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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】洗濯乾燥一体機
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/24 20060101AFI20240829BHJP
   D06F 58/26 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
D06F58/24
D06F58/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514385
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 CN2022116142
(87)【国際公開番号】W WO2023030375
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202111023112.5
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111450553.3
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524080531
【氏名又は名称】深▲セン▼洛克▲創▼新科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN ROBOROCK INNOVATION TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】ROOM 1802, BUILDING D1, NANSHAN ZHIYUAN, NO. 1001 XUEYUAN AVENUE, CHANGYUAN COMMUNITY, TAOYUAN STREET, NANSHAN DISTRICT, SHENZHEN, GUANGDONG 518000, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】李 行
(72)【発明者】
【氏名】段 ▲傳▼林
(72)【発明者】
【氏名】▲ヤン▼ ▲亜▼▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 積佰
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 志▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】王 哲
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 明
(72)【発明者】
【氏名】林 成▲虎▼
(72)【発明者】
【氏名】方 俊俊
(72)【発明者】
【氏名】▲斉▼ 杭
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ 明
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 通
(72)【発明者】
【氏名】全 ▲剛▼
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA01
3B166AA02
3B166AB22
3B166AB30
3B166AE01
3B166AE02
3B166BA43
3B166BA55
3B166CA02
3B166CB01
3B166CB11
3B166EA03
3B166EA12
3B166EB03
3B166EB17
3B166EC02
3B166EC13
3B166EC22
3B166ED01
3B166ED02
3B166ED05
3B166GA07
3B166GA12
3B166JM02
3B166JM03
(57)【要約】
本発明は、洗濯乾燥一体機に関し、ドラム(R)と乾燥モジュール(D)を含み、乾燥モジュールは吸湿除湿部材(D1)、吸湿通路(D2)および除湿通路(D3)を含み、吸湿通路(D2)は吸湿通路空気入口(D21)および吸湿通路空気出口(D22)を有し、ドラム(R)はそれぞれ吸湿通路空気入口(D21)および吸湿通路空気出口(D22)と連通し、吸湿通路(D2)に、ドラム(R)と吸湿通路(D2)内に吸湿気流を形成するために吸湿通路ファン(D23)が設けられ、除湿通路(D3)に、除湿通路(D3)内に除湿気流を形成するために除湿通路ファン(D33)が設けられ、吸湿除湿部材(D1)は吸湿通路(D2)と除湿通路(D3)の経路に設けられ、吸湿気流および除湿気流の両方を吸湿除湿部材(D1)に流すようにして、吸湿除湿部材(D1)が回転過程中に吸湿気流の水分を吸収して吸収した水分を除湿気流によって排出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラムと乾燥モジュールを含み、
前記乾燥モジュールは吸湿除湿部材、吸湿通路および除湿通路を含み、前記吸湿通路は吸湿通路空気入口および吸湿通路空気出口を有し、
前記ドラムはそれぞれ前記吸湿通路空気入口および前記吸湿通路空気出口と連通し、
前記吸湿通路に、前記ドラムと前記吸湿通路内に吸湿気流を形成するように吸湿通路ファンが設けられ、
前記除湿通路に、前記除湿通路内に除湿気流を形成するように除湿通路ファンが設けられ、
前記吸湿除湿部材に前記吸湿気流および除湿気流の両方を流すように、前記吸湿除湿部材は前記吸湿通路と前記除湿通路の経路に設けられることで、
前記吸湿除湿部材が回転過程中で前記吸湿気流の水分を吸収して吸収した水分を前記除湿気流によって排出する、ことを特徴とする洗濯乾燥一体機。
【請求項2】
前記吸湿除湿部材は、吸湿ランナーアセンブリ、ランナーハウジングおよび前記吸湿ランナーアセンブリの回転を駆動するためのランナー駆動機構を含み、前記吸湿ランナーアセンブリは回転軸線に沿って前記ランナーハウジングに回転可能に支持される、ことを特徴とする請求項1に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項3】
前記吸湿ランナーアセンブリはその外周縁で前記ランナー駆動機構によって駆動される、ことを特徴とする請求項2に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項4】
前記ランナーハウジングの内周縁に少なくとも1つの周方向ローラ機構が設けられ、
前記周方向ローラ機構は、周方向ローラと周方向ローラホルダを含み、
前記周方向ローラは前記周方向ローラホルダに回転可能に支持され、
前記周方向ローラホルダは前記ランナーハウジングの内周縁に設けられ、
前記回転軸線に平行な方向に沿って見ると、前記周方向ローラは前記吸湿ランナーアセンブリの前記回転軸線の方向に沿ったサイズ範囲内に配置され、
前記回転軸線に垂直な方向に沿って見ると、前記周方向ローラは前記吸湿ランナーアセンブリと前記ランナーハウジング間に配置され、
前記周方向ローラは前記吸湿ランナーアセンブリの回転過程における少なくとも一部の期間に前記吸湿ランナーアセンブリの外周面に転動可能に接触する、ことを特徴とする請求項2または3に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項5】
前記ランナーハウジングの内底面に少なくとも1つの底部ローラ機構が設けられ、
前記底部ローラ機構は底部ローラと底部ローラホルダを含み、
前記底部ローラは前記底部ローラホルダに回転可能に支持され、
前記底部ローラホルダは前記ランナーハウジングに設けられ、
前記回転軸線に垂直な方向に沿って見ると、前記底部ローラは前記吸湿ランナーアセンブリの回転軸線に垂直な方向に沿ったサイズ範囲内に配置され、
前記回転軸線に平行な方向に沿って見ると、前記底部ローラは前記吸湿ランナーアセンブリと前記ランナーハウジング間に配置され、
前記底部ローラと前記吸湿ランナーアセンブリの間隔が前記吸湿ランナーアセンブリと前記ランナーハウジングの最小間隔よりも小さい、ことを特徴とする請求項2または3に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項6】
前記吸湿ランナーアセンブリの外周縁の外面にランナーシール部材が設けられ、
前記ランナーハウジングの内面にランナーハウジングシール部材が設けられ、
前記ランナーシール部材と前記ランナーハウジングシール部材は相対回転可能に接触してシールを形成する、ことを特徴とする請求項2または3に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項7】
前記吸湿ランナーアセンブリと前記吸湿通路ファンの回転軸線は、いずれも前記ドラムの回転軸線と非同一面で垂直であり、ドラムの回転軸線の両側に分布している、ことを特徴とする請求項2または3に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項8】
前記ランナーハウジングの端面内壁に半径範囲内で延伸する複数の仕切りリブが一体成形または固定されて、前記ランナーハウジングの内部空洞を少なくとも吸湿領域と除湿領域に仕切り、前記仕切りリブの表面に選択的に仕切りシール部材が固定され、
前記仕切りシール部材と前記吸湿ランナーアセンブリ中のホイールディスクの間隔は0~5mmである、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項9】
前記洗濯乾燥一体機は、前記ドラムの空気出口と前記乾燥モジュールの空気入口間に設けられた空気出口ダクトをさらに含み、前記空気出口ダクトに濾過モジュールが設けられ、前記濾過モジュールは、空気出口ダクトを流れる気流を濾過するための濾過メッシュと濾過メッシュ自浄装置を含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の洗濯乾燥一体機における乾燥モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用電器の分野に関し、具体的に洗濯乾燥一体機に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活水準が向上し、ライフスタイルが変化するにつれ、消費財の基本的な機能だけでは満足できなくなってきている。洗濯機業界では、特に雨天時に適した機能として、洗濯後に衣類を乾燥させることができる洗濯乾燥一体の全自動洗濯機が消費者の間で人気を集めている。既存の洗濯乾燥一体機の乾燥モジュールは、通常、排気型、凝縮型、ヒートポンプ型に分けられる。
【0003】
排気型乾燥モジュールの原理は、排気アセンブリ中のヒーターで空気を加熱し、加熱された空気をドラムに輸送し、加熱された空気によってドラム中の衣類から水分を除去し、最後に高温多湿の空気を機器から外部に排出するものである。この方法は、消費エネルギーが高く、効率が低く、騒音が大きく、熱風温度が高いため衣類にダメージを与え、さらに加熱された空気を排出するための排気管が必要で、大きい場所を占用するだけでなく、人や環境物品をやけどさせる危険性もある。
【0004】
凝縮型乾燥モジュールの原理は、凝縮アセンブリ中のヒーターによって空気を加熱し、加熱された空気をドラムに吹き込み、加熱された空気でドラム中の衣類中の水分を除去し、得られた高温多湿空気が凝縮器による水分凝縮析出で乾燥冷気になり、乾燥冷気がヒーターで加熱されドラムに輸送され、このように循環して乾燥目的を達成するものである。しかし、凝縮型乾燥のエネルギー消費と乾燥効率は環境温度に大きく依存し環境温度の変化に伴う変動が大きく、加熱と凝縮段階は温度差に密接に関係しているからである。特に、環境温度が低い地域では、消費エネルギーが高く、効率が低く、さらに期待する乾燥効果が得られない欠点がある。
【0005】
ヒートポンプ型乾燥モジュールの原理は、ヒートポンプ循環アセンブリ中の凝縮器で加熱された加熱空気をドラム内に輸送し、ドラム中の衣類から水分を取った高温多湿空気が蒸発器に送って除湿し、除湿後の空気を再び凝縮器で加熱してドラム中に輸送し、温度調節媒体をヒートポンプ循環アセンブリで循環させて凝縮器で凝縮して放熱し、蒸発器で蒸発して吸熱するものである。このようにすれば、凝縮型乾燥モジュール中のヒーターが不要になり、温度調節媒体で乾燥過程中発生した熱を回収して利用し、エネルギー消費をさらに低減し、さらに凝縮型乾燥よりも低い乾燥温度を維持し、衣類を保護することができるものである。しかし、凝縮型乾燥と同様に、ヒートポンプ型乾燥のエネルギー消費と乾燥効率も環境温度に非常に依存し、環境温度の変化に伴う変動が大きく、凝縮器の放熱効果と蒸発器の吸熱効果はいずれも温度差に密接に関係しているからである。特に、環境温度が低い地域では、消費エネルギーが高く、効率が低く、さらに期待する乾燥効果が得られない欠点もある。また、ヒートポンプ型乾燥モジュール、特にヒートポンプが高価であるため、ヒートポンプ型洗濯乾燥一体機の価格低減が困難な大きな理由となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の欠点を克服するために、本発明は、水入口、水出口、ドラム、ドラム駆動部および乾燥モジュールを含む洗濯乾燥一体機を提供し、前記ドラム駆動部は前記ドラムに伝達可能に接続されて前記ドラムを回転させるように駆動し、前記水入口と前記水出口はそれぞれ前記ドラムに連通し、前記乾燥モジュールは、吸湿除湿部材、吸湿通路および除湿通路を含み、前記吸湿通路は吸湿通路空気入口および吸湿通路空気出口を含み、前記ドラムはそれぞれ前記吸湿通路空気入口と前記吸湿通路空気出口に連通し、前記吸湿通路に吸湿通路ファンが設けられ、前記ドラムと前記吸湿通路内で吸湿気流を形成し、前記除湿通路に除湿通路ファンが設けられ、前記除湿通路内で除湿気流を形成し、前記吸湿除湿部材は前記吸湿通路と前記除湿通路の経路に設けられ、前記吸湿気流および除湿気流の両方が前記吸湿除湿部材を流れ、前記吸湿除湿部材は、移動、特に回転中前記吸湿気流の水分を吸収し、前記除湿気流を介して吸収した水分を排出する。ここでのファンは、送風機などのガスを輸送できる機器であればよいが、送風機に限定されない。
【0007】
前記吸湿除湿部材は、吸湿ランナーアセンブリ、ランナーハウジングおよび前記吸湿ランナーアセンブリの回転を駆動するためのランナー駆動機構を含み、前記吸湿ランナーアセンブリは回転軸線に沿って前記ランナーハウジングに回転可能に支持されており、前記吸湿ランナーアセンブリは、再生可能な吸湿材料で構成されたホイールディスク、前記ホイールディスクの周縁領域に相対回転不能に相互に接続された外周ハウジング部材、および前記ホイールディスクの中心領域に相対回転不能に相互に接続された中心ハウジング部材を含む。
【0008】
いくつかの技術的解決策では、前記外周ハウジング部材は、外周上部クランプハウジングおよび外周下部クランプハウジングを含み、前記外周上部クランプハウジングと外周下部クランプハウジングは、前記ホイールディスクの外周面を囲む場合、互いに固定され、前記ホイールディスクの周縁領域中の端面を挟持するように構成される。追加的または代替的な技術的解決策では、前記中心ハウジング部材は、中心上部クランプ部材と中心下部クランプ部材を含み、前記中心上部クランプ部材と中心下部クランプ部材は、少なくとも一部が前記ホイールディスクの中心穴を通過して互いに固定され、前記ホイールディスクの中心領域中の端面を挟持するように構成される。前記外周上部クランプハウジングと外周下部クランプハウジングの固定および/または前記中心上部クランプ部材と前記中心下部クランプ部材の固定は、例えば係合、ネジ付きファスナー、溶接および/または接着によって実現されてもよい。いくつかの技術的解決策では、前記外周ハウジング部材は、前記回転軸線に垂直な方向に沿って延在する端部エリアと周方向に沿って延在する周方向エリアを含み、前記外周ハウジング部材の端部エリアを使用して前記ホイールディスクの周縁領域中の端面を挟持する。特に、前記外周上部クランプハウジングと外周下部クランプハウジングはそれぞれL字形に類似する縦断面を有し、それぞれ前記回転軸線に垂直な方向に沿って延在する端部エリアと、周方向に沿って延在する周方向エリアを含む。前記外周ハウジング部材の前記ランナーハウジングの内底面に対向する端部エリアは、特に前記回転軸線の方向に沿って少なくとも一部が前記ランナーハウジングの内底面上の底部ローラ機構を覆うように構成され、前記外周下部クランプハウジングの端部エリアは前記底部ローラ機構に転動可能に接触する。
【0009】
いくつかの技術的解決策では、前記中心ハウジング部材は、前記回転軸線に垂直な方向に沿って延在する端部エリアと、周方向に沿って延在する周方向エリアを含み、前記中心ハウジング部材の端部エリアを使用して前記ホイールディスクの中心領域中の端面を挟持する。特に、前記中心上部クランプ部材と中心下部クランプ部材はそれぞれL字形のような縦断面を有し、それぞれ前記回転軸線に垂直な方向に沿って延在する端部エリアと周方向に沿って延在する周方向エリアを含む。
【0010】
いくつかの技術的解決策では、前記吸湿ランナーアセンブリは、変形可能な中心端面ショック吸収部材をさらに含み、前記中心端面ショック吸収部材は前記ホイールディスクの中心領域中の端面と前記中心ハウジング部材の端部エリアの端面間にクッションを形成するように配置される。
【0011】
いくつかの技術的解決策では、前記吸湿ランナーアセンブリは、前記ランナー駆動機構から前記吸湿ランナーアセンブリを回転させる動力を導入するための動力入力部材をさらに含み、前記動力入力部材は前記外周ハウジング部材の表面または前記中心ハウジング部材の表面に一体成形または接続される。前記動力入力部材は例えば凸歯、溝または平滑面からなる。
【0012】
いくつかの技術的解決策では、前記吸湿ランナーアセンブリは、補助回転リングをさらに含み、前記補助回転リングは前記外周ハウジング部材の外周面に一体成形または接続され、前記ランナーハウジングの内周縁に配置された周方向ローラ機構の位置と合わせ、前記周方向ローラ機構に転動可能に接触する。
【0013】
いくつかの技術的解決策では、前記吸湿ランナーアセンブリは、変形可能な外周ショック吸収部材をさらに含み、前記外周ショック吸収部材は前記ホイールディスクの外周面と前記外周ハウジング部材の内周面間にクッションを形成するように配置される。前記外周ショック吸収部材は前記ホイールディスクの外周面に接着されることが好ましい。
【0014】
いくつかの技術的解決策では、前記吸湿ランナーアセンブリの外周縁の外面にランナーシール部材が設けられ、前記ランナーハウジングの内面にランナーハウジングシール部材が設けられ、前記ランナーシール部材と前記ランナーハウジングシール部材は相対回転可能に接触してシールを形成する。「相対回転可能に接触する」とは、ランナーシール部材とランナーハウジングシール部材の接触がランナーシール部材付きの吸湿ランナーアセンブリの回転抵抗を著しく増加しないことを意味する。ここでの「吸湿ランナーアセンブリの外周縁の外面」は、吸湿ランナーアセンブリの外周面だけでなく、吸湿ランナーアセンブリの外周縁における回転軸線に垂直に延在する端面も含んでもよく、前記外周縁にある回転軸線に対して傾斜して設けられた外面も含んでもよい。ここでの「ランナーハウジングの内面」は、ランナーハウジングの内周面だけでなく、ランナーハウジングの内上面または内底面も含んでもよい。当業者は、上記ランナーシール部材とランナーハウジングシール部材の接触面は必ずしも吸湿ランナーアセンブリの空気入口経路と空気出口経路間に位置し、シール作用を発揮する。
【0015】
いくつかの技術的解決策では、前記ランナーシール部材は、前記吸湿ランナーアセンブリの外周縁の外面自身またはその上に一体構成された表面構造から形成され、および/または前記ランナーハウジングシール部材は、前記ランナーハウジングの内面自身またはその上に一体構成された表面構造から形成される。追加的または代替的に、前記ランナーシール部材および/または前記ランナーハウジングシール部材は別途製造されたシール、例えばシールストリップ、シール軟質ゴムなどによって形成される。例えば、1つの技術的解決策では、前記ランナーシール部材は、前記吸湿ランナーアセンブリの外周面に固定されたシールストリップによって形成され、前記ランナーハウジングシール部材は前記ランナーハウジングの内周面自身によって形成される。もう1つの技術的解決策では、前記ランナーシール部材は前記吸湿ランナーアセンブリの外周面自身によって形成され、前記ランナーハウジングシール部材は前記ランナーハウジングの内周面に固定されたシールストリップによって形成される。もう1つの技術的解決策では、前記ランナーシール部材と前記ランナーハウジングシール部材はいずれもシールストリップによって形成される。いくつかの技術的解決策では、前記ランナーシール部材と前記ランナーハウジングシール部材は前記回転軸線に平行に延在する表面および/または前記回転軸線に垂直に延在する表面により互いに相対回転可能に接触してシールされる。例えば、1つの技術的解決策では、前記ランナーシール部材と前記ランナーハウジングシール部材は前記回転軸線に垂直な方向に沿って同じ平面に並列に配置されて、前記ランナーシール部材と前記ランナーハウジングシール部材は対向する周面により相対回転可能に接触してシールされる。もう1つの技術的解決策では、前記ランナーシール部材と前記ランナーハウジングシール部材は前記回転軸線に沿って千鳥状に配置されるが、互いに隣り合っているので、前記ランナーシール部材と前記ランナーハウジングシール部材は対向する端面により相対回転可能に接触してシールされる。いくつかの技術的解決策では、相対回転可能に接触してシールされる複数組のランナーシール部材とランナーハウジングシール部材が設けられ、ここで、各組のランナーシール部材とランナーハウジングシール部材は互いに千鳥状に配置されて、長いシールを形成する。例えば、1つの技術的解決策では、前記複数組のランナーシール部材とランナーハウジングシール部材はいずれも回転軸線の方向に沿って互いに千鳥状に設けられる。もう1つの技術的解決策では、前記複数組のランナーシール部材とランナーハウジングシール部材中の少なくとも1組は吸湿ランナーアセンブリの端面とランナーハウジングの内上面または内底面間に配置されてもよい。いくつかの技術的解決策では、複数のランナーシール部材および/または複数のランナーハウジングシール部材が設けられ、ここで、1つのランナーシール部材は複数のランナーハウジングシール部材に相対回転可能に接触してシールされ、または1つのランナーハウジングシール部材は複数のランナーシール部材に相対回転可能に接触してシールされる。選択可能に、前記ランナーシール部材の外周面は前記吸湿ランナーアセンブリの最大直径を形成する。特に好ましくは、前記吸湿ランナーアセンブリは、互いに固定された外周上部クランプハウジングと外周下部クランプハウジングを含み、前記ランナーシール部材は前記外周上部クランプハウジングと前記外周下部クランプハウジングの相互固定位置の外周側に配置されて前記互いに固定された位置をシールする。
【0016】
いくつかの技術的解決策では、前記の動力入力部材、補助回転リングとランナーシール部材は前記回転軸線の方向に沿って互いに完全に千鳥状に配置されるが、特に隣り合っている。
【0017】
前記ランナーハウジングは、ランナー上部ハウジングとランナー下部ハウジングを含み、前記ランナー上部ハウジングとランナー下部ハウジングは着脱可能に互いに接続される。前記ランナー下部ハウジングは特に他の機能性アセンブリの下部ハウジングと一体的に構成することができる。前記ランナーハウジングの端面内壁上に半径範囲内で延在する複数の仕切りリブが一体成形または固定され、前記ランナーハウジングの内部空洞を少なくとも吸湿領域と除湿領域に仕切り、ここで、前記仕切りリブと前記吸湿ランナーアセンブリのホイールディスク間に隙間が設けられる。いくつかの技術的解決策では、前記ランナーハウジングのランナー下部ハウジングの端面内壁上に半径範囲内で延在する2つの仕切りリブが一体成形または固定され、前記ランナーハウジングの内部空洞を吸湿領域と除湿領域に仕切る。いくつかの技術的解決策では、前記ランナーハウジングのランナー下部ハウジングの内端面内の位置に少なくとも2組の仕切りリブが対向して成形され、それらは互いに向かって延在し、それらの間隔は吸湿ランナーアセンブリの軸方向の厚さよりもわずか大きい。
【0018】
他の技術的解決策では、前記ランナーハウジングの端面内壁上に互いに向かって延在する少なくとも3つの仕切りリブが一体成形または固定され、前記ランナーハウジングの内部空洞を少なくとも吸湿領域、除湿領域と冷却領域に仕切り、前記冷却領域は前記吸湿領域と前記除湿領域間に配置される。ここで、前記吸湿領域は吸湿通路に流体連通し、前記除湿領域は前記除湿通路に流体連通し、前記冷却領域は冷却通路に流体連通する。前記冷却通路に冷却通路ファンが設けられて、外部環境の空気をランナーハウジングの冷却領域に輸送する。選択可能に、除湿通路から1つの冷却通路に分岐が導かれ、除湿通路ファンによりガスをランナーハウジングの冷却領域に誘導する。前記冷却通路の空気出口は、洗濯乾燥一体機のハウジング上の空気出口に流体連通するか、または除湿通路中の吸湿除湿部材の下流のエリアに接続する。
【0019】
いくつかの技術的解決策では、前記仕切りリブ、特に除湿領域を囲む仕切りリブの前記吸湿ランナーアセンブリのホイールディスクに向かう表面上に仕切りシール部材が固定され、前記仕切りシール部材と前記吸湿ランナーアセンブリ中のホイールディスクとの間隔は0~5mmである。いくつかの技術的解決策では、前記仕切りリブ上の少なくとも一部の仕切りリブに仕切りシール部材ストリップが固定され、前記仕切りシール部材ストリップは吸湿ランナーアセンブリのホイールディスクに干渉する。いくつかの技術的解決策では、前記仕切りシール部材のサイズは、前記ホイールディスクと小さな隙間のみを維持し、ホイールディスクの回転を妨げることなく、吸湿領域、除湿領域および任意に冷却領域間の気流の流れをできるだけ回避し、前記仕切りシール部材と前記ホイールディスクとの隙間を0.2mm~5mm間に設定し、例えば0.8mmに設定することは特に有利であり、このような隙間により、ホイールディスクの回転の一般的な軸方向振れによりホイールディスクの回転を妨げないとともに、各領域間の気流の流れを良好に回避することができる。前記仕切りシール部材は、ホイールディスクの軸方向振れが異常に強い場合ホイールディスクの損傷を回避するために、好ましくは可撓性を有する。前記仕切りシール部材は、発泡体、シリコーンまたは軟質ゴムで構成されることが好ましい。別の技術的解決策では、前記仕切りシール部材はシールストリップとして構成され、この場合、シールストリップは組み立られた状態で前記ホイールディスクに接触して相対回転可能な接触シールを形成することができる。
【0020】
いくつかの技術的解決策では、吸湿領域、除湿領域および任意に冷却領域間の熱の拡散を低減するために、前記仕切りリブの前記吸湿ランナーアセンブリのホイールディスクに面する表面に分離断熱部材がさらに固定され、前記分離断熱部材の少なくとも一部が前記仕切りシール部材によって包まれ、ここで、前記仕切りシール部材は常に一部が前記分離断熱部材よりも前記ホイールディスクに近接している。有利な技術的解決策では、仕切りシール部材のホイールディスクに面する側に分離断熱部材を収容するための凹部が形成され、この凹部の厚さは、仕切りシール部材が前記ホイールディスクにより近接するように、分離断熱部材の厚さよりも大きい。前記仕切りシール部材および/または前記分離断熱部材は、前記仕切りリブおよび必要に応じてランナーハウジングで囲まれた内部空洞のエッジに合わせる形状およびサイズを有する。前記分離断熱部材は、断熱材料で構成されることが好ましい。しかし、より安価な金属または合金を使用して前記断熱部材を製造してもよく、ここで金属または合金は良い熱伝導性能を有するが、シールで包まれたとき一定の断熱効果を生じることになる。
【0021】
いくつかの技術的解決策では、前記仕切りリブの前記吸湿ランナーアセンブリのホイールディスクに面する表面に仕切り押圧シートがさらに固定され、前記仕切り押圧シートは前記仕切りシール部材を位置決めて前記仕切りリブに押し付けるように構成される。前記仕切り押圧シートは例えば位置決めおよび押し付けを行うための突起を有することができる。好ましくは、前記仕切り押圧シートと前記分離断熱部材は一体的に構成することができる。
【0022】
いくつかの技術的解決策では、前記ランナーハウジングに少なくとも1つの気流ガイドシートがさらに設けられ、前記気流ガイドシートは前記ランナーハウジング中に入る吸湿気流を少なくとも2つの気流に分けて、前記少なくとも2つの気流をそれぞれ異なる領域から前記吸湿ランナーアセンブリのホイールディスクを通過させるように構成される。前記少なくとも1つの気流ガイドシートの一端は前記ランナーハウジングの吸湿気流用の吸湿気流入口の領域に成形または固定され、吸湿気流入口の領域に均等に配置されることが好ましい。前記少なくとも1つの気流ガイドシートは吸湿領域全体に基本的に均一に配置されることが好ましい。前記少なくとも1つの気流ガイドシートは、湾曲しているように構成されることが好ましい。これにより、吸湿気流が吸湿領域に入った後回転している吸湿ランナーアセンブリとともに径方向外側の領域に集まることを防止し、すなわちホイールディスクを通過する吸湿気流の均一性を向上させ、吸湿効率を高めることができる。
【0023】
前記ランナーハウジングの内周縁に少なくとも1つの周方向ローラ機構がさらに設けられ、前記周方向ローラ機構は周方向ローラと周方向ローラホルダを含み、前記周方向ローラは前記周方向ローラホルダに回転可能に支持され、前記周方向ローラホルダは前記ランナーハウジングの内周縁に設けられ、ここで、前記回転軸線に平行な方向に沿って見ると、前記周方向ローラは前記吸湿ランナーアセンブリの前記回転軸線の方向に沿ったサイズ範囲内で配置され、前記回転軸線に垂直な方向に沿って見ると、前記周方向ローラは前記吸湿ランナーアセンブリと前記ランナーハウジング間に配置され、前記周方向ローラは、前記吸湿ランナーアセンブリの回転過程における少なくとも一部の期間に前記吸湿ランナーアセンブリの外周面に転動可能に接触することができる。
【0024】
いくつかの技術的解決策では、初期取付位置において、前記周方向ローラ機構は、前記吸湿ランナーアセンブリを互いに圧迫することなく連動して転動する。これにより、前記周方向転動機構は吸湿ランナーアセンブリの回転抵抗を著しく増加することなくその回転を常に補助し、前記吸湿ランナーアセンブリの回転時径方向上のふらつきを防止して、その安定な回転を確保することができる。
【0025】
代替的な技術的解決策では、初期取付位置において、前記周方向ローラ機構と前記吸湿ランナーアセンブリ間に隙間が存在し、かつ吸湿ランナーアセンブリが回転軸線に垂直な方向に沿ってずれた時に、前記吸湿ランナーアセンブリは前記周方向ローラ機構に転動可能に接触することができる。これにより、吸湿ランナーアセンブリの通常回転時の回転抵抗をさらに減少し、吸湿ランナーアセンブリが径方向にふらつく場合にのみ効果を発揮する。
【0026】
いくつかの技術的解決策では、前記周方向ローラは、柔軟に変形可能であるように構成され、これにより周方向ローラの変形可能性を、吸湿ランナーアセンブリの径方向ふらつきを緩和するために単に利用することが可能である。有利には、前記周方向ローラは内輪、外輪および内輪と外輪を接続するスポークを含み、前記スポークは少なくとも2本として設けられ柔軟に変形可能であるように構成される。スポークが内輪と外輪との接続部で形成する結線がローラの回転軸線を横切らないことも有利である。ここで、内輪とは、回転軸または回転軸に嵌設された管と理解することができる。代替的な技術的解決策では、柔軟な材料は例えば発泡体、シリコーンリングなどを用いて前記のスポークを置換することができ、すなわち内輪と外輪間に柔軟な材料を設ける。例えば、内輪の外部に柔軟材料を嵌設した後、柔軟材料の外部に外輪を嵌設する。ここで、外輪は硬質であってもよいし、柔軟であってもよい。
【0027】
追加的または代替的な技術的解決策では、前記周方向ローラホルダは、ずれる可能であるように構成される。特に、前記周方向ローラホルダ自身は、弾性変形可能に構成される。追加的または代替的に、前記周方向ローラホルダは摺動軌道に沿って全体として移動して前記回転軸線からの間隔を変更することができ、ここで、前記ランナーハウジングに前記周方向ローラホルダを初期位置に戻すための弾性復元部材が固定される。例えば、前記摺動軌道は、前記ランナーハウジングに形成された凹部と前記周方向ローラホルダに協働して形成されたスライダから構成される。代替的に、前記摺動軌道は、前記ランナーハウジングに形成された案内突起と前記周方向ローラホルダに協働して形成された案内係合爪から構成される。
【0028】
いくつかの技術的解決策では、前記ランナーハウジングの内周縁に複数の周方向ローラ機構が配置され、好ましくは6つの周方向ローラ機構が配置される。特に有利には、前記ランナーハウジングの内周縁は段差的に構成され、前記段差の回転軸線に垂直な方向、すなわち径方向に沿って延在する端面に周方向ローラホルダが設けられ、周方向ローラは周方向ローラホルダに回転可能に支持される。好ましくは、前記段差の周面はランナーハウジングシール部材を形成し、前記吸湿ランナーアセンブリのランナーシール部材と接触してシールされる。前記複数の周方向ローラ機構は前記ランナーハウジングの内周縁に均一にまたは不均一に配置される。特に、前記吸湿ランナーアセンブリはその外周縁で前記ランナー駆動機構によって駆動されると、前記ランナーハウジングの内周縁に複数の周方向ローラ機構が不均一に配置され、ここで、前記ランナー駆動機構と前記吸湿ランナーアセンブリの接触部位から離れた一側により多くの周方向ローラ機構が設けられる。例えば、ランナー駆動機構と吸湿ランナーアセンブリは歯車が噛み合う形式で相互に作用するとき、歯車が噛み合う部位は、ランナー駆動機構と吸湿ランナーアセンブリの接触部位であり、このとき該歯車が噛み合うの部位から離れた一側により多くの周方向ローラ機構が設けられることが有利である。また例えば、ランナー駆動機構と吸湿ランナーアセンブリはベルトの形式で相互に作用するとき、ランナー駆動機構中のベルトと吸湿ランナーアセンブリの外周縁で相互に押し付ける位置はランナー駆動機構と吸湿ランナーアセンブリの接触部位であり、このとき該押し付ける部位から離れた一側により多くの周方向ローラ機構が設けられることが有利である。ランナーは周方向に駆動されるため、必然的にランナーにある程度の偏心力を与える、
【0029】
いくつかの技術的解決策では、前記周方向ローラはそれが位置する軸方向高さに少なくとも一部がランナーハウジングの内周壁から突出し、ランナーハウジングのすべての内周面に対して回転軸線に向かって突出する必要がない。別の技術的解決策では、前記周方向ローラは、少なくとも一部が、ランナーハウジングの内周縁の内周壁の全体を通って回転軸線に向かって突出し、それによってランナーハウジングの内周縁のすべての内周面エリアよりも回転軸線に近い。
【0030】
いくつかの技術的解決策では、前記周方向ローラホルダは固定機構によって前記ランナーハウジングに固定され、前記固定機構は、初期取付位置で前記周方向ローラホルダと前記吸湿ランナーアセンブリ間の径方向間隔を調節することができるように構成される。これにより、周方向ローラ機構は、より多くのサイズの吸湿ランナーアセンブリに対応でき、より多くの動作モードに対応することができる。
【0031】
前記ランナーハウジングの内底面に少なくとも1つの底部ローラ機構がさらに設けられ、前記底部ローラ機構は、底部ローラと底部ローラホルダを含み、前記底部ローラは前記底部ローラホルダに回転可能に支持され、前記底部ローラホルダは前記ランナーハウジングに設けられ、前記回転軸線に垂直な方向に沿って見ると、前記底部ローラは前記吸湿ランナーアセンブリの回転軸線に垂直な方向に沿ったサイズ範囲で配置され、前記回転軸線に平行な方向に沿って見ると、前記底部ローラは前記吸湿ランナーアセンブリと前記ランナーハウジング間に配置され、前記底部ローラと前記吸湿ランナーアセンブリの間隔は、前記吸湿ランナーアセンブリと前記ランナーハウジングの最小の間隔よりも小さい。好ましくは、前記底部ローラは少なくとも一部が前記吸湿ランナーアセンブリに向かって前記ランナーハウジングの内底面の全体から突出する。
【0032】
いくつかの技術的解決策では、初期取付位置において、前記底部ローラ機構は回転している吸湿ランナーアセンブリの底部に転動可能に接触する。もう1つの代替的な技術的解決策では、初期取付位置において、前記底部ローラ機構と前記吸湿ランナーアセンブリ間に隙間が存在し、吸湿ランナーアセンブリは回転軸線の方向に沿ってずれると、前記吸湿ランナーアセンブリは前記底部ローラ機構に転動可能に接触する。
【0033】
いくつかの技術的解決策では、前記吸湿ランナーアセンブリの外周ハウジング部材は、前記回転軸線に垂直な方向に沿って延在する一対の端部エリアを有し、前記底部ローラ機構は前記ランナーハウジングの内底面の、前記外周ハウジング部材の内底面に面した端部エリアとは反対の領域に配置され、前記端部エリアは前記底部ローラ機構に転動可能に接触することができる。もう1つの代替的な技術的解決策では、前記吸湿ランナーアセンブリの中心ハウジング部材は、前記回転軸線に垂直な方向に沿って延在する一対の端部エリアを有し、この一対の端部エリアはホイールディスクの中心領域中の端面を挟持し、ここで、底部ローラ機構はランナーハウジングの内底面の、中心ハウジング部材の端部エリアとは反対の領域に配置され、底部ローラ機構は吸湿ランナーアセンブリの中心ハウジング部材の端部エリアに転動可能に接触することができる。
【0034】
いくつかの技術的解決策では、前記ランナーハウジングの内底面に、複数、好ましくは4つの底部ローラ機構が設けられ、前記複数の底部ローラ機構は、前記ランナーハウジングの内底面上に同一円周上に均一に分布していることが好ましい。
【0035】
いくつかの技術的解決策では、前記底部ローラ機構は変形不可能またはわずかに変形可能であるように構成される。
【0036】
いくつかの技術的解決策では、前記底部ローラの周面は、滑らかに構成されるか、または凹凸からなる表面構造である。
【0037】
いくつかの技術的解決策では、前記底部ローラホルダは前記ランナーハウジングの内底面に一体成形または接続され、前記底部ローラホルダは中空部材として構成され、組み立てられた底部ローラは前記中空部材の内部空洞に部分的に収容される。特に、ランナーハウジングの内底面に底部ローラ機構を収容するための凹部が設けられ、底部ローラホルダは該凹部に固定され、または前記底部ローラホルダはランナーハウジング内底面に直接凹部構造として形成される。
【0038】
いくつかの技術的解決策では、前記底部ローラホルダは固定機構によって前記ランナーハウジングに固定され、前記固定機構は、初期取付位置で前記底部ローラホルダと前記吸湿ランナーアセンブリ間の軸方向間隔を調節することができるように構成される。
【0039】
前記吸湿ランナーアセンブリは、その外周縁で前記ランナー駆動機構によって駆動される。言い換えれば、前記ランナー駆動機構は、前記吸湿ランナーアセンブリの動力入力部材の外周縁で前記吸湿ランナーアセンブリの回転を駆動する。前記ランナー駆動機構は、ランナー駆動モータと対応伝達機構を含む。前記ランナー駆動モータの出力軸は前記対応伝達機構に相対回転不可能に相互に接続され、例えばキー溝嵌合などによって相互に接続される。前記対応伝達機構は吸湿ランナーアセンブリの動力入力部材と同様であるように構成される。
【0040】
いくつかの技術的解決策では、前記動力入力部材の周縁に凸歯が形成され、前記ランナー駆動機構は前記凸歯と噛み合って前記動力入力部材の回転を駆動する。前記凸歯は例えば直線歯、斜め歯、湾曲歯または所定形状の歯を有するスプロケット歯として構成される。対応的に、前記ランナー駆動機構の対応伝達機構は例えば平歯車、ヘリカルギア、ベベルギアまたはスプロケットとして構成される。
【0041】
もう1つの代替的な技術的解決策では、前記動力入力部材の周縁に溝が形成され、前記ランナー駆動機構は前記溝と噛み合って前記動力入力部材の回転を駆動する。対応的に、前記ランナー駆動機構の対応伝達機構は例えば歯付きベルトプーリのような噛み合いベルトとして構成される。
【0042】
もう1つの代替的な技術的解決策では、前記動力入力部材の周縁に平滑面が設けられ、前記ランナー駆動機構は前記平滑面間の摩擦力によって前記動力入力部材の回転を駆動する。対応的に、前記ランナー駆動機構の対応伝達機構は、例えば平ベルトプーリのようなフリクションプーリとして構成される。選択可能に、前記平滑面に摩擦力を増加させるための微小表面構造が形成される。
【0043】
いくつかの技術的解決策では、前記ランナーハウジングは、前記ランナー駆動機構を収容するための収容部をさらに含む。すなわち、前記ランナーハウジングは前記吸湿ランナーアセンブリと前記ランナー駆動機構をそれぞれ収容するための収容部を含み、前記ランナー駆動機構と吸湿ランナーアセンブリは1つのランナーハウジングを共用することが可能である。有利には、ランナーハウジングのランナー駆動機構用の収容部にバッフルが設けられ、任意に吸湿ランナーアセンブリの収容部からランナー駆動機構用の収容部への気流の流れを遮断するためのシール部材が設けられる。代替的な技術的解決策では、ランナー駆動機構と吸湿ランナーアセンブリは、互いに固定されたそれぞれ独立したハウジングを含む。このような技術的解決策では、ランナー駆動機構と吸湿ランナーアセンブリのそれぞれのハウジングの相互固定位置を封止するための追加のシールが必要となる。
【0044】
いくつかの技術的解決策では、前記ランナー駆動機構は前記吸湿ランナーアセンブリの径方向のサイズ範囲外に全部または部分が配置される。
【0045】
前記除湿通路は、外部環境と除湿通路を連通するための除湿通路空気入口および除湿通路空気出口を有し、前記除湿通路空気入口は前記洗濯乾燥一体機を配置する外側ハウジング上のハウジング空気入口と連通し、前記除湿通路空気出口は前記洗濯乾燥一体機を配置する外側ハウジング上のハウジング空気出口と連通する。除湿通路ファンにより前記除湿通路空気入口を通じて外部環境中の空気を前記吸湿除湿部材に輸送し、前記除湿通路空気出口を通じて前記吸湿除湿部材を流れるガスを外部環境に排出して、前記除湿通路内で除湿気流を形成する。
【0046】
このような技術的解決策では、有利には、前記除湿通路に前記吸湿除湿部材の下流で除湿凝縮アセンブリが設けられ、前記除湿凝縮アセンブリは前記吸湿除湿部材を流れる除湿気流を凝縮除湿するように構成される。これにより、前記洗濯乾燥一体機の外側ハウジング上のハウジング空気出口を介して排出されたガス温度は低温で比較的乾燥であり、外部環境に影響を与えることがない。
【0047】
このような技術的解決策では、さらに有利には、前記除湿通路に前記吸湿除湿部材の上流、特に除湿通路空気入口で除湿濾過部が設けられ、外部環境からの空気中の不純物を濾過して、除湿通路を保護し、特に吸湿除湿部材を不純物の汚染から保護する。
【0048】
もう1つの代替的な技術的解決策では、前記除湿通路は外部環境と連通しない内部循環通路として構成される。前記除湿通路において、前記吸湿除湿部材の下流に除湿凝縮アセンブリが配置されて前記吸湿除湿部材を流れる高温多湿ガスを凝縮除湿し、前記吸湿除湿部材の上流または下流に除湿通路ファンが配置されて除湿凝縮アセンブリで凝縮除湿された乾燥空気を再び前記吸湿除湿部材に輸送し、前記除湿通路内で内部循環の除湿気流を形成する。これにより、除湿濾過部、洗濯乾燥一体機の外側ハウジング上のハウジングの空気入出口および前記ハウジングの空気入出口と連通する通路がなくなり、コスト削減と省スペース化を実現する。
【0049】
特に有利には、前記乾燥モジュールは、前記除湿通路の経路に配置された除湿加熱アセンブリを含む。前記除湿加熱アセンブリは除湿気流を加熱して除湿気流の温度を高めて、ホイールディスクの再生効率を改善するように構成される。除湿気流の流路の観点から、前記除湿加熱アセンブリは吸湿除湿部材の上流および/または下流に配置され得る。いくつかの技術的解決策では、前記除湿加熱アセンブリは吸湿除湿部材とは別に設けられる。もう1つの代替的な技術的解決策では、前記除湿加熱アセンブリは吸湿除湿部材と一体成形されるか、またはネジ付きファスナーなどの接続手段によって固定されてもよい。特に好ましくは、前記除湿加熱アセンブリの除湿加熱アセンブリのハウジングと前記吸湿除湿部材のランナーハウジングは基本的に相補的な形状であり、互いに接続される。前記除湿加熱アセンブリは温度センサーの検出値に応じて加熱電力を決定することができる。
【0050】
前記除湿加熱アセンブリは吸湿除湿部材と一体成形または固定された時、除湿加熱アセンブリは除湿加熱アセンブリハウジングと除湿加熱アセンブリを含む。前記除湿加熱アセンブリハウジングは上面壁、下面壁、および前記上面壁と下面壁を接続する側壁を有する。有利な技術的解決策では、前記除湿加熱アセンブリハウジングは、扇形横断面を有する扇形体で、扇形の上面壁、下面壁、径方向に沿って延在する径方向側壁および周方向に沿って延在する周方向側壁を有するように構成される。特に有利には、前記扇形体と前記ランナーハウジング、特に前記ランナーハウジング中のランナー上部ハウジングは相補的な形状を有するように構成される。例えば、前記ランナーハウジング中のランナー上部ハウジングは扇形の切り欠けを有し、この切り欠けは前記扇形体の形状と基本的に同じである。前記扇形体の半径は前記ランナーハウジングの半径と基本的に等しいことが好ましい。前記上面壁と下面壁中の吸湿ランナーアセンブリに面する端面壁に除湿気流出口が形成され、気流を該除湿気流出口を介して前記吸湿ランナーアセンブリに流入させる。前記除湿気流出口は、気流の流れ効率を最大化するために、できるだけ大きく構成されることが好ましい。前記側壁に1つまたは複数の除湿気流入口が形成される。前記除湿気流入口は前記扇形体の周方向側壁に配置されている場合、除湿気流は最短経路で前記除湿加熱アセンブリに進入することができる。前記除湿気流入口は前記扇形体の径方向側壁に配置されている場合、除湿気流は径方向においてより均一に前記吸湿ランナーアセンブリを流れる。特に複数の除湿気流入口が前記扇形体の2つの径方向側壁または前記扇形体の2つの径方向側壁および1つの周方向側壁に配置されている場合、除湿気流は扇形体の横断面範囲内でより均一に前記吸湿ランナーアセンブリを流れ、前記吸湿ランナーアセンブリの再生効率を向上させることができる。
【0051】
前記除湿加熱アセンブリハウジングは前記ランナーハウジングと一体的に製造できるが、より好ましくは、前記除湿加熱アセンブリハウジングは前記ランナーハウジングとは別に製造され、前記ランナーハウジングに固定される。有利な技術的解決策では、前記ランナーハウジングとは別途に製造された除湿加熱アセンブリハウジングと前記ランナーハウジング、特にランナー上部ハウジング間に、除湿気流が除湿加熱アセンブリハウジングとランナーハウジング間の隙間から逃げるのを防止するために、好ましくは柔軟な接続シール部材が設けられる。好ましくは、除湿加熱アセンブリハウジングとランナーハウジング間に接続断熱部材がさらに設けられて、除湿加熱アセンブリハウジング中の熱が外部へ拡散し、特にランナーハウジングの吸湿領域での拡散を低減し、前記接続断熱部材は少なくとも一部が前記接続シールによって覆われている。より有利には、前記接続断熱部材全体は前記接続シールによって覆われ、前記除湿加熱アセンブリハウジングと前記ランナーハウジングは両方とも前記接続シールのみに接触して、シール効果を向上させることができる。好ましくは、前記接続シールおよび/または前記接続断熱部材は、前記除湿加熱アセンブリハウジング中の除湿気流出口の形状に合わせた内縁を有する。前記接続シールは、発泡体、シリコーンまたは軟質ゴムとして構成されることが好ましい。前記接続断熱部材は断熱材料で構成されることが好ましい。しかし、より安価な金属または合金を使用して前記接続断熱部材を製造することも考えられ、その場合、金属または合金は良好な熱伝導性能を有するが、接続シールで覆われても一定の断熱効果を発揮することもできる。
【0052】
前記除湿加熱アセンブリ中の除湿加熱アセンブリは、好ましくは一平面内で広がる加熱管またはPTC加熱体として構成される。有利には、前記加熱管は蛇腹状または波状に構成される。特に有利には、前記除湿加熱アセンブリの包絡線によって囲まれた面積は前記除湿気流出口の横断面の少なくとも70%を占め、および/または前記除湿加熱アセンブリの横断面の面積は前記除湿気流出口の横断面の40%までを占めるにすぎない。
【0053】
いくつかの技術的解決策では、前記除湿加熱アセンブリはメッシュパネルをさらに含む。前記メッシュパネルは、前記除湿気流出口に合わせた形状を有し、前記除湿気流出口に固定可能である。前記メッシュパネルに複数の貫通穴が形成され、前記複数の貫通穴は前記メッシュパネルに可能な限り均一に分布している。有利には、前記複数の貫通穴は前記メッシュパネルに蛇腹状または波状に分布している。特に有利には、前記複数の貫通穴の開口のサイズは、除湿気流の流動方向に沿って徐々に減少するか、または減少する傾向を有し、除湿気流入口に近い貫通穴は大きな開口部を有し、除湿気流入口から離れた貫通穴は小さな開口部を有し、これによって、前記吸湿ランナーアセンブリを流れる除湿気流の均一性をさらに改善することができる。
【0054】
いくつかの技術的解決策では、前記除湿加熱アセンブリは除湿気流の流動方向に沿って前記メッシュパネルの下流側に固定され、特に前記メッシュパネルの下流側の端面に固定される。特に有利には、前記除湿加熱アセンブリは前記メッシュパネル中の貫通穴の形状に対応して構成され、前記貫通穴から千鳥状に配置される。特に有利には、前記除湿加熱アセンブリは前記貫通穴に対して除湿気流の流入方向に千鳥状に配置され、除湿気流が前記貫通穴を通過した後前記除湿加熱アセンブリに向かうようにして、加熱効率を向上させる。
【0055】
いくつかの技術的解決策では、前記除湿加熱アセンブリは、サーモスタット取付部をさらに含む。前記サーモスタット取付部は、前記除湿加熱アセンブリの内部空洞中の温度を検出するために使用される。洗濯乾燥一体機のコントローラーは前記サーモスタットで検出した温度に基づいて前記除湿加熱アセンブリを制御する。加熱した除湿気流が前記除湿加熱アセンブリの内部空洞で乱流(または渦流)を形成しやすいため、内部空洞の空間で直接取得した内部空洞温度は極めて不安定または変動しやすくなる。できるだけ安定した内部空洞温度を得るために、前記サーモスタット取付部は熱伝導性シートとサーモスタットを含む。特に好ましくは、前記熱伝導性シートは少なくとも一部が前記サーモスタットを被覆する。内部空洞のガスで内部空洞温度を直接検出するよりも、前記熱伝導性シートから前記サーモスタットに温度を伝導させる方が、より安定した代表的な内部空洞温度を検出することができ、除湿加熱アセンブリの温度制御に特に有利である。有利な技術的解決策では、前記サーモスタット取付部は前記開口が位置する端面壁に配置され、前記開口の外側に配置される。
【0056】
上記の除湿凝縮アセンブリは、除湿凝縮アセンブリハウジング、除湿凝縮管統合体および除湿凝縮出口パイプを含み、前記除湿凝縮管統合体は前記除湿凝縮アセンブリハウジングの中間に固定され、前記除湿凝縮管統合体を流れる除湿気流を凝縮除湿するように構成される。凝縮された水が前記除湿凝縮出口パイプから排出される。除湿気流が除湿凝縮アセンブリハウジングに入った後除湿凝縮管統合体を迂回して除湿凝縮アセンブリハウジングとの間の隙間から除湿凝縮アセンブリハウジングの出口に直接流れるのを防ぐために、除湿凝縮管統合体と除湿凝縮アセンブリハウジング間にバッフルが設けられる。
【0057】
前記乾燥モジュールは前記吸湿通路の経路に配置された吸湿加熱アセンブリをさらに含む。前記吸湿加熱アセンブリは、吸湿気流を加熱して吸湿気流の温度を高め、乾燥効率を改善するように構成される。特に有利には、前記吸湿加熱アセンブリは乾燥モジュールの吸湿通路空気出口付近に配置され、吸湿加熱アセンブリで乾燥した空気を加熱することができ、蒸発した水分が吸湿通路の内壁に凝縮するのを防止することができる。前記吸湿加熱アセンブリは温度センサーの検出値に基づいて加熱の有無および加熱電力を決定することができる。
【0058】
いくつかの技術的解決策では、前記乾燥モジュールは、前記吸湿通路の経路に配置された吸湿凝縮アセンブリを含む。前記吸湿凝縮アセンブリは、吸湿気流を追加的に凝縮除湿するように構成される。特に有利には、前記吸湿凝縮アセンブリは乾燥モジュールの吸湿通路空気入口付近に配置され、ドラムからの高温多湿空気を予備除湿して、乾燥効率を向上させる。
【0059】
いくつかの技術的解決策では、前記吸湿通路において、前記吸湿除湿部材の上流、特に前記吸湿通路空気入口に吸湿濾過部が設けられて、吸湿気流中の不純物を濾過し、吸湿通路を保護し、特に吸湿除湿部材を不純物の汚染から保護する。
【0060】
いくつかの技術的解決策では、前記乾燥モジュールはモジュール式に構成される。いくつかの技術的解決策では、前記乾燥モジュールは、互いに個別に組み立てられた複数の機能モジュールから構成され、これらの機能モジュールはそれぞれドラムハウジングおよび/または洗濯乾燥一体機のフレームに固定される。好ましくは、前記吸湿除湿部材はドラムに接触せずに洗濯乾燥一体機のフレームに固定され、ドラムの動作時の振動が前記吸湿除湿部材の安定な動作に影響を与えないことを確保する。前記の技術的解決策は、洗濯乾燥一体機のハウジング内の内部空間を十分に活用でき、各機能モジュールの外形設計もより柔軟になるという利点がある。
【0061】
もう1つの代替的な好ましい技術的解決策では、前記乾燥モジュールは特に洗濯乾燥一体機の完全な組立の前に、1つのみの予備組装モジュールとして予備組み立てられる。前記予備組装モジュールは1つのみの一体構造のモジュール下部ハウジングと複数の別々に設けられた上部ハウジングを含み、前記モジュール下部ハウジングと上部ハウジングは複数のチャンバーを形成し、前記チャンバーは、各機能性アセンブリ、例えば吸湿ランナーアセンブリ、吸湿通路ファン、除湿通路ファン、ランナー駆動機構、吸湿加熱アセンブリ、吸湿凝縮アセンブリ、除湿加熱アセンブリ、除湿凝縮アセンブリ中の1つまたは複数を収容するように構成される。このような一体型モジュール製造により、組み立てが大幅に簡素化され組み立て効率が向上する一方、対応する接続ダクトが不要または短縮されるため、乾燥モジュールの構造がよりコンパクトである。
【0062】
いくつかの技術的解決策では、乾燥モジュールの上部ハウジングおよび/または下部ハウジングの周縁に複数、好ましくは4つのラグが一体成形または固定され、前記ラグは前記洗濯乾燥一体機のフレームに、特にフレームの内壁面上の固定部またはフレームの側縁、好ましくは少なくとも3つの側縁、より好ましくは4つの側縁に重ね合わせて固定され、前記乾燥モジュールを洗濯乾燥一体機のフレームに固定するようにする。前記重ね合わせ固定は、ネジ付きファスナー、溶接および/または係合などによって実現される。特に有利には、乾燥モジュールが1つのみの一体構造の下部ハウジングを有する場合、前記下部ハウジングの周縁に複数、好ましくは4つのラグが一体成形または固定される。乾燥モジュールは組み立てられた状態でドラムに接触していないことに留意する必要がある。これにより、乾燥モジュール内の機能モジュールがドラムの振動にさらなることを回避し、本発明で提案する吸湿除湿部材に基づく乾燥モジュールにとって非常に有利であり、振動は吸湿ランナーアセンブリ中のホイールディスクが安定的に回転しなくランナーハウジングまたはランナーハウジングに固定されたアセンブリに衝突し、さらにシールに不具合が生じ、意図した流路からの気流逃げが発生する可能性があるからである。
【0063】
いくつかの技術的解決策では、前記乾燥モジュールはドラムの上方、後方または下方に配置され得る。特に乾燥モジュールがドラムの上方に配置される方が有利であり、ドラムが水平に配置された円筒としてその側面上方により大きな空間を残して乾燥モジュール中の機能性アセンブリを配置し、乾燥モジュールをドラム上方に配置すると組立とメンテナンスがより容易になる。
【0064】
洗濯乾燥一体機の高さまたは厚さを最小限にするために、本発明はさらに好ましい技術的解決策を提出し、この技術的解決策では、吸湿ランナーアセンブリと吸湿通路ファンの回転軸線はそれぞれドラムの回転軸線と非同一面で垂直であり、ドラムの回転軸線の両側に分布している。特に有利には、前記乾燥モジュール中の吸湿ランナーアセンブリ、吸湿通路ファン、除湿通路ファン、ランナー駆動機構および必要に応じて吸湿凝縮アセンブリ、除湿凝縮アセンブリ、除湿加熱アセンブリは並んで配置され、基本的に同一平面内で配置され、すなわち吸湿ランナーアセンブリの回転軸線の方向に沿って、完全にずらされないように少なくとも一部が重なり合っている。これにより、乾燥モジュール全体の高さまたは厚さを最小限に抑えることができる。
【0065】
特に有利には、前記吸湿通路ファンの空気出口は、前記ランナーハウジングの周方向側壁に形成された吸湿気流入口を介して前記ランナーハウジングの内部空洞に流体的に接続され、前記吸湿通路ファンの空気出口は前記ランナーハウジングの吸湿気流入口に直接接続されるか、または空気出口接続部を介して間接的に接続される。好ましくは、前記吸湿気流入口は、前記ランナーハウジングの周方向側壁において前記吸湿ランナーアセンブリと前記ランナーハウジングの底部間に配置され、もちろん、前記吸湿ランナーアセンブリと前記ランナーハウジングの頂部間に配置されてもよい。特に好ましくは、前記吸湿通路ファンの空気出口は、前記吸湿ランナーアセンブリの回転軸線に垂直な方向に沿って開口するように構成される。
【0066】
また、特に有利には、前記除湿通路ファンの空気出口は、前記ランナーハウジングの周方向側壁に形成された除湿気流入口を介して前記ランナーハウジングの内部空洞に流体的に接続され、前記除湿通路ファンの空気出口は前記ランナーハウジングの除湿気流入口に直接接続されるか、または空気出口接続部を介して間接的に接続される。好ましくは、前記除湿気流入口は、前記ランナーハウジングの周方向側壁において前記吸湿ランナーアセンブリと前記ランナーハウジングの頂部間に配置され、もちろん、前記吸湿ランナーアセンブリと前記ランナーハウジングの底部間に配置されてもよい。特に好ましくは、前記除湿通路ファンの空気出口は、前記吸湿ランナーアセンブリの回転軸線に垂直な方向に沿って開口するように構成される。
【0067】
代替的な技術的解決策では、前記除湿通路ファンの空気出口は前記除湿加熱アセンブリハウジング上の除湿気流入口に空気出口接続部を介して直接または間接的に接続され、前記除湿加熱アセンブリハウジングは前記ランナーハウジングに一体成形または固定される。前記除湿加熱アセンブリハウジングは、1つまたは複数の除湿気流入口を有し、前記除湿気流入口は前記除湿加熱アセンブリハウジングの側壁に配置され得、ここでの側壁は、吸湿ランナーアセンブリの回転軸線に垂直に延在する端面壁が角度をなして接続されたハウジング壁を指す。特に前記除湿加熱アセンブリハウジングは扇形横断面を有する扇形体として構成される場合、前記除湿気流入口は前記扇形体の周方向側壁および/または径方向に沿って延在する径方向側壁に形成され得る。特に好ましくは、前記除湿通路ファンの空気出口は、前記吸湿ランナーアセンブリの回転軸線に垂直な方向に沿って開口するように構成される。
【0068】
また、代替的な技術的解決策では、前記吸湿ランナーアセンブリは前記ランナーハウジングに固定され、前記ランナーハウジングに対しても回転しなくなる。ここで、前記ランナーハウジングは異なる領域に仕切られない。ここで、吸湿ランナーアセンブリおよび吸湿通路は除湿通路に交互に連通する。具体的に、乾燥モジュールが動作する時、前記吸湿ランナーアセンブリはまず吸湿通路と連通して、ドラム中の衣類を吸湿乾燥する。その後、例えば前記吸湿ランナーアセンブリに接続されたセンサーの情報に基づいて前記吸湿ランナーアセンブリ中のホイールディスクが飽和すると判断する時、切り替え構造により前記吸湿ランナーアセンブリと除湿通路を連通して、吸湿ランナーアセンブリのホイールディスクを再生させることができる。この技術的解決策では、ホイールディスクを回転させるために設けられたランナー駆動機構、動的シール、例えば既述した動的シール形成用のランナーシール部材とランナーハウジングシール部材および回転補助部材、例えば既述した周方向ローラ機構、底部ローラ機構、補助回転リングなどが省略され得るので、コストを低減することが可能である。
【0069】
前記吸湿ランナーアセンブリは前記ランナーハウジングに固定されているが、前記ランナーハウジングは少なくとも2つの領域に仕切られ、前記2つの領域は前記吸湿通路および除湿通路に交互に連通することも想定される。いくつかの技術的解決策では、前記ランナーハウジングの外周に往復スイングするダクトラックが設けられ、前記ダクトラックおよび前記吸湿通路と除湿通路間に柔軟なダクトがそれぞれ接続される。前記ダクトラックが往復スイングする時、前記ダクトラック上のダクト開口が前記少なくとも2つの領域の入口と出口にそれぞれ連通する。
【0070】
前記洗濯乾燥一体機は、ドラムの空気出口と乾燥モジュールの空気入口間に設けられドラムからの気流を前記乾燥モジュールに導くための空気出口ダクト、洗剤ディスペンサーボックスおよびパイプアセンブリをさらに含む。
【0071】
パイプアセンブリは入口パイプ、第1出口パイプ、第2出口パイプおよび第3出口パイプを含み、入口パイプの一端が水道管に接続され、入口パイプの他端がそれぞれ第1出口パイプの一端、第2出口パイプの一端および第3出口パイプの一端に接続され、第1出口パイプの他端が洗濯乾燥一体機中の凝縮器の水入口に接続され、第2出口パイプの他端が洗剤ディスペンサーボックスの水入口に接続され、第3出口パイプの他端が空気出口ダクトの水入口に接続される。いくつかの技術的解決策では、凝縮器、洗剤ディスペンサーボックス、空気出口ダクトの水入口およびパイプアセンブリはドラムの上部に配置される。凝縮器、洗剤ディスペンサーボックス、空気出口ダクトの水入口およびパイプアセンブリはそれぞれ洗濯乾燥一体機の少なくとも3つの角に配置されることが好ましい。いくつかの技術的解決策では、入口パイプおよび/または第1出口パイプおよび/または第2出口パイプおよび/または第3出口パイプに、電磁弁が設けられて水管のオン・オフおよび/または流量を制御するようになっている。いくつかの実施例では、パイプアセンブリと電磁弁は一体化した構造を形成する。いくつかの技術的解決策では、入口パイプは水道管にホースを介して接続され、および/または第1出口パイプは凝縮器の水入口にホースを介して接続され、および/または第2出口パイプは洗剤ディスペンサーボックスの水入口にホースを介して接続され、および/または第3出口パイプは空気出口ダクトの水入口にホースを介して接続される。いくつかの技術的解決策では、入口パイプに入口パイプを流れる水を濾過するためのフィルタが設けられる。いくつかの技術的解決策では、洗剤ディスペンサーボックスの水出口がドラムの水入口に接続され、ドラムの水出口が排水管に接続される。いくつかの技術的解決策では、空気出口ダクト内に濾過メッシュと濾過メッシュを噴射するための噴射機構が設けられ、空気出口ダクトは水を噴射機構に導くための第1水入口を有し、第3出口パイプは第1水入口に接続される。いくつかの技術的解決策では、空気出口ダクトは冷却水を冷却通路に導くための第2水入口を有し、冷却通路は冷却水を空気出口ダクトの外壁に導きそれを冷却するために構成され、第3出口パイプは第2水入口に接続される。1つの入口と複数の出口を持つ複合水システムを提供することで、乾燥効果を最適化し乾燥モジュールのアセンブリをより良く保護するための複数の給水要件を満たし、より完全な洗濯乾燥一体機のニーズに適応することができる。
【0072】
前記空気出口ダクト構造は、気流を前記ドラムから前記乾燥モジュールに導くように構成される。前記空気出口ダクトはドラムの後壁の外面に沿って下から上へ延在する。前記空気出口ダクトはドラムの左後方または右後方に設けられる。空気出口ダクトはドラムの後壁の外面に沿って下から上へ延在することは、ドラムの上側壁の外面に沿って延在する場合よりも、洗濯乾燥一体機全体の高さを低減しドラム上方により多くの空間を残して乾燥モジュールの各部材を配置することを確保する。空気出口ダクトは乾燥モジュールの空気入口にフレキシブルに接続されることが好ましい。
【0073】
特に有利には、空気出口ダクトに濾過モジュールが設けられる。前記濾過モジュールは、空気出口ダクトを流れる気流を濾過するための濾過メッシュを含む。空気出口ダクトに濾過メッシュを使用することで、気流に含まれた糸くずなどの異物が乾燥モジュールに侵入し、除湿と加熱効果を低減して乾燥効果に影響を与えることを防止することができる。いくつかの技術的解決策では、濾過メッシュは空気出口ダクト中で斜めに配置される。濾過メッシュと空気出口ダクトの縦方向軸線間の角度は例えば15°~45°間である。好ましくは、濾過メッシュは空気出口ダクトの断面全体にわたっており、空気出口ダクトを流れるすべての気流を濾過する。いくつかの技術的解決策では、濾過メッシュは空気出口ダクト中で着脱可能に設けられ、空気出口ダクトの濾過メッシュに対応する位置に、濾過メッシュの取り付けおよび取り出しのための開口が形成されている。いくつかの技術的解決策では、前記空気出口ダクトは湾曲しており、前記空気出口ダクトの第1端部に、前記ドラムの出口に接続するために入口が設けられ、前記空気出口ダクトの第2端部に、乾燥モジュールの入口に接続するために出口が設けられる。いくつかの技術的解決策では、前記空気出口ダクトは空洞を画定するための第1ハーフハウジングおよび第2ハーフハウジングを含み、前記濾過メッシュは前記空洞内で斜めに配置され、前記空気出口ダクトの第1端部から第2端部に流れるすべての気流を濾過する。いくつかの技術的解決策では、前記濾過メッシュは第2ハーフハウジングの下部から、第1ハーフハウジングの上部に設けられ前記空洞内に延びる支持板のエッジまで延在し、前記濾過メッシュは前記空洞の横断面の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%にわたるようにして、前記支持板上に前記濾過メッシュ自浄装置の給水装置をシール取付するための取付部が設けられる。いくつかの技術的解決策では、前記支持板は円弧状であり、その一端が前記第1ハーフハウジングの上面板に取り付けられ、他端が濾過メッシュを固定するために前記空洞内に延在する。いくつかの技術的解決策では、前記支持板は平板な形状を有し、前記第1ハーフハウジングと一体的に成形され、空洞内に延在する。いくつかの技術的解決策では、前記第1ハーフハウジングと前記第2ハーフハウジングはそれぞれ第1端部から始まる円弧状エリア、および円弧状エリアに接続された直線エリアを有し、かつ前記第1ハーフハウジングと前記第2ハーフハウジングの円弧状エリアはそれぞれ前記第1端部から前記第1ハーフハウジングおよび前記第2ハーフハウジングの直線エリアにかけて徐々に広くなっている。
【0074】
前記濾過モジュールは、濾過メッシュを清掃するための濾過メッシュ自浄装置をさらに含む。いくつかの技術的解決策では、前記濾過メッシュ自浄装置は前記空気出口ダクトのドラムから離れた一端に設けられる。いくつかの技術的解決策では、前記濾過メッシュ自浄装置は流体供給管と前記流体供給管に接続されたノズルを含み、前記ノズルは清掃流体を濾過メッシュの入口面に分配するように構成される。いくつかの技術的解決策では、相互に接続された前記流体供給管と前記ノズルはベンチュリ管の形状を形成する。いくつかの技術的解決策では、前記ノズルの自由端部に平坦な開口が形成される。いくつかの技術的解決策では、前記平坦な開口の幅は少なくとも濾過メッシュの幅の90%であり、好ましくは両者が同じ幅である。いくつかの技術的解決策では、前記ノズルと濾過メッシュ間の角度が0°~45°間である。いくつかの技術的解決策では、前記清掃流体が前記平坦な開口の幅の方向に分配されるように、前記ノズル内で複数の通路が形成される。いくつかの技術的解決策では、前記濾過メッシュ自浄装置は、濾過メッシュを振動させるための振動機構および/または濾過メッシュを吹き付けるための吹付機構および/または濾過メッシュを掻きだすための掻きだし機構をさらに含む。いくつかの技術的解決策では、前記流体供給管は前記空気出口ダクトの内面に沿って前記濾過メッシュの中間部位に延在する。いくつかの技術的解決策では、前記流体供給管は前記空気出口ダクトの内面の長さ方向に沿って延在して前記内面に固定され、前記ノズルは複数の回転可能なノズルであり、前記流体供給管に間隔を空けて接続されて流体を濾過メッシュの入口面に噴射する。いくつかの技術的解決策では、前記流体供給管内に加圧構造が設けられる。いくつかの技術的解決策では、前記入口パイプは前記空気出口ダクトの内壁全長に沿って延在し、前記ノズルは複数の自動回転ノズルであり、前記入口パイプに間隔を空けて接続されて水を濾過メッシュの入口面に噴射する。いくつかの技術的解決策では、前記濾過メッシュ自浄装置と前記空気出口ダクトの入口は前記濾過メッシュの反対側の両端に位置し、前記濾過メッシュ自浄装置の水出口と前記空気出口ダクトの入口は前記濾過メッシュの同一側に位置する。いくつかの技術的解決策では、前記濾過メッシュ自浄装置の水入口はガイドパイプを介して前記洗濯乾燥一体機の水道水入口パイプに接続される。いくつかの技術的解決策では、前記濾過メッシュ自浄装置の水入口はアダプタによって隣接する水道水入口パイプに直接接続される。いくつかの技術的解決策では、前記空気出口ダクトは前記水道水入口パイプから離れたドラム一側に位置し、前記濾過メッシュ自浄装置水入口と前記水道水入口パイプを連通するガイドパイプは前記ドラムを横切って走る。いくつかの技術的解決策では、前記空気出口ダクト、前記水道水入口パイプおよび両者間の前記アダプタは前記ドラムの実質的同一側に配置される。いくつかの技術的解決策では、濾過メッシュ自浄装置は、濾過メッシュを噴射するための噴射機構および/または濾過メッシュを振動させるための振動機構および/または濾過メッシュを吹き付けるための吹付機構および/または濾過メッシュを掻きだすための掻きだし機構を含む。前記噴射機構は、水流を濾過メッシュの実際の濾過面に向けて噴射するように構成される。いくつかの技術的解決策では、前記濾過メッシュは空気出口ダクト内に着脱可能に設けられる。好ましくは、前記濾過メッシュは前記第1ハーフハウジングと前記第2ハーフハウジングの直線エリア内に斜めに設けられる。好ましくは、前記濾過メッシュは柔軟であり、前記第1ハーフハウジングの円弧状エリアから前記第2ハーフハウジングの直線エリアにおける前記空洞内に延びる支持板のエッジまで斜めに延在する。
【0075】
もう1つの代替的な技術的解決策では、濾過メッシュは手動で清掃することが可能である。いくつかの技術的解決策では、前記空気出口ダクトは前記ドラムに接続された第1エリア、前記乾燥モジュールに接続された第2エリアおよび第1エリアと第2エリアを接続する濾過メッシュ配置エリアを含み、ドラムからの気流を前記乾燥モジュールに導き、ここで、前記濾過メッシュ配置エリアは前記洗濯乾燥一体機のハウジング外部からアクセスして濾過メッシュ配置エリアを操作することが可能である。いくつかの技術的解決策では、前記洗濯乾燥一体機の前面板、側面板または裏面板に、前記濾過メッシュ配置エリアにアクセスするための第1閉鎖可能な開口が設けられる。いくつかの技術的解決策では、少なくとも1つの濾過メッシュがフィルタカセット内に取り付けられ、前記フィルタカセットは取り外し可能に前記濾過メッシュ配置エリアにシール取付され、前記第1エリアおよび第2エリアに流体的に接続されて空気出口ダクトを形成する。いくつかの技術的解決策では、前記フィルタカセットは柔軟であり、締まりばめに前記濾過メッシュ配置エリアに取り付けられる。いくつかの技術的解決策では、前記フィルタカセットは剛性であり、スナップフィットによって前記濾過メッシュ配置エリアに取り付けられる。いくつかの技術的解決策では、前記濾過メッシュ配置エリアは、濾過メッシュ配置エリアを開閉するための第2閉鎖可能な開口を含む。いくつかの技術的解決策では、少なくとも1つの濾過メッシュは取り外し可能にまたは固定的に前記濾過メッシュ配置エリア内に直接取り付けられ、または少なくとも1つの濾過メッシュはフィルタカセット内に取り付けられ、前記フィルタカセットは取り外し可能に前記濾過メッシュ配置エリアにシール取付される。いくつかの技術的解決策では、前記第2閉鎖可能な開口は摺動板または回転フラップによって開閉される。いくつかの技術的解決策では、前記少なくとも1つの濾過メッシュは密接フィットによって前記濾過メッシュ配置エリア内のスロットに挿入され、または前記フィルタカセットは磁石によって取り外し可能に前記濾過メッシュ配置エリア内に吸着される。いくつかの技術的解決策では、少なくとも1つの濾過メッシュは前記濾過メッシュ配置エリアに斜めに配置される。いくつかの技術的解決策では、少なくとも1つの濾過メッシュは前記濾過メッシュ配置エリアの縦方向軸線に垂直に前記濾過メッシュ配置エリアに配置される。
【0076】
また、前記洗濯乾燥一体機は、前記空気出口ダクトを流れる気流を冷却するための冷却通路をさらに含む。いくつかの実施例では、空気出口ダクトの外部に外管が嵌設され、空気出口ダクトの外壁と外管の内壁間に冷却通路が形成される。いくつかの実施例では、空気出口ダクトの少なくとも一部のハウジングは2層壁を有し、2層壁間に冷却通路が形成される。いくつかの実施例では、冷却通路は前記空気出口ダクトの少なくとも一部を覆う。いくつかの実施例では、冷却通路は、冷却水を冷却通路に導くための第1水入口と冷却水を排出するための第1排水口を有する。いくつかの実施例では、第1水入口に接続された水噴射ノズルがさらに設けられ、水噴射ノズルは、冷却水を空気出口ダクトの外壁に噴射するように構成される。いくつかの実施例では、前記冷却通路は空気出口ダクトの外壁に設けられたらせん状通路である。いくつかの実施例では、冷却通路の外面に薄いリブが設けられ、送風機からの気流は薄いリブに向かって流れる。いくつかの実施例では、空気出口ダクトに空気出口ダクトを流れる気流の温度および/または湿度を検出するための温度センサーおよび/または湿度センサーが設けられる。いくつかの実施例では、空気出口ダクトに濾過メッシュと濾過メッシュを噴射するための噴射機構が設けられ、空気出口ダクトは、水を噴射機構に導くための第2水入口が設けられる。いくつかの実施例では、空気出口ダクトの濾過メッシュの上流および/または下流に冷水管が設けられる。いくつかの実施例では、ドラムと空気出口ダクト間および/または乾燥モジュールと空気出口ダクト間に凝縮器が設けられる。
【0077】
本発明が提案する洗濯乾燥一体機は、コントローラーをさらに含み得る。前記コントローラーは、洗濯乾燥一体機の外側ハウジングに設けられた表示および操作装置のユーザによる操作に応じて、洗濯および/または乾燥プログラムを開始させることができる。有利には、ドラム内部にドラム内の温度および/または湿度を検出するための温度センサーおよび/または湿度センサーが設けられる。また有利には、前記吸湿通路および/または再生通路内に1つまたは複数の温度センサーが設けられる。特に有利には、前記再生加熱アセンブリにサーモスタット取付部が設けられ、熱伝導性シートおよび熱伝導性シートで覆われたサーモスタットを含む。また、有利には、再生凝縮アセンブリの上流および下流にそれぞれ温度センサーが設けられる。前記コントローラーは上記センサーの検出データに基づいて吸湿加熱アセンブリおよび/または除湿加熱アセンブリの電力を制御することができる。ここで、特に有利には、前記コントローラーは上記センサーの検出データに基づいて、吸湿ランナーアセンブリのホイールディスクを適切な温度範囲で動作させるように吸湿加熱アセンブリおよび/または除湿加熱アセンブリの電力を制御し、ホイールディスクが高温のために吸湿性能が悪くなることを回避する。
【0078】
前記洗濯乾燥一体機は、衣類を収容するための少なくとも2つのドラム、上記の乾燥モジュールおよび任意に濾過モジュールをさらに含み、ここで、各ドラムは空気入口通路と空気出口通路を含む。乾燥モジュールは前記ドラム内の衣類を選択的に乾燥処理する。好ましくは、前記吸湿通路空気入口は選択的に前記ドラムの空気出口通路に流体的に連通し、前記吸湿通路空気出口は前記ドラムの空気入口通路に対応して流体的に接続される。
【0079】
いくつかの技術的解決策では、前記乾燥モジュールは切り替え機構によって選択的にいずれか1つの前記ドラムに流体的に連通する。前記切り替え構造は第1切り替え機構および第2切り替え機構を少なくとも含み、前記ドラムの空気入口通路は前記第1切り替え機構によって前記吸湿通路空気出口に接続され、前記ドラムの空気出口通路は前記第2切り替え機構によって前記吸湿通路空気入口に接続される。任意の技術的解決策では、前記濾過モジュールは前記第2切り替え機構と前記吸湿除湿部材間に設けられる。任意の技術的解決策では、前記第2切り替え機構は前記吸湿通路空気入口と前記ドラムの空気出口通路の接続部に設けられる。任意の技術的解決策では、前記第2切り替え機構の数は1つ以上であり、それぞれ前記ドラムの空気出口通路内に設けられる。任意の技術的解決策では、前記濾過モジュールの数は1つ以上であり、それぞれ前記ドラムの空気出口通路に設けられ前記第2切り替え機構の上流または下流に位置する。上記の技術的解決策によれば、複数のドラムは同一の乾燥モジュールを共用することにより、構造を簡略化し、装置の小型化とコストダウンを図ることができる。
【0080】
本発明が提案する洗濯乾燥一体機は既にあまり一般的でない排気型洗濯乾燥一体機に比べて、エネルギー消費が低く、効率が高く、騒音が小さく、乾燥温度が低いという多くの利点を有する。一般的な凝縮型やヒートポンプ型洗濯乾燥一体機に比べて、本発明が提案する洗濯乾燥一体機は、除湿用の吸湿除湿部材を用いてドラム内の水分を吸収するため、ヒートポンプのような高価なアセンブリが不要となり、コストを大幅に低減することができる。同時に、このような除湿用の吸湿除湿部材は、温度差ではなく、主にその材料および/または構造の吸湿除湿性能に基づいて動作するため、乾燥モジュールの環境温度に対する感度が著しく低下し、環境への適応性が向上し、すなわち本発明が提案する洗濯乾燥一体機は各温度環境でも比較的安定したエネルギー消費および乾燥効率を維持することができる。また、本発明が提案する技術的解決策は乾燥温度をさらに低減することができるため、衣類を傷めずにより多くの材質の衣類を乾燥させることができる。
乾燥モジュールも本発明のキーポイントであり、それが上記に関連する単一特徴または複数の特徴の組み合わせを含むため、本発明による洗濯乾燥一体機と同様または類似の利点を有する。
【0081】
以下、本発明の理解を容易にするために、図面を参照しながら本発明が提案する洗濯乾燥一体機の実施例を説明する。なお、本発明は上記特徴の様々な他の組み合わせで実施することも可能であり、図示および説明した実施例に限定されないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1】本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例を正面から見た斜視図である。
図2】本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例を裏面から見た斜視図である。
図3】本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の乾燥モジュールを示す斜視図である。
図4】本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の吸湿気流の流路を示す模式図である。
図5】本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の除湿気流の流路を示す模式図である。
図6】本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の吸湿除湿部材を示す分解図である。
図7】本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の吸湿ランナーアセンブリとランナー下部ハウジングを示す斜視図である。
図8】本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の吸湿ランナーアセンブリを示す分解図である。
図9】本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の除湿加熱アセンブリを示す斜視図である。
図10】本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の除湿加熱アセンブリ中のメッシュパネルを正面から見た斜視図である。
図11】本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の除湿加熱アセンブリ中のメッシュパネルを裏面から見た斜視図である。
図12】本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の除湿加熱アセンブリが取り付けられないランナー上部ハウジングを示す斜視図である。
図13】本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の除湿凝縮アセンブリの除湿凝縮管統合体を示す斜視図である。
図14】本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の除湿凝縮アセンブリの除湿凝縮アセンブリハウジングのカットオフ部分を示す斜視図である。
図15】本発明による洗濯乾燥一体機中のパイプアセンブリを模式的に示す斜視図である。
図16】本発明による洗濯乾燥一体機中の濾過メッシュ自浄装置が設けられた空気出口ダクトの縦方向断面図を示す斜視図である。
図17】本発明による洗濯乾燥一体機中の濾過メッシュ自浄装置の図16中の線A-Aに沿ってカットオフした場合の断面図を模式的に示す図である。
図18】本発明による洗濯乾燥一体機の第2実施例を示す斜視図である。
図19】本発明による洗濯乾燥一体機の第3実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
図1および図2はそれぞれ正面と裏面から本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例を示す。明確にするために、図1および図2は洗濯乾燥一体機の一部の外側ハウジングと一部の部品を省略している。この実施例では、洗濯乾燥一体機Wは洗濯物を収容するためのドラムR、ドラムRの回転を駆動するためのドラム駆動部RD、ドラムの内部空洞を乾燥するための乾燥モジュールD、乾燥モジュールDに入った気流を濾過するための濾過モジュールF、ドラムRの空気出口と乾燥モジュールDの空気入口を連通するための空気出口ダクトL1、ドラムRの空気入口と乾燥モジュールDの空気出口を連通するための入口ダクトL2、水の入口と出口用のパイプアセンブリP、洗剤を分配するための洗剤ディスペンサーボックスC、各機能モジュールを支持するためのフレームB、およびドラムRに連通する水入口と水出口を含む。
【0084】
洗濯乾燥一体機Wは少なくとも衣類摘み置き口と洗剤分配口を有する外側ハウジング、衣類摘み置き口を閉じるための扉体、外側ハウジングに配置された表示および操作装置、コントローラー、排水管などの洗濯乾燥一体機の洗濯と乾燥機能を実現する部材をさらに含むが、これらに限定されない。具体的に、コントローラーはユーザが表示および操作装置を介して入力した指令を受けた後、洗濯乾燥一体機Wの洗濯および/または乾燥プログラムを開始させる。洗濯プログラムでは、水が水入口からドラムR内に流入し、ドラムRの内筒がドラム駆動部RDの駆動下で回転して、遠心力を利用して洗浄と必要に応じてドラムR内の洗濯物の振り落としを行い、ドラム内の汚水が水出口から洗濯乾燥一体機外部へ排出される。乾燥プログラムでは、ドラムR、乾燥モジュールDと濾過モジュールFを通って循環気流を形成し、湿ったガスがドラムRから濾過モジュールFを通って乾燥モジュールDに流入し、乾燥後ドラムRに戻され、このように循環してドラムRの内部空洞、特にその中の洗濯物の乾燥を完了させる。
【0085】
図3は本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の乾燥モジュールDを示す。乾燥モジュールDは、吸湿除湿部材D1、吸湿通路D2および除湿通路D3を含む。吸湿除湿部材D1は、吸湿ランナーアセンブリD11、ランナーハウジングD12およびランナー駆動機構D13を含む。吸湿通路D2に吸湿通路空気入口D21、吸湿通路空気出口D22および吸湿通路ファンD23が設けられる。除湿通路D3に除湿通路ファンD33、除湿加熱アセンブリD34および除湿凝縮アセンブリD35が設けられる。また、吸湿通路D2内部に選択的に吸湿加熱アセンブリ、吸湿凝縮アセンブリおよび/または吸湿濾過アセンブリがさらに設けられ、除湿通路D3の内部に選択的に除湿濾過アセンブリがさらに設けられる。
【0086】
図3に示すように、上記機能モジュールは互いに接続されて少なくとも4つのラグB1によってそれぞれ洗濯乾燥一体機のフレームBの頂部の4つのエッジに重ね合わせて接続され、この点について、図1からより明確に見ることができる。少なくとも4つのラグB1中の少なくとも3つは単独で製造された後上記機能モジュールのエッジに接続され、少なくとも1つのラグB1は吸湿除湿部材D1のランナーハウジングD12と直接に一体成形される。他の数のラグB1およびフレームBとの他の形式の接続も想定され得る。つまり、一体として接続された機能モジュールをラグB1を用いてフレームに直接固定することで、組み立てを容易にする一方、ドラム振動の乾燥モジュールDに対する影響を低減することもできる。また、これらの機能モジュールをそれぞれフレームとドラムに固定することも考えられ、ここで、吸湿除湿部材をフレームに固定することが特に有利である。
【0087】
図3に示すように、大きな空間を占める吸湿ランナーアセンブリD11と吸湿通路ファンD23の回転軸線はいずれもドラムRの回転軸線と非同一面でほぼ垂直であり、ドラムRの回転軸線の両側に分布している。特に有利には、これらの機能モジュール、特に吸湿ランナーアセンブリD11、ランナー駆動機構D13、吸湿通路ファンD23、除湿通路ファンD33、除湿加熱アセンブリD34および除湿凝縮アセンブリD35は径方向に沿って基本的に同一平面内に並列して配置され、すなわちこれらの機能モジュールは、吸湿ランナーアセンブリD11の回転軸線の方向に沿って、完全にずらされないように少なくとも一部が重なり合っている。
【0088】
この実施例では、吸湿通路D2の吸湿通路空気入口D21はドラムRの空気出口に流体的に接続され、吸湿通路D2の吸湿通路空気出口D22はドラムRの空気入口に流体的に接続される。図3に示すように、吸湿通路ファンD23の空気出口は、吸湿ランナーアセンブリD11の回転軸線に垂直な方向に沿って開口するように構成され、該空気出口は空気出口接続部を介してランナーハウジングD12の周方向側壁の吸湿気流入口に流体的に接続されることで、ランナーハウジングD12の吸湿領域D1211に流体的に接続される。ランナーハウジングD12の吸湿気流入口はランナーハウジングD12の周方向側壁において吸湿ランナーアセンブリD11とランナーハウジングD12の底部間に配置される。
【0089】
図3に示すように、除湿通路D3は外部環境と連通しない内部循環通路として端から端まで構成される。除湿通路ファンD33の空気出口も同様に、吸湿ランナーアセンブリD11の回転軸線に垂直な方向に沿って開口するように構成され、該空気出口は空気出口接続部を介して除湿加熱アセンブリD34の除湿加熱ハウジングD341の周方向側壁D3413に流体的に接続される。除湿加熱アセンブリD34はランナーハウジングD12のランナー上部ハウジングD12Uの上面に固定され、それと相補的な形状に構造される。除湿加熱アセンブリハウジングD341の下面壁D3412に除湿気流出口が形成され、それは吸湿ランナーアセンブリD11の除湿領域D1212に流体的に接続される。
これにより、構造がコンパクトで、特に回転軸線の方向にコンパクトである乾燥モジュールDが得られ、洗濯乾燥一体機の高さまたは厚さを低減するのに非常に有利である。
【0090】
図4は本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の吸湿気流の流路を矢印で模式的に示す。吸湿通路ファンD23が作動するとき、気流がドラムR、乾燥モジュールDおよび任意に濾過モジュールFで循環流動して、吸湿気流を形成する。吸湿通路ファンD23は湿ったガスをドラムRから濾過モジュールFを通って乾燥モジュールDの吸湿通路空気入口D21に吸い込み、その自身を通った後、吸湿ランナーアセンブリD11とランナーハウジングD12の底部間に位置する吸湿領域に排出し、湿ったガスが下から上へ吸湿ランナーアセンブリD11中のホイールディスクD111を通過した後、乾燥ガスになり、該乾燥ガスは吸湿通路空気出口D22を介して再びドラムR内に導入される。このように循環してドラムRの内部空洞を乾燥する。
【0091】
図5は本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の除湿気流の流路を矢印で模式的に示す。除湿通路ファンD33が作動するとき、気流が除湿通路内部で循環流動して除湿気流を形成する。除湿通路ファンD33は除湿凝縮アセンブリD35から流出した乾燥ガスを吸い込んで除湿加熱アセンブリD34に輸送し、加熱した乾燥高温ガスが除湿領域D212に入って上から下へ吸湿ランナーアセンブリD11のホイールディスクD111を流れ、乾燥高温ガスがホイールディスクD111中の水分を運んで高温多湿ガスになり、該高温多湿ガスが吸湿ランナーアセンブリD11の下流に配置された除湿凝縮アセンブリD34に輸送され、そこで凝縮除湿されて再び乾燥低温ガスになり、該乾燥低温ガスが再び吸湿ランナーアセンブリD11に輸送される。このように循環して、吸湿ランナーアセンブリD11のホイールディスクD111の再生を実現し、その吸湿能力を継続的に維持することができる。もちろん、図4および図5は吸湿通路と除湿通路における気流の流れの一例であり、実際には、気流が吸湿通路においてホイールディスクD111の上部から下部へ横切り、気流が除湿通路においてホイールディスクD111の下部から上部へ横切り、または同時にホイールディスクD111の上部から下部へ横切り、または下部から上部へ横切ってもよい。本開示はここに限定されない。
【0092】
図6は本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の吸湿除湿部材D1を示す分解図である。図7は本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の吸湿ランナーアセンブリD11とランナー下部ハウジングD12Lを示す斜視図である。図6および図7に示すように、吸湿除湿部材D1は、吸湿ランナーアセンブリD11、ランナーハウジングD12とランナー駆動機構D13を含む。ランナーハウジングD12はランナー上部ハウジングD12Uとランナー下部ハウジングD12Lを含み、それらは互いに固定されて内部空腔を形成する。吸湿ランナーアセンブリD11はその回転軸線に沿ってランナーハウジングD12の内部空腔に回転可能に支持され、ランナー駆動機構D13の駆動下で回転する。吸湿ランナーアセンブリD11はその外周縁にランナー駆動機構D13によって駆動され、すなわちランナー駆動機構D13はその出力駆動力を吸湿ランナーアセンブリD11の外周縁に印可する。ここで、吸湿ランナーアセンブリD11の外周面に周方向に沿って均一に分布している直線歯が形成され、ランナー駆動機構D13は平歯車として構成される対応の伝達機構D132を含む。吸湿ランナーアセンブリD11とランナー駆動機構D13、特にその中の対応の伝達機構D132は吸湿ランナーアセンブリD11の回転軸線に垂直な方向、すなわち径方向に沿って基本的に並列して配置される。ランナーハウジングD12はそれぞれ吸湿ランナーアセンブリD11とランナー駆動機構D13を収容するための収容部を含み、すなわちそれらは1つのランナーハウジングD12を共有する。
【0093】
図6および図7に示すように、ランナーハウジングD12はそのランナー上部ハウジングD12Uとランナー下部ハウジングD12Lの端面内壁に少なくとも2対の互いに対向して延在する仕切りリブD121が設けられて、ランナーハウジングD12の内部空間を吸湿領域D1211と除湿領域D1212に仕切り、ランナーハウジングD12の内部で吸湿気流と除湿気流を仕切るように構成される。仕切りリブD121とホイールディスク111間に隙間がある。
【0094】
図6および図7に示すように、除湿領域D1212を囲む仕切りリブD121のホイールディスクD111に面する表面に仕切りシール部材D125が固定され、仕切りシール部材D125のサイズはホイールディスクD111との隙間をわずかに保つように設計されて、吸湿領域D1211と除湿領域D1212間の気流の流れをホイールディスクD111の回転を妨げずに可能な限りに防止することができる。仕切りシール部材D125とホイールディスクD111の隙間を0.2mm~5mm間に設定し、例えば0.8mmに設定することが特に有利であり、この隙間により、ホイールディスクの回転動作の一般的な軸方向振れを考慮しつつホイールディスクの回転を妨げなく、かつ各領域間の気流の流れを良好に防止することができる。仕切りシール部材D125は柔軟であり、例えば発泡体、シリコーンまたは軟質ゴムとして構成され、これにより、ホイールディスクの軸方向振れが異常に強い場合ホイールディスクの損傷リスクを低減するのに役立つものである。別のいくつかの代替的な技術的解決策では、仕切りシール部材は、シールストリップとして構成され、組み立てられた状態でホイールディスクに接触し、ホイールディスクに相対回転可能に接触してシールされる。
【0095】
図6および図7に示すように、除湿領域D1212を囲む仕切りリブD121のホイールディスクD111に面する表面に仕切り押圧シートD126が固定され、仕切り押圧シートD126は間隔を空けて設けられた複数の突起を有し、仕切りシール部材D125を仕切りリブD121に位置決めおよび押し付ける。具体的に、仕切りシール部材D125のホイールディスクD111に面する一側に仕切り押圧シートD126を配置するための凹部が形成され、該凹部の厚さは仕切り押圧シートD126の厚さよりも大きく、仕切りシール部材D125は組み立てられた状態下でホイールディスクD111に近接する。仕切りシール部材D125と仕切り押圧シートD126は除湿領域D1212の少なくとも一部のエッジと一致する形状およびサイズを有する。該仕切り押圧シートはここで断熱部材を分離する作用を発揮して、吸湿領域D1211と除湿領域D1212間の熱拡散を低減する。好ましくは、仕切り押圧シートD126は断熱材料で製造されるが、より安価な金属または合金で製造することも可能である。ここで、金属または合金は良好な熱伝導性能を有するが、シールで覆われた後依然として一定の断熱効果を発揮する。
【0096】
図6および図7に示すように、ランナーハウジングD12に1つの気流ガイドシートD127がさらに設けられ、気流ガイドシートD127は、前記ランナーハウジングに入った吸湿気流を2つの気流に分けてこれらの2つの気流をそれぞれ異なる領域から吸湿ランナーアセンブリD11のホイールディスクD111に流れる。気流ガイドシートD127の一端はランナーハウジングD12の吸湿気流用の吸湿気流入口の領域の中央に配置される。複数の気流ガイドシートを設け、それらの端部が好ましく吸湿気流入口の領域を均等に分けて、吸湿領域全体に基本的に均一に配置されることが想到され得る。気流ガイドシートD127は湾曲して構成される。このような気流ガイドシートD127により、吸湿気流が吸湿領域D1211に入った後回転している吸湿ランナーアセンブリD11とともに径方向に沿った外側領域に集まることを防止し、すなわちホイールディスクを流れる吸湿気流の均一性を向上させ、吸湿効率を向上させることができる。
【0097】
図6および図7に示すように、ランナーハウジングD12の内周縁に複数の周方向ローラ機構D122が設けられる。周方向ローラ機構D122は周方向ローラと周方向ローラホルダを含み、周方向ローラは周方向ローラホルダに回転可能に支持され周方向ローラホルダはランナーハウジングD12の内周縁に設けられる。吸湿ランナーアセンブリD11の回転軸線に平行な方向に沿って、すなわち軸方向から見て、周方向ローラは吸湿ランナーアセンブリD11の軸方向に沿ったサイズ範囲内に配置される。吸湿ランナーアセンブリD11の回転軸線に垂直な方向に沿って、すなわち径方向から見て、周方向ローラは吸湿ランナーアセンブリD11とランナーハウジングD12間に配置され、前記周方向ローラD1221は吸湿ランナーアセンブリD11の少なくとも一部の回転過程で吸湿ランナーアセンブリD11の外周面に転動可能に接触する。この実施例では、周方向ローラは回転軸線に向かって少なくとも一部がランナーハウジングの内周縁の内周壁全体から突出する。これにより、すなわち吸湿ランナーアセンブリD11が径方向に沿ってずれても、吸湿ランナーアセンブリD11がランナーハウジングD12自身に直接接触することがなく、吸湿ランナーアセンブリD11が損傷するリスクを低減することができる。
【0098】
図6および図7に示すように、ランナーハウジングD12の内底壁に複数の底部ローラ機構D123が設けられ、底部ローラ機構D123は底部ローラと底部ローラホルダを含み、底部ローラは底部ローラホルダに回転可能に支持され、底部ローラホルダは、ランナーハウジングD12に設けられている。吸湿ランナーアセンブリD11の回転軸線に垂直な方向に沿って、すなわち径方向から見て、底部ローラは吸湿ランナーアセンブリD11の径方向に沿ったサイズ範囲内に配置され、吸湿ランナーアセンブリD11の回転軸線に平行な方向、すなわち軸方向から見て、底部ローラは前記吸湿ランナーアセンブリD11と前記ランナーハウジングD12間に配置され、底部ローラD1231と吸湿ランナーアセンブリD11の間隔は吸湿ランナーアセンブリD11とランナーハウジングD12の最小間隔よりも小さい。図示の実施例では、底部ローラD1231は吸湿ランナーアセンブリD11に向かって少なくとも一部が前記ランナーハウジングD12の内底壁全体から突出する。これにより、すなわち吸湿ランナーアセンブリD11が軸方向に沿ってずれても、吸湿ランナーアセンブリD11はランナーハウジングD12自身に接触することがなく、吸湿ランナーアセンブリD11の損傷リスクを低減することができる。
【0099】
図8は、本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の吸湿ランナーアセンブリD11を示す分解図である。この実施例では、該吸湿ランナーアセンブリD11は、ホイールディスクD111、外周ハウジング部材D112、中心ハウジング部材D113、動力入力部材D114、補助回転リングD115、ランナーシール部材D116、外周ショック吸収部材D117および中心ショック吸収部材D118を含む。
【0100】
ホイールディスクD111は再生可能な吸湿材料で構成される。好ましくは、ホイールディスクD111は多孔構造として構成されるか、または多孔材料で構成される。いくつかの技術的解決策では、ホイールディスクD111は高い吸湿能力を有する綿などの繊維で形成される。ホイールディスクD111は、回転軸線の中心に沿って対称的に構成された中心穴を有し、該中心穴は貫通穴である。
【0101】
図8に示すように、外周ハウジング部材D112は環形構造の外周上部クランプハウジングD112Uと外周下部クランプハウジングD112Lから構成される。外周上部クランプハウジングD112UはL字形のような縦断面を有し、径方向に沿って延在する端部エリアと軸方向に沿って延在する周方向エリアを含む。同様に、外周下部クランプハウジングD112LもL字形のような縦断面を有し、径方向に沿って延在する端部エリアと軸方向に沿って延在する周方向エリアを含む。外周上部クランプハウジングD112Uと外周下部クランプハウジングD112Lはその上に設けられたクリップとスロットによって互いに係合されて、その内側にホイールディスクD111の周縁領域を形成するための一側のみ開口した凹部が形成される。係合状態下で、外周上部クランプハウジングD112Uと外周下部クランプハウジングD112LはホイールディスクD111の外周面全体を覆い、それぞれホイールディスクD111の周縁領域の上、下端面からそれを挟持することで、外周ハウジング部材D112とホイールディスクD111が相対回転不可能に接続される。ここでのホイールディスクD111の上、下端面とは、ホイールディスクD111の径方向に沿って延在する表面を指す。これにより、外周ハウジング部材とホイールディスクを相対回転不可能に接続することは、非常に簡単である。いくつかの代替的な技術的解決策では、外周ハウジング部材は、L字形のような縦断面を有する2つの環形ハウジング部材と1つの周方向環形ハウジング部材から構成され、これらのL字形のような縦断面を有する2つの環形ハウジング部材はそれぞれ周方向環形ハウジング部材に固定的に接続される。内側に一側のみ開口した凹部が形成された他のハウジング構造形式も想定され得る。別のいくつかの代替的な技術的解決策では、外周上部クランプハウジングと外周下部クランプハウジングの端部エリアは、ホイールディスクを挟持する作用を発揮すれば、周方向に不連続であってもよい。また、ハウジング部材間の固定、例えばこの実施例中の外周上部クランプハウジングD112Uと外周下部クランプハウジングD112Lの固定は、ネジ付きファスナー、溶接、接着などの方式によって実現されてもよい。外周ハウジング部材の設置により、ホイールディスクが回転過程中、遠心力により変形し、特に吸湿後のホイールディスクの周縁領域の変形を防止し、かつホイールディスクが振動などの要因によりランナーハウジングに直接衝突して損傷するのを防止することができる。また、外周ハウジング部材自身は吸湿ランナーアセンブリとランナーハウジング間の径方向間隔を減少することができ、吸湿ランナーアセンブリを通過しない気流量を減少して、吸湿効率を向上させることができる。
【0102】
また、外周下部クランプハウジングD112Lは、底部ローラ機構D123に転動可能に接触し、特に初期組立状態ですでに接触するように構成されるため、底部ローラ機構D123によって回転する吸湿ランナーアセンブリD11に常に支持力を提供することができ、吸湿ランナーアセンブリD11とランナーハウジングD12の底部間の摺動摩擦による損失を基本的に排除することができる。具体的に、軸方向から見て、外周下部クランプハウジングD112Lの端部エリアは、少なくとも一部が底部ローラ機構D123のランナー下部ハウジングD12Lでの取付位置を覆うため、外周下部クランプハウジングD112Lの端部エリアは底部ローラ機構D123に転動可能に接触する。
【0103】
図8に示すように、中心ハウジング部材D113は環形構造の中心上部クランプ部材D113Uと中心下部クランプ部材D113Lから構成される。中心上部クランプ部材D113UはL字形のような縦断面を有し、径方向に沿って延在する端部エリアと軸方向に沿って延在する周方向エリアを含む。同様に、中心下部クランプ部材D113LもL字形のような縦断面を有し、径方向に沿って延在する端部エリアと軸方向に沿って延在する周方向エリアを含む。中心上部クランプ部材D113Uと中心下部クランプ部材D113LはホイールディスクD111の中心穴を通過して、その上に形成されたクリップとスロットによって互いに係合されることで、その外側にホイールディスクD111の中心領域を収容するための一側のみ開口した凹部が形成される。中心上部クランプ部材D113Uまたは中心下部クランプ部材D113LのみがホイールディスクD111の中心穴を通過することも想定される。係合状態下で、中心上部クランプ部材D113Uと中心下部クランプ部材D113LはそれぞれホイールディスクD111の中心領域の上、下端面からそれを挟持することで、中心ハウジング部材D113とホイールディスクD111が相対回転不可能に接続される。これにより、外周ハウジング部材とホイールディスクを相対回転不可能に接続することは、非常に簡単である。いくつかの代替的な技術的解決策では、中心ハウジング部材は、L字形のような縦断面を有する2つの環形ハウジング部材と1つの周方向環形ハウジング部材構造から構成され、これらのL字形のような縦断面を有する2つの環形ハウジング部材はそれぞれ周方向環形ハウジング部材に固定的に接続される。外側に一側のみ開口した凹部が形成された他のハウジング構造形式も想定され得る。別のいくつかの代替的な技術的解決策では、中心上部クランプハウジングと中心下部クランプハウジングの端部エリアは、ホイールディスクを挟持する作用を発揮すれば、周方向に不連続である。また、ハウジング部材間の固定、例えばこの実施例中の中心上部クランプ部材D113Uと中心下部クランプ部材D113Lの固定は、ネジ付きファスナー、溶接、接着などの方式によって実現されてもよい。中心ハウジング部材の設置により、比較的壊れやすいホイールディスクと回転軸線上に位置する部品、例えば軸と衝突して損傷することを防止し、ホイールディスクの保持作用を高めて不所望な変形を回避することができる。
【0104】
図8に示すように、外周上部クランプハウジングD112Uの外周面上に動力入力部材D114が設けられる。動力入力部材D114は、外周上部クランプハウジングD112Uと一体成形されてもよいし、単独で製造した後、外周上部クランプハウジングD112Uの外周面に固定、例えば溶接されてもよい。動力入力部材D114は、周方向に沿って均一に分布する直線歯として構成される。対応的に、図6に示すように、ランナー駆動機構D13は動力入力部材D114と相互に噛み合う出力歯車を含む。もちろん、代替的な技術的解決策では、外周下部クランプハウジングの外周面に動力入力部材を設けてもよい。ここで、動力入力部材とランナー駆動機構を、他の歯車噛合伝動形態、例えばウォームギア伝動形態、ベベルギア伝動形態など、またはベルト伝動形態、例えば摩擦ベルト伝動形態、噛合ベルト伝動形態など、またはチェーン伝動形態であることも想定され得る。対応的に、動力入力部材は、歯車伝動形態用の斜め歯、湾曲歯、摩擦ベルト伝動形態用の平滑面、噛合ベルト伝動形態用の各種溝またはチェーン伝動用のスプロケット歯などとして構成される。外周ハウジング部材の外周面に動力入力部材が設けられることで、吸湿除湿部材の回転軸線に沿った厚さを薄くすることに寄与し、洗濯乾燥一体機全体の高さまたは厚さの減少に寄与する。別のいくつかの代替的な技術的解決策では、中心ハウジング部材の内周面に動力入力部材が設けられ、対応的にランナー駆動機構がホイールディスクの中心穴に設けられる。
【0105】
図8に示すように、外周上部クランプハウジングD112Uの外周面に補助回転リングD115がさらに設けられる。補助回転リングD115は動力入力部材D114と回転軸線の方向において千鳥状に配置される。補助回転リングD115は、外周上部クランプハウジングD112Uと一体地成形されてもよいし、単独で製造した後外周上部クランプハウジングD112Uの外周面に固定、例えば溶接されてもよい。図6に示すように、補助回転リングD115と周方向ローラ機構D122、特に周方向ローラ位置と一致するように配置されて、周方向転動機構D122中の周方向ローラと連動して転動する。いくつかの技術的解決策では、初期組立状態下で、補助回転リングD115と周方向ローラ機構D122中の周方向ローラは大きな押圧なしに接触したままであり、吸湿ランナーアセンブリD11が回転を開示すると、その補助回転リングD115が周方向ローラ機構D122中の周方向ローラに転動可能に接触して、吸湿ランナーアセンブリD11の径方向のふらつきを抑制することができ、吸湿ランナーアセンブリD11の回転抵抗がほとんど増加することなく吸湿ランナーアセンブリD11の安定な動作を確保することができる。もちろん、初期組立状態下で、補助回転リングD115と周方向ローラ機構D122中の周方向ローラ間に僅かな隙間を残して、回転抵抗をさらに減少し、吸湿ランナーアセンブリD11が径方向にふらついた場合にのみ作用を発揮することも想定される。ここで、周方向ローラ機構D122を変形可能に設け、特に周方向ローラ機構D122中のローラを柔軟のものとして設けることが特に有利であり、それにより、補助回転リングD115が周方向ローラ機構D122と衝突する時の損傷リスクを低減することができる。
【0106】
図8に示すように、外周上部クランプハウジングD112Uと外周下部クランプハウジングD112Lの互いに固定された位置の外周面に、1つのランナーシール部材D116が設けられ、該ランナーシール部材D116の径方向内側で外周上部クランプハウジングD112Uと外周下部クランプハウジングD112Lが互いに固定された位置を覆うことで、ランナーシール部材D116の径方向内側で外周上部クランプハウジングD112Uと外周下部クランプハウジングD112Lが互いに固定された位置をシールすることができ、吸湿ランナーアセンブリD11に進入した気流が外周ハウジング部材の取付隙間から流出することを回避する。また、該ランナーシール部材D116は、ランナーハウジングD12の内周面上のランナーハウジングシール部材D124に相対回転可能に接触されるまで、回転軸線に垂直な方向、すなわち径方向に沿って外側へ延在することができる。「相対回転可能に接触」とは、ランナーシール部材D116とランナーハウジングシール部材D124の接触がランナーシール部材D116付きの吸湿ランナーアセンブリD11の回転抵抗を大きく増加しないことを意味する。ランナーハウジングシール部材D124は図示の実施例ではランナーハウジングD12の内周面自身によって形成される。図示の実施例では、ランナーシール部材D116の外周面は吸湿ランナーアセンブリD11全体の最大直径を形成する。これにより、ランナーシール部材D116の径方向外側で吸湿ランナーアセンブリD11とランナーハウジングD12間の径方向隙間を封止することができ、吸湿されていない気流が該隙間からドラムRに流入するのを防止することができる。すなわち、この実施例中のランナーシール部材D116は、吸湿ランナーアセンブリD11に進入した気流が外周ハウジング部材の取付隙間から流出することを防止する一方、吸湿されていない気流が吸湿ランナーアセンブリD11を越えてその周縁から流れることを防止するという二重機能を有するので、吸湿効率を著しく向上させることができる。いくつかの技術的解決策では、ランナーハウジングの内周面は、径方向内側に僅かに突起して、ランナーシール部材と接触してシールされたランナーハウジングシール部材として機能することができ、ランナーシール部材の径方向サイズを減少することができる。このように、すなわちランナーシール部材の外周面が吸湿ランナーアセンブリ全体の最大直径に位置しないようにすることで、上記で説明した回転接触シールを実現することもできる。
【0107】
別のいくつかの技術的解決策では、ランナーハウジングの内周面のランナーシール部材と一致する位置に、単一のシールリングが接続、例えば接着され、ランナーシール部材と接触してシールされたランナーハウジングシール部材として機能し、例えばランナーシール部材と同様の材料で構成される。これにより、ランナーシール部材の径方向サイズを減少することに寄与し、ランナーシール部材の径方向サイズに柔軟に合わせることができ、外周ハウジング部材の外周面にランナーシール部材を配置するためのより大きな設計空間を確保することができる。このように、すなわちランナーシール部材の外周面が吸湿ランナーアセンブリ全体の最大直径に位置しないようにすることで、上記で説明した回転接触シールを実現することもできる。また、このような単独のシールリングは、ランナーハウジングを内周面の摩耗から保護し、それ自身を簡単に交換することができる。また、ランナーシール部材を複数個、外周ハウジング部材の外周面の異なる位置に千鳥状に配置し、上記で説明した二重機能を少なくとも実現し、あるいは前記二重機能を冗長に実現することも想定される。例えば、1つのランナーシール部材が外周上部クランプハウジングと外周下部クランプハウジングが互いに固定された位置の外周面に設けられ、別のランナーシール部材が外周上部クランプハウジングまたは外周下部クランプハウジングの固定位置と異なる外周面に設けられるか、または他の2つのランナーシール部材をそれぞれ外周上部クランプハウジングと外周下部クランプハウジングの固定位置と異なる外周面に冗長に設ける。
【0108】
図8に示すように、動力入力部材D114、補助回転リングD115とランナーシール部材D116は外周ハウジング部材D112の外周面において回転軸線の方向に沿って完全にずれて上から下へ順次設けられる。動力入力部材D114、補助回転リングD115とランナーシール部材D116は他の順序で回転軸線に沿って千鳥状に配置される。
【0109】
図8に示すように、吸湿ランナーアセンブリD11は、変形可能な外周ショック吸収部材D117と中心ショック吸収部材D118をさらに含む。外周ショック吸収部材D117はホイールディスクD111の外周面と外周ハウジング部材D112の内周面間に設けられて、自身の変形可能性を用いてそれらの間にクッションを形成する。いくつかの技術的解決策では、外周ショック吸収部材D117はホイールディスクD111の外周面に接着される。中心ショック吸収部材D118は中心ハウジング部材D113の端部エリアとホイールディスクD111の中心領域間に設けられて、自身の変形可能性を用いてそれらの間にクッションを形成する。図示の実施例では、中心ショック吸収部材D118は中心下部クランプ部材D113Lの端部エリアとホイールディスクD111の中心領域の端面間に設けられる。代替的な技術的解決策では、中心ショック吸収部材D118は中心上部クランプ部材D113Uの端部エリアとホイールディスクD111の中心領域の端面間に設けられてもよいし、またはこれらの2つの位置にそれぞれ1つの中心ショック吸収部材D118を設けてもよい。いくつかの技術的解決策では、中心ショック吸収部材D118はホイールディスクD111の中心領域の端面に接着される。外周ショック吸収部材D117と中心ショック吸収部材D118は例えば発泡体から形成される。もちろん、他の弾性変形可能な材料で外周ショック吸収部材D117と中心ショック吸収部材D118を製造してもよい。洗濯乾燥一体機の動作過程中、ドラムが振動し、この振動により機器全体が振動することがあり、吸湿ランナーアセンブリD11も一緒に振動した時、外周ショック吸収部材D117と中心ショック吸収部材D118は軸方向と径方向にこの振動を緩衝して、通常壊れやすいホイールディスクD111を損傷から保護することができる。
【0110】
図9は、本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の除湿加熱アセンブリD34を示す斜視図である。除湿加熱アセンブリD34は、除湿加熱アセンブリハウジングD341、メッシュパネルD342、除湿加熱アセンブリD343およびサーモスタット取付部D344を含む。除湿加熱アセンブリハウジングD341は、扇形横断面を有する扇形体として構成され、扇形の上面壁D3411、下面壁D3412および上面壁D3411と下面壁D341を接続する周方向に沿って延在する周方向側壁D3413および径方向に沿って延在する径方向側壁D3414を有する。該扇形体はランナーハウジングD12のランナー上部ハウジングD12Uと相補的な形状で構造される。具体的に、ランナー上部ハウジングD12Uに扇形の切り欠けが形成され、該切り欠けは除湿加熱アセンブリハウジングD341の扇形体形状と基本的に同じである。下面壁D3412に、気流が該除湿気流出口から吸湿ランナーアセンブリD11に流入するように除湿気流出口ができるだけ大きく形成される。除湿気流出口は下面壁D3412の少なくとも80%、好ましくは90%の面積を占める。除湿加熱アセンブリハウジングD341の周方向側壁D3413に除湿気流入口ができるだけ大きく形成される。除湿気流入口は周方向側壁D3413の少なくとも80%、好ましくは90%の面積を占める。これにより、除湿気流は最も短い経路を通じて除湿加熱アセンブリD34に進入する。除湿気流入口が径方向側壁に配置されると、除湿気流が径方向により均一に吸湿ランナーアセンブリを流れ、特に複数の除湿気流入口が2つの径方向側壁または2つの径方向側壁と1つの周方向側壁に配置されたとき、除湿気流が扇形体の横断面範囲内でより均一に前記吸湿ランナーアセンブリを流れ、吸湿ランナーアセンブリの再生効率を向上させることができる。
【0111】
図10は、本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の除湿加熱アセンブリD34中のメッシュパネルD342を正面から見た斜視図である。メッシュパネルD342は除湿気流出口に合わせた形状を有し、除湿気流出口に固定される。メッシュパネルD342に複数の貫通穴が形成され、これらの貫通穴はできるだけメッシュパネルD342に均一に分布している。ここで、これらの貫通穴はメッシュパネルD342に蛇腹状に分布している。特に有利には、これらの貫通穴の開口部は除湿気流の流動方向に沿って徐々に減少し、除湿気流入口に近接する貫通穴の開口部が大きくなり、除湿気流入口から離れた貫通穴の開口部が小さくなる。すなわち、これらの貫通穴の開口部は径方向内側に徐々に小さくなるように構成される。これにより、前記吸湿ランナーアセンブリを流れる除湿気流の均一性をさらに改善することができる。
【0112】
図11は、本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の除湿加熱アセンブリD34を裏面から見た斜視図である。除湿気流の流動方向に沿ってメッシュパネルD342の下流側、すなわちメッシュパネルD342の裏面に、除湿加熱アセンブリD343が設けられる。ここで、除湿加熱アセンブリD343は、1つの平面内で蛇腹状に広げる加熱管として構成される。PTC加熱体を使用して除湿加熱アセンブリD343を構成することも考えられ、前記PTC加熱体は例えばセラミック発熱デバイスとアルミチューブから構成される。除湿加熱アセンブリD343はメッシュパネルD342中の貫通穴の形状に対応して構成されて前記貫通穴と千鳥状に配置される。具体的に、除湿加熱アセンブリD343は、除湿気流が前記貫通穴を通過した後、除湿加熱アセンブリD343に向かうように、除湿気流の流入方向に向かって前記貫通穴に対して千鳥状に配置され、これにより、加熱効率を向上させることができる。除湿加熱アセンブリD343の包絡線によって囲まれた面積は除湿気流出口の横断面の少なくとも70%を占め、除湿加熱アセンブリD343自身の横断面の面積は除湿気流出口の横断面の最大40%を占め、これにより気流の流れを妨げずに十分に広い範囲内で熱を提供することが可能である。
【0113】
図11に示すように、除湿加熱アセンブリD34はサーモスタット取付部D344をさらに含む。サーモスタット取付部D344は同様にメッシュパネルの裏面に配置され貫通穴が設けられた領域一側に配置される。サーモスタット取付部D344は、除湿加熱アセンブリD34の内部空洞中の温度を検出するように構成される。洗濯乾燥一体機のコントローラーは該温度に基づいて除湿加熱アセンブリD34を制御する。加熱された除湿気流は除湿加熱アセンブリD34の内部空洞で乱れまたは乱流を形成しやすいため、内部空洞空間で直接に得られた内部空洞温度は極めて不安定であったり変動しやすかったりする。できるだけ安定した内部空洞温度を得るために、サーモスタット取付部D344は熱伝導性シートD3441とサーモスタットD3442を含む。熱伝導性シートD3441はサーモスタットD3442を完全に覆う。内部空洞のガスで直接内部空洞温度を検出することよりも、熱伝導性シートD3441からサーモスタットD3442に温度を伝導する方は、より安定的代表的な内部空洞温度を検出することが可能であり、これにより除湿加熱アセンブリの温度制御に特に有利である。
【0114】
図12は、本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の除湿加熱アセンブリD34が取り付けられていないランナー上部ハウジングD12Uを示す斜視図である。除湿加熱アセンブリハウジングD341はランナーハウジングD12とは別に製造、ランナー上部ハウジングD12U上に固定される。除湿加熱アセンブリハウジングD341とランナー上部ハウジングD12U間に、除湿気流が除湿加熱アセンブリハウジングD341とランナー上部ハウジングD12U間の隙間から漏れないように、柔軟な接続シールD3415が設けられる。除湿加熱アセンブリハウジングD341とランナー上部ハウジングD12U間に、除湿加熱アセンブリハウジングD341中の熱の外部への拡散、特にランナーハウジングD12の吸湿領域D1212への拡散を減少するために、接続断熱部材D3416がさらに設けられる。接続断熱部材D3416の一部は接続シールD3415で覆われる。接続断熱部材全体が接続シールで覆われ、除湿加熱アセンブリハウジングとランナー上部ハウジングが接続シールのみに接触してシール効果を高めることも想定される。接続シールD3415と接続断熱部材D3416は、除湿加熱アセンブリハウジングD341中の除湿気流出口の形状と基本的に合わせた内縁を有する。接続シールは好ましくは発泡体、シリコーンまたは軟質ゴムとして構成される。前記断熱部材は好ましくは断熱材料で製造される。しかし、より安価な金属または合金を用いて接続断熱部材を製造してもよく、ここで、金属または合金が良好な熱伝導性能を有するが、接続シールで覆われても一定の断熱効果を発揮することができる。
【0115】
図13は、本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の除湿凝縮アセンブリD35の除湿凝縮管統合体D351を示す斜視図である。図14は、本発明による洗濯乾燥一体機の第1実施例中の除湿凝縮アセンブリD35の除湿凝縮アセンブリハウジングD352のカットオフ部分を示す斜視図である。除湿凝縮アセンブリは、除湿凝縮管統合体D351、除湿凝縮アセンブリハウジングD352および除湿凝縮出口パイプを含む。除湿凝縮管統合体D351は除湿凝縮アセンブリハウジングD352の中間に固定され、除湿凝縮管統合体D351を流れた除湿気流を凝縮除湿するように構成される。凝縮された水が除湿凝縮出口パイプから排出される。
【0116】
図13に示すように、除湿凝縮アセンブリD35は吸湿ランナーアセンブリD11、吸湿通路ファンD23、除湿通路ファンD33とともに1つのモジュール下部ハウジングを共有する。除湿凝縮管統合体D351は、保持棒と制限部材を介してモジュール下部ハウジングに配合し、除湿凝縮アセンブリハウジングD352中の上部ハウジングは除湿凝縮管統合体D351周囲のシール片を下方に押し付けてシール効果を発揮する。
【0117】
図14に示すように、除湿気流が除湿凝縮アセンブリハウジングD352に入った後除湿凝縮管統合体D351を迂回して除湿凝縮アセンブリハウジングD352との間の隙間から除湿凝縮アセンブリハウジングの出口に直接流入することを防止するために、除湿凝縮管統合体D351と除湿凝縮アセンブリハウジングD352間にバッフルD353が設けられる。
【0118】
また、図7および図14に示すように、乾燥モジュールDは、洗濯乾燥一体機W全体の組立前に、1つの予備組装モジュールとしてのみ予備組み立てることが可能である。該予備組装モジュールは一体的に構成された1つのモジュール下部ハウジングと別々に設けられた複数の上部ハウジングのみを含み、該モジュール下部ハウジングと上部ハウジングとは複数のチャンバーを形成し、これらのチャンバーは乾燥モジュール中の各機能モジュール、例えば吸湿ランナーアセンブリD11、吸湿通路ファンD23、除湿通路ファンD33、ランナー駆動機構D13、除湿加熱アセンブリD34、除湿凝縮アセンブリD35を収容するように構成される。このような一体型モジュール製造により、組立が大幅に簡素化されて組立効率が向上する一方、対応する接続ダクトが省略または短縮されるため、乾燥モジュールの構造がよりコンパクトになる。
【0119】
図15は、本発明による洗濯乾燥一体機中のパイプアセンブリPを模式的に示す斜視図である。パイプアセンブリPは入口パイプP1、第1出口パイプP2、第2出口パイプP3および第3出口パイプP4を含み、入口パイプP1の一端が水道管に接続され、入口パイプP1の他端がそれぞれ第1出口パイプP2の一端、第2出口パイプP3の一端および第3出口パイプP4の一端に接続され、第1出口パイプP2の他端が除湿凝縮アセンブリD35の水入口に接続され、第2出口パイプP3の他端が洗剤ディスペンサーボックスCの水入口に接続され、第3出口パイプP4の他端が空気出口ダクトL1の水入口に接続され、このような複合管路システムにより、水道管からの水がそれぞれ除湿凝縮アセンブリD35、洗剤ディスペンサーボックスCおよび空気出口ダクトL1に輸送されて、水の必要量を満たす。除湿凝縮アセンブリD35、洗剤ディスペンサーボックスC、空気出口ダクトL1の水入口およびパイプアセンブリPがいずれもドラムRの上部に配置され、このように、ドラムRの上部空間を十分に活用でき、洗濯乾燥一体機1の全体配置が非常にコンパクトであり、このような配置方式により、パイプアセンブリPから各アセンブリの水入口までの管路配置を容易にして、管路全体の長さを最小にすることができる。具体的に、除湿凝縮アセンブリD35、洗剤ディスペンサーボックスC、空気出口ダクトL1の水入口およびパイプアセンブリPは洗濯乾燥一体機1の四隅に配置される。空気出口ダクトL1はドラムRの右後方に配置され、空気出口ダクトL1の水入口とパイプアセンブリPは洗濯乾燥一体機Wの右後角に配置され、パイプアセンブリPの第3出口パイプP4から空気出口ダクトL1の水入口までの管路長さが短縮される。入口パイプP1および/または第1出口パイプP2および/または第2出口パイプP3および/または第3出口パイプP4に水管のオン・オフおよび/または流量を制御するために電磁弁が設けられる。各ダクトまたは水入口間はホースによって接続され、ホースの使用により、管路が各アセンブリ間の隙間に柔軟に配置され得る。
【0120】
図16は、本発明による洗濯乾燥一体機中の濾過メッシュ自浄装置が設けられた空気出口ダクトL1の縦方向断面図を示す斜視図である。空気出口ダクトL1はドラムRに密着してドラムRの後部に下から上へ延在して設けられ、このように延在することで、洗濯乾燥一体機1の全体高さが低くなり、洗濯乾燥一体機1をテーブルファセットの下に容易に設置することができる。空気出口ダクトL1は第1端部L11でドラムRの出口に接続され第2端部L12で乾燥モジュールDに接続される。空気出口ダクトL1は、第1ハーフハウジングL13および第2ハーフハウジングL14を含み、それらの間に空洞を画定する。空気出口ダクトL1の第1端部L11に、第2ハーフハウジングL14はドラムRの出口に接続するための入口(図示せず)を有し、第1ハーフハウジングL13は入口と反対の端部に好ましくは前記空洞に入った気流を導くための円弧状内面を有する。第1ハーフハウジングL13に、第2端部L12で円弧状支持板L15が設けられ、第1端部が第1ハーフハウジングL13の上面板L131に付着し、第2端部が空洞内に延在する。円弧状支持板L15は、濾過した気流を誘導して乱流を防止することに寄与する。円弧状支持板L15の第2端部によって、濾過メッシュF1は第2ハーフハウジングL14の下部から第1ハーフハウジングL13の上部まで斜めに前記空洞内に設けられ、空洞を未清掃空間と清掃空間に分ける。他の実施例では、支持板L15は他の設置と形状、例えば平板形式を有してもよく、一端が第1ハーフハウジングL13の上部に固定され他端が未清掃空間内に延在してエッジで濾過メッシュF1の頂部エッジを固定する。濾過メッシュF1の傾斜角度を必要に応じて調整することで、フラッシング効率を向上させることができる。空気出口ダクトL1の第1端部L11の入口から空洞内に入ったすべての気流が最初に未清掃空間に流入し、順次濾過メッシュF1の入口面F11と清掃面F12を通過した後、清掃空間に入り、その後空気出口ダクトL1の第2端部L12の出口(図示せず)から乾燥モジュールに輸送される。濾過メッシュF1のこのような配置により、濾過メッシュF1で濾過された介在物は主に入口面F11上に堆積する。
【0121】
濾過メッシュF1を清掃するために、空気出口ダクトL1の第2端部L12に濾過メッシュ自浄装置F2が設けられ、未清掃空間一側で洗剤を含んだ水道水を濾過メッシュF1の入口面F11一側から濾過メッシュに噴射して、濾過メッシュF1に付着した糸くずなどの介在物をフラッシングする。濾過メッシュをフラッシングした後、使用済の水道水が空気出口ダクトL1の第1端部L11の水出口(図示せず)を介して洗濯乾燥一体機から排出され、例えば自浄液専用の排放出口、またはドラムの排水口から排出される。清掃空間一側に濾過メッシュ自浄装置を設けて、濾過メッシュF1の清掃面を同期または非同期にフラッシングし、より徹底した濾過メッシュ清掃を実現する。
【0122】
図17は、本発明による洗濯乾燥一体機中の濾過メッシュ自浄装置F2の図16中の線A-Aに沿ってカットオフした場合の断面図を模式的に示す。濾過メッシュ自浄装置F2は、入口パイプF21と入口パイプに接続されたノズルF22を含む。入口パイプF21は未清掃空間一側に空気出口ダクトL1の上面板L131にシールして固定され、例えばドラムRを越えたホースを介して水道水入口パイプに接続されることも理解されたい。入口パイプに接続されたノズルF22は、濾過メッシュF1の頂部に設けられて水道水(洗剤を含む)を濾過メッシュF1の入口面F16に噴射する。他の実施例では、入口パイプF21の上流に加圧弁が設けられて濾過メッシュ自浄装置に入った水道水を加圧して、加圧した水道水で濾過メッシュF1をフラッシングし、洗浄効率とコスト効率の向上に寄与する。他の実施例では、入口パイプF21は他の形式例えば前記平板形式の支持板を介して第1ハーフハウジングL13に固定されてもよい。
【0123】
本実施例では、ノズルF22は入口パイプF21に接続されたアダプタF23およびアダプタF23と一体成形された先細り延在部F24を含む。アダプタF23は例えばネジ接続、締まりばめ、バインダーまたは他の方式によって入口パイプF21に固定的に接続される。先細り延在部F24は濾過メッシュF1に対して一定角度で傾斜し、その自由端部は、空気出口ダクトL1を越える空洞を有して濾過メッシュF1の実質的な幅全体を覆う出口を有し(図3に示す)、洗浄範囲を確保する。好ましくは、前記先細り延在部F24と濾過メッシュF1間の角度は0°~45°間で、より好ましくは5°~35°間である。角度が大きすぎると、濾過メッシュF1の頂部から濾過メッシュF1の底部への水道水の流れが悪くなり、清掃効率が低下する。好ましくは、前記先細り延在部は、その長さ(すなわち傾斜方向)に沿って先細りになって、前記先細り延在部の自由端部に平坦な開口が形成され、水圧を増大させ、濾過メッシュF1への衝撃力を改善し、さらに清掃効率を向上させることができる。
【0124】
図16に示すように、空気出口ダクトL1は2層管壁を含み、2層管壁間に冷却通路L10の冷却水流動用のチャンバーが形成され、水流A1の流動方向は矢印で示され、水流A1の流動方向は気流A2の流動方向と反対になって、気流の冷却と液化を促進する。冷却通路L10は冷却水を空気出口ダクトL1の外壁に導き、そこを流れた気流を冷却と液化して、ドラムRから排出された湿った空気は乾燥モジュールDに入る前に予備除湿されるため、乾燥モジュール中の除湿装置の負荷を軽減して除湿効果を向上させることができる。冷却通路L10の乾燥モジュールDに近い第1端部に凝縮機構Kが設けられ、凝縮機構Kは入口パイプK1と入口パイプK1に接続された水噴射ノズルK2を含む。入口パイプK1は例えばネジ配合とシール剤の組み合わせによって冷却通路L10の第1端部にシールして固定され、例えば電磁弁によって洗濯乾燥一体機Wの水道水入口パイプに接続される。本実施例では、凝縮機構9の入口パイプK1は空気出口ダクトL1または冷却通路L10の第1水入口を同時に構成する。水噴射ノズルK2は、冷却水を空気出口ダクトL1の外壁に噴射して、冷却水による外壁の冷却効果を高めるように構成される。好ましくは、水噴射ノズルK2は先細り延在部を含み、先細り延在部はその長さに沿って先細りになってその自由端部に平坦な開口が形成され、噴射範囲および水圧を増大させ、空気出口ダクトの外壁に対する冷却効果をさらに向上させることができる。好ましくは、冷却通路L10に複数の水噴射ノズルK2を設け、特に周方向方向に空気出口ダクトL1の外壁に沿って間隔を空けて複数の水噴射ノズルK2を設けてもよく、冷却通路L10が周方向方向に空気出口ダクトL1の第1ハーフハウジングL3および第2ハーフハウジングL14を完全に覆う場合に特に有利である。また、水噴射ノズルK2は360°自動回転ノズルであり得、噴射範囲を拡大し、空気出口ダクトの外壁に対する冷却効果を高める。冷却通路L10のドラムRに近い第2端部に冷却水を排出するための第1排水口が設けられる。
【0125】
図18、19は、本発明による洗濯乾燥一体機の第2実施例および第3実施例を示す斜視図である。乾燥モジュールDがドラムRの上方に配置される第1実施例とは異なり、第2実施例では、乾燥モジュールD'はドラムR'の後方に配置される。ここで、ドラムR'上方および乾燥モジュールD'とドラムR'間にドラムR'の空気出口と乾燥モジュールD'の空気入口、すなわち吸湿通路空気入口を連通する空気出口ダクトL1'を配置し、かつドラムR'の上方にドラムR'の空気入口と乾燥モジュールD'の空気出口、すなわち吸湿通路空気出口を連通する入口ダクトL2'を配置する。第3実施例では、乾燥モジュールD''はドラムR''の下方に配置される。ここで、ドラムR''の上方と後方にドラムR''の空気出口と乾燥モジュールD''の空気入口、すなわち吸湿通路空気入口を連通する空気出口ダクトL1''、およびドラムR''の空気入口と乾燥モジュールD''の空気出口、すなわち吸湿通路空気出口を連通する入口ダクトL2''を配置する。第1実施例の配置は、特にコンパクトな構造を示し、水平配置の円筒としてのドラムRはその左右側面上方により大きな空間を残して乾燥モジュールD中の機能性アセンブリを配置し、乾燥モジュールDをドラム上方に配置して組立やメンテナンスを容易にする。第2実施例の配置は、洗濯乾燥一体機の高さをさらに低減させ、洗濯乾燥一体機の高さに敏感な環境に好適である。第3実施例は、複数のドラムが1つまたはドラム数より少ない乾燥モジュールを共用する場合に拡張されることを容易にして、例えば図16に示す乾燥モジュールD''の下方に第2ドラムを追加し、2つのドラム間の空間に乾燥モジュールD''を選択的にいずれか1つのドラムに流体的に連通するための切り替え機構を追加することができ、大型洗濯室などに好適である。
【0126】
上記で説明した乾燥モジュールは、衣類乾燥機、除湿機、食器洗浄機など、除湿が必要な様々な用途にも使用することができる。
【0127】
上記の実施例は、例示および説明のために使用され、本発明を説明した実施例の範囲に限定することを意図しない。言い換えれば、本発明は、上記で説明した特徴の他の様々な組み合わせ形式で実施すること可能であり、図示および説明した実施例に限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2024-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラムと乾燥モジュールを含み、
前記乾燥モジュールは吸湿除湿部材、吸湿通路および除湿通路を含み、前記吸湿通路は吸湿通路空気入口および吸湿通路空気出口を有し、
前記ドラムは前記吸湿通路空気入口および前記吸湿通路空気出口のそれぞれと連通し、
前記吸湿通路に、前記ドラムと前記吸湿通路内に吸湿気流を形成するように吸湿通路ファンが設けられ、
前記除湿通路に、前記除湿通路内に除湿気流を形成するように除湿通路ファンが設けられ、
前記吸湿除湿部材に前記吸湿気流および前記除湿気流の両方を流すように、前記吸湿除湿部材が前記吸湿通路と前記除湿通路の経路に設けられており
前記吸湿除湿部材回転する過程において前記吸湿気流の水分を吸収し、吸収した前記水分を前記除湿気流によって排出する、ことを特徴とする洗濯乾燥一体機。
【請求項2】
前記吸湿除湿部材は、吸湿ランナーアセンブリ、ランナーハウジング、および前記吸湿ランナーアセンブリの回転を駆動するためのランナー駆動機構を含み、
前記吸湿ランナーアセンブリはその回転軸線に沿って前記ランナーハウジングに回転可能に支持される、ことを特徴とする請求項1に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項3】
前記吸湿ランナーアセンブリはその外周縁で前記ランナー駆動機構によって駆動される、ことを特徴とする請求項2に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項4】
前記ランナーハウジングの内周縁に少なくとも1つの周方向ローラ機構が設けられ、
前記周方向ローラ機構は、周方向ローラと周方向ローラホルダを含み、
前記周方向ローラは前記周方向ローラホルダに回転可能に支持され、
前記周方向ローラホルダは前記ランナーハウジングの内周縁に設けられ、
前記回転軸線に平行な方向に沿って見ると、前記周方向ローラは前記吸湿ランナーアセンブリの前記回転軸線の方向に沿ったサイズ範囲内に配置され、
前記回転軸線に垂直な方向に沿って見ると、前記周方向ローラは前記吸湿ランナーアセンブリと前記ランナーハウジング間に配置され、
前記周方向ローラは前記吸湿ランナーアセンブリ回転する過程における少なくとも一部の期間に前記吸湿ランナーアセンブリの外周面に転動可能に接触する、ことを特徴とする請求項2または3に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項5】
前記ランナーハウジングの内底面に少なくとも1つの底部ローラ機構が設けられ、
前記底部ローラ機構は、底部ローラと底部ローラホルダを含み、
前記底部ローラは前記底部ローラホルダに回転可能に支持され、
前記底部ローラホルダは前記ランナーハウジングに設けられ、
前記回転軸線に垂直な方向に沿って見ると、前記底部ローラは前記吸湿ランナーアセンブリの回転軸線に垂直な方向に沿ったサイズ範囲内に配置され、
前記回転軸線に平行な方向に沿って見ると、前記底部ローラは前記吸湿ランナーアセンブリと前記ランナーハウジング間に配置され、
前記底部ローラと前記吸湿ランナーアセンブリの間隔が前記吸湿ランナーアセンブリと前記ランナーハウジングの最小間隔よりも小さい、ことを特徴とする請求項2または3に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項6】
前記吸湿ランナーアセンブリの外周縁の外面にランナーシール部材が設けられ、
前記ランナーハウジングの内面にランナーハウジングシール部材が設けられ、
前記ランナーシール部材と前記ランナーハウジングシール部材は相対回転可能に接触してシールを形成する、ことを特徴とする請求項2または3に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項7】
前記吸湿ランナーアセンブリの回転軸線と前記吸湿通路ファンの回転軸線は、いずれも前記ドラムの回転軸線と非同一面で垂直であり、前記ドラムの回転軸線の両側にそれぞれ分けて配置されている、ことを特徴とする請求項2または3に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項8】
前記ランナーハウジングの端面内壁から半径範囲内延在する複数の仕切りリブが一体成形または固定されて、前記ランナーハウジングの内部空洞を少なくとも吸湿領域と除湿領域に仕切り、前記仕切りリブの表面に仕切りシール部材が固定され、
前記仕切りシール部材と前記吸湿ランナーアセンブリ中のホイールディスクの間隔は0~5mmである、ことを特徴とする請求項2または3に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項9】
記ドラムの空気出口と前記乾燥モジュールの空気入口間に設けられた空気出口ダクトをさらに含み、前記空気出口ダクトに濾過モジュールが設けられ、前記濾過モジュールは、前記空気出口ダクトを流れる気流を濾過するための濾過メッシュと濾過メッシュ自浄装置を含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項10】
前記吸湿ランナーアセンブリは、ホイールディスク、前記ホイールディスクの周縁領域に相対回転不能に相互に接続された外周ハウジング部材、および前記ホイールディスクの中心領域に相対回転不能に相互に接続された中心ハウジング部材を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項11】
前記外周ハウジング部材は、外周上部クランプハウジングおよび外周下部クランプハウジングを含み、
前記外周上部クランプハウジングと前記外周下部クランプハウジングは、前記ホイールディスクの外周面を囲む場合に互いに固定され、前記ホイールディスクの周縁領域中の端面を挟持するように構成される、ことを特徴とする請求項10に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項12】
前記中心ハウジング部材は、中心上部クランプ部材と中心下部クランプ部材を含み、
前記中心上部クランプ部材と前記中心下部クランプ部材は、前記ホイールディスクの中心領域中の端面を挟持するように構成される、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項13】
前記吸湿ランナーアセンブリは、中心端面ショック吸収部材をさらに含み、
前記中心端面ショック吸収部材は、前記ホイールディスクの中心領域中の端面と前記中心ハウジング部材の端部エリアの端面間にクッションを形成するように配置される、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項14】
前記吸湿ランナーアセンブリは、補助回転リングをさらに含み、
前記補助回転リングは、前記外周ハウジング部材の外周面に設けられ、前記ランナーハウジングの内周縁に配置された周方向ローラ機構の位置と合わせる、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項15】
前記ランナーハウジングの端面内壁上に互いに向かって延在する少なくとも3つの仕切りリブが設けられ、前記ランナーハウジングの内部空洞を少なくとも吸湿領域、除湿領域および冷却領域に仕切り、
前記冷却領域は、前記吸湿領域と前記除湿領域の間に配置される、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項16】
前記吸湿領域は前記吸湿通路に流体連通し、前記除湿領域は前記除湿通路に流体連通し、前記冷却領域は冷却通路に流体連通する、ことを特徴とする請求項15に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項17】
前記冷却通路に冷却通路ファンが設けられて、外部環境の空気を前記ランナーハウジングの前記冷却領域に輸送する、ことを特徴とする請求項16に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項18】
前記除湿通路から1つの冷却通路に分岐が導かれ、前記除湿通路ファンによりガスを前記ランナーハウジングの前記冷却領域に誘導する、ことを特徴とする請求項15に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項19】
前記冷却通路の空気出口は、洗濯乾燥一体機のハウジング上の空気出口に流体連通するか、または前記除湿通路中の前記吸湿除湿部材の下流のエリアに接続する、ことを特徴とする請求項16に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項20】
前記ランナーハウジングに少なくとも1つの気流ガイドシートがさらに設けられ、
前記気流ガイドシートは、前記ランナーハウジング中に入る吸湿気流を少なくとも2つの気流に分けて、前記少なくとも2つの気流をそれぞれ異なる領域から前記吸湿ランナーアセンブリの前記ホイールディスクを通過させるように構成される、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項21】
前記周方向ローラホルダは、固定機構によって前記ランナーハウジングに固定され、
前記固定機構は、初期取付位置で前記周方向ローラホルダと前記吸湿ランナーアセンブリ間の径方向間隔を調節することができるように構成される、ことを特徴とする請求項4に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項22】
前記ランナー駆動機構は、前記吸湿ランナーアセンブリの径方向のサイズ範囲外に全部または部分が配置される、ことを特徴とする請求項2に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項23】
前記乾燥モジュールは、前記除湿通路の経路に配置された除湿加熱アセンブリを含み、前記除湿加熱アセンブリは、前記除湿気流を加熱する、ことを特徴とする請求項10に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項24】
前記除湿加熱アセンブリはメッシュパネルをさらに含み、前記メッシュパネルに複数の貫通穴が形成されている、ことを特徴とする請求項23に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項25】
前記除湿加熱アセンブリは、サーモスタット取付部をさらに含み、前記サーモスタット取付部は、前記除湿加熱アセンブリの内部空洞中の温度を検出するために使用される、ことを特徴とする請求項23に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項26】
前記乾燥モジュールは、前記ドラムの上方、後方または下方に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の洗濯乾燥一体機。
【請求項27】
前記濾過メッシュ自浄装置は、流体供給管と前記流体供給管に接続されたノズルを含み、前記ノズルは清掃流体を前記濾過メッシュの入口面に分配するように構成される、ことを特徴とする請求項9に記載の洗濯乾燥一体機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
(関連出願の相互引用)
本願は、2021年9月1日に出願された中国特許出願第202111023112.5号と2021年11月30日に出願された第202111450553.3号の優先権を主張し、そのすべての内容は参照によってこれに結合される。
本発明は、家庭用電器の分野に関し、具体的に洗濯乾燥一体機に関する。
【国際調査報告】