例では、第一パルス列と第二パルス列を交互に出力することができ、それにより、各サイクルにおいて第二パルス列が出力されるため、ターゲット生物組織のアブレーション状況の監視は実時間で行われ、したがって、ターゲット生物組織の変化に即座に応答することができる。
【0080】
いくつかの実施例では、第一パルス列が少なくとも一種類のパルスを含み、第二パルス列が少なくとも一種類のパルスを含む。
【0081】
選択的に、第一パルス列が一種類のパルスのみを含み、第二パルス列が一種類のパルスのみを含み、第一パルス列のパルスの電圧は第二パルス列のパルスの電圧よりも高い。
【0082】
いくつかの実施例では、第一パルス列がナノ秒パルスを含むか、又はナノ秒パルス及びマイクロ秒パルスを含み、第二パルス列がマイクロ秒パルスを含む。
【0083】
選択的に、第一パルス列がナノ秒パルス及びマイクロ秒パルスを含む場合、マイクロ秒パルスが、ターゲット生物組織のアブレーションにも用いられる。
【0084】
いくつかの実施例では、第一パルス列の電圧が500ボルト超、且つ、15キロボルト以下であり、及び/又は前記第二パルス列の電圧が500ボルト以下である。
【0085】
例として、
図5に示すように、横軸は時間を、縦軸はパルスの電圧を表す。第一パルス列は高電圧のナノ秒パルスであり、第二パルス列は低電圧マイクロ秒パルスであり、1つの高電圧のナノ秒パルスと1つの低電圧マイクロ秒パルスが交互に出力される。高電圧のナノ秒パルスはターゲット生物組織をアブレートするために用いられ、低電圧マイクロ秒パルスはターゲット生物組織のアブレーション状況を監視するために用いられる。
【0086】
選択的に、高電圧ナノ秒パルスの電流範囲は0~300A(アンペア)であり、パルス持続時間は200~1000ナノ秒である。低電圧マイクロ秒パルスの電流範囲は0~100A(アンペア)であり、パルス持続時間は10~300マイクロ秒である。
【0087】
ステップ402、第二パルス列がターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得する。
【0088】
選択的に、監視ユニット300は、第二パルス列がターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得して、フィードバック信号を制御ユニット200に出力する。
【0089】
いくつかの実施例では、第二パルス列がターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得することは、
第二パルス列がターゲット生物組織に出力された後、ターゲット生物組織に対応するフィードバック回路の実時間電圧及び実時間電流を取得することを含む。
【0090】
ステップ403、フィードバック信号に基づいて、第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定する。
【0091】
選択的に、監視ユニット300は、フィードバック信号を制御ユニット200に出力して、制御ユニット200は、フィードバック信号に基づいて、第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定する。
【0092】
本出願の発明者は、生物組織において、細胞が整然と配置され密に並んでおり、単一の細胞は一定の抵抗を持つ基本構成ユニットと見なすことができることを研究によって発見した。高電圧ナノ秒パルスによるアブレーション後、一部の細胞が破裂することで、2つの電極間の抵抗値の変化は避けられないようになる。一般的に、組織のアブレーション程度が高いほど、抵抗値は小さくなる。したがって、一定程度で抵抗は組織のアブレーション程度を反映することができる。
【0093】
上記の考慮を踏まえて、いくつかの実施例では、フィードバック信号に基づいて、第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定することは、
フィードバック回路の実時間電圧及び実時間電流に基づいて、ターゲット生物組織の実時間抵抗値を決定することと、
実時間抵抗値が設計抵抗値未満であるか否かを決定すること、又は、実時間抵抗値を表示し、第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったかどうかを決定することと、を含む。
【0094】
いくつかの実施例では、フィードバック信号に基づいて、第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定することは、
制御ユニット200は、フィードバック回路の実時間電圧及び実時間電流に基づいて、ターゲット生物組織の実時間抵抗値を決定することと、
制御ユニット200は、実時間抵抗値が設計抵抗値未満であるか否かを決定すること、又は、表示ユニット400は、実時間抵抗値を表示し、制御ユニット200は、第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったかどうかを決定することと、を含む。
【0095】
選択的に、設計抵抗値は医療従事者がアブレーション実験から得た数値であり、実時間抵抗値が設計抵抗値よりも小さい場合、所望アブレーションに達成したと判断される。
【0096】
選択的に、実時間抵抗値の計算プロセスは、以下の式1に示すように行われる。
Uinは入力パルスの実時間電圧であり、Imは実時間電流であり、Zは計算された実時間抵抗値である。計算された実時間抵抗値は、ターゲット生物組織の等価抵抗値に相当するものであり、ターゲット生物組織のアブレーション状況を正確に反映することができる。
【0097】
いくつかの実施例では、実時間抵抗値を表示することは、
実時間抵抗値曲線を表示することを含み、実時間抵抗値曲線は、設計時間区間における少なくとも2つの実時間抵抗値を含む。
【0098】
選択的に、実時間抵抗値を表示することは、
表示ユニット400は、実時間抵抗値曲線を表示することを含み、実時間抵抗値曲線は、設計時間区間における少なくとも2つの実時間抵抗値を含む。
【0099】
選択的に、実時間抵抗値を表示することで、医師が実時間抵抗値に基づいて、アプリケーション用の第一パルス列の出力を停止すべきかどうかを判断することをより便利にする。実際の適用では、医師は現在の生物組織の状況を考慮し、経験に基づいてアプリケーションを継続するか停止するかを判断することができる。実時間抵抗値の表示は、医療プロセス全体を閉ループにし、医師の意思決定に根拠を提供し、アプリケーション効果の向上に寄与する。
【0100】
選択的に、実時間抵抗値を表示することは、実時間抵抗値をターゲット生物組織の生物指標情報と対応させて表示することを含み、生物指標情報は、心拍数、血圧、及び血中酸素濃度の少なくとも1つを含む。
【0101】
選択的に、実時間抵抗値を表示することは、表示ユニット400は実時間抵抗値をターゲット生物組織の生物指標情報と対応させて表示することを含み、生物指標情報は、心拍数、血圧、及び血中酸素濃度の少なくとも1つを含む。
【0102】
選択的に、実時間抵抗値を表示し、第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったかどうかを決定することは、
生物特徴情報が設計閾値よりも大きくなったとき、アラーム指示を発すること、及び、制御ユニット200は、アラーム情報を受け取ったとき、第一パルス列に対しての終了指令を出力すること、を含み、
アラーム指示は、アラーム音を発すること及び/又はアラーム情報を出力することを含む。
【0103】
選択的に、実時間抵抗値を表示し、第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったかどうかを決定することは、
生物特徴情報が設計閾値よりも大きくなったとき、アラームユニット500は、アラーム指示を発することを含む。
【0104】
本出願の実施例には、患者に対してターゲット生物組織のアブレーションを行う際に、同時に患者の生物特徴情報を監視し、アブレーションプロセス中に患者が危険にさらされることを避け、さらにアブレーションの効果を確保することができる。
【0105】
S404、第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、第一パルス列の出力を停止する。
【0106】
選択的に、制御ユニット200は、第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、第一パルス列の出力を停止することは、
実時間抵抗値が設計抵抗値未満であると決定したとき、第一パルス列の出力を停止すること、又は、第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったと決定したとき、第一パルス列の出力を停止することを含む。
【0107】
選択的に、第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、第一パルス列の出力を停止することは、
制御ユニット200は実時間抵抗値が設計抵抗値未満であると決定したとき、パルス発生回路100へ第一パルス列に対しての終了指令を出力して、パルス発生回路100が第一パルス列の出力を停止させるように制御すること、又は、制御ユニット200は、第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったと決定したとき、パルス発生回路100が第一パルス列の出力を停止させるように制御することを含む。
【0108】
選択的に、実時間抵抗値が設計抵抗値以上であると決定した場合、実時間抵抗値が設計抵抗値未満になるまで、第一パルス列を出力し続けてアブレーションを行う。実時間抵抗値が設計抵抗値未満であると決定した場合、所望アブレーションに達成しており、第一パルス列を出力し続けて、ターゲット生物組織のアブレーションを行える。
【0109】
上記の技術案に基づいて、本出願の実施例には、ターゲット生物組織を電気ネットワークと見なし、第二パルス列がターゲット生物組織に入力され、フィードバック回路でこの刺激に対するターゲット生物組織の応答が測定され得る。刺激と応答に基づいて、生物組織の等価実時間抵抗値を決定でき、実時間抵抗値の数値に基づいてパルスアブレーションの効果を評価できる。
【0110】
本出願の実施例には、実時間電圧と実時間電流に基づいてターゲット生物組織の実時間抵抗値を計算し、実時間抵抗値の単一のパルスアブレーションが所望の組織アブレーション程度に達成しているかどうかに基づき、医療従事者のパルスアブレーション進行をガイドできる。
【0111】
同じ発明構想に基づき、本出願の実施例には、パルス監視装置が提供されている。
図6に示すように、該パルス監視装置60には、パルス出力モジュール610と、取得モジュール620と、処理モジュール630とが含まれる。
【0112】
パルス出力モジュール610は、ターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力することに用いられ、第二パルス列の電圧は第一パルス列の電圧よりも低く、第一パルス列はターゲット生物組織をアブレートすることに用いられる。
【0113】
取得モジュール620は、第二パルス列がターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得することに用いられる。
【0114】
処理モジュール630は、フィードバック信号に基づいて、第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定して、第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、第一パルス列の出力を停止することに用いられる。
【0115】
選択的に、パルス出力モジュール610は、さらに、ターゲット生物組織に、第一設計数の第一パルス列と、第二設計数の第二パルス列とを交互に連続して出力することに用いられる。
【0116】
選択的に、取得モジュール620は、さらに、第二パルス列がターゲット生物組織に出力された後、ターゲット生物組織に対応するフィードバック回路の実時間電圧及び実時間電流を取得することに用いられる。
【0117】
選択的に、処理モジュール630は、さらに、フィードバック回路の実時間電圧及び実時間電流に基づいて、ターゲット生物組織の実時間抵抗値を決定することと、実時間抵抗値が設計抵抗値未満であるか否かを決定すること、又は、実時間抵抗値を表示し、第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったかどうかを決定することとに用いられる。
【0118】
処理モジュール630は、さらに、実時間抵抗値曲線を表示すること、又は、
実時間抵抗値をターゲット生物組織の生物指標情報と対応させて表示することに用いられ、実時間抵抗値曲線は、設計時間区間における少なくとも2つの実時間抵抗値を含み、生物指標情報は、心拍数、血圧、及び血中酸素濃度の少なくとも1つを含む。
【0119】
選択的に、処理モジュール630は、さらに、実時間抵抗値が設計抵抗値未満であると決定したとき、第一パルス列の出力を停止すること、又は、第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったと決定したとき、第一パルス列の出力を停止することに用いられる。
【0120】
同じ発明構想に基づき、本出願の実施例には、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、該コンピュータプログラムは、パルス監視機器10によって実行されるとき、本出願の任意の実施例に係るパルス監視方法を実現する、コンピュータ可読記憶媒体が提供されている。
【0121】
本出願の実施例に係るコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体、又は前述の任意の組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、電気、磁気、光、電磁、赤外線、又は半導体のシステム、装置、若しくはデバイス、又は、以上の任意の組み合せであってもよいが、これらに限定されるものではない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例には、1つ又は複数のワイヤを持つ電気接続、携帯型コンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー、携帯型コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は前述の任意の適切な組み合わせなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0122】
本出願の実施例に係るコンピュータ可読媒体は、プログラムを含む又は記憶する任意の有形媒体であってもよい。該プログラムは命令実行システム、装置、又はデバイスによって使用されるか、又はそれらと組み合わされて使用され得る。一方、本願において、コンピュータ可読信号媒体は、ベースバンドで伝搬される、又はキャリアの一部として伝搬される、コンピュータ可読プログラムコードを運ぶデータ信号を含み得る。このような伝搬されるデータ信号は、電磁信号、光信号、又は前述の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない様々な形態をとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。該コンピュータ可読信号媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスによって使用される、又は命令実行システム、装置又はデバイスと共に使用されるプログラムを送信、伝搬又は伝送することができる。コンピュータ可読媒体に含まれるプログラムコードは、電線、光ファイバーケーブル、RF(無線周波数)等、又は前述の任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない、任意の適切な媒体を使用して送信することができる。
【0123】
本出願の実施例を適用すれば、少なくとも以下の効果(1)~(6)を奏することができる。
【0124】
(1)本願発明の実施例に係るパルス監視方法は、パルスアブレーションプロセス中に、フィードバック信号に基づいてターゲット生物組織のアブレーション状態を決定し、パルスアブレーションプロセス中におけるターゲット生物組織のアブレーション状態を実時間で監視することができる。第一パルス列の終了条件が満たされていると決定された場合、第一パルス列の出力を停止する。すなわち、本出願の実施例は、生物組織の変化状況に応じてパルスアブレーションの進行をガイドすることができ、パルスアブレーションの効果が達成されたと決定された後、生物組織アブレーション用の第一パルス列の出力を停止することにより、ターゲット生物組織の変化状況に応じたパルスアブレーションの進行ガイドを実現する。
【0125】
(2)本出願の実施例には、第一パルス列と第二パルス列を交互に出力することができ、それにより、各サイクルにおいて第二パルス列が出力されるため、ターゲット生物組織のアブレーション状況の監視は実時間で行われ、したがって、ターゲット生物組織の変化に即座に応答することができる。
【0126】
(3)本出願の実施例には、患者に対してターゲット生物組織のアブレーションを行う際に、同時に患者の生物特徴情報を監視し、アブレーションプロセス中に患者が危険にさらされることを避け、さらにアブレーションの効果を確保することができる。
【0127】
(4)本出願の実施例には、実時間電圧と実時間電流に基づいてターゲット生物組織の実時間抵抗値を得、実時間抵抗値の単一のパルスアブレーションが所望の組織アブレーション程度に達成しているかどうかに基づき、医療従事者のパルスアブレーション進行をガイドできる。
【0128】
(5)本出願の実施例には、第一パルス発生回路110と第二パルス発生回路120を同一の回路基板上に集積させることで、1つの回路基板から第一パルス列と第二パルス列を出力することができるようにし、アブレーション機能と監視機能を両立させている。
【0129】
(6)本出願の実施例に係るパルス監視機器10は、パルスアブレーション及び監視の2つの機能を1つの機器に集積しており、別途他の監視機器や独立したモジュールを追加で装備する必要がなく、使用や操作が便利である。
【0130】
当業者であれば理解できるように、本出願で既に議論された様々な操作、方法、プロセスのステップ、処置、方案は、入れ替わられ、変更され、組み合わせられ、削除されることが可能であり、さらに、本出願で既に議論された様々な操作、方法、プロセス中における他のステップ、処置、方案も入れ替わられ、変更され、並べ替えられ、分解され、組み合わせられ、又は削除されることも可能である。さらに、従来の技術において、本出願で開示されている様々な操作、方法、プロセスのステップ、処置、方案と同様のものも入れ替わられ、変更され、並べ替えられ、分解され、組み合わせされ又は削除されることが可能である。
【0131】
用語「第一」、「第二」は記述上の目的のためだけに使用されており、相対的な重要性を指示したり示唆したりするものとして理解してはいけないか、又は、指示された技術特徴の数量を示唆するものとしても理解してはいけない。したがって、「第一」、「第二」と限定された特徴は、1つあるいはそれ以上のその特徴を含むことを明示的にも暗黙的にも示すことができる。本出願の記述中では、特に別途明示されていない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0132】
なお、図面のフローチャートにおける各ステップは、矢印の指示通りに順に表示されているが、これらのステップが必ずしも矢印が指示する順序で順に実行されるわけではない。本文中に明確な説明がない限り、これらのステップの実行には厳密な順序が設けられていないため、他の順序で実行可能である。また、図面のフローチャートにおける少なくとも一部のステップは複数のサブステップ又は段階を含んでおり、これらは必ずしも同時に実行されるわけではなく、異なる時点で実行され得る場合もある。その実行順序も必ずしも順次のもののわけではなく、他のステップや他のステップのサブステップ、又は段階の少なくとも一部と交代又は交互に実行され得る場合がある。
【0133】
以上述べたものは本出願の一部の実施形態に過ぎず、当業者であれば、本出願の原理から逸脱することなく、更なる改善や仕上げが可能であり、これらの改善や仕上げも本出願の保護範囲と見なされるべきである。
【符号の説明】
【0134】
10 パルス監視機器
100 パルス発生回路
110 第一パルス発生回路
111 第一パルス発生ユニット
120 第二パルス発生回路
121 第二パルス発生ユニット
200 制御ユニット
300 監視ユニット
112 第一キャパシタ放電リレー
122 第二キャパシタ放電リレー
310 第一ピアソンコイル
320 第二ピアソンコイル
150 第一出力リレー
160 第二出力リレー
170 フットスイッチ
RLoad 負荷
UH 第一電源
UL 第二電源
400 表示ユニット
500 アラームユニット
【手続補正書】
【提出日】2024-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス監視方法であって、
ターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力することと、
前記第二パルス列が前記ターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得することと、
前記フィードバック信号に基づいて、前記第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定することと、
前記第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、前記第一パルス列の出力を停止することと、を含み、
前記第二パルス列の電圧は前記第一パルス列の電圧よりも低く、前記第一パルス列は前記ターゲット生物組織をアブレートすることに用いられる、
パルス監視方法。
【請求項2】
前記ターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力することは、
前記ターゲット生物組織に、第一設計数の第一パルス列と、第二設計数の第二パルス列とを交互に連続して出力することを含む、請求項1に記載のパルス監視方法。
【請求項3】
前記第一パルス列が少なくとも一種類のパルスを含み、前記第二パルス列が少なくとも一種類のパルスを含
み、
前記第一パルス列がナノ秒パルスを含むか、又はナノ秒パルス及びマイクロ秒パルスを含み、前記第二パルス列がマイクロ秒パルスを含む、請求項
1に記載のパルス監視方法。
【請求項4】
前記第一パルス列の電圧が500ボルト超、且つ、15キロボルト以下であり、及び/又は前記第二パルス列の電圧が500ボルト以下である、請求項
3に記載のパルス監視方法。
【請求項5】
前記第二パルス列が前記ターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得することは、
前記第二パルス列が前記ターゲット生物組織に出力された後、前記ターゲット生物組織に対応するフィードバック回路の実時間電圧及び実時間電流を取得することを含み、
前記フィードバック信号に基づいて、前記第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定することは、
前記フィードバック回路の実時間電圧及び実時間電流に基づいて、前記ターゲット生物組織の実時間抵抗値を決定することと、
前記実時間抵抗値が設計抵抗値未満であるか否かを決定すること、又は、前記実時間抵抗値を表示し、前記第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったかどうかを決定することと、を含み、
前記第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、前記第一パルス列の出力を停止することは、
前記実時間抵抗値が設計抵抗値未満であると決定したとき、前記第一パルス列の出力を停止すること、又は、前記第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったと決定したとき、前記第一パルス列の出力を停止することを含む、請求項1から
4のいずれか一項に記載のパルス監視方法。
【請求項6】
前記実時間抵抗値を表示することは、
実時間抵抗値曲線を表示すること、及び、
前記実時間抵抗値を前記ターゲット生物組織の生物指標情報と対応させて表示すること、のうちの少なくとも1つを含み、
前記実時間抵抗値曲線は、設計時間区間における少なくとも2つの前記実時間抵抗値を含み、前記生物指標情報は、心拍数、血圧、及び血中酸素濃度の少なくとも1つを含む、請求項
5に記載のパルス監視方法。
【請求項7】
前記実時間抵抗値を表示し、前記第一パルス列に対しての終了指令を受け取ったかどうかを決定することは、
前記ターゲット生物組織の生物指標情報が設計閾値よりも大きくなったとき、アラーム指示を発すること、及び、
アラーム情報を受け取ったとき、前記第一パルス列に対しての終了指令を出力すること、を含み、
前記アラーム指示は、アラーム音を発すること及び/又はアラーム情報を出力することを含む、
請求項
5に記載のパルス監視方法。
【請求項8】
パルス監視機器であって、
パルス発生回路と、制御ユニットと、監視ユニットとを含み、
前記制御ユニットは、前記パルス発生回路に通信接続されており、前記パルス発生回路がターゲット生物組織に第一パルス列、及び第二パルス列を出力させるように制御することと、前記監視ユニットから転送されたフィードバック信号に基づき、前記第一パルス列の終了条件が満たされているかどうかを決定することと、前記第一パルス列の終了条件が満たされていると決定した場合、前記パルス発生回路へ前記第一パルス列に対しての終了指令を出力することとに用いられ、
前記監視ユニットは、前記制御ユニットに通信接続されており、前記第二パルス列が前記ターゲット生物組織に出力された後のフィードバック信号を取得して、前記フィードバック信号を前記制御ユニットに出力することに用いられ、
前記第一パルス列の電圧は前記第二パルス列の電圧よりも高く、前記第一パルス列は前記ターゲット生物組織をアブレートすることに用いられる、
パルス監視機器。
【請求項9】
前記パルス発生回路は、第一パルス列を出力するための第一パルス発生回路と、第二パルス列を出力するための第二パルス発生回路とを含み、
前記第一パルス発生回路と前記第二パルス発生回路とは、同一の回路基板上に集積されている、請求項
8に記載のパルス監視機器。
【請求項10】
前記第一パルス発生回路には、電気的に順に接続された少なくとも1段階の第一パルス発生ユニットが含まれ、
前記第一パルス発生ユニットは、前記制御ユニットに電気的に接続され、前記制御ユニットの制御下でオンになり、前記第一パルス列を前記ターゲット生物組織に出力することに用いられる、請求項
9に記載のパルス監視機器。
【請求項11】
少なくとも1段階の第一パルス発生ユニットの各段階には、第一キャパシタ、第一スイッチ部品、及び第一ダイオードが含まれ、前記第一キャパシタの第一端は前記第一スイッチ部品の第一端に電気的に接続され、前記第一ダイオードの正極と負極は、それぞれ前記第一キャパシタの第二端及び前記第一スイッチ部品の第二端に電気的に接続され、前記第一スイッチ部品の制御端は前記制御ユニットに電気的に接続される、
請求項
10に記載のパルス監視機器。
【請求項12】
前記第一パルス発生回路には、少なくとも1つの第二ダイオードが含まれ、少なくとも1段階の第一パルス発生ユニット内の1段階目の第一パルス発生回路の第一キャパシタの第一端は、少なくとも1つの第二ダイオードを介して第一電源に電気的に接続され、
前記第一パルス発生回路には、少なくとも1つの第三ダイオードがさらに含まれ、前記第三ダイオードの陽極と陰極はそれぞれ、隣接する2つの前記第一パルス発生ユニットに電気的に接続される、請求項
11に記載のパルス監視機器。
【請求項13】
前記第二パルス発生回路には、電気的に順に接続された少なくとも1段階の第二パルス発生ユニットが含まれ、
前記第二パルス発生ユニットは、前記制御ユニットに電気的に接続され、前記制御ユニットの制御下でオンになり、前記第二パルス列を前記ターゲット生物組織に出力することに用いられる、
前記第二パルス発生ユニットには、第二キャパシタ、第二スイッチ部品、及び第四ダイオードが含まれ、前記第二キャパシタの第一端は前記第二スイッチ部品の第一端に電気的に接続され、前記第四ダイオードの正極と負極は、それぞれ前記第二キャパシタの第二端及び前記第二スイッチ部品の第二端に電気的に接続され、前記第二スイッチ部品の制御端は前記制御ユニットに電気的に接続される、
請求項
9から12のいずれか一項に記載のパルス監視機器。
【請求項14】
前記パルス監視機器には、表示ユニットがさらに含まれ、前記表示ユニットは、前記制御ユニットに通信接続され、前記表示ユニットは、実時間抵抗値、実時間抵抗値曲線及び生物指標情報のうちの少なくとも1つを表示することに用いられ、
前記パルス監視機器には、アラームユニットがさらに含まれ、前記アラームユニットは、前記制御ユニットに通信接続され、前記アラームユニットは、前記ターゲット生物組織の生物指標情報が設計閾値よりも大きくなったとき、アラーム指示を発することに用いられる、請求項
8から12のいずれか一項に記載のパルス監視機器。
【請求項15】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、パルス監視機器によって実行されるとき、請求項
1に記載のパルス監視方法を実現する、コンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】