特表 2024-532548 光電型透水性舗装地下貯水自動化システム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-09-05

(54)【発明の名称】光電型透水性舗装地下貯水自動化システム

(51)【国際特許分類】

   E01C 5/00 20060101AFI20240829BHJP

【ＦＩ】

E01C5/00

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2024514597

(86)(22)【出願日】2022-05-09

(85)【翻訳文提出日】2024-03-05

(86)【国際出願番号】 CN2022091724

(87)【国際公開番号】W WO2023065647

(87)【国際公開日】2023-04-27

(31)【優先権主張番号】202111218202.X

(32)【優先日】2021-10-20

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】511219386

【氏名又は名称】陳瑞文

【氏名又は名称原語表記】ＣＨＥＮ，ＪＵＩ－ＷＥＮ

(74)【代理人】

【識別番号】100143720

【弁理士】

【氏名又は名称】米田 耕一郎

(72)【発明者】

【氏名】陳瑞文

【テーマコード（参考）】

2D051

【Ｆターム（参考）】

2D051AA02

2D051AD05

2D051AH01

2D051DA01

2D051DA11

2D051DB04

(57)【要約】

【課題】本発明は、エネルギー貯蔵及び貯水等の複数の機能を兼ね備える舗装構造を構築できる光電型透水性舗装地下貯水自動化システムを提供する。
【解決手段】光電子モジュール、透水性ユニット、貯水構造からなる。光電子モジュールは地表に配列且つ敷設されるとともに、光電子モジュールには台座が設けられる。台座の周縁には透水性通路が設けられ、台座の頂面にはソーラーパネルが取り付けられる。台座の底面には固定部品が設けられ透水性ユニットの上方に位置決めされる。台座の内部には中空部が設けられ、中空部は外側に延在し、隣り合う台座と連通する連通管に連結される。透水性ユニットは透水性舗装であり、複数の直立状の透水性パイプが設けられてなるフレーム体構造、セメントスラリーが注入されてなる透水性舗装、透水性材料が直接敷設されてなる透水性舗装、または孔をあけ透水性孔が形成された透水性舗装である。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】

【請求項1】

光電子モジュールと、透水性ユニットと、貯水構造とからなる光電型透水性舗装地下貯水自動化システムであって、
前記光電子モジュールは、地表に鋪設され、前記光電子モジュールには、台座が設けられ、前記台座の周縁には、透水性通路が設けられ、前記台座の頂縁には、フレームが設けられ、前記フレーム内部には、ソーラーパネルが嵌設され、前記台座の底面には、固定部品が設けられることで、前記台座の底面は前記透水性ユニットの上方に位置決めされ、前記台座内部には、中空部が設けられ、前記中空部の周縁には、貫通孔が設けられることで、連通管が嵌合されるとともに隣り合う前記台座と相互に連通し、
前記透水性ユニットは、透水性舗装であるとともに、前記光電子モジュールの下方に配置され、
前記貯水構造は、地下の貯水空間であり、前記貯水構造は、前記透水性ユニットの下方における地下層の中に埋設され、
上述の構成部品を組み立ててなる舗装構造により、前記光電子モジュールを介して太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換させて使用し、前記透水性ユニットにより雨水を迅速に地下まで誘導排水するとともに、雨水を貯水構造の中に保存して再利用することを特徴とする、光電型透水性舗装地下貯水自動化システム。

【請求項2】

前記フレーム体構造における隣り合う2つの前記光電子モジュールの間に配列される透水性パイプは、比較的長く、前記透水性パイプの頂端は、地表と同一平面であることを特徴とする、請求項1に記載の光電型透水性舗装地下貯水自動化システム。

【請求項3】

前記台座周縁に設けられる前記透水性通路は、波形状の周縁が設けられた前記光電子モジュールの前記ソーラーパネルを前記台座の前記フレーム内部に配置してなり、さらに、前記フレームの底部には、凸リブが設けられることで、前記ソーラーパネルと前記台座の間には、雨水を浸透させる隙間が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の光電型透水性舗装地下貯水自動化システム。

【請求項4】

前記台座周縁に設けられる前記透水性通路は、各角にパッドブロックが設けられた前記光電子モジュールの前記ソーラーパネルを、前記台座の前記フレーム内部に嵌設することでなり、さらに、前記フレームの底部には、前記凸リブが設けられることで、前記ソーラーパネルと前記台座の間には、雨水を浸透させる隙間が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の光電型透水性舗装地下貯水自動化システム。

【請求項5】

前記台座周縁に設けられる前記透水性通路は、透水性孔または透水性隙間を有するように前記台座周縁を一体形成してなるか、または、前記透水性孔または前記透水性隙間が形成されるように別途構成部品を嵌設してなることを特徴とする、請求項1に記載の光電型透水性舗装地下貯水自動化システム。

【請求項6】

前記光電子モジュールの前記台座の底面には、さらにアンカー部が設けられることで、コンクリート構造と安定して結合することを特徴とする、請求項1に記載の光電型透水性舗装地下貯水自動化システム。

【請求項7】

前記透水性ユニットは、複数の直立した前記透水性パイプが組み立てられてなる前記フレーム体構造に、セメントスラリーを注入してなる透水性舗装であることを特徴とする、請求項1に記載の光電型透水性舗装地下貯水自動化システム。

【請求項8】

前記透水性ユニットは、透水性材料を直接敷設してなる透水性舗装、または、各種舗装に孔をあけることで透水性孔が形成された透水性舗装のうちのいずれかであるとを特徴とする、請求項1に記載の光電型透水性舗装地下貯水自動化システム。

【請求項9】

前記透水性ユニットの頂部には、導水層が設けられ、前記導水層は、砂利層、透水性コンクリート層、または、その他の透水性材料の下地であることを特徴とする、請求項1に記載の光電型透水性舗装地下貯水自動化システム。

【請求項10】

前記貯水構造の中空ユニット体は、積みブロックを連結してなり、前記積みブロックの頂部には、貫通孔を備える板片が設けられ、カラムが、前記板片の底側にそって突出するとともに、前記カラムの端部には、連結時に位置決めするための凸リングと凹溝がそれぞれ設けられ、さらに、前記板片の周囲には、相互に対応する凸ほぞと、ほぞ溝が設けられることで、隣り合うユニット体は、相互にほぞ接ぎによりつなぎ合わせられ、最も外側の周囲の前記各ユニット体の外側面には、同様に前記貫通孔を備える側板が覆設され、以上により、貯水構造が構成されることを特徴とする、請求項1に記載の光電型透水性舗装地下貯水自動化システム。

【請求項11】

前記各ユニット体の前記積みブロックにおける前記板片の頂部の四周には、掛け溝がさらに設けられ、前記側板における前記掛け溝に対応する部分には、フックが設けられることで、前記側板は、前記ユニット体の側面に固定されることを特徴とする、請求項10に記載の光電型透水性舗装地下貯水自動化システム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、光電型透水性舗装地下貯水自動化システムの技術分野に関し、特に、太陽エネルギー電力システムを備えるグリーンエネルギー舗装であると同時に、迅速に雨水を誘導排水及び貯水する機能を兼ね備える防災型舗装を構築することで、雨水の再利用を可能にすることのできる光電型透水性舗装地下貯水自動化システムに関する。

【背景技術】

【0002】

古くから、土壌は集水及び保水の機能を備えている。しかしながら、都市部が進歩と拡大を続けることで、さまざまな施設が大量に建設されており、不透水性の舗装が増加し続けていることで、集水域が元々備える保水能力が徐々に失われ、地表流出量が大幅に増加している。さらに、地球温暖化による気候変動の影響で、各都市圏は、洪水を防ぐ面でより大きなプレッシャーに直面している。

【0003】

地球温暖化に対抗し、環境負荷及びそれによって引き起こされる悪影響を軽減するため、近年、多くの場所で対策のための調整処置及び持続可能な開発政策が提案されており、例えば、スポンジシティ及びエネルギー転換等の政策が推進されている。スポンジシティとは、都市において洪水や冠水を防ぐとともに生態環境を保護する機能を併せ持つことが望まれる新型の都市モデルであり、例えば、非透水性の舗装に代わって透水性の舗装を建設することで、雨が降った際に水を吸収し、水を溜め、水を浸透させ、水を浄化させることができ、気候が乾燥して暑い時には、水蒸気を放出することでヒートアイランド現象を改善することができ、地球温暖化といった状況が拡大していくのを防ぐことができる。エネルギー転換とは、再生可能エネルギーの利用を推進し、グリーンエネルギーによってエネルギー構造を改善することで、温室効果ガスの排出を削減し、環境の質を改善するとともに、次世代にきれいな地球を残すという取り組みである。

【0004】

従って、本発明者は、上述のニーズを踏まえて、積極的に研究及び設計を進めるとともに、慎重な評価を経て、革新的且つ実用的な本発明を開発することができた。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

本発明は、ソーラーパネルを介して光エネルギーを電気エネルギーに変換させて使用できるだけでなく、地表の雨水を迅速に地下まで誘導排水することで、地表で水害が生じる可能性を低減でき、さらに、地下水資源を涵養できるとともに、地下水資源の保存及び光電パネルを自動で洗ったり光電パネルの温度を下げたりするのに使用できると同時に、防災機能を兼ね備え、光電、貯水といったグリーンエネルギーを再利用することのできる光電型透水性舗装地下貯水自動化システムを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上述の目的を達成するため、本発明の光電型透水性舗装地下貯水自動化システムは、光電子モジュールと、透水性ユニットと、貯水構造とからなる。

【0007】

前記光電子モジュールは地表に鋪設され、前記光電子モジュールには台座が設けられる。台座の周縁には、透水性通路が設けられ、前記台座の頂縁には、フレームが設けられ、フレーム内部には、ソーラーパネルが嵌設される。前記台座の底面には、固定部品が設けられることで、透水性ユニットの上方に位置決めされる。さらに、台座内部には、中空部が設けられ、中空部の周縁には、貫通孔が設けられることで、連通管が嵌合されるとともに隣り合う台座と相互に連通する。

【0008】

前記透水性ユニットは、透水性舗装であり、光電子モジュールの下方に配置される。

【0009】

前記貯水構造は、地下の貯水空間であり、前記貯水構造は、上述の透水性ユニットの下方における地下層の中に埋設される。

【0010】

上述の構成部品を組み立ててなる舗装構造により、光電子モジュールを介して太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換させて使用できるだけでなく、透水性ユニットにより雨水を迅速に地下まで誘導排水するとともに、雨水を貯水構造の中に保存して再利用することができる。

【発明の効果】

【0011】

構成部品を組み立てて構築される光電型透水性地面舗装は、人や車が通行することができるだけでなく、晴れの日には、地表に配置された光電子モジュールにより太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換させて使用することができる。雨が降ると、各排水孔により地面の雨水を迅速に地下まで誘導排水することで、ソーラーパネルが水没するのを効果的に防ぐことができる。同時に、地表で水害が生じるのを防ぎ、排水性舗装における貯水設備により雨水を回収且つ保存すると同時に、地下水資源を涵養することもでき、グリーンエネルギーと防災機能を兼ね備えた地表舗装を実現することができる。同時に、回収した雨水は、保存されたり、光電パネルを自動で洗ったり光電パネルの温度を下げたりするのに使用される。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】本発明における各構成部品の斜視外観図である。

【図2】本発明における光電子モジュールの構造分解図である。

【図2A】本発明における光電子モジュールの別の実施列の分解図である。

【図3】本発明の光電子モジュールにおける台座と透水性ユニットの構造分解図である。

【図4】本発明の貯水構造における中空ユニット体の分解図である。

【図5】本発明の貯水構造における中空ユニット体の斜視外観図である。

【図5A】本発明における図5の部分拡大図である。

【図6】本発明におけるグラウチング作業の実施図である。

【図7】本発明の光電子モジュールにソーラーパネルを取り付けた状態を示した図である。

【図8】本発明の構築が完成した状態を示した図である。

【図9】本発明における図8の部分断面図である。。

【図10】本発明における取水管を連結した実施例の断面図である。

【図11】本発明の透水性ユニットに鉄筋を設けた状態を示した斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0013】

図1から図5を参照する。本発明の光電型透水性舗装地下貯水自動化システムは、光電子モジュー10と、透水性ユニット20と、貯水構造30とからなる。

【0014】

前記光電子モジュール10には、台座11と、ソーラーパネル12と、連通管13が設けられる。前記台座11は、地表に敷設され、台座周縁には、透水性通路が設けられ、台座における頂縁には、フレーム111が設けられる。ソーラーパネル12は、前記フレーム111の内部に取り付けられるとともに、前記台座11における底面には、固定部品112が設けられることで、透水性ユニット20の上方に位置決めされる。さらに、台座11の内部には、中空部113が設けられ、中空部113の周縁には、外側に延在する貫通孔114が設けられる。前記貫通孔114により連通管13を挿入して接合することができ、それにより、連通管13は、隣接する台座11と相互に連通した状態で地下に埋設される。

【0015】

台座11の隣接側に連通する別の隣り合う台座11がない場合、前記隣接側の貫通孔114にエンドキャップ14が嵌着されることで貫通孔114が密閉される。本発明の前記台座11の底面には、複数のアンカー部115がさらに設けられることで、セメントスラリー60が固まるとアンカー構造が形成される。それにより、前記台座11は、地表により堅固に敷設される。

【0016】

図2、図2Aを参照する。台座11の周縁に設けられる透水性通路と、前記光電子モジュール10に設けられるソーラーパネル12は、外枠121の材質に基づいて異なる形状が採用されるとともに、光電子モジュール10と台座11が嵌合されると、前記台座11のフレーム111の段差の縁内に適当な間隔をあけて取り付けられる。図2に示す通り、前記外枠121がプラスチック製である場合、外枠121の周縁を波形状にして設け、台座11におけるフレーム111の段差の縁には、凸リブ116が設けられる。従って、ソーラーパネル12を、台座11におけるフレーム111の段差の縁に取り付けることで、適当な隙間が形成される。図2Aに示す通り、ソーラーパネル12の外枠121が金属製である場合、ソーラーパネル12の材積は、台座11のフレームであるフレーム111の面積よりやや小さく設計され、さらに、ソーラーパネル12の外枠121における各角には、パッドブロック122が設けられることで、前記ソーラーパネル12の周縁には、台座11のフレーム111との間に隙間が形成されるとともに、前記ソーラーパネル12の周縁は、台座11のフレーム111と相互に嵌合される。これにより、容易に取り付けることができるとともに、地表の雨水をソーラーパネル12と台座11フレーム111の間に形成された隙間により中空部113内に浸透させることができる。

【0017】

図示されていない別の実施例では、前記台座11の周縁に設けられる透水性通路は、台座11の周縁に一体形成された透水性孔または透水性隙間である、または、別に嵌設された構成部品により形成された透水性孔または透水性隙間である。こうすることで、ソーラーパネル12は、前記フレーム111の内部に直接取り付けられ、両者の周縁が組み合わされて透水性孔または透水性隙間が形成されるわけではないものの、この技術的手段も本発明の請求範囲に含まれる。

【0018】

前記透水性ユニット20は、複数の間隔をあけて配列された直立状の透水性パイプ21及び透水性パイプ21aが組み合わされてなるフレーム体構造である。前記透水性ユニット20は、光電子モジュール10の下方に配置されるとともに、前記フレーム体構造における隣り合う2つの光電子モジュール10の間に配列される透水性パイプ21aは、比較的長く、その頂端は、地表と同一平面であり、その他の透水性パイプ21は、光電子モジュール10の台座11の下方に架設される。前記透水性ユニット20における透水性パイプ21と透水性パイプ21aの上端のパイプの口には、格子状天板22またはカバー体または網状のカバー体がそれぞれ設けられ、遮断効果を形成することで、セメントスラリー60の注入作業の際に詰まるのを防ぐことができる。パイプ体の底縁には、外側に広がる連結リブ23が設けられ、パイプ体の底縁は、別の透水性パイプ21と透水性パイプ21aに連結されることで、各透水性パイプ21と透水性パイプ21aが相互に連結してフレーム体構造が形成される。さらに、前記フレーム体構造における一番外側の隣り合う2つの連結リブ23の周辺には、相互に対応する凸ほぞ24と嵌合溝25が設けられることで、別の透水性ユニット20が連結され且つ組み合わされて敷設される。

【0019】

前記貯水構造30は、上述の透水性ユニット20の下方に設けられ、多孔性の中空ユニット体30aが組み合わされてなる。前記貯水構造30の外部は、不織布40によって選択的に覆う、または、不織布で覆わない。不織布で覆うことで前記貯水構造30の内部に土砂が流入するのを防ぐことができる。図6に示す通り、異なる地質エリアでは、貯水構造30の外部を不織布40で覆わないこともできる。前記貯水構造30は、所定の位置の地下層の中に直接埋設される。さらに、前記のユニット体30aは、上下が対称の積みブロック31であるとともに同様に貫通孔321を備える側板32が連結されてなる。前記積みブロック31における頂部には、貫通孔311を備える板片312が設けられ、板片312の表面には、くぼみ部313が設けられるとともに、前記くぼみ部313内には、板片312の底側に向かって突出するカラム314が設けられ、各カラム314の端部には、対応するリング315と凹溝316がそれぞれ設けられることで、上下2つの積みブロック31を連結して相互に固定且つ位置決めすることができる。同時に、ユニット体30aの内部に支持効果を形成することができ、さらに、積みブロック31における板片312の周囲には、相互に対応する凸ほぞ317と、ほぞ溝318がさらに設けられることで、隣り合うユニット体は、相互にほぞ接ぎによりつなぎ合わせられる。

【0020】

図5、図5aを参照する。前記積みブロックにおける板片の頂部の四周には、掛け溝319がさらに設けられ、側板32の前記掛け溝319における対応する部分には、フック322が設けられることで、側板32は、各ユニット体30aの最も外側の周囲に係入固定され且つ覆設されることで、貯水構造30が構成される。

【0021】

図3、図6から図9を参照する。本発明を実施する場合、まず、前記光電型透水性舗装を構築する塗床を整地するとともに、全体的な舗装計画の設計図に基づいて、透水性ユニット20と貯水構造30を、構築したい舗装と同じ面積の施工エリアにすべて敷設する。

【0022】

前記貯水構造30は、状況に応じて選ぶことができ、本考案の好ましい実施例における貯水構造では、現場の地質構造に基づいて選択的に外側を不織布40で覆うまたは不織布で覆わないとともに、不織布40は、透水性不織布または不透水性不織布のいずれであることもできる。前記貯水構造30は、所定の位置に従って部分的に配置され地下の土壌層Aの中に直接埋設されると同時に、前記貯水構造30の頂部には、導水層Bがさらに敷設されるとともに、透水性ユニット20を、舗装を構築したい施工エリアにすべて敷設することで、前記透水性ユニット20と貯水構造30の間には、導水層Bが設けられる。導水層Bは、砂利層、透水性コンクリート層、または、その他の透水性材料の下地であることができる。続いて、光電子モジュール10における台座11の下方に突出する固定部品112を、透水性ユニット20に対応する透水性パイプ21の頂部のパイプの口の部分に嵌接して固定且つ位置決めすることで、台座11が透水性ユニット20の上方に安定して敷設されるとともに、中空部113内のフレームには、露出した透水性パイプ21が設けられることが好ましく、透水性ユニット20の中の比較的長い透水性パイプ21aは、隣り合う台座11の間に配列される。さらに、前記透水性パイプ21の口部分に設けられる格子状天板22は、薄く設計されることで、前記光電子モジュール10の台座11が組み立てられる場合、底部の固定部品112により、簡単に突き破られて開いた状態となることで嵌着され且つ位置決めされた後、連通管13の両端を隣り合う2つの台座11の貫通孔114の中にそれぞれ嵌接することで、各台座11の間には、相互に連通した状態が形成される。最後に、セメントスラリーの注入作業を実行することで透水性舗装が形成される。透水性舗装は、透水性材料を直接敷設してなる透水性舗装、または、各種舗装に孔をあけることで透水性孔が形成された透水性舗装のうちのいずれかである。

【0023】

透水性パイプ21の口には、カバー体または網状のカバー体が設けられることで、同様に遮断効果を形成することができ、セメントスラリー60の注入作業が終わってから、一時的に詰められていたカバー体を取り除くことで、詰まるのを防ぐことができる。

【0024】

セメントスラリー60の注入作業をよりしやすくするため、注入作業の前に、光電子モジュール10における台座11の頂縁フレーム111の内側から中空部113の間を枠カバー15によって覆うことができる、または、図示されていない別の実行可能な方法で、例えば、テープまたは不織布で覆うことで、台座11におけるソーラーパネル12を取り付けるエリアがセメントスラリー60で覆われることがないようにする。セメントスラリー60が固まってから、前記枠カバー15、テープまたは不織布を取り除く。さらに、セメントスラリー60の注入作業を行う場合、前記透水性ユニット20における露出した各透水性パイプ21、透水性パイプ21aの上端にはいずれにも、格子状天板22が設けられることで、セメントスラリー60がパイプの口部分でせき止められる。従って、セメントスラリーが適度に固まり成形されると、高圧スプレーガンにより噴出した高圧空気または水柱により、各透水性パイプ21及び透水性パイプ21aの格子状天板22の上面に残った泥を吹き飛ばすことで、台座11の周縁及び中空部113内に、複数の排水孔26が形成されたコンクリート構造の透水性舗装層Cを構築することができる。最後に、連通管13に電線を通して、電気的に接続されたソーラーパネル12を各台座11内に設置することで、光電型透水性舗装全体の設置が完了する。

【0025】

雨季の時期に、地表で短時間に大雨が降った場合、地表の光電子モジュール10間に形成された各排水孔26と、ソーラーパネル12と台座11の間に形成された適当な隙間により、雨水は中空部113内の各排水孔26に浸透することができ、さらに、透水性パイプ21と透水性パイプ21aにより雨水は迅速に導水層Bの地下まで誘導排水されることで、比較的短時間で水害を防ぐことができるとともに、地下水資源を涵養することもできる。よって、短時間で効果的且つ迅速に地面の排水を達成するとともに地下水を涵養することができる。貯水構造30内部の貯水空間により、迅速且つ大量に水を貯蔵できることで、比較的短時間で地域的な水害が生じる可能性を低減できる。地面の雨水が浸透し終わると、一定の時間をかけて地下の土壌層にゆっくりと浸透していくことで、地下水資源を涵養することもできる。これにより、短時間で効果的且つ迅速に地面の排水を達成するとともに地下水を涵養することができる、または、雨水を貯水構造30の中に保存して再利用することができる。

【0026】

天気が晴れの場合、前記光電子モジュール10に設けられたソーラーパネル12を利用して、太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換させて使用できると同時に、地面の温度が上がり非常に気温が高い場合、地下の水分含量は比較的高いため、水蒸気に変換して水蒸気を外部に放出することができる。光電モールド10は、ソーラーパネル12の温度を適度に下げることができ、ソーラーパネル12の耐用年数を伸ばすこともできると同時に、光電変換効率を高めることができ、環境全体における熱交換を実現できることで、ヒートアイランド現象の発生を防ぐ、またはヒートアイランド現象を緩和することができる。さらに、この太陽エネルギーによる発電方法は、燃料を一切使用する必要がないだけでなく、騒音や空気汚染も引き起こさないため、地球にやさしいきれいなエネルギーであるとともに、生成された電力は、近くで有効利用することができる。

【0027】

図10を参照する。本発明を実施する場合、前記貯水構造30には、内部まで穿設される取水管50が設けられて地面まで連通するとともに、前記取水管50の地上端の出口の部分は、エンドキャップ51により蓋をすることができる。取水管50内には、揚水設備52が設けられることで、地下に保存された雨水を抽出し、周辺住民の生活用水や環境灌漑として、または、光電パネルを自動で洗ったり光電パネルの温度を下げたりするのに使用できると同時に、貯水構造の水質浄化にも使用することができる。必要な場合には、前記光電子モジュール10により天然エネルギーを揚水設備に提供することで、貯水構造30の内部に貯水された水を汲み上げて使用して、道路脇の花や草木に水を撒いたりすることで、植樹やメンテナンス作業をより便利にできるとともに自動化することができる。同時に、涵養された地下水資源を利用し、汲み上げられた水で地上の光電パネルを自動で洗ったり光電パネルの温度を下げたりするのに使用することができる。

【0028】

図11を参照する。本発明のグラウチング作業の前の透水性ユニット20を組み立てる際に、異なる実施例において、各透水性パイプ21、透水性パイプ21aの間に鉄筋27または鉄筋網が設けられる。さらに、続いてセメントスラリーを注入することで、より強固なコンクリートブロック層とすることができ、舗装表面全体の耐圧強度を高めることができる。

【0029】

上述から分かる通り、本発明は、以下に挙げる実用的な長所を備える。

【0030】

1、再生可能且つ持続可能で、きれいなグリーンエネルギー発電によりエネルギー構造を改善し、温室効果ガスの排出を削減し、空気汚染を軽減するとともに環境の質を向上させることができる。

【0031】

2、地表流出を減らし、水害の発生率を下げると同時に、雨水を回収して地下水資源を涵養することで、基地の水を保全することができ、さらに、水蒸気を放出して地表温度と熱交換できることで、環境全体の温度及び湿度が調整され、ヒートアイランド現象を効果的に緩和できる、または、ヒートアイランド現象の発生を効果的に防ぐことができ、さらに、効果的にスポンジシティの生態環境を作り出すことができる。

【0032】

3、地下に大型の雨水貯水空間が設けられることで、十分な貯水、雨水の回収及び水資源の再利用の効果が達成されると同時に、水不足による干ばつが生じるのを防ぐことができる。

【0033】

4、積みブロック形式によって形成される貯水構造は、高い空隙率と高い支持性を備えるだけでなく、軽い素材であり、体積が小さく、再利用性が高いといった複数の特徴により、施工面でより便利であり、迅速に施工できるため、施工期間を短くでき、コストを低減できると同時に、環境保護の効果も備える。

【0034】

要約すると、本発明の光電子モジュールと、透水性ユニットを組み合わせてなる貯水構造の設計は、光電エネルギーと雨水再生可能エネルギーの長所を同時に兼ね備えた舗装を構築することができるため、産業上の利用価値があり、法にしたがって特許申請をする。上述の内容は、本発明の好ましい実施例にすぎず、これらにより本発明の実施の範囲が限定されることはない。したがって、本発明が申請する特許範囲及び明細書の内容に基づいて行われる簡単な変更及び修正は、いずれも本発明の特許範囲に含まれるものとする。

【符号の説明】

【0035】

10 光電子モジュール
11 台座
12 ソーラーパネル
13 連通管
14 エンドキャップ
15 枠カバー
20 透水性ユニット
21 透水性パイプ
22 格子状天板
23 連結リブ
24 凸ほぞ
25 嵌合溝
26 排水孔
27 鉄筋
30 貯水構造
31 積みブロック
32 側板
40 不織布
50 取水管
51 エンドキャップ
52 揚水設備
60 セメントスラリー
111 フレーム
112 固定部品
113 中空部
114 貫通孔
115 アンカー部
116 凸リブ
122 パッドブロック
311 貫通孔
312 板片
313 くぼみ部
314 カラム
315 凸リング
316 凹溝
317 凸ほぞ
318 ほぞ溝
319 掛け溝
321 貫通孔
322 フック
21a 透水性パイプ
30a ユニット体
A 土壌層
B 導水層
C 透水性舗装層

【図1】

【図2】

【図2A】

【図3】

【図4】

【図5】

【図5A】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【国際調査報告】