(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】偏心を自動的に調節可能な接続構造
(51)【国際特許分類】
F16B 7/18 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
F16B7/18 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514498
(86)(22)【出願日】2022-08-23
(85)【翻訳文提出日】2024-03-04
(86)【国際出願番号】 CN2022114232
(87)【国際公開番号】W WO2023035934
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】202122186631.5
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524082100
【氏名又は名称】▲とう▼剣濤
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】▲とう▼成河
(72)【発明者】
【氏名】▲とう▼剣濤
【テーマコード(参考)】
3J039
【Fターム(参考)】
3J039AA01
3J039AB01
3J039BB01
3J039GA01
(57)【要約】
本発明は、偏心を自動的に調節可能な接続構造に関し、それぞれ2つの部材に配置されるロック部及びピン部を含み、ロック部とピン部との間には調節部が設けられ、ロック部は、ピン部に向かって開放されるロックスリーブ、ロックスリーブの開放端に螺設される支持ブッシュ、支持ブッシュに可動に設けられる浮動ブッシュ及び浮動ブッシュに設けられるロック係止機構を含み、浮動ブッシュは、ロックスリーブの半径方向に沿って移動可能であり、ピン部は、ピンスリーブ及びピンヘッドを含み、ピンスリーブは、ロック部に向かって開放され、ピンヘッドは、ピンスリーブの開放端にねじ接続されるねじ端及びねじ端に固定されるピン端を含み、ピン端の上部外周には環状スロットが開けられ、ピン端が上へから支持ブッシュと浮動ブッシュ突出した後、環状スロットは、ロック係止機構に嵌合して固定され、調節部は、ピン端に外嵌され、且つピンヘッドのロックスリーブへの挿入深さを制御することができ、ロックスリーブの他端とピンスリーブの他端にはそれぞれがコネクタ設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏心を自動的に調節可能な接続構造であって、それぞれ2つの部材に配置されるロック部(1)及びピン部(2)を含み、前記ロック部(1)と前記ピン部(2)との間には調節部(3)が設けられ、前記ロック部(1)は、前記ピン部(2)に向かって開放されるロックスリーブ(11)、前記ロックスリーブ(11)の開放端に螺設される支持ブッシュ(12)、前記支持ブッシュ(12)に可動に設けられる浮動ブッシュ(13)及び前記浮動ブッシュ(13)に設けられるロック係止機構を含み、前記浮動ブッシュ(13)は、前記ロックスリーブ(11)の半径方向に沿って移動可能であり、前記ピン部(2)は、ピンスリーブ(21)及びピンヘッド(4)を含み、前記ピンスリーブ(21)は、前記ロック部(1)に向かって開放され、前記ピンヘッド(4)は、前記ピンスリーブ(21)の開放端にねじ接続されるねじ端(41)、及び前記ねじ端(41)に固定されるピン端(42)を含み、前記ピン端(42)の上部外周には環状スロット(44)が開けられ、前記ピン端(42)が上へ前記支持ブッシュ(12)と前記浮動ブッシュ(13)から突出した後、前記環状スロット(44)は、前記ロック係止機構に嵌合して固定され、前記調節部(3)は、前記ピン端(42)に外嵌され、且つ前記ピンヘッド(4)の前記ロックスリーブ(11)への挿入深さを制御することができ、前記ロックスリーブ(11)の他端と前記ピンスリーブ(21)の他端にはそれぞれコネクタ(7)が設けられる、ことを特徴とする偏心を自動的に調節可能な接続構造。
【請求項2】
前記ロック係止機構は、押さえ枠(55)及びロッキング部材(6)を含み、前記ロッキング部材(6)の内周は、前記環状スロット(44)の外周に外嵌され、前記ロッキング部材(6)の下部は、前記浮動ブッシュ(13)の内周上部に収納され、前記押さえ枠(55)は、押さえリング(56)、支持管(57)及び止め輪(58)を含み、前記押さえリング(56)は、水平に設けられ、前記環状スロット(44)の外側上方に外嵌され、前記押さえリング(56)は、前記ロッキング部材(6)に押さえられ、前記支持管(57)は、垂直で中空であり、前記押さえリング(56)の内側上端に固定され、前記ピン端(42)の外周に位置し、前記止め輪(58)は、垂直で中空であり、前記押さえリング(56)の外側下端に固定され、且つ前記ロッキング部材(6)の外側に位置し、前記浮動ブッシュ(13)の上方に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の偏心を自動的に調節可能な接続構造。
【請求項3】
前記ロッキング部材(6)は、ゴムリング(61)及び複数の円弧状リングブロック(62)を含み、前記ゴムリング(61)の内周は、前記環状スロット(44)の外周に外嵌され、前記ゴムリング(61)の下部は、前記浮動ブッシュ(13)の内周上部に収納され、前記ゴムリング(61)は、内部が中空の環状構造を呈し、複数の前記円弧状リングブロック(62)は、取り囲むことで完全な環状構造を形成することができ、前記円弧状リングブロック(62)により形成される環状構造は、前記ゴムリング(61)の環状構造の内部に収納される、ことを特徴とする請求項2に記載の偏心を自動的に調節可能な接続構造。
【請求項4】
前記ピン端(42)は、挿入棒(43)、前記環状スロット(44)及び案内ヘッド(45)を含み、前記挿入棒(43)は、前記ねじ端(41)の上端に固定され、前記環状スロット(44)は、前記挿入棒(43)の先端の外周壁に環状で設けられ、前記案内ヘッド(45)は、前記環状スロット(44)の上端に固定され、上から下へ小さくなる円錐台形構造を呈する、ことを特徴とする請求項1に記載の偏心を自動的に調節可能な接続構造。
【請求項5】
偏心ブッシュ(22)を更に含み、前記偏心ブッシュ(22)の外周は、前記ピンスリーブ(21)の開放端の内側にねじ接続され、前記ピンヘッド(4)のねじ端(41)は、前記偏心ブッシュ(22)の内周にねじ接続され、前記ピンスリーブ(21)と偏心して設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の偏心を自動的に調節可能な接続構造。
【請求項6】
前記支持管(57)の外周に外嵌され、上端が前記ロックスリーブ(11)の内側端面の下方に密着し、下端が前記押さえリング(56)の上端に密着する弾性部材(14)を更に含む、ことを特徴とする請求項2に記載の偏心を自動的に調節可能な接続構造。
【請求項7】
前記ロックスリーブ(11)の内側端面の下方に固定され、前記弾性部材(14)の上端がその下端に密着するガスケット(15)を更に含む、ことを特徴とする請求項6に記載の偏心を自動的に調節可能な接続構造。
【請求項8】
前記調節部(3)は、調節ナット(31)及びコッター(33)を含み、前記調節ナット(31)の中部には、前記ピンヘッド(4)が貫通するための垂直で中空の貫通孔が開けられ、前記調節ナット(31)の内側には、前記貫通孔に連通する垂直なキー溝(32)が開けられ、前記コッター(33)の一側は、前記キー溝(32)内に係合固定され、前記ピン端(42)の外周壁には、垂直なシュート(46)が軸方向に沿って開けられ、前記シュート(46)の上端は、前記環状スロット(44)に連通し、前記調節ナット(31)の貫通孔は、前記ピン端(42)の外側に外嵌され、前記コッター(33)の他側は、前記シュート(46)内を摺動可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の偏心を自動的に調節可能な接続構造。
【請求項9】
前記弾性部材(14)は、可撓性を有するゴム管である、ことを特徴とする請求項6に記載の偏心を自動的に調節可能な接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏心を自動的に調節可能な接続構造に関し、ピン・ロック接続構造の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、挿着構造は、様々な分野における部材接続に広く応用されており、この構造は、溶接が必要なく、硬化剤が必要なく、コネクタの偏心に自律的に適応でき、実施しやすい利点があり、様々な組立式構造の接続に適している。
【0003】
授権公告番号がCN212455135Uの中国発明特許「偏心を調節可能なピン・ロック接続構造」は、偏心を調節可能なピン・ロック接続構造を開示しており、それぞれ2つの部材に配置され且つ同軸でないロック部とピン部を含み、前記ロック部と前記ピン部との間には更に偏心構造が設けられ、前記ロック部は、前記ピン部に向かって開放されるロックスリーブ、及び前記ロックスリーブ内に設けられるロック係止機構を含み、前記ロックスリーブの他端にはコネクタが嵌合され、前記ピン部は、前記ロック部に向かって開放されるピンスリーブを含み、前記ピンスリーブの他端には別のコネクタが嵌合され、前記偏心構造は、垂直で中空のブッシュ、及び上から下へ大きくなる階段軸状のピンを含み、前記ブッシュの外周は、前記ロックスリーブ内に同軸に嵌合され、前記ピンの大きい端は、前記ピンスリーブ内に同軸に嵌合され、前記ピンの小さい端は、上へ前記ブッシュ内に挿入することができ、偏心構造を調節することができ、ピンの小さい端は、ブッシュの内周軸線と重なり、上へブッシュを貫通してロックスリーブ内に挿入され、ロック係止機構と嵌合してロッキングすることができる。該偏心を調節可能なピン・ロック接続構造では、ピン部とロック部との間に偏心構造を設けることによって、ピン部の軸線とロック部の軸線とが重ならなくても、偏心構造を調節することで正常に挿着作業を行うことができる。
【0004】
上記特許では、偏心構造を用いて、挿着作業の進行をある程度容易にしているが、実際の使用では、ピンヘッドとロックスリーブ内の偏心ブッシュが緊密に嵌合する必要があるため、ピンヘッドの外周と偏心ブッシュの偏心孔との間に大きな隙間を残すことができない。ピンヘッドを偏心孔に確実に挿入できるようにするには、偏心ブッシュの偏心度を調節する時、正確に調節しなければならない。ロック部とピン部は、また2つの異なる部材に位置し、2つの部材間には、作業者がピンヘッドと偏心孔との嵌合状況を確認するための十分な空間がない。このように、ピンヘッドと偏心孔との良好な嵌合を実現するには、偏心ブッシュを複数回繰り返して調節する必要がある。そのため、この形態は、まだ簡単ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記課題を克服するために、本発明は、浮動ブッシュを用いることで、ピンヘッドをロックスリーブに挿入する過程で、案内ヘッドの案内作用で、浮動ブッシュがロックスリーブの半径方向に沿って移動し、且つピンヘッドがロックスリーブに入り続けるについて自動的に偏心修正と補正を行い、且つロック係止機構と嵌合してロッキングを完了させ、ピン部とロック部との固定を実現する偏心を自動的に調節可能な接続構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術案は、以下のとおりである。
【0007】
偏心を自動的に調節可能な接続構造であって、それぞれ2つの部材に配置されるロック部及びピン部を含み、前記ロック部と前記ピン部との間には調節部が設けられ、前記ロック部は、前記ピン部に向かって開放されるロックスリーブ、前記ロックスリーブの開放端に螺設される支持ブッシュ、前記支持ブッシュに可動に設けられる浮動ブッシュ及び前記浮動ブッシュに設けられるロック係止機構を含み、前記浮動ブッシュは、前記ロックスリーブの半径方向に沿って移動可能であり、前記ピン部は、ピンスリーブ及びピンヘッドを含み、前記ピンスリーブは、前記ロック部に向かって開放され、前記ピンヘッドは、前記ピンスリーブの開放端にねじ接続されるねじ端、及び前記ねじ端に固定されるピン端を含み、前記ピン端の上部外周には環状スロットが開けられ、前記ピン端が上へ前記支持ブッシュと前記浮動ブッシュから突出した後、前記環状スロットは、前記ロック係止機構に嵌合して固定され、前記調節部は、前記ピン端に外嵌され、且つ前記ピンヘッドの前記ロックスリーブへの挿入深さを制御することができ、前記ロックスリーブの他端と前記ピンスリーブの他端にはそれぞれコネクタが設けられる。
【0008】
更に、前記ロック係止機構は、押さえ枠及びロッキング部材を含み、前記ロッキング部材の内周は、前記環状スロットの外周に外嵌され、前記ロッキング部材の下部は、前記浮動ブッシュの内周上部に収納され、前記押さえ枠は、押さえリング、支持管及び止め輪を含み、前記押さえリングは、水平に設けられ、前記環状スロットの外側上方に外嵌され、前記押さえリングは、前記ロッキング部材に押さえられ、前記支持管は、垂直で中空であり、前記押さえリングの内側上端に固定され、前記ピン端の外周に位置し、前記止め輪は、垂直で中空であり、前記押さえリングの外側下端に固定され、且つ前記ロッキング部材の外側に位置し、前記浮動ブッシュの上方に位置する。
【0009】
更に、前記ロッキング部材は、ゴムリング及び複数の円弧状リングブロックを含み、前記ゴムリングの内周は、前記環状スロットの外周に外嵌され、前記ゴムリングの下部は、前記浮動ブッシュの内周上部に収納され、前記ゴムリングは、内部が中空の環状構造を呈し、複数の前記円弧状リングブロックは、取り囲むことで完全な環状構造を形成することができ、前記円弧状リングブロックにより形成される環状構造は、前記ゴムリングの環状構造の内部に収納される。
【0010】
更に、前記ピン端は、挿入棒、前記環状スロット及び案内ヘッドを含み、前記挿入棒は、前記ねじ端の上端に固定され、前記環状スロットは、前記挿入棒の先端の外周壁に環状で設けられ、前記案内ヘッドは、前記環状スロットの上端に固定され、上から下へ小さくなる円錐台形構造を呈する。
【0011】
更に、偏心ブッシュを更に含み、前記偏心ブッシュの外周は、前記ピンスリーブの開放端の内側にねじ接続され、前記ピンヘッドのねじ端は、前記偏心ブッシュの内周にねじ接続され、前記ピンスリーブと偏心して設けられる。
【0012】
更に、前記支持管の外周に外嵌され、上端が前記ロックスリーブの内側端面の下方に密着し、下端が前記押さえリングの上端に密着する弾性部材を更に含む。
【0013】
更に、前記ロックスリーブの内側端面の下方に固定され、前記弾性部材の上端がその下端に密着するガスケットを更に含む。
【0014】
更に、前記調節部は、調節ナット及びコッターを含み、前記調節ナットの中部には、前記ピンヘッドが貫通するための垂直で中空の貫通孔が開けられ、前記調節ナットの内側には、前記貫通孔に連通する垂直なキー溝が開けられ、前記コッターの一側は、前記キー溝内に係合固定され、前記ピン端の外周壁には、垂直なシュートが軸方向に沿って開けられ、前記シュートの上端は、前記環状スロットに連通し、前記調節ナットの貫通孔は、前記ピン端の外側に外嵌され、前記コッターの他側は、前記シュート内を摺動可能である。
【0015】
更に、前記弾性部材は、可撓性を有するゴム管である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、下記有益な効果を有する。
【0017】
1、該偏心を自動的に調節可能な接続構造は、浮動ブッシュを用いることで、ピンヘッドをロックスリーブに挿入する過程で、案内ヘッドの案内作用で、浮動ブッシュがロックスリーブの半径方向に沿って移動し、且つピンヘッドがロックスリーブに入り続けるについて自動的に偏心修正と補正を行い、且つロック係止機構と嵌合してロッキングを完了させ、ピン部とロック部との固定を実現する。
【0018】
2、浮動ブッシュは、ロックスリーブの半径方向に沿って移動可能であり、固定ブラケットにはピンヘッドの案内ヘッドとマッチングするスラスト溝が設けられ、ピンヘッドがロックスリーブに入る時、案内ヘッドは、固定ブラケットのスラスト溝に接触してから、案内ヘッドの円錐台斜面を介してスラスト溝と嵌合され、浮動ブッシュ及び固定ブラケットを自動的に案内し、自動的な偏心修正を実現し、且つ最終的に挿着作業を完了させる。
【0019】
3、ピン端は、支持ブッシュ内に一定の横方向に移動する空間を有するとともに、浮動ブッシュは、ロックスリーブの半径方向に沿って移動可能であり、これによって、ピン部とロック部とが挿着されても、ピン部は、ロック部の半径方向に沿って移動してわずかに調節することができ、2つの部材における他のピン部とロック部とを順調に挿着することができる。すべてのピン部とロック部とを挿着した後、最終的に調節部を締めつけることで、2つの部材の最終的な組立作業を完了させる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図9】固定ブラケットがベースと押さえ枠に分離された後の構造概略図である。
【
図13】ピンヘッドが固定ブラケットを突き上げ、ベースと押さえ枠を分離させようとする時の構造概略図である。
【
図15】ベースと押さえ枠が分離され、ベースが上昇してロッキング部材を押す時の構造概略図である。
【
図19】ピン部が偏心ブッシュを用いる時の断面図である。
【
図20】ピン部が偏心ブッシュを用いる時の内部構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明について、図面と具体的な実施例を合わせて詳細に説明する。
【0022】
図1-
図20を参照すると、それぞれ2つの部材に配置されるロック部1及びピン部2を含み、前記ロック部1と前記ピン部2との間には調節部3が設けられ、前記ロック部1は、前記ピン部2に向かって開放されるロックスリーブ11、前記ロックスリーブ11の開放端に螺設される支持ブッシュ12、前記支持ブッシュ12に可動に設けられる浮動ブッシュ13及び前記浮動ブッシュ13に設けられるロック係止機構を含み、前記浮動ブッシュ13は、前記ロックスリーブ11の半径方向に沿って移動可能であり、前記ピン部2は、ピンスリーブ21及びピンヘッド4を含み、前記ピンスリーブ21は、前記ロック部1に向かって開放され、前記ピンヘッド4は、前記ピンスリーブ21の開放端にねじ接続されるねじ端41、及び前記ねじ端41に固定されるピン端42を含み、前記ピン端42の上部外周には環状スロット44が開けられ、前記ピン端42が上へ前記支持ブッシュ12と前記浮動ブッシュ13から突出した後、前記環状スロット44は、前記ロック係止機構に嵌合して固定され、前記調節部3は、前記ピン端42に外嵌され、且つ前記ピンヘッド4の前記ロックスリーブ11への挿入深さを制御することができ、前記ロックスリーブ11の他端と前記ピンスリーブ21の他端にはそれぞれコネクタ7が設けられる。
【0023】
上記記述に基づいて、該偏心を自動的に調節可能な接続構造は、主にロック部1、ピン部2及び調節部3を含む。ロック部1は、ロックスリーブ11、支持ブッシュ12、浮動ブッシュ13、ロック係止機構及びコネクタ7を含む。ロックスリーブ11のピン部2に向かう端は、開放して設けられ、支持ブッシュ12は、ロックスリーブ11の開放端に螺設され、浮動ブッシュ13は、支持ブッシュ12に可動に設けられ、且つロックスリーブ11の半径方向に沿って移動可能であり、ロック係止機構は、浮動ブッシュ13に設けられ、浮動ブッシュ13の移動中、浮動ブッシュ13に従って移動可能である。ピン部2は、ピンスリーブ21、ピンヘッド4及び別のコネクタ7を含む。ピンスリーブ21のロック部1に向かう端は、開放して設けられる。ピンヘッド4は、ねじ端41、ピン端42及び環状スロット44を含み、ねじ端41は、ピンスリーブ21の開放端にねじ接続され、ピン端42は、ねじ端41に固定され、且つロックスリーブ11に挿入することができ、環状スロット44は、ピン端42の上部外周壁に開けられ、ロック係止機構と嵌合され、ピン端42をロックスリーブ11内にロッキングすることができる。ピン端42が上へ順に支持ブッシュ12、浮動ブッシュ13から突出した後、環状スロット44は、ロック係止機構に嵌合して固定することができる。調節部3は、ピン端42に外嵌され、且つピン端42のロックスリーブ11への挿入深さを制御することができる。コネクタ7は、ロック部1とピン部2をそれぞれ部材に固定するために用いられる。
【0024】
特に、浮動ブッシュ13の外径がロックスリーブ11の内径よりも小さいため、浮動ブッシュ13は、ピン端42がロッキング機構によりロッキングされる前、ロックスリーブ11の半径方向に沿って移動可能である。ピン端42が浮動ブッシュ13の内周を通過できることを確保するために、ピン端42の外径は、浮動ブッシュ13の内径よりもやや小さいべきである。
【0025】
特に、コネクタ7は、鋼筋又は鋼棒である。また、コネクタ7は、ヘッダが設けられる又はねじ接続されるようにロック部1又はピン部2に嵌合される。
【0026】
特に、ねじ端41は、ピン端42と同軸に設けられる。
【0027】
更に、前記ロック係止機構は、押さえ枠55及びロッキング部材6を含み、前記ロッキング部材6の内周は、前記環状スロット44の外周に外嵌され、前記ロッキング部材6の下部は、前記浮動ブッシュ13の内周上部に収納され、前記押さえ枠55は、押さえリング56、支持管57及び止め輪58を含み、前記押さえリング56は、水平に設けられ、前記環状スロット44の外側上方に外嵌され、前記ロッキング部材6に押さえられ、前記支持管57は、垂直で中空であり、前記押さえリング56の内側上端に固定され、且つ前記ピン端42の外周に位置し、前記止め輪58は、垂直で中空であり、前記押さえリング56の外側下端に固定され、且つ前記ロッキング部材6の外側に位置し、前記浮動ブッシュ13の上方に位置する。
【0028】
上記記述に基づいて、ロック係止機構は、押さえ枠55及びロッキング部材6を含む。押さえ枠55は、押さえリング56、支持管57及び止め輪58を含む。押さえリング56は、環状スロット44の外側上方に外嵌され、且つロッキング部材6へ押さえられ、支持管57は、押さえリング56の内側上端に固定され、且つピン端42の上部外周に位置し、止め輪58は、押さえリング56の外側下端に固定され、且つロッキング部材6の外側であって、浮動ブッシュ13の上方に位置する。ロッキング部材6は、環状スロット44に外嵌され、環状スロット44、浮動ブッシュ13の内周上部、止め輪58の内周と押さえリング56の下端面は、取り囲むことで、ロッキング部材6を固定するための収納空間を形成する。ピン端42は、ロックスリーブ11に挿入され、ロッキング部材6が環状スロット44に入ると、ロックスリーブ11内にロッキングされ、ピン部2とロック部1との間の固定が実現される。
【0029】
特に、取り付ける前に、ロック係止機構の主体構造は、固定ブラケット5及びロッキング部材6である。前記固定ブラケット5は、同軸に設けられるベース51及び前記押さえ枠55を下から上へ順に含む。前記ベース51は、下端面にスラスト溝52が設けられる円柱形を呈する。前記ベース51の上端の外周には環状溝53が環状で開けられる。複数のリブ54は、円周方向に沿って均一な間隔を空けて前記環状溝53の上端の外側に固定され、前記リブ54の他端は、前記押さえリング56の内周に固定される。固定ブラケット5の環状溝53は、ロック部1を取り付ける時、ロッキング部材6を予備的に固定するための部材である。取り付ける時に、ベース51の外周は、浮動ブッシュ13の内周に嵌合される。使用時、ピンヘッド4のピン端42がロックスリーブ11内に入り、ピン端42の頂部がスラスト溝52に突き当てた後、スラスト溝52がピン端42の頂部と嵌合して偏心修正を実現することで、元々ロックスリーブ11の半径方向に沿って自由に移動可能であった浮動ブッシュ13を自動的に復帰して位置合わせることができる。その後、スラスト溝52がピン端42の突き押し力を受け続け、押さえ枠55の支持管57の頂部がロックスリーブ11の内側端面に突き当てた後、ベース51が上昇してリブ54が力により破断され、固定ブラケット5は、ベース51及び押さえ枠55に分離される。押さえ枠55は、ロッキング部材6を圧着固定する役割を果たし、ベース51は、支持管57内に位置する。
【0030】
特に、固定ブラケット5を取り付ける時、ベース51を浮動ブッシュ13の内周により容易に係合できるように、ベース51の外周には更に複数の鍔59が均一に設けられる。
【0031】
特に、リブ54の強度は、ベース51と押さえ枠55とを正常に分離させるために、ベース51及び押さえ枠55よりもはるかに低い。
【0032】
特に、支持管57の上端とロックスリーブ11の内側端面との間の間隔距離は、ロッキング部材6がベース51によりプッシュされた後の最大上昇ストロークよりも小さいべきである。このように、ロッキング部材6がベース51によりプッシュされて押さえ枠55を突き上げる時、支持管57は、押され、固定ブラケット5のリブ54が破断された後、ベース51と押さえ枠55は、分離され、元々押されていた支持管57は、弾性力を放出し、押さえリング56を介してロッキング部材6をピン端42の環状スロット44内に押し下げることができる。
【0033】
特に、止め輪58の内径は、ベース51の外径とロッキング部材6の横断面の長さの2倍との和よりもやや小さいべきである。ロッキング部材6は、ベース51によりプッシュされ、リブ54が破断され後、ベース51は、支持管57内に突き当てされる。ベース51の上昇中に、ロッキング部材6は、ベース51の外に仮嵌合し、この時、止め輪58は、押される。ベース51が押さえリング56を通過し、ロッキング部材6とベース51が分離された後、元々押されていた止め輪58は、弾性力を放出し、ロッキング部材6を内へピン端42の環状スロット44内に押すことができる。
【0034】
特に、ロッキング部材6の内径は、ロッキング部材6が環状スロット44に外嵌できるように、環状スロット44の溝底の内径よりもやや小さい。
【0035】
特に、押さえリング56の内径と支持管57の内径の各々は、ピン端42とベース51が正常に通過できるように、ピン端42の外径及びベース51の外径よりも大きい。
【0036】
特に、ロッキング部材6をより良く固定するように、浮動ブッシュ13の内周上部には傾斜溝16が傾斜に開けられる。
【0037】
特に、傾斜溝16と環状スロット44の上端との挟角αは、180°よりも小さいべきであり、且つ傾斜溝16のピン端42の軸線に近い側と環状スロット44のピン端42の軸線に近い側との間隔距離は、両者のピン端42の軸線から離れる側の間隔距離よりも大きいべきである。このように、ピン部2とロック部1をロッキングした後、傾斜溝16と環状スロット44は、ロッキング部材6を係合することができ、且つロッキング部材6が環状スロット44から抜け出るのを防止することができる。好適には、αは、15°である。
【0038】
特に、ピン端42の外径が支持ブッシュ12の内径よりも小さい(更にはるかに小さい)ため、ピン端42は、支持ブッシュ12内に一定の横方向に移動する空間を有する。このように、2つの部材におけるピン部2とロック部1とを嵌合する時、ピン部2のピンヘッド4とロック部1の支持ブッシュ12とが同軸でなくても、調節後にピン端42が支持ブッシュ12に正常に入ることができる限り、ピン端42の頂部と固定ブラケット5のスラスト溝52との間の案内嵌合によって偏心修正を実現することができ、更に元々ロックスリーブ11の半径方向に沿って自由に移動可能であった浮動ブッシュ13を自動的に復帰して位置合わせし、この後、ピン部2とロック部1との間の挿着嵌合を完了させる。なお、2つの部材における1組のピン部2とロック部1とを挿着した後、ピンヘッド4と支持ブッシュ12とが位置合わせられていないことのみにより、部材における他のピン部2とロック部1とを取り付けることができない場合に、ピン端42が支持ブッシュ12内に一定の横方向に移動する空間を有するとともに、浮動ブッシュ13がロックスリーブ11の半径方向に沿って移動可能であることによって、ピン部2とロック部1とが挿着されても、ピン部2は、ロック部1の半径方向に沿って移動してわずかに調節することができ、部材における他のピン部2とロック部1とを順調に挿着することができる。すべてのピン部2とロック部1とを挿着した後、調節部3を締めつけることで、最終的な組立作業を完了させる。
【0039】
特に、浮動ブッシュ13の外径とロックスリーブ11の内径との差分は、ピン端42の外径と支持ブッシュ12の内径との差分よりもやや大きいべきである。
【0040】
更に、前記ロッキング部材6は、ゴムリング61、及び複数の円弧状リングブロック62を含み、前記ゴムリング61の内周は、前記環状スロット44の外周に外嵌され、前記ゴムリング61の下部は、前記浮動ブッシュ13の内周上部に収納され、前記ゴムリング61は、内部が中空の環状構造を呈し、複数の前記円弧状リングブロック62は、取り囲むことで完全な環状構造を形成することができ、前記円弧状リングブロック62により形成される環状構造は、前記ゴムリング61の環状構造の内部に収納される。
【0041】
上記記述に基づいて、ロッキング部材6は、ゴムリング61、及び複数の円弧状リングブロック62を含む。ゴムリング61は、環状スロット44に外嵌され、ゴムリング61の内部は、中空であり且つ円弧状リングブロック62が収納される。ゴムリング61は、弾性及び可撓性を有し、ピン端42とベース51がその内周を通過することができ、且つ元の形状に回復して環状スロット44に外嵌することができる。複数の円弧状リングブロック62は、取り囲むことで完全な環状構造を形成して、環状スロット44の中にロッキングすることができる。複数の円弧状リングブロック62は、ピン端42とベース51が通過するように分離され、最後にゴムリング61の弾性力の作用で、環状スロット44の中にロッキングすることもできる。
【0042】
特に、加工時に、円弧状リングブロック62にゴム被覆を施すことにより、ロッキング部材6を加工することができる。
【0043】
特に、ロッキング部材6は、複数のボールであってもよい。
【0044】
更に、前記ピン端42は、挿入棒43、前記環状スロット44及び案内ヘッド45を含み、前記挿入棒43は、前記ねじ端41の上端に固定され、前記環状スロット44は、前記挿入棒43の先端の外周壁に環状で設けられ、前記案内ヘッド45は、前記環状スロット44の上端に固定され、上から下へ小さくなる円錐台形構造を呈する。
【0045】
上記記述に基づいて、ピン端42は、挿入棒43、環状スロット44及び案内ヘッド45を含む。案内ヘッド45は、上から下へ小さくなる円錐台形構造を呈し、主に円錐台面の斜面構造を利用することで、ピン端42を軸方向に沿ってロックスリーブ11に挿入しながら、半径方向においてスラスト溝52によって固定ブラケット5及び浮動ブッシュ13を引くことができ、元々ロックスリーブ11の半径方向に沿って自由に移動可能であった浮動ブッシュ13を自動的に復帰して位置合わせることができ、後続の挿着作業に有利である。
【0046】
特に、ベース51のスラスト溝52は、案内ヘッド45が固定ブラケット5をより良く引くことができるように、案内ヘッド45の円錐台形構造とマッチングする。
【0047】
特に、環状スロット44のピン端42における高さ位置は、ロックスリーブ11における浮動ブッシュ13の傾斜溝16の位置とマッチングすべきである。環状スロット44は、挿入棒43が短すぎて環状スロット44が適切な位置に到達できないため取り付けが完了できないか、挿入棒43が長すぎて適切な位置に取り付けられたロッキング部材6が挿入棒43により押されて故障するのを防止するために、傾斜溝16の位置よりもやや高いべきである。
【0048】
特に、傾斜溝16の底部と環状スロット44の上部は、円弧状に設けることができ、ロッキング部材6の外周に適合し、ロッキング部材6への被覆効果を高め、脱落を防止することを目的としている。また、円弧状の面も受力面積を大きくし、ロッキング部材6の受力状況を改善することができる。
【0049】
更に、偏心ブッシュ22を更に含み、前記偏心ブッシュ22の外周は、前記ピンスリーブ21の開放端の内側にねじ接続され、前記ピンヘッド4のねじ端41は、前記偏心ブッシュ22の内周にねじ接続され、前記ピンヘッド4のねじ端41は、前記ピンスリーブ21と偏心して設けられる。
【0050】
上記記述に基づいて、ピンヘッド4とピンスリーブ21との間には偏心ブッシュ22が更に設けられる。偏心ブッシュ22を設けることによって、主にピンヘッド4のピン端42とピンスリーブ21を偏心処理し、偏心ブッシュ22を調節した後、偏心後のピン端42が支持ブッシュ12内の異なる位置にあることができ、偏心修正作業により有利である。
【0051】
特に、偏心ブッシュ22の底部は、ピンヘッド4が偏心ブッシュ22の底部から抜けないように閉じて設けられている。
【0052】
特に、支持ブッシュ12又は偏心ブッシュ22を容易に調節するために、支持ブッシュ12の下端及び偏心ブッシュ22の上端にはいずれも係止口17が開けられる。
【0053】
更に、前記支持管57の外周に外嵌され、上端が前記ロックスリーブ11の内側端面の下方に密着し、下端が前記押さえリング56の上端に密着する弾性部材14を更に含む。弾性部材14は、主に支持作用を果たし、且つ押さえ枠55がロッキング部材6を確実に押すように弾性力を提供する。
【0054】
更に、前記ロックスリーブ11の内側端面の下方に固定され、前記弾性部材14の上端がその下端に密着するガスケット15を更に含む。ガスケット15は、コネクタ7とロックスリーブ11の内側端面との間の嵌合問題により支持管57の上端又は弾性部材14の上端が係止されて動かず、ロッキング部材6とピンヘッド4とが正常に嵌合できないことによる故障問題を防止するための完全で滑らかな平面を提供することに主に使用される。
【0055】
更に、前記調節部3は、調節ナット31及びコッター33を含み、前記調節ナット31の中部には、前記ピンヘッド4が貫通するための垂直で中空の貫通孔が開けられ、前記調節ナット31の内側には、前記貫通孔に連通する垂直なキー溝32が開けられ、前記コッター33の一側は、前記キー溝32内に係合固定され、前記ピン端42の外周壁には、垂直なシュート46が軸方向に沿って開けられ、前記シュート46の上端は、前記環状スロット44に連通し、前記調節ナット31の貫通孔は、前記ピン端42の外側に外嵌され、前記コッター33の他側は、前記シュート46内を摺動可能である。
【0056】
上記記述に基づいて、調節部3は、調節ナット31及びコッター33を含む。調節ナット31の中部の貫通孔にはキー溝32が開けられ、コッター33の一側は、キー溝32内に係合固定される。ピン端42の外周壁にはシュート46が開けられ、且つコッター33の他側は、シュート46内を摺動可能である。このように、調節ナット31を回動させる時、コッター33とシュート46との間の嵌合によりピンヘッド4を回動させることができ、ねじ端41とピンスリーブ21との間のねじ嵌合により、ピンヘッド4を進退させ、ロックスリーブ11に出入りさせることができる。
【0057】
特に、シュート46は、ピン端42の挿入棒43に開けられる。
【0058】
更に、前記弾性部材14は、可撓性を有するゴム管である。
【0059】
特に、弾性部材14は、ばねであってもよい。
【0060】
本発明の作動原理は、以下のとおりである。
【0061】
図6-
図7を参照すると、ロック部1の初期取り付け状態での概略図である。この時、固定ブラケット5は、浮動ブッシュ13の内周に取り付けられ、ロッキング部材6は、環状溝53に取り付けられ、浮動ブッシュ13は、ロックスリーブ11の半径方向に沿って移動可能である。支持管57の上端とガスケット15との間には隙間が残され、弾性部材14は、押される状態にある。
【0062】
図11を参照すると、ピン部2の初期取り付け状態での概略図である。この時、案内ヘッド45及び一部の環状スロット44のみは、調節ナット31の上端より高くなっている。
【0063】
使用時、まず、1つの部材を他の部材の上につり下げ、2つの部材間の相対位置を調節して、2つの部材における互いに嵌合するピン部2とロック部1を実質的に位置合わせできるようにする。そして、挿着作業を開始する。
【0064】
図17-
図18を参照すると、第1段階--偏心修正段階で、調節ナット31を回転させることで、ピンヘッド4をロックスリーブ11の中に挿入する。ピン端42が支持ブッシュ12に入り、案内ヘッド45の上部が固定ブラケット5のスラスト溝52に接触し、且つ案内ヘッド45の円錐台面の案内作用により、浮動ブッシュ13及びロック係止機構を引くことで、浮動ブッシュ13とロック係止機構が最終的にピンヘッド4と同軸になることができる。
【0065】
特に、最も極端な状態、即ちピン端42が一側に向かって支持ブッシュ12の内周に密着し、浮動ブッシュ13及びロック係止機構が他側に向かってロックスリーブ11の内周に密着する状態では、この時、案内ヘッド45の上部外側が依然としてスラスト溝52の下部内側の位置する範囲内に位置することができることによって、案内ヘッド45が偏心修正の機能を実現することができる。
【0066】
図13-
図14を参照すると、第2段階--突き押し段階で、ピン端42が前進し続けるにつれて、案内ヘッド45の先端は、スラスト溝52の端面に突き当てる。ピン端42が前進を続けると、固定ブラケット5は、支持管57の先端がガスケット15に接触し、且つ支持管57が押圧されるまで突き上げられる。同時に、弾性部材14は、押され続ける。ピン端42が前進を続けると、リブ54は、力により破断され、固定ブラケット5は、ベース51と押さえ枠55に分離される。
【0067】
図15-
図16を参照すると、第3段階--遷移段階で、ベース51と押さえ枠55が分離された後、ピン端42が前進し続けるにつれて、環状溝53の下部外径が徐々に拡大するため、ロッキング部材6は、環状溝53の下部に沿って拡大し、最終的にベース51の外側を取り囲む。同時にロッキング部材6は、外部に拡大するため浮動ブッシュ13の傾斜溝16に沿って上昇する。この時、ロッキング部材6は、最大拡大状態と最大高さストローク状態にある。同時に、ロッキング部材6が外部に拡大し、上昇するため、押さえ枠55は、ロッキング部材6により突き上げられ、支持管57及び弾性部材14は、押され、且つ両者は、いずれも最大に押される状態にあり、なお、ロッキング部材6の外周も止め輪58の内周を押圧する。
【0068】
図1-
図5を参照すると、第4段階--ロッキング段階で、ベース51が押さえリング56を通過し、ロッキング部材6がベース51の外周と分離されるまで、ピン端42は、前進し続ける。ピン端42が前進し続けるにつれて、ロッキング部材6は、案内ヘッド45の外側から環状スロット44の外側に移動する。元々押されていた止め輪58は、弾性力を放出し、ロッキング部材6を内へ押す。環状スロット44の外径が案内ヘッド45外径よりも小さいため、ゴムリング61の弾性力作用で、ロッキング部材6は、内へ縮んで復帰し、環状スロット44に外嵌される。同時に、元々押されていた支持管57と弾性部材14は、弾性力を放出し、押さえ枠55を押し下げ、浮動ブッシュ13の傾斜溝16に沿って下がるようにロッキング部材6を押さえリング56によりプッシュし、ロッキング部材6を環状スロット44へ押さえ、ロッキングの作用を実現する。
【0069】
2つの部材におけるすべての接続構造の挿着が完了した後、接続構造を1つずつ調節する。調節ナット31を回転させることで、ピンヘッド4を最大前進状態にする。環状スロット44が傾斜溝16の位置よりもやや高いため、ピンヘッド4が最大前進状態に達した後、ロッキング部材6は、挿入棒43によりわずかに押され、依然として浮動ブッシュ13の傾斜溝16内にあり、接続構造全体が故障することはなく、また、ロッキング部材6が環状スロット44内にあることを確保し、ロッキング効果を確保する。そして調節ナット31を逆方向に回転させることで、ピンヘッド4を後退させると、ロッキングを完了させることができる。傾斜溝16と環状スロット44の上端との挟角αが180°よりも小さいため、ピンヘッド4が後退した後、ロッキング部材6は、挟角αにより環状スロット44の中に滞在し、再び外部に拡大することなく、ロッキング部材6の脱落を効果的に防止する。
【0070】
2つの部材におけるすべての接続構造の挿着が完了した後、ロックスリーブ11とピンスリーブ21との隙間にセメントや粘着剤などのシール材を塗布し、接続構造間の隙間を充填し、接続構造の接続強度を高め、接続構造が緩むか腐食され、接続構造を故障させるのを防止する。
【0071】
図19-
図20を参照すると、偏心ブッシュ22を使用する時、偏心後のピン端42は、支持ブッシュ12内の異なる位置にあることができ、偏心修正作業及び後続の部材調節作業により有利である。
【0072】
以上述べたのは本発明の実施例にすぎず、したがって本発明の特許範囲を制限するものではなく、本発明の明細書及び図面の内容を用いて行った等価構造又は等価フロー変換、又は直接的又は間接的に他の関連する技術分野に運用されるものは、すべて同様に本実用新案登録請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1、ロック部;11、ロックスリーブ;12、支持ブッシュ;13、浮動ブッシュ;14、弾性部材;15、ガスケット;16、傾斜溝;17、係止口;2、ピン部;21、ピンスリーブ;22、偏心ブッシュ;3、調節部;31、調節ナット;32、キー溝;33、コッター;4、ピンヘッド;41、ねじ端;42、ピン端;43、挿入棒;44、環状スロット;45、案内ヘッド;46、シュート;5、固定ブラケット;51、ベース;52、スラスト溝;53、環状溝;54、リブ;55、押さえ枠;56、押さえリング;57、支持管;58、止め輪;59、鍔;6、ロッキング部材;61、ゴムリング;62、円弧状リングブロック;7、コネクタ。
【国際調査報告】