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特表2024-532522吸収性物品の急速分解システム及びその運用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】吸収性物品の急速分解システム及びその運用方法
(51)【国際特許分類】
   D21C 5/02 20060101AFI20240829BHJP
   A61F 13/84 20060101ALI20240829BHJP
   B09B 3/35 20220101ALI20240829BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20240829BHJP
   D21B 1/32 20060101ALI20240829BHJP
   B09B 101/67 20220101ALN20240829BHJP
【FI】
D21C5/02
A61F13/84
B09B3/35 ZAB
B09B5/00 Z
D21B1/32
B09B101:67
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514364
(86)(22)【出願日】2022-09-17
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 US2022043905
(87)【国際公開番号】W WO2023044077
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/245,796
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/272,159
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/272,164
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524080461
【氏名又は名称】イー チュン グリーン テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】YI CHUN GREEN TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 761, Section 2, Youguan Road, Luzhu District Taoyuan City, 338 (TW)
(71)【出願人】
【識別番号】524080472
【氏名又は名称】シェン ジェニファー
【氏名又は名称原語表記】SHEN, Jennifer
【住所又は居所原語表記】20557 Summertown Street Walnut, California 91789 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウー ペイージェン
【テーマコード(参考)】
3B200
4D004
4L055
【Fターム(参考)】
3B200AA17
3B200EA21
3B200EA27
4D004AA48
4D004CA04
4D004CA13
4D004CA50
4D004CB12
4D004CB13
4L055AA11
4L055AC09
4L055CB22
4L055CB25
4L055CC19
(57)【要約】
【課題】吸収性物品の急速分解システムとその運用方法の提供。
【解決手段】本発明の吸収性物品の急速分解システム及びその運用方法は、当該吸収性物品の急速分解システムが主に、切断パルプ化モジュールと、防水リサイクル原料選別機と、リサイクルモジュールと、塩スラリー処理モジュールと、プラスチック原料製造モジュールと、吸収性原料製造モジュールと、綿状繊維原料製造モジュールを含み、当該吸収性物品の急速分解システムとその運用方法は、リサイクルされた吸収性物品をプラスチック原料と、吸水性原料と、綿状繊維原料に分解することを可能にし、当該吸収性物品に付着した有機汚染物質は分解され、浄化および処理された水が回収され、リサイクルを実現することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品の急速分解システムであって、
切断パルプ化モジュールと、
前記切断パルプ化モジュールに連接された防水リサイクル原料選別機と、
前記切断パルプ化モジュールおよび前記防水リサイクル原料選別機に同時に連接されたリサイクルモジュールと、
前記切断パルプ化モジュールに連接された塩スラリー処理モジュールと、
前記防水リサイクル原料選別機に連接されたプラスチック原料製造モジュールと、
前記塩スラリー処理モジュールに連接された吸収性原料製造モジュールと、
前記塩スラリー処理モジュールに連接された綿状繊維原料製造モジュールと、
を含み、前記切断パルプ化モジュールが、少なくとも1つの防水性再生材料を前記防水リサイクル原料選別機に移送し、前記塩スラリー処理モジュールが少なくとも1つの吸収性再生材料を少なくとも1つの一次綿状繊維原料と少なくとも1つの一次吸水性原料に分離し、前記少なくとも1つの一次綿状繊維原料と前記少なくとも1つの一次吸水性原料が、前記綿状繊維原料製造モジュールと前記吸収性原料製造モジュールにそれぞれ移送される、ことを特徴とする、吸収性物品の急速分解システム。
【請求項2】
前記綿状繊維原料製造モジュールがさらに、
遠心圧力式傾斜型スクリーニングモジュールと、
前記遠心圧力式傾斜型スクリーニングモジュールに連接された押出装置と、
を含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品の急速分解システム。
【請求項3】
前記吸収性原料製造モジュールがさらに、
前記塩スラリー処理モジュールに連接された遠心振動式スクリーニングモジュールと、
前記遠心振動式スクリーニングモジュールに連接された少なくとも1つの分離装置と、
を含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品の急速分解システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの分離装置が、空気浮上式分離装置、液体サイクロン装置、またはそれらの組み合わせである、ことを特徴とする、請求項3に記載の吸収性物品の急速分解システム。
【請求項5】
前記プラスチック原料製造モジュールがさらに、
前記防水リサイクル原料選別機に連接された粉砕機と、
前記粉砕機に連接された洗浄脱水乾燥モジュールと、
前記洗浄脱水乾燥モジュールに連接されたペレタイザーと、
を含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品の急速分解システム。
【請求項6】
前記リサイクルモジュールがさらに、複数の担体を含み、複数の担体のそれぞれが、少なくとも1つの有機物分解性微生物を担持する、ことを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品の急速分解システム。
【請求項7】
吸収性物品の急速分解システムの運用方法であって、
(A)請求項1に記載の吸収性物品の急速分解システムを提供する工程と、
(B)前記少なくとも1つの吸収性物品が、前記切断パルプ化モジュールに導入され、切断、分離、破壊される工程と、
(C)前記少なくとも1つの吸収性物品が、前記切断パルプ化モジュールによって、前記少なくとも1つの吸収性再生材料と前記少なくとも1つの防水性再生材料に破壊されるまで待機する工程と、
(D1)前記切断パルプ化モジュールが前記吸収性再生材料を前記塩スラリー処理モジュールに移送し、工程(E1)を実行する工程と、
(D2)前記切断パルプ化モジュールが前記少なくとも1つの防水性再生材料を前記防水リサイクル原料選別機に移送し、工程(E2)を実行する工程と、
(E1)前記少なくとも1つの一次綿状繊維原料と前記少なくとも1つの一次吸水性原料が、前記塩スラリー処理モジュールの分離により前記少なくとも1つの吸収性再生材料から分離され、前記少なくとも1つの一次綿状繊維原料と前記少なくとも1つの一次吸水性原料が、前記綿状繊維原料製造モジュールと前記吸収性原料製造モジュールにそれぞれ移送され、その後工程(F)を実行する工程と、
(E2)前記防水リサイクル原料選別機が、前記少なくとも1つの防水性再生材料を前記プラスチック原料製造モジュールに移送した後、工程(F)を実行する工程と、
(F)前記綿状繊維原料製造モジュールが、少なくとも1つの綿状繊維原料を生成し、前記吸収性原料製造モジュールが、少なくとも1つの吸水性原料を生成し、前記プラスチック原料製造モジュールが、少なくとも1つのプラスチック原料を生成する工程と、
を含むことを特徴とする、吸収性物品の急速分解システムの運用方法。
【請求項8】
前記リサイクルモジュールが、前記防水リサイクル原料選別機と前記綿状繊維原料製造モジュールからの廃水のリサイクルに用いられる、ことを特徴とする、請求項7に記載の吸収性物品の急速分解システムの運用方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの吸収性物品がおむつである、ことを特徴とする、請求項7に記載の吸収性物品の急速分解システムの運用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品の急速分解システム及びその運用方法に関し、特に、吸収性物品によって運ばれた有機汚染物質から廃水を分解、浄化、リサイクルし、さらに綿状繊維(fluff fiber)原料、吸収剤原料、プラスチック原料を製造することができる、吸収性物品の急速分解システム及びその運用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙おむつや生理用ナプキンなど、市販の吸収性物品は、現代の生活の中で使用されている。あらゆる世代のユーザーが、それぞれのニーズに応じて吸収性物品を使用する場合がある。人々の消費習慣や生活習慣の発展、工業生産能力の発展などによるものである。吸収性物品は、安価、軽量、清潔、衛生、使用後の廃棄などの利点を示している。
【0003】
例えば、介護用のおむつやパッドは、通常、ユーザーの肌に触れるため、肌に優しい不織布で作られている。一方、吸収性物品の中間層は吸収層で、優れた液体吸収能力を示す。そして、吸収性物品の外層は、防水性プラスチックからなる防水層となっている。
【0004】
さらに、装着が必要なおむつには粘着テープが含まれ、また人体の股に接触する部分には立体レッグカフが設けられ、尿や便の漏れを防ぐように設計されている場合もある。上述の吸収性物品が使用された後、廃棄する必要があるときは、尿や便などの排泄物を吸収性物品によって包み込むことができる。液状の排泄物は吸収層によって吸収されている。最後に、包まれた吸収性物品を防水層によって覆った形で廃棄することができる。
【0005】
一方で、社会はかつてなく高齢化が進んでいる。成人のユーザーによって消費される吸収性物品は著しく増加している。一般的に、廃棄が必要な吸収性物品は、ごみ収集車で焼却炉や埋立地に運ばれる。しかしながら、上述のような吸収性物品の多くは、分解が容易でない化学物質で構成されている。また、廃棄される吸収性物品は、それ自体が吸水性を有するため、重量が重い場合がある。そのため、吸収性物品はリサイクルの難易度が非常に高くなっている。
【0006】
複数の種類の材料から構成される吸収性物品はリサイクルが困難であるため、リサイクルプロセスが成功したとしても、吸収性物品のリサイクル材料から作られる再生製品は、良好な化学的特性や物理的特性を備えることができない可能性がある。したがって、現在、複数の種類の材料から構成される吸収性物品を処理することができるシステムまたは方法が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術の問題点を解決するため、本発明は、吸収性物品の急速分解システムとその運用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の吸収性物品の急速分解システムは主に、切断パルプ化モジュールと、防水リサイクル原料選別機と、リサイクルモジュールと、塩スラリー処理モジュールと、プラスチック原料製造モジュールと、吸収性原料製造モジュールと、綿状繊維原料製造モジュールより構成される。
【0009】
当該防水リサイクル原料選別機は、当該切断パルプ化モジュールに連接される。当該リサイクルモジュールは、当該切断パルプ化モジュールと当該防水リサイクル原料選別機に同時に連接される。当該塩スラリー処理モジュールは、当該切断パルプ化モジュールに連接される。
【0010】
さらに、当該プラスチック原料製造モジュールは、当該防水リサイクル原料選別機との連接により後工程に進み、当該吸収性原料製造モジュールは当該塩スラリー処理モジュールに連接される。一方で、当該綿状繊維原料製造モジュールは、当該塩スラリー処理モジュールに連接される。
【0011】
当該切断パルプ化モジュールは、少なくとも1つの防水性再生材料を当該防水リサイクル原料選別機に移送する。当該塩スラリー処理モジュールは、少なくとも1つの吸収性再生材料を少なくとも1つの一次綿状繊維原料と少なくとも1つの一次吸収性原料に分離する。当該少なくとも1つの一次綿状繊維原料と当該少なくとも1つの一次吸水性原料は、当該綿状繊維原料製造モジュールと当該吸収性原料製造モジュールにそれぞれ移送される。
【0012】
本発明はさらに吸収性物品の急速分解システムの運用方法を提供する。工程(A)において、上述の当該吸収性物品の急速分解システムが提供される。工程(B)において、当該少なくとも1つの吸収性物品が当該切断パルプ化モジュールに導入され、切断、分離、破壊される。工程(C)において、当該少なくとも1つの吸収性物品が、当該切断パルプ化モジュールによって、少なくとも1つの吸収性再生材料と少なくとも1つの防水性再生材料に破壊されるまで待機する。
【0013】
その後、当該切断パルプ化モジュールによる分離成果物に工程(D1)または(D2)を実行することが決定される。工程(D1)において、当該切断パルプ化モジュールは、当該吸収性再生材料を当該塩スラリー処理モジュールに移送し、工程(E1)を実行する。工程(D2)において、当該切断パルプ化モジュールは、当該少なくとも1つの防水性再生材料を当該防水リサイクル原料選別機に移送し、工程(E2)を実行する。
【0014】
工程(E1)では、当該少なくとも1つの一次綿状繊維原料と、当該少なくとも1つの一次吸水性原料が、当該塩スラリー処理モジュールの分離により当該少なくとも1つの吸収性再生材料から分離され、当該少なくとも1つの一次綿状繊維原料と当該少なくとも1つの一次吸水性原料が、当該綿状繊維原料製造モジュールと当該吸収性原料製造モジュールにそれぞれ移送され、工程(F)が実行される。工程(E2)では、当該防水リサイクル原料選別機により当該少なくとも1つの防水性再生材料が当該プラスチック原料製造モジュールに移送され、工程(F)が実行される。
【0015】
最後に、工程(F)では、当該綿状繊維原料製造モジュールが少なくとも1つの綿状繊維原料を生成し、当該吸収性原料製造モジュールが少なくとも1つの吸水性原料を生成し、当該プラスチック原料製造モジュールが少なくとも1つのプラスチック原料を生成する。
【0016】
本発明の実施態様は、限定のためではなく、例として示されており、添付の図面において同様の参照符号は同様の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の吸収性物品の急速分解システムの実施態様の概略図である。
図2】本発明の吸収性物品の急速分解システムの運用方法の実施態様を示すフローチャートである。
図3】本発明の吸収性物品の急速分解システムの実施態様における切断パルプ化モジュールの概略図である。
図4】本発明の吸収性物品の急速分解システムの実施態様における塩スラリー処理モジュールの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の技術的特徴および実際の効果を理解し、本明細書の内容に従って実施するために、最良の実施態様を示した図を参照しながら、以下で詳細に説明する。
【0019】
図1の本発明の吸収性物品の急速分解システムの実施態様の概略図を参照する。図1に示すように、図1の実施態様は、主に、切断パルプ化モジュール100と、防水リサイクル原料選別機200と、リサイクルモジュール300と、塩スラリー処理モジュール400と、プラスチック原料製造モジュール500と、吸収性原料製造モジュール600と、綿状繊維原料製造モジュール700で構成される吸収性物品の急速分解システム10を示している。本発明のいう当該吸収性物品は、おむつであってもよく、あるいはパッドや生理用ナプキンなどの個人衛生用品であってもよい。本発明はそれらに限定されない。
【0020】
本実施態様において、当該切断パルプ化モジュール100は、吸収性物品から複数の種類の材料を破壊・分離して、パルプ化効率を向上するために使用される。図3の本発明の吸収性物品の急速分解システムの実施態様における切断パルプ化モジュールの概略図を参照する。図3は、本実施態様の当該切断パルプ化モジュール100の内部構造を示している。本実施態様の当該切断パルプ化モジュール100は、スポイラー11と、ローター12と、ブレード13を含む。当該スポイラー11は、複数のボードまたはプレートで構成されるように設計され、当該スポイラー11の数を増やすと渦を発生させ、液体の下降流を促進することができる。従って、当該切断パルプ化モジュール100が回転すると、内部の廃棄物(吸収性物品)自体が当該切断パルプ化モジュール100の底面に設置されたブレード13に接触する可能性が高まり、当該廃棄物が分離されずに丸まって詰まることを防止することができる。
【0021】
本実施態様において、当該ブレード13は、ディスクブレードのスパイラルナイフであってもよい。当該ブレード13の数は2枚で、当該ブレード13は当該切断パルプ化モジュール100の底面に対称に設置される。当該スポイラー11は、複数のボードまたはプレートで構成され、当該スポイラー11は当該切断パルプ化モジュール100の側壁上に対称に設置され、当該切断パルプ化モジュール100の中心を形成する。本実施態様において、各スポイラー11間の距離は同じである。従って、当該切断パルプ化モジュール100内の液体の回転は、それ自体で遠心力のバランスを保つことができる。一方で、当該切断パルプ化モジュール100はさらにローター12を含む。本実施態様において、当該ローター12は、インバータモーターに接続された垂直ローターである。当該ローター12は、当該切断パルプ化モジュール100内の当該吸収性物品を直接切断し、切り刻むことができ、優れた分離効果を形成する。
【0022】
また、本実施態様において、当該切断パルプ化モジュール100はさらに重力レベル計を含む。当該重力レベル計は、液体の重量を計算し、液面を判定することができる。具体的には、液面があらかじめ設定された値を満たしたとき、本実施態様の当該吸収性物品は当該切断パルプ化モジュール100内に自動的に投入される。当該ローター12は、あらかじめ設定された時間と回転速度で回転してもよい。一方で、回転が終了したとき、液面が自動的にチェックされ、あらかじめ設定された値まで追加される。同時に、切断されたプラスチック片は液面に浮くが、フラッフパルプやポリマー吸水塩など他の吸水性材料は当該切断パルプ化モジュール100の底に沈む。このため、上述のプラスチック片が丸まって詰まらないようにするために、当該切断パルプ化モジュール100は当該防水リサイクル原料選別機200に連接される。当該防水リサイクル原料選別機200は、上述のプラスチック片を引き継ぐ。
【0023】
当該防水リサイクル原料選別機200は斜面を構成するように設計されており、当該斜面は重力によって液体が自然に高所から低所へ流れるようにすることができる。同時に、当該液体は当該吸収性物品の破断片を搬送し、異なる直径の濾過孔を備えたフィルターを通過して、その後の工程の障害となる可能性がある不必要な物質を取り除くことができる。
【0024】
さらに、当該防水リサイクル原料選別機200は、液体リサイクル孔を備えている。従って、ろ過または浄化された当該液体をリサイクルすることができる。このため、本実施態様の当該リサイクルモジュール300は、当該切断パルプ化モジュール100と、当該防水リサイクル原料選別機200に同時に連接されている。当該切断パルプ化モジュール100と当該防水リサイクル原料選別機200内での当該吸収性物品の処理(分離、濾過、浄化)によって生成された液体は、当該リサイクルモジュール300によりリサイクル、浄化、再生することができ、これにより水の再生を形成することができる。
【0025】
本実施態様において、当該リサイクルモジュール300は、当該防水リサイクル原料選別機200、綿状繊維原料製造モジュール700または当該切断パルプ化モジュール100からの廃水や余剰液体のリサイクルに使用される。当該リサイクルモジュール300は、複数の担体を収容した処理槽/バレルであってもよい。当該担体は、ゼオライトや活性炭などの多孔質材料、フィルター材料、足場であってもよい。当該担体は、少なくとも1つの分解性微生物を担持するために使用される。つまり、当該リサイクルモジュール300は、吸収性物品から処理済みの液体を受け取り、当該処理済みの液体は、当該吸収性物品によって担持または吸収された尿や便など人体の排泄物を含む。
【0026】
従って、当該分解性微生物はリサイクル液中の有機または無機廃棄物を分解し、当該リサイクル液を浄化するために用いられる。連続液体リサイクル循環メカニズムが、当該切断パルプ化モジュール100と当該防水リサイクル原料選別機200に導入されるリサイクル液を徐々に浄化することができる。さらに、当該バルクパルプ化モジュール200と当該防水リサイクル原料選別機200の作業効率も大幅に高められる。
【0027】
本実施態様の当該塩スラリー処理モジュール400は、当該切断パルプ化モジュール100に連接される。本実施態様において、当該塩スラリー処理モジュール400は、当該切断パルプ化モジュール100内で当該吸収性物品から破壊された破断片を異なる密度を介して分離するために用いられる。具体的に、当該塩スラリー処理モジュール400は、当該バルクパルプ化モジュール200により破壊された当該吸収性再生材料を受け取るために用いられる。当該吸収性再生材料は、異なる液体吸収能力と密度を有するものとして特徴づけられる。従って、本実施態様の当該吸収性再生材料は、それ自体の異なる密度のために、当該塩スラリー処理モジュール400内で自然に沈澱させることができる。
【0028】
具体的には、図4を参照する。図4は、本発明の吸収性物品の急速分解システムの実施態様における塩スラリー処理モジュールの概略図である。本実施態様の当該塩スラリー処理モジュール400は、緩衝槽41と、沈澱槽42と、スラリー貯蔵槽43を含む。当該緩衝槽41は、当該吸収性再生材料を受け取るために用いられる。当該沈澱槽42は、高密度を有する少なくとも1つの一次吸水性原料(ポリアクリレートなど)を当該吸収性再生材料から分離するために用いられる。一方で、当該スラリー貯蔵槽43は、当該吸収性再生材料の低密度を有する少なくとも1つの一次綿状繊維原料を受け取るために用いられる。
【0029】
当該吸収性原料製造モジュール600は、当該塩スラリー処理モジュール400に連接される。当該綿状繊維原料製造モジュール700も当該塩スラリー処理モジュール400に連接される。本実施態様において、当該吸収性原料製造モジュール600は、当該少なくとも1つの一次吸水性原料を当該沈澱槽42から受け取るために用いられる。一方で、当該綿状繊維原料製造モジュール700は、より低密度の当該少なくとも1つの一次綿状繊維原料を当該スラリー貯蔵槽43から受け取るために用いられる。
【0030】
本実施態様の当該綿状繊維原料製造モジュール700は、主に遠心圧力式傾斜型スクリーニングモジュール701と、押出装置702を含む。
【0031】
当該遠心圧力式傾斜型スクリーニングモジュール701は、当該スラリー貯蔵槽43に連接される。当該遠心圧力式傾斜型スクリーニングモジュール701は、より低密度の当該少なくとも1つの一次綿状繊維原料を当該スラリー貯蔵槽43から濾過して受け取ってもよい。当該遠心圧力式傾斜型スクリーニングモジュール701が動作しているとき、当該少なくとも1つの一次綿状繊維原料がまず遠心分離されてもよい。さらに、当該沈澱槽42内で完全には分離されていない当該少なくとも1つの一次吸水性原料が、当該遠心圧力式傾斜型スクリーニングモジュール701の遠心力により再分離され、当該沈澱槽42に再度移送される機会があってもよい。
【0032】
本実施態様の当該遠心圧力式傾斜型スクリーニングモジュール701はさらに、最初に遠心分離された当該少なくとも1つの一次綿状繊維原料を浸潤してもよい。さらに、当該遠心圧力式傾斜型スクリーニングモジュール701は、当該少なくとも1つの一次綿状繊維原料を二次的に遠心分離してもよい。従って、当該沈澱槽42内で完全には分離されていない当該少なくとも1つの一次吸水性原料が再分離され、当該沈澱槽42に再度移送される機会があってもよい。
【0033】
その結果、二次的に遠心分離された当該少なくとも1つの一次綿状繊維原料が、当該遠心圧力式傾斜型スクリーニングモジュール701内で傾斜スクリーニングされる。当該遠心圧力式傾斜型スクリーニングモジュール701と当該リサイクルモジュール300間の接続による。当該遠心圧力式傾斜型スクリーニングモジュール701は、当該少なくとも1つの一次綿状繊維原料の余剰液体をリサイクルすることができ、当該余剰液体は当該リサイクルモジュール300にリサイクル・収集され、循環利用されてもよい。最後に、本実施態様の当該押出装置702が、有効な物理的力を提供し、リサイクル可能な当該液体を絞り出してもよく、また当該押出装置702は、当該少なくとも1つの一次綿状繊維原料を乾燥させ、当該綿状繊維原料RFを形成する支援をする。
【0034】
本実施態様の当該吸収性原料製造モジュール600は、主に遠心振動式スクリーニングモジュール601と、少なくとも1つの分離装置602を含む。当該遠心振動式スクリーニングモジュール601は、当該沈澱槽42から当該少なくとも1つの一次吸水性原料を遠心分離することができ、従って、少なくとも1つの一次吸水性原料の当該少なくとも1つの一次綿状繊維原料を分離することができる。さらに、当該一次吸水性原料と、分離された当該一次綿状繊維原料が蓄積され、それ自体の量が当該遠心振動式スクリーニングモジュール601内で特定の条件を満たすと、当該遠心振動式スクリーニングモジュール601は、当該遠心振動式スクリーニングモジュール601により生じたスクリーンと偏心振動の動きにより乾燥または分離された少なくとも1つの一次吸水性原料をフィルタリングし、当該一次吸水性原料と、分離された一次綿状繊維原料を形成することができる。一方で、まだそこに付着している当該少なくとも1つの一次綿状繊維原料または乾燥されていない当該少なくとも1つの一次吸水性原料がフィルタリングされる。最後に、当該少なくとも1つの分離装置602は、空気浮上式分離装置、液体サイクロン装置、またはそれらの組み合わせであってもよい。当該分離装置602の種類は、当該少なくとも1つの一次吸水性原料の区分と処理のニーズによって決定される。つまり、本実施態様の当該分離装置602は、当該遠心振動式スクリーニングモジュール601によって完全にはフィルタリングされていない当該少なくとも1つの一次綿状繊維原料をさらにフィルタリングできる必要がある。一方で、適格の当該少なくとも1つの一次吸水性原料が収集され、当該吸水性原料RSを形成する。
【0035】
さらに、本実施態様の当該防水リサイクル原料選別機200は、当該防水性再生材料をフィルタリングするために用いられる。上述の防水性再生材料は、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)で構成される断片(破断片)である。本実施態様の当該プラスチック原料製造モジュール500は、当該防水リサイクル原料選別機200に連接され、その連接は防水性再生材料の後工程に役立てることができる。
【0036】
本実施態様において、当該プラスチック原料製造モジュール500は主に、粉砕機501と、洗浄脱水乾燥モジュール502と、ペレタイザー503を含む。当該粉砕機501は、当該防水リサイクル原料選別機200に連接され、当該防水性再生材料をより小さい破断片に破壊することができる。当該洗浄機602が当該粉砕機501に連接される。当該洗浄脱水乾燥モジュール502は、当該粉砕機501の運転中に生じるパーティクルや埃を洗浄することができる。当該洗浄脱水乾燥モジュール502は、当該防水性再生材料の水(液体)をさらにフィルタリングして除去する。最後に、当該洗浄脱水乾燥モジュール502も当該防水性再生材料の乾燥に使用される。当該ペレタイザー503は、当該洗浄脱水乾燥モジュール502に連接される。本実施態様の当該ペレタイザー503は、当該洗浄脱水乾燥モジュール502から当該防水性再生材料を受け取り、粒状プラスチック原料RPを形成することができる。
【0037】
図1図2を同時に参照する。図2は、本発明の吸収性物品の急速分解システムの運用方法の実施態様を示すフローチャートである。図2に示すように、図2の運用方法は、図1に示す吸収性物品の急速分解システムの実施態様下で機能する。
【0038】
まず、工程(A)では、図1に示す当該吸収性物品の急速分解システム10を提供する。工程(B)では、当該少なくとも1つの吸収性物品を切断、分離、破壊するために、当該切断パルプ化モジュール100に導入する。本実施態様において、当該切断パルプ化モジュール100は、まず当該吸収性物品を切断し、その後のプロセスを支援するために用いられる。さらに、工程(C)では、当該切断パルプ化モジュール100内で、少なくとも1つの吸収性物品が、少なくとも1つの吸収性再生材料と少なくとも1つの防水性再生材料に破壊・分離されるまで待機する。本実施態様において、当該切断パルプ化モジュール100は、当該少なくとも1つの吸収性再生材料と当該少なくとも1つの防水性再生材料をブレード3と、ローター12と、スポイラー11により破壊・分離してもよい。
【0039】
さらに、当該切断パルプ化モジュール100は、工程(D1)と工程(D2)を代わりに実行してもよい。工程(D1)では、当該切断パルプ化モジュール100が、当該少なくとも1つの吸収性再生材料を当該塩スラリー処理モジュール400に移送し、工程(E1)に送る。さもなければ、工程(D2)で、当該切断パルプ化モジュール100が、当該少なくとも1つの防水性再生材料を当該防水リサイクル原料選別機200に移送してから、工程(E2)に送る。
【0040】
工程(E1)では、当該塩スラリー処理モジュール400が、当該少なくとも1つの吸収性再生材料を少なくとも1つの一次綿状繊維原料と少なくとも1つの一次吸水性原料に分離し、さらに当該少なくとも1つの一次綿状繊維原料を当該綿状繊維原料製造モジュール700に移送する。一方で、当該少なくとも1つの一次吸水性原料は当該吸収性原料製造モジュール600に移送され、工程(F)に送られる。その後、工程(E2)では、当該防水リサイクル原料選別機200が、当該少なくとも1つの防水性再生材料を当該プラスチック原料製造モジュール500に移送し、その後工程(F)に送る。
【0041】
最後の工程(F)では、当該綿状繊維原料製造モジュール700が、当該少なくとも1つの綿状繊維原料RFを生成し、当該吸収性原料製造モジュール600が、当該少なくとも1つの吸水性原料RSを生成し、当該プラスチック原料製造モジュール500が、当該少なくとも1つのプラスチック原料RPを生成する。
【0042】
図1図2に示す本発明の実施態様により製造された当該プラスチック原料RP、綿状繊維原料RF、吸水性原料RSは、純度が高く、再生製品の製造に有利である。さらに、本実施態様により処理される液体も、再生および再利用されてもよい。
【0043】
当業者に理解されるとおり、前述した本発明の裁量の実施態様は本発明を限定するものではなく、本発明を例示するものである。添付の請求項の要旨と範囲内に含まれるさまざまな変更及び類似の配置を含むことが意図されており、特許請求の範囲はそれらすべての変更及び類似の構成を含むように最も広い解釈がなされる必要がある。以上、本発明の最良の実施態様を説明したが、本発明の要旨と範囲を逸脱せずにさまざまな変更が可能であると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0044】
10 吸収性物品の急速分解システム
11 スポイラー
12 ローター
13 ブレード
100 切断パルプ化モジュール
200 防水リサイクル原料選別機
300 リサイクルモジュール
41 緩衝槽
42 沈澱槽
43 スラリー貯蔵槽
400 塩スラリー処理モジュール
500 プラスチック原料製造モジュール
501 粉砕機
502 洗浄脱水乾燥モジュール
503 ペレタイザー
600 吸収性原料製造モジュール
601 遠心振動式スクリーニングモジュール
602 分離装置
700 綿状繊維原料製造モジュール
701 遠心圧力式傾斜型スクリーニングモジュール
702 押出装置
RP プラスチック原料
RF 綿状繊維原料
RS 吸水性原料
(A)、(B)、(C)、(D1)、(D2)、(E1)、(E2)、(F) 工程
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】