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特表2024-532549気候変動に対応する水資源調整システムの高強度道路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】気候変動に対応する水資源調整システムの高強度道路
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/10 20060101AFI20240829BHJP
   E03B 3/02 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
E03F5/10 Z
E03B3/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514598
(86)(22)【出願日】2022-05-09
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 CN2022091725
(87)【国際公開番号】W WO2023035644
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】202111058587.8
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511219386
【氏名又は名称】陳瑞文
【氏名又は名称原語表記】CHEN,JUI-WEN
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】陳瑞文
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063AA01
2D063AA17
(57)【要約】
【課題】本発明は、より大きな排水スペースシステムを提供し、排水溝を設置しないことで、道路がより広く安全に且つ見た目の良い都市再生を実現し、最適な水資源調整方法で、排水溝の蚊及び悪臭を防ぎ、道路建設による環境汚染や災害を改善できる気候変動に対応する水資源調整システムの高強度道路を提供する。
【解決手段】中空ユニット体構造システムテンプレートにセメントスラリーを注入し固めて結合させてなる地下構造スペースが設けられ、地下構造スペースの上方に道路または舗装が敷設される。中空ユニット体は、少なくとも1つの構造テンプレート及び複数の側板が結合されてなる。テンプレート上表面には板片が設けられ、板片には貫通穴と、少なくとも1つのパイプが設けられ、構造テンプレートと側板が結合され敷設されるとセメントスラリーが注入され固まると、支持強度の高い地下構造スペースが形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空ユニット体の構造テンプレートにセメントスラリーを注入し固めて結合させてなる構造からなり、前記構造は地下構造スペースを形成し、前記地下構造スペースの上方には舗装が敷設される、気候変動に対応する水資源調整システムの高強度道路であって、
前記中空ユニット体は、少なくとも、1つの構造テンプレートと、複数の側板が連結されてなり、前記構造テンプレートの表面には、板片が設けられ、前記板片には、貫通穴と、少なくとも1つのパイプが設けられ、前記構造テンプレートと前記側板が、結合され敷設されると、前記構造テンプレートの前記パイプにセメントスラリーが注入され、前記セメントスラリーが固まると支持強度の高い前記地下構造スペースが形成され、前記地下構造スペースには、貯水・排水システムを備える水資源調整道路が形成されることを特徴とする、気候変動に対応する水資源調整システムの高強度道路。
【請求項2】
前記中空ユニット体の前記構造テンプレートにおける前記板片の周囲には、相互に対応するほぞ及びほぞ溝が設けられることで、2つの隣り合う前記ユニット体の構造テンプレートは、相互にほぞ接ぎによりつなぎ合わせられ、前記側板には、貫通穴が設けられ、前記側板の側縁の位置には、締結構造が設けられることで、前記側板は迅速に構造テンプレートの外側に素早く締結されて組み立てられ、中空ユニット体となることを特徴とする、請求項1に記載の気候変動に対応する水資源調整システムの高強度道路。
【請求項3】
前記中空ユニット体は、2つの上部構造テンプレートと下部構造テンプレートと、4つの側板が連結されてなることを特徴とする、請求項1に記載の気候変動に対応する水資源調整システムの高強度道路。
【請求項4】
前記構造テンプレートの前記板片における前記パイプの周縁部には、中空柱が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の気候変動に対応する水資源調整システムの高強度道路。
【請求項5】
前記構造テンプレートの前記板片頂部の周囲には、固定溝が設けられるとともに、前記側板の側縁の位置に設けられる締結構造は、フックであることを特徴とする、請求項2に記載の気候変動に対応する水資源調整システムの高強度道路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気候変動に対応する水資源調整システムの高強度道路の技術分野に関し、特に、地下に高い強度の構造スペースが設けられるシステムを構築し、構造スペースの上方に、各種型態の道路舗装または透水性舗装を組み合わせて構築したり、透水性の材料をさらに設けることで、車両の重圧に耐えられる高強度・高荷重を実現することのできる気候変動に対応する水資源調整システムの高強度道路に関する。
【背景技術】
【0002】
都市部が進歩と拡大を続けることで、さまざまな施設が大量に建設されており、道路面積も増加し続けている。それにより、集水域が元々備える保水能力が徐々に失われることで、地表流出量が大幅に増加している。従来の道路は、不透水であるため大量に表面が流出してしまい、これは都市部で水害が発生する主な原因の1つでもある。さらに、地球温暖化による気候変動の影響で、各都市圏は、洪水を防ぐ面でより大きなプレッシャーに直面している。加えて、従来の治水は、スポット及びライン状の治水に重点を置いており、様々な規模のダム及び排水溝等の設備が建設されているが、異常気象により突然大雨が降ることがしばしば生じており、従来の道路及び排水溝では、豪雨によって引き起こされる都市部の水害に対応することができず、広範囲において排水不良により水がたまったり冠水したりすることが頻繁に生じている。従来の治水基準及び道路建設における基準や概念は、気候変動に対応することができていない。
【0003】
一般の従来道路では、地上と地下における水と空気の自然循環を妨げてしまうことで、道路周辺の地下に水と酸素が不足する「生態砂漠」が形成される。従来の道路は、大型車両の走行に対応するため、路盤を固めるとともに排水溝を設ける必要がある。よって、道路の路盤は、水を含まず、水をためることができないため、従来の道路は、一般道路、透水性舗装道路、または高荷重で交通量の多い高速道路のいずれであっても、路盤を固め、路床を封鎖して雨水が路床または路盤に侵入しないようにすることで、路盤が水に浸かって軟化し、路盤が崩壊陥没して、交通事故や人命被害につながるのを防ぐことができる。
【0004】
そのため、従来の透水性の舗装路面は、雨水が路床及び路盤に侵入するのを最大限防ぐ必要があり、雨水が路盤に浸透することはあってはならないことであるため、排水設備を設けて雨水が排水溝から排水されるようにする必要あるが、貴重な水資源を留めておくことができないのは残念である。従って、透水性を備え且つ地下に高強度の貯水スペースが構築された新しい形態の道路を設計することで、路面に保水機能を持たせることができる。
【0005】
従来道路は、透水機能及び地下貯水機能において、全面的に透水することができず、全面的に貯水することもできないため、大量の表面流出が生じ、都市水害を引き起こす主な原因ともなっている。
【0006】
地球温暖化に対抗し、環境負荷及びそれによって引き起こされる悪影響を軽減するため、環境負荷の少ない開発技術が20年以上にわたって推進されてきたが、一部の技術が未完成であると指摘されており、特に、洪水または干ばつ、及び高温といった地球温暖化による極端な気候の影響で、環境負荷はさらに深刻になっている。 推進されている環境負荷の少ない開発技術のメンテナンス費用は非常に高く、持続可能な開発であるとともに経済効果があり、メンテナンスが容易であるといった好条件及び誘因を提供する必要がある。スポンジシティの建設構想は、都市において洪水や冠水を防ぐとともに生態環境を保護する機能を併せ持つ新型都市の建設計画である。例えば、非透水性の舗装に代わって透水性の舗装を建設することで、雨が降った際に水を吸収し、水を溜め、水を浸透させることができる。さらに、公園や広場に地下貯水設備等を設置する。気候が乾燥して暑い時には、水蒸気を放出することでヒートアイランド現象を改善することができ、地球温暖化といった状況を防ぐことができる。透水性レンガの透水機能や水をいっぱいに溜める貯水機能といったスポンジシティの建設方法及び建設材料は、一般にいずれも重圧に耐えることができず、持続可能で安定しており且つ信頼して適用できる材料ではなく、例えば、地震の揺れまたは大型車両の重圧による地面の損傷に調整できないため、大型車両の重圧により道路が陥没して交通事故を引き起こすことがないように、大型車両が到達できない歩道、公園、広場にのみ使用することができる。道路の両側には、地面の雨水を排水するため、依然として排水溝を設置する必要があるため、都市部の排水溝は、環境汚染を容易に引き起こし、詰まりやすく、メンテナンスや清掃が容易ではない。排水溝の排水口は、ゴミが詰まると見た目にも悪い。
【0007】
このため、地面上の各種透水性舗装設備の構築と組み合わせて、地下に流入した雨水を効果的に貯水・再利用するため、地上と地下を直列連結させることで耐荷重性をより向上させ、数十トンまたは百トンの大型車両が繰り返し走行しても耐えられる耐荷重道路を設計し、地上と地下が共同で築く構造空間が貯水・排水システムを有するシステムテンプレートスペースを構築することが、本発明の主な目的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明には、中空ユニット体にセメントスラリーを注入し固めて結合させてなる地下構造スペースが設けられ、本発明は、前記スペースの上方に透水性舗装または一般のセメントまたはアスファルトが敷設されてなり、地下構造スペースは、地下に埋設して貯水・排水に使用することができ、川や排水溝の役割を兼ね備える人工道路路盤の地下ダムとすることができ、貯水後には、水資源を容易に抽出して効果的に再利用でき、地面を車両が走行することで生じ得る大きな圧力及び大雨による侵食に対応することで水害の発生を防ぐことができるとともに、高耐荷重、高強度の地下構造スペースには、主に、システムテンプレートを強化するためのコンクリート支柱が設けられることで、道路の高耐荷重及び圧力強度を高めることができ、大型車両が走行することで道路が損傷するのを防ぐことのできる気候変動に対応する水資源調整システムの高強度道路を提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、さらに、道路、空港、公園、広場、及び駐車場に応用することができ、耐荷重性を備え、数十トンまたは百トンの大型車両が繰り返し走行しても持ちこたえられる耐荷重道路であると同時に、地上と地下が共同で築く構造空間をもつシステムテンプレートスペース貯水排水システムでもある、気候変動に対応する水資源調整システムの高強度道路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するため、本発明が設計する気候変動に対応する水資源調整システムの高強度道路には、中空ユニット体構造テンプレートにセメントスラリーを注入し固めて結合させてなる地下構造スペースを有するとともに、本発明は、前記地下構造スペースの上方に舗装を敷設してなる。前記中空ユニット体には、少なくとも、1枚の構造テンプレートと複数の側板が連結して設けられる。前記構造テンプレートの上表面には、板片が設けられ、前記板片には、貫通穴と、少なくとも1つのパイプが設けられ、前記構造テンプレートと前記側板が、結合され敷設されると、前記構造テンプレートのパイプにセメントスラリーが注入され、固まると支持強度の高い前記地下構造スペースが形成され、貯水・排水システムを備える水資源調整道路が形成される。
【0011】
実施例では、前記中空ユニット体の構造テンプレートは、2つの上部構造テンプレートと下部構造テンプレート及び4つの側板が連結されてなり、前記上部構造テンプレートと下部構造テンプレートの上表面には、板片が設けられ、板片には、貫通穴と、少なくとも1つのパイプが設けられる。上部構造テンプレートと下部構造テンプレートの板片の周囲には、相互に対応するほぞ及びほぞ溝が設けられることで、2つの隣り合うユニット体である上部構造テンプレートと下部構造テンプレートをほぞ接ぎによりつなぎ合わせることができる。前記側板には、貫通穴が設けられ、側縁部分には、フック構造が設けられることで、側板は、上部構造テンプレートと下部構造テンプレートの外側に素早く締結されて組み立てられることで、中空体が設けられる。中空ユニット体の外部には、セメントスラリーが注入され、2つの上部構造テンプレートと下部構造テンプレートが対合すると、上側と下側のパイプが対合して中空テンプレートのグラウト配管となり、中空グラウト配管にセメントスラリーを注入することで、支持強度の高い地下構造スペースシステムが形成される。
【0012】
別の実施例では、前記中空ユニット体の外部が不織布で被覆されて埋め戻され、土またはセメントスラリーが注入される。
【発明の効果】
【0013】
路面に雨が大量に降り注いだ場合、各種透水性舗装または透水性パイプにより雨水が収集されて地下に導入され、さらに、地下に埋設された高強度の構造テンプレートの構造スペースに貯蔵されることで、水害を引き起こす状況を効果的に防ぐことができるとともに、地下水資源を涵養し、雨水を貯蔵して回收することで雨水を容易に再利用することができる。
【0014】
本発明におけるその他の特徴及び具体的な実施例については、より理解しやすいよう以下に図を組み合わせて詳細を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の高強度道路の断面図である。
図2】本発明の部分構造拡大図である。
図3】本発明における中空ユニット体の構造分解図である。
図4】本発明の図3を組み合わせた斜視外観図である。
図4a】本発明における図4の部分構造拡大図である。
図5】本発明における構造テンプレートを相互に重ね継ぎ延在した状態を示した図である。
図5a】本発明における図5の部分構造拡大図である。
図6】本発明のパイプへのグラウト作業前に不織布を上方に敷設する状態を示した図である。
図7】本発明の構造テンプレートにおけるパイプ横に設けられる中空柱を示した図である。
図8】本発明における透水性アスファルト道路面の結合状態を示した図である。
図9】本発明のパイプにセメントスラリーを注入し高強度道路を完成させる構造を示した図である。
図10】本発明の地下スペースにおける排水を示した図である。
図11】本発明における中空ユニット体を上下に重ねる方法でパイプを直列に連結してセメントスラリーの注入作業に備えた状態を示した図である。
図12】本発明の上層における中空ユニット体の構造分解図である。
図13】本発明における中空ユニット体の構造テンプレートの下に側板を設けた状態示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1図2を参照する。本発明には、中空ユニット体30aにセメントスラリーを注入し固めて結合させてなる地下構造スペース30が設けられ、本発明は、構造スペースの上方に透水性舗装10が敷設されてなる。前記透水性舗装10のうちの1つは、本発明者が初期に設計した透水性パイプ10aまたは掘削孔を備え透水孔を形成する透水性舗装構造であり、透水性舗装構造により雨水を迅速に地面に導入して、本発明の支持強度の高い地下構造スペースにおける貯水・排水システムの中に雨水を貯蔵することができる。
【0017】
前記透水性舗装10の下方には、碎石粒度分布20が敷設されることで、路面の透水性舗装10から浸透した雨水を迅速に受容し、雨水が地下スペース30のシステム設備に進入して水害が生じるのを防ぐことができる。
【0018】
図3図4図4aを参照する。本発明の中空ユニット体30aは、1つの構造テンプレート31と、複数の側板32が連結されてなる。構造テンプレート31の表面には、板片312が設けられ、板片312には、貫通穴311と、少なくとも1つのパイプ33が設けられ、板片312には、陥没部313が設けられ、構造テンプレート31と側板32が連結されて中空ユニット体が形成される。中空ユニット体が路盤に敷設されると、パイプ33の中にセメントスラリーが注入され、固まると支持強度の高い地下構造スペースシステムが形成される。
【0019】
図5図5a図6を参照する。構造テンプレート31における板片312の周囲には、さらに、互いに対応する複数のほぞ317及びほぞ溝318が設けられることで、2つの隣り合う中空ユニット体における構造テンプレート31は、相互にほぞ接ぎによりつなぎ合わせることができる。
【0020】
図3を参照する。前記側板32には、貫通穴321が設けられることで、中空ユニット体30aの側面から水が進入すると同時に、構造テンプレート31における前記固定溝319が設けられる側縁の位置に対応して、締結構造が設けられる。本発明の図において、締結構造は、フック322として設計され、側板32は、各中空ユニット体30aの構造テンプレート31の外側に迅速に締結されて組み立てられることで、中空体構造をなす。
【0021】
図7を参照する。構造テンプレート31の構造は、中央にパイプ33が設けられるとともに、パイプ33の周縁に4つの中空柱314が設けられる。前記パイプ33または中空柱314は、テーパー状の内壁に設計されることが好ましい。同時に、構造テンプレート31における各中空柱314の端部には、側板32が設けられることで、平らでない底面または軟化してくぼみができやすい底面の場合に、当て物を敷く必要があり、図13に示す通り、相互に連結して嵌合固定した後、側辺に側板32をさらに重ね継ぎ係合する。
【0022】
図6図8図9を参照する。本発明を組み合わせて中空ユニット体30aとする場合、構造テンプレート31には、パイプ33が設けられ、中空テンプレートグラウト配管となる。パイプ33または中空柱314の下方には、状況により選択的に砂の層21が敷設されるとともに、砂の層21の下には、必要に応じて選択的にコンクリート層22が基礎として設けられ、前記中空グラウト配管のパイプ33には、必要に応じて選択的に鉄筋34を設けることができる。図8に示す通り、複数の中空ユニット体30aを組み合わせた構造体全体に前記パイプ33によりセメントスラリーを注入する際、外部を覆う不織布30bが一体化されると、貫通穴301からセメントスラリー302を注入する。よって、コンクリートが固まると、前記中空グラウト配管内で固まったコンクリートがコンクリート支柱となり、固まることで、住宅構造における柱体の構造のような高強度の建物となる。地下ダムのような強固な建築設備の形状に形成され、構造は地下に埋設されることで、地震の揺れや衝撃及び大型重車による強い圧力により路面が窪んだり損傷したりしにくく、路面を平坦に維持しやすい。
【0023】
なお、前記中空貯水ユニット体30aの内部には、配管35があらかじめ穿設されることで、給水、排水、電線、電話線、ケーブルテレビ用光ファイバーケーブル等の配管及び配線を容易に設置することができる。
【0024】
図9を参照する。本発明には、中空ユニット体30aにセメントスラリーを注入し固めて結合させてなる地下スペース30が設けられ、本発明は、さらに、貯水スペースの上方に、透水性舗装10または一般のセメントまたはアスファルトが敷設されてなる。そのうち、図1に示す通り舗装10には、透水性のアスファルトを採用し敷設されることで透水性舗装路面となり、雨水は、透水性舗装により浸透し蓄積された水を排水することに加えて、収集された雨水をポンプ設備37を利用して抽出し再利用することができる。
【0025】
図10を参照する。本発明の路面の下の構造スペースにおける前記排水機能は、排水のニーズに応じて計画されるまたは河川に近いいずれかの側にオーバーフロー孔36を設置して、本発明の地下スペース30と河川の間が連通するようにする。路面から浸透した雨水がオーバーフロー孔36の高さに達すると、雨水が直接排出されることで、路面の下で排水溝のような機能を果たす。
【0026】
図11図12を参照する。本発明の別の実施例では、路面の下に貯水・排水のための高強度の構造スペースを増設する必要がある場合、本発明の中空ユニット体の構造テンプレートを上下に積み重ねて、中空ユニット体30aの構造テンプレート31内のパイプ33を直列に連結してセメントスラリーを注入するテンプレート通路を形成し、セメントスラリーが注入されコンクリートが固まると、コンクリート支柱となる。外側面は、コンクリート支柱を水の侵食から保護し、コンクリートを酸化や老朽化からも守るシステムテンプレートを備えることで、より深くより大きな道路下方スペースにおける高強度の地下水資源調整構造スペースとなる。
【0027】
図1図2に示す通り、本発明の異なる実施例において、前記中空ユニット体30aは、2つの構造テンプレートからなり、上構造テンプレート31a及び下構造テンプレート31bと、4つの側板32が連結されてなる。連結される際、同じ構造である2つの前記上構造テンプレート31a及び下構造テンプレート31bは、上下に互いに対称且つ対合して積み重ねられ、4つの側板32は、上構造テンプレート31aと下構造テンプレート31bの周囲の縁に係合されることで、スペースを備える中空体が形成される。
【0028】
本発明が設計する路面では、高耐荷重、高強度の耐圧スペースを備えると同時に、貯水・排水システムを備え、さらに、比較的短時間で広い範囲において貯水と排水の機能を果たすことができることで、地域における洪水や干ばつの発生を防ぐと同時に、雨水をゆっくりと地底の土壌層に染み込ませて地下の水資源を涵養することで、地面では短時間で効果的且つ迅速に排水できるとともに、雨水を回収し地下水を補充する機能を果たすことができる。
【0029】
上述から分かる通り、本発明は、以下に挙げる実用的な長所を備える。
【0030】
1、 本発明が提供する道路は、中空且つ高耐荷重であり、高強度の構造を備え
る地下スペースであり、貯水・排水の防災システムとなる。人工地下ダム、水道設備のように河川の増水期に雨水を自動で簡単に蓄水して災害を防ぎ、簡易なポンプ設備によって地面上の雨水を繰り返し再利用できることで、循環を繰り返し環境が保護され、それにより、十分な貯水、雨水の回収及び水資源の再利用の効果が達成される。
【0031】
2、構造テンプレートが組み合わされてなる地下構造スペースは、高い空隙率と高い支持性を備えるだけでなく、軽い素材であり、体積が小さく、再利用性が高いといった複数の特徴により、施工面でより便利であり、迅速に施工できるため、施工期間を短くでき、コストを低減できると同時に、環境保護の効果も備える。
【0032】
3、従来の道路と水利施設における不調和及び防災と水資源調整を改善し、水害と干ばつの発生原因を解決し、従来の道路における崩壊しやすく交通事故を引き起こしやすいという問題を解決することができる。
【0033】
4、地表流出を改善し、水害及び干ばつの発生率を下げると同時に、地下水資源を涵養することで、基地の水を保全することができ、さらに、確実に効果的なスポンジシティの生態環境を作り出すことができる。
【0034】
5、路盤を固めて水の侵入を防がなければならず、地上と地下において水と空気が自然に循環できない従来の道路の欠点を改善し、防災と環境生態に重きを置いた設備を提供することができる。
【0035】
6、従来の水資源の利用及び治水における、地点面の(例えばダム)給水及びメンテナンスが困難である、コストが高い等の欠点と、ライン面の(例えば排水溝)頻繁に清掃及びメンテナンスをする必要があり、悪臭、蚊やゴキブリ、ネズミ等による環境汚染といった欠点を改善できる。
【0036】
要約すると、本発明の気候変動に対応する水資源調整システムの高強度道路は、地下スペースと支持強度の高い水資源調整機能を同時に兼ね備えることのできる地下の貯水・排水構造スペースを構築することができるため、産業上の利用価値があり、法にしたがって特許申請をする。上述の内容は、本発明の好ましい実施例にすぎず、これらにより本発明の実施の範囲が限定されることはない。したがって、本発明が申請する特許範囲及び明細書の内容に基づいて行われる簡単な変更及び修正は、いずれも本発明の特許範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0037】
10 透水性舗装
20 碎石粒度分布
21 砂の層
22 コンクリート層
30 地下スペース
31 地下スペース
32 側板
33 パイプ
34 鉄筋
35 配管
36 オーバーフロー孔
37 ポンプ設備
301 貫通穴
302 セメントスラリー
311 セメントスラリー
312 板片
313 陥没部
314 中空柱
317 ほぞ
318 ほぞ溝
319 固定溝
321 貫通穴
322 フック
10a 透水性パイプ
30a 中空ユニット体
30b 不織布 不織布
31a 上結構模板 上部構造テンプレート
31b 下結構模板 下部構造テンプレート
図1
図2
図3
図4
図4a
図5
図5a
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
図12示す通り、本発明の異なる実施例において、前記中空ユニット体30aは、2つの構造テンプレートからなり、上構造テンプレート31a及び下構造テンプレート31bと、4つの側板32が連結されてなる。連結される際、同じ構造である2つの前記上構造テンプレート31a及び下構造テンプレート31bは、上下に互いに対称且つ対合して積み重ねられ、4つの側板32は、上構造テンプレート31aと下構造テンプレート31bの周囲の縁に係合されることで、スペースを備える中空体が形成される。


【国際調査報告】