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特表2024-532504毛髪上に蒸気を拡散させる毛髪処理デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】毛髪上に蒸気を拡散させる毛髪処理デバイス
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/48 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
A45D20/48
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514050
(86)(22)【出願日】2022-08-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 EP2022073757
(87)【国際公開番号】W WO2023031030
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】2109202
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】メリッサ・シャンポー
(72)【発明者】
【氏名】ギャバン・ヴィック
(72)【発明者】
【氏名】ゴック-イアン・ルサン
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンス・マーニュ
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040DF02
(57)【要約】
本発明は、毛髪処理デバイス(10)に関し、毛髪処理デバイス(10)は、毛髪上に蒸気を放出するための少なくとも1つの蒸気出口(30)と、上記少なくとも1つの蒸気出口(30)に蒸気を供給するためのシステム(40)と、デバイスと毛髪との接触または近接を検出するための少なくとも1つの検出器(50)と、少なくとも1つの既定の条件が満たされるときに、蒸気の供給を許可するように、かつ/または蒸気供給システム(40)によって蒸気出口(30)に蒸気を自動的に供給するように構成された蒸気制御ユニット(59)であって、この条件は、接触または近接検出器(50)によって生成された情報から検証される毛髪接触条件または近接条件である、蒸気制御ユニット(59)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪処理デバイス(10)であって、
毛髪上に蒸気を放出するための少なくとも1つの蒸気出口(30)と、
少なくとも1つの前記蒸気出口(30)に蒸気を供給するための蒸気供給システム(40)と、
前記毛髪処理デバイスと前記毛髪との接触または近接を検出するための少なくとも1つの接触または近接検出器(50)と、
少なくとも1つの既定の条件が満たされるときに、蒸気の供給を許可するように、かつ/または前記蒸気供給システム(40)によって前記蒸気出口(30)に蒸気を自動的に供給するように構成された蒸気制御ユニット(59)であって、当該条件は、前記接触または近接検出器(50)によって生成された情報から検証される毛髪接触または近接条件である、蒸気制御ユニット(59)と、を備える、毛髪処理デバイス(10)。
【請求項2】
複数の歯(23a、23b)を備えるブラシである、請求項1に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項3】
前記複数の歯(23a)のうちの少なくともいくつか、特に前記歯のうちの少なくとも2つ、好ましくは前記歯の少なくとも1つまたは複数の列を加熱するために前記歯を加熱するための手段(35)を備える、請求項2に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項4】
前記毛髪接触または近接条件は、特に、それにより、正または否の検出器によって毛髪の接触または近接の正の検出に関する情報が生成されるときの、毛髪の接触または近接の正の検出に関する情報、あるいは、前記接触または近接検出器(50)によって測定された値と設定点値範囲との一致であり、前記設定点値範囲は、前記毛髪と前記毛髪処理デバイスとの前記接触または近接を特徴づけるようにあらかじめ決定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項5】
前記接触または近接検出器(50)は、機械的センサー、光学センサー、抵抗センサー、静電容量センサー、熱センサー、モーションセンサー、磁気センサー、および音センサーから選択される1つまたは複数のセンサーを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項6】
前記接触または近接検出器(50)は、前記毛髪と前記毛髪処理デバイス、特に処理面または少なくとも1つの歯との間の機械的相互作用を検出する少なくとも1つのセンサーを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項7】
前記接触または近接検出器(50)は、応力センサー(52)を備え、前記応力センサー(52)は、処理面(21)、および/または少なくとも1つの歯、および/または前記処理面(21)上もしくは近傍に存在し前記応力センサー(52)に関連付けられたフィーラー(55)に加えられた圧縮応力またはせん断応力を検出するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項8】
前記応力センサーは、前記毛髪によって前記処理面(21)、前記歯(23a、23b)、および/または前記フィーラー(55)に加えられた圧縮応力またはせん断応力を検出および/または測定するように構成された圧電センサー(52)である、請求項7に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項9】
前記フィーラー(55)は、休止位置から少なくとも1つの回転軸Fの周りを移動可能、特に旋回可能であり、デバイスは、前記フィーラー(55)の移動を検出および/または測定するように構成される、請求項7に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項10】
前記接触または近接検出器(50)は、外力がないときに前記フィーラー(55)を休止位置に戻すための弾性戻り部材(60)を備え、前記休止位置は、特に、固着ベースに実質的に垂直であり、かつ/または隣接する歯の伸長軸に実質的に平行な伸長軸を有する、前記歯の中立基準位置である、請求項9に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項11】
前記接触または近接検出器(50)は、特に前記毛髪が前記毛髪処理デバイスに接触するような距離における、前記センサーに対する前記毛髪の前記近接を検出する近接センサー、特に赤外線センサーを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項12】
処理面(21)および/または歯(23a)を加熱するための手段を備え、前記接触または近接検出器(50)は、温度センサーを備え、前記蒸気制御ユニット(59)は、少なくとも、前記毛髪処理デバイスと前記毛髪との間の接触または近接に特有の、特に前記処理面(21)および/または前記歯(23a)の温度の、設定点温度を下回る低下が、前記温度センサーによって検出されたときに、前記蒸気の供給を許可するように、かつ/または前記蒸気供給システム(40)によって前記蒸気出口(30)に蒸気を自動的に供給するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項13】
前記毛髪処理デバイスのユーザによる把持を検出するための把持検出器(98)を備え、前記蒸気制御ユニット(59)は、少なくとも2つの条件が満たされたとき、すなわち、一方では、前記接触または近接検出器(50)によって生成された情報から検証される前記毛髪接触または近接条件、および他方では、前記把持検出器(98)によって生成された情報から検証される把持条件が満たされたときに、前記蒸気の供給を許可するように、かつ/または前記蒸気供給システムによって前記蒸気出口に蒸気を自動的に供給するように構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項14】
前記蒸気制御ユニット(59)は、前記毛髪処理デバイス(10)がオフに切り替えられたときに、または前記毛髪処理デバイスをオンに切り替えた後で前記毛髪接触または近接条件が満たされる前に、あるいは、前記毛髪接触または近接条件がもはや、たとえば5s、好ましくは2s、より好ましくは1s、好ましくは0.5sに等しい既定の時間遅延以上の期間にわたって満たされないときに、前記蒸気供給システム(40)による前記蒸気の供給を防止するように構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項15】
前記蒸気制御ユニット(59)は、少なくとも2つの条件が満たされたとき、すなわち、一方では、前記毛髪接触または近接条件、および他方では、前記蒸気出口(30)に供給するための気化チャンバ(42)内の温度条件が満たされたときに、前記蒸気供給システム(59)によって前記蒸気出口(30)に蒸気を供給するように構成され、前記蒸気の供給は、好ましくは、一方では、正の接触または近接情報が生成されるか、あるいは、前記接触または近接検出器(50)によって測定された値と、前記毛髪と前記毛髪処理デバイスとの前記接触または近接を特徴づけるように選択されたしきい値範囲もしくは設定点値範囲と、が一致したときにトリガされ、他方では、前記気化チャンバ(42)内の温度が所定の気化温度、特に100℃以上であるときにトリガされる、請求項1から14のいずれか一項に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の毛髪処理デバイスを用いて毛髪を処理するための方法であって、
前記接触または近接検出器(50)を使用して前記毛髪処理デバイスと前記毛髪との接触または近接を検出するステップと、
前記蒸気制御ユニット(59)によって前記蒸気の供給が許可されるかまたは作動させられたときに前記蒸気出口(30)に蒸気を供給するステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪処理デバイスに関し、詳細には、毛髪に蒸気を当てるための少なくとも1つの蒸気出口を備えるヘアブラシに関し、関連する毛髪処理方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
特にストレートにする、カールする、または縮めることによって、毛髪を整形するための多くのタイプのヘアスタイリング器具が知られている。例として、ストレートニングアイロンもしくはカーリングアイロンが挙げられることがあり、それ以外の場合には、ヘアブラシが挙げられることがある。これらの器具は、1つまたは複数の被加熱処理面または加熱処理面を備えることがある。そのような器具の一般的な構造はよく知られている。
【0003】
しかしながら、従来の処理デバイス、特に従来のブラシは、ブラシを使用する際に活性な化学薬品に基づく組成を用いた処理の実施が伴わない限りそれほど持続しない毛髪の整形を可能にするにすぎない。
【0004】
効果を高めるために加熱処理デバイス、特に加熱ブラシが提案されている。たとえば、加熱ブラシについて記載した特許文献1、特許文献2、および特許文献3が引用されることがある。
【0005】
処理を強化するために、いくつかのデバイスは、処理される表面、特にヘアスタイリング器具の場合は毛髪の房または頭髪全体に向かって蒸気を供給するのを可能にする。したがって、水蒸気を放出するブラシが提案されている。このことは特に、特許文献4および特許文献5に当てはまる。
【0006】
特に特許文献6および特許文献7から、特にトングの形態のヘアストレートナに関連する毛髪処理デバイスも知られており、このような毛髪処理デバイスは、器具が使用されていないときに加熱するのを防止するためにユーザの手と把持ハンドルとの間の接触を検出するためのセンサーを備える。特許文献8の場合は、電気消費量を低減させるための加速度センサーについて説明している。
【0007】
特許文献9は、蒸気を放出せずにブラシ内の湿度センサーを使用して、毛髪が乾燥しているときにそのことを判定することについて説明している。特許文献10は、1つまたは複数の歯に対する圧力または屈曲を検出するための検出器を使用して、毛髪撮像システムを作動させて毛髪の状態を判定することについて説明しており、特許文献11は、毛髪の動きおよび動きに応じた毛髪の状態に関するデータを判定してリモートに送信するためのいくつかのセンサー、具体的には、モーションセンサーまたは加速度計、光学センサー、および電界センサー、ならびに大気データに従って毛髪の状態の分析を改善するための温度センサーおよび/または湿度センサーについて説明している。
【0008】
蒸気によって毛髪を処理するためのデバイスでは、毛髪および頭皮の近傍において蒸気を使用することに起因して潜在的な安全性の問題が生じる。
【0009】
トングの形態のヘアストレートナでは、トングは、頭皮には接触せず、毛髪にのみ接触し、蒸気はアーム間に閉じ込められ、より安全である。さらに、デバイスが使用されていることを示すトングの閉じを容易に検出することが可能である。
【0010】
ブラシでは、特に平坦な先端を有するブラシの場合、蒸気放出面が大きい場合がある。さらに、ブラシの剛毛または歯は、頭皮の直接の近傍で動作することが意図されており、これによって、蒸気の使用に伴うリスクが高まる。
【0011】
さらに、処理デバイスと毛髪とが接触する前に蒸気を使用すると、水が過剰に消費される。このことは、槽の体積がしばしば制限されるとき、特に槽を携帯器具に組み込む必要がある場合にいっそう顕著になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/125223号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/007708号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第2849605号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第19822718号明細書
【特許文献5】韓国公開特許第2003-0085159号公報
【特許文献6】韓国公開特許第2009-0110464号公報
【特許文献7】韓国公開特許第2016-0008488号公報
【特許文献8】韓国登録特許第10-1452985号公報
【特許文献9】特開平04-193203号公報
【特許文献10】特開2016073526号公報
【特許文献11】国際公開第2014/111646号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、水を節約し、蒸気を安全に放出することを可能にする、特にブラシタイプの毛髪処理デバイスが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、毛髪処理デバイスを用いて上記の要件を満たし、毛髪処理デバイスは、
毛髪上に蒸気を放出するための少なくとも1つの蒸気出口と、
前記少なくとも1つの蒸気出口に蒸気を供給するためのシステムと、
デバイスと毛髪との接触または近接を検出するための少なくとも1つの検出器と、
少なくとも1つの既定の条件が満たされたときに、蒸気の供給を許可するように、かつ/または蒸気供給システムによって蒸気出口に蒸気を自動的に供給するように構成された蒸気制御ユニットであって、この条件が、接触または近接検出器によって生成された情報から検証される接触条件または近接条件である、蒸気制御ユニットと、を備える。
【0015】
接触または近接を検出したことに応じて蒸気の放出を制御すると、デバイスと毛髪との接触または近接がないときには蒸気の放出を回避することによって、器具を安全に使用することが可能になる。これによって、蒸気の形成に必要な水の消費量を制限することも可能になる。
【0016】
好ましくは、処理デバイスは、主軸に沿って細長い形状を有する。変形形態として、処理デバイスは、異なる、細長くない形状を有する。
【0017】
好ましくは、処理デバイスは、ハンドルと、ヘッドと、を備える。ハンドルは、デバイスを把持することをより容易にし、追加の要素、特にユーザインターフェース、貯水槽、および/または化粧品槽、および/または1つもしくは複数のセンサーをデバイスに追加することを可能にする。
【0018】
処理デバイスのヘッドは、断面において任意の形状を有してもよい。好ましくは、処理デバイス、特にブラシのヘッドは、実質的に多角形、特に実質的に矩形もしくは実質的に方形、または実質的に楕円形もしくは円形の断面を有する。一方の側に多角形の外形を有し、他方の側に非多角形、特に丸い外形を有する断面などの他の断面形状もあり得る。
【0019】
好ましくは、処理デバイスは、毛髪に接触するかまたは毛髪に面することを目的とする処理面を備える。好ましくは、この処理面は、平坦であるかまたは外側に向かってドーム形である。好ましくは、この処理面は、実質的に多角形特に矩形または方形、円形または楕円形の外形を有する。
【0020】
好ましくは、処理デバイスは、処理面を加熱するための手段を備える。
【0021】
好ましくは、接触または近接検出器は、処理デバイスのヘッドに配置される。
【0022】
好ましくは、処理デバイスは、複数の歯を備えるブラシである。
【0023】
「ブラシ」は、複数の歯を支持する処理面を備える単一のアームで構成され、ブラシが頭髪を通過するときに歯同士の間に毛髪が受け入れられる、毛髪を処理するためのデバイスであると理解される。ブラシは、歯の単一の列を有してもよいが、好ましくは、歯の複数の列を有する。
【0024】
「歯」という用語は、「スパイク」または「剛毛」とも呼ばれ、ブラシが毛髪を通過するときに毛髪がその間に受け入れられる、ブラシから突出する要素またはブラシの突起を意味すると理解されるべきである。歯は、任意の形状を有してもよい。歯は、可撓性または剛性を有してもよく、必要に応じて、丸いヘッドまたはボールを歯の先端に有してもよい。
【0025】
本発明によるデバイスは、毛髪との実質的な接触または毛髪への実質的な近接が検出されたときにのみ、毛髪をブラッシングし、1回の動作において蒸気を当てることによって、毛髪を効果的に処理するのを可能にする。
【0026】

好ましくは、歯は、ブラシの処理面から延びる。
【0027】
歯は、歯の少なくとも1列、好ましくは歯の少なくとも2列において延びてもよく、歯の列は各々、好ましくは、ブラシの主軸に平行に延びる。
【0028】
好ましくは、ブラシの処理面は、正面図において実質的に矩形状を有し、歯は、歯のいくつかの列において延び、各列は、ブラシが実質的に矩形の外形を有する処理面を有する場合にはブラシの主軸に沿って延びる。
【0029】
好ましくは、歯の列は各々、少なくとも3つの歯、好ましくは10個~40個の歯、より好ましくは15個~40個の歯を備える。
【0030】
好ましくは、ブラシは、複数の歯のうちの少なくともいくつか、特に歯のうちの少なくとも2つ、好ましくは歯の少なくとも1つまたは複数の列を加熱するために歯を加熱するための手段を備える。歯を加熱するための手段は、処理面を加熱するための加熱手段であってもよい。歯を加熱することと蒸気を当てることを組み合わせると、毛髪の処理を向上させる助けになる。特に、この組合せによって、蒸気がこれらの空間内に発射されるときに、蒸気付与空間、特に歯同士の間の空間においてより高い温度を維持することが可能になる。この組合せによってまた、蒸気を当てる前または後に乾熱を用いて毛髪を加熱することが可能になり、それによって、毛髪の蒸気処理が向上する。
【0031】
ブラシの歯のうちの少なくともいくつかは、熱伝導材料、特に鉄、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、黒鉛、またはセラミックから作られてもよい。ブラシは、歯のうちの少なくともいくつか、特に歯のうちの少なくとも2つ、好ましくは歯の少なくとも1つまたは複数の列を加熱し、特に熱伝導性材料から作られた歯のすべてを加熱するために歯を加熱するための手段を備え得る。
【0032】
好ましくは、熱伝導性材料は、熱伝導率が10Wm-1-1よりも高く、より良好には、50Wm-1-1よりも高く、より良好には100Wm-1-1よりも高い。好ましくは、熱伝導性材料は、金属、具体的には銅、アルミニウム、鉄および鋼から選択される。代替的に、熱伝導性材料は、セラミックであってもよい。
【0033】
加熱手段は、1つまたは複数の加熱抵抗器または任意の他の加熱手段によって構成されてもよい。
【0034】
好ましくは、歯は、高さが2mm~50mm、好ましくは5mm~20mmの範囲である。
【0035】
好ましくは、歯は、表面突出部を有さない。
【0036】
好ましくは、歯のうちの少なくともいくつか、好ましくは歯のすべてが、ブラシに取り付けられ、特に処理面の穴に固着される。変形形態として、歯のうちの少なくともいくつか、好ましくは歯のすべてが、処理面に組み込まれ、たとえば、歯は、処理面と一体化される。
【0037】
歯は、処理面に垂直に延びるか、または前記処理面に対して傾斜してもよい。
【0038】
好ましくは、歯はすべて、相互に平行な軸に沿って延びる。
【0039】
蒸気出口
この処理デバイスは、1つまたは複数の蒸気出口を備えてもよい。
【0040】
好ましくは、蒸気出口は、蒸気出口の周囲外縁部によって区画されたデバイスの蒸気出口領域内を延び、蒸気出口領域は、延長軸に沿って延び、延長軸に沿って処理面の寸法の70%を超えて延び、好ましくは80%を超えて延びる。好ましくは、この延長軸は、デバイスの主軸に平行である。
【0041】
デバイスは、延長軸に沿って延び、特に蒸気出口領域の全長に沿って延びる、蒸気出口、特に単一の蒸気出口を備えてもよい。この場合、蒸気出口は、表面積が5mm以上の開口部を有してもよい。
【0042】
デバイスは、延長軸に沿って延び、特に蒸気出口領域の全長に沿って延びる、蒸気出口の少なくとも1つの列に沿って延びる複数の蒸気出口を備えてもよい。
【0043】
好ましくは、蒸気出口は、デバイス内の共通の蒸気供給チャンバ上に開口している。
【0044】
蒸気出口の列の蒸気出口は、歯の列において歯、特にブラシの場合はブラシの歯、特に上述のように、ブラシの熱伝導性材料から作られた歯と交互に配置されてもよい。変形形態として、蒸気出口は、歯を有さないブラシの領域内にある。
【0045】
好ましくは、蒸気出口は、デバイスの処理面上に延びる。上記で説明したようなブラシの場合、蒸気出口は、処理面上に延びるか、または処理面から出る歯上に延びる。
【0046】
蒸気出口は、デバイスの処理面の1つまたは複数の周囲領域内に延びてもよい。
【0047】
変形形態として、蒸気出口は、デバイスの処理面の1つまたは複数の内側領域内に延びてもよい。ブラシの場合、蒸気出口は、横方向において歯、特に歯の列、特に上述のように熱伝導性材料から作られた歯に隣接してもよい。
【0048】
好ましくは、デバイス、特に蒸気出口に蒸気を供給するためのシステムは、蒸気出口に供給する蒸気流量が5mL/min以下であり、好ましくは0.2mL/min~4であり、より好ましくは0.4mL/min~2mL/min、好ましくは0.5mL/min~0.95mL/minである。
【0049】
デバイス、特に蒸気供給システムは、好ましくは、蒸気出口に蒸気を供給する少なくとも1つの気化チャンバを備える。気化チャンバは、デバイスのヘッドまたはハンドル内にあってもよい。
【0050】
蒸気出口の周りの断面は、任意の形状、特に実質的に方形、実質的に矩形、実質的に丸形もしくは楕円形であってもよい。
【0051】
蒸気出口または各蒸気出口は、表面積が20mm以下であり、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは5mm未満であり、非常に好ましくは2mm未満である開口部を有する。
【0052】
デバイスは、気化される生成物、特に水、特に体積が1mL~50mLの範囲の水の槽を有してもよい。槽は、ハンドルおよび/またはヘッド内に位置してもよい。
【0053】
デバイス、特に蒸気発射システムは、貯水槽と蒸気出口との間、特に槽と気化チャンバとの間にポンプを備えてもよい。
【0054】
検出器
接触条件または近接条件は、特に毛髪の接触もしくは近接により正(positive)もしくは否(negative)の検出情報が生成されるときの、毛髪の接触もしくは近接の正の検出に関する情報、または接触センサーもしくは近接センサーによって測定された値と、しきい値もしくは設定点値範囲との一致であってもよく、しきい値もしくは設定点値範囲は、毛髪とデバイスとの接触もしくは近接を特徴づけるようにあらかじめ決定される。
【0055】
好ましくは、検出器は、機械的センサー、光学センサー、抵抗センサー、静電容量センサー、熱センサー、モーションセンサー、磁気センサー、および音センサーから選択される1つまたは複数のセンサーを含む。
【0056】
センサーは、1つもしくは複数の接触センサー、近接センサー、応力センサー、モーションセンサー、圧力センサー、屈曲センサー、もしくは温度センサー、または1つもしくは複数の赤外線センサー、音センサー、もしくは振動センサーであってもよい。
【0057】
検出器は、毛髪と処理デバイス、特に処理面、少なくとも1つの歯、またはセンサーとの間の機械的相互作用を検出する少なくとも1つのセンサーを備えてもよい。
【0058】
検出器は、特に毛髪が処理デバイスに接触するような距離における、センサーに対する毛髪の近接を検出する近接センサー、特に赤外線センサーを含んでもよい。たとえば、センサーは、それのハウジングにおいて処理面と面一になるように配置されるか、または処理面から引っ込んだ位置に配置されてもよく、ブラシの場合、センサーは、毛髪が歯に接触することに対応する距離におけるセンサーに対する毛髪の近接を検出してもよい。「処理面の周囲」という用語は、中心と縁部との間で中心よりも縁部に近い位置まで延びる処理面の領域として理解されたい。
【0059】
「ブラシのヘッドの境界」という用語は、処理面の周囲に隣接し処理面の外側にあるブラシのヘッドの領域として理解されたい。境界は、たとえば、ブラシの縁面に対応する。
【0060】
好ましくは、センサーは、処理デバイスのヘッド上またはヘッド内に配置される。センサーは、処理面の外側、たとえば、処理デバイスのヘッドの境界に配置されてもよい。センサーはまた、処理面上に配置されてもよく、たとえば、処理面の周囲および/または処理面の下方に配置されてもよい。ブラシでは、一般に、センサーは、1つもしくは複数の歯の上に配置されるか、処理面の周囲に配置されるか、またはブラシのヘッドの境界および/もしくは処理面の下方に配置されてもよい。
【0061】
検出器は、好ましくはデバイスのヘッド上に配置され、特に処理領域の周囲または処理ヘッドの境界に配置された赤外線センサーを備えてもよい。センサーのこのような配置は、センサーが、損傷を受ける可能性のある過剰な温度を受ける状況を防止することを可能にする。好ましくは、赤外線センサーは、センサーから15mm以下の距離において毛髪の存在を検出するように構成される。好ましくは、赤外線センサーは、ブラシの歯の最大高さ以下の距離、特にセンサーに隣接するブラシの歯の高さ以下の距離において毛髪の存在を検出するように構成される。したがって、毛髪を検出することができるように、毛髪がブラシの歯の間を貫通する必要がある。これによって、ブラシが、たとえば皮膚に向かって移動させられるときに蒸気の放出が防止される。センサーによって毛髪を検出する距離は、ブラシの歯の最大高さ、特にセンサーに隣接するブラシの歯の高さの50%以上、好ましくは70%以上であってもよい。これによって、特に毛髪が完全にブラシに進入する前に毛髪を検出することによって毛髪のブラシへの進入を予期することが可能になり、処理が向上する。
【0062】
処理面および/または歯を加熱するための手段を備えるデバイスの場合、検出器は、好ましくはデバイスのヘッドにおいて、特に処理面上または歯のうちの少なくとも1つ上に配置された温度センサーを備えてもよく、制御ユニットは、少なくとも、デバイスと毛髪との間の接触または近接に特有の、特に処理面または歯の温度の、設定点温度を下回る低下が、温度センサーによって検出されたときに、蒸気の供給を許可するように、かつ/または供給システムによって蒸気出口に蒸気を自動的に供給するように構成される。具体的には、毛髪は、毛髪との接触または近接が、温度センサーによって検出可能で測定可能な温度の低下をもたらすようにデバイスよりも低温にある。
【0063】
検出器は、好ましくはデバイスのヘッドに配置された応力センサーを備えてもよい。応力センサーは、処理面、および/または少なくとも1つの歯、および/または処理面上もしくは近傍に存在しセンサーに関連付けられたフィーラーに加えられた圧縮応力またはせん断応力を検出するように構成されてもよい。
【0064】
応力センサーは、特にヘッドにおいて、たとえば処理面および/もしくは歯に配置され、毛髪によって処理面、歯、および/またはフィーラーに加えられた圧縮応力および/またはせん断応力を検出および/または測定するように構成された圧電センサーであってもよい。応力センサーは、応力センサーに損傷をもたらし得る過剰な温度を応力センサーが受けるのを防止するために処理ヘッドの境界または処理面の周囲に配置されてもよい。好ましくは、圧電センサーは、毛髪上のブラシの移動によって処理面に加えられたせん断応力を検出するために処理面に配置される。制御ユニットは、少なくとも、検出された応力値が、設定点以上であるときに、蒸気の供給を許可するように、かつ/または蒸気供給システムによって蒸気出口に蒸気を自動的に供給するように構成されてもよい。
【0065】
応力センサーは、デバイスの処理面から延びる少なくとも1つのフィーラーに加えられた応力を検出するように構成されてもよい。ブラシの場合、フィーラーは、ブラシの歯またはブラシの歯から分離された機械要素であってもよい。
【0066】
フィーラーは、ブラシと毛髪または頭皮との間の接触を検出することを可能にすることができる1つまたは複数の方向に移動可能に取り付けられてもよい。フィーラーは、たとえば、屈曲または何らかの他の方法によって、平行移動可能なフィーラーである。
【0067】
好ましくは、フィーラーは、移動可能であり、特に休止位置から少なくとも1つの回転軸の周りを旋回可能であり、応力センサーは、力、特に、フィーラーが回転軸の周りを旋回運動することによって生じる戻り力を検出するためのセンサーであってもよく、フィーラーの移動量、特に旋回角度を検出および/または測定するように構成される。制御ユニットは、少なくとも、移動が検出されるか、または移動の振幅の測定値、特に旋回角度が、設定点以上であるときに、蒸気の供給を許可するように、または蒸気供給システムによって蒸気出口に蒸気を自動的に供給するように構成されてもよい。
【0068】
フィーラーは、少なくとも1つの歯、特にブラシの少なくとも1つの歯と実質的に同一の歯の形態で処理面から延びてもよい。フィーラーは、ブラシの少なくとも1つの歯に平行な処理面から延びてもよい。
【0069】
応力センサーは、フィーラーが取り付けられた回転可能な電位差計を備えてもよく、検出器は、フィーラーの移動に特有であり、特にフィーラーの旋回角度に特有の電位差計の出力における電圧を測定するように構成される。応力センサーは、フィーラー上またはフィーラー内のホール効果センサーと、回転軸の両側に配置された2つの磁石と、を備えてもよく、応力センサーは、磁界の存在を検出し、かつ/または電界の存在からセンサーにおける値を判定するように構成される。制御ユニットは、少なくともセンサーが磁界を検出したときに、蒸気の供給を許可するように、かつ/または蒸気供給システムによって蒸気出口に蒸気を自動的に供給するように構成されてもよい。
【0070】
モーションセンサーは、回転軸の両側に配置され、フィーラーが移動したとき、たとえば、フィーラーが回転軸の周りをしきい値角度だけ旋回したときに作動させられるように構成された、少なくとも2つのマイクロスイッチを備えてもよい。しきい値角度は、フィーラーに対するマイクロスイッチの位置の関数であってもよい。制御ユニットは、2つのマイクロスイッチのうちの少なくとも一方が作動させられたときに、蒸気の供給を許可するように、かつ/または蒸気供給システムによって蒸気出口に蒸気を自動的に供給するように構成されてもよい。
【0071】
検出器は、外力がないときにフィーラーを休止位置に戻すための弾性戻り部材を備えてもよい。休止位置は、特に、固着ベースに実質的に垂直であり、かつ/または隣接する歯の伸長軸に実質的に平行な伸長軸を有する、歯の中立基準位置である。弾性保持部材は、回転軸の両側のフィーラーを回転軸に対して固定された支持体に接続する1つまたは複数のばねを備えてもよい。
【0072】
デバイスは、上記で説明されたセンサーに加えて、デバイスのユーザによる把持を検出するように、特にデバイスのハンドルに配置された把持検出器を備えてもよい。制御ユニットは、少なくとも2つの条件が満たされたとき、すなわち、一方では、接触または近接検出器によって生成された情報から検証される接触条件または近接条件、および他方では、把持検出器によって生成された情報から検証される把持条件が満たされたときに、蒸気の供給を許可するように、かつ/または供給システムによって蒸気出口に蒸気を自動的に供給するように構成されてもよい。把持検出器は、赤外線検出器、誘導検出器、容量検出器、もしくは音検出器、またはマイクロスイッチであってもよい。検出される把持条件は、把持検出器によって生成されたユーザによる把持の正の検出に関する情報であってもよい。
【0073】
制御ユニット
制御ユニットは、デバイスがオフに切り替えられたとき、およびデバイスをオンに切り替えた後、毛髪接触条件または近接条件が満たされる前に、蒸気供給システムによって蒸気が供給されるのを防止するように構成されてもよい。
【0074】
好ましくは、制御ユニットは、接触条件または近接条件がもはや、たとえば5s、好ましくは2s、より好ましくは1s、好ましくは0.5sに等しい既定の時間遅延以上の期間にわたって満たされないときに、蒸気供給システムによる蒸気の供給を防止するように構成される。
【0075】
制御ユニットは、好ましくは、少なくとも2つの条件が満たされたとき、すなわち、一方では、接触条件または近接条件、および他方では、蒸気出口に蒸気を供給するための気化チャンバ内の温度条件が満たされたときに、蒸気供給システムによって蒸気出口に蒸気を供給するように構成され、蒸気の供給は、一方では、正の接触情報もしくは近接情報が生成されたときか、または接触検出器もしくは近接検出器によって測定された値と、毛髪とデバイスとの接触もしくは近接を特徴づけるように選択されたしきい値範囲もしくは設定点値範囲と、が一致したときにトリガされてもよく、他方では、気化チャンバ内の温度が所定の気化温度、特に100℃以上であるときにトリガされてもよい。
【0076】
制御ユニットは、少なくとも3つの条件が満たされたとき、すなわち、接触条件または近接条件、気化チャンバ内の温度条件、所定の気化温度以上、特に100℃以上、処理面または歯の温度条件、所定の処理温度以上、特に120℃以上が満たされたときに、供給システムによって蒸気出口に蒸気を供給するように構成されてもよい。
【0077】
デバイスは、気化チャンバおよび/または処理面もしくは歯の温度を検出するための検出器を備えてもよい。
【0078】
デバイスは、特にスイッチタイプのスイッチングオン部材を備えてもよく、スイッチングオン部材は、デバイスの電気供給をトリガし、特に気化チャンバの加熱をトリガし、かつ/または処理面および/もしくは歯を加熱するための手段の加熱をトリガし、かつ/または毛髪との接触および/もしくは近接の検出をトリガする。
【0079】
好ましくは、スイッチングオン部材は、気化チャンバの加熱ならびに処理面および/もしくは歯を加熱するための手段の加熱をトリガし、制御ユニットは、少なくとも2つの条件が満たされたとき、すなわち、気化チャンバ内の温度条件、所定の気化温度以上、特に100℃以上、および処理面または歯の温度条件、所定の処理温度以上、特に120℃以上が満たされたときに、検出器による毛髪との接触および/もしくは近接の検出をトリガするように構成される。
【0080】
スイッチングオン部材はまた、デバイスの始動からの時間を測定するように構成されたタイマを始動してもよく、制御ユニットは、少なくとも2つの条件が満たされたとき、すなわち、接触条件もしくは近接条件、およびタイマによって測定されるスイッチングオンからの持続時間の条件、すなわち、気化チャンバの温度が所定の気化温度まで上昇するための時間以上、ならびに/または処理面および/もしくは歯の温度が所定の処理温度まで上昇するための時間以上が満たされたときに、蒸気供給システムによって蒸気出口に蒸気を供給するように構成されてもよい。
【0081】
制御ユニットは、上述の条件が満たされたときに気化チャンバに水を供給するためのポンプを作動させるように構成されてもよい。
【0082】
制御ユニットは、上述の条件が満たされたときに蒸気出口への蒸気の供給を許可するように、供給システム、特に出口に蒸気を供給するためのポンプまたは気化チャンバへの供給のためのポンプに電気を供給するように構成されてもよく、蒸気出口に蒸気を供給するには、たとえば、ユーザによる手動の作動が必要である。
【0083】
供給システムは、蒸気出口に蒸気を供給するための弁を備えてもよく、制御システムは、上述の条件が満たされたときに蒸気出口に蒸気を供給するための弁を開くように構成される。
【0084】
蒸気の放出は、温度条件および接触条件または近接条件が満たされた場合にデバイスをオンに切り替えた後に自動的に行なわれてもよく、変形形態として、これらの条件に達しても十分ではないことがあり、蒸気の放出を可能にするには、条件が満たされているにもかかわらず、ユーザの側の追加の指示が必要であると見なされることがある。その場合、デバイスは、制御ユニットによって蒸気の放出が許可されたときに出口を通した蒸気の放出を手動でトリガするためのボタンまたはスイッチを備えてもよい。
【0085】
方法
本発明はまた、本発明によるデバイスを用いて毛髪を処理するための方法に関し、方法は、
検出器を使用してデバイスと毛髪との接触または近接を検出するステップと、
制御ユニットによって蒸気の供給が許可されるかまたは作動させられたときに蒸気出口に蒸気を供給するステップと、を含む。
【0086】
上記で説明されたデバイスの特徴は、組み合わされてまたは個別に方法に適用される。
【0087】
好ましくは、方法は、処理面を加熱するステップを含む。ブラシの場合、方法は、ブラシの歯のうちの少なくともいくつか、特に熱伝導性材料から作られ、特に金属から作られた歯を加熱するステップを含んでもよい。
【0088】
蒸気の供給は、制御ユニットによって自動的に実行されるか、または制御ユニットによって許可されたときにユーザによって手動で実行されてもよい。
【0089】
方法は、デバイスを手動でオンに切り替えるステップを含んでもよい。
【0090】
方法は、上述の条件が満たされたときに蒸気出口への蒸気の供給を許可するために制御ユニットによって供給システムに電気を供給するステップを含んでもよい。
【0091】
方法は、上述の条件が満たされたときに制御ユニットによって電気を供給するかまたはポンプもしくは弁を自動的に作動させるステップを含んでもよい。
【0092】
方法は、上述の条件が満たされたときに制御ユニットによって供給弁を開くステップを含んでもよい。
【0093】
方法は、制御ユニットによって蒸気の放出が許可されたときに出口を通した蒸気の放出を、特に、制御ユニットによって事前に電気を供給された供給システム、特にポンプをオンに切り替えることによって、手動でトリガするステップを含んでもよい。
【0094】
方法は、毛髪の一部または全部を完全に処理するために数回繰り返されてもよい。
【0095】
好ましくは、ブラシは、0.5cm/s~50cm/sの速度で毛髪を通過させられる。
【0096】
方法は、本発明のデバイスを使用する前または後に毛髪に少なくとも1つの化粧品を塗布するステップを含んでもよい。
【0097】
方法は、毛髪をすすぐ1つまたは複数のステップを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
図1】ブラシの一例の概略的な斜視図である。
図2図1のブラシの側面図である。
図3図1のブラシの正面図である。
図4図1図3のブラシのIV-IVに沿った断面図である。
図5図1図3のブラシのV-Vに沿った断面図である。
図6図1図5のブラシを用いた処理方法の一例の様々なステップを概略的に示す図である。
図7】接触検出器の変形形態の概略断面図である。
図8】接触検出器の変形形態の概略断面図である。
図9】接触検出器の変形形態の概略断面図である。
図10】接触検出器のフィーラーの変形形態を示す図である。
図11】接触検出器のフィーラーの変形形態を示す図である。
図12】ブラシの変形形態を概略的に示す図である。
図13】ブラシの変形形態を概略的に示す図である。
図14】ブラシの変形形態を概略的に示す図である。
図15図1のブラシを用いた処理方法の一例の様々なステップを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0099】
図1図5は、本発明によるヘアブラシ10の一例を示す。
【0100】
一例としてヘアブラシが示されているが、本発明は、他の蒸気供給デバイス、特に毛髪上に蒸気を供給することができる他の毛髪処理デバイスにも関する。
【0101】
ブラシ10は、把持ハンドル15と、処理ヘッド20と、を有する。上から見ると、ヘッド20は、図3においてわかり得るように、丸い隅角部を有する実質的に矩形を有してもよいが、異なる形状を有することができる。ヘッドは、特に、上から見たときに実質的に多角形、楕円形、または丸形であり得る。
【0102】
ヘッド20は、実質的に平坦な処理面21を有してもよい。もちろん、湾曲し、特に外側に向かって凸形の処理面21、たとえば、断面が実質的に円筒形であり、閉じた外形または半円筒外形を有する処理面21を有することが考えられる。
【0103】
ヘッド20は、処理面21から延びる複数の列において配置された歯23aおよび23bを備える。歯23aおよび23bの列は、ブラシの主軸Xに沿って延びる。歯の列は、8個から40個の歯を備えてもよく、この場合、説明のために8個の歯が示されている。歯は、ブラシに取り付けられてもよく、特に処理面を画定する材料とは異なる材料から作られる。ブラシは、歯の単一の列を備えてもよく、その場合、ブラシはコームと呼ばれる。
【0104】
ヘッド20は、図示のように、処理面21から突出する複数の蒸気出口30を備えてもよく、歯の列のうちの1つ、この例では中央列の歯23と交互に配置されてもよい。変形形態として、ヘッドは、単一の細長い蒸気出口を備える。蒸気出口は、歯23aの領域から離れてもよく、特に処理面21の縁部に沿って配置される。代替的に、蒸気出口は、歯23に作られてもよく、特に歯の側面上に突出する。
【0105】
図示の実施形態では、処理面21の周囲から延びる歯23bは、非熱伝導性材料から作られたスパイクの形態であり、互いに同一である。処理面全体にわたって数列に分散された歯23aは、熱伝導性材料、特に鉄、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、黒鉛、またはセラミックから作られ、場合によっては、コーティングを備える。歯23aは互いに同一である。変形形態として、歯23aおよび23bはそれぞれ、異なる材料、高さ、形状、および/または向きを有してもよい。歯23aおよび23bは、処理面21上でまったく異なる構成を採用してもよい。
【0106】
歯23aまたは23bは、歯の長手方向軸Y間で測定され、40mm以下、好ましくは1mm~10mmである距離dだけ互いに離間される。
【0107】
好ましくは、歯23aおよび23bは各々、長手方向軸Yに沿って延びる。各歯23aおよび23bの長手方向軸Yは、処理面21に対して60°~120°、たとえば、実質的に90°に等しい角度αを形成してもよい。
【0108】
好ましくは、歯23aおよび23bの高さhは、50mm以下、好ましくは2mm~50mm、より好ましくは5mm~35mmである。
【0109】
処理面21および/または歯23aは加熱されてもよい。好ましくは、処理面21および歯23は加熱される。
【0110】
図4に見られるように、歯23aは加熱手段によって加熱される。たとえば、ブラシ10は、特にヘッド内に1つまたは複数の加熱抵抗器35を備え、歯23aは、ヘッドから歯の遠位端まで熱伝導によって加熱される。
【0111】
好ましくは、電気抵抗器35は、図示のようにブラシのヘッド内に位置する。図示されていない変形形態では、加熱抵抗器35は、加熱コアの形態で歯23a内に延びる。
【0112】
ブラシ10は、加熱抵抗器の近傍に配置されるか、またはブラシおよび/もしくは歯のうちの少なくとも1つの端部に接触して配置された1つまたは複数のセンサーによって温度を調整するための、ここには図示されていないシステムを備えてもよい。
【0113】
蒸気出口30は、図示の例では、主軸Xに平行な方向に延び、ブラシのヘッド内に配置された細長いレール45を備える蒸気供給システム40によって蒸気を供給される。
【0114】
蒸気出口30は、レール上に開口したオリフィス、たとえば、6個~10個のオリフィスであり、好ましくはレール45に沿って均等に離間され、各オリフィスが、中央処理面に実質的に垂直に向けられた軸を有し、それによって、蒸気は、軸Wに沿って処理面に垂直に沿って放出される。
【0115】
蒸気出口30は、特に方形、矩形、丸形、または楕円形である任意の形状を有してもよい。
【0116】
蒸気出口30は、ブラシの中央における蒸気出口領域上を延び、蒸気出口領域は、周囲蒸気出口の横縁部によって区画され、主軸Xに平行な延長軸に沿って延びる。蒸気出口領域は、好ましくは、この軸に沿って処理面の寸法sの80%以上の長さeにわたって延びる。
【0117】
レール45は、気化チャンバ42によって蒸気を供給され、気化チャンバ42は、加熱要素によって加熱され、加熱要素自体が、槽48によって、気化される生成物を供給される。槽は、ブラシ内に位置し、特に、図5に示されるようにハンドルまたはヘッド内に位置してもよい。図示されていない変形形態では、槽は、気化される生成物を供給するためのダクトによってブラシが接続された外部ベース内へと偏って位置している。
【0118】
生成物、特に水の槽は、ブラシのハンドルまたはヘッド内にあるときには1mL~50mLの範囲の体積を有してもよい。
【0119】
ブラシは、毛髪接触検出器50を備える。この検出器50は、フィーラー55に加えられた機械的応力、特に毛髪によって加えられた機械的応力を検出するように構成された応力センサー52を備えてもよい。フィーラー55は、歯23aと実質的に同一の歯であってもよいが、異なり得る。応力センサー52は、特に毛髪によってフィーラー55に加えられたせん断応力を検出する圧電タイプの応力ゲージであってもよい。
【0120】
ブラシは、制御ユニット59を備え、制御ユニット59は、特に検出器50によって提供される情報に従ってブラシを制御するために、外付けされるか、またはブラシ内、特にハンドルに収容される。制御ユニットは、検出器50によって生成された情報、特に毛髪接触の正の検出に関する情報から検証される毛髪とブラシとの間の接触、または検出器によって測定された値と、デバイスと毛髪との間の接触の存在を特徴づけるしきい値もしくは設定点値範囲と、の一致の少なくとも1つの条件を含む、1つもしくは複数の条件が満たされたときに蒸気出口30を通した蒸気の放出を許可またはトリガする。
【0121】
ブラシは、使用されるときに、好ましくは0.5cm/s~50cm/sの範囲の速度で毛髪上を通過させられる。毛髪は、ブラシが使用される前にコームでとかしても、またはとかさなくてもよい。ブラシが毛髪内に入ると毛髪はフィーラーに接触し、応力、特に曲げ応力をフィーラーに加える。この応力が応力センサー52によって測定される。
【0122】
好ましくは、蒸気出口30を通して蒸気が放出されるとき、蒸気は、0.5mL/min~0.95mL/minの範囲の流量で放出され、蒸気出口の口部において放出される蒸気の速度は、好ましくは30cm/s~5m/sの範囲である。
【0123】
ブラシは、ユーザインターフェース18を備えてもよく、ユーザインターフェース18は、ユーザが様々な入力データ、特に動作温度、蒸気流量、もしくは毛髪の特徴を入力するか、またはブラシの1つもしくは複数の機能、特に蒸気を当てることもしくは熱を当てることを非アクティブ化するのを可能にする。インターフェースはまた、ブラシがユーザに情報、特に処理面もしくは歯の温度、または気化チャンバおよび/もしくは処理面および/もしくは歯の加熱の終了を送信するのを可能にし得る。
【0124】
図6は、ブラシの動作ステップを示す。
【0125】
ステップ100において、ユーザによってブラシがオンに切り替えられる。オンへの切替えは、たとえば、器具を商用電源に接続し、かつ/またはブラシ上、たとえば、特に携帯器具の場合にはハンドル上に存在するオンスイッチを押すことによって行なわれてもよい。このようにオンに切り替えると、ステップ102における、処理面21および/または歯23aの温度の上昇、ならびにステップ104における気化チャンバ42の温度の上昇がトリガされ、蒸気出口への蒸気の供給はアクティブ化されない。処理面21および/または歯23aならびに気化チャンバ42の温度の上昇は、ステップ106および108ならびに矢印110および112によって示されるように、処理面21および/または歯23aならびに気化チャンバ42が設定点温度に達しない限り維持される。
【0126】
ステップ114において2つの設定点温度に達すると、ブラシは、特にLEDの照明を介して、このことをユーザに示すことができる。必要に応じて、まだオンに切り替えられていない場合、ステップ116において検出器50がオンに切り替えられる。
【0127】
処理面21および/または歯23aの温度ならびに気化チャンバ42の温度の制御は、1つまたは複数の温度センサーを用いて行なわれてもよい。
【0128】
ブラシはまた、所定の時間の後にのみ検出器をオンに切り替え得、この期間は、処理面21および/または歯23aの温度ならびに気化チャンバ42の温度を設定点温度まで上昇させるのに必要な加熱期間よりも長い。
【0129】
ステップ118において、検出器50は、値を測定し、しきい値または毛髪とブラシとの間の接触に特有の設定点値範囲と比較する。測定値が、このしきい値に達しないか、または設定点値範囲にない限り、ステップ120および矢印122によって示されるように、蒸気は放出されない。検出された値がしきい値と交差するか、または設定点値範囲内に入った直後に、制御ユニット59は、ステップ124において蒸気の放出をトリガする。
【0130】
蒸気の放出は、ブラシがオフに切り替えられたときに停止されるか、またはステップ126において、検出器50によって検出された値が、既定の期間の間、たとえば、2s以下、好ましくは1s以下、好ましくは0.5s以下の間、しきい値よりも低いか、または設定点値範囲外であるときに停止される。
【0131】
図7図9は、応力センサー52の構造に関して上記で説明された検出器とは異なる検出器50の変形形態を示す。
【0132】
図7の実施形態では、応力センサー52は、回転可能な電位差計60であり、電位差計60上に、軸Fの周りを旋回可能なフィーラー55が取り付けられる。フィーラー55は、横方向においてフィーラー55を固定ベース64に接続する軸Fの両側の2つのばね62によって休止位置に維持される。デバイスは、フィーラー55の動きにおける設定を判定するように構成される。
【0133】
図8の実施形態では、応力センサー50は、フィーラー上またはフィーラー内のホール効果センサー70と、2つの関連する磁石72と、を備えてもよい。
【0134】
図9の実施形態では、応力センサー50は、2つのマイクロスイッチ80を備えてもよく、マイクロスイッチ80は、フィーラーの両側に配置され、前記移動するフィーラー55がマイクロスイッチ80のうちの一方に接触したときに作動させられるように構成される。
【0135】
図10および図11は、旋回可能に取り付けられた可動フィーラー55の異なる形態を示す。図10の例では、フィーラー55は、扁平な歯90と、ベース94から延びる、歯90の両側のスパイク92と、を備え、ベース94は、支持体96上に旋回可能に取り付けられる。ベース94は、保持ばねによって休止位置に維持される。図11の例では、フィーラー55は、フォークの形態の遠位端を有する単一の歯90を備える。
【0136】
図12に示される変形形態では、検出器50は、応力センサー以外であってもよい。検出器50は、たとえば、毛髪がセンサーに近接して存在する場合に特有の表面21または歯23の局所的な温度降下を検出するための温度センサーであってもよい。この検出器50は、毛髪の近接を検出するための近接センサー、特に赤外線センサーであってもまたよい。このタイプのセンサーの場合、検出距離は、好ましくは歯の高さh以下である。
【0137】
検出器は、図1図12に示されるように、ブラシのヘッド20上において実質的にヘッドの中央に配置されるか、または図13に示されるように、ヘッド20の周囲において処理面21の外側または内側に配置されてもよい。
【0138】
図14に示される変形形態では、ブラシは、ハンドルに把持検出器98を備え、特にそのピース上の機械的アクチュエータまたはユーザによるブラシの把持を検出する赤外線センサーを備える。その場合、蒸気の放出は、把持と毛髪との接触の両方が同時に検出されたときにのみトリガされる。
【0139】
この場合、動作は、図15に示されるように進行してもよく、図6の特定のステップを繰り返し、それらのステップを補足する。ステップ116において、接触または近接検出器50および把持検出器98がオンに切り替えられる。把持検出器は、ステップ128において検出値を判定する。把持検出値がステップ130における把持に対応する場合、およびステップ118において測定された応力がしきい値に達するか、または設定点値範囲内にある場合、制御ユニット59は、ステップ124において蒸気の放出をトリガする。
【0140】
蒸気の放出は、ステップ126において、ブラシがオフに切り替えられるまで、または検出器50によって検出された値が、2s以下、好ましくは1s以下、好ましくは0.5s以下の期間の間しきい値を下回るかもしくは設定点値範囲外になるまで、または把持がもはや検出されなくなるまで維持される。
【0141】
本発明は、上記で説明した例に限定されない。検出器は、毛髪のハンドピースとの接触または近接を検出することが可能である限り任意の形態をとってもよい。
【0142】
ブラシは、化粧品塗布部材を備えてもよく、化粧品塗布部材は図示されていない。
【0143】
蒸気出口および/または歯は、説明された蒸気出口および/または歯と異なってもよく、ブラシ上に異なるように配置されてもよい。
【符号の説明】
【0144】
10 ヘアブラシ
15 把持ハンドル
20 処理ヘッド
21 処理面
23a、23b 歯
30 蒸気出口
35 加熱抵抗器
42 気化チャンバ
45 レール
48 槽
50 毛髪接触検出器
52 応力センサー
55 フィーラー
59 制御ユニット
60 電位差計
62 ばね
64 固定ベース
70 ホール効果センサー
72 磁石
80 マイクロスイッチ
90 扁平な歯
92 スパイク
94 ベース
96 支持体
98 把持検出器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪処理デバイス(10)であって、
毛髪上に蒸気を放出するための少なくとも1つの蒸気出口(30)と、
少なくとも1つの前記蒸気出口(30)に蒸気を供給するための蒸気供給システム(40)と、
前記毛髪処理デバイスと前記毛髪との接触または近接を検出するための少なくとも1つの接触または近接検出器(50)と、
少なくとも1つの既定の条件が満たされるときに、蒸気の供給を許可するように、かつ/または前記蒸気供給システム(40)によって前記蒸気出口(30)に蒸気を自動的に供給するように構成された蒸気制御ユニット(59)であって、当該条件は、前記接触または近接検出器(50)によって生成された情報から検証される毛髪接触または近接条件である、蒸気制御ユニット(59)と、を備える、毛髪処理デバイス(10)。
【請求項2】
複数の歯(23a、23b)を備えるブラシである、請求項1に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項3】
前記複数の歯(23a)のうちの少なくともいくつかを加熱するために前記歯を加熱するための手段(35)を備える、請求項2に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項4】
前記毛髪接触または近接条件は、特に、それにより、正または否の検出器によって毛髪の接触または近接の正の検出に関する情報が生成されるときの、毛髪の接触または近接の正の検出に関する情報、あるいは、前記接触または近接検出器(50)によって測定された値と設定点値範囲との一致であり、前記設定点値範囲は、前記毛髪と前記毛髪処理デバイスとの前記接触または近接を特徴づけるようにあらかじめ決定される、請求項1に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項5】
前記接触または近接検出器(50)は、機械的センサー、光学センサー、抵抗センサー、静電容量センサー、熱センサー、モーションセンサー、磁気センサー、および音センサーから選択される1つまたは複数のセンサーを含む、請求項1に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項6】
前記接触または近接検出器(50)は、前記毛髪と前記毛髪処理デバイスとの間の機械的相互作用を検出する少なくとも1つのセンサーを備える、請求項1に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項7】
前記接触または近接検出器(50)は、応力センサー(52)を備え、前記応力センサー(52)は、処理面(21)、および/または少なくとも1つの歯、および/または前記処理面(21)上もしくは近傍に存在し前記応力センサー(52)に関連付けられたフィーラー(55)に加えられた圧縮応力またはせん断応力を検出するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項8】
前記応力センサーは、前記毛髪によって前記処理面(21)、前記歯(23a、23b)、および/または前記フィーラー(55)に加えられた圧縮応力またはせん断応力を検出および/または測定するように構成された圧電センサー(52)である、請求項7に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項9】
前記フィーラー(55)は、休止位置から少なくとも1つの回転軸Fの周りを移動可能であり、デバイスは、前記フィーラー(55)の移動を検出および/または測定するように構成される、請求項7に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項10】
前記接触または近接検出器(50)は、外力がないときに前記フィーラー(55)を休止位置に戻すための弾性戻り部材(60)を備える、請求項9に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項11】
前記接触または近接検出器(50)は、近接センサーを備える、請求項1に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項12】
処理面(21)および/または歯(23a)を加熱するための手段を備え、前記接触または近接検出器(50)は、温度センサーを備え、前記蒸気制御ユニット(59)は、少なくとも、前記毛髪処理デバイスと前記毛髪との間の接触または近接に特有の、設定点温度を下回る温度低下が、前記温度センサーによって検出されたときに、前記蒸気の供給を許可するように、かつ/または前記蒸気供給システム(40)によって前記蒸気出口(30)に蒸気を自動的に供給するように構成される、請求項1に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項13】
前記毛髪処理デバイスのユーザによる把持を検出するための把持検出器(98)を備え、前記蒸気制御ユニット(59)は、少なくとも2つの条件が満たされたとき、すなわち、一方では、前記接触または近接検出器(50)によって生成された情報から検証される前記毛髪接触または近接条件、および他方では、前記把持検出器(98)によって生成された情報から検証される把持条件が満たされたときに、前記蒸気の供給を許可するように、かつ/または前記蒸気供給システムによって前記蒸気出口に蒸気を自動的に供給するように構成される、請求項1に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項14】
前記蒸気制御ユニット(59)は、前記毛髪処理デバイス(10)がオフに切り替えられたときに、または前記毛髪処理デバイスをオンに切り替えた後で前記毛髪接触または近接条件が満たされる前に、あるいは、前記毛髪接触または近接条件がもはや既定の時間遅延以上の期間にわたって満たされないときに、前記蒸気供給システム(40)による前記蒸気の供給を防止するように構成される、請求項1に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項15】
前記蒸気制御ユニット(59)は、少なくとも2つの条件が満たされたとき、すなわち、一方では、前記毛髪接触または近接条件、および他方では、前記蒸気出口(30)に供給するための気化チャンバ(42)内の温度条件が満たされたときに、前記蒸気供給システム(59)によって前記蒸気出口(30)に蒸気を供給するように構成される請求項1に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項16】
前記蒸気の供給は、好ましくは、一方では、正の接触または近接情報が生成されるか、あるいは、前記接触または近接検出器(50)によって測定された値と、前記毛髪と前記毛髪処理デバイスとの前記接触または近接を特徴づけるように選択されたしきい値範囲もしくは設定点値範囲と、が一致したときにトリガされ、他方では、前記気化チャンバ(42)内の温度が所定の気化温度以上であるときにトリガされる、請求項15に記載の毛髪処理デバイス。
【請求項17】
請求項1に記載の毛髪処理デバイスを用いて毛髪を処理するための方法であって、
前記接触または近接検出器(50)を使用して前記毛髪処理デバイスと前記毛髪との接触または近接を検出するステップと、
前記蒸気制御ユニット(59)によって前記蒸気の供給が許可されるかまたは作動させられたときに前記蒸気出口(30)に蒸気を供給するステップと、を含む、方法。
【国際調査報告】