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特表2024-532514車両用電力伝送システム、充電装置及び電気車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】車両用電力伝送システム、充電装置及び電気車両
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240829BHJP
   B60L 53/18 20190101ALN20240829BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
B60L53/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514108
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 CN2022116514
(87)【国際公開番号】W WO2023030445
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202111028873.X
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522388383
【氏名又は名称】長春捷翼汽車科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Changchun JETTY Automotive Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 957, Shunda Road, High-tech Development Zone, Chaoyang District Changchun City, Jilin Province, 130000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】王 超
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125FF13
(57)【要約】
本発明は車両用電力伝送システム、充電装置と電気車両を提供するものであり、前記車両用電力伝送システムは、充電接続部(1)と一端が充電接続部(1)の一端に接続される電力伝送レール(2)とを備える。該車両用電力伝送システムは、大電流による充電中に導電性が良好で、軽量化が可能であり、コストが低く、電磁干渉を免れることができ、構造が簡単で、組立て易い利点がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用電力伝送システムであって、電力伝送レール(2)と外部充電システムに接続される充電接続部(1)を含み、電力伝送レール(2)の一端は充電接続部(1)の一端に接続されている、車両用電力伝送システム。
【請求項2】
電力伝送レール(2)は交流電力伝送システム(201)であり、
或いは、電力伝送レール(2)は直流電力伝送システム(202)であり、
或いは、電力伝送レール(2)は交流電力伝送システム(201)と直流電力伝送システム(202)である、請求項1に記載の車両用電気エネルギー伝達システム。
【請求項3】
X、Y、Z軸を座標軸とする空間直交座標系において、電力伝送レール(2)はZ方向屈曲部(205)及び/又はXY方向屈曲部(206)を含む、請求項1に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項4】
Z方向屈曲部(205)の屈曲角度は0°~180°であり、XY方向屈曲部(206)の屈曲角度は0°~180°である、請求項3に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項5】
電力伝送レール(2)は少なくとも一つの螺旋部(203)を含む、請求項1に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項6】
螺旋部(203)のピッチ(204)は8mm以上である、請求項5に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項7】
電力伝送レール(2)は扁平形の電力伝送本体(212)を含み、電力伝送本体(212)の材料にはアルミニウム、リン、錫、銅、鉄、マンガン、クロム、チタン及びリチウムのうちの一つ又は複数が含まれる、請求項1に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項8】
電力伝送本体(212)の材料にはアルミニウムが含まれる、請求項7に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項9】
電力伝送本体(212)の引っ張り強度は30MPa~230MPaである、請求項7に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項10】
電力伝送本体(212)の引っ張り強度は40MPa~170MPaである、請求項9に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項11】
電力伝送本体(212)の破断伸長率は2%~60%である、請求項7に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項12】
電力伝送本体(212)の硬度は8HV~105HVである、請求項7に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項13】
電力伝送本体(212)の硬度は10HV~55HVである、請求項12に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項14】
電力伝送本体(212)の結晶粒のサイズは5μm~200μmである、請求項7に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項15】
電力伝送レール(2)は電力伝送本体(212)を含み、電力伝送レール(2)の他端は車両用電気供給手段に接続される、請求項1に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項16】
電力伝送レール(2)は接続領域(207)が設けられる、請求項15に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項17】
接続領域(207)と充電接続部(1)及び/又は前記車両用電気供給手段との接続形態は、抵抗溶接、摩擦溶接、超音波溶接、アーク溶接、レーザ溶接、電子ビーム溶接、圧力拡散溶接、磁気誘導溶接、螺合、係合、繋ぎ合わせ及び圧着のうちの一つ又は複数である、請求項16に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項18】
接続領域(207)と積層して接続される電気エネルギートランスファー層(209)をさらに含む、請求項16に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項19】
電気エネルギートランスファー層(209)の材料には、ニッケル、カドミウム、マンガン、ジルコニウム、コバルト、錫、チタン、クロム、金、銀、亜鉛、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの一つ又は複数が含まれる、請求項18に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項20】
電気エネルギートランスファー層(209)の厚さは1μm~5000μmである、請求項18に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項21】
前記接続の形態は、抵抗溶接、摩擦溶接、超音波溶接、アーク溶接、レーザ溶接、電子ビーム溶接、圧力拡散溶接、磁気誘導溶接、螺合、係合、繋ぎ合わせと圧着のうちの一つ又は複数である、請求項18に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項22】
接続領域(207)内に第一接続貫通孔(208)が設けられ、電気エネルギートランスファー層(209)内に第二接続貫通孔(210)が設けられており、第二接続貫通孔(210)と第一接続貫通孔(208)は軸方向に重なり合う、請求項18に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項23】
第一接続貫通孔(208)と第二接続貫通孔(210)内に移行接続リング(211)が内嵌しており、移行接続リング(211)は第一接続貫通孔(208)及び第二接続貫通孔(210)としまりばめであるか又は貼り合わせられる、請求項22に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項24】
移行接続リング(211)の材料には、ニッケル、カドミウム、マンガン、ジルコニウム、コバルト、錫、チタン、クロム、金、銀、亜鉛、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの一つ又は複数が含まれる、請求項23に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項25】
移行接続リング(211)の材質は電気エネルギートランスファー層(209)と同じである、請求項23に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項26】
移行接続リング(211)の円周方向の外面には外移行層が設けられ、前記外移行層の材料には、ニッケル、カドミウム、マンガン、ジルコニウム、コバルト、錫、チタン、クロム、金、銀、亜鉛、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの一つ又は複数が含まれる、請求項25に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項27】
前記外移行層の材質は電力伝送本体(212)と同じである、請求項26に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項28】
接続領域(207)の接続面には沈積金属層が設けられる、請求項16に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項29】
前記沈積金属層の材料には、ニッケル、カドミウム、マンガン、ジルコニウム、コバルト、錫、チタン、クロム、金、銀、亜鉛、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬銀及び銀金ジルコニウム合金のうちの一つ又は複数が含まれる、請求項28に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項30】
前記沈積金属層の材質は接続領域(207)にラップされた電極と同じである、請求項28に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項31】
前記沈積金属層の厚さは1μm~5000μmである、請求項28に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項32】
前記車両用電力伝送システムは少なくとも二つの電力伝送レール(2)を含み、前記二つの電力伝送レール(2)はそれぞれ直流正極電力伝送システム(220)と直流負極電力伝送システム(221)であり、電力伝送レール(2)は電力伝送本体(212)を含む、請求項1に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項33】
前記二つの電力伝送レール(2)の幅方向は互いに平行である、請求項32に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項34】
前記二つの電力伝送レール(2)の電力伝送本体(212)間の距離は27cm以下である、請求項32に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項35】
前記二つの電力伝送レール(2)の電力伝送本体(212)間の距離は7cm以下である、請求項34に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項36】
前記二つの電力伝送レール(2)の電力伝送本体(212)は互いに鏡像になる、請求項32に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項37】
前記二つの電力伝送レール(2)の電力伝送本体(212)が積層方向に沿って重なり合う重合度は40%~100%である、請求項32に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項38】
電力伝送レール(2)は、電力伝送本体(212)と電力伝送本体(212)の外側に設けられる保護装置とを備える、請求項1に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項39】
電力伝送本体(212)と保護装置の隙間は1cm以下である、請求項38に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項40】
前記保護装置は絶縁体(213)である、請求項38に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項41】
前記保護装置はプラスチック保護ケースである、請求項38に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項42】
前記プラスチック保護ケースは電力伝送本体(212)と一体に射出成形される、請求項41に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項43】
前記保護装置はシールド機能を具備し、前記保護装置の伝達インピーダンスは100mΩ未満である、請求項38に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項44】
電力伝送レール(2)は放熱構造を備え、該放熱構造は電力伝送本体(212)を冷却することができる、請求項38に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項45】
前記放熱構造の冷却スピードは0.5℃/min以上である、請求項44に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項46】
前記放熱構造は空冷放熱通路(214)であり、空冷放熱通路(214)は前記車両用電力伝送システムの外部に連通される、請求項44に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項47】
電力伝送レール(2)は放熱構造を含み、前記放熱構造は空冷放熱通路(214)であり、空冷放熱通路(214)は電力伝送本体(212)と前記保護装置の間に位置する、請求項38に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項48】
前記保護装置の内面に支持構造(215)が設けられ、電力伝送本体(212)は支持構造(215)に接触されており、電力伝送本体(212)と前記保護装置と支持構造(215)とが囲んで空冷放熱通路(214)を構成する、請求項47に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項49】
支持構造(215)は電力伝送レール(2)の円周方向と軸方向に沿って設けられた複数の支持棒又は支持ブロック(216)を含む、請求項48に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項50】
空冷放熱通路(214)は円周方向通路(217)と軸方向通路(218)を含み、円周方向通路(217)と軸方向通路(218)は連通される、請求項48に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項51】
前記放熱構造は液冷放熱通路(219)であり、液冷放熱通路(219)は輸液チューブ(5)を介して循環水ポンプ(3)に接続される、請求項44に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項52】
液冷放熱通路(219)は電力伝送本体(212)内に位置し、液冷放熱通路(219)は電力伝送本体(212)の軸線方向に沿って伸びる、請求項51に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項53】
液冷放熱通路(219)は電力伝送本体(212)と前記保護装置の間に位置する、請求項52に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項54】
液冷放熱通路(219)は電力伝送本体(212)の厚さ方向及び/又は幅方向に沿って両側に位置する、請求項53に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項55】
前記車両用電力伝送システムは、接続領域(207)又は接続領域(207)の回りの9cmを超えない半径範囲内に位置して、電力伝送レール(2)の温度を測定する温度センサー(4)をさらに含む、請求項16に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項56】
温度センサー(4)はNTC温度センサー又はPTC温度センサーである、請求項55に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項57】
充電装置であって、請求項1乃至56のうちのいずれか1項に記載の車両用電力伝送システムを含み、充電接続部(1)は充電プラグ又は充電ソケットである、充電装置。
【請求項58】
電気車両であって、請求項1乃至56のうちのいずれか1項に記載の車両用電力伝送システムを含み、充電接続部(1)は充電プラグ又は充電ソケットからなる、電気車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、特許出願番号が202111028873.Xで、出願日が2021年9月2日であり、発明の名称が「車両用電力伝送システム、充電装置及び電気車両」の中国特許の優先権を主張する。
【0002】
本発明は電力伝送技術分野に関し、具体的には、車両用電力伝送システム、充電装置、電気車両に関する。
【背景技術】
【0003】
新エネルギー分野の発展とともに、環境保護に対する要求が高まるにつれて、電気自動車が急速な発展を遂げている。電気自動車の原動力は主に車バッテリによって供給されるが、バッテリの電気量が消耗された後にこれにエネルギーを蓄えて充電するシステムは電気自動車の重要な構成部分となり、充電システムは主に充電ソケット、電線、コネクタを備える。現在、充電システムの電線として主に銅ワイヤハーネスが用いられており、接続時に電線の両端が端子に接続された後、両端がそれぞれ充電台とコネクタに接続され、コネクタのオス端子とメス端子が配合されてバッテリを充電するように構成される。新エネルギー自動車の発展とともに、短い時間で充電を完了することはクライアントの主な要求とされ、このような快速充電の需要を満たすために電流の流入を増加しなければならないが、これにより電力伝送システムの導線ハーネスのサイズを増加させる必要があるから、銅ワイヤハーネスのサイズが増加し、そのコストと重量も著しく増加される。
【0004】
大電流が電力伝送システムを通す時に、その他の部材に対して電磁干渉を発生するが、このような電磁干渉を免れるために、電力伝送システムの外側にシールド層を増加する必要があり、このような高圧導線ハーネスのシールドを増加することに従ってコスト及び重量が著しく増加される。
【0005】
現在の電気自動車を充電する過程において、大電流は電力伝送システムの高い発熱量を引き起こし、高圧導線ハーネスの熱量を減少させるために一般的にワイヤの直径を増加することにより導線の抵抗及び熱量を減少するが、これにより高圧導線ハーネスのコストと重量が大幅に増加してしまう。
【0006】
したがって、電力伝送技術分野において、導電性が良好で、軽量化が可能であり、コストが低く、電磁干渉を避けることができ、構造が簡単で装着が便利な電力伝送システムが緊急に必要な実情である。
【発明の概要】
【0007】
電力伝送システムのコストを下げるために、本発明は車両用電力伝送システム、充電装置と電気車両を提供しており、該車両用電力伝送システムは、大電流充電過程で導電性が良好で、軽量化が可能であり、コストが低く、シールド効果が良好であり、電力伝送システムの温度を効率的に下げ、且つ構造が簡単であり、組立が便利である利点がある。
【0008】
本発明が解決しようとする技術課題は以下の技術手段によって達成される。
【0009】
電力伝送レールと、一端が該電力伝送レールの一端に接続され、外部の充電システムに接続された充電接続部と、を備える車両用電力伝送システムを提供する。
【0010】
上記の車両用電力伝送システムを備え、充電接続部は充電プラグ又は充電ソケットからなる充電装置を提供する。
【0011】
上記の車両用電力伝送システムを備え、充電接続部は充電プラグ又は充電ソケットからなる電気車両を提供する。
【発明の効果】
【0012】
1.該車両用電力伝送システムは、アルミニウムが含有された材料で電力伝送レールの導線を構成し、コストを下げるだけでなく、軽量化が可能であり、良好な導電性によって大電流の充電要求を満足させることができる。
【0013】
2.該車両用電力伝送システムは、電力伝送レールを適当な間距を隔てて積層して設け、電力伝送システムの導線ハーネスに電流を通した後にその他の部品への電磁干渉を効率的に減少することで、電力伝送システムのシールド層の構造を除去できて、コストを減少し、軽量化の要求を満たすことができる。
【0014】
3.該車両用電力伝送システムは、電力伝送レールに放熱構造を設けて、電力伝送システムに電流を通した後の発熱の問題を効率的に解決できるため、良好な冷却効果を達成するとともに、接続領域に温度センサーを設けることにより、電力伝送システムの温度をリアルタイムでモニタリングすることができる。
【0015】
4.該車両用電力伝送システムは、電力伝送システムの接続領域に電気エネルギートランスファー層及び/又は沈積金属層を設けて、接続領域の耐腐食性を高めることにより、電力伝送システムの使用寿命を延長することができる。
【0016】
本出願の一部を構成する図面は本発明を理解し易くするためであり、その概略的な実施例及びその説明は本発明を説明するためのもので、本発明はこれに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明による車両用電力伝送システムの模式図である。
図2図2はZ方向の屈曲部の模式図である。
図3図3はXY方向の屈曲部の模式図である。
図4図4は電力伝送レールの螺旋形の模式図である。
図5図5は接続領域と電気エネルギートランスファー層の分解模式図である。
図6図6は接続領域と電気エネルギートランスファー層の接続模式図である。
図7図7は接続領域、電気エネルギートランスファー層と移行接続リングの模式図である。
図8図8は二つの電力伝送レールがそれぞれ直流正極電力伝送システムと直流負極電力伝送システムからなることを示す模式図である。
図9図9は直流正極電力伝送システムと直流負極電力伝送システムによって生成される誘導磁界の平面模式図である。
図10図10は直流正極電力伝送システムと直流負極電力伝送システムによって生成の誘導磁界の斜視模式図である。
図11図11は直流正極電力伝送システムと直流負極電力伝送システム間の距離を示す模式図である。
図12図12は絶縁体端部の模式図である。
図13図13は本発明による車両用電力伝送システムの断面模式図である。
図14図14は支持構造の模式図である。
図15図15は液冷放熱通路が電力伝送本体内に位置する断面模式図である。
図16図16は液冷放熱通路が電力伝送本体内に位置する外部模式図である。
図17図17は液冷放熱通路が電力伝送本体と絶縁体の間に位置する断面模式図である。
図18図18は液冷放熱通路が電力伝送本体と絶縁体の間に位置する外部模式図。
【符号の説明】
【0018】
1、充電接続部;2、電力伝送レール;3、循環水ポンプ;4、温度センサー;5、輸液チューブ;201、交流電力伝送システム;202、直流電力伝送システム;203、螺旋部;204、ピッチ;205、Z方向屈曲部;206、XY方向屈曲部;207、接続領域;208、第一接続貫通孔;209、電気エネルギートランスファー層;210、第二接続貫通孔;211、移行接続リング;212、電力伝送本体;213、絶縁体;214、空冷放熱通路;215、支持構造;216、支持棒又は支持ブロック;217、円周方向通路;218、軸方向通路;219、液冷放熱通路;220、直流正極電力伝送システム;221、直流負極電力伝送システム;222、誘導磁界。
【発明を実施するための形態】
【0019】
需要によって、本出願による実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせることができる。以下に、図面を参照しながら実施例を結合して本発明について詳細に説明する。
【0020】
図1に示すように、車両用電力伝送システムは、充電接続部1と電力伝送レール2を備え、充電接続部1は外部充電システムに接続され、電力伝送レール2の一端は充電接続部1に接続される。
【0021】
図1乃至図18に示すように、該車両用電力伝送システムは、導線として電力伝送レールを用いており、大電流による充電過程において導電性が良好で、軽量化が可能であり、コストが低く、且つ構造が簡単であり、組立て易い。該車両用電力伝送システムは、車両の内部に用いられるだけでなく、車両外部の充電ガンにも用いられる。
【0022】
本実施例において、電力伝送レール2の数は需要によって決定され、一つ乃至複数に形成される。図1に示すように、電力伝送レール2は交流電力伝送システム201であってよい。又は、電力伝送レール2は直流電力伝送システム202であってもよい。又は、電力伝送レール2は直流電力伝送システム201と交流電力伝送システム202であってもよい。
【0023】
本実施例において、電力伝送レール2は扁平形の電力伝送本体212を備え、電力伝送本体212の材料は、アルミニウム、リン、錫、銅、鉄、マンガン、クロム 、チタン、リチウムのうちの一つ又は複数が含まれる(或いは、これらの材料のうちの一つ又は複数である)。
【0024】
望ましくは、電力伝送本体212の材料はアルミニウムが含まれる(或いは、これらの材料のうちの一つ又は複数である)。
【0025】
望ましくは、電力伝送レール2は高圧アルミニウム扁平バンドであり、即ち前記電力伝送本体212の材料は、アルミニウムであり、ここで電力伝送レール2は充電アルミニウム扁平バンドであり、アルミニウム扁平バンドは導電性が良好で、その密度は銅の密度の1/3であり、銅導線ハーネスより軽いだけでなく、アルミニウムのコストも銅より安い。
【0026】
本実施例において、電力伝送レール2は屈曲して成形されやすい利点があり、即ち電力伝送レール2は屈曲された後に形状を維持することができ、車体に板金を配置することに従って、需要に応じて異なる位置に屈曲成形が可能であるから、空間を節約するとともに固定し易く、その他のケーブルと巻き取られるのを免れることができる。
【0027】
具体的に、図2図3に示すように、X、Y、Z軸を座標軸とする空間直交座標系において、電力伝送レール2はZ方向屈曲部205及び/又はXY方向屈曲部206を備える。Z方向屈曲部205の屈曲角度αは0°~180°であり、XY方向屈曲部206の屈曲角度βは0°~180°である。
【0028】
電力伝送レール2は良好な屈曲性能を具備し、屈曲部位は一定のラジアンを維持し、且つ/又は連続的に折り曲げ、車体部材に付着されることもでき、折り曲げ状況について、成形方式として押出、固定モジュールを巻き取るか捩るなどの方法を選択でき、成形された後に自動車の組立効果を影響しない限り、小さい範囲内のスプリングバックを許容する。
【0029】
電力伝送レール2は同一方向への折り曲げに限らず、電力伝送レール2はXY方向とZ方向に連続的に折り曲げられ、具体的な形状の電力伝送レール2を獲得できる。
【0030】
本実施例において、図4に示すように、電力伝送レール2は少なくとも一つの螺旋部203を備え、前記螺旋部203のピッチ204は8mmより大きい。
【0031】
螺旋部203のピッチ204による電力伝送レール2の引っ張り強度への影響を検証するために、発明者は同じ仕様の電力伝送レール2を用いて、異なるピッチに基づいて、同じ数の螺旋部203を具備する電力伝送レール2のサンプルを製造し、電力伝送レール2のストレッチング強度をテストした。テスト結果は表1に示すとおりである。
【0032】
電力伝送レール2のストレッチング強度のテスト方法について以下のように説明する。ユニバーサルテスティングマシンを用いて、螺旋部203を具備する電力伝送レール2のサンプルの両端をそれぞれユニバーサルテスティングマシンのストレッチング治具に固定し、50mm/minのスピードで引っ張って、最終に切れる時の破断位置、及び切れる時の引張力の値を記録した。本実施例において、引張力の値が1600Nを超えると合格値と判断した。
【0033】
表1:異なるピッチによる電力伝送レール2のストレッチング強度と破断位置への影響
【0034】
【表1】
【0035】
表1から分かるように、螺旋部のピッチが8mm未満である場合、ピッチが小さいため、電力伝送レール2を大きく捩らなければならないので、電力伝送レール2の内部の応力が集中し、外力を受ける際に、一旦、螺旋部が破断され、切れる時に引張力の値が合格値を下回り、この時に電力伝送レール2の強度が高くなく、使用中に破断されやすいリスクが存在し、電力伝送レール2の機能を失って、厳しい時には短絡を引き起こし、燃焼事故を発生させる。螺旋部のピッチが8mmより大きいと、電力伝送レール2は緩やかに捩られ、螺旋部の応力が均一になるため、破断される時に破断部位が螺旋部に集中されず、切れる時の引張力の値が合格値を超えるため、電力伝送レール2の力学性能と電気的性能が保証される。従って、螺旋部のピッチは8mmより大きいことが望ましい。
【0036】
本実施例において、前記電力伝送本体212の引っ張り強度は30MPa~230MPaである。望ましくは、前記電力伝送本体212の引っ張り強度は40MPa~170MPaである。
【0037】
電力伝送本体212の引っ張り強度を検証するために、電力伝送本体212が切れる時の引張力の値及びXY方向に沿って屈曲するトルクへの影響について検討した。発明者は同じサイズ、仕様、異なる引っ張り強度を具備する電力伝送本体212のサンプルを利用して、電力伝送本体212のストレッチング強度と屈曲時のトルクについてテストした。テスト結果は表2に示すとおりである。
【0038】
電力伝送本体212のストレッチング強度のテストは次のように行われた。ユニバーサルテスティングマシンを用いて、電力伝送本体のサンプルの両端をそれぞれユニバーサルテスティングマシンのストレッチング治具に固定し、50mm/minのスピードで引っ張り、最終に切れる時の引張力の値を記録した。本実施例において、引張力の値が1600Nを超えると合格値と判断した。
【0039】
電力伝送本体212のトルクテストは次のように行われた。トルクテスタを用いて、電力伝送本体を同じ半径、同じスピードで90°折り曲げた場合、折り曲げ過程に電力伝送本体212が変形されるトルクの値をテストした。本実施例において、トルクの値が30N・m未満であると合格値と判断した。
【0040】
表2:異なる引っ張り強度による電力伝送本体212のストレッチング強度への影響
【0041】
【表2】
【0042】
表2から分かるように、電力伝送本体212の引っ張り強度が30MPa未満である場合、電力伝送本体が切れる時の引張力の値が合格値を下回り、この時電力伝送本体212自体の強度が高くなく、小さい外力でも切れて、電力伝送本体212が機能を失うことになるため、電力伝送の目的を達成することができない。電力伝送本体212の引っ張り強度が230MPaを超える場合、電力伝送本体212自体の強度が高く、電力伝送本体212が切れる時の引張力の値がいずれも合格値の範囲を満たすことはできるが、電力伝送本体212を屈曲する時よりも大きなトルクによって電力伝送本体212を変形しなければならず、この時トルクの値は合格値の要求を満足することができない。従って、電力伝送本体212の引っ張り強度は30MPa~230Mpaであるのが望ましい。
【0043】
表2のデータから分かるように、電力伝送本体212の引っ張り強度が40MPa~170MPaである場合、電力伝送本体が切れる時の引張力の値とXY方向に沿って屈曲するトルクの値がいずれも充分に範囲内に存在する。従って、電力伝送本体212の引っ張り強度は40MPa~170Mpaであるのが望ましい。
【0044】
本実施例において、前記電力伝送本体212の破断伸長率は2%~60%であってよい。
【0045】
電力伝送本体212の破断伸長率による電力伝送本体212が一定の距離に引っ張れた際のその破断状況と導電率への影響を検証するために、発明者は同じサイズ、仕様、異なる破断伸長率を具備する電力伝送本体212のサンプルを用いて、電力伝送本体212が一定の距離で引っ張れた時の破断状況と導電率についてテストした。テスト結果は表3に示すとおりである。
【0046】
電力伝送本体212の破断状況を次のようにテストした。ユニバーサルテスティングマシンを用いて、電力伝送本体212のサンプルの両端をそれぞれユニバーサルテスティングマシンのストレッチング治具に固定して、50mm/minのスピードで同じ距離を引っ張って、電力伝送本体212の破断状況を観察した。本実施例において、ストレッチング距離は一般的に電力伝送本体212が作業条件で引張力が施された後の移動距離に定義され、電力伝送本体212が破断されると不合格であると判断した。
【0047】
電力伝送本体212の導電率を次のようにテストした。マルチメータを用いて、電力伝送本体212の両端が固定された位置に同じ電圧を施し、引っ張れる前と一定の長さが引っ張れた後の電力伝送本体212の電流をそれぞれテストし、比率を算出して、100%を乗算した。本実施例において、導電率が95%を超えると合格であると判断した。
【0048】
表3:電力伝送本体212の破断伸長率による破断状況と導電率への影響
【0049】
【表3】
【0050】
表3から分かるように、電力伝送本体212の破断伸長率が2%未満である場合、電力伝送本体212の剛性が強く、一定の距離に引っ張れた後、電力伝送本体212が破断され、電力伝送本体212が機能を失うことになり、電力伝送の目的を達成することができず、厳しい時には短絡を引き起こし、燃焼事故が発生する。電力伝送本体212の破断伸長率が60%を超える場合、電力伝送本体212が切れないけれども、電力伝送本体212が柔らかいため、電力伝送本体212が容易に引っ張られ、断面の面積が減少し、電力伝送本体212の導電率が合格値の要求を満たすことができない。従って、電力伝送本体212の破断伸長率は2%~60%であるのが望ましい。
【0051】
本実施例において、前記電力伝送本体212の硬度は8HV~105HVであってよい。望ましくは、前記電力伝送本体212の硬度は10HV~55HVであってよい。
【0052】
電力伝送本体212の硬度による電気エネルギートランスファー層209が電力伝送本体212から剥離される力とXY方向に沿って屈曲されるトルクへの影響を検証するために、発明者は同じサイズ、仕様、異なる硬度を具備する電力伝送本体212のサンプルを用いて、電力伝送本体212の電気エネルギートランスファー層209が剥離される力と屈曲時のトルクについてテストした。テスト結果は表4に示すとおりである。
【0053】
電気エネルギートランスファー層209が剥離される力を次のようにテストした。ユニバーサルテスティングマシンを用いて、電気エネルギートランスファー層209の電力伝送本体212のサンプルを溶接し、電気エネルギートランスファー層209と電力伝送本体212をそれぞれユニバーサルテスティングマシンのストレッチング治具に固定し、50mm/minのスピードで引っ張って、最終に電気エネルギートランスファー層209が電力伝送本体212から剥離される時の引張力の値を記録した。本実施例において、引張力の値が900Nを超えると合格値と判断した。
【0054】
電力伝送本体212のトルクを次のようにテストした。トルクテスタを用いて、電力伝送本体212が同じ半径、同じスピードで90°折り曲げる場合、折り曲げ過程において電力伝送本体が変形されるトルクの値をテストした。本実施例においてトルクの値が30N・m未満であると合格値と判断した。
【0055】
表4:電力伝送本体212の硬度による電気エネルギートランスファー層が剥離される力と屈曲時のトルクへの影響
【0056】
【表4】
【0057】
表4から分かるように、電力伝送本体212の硬度が8HV未満である場合、電気エネルギートランスファー層209が電力伝送本体212から剥離される時の引張力の値は合格値を下回り、この時電力伝送本体212に溶接された電気エネルギートランスファー層209は外力の作用で電力伝送本体212から容易に剥離されるため、電力伝送本体212を保護することができなく、電力伝送本体212が機能を失うため、電力伝送の目的を達成することができなく、厳しい時には短絡を引き起こし、燃焼事故を発生する。電力伝送本体212の硬度が105HVを超える場合、電力伝送本体212自体の硬度が高く、電力伝送本体212を屈曲する時に電力伝送本体212を変形させるためにより大きなトルクが要り、この時トルクの値は合格値の要求を満たすことができない。従って、電力伝送本体の硬度は8HV~105HVであるのが望ましい。
【0058】
表4のデータから分かるように、電力伝送本体212の硬度が10HV~55HVである場合、電気エネルギートランスファー層209が電力伝送本体212から剥離される時の引張力の値とXY方向に沿って屈曲されるトルクの値はいずれも充分な範囲内に存在する。従って、電力伝送の硬度は10HV~55HVであるのが望ましい。
【0059】
本実施例において、前記電力伝送本体212の結晶粒のサイズは5μm~200μmである。
【0060】
電力伝送本体212の結晶粒のサイズによる電力伝送本体212のストレッチング強度とエネルギー製造への影響を検証するために、発明者は同じサイズ、仕様、異なるサイズの結晶粒を具備する電力伝送本体212のサンプルを用いて、電力伝送本体212のサンプルのストレッチング強度と製造する時に消耗されるエネルギーについてテストした。テスト結果は表5に示すとおりである。
【0061】
電力伝送本体212のストレッチング強度を次のようにテストした。ユニバーサルテスティングマシンを用いて、電力伝送本体212のサンプルの両端をそれぞれユニバーサルテスティングマシンのストレッチング治具に固定して、50mm/minのスピードで引っ張り、最終に切れる時の引張力の値を記録した。本実施例において、引張力の値が1600Nを超えると合格値と判断した。
【0062】
電力伝送本体212を製造する際に消耗されるエネルギーを次のようにテストした。異なるサイズの結晶粒を具備する電力伝送本体212を獲得するために、電力伝送本体212について熱処理を行い、異なるサイズの結晶粒に対応して消耗されるエネルギーを統計して算出した。本実施例において、消耗のエネルギーの値が30KW/H未満であると合格値と判断した。
【0063】
表5:電力伝送本体212の結晶粒のサイズによるストレッチング強度と製造時に消耗されるエネルギーへの影響
【0064】
【表5】
【0065】
表5から分かるように、電力伝送本体212の結晶粒のサイズが5μm未満である場合、電力伝送本体212を製造する時に消耗されるエネルギーが合格値の要求を満たすことができず、結晶粒が小さいほど、製造する時に消耗されるエネルギーが多く、電力伝送本体212のコストも増えるのに対して、対応の性能はあまり高くない。電力伝送本体212の結晶粒のサイズが200μmを超える場合、電力伝送本体212が切れる時の引張力の値が合格値を下回り、電力伝送本体212自体の強度が高くなく、小さい外力を受けても切れて、電力伝送本体212が機能を失うため、電力伝送の目的を達成することができない。従って、電力伝送本体212の結晶粒のサイズは5μm~200μmであるのが望ましい。
【0066】
望ましくは、前記電力伝送本体212の材料はアルミニウムからなり、即ち電力伝送レール2は充電アルミニウム扁平バンドであってよく、電力伝送レール2の一端は充電接続部1の一端に接続され、電力伝送レール2は電力伝送本体212を備え、電力伝送レール2の他端は車両用電気供給手段に接続され、電力伝送レールの一端に接続領域207が設けられる。
【0067】
望ましくは、電力伝送レール2の両端にいずれも接続領域207が設けられ、電力伝送レール2の一端の接続領域207は充電接続部1のインタフェースに接続され、電力伝送レール2の他端の接続領域207は車両用電気供給手段の電極に接続される。
【0068】
接続方式について、接続領域207は、抵抗溶接、摩擦溶接、超音波溶接、アーク溶接、レーザ溶接、電子ビーム溶接、圧力拡散溶接、磁気誘導溶接、螺合、係合、繋ぎ合わせ、圧着のうちの一つ又は複数の方式によって充電接続部1及び/又は車両用電気供給手段に接続される。
【0069】
抵抗溶接とは、大電流を利用して電極とワーク間の接触ポイントを介して、接触抵抗によって熱を生成して溶接することを指す。
【0070】
摩擦溶接とは、ワークの接触面の摩擦によって生成された熱量を熱源として、ワークを圧力の作用で塑性変形させて溶接することを指す。
【0071】
超音波溶接とは、高周波振動波を二つの溶接が必要な物体の表面に伝達して、加圧の条件で二つの物体表面を互いに摩擦させて分子層間の融着を行うことを指す。
【0072】
アーク溶接とは、電気的アークを熱源として、空気放電の物理的現象を利用して、電気エネルギーを溶接に必要な熱エネルギーと機械エネルギーに変換することで金属を接続する目的を達成することを指し、主要に被覆アーク溶接、サブマージアーク溶接、ガスシールド溶接などがある。
【0073】
レーザ溶接とは、高エネルギー密度のレーザビームを熱源として効率的で精密に溶接を行うことを指す。
【0074】
電子ビーム溶接とは、加速と集束された電子ビームを用いて真空又は非真空における溶接面を衝撃して、被溶接ワークを溶融して溶接することを指す。
【0075】
圧力溶接とは、溶接部材に圧力を施し、接合面を密着して一定に塑性変形して溶接することを指す。
【0076】
拡散溶接とは、ワークを高温で加圧するが、可視変形と相対的移動を発生しないソリッドステート溶接方法を指す。
【0077】
磁気誘導溶接とは、二つの被溶接ワークを強いパルス磁界の作用で瞬間的な高速衝突を発生して、材料表面層が高い圧力波の作用で二つの材料の原子が原子間の距離内ぶつかることにより、境界面に安定的な冶金結合を形成することを指す。ソリッドステート冷間溶接の一種で、属性が類似するか又は類似しない導電性金属を溶接することができる。
【0078】
螺合とは、ねじによる接続を指し、ねじ部材(又は被接続部材のねじ部分)によって被接続部材を一体的に着脱可能に接続することを指す。一般的なねじ締結部材として、ボルト、スタッド、スクリュウーとセットスクリュウーなどがあり、通常は基準部品を指す。
【0079】
係合とは、接続端又は接続面にそれぞれ対応の係止爪又はノッチが形成され、ノッチと係止爪が組み立てられて接続されることを指す。係合は、速く接続でき、着脱可能な利点がある。
【0080】
繋ぎ合わせとは、接続端又は接続面にそれぞれ対応のノッチと突起が設けられて、ノッチと突起が互いにほぞ継ぎ又は繋ぎ合わせて組み立て且つ接続されることを指す。繋ぎ合わせは、安定に接続でき、着脱可能な利点がある。
【0081】
圧着とは、接続端と接続面を組み立てた後、圧着機を用いて、両者を一体にプレシングする生産プロセスを指す。圧着は量産性を有し、自動圧着機を用いて多くの品質の安定な製品を速く製造できる利点がある。
【0082】
上記接続方式によって、実際の使用環境及び接続領域207と車両用電気供給手段又は充電接続部1との実際の状態に応じて、適当な接続方式を選択するか、或いは接続方式を組み合わせて効率的な電気的接続を実現することができる。
【0083】
接続領域207に第一接続貫通孔208が設けられ、電力伝送レール2は車両用バッテリと直接にボルト接続され、例えば、ボルトが接続領域207内で第一接続貫通孔208を貫通して電力伝送レール2の他端を車両用バッテリの電極に接続固定することができる。
【0084】
アルミニウム材料は硬度が柔軟であり、ボルトを締める時のトルクに耐えることができないため、ボルトの締める領域にガスケットを追加する必要がある。同時に、アルミニウム扁平バンド用ボルトと締められるバッテリ端(即ち電極)は一般的に銅金属からなり、アルミニウム材料と銅材料の電極の電位の差は1.7V程度であり、二つの金属が接触する際に電気化学的腐食が発生し、接触位置に酸化銅と酸化アルミニウムが発生して、接触部位の抵抗が増加し、接触位置で熱が発生して電気エネルギーの伝達を影響し、さらには事故を引き起こす。上記二つの状況を鑑み、接続領域207と車両用バッテリの電極の間に移行金属を設け、ボルトを締める時のトルク及び二つの金属の接続による電気化学的腐食問題を解決する必要がある。
【0085】
前記移行金属について、第一実施例によると、図5図6に示すように、電気エネルギートランスファー層209をさらに備え、電気エネルギートランスファー層209は接続領域207に積層して接続され、電気エネルギートランスファー層209に第二接続貫通孔210が設けられ、第二接続貫通孔210は第一接続貫通孔208と軸方向に重なり合う。
【0086】
電気エネルギートランスファー層209と接続領域207は、抵抗溶接、摩擦溶接、超音波溶接、アーク溶接、レーザ溶接、電子ビーム溶接、圧力拡散溶接、磁気誘導溶接、螺合、係合、繋ぎ合わせ、圧着のうちの一つ又は複数の方式によって接続される。
【0087】
電気エネルギートランスファー層209として、一定の硬度、導電性を具備し、電極電位が銅アルミニウム電極の電位に近い電極又は非活性金属で形成される。例えば、電気エネルギートランスファー層209の材料は、カドミウム、マンガン、ジルコニウム、コバルト、チタン、クロム、金、銀、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬銀と銀金ジルコニウム合金のうちの一つ又は複数が含まれる(或いは、これらの材料のうちの一つ又は複数である)。
【0088】
さらに、電気エネルギートランスファー層209と接続領域207は、圧力溶接、摩擦溶接、抵抗溶接と超音波溶接のうちの一つ又は複数の方式によって積層溶接される。
【0089】
電気エネルギートランスファー層209の厚さは1μm乃至5000μmであってよい。
【0090】
電気エネルギートランスファー層209の厚さの変化による接続領域207の性能への影響を検証するために、発明者は同じ仕様、材料を用いて、ニッケルメッキ沈積金属層の異なる厚さに基づいて一連の温度上昇テストと耐腐食性時間をテストした。実験結果は表6に示すとおりである。
【0091】
温度上昇テストは次のように行われた。接続後の接続領域207のサンプルに同じ電流を通し、封止の環境で電流を通す前と温度が安定された後の接続領域207のサンプルの同じ位置の温度をテストし、差の絶対値を獲得した。本実施例において、温度上昇が50Kを超えると不合格であると判断した。
【0092】
耐腐食性時間のテストは次のように行われた。接続領域207のサンプルを塩水噴霧試験ボックス内に入れて、接続領域207のそれぞれの位置に塩水を噴霧し、20時間置きに取り出して洗濯した後に表面腐食状況を観察することを一つの周期とし、接続領域207の表面腐食面積が総面積の10%を超えるとテストを停止して、当時の周期数を記録した。本実施例において、周期数が80回未満であると不合格であると判断した。
【0093】
表6:電気エネルギートランスファー層209の異なる厚さによる接続領域207のサンプルの温度上昇と耐腐食性への影響
【0094】
【表6】
【0095】
表6から分かるように、電気エネルギートランスファー層209の厚さが1μm未満である場合、該接続領域207のサンプルの温度上昇が合格レベルに達成するが、接続領域207のサンプルの耐腐食性の周期数が80回未満であるため、性能の要求を満たすことができなく、該電力伝送システムの全体的性能と寿命に大きな影響を与え、厳しい時には製品の寿命が急に減少して、さらには機能を失って燃焼事故を引き起こす。電気エネルギートランスファー層209の厚さが5000μmを超える場合、接続領域207に生成された熱量が放熱されないため、電力伝送システムの接続領域207の温度上昇が不合格になり、一方電気エネルギートランスファー層209が厚い場合、却って接続領域207の表面から脱落され易く、耐腐食性の周期数が下降する。従って、電気エネルギートランスファー層209の厚さは1μm~5000μmであるのが望ましい。望ましくは、ニッケルシートの厚さが50μm以上である場合、耐腐食性がさらに良好である。ニッケルシートの厚さが3000μm以下である場合、温度上昇値がいずれも40K未満であるため、電気エネルギートランスファー層209の厚さは50μm~3000μmであるのが望ましい。
【0096】
以下に、120mmの幅を具備する電力伝送レール2を例にして、接続領域207に電気エネルギートランスファー層209を溶接し、電気エネルギートランスファー層209の異なる材料による接続領域207の性能への影響を検証するために、発明者は同じ仕様、材料を用いて、異なる材料の電気エネルギートランスファー層209の接続領域207を採用して一連の耐腐食性時間のテストを行った。実験結果は表7に示すとおりである。
【0097】
表7における耐腐食性時間のテストは次のように行われた。接続領域207のサンプルを塩水噴霧試験ボックス内に入れて、接続領域207のそれぞれの位置に塩水を噴霧し、20時間置きに取り出して洗濯して表面腐食状況を観察することを一つの周期とし、接続領域207のサンプルの表面の腐食面積が総面積の10%を超えるとテストを停止し、当時の周期数を記録した。本実施例において、周期数が80回未満であると不合格であると判断した。
【0098】
表7:電気エネルギートランスファー層209の異なる材料による接続領域207のサンプルの耐腐食性への影響
【0099】
【表7】
【0100】
表7から分かるように、電気エネルギートランスファー層209の材料に常用の金属である錫、ニッケル、亜鉛が含まれる場合、実験の結果がその他の金属を用いた場合より悪く、その他の金属を用いた場合の実験結果は基準値を大きく超え、性能が安定である。従って、電気エネルギートランスファー層209の材料は、ニッケル、カドミウム、マンガン、ジルコニウム、コバルト、錫、チタン、クロム、金、銀、亜鉛、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬銀と銀金ジルコニウム合金のうちの一つ又は複数が含まれるのが望ましい。さらに望ましくは、電気エネルギートランスファー層209の材料は、カドミウム、マンガン、ジルコニウム、コバルト、チタン、クロム、金、銀、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬銀と銀金ジルコニウム合金のうちの一つ又は複数が含まれる(或いは、これらの材料のうちの一つ又は複数である)。
【0101】
一方、第一接続貫通孔208と第二接続貫通孔210内に移行接続リング211が内嵌されており、移行接続リング211は第一接続貫通孔208及び第二接続貫通孔210としまりばめ又は貼り合わせであり、接続部位でバイメタルによる腐食を防止し、移行接続リング211の材料は、ニッケル、カドミウム、マンガン、ジルコニウム、コバルト、錫、チタン、クロム、金、銀、亜鉛、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬銀と銀金ジルコニウム合金のうちの一つ又は複数が含まれる(或いは、これらの材料のうちの一つ又は複数である)。
【0102】
図6に示すように、移行接続リング211は電気エネルギートランスファー層209と同じ材料からなる。
【0103】
移行接続リング211の材料は金属であって、移行接続リング211の円周方向の外面は外移行層が設けられ、前記外移行層の材料は、ニッケル、カドミウム、マンガン、ジルコニウム、コバルト、錫、チタン、クロム、金、銀、亜鉛、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬銀と銀金ジルコニウム合金のうちの一つ又は複数が含まれる(或いは、これらの材料のうちの一つ又は複数である)。
【0104】
前記外移行層は前記電力伝送本体212と同じ材料から形成される。
【0105】
前記移行金属について、第二実施例によると、接続領域207の接続面(即ちバッテリ電極を向く表面)に沈積金属層が設けられる。前記沈積金属層の材料は、ニッケル、カドミウム、マンガン、ジルコニウム、コバルト、錫、チタン、クロム、金、銀、亜鉛、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬銀と銀金ジルコニウム合金のうちの一つ又は複数が含まれる(或いは、これらの材料のうちの一つ又は複数である)。沈積金属層は物理気相成長によって実現される。前記沈積金属層は接続領域207にラップされたバッテリ電極と同じ材料からなる。これらの技術案によって同様に接続領域207の表面の強度を補強し、接続領域207とバイメタルが積層されることによる腐食を免れることができる。
【0106】
以下に、同様に120mmの幅を具備する電力伝送レール2を例にすると、接続領域207に沈積金属層が設けられ、沈積金属層の異なる材料による接続領域207の性能への影響を検証するために、発明者は同じ仕様、材料を用いて、沈積金属層の異なる材料による接続領域207を選択して一連の耐腐食性時間のテストを行った。実験結果は表8に示すとおりである。
【0107】
表8における耐腐食性時間のテストは次のように行われた。接続領域207のサンプルを塩水噴霧試験ボックス内に入れて、接続領域207のそれぞれの位置に塩水を噴霧し、20時間置きに取り出して洗濯して表面の腐食状況を観察することを一つの周期とし、接続領域207のサンプルの表面の腐食面積が総面積の10%を超えるとテストを停止し、当時の周期数を記録した。本実施例において、周期数が80回未満であると不合格であると判断した。
【0108】
表8:沈積金属層の異なる材料による接続領域207のサンプルの耐腐食性への影響
【0109】
【表8】
【0110】
表8から分かるように、沈積金属層の材料に常用金属の錫、ニッケル、亜鉛が含まれる場合、実験の結果はその他の金属を使用した場合より悪く、その他の金属を用いた実験結果は基準値を大きく超えており、性能が安定である。従って、沈積金属層の材料は、ニッケル、カドミウム、マンガン、ジルコニウム、コバルト、錫チタン、クロム、金、銀、亜鉛錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬銀と銀金ジルコニウム合金のうちの一つ又は複数が含まれる(或いは、これらの材料のうちの一つ又は複数である)のが望ましい。より望ましくは、沈積金属層の材料は、カドミウム、マンガン、ジルコニウム、コバルト、チタン、クロム、金、銀、錫鉛合金、銀アンチモン合金、パラジウム、パラジウムニッケル合金、グラファイト銀、グラフェン銀、硬銀と銀金ジルコニウム合金のうちの一つ又は複数が含まれる(或いは、これらの材料のうちの一つ又は複数である)。
【0111】
前記沈積金属層の厚さは1μm乃至5000μmであってよい。
【0112】
沈積金属層の厚さの変化による接続領域207の性能への影響を検証するために、発明者は同じ仕様、材料を用いて、ニッケルメッキ沈積金属層の異なる厚さに基づいて、一連の温度上昇テストと耐腐食性時間をテストした。実験結果は表9に示すとおりである。
【0113】
温度上昇テストは次のように行われた。接続後の接続領域207のサンプルに同じ電流を通し、封止の環境で電流を通す前と温度が安定された後の接続領域207のサンプルの同じ位置上の温度を検出し、差の絶対値を獲得した。本実施例において、温度上昇が50Kを超えると不合格であると判断した。
【0114】
耐腐食性時間のテストは次のように行われた。接続領域207のサンプルを塩水噴霧試験ボックス内に入れて、接続領域207のそれぞれの位置に塩水を噴霧し、20時間置きに取り出して洗濯して表面の腐食状況を観察するのを一つの周期とし、接続領域207の表面の腐食面積が総面積の10%を超えると、テストを停止して当時の周期数を記録した。本実施例において、周期数が80回未満であると不合格であると判断した。
【0115】
表9:沈積金属層の異なる厚さによる接続領域のサンプルの温度上昇と耐腐食性への影響
【0116】
【表9】
【0117】
表9から分かるように、沈積金属層の厚さが1μm未満である場合、該接続領域207のサンプルの温度上昇が合格レベルに達するけれども、沈積金属層が薄すぎて、接続領域207のサンプルの耐腐食性周期数が80回未満で、性能の要求を満たすことができなく、該電力伝送システムの全体的性能と寿命に大きな影響を与え、厳しい時には製品の寿命が急に下がり、更には効力を失い、燃焼事故を引き起こす。沈積金属層の厚さが5000μmを超える場合、接続領域207で生成する熱量が放熱されず、電力伝送システムの接続領域207の温度上昇が不合格になり、且つ沈積金属層が厚い場合、接続領域207の表面から脱落し易く、耐腐食性の周期数が下がる。従って、沈積金属層の厚さが1μm~5000μmの電気エネルギートランスファー層を形成するのが望ましい。望ましくは、ニッケルシートの厚さが1μm以上である場合、耐腐食性がより良好であり、ニッケルシートの厚さが100μm以下である場合、温度上昇値がいずれも20K未満であるため、電気エネルギートランスファー層209の厚さは1μm~100μmであるのが望ましい。
【0118】
前記沈積金属層は、電気的メッキ、無電解メッキ、マグネトロンスパッタリングと真空メッキのうちの一つ又は複数の方法によって接続領域207の接続面にコーティングされる。
【0119】
電気的メッキとは、電気分解の原理によって一部の金属表面にその他の金属又は合金の薄い層をコーティングする過程を指す。
【0120】
無電解メッキとは、金属の触媒作用で、制御可能な酸化還元反応を通して金属を生成する沈積過程を指す。
【0121】
マグネトロンスパッタリングとは、磁界と電界のインタフェースの作用で、ターゲット表面回りで電子を螺旋状に運行させて、電子がアルゴンガスとぶつかってイオンを生成する確率を高めることを指す。生成されたイオンは電界作用でターゲット面にぶつかってターゲット材料をスパッタリングすることができる。
【0122】
真空メッキとは、真空条件で、蒸留又はスパッタリングなどの方式によって射出部材の表面にそれぞれの金属と非金属薄膜を沈積させることを指す。
【0123】
電力伝送レール2が直流電力伝送システム202である場合、電力伝送レール2は電流を通す時に誘導磁界222を形成し、該誘導磁界222は外部について電磁干渉を発生するが、従来技術において一般的なソリューションとして、導線の外部に電磁シールド層を設けた。シールド構造を除去し、コストを下げ、重量を減少するために、図8に示すように、本発明において、前記車両用電力伝送システムは二つの積層された電力伝送レール2を備え、前記二つの電力伝送レール2はそれぞれ直流正極電力伝送システム220と直流負極電力伝送システム221からなり(即ち電力伝送レール2は二つの直流電力伝送システム202を備え、一方の直流電力伝送システム202は直流正極電力伝送システム220であり、他方の直流電力伝送システム202は直流負極電力伝送システム221である)、電力伝送レール2は電力伝送本体212を備える。
【0124】
本実施例において、前記電力伝送システムは少なくとも積層された二つの電力伝送レール2を備える。
【0125】
前記二つの電力伝送レール2が上下に積層して設けられる場合、図9図10に示すように磁界が形成される。電力伝送レール2はフラットな構造であって、その面積が最大な部位で磁界が最も強く、電力伝送レール2を積層して正極及び負極充電アルミニウム扁平バンドの磁界を相殺させることで(二つの電力伝送レール2のうちの電流のサイズが同じで電流方向Aが反対すると、誘導磁界の強度が同じであり方向が反対になる)、電力伝送レール2に電流を通す時にその他の電気部品への電磁干渉を除去することができる。
【0126】
二つの電力伝送レール2の間の距離及び二つの電力伝送レール2の積層重合度は磁界の相殺程度を大きく影響するため、本発明は二つの電力伝送レール2に対する積層設計及び二つの電力伝送レール2の積層距離と重合度に対する制御によって電力伝送レール2の磁界を効率的に相殺させ、電力伝送システムのシールド層の構造を除去し、コストを減少し、軽量化の需要を満足させることができる。
【0127】
望ましくは、前記二つの電力伝送レール2は幅方向において互いに平行する。前記二つの電力伝送レール2の電力伝送本体212は互いに鏡像になる。図11に示すように、前記二つの電力伝送レール2の電力伝送本体212間の距離はHである。前記二つの電力伝送レール2の電力伝送本体212の積層方向は図10における上下方向である。
【0128】
前記二つの電力伝送レール2の電力伝送本体212が積層方向に沿って重なり合う重合度が100%である場合、前記二つの電力伝送レール2の電力伝送本体212間の距離Hが磁界の相殺への影響は表10に示すとおりであり、磁界相殺の百分率が30%を超えると合格値と判断した。
【0129】
表10:二つの電力伝送本体212が積層して重なり合う面積が100%である場合、アルミニウム導体間の距離Hによる磁界相殺への影響



【0130】
【表10】
【0131】
そのうち、前記重合度は、前記二つの電力伝送レール2の電力伝送本体212が積層方向に沿って重なり合う面積が一つの電力伝送レール2の電力伝送本体212の面積で示す百分率に定義される。
【0132】
表10から分かるように、前記二つの電力伝送レール2の電力伝送本体212が積層方向に沿って重なり合う重合度が100%である場合、前記二つの電力伝送レール2の電力伝送本体212間の距離Hが27cm以下であると、磁界相殺の百分率は合格であり、電磁干渉を防止するための一定の効果を具備する。望ましくは、前記二つの電力伝送レール2の電力伝送本体212間の距離が7cm以下である場合、磁界を効率的に相殺でき、且つ効果も明らかである。従って、二つの電力伝送レール2の電力伝送本体212間の距離Hは7cm以下であるのが望ましい。
【0133】
前記二つの電力伝送レール2の電力伝送本体212間の距離が7cmである場合、前記二つの電力伝送レール2が積層方向に沿って重なり合う重合度による磁界相殺への影響は表11に示すとおりである。磁界相殺の百分率が30%を超えると合格値と判断した。
【0134】
表11:二つの電力伝送本体212の距離が7cmである時、電力伝送レール2が積層して重なり合う面積による磁界相殺への影響
【0135】
【表11】
【0136】
表11から分かるように、二つの電力伝送レール2の電力伝送本体212間の距離が7cmである場合、前記二つの電力伝送レール2が積層方向に沿って積層する重合度は40%~100%であり、磁界相殺の百分率は合格であり、電磁干渉を防止するために一定の効果を具備し、二つの電力伝送レール2が積層方向に沿って重なり合う重合度が90%以上で効果が明らかであり、二つの電力伝送レール2が積層方向に沿って重なり合う重合度が100%である時に効果が最良である。
【0137】
本実施例において、前記電力伝送レール2は電力伝送本体212と保護装置を備え、前記保護装置は前記電力伝送本体212の外側に外嵌される。
【0138】
前記保護装置はシールド機能を有し、前記保護装置の伝達インピーダンスは100mΩ以下であってよい。
【0139】
本実施例において、前記保護装置は絶縁体213であってよい。
【0140】
本実施例において、電力伝送レール2は、電力伝送本体212(即ち上記扁平形導体金属)と前記電力伝送本体212の外部に外嵌された絶縁体213を備え、電力伝送レール2は放熱構造を備え、該放熱構造は電力伝送本体212を冷却することができる。望ましくは、前記放熱構造の冷却スピードは0.5℃/min以上であってよい。
【0141】
発明者は放熱構造の冷却スピードによる電力伝送レール2の温度上昇への影響を検証するために、10個の同じ断面積、同じ材料、同じ長さを具備する電力伝送レール2に同じ電流を通し、異なる冷却スピードを具備する放熱構造を用いて、電力伝送レール2を冷却し、それぞれの電力伝送レール2の温度上昇値を読み出し、表12に記録した。
【0142】
実験は次のような方法で行われた。封止の環境で、異なる冷却スピードを有する放熱構造の電力伝送レール2に同じ電流を通し、電流を通す前の温度と電流を通した後に温度が安定された時の温度を記録し、その差の絶対値を獲得した。本実施例において、温度上昇が50K未満であると合格値と判断した。
【0143】
表12:異なる冷却スピードを有する放熱構造による電力伝送レール2の温度上昇への影響
【0144】
【表12】
【0145】
上記の表12から分かるように、放熱構造の冷却スピードが0.5℃/min未満であると、電力伝送レール2の温度上昇値は不合格であり、放熱構造の冷却スピードが速いほど、電力伝送レール2の温度上昇値が小さくなる。従って、放熱構造の冷却スピードは0.5℃/min以上であるのが望ましい。
【0146】
本実施例において、電力伝送本体212と絶縁体213の材料としていずれも既存材料を用いることができ、電力伝送レール2の幅と厚さの比は2:1乃至20:1であってよく、電力伝送本体212の幅と厚さの比は2:1乃至20:1であってよい。
【0147】
本実施例において、電力伝送本体212と絶縁体213の隙間は1cm以下であってよい。
【0148】
又は、前記保護装置はプラスチック保護ケースであってよく、前記プラスチック保護ケースは電力伝送本体212と一体的に射出成形して設けられる。具体的に、プラスチック保護ケースの構造は絶縁体213又は射出成形された導電プラスチック又は両者の組み合わせであってよい。
【0149】
一実施形態において、前記保護装置はシールド功能を具備し、前記保護装置の伝達インピーダンスは100mΩ未満であり、シールド材料は一般的に伝達インピーダンスによって保護装置のシールド効果を表徴し、伝達インピーダンスが小さいほど、シールド効果が良好である。保護装置の伝達インピーダンスは単位長さのシールド体によって誘導される差動モード電圧Uとシールド体の表面に流れる電流Isの比に定義される。即ち、Z=U/I。従って、保護装置の伝達インピーダンスは保護装置の電流を差動モード干渉に変換できる。伝達インピーダンスが小さいほど望ましく、即ち差動モード干渉変換を減少して、良好なシールド性能を獲得することができる。
【0150】
保護装置のシールドインピーダンスを検証するために、以下に具体的な実施形態としてプラスチック保護ケースを用いて実験を行った。
【0151】
異なる伝達インピーダンス値を有するプラスチック保護ケースによる電力伝送レール2のシールド効果への影響を検証するために、発明者は異なる伝達インピーダンス値を有するプラスチック保護ケースを用いて一連の電力伝送レール2のサンプルを製造して、それぞれ電力伝送レール2のシールド効果をテストし、実験結果は表13に示すとおりである。本実施例において、電力伝送レール2のシールド性能の値が40dBを超えると理想値と判断した。
【0152】
次の方法によってシールド性能の値をテストした。テスタから電力伝送レール2に一つの信号値(該数値はテスト値2である)を出力し、電力伝送レール2の外側に検知装置を設けて、該検知装置によって一つの信号値(該数値はテスト値1である)を検知した。シールド性能の値=テスト値2-テスト値1。
【0153】
表13:プラスチック保護ケースの伝達インピーダンスによるシールド性能への影響
【0154】
【表13】
【0155】
表13から分かるように、プラスチック保護ケースの伝達インピーダンス値が100mΩを超える場合、電力伝送レール2の接続構造のシールド性能の値が40dB未満であり、理想値の要求を満たすことができず、プラスチック保護ケースの伝達インピーダンス値が100mΩ未満である場合、電力伝送レール2の接続構造の遮蔽性能の値がいずれも理想値の要求を満たすことができ、満足程度がだんだん良好になっている。従って、プラスチック保護ケースの伝達インピーダンスは100mΩ未満であるのが望ましい。
【0156】
前記放熱構造について、望ましい一実施例として、空冷放熱を選択することができる。即ち図9図10に示すように、前記放熱構造は空冷放熱通路214で形成され、電力伝送レール2は空冷放熱通路214を備え、空冷放熱通路214は前記車両用電力伝送システムの外部に連通される。
【0157】
本実施例において、空冷放熱通路214は電力伝送本体212と前記保護装置の間に位置し、例えば、前記保護装置は絶縁体213であってよく、絶縁体213の内面に支持構造215が設けられ、電力伝送本体212は支持構造215に直接に接触され、電力伝送本体212、絶縁体213および支持構造215が囲んで空冷放熱通路214を形成する。
【0158】
具体的に、支持構造215は電力伝送レール2の円周方向と軸方向に沿って設けられた複数の支持棒又は支持ブロック216を備える。例えば、この支持棒は略U形を形成する。図11に示すように、空冷放熱通路214は円周方向通路217と軸方向通路218を備え、円周方向通路217は軸方向通路218に連通される。
【0159】
そのうち、電力伝送レール2の軸方向は図11における左右方向であって、図10の書面に垂直する。円周方向通路217は図11の上下方向に沿って伸び、軸方向通路218は図11における左右方向に沿って伸びる。
【0160】
電流を増加すると、導体電力伝送本体212が発熱し、その熱量は空冷放熱通路214内で流れる空気によって放熱されることで、導線の直径を減少することができる。電力伝送レール2の放熱効果はそのサイズと密接に関連され、例えば、電力伝送レール2の幅が大きく、厚さが薄いほど、良好な放熱を実現することができる。
【0161】
前記放熱構造について、望ましい別の一実施例として、水冷放熱を実行することができる。即ち前記放熱構造は液冷放熱通路219であり、電力伝送レール2は液冷放熱通路219を備え、液冷放熱通路219は輸液チューブ5を介して循環水ポンプ3に接続され、液冷放熱通路219内には冷却剤又は冷却オイルなどの冷却液が注入され、冷媒が液冷放熱通路219と循環水ポンプ3の間で循環流動されることで、電力伝送レール2の作動状態で生成される熱量を放出することができ、電力伝送レール2は良好な導電性を保証することができる。
【0162】
本実施例において、図12図13に示すように、液冷放熱通路219は電力伝送本体212内に位置し、液冷放熱通路219は電力伝送本体212の軸線方向に沿って伸びる。液冷放熱通路219の具体的な数、位置とサイズについて、当業者は限られた実験を経て最適なパラメータを選択することができる。
【0163】
又は、液冷放熱通路219は電力伝送本体212と前記保護装置の間に位置してもよい。例えば、図14に示すように、前記保護装置は絶縁体213であってよく、液冷放熱通路219は電力伝送本体212の厚さ方向に位置し、即ち液冷放熱通路219は電力伝送本体212の上下の両側に位置することができる。又は液冷放熱通路219は電力伝送本体212の幅方向に沿って両側に位置するだけでなく、電力伝送本体212の左右の両側に位置することができ、一方液冷放熱通路219は電力伝送本体212の上下の両側に位置するとともに、電力伝送本体212の左右の両側に位置してもよく、これでより良好な放熱効果を達成することができる。
【0164】
循環水ポンプ3は作動時に一定のエネルギーを消耗し、エネルギーの無駄遣いを免れ、エネルギーを節約するために、前記車両用電力伝送システムは電力伝送レール2の温度を測定する温度センサー4をさらに備える。望ましくは、図13及び図15に示すように、温度センサー4は接続領域207に位置し、即ち温度センサー4は接続領域207に接触する。又は温度センサー4は接続領域207の回りの9cmを超えない半径範囲内に設けられる。
【0165】
動作時に、温度センサー4は循環水ポンプ3に連動され、循環水ポンプ3の動作温度を設定することができ、例えば、循環水ポンプ3の動作温度を80℃に設定することができる。即ち接続領域207の動作温度が80℃に達する時に、循環水ポンプ3が始動され、電力伝送レール2を冷却することができる。所定の温度に達しないと、循環水ポンプ3を作動する必要がなく、液冷放熱通路219自体内部の冷却液によって放熱して冷却することができる。
【0166】
温度センサー4はNTC温度センサー又はPTC温度センサーであってよい。この二つの温度センサーを用いることで体積を減少するだけでなく、その他の温度計によって測定できない間隔を測定でき、使用上便利であり、0.1kΩ~100kΩの任意の抵抗値を選択でき、容易に複雑な形状に加工することができ、量産性を具備し、安定性が良好であり、過負荷に対する保護能力がよく、アダプターのような体積が小さく、安定性が要求される製品に適用できる利点がある。
【0167】
電力伝送レール2の一端は充電接続部1に接続され、電力伝送レール2の一端は電力伝送レール2の他端と同じ構造に形成され、電力伝送レール2の一端と充電接続部1の接続方式として電力伝送レール2の他端と上記充電バッテリの電極の接続方式を用いることができる。即ち電力伝送レール2の一端は接続領域207、電気エネルギートランスファー層209又は移行金属層などが設けられる。
【0168】
以下に、充電装置について説明する。前記充電装置は上記の車両用電力伝送システムを備え、充電接続部1は充電プラグ又は充電ソケットからなり、電力伝送レール2の他端は電源端子に接続される。この時、前記車両用電力伝送システムは充電ガン内に位置し、充電接続部1は充電プラグからなるのが望ましい。
【0169】
以下に、電気車両について説明する。前記電気車両は上記の車両用電力伝送システムと充電バッテリを備え、充電接続部1は充電プラグ又は充電ソケットからなり、電力伝送レール2の他端は前記充電バッテリの電極に接続される。この時に、前記車両用電力伝送システムは電気車両内に位置し、充電接続部1は充電ソケットからなるのが望ましい。
【0170】
以上はただ本発明の具体的な実施例に過ぎなく、本発明の実施形態の範囲はこれに限られず、同じ部材の差し替え又は本発明の保護範囲を超えない範囲内での同じ変更及び改善はいずれも本発明の特許請求の範囲に属すると理解されるべきである。一方、本発明による技術特徴と技術特徴、技術特徴と技術案、技術案と技術案は互いに組み合わせて用いられてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2024-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用電力伝送システムであって、電力伝送レール(2)と外部充電システムに接続される充電接続部(1)を含み、電力伝送レール(2)の一端は充電接続部(1)の一端に接続されている、車両用電力伝送システム。
【請求項2】
X、Y、Z軸を座標軸とする空間直交座標系において、電力伝送レール(2)はZ方向屈曲部(205)及び/又はXY方向屈曲部(206)を含む、請求項1に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項3】
Z方向屈曲部(205)の屈曲角度は0°~180°であり、XY方向屈曲部(206)の屈曲角度は0°~180°である、請求項に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項4】
電力伝送レール(2)は少なくとも一つの螺旋部(203)を含む、請求項1に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項5】
螺旋部(203)のピッチ(204)は8mm以上である、請求項に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項6】
電力伝送レール(2)は扁平形の電力伝送本体(212)を含み、電力伝送本体(212)の材料にはアルミニウム、リン、錫、銅、鉄、マンガン、クロム、チタン及びリチウムのうちの一つ又は複数が含まれる、請求項1に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項7】
電力伝送本体(212)の引っ張り強度は30MPa~230MPaである、請求項に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項8】
電力伝送本体(212)の引っ張り強度は40MPa~170MPaである、請求項に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項9】
電力伝送本体(212)の破断伸長率は2%~60%である、請求項に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項10】
電力伝送本体(212)の硬度は8HV~105HVである、請求項に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項11】
電力伝送本体(212)の硬度は10HV~55HVである、請求項10に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項12】
電力伝送本体(212)の結晶粒のサイズは5μm~200μmである、請求項に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項13】
前記車両用電力伝送システムは少なくとも二つの電力伝送レール(2)を含み、前記二つの電力伝送レール(2)はそれぞれ直流正極電力伝送システム(220)と直流負極電力伝送システム(221)であり、電力伝送レール(2)は電力伝送本体(212)を含む、請求項1に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項14】
前記二つの電力伝送レール(2)の電力伝送本体(212)間の距離は27cm以下である、請求項13に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項15】
前記二つの電力伝送レール(2)の電力伝送本体(212)間の距離は7cm以下である、請求項14に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項16】
前記二つの電力伝送レール(2)の電力伝送本体(212)は互いに鏡像になる、請求項13に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項17】
前記二つの電力伝送レール(2)の電力伝送本体(212)が積層方向に沿って重なり合う重合度は40%~100%である、請求項13に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項18】
電力伝送レール(2)は、電力伝送本体(212)と電力伝送本体(212)の外側に設けられる保護装置とを備える、請求項1に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項19】
電力伝送本体(212)と保護装置の隙間は1cm以下である、請求項18に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項20】
前記保護装置はシールド機能を具備し、前記保護装置の伝達インピーダンスは100mΩ未満である、請求項18に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項21】
電力伝送レール(2)は放熱構造を備え、該放熱構造は電力伝送本体(212)を冷却することができる、請求項18に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項22】
前記放熱構造の冷却スピードは0.5℃/min以上である、請求項21に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項23】
前記放熱構造は空冷放熱通路(214)であり、空冷放熱通路(214)は前記車両用電力伝送システムの外部に連通される、請求項21に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項24】
電力伝送レール(2)は放熱構造を含み、前記放熱構造は空冷放熱通路(214)であり、空冷放熱通路(214)は電力伝送本体(212)と前記保護装置の間に位置する、請求項18に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項25】
前記保護装置の内面に支持構造(215)が設けられ、電力伝送本体(212)は支持構造(215)に接触されており、電力伝送本体(212)と前記保護装置と支持構造(215)とが囲んで空冷放熱通路(214)を構成する、請求項24に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項26】
前記放熱構造は液冷放熱通路(219)であり、液冷放熱通路(219)は輸液チューブ(5)を介して循環水ポンプ(3)に接続される、請求項21に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項27】
液冷放熱通路(219)は電力伝送本体(212)内に位置し、液冷放熱通路(219)は電力伝送本体(212)の軸線方向に沿って伸びる、請求項26に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項28】
液冷放熱通路(219)は電力伝送本体(212)と前記保護装置の間に位置する、請求項27に記載の車両用電力伝送システム。
【請求項29】
充電装置であって、請求項1乃至28のうちのいずれか1項に記載の車両用電力伝送システムを含み、充電接続部(1)は充電プラグ又は充電ソケットである、充電装置。
【請求項30】
電気車両であって、請求項1乃至28のうちのいずれか1項に記載の車両用電力伝送システムを含み、充電接続部(1)は充電プラグ又は充電ソケットからなる、電気車両。
【国際調査報告】